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--- title: 平成19年_第2回定例会(第11号) 本文 # 午後一時一分開議 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)これより本日の会議を開きます。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)まず、議事部長をして諸般の報告をいたさせます。 # 議事部長(大村雅一君) 議事部長(大村雅一君)知事より、東京都が出資または債務保証等をしている法人の経営状況について、財団法人東京都人権啓発センター外二法人の説明書類の提出がありました。また、都有地の信託に係る事務の処理状況について、新宿副都心三号地の二土地信託外四件の説明書類の提出がありました。次に、平成十八年第四回定例会において採択された請願陳情の処理経過及び結果について報告がありました。(別冊参照) # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)次に、日程の追加について申し上げます。議員より、議員提出議案第十六号、東京都議会情報公開条例の一部を改正する条例外条例一件、意見書二件、知事より、東京都副知事の選任の同意について、委員会より、六町神社の早期移転計画撤回と六町エコプチテラス事業の継続に関する請願外請願五件、陳情七件の委員会審査報告書がそれぞれ提出されました。これらを本日の日程に追加いたします。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)次に、文書質問について申し上げます。お手元配布の文書質問事項表のとおり、質問の通告がありました。本件は、直ちに執行機関に送付いたしておきました。なお、本件答弁書は、速やかに提出されるよう希望いたしておきます。文書質問事項表┌┬┐│氏名│件名│├┼┤│後藤雄一君│教育庁・学校経営支援セン│││ターの入札についてほか│├┼┤│そなえ邦彦君│都の観光産業振興について│├┼┤│斉藤あつし君│改正後の介護保険制度等の課│││題について│├┼┤│大西由紀子君│多摩広域基幹病院新築計画に│││ついて│├┼┤│石毛しげる君│島しょ振興の取組について│├┼┤│清水ひで子君│新銀行東京について│├┼┤│古館和憲君│バードアイランド三宅島の復│││興を│├┼┤│吉田信夫君│ワンダーサイト事業の抜本的│││見直しについて│└┴┘ # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)これより日程に入ります。日程第一、第百五十二号議案の撤回を議題といたします。〔大村議事部長朗読〕一九財主議第一五〇号平成十九年六月二十一日東京都知事石原慎太郎東京都議会議長川島忠一殿議案の撤回について平成十九年第二回東京都議会定例会に提出した左記議案を撤回いたしますので、よろしくお取り計らい願います。記第百五十二号議案中央環状品川線シールドトンネル工事請負契約(理由)仮契約を締結した大成・東急・大豊・錢高・みらい建設共同企業体に、東京都競争入札参加有資格者指名停止等取扱要綱別表に該当する事実があったので、仮契約の協議書に基づき、仮契約の解除をしたため # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)お諮りいたします。本件は、知事の申し出のとおり、撤回を承認することにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)ご異議なしと認めます。よって、本件は、知事の申し出のとおり、撤回を承認することに決定いたしました。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)日程第二から第二十七まで、第百五十三号議案、平成十九年度若洲橋鋼けた製作・架設工事請負契約外議案二十三件、諮問一件、専決一件を一括議題といたします。本案に関する委員会審査報告書は、お手元に配布いたしてあります。朗読は省略いたします。財政委員会議案審査報告書第百三十七号議案東京都都税条例の一部を改正する条例第百五十三号議案平成十九年度若洲橋鋼けた製作・架設工事請負契約本委員会は、六月二十日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。平成十九年六月二十五日財政委員長山田忠昭東京都議会議長川島忠一殿総務委員会議案審査報告書第百三十三号議案住民サービスの向上と行政事務の効率化を図るために住民基本台帳ネットワークシステムの本人確認情報を利用する事務等を定める条例第百三十六号議案職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例本委員会は、六月二十日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。平成十九年六月二十五日総務委員長大津浩子東京都議会議長川島忠一殿文教委員会議案審査報告書第百四十一号議案東京都学校経営支援センター設置条例の一部を改正する条例本委員会は、六月二十日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。平成十九年六月二十二日文教委員長たぞえ民夫東京都議会議長川島忠一殿厚生委員会議案審査報告書第百四十六号議案東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例本委員会は、六月二十日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。平成十九年六月二十五日厚生委員長長橋桂一東京都議会議長川島忠一殿環境・建設委員会議案審査報告書第百四十八号議案東京都自然公園条例の一部を改正する条例本委員会は、六月二十日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。平成十九年六月二十二日環境・建設委員長小磯善彦東京都議会議長川島忠一殿都市整備委員会議案審査報告書第百四十二号議案東京都営住宅条例等の一部を改正する条例第百四十三号議案東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例第百四十四号議案東京都日影による中高層建築物の高さの制限に関する条例の一部を改正する条例第百四十五号議案多摩都市計画多摩土地区画整理事業施行規程等の一部を改正する条例本委員会は、六月二十日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。平成十九年六月二十二日都市整備委員長秋田一郎東京都議会議長川島忠一殿公営企業委員会議案審査報告書第百四十九号議案東京都日暮里・舎人ライナー条例本委員会は、六月二十日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。平成十九年六月二十二日公営企業委員長花輪ともふみ東京都議会議長川島忠一殿総務委員会議案審査報告書第百三十一号議案政治倫理の確立のための東京都知事の資産等の公開に関する条例の一部を改正する条例第百三十二号議案市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例第百三十四号議案東京都恩給条例の一部を改正する条例第百三十五号議案雇傭員の退職年金及び退職一時金等に関する条例の一部を改正する条例本委員会は、六月二十日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。平成十九年六月二十五日総務委員長大津浩子東京都議会議長川島忠一殿財政委員会議案審査報告書第百三十八号議案東京都納税貯蓄組合補助金交付条例の一部を改正する条例本委員会は、六月二十日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。平成十九年六月二十五日財政委員長山田忠昭東京都議会議長川島忠一殿文教委員会議案審査報告書第百三十九号議案東京都情報公開条例の一部を改正する条例第百四十号議案東京都個人情報の保護に関する条例の一部を改正する条例本委員会は、六月二十日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。平成十九年六月二十二日文教委員長たぞえ民夫東京都議会議長川島忠一殿厚生委員会議案審査報告書第百四十七号議案東京都女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例本委員会は、六月二十日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。平成十九年六月二十五日厚生委員長長橋桂一東京都議会議長川島忠一殿環境・建設委員会議案審査報告書第百五十五号議案都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例本委員会は、六月二十日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。平成十九年六月二十二日環境・建設委員長小磯善彦東京都議会議長川島忠一殿警察・消防委員会議案審査報告書第百五十号議案警視庁の設置に関する条例の一部を改正する条例第百五十一号議案特別区の消防団員等の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例第百五十四号議案ヘリコプターの買入れについて本委員会は、六月二十日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。平成十九年六月二十一日警察・消防委員長矢島千秋東京都議会議長川島忠一殿公営企業委員会諮問審査報告書諮問第二号地方自治法第二百三十一条の三の規定に基づく審査請求に関する諮問について本委員会は、六月二十日付託された右諮問を審査の結果、左記のとおり答申すべきものと決定したので報告します。平成十九年六月二十二日公営企業委員長花輪ともふみ東京都議会議長川島忠一殿記一本件は、これを棄却すべきである。財政委員会専決処分審査報告書地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京都都税条例の一部を改正する条例の報告及び承認について本委員会は、六月二十日付託された右専決処分を審査の結果、承認すべきものと決定したので報告します。平成十九年六月二十五日財政委員長山田忠昭東京都議会議長川島忠一殿 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)これより討論に入ります。討論の通告がありますので、順次発言を許します。五十八番植木こうじ君。〔五十八番植木こうじ君登壇〕 # 五十八番(植木こうじ君) 五十八番(植木こうじ君)日本共産党を代表して、第百三十七号議案、東京都都税条例の一部を改正する条例外六議案に反対する立場から討論を行います。今、国政では、自公政権による庶民大増税と社会保障の負担増、雇用破壊など、社会的に弱い立場にある国民を行政が切り捨てる棄民政治と、消えた年金問題に対して、国民の怒りが広がり、安倍内閣の支持率は、政権発足後最低を記録する事態となっています。中でも国民が怒りをあらわにしているのが、消えた年金問題に加え、この六月から住民税増税です。政府・与党は、地方への税源移譲に伴うもので、所得税と差し引きで増税ではないなどと宣伝していますが、とんでもありません。事実は、定率減税が廃止され、住民税が軒並み大幅増税となっており、この二十五日に給与を受け取ったサラリーマンは、住民税が二倍となっていることに驚愕しているのであります。こうした事態を踏まえ、我が党が、都民の生活の実態を示して、国に住民税増税の中止を求めるようただしたのに対し、知事は、導入当時と比べて景気回復が見られるなどと、定率減税廃止を当然とし、国に要求することを拒みました。しかし、景気の恩恵を受けているのはほんの一握りの大企業や大金持ちであり、多数の都民は、景気回復どころか、貧困と格差の拡大に苦しみ、厳しい生活を強いられているのが実態です。石原知事は、都知事選挙に当たって、住民税減税などの幾つかの施策を打ち出しましたが、基本的姿勢は都民の暮らしを守る立場に立っていないといわざるを得ません。提案されている都税条例の一部改正案は、株の取引や配当などに対する減税措置を延長するもので、金持ち減税そのものです。これによってわずか千人程度の高額所得者が百五十億円もの減税の恩恵を受けることになります。庶民増税を容認する一方、金持ち減税を進めることは、住民の福祉の増進を使命とする自治体の長として認められるものではありません。我が党は、この間、自治体が行うべきは庶民の負担の軽減であり、高齢者や子どもの医療費の無料化を初めとする所得再分配機能の強化であることを繰り返し提案してきました。これを受けて、石原知事が都知事選挙を前にして、個人都民税の軽減や中学生までの医療費無料化を公約したことは重要であり、今定例会において、改めてその具体化と早期の実施を求めました。これに対して、都は、個人都民税について、制度について検討していることを明らかにしました。早期に対象六十万人、五十億円の減税措置を実施すべきこと、加えて、緊急生活応援手当などの低所得者への支援を行うことを重ねて求めておくものであります。中学生までの医療費無料化についても、今後実現に向けて準備を進めていくと答えたことも重要です。来年度実施すること、そして、すべての都民が利用できるよう、とりわけ財政の厳しい多摩市町村を考慮して、都の責任での財政負担を行うことを強く求めておきます。暴力団を都営住宅から排除する条例は、町田市の都営住宅での暴力団員の立てこもり発砲事件で見られたように、都営住宅と周辺の住民を暴力団の危険から守るためのものです。同時に、条例は基本的人権や個人情報保護にかかわる問題を含んでおり、条例がどのように実施されるのか具体的に審議することが求められているものです。しかるに条例案にはその規定が明文化されておらず、当局は警視庁に判断してもらうというだけで、五十五万人を超える現入居者や新入居予定者などの個人情報をどう扱うかの基準やルールは最後まで明らかにしようとしませんでした。このため、我が党は、拙速な決定をするのではなくて継続審議とし、規則や内規などを定めた上で審議、決定するよう指摘したものです。この立場から、条例の実施に当たっては、個人情報の保護に十分な配慮を行うこと、適正な運用のための第三者機関の設置とルールの明確化を行うことを強く求めておくものです。さきの知事選挙で争点となった知事の都政私物化とトップダウン事業が都政にゆがみをもたらすとともに、軒並み破綻に直面していることが質疑を通じて明らかとなりました。まず、最大のむだ遣いとなっている新銀行東京は、二年目で早くも一千億円の出資の大半となる八百四十九億円が累積欠損となり失われようとしていることなど破綻を見せており、トップダウンで開設を決め、側近との密室協議で計画を進めてきた知事の責任こそ厳しく問われています。二年後の単年度黒字を掲げた新中期計画もマスコミや専門家から疑問視されており、日経新聞は早期撤退を社説で掲げるに至っています。直ちに金融庁の検査と指導を受け、撤退に踏み出すことを求めるものであります。八兆五千億円もの投資となるオリンピック招致についても、メーンスタジアムを都立で建設することやアクセスのための交通など、当初計画にない支出が次々と浮上しています。また、インフラの目玉である外環道について、都の負担が一兆円規模となることも我が党の調査で明確となりました。加えて、メーンスタジアムを国立競技場として建設することができず霞ヶ丘の国立競技場をサッカー専用にすると都が一方的に発表したことについても、日本陸連が反対の意思を表明していることは、オリンピック構想の行き詰まりと破綻を示すものにほかなりません。新銀行東京やオリンピック招致など、莫大な税金の浪費となるトップダウン事業に賛同し、その旗振り役を果たしてきた各党の責任も重大といわなければなりません。築地市場移転問題は、移転予定地の豊洲が深刻な土壌汚染に侵されていることが食の安全の問題として都民的問題となっています。しかるに、知事は設置者としての責任を認めようとしないばかりか、再調査について専門家会議にゆだねることに終始しました。我が党の質問に対して、豊洲のオープンがいつの時点になるかわかりませんと答弁したことも事態の深刻さを示すものです。三宅島のバイクレースは、危険な公道レースは断念したものの、公道を使ったレースまがいのイベントに固執していることに批判の声が上げられています。島民も歓迎していないバイクイベントを直ちに中止し、三宅空港の再開など現実的な復興を進めることを強く求めておくものです。最後に、議員提出議案、東京都政務調査費の交付に関する条例の一部を改正する条例案を継続審議とすることについてです。この間、全国で政務調査費の使途について問題が噴出し、領収書添付が大きな流れとなりました。都内でも、既に政務調査費が支出されている区市町村議会のすべてにおいて公開されています。全国最高の議員一人当たり月額六十万円、全体で年九億円もの政務調査費が交付されている都議会がその使途の公開をいつまでも先送りすることは断じて許されません。継続を主張する会派は、使途基準の見直しなどの協議を理由に挙げていますが、使途基準の見直しと、現に支出されている政務調査費の使途を公開することとは別問題です。現に支出されている税金の使途についての領収書添付を先送りすることは都民の納得を得られるものではありません。本定例会で採決し、成立されることを求め、討論を終わります。(拍手) # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)四十番石森たかゆき君。〔四十番石森たかゆき君登壇〕 # 四十番(石森たかゆき君) 四十番(石森たかゆき君)私は、東京都議会自由民主党を代表して、今定例会に付託された知事提出のすべての議案に賛成する立場から討論を行います。知事は、今定例会での所信表明で、東京が転べば日本が倒れるという強い危機意識と使命感を持って新しい首都東京の創造を進めていく姿勢を打ち出すなど、三期目の都政運営に挑む決意を示されました。我が党は、これからも都民、国民のため、知事の積極果敢な政策遂行を強く支持するものであります。まず、「十年後の東京」の実現に向けた取り組みについて申し上げます。知事は、我が党の代表質問に対して、「十年後の東京」の実現に向けた政策を確実かつ迅速に実行していくことが私の最大の仕事と答弁され、実行プログラムの策定を明らかにされました。実行プログラムを示すことで、東京のすばらしい近未来図に向けた具体的な道筋が明らかとなり、都民、企業を含め、東京全体で広くムーブメントをつくり出し、夢の実現に一歩も二歩も近づくものと考えます。「十年後の東京」が実現できないようでは、東京が熾烈なオリンピック招致競争に勝ち抜けるわけがないということをあえて申し上げておきたいと思います。策定に当たっては、知事本局の総合調整能力を駆使して、知事部局のみならず、公営企業などを含め、都庁の総合力を発揮されること、そして、いうまでもありませんが、議会との連携をしっかりととっていただくこと、この二点を特に要望しておきます。次に、東京大気汚染訴訟などの環境問題について申し上げます。我が党は、知事とともに、ディーゼル車規制の推進など、都民、国民の生命を脅かす大気汚染問題の解決に向けた政策を推進してきました。今回、こうした取り組みが功を奏し、長年頑として動かなかった国を動かし、安倍首相の英断を引き出しました。まさしく歴史に名を残す政策であると考えます。去る二十二日に、東京高裁から和解案が示されました。関係者が応分の負担を行い、一刻も早く和解を成立させ、患者救済を実現することを強く要望しておきます。二十一世紀は環境の世紀であります。我々の子孫にすばらしい環境を残していくため、東京が先陣を切って、温暖化対策などのより困難な問題にさらに積極的に取り組んでいくことを望みます。温暖化対策の実施に当たっては、中小企業が取り組む省エネ対策への支援を特に要望しておきます。次に、税財源の問題について申し上げます。都財政は、石原知事の強い指導力のもと、長期にわたる財政再建の道のりを乗り越え、ようやく健全性を回復いたしました。しかし、国においては、都民に還元すべき成果を奪おうとする動きが見られます。具体的には、地域格差是正の名のもと、東京など都市部の財源を吸い上げて地方に回すという全く道理のない財源調整が真剣に検討され、推し進められようとしています。国は、みずからの責任をあいまいにしたまま、都市対地方という対立の構図を意図的につくり上げ、負担をすべて地方に押しつけようとしているのであり、断じて看過することはできません。このような小手先のやり方が真の地方分権社会の実現を希求する地方の総意と相反するものであることは明白であります。大都市の税財源をねらう不当な動きに対して、神奈川、愛知、大阪などでも活発な反論活動が展開されておりますことを大変心強く感じております。都議会においても、圧倒的な賛成をもって、東京の税財源を不合理に奪う動きに反対する意見書を採択したところではありますが、今後とも、我が会派は、都議会の先頭に立ってこうした不合理な財源調整に対し断固反対の構えで臨んでまいります。次に、医療制度改革について申し上げます。現在、国が進めているこの改革の基本的な方向性については十分に理解するものですが、患者の受け皿整備や介護サービスのあり方について具体例を示さないまま療養病床の再編整備を進めようとするなど、改革の前途には不安が残ることも否めません。こうした中、都は国に対し、改革を進めていく上での諸課題について大都市東京の立場から緊急提案を行ったことは、まことに時宜を得たものであります。今後とも、患者中心の視点に立って、都民が安心できる医療の実現に取り組むことを望みます。次に、介護保険事業者の不正行為について申し上げます。今般の株式会社コムスンの不正行為問題は、介護サービス利用者を初め都民に大きな不安を与えております。今後、事業者への指導監査をより一層厳正に行うなど、都民が安心して介護サービスが受けられるよう取り組みの強化を望みます。この問題に関して、日本共産党は、介護福祉分野への営利企業の参入が誤りだったと批判しておりますが、これは介護福祉という誇りある事業に真摯に取り組んでいる他の事業者を愚弄するものであり、短絡的で思慮に欠けた批判といわざるを得ません。次に、子どもの医療費助成について申し上げます。我が党は、国の宝であり財産である子どもたちの成長をより確かなものとするために、昨年六月に、医療費助成制度拡大の申し入れを行い、これを受け、都は本年十月から、小中学生の医療費自己負担額の一部を助成することとしました。人間形成の核となる重要な時期に当たる義務教育終了までの子どもの育成については社会が責任を持つべきであり、知事も公約に掲げております。小中学生の医療費負担ゼロに向け、制度拡大の早期実現を期待いたします。最後に、我が党の三期目の基本姿勢を問う代表質問に対して、知事からは、都民、国民のために必要なことを果断に実行し、首都東京からこの国に本物の政を取り戻していくという力強い答弁がありました。東京都議会自由民主党は責任政党として、知事と議会という二元代表制のもと、石原知事と手を携えて本物の政を取り戻していく決意であることを申し上げ、討論を終わります。(拍手) # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)七十四番いのつめまさみさん。〔七十四番いのつめまさみ君登壇〕 # 七十四番(いのつめまさみ君) 七十四番(いのつめまさみ君)私は、都議会民主党を代表して、第百三十一号議案、政治倫理の確立のための東京都知事の資産等の公開に関する条例の一部を改正する条例以下知事提出議案に賛成の立場から討論を行います。まず、第百三十一号議案について述べます。本議案は、法令等の改正に伴い規定を整備するものですが、私たちはこうした規定整備にとどまるのではなく、もう一歩踏み込んだ改正が必要なのではないかと考えます。すなわち、石原都政における政治任用の拡大に伴う執行体制の庁内外の信頼性を確保するために、安定性、透明性並びにリスク回避という観点から、条例の対象に副知事等を加えるなど、政治倫理確立のための新たな制度設計を考える必要も出てきているのではないかということです。東京都は、殊さらに法律の根拠を重視していますが、自治体の立法権を踏まえ、条例による資産の公開という個人のプライバシーと、副知事等の権限、裁量権が自治体に及ぼす影響とを比較考量するならば、資産の公開が明らかに優先されるのではないでしょうか。目的、制定の経緯等が全く異なる地方自治法にあっても、公正な行政運営の確保のために請負行為の禁止を定めており、また、同法に定められている解職請求という直接請求権を行使するためには、解職請求対象者に関する必要な情報が公開されていなければなりません。川崎市や仙台市の条例の制定は、いずれも汚職事件を契機とするものですが、汚職事件が起きてから考えるのではなく、起きることのないように措置し、その姿勢を都民に示すことで都政に対する信頼も高まると考えるべきです。引き続き検討されるよう求めるものです。次に、第百三十三号議案、住民サービスの向上と行政事務の効率化を図るために住民基本台帳ネットワークシステムの本人確認情報を利用する事務等を定める条例について述べます。本議案は、住基法に規定する事務に加え、都が新たに住基ネットの本人確認情報を利用する事務などを定めたものですが、住民基本台帳の情報が外部に流出する事件もあり、さらなる安全対策の徹底が求められています。都がシステムを運用するに当たっては、外部からの不正アクセス防止策を強化するとともに、都内部の不正利用を防止するための安全確保対策を徹底していくべきです。また、住基カードの不正取得が後を絶たない現状があるため、都は区市町村に対し、不正取得の防止に向けた本人確認の厳格化を改めて周知することを求めるものです。次に、第百四十二号議案、東京都営住宅条例等の一部を改正する条例について述べます。本条例案は、四月に町田市で発生した都営住宅での暴力団員立てこもり発砲事件を受け、都営住宅の入居資格要件に暴力団員でないことを追加するとともに、入居者が暴力団員であることが明らかになった場合には明け渡し請求を行うことができる旨の規定を整備するものです。本条例改正によって、都営住宅から暴力団員を排除するための最大のポイントは、入居資格審査時における暴力団員の特定にあります。暴力団員を特定するためには、入居申込書に記載された情報をもとに警視庁に対して照会する手続が行われることになりますが、その際には、暴力団とは無関係な入居希望者の情報も取り扱われることになります。このような照会であることを踏まえ、個人情報保護の観点から慎重に取り扱うよう強く求めておきます。また、本会議の代表質問や都市整備委員会での質問においても指摘したように、都営住宅からだけ暴力団員を排除すればそれでよいということにはなりません。暴力団員を都営住宅から締め出すことによって、暴力団員が民間の賃貸住宅に流れていく可能性も高まります。都が都民の税負担により低廉な家賃の住宅を供給する立場で都営住宅から暴力団員を排除することは理解しますが、本条例改正とあわせて、警視庁との連携を強化し、民間賃貸住宅での暴力団員対策を講じていくことが必要と考えます。最後に、猪瀬直樹氏の副知事登用について述べます。私たち都議会民主党は、副知事の人事について、外部民間人を登用することについては前向きにとらえています。しかし、濱渦元副知事の更迭やこの間のトーキョーワンダーサイトを初めとした一連の事態を経験している石原都政においては、新たな民間副知事の登用には慎重に対応せざるを得ないというのが偽らざる思いです。そして、今回提案されている猪瀬直樹氏についても、東京DC特区構想を初めとした各種の言動から、東京都の副知事としての適性については首をかしげざるを得ない部分があるのも事実です。しかしながら、東京都知事選挙において、石原知事に対して都民の厳粛な審判が下されていること、人事は知事の専管事項であって、過去においても一部の例外を除いて尊重してきたこと、猪瀬直樹氏に対する懸念については、石原知事本人から我が会派の総会においてるる説明があったこと、私たちはこれらを重く受けとめ、提案に同意することといたしました。また、石原知事からは、私たちの代表質問に対して、これから先の建設的な真摯な議論を行っていきたいとの答弁がありました。私たちも、政策面において、だめなものはだめ、よいものはよいとする立場は変わりません。今後もそうした姿勢を鮮明にしていくことが都政の活性化にもつながると考えています。知事もその側近の方々も、正面から本当に建設的な議論を望まれるのであれば、私たちに異論はありません。今後の都政において、真に建設的な議論が行われることを期待し、都議会民主党を代表しての討論を終わります。(拍手) # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)三十六番橘正剛君。〔三十六番橘正剛君登壇〕 # 三十六番(橘正剛君) 三十六番(橘正剛君)私は、都議会公明党を代表して、本日撤回を承認した第百五十二号議案を除く知事提出の第百三十一号議案外全議案に賛成の立場から討論を行います。まず、第百三十三号議案、住民サービスの向上と行政事務の効率化を図るために住民基本台帳ネットワークシステムの本人確認情報を利用する事務等を定める条例についてであります。この条例に対して、共産党は、住民の個人情報が流出するという不安がぬぐい去れない、また、巨額の経費を投じた割には利用率が低いなどの理由を挙げ反対をしております。平成十五年八月より住基ネットが本格稼働して三年以上経過しておりますが、個人情報流出などという事故は一切起きておりません。つまり、セキュリティーは確保されております。また、利用率の問題は、現在の住民基本台帳法に定める行政事務だけでは利用率を上げるのに限度があるため、都が独自に条例を定めて対象事務の拡大を目指すものであります。したがって、共産党の反対理由は全く根拠がありません。反対のための反対は余りにも非生産的であり、無責任であります。さて、その上で一点注文があります。今回の都条例の対象事務には、福祉保健局所管の対象事務が入っておりません。高齢者や子どもたちに対する種々の支援策やサービスを提供する福祉保健局の事業まで対象に入れ、よりきめ細かで適切、正確な施策の展開に努めるべきであることを指摘しておきたいと思います。次に、第百五十四号議案、ヘリコプターの買入れについてであります。この議案は、東京型ドクターヘリとして活用する現有ヘリコプターの老朽化に伴い、新たにヘリコプターを購入する議案であります。さらに今回は、ヘリ本体に加えて、EMSというヘリコプター専用の二段式ベッドを新たに装備し、ドクターヘリとしての機能を強化しようとするものであります。公明党は先月、命のマニフェストを発表し、空飛ぶ救命室とも呼ばれるドクターヘリの全国配備を政権公約に掲げて、今月十九日には、衆議院本会議において議員立法によってドクターヘリ法が成立しました。都議会公明党は、国に先駆けて、東京型ドクターヘリの導入を一貫して主張してまいりました。都は、我が党のこうした主張を受け、今年度から二十四時間三百六十五日運航可能な東京型ドクターヘリの運航を開始することを決定し、さらに本定例会においても、我が党の提案を受け、島しょ部や多摩地域の山間部だけでなく、道路状況が劣悪化することが想定される大災害時などでは、都心や市街地においても活用するとしたことは、高く評価するものであります。さて、去る六月六日、厚生労働省は、訪問介護の最大手である株式会社コムスンに対して、虚偽の申請で事業者指定を不正に取得していたとして、事業所に係る新規の指定、更新を打ち切るよう都道府県に通知しました。このことを受け、都議会公明党は六月八日、利用者の不安解消とサービスの確保、継続のための施策を強く求め、あわせて悪質事業者の処分逃れについては、これを安易に認めることがないよう、法改正を含めた対応を国に強く求めるよう石原知事に申し入れを行いました。いずれにしても、最重要の課題は、サービス利用者が今までどおりにサービスを受けられる体制を確保することであります。今後、都は、利用者のサービス確保を最重要課題として積極的な指導監督を行っていくべきであります。本定例会において、都議会公明党は、中小企業の事業環境の整備や人材の確保、そして子育て支援や障害者の就労支援、自殺防止対策の確立、さらには特別支援教育の充実や不登校の解消など都政の喫緊の課題を取り上げ、具体的な施策の拡充と推進を強く訴えました。特に我が党が強く主張し、知事が公約としても取り上げられた中学三年生までの医療費無料化については、一日も早く実現させるとともに、医療費助成の二分の一の財政負担を強いられる市町村への支援策についても、都は積極的に検討を加え、実施すべきであることを強調しておきます。本会議代表質問でも取り上げ申し上げましたが、我が党は今から四十年前、緑の森と噴水の中にそびえる高層都市東京と題して政策提言を行いました。しかし、残念ながら、この提言は、長いこと理想論、ユートピア的提言と受け取られ、顧みられることはありませんでした。ところが、昨年発表された「十年後の東京」には、まさに当時の提言がより具体性を持って取り上げられ、深い感慨を持たざるを得ませんでした。私たちは、この「十年後の東京」に大賛成であります。ぜひとも実現すべきであります。都議会公明党は、この「十年後の東京」を確実に推進するため、オリンピック招致を視野に入れ、環境先進都市東京、福祉先進都市東京の構築を目指して、今後とも全力で取り組んでいくことをお誓い申し上げ、討論といたします。(拍手) # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)七十三番大西由紀子さん。〔七十三番大西由紀子君登壇〕 # 七十三番(大西由紀子君) 七十三番(大西由紀子君)私は、都議会生活者ネットワークを代表して、本会議に付託された全議案に賛成の立場から討論を行います。まず初めに、住民基本台帳ネットワークの本人確認情報を利用する事務等を定める条例の新設については、住民基本台帳ネットワークシステムが、住民サービスの向上と行政事務の効率化を図るために、いよいよ活用の時期に入ったものと受けとめます。しかし、公の利便性のために個人の情報が無制限に流されることのないよう、対象事務の拡大には慎重であるべきです。殊に警察や学校など個人情報が最も集中している公的機関での情報の流出が相次ぎ、個人情報保護への不安が高まっています。セキュリティー対策に万全を期し、職員全体への意識啓発や研修の徹底がなされることを強く望みます。次に、地球の存亡をかけての温暖化対策が叫ばれ、バイオ燃料が注目されています。しかし、その原料は食料と競合するものであり、既にトウモロコシやサトウキビなどの高騰を招いています。世界最大の消費都市である東京の持つ特性を最大限に生かしたバイオ燃料を目指すことで、廃棄物が一転してエネルギー源に変わります。今回の一般質問で取り上げた自治体、市民団体やNPOが家庭の廃油をリサイクルしてバイオディーゼル燃料として使用している菜の花プロジェクトは、まさにまちづくりのロマンをかき立てるものであり、かつ、資源循環型エネルギーへの道を開くものです。温暖化対策はさまざまな市民活動との連携なしでは広がりません。今月、財務局が発表した今後の財産利活用の指針には、緑の創出などの実現に向けて、都有財産の積極的な利活用を盛り込んでいます。貴重な緑地保全として活用すべき方向性をネットは大いに評価し、新たな公の仕事、温暖化対策としての緑の確保、市民活動の支援などに都有地が有効に活用されることを期待します。次に、介護保険制度導入以来最大の事業者の不正行為が発覚し、処分が発表されました。行政が責任を持って利用者の保護とサービスの確保に当たるべきです。この問題を一企業の不正を正すトカゲのしっぽ切りに終わらせることなく、制度自体が法令遵守の中で事業として成り立つ制度なのかどうかを検証する契機とすべきです。報酬改定や制度改正の中で介護報酬カットが続き、事業者は運営の厳しさにあえいでいます。特に在宅介護を支えるホームヘルパーは、限られた時間制限の中で、個別性の著しい家事援助や介護をこなし、低賃金、不安定雇用が常態化し、離職者が絶えません。持続可能な社会保障制度として確立するには、事業者の安定的な運営と人材の確保が不可欠です。事業運営を継続しつつ、サービスの質を確保できる報酬水準とはどのラインになるのか、根本的な議論を始めるよう、二〇〇九年度の改正に向けて都として国へ提言することを求めます。次に、豊洲新市場予定地の土壌汚染対策については、専門家会議を広く公開し、今ある最善の方法で汚染処理を行うために、時間と費用を惜しむべきではありません。国も土壌汚染対策法の全面見直しに着手するため方向性を打ち出しましたが、これは、工場跡地などの汚染された土地がその処理費用が高くつくために放置され、有効利用されないことから、利用促進を図ることがねらいのようです。しかし、これまで同様に企業の汚染は企業の責任で処理すべきです。環境を守ることよりも経済が優先する構造を容認してはなりません。豊洲新市場の問題は、食の安全の問題であると同時に、東京都の環境行政が問われているのです。環境対策をしっかり行う姿勢と土壌汚染の継続的な検証システムを示すことで、都民の不安にこたえることが必要です。次に、全国的にはしかが流行する中、都内では、大学、高校生などの成人患者が多いのがことしの特徴です。この世代は小児に比べて行動範囲が広いことから、感染拡大を招いた可能性が指摘されています。都では、小児対策は、保健所や学校などと連携し集団発生を防ぎ、一定の効果を上げていますが、成人患者についての対策が行われていません。人口密集地域である東京は、はしかのみならず、今後増大すると見られるさまざまな感染症に対する防止策が求められます。庁内各局のみならず、地域の大学や事業所との連携を含めた患者発生時の初動体制を強化する、都独自のガイドラインをつくることを求めます。最後に、副知事人事について一言申し上げます。今回も、知事は全く反省のないまま、マスコミへの情報を先行させました。都民の信託を受けた議会側に対しては、特に一人会派を含めた少数会派への十分な説明を果たしたとはいいがたく、知事にはさらなる対話型都政への姿勢を求めます。知事は、猪瀬氏の副知事就任については、国とけんかができる交渉力を求めていますが、生活者ネットワークは、今の都政に最も必要なものとして、情報公開と分権、市民との協働を大切にする国際都市東京にふさわしい対応を求め、生活者ネットワークの討論とします。以上です。(拍手) # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)以上をもって討論を終了いたします。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)これより採決に入ります。まず、日程第二、第百五十三号議案、平成十九年度若洲橋鋼けた製作・架設工事請負契約を採決いたします。本案に関する委員会の報告は、可決であります。本案は、起立により採決いたします。本案は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)起立多数と認めます。よって、本案は、委員会の報告のとおり決定いたしました。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)次に、日程第三及び第四、第百三十三号議案、住民サービスの向上と行政事務の効率化を図るために住民基本台帳ネットワークシステムの本人確認情報を利用する事務等を定める条例外議案一件を一括して採決いたします。本案に関する委員会の報告は、いずれも可決であります。本案は、起立により採決いたします。本案は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)起立多数と認めます。よって、本案は、いずれも委員会の報告のとおり決定いたしました。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)次に、日程第五、第百三十七号議案、東京都都税条例の一部を改正する条例を採決いたします。本案に関する委員会の報告は、可決であります。本案は、起立により採決いたします。本案は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)起立多数と認めます。よって、本案は、委員会の報告のとおり決定いたしました。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)次に、日程第六から第八まで、第百三十六号議案、職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例外議案二件を一括して採決いたします。本案に関する委員会の報告は、いずれも可決であります。本案は、起立により採決いたします。本案は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)起立多数と認めます。よって、本案は、いずれも委員会の報告のとおり決定いたしました。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)次に、日程第九、第百四十二号議案、東京都営住宅条例等の一部を改正する条例を採決いたします。本案に関する委員会の報告は、可決であります。本案は、起立により採決いたします。本案は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)起立多数と認めます。よって、本案は、委員会の報告のとおり決定いたしました。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)次に、日程第十、第百四十九号議案、東京都日暮里・舎人ライナー条例を採決いたします。本案に関する委員会の報告は、可決であります。本案は、起立により採決いたします。本案は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)起立多数と認めます。よって、本案は、委員会の報告のとおり決定いたしました。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)次に、日程第十一から第二十五まで、第百三十一号議案、政治倫理の確立のための東京都知事の資産等の公開に関する条例の一部を改正する条例外議案十四件を一括して採決いたします。本案に関する委員会の報告は、いずれも可決であります。お諮りいたします。本案は、委員会の報告のとおり決定することにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)ご異議なしと認めます。よって、本案は、いずれも委員会の報告のとおり決定いたしました。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)次に、日程第二十六、諮問第二号、地方自治法第二百三十一条の三の規定に基づく審査請求に関する諮問についてを採決いたします。本件に関する委員会の報告は、棄却することであります。本件は、起立により採決いたします。本件は、委員会の報告のとおり答申することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)起立多数と認めます。よって、本件は、委員会の報告のとおり答申することに決定いたしました。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)次に、日程第二十七、地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京都都税条例の一部を改正する条例の報告及び承認についてを採決いたします。本件に関する委員会の報告は、承認することであります。お諮りいたします。本件は、委員会の報告のとおり決定することにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)ご異議なしと認めます。よって、本件は、委員会の報告のとおり承認することに決定いたしました。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)これより追加日程に入ります。追加日程第一、東京都副知事の選任の同意についてを議題といたします。〔大村議事部長朗読〕一、東京都副知事の選任の同意について一九財主議第一五七号平成十九年六月二十七日東京都知事石原慎太郎東京都議会議長川島忠一殿東京都副知事の選任の同意について(依頼)東京都副知事に左記の者を選任したいので、地方自治法第百六十二条の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。記猪瀬直樹略歴猪瀬直樹昭和二十一年十一年二十日生昭和四十五年三月信州大学人文学部卒業昭和五十年三月明治大学大学院政治経済学研究科修士課程修了平成十二年九月税制調査会委員平成十三年四月東京大学大学院人文社会系研究科客員教授平成十八年十月東京工業大学世界文明センター特任教授平成十九年四月地方分権改革推進委員会委員 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)本件は、起立により採決いたします。本件は、知事の選任に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)起立多数と認めます。よって、本件は、知事の選任に同意することに決定いたしました。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)追加日程第二、一九第二号、六町神社の早期移転計画撤回と六町エコプチテラス事業の継続に関する請願を議題といたします。委員会審査報告書は、お手元に配布いたしてあります。朗読は省略いたします。都市整備委員会請願審査報告書一九第二号六町神社の早期移転計画撤回と六町エコプチテラス事業の継続に関する請願(平成十九年三月九日付託)請願者足立区足立グリーンプロジェクト代表平田裕之外七、四一七人本委員会は、右請願審査の結果、不採択とすべきものと決定したので報告します。平成十九年六月七日都市整備委員長秋田一郎東京都議会議長川島忠一殿 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)本件は、起立により採決いたします。本件は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)起立多数と認めます。よって、本件は、委員会の報告のとおり決定いたしました。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)追加日程第三及び第四、一九第三号、都市計画道路補助第二六号線(三宿・池尻・代沢地域)の建設計画中止に関する請願外陳情一件を一括議題といたします。委員会審査報告書は、お手元に配布いたしてあります。朗読は省略いたします。環境・建設委員会請願審査報告書一九第三号都市計画道路補助第二六号線(三宿・池尻・代沢地域)の建設計画中止に関する請願(平成十九年三月九日付託)請願者世田谷区三宿・池尻・代沢大型道路問題の会代表世話人川原芳子外二、二四五人本委員会は、右請願審査の結果、不採択とすべきものと決定したので報告します。平成十九年六月六日環境・建設委員長小磯善彦東京都議会議長川島忠一殿厚生委員会陳情審査報告書一九第九号東京都児童会館の存続と充実に関する陳情(平成十九年二月十六日付託)陳情者中野区東京都児童会館の存続と充実を求める親の会代表白木克昌外一六五人本委員会は、右陳情審査の結果、不採択とすべきものと決定したので報告します。平成十九年六月八日厚生委員長長橋桂一東京都議会議長川島忠一殿 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)本件は、起立により採決いたします。本件は、いずれも委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)起立多数と認めます。よって、本件は、いずれも委員会の報告のとおり決定いたしました。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)追加日程第五、一九第五号、東京都住宅供給公社が設立目的に立ち戻り公共住宅の役割を果たすことに関する請願を議題といたします。委員会審査報告書は、お手元に配布いたしてあります。朗読は省略いたします。都市整備委員会請願審査報告書一九第五号東京都住宅供給公社が設立目的に立ち戻り公共住宅の役割を果たすことに関する請願(平成十九年三月九日付託)請願者日野市平山住宅自治会会長小俣昭光外九四〇人本委員会は、右請願審査の結果、不採択とすべきものと決定したので報告します。平成十九年六月七日都市整備委員長秋田一郎東京都議会議長川島忠一殿 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)本件は、起立により採決いたします。本件は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)起立多数と認めます。よって、本件は、委員会の報告のとおり決定いたしました。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)追加日程第六、一九第四号、若年者の就労支援・公共職業訓練の充実に関する陳情を議題といたします。委員会審査報告書は、お手元に配布いたしてあります。朗読は省略いたします。経済・港湾委員会陳情審査報告書一九第四号若年者の就労支援・公共職業訓練の充実に関する陳情(平成十九年二月十六日付託)陳情者千葉県市川市中嶋祥子外一一、二一五人本委員会は、右陳情審査の結果、不採択とすべきものと決定したので報告します。平成十九年六月十一日経済・港湾委員長石毛しげる東京都議会議長川島忠一殿 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)本件は、起立により採決いたします。本件は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)起立多数と認めます。よって、本件は、委員会の報告のとおり決定いたしました。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)追加日程第七、一八第一二四号、都営成城アパート建て替え計画に関する陳情を議題といたします。委員会審査報告書は、お手元に配布いたしてあります。朗読は省略いたします。都市整備委員会陳情審査報告書一八第一二四号都営成城アパート建て替え計画に関する陳情(平成十九年二月十六日付託)陳情者世田谷区成城都営アパート建替問題対策協議会代表黒川博道外四〇六人本委員会は、右陳情審査の結果、不採択とすべきものと決定したので報告します。平成十九年六月七日都市整備委員長秋田一郎東京都議会議長川島忠一殿 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)本件は、起立により採決いたします。本件は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)起立多数と認めます。よって、本件は、委員会の報告のとおり決定いたしました。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)追加日程第八、一九第一二号、都営住宅の収入超過者に係る家賃について特例措置を求める意見書提出に関する陳情を議題といたします。委員会審査報告書は、お手元に配布いたしてあります。朗読は省略いたします。都市整備委員会陳情審査報告書一九第一二号都営住宅の収入超過者に係る家賃について特例措置を求める意見書提出に関する陳情(平成十九年三月九日付託)陳情者練馬区東京都公営住宅連合会会長石井壽三郎本委員会は、右陳情審査の結果、不採択とすべきものと決定したので報告します。平成十九年六月七日都市整備委員長秋田一郎東京都議会議長川島忠一殿 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)本件は、起立により採決いたします。本件は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)起立多数と認めます。よって、本件は、委員会の報告のとおり決定いたしました。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)追加日程第九、一九第七号、心身障害者扶養年金制度の廃止に伴う権利確保に関する陳情を議題といたします。委員会審査報告書は、お手元に配布いたしてあります。朗読は省略いたします。厚生委員会陳情審査報告書一九第七号心身障害者扶養年金制度の廃止に伴う権利確保に関する陳情(平成十九年二月十六日付託)陳情者新宿区東京視力障害者の生活と権利を守る会代表鈴木彰本委員会は、右陳情審査の結果、不採択とすべきものと決定したので報告します。平成十九年六月八日厚生委員長長橋桂一東京都議会議長川島忠一殿 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)本件は、起立により採決いたします。本件は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)起立多数と認めます。よって、本件は、委員会の報告のとおり決定いたしました。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)追加日程第十、一九第八号、練馬区関町北四丁目三〇〇に開園予定の保育所の認可に関する陳情を議題といたします。委員会審査報告書は、お手元に配布いたしてあります。朗読は省略いたします。厚生委員会陳情審査報告書一九第八号練馬区関町北四丁目三〇〇に開園予定の保育所の認可に関する陳情(平成十九年二月十六日付託)陳情者練馬区練馬区関町北四丁目三〇〇一、一五保育所建設地近隣住民の会代表大塚好美外八人本委員会は、右陳情審査の結果、不採択とすべきものと決定したので報告します。平成十九年六月八日厚生委員長長橋桂一東京都議会議長川島忠一殿 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)本件は、起立により採決いたします。本件は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)起立多数と認めます。よって、本件は、委員会の報告のとおり決定いたしました。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)追加日程第十一及び第十二、一九第四号、外国人の子どもの教育条件の改善に関する請願外請願二件、陳情一件を一括議題といたします。委員会審査報告書は、お手元に配布いたしてあります。朗読は省略いたします。文教委員会請願審査報告書一九第四号外国人の子どもの教育条件の改善に関する請願(平成十九年三月九日付託)請願者品川区NPO法人IWC国際市民の会代表伊藤美里外三、八二四人本委員会は、右請願審査の結果、左記意見を付して採択の上執行機関に送付し、その処理の経過及び結果の報告を請求すべきものと決定したので報告します。平成十九年六月十一日文教委員長たぞえ民夫東京都議会議長川島忠一殿記(意見)趣旨にそうよう努力されたい。環境・建設委員会請願審査報告書一九第七号の一調布市中心市街地における旧甲州街道の電線類地中化にかかわる社会実験に関する請願(平成十九年三月九日付託)請願者調布市旧甲州街道の活性化を考える商店会代表上別府義嗣本委員会は、右請願審査の結果、左記意見を付して採択の上執行機関に送付し、その処理の経過及び結果の報告を請求すべきものと決定したので報告します。平成十九年六月六日環境・建設委員長小磯善彦東京都議会議長川島忠一殿記(意見)趣旨にそうよう努力されたい。警察・消防委員会請願審査報告書一九第七号の二調布市中心市街地における旧甲州街道の電線類地中化にかかわる社会実験に関する請願(平成十九年三月九日付託)請願者調布市旧甲州街道の活性化を考える商店会代表上別府義嗣本委員会は、右請願審査の結果、左記意見を付して採択の上執行機関に送付し、その処理の経過及び結果の報告を請求すべきものと決定したので報告します。平成十九年六月八日警察・消防委員長矢島千秋東京都議会議長川島忠一殿記(意見)趣旨にそうよう努力されたい。総務委員会陳情審査報告書一八第一二六号職員の病気休暇制度の適正化に関する陳情(平成十九年二月十六日付託)陳情者埼玉県富士見市細田茂夫本委員会は、右陳情審査の結果、不採択とすべきものと決定したので報告します。平成十九年六月八日総務委員長大津浩子東京都議会議長川島忠一殿 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)お諮りいたします。本件は、いずれも委員会の報告のとおり決定することにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)ご異議なしと認めます。よって、本件は、いずれも委員会の報告のとおり決定いたしました。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)追加日程第十三、議員提出議案第十六号、東京都議会情報公開条例の一部を改正する条例を議題といたします。案文は、お手元に配布いたしてあります。(議案の部参照) # 六十七番(山加朱美君) 六十七番(山加朱美君)この際、議事進行の動議を提出いたします。ただいま議題となっております議員提出議案第十六号については、趣旨説明並びに委員会付託を省略し、原案のとおり決定されることを望みます。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)お諮りいたします。ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)ご異議なしと認めます。よって、議員提出議案第十六号は、原案のとおり可決されました。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)追加日程第十四、議員提出議案第十七号、政治倫理の確立のための東京都議会の議員の資産等の公開に関する条例の一部を改正する条例を議題といたします。案文は、お手元に配布いたしてあります。(議案の部参照) # 六十七番(山加朱美君) 六十七番(山加朱美君)この際、議事進行の動議を提出いたします。ただいま議題となっております議員提出議案第十七号については、趣旨説明並びに委員会付託を省略し、原案のとおり決定されることを望みます。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)お諮りいたします。ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)ご異議なしと認めます。よって、議員提出議案第十七号は、原案のとおり可決されました。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)追加日程第十五及び第十六、議員提出議案第十八号、駐留軍関係離職者等臨時措置法の期限延長に関する意見書外意見書一件を一括議題といたします。案文は、お手元に配布いたしてあります。朗読は省略いたします。議員提出議案第十八号駐留軍関係離職者等臨時措置法の期限延長に関する意見書右の議案を別紙のとおり東京都議会会議規則第十二条の規定により提出します。平成十九年六月二十七日(提出者)遠藤守伊藤興一米沢正和鈴木章浩菅東一後藤雄一福士敬子そなえ邦彦西崎光子山口拓伊藤ゆう原田大河野百合恵小竹ひろ子松葉多美子大松成中山信行高倉良生きたしろ勝彦田中たけし鈴木隆道神林茂早坂義弘崎山知尚宇田川聡史原田恭子佐藤広典尾崎大介伊藤まさき松下玲子野上ゆきえ西岡真一郎たぞえ民夫村松みえ子橘正剛上野和彦吉倉正美谷村孝彦石森たかゆき高橋信博鈴木あきまさ秋田一郎矢島千秋高橋かずみ串田克巳吉原修山田忠昭山口文江今村るか吉田康一郎斉藤あつし泉谷つよしくまき美奈子大西さとる増子博樹かち佳代子植木こうじ長橋桂一野上純子東村邦浩小磯善彦臼井孝林田武野島善司高木けい山加朱美服部ゆくお田代ひろし三宅茂樹川井しげお鈴木一光大西由紀子いのつめまさみ門脇ふみよし小沢昌也石毛しげる岡崎幸夫柿沢未途清水ひで子古館和憲松村友昭東野秀平藤井一ともとし春久木内良明吉野利明倉林辰雄村上英子こいそ明三原まさつぐ田島和明樺山たかし新藤義彦古賀俊昭立石晴康初鹿明博酒井大史花輪ともふみ大沢昇大津浩子大塚たかあき相川博曽根はじめ大山とも子鈴木貫太郎石川芳昭中嶋義雄石井義修桜井武遠藤衛高島なおき宮崎章野村有信比留間敏夫佐藤裕彦川島忠一内田茂三田敏哉中村明彦山下太郎馬場裕子土屋たかゆき田中良名取憲彦吉田信夫渡辺康信東京都議会議長川島忠一殿駐留軍関係離職者等臨時措置法の期限延長に関する意見書駐留軍関係離職者等臨時措置法は、平成十五年の改正により、五年の期限延長を経て、平成二十年五月十六日をもって失効となる。同法は、昭和三十三年の制定以来、昭和四十八年の関東計画(関東地区の米空軍施設を横田基地に統合する計画)等による基地の統合・返還により生じた多数の離職者対策を始めとして、必要に応じた施策を講じつつ、期限延長を続けてきたところである。現在、在日米軍再編に伴う基地の雇用の規模縮小が見込まれており、駐留軍労働者の離職対策は、より重要性を増している。よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、駐留軍関係離職者等臨時措置法の期限を延長し、日本人従業員の雇用安定確保及び離職者対策に万全を期するよう強く要請する。以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。平成十九年六月二十七日東京都議会議長川島忠一衆議院議長┐参議院議長│内閣総理大臣│総務大臣├あて外務大臣│厚生労働大臣│防衛大臣┘議員提出議案第十九号株式会社コムスンの不正行為問題対策に関する意見書右の議案を別紙のとおり東京都議会会議規則第十二条の規定により提出します。平成十九年六月二十七日(提出者)遠藤守伊藤興一米沢正和鈴木章浩菅東一後藤雄一西崎光子山口拓伊藤ゆう原田大河野百合恵小竹ひろ子松葉多美子大松成中山信行高倉良生きたしろ勝彦田中たけし鈴木隆道神林茂早坂義弘崎山知尚宇田川聡史原田恭子佐藤広典尾崎大介伊藤まさき松下玲子野上ゆきえ西岡真一郎たぞえ民夫村松みえ子橘正剛上野和彦吉倉正美谷村孝彦石森たかゆき高橋信博鈴木あきまさ秋田一郎矢島千秋高橋かずみ串田克巳吉原修山田忠昭山口文江今村るか吉田康一郎斉藤あつし泉谷つよしくまき美奈子大西さとる増子博樹かち佳代子植木こうじ長橋桂一野上純子東村邦浩小磯善彦臼井孝林田武野島善司高木けい山加朱美服部ゆくお田代ひろし三宅茂樹川井しげお鈴木一光大西由紀子いのつめまさみ門脇ふみよし小沢昌也石毛しげる岡崎幸夫柿沢未途清水ひで子古館和憲松村友昭東野秀平藤井一ともとし春久木内良明吉野利明倉林辰雄村上英子こいそ明三原まさつぐ田島和明樺山たかし新藤義彦古賀俊昭立石晴康初鹿明博酒井大史花輪ともふみ大沢昇大津浩子大塚たかあき相川博曽根はじめ大山とも子鈴木貫太郎石川芳昭中嶋義雄石井義修桜井武遠藤衛高島なおき宮崎章野村有信比留間敏夫佐藤裕彦川島忠一内田茂三田敏哉中村明彦山下太郎馬場裕子土屋たかゆき田中良名取憲彦吉田信夫渡辺康信東京都議会議長川島忠一殿株式会社コムスンの不正行為問題対策に関する意見書株式会社コムスン(以下、コムスンという。)が不正の手段により事業所指定の申請をしたことを受け、国が六月六日に事業者としての新規の指定・更新をしないよう都道府県等に通知して以来、コムスンの介護サービス利用者やその家族を始め、多くの都民に不安が広がっている。今回の事件で特に見逃せないのは、都の指導検査において明らかとなった介護報酬の不正請求等に関し、その処分を受ける直前に廃止届を提出するという「処分逃れ」を行ったことである。さらに、コムスンは、国が通知した日と同じ日に、法の網をかいくぐるに等しい同一グループ内の別会社への事業譲渡を一方的に発表するなど、事業者としての真摯な態度が見られず、国民の相互扶助によって成り立っている介護保険制度の信頼を大きく損ねている。今後、都民が安心して介護サービスを利用するためには、こうした事態が再発しないよう、利用者の立場に立った具体的な対策の充実が不可欠である。よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、次の事項を実現するよう強く要請する。一コムスンに対し、更新時期までの間は、引き続き利用者の求めに応じた介護サービスを提供させるとともに、新たな事業者への円滑な移行が行われるよう引き続き指導すること。二コムスンが速やかに適切な移譲先を決定できるよう、国の責任において指導すること。三今回の事件で行われた指定取消処分前の廃止届の提出や同一グループ内への事業譲渡は、現行の介護保険法が想定していないものであることから、今後こうした事態を生じさせないため、不適正な事業者の徹底排除に向けた法整備を早急に行うこと。以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。平成十九年六月二十七日東京都議会議長川島忠一衆議院議長┐参議院議長│内閣総理大臣├あて総務大臣│厚生労働大臣┘ # 六十七番(山加朱美君) 六十七番(山加朱美君)この際、議事進行の動議を提出いたします。ただいま議題となっております議員提出議案第十八号及び第十九号については、原案のとおり決定されることを望みます。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)お諮りいたします。ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)ご異議なしと認めます。よって、議員提出議案第十八号及び第十九号は、原案のとおり可決されました。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)この際、継続調査及び審査について申し上げます。まず、都議会議員後藤雄一君の調査活動等に関する調査特別委員長及びオリンピック招致特別委員長より、委員会において調査中の案件について、会議規則第六十六条の規定により、閉会中の継続調査の申し出があります。申出書の朗読は省略いたします。平成十九年六月二十日都議会議員後藤雄一君の調査活動等に関する調査特別委員長服部ゆくお東京都議会議長川島忠一殿都議会議員後藤雄一君の調査活動等に関する調査特別委員会継続調査申出書本委員会は、平成十八年三月三十日付託された左記事件を調査中であるが、今会期中に調査を結了することが困難なので、閉会中もなお継続調査を要するものと決定したので会議規則第六十六条の規定により申し出ます。記都議会議員後藤雄一君の調査活動等の具体的事例を検証し、もって、議員の品位保持と調査活動のあり方等について調査・検討する。平成十九年六月十四日オリンピック招致特別委員長野村有信東京都議会議長川島忠一殿オリンピック招致特別委員会継続調査申出書本委員会は、平成十八年十月五日付託された左記事件を調査中であるが、今会期中に調査を結了することが困難なので、閉会中もなお継続調査を要するものと決定したので会議規則第六十六条の規定により申し出ます。記二〇一六年に開催される第三十一回オリンピック競技大会の東京招致に関する調査審議及び必要な活動を行う。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)お諮りいたします。本件は、申し出のとおり、閉会中の継続調査に付することにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)ご異議なしと認めます。よって、本件は、申し出のとおり、それぞれ閉会中の継続調査に付することに決定いたしました。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)次に、議会運営委員長より、委員会において審査中の議員提出議案第三号、東京都政務調査費の交付に関する条例の一部を改正する条例について、会議規則第六十六条の規定により、閉会中の継続審査の申し出があります。申出書の朗読は省略いたします。平成十九年六月二十六日議会運営委員長宮崎章東京都議会議長川島忠一殿議会運営委員会継続審査申出書本委員会は、平成十九年三月九日付託された左記議案を審査中であるが、今会期中に審査を結了することが困難であるため、閉会中もなお継続審査を要するものと決定したので、会議規則第六十六条の規定により申し出ます。記議員提出議案第三号東京都政務調査費の交付に関する条例の一部を改正する条例 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)本件は、起立により採決いたします。本件は、申し出のとおり、閉会中の継続審査に付することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)起立多数と認めます。よって、本件は、申し出のとおり、閉会中の継続審査に付することに決定いたしました。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)請願及び陳情の付託について申し上げます。本日までに受理いたしました請願二件及び陳情六件は、お手元に配布の請願・陳情付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。(別冊参照) # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)お諮りいたします。ただいま常任委員会に付託いたしました請願及び陳情は、お手元に配布いたしました委員会から申し出の請願・陳情継続審査件名表の分とあわせて、閉会中の継続審査に付したいと思います。これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)ご異議なしと認めます。よって、本件請願及び陳情は、いずれも閉会中の継続審査に付することに決定いたしました。(別冊参照) # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)次に、各常任委員会及び議会運営委員会の所管事務について、閉会中の継続調査の申し出があります。本件は、お手元に配布の特定事件継続調査事項表のとおり、閉会中の継続調査に付したいと思います。これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)ご異議なしと認めます。よって、本件は、閉会中の継続調査に付することに決定いたしました。(別冊参照) # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)以上をもって本日の日程は全部議了いたしました。会議を閉じます。これをもって平成十九年第二回東京都議会定例会を閉会いたします。午後二時七分閉議・閉会
2024-03-31T11:22:26.155884Z
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--- title: 平成19年_第2回定例会(第11号) 名簿・議事日程 # 平成十九年六月二十七日(水曜日)出席議員百二十七名一番遠藤守君二番伊藤興一君三番米沢正和君四番鈴木章浩君五番菅東一君六番後藤雄一君七番福士敬子君八番伊沢けい子君九番そなえ邦彦君十番西崎光子君十一番山口拓君十二番伊藤ゆう君十三番原田大君十四番河野百合恵君十五番小竹ひろ子君十六番松葉多美子君十七番大松成君十八番中山信行君十九番高倉良生君二十番きたしろ勝彦君二十一番田中たけし君二十二番鈴木隆道君二十三番神林茂君二十四番早坂義弘君二十五番崎山知尚君二十六番宇田川聡史君二十七番原田恭子君二十八番佐藤広典君二十九番尾崎大介君三十番伊藤まさき君三十一番松下玲子君三十二番野上ゆきえ君三十三番西岡真一郎君三十四番たぞえ民夫君三十五番村松みえ子君三十六番橘正剛君三十七番上野和彦君三十八番吉倉正美君三十九番谷村孝彦君四十番石森たかゆき君四十一番高橋信博君四十二番鈴木あきまさ君四十三番秋田一郎君四十四番矢島千秋君四十五番高橋かずみ君四十六番串田克巳君四十七番吉原修君四十八番山田忠昭君四十九番山口文江君五十番今村るか君五十一番吉田康一郎君五十二番斉藤あつし君五十三番泉谷つよし君五十四番くまき美奈子君五十五番大西さとる君五十六番増子博樹君五十七番かち佳代子君五十八番植木こうじ君五十九番長橋桂一君六十番野上純子君六十一番東村邦浩君六十二番小磯善彦君六十三番臼井孝君六十四番林田武君六十五番野島善司君六十六番高木けい君六十七番山加朱美君六十八番服部ゆくお君六十九番田代ひろし君七十番三宅茂樹君七十一番川井しげお君七十二番鈴木一光君七十三番大西由紀子君七十四番いのつめまさみ君七十五番門脇ふみよし君七十六番小沢昌也君七十七番石毛しげる君七十八番岡崎幸夫君七十九番柿沢未途君八十番清水ひで子君八十一番古館和憲君八十二番松村友昭君八十三番東野秀平君八十四番藤井一君八十五番ともとし春久君八十六番木内良明君八十七番吉野利明君八十八番倉林辰雄君八十九番村上英子君九十番こいそ明君九十一番三原まさつぐ君九十二番田島和明君九十三番樺山たかし君九十四番新藤義彦君九十五番古賀俊昭君九十六番立石晴康君九十七番初鹿明博君九十八番酒井大史君九十九番花輪ともふみ君百番大沢昇君百一番大津浩子君百二番大塚たかあき君百三番相川博君百四番曽根はじめ君百五番大山とも子君百六番鈴木貫太郎君百七番石川芳昭君百八番中嶋義雄君百九番石井義修君百十番桜井武君百十一番遠藤衛君百十二番高島なおき君百十三番宮崎章君百十四番野村有信君百十五番比留間敏夫君百十六番佐藤裕彦君百十七番川島忠一君百十八番内田茂君百十九番三田敏哉君百二十番中村明彦君百二十一番山下太郎君百二十二番馬場裕子君百二十三番土屋たかゆき君百二十四番田中良君百二十五番名取憲彦君百二十六番吉田信夫君百二十七番渡辺康信君欠席議員なし出席説明員知事石原慎太郎君副知事谷川健次君副知事菅原秀夫君副知事山口一久君教育長中村正彦君知事本局長大原正行君総務局長押元洋君財務局長村山寛司君主税局長熊野順祥君警視総監伊藤哲朗君生活文化スポーツ局長渡辺日佐夫君都市整備局長只腰憲久君環境局長吉川和夫君福祉保健局長安藤立美君産業労働局長佐藤広君建設局長道家孝行君港湾局長津島隆一君会計管理局長三枝修一君交通局長島田健一君消防総監小林輝幸君水道局長東岡創示君下水道局長前田正博君青少年・治安対策本部長舟本馨君東京オリンピック招致本部長荒川満君病院経営本部長秋山俊行君中央卸売市場長比留間英人君選挙管理委員会事務局長梶原康二君人事委員会事務局長矢口幸一君労働委員会事務局長有留武司君監査事務局長白石弥生子君収用委員会事務局長中田清己君六月二十七日議事日程第四号第一第百五十二号議案の撤回(委員会審査報告)第二第百五十三号議案平成十九年度若洲橋鋼けた製作・架設工事請負契約第三第百三十三号議案住民サービスの向上と行政事務の効率化を図るために住民基本台帳ネットワークシステムの本人確認情報を利用する事務等を定める条例第四第百四十一号議案東京都学校経営支援センター設置条例の一部を改正する条例第五第百三十七号議案東京都都税条例の一部を改正する条例第六第百三十六号議案職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例第七第百四十六号議案東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例第八第百四十八号議案東京都自然公園条例の一部を改正する条例第九第百四十二号議案東京都営住宅条例等の一部を改正する条例第十第百四十九号議案東京都日暮里・舎人ライナー条例第十一第百三十一号議案政治倫理の確立のための東京都知事の資産等の公開に関する条例の一部を改正する条例第十二第百三十二号議案市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例第十三第百三十四号議案東京都恩給条例の一部を改正する条例第十四第百三十五号議案雇傭員の退職年金及び退職一時金等に関する条例の一部を改正する条例第十五第百三十八号議案東京都納税貯蓄組合補助金交付条例の一部を改正する条例第十六第百三十九号議案東京都情報公開条例の一部を改正する条例第十七第百四十号議案東京都個人情報の保護に関する条例の一部を改正する条例第十八第百四十三号議案東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例第十九第百四十四号議案東京都日影による中高層建築物の高さの制限に関する条例の一部を改正する条例第二十第百四十五号議案多摩都市計画多摩土地区画整理事業施行規程等の一部を改正する条例第二十一第百四十七号議案東京都女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例第二十二第百五十五号議案都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例第二十三第百五十号議案警視庁の設置に関する条例の一部を改正する条例第二十四第百五十一号議案特別区の消防団員等の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例第二十五第百五十四号議案ヘリコプターの買入れについて第二十六諮問第二号地方自治法第二百三十一条の三の規定に基づく審査請求に関する諮問について第二十七地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京都都税条例の一部を改正する条例の報告及び承認について議事日程第四号追加の一第一東京都副知事の選任の同意について(一九財主議第一五七号)議事日程第四号追加の二(委員会審査報告)第二一九第二号六町神社の早期移転計画撤回と六町エコプチテラス事業の継続に関する請願(委員会審査報告)第三一九第三号都市計画道路補助第二六号線(三宿・池尻・代沢地域)の建設計画中止に関する請願(委員会審査報告)第四一九第九号東京都児童会館の存続と充実に関する陳情(委員会審査報告)第五一九第五号東京都住宅供給公社が設立目的に立ち戻り公共住宅の役割を果たすことに関する請願(委員会審査報告)第六一九第四号若年者の就労支援・公共職業訓練の充実に関する陳情(委員会審査報告)第七一八第一二四号都営成城アパート建て替え計画に関する陳情(委員会審査報告)第八一九第一二号都営住宅の収入超過者に係る家賃について特例措置を求める意見書提出に関する陳情(委員会審査報告)第九一九第七号心身障害者扶養年金制度の廃止に伴う権利確保に関する陳情(委員会審査報告)第十一九第八号練馬区関町北四丁目三〇〇に開園予定の保育所の認可に関する陳情(委員会審査報告)第十一一九第四号外国人の子どもの教育条件の改善に関する請願一九第七号の一調布市中心市街地における旧甲州街道の電線類地中化にかかわる社会実験に関する請願一九第七号の二調布市中心市街地における旧甲州街道の電線類地中化にかかわる社会実験に関する請願(委員会審査報告)第十二一八第一二六号職員の病気休暇制度の適正化に関する陳情議事日程第四号追加の三第十三議員提出議案第十六号東京都議会情報公開条例の一部を改正する条例第十四議員提出議案第十七号政治倫理の確立のための東京都議会の議員の資産等の公開に関する条例の一部を改正する条例第十五議員提出議案第十八号駐留軍関係離職者等臨時措置法の期限延長に関する意見書第十六議員提出議案第十九号株式会社コムスンの不正行為問題対策に関する意見書
2024-03-31T11:22:26.980404Z
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--- title: 平成19年_第2回定例会(第10号) 本文 # 午後一時一分開議 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)これより本日の会議を開きます。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)次に、日程の追加について申し上げます。知事より、東京都人事委員会委員の選任の同意について外人事案件四件が提出されました。これらを本日の日程に追加いたします。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)昨日に引き続き質問を行います。六十五番野島善司君。〔六十五番野島善司君登壇〕 # 六十五番(野島善司君) 六十五番(野島善司君)最初に、多摩・島しょ振興について伺います。その一つは、財政支援についてです。国から地方への税源移譲が実施されました。これからの時代、各自治体は創造性を発揮し、みずからの責任において施策を選択し、自立的な都市経営を行っていかなければなりません。そのためには、将来の税収に結びつくような都市基盤整備や産業振興などに取り組み、税源を涵養していくことが必要なことはいうまでもありません。一方、財源の有効活用には、経常経費の圧縮と投資的財源の確保を可能にする効率的な行財政運営が求められます。さきの東京市町村自治調査会の調べによれば、多摩地域の自治体の人件費比率は二年連続して減少し、職員数の抑制や給与の適正化を初め、さまざまな点で行財政改革が進展している様子が見てとれます。私は、これまでも、厳しい財政事情の中、このような視点で努力を続ける多摩の市町村に対し都が適切な支援をするよう求めてまいりました。昨年度、従前の交付金を統合し創設した市町村総合交付金は、財政支援の観点からそれにこたえたものと受けとめております。この三月には、初めて交付が行われたところですが、都は、市町村総合交付金を設けたことにより、従前に比較して各市町村のまちづくりや経営努力にどのような効果があったと認識しているのか伺います。その二つは、三宅島でのオートバイを活用した復興支援のイベントです。私自身、離島を余儀なくされた、東久留米に仮住まいをされた方をお見舞いに訪れたことや、八王子のげんき農場で農作業に取り組む三宅の人々の交流会に参加したこともございました。また、テレビ朝日のダイオキシン報道により風評被害をこうむった所沢市の農家の方々が、その和解金のほとんどを三宅島の農業復旧のためにご寄附申し上げたいということで、その橋渡しをしたこともありました。その時々にお会いした三宅の人は、島の復興はと、今こんなことを思っております。さて、一般の道路を使用したオートバイレースについて、日本共産党さんは、無理やりに知事の海外出張やトップダウンとかに結びつけんがために、いたずらに不安をあおることに終始しております。それは、三宅の人々の復興への願い、思いに逆行するものと受けとめているのは私一人でしょうか。大切なことは、知事が所信表明で言及なされましたように、多くの関係者の理解と協力を得て開催されることであり、それにより来島者がふえ、住民の励みになり、島の復興に資することになろうかと思っております。要は、多くの人々が参加し、楽しめるイベントにすることだろうと思います。この秋開催に向けて、都として、このイベントをどのように支援していくのかを伺います。その三つは、産業振興についてです。多摩地域の製造品出荷額は約六兆円と、区部を上回り、特にエレクトロニクス関連では都内出荷量の九割を占めるほど、産業面においても大きな存在感を示しております。冒頭、都市経営における税源涵養が今後ますます重要になる旨申し述べたところですが、直接的な税収効果のみならず、ベッドタウン的な都市形成をしてきた多摩地域に就業の機会を確保し、都市経営の自立化を促進する意味合いからも、産業振興は極めて重要です。多摩地域を俯瞰いたしますと、国道一六号線沿線に工業立地がなされ、目を転じますと、この一六号線沿線には、従来から工業集積がなされてきた神奈川県相模原市、埼玉県西部の狭山市、入間市とつながるベルトゾーンが見てとれます。加えて、圏央道の整備により、埼玉県においては、田園都市産業ゾーン基本方針を策定し、この沿線自治体が産業団地の造成等に動き出しておりますし、千葉、茨城にもポテンシャルがあります。都は、西南部物流拠点の整備促進の方向も打ち出しております。このような立地にある都県がそれぞれの持つ資源を有効に活用し、競争しつつ連携して、一六号線、圏央道沿線を産業の首都圏ベルトゾーンとして育成していくべきと考えます。多摩が東京の多摩にとどまらず、首都圏の中核としての発展が期待されるところです。産業の振興には、人材の育成、移動インフラの整備、事業立地ゾーンの確保等さまざまな条件、要素があることはいうまでもありません。都県、各市町村がそれぞれに持つ特性を大いに発揮していかなければなりません。そうした視点での多摩の強みは何か、大学の存在だろうと思っております。そこで、多くの大学が立地する多摩地域が、産学公連携の中心地として、首都圏の産業振興の牽引役を果たすべきと考えております。知事のご所見を伺います。次に、地球温暖化対策についてです。さきのハイリゲンダム・サミットの主要なテーマになるほど、地球温暖化への関心が高まりを見せています。国の総合エネルギー調査会は、地球温暖化防止のための省エネルギー強化策の検討を始め、その中では家庭・オフィス部門対策が最大の焦点とのことです。折しも都は、大企業などへのCO2排出削減量の義務化を打ち出しました。数値目標や罰則、排出権取引、家庭の協力等のさまざまな壁がありますが、環境先進都市を目指す東京の取り組みが日本を牽引し、世界をリードすることを願ってやみません。昨日は、我が党の代表質問に対しまして知事の力強い答弁をいただいたところでございますが、冒頭、局長の決意のほども伺っておきたいと思います。さて、京都議定書で義務づけられた日本の温暖化ガス排出削減目標に対し、製造業など産業部門は五・五%減、家庭・業務部門では四〇%増、また、都内全体のCO2排出量のうち家庭部門は二三%を占めているとのことでございます。私たちの便利な生活がCO2の増加、地球温暖化を引き起こしていることは気にしながらも、環境負荷の高い生活を変えられないというのが私自身の実感でもございます。今後、CO2削減のためには、家庭部門、生活者としての協力を得ることが重要であり、そのための普及啓発が不可欠でございます。都のこれまでの取り組みと、今後どのようにこの問題を展開させていこうとしているのか伺います。家庭や中小企業の省エネルギーを促進するためには、例えば省エネ住宅、施設、設備に対する税の減免や償却の前倒し等の税制の活用、省エネ努力や再生可能エネルギーの導入に対してインセンティブを働かせる仕組みも重要です。ご所見を伺います。次に、都市整備施策について伺います。一つは、無電柱化の推進についてです。私の利用する西武池袋線東久留米駅は、関東の駅百選の一つに選定されています。駅舎の富士見テラス、ここからは、名前のとおり富士山を望み見ることができます。そして、駅前からの都市計画道路のうち六百メートルは無電柱化されておりますが、その先、千メートルは電柱があります。これを対比して見ますと、この電柱が消えれば、景観もよくなり、安全、快適な歩行空間も確保され、加えて、緑化の促進、防災機能の向上も図れるわけでございます。都の「十年後の東京」では、センター・コア・エリア内の都道を無電柱化するとしておりますが、それ以外の区部や多摩地域における無電柱化について、どのように取り組んでいかれるのか伺います。区市町村における無電柱化の促進に当たっては、事業主体の違いによる財源の枠組みもありますし、その道路の性格の差異もあります。多摩についていえば、多摩地域における都市計画道路の整備方針に定めた路線については、都、市町村施行の別なくすべてを、既存道路については、商業・業務集積の高い、あるいは高まりが期待される地域の路線、周辺公共空間と相まって良好な都市景観が期待される路線等、総合的に勘案しながら面的な無電柱化に取り組むべきと考えます。区市町村事業への財政支援については強く要望するにとどめ、技術的な支援についてお伺いをいたします。二つは、潤いと安らぎのある緑空間の創出についてです。先般、都は、環境軸ガイドラインを公表し、道路、河川、公園などの公共空間の緑と民有地の緑を組み合わせ、緑豊かな都市空間を創造する指針を示しました。しっかりとした環境軸を打ち立て、民間開発にあっては、公共空間と連続する緑空間の確保を誘導し、緑地保全地域、市町村の保存緑地や保存樹林、屋敷林等の地域に根づいた緑や河川管理との整合性に留意しつつ、緑化が可能な河川域の活用等、あらゆる緑を組み合わせ、広がりと厚みのあるグリーンロードネットワークを実現し、すぐれた都市景観の創出、都市環境の改善に取り組むべきと考えます。環境軸の形成の具体的な取り組みについて伺います。三つは、中古住宅の流通についてです。都は、本年三月に新たな住宅マスタープランを策定し、その中で、住宅が長期にわたって活用される市場を実現するための施策の一環として、中古住宅の流通促進に積極的に取り組む方向性が示されました。私は、これまでも一般質問や予算特別委員会でこの課題に取り組んでまいりました。市場で中古住宅の流通が促進されるには、住宅の品質や性能等に関する住宅検査の実施と住宅履歴の整備が必要です。これらにより、商品としての住宅の質が高まり、安心・安全な取引が確保され、中古住宅市場の活性化につながるものと考えます。さて、先月、自民党の住宅土地調査会は、世代を超えて受け継がれる超寿命住宅の普及に向けた提言、二百年住宅ビジョンをまとめました。この中でも、住宅履歴や住宅検査について提言もなされております。国もこの提言を受けて中古住宅の流通促進の動きのある中で、最大の住宅市場である都としても、国に先んじて施策を推進すべきでございます。本年の予算特別委員会において、都の具体的な取り組みの一つとして、これら住宅履歴や住宅検査の必要性を盛り込んだ、都民が安心して中古住宅を売買できるガイドブックを作成中であるとのご答弁もいただきました。間もなくまとまるものと聞いておりますが、ガイドブック作成の意義とその内容について、改めてお伺いをいたします。また、ガイドブックは中古住宅市場を活性化する第一歩であり、その取り組みを評価するものでございますが、ガイドブックの活用はどのような効果をもたらすのか、また、ガイドブックの都民への普及策など、今後の取り組みについてもお伺いをいたします。最後に、都市農業についてお伺いいたします。生産基盤である農地の保全策は、都市計画上の生産緑地制度や税法上の納税猶予制度が講じられ、この間、幾つかの見直しも行われ、今日に至っております。都市計画上の手法としては、保全すべき農地をゾーニングして調整区域へ逆線引きする手法があります。しかし、小規模な生産緑地と都市的利用が既になされ、蚕食状態になっている都市近郊地帯では現実味がありません。新たな都市計画的手法も必要です。また、屋敷林等に対する多額の相続税の捻出のために農地を処分するのも実情でございます。屋敷林を広く都民に開放する等の公共・公益性を高めつつ、相続税等の軽減措置を講じることも重要でございます。農地や屋敷林の保全策については、都庁内に設置されました関係局の協議会でさらに議論を深めるとともに、国に要望していただくよう求めておきます。ところで、多摩地域の農地では緑化用植物の生産も盛んです。都はこのたび、新たに千ヘクタールの緑を創出するなどとした緑の東京十年プロジェクト基本方針を発表いたしました。緑あふれ潤いのある都市環境の創出のためにも、緑化用植物の生産振興を図るべきと考えますが、所見を伺って、質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)野島善司議員の一般質問にお答えいたします。多摩地域の産業振興についてでありますが、多摩地域は、先端技術を有する企業や大学、研究機関が集積しておりまして、産業発展の大きな可能性を有しております。今後、圏央道などの都市インフラの整備に伴って、隣接する埼玉や神奈川県との産業交流が一層拡大することが見込まれております。数多くの大学や研究機関を擁する多摩地域は、将来にわたり広域的な産学公連携の中核的な役割を担っているものと考えております。この機を逃さず、周辺県とも協力し、都域を超えた幅広い産学公連携を促進することで、多摩地域を都市型産業の一大集積地としてさらに発展させ、首都圏の産業活性化を牽引していきたいと思っております。他の質問については、関係局長から答弁いたします。〔総務局長押元洋君登壇〕 # 総務局長(押元洋君) 総務局長(押元洋君)多摩・島しょ振興に係る二点のご質問にお答えを申し上げます。まず、市町村総合交付金創設による効果についてでございます。第一に、ものづくり産業の育成を初めとした地域経済の活性化や、公共施設の耐震化による安全・安心なまちづくりなど、各市町村が独自に取り組む施策について、これまで以上に幅広く、かつ積極的に支援をいたしましたことにより、特色ある地域づくりに貢献することができたと考えております。第二に、各市町村の行財政改革の成果に応じて交付額を算定する仕組みを取り入れましたことを契機として、市町村における人事給与制度の改善などが一層進展をいたしました。こうした点は、ご指摘の税源涵養にも通じるものと認識をしております。今後とも、この交付金制度をさらに効果的に活用いたしまして、努力と創意工夫により地域の発展に取り組む市町村を積極的に支援してまいります。次に、三宅島のバイクイベントに対する支援についてでございます。このイベントは、島の復興に向けて、年間を通じ来島者をふやすことにより、産業、観光振興の起爆剤となるよう実施をするものでございます。そのため、ご指摘のとおり、バイク愛好者のみならず、すべての人が楽しめる、にぎやかなイベントとすることが成功の条件と考えております。三宅村では、こうした考えのもと、事業の実施主体となるNPO法人を組織し、多くの関係者の協力を得ながら、空港を使ったドラッグレースやラリーはもとより、島の多彩な魅力をアピールできる企画について検討を進めております。都といたしましても、企画運営面を初め、安全対策や輸送対策等について積極的に支援するなど、このイベントが成功するよう、全力で取り組んでまいります。〔環境局長吉川和夫君登壇〕 # 環境局長(吉川和夫君) 環境局長(吉川和夫君)地球温暖化対策に関する三点のご質問にお答えいたします。まず、気候変動対策への取り組みについてでありますが、近年の熱波や干ばつ、降雨量の増加といった異常気象に見られる地球全体の気候変動は、都民の生命、財産、健康にも直接的な影響を与え得る深刻な環境問題でございます。こうした認識に立ち、今般、都は、気候変動対策方針を策定し、この問題に対する今後十年間における基本姿勢を明確にして、地球温暖化の原因である温暖化ガスを着実に削減していくことといたしました。この方針に基づき、まず、都庁みずから率先して省エネ対策を実施していくとともに、都民や企業等の省エネ意識を高め、あわせて、日本の誇る環境技術がフルに活用されるような仕組みを構築するなど、世界で最も環境負荷の少ない都市の実現に向けて、最善の努力を着実に積み重ねてまいります。次に、家庭部門でのCO2削減対策についてでありますが、都はこれまで、全国に先駆けた家電製品の省エネラベリング制度の創設など、家庭で消費されるエネルギーの約五割を占める電力使用量の削減に向けた取り組みを進めてまいりました。今回発表した気候変動対策方針では、家庭でのCO2削減をさらに強化するため、住宅自体の省エネルギー性能の向上や、給湯器の高効率化の推進とともに、白熱球一掃作戦の展開をきっかけとして、家庭での省エネ行動の拡大を促していく方針をお示しいたしました。今後、家庭での電気代やガス代の節減が日本のCO2の削減に直結することを明確に示すため、テレビ、ラジオなどさまざまな媒体も活用して、具体的な省エネの取り組みを都民に呼びかけるキャンペーンを積極的に展開してまいります。最後に、家庭や中小企業の省エネルギーを促進する税制についてでありますが、家庭や中小企業から排出されるCO2を削減するためには、省エネ努力や再生可能エネルギー導入が進むような視点に立って仕組みを構築していく必要がございます。こうした観点から、省エネルギーの促進のための新しい税制について、省エネ投資等の促進、省エネ行動への誘導など幅広い角度で、東京都税制調査会を活用しながら検討してまいります。〔建設局長道家孝行君登壇〕 # 建設局長(道家孝行君) 建設局長(道家孝行君)無電柱化に関する二点のご質問にお答えいたします。まず、都道における無電柱化の今後の取り組みについてでありますが、無電柱化事業は、良好な都市景観の創出、安全で快適な歩行空間の確保、都市防災の強化を図る上で大変重要な事業であります。このため、センター・コア・エリア内及びオリンピック関連施設周辺はもとより、その他の区部や多摩地域の都道についても、環状七号線、青梅街道など緊急輸送路や、八王子、町田などの主要駅周辺などで無電柱化を推進してまいります。さらに、街路事業で都道の新設や拡幅を行う場合などさまざまな機会をとらえて、無電柱化の推進に積極的に取り組んでまいります。次に、区市町村に対する技術的支援についてでありますが、区市町村道の無電柱化を進めるに当たっては、区市町村に経験やノウハウの蓄積が少ないこと、狭い道路では技術的に無電柱化が困難なことなどの課題があります。都は、区市町村に対し、東京都道路整備保全公社と連携して、設計や施工などにかかわる技術支援を行うとともに、電線共同溝のコンパクト化など、狭い歩道における無電柱化技術の開発に、国や電線管理者と連携して取り組んでまいりました。今後とも、より多くの区市町村が無電柱化に取り組めるよう技術的な支援に努め、面的な広がりに配慮した無電柱化を推進することにより、美しいまち東京の実現を目指してまいります。〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕 # 都市整備局長(只腰憲久君) 都市整備局長(只腰憲久君)三点のご質問にお答えいたします。まず、環境軸の具体的な取り組みについてでございます。道路や河川等の緑と、まちづくりで生まれる緑が一体となって、広がりのある緑空間を創出するため、このたび、環境軸ガイドラインを策定いたしました。この中で、民間都市開発に対して、周辺と一体となった質の高い緑空間の形成を誘導するため、公開空地等のみどりづくり指針を示しておりまして、来月には施行することとしております。また、地元区市町と連携して、早期に環境軸の具体化を図る推進地区といたしまして、道路整備や沿道まちづくりが進められている環状二号線や府中所沢線などを今年度中に位置づけてまいります。これらの施策を積極的に展開して、早期に環境軸の形成を図り、すぐれた都市景観の創出や都市環境の改善に向けて取り組んでまいります。次に、中古住宅を売買するためのガイドブックについてでございます。既存の住宅ストックを有効に活用し、住宅選択の幅を広げるためには、中古住宅の流通促進が重要でございます。本ガイドブックは、中古戸建て住宅の取引に当たりまして、売り主や買い主が確認すべき事項等を示すことにより、安心して売買できる環境をつくることを目指すものでありまして、近々公表することとしております。その内容といたしましては、土地や建物の状況等について情報提供すべき事項をチェックリストとして示すとともに、売買契約における留意事項を盛り込む予定でございます。また、新築時の工事記録や修繕記録など住宅履歴の整備や、住宅の状況等を確認するための住宅検査の実施を推奨することとしております。最後になりますが、ガイドブックの活用による効果と今後の取り組みについてでございます。売り主と買い主の双方が住宅に関する情報を共有化することで、中古住宅取引上のトラブルの軽減等が期待できます。また、住宅の状態や品質、性能に関するより正確な情報が提供されることから、売買時の住宅の信頼性を高めることができ、中古住宅の流通拡大につながるものと考えております。今後の取り組みでございますが、ホームページを活用するほか、パンフレットを作成し、不動産流通業者や区市町村を通じまして配布するなど、ガイドブックの内容を都民に広く普及させてまいります。また、住宅検査につきましても、不動産流通団体や住宅検査機関等で構成されます中古住宅流通促進連絡会と連携し、普及に取り組んでまいります。〔産業労働局長佐藤広君登壇〕 # 産業労働局長(佐藤広君) 産業労働局長(佐藤広君)緑化用植物の生産振興についてお答えをいたします。東京都はこれまで、公共事業で使用いたします苗木の生産委託や、栽培施設の整備補助などによりまして、緑化用植物の生産振興を図ってまいりました。また、農林総合研究センターにおきまして、施工、維持管理が容易な樹木や、屋上、壁面への新たな緑化用植物などの研究開発に取り組んできております。今後はさらに、大都市に適した緑化用植物の研究開発を進めまして、事業者や生産者にその情報を提供するとともに、イベント等により東京産の緑化用植物をPRするなど、生産振興を積極的に図ってまいります。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)五十番今村るか君。〔五十番今村るか君登壇〕〔議長退席、副議長着席〕 # 五十番(今村るか君) 五十番(今村るか君)本年四月の都議会議員補欠選挙で初当選をいたしました町田市選出の今村るかです。選挙戦を通じて訴えてまいりました人に優しい東京をつくるため、与えていただいた任期、全力で活動してまいりますので、理事者、議会の諸先輩、職員の皆様方、どうぞよろしくお願い申し上げます。まずは、一項目めであります。子育て、子育ち環境の向上を願い、虐待防止について、児童相談所の体制をお聞きします。児童相談所の機能強化についてでありますが、既に東京都では、児童福祉司の定数を二〇〇二年から六年までの間、増員しております。しかし、これらは児童福祉法施行令の定めに合わせた加算を行っただけであり、施行令の人口五万人から八万人に一人という基準の最低基準を満たしているにすぎず、四十七都道府県では、下から数えて三番目の位置にあります。一方、児童相談所への相談件数は、ここ数年、三万件台で推移していますが、相談件数のうち虐待の件数を過去三年で見てみると、約二千件から三千二百件と、実に一・五倍になっており、養護相談のうち約半数が虐待の相談という大変深刻な状況になっています。このことに関して、五件質問をいたします。まず、児童相談所を充実させるためには、仮称子ども家庭総合センターの基本構想で示された児童相談所再編の早期実現を求めるとともに、検討されている所管見直しにおいては、市区町村との連携強化のため、より身近なところに地域児童相談所が設置されるべきであり、増設の必要性があると考えますが、東京都の見解を求めます。次に、児童養護施設や養育家庭に措置した児童を初め、施設や養育家庭、実親などへのアフターケアについてです。例えば、こんなことがありました。現在小学生のA君は、幼いときに実親が離婚し、母親は外国籍のため祖国に戻ってしまい、A君は養護施設から養育家庭に措置されてきました。小学生になり、自分の実親がどうしているのか知りたくなり、養育家庭の母親と相談した結果、担当の福祉司に、実親がどういう人なのか、今何をしているのか教えてほしいと頼みました。初めはなかなか聞き入れてもらえませんでしたが、いざ調査をしてみると、母親は祖国に戻った後、すぐに来日し、父親とよりを戻して生活をしていたのです。しかも、調査時点では実親に六人もの子どもがいて、家族で生活をしていたのです。次々に子どもが生まれ、A君を引き取ることができなかったということでありますが、このことがわかり、A君は悩んだ末、実親と兄弟のもとに帰っていきました。福祉司が、せめて一年に一度でも実親の調査をしていれば、もっと早く実親や兄弟たちと暮らせていたはずです。幼い心でずっと実親のことを思い、悩んでいたA君のことを思うと、なぜもっと早く調査ができなかったのか、残念で仕方がありません。しかし、現実は、日々の相談や緊急の虐待などに追われ、児童福祉司一人当たり百件以上の担当を持つ現在の体制では、十分なケアが行われない、こんな声が寄せられています。こうした現状にどう対応していくのかをお尋ねいたします。さらに、都内児童養護施設の定員は、国型グループホームの増設を積極的に行って、毎年十名から二十名以上ふやしていますが、年間入所率は過去五年ほぼ一〇〇%で、幾つかの施設は一〇〇%を超えてしまっています。都は、次世代育成支援東京都行動計画において、今年度、計画どおり百カ所のホームを達成することになり、その努力には敬意を表します。しかし、被虐待児がますますふえている状況では、次年度に向けた児童養護施設のさらなる増員計画が必要と考えます。東京都の見解を求めます。次に、都立児童養護施設と児童相談所・一時保護所の老朽化した施設の改善についてです。まず、新耐震基準以前の施設が耐震補強されないままありますが、どう対応されるのかお聞かせください。特に、Is値〇・三程度のかなり危険な施設があるとのことですが、早急な対応を求めます。過日、私が視察をした一時保護所は古く、居室などが狭く、さらに定員をふやすため床の部屋に畳を敷いただけの居室があるなど、児童の学習や生活にも影響があると感じました。これらの改善の必要性について、東京都の見解を求めます。次は、一時保護所の定員についてであります。近年、児相で受けている相談件数は三万件程度で推移していますが、さきに述べたように、虐待の相談件数は大幅にふえています。このことから、要保護児童がふえていることは、ご承知のとおりであります。一時保護所の定数は、昨年百二十八名から百四十四名に増員されましたが、昨年の入所率は実に九九・八%、近年ずっとこの傾向であります。そのために、一時的に入所率が一三〇%を超えることもあり、空きスペースに布団を敷いて寝るようなことになっております。このような状況が通年続いているわけでありますから、本来なら保護すべき児童がいても、保護先がないため保護できない子どもたちが出てきております。当然、命にかかわるような場合、無理にでも実親から引き離しをするのでしょうが、程度が軽いと判断されてしまった子どもたちは、心と体に傷を負ったまま保護されずに、問題のある家庭に置かれてしまっていることになります。この現状は一刻も早く改善すべきと考えますが、東京都の見解を求めます。二項目めは、まちづくりについてであります。相原・小山土地区画整理事業は、多摩ニュータウン建設の中で新住宅市街地開発事業で行う予定であったものが、土地区画整理事業に変更になったものです。この区画整理事業は、当初、三千五百人の計画人口で、企業などの誘致をメーンにした職住近接のまちづくりを目指していました。ところが、思うような企業進出が進まずに、区画整理事業であるため、地権者所有の土地は民間マンション業者に転売され、都有地にもマンションが建設され、人口が急増しています。さらに、大型ショッピングセンターの出店による渋滞も大きな問題となっています。当初、小学校、中学校一校ずつの予定地を確保していましたが、計画進行中に、需要がないとの判断により建設計画はなくなりました。にもかかわらず、当初人口三千五百人が、その後の状況の変化により最大一万五千人にもなると予測される状況になり、都有地を町田市が購入し、小学校を建設するに至っています。さらに、今後二校目の小学校が必要になり、当然中学校も建設しなければなりません。さらに、中学校も二校目が必要になるのではとの試算がされています。多摩ニュータウンの小中学校は、そのほとんどすべてが新住宅市街地開発事業地内で計画的に建設されてきました。今回のように、当初計画人口が四、五倍になるということ自体が異常で、あり得ないことであり、区画整理事業だからといって、このことによって生じるツケをすべて町田市に押しつけるのは、事業者としての都の責務を全うしているとはいえません。さらに、区画整理当初は、駅前交番が設置できる計画をしていたにもかかわらず、設置の予定がないままになっているなどの課題も残されたままになっています。そこで、人口急増により必要な学校用地などを確保するために、都有地売却時に市に対する配慮ができないのか、所見をお聞きします。現在、事業地内の都有地については、学校が不足するので集合住宅の建設のためには売却をしないよう、市からの要請があり、売り出しても買い手がつかないままになっています。この学校用地問題に一定の見通しがつけば、都有地について集合住宅マンション用地として売却することが可能になり、都財政にも大きなメリットとなると考えますが、あわせてご答弁を求めます。次に、都市計画道路についてであります。この相原・小山土地区画整理事業地内のわずか四キロのメーン通りは、土日は通過するのに一時間以上もかかる渋滞が続いています。ところが、最近、近接の八王子市の長池地区に大型ショッピングセンターができ、さらに、出入り口となる都市計画道路南多摩尾根幹線の交差点改良が行われたことにより、幾分緩和された感があります。この幹線は、町田市、八王子市、稲城市の両端の整備がほぼ完了し、多摩市を通る中央部分がいまだ暫定整備のままです。さらにこの部分は、全線道路幅員が確保され、用地買収費が必要ないにもかかわらず、約三十年間もそのままになっています。都は、多摩地域における都市計画道路の整備方針を策定し、事業の推進に当たっています。東京都は、都市計画道路の重要性、特に南多摩尾根幹線の重要性をどう認識しているのか、都の見解を求めます。最後の三項目めは、モータースポーツ、自動車文化の向上について、簡潔に知事にお聞きします。三宅島での公道レース計画は、モータースポーツ関係者、そしてそのファンに大きなインパクトを与えました。国内では、富士スピードウエーでのF1開催予定を初め、鈴鹿の八耐、北海道でのWRCなどの大規模なレースから、サーキットや民有地を利用したレースや練習、エキシビションなど、さまざまな取り組みが行われ、モータースポーツ文化が定着しつつあります。また、海外に見られるような古い車をレストア、修理しながら楽しむといったことも広がりつつあります。残念なことに、東京都においては、こうしたモータースポーツの文化振興に対応する部署がありません。観光面でも、モータースポーツは一定の集客力が見込まれますし、横浜町田インター付近には、モータースポーツに関するショップが多数ありますが、産業振興としての位置づけもされておりません。日本の自動車文化向上、モータースポーツ文化向上のために、こうしたことを文化ととらえ、対応する部署を決め、取り組みを行う検討を始めるべきではないかと考えますが、知事の見解を求めます。次に、税制面での支援について質問を行います。二輪とは違い、四輪は、初年度登録後十年から十三年を超えると、排気ガスなどの環境面から重課、すなわち自動車税が約一割増しになります。しかし、二、三十年も経過をすれば、多くの車両は年間走行距離を余り走らない趣味的用途になります。買いかえだけを奨励するのではなく、同じものを長く使うことは環境にも大切な視点になります。現に、一九四五年以前に生産された車には税制上の優遇措置が適用されています。これらを拡大する考えがないか、東京都の見解を求めます。以上、私の一般質問とさせていただきます。ご清聴いただきましてありがとうございました。(拍手)〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕 # 福祉保健局長(安藤立美君) 福祉保健局長(安藤立美君)今村るか議員の一般質問にお答えいたします。まず、児童相談所の体制についてでございます。児童虐待相談の急増に対応するため、平成十七年四月に改正児童福祉法が施行されまして、区市町村が児童虐待を含む第一義的な相談対応を担い、都道府県は専門的な対応や区市町村の後方支援を重点的に行うということとなりました。これに先駆けまして、都は、児童虐待防止のための機能を備えました先駆型子ども家庭支援センターの設置を、都内全区市に強力に働きかけております。さらに、今後、都における子どもと家庭の相談機関の中核といたしまして、子ども家庭総合支援センター(仮称)を設置し、身近な相談窓口である区市町村をこれまで以上に支援をしてまいります。次に、施設や養育家庭に措置した後の子どもへの対応についてでございます。児童相談所における児童福祉司と児童心理司は、施設や養育家庭を計画的に訪問し、措置後の子どもの状況を把握しながら、必要な指導援助を行っており、いずれも近年、大幅な増員を図っております。さらに、すべての児童相談所に家庭復帰支援員と養育家庭専門員を配置し、それぞれ児童福祉司との連携のもと、子どもの家庭復帰の促進や養育家庭への支援の強化に努めているところでございます。次に、グループホームの整備計画でございますが、都は、さまざまな事情で親と一緒に暮らすことのできない子どもが、家庭的な雰囲気の中ではぐくまれ自立できるよう、グループホームの整備に努めております。平成十九年度末までに百カ所設置することを目標とし、その達成に向けて現在取り組んでいるところでございます。平成二十年度以降の目標につきましては、実績などを踏まえて今後、検討していくことといたしております。次に、都立児童養護施設等についてでございますが、本年三月に策定いたしました東京都耐震改修促進計画では、都立養護施設など防災上重要な公共建築物については、平成二十七年度までに耐震に必要な対応を図ることとしております。また、一時保護所の施設の水準につきましては、国の施設基準に適合するものとなってございます。最後に、一時保護所の定員についてでございます。都は、児童虐待の増加などにより、子どもを緊急に保護するケースがふえてきたため、平成十八年に西部一時保護所を新設し、一時保護所の定員を百二十八人から百四十四人へと増員をいたしました。こうした整備により、緊急に一時保護すべき子どもについては速やかに保護し、子どもの安全確保に努めております。〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕 # 都市整備局長(只腰憲久君) 都市整備局長(只腰憲久君)三点のご質問にお答え申し上げます。まず、相原・小山土地区画整理事業についてでございます。本事業は、多摩ニュータウン西部の町田市に位置しておりまして、平成十六年三月に換地処分を行いました都施行の土地区画整理事業でございます。近年、民有地への集合住宅の立地も多く見られまして、居住人口は増加の傾向にございます。こうしたことから、中学校予定地として、市から区域内の都有地を取得したいとの要望を受けておりまして、今後、市と必要な調整をしてまいります。次に、都有地の集合住宅用地としての売却についてでございます。相原・小山地区の都有地は、平成十一年度当初には約五十一ヘクタールございましたが、現在では、既にその八〇%以上が売却されております。残された都有地につきましては、ただいまの学校用地としての処分の動向を勘案しつつ、引き続き適切に対処してまいります。最後になりますが、南多摩尾根幹線についての認識でございますが、本路線は、多摩ニュータウンを中心とした地域住民の利便性を確保するとともに、都心方面とを結ぶ、南多摩地域を支える幹線道路の一つでございます。また、神奈川方面を含めた広域的な幹線道路として、都県境を越えた都市間連携の強化に不可欠な路線と考えております。〔生活文化スポーツ局長渡辺日佐夫君登壇〕 # 生活文化スポーツ局長(渡辺日佐夫君) 生活文化スポーツ局長(渡辺日佐夫君)自動車文化についてのご質問にお答え申し上げます。文化の意味するところは極めて多様で、日常生活の中にある生活文化、創造性あふれる芸術文化、身近な楽しみとしての娯楽文化、また都市空間や建築が持つ文化など、さまざまな文化があると認識しております。このように広範な文化すべてを行政が施策の対象とすることはもとより不可能でございますし、また、そうすることは適当ではないと考えております。都においては、文化振興の施策の対象を、音楽、美術などの芸術文化、アニメーションなどのメディア芸術、能楽などの伝統芸能などとしております。お話しのモータースポーツや古い車をレストア、修理しながら楽しむといったことは、もちろん文化としてとらえることはできますが、都の文化振興施策の対象とすることは現段階では考えておりません。〔主税局長熊野順祥君登壇〕 # 主税局長(熊野順祥君) 主税局長(熊野順祥君)製造年代の古い自動車に対する自動車税についてでございますが、都は、低公害車の普及促進を図るために、環境負荷の小さい自動車の税負担を軽減する一方、新車新規登録から十年を超えるディーゼル車、十三年を超えるガソリン車につきましては、自動車税の一〇%重課を行っております。これは、一般的に一定年数を経過した自動車は環境への負荷が大きいことからとられている措置でございまして、使用実績あるいは文化的価値から特定の車両を区別し、重課から外すことは困難であると考えております。 # 副議長(木内良明君) 副議長(木内良明君)二十六番宇田川聡史君。〔二十六番宇田川聡史君登壇〕〔副議長退席、議長着席〕 # 二十六番(宇田川聡史君) 二十六番(宇田川聡史君)初めに、水道事業における危機管理などについてお尋ねをいたします。首都東京において安定給水に支障が生じた場合、都民生活はもとより、国内外の社会経済活動に大きな影響を及ぼすことが懸念されます。こうしたことから、平常時の安定給水はもちろんのこと、渇水、事故時などを想定した危機管理対策の必要性を、さきの予算特別委員会においてもただしました。その予特の場で、暖冬により積雪量が極端に少なかったことを受け、この夏に向けた渇水の危惧を指摘したわけですが、可能性が色濃くなってまいりました。新聞紙上においても、利根川上流ダムの貯水量が最低にとか、首都圏の水がめ、八木沢ダムの上流部干上がるといった文字が目立ち、また、ラニーニャ現象によって梅雨前線が北上しやすくなり、梅雨明けが早まるという話題が出ております。気象庁によれば、関東甲信地方の降水量は、六月こそ平年並みですが、七月、八月は少ないとなっている上に、ラニーニャ現象発生時は猛暑となる傾向があり、渇水に対する懸念は高まる一方であります。現時点での水事情はどうなっているのか、今後の給水の見通し、対応について改めてお伺いいたします。水道は、人間の活動を支えるライフラインとして最も重要であります。特に震災時における対策は大きな課題であり、万全を期す必要があると考えます。近年の大規模地震発生時には、水道が甚大な被害を受け、給水車での飲料水供給は確保したものの、トイレなどの生活用水の不足が被災地で大きな問題となっております。「十年後の東京」では、災害に強い都市をつくり、首都東京の信用を高めるとあります。今後、まさに国際社会での信用を高めていく上で、震災対策は最重要課題の一つといえます。水道インフラの整備は、一朝一夕にはなし得ないことではありますが、被害を最小限にとどめる予防措置を進め、結果、一日でも早い災害復旧を目指すべきだと考えます。現在の東京における被害想定はどうなっているのか、災害復旧の見込みはどうなのか、お尋ねいたします。復旧時間の短縮に向けた努力もまた必要ですが、今後の取り組みについてお伺いいたします。水の確保という点においては、量のほかに質も重要です。諸外国と比べ、おいしいといわれている日本の水道水ですが、以前の東京の水は決して評価できるものではありませんでした。その後、おいしい水の供給のため、高水準の水質確保に向けた対策を講じ、今や高度浄水技術によりペットボトルでの販売がなされるまでに至り、名実ともに安全でおいしい水として世界に誇れるのではないでしょうか。知事も、東京水を安心して飲まれていることと思います。その反面、水道水の安全性維持には、残留塩素の濃度が一定以上に保たれる必要があり、これがカルキ臭ともいわれ、おいしさを損なっているのも事実であります。せっかく小学校の水飲み栓を直結給水すべく事業を進めても、このカルキ臭があっては、子どもたちにおいしさを実感させることはできません。東京水道経営プラン二〇〇七の中では、残留塩素の低減策が掲げられておりますが、これを早期に具体化し、取り組みを進める必要があると考えますが、いかがでしょうか。ご所見を伺います。近年、温暖化による地球規模の環境変化が指摘され、日本もご多分に漏れず記録的な異常気象が発生しております。渇水危機に際し、現在の水資源を十分に有効活用することはもちろんのこと、今後のさらなる危機に備え、ダム開発を進めておりますが、こうした将来を見据えた事業も着実に進めるべきだと考えます。さて、東京では、過去に取水制限が行われた年がありましたが、石原知事就任以来では、初めての給水危機となることが予想されております。また、五月の世界大都市気候変動サミットでは、知事から、漏水防止の取り組みや高度浄水などのアピールがありました。いずれにしても、都市の発展には、量、質ともにすぐれた水の確保、安定した給水は欠かせず、大きな意義を持つと考えるところですが、知事のご所見をお伺いいたします。水を貴重な資源としてとらえたときに、下水を高度処理した再生水の利用促進も、また一つの大きな意義を持つことであります。再生水をトイレ用水や道路、植栽等への散水などに有効利用することは、水資源の確保に加え、温室効果ガスの抑制やヒートアイランド対策にもつながることとなります。都はこれまで西新宿周辺において再生水を供給しており、庁内のトイレにも利用されておりますが、このたび、永田町及び霞が関地区においても再生水の供給を開始すると聞きました。再生水は、都市部における新たなる水資源としてなお一層の利用拡大を期待しており、より良質で安価なる供給をも望むところでありますが、今後の取り組みについてお伺いいたします。次に、公衆浴場支援について伺います。都内の公衆浴場、いわゆる銭湯は、この五年間に二百軒以上が廃業し、昨年度ついに一千軒を大きく割り込みました。都民の日常生活に欠くことができない施設なだけに、今なお廃業に追い込まれるところがあるのは非常に残念でなりません。しかし、一方で、公衆浴場の社会的役割は膨らみ、大いなる社会貢献を果たしていることも事実です。地域の社交場としてコミュニティの形成に一役を果たし、生活習慣病予防も含めた健康増進の援助を行い、あるときは子どもたちに団体行動の規律や社会のマナーを指導する場であったり、時にはひとり暮らしの高齢者の安全・安心を見守るといった役割も担っております。ある意味、非常に公共性を持った事業者の一面を持ち、そうした自負があるからこそ、経営環境が厳しい中、入浴料を据え置きながらも努力を続けているわけです。自家ぶろ保有率の増加はもとより、近年の原油の高騰や価格の急変動に加え、いわゆるスーパー銭湯などの進出等、厳しい逆風の中ではあっても、何とか事業継続をしてほしいと願っております。現在、都は、区市と連携のもと、健康増進型公衆浴場改築支援事業を行っておりますが、必要要件を満たす改築となると、多額な負担を強いられることとなります。とりわけスペース確保などが要件となっているため、制度を利用できる方は限られてしまっているのが現状です。そうした中、クリーンエネルギー化の改築のみを対象とした補助を事業化すべきではないでしょうか。近隣他県を見ますと、神奈川県では三百万円上限の二分の一補助を、埼玉県では百二十万円上限の二分の一補助を既に行っております。CO2削減を積極的に展開し、日本をリードしていくという知事の方針の中、燃料のガス化や太陽熱利用の温水器設置は、それに大いに貢献することともなるわけであり、重油や廃材利用と比べ、きれいな空気を排出し、環境負荷の軽減にもつながることを考え合わせれば、都としてもクリーンエネルギー化に対する助成を積極的に進めるべきだと考えますが、所見をお伺いいたします。平成二十年四月の医療制度改革に伴い、予防医療がますます重要視されることとなります。公衆浴場は街角の身近な健康増進施設として一般都民にも広く利用されており、銭湯みずからが、生活習慣病の予防や改善といった健康増進に資するため、正しい知識の普及や指導を行う場として健康入浴を推進してまいりました。また、平成十六年四月に、公衆浴場が持つ住民の健康増進施設としての位置づけを明確にし、地方自治体が健康増進の場として活用することに努めなければならないとの法改正がなされたことも受け、まさに自治体である東京都としても、それを踏まえた支援を行うべきであります。現在の制度上、特別調整交付金の中に組み込まれ、区が主体となって事業を推進し、杉並区などでは積極的活用を行ってはおりますが、区ごとに大きなばらつきがあるのが現状です。都が指導的立場で、各区に対し、ばらつきを抑えた事業展開を講じる、そうした働きかけを行っていくよう要望をしておきます。次に、都民参加での環境づくりについてお尋ねをいたします。東京港は、首都圏四千万人を支える一大物流拠点であり、港としてのさらなる整備が望まれております。その側面には、都民にとって大変身近な水辺空間であるという顔もあわせ持ち、多くの人たちが親しみを持っております。都は「十年後の東京」の中で、豊かな自然環境と共生する水辺空間を創出し、安心して水と触れ合える水質を確保することを目指すとしています。東京港においても、これまで、海上公園等の整備により、海釣りや潮干狩りが楽しめるレクリエーションの場に人々が集い、にぎわいを見せ、また、運河ルネッサンスなどの推進により都民が水に親しめる場を提供するなど、環境づくりに積極的に取り組んでいるところであります。私も先月、若洲やお台場の海浜公園、有明北にあるカニ護岸などの整備状況、天王洲や芝浦における運河ルネッサンスの現状などを船上より視察をしてまいりましたが、以前のイメージを一新する印象を受け、環境づくりの意義を再考したところであります。しかし、こういった多くの取り組みは、行政が一方的に推し進めることにとどまらず、時には都民の意見を入れたり、時にはその取り組みに参加してもらうことも必要ではないでしょうか。都民の皆さんが主体的に環境づくりに参加することによって、東京港が貴重な水辺であると認識できるとともに、効果的な推進につながると考えます。そこで、東京港などにおける都民参加での環境づくりについて、都の今までの取り組み姿勢、そして実績についてお尋ねをいたします。二〇一六年、東京オリンピック招致を目指している今日、都市空間の緑化や良好なる水辺空間の創出、海辺の水質改善などは、より積極性を持って取り組むべきであります。知事も所信表明において、水と緑の回廊で結ばれた世界最先端の環境都市につくり上げるため、臨海部に造成する海の森づくり等により東京全体の緑のムーブメントを創造する、と力強く語っておりました。こうした環境づくりは、都民と一体となってこそ大きな前進ができると考えます。今後どのように都民参加を促し、どのような取り組みを行っていくのかをお伺いいたします。さきの一定にて質問があったところではありますが、都県境の橋梁整備について改めてお伺いをいたします。千葉県へと向かう交通アクセスは江戸川を挟むため、当然に橋梁を利用することとなります。橋梁がボトルネックとなり、慢性的交通渋滞を引き起こすわけですが、他の河川にかかる橋と比べて余りにも橋梁の数が不足しているといわざるを得ません。今井橋から市川橋の間八キロ近く橋がないことは、渋滞発生のみならず、災害時における都県境を越えた広域避難体制の確立といった点にかんがみても、一刻でも早い整備を要すると考えます。区部における第三次事業化計画の中でも、浦安市へと向かう放射一六号線と、市川市との間を結ぶ補助一四三号線については、平成二十七年度までに優先的に整備する路線として位置づけをされており、その必要性、重要性は明らかであります。さまざまな課題が残されているからこそ、遅々として事業化に至らないこととは思いますが、是が非でもの整備を強く望んでやみません。放射一六号線と補助一四三号線、この二路線について、東京都側の進捗状況をお伺いいたします。また、今月八日、千葉県との道路橋梁整備調整会議が実務者レベルで開催されたとも聞いております。事業の前進につながったことを期待しているところではありますが、会議の結果を踏まえ、橋梁部の事業化へ向けた今後の取り組みについて具体的にお伺いをさせていただきます。以上で私からの質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)宇田川聡史議員の一般質問にお答えいたします。量と質がともにすぐれた水の確保についてでありますが、江戸時代の後半、世界に希有なる百万都市としての江戸の暮らしは、神田上水、玉川上水が支えておりました。これは、あの時代に上水道を持った首都というものは世界に例がございません。現在、東京水道は千二百万の都民の生活と首都東京の都市活動を支える、まさにライフラインであります。しかし、首都圏の水源は、一人当たりダム貯水量が世界の主要都市に比べて極めて少なく、脆弱であります。加えて、近年の気候変動に伴い、雨の多い年と少ない年の差が顕著になりまして、水資源の管理がますます困難になってきております。こうした状況から、引き続き水源確保に努めていくことが重要だと思います。ある政党は、建設中の八ッ場ダムについては非常に反対の意見を持っておりましたが、今日の事態になれば、こうした先を見越した設備投資というのがいかに都民にとって必要かということが証明されると思います。また、漏水防止を推進するなど、水資源の有効活用を図っていく必要もあります。東京は、安全性とおいしさを兼ね備えた水を供給する数少ない都市でありまして、都市の持続的な発展に欠かすことのできない水の安定供給を通して、成熟した大都市東京の姿を世界に発信していきたいと思っております。他の質問については、関係局長から答弁いたします。〔水道局長東岡創示君登壇〕 # 水道局長(東岡創示君) 水道局長(東岡創示君)水道事業における危機管理対策などについての三点のご質問にお答えいたします。まず、水源状況と今後の給水見通しですが、都の水源の約八割を占める利根川水系では、上流八ダムの貯水量が六月十九日現在、約三億五千万立方メートル、貯水率七五%となっております。また、多摩川水系では貯水量が約一億七千万立方メートル、貯水率七六%となっております。関東甲信地方は梅雨入りが平年より六日遅く、気象庁によると、七月、八月は平年に比べ降水量が少ないとされております。このため、今後の降水量によっては貯水量がさらに低下し、取水制限が実施された平成六年や八年と同様、厳しい状況になることも考えられます。したがって、水源状況や気象状況など、引き続き慎重に見守りながら、きめ細かな水運用を実施し、安定給水の確保に努めてまいります。次に、大規模地震発生時における被害想定と復旧見込みですが、平成十八年五月に作成された首都直下地震による東京の被害想定報告書では、東京湾北部地震でマグニチュード七・三の場合、水道の断水率は、区部が四六・三%、多摩地区が一〇・九%と想定しておりまして、水道局では、発災後、すべての水道施設を復旧するまでの日数を三十日と設定しております。現在、東京都水道局震災対策事業計画に基づき、浄水場や管路を耐震化する施設整備を推進していますが、発災時の被害をできるだけ少なくするため、一層の予防対策に努めていく必要があると考えております。このため、高い断水率が見込まれる東部地域に重点を置きつつ、耐震継ぎ手管への取りかえをさらに推進するなど、水道施設への被害を抑制し、一日でも早い災害復旧が可能となるよう取り組んでまいります。最後に、残留塩素の低減化に向けた取り組みですが、水道局では、安全でおいしい水プロジェクトとして、高度浄水処理の導入や貯水槽水道対策を推進するとともに、においや味などに関する都独自のおいしさに関する水質目標の達成に向けて、各種施策に取り組んでいるところです。今後、さらに、カルキ臭の原因の一つとなっている残留塩素を低減化していくために、中継点である給水所でも塩素を注入できるよう整備し、浄水場での塩素注入を減らし、全体として塩素濃度を減少させることとしていきます。このため、こうした注入地点を分散した設備を、今年度から平成二十一年度までに八カ所の給水所において順次整備してまいります。今後とも一人でも多くのお客様に水道水のおいしさを実感していただけるよう、水源から蛇口までの総合的な水質向上の施策を展開してまいります。〔下水道局長前田正博君登壇〕 # 下水道局長(前田正博君) 下水道局長(前田正博君)下水再生水の利用拡大についてでございますが、新たに永田町及び霞が関地区で事業を開始することとしており、まず来月から、ヒートアイランド対策として、国会議事堂に隣接する道路への散水に再生水を供給いたします。今後、再生水の一層の利用拡大を図るには、利用者を開拓することと、より安価で良質な再生水を提供することが重要でございます。このため、大規模な開発地域などを対象に供給地区の拡大を図るとともに、ビルの所有者に精力的に再生水利用を働きかけているところでございます。また、新たな技術として、寿命が長く経済性にすぐれ、色やにおい、細菌類などをろ過するセラミックフィルターなどの技術開発にも取り組んでおるところでございます。今後ともこうした取り組みを積極的に推進し、都市の貴重な水資源である下水再生水の利用拡大を図ってまいります。〔生活文化スポーツ局長渡辺日佐夫君登壇〕 # 生活文化スポーツ局長(渡辺日佐夫君) 生活文化スポーツ局長(渡辺日佐夫君)公衆浴場におけるクリーンエネルギー化の推進についての質問にお答えいたします。公衆浴場は、ご指摘のとおり、都民に入浴の機会を提供するだけでなく、高齢社会に対応し、地域住民の福祉、健康づくりの場となるなど、地域コミュニティの活性化に貢献しております。こうした公衆浴場が環境面においても貢献するために、重油や廃材などから都市ガスなどのクリーンな燃料に転換を進めることは、CO2を初めとする温暖化ガスの削減にも寄与するものと認識しております。都としては、今後、公衆浴場業界の動向も見きわめつつ、対応について検討してまいります。〔港湾局長津島隆一君登壇〕 # 港湾局長(津島隆一君) 港湾局長(津島隆一君)東京港における都民参加による環境づくりについて、二点のご質問にお答えいたします。まず、都民参加による環境づくりの取り組み姿勢と実績についてでございます。東京港における自然と共生する豊かな環境づくりに当たっては、水辺の自然を回復し、多様なレクリエーションの場として発展させるという視点に加え、何よりも幅広い都民や企業が環境の大切さを認識し、みずから参加して取り組む体制を築くことが重要でございます。このため、都ではこれまで、例えば海上公園の整備に当たり、港湾審議会等への都民の参加や、小学生も参加した海の森の苗木づくり、また、カニの放流や干潟など自然の再生、地元住民や企業と協力、連携した運河ルネッサンスなど、さまざまな取り組みを行ってまいりました。こうした都民参加の取り組みにより、近年、臨海地域における緑や水辺の環境に対する都民の関心も一段と高まってきたところでございます。次に、都民参加による環境づくりの今後の取り組みについてでございます。環境づくりは、子どもから大人までの幅広い都民、企業、NPOなどの多様な主体が計画から運営までのさまざまな場面に参画する仕組みづくりと、行政との協働が促進されてこそ大きな前進が期待できると考えております。このため、今後、ごみや残土で埋め立てられた島を緑の島に生まれ変わらせる海の森事業では、海の森募金を募るとともに、都民による植樹や管理への参加を得て、協働して森を育ててまいります。また、東京港における環境づくりの大切さと喜びを体感していただくため、都民やNPOなどの参加による、お台場海浜公園でのカキを使った水質浄化実験にも取り組んでまいります。こうしたさまざまな取り組みにより、「十年後の東京」が目指す、緑に囲まれ、水辺と共存した都市空間を実現してまいります。〔建設局長道家孝行君登壇〕 # 建設局長(道家孝行君) 建設局長(道家孝行君)二点のご質問にお答えいたします。まず、放射第一六号線と補助第一四三号線の進捗状況についてでありますが、これらの路線は、千葉県境付近における道路ネットワークの形成を図り、都市間連携を強化する上で重要な役割を担う路線と認識しております。このため、区部における第三次事業化計画の優先整備路線にも位置づけ、事業を進めてまいりました。このうち、放射第一六号線は、都心と千葉県臨海部を結ぶ延長約十二キロメートルの骨格幹線道路であり、都県境にかかる橋梁を除いて、整備済みであります。また、補助第一四三号線は、葛飾区金町と江戸川区東篠崎を結ぶ延長約十キロメートルの路線であり、都県境付近の篠崎街道から旧江戸川までの延長五百三十メートルが事業中であります、この区間の平成十八年度末の用地取得率は約六割であり、引き続き財源確保に努め、地元の理解と協力を得ながら事業を進めてまいります。次に、都県境の橋梁などに関する千葉県との調整会議と、橋梁部の事業化に向けた取り組みについてでありますが、両路線の旧江戸川にかかる橋梁の整備に当たっては、事業手法や取りつけ部の整備時期など、都県境特有の課題があり、千葉県との調整を図る必要があります。このため、平成五年に道路橋梁整備調整会議を設置して以来、継続的に開催し、路線整備について検討を行ってまいりました。直近の六月の会議では、都と県が合同で現地調査を行い、橋梁取りつけ部付近の現状を確認するとともに、課題である事業手法などについて意見交換を行いました。今後とも事業化に向け、この調整会議を活用し、積極的に課題解決に取り組んでまいります。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)十九番高倉良生君。〔十九番高倉良生君登壇〕〔議長退席、副議長着席〕 # 十九番(高倉良生君) 十九番(高倉良生君)昨日、渋谷の温泉施設で三人が死亡する爆発事故が発生をしました。犠牲者の方々に心より哀悼の意を表します。昨夜、私も現場に行ってまいりましたけれども、警察、消防はもとより、都環境局の職員の皆さんも現場において徹夜で対応に当たっておられました。心より敬意を表するものであります。温泉施設は、都内でも昨年度百四十四施設に急増しております。今回の事故原因を徹底して究明するとともに、現在都内にある同様施設を緊急に実態調査すべきであります。北区で一昨年発生した天然ガスの噴出事故を機に、都は掘削工事中の安全対策ガイドラインを策定しておりますが、営業時におけるガスの適切な処理に関する規制などはない状況であります。今回のような事故を二度と起こさないために、営業時も含む抜本的な安全対策を確立するよう強く要望し、質問に入ります。石原知事が制作、総指揮、脚本に当たられた映画「俺は、君のためにこそ死ににいく」を見てまいりました。大変感動的な作品であり、日本映画の魅力を改めて実感いたしました。私たちは、すばらしい日本映画や技術の高い日本アニメを映画館やDVDでいつでも見ることができます。しかし、聴覚障害者はそれを楽しむことが困難であります。日本語音声に日本語字幕がなく、内容がわからないからであります。テレビでは字幕放送が進んでいますが、映画では一部、劇場上映で日本語音声に字幕をつける作品はあるものの、DVDも含め、ほとんど対応されていない現状でございます。そのような中で、今回知事が制作、総指揮をされた映画は、日本語字幕つきフィルムが上映されていると聞いております。映画という魅力あふれる文化を一人でも多くの人が楽しめるよう、情報アクセスのバリア解消を図っていくことが重要です。知事の率直なお考えをお聞きします。ことし、「バベル」というハリウッド映画で菊地凛子さんがアカデミー賞にノミネートされ、話題になりました。この映画では、英語のほか、モロッコやメキシコの言葉、日本語、手話と五つの言語が登場しますが、日本公開に際し、当初は日本語音声には字幕がありませんでした。約四百人のろう者がエキストラ参加したこの映画を、全国の聴覚障害者にも同じように楽しんでほしいという声が大きな署名運動となって配給会社を動かし、日本語音声に字幕がついての上映が実現をいたしました。先日、我が党の政調会長と一緒に、署名を呼びかけた方にお会いしました。聴覚に障害のあるお子さんをアニメ映画に連れていったお母さんが、口を子どもの耳元に寄せて一生懸命せりふを伝えているんです、ぜひとも字幕が欲しいですねと語っておられました。洋画だけでなく、すばらしい日本映画やアニメ作品を字幕で自由に楽しみたいという聴覚障害者の要望にこたえるためには、劇場上映の字幕のほか、レンタルビデオ店に備えられるレベルのDVD作品に標準で字幕をつける働きかけが不可欠であります。都は、映画を通じて東京の文化や魅力の発信に取り組んでおりますけれども、日本語音声の字幕化についてもリーダーシップをとるよう努めるべきであります。そして、字幕の法制化に向けた取り組みへの後押しや、事業者に対する積極的な働きかけを行うべきであります。所見を伺います。また、知事には、「俺は、君のためにこそ死ににいく」がDVD化されるなら、シンボルマークをつけるなど、日本語字幕つき日本映画の見本となるよう要請をし、映画を愛する聴覚障害者の応援をしていただきたいと思います。次に、視覚障害者の情報アクセスについてであります。さまざまな情報の中で、防災に関するものは視覚障害者にとっても極めて重要であります。現在、小さなシンボルを文書の余白につけ、専用の読み取り機にかざすと音声で読み上げる音声コードが普及していますが、都の防災パンフレットにも音声コードをつけるべきであります。所見を伺います。この音声コードの添付は、都の発行物でも少しずつ進んでいると聞いております。「十年後の東京」が目指すユニバーサルデザインのまちづくりの一環として、都の各局においても音声コードの添付をさらに進めるべきであります。また、視覚障害者の社会参加に向けた利便性を考えるならば、公共施設の窓口を初め、必要と思われるさまざまな場所に音声コードの読み取り機を置くことを今から検討しておくべきであります。所見を伺います。次に、救急医療についてであります。公明党は、先月発表した命のマニフェストにおいて、空飛ぶ救命室とも呼ばれるドクターヘリの全国配備に取り組んでおります。我が党のこうした主張を受け、都は今年度、全国に先駆けて、消防庁のヘリを活用した二十四時間三百六十五日運航可能な東京型ドクターヘリの運航を開始することは、高く評価をするものであります。さらに、十カ所程度の協力病院から添乗医師を円滑に確保するとしており、救急治療が迅速に提供されると期待しております。そこで、救急患者搬送時間の短縮を一日も早く実現するために、この東京型ドクターヘリの運用を早期に開始すべきと考えます。所見を伺います。東京型ドクターヘリは、本土から四百キロ離れている島しょ地域まで飛べる大型ヘリであり、夜間飛行も可能であります。したがって、運航範囲については、患者搬送に時間がかかる多摩の山間部も対象とすべきであります。さらに、都内全域を対象にした活用を検討すべきであります。都心等においては、通常、救急車による迅速な救急活動が行われておりますが、密集した都心や市街地においても東京型ドクターヘリを活用する場面が必ずあると考えます。あわせて所見を伺います。次に、外国人の留学生受け入れについてであります。国は、五月に発表したアジア・ゲートウェイ構想の中で、二〇二五年までに現在の三倍の三十五万人の留学生受け入れを打ち出しました。都においても、「十年後の東京」で、アジアの優秀な人材を東京へ招致していくために留学生の受け入れ体制を整備することを明らかにしています。そこで、大学が最も集中する東京においてこそ、留学生の受け入れ枠の拡大の具体策を提示すべきであります。あわせて、率先して首都大学東京においてはアジアからの留学生を積極的に受け入れるべきであり、また今後、大学内での受け入れ施設整備も進めるべきであります。「十年後の東京」においても、アジア大都市ネットワーク21や現地大学とのネットワークなどを活用して首都大学東京に受け入れるとしています。アジア諸都市の発展に寄与する人材を育成するためにも、受け入れ拡大策を講ずるべきであります。所見を伺います。また、アジアからの留学生受け入れに当たって最大のネックになっているのが、住居の確保であります。都は、アジアからの留学生宿舎として平成二年から太田記念館を運営していますが、現在の入居者数は四十一名であります。こうした既存の住居の拡充整備を図るとともに、居住環境の整備に関して新たな工夫を加えるべきであります。所見を伺います。さらには、大学生だけでなく、中高生の受け入れも進めるべきと考えます。私学においては、多くの学校で長期、短期の留学や海外研修を実施し、中には交換留学を行っているところもあります。都は、十九年度重点事業として、海外青少年の教育旅行受け入れ促進事業を始めました。これは、外国からの修学旅行を受け入れ、学校での交流を行うものであります。既に都立高校で二校が学校交流を実施したと聞いております。ぜひとも国際交流推進モデルになるような取り組みの普及を図り、都立高校においても外国からの修学旅行の受け入れなどの国際交流を一層推進すべきであります。所見を伺います。次に、三宅島で計画されているオートバイイベントについてであります。私はバイク愛好者の一人として、さきの予算特別委員会でも安全対策など質問したところであります。このイベントが構想されて以来、公道を使ったレースのみに関心が集まっている感があります。しかし、島の復興を考えるならば、中高年にも人気が高まっているバイクの魅力をアピールすることを主眼にさまざまなレースやイベントを開催し、来島者の増加を図っていくことこそ重要であります。私は、三宅島におけるバイクレースやイベントには、バイク愛好者の大きな期待があると思っております。例えば、モトクロスバイクを使うスーパークロスと呼ばれる競技は、ショーアップすることで非常にインパクトが高まります。三宅島の地形にふさわしいレースとして、実施に向けた検討をすべきであります。また、トライアルレースのほか、参加型イベントの一環として、ふだん見ることのできないクラシックバイクやサイドカーの走行など、工夫を凝らすべきであります。所見を伺います。三宅島では、噴火前に島民や観光客にも人気があったボウリング場が閉鎖されたままになっております。これは従前、勤労福祉会館にあり、都が運営をしていたものであります。地元住民から再開を求める強い要望がありますが、都の早急な取り組みを強く求めます。また、復興への重要な課題である三宅島羽田間の航空路については、島民の利便性や観光客をふやすため一日も早く再開すべきであります。都の積極的な取り組みについて、所見を伺います。最後に、創業支援策についてであります。中野区にあった東京都労働資料センターが移転し、その跡を活用して、都の取り組みとしては初めての、アニメや映像を主体とするインキュベーション施設が設置されます。中野区は、IT・コンテンツ産業の振興に力を注いでおり、それと軌を一にするものとして大きな期待を寄せております。周辺にはコンテンツ系の学科を持つ教育機関もあります。そこで、今回のアニメ・映像産業に特化したインキュベーション施設の設置に当たっては、中野区との連携や、大学や専門学校などとの連携を積極的に図るべきであります。所見を伺います。東京のインキュベーション施設の設置は、国際的に見て低い水準にあります。今後、成長が期待される福祉、医療といった健康産業などの育成も含め、東京にふさわしい公的インキュベーション施設の整備に取り組むべきであります。所見を伺いまして、質問を終わります。(拍手)〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)高倉良生議員の一般質問にお答えいたします。映画を楽しむためのバリアの解消についてでありますが、映画という文化に触れることを通して、人はさまざまな刺激を受け、心も豊かになり、日々の生活にも潤いがもたらされるわけでありまして、こうした感動は、障害の有無にかかわらずだれもが求めるものであると思います。私自身、先般久しぶりに映画制作にも携わりまして、つくり手側としても、より多くの人に映画の楽しさを味わってほしいと実感いたしました。現に、講演会であるとか政治の演説会などは手話が非常に徹底しているわけでありまして、一方、もっとハイブラウな、芸術のジャンルの一つである映画にそういう障害があるということは、まことにご指摘のように残念なことでありまして、現在、我が国においても、耳の不自由な人がいつでも映画を楽しむことは非常に難しい状況であります。すべての人が映画文化に触れる機会を享受できるようになればすばらしいことだと思っております。現に、私たち、洋画を見るときは皆スーパーを見ているわけで、日本映画を見るときにそれはそう視覚的な煩わしさにはならないと思いますので、すべての人が映画文化に触れる機会を享受できるようになればすばらしいことだと思います。そのような社会が実現されることを私も望んでおりますし、自分に関係した作品については、映画会社とも諮りまして、手始めにそういうものを実現していきたいと思っております。他の質問については、教育長及び関係局長から答弁いたします。〔教育長中村正彦君登壇〕 # 教育長(中村正彦君) 教育長(中村正彦君)都立高校における国際交流の推進についてであります。異なる文化、生活、習慣を持つ同年代の若者同士の国際交流は、異文化を直接体験し、国際性を養うという点で大変大きな意義を持っております。都立高校におきましては、これまでも海外研修や姉妹校との交流、留学生を招いての交流会などを行っております。本年度は六校で海外修学旅行を実施するとともに、この七月には、国の二十一世紀東アジア大交流計画を受け、海外から約二百名の青少年の訪問を受け入れる予定でございます。ご指摘の海外からの修学旅行生との交流につきましては、今後とも関係機関等と連携し積極的に進めるとともに、国際交流のモデルとなる学校の実践事例をまとめ、指導資料を作成するなどして、都立高校における国際交流を一層推進してまいります。〔生活文化スポーツ局長渡辺日佐夫君登壇〕 # 生活文化スポーツ局長(渡辺日佐夫君) 生活文化スポーツ局長(渡辺日佐夫君)日本映画やアニメに字幕をつける取り組みについての質問にお答えいたします。ご指摘のとおり、日本語字幕によって耳の不自由な方が気兼ねなく自由に映画を楽しめる環境をつくることは、大変重要であると認識しております。都は、映像文化の振興を図るため、東京国際映画祭やショートショート・フィルムフェスティバル・アジアへの支援のほか、撮影許可等の総合窓口である東京ロケーションボックスの運営などを行っております。今後、福祉保健局と連携して、国に字幕についての取り組みを要請するとともに、映画祭関係者や制作会社などに対して、日本映画等に日本語字幕を表示していくよう、さまざまな機会をとらえて働きかけてまいります。〔総務局長押元洋君登壇〕 # 総務局長(押元洋君) 総務局長(押元洋君)三点のご質問にお答え申し上げます。まず、視覚障害者に対する防災情報の提供についてでございますが、視覚障害者の方々が災害時にみずからの安全を確保するためには、防災情報を容易に入手し、利用できることが重要であります。これまで都は、災害時に視覚障害者など要援護者がいち早く避難できるよう、区市町村が放送事業者に避難準備情報を提供し、テレビやラジオを通じて伝える仕組みを整備してまいりました。今後は、視覚障害者の方々が日ごろから防災情報を利用できるよう、防災パンフレットなどに、ご指摘の音声コードを添付してまいります。次に、首都大学東京における留学生受け入れの拡大策についてでございます。首都大学東京では、環境問題などの大都市共通の課題解決に役立つ共同研究を行うなど、アジアの大学との国際交流に積極的に取り組み、学生、教員などの相互交流の機会を拡充しております。また、留学生を対象とした、大学の宿舎や民間の住宅などへの入居に関する相談や日本語教育の充実、授業料減免など、留学生が安心して教育・研究に専念できるよう、生活面、学修面でさまざまな支援を行っております。留学生の受け入れは、首都大学東京の教育・研究の活性化や、アジアの諸都市との人的ネットワークの拡大にも資するものであり、今後は、アジア人材ファンドなどの仕組みも活用し、大学の国際化や留学生支援を一層充実し、アジアの優秀な人材の育成に寄与してまいります。最後に、三宅島のバイクイベントの内容についてでございますが、このイベントは、オートバイを核として島への関心を高め、年間を通じた来島者の増加を図るために開催するものでございます。現在、NPO法人と三宅村が中心となり、クラシックバイクなどのエキシビション走行やドラッグレース、パレードなど多彩な企画を検討しております。都としても、このイベントがバイク愛好者を含め多くの人が楽しめる魅力あるものとなるよう、NPO法人や三宅村を積極的に支援してまいりますとともに、ご指摘のスーパークロスについても、今後、十分参考にして工夫を凝らすよう働きかけてまいります。〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕 # 福祉保健局長(安藤立美君) 福祉保健局長(安藤立美君)三点についてお答えを申し上げます。まず、視覚障害者用の音声コードについてでございますが、平成十五年度に、音声コードを読み取るための活字文書読み上げ装置が視覚障害者の日常生活用具として新たに公的給付の対象となり、障害者の方が利用しやすくなりました。これを契機といたしまして、都は、障害者向けのパンフレット等へ音声コードの添付を開始し、本年五月に策定をいたしました東京都障害者計画の概要版にも添付をいたしました。今後とも、各局の協力を得て、一般都民向け文書等への音声コードの添付にさらに努めるとともに、必要な場所に活字文書読み上げ装置を設置していくよう働きかけてまいります。次に、東京型ドクターヘリの運用についてでございますが、運用開始に当たりましては、添乗医師の派遣や搬送患者の受け入れが可能な協力病院を確保することが不可欠でございます。現在、江東及び立川のヘリポートに近接する病院や、大型ヘリが直接離着陸できる病院との協定締結に向け、鋭意調整を行っております。本年秋までには、順次病院と協定を締結し、運用を開始していく予定でございます。最後に、東京型ドクターヘリの運航範囲などについてでございますが、これは島しょ地域に限定するものではなく、救急車による患者搬送が困難、あるいは搬送に時間がかかります多摩地域の山間部についても対象としてまいります。また、救急車による迅速な患者の搬送体制が確保されております東京都心や市街地におきましても、震災時や大規模災害など救急車による救急活動が十分に行えない場合にはヘリコプターの活用が有効でございます。このため、東京型ドクターヘリを含めた東京消防庁のヘリコプターのほか、既に協定を締結しております民間航空会社のヘリコプターも活用し、迅速な患者搬送ができる体制を確保してまいります。〔知事本局長大原正行君登壇〕 # 知事本局長(大原正行君) 知事本局長(大原正行君)二点のご質問にお答えを申し上げます。まず、留学生受け入れを促す取り組みについてでございますが、アジアの優秀な人材を留学生として積極的に受け入れ育成をしていくことは、東京がアジア全体のレベルアップに貢献し、アジアの発展をリードしていく上で重要と考えております。しかし、アジアから来日する留学生は、物価水準の違いなどによりまして、経済面を初めさまざまな問題を抱えております。このため、「十年後の東京」に掲げました、渡航費や学費等を支給するアジア人材ファンドなどの支援策を来年度を目途に取りまとめまして、アジアの大都市に共通する課題の解決に資する高度な人材の育成を図ってまいります。次に、留学生に対する居住環境の整備についてでございますが、留学生が東京で安心して学業に専念するためには、住居の確保が重要でございます。このため、アジア人材ファンドなどの枠組みで受け入れる留学生に対しまして、入居相談体制の充実や住宅ストックの有効活用などが図られますよう、関係機関に働きかけるなどして支援をしてまいります。〔港湾局長津島隆一君登壇〕 # 港湾局長(津島隆一君) 港湾局長(津島隆一君)三宅島空港の航空路再開についてのお尋ねでございます。航空路の再開は、三宅島の復興と島民生活の安定を図る上で欠かせないものと認識しております。このため、噴火により毀損した滑走路や航空灯火など空港施設の復旧整備はほぼ完了し、現在、運航事業者などと再開に向けた調整を行っているところでございます。一方、三宅島空港の約半分は高濃度の二酸化硫黄ガスが観測される環境にあるため、運航事業者からは、再開の判断には、空港及び周辺の飛行経路上における二酸化硫黄ガスの観測が不可欠とされております。このことから、昨年十二月より、火山や気象の専門家、国、運航事業者などの意見をもとに、上空等の火山ガス濃度の測定や気象状況の観測を行っているところでございます。今後、引き続き観測を行うとともに、これらの観測結果などをもとに運航事業者や関係機関などとの連携を密にし、再開に向けた取り組みを進めてまいります。〔産業労働局長佐藤広君登壇〕 # 産業労働局長(佐藤広君) 産業労働局長(佐藤広君)二点のご質問にお答えいたします。まず、アニメ・映像産業に特化をいたしましたインキュベーション施設の設置についてですが、世界的にも高い競争力を有する東京のコンテンツ産業をさらに発展させていくという観点から、アニメ・コンテンツ分野での創業を支援するため、若手クリエーターなどを対象とするインキュベーション施設を、本年度末を目途に中野区内に整備いたします。創業支援を効果的に行うためには、スペースを提供するだけではなく、アドバイスや情報提供等の支援もあわせて行うことが重要と考えており、本施設におきましては、入居者に対してこうした支援をあわせて行う予定であります。今後、地元区を初めとする行政機関やアニメ・コンテンツ系の教育機関などとも意見交換等を行い、各機関の強みを生かした連携方策も検討してまいります。次に、公的インキュベーション施設の整備についてですが、東京の産業活力を引き続き維持発展させていくためには、創業の促進が重要であると考えております。そのためには、事業に必要な拠点の確保と、適切な経営支援を受けられる環境の整備が不可欠であり、インキュベーション施設の整備は重要な課題であると認識しております。本年度は、アニメ・コンテンツ産業を対象とした施設に加えまして、健康産業等を対象といたしました施設を産業貿易センター浜松町館に開設するなど、合計三カ所の施設整備を予定しております。今後とも、空き庁舎などの利用や民間の経営支援ノウハウを活用するなど、創意工夫によりましてインキュベーション施設の整備に全力で取り組んでまいります。 # 副議長(木内良明君) 副議長(木内良明君)三十一番松下玲子さん。〔三十一番松下玲子君登壇〕 # 三十一番(松下玲子君) 三十一番(松下玲子君)まず初めに、放置自転車対策について伺います。先日、都内における駅前放置自転車の現況についてが発表され、昭和五十二年の調査開始以来、駅前放置自転車は初めて実数で十万台を下回ったとのことですが、毎年継続的に行っているこの調査の目的と調査方法について伺います。駅前放置自転車は過去最低となったものの、放置自転車の撤去台数は過去最高の九十万九千台、このうち持ち主に返還されたものは四十八万六千台、引き取られず処分されたものは四十二万二千台です。撤去された自転車の約半分が持ち主に引き取られずに区市町村が処分しています。処分の内訳を見ますと、廃棄物として有償処分が約六七%を占めています。廃棄物として無償処分は約二%、資源として業者に売却は約二三%、リサイクルは約八%です。自転車法第六条三項は、処分自転車は売却し、買い受け人がいないときまたは売却できないと認められるときは廃棄の処分をすることができるとなっていますが、現状は七割近くの撤去自転車を区市町村の負担で代金を支払って廃棄物として処分しています。今日、これだけ環境問題が重視され、折しも今月は環境月間です。省エネルギー、ごみ減量で二酸化炭素の排出を削減して、個人も企業も行政も地球温暖化防止に取り組まなければならない中で、まだ使える自転車、撤去された放置自転車が廃棄物として、しかも有償で処分をしている現状を改善すべきです。これまでの調査を比較してみると、過去三回の調査以前は、処分先の内訳が今と異なり、産廃と資源回収業者が同じ数字で、有償か無償かも不明です。内訳が明らかになっているだけでも進歩かとは思いますが、自転車法にのっとり、また環境に配慮して、資源としての売却やリサイクルをふやし、財政負担の大きい有償廃棄処分を減らし、税金をむだ遣いしない方法に変更するべきです。平成十七年に初めて資源として売却した、私の地元の武蔵野市の取り組みを聞きました。平成十七年の売却収入が約二百七十万円、廃棄費用が約八十二万円です。平成十六年には廃棄費用のみで約二百五十万円でしたので、費用として払っていたものが収入として受け取れるように変わり、平成十八年はほとんど売却できたとのことです。売却を実施した際には、先に取り組んでいた中野区の担当者にノウハウを聞いたようです。都は、処分先の内訳をさらに分析し、先進的な取り組みのノウハウを収集し、積極的に区市町村に提供していくべきだと思います。そこで、都は、引き取り手のない撤去自転車の処分先内訳の調査結果をどう受けとめ、今後、廃棄物として有償処分を減らすためにどのように取り組むか伺います。もちろん、撤去台数を減らし、返還台数をふやすための努力も同時にしていただきたいと思います。長年の継続的な取り組みで駅前放置自転車が初めて十万台を下回ったのは喜ばしいことかもしれませんが、それでもまだ十万台近い自転車が駅前に放置されているのが現状です。道路を占拠している駅前放置自転車をなくし、安全で快適な通行ができるように、都はもっと積極的に取り組んでいただきたいと思います。放置自転車対策のこれまでの都議会での議論を調べると、平成十三年の答弁では、地域性が強いことや自転車利用の実態などから、基本的には住民に身近な自治体である区市町村が実施することが効果的であるといっていたのが、平成十五年や十七年の議論では、放置自転車対策は条例に基づき区市町村が具体的な取り組みを進めることと、いつの間にかニュアンスが変わっている感じがします。これはなぜかと思い、調べたところ、大体平成十三年までに、地元駅での放置自転車対策に頭を抱えていた各区市町は、放置自転車に関する条例を制定しています、そして、当該道路の管理者が例えば都であっても、条例の責任で区市町が放置自転車を撤去できるようになっているのです。そうした事実の積み重ねが現在に至っているのではないかと、私は推測します。いま一度、自転車法の趣旨にのっとり取り組むべきです。例えば第五条一項は、自転車駐車場の設置に努めるのは地方公共団体または道路管理者であり、同六項では、整理、撤去は地方公共団体、道路管理者、警察、鉄道事業者が相互に協力して努めるとなっています。当然どちらにも都も区市町村も入るわけですから、区市町村が主体的に設置や撤去を行うものではないはずです。そこで、区市町村と協力して、都として今後どのように放置自転車対策を進めていくのか、見解を伺います。近年、自動車リサイクル法や家電リサイクル法など、個別リサイクル法が整備されています。所有者や製造業者、引き取り業者の役割分担や費用負担が明確に示され、それぞれの分野でリサイクルのシステムが確立されていますが、残念ながら自転車リサイクル法は整備されていません。これまでの議論を調べると、放置自動車が社会問題となっていたときに、自動車のリサイクルシステムの確立が放置自動車対策に有効であり、都としてもリサイクルシステムが早期に確立されるよう、国に積極的に働きかけ、取り組んでいたようです。放置自転車の抜本的な対策として、自転車リサイクル法、自転車はサイクルともいいますから、サイクルリサイクル法と、響きもよい法律の法制化を、都が検討し、積極的に国に対して働きかけていただきたいと要望し、次の質問に移ります。風致地区について伺います。風致地区は、大正八年の旧都市計画法の制定に伴い創設された制度で、都市における緑地の保全に関する制度として、我が国初めてのものです。風致地区は、現行の昭和四十三年に成立した都市計画法に規定する、都市における風致を維持するために定められる地域地区であります。国交省の風致地区制度の都市の風致の定義とは、都市において水や緑などの自然的な要素に富んだ土地における良好な自然的景観であり、風致地区は、良好な自然的景観を形成している区域のうち、土地利用計画上、都市環境の保全を図るため風致の維持が必要な区域について定めるものです。しかし、国交省の定義では、良好な自然的景観とはどのようなものであり、都市環境の保全や風致の維持とは具体的にどのような姿かは見えません。そこで、東京都において風致地区の果たしている基本的な役割について伺います。都市の風致の定義である良好な自然的景観とはどのようなものかを考えるとき、日本列島各都市で、自然的景観は、その土地ならではの地域性や歴史的な経緯が色濃く反映し、良好という言葉の意味も非常に幅が広いと思います。都内を眺めても、比較的自然が豊かな多摩地域と都心の二十三区では、良好という言葉の示す姿、目指す姿が異なるように思います。そこで、都内に風致地区と指定されている地区は幾つあり、それぞれどのような特色か伺います。都市計画法第五十八条は、風致地区内における建築物の建築、宅地の造成、木竹の伐採その他の行為については、政令で定める基準に従い、地方公共団体の条例で、都市の風致を維持するため必要な規制をすることができるとあります。東京都は昭和四十五年に東京都風致地区条例を制定していますが、現在の条例の規定では、許可の基準や取り扱いが明確ではありません。また、個々の風致地区に対しての特徴や計画、運用方針が明記されていないため、この条例だけに基づいて実際に運用することは非常に困難であると思います。条例を運用する際に、実際にある風致地区がどういった経緯で制定されて、今後どうしていきたいのか、東京都がそれぞれの地区における良好な風致や目指すべき姿はどういうものかということが、具体的な方針として、それも風致を保全する方針として定めるべきだと思います。さらに、都市計画法や風致地区条例の趣旨を逸脱しない形で運用していくためには、細かく運用の基準も定めていなければ、良好な風致の保全はできないと思います。平成十二年に都市計画法が改正された翌年、国交省は都市計画運用指針を発表し、その中には、風致保全方針を策定し、許可の運用に当たっての参考として活用することが望ましいとあります。沖縄県は三年前に風致保全方針を決定し、策定の目的や方針の位置づけを明確にし、県のホームページで公開しています。都は、風致保全方針ではなく条例に基づく許可の審査基準を策定していて、運用してきているようですが、残念ながら都の審査基準は広く公開されていないようで、インターネットで検索しても見ることはできません。東京都は、これまで風致地区条例をどのように運用してきたのか伺います。現在、参議院宿舎が千代田区紀尾井町の風致地区内に移転し、新たに建設される計画があり、国から都に対して、協議を開始するよう依頼があったそうですが、協議開始を行わないようにと、移転反対住民が都知事を被告とした訴訟を起こしています。国から都に対しての協議依頼や協議内容、訴訟について現在の状況はどのようになっているか伺います。参議院宿舎の移転・建築計画は、約八十平米の広さの宿舎を八十戸つくり、高さは約五十六メートルになっています。風致地区の歴史ある緑地を破壊してまで、このような立派な宿舎を移転、建設する必要が本当にあるのでしょうか。建設是非については、本来参議院が再考すべき問題であることは承知していますが、残念ながら、これまで参議院の議会では議論も行われていないようです。今回、私が現地に足を運び、調査を行った上で残念だと感じたことは、本来、参議院宿舎の是非や、移転、建てかえをせずに統廃合できないかなど、国の中、特に参議院で議論して解決すべき問題がすりかえられているように思えることです。つまり、風致地区を守りたい人たちと、紀尾井町のまちづくりを考えて旧宿舎の移転を望む人たちというような、同じ地域の住民を二分する形の議論のすりかえといえないでしょうか。今後、風致地区を保全するためには、都として区域ごと保全方針を定めるなど、基本的な部分でしっかりと保全のための対策を講じる必要があると思います。緑豊かな歴史ある風致は、都民、国民共有の財産であり、未来へと守り、受け継いでいくべきものであることを強く要望して、次の質問に移ります。境浄水場隣接都有地について伺います。私の地元の武蔵野市には、東京都水道局所有の境浄水場があります。周辺は武蔵野市の西の玄関口武蔵境駅からも近く、拡幅事業で整備された都道、近隣は住宅街です。境浄水場の一部には、現在、西側隣接地に賃貸の駐車場と倉庫があり、この場所に昨年秋、商業施設を誘致する計画が、水道局のホームページに発表となりました。これまでも、福祉保健局が、高齢者や障害者が地域で安心して暮らし続けられるよう、グループホームの増設を目的として、低廉な価格で都有地の貸し付けを行い、産業労働局が、首都東京の再生を担う民間事業者の活動をバックアップする目的で、都有地活用型企業支援事業を行うなど、各局所管で、それぞれの施策に応じた都有地の活用を行っています。水道局では、境浄水場の西側に隣接する用地の活用を図るため、商業施設を建設することとして既にテナントも決まっていますが、水道局における用地の活用に対する基本的な考え方を伺います。次に、都有地の活用に当たっては、地元自治体や地域住民の理解を得て、信頼関係を築いていくことが大切であると思います。また、どのようなテナントが入るかということも地域では非常に関心が高く、テナントの募集は広く情報公開を行い、募集をした上で、選定に当たっては地域への貢献度なども配慮すべきと考えますが、どのような考え方で募集や選定を行ったのか、見解を伺います。昨年来、地元自治体や近隣住民に対して、都と共同事業者が説明を行っているようですが、私はこれまで、より広く地元市民に対して告知をした上で説明会を行うよう要望を続けてきました。先月、ようやくテナントが決定し、具体的な事業計画や店舗の内容などが今後明らかになり、地元とも具体的な協議ができる時期になりました。地域に受け入れられる施設となるよう、テナント事業者と水道局は広く市民の声に耳を傾けていただきたいと思います。現在、武蔵野市は、月に二回市報を各戸配布しており、市の行政の施策や、時には都の施策に関しても周知を図っています。今後、境浄水場隣接都有地に関して、市報に載せ、広く市民に周知を行った説明会を開催するなど、地元自治体や住民の意向に十分配慮しながら事業を進めるべきと考えますが、見解を伺い、質問を終わります。(拍手)〔青少年・治安対策本部長舟本馨君登壇〕 # 青少年・治安対策本部長(舟本馨君) 青少年・治安対策本部長(舟本馨君)松下玲子議員の一般質問にお答えをいたします。放置自転車の対策についてであります。まず、現況調査の目的と調査方法についてでありますが、この調査は、駅前放置自転車対策の基礎資料とするために、都内の駅前放置自転車の現状などについて調査するものでありまして、毎年実施しております。調査は、駅周辺のおおむね五百メートルの範囲の放置自転車の状況、自転車など駐車場の整備状況、そして、撤去、返還、処分状況などを、まず各区市町村が調査をし、それを都が取りまとめ、分析をして発表しているものでございます。次に、引き取り手のない撤去自転車の処分方法についてでありますが、廃棄物として処分される自転車の数は多いとはいえ、他方、近年、自転車を資源として再利用するために売却する数は、従来よりかなり増加をしています。自転車を資源として売却するという方法は、経費の節減や資源リサイクルの観点から望ましいわけでありますので、自転車の再利用を促進していくために、区市町村に対して先駆的事例を紹介するなど、積極的な情報提供を行ってまいります。次に、今後の都の放置自転車対策についてでありますが、都は、これまでと同様に、区市町村が実施する放置自転車対策が有効かつ適切に実施されるよう、所要の支援をし、また、広域自治体として総合的な対策を着実に行ってまいります。具体的には、放置自転車の現況調査を行うとともに、駐輪場設置のための都有地の提供や、特別区都市計画交付金の交付などのほか、用地確保などの各種の調整や、駅前放置自転車クリーンキャンペーンなどの全都展開を今後とも実施してまいります。〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕 # 都市整備局長(只腰憲久君) 都市整備局長(只腰憲久君)風致地区でございますが、風致地区は、水や緑など良好な自然的景観の保持を目的とした都市計画上の地域地区でありまして、その維持のため、建築物の建築や宅地の造成、土地の形質の変更などに一定の規制が課されております。これまで、河川や水域、丘陵、崖線など、自然景観の特性に応じて地区が定められておりまして、都市環境の保全を図る役割を担っております。次に、風致地区の指定でございますが、現在都内では二十八カ所、三千五百七十ヘクタールが指定されております。例えば武蔵野の豊かな田園景観を持った地区、あるいは都心部に残された自然地形と文化財的要素が一体となった地区など、それぞれの地区におきまして自然的景観に応じた特性が見られるものと考えています。〔建設局長道家孝行君登壇〕 # 建設局長(道家孝行君) 建設局長(道家孝行君)初めに、風致地区条例の運用についてでありますが、風致地区内において建築物の建設、宅地の造成などを行うには、あらかじめ知事の許可が必要であります。許可に当たっては、東京都風致地区条例に基づく許可の審査基準を定め、許可の基準及びその取り扱いを明確にしております。この審査基準では、風致地区内を地域の現況や特性に応じて五つに区分し、その区分ごとに、土地の面積、形状などの敷地条件や、建物の公共性、公益性の有無などに応じて、許可の基準をきめ細かく定めております。さらに、この基準を受付窓口で公開し、その内容を説明するとともに、申請者からの相談に応じ指導に当たるなど、適切に条例を運用しております。次に、参議院宿舎の建設についての現在の状況でありますが、風致地区条例では、国が建築物を建設する場合には、許可にかえて、あらかじめ知事に協議することとしております。国からは、千代田区の弁慶橋風致地区内の国有地に参議院宿舎を建設するとして、本年五月十六日に協議の申請があり、現在、建設計画の内容について国と協議中であります。また、お尋ねの訴訟につきましては、現在訴状が届いておりませんので、その内容を把握しておりません。〔水道局長東岡創示君登壇〕 # 水道局長(東岡創示君) 水道局長(東岡創示君)境浄水場隣接都有地についての三点のご質問にお答えいたします。まず、水道局用地の活用の基本的な考え方についてでございますが、水道事業は独立採算により事業運営を行っておりまして、常に経済性や企業性の発揮が求められております。このため、事業用として利用計画がない土地については、貴重な経営資源としてとらえ、企業努力の一環として積極的な利活用を図ることにより、収益の確保に努めております。具体的には、当該用地の特性に応じて、共同ビルの建設や事業用借地権の設定、駐車場としての暫定利用などを行っているところであります。次に、テナントの募集及び選定についてでございますが、この用地のすぐれた立地条件を最大限に生かすため、商業施設を建設することといたしまして、昨年十月末にホームページに掲載するなど、情報公開を行った上でテナントを募集したところです。その結果、六件の応募がありましたが、選定に当たっては、事業の収益性とともに、隣接する浄水場の安全性や周辺環境への配慮、地域貢献などを総合的に評価し、本年五月にテナントを決定したところであります。最後に、地元に配慮した事業の推進についてでございますが、これまでも、テナント募集の際など、随時地元への情報提供に努めてまいりました。このたびテナントが決定したことから、来月中旬に住民説明会を開催することとしておりますが、実施に向けては、地元自治体の協力も得ながら、広く住民に周知したいと考えております。今後とも、事業の推進に当たっては、近隣との調和のとれた利用が行われるよう、十分な配慮を図ってまいります。 # 副議長(木内良明君) 副議長(木内良明君)この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。午後三時十分休憩午後三時三十六分開議 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)休憩前に引き続き会議を開きます。質問を続行いたします。二十五番崎山知尚君。〔二十五番崎山知尚君登壇〕 # 二十五番(崎山知尚君) 二十五番(崎山知尚君)「十年後の東京」を中心に、何点か質問いたします。「十年後の東京」で第一の柱として掲げられている、水と緑の回廊で包まれた美しいまち東京を復活させることを目指して、今般、緑の東京プロジェクトの基本方針が策定されました。温暖化による危機が叫ばれ、地球は今沸騰しつつあります。都市の環境対策は東京にとって喫緊の課題であり、世界に垂範する責任があると思います。ところで、オリンピックの招致と環境について、都民の認識の違いを感じました。地元の方から私に寄せられた意見で、オリンピックは環境破壊につながるので、何も東京でやることはないのではとの声です。何が環境破壊なのですかとの私の問いに、その方は答えに窮しておりました。オリンピックとは、アスファルトを敷き詰め、コンクリートを積み上げるというイメージなのでしょう。前回の東京オリンピックと重ね合わせたからだと思います。「十年後の東京」は、オリンピック招致計画と軌を一にして策定されていることはいうまでもありません。二〇〇〇年に開催されたシドニーオリンピックはグリーンゲームともいわれ、環境問題は招致に必須の条件となっています。無論、緑の東京プロジェクトは、オリンピック招致のためだけではありません。水と緑に囲まれた美しい都市は、人の心をいやすばかりでなく、災害時には、鎮守の森や公園の緑が火災から守ってくれますし、延焼を食いとめる役割も担ってくれます。オリンピックを機縁として、世界に類を見ないスピードで発展した東京を、緑の都市として再生していく、こうした取り組みについて、石原知事の意気込みを伺います。次に、計画の具体的な取り組みについて伺います。このプロジェクトでは、先日プレス発表された、海の森の整備、一千ヘクタールの緑の創出、街路樹百万本倍増などが示されています。ちなみに、私の地元では、平成十六年度に都のモデル事業として、校庭の芝生化を全都に先駆けて既に導入しております。先日行われた運動会での皆さんの感想は、緑がまぶしい、やわらかい踏み心地がよい、そして、何といっても清涼感があるということであります。地域の理解を得ながら、計画的に進めていただきたいと思います。ついては、具体的に伺います。緑の東京十年プロジェクトを実現するには、初期費用を初め、メンテナンスにおいても多額の費用が必要とされます。その実現には、ひとり東京都庁だけでなし得る事業ではありません。区市町村を初め都民や企業の賛同を得ることも、成否のかぎを握ることになるのではないでしょうか。都においても公園ボランティアの充実を図っているところですが、都民の皆さんへの動機づけをどのように向けていくのか、仕掛けと工夫が必要となってくると思います。そうした今後の取り組みについて、具体的にお答えいただきたいと思います。次に、商店街振興について伺います。商店は三代続けばしにせといわれています。それでは、今、商店街に三代続いたしにせが何軒あるでしょうか。なかなかしにせがない。その裏を返せば、商店の承継がいかに難しく、そして代がわりが激しいということにつながるかもしれません。また、アメリカでは、地域でビジネスをする企業は、地域社会のステークホルダーとして地域に貢献することが求められています。それに対し、負担をしないで利益だけを受け取ることをフリーライダー、ただ乗りというそうであります。東京都もその前提に、地域に貢献する商店街の支援を積極的に行っていただきたいと思います。都の調査によれば、高齢者の七割以上が、週に二、三回以上商店街を利用しています。七十歳代以上に限れば、八割以上の高齢者が頻繁に商店街を利用しており、高齢者の日常生活にとって商店街は欠くことのできない存在となっています。商店街によっては、高齢者のためのお休みどころやバリアフリー施設の整備を初め、さまざまなサービスを展開しているところもあります。今後、高齢化がますます進展していく中で、地域の防犯、福祉や環境など、さまざまな機能を持つ商店街の役割が重要になってくると思います。都としても、徒歩圏の生活拠点である商店街の機能向上をより積極的に支援していくことが必要と考えますが、所見を伺います。また、これまで都は、商店街の振興に向け、新・元気を出せ商店街事業でさまざまな支援を行ってきました。しかし、売り上げや集客力の低下、空き店舗の発生など、商店街の活性化を図る上で克服すべき課題は山積し、商店街の創意工夫による取り組みが求められています。例えば、空き店舗対策についてですが、団塊世代が退職期を迎え、新たなステージで活躍したいと考える方たちの中には、商店街で事業を始めようと考えている人も少なくありません。また、不動産業界では空き店舗に関する情報を多数取り扱っているとも聞いております。こうしたことから、商店街が地域の不動産業界と連携して空き店舗の解消に取り組んでいくことも有効な手だての一つではないかと私は考えます。都としても、これまでの施策に安住することなく、きめ細かな支援ができるよう、商店街の現状を把握、分析し、商店街が抱えるさまざまな課題の解決を図るべきと考えますが、所見を伺います。次に、築地市場の移転について伺います。去る六月五日、我が党の同期による築地市場の視察をいたしました。早朝五時集合という日程でありましたが、関係者の皆さんには、受け入れていただき、感謝を申し上げます。また、昨日の我が党の遠藤総務会長の代表質問で、種地がない中で、アスベスト対策も講じながら築地市場で現在地再整備を行うことは困難であるということが明確になりました。今後は、専門家会議での検証、提言を確実に実施して、豊洲新市場が都民にとって安心できる市場として整備、開場されていくことが重要と考えます。しかし、今でも一部の水産仲卸業者が移転に反対し、現在地での再整備を主張していると聞いています。その背景には、土壌汚染の問題だけでなく、厳しい経営環境にある中で、移転に要する費用負担に加えて、豊洲新市場の施設使用料や光熱水費の増加が見込まれるなど、営業を継続していくことができるのかといった不安があるものと思います。そこで、まず、現在の築地市場の水産仲卸業者の経営状況についてお伺いいたします。次に、近年、卸売市場を取り巻く環境の急激な変化の影響を受け、卸売市場経由率の低下や取扱量の減少傾向から、市場業者の厳しい経営状況が続いています。加えて、築地市場では施設老朽化や敷地の狭隘化が進み、場内物流や鮮度管理など、量販店や買い出し人、顧客のニーズに十分こたえ切れていない面があるようであります。移転を契機に、市場業者がビジネスチャンスを拡大し、経営体質の強化が図られるようにしていくことが必要であります。そこで、豊洲新市場では、築地市場での課題を克服して市場関係者のニーズを満たすためにどのような施設とするか、お伺いいたします。最後に、新しい市場が首都圏の基幹市場として機能していくために、その中で働く市場業者が元気に活気を持って事業に取り組んでいくことが重要であります。そのためには、小規模業者の多い市場業者が移転後も安定的に経営を続け、みずからの財務体質を強化していく努力はもちろんのこと、都の支援も必要であると思います。特に、経営状況の厳しい水産仲卸業者にはどのような支援をしていくのか、お伺いいたします。次に、観光振興について伺います。観光白書によると、我が国の国際旅行収支は平成十八年で約二兆一千四百億を超える赤字となっており、著しく不均衡な状態が続いています。また、外国人旅行者の受け入れランキングでも我が国は世界第三十二位。ちなみに、断トツの一位は、日本文化をやゆしたサルコジ氏が大統領のフランスとなっています。知事は、ことし二月の予算特別委員会で、我が党の鈴木一光議員の質問に対して、世界の大都市と比較すると、東京を訪れる外国人旅行者は依然として極めて少ないとお答えになっており、私も同感です。また、「十年後の東京」では、東京を訪れる外国人旅行者を一千万人に倍増すると掲げています。ぜひ目標実現のためにも、これまでにも増す取り組みを求めたいと思います。こうした中、三年後の平成二十二年に開業予定の成田新高速鉄道は、成田空港と日暮里駅が、現在の五十一分から、三十六分で結ばれることになります。飛躍的に成田空港と都心を結ぶ路線がスピードアップします。今までにも増して多くの外国人旅行者が、日暮里を玄関口として東京を訪れるのではないでしょうか。地元も千載一遇の好機としてとらえ、海外からの旅行者を迎え入れていきましょうという機運も盛り上がりつつあります。しかし、残念ながら、東京都による日暮里駅の位置づけはいまだ無印となっています。知名度では、通称谷根千や上野、浅草には及びませんが、広域的に行政区割りを超えた観光まちづくりの取り組みが必要と考えますが、見解を伺います。あわせて、フィルムコミッションについて伺います。きょうのNHK、お昼の番組の「昼時一番」で、私の地元、荒川車庫が紹介されていました。歓迎すべきことであります。また、さきのカンヌ映画祭で、日本映画の「殯の森」がグランプリを受賞しました。私も近いうちに時間をつくって見るつもりでいます。もちろん、その前に、「俺は、君のためにこそ死ににいく」を見させていただきたいと思っております。「殯の森」の舞台は奈良市東部の田原地区だそうです。日本の原風景となる奈良の田園や街並みが刷り込まれたことになります。数年前のことですが、神戸のフィルムコミッションの視察をしてきましたが、関西という地理的なマイナス条件を克服する必死の努力がうかがえました。特に日本ではカーチェイスや爆破シーンなどの許可が厳しく制限され、韓国映画に大きく水をあけられる一因であるとのコメントが印象に残っております。ロケーションの誘致は、単に撮影場所の提供にとどまるものではありません。東京の魅力が世界に広まり、観光名所として訪れるようになれば、その経済的波及効果は極めて大きいものとなります。東京ロケーションボックスについては、今後、観光部に移管される方向で検討が進められていると聞いておりますが、その中で、ぜひロケーションの誘致を産業支援としてとらえ、観光の視点からも積極的に進めていかれるよう要望するものであります。映画やドラマの制作会社の大多数を占めるといわれている東京圏ですが、それに甘んずることなく、国内外からのロケーション誘致を今後も発展させることを期待いたしたいのですが、所見を伺います。最後に、防災都市づくりについて伺います。このたび、地域防災計画の改定版が公表されました。今回の防災計画の特徴は、風水害の対策を強化したことや、人的被害の半減を目指して、減災計画も新たなカテゴリーとして位置づけられたことです。この中で、減災効果が期待できる一番の対策は、建物の耐震化、不燃化となっています。逃げないで済む、燃えないまちづくりは一朝一夕には成りませんが、住民と都区が連携した、息の長く根気強い取り組みが必要であります。さて、我が荒川区に目を転じると、区内のほぼ全域にわたって災害危険度が高く、木造住宅密集地域整備事業や都市防災不燃化促進事業などが行われています。また、私の住む尾久地域においても、防災生活圏促進事業が昨年度まで十年にわたって実施されてきましたが、解決すべき課題が残されていると思います。そこで、防災生活圏促進事業完了に伴って残された課題について具体的に伺います。事業地域の外周に当たる幹線道路については、延焼遮断帯と沿道の不燃化が進められ、防災性の向上に一定の成果が上がっていると評価をいたします。しかし、その内側、いわゆるあんこの部分については、いまだに接道不良の宅地があり、老朽木造住宅が密集していることから、建物の耐震化や不燃化が急務となっています。地域内の防災性向上に今求められているものは、主要生活道路の幅員六メートル程度を確保する、ミニ延焼遮断帯の整備にあります。この整備によって、沿道の不燃化はもちろんのこと、建てかえ促進にもつながることが期待されますし、平時には、歩行者と自転車、自動車がゆったりと往来できる空間となります。そして、さらに無電柱化となれば、快適さが増すことはいうまでもありません。ミニ延焼遮断帯の整備に対する都の認識と尾久地域の今後の取り組みについてお伺いいたしまして、私の質問といたします。(拍手)〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)崎山知尚議員の一般質問にお答えいたします。オリンピックと緑の再生についてでありますが、「十年後の東京」で示した、水と緑の回廊で包まれた美しいまち東京を復活させることは、環境を重視しているオリンピックムーブメントの考え方にも合致し、招致に際しても世界に大きなアピールができると思っております。今般、全庁横断型の戦略的取り組みによりまして、緑の東京十年プロジェクトの基本方針を策定いたしました。今後、この方針に基づきまして、都民、企業、区市町村などと連携を図りながら、社会全体で緑のムーブメントを巻き起こし、緑あふれる東京の再生を目指していきたいと思っております。他の質問については、関係局長から答弁いたします。〔環境局長吉川和夫君登壇〕 # 環境局長(吉川和夫君) 環境局長(吉川和夫君)緑の再生における都民等との協働についてでありますが、緑あふれる東京を実現するためには、都民、企業、NPOなど、あらゆる主体が協働して緑の創出と保全に取り組んでいくことが重要でございます。都はこれまでも、緑地保全地域の維持管理などで都民等と協働し、事業を実施してまいりました。今般策定した緑の東京十年プロジェクト基本方針におきましても、都民一人一人が愛着を持って緑を植え、育て、守ることにより、東京をふるさとと実感できる緑づくりをより一層進めていくこととしております。例えば海の森の整備では、計画から運営まで、さまざまな場面で都民や企業が主体となって参画できる仕組みを導入するほか、民間による自主的な緑化を促すよう、先進的な取り組み事例の公表や緑化技術の普及促進等を行い、緑化機運を醸成してまいります。さらに、道路や公園の緑についても、公的な管理にあわせて、都民や企業の参加意識をより一層高めるよう取り組んでまいります。〔産業労働局長佐藤広君登壇〕 # 産業労働局長(佐藤広君) 産業労働局長(佐藤広君)三点のご質問にお答えいたします。まず、商店街の機能向上への支援についてでございますが、商店街は、都民にとりまして最も身近な買い物の場であることに加えまして、防犯、防災、福祉など、地域に貢献するさまざまな機能を有しており、その重要性が高まってきていると認識しております。このため、特定施策推進型商店街事業を関係各局と連携して実施し、民間交番の設置やアーケードの耐震補強、だれにでも使いやすいトイレの整備など、地域コミュニティの核ともいえる商店街の取り組みを支援しているところであります。今後とも、高齢者を初めといたしました地域の人々が暮らしやすいまちとなるよう、各局との連携を一層強化いたしまして、商店街が持つ多様な機能の向上を図ってまいります。次に、商店街が抱える課題の解決についてでありますが、都内の商店街は多種多様な課題を抱え、日々その解決に向け取り組んでいると認識しております。こうした実情を把握するため、今年度実施いたします商店街実態調査では、従来の都内全商店街へのアンケート調査に加えまして、新たに百程度の商店街に対しましてヒアリング調査を実施いたします。この実態調査を踏まえまして、課題解決に向けた商店街の取り組みに対して、新・元気を出せ商店街事業を活用し、これまで以上にきめ細かな対応をしてまいります。最後に、広域的な観光まちづくりの取り組みについてでありますが、点在する観光資源を有機的に結びつけ、新たな人の流れやまちのにぎわいを創出する広域的な観光まちづくりは、重要な取り組みであると考えております。日暮里は、成田新高速鉄道の整備によりまして、日本の玄関口成田に直結する交通結節点として、外国人旅行者を迎え入れる役割を担っていくことが期待されております。地域におきましても、活気とにぎわいの創出を目指した観光まちづくりや、区域を超えた広域的連携を進めていこうとする機運が芽生えており、都といたしましては、地域の取り組みを支援する観光アドバイザーの派遣などを行ってまいりました。今後とも、地域が主体的に取り組む広域的な観光まちづくりに対しまして、関係する区市町村と連携を図りながら支援をしてまいります。〔中央卸売市場長比留間英人君登壇〕 # 中央卸売市場長(比留間英人君) 中央卸売市場長(比留間英人君)築地市場移転に関する三点の質問にお答えいたします。まず、築地市場における水産仲卸業者の経営状況についてでございます。水産仲卸業者は、販売先である専門小売店の減少や取扱物品の低価格化傾向、冷凍魚、加工品の市場外流通の拡大などにより、厳しい経営状況に置かれております。都の調査では、平成十七年において、法人事業者の約半数が経常赤字であり、債務超過に陥っている業者も全体の四割に上っております。こうした経営状況を反映いたしまして、仲卸業者の数は減少しており、五年前の平成十四年には九百十四の業者が営業しておりましたが、この五年間で、約一三%に当たる百十九の業者が経営不振等により事業譲渡などを行ったため、平成十九年五月末現在では七百九十五業者となっております。次に、豊洲新市場における施設整備についてでございます。今後、水産仲卸業者の経営が活性化するためには、商品の鮮度管理の徹底や、販売先の要望に応じたきめ細かなサービスの提供、物流コストの低減など、生鮮食料品流通の変化を踏まえた取り組みが必要でございます。このため、豊洲新市場では、品質管理の高度化に向け、コールドチェーンを確保した閉鎖型施設にすることで外気の影響を受けにくくし、鮮度管理の徹底を図ります。また、スーパーなど量販店からの要請にこたえるため、店舗ごとの仕分けやさまざまな包装などにも対応できるよう、卸、仲卸売り場と一体になった荷さばきスペースや、加工、パッケージ施設等を整備いたします。さらに、物流の効率化や買い出し人の利便性の向上のため、十分な駐車場を確保するとともに、車両誘導システムの導入や場内搬送の共同化などを図っていきます。このように、顧客ニーズにこたえた施設や運営システムとすることで、市場業者のビジネスチャンスの拡大が図れる市場としてまいります。最後に、築地市場水産仲卸業者への支援についてでございます。仲卸業者が豊洲新市場に移転し、事業を発展させていくためには、みずから経営基盤の強化に努めるなど、健全な経営を確立していく必要がございます。現在、仲卸業者の中には、積極的に営業活動を行い新規顧客を開拓する者、インターネットによる通信販売や子会社等を活用して市場外への販路拡大を図る者など、経営の強化に努めている業者がございます。都は、新たな事業展開をしようとする仲卸業者に対して、こうした成功事例や先進的な取り組みに関する情報を提供してまいります。また、財務状況が悪化している仲卸業者を中心に、財務検査と経営改善指導を実施いたしますとともに、公認会計士など専門家による相談窓口を開設して助言を行うなど、経営基盤の強化に向けた支援を行ってまいります。さらに、多額の費用がかかると見込まれる新市場への移転経費につきまして、移転を希望するすべての仲卸業者が円滑に豊洲市場で事業継続が図れるよう、大田市場開設時の事例等を参考に、移転資金の融資や利子補給など、必要な支援策を検討してまいります。〔生活文化スポーツ局長渡辺日佐夫君登壇〕 # 生活文化スポーツ局長(渡辺日佐夫君) 生活文化スポーツ局長(渡辺日佐夫君)映画等のロケーション誘致についての質問にお答えいたします。映像文化が持つ影響力は、東京の魅力を広く発信するとともに、さまざまな経済波及効果を有する点でも非常に大きいものと認識しております。都はこれまで、国際フィルムコミッショナーズ協会への加盟、映像関連見本市への出展などを通じて東京のPRを行い、撮影の誘致に努めてまいりました。また、ロケーション活動におけるニーズを把握するため、実際に撮影をサポートする都内のプロダクション等との連絡会も実施しております。引き続き、東京における映像制作への支援に積極的に取り組んでまいります。〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕 # 都市整備局長(只腰憲久君) 都市整備局長(只腰憲久君)ミニ延焼遮断帯の整備と尾久地区における今後の取り組みについてでございます。荒川区では、木密事業などにより、主要生活道路の整備と、それにあわせて建物の耐震化、不燃化を促進するミニ延焼遮断帯の整備に努めております。都といたしましても、こうした取り組みは、木造住宅密集地域の整備を進めていく上で効果的であると考えております。尾久地区につきましても、防災都市づくり推進計画において重点整備地域に位置づけられていることから、現在、防災まちづくりの一層の推進方策につきまして区とともに検討を行っております。今後とも、この地域の防災性向上に向け、区と連携して取り組んでまいります。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)三十五番村松みえ子さん。〔三十五番村松みえ子君登壇〕 # 三十五番(村松みえ子君) 三十五番(村松みえ子君)子どもと教育について質問します。まず、競争教育の問題です。日本の競争教育は、国連子どもの権利委員会が二度も改善を勧告するなど、世界的に見ても異常です。とりわけ都は、小中学校での一斉学力テストや習熟度別授業を推進し、競争をあおってきました。それで本当に学力が身についたのでしょうか。例えば学力テストは、どの問題を間違えたか知らされないので、子どもたちが勉強に役立てようがありません。区や学校の順位だけが重視され、保護者たちは、子どもは点数ばかりを気にするようになったという声が上がっています。習熟度別授業は、つまずいた子もしっかり教えてもらえるのではという都民の期待とは裏腹に、実際には、ゆっくりコースは到達目標が低く設定されています。これでは、一度ゆっくりコースになったら、低学力のまま固定されてしまい、学力格差がどんどん開いてしまうではありませんか。こんなやり方はやめるべきです。答弁を求めます。極度の競争教育で子どもたちは傷つき、ストレスをためています。差別感や無力感にもつながっています。点数や競争が最優先され、テスト対策の大量の宿題や補習に子どもが疲れているという事態が生まれています。世界では、競争をやめて学力世界一になったフィンランドが注目されるなど、脱競争の流れが大きくなっているのです。今、子どもたちに必要なのは、仲間同士が学び合い励まし合って高まっていくことであり、そうした中で、学力とともに自己肯定感をはぐくみ、人間性や仲間を大切にする力をはぐくむことではないでしょうか。お答えください。次に、三十人学級についてです。東京都が四十人学級に固執している間に、他の道府県はすべて少人数学級に踏み出しました。私たちはことし二月、全国調査をしましたが、大きな特徴は、一人一人個に応じたきめ細かい対応ができるようになったと、約八割の県が回答しているのです。また過半数の県が、学級が落ち着き、子どもたちの情緒が安定した、学力向上が進む、発言機会がふえ、積極的に授業に参加するようになったなどを挙げています。また、欠席日数や不登校などの減少を十五県が挙げ、少人数学級が、学習面だけでなく生活面でもいい効果をもたらすことが明らかになりました。教室が広々使えるなど、空間的なゆとりも重要な効果です。だからこそ他県は、財政的には厳しくても、さらに実施学年を広げているんです。一方、東京では現在、三十六人から四十人の学級が小中学校合わせて六千六百七十二学級、二十五万人もの児童生徒が在籍しています。四十一人以上の学級もあります。そのような学級では、一人一人きめ細かい対応はとても無理です。おとなしい子は、一度も先生と話さないで一日が終わってしまうことも珍しくありません。不登校の生徒が減少したと答えている秋田県や山形県と比べると、中学校の不登校生徒の割合は一・五倍にもなっています。私が訪問した中学校三年生、四十人のクラスは、一番前の席の生徒は、先生の横に机を置かれ、首を真横に向ける形で授業を聞いていました。教室に入ろうとすると、入り口のところに一番後ろの生徒の席があり、机をずらさないと教室に入れません。ロッカーが小さいため、机の横にかばんを置くので、先生は机と物の間をすり抜けながら生徒の指導をしています。空間的なゆとりなど全くありません。副校長先生は、教室に生徒がびっしりと入り、狭いし、子どもたちの気持ちは雑になります、子どもたちにきめ細かく対応したいのですが、現実はなかなかできません、クラスの規模が小さいことがベストですと話していました。これが現場の声です。知事、一人一人が確かな学力をつけているフィンランドも、一クラスの人数は二十人程度であり、欧米では二十人程度の学級が常識です。全国でも、東京都以外のすべての道府県が少人数学級に踏み出し、大きな効果を上げています。ひとり東京都だけが少人数学級を拒み続けているという事態を知事はどう考えているんですか。東京の子どもたちによりよい教育条件を整えるためには、直ちに三十人学級に踏み出すことを検討すべきではありませんか。知事は現場主義といいますが、知事も教育長も、東京の小中学校で子どもたちが四十人学級でどういう状況になっているのか、見に行ったことがあるんですか。また、全国の少人数学級での実践を一度でも見に行ったことがあるんですか。もし行ったこともないのだったら、見に行くべきです。知事と教育長の答弁を求めます。子どもたちの教育環境も重要です。先日、文科省が発表した、全国の小中学校の耐震化を見ると、一九八一年以前の建物では、二十三区は平均七割を超えているのに、多摩地域は五割を超えただけで、一〇%から三〇%台がまだ九市も残っているんです。東村山市では、学校の施設整備予算は七億円で、小中学校一校ずつ、二億円を学校の耐震化に使うと、水道の改修、屋上の防水対策、トイレの改修、外壁の落下対策などは後回しにせざるを得ません。青梅市でも、老朽校舎の改築もお金がかかるため、今後、十九校の耐震化は、いつまでに一〇〇%完了するとはいえないとのことでした。教室の冷房設置も同じです。二十三区ではほとんどの学校で冷房が設置されていますが、多摩地域では扇風機設置がせいぜいです。国の学校環境衛生の基準では、夏の気温が二十五度から二十八度が最も望ましいとしていますが、ここ数年、三十度を超える日がふえています。このように、耐震改修も冷房の設置も進まない理由は、税収の差が二対一と、多摩地域の財政力が弱いからです。知事、問題は、教育へ思い切ってお金を振り向けるかどうかです。知事は選挙の公約で、子どもたちは東京の宝と掲げました。その子どもたちが、猛暑の中、冷房もなければ、地震が来たら壊れかねない学校で勉強をしなければならない、こんな状況を放置できますか。学校の耐震化は、子どもの命と安全にかかわると同時に、地域の避難所にもなるところです。だからこそ、法律で義務づけられた東京都耐震改修促進計画で、病院や庁舎と同じ防災上重要な建築物として位置づけ、都は二〇一五年までに一〇〇%の達成を目指しているのです。そのための財政支援は欠かせないと思いますが、いかがでしょう。同時に、市町村に対し学校の冷房化への財政支援を行うべきです。ことしはとりわけ猛暑になるといわれています。お答えください。最後に、多摩都市モノレールについて伺います。モノレールが開通してから、沿線各地でバス路線が廃止され、高齢者は大変不便な思いをしています。モノレールへのシルバーパスの適用の要求は切実です。多摩地域は都営地下鉄も都電もなく、シルバーパスが使えるのはバスだけで、二十三区と大きな格差があります。ところが、今年度開通予定の日暮里・舎人ライナーはシルバーパスを適用する予算がついているのに、多摩都市モノレールに適用しないのでは、多摩格差がさらに広がってしまいます。多摩都市モノレールは、都営交通でないといっても、都の監理団体です。シルバーパスの適用範囲を都営交通とバスに限定した条例を改正し、多摩都市モノレールを対象に加えることを求めるものです。お答えください。再質問を留保し、質問を終わります。(拍手)〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)村松みえ子議員の一般質問にお答えいたします。まず、学級規模についてでありますが、学級編制基準をどう定めるかについては、教育行政の根幹にかかわることでありまして、法的にも、所管する教育委員会がその専門的な立場から判断すべきものであります。児童生徒が集団生活の中で社会性を養うという観点から、集団生活としての学級には一定規模が必要であるとする教育委員会の判断は妥当であると考えております。次いで、学校施設の改善についてでありますが、各区市町村は、学校の設置者として施設等の教育環境整備に取り組んでおります。子どもたちの安全確保を第一としてその維持管理に取り組んでいくことは、設置者の責任であります。何もかも東京がやれというのは、ちょっと筋違いじゃないでしょうか。他の質問については、教育長及び関係局長から答弁いたします。〔教育長中村正彦君登壇〕 # 教育長(中村正彦君) 教育長(中村正彦君)六点の質問にお答えいたします。まず、習熟度別指導についてでありますが、習熟度別指導は、個々の児童生徒の学力を最大限に伸ばすためのものでありまして、低学力を固定化するものではございません。この指導は、すべての児童生徒に確かな学力を定着させるために極めて有効でございます。次に、今、子どもたちに必要な教育についてでありますが、子どもたちが思いやりの心を持ち、これからの社会をたくましく生きていくためには、互いに切磋琢磨する中で、確かな学力の定着や社会性の育成を図るとともに、豊かな個性や創造力を伸ばす教育を進めることが重要であります。都教育委員会は、学力向上とともに、望ましい集団活動や体験活動を通して、個性の伸張や人と人とのかかわりを大切にする教育を推進しているところであります。今後ともこうした教育を充実してまいります。次に、学級規模についてでありますが、基礎学力の向上に配慮してきめ細かい指導を行っていくためには、教科等の特性に応じた多様な集団を編成できる少人数指導が有効であり、着実な成果を上げており、今後ともその充実に努めてまいります。一方、生活集団としての教育効果を考えた場合、児童生徒が集団の中で互いに切磋琢磨し、社会的適応能力をはぐくむため、学級には一定規模が必要であると考えております。次に、現場主義についてでございますが、先日も知事と一緒に学校訪問をしたところでございます。都内の少人数指導を導入している各学校では、きめ細かな指導を行い、着実かつ多くの成果を上げております。都教育委員会といたしましては、今後とも、教育現場の実情を踏まえ、少人数指導の充実に努めてまいります。次に、区市町村立学校の耐震化についてであります。耐震化につきましては、設置者である区市町村が、それぞれの地域の状況に応じ、国の助成制度も活用しつつ、計画的に施設の改築、改修を進めていくべきものであります。都教育委員会といたしましては、学校の耐震対策がより一層促進されるよう、国において必要な財源確保を図ることを国に対して引き続き働きかけていくとともに、区市町村が学校施設の耐震化等を推進するよう、必要な指導助言を行ってまいります。最後に、学校の冷房化についてでありますが、都教育委員会といたしましては、区市町村立学校施設の冷房化につきましては、各区市町村教育委員会において、地域の実情、特性等を踏まえ、それぞれの考え方に基づいて対応しているものと考えております。〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕 # 福祉保健局長(安藤立美君) 福祉保健局長(安藤立美君)多摩都市モノレールへのシルバーパスの適用についてでございますが、シルバーパスは、高齢者の社会参加活動を促進するために、利用を希望する方に対しまして社団法人東京バス協会がパスを発行し、都が補助を行っている事業でございます。東京都シルバーパス条例により、シルバーパスの利用対象は都営交通及び路線バスとなっておりまして、新たな利用対象交通機関の拡大は考えておりません。〔三十五番村松みえ子君登壇〕 # 三十五番(村松みえ子君) 三十五番(村松みえ子君)知事に再質問いたします。まず、三十人学級についてです。私は、小中学校の一クラスが四十人の学級を知事が見に行ったことがあるのか、なければ見に行ってほしいと聞いただけです。なぜこんなことにも答えられないのですか。あるのかないのか、ないとしたらこれから行く気があるのか、はっきりと答えてください。知事は四十人学級が適切だといっていますが、現場も見ないでどうしていえるのですか。逃げずに答えてください。第二に、小中学校の耐震と冷房化について、知事は、教育環境の整備は設置者の責任と答弁しました。しかし、知事は、自分がやりたいと思った学校への防犯カメラの設置や校庭の芝生化には、設置者でなくてもお金を出しているではありませんか。学校の耐震化や冷房化は、子どもの命と健康にかかわる緊急課題です。子どもたちは東京の宝といいながら財政支援に踏み出さない、これは絶対許せないことです。ぜひ財政支援に踏み出してください。最後に、福祉保健局長は、条例で決まっているから多摩都市モノレールにシルバーパスは適用できないといいましたが、知事、だったら条例を変えればいいではありませんか。以上、石原知事の答弁を求めます。(拍手)〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)小学校の視察は、議員時代に何度もいたしました。〔教育長中村正彦君登壇〕 # 教育長(中村正彦君) 教育長(中村正彦君)現場主義については、今知事がお答えしたとおりでございます。それから、耐震化と冷房化につきましては、議員ご指摘のとおり、各区市町村によって相当な差があることは確かでございます。ただし、ご答弁申し上げましたように、区市町村立学校の耐震化、冷房化につきましては、それぞれの区市町村で設置者責任として対応すべきものと考えております。〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕 # 福祉保健局長(安藤立美君) 福祉保健局長(安藤立美君)シルバーパスについてでございますが、新たな利用対象交通機関の拡大は考えてございませんので、条例の改正も考えてございません。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)二十四番早坂義弘君。〔二十四番早坂義弘君登壇〕 # 二十四番(早坂義弘君) 二十四番(早坂義弘君)我が国では、毎日九十人の方が自殺をしています。また、自殺未遂に終わった方はその十倍といわれておりますから、我が国では、毎日九百人が自殺を試みているという驚くべき事態が続いています。そこで、自殺総合対策について伺います。我が国の自殺による死亡者は、平成十年から九年連続して三万人を超えており、これは、全国の交通事故による死亡者の五倍に当たります。先進諸国との自殺死亡率の比較では、アメリカの二倍、イギリスの三倍であり、我が国が極めて高い状態にあることは論をまちません。自殺により家族や友人が大きな精神的ショックを受けることや、その背景にはさまざまな社会的要因があることも考え合わせると、自殺は、個人的問題としてのみ扱うのではなく、社会的取り組みとして対処する必要があります。このような考え方から、国は昨年、自殺対策基本法を策定し、これに取り組んでいますが、毎日のように自殺に関する報道が数多く目にとまります。統計をつぶさに検証してみますと、バブル経済の崩壊と自殺者の増加には数年の開きがあることから、世間の常識とは違って、自殺と景気との関連性は案外と弱いことがわかります。現在、景気は回復傾向にありますが、自殺は減っていません。フランスの社会学者デュルケームは、十九世紀末に記した「自殺論」の中で、社会的要因が人々を自殺に追い込むという興味深い分析をしています。自殺につながる要因として、集団の価値観への絶対服従、個人の孤立感、市民の虚無感などを挙げたことは、今日の我が国としても参考になる、自殺対策のポイントだと考えます。思うに、かつて昭和四十五年の三島由紀夫さんの自決に象徴されるように、我が国には切腹の文化が今日でもまだ残っており、それがこの数字の一部に反映しているのではないでしょうか。一方で、自殺を試みた者の七五%が、自殺の直前にはうつ病やアルコール依存症などの精神疾患を有しており、したがって、自殺に至る前に適切に精神科医療に誘導することができれば、現在の状況は改善されるとの見方もあるようです。人生経験が豊富でいらっしゃる知事に、自殺に対するお考えと、東京都の今後の取り組みについてお伺いをいたします。外環沿線の地権者の生活再建・救済制度について伺います。都内の都市計画道路の総延長は三千二百キロメートルですが、このうち千百キロ、計画の三五%がいまだ着手に至っていません。古いものでは、昭和二十一年に都市計画が定められて以来六十年間も未着手の路線がまだ幾つも残っています。都市計画道路の区域内では、一部は緩和されましたが、都市計画法の定めにより、二階建て以下の建物にしか建築許可がおりないなど、さまざまな権利制限がかけられており、地権者の皆さんの将来設計が立ちにくい状況にあります。そこで、事業に先駆けて行政に土地を買い取ってもらう先買いの申し出という制度がありますが、実際には財源が担保されていないため、仕組みがあるだけで、これまではほとんど機能していませんでした。多くの地権者の皆さんに長年にわたってご迷惑をおかけしているにもかかわらず、その救済がなされていないこと自体、問題ですが、外環においては、国が財源をきちんと確保して生活再建・救済制度を創設し、沿線区市の土地開発公社が地権者からの先買いの申し出にこたえる体制を整えたことは、高く評価できると思います。しかしながら、都市計画が地下式に変更された地域では、この先買いの申し出が適用されなくなってしまうようであります。東京都は、国に対しこの制度の継続を働きかけていくべきと考えます。ご見解を伺います。一方で、外環沿線の七つの区市のうち、杉並区と狛江市では、この先買いの申し出の仕組みがいまだ現実に機能しておらず、多くの地権者が今日まで救済されないままでいます。杉並と狛江の外環沿線の地権者にとってみれば、自分たちのところにだけ先買いの申し出の窓口すらないのは、どう見てもおかしいわけです。国が創設したこの制度を、沿線すべての区市で活用し、さらに機能させることが必要であると考えます。今後の取り組みについて伺います。民設公園の促進について伺います。東京都は先週、緑の東京十年プロジェクトを発表しました。その中で、今後十年間で一千ヘクタールの緑を生み出し、民間、特に企業の力を活用するとしております。今後、事業化を要する二千六百ヘクタールの都市計画公園・緑地を整備するには、現在のペースでは、六兆円と数百年の歳月を要するといわれております。そこで、税金を使わず、民間の活力を利用して公園化を図れる民設公園の制度は、二十一世紀型の新しい都市開発の方法であろうと思います。東村山市の萩山公園が、民設公園第一号としての実現に向け動き出しました。緑を守る、広域避難場所を守る、公園を守るという観点から、すばらしい計画ができたと思っております。今後は、この動きを二十三区内でも広めていくことが大切だと考えます。そこで、二十三区内に、民設公園の対象となり得る、長期間にわたり事業が未着手のままの企業所有地はどのくらいあるのか、お伺いいたします。現在の制度では住宅が対象になっていますが、今後、幹線道路沿線や商業地周辺では、住宅に限らずオフィスビルなどもメニューに加えて、民設公園をさらに促進していくべきと考えます。ご見解を伺います。精神障害者に対する公共交通機関の運賃割引について伺います。昨年施行された障害者自立支援法により、身体、知的、精神という障害の種別を超えて、福祉サービスが一元的に提供されることになりました。しかしながら、公共交通機関の運賃割引制度については、都営交通を除き、精神障害者だけがその適用を受けておりませんでした。我が党は、精神障害者団体の要請を受け、昨年九月、社団法人東京バス協会に対し、都内の路線バスにおける運賃割引制度を精神障害者に対しても拡大するよう、幹事長名で強く要請したところ、本年四月から割引制度が実施されました。精神障害者の自立と社会参加を進めていくために、東京都はこうした割引制度の活用を広く周知していくことが必要だと考えます。ご見解を伺います。身体障害、知的障害の二つに比べ、精神障害者の運賃割引制度はまだまだおくれており、今後、JRなどの鉄道事業者に対して、さらに積極的に働きかけていく必要があります。現行の都営交通無料乗車制度においては、身体、知的については手数料なしで乗車券が発行されているのに対し、精神障害者には千円の自己負担が求められています。今後、精神障害者四万人の社会復帰や就労を促進するためにも、身体障害者四十二万人、知的障害者六万人同様の扱いをされるよう、特にお願いをいたします。都立学校と民間団体との防災協定について伺います。東京都が昨年発表した首都直下地震の被害想定では、震度五強の場合には、ほとんどの交通機関が停止するため、四百万人の帰宅困難者と七百五十万人の徒歩帰宅者が発生するといわれています。このような災害時に、都立学校は、徒歩による帰宅支援ステーションとして、飲料水やトイレの提供、テレビやラジオからの災害情報の提供などを行うことになっています。さらには、避難所として、一定期間生活をする場所としての役割も期待されています。このように、災害時に大変重要な役割を果たす都立学校においては、建物の耐震化を進めることが何よりも大切です。それと同時に、校舎内のライフラインが維持されなければ、帰宅支援ステーションや避難所としての役割を十分に果たすことができません。都立学校には、ライフラインを復旧できるような技術職員が常駐しているわけではありませんから、例えば電力会社からの配電そのものが再開しても、現場における応急復旧工事を、その都度、しかるべき業者に依頼しなくてはなりません。しかしながら、大規模な災害時には、電話がふくそうするなど、業者に連絡がとれない状況も予想されます。それならば、民間団体と事前に協定を結び、大規模災害発生時には地元の電気工事業者などが直ちに応急復旧に当たるような仕組みをあらかじめ構築しておけばいいのだろうと思います。ご見解を伺います。昨日、渋谷区の温泉施設で爆発事故が発生しました。その対応を確認したところ、総合防災部に、事故直後の十四時五十分、東京消防庁から入電があり、十五時に都庁舎から職員を現地に派遣し、十五時三十五分には現地に到着、十六時には警察、消防などの関係機関と現地連絡調整所を設置し、情報収集などの災害対応に当たったとのことで、こうした対応は、JR福知山線の脱線事故を教訓に関係機関が共同で作成したマニュアルに基づいたものであります。このような事故に対する関係機関が連携した迅速かつ的確な行動は、大いに評価できるものであり、昨日の我が党の代表質問でも申し上げたように、全庁横断的な対応は、まさに危機管理においても真価を発揮することが証明されたと考えます。今後とも、さまざまな課題に関して、全庁で知恵を持ち寄り、横断的な取り組みがなされることを要望します。緊急地震速報について伺います。いよいよ本年九月から、緊急地震速報が一般に開放されます。P波とS波の伝達速度の違いに着目し、大きな被害をもたらすS波到着の前に、例えば二十秒後に大きな揺れが来ますなどと警告をしてカウントダウンを始め、ゼロになったと同時に揺れが来るという、まさに革命的な技術です。学校での実証実験によれば、五秒あればすべての生徒が机の下に潜れ、八〇%も死傷者が軽減するというデータがあります。兵庫県監察医の調べによれば、阪神・淡路大震災では死者の九五%が即死でした。そこに数秒ないし数十秒の猶予があれば、社会のさまざまな分野で革命的な防災効果をもたらすものと考えます。既に総合防災部では試験的にこのシステムを導入しており、また、局を横断しての検討会も開かれているようです。今後、他の東京都施設での導入や、民間での普及啓発のためのPRなどを積極的に推進していくべきと考えます。ご見解を伺います。板橋キャンパスの再編整備について伺います。「十年後の東京」では、高齢者が社会のさまざまな分野で活躍し、医療、福祉の最先端の研究成果を生かしたサービスを利用しながら、地域において健康で自立した生活を営む、世界に先駆けた超高齢社会の姿を描いています。今般、東京都は、板橋キャンパスの再編整備基本構想を打ち出しました。板橋キャンパスにはこれまでも、老人医療センター、老人総合研究所のほかに、介護保険施設である板橋ナーシングホームがあり、これら三つの施設がそれぞれの機能を果たすことで、高齢者の医療、福祉の発展に大きく寄与してきたと思います。板橋キャンパスの再編整備に当たっては、高齢者の医療、介護を取り巻く環境の変化に的確にこたえていくために、予防から医療、介護に至る高齢者へのサービス提供の先駆的モデルを発信していくべきと考えます。キャンパス再編の基本的考え方と今後の取り組みについて伺います。特別支援教育について伺います。昨日の我が党の代表質問に対し、東京都教育委員会は、特別支援教育推進計画第二次実施計画を、本年秋をめどに発表することを明らかにしました。平成十六年に策定された第一次計画では、我が杉並区に特別支援学校永福学園を開設し、知的障害が軽い生徒を対象にした知的障害部門高等部をスタートさせるなど、児童生徒の自立と社会参加を目指すさまざまな施策を行ってきたと思います。特に、公立の小中学校との連携においては、東京都独自の施策である副籍モデル事業、すなわち、都立の盲・ろう・養護学校に在籍する児童生徒が、居住する地域の公立の小中学校にも副次的な籍を持ち、交流を行うことなどを実施し、今後の方向性を示すガイドラインも発表しました。こうした第一次計画の実績をさらに充実させ、第二次計画が策定されるものと思います。その際、都立の特別支援学校が各地域において中心的役割を果たすことが、特別支援教育の体制整備を推進するために必要です。それぞれの地域ごとに関係機関や専門家が連携してネットワークを築ければ、障害のある児童生徒を支援する、全都的な特別支援教育体制が整備できるのではないでしょうか。第二次計画において、このネットワーク構想をしっかりと位置づけるべきと考えます。ご見解を伺います。その第二次計画でぜひとも取り組んでいただきたいものに、就学前の乳幼児期の取り組みがあります。先般、学校教育法の改正により、小中学校だけでなく、幼稚園、保育所も支援の対象になりました。乳幼児期の取り組みが、特に障害児にとっては、その後の成長や発達に大変大きな影響を与えます。既に区市の保健所、保育所では、乳幼児期における障害児への支援体制をとっているところもあります。そこで、東京都教育委員会としても、障害児にとって最も大切な早期発見、早期発達支援を、区市の幼稚園や保育所と連携し、現在策定中の第二次計画に盛り込むべきと考えます。ご見解を伺います。ありがとうございました。(拍手)〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)早坂義弘議員の一般質問にお答えいたします。自殺対策についてでありますが、私は、別段さまざまな死に出会ったこともございませんけれども、ただ自分自身が荒天下のヨットレースで何度か死にそうになったことはありますけれども。人間は生まれた限り必ず死ぬものでありまして、限りない生を切望しようとも、死は絶対に避けられない一つの宿命であります。それゆえにも、みずからその生を断ち切るという自殺という行為は、人生に対する冒涜ともいえると思います。自殺は、本人や残された家族、友人にとってもこの上ない悲劇であるとともに、社会的、経済的な損失も膨大なものがありますが、その要因は複雑で、解決は容易ではないと思います。しかし、根本的には、動物行動学のコンラッド・ローレンツがその脳幹論で説いたように、今日の日本の文明社会の過剰な豊かさ、あるいは情報のはんらんといったものが人間を非常に虚弱なものにして、結果として、こらえ性、トレランス、耐性というものを欠如させたのじゃないかと思っております。だれもが生きる力を持ち、互いに支え、避けられるべき自殺を防ぐために、行政、民間、専門家などの衆知を集め、自殺対策に社会全体で取り組んでいきたいものだと思います。他の質問については、教育長及び関係局長から答弁します。〔教育長中村正彦君登壇〕 # 教育長(中村正彦君) 教育長(中村正彦君)三点のご質問にお答え申し上げます。まず、都立学校のライフラインの復旧についてであります。都立学校には、児童生徒の保護に加えまして、避難所や帰宅支援ステーションとしての機能も求められるため、迅速な機能回復が必要でございます。特に電気につきましては、他のライフラインに先立って復旧を図ることが必要でございます。ご指摘を踏まえまして、民間団体等と早期に協定を締結してまいります。次に、ネットワークの構築についてでありますが、特別支援学校を中心として、さまざまな関係機関や専門家が連携して障害のある児童生徒等を支える体制を構築することは、大変重要な課題であると認識しております。第一次実施計画におきましても、特別支援学校、小中学部設置校を拠点といたしまして、地域のさまざまな関係機関や専門家が、障害のある児童生徒の一貫した支援体制を構築するエリアネットワークの構想に基づきまして、通常の小中学校も支援対象とし、モデル授業を実施してきたところでございます。第二次実施計画の策定に当たりましては、小中学校を中心にモデル授業を実施してきた成果を踏まえまして、こうしたネットワークの考え方が乳幼児期から高等部までの成長段階に応じて展開されるよう、具体的な方策を示してまいります。次に、区市の幼稚園や保育所との連携についてであります。乳幼児期におきまして、できるだけ早く障害を発見し、適切な支援を行いますことは、その子どもの成長にとって極めて重要でございます。第二次実施計画におきましては、障害のある幼児に対する幼稚園や保育所での支援を小学校等につなげるため、幼児の発達の様子などを記録した就学支援シートの区市町村への普及を図り、障害のある幼児の就学が円滑に進むよう、支援してまいります。さらに、障害のある乳幼児につきまして、障害の実態や支援の目標、方法などを記載する個別指導計画を作成するなど、障害のある乳幼児を支援するための新たな取り組みを行ってまいります。〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕 # 都市整備局長(只腰憲久君) 都市整備局長(只腰憲久君)四点のご質問にお答えを申し上げます。まず、外環の生活再建救済制度についてでございます。本制度は、計画の長期化による地権者への救済措置として、都の要望により、平成十四年度に国が創設したものでございます。平成十八年度末までに、外環沿線七区市のうち、世田谷区、練馬区、武蔵野市、三鷹市及び調布市の五区市におきまして四十四件、三・八ヘクタールの土地を区市の土地開発公社が買い取っておりまして、本制度は多くの地権者の生活再建に寄与しているものと考えております。国に対しましては、事業着手までの間、本制度を存続させ、地権者の申し出に適切に対応するよう求めてまいります。次に、制度を導入していない二区市に対しましては、地権者救済の趣旨を踏まえ、区市の土地開発公社に財政的な負担が生じないことなどをよく説明いたしまして、改めて理解と協力を求めてまいります。引き続きまして、本制度を活用しながら国や沿線区市と連携を図り、外環の一日も早い完成に向け積極的に取り組んでまいります。次に、民設公園についてでございますが、この制度は、都市計画公園・緑地の区域に含まれ、一ヘクタール以上の公園的空間が公開できる地区を対象としております。これに適合しました企業所有地は、区部におきましておおむね二十カ所、約百ヘクタール程度と見込まれます。対象地の立地条件や周辺土地利用などへの影響も考慮しながら、本制度の適用を検討していく必要があると考えております。最後に、民設公園制度の今後の進め方についてでございます。東京を早期に緑あふれる美しいまちとしていくためには、公共による整備に加えまして、民間の活力や協力による緑の確保が重要でございます。こうしたことから、東村山市の住居系地域における実績を踏まえつつ、地方自治体や民間事業者に対しまして、制度の周知と調整を図るとともに、幹線道路沿線や商業地域周辺なども視野に置きまして、引き続き本制度の拡充に向けた検討を進めてまいります。〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕 # 福祉保健局長(安藤立美君) 福祉保健局長(安藤立美君)二点についてお答えをいたします。最初に、本年四月に開始をいたしました精神障害者に対する路線バスの運賃割引制度についてでございます。この制度は、精神障害者の方の自立と社会参加を促進し、行動範囲を拡大する上で、大いに意義がございます。そのため、この制度を広く精神障害者の方々に活用してもらえるよう、割引制度開始直前の二月から三月にかけて、精神障害者保健福祉手帳を所持する約四万人の方に個別にお知らせするとともに、関係機関に周知をしてまいりました。さらに、区市町村の窓口や精神科病院、社会復帰施設、共同作業所などの関係機関にリーフレットを配布し、本制度の理解を一層促進してまいります。続いて、板橋キャンパスの再編整備についてでございますが、さきに発表いたしました基本構想では、医療機能と研究機能を一体化した健康長寿医療センター(仮称)を新設するとともに、板橋ナーシングホームを民設民営の介護保険施設として整備することといたしました。整備に当たりましては、センターを先端的医療の取り組み、老化に関する研究開発の推進、さらに高齢者に対応した急性期医療の提供と在宅療養、在宅介護への支援機能を発揮する施設としてまいります。また、介護保険施設は、在宅生活支援の手法を開発する実践の場としてまいります。これら施設の連携により、新たな予防、医療、介護のサービス提供モデルを構築し、その内容を広く発信、普及していくことといたしております。今後、さらに検討を重ね、本年秋を目途に、基本構想を具体化いたしました再編整備基本計画を策定してまいります。〔総務局長押元洋君登壇〕 # 総務局長(押元洋君) 総務局長(押元洋君)緊急地震速報に関するご質問にお答えを申し上げます。このシステムは、大きな揺れが到達する前に危険回避行動をとることで被害の軽減が期待できるシステムでありまして、都は、新たな地域防災計画で減災目標を達成するための有効な手段の一つに位置づけたところであります。既に、本庁舎では、防災部門で初動態勢を確立するため試行的に導入しており、現在、来庁者などの安全確保にも活用できるよう、整備を進めております。また、鉄道や病院などの都施設につきましては、関係局による会議で、施設の特性に応じた効果的な活用方法などの検討を行っているところでございます。今後、九月からの本格実施を踏まえ、情報提供の留意点などをまとめた都施設の運用指針を定めますとともに、ご指摘のありました民間への周知を図るなど、積極的に導入を促進してまいります。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)五十五番大西さとる君。〔五十五番大西さとる君登壇〕〔議長退席、副議長着席〕 # 五十五番(大西さとる君) 五十五番(大西さとる君)行政改革、特に選挙の開票事務改善を通して質問をさせていただきます。ことしは選挙の年、今年度の選挙管理委員会の予算は九十三億円、予算的にも大きなテーマですが、それだけではなく、自治体における迅速性、効率性の意識の重要性、職員の意識改革の必要性ということに踏み込んで伺います。統一地方選挙では、各地で行政改革を訴える候補者が多くいたようです。行政改革とは一体何でしょうか。公務員の数を減らすことが行政改革でしょうか。事業や業務の民間委託を進めることでしょうか。もちろん、余剰人員をカットする必要はあります。しかし、既に適正な人数になっている部署においては、それ以上の削減は、残った人に業務がしわ寄せされ、サービスの低下を招きかねない結果となります。安易な業務委託は、質や安全性の低下を招くおそれがあります。そうではなくて、今あるものを、今あるだけでもっと効果を出す、要するに効率化というものを徹底的に追求すること、これが真の行政改革ではないでしょうか。選挙の開票事務改善は、効率化を追求する取り組みの一つであります。開票事務改善の動きは、昨年四月十八日の産経新聞の朝刊に、コンマ一秒の節約実る、多摩市長選四十六分で開票終了という記事が載ったことがきっかけになり、現在、全国的にコンマ一秒運動として、大きな運動になりかけています。五月二十三日の総務省選挙部の選挙特報でも、開票についての迅速化に取り組むよう、具体的な内容に踏み込んだ通知が行われています。この写真をごらんください。Tシャツにジャージ姿の職員がきびきび作業を行っています。都内でも先進的な自治体の開票風景でございます。これは別の自治体の開票風景です。ほおづえをついた女性もいますが、自分の担当の仕事が終了し、手持ちぶさたになっている職員が写っています。後ろでは、まだ開票している職員もいます。効率的に取り組んでいるつもりでしょうが、残念ながら、このような状況があるのも、これまた事実でございます。選挙の開票には時間がかかるという思い込みが、有権者や候補者、職員にあるのではないでしょうか。しかし、公職選挙法には、選挙の結果を選挙人に対して速やかに知らせるように努めなければならないという規定があります。また、地方自治法には、地方公共団体は、最少の経費で最大の効果を上げるようにしなければならないと規定されています。公選法からも自治法からも、選挙の開票事務は迅速に、そして効率的に行わなければならないことがわかります。今回の統一地方選挙で、佐賀県では、県の選挙管理委員会が中心となり、全県を挙げて開票事務の改善に取り組み、きめ細やかに対応することにより、知事選、県議選で開票所要時間の平均が五十四分も短縮するといった大きな成果を上げています。ところが、私が調べたところ、今回の東京都知事選挙においては、逆に開票所要時間の平均が前回より十五分も長くなっているようです。この現状をどう考えるのか、所見を伺います。四月の都知事選挙で、開票事務の費用として二億八千万円が計上されています。そのうち七〇%が開票従事者にかかわる費用、つまり約二億円が人件費です。平均時間が短縮されることで、このうちかなりの額が節減されるのではないかと思いますが、開票時間短縮の財政削減効果について、所見をお伺いいたします。また、他県の取り組みの話になりますが、京都府では、今年度の総務部の運営目標の中に、市町村の選挙管理委員会と連携し、コンマ一秒運動を通した効率的な開票事務を推進、参議院選挙で府内全市において取り組むということをホームページ上で公開をしております。岩手県では、自治体の規模にかかわらず、効率性を比較するために、事務従事者一人当たり一分間でどれだけ開票できるかの、一分間開票数を指標に、県内の自治体を評価しています。統一地方選で一番効率的であった紫波町という町では、一人一分間十・二一票を処理しています。ちなみに東京都内では、一番効率的であった大田区が五・六一票です。目黒区は一・五六と、幅がございます。今回の統一地方選挙では、福島県相馬市や広島県三次市、長野県小諸市で開票時間が三十分を切り、マスコミからも大きく取り上げられました。これらの自治体では、明確な目標設定をし、職員が担当事務を超えて研修、リハーサルを繰り返し、そこから生まれた創意工夫、アイデアが開票事務の短縮化に生かされていったとのことです。その結果として、市役所全体として、嫌々仕事をやっていたやらされ感から、みずからの意思で積極的に仕事に取り組むやりがい感に職員の意識が大きく変化し、この運動をきっかけに、他の業務にまでよい影響を与えたとのことです。こうした意識改革こそが本当の行政改革だと考えるものであります。しかしながら、こうした全国の自治体の改善運動をリードしたのが府中市や多摩市、そして足立区といった東京都内の自治体であることを忘れてはいけません。これらトップランナーともいえる東京の自治体に、全国から多くの自治体が視察に訪れ、ベンチマークしていき、そこから学んだことを自分たちの創意工夫をプラスして成果を上げているのです。県議選の開票をたった二十九分で終了した小諸市も、実は府中市の開票事務を視察して、参考にして、そして実現したとのことです。府中市など開票事務のトップランナー自治体を抱える東京都が率先してこの開票事務の改善に取り組み、リーダーシップを発揮する意義は極めて大きいといえます。これまで、都選管として、区市町村の開票事務の短縮のためにどのような工夫や努力をしてきたのか、今後の取り組みとあわせ、所見を伺います。また、区市町村の開票事務の改善を促すためには、財政的なインセンティブも重要です。開票事務の効率化により、人件費や会場費などの開票経費を削減することが可能になりますが、このことは、区市町村にとっては国や都からの交付金が減額されることにほかなりません。せっかく開票時間を短縮しても、交付金が削減されるだけの今の仕組みでは、区市町村がさらに事務改善をしようというモチベーションが働きにくくなってしまいます。そこで、努力して開票時間を短縮し、経費を削減した自治体に対して、削減した額を別の名目で還元するなどの財政的な優遇措置を検討するべきだと考えます。所見を伺います。七月には参議院選挙が予定されています。参議院選挙の比例代表は、かなり複雑な開票事務になります。私も、比例代表の開票立会人をして、明け方まで帰れなかったことを思い出します。こうなると、開票事務の改善に取り組んだか、そうでないかで、大きな差が出てしまいます。一時間、二時間の差は簡単に出ます。ここまでこのコンマ一秒運動が広がってくると、改善に取り組まなかった自治体が、努力を怠った自治体として目立ってしまうことにもなりかねません。参議院選挙は目の前です。区市町村の開票事務の改善に向けた都選管の取り組み、選挙管理事務局長の決意をお伺いいたします。大きな改革の流れは、小さな改善の積み重ねから起こります。ぜひ東京都がこの運動に積極的に取り組み、全国の自治体のトップランナーになり、都内の区市町村、そして都庁の職員の意識改革につなげていくことを要望するものです。最近の選挙の開票事務における全国的なスピードアップの動きについて、知事の所見を伺います。次に、正規労働者と非正規労働者の格差是正について伺います。パート労働者、派遣社員、契約社員といった形態の労働者が、正社員と全く同じ仕事をしているにもかかわらず、待遇的に大きな差が生まれている現状があります。五月二十五日、国において、正社員と格差是正を目指す改正パート労働法が成立いたしました。しかし、その内容は、待遇改善が期待されるパート労働者の範囲が限定されるなど、極めて不十分なものとなってしまっています。均等待遇、格差是正に取り組む必要があると考えますが、パート労働者の処遇改善さえその実行が期待できない国の取り組みを待っていては、いつまでたっても均等待遇、格差是正は実現しません。昨年十二月に東京都が策定した「十年後の東京」では、同じ仕事の質であれば、同様の労働条件とする公平な人事管理を行う企業を支援し、モデル企業として広く普及させていくことが示されております。私も、東京都として、正規、非正規を問わず公正な労働条件で働くことが可能になる社会の構築に向けて、早急に処遇の格差改善など具体的な取り組みを実施していくべきだと考えますが、所見を伺います。次に、エレベーターの安全確保対策について伺います。昨年六月に、港区の区営賃貸住宅のシンドラー社製エレベーターで死亡事故が起き、一時期は各種報道などで騒がれました。しかし、事故発生から一年が経過したにもかかわらず、事故の原因はいまだ警察が捜査中であり、国でも昨年九月に社会資本整備審議会に設置された対策部会の中間報告が出されましたが、エレベーターの安全確保対策は、事故以来、まだ何も改善されていないのが実情です。この間、シンドラー社が特別で、国内シェアの大半を占める大手五社のエレベーターは安全だという世論が形成されてきました。実はそうではなかったということが判明し、国内大手五社のエレベーターでさえ、ワイヤロープのストランドの破断が発生しているという、人命を危険にさらしかねないふぐあいの発生が相次いで報じられています。エレベーターは全国で約七十万台、そのうち東京には二割強を占める十五万台が設置されており、日本でエレベーターが最も集積している都市となっています。シンドラーエレベーターでの死亡事故も都内で起きたものです。現在、都は国の対策をただ待っているだけのようですが、国がもたついている間にも、また次の悲惨な事故が起きないとも限りません。エレベーターの安全確保対策について、都として独自に情報収集や調査研究を行い、具体策を国に提案するようなアクションを率先して起こすべきだと考えますが、所見をお伺いいたします。三つの分野でお伺いいたしましたが、東京が他県の模範となり、さらに他県をリードして諸問題を解決していただくことを要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)大西さとる議員の一般質問にお答えいたします。開票事務のスピードアップについてでありますが、選挙は民主政治の根幹をなす重要な作業、仕組みでありまして、その管理執行は公正かつ正確であることが基本であります。この基本を十分に踏まえた上で、選挙の結果を早く知らせるためにも、開票の効率化を図ることは当然のこととは思います。しかしながら、最近の一分一秒を競うかのごとき風潮は、開票の精度を低下させ、選挙事務への信頼を損なうおそれもあると思います。これは決して早ければいいというものじゃないと思います。かつて中選挙区のころの衆議院で、何県でしたか、関東のある県で、これは一票差だかで衆議院の当落が決まったこともあります。それから、たしか、私もいろいろお世話になったことのある山中貞則さんは、晩年の選挙で、一回当確が出たけど、その後、わずか僅差で当選がひっくり返ったということもありました。こういう事例を踏まえますと、繰り返して申しますけれども、決して早ければいいというものじゃないと思います。これまで、都と区市町村の選挙管理委員会において、正確かつ効率的な開票への工夫や努力がされておりました。今後とも同様に対応していくものと考えております。他の質問については関係局長から答弁します。〔選挙管理委員会事務局長梶原康二君登壇〕 # 選挙管理委員会事務局長(梶原康二君) 選挙管理委員会事務局長(梶原康二君)五点の質問にお答え申し上げます。まず、都知事選挙における開票作業時間についてでございますが、前回と比較して長くなった要因としては、立候補者の数が前回の五名から十四名へと大幅にふえたこと、また、投票率が約九・四ポイント上昇し、投票総数が約百十万票も増加したことなどが考えられます。このように、開票の現場におきましては、立候補者数、投票総数、さらには開票立会人が行う確認作業等により、その作業時間にかなりの差が生じるという実態があり、単純な比較は困難でございます。次に、開票作業時間短縮による節減効果についてでございます。作業時間を短縮した区市の中には、開票事務従事者を増員して対応した団体もあり、このような場合には、逆に人件費増となる可能性もございます。一般的には、開票作業時間が短縮されれば、従事者の手当の減などにより、経費の削減が見込まれるところであり、今後も区市町村と連携して、効率的な選挙の執行に努めてまいります。次に、開票作業時間短縮の取り組みについてでありますが、開票作業は区市町村において公正、正確に万全を期すとともに、迅速化に向けてもさまざまな工夫が重ねられてまいりました。都選挙管理委員会としても、これまで開票作業の効率化に向けた取り組みや、工夫事例を区市町村に情報提供するなどしてまいりました。今後も、区市町村職員向けの研修の活用など、多様な方法により支援してまいります。次に、時間短縮に対する財政的な優遇措置についてでございます。選挙執行に係る区市町村への交付金は、選挙の執行に際して実際に要した経費を交付するという仕組みとなっておりまして、削減した額の還元など、実費以外の額を交付するといった優遇措置は困難でございます。もとより、開票事務の効率化は必要であり、そのための機器や資材等に要する経費については、現行制度を運用していく中で適切に対応してまいります。最後に、参議院議員選挙に向けた取り組みについてでございます。参議院議員選挙の適正な執行に向け、五月には区市町村選挙管理委員会委員長会議を開催し、公正、正確な事務の執行に加え、開票事務の迅速化についても改めて要請しております。区市町村の現場では、既に着々と準備が進められている中、相互の連携を一層密にし、選挙の適正かつ効率的な執行に向け全力を挙げて取り組んでまいります。〔産業労働局長佐藤広君登壇〕 # 産業労働局長(佐藤広君) 産業労働局長(佐藤広君)正規労働者と非正規労働者との処遇の格差の是正についてでございます。都はこれまでも、パートタイマーなどの非正規労働者の雇用環境の改善に向けまして、セミナーによる啓発や、パートアドバイザーの企業訪問による相談、助言等を実施してきたところでございます。また、雇用環境の改善に取り組もうとする中小企業に対しまして、専門家を派遣して支援するとともに、すぐれた取り組みを行っている企業をモデル企業に指定をいたしまして、ホームページ等で広く紹介しているところであります。今後とも、こうした取り組みを通じて、非正規労働者の雇用環境の改善に努めてまいります。〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕 # 都市整備局長(只腰憲久君) 都市整備局長(只腰憲久君)エレベーターの安全確保対策についてでございます。エレベーターは、設置時のみならず、日常点検によりまして運行の安全を確保していくことが重要でございます。現在、国では、事故や一連のふぐあいの発生を受けまして、建築基準法に基づくエレベーターの定期検査制度の見直しを進めております。都といたしましても、検査制度を運用する立場から、その検討の場に参画し、適切な検査のあり方などにつきまして、現場としての考えを反映させてまいります。今後とも、国や区市、関係団体とも連携し、エレベーターの安全確保に向け万全を期してまいります。 # 副議長(木内良明君) 副議長(木内良明君)十八番中山信行君。〔十八番中山信行君登壇〕 # 十八番(中山信行君) 十八番(中山信行君)初めに、体験学習について質問いたします。現代社会の人間関係の希薄化は、子どもたちの世界にも色濃く影響を及ぼしています。生身の人間と触れ合うことなく、バーチャルな世界で学習課程が進み、その結果、生きる意欲や頑張る気力を喪失した子どもがふえているという指摘もあります。子どもたちの心の成長に必要な世の中との触れ合いの機会を適切に提供していくことは、まさに教育の不可欠な課題といえます。都は、中学生のわくわくウイーク東京など、体験教育重視の方針を打ち出しています。中学生の感想を読むと、人から感謝されることのすばらしさ、自分の長所を発見できたなど、素直な感動と喜びが伝わってきます。特にことしからスタートする都立高校の教科「奉仕」においては、そのメーンとなる体験活動がこの夏の期間に集中します。そこで、奉仕活動の本格的な実施を前に、体験教育を積極的に導入して、子どもたちに社会とのかかわりを持たせる教育の推進に関して、知事の所見を伺います。あわせて、奉仕の体験活動では、アルバイトとの両立や交通費の負担などが課題として予想されます。そこで、都は、すべての生徒が安心して意欲的に体験活動に臨むことができるよう万全を期すべきです。所見を伺います。また、奉仕の体験活動の充実のためには、町会、自治会等の地域団体が取り組むボランティア活動との連携が重要です。見解を伺います。さらに、今後の体験教育の充実のためには、取り組みの成果や課題について地域や奉仕活動の受け入れ先と意見を交換し、情報を共有化することが重要です。所見を伺います。次に、児童虐待について質問します。近年、児童相談所が受ける虐待相談件数も、一時保護や施設入所を必要とする子どもの数も、増加の一途をたどっています。暴力や虐待で行き場のない親子にとっては、緊急避難できる一時保護施設の存在が不可欠です。しかし、現在、一時保護施設の入所状況は、子どもが家庭に帰る正月と新学年に伴って施設に入所する四月を除き、九九・八%とほぼ満員状態で、本来の機能が発揮できないおそれがあります。今後の施設の拡充を求めます。次の段階として、虐待の原因を解消し、親と子との再統合を目指す取り組みが重要です。児童福祉司を増員し、すべての児童相談所に虐待対策班を設置するなど、これまでの取り組みは評価しますが、子どもの将来を考えれば、安心して成長できる環境を整えることが重要です。虐待を受けた子どもはもちろん、虐待に至った親のケアにも取り組む必要があります。そこで、家族再統合についての都の認識を伺います。都の児童相談センターでは、精神科医、児童心理司、外部スタッフなどがチームを組んで、親の心のケアに取り組んでいます。独自に改良したカウンセリングプログラムとグループ療法により家族関係の再構築が進み、家族再統合の成果を挙げています。こうした事業を拡大する必要があります。同センターのこれまでの成果と、今後の事業拡大について方針を明らかにするべきです。見解を伺います。次に、環境対策について質問します。温暖化対策が最大の焦点になった今回のサミットでは、環境先進国ドイツでも、すぐれた環境政策で有名なフライブルグ市が注目され、話題を呼んでいます。フライブルグ市では、特に交通行政に力を入れており、環境に優しいLRT、公共交通機関と自転車の活用により、自動車の利用量を減らす取り組みに成功しています。東京においても、CO2の削減策として、自動車の燃費向上や公共交通機関への転換促進にあわせて、手軽に利用でき、環境に優しい交通手段である自転車の積極的な利用を図るべきです。そこで、ディーゼル規制等に続く新たな対策として、自転車の活用を社会全体に定着させていくための総合的な取り組みを開始するべきと考えますが、見解を伺います。あわせて、自転車利用の促進に関する都民の理解を高めるため、子どもの自転車の歩道通行を可能にした道路交通法の改正を踏まえ、小学生はもとより中高生も含めて、ルールの遵守とマナーの向上を目的として啓発を行うべきです。見解を伺います。また、今後、自転車が加害者となる事故がふえていくと予想されています。そこで、賠償責任保険に加入していることを示すTSマークの普及に力を入れるべきです。見解を伺います。次に、障害者の就労について伺います。先日、私は、就職率が九二・九%に及ぶ所沢の国立職業リハビリテーションセンターを見学しました。訓練プログラムを個別化し、企業からの訓練オーダーにも応じるなど、個別性を重視する取り組みを徹底し、精神障害、高次脳機能障害、発達障害など、就労が困難といわれる事例でも成果を上げています。今後の障害者就労にあっては、個別性に加え、先進技術と企業連携が重要です。訪問した職業リハビリテーションセンターでも、独自に開発したエクセル等の高速読み上げソフトのほか、クリックしたデータを即座に点字化するピンディスプレー、読み上げできない図形やグラフの様子を触覚で伝える点図ディスプレーなどにより、全盲の視覚障害者でも高度な情報処理が可能になっていました。つまり、先端技術が障害者就労の幅を広げているのであります。したがって、都も、障害者の職業訓練において、こうした先進技術を活用した就労支援機器を積極的に導入するべきと考えますが、所見を伺います。また、小平市にある都の障害者職業能力開発校では、知的障害者を対象に商品の在庫管理のバックヤード作業訓練に成果を挙げています。一方、介護現場のリネン類整理やホテルのベッドメーキングなどでも、障害者就労の大幅な拡大が期待できます。こうした職域において、障害の種別や程度などに応じて作業手順を標準化し、企業間の壁を取り払うことができれば、障害者の皆さんの就労に向けた環境が大きく改善されます。その第一歩として、都は、障害者校などにおいて、これまでの訓練で培った職場環境改善等のノウハウを普及するなど、企業等と連携して、障害者が働きやすい職場づくりを進めるべきと考えます。所見を伺います。次に、都営住宅の活用について質問します。総計二十六万四千戸の都営住宅は都の最大の公共財産であり、特に老朽化した都営住宅の建てかえについては、それを契機とした新たなまちづくりに期待と夢が広がっています。また、福祉分野でも、都営住宅に福祉施設が合築されるケースがあり、地域の保健福祉施策の向上に寄与しています。こうした場合でも、運営に携わる社会福祉法人には、自治体が直営で取り組む場合と同等の利用料等の配慮を加えることが重要であります。また、新たに建てかえ時に合築できる施設の内容として、区市が取り組むインキュベーション施設など、若者の創業や就労を促進する施設を認めるべきと考えますが、見解を伺います。さらに、足立区の上沼田団地では、大規模な建てかえにより隣接する団地を集約化し、貴重な用地を新たに生み出すこととしています。こうした用地を活用すれば、新たな産業集積や集客力に富む施設の誘致など、再開発への夢が膨らみます。都営住宅の建てかえで創出された用地の活用に関しては、ぜひとも地元自治体の意欲、意向を生かす仕組みを検討すべきです。所見を伺います。次に、農地保全について質問します。住民構成も街並みも激しく変化する東京においては、区市が農地の存在を地域の都市計画やまちづくりの将来設計に反映させていくことが重要です。都市の農地には、防災、緑化、食育、食の安全、オープンスペースの確保など多面的な機能があります。こうした農地の機能を区市がまちづくりの施策に積極的に生かせるよう、都は支援策を講じるべきです。見解を伺います。また、農地保全のためには、農業経営を引き継ぐすぐれた後継者の育成が欠かせません。同時に、最新の技術や経営情報の継続的な提供などが重要です。その意味で、都は、後継者研修の修了者に対するフォローアップを一段と充実させるべきであります。見解を伺います。さらに、団塊の世代など、新たに農業への参画を希望するようになった人々と遊休農地を抱える農家とのマッチング事業を、農家の意向を踏まえ、強力に推進すべきと考えます。見解を伺います。最後に、都の医学研究について質問します。先日、私は、医学研究機構の評議員会において、認知症の患者脳に見られる特有のたんぱく質の特定や、アルツハイマー病のワクチン療法の開発など、目覚ましい成果をおさめつつある三件の報告を拝聴しました。都の研究には、朝日賞を受賞するなど、ノーベル賞級の評価を得ているものもあります。こうした研究が少しでも早く具体的な成果をおさめるようになれば、治療の先行きの見えない患者にとって、この上ない朗報となります。そこで、もう一歩のところで都民に対し具体的な成果を還元できそうな都の医学研究については、今年度新たに設置する五百億円の福祉・健康安心基金を機動的、集中的に活用するべきと考えます。見解を伺います。あわせて、臨床と研究の連携も重要です。例えば、駒込病院では、キャンサーボードと呼ばれる制度によって、複数の医師が自由濶達に意見を交わし、がん治療にすばらしい成果をおさめています。がん治療には、外科、投薬、放射線だけでなく、多くの専門家の連携が重要です。例えば、研究医による遺伝子解析のデータが臨床現場で迅速に提供されていけば、連携の効率性は飛躍的に向上します。こうした臨床と研究の連携を都立病院でも実施すべきであります。仮称がん・感染症医療センターの整備に当たっても、効果的な連携システムを導入するべきであります。都の見解を伺い、私の質問を終わります。(拍手)〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)中山信行議員の一般質問にお答えいたします。子どもたちに社会とのかかわりを持たせる教育の推進についてでありますが、昨年十二月に策定しました「十年後の東京」では、子どもに多様な体験学習の機会を提供し、社会の発展に貢献できる若者を育成していくことを提言いたしました。子どもは、社会の中で人とかかわることを通して自分と他者との違いを認識し、自分自身を主張したり、我慢したり、人とのかかわりで感動することも学ぶわけであります。都が先駆けて始めた「奉仕」の授業は、子どもたちが人のために役立つことを学ぶ、またとない機会であると思っております。他の質問について、教育長及び関係局長から答弁いたします。〔教育長中村正彦君登壇〕 # 教育長(中村正彦君) 教育長(中村正彦君)三点の質問にお答え申し上げます。まず、生徒が意欲的に体験活動に取り組む方策についてであります。「奉仕」の授業で行う体験活動は、事前に学んだ奉仕に関する知識と技術を、実践的活動を通して確かなものにしていく機会であり、すべての生徒が意欲的に取り組めるようにすることが大切であります。都教育委員会は、先行的に研究を行ってきた学校での実践を踏まえ、体験活動の受け入れ先の確保を初め、効果的な実施時期や「奉仕」の教科書の費用負担の軽減などについて検討し、課題解決を図ってまいりました。今後は、本年度の「奉仕」の授業の成果と課題について、ご指摘の点も含め、検討する委員会を設置し、生徒がより意欲的に取り組めるよう、体験活動の一層の改善と充実に努めてまいります。次に、体験活動における地域団体との連携についてであります。「奉仕」の授業で行う体験活動を充実するためには、受け入れ先を地域団体へも拡充し、生徒がより多様な体験活動に取り組めるようにすることが重要であります。都教育委員会は、「奉仕」の授業の内容や意義等を掲載したリーフレットを社会福祉協議会やボランティアセンターなどに配布するとともに、各学校では、幼稚園、保育所、高齢者福祉施設、消防署等さまざまな機関を訪問するなどして、生徒の受け入れについて協力を依頼してきたところであります。今後、地域の方々が実施しているボランティア活動への生徒の参加を促進するため、町会や自治会等の地域団体との連携を強化するよう、学校を指導してまいります。次に、「奉仕」の成果や課題の共有についてでありますが、各学校が活動の成果や課題を地域や受け入れ先の関係者と共有することは、今後の「奉仕」の授業を一層充実するために大切であります。これまで先行的に研究を行ってきた学校においては、受け入れ先と情報交換を積極的に行い、共通理解を図ってきたところでございます。今後、都教育委員会は、各学校に対し、地域や受け入れ先の関係者による連絡会を設置し、成果検証を行うとともに、関係者との連携を深めるよう指導してまいります。〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕 # 福祉保健局長(安藤立美君) 福祉保健局長(安藤立美君)三点についてお答えをいたします。まず、虐待を理由に親子分離した家族の再統合についてでございますが、児童相談所では、虐待を受けた子どもの安全確保を最優先し、必要な場合には、法的対応として親子の分離を行っております。一方、これらの子どもが再び家族と暮らせるようにすることは、健やかな成長を図るという観点から大変重要でございます。このため、精神科医や心理職等の専門家による親へのカウンセリングのほか、親子関係の修復に向けたトレーニングなど、心理的、医学的援助により親の虐待傾向の改善を図りました上で、子どもの安全を確保し、家族再統合を目指す取り組みを着実に進めてまいります。次に、東京都児童相談センターにおける家族再統合事業についてであります。これまで七十一の家族が利用し、そのうち、おおむね七割の家族の関係修復に効果を上げております。今後、この成果を関係機関の参考となる手引書としてまとめるほか、新たに開設予定の子ども家庭総合センター(仮称)において、家庭での生活を想定した子どもと親に対する宿泊プログラムを実施するなど、取り組みの充実を図ってまいります。最後に、都が取り組む医学研究への福祉・健康安心基金の活用についてでございますが、この基金は、がんなど健康危機への対処、認知症医療対策の強化及び子育て支援の三つの重点的取り組みと、これらの取り組みを支える基盤となる医学研究などの財源として活用することを予定しております。今年度中に基金充当事業の検討を行い、来年度から実施することとしておりまして、ご指摘のように、研究の成果を少しでも早く具体的な形で都民に還元することは重要でございます。このため、東京都医学研究機構の研究所などで行っております、がんや認知症などの研究について、その進捗状況も十分に考慮しながら、基金の効果的な活用を図ってまいります。〔環境局長吉川和夫君登壇〕 # 環境局長(吉川和夫君) 環境局長(吉川和夫君)自転車の活用に向けた取り組みについてでありますが、自転車は、環境に優しく、都民に身近で便利な交通手段であることから、都はこれまで、TDM東京行動プランに基づき、自転車道の整備など自転車活用対策を実施してまいりました。現在、環境審議会において、世界で最も環境負荷の少ない先進的な環境都市の実現を目指し、東京都環境基本計画のあり方が審議されており、その中で、公共交通機関の最大限の活用や自転車利用の促進など、自動車に過度に依存しない交通行動への転換についても議論されております。今後、環境審議会での審議を踏まえ、日常生活や企業活動での自転車利用の普及とともに、自転車が安全に走行できる空間の確保など、地域特性に応じた自転車利用の促進が図られるよう、各局と連携し、総合的に検討してまいります。〔青少年・治安対策本部長舟本馨君登壇〕 # 青少年・治安対策本部長(舟本馨君) 青少年・治安対策本部長(舟本馨君)自転車の安全利用につきましての質問にお答えをいたします。まず、中高生などへの自転車利用に関するルールの遵守等の啓発についてでございますが、自転車による歩行者の人身事故が増加していることから、都は警視庁等と連携をいたしまして、平成十八年五月から、自転車の交通ルールや安全利用に関するキャンペーンを積極的に展開しております。また、本年一月には、自転車の安全利用推進総合プランを作成いたしまして、それとともに、歩道上の暴走行為の禁止などを訴える、自転車の安全利用に関する緊急アピールというものを、一般向けとともに、小学生向け、中学生向け、高校生向けと分けまして発信したところでございます。本年は、当該プランに基づきまして、中高生向けの自転車交通安全教育に関するマニュアルの作成も考えております。今後とも、改正道路交通法の施行を踏まえ、自転車の交通ルールの遵守など、その安全利用についての普及啓発に力を注いでまいります。次に、TSマーク制度の普及についてでありますが、近年、歩行者を死亡させるなどの重大な事故も発生しておりまして、自転車の点検整備と賠償保険がセットとなりました、このTSマーク制度の普及啓発を図っていくことは重要であると考えております。昨年五月に実施しました自転車の安全利用に関するキャンペーン、すなわち、あん・あん自転車TOKYOキャンペーンでありますけれども、その中でその周知を図りました。そうしましたところ、平成十八年度の実績では約六万二千枚のTSマークシールが交付されまして、これは前年度に比べまして約二万四千枚の増加ということになりました。今後、ご提言の趣旨も踏まえ関係団体等に働きかけ、当該制度の一層の普及啓発に努めてまいります。〔産業労働局長佐藤広君登壇〕 # 産業労働局長(佐藤広君) 産業労働局長(佐藤広君)五点のご質問にお答えいたします。まず、障害者の職業訓練における就労支援機器の導入についてでありますが、生徒の障害の状況に配慮いたしました先進的な機器を活用することは、就労に向けた訓練を行う上で効果的であると認識しております。このため、都はこれまで、視覚障害者向けの画面読み上げ機能を有するパソコンや、下肢障害者用のNC加工機などの就労支援機器を導入してまいりました。今後は、新たに設置をいたします公共職業訓練運営委員会の中で、事業主や学識経験者などを交えまして、機器に関する最新の技術動向や就労現場での活用状況について調査、検討いたしまして、より効果の高い就労支援機器の導入に努めてまいります。次に、障害者の働きやすい職場づくりについてですが、都はこれまで、東京障害者職業能力開発校におきまして、生徒の就職先企業に対して、障害特性に応じた職場環境面で配慮すべき事項につきまして助言、指導を行ってまいりました。今後、都といたしましては、障害者の雇用実績のある企業や採用意欲のある企業が参加をいたしまして、職場環境の改善について意見交換を行う場を新たに設けます。この中で、企業が実践している事例の検討や、都の有する情報の提供などを行ってまいります。こうした企業との連携を通じまして、障害者の働きやすい職場環境づくりに一層努めてまいります。次に、農地の機能を生かす区市の取り組みについてでありますが、都はこれまで、農地の持つ緑地空間や防災、レクリエーションなどの多面的機能をPRするとともに、地域住民が農業と触れ合える体験農園などの設置に対し、区市を支援してまいりました。今年度は、都民、農業者、有識者などによる検討機関を立ち上げまして、農地の多面的機能について調査と評価を行うとともに、その活用実例などを記載いたしました、農地保全のための指針の作成に取り組んでまいります。今後、区市において農地の多面的な機能を生かす取り組みがさらに進むよう、この指針を活用してまいります。次に、農業後継者研修の修了者に対するフォローアップについてでありますが、都では、後継者を対象に、試験研究機関が開発いたしました新技術など、最新の農業情報の提供をカリキュラムに取り入れました二年間の体系的な研修を行っております。また、この研修の修了生に対しまして、継続的にフォローアップ研修を行うとともに、より実践的な技術、経営情報を提供するセミナーを開始したところであります。今後は、これらの研修内容の充実を図るとともに、メーリングリストの活用などによりまして最新情報を随時提供し、農業後継者の育成に一層努めてまいります。最後に、遊休農地に関するマッチング事業についてでありますが、都では平成十七年度から、都民の農業参画の促進と遊休農地の再生利用等を図るため、参画を希望する都民と農地の情報を蓄積いたしまして、これらを結びつけるマッチング事業を開始いたしました。この結果、昨年度は、日の出町では遊休農地に約三十名の都民を受け入れ、ソバ栽培の体験農園として再生するなど、実績も上がり始めております。今年度は、東京都農林水産振興財団に相談窓口を新設いたしまして、農業団体と連携しつつ、新たな農業の担い手と農地とのマッチングを積極的に推進してまいります。〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕 # 都市整備局長(只腰憲久君) 都市整備局長(只腰憲久君)都営住宅建てかえ時の施設の併設についてでございます。建てかえに当たりましては、老朽化した住宅を更新するとともに、地域のまちづくりに配慮し、住環境の整備などを図ることが重要でございます。これまでも、地元区市と連携し、都営住宅建設に関連する地域開発要綱に基づきまして、保育所、高齢者在宅サービスセンターなどの施設を整備してまいりました。区市から、ご指摘の創業や就労を促進する施設の併設について要望があった場合についてでございますが、これらは現行の同要綱には明示されている施設ではございませんが、建てかえ事業に支障のない範囲で、立地条件や周辺の環境なども勘案しまして、区市と協議した上で個別に対処してまいります。次に、上沼田団地の建てかえで創出される用地の活用についてでございます。都営住宅の建てかえに当たりましては、地元区市と連携して、都有地の有効活用や団地の集約によりまして用地を創出した上で、民間活力を生かしたまちづくりの誘導などのさまざまな政策目的に沿った活用を図っております。上沼田団地の建てかえにつきましては、これまでにも地元区と協議を重ね、今後、三期に分けて建てかえを行う計画としております。本団地の建てかえ完了後創出される用地につきましては、現在ある協議の場を活用いたしまして、今後、地元区とともに、利活用について検討してまいります。〔病院経営本部長秋山俊行君登壇〕 # 病院経営本部長(秋山俊行君) 病院経営本部長(秋山俊行君)都立病院におきます臨床と研究の連携についてでございますけれども、医療技術の発展などによりまして、治療の現場と研究部門の関係がより緊密になってきておるということから、ご指摘のとおり、両者の連携は、適切な医療を提供していく上で重要性を増しているものというふうに考えております。特に、抗がん剤などによる治療でございますけれども、患者個人ごとにその効果や副作用が異なりますことから、一人一人の病気の状態に応じた医療を提供していくためには、遺伝子やたんぱく質を研究部門で解析いたしまして、得られた情報を個々の治療に迅速に生かしていくという必要がございます。そこで、都立駒込病院の改修によって設置を予定しております、がん・感染症医療センターの整備に際しまして研究部門を設けることとしておりまして、今後は、医療技術の進歩に対応する先進的な医療を提供していく観点から、関係局とも協議の上、臨床と研究が連携する有効な仕組みづくりに取り組んでまいります。 # 副議長(木内良明君) 副議長(木内良明君)この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。午後五時三十九分休憩午後五時五十六分開議 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)休憩前に引き続き会議を開きます。質問を続行いたします。四十四番矢島千秋君。〔四十四番矢島千秋君登壇〕 # 四十四番(矢島千秋君) 四十四番(矢島千秋君)日本の活力と発展は、現実に東京、大阪を中心とする人口集中地帯の工業の発展とともにあったといわれております。二〇〇三年の日本の生産性データで見ましても、東京都は一千一万円で第一位、大阪、滋賀、神奈川、愛知、千葉、三重と続き、所得もほぼリンクしております。しかし、国は、均衡ある国土の発展の言葉のもとに、大都会の活力を地方へと移転させようとし、都市の抑制政策が行われてまいりましたが、このことは、かえって日本経済の地盤沈下を招き、国力の停滞につながったのであります。その間、法の規制を受けなかった中京地区の発展、また二〇〇二年の工場等制限法廃止後の大阪の活性化が多くを物語っておるのであります。東京の場合は、産業構造の転換が比較的うまくいったといわれておりますが、都市政策は全く不十分でありました。都市の魅力と活力が、自由な発想を保証する空間と合理的時間の持ち方を可能とする集積とするなら、大都市の停滞は大きなロスであります。資源のない日本が、これからも世界と伍してその活力を維持するためには、環境負荷の少ない生活など調和すべき課題はあるものの、業務地域である都心部の高密度化と必要な投資は避けられないのであります。それにもかかわらず、国は、法人事業税、法人住民税一兆四千億円の税源移転という同じ過ちを踏もうとしております。東京の持てる力と課題を認識し、展開してきた石原知事の政策により、東京に本来のエネルギーが戻り始めるなど、効果を生んでいるにもかかわらず繰り返す、かような発想が、日本の活力の後退を招くのではないかと思えてなりません。知事のご見解をお伺いいたします。東京都がつい先ごろまで、財政再建団体に陥るかもしれないという危機的、困難な状況にあったことが少し昔のことと思えるほど、財政の好転を果たしてまいりました。そして、全庁挙げての財政再建への取り組みが、財政当局の長年の財政運営上の課題のことごとくのクリアにつながってまいったのであります。しかし、税収好調局面の歳出増の圧力に惑わされない、財政規模の維持は、今後の健全財政にとって基本的な要件であり、財務局が昨年、財政中期フレームを示しているのも、そのかたい決意をあらわすためのものであることは、理解できるのであります。また、現実の世界は、作為、不作為にかかわらず、いかなる形でか必ず結果が出るものでありますから、財政上、積極的、意思的に取り組む結果として、厳しい予算の手続となり、事業終了後の効果と効率性測定と活用のための政策評価、事務事業評価が財務局に移管され、予算査定と政策評価というルーチンの中で活用されることになったことは、評価するものであります。しかし、今後は、政策評価の透明性を増すため、事務事業評価に第三者を加えることも検討すべきであり、また、事業稼働を保証する意味でも、民間でいうところの内部統制の議論を参考に、支援部隊を検討すべきではないかと思いますが、意見として申し述べておきます。さて、政策運営を自立的有効なものとするため、シーリング予算の組み立てと事業との関係をどのようにすることが必要かということであります。予算査定と事務事業評価の間に、行政マネジメントを生かす内部統制方策が重要ではないかということです。この点について取り組みをお伺いいたします。明治に制定された府県制により、近代監査制度が自治体の補助機関として始まり、昭和二十二年、長と対等の立場で監査することに強化されたのであります。東京都では、この監査委員の定数を、平成十九年度に従来の四人から五人へと条例改正されております。また、監査委員の事務を補助させるため監査事務局が置かれ、適法性、税金の有効活用、組織の合理的運営など、多様な視点から監査が行われております。この監査部隊をどのようにとらえるかは、大きな分かれ目であります。何よりも、監査が事業の適法性と公金使途の透明化確保を基礎に、合理性、効率性を高める、いわばお金を生む事務事業であるという認識が必要であります。この観点からは、東京都の財政規模と予算の多様性が拡大する中、実働部隊である事務局職員の人数は心もとないのではないか。定数を追いますと、昭和五十二年度には百十名であったものが、平成元年度には百二名、平成十四年度には九十七名となり、平成十九年度は九十名であります。その間、財政規模は四兆円から十三兆円に拡大しているのであります。他府県では、政令指定都市などを抱えており、単純な比較はできないのでありますが、一般会計、特別会計の財政規模と監査事務局の職員数の比較では、東京都は現員九十名、大阪府は四兆二千億円で四十八名、愛知県は三兆円で三十名、埼玉県は二兆二千億円で三十名であり、不足感はぬぐえないのであります。東京都のように膨大な領域と予算規模を持つ自治体にとって、現在の体制は十分であるのか。外部監査制度が生まれたとしても、全体に目を光らせる監査業務の専門職の保証された人的体制は強化しなければならないと思うのでありますが、監査事務局長のご意見を伺います。都市の魅力は、生命、財産の安全を基本条件に、多様な人材の集積の力にあります。また、治安は日本人の基本的な信頼であるだけに、ないがしろにできない大きな課題であります。警視総監の治安状況の報告では、認知件数は大幅に減少しているとあり、資料によっても、社会を脅かす凶悪犯が減少し、検挙率は上がっているのであります。本来業務に警視庁はよく取り組み、結果を出しているということになります。この観点からは、治安の悪化は風説にすぎないという意見にもつながります。この点についてご見解をお伺いいたします。あわせて、日本の治安状況について理解を深めるためには、先進諸外国の犯罪状況の比較が必要であります。都市の形、社会の仕組みが違うとしても、傾向と特徴をお伺いいたします。また、統計によりますと、路上犯罪、侵入犯も明らかに減少しておりますが、この背景の一つには、住民団体あるいは自治体の協力があったわけであります。にもかかわらず、体感治安の不安は高まったままであります。体感治安が不安感を持って語られるのは、地域社会の弱体化が、軽微な窃盗などの取り締まり強化を警察に求めることによるものであるとするならば、警察官の増員は避けて通れないのであります。実際、多様な形で繁華街の取り締まりが強化される一方、繁華街と住宅地の境界があいまいとなり、犯罪の拡散が原因となっているのではないか。そこで、今後の体感治安改善を対策に生かすためにも、自治体、地域住民の皆さんの協力など、取り組んできた対策、方法、内容について精査し、次の対策に生かすべきと思いますが、ご見解をお伺いいたします。戦災復興以来、東京の都市整備、道路建設は、拡大するモータリゼーションに対応するため、自動車優先の基盤整備が行われてまいりました。そして現在、道路整備は、限られた財源を生かしながら優先順位の中で行われております。また、戦前に計画され、戦後、戦災復興事業の中で完成を見た渋谷、新宿、池袋、大塚の駅前広場も同様で、自動車交通と人のさばきを中心とした姿のまま、現在に至っております。今後、自動車の交通量が減少していく中で、こうした駅前広場は、積極的に人中心の整備をしていくべきかと考えますが、お考えをお伺いいたします。また、今後の道路整備に当たっては、広幅員の歩道や一方通行など、エリアの道路ネットワークなどを考慮し、全体として可能な限り人中心の立場から整備していく必要があります。例えば、池袋駅西口には、間もなく中央環状新宿線ランプと池袋西口を結ぶ、都市計画道路一七二号線が完成となります。これにより、放射状で三本の道路が環状六号線と結び、利用に供されることになります。このように面的条件が整う中では、歩行者優先の立場から道路整備の考え方を見直していくことができると思いますが、この点についてお伺いをいたします。同様に、戦後復興の対象事業として完成された大塚駅前広場も、自動車交通の処理の時代の計画のまま現在に至っております。ここでは、交通の結節点として駅舎の改築が進められており、現在はエレベーターすらない駅から、南北自由通路を擁したバリアフリーの駅へと姿を変えてまいります。まさにこのときこそ、JR敷地を含め、人中心の立場から見直す絶好の機会でもあります。東京都の今後の取り組みに期待をするものであります。日本の代表的港湾として国の施策を担う東京港は、埠頭公社を中心に、臨海地域の交通、冷暖房、高い収益と金融資産を有する貸し会場事業をグループ化し、不良債権の処理を織り込みながら、局関連事業を地域ネットワークとして完成させました。臨海地域の、港湾局所管の事業体を結集し、臨海地域の一体運営という衣を着せたわけでありますが、その中核事業である港湾行政についてお伺いをいたします。ご承知のように、一千億円を投下した北九州のコンテナターミナル会社が、開港二年目にして債務超過に陥り、また昨年、日本に寄港した世界一のコンテナ船が、東南アジアと欧州を結ぶ航路に就航したと聞いております。現在、東京港は世界貿易港で二十三番目のコンテナ取扱量であります。この東京港と川崎、横浜を合わせても、第一位のシンガポールの半分にも届かない水準であります。国は、従来の横並び均一港湾行政から、全国六港をスーパー中枢港湾に指定し、投資の重点化を始めるなど対策をとっており、東京港もその一つでありますが、世界と肩を並べるには全く集中が足りないといわれております。日本はこれまで、海上大量輸送のおかげで、極東という不利な条件をはねのけ、低廉な海上運賃により日本の経済発展が助けられてまいりました。しかし、現在の海上輸送における拠点の地位低下は、このままでは、ものづくり大国としてコスト上昇につながりかねないのであります。ここで考えねばならないのは、今後の東京港の目指す方向性の選択であります。現在、東京港は、首都圏後背人口を支える輸入偏重構造でありますが、その需要対応を中心に、コスト競争力を高め、北米基幹航路の寄港回数死守を目的にするのか、あるいは大型化するコンテナ船に対応する日本の内航、外航等、ハブ・アンド・スポーク・ネットワーク港湾の性格を強めるため、迅速、集中的な投資を国に要請し、国際競争力を高め、国際基幹航路としての性格を強化するアジアトップクラスの港湾を目指すのかということであります。そこで、東京港の目指す方向性と、それを実現する戦略をどのように考えているのか、お伺いをいたします。また、東京都も国も、外国人観光客の誘致に力を注いでおります。見詰められるまちは美しくなるだけに、観光施策は経済効果だけではない重要な意義もあるのであります。さて、東京への国際観光交通手段は飛行機、船ということになりますが、このうちワールドクルーズ船の誘致は大きなインパクトを与えるものであります。世界の臨海大都市、東京港への大型客船の寄港は、国内クルーズに比べ五倍以上ある経済効果もさることながら、観光施策のシンボルでもあります。そこでお伺いいたしますが、港湾施策として、ワールドクルーズ船の受け入れをどのように考えるのか。大型化するワールドクルーズ船受け入れは、積極的に取り組む課題であり、そのための必要な対応も検討すべきではないかと考えますが、ご見解をお伺いいたします。東京都のスポーツ行政は、組織が再編され、スポーツに親しむ者として、都民の皆さんの健康増進の意味からも、これからの事業展開に期待する者の一人であります。さて、日本のアマチュアスポーツは、これを支えてきた企業のスポーツに対する取り組みが、所有から地域住民、自治体との協力支援、あるいはビジネスへと転換してまいりました。自立は、競技団体のみならず、レクリエーションスポーツ、地域スポーツといわれるものも同様で、定期的な使用を可能とする場所の確保とあわせ、運営マネジメントの能力育成がキーポイントであります。この点について、東京都は既に平成十三年度から課題に取り組んでおり、評価するところであります。こうした中、平成十九年度重点事業として、地域スポーツクラブの設立されていない市区町村を対象に、地域スポーツクラブ設立モデル事業を挙げております。この事業では、スポーツという商品の特殊性、参加者の満足度とマーケティングなどを十分に理解する、軸となるリーダーの育成が、クラブを継続し、広く地域に支持されるための重要な課題であります。最終的に、スポーツ施設を中心としたドイツ型の地域スポーツクラブを想定することになるのでありましょうが、今回の事業でのこれらの点について、取り組みをお伺いいたします。また、地域スポーツクラブ設立に際しては、民間で組織運営に携わり、定年を迎え、地域に戻ってくる経験豊富な意欲のある人たちも積極的に受け入れ、地域スポーツクラブ設立、運営のリーダーとして位置づけるべきではないかと思いますが、ご意見を伺います。以上をもちまして私の一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)矢島千秋議員の一般質問にお答えいたします。日本の活力についてでありますが、ご指摘のとおり、国は、均衡のある国土の発展という名のもとに地方に非効率な投資を続けてきました。一方で大都市は、渋滞や通勤ラッシュ、空港容量の不足などといった不便を余儀なくされてまいりました。法人二税の分割基準の見直しにせよ、ふるさと納税にせよ、東京への集中、集積自体を害悪視して、東京を痛めつけることが日本の発展につながるかのような誤った議論が繰り返されていると思われます。そうした議論には都市に対する文明工学的な認識が欠けていると思わざるを得ません。東京は、世界に類のない高度な集中、集積を持つ、非常に本来は機能的であるはずの日本の頭脳部、心臓部であります。東京が十全に機能を発揮することが我が国の命運を左右することは自明であります。東京に積極的に投資をし、機能向上を図り、活力を高めていくことが日本全体の発展にもつながると信じております。また、地方の真の発展に必要なのは、地方がみずからの意思と才覚で行動のできる権限と財源を国から移管することであります。しかるに、現内閣の財務大臣は一切税源は分与しないといってはばからない。とにかく太政官制度以来続く中央支配の構造を変えない限り、地方の発展はないと思います。小手先だけのまやかしの改革とは一線を画しまして、「十年後の東京」を実現して、東京のさらなる成熟発展を図るとともに、真の地方分権改革の断行を国に求め、日本の活力を高めていきたいと思っております。他の質問については、警視総監及び関係局長から答弁いたします。〔警視総監伊藤哲朗君登壇〕 # 警視総監(伊藤哲朗君) 警視総監(伊藤哲朗君)初めに、治安状況についてお答えいたします。近年の犯罪状況を見ますと、全国における全刑法犯の発生件数は、昭和期にはおおむね百四十万件前後であったものが、平成に入り急激に増加し、平成十四年には約二倍の二百八十万件に達しました。このため、警視庁を初め全国警察では平成十五年から犯罪の抑止に取り組み、その結果、治安状況報告のとおり、犯罪の発生件数は年々減少し、検挙率は向上するなど、着実に成果を上げてきているところであります。しかしながら、昭和期と比べると犯罪発生件数は依然として多く、その内容も、親族間での凶悪な事件や路上強盗、ひったくりなど、平穏な社会生活を営んでいる人々に対する凶悪事件が多発しており、いつ、だれが、どのような被害に遭うかわからないといった不安感があることも事実であります。警視庁といたしましては、今後とも、犯罪総数の抑止とあわせて、都民、国民に不安を与える重要・凶悪事件や身近で発生する犯罪の抑止に努めてまいりたいと考えております。次に、先進諸外国との犯罪状況の比較について申し上げます。統計の方法等がそれぞれの国により異なりますので、正確な比較は困難でありますけれども、平成十六年の殺人事件による死亡者数を見てみますと、アメリカは一万六千百三十七人、イギリスは八百二十人、我が国は六百三十八人で、人口比で見てもアメリカは日本の約十一倍、イギリスは日本の約三倍となっております。また、平成十七年における強盗事件の認知件数を都市別で見ますと、ニューヨーク市では二万四千四百二十七件、大ロンドンでは四万五千三百十一件で、これに対し東京は七百三十三件と極めて少ない数字であり、人口比で見ても、ニューヨーク市が東京の五十倍、大ロンドンが約百倍となっております。我が国の治安状況が良好な理由の一つとして、厳しい銃器規制が挙げられますけれども、平成十六年中の殺人事件による死亡者のうち、銃撃によるものは、銃器規制の緩やかなアメリカでは九千三百二十六人、一方、銃器規制の厳しいイギリス、日本ではそれぞれ七十七人、十七人となっておりまして、厳しい銃器規制が殺人などの凶悪な事件の発生を抑止していることがうかがえるところであります。最後に、地域住民との協力関係について申し上げます。近年、安全・安心に対する意識の高まりとともに、都民の皆様の防犯に対する関心が大いに高まっており、防犯ボランティア団体は、平成十五年には約百五十団体、一万四千人であったものが、昨年末には三千二百団体、十四万三千人とふえてきております。これらの団体は、防犯パトロールを初め、通学路などにおける子どもの見守り活動や環境美化活動などに積極的に取り組んでおりまして、地域の犯罪抑止に大きく寄与していただいているところであります。警視庁では、こうした地域住民による自主防犯活動をさらに拡大するため、犯罪や防犯に関する情報の提供や合同パトロールの実施、効果的な自主防犯活動に資する情報の提供、防犯ボランティア相互の意見交換の機会の積極的提供などを実施しているところであります。今後とも、防犯ボランティアの活動を支援してまいりますとともに、自治体、関係機関との連携を強化し、安全・安心なまち東京の実現に努めてまいりたいと考えております。〔財務局長村山寛司君登壇〕 # 財務局長(村山寛司君) 財務局長(村山寛司君)予算における行政マネジメントについてでございます。都財政は、長期にわたりまして、マイナスシーリングによる歳出削減なしには予算が編成できないという困難な時代を経てまいりました。今日、ようやくそれを克服し、都財政は「十年後の東京」の実現に向け、政策諸課題や、これから更新期を迎える膨大な社会資本ストックへの対応などに中長期的視点に立って取り組むべき新たなステージを迎えております。これからの財政運営に求められておりますのは、今後予想される激しい社会経済変動の中にあっても、政策課題を着実に実行し得る弾力的で強靭な財務体質を築くとともに、マネジメントにおいても事業の実施結果を従来にも増して重視し、結果をしっかり検証することによって、次の事業展開をより効果的、効率的なものにする仕組みを充実することであります。十八年度から導入された新たな公会計制度は、予算編成過程で実施する事務事業評価と相まって、事業の事後検証をより効果的に実施することを可能にしております。以上の観点に立ちまして、予算編成手法について、シーリング手法などの見直しを行いまして、各局の自主性を一層発揮できるようにするとともに、事業の実施結果を評価、検証し、次期の予算に的確に反映する新たなマネジメントサイクルの確立に取り組んでまいります。〔監査事務局長白石弥生子君登壇〕 # 監査事務局長(白石弥生子君) 監査事務局長(白石弥生子君)監査事務における人的体制の強化についてでございますが、昨年度から導入されました新公会計制度に対応いたしまして、広範にわたる都の行財政運営を効率的、効果的に監査していくためには、お話のとおり事務局機能の充実が重要であります。これまでも、職員の専門能力を高めるため、経営分析などの専門研修の充実に努めるほか、システムエンジニアや公認会計士など、専門家の監査技術や手法の習得を図ってまいりました。さらに、この七月一日には新たに公認会計士一名を任期つき職員として採用し、人的体制を強化する予定でございます。今後とも、都の行財政運営を経済性、効率性、有効性の観点からチェックする監査委員監査の充実を図ってまいります。〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕 # 都市整備局長(只腰憲久君) 都市整備局長(只腰憲久君)まず、駅前広場の整備についてでございます。池袋、新宿などの副都心のターミナル駅の駅前広場につきましては、安全で円滑な交通処理などを目的にいたしまして、その多くは戦前から戦後にかけて都市計画決定されてございます。その後、増加する自動車交通にも対応できるよう、順次整備が進められてまいりましたが、現在、交通混雑や人と車のふくそうなど、課題を抱えている箇所も見受けられます。今後の駅前広場の整備のあり方につきましては、地域の将来像などを踏まえ、人と自動車の共存にも配慮していくことが重要と考えております。次に、面的に道路整備が進捗した地域のまちづくりでございますが、道路ネットワークが一定程度整備された地域におきましては、交通処理機能を損なわない範囲におきまして、さまざまな道路利用者に対応した道路の再編整備が可能であると考えられます。このため、これらの地域におきましては、ご指摘のように、歩行者や自転車にも配慮して道路のあり方を工夫していくことも、地域にとっては望ましいのではないかと考えております。〔港湾局長津島隆一君登壇〕 # 港湾局長(津島隆一君) 港湾局長(津島隆一君)二点の質問にお答えいたします。まず、東京港の目指す方向性についてのお尋ねであります。東京港は、半径百キロの首都圏でとらえますと、ニューヨークやロンドン、パリをはるかにしのぐ、世界最大規模の人口とGDPを有する大経済圏を背後に抱えております。このことから、東京港は、シンガポールや香港、釜山といった、国際貨物の積みかえを中心に行う国際ハブ港湾とは異なり、住民生活や産業活動に必要な貨物を中心に取り扱う、いわゆる市場立地型の港湾であると考えております。こうした東京港の機能を堅持し、首都圏四千万人の生活と産業を支えていくためには、国際基幹航路の大型船が直接寄港するメーンポートとしての地位を今後とも維持発展させていくことが東京港の使命であると認識しております。そのためには、第一に、船舶の大型化や海上貨物の急増に対応できる高規格ふ頭を整備すること、第二に、背後圏との貨物輸送を効果的に行うための十分な荷さばき地を確保すること、第三に、港湾施設と内陸部を結ぶ円滑な道路網の整備が必要となってまいります。このことを踏まえまして、第七次改訂港湾計画では、中央防波堤外側に新たな高規格コンテナふ頭を整備していくとともに、大井、青海の既存コンテナふ頭の背後を拡張して港湾機能を強化することとしており、今後、外貿コンテナふ頭の三極体制を強力に進めてまいります。あわせて、国や関係各局とも連携して、東京港臨海道路や首都圏三環状道路等の着実な事業推進を図り、円滑な交通ネットワークの構築に努めてまいります。こうした取り組みを着実に実施し、今後とも、首都圏の社会経済活動を支える一大物流拠点として、東京港の国際競争力の強化を図ってまいります。次に、外航客船の誘致についてのお尋ねでございます。客船は港の花ともいわれ、港に潤いとにぎわいを与えるとともに、東京への海外からの観光客誘致にもつながるものでございます。このため、多くの客船に東京港を利用してもらえるよう、都はこれまで、毎年実施している海外でのポートセールスにおいて、クルーズ会社を訪問し、銀座や浅草などの東京の観光スポットを紹介する誘致活動を行ってまいりました。また、臨海地域の開発の進展に伴い、港湾機能と都市機能とが一層共存する東京港におきましては、十年後のオリンピック招致の機運も盛り上がってきており、人的交流が広がる客船誘致を進める環境がより整ってきていると考えております。こうした状況を踏まえ、今後、クルーズ客を温かくもてなす仕組みづくりや、東京ならではの歴史や文化の体験メニューの開発、主要な近隣観光名所との連携策等について、客船やクルーズに精通した識者の意見も聞き、より多くの寄港が実現するよう、さらに効果的な誘致策を検討してまいります。なお、大型化するクルーズ船に対するハード面での受け入れ態勢についても、重要な事項と承知いたしておりますが、入出港する際の航行の安全性や客船ターミナル機能の確保等の検討が必要であると認識しております。〔生活文化スポーツ局長渡辺日佐夫君登壇〕 # 生活文化スポーツ局長(渡辺日佐夫君) 生活文化スポーツ局長(渡辺日佐夫君)地域スポーツの振興についての質問にお答えいたします。都は、生涯にわたってスポーツに親しめる社会の実現を目指し、地域の日常的なスポーツ活動の場として、地域スポーツクラブの設立促進とクラブ運営の支援に取り組んでおります。今年度から開始する地域スポーツクラブ設立モデル事業におきましては、地域説明会や普及活動などにより、参加者ニーズの把握を行い、地元の区市町村と連携しながら、地域実態に即した取り組みを行ってまいります。さらに、地域スポーツクラブの設立支援協議会で、人材の発掘、育成、活用策の検討や、設立モデル事業を通じて、地域に潜在している経験豊富な人材にクラブマネジャー、リーダーとして活躍していただくこと等を積極的に促進してまいります。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)十三番原田大君。〔十三番原田大君登壇〕〔議長退席、副議長着席〕 # 十三番(原田大君) 十三番(原田大君)まず、環境税について質問します。大都市東京を持続可能な形で発展させていくことは、未来に対する私たちの責任です。これまでの産業経済社会の発展の中で、人間社会は自然環境にさまざまなものをごみとして排出してきました。これまで、人間社会のごみは自然が、いってみればただで全部処理をしてくれていましたが、最近では、ごみの量が自然環境の処理能力を超えてきています。ここまで環境に与える負荷が大きくなると、ごみ処理には相応の処理コストを払うことが必要だという認識を新たにしなくてはなりません。昨今、自動車リサイクル法や家電リサイクル法の中で、リサイクル料金が課されるようになってきました。しかし、産業社会の根本的な課題であるエネルギー消費から排出されるごみ、すなわちCO2については、削減実績とあわせて、なかなか成果が上がっていないのが現状です。その影響については、例えば東京都においてもこの夏の水不足が心配されておりますが、それも温暖化による気候変動が原因ともいわれ、影響が実感されるようになってきました。温暖化対策、省エネ対策は待ったなしの状況です。そうした中、東京都においては、環境税制についてが東京都税制調査会の今年度の検討項目の柱の一つに取り上げられることが、本年五月十六日の第一回会合で決まりました。また、六月一日に発表された東京都気候変動対策方針では、都独自の省エネルギー促進税制の導入を、減免、課税の両面で検討を開始することが盛り込まれています。こうした都独自の環境税に対する取り組みが積極的に掲げられていることについては、大変よいことではありますが、問題は、どれだけ本気で環境税制導入に向けた取り組みができるかであります。東京都気候変動対策方針では、国の動きを、環境税の導入をめぐっていたずらに長期間の議論が続いていると批判していますが、これまでいたずらに議論が続き、実際に導入に至っていない点については、残念ながら都も同様であります。都税調の答申を見ると、平成十二年度には温暖化対策として炭素税を創設する旨がうたわれ、翌十三年度の答申ではかなりのページ数が割かれていました。以後、十六年度までは炭素税について言及がありますが、それから途絶えています。そうした中、今回、都税調でも、東京都気候変動対策方針でも言及がなされたわけです。今回こそは、他に誇れる環境税制を構築していかなくてはならないと思います。この炭素税について、外部不経済の内部化ということを考えれば、導入についての議論は不可欠であります。都は、省エネルギー促進税制の導入を、減免、課税の両面で検討を開始することとしていますが、炭素税はそのうちの増税要因となります。こうしたことまであわせて議論していくということでいいのか、見解を伺います。あわせて、導入に向けてどういった展望のもとで検討を開始しようとしているのか伺います。炭素税の議論を進める際、既存の自動車関係税や燃料関係税、ひいては道路特定財源との関係についての調整を図ることは避けて通れません。そもそも既存の仕組みには環境の視点が欠落しています。そうでなくても化石燃料関係には既にかなりの税金がかかっていることから、新たに炭素税を課すとなると、負担を抑える意味で、既存の化石燃料税の一部を環境目的税に振りかえる、あるいは既存の財源を環境目的に使用するといった議論が必要かと思います。ただし、この道路特定財源は、大都市における道路需要に反して、自治体の財源が不足しております。都議会としても昨年の第三回定例会におきまして意見書を決定いたしました。しかし同時に、環境対策も待ったなしであります。この道路特定財源の問題を避けた形で環境税の議論が行われれば、導入可能性は著しく低下するものと容易に想像ができます。環境税の議論を始めるに当たり、道路特定財源の問題を国との関係性も含めて整理することが不可欠であり、今回検討を再開するに当たり、検討を始める前提条件としてとらえるべきだと考えますが、見解を伺います。こうした課題はありますが、本当に循環する社会経済システムをつくり、持続可能な大都市東京を築いていくためには、これまでコストが正当に評価されてこなかった経済の静脈部分、つまり、目に見えないエネルギーのごみとしてのCO2の処理費用を社会経済システムの中に組み込まなくてはなりません。その一つの解決策が環境税です。国が動かないというならば、今度こそ都が率先して導入していかなければならないと考えますが、知事の所見を伺います。次に、放置自転車のリサイクルに係るトラブル防止について質問します。今日、自転車は便利な乗り物として広く利用されています。駅前等の公共の場所における放置自転車の処理については、特別法も整備され、区市町村を中心に取り組みが進み、一定の成果が認められるところであります。しかしその一方で、置き去りにされた放置自転車の問題があります。それは、団地やマンション等、私有地ではあるものの半公的な敷地内、あるいは駅前等以外の公共の場所など、放置自転車対策の根拠法となっている自転車法の枠に入ってこない場所における放置自転車の問題であります。現在、自治体による放置自転車の処理については、自転車法を活用し、自転車防犯登録制度等も活用しながら取り組みが進められています。その際、引き取り手のない自転車で再利用できるものについては、整備を行った上で一般に販売されたりしています。もったいない精神が発揮され、環境的にもごみの量を減らしていく取り組みが多くの自治体で実践されています。そうした中、最近、こうした自治体の取り組みを参考にしながら、団地の自治会、マンションの管理者等が、その敷地内の放置自転車の処分と再利用を進めている例を耳にします。こうした動きの趣旨については、環境への取り組みを進めるものでもあり、また地域自治を進めるものでもあり、一般には、よい取り組みと受けとめられるのではないかと思います。しかしながら、ここに落とし穴があり、トラブルが続発しています。まず、団地等でリサイクルされた自転車を利用中に警察官に呼びとめられ、利用者が、占有離脱物横領、遺失物横領といった罪に問われるケースが続発しています。あるいは、廃棄物として処分された後、所有者からの、ごみではなく価値のあるものだったという主張によってトラブルが発生したケースも見受けられます。実際、駅前等の放置自転車については、自転車法によって自治体の処分権や所有権の移転に関する規定があり、これに基づいて自治体は合法的に処分や所有権の移転が行えますが、団地やマンションの敷地等ではこの法律は適用されません。ほとんどの自治体では、民有地等の放置自転車については、相談があっても、対応ができないと伝えているようであります。そこで、団地の自治会やマンション管理者等が困り果てた結果、自治体に倣って処分や再利用をしようとすると、その場合には、民法の規定に従って、もとの所有者の所有権が強く保護されているために、勝手に処分や再利用すると罪に問われてしまう可能性があるわけです。しかしながら、団地やマンション等における放置自転車はやはり迷惑なものであり、放置された側は被害者です。彼らが救済されないばかりか、環境のことを考えて自転車をリサイクルしようとした場合に罪に問われる可能性があるなど、現在の仕組みの中では彼らが置き去りにされてしまっています。こうした状況を打開するために、都として、まずはトラブルを未然に防ぐために、法的に問題のない処分方法について周知するなどの対応が考えられるかと思います。まず、例えば都営住宅や民間マンション等の敷地における放置自転車の対応についてどのような取り組みをしていくのか伺います。トラブルに巻き込まれることなく放置自転車を処分あるいは再利用するには、自転車が廃棄物であるとはっきりいえるかどうかが一つの判断基準になります。そこで、放置自転車がどういう状態であれば、明らかに廃棄物であると判断できて処分や再利用を行うことができるのか伺います。この問題の解決には、根本的には国の法整備が必要かもしれません。しかしその前に、自転車利用者のマナーの低下が放置自転車を生んでいます。都は自転車利用者のマナーの向上についてどのように対応するのか伺います。次に、特別支援教育について質問します。北区と障害児教育のかかわりは深く、一八九一年、明治二十四年に、日本最古の知的障害者のための社会福祉施設である滝乃川学園が現在の北区滝野川の地に創立されました。以来、現在でも、自治体、民間を含めてさまざまな取り組みが進められています。都立の関連施設も集中しており、障害者福祉の分野で大きな役割を担ってきました。さて、東京都では、平成十六年に特別支援教育推進計画が策定され、現在、第一次実施計画の計画期間中であります。そうした中、都立の盲・ろう・養護学校に在籍する児童生徒の希望者全員が居住する地域の小中学校にも副次的な籍を置く副籍制度が本年度より本格的にスタートしました。これに先立ち、北区においては、多摩の三市と並んで、二十三区では唯一となる特別支援教育体制・副籍モデル事業が実施されました。実際に副籍事業が行われる中、養護学校の児童が一般の区立の小学校の運動会に参加できたなどの成果がありました。その運動会では、区立小学校の児童が自発的に養護学校の生徒を手助けする光景が見られるなど、区立小学校の児童にとってもよい経験となったに違いありません。さて、養護学校に入ってからはそれなりの教育相談体制があるものの、障害児を持つ親にとって最大の悩みは、まず就学前に訪れます。保護者が幼い自分の子どもの状態を十分客観的に把握し、子どもの就学先を決定するのはなかなか困難なことです。養護学校に入ってしまえば、地域とのつながりはどうしても希薄になってしまいます。かといって、区立の普通の小学校では、うまく対応できるかといった心配もつきまといます。こうした子どもを持つ親の不安を解消するためにも、また、都立の養護学校と区立の小学校が互いに補い合って最大の教育成果を上げてくためにも、就学前の教育相談体制の充実が望まれます。例えば、王子第二養護学校では、自閉症や教育心理学の専門家を招き、たんぽぽ教室という、就学前の幼児を対象とした幼児教室を今年度より実施の予定と聞いています。こうした相談の機会があれば、発達障害の早期発見にもつながり、その後の教育方針を決めていく上でも大いに参考になるはずです。現在、知的障害を対象とする幼稚園がない分、養護学校の小学部においてこうした取り組みを進めていくことは重要だと考えます。都においては、こうした各校の創意工夫を支援することが重要であると思います。都における就学前児童を対象とした相談等の事業の取り組み状況と今後の方針について伺います。北区においては、保育園、児童館では臨床心理士の巡回相談を実施していますが、必ずしも就学相談との連携が十分ではありません。障害を持つ子どもにとって最良の環境を見出していくためには、幼稚園と保育園や児童館、それも区立、都立、私立の差なく、情報交換と連携の体制をつくっていくことが必要です。無論、こうした各地での取り組みについては、地域によって歴史や持てる資源が異なるため、都で一律のやり方を押しつけるのではなく、地域の特性を生かした仕組みをつくらなくてはなりません。こうした地域の特性を生かした上でのさまざまな関係機関との連携について、都は地元区市町村とも連携しながらどのように進めていくのか伺います。LD、ADHD、高機能自閉症等の児童生徒が特別支援教育の対象となり、また、副籍事業が始まった結果、学校関係者の仕事がふえています。その中には、一定の専門知識がないと対応が難しいものもあります。北区の事例では、モデル事業の実施結果を受けて、区が小児精神科医師、心理職、学識経験者などから成る専門委員会と巡回相談チームを組織し、対応に当たることとしています。この場合は、区が専門家を配置することとなりましたが、特別支援学校にも同様の専門職の配置が求められる場合もあるかと思います。都は、今回のモデル事業の結果を受けて、専門家の必要性及び配置計画等についてどのように考えているのか伺い、私の質問を終わります。(拍手)〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)原田大議員の一般質問にお答えいたします。環境税についてでありますが、都は、温暖化問題に実効性のある具体策を提示できない国を待つことなく、CO2の大幅な削減を可能とする都市モデルをこの東京で実現するため、大規模なCO2排出事業所、つまり多量の電力を消費しているビルに対する削減の義務化、排出量取引制度の導入など、独自の対策の実施を目指して取り組んでまいります。税制の活用も有効な手段の一つでありまして、企業や家庭等での省エネを促進するための新しい税制度の確立に向け、東京都税制調査会で検討していただくつもりであります。他の質問については、教育長及び関係局長から答弁します。〔教育長中村正彦君登壇〕 # 教育長(中村正彦君) 教育長(中村正彦君)三点の質問にお答え申し上げます。まず、都におきます知的障害のある就学前の幼児の相談についてであります。就学前の幼児に対しましては、現在、就学相談室を設けて、就学する学校の選択についての相談を行っております。今後は、さらに地域のセンター的機能を有する都立特別支援学校小学部設置校においても、幼稚園や保育所に在籍する幼児に対して幅広く支援や助言を行ってまいります。次に、都とさまざまな関係機関との連携の進め方についてでありますが、都教育委員会では、東京都特別支援教育推進計画第一次実施計画におきまして、障害のある幼児に対する就学前機関の支援を小学校等につなげるため、保護者と幼稚園、保育所などが連携して作成します就学支援シートを開発してまいりました。今後、区市町村への就学支援シートの普及に努めていくとともに、特別支援学校と幼稚園、保育所や関係機関等との情報共有などを推進してまいります。次に、特別支援教育にかかわる専門家の必要性や配置についてでありますが、ご指摘の北区の事例のように、各区市町村が専門委員会と巡回相談チームを組織し、対応に当たることは極めて重要であります。都教育委員会は、これまでも区市町村におけるこうした組織づくりに対し、助言を行ったり、専門家を紹介したりするなどの支援を行ってきたところでございます。今後は、都立特別支援学校の教員がその専門性を発揮し、区市町村が設置する専門委員会や巡回相談チームの一員として活動にかかわることにより、区市町村における特別支援教育を支援してまいります。〔主税局長熊野順祥君登壇〕 # 主税局長(熊野順祥君) 主税局長(熊野順祥君)二点のご質問にお答え申し上げます。まず環境税の導入についてでございますが、東京都税制調査会は、平成十三年の答申におきまして、環境税を全国ベースの地方税として導入すべきとしてございます。今回、気候変動対策が我が国の喫緊の課題であり、カーボンマイナス東京十年プロジェクトを東京全体で展開することが重要であるとの認識に立ちまして、改めて東京都税制調査会に対しまして、独自の省エネ促進税制について、また省エネ投資等の促進、省エネ行動への誘導など、幅広い角度から検討をお願いしたものでございます。次に、省エネ促進税制検討の前提条件についてでございます。独自の省エネ促進税制につきましては、導入の効果、それから産業経済への影響、他の環境政策との関係、さらには、ご指摘の道路特定財源を初めとする既存の税制との整合性など、さまざまな視点から検討することが不可欠であると考えております。〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕 # 都市整備局長(只腰憲久君) 都市整備局長(只腰憲久君)都営住宅などにおける放置自転車についてでございます。都営住宅の日常管理は居住者で構成します自治会が自主的に対応しておりまして、都といたしましては、放置自転車の処分に係る法的な留意事項等につきまして、今後とも自治会への情報提供に努めてまいります。また、民間マンションの管理に関する情報につきましては、これまでも管理業団体などを通じまして提供を図っておりまして、放置自転車につきましても必要に応じて対応してまいります。〔環境局長吉川和夫君登壇〕 # 環境局長(吉川和夫君) 環境局長(吉川和夫君)放置自転車のリサイクルについてでありますが、廃棄物処理法における廃棄物とは不要になったものをいい、放置された自転車の場合には、所有権の放棄の意思が明示されている必要があります。しかし、現実にはその確認は困難であり、遺失物か廃棄物か、断定しがたい場合が多うございます。明確に廃棄物と判断される自転車につきましては、貴重な金属資源であることから、単に処分するのではなく、できる限り自転車として再利用したり、鉄スクラップ等としてリサイクルすることが重要であると考えております。都は、今後とも、関係機関や区市町村と連携して、再利用やリサイクルが円滑に進むよう周知を図ってまいります。〔青少年・治安対策本部長舟本馨君登壇〕 # 青少年・治安対策本部長(舟本馨君) 青少年・治安対策本部長(舟本馨君)自転車利用者のマナーの向上についてでありますが、都は、例えば本年一月に実施しました自転車利用に関する緊急アピールの中で、歩道上の暴走行為の禁止などとともに、自転車放置の禁止についての訴えも行ったところであります。今後とも、利用者マナーの一層の向上を図るため、あん・あん自転車TOKYOキャンペーンなどを通じて、自転車放置の禁止についても普及啓発に努めてまいります。 # 副議長(木内良明君) 副議長(木内良明君)十番西崎光子さん。〔十番西崎光子君登壇〕〔副議長退席、議長着席〕 # 十番(西崎光子君) 十番(西崎光子君)初めて質問いたします。世田谷選出の西崎光子です。どうぞよろしくお願いいたします。まず初めに、今後の都政運営について伺います。知事は三期目の選挙に当たって、東京再起動を掲げて当選を果たしました。ところが、先日の所信表明では、今後四年間の都政運営に向けて何をどのように再起動するのか、具体案が示されませんでした。特に喫緊の重要課題である新銀行東京については、再起動のかじ取りをどのようにしていくのかが問われています。知事が二期目の公約に掲げ、まさにトップダウンで進められてきましたが、赤字が大きく膨らみ、知事は、発案は私で、その責任はあるが、金融の専門家ではない。経営者に責任があるとして、経営陣を刷新しました。そもそも新銀行設立の目標は、無担保融資で中小企業を救うことにありましたが、当然リスクが伴うものです。生活者ネットワークは、事業内容の詳細が示されないまま予算案の中に一千億円の出資を入れ込んで、一括審議とするなどの乱暴な新銀行の提案に反対してまいりました。赤字膨張の原因が審査能力不足や融資モデルそのものにあったのは明らかです。知事自身も新銀行について、進むも地獄、引くも地獄という、惨たんたるありさまですと発言しておられますが、この言葉は、都の大きな負の遺産である臨海についての知事の発言と重なります。これ以上の損失を招かないためにも、ここは知事のトップダウンで新銀行の幕引きをきっぱりと行うべきではないでしょうか。知事の見解を伺います。次に、民生・児童委員の制度の機能強化について伺います。認知症高齢者の増加や孤独死、そして児童虐待の問題など、少子高齢化に伴い、地域の福祉課題は増加、複雑化しています。これらの問題解決のためにさまざまな役割を求められている民生・児童委員の負担は重くなっています。こうした状況を踏まえ、東京都は今年度、機能強化を図るための新たな事業として、仮称民生・児童委員サポーター制度を創設することを予定しており、具体的な事業内容について今後検討すると聞いています。しかし、現場からは、サポーターの位置づけがあいまいであり、法的規定のないサポーターの協力には限界があるという意見もあります。ことしは民生・児童委員一斉改選の年であり、区市町村は現在その準備に追われています。新たに導入するサポーター制度が民生・児童委員の機能強化と負担軽減につながるためには、現場の意見を十分に踏まえた事業内容にすることが求められますが、現在の検討状況について伺います。次に、感染症対策、とりわけ麻疹対策について伺います。東京都健康安全研究センターのまとめによると、都内の学校等の施設における麻疹患者の発生は二千十七人であり、中でも大学生、高校生の患者が八百人と多いのが今回の流行の特徴です。この世代は、麻疹の予防接種を受けてない人が比較的多いことや、予防接種を受けても免疫が低下した者がいることが流行の背景でした。しかも、高校生や大学生は小児に比べて行動範囲が広く、塾や地域の活動を通じて感染が広がった可能性があります。このため、公立、私立学校の区別なく、幅広い予防策が求められます。今回の集団感染防止において、関係機関がどのように連携して取り組まれたのか伺います。茨城県の竜ヶ崎保健所では、過去の教訓を生かし、保育所、幼稚園、学校等における麻疹患者発生時の対応マニュアルを作成し、感染者を最小限に抑え、これを参考にしている自治体も多いと聞いています。都でも学校等での患者発生時の初動体制を強化するため、こうした取り組みを行うべきと考えますが、見解を伺います。先進国では麻疹は根絶に近い状態にあるのに比べ、日本は麻疹の輸出国と非難されており、麻疹患者の発生を限りなくゼロに近づける努力が求められています。厚労省は、専門家による検討会を開催し、国レベルでの予防強化にようやく乗り出すようです。しかし、東京は、若者が集散する人口密集地域であり、麻疹の根絶を目指し、率先して抗体を持たない都民への注意喚起と予防接種の奨励に努めるべきと考えますが、今後、都はどのようにしていくのか伺います。次に、温暖化対策について伺います。主要国首脳会議G8サミットは、六月七日、各国の思惑を超えて、温室効果ガス排出量を二〇五〇年まで少なくとも半減させることを真剣に検討するという合意を発表しました。既に、先行して東京都は、カーボンマイナス東京十年プロジェクトの基本方針である東京都気候変動対策方針の中で、東京が日本の気候変動対策をリードするとし、明確な政策提案により世論を喚起し、実現を目指すと明言しています。この中でうたわれた、今大きく動こうとしているのが環境自動車燃料導入プロジェクトです。都は既に今年度から第一世代、第二世代のバイオディーゼル燃料の率先導入プロジェクトを開始していますが、その進捗状況と今後の展開について伺います。バイオディーゼル燃料は植物油脂の成分を用いているので、温室効果ガスを増加させず、地球環境に優しい燃料といわれています。しかし、原料となる植物油脂の多くが菜種油やパーム油のように食料品として利用されてきたものであり、アメリカでのバイオエタノールの生産が急増したことで、マヨネーズやオレンジジュースまで値上がりしたとのことです。都は、バイオディーゼル燃料の率先導入を進めるに当たっても、食料品需要への影響に配慮し、廃食用油など、食用に適さない油脂を原料として活用すべきと考えますが、いかがでしょうか。今、自治体、市民団体やNPOが家庭の廃油をリサイクルして、バイオディーゼル燃料として使用しています。小さな試みですが、将来を考えますと、持続可能な循環型エネルギーとして大いに可能性が広がります。東京都は大きな消費都市で、廃棄される食用油は大量にあると推測されます。この廃食用油の回収ルートと処理施設を設定することで大きなエネルギー源を手に入れると同時に、ごみの減量も図れると考えますが、見解を伺います。六月に山形県で第七回全国菜の花プロジェクト大会が開催されました。一面に広がる菜の花は人々の心をいやし、食卓を彩り、菜種油は調理用に、搾りかすは肥料に、調理後の廃油は石けんやディーゼル燃料にと、資源循環型のまちづくりに取り組んでいる人たちの大会です。この菜の花プロジェクトは、地域の廃油も回収し、バイオディーゼル燃料を使う運動をしています。このような草の根の運動の広がりが地球を守ることにつながっています。「十年後の東京」で、都民や環境団体が一体となって推進する温暖化対策を掲げている東京都は、こうした都民の自発的な取り組みと連携を深めていくべきと考えますが、いかがでしょうか。最後に、食の安全について伺います。これまで東京都が都民のBSEへの不安にこたえ、国産牛の全頭調査を行ってきたことは、日本市場の全頭調査への流れをつくり、国民の食の安全を守ることにつながってきたと評価しています。しかし、国はBSEについて、生後二十カ月以下の国産牛の検査費用補助を二〇〇八年七月で打ち切ることとしています。そして、折しも六月に入って、国は、アメリカの日本向け食肉処理施設に関する点検調査は終了したことを発表し、アメリカ牛肉の全面解禁に向けての動きが出てきました。しかし、国民の不安はまだまだぬぐえません。不安を払拭するためにも、中央卸売市場を通った牛肉は安全という芝浦ブランドを持たせる意味でも全頭調査は重要です。そこで、来年度以降引き続きBSEの全頭調査を行うのか、都のお考えを伺います。日本の食糧自給率はどんどん低下し、二〇〇五年では熱量に換算すると四〇%まで落ちています。主な食糧輸入国はアメリカ、中国で、特に輸入野菜の中国産の割合は重量ベースで六三%にもなっています。経済成長の目覚ましい中国では、一方で、食品の監視は手が回らない状況です。経済がグローバル化する中で、大量にふえ続ける輸入食品の国内での監視体制が問われています。そこで、東京都の輸入食品対策について、その監視体制、国との連携、都民への周知について伺います。食の安全に常に大きな関心を持ち続けている私たちにとって、築地の中央卸売市場の移転問題は見逃せない課題です。豊洲の新市場予定地の土壌汚染については、知事も、再調査の必要性を含め、専門家に意見を聞き、必要があれば実施すると都民に約束しました。その専門家会議の第一回目が開催され、今月末には二回目が予定されていますが、事業者がつくったデータや処理方法、過去の評価をなぞるだけでは見直しの意味をなしません。土壌汚染に関しては、法律の改正後の新たな基準でのデータ検証を進めてこそ、客観性が担保できると考えます。また、専門家会議の議論を多くの人と共有し、情報公開を進めることが信頼関係をつくる第一歩です。傍聴枠を大きく広げ、傍聴できなかった人への配慮を丁寧にすべきと考えますが、見解を伺い、私の質問を終わります。(拍手)〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)西崎光子議員の一般質問にお答えいたします。新銀行東京についてでありますが、今決算においては、計画を上回る不良債権の発生などにより経営が悪化しました。これまでに一万六千六百件の融資、保証を実行しておりまして、中小企業金融において重要な役割を果たしていることには変わりはないと思います。都は出資者として、今後とも新銀行東京が、新経営陣のもとで収益面の改善を図りつつ、中小企業への金融支援を一層充実していくように働きかけを行ってまいります。他の質問については、関係局長から答弁いたします。〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕 # 福祉保健局長(安藤立美君) 福祉保健局長(安藤立美君)六点についてお答えをいたします。まず、仮称民生・児童委員サポーター制度の検討状況についてでございますが、この制度は、児童虐待防止、子育て支援、高齢者の見守りなど、地域における課題が多様化していることから、民生・児童委員の活動のすそ野を広げ、地域力の向上を図ることを目的として導入するものでございます。現在、区市町村や民生・児童委員の代表などから成る検討会を設置し、地域の実情に即した制度となるよう、サポーターの選出方法や活動内容等について検討しております。今後も、関係者の意見を聞きながら、円滑な事業開始に向けて準備を進めてまいります。続きまして、集団感染防止における関係機関の連携についてでございますが、都では昨年度から、都内すべての保健所が集団感染の対策情報をリアルタイムで共有する、都独自のオンライン情報システムを運用しております。保健所は、このシステムからの情報を活用しながら、学校、校医、医師会等と連携し、速やかな休校措置を指導して感染経路を遮断するなど、感染拡大防止に努めてまいりました。このたびの流行では、都内の高校、大学で複数の患者が発生いたしました集団感染事例百五十二校に対し、速やかな指導を実施いたしました。次に、学校等での初動体制についてでございますが、麻疹は感染力が強いことから、免疫の弱い集団では感染が広がりやすく、患者発生時の初動が重要でございます。このため、都は、情報システムを活用して、患者発生情報等を迅速に伝達し、機動的な初動体制を確保してございます。今般の流行に際しましても、対策担当者の緊急連絡会の開催や、お話の対応マニュアル、これは国立感染症センターの監修したものでございますが、その一部を取り入れて都が独自に作成いたしました対策指針を活用するなど、地域における初動体制を着実に強化してございます。今後、各保健所が実施いたしました集団感染防止対策の事例について検討、分析するなど、対策の一層の強化に取り組んでまいります。次に、都民への注意喚起と予防接種勧奨についてであります。今般の流行に際しましても、都は、情報システムによります地域情報の把握や、指定医療機関での定点調査等から麻疹の流行を察知し、都民に対して速やかに注意喚起を行ってまいりました。麻疹の予防は、予防接種法に基づく定期の予防接種を確実に受けてもらうことが基本でございますが、接種期間が限られているため、法定の接種を受けられない子どもも一定数おります。都は、こうした子どもへの接種を促進し、ワクチン接種率のさらなる向上を図るため、今年度より、包括補助制度を通じた区市町村支援を開始しております。今後も、区市町村などと連携し、適切な情報提供と予防接種の勧奨に努めてまいります。次に、牛のBSE全頭検査についてでありますが、国は、生後二十カ月以下の牛の検査費用補助を来年七月末をもって終了することとしておりますが、その時点までは、これまでと同様に、すべての牛のBSE検査を実施していくことに変わりはございません。来年八月以降の検査に関しましては、今後の状況を踏まえ、適切に対応してまいります。最後に、輸入食品対策についてでありますが、都は、輸入食品対策を、東京都食品安全推進計画の重点事項として位置づけてございます。輸入業者や卸売市場に対しましては、健康安全研究センターの輸入食品監視班や市場衛生検査所が、また、小売りの段階では都内の保健所が、国の検疫所からの最新の違反情報なども踏まえまして、それぞれ効果的な監視指導を実施してございます。また、事業者の自主管理の推進を図るため、衛生講習会を開催し、輸入食品に関する最新情報を提供しております。さらに、都民に対しましては、ホームページで違反事例などを公表し、迅速な情報提供を行ってございます。今後とも、関係機関と連携し、こうした取り組みを着実に行い、都民の食の安全確保に努めてまいります。〔環境局長吉川和夫君登壇〕 # 環境局長(吉川和夫君) 環境局長(吉川和夫君)バイオディーゼル燃料に関する四点のご質問にお答えいたします。まず、率先導入プロジェクトの進捗状況等についてでありますが、第一世代バイオディーゼル燃料は、植物を原料に含むため、品質劣化による車体等への影響を防ぐ観点から、適切な管理が必要であります。このため、都は、この秋より、都営バスを使ったモデル事業におきまして、燃料の管理方法などのノウハウを明らかにしてまいります。また、並行して、化学的処理により製造する、品質劣化のおそれがない第二世代バイオディーゼル燃料についても、実用化に向けた共同プロジェクトを進めてまいります。次に、バイオディーゼル燃料の原料についてでありますが、バイオディーゼル燃料の利用拡大が食料品需給の逼迫や熱帯雨林の伐採を促すことのないよう、都は、本年二月に開始した率先導入プロジェクトにおいて、既に原料調達などにも配慮しております。また、その一環として、廃食用油など、食用に適さない油脂の活用も検討を開始しております。次に、廃食用油の回収についてでありますが、約六割を占める業務用途からの廃食用油は、食品リサイクルの一環として、既に動物用飼料等へのリサイクルルートが確立しております。一方、一般家庭からの廃食用油は、一部の地域で回収されているものの、多くは固形化した後、可燃ごみとして出されている実態があります。現在、これらの実態を踏まえ、第二世代バイオディーゼル燃料の実用化に向けた取り組みにおいて、原料供給体制についても検討しております。最後に、都民等との連携についてであります。世界で最も環境負荷の少ない先進的な環境都市を実現するためには、都民、民間企業、NGOと行政が一体となり、カーボンマイナス東京十年プロジェクトを東京全体で展開していく必要があります。今後、そうした観点に立ち、都民などの省エネ意識をより高めるとともに、それぞれの役割と責任に応じた主体的な省エネ行動が積極的に推進されるよう努めてまいります。〔中央卸売市場長比留間英人君登壇〕 # 中央卸売市場長(比留間英人君) 中央卸売市場長(比留間英人君)専門家会議の議論を都民と共有することについてでございます。豊洲新市場予定地の土壌汚染対策については、広く都民と情報を共有し、土壌汚染に対する不安を解消していくことが必要であると認識しております。このため、専門家会議は公開で行うとともに、会議終了後、速やかに会議の資料及び議事録等をホームページで公開するなど、審議過程の透明性の確保と都民との情報共有に努めているところでございます。会議の傍聴者数については、委員に密度の濃い実質的な討議をしていただくため、議論に集中できる静ひつな環境が保てるよう、四十人という枠を設けたところでございます。今後、できる限り多くの方々に会議の内容を理解していただけるよう、傍聴の希望に添えなかった方々への会議資料の配布などを検討してまいります。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)以上をもって質問は終わりました。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)これより日程に入ります。日程第一から第二十七まで、第百三十一号議案、政治倫理の確立のための東京都知事の資産等の公開に関する条例の一部を改正する条例外議案二十四件、諮問一件、専決一件を一括議題といたします。本案に関し、提案理由の説明を求めます。副知事谷川健次君。〔副知事谷川健次君登壇〕 # 副知事(谷川健次君) 副知事(谷川健次君)ただいま上程になりました二十七議案についてご説明申し上げます。初めに、第百三十一号議案から第百五十一号議案まで、及び第百五十五号議案が条例案でございまして、新設する条例が二件、一部を改正する条例が二十件でございます。まず、新設する条例についてご説明申し上げます。第百三十三号議案の住民サービスの向上と行政事務の効率化を図るために住民基本台帳ネットワークシステムの本人確認情報を利用する事務等を定める条例は、都民の利便性の向上及び行政事務の効率化を図るため、住民基本台帳法の規定に基づき、本人確認情報を利用できる事務などを定めるものでございます。第百四十九号議案、東京都日暮里・舎人ライナー条例は、来年三月に開業を予定しております日暮里・舎人ライナーについて、路線、運賃等に関する事項を定めるものでございます。次に、一部を改正する条例についてご説明申し上げます。第百三十七号議案、東京都都税条例の一部を改正する条例は、地方税法の一部を改正する法律の施行に伴い、個人都民税について、配当割及び株式譲渡所得割に係る軽減税率の適用期限を延長するなどの改正を行うものでございます。第百四十二号議案、東京都営住宅条例等の一部を改正する条例は、居住者の安全と平穏の確保を図るため、都営住宅等の使用者の資格及び明け渡し請求事由に暴力団員を排除する規定を設けるものでございます。第百四十七号議案、東京都女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例は、女性福祉資金貸付事業の充実を図るため、医療介護資金について貸付限度額を引き上げるものでございます。第百四十八号議案、東京都自然公園条例の一部を改正する条例は、すべての自然ふれあい公園及び利用施設を指定管理者制度の対象施設とするものでございます。このほかに十六件ございますが、いずれも法令等の改正に伴い、所要の改正を行うものでございます。次に、第百五十二号議案及び第百五十三号議案が契約案でございます。中央環状品川線シールドトンネル工事など二件を予定しております。契約金額は、総額約四百四十五億円でございます。次に、第百五十四号議案が事件案でございます。現有のヘリコプター一機を更新するものでございます。次に、諮問でございます。未納下水道料金の督促処分の取り消しについて審査請求がありましたので、地方自治法第二百三十一条の三の規定に基づき、諮問するものでございます。次に、専決でございます。東京都都税条例の一部を改正する条例につきましては、施行までの間に時間的余裕がなく、議会を招集するいとまがなかったため、専決処分を行ったものでございます。上程になりました二十七議案の説明は以上でございますが、このほか人事案を送付いたしております。まず、東京都人事委員会委員でございます。七月二十三日に任期満了となります佐々木克已氏の後任として、関谷保夫氏を選任いたしたいと存じます。次に、東京都収用委員会委員でございます。七月十二日に任期満了となります山下保博氏、杉山美代子氏をそれぞれ再任いたしたいと存じます。次に、東京都収用委員会予備委員でございます。新たに渡井理佳子氏を任命いたしますとともに、七月十二日に任期満了となります相澤俊行氏を再任いたしたいと存じます。同意につきまして、よろしくお願いいたします。以上で説明を終わります。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。(議案の部参照) # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)以上をもって提案理由の説明は終わりました。なお、本案中、地方公務員法第五条第二項の規定に該当する議案については、あらかじめ人事委員会の意見を徴しておきました。議事部長をして報告いたさせます。 # 議事部長(大村雅一君) 議事部長(大村雅一君)人事委員会の回答は、第百三十六号議案について異議はないとの意見であります。一九人委任第二二号平成十九年六月十一日東京都人事委員会委員長内田公三東京都議会議長川島忠一殿「職員に関する条例」に対する人事委員会の意見聴取について(回答)平成十九年六月五日付一九議事第八六号をもって照会があった議案に係る人事委員会の意見は、左記のとおりです。記┌┐│提出議案││一第百三十六号議案││職員の退職手当に関する条例の一部を││改正する条例│├┤│意見│├┤│異議ありません。│└┘ # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)お諮りいたします。ただいま議題となっております日程第一から第二十七までは、お手元に配布の議案付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)ご異議なしと認めます。よって、日程第一から第二十七までは、議案付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託することに決定いたしました。(別冊参照) # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)これより追加日程に入ります。追加日程第一、東京都人事委員会委員の選任の同意についてを議題といたします。〔大村議事部長朗読〕一、東京都人事委員会委員の選任の同意について一九財主議第一〇四号平成十九年六月十二日東京都知事石原慎太郎東京都議会議長川島忠一殿東京都人事委員会委員の選任の同意について(依頼)このことについて、東京都人事委員会委員佐々木克已は平成十九年七月二十三日任期満了となるため、後任として左記の者を選任したいので、地方公務員法第九条の二第二項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。記関谷保夫略歴現住所千葉県八千代市関谷保夫昭和二十二年十二月十四日生(五十九歳)(経歴)昭和四十六年三月横浜国立大学経済学部卒業昭和四十七年四月東京都入都昭和六十一年四月江戸川高等職業技術専門校庶務課長昭和六十二年六月港湾局副主幹〈東京港埠頭公社派遣〉平成元年八月教育庁副主幹平成三年四月財務局主計部予算第三課長平成五年七月総務局人事部調査課長(統括課長)平成七年六月神経病院事務局長平成九年四月港湾局参事(団体調整担当)平成十年七月教育庁都立高校改革推進担当部長平成十一年六月政策報道室計画部長平成十三年四月知事本部特命担当部長平成十三年七月住宅局総務部長平成十四年七月住宅局理事〈東京都住宅供給公社派遣〉平成十六年七月産業労働局長平成十七年七月東京都副知事平成十九年五月東京都副知事退任現在常勤の現職なし # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)本件は、起立により採決いたします。本件は、知事の選任に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)起立多数と認めます。よって、本件は、知事の選任に同意することに決定いたしました。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)追加日程第二、東京都収用委員会委員の任命の同意についてを議題といたします。〔大村議事部長朗読〕一、東京都収用委員会委員の任命の同意について一九財主議第一〇五号平成十九年六月十二日東京都知事石原慎太郎東京都議会議長川島忠一殿東京都収用委員会委員の任命の同意について(依頼)このことについて、左記の者は平成十九年七月十二日任期満了となるため、再び任命したいので、土地収用法第五十二条第三項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。記山下保博略歴現住所千葉県八千代市山下保博昭和十八年四月十六日生(六十四歳)昭和四十二年三月東京大学工学部卒業昭和四十二年四月東京都入都昭和六十三年四月都市計画局施設計画部街路計画課長平成四年四月首都高速道路公団計画部付調査役平成六年四月都市計画局総合計画部長平成七年六月都市計画局開発計画部長平成八年七月都市計画局施設計画部長平成十年七月都市計画局技監平成十二年八月都市計画局長平成十三年七月建設局長平成十四年七月(財)東京都公園協会理事長平成十六年七月東京都収用委員会委員平成十七年八月東京都都市計画審議会委員現在(財)東京都公園協会理事長 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)本件は、起立により採決いたします。本件は、知事の任命に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)起立多数と認めます。よって、本件は、知事の任命に同意することに決定いたしました。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)追加日程第三、東京都収用委員会委員の任命の同意についてを議題といたします。〔大村議事部長朗読〕一、東京都収用委員会委員の任命の同意について一九財主議第一〇六号平成十九年六月十二日東京都知事石原慎太郎東京都議会議長川島忠一殿東京都収用委員会委員の任命の同意について(依頼)このことについて、左記の者は平成十九年七月十二日任期満了となるため、再び任命したいので、土地収用法第五十二条第三項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。記杉山美代子略歴現住所東京都渋谷区杉山美代子昭和十九年七月八日生(六十二歳)昭和四十三年三月慶應義塾大学商学部卒業昭和四十五年三月慶應義塾大学商学研究科修士課程修了昭和五十二年三月公認会計士開業登録昭和五十二年五月税理士開業登録昭和五十八年二月東京赤坂公認会計士共同事務所開業平成二年十月日本公認会計士協会租税調査会委員平成六年十二月公認会計士杉山美代子事務所開業平成九年六月東京税理士会渋谷支部研修部長平成十一年六月東京税理士会渋谷支部副支部長平成十二年四月東京都収用委員会予備委員平成十三年七月東京都収用委員会委員現在公認会計士、税理士 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)お諮りいたします。本件は、知事の任命に同意することにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)ご異議なしと認めます。よって、本件は、知事の任命に同意することに決定いたしました。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)追加日程第四、東京都収用委員会予備委員の任命の同意についてを議題といたします。〔大村議事部長朗読〕一、東京都収用委員会予備委員の任命の同意について一九財主議第一〇七号平成十九年六月十二日東京都知事石原慎太郎東京都議会議長川島忠一殿東京都収用委員会予備委員の任命の同意について(依頼)このことについて、左記の者を、新たに任命したいので、土地収用法第五十二条第三項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。記渡井理佳子略歴現住所東京都港区渡井理佳子昭和四十年十二月二十九日生(四十一歳)平成元年三月慶應義塾大学法学部法律学科卒業平成五年六月米国ハーバード大学法律大学院修士課程修了平成六年九月米国ニューヨーク州弁護士登録平成七年三月慶應義塾大学大学院法学研究科公法学専攻後期博士課程単位取得退学平成九年四月防衛大学校社会科学教室管理学科講師平成十三年四月防衛大学校人文社会科学群公共政策学科兼総合安全保障研究科助教授平成十六年四月日本大学大学院法務研究科助教授平成十八年七月小田原市市税滞納審査会委員平成十九年四月日本大学大学院法務研究科教授現在日本大学大学院法務研究科教授 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)本件は、起立により採決いたします。本件は、知事の任命に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)起立多数と認めます。よって、本件は、知事の任命に同意することに決定いたしました。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)追加日程第五、東京都収用委員会予備委員の任命の同意についてを議題といたします。〔大村議事部長朗読〕一、東京都収用委員会予備委員の任命の同意について一九財主議第一〇八号平成十九年六月十二日東京都知事石原慎太郎東京都議会議長川島忠一殿東京都収用委員会予備委員の任命の同意について(依頼)このことについて、左記の者は平成十九年七月十二日任期満了となるため、再び任命したいので、土地収用法第五十二条第三項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。記相澤俊行略歴現住所東京都世田谷区相澤俊行昭和二十五年四月二十三日生(五十七歳)昭和四十九年三月慶應義塾大学法学部卒業昭和五十五年九月新光監査法人入所昭和六十年三月公認会計士登録平成元年十月税理士登録平成二年一月公認会計士・税理士事務所開業平成五年六月東京都割賦販売許可業者調査員平成七年七月日本公認会計士協会東京会業務委員平成十六年七月東京都収用委員会予備委員現在公認会計士、税理士 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)お諮りいたします。本件は、知事の任命に同意することにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)ご異議なしと認めます。よって、本件は、知事の任命に同意することに決定いたしました。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)請願及び陳情の付託について申し上げます。受理いたしました請願一件及び陳情十一件は、お手元に配布の請願・陳情付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。(別冊参照) # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)お諮りいたします。明二十一日から二十六日まで六日間、委員会審査のため休会いたしたいと思います。これにご異議ございませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)ご異議なしと認めます。よって、明二十一日から二十六日まで六日間、委員会審査のため休会することに決定いたしました。なお、次回の会議は、六月二十七日午後一時に開きます。以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。本日はこれをもって散会いたします。午後七時二十一分散会
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--- title: 平成19年_第2回定例会(第10号) 名簿・議事日程 # 平成十九年六月二十日(水曜日)出席議員百二十七名一番遠藤守君二番伊藤興一君三番米沢正和君四番鈴木章浩君五番菅東一君六番後藤雄一君七番福士敬子君八番伊沢けい子君九番そなえ邦彦君十番西崎光子君十一番山口拓君十二番伊藤ゆう君十三番原田大君十四番河野百合恵君十五番小竹ひろ子君十六番松葉多美子君十七番大松成君十八番中山信行君十九番高倉良生君二十番きたしろ勝彦君二十一番田中たけし君二十二番鈴木隆道君二十三番神林茂君二十四番早坂義弘君二十五番崎山知尚君二十六番宇田川聡史君二十七番原田恭子君二十八番佐藤広典君二十九番尾崎大介君三十番伊藤まさき君三十一番松下玲子君三十二番野上ゆきえ君三十三番西岡真一郎君三十四番たぞえ民夫君三十五番村松みえ子君三十六番橘正剛君三十七番上野和彦君三十八番吉倉正美君三十九番谷村孝彦君四十番石森たかゆき君四十一番高橋信博君四十二番鈴木あきまさ君四十三番秋田一郎君四十四番矢島千秋君四十五番高橋かずみ君四十六番串田克巳君四十七番吉原修君四十八番山田忠昭君四十九番山口文江君五十番今村るか君五十一番吉田康一郎君五十二番斉藤あつし君五十三番泉谷つよし君五十四番くまき美奈子君五十五番大西さとる君五十六番増子博樹君五十七番かち佳代子君五十八番植木こうじ君五十九番長橋桂一君六十番野上純子君六十一番東村邦浩君六十二番小磯善彦君六十三番臼井孝君六十四番林田武君六十五番野島善司君六十六番高木けい君六十七番山加朱美君六十八番服部ゆくお君六十九番田代ひろし君七十番三宅茂樹君七十一番川井しげお君七十二番鈴木一光君七十三番大西由紀子君七十四番いのつめまさみ君七十五番門脇ふみよし君七十六番小沢昌也君七十七番石毛しげる君七十八番岡崎幸夫君七十九番柿沢未途君八十番清水ひで子君八十一番古館和憲君八十二番松村友昭君八十三番東野秀平君八十四番藤井一君八十五番ともとし春久君八十六番木内良明君八十七番吉野利明君八十八番倉林辰雄君八十九番村上英子君九十番こいそ明君九十一番三原まさつぐ君九十二番田島和明君九十三番樺山たかし君九十四番新藤義彦君九十五番古賀俊昭君九十六番立石晴康君九十七番初鹿明博君九十八番酒井大史君九十九番花輪ともふみ君百番大沢昇君百一番大津浩子君百二番大塚たかあき君百三番相川博君百四番曽根はじめ君百五番大山とも子君百六番鈴木貫太郎君百七番石川芳昭君百八番中嶋義雄君百九番石井義修君百十番桜井武君百十一番遠藤衛君百十二番高島なおき君百十三番宮崎章君百十四番野村有信君百十五番比留間敏夫君百十六番佐藤裕彦君百十七番川島忠一君百十八番内田茂君百十九番三田敏哉君百二十番中村明彦君百二十一番山下太郎君百二十二番馬場裕子君百二十三番土屋たかゆき君百二十四番田中良君百二十五番名取憲彦君百二十六番吉田信夫君百二十七番渡辺康信君欠席議員なし出席説明員知事石原慎太郎君副知事谷川健次君副知事菅原秀夫君副知事山口一久君教育長中村正彦君知事本局長大原正行君総務局長押元洋君財務局長村山寛司君主税局長熊野順祥君警視総監伊藤哲朗君生活文化スポーツ局長渡辺日佐夫君都市整備局長只腰憲久君環境局長吉川和夫君福祉保健局長安藤立美君産業労働局長佐藤広君建設局長道家孝行君港湾局長津島隆一君会計管理局長三枝修一君交通局長島田健一君消防総監小林輝幸君水道局長東岡創示君下水道局長前田正博君青少年・治安対策本部長舟本馨君東京オリンピック招致本部長荒川満君病院経営本部長秋山俊行君中央卸売市場長比留間英人君選挙管理委員会事務局長梶原康二君人事委員会事務局長矢口幸一君労働委員会事務局長有留武司君監査事務局長白石弥生子君収用委員会事務局長中田清己君六月二十日議事日程第三号第一第百三十一号議案政治倫理の確立のための東京都知事の資産等の公開に関する条例の一部を改正する条例第二第百三十二号議案市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例第三第百三十三号議案住民サービスの向上と行政事務の効率化を図るために住民基本台帳ネットワークシステムの本人確認情報を利用する事務等を定める条例第四第百三十四号議案東京都恩給条例の一部を改正する条例第五第百三十五号議案雇傭員の退職年金及び退職一時金等に関する条例の一部を改正する条例第六第百三十六号議案職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例第七第百三十七号議案東京都都税条例の一部を改正する条例第八第百三十八号議案東京都納税貯蓄組合補助金交付条例の一部を改正する条例第九第百三十九号議案東京都情報公開条例の一部を改正する条例第十第百四十号議案東京都個人情報の保護に関する条例の一部を改正する条例第十一第百四十一号議案東京都学校経営支援センター設置条例の一部を改正する条例第十二第百四十二号議案東京都営住宅条例等の一部を改正する条例第十三第百四十三号議案東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例第十四第百四十四号議案東京都日影による中高層建築物の高さの制限に関する条例の一部を改正する条例第十五第百四十五号議案多摩都市計画多摩土地区画整理事業施行規程等の一部を改正する条例第十六第百四十六号議案東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例第十七第百四十七号議案東京都女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例第十八第百四十八号議案東京都自然公園条例の一部を改正する条例第十九第百四十九号議案東京都日暮里・舎人ライナー条例第二十第百五十号議案警視庁の設置に関する条例の一部を改正する条例第二十一第百五十一号議案特別区の消防団員等の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例第二十二第百五十二号議案中央環状品川線シールドトンネル工事請負契約第二十三第百五十三号議案平成十九年度若洲橋鋼けた製作・架設工事請負契約第二十四第百五十四号議案ヘリコプターの買入れについて第二十五第百五十五号議案都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例第二十六諮問第二号地方自治法第二百三十一条の三の規定に基づく審査請求に関する諮問について第二十七地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京都都税条例の一部を改正する条例の報告及び承認について議事日程第三号追加の一第一東京都人事委員会委員の選任の同意について(一九財主議第一〇四号)第二東京都収用委員会委員の任命の同意について(一九財主議第一〇五号)第三東京都収用委員会委員の任命の同意について(一九財主議第一〇六号)第四東京都収用委員会予備委員の任命の同意について(一九財主議第一〇七号)第五東京都収用委員会予備委員の任命の同意について(一九財主議第一〇八号)
2024-03-31T11:22:29.489809Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/674904?Template=document&Id=2151#one
--- title: 平成19年_第2回定例会(第9号) 本文 # 午後一時開議 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)これより本日の会議を開きます。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)これより質問に入ります。百十一番遠藤衛君。〔百十一番遠藤衛君登壇〕 # 百十一番(遠藤衛君) 百十一番(遠藤衛君)平成十九年第二回東京都議会定例会に当たり、都議会自由民主党を代表して質問をさせていただきます。さきの都知事選では石原知事が大差で圧勝するという都民の審判が下されました。我が党は責任政党として、都民の良識ある選択をしっかりと受けとめ、知事と議会という二元代表制のもと、都民、国民のため、全力で取り組んでいくことを、まずここに明らかにしておきたいと思います。東京、そして我が国の現状を見渡すと、相次ぐ凶悪犯罪、子どもを取り巻く環境の悪化など、日本人が持っていた美徳はどこにいってしまったのかと嘆かざるを得ません。しかし、夢も希望もないわけではありません。子どもの問題でいえば、知事が提唱された心の東京革命に多くの都民の皆さんが共鳴し、あいさつ運動や子どもの見守り活動などボランティア活動を展開しています。今こそ、都民の皆さんを支え、危機をともに克服していくことが求められております。そのためには、都民、国民への明確なビジョンを提示し、実現する力強いリーダーシップが求められています。政治が本来の役割を果たすべきときが来ております。そこで、まず、三期目のスタートに当たり、政の本質とは何か、豊富な政治経験を踏まえ、知事の所見をお伺いいたします。都は、昨年末、久々の長期ビジョンである「十年後の東京」を発表いたしました。その内容は、最先端の省エネルギー技術を活用した、世界でも最も環境負荷の少ない都市の実現、水と緑の回廊で包まれた美しいまち東京の復活、外国人旅行者一千万人への倍増など目標を明確にしながら、夢のある将来像が具体的な近未来図として描かれております。「十年後の東京」は、都民や国民にとって夢の実現につながることはもちろん、東京オリンピック開催を実現する上でも、東京がより高いレベルで成長を遂げていく姿を示すことが極めて重要であります。今後、この実現に向けて、具体的な政策を確実に展開していかなければなりません。知事は、三期目は十年先の東京を見据えた基礎固めの時期として、さきの所信表明で近未来図の着実な実現に向けて、年内に「十年後の東京」を具体化するための実行プログラムを策定する旨を表明されたところでございます。我々も東京がさらに機能的で魅力的な都市に生まれ変わるよう全力を挙げて取り組んでいく所存です。「十年後の東京」で描いたさらなる成熟を遂げる東京の実現に向けた知事の決意をお伺いいたします。また、首都東京に象徴的にあらわれている課題は、環境問題や少子高齢化への対応など、一局だけの取り組みで解決するものではありません。各局が知恵を出し合うとともに、知事本局がリーダーシップを発揮して、横の連絡をとりながら全庁一丸となって取り組むことが大変重要であります。また、民間企業や多くの都民の方々に参加していただき、東京全体で機運を醸成していくことが欠かせません。今回の実行プログラム策定に当たっては、こうした視点を十分踏まえ、都議会と連携を強化し、実効性の高いものにしていくべきと考えます。局をまたがる課題への対応を含め、どのような考え方で実行プログラムの策定に臨んでいくのか、所見をお伺いいたします。次に、東京の、アジアを中心とした国際貢献についてお伺いをいたします。二十一世紀はアジアの世紀といわれております。アジアは、欧米に加え、世界の三つ目の極として、政治、経済、文化などさまざまな面で重要な役割を担いつつあります。東京の水道技術、省エネ技術といった環境技術の数々は世界最高水準にあり、急成長するアジア諸国にこれを供与することが、エネルギー需給や価格の安定化、ひいては人類の持続的発展に貢献することになると考えます。特に、北京オリンピックを間近に控えた中国には最も必要であります。また、知事の言葉をかりれば、首都公務員たる都庁職員が、国際感覚をさらに涵養し、グローバルな視野に立ってアジアの諸都市の問題解決に貢献していくことも重要であります。アジア社会への貢献は、東京のさらなる発展のためにも、オリンピックの東京招致を実現する上でも、大きなかぎになると確信をしております。東京は、これまでもアジア大都市ネットワーク21での取り組みなどを通して、アジア諸都市のかけ橋として中心的な役割を担ってきました。今後さらにリーダーシップを発揮し、アジア社会全体の発展に貢献していかなければならないと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。次に、オリンピック招致についてお伺いいたします。先月十六日、IOCから二〇一六年のオリンピック競技大会立候補受付手順書が公表され、招致に向けた具体的なスケジュールが示されました。既に国際レースにおいては、シカゴ、リオデジャネイロ、マドリードなどといった世界の強豪都市が名乗りを上げ、いよいよ各都市の熾烈な招致競争がスタートすることになりました。こうした中、五月二十日、オーランドでの国際体操連盟評議員会において、東京が二〇一一年の世界体操競技選手権大会の開催都市に選ばれました。これは、東京都と日本体操協会が一致団結して招致活動を行った結果であり、成果であり、同時に東京の魅力や開催能力の高さが示された、評価された結果であります。オリンピックの招致に当たっても、こうした東京の魅力や優位性を強く世界にアピールしていくことが必要です。加えて、オリンピックへの都民、国民の幅広い賛同、支持、国内全体の招致機運の盛り上がりが何より重要であります。そのためには、あらゆる機会をとらえ、さまざまな媒体を活用し、オリンピックのすばらしさや夢を都民、国民に伝えていくことが必要です。また、夏休みには、スポーツイベントや夏祭りなど、地域においてさまざまな催し物が開かれます。こうした機会も積極的に活用すべきであります。今後、国内の招致機運を盛り上げていくために、どのような取り組みを進めていくのか、所見をお伺いいたします。現在の国立競技場の建てかえが望ましいとの声が、報道が一部でなされていました。一方、都としては、これまで一貫して国立競技場として晴海に整備することを国に要望し続けてきたと聞いております。さまざまな観点から検討を行い、今回の結論が出されたと思いますが、なぜオリンピックスタジアムを晴海に整備することにしたのか、改めて所見をお伺いいたします。あわせて、都立のスタジアムとして、どのように整備していくのか、所見をお伺いいたします。次に、東京国体の準備状況についてお伺いいたします。平成二十五年の東京国体開催まで六年となりました。開催に向けた準備については、競技施設の整備やジュニア選手の育成など、一朝一夕にはなし遂げられないことも事実であり、もう既に開催準備は待ったなしの時期に来ていると思います。国体は、国内最大、最高のスポーツの祭典であり、大会の開催県においては、競技施設の改修や選手の競技力の向上だけではなく、選手や観客と地元住民の触れ合いなどを通して地域の活性化が図られるなど、大きな意義があると認識しております。とりわけ多摩・島しょ地域にとって、平成二十五年の東京国体の開催は、地域の魅力を全国に発信するとともに、産業や経済の活性化を呼び起こす起爆剤として大きな期待が寄せられております。これまでの国体の準備状況を調べてみると、各県ともその県らしさを発揮するために工夫を凝らし、県、市町村の行政機関だけではなく、体育協会、町会、商工会、ボランティアなど、さまざまな地域団体の力を結集して、県を挙げて取り組んでおります。東京国体においても、開催に向けた取り組みを東京全体に広げていくことが不可欠であります。我が党は、東京国体に向け、全都的なスポーツ振興を図るとともに、広く多摩・島しょの地域振興につながる取り組みを強化していくため、各会派に呼びかけて東京国体推進議連を立ち上げ、都議会としての体制を固めたところであります。そこで、今後、東京国体の開催準備を全都に広げていくためにどのような取り組みを行っていくのか、知事の所見をお伺いいたします。また、東京国体の成功に向けては、選手の競技力向上も重要であり、東京国体や東京オリンピックの成功のかぎを握るのは、選手の活躍にあるといっても過言ではありません。残念ながら、昨年の兵庫国体では総合五位、特に少年男子は十六位という成績に終わりました。六年後の国体やオリンピックなど国際舞台で戦える選手の育成やジュニアの発掘は、今すぐ取り組まなければならない喫緊の課題であります。そこで、競技力の向上に向けて、具体的にどのように取り組んでいくのか、所見をお伺いいたします。さらに、こうした東京国体開催のための準備や選手の競技力向上だけではなく、スポーツ環境を整備し、都民のだれもがいつでもスポーツに親しめる、スポーツ都市東京の実現を通して、東京オリンピック招致機運の一層の盛り上げを期待するものであります。都はこの春、スポーツ振興を力強く進めるべく、新たに生活文化スポーツ局を発足いたしました。東京国体の開催やオリンピックの招致に向け、また、スポーツ都市東京実現のため、今後のスポーツ振興の戦略を早急に打ち出すべきであります。知事の所見をお伺いいたします。次に、東京大気汚染訴訟についてお伺いをいたします。先般、国は都のぜんそく患者対策に六十億円を拠出することを決定いたしました。思い起こせば平成十四年十月、東京地裁での一審の判決の際、知事は、自動車排出ガス対策の強化と健康被害者の救済を早急に実施することが行政の使命であるとして、控訴しないことを即断されました。我が党も知事の決断を評価するとともに、東京の空気をきれいにするための環境対策に総力を挙げてまいりました。しかし、二審でも国のかたくなな姿勢は一向に変わらず、我々は歯がゆい思いでそれを見つめておりました。こうした中、昨年第三回定例会で、我が党の質問に対し、知事は被害者の救済を最優先し、裁判の範疇を超えて社会全体の課題として解決すべきと答弁され、みずから東京高裁に出向き、大所高所からこの問題の解決を訴えられ、今回の安倍総理の決断に至りました。安倍総理は、尼崎や川崎など過去の大気汚染訴訟では例のない国の資金拠出に踏み切りました。これは、総理の問題解決への断固たる決意のあらわれであります。我が党は、総理の決断を高く評価するとともに、敬意を表する次第であります。安倍総理がこの官僚の抵抗を排して前例のない決断に踏み切ることを後押ししたのは、首都東京を預かる知事の行動力であり、また、知事と我々とが手を携えてこれまで進めてきた違反ディーゼル車一掃策など、都民、国民の生命を脅かす問題に対する国に先駆けた取り組みにあると考えます。本訴訟の解決に向けた大きな進展を受け、改めて現時点における知事の所見をお伺いいたします。次に、地球温暖化問題についてお伺いいたします。地球温暖化がもたらす気候変動が、人類の活動により引き起こされた最も深刻な環境問題であることは、いうまでもありません。先般ドイツで開かれた主要国首脳会議においても、安倍総理が、危機回避のため、二〇五〇年までに世界全体の温室ガスの排出量を半分に減らすよう提唱し、今後の具体化に向けて基本合意が得られました。今、求められているのは、CO2削減に向けた取り組みの強化であり、そのためには、社会を構成するすべての主体が、それぞれの役割と責任に応じてCO2を削減することが可能になる、わかりやすく実効性のある施策を明らかにしていかなければなりません。そうした中、先般、都が気候変動対策方針を明らかにしたことは、非常に大きな意義があります。この中には、大規模CO2排出事業所に対する削減義務化や排出量取引制度の導入など、先駆的、具体的な施策が提起されております。今後、この方針で示された施策を大胆に実施し、日本の気候変動対策をリードしていくべきと考えますが、知事の決意をお伺いいたします。都内のCO2削減のためには、大規模事業所の削減対策の促進とともに、中小企業や家庭などにおいても取り組みが進まなければなりません。こうした取り組みが積極的に行われるようにするためには、都内最大規模の排出事業者である東京都が率先してCO2削減に取り組むとともに、都民に対し、中小企業や家庭でのCO2削減の具体的な取り組みと効果をわかりやすく示し、あわせて、これらを促進、支援していく仕組みづくりが極めて重要であります。都の今後の取り組みについて所見をお伺いいたします。次に、緑の創出についてお尋ねいたします。都は、六月八日、緑の東京十年プロジェクト基本方針を公表いたしました。この方針は、「十年後の東京」の水と緑の回廊で包まれた美しいまち東京を復活させる道筋を示すものであり、都民の期待も大きいと考えております。かねてより我が党は、海の森整備を求めてきました。この方針の中で、新たに海の森を基金という手法を用いて整備することとしております。明治神宮の代々木の杜は、全国から約十万本の木が奉納され、市民の方々が植樹をして今日のすばらしい東京の緑に成長いたしました。また、調布の神代植物公園でも、都民の皆さんがボランティアとして、百年先の二十二世紀を見据えた森づくりに取り組んでおります。子や孫の世代にもすばらしい緑を残していく、そのための手だてとして、緑化募金は、都が都民、企業と協働する有効な取り組みであります。こうした取り組みを契機に、緑あふれる東京の再生に向けて、大きな緑のムーブメントを起こしていきたいと考えます。改めて、こうした募金について、知事のお考えと決意をお伺いいたします。次に、築地市場の移転についてお伺いいたします。築地市場の移転については、本年二月の予算特別委員会で、我が党の質問に対し、現在地での再整備は営業を続けながらの工事であるため、完成までに二十年以上を要し、市場の経営活動に深刻な影響を及ぼすことや、現行の敷地面積では基幹市場としての役割を十分果たせないとの答弁があり、現在地での再整備は困難であり、断念したものと理解をいたしております。こうした状況に加えて、最近では、築地市場のアスベスト問題がクローズアップされてきております。市場施設の一部にアスベストが使用されていると聞いております。もし、移転に反対する人たちが主張するように、現在地で再整備をした場合、この施設の解体時には、生鮮食品を扱う市場であることから、相当慎重にアスベスト対策を行っていかなければなりません。そこで、築地市場のアスベストの状況はどうなっているのか、また、アスベストの問題を含めて、現在地での再整備を行うことは、現実性のある案なのか、都としての見解をお伺いいたします。次に、先般設置された豊洲新市場予定地における土壌汚染対策等に関する専門家会議についてお伺いをいたします。関係者や一部都民に懸念の声があり、知事は、市場が食の安全にかかわるということで、土壌汚染調査などについて、専門家にその検証を求めるという方針を打ち出されました。この方針を受け、中央卸売市場では、専門家会議を設置し、ここでの検証、提言を踏まえ、必要な追加調査や対策などを実施することとし、先月第一回の会議が開催されました。そこで、会議の設置後、都としてどのように検討を進めていくのか、お伺いをいたします。次に、都の税財源をめぐる動きについてお伺いをいたします。このところ、地方税収が地域間で偏在をしていることを理由に、東京を初めとする都市部の財源を吸い上げ、地方に回そうという議論がますます熱を帯びてきております。先日開催された四都府県知事の会談での指摘にもありましたが、地方分権の大枠が決まっていない段階で、方法論ばかりが先行し、いかにも拙速であります。ましてや、国と地方という本質的な問題に踏み込むことなく、都市部の財源を地方に回そうとする発想は、安易安直といわざるを得ません。このような税収の偏在を是正するとの観点から、都の財源を奪う動きが急速に高まっていますが、この問題について知事の基本的認識をお伺いいたします。また、地域間の税収偏在の是正に向けた方策として、法人二税の税収を人口基準等で再配分するという考えや、消費税と法人二税を入れかえるといった考え方が、またしても議論の俎上に上がっております。しかも今回は、経済財政諮問会議の中で、民間議員が具体的な手法にまで踏み込んで言及するなど、具体化が一層進んでいる印象があります。このような東京の税源をねらい撃ちする不合理な財源調整の動きに対し、どのようなスタンスで反論をしていくのか、都の見解をお伺いいたします。本日開かれた、骨太の方針二〇〇七では、地域間の税収の偏在を是正する方針が示されると聞いております。しかし、税制改正に向けた議論は、政府税調や与党税調で議論が行われる秋から冬にかけてが正念場となります。先ごろ都が発表した財政力格差是正論に対する反論の書は、緊急アピールとして、最近の議論における論点を都民にわかりやすく説明しています。秋以降の議論ではさらに、国に対し、より積極的な攻めに転じる必要があります。そのためには、地方の厳しい状況も勘案し、問題の本質である国の責任を明らかにして的確な反論を行い、地方が連携して国と対峙していくことが重要であります。一方、大都市需要や行革努力のように、都として主張すべきものは主張しなければなりません。そこで、秋以降の本格的な議論に向けて、都としてどのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。次に、公会計制度改革についてお伺いをいたします。いよいよこの秋には、全国で初めて官庁会計に複式簿記・発生主義会計を導入した新たな公会計制度による財務諸表が作成されることになります。財務諸表の作成を第一歩として、これからは、財務諸表を都政の体質改善に活用していくべきであると考えます。従来の官庁会計では明らかにされなかった数々の情報を分析、評価し、その情報を行政だけではなく、都民及び議会が共有し、今後の都政の経営改革に向けて生かしていくことが重要であります。財務諸表の作成に当たっては、事業別の情報をも対象とし、都民や議会にわかりやすく提示される必要があると考えますが、所見をお伺いいたします。次に、安心・安全のまちづくりについてお伺いをいたします。知事は、世界一安心・安全な首都東京を実現するために、地域の総合力と行政の力を結集して取り組むとしております。都内の犯罪、特に身近な場所での発生状況を見ますと、侵入窃盗や十三歳未満の子どもへの強制わいせつの多くが、マンション等の共同住宅で発生をしております。これは、共同住宅の構造上の問題も大きいと思われますが、地域住民同士のつながりが希薄になっていることや、みずからが住んでいる地域社会への無関心といった問題も大きな要因になっていると思われます。そこで、今年度から開始した地域防犯モデル事業について、その意義と今後の取り組みについてお伺いをいたします。ことしに入ってからも、けん銃を使用した凶悪事件が全国的に発生し、都内でも暴力団対立抗争事件や、暴力団員が都営住宅に立てこもり、駆けつけた警官に向けて発砲するなど、都民に重大な危害を及ぼしかねない事件が発生をしております。警視庁では、治安回復に向けた犯罪抑止対策に努め、着実に成果を上げていると承知をしております。しかしながら、こうした事件が発生した背景には、相当数のけん銃が地下に潜んでいるのではないかという不安と脅威を多くの都民が感じていると思います。都民が安全で安心して暮らせる東京を実現するためには、今まで以上に効果のある取り締まりを強力に推進し、銃器を社会から一掃することが必要不可欠であると考えます。そこで、警視庁では銃器の取り締まりに向け、どのように取り組み、対策を講じていくのか、警視総監のご決意をお伺いいたします。さきにも触れましたが、本年四月に町田市の都営住宅で起きた暴力団員による拳銃発砲立てこもり事件は、日常の生活の場である住宅街での事件であり、近隣住民の方々も含めて、恐怖と不安の中で一夜を過ごされたことと思います。再びこのような事件が起こらないように、対策を進める必要があります。今定例会に暴力団員の排除に向けた都営住宅条例等の改正が提案されていますが、改正後の条例が実効性のあるものとならなくては意味がありません。条例改正後の暴力団員を排除するための具体的な方策についてお伺いをいたします。次に、豪雨対策と多摩地域の河川整備についてお伺いをいたします。近年、地球温暖化などを背景に世界的な異常気象が顕在化し、大規模な干ばつや豪雨による被害も多く報道されております。東京においても平成十七年九月の局地的集中豪雨により、中野区、杉並区などで六千棟に及ぶ浸水被害が発生をいたしました。都では、この集中豪雨による浸水被害を契機として、豪雨対策基本方針の策定を進めております。本年第一回定例会の一般質問において、基本的な考え方などについて聞き、我が党としても意義あるものとして注目してきたところであります。間もなく豪雨の時期を迎えることになります。一刻も早く基本方針を策定し、治水対策を着実に実施することが求められております。そこで、豪雨対策基本方針の策定に向けた進捗状況をお伺いいたします。次に、多摩地域における河川整備についてお伺いをいたします。治水対策にはまず河川の整備が重要ですが、区部では、先月、環七地下調節池善福寺川取水施設が完成し、本格的な運用が可能となるなど、重点的かつ着実に河川の整備が進められております。多摩地域においては、青梅市の霞川で地下調節池が完成するなど、整備が進んでおります。私は先日、霞川調節池を視察し、総事業費百二十八億円との説明を受けました。膨大な事業費ですが、この施設がなく、水害が発生すれば、被害額はこの程度では済みません。東大和市などを流れる空堀川や調布市の入間川などでは、まだ水害のおそれがあります。河川の整備促進を進めるべきとの思いを強くしたところであります。治水対策は一朝一夕に進むものではありませんが、河川の整備に当たっては、目標を定め、積極的に計画的な取り組みを推進していくべきであります。そこで、多摩地域における河川整備の現在の状況と、今後の方針についてお伺いをいたします。次に、治水対策を進めるには、河川整備だけではなく、下水道による対策も重要であります。多摩地域の下水道事業は、都と市町村が役割を分担して進めておりますが、市町村が効率的に治水対策を進めていけるよう、さらなる技術的支援を行っていくことを強く要望しておきます。ところで、多摩地域の河川には、貴重な自然環境が多く残されております。新たな開発が進められる中、川を中心とした水と緑の空間は、人々の心を和ませる貴重な資源であります。「十年後の東京」においても、水と緑の回廊で包まれた美しいまち東京の復活が筆頭に挙げられております。豊かな水辺空間は、多摩地域における都市環境の向上に大きな役割を果たすものであります。そこで、多摩地域の河川整備に際しては、豊かな自然を十分生かした取り組みが必要と考えますが、所見をお伺いいたします。次に、高速道路の料金体系についてお伺いいたします。現在、首都圏では、三環状道路を初め、高速道路ネットワークの整備が進められております。外環道については、この四月に大深度地下への都市計画変更が行われ、圏央道については、今月二十三日にあきる野インターチェンジから中央道までの区間が開通するなど、着々と事業が進んでおります。交通混雑の緩和、物流の効率化、環境改善などを図るため、今後とも三環状の整備促進を図ることが重要であります。しかしながら、首都圏の高速道料金を見ると、首都高速、東日本高速、中日本高速の三つの会社により運営されていることもあって、ばらばらの料金体系で割高感があるのが実態であります。高速道路をせっかく整備しても、今の料金体系のままでいくと効率よく使われないことが懸念をされます。そこで、首都圏の高速道路ネットワークを有効活用できるよう、料金体系を見直すことが重要であると考えますが、知事の所見をお伺いいたします。次に、日暮里・舎人ライナーについてお伺いいたします。日暮里・舎人ライナーは、昭和六十年の運輸政策審議会答申を受け整備することとなりました。その後、平成九年に工事着工され、いよいよ平成十九年度末に開業することとなったものです。我が党は、これまでこの日暮里・舎人ライナーを都民や地域住民の足として安定的に経営することができるよう、運営主体については、東京都地下鉄建設株式会社ではなく、交通局みずから運営すべきと強く要望してまいりました。今般、交通局みずからが運営主体となることを決断し、東京都日暮里・舎人ライナー条例案が提案されました。そこで、この日暮里・舎人ライナーの運営主体となるに当たっての意義と決意についてお伺いをいたします。地元住民の交通アクセスが飛躍的に向上することは大変喜ばしいことであり、徐々に沿線開発も進んでいますが、沿線に大型集客施設が多くあるわけではありません。こうした状況の中にあっても、地元都民にとって三十年来の悲願である日暮里・舎人ライナーの運営がしっかりと行われるよう要望して、次の質問に移ります。橋梁の長寿命化についてお伺いいたします。隅田川にかかる清洲橋、永代橋、勝鬨橋の三つの橋が、昨日、都道府県の橋梁として初めて国の重要文化財に指定されました。いずれも大正から昭和初期にかけて、当時の最先端の技術を駆使して建設された美しい姿の橋梁であり、また、適切な維持管理によって、建設後七十年から八十年を経た今でも現役で使用され、都民に身近に親しまれている橋梁であります。都では、今後も貴重な文化遺産として、またすぐれた景観を有する観光のシンボルとして、保全、活用していくよう努めていただきたい。都が管理する橋梁は、この三つのほかにも都内に約千二百あります。その多くは高度経済成長期に集中的に建設されたものであり、あと十年間で架設後五十年以上経過することになる橋が過半数あると聞いております。このままではかけかえ時期が集中し、経費の面でも、工事の実施の面でも支障が生ずるおそれがあります。そこで、できる限り現在の橋梁が長く使えるよう、かけかえのピークを平準化していくような計画的な対策が必要だと考えますが、見解をお伺いいたします。次に、アユのすめる川づくりについてお伺いをいたします。昨年、第一回定例会では、多摩川の清流復活について、知事から、天然のアユをはぐくむ清流を取り戻すことは、観光資源として多摩川の魅力をさらに増すものと確信しているとの力強い答弁をいただきました。また、都では、伝統工法である木工沈床の設置により、周辺の景観や生態系に配慮した川づくりを進めております。しかし、現状の多摩川を見ますと、依然として砂利の堆積による瀬やふちの消失が目立ち、魚のすみかが奪われたり、カワウなどによる深刻な食害が生じているなど、魚をはぐくむ環境をつくるためにはさらなる努力が必要と考えます。そこでまず、昨年、都が策定した水産業振興プランに掲げた川魚の復活について、具体的にどのような取り組みを進めているのかお伺いいたします。また、観光資源として、多摩川のアユなどを活用することが重要だと考えます。多摩川のアユは、かつては全国的に有名な特産品でありました。しかしながら、現在、中下流でとれたアユには、アユ本来の香りが乏しいとの声があります。私は昨年、アユ本来の香りを取り戻すための有効な手段の一つとして、多摩産材の木炭の利用を提言させていただきました。都として、香り豊かな多摩川のアユの実現に向けてどのような検討が進められているのか、お伺いをいたします。次に、産業振興についてお伺いいたします。都は、産業振興基本戦略の推進に向け、年内に産業振興指針を策定するとしております。指針には、中小企業の実態を踏まえた実効性のある施策を盛り込み、産業力の強化を図るべきであります。多摩地域における圏央道の整備や横田飛行場の軍民共用化など、都市機能の飛躍的向上によって、異なる経営資源、業種の多様かつ広域的な連携、交流が活発になります。多摩地域には、エレクトロニクスや半導体など、時代の先端を行く企業や大学、研究機関が数多く集積しております。これらの多様な交流がさらなる産業集積を誘引し、多摩シリコンバレーともいえる都市型産業の一大拠点として、一層の発展が期待をされております。しかしながら、多摩地域を真にシリコンバレーとして成長させていくためには、都市インフラの整備を確実に新事業の創出につなげていくための産業振興施策が不可欠であります。平成二十一年度には多摩産業支援拠点が開設されるなど、技術や経営支援機能は着実に強化されております。しかし、新事業の創出を促進するためには、こうした支援機能に加えて、知事が所信表明で述べたとおり、産業交流機能の強化が求められております。今こそ、多摩地域の産業交流機能の強化に向けて多面的な取り組みが必要と考えますが、所見をお伺いいたします。また、東京には、ものづくり産業の集積、伝統文化、農林水産や観光など、地域産業の活性化に活用可能な魅力ある資源が数多く存在しております。東京ブランドというべき地域資源を活用し、商品やサービスの差別化を図ることで産業の活性化を図っていくことが有効と考えます。国においても、中小企業地域資源活用プログラムを新たに策定し、こうした地域資源を活用した新商品開発支援の強化に踏み出したと聞いております。そこで、都においても、国の施策を活用しつつ、東京の特性を踏まえ、地域のすぐれた資源を活用した中小企業の取り組みを後押しすべきと考えますが、所見をお伺いします。次に、都市農地の保全についてお伺いいたします。我が党は、平成十五年に都市農政を考える議員連盟を結成し、青壮年農業者を中心に意見交換を重ねてまいりました。そして、農業者が直面する問題に対処するため、農業経営の支援対策などさまざまな政策を提言をしてまいりました。しかしながら、都市農地を保全するためには、国の諸制度の改善が不可欠であります。このため、本年第一回定例会では、現行の農地制度や相続税制度の改善に向けて都市農地の保全に関する意見書を取りまとめ、政府や国会に提出をいたしました。このような活動の中で、自由民主党国会議員の都市における農業を考える若手議員の会も発足し、今月八日には制度改善について議論を交わしたところであります。このように我が党は、都市農地保全についてさまざまな取り組みを行ってまいりました。しかし、制度改善は国の役割であり、また時間を要することから、この間も貴重な都市農地は失われ続けることになります。そこで、都では、農地に対する都民の理解促進を図るなど都独自の農地保全策に取り組むべきと考えますが、所見をお伺いします。今月一日、新銀行東京の十九年三月期の決算が公表されました。これによると、計画を上回る赤字を計上するなど厳しい内容となっております。これまで新銀行東京は、その設立趣旨に沿って多くの中小企業に対し積極的な支援を行い、地域経済の発展に寄与してきましたが、一方で、民間企業である以上、財務体質を強化し、経営の健全性を確保することが不可欠であると考えます。そこで、今回の決算に対する都の評価をお伺いいたします。メガバンクが急速に体力を回復し、中小企業向け融資に積極姿勢を示していますが、直近の都の調査を見ても、依然として多くの中小企業において資金繰りの苦しい状況が続いております。中小企業の皆さんが新銀行東京に期待しているのは、ニーズにかなったサービスの提供と、この先、金融環境がどう変わろうとも、事業者の立場に立って支援してくれることです。こうした期待にこたえるためには、まずは経営をしっかりと立て直し、中小企業を着実に支援していくことが重要であると考えます。改めて知事の決意をお伺いいたします。次に、障害者施策についてお伺いいたします。知事が描く「十年後の東京」では、障害者の自立と社会参加が進み、障害の有無にかかわらず、だれもが安心して暮らせる地域社会の形成がうたわれております。都では、これまで、障害者が可能な限り地域で安心して生活が送れることのできるよう、障害者の生活基盤の重点的整備や就労支援策の拡充を図ってきました。特に、障害者の地域における自立した生活の場となるグループホーム、ケアホームの定員は、過去五年間で二倍以上に増加をしております。その結果、長期入所を余儀なくされていた施設利用者の地域生活への移行が進んできております。こうした中、今般、都では、障害者の地域生活のさらなる支援に向けて、東京都障害者計画、東京都障害福祉計画を策定いたしました。さきの第一回定例会の代表質問で、計画策定に向けた知事の基本姿勢などについて質問したところですが、改めてこの二つの計画のねらいと具体的な目標についてお伺いをいたします。また、障害者の自立のために、生活基盤の整備とあわせて、障害者がそれぞれの状況に応じて働くことができるよう、行政、企業、福祉施設が一体となって支援していくことが重要です。「十年後の東京」に掲げる障害者の雇用三万人増加を実現するために、都は今後、どのように取り組んでいくのかお伺いをいたします。次に、医療制度改革についてお伺いいたします。本格的な少子高齢社会を迎える中、昨年六月、医療制度改革関連法が成立しました。この改革の中では、七十五歳以上を対象とした後期高齢者医療制度の創設のほか、療養病床の再編成並びに特定健康診査等、生活習慣病予防対策の見直しが打ち出されています。良質な医療提供体制の確立や国民皆保険制度を維持可能なものにしていくという本改革の基本的方向については理解をいたしますが、患者の受け皿整備や介護サービスのあり方が具体的に示されないまま療養病床の再編成が進められ、患者や家族が不安を抱いているのではないかと懸念をされております。特に老人保健施設では、現在でも短期間に転院を余儀なくされるケースも少なからずあると聞いております。都は、東京発医療改革として、東京ERの整備や小児救急医療の充実など、さまざまな改革を行ってまいりました。今回の医療制度改革においても、首都東京として患者の視点を重視し、都民の健康と安心を支える改革となるよう、実効性のある取り組みを実施していくことが何よりも重要であります。そこで、医療制度改革に対する都の取り組みについてお伺いをいたします。また、今回の改革において、これまで区市町村が実施してきた基本健康診査を、特定健康診査・特定保健指導として医療保険者に実施を義務づけるなど、生活習慣病対策の総合的な推進を図ることとしております。しかしながら、医療保険者は、健診・保健指導に関する経験が少なく、専門的研修などの支援が必要となると考えます。生活習慣病の早期発見、早期治療に向けた仕組みづくりは、医療制度改革の一環として国が責任を持って実施すべきものであります。一方、都としても、都民の生命と健康を守るため、医療保険者への支援を積極的に行っていくべきと考えますが、所見をお伺いいたします。次に、感染症対策の充実強化についてお伺いいたします。都内で、はしかの流行が拡大し、高校や大学で集団感染による休校が続出いたしました。この中、我が党の強い要請を踏まえ、先月、都が緊急対策として、関係局が連携し、都内のすべての高校並びに集団感染のおそれのある小中学校を対象に、ワクチン接種を支援する体制を迅速に講じました。今回のはしか流行は、図らずもワクチンの重要性を再認識させられることになりました。国は、ようやく昨年から諸外国に倣い、はしかワクチンを二回接種方式としましたが、遅きに失した感は否めません。また、はしかに限らず、子どもの障害の原因となる妊婦の風疹感染の予防なども重要な課題であります。国全体で就学前の子どものワクチン接種率を向上させるべきであります。国に対して対策の強化を強く求めるべきであります。都は、こうした感染症の流行を防ぐためにどのように取り組んでいくのか、所見をお伺いいたします。次に、介護保険事業者の不正行為等についてお伺いいたします。都の実施した指導監査が発端となって、株式会社コムスンが、不正な手段により事業所の指定申請を行ったことが次々と明らかになりました。国もこうした事態を重く見て、今月六日、都道府県に対し、同社の新規指定及び更新をしてはならない旨を通知いたしました。一方、同社はこの間、都の指導監査結果に基づく処分を逃れるための廃業届の提出や系列会社への事業譲渡などを一方的に発表するなど、法の網をくぐるような不誠実な対応をとっており、コムスンの介護サービス利用者を初め、多くの都民の不安が高まっております。こうした事態を踏まえ、我が党は先般、都に対し、サービス利用者の安心を確保するため、緊急に要望したところです。そこで、今回の要望を受け、今後、都では介護サービスの利用者を初め、都民の不安を解消するため、どのように対応していくのかお伺いをいたします。次に、子育て環境の整備についてお伺いいたします。少子化は、日本の経済成長や社会保障にも影響を及ぼす深刻な問題です。少子化の進行に直ちに歯どめをかけるという困難な課題に都は率先して取り組み、未来に希望の持てる社会を実現していかなければなりません。そのために都に課せられた喫緊の課題の一つに、都内に五千人いるといわれる保育所への入所待機児童の解消です。都は、これまでも国の示す画一的な基準にとらわれず、大都市東京の実情に合わせ、独自の認証保育所制度を創設し、都民の広範な支持を得て大きな成果を上げてきました。都として、待機児童解消を初めとする総合的な子育て支援の施策展開を強力に推進すべきと考えますが、所見をお伺いいたします。また、子育て環境の整備については、実際に育てる保護者自身の意見やニーズを把握し、より実効性のある施策を構築することが必要であります。そのためには、官民が一体となって良好な子育て環境をつくり上げていこうとする機運を高めることが重要と考えますが、都の見解をお伺いいたします。次に、子どもの医療費の助成についてお伺いします。昨年六月、我が党は、国の宝であり、国の財産である子どもたちの成長をより確かなものにするためには、人間形成の核となる重要な時期に当たる義務教育終了まで社会が責任を持つことが必要との観点から、子どもの医療費助成制度の拡大を申し入れを行いました。都は、これを契機に検討に着手し、平成十九年度予算で、小中学生に対し、医療費自己負担額の一部を助成する義務教育就学児医療費助成事業を構築いたしました。さらに、先般の都知事選挙において、知事は公約として、所得格差の是正を図りつつ、中学三年生までの医療費負担をゼロにするとされました。これは、東京の子育て環境の充実を一層図ろうとするものであり、国が積極的に動こうとしない中で、知事の率先した姿勢を示すものとして評価いたします。そこで、知事の公約実現に向けた決意をお伺いをいたします。次に、教育についてお伺いいたします。子どもの基本的な生活習慣の乱れや、それを身につけさせるべき家庭の教育力の低下が指摘されております。こうしたことが子どもの学力、体力や規範意識の低下などをもたらしている傾向があるといわれております。都教育委員会では、平成十八年度から子どもの生活習慣確立プロジェクトを立ち上げ、社会全体で家庭教育を支援する取り組みを行っております。とりわけ、公立小学校の入学説明会でわかりやすく説明したDVDの上映や、新一年生全保護者にテキストを配布した取り組みは、大変好評であると聞いております。こうした取り組みを社会全体へ広げていくためには、啓発資料の配布を一年で終わらせることなく、継続していくことが必要です。さらに、関係各局との連携を深めることはもとより、企業や医師等の専門家の協力を得るなど、横断的に取り組む必要があると考えます。そこで、このプロジェクトについて、今後どのような考えで取り組んでいくのかお伺いをいたします。本来、親は、子どもの豊かな情操や基本的な倫理観、自制心、自立の心を養うなど、子どもの教育について第一義的責任があります。ところが、今や子どもの成長に関心が薄かったり、過保護だったり、干渉のし過ぎだったりする親もいます。このような親を育ててきた私たち世代の責任も痛感せざるを得ません。こうしたことを繰り返さないためには、家庭の教育力をみずから高める取り組みだけではなく、それを地域社会で支え合う仕組みが必要であります。改正された教育基本法に、家庭教育、幼児期の教育や、学校、家庭及び地域住民等の相互の連携協力などが新たに規定されました。家庭が教育の原点であり、その役割を明確にするとともに、学校、家庭、地域が緊密に連携して子どもの教育に当たるという視点を明確にしたものです。そこで、心の東京革命では、心の東京ルールや学校、地域及び社会全体でそれぞれの具体的な取り組み内容を掲げてきましたが、都教育委員会としても、こうした心の東京革命や法改正の趣旨を踏まえ、家庭の教育力向上を社会全体で支援する具体的な仕組みを示すべきと考えます。今後、どのように進めていくのかお伺いいたします。次に、特別支援教育についてお伺いいたします。平成十九年四月に改正学校教育法が施行され、特別支援教育が本格的に実施されました。東京都では、既に平成十六年に東京都特別支援教育推進計画が策定され、国に先んじてさまざまな取り組みを進めております。しかし、特別支援教育は緒についたばかりで、まだまだ多くの課題があります。我が党では、特別支援教育をさらに推進するため、文教部会特別支援教育小委員会が、美しい日本における特別支援教育と題する報告書をこの五月に出したところです。都は現在、東京都特別支援教育推進計画の第二次実施計画を作成していると聞いております。その際、知的障害のある子どもたちのための教室の確保や、肢体不自由の子どもたちの通学時間の軽減など、障害のある子どもたちへの十分な教育環境の整備を図るため、特別支援学校の再編成が重要な課題と考えます。さらに、「十年後の東京」でうたわれている障害者の自立と社会参加を進めるための三万人以上の障害者雇用に向けた学校の取り組みも非常に重要と考えます。これらに関し、第二次実施計画の策定に当たっての所見をお伺いいたします。また、近年、障害者を取り巻く社会環境、医療の進歩や障害の多様化、重度化などを踏まえた障害のある子どもたち一人一人のニーズに合った教育を行っていく必要があります。そのためには、個々の教員の資質能力の向上とともに、学校現場に多様な専門家がかかわるような指導体制の構築も必要なことと考えます。こうした、国を先導していくような東京都独自の取り組みについても第二次実施計画に盛り込んでいくべきと考えますが、所見をお伺いいたします。以上をもちまして私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)遠藤衛議員の代表質問にお答えいたします。まず、政、政治の本質についてでありますが、私自身の国政経験からいえば、残念ながら国の政治家の多くは正当な歴史観を欠き、持つべき危機意識が非常に希薄なままに目先の利益に拘泥するばかりか、独善的で国益よりも省益を優先させてはばからない国の官僚に操られるままという態様の気がいたします。そのありさまは、とても真の政治とはいえない気がいたします。政治の本質は、都民、国民の生命と利益を政治家の責任で守ることでありまして、そのためには治安、医療、福祉あるいは教育、環境、さらには災害対策など、あらゆる手だてを着実に講じるべきだと思います。私、都政のかじ取りを預かって以来、こうした信念に基づきまして幾つかの対策をしてきたつもりであります。例えば、一部の政党は反対しておりましたけれども、陸海空、日本の三軍を動員して、米軍にも協力させて大都市災害のシミュレーションをし、実際訓練も行ってきました。こうした信念に基づきまして、自分自身がグッドコミュニケーターとなって、さまざまな機会を通じて都民、国民にメッセージを発信し、やっていることの理解を取りつけ、さらに都独自の具体的な政策を構えて、東京から日本を変えるべく、幾つかの試みをやってきたつもりでございます。これからも都議会の皆様の協力を得ながら、都民、国民のために必要なことを果断に実行し、首都東京からこの国に本物の政を取り戻していきたいものだと思っております。次いで、「十年後の東京」の実現についてでありますが、「十年後の東京」は、あくまで実現可能な東京の近未来図でありまして、これによって目指すべき東京の具体的な姿を国内外にはっきりと示すことができたと思っております。東京オリンピックを実現するためにも、都市インフラの整備を初め、環境、安全、文化、産業などさまざまな分野で、東京が今後十年にわたり展開していくべき先進的な取り組みの成果を、二十一世紀の新しい都市モデルにまで高め、世界に発信していくことが不可欠であると思っております。三期目を迎えまして、これからの四年間は、東京発の日本再生を確固たるものにしていくため、「十年後の東京」の実現に向けた政策を確実に、かつ迅速に実行することが私の最大の使命と思っております。また、「十年後の東京」で描いております三環状道の整備や羽田空港の再拡張、国際化、世界を代表する大都市としての先進的な地球温暖化対策、あるいは首都東京を守るための耐震化への集中的な取り組みなど、大都市の効率性、安全性の向上や国際社会をにらんだ政策展開は、ひとり東京だけにとどまらない、我が国の将来を見据えた国全体の利益につながるものと思っております。今後、都議会の皆さんと連携をさらに深めながら、年内を目途に「十年後の東京」をさらに具体化するための実行プログラムを策定し、東京がより高いレベルの成熟した都市となるように全力で取り組んでまいります。次いで、アジアの発展への貢献についてでありますが、今日、白人の世界支配という近代、現代史の原理がようやく終わりました。アジアは、その中で世界で最もダイナミックに発展を続ける地域に変貌を遂げましたが、発展に伴うゆがみも顕在化しております。特に、環境問題やエネルギー問題は、世界全体への深刻な影響が懸念され、このままでは地球は危機的な状況に陥ります。アジアのさらなる発展の重要なかぎは、東京がこれらの成長、発展の過程で蓄積した、大気汚染、ごみ問題あるいは交通渋滞などの困難、難問を克服するための技術、人材、ノウハウであると思います。アジアの経済発展を持続可能でより確かなものにしていくため、こうした東京の知見をアジア大都市ネットワークなどを通じて提供していきたいと思っております。経済分野だけではなく、東京の持つポテンシャルを生かしながら、スポーツ、芸術、文化の分野でも交流を促していきたいと思っております。こうした重層的な取り組みを、職員に首都公務員としての気概を持って先導させ、都としてアジアの全体的な発展に責任を果たしていきたいと思っております。次いで、東京国体への取り組みについてでありますが、およそ半世紀ぶりの開催となる東京国体は、首都圏の中核拠点として発展する多摩地域や、豊かな自然に満ちあふれた島しょ地域など、首都東京のもう一つの、県外の人には思いがけないだろう顔を全国に発信する絶好の機会であると思っております。このため、都民の幅広い共感と賛同を得て開催への機運を盛り上げ、全都を挙げて成功へと導かなきゃならないと思います。来月早々にも東京国体準備委員会を設立しまして、都議会を初め、区市町村、経済産業界、スポーツ団体など、各界各層の方々にご参加いただき、開催準備に万全を期していきたいと思っております。次いで、スポーツ振興の戦略についてでありますが、東京マラソンや丸の内で先般行われましたストリート陸上などのスポーツイベントは、都民に大きな感動を与え、スポーツへの関心を大いに高めたと思います。この機運をとらえて、都民がスポーツに親しむ機会を拡大し、スポーツ実践層のすそ野を広げていくことは、オリンピック憲章の定めるスポーツ・フォア・オールの発展にもつながることだと思います。今後、速やかにスポーツ振興審議会を立ち上げ、オリンピック招致都市にふさわしい新たなスポーツ振興戦略を策定し、子どもから高齢者まで、だれもが生涯を通じてスポーツに親しめる社会を実現したいと思っております。次いで、東京大気汚染訴訟についてでありますが、東京都はみんなして、これまで大気汚染の問題を抜本的に解決するため、ディーゼル車排出ガス規制などによる大気改善や、三環状道の整備などによる交通渋滞の解消に取り組んでまいりました。東京地裁で本訴訟の判決を受けた際も、正当な文明批判の視点に立って大局的に判断し、患者救済を最優先に考えて、控訴を断念するとともに、和解に向けて医療費助成制度の創設を提案いたしました。今回、長い道のりではありましたが、都と都議会とが手を携えて強力に進めてきた取り組みが、ようやく国を動かしたと思います。環境問題についての歴史認識や、強い危機感を持っている安倍首相だからこそ、東京のメッセージをしっかり受けとめて国の姿勢を大転換させ、歴代内閣がなし得なかった決断をすることができたと思います。私としては、安倍首相の英断を高く評価しております。二十世紀の負の資産ともいうべき大気汚染問題の解決に向け大きく前進したことで、今後は温暖化など、地球の未来にとって極めて深刻な諸課題にも都として全力で取り組んでまいります。次いで、気候変動対策への取り組みについてでありますが、地球温暖化のもたらす気候変動の危機はもはや明白でありまして、これを回避するためにはCO2の排出量を劇的に削減することが必要である。つまり、節電です、節電。都は、実効性のある具体策を提示できない国を待つことなく、今般、気候変動対策方針を定めました。「十年後の東京」に掲げたCO2排出量を二〇二〇年までに二〇〇〇年比で二五%削減するという目標を達成するために、今後数年間を低CO2型社会への転換始動期と位置づけ、戦略的、集中的に対策を実行していくつもりでございます。大規模事業所に対する節電による削減義務化や排出量取引制度は、来年度じゅうの条例改正を目指すとともに、民間資金、地球温暖化対策推進基金、税制等を活用して、必要な投資は大胆に実行したいと思っております。こうした取り組みを通して、世界で最も環境負荷の少ない都市を着実に実現し、日本の気候変動対策をリードしていきたいと思っております。次いで、新たな緑化募金についてでありますが、緑あふれる東京の再生は、「十年後の東京」の具体化に向けた極めて重要な課題であります。その第一歩として、ごみや残土で埋め立てられた島を緑の島に生まれ変わらせ、東京湾から都心への風の道をつくり出したいと思っております。このために、中央防波堤内側処分場に海の森を本格的に整備いたします。整備に当たっては、都民や企業などの幅広い参加と協力を得て進めてまいりますが、中でも海の森の苗木については、都民から海の森募金を募り、都民と協働して森を育てていきたいと思っております。ぜひ多くの都民の皆さんのご協力をいただきたいと念願しております。さらに、この募金は、海の森にとどまらず、街路樹の倍増など緑化を広範かつ強力に進めるため、ことしの秋に新たな緑化募金に拡大いたします。こうした募金の活用を初め、従来の行政の枠を超えた新しい発想で、広く緑のムーブメントを巻き起こしていきたいと思っております。次いで、都の財源を奪う動きについてでありますが、国は地方を厳しい状況に陥らせた張本人でありながら、みずからの責任を棚上げして、本来なされるべき国と地方の分権改革の議論を都市対地方の構図にすりかえようとしております。国のこうした小手先の手法では、問題は解決できません。国からの権限と税源の移譲、地方交付税を含む財政調整機能の充実、これらを一体的に実現することこそが必要であります。先日、神奈川県、愛知県、大阪府の知事さんと会談を行いまして、地方同士の連携の重要さを確認するとともに、緊急アピールを取りまとめ、昨日、官房長官に申し入れを行ってまいりました。ともかく小渕内閣時代にせっかく地方分権一括法なるものができましたが、あの付記に、ただし、税財源の分与、譲与は中長期の目的であるというつまらぬ付記がついておりますけれども、現在の内閣の尾身財務長官なる男は、とにかく今後一切、税源の分与は地方にしないと公言してはばからない。こういう時代錯誤というか、面妖な大臣がいる内閣に、私は地方分権なんていうのは本当に推進できないと思っています。今後も国の理不尽な動きに対抗し、都議会の皆様と力を合わせて、真の地方分権の実現に全力で取り組んでまいります。次いで、高速道路の料金体系の見直しについてでありますが、今週末、圏央道が関越道から中央道まで開通いたします。また、年末には中央環状線が池袋から新宿まで開通するなど、首都圏三環状道路の整備が着実に進んできております。首都圏の高速道路ネットワークの機能を十全に発揮させていくためには、現在の入り組んだ料金体系を、渋滞解消に役立ち、かつ利用者にわかりやすいものに改める必要がございます。このため、都は、環状道路の利用を促進する政策的な料金の導入や、将来的な料金の一元化など、首都圏の高速道路の料金体系を一都三県の連携によって提案し、その実現を国に強く働きかけてまいります。今週末の土曜日に、できました圏央道とのコネクションの開通式がありますが、地元の八王子の黒須市長以下八王子の幹部が、こんなばかな料金体系があるかというので、そのテープカットの式には参加しないというボイコットを表明しています。これは本当に気持ち、わかりますよ。わけのわからない料金体系で、相手側のいい分は、要するに時代が違って工費に金がかかったからということで、料金が違うのは仕方ないといっていますけれども、計算してみましたら、新しく開通する道路は一キロ当たり四十円ですか。ところが、反対側を回れば一キロ当たり二十五円という、こういう格差がまかり通るというのは本当におかしな話でありまして、これは国のイニシアチブで変わるべき問題だと思いますけれども、その道路を保有し、利用する地方であります東京も、この問題については重大な関心を持って、こういったものの是正に他県とも協力して働きかけていきたいと思っています。次いで、新銀行東京についてでありますが、開業からこれまでに一万六千六百件の融資、保証を実行しており、中小企業金融において重要な役割を果たしてきたと思います。しかしながら、計画を上回る不良債権の発生などにより、経営が極めて悪化しました。今般、新銀行東京は、平成二十一年度の単年度黒字を目指して新たな経営計画を策定するとともに、代表を銀行出身の森田氏に交代することといたしました。立て直しに向けては、都としても、大塚前副知事を含め、五人の幹部職員を派遣し、支援することにいたしました。しかし、多額の不良債権が発生したことなど、経営結果は到底納得できないものでありました。今後、その原因を整理しなければならないと考えております。この過程で、私も幾つかうっかり発言をいたしまして、あることの是正を求めましたが、株主としての立場というのをそんたくしてほしいという苦情が入りまして、口をつぐみましたが、結果としてこういうことになりました。ゆえにも、人事も一新いたしましたが、こういう困難な条件のもとであっても、新経営陣とともにベストを尽くして、中小企業に対する金融支援を一層充実していきたいと思っております。次いで、中学三年生までの医療費助成についてでありますが、次代を担う子どもたちは社会の宝でありまして、子どもたちが健やかに育つ環境を整備することは、行政はもとより、社会全体の責務であります。都はこれまで、認証保育所の創設や小児救急医療体制の整備など、国に先駆けて子どものためのさまざまな独自の施策を展開してまいりました。子育てにかかわる経済的支援については、本来、国が実施すべきものでありますけれども、国の取り組みが不十分であることから、私も公約として、所得格差を踏まえつつ、あくまでも所得格差を踏まえつつ、だれもかれもというわけにはいきません、中学三年生までの医療費負担をゼロにすることにいたしました。本公約については、今後、実現に向けて準備を進めてまいります。なお、他の質問については、警視総監、教育長及び関係局長から答弁いたします。〔警視総監伊藤哲朗君登壇〕 # 警視総監(伊藤哲朗君) 警視総監(伊藤哲朗君)銃器事犯への取り組みについてお答えいたします。我が国が良好な治安を保ってきた要因の一つに、銃器に対する厳しい規制、取り締まりが挙げられるところであります。しかしながら、近年、暴力団がけん銃を使用する事案が多数発生したことから、警視庁では、かねてより暴力団総合対策やけん銃等摘発総合対策を強力に推進し、暴力団の徹底検挙に取り組み、武器庫の摘発や密輸、密売事犯の検挙など、けん銃の押収に努めてきたところであります。その結果、最近の都内におけるけん銃発砲件数は、平成十三年の五十八件をピークに減少傾向にあり、昨年は三件でありましたけれども、本年に入りまして、暴力団によるけん銃使用対立抗争事件やけん銃発砲立てこもり事件など、暴力団によるけん銃発砲事件が五件発生したところであります。警視庁では、引き続き、都民生活の安全と安心を確保するため、暴力団対策を徹底し、情報収集の強化、税関、海上保安庁等関係機関との連携強化による水際対策の推進など、銃器事犯の取り締まりとけん銃の押収に努めてまいる所存であります。〔教育長中村正彦君登壇〕 # 教育長(中村正彦君) 教育長(中村正彦君)四点のご質問にお答え申し上げます。まず、今後の子どもの生活習慣確立プロジェクトの取り組みについてでございます。子どもの生活習慣を確立するためには、その必要性を広く社会全体に訴えるとともに、学校、地域社会、企業、行政機関等が協働して家庭を支援し、その取り組みが地域に定着することが重要であると考えております。お話のありました啓発用のDVDやテキストにつきましては、本年度も引き続き全公立小学校の入学説明会等の時期に配布し、教育に関心の薄い保護者にも生活習慣確立の必要性が効果的に伝わるよう、活用してまいります。さらに、出産を控えた親を対象といたしました両親学級や、幼児期の保護者を対象とした家庭教育学級などを通しまして、早い時期から保護者に働きかけるとともに、都医師会や企業、関係各局等の協力を得まして、さまざまな機会に子どもの生活習慣確立のための取り組みを広げてまいります。次に、家庭の教育力向上への支援についてでありますが、都教育委員会はこれまでも、子どもの生活習慣確立プロジェクトを初めとした家庭教育支援の取り組みを進めるとともに、学校、家庭、地域の教育力の総合的な向上を図るために、企業、大学、NPO等も含めました都レベルのネットワークづくりや、区市における地域教育連携のモデル事業など、さまざまな取り組みを進めてきたところであります。本年五月に設置しました第七期東京都生涯学習審議会におきましても、新しい教育基本法のもとでの、これからの社会教育施策のあり方について諮問したところであります。今後、審議会における家庭教育に関する議論も踏まえながら、例えばPTA団体や都医師会等とのより緊密な連携により、家庭や家庭を支える地域への施策の定着を全都できめ細かく推進するなど、家庭の教育力向上を社会全体で支援する仕組みづくりをさらに進めてまいります。次に、東京都特別支援教育推進計画の第二次実施計画の策定についてであります。平成十六年度から本年度までの第一次実施計画において、知的障害のある児童生徒の増加に応じました教室の確保や、肢体不自由の児童生徒の通学時間軽減等のため、特別支援学校の新設、増改修等を積極的に推進してきたところでございます。都教育委員会といたしましては、本年四月の改正学校教育法の施行を受けまして、特別支援教育のさらなる推進と定着を図るべく、平成二十年度から二十二年度までの三カ年を計画期間とする第二次実施計画を、本年秋を目途として策定する予定であります。この第二次実施計画におきまして、引き続き特別支援学校の再編整備を進めるとともに、障害者の自立と社会参加のため、職業教育の充実、知的障害が軽い生徒を対象といたしました高等部の計画的な設置、就労先、実習先の開拓等に取り組み、特別支援教育の一層の充実を図ってまいります。最後に、東京都独自の取り組みについてでありますが、東京都では、全国に先駆けて、養護学校への希望者全員就学及び通常の学級に在籍する児童生徒が特別の指導を受ける、いわゆる通級制度の創設等、数多くの取り組みを実施してまいりました。特別支援教育推進計画第二次実施計画の策定に当たりましては、学校現場に医療や福祉等の専門家がかかわり、一人一人のニーズに合った指導体制を構築するなど、今後も、東京都ならではの国を先導するような改革を推進してまいります。〔知事本局長大原正行君登壇〕 # 知事本局長(大原正行君) 知事本局長(大原正行君)「十年後の東京」を実現するための実行プログラムの策定についてでございます。「十年後の東京」に掲げました目標を確実かつ迅速に実現していくためには、財政、組織、政策展開が一体となりました、オール都庁の総合力を発揮しますとともに、都民、企業、行政が協働しながら、東京全体で取り組みを進めることが重要であります。ご指摘のように、地球温暖化や少子化対策、建物の耐震化促進など、全庁的な取り組みが欠かせない課題につきましては、組織横断型の戦略会議の成果を十分反映させてまいります。また、多くの都民や企業などの参加によります、広範なムーブメントを創出するための新たな手法を具体化いたしますとともに、実効性を確保するために創設をいたしました都独自の四つの基金を活用して、取り組みを加速させてまいります。今後、来月末を目途に策定方針を定めまして、各局との意見交換を行いますとともに、都議会の皆様から十分ご意見を伺いながら、知事本局の総合調整機能を最大限発揮をいたしまして、実行プログラムの策定に取り組んでまいります。〔東京オリンピック招致本部長荒川満君登壇〕 # 東京オリンピック招致本部長(荒川満君) 東京オリンピック招致本部長(荒川満君)オリンピック招致に関する三点のご質問にお答えいたします。まず、国内の招致機運の盛り上げについてでございます。これまでも、東京大マラソン祭りを開催するとともに、スポーツ大会や地域イベントにおけるPRブースの出展、パンフレットの配布、横断幕やのぼり旗を用いた広報活動を展開してまいりました。また、去る五月二十四日には、東京オリンピック招致大使として、マラソンの有森裕子さん、野球の星野仙一さん、柔道の山下泰裕さんを任命いたしました。今後は、さらに招致機運を盛り上げていくために、スポーツ界のみならず、各方面で活躍している多くの方に招致大使をお願いしてまいります。また、町内会や商店街と連携したPR、例えば東京五輪音頭を用いた夏祭りでの盛り上げ、ロゴマークを活用したポスター、フラッグ、ピンバッジ、横断幕等によるPR、さらには、メダリストを初めとするオリンピック出場選手によるフォーラムの全国展開、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌等のマスメディアの活用など、各種の方法を用いながら、都議会を初め、JOC、競技団体、国、区市町村、企業、経済界等と連携して、今まで以上に広がりのある広報展開を戦略的かつ効果的に行い、招致機運を強力に盛り上げてまいります。次に、晴海に建設予定のオリンピックスタジアムについてでございます。オリンピックスタジアムは、開会式や閉会式、陸上競技などが開催され、世界じゅうから多くの観客や大会関係者が集まる、大会の象徴となる施設でございます。晴海は、東京の新たな発展の可能性を有する臨海地域に位置し、そこに建設されるオリンピックスタジアムは、水と緑のすぐれた景観を有し、東京の新しいランドマークとなることが期待できます。また、ご指摘の、現在国立競技場がある神宮と晴海を比較した場合、第一に、神宮では十万人規模のオリンピックスタジアムや補助競技場等の建設用地が確保できないのに対し、晴海はそうした用地が確保できること、第二に、神宮に比べ、晴海は選手村予定地の有明北地区から至近距離にあること、第三に、神宮は都市計画法等の規制が多いことなどの状況にございます。以上のことから、オリンピックスタジアムを晴海に整備することを決定したものでございます。最後に、都立によるオリンピックスタジアムの整備についてでございます。都は、昨年六月に開催概要計画書を発表して以来、一貫してオリンピックスタジアムを国立で晴海に整備することを国に要望してまいりました。しかし国は、東京に二つの大規模な競技場を建設することはできないとの立場をとり続けております。そのため都は、オリンピックにふさわしいスタジアムを提供する開催都市としての責任を果たすとともに、大会後も、都民の貴重な財産として、スポーツ、文化の拠点を残すとの観点から、都立で整備することとしたものでございます。整備に当たりましては、国費の調達や民間資金の導入に最大限努めてまいります。〔生活文化スポーツ局長渡辺日佐夫君登壇〕 # 生活文化スポーツ局長(渡辺日佐夫君) 生活文化スポーツ局長(渡辺日佐夫君)スポーツ選手の競技力の向上についてでございますが、六年後に迫った東京国体で活躍できる選手や、将来性豊かなジュニアの育成強化を図るため、都は、今年度、地区体育協会との連携によるジュニア育成地域推進事業等を大幅に拡充いたしました。こうした事業の効果を一層高めるためには、成長段階に合わせた指導プログラムの整備と普及、優秀な指導者の確保と育成、スポーツドクター等の医科学スタッフによる支援などの体系的な仕組みづくりが必要でございます。このため、都はこの七月に、区市町村、東京都体育協会、競技団体や学校関係者、JOC委員などのスポーツ関係有識者等で構成する東京都競技力向上推進本部を設置し、オリンピック等の国際舞台でも戦えるトップアスリートの発掘、育成を図ってまいります。〔環境局長吉川和夫君登壇〕 # 環境局長(吉川和夫君) 環境局長(吉川和夫君)CO2の削減に向けた今後の取り組みについてでありますが、CO2排出量の大幅な削減を着実に推進するため、まず、都庁みずからの率先行動として、世界最高水準の省エネ仕様を都施設の新築、改築時に全面適用するなど、先進的な取り組みを進めていくとともに、地球温暖化対策都庁プランを改定し、大幅な削減を図ってまいります。また、家庭における省エネの取り組みを推進するため、白熱球一掃作戦をこの夏から展開するなど、積極的な広報活動を通じて省エネや節電がCO2削減に直接結びつくことを都民がわかりやすく実感できるよう、工夫を凝らしてまいります。さらに、中小企業等における省エネ努力の支援に当たりましては、省エネ設備の導入に必要な初期投資費用の調達が円滑に進むような仕組み等を構築してまいります。〔中央卸売市場長比留間英人君登壇〕 # 中央卸売市場長(比留間英人君) 中央卸売市場長(比留間英人君)築地市場のアスベストの状況と現在地再整備の可能性についてでございますが、築地市場では、施設の広範囲にわたりアスベストが使用されておりました。しかし、飛散のおそれのあるものにつきましては既に除去し、水産仲卸売り場の屋根や駐車場のはりの部分などに、現在もアスベスト含有建材が使われてございますけれども、これらはすべて封じ込められた状態であり、安全性は確保されております。築地市場の現在地再整備につきましては、整備を行う場合には、営業を継続しながら工事を行う必要がございますが、現状の過密、狭隘の中では、ローリング工事用のまとまった種地を確保することができません。これに加え、ただいま申し上げましたアスベスト対策として、仲卸売り場等を密閉し、隔離した状態で解体処理を行うことが必要となり、市場業者の一定部分が営業を停止せざるを得ず、営業活動に深刻な影響を及ぼすことになるなど、厳しい制約条件が多いことから、現在地再整備は不可能であると考えております。次に、豊洲新市場予定地における土壌汚染対策等に関する専門家会議の今後の進め方についてでございますが、都は、豊洲新市場予定地の土壌汚染対策などについて、科学的、客観的な検証を行うため、公平、中立な立場の専門家による専門家会議を発足をさせました。去る五月十九日に開催されました第一回会議では、東京ガス株式会社が実施した土壌汚染調査に対する評価を行った上で、ベンゼンなどの揮発性物質のガス化への対応、地下水の管理の重要性、地下室等の施設配置のあり方などにつきまして、活発に意見交換が行われ、その中で、都民や市場関係者の不安を解消する観点から、一部、追加調査の必要性も指摘されたところでございます。第二回以降の会議におきまして、追加調査の内容や範囲、新たな対応策の必要性などを議論し、本年九月を目途に具体的な提言をいただく予定でございます。都は、こうした専門家会議の検討や提言を踏まえて、必要な措置を確実に実施し、豊洲新市場を都民が安心できる市場として開場させてまいります。〔主税局長熊野順祥君登壇〕 # 主税局長(熊野順祥君) 主税局長(熊野順祥君)不合理な財源調整の動きに対する反論についてでございます。そもそも、地方におきます法人課税は、法人が事業活動を行うに当たり、自治体が提供する行政サービスを利用することから、その応益関係に着目いたしまして、応分の負担を求めるものでございます。これに対しまして、法人二税の税収の人口基準による再配分あるいは消費税と法人二税との入れかえといった考えは、課税の根拠、そして法人二税の果たす役割を全く無視するもので、地方税の基本原則から外れており、地方分権改革の流れにも逆行するものでございます。都といたしましては、東京都税制調査会にも検討をお願いし、大都市特有の財政需要に見合う税財源が確保されるよう国に対して求めていくとともに、都議会のご協力もいただき、また、他の自治体とも連携して、こうした大都市の税源を奪うための地方法人課税の見直しなど理不尽な税制上の措置に対し、あらゆる機会をとらえて反論してまいります。〔財務局長村山寛司君登壇〕 # 財務局長(村山寛司君) 財務局長(村山寛司君)都の税財源をめぐる今後の取り組みについてでございます。秋以降の正念場の議論におきましては、都として重要なことは、問題の論点とそれに対する都の立場をより鮮明にしていくことでございます。そのため、まず今日の地方財政の厳しい状況が、国自身が行ってきた地方交付税の大幅な削減の結果生じていることを実証的に示すことにより、国の責任を明らかにしてまいります。同時に、東京には、これからまさに更新期を迎える社会資本ストックへの対応や大都市特有の需要など、みずからの税収で賄うべき膨大な財政需要が存在することなどを明らかにしてまいります。今回公表いたしました反論ペーパーにつきましても、こうした点に留意して一層充実を図り、国などが主張する都税収入の直近の増加傾向のみをとらえた誤った東京富裕論への反論をさらに強め、都議会の皆様とともに、東京の財源を奪おうとする理不尽な動きに対抗してまいります。〔会計管理局長三枝修一君登壇〕 # 会計管理局長(三枝修一君) 会計管理局長(三枝修一君)公会計制度改革についてでございますが、これまで効率的な行財政運営や都民への説明責任の一層の遂行など、都庁の体質改善に寄与することを目的として取り組んできたところであります。平成十八年度決算では、従来の官庁会計決算に加えまして、全国で初めて複式簿記・発生主義会計による財務諸表を作成いたします。行政の特質を考慮しながら民間の企業会計原則に準拠し、新たに資産や負債などストック情報や減価償却費などのコスト情報を明らかにしてまいります。具体的には、一般会計及びすべての特別会計について、会計ごと及び局ごとの財務諸表を提示いたしますとともに、お話にありました事業別の情報についても作成することといたします。また、新公会計制度による初めての決算を、都民や議会にわかりやすくお示しできることができるよう、今後、その方法などについて関係各局と検討を進めてまいります。〔青少年・治安対策本部長舟本馨君登壇〕 # 青少年・治安対策本部長(舟本馨君) 青少年・治安対策本部長(舟本馨君)地域防犯モデル事業についてでございますが、本事業は、マンションなどの共同住宅を含む地域の防犯力を向上させることを目的としております。共同住宅の居住者と地域の町会、自治会などが連携して行う地域防犯活動を、都、区市町村、警察署が支援するものでございまして、今年度は、都内の五つのモデル地域で実施することとしております。具体的には、町会などの自主防犯活動に対する支援に加えまして、共同住宅への防犯カメラの設置などを促進するほか、街路灯の設置、植栽の剪定など、周辺の防犯環境の改善にもあわせて取り組んでまいります。地元の区市及び警察署などと連携を密にし、各地域の特性に応じて、ハード、ソフト両面からの総合的な防犯対策を行ってまいります。〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕 # 都市整備局長(只腰憲久君) 都市整備局長(只腰憲久君)まず、都営住宅からの暴力団員の排除についてでございます。今回の条例改正案では、暴力団員の都営住宅への入居を認めないこととするとともに、既に入居している暴力団員についても、明け渡し請求を行うことができることといたしました。現在、実施に向けて、暴力団員であることの確認方法や、明け渡しに当たって警察官の同行を得る具体的な仕組みなどにつきまして、警視庁と協議中でございます。今後、警視庁の継続的な協力を得ながら、条例改正の趣旨を踏まえ、着実に取り組んでまいります。次に、豪雨対策基本方針についてでございます。近年、増加しております集中豪雨に対処するため、学識経験者による委員会を設置し、検討を進めてまいりました。この基本方針では、豪雨や浸水被害の発生頻度などを分析し、長期的な見通しを踏まえて、今後十年間で重点的に取り組む豪雨対策の促進エリアを設定することとしております。また、河川や下水道の整備計画を超える降雨により浸水被害が発生する場合であっても、床上や地下空間への浸水の防止、生命の安全確保に必要な減災のための対策を示すとともに、その実現に向けた公と民との役割分担も明確にしてまいります。近く中間のまとめを公表した上で、都民や関係機関の意見を聞きながら基本方針を早急に策定し、緊急性を有する対策から優先的に取り組んでまいります。〔建設局長道家孝行君登壇〕 # 建設局長(道家孝行君) 建設局長(道家孝行君)三点のご質問にお答えいたします。まず、多摩地域における河川整備についてでありますが、水害から都民の命と暮らしを守るためには、河川整備の明確な目標を設定し、それに向かって事業を推進していくことが重要であります。中小河川では、十年間で過去の水害と同規模の降雨による溢水の九割を解消し、残りの一割についても、被害の程度を大幅に減少させることを目標に事業を進めております。これまで、多摩地域の河川については、護岸や調節池などの整備を鋭意進めてきた結果、五〇ミリ降雨に対する治水安全度は、平成十八年度末で七四%になっております。引き続き目標達成に向け、空堀川や野川、入間川など、過去に河川の溢水により被害が発生した箇所において、五〇ミリ対策の完了を目指し、積極的に整備してまいります。今後とも、国費などの財源確保に努め、従来にも増して事業のスピードアップを図り、多摩地域における水害の早期解消に取り組んでまいります。次に、多摩地域の河川整備における自然を生かした取り組みについてでありますが、河川の整備においては、治水機能を向上させ安全性を確保した上で地域の自然に配慮し、人々に親しまれる河川環境を創出していくことが重要であります。これまでも、野川や平井川など多摩の河川では、緑豊かな遊歩道や緩やかな傾斜の護岸を整備するなど、人々が水辺に近づける工夫をするとともに、魚や昆虫、水鳥などにも優しい多自然川づくりを進めてまいりました。今後とも、地元自治体の協力や住民の参加を得て、多摩の豊かな自然を生かした安全で潤いのある川づくりに努めてまいります。次に、橋梁の長寿命化対策についてでありますが、高度成長期に集中して整備した橋梁が、近い将来、一斉に更新時期を迎えることから、かけかえ時期の平準化と総事業費の縮減を図る必要があります。このため、都は、全国に先駆け、橋梁に資産管理の手法であるアセットマネジメントを活用した予防保全型管理を導入しております。これまで実施してきた健全度調査の結果から、将来の損傷や劣化を予測して、適切な時期に最新技術により橋梁の耐久性を向上させる対策などを盛り込んだ長寿命化計画を今年度中に策定いたします。今後、この計画に基づき、国の重要文化財に指定された清洲橋など著名な橋梁や長大橋、主要幹線の橋梁について、橋げたや基礎の増強などの長寿命化対策を行い、効率的、効果的な管理に努め、都民の貴重な財産を次世代に継承してまいります。〔交通局長島田健一君登壇〕 # 交通局長(島田健一君) 交通局長(島田健一君)日暮里・舎人ライナーの運営主体になるに当たっての意義と決意であります。日暮里・舎人ライナーを安定的に経営していくためには、交通局みずからが運営主体となることが適当であると判断し、今回、東京都日暮里・舎人ライナー条例案を提出いたしました。日暮里・舎人ライナーは、区部北東部の交通利便性の向上や地域の活性化に大いに資するものと認識しており、運営に当たりましては、安全を最優先にしつつ、日暮里・舎人ライナーが地域とともに発展するよう、都営交通ネットワークも活用しながら、乗客の誘致を進めてまいります。あわせまして、コストの圧縮など経済性の向上に努め、経営の早期安定化に取り組んでまいります。〔産業労働局長佐藤広君登壇〕 # 産業労働局長(佐藤広君) 産業労働局長(佐藤広君)六点のご質問にお答えをいたします。まず、川魚の復活についてですが、多摩川は都民にとって身近な憩いの場であり、観光資源としてさらなる活用を図る上でも、魚であふれる豊かな川を取り戻すことは重要であると認識しております。そのため、都では、平成十八年度から、水産業振興プランに基づきまして、アユやヤマメの産卵場の造成や魚道の維持管理体制の整備などの取り組みを、関係機関と連携を図りながら進めております。今年度は、これらに加え、魚の良好なすみかを復活させるため、川に大きな石を配置して瀬やふちを創出するパイロット事業に取り組んでおります。今後とも、多くの都民が魚と触れ合い、楽しさを満喫できるよう、川魚の復活に努めてまいります。次に、多摩川のアユについてですが、釣りなどの遊漁振興とともに、都民に身近な食材として普及するためには、多摩川に香り豊かなアユを取り戻すことが大きな課題と考えております。このため、都では、平成十八年度から、アユの香りに影響を及ぼす要因の究明と水の浄化などに効果がある木炭を活用した改善方策につきまして、大学等の専門家と連携しながら検討を行っております。今後、検討結果を得た上で、香り豊かな多摩川のアユの復活に向けて、さらに取り組みを進めてまいります。次に、多摩地域における産業交流機能の強化についてですが、圏央道等の都市インフラ整備を契機とした異業種、異分野間や都域を超えた連携など、多様な産業交流が多摩シリコンバレーの形成にとって極めて重要と認識しております。このため、産学公連携や高度な技術支援などを一層推進すべく、多摩産業支援拠点を着実に整備してまいります。さらに、今後、関係局から成る検討組織を設置し、産業交流機能の強化に向け、ハード、ソフト両面から具体的な施策を検討してまいります。次に、地域資源の活用についてですが、中小企業が、東京において長年にわたって培われた独自の技術や特産品などの地域資源を生かし、新商品や新サービスを創出していくことは、地域産業はもとより、都内産業全体の底上げを図る上で極めて重要と考えております。こうした認識に立って、都は現在、区市町村と連携し、地域資源の掘り起こしを進めているところであります。今後、国や区市町村、商工関係団体とも連携しながら、地域資源を活用した中小企業の新事業創出に向けた取り組みを強力に支援してまいります。次に、都市農地の保全についてですが、都はこれまで、国に対して農地制度の改善を要請するほか、農業後継者の確保育成や魅力ある都市農業経営の確立などを目的としたさまざまな農業振興策を通じて農地保全を図ってまいりました。今年度は、生産緑地制度や相続税制度等の改善を国に強く要請するとともに、都独自の農地保全策に取り組んでまいります。具体的には、地域住民と農業者の相互理解を促進する場の設定など、住宅と農地の共存に向けた区市の取り組みへの支援を行うとともに、農業の継続を支援するため、農作業受委託の仕組みを構築してまいります。今後とも、都民の貴重な財産である都市農地の保全に向け、積極的に取り組んでまいります。最後に、新銀行東京の決算についてですが、融資、保証残高は三千二百十億円で、計画比七五%、預金残高は五千二百三十一億円で、計画比一〇九%となっております。また、当期損失は五百四十七億円となり、計画を大きく上回りましたが、その主な要因は、十分な貸し倒れ引き当てを行ったことと減損会計を適用したことによるものであります。これにより、将来のコスト負担が軽減されたと考えております。都としても、今回の決算については厳しく受けとめており、株主の立場から、新経営陣が立て直しに向け全力を尽くすよう、積極的な働きかけを行ってまいります。〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕 # 福祉保健局長(安藤立美君) 福祉保健局長(安藤立美君)八点の質問にお答えをいたします。まず、東京都障害者計画、障害福祉計画についてでございますが、本年五月に策定をいたしました両計画におきましては、障害者自立支援法の趣旨を踏まえ、これまで都が国に先駆けて進めてきた地域生活移行の取り組みやグループホームなどの地域生活基盤の重点的整備、喫緊の課題であります就労支援の強化を基本に据えております。平成二十三年度末までの主な数値目標といたしまして、入所施設利用者の一割以上及びいわゆる社会的入院の状態にある精神障害者の五割が地域生活に移行すること、一般就労への移行者を二倍以上にすることを掲げてございます。都は、両計画を着実に推進していくことによりまして、「十年後の東京」で描きました、障害の有無にかかわらず、だれもが安心して暮らせる地域社会を実現してまいります。次に、障害者雇用の取り組みについてでございますが、東京都障害者計画では、障害者が当たり前に働ける社会の実現を基本理念に掲げてございます。その実現のため、就労面と生活面の支援を一体的に提供いたします区市町村障害者就労支援事業を平成二十三年度までにすべての区市町村で実施することを目指してまいります。また、企業での就労を体験する企業内通所授産事業を拡大するなど、障害者が地域で安心して働き続けられる支援体制を整備してまいります。さらに、庁内関係各局や企業、経済団体、ハローワークなど関係機関の連携を強化するため、今年度中に障害者就労支援協議会(仮称)を設置し、新たな雇用機会の拡大に努め、障害者雇用の三万人増加の実現を目指してまいります。次に、医療制度改革への取り組みについてでございますが、人口減社会が現実のものとなった今、医療制度につきましても時代に合った制度への改革が不可欠であります。今般の改革は、国民皆保険制度を将来にわたり持続可能なものとするため、療養病床の再編成や生活習慣病予防対策を推進していくものであります。しかし、介護施設等における医療提供の具体的なあり方が明らかになっていないなどの課題もあるため、六月十一日、国に対して緊急に提案を行いました。都といたしましては、これまで同様、患者中心の視点に立ちまして、この改革推進の柱となる保健医療計画などの策定に向けた検討を進めまして、都民が安心できる医療の実現に積極的に取り組んでまいります。次に、医療保険者への支援についてであります。生活習慣病予防対策の一層の推進のためには、医療保険者が特定健康診査、特定保健指導を効果的かつ円滑に実施することが重要でございます。このため、都といたしましても、ただいま申し上げた国への提案の中で、受診者にとって利便性の高い健診等の仕組みづくり及び必要な財政支援を行うよう、緊急提案いたしました。また、今年度、都内の全医療保険者に対し、特定健診等の計画策定に関する研修を実施するとともに、効果的な保健指導を実施するための人材育成への支援等を行ってまいります。今後とも、国の対応を踏まえつつ、東京都保険者協議会等と連携しながら、医療保険者における特定健診等の着実な実施に向けて支援をしてまいります。次に、感染症対策の充実についてでありますが、お話しのように、麻疹等の感染症の流行を予防するためには、就学前の子どものワクチン接種率を向上させることが極めて重要であります。このためには、予防接種法に基づく定期の予防接種を確実に受けてもらうことが基本でございますが、接種期間が限られているため、法定の接種を受けられない子どもが一定数おります。都は、こうした子どもへの接種を促進するため、区市町村において接種期間以外にも接種が可能となるよう、今年度から新たに包括補助制度を通じた支援を開始いたしました。今後、都は国に対して、予防接種制度の充実を初め、麻疹を根絶するための総合的な戦略を策定するよう強く要望していくとともに、流行監視体制の強化や都民への適切な情報提供など、対策の推進に万全を期してまいります。次に、株式会社コムスンの不正に係る対応についてでありますが、去る六月六日の厚生労働省からの通知を受け、都では即日、コムスンに対して、今後介護サービス事業者としての指定、更新などを行わない方針を伝えるとともに、利用者保護のため、介護サービスを低下させないこと、新たな事業者への紹介を確実に行うことなどについて指導を行っております。また、介護保険の運営主体である区市町村には、コムスンに関する事業所情報を提供するとともに、担当者会議を開催し、個々の利用者にきめ細かく対応するため、適切な相談体制の確保を依頼いたしました。さらに、介護支援専門員に対しましても、利用者からの相談に応じ、不安の解消に努めるよう、団体を通じて周知を依頼いたしました。今後は、国に対し、これまでも提案してきました不適正な事業者を排除することにつきまして、さらに実効性のある仕組みを早期に構築するよう要望してまいります。また、各事業者の法令遵守を徹底するため、今年度から、指定の更新に合わせ、都独自の取り組みとして事業者講習会を実施するとともに、指導、検査につきましても、引き続き厳正に行うことにより、都民が安心して介護サービスが利用できる体制の確立に向けて万全を期してまいります。次に、総合的な子育て支援策の推進についてでございますが、子育て支援については、子育てと仕事が両立できる雇用環境の整備を初め、課題は広範にわたっておりまして、福祉、労働、住宅など幅広い取り組みが必要でございます。こうした観点から、都は、庁内各局の連携をこれまで以上に強化し、総合的かつ機動的に施策を推進していくため、先般、副知事をトップとした局横断的な子育て応援戦略会議を設置いたしました。今後、この会議で、働き方の見直しの推進や子育て支援サービスの改革、子育てに優しい環境づくりについて重点的に検討を行い、「十年後の東京」で示した保育所の待機児童五千人の解消などを目指し、子どもと子育て家庭を支援する施策を全庁挙げて推進してまいります。最後に、子育て環境の整備に向けた機運の醸成についてであります。未来を担う子どもたちが健全に成長できる環境を整備するためには、行政はもとより、都民、企業など社会全体での取り組みが必要であります。都はこれまでも、シンポジウムの開催など次世代育成支援に向けたさまざまな意識啓発を図ってきました。今年度はさらに、社会全体で子育てを支援する機運を一層高めていくため、行政、企業、大学、NPOなどで構成する子育て応援とうきょう会議(仮称)を設置し、企業の効果的、先進的な取り組みの普及や若者の声を聞くフォーラムの開催などを機動的に行ってまいります。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。午後三時五分休憩午後三時二十七分開議 # 副議長(木内良明君) 副議長(木内良明君)休憩前に引き続き会議を開きます。質問を続行いたします。七十八番岡崎幸夫君。〔七十八番岡崎幸夫君登壇〕 # 七十八番(岡崎幸夫君) 七十八番(岡崎幸夫君)私は、都議会民主党、すなわち、田中良幹事長、馬場裕子政調会長、土屋たかゆき総務会長を先頭にして活動する三十五名の会派を代表して、都政の主要課題について知事並びに関係局長に伺います。まず、石原知事の都政運営について伺います。今回の東京都知事選挙においては、石原知事が約二百八十万票を得て三選を果たされました。今回の石原知事の勝因の一つは、都政の私物化、傲慢との批判に対して、説明不足で誤解を招いた、都民におわびをしたい、反省しているなどと率直に謝罪したことにあったともいわれています。しかし、当選が決まった際の石原知事の発言は、一部メディアの執拗なバッシングで誤解が拡大した、決して独断専行したわけじゃないなどと、批判はあくまで誤解にすぎず、単なる説明不足でしかないというものでした。これでは、石原さんは謙虚になったと評価し、都政を三たび石原知事に託した都民に対する裏切りになってしまいます。石原知事の真意を伺います。また、私たちはさきの第一回定例会において、政権内に友人を入れてはならないとの警告を進呈いたしましたが、知事は、知人、友人であろうと、要所要所で骨身を惜しまず働いてもらっておりますとされました。しかしながら、知事側近の一部に、知事の威光をかさに着て都政をゆがめる者が出かねないことは、濱渦元副知事の更迭や、この間のトーキョーワンダーサイトを初めとした一連の事態が如実に示しています。この石原知事の知人、友人の登用については、先週の記者会見において、猪瀬直樹氏を副知事に登用するとの表明がありました。石原都政における民間副知事の登用については、既に結果として更迭することとなった濱渦元副知事の例があります。この濱渦氏の副知事登用について、石原知事はどのように総括されているのか伺います。民間副知事を初めとした政治任用について一概に否定するものではありませんが、庁内外の信頼性を確保するために、安定性、透明性並びにリスク回避という観点から、新たな制度設計を考える必要も出てきているのではないかと考えます。そこで伺いますが、現在、東京都知事と都議会議員には政治倫理の確立のための資産等の公開に関する条例が課されており、本議会には規定整備のための一部を改正する条例案が提案されています。石原知事にとどまらず、副知事や知事側近の方々にも、透明性を高め、相応の責任感と緊張感を持っていただくために、副知事、特別秘書、参与の方々もこの条例の対象に加えるべきと考えますが、知事の所見を伺います。さて、知事は、選挙前、交際費に関する住民訴訟で交際費の返還を命ずる判決が出た後、この事務については日本一透明度の高いものにすると明言し、ホームページに掲載しています。今後は不透明な支出を行わないよう、襟を正していただきたいものです。その一方で、都民の求めに応じて行う情報公開については、さきの第一回定例会において、開示請求者に公平な負担を求める観点から、必要となる事務費、人件費など、実費の範囲内で徴収していると答弁しています。手間と時間がかかる、行政コストがかかるから料金を徴収するというのは、情報公開に対する基本的な姿勢の問題です。つまり、情報公開は、都が都民に求められる余分な仕事ではなく、基本的な業務の一つであって、これを請求する都民が特別な利益を享受しているわけではありません。原則として都民が求める情報を提供するのが都の責任であり、原則公開、原則無料とすべきと考えますが、いかがでしょうか。また、さきの定例会において、知事は、都の情報公開の独自性として、依頼者の五五%は圏外者(都外)と答弁されました。平成十七年度東京都情報公開制度運用状況年次報告書を見ると、請求者の内訳として、三千四百六十七件の請求のうち、都の区域内に住所を有する人が一千五百五十二件、都に法人税も納めている都の区域内に事務所または事業所を有する個人や法人などが九百九十七件となっており、七三%が都内の方です。都内在学在勤者を都内の方として算出すると、八九・八%となります。さきの答弁とは二割から三割以上もかけ離れてしまうわけですが、都外からの情報公開請求が五五%としたその根拠についてお答えください。次に、地方分権改革について伺います。都民がゆとりと豊かさを実感でき、安心して暮らせる東京を実現するため、我々は分権改革をさらに進めていかねばなりません。第二次改革が始まり、国と地方の役割分担の見直しや地方税財政制度の確立が急務となっているにもかかわらず、国や有識者から都市と地方を対立させる地域税収格差是正論が打ち出されています。まずは、先日、知事が副知事に登用するとした猪瀬直樹氏から提起された東京DC特区構想です。山手線内、山手通りで区切った都心部三百万人が住む地域を国の直轄地にする、都民の税金は国全体のものとして税収を徴収し、地方に振り分けるというものです。東京都制は、自治体東京市を廃止し、東京府に吸収する形で誕生しました。この東京DC構想は、府制をも飛び越えて国の直轄地とするもので、自治権の拡充に逆行するものであるばかりか、戦後、特別区が続けてきた自治権拡充の取り組みを否定するものでもあります。知事は民間副知事の人物像を、やってきたことを継承してくれる人、国に的確に東京側の意思を伝え、その効力がある人と語っていますが、猪瀬氏の提案する、都心を国の直轄地とする案は、知事の、都心の住民から自治権を奪うことは許されないとする基本姿勢と根本的に異なります。知事の見解を伺います。次に、総務大臣発言から始まり、国の骨太の方針二〇〇七原案に明記されたふるさと納税構想です。この構想は、政府・与党が分権改革を推進する責務を放棄し、三位一体改革で財政を悪化させた地方自治体の対立を一層あおるものとなっています。また、租税の公平性からは、選択しない納税者の負担をふやし、簡素化の点からも複雑なシステム構築を必要とする制度です。住民税の税率を一律一〇%として、国がみずから応益性を強化したにもかかわらず、その一方で地方税の原則に反する受益と負担を異にするものを打ち上げました。地域間の再分配や地方の活性化に本当に資するかどうかも不明です。自分の税金の使い道を選択したいと望む住民への対応を考えるならば、住民税の一部を地域振興を行うNPOへの補助金に指定するなど、一部の使途を特定化できる納税者投票の導入を検討するべきです。分権改革やふるさと納税構想を機に、都民の納税意識の向上に資する制度について、都の見解を伺います。一方、石原知事が知事選直前に、都民税所得割の軽減措置を発表したことは、さまざまな波紋を呼んでいます。知事によると、東京で高まっている所得格差と現行税制のゆがみを是正する措置と述べています。これにより、生活保護レベルの低所得者は都民税所得割を全額軽減されることになりますが、都民税均等割は軽減されません。また、もっと所得の少ない課税最低限以下の人々には、財政再建の還元、恩恵は全くなく、置き去りにされたままです。生活保護受給者の人々は、住民税すべての負担を免除されています。今回の軽減措置は、税源移譲によって一律一〇%と応益性を増した住民税を、六%と一〇%の変則的な累進課税にすることとなり、住民税をいびつな構造にしてしまいます。税源移譲により財政責任が高まった都において、住民税のあり方をどう考えているのか伺います。都民税所得割の軽減措置の効果は限定的であるため、低所得者対策は、税をゆがめる制度変更のみで行うべきではなく、より広い自立支援策によるべきであります。海外に目を移すと、イギリスでは、低所得者の就労促進を図るために、課税最低限以下の者には給付金を支給し、課税最低限を超えても課税により手取りが減ることのない、働くことが報われる制度を導入しています。国でも新たな仕組みとして議論を開始しています。同じくイギリスにおける失業者対策、福祉から労働へのプログラムでは、若年者や長期失業者、ひとり親世帯などに就業の可能性を高める施策を行っています。都においても、生活保護受給者に就労や保健、医療面での自立促進を行う自立支援プログラムを開始し、一定の効果を上げているところです。こうした施策を積極的に推進すべきですが、都における低所得者施策の方向性について伺います。次に、東京オリンピック招致について伺います。東京オリンピック招致委員会が、二〇一六年東京オリンピックのメーンスタジアムを都立施設として建設すると発表しました。都が日本最大の競技場を保有することになります。その建設費は約一千億円と見積もられています。昨年、知事は、スタジアムに対する国の負担を、東京に決まった時点で総理大臣からきちっと言質をとるよと言明していました。それが、ことしになり、まあ、それだっていいじゃないかと前言を翻し、続けて、その建設は設備投資で、経済効果が見込まれるから都民に迷惑をかけないともいっています。建設費に関しては、PFI方式の活用を検討する方針ですが、それで根本的に解決したわけではありません。平成十二年に東京スタジアムを二百六十億円で買い取った、知事いわく損切りした歴史を知事自身もお忘れではないと思います。そこで、このわだちを最後の最後で踏むことのないよう、当初の計画どおり、国立競技場として整備する交渉を今後も粘り強く続けていくべきです。知事の見解を伺います。JOCは、晴海のメーンスタジアムを、三方向が海で動線が一方向にしかなく、収容人数の十万人を問題なくさばくためには、より綿密な計画が必要となると指摘しています。そもそも都は、東京の交通輸送を、神宮外苑を例に、お盆で乗客数が減少するので全世界から観客を迎えられると説明しています。メーンスタジアムに関しては説明がなく、今後、地下鉄延伸か路面電車の導入を行ったとしても、帰路の十万人を運び終えるには相当な混雑が生じ、時間がかかるのではないでしょうか。大会後の採算から、東京メトロが計画に難色を示せば、建設費は都の負担になります。安全対策の面やパラリンピックのメーンスタジアムとしても綿密な計画が求められます。メーンスタジアムへの交通アクセスに関する都の見解を伺います。選挙中のオリンピックに関する世論調査では、読売新聞の賛成四九%、反対四六%の拮抗した結果から、東京新聞の、最も都政で力を入れてほしい政策では一・七%の選択しかないものまであり、決して都民の関心は高くないという結果が出ています。知事は、三選されたことにより、オリンピックが支持されたと思っているようですが、果たしてそういえるのでしょうか。また、招致委員会会長としては、さらにIOCが普及に努めるオリンピックムーブメント、大会の開催以外に十五項目ありますが、スポーツを人類のために役立てることや平和の推進や差別の撤廃、男女平等な社会の実現など、スポーツにかかわるすべての事項も同時に取り組む必要があります。また、二〇〇八年オリンピック招致で敗れた大阪は、七六%の市民から支持を受けていると主張しましたが、IOCの独自調査では、大阪は五二%、日本全体でも五一%と、半数の支持しかないとの結果が出ました。大阪の失敗を念頭に、オリンピック招致を成功させる賛同の機運をつくり出すためには、知事が行わないとした都民の意識動向を探る調査が必要であろうと考えます。都の見解を伺います。次に、震災対策について伺います。石原知事が三選直後の記者会見において、神戸の地震のときなんか、首長の判断が遅かったから、二千人余計な人が亡くなった、この反省に立って、都は自衛隊との訓練をやりましたと述べました。阪神大震災での死者は、その後の関連死も含めて六千四百三十四人、一月十七日当日に命を失った人は約五千二百人とされています。兵庫県警の検視によると、八三・七%が家屋の下敷きになった窒息死や圧死、ほとんどがほぼ即死状態で、地震発生から十五分以内に亡くなったと分析されています。ここからは、二千人という数字はどこからも出てこず、自身もその後、私、佐々さんの受け売りでねと、いい逃れています。自衛隊との連携も、兵庫県は震災前にも自衛隊との防災総合訓練を実施しており、何も石原知事の発案ではありません。この発言で一番懸念されるのは、都の災害対策本部長である知事が、正確な情報を把握することなく、誤った認識を持っておられるのではないかということであります。知事は、そうした認識で都の防災対策に取り組まれるのでしょうか。そして、首長の判断が遅かったため亡くなったとされる二千人の方々や残された遺族、被災者の思いであります。首長の判断が早ければ、これらの方々は助かったのでありましょうか。それならばという思いを知事はどう受けとめられるのでしょうか。知事には発言の説明責任があります。知事の説明を伺います。一方、知事は、阪神大震災を機に改築、耐震化された渋谷区松濤の都知事公館への居住を趣味ではないと拒否し、私邸に防災行政無線とファクスを引いて起居しています。確かに私邸の地域は総合危険度は低いのですが、被災した場合の私邸の耐震性や周辺道路が通行困難になる障害、歩くと二十分以上もかかる多摩川河川敷のヘリポートへの移動など、知事自身が被災したときの災害対策本部長としての対応は万全といえるのでしょうか。県庁の次に連絡のとりやすい場所である公舎に住んでおられた貝原元兵庫県知事であっても、どうにかして早く登庁しておればとの悔いは今も残ると、率直に反省しておられます。防災司令室の機能を持つ都知事公館は、都の国民保護計画でも、東京都立川地域防災センターに次ぐ第二順位にある被災時の代替施設であり、ヘリポートも近接しています。阪神大震災を教訓とするならば、災害対策本部長としての職務を全うするためにも、都知事公館の機能と役割について、知事自身が認識を改めるべきではないでしょうか。所見を伺います。昨年度、都は木造住宅の耐震化促進制度を創設しました。しかし、昨年度の実績は、耐震診断が八百件分の予算に対して、五百五十一件、耐震改修は四百八十件分の予算に対して、わずかに二十二件の利用にとどまっています。今年度は、耐震診断一千五百件、耐震改修五百件が予算化されていますが、さきの予算議会でも指摘したように、これでも十年間での耐震化率を九〇%以上とするには足りないわけですから、少なくともこの予算枠を使い切ることができなければ、目標達成は到底不可能であります。さきの所信表明では、耐震化促進のための都庁横断的な戦略会議を立ち上げることが明らかにされました。その中では、都が昨年度から実施している耐震化促進制度をさらに実効性のあるものへと改善していくことが検討されることと思います。例えば、昭和五十六年以前に建てられた木造住宅については、耐震診断を義務づけた上で、耐震診断、耐震改修を行えば、固定資産税を減免したり地震保険料への補助を行う、あるいは既に墨田区や足立区で実施されているように、簡易補強についても都の助成制度の対象とするなど、幾つかの制度を組み合わせることによって、だれもが耐震診断、耐震改修を行った方が得策だと考えるような条件整備を行うべきと考えます。住宅の耐震化促進のための条件整備、環境づくりに対する基本認識について所見を伺います。一方、いわゆる木造住宅密集地域においては、敷地が狭小であったり接道していないことなどから、自力での建てかえや更新のできない住宅も多く、耐震化や不燃化がなかなか進まないのが実情です。木造住宅密集地域の改善や被災者の生活再建への公費投入については、国はいまだに私有財産の形成に資することを嫌う財政規律論に固執していますが、大地震が来れば確実に危険だとわかっているにもかかわらず、また、公費を投じることで改善の可能性が高まることが明白であるにもかかわらず、有効な対策を打つことなく傍観していては、本当に被災した後に行政の不作為責任を問われかねません。このような木造住宅密集地域こそ、公費を投じて面的に耐震化や不燃化を進めていくことが必要ではないでしょうか。このような分野こそ、都がリーダーシップを発揮し、国の姿勢を変えさせていくような取り組みが求められていると考えます。木造住宅密集地域における耐震化、不燃化促進への公費投入に関する基本的考え方について所見を伺います。次に、築地市場の移転問題について伺います。四月の東京都知事選挙では、築地市場の移転予定地である豊洲の土壌汚染問題が都民の大きな関心を集め、争点の一つとして浮上しました。そもそも築地市場の移転問題をここまで大きくしたのは、市場最大の業界団体である水産仲卸の東京魚市場卸協同組合、すなわち東卸とのボタンのかけ違いを放置し、今日まで半ば強引に移転の既成事実だけを積み重ねてきた東京都の対応にあります。東卸は、築地市場の移転に関して、平成十年四月に東京都が業界各団体の一致した意思等が確認できる文書の提出をと求めたのに対して、現在地での再整備を機関決定しました。関係者の多くは、このとき東京都がさまざまな働きかけをしてきたことに対し不信感を抱き、不満を募らせていました。このような中で、平成十一年九月に石原知事が築地市場を視察し、古く、狭く、危ないと発言したことで、移転をもくろむ人たちを一気に勢いづけました。そして、石原都政のもとで、用地の売却に消極的だった東京ガスとの交渉が進められてきたのです。石原知事は、みずからの行動をトップダウンではないといっていますが、少なくとも政治的な影響の大きい知事の発言が移転を大きく後押しし、その後、豊洲の土壌汚染が指摘されても、彼らの声に十分に耳を傾けてこなかったのは事実です。東卸のメンバーらが市場を考える会を立ち上げ、もはや豊洲の土壌汚染の問題は、市場関係者だけでなく、日本じゅうあるいは世界じゅうから注目される事態となりました。私は、汚染土壌の問題が解決されず、多くの人たちが移転に疑問を抱いている中で築地市場を強引に豊洲に移転することについては、断固として反対するものです。築地市場の移転の経過に対する石原知事の見解を伺います。選挙期間中の石原知事の発言を受けて、東京都では土壌汚染対策等に関する専門家会議を設置し、五月十九日に第一回目の会合が開催されました。この会議に対しては、そもそも専門委員の数が四人では少ないとか、第一回の会合では、専門委員四人のうち一人が欠席、もう一人が途中退出するなど、最初の会議とは思われない本気度で、東京都にお墨つきを与えるだけの会議だという非難の声が出てもしかるべきです。そこで、専門家会議のメンバーを絞り込んだ理由と委員の選定の考え方、また、専門家会議の今後の運営のあり方について見解を伺います。東京都では、専門家会議の指摘を受けて追加調査をすべく、その方法を検討していると聞いていますが、売却する側の東京ガスの調査結果を前提として、足らない部分だけを追加するような調査では、もはや都民の納得は得られません。また、私たちは、東京ガス田町工場での土壌汚染対策についてもヒアリングしてきましたが、東京ガスの当時の調査と土壌汚染対策法に基づいて行われた調査とを比べると、例えば、シアンが環境基準の最大四十五倍であったものが一千九百倍となるなど、調査の方法によって結果は大きく異なります。私は、東京都が調査を実施するに当たっては、東京都自身による新たな調査が必要であると考えます。また、調査に当たっては、土壌汚染対策法に基づき、敷地全域にわたる十メートルメッシュの測定点を設けるとともに、液状化現象を考慮して、深さ二十メートル以上のボーリングを行い、汚染物質ごとの空間的分布を明らかにすべきと考えますが、見解を伺います。また、調査に当たっては、クロスチェックによるデータの信頼性を高めるべきです。クロスチェックとは、利害の対立する事業者側と住民側とが両者立ち会いのもと、同じ場所、同じ時間で同じサンプルを取り、それぞれが信頼できる調査機関に分析を依頼し、結果を突き合わせるという方法であります。最近まで安全だと繰り返し答弁していた東京都が一転して調査を行うわけですから、データに対する都民の信頼性を高めるための仕組みが必要であると考えます。調査に当たっては、例えば、いまだに豊洲への移転を機関決定していない仲卸など、立場が異なる団体立ち会いによるクロスチェックにより、データの信頼性を向上させるべきと考えますが、見解を伺います。東京都が予定している土壌汚染対策の範囲は、土壌汚染処理基準の十倍以下の有害物質を含む土壌については、現在の地盤面から深さ二メートルまでは基準以下になるように処理するとしていますが、それ以下の地盤面から二メートル以上深いところは、環境基準を超える汚染土壌がそのまま放置されるということになります。東京都の処理方法をめぐっては、毛細管現象などによる汚染地下水の上昇により、表層土壌の再汚染が起こる可能性が指摘されており、また、ベンゼンやシアン、水銀などは、ガス化することで表層面からの漏出が指摘されています。このようなことから、まずは十分な土壌汚染調査を実施した上で、その結果を踏まえて、汚染土壌の全面的な処理はもとより、地下水の管理など、食品を扱う市場の重要性にかんがみた抜本的な対策を講じていく必要があると考えますが、見解を伺います。三月二十日、東京都は、豊洲新市場にかかわるPFIのスケジュールを当面三カ月延期すると発表しました。この理由として、当初よりも手厚い土壌対策を講じることを挙げていますが、加えて施設計画についても、各業界団体から出された新たな要望を検討、反映させる必要があることを挙げています。業界団体、中でも東卸からは、かねてより、補助三一五号線により市場機能が分断されてしまうことや、荷受けと仲卸との通路の問題などが指摘されていましたが、この間、現在の衛生基準を適用すると、従来の店舗面積が確保できないのではないかといった疑問の声が寄せられています。さらに、ここに来て専門家会議では、建物の設計、配置の再検討などについて言及がされています。私はこの際、施設計画についても、汚染のリスクや業界団体の意見などをさらに反映させるため、より踏み込んだ検討、見直しを実施すべきと考えますが、見解を伺います。次に、新銀行東京について伺います。六月一日、新銀行東京は、平成十九年三月期決算及び新中期経営計画を発表しました。十八年度の最終損益は五百四十七億円の赤字で、累積損失は八百四十九億円、開業わずか二年で、東京都が出資した一千億円のうち、既に七百十五億円が棄損したことになります。私たち都議会民主党は、新銀行東京への出資には賛成をしましたが、当時議会で付された付帯決議が着実に履行されてきたとはいえません。したがって、私たち都議会民主党は、新銀行東京について、民間への売却、すなわち東京都が撤退するという前提で抜本的な見直しが必要であると考えます。石原知事は記者会見で、進むも地獄、引くも地獄などと他人事のようなコメントをしていますが、地獄に足を踏み入れた責任は知事自身にあるのではないでしょうか。新銀行を思い立った人の責任、ビジネスモデルを設定した人の責任、当時の金融情勢を見誤った人の責任、ふなれな人にふなれな仕事をさせてしまった人の責任、新銀行東京が危ない、危ないといわれていたにもかかわらず、今日まで有効な対策を打ち出してこなかった人の責任などなど、今回の経営不振の責任は、もはや知事の政治責任が問われかねない段階に入ってきたものと考えています。新銀行東京の経営責任について、石原知事の見解を伺います。新銀行東京が発表した新中期経営計画では、リレーションの観点、すなわち顧客との継続した関係を重視した経営を志向し、一般融資を大幅にふやしていくことを掲げ、また、これまでミドルリスク市場に対応するとしていたスコアリングモデルを抜本的に見直し、デフォルトの圧縮などを打ち出しています。確かに新銀行東京は、引き続き債務超過企業や赤字企業に融資をしていくという点は変わっていないのかもしれませんが、今回の経営方針の見直しによって、設立当初のコンセプトが大きく後退してしまったのは確かです。石原知事が誇らしげに述べていた、負の遺産のない新しい銀行というフレーズも、今や空虚に響くのみで、新銀行東京は、もはや都民、中小事業者のためではなく、石原知事のメンツのために、いたずらに延命させられているようにさえ感じます。石原知事は、今この時点での新銀行東京の存在意義についてどのようにお考えか、見解を伺います。既に私たち都議会民主党は、一年以上も前から、新銀行東京の融資のあり方やATMの利用実績などについて問題ありとしてきましたが、今回の対応は、何を今さらという感さえあります。その意味からも、新中期経営計画で宣言している平成二十一年度の黒字化についても、その実効性がどこまで担保されているのか疑問であります。例えば、新中期経営計画では、優良資産への入れかえとして、小口の件数増加に目を向けた営業戦略を展開することを掲げていますが、優良資産への入れかえが簡単にできるのか、店舗や従業員を大幅に削減する一方で、小口の件数増加に目を向けることが可能なのかなど、その道は容易でないように思われます。石原知事は、この新中期経営計画の実効性の担保についてどれほどの確信を持っているのか、見解を伺います。石原知事は、これまでの新銀行東京の経営不振の責任を、代表執行役でトヨタ自動車出身の仁司泰正さんに転嫁してきました。私たちは、仮に百歩譲って、その責任を代表執行役に求めるのであっても、石原知事の任命責任は問われるべきだと考えています。石原知事は仁司さんについて、率直にいって車を売るような感じがしたなどと発言してきましたが、今回、代表執行役に就任する予定の森田徹さんは、知事がたびたび批判する、真水といわれる公的資金約二兆円が投入された銀行の出身者でもあります。私は、そのことを理由に、またもやその責任を他人に押しつけるようなことはあってはならないと考えていますが、石原知事はこの森田さんにどのようなことを期待しているのか、見解を伺います。次に、都民に対する説明責任について伺います。石原知事は、定例記者会見で、知らないうちに役員が更迭されたなどと述べ、新銀行東京の透明感の欠如を指摘していました。しかし、知事が知らないという以上に、都民や議会は新銀行東京の実態を知り得ることができないのが実情です。都民からは、どこのATMや店舗が撤去されるのかといった不安の声、経営者はそれぞれどの程度の報酬を得ていたのかといった怒りの声、あるいは中小企業支援にかかわる費用対効果はどうなっているのかといった疑問の声などなどが寄せられていますが、新銀行東京は、こうした出資者である都民の声に真摯にこたえていかなければなりません。また、東京信用保証協会が毎月公表している月間の保証件数や代位弁済額、あるいは区市町村別の保証件数などのように、経営情報をより早く、わかりやすく示していく工夫も必要です。私は、新銀行東京の情報公開を積極的に進め、都民に対する説明責任を果たしていくべきと考えますが、見解を伺います。次に、福祉施策について伺います。まず、子育て支援策、中でも、まずは待機児童の解消について伺います。知事も選挙公約で待機児童ゼロを目指すとされ、さきの所信表明でも待機児童五千人の解消を述べました。新たに立ち上げられた子育て応援戦略会議においても、待機児童五千人の解消が主要課題の一つとされています。しかし、現に待機児童となっている五千人だけを見ていたのでは、待機児童は解消しません。平成十八年四月までの五年間で、認可、認証保育所合わせて一万七千人分の保育所が整備されました。平成十四年春の待機児童は五千五十六人でしたから、もし待機児童の数だけを考えていればよいのであれば、既に待機児童の問題は解決し、一万二千人分、箇所数に換算して百二十以上の保育所余り現象が起きているはずです。ところが、実際には、平成十八年四月の待機児童は四千九百八人であり、この間、百五十人程度しか減っていません。このことからも、今、保育所への入所待ちの行列には並んでおらず、統計上の数字五千人にはあらわれていないけれども、並んでいる人とそう状況は変わらない潜在的待機児童が相当数いるという認識を持って実態把握をし、思い切った対策を検討することが必要であることがおわかりいただけると思います。「十年後の東京」では、潜在的待機児童について記述がありましたが、対策について明示されておりません。待機児童についてどのようにとらえ、どのように対処しようとしているのか、この問題に対する基本認識を伺います。次に、保育料の格差についてです。保育所を利用できる人の数は限られており、依然として多くの待機児童がいる中で、各自治体や保護者からの認証保育所への評価は高く、都のヒット商品と受けとめられているようです。しかし、難点は保育料の高さです。同じように保育を必要としている家庭でも、認可保育所を利用できなければ、倍近い負担の格差が生じてしまうのです。利用料の高さや国制度である整備費等の補助金の格差から、認証保育所に対して独自の補助を行っている自治体が多くあります。保護者への直接補助が月四万円という区もあります。同じように保育を必要としている家庭でも、運よく認可保育所に入れたかどうか、また、財政状況がよく、こうした補助を行っている自治体に居住しているかどうかで大きな負担の格差が生じています。こうした大きな保護者負担格差の解消もまた重要な課題であると考えますが、所見を伺います。次に、安心、信頼の介護保険制度運営について伺います。都が行った株式会社コムスンによる介護報酬の悪質な不正請求への処分が端緒となり、国は、昨年導入した連座制を同社に初めて適用し、すべての事業所にかかわる新規の指定、更新が打ち切られる事態となりました。事業の譲渡先への引き継ぎがしっかりと行われ、利用者への介護サービス提供が絶えるような事態とならないよう、また、利用者が納得してサービスを受けることができるようにしなければなりません。初の事態であり、区市町村が対応を進める中で、さまざまな課題が生じることもあると聞きます。現場からの情報把握に努め、区市町村と連携をとり、都が行うべき指導等についてはもちろん、国においても迅速、的確な対処がなされるよう、都として全力を挙げて対応していただきたいと考えますが、所見を伺います。昨年来、都は、コムスン以外にも多数の事業者による不正請求を明らかにしてきました。民主党はかねて、民間事業者の参入により、市場の監督者としての都の役割は増大するとの認識から、ルールを破る者には厳しく対処し、市場の健全性を維持するチェック体制の強化を求めてきました。悪質な不正請求に対する都の厳正な対応を評価しております。しかし、事は一部の不心得者による不正行為と切り捨てて済む問題ではなく、多くの事業者が運営に苦慮せざるを得ない設計となっている制度にも問題があるのです。厚生労働省が介護三施設と居住系サービスの利用者数から算出した介護施設の整備率では、首都圏の一都二県でワーストスリーを占めています。これは、全国横並びに近い介護報酬と施設整備費などから、人件費や地価の高い首都圏は相対的に不利な経営環境にあるためです。二〇一五年にかけて、東京都では七十万人の高齢者増が見込まれ、サービス提供基盤の整備を進め、質の高い人材を確保しなければならない状況にもかかわらず、前回、介護報酬の単価改定では、施設系サービスの不足に拍車をかけ、低賃金と人手不足を一層深刻にする制度となってしまいました。このままでは、篤志家に頼る福祉の時代へと逆行することともなりかねません。今後、都として国に対し、こうした制度の改正を強く求め、働き手が意欲を持って取り組めるものとすることが必要と考えますが、所見を伺います。次に、暴力団員の排除について伺います。本定例会に提案される東京都営住宅条例等の一部を改正する条例案では、都営住宅から暴力団員を排除する規定が提案されています。ことし四月、町田市における都営住宅での暴力団員立てこもり発砲事件が全国的に注目を集めたところでもあり、私たちは条例改正の趣旨について否定するものではありません。この事件を受けた六月一日付国土交通省通達では、暴力団員排除規定を設ける場合には、暴力団員の動向、都営住宅における暴力団員による不法、不当行為等の状況など、都内の実情を踏まえた上で、都営住宅の入居者資格において暴力団員を一律に排除することが適当か否かについて検討することとされています。そこで、都が本条例改正が必要と判断するに至った検討の経過並びに理由について、所見を伺います。都営住宅に暴力団員を入居させないためには、入居資格審査時における暴力団員の特定が最も効果的と考えます。しかし、そのためには、暴力団員が入居資格審査のための申告書類に、みずから暴力団員と特定されるような記述をすることは考えにくいことからも、現実問題として、入居資格審査の対象者全員について警視庁への照会を行う必要が出てくるのではないかと考えられます。仮に、入居資格審査の対象者全員について照会を行うとするならば、その人数は、ポイント方式だけでも毎回千から二千名に上るわけですが、具体的な暴力団員の特定方法はどのようなものか、また、その際には、個人情報保護の観点からの配慮も必要と考えますが、所見を伺います。都営住宅から暴力団員を排除することにより、それら暴力団員が民間の賃貸住宅へ流れていくことが考えられます。民間賃貸住宅の場合、契約書の条項の中で、暴力団員であることが判明した場合には、即時、契約の解除を適用することになっている場合もあるとはいえ、都営住宅と同様に、契約時に暴力団員であるかないかの特定ができることが、家主にとっては最も望ましいことのはずです。また、入居後に暴力団員であることが判明し、仮に契約を解除したとしても、民間であればなおさらのこと、暴力団員を速やかに退去させることは非常に困難であり、警察などによる支援が求められます。本条例改正とあわせて、民間賃貸住宅での暴力団員対策を講じていく必要もあるのではないでしょうか。都がオーナーとしての立場で都営住宅から暴力団員を排除することは理解しますが、都営住宅からだけ排除すれば、それでよしと考えているのかどうか、所見を伺います。本条例が対象とする暴力団員は、暴力団対策法の第二条六号に該当する暴力団員ということで、指定暴力団だけでなく、警察で把握している全組織の組員が対象です。しかし、いわゆるフロント企業、企業舎弟など、一般社会で経済活動をしながら資金面で組織を支えている準構成員は対象外になっています。暴力団対策法の施行後、多くの組員が仮装離脱して準構成員になったといわれています。現実には、企業舎弟と暴力団組織とのつながりを特定することが困難であることもあり、本条例改正による措置によって、このような準構成員の増加が懸念されるわけですが、警視総監の所見を伺います。次に、三宅島振興策について伺います。知事が三宅島の災害復興及び産業、観光振興としてトップダウンで提案した公道オートバイレース計画が中止になりました。マン島レース視察と三宅村やモーターサイクルスポーツ協会との現地調査を終え、東京モーターサイクルショーにおいてレースの正式名称が発表されるはずでしたが、これも延期になっていた矢先でした。レースを開催するに当たり解決すべき課題である輸送や宿泊地、救援、医療体制などが山積していることに加え、メーカー各社やプロライダーからも安全面から懸念され、協力が危ぶまれたためです。我が党としても、安全の確保が困難であれば、レースの中止は当然であると考えています。島の関係者や国内のバイクファンも大きな期待をしていただけに、中止を機会にトップダウン事業の危うさを検証し、再度同じ事態を招くことのないようにしなければなりません。知事のトップダウンに都の関係局や村が振り回されたあげくのレース中止に関して、知事の見解を伺います。都は、公道オートバイレースの中止に際して、安全性の確保と関係者の協力を得たいと表明しています。バイクフェスタの参加型イベント、ツーリングラリーは、ゲーム感覚で島内一周を楽しむものですが、立ち入りが制限されている火山ガスの高濃度地区を通過しなければなりません。フェスタのメニューは、三宅島の安全対策に対して例外的な扱いを受けるものでしょうか。また、計画の変更や中止はあり得ないと考えますが、高濃度地区を通過するラリーの安全確保策について伺います。三宅島民の避難解除、帰島実現から三年目に入りました。都議会民主党も、先日、島の視察を行ってまいりました。暮らし向きについては、自立した生計を営む状況にはなってきていますが、依然苦しい生活が続いていると聞いています。健康などを理由に改めて島を離れたり、火山ガスのため帰れない方もいるため、島の人口は、依然として避難前の七割程度となっています。最近では、特養老人ホームや温泉施設の再開、アシタバの出荷、定置網漁の開始など、復興に向けた動きがありましたが、安全確保のため、噴火活動を初め火山ガスの放出の動向を注視していくことになります。今後も都は、長い時間をかけ復興を手がけていかねばなりませんが、都は、三宅島空港の再開も含め、今後どうやって三宅島の復興を図っていくのか伺います。以上で都議会民主党を代表しての質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)岡崎幸夫議員の代表質問にお答えいたします。まず、私の当選後の発言についてでありますが、議会の質問という公の場で、余りいいかげんな言葉は使わない方がいいと思いますね。私が、いつ、だれに向かって、何を謝罪しましたか。謝罪というのは、やっぱりある違法性の事例に関してとられるべき行為でありまして、私は、謝罪した覚えはありません。これは個人の名誉にかかわる問題ですから、やっぱり強く反省された方がいいと思います。私がしましたことは、誤解を招いた事例についての説明が足りなかったという反省でありまして、謝罪ではございません。今回の三選に当たり、都民の皆様は二期八年の実績を評価してくださって、三期目に掲げる政策に期待して、私に今後四年間を託そうと判断されたものと思っております。同時に、一部メディアの執拗といいましょうか、的外れのバッシングともいうべき報道について、都民も賢明に、そして冷静に、それを見抜いて判断されたと思っております。私は、選挙中、確かに問題についての説明不足はわびましたが、反省しましたが、(発言する者多し)反省の意を表しましたが、説明不足だった海外出張や交際費については、既にホームページでの公開を進め、都民の皆様への約束を履行しております。私の選挙中の発言にも当選後の発言にも、意味するところは何も変わりません。都民への裏切りという指摘は全く的外れであります。というよりも、今回の選挙で果たして民主党がプロパーの候補者を擁立したのかしないのかわかりませんが、それだけ存在感の民主党として、あの選挙におけるあいまいな姿勢というのは、都民への裏切りじゃないんでしょうか。都議会の皆様とは、こういう議論ではなくて、これから先の建設的な真摯な議論を行っていきたいと思っております。次いで、私の人脈を生かした人材登用についてでありますが、私は、都民、国民のためを考えて、国会議員として、あるいは作家として培ってきた自分の人脈を使い、都政の改革に努めてまいりました。例えば公会計制度の改革や横田基地の共用化の進展など、その成果は明らかであると思っております。役所にはない、あるいは既存の政治家にないひらめきや能力を持つ民間の優秀な人材を知事の責任で任命し、都政に役立てていくのは当然のことだと思っております。濱渦君も、副知事として、国との交渉を初め存分に力を発揮してくれました。それに、再登用した参与としても頑張ってくれております。三期目のスタートに当たって、民間から副知事を迎えることで、国との交渉をさらに強力に進めるとともに、民の発想と都庁の総力を融合した、首都東京にふさわしい体制をつくり上げていきたいと思っております。次いで、副知事等の資産公開についてでありますが、資産公開制度は、公選の職にある者が、その資産等を公開することでみずから襟を正すとともに、職務遂行に当たっての公正と公職者自身の高潔性を明らかにし、もってその政治倫理を確立することを目的とするものであります。副知事については都議会の同意を得て、特別秘書、参与は、都民の信託を受けた私の責任で任命したものでありまして、私のもとで公正に職務を遂行しております。したがって、公選の職ではない副知事等を資産公開の対象とする必要はないと思います。また、今回副知事に登用しようと思っている猪瀬氏との見解の相違でありますけれども、彼に副知事を要請したのは、彼の緻密な分析力や、国の官僚とちょうちょうはっしやり合いながら改革に取り組んできた姿勢、手腕を見込んだからでありまして、猪瀬氏の持つ他の人にない得がたい資質を、真の分権改革に向けた国との戦いの中で生かしていきたいと思っております。彼は大きな戦力になってくれると期待しております。この過程で猪瀬氏と議論し、考えを議論してきました。これからも考えをすり合わせていきたいと思っていますが、改めて、日本の心臓部であり頭脳部である東京の現実を知ってもらいまして、日本の行く末を考えれば、彼は、この東京のために正確な判断をし、行動してくれると思っております。ちなみに、彼が発言した東京DC特区の構想は一つの案でありますが、実現は全く不可能でありまして、これについても私は議論いたしました。猪瀬氏も最近、ある場所で、あれは頭の体操をしたまでといっております。ご懸念の点は心配に及びません。次いで、オリンピックスタジアムについてでありますが、オリンピックは国を挙げての一大プロジェクトでありまして、その象徴であるオリンピックスタジアムは、晴海に国立で整備するようこれまでも国に要望してきました。しかし、国は財政不如意ということで、現在の神宮の国立競技場では、IOCの求めるオリンピックスタジアムや補助競技場を建設することは不可能であります、物理的に。十年後の東京を見据えますと、スタジアムの建設場所としては、水と緑に囲まれ、建設用地も十分にある臨海部の晴海が適していると思っております。しかし、国は、東京に二つの大規模な競技場を建設できないとの立場をとっておりまして、国が動かないのであれば、都が晴海にスタジアムを整備し、必ずしもスポーツと競技のためだけでなくて、隣にあるビッグサイトも本当にフル稼働しておりますが、他の要するに催しにも使えるような、そういう建物にできるということを、主任のデザイナーであります安藤さんもいっておられますし、いずれにしろ、そういう形でスタジアムを整備し、開催都市としての責任を果たしていくのは当然だと思います。国に対しては、スタジアムの整備費等について、他の物件整備についての多面的な最大限な負担を強く求めてまいります。それから、震災対策について、その質問の前段の阪神大震災に関する発言で、私が認識を誤っているというご指摘ですが、これは決してそんなことはございません。(発言する者あり)専門家の示したデータでも、いいですか、震災が発生したのは朝六時前の五時四十六分。そして、自衛隊はそれを知って、間近に自衛隊の駐屯地がありましたが、準備を終えて、知事からの、あるいは市長からの要するに派遣要請を待っておりましたが、一向になかった。そして、それが行われたのが、何と四時間も過ぎた発災後四時間後、十時でありまして、そして、自衛隊の救助活動が始まったのは午後一時からでありまして、発災後七時間後であります。これは移動にも時間がかかったでしょう。そして、その活動の中にも、トリアージというものはほとんど行われませんし、ヘリでの患者の運搬も、発災後三日間で十件しか行うことができません。これはいろいろな障害が、要するに時間の経過とともに生じたわけでありますけれども。そして、数字は正確でなかったかもしれませんが、いずれにしろ、二千人に近い方々が亡くなった、時間の経過とともに。関連死を除いたほぼの死者は、とにかく発災直後の窒息、圧死は五千五百人。そして、その総合の死者の中から、直後に圧死された方以外、つまり的確に実施をしていれば救命できた可能性の方々、被害者が、千五百人から千七百人というのが正確な数字であります。ゆえに阪神・淡路大震災では、自衛隊の派遣の要請がおくれて、トリアージが現場でほとんど行われなかったことによって、失われなくてもいい生命が、いずれにしろ二千人近く失われたのは事実であります。これらを踏まえ、自治体からの要請を待つことなく迅速に自衛隊の派遣ができるような法令等が見直され、また、トリアージによる救護活動が本格的に実施されるようになりました。次いで、築地市場の移転の経過についてでありますが、これまた何を勘違いしているか、私のトップダウンということをいわれていますけれども、こんな大きなプロジェクトを、私の要するに独断で実現できるものではありません。そんなに簡単な、都政というのは、要するに機構にできているものじゃない。これは、あなたはこの問題に関する経過というのを事実として認識になってないようですけれども、いずれにしろ、これは鈴木、青島時代から検討されておりまして、私の代になって合意ができたので調印はいたしましたけれども、いずれにしろ、築地市場というのは開場から七十年余り経過しまして、老朽化、狭隘化が著しく、食の安全・安心に十分こたえられる施設とはいいがたい。このことは、築地市場を実際に見た人が、だれもが同じ感想を持っていると思います。封印はされておりますけど、まだあの建物には、あちこちにアスベストがたくさん使われているんです。もし、今災害が来て、要するにあの施設が崩壊しましたら、これはアスベストが飛散して大変なことになりますよ。当分、市場は使えなくなりますよ。こういった問題も含めて、築地市場については、平成三年から現在地に再整備の方針で実際に今工事に着手しましたが、業界調整の難航などによって、とめざるを得なかった経緯もあります。ということを受けて、私の就任前の平成十年に、市場業界団体から臨海部への移転検討の要請がありまして、業界と協議を重ねて、平成十三年に移転を決定したわけであります。現在、再度、現在地再整備論が一部で唱えられておりますけれども、種地がない上に、先ほど申しましたアスベスト対策も講じられる必要がありまして、市場業者の営業活動に深刻な影響を及ぼすことから、これは不可能であります。ゆえに土壌汚染対策については、既に設置した専門家会議で十分に議論していただき、本年秋に予定している提言を踏まえて、必要な措置を確実に実施していくことで、豊洲新市場を都民が安心のできる市場として開場させたいと思っております。(「クロスチェックをちゃんとやりましょうよ」と呼ぶ者あり)だから、やるといっているじゃないか。次いで、新銀行東京についてでありますが、新銀行の創設を発案し、実現したのは都でありますけれども、都はあくまでも出資者でありまして、所有と経営の分離の原則のもとに、個々具体の経営は経営者の判断で行われるものであります。したがって、経営陣は、その責任において環境の変化等にも柔軟に対応し、適切な経営を行うべきと考えております。しかしながら、新銀行東京の経営結果を見ますと、短期間で多額の不良債権が発生し、損失が拡大しております。環境の変化や事業執行状況などを踏まえた適切な経営判断がなされたものとは考えられず、到底都としても、出資者としても、納得できるものではありません。今後、その原因を整理していかなければならないと思っております。次いで、三宅島のバイクイベントについてでありますけれども、これまた、こういったイベントを決して私の一存、トップダウンでできるものではありません。ゆえにも、何年か前、三宅の村長に同道願って、マン島に行って実体験をしていただきました。そしてその結果、村長も村議会に諮って、議会は、一人だけ共産党が反対したそうでありますけれども、とにかくこれを行おうということを決定したわけですが、その間、バイク業界は最初賛成したんですけれども、メーカーの方が難色を示しましたが、それはそれで理があることでしょうけれども、確かに困難なコースではありますが、しかし、やはりそれといって、全部をあきらめて三宅島を見捨てるわけにいきません。でありますから、代案として、一部公道も使う、あるいは飛行場も使うということで、多角的なとにかくイベントをモーターサイクルを使って行いまして、三宅島の復興にサポートしたいと思っております。現在、三宅村では、事業の実施主体としてNPO法人を組織し、安全面にも十分配慮しつつ、その具体的な内容を検討しております。都としては、この事業の成功に向け、全力で支援をしてまいります。他の質問については、警視総監及び関係局長から答弁します。〔警視総監伊藤哲朗君登壇〕 # 警視総監(伊藤哲朗君) 警視総監(伊藤哲朗君)東京都営住宅条例等の改正と暴力団に対する警察の対応についてお答えいたします。都内の暴力団勢力は、平成十八年末現在で約一万六千六百五十人であり、その内訳は、構成員が約六千五百人、準構成員が約一万百五十人で、準構成員が全体の六割以上を占めている実態にあります。全国の暴力団勢力については、平成十八年末には準構成員の数が構成員を上回ったところであり、都内においては、既に平成十年末以降、準構成員の数が構成員を上回っている状況にあります。このような状況のもと、議員ご指摘のように、暴力団員が組織を仮装離脱して都営住宅に居住しようとすることも考えるところではありますけれども、警視庁といたしましては、都営住宅からの暴力団排除の実効を期すため、あらゆる警察活動を通じて暴力団の実態解明を推進し、東京都と緊密な連携を図りまして、仮装離脱した暴力団員が確実に都営住宅から排除されるように努めてまいる所存であります。〔生活文化スポーツ局長渡辺日佐夫君登壇〕 # 生活文化スポーツ局長(渡辺日佐夫君) 生活文化スポーツ局長(渡辺日佐夫君)情報公開についての二点の質問にお答え申し上げます。まず、情報公開手数料についてでございますが、情報公開条例では、公文書の開示に当たり、事務費、人件費など実費の範囲内で手数料を徴収することとしております。公文書の開示を行う情報公開については、被害救済など住民福祉に直結するサービスである相談業務とは性格が異なるため、開示費用について応分の負担を求めております。また、手数料は、商業目的での大量請求や制度乱用への歯どめの観点からも、無料とすることは考えておりません。なお、知事や局長などの海外出張や交際費に関する情報を既にホームページ上で公開しているほか、都の重要施策など都民の関心が高い情報について、積極的に情報の公表、提供を推進しております。次に、開示請求者の区分についてでございます。情報公開条例においては、開示請求をできる者として、自治体がまず説明責任を果たすべき都内在住の都民を対象とするとともに、都内の事業所、在勤、在学者、さらには、これら以外の者で、理由を明示して請求する個人及び法人にも請求を認めております。以上の考え方に基づき、平成十七年度における開示請求者のうち、在住の都民からの請求が四五%であり、都民以外の在勤、在学者、法人などからの開示請求が五五%を占めることを、都の情報公開の特徴として第一回定例会でお示しいたしました。なお、平成十八年度の速報値では、都民以外の在勤、在学者、法人などからの開示請求は五九%を占めております。〔主税局長熊野順祥君登壇〕 # 主税局長(熊野順祥君) 主税局長(熊野順祥君)二点のご質問にお答え申し上げます。都民の納税意識についてでございますが、都民の納税意識の向上を図るためには、まず、都民の皆さんに受益と負担について正しくご理解いただくことが重要であると考えております。そのためには、税の使途の的確な情報提供とともに、納税キャンペーンや租税教育を通じまして、税の役割の大切さを認識していただくことが必要でございます。また同時に、税金逃れといった不公平が生じないよう、公平公正な徴収に努めることも重要だと考えております。なお、ご指摘の納税者投票の導入につきましては、行政サービスの費用を広く賄うための財源を調達するという税の基本的な性格にそぐわないばかりでなく、税の使途は議会で決定するという議会制民主主義との関係からも、慎重に検討すべきであると考えております。次に、住民税についてでございます。住民税は、地域におけます行政サービスの経費を、地域住民がその能力と受益に応じて共同して負担するものでありまして、地方公共団体の基幹的な税でございます。こうした住民税の性格を踏まえまして、今回のいわゆる三位一体改革に伴う税源移譲によりまして、一律一〇%のフラット化が導入されたものでございます。お話の都独自の軽減措置につきましては、十年前に比べまして生活保護受給者や非正規雇用者がふえておりまして、特に東京都は全国の増加率を大幅に上回る状況にあること、さらに生活保護を受給していれば、非課税措置等によりまして個人住民税をほとんど負担していないこと、そういったこととの均衡に配慮しようとするものでございます。現在、制度について検討を行っているところでございます。〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕 # 福祉保健局長(安藤立美君) 福祉保健局長(安藤立美君)五点の質問にお答えをいたします。まず、低所得者施策の方向性についてでありますが、所得保障は、社会経済状況全体を踏まえまして、基本的に国の責任で対応すべきものでありまして、現在、各種年金や手当、さらに最後のセーフティーネットとしての生活保護などの諸制度が整備をされております。都の役割は、これらの諸制度を踏まえた上で、地域特性に即した事業を効果的、効率的に展開することであるというふうに認識をしております。都としては、個々の被保護者ごとに必要な支援を行う自立支援プログラムの取り組みを初め、就職活動に必要な経費の支給など、区市が行う取り組みに対して多様な支援に努めております。今後とも、国と地方の役割分担のもと、低所得者施策を公正かつ適切に実施をしてまいります。次に、待機児童の解消についてでありますが、都は、これまでも認可保育所の設置促進を図るとともに、都独自の認証保育所の創設などにより、保育サービスの充実に努めてきました。一方、私どもが「十年後の東京」で示しましたとおり、都内には相当数の潜在的な保育ニーズが存在しているため、待機児童はここ数年、ほぼ横ばいで推移しております。このたび設置をいたしました子育て応援戦略会議におきまして、待機児童の解消に向けた総合的な子育て支援策を検討してまいります。次に、認証保育所の保育料についてでありますが、認証保育所は、区市町村が入所決定する認可保育所とは異なり、利用者と事業者との直接契約としております。また、保育料については、認可保育所の国の徴収基準を上限に事業者が設定するなど、競い合いを通じて質の高いサービスを提供する仕組みとしております。現在、幾つかの自治体においては、地域の実情に応じて保育料の保護者負担の軽減が行われておりますが、これはそれぞれの自治体の独自の判断によるものであり、都として実施をする考えはございません。次に、株式会社コムスンの不正行為に関する対応についてでありますが、都では、コムスンに対して、利用者保護のため、介護サービスを低下させないこと、新たな事業者への紹介を確実に行うことなどについて指導を行っております。また、区市町村には、コムスンに関する事業所情報を提供するとともに、担当者会議を開催し、適切な相談体制の確保を依頼するなどの対応をしております。さらに、国に対して、これまでも提案してきた不適正な事業者を排除することについて、さらに実効性のある仕組みを早期に構築するよう要望してまいります。最後に、国に対し制度改正を求めることについてでありますが、都は、既に国に対し、次期介護報酬改定に当たり、大都市の実情や事業者の経営実態に見合う報酬水準となるよう、都における介護保険施設の実情を踏まえ、具体的な見直しの方向性について提言しているところでございます。〔東京オリンピック招致本部長荒川満君登壇〕 # 東京オリンピック招致本部長(荒川満君) 東京オリンピック招致本部長(荒川満君)二点のご質問にお答えいたします。まず、オリンピックスタジアムへの交通アクセスについてでございます。開会式や閉会式、陸上競技などが開催されるオリンピックスタジアムには多くの観客や大会関係者が集まるため、そこへの交通アクセスの確保は重要でございます。現在、晴海及びその周辺における交通の状況、開催される個々の行事や競技のスケジュール、発生観客数なども踏まえまして、円滑に輸送できる方策についてさまざまな角度から検討しているところでございます。今後、IOCから高い評価が受けられるよう、確実な輸送計画を策定してまいります。次に、オリンピック招致機運の盛り上げについてでございます。オリンピック招致を成功させるためには、都民、国民の幅広い支持が必要であり、IOCからは、世論調査を行って、その結果を申請ファイル、立候補ファイルに記載することが求められております。このため、今後さらに国内世論の盛り上げを図っていくことが重要であります。東京オリンピック招致委員会を中心に、都議会を初め、国、区市町村、企業、経済界等と連携し、各種の方策を用いてこれまで以上に積極的に広報・PR活動を展開し、広く都民、国民の招致機運を盛り上げてまいります。〔総務局長押元洋君登壇〕 # 総務局長(押元洋君) 総務局長(押元洋君)三点のご質問にお答えいたします。まず、大地震が発生した場合の対応についてでございますが、知事の私邸の周辺地域は、地域危険度調査における総合危険度が低く、直下地震による被害想定でも、建物の倒壊や火災の発生が少ない地域でございます。私邸には防災行政無線を設置しておりまして、休日や夜間に災害が発生した際にも、知事が直ちに状況を把握し、指示できる体制を確保しております。また、知事が速やかに都庁に駆けつけることができるよう、私邸に近い多摩川グラウンドまではパトカーで、そこから都庁屋上まではヘリコプターで移動する緊急登庁体制を整備しており、その訓練も実施しております。なお、国民保護計画では、テロにより都庁舎が被災した場合には、立川地域防災センターに次いで、旧知事公館を都庁防災センターの代替施設としております。次に、三宅島のバイクイベントにおけるラリーの安全確保策についてであります。現在、三宅島の高濃度地区への立ち入りにつきましては、村の三宅村火山ガスに対する安全確保に関する条例に基づき、一定の規制のもとで認められております。今回のイベントは、島一丸となって産業と観光の振興のために開催するものでありまして、この安全確保に関する条例に従って実施するものであります。三宅村としては、常時火山ガス濃度を観測しており、イベント開催時に濃度が高くなった場合にも、本条例に基づきまして適切に対応してまいります。最後に、三宅島の復興についてでございます。三宅島では、平成十七年二月の帰島以来二年余りが経過し、島民の生活もようやく落ちつきを取り戻しつつございますが、いまだ復興への道筋の途上にあると認識をしております。都はこれまでも、三宅島の復旧、復興に向け、空港、港湾、道路、砂防ダムなどの整備を行うほか、さまざまな取り組みを行ってまいりましたが、今後は、村民生活の安定や産業振興、そしてバイクイベントなどを核といたします観光振興など、三宅島みずからによる中長期的な取り組みが重要となってまいります。都としては、引き続き国とも連携しながら、島の復興を担う三宅村の取り組みを支援してまいります。〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕 # 都市整備局長(只腰憲久君) 都市整備局長(只腰憲久君)五点の質問にお答えをいたします。まず、住宅の耐震化促進のための条件整備についてでございますが、住宅の耐震化は、自助、共助、公助の原則を踏まえ、所有者によって行われることが基本であります。都といたしましては、所有者が主体的に耐震化に取り組むことができるよう、技術的な支援を行うとともに、公共的な観点から必要がある場合に財政支援を行うこととしております。こうした基本的な考え方のもと、安価で信頼できる耐震改修工法の普及など、だれもが耐震化に取り組みやすい環境づくりを進める一方、震災対策上公共性の高い地域においては、耐震診断、改修への助成を実施しております。今後とも、区市町村や民間事業者等と連携して住宅の耐震化を促進してまいります。次に、木造住宅密集地域の耐震化、不燃化への助成についてでございます。都といたしましては、防災都市づくり推進計画に基づき、大規模な地震に備えて早期かつ効果的に整備を進める観点から、大きな被害が想定される地域に対し、集中的かつ重層的に事業を展開しております。これらの地域では、いわゆる木密事業などにより、避難、救援活動を円滑にする主要生活道路の整備を図るとともに、その沿道の住宅の耐震化、不燃化や共同化への助成により建てかえを促進しております。また、延焼を防止する幹線道路の沿道や、避難場所の周辺における建物の耐震化、不燃化にも助成を行っております。今後とも、地元区とも連携し、効果的に助成制度を活用して、木密地域の安全性向上に取り組んでまいります。次に、都営住宅条例等の改正案の検討経過及び理由についてでございます。本年四月、町田市にある都営住宅団地で暴力団員が起こした極めて凶悪な事件を受け、暴力団員を都営住宅から排除し、安全・安心を確保するため、警視庁と鋭意協議し、今回の条例改正を提案したものでございます。次に、入居資格審査時における暴力団員の確認方法及び個人情報保護についてでございますが、暴力団員であることの具体的な確認方法は、先ほどの答弁にもありましたが、現在警視庁と協議中でございます。また、入居資格審査時における個人情報につきましては、情報の流出や目的外利用の防止に留意するなど、個人情報保護条例に基づき十分な配慮をしてまいります。最後でございますが、民間賃貸住宅での暴力団員対策についてでございます。いうまでもございませんが、民間の賃貸住宅では、貸し主と借り主の当事者間の合意に基づき契約が締結されております。これまでも、都民などから民間賃貸住宅における暴力団関係のトラブルなどの相談があった場合には、専門の相談機関の紹介などを行っておりますが、今後ともこうした対応に努めてまいります。〔中央卸売市場長比留間英人君登壇〕 # 中央卸売市場長(比留間英人君) 中央卸売市場長(比留間英人君)築地市場移転に関する五点の質問にお答えをいたします。まず、専門家会議の委員の選定と今後の運営のあり方についてでございます。生鮮食料品を扱う豊洲新市場予定地の土壌汚染対策を評価、検証するためには、第一に、土壌、地下水の汚染の原因となる有害物質の分野、第二に、地下水の分布や水位の変化を把握するための水質の分野、第三に、埋立地の土壌を分析するための土質の分野、第四に、人体への健康影響を評価するための環境保健の分野からの専門的な検討が必要でございます。このため、委員につきましては、それぞれの分野に精通した専門家の中から、実際の研究内容や、過去に土壌汚染問題に取り組んだ実績などを考慮して公正に選定をいたしました。また、委員の人数につきましては、密度の濃い実質的な議論が行われるよう、各分野から一名の計四名の構成といたしました。会議の運営につきましては、透明性を確保し、都民や市場関係者の理解を得るため、議論の状況や会議資料をすべて公開することとしております。今後、専門家会議はおおむね月一回開催し、本年九月を目途に提言を取りまとめていただく予定でございます。次に、新たな土壌汚染調査についてでございます。五月に行いました第一回の専門家会議では、東京ガス株式会社が実施した土壌汚染調査に対する評価を行った上で、今後の検討課題を討議する中で、都民や市場関係者の不安を解消する観点から、一部追加調査の必要性も指摘されたところでございます。第二回以降の会議におきまして、この追加調査の必要性や内容、範囲などを詳細に議論していただくこととしております。次に、土壌汚染調査のデータの信頼性についてでございます。土壌汚染対策について都民の信頼を得るためには、調査方法、調査結果及び対策の内容をすべて公開していくことが重要であると認識しております。このため、東京ガス株式会社の行いました調査については、第一回専門家会議でデータを公開し、議論をしていただいたところでございます。今後、専門家会議において追加調査を行う必要があるとされた場合には、調査地点、日時、調査機関、作業状況、分析結果等を公開し、調査の透明性とデータの信頼性を確保してまいります。次に、抜本的な土壌汚染対策の必要性についてでございます。先般行われました第一回専門家会議では、ベンゼンなどの揮発性物質のガス化への対応、地下水の管理の重要性、地下室等の施設配置のあり方などについて、市場用地という特性を踏まえてさまざまな観点から議論が行われました。今後の会議において、これらに関する新たな対応策の必要性や内容などを検討し、具体的な提言をいただく予定でございます。都は、こうした専門家会議の検討や提言を踏まえて、必要な措置を確実に実施してまいります。最後に、豊洲新市場の施設計画についてでございます。豊洲新市場の施設計画につきましては、業界団体との協議を重ね、昨年十月、基本設計を取りまとめました。その後、この内容について、水産物部一階、卸・仲卸売り場から二階、三階へのスロープの増設や、青果部二階の大口荷さばき場の設置などの要望が出されており、現在協議を続けているところでございます。また、専門家会議において、土壌汚染対策の観点から、地下室の配置場所を考慮するよう意見が出されてございます。今後、業界との協議結果及び専門家会議の提言を踏まえ、必要な修正を加え、基本設計を確定してまいります。〔産業労働局長佐藤広君登壇〕 # 産業労働局長(佐藤広君) 産業労働局長(佐藤広君)新銀行東京に関する四点の質問にお答えいたします。まず、新銀行東京の存在意義についてですが、新銀行東京は、開業後二年間で約一万六千六百件の融資、保証を実行してきており、中小企業金融において重要な役割を果たしてまいりました。また、先般策定した新中期経営計画におきましても、対象顧客の小口化による融資件数や顧客数の拡大に重点を置くとともに、新たに一般融資の取り組みも充実させるなど、より幅広く中小事業者の支援を行っていくこととしております。中小企業の資金繰り環境は依然として厳しく、今後も新銀行東京が、中小企業金融においてその役割をしっかり果たしていく必要があると考えております。次に、新中期経営計画の実効性についてですが、平成十九年三月期決算における当期損失は五百四十七億円と拡大したものの、十分な貸し倒れ引き当てを行ったことや減損会計を適用したことにより、将来のコスト負担が軽減されたと考えております。このもとに、新銀行東京では、平成二十一年度の単年度黒字化を目指す新たな経営計画を策定いたしました。また、代表を銀行出身の森田氏に交代することとし、都としても、五人の幹部職員を派遣して経営体制を整えたところであります。今後、都としては、新経営陣のもとで、環境の変化に柔軟に対応し、適切な経営が行われるよう働きかけてまいります。次に、代表執行役についてですが、新たに代表執行役に就任する森田氏は、長年金融界に身を置き、中小企業支援にも精通しております。新代表には、これまでの知識と経験を十分に生かし、遺憾なく経営手腕を発揮していただくことを期待しております。最後に、新銀行東京の情報開示についてですが、新銀行東京は、中間、期末決算の公表のほか、適宜、融資商品別の実績など業務内容に関する情報を開示しております。今後も、他の金融機関との競争にかかわるものなど企業運営上秘密としているものを除きまして、積極的かつわかりやすい情報開示を行っていくよう、都として働きかけてまいります。 # 副議長(木内良明君) 副議長(木内良明君)この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。午後四時五十二分休憩午後五時八分開議 # 副議長(木内良明君) 副議長(木内良明君)休憩前に引き続き会議を開きます。質問を続行いたします。三十九番谷村孝彦君。〔三十九番谷村孝彦君登壇〕 # 三十九番(谷村孝彦君) 三十九番(谷村孝彦君)石原都政三期目のスタートに当たり、都議会公明党を代表して、都政の重要課題について知事並びに関係局長に質問いたします。今からちょうど四十年前、我が党は、緑の森と噴水の中にそびえる高層都市東京と題する政策提言を発表しました。そこでは、水と緑の環境政策、都市の高層化によるオープンスペースの確保、高速道路やモノレールなど総合的な交通ネットワークの整備、ゆとりある住宅の供給などが盛り込まれております。当時はまだ、公害問題、決定的な住宅不足や交通渋滞などが深刻で、この提言も将来のユートピア構想のように受けとめられたといっても過言ではありません。しかし、それから四十年を経た現在、当時の夢がまさに現実になろうとしております。それは、いうまでもなく、さきに知事が発表した「十年後の東京」構想であります。パリやロンドンやローマに負けない、世界に誇れる先進都市東京を築くことは、多くの都民の強い願望であるはずであります。東京の宿痾ともいうべき渋滞を解消し、また、ヒートアイランド現象を低減させて環境先進都市東京を築く、さらには、バリアフリーやユニバーサルデザインを広くまちづくりに取り入れて福祉先進都市東京を築くことこそ、三期目の石原都政の使命であるべきであります。そうした努力の積み重ねの中で、オリンピック招致への道も前進していくはずであります。「十年後の東京」の実現へ間違いない道筋をつけるため、三期目に挑む知事の決意を伺います。次に、オリンピック招致を目指す観点から、「十年後の東京」構想について具体的に質問します。経済のグローバル化とともに、国際的な都市間競争が激化しております。シンガポール、香港、上海など東アジアの主要都市が、空港、港湾など社会資本整備を急速に進めており、旅客、流通のハブ機能や国際金融センター機能の拡大が国家戦略として取り組まれ、我が国の優位性が揺るぎかねない状況であります。今後、東京が国際競争を勝ち抜いていくためには、改めて、首都圏の空港、港湾の整備、アクセスとなる道路網の整備、さらには多摩都市モノレールなど、東京の交通インフラ整備に対してスピード感を持って取り組むべきであります。「十年後の東京」、とりわけ、空港、港湾、交通インフラの整備に対する知事の所見を伺います。この首都圏の都市インフラ整備において決定的に重要な役割を果たすのが、横田基地の軍民共用化であります。日米政府間の検討組織であるスタディーグループでの協議が、ことしの十月を期限として進められておりますが、この六月八日には、八都県市首脳会議として初めて、国の関係大臣に対し、横田飛行場の民間航空利用等について要望書を提出しました。この要望書の提出は、日米協議の推進の後押しとなるものであり、大変に有意義なことであります。協議終了まであと四カ月に迫りました。今後の知事の取り組みと決意について伺います。また、共用化された横田基地に不可欠なアクセスが多摩都市モノレールであります。都が目指す多摩シリコンバレー構想を大きく前進させていくためにも、交通網の整備は欠かせません。その点で、多摩都市モノレールと圏央道の全線開通は、まさに車の両輪として重要な役割を果たす存在であります。今月二十三日には圏央道あきる野八王子間が開通します。そこで、より重要となるのが多摩都市モノレールの延伸であります。完成すれば、総延長は九十三キロメートルに及び、十一市一町を循環する多摩の山手線として機能していくことになり、まさにこの時期に、都の財政支出を含む抜本的な経営改革を行うこと、そして将来の延伸の道筋をつけることが大変に重要であります。日暮里・舎人ライナーが交通局で運営されるのであれば、多摩都市モノレールの経営の安定化のために、都が財政支出をするのはむしろ当然のことであります。そこで、これまでの多摩都市モノレールの経営状況の評価と、会社の経営安定化に向けた今後の都の取り組みについて伺います。続いて、財政問題について質問します。政府の骨太の方針二〇〇七の策定をめぐる議論の中で、国の歳出抑制策と都道府県の税収や財政力の差を結びつけて、東京など都市部の財源を吸い上げて地方に回そうという無定見な手法が浮上しております。これに対し東京都は、「大都市狙い撃ちの財政力格差是正論への反論」をまとめ、地方自治体の財政力を、税収のみに着目するのではなく、歳入、歳出、行政改革という三つの角度から総合的に考えることが必要であるとの論を展開しております。すなわち、地方税の偏在については地方交付税制度によって調整されていること、歳出に関しては、首都東京には、ライフラインの整備、治安対策、道路、空港整備など大都市特有の膨大な財政需要があること、改革努力については、国や他の自治体に先んじた行財政改革で財政健全化を果たしたことを強調し、大都市ねらい撃ちの誤りを指摘しております。この反論の視点はまことに的確であり、評価するものであります。ただ、正論が正論だからといってそのまま国や他の自治体の理解につながるとは限りません。そこで、今回まとめた都の反論をさらに具体化する観点から幾つか提案いたします。まず第一に、都のこれまでの行財政改革のノウハウを他の自治体に積極的に提供していくということであります。都の近年の好調な財政状況は、法人二税を中心とした税収増だけでなく、全庁を挙げての間断のない行財政改革が実を結んだものであります。こうした都の改革ノウハウをきめ細かく紹介していくことは、小手先の財政力格差是正よりはるかに実質的な地方貢献になると考えます。見解を伺います。第二に、都が都市と地方の双方から共感を得る主張を発信していく必要があるという点であります。税収の偏在については、大都市である区部が焦点となっておりますが、東京都には、奥多摩や島しょ地域など、特有の課題を抱える市町村が存在しており、都は全国の各地方と同様の課題を抱えているといっても過言ではありません。大都市としての反論に終始するのではなく、新たな主張を発信していくべきと考えます。見解を伺います。第三に、大都市富裕論をこれ以上繰り返させないためにも、地方税財政制度の本格的な見直しを、今こそ自治体が一致結束して国に求めていくべきであります。最近の財政力格差の是正論議には、自治体間の財政調整によって国の負担を軽くしようという意図が色濃くあらわれております。今月十二日には、東京、神奈川、愛知、大阪の四都府県の知事による地方税財政の見直しに対する緊急アピールが出され、国による対処療法的な安易な手法に歯どめをかける機運が高まっております。自治体のこうした行動を広げ、抜本的な地方税財政制度の改革を国に迫っていくべきであります。知事の見解を伺います。次に、新銀行東京について伺います。先日発表された新銀行東京の決算内容を見ると、当期純損失が五百四十七億円、累積欠損が八百四十九億円という非常に厳しい内容となっております。これは、金融再生法に基づく不良債権が十八年三月末に十七億円だったのに対して、十九年三月末には二百六億円と大幅に増大したことが経営を圧迫している大きな要因になっているからであります。都議会公明党は、新銀行東京の経営について、さきの予算特別委員会において、自民党、公明党はもちろんのこと、民主党をも含む都議会が新銀行東京への一千億円の出資を承認した際の付帯決議に基づいて検証を行い、具体的な改善策を提案いたしました。その一つは、新銀行東京の内部管理体制の強化であります。特に、新銀行東京の規模から見て、多額のシステム経費や業務委託費については徹底した削減や見直しを行うべきであり、そのためには、支配株主である東京都が、物をいう株主として、しかるべき立場の職員を新銀行東京に派遣するべきであるとの提案であります。これを受けて、都は、当時の大塚副知事を筆頭に、東京都の優秀な幹部職員を新銀行に派遣を決定し、また新銀行東京が、赤字決算の中においても業務委託の見直しが可能となるよう、関連経費を三十五億円引き当て計上し、さらには、システム関連資産などの固定資産に減損会計を適用して百九億円の損失を計上したことは極めて効果的であり、英断として高く評価するものであります。しかし、新銀行東京の新中期経営計画においては、経営の立て直しに重点が置かれており、新銀行東京の本来の設立目的である技術力や将来性があるにもかかわらず、資金力のない中小企業への融資のための目きき機能の強化については、残念ながら言及されておりません。新銀行東京の本来の目的を遂行するためには、さきの予算特別委員会でも提案したように、例えば、代位弁済率を半減させ、中小企業の実態をどこよりもよく把握している東京信用保証協会のノウハウを活用し、目きき機能を強化させることが重要であります。新銀行東京の経営状況を見ると、まずは立て直しが重要でありますが、だからといって、将来性のある中小企業等への資金供給が後退するようなことがあってはなりません。そこで、新銀行東京における今後の中小企業支援に対する考え方について、見解を伺います。また、新銀行東京が、設立趣旨に沿って、中小企業支援を着実に実施し、一方で民間企業としての経営健全性を確保するためには、組織力の向上が一つのかぎであり、経営体制のあり方についても、見直すべきところは大胆に見直すことが必要であります。今後の都の取り組みについて、知事の所見を伺います。次に、中小企業支援について伺います。近年、都内では、事業の継続を断念し、廃業する中小企業が増加しております。平成十三年から十六年までの都内事業所の廃業率は七・七%と、ここ三十年間で最も高い数字となっております。都内工場の中には、隣地にマンションなどが建設され、操業に支障が出てきた例や、建築時には適法に建てられた建築物であっても、その後、用途地域の指定変更等によって、十分な増改築ができなくなり、事業継続を断念しているケースがあることをよく耳にします。また、経営者が高齢化しているにもかかわらず、後継者難や相続税負担等によって、事業承継が円滑に進まず、今後も廃業する企業数はますます増加すると危惧されております。こうした立地や事業承継の問題が事業継続を妨げる大きな要因となっており、このままでは都市型産業の崩壊につながりかねない危機的状況であります。東京の産業基盤を維持強化するためには、中小企業の事業継続を妨げているこうした要因を取り除き、事業環境を早急に整備することが必要不可欠であると考えます。所見を伺います。また、中小企業の人材不足も深刻な問題であります。人材不足に悩む中小企業と若者を結ぶ有効な方法にインターンシップ制度があります。中小企業庁の調査によると、中小企業における採用の満足度は、インターンシップの受け入れを積極的に行っている企業で高い数値を示しており、中小企業におけるインターンシップの取り組みが大変に有意義であることがうかがえます。しかし一方で、実際にインターンシップを積極的に行っている企業は、中小企業全体の七%程度にすぎないという現実があります。都は現在、インターンシップに熱心に取り組んでいる企業等を若者ジョブサポーターとして登録し、ホームページ等でその企業名や取り組み内容を積極的にPRするとともに、都の融資制度を利用できるようにするなどの優遇措置を講じておりますが、事業運営の傍ら、インターンシップに取り組む中小企業をさらにバックアップするためにも、中小企業と若者の出会いの場の充実や教育機関への情報提供など、若者ジョブサポーター企業への支援を強化すべきと考えます。見解を伺います。次に、子育て支援策について伺います。子育て支援策については、都庁の総合力を発揮するために、副知事をトップとした局横断的な会議を設置すべきとの公明党の提案を受け、都はこのたび、山口副知事を座長として、関係十三局で構成する子育て応援戦略会議を設置しました。これを高く評価するものであります。早速、先週十三日から検討が開始されましたが、出生率が全国で一番低い東京としては、女性に限らず、男性も含めた働き方全般にわたる見直しの推進や、社会全体で子育て世代を支えていくための環境づくりの推進に全力を挙げるべきであります。そこで、局横断的な組織の特性を生かし、時代に即応した施策の検討を進めるためには、専門家からの提言を積極的に生かし、あわせて子育て中の都民から直接意見を募って、施策に反映させる必要があります。所見を伺います。また、「十年後の東京」では、保育所の待機児童五千人の解消がうたわれております。この子育て応援戦略会議の場で、待機児童解消についても具体的に検討し、抜本的な解決策を講じるべきであります。所見を伺います。次に、子ども医療費助成について伺います。都は、中学校三年生まで医療費をゼロにすべきとの公明党の強い要請を受け、本年十月から他の道府県に先駆けて、通院費と入院費を一割助成する制度をスタートさせます。子育て支援の一環として、医療費助成の対象が大きく拡大されることは、高く評価するものであります。しかし、本制度が導入されることを契機に、二十三区ではほとんどの区で中学校三年生まで医療費をゼロにすることとしており、このままでは多摩の市町村との格差が拡大してしまいます。都知事選でのマニフェストである東京再起動宣言には、公明党の主張である中学校三年生まで医療費をゼロにする旨の記載があり、子育て支援に取り組む石原都知事の姿勢を多くの都民が支持したものと思います。そこで残された課題は、多摩の市町村の財政負担であります。医療費助成の二分の一は市町村の負担となり、財政を圧迫しかねません。中学校三年生までの医療費ゼロを一日も早く実現すべきでありますが、その際には、市町村への財政支援策を明らかにすべきであると考えますが、知事の所見を伺います。次に、障害者の就労支援について伺います。都議会公明党は、障害者の就労支援についてはたびたび取り上げてまいりました。多くの企業が集積する東京都においてこそ、障害者の自立支援に向けて、先駆的な役割を果たすべきであります。しかし、都内企業の障害者雇用率は一・四四%と、全国最低レベルにあり、早急に就労支援策を強化していく必要があります。都は、「十年後の東京」において、障害者雇用を新たに三万人創出するとしております。また、五月に策定された東京都障害者計画においては、障害者が当たり前に働ける社会の実現を目指しております。そこでまず、都として、この目標達成に向けた知事の決意を伺います。次に、障害者が一般企業に就労するための支援策として、企業で働くためのトレーニング等の支援を行う就労移行支援事業があります。今回この事業は、民間企業でも実施が可能になり、今月一日には、町田市で、東京都初の民間企業による就労移行支援事業が開始されました。パソコン操作やビジネスマナーなどの、一般企業等への就労に必要な知識や能力向上の訓練の実施、さらには、面接の練習や履歴書の作成指導、採用面接や職場実習での職員の付き添いなど、具体的な就職活動への支援が行われていく予定であります。障害者の雇用拡大のためには、こうした民間企業の力も活用し、就労移行支援事業のさらなる拡大に努めていくべきと考えますが、見解を伺います。また、障害者の就労を推進し、職場への定着を図っていくためには、障害者と企業との的確な橋渡しを行う体制を強化することが重要であります。都は、千代田区飯田橋に東京しごとセンターを設置し、雇用や就業に関するワンストップサービスセンターとして、高い就職率を達成し、本年八月には、多摩地域にもしごとセンターを開設することは、高く評価するものであります。一方、障害者の就労支援については、同じ財団の新宿区戸山の心身障害者職能開発センターでも事業を実施しておりますが、しごとセンターとの連携が必ずしも十分ではありません。そこで、東京しごとセンターにおいて、障害者を含めた真のワンストップサービスが提供できるよう、かつ将来的には一本化することを目指し、当面、両センターの連携を強化し、機能の見直し、充実を行い、より一体的な就労支援を図るべきであります。見解を伺います。次に、障害者の就労促進のために、いよいよ東京都みずからが行動を起こすときを迎えました。現在、都庁内での障害者雇用については、身体障害者のみに限定され、知的障害者の雇用はいまだ皆無であります。国は、十九年度からチャレンジ雇用制度を知的障害者等にも拡大することを明らかにし、まずは厚生労働省が百人を雇用するとのことであります。都としても、いよいよ都庁内において、知的障害者の就労の実施に取り組むべきであります。見解を伺います。次に、生活保護制度における就労支援について伺います。景気の回復、失業率の改善など、国の経済状況には明るい兆しが見える一方、全国の生活保護世帯は百万世帯を突破しました。大都市東京においては、伸び率は鈍化してきたものの、依然増加傾向にあり、都内では十七年度に約十九万人が生活保護を受給しております。最後のセーフティーネットである生活保護制度は、昭和二十五年の現行制度創設以来、大きな制度改正が行われないまま、推移してきました。そもそも生活保護法は、国民の最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的としております。都は本年三月、生活保護を変える東京提言を国に対し発信し、国が国家責任としてのセーフティーネットを堅持しつつ、自立支援を総合的、効果的に進め、今日の時代状況に適合する制度への見直しを行うよう提言しております。生活保護受給者の自立を推進するため、自立の可能性がある受給者に対して、生活習慣の確立等を支援する福祉事務所の体制強化、例えば、生活支援を専門的に行うような人材の配置等が必要と考えます。見解を伺います。また、確実な就職に結びつけるためには、新たな職業能力を身につけることも重要であります。都が、区市に働きかけ、就労支援プログラムの取り組みを実施し、ハローワーク等の労働部門との連携を推進しておりますが、受給者がいきなり就職するということはなかなか困難な状況であります。こうした状況を解決するためには、都立職業能力開発センターとの連携を強化していく必要があります。今後は、都立職業能力開発センターで、現在認められている母子家庭の母親や四十五歳以上の求職者に対する職業訓練の受講優先措置を、就労支援プログラムの対象となる生活保護受給者へも拡大するなど、特別の配慮を加えるべきと考えます。所見を伺います。次に、介護サービス事業の不正行為対策について伺います。去る六月六日、厚生労働省は、訪問介護最大手の株式会社コムスンが虚偽の申請で事業者指定を不正に取得していたとして、事業所に係る新規の指定、更新を打ち切るよう、都道府県に通知しました。我が党は、利用者の不安解消とサービスの確保、継続及び悪質事業者の処分逃れについては、法改正を含めた整備を国に求めるよう、石原知事に対して申し入れを行ったところであります。介護サービス事業者による架空請求や水増し請求など、介護保険の不正請求は後を絶ちません。特に訪問介護において、ヘルパー等がいつ、どこで、何時から何時まで訪問したかという介護サービスの訪問記録は、介護サービス事業者が国民健康保険団体連合会に提出するため、その請求書の中身を区市町村がチェックできないことが不正を生む大きな要因となっております。大事なことは、区市町村が訪問記録を把握し、管理できるシステムを早急に導入することであります。我が党は、これまでも介護保険の適正化を図るために、区市町村が独自に行う不正防止対策を都が積極的に支援するよう、繰り返し訴えてまいりました。そこで改めて、介護保険の不正請求を根絶するための、都の具体的な取り組みについて伺います。次に、自殺防止対策について伺います。我が党は、深刻な状況が続く自殺問題に対し、都においても、総合的な施策の展開と、特にいじめによる若年層の自殺防止対策の必要性について、これまでも主張してきたところであります。去る六月七日に警察庁が発表したところによると、昨年一年間の全国の自殺者数は三万二千百五十五人で、九年連続で三万人を超す状況が続いております。G8諸国の中で、二〇〇〇年時点での十万人当たりの自殺者数を比較すると、フランス約十八人、ドイツ約十三人、アメリカ、イギリス、カナダがそれぞれ十人前後であるのに対して、日本は約二十四人と、四十人に上るロシアに続いて、ワースト二位となっております。こうした状況の中、先日、国において自殺総合対策大綱が策定され、具体的な施策がまとめられたところであります。東京都においては、平成十七年の自殺者数は約二千七百人で、これは都内の交通事故死亡者数二百八十九人の実に九倍にも達しております。年代別で見ると、五十代後半から六十代前半の中高年男性の自殺者が多くなっております。また、十代の子ども、二十代、三十代の若年層の死因のトップは、いずれも自殺であります。一家の大黒柱、社会の屋台骨である年代層の自殺や、将来ある若者の自殺など、極めて憂慮すべき状況が続いており、総合的な自殺対策の展開は、都においても喫緊の課題であります。東京都では、今年度から自殺総合対策に取り組むこととしておりますが、その積極的な推進を求める観点から、まず第一に、自殺総合対策東京会議の構成と位置づけについて、第二に、今年度を初年度とした重点事業、自殺総合対策における具体的な施策の内容について、そして第三に、自殺の危機にまさに直面している方々への水際防止策について、都の取り組みを伺います。次に、特別支援教育について伺います。都議会公明党では、去る五月三十日、杉並区にある、軽度の知的障害の特別支援学校である東京都立永福学園を訪問いたしました。学校内では、パソコンが並ぶ実習室、介護を体験するためのベッド、浴槽、コーヒーショップを模したスペースなどが設けられ、校内で疑似職場体験や実習が行われておりました。訪れた議員は、四月に入学した生徒たちが実に生き生きと授業に臨んでいた姿に感動し、一年次から各自の希望や適性に応じた、産業現場での実習が授業に取り入れられ、生徒の就職率一〇〇%を目指していると聞いて、大きな期待を抱いて帰ってまいりました。この学校では、百名の定員に対して、三倍以上の応募がありましたが、定員制のため、希望にこたえられなかったということであります。将来の自立と社会参加を目指す子どもたちと、その保護者の切実な願いを思うと、全員就労を目指す学校の設置計画をさらに推進すべきと考えます。ここ数年来、特に知的障害の児童生徒が大きく増加をしており、慢性的な教室不足が生じ、既存の学校での対応はもはや限界に来ております。また、例えば、江戸川区、葛飾区などでは、肢体不自由の子どもたちが、交通アクセスの不便さから長時間通学を余儀なくされている実態もあります。せめてこうした地域については、緊急に施設の設置を行うべきと考えます。全員就労を目指す知的障害特別支援学校高等部の増設について、知事の所見を伺います。また、都においては、これらの具体的な課題について、現在策定中の東京都特別支援教育推進計画第二次実施計画で対応すべきと考えますが、見解を伺います。次に、不登校児童生徒対策について伺います。我が党は、さきの予算特別委員会で、小中一貫校として、不登校対策の取り組みを行っている八王子市立高尾山学園を取り上げ、この方式は効果的であるものの、重い財政負担のため、いまだ全国で二校しか開校されていない実態を明らかにし、不登校児童生徒が多い東京都においてこそ、意欲ある学校に財政的支援を行うべきであると主張いたしました。また、不登校が急激にふえるのが中学生の時期であり、さらに東京都では、不登校経験を持つ生徒や中途退学者等を受け入れるチャレンジスクールを開設していることから、このチャレンジスクールを母体とした中高一貫校を開設して、不登校対策に取り組んでいくべきであると強く主張したところであります。これを受け、石原知事が今月十四日、高尾山学園を視察され、学校並びに生徒を激励してくださったことに感謝を申し上げたいと思いますが、そこで、高尾山学園を視察された知事の率直な感想をまずお聞きしたいと思います。あわせて、都としても全国に先駆けて、中高一貫校での不登校対策に取り組んでいくべきと考えます。知事の所見を伺います。次に、私立学校の自主性の確保について伺います。今国会で、教育関連三法案が先月衆議院を通過し、現在、参議院で審議されており、その中で、行政の私立学校に対する関与のあり方が争点となりました。石原知事は、このことについて、さきの予算特別委員会において、法律改正に当たっては、間違っても私立学校の自主性を侵すことのないようにすべきと答弁されております。そもそも私立学校法では、私立学校の自主性が尊重されるとともに、行政の関与が制限されております。このため、私立学校では、さまざまな教育活動が可能となり、中高一貫教育や体験学習などの取り組みを公立学校に先んじて導入してきました。衆議院では、私立学校のこうした実績と、それを裏打ちする私立学校法の精神を生かす観点から、公明党は動議を提出し、知事が都道府県教育委員会に対し、学校教育に関する専門的事項について助言、援助を求める際には、私立学校と協議するものとし、教育委員会は私立学校の自主性を尊重することとの附帯決議が付されました。これは、私立学校の自主性が重要であることを改めて確認したものであります。こういった流れを踏まえ、改めて私立学校の自主性に対する知事の所見を伺います。次に、地球温暖化がもたらす気候変動について伺います。本年公表された気候変動に関する政府間パネル、いわゆるIPCC第四次報告書は、熱波、干ばつ、降雨量の増加などの異常気象、氷河や北極の氷の溶解、海面上昇など、さまざまな事象から温暖化のスピードが加速していると明確に指摘しました。地球温暖化は、未来の危機などではもはやなく、気候変動という形で、今日の都民にも影響を及ぼしている、今そこにある危機であり、CO2の排出量削減など、早急な対策が不可欠であります。そうした中、世界の大都市が連携してCO2削減に取り組むため、先月、ニューヨークで世界大都市気候変動サミットが開かれ、東京都からは石原知事が出席されました。その席上、東京水道の漏水率が三%台であることが参加都市からの驚嘆を呼んだことは、都民にとっても大きな誇りであります。「十年後の東京」で、世界で最も環境負荷の少ない都市を実現すると宣言した東京として、東京の水道が誇る技術を各国に提供すべきであります。そして、それがひいてはオリンピック招致の大きな誘引にもなると思います。水道技術の国際支援について、知事の見解を伺います。また、水道局の経営や技術などのノウハウを各国の実務者に向けて広く発信すべきと考えますが、所見を伺います。都が先般策定した気候変動対策方針に基づき、我が国で初めて、都が大規模CO2事業所に対し削減義務を課すなど、先駆的な施策を提起したことは大いに評価するものであります。都は、大規模事業所の削減義務化と同時に、排出量取引制度を導入する方針ですが、排出量取引を実効性あるものにするためには、事業者が進んで参加できる条件整備が必要であり、あわせて、その取引でCO2削減の実効性を上げる仕組みづくりも必要であります。見解を伺います。あわせて、東京全体のCO2排出量を削減していくためには、大企業だけでなく、中小企業や家庭の削減努力も重要であります。中小企業や家庭など、各部門の削減努力を促すには、それを支援するための経済的手法の活用が欠かせないことはいうまでもありません。国は、環境税制について、いまだ方向性を示せないでおりますが、都が今回検討する省エネルギー促進税制では、中小企業や家庭が省エネ対策を進めた場合の具体的なメリットを示すべきであります。所見を伺います。最後に、文化芸術政策について伺います。我が党は、四十年前の政策の中で、世界文化の頭脳にふさわしい都市を目指すという提言をしました。東京こそ新たな文化の発信基地となるべきであるとの認識は、今も変わりありません。我が党の推進で、東京都は、国の文化芸術振興法制定に先立つこと十八年、昭和五十八年には全国初の文化振興条例を制定しました。今後はさらにオリンピック招致を視野に入れて、文化先進都市東京の実現を目指すべきであります。ところで、文化の先進都市を目指す東京の都民の日である十月一日が、世界的には国際音楽の日であることは余り知られておりません。この国際音楽の日は、一九七五年、当時の国際音楽評議会の会長であり、二十世紀の最高峰のバイオリニストであるユーディー・メニューイン氏が、紛争の絶えない世界を憂いて提唱し、一九七七年に制定されたものであります。ことしがちょうどその三十年の節目に当たります。毎年、世界各国でこの国際音楽の日に、世界の人と音楽でつなぐ心の輪をモットーに、子どもからお年寄りまで、そしてプロとアマチュアの協同によるさまざまな音楽の特別イベントが開催されております。東京都においては、一九九九年、文化庁主催の記念事業の一環として、東京都交響楽団と高校生のジョイントコンサートという形で事業が始まりましたが、現在は東京都交響楽団の事業にのみとどまっております。この東京都交響楽団には、一九六四年の東京オリンピックの記念文化事業として設立された経緯があり、今後はさらに活用を図るべきであります。古代ギリシャの時代から、音楽はスポーツと並んで、人種や言葉の壁を乗り越え、世界じゅうの人々と喜びや感動を共有できる媒体でありました。したがって、十月一日の都民の日においても、東京大マラソンのようにプロもアマチュアも公募で募り、東京国際フォーラムやビッグサイト、東京芸術劇場や東京文化会館、江戸東京博物館、ひいては都立公園などでの野外コンサートも含め、東京音楽の祭典の日として、世界の人々と音楽で心をつなぐ日としてはどうかと提案します。見解を伺います。ちなみに、ロンドンオリンピックが決定した際の大きな要因は、コンパクト開催もさることながら、文化プログラムのポイントが断然高かったことも有名であります。世界の強豪都市との熾烈な選考レースを勝ち抜くためには、IOCに提出する文化プログラムの策定も大変に重要であり、オリンピック招致に向けて、世界の人々を魅了するテーマを掲げていく必要があると思います。そこで、提案させていただいた音楽の日事業も含め、東京の文化事業を総合化、体系化して、文化プログラムとしてまとめ上げ、世界に発信すべきであります。知事の所見を伺い、私の代表質問を終わります。(拍手)〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)谷村孝彦議員の代表質問にお答えいたします。三期目における決意についてでありますが、多数の都民の皆様のご支持をいただき、三選を果たすことができました。今回の選挙では、世界一安心で安全な首都東京の実現という訴えに、大きな期待、強い共感が得られたと思っております。治安の回復、医療の充実、高齢者や障害者が安心して生活できる社会の実現、次世代を担う子どもたちの健やかな成長などの喫緊の課題に、今後も全力で取り組まなければならないと思っております。同時に、地球のあすをも左右しかねない地球温暖化などの環境問題には、我が国の対策を先導して、世界の諸都市と連携していく必要があると思っております。そのため、過去二期八年の実績を踏まえて、東京の近未来図である「十年後の東京」の実現に向け、目に見える成果を積み上げていく決意でございます。いま一度初心に戻って、今後四年間の都政のかじ取りに全力で当たっていきたいと思っております。次いで、オリンピック招致を契機とした都市インフラの「十年後の東京」に向けた整備についてでありますが、東京ほど、集中、集積が高度に進んだ都市は世界に類を見ないと思います。経済のグローバル化とアジアの地域間競争が激化する中で、東京の持つ本来の成長力や競争力を引き出す基幹的なインフラの整備がいかにおくれている、この現況であります。オリンピックが都市に加速度的な変革をもたらすのは、歴史の例を見ても明らかでありまして、これをてことして、東京をより機能的で魅力的な都市につくり変えていくことが必要であると思っております。「十年後の東京」で描いた三環状道路の整備、羽田空港の再拡張、国際化や横田基地の軍民共用化、さらには東京港のふ頭機能の強化など、陸海空を結ぶ交通、物流ネットワークの整備は、東京のみならず、我が国の国際協力を飛躍的に向上させるものであります。大都市の力こそが国力の象徴でありまして、文明の推進力であるとの認識に立って、オリンピック招致を確かなものとするためにも、引き続き、対応の遅い国に強く働きかけながら、基幹的な都市インフラの整備に全力を挙げて取り組んでいきたいと思っております。次いで、横田基地の軍民共用化についてでありますが、横田の軍民共用化は、空港容量が限界に達している首都圏の航空機能を補完するとともに、首都圏全体に大きな経済効果をもたらし、ひいては我が国の活力を高めることになります。一方では、その首都圏のオープンスカイの要求が非常にふえておりました。今回、この横田の軍民共用化の意義や効果について八都県市の首脳に理解していただきまして、共用化の早期実現について、国に対して明確に意見表明をしたことは、共用化の実現に向けて大きな力となるだけではなくて、米国に対しても強いメッセージになっていると思います。都としましても、今後、日米協議の重要なテーマとなります軍民の両立性について、一橋大学の杉山学長をヘッドとします委員会で引き続き検討を行っておりまして、日米両政府のスタディーグループによる協議に反映させていきたいと思っています。日米協議の促進については、安倍首相にも重ねて要請しまして、ASEANでの会議と先般の日米首脳会議でも、二度にわたって、首相からブッシュ大統領に対して念を押してもらいました。スタディーグループでの協議は、外交交渉に係ることでありまして、現段階では具体的な案件について内容を明らかにできませんが、いずれにしろ、かんかんがくがくの活発な議論が行われておりまして、実現まであと一歩のところまで来たと思っております。いずれにしろ、十月というロードマップがあるわけでありますから、そこでできるだけ大きな収穫があるように、この間も外務省の次官に会いましてハッパをかけてまいりましたが、引き続き協議の促進を両政府に強く働きかけるとともに、軍民共用化の早期実現に向けた取り組みを着実に進めていきたいと思っております。税財源をめぐる国の動きへの対応についてでありますが、国は、地方を厳しい状況に陥らせておきながら、その責任をとることもなく、本来なされるべき国と地方の分権改革の議論を、都市対地方の構図にすりかえようとしているのは顕著であります。全国の地方自治体は、このような国のこそくな手法に惑わされることなく、しっかりと連携して国と対峙して、問題解決の正当な道筋である地方税財政制度の抜本的改革の実現を目指すべきだと思っております。そういう点で、来月の中旬に行われます熊本での全国知事会、私も当然出席しますが、先般も、全国知事会の会長をしております麻生さんがやってまいりまして、二人で合議しました。これはよほど、ほぞを固めて、会長の立場はいろいろあるでしょうが、とにかく仕切って、リードをし通して、私も全面的に協力するからと申しました。先日も、また、神奈川県、愛知県、大阪府の知事と四人で会談を行いまして、こうした立場からの緊急アピールも取りまとめました。昨日、官房長官に申し入れを行いました。今後も、国の動きに対抗して、自治体間の結束をさらに強めながら、都議会の皆さんと力を合わせて、真の地方分権改革の実現に取り組んでまいりたいと思っております。次いで、新銀行東京の経営体制についてでありますが、今般の見直しの中で、取締役会と執行役との意思疎通を強化する観点から、執行役を兼務する取締役を二名にふやしました。一方、取締役の数を減らし、コンパクトな体制ともいたしました。また、新たに銀行出身の経営者を迎え入れ、都からは、組織運営のノウハウを持った職員を派遣しまして、事業執行体制の一層の強化を図りました。今後においては、新経営陣の下で、経営体制についても引き続き不断の見直しが行われるよう、都としても働きかけてまいりたいと思っております。次いで、中学三年生までの医療費助成についてでありますが、先ほども申しましたが、次世代を担う子どもは国にとっての宝でありまして、子どもたちが健やかに育つ環境を整備することは、行政はもとより社会全体の責任であります。都はこれまでも、認証保育所の創設や小児救急医療体制の整備など、国に先駆けて子どものためのさまざまな独自の施策を展開してまいりました。子育てにかかわる経済的支援については、本来は国が実施すべきものでありますが、国の取り組みがまだ不十分であることから、先般の選挙でも公約としても、所得格差を踏まえつつ、中学三年生までの医療費負担をゼロにすると約束いたしました。この公約については、今後、実現に向けて準備を進めていきたいと思っております。次いで、障害者の就労促進についてでありますが、「十年後の東京」では、障害者雇用を新たに三万人以上増加させるなど、自立と社会参加が進み、障害の有無にかかわらず、だれもが安心して暮らせる地域社会を目指しております。この実現のために、本年五月に策定しました東京都障害者計画において、企業への就労支援体制を拡充し、経済団体など関係機関との連携を強化することといたしました。今後、障害者雇用に先進的な企業が集積する東京の強みを生かしながら、社会全体でムーブメントを起こし、障害者雇用に対する理解と関心を高め、新たな雇用機会の拡大を図っていきたいと思っております。次いで、生徒の全員就労を目指す特別支援学校の設置についてでありますが、障害者の自立と社会参加を進めるための雇用の充実は重要な課題でありまして、「十年後の東京」においても、東京の障害者雇用について、今後十年間で三万人以上の増加を目指すことといたしました。このためにも、特別支援学校の職業教育、就労支援の一層の充実が必要でありまして、知的障害が軽い生徒の全員就労を目指す高等部の計画的な設置を含めて進めていきたいと思っております。次いで、高尾山学園についてでありますが、先般、公明党の東村議員のご案内で行ってまいりました。あの体験活動を見ましたが、学校が一人一人の子どもの意欲を引き出そうと努力をしている姿勢は非常に評価されるべきものだと思います。中には、大阪からわざわざ来て、アパートを借りて通っている子どももおりまして、非常にそういう点で刮目すべきものだと思いますが、やはり一貫していることは、中学校の高学年の子どもが、小学校の低学年の子どもをさながら兄弟のように、一種の責任感でみとって、一緒にスポーツなどをしているというのは、非常にほほ笑ましい風景だと思いました。不登校の要因はさまざまでありまして、子どもたちの能力を伸ばすためには、固定化したパターンに当てはめずに、一人一人に応じたやり方が必要だと思いました。不登校生徒の対策については、都教育委員会において対応しておりまして、引き続き、高尾山学園も参考にして、十分検討してもらいたいと思っております。次いで、私立学校の自主性についてでありますが、これはもう言を要しないことでありまして、私立学校では、建学の精神に基づき、創意工夫による、それぞれ独自の教育が行われております。生徒、保護者の方々から高い信頼と評価を得ているのが現況であります。こうした事実を考えれば、私立学校の自主性が国会で再確認されるのは当然なことだと思います。都はこれまでと同様、私立学校の自主性を尊重していくつもりでございます。次いで、水道技術の国際支援についてでありますが、世界大都市・気候変動サミットにおいて、水の有効利用に取り組むことで二酸化炭素の排出削減を図り、地球環境の保全に貢献すべきだと提言をしてまいりました。私よりも、前任者でございましたけれども、水道局長が同伴しまして、水道局長の講演は非常に説得性があったと思っております。東京は長年にわたり漏水防止対策に取り組みまして、漏水率を三%台に低減させました。世界の各都市の漏水率は、先進国でも一〇%以上が多く、途上国ではもう三十数%というていたらくでありますが、この東京の漏水率の低さは、みんなが驚くところでありました。地球環境問題は、国家が役割を果たすことが重要でありますが、東京を初めとした世界の大都市が逆に国をリードしていく必要があるなという感じがいたします。東京はかなり先進的なことをしておりますんで、各都市の報告は余り参考になりませんでしたが、ただ、やっぱり確認できたことは、どこの国も、大都市が頑張っても国の政府は余り動かぬ、そういう共通の悩みを確認したわけであります。その一つとして、世界レベルにある水道技術、ノウハウを世界に向けて発信するとともに、東京が核となって、漏水防止を初めとする技術情報を交換する場を設けるなど、アジアを中心とした海外の水道事業体との交流促進策を積極的に検討してまいります。こうした取り組みを重ねることが、ご指摘のように、オリンピックにも、かまけて東京のアピールにつながると考えております。次いで、オリンピックの文化プログラムについてでありますが、IOCは、オリンピックの運動において、スポーツ、文化、環境の三つを柱としておりまして、熾烈な選考レースに勝ち抜くためにも、すぐれた文化プログラムを策定する必要があります。現在、演出家の蜷川幸雄さんや、デザイナーの三宅一生さんといった世界に誇る当代きっての第一人者から成ります東京芸術文化評議会、アートカウンシルで、文化プログラムについてご議論いただいております。東京の持つ可能性というものを爆発させるような画期的な文化プログラムを策定し、オリンピック招致の実現を目指したいと思っております。今、初めて知りましたが、都民の日ですか、これは、あってもなくてもいいような、何というんでしょうかね、よく実態のわからない記念日ですけど、これに重ねて、要するに世界音楽の日というものを重ねれば、五月の連休に東京フォーラムでやっているラ・フォル・ジュルネが、素人のオーケストラも加えて、とにかく赤ん坊も連れていって聞けるような音楽祭をやって大成功しておりますけど、そういう点では、私は秋にも同じ催し物を、外国から人を呼ばなくても、日本独自でやることは大変おもしろいんじゃないかと思っております。他の質問については、教育長及び関係局長から答弁します。〔教育長中村正彦君登壇〕 # 教育長(中村正彦君) 教育長(中村正彦君)東京都特別支援教育推進計画第二次実施計画についてお答え申し上げます。都教育委員会では、職業的自立を目指した職業教育を充実するため、平成十六年に策定いたしました東京都特別支援教育推進計画第一次実施計画に基づきまして、知的障害が軽い生徒を対象とする特別支援学校高等部の設置を着実に進めてまいりました。また、知的障害のある児童生徒の増加に応じました教室の確保や、肢体不自由の児童生徒の通学時間軽減等のため、特別支援学校の新設、増改修等につきましても積極的に推進してきたところであります。第二次実施計画の策定に当たりましても、知的障害が軽い生徒を対象とした特別支援学校の設置につきましては、これまでの地域的な整備状況を踏まえまして計画的に取り組んでまいります。また、地域の実情を把握しつつ、特別支援学校の再編整備等を進めて、特別支援教育の一層の充実を図ってまいります。〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕 # 都市整備局長(只腰憲久君) 都市整備局長(只腰憲久君)多摩都市モノレールについてでございますが、多摩都市モノレールは、一日平均約十一万人を輸送する、多摩地域における重要な公共交通機関であると認識しております。モノレール会社におきましては、企画乗車券の発行など、乗客の増加策に加え、人件費等の経費削減に積極的に取り組んだ結果、平成十六年度以降は営業黒字を達成しております。しかしながら、利払い等を加味いたしました経常損益では赤字が続いておりまして、平成十五年度からは債務超過となっております。この状態を解消するためにも、将来に向けて早期の経営安定化が不可欠であると考えております。今後、会社に対しましては、さらなる経営努力を求めつつ、都といたしましても、関係者と調整、連携を図りながら、抜本的な経営改善に取り組んでまいります。〔総務局長押元洋君登壇〕 # 総務局長(押元洋君) 総務局長(押元洋君)行財政改革など、二点のご質問にお答えを申し上げます。まず、都の行財政改革のノウハウの提供についてでございますが、都はこれまで、国や他の自治体に先んじて、職員定数削減など徹底した歳出削減や、税収確保に向けたさまざまな取り組み、複式簿記・発生主義会計による新たな公会計制度の導入など、量と質の両面からの行革に積極的に取り組んでまいりました。これらの先駆的な行革の取り組みに関しては、説明会の開催やツールの提供などを通じて、都独自のノウハウの提供に努めてきたところであります。今後は、ご提案の趣旨を踏まえ、能力や業績に基づく人事給与制度改革や、持ち株会社方式による監理団体改革など、他の自治体からの関心が高い都の行革のノウハウを提供することによりまして、自治体の財政力の向上に資する改革の推進に貢献してまいりたいと存じます。次に、都庁内における知的障害者の就労についてでございます。障害者の方々が地域で自立した生活を実現する上で、就労の問題は非常に重要であると認識をしております。障害者の方々の就労拡大を図るためには、民間と行政が密接に連携しながら、障害者雇用が広く社会に根づくような効果的な取り組みを行っていく必要がございます。都としては、今後、国の動向等も踏まえながら、知的障害者の就労拡大に向けた取り組みを検討してまいります。〔財務局長村山寛司君登壇〕 # 財務局長(村山寛司君) 財務局長(村山寛司君)財政力格差是正論に対する今後の都の主張についてでございます。国が、この議論を都市と地方の対立の構造にすりかえようとしている中、地方同士がより強固に連携して国に対抗していくためには、都の主張が、都市、地方を問わず、広く他の自治体から共感を得ることが不可欠であります。そのため、都としてはまず、今日、多くの自治体が陥っている財政困窮の主たる原因が、この間、国が行ってきた地方交付税の大幅な削減にあることを実証的に明らかにしてまいります。同時に、この問題の解決は、国から地方への権限と税源の移譲、地方交付税を含む財政調整機能の充実、これらを一体的に実現することでこそ可能であるということを、さらにわかりやすく主張してまいります。今年秋を目途に、これらの主張を盛り込んだ冊子を取りまとめ、この冊子を活用することなどにより、全国の自治体の理解を一層深め、ともに手を携えながら、真の地方分権改革の実現に向け取り組んでまいります。〔産業労働局長佐藤広君登壇〕 # 産業労働局長(佐藤広君) 産業労働局長(佐藤広君)五点のご質問にお答えいたします。まず、新銀行東京の中小企業支援についてですが、新銀行東京は、開業後二年間で約一万六千六百件の融資、保証を実行してきており、中小企業金融において重要な役割を果たしてまいりました。新中期経営計画では、対象顧客の小口化による融資件数や顧客数の拡大に重点を置くとともに、新たに一般融資の取り組みも充実するなど、中小企業向け融資の強化を図ることといたしました。また、都の制度融資につきましても、五月より全店舗で取り扱いを開始したところでありまして、中小企業のニーズに応じて幅広い支援を行っていくこととしております。都といたしましても、株主の立場から、新銀行東京が中小企業金融において、その役割をしっかり果たしていくよう、積極的な働きかけを行ってまいります。次に、中小企業の事業環境の整備についてですが、中小企業者が都内で事業を継続できる環境を整備することは、東京の産業力の維持強化を図る上で重要な課題と認識しております。都はこれまでも、特別工業地区建築条例を廃止するなど、中小製造業の立地に関する規制を見直したほか、事業承継時の税負担の軽減を国に提案要求するなど、事業環境の整備に努めてまいりました。さらに、今年度より、中小企業の事業承継を円滑に進めるため、学識経験者、弁護士、公認会計士等で構成する研究会を設置し、検討を開始したところでございます。今後とも、中小企業が安心して操業できるよう、中小企業の厳しい状況を踏まえ、事業環境の整備に積極的に努めてまいります。次に、若者ジョブサポーター企業への支援についてですが、都におきましては、インターンシップの受け入れなど、若者の職業的自立を支援する若者ジョブサポーター企業を募集いたしまして、現在、約三百の企業が登録をしてございます。これらの企業につきましては、ホームページや冊子でその活動を周知いたしますとともに、直接若者へのPRを行う場としてジョブパーティーを開催するなど、その人材確保に資する取り組みを行っております。今後は、ジョブパーティーの開催回数をふやし、より多くの若者や企業の参加を募るとともに、新たに大学、高校などに対しまして、きめ細かくインターンシップの情報を提供するなど、若者ジョブサポーター企業への支援を強化してまいります。次に、障害者の就労支援についてですが、障害者の就労を促進するためには、個々の障害者の状況に応じまして、支援機関等と協働して、生活支援や能力開発など、さまざまな支援を効果的に実施していく必要がございます。都ではこれまで、しごとセンターにおきまして、障害者からの相談に対し訓練機関を紹介する等の対応を行ってまいりました。また、心身障害者職能開発センターでは、職業訓練に加えまして、本年度から、国や地域の就労支援機関との連携によりまして、雇用機会の拡大を図る総合コーディネート事業を開始いたしまして、雇用啓発セミナーの実施等にも取り組んでいるところでございます。今後は、心身障害者職能開発センターのコーディネート機能の充実を図りつつ、しごとセンターの就職支援機能との連携を強化いたしまして、より一体的に障害者の就労支援を進めてまいります。最後に、生活保護受給者に対する職業訓練についてですが、現在、職業能力開発センターでは、就労支援プログラムの一環といたしまして、生活保護受給者であります母子家庭の母を対象といたしました年間百五十名規模の短期特別訓練を実施しております。また、一般向け職業訓練では、母子家庭の母や四十五歳以上の求職者に対する入校優先枠を設けております。今後は、福祉事務所やハローワークとの連携を強化いたしまして、この優先枠の活用を一層促進してまいります。さらに、現在、優先措置の対象となっておりません就労支援プログラムにおける他の生活保護受給者につきましても、その対象に加えることを検討してまいります。〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕 # 福祉保健局長(安藤立美君) 福祉保健局長(安藤立美君)八点の質問にお答えいたします。まず、子育て応援戦略会議についてでございますが、子育て支援につきましては、子育てと仕事が両立できる雇用環境の整備を初め、課題は広範囲にわたっており、福祉、労働、住宅など、幅広い取り組みが必要であることから、先般、副知事をトップとした局横断的な子育て応援戦略会議を設置いたしました。さらに、行政、企業、大学、NPOなどで構成する、子育て応援とうきょう会議(仮称)を設置し、社会全体で子育てを支援する機運を一層高めるとともに、専門家や若者、子育て中の親から意見などをいただくことにいたします。今後、都としては、これらの意見も参考にしながら、効果的で実効性のある子育て支援策を鋭意検討してまいります。次に、待機児童解消のための抜本的な解決策についてでありますが、都はこれまでも、認可保育所の設置促進を図るとともに、都独自の認証保育所の創設などにより、保育サービスの充実に努めてまいりました。一方、都内には相当数の潜在的な保育ニーズが存在しているため、待機児童数は、ここ数年横ばいで推移しています。今後、「十年後の東京」で掲げた待機児童五千人の解消に向け、子育て応援戦略会議におきまして、保育所定員の増だけでなく、多様な保育サービスのさらなる拡充を含めた総合的な子育て支援策を検討し、その実現に取り組んでまいります。次に、就労移行支援事業の実施の拡大についてでありますが、障害者の雇用拡大を図る上では、障害者が一般就労に必要な知識、能力を習得し、適性に合った職場探しなどを行う就労移行支援事業を充実させることが有効であります。このため、身近な地域で障害者が就労移行支援事業を利用できるよう、都は、各区市町村が計画的、重点的に取り組むことを働きかけております。さらに、ご指摘のとおり、規制緩和により本事業への民間企業等の参入が可能となったことを好機ととらえ、さまざまな民間企業が集積しております東京の特性を生かし、障害者雇用のノウハウを持つ企業を初め多様な事業主体の参入を促し、本事業の拡充を図ってまいります。次に、生活保護受給者の自立についてでありますが、これまで、各福祉事務所にハローワークのOBを就労支援員として配置するなど、自立に向けた取り組みを強化したことにより、就労実績は拡大をしてきております。今後、就労自立をさらに促進するためには、就労意欲が低い人や生活習慣が確立していない人を支援する体制づくりが重要であります。都は、独自に設置をいたしました自立支援ネット会議におきまして、各福祉事務所における生活支援の効果的な取り組み事例などについて研究、協議を行っており、福祉事務所の職員がその成果を共有することで、さらなる能力向上を図ってまいります。また、国の補助制度の活用を各区市に働きかけ、生活支援を担う人材の確保などに努めてまいります。次に、介護報酬の不正請求を根絶するための具体的な取り組みについてでありますが、不正請求を防止するためには、保険者である区市町村の取り組みが重要でございます。都は、介護報酬の給付の適正化を図るため、これまでの方策に加えまして、今年度、都及び区市町村の具体的な取り組み内容を盛り込んだ東京都介護給付適正化プログラムを作成いたします。このプログラムにおきまして、ヘルパーの訪問時間の確認などを行います利用者宅訪問調査や、不適切なサービス給付を見直すケアプランチェックなど、先駆的な事例を示すことで、区市町村の効果的な取り組みを促進してまいります。今後とも、都は、区市町村が積極的に介護給付の適正化に取り組めるよう支援してまいります。次に、自殺総合対策東京会議についてでありますが、自殺は、個人的な問題としてのみとらえられるべきものではなく、多様かつ複合的な原因及び背景を有するものであることから、その対策に当たりましては社会的な取り組みが必要でございます。東京会議は、自殺対策に関する取り組みの推進基盤でありまして、保健・医療・福祉、経済・労働、教育等の関係団体や、防止活動を行う民間団体、有識者など、多様な主体の連携、協働の場として、七月上旬に設置をいたします。この会議では、事前予防、危機対応、事後対応に関する分科会を設けて、多角的な観点から協議等を行い、都民に対して自殺問題に関するメッセージを発信し、社会全体での取り組みにつなげてまいります。次に、自殺総合対策の具体的な施策展開についてであります。東京会議での協議等を踏まえて、問題への認識や社会的取り組みの必要性などについて、広く都民の理解を促進し、その予防を図るため、自殺防止東京キャンペーンを実施するなど、広報、普及啓発に取り組んでまいります。また、東京における自殺の実態を把握するとともに、危機を早期に発見し、対応するための相談・支援体制の構築や、遺族、未遂者に対する支援策の検討に着手をいたします。なお、自殺対策は、総合的、組織横断的な取り組みが必要であることから、関係各局から成る連絡会議を設置し、多重債務者対策やいじめ対策などの関係施策と調整を図りながら、全庁的に推進をしてまいります。最後に、自殺を水際で防ぐ取り組みについてでありますが、自殺を未然に防止するためには、その危険性が高い人を早期に発見し、専門機関による相談・支援につなげることが重要であり、こうした役割を身近で担う人材として、今年度からゲートキーパーを養成することといたしました。その養成に当たりましては、都独自に養成プログラムを開発するとともに、地域や職域における保健師等の専門スタッフを指導者として養成してまいります。また、医療機関や相談機関などが相互に連携した相談・支援ネットワークを構築するなど、自殺防止に向けた専門的な対応力強化のための施策の充実に努めてまいります。〔水道局長東岡創示君登壇〕 # 水道局長(東岡創示君) 水道局長(東岡創示君)水道局が持つ経営や技術などのノウハウを発信すべきとのご質問にお答えします。水道局ではこれまで、国際協力機構いわゆるJICAなどと協力し、アジア、アフリカへの職員の派遣や研修生の受け入れなどを行うとともに、アジア大都市ネットワークや日本水道協会と連携した取り組みを実施しております。こうした取り組みに加えて、今後、当局の漏水防止技術につきまして、外国語版のガイドブックを充実させ、早期に海外の実務者向けのものとして発信してまいります。さらに、本年十一月に当局の研修・開発センターで開催される、水道サービスに関する国際規格を決める会議に向けて、海外水道事業体との交流を促進するため、双方向で情報交換できる仕組みを構築し、当局がこれまで培ってきた経営や技術などのノウハウを広く提供してまいります。〔環境局長吉川和夫君登壇〕 # 環境局長(吉川和夫君) 環境局長(吉川和夫君)二点のご質問についてお答えをいたします。まず、排出量取引制度についてでありますが、この制度は、大規模CO2排出事業所が、みずからの対策のみで削減目標を達成できない場合に、他の事業所からの削減量の購入を認めることにより、目標の達成を可能とする制度でございます。都での導入に当たりましては、大規模事業所だけでなく、削減義務を負わない中小規模事業所がCO2削減量を大規模事業所に売却することも可能とするなど、幅広く事業者が参加できる仕組みとしてまいります。また、削減量の認定方法など、取引ルールの整備を行いまして、実効ある制度づくりを進めてまいります。次に、省エネルギー促進税制についてでありますが、家庭や中小企業の省エネルギー対策を推進するためには、温暖化対策としての省エネの意義に関する意識啓発や、家電製品等に関する省エネ技術の開発促進に加え、省エネ行動が広がるような仕組みづくりが重要であり、とりわけ、金融商品の開発や税制などの経済的手法の活用が有効でございます。こうした観点から、省エネルギーの促進のための新しい税制について、省エネ投資等の促進、省エネ行動への誘導など、幅広い角度で東京都税制調査会を活用しながら検討してまいります。〔生活文化スポーツ局長渡辺日佐夫君登壇〕 # 生活文化スポーツ局長(渡辺日佐夫君) 生活文化スポーツ局長(渡辺日佐夫君)東京音楽の祭典の日のご提案でございますが、先ほど知事から答弁があったとおりでございます。都はこれまで、東京都交響楽団によるさまざまな演奏会、すぐれた舞台芸術を低廉な料金で鑑賞できる都民芸術フェスティバル、子どもたちがプロの音楽家と直接触れ合える子ども向け舞台芸術参加・体験プログラムなど、都民が音楽に親しめる機会の充実に努めてまいりました。現在、東京芸術文化評議会において、世界文化都市・東京を実現するための文化戦略について議論しているところであり、都民の日である十月一日を、東京音楽の祭典とするアイデアにつきましても、東京芸術文化評議会の意見を踏まえ、芸術文化の一層の振興を図ってまいりたいと存じます。 # 副議長(木内良明君) 副議長(木内良明君)百二十七番渡辺康信君。〔百二十七番渡辺康信君登壇〕〔副議長退席、議長着席〕 # 百二十七番(渡辺康信君) 百二十七番(渡辺康信君)日本共産党都議団を代表して質問します。私は、三選を果たした石原知事に対し、これまでの知事の立場を大きく変えた公約について、これをどう実現するのかという立場から、知事の見解をただしたいと思います。まず、中学三年生までの医療費無料化の公約であります。これは、我が党が繰り返し提案してきたものであり、知事選後、知事に対し公約実行を申し入れました。知事、中学三年生までの医療費無料化をいつから実施するのですか。来年度実施に向け、直ちに具体化すべきですが、答弁を求めます。具体化に向けた課題は、市町村の財政負担です。既に区部では、二十二区が中学三年生までの無料化に踏み出していますが、多摩地域では、ことし十月から始まる小中学生の一割助成を実施するのが精いっぱいです。我が党が、多摩二十六市の担当部課長を対象に行ったアンケートでは、都が実施するというのであれば、必要経費は都が負担すべきだ、市の負担がふえないようにしてほしい、都はすべての都民に責任があるのだから、すべての都民が利用できるようにしてくださいなどの声が寄せられました。事前の協議も、共通した要望であります。知事は、マスコミのインタビューに、中学卒業までの医療費は裕福な家庭を除き都が負担するとか、多摩の市町村が財政的にできないというなら、二十三区とはばらつきが生ずるので、都が何らかの方法で面倒を見ることはあり得ると答えています。知事、ここまでいったんですから、すべての区市町村が実施できるように、都が責任を持って財政負担を行うことが必要です。また、具体化に当たっては区市町村との協議を尽くすことを求めます。見解を伺います。また、今後、所得制限なしの無料化を実施するよう、強く求めておきます。知事は、選挙直前に都民税軽減の実施を表明しましたが、その後、所信表明などでも、この問題には触れていません。そこで、増税による都民の苦しみをどう緩和するのかについて伺います。今、六月からの住民税増税の通知が続々と各家庭に届き、間違いではないのか、だれが決めたんだという苦情や問い合わせが区市町村に殺到しています。足立区では、区役所に訪ねてきた人が一日だけで六百人、電話が七百件に及び、二十一台の電話を確保し、職員四十名体制で対応しております。私にも、切実な声が多くの方から寄せられています。ひとり暮らしのある高齢者は、一昨年、住民税は非課税だったのが、昨年は八千二百円、今回これが四・三倍の三万五千三百円にはね上がったといいます。国民健康保険料も一万七千九百円と大幅にふえます。受け取る年金は減っているのに、どうして負担ばかりがこんなに毎年ふえるのか、驚きと怒りの声が上がるのは当然であります。自営業のあるご夫婦の場合、一昨年はやはり住民税非課税で、昨年は四千円、ことしは一万千八百円。国保料は、昨年の十二万五千円が、ことしは二十四万二千八百円です。このほか、都営住宅の家賃、介護保険料と医療費を払うと、一カ月の生活費は夫婦でわずか十万円しか残りません。生活の苦しい人からむしり取るようなやり方に、このご夫婦は、とても払えません、どうやって食べていくのですかと訴えています。子育て世帯も大変です。ある家庭では、大学生と高校生二人の教育費と定期代、それに毎月七万円の住宅ローンです。家計を補うため、奥さんが月六万円のパートに出ていますが、この家庭に年間十二万円の住民税増税です。奥さんがパートで稼ぐ二カ月分がそっくり消えてなくなるのであります。政府・与党は、税源移譲だから住民税と所得税の合計は変わらないなどと宣伝しておりますが、とんでもないごまかしです。実際は、定率減税廃止により、若い人からお年寄りまで、サラリーマンも自営業者も、多くの都民に増税が押し寄せております。都が昨年度行った都民の生活実態調査の結果、年間収入五百万円未満の世帯がふえて、五割を超えました。中でも、三百万円未満の世帯が大幅にふえています。マスコミも格差都市東京と大きく取り上げました。このような中で、大幅な増税、負担増が押し寄せているのですから、本当に深刻です。住民には増税、大企業と大金持ちには減税という逆立ち税制を続けてきたことが、貧困と格差を一層ひどくしてきたのです。この流れを逆転することこそ、今求められているのであります。知事、こんな増税を国が都民に押しつけるのはひどいと思いませんか。住民の暮らしを守るべき自治体の長として、国に対し、住民税増税を中止し、既に通知した今年度分は還付するよう求めるべきであります。また、国がやらない場合は、都民税について都独自に還付するなどの対策をとることを提案いたします。お答えください。知事が来年度実施を約束した減税案は、生活保護基準程度の収入しかない人の都民税所得割を全額免除するもので、納税義務者の一割に当たる約六十万人に対し、五十億円の減税とされております。これを約束どおり実施すべきですが、どうですか。知事の減税案は、重要な前進ですが、一人当たり平均年八千円程度にすぎず、不十分です。緊急生活応援手当の支給や家賃助成など、低所得者へのさらなる支援が必要だと思いますが、見解を伺います。七十歳以上の高齢者にとって、シルバーパスの負担軽減はいよいよ切実です。知事は、住民税課税者の中にも一割程度は生活保護基準程度の人がいることを認めましたが、こういう人にも二万五百十円を押しつけているのが実態です。千円と二万五百十円の間に、三千円などのパスを導入することを改めて提案いたします。また、昨年度の税制改定に伴い住民税課税になった人は千円に据え置く特別措置をことしも継続することを、明確に答弁してください。知事は、都民の目線による医療と福祉を進めますと公約いたしましたが、高齢者の介護をめぐり重大な問題が起きています。株式会社コムスンが虚偽の申請内容で介護保険の事業者指定を受けたことで、厚生労働省は、来年四月から指定を取り消すよう全国に通知しました。全国で六万人から七万人に及ぶコムスンの介護サービス利用者が不安にさらされています。厚生労働省は、来年三月までは引き続きコムスンからのサービスが受けられるから安心してくださいといいますが、実際には、事業所の撤退や統合が進んでいるんです。そこで、都内の影響人数、コムスンの各事業所の現状、問題の経過と都の対応などについて明らかにしてください。また、コムスンの介護サービスの利用者、有料老人ホームやグループホームの入居者のサービスが途切れることがないよう、都として、相談窓口の開設を初め万全の対応を行うことが必要です。答弁を求めます。今回の事態は、営利企業の参入を拡大し、行政の責任を後退させてきた介護保険制度の根本的な問題点が噴き出したものです。営利企業の多くは、もうかる市場だということで介護事業に参入しています。コムスンは、ニチイを追い越せが目標で、ヘルパーに対して、営業、営業とハッパをかけ、売り上げ競争をさせてきました。こういう介護を営利追求の場にする現状を根本から変えないと、コムスンの事業をほかの営利企業に譲渡しても、問題は解決いたしません。コムスンだけでなく、業界大手のニチイ学館やジャパンケアサービスも、ヘルパーが介護保険法で定めた人数どおりに配置されていないなどの問題を都が指摘し、改善勧告と、介護報酬の過大請求の返還を求めた経過もあります。石原知事は、介護福祉分野への営利企業の参入、活用を積極的に推進してきましたが、今回のコムスンをめぐる事態で、そういうやり方の間違いがはっきりしたと考えますが、知事の認識を伺います。ヘルパーのほとんどは、時給千数百円の非常勤です。待遇をきちんと保障して、質の高いサービスを提供しようとしたら赤字になる介護保険制度の構造を改めることも急務です。まじめな事業者は疲れ果てています。人材不足も深刻です。事業者の努力だけでは解決できません。介護保険に対する国の公費負担をふやすことで介護報酬を拡充し、ヘルパーなど介護人材の賃金の引き上げなど、待遇改善を促進するよう国に求めることが必要です。答弁を求めます。都知事選挙では、我が党が追及した一回三千万円もの超豪華海外出張などの浪費や都政私物化の問題が大きな争点になりました。このため、知事は反省を口にせざるを得なくなりました。ところが、知事は、知事選挙が終わると、根も葉もないバッシングがあったなどという発言を繰り返し、マスコミからも、傲慢復活などという批判を受けています。私は、こうした問題でも、都民に対する知事の約束を守るよう厳しく指摘し、幾つかの点で見解をただします。まず、知事の豪華海外出張の中で、今問題が浮き彫りとなっているマン島TTレースの視察です。知事は、いまだに都のホームページで、マン島視察で成果を上げたと宣伝しておりますが、事実をゆがめるものです。マン島出張は、三宅島での公道を使ったオートバイレースの調査が目的でしたが、その三宅オートバイレースは、安全性についてメーカーやテストライダーから疑問と中止を求める声が上げられ、協力を得られないことから、島を一周する公道レースも、阿古地区での公道レースも断念に追い込まれたではありませんか。知事、ホームページを訂正すべきだと思いますが、どうですか。大体、公道レースの開催が現実的でないことは、マン島TTレースでも、この百年間の間に二百人を超える死者が生まれていることなど、ちょっと調べればわかることです。知っていたのに三宅でやろうとしていたというなら、余りにも人の命の重さを無視しているといわざるを得ません。知事、どうでしょうか。また、事前にメーカーの意向調査やテスト走行、マーケティング調査を行っていれば、開催が困難であるという結論を得ることは十分に可能だったのです。それをせずに多額の税金をかけて視察を行ったことは、都民の納得を得られるものではありません。豪華海外出張について、口先だけでなく、真摯な反省をすべきだと考えますが、どうですか。さらに、都民から、マン島視察に使った費用を返すべきとの声が上がるのは当然であります。我が党の試算では約七百万円になりますが、あわせて答弁を求めます。実際、今月八日、マン島TTレースでライダーと観客三人が死亡し、そのほかに観客一人と主催者側のマーシャル二人が重傷を負うという、観客を巻き込んだ悲惨な大事故が発生。翌々日の十日の日曜日には、これも観客を含む八人の死傷事故が発生しています。知事、公道オートバイレースはこれほど危険に満ちたものなんです。だからこそ、メーカーやレーサーも反対しているのです。公道レースに固執して、死亡事故があっても仕方ないというのですか。それとも、事故の責任も補償の責任も村の側にあるというのでしょうか。知事、いかなる形での公道レースもやらないと、きっぱり明言すべきです。それぞれ明確な答弁を求めます。都と村は、最近、公道レースにかわるフェスタ案を発表しましたが、レース的性格を持たせようとしたものです。そして、これを毎年ステップアップしていこうとしています。しかも、メーカー側から協力の約束を得ていると説明しています。これもごまかしです。まず、メーカーのホンダは、イベントであっても、公道を使って法定速度制限を解除して行うイベントは危険に変わりはなく、協力できないとはっきりといっていますし、イベントの窓口となるMFJは、最近、組織として協力できないことを表明するに至ったのです。八方ふさがりで、にっちもさっちもいかなくなっていることを直視すべきことを申し述べておきます。我が党は、この間に二回、三宅島を訪問し、関係者の話を伺ってきました。そこで明らかになったことは、オートバイレースは島民からは歓迎されていないということであります。島民が求めているのは、三宅空港の早期再開や航路の改善、観光振興、農漁業の振興などの現実的な復興に役立つ支援です。三宅の復興というのなら、この方向に支援を切りかえる決断が必要ではありませんか。知事の答弁を求めます。知事の誤った判断が都民の食の安全に重大な危険をもたらそうとしているのが、築地市場の豊洲移転問題です。築地市場は、古くから魚河岸の名で親しまれてきた、水産物では国内最大の卸売市場です。その市場を、ベンゼン、砒素や水銀、六価クロムなどの有害物質に汚染された豊洲に移転させるというのですから、関係業界を初め、地元区、都民からも疑念と反対の声が上がるのは当然であります。こうした批判に対し、知事は選挙で、これまでの東京ガスによる土壌汚染対策で安全といい張ることができなくなり、専門家会議を立ち上げて検討する、再調査をして土壌汚染があったら中止だという態度を示すに至りました。しかし、選挙が終わると、再調査するかどうかを専門家会議で検討すると、トーンダウンをしています。しかも、設置した専門家会議の構成にも疑問が寄せられています。環境学会のメンバーや液状化問題の専門家も入っておらず、座長に至っては、大阪で起きたマンションの土壌汚染訴訟で企業側の委員を務めた方が任命されているのです。一方、環境学会の専門家は、東京ガスの土壌改良は、国の土壌対策法に沿って行われていない不十分なものであること、豊洲では地下水まで汚染されており、土壌を全部入れかえない限り安全とはいえないと指摘しております。移転を前提とした専門家会議の委員からも、再調査の声が上がっているではありませんか。知事、食の安全を第一とする市場の設置者として、汚染が明らかな不適地を選定した責任は重大であります。しかも、新市場建設基本問題検討会で土壌汚染対策問題の検討を封印したのは東京都ではありませんか。このことをどう考えているのですか。最近、環境省は、現行の土壌汚染対策法が施行される前に調査された豊洲などの汚染地において、より厳しい調査、対策が必要だとする方向を打ち出しました。都の責任で、新たな基準に基づく調査、食の安全を守るにふさわしい調査を行うべきと考えますが、答弁を求めます。そもそも築地市場の整備は、現地での再整備という方向で一貫して進められてきたものです。それが青島都政時代に、臨海副都心開発の救済のために、臨海部への移転という方向が出され、確かに現地再整備と移転再整備の間で揺れたことも事実です。しかし、豊洲については、当時のサンフランシスコ地震被害の研究から、液状化の危険が強い豊洲は不適とされていたのです。これが石原都政になって、築地の周辺を含めた再開発というねらいが加わり、知事の市場視察を契機に、一気に豊洲移転で動き出したのであります。今日の業者の態度は明白です。四月の水産仲卸売業者のアンケートで七四%が移転反対を表明。最近実施された青果仲卸売業者のアンケートでも、九割が築地での営業継続を望んでいることが明らかになっています。地元中央区も移転に反対しています。知事、これだけの反対を押し切って移転を強行することは許されません。豊洲移転は中止すべきです。答弁を求めます。知事は、現地再整備は、種地がないとか、築地はアスベストで危険などと、いいわけを繰り返しています。しかし、種地というのであれば、例えば運河を挟んだ隣の晴海を使えばよいではありませんか。アスベストについても、東京都自身が、現状で取り壊し作業をやっても大丈夫だとしているのです。築地での再整備に立ち返るべきではありませんか。知事の答弁を求めます。知事のトップダウンで始められた事業によって、一千億円もの税金が泡と消えようとしているのが新銀行東京です。私たちは、自治体が手を出すべきではない事業に乗り出した、都民の重いツケになると厳しく批判してきましたが、まさにそのとおりになっているではありませんか。二〇〇七年三月期決算では、開業二年目の最終損益で五百四十七億円の赤字となり、累積欠損は八百四十九億円にも上り、都が出資した一千億円のほとんどが失われる事態となっています。知事は、破綻ではない、二年後には単年度黒字に転換すると強弁していますが、だれも額面どおりには受けとめていません。金融の専門家は、本来、金融庁が業務改善命令を発動してもおかしくない事態と指摘、これまで高い評価をしていたアメリカの格付会社も、政策的役割に低下の懸念が生じているとして二段階引き下げを行い、新中期計画についても、達成は容易でないと判断しております。知事は、責任を問われたら、素人などといっていい逃れしておりますが、知事の甘い見通しが今日の事態を生み出したのではありませんか。この期に及んで、経営者に責任を押しつけて、みずからの責任逃れをするのは見苦しい限りです。また、乾坤一てきの勝負をするなどといっておりますが、新銀行はギャンブルではありません。それとも、失敗したときは一千億円の責任を負うというのですか。都民の税金を一千億円も投入した、みずからの責任を明らかにするとともに、経営継続に固執せず、金融庁の検査と指導を要請し、都民の税金と預金者保護を最優先に、早期に撤退すべきです。知事の答弁を求めます。知事のトップダウンの事業の中で、最大のむだ遣いとなるのがオリンピックです。しかも、開催計画自体がずさんきわまりないものです。ビッグサイトでは開催不能な水泳会場、公園をつぶす夢の島会場、汚れた海水面を泳ぐトライアスロン会場など枚挙にいとまはありません。中でも深刻なのはメーンスタジアムです。最近、オリンピック招致委員会は、晴海をメーン会場とすることを正式に決定しました。しかし、かねてから我が党が指摘してきたように、埋立地である晴海は、液状化や側方流動の危険が極めて高く、交通アクセスが不便で十万人の観客の移動が容易でないことなど、問題は山積みしています。中でも、霞ヶ丘の国立競技場とは別に、晴海に国立の競技場を建設することについて、国や関係団体の了解を得られなかったことは致命的な問題です。そもそも知事は、都として新たな施設は建設しない、メーンスタジアムは国立で建設するといってきたのです。しかし、この計画は崩れました。我が党の質問に対して、文部科学省の担当者は、二つの国立競技場はあり得ない、晴海の計画について、交通の面から計画を見直した方がよいと都に申し上げたといっています。また、日本陸連も、我が党に、陸上競技にとって国立競技場は聖地である、晴海に競技場を建設するのは勝手だが、国立競技場をサッカー専用にすることについては絶対反対であることを明らかにし、このことを文部科学省にも東京都のオリンピック招致本部にもはっきり意思表示をしたと述べておるのであります。知事、最初、都民に説明した計画も、現在の説明も事実と全く違うではありませんか。これ以上都民を欺くことは許されません。大体こんなずさんな、つじつま合わせの招致計画で立候補する資格があると考えているのですか。答弁を求めます。さらに重大なことは、オリンピック招致をてこにしたインフラ整備への都民の税金投入に拍車がかかろうとしていることです。メーン会場への交通手段について、当初計画では全く示されていませんでしたが、最近、知事はこれが必要であることをようやく認め、LRTについて言及しました。しかし、LRTには鉄道や地下鉄のような輸送能力は期待できず、一時に十万人もの観客をさばくことは不可能です。LRTのほかにも、羽田と築地を結ぶ地下トンネルや都心と結ぶ地下鉄の建設など、次々と浮上してくることが予想されます。中でも最大の投資となるのは、地上部道路とあわせて二兆円規模の外かく環状道路です。我が党は先日、外環道の事業者となる東日本高速道路株式会社を訪ね、話を聞かせてもらってきました。同社の話では、大深度地下の本体について、一兆三千五百億円もかかるのであれば、採算がとれず赤字になるので、手を出すことはしないということでした。国会での国交省の道路局長の答弁では、新直轄方式だと都の負担は外環本体で三千四百億円になります。上部道路を合わせますと一兆円もの負担になるのです。知事、オリンピックの名で一体どれだけの投資を行い、税金投入がどれだけ必要となるのか、きちんと都民の前に明らかにすべきではありませんか。知事の答弁を求め、再質問を留保して質問を終わります。(拍手)〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)渡辺康信議員の代表質問にお答えいたします。まず、中学三年生までの医療費助成についてでありますが、子育てにかかわる経済的支援については、国の取り組みが不十分であることから、所得格差を踏まえつつ、中学三年生までの医療費負担をゼロとすることを公約の一つといたしました。この公約については、いった限り、共産党にいわれるまでもなく、今後、実現に向けて準備を進めてまいります。所得制限は当然に設けます。住民税についてでありますが、今回の定率減税の廃止は、導入当時と比べ、景気の回復が見られることなど、社会経済状況の変化を踏まえた措置であります。したがって、国に中止や還付を求める考えはありません。次いで、マン島視察の成果についてでありますが、私と三宅村長などは、三宅島の復興を図る目的でマン島のレースの視察を行いました。この視察の成果も生かしながら、村と都が、日本モーターサイクルスポーツ協会などの積極的な協力を得て、三宅島の現状に即したバイクイベントの検討を現在も行っております。三宅島の力強い復興に向けて、この秋にも意義のあるイベントとして実を結ぼうとしているわけでありまして、成果は十分にありますし、ホームページを訂正する必要はないと思っております。豊洲移転の中止についてでありますが、築地市場が基幹市場として今後とも都民に生鮮食品を安定的に供給していくためには、老朽化、狭隘化した施設の整備が緊急の課題であると思います。現在、一部に唱えられている築地市場での現在地再整備では、敷地面積が限られておりまして、これからの市場に求められる機能を満たすことができません。さらに、整備に当たっての種地がない上に、あちこちに封印されてありますアスベスト対策も講じる必要があります。市場業者の営業活動に深刻な影響を及ぼすことから、現在地での再整備は不可能であると思います。豊洲新市場予定地は、大規模な用地が確保でき、交通条件が良好な位置にあるなど、将来の市場の発展に十分に対応できる条件を有しております。土壌汚染対策については、既に設置した専門家会議で十分に論議をしていただき、ことし秋に予定している提言を踏まえて、再調査も含めて必要な措置を確実に実施していくことで、いつの時点になりますかわかりませんが、しかし、豊洲新市場をできるだけ早く、都民が安心できる市場として開場させたいと思っております。新銀行東京についてでありますが、都はあくまでも出資者であり、所有と経営の分離の原則のもとに、経営については、経営陣がその責任において、環境の変化などに柔軟に対応し、適切に行うべきと考えております。今決算においては、計画を上回る不良債権の発生などにより経営が悪化いたしましたが、これまで一万六千六百件の融資、保証を実行しており、中小企業金融において重要な役割を果たしていることに変わりはございません。都は出資者としても、今後とも新銀行東京が新たに迎えた経営陣のもとで、収益面の改善を図りつつ、中小企業に対する金融支援を一層充実していくよう働きかけを行ってまいります。次いで、オリンピックに関する経費についてでありますが、オリンピックはそもそも、経済効果をねらってやるものでは決してございません。しかし、都の試算では、全国で二・八兆円、三兆近い経済効果が生まれると予測されております。また、ちなみに、ことし二月に実現しました東京マラソンにおいても、大会運営費が都の支出二億円を含めて全体で十六億円でございましたが、一日、しかも七時間、幹線道路を封鎖することで、都内で百十七億、全国では百八十三億の経済効果がもたらされました。こうした開催の効果もあわせて議論しなければ、オリンピック云々について全く意味がないと思います。オリンピック開催にかかわる経費については、大会運営費及び施設整備費など、昨年、その概要を都民に公表し、立候補申請に向け、現在内容を詰めております。一方、三環状道路を初めとする都市インフラの整備は、オリンピックの開催有無にかかわらず、東京の機能をさらに向上させるために絶対に必要な将来への投資であると思います。二〇一六年のオリンピック開催に向け、インフラ整備を一層促進し、都市問題の解決に大いに貢献していきたいと思っております。他の質問については、関係局長から答弁いたします。〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕 # 福祉保健局長(安藤立美君) 福祉保健局長(安藤立美君)八点の質問にお答えをいたします。まず、中学三年生までの医療費助成と区市町村の財政負担などについてでありますが、都は所得制限を児童手当準拠とし、医療費の自己負担分の三分の一を助成いたします義務教育就学児医療費助成事業の本年十月からの実施に向けて取り組みを進めているところであります。中学三年生までの医療費につきましては、先ほど知事が答弁したとおり、今後、実現に向けて準備を進めてまいります。次に、低所得者への支援についてでありますが、所得保障は、社会経済状況全体を踏まえ、基本的に国の責任で対応すべきものでありまして、現在、各種年金や手当、さらに、最後のセーフティーネットとしての生活保護などの諸制度が整備をされています。また、老人保健制度や医療保険制度等の中でも、各種のきめ細やかな本人負担の軽減措置が設けられております。これらの諸制度を国と地方との役割分担のもと、公正かつ適切に実施していくことが自治体の責務であり、都としては、お話のような現金給付の制度を設ける考えはございません。続きまして、シルバーパスについてでありますが、本事業は、若年世代の負担との間に不公平感があるなどの課題があったことから、平成十二年に、都民の理解を得て見直しを行い、所得に応じて、区市町村民税非課税の方は千円、課税の方は二万五百十円の利用者負担をいただく仕組みとなっております。ご提案の内容が、区市町村民税課税の方の一部について、シルバーパスの二万五百十円の利用者負担金を引き下げるという趣旨であれば、そうした制度を実施する考えはございません。次に、今年度のシルバーパスの経過措置についてでございますが、ご指摘いただくまでもなく、本年第一回定例会での代表質問における議論も踏まえ、平成十七年度の区市町村民税が非課税で、平成十八年度の経過措置の対象となった方については、更新時の費用負担額を千円に据え置くこととし、既に区市町村に周知をしたところでございます。次に、コムスン問題における現状等についてでございますが、コムスンのサービス利用者数につきましては、現在、区市町村を通じて国が全国調査を行っております。また、都内の事業所数につきましては、区市町村指定分を含めて、本年六月六日現在、百五十九事業所を指定しております。これまでの都の対応についてでございますが、六月六日の厚生労働省通知を受け、コムスンに対して、利用者保護のため、介護サービスを低下させないこと、新たな事業者への紹介を確実に行うことなどについて指導を行っております。また、区市町村には、コムスンに関する事業所情報を提供するとともに、担当者会議を開催し、適切な相談体制の確保を依頼するなどの対応をしてございます。次に、コムスンの介護サービス利用者への対応についてでございますが、ただいま申し上げたとおり、都ではコムスンに対して、利用者保護のため、さまざまな指導を行っております。また、都は、既に介護保険制度相談窓口で相談等に対応しているほか、区市町村に対しても適切な相談体制の確保を依頼しております。次に、介護福祉分野への民間企業の参入等についてでありますが、本格的な高齢社会を迎え、介護、福祉サービスの需要が増大する中で、都は、大都市東京の特性を生かし、NPOや民間企業など、多様な事業主体をサービスの提供者として参入させ、活発な競い合いを行うことにより、サービスの質の向上と量の確保に努めてきたところでございます。今後とも、利用者本位の福祉の実現を目指し、都民が安心してサービスを選択できるよう、第三者評価の普及、定着を図るとともに、指導、検査を厳正に実施するなど、事業者の適正な運営の確保に努めてまいります。最後に、国への要望についてでございますが、都は、既に国に対しまして、次期介護報酬改定に当たり、大都市の実情や事業者の経営実態に見合う報酬水準となるよう、都におけます介護保険施設の実情を踏まえ、具体的な見直しの方向性について提言しているところでございます。〔主税局長熊野順祥君登壇〕 # 主税局長(熊野順祥君) 主税局長(熊野順祥君)二点のご質問にお答え申し上げます。まず、都独自の都民税還付についてでございますが、先ほど知事がお答えしたとおり、今回の定率減税の廃止は、導入当時と比べて景気の回復が見られることなど、社会経済情勢の変化を踏まえた措置でございます。都民税の還付は考えておりません。次に、個人都民税の軽減措置についてでございます。これは、十年前に比べ、生活保護受給者あるいは非正規雇用者がふえており、特に、東京都は全国の増加率を大幅に上回る状況にあることを踏まえまして、生活保護の対象となる程度の収入しかない都民の税負担に配慮しようとするものでございます。現在、制度について検討をしているところでございます。〔総務局長押元洋君登壇〕 # 総務局長(押元洋君) 総務局長(押元洋君)六点のご質問にお答えいたします。まず、三宅島のバイクイベントについてでございますが、今回のイベントは、村、事業の実施主体となるNPO法人など、住民みずからが島の復興に向け、年間を通じて来島者をふやすことにより、産業や観光の振興の起爆剤となるよう実施をするものでございます。実施に当たっては、安全面にも十分に配慮して行うよう、村、NPO法人とも協力をしてまいります。次に、マン島視察の必要性についてでございますが、三宅島でのバイクイベントは、知事が三宅村長や専門家などとともに、本場のレースを視察した成果も十分に生かしながら検討を進めているものであり、極めて意義のある海外出張であったと考えております。次に、マン島視察に使った経費でございますが、マン島視察は、ただいま申し上げましたとおり、極めて有益な海外出張であり、視察にかかった経費を返還する必要はございません。次に、バイクイベントにおける事故等への対応についてでございますが、現在、三宅村では、NPO法人を組織し、専門家も含め、多数の関係者の協力を得ながら、万が一にも事故等が起こらないよう、安全面にも十分配慮した事業の具体的内容を検討しております。万々が一事故が起きた場合には、その態様により責任の所在は異なってまいりますが、そのようなことがなく、このイベントが安全に行われるよう、都としても積極的に助言、支援してまいります。次に、バイクイベントの内容についてでございますが、三宅村では、現在、NPO法人を中心として、島民も含め、すべての人が楽しめるにぎやかなレースイベントとするべく、国内のオートバイ主要メーカーの協力を得られる形で検討を進めております。実施案が固まり次第、発表する予定でございます。最後に、三宅島の復興支援についてでございますが、都は、これまでも三宅島の復旧、復興に向け、空港、港湾、道路、砂防ダムなどの整備を行うほか、さまざまな取り組みを着実に行ってまいりました。一方、三宅島を訪れる観光客の数は、いまだ発災前の半分程度と低迷をしております。三宅島の産業、観光振興を図るためには、これまでにない思い切った取り組みが必要であり、今回のバイクイベントは、こうした趣旨で実施するものでございます。都としては、引き続き国とも連携しながら、島の復興を担う三宅村の取り組みを支援してまいります。〔中央卸売市場長比留間英人君登壇〕 # 中央卸売市場長(比留間英人君) 中央卸売市場長(比留間英人君)築地市場移転に関する五点の質問にお答えいたします。まず、築地市場の移転地の選定についてでございます。築地市場の移転先の条件といたしまして、一つは、広い駐車場や荷さばきスペースを配置できる大規模用地の確保が可能なこと、二つ目は、消費地である既成市街地の外周地域で、交通条件が良好な位置であること、三つ目といたしまして、商圏に近く、機能、経営面で築地市場との継続性が保てる位置であること、こうした考え方に基づき、平成十三年四月、東京都卸売市場審議会から、豊洲地区を候補地として検討するよう答申がなされました。この土地は、東京ガス株式会社が、ただいま申し上げました審議会答申前の平成十三年一月に、ベンゼン、シアンなどの有害物質に関する調査結果と汚染土壌処理対策を公表し、同社の責任で、操業に伴う汚染について対策を実施することを表明していたものでございます。これらを踏まえ、平成十三年十二月の第七次東京都卸売市場整備計画で、築地市場の豊洲移転を決定したものでございます。次に、土壌汚染対策についての市場業界との検討でございます。平成十四年七月、東京ガス株式会社が実施する豊洲新市場予定地の土壌汚染対策について、都と市場業界との協議機関であります新市場建設基本問題検討会において説明を行いました。平成十七年六月には、東京ガス株式会社の土壌汚染対策の詳細について、同様の協議機関でございます新市場建設懇談会において説明を行っております。また、平成十八年十一月には、都として、自然由来の物質についても処理対象としたことから、同懇談会において説明を行いました。このほかにも、平成十七年三月、十八年八月、十二月に、全仲卸組合員等を対象に説明会を行ってきてございます。次に、新たな基準に基づく調査の必要性についてでございます。都は、豊洲新市場予定地の土壌汚染対策などについて、科学的、客観的な検証を行うため、公平、中立な立場の専門家による専門家会議を設置いたしました。先月の第一回の会議では、東京ガス株式会社が実施した土壌汚染調査に対する評価を行った上で、都民や市場関係者の不安を解消する観点から、一部、追加調査の必要性も指摘されたところでございます。第二回以降の会議において、この追加調査の必要性や内容、範囲などを議論していただくこととしております。都は、こうした専門家会議の検討や提言を踏まえて、必要な措置を確実に実施してまいります。次に、市場外に現在地再整備の種地を確保することについてでございます。築地市場は、卸、仲卸、物販業者や輸送業者などの関連事業者が一体となって機能しておりまして、現在地再整備の種地を市場外に求める場合には、ターレットやフォークリフトなどの場内搬送車が荷物を運べる範囲の距離であること、買い出し人が、水産、青果、関連店舗などを容易に移動できること、工事の施工に必要な一定規模の面積が確保されることなどが必要でございます。過去に行った現在地再整備工事の過程で、このような条件に適合する市場外の土地を求めましたが、確保できなかった経緯があり、現在においてもこの状況に変わりはございません。最後に、アスベスト対応と現在地再整備との関係についてでございます。築地市場では、施設の広範囲にわたりアスベスト含有建材が使用されているため、解体時には、飛散防止対策として、売り場等を密閉し、隔離した状態で処理を行うことが必要になります。十分なローリング工事用の種地がない中で解体工事を行う場合には、市場業者の一定部分が長期間にわたって営業を停止せざるを得ず、営業活動に深刻な影響を及ぼすことになり、こうした面からも、現在地再整備は不可能であると考えております。〔東京オリンピック招致本部長荒川満君登壇〕 # 東京オリンピック招致本部長(荒川満君) 東京オリンピック招致本部長(荒川満君)オリンピックの招致計画についてでございますが、都は、昨年六月に開催概要計画書を発表して以来、一貫して、オリンピックスタジアムを晴海に整備する方針をとってまいりました。また、国に対しては、国立で整備することを要望し続けてまいりましたが、国は、東京に二つの大規模な競技場を建設することはできないとの立場をとっております。そこで、都は、オリンピックスタジアムを提供する開催都市としての責任を果たすため、都立で整備することとしたものでございます。また、現在、施設の内容、機能を検討中でございます。整備費につきましても、都立施設であることを踏まえまして、国費及び民間資金の積極導入を前提に現在進めているところでございまして、今後、適時適切に説明してまいります。なお、先ほどのご質問の中で、現在の霞ヶ丘競技場をサッカーにとの都の要請に対して、文部科学省が反対の答えということがございましたけれども、現在、正式にはそういう答えは招致本部の方には聞いておりません。したがいまして、ご質問の中にありました、ずさんな、つじつま合わせの招致計画とのご指摘は当たらないというふうに考えます。〔百二十七番渡辺康信君登壇〕 # 百二十七番(渡辺康信君) 百二十七番(渡辺康信君)知事への再質問を行います。まず、築地市場の豊洲移転について、二点伺います。知事は、反対が一部だといいますが、圧倒的多数の仲卸業者の皆さんがこぞって豊洲移転に反対し、現地再整備を求めている。知事はこの声を無視するのかどうか、これが一つです。二つ目は、現地再整備の種地としては晴海があるといっているんです。ここを種地にすれば、アスベストだってすぐ撤去できる。オリンピックのために晴海を種地にできないというのは許されない。都民の食と安全をどうするんですか。中央区も、かつて晴海を種地にするよう提案していたのではないですか。晴海を活用できないというのなら、都民が納得できる理由を示していただきたい、これが二つ目です。次に、新銀行東京について三点伺います。もともと無理な発想で始めた新銀行東京の破綻責任を経営陣にすべて押しつける答弁は無責任きわまりない。新銀行は、石原銀行といわれているように、知事がトップダウンで始め、知事と側近の密室で準備されたものです。銀行を設置し、一千億円を投じた知事自身に最大の責任がある、そう思わないのですか。二つ目、日経新聞も、事業を譲渡し、早期に撤退するのが妥当としております。なぜ金融庁の検査と指導を受けないのか。それとも受けられない理由があるのか、明確にしていただきたい。三つ目、このまま突き進んで一千億円をどぶに捨てるような結果になったら、知事、あなたは責任とるんですか。一千億円を補償できるのか。それぞれ明確な答弁を求めます。最後に、東京オリンピックについて、二点伺います。一つ、三環状などの巨額な投資だけでなく、オリンピックの直接経費が当初の計画に比べて大幅に膨れ上がることを指摘しているんです。逃げないで、どれだけの投資を行うのか、明らかにしていただきたい。二つ目、大体オリンピック後の需要が見込めないのに、二つ目の大規模な競技場をつくって採算がとれるわけはありません。都民が重税と負担増、貧困と格差の拡大で苦しんでいるときに、こんなむだ遣いは許されません。答弁をそれぞれお願いをいたします。以上です。(拍手)〔発言する者多し〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)着席をしてください。着席をしてください。〔中央卸売市場長比留間英人君登壇〕 # 中央卸売市場長(比留間英人君) 中央卸売市場長(比留間英人君)築地市場に関する二点のご質問にお答えいたします。圧倒的反対がある中で、移転は撤回すべきであるということのお尋ねでございますけれども、市場業界が行ったアンケートについては承知をしておりますが、これは一部の団体が実施したもので、その結果が全体の意見を正確にあらわしたものであるか、これについては確たることは申し上げられないと考えております。いずれにいたしましても、市場業界の一部に反対の声があることは十分承知しておりますので、今後とも、理解が得られるよう、必要な話し合い等を行ってまいります。それから、種地を晴海にというお尋ねでございますけれども、先ほど市場外に種地を設ける場合の条件についてご説明申し上げました。三点について申し上げましたけれども、場内搬送者で運べる位置、あるいは買い出し人が容易にその買い回り、いわゆる我々の言葉で買い回りというふうにいっておりますけれども、回れること、さらには、一定規模の面積が必要なこと、これらを考えますと、晴海を含めて、市場外の種地の適地は現状ないというふうに考えております。〔産業労働局長佐藤広君登壇〕 # 産業労働局長(佐藤広君) 産業労働局長(佐藤広君)新銀行東京に関する再質問についてお答え申し上げます。まず、一点目の今までの経営責任についてでありますが、都はあくまで出資者でございまして、所有と経営の分離の原則のもと、経営につきましては、経営陣がその責任において、環境の変化等にも柔軟に対応して適切に行うべきものと考えております。次に、金融庁へ検査等を要請せよとのことでありますが、銀行に対する検査等につきましては、銀行法に基づきまして金融庁の判断により実施されるものであります。また、今後の経営に関する責任とのことでありますが、今後、都は出資者として新銀行東京が新たに迎えた経営陣のもとで、収益面の改善を図りつつ、中小企業に対する金融支援を一層充実していくよう、働きかけを行ってまいります。〔東京オリンピック招致本部長荒川満君登壇〕 # 東京オリンピック招致本部長(荒川満君) 東京オリンピック招致本部長(荒川満君)オリンピックに関する二点のご質問にお答えします。まず、都市インフラに関するご質問でございますけれども、そもそも東京オリンピックは、一時期のスポーツの祭典のためにだけではなく、これからの東京の都市づくりの方向を踏まえ、都市の新しいモデルを世界に発信する機会としてとらえるべきであると考えます。したがって、メーンスタジアムを初めとする主要競技施設やアクセス、三環アクセスも、これからの都市づくりの中に位置づけられるものと考えております。十年先、二十年先の都市づくり、港づくりを見通した道路、公共交通の投資としてとらえるべきものというふうに考えております。それから、オリンピック関連経費でございますけれども、先ほど申し上げましたように、現在、諸施設を含め、施設の内容、機能を検討中でございます。整備費につきましても、国費の導入、民間資金の積極導入を前提に、現在詰めております。今後、適時適切にご説明申し上げます。 # 六十七番(山加朱美君) 六十七番(山加朱美君)この際、議事進行の動議を提出いたします。本日の会議はこれをもって散会されることを望みます。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)お諮りいたします。ただいまの動議のとおり決定することにご異議ございませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)ご異議なしと認めます。さよう決定いたします。明日は、午後一時より会議を開きます。本日はこれをもって散会いたします。午後七時十九分散会
2024-03-31T11:22:30.697142Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/674904?Template=document&Id=2150#one
--- title: 平成19年_第2回定例会(第9号) 名簿・議事日程 # 平成十九年六月十九日(火曜日)出席議員百二十七名一番遠藤守君二番伊藤興一君三番米沢正和君四番鈴木章浩君五番菅東一君六番後藤雄一君七番福士敬子君八番伊沢けい子君九番そなえ邦彦君十番西崎光子君十一番山口拓君十二番伊藤ゆう君十三番原田大君十四番河野百合恵君十五番小竹ひろ子君十六番松葉多美子君十七番大松成君十八番中山信行君十九番高倉良生君ニ十番きたしろ勝彦君ニ十一番田中たけし君ニ十二番鈴木隆道君ニ十三番神林茂君ニ十四番早坂義弘君ニ十五番崎山知尚君ニ十六番宇田川聡史君ニ十七番原田恭子君ニ十八番佐藤広典君ニ十九番尾崎大介君三十番伊藤まさき君三十一番松下玲子君三十二番野上ゆきえ君三十三番西岡真一郎君三十四番たぞえ民夫君三十五番村松みえ子君三十六番橘正剛君三十七番上野和彦君三十八番吉倉正美君三十九番谷村孝彦君四十番石森たかゆき君四十一番高橋信博君四十二番鈴木あきまさ君四十三番秋田一郎君四十四番矢島千秋君四十五番高橋かずみ君四十六番串田克巳君四十七番吉原修君四十八番山田忠昭君四十九番山口文江君五十番今村るか君五十一番吉田康一郎君五十二番斉藤あつし君五十三番泉谷つよし君五十四番くまき美奈子君五十五番大西さとる君五十六番増子博樹君五十七番かち佳代子君五十八番植木こうじ君五十九番長橋桂一君六十番野上純子君六十一番東村邦浩君六十二番小磯善彦君六十三番臼井孝君六十四番林田武君六十五番野島善司君六十六番高木けい君六十七番山加朱美君六十八番服部ゆくお君六十九番田代ひろし君七十番三宅茂樹君七十一番川井しげお君七十二番鈴木一光君七十三番大西由紀子君七十四番いのつめまさみ君七十五番門脇ふみよし君七十六番小沢昌也君七十七番石毛しげる君七十八番岡崎幸夫君七十九番柿沢未途君八十番清水ひで子君八十一番古館和憲君八十二番松村友昭君八十三番東野秀平君八十四番藤井一君八十五番ともとし春久君八十六番木内良明君八十七番吉野利明君八十八番倉林辰雄君八十九番村上英子君九十番こいそ明君九十一番三原まさつぐ君九十二番田島和明君九十三番樺山たかし君九十四番新藤義彦君九十五番古賀俊昭君九十六番立石晴康君九十七番初鹿明博君九十八番酒井大史君九十九番花輪ともふみ君百番大沢昇君百一番大津浩子君百二番大塚たかあき君百三番相川博君百四番曽根はじめ君百五番大山とも子君百六番鈴木貫太郎君百七番石川芳昭君百八番中嶋義雄君百九番石井義修君百十番桜井武君百十一番遠藤衛君百十二番高島なおき君百十三番宮崎章君百十四番野村有信君百十五番比留間敏夫君百十六番佐藤裕彦君百十七番川島忠一君百十八番内田茂君百十九番三田敏哉君百二十番中村明彦君百二十一番山下太郎君百二十二番馬場裕子君百二十三番土屋たかゆき君百二十四番田中良君百二十五番名取憲彦君百二十六番吉田信夫君百二十七番渡辺康信君欠席議員なし出席説明員知事石原慎太郎君副知事谷川健次君副知事菅原秀夫君副知事山口一久君教育長中村正彦君知事本局長大原正行君総務局長押元洋君財務局長村山寛司君主税局長熊野順祥君警視総監伊藤哲朗君生活文化スポーツ局長渡辺日佐夫君都市整備局長只腰憲久君環境局長吉川和夫君福祉保健局長安藤立美君産業労働局長佐藤広君建設局長道家孝行君港湾局長津島隆一君会計管理局長三枝修一君交通局長島田健一君消防総監小林輝幸君水道局長東岡創示君下水道局長前田正博君青少年・治安対策本部長舟本馨君東京オリンピック招致本部長荒川満君病院経営本部長秋山俊行君中央卸売市場長比留間英人君選挙管理委員会事務局長梶原康二君人事委員会事務局長矢口幸一君労働委員会事務局長有留武司君監査事務局長白石弥生子君収用委員会事務局長中田清己君六月十九日議事日程第二号第一第百三十一号議案政治倫理の確立のための東京都知事の資産等の公開に関する条例の一部を改正する条例第二第百三十二号議案市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例第三第百三十三号議案住民サービスの向上と行政事務の効率化を図るために住民基本台帳ネットワークシステムの本人確認情報を利用する事務等を定める条例第四第百三十四号議案東京都恩給条例の一部を改正する条例第五第百三十五号議案雇傭員の退職年金及び退職一時金等に関する条例の一部を改正する条例第六第百三十六号議案職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例第七第百三十七号議案東京都都税条例の一部を改正する条例第八第百三十八号議案東京都納税貯蓄組合補助金交付条例の一部を改正する条例第九第百三十九号議案東京都情報公開条例の一部を改正する条例第十第百四十号議案東京都個人情報の保護に関する条例の一部を改正する条例第十一第百四十一号議案東京都学校経営支援センター設置条例の一部を改正する条例第十二第百四十二号議案東京都営住宅条例等の一部を改正する条例第十三第百四十三号議案東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例第十四第百四十四号議案東京都日影による中高層建築物の高さの制限に関する条例の一部を改正する条例第十五第百四十五号議案多摩都市計画多摩土地区画整理事業施行規程等の一部を改正する条例第十六第百四十六号議案東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例第十七第百四十七号議案東京都女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例第十八第百四十八号議案東京都自然公園条例の一部を改正する条例第十九第百四十九号議案東京都日暮里・舎人ライナー条例第二十第百五十号議案警視庁の設置に関する条例の一部を改正する条例第二十一第百五十一号議案特別区の消防団員等の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例第二十二第百五十二号議案中央環状品川線シールドトンネル工事請負契約第二十三第百五十三号議案平成十九年度若洲橋鋼けた製作・架設工事請負契約第二十四第百五十四号議案ヘリコプターの買入れについて第二十五第百五十五号議案都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例第二十六諮問第二号地方自治法第二百三十一条の三の規定に基づく審査請求に関する諮問について第二十七地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京都都税条例の一部を改正する条例の報告及び承認について
2024-03-31T11:22:31.384439Z
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--- title: 平成19年_第2回定例会(第8号) 本文 # 午後一時一分開会・開議 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)ただいまから平成十九年第二回東京都議会定例会を開会いたします。これより本日の会議を開きます。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)まず、会議録署名議員の指名を行います。会議録署名議員は、会議規則第百二十四条の規定により、議長において三番米沢正和君及び六十八番服部ゆくお君を指名いたします。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)次に、議会局の局部長に異動がありましたので、紹介いたします。議会局長高橋道晴君、議事部長大村雅一君。〔局部長あいさつ〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)以上で紹介を終わります。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)次に、議事部長をして諸般の報告をいたさせます。 # 議事部長(大村雅一君) 議事部長(大村雅一君)平成十九年六月五日付東京都告示第八百四十号をもって、知事より、本定例会を招集したとの通知がありました。また、同日付で、本定例会に提出するため、議案二十六件の送付がありました。次に、地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京都都税条例の一部を改正する条例の報告及び承認について、依頼がありました。次に、平成十九年第一回臨時会の会議において同意を得た副知事の任命について、発令したとの通知がありました。次に、知事及び二行政委員会より、先般の人事異動に伴う東京都議会説明員の変更及び説明員の委任の変更について、地方自治法第百二十一条及び会議規則第四十二条の規定に基づき、それぞれ通知がありました。次に、知事より、平成十八年度東京都一般会計予算外三件の明許繰越について、平成十八年度東京都一般会計予算外一件の事故繰越について及び平成十八年度東京都中央卸売市場会計予算外七件の繰り越しについて、それぞれ報告がありました。また、地方自治法第百八十条第一項の規定による議会の指定議決に基づく専決処分について、報告が二件ありました。内容は、警視庁の設置に関する条例の一部を改正する条例の報告について並びに訴えの提起、損害賠償額の決定及び和解に関する報告についてであります。次に、監査委員より、例月出納検査の結果について報告がありました。また、監査結果に基づき知事等が講じた措置に関する報告がありました。次に、包括外部監査の結果に基づき知事が講じた措置の通知内容について、提出がありました。(別冊参照) # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)次に、先般、副知事に就任されました方々をご紹介いたします。副知事谷川健次君。〔副知事谷川健次君登壇〕 # 副知事(谷川健次君) 副知事(谷川健次君)平成十九年第一回臨時会におきまして選任の同意をいただき、五月十一日付で副知事を拝命いたしました谷川でございます。オリンピック招致や「十年後の東京」の実現など、都政にとって大変重要なこの時期、副知事の職を務めることに責任の大きさを痛感しております。もとより微力ではございますが、都議会の皆様方のご指導、ご鞭撻をいただきながら、職員と一丸となって任務に邁進していく覚悟でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)副知事菅原秀夫君。〔副知事菅原秀夫君登壇〕 # 副知事(菅原秀夫君) 副知事(菅原秀夫君)先般の都議会第一回臨時会におきまして選任のご同意をいただきました副知事の菅原秀夫でございます。石原知事のもとで、税財政をめぐる国との戦い、そしてまた「十年後の東京」の実現に向けまして、全力を尽くして職責を遂行する決意をしております。ご指導、ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)副知事山口一久君。〔副知事山口一久君登壇〕 # 副知事(山口一久君) 副知事(山口一久君)去る五月十日、平成十九年第一回臨時会におきまして選任の同意をいただき、副知事を拝命いたしました山口一久でございます。「十年後の東京」の政策実現に向けまして、知事のもと、都庁の総力を結集しながら、諸課題の解決に全力を尽くして取り組んでまいる所存でございます。都議会の皆様のご指導、ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)以上をもって副知事の紹介は終わりました。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)次に、先般の人事異動に伴い異動のありました説明員の方々をご紹介いたします。知事本局長大原正行君、総務局長押元洋君、財務局長村山寛司君、主税局長熊野順祥君、都市整備局長只腰憲久君、環境局長吉川和夫君、福祉保健局長安藤立美君、産業労働局長佐藤広君、建設局長道家孝行君、交通局長島田健一君、消防総監小林輝幸君、水道局長東岡創示君、東京オリンピック招致本部長荒川満君、病院経営本部長秋山俊行君、人事委員会事務局長矢口幸一君、労働委員会事務局長有留武司君。〔理事者あいさつ〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)以上をもって説明員の紹介は終わりました。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)次に、日程の追加について申し上げます。議員より、議員提出議案第十四号、地方税財政制度の確立に関する意見書外意見書一件が提出されました。これらを本日の日程に追加いたします。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)会期についてお諮りいたします。今回の定例会の会期は、本日から六月二十七日までの十六日間といたしたいと思います。これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)ご異議なしと認めます。よって、会期は十六日間と決定いたしました。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)この際、知事より発言の申し出がありますので、これを許します。知事石原慎太郎君。〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)平成十九年第二回都議会定例会の開会に当たりまして、都政運営に対する所信の一端を申し述べ、都議会の皆様と都民の皆様のご理解、ご協力を得たいと思います。今、我が国には、ある種不可解な空気が漂い始めているように思えてなりません。温暖化の進行が地球の未来を大きく狂わせ始め、国際情勢は、大国の求心力に陰りが見える中、多極化の域を超えて、世界は混迷の度合いを増幅させております。しかし、国内では、国家の根本原則をみずからの手で書きかえるための準備が進められているにもかかわらず、目先の好景気に感覚が麻痺してか、都民、国民の危機意識はかえって希釈されてしまっております。この国の形をどうするかを論ずべきときに、視野狭窄に陥り、内向きの空気が蔓延しております。象徴的なのは、個人レベルでの所得格差の問題が、いつの間にか地方と大都市、とりわけ東京との格差の問題にすりかえられ、地方が疲弊している原因が、あたかも東京にあるといわんばかりの妄言が流布していることであります。もちろん、税収規模の差は全国の自治体間に存在しております。しかし、そもそもこの問題は、国が地方交付税の蛇口を一方的に閉めておきながら、抜本的な税源移譲を全く行おうとしないことに起因しているにすぎません。にもかかわらず、張本人の国は、本来論ずべき国と地方の役割分担の見直しには一切手をつけることなく、地方対東京という対立軸を捏造して、みずからの無為無策を糊塗しようとしているのであります。困窮する地方を救おうという美名のもとに、右から左に税を動かせば事足れりとする安直な手法がまかり通れば、この国の行く末を見誤ることになりかねません。税制の根幹をなす受益と負担の原則を曲げてまで、国がなりふり構わずに振る舞うようであれば、都は、志を同じくする自治体や都議会の皆様と連携し、断固反対の姿勢を貫き、しかるべき対抗手段を講じていく覚悟であります。申すまでもなく、東京ほど集中、集積が高度に進んだ首都は、世界を見渡してもほかにありません。日本の頭脳部、心臓部である東京が十全に機能を発揮するには、税という名の血液が不可欠であり、それが滞れば、国そのものが立ち行かなくなるのは自明の理であります。都は、これまでの八年間、血のにじむような努力を積み重ね、財政の立て直しをなし遂げてまいりました。この間の歳費節減や職員定数の削減など徹底した量的な行革に加え、昨年四月からは、複式簿記・発生主義に基づく全く新しい公会計制度を導入し、行政のあり方そのものを根底から変革する試みを進めるなど、質的な行革にも先駆的に取り組んでおります。この秋には、平成十八年度決算に基づき、我が国初の本格的な財務諸表を作成、公表いたします。資産や負債など都の財政状況を白日のもとにさらすことで、職員の金利感覚、コスト意識を研ぎ澄ますとともに、民間にも負けない高効率な行政運営を実現していきたいと考えております。繰り返して申し上げますが、都が進めてきた改革の努力も、他県からの昼間流入人口三百万を抱える大都市特有の膨大な財政需要も無視した議論は全くナンセンスであり、都民の貴重な税について、国から云々されるいわれはどこにもありません。むしろ、金の卵を産む鶏をみすみす殺してしまっては、子々孫々に至るまで禍根を残すことになりかねないのであります。国は、このことを肝に銘ずべきであります。今後とも、東京が転べば日本が倒れるという強い危機意識と使命感を持って、新しい首都東京の創造を進め、日本の未来の礎を築いていきたいと思っております。そうしたことからも、今、都が取り組むべきは、「十年後の東京」に掲げた近未来図の着実な実現であります。同時に、次世代への大きな贈り物として、東京オリンピックの実現に全力で取り組んでまいります。先月、まず、星野仙一さん、有森裕子さん、山下泰裕さんの三名を招致大使として任命いたしました。今後、招致委員会と連携し、全国各地でオリンピックフォーラムを開催するとともに、閣議了解が一日も早く得られるよう国への働きかけを強めるなど、二年後のIOC総会に向けた動きを加速させてまいります。先月、世界の主要五十都市で構成する世界大都市気候変動サミットに参加し、大気汚染や水の循環に関する東京の先駆的な取り組みを世界に披瀝してまいりました。中でも、漏水率三%台を誇る東京の水道技術に対しては、世界各都市から驚嘆の声とともに大きな賞賛が寄せられました。水の枯渇は、温暖化とも密接に関連する重大な問題であります。既に都では、下水を高度処理した再生水を都市活動のさまざまな場面で積極的に活用しており、今後、こうした水循環の高度な技術で世界に貢献していきたいと思っております。会議に出席して痛感したのは、世界のどの都市も、動きの鈍い自国の政府に手を焼いているという事実であります。首都圏のディーゼル車排出ガス規制の成果を日本国政府が一向にしんしゃくしないのと同様、温暖化問題に率先して取り組むニューヨークとは裏腹に、米国政府は京都議定書の批准を拒み続け、世界全体の環境悪化の責任から逃げ回っております。こうしたねじれ現象を克服し、大都市が国境を越えて連携、協力することで、地球の未来を切り開いていく必要があります。この地球がこの先どれだけ存続できるかという危機感を世界の諸都市と共有し、行動をともにすることが何よりも重要であります。都はこのたび、実効性のある具体策を提示できない国を待つことなく、東京都気候変動対策方針を策定いたしました。CO2の大幅な削減を可能とする都市モデルをこの東京で実現するため、大規模なCO2排出事業者に対する削減の義務化、すなわち大幅な省エネ、節電や排出量取引制度の導入など、都独自の対策の実施を目指して取り組んでまいります。さらに、新たに創設する環境CBOを活用して、中小企業の省エネ対策等を金融面で支援するとともに、企業や家庭などでの省エネを促進するための新しい税制度の確立に向け、東京都税制調査会において検討を開始いたします。また、東京を水と緑の回廊で結ばれた世界最先端の環境都市につくり上げていくため、民間による都市空間の緑化をさらに促進するとともに、臨海部に造成する海の森づくりのために募金を先行して開始し、東京全体の緑のムーブメントにつなげてまいります。都民の皆様にも、たとえあした地球が滅びようとも、君はきょうリンゴの木を植えるという志をぜひ持ち続けていただきたいと思います。二十一世紀をリードする大都市の条件は、環境問題への積極的な取り組みにとどまるものではありません。効率性と快適性、そして高い安全性を兼ね備えている必要があります。首都圏を結ぶ三環状道路の整備は、オリンピック招致の成否にかかわらず、一刻も早い完成が求められております。来週、圏央道のあきる野インターチェンジと八王子ジャンクションの区間が開通いたします。これをもって関越道と中央道が直結し、渋滞の解消はもちろんのこと、多摩地域の新しい可能性も見えてまいりました。また、中央環状線については、ことし十二月、池袋から新宿までの区間が開通いたします。さらに、三十年以上にわたる凍結を解除した外環道では、この春、大深度地下方式の都市計画を決定いたしました。一刻も早い事業着手に向け、国に対して、早急に整備計画路線として位置づけるよう、強く働きかけてまいります。今年度末、日暮里・舎人ライナーがいよいよ開業いたします。これにより、区部北東部の交通利便性の向上や地域の活性化が大いに図られるものと期待しております。今後、交通ネットワークの整備のテンポをさらに加速させ、首都圏における人と物の流れを円滑にし、世界に類を見ない、快適で効率的な都市としていきたいと思っております。三年後の供用開始を目指す羽田空港の再拡張について、四本目となるD滑走路の工事が本格的に開始されました。滑走路完成の暁には、年間の離発着回数が現行の一・四倍に増大するなど、大都市の空の利便性は格段に向上いたします。ただし、羽田の機能は近距離に限定されるべきものでは決してありません。東南アジア諸国にまで足を伸ばすのは当然であり、日本の新しい発展のため、羽田の潜在力を最大限に生かすべきであります。また、長年の懸案であった横田基地の軍民共用化は、実現の一歩手前までようやくこぎつけました。昨年十月に始まった日米協議は、ことしの秋までと明確に期限が切られておりますが、私から安倍首相にも重ねて要請したとおり、先般の日米首脳会談では、首相からブッシュ大統領に念を押すことができました。目前に迫った共用化に向け、国や米側に対し、さらに強く働きかけてまいります。先月、首都直下地震などへの万全の備えを講じるため、地域防災計画を全面的に改定いたしました。人命の被害を半減する等の減災目標を達成するための建物の耐震化、不燃化や初動態勢の強化などを進め、総合的な防災力を一層向上させてまいります。とりわけ、建築物の耐震化は喫緊の課題であります。発災時に人員、物資の輸送を迅速に行うには、緊急輸送道路の沿道建築物を地震に負けない構造にしていく必要があります。今月中にも横断型の戦略会議を設置し、住宅の耐震化九割の実現などとともに、沿道建築物の一〇〇%耐震化を目指し、有効な手だてを講じていきたいと思います。大規模地震から都民の生命、財産を守るため、在日米軍が協力することは当然であります。去る四月、米軍基地の災害時及び防災訓練での利用に関して、日米合同委員会で包括的な枠組みが合意されました。今後とも、自衛隊や在日米軍の参加、協力を得て実践的な訓練を積み重ね、発災時に米軍基地の積極的な活用を図ってまいります。この春以降、はしかが六年ぶりに大流行し、高校や大学などの休校が相次ぎました。都では、関係三局が連携して、感染リスクの高いすべての高校生が予防接種を受けられるようにするとともに、区市町村立、私立を問わず、小中学校での集団感染の防止に取り組むなど、緊急対策を速やかに講じてまいりました。今後とも、自然災害の脅威だけでなく、感染症からも都民をしっかりと守ってまいります。暴力団による白昼の発砲事件が続発し、市民生活の安心・安全が著しく脅かされております。警察力の強化を基本とする犯罪対策の拡充により、東京の治安回復は確実に進んでおりますが、身近な場所で起こる犯罪や事件に対する都民の不安感はいまだ払拭されておりません。都営住宅における都民の安心・安全を守るため、暴力団員の入居を排除する規定を盛り込んだ条例の改正案を本定例会に提出しております。警察の協力を得ながら、暴力団員を徹底して締め出すとともに、銃の不法所持をこれまで以上に厳重に取り締まってまいります。また、犯罪阻止には、警察や行政の力だけではなく、地域住民や事業者などが主体となった地域の防犯力が欠かせません。今年度、都内五地域でモデル事業を実施し、学校へのスクールサポーターの派遣や、防犯活動アドバイザーによる町会等の自主活動に対する支援などに加え、共同住宅への防犯カメラの設置を促進するなど、地域と行政、警察が一体となってまちの安全を守ってまいります。世界のどの国も経験したことのない超高齢社会の到来を目前に控え、高齢者であるか否か、障害の有無にもかかわらず、だれもが安心して暮らせる社会の実現が強く求められております。人生八十年時代を迎えた今日、六十五以上を機械的に高齢者と定義することは、実情にそぐわなくなっているようにも感じます。支えられる存在から社会を活性化する存在へと高齢者像を百八十度転換し、あらゆる機会を活用して高齢者の社会参加を進めてまいります。同時に、高齢者に医療、介護サービスを提供するモデルの発信拠点として、健康長寿医療センターを平成二十四年度に新設いたします。研究と医療、介護を融合させ、認知症を初め、高齢者のがん医療、動脈硬化や心筋梗塞に対する新しい治療に重点的に取り組むなど、高齢者医療の先導的な役割を果たしてまいります。先月、障害者の地域生活を総合的に支援するため、新たに数値目標を盛り込んだ障害福祉計画を策定いたしました。施設から地域生活への移行をさらに促進するとともに、グループホームや日中活動の場など、地域生活を支える基盤の整備を促進いたします。あわせて、一般就労への移行者を今後五年間で二倍以上にふやすなど、「十年後の東京」で示した障害者雇用三万人増加の達成に向けて積極的に取り組んでまいります。子どもを産み育てたいと望む人が安心して子育てができ、子どもたちが健やかに育つ環境を整えることは、社会全体で取り組むべき課題であります。あす、庁内の組織の壁を超えて子育て応援戦略会議を立ち上げ、今後、企業、NPO、都民などを巻き込みながら、子育て支援の取り組みを全都的に展開してまいります。中でも、保育サービスの充実は喫緊の課題であり、待機児童五千人の解消を目指して、大都市に見合ったサービスの拡充を進めてまいります。子どもをめぐっては、深刻な問題が重層的に生じております。朝食を親と一緒にとらない子どもが小中学生の四割に上るなど、食生活の混乱は、我々の時代には到底考えられなかった状況にあります。食事の大切さを就学前から小学生までの子どもたちやその保護者に理解してもらうため、夏休みを中心にさまざまな機会をとらえてキャンペーンを展開してまいります。来年夏、宇宙航空研究開発機構が打ち上げを予定しているH2Aロケットに、都立の高等専門学校の学生たちが製作した小型衛星が搭載されることになりました。人材の育成、とりわけ我が国の産業を支えるものづくり人材の育成が大きな課題となっており、彼らのような若い才能をさらに伸ばしていくため、同校を来春から公立大学法人首都大学東京に移管し、九年間連続したものづくり人材の教育システムを確立してまいります。また、今年度、産業技術大学院大学において、中小企業の人材育成、中でも技術と経営の両方に精通した幹部、後継者等を育成する講座を開講し、即戦力となる人材を育ててまいります。次に、多摩・島しょ地域についてであります。今月末、JR中央線三鷹国分寺間の下り線で高架への切りかえが実施され、踏切の遮断時間が短縮されます。中央線の連続立体交差化に限らず、今後、多摩地域では、圏央道の全線開通や横田基地の軍民共用化など、新たな都市インフラが相次いで整備されます。こうした都市機能の飛躍的な向上を契機に、多摩シリコンバレーの広域的な形成に取り組んでまいります。多摩の産業支援拠点を平成二十一年度を目途に整備するとともに、エレクトロニクスなどの分野での新事業の創出を促進するため、異業種間の交流機能を強化し、世界に向けた事業展開を積極的に支援してまいります。八月に、しごとセンター多摩を開設いたします。この地域には、人生経験豊富な団塊の世代を初め、才能豊かな都民が数多く居住しております。飯田橋のセンターでは、開設以来三年間で、五万人以上の登録者の四割が就職するなど大きな成果を上げており、そこで積み上げたノウハウを生かして多摩地域の人的な潜在力を十分に引き出し、同地域の発展に結びつけていきたいと思っております。平成二十五年の開催を目指して、東京国体の準備が着々と進められております。既に会場候補地もほぼ出そろい、来月、大会運営のための準備委員会を設置いたします。今年度じゅうに開催基本構想を策定するなど、今後、開催に向けた動きを本格化させてまいります。平成二十三年、体操の世界選手権が東京で開催されることが決定しましたが、その二年後の東京国体、さらには東京オリンピックをにらみ、将来の有力選手の発掘やジュニア選手の育成が急務となっております。来月、東京都競技力向上推進本部を関係団体や区市町村等と連携して設置いたします。選手の育成にとどまらず、指導者の確保やスポーツ医科学のサポートの充実など、世界で戦うための総合的な体制を整備してまいります。オートバイを活用した三宅島の復興支援についてでありますが、国内のオートバイ主要メーカーの協力を得られる形で実現したいと考えております。村の実行組織と協力し、この秋、オートバイによる多彩なイベントを繰り広げ、島の再生の起爆剤としてまいります。東京が直面する課題を解決するには、首都圏という大きな枠組みで複合的に政策を展開していく必要があります。ディーゼル車排出ガス規制の成功はその先駆けであり、幹線道路ネットワークの整備や温暖化、花粉症対策はもちろん、治安の維持、回復や青少年の健全育成、そして大規模地震への備えなど、どの課題の解決にも、一自治体の範疇を超えた広域的な取り組みが不可欠であります。都はこれまでも、隣接する三県の知事とスクラムを組み、首都圏が合同で事に当たってまいりました。道州制の議論が盛んになっているとはいえ、地図の上に境界線を引くことだけに固執する空論よりも、一都三県による実体のある取り組みこそが三千万首都圏民の実利実益にかなうものであると思います。今後とも、動かぬ国にかわって、首都圏連合の力を存分に発揮していきたいと思っております。また、東京二十三区をめぐっては、都心を直轄地とするというような案が国などでも取りざたされておりますが、本来、東京の自治のあり方は、都と区が主体的に考えるべき課題であります。第一、江戸時代の天領ではないのでありまして、都心に住む住民の方々から自治の権利を奪うなどということは絶対にあってはなりません。今月から、都区のあり方検討委員会において具体的な議論を開始いたします。六十年間変わっていない特別区の区域の再編を初め、都と区で知恵を出し合い、あるべき姿を創出してまいります。以上、申し述べた事柄を着実かつ迅速に実施するため、ことしじゅうに「十年後の東京」を具体化するための実行プログラムを策定いたします。都議会の皆様との連携をさらに深め、横断型戦略会議もフルに活用しながら、十年先の東京を見据え、全力で取り組んでまいります。最後に、都政の直近の動きについて二点申し上げます。まず、新銀行東京についてであります。金融環境が大きく変化する中、厳しい経営状況にある新銀行東京では、先日、平成二十一年度の単年度黒字化を目指す新たな経営計画を策定するとともに、人事の刷新を含めた経営体制の見直しを打ち出しました。都としても、経営体質の強化のため、今月、職員の派遣を行いました。今後とも、新銀行東京を支援してまいります。次に、東京大気汚染訴訟についてであります。昨秋、東京高等裁判所に出向き、解決に向けた都の考え方を裁判官に直接伝え、さらに、先日の安倍首相との会談では政治決断を強く促しました。こうした強い働きかけにより、国から財政負担を引き出し、メーカーをも巻き込んだ新たな医療費助成の実現に向けて最大の壁を超えることができたと思います。引き続き、正当な文明批判という大きな視点に立ち、ディーゼル車排出ガス規制や三環状道路の整備などともあわせて、都民の健康を守るための重層的な取り組みを進め、二十世紀の負の遺産を解消していきたいと思っております。なお、本定例会には、これまで申し上げたものを含め、条例案二十二件、契約案二件など、合わせて二十七件の議案を提案しております。よろしくご審議をお願いいたします。以上をもちまして所信表明を終わります。ありがとうございました。(拍手) # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)以上をもって知事の発言は終わりました。 # 六十七番(山加朱美君) 六十七番(山加朱美君)この際、議事進行の動議を提出いたします。本日は、質問に先立ち議事に入り、日程の順序を変更し、追加日程第一及び第二を先議されることを望みます。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)お諮りいたします。ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)ご異議なしと認めます。よって、質問に先立ち議事に入り、日程の順序を変更し、追加日程第一及び第二を先議することに決定いたしました。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)追加日程第一、議員提出議案第十四号、地方税財政制度の確立に関する意見書を議題といたします。案文は、お手元に配布いたしてあります。朗読は省略いたします。議員提出議案第十四号地方税財政制度の確立に関する意見書右の議案を別紙のとおり東京都議会会議規則第十二条の規定により提出します。平成十九年六月十二日(提出者)河野百合恵小竹ひろ子たぞえ民夫村松みえ子かち佳代子植木こうじ清水ひで子古館和憲松村友昭曽根はじめ大山とも子吉田信夫渡辺康信東京都議会議長川島忠一殿地方税財政制度の確立に関する意見書国の「経済財政諮問会議」は、地方自治体間の税収格差が拡大しているとして、その是正に取り組むことを打ち出した。政府は、これを受けて近く策定予定の「経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇七」に改革案を盛り込むとしている。今日の地方財政のひっ迫の原因は、住民のための仕事を地方が六割も受け持っているのに対し、そのための財源が四割しか保障されていないことにある。また、「小泉改革」の名の下に進められた「三位一体改革」によって、税源移譲と補助負担金削減の差引きで一兆円の減収となり、地方交付税も五兆円も削減されたことが、財政難に拍車をかけるものとなった。このため多くの自治体では、国の増税・負担増路線及び貧困と格差の拡大から住民の暮らしと福祉を守ることが切実に求められているにもかかわらず、住民サービスの抑制を迫られることとなり、加えて、行政サービスの自治体間格差を拡大させるものとなっている。こうした下で、本来国が行うべきことは、憲法が保障する国民の生存権、基本的人権にかかわるナショナル・ミニマムを財政的に保障することであり、国と地方の財政と仕事の逆転を解消し、地方自治体が自主的・自立的に行財政運営を行うための権限の移譲とそれを裏付ける税財源の保障を一体的に進めることである。よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、地方税財政制度の確立のため、次の事項を実現するよう強く要請する。一福祉・教育などの国庫補助負担金制度の基本及び地方交付税の財源保障機能を堅持するとともに、「三位一体改革」で地方負担増となった国庫補助負担金及び地方交付税の削減分を元に戻すこと。二地方交付税の拡充と税財源の抜本的移譲を進め、国と地方自治体間の仕事と財源の逆転の解消に努めること。三地方税収の確保を理由とした税源の消費税への転換、消費税の増税は行わないこと。四国の減税に対応する地方特例交付金は継続し、減収に見合う財源補てんを行うこと。以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。平成十九年六月十二日東京都議会議長川島忠一衆議院議長┐参議院議長│内閣総理大臣│総務大臣├あて財務大臣│経済産業大臣│経済財政政策担当大臣┘ # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)本案は、起立により採決いたします。本案は、原案のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)起立少数と認めます。よって、本案は否決されました。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)追加日程第二、議員提出議案第十五号、国・地方を通じた税財政制度の見直しに関する意見書を議題といたします。案文は、お手元に配布いたしてあります。朗読は省略いたします。議員提出議案第十五号国・地方を通じた税財政制度の見直しに関する意見書右の議案を別紙のとおり東京都議会会議規則第十二条の規定により提出します。平成十九年六月十二日(提出者)遠藤守伊藤興一米沢正和鈴木章浩菅東一山口拓伊藤ゆう原田大松葉多美子大松成中山信行高倉良生きたしろ勝彦田中たけし鈴木隆道神林茂早坂義弘崎山知尚宇田川聡史佐藤広典尾崎大介伊藤まさき松下玲子野上ゆきえ西岡真一郎橘正剛上野和彦吉倉正美谷村孝彦石森たかゆき高橋信博鈴木あきまさ秋田一郎矢島千秋高橋かずみ串田克巳吉原修山田忠昭今村るか吉田康一郎斉藤あつし泉谷つよしくまき美奈子大西さとる増子博樹長橋桂一野上純子東村邦浩小磯善彦臼井孝林田武野島善司高木けい山加朱美服部ゆくお田代ひろし三宅茂樹川井しげお鈴木一光いのつめまさみ門脇ふみよし小沢昌也石毛しげる岡崎幸夫柿沢未途東野秀平藤井一ともとし春久木内良明吉野利明倉林辰雄村上英子こいそ明三原まさつぐ田島和明樺山たかし新藤義彦古賀俊昭立石晴康初鹿明博酒井大史花輪ともふみ大沢昇大津浩子大塚たかあき相川博鈴木貫太郎石川芳昭中嶋義雄石井義修桜井武遠藤衛高島なおき宮崎章野村有信比留間敏夫佐藤裕彦川島忠一内田茂三田敏哉中村明彦山下太郎馬場裕子土屋たかゆき田中良名取憲彦東京都議会議長川島忠一殿国・地方を通じた税財政制度の見直しに関する意見書現在、経済財政諮問会議を始め、政府においては、地域間の税源の偏在を殊更に強調し、その是正を図ることが議論されており、近く策定される「経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇七」に盛り込まれようとしている。こうした議論は、地方分権改革のための国、地方を通じた税財政制度の見直しを後回しにし、「都市対地方」の税源の奪い合いに論点をすり替えるものである。なかでも、法人二税の税収の人口による配分などの見直し論や「ふるさと納税」などは、地方税の応益原則を無視したものであり、地方分権改革の流れに逆行するものである。このような見直しが実施されれば、東京を始めとする大都市の財源が不当に奪われることとなり、大都市特有の財政需要等にこたえられなくなるばかりか、我が国全体の活力にも悪影響が及ぶことが懸念され、国、地方全体にとって利益にならない。今一度、地方分権改革の原点に立ち返り、まずは国と地方との役割分担を明確化した上で、それに見合った税財源を確保するための根本的な議論を行うべきである。よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、地方税財源の偏在是正の名の下に、東京の税財源を不合理に奪うような見直しを行わないよう強く要請する。以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。平成十九年六月十二日東京都議会議長川島忠一衆議院議長┐参議院議長│内閣総理大臣│総務大臣├あて│財務大臣│経済産業大臣│経済財政政策担当大臣┘ # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)本案は、起立により採決いたします。本案は、原案のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)起立多数と認めます。よって、本案は、原案のとおり可決されました。 # 六十七番(山加朱美君) 六十七番(山加朱美君)この際、議事進行の動議を提出いたします。本日の会議はこれをもって散会し、明十三日から十八日まで六日間、議案調査のため休会されることを望みます。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)お諮りいたします。ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)ご異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれをもって散会し、明十三日から十八日まで六日間、議案調査のため休会することに決定いたしました。なお、次回の会議は、六月十九日午後一時に開きます。本日はこれをもって散会いたします。午後一時三十七分散会
2024-03-31T11:22:32.407184Z
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--- title: 平成19年_第2回定例会(第8号) 名簿・議事日程 # 平成十九年六月十二日(火曜日)出席議員百二十七名一番遠藤守君二番伊藤興一君三番米沢正和君四番鈴木章浩君五番菅東一君六番後藤雄一君七番福士敬子君八番伊沢けい子君九番そなえ邦彦君十番西崎光子君十一番山口拓君十二番伊藤ゆう君十三番原田大君十四番河野百合恵君十五番小竹ひろ子君十六番松葉多美子君十七番大松成君十八番中山信行君十九番高倉良生君ニ十番きたしろ勝彦君ニ十一番田中たけし君ニ十二番鈴木隆道君ニ十三番神林茂君ニ十四番早坂義弘君ニ十五番崎山知尚君ニ十六番宇田川聡史君ニ十七番原田恭子君ニ十八番佐藤広典君ニ十九番尾崎大介君三十番伊藤まさき君三十一番松下玲子君三十二番野上ゆきえ君三十三番西岡真一郎君三十四番たぞえ民夫君三十五番村松みえ子君三十六番橘正剛君三十七番上野和彦君三十八番吉倉正美君三十九番谷村孝彦君四十番石森たかゆき君四十一番高橋信博君四十二番鈴木あきまさ君四十三番秋田一郎君四十四番矢島千秋君四十五番高橋かずみ君四十六番串田克巳君四十七番吉原修君四十八番山田忠昭君四十九番山口文江君五十番今村るか君五十一番吉田康一郎君五十二番斉藤あつし君五十三番泉谷つよし君五十四番くまき美奈子君五十五番大西さとる君五十六番増子博樹君五十七番かち佳代子君五十八番植木こうじ君五十九番長橋桂一君六十番野上純子君六十一番東村邦浩君六十二番小磯善彦君六十三番臼井孝君六十四番林田武君六十五番野島善司君六十六番高木けい君六十七番山加朱美君六十八番服部ゆくお君六十九番田代ひろし君七十番三宅茂樹君七十一番川井しげお君七十二番鈴木一光君七十三番大西由紀子君七十四番いのつめまさみ君七十五番門脇ふみよし君七十六番小沢昌也君七十七番石毛しげる君七十八番岡崎幸夫君七十九番柿沢未途君八十番清水ひで子君八十一番古館和憲君八十二番松村友昭君八十三番東野秀平君八十四番藤井一君八十五番ともとし春久君八十六番木内良明君八十七番吉野利明君八十八番倉林辰雄君八十九番村上英子君九十番こいそ明君九十一番三原まさつぐ君九十二番田島和明君九十三番樺山たかし君九十四番新藤義彦君九十五番古賀俊昭君九十六番立石晴康君九十七番初鹿明博君九十八番酒井大史君九十九番花輪ともふみ君百番大沢昇君百一番大津浩子君百二番大塚たかあき君百三番相川博君百四番曽根はじめ君百五番大山とも子君百六番鈴木貫太郎君百七番石川芳昭君百八番中嶋義雄君百九番石井義修君百十番桜井武君百十一番遠藤衛君百十二番高島なおき君百十三番宮崎章君百十四番野村有信君百十五番比留間敏夫君百十六番佐藤裕彦君百十七番川島忠一君百十八番内田茂君百十九番三田敏哉君百二十番中村明彦君百二十一番山下太郎君百二十二番馬場裕子君百二十三番土屋たかゆき君百二十四番田中良君百二十五番名取憲彦君百二十六番吉田信夫君百二十七番渡辺康信君欠席議員なし出席説明員知事石原慎太郎君副知事谷川健次君副知事菅原秀夫君副知事山口一久君教育長中村正彦君知事本局長大原正行君総務局長押元洋君財務局長村山寛司君主税局長熊野順祥君警視総監伊藤哲朗君生活文化スポーツ局長渡辺日佐夫君都市整備局長只腰憲久君環境局長吉川和夫君福祉保健局長安藤立美君産業労働局長佐藤広君建設局長道家孝行君港湾局長津島隆一君会計管理局長三枝修一君交通局長島田健一君消防総監小林輝幸君水道局長東岡創示君下水道局長前田正博君青少年・治安対策本部長舟本馨君東京オリンピック招致本部長荒川満君病院経営本部長秋山俊行君中央卸売市場長比留間英人君選挙管理委員会事務局長梶原康二君人事委員会事務局長矢口幸一君労働委員会事務局長有留武司君監査事務局長白石弥生子君収用委員会事務局長中田清己君六月十二日議事日程第一号第一第百三十一号議案政治倫理の確立のための東京都知事の資産等の公開に関する条例の一部を改正する条例第二第百三十二号議案市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例第三第百三十三号議案住民サービスの向上と行政事務の効率化を図るために住民基本台帳ネットワークシステムの本人確認情報を利用する事務等を定める条例第四第百三十四号議案東京都恩給条例の一部を改正する条例第五第百三十五号議案雇傭員の退職年金及び退職一時金等に関する条例の一部を改正する条例第六第百三十六号議案職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例第七第百三十七号議案東京都都税条例の一部を改正する条例第八第百三十八号議案東京都納税貯蓄組合補助金交付条例の一部を改正する条例第九第百三十九号議案東京都情報公開条例の一部を改正する条例第十第百四十号議案東京都個人情報の保護に関する条例の一部を改正する条例第十一第百四十一号議案東京都学校経営支援センター設置条例の一部を改正する条例第十二第百四十二号議案東京都営住宅条例等の一部を改正する条例第十三第百四十三号議案東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例第十四第百四十四号議案東京都日影による中高層建築物の高さの制限に関する条例の一部を改正する条例第十五第百四十五号議案多摩都市計画多摩土地区画整理事業施行規程等の一部を改正する条例第十六第百四十六号議案東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例第十七第百四十七号議案東京都女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例第十八第百四十八号議案東京都自然公園条例の一部を改正する条例第十九第百四十九号議案東京都日暮里・舎人ライナー条例第二十第百五十号議案警視庁の設置に関する条例の一部を改正する条例第二十一第百五十一号議案特別区の消防団員等の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例第二十二第百五十二号議案中央環状品川線シールドトンネル工事請負契約第二十三第百五十三号議案平成十九年度若洲橋鋼けた製作・架設工事請負契約第二十四第百五十四号議案ヘリコプターの買入れについて第二十五第百五十五号議案都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例第二十六諮問第二号地方自治法第二百三十一条の三の規定に基づく審査請求に関する諮問について第二十七地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京都都税条例の一部を改正する条例の報告及び承認について議事日程第一号追加の一第一議員提出議案第十四号地方税財政制度の確立に関する意見書第二議員提出議案第十五号国・地方を通じた税財政制度の見直しに関する意見書
2024-03-31T11:22:33.370055Z
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--- title: 平成19年_第3回定例会(第15号) 本文 # 午後一時一分開議 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)これより本日の会議を開きます。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)まず、議事部長をして諸般の報告をいたさせます。 # 議事部長(大村雅一君) 議事部長(大村雅一君)知事より、東京都が出資または債務保証等をしている法人の経営状況について、公立大学法人首都大学東京外三十三法人の説明書類の提出がありました。また、地方独立行政法人の業務評価について、公立大学法人首都大学東京外一法人の評価書類の提出がありました。次に、平成十九年第一回定例会において採択された請願陳情の処理経過及び結果について報告がありました。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)次に、日程の追加について申し上げます。議員より、議員提出議案第二十一号、私学振興に関する意見書外意見書三件、知事より、東京都監査委員の選任の同意について二件、委員会より、落合川の小渓谷を埋め立てない河川整備工事の施工に関する請願外請願二件、陳情十八件の委員会審査報告書がそれぞれ提出されました。これらを常任委員の選任の件とあわせて、本日の日程に追加をいたします。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)次に、文書質問について申し上げます。お手元配布の文書質問事項表のとおり、質問の通告がありました。本件は、直ちに執行機関に送付しておきました。なお、本件答弁書は、速やかに提出されますよう希望しておきます。文書質問事項表┌┬┐│氏名│件名│├┼┤│福士敬子君│東京都の管理する緑地公園を│││使用してのミサイル部隊の移│││動・展開訓練について│├┼┤│そなえ邦彦君│都の防災対策について│├┼┤│河野百合恵君│浸水被害防止対策について│├┼┤│たぞえ民夫君│遊戯施設の安全管理の徹底に│││ついて│├┼┤│斉藤あつし君│看護専門職の不足について│││ほか│├┼┤│植木こうじ君│貧困と格差の広がりに新たな│││住宅対策を│├┼┤│酒井大史君│東京都犯罪被害者等支援推進│││計画(仮称)について│└┴┘ # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)これより日程に入ります。日程第一から第三十二まで、議員提出議案第二十号、公立の小学校及び中学校の耐震化促進のための助成に関する条例外議案三十件、専決一件を一括議題といたします。本案に関する委員会審査報告書は、お手元に配布してあります。朗読は省略をいたします。文教委員会議案審査報告書議員提出議案第二十号公立の小学校及び中学校の耐震化促進のための助成に関する条例本委員会は、九月二十七日付託された右議案を審査の結果、原案を否決すべきものと決定したので報告します。平成十九年十月三日文教委員長たぞえ民夫東京都議会議長比留間敏夫殿総務委員会議案審査報告書第百七十七号議案公立大学法人首都大学東京中期目標の変更について第百七十八号議案公立大学法人首都大学東京定款の変更について第百七十九号議案公立大学法人首都大学東京が徴収する料金の上限の認可について第百八十号議案公立大学法人首都大学東京に対する出資について本委員会は、九月二十七日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。平成十九年十月三日総務委員長大津浩子東京都議会議長比留間敏夫殿文教委員会議案審査報告書第百五十九号議案東京都立学校設置条例の一部を改正する条例第百八十三号議案東京都江戸東京博物館外二施設の指定管理者の指定について第百八十四号議案東京文化会館の指定管理者の指定について本委員会は、九月二十七日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。平成十九年十月三日文教委員長たぞえ民夫東京都議会議長比留間敏夫殿財政委員会議案審査報告書第百七十二号議案東京都医学系総合研究所(仮称)(H十九)I期新築工事請負契約本委員会は、九月二十七日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。平成十九年十月三日財政委員長山田忠昭東京都議会議長比留間敏夫殿警察・消防委員会議案審査報告書第百七十一号議案警視庁の設置に関する条例の一部を改正する条例第百八十一号議案道路標識設置等工事に係る損害賠償請求訴訟事件に関する和解について本委員会は、九月二十七日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。平成十九年十月二日警察・消防委員長矢島千秋東京都議会議長比留間敏夫殿財政委員会議案審査報告書第百七十三号議案都立永福学園養護学校(H十九)増築工事請負契約第百七十四号議案妙正寺川整備工事(激特一)請負契約第百七十五号議案妙正寺川整備工事(激特二)請負契約第百七十六号議案妙正寺川整備工事(激特四)請負契約本委員会は、九月二十七日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。平成十九年十月三日財政委員長山田忠昭東京都議会議長比留間敏夫殿総務委員会議案審査報告書第百五十七号議案特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例第百五十八号議案市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例第百八十五号議案職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例本委員会は、九月二十七日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。平成十九年十月三日総務委員長大津浩子東京都議会議長比留間敏夫殿財政委員会議案審査報告書第百五十六号議案平成十九年度東京都一般会計補正予算(第二号)中予算総則歳入歳出財政委員会所管分本委員会は、九月二十七日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。平成十九年十月三日財政委員長山田忠昭東京都議会議長比留間敏夫殿環境・建設委員会議案審査報告書第百五十六号議案平成十九年度東京都一般会計補正予算(第二号)中歳出環境・建設委員会所管分本委員会は、九月二十七日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。平成十九年十月三日環境・建設委員長小磯善彦東京都議会議長比留間敏夫殿財政委員会議案審査報告書第百八十二号議案土地及び建物の売払いについて本委員会は、九月二十七日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。平成十九年十月三日財政委員長山田忠昭東京都議会議長比留間敏夫殿都市整備委員会議案審査報告書第百六十号議案都市計画法に規定する開発許可等の基準に関する条例の一部を改正する条例第百六十一号議案東京都建築安全条例の一部を改正する条例本委員会は、九月二十七日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。平成十九年十月二日都市整備委員長秋田一郎東京都議会議長比留間敏夫殿厚生委員会議案審査報告書第百六十二号議案東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例第百六十三号議案東京都看護師等修学資金貸与条例の一部を改正する条例第百六十四号議案東京都認定こども園の認定基準に関する条例の一部を改正する条例第百六十五号議案旅館業法施行条例の一部を改正する条例第百六十六号議案プール等取締条例の一部を改正する条例本委員会は、九月二十七日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。平成十九年十月三日厚生委員長長橋桂一東京都議会議長比留間敏夫殿経済・港湾委員会議案審査報告書第百六十七号議案東京都産業労働局関係手数料条例の一部を改正する条例本委員会は、九月二十七日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。平成十九年十月二日経済・港湾委員長石毛しげる東京都議会議長比留間敏夫殿環境・建設委員会議案審査報告書第百六十八号議案緑の東京募金基金条例第百六十九号議案温泉法に基づく温泉の保護に係る手数料に関する条例の一部を改正する条例本委員会は、九月二十七日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。平成十九年十月三日環境・建設委員長小磯善彦東京都議会議長比留間敏夫殿公営企業委員会議案審査報告書第百七十号議案東京都公営企業職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部を改正する条例本委員会は、九月二十七日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。平成十九年十月二日公営企業委員長花輪ともふみ東京都議会議長比留間敏夫殿総務委員会専決処分審査報告書地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京大気汚染訴訟の和解に関する報告及び承認について本委員会は、九月二十七日付託された右専決処分を審査の結果、承認すべきものと決定したので報告します。平成十九年十月三日総務委員長大津浩子東京都議会議長比留間敏夫殿 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)これより討論に入ります。討論の通告がありますので、順次発言を許します。二十三番高木けい君。〔二十三番高木けい君登壇〕 # 二十三番(高木けい君) 二十三番(高木けい君)私は、東京都議会自由民主党を代表して、知事提出のすべての議案に賛成し、議員提出議案第二十号に反対する立場から討論を行います。最初に、東京大気汚染訴訟の和解について意見を申し上げます。今回の和解は、東京の大気汚染問題の抜本的な解決を目指して、知事と都議会が手を携えて取り組んできた成果であります。しかし、和解の柱である医療費助成制度に対する首都高速道路株式会社の対応は極めて不十分なものであります。首都高は社会的責任を自覚すべきであり、都は、今後も不退転の決意で協議を続けていただきたい。我が党も、都議会第一党として、患者の方々の救済をより確実なものにしていくために、全面的にバックアップしていく考えであります。同時に、大気汚染の抜本的な解決を目指して、都内の慢性的な渋滞、通過交通の減少に寄与する三環状道路の整備を初めとする道路交通ネットワークの整備も早急に進めるべきであります。続いて、低所得者の方々への新しい施策について申し上げます。知事は、施政方針演説で、春に公表した個人都民税の一律軽減策を見直し、額に汗して懸命に働いているにもかかわらず低所得の状態から抜け出せない方々を支援するため、きめ細かい施策を講じるとの方針を表明されました。我が党も、より効果の高い方策に変えていくことは必要と考えます。今回の方針を受け、我が党は、知事との関係をさらに建設的なものとしていくため、庁内で広く活発に議論を行い、トップダウンとボトムアップを融合させた上で進めること、区市町村との関係を十分考慮することなどの提言をいたしました。今後は、各局で施策の具体化に向けて取り組まれると思いますが、議会とも意思疎通を図っていただき、十分な対応をされるよう強く望みます。次に、オリンピック、パラリンピックの招致についてであります。先月、立候補申請都市が出そろい、戦いがスタートいたしました。各都市はいずれも強豪であります。国の閣議了解、地方六団体からの招致支援決議を弾みとして、招致に向け全力を尽くしていただきたいと思います。なお、共産党は、東京がやりたければやりなさいというだけの話などと、閣議了解を曲解した発言を行いました。閣議了解は、事柄の重要性にかんがみ、主務大臣以外の意向をも徴することが適当と判断されるものについて行われることをご存じないのでしょうか。猛省を強く求めるものであります。次に、環境対策について申し上げます。環境CBOは、中小企業のCO2排出削減対策の第一歩として大変意義があり、これにより具体的にCO2削減が進むことを期待します。また、対象とならない中小企業に対しても、今後積極的な支援策を講ずるよう強く要望いたします。また、一般家庭のCO2削減についても、都は国に先駆けて、太陽熱や太陽光の太陽エネルギーの利用拡大の具体的な導入促進策を構築すべきです。次に、緑の東京募金基金条例についてですが、都と都民、企業との新しい協働の仕組みとして実施する緑の東京募金は、緑あふれる東京の再生を目指す有効な施策と考えます。今後、幅広い都民の賛同が得られるよう、わかりやすく、参加しやすい仕組みづくりに努めていただくよう要望いたします。続いて、高齢者医療について申し上げます。国は、介護療養病床の廃止とともに、医療療養病床の大幅削減を目指しています。都は、国の一律の病床削減の動きに追随するのではなく、必要かつ適正な病床数を確保し、高齢者とその家族の安心を確保されることを強く望みます。また、後期高齢者医療制度については、現在、国においてさまざまな検討が行われていますが、我が党としては、こうした高齢者の負担を可能な限り軽減すべきと考えており、都に対しても、国の動向を踏まえ、適切に対応していくよう求めるものです。最後に、共産党が提出した公立の小学校及び中学校の耐震化促進のための助成に関する条例について申し上げます。耐震補強工事等、公立小中学校の施設等の整備については、区市町村が設置者としてその経費を負担することが原則です。また、義務教育の適切な実施については、国は果たすべき責任があり、その経費についても国が一定の負担をすべきものです。かねてからの都の要求を受け、本年度から国も新たな財政措置を開始しており、耐震化の一層の向上が期待されています。共産党は、耐震化が進んでいない理由を、すべて都の直接的な財政支援の有無にかかわらせていますが、実態は、財政力の問題というよりは、各自治体の個別事情が大きな要因となっており、各自治体に学校の耐震化に真摯に取り組んでもらうことこそが重要であります。今、都に求められているのは、各区市町村の主体的な取り組みを促していくための仕組みづくりであります。また、耐震診断は九八%の小中学校で終えており、耐震化率も、この六年間に五六・八%から七二・四%に上昇しています。このような状況で条例を提案する意味は全くありません。提案された条例は、単なるばらまき型の助成制度であり、共産党のパフォーマンスにすぎず、責任政党である我が党としては断じて認めるわけにはいかないことを申し上げ、討論を終わります。(拍手) # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)四十九番山口文江さん。〔四十九番山口文江君登壇〕 # 四十九番(山口文江君) 四十九番(山口文江君)私は、本定例会の提出議案に賛成の立場から討論を行います。石原知事三期目の施策がいよいよ具体化していくと考えられる第三回定例会でしたが、だれもが三選に向けての危機感を持った知事の選挙向けの公約と受けとめていた個人都民税の軽減案が、あっという間に撤回されました。もとより石原知事に最も似つかわしくないと思われた公約ではありましたが、公約の余りの軽さと、選挙中に見せた反省の態度からの豹変ぶりには驚くばかりです。この施策を実施すると、逆に不公平を生むおそれがあることや、実際に計算をしてみると、一人当たりの軽減額が小さく効果が薄いなど、今回撤回理由に掲げられたことは、課税免除の問題点として最初からわかっていたことです。知事は、施策として手当てすることを公約の進化ととらえてほしいといわれますが、今回示された対策の効果予測を具体的に示すことでしか、撤回を正当化することはできません。都民税の軽減案が期待された裏には、格差社会の進行が現実のものであり、将来への不安を招いているからにほかなりません。そこに対しては、行政としての確かな施策が求められています。生活者ネットワークは、社会的弱者対策として、高齢者のみならず、将来の社会を支える若者、障害者、シングルマザー等への雇用対策を速やかに示していくことを求めます。石原知事は、温暖化が進行している現状をみずからの目で確かめるために、ツバル、フィジーを視察しました。東京都における温暖化対策が飛躍的に進むことに期待するものです。しかし、知事は、施政方針の中で、国の温暖化対策を指して、大気汚染の問題の轍を踏むことなく行動すべきにもかかわらず、温暖化対策に実効性のある具体策がないと批判していますが、三環状道路を初めとする道路ネットワークを強行に推進しようとしている石原知事こそ、大気汚染問題の反省がないと映ります。渋滞解決のために整備した道路整備が新たな車を誘導していく現実に目を向けるべきです。また、東京ひとり勝ち論に対して、大都市のインフラの更新こそ東京の大きな負担になると弁明しながら新たなインフラを広げようとする姿勢は、また次世代へ負の遺産を生み出すことになりかねません。持続可能な都市づくりの視点こそ求められていることを申し上げておきます。国の中央防災会議は、東京湾北部地震が発生した場合、耐震性のない避難所の倒壊まで想定すると、最も被害の大きい二十三区内では、避難所に入れない人が約六十万人に達する見込みという結果を発表していましたが、この十月二日には、最大で百六十二万世帯が家を失い、半年後も二十七万世帯が住宅を失ったままになるとの試算を新たに発表しました。いよいよ震災対策は待ったなしです。東京都の震災対策は、自助と減災の方向性を打ち出していますが、そうであるならば、今最も必要な対策は、耐震対策と安全な避難所の確保と考えます。しかし、具体的な施策の実行は、ほとんど自治体の責務となっています。今回の生活者ネットワークの一般質問で明らかになったのは、現在見直しが検討されている区市町村地域防災計画の進捗状況を都は全く把握していないことです。特に学校や体育館は、日常は学習の場とし、災害時には避難場所として、安全が最も求められています。しかし、公立小中学校の耐震化率は、二十三区七七・一%、多摩地域六四・一%、全体で七二・四%です。都の耐震化促進計画では、二十七年度中に一〇〇%と計画していますが、財政的裏づけもなく、区市町村に計画をつくって進めてくれとお願いするという情けない状態です。計画の実効性が疑われます。現在、学校や体育館の耐震は、国と区市町村の負担でやるため、財政の厳しい区市町村の負担は重く、市長会も都独自の補助制度を要望しています。都の財政状況に余裕がある今こそ、市区町村の震災対策を財政支援とともに進めていくことを重ねて要望しておきます。最後に、安倍前総理大臣が一年で退陣を余儀なくされ、福田新総理が誕生しましたが、政権を揺るがせた政治と金の問題は一向におさまる気配もなく、政治家の資産公開や政治団体収支報告などでは、添付の領収書から、虚偽の記載や多重の使い回しなどが明らかになりました。国民の政治家を見る目はますます厳しくなっているところから、事務所費については、与党もいよいよ一円からの領収書添付の方向で動き始めています。都議会においても、継続審議となっている政務調査費について、生活者ネットワークは、議会が一致して取り組むべき問題であり、自主公開では問題解決とはならないと考えます。自民、公明、民主による非公開の協議では、公開に向けての協議が進められているようですが、領収書添付を一日も早く実行するべく、議論の公開と決着を求め、生活者ネットワークの討論とします。(拍手) # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)十三番原田大君。〔十三番原田大君登壇〕 # 十三番(原田大君) 十三番(原田大君)私は、都議会民主党を代表して、議員提出議案第二十号に反対し、第百五十六号議案、平成十九年度一般会計補正予算(第二号)外、知事提出議案に賛成の立場から討論を行います。まず、石原知事による都民税所得割の軽減措置の撤回について述べます。そもそもこの措置は、低所得者の自立支援や所得向上策と結びつく一貫した政策体系に基づくものではなく、単に税の一部軽減措置を行うだけのものでした。私たちはこの公約に関して、当初より、かえって税制をゆがめないかと懸念を表明し、問題点を指摘してきました。また、区市町村も、ほかの基準との整合性や公益性などの疑問点を発していました。そのため、撤回は当然の判断と考えます。知事は、決して取り消されたんじゃございません、あくまで進化したと強弁していますが、この発言は多くの都民を失望させています。知事自身が、選挙の前に新しい政策を打ち出してほしいと指示し、この軽減措置を発表しました。この公約を信じて知事に投票した都民も少なからずいたであろうことを考えれば、知事はまず、素直に公約の撤回を認めるべきであります。本当の進化は、現実をありのままに認識するところから始まると考えます。改めて、この東京に暮らす人々の立場に立った格差是正策を早急に具体化するよう求めます。次に、第百五十六号議案についてであります。本案には、東京大気汚染訴訟和解拠出金収入として三十八億円が計上されるとともに、環境CBOの導入に要する経費五十億円が計上されています。東京大気汚染訴訟は、八月八日に和解が成立いたしました。これまで行政機関においては、その無謬性を追求する余り、ともすると現実に生じた不都合な真実を真正面から受けとめられないという傾向も見られましたが、今回、問題解決に向けて、また一歩前進となります。しかし、この和解成立で大気汚染の問題がすべて解決したわけではありません。自動車交通総量の削減対策や低公害車の導入促進、エコドライブの普及、推進策などの着実な実行はもちろん、特に医療費助成制度については早期創設を求めます。環境CBOは、金融分野に環境の視点が取り入れられたという点、及び中小企業においても、部分的ですが、排出枠を設定したCO2の削減の取り組みが始まるという点で画期的です。中小企業からのCO2排出量が都内排出量の約二割を占めていることを考えると、この環境CBOにとどまらず、ほかのさまざまな中小企業支援策についても積極的に展開していくべきと考えます。産業労働局のアンケート調査によれば、通常のCBOの使途として、半数を超える企業が手元余裕資金とすると回答しています。そうした現状にあっては、省エネに関するノウハウや設備投資の資金提供により、中小企業が積極的に環境投資に取り組めるよう、取引先の銀行などと連携した環境金融の仕組みなどをさらに進めることが効果的であります。また、社債発行をしない、つまり、この環境CBOの仕組みに乗れない小規模の企業で、環境に積極的に取り組もうという企業を後押しする取り組みも重要です。これらの施策を通じて、中小企業の温暖化対策に総合的に取り組まれるよう求めます。次に、第百六十八号議案、緑の東京募金基金条例についてであります。海の森や街路樹の整備など、緑の保全や創出に向けた募金の役割は重要ですが、私たちは、植樹や緑の管理など、実際の活動を通じて都民からの協力を得ることが必要ではないかと述べてきました。緑のムーブメントというのであれば、お金の面だけではなく、都民などの環境活動にも大いに着目し、都民等との協働に積極的に取り組んでもらいたいと思います。また、今回の募金には、スリーコイン・ワンツリー運動のような目標額の設定がありませんが、参加者に募金の意義をわかりやすく訴えていくため、私たちはカーボンオフセットの考え方を取り入れることを提案しています。例えば、イギリスの航空会社であるブリティッシュ・エアウエーズでは、乗降客が、飛行機で移動したことによって排出されるCO2を相殺するため、植林の費用を運賃に上乗せして支払うという取り組みを行っております。日本でも、環境に関する会議、シンポジウム等で、参加者の移動を含むイベント開催に伴うCO2排出を、植林プロジェクト等への寄附によって相殺する取り組みが各所で始まってきております。緑の東京募金に寄附することによって、個人や企業が植林活動等に貢献でき、その結果、どれだけCO2削減に貢献できたかについてもわかるようにすれば、寄附する側の意欲をかき立てることにもなります。また、運営上も、結果的にある程度の目標額を設定することが可能となるものであり、ぜひとも検討されるよう求めます。次に、第百八十五号議案、職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例についてであります。本案は、立川警察署警察官による殺人及び自殺事件から、死亡職員に関して、新たに退職手当を支給しない特例が設けられました。職員が生存している場合、裁判所など第三者機関の判決を待ち、不支給などの判断をすることが可能ですが、死亡の場合には不起訴処分になります。そのため、第三者機関の関与など、適正な手続が必要なのではないかと考えます。減額支給や返納についても、今後の課題として検討されるよう求めます。次に、議員提出議案第二十号、公立の小学校及び中学校の耐震化促進のための助成に関する条例についてであります。小中学校を含む公共建築物、民間建築物の耐震化について、都が掲げている平成二十七年までに防災上重要性の高い建物を一〇〇%耐震化するという目標では足りず、前倒しして達成することは喫緊の課題であります。耐震化の促進という目的自体は、都、都議会、区市町村も一体となって推進すべき重要事項であり、私たちも再三にわたって実効性のある耐震化促進制度の実現を求めています。本案の求める公立学校の危険校舎の耐震化促進について、民主党は、原則として、設置者と所管行政庁との関係において、全国的に耐震診断を義務づけ、補強、改築経費のかさ上げなどを図るなど、法による一層の取り組みが必要と考え、国においては、学校施設耐震化促進法を提案し、成立を目指してきました。私たちは、この法的枠組みのもとで全国的に耐震化を促進すべきと考えます。また、委員会での質疑を通じて、本案の枠組みにおいては、区市町村の自治、分権について考慮されておらず、区市町村長及び区市町村議会の自主的な政策判断により推進されるべき学校施設の管理について、学校教育法、地方自治法並びに耐震改修促進法などの関連法令との整合に欠く内容であることについても明らかとなりました。よって、耐震化を促進するためには、本案は適当でなく、都が幅広い建築物を対象とした耐震化促進助成制度を実施すべきと考えます。以上、都議会民主党を代表しての討論を終えます。(拍手) # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)二番伊藤興一君。〔二番伊藤興一君登壇〕 # 二番(伊藤興一君) 二番(伊藤興一君)私は、都議会公明党を代表して、知事提出の全議案に賛成し、共産党提出の議案に反対の立場から討論いたします。初めに、平成十九年度補正予算における環境CBO導入のための五十億円の計上について申し上げます。環境CBOは、中小企業の実情に即した、企業の資金需要の機会をとらえて省エネ対策の実施を求めるという新しい取り組みであり、これにより具体的にCO2削減が進むことを期待いたします。また、環境CBOの対象とならない中小企業に対しても、今後、積極的な支援策を講ずるよう要望いたします。次に、第百六十八号議案、緑の東京募金基金条例についてであります。東京における緑は、都民に潤いや安らぎを与えるだけでなく、都市防災やヒートアイランド対策、生態系の保全など、その役割は極めて多様かつ重要です。こうした緑づくりを推進するため、行政が都民、企業と幅広く協働して取り組んでいく緑の東京募金制度の創設に対して評価をいたします。今後、わかりやすく、受け入れやすい募金の仕組みづくりを進めていくよう要望をしておきます。次に、専決処分した東京大気汚染訴訟の和解に関する報告及び承認について申し上げます。今回の和解において、東京都が提案をした、医療費患者自己負担分を国、首都高、都、メーカーが負担をするという画期的な医療費助成制度が創設されました。自動車排出ガスにより気管支ぜんそく等で苦しんできた患者の方々の長年の要望が実現したことに対し、知事を初めとする関係各位の尽力を高く評価いたします。ただ、残念なことは、首都高が医療費助成制度の分担金である三十三億円のうちの五億円しか負担しないということであります。制度を財源的に実効性あるものとするためには、首都高の協力は不可欠であります。都は、首都高の二六・七二%の株式を保有する大株主であります。株主の権利を行使してでも、首都高に三十三億円の分担金を負担させるべきであると申し上げておきます。またあわせて、東京都の環境対策を着実に進めていくのみならず、国及び首都高の環境施策も同時に進めていくことが重要であります。都としても積極的に働きかけていくべきであると申し上げておきます。次に、共産党提案の公立の小学校及び中学校の耐震化促進のための助成に関する条例案について申し上げます。東京都内の小中学校の耐震化率は現在七二・四%であり、東京都は、平成二十七年度を目途に、小中学校の耐震化一〇〇%達成に向けて、今、全力で取り組んでいるところであります。こうした中、東京都は、耐震化のスピードアップを図るため、都議会公明党の要請も受け、必要な財源の確保を国に要求し、国政においても、公明党が尽力し、予算の大幅な増額や交付税による自治体負担の軽減が実現したところであります。具体的には、約一千億円だった平成十八年度の国の学校耐震化予算が、平成十九年度には、十八年度補正を加えて、事実上倍増いたしました。平成二十年度については、十八年度の倍以上の約二千百億円が概算要求されています。さらに、平成十九年度からは、多摩地域の財政力の弱い自治体に対し、事業費に充てる地方債の元利償還金の五〇%について、後年度、普通交付税の基準財政需要額に算入する地方財政措置が行われるようになり、事業費の約七割を国が財政措置するようになりました。これにより、事業を実施する自治体の負担が大幅に軽減され、小中学校の耐震化がスピードアップしています。学校の耐震化事業は、今まさに目標達成に向けて全力疾走を始めたところであります。したがって、共産党提案の助成制度は、あたかも、太陽が上り始めたときにわざわざ明かりをつけろというようなものであり、賛成するだけの根拠は見当たりません。まさに共産党提案の条例案は、学校耐震化一〇〇%というゴールが見えてきた段階でトップランナーに便乗するようなものであり、ためにするパフォーマンスだけの提案といわざるを得ません。したがって、共産党提案の条例案には反対をいたします。今定例会において、石原知事は、春以来検討を重ねてきた個人都民税の軽減策から、額に汗して働いているにもかかわらず低所得の状況から抜け出せない人たちに対して効果的に支援策を講ずるために、方針を転換いたしました。このことを受け、都議会公明党が、リストラなどで住まいを失い、インターネットカフェで常時寝泊まりする人への都の支援策を強く求めたところ、都が出向いて相談に応じ、就労支援や生活支援などの支援策を講ずるとしたことは高く評価するものであります。このほかにも、都議会公明党は、今定例会において、子育て支援、公共サービスの負担軽減、教育の資質の向上、がん対策、住宅困窮者対策など、都民の喫緊の課題に対しさまざまな提案をし、着実に政策を推進してまいりました。特に、都立病院や公社病院で、医師、看護師などの子どもの二十四時間保育の実施に向けて都が踏み出したことや、特別支援学校に通う障害のある児童の放課後の居場所づくりを具体的に検討するとしたことは大きな前進であります。今後も、都議会公明党は、生活現場主義のもと、都民の抱えるさまざまな課題に対して全力で取り組むことをお誓いし、討論を終わります。(拍手) # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)三十五番村松みえ子さん。〔三十五番村松みえ子君登壇〕 # 三十五番(村松みえ子君) 三十五番(村松みえ子君)日本共産党都議団を代表して、第百七十七号議案、公立大学法人首都大学東京中期目標の変更について外七議案に反対し、我が党外三会派共同による議員提出議案第二十号、公立の小学校及び中学校の耐震化促進のための助成に関する条例に賛成の立場から討論を行います。公立大学法人にかかわる四議案は、首都大学の独立行政法人に都立産業技術高等専門学校を移管、統合させるものです。独立行政法人化された首都大学では、都の交付金が毎年減らされ、基礎研究部門では定期研究誌の購入さえ切り詰めるなど、教育研究条件の悪化が深刻です。都立高専でも、独立行政法人になれば、教員への任期制が導入され、教育の継続性が阻害されることや、予算が削減されることなどに危惧の声が上がっています。独立行政法人化が教育水準の大きな後退につながることは明らかであり、反対します。公立小中学校の耐震化助成に関する条例は、児童生徒が日中を過ごし、震災時は避難所となる小中学校の耐震化を一刻も早く完了させるため、都として区市町村に助成することを制度化するものです。学校耐震化助成は、市長会の予算要望にも掲げられるなど切実な要望であり、二十三区においても急がれているものです。静岡、宮城などでも独自助成が効果を上げており、本条例の制定は極めて重要な意義を持つものです。ご賛同を強く訴えるものです。本定例会では、参議院選挙で示された、格差と貧困を深刻にする政治は許さないという国民の審判にこたえて、都民の暮らしをどう守っていくのかが鋭く問われました。ところが、石原知事は、知事選公約だと公言していた個人都民税の減税を突然撤回し、しかも、これを公約の進化だと強弁しました。我が党の明々白々の公約違反だという追及に対して、知事は、共産党の好きな一種のばらまきにつながりますので、これは政策転換いたしましたという驚くべき答弁を行いました。都民への減税がばらまきだというのなら、これまで国が超党派で行った定率減税などの減税もばらまきというのでしょうか。大企業や大資産家に対する減税には文句もいわない知事が、都民への減税をばらまき呼ばわりしてはばからないことに、知事がいかに庶民の痛みを顧みないかが明白に示されています。知事自身が、税制のゆがみを正す、税制のあるべき姿とまでいって公約に掲げたのです。都民の支持を集めて当選したら、その公約をばらまきだといって撤回するというのですから、語るに落ちるであります。初めから知事は、この公約を実行する意思はなかった、選挙目当ての空公約だったというそしりは免れません。我が党は、貧困と格差に苦しむ都民に対して、知事が公約したささやかな都民減税の実施はもちろん、緊急の生活応援手当やネットカフェ難民への住宅支援、さらには非正規雇用労働者の待遇改善などが不可欠であるとして緊急提案を行いましたが、今後ともその実現に力を尽くすものです。豪華海外出張についても、知事は、知事選の中で反省を口にし、都民への説明不足や事務方に任せきりを改めると約束してみせました。しかし、知事のツバル、フィジー視察について、なぜ温暖化の影響が最も深刻なツバルに宿泊し、十分な調査をしなかったのかなど、我が党の質問にまともに答えることができませんでした。また、条例の二倍もの豪華ホテル代を払ったり、多額の費用をかけ、特定の通訳に依頼したことなどを指摘し、なぜ節約に努めないのかをただしたのに対しても、知事は説明不能でした。この問題でも、知事の都民への約束は破り捨てられたのです。ちなみに、今回知事は、航空機のファーストクラスがなかったために、やむなくビジネスクラスを利用しましたが、知事は何の苦情もいっていません。今後は、仮に必要な出張であったとしても、せめてビジネスクラスを利用して節約に心がけるべきであることを申し上げておきます。猪瀬副知事の格差問題に対する認識と答弁についても触れないわけにはいきません。我が党は、格差を否定し、格差是正に向けた政策をばらまき呼ばわりしている猪瀬副知事の認識をただしました。ところが猪瀬副知事は、質問にまともに答えないばかりか、一般論で貧しい人がいるというだけじゃ、いつの時代も同じですよという驚くべき認識を示しました。この数十年来、今日ほど貧困と格差の増大が重大な社会問題になったことはありません。この最大の原因が、自民党政治が進めてきた構造改革によるものであることは、各政党やマスコミも認め、福田新首相も、さきの所信表明で、構造改革を進める中で格差といわれるさまざまな問題が生じたといわざるを得なかったのです。今どき格差社会を否定するのは猪瀬副知事ぐらいであり、時代おくれも甚だしいといわなければなりません。しかも猪瀬副知事は、「しんぶん赤旗」が雇用労働者人口に占める非正規雇用労働者の割合が一九九五年以後ふえているグラフを紹介していることを持ち出し、自分が構造改革が始まったとする二〇〇一年以前、すなわち小泉構造改革以前から非正規雇用がふえているから、構造改革が悪いわけではないと強弁し、この記事をよく読んで質問していただきたいとまでいいました。まさに天につばをするものです。第一に、我が党は、小泉構造改革がすべての原因といっているのではありません。猪瀬副知事が紹介した「しんぶん赤旗」の記事も書いているように、今日の構造改革路線で非正規雇用を増大させる方針は、九五年に当時の日経連が提言した新時代の日本的経営が端緒となったものです。雇用流動化の目玉といわれた労働者派遣法は一九八六年に制定され、九九年には原則禁止から原則許可へ大幅緩和されました。二〇〇四年に製造現場への派遣を認めるなど、小泉政権のもとで一層加速した、これが動かしがたい事実です。しかも、小泉内閣が所得再配分機能を破壊したことによって、貧困と格差が一層拡大した、これも動かしがたい事実です。猪瀬副知事の答弁は全く的外れだったのです。第二に、我が党は、今なお猪瀬氏が構造改革は避けて通れない道といい張り、国民の暮らし、営業への支援などの政策を、自己責任時代となったのになどといっていることを指摘し、その認識についてただしたのです。これにも、まともに答えようとしませんでした。本当に不見識、不誠実です。我が党はまた、猪瀬副知事が、区市町村が少子化対策として取り組んでいる次世代育成手当などを名指しでばらまきと攻撃していることや、障害者自立支援法の凍結などを含む民主党の参院政策に対してばらまきといっていることにかかわって、障害者自立支援法の凍結について、ばらまきというのかとただしました。これに対して猪瀬副知事は、あたかもコメントしたかのごとく、事実に基づかない質問は以後やめていただきたいと、質問の趣旨をねじ曲げることで答弁を拒否しました。事実に基づかないのは猪瀬副知事です。我が党は質問で、副知事のコメントとして問題を取り上げたのではないからです。医療制度、診療報酬制度に関しては、構造改革によって医療費の負担増や医師不足などに見られるような医療の荒廃が引き起こされているのに、なお猪瀬副知事が診療報酬や医師などの給料を引き下げよと主張するのかどうかをただしたものです。これもまともに答えようとしませんでした。今回の答弁の中で、猪瀬副知事は、公正、誠実に任務を遂行すべき副知事としての資質が改めて問われていることを指摘しておきます。我が党は、石原知事の公約違反と逆立ち政治を正し、地方自治体の本旨を守るために全力を尽くすことを表明して、討論を終わります。(拍手) # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)以上をもって討論を終了いたします。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)これより採決に入ります。まず、日程第一、議員提出議案第二十号、公立の小学校及び中学校の耐震化促進のための助成に関する条例を採決いたします。本案に関する委員会の報告は否決でありますので、原案について、起立により採決いたします。本案は、原案のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)起立少数と認めます。よって、本案は否決されました。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)次に、日程第二から第四まで、第百七十七号議案、公立大学法人首都大学東京中期目標の変更について外議案二件を一括して採決いたします。本案に関する委員会の報告は、いずれも可決であります。本案は、起立により採決いたします。本案は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)起立多数と認めます。よって、本案は、いずれも委員会の報告のとおり決定いたしました。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)次に、日程第五、第百七十二号議案、東京都医学系総合研究所(仮称)(H十九)I期新築工事請負契約を採決いたします。本案に関する委員会の報告は、可決であります。本案は、起立により採決いたします。本案は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)起立多数と認めます。よって、本案は、委員会の報告のとおり決定いたしました。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)次に、日程第六から第九まで、第百七十九号議案、公立大学法人首都大学東京が徴収する料金の上限の認可について外議案三件を一括して採決いたします。本案に関する委員会の報告は、いずれも可決であります。本案は、起立により採決いたします。本案は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)起立多数と認めます。よって、本案は、いずれも委員会の報告のとおり決定いたしました。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)次に、日程第十、第百八十一号議案、道路標識設置等工事に係る損害賠償請求訴訟事件に関する和解についてを採決いたします。本案に関する委員会の報告は、可決であります。本案は、起立により採決いたします。本案は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)起立多数と認めます。よって、本案は、委員会の報告のとおり決定いたしました。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)次に、日程第十一から第十四まで、第百七十三号議案、都立永福学園養護学校(H十九)増築工事請負契約外議案三件を一括して採決いたします。本案に関する委員会の報告は、いずれも可決であります。本案は、起立により採決いたします。本案は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)起立多数と認めます。よって、本案は、いずれも委員会の報告のとおり決定いたしました。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)次に、日程第十五から第三十一まで、第百五十七号議案、特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例外議案十六件を一括して採決いたします。本案に関する委員会の報告は、いずれも可決であります。お諮りいたします。本案は、委員会の報告のとおり決定することにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)ご異議なしと認めます。よって、本案は、いずれも委員会の報告のとおり決定いたしました。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)次に、日程第三十二、地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京大気汚染訴訟の和解に関する報告及び承認についてを採決いたします。本件に関する委員会の報告は、承認することであります。お諮りいたします。本件は、委員会の報告のとおり決定することにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)ご異議なしと認めます。よって、本件は、委員会の報告のとおり承認することに決定いたしました。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)これより追加日程に入ります。追加日程第一、東京都監査委員の選任の同意についてを議題といたします。〔大村議事部長朗読〕一、東京都監査委員の選任の同意について一件一九財主議第二八一号平成十九年十月四日東京都知事石原慎太郎東京都議会議長比留間敏夫殿東京都監査委員の選任の同意について(依頼)このことについて、東京都監査委員古賀俊昭が辞任するため、後任として左記の者を選任したいので、地方自治法第百九十六条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。記都議会議員倉林辰雄略歴現住所東京都東村山市倉林辰雄昭和十五年一月十九日生(六十七歳)昭和五十年五月東京都東村山市議会議員昭和五十四年五月東京都東村山市議会議員昭和五十八年五月東京都東村山市議会議員昭和六十二年五月東京都東村山市議会議員平成三年五月東京都東村山市議会議員平成七年五月東京都東村山市議会議員平成七年五月東京都東村山市監査委員平成九年七月東京都議会議員平成十三年七月東京都議会議員平成十七年七月東京都議会議員現在東京都議会議員 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)本件は、起立により採決いたします。本件は、知事の選任に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)起立多数と認めます。よって、本件は、知事の選任に同意することに決定いたしました。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)追加日程第二、東京都監査委員の選任の同意についてを議題といたします。〔大村議事部長朗読〕一、東京都監査委員の選任の同意について一件一九財主議第二八二号平成十九年十月四日東京都知事石原慎太郎東京都議会議長比留間敏夫殿東京都監査委員の選任の同意について(依頼)このことについて、東京都監査委員大沢昇が辞任するため、後任として左記の者を選任したいので、地方自治法第百九十六条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。記都議会議員馬場裕子略歴現住所東京都品川区馬場裕子昭和二十一年一月八日生(六十一歳)平成三年五月東京都品川区議会議員平成七年五月東京都品川区議会議員平成九年七月東京都議会議員平成十三年七月東京都議会議員平成十七年七月東京都議会議員現在東京都議会議員 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)本件は、起立により採決いたします。本件は、知事の選任に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)起立多数と認めます。よって、本件は、知事の選任に同意することに決定いたしました。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)追加日程第三、一九第一〇号、落合川の小渓谷を埋め立てない河川整備工事の施工に関する請願を議題といたします。委員会の審査報告書は、お手元に配布してあります。朗読は省略いたします。環境・建設委員会請願審査報告書一九第一〇号落合川の小渓谷を埋め立てない河川整備工事の施工に関する請願(平成十九年六月二十七日付託)請願者東久留米市落合川の小渓谷を保全する会会長山口久福外一、六六七人本委員会は、右請願審査の結果、不採択とすべきものと決定したので報告します。平成十九年九月十四日環境・建設委員長小磯善彦東京都議会議長川島忠一殿 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)本件は、起立により採決いたします。本件は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)起立多数と認めます。よって、本件は、委員会の報告のとおり決定いたしました。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)追加日程第四及び第五、一九第九号、「女性事業主・女性家族従業者の実態調査実施」に関する請願外請願一件、陳情八件を一括議題といたします。委員会審査報告書は、お手元に配布してあります。朗読は省略いたします。経済・港湾委員会請願審査報告書一九第九号「女性事業主・女性家族従業者の実態調査実施」に関する請願(平成十九年六月二十日付託)請願者荒川区東商連婦人部協議会会長井賀久恵外一三、〇一九人本委員会は、右請願審査の結果、不採択とすべきものと決定したので報告します。平成十九年九月十三日経済・港湾委員長石毛しげる東京都議会議長川島忠一殿公営企業委員会請願審査報告書一九第一一号都バス亀24系統の路線延長及び「東大島駅入口」バス停の移設に関する請願(平成十九年六月二十七日付託)請願者江東区都バス亀24の路線延長を求める会代表岡田鈴子外三、一七四人本委員会は、右請願審査の結果、不採択とすべきものと決定したので報告します。平成十九年九月十四日公営企業委員長花輪ともふみ東京都議会議長川島忠一殿文教委員会陳情審査報告書一九第一八号「意見陳述希望等確認票」に関する陳情(平成十九年六月二十日付託)陳情者西東京市駒井恵本委員会は、右陳情審査の結果、不採択とすべきものと決定したので報告します。平成十九年九月十三日文教委員長たぞえ民夫東京都議会議長川島忠一殿都市整備委員会陳情審査報告書一九第一三号武蔵小金井駅南口再開発の都市計画法及び東京都駐車場条例との整合性検証に関する陳情(平成十九年五月十日付託)陳情者小金井市小金井市再開発監視機構理事吉田秀樹一九第一四号武蔵小金井駅南口再開発の都市計画法違反及び都条例違反物件の建築の検証に関する陳情(平成十九年五月十日付託)陳情者武蔵野市大嶋幸治一九第一五号武蔵小金井駅南口再開発の都市計画法違反及び都条例違反物件の建築の検証に関する陳情(平成十九年五月十日付託)陳情者小金井市鈴木兼綱一九第二四号広域避難場所の選定に関する陳情(平成十九年六月二十日付託)陳情者中野区野村民夫本委員会は、右陳情審査の結果、不採択とすべきものと決定したので報告します。平成十九年九月十三日都市整備委員長秋田一郎東京都議会議長川島忠一殿厚生委員会陳情審査報告書一九第二二号東京都立北療育医療センター城南分園の指定管理者制度導入に関する陳情(平成十九年六月二十日付託)陳情者大田区東京都立北療育医療センター城南分園保護者会代表福田義子外一一、六五一人本委員会は、右陳情審査の結果、不採択とすべきものと決定したので報告します。平成十九年九月十四日厚生委員長長橋桂一東京都議会議長川島忠一殿経済・港湾委員会陳情審査報告書一九第三一号の一東京しごとセンター増設等若者の雇用支援に関する陳情(平成十九年六月二十七日付託)陳情者渋谷区日本民主青年同盟東京都委員会代表者田中悠本委員会は、右陳情審査の結果、不採択とすべきものと決定したので報告します。平成十九年九月十三日経済・港湾委員長石毛しげる東京都議会議長川島忠一殿環境・建設委員会陳情審査報告書一九第二〇号ウミガメ産卵地及びオカヤドカリ生息地である砂ノ浜海岸での工事計画中止に関する陳情(平成十九年六月二十日付託)陳情者大島町みどりの地球大好き会代表村上博基本委員会は、右陳情審査の結果、不採択とすべきものと決定したので報告します。平成十九年九月十四日環境・建設委員長小磯善彦東京都議会議長川島忠一殿 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)本件は、起立により採決いたします。本件は、いずれも委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)起立多数と認めます。よって、本件は、いずれも委員会の報告のとおり決定いたしました。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)追加日程第六、一九第三一号の二、東京しごとセンター増設等若者の雇用支援に関する陳情を議題といたします。委員会審査報告書は、お手元に配布いたしてあります。朗読は省略いたします。総務委員会陳情審査報告書一九第三一号の二東京しごとセンター増設等若者の雇用支援に関する陳情(平成十九年六月二十七日付託)陳情者渋谷区日本民主青年同盟東京都委員会代表者田中悠本委員会は、右陳情審査の結果、不採択とすべきものと決定したので報告します。平成十九年九月十三日総務委員長大津浩子東京都議会議長川島忠一殿 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)本件は、起立により採決いたします。本件は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)起立多数と認めます。よって、本件は、委員会の報告のとおり決定いたしました。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)追加日程第七、一九第二八号の二、「三信ビルディング」の解体工事の中止及び保存に関する陳情外陳情一件を議題といたします。委員会審査報告書は、お手元に配布いたしてあります。朗読は省略いたします。文教委員会陳情審査報告書一九第二八号の二「三信ビルディング」の解体工事の中止及び保存に関する陳情(平成十九年六月二十七日付託)陳情者台東区川西崇行本委員会は、右陳情審査の結果、不採択とすべきものと決定したので報告します。平成十九年九月十三日文教委員長たぞえ民夫東京都議会議長川島忠一殿都市整備委員会陳情審査報告書一九第二八号の一「三信ビルディング」の解体工事の中止及び保存に関する陳情(平成十九年六月二十七日付託)陳情者台東区川西崇行本委員会は、右陳情審査の結果、不採択とすべきものと決定したので報告します。平成十九年九月十三日都市整備委員長秋田一郎東京都議会議長川島忠一殿 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)本件は、起立により採決いたします。本件は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)起立多数と認めます。よって、本件は、委員会の報告のとおり決定いたしました。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)追加日程第八、一九第二三号、ウミガメ産卵地及びオカヤドカリ生息地に近接する道路新設工事等の中止に関する陳情を議題といたします。委員会審査報告書は、お手元に配布いたしてあります。朗読は省略いたします。環境・建設委員会陳情審査報告書一九第二三号ウミガメ産卵地及びオカヤドカリ生息地に近接する道路新設工事等の中止に関する陳情(平成十九年六月二十日付託)陳情者大島町みどりの地球大好き会代表村上博基本委員会は、右陳情審査の結果、不採択とすべきものと決定したので報告します。平成十九年九月十四日環境・建設委員長小磯善彦東京都議会議長川島忠一殿 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)本件は、起立により採決いたします。本件は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)起立多数と認めます。よって、本件は、委員会の報告のとおり決定いたしました。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)追加日程第九、一九第二一号、西東京市の北原交差点東側の交差点へのスロープ式歩道橋設置に関する陳情を議題といたします。委員会審査報告書は、お手元に配布いたしてあります。朗読は省略いたします。環境・建設委員会陳情審査報告書一九第二一号西東京市の北原交差点東側の交差点へのスロープ式歩道橋設置に関する陳情(平成十九年六月二十日付託)陳情者西東京市駒井恵本委員会は、右陳情審査の結果、不採択とすべきものと決定したので報告します。平成十九年九月十四日環境・建設委員長小磯善彦東京都議会議長川島忠一殿 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)本件は、起立により採決いたします。本件は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)起立多数と認めます。よって、本件は、委員会の報告のとおり決定いたしました。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)追加日程第十、一九第一七号、栄養教諭制度の早期実施に関する陳情外陳情四件を議題といたします。委員会審査報告書は、お手元に配布いたしてあります。朗読は省略いたします。文教委員会陳情審査報告書一九第一七号栄養教諭制度の早期実施に関する陳情(平成十九年六月二十日付託)陳情者町田市全国学校栄養士協議会東京都支部支部長菅規子本委員会は、右陳情審査の結果、左記意見を付して採択の上執行機関に送付し、その処理の経過及び結果の報告を請求すべきものと決定したので報告します。平成十九年十月二日文教委員長たぞえ民夫東京都議会議長比留間敏夫殿記(意見)趣旨にそうよう努力されたい。文教委員会陳情審査報告書一九第二九号栄養教諭制度の導入に関する陳情(平成十九年六月二十七日付託)陳情者豊島区社団法人東京都栄養士会会長池本真二本委員会は、右陳情審査の結果、左記意見を付して採択の上執行機関に送付し、その処理の経過及び結果の報告を請求すべきものと決定したので報告します。平成十九年十月二日文教委員長たぞえ民夫東京都議会議長比留間敏夫殿記(意見)趣旨にそうよう努力されたい。文教委員会陳情審査報告書一九第一六号栄養教諭の早期配置等に関する陳情(平成十九年六月二十日付託)陳情者新宿区東京都学校給食栄養士協議会会長牛尾保子本委員会は、右陳情審査の結果、左記のとおり決定したので報告します。平成十九年十月二日文教委員長たぞえ民夫東京都議会議長比留間敏夫殿記◎意見を付して採択の上執行機関に送付し、その処理の経過及び結果の報告を請求すべき分第一項、第三項(意見)趣旨にそうよう努力されたい。厚生委員会陳情審査報告書一九第二六号認可保育園キッズプラザアスク関町北保育園の近隣住民への対応に関する陳情(平成十九年六月二十日付託)陳情者練馬区キッズプラザアスク関町北園近隣住民代表大塚好美外八人本委員会は、右陳情審査の結果、不採択とすべきものと決定したので報告します。平成十九年九月十四日厚生委員長長橋桂一東京都議会議長川島忠一殿警察・消防委員会陳情審査報告書一九第一九号一時停止の道路標識及び停止線の設置に関する陳情(平成十九年六月二十日付託)陳情者西多摩郡瑞穂町角田豊治外一二名本委員会は、右陳情審査の結果、採択の上執行機関に送付し、その処理の経過及び結果の報告を請求すべきものと決定したので報告します。平成十九年九月十三日警察・消防委員長矢島千秋東京都議会議長川島忠一殿 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)お諮りいたします。本件は、委員会の報告のとおり決定することにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)ご異議なしと認めます。よって、本件は、委員会の報告のとおり決定いたしました。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)追加日程第十一から第十三まで、議員提出議案第二十一号、私学振興に関する意見書外意見書二件を一括議題といたします。案文は、お手元に配布いたしてあります。朗読は省略いたします。議員提出議案第二十一号私学振興に関する意見書右の議案を別紙のとおり東京都議会会議規則第十二条の規定により提出します。平成十九年十月五日(提出者)遠藤守伊藤興一米沢正和鈴木章浩きたしろ勝彦後藤雄一福士敬子伊沢けい子そなえ邦彦西崎光子西岡真一郎伊藤ゆう原田大河野百合恵小竹ひろ子松葉多美子大松成中山信行高倉良生田中たけし神林茂早坂義弘高木けい崎山知尚宇田川聡史高橋信博原田恭子佐藤広典尾崎大介山口拓伊藤まさき松下玲子野上ゆきえたぞえ民夫村松みえ子橘正剛上野和彦吉倉正美谷村孝彦村上英子鈴木あきまさ秋田一郎山加朱美串田克巳吉原修山田忠昭田代ひろし山口文江今村るか吉田康一郎斉藤あつし泉谷つよしくまき美奈子大西さとる増子博樹かち佳代子植木こうじ野上純子東村邦浩長橋桂一小磯善彦三宅茂樹高島なおき鈴木一光菅東一石森たかゆき矢島千秋鈴木隆道こいそ明倉林辰雄遠藤衛大西由紀子いのつめまさみ門脇ふみよし小沢昌也石毛しげる岡崎幸夫柿沢未途清水ひで子古館和憲松村友昭東野秀平ともとし春久鈴木貫太郎石川芳昭三原まさつぐ田島和明林田武野島善司高橋かずみ樺山たかし新藤義彦古賀俊昭立石晴康桜井武初鹿明博酒井大史花輪ともふみ大津浩子大塚たかあき相川博中村明彦曽根はじめ大山とも子藤井一中嶋義雄木内良明石井義修宮崎章服部ゆくお川井しげお吉野利明野村有信比留間敏夫佐藤裕彦川島忠一内田茂三田敏哉馬場裕子大沢昇山下太郎土屋たかゆき田中良名取憲彦吉田信夫渡辺康信東京都議会議長比留間敏夫殿私学振興に関する意見書東京の私立学校は、それぞれ独自の建学の精神や教育理念に基づき、社会や都民の多様化する要請に応じて、個性的で特色ある教育を積極的に展開している。平成十八年十二月に改正された教育基本法の第八条では、私立学校の果たす重要な役割にかんがみ、国及び地方公共団体は私立学校教育の振興に努めることが規定された。この規定は、今後の私学振興に対して重要な意義付けをしたものである。しかしながら、少子化の進行による児童生徒の減少等から、私立学校の経営は極めて厳しい状況にある。現在、政府は国と地方の役割の見直し、財政面での地方分権改革を進めているが、その中で「私立高等学校等経常費助成費補助金」が廃止され、一般財源化されるようなことがあった場合、地方交付税の不交付団体である東京都にとっては、私学振興に多大な影響を与えるおそれがあり、決して看過することはできない。よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、平成二十年度予算編成に当たり、次の事項を実現するよう強く要請する。一私立学校振興助成法に基づく国庫補助制度を堅持すること。二授業料等軽減補助事業に対する国の補助制度を創設し、保護者負担の軽減を図ること。三私立高等学校等施設高機能化整備費補助金及び私立高等学校等IT教育設備整備推進事業費補助金を拡充強化すること。四都道府県の私立高等学校奨学金等事業に対する国の支援を拡充すること。五私立専修学校については、専門課程及び高等課程に対する新たな助成制度を設けること。以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。平成十九年十月五日東京都議会議長比留間敏夫衆議院議長┐参議院議長│内閣総理大臣├あて総務大臣│財務大臣│文部科学大臣┘議員提出議案第二十二号割賦販売法の改正に関する意見書右の議案を別紙のとおり東京都議会会議規則第十二条の規定により提出します。平成十九年十月五日(提出者)遠藤守伊藤興一米沢正和鈴木章浩きたしろ勝彦後藤雄一福士敬子伊沢けい子そなえ邦彦西崎光子西岡真一郎伊藤ゆう原田大河野百合恵小竹ひろ子松葉多美子大松成中山信行高倉良生田中たけし神林茂早坂義弘高木けい崎山知尚宇田川聡史高橋信博原田恭子佐藤広典尾崎大介山口拓伊藤まさき松下玲子野上ゆきえたぞえ民夫村松みえ子橘正剛上野和彦吉倉正美谷村孝彦村上英子鈴木あきまさ秋田一郎山加朱美串田克巳吉原修山田忠昭田代ひろし山口文江今村るか吉田康一郎斉藤あつし泉谷つよしくまき美奈子大西さとる増子博樹かち佳代子植木こうじ野上純子東村邦浩長橋桂一小磯善彦三宅茂樹高島なおき鈴木一光菅東一石森たかゆき矢島千秋鈴木隆道こいそ明倉林辰雄遠藤衛大西由紀子いのつめまさみ門脇ふみよし小沢昌也石毛しげる岡崎幸夫柿沢未途清水ひで子古館和憲松村友昭東野秀平ともとし春久鈴木貫太郎石川芳昭三原まさつぐ田島和明林田武野島善司高橋かずみ樺山たかし新藤義彦古賀俊昭立石晴康桜井武初鹿明博酒井大史花輪ともふみ大津浩子大塚たかあき相川博中村明彦曽根はじめ大山とも子藤井一中嶋義雄木内良明石井義修宮崎章服部ゆくお川井しげお吉野利明野村有信比留間敏夫佐藤裕彦川島忠一内田茂三田敏哉馬場裕子大沢昇山下太郎土屋たかゆき田中良名取憲彦吉田信夫渡辺康信東京都議会議長比留間敏夫殿割賦販売法の改正に関する意見書信販会社等が商品の購入代金を消費者に代わって販売業者に一括して立て替え、消費者は信販会社等に対して分割払いをする「個品割賦購入あっせん」は、手持ちの現金がなくても、高額商品を購入できるという便利さがある反面、悪用されると多額な債務を背負うおそれがある。私たちの記憶に残る埼玉県富士見市の認知症の高齢者姉妹をねらった悪質リフォーム事業者による事件は、「個品割賦購入あっせん」を悪用した代表的な例であり、割賦販売を逆手に取った悪質商法は、後を絶たない。これは、現行の割賦販売法の仕組みの中に、悪質商法に利用されてしまう次のような問題点があるからである。一購入者の支払能力を超える与信の防止に係る規定は、訓示規定のため、信販会社等の詳細な調査が行われることなく、支払能力を超える契約が成立することがある。二信販会社等による加盟店管理の義務規定等がないため、悪質な販売業者でも加盟店契約の締結ができ、「個品割賦購入あっせん」を悪用することができる。三同法は指定商品制などの要件があるため、この要件に該当しない場合は、法の保護対象にならない。四「個品割賦購入あっせん」については、信販会社等の参入規制がなく、かつクーリング・オフの対象となる契約書面の交付義務が課されていないため、消費者との間でトラブルが生じている。以上これらの問題点をいつまでも放置していると、割賦販売に対する国民の信頼が損なわれ、結果として善良な事業者の営業活動をも妨げることにつながるおそれがある。よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、こうした事情にかんがみ、割賦販売法の改正に当たっては、消費者保護を最優先とし、併せて健全な経済活動の発展にも資する立場から、上記の問題点の改善を急ぐよう強く要請する。以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。平成十九年十月五日東京都議会議長比留間敏夫衆議院議長┐参議院議長│内閣総理大臣├あて総務大臣│法務大臣│経済産業大臣┘議員提出議案第二十三号中小企業の事業承継円滑化のための税制措置等に関する意見書右の議案を別紙のとおり東京都議会会議規則第十二条の規定により提出します。平成十九年十月五日(提出者)遠藤守伊藤興一米沢正和鈴木章浩きたしろ勝彦後藤雄一そなえ邦彦西崎光子西岡真一郎伊藤ゆう原田大河野百合恵小竹ひろ子松葉多美子大松成中山信行高倉良生田中たけし神林茂早坂義弘高木けい崎山知尚宇田川聡史高橋信博原田恭子佐藤広典尾崎大介山口拓伊藤まさき松下玲子野上ゆきえたぞえ民夫村松みえ子橘正剛上野和彦吉倉正美谷村孝彦村上英子鈴木あきまさ秋田一郎山加朱美串田克巳吉原修山田忠昭田代ひろし山口文江今村るか吉田康一郎斉藤あつし泉谷つよしくまき美奈子大西さとる増子博樹かち佳代子植木こうじ野上純子東村邦浩長橋桂一小磯善彦三宅茂樹高島なおき鈴木一光菅東一石森たかゆき矢島千秋鈴木隆道こいそ明倉林辰雄遠藤衛大西由紀子いのつめまさみ門脇ふみよし小沢昌也石毛しげる岡崎幸夫柿沢未途清水ひで子古館和憲松村友昭東野秀平ともとし春久鈴木貫太郎石川芳昭三原まさつぐ田島和明林田武野島善司高橋かずみ樺山たかし新藤義彦古賀俊昭立石晴康桜井武初鹿明博酒井大史花輪ともふみ大津浩子大塚たかあき相川博中村明彦曽根はじめ大山とも子藤井一中嶋義雄木内良明石井義修宮崎章服部ゆくお川井しげお吉野利明野村有信比留間敏夫佐藤裕彦川島忠一内田茂三田敏哉馬場裕子大沢昇山下太郎土屋たかゆき田中良名取憲彦吉田信夫渡辺康信東京都議会議長比留間敏夫殿中小企業の事業承継円滑化のための税制措置等に関する意見書中小企業は、地域における雇用を多く創出・維持するとともに、技術・ノウハウの創造と伝承、競争力の確保・強化、地域共同体の文化・伝統を保持するなど、多様かつ重要な経済的・社会的役割を担っている。しかし、今後、中小企業経営者の高齢化に伴い、事業承継問題が急速に深刻化することが予想される。後継者が事業を承継する際に発生する事業用資産に対する過度な相続税の課税や民法の遺留分制度などによって、やむを得ず事業存続をあきらめることになれば、従業員の生活、取引先や関連企業等の事業・経営にも影響を及ぼすとともに、地域の活力が削がれ、地域経済の衰退を招き、我が国の成長発展をも損ないかねない。そこで、中小企業及びその経営者が、事業承継対策に過度に悩まされることなく技術革新や新規分野への挑戦に専念でき、後継者が承継した経営資源をいかして、第二創業などに思う存分取り組むことができるよう、税制面、法制面、金融面など総合的な事業承継支援を大胆かつ迅速に実施する必要がある。よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、中小企業の事業承継円滑化のための支援について、次の事項を実現するよう強く要請する。一非上場株式等の事業用資産に係る相続税は、五年程度の一定期間の事業継続等を前提に非課税とすべきであり、事業を承継する者の相続税負担の減免を図る包括的な税制を確立すること。二取引相場のない株式は、円滑な事業承継を可能とする評価方法の見直しを行うこと。三民法の遺留分制度などは、事業承継の際に、相続人当事者の合意を前提とし、経営権や事業用資産を後継者に集中できるよう制度の改善を図ること。四事業承継時における金融面での支援や、廃業と開業のマッチング支援等を行うための関連予算の大幅な拡充など、事業承継円滑化のための総合的な対策を講ずること。以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。平成十九年十月五日東京都議会議長比留間敏夫衆議院議長┐参議院議長│内閣総理大臣│総務大臣├あて法務大臣│財務大臣│経済産業大臣┘ # 六十七番(石森たかゆき君) 六十七番(石森たかゆき君)この際、議事進行の動議を提出いたします。ただいま議題となっております議員提出議案第二十一号外二議案については、原案のとおり決定されることを望みます。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)お諮りいたします。ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)ご異議なしと認めます。よって、議員提出議案第二十一号外二議案は、原案のとおり可決されました。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)追加日程第十四、議員提出議案第二十四号、道路特定財源の首都東京の道路整備への重点投資と首都圏の高速道路料金の引下げに関する意見書を議題といたします。案文は、お手元に配布いたしてあります。朗読は省略いたします。議員提出議案第二十四号道路特定財源の首都東京の道路整備への重点投資と首都圏の高速道路料金の引下げに関する意見書右の議案を別紙のとおり東京都議会会議規則第十二条の規定により提出します。平成十九年十月五日(提出者)遠藤守伊藤興一米沢正和鈴木章浩きたしろ勝彦松葉多美子大松成中山信行高倉良生田中たけし神林茂早坂義弘高木けい崎山知尚宇田川聡史高橋信博橘正剛上野和彦吉倉正美谷村孝彦村上英子鈴木あきまさ秋田一郎山加朱美串田克巳吉原修山田忠昭田代ひろし野上純子東村邦浩長橋桂一小磯善彦三宅茂樹高島なおき鈴木一光菅東一石森たかゆき矢島千秋鈴木隆道こいそ明倉林辰雄遠藤衛東野秀平ともとし春久鈴木貫太郎石川芳昭三原まさつぐ田島和明林田武野島善司高橋かずみ樺山たかし新藤義彦古賀俊昭立石晴康桜井武藤井一中嶋義雄木内良明石井義修宮崎章服部ゆくお川井しげお吉野利明野村有信比留間敏夫佐藤裕彦川島忠一内田茂三田敏哉東京都議会議長比留間敏夫殿道路特定財源の首都東京の道路整備への重点投資と首都圏の高速道路料金の引下げに関する意見書東京を中心とする首都圏は、日本経済全体の牽引役であり、その基盤となる道路整備に東京都議会は、これまで最大限の力を傾注してきた。しかし、いまだ東京における道路整備は著しく立ち後れ、旺盛な経済活動を妨げる最大の要因となっているばかりでなく、国際競争力の低下をもたらし、都市環境を悪化させる原因となっている。今後の我が国の活力を強化・発展させていくためには、まず、首都圏三環状道路を始め、骨格幹線道路の整備や連続立体交差事業などを推進して、東京の最大の弱点である交通渋滞を解消していかなければならない。加えて、無電柱化や街路樹の充実を図り、優れた街並みの形成によって成熟した都市の姿を顕示していくことも重要である。これらの取組を重点的・集中的に行うことは、オリンピックを東京に招致することにもつながるものである。また、首都圏の高速道路料金は、首都圏特有の事情として、運営主体及び路線ごとに設定されているため、目的地が同じであっても経路によって料金が異なるなど、せっかくの道路ネットワーク整備が十全にいかしきれていない状況にある。現在、政府においては、昨年十二月に閣議決定された「道路特定財源の見直しに関する具体策」を受け、今後の具体的な道路整備の姿などを示した「中期的な計画(中期計画)」や道路特定財源を活用した「高速道路料金の引下げなどによる既存高速ネットワークの効率的活用・機能強化のための新たな措置」の検討が行われているところである。いかなる計画においても、首都として備えておくべき社会基盤としての道路は確実に位置付けられなければならない。また、高速道路料金については単なる引下げではなく、首都圏を一体的にとらえて、道路ネットワークを最大限に利活用するとともに、利用者にとっても効率的で利用しやすい料金体系が実現されなければならない。よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、質の高い豊かな国民生活を確立する観点から、次の事項を実現するよう強く要請する。一首都圏三環状道路を始め、幹線道路ネットワーク及び連続立体交差事業などの首都東京の道路事業に財源を重点的に配分すること。二高速道路網を最大限に利活用させるため、環状道路の利用促進、長距離利用者の負担軽減、運営主体間の乗り継ぎ割引を基本軸とする料金の引下げに向けた新たな措置を、国として講じること。以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。平成十九年十月五日東京都議会議長比留間敏夫衆議院議長┐参議院議長│内閣総理大臣│総務大臣├あて財務大臣│国土交通大臣│行政改革担当大臣┘ # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)これより討論に入ります。討論の通告がありますので、順次発言を許します。八十二番松村友昭君。〔八十二番松村友昭君登壇〕 # 八十二番(松村友昭君) 八十二番(松村友昭君)日本共産党都議団を代表して、道路特定財源の首都東京の道路整備への重点投資と首都圏の高速道路料金の引下げに関する意見書案に反対する立場から討論を行います。そもそも都議会では、意見書案は各常任委員会に諮り、全会一致したものに限り本会議に付議するというのが長年にわたり確認されてきました。都議会として意見書を提出するというのであれば、少数意見も尊重し、都議会の総意とすることがふさわしいからにほかなりません。しかるに、自民党、民主党、公明党は、常任委員会で不調に終わった意見書案を本会議に提出し、多数の力で強引に採択しようとしています。議会人としての良識に基づき、歴史的に築かれた都議会の誇るべき民主的ルールを守るよう強く求めるものです。提案された意見書案は、第一に、ガソリン税を原資とする道路特定財源を、東京の道路整備が著しく立ちおくれているとして、三環状道路を初めとする大型幹線道路などに集中的に投資することを求めるものです。今日、道路を中心とした公共事業は、そのあり方について世界的に見直しが行われているものであり、我が国においても、公共事業の抑制方針に基づいて、毎年、若干ではあるものの予算の削減に取り組まれているものです。一方、東京の道路整備は、世界の主要都市と比べても遜色はありません。道路整備の立ちおくれというのは、戦後の時期につくられた都市計画道路の計画を基準にしているものですが、この計画自体、高度成長期の右肩上がりの経済成長を前提に計画されたもので、今日では実態に合わない過大な計画となっています。加えて、都民の健康や環境の破壊などの弊害も都民生活を脅かすものとなっており、そのあり方の見直しが迫られていることも指摘しないわけにはいきません。第二に、首都圏の高速道路料金の引き下げについてですが、料金を適正なものに改善することは当然です。昨年、道路公団四社が民営化されましたが、その際に、その高コスト構造が問題となったところです。このため、圏央道などでは、高額化が予想される料金を抑制するために、税金で道路を建設する新直轄事業方式が導入され、都財政に多大な負担をもたらしています。こうした採算を度外視した過大な投資などにメスを入れることなしに料金の引き下げを図ることは、新たな都財政負担、すなわち都民の税金を投入する道を拡大し、都民施策にも重大な影響を及ぼすものとなる危険の強いものです。結局、意見書案は、石原都政のオリンピック招致をてこにした、三環状道路を初めとする八兆五千億円を超える投資を促進することを意図したものといわざるを得ないものであり、反対するものです。(拍手) # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)二十六番高橋信博君。〔二十六番高橋信博君登壇〕 # 二十六番(高橋信博君) 二十六番(高橋信博君)私は、東京都議会自由民主党を代表して、道路特定財源の首都東京の道路整備への重点投資と首都圏の高速道路料金の引下げに関する意見書案に賛成する立場から討論を行います。東京は、日本の首都として、人、物及び情報が高度に集積しており、日本経済を牽引する重要な役割を担っております。しかし、経済活動の基盤である道路の整備が不十分であるため、慢性的な交通渋滞が発生し、経済活動の阻害による国際競争力の低下や都市環境の悪化をもたらしており、このことが、まさに東京の最大の弱点となっております。加えて、東京オリンピック及びパラリンピックの招致に向けても、円滑な交通の確保が不可欠であります。また、首都圏の高速道路では、東日本高速道路、中日本高速道路、首都高速道路株式会社と三つの運営主体があり、さらに首都高速においては、東京線、神奈川線、埼玉線と三つの料金圏があります。そのため、会社間や異なる料金圏間の移動において生じる割高感が顕在化しており、現在の料金体系のままでは高速道路ネットワークが十分に機能せず、非効率な利用形態となってしまいます。現在、国では、昨年十二月に閣議決定された道路特定財源見直しに関する具体策を受け、今後の具体的な道路整備の姿などを示した中期計画や、道路特定財源を活用した高速道路料金の引き下げなどによる既存の高速道路ネットワークの効率的な活用、機能強化のための新たな措置の検討を行っております。そこで、都議会自由民主党は、質の高い、豊かで安全な都民生活を確立するため、道路特定財源を首都東京の道路整備へ重点的に配分すること、首都圏の高速道路料金の引き下げに向けた新たな措置を国として講じることの二点を表明し、討論を終わります。(拍手) # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)以上をもって討論を終了いたします。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)これより採決に入ります。本案は、起立により採決いたします。本案は、原案のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)起立多数と認めます。よって、本案は、原案のとおり可決されました。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)追加日程第十五、常任委員の選任を行います。お諮りいたします。常任委員の選任については、委員会条例第五条第一項の規定により、議長から、お手元に配布してあります常任委員名簿のとおり指名したいと思います。これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)ご異議なしと認めます。よって、常任委員は、お手元の常任委員名簿のとおり選任することに決定いたしました。なお、本日の本会議終了後、役員互選のため、お手元配布のとおり各常任委員会を招集いたしますので、ご了承願います。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)この際、継続調査及び審査について申し上げます。都議会議員後藤雄一君の調査活動等に関する調査特別委員長及びオリンピック招致特別委員長より、委員会において調査中の案件について、会議規則第六十六条の規定により、閉会中の継続調査の申し出があります。申出書の朗読は省略いたします。平成十九年九月二十七日都議会議員後藤雄一君の調査活動等に関する調査特別委員長服部ゆくお東京都議会議長川島忠一殿都議会議員後藤雄一君の調査活動等に関する調査特別委員会継続調査申出書本委員会は、平成十八年三月三十日付託された左記事件を調査中であるが、今会期中に調査を結了することが困難なので、閉会中もなお継続調査を要するものと決定したので会議規則第六十六条の規定により申し出ます。記都議会議員後藤雄一君の調査活動等の具体的事例を検証し、もって、議員の品位保持と調査活動のあり方等について調査・検討する。平成十九年九月二十日オリンピック招致特別委員長野村有信東京都議会議長川島忠一殿オリンピック招致特別委員会継続調査申出書本委員会は、平成十八年十月五日付託された左記事件を調査中であるが、今会期中に調査を結了することが困難なので、閉会中もなお継続調査を要するものと決定したので会議規則第六十六条の規定により申し出ます。記二〇一六年に開催される第三十一回オリンピック競技大会の東京招致に関する調査審議及び必要な活動を行う。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)お諮りいたします。本件は、申し出のとおり、閉会中の継続調査に付することにご異議ございませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)ご異議なしと認めます。よって、本件は、申し出のとおり、それぞれ閉会中の継続調査に付することに決定いたしました。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)次に、議会運営委員長より、委員会において審査中の議員提出議案第三号、東京都政務調査費の交付に関する条例の一部を改正する条例について、会議規則第六十六条の規定により、閉会中の継続審査の申し出があります。申出書の朗読は省略いたします。平成十九年十月四日議会運営委員長吉野利明東京都議会議長比留間敏夫殿議会運営委員会継続審査申出書本委員会は、平成十九年三月九日付託された左記議案を審査中であるが、今会期中に審査を結了することが困難であるため、閉会中もなお継続審査を要するものと決定したので、会議規則第六十六条の規定により申し出ます。記議員提出議案第三号東京都政務調査費の交付に関する条例の一部を改正する条例 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)本件は、起立により採決いたします。本件は、申し出のとおり、閉会中の継続審査に付することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)起立多数と認めます。よって、本件は、申し出のとおり、閉会中の継続審査に付することに決定いたしました。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)次に、平成十八年度各会計決算特別委員長及び平成十八年度公営企業会計決算特別委員長より、委員会において審査中の案件について、会議規則第六十六条の規定により、閉会中の継続審査の申し出があります。申出書の朗読は省略いたします。平成十九年九月二十七日平成十八年度各会計決算特別委員長鈴木一光東京都議会議長比留間敏夫殿平成十八年度各会計決算特別委員会継続審査申出書本委員会は、平成十九年九月二十七日付託された左記決算を審査中であるが、今会期中に審査を結了することが困難であるため、閉会中もなお継続審査を要するものと決定したので、会議規則第六十六条の規定により申し出ます。記平成十八年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について平成十九年九月二十七日平成十八年度公営企業会計決算特別委員長相川博東京都議会議長比留間敏夫殿平成十八年度公営企業会計決算特別委員会継続審査申出書本委員会は、平成十九年九月二十七日付託された左記決算を審査中であるが、今会期中に審査を結了することが困難であるため、閉会中もなお継続審査を要するものと決定したので、会議規則第六十六条の規定により申し出ます。記平成十八年度東京都公営企業各会計決算の認定について # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)お諮りいたします。本件は、申し出のとおり、閉会中の継続審査に付することにご異議ございませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)ご異議なしと認めます。よって、本件は、申し出のとおり、それぞれ閉会中の継続審査に付することに決定いたしました。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)請願及び陳情の付託について申し上げます。本日までに受理いたしました請願二十三件及び陳情九件は、お手元に配布の請願・陳情付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)お諮りいたします。ただいま常任委員会に付託いたしました請願及び陳情は、お手元に配布いたしました委員会から申し出の請願・陳情継続審査件名表の分とあわせて、閉会中の継続審査に付したいと思います。これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)ご異議なしと認めます。よって、本件請願及び陳情は、いずれも閉会中の継続審査に付することに決定いたしました。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)次に、各常任委員会及び議会運営委員会の所管事務について、閉会中の継続調査の申し出があります。本件は、お手元に配布の特定事件継続調査事項表のとおり、閉会中の継続調査に付したいと思います。これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)ご異議なしと認めます。よって、本件は、閉会中の継続調査に付することに決定いたしました。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)以上をもって本日の日程は全部議了いたしました。会議を閉じます。これをもって平成十九年第三回東京都議会定例会を閉会いたします。午後二時九分閉議・閉会
2024-03-31T11:22:34.800551Z
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--- title: 平成19年_第3回定例会(第15号) 名簿・議事日程 # 平成十九年十月五日(金曜日)出席議員百二十六名一番遠藤守君二番伊藤興一君三番米沢正和君四番鈴木章浩君五番きたしろ勝彦君六番後藤雄一君七番福士敬子君八番伊沢けい子君九番そなえ邦彦君十番西崎光子君十一番西岡真一郎君十二番伊藤ゆう君十三番原田大君十四番河野百合恵君十五番小竹ひろ子君十六番松葉多美子君十七番大松成君十八番中山信行君十九番高倉良生君二十番田中たけし君二十一番神林茂君二十二番早坂義弘君二十三番高木けい君二十四番崎山知尚君二十五番宇田川聡史君二十六番高橋信博君二十七番原田恭子君二十八番佐藤広典君二十九番尾崎大介君三十番山口拓君三十一番伊藤まさき君三十二番松下玲子君三十三番野上ゆきえ君三十四番たぞえ民夫君三十五番村松みえ子君三十六番橘正剛君三十七番上野和彦君三十八番吉倉正美君三十九番谷村孝彦君四十番村上英子君四十一番鈴木あきまさ君四十二番秋田一郎君四十三番山加朱美君四十四番串田克巳君四十五番吉原修君四十六番山田忠昭君四十七番田代ひろし君四十九番山口文江君五十番今村るか君五十一番吉田康一郎君五十二番斉藤あつし君五十三番泉谷つよし君五十四番くまき美奈子君五十五番大西さとる君五十六番増子博樹君五十七番かち佳代子君五十八番植木こうじ君五十九番野上純子君六十番東村邦浩君六十一番長橋桂一君六十二番小磯善彦君六十三番三宅茂樹君六十四番高島なおき君六十五番鈴木一光君六十六番菅東一君六十七番石森たかゆき君六十八番矢島千秋君六十九番鈴木隆道君七十番こいそ明君七十一番倉林辰雄君七十二番遠藤衛君七十三番大西由紀子君七十四番いのつめまさみ君七十五番門脇ふみよし君七十六番小沢昌也君七十七番石毛しげる君七十八番岡崎幸夫君七十九番柿沢未途君八十番清水ひで子君八十一番古館和憲君八十二番松村友昭君八十三番東野秀平君八十四番ともとし春久君八十五番鈴木貫太郎君八十六番石川芳昭君八十七番三原まさつぐ君八十八番田島和明君八十九番林田武君九十番野島善司君九十一番高橋かずみ君九十二番樺山たかし君九十三番新藤義彦君九十四番古賀俊昭君九十五番立石晴康君九十六番桜井武君九十七番初鹿明博君九十八番酒井大史君九十九番花輪ともふみ君百番大津浩子君百一番大塚たかあき君百二番相川博君百三番中村明彦君百四番曽根はじめ君百五番大山とも子君百六番藤井一君百七番中嶋義雄君百八番木内良明君百九番石井義修君百十番宮崎章君百十一番服部ゆくお君百十二番川井しげお君百十三番吉野利明君百十四番野村有信君百十五番比留間敏夫君百十六番佐藤裕彦君百十七番川島忠一君百十八番内田茂君百十九番三田敏哉君百二十番馬場裕子君百二十一番大沢昇君百二十二番山下太郎君百二十三番土屋たかゆき君百二十四番田中良君百二十五番名取憲彦君百二十六番吉田信夫君百二十七番渡辺康信君欠席議員なし欠員四十八番出席説明員知事石原慎太郎君副知事谷川健次君副知事菅原秀夫君副知事山口一久君副知事猪瀬直樹君教育長中村正彦君知事本局長大原正行君総務局長押元洋君財務局長村山寛司君主税局長熊野順祥君警視総監矢代隆義君生活文化スポーツ局長渡辺日佐夫君都市整備局長只腰憲久君環境局長吉川和夫君福祉保健局長安藤立美君産業労働局長佐藤広君建設局長道家孝行君港湾局長津島隆一君会計管理局長三枝修一君交通局長島田健一君消防総監小林輝幸君水道局長東岡創示君下水道局長前田正博君青少年・治安対策本部長久我英一君東京オリンピック招致本部長荒川満君病院経営本部長秋山俊行君中央卸売市場長比留間英人君選挙管理委員会事務局長梶原康二君人事委員会事務局長矢口幸一君労働委員会事務局長有留武司君監査事務局長白石弥生子君収用委員会事務局長中田清己君十月五日議事日程第四号(委員会審査報告)第一議員提出議案第二十号公立の小学校及び中学校の耐震化促進のための助成に関する条例第二第百七十七号議案公立大学法人首都大学東京中期目標の変更について第三第百七十八号議案公立大学法人首都大学東京定款の変更について第四第百五十九号議案東京都立学校設置条例の一部を改正する条例第五第百七十二号議案東京都医学系総合研究所(仮称)(H十九)I期新築工事請負契約第六第百七十九号議案公立大学法人首都大学東京が徴収する料金の上限の認可について第七第百八十号議案公立大学法人首都大学東京に対する出資について第八第百八十三号議案東京都江戸東京博物館外二施設の指定管理者の指定について第九第百八十四号議案東京文化会館の指定管理者の指定について第十第百八十一号議案道路標識設置等工事に係る損害賠償請求訴訟事件に関する和解について第十一第百七十三号議案都立永福学園養護学校(H十九)増築工事請負契約第十二第百七十四号議案妙正寺川整備工事(激特一)請負契約第十三第百七十五号議案妙正寺川整備工事(激特二)請負契約第十四第百七十六号議案妙正寺川整備工事(激特四)請負契約第十五第百五十七号議案特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例第十六第百五十八号議案市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例第十七第百八十五号議案職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例第十八第百五十六号議案平成十九年度東京都一般会計補正予算(第二号)第十九第百八十二号議案土地及び建物の売払いについて第二十第百六十号議案都市計画法に規定する開発許可等の基準に関する条例の一部を改正する条例第二十一第百六十一号議案東京都建築安全条例の一部を改正する条例第二十二第百六十二号議案東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例第二十三第百六十三号議案東京都看護師等修学資金貸与条例の一部を改正する条例第二十四第百六十四号議案東京都認定こども園の認定基準に関する条例の一部を改正する条例第二十五第百六十五号議案旅館業法施行条例の一部を改正する条例第二十六第百六十六号議案プール等取締条例の一部を改正する条例第二十七第百六十七号議案東京都産業労働局関係手数料条例の一部を改正する条例第二十八第百六十八号議案緑の東京募金基金条例第二十九第百六十九号議案温泉法に基づく温泉の保護に係る手数料に関する条例の一部を改正する条例第三十第百七十号議案東京都公営企業職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部を改正する条例第三十一第百七十一号議案警視庁の設置に関する条例の一部を改正する条例第三十二地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京大気汚染訴訟の和解に関する報告及び承認について議事日程第四号追加の一第一東京都監査委員の選任の同意について(一九財主議第二八一号)第二東京都監査委員の選任の同意について(一九財主議第二八二号)議事日程第四号追加の二(委員会審査報告)第三一九第一〇号落合川の小渓谷を埋め立てない河川整備工事の施工に関する請願第四一九第九号「女性事業主・女性家族従業者の実態調査実施」に関する請願一九第一一号都バス亀24系統の路線延長及び「東大島駅入口」バス停の移設に関する請願第五一九第一八号「意見陳述希望等確認票」に関する陳情一九第一三号武蔵小金井駅南口再開発の都市計画法及び東京都駐車場条例との整合性検証に関する陳情一九第一四号武蔵小金井駅南口再開発の都市計画法違反及び都条例違反物件の建築の検証に関する陳情一九第一五号武蔵小金井駅南口再開発の都市計画法違反及び都条例違反物件の建築の検証に関する陳情一九第二四号広域避難場所の選定に関する陳情一九第二二号東京都立北療育医療センター城南分園の指定管理者制度導入に関する陳情一九第三一号の一東京しごとセンター増設等若者の雇用支援に関する陳情一九第二〇号ウミガメ産卵地及びオカヤドカリ生息地である砂ノ浜海岸での工事計画中止に関する陳情第六一九第三一号の二東京しごとセンター増設等若者の雇用支援に関する陳情第七一九第二八号の二「三信ビルディング」の解体工事の中止及び保存に関する陳情一九第二八号の一「三信ビルディング」の解体工事の中止及び保存に関する陳情第八一九第二三号ウミガメ産卵地及びオカヤドカリ生息地に近接する道路新設工事等の中止に関する陳情第九一九第二一号西東京市の北原交差点東側の交差点へのスロープ式歩道橋設置に関する陳情第十一九第一七号栄養教諭制度の早期実施に関する陳情一九第二九号栄養教諭制度の導入に関する陳情一九第一六号栄養教諭の早期配置等に関する陳情一九第二六号認可保育園キッズプラザアスク関町北保育園の近隣住民への対応に関する陳情一九第一九号一時停止の道路標識及び停止線の設置に関する陳情議事日程第四号追加の三第十一議員提出議案第二十一号私学振興に関する意見書第十二議員提出議案第二十二号割賦販売法の改正に関する意見書第十三議員提出議案第二十三号中小企業の事業承継円滑化のための税制措置等に関する意見書第十四議員提出議案第二十四号道路特定財源の首都東京の道路整備への重点投資と首都圏の高速道路料金の引下げに関する意見書第十五常任委員の選任
2024-03-31T11:22:35.419383Z
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--- title: 平成19年_第3回定例会(第14号) 本文 # 午後一時開議 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)これより本日の会議を開きます。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)次に、日程の追加について申し上げます。議員より、議員提出議案第二十号、公立の小学校及び中学校の耐震化促進のための助成に関する条例、知事より、東京都教育委員会の委員の任命の同意について外人事案件十件がそれぞれ提出されました。これらを議会運営委員の辞任の件及びオリンピック招致特別委員の辞任の件とあわせて、本日の日程に追加いたします。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)昨日に引き続き質問を行います。四十二番秋田一郎君。〔四十二番秋田一郎君登壇〕 # 四十二番(秋田一郎君) 四十二番(秋田一郎君)東京が富裕だから、その税収を国が吸い上げ、国が地方に配分するという考え方は、根本的に間違っているという指摘から、私の質問を始めたいと思います。まず、お金の配分だけで問題が解決するという考えが的外れです。イギリスのサッチャー元首相はいいました。お金持ちを貧乏にしたからといって、貧乏な人がお金持ちになるわけではない。まさにそのとおりです。都市と地方の格差を殊さらにいい立て、都市からお金を吸い上げたからといって、現在地方が直面する問題が構造的、本質的に解決されるわけではありません。東京が仮にお金持ちであるとしても、サッチャーの言をかりるならば、東京を貧乏にしたからといって、地方がお金持ちになるわけではないのです。第二に、これまでいい尽くされてきたことですが、東京には独自の巨大な財政需要があり、これに対応していかなければ、都は住民サービスを全うし得ず、東京が東京たり得なくなってしまうということもあります。東京都と国、地方との関係について、私はこのように考えていますが、こうした現状認識をどう考えるか伺います。こうした現状認識を前提として、都市と地方の格差といったときに念頭に浮かぶのは、まず自治体の財政力の差であり、次に地域ごとの経済力の差の二点です。まず、都市と地方の財政力の格差について質問しますが、ここでは、国を親、都を長男、他の道府県を弟と例えて話を進めます。かつて仲のよい親子がおり、子どもが小さいころには、親が衣食住のほとんどを面倒見てくれました。そして、時を経るうちに、子どもは成長し、自分で仕事をするようになり、収入も得られるようになってきました。特に、長男は才覚もあったので、他の兄弟の何倍もの収入を得られるようになりました。しかし、親は自分の仕事を譲らず、抱え込む一方、借金をしても子どもに金を配りたがり、口出しもやめようとしない。子どもは子どもで、親のいうとおり兄弟そろって行動する方が楽だし、お小遣いももらえるので、みずから道を切り開くことを学びませんでした。一方、長男は、経済変動の影響で破産しそうになったときもありましたが、親からの仕送りも受けず、仕事に創意工夫を凝らし、血のにじむような努力を積み重ね、自立してきました。それを見ている弟たちからは、兄さん一人がお金持ちでずるいと文句が絶えない。国は中央集権に固執して、国債を発行しながら地方に補助金を配分し、都市から吸い上げた国税の一部に加え、借金さえして地方交付税を交付してきました。地方は地方で、国に交付税などの増額を求めるだけで、時代の変化におくれ続けました。国と地方は、今や無理に無理を重ねた家族で、ぎくしゃくしているのです。例えていえばこうした状況であり、都市と地方の財政面の格差については、国に頼った解決の道は既に行き詰まっています。かといって、地方を放任しておいて自然に活力が回復することを期待するのも非現実的です。こうした現実に直面して、日本の活力の源でもあり、地方自治体の雄であり長男でもある東京は、地方全体の立ち直りと発展のために、そして東京が日本を救うために、どのような立場でいかなる貢献ができるのか、真剣に考えるべきときが来たと私は思います。まず、東京が行財政改革のノウハウと自立のヒントを供与し、都が進めてきた構造改革について、みずからやってみせる働きかけを行い、地方の改革をこれまで以上に支援することを提案します。具体的には、都が、不正軽油撲滅作戦、インターネット公売、対面式公売オークションなどの徴税、納税のノウハウや、我が国の行政にとって革命的といっても過言ではない公会計改革について、貴重な知見とノウハウを地方に提供すべきと考えますが、所見を伺います。根本的には、親のやるべきことを限定すること、そして子どもは子どもで自分の収入で暮らすことをまずきちんと組み立てることが重要です。つまり、国と地方の役割分担、事務分担をより明確に区分し、財政調整を介さずに、行政サービスに応じて国税と地方税を負担する原則を貫徹していくことが第一です。こうすれば、行政機関も国と地方で重複がなくなり、地方の自立と小さな政府の実現につながります。さらにいえば、東京が中心となって地方間の財政調整制度を構想することがあってもよいのではないのでしょうか。いっときの利害対立から、すぐには一般の理解を得られない場合もあると思いますが、真に地方自立を考えるとき、避けてはならないことです。分権の視点に立った地方税財政制度改革について制度設計を明らかにし、国や地方に向けて、次世代を見通した改革の提言を早急に発信していくことが東京都のまさに責務です。知事は、本定例会の所信表明で、都の見解を発表すると述べられましたが、今こそ、東京は地方全体の長男として何ができるのか、真剣に考えなければなりません。都市と地方、国と地方といった対立の構造のみに目を奪われることなく、日本の将来を見通した明確な哲学に基づいて、地方税財政制度改革のあり方について正々堂々の論陣を張るべきだと考えますが、知事の所見を伺います。次に、今の地方にとって真に必要なのは、地域の経済を回復し、自立していける基盤は何か、そしてそれをどう確立していくかという地方活性化の問題です。三百年ほど前、江戸時代の諸藩は、それぞれが自立し、独立採算でうまく地域を経営していました。例えば、貧しい赤穂藩が赤穂の塩を特産品として最大限に活用したように、各藩は自主自立の道を守るために知恵を絞り、工夫を凝らしました。江戸時代の人々にできたこうした努力が現代人にできないはずはありません。東京には、世界有数の巨大な消費都市であること、大量の情報の受信・発信ポイントであること、年間四百万人を超える観光客が訪れる観光都市であることといった特性がありますが、私はこれが地方経済の立ち直りに十分貢献すると考えます。東京の産業と地方の産業とが手を携えて、お互いの強みを持ち寄り、お互いに活性化していくことが必要なのではないのでしょうか。例えば、各地域の農林水産物や特産品などを販売する物産展や、広く他県の企業をも参加対象とした見本市の開催、他県の企業が東京で取引相手を見つける際の支援など、都が東京のみならず地方経済の活性化にも資する取り組みを行うことにより、東京と地方のウイン・ウインの関係が構築されると思います。こうした認識のもと、都がリーダーシップを発揮し、一大消費地、情報集積地といった強みを生かした、より広い視野からの産業施策を展開すべきと考えますが、所見を伺います。次に、オリンピック招致について伺います。オリンピック招致は総力戦であり、国を挙げ戦うためには、何よりも都民、国民の支持が必要です。例えば、来年の北京や二〇一二年の招致競争時のパリやロンドンも、国民から高い支持を得ています。しかし、残念ながら、我が東京では、オリンピック招致への関心がまだまだ低いといわざるを得ず、私は危機感さえ抱いています。十一月に実施予定の世論調査で高い支持を得るために、確固たる戦略を持って臨むべきです。ムーブメントはすべからく若い女性から始まります。若い女性の支持が鼻の下を伸ばした男性へと広がり、マスコミが取り上げます。それを見た中高年の女性がさらに興味を示して、一つの社会現象となっていくのです。実際にオリンピックに参加するのは若い人たちです。若い人たちにもっと共感を呼ぶようなPR策を考えるべきです。例えば、国内的にはSMAP、海外向けには北野武、中田英寿など、若者の共感を呼ぶ人を招致大使に選んではいかがでしょうか。また、国内外を問わず人気があるポケモンなどのアニメキャラクターを起用するのもおもしろいと思います。世論調査で高い支持率を獲得するためにも、若い人、特に女性にターゲットを絞った広報、PRを強力に展開すべきだと考えますが、見解を伺います。先日、都議会オリンピック招致議員連盟では、世論を喚起すべく都民から広く署名を集めることとし、早速活動を始めました。北京では、招致に当たり数百万人の署名を集め、IOCに提出したと聞いています。戦いに勝つには、まず足元を固めることが肝要です。約十七万人いる都の職員が十人ずつ署名を集めれば、百七十万人になります。署名活動を通じて一人一人の職員が直接参加していくことで、都庁全体がオリンピック招致に向けて足元から盛り上がっていくのではないのでしょうか。都を挙げてこうした署名活動に取り組むべきと考えますが、知事の見解を伺います。モーターサイクルフェスティバルについて伺います。今、三宅島では、温泉施設がオープンし、定置網漁の操業も始まりました。夏の観光シーズンに開かれるマリンスコーレや自転車のロードレース大会も復活しました。来年春には空港が再開するなど、明るい話題が続き、観光地としての魅力を再び発信できる基盤が整ってきたとの感を強くしています。こうした中で、このたび開催されるバイクイベントは、直線コースで迫力あるマシンが競うドラッグレースと呼ばれる競技や、一般参加者も楽しめるツーリングラリー、往年のクラシックバイクが走る姿を間近で堪能する三宅島ツーリストプロなど、非常にバラエティーに富んでおり、私も開催を楽しみにしています。離島におけるかつてないイベントであり、さまざまな課題があろうかと思いますが、島の力強い復興のためには、何としても成功させなければなりません。そこで、このイベントを成功させる意義を都としてどのように考えているのか、お聞かせください。さて、政府によれば、南関東で今後三十年の間にマグニチュード七クラスの地震が発生する確率は何と七〇%とされ、東京でいつ地震が起きても不思議ではありません。七月に発生した新潟県中越沖地震では、ライフラインが多くの被害を受け、住民生活に支障が生じました。さらに、下水道では、地盤の液状化により道路で多くのマンホールが浮上し、車両交通機能が阻害され、消防、救助活動や応急復旧活動に支障を来したそうです。区部にはおよそ五十万個のマンホールがあり、もしこれらのマンホールが浮上した場合、その影響ははかり知れません。そこで、液状化により浮上のおそれがあるマンホールへの対策の現状について伺います。下水道局の経営計画を見てみると、まだ対策は十分ではないようです。東京で地震が起こった場合、都民が生活するために必要な最小限の機能を一日でも早く確保するとともに、首都東京の都市機能の迅速な復旧を図らなければなりません。そのためには、救急車両や復旧車両が円滑に通行できるよう車両交通機能を確保することが最優先であり、マンホールの浮上抑制対策を精力的に進めるべきと考えます。今後の下水道局の取り組みについて伺い、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)秋田一郎議員の一般質問にお答えいたします。まず、地方税財政制度の改革のあり方についてでありますが、ただいまのお話、大変示唆に富んだものでありまして、共感を持って受けとめました。国は依然として、実質、中央集権の行政原理を構え、地方を国の道具として従属させている仕組みに本質的に手をつけることなく、地方の不満を都市の犠牲によってかわそうと画策しておりますが、それは都市をも道連れにした、日本全体を沈没させる愚策にほかならないと思います。今日、問われているのは、単なる財源配分の問題ではなく、地方みずからがおのれの才覚と責任でいかに自立して、地域の活性化に挑み得る仕組みをつくるかであります。また、税源の拡充を本気で考えるならば、なぜ消費税率の引き上げ、あるいはその地方への配分率の引き上げという根本課題を正面から論議することをしないんでしょうか。これこそ一番肝要な問題だと私は思います。地方間の税収の差を補完する財政調整の仕組みが必要でありますが、現在の地方交付税制度を、より地方の自立に寄与する新しい仕組みへと発展させるべきだと思います。もとより、東京もまた地方の一員でありまして、志と意欲を持って努力している自治体に対して、東京が役に立てることがあれば、何なりと手助けをしたいと思っております。これまでも行ってまいりましたが、求められれば、さらに職員の派遣や受け入れにも応じたいと思っております。お話のように、都市対地方、国対地方という枠組みを超えて、日本の将来をどうすべきかという視点に立って今後見解をまとめ、広く発信していきたいと思っております。次いで、オリンピック招致に関する署名運動についてでありますが、オリンピック、パラリンピック招致に対する都民、国民一人一人の熱い思いをIOCに訴えていく上で、署名は非常に有効な手段であり、決定的な判定要因にもなっていると聞きます。今回、都議会オリンピック招致議員連盟のご提案によりまして、署名活動を開始されたことは大変心強いと思っております。都としても、都議会、東京オリンピック招致委員会、JOCなどと連携しながら、多くの賛同が得られるよう署名活動に積極的に取り組んでいきたいと思っております。他の質問については関係局長から答弁いたします。〔財務局長村山寛司君登壇〕 # 財務局長(村山寛司君) 財務局長(村山寛司君)地方が直面する問題の解決に向けた現状認識についてのご質問にお答えいたします。今日の地方財政の疲弊の大きな原因には、国が景気対策として地方に押しつけた公共事業のために行った借金返済の膨張、それに三位一体改革の名のもとに強行された、三年間で五・一兆円もの地方交付税の削減、この二つがございます。その背景には、長らく続いてきた地方の国への依存体質がございます。したがいまして、そこを脱して、みずからの責任と権限で地域を運営し、自立できる力とすべを身につけることが必要であり、それなしには地方はいつまでたっても国のいいなりであり続けることとなります。その意味で、お金の配分だけで問題が解決するわけではないとのご指摘は、そのとおりだと考えます。国は、地方の自立や権限といった本質的な問題をお金の問題にすりかえ、さらに都市対地方の対立にすりかえようとしております。しかしながら、真の地方の自立を実現するためには、現在国が行っている仕事や権限を大幅に地方に移し、さらにそれに見合った地方の税財源の充実によって、仕事と権限を裏づけることを先延ばしせずに早急に実施することが必要であります。なお、地方財政の厳しい状況への当面の対処ということであれば、まずは国が削減した地方交付税を、みずからの責任で国の財源をもってもとに復するべきものと考えております。〔主税局長熊野順祥君登壇〕 # 主税局長(熊野順祥君) 主税局長(熊野順祥君)徴税、納税等のノウハウの提供についてお答え申し上げます。都はこれまで不正軽油撲滅作戦やインターネット公売などの先駆的な取り組みを行い、全国自治体に範を示してまいりました。また、都内区市町村や八都県市との人材交流、他団体からの研修生の受け入れを行うとともに、徴収部門の交流のために徴収サミットを開催するなど、積極的に全国自治体の支援、交流に取り組んでおります。十月からは、より多くの自治体が参加でき、日常的に意見交換ができるよう、インターネットを活用した交流の場を新たに設ける予定であり、今後とも税務行政のリーダーとして全国の自治体を支援し、期待にこたえられるよう努力してまいります。〔会計管理局長三枝修一君登壇〕 # 会計管理局長(三枝修一君) 会計管理局長(三枝修一君)公会計制度改革のノウハウの提供についてでございます。現在、公会計制度改革に関する総務省の取り組みが進んでおらず、ほとんどの自治体が改革に着手していない、そういった状況にございます。そうした中で、都の取り組みには高い関心が寄せられておりまして、これまで都は、自治体を対象にした説明会の開催や解説書の配布など、新公会計制度のノウハウの提供に努めてまいりました。今後は、初の本格的な財務諸表を作成した実績を踏まえまして、各自治体のご要望に応じ、ソフトの提供を初めとして、人材の交流や育成など、それぞれのニーズに沿ったきめ細かな支援、協力を行ってまいります。〔産業労働局長佐藤広君登壇〕 # 産業労働局長(佐藤広君) 産業労働局長(佐藤広君)東京の産業と地方の産業の連携についてお答え申し上げます。他県の企業を含めた広域的なネットワークを構築していくことは、他県の企業のみならず、都内企業のビジネスチャンスの拡大を図る上でも有効な手段であります。お話のように、東京が我が国の産業経済の牽引役として重要な役割を担っているという認識のもと、都主催の見本市であります産業交流展について、国の関連団体主催の中小企業総合展と連携して開催し、都内企業と他県の企業とのネットワークを構築していくなど、広域的な取り組みを検討してまいります。〔東京オリンピック招致本部長荒川満君登壇〕 # 東京オリンピック招致本部長(荒川満君) 東京オリンピック招致本部長(荒川満君)世論調査に向けました広報・PR活動でございますが、世論調査でオリンピック、パラリンピック招致への高い支持を得るためには、お話のように、年齢層などに応じて賛同の輪を広げていくことが必要であるというふうに考えます。特に、ご指摘の若い年齢層は、前回の東京オリンピックを経験していないことから、オリンピックの開催意義を身近に考えてもらえるような工夫をしてまいりたいというふうに考えております。そこで、来月に入り、まず一日には、若い人も含め幅広い世代に人気があり、テレビにも多数出演しております、みのもんた氏に招致大使の就任をお願いするとともに、二日には、水泳の北島康介選手を初め八名の現役の選手にアスリートアンバサダーに就任していただきます。さらに、十月中には、これまでオリンピックに出場したオリンピアンに四十七都道府県のふるさと特使に就任していただき、母校などで児童や生徒たちにオリンピックのすばらしさを伝えていただく予定でございます。今後、世界的にも知名度のあるサポーターの起用や人気の出るグッズの充実を含め、効果の大きい広報・PR活動を展開してまいります。〔総務局長押元洋君登壇〕 # 総務局長(押元洋君) 総務局長(押元洋君)三宅島でのバイクイベントの意義についてのご質問にお答えを申し上げます。島民の帰島から二年半が経過した三宅島では、いまだに観光客の数が噴火前の半数程度と低迷をしておりまして、島の産業の活力アップに弾みがついておりません。このため、年間を通じて島を訪れる人をふやすための幅広い取り組みが重要でございます。十一月に開催いたしますモーターサイクルフェスティバルは、島の復興ぶりと観光地としての魅力を広く全国にアピールし、バイク愛好者を含めた観光客の増加を通じて、島を活性化させる大きな足がかりになるものと考えております。現在、島民が一丸となりまして、すべての人が楽しめるにぎやかなイベントとなるよう、開催の準備を着々と進めております。都としては、こうした三宅島の取り組みを引き続き全力で支援をしてまいります。〔下水道局長前田正博君登壇〕 # 下水道局長(前田正博君) 下水道局長(前田正博君)液状化によるマンホールの浮上についての二点のご質問にお答えいたします。浮上のおそれがありますマンホールへの対策の現状についてでございますが、都の被害想定によりますと、液状化が発生する可能性が高い地域は、区部東部に広く分布しております。昭和六十三年度以降に設置されましたマンホールは、改良土を埋め戻し材として使用し、地盤の液状化を抑制しておりますが、それ以前に設置されたマンホールは液状化によって浮上するおそれがございます。このため下水道局では、道路を掘削することなく、既設マンホールの浮上を抑制する技術を民間と共同で開発したところでございます。今後、対策を進めていく予定でございます。次に、今後の既設マンホールの浮上抑制対策についてでございますが、震災時の迅速な救援、復旧活動を可能とするためには、緊急輸送道路などにおける車両の円滑な通行を確保する必要がございます。このため、液状化の危険性の高い地域にあります緊急輸送道路や避難道路、約五百キロメートルにあるマンホールを対象に、新たに開発しました技術を用いた浮上抑制対策を実施し、今後四年間で完了させることといたしております。今後とも下水道局として震災対策事業に積極的に取り組み、首都東京における都市機能の確保に努めてまいります。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)七十七番石毛しげる君。〔七十七番石毛しげる君登壇〕〔議長退席、副議長着席〕 # 七十七番(石毛しげる君) 七十七番(石毛しげる君)このたび知事は、フィジー、ツバルへと視察に行かれました。世界地図を広げてみますと、ニュージーランドの上にフィジーがあり、その上にツバルがあります。赤道直下に韓国料理の名前のようなナウルという国がございます。そして、その上に行きますと、北緯二十度、東経百三十六度、無人島でありますが、実は郵便番号までついている、我が国にとって大変重要な沖ノ鳥島がございます。北小島、東小島の二つの島から成り、満潮時には十六センチしか海面から頭が出ておりません。今後、百年間の間に、海面が最大五十九センチ上昇し、早ければ今世紀の半ばには沈むと予想されております。ツバルが沈むということは、沖ノ鳥島も同じ運命をたどることになるでしょう。沖ノ鳥島が仮に水没をすれば、日本の国土面積を上回る約四十万平方キロメートルの排他的経済水域が失われることになります。赤道直下のナウルは、燐鉱石の島といわれております。その燐は、大昔、鳥のふんが堆積してできたといわれております。沖ノ鳥島という名前ですので、私は、ナウルのように鳥の楽園にして、どんどんふんをしてもらい、島を隆起させ、燐鉱石の島にしたらいかがかと考えたわけでありますが、岩になるまでは相当時間がかかるということで、いつしか現代の科学をもって、ふんを岩にする物質ができるかもしれません。また、沖ノ鳥島にサンゴ礁を増殖させ、陸地をかさ上げするという取り組みについても期待をするところであります。さて、知事は以前、産経新聞の「日本よ」の中で、沖ノ鳥島は岩礁の補強、その保全に多額の国費を投じ、東京都も百十億円を負担した、しかし、国はせっかくあれだけ施設をつくりながら、その維持と活用を怠ってきたと述べております。さて、このたび知事は視察を地球規模の深刻な温暖化を一人でも多くの都民に伝えるための視察だと私は理解をしております。そこで、南太平洋の島々は、知事に何を見せ、何を訴えたのか、お聞かせ願いたいと思います。次に、昨日の代表質問でも出ました温暖化に関連いたしまして、ソーラーなどの太陽光発電についてお伺いいたします。猛暑となったこの八月二十二日、電力需要がピークとなり、東京電力は特別の契約をしていた大工場などへ電気の使用を抑えるように要請をし、何とかこの夏は乗り切りましたが、今後も安心はできません。「十年後の東京」には、百万キロワットと目標を掲げた太陽光発電の普及が挙げられております。私は先日、太陽光発電システム、通称ソーラーシステムの販売店に行ってまいりました。そこで、太陽光発電システムを普通の家屋に設置すると、どのくらい費用がかかるのかと聞いたところ、三キロワットの大きさで二百万円ぐらいかかるといっておりました。ソーラーシステムは、一度つけてしまえば半永久的に使用できます。その日の電力状況が一目でわかり、余った電気は売り、足りない電気は買うということができます。それによって、温暖化対策や節電について家族で語り合う機会もできます。例えば、団らんの場でこんな光景が見られるかもしれません。お父さん、先月は暑かった分、大分電気代が安くなったわ。お父さんは、そうか、もうかるなら温暖化も悪くないかな。何をとんちんかんなことをいっているのよと、こんな温かい会話が聞かれるかもしれません。ソーラーシステムをつけることによって、環境問題を熱っぽく、口角泡を飛ばすかもしれません。びっくりするかもしれませんが、この家族の温かさや熱っぽさのエネルギーを電力会社は買ってはくれません。ですが、こうしたことは生活者の意識の改革につながると確信しております。そこで、一点突破全面展開、都民の環境の意識を育てるツールになるのではないかと思います。そこで、環境対策全般に占める太陽光発電の意義について、都の見解をお伺いいたします。日本での太陽光発電の普及は、国の補助金廃止を契機として伸び悩んでいます。一方、ドイツでは二〇〇五年、日本を抜いて世界一位、太陽光発電の国となりました。その背景には、ソーラーなど太陽光発電の設置と、自分のところで生まれたエネルギーを電力会社が高く買う固定価格買い取り制度が定着しているからです。市民の中には、老後を余剰電力を売って生活する人たちもいます。さて、ドイツの太陽光発電の容量は、二〇〇六年の一年間で見ると、百十五万キロワットふえたのに対して、日本は二十五万キロワットです。また、世界一の技術を持つ日本の企業は約五割、シェアを占めております。しかし、この王座も、ドイツや中国が背後に迫り、危うくなっております。また、阪神・淡路大震災や新潟での大震災時に太陽光発電を使用したところは、ライフラインが停止されても、一部の電気を使用できました。こうした効果を生む太陽光発電の普及を都がリードし、全国に広まるような形で対策を打ち出していただきたいと思います。そこで、太陽光発電装置普及に向けた都の取り組み状況をお伺いいたします。次に、産科医確保についてお伺いいたします。昨日も質問が出ましたように、緊急搬送での事件が相次いでいます。私も昨年、父親の緊急搬送に立ち会う経験をいたしました。救急隊が懸命に搬送先を探してくれましたが、一時間以上も病院が決まりませんでした。これは小児科、産婦人科を初めとする医師不足という問題が挙げられます。そこで、まず東京都における妊産婦、新生児、小児科救急医療についてお伺いいたします。産科医は、全国で二〇〇四年まで、過去十年間に七%減少しております。それは、勤務医の超過労働時間が過労死ラインといわれている月八十時間を優に超え、それに加え、医療過誤で訴えられるケースが後を絶たないことも要因となっております。これに伴い、産科を廃止する病院が相次ぎ、高度医療が可能な中核病院で普通分娩がふえ、緊急時に受け入れができないという悪循環が生じております。妊娠、出産、育児環境の極めて深刻な状況にある昨今、こうした不安を取り除くことが急務であろうと思います。その対策の一つとして、私は助産師の活用を提案したいと思います。私は三人の子どもがおります。そのうち二人は助産所で、ラマーズ法で出産いたしました。私がしばらく住んでいたフランスでは、ヨーロッパで一、二位を争う少子対策が行われております。一九九四年に出生率一・六だったのが、現在は二・〇まで回復いたしました。その背景には、フランス語でサージュ・ファムと呼ばれる助産師の役割が大きいといわれております。サージュとは賢い、ファムとは女性を意味します。村で何でも知っている長老的女性がその役目を担っていたからこう呼ばれております。また、オランダでは妊婦の三〇%が自宅で出産しております。昭和二十八年に産科医ができるまで、七十四年間も産婆さんが単独で子どもを取り上げてきました。産婆、助産婦、助産師と呼び名を変え、現在に至っています。ちなみに、私の義理の祖母は戸越で産婆をしていました。さて、日本で出産は病院と開業医で九九%、わずか一%が自宅及び助産所です。昨年、第三回定例会において、葛飾の赤十字病院での助産師の話が出ました。今後、こんにちは赤ちゃん事業で母子訪問など助産師の活躍の場も拡大すると思います。また、医療法第十九条改定を含めて、助産所を開設しやすい環境づくりを支援することが必要だと考えます。そこで、行政の力で助産所を抱合した地域周産期医療ネットワークを実施し、緊急搬送体制の確立を望むものであります。そして、正常妊婦の管理を助産師が受け持つことにより、産科医の負担が軽減され、いわゆる救急車による、たらい回しのような悲劇も緩和されるでしょう。ところで、こうしたネットワークも、病院勤務の医師の確保があってこそ成り立ちます。そのために、診療報酬の改定や働きやすい環境づくりが重要だと考えます。妊産婦や産科医の叫びともとれる現状を解決するために、ぜひ国に先駆けて早急に対応すべき問題だと考えます。そこで、助産師の活用を含め、都において産科医の確保、育成についてどう取り組んでいくのかお伺いいたします。(拍手)〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)石毛しげる議員の一般質問にお答えいたします。地球温暖化についてでありますが、今回視察しましたツバルでは、海面上昇により主食のタロイモの栽培が不可能になっている、そういう状況などを目にするとともに、満潮時には水浸しになります集会所の庭も、これは満潮時の二時間前でしたけど、既に水がひたひた押し寄せていましたが、それも目にしてまいりました。地球温暖化により、国そのものが水没の危機に瀕していることを改めて感じたわけでございました。私がかつて参りましたことのあります、有名な景勝地でありますローヌ川の源流のローヌ氷河も、数十年前に行きましたら、オーバールック、展望台からはもう氷河が見えません。この間テレビでやっていましたが、さらに上流に行きますと、辛うじて残っている氷河が一年に一メートル溶けて流れている。あるいは北極点の氷も薄くなってきている。バングラデシュの北側にありますヒマラヤの氷河湖も決壊寸前であるということで、そういった水が海に流れ出す総量というのが刻一刻ふえているわけでありまして。地球は自転しているわけでありますから、大きな球体にも遠心力がかかりますね。その遠心力が一番かかるのは、一番しんから遠い赤道の近辺でありまして、その水域というものが膨張しているのは、これはもう原理的にそのとおりのことだと思いますが。日本の援助でできましたフィジーの気象台に行きましても、これは南太平洋でオーストラリアを除く他の地域を唯一カバーする技術を持った気象台でありましたが、そこの所長も、統計的にはまだまだ時間をかけて正確な把握をする必要があるが、明らかにこの水域の水が膨れ上がって気象が狂ってきているということはもう間違いないということもいっておりました。地球温暖化の問題は南太平洋の遠い国の話にとどまりませんで、日本にとっても喫緊の課題だということを改めて認識いたしました。そういう認識に立って、都はCO2排出量の劇的な削減に向けた取り組みを着実に推進し、日本の地球温暖化対策をリードしていきたいと思っております。他の質問については、関係局長から答弁いたします。〔環境局長吉川和夫君登壇〕 # 環境局長(吉川和夫君) 環境局長(吉川和夫君)二点のご質問にお答えします。まず、太陽光発電の意義についてでありますが、太陽光発電などの再生可能エネルギーは、その利用を拡大することにより、エネルギー使用に伴うCO2を削減することができます。加えて、自宅に太陽光発電を設置した方々で構成されているNPOによれば、太陽光発電の設置を契機に、多くの家庭で節電が進んだとの報告があり、省エネルギー型のライフスタイルへの転換にも寄与するものと考えられます。これらのことから、太陽光発電の利用拡大は、東京における地球温暖化対策に重要な意義を有するものと認識しております。次に、太陽光発電の普及についてでありますが、太陽光発電及び太陽熱の利用を拡大し、「十年後の東京」に掲げた目標を達成するために、本年三月に太陽エネルギー利用拡大会議を設置いたしました。この会議におきましては、住宅、設備機器メーカーや電気、ガス事業者、学識経験者などとともに、都内への太陽エネルギーの導入を目指す方策について議論を重ねております。今後、こうした議論も踏まえ、太陽エネルギーの具体的な利用拡大方策について取りまとめてまいります。〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕 # 福祉保健局長(安藤立美君) 福祉保健局長(安藤立美君)産科医療についてお答えを申し上げます。まず、妊産婦等の救急医療体制の現状についてでございますが、都では、出産前後の母体、胎児や新生児の救急患者に高度専門的な医療を提供いたします周産期母子医療センターを二十二施設整備するとともに、各施設や東京消防庁がベッドの空き状況などを把握できるシステムを整備してございます。また、小児救急につきましては、入院が必要とされる患者に的確に対応するため、三百六十五日二十四時間、小児科医師の診療が可能な救急医療機関を四十七施設確保しているほか、重篤な救急患者に対応できる救命救急センターを二十二施設認定しているところでございます。続きまして、産科医師の確保、育成についてでございますけれども、都といたしましては、産科などの病院勤務医師の不足に対して、実効性のある取り組みが急務であると考えてございます。このため、産科医師の代表を含め、都内の医療関係者から成ります東京都地域医療対策協議会を設置し、都における医師確保対策について協議を行っております。今後、本協議会での検討も踏まえ、病院勤務医師の負担軽減に向けて、勤務環境の改善、助産師や医療補助者の活用などの取り組みを進めるとともに、専門医の育成等についても積極的に取り組んでまいります。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)八十九番林田武君。〔八十九番林田武君登壇〕〔副議長退席、議長着席〕 # 八十九番(林田武君) 八十九番(林田武君)知事が進める横田基地の軍民共用化に関する今後の取り組みについて伺います。平成十八年十月十二日、横田基地軍民共用化に関するスタディーグループの第一回会合が米国ワシントンで実施されました。スタディーグループの立ち上げについて、外務省北米局日米地位協定室の内容説明によると、第一回会合には、日本から外務省、当時の防衛庁、防衛施設庁、国土交通省、そして米国から国防省、連邦航空局等の関係者がそれぞれ出席し、平成十八年五月に日米両政府間で合意した再編実施のための日米ロードマップにおいて、両国政府は、横田飛行場のあり得べき軍民共同使用の具体的な条件や態様に関する検討を実施することを踏まえて実施される、そして、検討結果を十二カ月以内に出すというものでした。改めて申し上げるまでもなく、横田基地の軍民共用化の推進については、石原知事が選挙公約の一つとして、横田基地が返還されるまでの対策として軍民共用を掲げ、横田基地共用化推進担当部長を設置し、組織を強化して、実現に向けて取り組んでまいりました。知事の積極的な取り組みにより、関心の薄かった日本政府を動かし、平成十五年五月二十三日、当時の小泉首相が米国テキサス州クロフォードにおけるブッシュ大統領との会談の中で話をされ、共用化の実現可能性について共同で検討するということになったのはご承知のとおりであります。その後、平成十七年十月二十九日、在日米軍再編の中間報告が発表されました。その内容は、在日米軍司令部は横田飛行場に共同統合運用調整所を設置する、現在、府中にある日本の航空自衛隊航空総隊司令部及び関連部隊が米第五空軍司令部と併置されるというものでした。いわゆる軍軍共用化であります。このような流れの中でも、石原知事は、本年四月の知事選挙の街頭などでのご発言で、近々横田は民間機が飛びますよと具体的な便数を上げて申されておりました。その後、選挙が終わって、少し時間もたちましたが、八月三十一日の知事の定例会見で記者より、スタディーグループの結論の期限が迫っているが、知事の感触はという質問に答えられ、知事は、残念ながら後退しましたね、両方とも政府が弱腰になってしまったと申されたと伺っております。九月八日、町村外務大臣がオーストラリアのシドニーでライス国務長官との会談の中で、在日米軍再編に絡む米軍横田基地の軍民共用化について、政府全体として実現したい、米国務省としての支援をお願いしたいと語り、ライス国務長官は、真剣に検討したいと応じたとの報道がありました。私は平成十四年の一定で、横田飛行場について、知事の考え方、今後の取り組みについて質問をし、同時に、ぜひ周辺自治体への理解を十分にされ、周辺対策をきちんと進めてほしいと要望させていただきました。知事は丁寧にお答えくださいました。横田飛行場の共用化の必要性、そして地元への対応、騒音対策や交通アクセスの充実について、知事の思いを述べていただきました。現在は日米協議の真っ最中でありますので、地元に情報が流れにくい状況と思いますが、地元の理解と協力を得ていくためには、地元対策を一層しっかりと行っていくべきだと思います。そこで、この十月にスタディーグループが出ようとする状況の中で、今後の取り組みと地元自治体への対応について、知事の率直なお考えを伺います。奥多摩町水道事業の都営一元化について伺います。明日、水道局の主催で、都庁都民ホールにおいて、森と小河内ダムにありがとうと表題し、小河内ダム竣工五十周年記念イベントが開かれます。また、十一月十三日には、奥多摩町会場で五十周年記念式典が行われると聞いております。小河内ダムが昭和三十二年十一月に竣工して五十年、一千二百万都民の水がめとして、まさに大切な水を供給してまいりました。今回の催しも、五十周年記念の行事を行うに当たり、森と小河内ダムにありがとうと都民の感謝の心をあらわしていただき、本当によかったと奥多摩町町民も私も思いました。小河内ダムの多摩川水系は、東京都の水源量の約二割を占め、その貯水能力は東京ドーム約百五十杯分に当たります。また、水道専用としては、世界最大級の貯水量を誇るダムであり、都民への安定供給を確保する上で重要な役割を果たしてきたことは、今さら申し上げるまでもありません。しかし、この小河内ダムを建設するに当たって、私たちが決して忘れていけないことは、奥多摩町がどれだけの犠牲を払い、大変な思いをしてきたか、「湖底の故郷」という歌にもありますように、村を失い、約一千世帯もの人々がふるさとを失ったという歴史があることです。水道事業は市町村経営が原則とされていますが、東京都では、多摩地域が抱えた水源の枯渇と料金格差問題を解決するために、昭和四十八年以来、これまでに二十五の市町営水道を都営水道に一元化してきました。東京都のこうした取り組みは、地域住民の生活環境を飛躍的に向上させるとともに、広域化を進める全国モデルとして、国の政策転換を促してきたということは大いに評価いたします。しかし、残念なことに、奥多摩町や檜原村の水道は、当時、地理的などを理由に都営一元化計画の対象外とされ、現在もなお単独で水道事業を経営しております。そこで、幾つか東京都の考えをお伺いいたします。まず、小河内ダムの重要性について、改めて水道局の基本認識を伺います。次に、奥多摩町及び檜原村の水道事業の現状と、毎年、強く都営一元化への要望が都へ出されておりますが、その間、奥多摩町では、要望すると同時に、一元化に向けて料金の改定など内部努力をされていますが、要望の状況について伺います。水道局では、都民の憩いの場所として、小河内ダム周辺の整備にさまざまな取り組みをしてきました。このことに対しては感謝いたしておりますが、奥多摩町町民が早く実現してもらいたい大きな課題は都営水道一元化であります。水道局や関係する局に改めて申し上げます。奥多摩町都営水道一元化に対して、水を供給されている一千二百万都民だれ一人反対する人はないと思います。小河内ダム竣工五十周年という記念すべき本年、奥多摩町都営水道一元化実現に向けての決意をお伺いいたします。続いて、東京の森林再生を進める中で、大変深刻で、かつ厄介な問題となっているシカの食害、シカの被害対策について伺います。東京都では、「十年後の東京」や緑の東京十年プロジェクトにおいて、石原知事を先頭に、全庁を挙げて森林の再生に取り組まれ、西多摩を地元とする私にとりまして、心から感謝を申し上げます。申し上げるまでもなく、東京都の面積の四分の一を占める多摩の森林を整備し、よみがえらせるためには、多くの課題と時間がかかります。しかし、その前に一刻も早く解決しなければならないのがシカ被害対策です。東京都がシカ生息の実態をつかみ、本格的にシカの捕獲を始めてから三年、残念ながら、シカの頭数は減っていない。この現状を打破していくためには、さらにより知恵を出し、より人を出し、より予算を出していかないと、森林再生どころではありません。ことしの六月十日付の新聞に、有害鳥獣害対策に自衛隊活用という記事が載っておりました。自民党では農林漁業有害鳥獣対策検討チームにおいて、全国的に広がる獣害問題に、人材不足には自衛隊の活用が必要であるなどと議論されるほど、今深刻な問題となっております。東京都で把握したシカの生息状況、被害状況では、奥多摩町を中心に、平成五年約三百頭、平成十一年千頭、平成十四年には二千五百頭とふえ続けてまいりました。被害の大きいのは、平成十六年、奥多摩町川乗谷支流逆川地域の山林が裸山となり、集中豪雨により同地区の森林が崩壊し、大量な土砂が流れ出し、水道取水施設に甚大な被害を与えた記憶は生々しいものがあります。平成十七年、東京都ではこの事態を重く受けとめ、緊急裸山対策として、シカ被害対策を実施し、被害地区の治山工事や造林地へのシカ侵入防止さくの設置など復旧を進めていただいておりますが、シカの被害は各地へ広がっているというのが現状です。そこで改めて、シカ被害の現状をどのように認識しているのか、伺います。また、シカの生息域は東京都のみならず、埼玉県、山梨県まで広がっているところから、シカの数を適正化するには、隣接県との連携がより必要と考えますが、今後の取り組みについて伺います。ところで、シカの捕獲後をどうするか。捕獲をしたシカの肉を活用して地場産業にと、今地元では頑張っております。私も先日、シカ肉を材料にしたカレーを食べました。なかなかおいしいとの評判です。石原知事も一度召し上がっていただき、郷土のシカ肉カレーのPRをしていただければありがたく思います。奥多摩町の新しい地場産業に都のご支援を要望させていただきます。ことしは、観測史上初めてという大雨が日本各地で降りました。東京においても、九月六日、七日にかけて、台風九号の直撃を受け、私の地元であります西多摩地域を中心に大雨に見舞われ、特に檜原村では総雨量六〇〇ミリを超える雨を観測いたしました。幸いに人命に至る被害はなかったものの、少し位置がずれれば大惨事となった土砂崩れが発生しました。また、秋川では護岸が崩れ、大きな被害を受けました。この台風は、東京湾の南から直接東京を襲う戦後最大といわれるキティ台風と同じコースをたどりながら、東京東部低地の高潮や区部の中小河川地域では、今回は水害がほとんど発生しなかったと伺っております。東京都が積極的に高潮対策や河川の整備など治水対策を進めてきた成果があったと評価する一方、西多摩地域、特に山間部においては、残念ながら治水対策は十分といえないのが現実であります。山間部に対する治水対策を促進していただくようお願いいたすと同時に、今回の台風九号による被害箇所については、その復旧も含め、抜本的な対策を急ぎ進めるべきだと考えます。そこで、被害が発生したと聞いている箇所の対策について伺います。檜原村の藤原地区で大規模ながけ崩れがあり、民家まであと数メートルというような崩壊がありました。また、すぐ隣接する集落の避難所も極めて危険な状況にあります。地元では、東京都の素早い対応を望んでいますが、被害状況と今後の対策について伺います。今回、台風九号は多摩地区に甚大な被害をもたらしたわけですが、多摩地区において河川の被害状況と今後の対策、取り組みについて伺います。人命を脅かす災害、水害はいつ起こるかわかりません。被害が発生したとき、迅速な対応が必要であります。建設局には一層全力を挙げて取り組んでほしいと思います。最後に、土砂災害対策や治水対策をどのように進めていくのか、東京都としての決意を伺い、質問を終わります。(拍手)〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)林田議員の一般質問にお答えいたします。横田基地の軍民共用化の今後の取り組みと地元自治体への対応についてでありますが、横田基地の軍民共用化は、首都圏の航空事情を改善し、ひいては日本全体の国際競争力の強化につながるものであります。現在進められているスタディーグループによる日米協議は、十月の期限を間近に控え、大詰めを迎えております。協議の過程で米側から幾つかの課題が指摘されておりますが、軍民共用化を既に行っている米軍の三沢基地や、あるいは自衛隊の小松基地の事例を見ますと、横田で共用化ができないわけは全くございません。つい数日前、この問題について、第三者的な立場で調査も依頼しております向こうの調査機関の幹部の、前々でしょうか、在日空軍司令官であった将軍と、名前も失念いたしましたが、フランス、トルコの大使もした外交官、外交の見地でこの問題をしんしゃくするための人物二人が参りまして、私も会食して、説明を聞き、こちらも説明いたしましたが、いずれにしろ横田の共用化というものは、平成十五年に、林田さんもおっしゃったように、ブッシュ、小泉両サミットのクロフォードでの会談で合意されたものでありまして、あくまでもこれを前提に話をすることを私は強く再三申しております。これからどうするの問題じゃなくて、これは日米間の関係のために必要だから、とにかく積極的に討論しよう、合議しよう、共同使用のために進もうということで、合意が得られたわけでありますから、それを前提に話をしろと。だんだん下におりてきて、役人根性で小さな問題をくどくどいって、事をはぐらかさずに、大義というものを踏まえて議論してくれということを再三申しております。米側は日米関係を重視する立場に立つならば、当然横田の共用化に対して積極的に対処してしかるべきだと思っております。今後、内閣もかわりましたので、新内閣に対して、横田の軍民共用化を改めて政府の重要課題として位置づけ、一刻も早く共用化の日米合意を得るように強く働きかけてまいります。おっしゃった大事な地元自治体の問題に対しましても、日米協議の進捗に合わせて、周辺の基盤整備や騒音対策などの課題について話し合いを進め、軍民共用化に対する理解と協力を得ていきたいと思いますが、これはぜひ林田議員からも、既に発表されております杉山委員会の報告というものを詳細にまた改めて何度も説明していただきたい。大変な経済効果がございます。ただ一つの問題は、これはどこの空港でも当然のことでありますけれども、マイナス要因として騒音対策がありまして、これは騒音対策を無視し、環境対策を無視して空港を整備するなんということはあり得ませんから、この点も安心して期待をしていただきたいということを改めて申し上げたいと思います。他の質問については関係局長から答弁いたします。〔水道局長東岡創示君登壇〕 # 水道局長(東岡創示君) 水道局長(東岡創示君)奥多摩町水道事業の都営一元化についての三点のご質問にお答えいたします。まず、小河内ダムの重要性についてでありますが、小河内ダムは昭和十三年に着工し、約一千世帯の住民の方々の移転による協力と、工事における八十七名のとうとい犠牲のもと、昭和三十二年に竣工いたしました。これによって、当時の深刻な水不足の解消が期待されましたが、その後も、高度経済成長に伴う人口や産業の集中などにより、水需要は想定を超えた増加を続け、さらなる対応が求められる状況でございました。このため、利根川水系の水源開発を進めますとともに、朝霞浄水場と東村山浄水場との間を結ぶ原水連絡管などを整備し、給水安定性の向上を図ってまいりました。都独自の水道専用のダムである小河内ダムは、こうした取り組みにより、利根川水系と多摩川水系とを相互に融通する機能が加わり、渇水時等にも首都東京の安定給水を支える最後のよりどころとして、極めて重要な役割を果たしていると認識しております。次に、奥多摩町からの都営一元化の要望についてでありますが、奥多摩町は大部分が山間部であり、こうした地形的特性から、水道事業の施設や運営の面で効率が悪く、また経営的にも、毎年、町の一般会計から多額の繰入金を受けて運営されている状況と聞いております。また、近年、シカの食害と思われる森林崩壊が発生することなどによって、取水施設への高い濁度の原水の流入や、登山客や野生生物による水質汚染などが発生し、奥多摩町の単独経営では水質管理、事故、災害時の対応の面で限界があり、水道事業を維持管理していくことが困難な状況になっていると聞いております。このため、奥多摩町は東京都に対し、都営水道への一元化を強く要望しているところであります。最後に、奥多摩町の都営水道への一元化についてでございますが、これまで奥多摩町の方々が都の水がめを守り、支えてきていただいたことを考えますと、ご指摘のとおり、小河内ダム竣工五十周年は重要な節目に当たると認識しております。奥多摩町の水道事業は地理的条件などから一元化の対象外としてきましたが、水質管理、事故、災害時の対応などの運用面で課題があります。また、一元化する場合には、施設の整備水準を向上させる必要があり、その実現に向けては多くの課題がございます。このため、こうした課題の対応について、関係局との調整を含め、検討してまいりたいと思います。〔産業労働局長佐藤広君登壇〕 # 産業労働局長(佐藤広君) 産業労働局長(佐藤広君)シカ被害対策に関する二点のご質問にお答え申し上げます。まず、シカ被害の現状認識についてでございますが、都では、平成十七年度から取り組んでおります緊急裸山対策におきまして、毎年六百頭以上のシカを捕獲するとともに、被害の激しい約八十三ヘクタールにつきまして、治山工事や造林対策などにより復旧を図っているところであります。しかしながら、生息状況調査等によりますと、シカの生息数は二千頭前後から減少しておらず、生息区域も拡大しており、また、新たに裸山化した箇所も報告されております。このようにシカによる森林被害は依然深刻な状況にありまして、今後もシカを適正な生息数へ誘導していくとともに、裸山化した森林の復旧に向けまして、継続した取り組みが必要であると認識をしております。次に、隣接県との連携についてでございますが、都では、現在、東京都シカ保護管理計画に基づきまして、地元市町村と協力しながら、シカ捕獲を実施しております。しかし、ご指摘のとおり、シカは都県境を越えて広範囲に移動することから、適正な生息数に誘導するためには、隣接県との連携が重要と考えております。そこで、年内に、東京都と埼玉県、山梨県で構成をしますシカ森林被害協議会を設立し、同協議会におきまして、被害状況の分析や効果的な捕獲方法の検討など、連携した取り組みについて協議を行ってまいります。〔建設局長道家孝行君登壇〕 # 建設局長(道家孝行君) 建設局長(道家孝行君)三点のご質問にお答え申し上げます。まず、台風九号による檜原村のがけ崩れについてでありますが、都では、建設局に設置した水防本部の雨量監視に基づき、九月六日午前から、檜原村に対し、土砂災害の注意喚起を行っておりました。これを受けて、村が住民に自主避難を呼びかけていたところ、同日深夜、藤原地区で高さ約百二十メートル、幅約九十メートルにわたるがけ崩れが発生いたしました。崩れた土砂はがけ下の民家や避難所からわずか数メートルのところでとまり、幸い人命などの被害は免れたところでございます。都は直ちに現地を調査し、現在、堆積土砂の撤去や仮設の土どめ工事などの応急復旧を行っております。あわせて、崩壊した斜面を速やかに修復できるよう、檜原村とも連携し、今後、災害関連緊急急傾斜地崩壊対策事業の採択を受け、抜本的な崩壊防止工事を早急に行い、地域住民の安全確保を図ってまいります。次に、多摩地区における河川の被害状況とその対応についてでありますが、秋川や養沢川など西多摩地域の河川で溢水被害はなかったものの、護岸や河川内の遊歩道などが一部損壊いたしました。都は、被災したあきる野市小川地区など四カ所について、直ちに測量などの現地調査を行うとともに、災害復旧事業の採択に向け、国と調整を進めております。この十月に予定している国の現地査定を経て、速やかに復旧工事に着手し、来年の出水期までに完成させてまいります。最後に、土砂災害対策や治水対策の今後の進め方でありますが、都は、台風や集中豪雨などから都民の命と暮らしを守るため、多摩地域を中心とした土砂災害対策や中小河川の洪水対策、東部低地河川の高潮対策などを進めております。しかし、これらの対策はいずれも道半ばであり、五〇ミリ降雨に対する治水安全度がいまだ七四%であることなどから、引き続き事業の推進が必要であります。このため、十年後の河川整備の明確な目標を設定し、その達成に向けて事業を展開しております。具体的には、土砂災害の危険性のある地域では、これまで進めてきたがけ崩れ防止工事などのハード対策はもとより、速やかな避難体制を確立するため、警戒区域の指定、警戒情報の提供などのソフト対策や避難所の安全対策を推進してまいります。また、中小河川では、過去に水害をもたらしたものと同規模の降雨による溢水の九割を解消することを目標に、五〇ミリ降雨に対応する護岸や調節池の整備を積極的に進めてまいります。さらに、東部低地河川では、伊勢湾台風級の高潮に備える対策や阪神・淡路大震災を踏まえた外郭堤防と内部護岸などの耐震対策の完了を目指してまいります。今後とも、土砂災害や水害から都民の命と暮らしを守るため、これらの対策に全力を挙げて取り組んでまいります。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)六十二番小磯善彦君。〔六十二番小磯善彦君登壇〕〔議長退席、副議長着席〕 # 六十二番(小磯善彦君) 六十二番(小磯善彦君)初めに、地球温暖化対策について伺います。石原都知事は、地球温暖化の実情視察のため、ツバルに行かれました。知事自身が温暖化の影響を肌で感じて、発信し、今後の対策に反映していくことは重要なことであります。東京都は、環境先進モデル都市として、アジアを初めとする世界の各都市の環境分野における技術交流や教育交流など大いに拡大すべきであります。ところで、新潟県中越沖地震によって柏崎刈羽原発が稼働停止になり、そのバックアップに火力発電が再稼働され、CO2の排出量が増加しました。今後は、発電に伴うCO2の増加を招かないためにも、環境負荷の小さい再生可能エネルギーを普及させなければなりません。再生可能エネルギーは、短期的にも、中長期的にも、温暖化対策の柱となるべき政策であり、欧州や米国、中国でも大胆な普及目標と具体的な政策を導入しています。欧州では、再生可能エネルギーの目標を全エネルギー量の二〇%にしていますが、それに対して、我が国では一・六三%と、一けた小さい目標値にとどまっています。また、国に特段の施策がないために、太陽熱利用やバイオマスエネルギーの普及も進んでおりません。このように国の動きが緩慢な中で、都は本年、五百億円の温暖化対策推進基金を設置し、環境CBOを始動させるなど、数多くの具体策を検討しています。都は、再生可能エネルギーの導入目標を全エネルギー量の二〇%としていますが、達成するのは容易ではなく、さまざまな角度からのアプローチが不可欠であります。そこでまず、ツバルの差し迫った危機的状況を視察してきた知事より、その成果も踏まえて、再生可能エネルギー普及に対する決意を伺いたいと思います。都は、太陽光と太陽熱利用拡大検討会で、今後の再生可能エネルギーの普及促進策を検討していることは高く評価いたします。これまで対策がおくれていた太陽光や太陽熱に関しても、家計において採算がとれるような仕組みづくりが一番のポイントであります。例えば太陽光、太陽熱の個人住宅での活用を促すため、住宅新築時に太陽光発電、太陽熱の装置を設置した場合には住宅ローンの金利を優遇するなど、金融機関と連携した仕組みを検討すべきであります。都の見解を伺います。次に、今後、家庭部門の省エネ対策も本格的に取り組んでいかねばなりません。本年五月、環境審議会の環境基本計画のあり方についての中間まとめでは、さまざまな場面や一定の期間内でみずからのCO2排出量を家庭や個人が確認することも省エネ推進に大きな効果があると指摘しています。そこで、一つの提案は、電気、ガス、ガソリンなどの領収書に購入した燃料のCO2排出量を明記することであります。自分が使ったエネルギーでどれだけのCO2が排出されるかを日常的に意識することで、都民一人一人の省エネ努力を促すべきであります。都の見解を伺います。先日、白熱球一掃作戦が発表されました。白熱球を電球形蛍光灯にかえると、電力源から排出されるCO2が一時間当たり約八〇%減ります。この作戦の展開においては、スーパー、コンビニ、電器店の協力により、身近なところで電球形蛍光灯が購入できるようになりました。都内の六百万世帯で仮に一個ずつ電球を交換したとすると、試算では、約二十万トンのCO2が削減され、都内のCO2排出量は約〇・三%削減されることになります。家庭部門の省エネを推進していく上では、こうした情報を都民にきちんと伝えていくことが重要です。そこでは、今回の作戦でも協力をいただいた電器店の皆さんにさらに重要な役割を担っていただきたいと思います。つまり電器店の皆さんに省エネアドバイザーとして、地域の自治会や商店街の集まりで省エネ講習会を開催したり、電力使用量の高い個人住宅に対する省エネの個別具体的なアドバイスを行っていただければ、大きな効果が期待できます。都の見解を伺います。次に、気候変動が水道事業に与える影響とその対策について伺います。私が平成十六年第一回定例会で、都県域を越えた非常時における水道水の相互融通について質問したところ、本年二月に、町田市内と川崎市において、水道水を相互融通できる体制が整備されました。水道局のこうした取り組みを高く評価するものであります。しかし、現状のシステムでは、震災時や事故時などに運用が限られていると聞いております。さまざまな制約はあると思いますが、例えば渇水時においても相互融通できるよう、活用方法の拡大を検討すべきです。所見を伺います。一方、国土交通省によると、近年の降雨状況の変化により、利根川水系の安定供給能力が二割程度低下しており、現実的に影響が出始めています。地球温暖化の影響による気候変動は世界的に大きな関心事であります。気候変動に関する政府間パネル、IPCCの四次にわたる評価報告書によると、地球の自然環境は温暖化の影響が徐々に拡大し、その結果、水不足による被害人口はいずれ数億人規模に上ることが予測されています。水資源の確保は水道事業の基本であり、今後、気候変動が水道事業に与える影響が懸念されます。水道局の気候変動に対する認識と対策について、見解を伺います。また、首都東京の安定給水を維持していくためには、世界の大都市に比べて低い水準である利水安全度を高める必要があります。その観点から、引き続き八ッ場ダムの水源開発を進めていくとともに、ダム開発以外のさまざまな事業を展開していく必要があります。水道局の所見を伺います。次に、地震対策としての学校の防災機能向上について伺います。国の避難所となる学校施設の防災機能に関する調査研究によると、全国で八六%の学校で自家発電設備が整備されていません。東京都地域防災計画によると、都立学校は外出者対策の帰宅支援ステーションに位置づけられ、災害時には、水、トイレ、情報などの提供が求められています。中でも各種の情報提供は、避難者、帰宅者にとっては極めて重要であり、停電時にあっても途絶えさせてはなりません。したがって、自家発電装置の設置は不可欠であります。都内では、特別支援学校は一〇〇%整備されていますが、都立高校ではわずか一一・三%の整備率で、とても期待されている役割を担うことはできません。そこで、帰宅支援ステーションに指定されている都立学校には、早急に自家発電施設を整備すべきであります。所見を伺います。また、都立学校では、全校に浄化装置が整備されており、貯水槽やプールから水の供給が可能です。しかし、それだけでは不十分であり、汎用性のあるペットボトルの備蓄が必要です。さらに、断水時におけるトイレの利用を可能とする工夫が必要です。都の積極的な取り組みを伺います。次に、視覚障害者への情報提供について伺います。視覚障害者が文字情報を得るためには、点字化するという方法が一般的であります。しかし、中途失明者の増加などにより、点字利用者は視覚障害者の約一割にとどまっています。このため、現在、音声コードを用いた文字情報の提供が普及しつつあります。これは専用ソフトを用いて文字情報をコード化し、そのコード、SPコードを印刷物に添付するというもので、視覚障害者は専用の読み上げ装置から音声で情報を得ることができます。音声コードは視覚障害者が活字情報にアクセスする手段として有効であると、国などでも推奨されております。視覚障害者の皆さんは、東京都のさまざまな施設で情報を得ております。その中でも、とりわけ命と健康にかかわる重要な情報を扱う病院では、患者本人にとって有益な情報の多くが文字情報であることから、例えば薬の説明書に音声コードを添付することは、患者サービスの向上に有意義なものと考えます。そこで、都立病院、公社病院において、できるだけ早期に視覚障害を持つ方に渡す薬の説明書に音声コードを添付すること、及び薬剤科の窓口に音声コードを、確認のための活字文書読み上げ装置を設置すべきと考えますが、所見を伺います。最後に、都市型農業について伺います。町田市には、町田市北部に、市街化調整区域を中心とする約三百八十ヘクタールの広範な地域があります。当該地は、鶴見川源流域や山林、谷戸などの自然豊かな土地で、これまで営農によって長く自然環境が守られてきたところであります。近年、農業従事者の高齢化や後継者不足などから休耕が相次ぎ、荒廃が目立つようになっております。また、都市再生機構が土地区画整理事業のために先行取得した百ヘクタールの土地が、利用されないまま放置されております。町田市は既に、都市再生機構からこの土地を取得し、土地の荒廃を防ぐため、都市農業を展開して、首都圏共有の緑の財産として未来に引き継ぐことを目的とした、北部丘陵まちづくり基本構想を策定しています。市街化調整区域の土地利用や農業の現状を確認するために、参議院宿舎予定地を一緒に視察されたように、石原都知事並びに猪瀬副知事にもぜひとも町田市の北部丘陵の現地視察を行っていただきたいと思います。さて、こうした市街化調整区域内の農業は、遊休農地の増加や傾斜地などのために生産性が上がらないことなど、さまざまな課題を抱えております。とりわけ、農業振興地域以外の市街化調整区域内の農業については、国の施策も限られていることから、都の支援策が強く求められています。これらの地域における農業振興の具体策について所見を伺い、質問を終わります。(拍手)〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)小磯善彦議員の一般質問にお答えいたします。再生可能エネルギーの普及についてでありますが、先般、視察いたしましたツバルや地球のあちこちで起こっております未曾有の現象を眺めましても、地球温暖化の深刻な影響を肌身で感ずるようになってまいりました。こうした気候変動の危機回避のためには、省エネの徹底とともに、CO2を排出しない再生可能エネルギーの一層の活用が重要であると思っております。しかし、再生可能エネルギーの利用拡大に向けた国の動きはなかなか遅く、差し迫った地球規模の危機的状況に対して、責任を果たし切れてはいないと思います。大都市東京は、バイオマス燃料の利用促進や、百万キロワット相当の太陽エネルギーの導入など、再生可能エネルギーの普及に本格的に取り組み、世界の気候変動対策をリードする都市モデルを構築し、世界に発信していきたいと思っております。いずれにしろ、この問題は、一気呵成に解決できる問題ではございませんで、まさにちりも積もれば山となるという心得で、一歩一歩着実に事を進めていかなきゃならないと思っております。なお、他の質問については、教育長及び関係局長から答弁いたします。〔教育長中村正彦君登壇〕 # 教育長(中村正彦君) 教育長(中村正彦君)二点にお答え申し上げます。まず、都立学校の震災時の電力の確保についてでございます。これまで都教育委員会は、すべての特別支援学校におきまして、自家発電設備を整備済みでございます。現在、都立学校は、災害時におきます児童生徒の安全確保や避難所としての機能に加えまして、帰宅支援ステーションとしての機能も有しておりまして、情報伝達手段の向上や滞在時の不安解消等のニーズに的確に対応しながら、停電時にも安定的に運営を行うため、さらなる整備が必要でございます。ご指摘のとおり、自家発電設備が未整備の都立学校もあることから、今後、計画的な整備を図ってまいります。次に、都立学校の震災時の水の確保についてでございます。これまで都教育委員会は、全都立学校におけるろ水器の設置や飲料水の備蓄等、都立学校における震災時の水の確保対策に努めてきたところでございます。しかしながら、断水時におけるトイレ洗浄水や帰宅支援ステーションにおける飲料水確保のため、今後、関係機関と調整いたしまして、一層取り組む必要があると考えております。〔環境局長吉川和夫君登壇〕 # 環境局長(吉川和夫君) 環境局長(吉川和夫君)地球温暖化対策に関する三点のご質問にお答えいたします。まず、太陽光発電の普及についてでありますが、気候変動対策を進める上では、金融面での取り組みが重要であり、都は、金融機関の自主的な取り組みによる環境投融資の拡大など、金融面から企業や個人等の環境配慮行動を促進する環境金融プロジェクトを、平成十七年度から進めております。ご指摘のような太陽光発電の普及に金融機関の協力を得る仕組みについては、都民がより利用しやすい金融商品の提供を、今後さらに働きかけてまいります。次に、家庭部門における地球温暖化対策についてでありますが、都はこれまで、家電製品の省エネラベリング制度の普及などにより、家庭における地球温暖化対策を推進してまいりました。今後、さらに家庭での対策を進めるためには、節電や省エネの取り組みがCO2削減に直結することをわかりやすく示していくことが大切でございます。このため、電気、ガスなどのエネルギー事業者に対しましても、領収書の活用などの方法により、積極的に情報の提供を行うよう呼びかけてまいります。最後に、省エネにおける電気店の役割についてでありますが、ご指摘のとおり、都内の全世帯で白熱球を電球形蛍光灯に一個交換するだけで、年間約二十万トンのCO2が削減されますが、これは新宿都庁舎から一年間に排出されるCO2の六倍以上に相当する量でございます。白熱球一掃作戦の展開に当たって、このたび、東京都電機商業組合に加盟している電気店において、電球形蛍光灯の省エネ性能や効果などを店頭で消費者に説明するなど、省エネ推進に協力いただくことになりました。今後、省エネ家電ラベリング制度の対象外となっている小規模な電気店に対しましても、省エネラベルの活用を促していくとともに、電機商業組合等が開催する省エネ研修会に温暖化対策を担当してきた都職員を講師として派遣するなど、電気店が地域での省エネ活動に一層積極的な役割を果たしていただけるよう取り組んでまいります。〔水道局長東岡創示君登壇〕 # 水道局長(東岡創示君) 水道局長(東岡創示君)水道事業についての三点のご質問にお答えいたします。まず、渇水時における水の相互融通についてでありますが、現在、渇水時には、河川管理者及び利水者等から成る渇水対策連絡協議会において、渇水状況に応じて、水系ごとに利水者間の話し合いで、その都度、取水制限率が決められている状況であります。当局では、震災時や事故時等の非常時対応として、現在、埼玉県や川崎市との間で水の相互融通体制を整備しておりますが、渇水時の相互融通は、各事業者の水資源確保への取り組みなどの違いから、合意形成が難しいなどの課題もございます。こうしたことから、現在、水の相互融通は震災時や事故時等に限定されておりますが、他の異なる水系との流域間連携は渇水時にも有効であると認識しておりまして、今後、関係者と情報交換を行うとともに、連携について働きかけてまいります。次に、気候変動が水道事業に与える影響についてでございますが、ご指摘の気候変動に関する政府間パネルでは、これまで四次にわたる報告がなされておりまして、これらを踏まえ、東京大学や国立環境研究所などの研究機関が、百年後の日本の気候変動について予測を行っております。国土交通省は、こうした気候変動が水資源に与える影響について報告をまとめ、百年後の利根川上流八ダムの貯水状況は、ダムが枯渇する頻度が現在に比べると多くなることも懸念されるとしております。こうしたことから、水道事業に関しては、渇水の危険性が高まるとともに、貯水池などの水温が上昇することにより、水源水質が悪化することなどが考えられます。このため、東京水道として、気候変動が水道事業に与える影響について、今後、大学などの研究者や水道技術者と研究を行うとともに、世界各国の研究者などとも情報や意見交換を行ってまいります。最後に、利水安全度を高めるための取り組みについてございますが、国土交通省によりますと、世界の大都市は、ロンドンでは五十年に一回の割合で発生する規模の渇水、ニューヨーク、サンフランシスコでは、これまで発生した中で最大規模の渇水に対応できるよう、利水安全度を設定しております。一方、都の水源の八割を占める利根川・荒川水系は、五年に一回程度の割合で発生する規模の渇水への対応を目標に水源開発が計画されており、世界の大都市と比べて利水安全度が低い状況にあります。さらに、近年の降雨状況により、利根川の実際の供給能力が当初計画に比べて二割程度低下していることなどを踏まえると、将来にわたり都民生活や首都東京の都市活動を支えるためにも、八ッ場ダム等の水源開発を引き続き進めていくことが不可欠であります。また、厳しい渇水時におきましても安定給水を確保するため、水源開発を進めると同時に、漏水防止対策や節水施策の推進、水の有効利用など、総合的な取り組みを進めてまいります。〔病院経営本部長秋山俊行君登壇〕 # 病院経営本部長(秋山俊行君) 病院経営本部長(秋山俊行君)都立病院などにおける音声コードの活用についてでございますが、都立病院及び公社病院におきましては、これまでも、視覚障害を持つ方々に対しまして薬剤情報を的確にお伝えするため、各病院の薬剤科の窓口におきまして、口頭によって十分に説明を行いますとともに、個別の事情に応じてきめ細かく対応してきたところでございます。今回ご提案のございました、薬の説明書への音声コードの添付及び活字文書読み上げ装置の設置につきましては、視覚障害を持つ方々が服用する薬の情報を音声によって容易に確認できるため、利便性が高く、また服薬の安全性向上にもつながる方式であると認識をしております。このため、従来からの対応に加えまして、音声コードの添付などについて、今年度中の導入を目途に検討を進めてまいります。〔産業労働局長佐藤広君登壇〕 # 産業労働局長(佐藤広君) 産業労働局長(佐藤広君)農業振興地域以外の市街化調整区域の農業の振興についてでございますが、こうした地域は、農業用施設などの整備が国の補助事業の対象となっていないということもありまして、農地の遊休化が進み、農業の活力の低下が懸念されております。このため、都は独自に、栽培施設の設置や農道などの農業基盤整備に対する経費補助等の支援を行ってまいりました。今後、さらに遊休農地と農業に関心を持つ都民とのマッチングを進めるとともに、都市に近いメリットを生かした農業経営の展開を推進する観点から、農業体験農園や観光農園の整備を支援してまいります。このような施策を通じまして、農業振興地域以外の市街化調整区域の農業の一層の振興に努めてまいります。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)七十八番岡崎幸夫君。〔七十八番岡崎幸夫君登壇〕 # 七十八番(岡崎幸夫君) 七十八番(岡崎幸夫君)私は、都議会民主党、すなわち、田中良幹事長、山下太郎政調会長、土屋たかゆき総務会長を先頭にして活動している会派の一員として、質問させていただきます。知事を初め、理事者の皆さんの夢のあふれる答弁を期待しております。我が国は、古来、木とともに生きてまいりました。古くは「古事記」や「日本書紀」の中にも五十三種類の樹木の記述があって、「日本書紀」の中には、日本は島国だから船がなくては困るだろう、そこで杉とヒノキとマキとクスノキを生んで、ヒノキは宮殿に、杉とクスノキは船に、マキはひつぎに使えという説話が載っているそうであります。また、古来より植林をしていた記述もあるそうです。さらには、こうした記述が考古学的な調査と一致しております。例えば、ヒノキは伊勢神宮に典型的ですが、建築用材に最も使われております。古墳時代の遺跡から発掘される船の用材はほとんどクスノキで、登呂の遺跡から発掘された田舟、田げたは、杉材とのことであります。また、近畿地方の前方後円墳から出土する木棺は、ほとんど例外なく日本にしか産していなかったコウヤマキという木でつくられているとともに、韓国の歴代の百済王の古墳のひつぎの材料がコウヤマキで、当然、日本から運ばれていたと考えなければならないというものであります。日本には、築千三百年の法隆寺を初め、築千年以上も経過した多くの歴史的木造建築物が残っておりますし、知事の暮らす大田区の池上本門寺の五重の塔は、建築直後の地震で少し壊れた以外はほとんど手を加えず、四世紀たって初めて、このたび大改修工事が行われました。世界で最古の木材の取引の記録は、紀元前十一世紀、ソロモンとフェニキアとの間で、エルサレムに建立された寺院や宮殿の用材に関してなされたということです。しかし、その後、ギリシャのパルテノン神殿を初め、世界の多くの歴史的建造物は石でつくられており、木の文化は我が国の最も本質的な文化の特徴であります。明治以来百五十年近くたつ今日、特に高度経済成長以降の数十年間で、東京を初め、我が国の町並みは乱雑なコンクリートの建物で埋め尽くされてしまいました。その結果、町の中にいやしの空間は少なくなり、各都市がヒートアイランド現象に見舞われ、局地的豪雨にさいなまれるようになってしまいました。一方、我が国の古い町並みの面影を残す木曽の馬籠や妻籠のような町には、観光客も多く出かけているとのことです。このように、都内に木造建築をふやすことは、東京の都市環境と自然環境の両面からの効果が期待できます。特に東京には多摩産材という地域材があり、それを活用すべきと考えます。そこで、多摩産材の利用の意義をどのように考えているのか、知事の所見をお伺いします。私は、平成十七年の第三回定例会において、東京都が率先して多摩産材を利用することを求めました。その後の東京都における多摩産材の利用拡大の取り組みについてお伺いします。次に、木造建築の積極的な採用は莫大な雇用を生み出します。今から三百年前、我が国の最大の木造建築物といわれる東大寺が再々建されたときの屋根に使われた一本の大木は、九州の霧島山の赤松です。幹の直径一・五メートル、長さ約二十四メートル、これを六十キロメートル先の海岸まで運ぶのに要した人数は十万人、牛四千頭とされています。さらに、専用の船をつくって大阪湾に運び、水路、陸路を使って奈良に着くまでには、伐採から実に一年もの月日がかかっております。これほどではなくても、奥多摩の木々は伐採まで数十年から数百年、運搬にも林道工事を行うなど、困難な事業を行わなければなりません。こうしたすべての過程において、多摩産材の利用拡大は多くの雇用を生み出し、莫大な失業者を吸収することができます。格差社会といわれて数年たちますけれども、私の暮らす大田区でも、平成七年度からの十年間で、生活保護を受ける世帯の数は一・九倍に増加しております。実に六十人に一人が生活保護を受けているということになります。このような格差社会の深刻さに対して、主に現金給付という形で行われている社会保障のみではなく、何とかして雇用の拡大による社会保障の底上げこそ大切であると考えます。しかるに、都内で働く林業労働者はわずか二百人くらいであるし、年とともに高齢化しております。しかし、先ほど申し上げたように、森林資源の活用には労働力の確保が必要であります。そこで、林業労働力の確保についてどのように考えているのか、お伺いします。我が国は、国土の約七割を森林が占めているにもかかわらず、国内の木材消費量の実に八割を外国からの輸入材に頼り、丸太の輸入量は世界第一位を誇っているというより、やりたい放題といいますか、さらに、都内でも約三分の一が森林に囲まれているにもかかわらず、ほとんど多摩産材は利用されておりません。こんなことが許されるのでしょうか。知事も国土が水没の危機にある南太平洋のツバル等を視察してこられましたが、地球温暖化への対応は、多摩産材を活用することで貢献できます。多摩の森林が成長していく過程で吸収する二酸化炭素の減少や、伐採した後にその材を利用することで、二酸化炭素を貯留することができるからであります。そして、伐採した後には花粉の少ない樹種を植えて、花粉症にも対応が促進されます。フードマイルという考え方も広がりつつあるようですが、木についてもウッドマイルという考え方が必要です。遠方から木材を移動するために、どれほどの二酸化炭素を排出しているかということも考慮しなくてはなりません。そのためにも、公共施設に利用するだけでなくて、多摩産材の民間への普及を促進することにも力を入れなければならないと考えますが、所見をお伺いします。我が国にはもちろん、都内にも数多くの河川が存在しています。ついほんの数十年前までは、例えば日本最後の清流といわれる四万十川のような川が全国各地に存在していましたが、このような川でさえも、圧倒的な漁獲量の減少と水質の悪化が進んでおります。この四万十川でも、三十年くらい前まではアユを手づかみする漁さえありましたが、今は幻。この激減の裏には、農薬の影響もありますが、人の手が入らないため、森林がどんどん荒廃し、豊富なプランクトンを含んだ水が山からしみ出すのではなく、大雨が降ると一挙に泥まじりの土砂が河川に流れ込むということも一因であります。宮城県の漁師さんたちが、遠く離れた山に木を植えることによってカキの養殖をよみがえらせたのは、有名な話であります。今や、世界の水産魚類もあと四十年から五十年で絶滅するという説まであらわれてきております。ですから、東京の山に手を加えて、さきに申し上げたように、都内産材を使いながら川や海を豊かにする努力を続けていけば、東京発のブランド水産資源が多く生まれる可能性があります。隅田川のシジミ、荒川のウナギ、神田川のアユ、多摩川のエビ、新木場のハゼ、浜松町沖のイワシ、羽田のスズキ等々、荒唐無稽な話が夢ではなくなるかもしれないのです。ぜひとも、そういう観点からも、できるところから木を使い、森を豊かにする事業に積極的に取り組んでいただきたいと思います。石原知事、木を使った東京大改造に一緒に取り組みましょう。次に、ものづくり人材の育成についてお伺いします。私たち都議会民主党の代表質問でも触れさせていただきましたが、我が国において科学技術の発展と技術者の育成は喫緊の課題であります。我が国は、科学技術創造立国を模索し、科学技術のさらなる進展を図り、国民が豊かで安全な生活を送る社会を目指しております。そのための人材育成には、中央省庁はもとより、民間企業や各種団体も積極的に取り組んでおります。私の選挙区でもある大田区でも、熟年技能者の高齢化と若年労働者の確保は死活問題になっております。そこで、ものづくりを担う人材を育成している工業高校の今後のあり方についてどのように考えているのか、お伺いします。この工業教育では、ものづくりを通じて工夫する力や考える力を養い、ものづくりには忍耐が必要であるため、我慢する力、頑張る力などが培われます。また、複数の人員で作品を製作する段階で、他者を思いやる力や、ともに頑張る力などが育成されると考えます。このような背景があるからこそ、油や土にまみれることもいとわない人材が輩出されてくるのであります。また、工業高校を卒業して就職する生徒たちの方が、普通高校などを卒業する生徒に比して離職率が極端に少なく、ニートやフリーターになる割合も少ないといわれております。また、卒業後の就職先は、大半がその自治体の周辺であり、地域の中小企業を支えてきたのは工業高校の卒業生であり、そのことは、過去も今も将来もそう変わることはないと思います。一方、国公立大学への入学者も、ある調査では、全国に約一千人の入学者があり、今や進学は普通高校という考えは捨てなければなりません。工業高校で物の基礎を学び、大学に進学して理論構成を行い、その後に社会に巣立つ技術者を育成する必要があります。また、技能の伴わない技術はあり得ないことから、その両者を満足できる、工業高校から大学進学するルートを積極的に開発すべきであります。東京都も問題意識はあるようでありますが、どのように取り組むつもりか、お伺いします。また、知事もご存じのように、私の暮らす大田区の北嶋絞製作所などは、スペースシャトルの部品や国産ロケットの先端部品を製作したり、有限会社でもF1レース用エンジンの部品を製造するなど、超高度な技術、技能を持った会社が多くあります。このようなトップレベルの技術者を育成することも極めて重要であります。また、毎年、国内では、技能五輪全国大会や全国障害者技能大会が開催されています。また、ことしは、沼津市をメーン会場として、技能五輪国際大会と障害者の技能競技大会国際アビリンピックが同時開催されますが、このような大会に参加できるようなすぐれた技能を持ったものづくり人材の育成を図るべきだと考えますが、どのように取り組んでいくのか、お考えをお伺いして、質問を終わります。(拍手)〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)岡崎幸夫議員の一般質問にお答えいたします。多摩産材の利用の意義についてでありますが、森林は、木材供給のみならず、水源の涵養や大気の浄化など、多面的な機能を持った、かけがえのない国民の財産であります。日本は世界有数の森林国でもありまして、我々は、森林の持つ豊かな恩恵に、歴史を通じて浴してまいりました。今日、改めて森の恵みを顧みて、かつての豊かな多摩の森林を取り戻し、次の世代に継承していかなくてはならないと思っております。食の世界では地産地消といいますが、その土地でつくられた作物には愛着もあり、地域ではぐくまれた産物が体に一番よいということでありまして、これは食のみならず、住にも通じるものであります。ちなみに、法隆寺の大工の棟梁、西岡常一氏の言葉に、奈良で育った木は奈良で使ったときが一番丈夫である、木曽のヒノキは奈良には向かないという言葉があるそうでありますが、東京の風土に恵まれた多摩の材木を用いた住まいに暮らすことが、体にも、また環境にも好ましいとは確信しております。ですが、材木の流通の視点から眺め直しますと、世界の流通の形が変わりまして、時間的、空間的に世界も狭くなった今日、外材のコストとの比較というものが決定的な問題になりかねません。これはやっぱり踏まえてこの問題を考えませんと、よりよい結果は得られないんじゃないかと思います。他の質問については、教育長及び産業労働局長から答弁いたします。〔教育長中村正彦君登壇〕 # 教育長(中村正彦君) 教育長(中村正彦君)工業高校に関します二点の質問にお答え申し上げます。工業高校の今後のあり方についてでございますが、これまで都教育委員会は、生徒の興味、適性及び進路希望に柔軟に対応できる、特色ある工業高校づくり等を推進してまいりました。今後は、ご指摘のとおり、熟練技術者の不足等に適切に対応できるよう、六郷工科高校で実施しておりますデュアルシステムの評価・検証を行いまして、他校への導入について検討するとともに、熟練技能者を工業高校の技術指導において積極的に活用するなど、産業界の協力を得ながら、ものづくり人材の供給に向けたさまざまな取り組みを推進してまいります。次に、工業高校から大学進学するルートについてでございます。工業高校では、ものづくりの基礎、基本を習得させ、ものづくり企業の技術者となる人材を育成することに加え、さらに、高度な専門知識の習得を目指す生徒の大学等への進学を支援することも重要でございます。近年、工業高校の生徒の大学進学率が上昇傾向にあることから、各学校では、きめ細かな進路指導や、英語や数学などの補習や補講等を行っているところでございます。都教育委員会は、今後、こうした取り組みの一層の充実を図るとともに、大学の講座に参加し一定の評価を得た生徒には進学の道が開かれる高大接続プログラムの開発に向け、大学との連携を図ってまいります。〔産業労働局長佐藤広君登壇〕 # 産業労働局長(佐藤広君) 産業労働局長(佐藤広君)四点のご質問にお答えいたします。まず、都における多摩産材の利用拡大の取り組みについてでございますが、都では、みずから積極的に多摩産材の活用を図るため、平成十八年十二月に、全庁的な取り組みといたしまして、東京都多摩産材利用推進方針を策定いたしました。さらに、多摩産材使用のための特記仕様書や単価表を作成いたしまして、公共建築や土木施設などでの利用拡大を図っております。具体的には、公共建築物では、都立学校の教室や都営住宅での内装パネルに活用しております。また、河川の侵食を防止する木工沈床を初め、道路、公園などのさまざまな施設におきまして多摩産材の利用を進めております。次に、林業労働力の確保についてでございますが、林業労働者が減少、高齢化する中、多摩産材を安定的に供給するとともに、森林整備を適切に行っていくためには、森林作業を担う労働力の確保が必要でございます。また、伐採や植樹、枝打ち、間伐などの森林作業には専門的な技術が必要でありまして、技術の継承も大切であると考えております。このため、東京都農林水産振興財団に設置をいたしました林業労働力確保支援センターにおきまして、林業作業に就労しようとする方に対しまして、宿舎借り上げ経費の助成等の支援や、林業技術の早期習得に向けました研修を実施しております。今後とも、これらの制度を活用いたしまして、林業労働力の確保、育成に努めてまいります。次に、多摩産材の民間への普及促進についてでございますが、民間での利用拡大を図るためには、多摩産材を利用する意義につきまして、都民の理解を深める取り組みを進めることが重要であると考えております。そこでまず、多摩産材を他の木材と区別をし、地産地消を進めるため、平成十八年四月に多摩産材認証制度を創設いたしました。また、民間団体が行います、都民を対象とした家づくりセミナーや多摩産材住宅の現地見学会等の開催に対しまして支援を行ってきております。今後、ホームページでの多摩産材に関する情報を充実していくとともに、「木と暮しのふれあい展」など、イベントを通じまして、多摩産材の民間への普及促進に努めてまいります。最後に、ものづくり人材の育成についてでございますが、都は職業能力開発センターにおきまして、企業の従業員を対象に、高度な技能習得を目指します、ものづくり名工塾やスーパー名工塾を実施するとともに、技能五輪全国大会などへ出場を目指す生徒につきましては、その水準に達するよう、特別の技能指導等を行っているところであります。また、企業における高度な技能習得を目的とした教育訓練の実施を支援するために、運営経費の一部を助成しております。引き続き、こうした取り組みを通しまして、高度な技能者の育成に努めてまいります。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。午後三時休憩午後三時二十一分開議 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)休憩前に引き続き会議を開きます。質問を続行いたします。三番米沢正和君。〔三番米沢正和君登壇〕 # 三番(米沢正和君) 三番(米沢正和君)気管支炎のため、途中で大変お聞き苦しい点が出る可能性がありますので、あらかじめご了承賜りたいと思います。初めに、都区のあり方について伺います。現在、東京都と特別区は、都区財政調整の協議の結果を踏まえて、事務の移管、区域のあり方などについて、都区のあり方検討委員会を設置し、協議を行っていると聞いております。私は、この協議結果が、今後の東京のみならず、国全体の行方を左右する可能性があると考えているものであります。知事もかねてから、東京は日本の心臓部であり、二十三区はその基幹部分であると位置づけておられます。したがって、この問題に無関心であることは許されず、都民の福祉向上の観点から、建設的な議論、そして、都区双方が納得した取りまとめがなされることを期待するものであります。ただ、現在の都区協議の経過を拝見していますと、根本的な問題として、大都市経営を都区がどのように役割分担をしていくのかという論点が不要領であります。もちろん、高度集積のメリットを生かした都による大都市経営が重要であることは申し上げるまでもありませんが、しかしながら、効率性だけで判断することは危険な場合もあるわけであります。集積にはデメリットもありますし、都が東京市役所の役割を果たしていることの是非、大都市に複数の基礎自治体が存在することの是非等々、多角的に議論していかなければなりません。江戸以降、平成まで、大都市経営の内容は大きく変化をいたしておるわけであります。大都市経営の成否は、行政の取り組みのみならず、住民の共同体意識の高揚、自治・自立意識の確立等によるところが大きくかかわります。そこで、大都市経営の担い手に関する基本的認識をまずお伺いいたしたいと思います。私は、特別区が何とか自治権を拡充したいと模索をしていた昭和三十四年、江東区議会議員となりまして、その間、五十年間近く……(笑声)江東区のみならずいや、笑い事じゃありませんよ。本当ですよ。二十三区、また都区間の懸案解決に微力ながら努力をしてきたつもりであります。平成十二年、都区制度改革が実現し、区が基礎的な自治体として認知されるに至っては、過去の苦難の歴史から考えますと、隔世の感があります。感慨無量でありました。現在の都区のあり方検討委員会における議論で気になることは、その意気込みがいかがなものかということであります。十二年度改革は、当時は、町会、自治会等も巻き込んだ草の根からの運動であったと思います。現在の区のあり方の中、事務の配分、区域のあり方の方向性をまとめることができるか。検討委員会では決められても、いざ実現へ向けてというときには足踏みをすることも考えられるわけであります。それは、都民、区民の関心の薄さが原因なのではありませんか。都民、区民世論の喚起、もちろん特別区にも求められるものではありますが、都の役割も重要であります。お考えをお伺いいたしたいと思います。この質問の最後に、現在の事務のあり方、財源の行方、区域のあり方を、必要とする以上に検証すべきではないかと思いますが、それは、都区双方の官僚の方々がきちっと知恵を出せばできるわけであります。しかしながら、私は、江戸から東京への歴史を虚心坦懐に振り返った上で、政治家としての歴史観、歴史認識に基づいて、都をどうするのか、区をどうするのかを、知事、各区長が判断することが最も重要かつ望ましく、透徹した歴史観に基づく判断は官僚にはできないと思いますので、知事のお考えをお伺いいたしたいと思います。次に、オリンピック招致と地下鉄八号線整備について伺います。オリンピックは、有形無形の大きな財産を国民に残す世界最大のイベントのため、都の招致活動を全面的に支援するものであります。また、先般、二〇一六年のオリンピック東京招致が閣議で了解されましたことは、知事みずからの努力により、国内に賛同の輪が確実に広がっていることを示すものであります。深甚の敬意を払うものであります。さて、オリンピック招致を実現するためには、現在立候補を表明しているシカゴ、マドリードなどとの厳しい競争に打ち勝つ強い計画を世界に示さなければなりません。メーンスタジアムなどすぐれた施設計画はもとより、開催中の円滑な交通の確保こそ、計画の評価を左右することはいうまでもありません。全世界から集まる選手、マスコミ関係者や観客の安全、快適な移動を保障することが大変重要なことはいうまでもございません。都市の交通問題解決の要点は、フル規格の地下鉄ネットワークの充実でありますが、オリンピック招致を視野にこの問題を考えてみますと、地下鉄八号線豊洲住吉間の整備が極めて有効であります。この路線は、平成十二年の運輸政策審議会答申第十八号において、平成二十七年までに整備着手することが適当な路線と位置づけられたものであります。既に豊洲駅、住吉駅の駅舎には乗り入れ可能とするホームが整備されておりまして、延長約五・一キロメートル、おおむね一千二百億円の建設経費が見込まれております。この路線を整備することによって、埼玉、千葉方面から、メーンスタジアムなど主要施設の建設が予定されている臨海部へのアクセスが飛躍的に改善されるものであります。多額な建設費が見込まれておりますが、新たに制定された都市鉄道等利便増進法の事業スキームを適用すれば、地元自治体の資金負担は事業費の三分の一であり、地元区等の負担が可能であれば、東京都の負担はさらに低減をされるわけであります。さらには、この路線は、新タワーの建設が決まった墨田区業平・押上地区と臨海部との連携を支えるなど、センター・コア・エリア東側の開発拠点を結ぶ交通ネットワークとして、東京の発展を牽引するものではないでしょうか。このように、今後も発展著しい東京センター・コア・エリア東部、臨海地区を支える動脈として極めて重要な交通網である地下鉄八号線豊洲住吉間の整備は、オリンピック招致の成功にとっても決定的な意味を付与できるものと考えておりますが、ご所見を伺いたいと思います。次に、築地市場の豊洲地区への移転問題について伺います。まず、移転経過の都民への説明責任についてであります。築地市場の移転につきましては、平成十一年度に、現在地での再整備は困難である、移転整備への方向転換をすべきであるという、築地市場再整備推進協議会での意見集約を受けて、都は平成十三年度に、移転先を江東区の豊洲地区と打ち出したわけであります。その後、受け入れ区である江東区では、都からの再三にわたる強い要請を受けて、さまざまな問題がありましたが、認識しながらも、全都民的立場から受け入れることを表明したわけであります。現在、一部の政党が、移転整備に至った経過を棚に上げ、先般の都議選以降、土壌汚染問題のみを大々的に取り上げ、それに加担する形で市場内の団体が反対している中で、都が勝手に移転を決めたかのような、事実をゆがめた形で世論を誘導し、都民の不安をあおることに終始いたしております。都は、地元江東区民はもちろんのこと、都民に対しても、移転に至った経緯について、いま一度正確かつ詳細に説明する責任があるのではないでしょうか。所見を伺いたいと思います。次に、移転予定地周辺のまちづくりとの整合性についてであります。現在、移転予定地の周辺では、ウオーターフロントの特性を生かした潤い豊かなグレードの高いまちづくりが進められておりますが、特に豊洲地区の開発は目覚ましく、大型マンションの立地や商業施設の進出を受けて、今では都内有数の観光スポットに成長するなど、居住人口はもとより、来訪者数も日を追うごとにふえてきておるわけであります。移転先における市場づくりについては、こうした周辺まちづくりとの整合性を保つことは当然のことながら、住民や来訪者などにとっても有益なものとすべきであることはいうまでもありません。都はこうしたことを踏まえてどのように対応していくつもりなのか、その見解をお伺いいたしたいと思います。最後に、下水道について伺います。江東区は、東京湾や江東内部河川など、豊かな水辺に囲まれておりますけれども、昭和三十年代の河川は、今から想像もできないほど汚れておりました。しかしながら、下水道整備が進み、水辺環境は著しく改善され、私の事務所の近くの横十間川にはコイが泳ぐ親水公園ができるなど、都民が水辺に親しめるようになったわけであります。ところで、江東区は合流式下水道で整備されております。大雨が降りますと、雨水で希釈された汚水の一部が川や海に越流するため、これまでも下水道局は改善対策を講じてまいりましたが、今後さらに都民が親しめる水辺とするためには、一層の対策が必要ではないでしょうか。そこで、下水道局は江東区でどのように合流式下水道の改善対策を進めていくのか、お伺いいたしたいと思います。次に、江東内部河川の水辺環境は随分と改善されてまいりましたが、砂町水再生センターの放流先である砂町運河は閉鎖性水域で、水の流れが少なく、一度水質が悪化しますと、なかなか改善しないという課題が残されております。この運河は、マリーナが整備されるなど、さまざまなレクリエーションの場となっていることから、一層の水質改善が望まれます。そのために、水再生センターの放流先を運河の外に変更するよう要望してまいりましたが、いよいよ着手が近いと聞いております。そこで、砂町水再生センターの放流先を変更する事業の内容についてお伺いいたします。この事業は、長い時間と多くの費用がかかり、非常に大変だと思っておりますけれども、下水道局の高い技術力を生かし、事業を着実に進めていくことを期待いたしております。以上をもちまして私の一般質問を終わりますが、お聞き苦しい点をご寛容賜りたいと思います。ありがとうございました。(拍手)〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)米沢正和議員の一般質問にお答えいたします。都区のあり方についてでありますが、東京は、江戸開府以来四百年の長い歴史の上に築かれた大都市でありまして、この日本の発展を支え続けてまいりました。今日、東京の財源ねらい撃ちなど、東京が果たしてきた役割に対する認識を欠いた議論が横行しておりますが、東京の発展こそが将来も日本を牽引していく力となることを自覚すべきだと思います。こうした認識に立ちまして、大都市東京の機能性、効率性を最大限に発揮できるよう、現在の都区のあり方を、各区が備えているそれぞれの機能性の濃淡、特性、あるいは共通性を踏まえて積極的に見直し、都民の意見も聞きつつ、新たな都区の関係を構築していくべきだと思っております。他の質問については関係局長から答弁いたします。〔総務局長押元洋君登壇〕 # 総務局長(押元洋君) 総務局長(押元洋君)都区のあり方についての二問の質問にお答えを申し上げます。まず、大都市経営の担い手に関する基本的な認識についてでございます。都は、特別区を包含する広域の自治体として、大都市東京全体の活力を維持向上させる役割を担い、特別区は、大都市東京の基礎的自治体として、住民に第一義的な責任を負い、住民に身近な地域の事務を広範に提供する役割を担っております。ご指摘の大都市経営を的確に行うためには、都と特別区がそれぞれの役割を果たすだけではなく、住民の自治意識を踏まえつつ、両者が連携、協力することが極めて重要であると認識しております。今後、都は、特別区との連携、協力をこれまで以上に深めまして、大都市東京のさらなる発展に向けて取り組んでまいります。次に、都民、区民世論の喚起についてでございます。都区のあり方の検討は、住民自治の主体である都民、区民の理解と協力を得て進めていくことが必要でございます。このため、都区のあり方検討委員会の会議を原則として公開とし、議事の要旨や会議の資料もホームページ上で広く公表しております。今後、都といたしましては、同委員会の検討経過につきまして、都議会はもとより、マスコミ等にも十分な説明を行うとともに、一定の取りまとめを得た場合には、その内容をわかりやすく解説した資料を公表するなど、改革の推進に向けた都民、区民の世論喚起に努めてまいります。〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕 # 都市整備局長(只腰憲久君) 都市整備局長(只腰憲久君)地下鉄八号線豊洲住吉間の整備についてでございます。本区間を含む地下鉄八号線の延伸は、ご指摘にもございましたように、運輸政策審議会答申第十八号におきまして、平成二十七年までに整備着手することが適当である路線として位置づけられております。本路線の実現に向けましては、事業主体の確立や事業採算性の向上、また、多額な事業費の確保などの課題がございます。都といたしましては、本路線の沿線区などで構成される促進協議会に引き続き参画いたしますとともに、将来の輸送需要の動向などを見据えながら、さきの課題などにつきまして、関係者とともに検討してまいります。〔中央卸売市場長比留間英人君登壇〕 # 中央卸売市場長(比留間英人君) 中央卸売市場長(比留間英人君)築地市場の移転についての二点のご質問にお答えをいたします。まず、築地市場が移転に至った経過の都民への説明についてでございます。築地市場の現在地再整備については、平成三年から工事を進めてまいりましたが、その過程で、ローリング工事用の種地が乏しく、業界調整が難航をきわめ、工事が事実上停止をいたしました。このため、業界団体から移転の可能性を検討するよう要請を受け、協議を重ねてまいりました。その結果、築地市場の移転先として、一つには、広い駐車場などを配置できる大規模用地の確保が可能なこと、二つには、既成市街地の外周地域で交通条件が良好な位置であること、三つ目には、築地市場との継続性が保てる位置であることなどの考え方に基づき、東京都卸売市場審議会からの答申を受け、平成十三年十二月に豊洲地区への移転を決定したものでございます。現在、築地での再整備が一部で主張されておりますが、過密狭隘で種地がないことに加え、アスベスト対策を相当慎重に行う必要があることから、現在地再整備は不可能であると考えております。お話のように、こうした移転に至った経緯や移転の必要性等について、都民や市場関係者に理解していただくことは重要でございまして、今後、より詳しくホームページに掲載するとともに、パンフレットを作成して幅広く配布するなど、一層の理解が得られるよう努めてまいります。次に、移転予定地周辺のまちづくりとの整合性についてでございます。豊洲地区では、地権者が主体となって策定をいたしました豊洲地区まちづくりガイドラインに基づき、三方を水辺に囲まれた地区の特性を生かし、水辺に親しみ、豊かな緑が感じられ、にぎわいのあるまちづくりを進めております。そのため、市場の整備に当たりましては、快適に市場の外周を散策できるよう、護岸と一体となった幅の広い緑道を設置いたします。また、幹線道路に接する敷地には植栽を施し、緑豊かな景観を形成いたします。さらに、食を中心とした東京の新たな観光名所として、千客万来施設を整備することにより、豊洲新市場を、地域住民、国内外からの来訪者にとって、開かれた親しみのある市場としてまいります。〔下水道局長前田正博君登壇〕 # 下水道局長(前田正博君) 下水道局長(前田正博君)二点のご質問にお答えいたします。まず、江東区における合流式下水道の改善対策についてでございます。下水道局では、雨水で希釈された汚水の一部が川などに放流される量を減らし、水再生センターでの処理量をふやすため、幹線管渠の増強や、降雨初期の下水を一時的にためる貯留池の整備を図るなどの対策を進めております。江東区におきましても、これまで、東陽幹線など幹線管渠の増強を行うとともに、砂町水再生センターや木場ポンプ所などで、貯留池の整備やごみなどの流出を抑制するためのスクリーンの目幅縮小、オイルフェンスの設置などを実施してまいりました。今後も、砂町水再生センターや小松川第二ポンプ所の貯留池を整備、増強するなど、合流式下水道の改善対策を進めてまいります。次に、砂町水再生センターの放流先を変更する事業についてでございますが、下水道局では、砂町運河の水質を改善するため、水再生センターの放流先を、閉鎖性水域である砂町運河などから水門外側の荒川河口付近に変更することといたしました。現在、事業を実施するために必要な法的な手続を進めており、全長約四キロメートルに達する放流管の整備工事に早期に着手する予定でございます。今後、本事業を着実に推進するとともに、合流式下水道の改善対策を進め、都民の皆様が水辺に親しめる環境の創出に貢献してまいります。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)十五番小竹ひろ子さん。〔十五番小竹ひろ子君登壇〕 # 十五番(小竹ひろ子君) 十五番(小竹ひろ子君)初めに、出産にかかわる条件整備について伺います。昨年末、荒川区の女性が、妊娠中期で破水し、救急搬送で入院、数日後死産になる悲しい出来事が起きました。かかりつけ医が、総合周産期医療センターを初め都内のNICUがある病院に軒並み連絡をしましたが、受け入れてもらえず、川崎市内の大学病院に決まるまで三、四時間かかって、ようやく救急車で搬送できるという状況でした。都内の産婦人科や産科の診療所は、この六年間に七十四カ所も減っています。中核病院の産科の休診も相次いでいます。月に何度か、満床などの理由で妊婦の受け入れ病院がないことがあるとの声が医療の現場から上がっています。東京においても、こういう深刻な実態があることをどう考えますか。都として緊急の対策が必要だと思いますが、答弁を求めます。背景にあるのは、深刻な医師不足です。文京区内だけで、産婦人科の医師はこの四年間に二十六人、約二割も減っています。都は、今年度から新たな医師確保対策をスタートさせますが、事態の深刻さから見れば、さらに総合的な取り組みが必要です。医学部卒業後、都内で働くことを条件にした奨学金制度、離職中の医師の再就職を促進するドクターバンク、女性医師バンク、女性医師の仕事と家庭の両立支援などの実施を提案しますが、どうですか。病院と診療所の連携促進や助産師の活用も大事です。妊婦健診は診療所、分娩は病院が行うオープンシステムへの支援の拡充、また、病院内で正常分娩は助産師が担当する助産師外来や、院内助産を実施する病院への支援も急がれます。見解を伺います。首都圏の八都県市が連携した広域的な搬送情報システムの確立を提案しますが、どうですか。都立病院の役割はとりわけ重要ですが、石原知事は、母子保健院を廃止し、周産期医療の中核施設である清瀬、八王子の小児病院廃止計画などを進めてきました。そのもとで、豊島病院は産科も未熟児医療のNICUも休診、墨東病院は産科の新規受け付けを停止、公社移管された荏原病院も産科休診という事態です。豊島病院は公社化が検討されていますが、産科やNICUの再開を初め、都立病院としての医療体制を立て直すことこそ急務です。見解を伺います。都立病院の医師は激務にもかかわらず、給与は全国の自治体病院で最低レベルです。深刻な医師不足の打開に向け、給与などの待遇改善や、女性医師が働き続けやすい条件整備などに取り組むべきと考えますが、どうですか。政府の診療報酬削減政策のもとで、都の財政支援を強化することなしに、都立病院がその役割を果たすことはできません。独立行政法人化を含め、都立病院の役割を縮小、後退させることはやめて、拡充することを強く求めておくものです。次に、製造業支援について伺います。世界に誇る東京の製造業は、国の大企業優先の産業構造改革に加え、石原知事が進める都市再生路線が拍車をかける形で衰退を重ね、この七年間だけでも、工場数が三分の二に後退するという事態を迎えています。にもかかわらず、石原都政は、中小企業対策予算を八年間で三割も削減し、商工指導所や経済事務所の廃止、存続が望まれていた工業集積地域活性化事業の打ち切りや職業訓練の縮小を進めました。しかも、知事選に向けて策定した「十年後の東京」では、多摩シリコンバレーや特定の都市型産業のみが強調され、東京の特色である工業集積地域の支援や業種別対策、地場伝統産業対策などは見当たりません。私ども日本共産党は、改めて城南や城東、多摩地域の企業や自治体、研究者を訪ね、意見や要望を聞いてきましたが、困難なもとで頑張っている企業や、厳しい財政のもとで活性化に向けた支援に奮闘している自治体の共通した取り組みは、ものづくりを地域振興の柱に位置づけていることです。知事、ものづくり産業と都市の共生を、東京における都市づくりの柱の一つに位置づけるべきと考えるものですが、見解を伺います。また、共通して出された意見は、都が「十年後の東京」や産業振興基本戦略の策定などに当たって、業者や自治体の意見、要望を聞いてほしかったということです。そこで伺いますが、現場で頑張っている人たちの要望や意見に耳を傾けてこそ、生きた政策が実現できるのではありませんか。都内製造業の活性化のために、ボトムアップ方式で振興計画を策定することが求められていると思いますが、違いますか。答弁を求めます。東京都が三年前までやっていた工業集積地域活性化事業の復活は強い要望です。この事業は、区市町村が責任を負い、自由な発想で支援が行えることから歓迎され、都の事業終了後も、独自に予算を組んで事業を継続しています。大田や品川には都市型産業の基盤となる金型などの技術が集積し、文京、新宿の印刷、製本など、その活性化が緊急課題となっているからです。大田区産業振興協会の事務局長さんは、ものづくりのすそ野は、広ければ広いほど山が高くなるが、今、そのすそ野が崩れているといい、すそ野を支えるために事業の復活を強く要望されています。ものづくりの国内回帰が見られ、世界を市場としたものづくりの展望が見えてきたもとで、既存の集積地域にとどまらず、今後、ものづくりの集積が期待される地域や、地域横断的な産業クラスターなども視野に入れた、新たな工業集積支援事業の立ち上げが必要であると考えるものですが、見解を伺います。また、知事は、圏央道とリンクした多摩のシリコンバレーを目玉にしていますが、シリコンバレーのような産業クラスターの成功の秘訣について、国の報告書は、核地域は三十分以内のアクセス、思い立って昼食をともにできる距離、いつでも会える距離を挙げています。三環状道路で広域で結ぶ発想は、かつての国の国土総合計画を思い起こさせるものです。多摩地域の工業の活性化にとって、むしろTAMA産業活性化協会など、地域での産業クラスターに向けた取り組みを支援することが大切なのではありませんか。多摩地域では、地元自治体のほか、当該地域を中心として活動するTAMA産業活性化協会などの商工関係団体が産業振興に向けた取り組みを進めています。最近では、JR青梅線、五日市線、八高線沿線に位置する自治体などが中心となり、産業支援のための協議会を立ち上げる動きも見られます。こうした動きを踏まえつつ、多摩地域の産業振興は、関係自治体やブロックごとの協議会、TAMA産業活性化協会などの商工関係団体、企業、大学、研究機関などを結集して計画を策定し、実行に移していくことが必要ではありませんか。所見を伺います。都内企業が直面している問題の一つが、事業の継承です。小規模工場の場合、後継者不在などによって工場が閉鎖に追い込まれ、貴重な技術が失われ、製品製造のネットワークが崩れてしまいます。このため、港区では、事業継承のため、低利の融資を来月からスタートさせることになりました。事業継承を進めるため、相続税などの軽減を国に働きかけ実現すること、都として、相談窓口の開設や、長期、超低利の全額保証の融資を創設することを提案するものです。また、閉鎖となる工場と、新たに創業を考えている人や事業の拡張を検討している企業と結びつけるマーケットを、都として研究することが必要と考えますが、どうですか。また、存続、継承すべき技能を指定し、都として特別の手だてを講じることや、ものづくりに関心や意欲を持つ若者を募り、育成し、人材不足に悩む企業に結びつけることなど、積極的な取り組みを求めるものです。それぞれ見解を伺い、質問を終わります。(拍手)〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)小竹ひろ子議員の一般質問にお答えいたします。都市づくりにおけるものづくり産業の位置づけについてでありますが、高度な技術を持つ企業の集積は東京の強みでありまして、ものづくり産業の基盤を維持することは極めて重要であります。このため、都はこれまでも、国に働きかけ、工場立地にかかわる規制を撤廃させるとともに、集積の形成に対する都独自の助成を行うなど、ものづくり基盤の強化を図ってまいりました。近未来の都市像を示した「十年後の東京」においても、東京のポテンシャルを生かした都市型産業の振興を重要な柱として位置づけております。なお、他の質問については、関係局長から答弁いたします。〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕 # 福祉保健局長(安藤立美君) 福祉保健局長(安藤立美君)五点についてお答えを申し上げます。まず、周産期の救急医療体制についてでございますけれども、都は、出産前後の母体、胎児や新生児の救急患者の迅速な受け入れ、搬送を行うために、高度専門的な医療に対応できる周産期母子医療センター二十二施設を既に整備しまして、救急の場合には、総合周産期母子医療センターが患者の受け入れ先を選定する仕組みを構築してございます。一方で、地域の産科医の減少が進み、周産期母子医療センターに一般医療機関で対応可能な分娩が集中し、負担が大きくなっていると考えております。こうした状況を受けて、都では今年度、分娩リスクに応じた医療機関の役割分担や連携を進め、安全な周産期医療を提供できるよう検討を進めております。検討結果については、平成十九年度末に向けて改定作業を進めている東京都保健医療計画に反映をさせていく予定でございます。ご発言の中で具体的な事例に触れられましたが、都といたしましても調査をいたしました。それによりますと、まず、お話の事例は、既に入院中の妊婦の方を他の病院に転院させる事例であったこと、そして、入院をしていた診療所のかかりつけ医同乗のもとで、東京消防庁の救急隊が医療機関に搬送し、転院するなど、一貫して医療ケアを受けていたことなどがわかりつつあります。また、ごく未熟な胎児であったため、医学的にも困難な事例であったこと、転院から数日たった後、死産に至ったことについて、間接的にではありますが、聞いておるところでございます。いずれにいたしましても、都としてはさらに、本事例における病院選定などの事実を、プライバシーに十分に配慮しながら精査し、検証をしてまいります。次いで、産科医師確保についてでありますが、産科の病院勤務医師の不足に対して、実効性のある取り組みが急務であると考えております。このため、産科医師の代表を含め、都内の医療関係者から成る東京都地域医療対策協議会を設置し、既に都における医師確保対策について協議を行っております。本協議会での検討も踏まえ、女性医師のみならず、病院勤務医師の負担軽減等、医師確保に向けたさまざまな取り組みを進めてまいります。次に、オープンシステムへの支援についてでありますが、地域の診療所等と分娩を取り扱う病院との連携を強化するための周産期医療施設のオープン病院化については、平成十七年度からモデル事業として取り組んでおります。今後、この成果を踏まえ、よりよい連携システムを検討してまいります。次に、助産師外来や院内助産についてでございますが、産科医療は、産科医師、助産師、看護師等の連携が重要でございます。院内助産や助産師外来は、産科医師が減少する中で、医師の業務の軽減や専門職種の活用によるきめ細かいサービスの提供という面で有効であり、助産師の果たす役割は大きいと考えております。このため、都としては、これまでも助産師の養成に関する支援を行ってきているところでございます。最後に、広域的な搬送情報システムについてでございますが、医師不足を背景にして、地域を問わず産科医療が厳しい現状にある中、東京都周産期母子医療センターの状況を見ますと、約四分の一が都外からの受け入れ患者となっております。こうした状況を踏まえますと、広域的な搬送情報システムの構築につきましては、受け皿となる近県の医療機関の整備の進展、治療に携わる医師の確保など、多くの課題があると受けとめております。〔病院経営本部長秋山俊行君登壇〕 # 病院経営本部長(秋山俊行君) 病院経営本部長(秋山俊行君)二点のご質問にお答えを申し上げます。まず、豊島病院の公社化などについてのお尋ねでございますが、都立豊島病院は、同一医療圏の近傍地に二つの大学病院が存在する中で、地元区の患者比率が半数を超え、また、他の医療機関からの紹介率も六割に達するなど、地域に密着した医療を展開している実情にございます。そこで、都立病院改革の一環といたしまして、地域病院の運営を担っております財団法人東京都保健医療公社への移管をしようとしているものでございます。今後、同病院が担うべき医療機能等につきましては、公社化検討委員会等において引き続き検討を進めるなど、公社化に向け着実に取り組んでまいります。また、必要な医療体制につきましては、当然その確保に努めてまいります。次に、都立病院における医師の確保についてでございますが、医師の採用環境を踏まえながら、必要とされる勤務条件等の改善には取り組んでいく考えであります。さらに、平成二十年度に東京医師アカデミーを開講し、医師の計画的な育成、確保を図っていくこととしております。〔産業労働局長佐藤広君登壇〕 # 産業労働局長(佐藤広君) 産業労働局長(佐藤広君)五点のご質問にお答えいたします。まず、現場の声を反映させた計画策定についてでありますが、「十年後の東京」を踏まえ、本年三月に発表いたしました産業振興基本戦略は、日常的に把握しております企業現場の実態を踏まえるとともに、専門家による懇談会や、中小企業、関係団体へのヒアリング等によりまして、幅広く意見を伺って策定したものであります。今後、これを具体化する産業振興指針の策定におきましても、これまで同様、関係者等の意見を把握してまいります。次に、工業集積についてでありますが、都内には先端的技術やオンリーワン技術を有する中小企業が数多く存在し、多種多様な産業集積を形成しており、地域の産業活力の源泉となっております。このため、都では、ものづくり新集積形成事業により、地域や業種等の枠を超えた新たなネットワークを構築し、新事業に挑戦する中小企業グループを支援しております。加えて、現在、今年度の重点事業として、ものづくり産業の集積を図る区市町村に対する支援策の検討を進めているところであります。次に、多摩地域の産業振興についてでありますが、多摩地域の振興については、現在、多摩中小企業振興センターが中心となりまして、技術支援、経営支援、産学公連携の推進など、地域の中小企業のニーズに応じたさまざまな支援策を講じております。今後とも、TAMA産業活性化協会などの商工関係団体や地元関係自治体とも連携しながら、多摩地域の産業振興を図ってまいります。次に、中小企業の事業承継についてでありますが、都は、平成十七年度、中小企業振興公社に、事業承継や再生支援等についての相談窓口を設置いたしまして、これまでもさまざまな相談に応じております。また、制度融資では、今年度から事業承継を産業力強化融資の対象といたしまして、融資期間が最長十年で、かつ低利な金利での利用を可能といたしました。さらに、本年五月に、外部有識者を含めた研究会を設置いたしまして、事業承継について既に検討を開始しております。最後に、ものづくり人材の確保、育成についてでありますが、都はこれまでも、産業を支える基盤技能について多様な職業訓練を実施し、ものづくり企業への就職を促進してまいりました。また、高度技能者の育成を目的とした名工塾なども実施しており、技能承継の支援を引き続き行ってまいります。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)四番鈴木章浩君。〔四番鈴木章浩君登壇〕 # 四番(鈴木章浩君) 四番(鈴木章浩君)議場での初質問に際し、元気いっぱい、新たな決意を持って臨ませていただきます。初めに、今後の財政運営についてお伺いいたします。コスト意識の欠落していた都財政再建に向けての大きな成果であり、今後の羅針盤ともいうべき平成十八年度東京都年次財務報告書を見ますと、総資産があのトヨタ自動車並みの約三十兆円もあるなど、数字の大きさにも驚かされましたが、積み上げた数字を緻密に分析することにより、今後の退職金への備え、都庁舎など膨大な更新需要への対応、債権管理の強化など、内在していた課題も浮き彫りになりました。漫然とした役所の仕事は、大福帳から変えないと変わらないという石原知事の強いメッセージを改めて実感いたしました。その中でも私が注目したのは、バランスシートにおける資産と負債の関係であります。国と都を比較しますと、資産に対する借金の割合は、都は三分の一にすぎませんが、国は普通国債の借金だけでも三倍にも上っており、さらに現在でも税収の半分以上の借金をし続けております。一般国民の資産を担保にとり、意図せざる政府の連帯保証人としていることが不文律になっているこの国の危うさを思う以上に、私たちの責任を痛感するものであります。石原都政を振り返ると、普通会計ベースの借金は、就任当初に比べ七年間で一兆円弱も減らしてきました。知事の財政再建の実行力を評価する方は多いですが、実は財政再建を達成しながら借金を大幅に削減することはもっと大変なことであり、私はこの点こそ高く評価されてよいと思っております。今後、都は、国より少ないとはいっても、借金は七・七兆円、都民一人当たり約六十万円もありますので、この借金と上手につき合っていくことが重要であります。キャリートレードといわれるような日米金利差維持のための政策金利も、十月以降の郵政民営化による国債金利よりも低い郵貯預金の動きなどにより維持が困難になると危惧されており、金利感覚は今後、知事がおっしゃるとおり、財政運営において、より重要なファクターとなってまいります。また、バランスシートでも都の資産の三分の一は将来世代が負担しなければならないことが明らかになりましたが、少子高齢化の進展や、今後の金利コストの上昇などを考慮しつつ、将来負担のあり方という課題についても改めて議論を進めていく必要があります。こうした状況の中、都政にとって今最も重要なテーマは、オリンピックを見据え、「十年後の東京」をどのように実現していくかであります。その具体的な事業化にあっては、新たな財政需要も見込まれます。税収構造の不安定さは、だれもが認める都財政の弱点と思われるわけですが、仮に税収が低迷していても、実現しなければならないのも「十年後の東京」であります。そのため、基金を蓄えることも一つの方法で、これは環境、福祉などの特定分野で実践済みですが、都の場合、ばかげた大都市富裕論の根拠になってしまうおそれがあり、また、基金運用効果も、現在は〇・五%低い状況であります。そこで、多くの分野での財政需要に対応でき、より効果的な策は、二百三十年前に「国富論」の中でアダム・スミスが指摘しているように、将来の重要課題を推進するために、今、積極的に借金を減らしていくことであります。ゼロ金利解除による金利上昇局面により、金利というコストも入れれば、九月債利率が一・七%であることから、仮に現在の金利で一千億円借金を減らしたときの十年間の財政効果は一千百七十三億円と、基金よりも高いわけです。昨日もそうですが、都議会の中には、不見識に、投資的経費を削減するために借金を減らせという人もいるようですが、それとは全く程度の違う発想です。ネガティブな思いつきではなく、都政を進めるためのポジティブな具体案であります。財政に少し余裕のある今だからこそできることでありますが、将来世代のため、「十年後の東京」実現のため、それに備える積極的な取り組みとして知事のご所見をお伺いいたします。次に、羽田空港の国際化に関連して質問いたします。現在、羽田空港では、国際化に向け、再拡張工事やターミナル建設が進められています。平成二十二年度に予定されている再拡張事業の完成後は、二十四時間利用可能な国際空港として、年間約四十万七千回もの航空便の発着が可能となり、国内はもとより東アジアなど海外との人や物の交流が促進され、東京のみならず首都圏の、さらには日本全体の国際競争力が向上し、経済、産業、文化など一層の活性化が期待されます。一方で、空港機能の拡充に伴い、旅客数や国際物流の増加により、空港周辺においてトラックなど自動車交通量が増加し、平成二十二年度の東京港臨海道路の全面開通ともあわて慢性的な渋滞と大気汚染を懸念する声も上がっております。今でもこの地域の交通量は大変多く、空港へのアクセス道路整備が不可欠であります。そこで、首都高速湾岸線と並行する国道三五七号の整備を一刻も早く着手すべきであります。現在は都市計画決定され、一部整備されているものの、いまだ東京港トンネルと多摩川トンネルが整備されておらず、羽田空港から臨海部や都心方面、川崎、横浜方面との連携が十分に図られてはおりません。これ以上の羽田空港周辺の環境悪化を回避するために、また、首都圏の活力を一層高めるため、ぜひとも東京港トンネルと多摩川トンネルの早期整備を強く国に求めるなど、都が中心となって積極的に取り組むべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。また、交通量を分散させるために、高速道路の利用を促進させることも重要です。そのために、羽田空港から神奈川方面へ行く際に、また、神奈川方面から羽田空港へ行く際には、首都高速道路の東京線と神奈川線双方の料金圏をまたがって利用する形となります。このため、割高感を生じさせ、一般道への流出により、この区間の一般道の交通量は相当なものとなり、今後は深夜の交通量も心配であります。このような利用者を無視したナンセンスな縦割り道路行政を一刻も早く是正すべきであります。国への提案要求にもありますが、喫緊の課題として利用者の視点に立った首都圏での料金体系の構築を図られますよう、積極的な取り組みを強く要望いたします。また、都心に近い国際空港として、空港アクセス機能の充実は当然のことでありますが、以前より議会でも多々指摘されておりますが、東西鉄道蒲蒲線整備は、来年度開業予定の東京メトロ副都心線により、将来的に東横線と東武東上線、西武池袋線との相互直通運行が実現した際には、羽田空港までの広域交通軸の形成や、東京圏全体の都市機能の向上に寄与いたします。さらに、このたび、都市鉄道等利便増進法により速達性向上事業の一号案件としての認定を受けた東部方面線が東横線に乗り入れることにより、横浜方面からの利便性も向上するなど、羽田空港とを結ぶ蒲蒲線整備は大変意義深いものであります。今年度より地元大田区では、国や鉄道事業者などの関係者の入った勉強会を立ち上げ、新たな調査に入ると聞いております。この事業については、このたび改めて城南五区の区長会でも早期実現に向けて合意形成が図られ、また、東急電鉄株式会社や京浜急行電鉄株式会社も検討に協力する意向を示しているところであります。このように、整備に向けての機運が高まってきている状況において、改めて蒲蒲線に対する都のご所見をお伺いいたします。また、羽田空港の跡地整備については、本年三月、国、都、大田区、品川区から成る羽田空港移転問題協議会、いわゆる三者協において範囲や面積約五十三ヘクタール、跡地利用の検討に当たっての基本的な視点等の合意に基づき、今年度内の跡地利用基本計画案の取りまとめに向け、三者が共同して策定に取り組んでいると伺っております。この跡地は、大田区の市街地に隣接するとともに、空港の持つ可能性を引き出す貴重な土地であり、新滑走路や国際線ターミナルの使用開始に向けて跡地利用に対する関心が高まっており、計画の策定には大田区の意見を十分考慮し、各意見の調整に努め、みんなが納得のできる最善の計画となるよう要望いたします。また、当該地区周辺では、「十年後の東京」の姿の中の、川や海からの眺望が美しく、にぎわいあふれる魅力的な水辺空間に最適な地域であり、跡地を含め、臨海部全体の整備が大田区で検討されております。その中で、来年度から大田区では観光課を立ち上げ、運河ルネッサンス事業の対象でもあります海老取運河から京浜運河沿いの水辺空間の整備も検討されるところであり、あわせて防災の観点で老朽化した護岸整備も進めていく予定であります。今後、オリンピックを視野に入れた東京港の良好な水辺環境づくりに不可欠な場所でありますので、強力なバックアップを期待するところであります。そこで、東京港における水辺の環境づくりについての基本的な考え方と、これまでの実績について伺います。これまでも地元区において、例えば芝浦では地元主催の運河祭りを行い、これは都として協力していると伺っております。また、大田区でも、大田区大森ふるさとの浜辺公園においてみずから人工海浜を整備するなど、積極的な取り組みを行っております。今後はこのような地元の事業との連携を図っていくことも重要と考えますが、どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。また、大森ふるさとの浜辺公園は、昔ながらの大森の浜辺をよみがえらせたいとの願いのもと、長い年月をかけて整備された公園であり、ぜひこうした地元の願いを受けとめ、平和島運河に流れ込みます内川の水質浄化や景観改善にも配慮した護岸整備などにも取り組んでいただきますよう、強く要望いたします。次に、子育て支援についてお伺いいたします。少子化は東京の活力低下にもつながる憂うべき問題です。平成十三年度第一回二十一世紀出生児縦断調査によると、東京都では、子どもを産む一年前には仕事をしていた女性の五五%が出産六カ月後には仕事を辞めております。平成十五年の日本労働研究機構の調査によると、出産前後で仕事を辞める女性の約三割が、仕事と育児の両立の難しさなどを理由に挙げております。このようなことから、本来ならば、特に幼児期までは母親との触れ合いを大切にすべき時期でありますが、今日においては、少子化に歯どめをかけるため、次世代の東京を背負って立つべき子どもたちを、社会全体で育てていくための具体的な取り組みが求められております。中でも企業には柔軟な働き方の推進などに取り組んでほしいところであります。都は、さきの定例会で、我が党の代表質問に対して、社会全体で子育てを推進するため、仮称子育て応援とうきょう会議を設置すると答弁されました。この会議には、企業等も参加することから、子育て家庭への具体的な支援策も期待できます。都民が安心して子育てをしていくためには、昨日も触れられておりましたが、企業によるワークライフバランスの推進は不可欠です。こうした取り組みは企業にとっても優秀な人材の確保につながるなど、大きなメリットがあると考えます。庁内で立ち上げた子育て応援戦略会議での検討の成果も踏まえ、企業を巻き込みながら、こうした取り組みを一層進めていくために、都はどのように考えているのか、お伺いいたします。また、少子化の流れを変え、ワークライフバランスを実現していくためには、企業において女性が安心して育児休業等を取得できることはもちろん、男性の働き方についても見直していくことが重要です。このために、企業みずからが長期間労働の縮減や従業員の能力を十分発揮できる雇用環境づくりに取り組むことが求められますが、中小企業ではこうした取り組みが進んでいないのが実情であります。都は、中小企業を対象として、新たな助成制度を開始しましたが、さらに社会全体の機運の醸成に取り組むとともに、雇用環境の改善を図る企業への支援を強化して、ワークライフバランスを推進していくべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。次に、商店街振興についてお伺いいたします。都内の多くの商店街は、我が党が一貫して推進する新・元気を出せ商店街事業などを活用して、知恵を絞り、汗を流して活性化に取り組んでおります。しかし、一方では、売り上げ減少や後継者難などによる廃業、空き店舗の増加など、衰退傾向に歯どめがかからないのも事実であります。こうした状況に対応するため、都はさまざまな工夫を凝らしていますが、中でも昨年度創設した商店街起業促進サポート事業は、起業を目指す人材を掘り起こし、ノウハウ伝授などを行って、実際に開業に導く取り組みであり、団塊世代の大量退職を迎え、商売にチャレンジする人材がますますふえていくことが想定されており、商業の活性化の一助となる事業として大いに期待しております。そこで、この事業の成果と今後の見通しについてお伺いいたします。ところで、実際に商店街の現場を回ってみますと、新・元気を出せ商店街事業に対する評価の声とともに、さまざまな要望も聞こえてまいります。たとえば申請事務が煩雑、イベントの補助回数を三回にしてほしい、あるいは複数の商店街の連合事業に対しては、通常のイベントとは別カウントにしてはどうかなど、使い勝手の点でさらに改善を加えてほしいというものであります。もとより公金の支出に関することであり、厳格で適正な制度や審査が必要ではありますが、本事業創設の原点に立ち返り、真に商店街の活性化に役立つ仕組みとすることが求められております。今後、区市町村とも十分な協議を行い、新・元気を出せ商店街事業の使い勝手の向上を図り、商店街の意欲的な活動をより積極的に支援していくことを強く要望し、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)鈴木章浩議員の一般質問にお答えいたします。今後の財政運営についてでありますが、ご指摘のように、我が国の借金への依存は目に余るものがあります。あのイタリアに比べてもかなり悪い状況になってきました。それに対して都の借金の残高は、この間の努力のかいもありまして、ことしの年次財務報告書で明らかになったように、国に比べればまともな水準にあると思います。しかし、都の財政はここへ来ての景気動向の不透明さや、都から財源を奪おうとする国の動きなど、厳しい環境にあると思っております。そうした中にあっても、確実に「十年後の東京」を実現していくことが都政の責務であります。その意味で、体力のある今のうちに借金を減らしておくというのが一つの見識だと思います。しかしまた、借金もまた財政戦略の重要な手法の一つなので、世代間の公平やその時々の財政状況を見ながら、弾力的に使いこなしていくべきだと思います。その他の質問については関係局長から答弁いたします。〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕 # 都市整備局長(只腰憲久君) 都市整備局長(只腰憲久君)二点のご質問にお答えを申し上げます。まず、国道三五七号線の整備についてでございますが、この路線はいわゆる東京湾岸道路の一般国道部でございまして、東京臨海部における広域的な道路ネットワークの形成に不可欠な路線であるとともに、国際化に向けた再拡張事業が進められている羽田空港のアクセス道路としても重要でございます。しかしながら、ご指摘のように、東京港トンネル部や多摩川トンネル部が未整備であるため、道路交通上のネックとなってございます。このため、都はこれまでも国への提案要求などさまざまな機会をとらえて、これらトンネル部の整備促進を国に要請してきておりますが、今後とも関係自治体と連携を図りつつ、早期整備に向けて積極的に取り組んでまいります。次に、東急線蒲田駅と京急蒲田駅を結ぶ、いわゆる蒲蒲線についてでございます。本路線は、運輸政策審議会答申第十八号におきまして、平成二十七年までに整備着手することが適当である路線と位置づけられております。しかしながら、本路線には、空港アクセスとしての機能性や多額の事業費のほか、事業採算性、また、東急線と京急線の線路幅の違いなど、さまざまな課題がございます。ご指摘にもありましたように、今年度地元区が調査を予定しておりますが、都としても、具体的な課題につきまして、引き続き区と議論を重ねるなど必要な対応を図ってまいります。〔港湾局長津島隆一君登壇〕 # 港湾局長(津島隆一君) 港湾局長(津島隆一君)東京港における水辺の環境づくりについて、二点のご質問にお答え申し上げます。まず、水辺の環境づくりの考え方と実績についてでございますが、東京港における水辺の環境づくりに当たりましては、これまで豊かな自然環境と共生する水辺空間を創出することを目指し、事業実施に当たりまして、常に環境に配慮した取り組みを進めてまいりました。具体的には、これまで運河の汚泥しゅんせつや、水辺環境に配慮した緩傾斜護岸や干潟の形成、生物の生息を増進させるカニ護岸の整備やアマモの植えつけなど、多様な方策を実施してまいりました。その結果、近年では、運河にハゼやスズキといった多くの魚が見られるようになるなど、水質の改善も進み、都民が水辺に親しむ機会もふえ、水辺の環境づくりに対する関心も一段と高まってきたと考えております。しかし、夏場には、赤潮の発生や水中の酸素不足が生じるなど、いまだ東京港の水質の改善は十分とはいえない状況にあると考えております。このため、最近では、廃棄物処分場前面におきまして、磯浜の整備や、お台場でのカキを活用した水質浄化実験など、新しい手法も模索しながら取り組んでおります。今後とも、都民の理解と協力を得ながら、水辺の環境づくりに努めてまいります。次に、地元事業と連携した水辺の環境づくりについてのお尋ねでございます。水辺に親しむ環境づくりに当たりましては、まず地元における身近な環境改善の取り組みの積み重ねが重要でございまして、都としてもこれに対して規制緩和や技術的協力など、さまざまな支援を行ってまいりました。具体的には、水上レストランや観光桟橋を設置するための仕組みづくり、地元が行う環境学習の取り組みやボートスクールへの支援、地元協議会と協力した水門のデザイン画募集などを実施してまいりました。今後、こうした取り組みを地元の状況に合わせて推進いたしますとともに、お話しの、区が整備した大森ふるさとの浜辺公園周辺では、親水性と景観を高めるため、対岸に緑豊かな緩傾斜護岸を整備していく予定でございます。事業の推進に当たりましては、地元区のみならず、地域住民やNPOなどとも協働、連帯を図り、東京港における良好な水辺環境の創出に積極的に努めてまいります。〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕 # 福祉保健局長(安藤立美君) 福祉保健局長(安藤立美君)ワークライフバランス推進の取り組みについてお答えを申し上げます。社会全体で子育てを支援していくためには、お話しのとおり、企業における積極的な取り組みが不可欠でございます。このため、都では来月開催を予定しております子育て応援とうきょう会議におきまして、行政や学識経験者にとどまらず、子育てと仕事が両立できる雇用環境の整備に対して、大きな役割を担う企業の経営者団体に複数参画していただくこととしております。この会議を通じて、先進的企業における取り組み事例を紹介することなどによりまして、働き方の見直しや、子育てと仕事が両立できる雇用環境の整備促進を図るなど、ワークライフバランスの実現に向けた機運を醸成してまいります。〔産業労働局長佐藤広君登壇〕 # 産業労働局長(佐藤広君) 産業労働局長(佐藤広君)二点のご質問にお答え申し上げます。まず、ワークライフバランスの推進についてでありますが、都は中小企業における仕事と家庭の両立支援を促進するため、社内責任者の設置や意識啓発の取り組みへの助成制度を今月から開始いたしました。また、社会全体の機運の醸成を図るため、十月には、働き方の見直しや父親の育児参加をテーマに、八都県市が連携をいたしまして統一キャンペーンを実施するほか、企業の好事例を発表するフォーラムを開催いたします。来年度からは、助成制度について、対象企業数を拡大の上、社内ルールづくりや育児休業取得者の代替要員に係る経費についての支援も行う予定でおります。今後とも、企業における働き方の見直しを促す取り組みについて、さらに検討をしてまいります。次に、商店街起業促進サポート事業についてであります。本事業は、商店街で新たに起業を目指す方々に、金融、経営等の開業に必要な知識やノウハウを、講義と商店街での現場実習を通して取得していただき、実際の起業に結びつけることを目的に、昨年度から実施をしております。昨年度は十八名の方々が受講され、そのうち六十歳代の女性を含む三名の方が実際に起業いたしました。今年度も十九名の方々が起業を目指して、現在受講中でございます。今後、団塊世代の退職などによりまして、新たに起業を目指す方がふえることが期待されております。こうした状況を踏まえまして、本事業の一層の浸透を図り、商店街での起業に結びつけるよう努力してまいります。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)三十一番伊藤まさき君。〔三十一番伊藤まさき君登壇〕〔議長退席、副議長着席〕 # 三十一番(伊藤まさき君) 三十一番(伊藤まさき君)まず、中小企業の振興についてお伺いいたします。中小企業白書の二〇〇六年度版によりますと、年間の廃業企業二十九万社のうち、実に四分の一はその廃業理由の第一に後継者難を挙げております。相続税においても、中小企業のオーナー経営者の株を相続する場合、優秀な中小企業ほど、相続税の納付額が一千万単位になる事例が多く、事業承継の妨げになっております。事業承継円滑化の観点からの税制措置については、これまでも、主要な事業用資産である土地や株式について、相続税負担の軽減措置が講じられ、順次、拡大をされているところでありますが、特にオーナー経営者が親族内で承継を行う場合の非上場株式に係る相続税負担については、ヨーロッパ諸国に比べて軽減措置が十分でなく、依然として円滑な事業承継の障害になっているとの指摘が多くございます。我が国の産業を支えているのは、もとより中小企業であります。東京にはすぐれた技術を持つ中小企業が集積をしておりますが、このままではすぐれた技術の継承が危惧されます。中小企業にとって、早期かつ円滑に事業承継できる体制を整備することが重要だと考えます。例えば後継者やMアンドAなどの情報を仲介する仕組みができれば、多くの企業が適正に存続できると思います。都として、事業承継についてどのような認識をし、そして対応していくのか、ご所見を伺います。知事は、「十年後の東京」の中で、東京の将来を支える創造的都市型産業を重点的かつ戦略的に育成していくと述べております。今後とも、東京の活力を維持育成していくためには、創造的都市型産業の創出に向けて、中小・ベンチャー企業のチャレンジを活性化していかなくてはなりません。そのためには、それらの企業が開発したすぐれた新製品や新技術が世間に認められ、評価される環境をつくっていくことが重要であります。新製品やサービスを開発し、その事業化にチャレンジしている中小・ベンチャー企業の中には、せっかく開発した新製品や新技術が評価されず、埋もれたまま事業化に至らないというケースも多くあります。こうした課題に積極的に対応すべきと考えますが、知事のご所見を伺います。現存している企業の支援も大切ですが、創業支援の推進は、東京の経済を活性化するためにも重要であります。若者の中には、自分で事業をやってみたいと夢を持つ人も多くいますし、また団塊の世代の方々の中にも、定年退職後は自分の会社を立ち上げて新しいチャレンジをしてみたいと考えておられる方がたくさんおられます。しかし、創業して事業を軌道に乗せていくためには、事業計画の作成、場所の確保、資金調達、製品開発、販路開拓など、クリアしなければならない課題がたくさんございます。こうしたことから、創業を効果的に支援するためには、ノウハウの提供、場所の提供、資金面の支援など、多様な支援策を総合的に講じていくことが重要だと考えますが、ご所見を伺います。次に、動物行政についてお聞きします。私は、特段愛犬、愛猫家ではございませんけれども、家族の一員として動物を飼う都民がかなり多くなってきている状況の中で、動物を社会の一員としていかに迎えるかという視点が必要と思います。さまざまな価値観が錯綜する現代社会において、お互いを理解し共生していく社会づくりの推進という点から質問したいと思います。近年、少子高齢化、核家族化が進行し、飼育動物への志向が高まっていることを背景に、例えば都内の犬の飼育数は、昭和五十五年と比較して平成十七年には約二倍の四十一万頭と増加の傾向にあります。動物を飼うことが当たり前となり、都民生活において動物の存在が大きなものとなっている一方、飼い主のモラルの欠如やマナー不足による問題が多く発生しております。動物関係の事故発生届け出件数は、平成十七年度に三百四十三件と、ほぼ一日に一件の割合で事故が起きております。また、捨て犬、放し飼い、悪臭など動物をめぐる近隣トラブルについての相談、苦情は、平成十七年度末に約一万八千件も寄せられております。動物の好きな人、苦手な人が混在する地域社会の中で動物が受け入れられていくためには、まず飼い主が、それぞれの動物の習性等に応じて適正に飼育するとともに、社会ルールに対する規範意識の向上を図っていくことが必要であります。都では、動物愛護管理法改正を受けて、本年四月に東京都動物愛護管理推進計画を策定し、飼い主の責任の徹底を初めとする各種の取り組みを進めておりますが、飼い主への普及啓発は、都民の身近な地域で実施することが効果的であり、市区町村が果たす役割は重要であります。また、動物のしつけなど専門的な知識の普及においては、各地域で熱心に活動するボランティアが多数存在しており、そのような方々との連携は、区市町村との取り組みと相まって、より一層の問題の解決が図られるものと考えます。そこで、区市町村とボランティアが連携し、飼い主の適正な飼育や意識向上に取り組んでいけるよう、都は、区市町村への支援を積極的に行っていくべきと考えますが、ご所見を伺います。また、動物の専門家である獣医師との連携も強化していかなければなりません。獣医師会との連携を図った教育現場における動物愛護について、既にさきの都議会で我が会派が取り上げてきたところですが、子どもたちの飼育動物と接する体験は、生命の大切さや思いやりの心や責任感など、豊かな人間性をはぐくむ上でとても重要と考えますので、改めてお伺いいたします。現在、多くの学校で、教育の一環として動物を飼育しております。学校において飼育動物の管理の徹底など、専門的な知識や技能を有する獣医師等に直接子どもに指導していただくことは有意義と考えます。既に獣医師会と連携して事業を行っている地域もあると聞いておりますが、全都での実施を目指し、さらなる努力が必要と思います。これまでの都教委はどのような取り組みをしてきたのか、ご所見を伺います。動物は、当然生き物ですから年をとりますし、病気をすることもあります。ただかわいいから、ただ欲しいからと動物を飼うのではなく、飼い主が動物を終生にわたり適正に飼育していくということを、飼い始める際に責任として強く自覚していただくことが必要です。獣医師、ブリーダー、ペットショップなど動物に関する職業のすべての人は、飼い主に誤解のないよう、動物の育て方、飼い方を説明、指導しなければなりません。多くの都民は、動物をペットショップから購入しているのが実情であり、動物の販売業者は、購入者に対し飼い主としての責任を周知するという大きな責務があります。昨年、動物愛護法の改正により、インターネット販売を含む動物取扱業者については、購入者への適正飼育に関する説明が義務づけられるなど、規制の強化が行われております。都内の動物取扱業は、登録制度導入当初の平成十三年度末の千百九十六件から、毎年百五十件程度ふえ続け、平成十八年五月末時点では二千三十四件にまでなっております。さらに、ペット喫茶やペットのホテルなどさまざまな業態が次々と展開しており、市場規模も全体で一兆円を超えて、今後も成長し続けるといわれております。こうした状況を踏まえ、ペット業者による説明義務の徹底などについて、都はどのような具体策を講じていくのか伺います。また、先日、石川県において、無許可で飼われていた体長約一メートルのワニが逃げ出すという事件が発生しました。このワニは、インターネットオークションで購入したと報道されております。昨今、ネット上でペットの販売を行っているサイトを数多く見かけますので、インターネットでの動物の購入もふえているようであります。実際の店舗を持たずに営業を行っている事業者の中には、病気の動物を売りつけたり、詐欺まがいのことを行う悪質な業者もいると聞きます。法律で規制されたとはいえ、チェック体制の強化は今後の課題であると思います。このようなネット販売業者に対し、都はどのように監視指導を行っていくのか、ご所見を伺います。私は、七月に東京都動物愛護センターを視察してまいりましたし、先日も、上野で行われました動物愛護週間中央行事を見てまいりました。当日は三十度を超える大変暑い中、多くの方が熱心に参加されておりました。現場では、限られた人員と予算で大変なご苦労をされている様子がとても印象的でした。今後、動物愛護法の適正な運用を可能にするために、都の積極的な取り組みを期待しております。次に、まちづくりについてお尋ねします。京成立石駅周辺は、葛飾区の都市計画マスタープランにおいて、地域生活拠点として、周辺の住環境と調和した地域密着型の商店街整備と居住空間の確保により、地区再生を図る地区と位置づけられております。駅の東側を南北につながる商店街は、人通りもあり活気もあるのですが、わき道に入ると道幅も狭く、老朽木造建物が軒を連ねている地域も見かけます。都市計画マスタープランにもあるように、葛飾区では、京成立石駅周辺を再開発事業により整備するとしております。そこで、京成立石駅周辺の再開発事業について、都はどう認識しているのか、ご所見を伺います。また、この事業は、平成八年の地区再生計画に位置づけられ、平成九年三月には立石駅北口地区再開発研究会が組織され、再開発の勉強を行ってきました。その研究会が、平成十八年度に新たに施設計画案を策定し、権利変換試算を行い、権利者に個別説明を行うなど、積極的に働きかけをしていると聞いております。まちづくりの事業を円滑に進めるためには、地元の機運だけでなく、行政の積極的な関与と支援が必要と考えます。そこで、都は、この事業に対する地元の状況を現在どのように把握しているのか伺います。地元の再開発への機運が高まっているとされる一方で、地元の権利者の中には、再開発事業を急ぎ過ぎるのではないかという不安の声も上がっております。区は、京成押上線の連続立体交差事業にあわせて駅周辺のまちづくりを行うことは、連立の事業効果を高める観点からふさわしい事業の進め方だといっております。確かに京成押上線の連続立体交差事業の早期実現は、平成八年に約十八万人の署名を集めた葛飾区民の悲願であります。しかし、再開発事業は多くの権利者の生活に大きな影響を与えます。地域のさまざまな声にしっかり耳を傾けるのは当然でありますが、都は、京成立石駅周辺の再開発事業に今後どのように取り組んでいくのか、ご所見をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)伊藤まさき議員の一般質問にお答えいたします。中小・ベンチャー企業の育成支援についてでありますが、都内には、ほかに類を見ないすぐれた新製品や新技術を生み出す力を持った中小企業、零細企業が数多く存在しますが、こうした企業が開発した製品や技術は、決して十分には評価されず、日の目を見ないことも少なくございません。こうしたことから、平成十二年度からベンチャー技術大賞を創設しまして、中小企業によるすぐれた新商品、新技術を率先して評価、表彰し、光を当てて、広く情報発信するとともに、販路開拓等の支援を行ってきました。これまで表彰した六十一件は、多くが極めて規模の小さな企業でありまして、この受賞をきっかけに、市場の評価が高まるとともに販路開拓も進み、そのうちの四社が、その後に株式上場を実現するなど、着実に成果を上げてきております。今後とも、中小企業やベンチャー企業のチャレンジを積極的に支援していきたいと思っております。ちなみに、ことしの技術大賞は、たしか社員が五人足らずの企業でありまして、そこで、キンバエの幼虫、ウジですね、これを無菌培養しまして、糖尿病で血行不良を起こして、主に足ですけど、壊死を起こしたその患部にこの虫をつけまして、腐った肉を食べさせて、健全な部分に侵食が進まないようにプロテクトする。成功率も八八%という非常に画期的な、そういう技術が、とにかく五名足らないちっちゃな企業で開発されていることを、やっぱり私たちは大いに評価しなくちゃいけないと思います。他の質問については、教育長及び関係局長から答弁します。〔教育長中村正彦君登壇〕 # 教育長(中村正彦君) 教育長(中村正彦君)学校での動物飼育に関する獣医師との連携に関するご質問にお答え申し上げます。飼育動物の管理の仕方や動物とのかかわり方についての指導を充実するためには、獣医師との連携が非常に重要でございます。都教育委員会では、獣医師を動物飼育に関する研修会の講師として招聘するとともに、動植物を大切にする心を育てる指導資料を作成、配布しまして、その中で、獣医師会等への相談など、関係機関との連携を図った指導を取り上げてきたところでございます。今後とも、飼育動物の管理の仕方など、獣医師と連携しながら区市町村教育委員会や各学校を支援してまいります。〔産業労働局長佐藤広君登壇〕 # 産業労働局長(佐藤広君) 産業労働局長(佐藤広君)中小企業振興に関する二点のご質問にお答えいたします。まず、中小企業の事業承継についてでありますが、中小企業の円滑な事業承継は、東京の中小企業の活性化や産業基盤を維持するためにも重要であると認識しております。都が昨年度実施をいたしました都内中小企業の事業承継に関するアンケート調査では、後継者の候補が決まっていない、候補がいないと回答いたしました企業が合わせて約二七%となっておりまして、事業承継に悩んでいる企業が多いというのが実態であります。このため、都は、現在、研究会を設置いたしまして、事業承継の問題点や事例研究を行うなど、施策の方向性を検討しているところであります。次に、創業支援についてでありますが、東京の経済活性化のためには、高い志と旺盛な意欲を持って創業に挑戦する人々を支援していくことが大変重要であると考えております。このため、都におきましては、創業に必要な知識の習得を支援するセミナーの開催、空き庁舎を活用したインキュベーション施設の整備、創業資金の融資やベンチャーファンドからの出資、また製品開発や販路開拓への支援など、創業に対する各種の支援策を講じてまいりました。今後とも、こうした多角的な支援策によりまして、創業に挑戦する方々を積極的に支援してまいります。〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕 # 福祉保健局長(安藤立美君) 福祉保健局長(安藤立美君)動物行政についてお答えを申し上げます。まず、動物の適正な飼育にかかわる区市町村への支援についてでございますが、これまでも、区市町村が行います飼い主の意識向上を図るための取り組みにつきまして、啓発用パンフレットの提供や、講習会への講師派遣などを通じて支援をしてまいりました。加えて、本年度から、ボランティアと協力して実施いたします飼い主のいない猫対策など、地域における動物の適正飼育の推進を目的といたしました区市町村の事業に対しまして、包括補助事業を活用した支援を開始しております。さらに、今後、都が委嘱しております動物愛護推進員の人材情報や、ボランティア団体を活用した普及啓発の事例などの提供を行いまして、ボランティアと連携した区市町村の取り組みを支援してまいります。次に、動物販売業者による購入者への説明義務の徹底についてであります。動物愛護管理法の改正に伴いまして、平成十八年六月より、動物が生涯にわたって適正に飼育されるよう、販売業者が動物の特徴や飼育上の留意点を購入者に文書で説明することが義務づけられました。都では、動物販売業者に対しまして定期的に立入検査を行う中で、こうした説明文書の内容や説明を行った際の記録などを確認し、必要な指導を行っております。今後は、説明の実施が不十分な販売業者に対しまして重点的に監視を行うとともに、動物取扱責任者を対象とする研修を一層充実するなど、説明義務の徹底を図ってまいります。最後に、動物のネット販売業者に対する指導についてであります。インターネット上での動物の販売につきましては、動物愛護管理法の改正に伴いまして、販売業の登録並びに広告への事業者の名称、事業所所在地、登録番号等の掲載が義務づけられました。都では、こうした販売広告サイトにおきます法定事項の掲載状況を確認し、不適切な広告を行っている事業者に対しましては、改善を指導しております。ネット販売では、事務所と動物の保管場所が異なる場合もありますことから、今後とも、立入検査等を通じまして動物の流通や保管、輸送の状況等の実態把握を進めまして、必要に応じて他の自治体とも連携しながら、業態に合わせた適切な指導を実施してまいります。〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕 # 都市整備局長(只腰憲久君) 都市整備局長(只腰憲久君)京成立石駅周辺地区の再開発事業につきまして、三点の質問にお答えを申し上げます。当地区は、老朽化した住宅や商店が混在する密集市街地を形成しておりまして、防災面などの課題を抱えております。市街地再開発事業の実施によりまして商業の活性化を図るとともに、交通広場などの基盤整備を進め、災害に強い良好な住宅市街地の整備を促進すべきであると考えております。次に、地元の状況でございますが、ご指摘にもありましたように、本地区では再開発に関する勉強会等が組織されておりまして、中でも北口の地区におきましては、近く準備組合を設立すると聞いております。今後、事業化に向けまして、地元区が主体となって関係住民へ十分な説明を行うことなどによりまして、より多くの権利者の理解が得られ、再開発事業の促進が図られるものと考えております。最後に、都としての取り組みでございますが、お話のように京成立石駅付近では、京成押上線の連続立体交差事業が進められております。これにあわせまして再開発事業を施行することによりまして、地域全体の交通利便性が向上するなど、相乗的な効果が期待できるものでございます。都といたしましては、この機会をとらえ、地元の状況などを踏まえながら、再開発事業の実現に向けて、区の取り組みを支援してまいります。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)十七番大松成君。〔十七番大松成君登壇〕 # 十七番(大松成君) 十七番(大松成君)まず、知事の所見を伺います。フランスの文化大臣であったアンドレ・マルロー氏は、文明の中心は、かつてエーゲ海から地中海に移った、さらに地中海から大西洋に移ってきた、次はきっと大西洋から太平洋に移っていくだろうと語っています。環太平洋地域は、世界の人口の約六〇%が集中する地域であり、自然、文化、民族において豊かな多様性に富み、新しい文明の揺籃ともいわれています。こうした未来を展望したときに、環太平洋、特にアジアの中核大都市として、国を越えて世界じゅうの人々が往来する東京の果たす役割が大きいことはいうまでもありません。そこでまず、石原知事のアジアに対する認識と東京の果たす役割について所見を伺います。アジア・環太平洋地域でともに軒を並べ、日本に最も近い国が韓国です。先月、私も日韓友好議員連盟でソウル特別市議会を訪問しました。今回の訪問で、日本にとって韓国は、長い歴史の中で多大な文化的恩恵を受けた文化大恩の国であると、改めて実感してまいりました。韓国には、行く言葉が美しくして、来る言葉が美しいという格言があります。友情が響き合うような、日韓友好のさらなる拡大を望むものであります。この日韓のかけ橋として、自国のアイデンティティーを堅持しながら、三代、四代にわたって日本で生き抜かれ、国境を越えた世界市民の模範として努力されているのが、在日韓国人の人たちです。私は、こうした在日外国人の人たちとより成熟した共生社会を目指していくべきと考えます。そこで、課題の一つが在日外国人の無年金問題です。一九八二年と八六年の年金改正で国籍条項も撤廃され、在日外国人の年金加入は進みましたが、八十六年当時、六十歳以上の高齢者、また八二年当時、二十歳以上で障害を持っておられた方々が、改正の際の経過措置が不十分だったため、制度のはざまで、今なお無年金のままになっています。一昨年、無年金の学生や主婦らが救済されたときも、在日外国人は対象になりませんでした。そもそも年金は国の問題です。都議会は、昨年三月、国に救済策を求める意見書を議決しましたが、国の動きは緩慢です。そこでまず、無年金問題の早期解決を目指し、都としても国に救済策を求めていくべきです。所見を伺います。救済されるべき人たちの多くは、既に八十歳を超え、時間的に余裕はありません。神奈川、愛知、京都、大阪、兵庫など主要都市部では、多くの自治体が国にかわって救済措置を行い、都内では四区五市が実施しています。都としても、救済策を講じるべきです。速やかな対応を求めます。次に、教育問題について伺います。都教委では、ベテラン教員の大量退職、新人教員の大量採用時代を迎え、学校全体の教育力をどう向上させるのかが目下の最重要課題です。都教委は、教職経験者の再任用の拡大、他県の中堅教員の一時採用など懸命な努力を行っていますが、さらなる施策の展開が必要です。そこで、これまでの取り組みに加え、産休、育休代替教員の年齢制限を緩和し、教育力向上に資するよう提案します。現在、産休、育休代替教員は、年齢制限が六十歳のため、臨時的任用教員の名簿に登載されず、再任用もありません。このため、もう少し働いてほしいと期待されながら、その道が閉ざされることが多々あります。今後、新人教員がふえれば、産休、育休をとる教員がふえることも予想され、代替教員はますます重要になります。産休、育休代替教員が六十歳を超えても活躍できるよう、名簿登載の年齢制限を引き上げるべきです。所見を伺います。次に、教職大学院について伺います。現場での実践と理論の往復作業の中で、より力のある教員の養成を目指す教職大学院が来年度からスタートします。都教委は、都内五大学院と連携し、教育実習生を受け入れる連携協力校を提供し、都採用を希望する学生を特例選考するという、全国に先駆けた取り組みを進めています。大学は、本来、普遍的な立場に立ち、広く社会に有為な人材を送り出すことが使命です。一方、都教委は、都民の期待にこたえる教員の採用、研修が責務であり、この両者の調和が教職大学院の成否を決するかぎとなります。教職大学院には、他府県での教職を希望する学生や、志望先を決めていない学生も学びます。そうした学生も、都内の連携協力校で教育実習が受けられるようにすべきであります。所見を求めます。また、最終的に都採用を希望すれば、都の特例選考も受けられるようにするべきです。強く要望しておきます。都教委がこうした開放性を持てば、他府県にも同様の対応を促し、全国の教職大学院から都採用希望者をより多く糾合できるようになります。また、何よりも大切なことは、各大学院にその教育力を存分に発揮していただくことであります。教員の養成は、大学が、それぞれの歴史や伝統に裏づけられた教育方針に基づいて行うもので、教職大学院においても、学生の評価基準の作成、評価、単位認定は各大学院の権限であり、各大学院が実施する教育実習や共通カリキュラムについても同様です。都内の教職大学院が、学問の自由のもと、新しい時代を開く優秀な人材を養成できる連携協力のモデルを全国に示していけるよう、都教委の取り組みを強く求めます。また、教職大学院では、教育実習に重点が置かれます。この取り組みが、今後、学部における教育実習にも生かされるべきであります。所見を伺います。次に、災害対策について伺います。死者、行方不明者が最も多く発生する自然災害が土砂災害であり、国の統計では、災害全体の四五%を占めます。しかも、近年の気象変化による集中豪雨の増加や、山間地にまで及ぶ宅地開発によって、土砂災害の危険箇所がふえています。先月、北区の京浜東北線沿線、八王子市、日の出町などで、危険が指摘される箇所を視察しました。高いがけの上や下に家屋が建ち並ぶ実態を見て、早急な対策の必要性を実感しました。しかし、危険な地域は都内に約八千カ所あるといわれ、土木工事によるハード対策には膨大な時間と費用がかかります。このため、まず、危険な地域を住民に明らかにし、警戒避難体制の整備や、新規の住宅建設を抑制するソフト対策を並行して進めなければなりません。その対策の第一歩になるのが、土砂災害防止法による警戒区域の指定です。警戒区域の指定について、現在の状況と今後の取り組みを伺います。ソフト対策では、避難勧告や避難指示を出す区市町村が、的確かつ迅速な判断ができなければなりません。都は、区市町村に十分な情報を速やかに提供し、確実に情報が住民に伝わる体制を整えるべきです。取り組み状況を伺います。また、住民が避難する安全な避難所の確保が不可欠です。避難所が危険箇所にあれば移転させる。移転が困難であれば、周辺の土砂災害防止工事を行わなければなりません。都の方針を伺います。今回の中越沖地震では、がけ崩れが多数発生しました。私も柏崎市内を訪問し、がけ上の家のぎりぎりまで地盤が崩れた現場を見て、土砂災害の恐ろしさを実感しました。ところが、現在の土砂災害防止対策は集中豪雨対策であり、必ずしも地震対策としての取り組みではありません。地震で亀裂ができたところに集中豪雨が重なればどうなるのか。豪雨で地下水位が上がったところに地震が来ればどうなるのか。今後、地震による被害を想定した警報発令、土砂災害防止工事のあり方を検討していくべきと考えます。このことを強く要望をしておきます。最後に、消費者問題について伺います。現在、深刻さを増しているのが多重債務問題です。二〇〇三年度以降、都内の消費者生活相談件数は年々ふえ、フリーローンやサラ金に関する相談が九割近くを占めています。昨今、ヤミ金撲滅への取り締まり強化など、貸す側に対する対策は進んでいますが、今後求められるのは、相談や救済など、借りる側への対策の充実です。都議会公明党の主張を受けて、都は、多重債務者へのセーフティー資金貸し付けなどの救済策を打ち出しましたが、残念ながら、まだ実施されていません。多重債務を抱える人たちから、いつ始まるのかという声が相次いでおります。都は一刻も早く実施すべきです。所見を伺います。多重債務の問題の場合、多くの方が一人で悩まれ、どこに相談していいかわからないまま事態を悪化させ、自殺という最悪の事態を招くこともありますさまざまな行政窓口で救済すべき住民の把握に努め、消費生活総合センターの相談窓口に多重債務問題の専用窓口をつくるなど、サービスを拡充すべきです。所見を伺います。また、相談を受けたい消費者からは、同センターの相談業務を平日十六時以降も実施し、また、土日、休日も行ってほしいという強い要望があります。実施に向けて取り組むよう要望いたします。このほど、消費者被害の拡大を食いとめるため、政府認定の消費者団体が、被害者にかわって事業者の不当行為に対する差しとめ請求など法的措置をとれる消費者団体訴訟制度が始まりました。こうした団体の活動は、行政を補完するもので、大変重要です。都は、団体への積極的な支援を行うべきであります。所見を伺い、質問を終わります。(拍手)〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)大松成議員の一般質問にお答えいたします。アジアに対する認識と東京が果たすべき役割についてでありますが、アジアは世界人口の約六割を占めて、経済規模においても米国やEU連合にほぼ匹敵するなど、世界の一つの大きな極を形成しつつあります。発展途上圏においては最もポテンシャルの高い地域だと認識しております。今後、アジアが一層発展し、国際社会の中で重要な役割を担うためには、アジアの頭脳部、心臓部である大都市が、その持てる高度の情報を交流させて、産業の振興や都市問題の解決を図っていくことが必要であると思っております。これまでも、東京が主唱してでき上がりましたアジア大都市ネットワークにおいて、産業・文化振興、人材の育成、あるいは災害対策など、幅の広い分野でアジアの都市が協力して実績を重ね、成果を上げてまいりました。中でも、中小型の旅客機の開発促進は、アジアの持てる力の協力の象徴でありまして、経済発展に及ぼす効果ははかり知れないと思います。我が国においても、国産旅客機開発のプロジェクトがようやく事業化を目前としておりまして、これなども媒体にして、日本とアジアが協力、共同開発を目指す、アジア旅客機の実現に向けた大きな一歩となることが期待されます。かつて日本がつくりました国産機でありますYS11が結局挫折しましたのは、アメリカが日本の航空産業の台頭を嫌いまして、アジアにおける販路を、主にロッキードの要するに幹部が出向いてつぶして、同時に、同じ試みを持っておりましたインドネシアの航空産業もつぶされたわけでありますけれども、そういった苦い歴史というものを振り返ってみますと、やはりアジアが技術協力して一つのプロジェクトを達成することが販路の確保にもなるわけでありまして、私は、これからもこういうケースは多々出てくると思います。今後も、アジア大都市ネットワークの活動などを通じ、東京がアジアの発展の中で重要な役割を果たしていきたいと思っております。他の質問については、教育長及び関係局長から答弁いたします。〔教育長中村正彦君登壇〕 # 教育長(中村正彦君) 教育長(中村正彦君)三点についてお答え申し上げます。まず、産休、育休代替教員についてであります。団塊の世代の大量退職時期を迎えまして、若手教員の採用が増加していることに伴いまして、産休、育休代替教員の任用も増加傾向にありまして、今後ともその確保は重要な課題と認識しております。これまでも、産休、育休代替教員採用候補者選考のほか、各区市町村教育委員会等の申請に基づきまして、適任と認められる者につきましては、名簿登載者でなくても任用を認めます特別認定制度の活用などに努めてきたところでございます。お話の年齢制限の緩和につきましては、候補者の確保及びベテラン教員の経験の活用という点で有効な策と考えられ、勤務条件等に関して正規教員の再任用制度との均衡にも留意しながら、今後検討をしてまいります。次に、教職大学院の連携協力校への受け入れについてでございます。都教育委員会は、すぐれた新人教員の養成、確保とスクールリーダーとして活躍できる現職教員を育成するため、五つの大学と連携いたしまして、教職大学院を活用する準備を進めております。教職大学院におきます新人教員の育成では、より実践的指導力を育成するために、学校における実習が極めて重視されております。都教育委員会では、連携する教職大学院で学ぶすべての学生が実習を行えるよう、連携協力校を確保し、提供してまいります。次に、教職大学院の教育実習の成果の活用についてでありますが、学部の教育実習につきましては、大学の関与が弱く、指導の大部分を実習校にゆだねている場合が多いなどの課題が従前から指摘されております。教職大学院では、小中学校での教職経験を有する大学教員等が実習校を訪問し、当該の学校と連携して組織的、計画的に指導する仕組みづくりがつくられることとなっております。学部段階の学習の課題解決に資することも期待されております。都教育委員会では、教員養成等に関する大学と都教育委員会との連携推進協議会を設置しておりまして、教職大学院での成果を他の大学にも伝えるなどして、学部段階の教育実習の改善充実が図れるよう努めてまいります。〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕 # 福祉保健局長(安藤立美君) 福祉保健局長(安藤立美君)まず、在日外国人の年金についてでございます。公的年金制度は国全体の制度でありまして、お話のとおり、救済措置を受けられない方への対応については、一義的に国が対応すべきものでございます。したがって、このような年金制度の発展過程で生じた無年金者への対応は、今後の発生防止も含め、年金制度を初めとする社会保障制度全体の中で国が責任を持って対処すべきと考えております。これまでも都は、大都市民生主管局長会議などを通じて、国に対し、在日外国人の制度的無年金障害者や老齢無年金者について早急な救済措置を講じるよう要望しており、今後とも機会をとらえて国へ働きかけてまいります。次に、多重債務対策のうち、多重債務者に対する資金の貸付事業についてお答えを申し上げます。この事業は、債務状況の把握、債務整理方法の提案などとともに、必要に応じて債務整理資金等の貸し付けを行うことによりまして、多重債務者の生活再生を目指すものでございます。現在、実施主体となる東京都社会福祉協議会を初めとする関係機関と連携しながら、円滑な実施に向けた準備を進めております。事業の実施に当たりましては、多重債務相談や貸し付けに関してノウハウのある民間事業者を活用することとしておりまして、十月初旬に事業者の公募を行い、十一月に決定した上で、年内には事業を開始する予定でございます。〔建設局長道家孝行君登壇〕 # 建設局長(道家孝行君) 建設局長(道家孝行君)土砂災害対策についての三点のご質問にお答えいたします。まず、土砂災害警戒区域の指定についてでありますが、都内には土砂災害のおそれのある箇所が、お話のとおり、約八千カ所あると推定しております。こうした箇所については、人的被害を防止するために、避難体制の確立に向けた警戒区域の指定が必要であります。都はこれまで、順次警戒区域の指定を進めており、平成十八年度末までに、青梅市や奥多摩町において約三百六十カ所を指定してまいりました。十九年度は、区域をあきる野市まで拡大し、地元自治体とともに住民説明会を開催し、地元の理解と協力を得て、約三百カ所を指定してまいります。今後、区域指定のスピードアップを図り、残る約七千三百カ所について、二十六年度末までの指定完了を目指し、全力を挙げて取り組んでまいります。次に、土砂災害に関する情報の提供などについてでありますが、都は、台風や集中豪雨の際に、気象庁と連携し、累積降雨量と二時間先の予測雨量により、都内全域で五キロメートル四方のブロックごとに、土砂災害発生の危険性を予測しております。これらの予測結果については、今後、土砂災害警戒情報として、危険性の高まった区市町村に情報提供するとともに、報道機関に発表し、広く周知してまいります。区市町村は、この土砂災害警戒情報等をもとに、土砂災害警戒区域などに居住する住民の方々に、避難勧告や避難指示を発令することとなります。都では、こうした情報提供のシステムについて、平成十八年度から関係区市町村とともに訓練を繰り返し実施しており、その実績を踏まえて、十九年度末から本格的に運用してまいります。次に、避難所周辺のがけ崩れ防止対策についてでありますが、土砂災害から都民の生命を守るためには、地元自治体と連携を図りながら、住民が安心して避難できる避難所の安全対策を推進していく必要があります。このうち急傾斜地などの土砂災害危険箇所にありながら、移転が困難な避難所については、地元自治体との調整を図り、現地の地形や地質などの調査を行い、緊急度の高い箇所から、順次周辺の防災工事を実施してまいります。今後とも、警戒区域の指定などの対策を進めるとともに、避難所の安全対策を推進し、都民の安全確保に努めてまいります。〔生活文化スポーツ局長渡辺日佐夫君登壇〕 # 生活文化スポーツ局長(渡辺日佐夫君) 生活文化スポーツ局長(渡辺日佐夫君)消費者問題についての二点の質問にお答えいたします。まず、多重債務に関する相談窓口についてでございますが、相談に当たりましては、多重債務に陥った事情を丁寧に聞き取り、考えられる解決方法を検討、助言し、必要に応じて弁護士会や司法書士会など専門機関に確実に紹介、誘導していくことが大切でございます。そのためには、都の消費生活総合センターの相談体制を強化するとともに、住民にとって最も身近な区市町村における相談が充実されるよう、区市町村に対する情報提供や相談員の研修を積極的に行っていくことも重要でございます。今後、行政と民間団体が連携して多重債務問題に取り組むため、本年八月に設置した東京都多重債務問題対策協議会において議論を重ね、適切な相談体制づくりを進めてまいります。次に、消費者契約法に基づき内閣総理大臣から認定された適格消費者団体への支援についてでありますが、都は、本年八月に、消費者団体訴訟制度連絡会を設置し、消費者団体訴訟制度が効果的に機能するための環境整備に向けて、適格消費者団体や区市町村の代表等と意見交換や協議を行っております。さらに、適格消費者団体が差しとめ請求権を行使するに当たって必要となる消費生活相談情報については、都のみならず区市町村の相談情報も含めて提供できるよう、現在、規程の整備や、適格消費者団体との覚書の締結を進めているところでございます。今後とも、適格消費者団体が期待される役割を十分に果たすことができるよう、積極的に支援してまいります。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。午後五時二十分休憩午後五時四十五分開議 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)休憩前に引き続き会議を開きます。質問を続行いたします。四十六番山田忠昭君。〔四十六番山田忠昭君登壇〕 # 四十六番(山田忠昭君) 四十六番(山田忠昭君)昨今、フリーター、ニートなど、将来への希望や見通しを持てないまま日々の生活を送る若者の問題が重大な社会問題となっております。先日、厚生労働省が実施した実態調査においても、住居がなく、ネットカフェや漫画喫茶などに寝泊まりする、いわゆるネットカフェ難民が、全国で約五千四百人に上り、そのうち二六・五%が二十代の若者であるという実態が明らかになりました。このように、就労しながらも生活設計が立てられない若者への支援については、早急に対策を講じていくべきですが、それとあわせ、ひきこもりやニートなど、就労、就学まで至らない若者への対応も喫緊の課題であります。特に、ひきこもりは、全国で三十二万人から百六十万人との推計もありますが、実態の把握が困難であり、要因等の解明も進んでいないため、有効な対策が講じられておりません。実際にひきこもりを抱えている家庭では、医療機関などに連れていこうとしても本人が応じなかったり、ひきこもりの長期化を心配しても有効な手だてがなく途方に暮れたりするなど、家庭内では解決が難しい深刻な状況があります。こうした若者をめぐる問題は、これまで行政が余り対策を講じてこなかった分野でありますが、このような状況を放置することは、若者の自立や社会参加をおくらせるばかりではなく、社会的負担の増大など、将来の社会経済にも深刻な影響を与えるおそれがあり、早急に対応すべき課題であります。そこで都は、ひきこもりなど若者の問題をどのように認識し、どのような対策を講じてきたのか、伺います。また、こうした問題の抜本的解決には、単なる対症療法にとどまることなく、これまで把握が困難とされ、ほとんど手つかずの状態である、ひきこもりの実態や要因等を少しでも明らかにするよう努め、さらに、それらを踏まえ、有効な対策を講じていくことが重要であると考えます。都は、ひきこもりの問題解決に向け、今後どのように取り組むのか、お伺いをいたします。家庭に引きこもっている若者を、家庭の外で自立的な活動を行うことができるよう支援していく一方、屋外においても子どもが安心して遊び、活動できる環境の確保も依然として重要な問題であります。東京の治安は、行政や警察が強力に治安対策を講じたことに加え、町内会を中心とした防犯活動の活性化など、地域の防犯能力が向上したことにより回復傾向にあります。しかし、この七月に宮城県で小学生が登校時に校門で刺されるという事件が起きました。いつ自分の子どもが犯罪に巻き込まれるかわからないという不安を抱いている親は多いと思われます。次世代を担う子どもたちを卑劣な犯罪から守らなければなりません。都は、これまでも警察や区市町村などと連携して、子どもの安全を確保するためにさまざまな施策を実施しておりますが、子どもの安全をより確かなものとするために、取り組みをさらに推進していくべきと考えます。そこで、子どもの安全確保について、知事の決意をお伺いをいたします。次に、東京型物納システムについてお伺いいたします。先ごろ平成十八年度の都税収入の決算状況が発表されました。主税局のさまざまな徴収努力の取り組みが、都政を支える都税の確保、徴収率の向上に寄与したものと考えます。しかしながら、高齢化社会を迎え、資産はあるが納税資金に余裕がないという納税者もふえております。このような納税者の皆さんにとって、簡単に財産を売却し、現金化できるシステムがあれば大変便利であり、大いに助かるものであります。都では、新たな納税資金確保策として、東京型物納システムの導入を検討していると聞いておりますが、このシステムの意義と現在の検討状況についてお伺いをいたします。次に、まちづくりについてお伺いいたします。まず初めに、東大農場と共存したまちづくりについてお尋ねをいたします。東大農場は、西東京市内の中心に位置し、東京ドーム五個分、二十二ヘクタールもの広大な緑の空間であり、多くの市民に親しまれる憩いの場所となっております。この東大農場の緑を核として、道路整備とあわせて歩道に配置する街路樹や、民間により創出されるさまざまな緑が一体となって、緑のネットワークに広がりと厚みを加えていくことにより、ヒートアイランド対策や二酸化炭素の削減にも大きく寄与するものと考えられます。東京大学は、これまで千葉県の検見川キャンパスに農場を移転する計画を持っていましたが、先月、その移転を見直し、神奈川県の果樹園や千葉県にある緑地植物実験所などを現在の東大農場に移転、集約をし、新たな大学の科学の拠点として整備するとの新聞報道がなされました。地元は、これまで、農場の移転により、緑が失われるのではないかという危機感を持っていただけに、ほっとしているところであります。今後は、文部科学大臣の承認が得られた段階で、正式な決定になるとのことでありますが、農場の再編整備には、農場の一部を売却をし、財源を捻出する必要があるとも聞いております。一方、農場の中には、北原交差点等、周辺の渋滞緩和対策に大きく寄与する都市計画道路西東京三・四・九号線が計画をされており、第三次事業化計画の都施行予定の優先整備路線に位置づけられております。大学は、単に農場内部だけに着目したキャンパス再編整備計画を立案するのではなく、周辺市街地のまちづくりや、農場内を横断する西東京三・四・九号線の早期整備に配慮した計画づくりを行い、周辺を含め広く都市環境を向上させるために協力すべきと考えるものであります。現在、市がまちづくりについて検討しているとのことでございますが、今後は、都が広域的な観点からかかわりを持つことが必要になってくると考えられます。そこで、都は、東京大学の方針の見直しを契機に、農場と共存したまちづくりについてどのように対応していくのか、お伺いをいたします。次に、調布保谷線についてお伺いをいたします。現在、都は、三環状道路の整備や区部環状、多摩南北方向の道路整備を重点的に推進しており、東京の最大の弱点である渋滞解消と、それに伴う環境改善のためにも、一日も早い幹線道路ネットワークの構築が待たれております。多摩地域における南北道路の一つであります調布保谷線は、西東京市から稲城市までの区間で、青梅街道、東八道路、甲州街道等の東西方向の幹線道路と接続をし、この地域のアクセス向上に寄与する道路であり、早期完成が強く望まれているところでございます。特に西東京市は、都心方向へのアクセスに比べ、武蔵野市、三鷹市、調布市などの南北方向の移動に多くの時間を要しておりまして、これらを結ぶ交通アクセスの改善に寄与する調布保谷線に地元は大きな期待を寄せております。そこで、調布保谷線全線の整備状況についてお伺いをいたします。また、西東京市内におきましても、用地買収が大きく進み、本格的な工事に移行する時期だと思いますが、西東京市内の進捗状況につきましてもお伺いをいたします。次に、石神井川、東伏見公園の整備と水と緑のネットワークについてお伺いをいたします。東伏見公園が計画されております西東京市は、多摩地域の中でも一人当たりの公園面積が少ない地域であり、快適で安全なまちづくりを進める上で、公園の確保は重要な課題であります。また、水と緑のネットワークを形成する上で、東伏見地区におきます緑の拠点として、東伏見公園の果たす役割は大きいものと考えます。そこで、東伏見公園をどのような公園にしていくのか、整備計画の内容についてお尋ねをいたします。東伏見公園につきましては、かねてより、地元市や市議会からも、その早期実現を求める要望が出されておりました。公園の計画地を歩いてみますと、用地買収も進み、空き地が目立つようになってまいりました。また、先般、地元におきまして、東伏見公園の事業認可説明会があったとも聞いております。そこで、東伏見公園におきます事業の進捗状況についてお尋ねをいたします。次に、石神井川の整備についてお伺いいたします。去る九月六日から七日にかけて東京に上陸いたしました台風九号は、全国各地で甚大な被害をもたらし、日本を縦断いたしました。東京におきましても、多摩西部で観測史上まれに見る大雨を降らせ、檜原村の数馬では、総雨量六〇〇ミリを超える降雨を観測しました。石神井川流域でも総雨量一六九ミリという大きな雨でありましたけれども、幸いにも時間最大が二七ミリにとどまったことなどから、大きな被害は発生しませんでした。しかし、台風のコースや雨の降り方が違っていれば、石神井川沿川でも大きな被害が発生していた可能性があります。こうしたことからも、一日も早く河川整備を進め、洪水から都民の命と暮らしを守っていくことが大事だと考えます。特に石神井川では、下流部の区部から整備が進められており、上流部に位置する西東京市内の整備が完了するまでには、まだかなりの時間がかかると考えられております。そこで、石神井川の現在の整備状況と今後の見通しについて伺います。さて、東伏見地区では、石神井川の整備とともに、さきに述べました東伏見公園や調布保谷線の整備が一体となって進められております。河川の整備におきましては、治水対策が第一でありますが、豊かな都市景観の形成を図るため、水と緑のネットワークを目指した整備を進める必要があると考えます。そこで、こうした観点から石神井川の整備を今後どのように進めていくのか、お伺いし、質問を終わります。(拍手)〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)山田忠昭議員の一般質問にお答えいたします。子どもの安全確保についてでありますが、都内では最近、子どもが被害者となるさまざまな事件が増加するなど、子どもを取り巻く環境は引き続き憂慮すべき状況にあると思います。次代を担う子どもたちは、東京の、国の宝でありまして、社会全体で守る必要が絶対にございます。幼稚園に行っているような、あるいは保育園に行っているような子どもは、幼過ぎて、お母さん方がよく自転車に乗っけて、ママチャリで通園、退園させているのを見ますが、その少し上の小学校に通うような子どもになりますと、子どもの人格に任せて、一人で登校、下校というケースが多いようですけれども、いずれにしろ、そういった子どもたちも含めて、都は、子どもが自分を守る能力を高める、その地域安全マップづくりや青色防犯パトロール車の倍増など、地域の防犯力を高めて、子どもたちを守る取り組みを現在推進しております。今後とも、行政、警察、学校、地域住民の総力を結集して、子どもたちを卑劣な犯罪から守っていくつもりでございます。他の質問については、関係局長から答弁いたします。〔青少年・治安対策本部長久我英一君登壇〕 # 青少年・治安対策本部長(久我英一君) 青少年・治安対策本部長(久我英一君)ひきこもりなどの若者の問題についてでございますが、近年、社会とうまく関係が築けず、非社会的な行動をとる若者への対応が大きな課題となっております。とりわけ、ひきこもりは、長期化するほど回復にも時間を要するといわれており、早期の対応が重要であると考えております。都はこれまでも、ひきこもりの本人や家族などへの支援の一環として、インターネットによるメール相談を行ってまいりましたが、これに加え、本年七月から電話相談も開始するなど、相談機能の拡充を図ったところであります。また、精神保健福祉センター、教育相談センターなど、ひきこもりに係る相談機関により構成する連絡調整会議において、相談現場の実務的な連携強化を図っております。次に、ひきこもりの問題解決に向けての今後の取り組みについてでございます。ひきこもりの状況にある人は、長期にわたって社会参加していないことから、実態の把握が難しく、これまで、この問題の解決に必要なデータ等が十分に得られていない状況であります。このため、都では、研究機関や相談機関などの関係機関と連携しながら、ひきこもりの実態調査を開始したところであり、今年度末を目途に、人数の推計や要因分析等を行ってまいります。さらに、実際にひきこもり支援を行っているNPO法人の取り組みを調査し、それらの結果を踏まえ、効果的な支援プログラムを開発するなど、今後、必要な対策を講じてまいります。〔主税局長熊野順祥君登壇〕 # 主税局長(熊野順祥君) 主税局長(熊野順祥君)東京型物納システムについてお答え申し上げます。このシステムは、インターネットオークションを活用いたしまして、納税者の持つ資産を資金化することにより、納期内納税を推進するものでございます。滞納発生の未然防止に大きく寄与するものと考えてございます。現在、事業の実施主体となります東京納税貯蓄組合総連合会と、出品に関する利用規約等の作成、システム構築など、実施に向けた準備を着々と進めております。十一月には出品物の募集を開始いたしまして、来年一月下旬に最初のオークションを開催する予定でございます。〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕 # 都市整備局長(只腰憲久君) 都市整備局長(只腰憲久君)東大農場と共存したまちづくりについてでございますが、東京大学は、今お話にもございましたように、これまで西東京市にある多摩農場を千葉県の検見川キャンパスへ移転するとしていた計画を見直しまして、現在の場所に、神奈川県の二宮にあります果樹園などの機能も集約して再編整備する旨、公表いたしました。こうした動きを受けまして、今後、農場の緑を生かした地域のまちづくりの促進や、農場内を東西に横断します、ご指摘ありました都市計画道路西東京三・四・九号線の整備などにつきまして、関係者間で調整を図っていく必要がございます。地元市では、このための協議の場を設置したいとしておりますので、都といたしましても、広域的観点から必要な協力を行ってまいります。〔建設局長道家孝行君登壇〕 # 建設局長(道家孝行君) 建設局長(道家孝行君)道路、公園、河川についての六点のご質問にお答えいたします。まず、調布保谷線全線の整備状況についてでありますが、本路線は、交通の円滑化、多摩の自立性の向上、地域の活性化に不可欠な骨格幹線道路であります。川崎街道から埼玉県境に至る延長十四・二キロメートルのうち、五キロメートルが完成または概成しております。残る九・二キロメートルについて、調布三鷹区間、三鷹武蔵野区間、西東京区間の三区間で、沿道環境に配慮するため、車道の両側に歩道や街路樹などの植樹帯で構成される幅十メートルの環境施設帯を設けた道路整備を進めております。昨年度末までに七六%の用地を取得し、調布三鷹区間から順次工事を進めております。東八道路の南側八百七十メートルの区間では、環境施設帯が完成し、供用をしております。次に、西東京区間の進捗状況についてでありますが、延長三・九キロメートルのうち、用地については昨年度末で八八%を取得しております。工事については、平成十八年度から石神井川にかかる東伏見橋下部工事を進めており、引き続き今年度内に上部工事に着手いたします。また、鉄道との立体交差部につきましては、今年度内に西武新宿線でトンネル工事に着手し、西武池袋線においても、平成二十年度に予定しているトンネル工事着手に向け、搬入路工事を進めてまいります。今後とも、地元の理解と協力を得ながら、多摩地域の発展に寄与する調布保谷線の早期完成に向け、積極的に整備を進めてまいります。次に、東伏見公園の整備計画についてでありますが、東伏見公園は、西東京市の南東部に位置する十三・七ヘクタールの都市計画公園であります。公園の整備においては、計画地を南北に貫く調布保谷線及び南側を流れる石神井川の整備と相互に連携させ、道路、公園、河川事業の相乗効果を高めることで、水と緑にあふれた魅力的な都市空間を整備してまいります。具体的には、調布保谷線のトンネル上部に、道路の歩道機能も備えた安全で快適な園路などを整備し、歩行者や自転車利用者のアクセス向上を図ってまいります。また、石神井川に沿って、人々が多様な生物や水と触れ合えるように、親水広場を整備いたします。さらに、南東部に隣接している東伏見稲荷の森一・三ヘクタールと公園の樹林を連続させることで、緑豊かで潤いのある空間を創出してまいります。今後とも、こうした総合的な取り組みにより、北多摩地域における水と緑のネットワークの拠点となる公園を目指してまいります。次に、東伏見公園の事業の進捗状況についてでありますが、平成八年度に計画区域内の都営住宅跡地約一・九ヘクタールを取得し、現在、千駄山広場として西東京市が暫定利用をしております。平成十三年度から、調布保谷線の計画地と重なる二ヘクタールについて用地取得を進め、現在、約一・七ヘクタールの用地を確保しております。今年度は、調布保谷線のトンネル上部について、園地整備の基本設計を実施してまいります。また、公園の東側部分の一・九ヘクタールの区域について、年内に事業認可を取得し、用地取得をさらに進めてまいります。今後とも、早期開園に向け、東伏見公園の整備に積極的に取り組んでまいります。次に、石神井川の整備についてでありますが、都は、中小河川の整備に当たり、過去に水害をもたらしたものと同規模の降雨による溢水の九割を今後十年間で解消することを目標に事業を進めております。このうち石神井川では、平成十八年度末で、延長二十四・五キロメートルのうち十六キロメートルの護岸整備が完了しており、これに向台調節池などの貯留効果を加えた治水安全度は八四%となっております。現在、練馬区の山下橋から扇橋まで、西東京市の溜渕橋から弥生橋まで、及び東伏見橋付近の三区間、合わせて二・八キロメートルで事業を進めております。今後とも、昨日事業認可を取得いたしました西東京市の弥生橋上流から東伏見橋下流までの区間を整備するなど、石神井川の治水安全度向上に積極的に取り組んでまいります。最後に、石神井川における水と緑のネットワークを目指した整備についてでありますが、石神井川については、治水機能を確保しつつ、あわせて景観や環境に配慮した整備を進めております。とりわけ西東京市区間においては、川沿いの豊かな自然を生かし、東伏見石神井川緑地などとの一体的な整備による親水化や、魚や昆虫、水鳥などにも優しい多自然川づくりに取り組んでおります。今回、東伏見橋下流付近を新たに事業化することで、練馬区の武蔵関公園から東伏見公園までの連続した区間を石神井川沿いの緑豊かな遊歩道で結ぶことにより、水と緑のネットワークを実現してまいります。今後とも、道路や公園の事業とも連携し、安全で都民に親しまれる石神井川の整備に努めてまいります。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)九十九番花輪ともふみ君。〔九十九番花輪ともふみ君登壇〕 # 九十九番(花輪ともふみ君) 九十九番(花輪ともふみ君)まず、都営大江戸線の安全対策と混雑対策について伺います。ここ数年、大江戸線の乗客数の伸びは好調に推移しており、平成十八年度は対前年度比で五・七%増、十九年度に入っても順調に伸びています。先日、朝のラッシュ時間帯に勝どき駅を視察させていただきました。この駅一帯は近年再開発が進み、オフィスビルやマンションなどがふえたため、大変混雑をしている駅であり、今後も一層混雑が予想される駅でもあります。午前八時台にこの駅に到着する電車は三十二本です。内回り、外回り、ほぼ同時に到着する場合も多く、満員の電車から多くの人々がおり、狭い階段やエスカレーターに向かう行列がホームに延び、その行列がなくならないうちに次の電車が来るというような状況で、ホームから地上出口までまさに人があふれている、そんな状況でした。ほかにも、六本木や青山一丁目などにおいてラッシュ時の混雑が著しくなってきており、対策が急がれる状況に至っております。もともと車両もホームもコンパクトな大江戸線ですが、現在、交通局では、どのホームがどのくらい混雑しているのかというホームの混雑状況を把握するための指標を持ち合わせていないようでしたので、私の方で参考までに、都営地下鉄全線の各駅の一日当たりの利用人数をホームの面積で割り、ホーム一平方メートル当たりの一日の利用人数を計算してみました。その割り算の結果、大江戸線の新宿駅ホームは一平方メートル当たり一日百三人、大門八十五人、練馬七十五人と大江戸線の駅がベストスリーに並び、勝どきが六十五人で五位に入りました。大江戸線は他の線に比べ込んでいるホームが多いということがわかりました。さらに、大江戸線は、車掌さんのいないワンマン運転です。同じワンマン運転の都営三田線や東京メトロ南北線は、安全対策としてホームドアが設置されています。このようなことから、視覚障害者の皆さんはもとより、利用者の利便性、安全性の向上や不慮の事故の防止の観点で、大江戸線へのホームドア設置を提案させていただこうと考えておりましたところ、昨日の自民党さんの代表質問への答弁で、早急にホームさくの整備計画を策定との表明がありました。歓迎いたします。ぜひ早急な整備を求めます。さらに、先日の視察のとき、何人かの利用者や駅員の方にお話を伺うことができました。ホームさくに関しては、皆さん歓迎されていましたが、出口や階段、エスカレーターの規模が利用者増に追いついておらず、ラッシュ時は、電車をおりてから地上出口に行くまで時間がかかり過ぎる、何とかしてほしいとの声や、電車そのものの車内混雑も著しくなってきているという声もたくさんありました。以上のことから、今後、ホームさくの整備計画策定にあわせ、混雑対策の視点も持って、輸送力の増強や利用者の流れの調査及び改善などを進めていくべきと考えますが、今後の方針について伺います。ホームさくの設置や維持管理に当たっては、相応のコストがかかります。三田線でも多額の設置費用がかかったとのことであり、さらに、一駅当たりの維持管理費として年間三百八十万円程度が必要と聞いております。今後、これらに係る費用について、業務の効率化や増収のための取り組みなどの経営努力によって費用を捻出していくことが大切だと考えます。先日視察に行った三田線の一部の駅は、ホームさくに広告が張られていました。これは増収のために積極的にやるべきだと思い、最近の状況を確認させていただきましたところ、ここ数年、どうも伸び悩んでいるようです。その理由に、そもそもホームさくは広告媒体と想定してつくられていないため、張った広告をはがすとき、さくの塗料がはげてしまうなどのトラブルもあり、広告主に敬遠されがちなどの問題があるということでした。ホームさくの広告料金は、乗客数の少ない駅でも一駅一カ月五十万円、乗客の多い駅では月に百万円と設定されています。これは魅力的な収入源です。新しくつくる大江戸線のホームさくでは、広告媒体としての機能を意識した計画とし、少なくともホームさくの維持管理費用くらいは広告収入で賄うぐらいな積極的な取り組みが必要と考えますが、いかがでしょうか。次に、ドライブレコーダーについて伺います。最近、交通事故の生々しい瞬間がテレビニュースなどで放送されることがよくあります。これは、事故や、事故につながりそうな急ブレーキや急発進、衝撃が起きたときに、自動的にその前後の映像を記録するドライブレコーダーの画像を放送しているものです。このところ、タクシーやバス、トラックなどの営業車両にドライブレコーダーを装着する動きが広がりつつあります。ドライブレコーダーの装着で直接的に効果が得られるのは、事故発生時のトラブル防止ですが、そのほかにも幾つかの副次的な効果があるとされています。事業者がドライブレコーダーで記録したデータを解析し、ドライバーのブレーキのかけ方や加速、減速の仕方などをほかのドライバーと比較することで、安全運転に対する意識が向上すると聞きます。実際に導入したタクシー会社では、導入前に比べ二割から三割の事故率低下という実績が上がっているという、そんなふうにもいわれております。また、その結果として、運転そのものがいわゆるエコドライブに近づき、車両の燃費が向上し、CO2の発生抑制にもつなげられているといわれています。こうした効果を持つドライブレコーダーですが、大手事業者が自主的に装備するケースはあるものの、特に中小事業者では普及はまだ進んでいないのが現状です。ドライブレコーダーの普及に向け、CO2の削減の側面からも、都として支援をしていくべきと考えますが、所見を伺います。次に、監理団体改革について伺います。これまで、監理団体改革については、石原知事就任以降、団体の統廃合や業務の見直し、職員数の削減など、具体的な目標を設定して、積極的な取り組みをされてきているものと認識をしています。そして、その結果、団体数は、平成十一年度の六十四団体に対し現在三十八団体と二十六団体削減し、職員数も、十九年度は八千七百四十三人と十一年度に比べて八百九人減少するなど、特に団体数や職員数といった数の側面での成果には、大変評価をさせていただいているところです。しかしながら、いわゆる官と民との役割分担から見た団体の存在意義や財務状況の健全化、固有職員のスキルアップ、経営の透明性など、まだまだ課題は残されていると思われます。そこでまず、今後の監理団体改革に取り組む知事の決意を伺います。次に、監理団体が発注する契約のうち、競争入札によらない随意契約についてお尋ねいたします。いうまでもなく監理団体は、都が多額の出資や出捐を行っている団体で、十八年度の監理団体への財政支出は一千七百四十八億円、常勤役員ポスト九十ポストのうち六十七ポストを都のOBで占め、さらに、十八年度の一年間に五十一人の幹部職員が再就職するなど、財政的にも人的にも都と関係の深い団体です。その契約に関し、監理団体指導監督基準では、外部委託については競争入札が原則となっています。しかし、平成十八年度における監理団体が契約した契約件数一万一千四百四十件のうち随意契約の件数は九千四百三十件、何と八割が随契です。契約金額ベースでも、一千五十三億円中四百七十億円と、その約半分が随契です。さらに、そのうち一億円を超える高額な随意契約は八十四件とのことでした。驚きました。基準では入札が原則としておきながら、これではその基準が守られているとは到底思えません。さらに、各団体の定める契約に関する要綱などを拝見したところ、契約は原則として随意契約の方法などにより行うものとするとか、契約は随意契約方法により理事長が締結するなどという、最初から随意契約を前提としたあきれたルールを作成している団体もありました。これは、入札が原則としている基準を明らかに無視しています。いやいや、各団体いろいろ事業の特性がありまして、との声も聞こえてきそうです。しかし、監理団体は、多くの税金が拠出をされている公の担い手です。コスト意識と公正な事業運営が求められます。速やかに契約のあり方を検証し、見直し、各団体が定める契約などの要綱が、都の定める基準と整合性を持つよう指導するべきと考えますが、いかがでしょうか。次に、監理団体が発注する一億円を超える高額な随意契約の契約先への幹部職員の再就職についてお尋ねします。昨年の予算委員会において、幾つかの監理団体の随意契約や、その随契先への都幹部職員の再就職について伺ったところ、それぞれ所管の局長は丁寧に情報の開示をいただき、それをもとに、見解の違いはありましたが、真摯な議論をさせていただきました。ことしもこの一般質問を行うに当たり、高額随契発注先への都幹部職員の再就職について総務局経由で各局、各団体にお尋ねしたところ、その答えは、各局、各団体とも、把握していないとのことでした。びっくりしました。昨年出ていた情報がことしは出てこない。これでは監理団体の透明性が後退しているといわざるを得ません。なぜ、突然、開示ができなくなってしまったのでしょうか。近年、グリーンピアなど社会保険庁の天下りによる年金のむだ遣いが問題になりました。また、さきの独立行政法人緑資源機構の事件に見られるように、企業と天下りの不適切な関係が指摘をされ、国民の厳しい目が向けられる中、国においても、公務員制度改革の中で、天下り問題に正面からの取り組みが始まっています。このような社会環境の中、監理団体の高額随意契約先への都幹部職員の再就職について把握していないと情報開示を後退させたのでは、知事、議論の入り口にも立てず、話にもなりません。随意契約と都幹部職員の再就職との関係について、都民に疑念を持たれないよう、都民が疑念を抱かないよう、情報の開示を含め指導徹底していくべきと考えます。所見を伺います。昨日、石原知事より、多摩都市モノレールへの金融支援が表明されました。新聞報道によれば、その額は三百億円とのこと。これまでも多くの三セクが破綻をし、多額の税金が投じられてきました。私は、鉄道事業は息の長い事業で、簡単に黒字が出るものではないということは承知しています。さらに、地域住民のために安定的な運行をしなければいけないということもわかります。しかし、だからといって、お金が足りなくなったから、はい、どうぞと、そんな姿勢でいいとは思いません。金融支援をするのであれば、これまでの経営状況を公開し、検証し、反省し、その経営責任を明らかにする必要があると思います。さらに、今後の経営再建計画の策定に当たっては、天下りによる経営なども見直し、第三セクター全体の体質改善につなげていただきたい、そんなふうに求めておきます。以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)花輪ともふみ議員の一般質問にお答えいたします。監理団体改革についてでありますが、知事就任以来、外部監査の実施やアドバイザリーボードの設置、民間の経営者の登用などにより、団体のあり方までに踏み込んだ思い切った措置を講じながら、抜本的な改革に取り組んできたつもりでございます。特に、外部監査は非常に効果があったと思います。また、臨海地域を活動基盤とする監理団体を持ち株会社方式で経営統合することによりまして、東京港の国際競争力の強化と、臨海副都心開発の総仕上げを推進する体制を構築しました。ご指摘の随意契約の問題でありますけど、これは根本的に私は問題があると思います。ということよりもそれから、ということも十分あり得ます。これは、基本的に考え直すべき問題だと考えております。今後とも、そういう次第にいたします。今後とも、都民サービスの向上と東京の再生という広い視野で、都と監理団体との関係を厳正に保ちながら、監理団体改革に取り組んでいくつもりでございます。他の質問については、関係局長から答弁します。〔交通局長島田健一君登壇〕 # 交通局長(島田健一君) 交通局長(島田健一君)大江戸線に関する二点のご質問にお答えをいたします。まず、大江戸線の混雑緩和についてであります。大江戸線の乗客数は、開業以来おかげさまで順調に伸びてきておりまして、その結果、朝夕のラッシュ時等にはかなり混雑する状況がございます。その打開策の一つとして、当面、二十一年度に車両を新たに二編成ふやし、輸送力を増強する予定であります。これによりまして、朝のラッシュ時間帯における車内の混雑が一〇%程度緩和されるものと考えております。今後は、ホームさくの設置を踏まえ、大江戸線の抜本的な混雑緩和を進めていくため、利用客の流動量調査を実施し、さらなる運転間隔短縮などの対策を総合的に検討してまいります。次に、ホームさくを活用した広告料収入による維持管理費用の確保についてであります。交通局では、現在、駅の柱や壁などあらゆるさまざまなスペースを活用し、広告事業の拡充に取り組んでおります。大江戸線につきましては、利用されるお客様も多く、広告需要の高い駅が多いことから、今後ともホームさくの活用も含め積極的な事業の展開に取り組み、広告料収入のさらなる増加に努めてまいります。〔環境局長吉川和夫君登壇〕 # 環境局長(吉川和夫君) 環境局長(吉川和夫君)ドライブレコーダーの普及に向けた支援でありますが、自動車に装着するドライブレコーダーは、主に事故の発生時などに映像やデータを記録する機器であり、交通事故対策に効果がございます。また、走行時のデータを活用すれば、CO2の削減に役立つ、より効果的なエコドライブの実施につなげることもできますが、そのためには、事業者みずからがデータの分析やそれを活用した教育指導など、ソフト面の仕組みづくりに取り組むことが重要でございます。都は、今後、事業者における指導体制等の構築や機器の導入に向けた支援など、新たな取り組みを展開してまいります。〔総務局長押元洋君登壇〕 # 総務局長(押元洋君) 総務局長(押元洋君)監理団体に関する二問のご質問にお答え申し上げます。監理団体の契約に係る指導基準についてでございますが、都は、これまでも事業運営の効率化の観点から、競争によりがたいものや少額案件などを除きまして、競争入札を原則とするよう指導してきたところでございます。平成十八年度の随意契約件数は、団体合計で九千四百三十件、全契約数の約八割でございますが、金額ベースでは半分以上が競争入札となっております。全体として、指導監督基準にのっとり、適正に執行されていると考えております。また、業務の専門性等の理由から随意契約を主な契約手法としている団体についても、企画コンペ、あるいは複数見積もり徴取などにより、競争性を確保していると認識をしております。なお、随意契約手続の一層の適正性と透明性を確保するために、今後、各団体の随意契約に関する規程については、所要の整備を行った上、公表するように指導してまいります。次に、監理団体の随意契約先への都OBの再就職についてでございます。監理団体の契約については、会計監査人や包括外部監査人等によるチェックが行われていることとあわせまして、各団体が定めた契約手続に基づき、適正に行われているものと認識をしております。なお、都幹部職員OBの再就職については、民間企業との関係を厳正に保ち、公務を適正に執行し、再就職に関して都民の誤解を招くことがないよう、職員の民間企業への再就職に関する取扱基準を定め、局長級職員の再就職状況を公表するなど、適切に運用しているところでございます。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)六十六番菅東一君。〔六十六番菅東一君登壇〕 # 六十六番(菅東一君) 六十六番(菅東一君)それでは、まず初めに、地球温暖化対策について質問をいたします。今、確実に地球に異変が起きているとだれもが実感をいたしております。そうした温暖化がもたらす危機のただ中、石原知事は先日、ツバルを訪問されました。侵食される海岸、満潮時に浸水する集会場の状況など、知事が現地から直接伝えた映像に私も戦慄を覚えたところであります。地球温暖化は、産業革命以降の化石燃料を消費する文明によって引き起こされたものでありますが、そうした文明に一番遠いはずの南太平洋の島しょ国家が温暖化の影響を一番深刻に受けることになるとは、何と不条理なことであるとしかいいようがありません。文明の恩恵を受けてきた先進諸国は、率先して温暖化対策に全力を傾ける必要があるにもかかわらず、米国など、環境と経済が両立しないなどとの理由で京都議定書から離脱し、一方、日本では議定書に定める六%の削減が履行できない可能性が指摘されております。このままでは地球温暖化は加速度的に進行し、手の施しようのない事態を招きかねません。私は、環境と経済が両立しないなどという考えは、極めて時代おくれのものと思います。地球温暖化が進行すれば、我々の社会の存在そのものが危ぶまれることになり、経済の発展を望むべくもありません。今なすべきことは、省エネの促進と再生可能エネルギーの普及拡大であります。日本の技術力をもってすれば、設備の徹底した省エネ化も十分可能であり、こうした省エネ技術の活用や再生可能エネルギーの導入は、新たなビジネスチャンスをもたらします。このように温暖化を防止することによって、経済の活性化を図ることは十分可能であると考えます。所信表明にもございましたし、また、類似の質問もありましたが、発信力のある方でありますので、改めて知事に、地球温暖化の深刻な影響を受けているツバルの現状を視察した感想と温暖化対策に取り組む決意について伺っておきます。また、温暖化対策を強力に推進していくためには、技術活用の範を民間に示し、その効果をわかりやすく都民に伝えるという意味においても、都庁みずからが省エネ促進や再生可能エネルギーの導入などのCO2削減に率先して取り組む必要があると考えますが、ご所見を伺います。次に、地域の底力再生事業助成について伺います。東京では、集合住宅の増加や人口の流動、核家族化などにより、地域のつながりが希薄になってきております。かつては、地域の中でお互いに協力し、助け合うよき伝統がありましたが、現在では地域の支え合う力が弱体化しております。私どもの党は、これまで地域力向上の必要性について提言してまいりましたが、平成十九年度重点事業として、都が地域力向上事業に取り組んでいることを高く評価するものであります。特に、従来、地域が有していた地域住民のつながり、地域の課題を解決する力の再生を目指し、地域の担い手である町内会、自治会が連携して取り組むさまざまな事業を支援する地域の底力再生事業助成は、地域力の向上を図る上で重要な事業と考えております。私の地元、板橋区においても、高齢者と子どもの人と人のつながり、地域連携を深める町内会の事業が第一回の助成対象となり、地域の活性化に寄与することが期待されております。そこで、まず、今年度第一回、地域の底力再生事業助成の実績についてお尋ねをいたします。また、私は、地域の再生のかぎは町内会、あるいはまた自治会の活発な活動だと思っております。地域の課題の効果的な解決につながる町内会、自治会の活動を支援する地域の底力再生事業助成については、地域力の向上に向けて今後さらに拡充させていくことが強く望まれております。町内会、自治会が積極的にこの事業に取り組んでいけるよう、都は広く都民に周知し、浸透させていくことが不可欠であります。この事業の普及について、都はどのように今後取り組んでいくのか、伺います。次に、踏切対策についてお尋ねをいたします。都内にはいまだ約千二百カ所の踏切が残されており、東京の最大の弱点である交通渋滞だけでなく、地域の分断や踏切事故の危険性など、都民の日常生活にさまざまな問題が発生しております。首都東京の魅力向上や国際競争力の強化を図り、快適で利便性の高い都市を実現するためには、踏切問題の解消を進めることが重要と考えます。東京都において、既に平成十六年六月に踏切対策基本方針を策定し、踏切対策の早期実現の取り組みを進めているのは大変歓迎すべきことでありますが、今後もさらなるスピードアップを図っていくことが何よりも重要であります。国においても、今年四月に公表した踏切交通実態総点検の結果を踏まえ、踏切対策を積極的に促進しており、連続立体交差事業などの抜本対策について、今後の踏切除去のペースを加速させていくと聞いております。さて、こうした状況の中、私の地元である板橋区内を東西に横断する東武東上線においても、区内に三十七カ所の踏切が残されており、地域で生活する区民に大きな不安と不満を与えております。中でも、東武東上線の大山駅付近については、駅を挟んで都内でも有数の商店街があり、毎日大変なにぎわいを見せておりますが、一方、大山駅の踏切は、朝のラッシュ時には一時間のうち約五十分も閉まっている、いわゆるあかずの踏切であるため、歩行者や自転車の回遊性、利便性を阻害し、まちの一体感が損なわれているのも事実であります。また、ときわ台駅付近につきましても、ことし二月に踏切に侵入した女性を助けようとした警察官が電車にはねられ、殉職するという痛ましい事故も発生いたしております。その後、警報ボタンの設置が順次進められているようでありますが、将来的には踏切の解消が強く望まれるところであります。いずれにいたしましても、こうした踏切問題を一刻も早く解消することが、不便で不安な生活を強いられております地域の住民の切実なる願いであり、区民の総意ともいえるものであります。踏切問題は地域に根差した課題でありますが、仮に鉄道の立体化ともなれば、将来的にまちの姿が大きく変わっていく大事業であり、そこに至るまでには都として積極的にかかわっていただくことが必要と考えております。そこで、東武東上線の大山駅付近及びときわ台駅付近の踏切対策の推進に向けた都の取り組みについて伺います。次に、教育についてお尋ねをいたします。教育委員会では、全国に先駆けて教科「奉仕」を設置し、平成十九年度からすべての都立高校で奉仕体験活動が始まっております。多感な時期にある高校生の規範意識や公共心を育てていくためには、守るべき社会のルールやマナーを単に言葉で教えるだけではなく、地域や社会の中で、自分が社会の一員であり、社会に役立つ喜びを体験的に学ぶことこそ重要であると考えます。しかし、都立高校の教員の現状を見ると、授業、部活動、進路指導など多忙な公務を担っており、地域との連携に細やかな対応をすることは実際には困難であります。そのために、都立高校と地域の橋渡しを行い、都立高校の要請に応じた効果的な体験学習の場をつくり出していく人材が必要であります。都教育委員会では、平成十九年度から都立高校に教育支援コーディネーターを導入いたしました。そこで、この都立高校教育支援コーディネーターの導入の趣旨と活用状況について伺います。私の地元である板橋区では、今年度開設した都立板橋有徳高校を初めとして三校で、教育支援コーディネーターによる活動を実施しております。各校においては、荒川河川敷の清掃活動を実施するほか、コーディネーターの支援を受け、区内の障害者や高齢者の福祉活動に取り組むなど、あるいはまた今後、小学生への学習指導や中学生への部活動の指導もとり行うという予定と聞いております。こうした取り組みを意義のあるものと考えますが、教育委員会は教育支援コーディネーターをどのように評価し、また、今後どのように活用していくのか、伺います。このように都立高校生が、地域や社会の中で効果的な体験活動を進めていくことは大変大切なことでありますし、さらに重要なことは、コーディネーターによる体験活動の支援にとどまらず、地元の企業や商店街、青年会議所など地域の機関や団体も、都立高校生を初めとした青少年の育成活動に主体的に取り組んでいくことであると考えております。地域社会を構成する者みずからの責任を自覚し、地域で青少年を育成する取り組みが活発になされるように、都教育委員会も役割を果たしていくべきだと考えていますが、見解を伺います。以上をもって私の質問を終わります。(拍手)〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)菅東一議員の一般質問にお答えいたします。地球温暖化対策についてでありますが、現況、顕著なこの温暖化現象も、学者によっては、地球の大きな、何というのでしょう、変遷の中での、次の氷河期が何番目になるか知りませんが、次の氷河期の到来の前の予兆でしかないという人もいるようでありますけども、しかし、それがいつごろ到来するか知りませんが、私はとてもそんな長期のスパンで物を考える問題ではないという気がつくづくいたします。今まさに海に沈みつつある、これは国でありますから、小さくとも、このツバルでは、海面の上昇による作物の被害など生活基盤だけではなしに、人命そのものが毀損されつつある現況でありまして、主食のタロイモが取れなくなったために、オーストラリアから多くの食物を輸入しておりますが、全く食体系が違って、血糖値が上がったり、糖尿病の病人ができているという現況であります。また、運び込まれる、今まで食べていなかった種類の食べ物、缶詰、瓶詰その他、その包装が、焼却炉がないものですから、空き地に山積されておりまして、非常に悪い循環そのものが、あそこの島で進んでおります。私は、こういった島が埋没、水没したときに、どこへ、どうして、人たちは救出されるんだろうかと思っていましたら、ニュージーランドが引き受けるということを声明したと聞いておりましたが、これは違っておりまして、ニュージーランドはただ、そういう人たちを一部難民として期限つきで労働力として受け入れる余地はあるが、国民全体がエクソダスしたその受け入れは考えていないということでありました。私は、日本の技術力、国力をもってすれば、その気になれば、この国は救えると思います。これは、はるかに、原爆つくったり、水爆つくったりするよりも、私にとっては、国のプレゼンテーションにとって好ましい一つの、人はパフォーマンスというかもしれませんけども、この環境問題が先鋭化している時代に、日本として国威というものを示し、国力を示し、日本の存在感を示す一つの象徴的なプロジェクトになるんじゃないかという気がしてまいりました。これは、政府の環境省と国土庁がその気になれば、わずかな予算で、日本の技術力をもってすればできることでありまして、それを政府に建言しようと思っておりましたが、ツバルが沈む前に肝心の総理大臣が水没してしまいましたので、新しい総理に建言しようと思っていますけども。都は、世界でもトップクラスにある日本の環境技術をフルに活用して、省エネの促進や再生可能エネルギーの導入など、今後とも具体的で実効性のある対策に取り組むことによりまして、一歩一歩CO2の削減を推進していきたいと思っております。他の質問については、教育長及び関係局長から答弁します。〔教育長中村正彦君登壇〕 # 教育長(中村正彦君) 教育長(中村正彦君)教育支援コーディネーターに関します三点のご質問にお答え申し上げます。まず、導入の趣旨と活用状況についてであります。教育支援コーディネーターは、お話しのとおり、地域や社会と都立高校との連携の橋渡し役として導入いたしたものでございます。コーディネーターの支援によって、より効果的な体験活動を実施することを通じまして、地域や社会に貢献する都立高校生を育成することを目指しております。平成十九年の九月現在、都立高校二百八十課程中、百十一課程で教育支援コーディネーターの活用がなされておりまして、「奉仕」やキャリア教育の分野で、授業計画づくりの支援、それから体験活動先の開拓、事前・事後学習への助言などの役割を担っております。次に、その評価と今後の活用についてでございます。教育支援コーディネーターは、NPOや企業、地域の活動団体等と学校との橋渡し役として有効なだけではなくて、教員の力だけでは取り組むことができない多彩かつ効果的なプログラムづくりに寄与するなど、多くの成果を上げつつあります。今後は、教育支援コーディネーターを活用する学校をさらにふやすとともに、コーディネーターの積極的な活用によりまして、体験活動に関する教員の指導技術の向上や意識改革を図るなど、都立高校生が実社会とかかわる体験学習をさらに活性化させてまいります。次に、地域で青少年を育成する取り組みにおきます都教育委員会の役割についてでございますが、ご指摘のとおり、次代を担う青少年を育成するために、都民、地域団体、企業等、地域社会を構成するものすべての教育参加が期待されておりまして、昨年改正されました教育基本法にも、学校、家庭及び地域住民等の相互連携協力という条文が新設されたところでございます。都教育委員会といたしましては、都レベルでの教育支援ネットワーク組織であります地域教育推進ネットワーク東京都協議会を活用いたしまして、企業やNPO等による取り組みの促進や地域人材の育成を図るなど、地域における青少年の育成活動を活性化させてまいります。〔環境局長吉川和夫君登壇〕 # 環境局長(吉川和夫君) 環境局長(吉川和夫君)CO2削減に向けた都庁みずからの取り組みについてでございますが、都はCO2排出量の大幅な削減を着実に推進するため、都内最大規模のCO2排出事業者として、みずから徹底した削減に取り組んでまいります。具体的には、本年五月に策定いたしました世界最高水準の省エネ仕様である省エネ東京仕様二〇〇七を、都施設の新築、改築時に全面適用していくとともに、太陽光発電設備など再生可能エネルギーの導入についても積極的に推進してまいります。〔生活文化スポーツ局長渡辺日佐夫君登壇〕 # 生活文化スポーツ局長(渡辺日佐夫君) 生活文化スポーツ局長(渡辺日佐夫君)地域の底力再生事業助成についての質問にお答えいたします。まず、事業助成の実績についてでありますが、第一回の募集では、町内会、自治会から五十団体の応募がございました。このうち、十九区九市、四十四団体の事業に約二千五百万円を助成しております。助成事業の具体例としては、地域住民及び昼間その地域で働いている会社員や学生が協同して実施する新たな祭りや、地域の住民がまちを実際に歩いて危険箇所などを点検、確認して作成する防災マップづくりなどがございます。このように、町内会、自治会の多様な活動に助成を行う本事業は、それぞれの地域の課題の解決や住民の連携強化につながり、地域の活性化に資するものであると認識しております。次に、地域の底力再生事業の都民へのPR、普及についてでありますが、事業の募集に当たりましては、区市町村や都内の町会、自治会連合会を通じて都民への周知に努めております。これに加えて、今後、助成事業の具体的な事例を都のホームページで紹介し、地域活動の意義や魅力について積極的に情報発信してまいります。これらの具体的な事例を参考に、他の地域においても、その地域の活性化に資する新たな取り組みが提案されることを期待しております。今後とも、町内会、自治会を初め、広く都民へ、この事業の周知、浸透を図り、地域力の向上に努めてまいります。〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕 # 都市整備局長(只腰憲久君) 都市整備局長(只腰憲久君)東武東上線の踏切対策についてでございますが、大山駅付近及びときわ台駅付近につきましては、お話にもございましたけれども、平成十六年に策定いたしました踏切対策基本方針の中で鉄道立体化の検討対象区間とされております。道路と鉄道の立体化につきましては、地域におけるまちづくりと連動させていくことが効果的でございます。このためには、まず、まちの将来像やその整備方策を検討することが必要でございまして、都も、区の行うまちづくりの検討に対しまして技術的支援などを行ってまいります。また、大山駅周辺におきましては、震災時に延焼遮断帯としての役割を果たす補助第二六号線が計画されておりまして、この区間は第三次事業化計画の中で優先整備路線として位置づけられております。したがいまして、都といたしましても、地域のまちづくりと連携を図りながら、整備に向けて取り組んでまいります。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)七十三番大西由紀子さん。〔七十三番大西由紀子君登壇〕 # 七十三番(大西由紀子君) 七十三番(大西由紀子君)まず初めに、温暖化対策とエネルギー施策について私からも伺います。ことしの春、国連のIPCC、気候変動に関する政府間パネルが気候変動の待ったなしの深刻さと世界的な対策の必要性について、科学的な知見を明らかにしました。石原知事も、ツバルでの見聞をもとにその深刻さを警鐘しておられるところですが、何よりも、ことしの猛暑は、人々に地球温暖化の進行を実感させました。一方、新潟県中越沖地震により柏崎刈羽原発がストップし、地震国日本においては、原発は、一つ間違えば取り返しのつかない被害をもたらすリスクと隣り合わせにあることを思い知らされました。また、原発は、ここ何年かの間にも数々の不祥事でとまり、エネルギーを原発へ依存することの危うさがもはや明らかになったと考えます。現在、大量に消費するエネルギーの多くを他県に依存している東京は、高い目標を持って温暖化対策を進めると同時に、エネルギー自立都市を目指し、省エネを進め、再生可能エネルギーを推進すべきと考えますが、知事の見解を伺います。都は、これまでも都有施設でのエネルギーのグリーン調達を図ってきましたが、再生可能エネルギー戦略で打ち出した、二〇二〇年までに二〇%という高い目標を達成するためには、導入の枠組みを思い切って広げることが必要です。ことし、佐賀で行われた高校総体では、運営にかかるエネルギーの一部について、グリーン証書の導入によってカーボンオフセットが行われました。民間でも、環境に貢献する事業への融資を行っているap bankが行った、賛同アーチストによるコンサートでグリーン電力証書が導入されています。川崎市で行われたアメフトの国際大会、小平市が開催したエコフェスティバルでの導入など、自治体の行うイベントでの導入事例も出てきましたが、新しい政策であるだけに、まだまだグリーン電力の導入が再生可能エネルギーを育てることにつながるということが人々に理解されているとはいいがたい状況です。東京都が行うイベントにもグリーン電力証書を積極的に導入し、普及啓発に努めるべきと考えます。グリーン電力証書を取り扱っている企業やNPO団体との連携を図り、新たな導入のスキームを構築する必要があると思いますが、どのように進めていくのか伺います。次に、防災について伺います。ことし、東京都防災会議の被害想定の見直しを受け、地域防災計画を修正しました。これをベースに、市区町村でも防災計画の見直しが行われています。関東大震災では火事で、阪神・淡路大震災では家屋の倒壊、新潟中越地震では土砂崩れやエコノミークラス症候群等で多くの命が奪われたことを見れば、震災対策はあらゆる状況を想定し、対策を立てなければなりません。特に東京では、超高層ビルを初めとする巨大建造物が出現している現在、建物、その他人工物の倒壊による被害を最小にすることが課題です。都は、震災対策として、自助、減災を打ち出しています。そうであるならば、学校、駅、鉄道等、公共公益施設の耐震補強を含めた、あらゆる面での財政的支援が不可欠です。都として、広域的視点で地域防災計画の見直しについて市区町村と協議し、早期に実効性ある震災対策を進めるべきと考えますが、見解を伺います。都の防災計画では、避難所の設置は市区町村の責務となっています。避難所の指定基準は、耐震、耐火、鉄筋構造を備えた学校、公民館等の公共建設物を利用し、避難所に受け入れる被災者は三・三平方メートル当たり二人という計画です。東京湾北部地震が発生した場合、耐震性のない避難所の倒壊まで想定すると、最も被害の大きい二十三区では、避難所に入れない人が約六十万人に達する見込みという結果を国の中央防災会議が発表しました。耐震性のある安全な避難所確保に向けて、避難所の実態調査を市区町村に対し行うべきと考えますが、見解を伺います。次に、化学物質対策について伺います。有害化学物質削減については、欧州ではREACHと呼ばれる化学物質の登録や評価などの制度がことし六月から開始されており、世界的な大きな流れとなっています。また、二〇〇三年七月に国連から勧告された、化学物質の危険性や有害性などをわかりやすく分類、表示するGHSという仕組みも、二〇〇八年を目標に各国での運用努力が求められています。我が国においては、平成十一年にPRTR制度が導入されましたが、この制度の目的や効果が市民生活の中で全く実感できないことも問題です。例えば、家庭用の合成洗剤で一部使われているLAS、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩も、生態系への有害性が懸念されるとしてPRTRの対象物質とされていますが、これを知る一般市民はほとんどいません。下水道の普及によってLASの河川への放出は減っているものの、水生生物に与える影響は、石けんなどに比べ、決して無視できるものではありません。このような市民生活の中で使われる化学物質の削減に向けては、市民みずからも使用削減を行う必要があると思います。こうした中で、都は、化学物質の年間取扱量一トン以上の事業所を対象としている国のPRTR制度に加えて、小規模の事業所に対しても、人の健康に有害な物質の排出抑制を図るため、環境確保条例による独自の化学物質適正管理制度を設けています。まず、都の制度の特徴とこれまでの成果について伺います。また、都は、今年度から、市民、事業者、行政が連携してリスクコミュニケーションを推進する地域モデル事業を実施することとしています。このモデル事業においては、市民に対して化学物質の情報をわかりやすく提供することによって、市民みずからが有害性の少ない製品を使用するなど、市民による有害な化学物質の使用削減を促していく必要があると考えますが、見解を伺います。次に、基礎自治体への分権について伺います。地方分権の流れは確実に認知されているものの、九月、全国知事会、市長会がさらなる地方財政に対する国の関与、権限移譲を求めたことに対して、中央省庁は分権にいまだに消極的な意見が大半を占めたと報道されています。石原知事は、小泉首相の時代の分権を指して、国や地方の役割分担も明確にせず、帳じり合わせの分権と非難し、国に対して役割を明確にした上の地方分権の必要性を強く主張していますが、同じことが都から基礎自治体への分権についてもいえます。しかしながら、私には、都から基礎自治体への分権について、知事の熱意がほとんど、いや、全く感じられません。東京都と基礎自治体の役割分担をどう考え、東京都から基礎自治体への分権についての基本的な考えをまずは伺います。国の補助金は大幅に見直され、一般財源化される中で、基礎自治体では、従来、補助金でその存在が保障されてきた事業が不安定になっています。しかし、地方分権はまさに地方自治体の主体的な事業展開を可能にするためのものであり、今後、基礎自治体は市民とともに自分たちのまちづくりを考え、実践していくことが問われます。東京都も、基礎自治体の裁量を広げる施策として、包括補助金化、交付金化を実施してきました。自治体の独自性を引き出す仕組みになっていることで、段階的な分権の手法として評価したいと思います。そこで、先行して試行してきた福祉保健局の交付金、包括補助金について現状を伺います。これから基礎自治体が主体的に事業展開できる体制づくりは喫緊の課題です。最終的な分権は、ひもつきでない財源と権限の移譲ということになりますが、その過程として、東京都は包括補助金化、交付金化を進め、自治体の裁量の可能性を広げていくことが大切と考えます。見解を伺います。最後に、DV被害者支援について伺います。全国の配偶者暴力相談支援センターや警察が対応した配偶者暴力に関する相談等の件数は年々増加し、過去最高になっています。ことし三月、政府の男女共同参画会議は配偶者暴力防止の見直し等に向けた報告書を作成し、これを受けて七月、改正DV法が国会で全会一致により成立しました。これまで都では、東京ウィメンズプラザと東京都女性相談センターが配偶者暴力相談支援センターとしての機能を担ってきましたが、DV法の改正により、市区町村も相談センターの設置が努力義務になりました。身近な地域での相談や支援体制は求められており、今後は、市区町村における配偶者暴力相談支援センターの機能整備に向けて、都はどのように支援を行っていくのか伺います。今回のDV法改正で、保護命令制度を拡充し、生命等に関する脅迫を受けた被害者に係る保護命令が出せるようになったほか、従来の接近禁止命令にあわせて、電話、メール等の禁止、被害者の親族等への接近禁止などが対象になりました。DVは犯罪であり、大きな事件に発展しないよう未然に防いでいくためにも、相談を受ける警察の対応は重要です。二次被害や対応のおくれがないように、女性警察官の配置、職員研修などをさらに進めるよう要望します。ことしの夏、私の地元で起きた、警察官が女性を殺害し、けん銃で自殺した事件は、市民に衝撃を与えただけではなく、警察に対する信頼も揺らぎました。DVやストーカーなど、被害に遭っている当事者にとっては、警察は頼りにしたい相談窓口であり、被害者を犯罪から救う任務を背負っています。二度とこのような事件が起こらないようにするとともに、DVやストーカーなどの対応に万全を期することを求め、質問を終わります。(拍手)〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)大西由紀子議員の一般質問にお答えいたします。地球温暖化対策についてでありますが、都は「十年後の東京」で、CO2排出量を二〇二〇年までに二〇〇〇年比で二五%削減するという目標を掲げ、戦略的、集中的に地球温暖化対策を実施しております。今後とも、省エネの促進や再生可能エネルギーの導入など、具体的で実効性のある対策をきめ細かく取り組むことで、CO2の削減を強力に推進してまいります。他の質問については、関係局長から答弁いたします。〔環境局長吉川和夫君登壇〕 # 環境局長(吉川和夫君) 環境局長(吉川和夫君)三点についてお答えいたします。まず、グリーン電力証書等を活用した再生可能エネルギーの推進についてでありますが、都は、これまでも大田市場、東村山ナーシングホーム等の都施設においてグリーン電力の調達を進めるなど、率先して再生可能エネルギーの導入に取り組んでまいりました。また、こうした取り組みを全国の自治体や企業に普及させるため、本年六月にグリーンエネルギー購入フォーラムを発足いたしました。当初十三団体で発足したこのフォーラムは、北海道から九州までの自治体を中心に、企業やNPO団体の参画も得て、現在四十六団体まで広がっております。次に、化学物質適正管理制度についてでありますが、環境確保条例に基づく本制度は、人の健康への障害があるなどの性状を持つ化学物質について、特に適正な管理を事業者に求めているものでございます。その特徴は、国の制度に比べ、環境への排出抑制、有害性の少ない代替物質への転換、事故の防止などを目的とし、国の制度で求める排出量などに加え、適正管理に欠かせない使用量や製造量などの把握や報告も義務づけていることであります。この制度の実施により、設備の改善や化学物質の使用の合理化などが図られた結果、約三千の対象事業所からの排出量は年々減少しており、平成十七年度の化学物質の排出量は平成十四年度に比べて約三割削減されました。今後とも、条例の実施機関である区市と密接に連携しながら、化学物質の適正管理に努めてまいります。最後に、化学物質に関するリスクコミュニケーションのモデル事業についてでありますが、都は地域における環境リスクの低減を図るため、モデル地域を選定して、都民、事業者、専門家及び地元の区市町村とともに、リスクコミュニケーションの推進のための事業を今年度実施いたします。本事業を通じて、化学物質に関する正しい情報を共有化することにより、事業者による化学物質の適正管理だけでなく、都民も日常生活において有害性の少ない製品を購入するなど、地域において化学物質を適正に使用する機運を高めてまいります。〔総務局長押元洋君登壇〕 # 総務局長(押元洋君) 総務局長(押元洋君)震災対策など四問のご質問にお答え申し上げます。まず、震災対策についてでございます。都は、昨年公表した被害想定や実災害の教訓を踏まえ、本年五月に地域防災計画を全面的に見直し、新たに減災目標を盛り込みますとともに、駅前滞留者対策やエレベーター対策など、都市型災害への対応を強化いたしました。減災目標の達成など、震災対策の推進には、都と区市町村の連携した取り組みが必要でございます。このため、都は、区市町村の計画見直しに当たり、広域計画である都の計画との整合性が図られるよう十分協議を行いますとともに、住宅の耐震化、不燃化などの事業の実施につきましても、引き続き区市町村と連携して取り組んでまいります。次に、避難所の実態調査についてでございます。避難所の指定、開設、運営は区市町村の役割でございますが、都は、これまでも広域的な観点から、避難所を含む区市町村防災事業の現況調査を実施してまいりました。耐震化の状況につきましては、避難所全体を大くくりに調査をしてまいりましたが、近年、集会所など、さまざまな施設が避難所として指定されてきており、これら施設の耐震性の確保が重要になってきております。このため、今後、区市町村の避難所の現況調査についても、より詳細に行ってまいります。なお、中央防災会議は、都全体では避難所は充足するということもあわせて発表しております。次に、基礎的自治体への分権についてでございます。区市町村の役割は、地域の実情などに応じて、住民に身近な行政サービスを総合的に提供していくことでございます。一方、都の役割は、広域的な行政課題への対応や高度で専門性が求められる事業の実施など、広域的な自治体としての責任を果たすことでございます。こうした視点に立ちまして、都はこれまでも事務権限の移譲を積極的に進めてまいりました。今後も、区市町村がみずからの責任と権限により、地域の実情に即した行政運営ができるよう、分権を進めてまいります。最後に、区市町村への都の補助金についてでございます。本来、地方自治体が主体的に施策を展開するには、それに見合う自主財源の確保が必要でございます。このため、都では、国に対し、税財政制度の抜本的改革について強く働きかけております。一方、区市町村への補助制度につきましては、その意義、役割を踏まえつつ、自治体の自主性、自立性の向上を図るという視点に立ちまして、少額補助金の統合や補助金のメニュー化、包括化などの見直しを進めております。この結果、福祉等の分野で、地域の実情や区市町村の創意工夫を生かした事業展開が可能となっております。今後とも、地方分権を推進する観点から、都と区市町村との役割分担の明確化を図りつつ、補助金の見直しを進めてまいります。〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕 # 福祉保健局長(安藤立美君) 福祉保健局長(安藤立美君)交付金、包括補助金についてでございますが、子育て推進交付金は、市町村が地域の実情に応じて、創意工夫により施策を行うことができるよう、子育て支援全般の充実を図るものであり、昨年度から実施しております。また、福祉保健区市町村包括補助事業は、区市町村の主体的な施策を支援する仕組みとして、今年度新たに創設したものであり、現在、各区市町村から申請を受け付け、内容の審査を行っております。今後とも、区市町村の自主的な取り組みを支援する制度により、地域からの発想を生かしながら東京の福祉保健施策の充実を図ってまいります。〔生活文化スポーツ局長渡辺日佐夫君登壇〕 # 生活文化スポーツ局長(渡辺日佐夫君) 生活文化スポーツ局長(渡辺日佐夫君)配偶者暴力相談支援センター機能の整備に向けた都の支援についてでございますが、都では、区市町村の相談支援機能の整備促進に向け、昨年度から、地域における関係機関の連携を推進するためのモデル事業を実施しております。今年度は、区市町村における連携会議の設置、強化に係る助言や、関係職員等に対する研修への講師派遣などの支援を行っております。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)六番後藤雄一君。〔六番後藤雄一君登壇〕 # 六番(後藤雄一君) 六番(後藤雄一君)地球温暖化など、環境汚染は深刻です。石原知事も、地球温暖化の影響を深刻に受けている南太平洋、ツバル、フィジーを訪れるなど、環境問題に積極的に取り組んでいられます。そこで、今回、行革一一〇番が調査をした伊豆大島のし尿処理池を検証しながら、環境問題に取り組む職員の意識、正面から立ち向かう難しさ、そして、島の実態を点検してみたいと思います。伊豆大島は、ジェット機が着陸する大島空港、そして整備された元町、岡田の港が二つ、大きなホテル、そして美しい海、大島は一大リゾート地です。しかし、現在もし尿処理施設、汚泥処理施設がないというのには驚かされました。神津島、青ヶ島、小笠原は既に完備をされています。平成十七年度に書かれた環境局職員の出張復命書には、大島町にはし尿処理施設がなく、素掘り穴にし尿を投棄し、地下に浸透させている。早い時期に結論を出し、平成十九年度完成をめどに取りかかる考えはあると書かれ、南部し尿処理池の写真がついていました。南部し尿処理池は海岸から百五十メートルほど陸地に入ったところにありますが、北部の海岸のがけの上にもう一つ、北部し尿処理池があります。し尿は、し尿処理施設で処理をし、脱水または焼却し処分をすることと決められています。しかし、し尿処理施設ができるまでは、周辺の環境に配慮した上なら、し尿処理池に投棄をしても罰せられないのです。海岸の上にある北部し尿処理池は底なしといわれ、過去三十年以上も使われており、し尿ががけ下の海水に漏れ出しているのではと指摘をする声もあります。そこで、環境局に北部し尿処理池について尋ねると、わからないのです。平成十一年度以降、現地調査もしていない、資料もないというのです。なぜ資料もなく、平成十一年度から今まで現地調査をしなかったのか伺います。行革一一〇番は、環境局と大島町が何か隠しているのと考え、八月七日、ヘリコプターでし尿処理池を空から視察をしました。これが写真です。砂浜の切れたところの海岸線のがけの上の林の中にぽっかりと真っ黒な五十メートルプールのようなものがあります。これが北部し尿処理池です。八月十七日、大島町を訪れ、北部し尿処理池を視察させてほしいとお願いをしたところ、副町長から許可をいただき現場に入りました。こちらが写真です。北部し尿処理池、黒い池はヘリコプターで見たとおり、高い竹やぶにすっぽりと囲まれていました。池の表面は真っ黒、周りには水がたまっていましたが、し尿のにおいは全くしませんが、強烈な油のにおいが鼻をつきます。大島町は、黒い池の正体について、し尿処理池の上はコールタールで覆い、におい、害虫の発生を抑えていると説明をしていましたが、その後、コールタールではなく、自動車のエンジンオイルの廃油です。そして、十年前まではエンジンオイルを投棄をしていたが、現在は洗浄のためにだけ使っている。そして、現在は、エンジンオイルは一切使っていないと説明を変えるのです。しかし、行革一一〇番が八月十七日に視察をしたとき、し尿を投入するホース付近でも強い油のにおいが残っていました。たとえ洗浄に使ったエンジンオイルでも、し尿処理池に投棄をするのは好ましくない。まして継続的に行われていれば廃棄物処理法に違反することも考えられ、調査をすべきです。見解を伺います。これが北部し尿処理池のがけ下の写真です。至るところでがけが崩れ、また、がけには大きなひび割れが無数にあり、このままがけ崩れが続けば、し尿処理池の中身がこぼれ出る危険性すら考えられます。また、岩の割れ目からは黄色みがかったしずくが垂れているところもありました。そこで、行革一一〇番は、北部し尿処理池のがけ下の海水から二カ所、そして、しずくの三検体をとり、大阪にある環境監視研究所に分析を依頼をしました。届いた検査結果で注目をしたのがCODの値です。がけ下の海水から一リットル当たり一〇〇ミリグラムと一一〇ミリグラム、がけの割れ目のしずくからは九〇ミリグラムの値です。CODとは化学的酸素要求量の略で、快適な水質は三ミリグラム以下が望ましいとされています。大島にある海水浴場のCODの値は〇・八ミリグラムから一・九ミリグラムの値が出ています。つまり、大島の海水浴場と比べても五十倍から百倍の値なのです。水質汚濁防止法では、工場排水などの特定施設からの排出基準は百六〇ミリグラム以下にしなければなりません。このがけ下の海水が一〇〇ミリグラムという値は、原因物質が太平洋の海水によって希釈された値です。がけ下の海水の値、COD一リットル当たり一〇〇ミリグラムと、がけの上のし尿処理池との因果関係を究明するために調査をする必要があると思いますが、見解を伺います。環境局に大島町の今後の対応を聞くと、平成十九年度、し尿処理、汚泥処理施設を汚泥再生処理センターと計画し、清掃工場を併設して、国の循環型社会形成推進交付金制度を活用し整備しようとしているといいます。町の計画では、環境影響調査から工事の完成までおおむね五年かかるというのです。そして、完成までの間、この北部し尿処理池を使い続ける予定といいます。きれいな海を守るために、し尿処理施設ができるまで北部し尿処理池を海岸から離れた場所に移し、一日も早く使用をやめるよう大島町に働きかけるべきと考えますが、いかがでしょう。海を愛する石原知事のお考えもあわせてお聞かせください。次は、大島の海水浴場の水質検査です。環境省は六月、全国の海水浴場の水質検査を各都道府県に依頼をし、ホームページで公表をしています。東京都では、福祉保健局健康安全室が行い、伊豆大島から小笠原母島までの八つの島の四十二カ所の海水浴場を検査し、水質はすべてマルと判定をしました。大島はというと、調査をした海水浴場は七カ所、一つの海水浴場で三カ所からの海水をとって分析しましたが、ふん便性大腸菌は一つも検出されていない。しかし、新島、八丈島、小笠原などでは一個から十個まで検出をされています。ふん便性の大腸菌群ですが、一〇〇ミリリットルに百個以下ならば海水浴場として問題はありません。しかし、大島の海水浴場で一個も検出されていないのはおかしいと思いました。そこで、福祉保健局に海水のとり方を聞くと、ほかの島では職員が海に入って海水をとったが、大島は広いので効率性を考え、船を使いバケツでくみ上げ、三時間で作業を終了した。船は遊漁船、七・三トン、キールの下から喫水線まで一・三メートルというのです。環境省からの通知には、調査地点は水深一メートルから一・五メートル、そして、海面から〇・五メートルの海水をとることと書かれています。同じ伊豆諸島で漁船を所有している漁師さんに聞くと、波打ち際では隠れた岩もあり、船を水深四メートルより浅いところには近づけないといいます。つまり、水深一・五メートルよりも相当深い地点の海水を分析結果として環境省に報告しているのです。船を利用した理由を答えてください。海水をとった場所を聞いて、さらに驚きました。こちらの写真は行革一一〇番がヘリコプターから撮影をした弘法浜海水浴場の写真です。海水浴場の地図を示し、海水をとった地点を示してほしいと福祉保健局に頼みますと、すると、弘法浜海水浴場はプールの前の岩場付近の海水浴客が多いので、岩場付近の海水をとったといい、地図に印をつけてくれました。写真には赤いマークで書いてあります。しかし、この写真にも岩場付近には海水浴客はいません。地元に聞いても、岩場では泳がないといいます。なぜ岩場の海水をとったのでしょう。考えられるのは、こちらの砂浜の端にある小川です。これが小川の写真です。ビーチボールが転がっています。そして、小川の水は海水浴場の砂浜にしみ込んで消えているのがわかります。この川の水を分析をすると、CODは一リットル当たり七六ミリグラム。生活雑排水なのです。生活雑排水が流れ込む砂浜を避け、岩場の海水をとったのではないでしょうか。これでも海水浴場の水質検査ですか。見解を伺います。さらに驚いたのは日の出浜の海水浴場です。消波ブロックで囲まれた家族向けの浅いプールのような海水浴場。ここでは、消波ブロックの外側、つまり海水浴場の外側の海水までとっているんです。これが福祉保健局の仕事ですか。今後の対応も含め、お答えください。これが現状です。知事の感想もあわせて聞かせてください。おまけがあります。この北部し尿処理池のがけの地層から、縄文時代の住居跡の遺跡が出土し、東京都教育委員会が下高洞遺跡と指定しています。遺跡に指定をされると、新たに土木工事のために穴を掘るときには、事前に通知をしなければならないと明確に規定をされています。しかし、遺跡に指定をされてから、通知もなく、し尿処理池が掘られていたのです。行革一一〇番の調査で判明をしました。大島町の行為が違法行為に当たるのか。また、大島町への今後の対応について伺います。最後に、し尿処理は大島町の責任です。しかし、東京都には専門の部局があり、指導、助言をしているはずです。そして、さまざまな補助金制度があるにもかかわらず、このありさまです。この結果から、東京都にも責任があると思うのです。そして、環境問題を解決するためには現場を重視し、従来の行政の枠を踏み越えて積極的に取り組むことが必要であると考えますが、知事の見解を聞かせてください。以上です。〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)後藤雄一議員の一般質問にお答えいたします。大島のし尿投入場所の移転についてでありますが、都民の貴重な財産である島しょ地域の美しい海を後世に伝えていくことは我々の責務だと思います。しかしながら、議員からの、海を守るためにし尿投入場所を移転すべきという提案については、島民の安全な飲料水を供給している、これは地下水をとっているわけでありまして、その水源に影響を与えるおそれがあって、望ましいとは思えません。都は、現在、町が計画しているし尿処理施設の整備が早急に実現されるよう、最大限の支援をしてまいります。他の質問については、教育長及び関係局長から答弁いたします。〔教育長中村正彦君登壇〕 # 教育長(中村正彦君) 教育長(中村正彦君)下高洞遺跡にかかわります本件につきましては、現在、大島町教育委員会に調査を依頼しておりますが、ご指摘のような状況が事実であった場合、都教育委員会は、文化財保護法第九十四条第一項に定める周知の埋蔵文化財包蔵地、いわゆる遺跡内における土木工事等のための発掘に関する事前の通知を受けていないことになります。その場合には、かかる事態が今後繰り返されることのないよう、大島町教育委員会に対して適切に指導を行ってまいります。〔環境局長吉川和夫君登壇〕 # 環境局長(吉川和夫君) 環境局長(吉川和夫君)五点についてお答えいたします。まず、大島北部のし尿投入場所の調査についてでありますが、現在、大島町では北部、南部の二カ所で、し尿を素掘りの穴に直接投入するという同じ方法で処分しております。都は、近年、南部のし尿投入場所を任意で立入調査しておりますが、平成十年度には北部も調査しており、大島町のし尿処理の全体的な状況は以前から把握しております。次に、し尿投入場所における油の使用についてでありますが、大島町は十年ほど前まで、し尿の臭気対策としてエンジンオイルを投入していましたが、その後は投入した事実はないと町から報告を受けております。また、今回、町が業者に事情聴取したところ、し尿の投入機材からこぼれたものの臭気対策として、最近までエンジンオイルを使用したこともありましたが、現在はそれも使用していないとのことでございました。なお、本件は、みだりに廃油を捨てたものではなく、臭気対策として用いられたものであり、不法投棄には当たりません。次に、し尿処理と水質調査結果との関係についてでありますが、し尿の処理が周辺環境に与える影響を調査する責務は大島町にございます。そのため、都は大島町を指導し、これに応じて町は、本年七月、し尿投入場所から至近の海域において環境調査を実施しましたが、その結果では、CODは一リットル当たり一・八ミリグラムと環境基準より低い値でありました。したがって、現状では環境保全上の問題はございません。なお、議員が測定した岩の間の海水は、環境基準を適用する場所には該当せず、環境基準と比較することは適当でありません。また、ご指摘のし尿投入場所は、水質汚濁防止法の規制対象ではありませんが、同法に該当する施設に適用される排出基準は一六〇ミリグラム以下であり、議員が測定したがけのしずくの値、九〇から一一〇という数値はこの基準を下回っております。次に、し尿投入場所の移転についてでありますが、地下水や湧水を水源としている大島では、飲料水への影響などを考慮すると、山間部などの別な場所へ移すことは適当でないと大島町は判断しております。先ほど、知事の答弁にもございましたが、都といたしましても、この町の判断は妥当だと考えております。なお、大島町では、処理施設の整備計画を今年度中に策定する予定であり、都は、今後とも処理施設ができるだけ早期に整備されるよう、技術的、財政的支援に努めてまいります。最後に、従来の行政の枠を超えた取り組みについてでありますが、一般廃棄物の処理のように、住民に身近な環境行政につきましては区市町村が責任を担っております。一方、都は、広域自治体として、みずから産業廃棄物対策や大気汚染防止などの広域的な課題に取り組むとともに、区市町村を支援していく責任がございます。今後とも、都は区市町村と緊密に連携し、環境の確保に向けた取り組みを積極的に推進してまいります。〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕 # 福祉保健局長(安藤立美君) 福祉保健局長(安藤立美君)まず、船による水質調査についてでございますが、都では、環境省が例示をしている採水方法や調査地点を参考として、個々の海水浴場の状況等を踏まえ、調査を実施をしております。大島につきましては、神津島、新島、式根島で採水した海水とあわせて一括して検査をするため、船を利用して効率的に採水を行っております。弘法浜の採水地点についてでございますが、弘法浜では、海水浴場として利用されている岩場も含めた水域内で、船による採水が可能な地点を選定し、水質調査を実施をしております。最後に、日の出浜の採水地点についてでございますが、日の出浜は規模が小さいため、環境省の例示によれば、採水地点は一地点となりますが、波消しブロックが設置されていることから、ブロックの内外三地点について調査を行っております。水質調査は、都民の衛生的かつ安全な海水浴場の利用に資するために行っているものであり、今後とも、周辺環境の変化を踏まえ、採水地点を適宜見直すなど、適切に調査を実施してまいります。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)以上をもって質問は終わりました。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)これより日程に入ります。日程第一から第三十一まで、第百五十六号議案、平成十九年度東京都一般会計補正予算(第二号)外議案二十九件、専決一件を一括議題といたします。本案に関し、提案理由の説明を求めます。副知事谷川健次君。〔副知事谷川健次君登壇〕 # 副知事(谷川健次君) 副知事(谷川健次君)ただいま上程になりました三十一議案についてご説明申し上げます。初めに、予算案についてご説明申し上げます。第百五十六号議案、平成十九年度東京都一般会計補正予算(第二号)の一件でございます。内容は、東京大気汚染訴訟の和解に伴う拠出金の一部を受け入れるもの三十八億円、中小企業への円滑な資金供給とCO2削減対策をあわせて推進するため、環境CBOを導入するもの五十億円、合わせて八十八億円の補正を行うものでございます。次に、第百五十七号議案から第百七十一号議案まで、及び第百八十五号議案が条例案でございまして、新設する条例が一件、一部を改正する条例が十五件でございます。まず、新設する条例についてご説明申し上げます。第百六十八号議案の緑の東京募金基金条例は、「十年後の東京」に掲げた、水と緑の回廊で包まれた美しいまち東京を復活させるため、都民等から募った寄附金を緑化事業に充当するための基金を設置するものでございます。次に、一部を改正する条例でございます。第百五十七号議案及び第百五十八号議案の特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例及び市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例は、都市計画法及び感染症法の一部改正に伴い、特別区等に事務を移譲するため、規定を整備するものでございます。次に、第百五十九号議案の東京都立学校設置条例の一部を改正する条例は、都立学校三校を新たに設置するほか、都立高等専門学校三校を独立行政法人化に伴い廃止するものでございます。次に、第百六十二号議案及び第百六十九号議案の東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例及び温泉法に基づく温泉の保護に係る手数料に関する条例の一部を改正する条例は、温泉法の一部改正に伴い、それぞれ手数料を新設するものでございます。次に、第百七十一号議案の警視庁の設置に関する条例の一部を改正する条例は、東京湾岸警察署を新設するほか、警察署の管轄区域を改めるものでございます。次に、第百八十五号議案の職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例は、退職手当の支給の一層の適正化を図るため、死亡による退職時における退職手当の支給制限規定等を新たに設けるものでございます。このほかに八件ございますが、いずれも法令等の改正に伴い、所要の改正を行うものでございます。次に、第百七十二号議案から第百七十六号議案までが契約案でございます。妙正寺川整備工事など五件でございます。契約金額は、総額約百四億六千万円でございます。次に、第百七十七号議案から第百八十四号議案までは事件案でございます。都立高等専門学校の移管に伴い、公立大学法人首都大学東京の中期目標等を変更するもの、警視庁発注工事に係る損害賠償請求訴訟事件について和解を行うもの、土地及び建物の売り払いに関するもの、江戸東京博物館等の指定管理者を指定するものなど八件について議決をお願いするものでございます。次に、専決でございます。東京大気汚染訴訟に関する和解について、和解期日までに議会を招集する時間的余裕がないと認め、専決処分を行ったものでございます。上程になりました三十一議案の説明は以上でございますが、このほかに人事案を送付いたしております。まず、東京都教育委員会委員でございます。九月三十日に任期満了となります鳥海巖氏の後任には、竹花豊氏を任命いたしたいと存じます。次に、東京都公安委員会委員でございます。十月十九日に任期満了となります安西邦夫氏につきましては、再任いたしたいと存じます。また、同じく十月十九日に任期満了となります大西勝也氏の後任には、仁田陸郎氏を任命いたしたいと存じます。次に、東京都監査委員でございます。新たに金子庸子氏を選任いたしたいと存じます。次に、東京都土地利用審査会委員でございます。十月二十四日に任期満了となります戸沼幸市氏、澤井英久氏、安倍澄子氏、池邊このみ氏の各氏につきましては、再任いたしたいと存じます。また、同じく十月二十四日に任期満了となります日端康雄氏の後任には大村謙二郎氏を、渡辺卓美氏の後任には北川雅章氏を、緒方瑞穂氏の後任には奥田かつ枝氏をそれぞれ任命いたしたいと存じます。同意につきまして、よろしくお願いいたします。以上で説明を終わります。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)以上をもって提案理由の説明は終わりました。なお、本案中、地方公務員法第五条第二項の規定に該当する議案については、あらかじめ人事委員会の意見を徴しておきました。議事部長をして報告いたさせます。 # 議事部長(大村雅一君) 議事部長(大村雅一君)人事委員会の回答は、第百八十五号議案について異議はないとの意見であります。一九人委任第五六号平成十九年九月十八日東京都人事委員会委員長内田公三東京都議会議長川島忠一殿「職員に関する条例」に対する人事委員会の意見聴取について(回答)平成十九年九月十二日付一九議事第一八一をもって照会があった議案に係る人事委員会の意見は、左記のとおりです。記┌┐│提出議案│├┤│一第百八十五号議案││職員の退職手当に関する条例の一部を││改正する条例│├┤│意見│├┤│異議ありません。│└┘ # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)お諮りいたします。ただいま議題となっております日程第一から第三十一までは、お手元に配布の議案付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)ご異議なしと認めます。よって、日程第一から第三十一までは、議案付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託することに決定いたしました。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)日程第三十二、平成十八年度東京都各会計歳入歳出決算の認定についてを議題といたします。〔大村議事部長朗読〕一、平成十八年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について一九財主議第二五五号平成十九年九月十九日東京都知事石原慎太郎東京都議会議長川島忠一殿平成十八年度東京都各会計歳入歳出決算の認定についてこのことについて、地方自治法第二百三十三条の規定により、左記のとおり送付しますので、東京都議会の認定をよろしくお願いします。記一平成十八年度東京都各会計歳入歳出決算書二平成十八年度東京都各会計歳入歳出決算事項別明細書三平成十八年度実質収支に関する調書四平成十八年度財産に関する調書五平成十八年度決算審査意見書六平成十八年度主要施策の成果七平成十八年度東京都決算参考書八平成十八年度東京都決算参考書財務諸表(決算書等省略) # 六十七番(石森たかゆき君) 六十七番(石森たかゆき君)本件は、三十一人の委員をもって構成する平成十八年度各会計決算特別委員会を設置し、これに付託されることを望みます。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)お諮りいたします。ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)ご異議なしと認めます。よって、本件は、三十一人の委員をもって構成する平成十八年度各会計決算特別委員会を設置し、これに付託することに決定いたしました。委員は、委員会条例第五条第一項の規定により、議長からお手元に配布の名簿のとおり指名いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)ご異議なしと認めます。よって、委員は、お手元に配布の名簿のとおり選任することに決定いたしました。なお、本日の本会議終了後、役員互選のため、委員会を第十二委員会室に招集いたしますので、ご了承願います。〔平成十八年度各会計決算特別委員名簿は本号末尾(一五五ページ)に掲載〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)日程第三十三、平成十八年度東京都公営企業各会計決算の認定についてを議題といたします。〔大村議事部長朗読〕一、平成十八年度東京都公営企業各会計決算の認定について一九財主議第二五六号平成十九年九月十九日東京都知事石原慎太郎東京都議会議長川島忠一殿平成十八年度東京都公営企業各会計決算の認定についてこのことについて、地方公営企業法第三十条第四項の規定に基づき、左記のとおり送付しますので、東京都議会の認定についてよろしくお願いいたします。記一平成十八年度東京都病院会計決算書及び同決算審査意見書二平成十八年度東京都中央卸売市場会計決算書及び同決算審査意見書三平成十八年度東京都都市再開発事業会計決算書及び同決算審査意見書四平成十八年度東京都臨海地域開発事業会計決算書及び同決算審査意見書五平成十八年度東京都港湾事業会計決算書及び同決算審査意見書六平成十八年度東京都交通事業会計決算書及び同決算審査意見書七平成十八年度東京都高速電車事業会計決算書及び同決算審査意見書八平成十八年度東京都電気事業会計決算書及び同決算審査意見書九平成十八年度東京都水道事業会計決算書及び同決算審査意見書十平成十八年度東京都工業用水道事業会計決算書及び同決算審査意見書十一平成十八年度東京都下水道事業会計決算書及び同決算審査意見書(決算書等省略) # 六十七番(石森たかゆき君) 六十七番(石森たかゆき君)本件は、二十三人の委員をもって構成する平成十八年度公営企業会計決算特別委員会を設置し、これに付託されることを望みます。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)お諮りいたします。ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)ご異議なしと認めます。よって、本件は、二十三人の委員をもって構成する平成十八年度公営企業会計決算特別委員会を設置し、これに付託することに決定いたしました。委員は、委員会条例第五条第一項の規定により、議長からお手元に配布の名簿のとおり指名いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)ご異議なしと認めます。よって、委員は、お手元に配布の名簿のとおり選任することに決定いたしました。なお、本日の本会議終了後、役員互選のため、委員会を第四委員会室に招集いたしますので、ご了承願います。〔平成十八年度公営企業会計決算特別委員名簿は本号末尾に掲載〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)これより追加日程に入ります。追加日程第一、東京都教育委員会委員の任命の同意についてを議題といたします。〔大村議事部長朗読〕一、東京都教育委員会委員の任命の同意について一件一九財主議第二三四号平成十九年九月十九日東京都知事石原慎太郎東京都議会議長川島忠一殿東京都教育委員会委員の任命の同意について(依頼)このことについて、東京都教育委員会委員鳥海巖は平成十九年九月三十日任期満了となるため、後任として左記の者を任命したいので、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第四条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。記竹花豊略歴現住所東京都小金井市竹花豊昭和二十四年五月十八日生(五十八歳)昭和四十八年三月東京大学法学部卒業昭和四十八年四月警察庁入庁昭和六十一年三月在オーストリア日本国大使館一等書記官平成二年四月警察庁刑事局捜査第二課暴力団対策室長平成四年八月警察庁刑事局保安部薬物対策課長平成六年八月大分県警察本部長平成八年八月警視庁地域部長平成九年四月警察庁長官官房参事官(金融・不良債権関連事犯担当)平成十一年二月警視庁生活安全部長平成十二年四月警察庁長官官房首席監察官平成十三年九月広島県警察本部長平成十五年六月東京都副知事平成十七年八月警察庁生活安全局長平成十九年一月警察庁退職平成十九年三月松下電器産業株式会社参与現在松下電器産業株式会社参与 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)本件は、起立により採決いたします。本件は、知事の任命に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)起立多数と認めます。よって、本件は、知事の任命に同意することに決定いたしました。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)追加日程第二及び第三、東京都公安委員会委員の任命の同意について二件を一括議題といたします。〔大村議事部長朗読〕一、東京都公安委員会委員の任命の同意について二件一九財主議第二三五号平成十九年九月十九日東京都知事石原慎太郎東京都議会議長川島忠一殿東京都公安委員会委員の任命の同意について(依頼)このことについて、左記の者は平成十九年十月十九日任期満了となるため、再び任命したいので、警察法第三十九条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。記安西邦夫略歴現住所東京都渋谷区安西邦夫昭和八年十月二十五日生(七十三歳)昭和三十一年三月慶應義塾大学法学部卒業昭和三十一年四月東京瓦斯株式会社入社昭和五十七年六月東京瓦斯株式会社取締役昭和五十八年六月東京瓦斯株式会社常務取締役昭和六十一年六月東京瓦斯株式会社代表取締役専務取締役昭和六十三年六月東京瓦斯株式会社代表取締役副社長平成元年四月東京瓦斯株式会社代表取締役社長平成二年二月経済団体連合会理事平成二年五月日本経営者団体連盟常任理事平成五年四月経済同友会幹事平成九年五月全国法人会総連合会長平成九年五月東京法人会連合会会長平成九年十二月経済団体連合会・日本ロシア経済委員会委員長平成十年六月日本瓦斯協会副会長平成十年十月総務省情報通信審議会(旧郵政省電気通信審議会)委員平成十一年六月東京瓦斯株式会社代表取締役会長平成十一年七月経済団体連合会常任理事平成十三年七月東京商工会議所特別顧問平成十三年十月東京都公安委員会委員平成十四年五月日本経済団体連合会常任理事平成十四年六月日本瓦斯協会会長平成十四年六月東京商工会議所副会頭平成十四年八月経済産業省総合資源エネルギー調査会委員平成十五年四月厚生労働省労働政策審議会委員平成十六年四月全国社会保険協会連合会会長平成十六年四月東京社会保険協会会長平成十八年四月東京瓦斯株式会社取締役相談役平成十九年六月東京瓦斯株式会社相談役現在東京瓦斯株式会社相談役一九財主議第二三六号平成十九年九月十九日東京都知事石原慎太郎東京都議会議長川島忠一殿東京都公安委員会委員の任命の同意について(依頼)このことについて、東京都公安委員会委員大西勝也は平成十九年十月十九日任期満了となるため、後任として左記の者を任命したいので、警察法第三十九条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。記仁田陸郎略歴現住所東京都杉並区仁田陸郎昭和十七年二月九日生(六十五歳)昭和三十八年九月司法試験合格昭和三十九年三月東京大学法学部卒業昭和三十九年四月司法修習生昭和四十一年四月大阪地方裁判所判事補昭和四十四年四月福島地方・家庭裁判所会津若松支部判事補昭和四十七年四月最高裁判所刑事局付昭和四十八年四月最高裁判所人事局付昭和五十一年四月東京地方裁判所判事昭和五十二年一月最高裁判所経理局主計課長昭和五十五年一月最高裁判所経理局総務課長昭和五十八年三月東京地方裁判所判事昭和六十一年四月福岡地方裁判所判事部統括昭和六十三年二月最高裁判所秘書課長兼広報課長平成三年七月最高裁判所経理局長平成九年三月甲府地方・家庭裁判所長平成十一年四月東京高等裁判所判事部総括平成十三年四月横浜地方裁判所長平成十四年六月札幌高等裁判所長官平成十六年十二月東京高等裁判所長官平成十九年二月東京高等裁判所長官退官平成十九年四月弁護士登録(第一東京弁護士会)現在弁護士 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)お諮りいたします。本件は、いずれも知事の任命に同意することにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)ご異議なしと認めます。よって、本件は、いずれも知事の任命に同意することに決定いたしました。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)追加日程第四、東京都監査委員の選任の同意についてを議題といたします。〔大村議事部長朗読〕一、東京都監査委員の選任の同意について一件一九財主議第二三七号平成十九年九月十九日東京都知事石原慎太郎東京都議会議長川島忠一殿東京都監査委員の選任の同意について(依頼)このことについて、左記の者を東京都監査委員に選任したいので、地方自治法第百九十六条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。記金子庸子略歴現住所神奈川県茅ヶ崎市金子庸子昭和十一年十二月十一日生(七十歳)昭和三十年三月神奈川県立平塚江南高等学校卒業昭和三十年四月資生堂小田原販売株式会社入社昭和三十五年六月株式会社資生堂本社へ移籍昭和五十四年八月株式会社資生堂商品開発部商品情報担当課長平成二年六月株式会社資生堂コンシューマーズセンター所長平成四年六月株式会社資生堂監査役(常勤)平成九年七月株式会社資生堂顧問平成十二年十月中央労働委員会委員平成十四年六月株式会社資生堂顧問退任現在常勤の現職なし中央労働委員会委員(非常勤) # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)お諮りいたします。本件は、知事の選任に同意することにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)ご異議なしと認めます。よって、本件は、知事の選任に同意することに決定いたしました。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)追加日程第五から第十一まで、東京都土地利用審査会委員の任命の同意について七件を一括議題といたします。〔大村議事部長朗読〕一、東京都土地利用審査会委員の任命の同意について七件一九財主議第二三八号平成十九年九月十九日東京都知事石原慎太郎東京都議会議長川島忠一殿東京都土地利用審査会委員の任命の同意について(依頼)このことについて、左記の者は平成十九年十月二十四日任期満了となるため、再び任命したいので、国土利用計画法第三十九条第四項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。記戸沼幸市略歴現住所東京都練馬区戸沼幸市昭和八年四月十九日生(七十四歳)昭和四十一年三月早稲田大学大学院理工学研究科博士課程修了昭和四十一年四月早稲田大学理工学部助手昭和四十七年四月早稲田大学理工学部助教授昭和五十二年四月早稲田大学理工学部教授平成十六年四月早稲田大学名誉教授平成十七年八月財団法人日本開発構想研究所理事長現在早稲田大学名誉教授財団法人日本開発構想研究所理事長一九財主議第二四〇号平成十九年九月十九日東京都知事石原慎太郎東京都議会議長川島忠一殿東京都土地利用審査会委員の任命の同意について(依頼)このことについて、左記の者は平成十九年十月二十四日任期満了となるため、再び任命したいので、国土利用計画法第三十九条第四項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。記澤井英久略歴現住所東京都文京区澤井英久昭和二十三年七月二十三日生(五十九歳)昭和四十八年三月一橋大学法学部卒業昭和四十八年四月最高裁判所司法修習生昭和五十年四月弁護士登録(第二東京弁護士会)平成十四年十月新四谷法律事務所代表平成十五年四月電気通信大学客員教授現在弁護士(新四谷法律事務所代表弁護士)一九財主議第二四一号平成十九年九月十九日東京都知事石原慎太郎東京都議会議長川島忠一殿東京都土地利用審査会委員の任命の同意について(依頼)このことについて、左記の者は平成十九年十月二十四日任期満了となるため、再び任命したいので、国土利用計画法第三十九条第四項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。記安倍澄子略歴現住所神奈川県茅ヶ崎市安倍澄子昭和二十三年十月二十七日生(五十八歳)昭和五十年三月東京教育大学大学院修士課程修了(農学研究科農政学専攻)昭和五十年十月社団法人農村生活総合研究センター勤務昭和五十二年十月社団法人農村生活総合研究センター研究員平成四年五月社団法人農村生活総合研究センター主任研究員平成十六年四月社団法人全国農業改良普及支援協会主任研究員(農村生活総合研究センターが組織統合)現在社団法人全国農業改良普及支援協会主任研究員一九財主議第二四二号平成十九年九月十九日東京都知事石原慎太郎東京都議会議長川島忠一殿東京都土地利用審査会委員の任命の同意について(依頼)このことについて、左記の者は平成十九年十月二十四日任期満了となるため、再び任命したいので、国土利用計画法第三十九条第四項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。記池邊このみ略歴現住所東京都新宿区池邊このみ昭和三十二年八月三十一日生(五十歳)昭和五十六年三月千葉大学園芸学部造園学科卒業昭和五十八年三月千葉大学大学院修士課程修了(都市緑地計画学専攻)昭和五十八年四月千葉大学園芸学部研究生昭和六十年四月株式会社タム地域環境研究所協力社員昭和六十二年四月株式会社マヌ都市建築研究所研究員昭和六十三年七月株式会社住信基礎研究所研究員平成十五年二月株式会社ニッセイ基礎研究所上席主任研究員現在株式会社ニッセイ基礎研究所上席主任研究員一九財主議第二四三号平成十九年九月十九日東京都知事石原慎太郎東京都議会議長川島忠一殿東京都土地利用審査会委員の任命の同意について(依頼)このことについて、東京都土地利用審査会委員日端康雄は平成十九年十月二十四日任期満了となるため、後任として左記の者を任命したいので、国土利用計画法第三十九条第四項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。記大村謙二郎略歴現住所東京都中野区大村謙二郎昭和二十二年十一月十四日生(五十九歳)昭和四十六年三月東京大学工学部都市工学科卒業昭和四十六年四月財団法人計量計画研究所入所昭和五十二年四月東京大学工学部都市工学科助手昭和五十九年四月建設省建築研究所室長平成六年九月筑波大学教授現在筑波大学大学院システム情報工学研究科教授一九財主議第二四四号平成十九年九月十九日東京都知事石原慎太郎東京都議会議長川島忠一殿東京都土地利用審査会委員の任命の同意について(依頼)このことについて、東京都土地利用審査会委員渡辺卓美は平成十九年十月二十四日任期満了となるため、後任として左記の者を任命したいので、国土利用計画法第三十九条第四項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。記北川雅章略歴現住所神奈川県横浜市北川雅章昭和二十四年十月十四日生(五十七歳)昭和四十八年三月慶應義塾大学経済学部卒業昭和四十八年四月不動産鑑定士事務所(民間企業)入所昭和五十六年四月財団法人日本不動産研究所入所平成十九年四月財団法人日本不動産研究所調査企画部長現在不動産鑑定士財団法人日本不動産研究所調査企画部長一九財主議第二四五号平成十九年九月十九日東京都知事石原慎太郎東京都議会議長川島忠一殿東京都土地利用審査会委員の任命の同意について(依頼)このことについて、東京都土地利用審査会委員緒方瑞穂は平成十九年十月二十四日任期満了となるため、後任として左記の者を任命したいので、国土利用計画法第三十九条第四項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。記奥田かつ枝略歴現住所東京都世田谷区奥田かつ枝昭和三十八年十二月二十八日生(四十三歳)昭和六十一年三月一橋大学法学部卒業昭和六十一年四月三菱信託銀行株式会社入社平成九年一月株式会社緒方不動産鑑定事務所入所平成十八年二月東京都地価動向調査委員会委員平成十八年九月郵政民営化承継財産評価委員会委員現在不動産鑑定士株式会社緒方不動産鑑定事務所取締役 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)お諮りいたします。本件は、いずれも知事の任命に同意することにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)ご異議なしと認めます。よって、本件は、いずれも知事の任命に同意することに決定いたしました。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)追加日程第十二、議員提出議案第二十号、公立の小学校及び中学校の耐震化促進のための助成に関する条例を議題といたします。案文は、お手元に配布いたしてあります。(議案の部参照) # 六十七番(石森たかゆき君) 六十七番(石森たかゆき君)この際、議事進行の動議を提出いたします。ただいま議題となっております議員提出議案第二十号については、趣旨説明を省略し、文教委員会に付託されることを望みます。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)お諮りいたします。ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)ご異議なしと認めます。よって、議員提出議案第二十号は、趣旨説明を省略し、文教委員会に付託することに決定いたしました。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)追加日程第十三、議会運営委員の辞任の件を議題といたします。議会運営委員古館和憲君より同委員を辞任したい旨の申し出がありました。お諮りいたします。本件は、申し出のとおり辞任を許可することにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)ご異議なしと認めます。よって、本件は、申し出のとおり辞任を許可することに決定いたしました。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)追加日程第十四、オリンピック招致特別委員の辞任の件を議題といたします。オリンピック招致特別委員たぞえ民夫君より同委員を辞任したい旨の申し出がありました。お諮りいたします。本件は、申し出のとおり辞任を許可することにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)ご異議なしと認めます。よって、本件は、申し出のとおり辞任を許可することに決定いたしました。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)ただいまの議会運営委員及びオリンピック招致特別委員の辞任に伴い、同委員の欠員を補充する必要が生じましたので、議会運営委員の選任の件及びオリンピック招致特別委員の選任の件を本日の日程に追加いたします。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)まず、議会運営委員の選任の件を追加日程第十五として直ちに選任を行います。本件は、委員会条例第五条第一項の規定により、議長から、七十四番いのつめまさみさんを指名いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)ご異議なしと認めます。よって、本件は、議長指名のとおり選任することに決定いたしました。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)次に、オリンピック招致特別委員の選任の件を追加日程第十六として直ちに選任を行います。本件は、委員会条例第五条第一項の規定により、議長から、五十二番斉藤あつし君を指名いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)ご異議なしと認めます。よって、本件は、議長指名のとおり選任することに決定いたしました。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)請願及び陳情の付託について申し上げます。受理いたしました請願六十四件及び陳情十七件は、お手元に配布の請願陳情付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)お諮りいたします。明二十八日から十月四日まで七日間、委員会審査のため休会いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)ご異議なしと認めます。よって、明二十八日から十月四日まで七日間、委員会審査のため休会することに決定いたしました。なお、次回の会議は、十月五日午後一時に開きます。以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。本日はこれをもって散会いたします。午後七時五十四分散会
2024-03-31T11:22:36.543725Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/178561?Template=document&Id=2160#one
--- title: 平成19年_第3回定例会(第14号) 名簿・議事日程 # 平成十九年九月二十七日(木曜日)出席議員百二十六名一番遠藤守君二番伊藤興一君三番米沢正和君四番鈴木章浩君五番きたしろ勝彦君六番後藤雄一君七番福士敬子君八番伊沢けい子君九番そなえ邦彦君十番西崎光子君十一番西岡真一郎君十二番伊藤ゆう君十三番原田大君十四番河野百合恵君十五番小竹ひろ子君十六番松葉多美子君十七番大松成君十八番中山信行君十九番高倉良生君二十番田中たけし君二十一番神林茂君二十二番早坂義弘君二十三番高木けい君二十四番崎山知尚君二十五番宇田川聡史君二十六番高橋信博君二十七番原田恭子君二十八番佐藤広典君二十九番尾崎大介君三十番山口拓君三十一番伊藤まさき君三十二番松下玲子君三十三番野上ゆきえ君三十四番たぞえ民夫君三十五番村松みえ子君三十六番橘正剛君三十七番上野和彦君三十八番吉倉正美君三十九番谷村孝彦君四十番村上英子君四十一番鈴木あきまさ君四十二番秋田一郎君四十三番山加朱美君四十四番串田克巳君四十五番吉原修君四十六番山田忠昭君四十七番田代ひろし君四十九番山口文江君五十番今村るか君五十一番吉田康一郎君五十二番斉藤あつし君五十三番泉谷つよし君五十四番くまき美奈子君五十五番大西さとる君五十六番増子博樹君五十七番かち佳代子君五十八番植木こうじ君五十九番野上純子君六十番東村邦浩君六十一番長橋桂一君六十二番小磯善彦君六十三番三宅茂樹君六十四番高島なおき君六十五番鈴木一光君六十六番菅東一君六十七番石森たかゆき君六十八番矢島千秋君六十九番鈴木隆道君七十番こいそ明君七十一番倉林辰雄君七十二番遠藤衛君七十三番大西由紀子君七十四番いのつめまさみ君七十五番門脇ふみよし君七十六番小沢昌也君七十七番石毛しげる君七十八番岡崎幸夫君七十九番柿沢未途君八十番清水ひで子君八十一番古館和憲君八十二番松村友昭君八十三番東野秀平君八十四番ともとし春久君八十五番鈴木貫太郎君八十六番石川芳昭君八十七番三原まさつぐ君八十八番田島和明君八十九番林田武君九十番野島善司君九十一番高橋かずみ君九十二番樺山たかし君九十三番新藤義彦君九十四番古賀俊昭君九十五番立石晴康君九十六番桜井武君九十七番初鹿明博君九十八番酒井大史君九十九番花輪ともふみ君百番大津浩子君百一番大塚たかあき君百二番相川博君百三番中村明彦君百四番曽根はじめ君百五番大山とも子君百六番藤井一君百七番中嶋義雄君百八番木内良明君百九番石井義修君百十番宮崎章君百十一番服部ゆくお君百十二番川井しげお君百十三番吉野利明君百十四番野村有信君百十五番比留間敏夫君百十六番佐藤裕彦君百十七番川島忠一君百十八番内田茂君百十九番三田敏哉君百二十番馬場裕子君百二十一番大沢昇君百二十二番山下太郎君百二十三番土屋たかゆき君百二十四番田中良君百二十五番名取憲彦君百二十六番吉田信夫君百二十七番渡辺康信君欠席議員なし欠員四十八番出席説明員知事石原慎太郎君副知事谷川健次君副知事菅原秀夫君副知事山口一久君副知事猪瀬直樹君教育長中村正彦君知事本局長大原正行君総務局長押元洋君財務局長村山寛司君主税局長熊野順祥君警視総監矢代隆義君生活文化スポーツ局長渡辺日佐夫君都市整備局長只腰憲久君環境局長吉川和夫君福祉保健局長安藤立美君産業労働局長佐藤広君建設局長道家孝行君港湾局長津島隆一君会計管理局長三枝修一君交通局長島田健一君消防総監小林輝幸君水道局長東岡創示君下水道局長前田正博君青少年・治安対策本部長久我英一君東京オリンピック招致本部長荒川満君病院経営本部長秋山俊行君中央卸売市場長比留間英人君選挙管理委員会事務局長梶原康二君人事委員会事務局長矢口幸一君労働委員会事務局長有留武司君監査事務局長白石弥生子君収用委員会事務局長中田清己君九月二十七日議事日程第三号第一第百五十六号議案平成十九年度東京都一般会計補正予算(第二号)第二第百五十七号議案特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例第三第百五十八号議案市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例第四第百五十九号議案東京都立学校設置条例の一部を改正する条例第五第百六十号議案都市計画法に規定する開発許可等の基準に関する条例の一部を改正する条例第六第百六十一号議案東京都建築安全条例の一部を改正する条例第七第百六十二号議案東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例第八第百六十三号議案東京都看護師等修学資金貸与条例の一部を改正する条例第九第百六十四号議案東京都認定こども園の認定基準に関する条例の一部を改正する条例第十第百六十五号議案旅館業法施行条例の一部を改正する条例第十一第百六十六号議案プール等取締条例の一部を改正する条例第十二第百六十七号議案東京都産業労働局関係手数料条例の一部を改正する条例第十三第百六十八号議案緑の東京募金基金条例第十四第百六十九号議案温泉法に基づく温泉の保護に係る手数料に関する条例の一部を改正する条例第十五第百七十号議案東京都公営企業職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部を改正する条例第十六第百七十一号議案警視庁の設置に関する条例の一部を改正する条例第十七第百七十二号議案東京都医学系総合研究所(仮称)(H十九)I期新築工事請負契約第十八第百七十三号議案都立永福学園養護学校(H十九)増築工事請負契約第十九第百七十四号議案妙正寺川整備工事(激特一)請負契約第二十第百七十五号議案妙正寺川整備工事(激特二)請負契約第二十一第百七十六号議案妙正寺川整備工事(激特四)請負契約第二十二第百七十七号議案公立大学法人首都大学東京中期目標の変更について第二十三第百七十八号議案公立大学法人首都大学東京定款の変更について第二十四第百七十九号議案公立大学法人首都大学東京が徴収する料金の上限の認可について第二十五第百八十号議案公立大学法人首都大学東京に対する出資について第二十六第百八十一号議案道路標識設置等工事に係る損害賠償請求訴訟事件に関する和解について第二十七第百八十二号議案土地及び建物の売払いについて第二十八第百八十三号議案東京都江戸東京博物館外二施設の指定管理者の指定について第二十九第百八十四号議案東京文化会館の指定管理者の指定について第三十第百八十五号議案職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例第三十一地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京大気汚染訴訟の和解に関する報告及び承認について第三十二平成十八年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について第三十三平成十八年度東京都公営企業各会計決算の認定について議事日程第三号追加の一第一東京都教育委員会委員の任命の同意について(一九財主議第二三四号)第二東京都公安委員会委員の任命の同意について(一九財主議第二三五号)第三東京都公安委員会委員の任命の同意について(一九財主議第二三六号)第四東京都監査委員の選任の同意について(一九財主議第二三七号)第五東京都土地利用審査会委員の任命の同意について(一九財主議第二三八号)第六東京都土地利用審査会委員の任命の同意について(一九財主議第二四〇号)第七東京都土地利用審査会委員の任命の同意について(一九財主議第二四一号)第八東京都土地利用審査会委員の任命の同意について(一九財主議第二四二号)第九東京都土地利用審査会委員の任命の同意について(一九財主議第二四三号)第十東京都土地利用審査会委員の任命の同意について(一九財主議第二四四号)第十一東京都土地利用審査会委員の任命の同意について(一九財主議第二四五号)第十二議員提出議案第二十号公立の小学校及び中学校の耐震化促進のための助成に関する条例第十三議会運営委員の辞任第十四オリンピック招致特別委員の辞任議事日程第三号追加の二第十五議会運営委員の選任第十六オリンピック招致特別委員の選任
2024-03-31T11:22:37.236544Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/178561?Template=document&Id=2159#one
--- title: 平成19年_第3回定例会(第13号) 本文 # 午後一時開議 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)これより本日の会議を開きます。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)次に、議事部長をして諸般の報告をいたさせます。 # 議事部長(大村雅一君) 議事部長(大村雅一君)知事より、地方自治法第二百四十一条第五項の規定により、平成十八年度東京都区市町村振興基金及び東京都用品調達基金の運用状況に関する調書等の提出がそれぞれありました。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)次に、日程の追加について申し上げます。知事より、平成十八年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について外一件が提出をされました。これらを本日の日程に追加をいたします。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)これより質問に入ります。百十三番吉野利明君。〔百十三番吉野利明君登壇〕 # 百十三番(吉野利明君) 百十三番(吉野利明君)平成十九年第三回東京都議会定例会に当たり、都議会自由民主党を代表して質問いたします。去る七月十六日に発生した新潟県中越沖地震は、柏崎市や刈羽村などで、多くの死傷者や多数の家屋の全半壊など大きな被害をもたらしました。地震により亡くなられた方々に深く哀悼の意を表するとともに、被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。都は直ちに救助活動を展開しましたが、都議会自民党も、東京への重要な電力供給地でもある被災地に対して一刻も早く支援するように、知事に対して十分な対応を要請したところです。さて、知事は今般、東京を水と緑にあふれ、美しく安全な都市へと生まれ変わらせるために、年内に「十年後の東京」の実現に向けた実行プログラムを策定し、今後の都の事業展開を明らかにすると表明されました。オリンピック招致を目指し、東京をさらなる成熟を遂げた都市として二十一世紀の都市モデルを実現するには、都の具体的な取り組みをしっかりと構築するとともに、都民、企業、区市町村などとの協働を強力に推進し、東京全体で一丸となった取り組みをいかに進めていくかが大きなかぎとなります。今回の実行プログラムでは、広範なムーブメントの醸成に、共感を呼ぶキャッチフレーズを初め、緑化の推進に向けて都民、企業が受け入れやすい仕組みづくりや、区市町村の積極的な参加など、さまざまな主体の具体的な行動を促していく熱意と創意工夫にあふれた取り組みを提起すべきと考えます。とりわけ「十年後の東京」には、区市町村の取り組みが数多く掲げられていることから、区市町村との連携体制をどのように構築していくかが極めて重要であります。我が党としても、常にアンテナを張り、さまざまな地域の声を聞き、新たなニーズの掘り起こしも含め汗をかいていく所存です。実行プログラムの策定に当たって、区市町村を初めとする東京の総力をいかに結集し、目標実現に向けた政策を着実かつ迅速に実施していくか、知事の所見を伺います。次に、東京大気汚染訴訟について伺います。先般、和解が成立し、これにより足かけ十一年にわたる訴訟が終結いたしました。この和解の最大の原動力は、知事が強い信念で解決をリードされたことにあります。思い起こせば、平成十四年に、健康被害者の救済と自動車排出ガス対策の強化を早急に実施することが行政の使命であるとして、知事は控訴しない決断をされました。我々は、これを強く支持したところであります。知事と都議会が手を携え、東京の大気汚染問題の抜本的な解決を目指して取り組んできたことが、今回、首相の決断を引き出し、メーカーに社会的責任を自覚させ、過去に例を見ない充実した内容の和解を成立させたのであります。一方で、和解の柱である医療費助成制度に対する首都高速道路株式会社の対応は、都の提案したスキームの一部しか負担を明確にせず、不十分といわざるを得ません。首都高は、和解の意義を重く受けとめ、社会的責任を果たすべきであります。都としても応分の負担をするよう強く求めていく必要があります。そこで、和解の意義と今後の首都高との協議について知事の所見を伺います。次に、低所得者対策について伺います。みずからの生活を向上させる意欲のある方々が、将来にわたって社会的、経済的な自立を確固たるものとできるよう、行政が積極的に支援を行っていくことは当然のことであります。我が党は、こうした方々への支援は、少子高齢化が進む中で東京の活力を維持していくためにも不可欠と考えます。さて、石原知事は、さきの施政方針で、低所得者の方々への支援策として検討してきた個人都民税の軽減について、きめ細かな施策を重点的に講じる方針への転換を明らかにされました。都政が都民の貴重な税金で賄われる以上、場合によっては、よりよい方法に変えていくことはもちろん必要であります。今回の方針の転換に当たって、今後、我が党と知事との関係をさらに建設的なものとしていくために、幾つか提言をさせていただきます。施策を構築していくに当たっては、まず、その効果や対象とすべき方策を精査すべきであり、庁内で広く活発な議論を行い、トップダウンとボトムアップを融合させた上で進めるべきです。また、都政運営のあり方という点から見れば、対等協力の関係である区市町村との関係も十分に考慮する必要があります。議会とも十分な意思疎通を図るべきであります。ところで、知事は、さきの定例記者会見で、今回の方針転換を公約の進化という言葉であらわされました。進化に当たっては、きめ細かく、的確に施策を講じることが重要であり、必要かつ十分な事業費を措置すべきです。そこでまず、今回の公約の進化に当たっての知事の決意を伺います。また、知事は、さきの所信表明で、額に汗して懸命に働いているにもかかわらず、低所得の状況から抜け出せないまま不安定な生活を余儀なくされている方々が、みずからの人生を切り開き、将来の展望を見出すことができるよう、多様な施策を講じていくことを明らかにされました。雇用施策についていえば、被雇用者と雇用主の両方に対して総合的な対策を講じていくことが必要と考えます。まず、被雇用者への施策としては、例えばフリーターの方が正規雇用を希望するときに、職業能力の向上を支援していくなど、一人一人の状況に合ったきめの細かい多様な支援策を充実させることが重要であります。また、受け入れ側となる雇用主に対しては、新たな雇用へのインセンティブとなる施策の充実が必要と考えます。今後、議会の意見を十分踏まえながら、施策の具体化に向けて取り組んでいただきたいと思います。そこで、都が考えている新しい施策の方向性はどのようなものか伺います。次に、今後の財政運営と新たに発表された都財政の年次財務報告書について伺います。今年度は、「十年後の東京」の実現に向けた基礎固めとなる大事な年であります。それを支える都財政は、財政再建に一つの区切りをつけ、新たな段階に入りました。今後は、財政再建の成果を、効果的な施策の展開によって都民にきちんと還元していくことが重要であります。一方で、現在の都財政の好調がいつまでも続くわけではないことは、歴史を振り返るまでもなく明らかです。これからの都財政は、いかなる状況にあっても、「十年後の東京」を支え得る持続的な財政体力を備えていなければなりません。都財政は、財政基盤のさらなる強化と、施策展開のバランスというきわめて難しいかじ取りを迫られているのであります。こうした中で、初めての試みとなる都財政の年次財務報告書が発表されました。この報告書は、新たな公会計制度に基づく初めての決算をまとめたものであり、財政運営の一つの新しい羅針盤としての役割が期待されています。都のここ数年の財政運営のかじ取りが、十年先の東京の姿を決定づけるともいうべき重大な岐路に立たされているわけですが、新たな公会計という羅針盤を手に入れた今、今後の財政運営について知事の所見を伺います。今年度の年次財務報告書では、幾つかの興味深い事実が明らかになりました。東京都の貸借対照表によれば、平成十八年度末現在で、期限内に回収ができていない債権が千三百五十八億円存在し、それらは都の資産として計上されています。債権については、日々の適切な管理の積み重ねが何より重要であり、しっかり行っていただきたいわけですが、それをもってしてもなお、どうしても回収できない債権については、資産価値の適正把握という観点から速やかに損失処理に踏み切ることも必要であります。そこで、より適正な債権管理を行っていくために、今後、都としてどのような取り組みを進めていくのか伺います。貸借対照表の作成により、東京都の資産において建物の占める割合が非常に大きいことが明らかになりました。行政財産の有形固定資産全体のうち、建物は実に三五%の割合を占めています。さらに、新たな公会計制度では減価償却の概念が導入され、都が所有する建物の資産価値が年数の経過とともに減価し、今後の改築、改修などの需要につながっていることも示されました。これまでも、都の大規模施設に膨大な更新需要が控えていることは指摘されていましたが、今回の財務諸表によって、そのことが数字の上でも明らかになったわけです。耐震化などの観点から、古くなった施設を改築、改修するのは当然ですが、多額の費用を投じる以上、それらは都民の納得が得られるものでなければなりません。そのためには、必要性が低下した施設については統廃合を含めた抜本的な再編整理に踏み切る一方、真に必要な施設についてはしっかりとした整備を行うなど、めり張りのきいた取り組みが求められます。そこで、大規模施設等の改築、改修についてどのような考え方に基づいて進めていくのか伺います。次に、オリンピック及びパラリンピックの招致について伺います。九月十一日、二〇一六年オリンピック、パラリンピック競技大会の東京招致について閣議了解が得られました。ここに晴れて、東京へのオリンピック招致が国の事業として正式に位置づけられ、いよいよ本格的な招致活動が開始します。また、これに先立って、九月七日には地方六団体による招致決議がなされ、全国からオリンピック招致への取り組みに対する支持がありました。我が党はこれまでも、知事とともに先頭に立ってオリンピックの東京招致に向けて邁進してきました。特に、招致実現のためには、まずは都民、国民から幅広い支持を得ることが重要であるという観点から、招致機運の盛り上げについてさまざまな提案をしてきました。こうした提案を踏まえ、都では招致委員会を中心に、招致大使の選定、東京タワーのディスプレー、プロ野球の始球式、ロゴ入りのバナー、横断幕の掲出などさまざまな広報活動を展開してきましたが、まだまだ十分とはいえません。今後、都は、申請ファイルの提出に向けて世論調査を行い、IOCは来年一月の申請ファイル提出後に独自に世論調査を行うと聞いています。都における世論調査の予定と、その中で高い支持率を得るために、今後、どのような取り組みを進めていくのか所見を伺います。国や地方六団体の力強い支持表明はありましたが、都民の盛り上がりを図っていくためには、都と区市町村の緊密な連携、そして区市町村の積極的な参加が必要です。都内の区市町村では、直近の定例会でも二区市が決議し、都内六十二の自治体のうち五十一団体となり、さらに数団体で協議中です。一方で、競技会場などのある区市町村と、そうでないところとでは、参加意識の高さに差があるのが現状です。こうした状況も踏まえ、すべての区市町村の参加意識をどのように高めていくのか、具体的な方策について伺います。去る九月十四日に、二〇一六年オリンピック申請都市が発表されました。シカゴ、リオデジャネイロ、マドリード、ドーハ、バクー、プラハといったそれぞれの国を代表する強豪都市を相手に、まずは来年六月に立候補都市として勝ち残らなければなりません。これらの都市に勝ち抜くためには、世論の盛り上がりもさることながら、IOCに高く評価される申請ファイルの提案が必要であります。ファイル策定に当たっては、判定者であるIOCが何を重視しているのか正しく認識しておく必要があります。都はどのような分析を行い、ファイルの策定を進めているのか伺います。オリンピック招致は、国際都市間の熾烈な競争であり、勝者の方程式など存在しません。質の高い計画をつくり、国を挙げての綿密な戦略のもと、正々堂々と戦っていくことが必要であります。戦いの相手が決まった今、熾烈な招致競争に勝ち抜いていく知事の決意を伺います。こうしたオリンピック招致機運の盛り上げを絶好の機会ととらえ、都民がスポーツに親しむ機会を拡大し、スポーツ実践層のすそ野を広げることが、健康の増進や地域の活性化の視点から必要であります。また、子どもたちに夢を与え、スポーツへのあこがれを醸成する意味からも、トップアスリートの育成を通じて競技力の向上を目指すことも重要です。この夏、アジア十二都市の選手が東京に集って行われた二〇〇七ジュニアスポーツアジア交流大会では、連日の猛暑の中、将来、オリンピックでの活躍を夢に抱くジュニア選手たちが、バドミントンの交流試合に取り組みました。その結果、競技力の向上のみならず、国を超えた相互理解を深め、精神的にも大きな成長をもたらしたと聞いています。スポーツを通じたアジアの次世代育成に大いに貢献するものであります。このように、すばらしいスポーツイベントを通じてスポーツの意義や楽しさを広く都民に伝えることは、スポーツムーブメントの醸成に大きな意義があります。都は、テレビ番組などさまざまなメディアを活用して、積極的にスポーツ情報を発信していくべきであります。我が党は、第二回定例会で、まさにオリンピック招致都市にふさわしいスポーツ都市東京の実現に向け、スポーツ振興戦略の早急な策定を提案したところであります。都は、新たなスポーツ振興の戦略の策定に当たって、スポーツ人口の拡大を目指し、率先してその役割を果たすべきと考えます。この点も含め、今後、どのように施策の展開を図っていくのか伺います。ところで、東京オリンピックの三年前の平成二十五年には、五十四年ぶりに東京国体が開催されます。東京国体は、多摩・島しょ地域にとって、地域の魅力を全国に発信するとともに、産業や経済の活性化を呼び起こす起爆剤として大きな期待が寄せられています。また、三年後の東京オリンピックを成功させるためには、東京国体をぜひとも成功させなくてはなりません。去る七月九日には東京国体の準備委員会が発足しましたが、東京オリンピックやパラリンピックの招致機運を盛り上げていくためにも、また、多摩・島しょ地域の熱い期待にこたえるためにも、今まで以上に東京国体の準備活動に全力を尽くしていただくよう知事に強く要望し、次の質問に移ります。環境対策について伺います。まず、地球温暖化がもたらす気候変動の問題について伺います。このたび、都は、六月に策定した東京都気候変動対策方針に基づく具体的な取り組みの第一弾として、中小企業を対象とした環境CBOの創設を明らかにしました。中小企業のCO2排出量は都内の排出量の約二割を占めており、この削減策、すなわち中小企業の省エネの推進は極めて重要な課題です。省エネは、光熱水費の節減につながるメリットがありますが、中小企業はそもそも省エネ促進に関するノウハウや設備投資の資金が不足していることから、全体として取り組みがおくれております。こうした状況の中で、都が環境CBOを創設することは大いに意義あることであり、今後とも積極的に中小企業の気候変動対策を進めていくべきと考えますが、知事の所見を伺います。さらに、同方針では、自動車交通における取り組みも不可欠であると述べられております。自動車からのCO2排出量は都内の排出量の約二割を占めており、その削減は極めて重要かつ急務となっています。自動車交通に起因するCO2の削減を進めていくためには、自動車の環境性能の向上などさまざまな対応が求められています。中でも、急な加減速やアイドリングなどを行わない運転方法であるエコドライブは、だれもが手軽に実践でき、速やかにCO2を削減できる効果的な取り組みです。しかしながら、エコドライブは、都内車両の大部分を占める小規模事業者やマイカー保有者では取り組みがおくれている状況にあります。そこで、事業者や都民に幅広く普及啓発を行うとともに、エコドライブを社会に定着させるような仕組みの構築を急ぐべきだと考えますが、所見を伺います。次に、太陽光発電の普及について伺います。家庭のCO2排出量は都内の排出量の約四分の一を占めており、「十年後の東京」でも、太陽エネルギー利用を百万キロワット相当に拡大すると数値目標を設け、住宅などへの太陽光発電の普及促進が示されています。ところが、国は、市場が自立したという判断で補助を打ち切り、そのため、我が国の太陽光発電の普及は減速するに至りました。一方、ドイツは、国家的な電力の買い取り制度の実施により、日本を追い抜いて世界一の太陽光発電国になっております。太陽光発電を自宅に設置する都民の経済的負担は大きく、このまま都民の志に任せていても、飛躍的な普及は期待できません。家庭からのCO2削減を本格化するためには、都は、国を待つことなく、太陽エネルギーの導入促進策の構築を急ぐべきと考えますが、見解を伺います。次に、新たな緑施策について伺います。六月に策定された緑の東京十年プロジェクト基本方針においては、緑の再生を目指す取り組みの一つとして、新たな緑の募金制度の創設が示されています。この具体化として、このたび、七月にスタートした海の森募金を拡大した緑の東京募金の設置が打ち出されました。我が党は、この募金を、都が都民、企業と協働する有効な取り組みとして期待を持っております。緑の東京募金を創設するに当たり、改めて知事にこの募金の意義を伺います。また、新たな緑の東京募金については、その意義に加え、募金活動の具体的な進め方においても幅広い都民の賛同を得ることが何より大事だと考えます。そのために、具体的にどのような取り組みを進めようとしているのか伺います。我が党は、都が石原知事を先頭に、これまで以上に先駆的な環境対策に取り組み、日本の気候変動対策をリードしていくとともに、東京オリンピックを環境オリンピックとして世界にアピールしていくことを期待しています。次に、羽田空港の国際化について伺います。知事は、首都圏の喫緊の課題として羽田空港の再拡張、国際化の推進を、これまでも国に対して強く働きかけてきました。その結果、多くの困難な課題もありましたが、知事を初め関係者の並々ならぬご努力が実を結び、本年三月に、四本目となるD滑走路の工事がようやく着工の運びとなりました。今後は、我が国の国際競争力をより強化するためにも、三年後の平成二十二年十月の供用開始を目指し、着実にD滑走路の整備を進めていただきたいと願っております。国において、民間を含めた幅広く活発な議論が行われ、本年五月には、アジア・ゲートウェイ戦略会議においてアジア・ゲートウェイ構想を示し、羽田空港のさらなる国際化、大都市圏国際空港の二十四時間化など、航空自由化に向けた航空政策の転換を図る具体的な施策を提案しました。また、六月には、経済財政改革の基本方針二〇〇七が閣議決定され、その中でも、オープンな国づくりに向けてアジア・ゲートウェイ構想を推進するため、羽田空港のさらなる国際化が盛り込まれています。知事は、第一回定例会の我が党の一般質問において、再拡張後の羽田空港の国際化に向けた強い決意を述べられました。この間、今述べたように、国などで航空自由化に向けた新たな動きが展開されておりますが、羽田空港の再拡張、国際化について事あるごとに国に働きかけてきた知事の所見を伺います。次に、道路の整備や高速道路の利活用に向けた財源確保について伺います。都内の自動車の混雑時の速度は、区部では時速約十八キロと、全国平均の約三十五キロより著しく遅く、慢性的な交通渋滞が生じております。このことが都市機能の停滞や都市環境の悪化を招くなど、東京の最大の弱点となっています。加えて、首都圏の高速道路では、事業主体や料金圏が異なることで生じる割高感が顕在化しており、現在の料金体系のままでは高速道路ネットワークが十全に機能せず、非効率な利用形態となってしまうことは明らかです。人、物及び情報が高度に集積している東京が、これからも日本の首都として日本経済の全体の牽引役を果たしていくためにも、首都圏の道路ネットワークの整備は不可欠です。一方、現在、国は、昨年十二月に閣議決定された道路特定財源見直しに関する具体策を受け、今後の具体的な道路整備の姿や既存高速道路ネットワークの効率的な活用などを示した中期計画を作成しているところです。このような状況の中で、道路特定財源は、三環状道路などの幹線道路ネットワークの整備のみならず、高速道路の有効利用のためにも積極的に活用されるべきと考えますが、知事の所見を伺います。次に、首都高速道路中央環状線の機能強化について伺います。三環状道路の一番内側の中央環状線には、都心部に集中する交通を分散し、渋滞が大きく減少する効果が期待されています。しかし、中央環状線には、堀切、小菅ジャンクション付近など、放射方向の路線と分合流する区間があり、そこを中心に渋滞が発生しやすい構造となっています。こうしたことから、中央環状線が全線整備されても、道路ネットワークとしての機能が十分に発揮されないことが懸念されます。このため、中央環状線の既に完成している区間についても、今のうちから渋滞の解消に向けた機能強化策を講じていく必要があると考えますが、今後の都の取り組みについて伺います。次に、外環道について伺います。外環については、本年四月に大深度地下方式に都市計画が変更され、いよいよ事業実施段階を迎えることとなりました。外環の早期事業着手を国に働きかける一方で、インターチェンジ周辺のまちづくりなど、外環整備に伴う地域の課題に都は今後どのように対応していくのか、伺います。また、地下方式に都市計画変更された外環の地上部には、従前より地上部街路の外環ノ2が計画されています。この地上部街路についてはさまざまな意見があると聞いていますが、今後の取り扱いについて都の所見を伺います。次に、都内の鉄道計画について伺います。「十年後の東京」における成熟した都市東京の実現には、先ほど述べた三環状を初めとする道路整備に加え、鉄道の利便性をさらに向上させていくことも重要であります。東京圏の鉄道計画は、平成十二年の運輸政策審議会答申第十八号に基づき整備を進めることとされています。この答申から既に七年が過ぎ、目標年次とする平成二十七年に向け、折り返し地点に差しかかっています。これまでに、目標年次までに開業することが適当とされた路線は、つくばエクスプレスなど、その整備が着実に進められています。しかし、目標年次までに整備着手することが適当とされた路線はすべて未着手であり、今後はこれらの路線について具体化を図っていくことが必要であります。鉄道の整備は、鉄道事業者が主体的に実施することが基本ですが、都としても、実現に向けて関係機関に働きかけるとともに、みずから実現の可能性を検討することも必要と考えます。そこで、運輸政策審議会答申第十八号に位置づけられた未整備の鉄道路線に対する今後の都の取り組みについて伺います。次に、連続立体交差事業について伺います。知事は、鉄道の連続立体交差事業について、第一回定例会の施政方針で、今後十年間に事業中の八路線十カ所の立体化を完了させると表明されました。この中で、JR中央線連続立体交差事業については、本年七月一日に三鷹駅から国分寺駅間における下り線高架切りかえが行われました。これは長年、踏切の存在によって不便を強いられてきた都民にとって大きな喜びであります。そこで、このJR中央線の高架切りかえによる効果と、今後の事業スケジュールについて伺います。また、都は、新規事業化に向け、踏切対策基本方針における鉄道立体化の検討対象区間となっている二十区間について、道路ネットワークの形成やまちづくりへの寄与などの事業効果を調査していると聞いています。連続立体交差事業は、交通渋滞の解消に加えて、道路と鉄道双方の安全性の向上や、まちづくりにも資するものであります。都民が安心して暮らせる快適な東京を早期に実現するために、新たな区間を積極的に事業化していくべきであると考えます。そこで、今後の連続立体交差事業の新規事業化に向けた取り組みについて伺います。次に、多摩都市モノレールへの経営支援について伺います。多摩都市モノレールは、多摩の南北交通の軸であり、平成十年の開業以来、地域間の人的交流や沿線地域の発展など、多摩の自立的都市圏の形成に重要な役割を果たしてきました。乗客数の増加やモノレール会社の経費削減により、平成十六年度以降は継続して営業黒字を達成しているにもかかわらず、他の三セクとの整備スキームの違いにより、初期投資が重くなったことなどから、会社が苦しい経営状況に陥っていることに対し、我が党は、これまで支援の必要性を訴えてきました。そんな矢先、先日、一部のマスコミにより、多摩都市モノレール支援の内容が伝えられました。報道としてはやや時期尚早な感も否めませんが、市や金融機関とともに、会社に対する抜本的な支援を都が行うべきという我が党の主張について、改めて強く実現を求めます。多摩都市モノレールは、今では東京モノレールに次ぐ全国二位の乗客数を誇っています。こうした会社について、安全な運行を確保するためにも、経営の安定化が不可欠です。そこで、多摩都市モノレールに関する今後の支援について、知事の所見を伺います。次に、都営地下鉄駅におけるホームからの転落防止対策について伺います。鉄道駅では、ホームさくの設置を初めとするホームからの転落防止対策をより一層講じるなど、すべての駅の安全対策を向上することにより、だれもが不自由なくまち歩きを楽しめる東京を目指していくことが必要です。しかしながら、ホームさくの設置については、新設の路線以外には大きな進展が見られないのが現状です。東京のすべての鉄道駅でのホームからの転落防止対策を加速化するには、都内でいち早く三田線に導入した都交通局の果たす先導的役割は大きいものと考えます。そこで、他の都営地下鉄路線においてもホームからの転落防止対策を積極的に推進すべきと考えますが、所見を伺います。次に、東京港のあり方について伺います。我が国は、国際貿易によって大きく経済発展してきました。四方を海に囲まれた我が国にとって、その主役は港湾であり、今後もその役割は変わらないでありましょう。しかしながら、中国を初めとするアジア諸国の急速な経済拡大を背景として、シンガポール、上海、釜山といったアジア諸港は大規模な整備を進め、巨大コンテナ船による国際航路を次々と開設する一方、低廉な価格設定等で貨物取扱量を大きく伸ばしてきています。その結果、我が国港湾の相対的地位は大きく低下し、我が国経済への打撃も大変危惧されている状況にあります。国においても、スーパー中枢港湾等の取り組みも進めていますが、なかなか目に見えた効果というものがあらわれてきません。このような中、東京港においても、港湾計画に基づき、国際競争力強化に向けて取り組んでいることは承知していますが、企業活動のグローバル化に伴う物流構造の変化など、東京港を取り巻く急速な環境変化を踏まえ、新たな経営戦略を策定することが必要と考えます。知事の見解を伺います。また、戦略的に港湾経営を進めるには、厳しい国際競争にさらされている東京港の現実を直視した上で、荷主など利用者の多様なニーズに十分耳を傾けるとともに、港の特性を踏まえた施策の展開が必要と考えます。今後、東京港の課題として具体的にどのようなものがあるのか、また、その取り組みの方向性についてどのように考えているのか伺います。ところで、東京港を中心とする臨海部は、物流機能を担う一大拠点であるだけでなく、憩いと安らぎを与える水辺と緑や、人々を魅了するすばらしい都市景観という豊かな観光資源を有しています。特に、臨海副都心は、都心からのアクセスも充実し、身近な水辺空間である海上公園、イベントやショッピングが楽しめる商業施設が立地するなど、まさに国内外の観光客を呼び寄せるのにふさわしいまちへと成長してきており、昨年は過去最高の四千二百八十万人の来訪者があったと聞いています。現在以上に、一年を通じて若い世代からシニア世代までさまざまな人々を引きつけ、常に新鮮な驚きと満足感を得られる魅力を備えたにぎわいあふれるまちにしていくために、臨海副都心の観光振興にどのように取り組んでいくのか伺います。次に、産業振興について伺います。先般、産業技術センターの独立行政法人化後初めての業務実績評価結果が公表されました。同センターにおいては、独立行政法人のメリットである柔軟性や機動性を生かし、中小企業の要望に応じた製品試験やセミナーの開催、国などの外部の資金を活用した研究の拡充など、中小企業に対する技術支援を着実に実施しています。こうした中小企業の視点に立ったきめ細かな支援は、産業技術の高度化に伴いますます重要となることから、今後もセンターの技術支援機能を高め、さらなるサービスの充実が必要であります。加えて、環境、健康など広く社会が抱える課題を産業技術の力で克服することも重要な視点です。東京の中小企業の中には、独自の技術、高度な技術を有する企業も多数存在しており、センターには、こうした中小企業への技術支援を積極的に行うことにより社会的課題の解決に寄与することも求められています。産業技術研究センターが果たすべき役割は極めて大きいと考えますが、今後、中小企業に対する支援策をどのように充実させていくのか、所見を伺います。また、都は、産業支援体制を整備し、平成二十一年度には多摩に、平成二十三年度には区部に、新たな産業支援拠点をそれぞれ開設する予定とのことです。「十年後の東京」では、圏央道などのインフラ整備により、広域的な産業交流が加速され、多摩シリコンバレーが形成されるとの認識が示されています。こうした認識に符合するように、最近では、八王子、町田、神奈川県相模原市の商工団体が共同でロボット産業振興に乗り出すなど、都域を超えた交流、連携の動きが見られるようになってきています。今後、こうした動きをにらみながら、新たに整備される多摩産業支援拠点の機能を十分に発揮し、多摩シリコンバレーの形成を一層加速させるべきと考えますが、所見を伺います。都市農地の保全について伺います。都市農地は農産物の生産基盤であるとともに、都民生活への潤いの提供や災害時の避難場所などさまざまな機能を持つ貴重な緑地空間であり、「十年後の東京」の水と緑の回廊で包まれた美しいまち東京を復活させるという目標達成のためにも、農地を保全することは極めて重要であります。我が都議会自民党は、都市農政を考える議員連盟を中心に現在まで、都市農地保全について、農業者との意見交換や国会議員への要請を繰り返し行ってきました。去る九月十九日にも、都内の農業団体と若い農業者、そして東京都選出の衆議院議員との意見交換を行ったところであります。この中では、農地を保全するためには、農業者が安心して農業を継続できる仕組みが必要だという意見が多く出されました。農地制度や税制度の改善は国の役割であり、我が党としても、引き続き国へ働きかけてまいりますが、都としても、独自に取り組める農地保全策について積極的に取り組んでいくべきと思います。第二回定例会で、我が党の質問に対し、農業者が病気や高齢で耕作ができない場合でも農業が継続できるよう、農作業受委託の仕組みを構築していく趣旨の答弁がありました。そこで、農作業受委託について、現在どのような取り組みを行っているのか伺います。次に、都におけるがん対策の推進について伺います。国は、本年四月に、がん対策基本法を施行し、六月には、がん対策推進基本計画を策定、公表しました。第一回定例会において、我が党の代表質問に対し、都における総合的ながん対策を明らかにする東京都がん対策推進計画を今年度内に策定し、がん対策の充実に取り組むとの答弁がありました。この計画では、がんの予防、早期対策の推進や情報収集、提供体制の整備、医療水準の向上などが主要な項目になると聞いています。そこで、この計画のねらいと、これを踏まえた政策展開の基本的な考え方について伺います。安心して納得できるがん医療を受けることは都民の切なる願いであります。国の推進基本計画においても、医療水準の向上の中心としてがん診療連携拠点病院の役割が盛り込まれております。この拠点病院は、専門的な診療や緩和医療の提供、相談、情報提供など地域のがん医療の中核を担うものであり、都においても、拠点病院が今後のがん対策成功のかぎを握っているといっても過言ではありません。都内には、高度のがん診療を担える病院が数多く存在します。千二百万人の人口を抱える首都東京のがん医療を充実させるためにも、これらの病院の有する機能を活用し、都民に必要な医療水準を確保すべきと考えますが、所見を伺います。次に、医師の確保対策について伺います。先日、奈良県で、救急搬送中の妊婦さんが死産するという大変痛ましい事件がありました。このことで、単純に受け入れを要請された病院や医師だけを責めることはできません。我が国の現状である深刻な医師不足や医師の過重労働を背景とした構造的な問題がこうした悲しい事態を引き起こしたのであります。医師確保対策については、制度設計者である国がまずその責任を果たすべきものでありますが、本年六月、都は、国に対して、産科、小児科等の病院勤務医師の養成や医師の過重労働軽減のための事務補助者の設置など、具体的な緊急提案を行いました。しかし、国の対策を待つのみでは、この医師不足問題は解決しません。国は、医師が不足する地域や診療科を中心とした緊急医師確保対策を二十年度に向けて打ち出しましたが、その中には、研修医の都市への集中の是正など、都市、地方間の問題であるという観点からの対策も含まれており、決して座視するわけにはまいりません。都においても、分娩制限をする医療機関や小児の二次救急の取り扱いができない地域が存在するなど、特定の診療科の偏在と不足が顕著になってきております。こうした状況を踏まえ、都としても、医師確保を喫緊の課題として早急に対策を講ずるべきと考えますが、所見を伺います。特に、行政的医療を担う都立病院や地域医療を担う公社病院においては、医師を安定的に確保し、都民の期待にこたえていかなければならないと考えますが、所見を伺います。さらに、外国人の看護師、介護福祉士候補者の受け入れについてであります。今回の受け入れは、我が国とフィリピン、インドネシア両国との経済連携協定に基づき、両国から看護師、介護福祉士候補者おおむね二千名程度を日本の病院、福祉施設に受け入れ、我が国の看護師資格、介護福祉士資格の取得と取得後の就労を目的に実施されるものであります。同協定は、既に両国の首脳間での署名を終え、今後、批准手続を経て、早ければこの秋にも発効することとなっております。そこで、この受け入れ制度について、都はどのように取り組んでいくのか、基本的な考えを伺います。次に、医療制度改革について伺います。全国に比べて高齢者人口に対する療養病床の割合が低いという東京の現状を踏まえ、我が党は、一連の医療制度改革の中でも、療養病床再編については重要課題の一つに位置づけ、これまで都議会で質疑を重ねてまいりました。この秋策定する東京都地域ケア体制整備構想では、地域におけるケア体制とあわせて、療養病床転換推進計画が盛り込まれることとなりますが、都独自の課題を踏まえ、東京方式ともいうべき構想にすべきと考えます。そこで、都としてどのような構想とするつもりなのか、所見を伺います。特に、療養病床転換の推進については、国が介護療養病床の廃止とともに、医療療養病床についても大幅な削減を目指す再編整備案を打ち出したことにより、患者やその家族を初め、多くの都民に不安が広がっています。国は、全国一律の割合で療養病床の削減を求めておりますが、医療難民、介護難民の発生という事態を招くことのないよう、都民が安心して療養に専念できる環境を整備していくことが肝要であります。都は、一律削減という国の方針にとらわれることなく、現在、一万四千床しかない医療保険適用の療養病床をふやすことを含め、今後検討を進めるべきと考えますが、所見を伺います。平成二十年四月から、七十五歳以上の高齢者を対象とする新たな後期高齢者医療制度が開始されることとなりました。これに伴い、本年三月には、都内すべての区市町村が加入する東京都後期高齢者医療広域連合が設置されたところです。この新制度では、個人ごとに保険料を徴収する仕組みとなっているため、これまでは保険料負担のなかった被扶養者である高齢者など、新たに負担が発生する場合や、国民健康保険料と比べての負担増が予想されています。我が党としては、高齢者が負担する保険料の設定などに当たり、できるだけ負担を軽減する方策を講じるべきと考えます。そこで、今後、都はどのような対応をしていくのか、広域連合の現在の取り組み状況とあわせて所見を伺います。次に、犯罪被害者等への支援について伺います。都内の刑法犯認知件数は、近年、改善されていますが、それでも、平成十八年は約二十四万五千件と全国最多であり、まさに都民のだれもが被害者になる可能性があるといえます。こうした中、都は先月、犯罪被害者等支援推進計画中間のまとめを公表しました。被害者本人はもとより、ご家族の精神的、経済的な厳しい状況を考えると、被害者の置かれたさまざまな状況に応じて的確に対応できる施策を体系的に展開していくことが求められていると考えます。今後、さらに都民の幅広い意見を聞き、被害者の回復に真に役立つ施策を構築してほしいと思います。その際留意すべきことは、行政主体の取り組みだけでなく、さまざまな民間団体の力を十分に活用するなど、東京ならではの総合力を発揮させていくことだと思いますが、基本的な考え方について伺います。次に、教育について伺います。我が党は、戦後六十年を経て、長年懸案であった教育基本法を全面的に改正しました。新しい教育基本法では、公共の精神や伝統と文化の尊重などが盛り込まれ、当たり前の取り組みがようやく展開できることとなりました。また、改正した教育三法によって、指導力が不足する教員への対応や、公立学校への副校長や主幹の導入などもようやく実現できることとなりました。都教育委員会でも、例えば、全都立高校における教科「奉仕」の必修化、指導力不足教員への対応、副校長や主幹導入による学校経営の支援など、国に先駆けた取り組みを積極的に推進しております。しかし、現在、教員の大量退職時代を迎え、質の高い教員をいかに養成、確保し、生徒の学力低下を防いでいくかという問題や、一部の保護者からの過大な要求への対応、地域の協力を得た教育のあり方など新たな課題も生じております。現在、国では、中央教育審議会において、教育振興基本計画の策定など教育改革の取り組みについて検討が行われている中で、都は新たな教育ビジョン策定に着手したとのことです。「十年後の東京」を支える新たな教育ビジョンを策定し、さらなる教育改革を進めていくことは、まことに時宜を得たものであると考えますが、策定に当たっての基本的考え方を伺います。次代を担う子どもたちの現状を考えると、戦後教育は、自由や権利を重視する余り、子どもたちの育成にとって大切なマナーや公共心、責任や義務を果たす心など、精神的な価値を軽視してきたように思います。また、他人との関係が結べなかったり、仕事を見つけようとしない若者も多いのが現実です。本来、このようなことは学校に期待するのでなく、家庭や地域で身につけなければならないことですが、核家族化が進む中で、おざなりにされてきた感があります。子どもたちをめぐってさまざまな課題がありますが、新しいビジョンの中ではどのような視点を重視していくのか伺います。次に、公立学校における食育の推進について伺います。都が本年度から各学校に食育推進チーム及びその中心となる食育リーダーを設置し、校内指導体制を整備するなど、独自の取り組みにより食育の推進を図っていこうとしていることについては、その取り組みに期待するものであります。ところで、平成十七年度から制度化された栄養教諭についてですが、平成十九年四月現在、全国で九百七十四名が配置されていると聞いています。今後、これまでの取り組みに加え、この栄養教諭を早急に全区市に導入し、公立学校における食育を推進していくべきであると考えますが、都の考えを伺います。以上をもちまして私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)吉野利明議員の代表質問にお答えいたします。「十年後の東京」実現に向けた実行プログラムについてでありますが、今回の実行プログラムは、「十年後の東京」の実現に向けた三カ年のアクションプランでありまして、今後の東京の事業展開と、都民、企業、行政との協働によります、東京の総力を挙げた取り組みを内外に明らかにするものであります。このため、例えば地球温暖化対策推進基金など新たな基金を活用した都みずからの先進的な取り組みを加速させることはもとより、緑の東京募金など、都民や企業の参加を促す仕組みを構築しまして、東京全体で広範なムーブメントを展開していきたいと思っております。その具体化に当たっては、街路樹の倍増や緑の保全、地域の魅力発信や産業振興など、多摩・島しょ地域も含めた都全域の区市町村の積極的な協力があくまでも欠かせないことでありまして、今回、すべての区市町村の意向調査を実行しまして、区市町村との連携に万全を期すことにいたしました。オリンピックの招致はもとより、東京国体の開催も視野に入れまして、都議会の皆様からのご意見を十分に踏まえながら、年内を目途に実行プログラムを策定し、「十年後の東京」で描いた東京の近未来図を実現していきたいと思っております。次いで、東京大気汚染訴訟についてでありますが、東京の大気汚染問題の解決に当たって私が目指してきたことは、環境庁時代の水俣の体験を踏まえまして、これまで長い間苦しんでこられた患者の方々の救済と、新たな患者発生の防止に向けた取り組みの二点でありました。患者救済の枠組みについては、過去の負の遺産を社会全体で解決すべき課題と考えまして、東京高裁にみずから出向きまして、正当な文明批判を踏まえて、医療費助成制度の創設を提案いたしました。また、安倍前首相とも直接会談しまして、これまで一切の費用負担を拒んできた国の姿勢を転換させることができたと思います。新たな患者発生の防止に向けた取り組みについては、和解に向けた協議を通じて、国と首都高を含めた東京都域における広範囲な環境対策を幅広く構築し、未来に向けた取り組みとして道筋をつけることができました。こうした意義の深い和解を一日も早く成立させることが肝要だと考えまして、和解の専決処分を行いました。首都高の医療費助成制度への拠出については、今後協議を行っていくことになりますが、都の提案したスキームに従って、応分の負担をするように強く求めていきたいと思っております。首都高もそれなりの実績を上げておりますし、和解の歴史的意義を踏まえて、社会的責任を果たしてくれるものと期待をしております。次いで、低所得者の方々に対する支援についてでありますが、近年、額に汗して懸命に働いているにもかかわらず、低所得の状況から抜け出せないまま、不安定な生活を余儀なくされている方々が増加しておりまして、こうした方々への支援は、安全・安心が確保された活力のある東京を実現する上で重要な課題だと思っております。三月に個人都民税の軽減策を公表して以降、低所得者の方々の状況について詳細に把握するために検討を行ってまいりました。その結果、低所得者の中でも、本人以外の家族に収入がある方や、資産を保有している方もいることがわかりまして、真に支援が必要な方は、今まで対象としてきました八十万人の方々のすべてではなくて、うちのある部分と推計するに至りました。低所得者の方々に対しては、税による一律の軽減よりも、きめの細かい施策として手当てする方が公平で効果的と判断いたしました。これは、当初の策を建言してきました都庁の中の部分からも再建言がありまして、それを踏まえて私が方針の転換を決断いたしました。意欲がありながら低所得の状況から抜け出せない方々に支援が必要であるという認識は一貫して変わりません。今後、都議会とも相談しながら、目的を達成するため、減税の規模を上回る事業費を措置し、区市町村とも十分に連携して、的確で効果的な支援策を積極的に講じてまいります。次いで、今後の財政運営についてでありますが、今日、東京は、さらなる成熟した都市へ発展する上で、超高齢社会の到来や地球温暖化への対策、あるいは更新期を迎える都市インフラの整備充実など、多額な財源を要する多くの課題に直面しております。しかも、都財政をめぐる環境は、景気動向の先行きが不透明な上、都の財源を奪おうとする国の動きがこれまでになく高まるなど、予断を許さない状況にあります。こうした中、いかに活路を切り開いていくか、ここ数年の取り組みが東京の将来を大きく左右することになると思います。都が独自に導入した新たな公会計制度は、ストックやコスト情報の明確化、あるいは事業分析の強化など、財政運営に強力な武器を与えたと思っております。今後とも、これらを活用しながら、いかなる荒波にも耐え得る、強固で弾力的な財政基盤を構築し、「十年後の東京」の実現に向け、全力を挙げて取り組んでまいりたいと思います。次いで、オリンピック招致についてでありますが、今月十四日に立候補申請都市の顔が出そろい、戦いの火ぶたが切って落とされました。いずれの都市も各国を代表する強豪都市でありまして、勝ち抜いていくのはなかなか大変なことだと思います。それにしても、ちょっと国の反応は鈍くて、とりあえず閣議了解を得ましたが、ほかの外国の都市に勝つためには、国にもっと世論喚起、財政支援、外交戦略など、あらゆる面で本腰を入れてもらうことが絶対に必要だと思っております。これから展開されますIOCの中での競争は、仄聞しますと、新しいロゲ会長が、その競争についていろいろ規制をし、大分合理化されたと聞いておりますが、しかしなお、仄聞しますと、不透明な部分が多うございまして、なかなか厄介な戦ではあるという気がいたします。新しい首相にも全面的な協力を求めて、国と一体となって招致活動を展開し、オリンピック、パラリンピックの実現に向けて全力を尽くしていきたいと思っております。次いで、中小企業の気候変動対策についてでありますが、地球温暖化がもたらす気候変動の危機は、今やもう現実のものでありまして、これを回避するためには、CO2の劇的な排出削減、これは主に節電その他の方法でございますけれども、それを進めることが重要であります。中でも、中小企業の省エネ促進について、企業の自主努力のみならず、積極的な行政の誘導が必要であると思っております。今回の環境CBOは、CO2の削減に向けた事業者の取り組みを引き出すために、環境対策に積極的な中小企業を金融面から支援するものであります。こうした新しい資金援助のスキームを先導的に実施していくことなどによりまして、地球温暖化対策推進に向けた広範なムーブメントを醸成し、日本の気候変動対策をリードしていきたいと思っております。次いで、緑の東京募金の意義についてでありますが、緑あふれる東京の再生は、「十年後の東京」の具体化に向けた極めて重要な課題であります。都民、国民の幅広い参加を得て、緑を植え、育て、守る運動につなげていくために、七月に海の森募金を先行して開始いたしました。さらに、東京の緑化をより一層広範かつ強力に進めるため、海の森の整備にとどまらず、街路樹の倍増や校庭の芝生化、スギ花粉発生源対策に募金の対象を拡大して、緑の東京募金を創設することといたしました。こうした募金の活用などによりまして、従来の行政の枠を超えた新しい発想で、広く緑のムーブメントを巻き起こしていきたいと思っております。この募金の趣旨に都民を初め多くの方々からのご賛同をいただきたいと念願しておりますが、既に幾つかの公園で設置しました、都民からの寄附金によります思い出ベンチは非常に成功をおさめまして、他の都民の方々にも非常に感謝されておりますが、そういったぐあいにこれが展開すればと願っております。次いで、羽田空港の再拡張、国際化についてでありますが、首都圏全体の空港機能を飛躍的に高める羽田空港の再拡張、国際化は、我が国の経済を活性化し、国際競争力を強化する極めて重要な国家的プロジェクトであります。今回、国が取りまとめたアジア・ゲートウェイ構想は、航空自由化に向けた航空政策の転換を目指すものと評価はできますが、再拡張後の羽田に就航させる国際線については、いまだ上海程度の近距離路線にこだわっておりまして、これはもう論外で、全く不十分であると私は思っております。羽田の国際線が、都心に近接する利便性を生かして、とにかく羽田から、深夜ならばダウンタウンまで車で二十分足らずで行くわけでありますから、こういう近接の利便性を生かしまして、需要の多い東南アジアの主要都市にまで足を伸ばすのは当然のことであると思います。国際都市東京が真にアジアのゲートウェイとなるためにも、再拡張後の空港機能を十分に生かして、活用して羽田の国際化を進めるように、引き続き国に積極的に働きかけてまいります。アメリカを初めいろいろな外国から、日本の空を開いてくれと、オープンスカイという要望が非常に強くございますが、これは日本の空全体をあけることじゃなしに、これだけいろんな機能が集中し、集積した、世界の経済の大きな拠点でもあります首都圏の空をあけることこそが肝要だと私は認識しております。道路特定財源についてでありますが、首都東京が持っている力を十全に発揮するには、三環状道路を初め幹線道路ネットワークや連続立体交差などの早期整備が必要でありまして、そのためには道路特定財源の確保が不可欠であります。加えて、首都圏の高速道路において、環状道路の利用促進や長距離利用車の負担軽減、会社間の乗り継ぎ割引など、高速道路網が最大限に利活用される料金政策を導入することが必要でありまして、道路特定財源を活用し、これを国策として実施していくことが必要であると思います。これらを、現在、国が策定中の中期計画に明確に位置づけるとともに、道路特定財源を本来の目的であります道路整備や関係施策に集中的に投入するよう、国に強く求めてまいります。たまたま昨日、国交省の幹部たちと懇談しましたが、東京のオファーについてはすべて彼らも同意でありまして、これからそれを積極的に進めたいと思っております。次いで、多摩都市モノレールへの支援でありますが、多摩都市モノレールは、一日十一万人が利用する、多摩の南北を結ぶ広域的な公共交通機関として大きな大きな役割を担っております。会社は既に営業黒字となっておりますが、他の軌道系三セクと異なりまして、車両基地用地の取得にお金がかかりまして、会社の負担となったことなどから、結果として厳しい経営状況にあります。このため、都は、会社のさらなる経営努力を前提に、新たな出資などによる抜本的な支援を実施してまいります。今後とも、沿線市及び金融機関と連携しながら、将来に向けて経営基盤を確固たるものとして、多摩都市モノレールの安定的な運行を確保していきたいと思っております。次いで、港湾経営戦略の策定についてでありますが、世界最大規模の経済圏を背景に持ちます東京港は、北米、欧州、アジアの三地域を機軸とする国際海上物流の大動脈において、貨物集積の重要な拠点であるとともに、日本経済を牽引する原動力としての役割を果たしております。ただ、一方、躍進するアジアの主要港湾と比べますと、港湾の水深が浅かったり、今以上の大きなコンテナ船の発着が非常に不可能に近くなりまして、こういった大型化するコンテナ船への対応のおくれや、割高のコスト、長いリードタイムなど、日本の港湾は大きく立ちおくれておりまして、このままでは国際基幹航路の日本への寄港がますます減少し、将来に禍根を残すことになると思います。ちなみに、世界の主要港湾になりましたシンガポールなどは、あそこで運用されているソフトもハードも全部日本製でありますが、日本は日本なりの独特の事情がありまして、なかなかこういった合理的な施設を運用することができないといううらみがあるのが現実であります。東京港の国際競争力強化は喫緊の課題でありまして、その実現に向けては、港湾施設の充実を図るとともに、内陸部も包括した物流体系を視野に入れまして、横浜港などと連携した、東京湾全体の総合力を高めるような、戦略的な港湾経営を進めていくことが肝要であると思っております。このため、これまでの計画や施策の有効性を検証しつつ、今後十年程度を想定した経営戦略を早急に検討したいと思っております。他の質問については、教育長及び関係局長から答弁いたします。〔教育長中村正彦君登壇〕 # 教育長(中村正彦君) 教育長(中村正彦君)教育に関します三点の質問にお答え申し上げます。まず、新・教育ビジョンの策定についてでありますが、二十一世紀の東京の創造的発展を担う人間の育成を目指して策定いたしました東京都教育ビジョンにつきましては、家庭、学校、地域等の課題解決に向けた多くの取り組みを施策化しまして、それを推進するなど、着実な成果を上げてまいりました。しかし、「十年後の東京」が目指す方向性や、時代状況の変化を見据えまして、ご指摘のような問題を含めたさらに困難な課題に対応していくためには、これまでの取り組みの成果を踏まえた新・教育ビジョンの策定が必要でございます。本年七月に設置しました検討会におきまして、有識者等からも幅広く意見を集め、平成二十年六月を目途に新・教育ビジョンを策定して、日本の教育をリードする東京の姿勢をアピールし、東京の教育改革をさらに進めてまいります。次に、新・教育ビジョンの視点についてであります。次代を担う子どもたちにみずからの生き方や社会とのかかわりを考えさせるきっかけを与えるためには、学校教育だけの取り組みでは限界がありまして、家庭や地域、社会が連携して取り組みを行うとともに、それぞれの教育力を総合的に高めていく必要がございます。引き続き児童生徒の学力を向上させ、みずからの生き方を考えさせるなど、学校教育の質を充実させるとともに、これまで十分とはいえなかった家庭教育への支援や、学校、家庭、地域社会の相互の連携協力を図る仕組みづくりや、人材を育成していく視点などが重要と考えております。新・教育ビジョンは、これらの視点に基づきまして、具体的な施策も含めて提示してまいります。次に、栄養教諭の導入についてでありますが、都教育委員会では、学校教育全体としての取り組みの中で、食育をさらに推進するため、食育リーダーなどの東京都独自の仕組みを前提とした栄養教諭導入のあり方について、庁内での検討を進めてきたところでございます。今後は、この検討結果を踏まえ、具体的な任用方法等を決定し、関係教育委員会との協議を行った上で、早急にモデル地区を設置し、栄養教諭を配置するとともに、計画的に全区市への導入を図り、食育を推進してまいります。〔知事本局長大原正行君登壇〕 # 知事本局長(大原正行君) 知事本局長(大原正行君)低所得の方々への新しい施策の方向性についてでございますが、新しい施策につきましては、次の二点を中心に検討を進めております。まず第一に、施策の対象という点で、意欲がありながら低所得の状況から抜け出せない方々の多様な生活の実態、幅広い年齢層を把握いたしまして、きめの細かい多様な支援策を用意いたしますとともに、雇用主に対しても的確な施策を講じていくことであります。次に、施策の効果という点でございますが、働く意欲のある方が努力し、将来に向かって明るい展望を持てるような施策を講じていくことでございます。そのためには、まず、生活の改善から、能力開発、就労までをカバーし、一人一人の実態を踏まえた適切な支援策を提供できますよう、相談体制を整備することが必要であると考えております。相談の結果を受けまして、現在の生活状態を改善していくための取り組みですとか、安定した就労に結びつくよう職業能力の向上を図るための経済的な支援などを行っていく考えでございます。また、雇用主の方に対しましては、企業が求める能力などニーズを把握いたしますとともに、インセンティブを付与するなど多様な支援を検討していく必要があると考えております。今後、都議会の意見も十分伺いながら、具体的な施策の内容を詰めてまいります。〔財務局長村山寛司君登壇〕 # 財務局長(村山寛司君) 財務局長(村山寛司君)二点のご質問にお答えいたします。まず、債権管理への今後の取り組みについてでございますが、今回の年次財務報告書におきましては、未収債権の中に、このままでは最終的に回収が困難となるものが相当程度見込まれるなど、債権管理をめぐる課題が浮き彫りとなっております。これを受け、今後、この課題を正面に据えまして、まず、債権を所管する局が、より一層の回収努力に取り組むこと、それを都全体として支える体制を整備すること、そして、そのような適切な管理を行ってもなお、債務者の無資力などにより実質的に回収不能となったものについては、基準を設けて的確に放棄の手続を行うことなど、全庁を挙げた系統的取り組みを実施することといたします。また、こうした取り組みを制度的に裏打ちするため、新たに債権管理に関する条例を制定すべく、平成二十年第一回定例会をめどに条例提案を行うことを目指しまして、今後、準備を進めてまいります。次に、大規模施設等の改築、改修についてでございますが、今回の財務報告書でもう一つ明らかになったことは、都民が利用する施設等について、多額の減価償却累計額が存在していることでございます。このことは、将来にわたって継続的に都民サービスの水準を確保していくためには、これらの施設について、今後、的確に改築、改修を行っていくことが必要不可欠であることを示したものでございます。同時に、改築、改修を行うに当たりましては、限られた財源を最大限有効に活用する視点に立ちまして、施設そのものの必要性や効率的利用の検証、耐震化やCO2排出量の削減など、都市施設として備えるべき新たな機能や価値の付加、建設のみでなく管理なども含む、施設の生涯にわたるコストの縮減、世代間のバランスと財政負担の平準化に配慮した安定的な財源の確保策など、多面的な対応を行っていくことが必要であると考えております。今後、こうした観点に立ちまして、大規模施設等の改築、改修に関する実施方針を策定し、これに基づき、この課題に積極的に取り組んでまいります。〔東京オリンピック招致本部長荒川満君登壇〕 # 東京オリンピック招致本部長(荒川満君) 東京オリンピック招致本部長(荒川満君)三点についてお答えいたします。まず、世論調査の支持率についてでございますが、都議会にもご協力をいただいているPR活動によりまして、オリンピック、パラリンピックを東京に招致すること自体についてはそれなりに周知が進んでいるものと認識しております。世論調査は十一月末までに実施する予定でありまして、そのことを念頭に置いた場合、今後は、周知だけではなく、賛同の輪を広げていくことが重要であり、このため、開催意義やコンセプトのわかりやすい説明、東京に勝機が十分にあることの理解促進などに重点的に取り組んでまいります。具体的には、招致大使やふるさと特使、著名人によるテレビ、ラジオ、新聞、雑誌等での開催意義等の訴え、また、スポーツ界や環境分野など各界の有識者が参加したオリンピック招致を支援するシンポジウムや決起集会の開催、また、人気のトップアスリートがオリンピックのすばらしさを全国各地で伝えていきます「みんなのオリンピック」などを、今月から十一月にかけて集中的に実施してまいります。加えて、従来から行っておりますPR活動につきましても、ラッピングバスや繁華街でのパレードなど、なお一層目立つPRを行ってまいります。こうした取り組みによりまして、これまでオリンピック、パラリンピックに関心の薄かった層の共感を広げてまいりますとともに、支持をいただいている層にも一層強い賛同を得られるようにして、支持率全体の向上を図ってまいります。先般、国からの閣議了解、地方六団体からの招致支援決議をいただきました。これらを弾みに、全力で都民、国民の支持拡大に努めてまいります。次に、区市町村の参加意識を高める方策についてでございます。これまで、区長会、市長会、町村会、そして大部分の区市町村議会から招致決議をいただくなど、多くの賛同を得てまいりましたが、競技会場等の配置が予定されていない地域では、オリンピック、パラリンピックの参加意識が醸成されにくいなどの意見もございました。しかし、招致活動を勝ち抜くためには、IOCから高く評価される開催計画を策定していく必要があり、これまでの開催都市の例を見ましても、競技会場等につきましては、選手村から近いといったコンパクトな配置が必須条件でございます。このため、競技会場等が配置されない地域が生じることについてのご理解をお願いするとともに、こうした地域におきましても、練習会場等の配置や競技運営面での参加、海外からの選手、観客との交流、文化プログラムの実施、そして、これらを通じました子どもや青少年の情操の育成などを行うことによりまして、オリンピック、パラリンピックの開催が大きな意義を持つことをご理解いただきたいと考えております。来月一日には、都と区市町村及び東京オリンピック招致委員会の部課長級の職員をメンバーとする都・区市町村連絡協議会を設置しまして、実務レベルにおいて、共同してオリンピック、パラリンピックへの具体的な参加方法を検討してまいります。最後に、申請ファイルの作成についてでございますが、来年一月提出の申請ファイルは、施設面、運営面にわたって二十五の基本的な項目について記載が求められております。IOCが立候補都市を選定するに際しまして、これらの項目ごとにウエートをつけて評価を行います。二〇一四年の冬季大会の例を見ますと、評価ウエートが高いのは、道路や交通機関等の輸送インフラ、宿泊施設の部屋数や質的内容、コンパクトな競技会場の配置、セキュリティー対策などでございます。今回の申請ファイルの作成に当たりましては、二十五項目いずれも十分な検討が必要でございますが、評価ウエートの高い項目につきましては特に重点を置いて検討を進め、IOCから高い評価が得られるようにしてまいります。〔生活文化スポーツ局長渡辺日佐夫君登壇〕 # 生活文化スポーツ局長(渡辺日佐夫君) 生活文化スポーツ局長(渡辺日佐夫君)スポーツ振興策の展開についてでありますが、これまで都では、競技レベルに応じたさまざまなスポーツ大会やスポーツイベントを開催することにより、都民のだれもが身近でスポーツを楽しむことができる機会の拡大に努めてまいりました。今後は、地域におけるスポーツ活動への支援や国際交流事業の一層の充実を初め、ご提案のスポーツ情報の発信についても積極的に取り組むとともに、さらに、都民がスポーツに親しむことができる環境づくりを通じてスポーツ人口の拡大を図ってまいります。こうした取り組みを含め、オリンピック招致都市にふさわしい新たなスポーツ振興戦略の策定に向けて幅広くご意見を伺うため、十月にスポーツ振興審議会を立ち上げることといたしました。審議会での検討を踏まえ、「十年後の東京」の実現につながる総合的なスポーツ振興策の展開について道筋を示していきたいと存じます。〔環境局長吉川和夫君登壇〕 # 環境局長(吉川和夫君) 環境局長(吉川和夫君)環境対策に関する三点のご質問にお答えいたします。まず、エコドライブを定着させる仕組みについてでありますが、エコドライブは、自動車から排出されるCO2の削減などで環境面に寄与するだけでなく、燃費節約や事故防止の面でも大きな効果が期待できる取り組みでございます。しかし、マイカー利用者には、エコドライブをするための具体的な運転方法やその効果が十分に浸透しておりません。また、小規模な事業者では、エコドライブを組織的に推進するための仕組みの整備や、CO2の削減にも有効なドライブレコーダー等の機器の導入が進んでいない状況にございます。こうした点を踏まえ、都は、今後、エコドライブの具体的な手法や効果について、講習会などさまざまな機会を活用し、都民に幅広く普及啓発を行ってまいります。また、事業者が継続的かつ確実にエコドライブを推進することができるよう、指導体制等の構築や機器の導入に向けた支援など新たな取り組みを展開し、エコドライブが社会に広く定着するよう努めてまいります。次に、太陽エネルギーの導入促進策についてでありますが、太陽エネルギーの利用は、住宅の省エネルギー化と相まって、家庭におけるCO2排出を大幅に削減する重要な手段であり、都は、「十年後の東京」で掲げた目標の実現に向け、気候変動対策方針においても太陽エネルギーの飛躍的な普及拡大を位置づけております。このため、現在、住宅・設備機器メーカー、電気・ガス事業者、学識経験者などから成る検討会を設置し、普及策を検討しておりますが、この検討会では、都民の費用負担低減の取り組みを含め、太陽光発電利用を進める仕組みづくりの必要性が指摘されております。ご指摘のとおり、国が太陽光発電補助を打ち切った以降、普及が減速しているにもかかわらず、何ら抜本的な対策に着手していない中で、今後、都は、検討会の結果も踏まえ、太陽エネルギーの導入を促進する具体的な方策を早急に取りまとめてまいります。最後に、緑の東京募金の具体的な進め方についてでありますが、ご指摘のとおり、募金を進めるに当たりましては、幅広い都民の皆様の賛同を得ることが重要でございます。このため、海の森の整備、街路樹の倍増、スギ花粉発生源対策及び校庭芝生化という、募金を活用して推進する緑化事業の内容を明示するとともに、これらの中から募金の対象事業を選択できるようにするなど、寄附される方の理解が得られるような仕組みを工夫してまいります。また、寄附を全額損金算入できるという法人税法上の優遇制度を活用し、企業からも賛同を得やすくしてまいります。さらに、できるだけ広範な都民や企業に協力していただけるよう、募金による事業成果を幅広くお知らせするなど、わかりやすい仕組みづくりに努めてまいります。〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕 # 都市整備局長(只腰憲久君) 都市整備局長(只腰憲久君)まちづくりについての四点のご質問にお答え申し上げます。まず、首都高速中央環状線についてでございますが、現在、平成二十五年度の全線完成を目指し、整備を進めております。中央環状線の道路ネットワークとしての機能を十分に発揮させるためには、既に供用している区間においてもボトルネックとなる箇所の拡幅など、局所的な対策について、全線完成を見据えて取り組んでいくことが必要でございます。このため、都は、六号線と分合流する堀切・小菅ジャンクション付近及び五号線と分合流する板橋・熊野町ジャンクション付近の拡幅について、近く地元説明会を実施し、本年度内の都市計画決定を目指してまいります。また、交通の迂回、分散を図るため、小松川付近において、七号線の郊外方向と中央環状線の北方向とを結ぶ連絡路の新設について、早期具体化に向けて関係機関との協議を進めてまいります。次に、外環整備に伴う地域の課題への対応についてでございます。外環につきましては、都市計画変更が完了し、事業実施段階に移行することを踏まえ、今後、まちづくりなど沿線地域の諸課題に取り組んでいくことが重要でございます。これまでも、都は、中央道ジャンクション付近や上石神井地区などにおきまして、地元区市の行うまちづくりの検討に参画してまいりました。今後は、代替農地の確保策や地域分断対策等、まちづくりにおける具体的な課題について、国や沿線区市と連携し、地域ごとに住民と話し合う場を設けるなどして、解決に向けて積極的に取り組んでまいります。次に、外環の地上部街路の今後の取り扱いについてでございます。本道路は、目白通りから東八道路までの外環ルート上の地上部に計画決定されている幅員四十メートルの道路であり、東京の都市計画道路ネットワークの一部を担うものでございます。この道路につきましては、都はこれまで、現計画の幅員を維持する案、幅員を縮小する案、計画を廃止する案の三つの考え方を示してまいりました。今後は、さらに、環境、防災、地域の交通ネットワーク等の観点を踏まえまして、この道路の必要性や整備のあり方等を早期に地元に示し、広く意見を聞いた上で都としての方針を取りまとめてまいります。最後になりますが、未整備の鉄道路線に対する取り組みについてでございます。都は、鉄道事業者とともに、運輸政策審議会答申第十八号に位置づけられた路線の実現に順次取り組み、平成二十七年までに開業することが適当とされた十六路線のうち十五路線は、既に開業もしくは事業中でありまして、残り一路線も事業着手に向け手続中でございます。また、平成二十七年までに整備着手することが適当とされた路線については、すべて未着手でございまして、事業主体や採算性などの課題解決に向けた取り組みが必要であると認識しております。都といたしましては、公共交通ネットワークのさらなる強化に向け、将来の輸送需要の動向などを見据えながら、これらの未着手路線などの整備について、国や関係自治体、鉄道事業者とともに検討してまいります。〔建設局長道家孝行君登壇〕 # 建設局長(道家孝行君) 建設局長(道家孝行君)連続立体交差事業についての二点のご質問にお答えいたします。まず、JR中央線の高架切りかえによる効果と今後の事業スケジュールについてでありますが、連続立体交差事業は、交通渋滞や地域分断を解消し、地域の活性化にも資する極めて重要な事業であり、現在、八路線十カ所で事業を進めております。JR中央線では、本年七月、三鷹駅から国分寺駅間の下り線を高架化したことにより、十三カ所の踏切の遮断時間が平均で約四割減少し、また、このうち六カ所で、ピーク時一時間当たり四十分以上遮断されている、いわゆるあかずの踏切状態が解消されました。さらに、小金井街道では、踏切遮断による最大渋滞長が約四割減少するなど、高い効果が得られております。また、今後の事業スケジュールですが、西国分寺駅から立川駅間の下り線を平成二十年度末に高架化する予定であります。また、上り線については、三鷹駅から国分寺駅間を平成二十一年度末に、西国分寺駅から立川駅間を平成二十二年度末に高架化し、十八カ所すべての踏切を除却する予定でございます。次に、連続立体交差事業の新規事業化に向けた取り組みについてでありますが、このたび、踏切対策基本方針における鉄道立体化の検討対象区間二十区間のうち、骨格幹線道路と交差し、まちづくりへの取り組みの熟度も高い、京王京王線の代田橋駅から八幡山駅間と西武新宿線の中井駅から野方駅間について、新規着工準備採択を国に要望いたしました。都は、この二区間の事業化に向けて、今年度、構造形式の検討などに着手いたします。また、二区間以外についても、引き続き事業効果等の調査を進め、事業中箇所の進捗状況などを踏まえながら、事業化へ向けて積極的に取り組んでまいります。今後とも、必要な財源の確保に努めるとともに、沿線区市、鉄道事業者など関係者間の連携を強化し、連続立体交差事業を一層推進してまいります。〔交通局長島田健一君登壇〕 # 交通局長(島田健一君) 交通局長(島田健一君)都営地下鉄駅におけるホームからの転落防止対策についてであります。交通事業者にとりまして、お客様の安全・安心の確保は最大の使命であり、ホームからの転落防止対策を強化していくことは極めて重要であると認識しております。このため、「十年後の東京」も踏まえ、現在、総合的な検討を進めておりますが、転落防止対策としては、ホームさくの設置が最も有効な方策であると考えております。都交通局は、平成十二年に、営業中の路線として全国で初めて三田線にホームさくを設置いたしましたが、引き続き大江戸線への導入に向けまして、早急にホームさくの整備計画を策定してまいります。〔港湾局長津島隆一君登壇〕 # 港湾局長(津島隆一君) 港湾局長(津島隆一君)東京港のあり方について、二点のご質問にお答えいたします。まず、今後の東京港の課題と取り組みの方向性についてでございます。東京港の貨物取扱量は、アジア貨物の急増によりまして引き続き増加しているものの、その増加率は平成十五年をピークに鈍化しております。これは、ヤード不足や背後道路の渋滞など、施設の対応能力が限界に近づきつつあることが要因でございます。また、ソフト面の課題としては、物流構造の変化が急速に進む中、一層のコスト低減と物流効率化が求められておりますが、世界の主要港湾に比べると、まだその対応が不十分であることが挙げられます。このため、東京湾全体を視野に置きながら、ハード面では、今後、中央防波堤外側地区に新たなふ頭を整備するとともに、背後用地等の充実、道路ネットワークの構築などに努めまして、大井、青海とあわせて大型コンテナ船にも対応可能な外貿コンテナふ頭の三極体制の構築を図ってまいります。ソフト面では、今後五年を目標に一層の物流効率化のための取り組みを目指し、官民一体となって新アクションプランの改定作業に今年度より着手いたします。また、東京港埠頭公社の民営化を機に、貸付料の弾力化や、公共ふ頭を含めた外貿コンテナふ頭の管理一元化に取り組んでまいります。こうした取り組みに当たりましては、国、関係各港及び港湾事業者等に対して幅広く必要な働きかけを行ってまいります。次に、臨海副都心の観光振興の取り組みについてでございます。臨海副都心は、テレビ局や大型ショールーム、テーマパーク型施設など、魅力ある多くの施設が進出するとともに、水辺やプロムナードを活用したスポーツ大会や文化的イベントが数多く開催され、国内有数の観光スポットとして大きなにぎわいを見せております。こうした臨海副都心のにぎわいをより一層高め、さらなる観光振興を進めるには、海辺と潮風にあふれたリゾート性、最先端技術と情報の発信基地を持つ先進性、美しい夜景やエンターテインメントなどの文化性など多様なポテンシャルを生かし、若者から高齢者まで幅広い来訪者が躍動感と非日常性を体感できるような観光まちづくりを目指してまいります。このため、今後、開発の中心となる青海地区北側において、事業者の創造性や企画力あふれる、他の地域にはないオンリーワン施設を誘致するとともに、地域の観光の担い手でございますまちづくり協議会の体制強化を支援してまいります。また、観光振興とにぎわい創出を経営の柱の一つに位置づけた臨海ホールディングスグループと連携し、地域の観光振興に積極的に取り組んでまいります。〔産業労働局長佐藤広君登壇〕 # 産業労働局長(佐藤広君) 産業労働局長(佐藤広君)三点のご質問にお答えいたします。まず、産業技術研究センターについてでございますが、同センターは、機器利用サービスや技術相談におきまして中期計画の目標を上回る実績を上げるなど、中小企業の技術力の向上に向け着実な成果を上げております。こうした技術支援に加えまして、環境、健康、安全など社会的課題の解決はビジネスチャンスの拡大にもつながることから、現在、大気汚染の発生源の一つであります揮発性有機化合物、いわゆるVOCの処理技術の開発に中小企業と共同で取り組んでいるところでございます。今後は、社会的課題への対応などを考慮した幅広い視点から、これまで以上に技術支援の充実を図ってまいります。次に、多摩産業支援拠点についてでありますが、近年、多摩地域の企業や大学が都外の企業や研究機関と共同して環境分野の新技術を開発するなど、東京都域を超えた連携が大きく動き出しております。都は、広域連携の活発化の動きを見据え、研究開発、新事業創出の中核拠点として、平成二十一年度開設予定の多摩産業支援拠点の整備を着実に進めてまいります。この多摩産業支援拠点では、多摩シリコンバレーの形成を目指し、技術支援、経営支援に加えまして、産学公連携のコーディネート機能を強化するとともに、インキュベーション施設を整備するなど中小企業を強力に支援してまいります。最後に、農作業の受委託についてでございますが、都は、高齢等により労働力が不足する農家を支援するため、今年度から農作業受委託推進事業に取り組んでおります。本年七月には、農作業の受委託を円滑に進めるため、東京都及び農業団体などで構成する推進会議を設置するとともに、農作業受委託に関する実態調査を実施いたしました。また、九月には、東京都農林水産振興財団に相談窓口を開設いたしまして、農作業を受託する農業者や団体への情報提供などを始めたところでございます。今後は、受託者の登録を行い、年内には農家から農作業の委託申し込みの受け付けを開始できるよう努めてまいります。〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕 # 福祉保健局長(安藤立美君) 福祉保健局長(安藤立美君)七点の質問にお答えを申し上げます。まず、東京都がん対策推進計画についてでございます。本計画は、がんの予防から治療及び療養生活の向上に至るまでの都の総合的な計画といたしまして、がん検診の受診率の向上、地域医療機関の連携や緩和ケアの推進、また、相談体制の充実による患者、家族等への支援などについて明らかにするものでございます。この計画の策定に向けまして、本年五月に、医療関係者や学識経験者、患者団体代表などから成ります東京都がん対策推進協議会を設置いたしまして、現在、活発な議論を重ねていただいております。協議会での検討結果を踏まえ、平成二十年度を初年度とする五カ年計画を策定し、今年度新たに設置をしました福祉・健康安心基金などを活用しながら、積極的な施策の展開を図ってまいります。次に、がん診療を担う病院の活用についてでございますが、国は、都道府県がん診療連携拠点病院のほか、地域がん診療連携拠点病院を二次医療圏に一カ所程度、都道府県の推薦を受けて指定することとしており、都は、平成二十年四月からの指定に向けまして、候補となる病院を公募し、現在、選考を行っております。応募されました病院の中には、国の指定要件を満たし、専門的ながん医療の提供体制が十分に整っている病院が多数ございますが、そのすべてが地域のがん拠点病院に指定されるものではございません。都民に必要な診療体制を整えるためには、国指定のがん拠点病院だけではなく、ご提言のように、専門的ながん医療を担える病院の活用についても検討を行い、都内のがん医療水準の向上に努めてまいります。次に、都としての医師確保対策についてでございます。小児科や産科など、特定の診療科における病院勤務医師の不足に対して実効性のある取り組みが急務となってございます。このため、本年六月に、産科、小児科医師の代表、臨床研修病院等の院長、大学医学部長などから成ります東京都地域医療対策協議会を設置いたしまして、都における医師確保対策について精力的に協議をしてございます。今後、本協議会での検討も踏まえ、病院勤務医師の負担軽減に向けて、勤務環境の改善、助産師や医療補助者の活用などの取り組みを進めるとともに、さらに長期的視点に立ち、医師の養成、専門医の育成等についても積極的に取り組んでまいります。続きまして、外国人の看護師、介護福祉士候補者の受け入れについてでございます。今般の受け入れは、フィリピン、インドネシアとの経済連携協定に基づくものであり、三年ないし四年の間、日本の医療機関や福祉施設に就労しながら、我が国の国家資格の取得とその後の就労を目指すものでございます。都としても、国際協力の観点に立ち、来日する候補者が在留期間内に国家試験に合格し、引き続き就労できるよう支援することが重要と考えてございます。今後、両国の医療、介護の実情等の把握に努めるとともに、都立の病院や施設への受け入れ、看護専門学校での学習指導、民間施設が受け入れる場合の支援など、効果的な受け入れ体制のあり方について検討してまいります。次に、東京都地域ケア体制整備構想についてであります。この構想は、高齢者が住みなれた地域で安心して生活するための基盤となる地域ケア体制整備の基本的考え方を示すものであります。今後、都におきましては、大都市特有の課題として、高齢化が急速に進行し、ひとり暮らしの高齢者や高齢者のみの世帯の急増が予測されます。このため、構想では、豊富な社会資源が集積をしている東京の強みを生かし、多様な主体による介護、医療、見守りなど、地域におけるケア体制を明らかにしてまいります。また、構想に盛り込む療養病床転換推進計画につきましては、他県と比較をして高齢者人口当たりの療養病床が少ないことに留意をし、医療機関の動向を的確に把握しながら検討してまいります。本構想の策定に当たりましては、ご指摘の点を踏まえ、都独自の課題の克服に向け、東京の介護、医療の状況にふさわしい取り組みの方向を示してまいります。続きまして、医療療養病床についてでございます。ご指摘のとおり、国は、現在全国に二十五万床ある医療療養病床を十五万床程度に削減する方針であります。急速な高齢化が見込まれる都におきましては、急性期の医療を終えたものの、引き続き医学的管理が必要な患者を受け入れる医療療養病床は今後とも重要であると考えております。このため、今年度末の改定を予定しております東京都保健医療計画におきまして、東京都地域ケア体制整備構想も踏まえながら、適正な病床数について定めてまいります。最後に、後期高齢者医療制度についてでございます。現在、広域連合では、保険料の設定や健康診査を初めとする保健事業について検討を行うなど、制度の円滑なスタートに向けて準備を進めております。保険料につきましては、医療費及び保健事業費などの推計や、被保険者数の見込み、さらには国におきます後期高齢者医療の診療報酬体系に係る審議状況など、さまざまな要素を勘案し、広域連合が本年十一月の議会において決定される料率をもとに算定する予定でございます。都としては、今後も引き続き広域連合の検討状況を把握するとともに、国の動向を十分見きわめながら、適切に対応してまいります。〔病院経営本部長秋山俊行君登壇〕 # 病院経営本部長(秋山俊行君) 病院経営本部長(秋山俊行君)都立病院並びに公社病院におきます医師の確保についてでございますが、ご指摘のとおり、医師の採用環境は極めて厳しさを増しておりまして、両病院におきましても医師の確保は喫緊の課題であると認識をしております。このため、都は、来年度、東京医師アカデミーを開講いたしまして、総合診療能力と高い専門性を兼ね備えた若手医師の計画的な育成と確保に取り組んでまいります。また、医療の中核を担う優秀な中堅医師の確保と定着を図るために、勤務条件の改善や福利厚生の充実などの医師確保対策も積極的に進めていく考えでございます。こうした取り組みによりまして、都立病院、公社病院がそれぞれ担っている役割を確実に果たすことで、引き続き東京における総体としての医療サービスの向上を図ってまいります。〔総務局長押元洋君登壇〕 # 総務局長(押元洋君) 総務局長(押元洋君)犯罪被害者等支援推進計画の策定に当たっての基本的考え方について、お答えを申し上げます。被害者やそのご家族は、犯罪による直接的な被害はもとより、犯罪の対象とされたことによります精神的な苦痛や高額な医療費の負担、経済的な困窮など、さまざまな問題を抱え、極めて過酷な状況に置かれております。このため、被害を受けた方々が再び平穏な生活を営めるようになるまで、都は途切れることなく十分な支援を提供していくことが求められております。ご指摘の点を踏まえまして、民間団体の力も活用し、今後、被害者の方々の多様なニーズにこたえるための総合的な窓口の設置や、一時的な居住場所の確保、精神的ケアの実施などの施策を検討いたしまして、来年一月を目途に計画を策定してまいります。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩をいたします。午後二時五十三分休憩午後三時十五分開議 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)休憩前に引き続き会議を開きます。質問を続行いたします。百二十三番土屋たかゆき君。〔百二十三番土屋たかゆき君登壇〕 # 百二十三番(土屋たかゆき君) 百二十三番(土屋たかゆき君)私は、都議会民主党を代表して、都政の主要課題について知事並びに関係局長に伺います。初めに、新潟県中越沖地震について申し上げます。三月の能登半島地震に続き、七月には同じ震度六強を記録する新潟県中越沖地震が発生しました。ここに、被災された方々に心からお見舞いを申し上げるとともに、一日も早い復興を祈念するものであります。まず、今後の都政運営について伺います。国政の現状について伺います。代表質問には答えられない、これは安倍前総理の辞意報道の際に報じられた発言です。この七月の参議院選挙で敗北を喫したにもかかわらず、続投を宣言し、内閣改造を行い、ブッシュ米大統領に給油活動継続を約し、国会における所信表明を行ったその二日後に辞任表明を行うという、前代未聞、異例の事態が生じました。そして昨日の両院協議会を経て、福田康夫元官房長官が新総理に選出されました。現在の衆議院与党体制は、小泉元総理のもとで行われた総選挙の結果生まれた体制であり、その後総理となった安倍晋三氏、そして福田新総理と、総選挙での信任を経ない二人目の総理が誕生することになりました。いかに議院内閣制とはいえ、民意の信任を得ることなくして新総理の正統性は担保されません。早い段階で衆議院の解散・総選挙を行い、民意を問うべきと考えますが、知事の見解を伺います。福田新総理も安倍前総理と同じ自民党の総裁とはいいながらも、内政、外交に臨む姿勢は安倍前総理とは明らかに違っているといえるのではないでしょうか。一見、古きよき自民党に戻ったとも見えますが、政権公約の基本理念には自立と共生を掲げ、我が党と基本理念を共有されてもいます。福田新総理のこうしたスタンスについて、都知事はどのように受けとめておられるのか、また、今後の都政への影響についてどのようにお考えなのか、見解を伺います。こうした国政の変化にもかかわらず、東京都には自治体としての主体的なあり方が常に問われています。知事は、弁慶橋風致地区における参議院議員宿舎建設について、時代の変化や国民意識の変化を踏まえ、再度議論すべきことを指摘し、再考を求められました。さきの所信表明においても、国に唯々諾々と従うのではなく、主張すべきを主張し、分権の時代にふさわしい地方の姿を示したとされました。平成十二年の地方分権一括法によって機関委任事務が廃止され、国と自治体が対等平等な関係と位置づけられたにもかかわらず、国の過剰な関与が続き、自治体の側にも対等平等を主張し切れない関係が続いています。改めて、国と自治体との役割分担明確化の観点から、国の過剰な関与を改めさせ、役割分担に基づいた地方税財政制度の再構築を働きかけていく必要があると考えますが、見解を伺います。さて、七日、石原知事は、知事選直前に発表した都民税所得割の軽減措置を撤回しました。そもそもこの措置は、低所得者の自立支援や所得向上策と結びつく一貫した政策体系に基づくものではなく、単に税体系の一部に軽減措置を行うだけの理念なき公約であり、撤回は当然の判断と考えます。石原都知事は今回の撤回を公約の進化だと述べられておりますが、この政策を打ち出すに至った経過や、今回の撤回に至るまでの過程について明らかにし、素直に公約の撤回を認めるべきであります。同時に、知事が時として批判を受けるトップダウンの弊害や、それに目を閉ざしてきた都庁の体制を検証し、正してこそ、真の意味での進化が始まると考えます。知事の見解を伺います。私たちは、これまでにも職業訓練等を初めとした低所得者の所得向上策を求めるとともに、ことしの予算議会では、若年者・年長フリーター対策として、奨学金制度や教育訓練給付金制度の創設、あるいは非正規勤労者の待遇改善に取り組む企業へのインセンティブの充実などを提案してきました。また、さきの定例会においては、生活保護受給者に、就労、保障、医療面での自立促進を行う自立支援プログラムを積極的に推進するよう求めてきました。石原都知事には、私たちのこれまでの提案を踏まえて、格差是正策を早急に具体化するよう求めるものですが、見解を伺います。次に、築地市場の移転問題について伺います。東京都が設置した豊洲新市場予定地における土壌汚染対策等に関する専門家会議について、まず移転ありきの議論だとか、調査内容が不十分だといった疑問や不満の声が少なくないことは石原都知事もご存じのことだと思います。また、国においては土壌汚染対策法の見直しに向けた取り組みが始まっており、今後、汚染土壌に対する調査、対策については、より厳しい対応を求められることが予想されます。さらに、昨今では中国の輸入食品問題など、食の安心・安全に対する都民、国民の関心は極めて高くなっており、世界の食糧事情を勘案すれば、この傾向は今後ますます強くなるものと思われます。首都圏の食を支える東京の中央卸売市場が一度豊洲に移ってしまえば、五十年後、百年後、あるいはもっと先の時代まで、豊洲にあり続けることになるのです。私は最低限、今の法律レベルでの調査を実施した上で、汚染土壌の全面的な除去や地下水の管理徹底など、だれが見ても納得のできる対策を講じていくことが必要であると考えます。また、このまま汚染土壌の残る土地へ市場を移転すれば、将来に著しい禍根を残すことになりかねないかと懸念するものですが、石原都知事の見解を伺います。私たちは、東京都が全面的な汚染土壌の調査を実施しないのであれば、法的な対応を講じるべきだと考え、八月七日、民主党本部に対して、土壌汚染法の改正に関する申し入れを行いました。これは法施行前の適用除外を規定している附則三条を見直し、現行法レベルの調査の実施を法的に担保しようというものです。もちろん、このような法改正によらずとも、東京都がみずから率先して土壌汚染対策法のレベルに基づく調査、すなわち敷地全域にわたる十メートルメッシュの測定点を設けるとともに、液状化現象を考慮して、深さ二十メートル以上のボーリング調査を実施することが最も好ましいことは当然のことです。八月二十七日には、東京都が実施しているボーリング調査や水質調査の現状を視察したことで、その思いをますます強くしてきました。私は、改めて、今の土壌汚染対策法のレベルに基づく全面的な調査を求めるものですが、知事の見解を伺います。専門家会議について、私たちは、そもそも専門委員の数が四名では少ないのではないかなどと指摘してきました。私たちの質問に、東京都は、密度の濃い実質的な議論が行われるよう、各分野から一名ずつの構成としたと答弁してきましたが、逆に、各分野の専門家が一名ずつしかいないため、その人の意見に専門的な立場で異議を唱えたり、同調したりする人もいないというような結果となり、会議の議論は極めて低調だといわれています。また、専門家会議ではようやく傍聴者からの質問を受け付けるようになりましたが、質問回数が一人一回に制限されることなどから、不満の声も聞かれます。このようなことから、私は、少なくとも専門家会議において公聴会を開催するなど、東京都として責任を持って委員以外の専門家や都民の意見を聞き、これらの意見に懇切丁寧に答えていくべきと考えますが、見解を伺います。次に、中小企業対策について伺います。東京都は、ことし三月に取りまとめた産業振興基本戦略をもとに、今年度中にも、今後三年間で展開すべき施策を盛り込んだ産業振興指針を発表する予定です。基本戦略の戦略の第一は、重点産業を育成し、東京の産業を牽引することとなっていますが、この九月に私たちが行った関係団体からのヒアリングでは、むしろ商取引や人材確保の面などにおいて、大企業と公正な条件のもとで競わせてほしいという要望が強く寄せられました。例えば、この間の原材料価格の上昇分を販売価格に転嫁できなかった中小企業は約六割に達するという調査もあるなど、経済のグローバル化や原材料価格の高騰等を背景とした取引上の優越的地位の乱用などが指摘されています。また、人材確保の面では、学生の就職先として、中小企業より大企業を希望する風潮がある上、この間、大企業を中心とする若年層の採用が活発化する中で、中小企業の人材確保がますます困難になっているといわれています。私は、中小企業の振興を図っていくためには、東京の産業を牽引するようなすぐれた中小企業に着目するだけでなく、多くの中小企業が大企業と公正、公平な立場で競争できる条件を整備することにも力を注いでいくべきと考えますが、石原都知事の基本姿勢について伺います。次に、ものづくり産業の中核をなす工場の集積、再生について伺います。既に大阪府など幾つかの府県では、工場の集積に向けて不動産取得税の税率を軽減したり、設備整備に助成金を出したりするなど、税財政の面からの支援策を講じています。また一方で、都内自治体に目を転じてみれば、府中市や三鷹市のように、特別用途地区の指定など、都市計画的な手法を用いて工場の建設を緩和したり、住宅の建設を抑制するなどして産業集積を図ろうとしている自治体もあります。東京都としても、工場の建てかえや拡張に向けて、区市町村への情報提供などを通じて特別用途地区の指定などを促していくとともに、広域的な視点から、空き工場の情報提供を初め、税財政的な支援策を講じて、工場の集積、再生に積極的に取り組んでいくべきだと考えます。東京都の工場の集積、再生に向けた取り組みについて見解を伺います。次に、中小企業における人材確保について伺います。ニートやフリーターなど、若年者の就業対策が求められている一方で、中小企業では人材確保に苦慮しています。現在、東京都ではインターンシップや職場体験の受け入れなどを実施する若者ジョブサポーター企業の組織化などに取り組んでいますが、現在までの登録数は三百三社にとどまっています。また、若者ジョブサポーター企業に対しては、産業力強化融資などを通じて支援しているところですが、都内自治体にはインターンシップの受け入れそのものに補助金を出している自治体もあり、東京都としても助成制度の創設など、支援の充実を図っていくべきと考えます。中小企業の人材確保に向けた若者ジョブサポーター企業への支援について、東京都の見解を伺います。次に、新銀行東京について伺います。新体制での運営が始まった新銀行東京は、七月三十一日、店舗外に設置しているATM全百二十六台の稼働停止を発表しました。今では地下鉄各駅でシャッターがおりたままのATMを多く見かけます。また、八月十日には店舗統合を発表し、既に八王子出張所を廃止したほか、今定例会中には蒲田出張所と錦糸町出張所もそれぞれ統合される予定です。ATMの問題はこれまで都議会民主党が取り上げてきましたし、また、店舗については、一昨年の予算議会で自民党議員が早期開設を求めていたものを統合するわけです。石原都知事は、これまでの新銀行東京に対しては、全くといっていいほど情報が入ってこなかったと不満をぶつけていましたが、新体制になったことでコミュニケーションはとれるようになったのでしょうか。また、この間のATM撤去や店舗の統合などに知事の意向は反映されているのでしょうか、見解を伺います。次に、新銀行東京の経営情報の公開についてですが、前回の私たちの代表質問に対して、東京都は、企業運営上秘密としているものを除いて、積極的かつわかりやすい情報開示を行っていくよう働きかけていくと答弁していました。しかしながら、いまだに四半期情報さえ公開されていません。四半期情報は各事業年度及び中間期の決算発表とは別に公開されているもので、七月三十一日前後には多くの銀行で公開されています。また、新銀行東京は、昨年八月四日に一度だけ第一・四半期の決算状況を公開したことがあり、これを拒む企業運営上の秘密はないはずです。それ以降、四半期情報が公開されてないことも不可解ですが、少なくとも、進むも地獄、引くも地獄といわれている新銀行東京の経営状況を適切に管理していくことは、株主としても当然の責務ではないでしょうか。前回の答弁を踏まえるのであれば、最低限、四半期情報などは公開していくべきと考えますが、新銀行東京の情報公開について、改めて見解を伺います。次に、医療行政について伺います。まず、リタリンなど薬物乱用の問題について伺います。我が会派は、昨年の第四回定例会で、リタリン乱用の実態や、十分な診察なしに安易に処方する、リタリン販売所と呼ばれるクリニックについて問題を指摘し、早急な対応を求めていました。今月十八日に、都と新宿区が合同で、新宿区歌舞伎町の診療所、東京クリニックに対して立入調査を行い、多くのマスコミに報道されました。これらの動きを受けて、製造元は、急遽リタリンの適応症からうつ病を外す方針を示しました。安易にうつ病と診断し、処方するケースが後を絶たなかったわけですから、うつの適応症を外すのは画期的な前進と評価しております。しかしながら、覚せい剤と同じ効果を持つ薬剤はリタリンに限りません。リタリンの安易な処方に歯どめがかかっても、類似薬剤が安易に処方され続ければ、薬物乱用の問題は根絶できません。都としては、薬剤の不適切な処方を行う医療機関に対しては厳しく指導を行っていくべきと考えますが、所見を伺います。次に、産科医療確保について伺います。先日、奈良県において、搬送先の病院が見つからず、死産する痛ましい事件が起きました。産科医不足が叫ばれる中、千葉県でも妊婦受け入れ拒否が百四件あったという報道もなされています。たらい回しへの懸念が高まる一方で、現場の医師からは、手いっぱいで、新たに診られる状態にない病院が、他を探してくださいというのがたらい回しといえるのかとの指摘もあります。確かに産科医が不足しており、断らざるを得ない状況になっているというのが現実ではないでしょうか。一般的に、医師は外来診療、入院病棟、救急への対応を行っていますが、一人しかいない産科医が、病棟の急変者や他の救急患者の処置中であれば、救急搬送の打診をされても無責任に受け入れることはできません。産科医療の現状についてどのように認識しているのか、見解を伺います。また、平成十九年四月一日から八月三十一日までに限った数字ですが、東京消防庁によれば、周産期救急搬送事案における、現場到着から病院への出発までは平均約十六・三分、病院到着までは平均約四十・六分であり、搬送先が決まるまで六カ所以上の病院に連絡した事案は約三%とのことです。医師が一人前になるには十年、十五年かかるといわれ、医師不足の根本解決には長い時間がかかります。都においては、二次救急における病床の確保、多くを占める正常分娩を担う診療所、病院、さらに高度な医療を担う各医療機関の役割分担医に基づくネットワーク化など、今ある資源をどのように有効活用するかという視点が重要であると考えますが、都はお産の安全・安心を確保するためにどのように取り組むのか、見解を伺います。都立病院でも、医師の確保困難から、豊島は産科が新規取り扱いを休止中、墨東は外来診療を縮小しています。多摩地域でも医師不足は深刻で、産科医は人口十万人当たりの病院数が四・〇と、二十三区より二以上も少ないのが現状です。私たちが把握している範囲でも、産科の取り扱いをやめた病院、高齢の医師一人が頑張っている病院があります。五年後、十年後を考えると、東京でお産ができなくなってしまうのではないかという危機感を持たざるを得ません。その一方で、東京では新たに産科医院、病院を開業することが非常に難しい環境となっています。その大きな原因は、国の病床規制です。東京には全国から患者の集まる高度医療施設が集積していること、実態的には稼働していない病床までカウントされていることなどから、地域によりますが、ほぼ限度に近い病床を持っています。国は総病床数で人口当たりの基準病床数を定めており、現に足りない産科や小児科を開設しようとしても、それを超えては開設できないという理不尽な状態なのです。これに追い打ちをかけたのが、新たに二十床以下の診療所もこの基準病床にカウントするという基準変更です。医師不足の最中、多くを占める正常分娩を担うべき地域の診療所の役割が高まる中でのこの変更は、不足する診療科への新規参入が必要な状況に対し、逆効果をもたらすものです。しかし、医療法には特例規定があり、医療計画に明記すれば、産科、小児科など、不足している科目については診療所を開設させることができます。この規定を活用し、必要な地域医療の確保の一助とすべきです。また、病院の開設に係る都の手続も問題があります。病院開設の手続には短くても六カ月以上かかりますが、この間、予定地を押さえておく必要があり、相当な資金がなければ開設が不可能な仕組みであることがまず一つの問題です。そして肝心の許可は、国の規制の範囲内であきが出た分だけですが、いつ、どこで出たのかはオープンにされていません。これが二つ目の問題点です。こうした事務手続の面でも、住民ニーズにこたえる医療を提供しようという意欲のある医師を歓迎する環境整備をすべきです。こうしたことを含め、都は産科医療の確保のため、細かな点もすべて総点検し、できることは何でもやるべきだと考えますが、知事の見解を伺います。次に、介護保険制度について伺います。介護保険制度が始まり、八年目を迎えました。しかし、国は制度導入時の理念から大きく後退し、給付を抑えることに力を入れています。そのため、介護従事者の給与は、平成十四年をピークに減少傾向にあり、それに伴う介護従事希望者の減少と、本格的な高齢化社会を目前にして、不安な状態が続いています。その一方、現在審議中の介護福祉士法の改正案では、実務経験三年以上のヘルパーも、養成施設に一定時間通った上で国家試験を受けることになります。しかし、養成施設が偏在し、学費もかかることから、果たして国の思惑どおりに事が運ぶか疑問視されています。また、国が昨年行った制度改正で、中小の事業所であっても事業量が膨大となり、事業運営、人材確保に大きな負荷をかけています。さらに、ケアマネジャーについては、受け持ち人数が制限されたことにより所得は頭打ちとなり、その反面、包括支援センターとの連絡など仕事量は逆に増大しました。その結果、事業者が広告を出して募集しても、人材確保が困難な状況です。ヘルパーや介護福祉士にしろ、ケアマネジャーにしろ、要介護者がふえることが予想される今後、ニードがふえこそすれ、減ることは考えにくい状況です。このままでは介護の現場から人材が枯渇してしまうことが懸念されます。これらの点について都の所見を伺います。次に、障害者自立支援法について伺います。自立支援法の全面施行から一年がたとうとしています。この間、与党による激変緩和措置が行われましたが、自立阻害法ともいわれるその問題自体は解決されていないままです。限られた障害年金で余裕のない生活を強いられている障害者家庭もあります。多くの介護サービスを受けざるを得ない重度障害者に経済的余裕があるとは限りません。応益負担ではなく、応能負担を基本とする利用者負担の仕組みとすべきです。また、自立と題しながら、所得の判断に当たって世帯単位として、結局、老親や兄弟といった経済的な家族依存制度となっているのは、やはり個人単位へ変えるべきと考えますが、都の所見を伺います。自立支援法における訪問介護の事業所への報酬単価は、一時間千六百円程度です。実際には、訪問における移動時間があるために、一時間の介護で一時間半必要とする上に、事務費も含まれています。この報酬単価は介護保険よりもさらに低く、有能な人材の他業種への流出や、官製ワーキングプアと評される無理な労働を強いる結果となっています。これではまるで、国が率先して、福祉だからボランティア的でよいのだと考えているかのごとき報酬体系です。現行制度では、報酬額を今よりも上げるには利用者負担を上げなくてはならないという問題があり、これを改善するための研究、提言を期待します。自立支援法は就労への支援に重点を置いています。これ自体は、これまで重視されてこなかった支援であり、必要な施策と考えます。しかし、その一方で、現実に障害の程度により就労ができない障害者もいます。すべての障害者にとって就労だけがゴールでないことを念頭に置いて、施策を構築すべきです。その就労支援策に着目すれば、国は、小規模授産施設等を、自立支援法に基づく就労継続支援事業、就労移行支援事業に移行を進めていますが、ためらう事業所が数多くあり、スムーズな移行ができるよう、しっかりと支援していく必要があります。さらには、就労といっても、まだまだ企業の理解は進んでおらず、小規模な事業者は、企業と接点を持つことは大変ハードルが高いのが現実です。都庁を含めた多くの事業体、企業が本気になって積極的な障害者雇用をするよう就労支援をすべきであり、企業の理解を得るよう努力すべきです。これこそ東京都だからこそできる事業と考えますが、所見を伺います。次に、震災対策について伺います。まず、住宅の耐震化促進について伺います。七月の新潟県中越沖地震では、全壊住戸が約一千戸、半壊や一部損壊は約三万八千戸に上る被害が引き起こされました。被害を受けたのは古い木造住宅が多かったと報告されています。一方、都は、住宅の耐震化率九〇%以上という目標を掲げ、昨年度から、木造住宅の耐震化促進のため、耐震診断と耐震改修に対する助成を行っていますが、私たちがたびたび指摘したように、その利用はまだまだ少ないのが実情です。特に耐震改修は、昨年度予算では四百八十件分を用意したにもかかわらず、わずかに二十二件の利用しかなかったという事実は重く受けとめるべきです。制度の利用促進のためには、例えば、既に墨田区などで実施されているように、簡易補強についても助成の対象とすることも有効ではないかと考えます。都では、既存の建物内に設置する耐震シェルターなど、安価で信頼できる耐震技術の紹介を行っていますが、それらの耐震技術による耐震化も助成対象とすべきです。また、適用地域を限定せず、都内全域で制度の活用を認める必要もあります。さらに、これらの措置によって国の補助の対象から外れてしまう分に対しては、都として独自に上積み補助をすることも検討すべきです。このような耐震改修促進制度の適用範囲の拡大について見解を伺います。住宅の耐震化を進めるためには、まず、適切な耐震診断が実施され、住宅の耐震性能が正しく評価されなければなりません。そのために、都では昨年度から、一定の要件を満たす耐震診断事務所を登録し、公表することにより、住宅の耐震化に取り組もうとする都民が安心して耐震診断を実施できる制度を実施しています。住宅の耐震化率九〇%以上という目標を達成するためには、単純計算で一年当たり三万戸を超える耐震改修を行う必要があります。しかし、一方で、本制度での登録事務所数は、平成十九年八月現在、わずか三十九事務所にすぎません。これでは、耐震診断でさえ目標の戸数をこなし切ることは不可能であり、登録事務所をふやしていくことも重要と考えます。都で登録している建築士事務所以外にも、木造住宅の耐震診断を適切に実施している建築士事務所は数多くあるはずです。住宅の耐震化の目標と耐震診断の実務的な受け皿の現状との乖離についてどのようにとらえ、また今後どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。次に、新潟県中越沖地震に起因する電力供給にかかわる首都圏の危機管理について伺います。今回の地震では、原子力発電所の耐震設計基準値を大幅に超える揺れが観測され、柏崎刈羽原発が被災、原子炉を全面停止し、現在も復旧、点検中です。この停止によって、東京電力では供給力の確保と節電への協力を訴え、都も省エネ・節電緊急対策本部を設置し、さまざまな取り組みを行ってきました。しかし、八月二十二日には、東電の当初予測を超える六千百四十七万キロワットの電力供給が必要となったため、一部企業に電力供給を抑制し、生産ラインを停止せざるを得ない事態が発生しました。来年以降も首都圏における夏の電力供給の課題が継続すると予想される一方、電力を供給する原子力発電所の耐震安全性についての再評価が必要であると考えます。そこで、都は、電力の安定供給の確保とともに、生産、消費地の視点などから、福島第一、第二原発など、すべての原子力発電所の海域を含めた立地調査や、周辺施設を含めた耐震安全性の確保、防災対応の強化、情報の迅速な提供など、危機管理体制の強化を国や電力会社などに求めていくべきと考えますが、知事の見解を伺います。次に、新しい建築確認制度について伺います。一昨年の耐震偽装事件を受けて建築基準法が改正され、本年六月二十日から、建築確認や検査の厳格化が図られた新しい建築確認制度が始まっています。関連する政省令、告示などの整備が施行直前にずれ込んだこともあり、建築確認手続が滞るなど、関係実務者間で混乱が生じています。法改正によって、構造の専門家による第三者チェックを義務づける構造計算適合性判定制度が創設され、それに伴い、法定審査期間が最大七十日間に延長されたことや、改正前には認められていた設計図書の訂正や差しかえができなくなり、設計図書に不備があった場合には、再度手数料を払って申請し直さなければならなくなったことなどから、設計段階での、建築確認がおりるまでのスケジュールが不透明になってしまったといわれています。建築確認の審査そのものが厳しくなったことと、建築確認のスケジュールの不透明さとが相まって、建築確認申請を手控える動きもあります。国土交通省の統計では、ことし七月の民間居住用建築物の着工床面積は前年同月比二三・三%減、非居住用建築物では二一・三%減となっており、建築確認制度の変更の影響であると分析されています。このような建築投資の冷え込みは、景気に対して大きなマイナス影響があると指摘する投資家もいます。このようなことからも、都は、審査を行う特定行政庁としての立場から、新しい建築確認制度を円滑に進めるための取り組みを行っていくことが極めて重要であると考えます。景気に与える影響も含め、基本認識を伺います。新しい建築確認制度を円滑に進めるためには、建築設計事務所の業務改善はもちろん必要ですが、審査をする側も、申請に当たって、提出図書のチェックリストの作成を求める、意匠、構造、設備の図面内容を説明できる担当者の立ち会いを求める、申請書類の事前審査を行うなどの独自ルールを定めるといったことなども有効と考えます。また、実務上生じた新制度の課題について、国に対して再度の法改正の働きかけも行っていく必要があります。新しい建築確認制度を円滑に進めるため、都は具体的にどのような取り組みを行っていくのか、見解を伺います。次に、緑の保全について伺います。まず、緑の東京募金基金条例について伺います。今定例会に提案されている緑の東京募金基金条例の目的は、海の森や街路樹など、緑の保全と創出を強力に推進していくことにありますが、これに加えて、緑のムーブメントを広範に起こしていくこととされています。私は、緑のムーブメントを広範に起こしていくというのであれば、ただ単にお金を募るだけでなく、都民の活動を募り、緑の管理などといった面でも都民との協働を広く展開していく必要があると考えています。海の森では、平成十七年二月の港湾審議会答申において海の森のパークマネジメントを打ち出し、その中で、都民、企業、NPOなどの参加を得ながら、公園整備の初期から植樹を中心とした協働活動を行い、さらに、段階的な整備の進展に伴い協働活動も発展させていくという考え方が示されています。また、昨今は、いわゆるアダプト制度という取り組みも進み、例えば、企業と自治体とが協定を結び、企業が歩道の清掃や街路樹の剪定などを行っている例もあるようです。このような緑に対する都民の関与を積極的に進めていくべきと考えますが、都民等との協働による緑のムーブメントの展開について見解を伺います。次に、緑の保全について伺います。基金条例による緑の創出も重要ですが、昔からある貴重な緑を保全していくための努力も欠かせません。この間、石原都知事は、参議院議員宿舎の建設問題に関して、森をつぶすのは許さないとして、国と戦う姿勢を示しています。しかし問題は、参議院であっても、国有地の払い下げを受けた民間事業者であっても、仮に条例の基準内の建物であれば建築が許可され、あの森も簡単につぶされてしまうことにあるのではないでしょうか。私は、今回の件を教訓にするのであれば、都内にある二十八カ所、三千五百七十ヘクタールの風致地区についても、保全に向けた総合的な対策を講じていくべきだと考えています。例えば、それぞれの風致地区における良好な風致や目指すべき姿を保全方針として定めるとともに、条例の運用に当たっては、地域の現状や特性をさらに踏まえて、風致の維持に取り組んではいかがでしょうか。風致地区の緑の保全に向けた取り組みついて見解を伺います。次に、犯罪被害者施策の推進について伺います。思いがけず犯罪被害者になった皆さんは、多くの場面でその権利が保護されずに苦しんできました。そこで、国では、平成十六年十二月に犯罪被害者等基本法を制定し、翌年には基本計画を策定しています。国とともに施策実施の責務を負う自治体では、条例や推進計画などを策定し始めました。都においても現在、推進計画の中間のまとめを公表、パブリックコメントを行っています。当計画は、国の基本計画と役割を分担して策定されるとともに、今年度の、第一回定例会で、我が会派の提案に対して知事が計画の作成を明言して、実現するものです。そこで、まず、全国犯罪被害者の会を支援するフォーラムの発起人代表でもあった知事に、犯罪被害者等支援推進計画に対する見解を伺います。この中間のまとめには、計画の位置づけや現状把握、施策の内容、目標に不十分な点も見受けられます。国の基本計画の位置づけは、具体的な設計図と工程を示し、個別具体的な施策の着実な実施を図っていくこととしています。施策に関しては、新たに取り組むものと既存の取り組みをさらに充実させるものを列挙し、既存の取り組みは今後も継続していくことで基本計画には盛り込んでいません。一方、都の推進計画では、既存の取り組みを列挙する中で、新たに取り組むテーマは今後検討予定としています。また、検討結果を具体化するスケジュールや施策の実施状況の検証、評価、監視については一切示されておらず、仕組みの構築のみをうたっている点が推進計画としては不十分と考えます。計画の文章も、犯罪被害者や一般都民に理解され活用されるよう、よりわかりやすい記述にすべきです。見解を伺います。次に、東京都の状況に応じて適切な計画策定に取り組むことが重要です。計画の策定趣旨では、都内の刑法犯の認知件数が全国トップで推移し、都民の治安に対する不安は依然として高いとしています。また、犯罪被害者の多くは、都市における家族関係や近隣関係が希薄な状況の中で、地域社会の中で孤立することを余儀なくされてきたともしています。一方、都内の犯罪被害者の人数や相談、保護件数などの実態など、都における現状把握と分析は少なく、不十分であるといわざるを得ません。既存の取り組みもさらに充実させ、関係機関が連携して総合的施策に取り組んでいくことが必要です。見解を伺います。次に、推進計画がより犯罪被害者の視点に立ち、来年一月に確定する本計画においてより充実したものとなるよう、何点か提言いたします。損害回復、経済的支援では、国は、犯罪被害者給付金の最高額を自賠責並みの金額に引き上げる方向にあります。都においても、犯罪被害者が被害直後に当面必要となる資金について支援する制度を検討、創設していくべきです。精神的、身体的被害の回復、防止の取り組みでは、救急医療に連動した精神的ケアとともに、犯罪発生直後から、普通の生活を目指した軽度なサポート体制の整備も行っていくべきです。支援のための体制整備を進めるには、警察と被害者団体との連携協力も不可欠です。都民の理解を増進させるには、学校教育における生命の大切さの教育のほかに、被害に遭った場合の対応についての教育も進めるべきです。そして、計画を策定した後には、都として、犯罪被害者等支援推進の姿勢を、都民のみならず全国に向けて発信していくため、都条例を制定すべきと考えます。都の見解を伺います。最後に、二点述べさせていただきます。さきの矢代警視総監の就任あいさつの中で、立川警察署警察官の殺人及び自殺事件について、謝罪と今後の取り組みに向けた決意の表明がありました。二十四時間三百六十五日交代で活動する治安系公務員の職務、生活は、時間的な流れや活動の流れが、その職務内容ゆえにどうしても散漫になりがちです。それゆえに、職員同士が勤務のルールにのっとって活動することで、節度と緊張感のある職務、生活を送ることが可能となります。つまりは、このようなルールを無視する職員が一人いることで、組織やチームの節度が崩れていくわけです。中堅の世代の職員のとったこのような逸脱行為が、職員研修で幾ら許されない行為だと教えられていても、ベテラン先輩職員が行っていれば、若手の職員が、現場の雰囲気の中で注意できないということもあったのではないかと思われます。職務倫理教養や人事管理、勤務管理の徹底について、私たちからも改めて求めておきたいと思います。また、本年八月一日より駐車禁止規制からの除外措置の一部が変更となり、除外する車両を特定せず、駐車禁止等除外標章の交付を受けた身体障害者等本人が現に使用中の車両が除外対象となることになりました。この結果、身体障害者等は、タクシーや福祉車両等を幅広く使用することができるようになりました。しかし、その一方で、三級の二または三級の三の下肢機能障害者は、交付対象から外れることになってしまいました。新規則施行後三年という経過措置があるため、今すぐ対象外ということではありませんが、当事者にとっては厳しい措置です。今後、当事者の現状を十二分に把握し、こうした除外措置については配慮されるよう求めます。以上で、都議会民主党を代表しての質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)土屋たかゆき議員の代表質問にお答えいたします。まず、衆議院の解散・総選挙についてでありますが、さきの参議院選挙の勝利で、民主党がヒートアップし、舞い上がっているのはわかりますけれども、それにしても、議会の代表質問でこうした質問はちょっと筋違いじゃないかと思います。あくまでも参議院は、衆院の判断をチェック・アンド・バランスする第二院でありまして、私自身も在籍しておりましたが、その機能の本質というのは理解しているつもりでございます。あえてお答えしますけれども、新首相のもとで政府は、まずもってしっかり行政の体制を立て直して、一刻の猶予も許されない焦眉喫緊の国内外の難題を着実に処理してもらいたいと思っております。例えば、私の認識している限り、選挙中までのことであります、その後どう変わったかわかりませんが、あの問題の多い、でたらめな公務員の組織の社保庁を民主党は存続するんでしょう。自民党、公明党はこれをとにかく解体して民営化しようというのに、こういった本質的な問題が棚上げされて、私は、選挙、選挙といってはしゃぐ必要はないと思います。第二院とはいえ、参議院で多数を得た以上は、民主党はこれまでとは比較にならない重い責任を負ったのでありまして、いたずらに解散・総選挙を急いで、国民を置き去りにしたり対外関係をおろそかにすれば、結果として、国家、国民の利益を大きく損なうことになるのではないかということを肝に銘じて行動されることを期待しております。次いで、福田政権誕生の都政への影響についてでありますけれども、ご指摘のように、福田さんは、自立と共生というものをしんに据えた政治を行いたいとおっしゃるようで、これは大変結構なことであります。情報の流通がスムーズになって、時間的、空間的に世界が狭くなった、こういう時代に、私はやはり、自立と共生というものをしんに据えた政治のかじ取りというのは不可欠だと思っております。しかし、まだ具体的にどういう政権運営されるか、所信表明をされていない次元でありますから、これから新政府の財政のかじ取りを見守る必要があると思っております。次いで、低所得者の方々に対する支援についてでありますが、先ほども申し上げましたけれども、近年、額に汗して懸命に働いているにもかかわらず、低所得の状況から抜け出せないまま不安定な生活を余儀なくされている方々が増加しております。低所得者への支援が重要であると認識しております。その中で都民税の軽減を検討してきましたが、税による一律の軽減よりも、きめの細かい施策として手当てをする方が公平で効果的であるということが明らかになりましたので、方針を転換いたしました。これは、あなたのおっしゃるように、決して私の思いつきのトップダウンではございません。選挙の前に、新しい政策、公約について何か建言してほしいといって、出てきた案でありまして、私も、大変結構だな、東京も財政再建できましたので余裕もできましたから、そのことはしようじゃないかといいましたが、その後、発信元から、その後、熟慮したら、結果としてばらまきになりかねない、これでは決して本当の福祉行政にならないから、もうちょっときめの細かい施策を講じたいということで、修正の建言がありました。それを詳細聞きまして、私もその方が妥当だと思って、その案を採用した。つまり、公約は決して取り消されたんじゃございません。あくまで進化したわけでございます。次いで、格差是正についてでありますが、格差のない社会はあり得ません。個人の能力や努力あるいは成果が正当に評価され、意欲のあるだれもがチャレンジできる社会の実現に取り組んでいくことが重要であります。だからこそ、額に汗して懸命に働いているにもかかわらず低所得の状況から抜け出せない方々への支援を充実させることといたしました。今後、こうした方々に対して、一人一人の状況に合った、きめの細かい、また将来に向かって明るい展望が開けるような、これは個々人によって方策も違うでしょうけれども、いずれにしろ、生活改善や職業能力の向上など、多様な施策を講じていくつもりであります。次いで、豊洲新市場予定地の土壌汚染対策についてでありますが、豊洲新市場予定地については、生鮮食品を扱う市場として、食の安全・安心に万全を期すため、本年五月から専門家会議において、東京ガス株式会社及び都の調査、対策の評価、検証を進めております。専門家会議では、科学的知見をもとに広範な角度から議論が行われておりまして、その検討に基づいて、現在、必要な追加調査を敷地全面で実施しております。また、これと並行して、追加の対策についても議論が進められています。今後、専門家会議から、市場用地という特性を踏まえた具体的な提言がなされる予定でありまして、都としてこの提言を確実に実施していくことで、都民や市場関係者が安心できる市場として開場させていきたいと思っております。次いで、中小企業の競争条件の整備についてでありますが、企業といえども、やっぱり競争の社会に身を置いているセクターでありまして、これは努力次第、能力次第ということは原則に、避けられないと思います。つい最近、毎年やっております東京のベンチャーテクノロジーの大賞の候補企業の内訳の報告がございましたが、非常に感心するような画期的な発明が幾つもございました。そういうものが数多く羅列できる東京というものは、すばらしい可能性を秘めた中小企業の世界だと思いますけれども、いずれにしろ、これは東京のみならず、日本全体の産業を支える基盤として重要な役割を果たしておりまして、これらの中小企業が競争力を発揮できる、あくまでもその能力、潜在力というものを発揮できる条件を整備することは必要だと思います。東京はこれまで、CLO、CBOによって資金供給の円滑化を図るとともに、区部と多摩において幅広い技術、経営支援のニーズに対応する産業支援拠点の整備に着手するなど、先進的かつ多面的な政策を講じてまいりました。このCLO、CBOのサポートによって、既に今限りで六十六社が上場を果たしております。今後とも、東京の産業力を支える中小企業が十分にその力が発揮できるように条件整備を進めてまいります。次いで、新銀行東京についてでありますが、新銀行東京では、現在、新経営陣のもとで、デフォルトの圧縮や営業経費の削減などを柱とした思い切った経営改善の取り組みを進めております。店舗外のATMの撤去や店舗の統廃合などもその一環でありまして、取り組みが着実に進展しているものと認識しております。また、新経営陣から適宜業務に関する報告を受けておりまして、都としては、今後とも適切な経営が行われるように働きかけてまいります。次いで、電力供給に係る危機管理についてでありますが、柏崎刈羽原発の被災に際しては、地元住民の安全を確保することはもとより、都民生活や経済活動に大きな影響を与えるおそれがあるために、都は直ちに東京電力に対し、原因究明や安全対策の実施、電力の安定供給を要求してまいりました。また、省エネ・節電緊急対策本部を設置し、都みずからの節電に加え、都民、事業者などへの協力を呼びかけました。今後とも、国及び東京電力に対して電力の安定供給を要請するとともに、今回の地震を踏まえた原子力発電所の危機管理体制の強化を求めてまいります。次いで、犯罪被害者等の支援推進計画についてでありますが、犯罪被害者やその遺族の方々が、社会的にも非常に不遇な状況に置かれていることはまことに理不尽であります。そもそもこの運動が展開した発端は、私の親友であります某大証券の顧問弁護士をしておりました岡村勲さんの奥様が身がわりになって殺害されまして、その結果、彼は、現代刑法の中での犯罪被害者というのがいかに人間的に不遇な立場にさらされたままでいるかということに気がつきまして、自分としては得がたい体験をしたと自戒しておりましたが、彼が私に申しますに、こういう自分の最愛の妻が被害に遭わなかった限り、おれはひょっとしたら今でも加害者の方の弁護を熱心にしたかもしらぬということを自戒しておりました。これは端的に申しまして、近代刑法というのはもともと、中世、近世にあったあだ討ちを禁止するということから構築された、ある意味で現代的というんでしょうか、しかしある意味では偏った、それを主宰する司法の当事者が同じ人間でありますから、司法にいろんな問題が出てくる。それから同時に、時代の風潮として、人間性とか人権というものが過剰に加害者の中にしんしゃくされて、大きなゆがみが生じてきて今日の問題になったと思います。今後、都は、犯罪被害者の切実な思いにこたえて、途切れることなく支援を行っていくことができますように、実効性のある施策を総合的に推進してまいります。他の質問については関係局長から答弁いたします。〔知事本局長大原正行君登壇〕 # 知事本局長(大原正行君) 知事本局長(大原正行君)地方税財政制度の再構築について申し上げます。都はこれまでも、真の分権改革の実現には、まず国と地方の役割分担を明確にした上で、地方の事務と権限に見合う税源を配分すべきであると主張してまいりました。しかし、依然として国のさまざまな関与や補助金等が残されておりますために、地方が主体的に判断ができず、独自の施策展開が困難となっております。また、このことが責任の所在をあいまいにしております。こうした中にありまして、現在、国の地方分権改革推進委員会におきまして新たな分権改革の議論が進められております。都といたしましては、この動向も踏まえまして、まずは国の関与の実態を具体的に示して、過剰な関与を廃止し、国と地方の責任を明確にすることを求めてまいります。さらに、地方の自主的な判断を阻害しております補助金を廃止いたしまして、地方の責任に見合った財源が配分されるよう、地方税財政制度の再構築を求めてまいります。今後、地方分権改革推進委員会における検討状況を見据えながら、適宜、都としての見解をまとめまして、国に強く働きかけてまいります。〔中央卸売市場長比留間英人君登壇〕 # 中央卸売市場長(比留間英人君) 中央卸売市場長(比留間英人君)築地市場の移転に関する二点のご質問にお答えをいたします。まず、現行の土壌汚染対策法に基づく調査についてでございます。専門家会議の役割は、東京ガス株式会社が実施をいたしました調査を評価の上、生鮮食料品を扱う市場用地として必要となる調査や対策について検討することにあります。会議では、豊洲新市場予定地の地盤を地下水面から上の部分と地下水部分とに分けて検討してございます。地下水面から上の部分は、これまで考えてきましたように、計画地盤面から四・五メートル下までを健全土とすることに加え、コンクリートまたはアスファルトで覆うこととしてございます。地下水部分につきましては、水位が上昇した場合、その上の健全土への影響が懸念され、また、揮発性物質であるベンゼンが地下水によって移動し、ガス化して地表面に出てくる可能性があることから、適切な対応が重要としてございます。こうした観点から、地下水の状況や土壌ガス濃度を測定するため、豊洲新市場予定地全面にわたって二百四十三カ所で現在追加調査を実施しているところでございます。今後、調査結果を踏まえた専門家会議からの提言を受け、必要な措置を確実に実施してまいります。次に、専門家会議での都民意見の聴取と回答についてでございます。専門家会議においては、各委員の科学的知見をもとに、公正中立な立場から精力的に議論をいただいているところでございます。専門家会議での議論につきましては、その内容を幅広く理解してもらえるよう、会議を公開するとともに、わかりやすい要約版を作成し、ホームページへの掲載や市場関係者への提供を行ってございます。さらに、八月の第三回専門家会議から、傍聴者と委員との質疑応答の時間を設け、傍聴者からの意見や疑問に対して丁寧に回答しております。今後とも、都民要望を踏まえて、こうした方策を積極的に進め、豊洲新市場予定地における土壌汚染対策について理解と安心が得られるよう努めてまいります。〔産業労働局長佐藤広君登壇〕 # 産業労働局長(佐藤広君) 産業労働局長(佐藤広君)四点のご質問にお答えいたします。まず、東京の工場の集積、再生に向けた取り組みについてでありますが、都はこれまで国に強く働きかけ、都内の工場立地を規制する工業等制限法や工業再配置促進法の廃止を実現してまいりました。また、産業集積の形成に向けまして、都におきましては、集積や企業ネットワークを生かす中小企業グループを支援するものづくり新集積形成事業を実施しているほか、都内の区市町村の中にも先進的な取り組みを展開しているところがございます。地域工業のさらなる活性化を図るため、今年度の重点事業として、ものづくり産業の集積を図る区市町村に対する支援策の検討を現在進めております。次に、若者ジョブサポーター企業への支援についてでありますが、都におきましては、インターンシップの受け入れなど若者の職業的自立を積極的に支援する若者ジョブサポーター企業を募集しております。これらの企業につきましては、都のホームページや冊子、新聞で企業名や活動状況を広く周知するとともに、直接若者へのPRを行う場としてジョブパーティーを開催するなど、その人材確保に資する取り組みを行っております。今後とも、ジョブパーティーの開催回数をふやすとともに、高校や大学などに対しましてインターンシップの情報を提供するなど、若者ジョブサポーター企業を支援してまいります。次に、新銀行東京の情報公開についてでありますが、新銀行東京では、新経営陣のもとで、今年度は、融資業務を行う上で不可欠な債務者実態の把握や、それに基づく貸し倒れ引き当ての見直しを行っており、その結果を反映した中間及び期末決算を開示することとしております。今後とも、新銀行東京が、他の金融機関との競争にかかわるものなど企業運営上秘密としているものを除き、業務等に関する情報を積極的かつわかりやすく開示するよう、都として働きかけてまいります。最後に、障害者の雇用についてでありますが、都は障害者雇用を促進するため、東京障害者職業能力開発校などにおける職業訓練や、企業等を活用した委託訓練を行うとともに、障害者雇用ハンドブックの配布や、本年度新たに始めました企業向けセミナー等を通じて普及啓発に努めております。また、障害者の就労支援拠点であります区市町村障害者就労支援センターにおきまして、本年度から地域開拓促進コーディネーターを配置し、企業等への就労を促進しております。さらに、経済団体や企業を初め、関係機関との連携を強化し、障害者雇用に対する企業等の理解と関心を高めていくため、現在、庁内関係局が共同して障害者就労支援協議会の設置を準備しております。〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕 # 福祉保健局長(安藤立美君) 福祉保健局長(安藤立美君)六点についてお答えをいたします。まず、リタリンなど薬剤の不適切な処方についてでございます。都は、これまでも処方せんを偽造し、リタリンを不正に入手した事件を摘発するなど指導取り締まりを行ってまいりました。さらに、今般、医師が行いました不適切な処方について立入検査を実施し、これを契機としまして、国も医療機関及び薬局に対して、向精神薬の適正使用について通知を行ったところでございます。今後とも、医師会や薬剤師会とも連携をいたしまして、その周知徹底を図るとともに、不適切な処方を行っている医療機関について通報があれば、直ちに立入検査を実施し、厳正な指導を行ってまいります。次に、産科医療の現状についてでございますが、産科医療におきましては、昼夜を問わない分娩への対応などの勤務条件の厳しさや、出産、育児に伴う女性医師の離職などを理由に全国的に医師が減少しており、都内でも同様の状況にございます。その結果、産科医療の現状は厳しい状況にあると認識をしてございます。次に、お産の安全・安心を確保する取り組みについてでございますが、安全・安心なお産を確保するため、都はこれまでに、危険性の高いハイリスク分娩に対応可能な周産期母子医療センターを二十二施設まで拡大をしてまいりました。しかし、一方で地域の産科医の減少が進み、本来高度医療を担う周産期母子医療センターに一般医療機関で対応可能な分娩が集中し、負担が大きくなっております。こうした状況を受けまして、限られた医療資源を有効に活用するため、今年度、周産期医療協議会において新たに部会を設置いたしまして、分娩リスクに応じた医療機関の役割分担や連携を進め、安全な周産期医療を提供できるよう検討を進めております。この検討結果を今年度末の改定を予定しております東京都保健医療計画に反映させ、着実な実現を図ってまいります。次に、産科医療の確保でございますが、母子の安全に十分配慮した産科医療の確保は重要と考えてございます。有床診療所における医療法の特例規定の活用につきましては、地域における安全な産科医療を確保する観点から、先ほど述べました東京都保健医療計画改定の中で取り扱いを検討することとなってございます。また、病院、有床診療所の開設許可において、構造設備及び資金計画を確認することは、医療の安全と経営の安定を確保するために必要な手続であると考えております。なお、開設許可申請の参考となる病床の状況については、必要な方には情報提供しておりますが、さらに福祉保健局ホームページでの公開を検討してまいります。次に、介護を担う人材の確保についてでございますが、経済の回復基調とともに民間企業の求人が活発化する中で、介護分野における人材の確保は厳しい状況にあると認識をしてございます。このため都は、本年五月、国に対し、大都市の特性を踏まえた望ましい介護報酬のあり方について提言を行い、また八月には、東京都社会福祉審議会から、研修を充実するなどの人材育成に取り組み、人材の確保、定着を図る旨の意見具申が出されました。こうした中で、国は今般、労働環境の整備やキャリアアップの仕組みを構築することなどを柱といたします人材確保の新たな指針を示したところでございます。引き続き、国への働きかけを行うとともに、人材育成の充実、就労あっせんや相談機能の強化等に取り組んでまいります。最後に、障害者自立支援法の利用者負担についてでございますが、定率負担は、障害者自身もサービスを利用する対価として一定の費用を負担し、都民、国民みんなで安定的、継続的な制度運営を支え合う仕組みでございます。また、低所得者に対しては、所得に応じた負担上限額の設定や個別減免など、さまざまな負担軽減措置が講じられております。なお、所得を判断する際の世帯の範囲が、生計を一にする住民基本台帳上の世帯であることは、介護保険など他の社会保障制度とも整合性があるというふうに考えてございます。〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕 # 都市整備局長(只腰憲久君) 都市整備局長(只腰憲久君)四点のご質問にお答えを申し上げます。まず、耐震改修促進制度の適用範囲の拡大についてでございます。都が実施しております木造住宅の耐震化助成は、自助、共助、公助の原則を踏まえ、公共的な観点から、住宅の倒壊による道路閉塞を引き起こすおそれの高い地域を対象としてございます。本制度は、昨年度創設したものでございまして、これを契機として、区における取り組みが急速に進み、今年度からはすべての区で助成が実施されております。これに伴い、今年度の助成件数は昨年度に比べて大幅に増加するものと見込まれておりまして、当面、制度の周知徹底など普及啓発に力を注いでいくことが重要と考えております。次に、耐震診断事務所の登録制度についてでございます。この制度は、都民が安心して耐震診断を依頼できる環境を整備するため、耐震診断技術者の育成を図るとともに、技術力の高い建築士事務所を登録し、都民に情報提供するものでございます。昨年度は三十九の事務所を登録しましたが、今年度も追加登録を予定しておりまして、登録総数は三倍程度にふえる見込みでございます。今後とも、技術者に対する講習会の充実、区市や関係団体との連携強化などによりまして登録事務所数の増大を図り、都民の耐震化への取り組みを支援してまいります。次に、新たな建築確認制度に対する取り組み姿勢についてでございます。今回の建築基準法改正は、構造計算書の第三者チェックの導入や図面審査の強化など、耐震偽装事件の再発を防止し、建築物の安全・安心に対する信頼を回復するための必要な措置であると認識してございます。しかし、新たな制度の内容の確定から施行までに十分な時間がなかったため、設計者等が的確に対応できず、建築確認申請が円滑に進まない状況が生じているものと思われます。このような状況が継続することによりまして、社会経済活動や都民生活に支障を来すことのないよう、都としても適切に対応してまいります。最後になりますが、新たな建築確認制度の円滑な施行に向けた具体的な取り組みについてでございます。都では、改正法の施行前から、説明会の開催や申請窓口における事前相談の実施など、新たな制度の周知徹底に努めてまいりました。また、施行後におきましても、国とも連携して制度の運用についてのQアンドAを作成、公表するとともに、電話相談窓口を開設し、設計事務所などからの問い合わせに対応してございます。さらに、今後は区市と連携して、実務者向けの講習会をきめ細かく開催するなど、新たな制度の円滑な運用を図ってまいります。〔環境局長吉川和夫君登壇〕 # 環境局長(吉川和夫君) 環境局長(吉川和夫君)緑のムーブメントの展開についてでありますが、緑あふれる東京を実現するためには、都民、企業など幅広い層からの賛同を得て行う募金事業とあわせて、それらさまざまな主体と協働し、緑を植え、育て、守っていくことが重要であります。そこで、緑の東京十年プロジェクトでは、緑のムーブメントの展開を第一の方針に掲げ、都民や企業等との協働の取り組みをさらに強化していくことといたしました。例えば、苗木づくりから管理運営まで幅広い世代が参画できる仕組みを導入する海の森整備のほか、公園、里山、森林の維持管理におけるボランティア活動など、緑をつくり、触れ合い、親しむ機会を拡充してまいります。こうした都民等との協働の取り組みにより、緑化機運を高め、緑のムーブメントを広範に展開してまいります。〔建設局長道家孝行君登壇〕 # 建設局長(道家孝行君) 建設局長(道家孝行君)風致地区の緑の保全に向けた取り組みについてでありますが、風致地区制度は、指定区域内の緑や水辺など良好な自然的景観を保持することにより、都市環境の保全を図る役割を担っております。都は平成十一年に、風致保全の方針である保全育成方策を明らかにすることや、制度の運用を見直すことなどを盛り込んだ、東京における風致地区の見直し基本方針を公表いたしました。この基本方針を踏まえ、保全育成の方策も示した風致地区条例の運用のためのきめ細かな審査基準を定め、風致地区における良好な風致の維持を図っております。具体的には、風致地区内を地域の状況や特性、風致の状況に応じて五つに区分し、その区分ごとに建物の建ぺい率及び壁面後退距離などの規制を行うとともに、樹木の保全を含め、一定割合以上の緑地の確保を義務づけているほか、道路沿いの緑化や屋上緑化など新たな緑の創出を行うよう指導しております。今後とも、許可の審査に当たっては、風致の維持に関する関係局と連携して、条例を適切に運用してまいります。〔総務局長押元洋君登壇〕 # 総務局長(押元洋君) 総務局長(押元洋君)犯罪被害者支援に関します三点のご質問にお答え申し上げます。まず、犯罪被害者等支援推進計画の内容についてでございますが、今回公表いたしました計画は中間のまとめでございまして、今後、都議会、都民などからのご意見を伺いながら、さらに内容、施策の具体化に向けたスケジュールなどについても明らかにしてまいります。この計画が、犯罪被害者の方々や都民の皆さんにとって、より効果的でわかりやすいものとなるよう、来年一月を目途に最終的に取りまとめてまいります。次に、関係機関との連携などについてでございますが、昨年十月には犯罪被害者団体などのご意見やご要望を調査し、本年六月にはインターネット都政モニターアンケートを実施しており、最終的なまとめにおきましては、これらの内容を詳細にお示ししてまいります。また、施策の推進に当たりましては、関係機関と連携して総合的に取り組んでいくことは重要であると考えておりまして、相互の情報の共有化、連絡体制の整備など、支援ネットワークのさらなる充実強化についても盛り込んでまいります。最後に、計画の充実などについてでございますが、犯罪被害者支援に関しては、お話のようにさまざまなご意見があることは承知をしております。今回策定する計画については、犯罪被害者の方々の尊厳にふさわしい処遇を保障するものとなるよう、今後さらに検討を進めてまいります。都として、犯罪被害者等支援推進計画を策定し、その施策を着実に実施していくことにより、犯罪被害者の方々やそのご家族を支援してまいります。〔百二十三番土屋たかゆき君登壇〕 # 百二十三番(土屋たかゆき君) 百二十三番(土屋たかゆき君)先ほど知事の答弁の中で、民主党は社会保険庁を残すとの誤解に基づく発言がありました。民主党は、さきの選挙で示したマニフェストの中で、社会保険庁は解体して国税庁に統合し、社保庁の組織体質を抜本的に改めて消えた年金の再発を防ぐとともに、重複する仕事を整理することによって効率的な体制をつくりますとしており、知事の指摘は当たりません。誤解に基づく発言の撤回を求め、改めて石原都知事の見解を伺います。〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)今、日本の社会全体が変わろうとしている。どう変わろうとしているかというと、やはり実質的な官僚統制国家だった日本が、そういうくびきを断って、民間の力というものをフルに利用した行政の体制をとらなくちゃいかぬということで改革しているわけでしょう。国税庁だっていろんな問題がありますよ。結局、同じ役人にこのがたがたの組織をまた預けて、そんなもの国民が納得できますか。私は、それを正面から議論すればよろしいんです。そのために時間が要るから、解散・総選挙なんて先の先の話だということを申し上げたわけであります。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。午後四時三十四分休憩午後四時五十二分開議 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)休憩前に引き続き会議を開きます。質問を続行いたします。五十九番野上純子さん。〔五十九番野上純子君登壇〕 # 五十九番(野上純子君) 五十九番(野上純子君)都議会公明党を代表し、知事並びに関係局長に質問いたします。アメリカの経済学者ケネス・ボールディングの夫人であり、国連の平和と教育活動に貢献し、ノーベル平和賞候補にも挙げられたエリース・ボールディング博士は、教育は地球全体に、そしてあらゆる生命に深くかかわるものでなければならないと、教育の重要性を訴えています。私は、二十五年間公教育に携わってきた経験から教育の重要性を痛感しております。人を愛し、人を思いやり、そして地球環境を大切にする教育観の確立が求められております。政治、経済、社会、そして都政改革、万般にわたる改革の根底に一人一人の人間に光を当てる人間教育の視点が重要であります。以下、そうした立場から、都政の課題について質問いたします。初めに、税財政問題について質問いたします。国の地方税財政制度においては、法人二税を地方の共通財源として国が一括徴収し、法人の事業活動にかかわらず、単に事業所数や従業員数に応じて自治体に配分するという案が検討されております。これが実施されれば、都は一兆円以上の減収になります。これは地方税である法人二税の国税化にほかならず、地方分権改革の流れに全く逆行します。そもそも法人二税は、受益と負担という観点から、法人の事業活動規模に応じ自治体に税収が帰属するものであります。そのような中、東京都は、平成十八年度より都の会計制度に複式簿記・発生主義会計を導入し、本年九月にはそれに基づく財務諸表を作成し、あわせて東京都年次財務報告書を作成いたしました。この年次財務報告書を分析することにより、東京都の現時点での財政状況だけでなく、将来のインフラ整備に伴う財政需要を見通すことも可能です。首都東京の社会資本整備は国全体の経済活動に不可欠であり、したがって、東京に本社機能を置く企業には都に対して受益と負担が発生します。こうした観点から、都は、年次財務報告書の社会資本整備費の見通しなどを挙げて、具体的で説得力のある反論を行うべきであります。知事の見解を伺います。また、東京都は、行財政改革の成果が出て黒字財政に転換した今こそ、当初計画と実績とが大きく乖離し、いずれ事業の見直し、再構築が避けられない事業への対応を行うべきであります。平成十九年度は、ひよどり山有料道路など二事業に取り組みましたが、多摩都市モノレールと稲城大橋有料道路は手がつけられていません。特に多摩都市モノレールについては、多摩の南北を結ぶ多摩都民の貴重な足として、なくてはならない交通機関でありますが、平成二十年秋には資金ショートするという見込みがなされております。この状況を受け、都議会公明党は第二回定例会において早急な支援を求め、現在、都は債務の株式化や出資などの支援スキームを検討していると仄聞しております。都はこれらの支援スキームを一刻も早く実施すべきであります。見解を伺います。次に、いわゆる負担増問題について質問いたします。これまでも都議会公明党は、老年者控除及び公的年金控除等の見直しに伴うシルバーパスや軽費老人ホームの利用者負担額の急増に対し、都の積極的な救済を求めるなど、負担増の緩和を強く訴えてまいりました。近年の税制改正の結果、前年に比較して収入はふえていない場合であっても、都民が公共サービスを利用する際に支払う金額がふえるケースが出てきます。その原因は、多くの公共サービスにおいて、利用者の負担額を住民税額などに連動させて算定している点にあります。例えば、福祉保健局において、難病医療費助成制度など住民税の課税の有無に応じて負担が発生するものや、税額や課税の有無に連動して負担額が大きく増減する仕組みのものが、それぞれ十施策以上に上っています。今後も、税制変更の可能性がありますが、再び今回と同じ事態を招いてはなりません。そのため、都はこの際、低所得者への配慮を講じつつ、税額に連動しない独自の算定制度を検討するべきです。見解を伺います。次に、年金収入の取り扱いについて提案いたします。年金のみで生活している人たちは、みずからの年金収入の中から税金や公共サービスの利用者負担などの公的な支払いを続けています。こうした公的な支払いの増加が年金生活における可処分所得を減らす結果にもつながっており、負担義務を伴わない生活保護制度への不公平感を募らせるきっかけにもなっています。このままでは、年金のみで生活している人たちの消費の差し控えが強まるだけでなく、若年者の年金離れにも一層の拍車をかけることになります。そこで、年金のみで生活している人たちが安心して東京に住めるように、国に先駆けて公共サービスにおける年金収入の取り扱いを見直し、負担を軽減する施策を実施すべきであります。見解を伺います。負担増問題の最後に、平成二十年四月の施行を予定される後期高齢者医療制度について質問いたします。この十一月にも、保険者である都内広域連合が保険料率を決定する見通しです。現在、都内広域連合は、国の調整交付金の支給率を現行の国民健康保険制度と同じ三〇%に想定し、保険料額の試算をまとめています。そこから推計すると、例えば年収二百四十万円の場合の年間保険料は約十五万四千円となります。これは、葛飾区を例にとると、現行制度の保険料の二倍強の高額になります。加えて、現在は世帯で保険料を支払っていますが、後期高齢者医療制度においては保険料を個々人で支払うことになり、高齢者世帯の負担増は極めて深刻なものになってしまいます。そこで、公明党は連立政権協議の中に、後期高齢者医療制度における家族の扶養親族になっている高齢者からの保険料の徴収を凍結することを盛り込みました。都も国に対して、高齢者の負担増を回避するための抜本的な見直しを求めるべきであります。その上で、今後の国の対策が不十分なものになる場合には、少なくとも年金収入のみの世帯が多く存在する年収区分だけでも、都独自に現行保険料との差額を軽減させるための施策を検討すべきであります。あわせて都の積極的な対応を求めて、見解を伺います。次に、低所得者対策について質問いたします。知事は、さきの所信表明で、春以来検討を行ってきた個人都民税の軽減策について、方針を転換することを表明されました。今、最も行政が手を差し伸べていく必要がある人たちは、額に汗して懸命に働いているにもかかわらず、低所得の状況から抜け出せない不安定な生活をしている人であります。したがって、今回の方針転換に際しては、このような状況にある人たちに対して積極的に支援を行っていくべきであります。知事の見解を伺います。失われた十年といわれる就職氷河期に、就職したくてもできなかった人やリストラされた人が年長フリーターとして滞留し、不安定な就労を余儀なくされています。また、リストラなどでアパートの更新ができず、住むべき家がない、住むところもないので、安定した就労ができない人もいます。こうした状況からは行政による後押しがないとなかなか抜け出すことはできません。したがって、住宅の確保や就労支援など都が積極的に具体策を講じるべきであります。見解を伺います。特に、最近社会問題となっている、リストラなどで家賃が払えなくなり、住まいを失うことによってインターネットカフェで常時寝泊まりする人に対して、都が実態把握した上で支援策を講じるべきであります。見解を伺います。次に、今日の社会で最も重要な課題である教育問題について質問いたします。知事は、二期八年のうちに行政改革を着実に進め、国や他の自治体に先駆けて財政再建をなし遂げました。次は、東京の未来を、日本の未来を背負って立つ子どもたちの教育に全力を挙げていくべきであります。いじめ、不登校、校内暴力、学級崩壊など、教育の抱える課題は深刻です。親も教員も、だれもが悪戦苦闘していますが、事態はなかなか好転していません。教育の成果は一朝一夕には出ず、不断の改革の努力を続けるしかありません。現在、学校では多様な住民要望や防犯防災対策など、かつては考えられなかった数多くの課題への対応が迫られています。その一方、少子化の速さ以上に教員定数を削減する国の行政改革のもと、一人一人の教員の負担は年々ふえ続けています。教員が子どもと向き合える時間をふやし、学校機能を活性化させるため、国は、文科省が来年度予算の概算要求に、国庫負担による定数増と全額国庫負担による非常勤講師の配置などを盛り込み、不登校や小一問題などに取り組む方針です。こうした国の動向を見きわめながら、都は、学校機能を活性化させるために、人的な配置を検討すべきです。例えば、少人数指導、食育推進のための栄養教諭、特別支援教育の充実のための教員が個々の力をより発揮できる環境づくりを推進していくべきであります。教育長の所見を伺います。次に、特別支援学校に通う障害のある児童生徒の放課後の居場所づくりについて質問いたします。都内の小学校では、放課後の居場所づくりが三分の一以上の小学校で進み、子ども同士がお互いに深くかかわり合う中で、安全・安心の居場所づくりや教育効果も上がり、高く評価をされております。ところが、特別支援学校においては、放課後、児童生徒を預かる制度は整っていません。制度確立のために、都立の特別支援学校で放課後のある一定時間まで預かり、その後はスクールバスの遅い便で帰るか、あるいは親が迎えに来るなど、いろいろなパターンが考えられます。障害のある児童生徒の放課後の居場所づくりを検討すべきと考えます。所見を伺います。次に、特別支援教育支援員について伺います。普通学級に通学している児童の中には、約六%近くの割合でLD、ADHDを初め発達障害の子どもたちがいます。教室を飛び出したり、暴れたりする児童への対応で、疲れを感じている教師も多いと聞いています。このように特別の対応を迫られたときのために、退職した校長先生などの教職員関係者、医師、地域のボランティアの方々が支援員となり、学校を支援してくれると、安心して日常の教育に取り組むことができます。この支援員の活用により成果を上げられるよう、都としても積極的に学校を支援すべきと考えます。所見を伺います。次に、寄宿舎の再編整備について伺います。都教委は、策定中の第二次実施計画で、江戸川養護学校、立川ろう学校の寄宿舎の廃止を打ち出しています。都民は、今回の再編により、現在寄宿舎の持つ教育的、福祉的な役割と活用が後退することを大変危惧しております。障害を持つ子どもたちが自立をし、社会参画をしていく上で、寄宿舎における生活訓練は非常に重要であります。そこで、寄宿舎を再編整備するに当たっては、寄宿舎の福祉的な機能も含めた自立支援施設を設置し、公設民営方式などによる新たな制度を検討すべきであります。所見を伺います。また、寄宿舎設置校と未設置校の格差をなくし、すべての児童生徒が適切かつ効果的に寄宿舎を利用できる仕組みとして、例えば長期休業期間中にサマースクールなどを開校すべきであります。所見を伺います。次に、子育て支援策について質問いたします。二〇〇五年には過去最低であった合計特殊出生率が、昨年は一・三二となり、六年ぶりに上昇に転じました。その背景には、児童手当の拡充や出産育児一時金の増額、仕事と生活の調和、いわゆるワークライフバランスの推進などの支援策があります。今後も少子化対策のためには間断のない子育て支援が重要であります。そこでまず、仕事と子育ての両立支援においては、多様な保育体制の確保が重要であります。事業所内保育所の推進はもとより、都は率先してワークライフバランス社会をリードすべきであります。まず、都は、三交代勤務が行われている都立病院などで二十四時間保育体制をモデル的に実施すべきであります。見解を伺います。都議会は昨年、少子化対策、子育て支援は全庁的、横断的にその課題に取り組むべきと主張し、都はこれを受け、副知事を先頭に子育て応援戦略会議を設置しました。そこで、この子育て応援戦略会議について何点か伺います。第一に、この会議においては、年々増大する子育てに伴う経済的負担の軽減策に触れていません。まず、義務教育期の教育費についてです。全国調査では、公立学校内において必要となる年間教育費は、給食費と授業料を除けば、小学生で五万五千円、中学生で十三万円、高校生では二十三万円となっており、きょうだいが二人、三人いる家庭には大変な痛手となっています。こうした実態を踏まえて、都は学校内教育費の実態を把握するとともに、負担軽減のため、教材の共同利用や取引業者の適正な競争による価格の低減化などに取り組むべきであります。所見を伺います。また、高校生が安定的に学業を継続できるよう、奨学金制度の充実は重要です。東京都育英資金の貸与額の増額や、所得制限の緩和、貸付人員枠の拡充をすべきであります。私立学校については、幼稚園から高等学校に在学中の生徒の家計の収入が、倒産やリストラなどにより急激に減少した場合に、授業料を減免する補助制度があります。この制度を活用して、家計急変による退学者が出ないよう都は努めるべきであります。あわせて所見を伺います。また、深刻なのは、子育て世帯に対する住宅問題であります。そこで、子育て応援戦略会議は、「十年後の東京」実行プログラムの中に、家賃補助、さらなる公営住宅の優先性など、子育て世帯に配慮した住宅環境の整備の具体策を重点戦略として明記すべきであります。第二に、在宅子育て家庭支援についてであります。戦略会議では、仕事と子育ての両立支援に重点が置かれておりますが、在宅子育て家庭にも重点を置くべきであります。ゼロから二歳児の在宅子育て世帯は全体の七四%に上っております。特に都市部は、核家族化により、在宅子育て家庭の母親は一人で子育てに追われる結果、孤立化、子育てに対する不安感が大きくなっております。こうした在宅子育て家庭に対しても的確な支援策を講じるべきであります。問題は、こうした課題に対して、会議を構成する各局が従来の施策の枠を乗り越えていないことであります。したがって、今後策定される重点戦略においては、局の縦割りと従来の施策の枠を排し、子育てに対する総合的かつ戦略的な施策を打ち出すことが重要です。そのためには座長である山口副知事の大胆なリーダーシップが不可欠です。見解を伺います。子育て支援の最後に、一点申し上げます。長年にわたる都議会公明党の主張を受けて、知事は義務教育期の子ども医療費助成の拡充を英断され、いよいよ十月一日からスタートします。それでも現状は区市により格差が生じています。そこで、子ども医療費について、都内全域で一日も早く中学三年生まで医療費ゼロを実現することを強く要望いたします。次に、周産期医療について質問いたします。奈良県でことし八月、救急車を呼んだ妊婦が十一の病院から受け入れを断られ、死産するという悲劇がありました。この妊婦にはかかりつけの産科医がおらず、その結果、周産期医療システムでの対応ができなかったということが指摘されています。東京都は、二十二の周産期母子医療センターを確保していますが、救急搬送において、病院決定までに多くの連絡をしなければならなかった事例も報告されています。また、かかりつけの産科医の体制が十分整っていない地域もあります。妊産婦に対し、安全・安心の医療を提供していくためには、まず身近な地域で日常的に健診、診察を受けることのできるかかりつけ医の確保や、医師の連携システムをつくり上げていくべきであります。一方、経済的な理由で十分な妊産婦健診を受けられないため、結果としてかかりつけ医を持てない人がいるのも事実であります。この問題は本来、基礎的自治体の課題ですが、都としても妊産婦健診や出産費用の無料化に向けた新たな検討を進めるべきであります。あわせて所見を伺います。また、周産期医療におけるもう一つの課題は、産科医や小児科医などの人材の確保であります。今、都内の病院で産科医、小児科医不足により診療科が閉鎖するなど、少子社会にあって深刻かつ緊急の課題が生じています。こうした中、産科、小児科医の人材確保に努めることはもとより、助産師の活用も重要であります。本年四月一日施行の医療法等の改正により、助産所は産科、小児科病院との連携が義務づけられました。しかし、実際にはさまざまな要因により連携は進んでおりません。したがって、都はこの法改正に対応すべく、必要な情報提供を含めた指導を行うべきであります。見解を伺います。また、限りある医療人材や施設を有効に活用するためには、医療機関の役割分担が極めて重要です。高度な総合診療基盤を備えた都立病院が、一般の医療機関では対応困難なハイリスク分娩や超未熟児に的確に対応していく必要性は、これまでにも増して高まっています。都立病院は、こうした産科、小児科などの人材確保を含め体制整備に全力を注ぐべきであります。見解を伺います。次に、がん対策について質問いたします。国のがん対策推進計画は、取り組むべき重点事項として、放射線療法及び化学療法の推進、治療の初期段階からの緩和ケアの実施、がん登録の推進の三つを掲げています。まず、放射線療法に関して伺います。欧米では、がん患者の約六〇%が放射線治療を受けていますが、日本では外科手術が中心で、放射線治療は二五%程度にとどまっています。専門家によると、がんの種類によっては放射線治療は手術以上の効果があります。また、放射線治療自体には痛みが全く伴わず、副作用も少ないため、患者に過度な負担を与えません。都は現在、がん対策推進計画を策定中ですが、少なくとも都のすべての二次医療圏のがん拠点病院等で標準的な放射線治療が受けられる体制を確立すべきです。所見を伺います。なお、関連して申し添えれば、放射線治療の中でも、がん細胞にピンポイントで照射できる陽子線治療は、手術が困難な肝臓がんや肺がん、頭頸部のがんに特に効果があるといわれており、都内における早期の陽子線治療実施に向けた取り組みを求めたいと思います。第二の緩和ケアの推進も非常に重要です。緩和ケアとは本来、がん患者、家族の苦痛軽減、療養生活の質の向上のため、治療の初期段階から並行して実施するものであります。残念ながら、こうした認識は都民にほとんど浸透しておらず、緩和ケアの普及を阻害しています。そこで、緩和ケアが早期に実施されるよう、都は普及啓発に努めるべきと考えます。見解を伺います。また、緩和ケアを提供する側の医師への知識や技術の普及が欠かせません。国は十月初旬にも、国立がんセンターで緩和ケア推進のための第一回指導者研修を開催する方針です。都としても早期に研修を実施する体制を確立すべきであります。所見を伺います。都では現在、今後の地域がん診療の連携拠点となるがん診療連携拠点病院の国指定に向け準備を進めています。この拠点病院は、専門的ながん医療の提供にとどまらず、地域のがん医療の連携拠点、情報提供、相談支援の実施など、中核的な役割を担います。そこで、この拠点病院設置を機に、すべての患者、家族が安心してがんに立ち向かえるよう、例えば、どの病院に行けばどんな医療を受けられるのかといった、いわばがん医療連携マップを提示すべきです。所見を伺います。また、拠点病院が担う広範な役割のうち、患者、家族にとって特に重要なのが、院内に設置が義務づけられている相談支援センターです。ここでは、治療にかかる経済的負担の相談や、セカンドオピニオンのコーディネートなどが期待されます。厚労省は来年度の概算要求で相談員の増員を求めていますが、都としても人材確保を含めた財政措置を行うべきです。あわせて、患者、家族の相談に体験者の立場からアドバイスしてくれる患者会にも協力を求めるべきです。それぞれ見解を求めます。都の住宅政策について質問いたします。東京の住宅状況は、都心部で価格の高い分譲マンションが次々と建設される一方で、都営住宅入居募集の倍率が年々高くなり、百倍を超えることも珍しくないなど、住宅困窮者の増加傾向により住宅格差現象ともいうべき状況が発生しています。特に、民間賃貸住宅に住んでいる方は、年金生活者、高齢者、子育て世代、障害者等の世帯も多く、収入に占める家賃負担の大きさ、住居空間の狭さ、耐震化、バリアフリー化など多くの課題や不安を抱えながらも、思うように転居できないのが実態であります。こうした相談が数多く寄せられ、事態の深刻さをうかがわせております。世界都市東京で、住宅困窮者がふえ続けるような事態は断じてあってはなりません。都の住宅政策は、ことし三月改定の住宅マスタープランをもとにさまざまな施策が進められておりますが、住宅困窮者の増加傾向の要因を明確にするとともに、今後の住宅政策においては、住宅困窮者対策を政策の中心に据えて取り組むべきであります。見解を伺います。次に、都民への住宅供給政策の根幹である都営住宅のあり方について伺います。都営住宅の整備に関しては、都は年間三千戸の建てかえと年間千九百戸のスーパーリフォームの推進を柱としておりますが、このペースでは、建てかえが終了するまで約七十年もかかり、耐用年限を過ぎる住宅が発生するという事態も招きかねません。したがって、建てかえについては、中長期的な視点から総合的に判断し、新たな整備手法を取り入れていく必要があると考えます。見解を伺います。また、建てかえに際しては、間取りの工夫など、現行の型別供給の見直しを検討するとともに、地域の実情に応じて、入居希望の多い地域の供給戸数をふやすなど、将来の入居倍率の低減化を図るべきと考えます。見解を伺います。このほか、都営住宅では、共益費の不払い問題、住民同士のトラブル等、多くの問題を抱えているにもかかわらず、住民の高齢化で自主的な運営や対処が限界に来ているのが実態です。こうした問題については、自治会の負担を軽減するために、都は積極的に責任を果たすべきです。見解を伺います。次に、都営住宅の使用承継について伺います。本年八月に、利用機会の公平性を確保する観点から、原則として名義人の配偶者のみとする使用承継の見直しが施行されました。ただし、公明党が昨年の第二回定例会で要望したとおり、弱者に配慮するため、高齢者、障害者、病弱者については三親等まで承継できるとの例外規定が置かれました。しかしながら、障害や健康上の問題を持ちながら住宅の承継ができず、行き場を失いかねないとの相談が相次いでおります。新制度が施行されて約一カ月が経過しましたが、例外規定である高齢者、障害者、病弱者の取り扱いについては、形式だけでなく、実情を踏まえて対応していく必要があると考えます。都の見解を伺います。また、そのためには、相談窓口の充実が必要であります。今後、実情を見きわめる間は特段の丁寧な対応を心がけ、相談窓口のさらなる充実をすべきであります。見解を伺います。今、東京は、十年後を目指して、成熟都市東京、世界都市東京の構築に向けて都市機能や社会基盤の整備に力を注いでおりますが、都民の暮らしの基盤である住宅政策がおろそかになってはなりません。住まいの安心があってこそ、真の成熟した都市といえます。公共、民間すべての住宅ストックを活用し、住宅困窮者対策、快適な住環境整備、耐震化、木密地域対策など、改めて住宅政策を総合的に推進していく必要があると考えます。知事の見解を伺います。次に、建築基準法の改正について質問いたします。去る六月二十日に、耐震偽装事件を教訓として、再発を防止し建築物の安全・安心を確保するため、建築確認検査を厳しくした改正建築基準法が施行されました。構造計算書の二重チェックや審査期間の延長、また、申請書類に不備があった場合は、審査段階での修正を認めず再申請をさせるなど、大幅な改革でありましたが、その内容が十分に周知されていないため、建築確認の申請が滞っている状況にあります。その結果、住宅着工の件数が大幅に減るといった弊害が出ております。国土交通省が発表した七月の新設住宅着工戸数は八万千七百十四戸と、前年同月と比べて二三・四%減という、十年ぶりの減少となりました。こうした状況は、景気の低迷など、大きな社会問題になりかねません。早急な対応が必要であります。そこでまず、都の建築確認の動向、推移の状況と、確認申請の激減に伴う住宅着工戸数減の影響について伺います。次に、その対応策についてであります。特に、より都民に身近な住宅の確認審査に対して過度に慎重になっている設計業者と区市や民間の確認検査機関に対して、早急に改正の内容について周知と情報提供を図るなど、都として対応すべきであります。見解を伺います。さらに、今回の法改正で導入された構造計算適合性判定は、耐震偽装の再発防止のかぎとなる制度であります。円滑に運用するためにも、都内の判定体制を拡充すべきであります。見解を伺います。次に、震災対策について伺います。都は、本年五月、東京都地域防災計画の見直しを行い、十年以内に達成する減災目標として、死者の半減、避難者の減、外出者の四日以内の帰宅などを設定いたしました。これは公明党の主張に沿うものであり、評価をいたします。都は、現在、東京都震災対策事業計画の中で、二十年度から二十二年度までの計画を策定中と聞いております。そこで、具体的な課題について伺います。第一に、阪神大震災の教訓を踏まえ、死者を半減するための最も重要な対策である住宅の耐震化についてであります。都は、住宅の耐震化率を十年以内に約七六%から九〇%にする方針を明らかにしましたが、そのためには、今後三十四万戸の改修が必要となります。しかしながら、木造住宅の耐震診断は、十八年度実績と十九年度予算を合わせても二千五十一件、耐震改修はわずか五百二十二件であります。耐震化が進まない原因は、住民の高齢化と経済的負担の大きさなどが挙げられます。そこで、都は、こうした原因を踏まえて、現行制度の活用や組み合わせ、さらに、例えば親子二世代住宅に対して耐震助成金の割り増しをするなど、新たな制度を創設し、目標を達成すべきであります。所見を伺います。第二に、木造住宅密集地域の不燃化についてであります。都は、十年以内に、木造住宅密集地域の重点整備地域については不燃領域率を六〇%にするとしております。しかしながら、木造密集地域は敷地が狭小であったり接道していないことから、自力での建てかえや更新ができないのが実情です。そこで、可能な地域においては、民間の活力により地域全体の再開発を行い、強力に不燃化を推進すべきであり、都としても支援策を講じるべきであります。所見を伺います。第三に、本年七月十六日に発生した新潟県中越沖地震についてであります。私たち都議会公明党議員団は、先般、新潟県柏崎市を中心に被災現場を精力的に調査するとともに、柏崎市長及び柏崎商工会議所の代表者と率直な意見交換をしてまいりました。その中で、現地の方々が最も深刻に、そして真剣に訴えておられたのが柏崎刈羽原発の風評被害の拡大です。原発が火災炎上した、あるいは放射能を含んだ水が海に漏れたなど、週刊誌の報道は余りにも事実をゆがめ、誇張したものでありました。その結果、柏崎市のホテル、旅館のキャンセルは約五万七千人に上り、県の試算では、風評被害の総額は、観光、農林水産関係を中心に約二千億円ともいわれております。こうした柏崎市の抱える風評被害について、柏崎刈羽原発の最大の電力消費地である東京の知事としての率直な見解を伺います。第四に、気象庁がことし十月一日より一般への提供を開始する緊急地震速報についてであります。この緊急地震速報は、適切に活用されれば被害の軽減に役立つ一方、速報を受信した人がとるべき行動がわからなければ、かえって混乱や損害等が発生するおそれもあります。そこで、都は、これまで以上に都独自の周知、広報を推進すべきであります。加えて、初期微動のP波から強い揺れのS波までの数秒から数十秒の間に適切に行動できるよう、訓練をしておく必要があります。仮に東海、東南海地震が発生した場合、東京で強い揺れを感じるまで約五十秒かかるといわれております。都は、来庁者の協力を得ながら、都庁舎全体でこの五十秒間の防災訓練をぜひ実施すべきであります。所見を伺います。以上をもちまして代表質問を終わります。(拍手)〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)野上純子議員の代表質問にお答えいたします。税財源をめぐる国への対応についてでありますが、新たな公会計制度による今回の年次財務報告書では、都が所有する建物や橋梁などの減価償却累計額が二兆円を超えていることが明らかになりました。都市インフラの更新には膨大な財源が将来必要であることが改めて示されました。ちなみに、都有資産の減価償却累計額は、建物に関しては一・三兆円、橋梁などが〇・九兆円、計二・二兆円という額でございます。東京の都市インフラは、日本を牽引する首都としての機能や全国的な物流機能などを支えるものでありまして、その利益は国全体が享受しているものであります。これらの的確な更新なくしてさらなる成長はあり得ないにもかかわらず、国は、困窮する地方を救うという美名のもとに、都から財源を奪おうとしているのが現況であります。これは、税の原理にももとる極めて近視眼的な発想に基づくものでありまして、結局は、我が国全体の活力をそぐ愚策中の愚策であると思います。国の理不尽な動きに対して、今後とも、具体的な数値も示しながら、都議会の皆様と力を合わせて強力に対抗していきたいと思っております。次いで、多摩都市モノレールへの支援についてでありますが、多摩都市モノレールは、一日十一万人が利用する、多摩の南北を結ぶ広域的な公共交通機関として、大きな大きな役割を担っております。会社は既に営業黒字となってはおりますが、他の軌道系の三セクと異なりまして、車両基地用地の取得が会社の負担となったことなどから、結果的に厳しい経営状況にまだあります。このため、都は、会社のさらなる経営努力を前提に、新たな出資などによる抜本的な支援策を適切な時期に実施しまして、沿線市及び金融機関と連携しながら、将来の経営基盤を確固たるものにしていきたいと思っております。次いで、低所得者の方々への支援についてでありますが、額に汗して懸命に働いても、低所得の状況から抜け出せないまま不安定な生活を余儀なくされている方々を積極的に支援すべきとの考え方は、全く同感でございます。こうした方々に対しては、一人一人の状況に合ったきめの細かい多様な支援を行うとともに、将来に向かって社会的、経済的自立を確固たるものとできるよう、その努力を後押ししていくことが必要となってきております。今後、方針を転換しまして、公約を進化させるというためにも、今後、都議会とも相談をしながら、具体的な支援策がそれぞれ効果を発揮できますように、十分な事業費を措置して、区市町村とも連携して的確な施策を積極的に講じていきたいと思っております。次いで、住宅政策の推進についてでありますが、都民が真に豊かさを実感できる社会を実現し、東京がさらに高いレベルでの成熟を遂げるためには、居住の場としても魅力的な都市としていくことが不可欠でありまして、「十年後の東京」においても、成熟した都市にふさわしい豊かな住生活の実現を図るための施策に取り組むこととしております。今後、住まいの安全・安心の確保や、世代を超えて住み継がれる住宅まちづくりの推進など、社会経済状況の変化に的確に対応しつつ、住宅政策を総合的に展開していきたいと思っております。次いで、新潟県の中越沖地震についてでありますが、東京にとっても重要な電力供給地である柏崎市と刈羽村では、今回の地震により甚大な被害が生じました。都は、発災後直ちに警視庁や東京消防庁の部隊を派遣しましたほか、医療救護や水道復旧の応援、物資の提供など、さまざまな支援を行ってまいりました。また、原子力発電所の被災に伴うけしからぬ風評被害が広がりまして、被災地の方々の生活を高圧的に圧迫していることも承知しております。今月十日には、義援金の贈呈とあわせて、被害状況を把握するために谷川副知事を派遣いたしました。ご指摘のように、ともかくも昨今のメディアのあり方は、他人の迷惑を顧みることのない、堕落というか、行き過ぎといいましょうか、許しがたいものがあります。正しい情報が伝わることで風評被害がなくなり、一日も早く復興が進むよう強く希望するとともに、都は、今後とも必要な支援を行っていきたいと思っております。他の質問については、副知事、教育長及び関係局長から答弁いたします。〔副知事山口一久君登壇〕 # 副知事(山口一久君) 副知事(山口一久君)総合的な子育て支援策の推進についてでございますが、子育て支援につきましては、子育てと仕事が両立できる雇用環境の整備を初め、課題は広範囲にわたっておりまして、福祉、労働、住宅、教育など、幅広い取り組みが必要であると認識しております。このため、私が座長をしております子育て応援戦略会議におきましては、こうした課題について短期間で集中的に検討するために、課題ごとに三つの部会を設置いたしまして、局の組織、事業の垣根を超えて知恵を出し合った上で戦略を練っていくように指示したところでございます。現在、各部会では、重点戦略策定に向けまして、ワークライフバランスの推進のほか、保育所や学童クラブの整備など、働きながら子育てできる環境の整備にとどまらず、子育て世帯に配慮した住宅環境の整備、在宅で子育てをしている家庭へのサービスなども含めて、さまざまな角度から検討を行っております。今後、「十年後の東京」で示しました、社会全体で子育てを支援するという目標の実現に向けまして、全庁を挙げて強力に推進してまいります。〔教育長中村正彦君登壇〕 # 教育長(中村正彦君) 教育長(中村正彦君)六点の質問にお答え申し上げます。まず、学校機能を活性化させる人的配置についてであります。都教育委員会はこれまで、いわゆる義務標準法や国の教職員定数改善計画を踏まえ、少人数指導や特別支援教育などの充実に向け、必要な教職員定数の改善を図ってまいりました。お話のとおり、文部科学省は、先月、教職員定数の改善や新たな非常勤講師の配置を図るため、概算要求を行いました。今後、財務省等との調整を行うと聞いております。都教育委員会は、都独自の仕組みを前提とした栄養教諭につきまして、モデル地区を設置するなどして計画的に導入を図るほか、国の動向を見きわめつつ、きめ細やかな指導や個に応じた指導の充実など、都におきます教育課題に対応していくため、必要な人的配置の工夫、改善に努めてまいります。次に、特別支援学校に通う児童生徒の放課後の居場所づくりについてであります。特別支援学校においても、児童生徒が放課後に地域の人々や学生など、外部の人材や異なる学年の児童生徒などとの幅広い交流を通して豊かな人間関係を築いていくことは、大変重要であると認識しております。今後、特別支援学校での放課後の居場所づくりを推進するため、保護者のニーズや、実施に当たっての解決すべきさまざまな課題などを整理しまして、実現可能な仕組みづくりを具体的に検討してまいります。次に、通常の学級に在籍する発達障害の児童生徒に対する支援についてであります。現在、特別な教育的支援が必要な児童生徒に対し、学級支援員や学習補助員として外部のさまざまな人材を活用するなど、サポート体制を整備している区市町村がふえている状況にございます。都といたしましても、こうした区市町村の取り組みに対し、例えば、支援員の効果的な配置や活用に関します先進的な実践などを調査、収集して情報提供を行うとともに、退職教員などの人材活用のあり方につきましても検討してまいります。次に、寄宿舎の再編整備についてであります。東京都特別支援教育推進計画におきましては、通学困難を理由とする入舎生が著しく減少していることを踏まえまして、平成二十七年度の計画終了時点で十一舎を五舎にするという、適正規模と配置のための再編整備策を示し、現在、実施しているところでございます。生活訓練の実施につきましては、教育課程に位置づけられる指導の一環として、寄宿舎の有無にかかわらず、今後とも、計画的、継続的に繰り返し実施していくこととしております。今後は、障害のある児童生徒の在宅支援事業の充実も含め、関係機関との連携を図ってまいります。次に、寄宿舎施設の活用についてであります。障害のある児童生徒の自立と社会参加に向けた計画的、継続的な生活指導や宿泊行事等の充実を図るため、長期休業期間中におきまして寄宿舎施設を活用することは有意義な取り組みであります。都教育委員会では、平成十九年度の夏季休業中に、特別支援学校の生徒による宿泊体験を二校の寄宿舎施設において行ったところであります。今後、こうした長期休業期間中の寄宿舎施設の利用について、児童生徒の実態を踏まえ、学習合宿などの活用方法を検討し、その拡充を図ってまいります。最後に、小中学校の学校内教育費の負担軽減についてでありますが、保護者の負担軽減の観点から、各学校においては、学校徴収金の効率化、適正化に向けた取り組みを常に行っていく必要がございます。都教育委員会としましては、区市町村教育委員会と連携して、小中学校における学校徴収金の実態を把握し、学校徴収金の軽減に取り組むモデル的な事例などを情報提供することなどによりまして、支援を引き続き行ってまいります。〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕 # 福祉保健局長(安藤立美君) 福祉保健局長(安藤立美君)お答えを申し上げます。まず、福祉サービスの利用者負担についてでございますが、個々の福祉サービスの利用者負担の設定に当たりましては、負担と給付のバランスや住民間の公平性を確保した上で、利用者の所得も勘案して定めているところでございます。具体的な基準の設定については、納税者や利用者から理解が得られる客観性、合理性を備えたものとする必要がございます。このため、法令や国の類似制度などで広く用いられている住民税課税の有無や税額などを基準として負担額を設定してございます。一方で、都は、低所得者への配慮及び激変緩和の観点から、税制改正を理由としてサービスの利用者負担が大幅に増加する場合などについて、都独自の負担軽減策等を実施してまいりました。今後とも、国の社会保障制度や税制の動向も見定めつつ、サービスを利用する都民の生活実態を踏まえ、適切に対応してまいります。利用者負担における年金収入の取り扱いについてでございますけれども、福祉サービスの利用者負担につきましては、負担と給付のバランスや住民間の公平性を確保した上で、利用者の負担も勘案して定める必要があることに加えまして、世代間の公平性にも十分配慮しなければなりません。その上で、各種の利用者負担の設定に当たりましては、制度の目的にふさわしい適切な負担となるよう、高齢者の生活実態の把握も含め、検討してまいります。続きまして、後期高齢者医療制度についてでございますが、現在、広域連合では、保険料の設定や健康診査を初めとする保健事業について検討を行うなど、制度の円滑なスタートに向けて準備を進めてございます。保険料につきましては、医療費及び保健事業費などの推計や被保険者数の見込み、さらには国における後期高齢者医療の診療報酬体系にかかわる審議状況など、さまざまな要素を勘案し、広域連合が、本年十一月の議会において決定される料率をもとに算定する予定でございます。都としては、今後も引き続き、広域連合の検討状況を把握するとともに、国の動向を十分見きわめながら、適切に対応してまいります。続きまして、妊産婦のかかりつけ医の確保や医師の連携システムについてでございますが、定期的な妊婦健診や健康管理等に関する相談、指導を行うかかりつけ医を持つことは、安全な出産を迎えるために大変重要でございます。現在、区市町村におきまして、妊娠届け出時や母親学級などの場を活用いたしまして、健診の受診を勧めるとともに、かかりつけ医を持つよう指導、啓発をしてございます。また、都としても、地域の診療所と比較的リスクのある分娩を扱う病院が緊密に連携できるよう、平成十七年度から病診連携システムのモデル事業に取り組んでおりまして、今後、この成果を踏まえて、よりよい連携システムを検討してまいります。続きまして、妊婦健診等の無料化についてでありますが、出産前後の諸費用については、医療保険各法に基づきまして、ほとんどの保険者において、三十五万円またはこれを上回る額の出産一時金を支給しております。平均的な出産費用に見合うものと考えております。また、妊婦健診につきましては、本年一月に、公費負担回数を二回から五回程度に増加する旨の国通知が出されました。これを受け、都は、来年度から都内全域で公費負担の回数増が図られますよう、現在、健診の検査項目や実施体制等について、実施主体であります区市町村や医療機関、学識経験者などとともに検討を行っているところでございます。次いで、助産所に対する指導についてでございますが、本年四月の医療法改正におきまして、助産所は、これまでの嘱託医に加えまして、産科及び小児科がある医療機関を嘱託医療機関として、来年三月までに確保することが義務づけられました。これは、妊娠、出産に伴う異常への対応に万全を期するために行われたものでございます。今後、助産所の運営が適正、円滑に行われるよう、医療機関に関する情報提供を含め、必要な指導、支援に努めてまいります。次に、がん対策に関しましてお答えを申し上げます。まず、放射線治療体制の拡充についてでございますが、我が国におけるがん治療は、長く手術療法が主流を占めておりましたが、ご指摘のとおり、患者にとって負担の少ない放射線療法の普及は、都民にとって有用なものと考えております。このため、放射線治療についても都民に適切に提供できるよう、がん診療連携拠点病院等におきまして、治療機器の整備や専門医等の人材の育成を図る必要があり、現在、東京都がん対策推進協議会において検討いただいております。この結果を東京都がん対策推進計画に反映させ、放射線治療の都民への普及を推進してまいります。続きまして、緩和ケアの普及啓発についてでございますが、緩和ケアは、がん患者が抱える身体的な苦痛や精神的な苦痛の軽減を図るものであり、治療の早期段階から緩和ケアを受けられることが望ましいと考えております。このため、緩和ケアに関する知識の普及が図られますよう、お話のございました相談支援センターの活動を積極的に支援するほか、インターネットなどを通じ、都民にわかりやすく情報を提供してまいります。次いで、緩和ケアの研修についてでございますが、がん治療の早期から適切に緩和ケアが提供されるためには、医療従事者への普及啓発が重要でございます。都は、これまで、病院や診療所医師等を対象に研修を実施してまいりましたが、ご指摘の国における取り組みを踏まえまして、今後、がん診療連携拠点病院によります地域の医療機関に対する研修を拡充するなど、緩和ケアの知識、技術の一層の普及を図ってまいります。続きまして、医療機関の情報提供についてでございますが、がんは、発生した部位やその進行の度合いによって治療法が異なることもございまして、都民が、適切な医療機関において、病状に即した治療を受けられるようにすることが必要でございます。このため、地域がん診療連携拠点病院を中心といたしました医療機関相互の連携体制構築に努めるとともに、相談支援センターにおいて、地域の医療機関の専門分野等の情報を収集し、患者や家族に提供してまいります。また、今後、東京都医療機関案内サービス「ひまわり」におきまして、医療機関のより詳細な診療機能情報を都民にわかりやすく提供してまいります。最後に、相談支援センターについてでございますが、センターが実施をする相談や情報提供の質を高めますために、相談員のカウンセリング技術の向上や、相談に必要な情報の収集、提供など、相談支援体制の充実に向けた支援のあり方について幅広く検討してまいります。また、患者、家族の立場に立って、その悩みや心配にきめ細かく対応するため、患者会の協力を得まして、がんの経験者によるピアカウンセリング事業を本年十月より開始をいたします。〔知事本局長大原正行君登壇〕 # 知事本局長(大原正行君) 知事本局長(大原正行君)二点のご質問にお答えを申し上げます。まず、低所得の方々への新しい施策についてでございます。新しい施策を講じていくに当たりましては、まず、一人一人の実態を踏まえた適切な支援策を提供できるよう、生活の改善から能力向上、就労までをカバーした相談体制が必要であるというふうに考えております。相談の結果を受けまして、例えば、住居の確保など生活改善のための資金の貸し付けを行いますとともに、安定した就労に結びつけるためには、職業能力の向上を図る必要がございますことから、訓練の受講を奨励し、一定期間、生活の心配をすることなく訓練に専念できるよう、経済的な支援を行うなどの施策を講じる考えでございます。今後、都議会の意見を伺いながら、具体策を詰めてまいります。次に、インターネットカフェで寝泊まりをする人に対する支援策についてでございます。厚生労働省の調査によりますと、さまざまな事情によって住居を失い、寝泊まりのためにインターネットカフェ等を週半分以上常連的に利用している方が、全国で五千四百人、そのうち、東京二十三区内には二千人程度いるというふうに推計をされております。意欲があるにもかかわらず、こうした状況を脱することができない方々には、一人一人の状況に合わせた、きめ細かい支援を行う必要があると考えております。そのために、インターネットカフェ等で常連的に宿泊している方々に対し、こちらからも出向きまして相談に応じ、就労支援や生活支援など、生活の実態を踏まえた的確な支援策を講じてまいります。〔病院経営本部長秋山俊行君登壇〕 # 病院経営本部長(秋山俊行君) 病院経営本部長(秋山俊行君)二点のご質問にお答えをいたします。まず、都立病院などにおけます二十四時間保育についてでございますが、三百六十五日二十四時間体制で医療を担っております病院職場におきましては、医師、看護師を初めとする女性職員が出産後も安心して働き続け、また、復職できる勤務環境を整備することが重要であると認識をしております。このため、都立病院などにおきましては、これまで、院内に保育室を開設するとともに、一部の病院では、保育ニーズに対応いたしまして、今年度から保育時間を夜間まで延長するなど、仕事と子育ての両立に向けた支援に努めているところでございます。ご指摘の二十四時間保育は、医療に従事する女性職員の確保と定着のためにも有効な方策の一つというふうに考えておりまして、今後、都立病院など各病院の需要を踏まえた上で、その実施に向けて検討を進めてまいります。次に、都立病院における周産期医療の体制整備についてでございますが、ご指摘のとおり、都立病院は、一般の医療機関では対応が困難な医療を提供する役割を担っておりまして、とりわけ産科等において医師や施設が減少しているという現況におきましては、この役割を発揮することが一層重要になっているというふうに考えております。このため、都は現在、複数の都立病院で周産期医療を行うとともに、平成二十一年度には新たに、府中キャンパスに母体胎児集中治療管理室を備えた高度な総合周産期母子医療センターを整備することとしております。また、来年度、東京医師アカデミーを開講し、計画的な医師の育成を図るとともに、勤務条件の改善を進めるなど、医師の確保、定着対策にも取り組んでいく考えでございます。こうした取り組みを通じまして、今後とも安全・安心の医療体制の整備を図りまして、都立病院が果たすべき役割を着実に推進してまいります。〔生活文化スポーツ局長渡辺日佐夫君登壇〕 # 生活文化スポーツ局長(渡辺日佐夫君) 生活文化スポーツ局長(渡辺日佐夫君)二点の質問にお答えいたします。まず、東京都育英資金についてでありますが、勉学意欲がありながら経済的理由により修学が困難な高校生に対する東京都育英資金につきましては、国の高校奨学金が移管された平成十七年度に、教育を受ける機会をさらに拡充する観点から、貸付人員枠を拡大するとともに、自宅外通学者につきましては、その単価を増額いたしました。お話しの制度の拡充につきましては、都民のニーズに応じ、必要とする高校生が育英資金を借り受けられるよう、今後とも検討してまいります。次に、家計急変世帯への授業料減免制度についてでありますが、都は、私立学校が家計状況または家計状況の急変という理由により生徒の授業料を減免した場合に、減免額の三分の二を学校に対し補助し、保護者の経済負担の軽減を図っております。今後とも、各学校においてこの補助制度が積極的に活用されるよう、都としてもさらに働きかけてまいります。〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕 # 都市整備局長(只腰憲久君) 都市整備局長(只腰憲久君)初めに、住宅政策についてのご質問にお答えいたします。まず、住宅困窮者に対する住宅政策についてでございます。東京都における居住水準は改善の傾向にある一方で、民間賃貸住宅において、高齢者や小さい子どものいる世帯等が入居の際に選別を受けるなどの実態も見られることから、こうした状況に留意しつつ、都民の居住の安定を確保していくことが重要な課題であると認識しております。都といたしましては、これまでも、都営住宅において高齢者や子育て世帯等に対する優先入居などを実施するとともに、入居制限を行わない民間賃貸住宅の供給促進などに取り組んでまいりました。今後とも、公共住宅に加え、民間住宅も含めた重層的な住宅セーフティーネットの機能強化に向けて、さらに施策を総合的に推進し、都民の居住の安定確保に取り組んでまいります。次に、都営住宅の建てかえの推進についてでございます。約二十六万戸ある都営住宅につきましては、都民の住宅セーフティーネットとしての機能を保持するため、管理戸数の抑制を図りながら、計画的に建てかえを実施することとしております。このため、現在、昭和三十年代以前に建設した住宅を中心に、老朽化の度合い、居住者の移転先の確保の状況、地域のまちづくりとの連携などを勘案しながら建てかえを進めております。今後とも、都営住宅の建てかえについては、こうした考えに立つとともに、中長期的な視点も踏まえつつ、着実に進めてまいります。次に、都営住宅の建てかえの進め方についてでございます。都営住宅の建てかえに際しましては、居住者にとって住みやすい間取りとなるよう工夫しながら、世帯構成に応じた適切な規模の住宅を供給しております。また、建てかえで建設する戸数につきましては、住宅ごとの立地条件や従前の戸数、敷地の形状などを勘案し決定しております。今後とも、地元区市とも連携しながら、地域の実情を踏まえ、着実に建てかえを進めてまいります。次に、都営住宅の団地運営についてでございます。都営住宅の住まい方につきましては、入居の際、基本的なルールを説明するとともに、随時、居住者向けの広報紙で周知をしております。住民同士のトラブルなど、居住上のさまざまな問題につきましては、都が管理を委託している住宅供給公社が自治会等と連携をとって対応しており、今年度、職員を増員しまして強化を図ったところでございます。都におきましても、状況に応じて、法的な措置を含めて対応しております。今後とも、自治会等からの相談にきめ細かく対応するなど、都営住宅の適切な管理に努めてまいります。次に、都営住宅の使用承継でございます。今回の制度の見直しでは、都営住宅の利用機会の公平性を確保するために、名義人が死亡した場合等の使用承継を原則として配偶者に限ることといたしました。その際、高齢者、障害者、病弱者につきましては、居住の安定に配慮することが必要なことから、例外規定を設けたところでございます。施行に当たりましては、使用承継できない場合の退去猶予期間につきまして、従来、原則三カ月としていたものを六カ月に延長するなど、さまざまな工夫を行ってまいりました。今後とも、例外規定につきましては、居住の安定に配慮しながら、使用承継の申請者の状況を十分把握し、適切に運用してまいります。次に、相談窓口のさらなる充実についてでございます。今回の使用承継制度の見直しを円滑に実施していくため、これまで、居住者向け広報紙、ポスター、チラシなどにより制度の周知を図ってまいりました。現在、窓口においては、制度に関する相談や、住宅供給公社、都市再生機構などの賃貸住宅の募集情報の提供、区市町村の福祉窓口の紹介などをきめ細かく行っております。今後とも、居住者からの使用承継に関する相談につきましては、一層丁寧な対応に努めてまいります。続きまして、建築基準法の改正についてのご質問でございます。まず、建築確認の状況と住宅着工戸数減の影響についてでございますが、都の確認件数は、改正建築基準法の施行直後の七月は、前年同月比で約三割減少いたしました。これは、耐震偽装事件の再発を防止するため、建築確認の仕組みが大幅に変更されましたが、新たな制度の内容の確定から施行までに十分な時間がなかったため、設計者等が的確に対応できずにいる状況が生じているものと思われます。このような状況が継続すれば、社会経済活動や都民生活に支障を来す懸念もあることから、都といたしましても、新たな制度の円滑な運用を図っていくことが重要であると認識しております。次に、確認申請の減少への対応策でございますが、都では、改正法の施行前から、説明会の開催や、申請窓口における事前相談の実施など、新たな制度の周知徹底に努めてまいりました。また、これらの取り組みに加え、施行後には、国とも連携して、制度の運用についてのQアンドAを作成し、ホームページで公表するとともに、電話相談窓口を開設し、設計事務所等からの問い合わせにも迅速に対応しております。さらに、今後は、区市と連携して、実務者向けの講習会をきめ細かく開催するなど、都民に身近な住宅の確認申請についても的確に対応してまいります。次に、構造計算適合性判定の体制拡充でございます。適合性判定は、構造計算書を建築主事等の審査とは別に、第三者機関において、専門的な資格を持つ判定員がチェックするもので、耐震偽装の再発防止策の根幹をなす制度でございます。全国で判定員が不足しているといわれる中で、都では既に十二の法人を判定機関として指定してございます。さらに、国が行う判定員の増員に合わせまして、判定機関を追加指定し、体制を拡充することとしております。今後とも、構造計算適合性判定を初めとする建築確認制度を適切に運用し、建築物の安全・安心の確保に全力で取り組んでまいります。最後になりますが、震災対策についての二点のご質問にお答えを申し上げます。住宅の耐震化でございますが、「十年後の東京」で示した住宅の耐震化の目標を達成するためには、耐震化の機運を高める仕組みや、都民が耐震化に取り組みやすい環境の整備など、耐震化を加速する方策について総合的に検討することが重要でございます。このため、地震が怖くない東京の実現を目指して、ことし六月に設置しました建物の耐震化推進会議におきまして、全庁を挙げて検討を進めておりまして、年内にも効果的な施策を取りまとめてまいります。加えて、安価で信頼できる耐震技術の普及など、既に実施中の施策についても充実強化を図り、住宅の耐震化を促進してまいります。次に、木造住宅密集地域における不燃化の推進についてでございます。都は、防災都市づくり推進計画に基づき、重点整備地域を指定し、木密事業や新たな防火規制などとともに、街路や公園などの基盤整備事業を推進しております。とりわけ、都市計画道路の整備と沿道のまちづくりを進める沿道一体整備事業や、街区単位で建物の共同化と公共施設の一体的な整備を行う防災街区整備事業など、民間開発を誘発する事業手法が、不燃領域率を早期に向上させるためには有効でございます。今後とも、これらの事業のより一層の展開を図っていくとともに、地域特性に応じまして、事業手法を効果的に組み合わせるなど、木密地域の安全性の向上に積極的に取り組んでまいります。〔総務局長押元洋君登壇〕 # 総務局長(押元洋君) 総務局長(押元洋君)緊急地震速報についてのご質問にお答えいたします。都はこれまで、防災展や事業者セミナーなどの機会を通じまして、都民や事業者に対し、緊急地震速報システムの仕組みや活用方法などについて情報提供をしてまいりました。今後は、気象庁が十月に本格実施することを踏まえまして、テレビ、ラジオの提供番組や広報紙、ホームページなど、都のさまざまな広報手段を活用し、周囲の状況に応じて適切な危険回避行動がとれるよう、一層の周知を図ってまいります。また、都庁舎における自衛消防訓練の機会をとらえ、緊急地震速報システムを活用した避難訓練を年内に行い、地震への備えを強化するとともに、都民への啓発にも役立ててまいります。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)八十番清水ひで子さん。〔八十番清水ひで子君登壇〕〔副議長退席、議長着席〕 # 八十番(清水ひで子君) 八十番(清水ひで子君)日本共産党都議団を代表して質問します。今、都民の中であらゆる年齢層に貧困と格差が広がっています。厚生労働省の調査では、働いても働いても住居も確保できず、インターネットカフェや漫画喫茶で寝泊まりしているネットカフェ難民が、全国で五千四百人、東京で約二千人もいるとされ、それが若者だけでなく五十代にまで及んでいる結果が明らかにされました。日本共産党都議団が、青年とともに街頭での聞き取りなどを通じて行った約七百人の若者実態調査では、非正規労働者が半数を占め、その月収は二十万円未満が五割、十五万円未満も三分の一に及んでいます。正規労働者でも、月収二十万円以下が約三割で、月四十時間以上の残業時間の人が四割以上、残業代未払いの人も四分の一に及びます。若者の多くが、正規、非正規ともに低賃金と長時間労働、サービス残業に苦しめられている姿が浮き彫りになりました。高齢者は、平均所得で現役世代と変わらないなどといわれますが、実態は、ごく一部の高額所得者が平均を押し上げているだけで、圧倒的多数は低い所得階層です。東京の医療関係者の高齢者生活実態調査では、回答した約二千人のうち、四割近い人が月収十万円未満で、収入が低い人ほど健康状態がよくないという結果が示されました。だからこそ、暮らしや雇用を何とかしてほしいという、悲鳴ともいえる都民の声が広がり、さきの知事選で、知事は都民の支持を得るために、低所得者を対象とした個人都民税の軽減を約束したのではないでしょうか。ところが、知事は、今になって、所得以外の収入があり、多額の預貯金を保有している人がいるから、税による手当てでは不公平が生じるといって減税をやめるといい出し、低所得者の雇用対策などの対策を講じることをもって公約の進化だと開き直りました。そもそも、所得の低い人たちへの支援を行う場合、税の軽減と給付の両面から行うことは世界の常識です。だからこそ、政府税調も、参議院選挙の結果を受けて、所得が低い人たちに対し税の軽減と給付金の支給という組み合わせの対策を検討し始めたのではありませんか。そこでまず、税の軽減についてですが、知事は、公約について、これによって現行税制のゆがみを是正すると説明したのです。トップダウンではあったものの、収入の低い人には負担を重くし、高額収入者には負担を軽くするという日本の逆立ちした税制に一石を投ずる前向きのものでした。だから、都民の支持を受けたのです。だから、減税撤回について、マスコミは公約撤回と批判し、我が党にも、都知事選で都民税の減免を公約しながらすぐに撤回するとは、選挙目当ての手段だったとしか思えないという都民からの手紙が寄せられているのです。知事、減税は預貯金のあるなしにかかわらないものであることは、初めからわかっていたことであり、撤回の理由になりません。知事、答えてください。知事のやろうとしているのは、明々白々の公約違反です。既に区市町村に説明しているのです。減税撤回を取り下げ、来年度から実施するよう強く求めるものです。答弁を求めます。次に、給付を初め都民生活への支援の拡充が緊急課題となっていることです。公約の趣旨は、生活保護水準以下の収入で生活している人たちへの支援でした。若者や高齢者を問わず、月五万円とか十万円とかの収入で、生活に困窮している都民に月一万円程度の緊急生活応援手当を創設すること、都営住宅入居基準内の収入の人たちのために家賃助成を実施すること、ネットカフェ難民など住所を失った人への賃貸契約の支援や、緊急入居できる住宅提供などの対策が必要と考えますが、それぞれお答えください。ワーキングプア問題の解決のためには、何よりも、生活保護以下の収入にしかならない最低賃金を時給千円以上に引き上げることや、社会保険の加入などが不可欠であると考えますが、認識を伺います。とりわけ、都として雇用している臨時職員については、この点で範を示すことが必要です。答弁を求めます。次に、高齢者の医療です。政府が、来年四月から、七十五歳以上の後期高齢者を対象にした新たな医療保険制度をつくること、また、七十歳から七十四歳の医療費を一割負担から二割に引き上げるとしていることに、驚きと怒り、実施の中止を求める声が急速に広がっています。後期高齢者医療制度の保険料は、東京都の場合、一人当たりの平均年額が最大で十五万五千円という推計が発表され、衝撃を広げています。厚生労働省は、平均七万四千円、国民健康保険料と大差ないと説明してきましたが、国保料の一・五倍から二倍にもなる人が続出します。そして今、保険料負担がない、家族の扶養となっている人からも新たに保険料が徴収されます。一方、高額所得者の保険料は下がります。しかも、この保険料は介護保険料と一緒に年金から天引きされ、滞納すれば保険証を取り上げ、医療給付の停止や制限まで法律に規定されています。こんな高齢者差別の医療制度は世界に例がありません。国民の厳しい批判の中で、政府・与党からも見直しの動きが出ていますが、後期高齢者医療制度については、新たに保険料負担が生じる人の保険料を凍結するにとどまるものです。その対象は、東京の後期高齢者百十万人のうち二十万人にすぎず、数十万人の方の保険料の大幅負担増は避けられません。目先の医療費削減を最優先にして、七十歳から七十四歳の医療費を二割負担に倍増させ、七十五歳からの保険料負担を大幅にふやす、こんな医療改悪は凍結し、全面的に見直すよう、政府に迫る必要があると思いますが、知事の答弁を求めます。後期高齢者医療制度については、都民の保険料の負担増を招かない対策が絶対に必要です。実際、保険料の引き下げを求める意見書が次々上がっています。首都圏の一都三県の保険者である広域連合は、連名で、政府に対し国庫負担の拡充を求める緊急要望を提出しています。保険料軽減のために、国庫負担を大幅にふやすよう求めるべきです。また、都独自の財政支援を行うことが必要です。特に、後期高齢者の健診事業に対する都の財政支援は不可欠だと思いますが、それぞれ答弁を求めます。石原知事は、この八年、多くの切実な都民要望や緊急課題について、財政は厳しいなどと理屈をつけて、背を向け続けてきました。その一方で、知事が最優先で取り組んできたのが、財界、多国籍企業が求める世界都市づくりであり、そのための再開発や三環状道路などのインフラの整備でした。国の悪政から都民生活を守るべき都政がこうした逆立ちを続けることによって、東京は、貧困と格差、ワーキングプア、介護難民などの問題がとりわけひどくなったのです。この路線を進む限り、都財政や地球環境、ひいては都民生活に甚大な影響とゆがみをもたらすものとなることは避けられません。まず、都財政のゆがみです。既に都は、大型開発を中心に毎年一兆円規模の投資を重ね、借金を過去最高水準の七兆円規模に膨らませてきました。投資の水準をバブル前に戻すことは欠かせない課題です。にもかかわらず、石原知事は、オリンピックを最優先課題として、競技施設やインフラ整備を進めることに固執しています。我が党は、このための投資が八兆五千億円になることを指摘してきましたが、さらに膨らむ危険があることが明らかになりました。第一は、競技の施設整備費が四百五十三億円にとどまらず、少なくとも三倍の一千五百億円に膨れ上がることです。これは安倍前首相が政権を投げ出す前日にようやく行った閣議了解で、メーンスタジアムは国立ではなく都立で建設すること、国の負担は二分の一であること、後利用は都が責任を負うこと、その他の施設やインフラは通常の公共事業の枠の中で進めるとしたことによるものです。つまり、国は、オリンピック対策のために何ら特別の費用負担を行わないのです。石原知事は、閣議了解について、これでナショナルイベントに位置づけられたといっていますが、実際は、東京がやりたければやりなさいというだけの話ではありませんか。知事の答弁を求めます。第二に、インフラ整備、とりわけ都の負担が青天井になろうとしていることです。知事が「十年後の東京」で最重点の課題としている三環状道路の負担は飛び抜けています。特に外かく環状道路は、今日なお国の高速道路の整備路線にも入っていません。これをオリンピックに間に合わせるとして建設することになれば、地下部分で一兆三千五百億円、地上部合わせると二兆円といわれる莫大な事業を都の責任で行わざるを得ません。さらに、オリンピック招致委員会のもとに安藤忠雄氏を中心にオリンピックと臨海副都心を一体として開発する五十年構想が検討され、開発がエスカレートされようとしています。既にメーンスタジアムを結ぶ地下鉄やLRT、アクセス道路などの構想も浮上しており、これでは都の負担は膨れ上がるばかりです。このむだ遣いともいうべき構図にメスを入れることなしに都民の暮らしを守ることはできません。十一月には招致に関する世論調査を行う予定ですが、オリンピックのための直接投資や関連投資、さらにはオリンピックをてこにして、この十年間に行うインフラ整備の全容を明らかにすることなしに、都民が判断を下せないことは明らかです。世論調査前に財政投資の全容を明らかにすべきです。知事の答弁を求めます。都市再生のもう一つのゆがみは、地球温暖化に一層の拍車をかけることです。一番の問題は地球温暖化効果ガスといわれる二酸化炭素、CO2です。知事はこの対策として、三環状道路の整備を初め屋上緑化や学校の校庭芝生化、事業所での排出規制などを挙げています。しかし、これではCO2の削減は進みません。まず、発生面で見ると、三環状道路についていえば、国土交通省の研究をもとに環境政策研究所の方が試算してみると、道路整備による新たな自動車交通の誘発効果や道路の建設、周辺の開発などによって、CO2は減るどころか、二百九十一万トンも排出されることになることが明らかにされています。ビルの排出規制も、ビルごとの単体規制だけでなく、ビル建設を総量規制することなしにCO2は削減できません。現実に知事が就任した二〇〇〇年以降だけでも二十三区内で建設された百メートル超の超高層ビルは百三十五棟も建設されており、そのビルが発生するCO2は百十三万トンに達しています。これを吸収するには、日比谷公園約二千個分の樹木が必要となるのです。しかも、臨海部に沿って開発されている超高層ビル群によって海風が遮られ、四十度という熱暑や集中豪雨などのヒートアイランド現象が起きていることも重大です。世界一の温暖化対策というのなら、CO2発生やヒートアイランド現象を抑えることをも目的として、超高層ビルや三環状道路計画を抜本的に見直すべきではありませんか。知事の答弁を求めます。CO2を吸収する緑についていえば、幾ら屋上を緑化しても、そのビルの床面積がふえればCO2はふえ、逆効果です。芝生化は、冷却効果は認められるものの、CO2の削減効果は期待できません。しかも、東京の緑の減少は深刻です。とりわけ多摩地域では、この間に緑地、農用地、森林などが開発によって壊され、原野が二百七十四ヘクタール、農用地が千六百九ヘクタール、森林が八百十七ヘクタール、北区の面積に匹敵する緑が失われているのです。これによってCO2の吸収が三万三千トンも失われています。都民一人当たりの都市公園も、ニューヨークやロンドン、パリなどに比べても最低水準です。知事が目玉にしている中央防波堤内側処分場の海の森構想だけでは到底追いつくものではありません。そこで、未利用地が残されている臨海副都心地域を活用し、緑の公園を増設すること、開発の危機にさらされている稲城市の南山など里山や屋敷林の保全など、区市町村と協力した緑の保全と育成にこそ力を尽くすことが必要です。見解を伺います。今、世界の国々や都市が共通して目指しているのは、このような破滅の道ではありません。貧困地区の再開発や超高層ビルの制限、路面電車など自動車依存型からの脱却、緑の拡大などによる持続可能な社会づくりに取り組んでいます。世界の流れに学んで、持続可能な東京という立場に立って都政運営に当たることを強く求めておくものです。知事が、都民の暮らしへの公約を撤回する一方、みずからの豪華海外出張を続けていることにも都民の批判が改めて高まっています。知事は、海外出張について、知事選中、説明不足だった、反省しているといいました。しかし、知事選後、ニューヨーク、そしてツバル、フィジーと、既に二回も海外出張に出かけ、ニューヨークでは千六百二十六万円、ツバル、フィジーでも千五百万円ものお金を使いました。知事は成果を強調していますが、到底都民の理解を得られるものではありません。実際、都民から、貴重な税金を湯水のように使われる知事の気持ちがわかりません、外国に出かける前に環境破壊を調べてもらいたいなど、疑問や批判がたくさん出されているではありませんか。とりわけツバル、フィジー出張は、内容の面でもお金の使い方でも問題です。知事は、ツバルが温暖化で海面上昇の影響を受け、やがては沈んでしまうという危機的な状況を見て、都民に伝えるために出張したといっています。そうであるならば、なぜツバルに宿泊して、じっくり腰を据えて視察しなかったのですか。知事、お答えください。日帰りの日程にしたために、五つの調査のポイントはバスによる二時間ばかりの駆け足の視察となり、満潮時の水害の実態すら見ずに現地を出発するというお粗末なものでした。知事、現場を見なければわからないといって出かけたのに、海水の上昇により住宅が水浸しになるという一番大変な状況さえ見ないのでは、到底目的を果たしたとはいえません。知事、どうですか。フィジーでの環礁視察というのは、サンゴ礁の白化の実態を調査するためにダイビングをしてみるというものです。だったら、わざわざフィジーまで出かけなくても、日本で問題になっているところを調査すれば済むことです。フィジーは絶好のダイビングポイントとしても有名な場所です。知事は、ガラパゴス出張でもダイビングを行いました。こんなことを繰り返しているからこそ都民から、半分は知事の趣味の世界ではないかという批判を受け、マスコミにも、そんなことなら自分のお金でやったらといわれるのです。地球温暖化対策のためにということでツバルに行くのであれば、緑を破壊し、自動車交通の増加を招く圏央道のトンネル工事を行う高尾山に行って現場を見て話を聞くことがなぜできないのか、知事、それぞれお答えください。お金の使い方も相変わらずひどいものです。航空運賃を今回だけビジネスクラスにしただけで、七人の出張なのに、フィジーからツバルにたった一日出かけるのに五十人乗りの飛行機を特別にチャーターしたことにより五百万円もかかりました。定期空路を使えば五分の一以下、約八十万円で済ませられたのです。宿泊費についても、最大の目的地ツバルに泊まれば一泊一万二千円ほどで済むものを、わざわざフィジーで条例の二倍もの一泊五万六千八百円のお金を払って高級リゾートホテルに宿泊したのです。少なくともツバルをじっくり視察したら、飛行機のチャーター代も宿泊費もそこで数百万円節約できたはずではないですか。知事、都民の税金を使う以上、仮に必要な出張であっても、節約に努めることがなぜできないのですか。調査の中身もインターネットや映像、書物でわかることがほとんど、お金の使い方もやりたい放題、こんな出張に千五百万円もかけるのだったら、東京のCO2削減対策などに少しでもそのお金を使うべきという都民の批判に知事はどう答えるのですか。お答えください。これまでの豪華海外出張もむだな視察が多かったことがさらに明確になっています。例えば、三宅島で公道バイクレースをやるためといって、マン島に一千万円をかけました。知事はホームページで海外出張の成果の一つとして挙げていますが、とんでもありません。ことし十一月に実施予定だった公道レースは、バイクメーカーやテストライダーの反対を受け断念に追い込まれ、知事の発言をめぐって、バイクメーカーは協力を辞退、レースを主管するMFJも組織としての協力はしないことを決めるに至っています。レースでなくて、モーターサイクルフェスタに格下げしたものの、これも十九日の三宅村議会で我が党村議の質問で、協賛スポンサーが一社も集まっていないこと、大会の運営や募集の要項の詳細がいまだに決まっていないこと、発表は開催一カ月前の十月上旬になることなどが明らかにされました。開催は無理だ、やめた方がいいという声が広がっています。知事、モーターサイクルフェスタはきっぱりと中止し、知事の思いつきで三宅島島民や関係者を振り回してきたことを謝罪すべきです。ことしのフェスタの開催すら危ぶまれているのに、知事がいまだに公道レースにこだわって、来年はやるといい張っていることは許されません。しかも、知事は、公道は危ないというけれど、サーキットでは人は死んでいる、みんな危険を覚悟でやっているなどと、人の命を軽視する発言を繰り返していることは自治体の長としてあってはならない発言です。知事、安全対策を万全に施したサーキットでも、事故が起きれば死亡事故につながるものです。安全対策も十分でなく、観客を巻き込む危険のある公道レースではその危険ははかり知れません。だから、世界でも公道レースは極めて少数派になっているのです。公道レースについて、いまだに危険だというゆえんがわからない、レーサーの自己責任の問題などといっているのは、余りにも不見識であり、無責任です。知事、どうですか。最後に、猪瀬副知事に伺います。さきの参議院選挙では、国民の生存権を脅かす事態までつくり出した小泉・安倍政権の構造改革路線に対し、有権者がノーの審判を下しました。ところが、猪瀬副知事は、構造改革は日本が世界で生き残るための避けて通れない道といい張り、社会問題となっている格差社会についてもこれを否定し、不景気、不況の問題だという驚くべき認識を述べています。そして今は、自己責任の時代になったとして、民主党が参議院選挙で部分的に打ち出した格差是正の政策をばらまき呼ばわりしています。とんでもない時代認識といわなければなりません。猪瀬副知事、ワーキングプアの出現に見られるように、構造改革路線によって、必死に働いても生活保護以下の収入しか得ることができない人が大量に生まれているのです。それでも自己責任の問題として片づけるのですか。政府・与党の中からも、障害者自立支援法による負担増の抜本見直しなどがいわれ始めましたが、これもばらまきというのですか。また、あなたは、社会保障費を抑制するためには、医師、看護師などの医療関係者の給料を抑えるべきだと強調し、補助金をもらって、ずぶずぶの人件費を支払っているコスト意識のない特殊法人の世界とそっくりとまで攻撃しています。医師、看護師不足が深刻な社会問題となり、診療報酬の引き下げによって閉鎖を余儀なくされる医療機関が広がっているにもかかわらず、診療報酬、人件費をさらに引き下げよというのですか。その一方で、猪瀬副知事は、雑誌インタビューで、世界マネーを稼ぐ東京、東京は世界を相手に経済戦争を挑む戦場だとまでいって、大企業などの利益追求、経済活動を支える都市づくりを最優先課題として推進しようとしています。こうした発言を見る限り、猪瀬副知事は、都民の暮らしや福祉を守る姿勢が欠けているといっても過言ではありません。あなたは、我が党が公開質問状で地方自治の本旨への認識を問うたにもかかわらず、回答すらしませんでした。改めて聞きます。副知事として自治体の責務をどう認識しているのですか。地方自治法で明記されているように、都民の、住民の福祉の増進を図ることにこそ全力を尽くすべきではありませんか。さらに、今、政治資金をめぐる不正や虚偽報告が露呈し、政治と金の問題が大きな社会問題となっていますが、猪瀬副知事が政治資金収支報告の記載漏れの中に、まさに枝葉末節のことも多く、魔女狩りの様相を呈していたと発言していることは、副知事自身の政治と金に対する感覚を疑わせるものです。その一つの例が、四百五十万円もかけて、みずからの副知事室にトイレをつけたことです。過去の副知事四人体制のときには専用トイレの増設は持ち上がっていません。障害者団体などへの数十万円、百万円単位の補助さえ削られているとき、みずからの部屋のトイレの設置のために四百五十万円という公金を投入することに、都民や都庁内からも疑問の声が上がるのは当然ではないですか。以上、五点について、猪瀬副知事の明確な答弁を求めます。再質問を留保し、質問を終わります。(拍手)〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)清水ひで子議員の代表質問にお答えします。まず、個人都民税の軽減措置についてでありますが、同じ行政目的を達成するために、より効果的、効率的な施策を選択するのは当然のことではないでしょうか。今後、低所得者の方々に対しては、よりきめの細かい施策を講じて支援してまいります。最初に申しましたことは共産党の好きな一種のばらまきにつながりますので、これは政策転換いたしました。高齢者医療についてでありますが、我が国では、急速な少子高齢化、国民生活や意識の変化など、大きな環境変化に直面しております。国民の生命と健康を支える医療制度についても時代に見合った制度への変革が不可欠であります。今回の後期高齢者医療制度も改革の柱の一つとして打ち出されたものでありまして、世代間の負担を明確にし、公平でわかりやすい制度とすることを目指すものであると認識しておりますが、ただし、結果として貧しい年寄りは早く死ねということになっては決してならないと思います。都としては、今後、国の動向を十分見きわめながら適切に対応してまいります。オリンピック招致の閣議了解についてでありますけれども、共産党は閣議了解の意味を全くご存じないらしいですが、閣議了解は、オリンピック招致を国家行事として推進するという、内閣としての基本的な意思決定であります。共産党のいう、東京がやりたければやりなさいという、そんな無責任なものではありません。これは内閣に対する一つの冒涜だと私は思います。今後、国とはそれぞれ具体的な協議を進めていくが、経済界、スポーツ界、全国の自治体と一体となってオリンピック招致の実現に全力を尽くしていきます。共産党も少し発想を変えて、ぜひオリンピックの意義を理解し、積極的に協力していくことを大いに期待しております。地球温暖化対策に関する現場視察でありますが、行政を預かる者として、いうまでもなく現場に赴き、つぶさにこれを見聞きすることは大変重要であり、実際に私もそうしてまいりました。グローバルな温暖化現象の象徴的な被害地でありますツバルを目にすることでいろいろな発想も生じてまいります。圏央道など三環状道路の整備は、東京の弱点であります慢性的な渋滞を緩和し、CO2排出量を減少させることからも、温暖化対策の観点からも極めて有効であると思います。圏央道の整備に当たっては、環境……(発言する者あり)うるさいな。環境影響評価など諸手続において、広く国民、都民などの意見を聴取しておりました。また、都政の重要課題として、逐次関連する情報の報告も受けております。現場主義の観点から、私はこれまでも、外環や中央環状品川線など必要なところは随時視察しておりまして、既に圏央道にも実際に足を運んでおります。今後も必要に応じ、現場視察することは当然でありまして、共産党にご指示いただかなくても、私の判断で非常に適切に対応してまいります。ちなみに、私はフィジーではダイビングはいたしませんでした。必要ございませんでした。次に、三宅島での公道レースについてでありますが、安全面で十分な対策を講じるとともに、ライダーを初め関係者の理解と協力が得られれば、その開催は可能になるものと考えております。三宅の復興のためには何かよほどの効力のあるイベントを考えないと、あの島はだんだん衰微していくという認識のもとにこれを考えたわけです。他の質問については副知事及び関係局長から答弁いたします。〔副知事猪瀬直樹君登壇〕 # 副知事(猪瀬直樹君) 副知事(猪瀬直樹君)構造改革路線によってワーキングプアが大量に生まれたということでありますが、ワーキングプアというのは、バブルの崩壊などの影響があって、失われた十年と呼ばれる時代に発生したというか、そこから始まってきたんですね。共産党がいうように、構造改革路線のみによってワーキングプアが発生したのではないということをまず認識してほしいんですね。それで、そもそも共産党が「赤旗」で、貧困率十年で倍加といっているんですよ。これは、九五年から二〇〇四年までの十年ですよ。だから、構造改革は二〇〇一年です。「赤旗」をよく読んで質問していただきたい。構造改革に対する基本的な認識についてでありますが、これまで道路公団の民営化などを通じて、官の情報隠しや官のむだを放置することが国民に多大な損失を与えることを明らかにし、改革を主張してまいりました。官によるこの国の支配にメスを入れることは国民の利益にかなうものであると考えます。改革に取り組むに当たって、社会的弱者を切り捨てても構わないということは一言もいっておりませんし、そのような考えはありません。ワーキングプアなど、額に汗して懸命に働いているにもかかわらず低所得の状態から抜け出せない方々に対して、きめ細かい対策をとることを知事は決断されたが、これに自分も同感であります。石原知事が示された方針のもと、副知事として全力で取り組んでいく所存でございます。共産党は、過去の僕の発言の一部を切り取って曲解しているようなんですけれども、批判は全く的外れなものであります。それから次に、行政施策のあり方についてですが、行政施策のうち、本来国民がみずからの責任でなすべきことを行政が肩がわりする施策や受益と負担のバランスを著しく欠いた施策はモラルハザードを引き起こし、将来にツケを回すことになります。こうした国民にとってマイナスな施策をばらまきと呼びます。ばらまきは慎むべきとして主張してまいりました。質問にありました障害者自立支援法の見直しについて、一切コメントした覚えはございません。あたかもコメントしたかのごとく事実に基づかない質問は、以後おやめいただきたい。次に、我が国の医療制度、診療報酬制度についてですが、これまでさまざまな曲折を経て、現在の医療制度、診療報酬制度が形成され、国民に医療を提供する体制が築かれてきました。しかし、我が国の医療制度、診療報酬制度を取り巻く状況は極めて厳しいわけです。少子高齢化社会において、高齢者にかかわる医療費の増大にどう対処するかなど、改革は避けられない状況にあります。こうした課題について、今まさに国民的議論を必要としており、これまで強い問題意識を持って調査、提言してまいりました。共産党も、一部の発言を曲解して批判するんじゃなくて、大所高所からちゃんと議論いただきたい。次に、副知事として住民の福祉の向上にどう取り組むかについてですが、自治体が担う住民福祉は、共産党が主張する医療や福祉にとどまらず、治安、社会資本整備、環境、さらに震災対策など、あらゆる分野にかかわるものであります。住民福祉のさらなる向上は、金の卵を産む鶏である東京の活力を高めることなしには実現できません。東京が日本全体を牽引し発展させることで、より充実した住民福祉が可能になると考えています。共産党はかたくなに認めようとしませんが、機能的で効果的な社会資本を整備することも、自治体が担うべき住民福祉の重要な要素であります。都民福祉の向上に当たっては、民間の発想を大胆に取り入れることが必要であり、民間出身の副知事として、これまでの都政にない発想を生かして、都政の改革に貢献することを求められていると思っております。知事の指示のもと、副知事として期待されている役割を十二分に果たし、都民福祉の向上に全力を尽くしてまいります。〔主税局長熊野順祥君登壇〕 # 主税局長(熊野順祥君) 主税局長(熊野順祥君)個人都民税の軽減措置についてでございますが、制度構築に当たりまして、預貯金等の資産の状況など個別の事情を反映した軽減措置が可能かどうか、鋭意検討を行いました。結果としてそれが難しいという結論に至ったものでありまして、初めからわかっていたというご指摘は全く当たりません。なお、区市町村に対しては、制度設計の過程におきまして意見交換の場を設けてまいりましたけれども、今回の決定を受けて、既に説明を行い、ご理解をいただいております。〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕 # 福祉保健局長(安藤立美君) 福祉保健局長(安藤立美君)お答えいたします。まず、低所得者に対する手当の創設についてでございますが、所得保障は、社会経済状況全体を踏まえ、基本的に国の責任で対応すべきものであり、都の役割は、地域特性に即した事業を効果的、効率的に展開することであると考えております。お話の手当については、こうした都の役割に合致するものではなく、創設する考えはございません。次に、低所得者等への居住支援についてでございますが、家賃助成については、生活保護制度との関係や財政負担のあり方など、多くの課題があることから、都として実施する考えはございません。また、インターネットカフェ等で常連的に宿泊している方々に対しては、その生活実態を踏まえ、的確な支援策を講じてまいります。次に、後期高齢者医療制度に関する国への要求と財政支援の二点についてでございますが、後期高齢者医療制度の保険料につきましては、医療費及び保健事業費などの推計や被保険者数の見込みなど、さまざまな要素を勘案し、広域連合が、本年十一月の議会において決定される料率をもとに算定する予定でございます。都としては、引き続き、広域連合の検討状況を把握するとともに、今後の国の動向を十分見きわめながら、適切に対応してまいります。最後に、後期高齢者の健診事業についてでございますが、現在、広域連合において、健康診査を初めとする保健事業について検討を行っております。都としては、広域連合の検討状況や今後の国の動向を注視をしてまいります。〔産業労働局長佐藤広君登壇〕 # 産業労働局長(佐藤広君) 産業労働局長(佐藤広君)最低賃金の引き上げと社会保険の加入についてでありますけれども、最低賃金は、法に基づき、労働者の生計費、類似の労働者の賃金等を考慮し、国において、最低賃金審議会の審議を経て決定されており、都内の最低賃金はこの十月十九日から引き上げられることとなっております。また、社会保険につきましては、加入要件等が法令で定められており、これに基づき適正に運用されるように、都はこれまでに引き続き、労働相談やセミナー等を通じて、労使双方に助言や普及啓発を行ってまいります。〔財務局長村山寛司君登壇〕 # 財務局長(村山寛司君) 財務局長(村山寛司君)臨時職員についてでございますが、都の臨時職員は、一時的、臨時的な行政事務の増加に弾力的に対応することを目的に各局で雇用されるものでございまして、毎年度の予算見積もりに当たって、適切に算定した賃金の参考単価を各局に通知しております。また、社会保険の加入につきましても、法令にのっとり適切に対応しております。〔東京オリンピック招致本部長荒川満君登壇〕 # 東京オリンピック招致本部長(荒川満君) 東京オリンピック招致本部長(荒川満君)オリンピックに関する経費についてでございますが、大会運営費及び施設整備費につきましては、昨年夏、開催概要計画書の策定に合わせまして費用の概要を都民に公表しておりますが、現在、さらに施設内容を含めて精査しておりまして、今後、適時適切に説明してまいります。また、三環状道路を初めとする都市インフラの整備につきましては、オリンピック開催の有無にかかわらず、東京の機能をさらに向上させるために必要な将来への投資であると認識しております。なお、オリンピック大会開催の経済効果は、都の試算によりますと、全国で二・八兆円に及ぶものでありまして、オリンピックについては、こうした効果も合わせますと、都民、国民に十分ご理解いただけるものと考えております。〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕 # 都市整備局長(只腰憲久君) 都市整備局長(只腰憲久君)温暖化対策として、超高層ビルや三環状道路を抜本的に見直せとのお尋ねでございますが、東京が国際競争力を有した世界的な都市であり続けるためには、計画的な都市機能の整備や更新が不可欠であります。温暖化対策の観点からも、三環状道路の整備などにより、慢性的な渋滞が緩和され、二酸化炭素の排出量は減少いたします。また、環境に十分配慮した民間プロジェクトを積極的に展開し、緑やオープンスペースの確保、省エネ化を推進してまいります。都といたしましては、今後とも三環状道路の整備や都市再生を着実に推進してまいります。〔環境局長吉川和夫君登壇〕 # 環境局長(吉川和夫君) 環境局長(吉川和夫君)まず、臨海副都心地域の公園の増設及び区市町村と連携した緑の保全と育成についてでありますが、臨海副都心においては、水に親しめる緑豊かなまちを開発方針に掲げ、公園の整備や敷地内緑地の確保など、これまでも緑に配慮したまちづくりを進めております。また、都は、広域的な観点から、都立公園の整備や自然保護条例に基づく緑の保全などに取り組むとともに、身近な緑の創出、保全の主体である区市町村に対する支援を行い、これまでも東京全体の緑づくりを進めてまいりました。今後とも、緑の東京十年プロジェクトの基本方針に基づき、区市町村と連携した取り組みを進めてまいります。次に、ツバル、フィジー諸島共和国への知事の視察の意義についてでありますが、今回の視察は、知事自身が現地を視察し、目で見、肌で感じたことを、みずからの言葉で都民に温暖化の危機をアピールすることにより、気候変動対策に取り組む都の姿勢を内外に明確に示していくという意義を有するものでございます。視察期間中に東京で開催したシンポジウムでは、テレビ会議システムを用いて知事みずから現地報告を行いましたが、参加者からは、臨場感があり現地の深刻さがわかった、ツバルの現状を見てショックを受けたなどの声が寄せられ、約八割の方から、現地報告がとてもよかった、よかったの評価をいただくとともに、約九割の方から、きょうのシンポジウムに参加して、職場や家庭で地球温暖化対策を実行したいと思ったという回答を得ております。都は、今回の視察の成果も踏まえ、全庁挙げて、カーボンマイナス東京十年プロジェクトの具体化を進め、CO2削減に向けた取り組みをより一層着実に推進してまいります。〔知事本局長大原正行君登壇〕 # 知事本局長(大原正行君) 知事本局長(大原正行君)五点の質問についてお答えを申し上げます。まず、知事のツバルへの出張日程についてでございます。ツバルの視察に当たりましては、地球温暖化による海面上昇の影響などの状況を把握するために必要な時間を確保いたしました。天候不良の影響で、予定していた行程の一部は割愛せざるを得ませんでしたが、現地の深刻な状況を知事みずから十分に視察することができたというふうに考えております。次に、視察の成果でございますが、知事は、ツバルでは、海岸侵食の状況、海面上昇による浸水に伴う耕作地の塩害とその影響によるごみ問題など、現地の深刻な状況を視察されました。また、海面上昇による住宅の浸水などの被害の状況につきましては、浸水が最も激しい村の集会所を視察いたしますとともに、政府関係者や現地の住民から直接、生活に根差した話を聞かれております。このように、現地に行かなければ得られない貴重な知見を得ることができ、出張の目的は十分に達成できたというふうに考えております。次に、出張におけるダイビングについてでございますが、出張先において、現場の状況を正確に把握するため、必要があれば、状況に応じてダイビングによる調査を実施することもございます。なお、今回の出張では知事はダイビングは行っておりません。次に、出張の経費についてでございます。今回の出張につきましても、航空運賃や人数の面などで十分な精査を行いまして、経費の節約に努めるとともに、条例に基づき適正な処理を行っております。なお、フィジーからツバルまでの飛行機のチャーターについては、両国間の距離が約千キロと大変離れております。定期航空便のみに頼って視察を行うことといたしますと、天候不良などによる欠航や遅延により、限られた日程の中ではツバルを視察できないことがあり、あるいは帰れないというような事態も想定されました。外務省からも、往復の航空機を確保しておくことが必要不可欠というアドバイスをいただいておりまして、チャーター機の利用を決定したものでございます。最後に、猪瀬副知事室のトイレの設置についてであります。副知事は、知事の意思決定を直接補佐し、知事不在の際は代理を行うなどの重責を担っておりますことから、セキュリティーの確保は重要でございます。そのため、現庁舎建設当初から、三副知事室には、セキュリティー対策の一環としてトイレが設置されておりました。このたび、四人目の副知事として就任されました猪瀬副知事室につきましても、同様の観点からトイレを設置したものでございます。費用については、トイレ機器に関する材料費は約三十万円でございます。付随いたします配管工事、電気設備工事などを含めた全体で約四百五十万円でございますけれども、ごく普通の一般家庭のトイレと同程度の仕様でございまして、豪華なトイレを設置したわけではございません。〔総務局長押元洋君登壇〕 # 総務局長(押元洋君) 総務局長(押元洋君)三宅島でのバイクイベントについてでございますが、三宅島の産業の重要な柱でございます観光の振興を図るには、十一月に開催を予定しておりますモーターサイクルフェスティバルのような斬新な取り組みがぜひとも必要であると考えております。現在、NPOを中心に、島の皆さんが一生懸命、島の復興を目指して一丸となって、このイベントを成功させるべく着実に準備を進めております。都としては、引き続き、こうした三宅島の取り組みを全力で支援してまいります。〔八十番清水ひで子君登壇〕 # 八十番(清水ひで子君) 八十番(清水ひで子君)知事に再質問します。今、都民税軽減の撤回について、公約違反ではないといい張っていますが、とんでもないことです。知事はこの政策により税のゆがみを是正する、地方税制においてあるべき姿を示すものだと説明していたのです。都民税に手をつけないということは、この説明は間違っていたことになります。まさに知事の公約は、口先だけの都民を欺くものだったといわれても仕方がないではありませんか。知事が答えてください。豪華海外出張についてです。知事は、豪華海外出張について、説明不足だった、反省しているといったのです。なぜツバルに泊まらず、駆け足の見学にしてしまったのかということについて、知事のお答えはありませんでした。議会と都民に説明もしないのは、反省がごまかしだったということです。知事、小池環境大臣もツバルに宿泊したではありませんか。なぜ滞在して徹底した調査をしなかったのですか。現場を見るというなら、海水上昇の被害を知事の目で見ることができる季節、日数、時間を選ぶべきではありませんか。そうすれば、条例の二倍の料金の豪華なリゾートホテルも節約できたのではありませんか。都民が納得できるよう、説明責任を果たしていただきたいと思います。オリンピックについてです。知事のオリンピックの答弁で、驚いたのは私の方です。閣議了解は、東京都が招請することを認めただけで、費用負担についても通常の枠を超えないものです。大体、一九六四年の東京大会のときの閣議了解は、できる限りのことをすると、国を挙げて支援をすることを表明していたんです。今回の閣議了解とは雲泥の差です。知事自身、自民党の答弁では、国に本腰を入れてもらわなければとか、勝ち抜くのは大変だと、情けない認識を示していたではありませんか。ごまかさないでください。三宅バイクレースです。危険だというゆえんがわからないとか、レーサーの自己責任だなどという、人命にかかわる危険な公道レースに対する態度は、メーカーもテストライダーも明確にノーです。協力もあり得ません。知事一人のメンツのために多くの人に迷惑をかけるのはもうやめるべきです。知事のトップダウンの事業です。ご自分でお答えください。次に、猪瀬副知事に再質問いたします。構造改革の認識について持論を展開いたしましたが、格差の存在については答えていません。構造改革によってワーキングプアや非正規雇用労働者が大量に生まれたことは常識です。つい最近の月刊誌などで、格差社会じゃないなどと発言しています。そんなことをいっているのはあなたぐらいです。構造改革推進の自民党、公明党の今度の政権合意でさえ、形の上では負担増、格差の緩和をいわざるを得ないのです。あなたの認識が時代に逆行しているのです。副知事になった以上、これまでの認識を改め、都民に対し、自己責任だ、依存体質だなどというのはやめるべきです。答えてください。以上、質問を終わります。(拍手)〔副知事猪瀬直樹君登壇〕 # 副知事(猪瀬直樹君) 副知事(猪瀬直樹君)ただいまのご質問は「赤旗」に答えが書いてありますので、説明いたします。先ほどいいましたが、貧困率十年で倍加したというところで、グラフがついているんですが、一九九五年から二〇〇四年まで、雇用労働者に占める非正規労働者の割合というのが、二〇%からだんだん一%ずつ上がっていって、そして二〇〇四年に三一%。ですから、この上がり方は毎年一%なんですね。したがって、構造改革があったから急激にカーブが変わったわけじゃないんです、これは「赤旗」にちゃんと説明してありますので。そこで、つまり、格差とは何かということを考える場合に、まず事実に基づいて冷静に分析しなきゃいけない。今、先ほど、公明党の代表質問の中に、年長フリーターという言葉が出てきた。この言葉の方が正確ですよ。つまり、九〇年代の失われた十年のときに就職できなかった人たちが、今、二十五歳から三十五歳ぐらいにずっと平行移動していっているわけですね。そこの部分がワーキングプアの一つの重要な部分なんですよ。ただ一般論で貧しい人がいるというだけじゃ、いつの時代も同じですよ、そんなものは、ということで、お答えしたと思います。〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)幾つかの再質問がございましたけれども、それについては、私の後答弁した局長の答弁の中に、ディテールは詳しく述べられておりまして、お耳かどこか悪いので聞きそびれたのかもしれませんが、どうか後で議事録をもう一回読み返していただくと、ご理解いただけると思います。〔主税局長熊野順祥君登壇〕 # 主税局長(熊野順祥君) 主税局長(熊野順祥君)都民税の減税措置についてでございますけれども、税制の変更時にはどうしても摩擦が生じるものでございまして、そのことが低所得者層の方々にはとりわけ厳しい影響が出る。そういった面を考慮したことは確かでございますが、その後、総合的判断の中で、より本質的な施策による対応が望ましいと判断したものでございます。〔知事本局長大原正行君登壇〕 # 知事本局長(大原正行君) 知事本局長(大原正行君)ツバルの出張についてでございます。繰り返しになりますが、もう一度申し上げます。まず出張の時期でございますけれども、知事はやはり公務との兼ね合いもございまして、なかなかツバル最優先というわけにもまいりません。限られた日程の中で最良の選択をして、今回の出張がなされたわけでございます。先ほど申しましたように、フィジーからツバルへ行く定期便は週に二回でございまして、なおかつ天候不良等の影響もあって、欠航が大変多いということでございます。したがいまして、一度定期便で行って、とまれば帰れないとか、あるいは逆に、行って泊まるつもりで待っていたけれども、飛行機が飛ばなかったらばフィジーに行けないとか、そういうことがありますので、チャーター便を確保して、足を確保して日帰りで視察をしたということでございます。視察の成果については、先ほども申し上げましたように、宿泊はしなくても十分な成果が上がったというふうに考えております。〔東京オリンピック招致本部長荒川満君登壇〕 # 東京オリンピック招致本部長(荒川満君) 東京オリンピック招致本部長(荒川満君)オリンピック招致の閣議了解についてでございますけれども、この閣議了解は、オリンピック招致を国家行事として推進するということにつきまして政府の意思として決定されたものでございます。基本的な原則を定めたものでありまして、政府の具体的な支援策、東京都等との連携につきましては、今後協議していくことになっております。〔総務局長押元洋君登壇〕 # 総務局長(押元洋君) 総務局長(押元洋君)三宅島のバイクイベントについてでございますが、バイクイベントは、世界のさまざまな地域でそれぞれ魅力的な内容となるように、さまざまな工夫を凝らして実施されております。三宅島のこのモーターサイクルフェスティバルについても同様でございます。公道レースにつきましても、安全面で十分な対策を講ずるとともに、ライダーを初め関係者の皆さんの理解と協力が得られれば、その開催が可能になるものと考えております。 # 六十七番(石森たかゆき君) 六十七番(石森たかゆき君)この際、議事進行の動議を提出いたします。本日の会議はこれをもって散会されることを望みます。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)お諮りいたします。ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)ご異議なしと認め、さよう決定をいたします。明日は、午後一時より会議を開きます。本日はこれをもって散会いたします。午後七時三分散会
2024-03-31T11:22:38.456047Z
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--- title: 平成19年_第3回定例会(第13号) 名簿・議事日程 # 平成十九年九月二十六日(水曜日)出席議員百二十六名一番遠藤守君二番伊藤興一君三番米沢正和君四番鈴木章浩君五番きたしろ勝彦君六番後藤雄一君七番福士敬子君八番伊沢けい子君九番そなえ邦彦君十番西崎光子君十一番西岡真一郎君十二番伊藤ゆう君十三番原田大君十四番河野百合恵君十五番小竹ひろ子君十六番松葉多美子君十七番大松成君十八番中山信行君十九番高倉良生君二十番田中たけし君二十一番神林茂君二十二番早坂義弘君二十三番高木けい君二十四番崎山知尚君二十五番宇田川聡史君二十六番高橋信博君二十七番原田恭子君二十八番佐藤広典君二十九番尾崎大介君三十番山口拓君三十一番伊藤まさき君三十二番松下玲子君三十三番野上ゆきえ君三十四番たぞえ民夫君三十五番村松みえ子君三十六番橘正剛君三十七番上野和彦君三十八番吉倉正美君三十九番谷村孝彦君四十番村上英子君四十一番鈴木あきまさ君四十二番秋田一郎君四十三番山加朱美君四十四番串田克巳君四十五番吉原修君四十六番山田忠昭君四十七番田代ひろし君四十九番山口文江君五十番今村るか君五十一番吉田康一郎君五十二番斉藤あつし君五十三番泉谷つよし君五十四番くまき美奈子君五十五番大西さとる君五十六番増子博樹君五十七番かち佳代子君五十八番植木こうじ君五十九番野上純子君六十番東村邦浩君六十一番長橋桂一君六十二番小磯善彦君六十三番三宅茂樹君六十四番高島なおき君六十五番鈴木一光君六十六番菅東一君六十七番石森たかゆき君六十八番矢島千秋君六十九番鈴木隆道君七十番こいそ明君七十一番倉林辰雄君七十二番遠藤衛君七十三番大西由紀子君七十四番いのつめまさみ君七十五番門脇ふみよし君七十六番小沢昌也君七十七番石毛しげる君七十八番岡崎幸夫君七十九番柿沢未途君八十番清水ひで子君八十一番古館和憲君八十二番松村友昭君八十三番東野秀平君八十四番ともとし春久君八十五番鈴木貫太郎君八十六番石川芳昭君八十七番三原まさつぐ君八十八番田島和明君八十九番林田武君九十番野島善司君九十一番高橋かずみ君九十二番樺山たかし君九十三番新藤義彦君九十四番古賀俊昭君九十五番立石晴康君九十六番桜井武君九十七番初鹿明博君九十八番酒井大史君九十九番花輪ともふみ君百番大津浩子君百一番大塚たかあき君百二番相川博君百三番中村明彦君百四番曽根はじめ君百五番大山とも子君百六番藤井一君百七番中嶋義雄君百八番木内良明君百九番石井義修君百十番宮崎章君百十一番服部ゆくお君百十二番川井しげお君百十三番吉野利明君百十四番野村有信君百十五番比留間敏夫君百十六番佐藤裕彦君百十七番川島忠一君百十八番内田茂君百十九番三田敏哉君百二十番馬場裕子君百二十一番大沢昇君百二十二番山下太郎君百二十三番土屋たかゆき君百二十四番田中良君百二十五番名取憲彦君百二十六番吉田信夫君百二十七番渡辺康信君欠席議員なし欠員四十八番出席説明員知事石原慎太郎君副知事谷川健次君副知事菅原秀夫君副知事山口一久君副知事猪瀬直樹君教育長中村正彦君知事本局長大原正行君総務局長押元洋君財務局長村山寛司君主税局長熊野順祥君警視総監矢代隆義君生活文化スポーツ局長渡辺日佐夫君都市整備局長只腰憲久君環境局長吉川和夫君福祉保健局長安藤立美君産業労働局長佐藤広君建設局長道家孝行君港湾局長津島隆一君会計管理局長三枝修一君交通局長島田健一君消防総監小林輝幸君水道局長東岡創示君下水道局長前田正博君青少年・治安対策本部長久我英一君東京オリンピック招致本部長荒川満君病院経営本部長秋山俊行君中央卸売市場長比留間英人君選挙管理委員会事務局長梶原康二君人事委員会事務局長矢口幸一君労働委員会事務局長有留武司君監査事務局長白石弥生子君収用委員会事務局長中田清己君九月二十六日議事日程第二号第一第百五十六号議案平成十九年度東京都一般会計補正予算(第二号)第二第百五十七号議案特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例第三第百五十八号議案市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例第四第百五十九号議案東京都立学校設置条例の一部を改正する条例第五第百六十号議案都市計画法に規定する開発許可等の基準に関する条例の一部を改正する条例第六第百六十一号議案東京都建築安全条例の一部を改正する条例第七第百六十二号議案東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例第八第百六十三号議案東京都看護師等修学資金貸与条例の一部を改正する条例第九第百六十四号議案東京都認定こども園の認定基準に関する条例の一部を改正する条例第十第百六十五号議案旅館業法施行条例の一部を改正する条例第十一第百六十六号議案プール等取締条例の一部を改正する条例第十二第百六十七号議案東京都産業労働局関係手数料条例の一部を改正する条例第十三第百六十八号議案緑の東京募金基金条例第十四第百六十九号議案温泉法に基づく温泉の保護に係る手数料に関する条例の一部を改正する条例第十五第百七十号議案東京都公営企業職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部を改正する条例第十六第百七十一号議案警視庁の設置に関する条例の一部を改正する条例第十七第百七十二号議案東京都医学系総合研究所(仮称)(H十九)I期新築工事請負契約第十八第百七十三号議案都立永福学園養護学校(H十九)増築工事請負契約第十九第百七十四号議案妙正寺川整備工事(激特一)請負契約第二十第百七十五号議案妙正寺川整備工事(激特二)請負契約第二十一第百七十六号議案妙正寺川整備工事(激特四)請負契約第二十二第百七十七号議案公立大学法人首都大学東京中期目標の変更について第二十三第百七十八号議案公立大学法人首都大学東京定款の変更について第二十四第百七十九号議案公立大学法人首都大学東京が徴収する料金の上限の認可について第二十五第百八十号議案公立大学法人首都大学東京に対する出資について第二十六第百八十一号議案道路標識設置等工事に係る損害賠償請求訴訟事件に関する和解について第二十七第百八十二号議案土地及び建物の売払いについて第二十八第百八十三号議案東京都江戸東京博物館外二施設の指定管理者の指定について第二十九第百八十四号議案東京文化会館の指定管理者の指定について第三十第百八十五号議案職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例第三十一地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京大気汚染訴訟の和解に関する報告及び承認について議事日程第二号追加の一第一平成十八年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について第二平成十八年度東京都公営企業各会計決算の認定について
2024-03-31T11:22:39.211616Z
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--- title: 平成19年_第3回定例会(第12号) 本文 # 午後一時開会・開議 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)ただいまから平成十九年第三回東京都議会定例会を開会いたします。これより本日の会議を開きます。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)まず、議席の変更を行います。議席変更の申し出がありますので、会議規則第二条第三項の規定により、お手元配布の議席変更表のとおり、議席の一部を変更いたします。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)次に、会議録署名議員の指名を行います。会議録署名議員は、会議規則第百二十四条の規定により、議長において四番鈴木章浩君及び六十四番高島なおき君を指名いたします。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)次に、議事部長をして諸般の報告をいたさせます。 # 議事部長(大村雅一君) 議事部長(大村雅一君)平成十九年九月十二日付東京都告示第千百八十二号をもって、知事より、本定例会を招集したとの通知がありました。また、同日付で、本定例会に提出するため、議案三十件の送付がありました。次に、地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京大気汚染訴訟の和解に関する報告及び承認について、依頼がありました。次に、平成十九年第二回定例会の会議において同意を得た副知事、人事委員会委員、収用委員会委員及び収用委員会予備委員の任命について、発令したとの通知がありました。次に、知事及び公安委員会委員長より、先般の人事異動に伴う東京都議会説明員の変更及び説明員の委任の変更について、地方自治法第百二十一条及び会議規則第四十二条の規定に基づき、それぞれ通知がありました。次に、知事より、地方自治法第百八十条第一項の規定による議会の指定議決に基づき専決処分した訴えの提起、損害賠償額の決定及び和解に関する報告がありました。次に、監査委員より、例月出納検査の結果について報告がありました。また、平成十九年各会計定例監査、平成十八年度執行分及び平成十九年各会計定例監査、平成十八年度財務諸表監査の結果について報告がありました。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)この際、報告いたします。このたびの新潟県中越沖地震により被災された方々に対し、衷心よりお見舞い申し上げます。本議会は、新潟県、長野県、新潟県柏崎市及び新潟県刈羽村に対し、議員の拠出による見舞金を贈ることにつきまして、全議員の賛同を得たところでありますが、去る七月三十一日、議会を代表して、新潟県議会議長及び長野県議会議長に、見舞状を添えて贈呈してまいりました。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)次に、文書質問に対する答弁書について申し上げます。第二回定例会に提出されました文書質問に対する答弁書は、質問趣意書とともに送付いたしておきました。ご了承願います。〔文書質問趣意書及び答弁書は本号末尾に掲載〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)次に、閉会中の議員の辞職について申し上げます。去る九月十四日付をもって、西多摩選出臼井孝君より、議員を辞職したい旨、届け出がありました。本件は、地方自治法第百二十六条ただし書きの規定により、議長において、同日付をもって辞職を許可いたしました。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)次に、先般、副知事に就任されました猪瀬直樹君をご紹介いたします。副知事猪瀬直樹君。〔副知事猪瀬直樹君登壇〕 # 副知事(猪瀬直樹君) 副知事(猪瀬直樹君)平成十九年第二回定例会におきまして選任の同意をいただき、六月二十八日、副知事を拝命いたしました猪瀬直樹でございます。微力ではございますが、石原知事のもと、他の副知事と力を合わせて、地方分権改革、地方税財政制度改革を初めとする国との戦いなど、東京の発展に向けて全力を尽くして取り組んでまいります。都議会の皆様のご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)以上をもって副知事の紹介は終わりました。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)次に、警視総監伊藤哲朗君の退任に伴い、新たに矢代隆義君が警視総監に就任いたしましたので、ご紹介いたします。警視総監矢代隆義君。〔警視総監矢代隆義君登壇〕 # 警視総監(矢代隆義君) 警視総監(矢代隆義君)このたび、伊藤前警視総監の後を受けまして警視総監に就任いたしました矢代でございます。東京都議会の皆様方には、平素から警視庁の運営につきまして格別のご理解とご高配を賜り、この機会に厚く御礼を申し上げます。初めに、去る八月二十日、当庁立川警察署の制服警察官が勤務中にけん銃を使用しまして女性を殺害し、みずからも自殺するという過去に類のない事案を引き起こしましたことは、全く弁解の余地のないことであり、亡くなられました女性のご冥福をお祈り申し上げますとともに、ご遺族の方々、都民の皆様、そして国民の皆様方に対しまして、改めて深くおわびを申し上げます。本事件は、当該警察官の公私にわたる問題のある行動について、必要な報告や指導監督がなされていないなど、人事管理の不徹底あるいは勤務の規律の弛緩がその背景に認められたものでございまして、これらの問題については厳正に対処してまいりたいと考えております。また、自己を律するための職務倫理教養や人事管理、勤務管理の徹底を図るなど、二度とこのような取り返しのつかない事案が起こることがないよう、全力を挙げて取り組んでまいる所存でございます。さて、現下の情勢は、来年の北海道洞爺湖サミットを初め、重要未解決事件の捜査、暴力団対策等、重要な課題が山積しております。当庁といたしましては、全職員の士気の高揚を図り、引き続き安全・安心なまち東京、この実現に向けまして、組織の総力を挙げて精いっぱい努力する所存でございます。都議会の皆様方におかれましては、どうか一層のご指導、ご支援を賜りますようお願い申し上げまして、私のあいさつとさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)以上をもって紹介は終わりました。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)次に、先般の人事異動に伴い異動のありました説明員をご紹介いたします。青少年・治安対策本部長久我英一君。〔理事者あいさつ〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)以上をもって説明員の紹介は終わりました。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)次に、閉会中の議会運営委員、都議会議員後藤雄一君の調査活動等に関する調査特別委員並びにオリンピック招致特別委員の辞任及び選任について申し上げます。お手元配布の名簿のとおり、各委員よりそれぞれ辞任願が提出されましたので、委員会条例第十一条第一項ただし書きの規定により、議長において、それぞれこれを許可いたしました。なお、委員の欠員を補充するため、委員会条例第五条第四項の規定により、議長において、お手元配布の名簿のとおり指名いたしました。議会運営委員辞任・選任名簿○辞任宮崎章君(自民)高島なおき君(自民)遠藤衛君(自民)こいそ明君(自民)山加朱美君(自民)串田克巳君(自民)鈴木あきまさ君(自民)村上英子君(自民)高木けい君(自民)馬場裕子君(民主)小沢昌也君(民主)岡崎幸夫君(民主)石井義修君(公明)〔以上平成十九年八月一日付〕○選任吉野利明君(自民)川井しげお君(自民)服部ゆくお君(自民)高橋かずみ君(自民)野島善司君(自民)林田武君(自民)矢島千秋君(自民)鈴木隆道君(自民)石森たかゆき君(自民)大沢昇君(民主)大津浩子君(民主)泉谷つよし君(民主)ともとし春久君(公明)〔以上平成十九年八月一日付〕都議会議員後藤雄一君の調査活動等に関する調査特別委員辞任・選任名簿○辞任小沢昌也君(民主)〔以上平成十九年八月二十一日付〕吉田康一郎君(民主)〔以上平成十九年八月三十日付〕○選任大津浩子君(民主)〔以上平成十九年八月二十一日付〕いのつめまさみ君(民主)〔以上平成十九年八月三十日付〕オリンピック招致特別委員辞任・選任名簿○辞任山下太郎君(民主)〔以上平成十九年八月二十一日付〕石井義修君(公明)〔以上平成十九年九月十三日付〕○選任大沢昇君(民主)〔以上平成十九年八月二十一日付〕長橋桂一君(公明)〔以上平成十九年九月十三日付〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)会期についてお諮りいたします。今回の定例会の会期は、本日から十月五日までの十七日間といたしたいと思います。これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)ご異議なしと認めます。よって、会期は十七日間と決定いたしました。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)この際、永年在職議員の表彰についてお諮りいたします。九十六番桜井武君には、東京都議会議員として多年にわたり地方自治の確立と都政の進展のために貢献せられ、その功績はまことに顕著であります。本議会は、その功労を多とし、表彰することにいたしたいと存じますが、これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)ご異議なしと認めます。よって、本議会は、桜井武君を表彰することに決定いたしました。お諮りいたします。表彰文は議長に一任せられたいと存じますが、これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)ご異議なしと認め、さよう決定いたしました。これより、議長において起草いたしました表彰文により表彰いたします。表彰状桜井武殿あなたは東京都議会議員として在職三十年以上に及び都政の発展に努力された功績はまことに顕著であります。ここに永年の功労を多とし表彰します。平成十九年九月十九日東京都議会〔拍手〕なお、表彰状の贈呈については、議長において取り計らいたいと存じますので、ご了承願います。ただいま表彰を受けられました桜井武君よりごあいさつがあります。九十六番桜井武君〔九十六番桜井武君登壇〕 # 九十六番(桜井武君) 九十六番(桜井武君)ただいま、皆様のご推挙をいただきまして表彰いただきました。本当に身に余る光栄と、心より御礼を申し上げる次第でございます。本当にありがとうございました。私は、このことをまずもって、八期にわたり温かく強く支えてくださいました地元墨田区の皆様を初め、広範な皆様のご支援に対しまして深く深く感謝を申し上げる次第でございます。三十年間、都議会でともにした議員の皆さん、そして、石原知事を初めとする歴代の知事、東京都の幹部の皆様には、ご理解、ご協力いただき、幾多の都政の課題に積極果敢に取り組み、今日を迎えたわけでございます。これからも、初心を忘れず一生懸命に頑張ってまいりますので、変わらぬご鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして、私の御礼の言葉にかえさせていただきます。本当にありがとうございました。(拍手) # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)以上をもってあいさつは終了いたしました。〔議長退席、副議長着席〕 # 副議長(木内良明君) 副議長(木内良明君)この際、日程の追加について申し上げます。議長川島忠一君より、辞職願が提出されました。知事より、東京都名誉都民の選定の同意について三件が提出されました。これらを本日の日程に追加いたします。 # 六十七番(石森たかゆき君) 六十七番(石森たかゆき君)この際、議事進行の動議を提出いたします。本日は、質問に先立ち議事に入られることを望みます。 # 副議長(木内良明君) 副議長(木内良明君)お諮りいたします。ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 副議長(木内良明君) 副議長(木内良明君)ご異議なしと認めます。よって、質問に先立ち議事に入ることに決定いたしました。 # 副議長(木内良明君) 副議長(木内良明君)まず、議長辞職の件を追加日程第四として、日程の順序を変更し、直ちに議題といたします。議事部長をして辞職願を朗読いたさせます。〔大村議事部長朗読〕辞職願私儀、今般一身上の都合により議長の職を辞職したいので、許可されるよう願い出ます。平成十九年九月十九日東京都議会副議長木内良明殿東京都議会議長川島忠一 # 六十七番(石森たかゆき君) 六十七番(石森たかゆき君)この際、議事進行の動議を提出いたします。本件は、願い出のとおり許可されることを望みます。 # 副議長(木内良明君) 副議長(木内良明君)お諮りいたします。ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 副議長(木内良明君) 副議長(木内良明君)ご異議なしと認めます。よって、議長の辞職を許可することに決定いたしました。前議長川島忠一君よりごあいさつがあります。百十七番川島忠一君。〔百十七番川島忠一君登壇〕 # 百十七番(川島忠一君) 百十七番(川島忠一君)貴重なお時間をいただきまして、ありがとうございます。私は、平成十七年八月九日、本議場において、はえある第四十代東京都議会議長にご指名をいただき、以来、木内副議長と手を携えながら、公正かつ円滑な議会運営に努めてまいりました。本日、その職を辞するに当たり、この間の皆様のご協力に心から厚くお礼を申し上げる次第でございます。私が議長就任後、最初の定例会である平成十七年第三回都議会定例会におきまして、石原知事は東京へのオリンピック招致を正式に表明をされました。都議会でも、招致決議や特別委員会の設置、新たな議員連盟の立ち上げなど、招致機運の醸成に取り組んでまいりました。昨年、国内立候補都市に決定し、このたびは閣議了解が得られたところであり、これを契機として、今後、世界の都市との熾烈な競争を勝ち抜き、招致が実現することを心から願っております。この二年間を顧みますと、都議会と執行機関は、常に車の両輪として力を合わせ、都民福祉の向上と首都東京のさらなる発展に努めてまいりました。都財政につきましても、執行機関とともに行財政改革に懸命に取り組み、平成十七年度一般会計決算が十六年ぶりに黒字に転換するなど、財政再建を果たすことができました。東京は、大都市としての魅力はもちろん、多摩や島しょという豊かな自然にも恵まれております。その一角を占める三宅島の復興は大きな懸案でありますが、来春には、三宅島空港は再開される見通しとなりました。島民の安心、安定した生活の実現に向け、復興に一層の弾みがつくものと大いに期待をしております。また、私は全国都道府県議会議長会の会長として、地方分権改革、とりわけ議会権能の強化に努めてまいりました。今後ともこの課題に取り組み、さらなる地方自治の発展に尽くしてまいります。この二年間、思い起こせば困難な局面もありましたが、無事、議長の職責を果たすことができました。これもひとえに議員の皆様、石原知事を初め理事者の皆様のご支援、ご協力のたまものであり、改めて感謝を申し上げる次第でございます。私は今後とも一人の議員として、都政と都議会の発展のために全力を尽くして頑張る所存でございます。引き続きご指導、ご支援を賜りますようお願い申し上げまして、議長退任のあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。(拍手) # 副議長(木内良明君) 副議長(木内良明君)川島忠一君のあいさつは終わりました。 # 副議長(木内良明君) 副議長(木内良明君)ただいま議長が欠位となりましたので、議長選挙の件を本日の日程に追加し、追加日程第五として、日程の順序を変更し、直ちに議長の選挙を行います。選挙は、投票により行います。議場を閉鎖いたします。〔議場閉鎖〕 # 副議長(木内良明君) 副議長(木内良明君)この際、立会人について申し上げます。立会人には、会議規則第二十七条第二項の規定により、百七番中嶋義雄君、百十三番吉野利明君、百二十四番田中良君及び百二十六番吉田信夫君を指名いたします。これより投票用紙を配布いたします。書き損じの場合は、それと引きかえにかわりの投票用紙を差し上げますから、議長までお申し出を願います。〔投票用紙配布〕 # 副議長(木内良明君) 副議長(木内良明君)投票用紙の配布漏れはありませんか。〔「なし」と呼ぶ者あり〕 # 副議長(木内良明君) 副議長(木内良明君)配布漏れなしと認めます。投票箱を点検いたします。〔投票箱点検〕 # 副議長(木内良明君) 副議長(木内良明君)異状なしと認めます。念のため申し上げます。投票は、単記無記名一人一票であります。投票用紙に被選挙人の氏名を記載の上、点呼に応じて順次投票を願います。局長をして点呼いたさせます。〔局長点呼〕〔各員投票〕 # 副議長(木内良明君) 副議長(木内良明君)投票漏れはありませんか。〔「なし」と呼ぶ者あり〕 # 副議長(木内良明君) 副議長(木内良明君)投票漏れなしと認めます。以上をもって投票を終了いたします。投票箱を閉じます。〔投票箱閉鎖〕 # 副議長(木内良明君) 副議長(木内良明君)これより開票を行います。立会人の方々の立ち会いを願います。〔開票〕 # 副議長(木内良明君) 副議長(木内良明君)局長をして投票の結果を報告いたさせます。 # 議会局長(高橋道晴君) 議会局長(高橋道晴君)投票結果。出席議員数百二十六人投票総数百二十六票有効投票百二十二票無効投票四票有効投票中比留間敏夫議員百二十二票以上。〔拍手〕 # 副議長(木内良明君) 副議長(木内良明君)ただいまご報告申し上げましたとおり、投票の多数を得られました。比留間敏夫君が議長に当選されました。議場の閉鎖を解きます。〔議場開鎖〕 # 副議長(木内良明君) 副議長(木内良明君)議長比留間敏夫君よりごあいさつがあります。議長比留間敏夫君。〔百十五番比留間敏夫君登壇〕 # 百十五番(比留間敏夫君) 百十五番(比留間敏夫君)ただいま皆様のご推挙をいただきまして、はえある第四十一代東京都議会議長に就任することになりました比留間敏夫でございます。身に余る光栄に感謝感激するとともに、責任の重さを痛感しているところでございます。今後は、議長として全力を傾け、公正かつ円滑な議会運営に取り組んでまいりますので、皆様方のご協力をよろしくお願いを申し上げます。地方分権が進展する中で、二元代表制の一翼を担う都議会には、執行機関に対するチェック機能の発揮や政策提案機能の充実が一層強く求められております。東京都はこれまでも、環境、安全、福祉、産業などの重要課題に積極的に取り組み、成果を上げてきたところでありますが、オリンピック招致を契機に、さらなる発展を目指しております。私は、石原知事を初めとする執行機関と都議会とが真摯な議論を交わすことにより、東京の抱えるさまざまな課題を解決し、より活力と魅力にあふれた都市東京を次の世代に継承できるものと確信をいたしております。折しもオリンピック東京招致は、閣議了解を得たことにより国家プロジェクトとして弾みがついたところで、平成二十五年には東京国体が多摩・島しょ地域を中心に開催をされます。東京がビッグプロジェクトを機に躍進しようとしているこの時期に、都政をしっかりかじ取りをし、牽引していくことこそ、都議会に課せられた責務であります。私は議長として、二十一世紀にふさわしい、世界に誇れる東京の実現に向け、都議会が持てる力を十分に発揮できるよう全力を尽くしてまいる決意であります。議員の皆様、石原知事を初めとする執行機関の皆様におかれましては、より一層のご指導、ご鞭撻をよろしくお願いを申し上げます。最後に、川島前議長の二年間にわたる数々のご功績に心から敬意と感謝の意を表しまして、私の就任のあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。(拍手) # 副議長(木内良明君) 副議長(木内良明君)以上をもって議長のあいさつは終わりました。比留間敏夫君、議長席にお着き願います。〔副議長木内良明君退席、議長比留間敏夫君着席〕 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)ただいま副議長木内良明君より、辞職願が提出をされました。よって、副議長辞職の件を本日の日程に追加し、追加日程第六として、日程の順序を変更し、直ちに議題といたします。議事部長をして辞職願を朗読いたさせます。〔大村議事部長朗読〕辞職願私儀、今般一身上の都合により副議長の職を辞職したいので、許可されるよう願い出ます。平成十九年九月十九日東京都議会議長比留間敏夫殿東京都議会副議長木内良明 # 六十七番(石森たかゆき君) 六十七番(石森たかゆき君)この際、議事進行の動議を提出いたします。本件は、願い出のとおり許可されることを望みます。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)お諮りをいたします。ただいまの動議のとおり決定することにご異議ございませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)ご異議なしと認めます。よって、副議長の辞職を許可することに決定いたしました。前副議長木内良明君よりごあいさつがあります。百八番木内良明君。〔百八番木内良明君登壇〕 # 百八番(木内良明君) 百八番(木内良明君)副議長の退任に当たり、一言御礼の言葉を申し上げます。一昨年の八月に、第三十六代都議会副議長にご選任いただいて以来、川島議長とともに円滑な議会運営に全力を尽くしてまいりました。二年間、無事に大任を果たすことができましたのは、議員の皆様、そして、知事を初めとする理事者の皆様方の深いご理解とご協力のたまものであり、心から感謝を申し上げる次第でございます。環境対策を初め少子高齢化対策、災害対策、治安対策など、都議会に対する都民の期待がますます高まっております。これからは一議員として、引き続き都政の重要課題解決に向け全力を尽くしていく決意でございます。なお一層のご理解とご協力をお願い申し上げまして、退任のあいさつとさせていただきます。本当に二年間ありがとうございました。(拍手) # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)木内良明君のあいさつは終わりました。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)ただいま副議長が欠位となりましたので、副議長選挙の件を本日の日程に追加し、追加日程第七として、日程の順序を変更し、直ちに副議長の選挙を行います。選挙は、投票により行います。議場を閉鎖いたします。〔議場閉鎖〕 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)この際、立会人について申し上げます。立会人には、会議規則第二十七条第二項の規定により、百七番中嶋義雄君、百十三番吉野利明君、百二十四番田中良君、百二十六番吉田信夫君を指名いたします。これより投票用紙を配布いたします。書き損じの場合は、それと引きかえにかわりの用紙を差し上げますから、議長までお申し出願います。〔投票用紙配布〕 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)投票用紙の配布漏れはありませんか。〔「なし」と呼ぶ者あり〕 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)配布漏れなしと認めます。投票箱を点検いたします。〔投票箱点検〕 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)異状なしと認めます。念のため申し上げます。投票は、単記無記名一人一票であります。投票用紙に被選挙人の氏名を記載の上、点呼に応じて順次投票願います。局長をして点呼いたさせます。〔局長点呼〕〔各員投票〕 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)投票漏れはありませんか。〔「なし」と呼ぶ者あり〕 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)投票漏れなしと認めます。以上をもって投票を終了いたします。投票箱を閉じます。〔投票箱閉鎖〕 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)これより開票を行います。立会人の方々の立ち会いをお願いいたします。〔開票〕 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)局長をして投票の結果を報告いたさせます。 # 議会局長(高橋道晴君) 議会局長(高橋道晴君)投票結果。出席議員数百二十六人投票総数百二十六票有効投票百九票無効投票十七票有効投票中石井義修議員百七票田中良議員一票名取憲彦議員一票以上。〔拍手〕 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)ただいまご報告申し上げましたとおり、投票の多数を得られました。石井義修君が副議長に当選されました。議場の閉鎖を解きます。〔議場開鎖〕 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)副議長石井義修君よりごあいさつがあります。副議長石井義修君。〔百九番石井義修君登壇〕 # 百九番(石井義修君) 百九番(石井義修君)ただいま第三十七代副議長にご選任をいただきました石井義修でございます。まことにありがとうございます。重責を痛感し、身の引き締まる思いでいっぱいでございます。比留間議長を支え、公正、円滑な都議会の運営に努めてまいります。東京発の地方分権改革、安全・安心の東京のまちづくり、そして、世界の繁栄と福祉と環境に貢献するモデル都市東京をつくるために、比留間議長を先頭にして百二十六名の超党派の議員が結束をして、すばらしい東京をつくってまいりたいと思います。各議員の皆様、そして石原知事を先頭とする執行部の皆さん、職員の皆さん、そして報道機関の皆さん、ご支援、ご指導賜りたく、心からお願い申し上げます。本当にありがとうございました。(拍手) # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)以上をもって副議長のあいさつは終わりました。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)この際、知事より発言の申し出がありますので、これを許します。知事石原慎太郎君。〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)ただいま都議会議長並びに副議長が改選されました。川島忠一前議長並びに木内良明前副議長には、二年余にわたり議長、副議長の重責を果たされ、在任中賜りましたご指導、ご協力に心から感謝を申し上げます。また、新しく選任されました比留間敏夫議長並びに石井義修副議長には、都政発展のため引き続きご指導、ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。平成十九年第三回都議会定例会の開会に当たりまして、都政運営に対する所信の一端を申し述べ、都議会の皆様と都民の皆様のご理解、ご協力を得たいと思います。ただいま、桜井武議員は、はえある永年在職議員表彰をお受けになりました。都政の発展に尽くされた三十年間のご功績に対して深く敬意を表しますとともに、心からお喜び申し上げます。初めに、新潟県中越沖地震について申し上げます。去る七月十六日に発生した地震は、新潟県柏崎市や刈羽村などに大きな被害をもたらしました。犠牲者の皆様に深く哀悼の意を表するとともに、被災された方々に対し、心からお見舞い申し上げます。都では直ちに警視庁、東京消防庁の部隊を現地に派遣したほか、医療救護班や水道復旧要員の派遣、支援物資の搬送などを迅速に行いました。被災地の一日も早い復興を心よりお祈り申し上げております。今回の地震で柏崎刈羽原子力発電所が全面停止し、首都圏では深刻な電力不足を生じかねない事態となったことから、都では省エネ・節電緊急対策本部を設置し、みずからも都庁舎の節電に努めるほか、都民への協力を呼びかけました。国及び東京電力には、危機管理体制の強化と安全対策の実施に全力で取り組むことを求めたいと思います。このたび、名誉都民の候補者として、加瀬三郎さん、多湖輝さん、松平康隆さんの三名の方々を選定させていただきました。加瀬三郎さんは、両目を失明されながらも、独学で日本の伝統文化である折り紙を習得し、都内での指導を初め、世界各地の福祉施設等を訪問して、折り紙を通じた国際交流に熱心に取り組んでこられました。多湖輝さんは、心理学者として、執筆活動等を通じてわかりやすく心理学を解説されるとともに、「心の東京革命」推進協議会会長として、東京の青少年を健全に育成する運動に取り組んでこられました。松平康隆さんは、全日本男子バレーボールのコーチとして東京五輪で日本に銅メダルをもたらすとともに、監督として二度のオリンピックで金と銀のメダルを獲得する輝かしい功績を残されました。お三方は、多くの都民が敬愛し、誇りとするにふさわしい方々であります。都議会の皆様のご同意をいただき、来月、名誉都民として顕彰したいと考えております。よろしくお願いいたします。さて、今月十四日、二〇一六年夏季オリンピック大会への立候補都市がIOCから正式に発表されました。シカゴやリオデジャネイロといった対抗馬も出そろい、招致に向けた戦いがいよいよ本格化いたします。戦いの旗印となる招致ロゴは、日本伝統の水引がモチーフになっておりまして、日本が古来より培ってきた人と人との結びつきを大切にする心で大会を必ず成功させる決意を表現しております。オリンピックは、人種や国境の壁を取り払い、世界を一つに結ぶ地球最大のイベントであります。次代を担う子どもたちは、世界最高水準のパフォーマンスをみずからの目と耳と肌で感じ、世界から集まった人々と交流することで、何物にもかえがたい心の財産を得るに違いありません。この子どもたちがこれから生きていく地球は、深刻な環境問題に直面し、危機的な状況にあります。オリンピックは、こうした人類の課題について開催都市がメッセージを発信する場でもあります。現在、建築家の安藤忠雄氏を中心とする専門家チームが大会のグランドデザインを練っております。数多くの難題を克服してきた東京は、日本が誇る最先端技術を活用しながら、大会を通じて、人類の輝かしい未来の姿を表現してまいりたいと思っております。また、オリンピックの成功のためにも、東京そのものをより高い次元で成熟させていく必要があります。東京を水と緑にあふれ、美しく安全な都市へと生まれ変わらせるため、年内に「十年後の東京」実現に向けた実行プログラムを策定し、今後の都の事業展開を明らかにいたします。十年先の東京を見据えながら、新たな成熟への第一歩を踏み出してまいります。いうまでもなくオリンピックは国家的事業であり、招致に向けた最大の推進力は国民的な機運の盛り上がりであります。二〇一四年の冬季大会はロシアのソチに決まりましたが、決め手は、プーチン大統領が陣頭に立った国を挙げての運動にあったと伝えられております。先日、オリンピック招致の閣議了解を得ることができましたが、政府が総力を挙げて取り組むことなしに東京への招致はあり得ません。新しい首相にも、財政保証はもちろん、外交的手腕の発揮などを強く求めてまいります。都民、国民のスポーツへの関心は、東京マラソン二〇〇八への参加申込者がもう既に十五万人を突破するなど、高まっております。この機を逃さず、集中的なPR活動を全国で展開し、オリンピックへの期待を一気に高めたいと思います。イベントやシンポジウムを開催するとともに、全国のオリンピック出場者、体験者が、ふるさと特使となって母校を訪れ、子どもたちと交流するなど、オリンピックへの夢を育ててまいります。また、オリンピックでは、競技とあわせて、文化や芸術を通じた国際交流も重要なテーマとなります。豊穣な歴史を持つ東京ならではの芸術と文化を世界に向けて発信し、招致への機運を高めるとともに、大会と連動して展開する文化プログラムについて東京芸術文化評議会で検討し、来年八月を目途に具体案を取りまとめてまいります。開催都市は、目前に迫った二年後の平成二十一年十月二日、コペンハーゲンのIOC総会で決定いたします。限られた七百日余りを全力で戦い、是が非でも招致競争を勝ち抜きたいと思っております。都議会の皆様、都民、国民の皆様の力を招致に結集していただきますよう、よろしくお願いいたします。続いて、環境問題について申し上げます。先月、東京大気汚染訴訟が和解に至りました。国は、モータリゼーションの進展に伴い発生した自動車排出ガスの問題に正当な認識を欠き、場当たり的な対応を繰り返してきました。今般改正されたNOx・PM法は、極めて有効な排出ガス対策であるべき旧式車の走行規制が依然として盛り込まれておらず、首都圏が一致協力して行ってきた規制に比べ何ら効果が期待できない、まやかしであります。こうした国の鈍い動きに対して、都は、独自のディーゼル車排出ガス規制や三環状道路の整備による渋滞の解消を進めてまいりました。また、平成十四年の一審判決時には、文明批判の見地から控訴せず、その後、独自の患者救済策を提案し、積極的に関係者をリードして和解に至ったのであります。今回、都、国、メーカー、首都高がそれぞれの社会的責任に応じて財源を拠出する、医療費助成制度の枠組みをつくり上げました。これまでの取り組みなどともあわせ、東京から大気汚染の解決モデルを示し、都政が環境対策の歴史に新たな一ページを加えたと思っております。和解の時期を逸することのないよう専決処分を行いましたが、和解の意義をご理解いただき、本定例会においてぜひ承認をお願いいたします。二十世紀の負の遺産ともいうべき東京の大気汚染の解決に道を開いた今、世界に目を向ければ、地球の環境に深刻な異変が起きております。ことしの夏、北極圏の氷は観測史上最小を記録し、国内では記録的な猛暑となりました。しかし、みずからの身の回りで現実に被害が起きるまでは、地球の異変を実感できず、人間はいたずらに時を過ごしてしまいかねません。そこで、地球の異変をこの目で確かめ、都民の皆様にお伝えするために、先週、南太平洋のツバル、フィジー諸島を訪れ、つぶさに検分してまいりました。現地は、地球温暖化による海面の上昇により海岸線を侵食され、水没のまさに危機に瀕しておりました。こうした現実は、長大な海岸線を持つ日本、とりわけ国家中枢機能が海に面した東京に重大な警告を発していると思います。かつて宇宙物理学者のホーキングは、地球ほど文明が進んだ星は、加速度的に不安定となり自滅してしまうと語りました。この言葉がまさに現実になりつつあることを心にとめていかなければならないと思います。地球の異変を前にして、今、求められているのは、国家が大きな文明史観、歴史認識を持ち、危機を先取りして対処することであります。国は、大気汚染問題の轍を踏むことなく行動すべきにもかかわらず、地球温暖化に対する実効性のある具体策をいまだに示しておりません。また、世界的に見ても、都市に比べ政府の努力は乏しいといわざるを得ません。本来責任を持つべき国家の動きは実に緩慢であり、都民、国民、そして人類に取り返しのつかない事態を招きかねないのであります。こうした中、都は国を動かすために、具体的な取り組みを率先して提起し、個人や企業などあらゆる主体を巻き込んで、地球環境の改善に向けたムーブメントを起こしてまいります。七月、緑あふれる東京の実現に向けた第一歩として、海の森づくりのための募金を開始いたしました。今後、都民、国民の幅広い参加を得て、緑を植え、育て、守る運動につなげていくため、本定例会に緑の東京募金基金条例を提案し、来月にも実行委員会を発足させ、税の優遇制度を活用した緑の東京募金を創設してまいります。さらに、CO2の削減に向けた事業者の取り組みを引き出すため、環境CBOを創設し、環境対策に積極的な中小企業を金融面から支援いたします。都議会の皆様、都民、国民の皆様とともにさまざまな取り組みを展開し、東京から国を動かし、地球を守っていきたいと思っております。次に、東京が直面する課題への対応について申し上げます。都民の安心と安全を確保し、活力ある首都を実現していくことは、都政の最も基本的な役割であります。今月一日、多摩で直下地震が発生したとの想定のもと、横田基地周辺の四市一町と合同で総合防災訓練を実施いたしました。ことしは、発災時の機動的な医療連携を重視して、地元医師会等によるトリアージ訓練、自衛隊の野外病院での治療、ヘリコプターによる災害拠点病院への搬送など実践的な訓練を行い、多くの収穫を得ました。また、台湾からも台北市消防局レスキュー隊が参加してくれまして、アジアとの連携が深まるとともに、在日米軍とは、負傷者の医療搬送や揚陸艦を動員した帰宅困難者の搬送などを新たに実施し、広範囲な協力態勢をとりました。今後、横田基地や赤坂プレスセンターについて、在日米軍と災害時の使用協定を締結し、首都の危機管理をさらに強化したいと思っております。実践に即した防災訓練とあわせて、建物の耐震化にも積極的に取り組んでまいります。今年度、沿道建築物の耐震化モデル事業を実施するとともに、六月、庁内横断型の戦略会議である、建物の耐震化推進会議を設置いたしました。現在、住宅を九割以上耐震化し、さらに防災上重要性の高い建物については一〇〇%耐震化することを目指して検討しておりまして、年内にも効果的な施策を取りまとめてまいります。また、既存の建物内に設置する耐震シェルターなどを開発しておりまして、先月、都政ギャラリーで、こうした技術の展示会を開催したところ、都民からも大きな反響がありました。今後とも、安価で信頼のできる耐震技術の普及に努めてまいります。震災対策とともに治安対策は、都民の安心・安全のかなめであります。これまで、防犯カメラの設置促進やスクールサポーターの派遣など、地域の防犯力向上に取り組んできました。こうした取り組みの成果もありまして、都内の犯罪認知件数は、平成十五年度以降、減少傾向を示しております。しかし、治安対策の充実を求める都民の声は依然として強いものがあります。さらなる治安の確保に向け、七月、管轄区域の広範囲な町田警察署の管内に、警察官が約七十人体制で勤務する大規模な交番を設置し、体制の強化を図りました。また、現在、臨海地域を複数の警察署で所管しておりますが、居住者や観光客の増加等を踏まえまして、来年三月から東京湾岸警察署で一元的に所管し、治安を確保してまいります。身近な犯罪を防ぎ、体感治安を高めていくことも必要であります。被害が後を絶たない振り込め詐欺に対して、金融機関の窓口と警察署をホットラインで結び、被害を未然に防止する取り組みを進めております。また、地域の防犯力を高めて子どもの安全を守るため、事業者などに「動く防犯の眼」パトロールへの参加を呼びかけ、十万台を超える車がステッカーを張り、目を光らせておりますが、今後も参加車両を拡大してまいります。同様の効果をねらった青色防犯パトロール車も、既に三百二十台が活動しておりますが、今年度内に百台の増設支援に取り組んでまいります。次いで、食の安全を確保することも都政の重要な役割であります。都内に世界各地から輸入された食品が数多く流通しております。最近、国内外で輸入食品の一部から有害物質が検出され、消費者の不安がかつてなく高まっております。国が検疫所で実施する水際対策に加えて、都独自に輸入食品業者への講習会を実施して、業者みずからによる安全管理を求めるとともに、都内に流通する輸入食品の緊急追加検査を実施しております。さらに、今後、健康安全研究センター、市場衛生検査所に高度検査機器を整備しまして、検査の一層の迅速化を図るなど、都民の不安解消に力を注いでまいります。ウイルス肝炎に対する都民の不安を解消することは、喫緊の課題であります。患者は全国で二百万から三百万人とも推定されておりますが、国の対応は極めておくれております。都は国に先駆けて、今年度から平成二十三年度までの五年間、東京都ウイルス肝炎受療促進集中戦略を実施し、早期発見、早期治療を促してまいります。来月からは、C型ウイルス肝炎のインターフェロン治療に係る医療費の助成を開始し、都民の健康を守ってまいります。我が国が人口減少時代に突入した今、都民が安心して子どもを産み育てることのできる環境を充実させ、東京の活力を高めていかなければなりません。社会全体での子育てを支援するために、企業やNPO、マスコミ、行政などで構成する子育て応援とうきょう会議を来月設置いたします。会議の参加団体と連携し、長時間労働の縮減や育児休業制度の導入促進など、子育てと両立できる働き方の見直しに取り組んでまいります。また、子どもを産みやすい、育てやすい職場づくりに取り組む中小企業をふやしていくため、今月から、仕事と子育ての両立を進めるために社内体制を整備する企業への支援を開始いたします。教育の分野では、教師の資質を向上させ、授業の内容を工夫して学力の低下に歯どめをかけるほか、社会の一員としての自覚を養う「奉仕」の授業を必修化するなど、独自の改革を進めてまいりました。昨年来の教育基本法の改正や教育再生会議の動きを見ますと、国がようやく東京の取り組みに追いついてきた感じがあります。都は、さらなる改革に向けて、来年六月を目途に新・東京都教育ビジョンを策定し、将来を担う人材の育成について新たな方策を提示いたします。近年、額に汗して懸命に働いているにもかかわらず、低所得の状態から抜け出せないまま不安定な生活を余儀なくされている方々が増加しております。こうした方々への支援策は極めて重要であります。春以来、個人都民税の軽減による支援を検討してまいりました。しかし、税による一律の対策よりも、きめ細かく的確な施策を重点的に講じることがより公平で効果的と判断いたしました。今後、都議会とともに十分に相談し、こうした方々がみずからの人生を切り開き、将来の展望を見出すことができるように、生活改善や職業能力の向上などの多様な施策を積極的に講じて、公約を進化させてまいります。都民の安心・安全を支え、東京のダイナミズムを生むためには、機能的で効率的な社会資本を整備していくことが求められております。羽田空港は、四本目の滑走路の建設工事が急ピッチで進んでおります。日本が激しい国際競争に勝ち抜くためには、平成二十二年の供用開始を待つことなく、国際化をできる限り前倒しして進める必要があります。今月、ソウルに続いて、新たに羽田と上海を結ぶ国際チャーター便が就航いたしますが、今後とも、都心に近い二十四時間空港の利点を生かした国際線のさらなる拡充が必要でありまして、国の迅速な対応を求めてまいります。羽田空港の再拡張・国際化が進展し、東京とアジアの関係が一層緊密なものとなる中、来月、東京で第二回アジア旅客機フォーラムを開催いたします。現在、YS11以来となる国産旅客機の開発プロジェクトが事業化を目前にしておりますが、国産旅客機の開発は、日本とアジアが共同開発を目指すアジア旅客機の実現に向けた大きな一歩となるものでありましょう。国産旅客機の事業化に向けて、国が国策として位置づけ、強力にこれを支援するように求めてまいります。横田基地の軍民共用化は、首都圏の航空事情を改善し、ひいては日本全体の国際競争力の強化につながります。スタディーグループによる日米協議が、来月の期限を間近に控え大詰めを迎えております。先日のシドニーで開かれた日米首脳会談及び外相会談において、日本側から米側に対し、政府として共用化を早期に実現したいという立場を明確に伝えました。今後とも、日米両政府が軍民共用化の早期実現に一刻も早く合意するよう、さまざまなルートを活用して強く働きかけてまいります。三環状道路を初めとする道路ネットワークは、東京のみならず首都圏が一体として発展するために欠くべからざるインフラであります。外環道は、約四百回に及ぶ地元との意見交換を経て、この春、大深度地下方式への都市計画変更を完了いたしました。外環道を一刻も早く整備計画路線へ格上げするよう、国に対して強く求めてまいります。十二月には、中央環状新宿線の板橋から新宿までの区間がいよいよ開通いたします。新宿線の残された区間は平成二十一年度の完成を、また品川線は平成二十五年度の完成を目指して着実に整備を促進するとともに、中央環状線の全線開通を見据え、交通の流れをより円滑にするため、ジャンクションの改良などを進めてまいります。日本の頭脳部、心臓部である東京が十全に機能するように、こうした道路ネットワークの整備に国が迅速かつ着実に取り組むことは当然であります。現在、国が策定中の中期計画に東京の道路整備を明確に位置づけ、必要な財源を確保するように国に迫ってまいります。次に、多摩・島しょ地域の振興について申し上げます。六月、圏央道のあきる野インターチェンジと八王子のジャンクションの区間が開通いたしました。中央道と関越道がこれで結ばれ、これにより、埼玉や山梨方面へのアクセスが格段に向上し、多摩が首都圏の産業中核拠点として発展する足がかりを築くことができたと思います。また、先月から圏央道で料金割引の社会実験が開始されましたが、首都圏の高速道路ネットワークの機能を最大限に引き出すには、現行の複雑な料金体系を改める必要があります。既に、一都三県が共同して料金の見直しを国に提言いたしましたが、今後とも、利用者の視点に立った料金設定を国に働きかけてまいります。平成二十五年に開催される東京国体の準備が着々と進んでおります。準備委員会の第一回総会では、開会式の会場を味の素スタジアムに決定いたしました。競技会場もほぼ決まり、今後、開催基本構想の策定、競技施設の整備促進等に取り組んでまいります。東京国体が開催される多摩には、豊かな自然と美しい景観を持つ多摩川が流れております。この多摩川で、羽村市から大田区に至る約五十キロメートルのランニングコースを今後、完全に整備いたします。東京マラソンの成功でも明らかなように、ランニングは国民的なスポーツとして定着しております。都内で、皇居と並び、多くの都民が健康づくりに汗を流し、市民ランナーが集う、東京の新しい名所にしてまいりたいと思います。三宅島では、帰島開始から約二年半が経過し、島民の生活も落ち着きを取り戻しつつありまして、来年春を目指して三宅島空港の再開準備も始まりました。十一月にはモーターサイクルフェスティバルを開催いたします。万全な準備でぜひとも成功させ、三宅島が再生しつつある姿を広くアピールするとともに、新たな発展の起爆剤にしていきたいと思います。都は、小笠原諸島の世界自然遺産登録を目指しております。先ごろ、南硫黄島で、四半世紀ぶりとなる自然環境調査を首都大学東京と連携して行いました。南硫黄島は、急峻な地形や自然環境の厳しさから、小笠原諸島の中で人為の影響を唯一受けていない島でありまして、新種と思われる貝類を四種類発見するなど、学術的に貴重な成果が得られました。今後、詳細な分析を行い、登録の準備を進めるとともに、小笠原諸島の自然保護と観光振興に努めてまいります。次に、分権改革について申し上げます。平成十二年、地方分権一括法が施行されました。しかし、地方が国から自立することを目指した三位一体改革は、霞が関の頑強な抵抗に遭い、単なる数字合わせに終始いたしました。分権改革は遅々として進まず、改革の機運は大きく後退したばかりか、法人事業税の分割基準の見直しなど、本筋から外れた議論を繰り返しております。昨今、都市と地方の格差なるものが取りざたされておりますが、自治体間の税収規模の差のみに着目し、その是正を図る動きがありますが、これは、都市の膨大な財政需要を考慮しない極めて近視眼的なものであり、東京を停滞させ、日本全体の活力をそぐことにしかならないことは明白であります。また、過疎化や地域経済の低迷が都市との対比で語られておりますが、その本質的な要因である国の国土政策、経済政策の問題点に目をつぶり、都市の財源をただ地方に回すだけでは、真の問題解決には絶対になりません。今なすべきは、分権改革の初心に立ち返り、地方が自立し、みずからの才覚と責任で地域を主宰できるよう、この国の形を変えることなどが必要であります。格差是正の名のもとに、都市と地方が共倒れになってはなりません。今後、分権改革や地方税財政制度改革について都の見解を発表いたします。迷走する議論を本筋に引き戻し、都議会の皆様や他の自治体と連携して、この国の形を問う戦いを進めてまいりたいと思います。最後に、国と地方の関係について一例を申し上げます。国から、弁慶橋風致地区における参議院宿舎の建設について協議がありましたが、時代の変化や国民意識の変化を踏まえ再度議論すべきことを指摘し、再考を求めました。国に唯々諾々と従うのではなくて、主張すべきを主張し、分権の時代にふさわしい地方の姿を示したと思います。この問題に対しては、私も以前在籍していた参議院から、良識の府としての見識が示されることを心から期待しております。なお、本定例会には、これまで申しましたものを含め、条例十六件、契約案五件など、合わせて三十一件の議案を提案しております。よろしくご審議をお願いいたします。以上をもちまして所信表明を終わります。ありがとうございました。(拍手) # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)以上をもって知事の発言は終わりました。 # 六十七番(石森たかゆき君) 六十七番(石森たかゆき君)この際、議事進行の動議を提出いたします。日程の順序を変更し、追加日程第一から第三までを先議されることを望みます。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)お諮りをいたします。ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)ご異議なしと認めます。よって、日程の順序を変更し、追加日程第一から第三までを先議することに決定いたしました。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)追加日程第一及び第二、東京都名誉都民の選定の同意について二件を一括して議題といたします。〔大村議事部長朗読〕一、東京都名誉都民の選定の同意について二件一九財主議第二三二号平成十九年九月十九日東京都知事石原慎太郎東京都議会議長川島忠一殿東京都名誉都民の選定の同意についてこのことについて、左記の者を東京都名誉都民に選定いたしたいので、東京都名誉都民条例第三条の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお取り計らい願います。記多湖輝略歴多湖輝大正十五年二月二十五日生大正十五年インドネシアスマトラ島生まれ昭和二十五年東京大学文学部哲学科(心理学専攻)卒業昭和二十六年東京工業大学助手昭和二十七年東京大学文学部哲学科(心理学専攻)大学院修了昭和三十七年千葉大学助教授(教育学部)昭和四十一年「頭の体操第一集」(光文社)を刊行昭和四十二年「頭の体操」で第二回書店新風賞を受賞同年財団法人才能開発教育研究財団理事昭和四十四年井深大氏とともに財団法人幼児開発協会を設立昭和四十八年千葉大学教授(教育学部)昭和五十三年千葉大学教育学部附属小学校校長。以後、昭和五十八年まで併任平成元年千葉大学を退官。同大学名誉教授同年財団法人中央教育研究所理事長平成三年株式会社多湖輝研究所を設立平成九年財団法人幼児開発協会理事長平成十年財団法人こどもの国協力会理事平成十三年財団法人日本万歩クラブ会長平成十四年心の東京革命推進協議会(青少年育成協会)会長同年財団法人山種美術館評議員、日本創造学会会長平成十五年社団法人青少年育成国民会議副会長平成十六年特定非営利活動法人「0歳からの教育」推進協議会理事長平成十八年瑞宝中綬章を受章平成十九年東京未来大学学長事績多湖輝氏大正十五年二月二十五日、インドネシアスマトラ島に生まれる。昭和二十五年、東京大学文学部哲学科(心理学専攻)を卒業する。昭和二十六年、東京工業大学助手になる。昭和二十七年、東京大学文学部哲学科(心理学専攻)大学院を修了する。昭和三十四年、千葉大学講師(教育学部)になる。昭和三十七年、千葉大学助教授(教育学部)になる。昭和四十一年、「頭の体操第一集」(光文社)を刊行する。広い読者層に受け入れられ、千二百万部もの大ベストセラーとなる。昭和四十二年、「頭の体操」で第二回書店新風賞を受賞する。同年、財団法人才能開発教育研究財団理事に就任する。昭和四十四年、井深大氏とともに財団法人幼児開発協会を設立する。昭和四十八年、千葉大学教授(教育学部)になる。昭和五十三年、千葉大学教育学部附属小学校校長に就任。以後、昭和五十八年まで併任する。平成元年、千葉大学を退官。同年、同大学名誉教授となる。同年、財団法人中央教育研究所理事長に就任する。平成三年、株式会社多湖輝研究所を設立し、自ら代表を務める。平成九年、財団法人幼児開発協会理事長に就任する。平成十年、財団法人こどもの国協力会理事に就任する。平成十三年、財団法人日本万歩クラブ会長に就任する。平成十四年、心の東京革命推進協議会(青少年育成協会)設立とともに、会長に就任する。同年、財団法人山種美術館評議員及び日本創造学会会長に就任する。平成十五年、社団法人青少年育成国民会議副会長に就任する。平成十六年、特定非営利活動法人「0歳からの教育」推進協議会理事長に就任する。平成十八年、瑞宝中綬章を受章する。平成十九年、東京未来大学学長となる。氏は、日本における乳幼児教育の先達として、早くから研究に取り組み、「0歳から二歳までの頃にしっかりと親子の絆を作ることがいかに大事であるか」「愛情を持って真剣に育てられ、夫婦が円満である家庭の子どもは間違いを犯さない」と主張してこられた。また、「志をもつ人の前で旗を振ってうねりを起こしていけば、日本は、まだまだ立ち直るチャンスがある」という確信のもと、心の東京革命推進協議会会長として、青少年の健全育成に熱心に取り組まれている。このような功績は広く都民が敬愛し、誇りとするところである。一九財主議第二三三号平成十九年九月十九日東京都知事石原慎太郎東京都議会議長川島忠一殿東京都名誉都民の選定の同意についてこのことについて、左記の者を東京都名誉都民に選定いたしたいので、東京都名誉都民条例第三条の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお取り計らい願います。記松平康隆略歴松平康隆昭和五年一月二十二日生昭和五年東京市荏原区(現東京都品川区)生まれ昭和二十二年慶應義塾大学法学部政治学科に入学。同大学バレーボール部主将として、戦後学生チーム初の天皇杯を獲得昭和二十七年慶應義塾大学を卒業、日本鋼管株式会社に入社。監督兼主将として、実業団時代にすべてのタイトルを獲得昭和二十九年九人制全日本代表選手となる。昭和三十六年現役を引退し、ソビエト社会主義共和国連邦にバレーボール留学昭和三十九年全日本男子バレーボールチームのコーチとして、東京五輪で日本に銅メダルをもたらす。閉会式の翌日に監督に就任昭和四十三年メキシコ五輪で銀メダルを獲得昭和四十七年ミュンヘン五輪で金メダルを獲得昭和六十年アジアバレーボール連盟会長昭和六十三年藍綬褒章を受章平成元年財団法人日本バレーボール協会会長平成二年キューバ共和国より、マルティネス・デ・バルバドス勲章(スポーツ功労賞)を受章平成六年国際バレーボール連盟第一副会長平成七年財団法人日本オリンピック委員会(JOC)副会長兼理事平成八年国際オリンピック委員会(IOC)より、オリンピック・オーダー(功労賞)を受章平成十年日本人として初めて、米国マサチューセッツ州の世界バレーボール殿堂入りする。国際バレーボール連盟(FIVB)より、グランド・クロス(最高勲章)を受章平成十一年米国ロードアイランド州の世界有識スポーツ人の殿堂入り平成十二年FIVBより、二十世紀最優秀男子監督賞を受賞平成十三年財団法人日本バレーボール協会名誉会長平成十五年米国マサチューセッツ州ホリヨーク市名誉市民を受賞平成十六年旭日中綬章を受章事績松平康隆氏昭和五年一月二十二日、東京市荏原区(現東京都品川区)に生まれる。昭和二十二年、慶應義塾大学法学部政治学科に入学する。同大学バレーボール部主将として、戦後学生チーム初の天皇杯を獲得する。昭和二十七年、慶應義塾大学を卒業、日本鋼管株式会社(現JFE鋼管株式会社)に入社する。監督兼主将として、実業団時代にすべてのタイトルを獲得する。昭和二十九年、九人制全日本代表選手となる。昭和三十六年、現役を引退し、日ソ間で結ばれたスポーツ交流協定の第一号として文部省(現文部科学省)より派遣され、ソビエト社会主義共和国連邦にバレーボール留学する。昭和三十九年、全日本男子バレーボールチームのコーチとして、東京五輪で日本に銅メダルをもたらす。閉会式の翌日に監督に就任し、「世界制覇八年計画」を立てる。昭和四十三年、メキシコ五輪で銀メダルを獲得する。昭和四十七年、ミュンヘン五輪で金メダルを獲得する。昭和六十年、アジアバレーボール連盟会長に就任する。昭和六十三年、藍綬褒章を受章する。平成元年、財団法人日本バレーボール協会会長になる。平成二年、キューバ共和国より、マルティネス・デ・バルバドス勲章(スポーツ功労賞)を受章する。平成六年、国際バレーボール連盟第一副会長に就任する。平成七年、財団法人日本オリンピック委員会(JOC)副会長兼理事に就任する。平成八年、国際オリンピック委員会(IOC)より、オリンピック・オーダー(功労賞)を受賞する。平成十年、日本人として初めて、米国マサチューセッツ州の世界バレーボール殿堂入りする。国際バレーボール連盟(FIVB)より、グランド・クロス(最高勲章)を受章する。平成十一年、米国ロードアイランド州の世界有識スポーツ人の殿堂入りする。平成十二年、FIVBより、二十世紀最優秀男子監督賞を受賞する。平成十三年、財団法人日本バレーボール協会名誉会長に就任する。平成十五年、米国マサチューセッツ州ホリヨーク市名誉市民を受賞する。平成十六年、旭日中綬章を受章する。氏は、全日本男子バレーボールチームのコーチとして、東京五輪で日本に銅メダルをもたらすとともに、「八年後には金メダルを獲る。」との信念から、監督として二度の五輪で銀、金のメダルを獲得するという輝かしい功績を残した。また、現在も世界の主流戦術になっている「移動時間差攻撃法」の基礎を築き上げ、バレーボールの国際的な普及発展にも貢献された。以上の功績は、広く都民が敬愛し、誇りとするところである。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)本件は、起立により採決いたします。本件は、いずれも、知事の選定に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)起立多数と認めます。よって、本件は、いずれも知事の選定に同意することに決定をいたしました。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)追加日程第三、東京都名誉都民の選定の同意についてを議題といたします。〔大村議事部長朗読〕一、東京都名誉都民の選定の同意について一件一九財主議第二三一号平成十九年九月十九日東京都知事石原慎太郎東京都議会議長川島忠一殿東京都名誉都民の選定の同意についてこのことについて、左記の者を東京都名誉都民に選定いたしたいので、東京都名誉都民条例第三条の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお取り計らい願います。記加瀬三郎略歴加瀬三郎大正十五年四月十五日生大正十五年東京市本所区(現東京都墨田区)生まれ。右眼は先天性失明、左眼は強弱視昭和十三年左眼も失明昭和二十二年築地の盲人技術学校を卒業昭和二十五年鍼灸マッサージ師として独立。この頃から折り紙の本格的制作に入る。昭和三十七年墨田区盲人福祉協会会長昭和四十四年自立更正により東京都知事表彰を受ける。昭和四十八年日本折紙協会理事昭和五十一年第十三回点字毎日文化賞を受賞昭和五十二年福祉文化功労により社会福祉法人日本盲人会連合青い鳥賞を受賞昭和五十六年自立更正により厚生大臣表彰を受ける。同年二か月間にわたり折り紙大使として渡米。国際連合本部を始めとして米国各地の福祉施設等を訪問。オクラホマ市より民間大使の称号を受ける。同年ソビエト社会主義共和国連邦を訪問昭和五十八年インド、バングラデシュ人民共和国を訪問昭和五十九年著書「楽しい折り紙入門」(日本文芸社)を出版昭和六十一年南アフリカ共和国を訪問昭和六十二年エジプト・アラブ共和国、イラク王国、イスラエル国を訪問同年内閣総理大臣表彰を受ける。昭和六十三年エクアドル共和国、パナマ共和国、メキシコ合衆国等を訪問平成二年オーストラリア連邦において個展を行うとともに福祉施設等を訪問同年サウジアラビア王国の首都リヤドのキングサウド大学で講義を行う。平成三年墨田区心身障害者団体連合会会長同年藍綬褒章を受章同年モスクワ、サンクトペテルブルクを訪問平成五年チェコ共和国、ポーランド共和国、リトアニア共和国、ラトビア共和国、エストニア共和国を訪問平成七年折り紙を通してエイズ孤児を激励するためルーマニアを訪問平成八年勲五等瑞宝章を受章同年ルーマニアを再訪同年パリにおいて個展を開催平成九年クロアチア共和国の動物園象誘致運動のため「折り紙動物園」を開催同年デュッセルドルフ難民平和村を訪問し、子どもたちに折り紙を指導平成十二年ブラジル連邦共和国を訪問平成十三年アイスランド共和国、デンマーク王国、スウェーデン王国等を訪問平成十四年インド、クロアチア共和国等を訪問平成十五年イスラエル国を訪問平成十六年イラン・イスラム共和国を訪問平成十七年オーストリア共和国を訪問平成十八年ドイツ連邦共和国、マケドニア旧ユーゴスラビア共和国を訪問事績加瀬三郎氏大正十五年四月十五日、東京市本所区(現東京都墨田区)に生まれる。右眼は先天性失明、左眼は強弱視であった。昭和十三年、左眼も失明する。昭和二十二年、築地の盲人技術学校(現東京都立文京盲学校)を卒業する。昭和二十五年、鍼灸マッサージ師として独立する。この頃から折り紙の本格的制作に入る。昭和三十七年、墨田区盲人福祉協会会長に就任する。昭和四十四年、福祉大会にて自立更正により東京都知事表彰を受ける。昭和四十八年、日本折紙協会理事に就任する。昭和五十一年、第十三回点字毎日文化賞を受賞する。昭和五十二年、福祉文化功労により社会福祉法人日本盲人会連合青い鳥賞を受賞する。昭和五十六年国際障害者年にあたり、自立更正により厚生大臣表彰を受ける。同年、二か月間にわたり折り紙大使として渡米する。国際連合本部を始めとして米国各地の福祉施設等を訪問する。オクラホマ市より民間大使の称号を受ける。同年、ソビエト連邦対外交文化連盟の招きで二週間にわたりソビエト社会主義共和国連邦を訪問する。昭和五十八年、インド及びバングラデシュ人民共和国を訪問する。昭和五十九年、著書「楽しい折り紙入門」(日本文芸社)を出版する。昭和六十一年、ヨハネスブルグ市制百年祭を契機に、南アフリカ共和国を訪問する。昭和六十二年、エジプト・アラブ共和国、イラク王国及びイスラエル国を訪問する。同年、障害者の日に、内閣総理大臣表彰を受ける。昭和六十三年、エクアドル共和国、パナマ共和国、メキシコ合衆国等を訪問する。平成二年、オーストラリア連邦において個展を行うとともに福祉施設等を訪問する。同年、サウジアラビア王国の首都リヤドのキングサウド大学で、デザイン学の一環として一週間の講義を行う。平成三年、墨田区心身障害者団体連合会(現墨田区障害者団体連合会)会長に就任する。同年、藍綬褒章を受章する。同年、モスクワ及びサンクトペテルブルクを訪問する。平成五年、チェコ共和国、ポーランド共和国、リトアニア共和国、ラトビア共和国及びエストニア共和国を訪問する。平成七年、折り紙を通してエイズ孤児を激励するためリーマニアを訪問する。平成八年、勲五等瑞宝章を受章する。同年、ルーマニアを再訪する。同年、パリにおいて個展を開催する。平成九年、クロアチア共和国の動物園象誘致運動のため「折り紙動物園」を開催する。同年、ドイツ連邦共和国デュッセルドルフ難民平和村を訪れ、アフガン戦争の難民である子どもたちに折り紙を指導する。平成十二年、ブラジル連邦共和国を訪問する。平成十三年、アイスランド共和国、デンマーク王国、スウェーデン王国等を訪問する。平成十四年、インド、クロアチア共和国等を訪問する。平成十五年、イスラエル国を訪問する。平成十六年、イラン・イスラム共和国を訪問する。平成十七年、オーストリア共和国を訪問する。平成十八年、ドイツ連邦共和国及びマケドニア旧ユーゴスラビア共和国を訪問する。氏は、両目を失明しながらも、鍼灸マッサージ師の仕事のかたわら独学で折り紙を学び、世界で活躍する折り紙作家となった。「たった十五センチ四方の紙が言葉や生活習慣、イデオロギーなどすべての壁を取り除く。」という信念に基づいて、広く世界に折り紙を紹介し、多大な成果を残している。世界各国の学校や福祉施設を訪問し、折り紙を通じた民間外交に熱心に取り組んでこられた姿は、広く都民が敬愛し、誇りとするところである。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)お諮りをいたします。本件は、知事の選定に同意することにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)ご異議なしと認めます。よって、本件は、知事の選定に同意することに決定をいたしました。 # 六十七番(石森たかゆき君) 六十七番(石森たかゆき君)この際、議事進行の動議を提出いたします。本日の会議はこれをもって散会し、明二十日から二十五日まで六日間、議案調査のため休会されることを望みます。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)お諮りをいたします。ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)ご異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれをもって散会し、明二十日から二十五日まで六日間、議案調査のため休会することに決定をいたしました。なお、次回の会議は、九月二十六日午後一時に開きます。本日はこれをもって散会をいたします。午後二時四十三分散会文書質問趣意書及び答弁書一九財主議第二二五号平成十九年九月十一日東京都知事石原慎太郎東京都議会議長川島忠一殿文書質問に対する答弁書の送付について平成十九年第二回東京都議会定例会における左記議員の文書質問に対する答弁書を別紙のとおり送付します。記後藤雄一議員そなえ邦彦議員斉藤あつし議員大西由紀子議員石毛しげる議員清水ひで子議員古館和憲議員吉田信夫議員平成19年第二回都議会定例会文書質問趣意書提出者後藤雄一質問事項一教育庁・学校経営支援センターの入札について二都民利用施設の耐震診断結果について三神津島村、八丈町等からの歳暮・土産等について四式根島野伏港の海図に付いて五廃棄物(し尿処理施設設置)の指導について六一方通行道路の逆行する自転車に対する一時停止に付いて七交通局の管理体制について一教育庁・学校経営支援センターの入札について東京都は、談合防止の為に「電子入札制度」を採用している。昨年、行革110番は都立高校での什器の入札で「談合の疑い」を指摘したが、今回の教育庁東部学校経営支援センター管理課が担当した「契約番号/19-00294」の入札は、「官製談合??」と疑われても仕方がない事案である。行革110番が調査・追及したところ、教育庁は急遽、ホームページ「入札情報サービス」を削除し、入札も中止した。○本件入札の問題点は3つあり、一つは仕様書だ。平成19年第1回都議会定例会の行革110番の文書質問に対し「物品の買入契約に当っては、原則として、商標等を指定せず、調達する製品の説明として、規格、機能、その他の要件を仕様書や図面で行っています。」と回答している。しかし、本件入札(八潮高校、江北高等学校、青井高等学校、葛飾総合高校、橘高校)は机等の入札にも係らず、仕様書には寸法が書かれておらず(橘高校は除く)、参考メーカーが3社が記載され、各々の型番までが書かれている。その上、同一製品で参考メーカー3社のうち2社が同一会社・同一グループとの記載が多数存在し、極めて不適切な仕様書と考える。1入札で不祥事を未然に防ぐ為に、仕様書記載マニアルを作成し学校事務員を含む契約担当者に研修を徹底すべき、と考えるが見解を伺う。○問題点の2つ目は、契約担当者の官製談合といえる発言だ。そこで、契約担当者に「仕様書に参考メーカーと書かれているが、どういう意味なのですが?」と匿名で電話した。すると契約担当者は「基本的に参考メーカー1で選んで下さい、とお願いしている。参考の為に3つ上げている」と答えた。これでは、東京都が特定のメーカーを指定していることになり、公正な入札とは言えない。契約担当者の上司である課長に担当者とのやりとのを告げ、念のために担当者の言い分を聴取してもらうと、「参考メーカー1から探して頂いて、順次に2、3、を当たって下さい、というニュアンスのつもりで答えた」という。担当者は「学校から上ってきた参考メーカー3社・型番をそのまま仕様書に書いた。」と悪意を否定するが、都の契約担当者として、「決して言ってはならない言葉だ!!その上、仕様書の注意事項として、「同等品を採用する場合は、甲の担当者に事前に協議すること」と書かれている。甲とは「都庁・契約担当者」とのことである。これでは、入札を希望する業者が「同等品を採用しよう」と考えても、都・契約担当者に事前に連絡を取らなければならず、連絡を取れば行革110番に話した内容のとおり、業者に「参考メーカー1」を押し付ける訳であり、これでは担当者が談合を指導している官製談合そのままである。2このような契約担当者の対応、仕様書の注意事項の記載は、公正な入札を妨害する行為と考える、今後の対応も含め見解を伺う。3本件同様の仕様書による入札が他にも存在していたか?存在したら調査すべきと考えるが、見解を伺う?4教育庁は、下見積を取るときは複数の業者から聴取すると指導していると聞いているが、本件は適正におこなわれていたか?伺う。5昨年、行革110番が指摘していたにも係らず、依然として疑惑を持たれる入札がおこなわれていると言う事は、職員の能力不足等から業者と関係が切れないのではと考える。調査結果を含めて見解を伺う。二都民利用施設の耐震診断結果について6月議会に出された陳情の中に、「東京都児童館の存続を求める陳情」がある。渋谷区渋谷1-18-24にある東京都児童館は、昭和34年4月、皇太子殿下ご成婚記念事業として企画され、昭和39年完成した。昭和39年に建設された建物なら、耐震診断が行われ「Is値」が低ければ耐震補強工事も行われているはずだ。そこで、福祉保健局に現在の「Is値」のデータの提示を求めた。すると「Is値」は「0.39」という。そこで「補強工事」の有無を尋ねると、担当者は「予算は請求しているが、予算が付かないので補強工事は行われていない」という。耐震診断は平成9年に行われ補強工事が必要にもかかわらず、予算がないので、8年間も放置している事が判明した。その上、平成21年以降に「子供家庭総合センター(仮称)に移転統合」をするが、耐震補強工事を行う予定はない、と説明する。1耐震診断は平成9年に行われ、「Is値0.39」という結果が出ているにも係らず、8年間放置していた理由を伺う。2平成21年以降に統廃合されるまで耐震補強工事を行わないことを、利用する児童、そして児童の親に説明しているか?また今後説明するか、伺う。3都民が利用する目的の都施設で、耐震診断指標「Is値0.6」以下の建物は何棟あるか?また施設名を明らかすべきと考えるが、見解を伺う。三神津島村、八丈町等からの歳暮・土産等について行革110番が伊豆諸島の各自治体に情報公開請求して調べたところ、神津島からは知事及び関係幹部職員等に「伊勢エビ」の歳暮、知事を除く関係幹部職員等に「赤いか」の中元が贈られていたとする贈り先一覧表が存在する。また、八丈町、神津島村・新島村を訪れた都職員には特産品と称し「焼酎、くさや」等の土産品を渡していたとする文書が存在する。八丈町村長交際費を集計したところ、都庁職員の土産代だけで、57件、282,016円。警視庁・消防庁職員には、12件、52,402円が支払われている。合計69件、334,418円になる。都庁職員は、八丈町・神津島村等の「職員の個人的な好意の土産である」と思い受領し、別途、その村・町職員に対しお礼をしている、との弁明を耳にするが詭弁である。東京都は、平成11年4月1日付けで「利害関係者との接触に関する指針」を作成し、官公庁職員との接触についても、「職務上の必要性を考慮して、この指針を準用する」と規定している。現在調査中と聞いているが、本件歳暮・中元・土産等を都職員等が受領していたら、受領相当額の金員を神津島村等に返還すべき、と考えるが、見解を伺う。四式根島野伏港の海図に付いて行革110番は、東京都港湾局が行った平成16年野伏漁港―4.5m泊地整備及びその他工事」の海洋投棄事件の調査で、投棄された地点の海図を入手する為、海上保安庁水路部を訪れた。式根島野伏港付近の海図を探してもらったところ、「海上保安庁にはない」そして「都から要請があれば、海図を作るのではないか」と担当職員はいう。1海上保安庁は野伏港の海図がないというが、事実か伺う。2事実とすれば、何故か。東京都は海上保安庁の野伏港の海図作成の申請するか、見解を伺う。五廃棄物(し尿処理施設設置)の指導について東京都は平成9年、東京都下水道施設整備構想を作成した。しかし平成17年度の環境局一般廃棄物課の出張報告書をみると、大島町では「し尿処理は現在、素堀穴に投棄し地下浸透させている。地下浸透されなくなると埋め戻し、新たな素堀穴で処理をする繰返しをしている。」と書かれ、未だにし尿処理施設がなくし尿処理池を掘って投棄している写真が載っている。そして、「町役場として汚泥再生処理施設を建設する方向性がある一方で、合併浄化槽か下水道整備かの選択も定まっていない。その為具体的な案はない。町役場として、早い時期に結論を出し19年度完成を目途に施設整備に取り掛かる考えはある。」との記載がある。しかし、し尿処理は「し尿処理施設」で処理しなければ「埋め立て」は法律で禁じられ、「し尿処理施設を設置しようとする者は、都道府県知事の許可を受けなければならない。」とされている。観光は大島町の重要な産業であり、し尿処理施設がなく、し尿処理池に投棄していることを観光客が知れば、不衛生な観光地と思われ、観光にマイナスイメージになる事は分かっていたはずである。1東京都は、もっと積極的にし尿処理施設等を法的整備するよう指導する必要があったと考えるが見解を伺う。2大島町は南部・北部の2カ所のし尿処理池あり、北部のし尿処理池は海岸に近い場所にあるといわれ、海洋汚染の心配をする住民もおり海洋汚染防止法の視点から東京都として調査すべき、と考えるが見解を伺う。六一方通行道路の逆行する自転車に対する一時停止に付いて平成19年第1回定例会で行革110番は、「一方通行を逆行してくる自転車にたいして、一時停止の標識がない。自転車に一時停止させるよう標識設置を考えるべきだが、見解を伺う」と文書質問したところ、「道路交通法上、自転車は「車両」に該当しますので、道路交通法上の交通規制の対象になります。従って、一方通行道路を逆行する自転車に対する一時停止規制の実地は可能です」としながらも、「しかしながら、自転車は、小学生から高齢者まで幅広く利用されている交通手段であり、その高い利便性により手軽に利用されている実態から、このような場合に、あえて罰則の対象となる交通規制の義務を課す事は必ずしも適切でないこと、一般的に自転車自体の性能が高速度に出す事が出来ない構造になっている事、見通しがきかない交差点等における徐行義務が自転車にも課せられていることなどから、当庁では、一時停止規制に変わる対策として「自転車ストップマーク」表示を路面に設置することにより、注意喚起を図っている」と回答している。1しかしながら、「自転車ストップマーク」は、主に道路管理者である自治体が作成しており、設置状況もまちまちである。その上、「止まれ」等の道路標示は溶着式塗装であるのに対し、「自転車ストップマーク」はトラフィックペイントという簡易な塗装であり、費用は安く済むが剥げやすい欠点がある。事実、剥げて見えなくなっている自転車ストップマークが多くある。そこで、このような「自転車ストップマーク」の状態・現状について警視庁の見解を伺う。2このような状況を解決する為に、一方通行道路の逆行する自転車に対する一時停止(以下「本件一時停止標識」という)を設置すべき、と考えるが見解を伺う。3最近は「自転車ストップマーク」等の他に、交差点のカラー鋪装、凸凹に見えるようペイント等の法的以外のものが多くある。交通事故を減らすため関係者が様々なアイデアを出している事は評価できるが、交通表示は簡潔で「交通安全のため利用者」が分かりやすく、見やすくするための改善・工夫すべきと考えるが、見解を伺う。4文書質問の回答のうち、「あえて罰則の対象となる交通規制の義務を課す事は必ずしも適切でないこと」と見解を述べている。しかし自転車は「赤信号、止まれ標識」等々の多くの罰則を伴う交通規制を既に課せられている。ただ、自転車だけを対象にした標識を設置したくない、というのが本音であろうが、本件一時停止標識の設置を「罰則を課す目的の標識」と考えず、交通事故を減らす為の標識設置と考えればよい。事実多くの交差点で自転車が一旦停止しなくても警察は見逃しているのが現状だ。それでも本件一時停止標識の設置が適切でないと考えるか、見解を伺う。5自転車が「小学生から高齢者まで・・利用されている交通手段で。手軽に利用されている実態から」との考えから本件一時停止標識を設置しないというのは、如何なものか。免許を持たない誰でもが利用する自転車だからこそ、安全の為に本件一時停止標識を設置すべき、と考えるが見解を伺う。6また「一般的に自転車自体の性能が高速度を出す事が出来ない構造になっている事」との理由を記しているが、自転車と車の衝突事故は、自転車のスピードに関係なく、不注意等が原因であると考える。尚更、本件一時停止標識の設置が必要と考えるが見解を伺う。7最後に「見通しがきかない交差点等における徐行義務が自転車にも課せられていることなどから」を設置しない理由にしている。しかし、どのような交差点であれ徐行業務が課せられており、本件一時停止標識を設置しない理由にならないと考えるが、見解を伺う。七交通局の管理体制について平成19年第1回定例会の文書質問で「交通局青梅支所では、60分の事務引継、アルコールチェッカーの替玉等、考えられない事件が続く、原因についてどのような見解をもっているか伺う」と質問したところ、「御指摘のような事件が続いているという事実は、全くありません」と回答している。しかし、この替玉事件だが、行革110番のその後の調査で、バス乗務員の代わりにアルコールチェック(以下「替玉チェック」という)を行った運輸事務職員は、停職の処分を受けた。しかし、本来アルコールチェックを受けるべきバス乗務員(以下「当該バス乗務員」という)は「訓告」、つまり「注意」で終わっている事が判明した。「替玉チェックを行った運輸事務職員は、当該バス乗務員から頼まれてもいないのに、勝手に替玉チェックを行ったので停職。当該バス乗務員もアルコールチェックを行っていないので戒告相当であったが、仕事上の事情が考慮されて訓告になった」という話をきいた。そもそも何故?頼まれもせず「運輸事務職員」が替玉チェックをしたのだろうか?疑問は深まるばかりだ。しかし当時、行革110番は自動車部管理課長より、「アルコールチェックを行わなかった職員は、懲戒処分(戒告)にする方針」と説明を受けたと記憶している。また、入手した「職員の対する処分及び措置について」と題する文書には、停職2名、戒告7名、訓告2名、文書注意1名、と書かれバス乗務員で訓告は当該バス乗務員だけでだ。1アルコールチェックを行っていない「当該バス乗務員」は、なぜ「戒告」になっていないのか伺う。処分の事実経過を伺う。2アルコールチェックを行わなかったバス乗務員が「戒告」にならなかったケースは、本件以外にあるのか?3停職になった運輸事務職員は頼まれていないのに勝手に「替玉チェック」を行っていたと言うらしいが、常識では考えられず、再度調査すべき、と考えるが見解を伺う。また、平成17年早稲田営業所において窃盗被害を受けたが、当時の所長から黙っているよう頼まれ、もみ消されたという内部告発が行革110番に届いている。平成17年4月、早稲田営業所バス運転手が銀行から11万円をおろし、封筒にいれ「私金庫」に入れておいた。ところが、6月、7月、8月と1万円づつなくなった。この11万円は新札で番号が続いていたので盗難に気付いたという。そこで所長に相談したが、黙っているように頼まれた。その後1万円(旧札)が戻されていた、という。しかし9月になって、今度は私金庫に入れてあった回数券の盗難にあい、封筒に指紋が付いているはずと考えその封筒を所長に渡し警察で調べるよう頼んだが、そのまま放置された。この所長は18年3月で退職した。平成18年4月の新所長にも事実経過を告げたが何も進展もなく、この所長も19年3月に退職してしまったという。4交通局に本件調査を依頼しているが、調査状況はいかがか伺う。平成19年第二回都議会定例会後藤雄一議員の文書質問に対する答弁書質問事項一教育庁・学校経営支援センターの入札について1入札で不祥事を未然に防ぐために、仕様書記載マニュアルを作成し、学校事務員を含む契約担当者に研修を徹底すべきだが、見解を伺う。回答平成18年度から東京都学校経営支援センターを設置し、少額な契約を除く多くの契約については、都立学校からの契約依頼に基づき契約事務の集約化を図りました。これからは、都立学校職員を含めた担当者に契約事務の研修を行うことは重要であり、事故防止の観点から、平成19年度は全担当者を対象とした研修を実施しました。平成20年度以降も引き続き、実施していきます。質問事項一の2契約担当者の官製談合ともいえる発言や対応、仕様書の注意事項の記載は、公正な入札を妨害する行為と考えるが、今後の対応も含め、見解を伺う。回答東京都学校経営支援センターの契約事務については、担当者に対し平成19年度の研修の中で、より適切な対応が図られるよう仕様書作成を含めて指導を徹底しました。今後引き続き研修等を通じ、公平・公正な契約事務を推進していきます。質問事項一の3本件と同様の仕様書による入札が他にも存在していたか。存在したら調査すべきだが、見解を伺う。回答東京都学校経営支援センターで契約した什器買入契約案件で、今回の仕様書と同様に詳細な仕様がないものの存在が確認されたため、必要な調査を実施しました。質問事項一の4教育庁は、下見積を取るときは複数の業者からの徴取を指導していると聞いているが、本件は適正に行われていたのか伺う。回答平成18年9月に、参考見積を徴取する場合は原則として複数の業者から徴取するよう通知しています。しかし、本件においては、参考見積を徴取した3校中2校で複数の業者から徴取していなかったことから、参考見積の複数徴取については、再度、徹底を図っていきます。質問事項一の5昨年の我々の指摘にも係らず、依然として疑惑をもたれる入札が行われているという事は、職員の能力不足等から業者と関係が切れないのではと考える。調査結果を含めて見解を伺う。回答東京都東部学校経営支援センターで事前公表した「生徒用机外27件の買入れ」については東京都教育庁談合情報検討委員会において必要な調査を行いました。調査した結果、事務手続上の不備はありましたが、契約担当者等と業者との疑わしい関係を示すような事実は存在しませんでした。今後とも、疑惑を持たれるようなことがないよう、研修を徹底し職員の能力開発に努めるとともに、引き続き、公平・公正な契約事務を推進していきます。質問事項二都民利用施設の耐震診断結果について1平成9年に行われた東京都児童会館の耐震診断で、「Is値0.39」という結果が出た。耐震補強工事が必要にもかかわらず、8年間放置した理由を伺う。回答東京都児童会館の施設については、機能的評価、費用的評価に加え、今後のあり方等を総合的に検討した結果、「子ども家庭総合センター(仮称)」に機能移転することとしました。質問事項二の2平成21年以降に「子ども家庭総合センター(仮称)」に統廃合されるまで耐震補強工事を行わないことを利用する児童や親に説明しているのか。また今後説明するのか伺う。回答都は、平成19年3月に「東京都耐震改修促進計画」を策定し、防災上重要な公共建築物のうち、東京都児童会館を含むすべての都立建築物について、平成19年度末までに、耐震改修状況を踏まえた耐震診断結果を公表することとしています。質問事項二の3都民が利用する目的の都施設で、耐震診断指標「Is値0.6」以下の建物は何棟あるか。また施設名を明らかにすべきだが、見解を伺う。回答都は、「東京都耐震改修促進計画」において「防災上重要な公共建築物」とした都立建築物について、平成19年度末までに、耐震改修状況を踏まえた上で耐震診断結果をとりまとめ、これを公表するとともに、学校、病院、庁舎等の主要な用途別に具体的な整備プログラムを作成する予定です。質問事項三伊豆諸島の自治体に、歳暮や土産を都職員等に渡していたとする文書が存在する。歳暮・中元・土産等を都職員等が受領していたら、受領相当額の金員を返還すべきだが、見解を伺う。回答現在、事実確認のための調査を行っていますが、判明した限りでは、社会通念上許される範囲を逸脱したものは認められませんでした。今後とも、都として適切に対応していきます。質問事項四式根島野伏港の海図について1海上保安庁は野伏港の海図がないというが、事実か伺う。回答海上保安庁にその存在を確認した結果、野伏漁港の海図(港泊図)はないとのことでした。質問事項四の2事実とすれば何故か。都は海上保安庁の野伏港の海図作成の申請をするのか、見解を伺う。回答野伏漁港については、地元自治体や漁港利用者から特段の要望がないため、港泊図作成を申請する予定はありません。質問事項五廃棄物(し尿処理施設設置)の指導について1大島町には未だにし尿処理施設がない。都は、もっと積極的にし尿処理施設等を法的整備するよう指導する必要があったと考えるが、見解を伺う。回答都と大島町は、し尿処理施設の整備などについて、協議を重ねてきました。この結果、大島町では、処理施設の整備計画を平成19年度中に策定し、その後、環境調査、設計等を経て、工事に着手することとしています。質問事項五の2大島町北部のし尿処理池は海岸に近く、海洋汚染を心配する住民もいる。海洋汚染防止法の視点から都として調査すべきだが、見解を伺う。回答都が平成19年5月に近くの弘法浜海水浴場で行った水質調査では、ふん便性大腸菌群は検出されず、また、CODは1リットル当たり0.8ミリグラムであり、国が定める水浴場水質判定基準でいう水質AA「水質が特に良好な水浴場」であるとの結果が出ています。質問事項六一方通行道路の逆行する自転車に対する一時停止について1主に道路管理者が設置する自転車ストップマークは、設置状況もまちまちで、簡易塗装のため剥げて見えなくなっているものも多い。自転車ストップマークの状態・現状について警視庁の見解を伺う。回答当庁は道路管理者と連携を図りながら「自転車ストップマーク」を表示しています。薄くなった「自転車ストップマーク」表示については、道路管理者と連携して、随時、補修を行っています。質問事項六の2剥げて見えないストップマークが多いなどといった状況の解決のため、一方通行を逆行する自転車に対する一時停止標識を設置すべきだが、見解を伺う。回答道路交通法上、自転車は「車両」に該当しますので、道路交通法上の交通規制の対象となります。したがって、一方通行を逆行する自転車に対する一時停止規制の実施は可能です。しかしながら、・自転車は、小学生から高齢者まで幅広く利用されている交通手段であり、その高い利便性により手軽に利用されている実態から、このような場合に、あえて罰則の対象となる交通規制の義務を課すことは必ずしも適切ではないこと・一般的に自転車自体の性能が高速度を出すことができない構造になっていること・道路交通法第42条の規定により、見通しがきかない交差点等における徐行義務が自転車にも課せられていること・標識を一方通行と逆向きに設置した場合、この標識を見た自動車等が通行できるものと誤認し、逆方向から進入してくるおそれがあり危険であること等から、当庁では一方通行を逆行する自転車のみを対象とする一時停止規制は実施していません。なお、自転車の交通事故を防止するため、一時停止規制に代わる対策として、「自転車ストップマーク」表示を路面に設置することにより、注意喚起を図っています。質問事項六の3交差点のカラー舗装など事故を減らすためのアイデアは評価できるが、交通表示は簡潔で利用者が分かりやすく、見やすくするための改善・工夫をすべきだが、見解を伺う。回答現在、交差点における交通事故防止対策として、・カラー舗装・交差点手前の狭窄表示(ゼブラ表示)・「止まれ」「自転車ストップマーク」「交差点クロスマーク」表示等を実施しています。今後も、引き続き改善・工夫に努めていきたいと考えています。質問事項六の4多くの交差点で自転車が一旦停止しなくても警察は見逃しているのが現状である。それでも罰則の対象となる一時停止標識の設置が適切でないと考えるか、見解を伺う。回答警察官が一時停止義務に違反した自転車を現認した場合は、指導警告を行っています。なお、一方通行を逆行する自転車に対する一時停止規制については、当庁では実施していません。質問事項六の5免許を持たない誰もが利用する自転車だからこそ、安全のために一時停止標識を設置すべきだが、見解を伺う。回答自転車は、小学生から高齢者まで幅広く利用されている交通手段であり、その高い利便性により手軽に利用されている実態から、あえて罰則の対象となる交通規制の義務を課すことは、必ずしも適切ではないと考えています。なお、自転車利用者に対して、自転車の通行方法等自転車に関する安全教育を機会あるごとに実施し、自転車運転者の交通事故防止とマナーの向上に努めています。質問事項六の6自転車と車の衝突事故は、自転車のスピードに関係なく、不注意等が原因である。尚更、一時停止標識の設置が必要だが、見解を伺う。回答一方通行を逆行する自転車に対する一時停止規制については、当庁では実施していませんが、自転車の交通事故を防止するため、一時停止規制に代わる対策として、「自転車ストップマーク」表示を路面に設置することにより、注意喚起を図っています。なお、自転車事故の発生原因については、安全不確認によるものが最も多くなっています。質問事項六の7どのような交差点であれ徐行義務が課せられており、一時停止標識を設置しない理由にならないと考えるが、見解を伺う。回答自転車の利用実態等を総合的に勘案し、一方通行を逆行する自転車を対象とする一時停止規制については、実施しないこととしています。質問事項七交通局の管理体制について1替え玉チェックを行った運輸事務職員は停職となったが、本来アルコールチェックを受けるべきバス乗務員は、訓告であった。なぜ戒告になっていないのか、また処分の事実経過を伺う。回答懲戒処分等については、非違行為の態様等に関し十分な調査を行い、処分量定を決定しています。質問事項七の2アルコールチェックを行わなかったバス乗務員が、戒告にならなかったケースは、本件以外にあるのか伺う。回答懲戒処分等の処分量定の決定については、適正に行っています。質問事項七の3停職になった運輸事務職員は頼まれもせず勝手に「替玉チェック」を行ったというが、常識では考えられず再度調査すべきだが、見解を伺う。回答懲戒処分等に当たっては、十分な調査を行っています。質問事項七の4早稲田営業所での現金や回数券の盗難事件について所長に相談したが、何の進展もないという。交通局に本件調査を依頼しているが、調査状況はいかがか伺う。回答これまで、必要な調査を、行ってきています。平成19年第二回都議会定例会文書質問趣意書提出者そなえ邦彦質問事項一都の観光産業振興について一都の観光産業振興について国土交通省は6月12日に「観光白書」をまとめた。その中で、都道府県の宿泊者数の内訳を公表した。それによると、東京都が全体の11.2%868万人の宿泊者数、内、外国人宿泊者数が175万人と全国1位であった。これから、オリンピック招致に向け、東京の魅力を日本中、世界に発信して行かねばならない時、中身が問われようとしています。都では「観光産業振興プラン」(素案)を打ち出しましたが、その中身を含めここに改めて何点かについてお伺い致します。1都内の観光案内標識の数はどれくらいで、多言語表記の状況はどうなっているのか、又、その際の区、市への補助の状況はどうなのか?そして、今後の計画はどうなっているのか。2東京にも地域ブランド産品を育成すべきと思うがどうか。3「世界遺産」の東京版で観光スポットを指定し、全面的に支援していくことは出来ないか。4東京港での外航客船の受け入れ状況はどうなっているのか。5各地区の観光協会への支援として、観光アドバイザー等の支援はどうなっているのか。6東京フィルムコミッションの体制づくりはどうなっているのか。平成19年第二回都議会定例会そなえ邦彦議員の文書質問に対する答弁書質問事項一都の観光産業振興について1都内の観光案内標識の数はどれくらいで、多言語表記の状況はどうなっているのか、また、その際の区、市への補助の状況及び今後の計画について伺う。回答歩行者用観光案内標識については、区市町村等と連携して整備を進め、平成18年度末で490基が設置されています。多言語表記については、案内地図面は原則として日本語と英語を表記し、絵文字の凡例には、日本語、英語、中国語(簡体字)、ハングルの4言語表記のほか、地域の実情に応じて、その他の言語にも対応しています。なお、都は、区市町村が都の統一した仕様で歩行者用観光案内標識を設置する場合には、補助を行っています。今後とも、都内全域へのわかりやすい観光案内標識の整備に努めていきます。質問事項一の2東京にも地域ブランド産品を育成すべきと思うがどうか、所見を伺う。回答都はこれまで、「トウキョウX」や「奥多摩やまめ」、ぶどうの「高尾」など特産品を開発してきました。また、地域の特産品化の取組に対しては、加工施設や直売所の整備支援などを行ってきました。今後とも、特産品の育成に努めていきます。質問事項一の3世界遺産の東京版で観光スポットを指定し、全面的に支援していくことはできないか、所見を伺う。回答これまで、ウェルカムカードの作成や観光案内所の設置、ウェブサイトの提供などにより、文化施設を含めた観光スポットを紹介してきました。今後とも、歴史や文化などについて旅行者にアピールするスポットを、観光資源としてPRしていきます。質問事項一の4東京港での外航客船の受け入れ状況はどうなっているのか伺う。回答外航客船は、港に潤いとにぎわいを与えるとともに、東京への海外からの観光客誘致にもつながるものです。平成18年の東京港での客船寄港数は27隻であり、そのうち、外航客船の寄港数は10隻となっています。都は、これまで、多くの外航客船に東京港を利用してもらえるよう、海外でのポートセールスの機会をとらえ、クルーズ会社への誘致活動等を行ってきています。今後、更に効果的な誘致策を検討し、外航客船の寄港数の一層の増加に努めていきます。質問事項一の5各地区の観光協会への支援として、観光アドバイザー等の支援はどうなっているのか伺う。回答都は、平成17年度から、観光アドバイザー派遣制度を創設しており、平成18年度は、NPO法人日野市観光協会、三宅島観光協会など4団体に観光アドバイザーを派遣し、地域の観光イベントの実施に対する助言などを行ってきました。今後とも、観光協会等地域の団体による観光産業振興の取組を支援していきます。質問事項一の6東京フィルムコミッションの体制づくりはどうなっているのか伺う。回答東京フィルムコミッションについては、観光産業振興プランにおいて、区市町村、各地域のフィルムコミッション等と連携し、円滑なロケーション活動のための推進体制を構築することとしており、その検討を進めていきます。平成19年第二回都議会定例会文書質問趣意書提出者斉藤あつし質問事項一改正後の介護保険制度等の課題について一改正後の介護保険制度等の課題について大手介護事業者コムスンの不正請求事件ではコムスンという会社の利益追求体質を非難することに各報道機関は終始しました。一方で、その背景にあるH18年4月の介護保険制度改正の問題点に触れ、破綻寸前の介護業界(特に訪問介護事業)の危険性に対して厚生労働省の早期の対応を求める報道も一部には見られました。事件を表面的に捉えない奥行きを持った報道を私は高く評価いたします。H18の制度改正については「介護保険制度開始時には『保険料を取ります。でもどんどん使ってください』というスタンスだった厚生労働省が、改正によって『保険料は引き続き取ります。多く国民は以前以上の金額になります。しかし、サービスは減らします。』という行動に出た」という印象を持っています。そのために介護業界全体において事業収益が出にくい構造となり、結果として労働者の賃金低下、それによる人材不足の慢性化を引き起こしています。有料老人ホーム事業を展開する「(株)ベストライフ」(本社:西新宿)は、TVCMに複数の自社ヘルパー社員を登場させ、「労働環境の厳しさから、熱意のある有能なヘルパーが次々と辞めていく」ことヘルパーの生の声としてひたすら訴えています。現場の強い要望から、利益拡大目的ではないCMを放映したのですが、全国の同業他社から多くの賛同の反響があったとのことです。次回の制度改正時期を待てる状況ではないかもしれません。介護保険制度について伺います。1東京都から厚生労働省に制度改正後に制度の課題について意見提出をしたと伺った。どのような意見をいつ出したのか。2H18年度の介護保険制度改正点の中で、評価されて改正して評価された点、苦情などで問題と指摘された点はそれぞれ何か。また、昨年の改正の総合評価として「良くなった」「悪くなった」のどちらかが多かったかを調べた調査があるか。あればどちらが何%で多かったのか。3食費・居住費の自己負担となり、老人保健施設など入所施設から退所が増えたと言うことはあったのか。4要介護度が低いと福祉用具のレンタルができなくなった。要介護度は低くても、車椅子や介護用ベッドが必要な人もいると聞く。福祉用具のレンタル制限で生活に支障が出た事例は聞いているか。また、この制度改正点をどのように評価するのか。5介護認定も「要支援」という項目ができて、細分化された。低い介護度では「予防介護」しかできず、後期高齢者の中でも高齢な人や軽度な認知症・精神疾患を伴う人、家事能力が低い独居の人について支援が不十分になったと言われている。介護認定の結果と現実の乖離を指摘する調査もあるようだが、東京都は、要介護度の判定結果と生活実態との乖離は無いと考えているのか。6ケアマネージャーは介護保険開始後にケアプラン作成業務で独立開業をする人もいた。しかし、改正後は予防プラン委託作成なら月1件4,000円程度と定額となった。また、ケアマネージャーの同時請負件数は上限が定められている。結果、民間事業者でありながら、いくら働こうと思っていても事業収入の上限が決まってしまう、件数が多くなると逓減制のために収入が減るため、同じ件数でもなるべく報酬の高い重度要介護者のケアプラン作成のみ請け負う風潮の横行し、ケアマネージャー事業全体が萎縮し始めている。結果的に予防プランは地域包括支援センターに集中し、業務多忙から丁寧な対応ができないとも言われている。民間事業者に対する結果的な収益制限などは本来自由経済の日本においては、適当ではないと思うが、東京都の考えはいかがか。また、東京都は地域包括支援センターが適切に予防プランの作成・管理を遂行できていると考えるのか。7訪問介護事業者は現在制度改正により単価やサービス提供時間数が減少し、軒並み収入が減少している。それに伴ってヘルパーの報酬が減少し、ヘルパーの退職、更には低い収入のためいくら求人広告を出してもヘルパーが集まらない、という悪循環に陥っている。結果として事業所の廃業や介護サービスの辞退など、事業の存続が困難になっている。現在の訪問介護事業者の動向について東京都はどのように把握しているのか。また、課題があるとすればそれは何か。8社会保障・公的サービスを担う事業者については、需要に基づく適正な事業者数・サービス量を算定し、適切な数になるよう行政が誘導することがある。現在の各種の介護保険事業者数、サービス量は適正なのか。9介護保険のみならず、障害者自立支援法における訪問介護事業でも労働や手間に対して報酬が低く、居宅支援事業の家事援助単価は1時間1,600円程度である。移動時間も必要であるので実際には1時間半程度の額である。更にその金額から事務費も差引かなくてはならない。特に精神障害者の場合は、介護従事者が単身で障害者に向き合い、社会復帰を相手に促す必要があり、マニュアルどおりに動くアルバイトとは業務の質が当然異なるため、一定の経験や知識は不可欠であるが、このような条件下で介護従事者が不足している状況である。報酬単価の見直しや介護従事者の質の向上について都はどのように考えるか、所見を伺う。平成19年第二回都議会定例会斉藤あつし議員の文書質問に対する答弁書質問事項一改正後の介護保険制度等の課題について118年4月の介護保険制度改正後に、都から厚生労働省に制度の課題について意見を提出したと聞いたが、いつ、どのような意見を出したのか伺う。回答都は、平成18年6月及び11月並びに平成19年6月の国に対する提案要求において、地域支援事業の拡充、地域密着型サービスの基準の緩和など、介護保険制度全般の課題について、改善策の提案を行っています。また、平成19年5月に人材不足の打開に向けた介護報酬の地域差等に関する提言を行い、平成19年7月にはコムスン問題を契機として事業者規制に関する法整備を緊急提案するなど、介護保険制度の課題解消に向け、適切に対応しています。質問事項一の218年度の介護保険制度改正点の中で、評価された点、問題とされた点はそれぞれ何か。また、改正の総合評価で「良くなった」「悪くなった」のどちらが多いかを調べた調査はあるか。あればどちらが多かったか伺う。回答都においては、平成18年度の介護保険制度改正に関して、特定高齢者の選定方法などに課題があると考えており、保険者である区市町村の意見も踏まえ、国に対して改善策を提案要求しています。質問事項一の3食費・居住費が自己負担となり、老人保健施設など入所施設から退所が増えたということはあったのか伺う。回答国が平成18年度に実施した「各自治体における食費・居住費の負担の見直しに伴う退所者調査」の報告では、「介護保険3施設全体で、食費・居住費の負担の見直しに伴う退所者の入所定員数に占める割合は小さく、特に介護老人福祉施設における割合は極めて小さかった。」としています。質問事項一の4福祉用具のレンタル制限で生活に支障が出た事例は聞いているか。また、この制度改正点をどう評価するか伺う。回答平成18年度の介護保険制度改正において、福祉用具の適正な利用を図る観点から、要支援などの軽度者は給付の対象外となりました。その後、国は、事例調査に基づき、疾病などの原因により頻繁に起き上がりや寝返りが困難な状態となるなど、一定の条件に該当する者について、福祉用具を貸与できるよう運用の一部を見直し、平成19年4月から実施しています。なお、都では、制度改正前から特殊寝台を利用してきた軽度者に対し、自立した生活の継続に資すると認められる場合は、区市町村が行う購入費の助成について、時限的に支援を行ってきました。質問事項一の5低い介護度では予防介護しかできず、軽度な認知症・精神疾患を伴う人などは支援が不十分になったと言われている。都は、要介護度の判定結果と生活実態との乖離は無いと考えているか伺う。回答要介護度の区分判定は、介護認定審査会において、認定調査の基本調査結果に基づく一次判定結果に、認定調査の特記事項や主治医意見書の内容を加味し、適切に決定されています。なお、認定の有効期間内に心身の状態が悪化・重度化する等により、介護の必要度が現に認定されている要介護度状態区分に該当しなくなったときには、区市町村に区分の変更を申請することができます。質問事項一の6ケアマネージャーの予防プラン作成請負件数には上限がある。民間事業者に対する収益制限などは適当でないが、都の考えを伺う。また、都は地域包括支援センターが適切に予防プランの作成・管理を遂行できていると思うか伺う。回答平成18年度の介護保険制度改正では、介護支援専門員一人当たりの取扱件数の上限等に関する措置を講じることにより、介護給付のケアマネジメントの質の向上を図ったものと考えています。また、区市町村が責任主体となって設置運営する地域包括支援センターにおいて、介護予防プランの作成・管理が適切に行われていると考えています。なお、都では、地域包括支援センターの介護支援専門員の資質向上を図るため、従事者研修等を毎年度実施しています。質問事項一の7現在の訪問介護事業者の動向を都はどう把握し、課題があれば何か。回答訪問介護事業所は、平成19年7月1日現在2,943か所であり、制度発足後、訪問介護の利用実績は着実に増加しています。質問事項一の8社会保障・公的サービスを担う事業者については、需要に基づく適正な事業者数・サービス量となるよう行政が誘導することがあるが、現在の各種の介護保険事業者数、サービス量は適正なのか伺う。回答区市町村は、介護保険法により、3年を1期として策定する介護保険事業計画に基づき、サービスの種類ごとに必要量を見込み、その確保に向けて整備を進めています。質問事項一の9障害者自立支援法における訪問介護事業でも労働や手間に対して報酬が低い。特に精神障害者の場合は、一定の経験や知識が不可欠で、介護従事者が不足している、報酬単価の見直しや介護従事者の質の向上について都はどのように考えるか、所見を伺う。回答訪問介護事業の報酬単価の見直しについては、利用者負担への影響等も考慮した上で、国で検討すべき課題と考えており、都としては、大都市の実情を適切に反映した報酬単価を設定するよう、平成18年6月及び平成19年6月に国に対して提案要求を行っています。また、介護従事者の質の向上について、都は、区市町村が地域の特性に応じてレベルアップ研修を実施できるよう、今後とも支援していきます。平成19年第二回都議会定例会文書質問趣意書提出者大西由紀子質問事項一多摩広域基幹病院新築計画について一多摩広域基幹病院新築計画について都立病院改革の一環として、府中病院を移転改築し、三つの小児病院を統合する多摩広域基幹病院及び小児総合医療センターの整備を、都立病院として初めてPFI手法を導入して進めています。この病院建設地は、東京都景観条例に基づき指定された国分寺崖線景観基本軸内にあり、国分寺崖線の景観に配慮した病院建設が求められます。しかし、事業者からの設計提案は、57メートルの高層の建物になります。そこで、住民からは、以下の問題が指摘されていますので、伺います。1PFI事業における「要求水準書」「実施方針」の中の遵守すべき法令一覧において、東京都景観条例および同条例に基づく国分寺崖線景観基本軸が明記されていませんでした。同条例に基づく届出行為が義務付けられているという重要な法令にも関わらず明記されなかったことは、「要求水準書」「実施方針」の内容に不備があったと言えます。関係局間での協議内容と、明記されなかった理由について伺います。2今後都立病院におけるPFI事業をすすめるにあたって、今回のような「要求水準書」「実施方針」の不備を繰り返さないためには、その作成過程における庁内横断的な内容の協議、精査が必要です。また公共事業の透明性を確保する上で、それらの内容についての情報公開も必要であると考えますが、見解を伺います。3事業者による景観シミュレーションが提出されていますが、視点場の設定が不適切であるとの疑問が市民から指摘されています。今後、景観行政の公正、透明な執行のために、景観シミュレーションについては、事業者本位のものとならないようなしくみが必要です。そのためには、市民参加による視点場の設定と現地調査の実施を行い、事業者が提出した景観シミュレーションについて行政の明確な根拠の提示を含め説明責任を行うなどの改善策が必要と考えますが、見解を伺います。4今回の都条例に基づく特定行為届出は、府中市土地利用調整審査会の最終答申の前に行われました。このことは、関係市区町村の法令との整合を無視し、地方自治体の主権を侵すものであるとも言えます。改正景観条例において事前協議制度がもりこまれていますが、今後関係市区町村の法令との整合をどのようにすすめるのか伺います。5今回、都条例に基づく特定行為届出の内容には、国分寺市長から出された意見書の内容が反映されていないなど、その適性には疑義があります。今回の届出の内容についての審査はどのような時間軸、組織で行われたのか、伺います。また今後届出内容の審査の透明性を確保するためには情報公開が不可欠であると考えますが、見解を伺います。6今回の事例は、PFI事業者と契約を結んだ後に府中市や東京都の条例に基づく手続きが行われ、内容についての変更がきかない状況でした。今後このようなことが生じないためには、計画段階からの市民、関係市区町村との協議、庁内調整を導入、徹底すること、さらには契約後においても見直しが可能であることを契約書に担保することが必要と考えますが、見解を伺います。平成19年第二回都議会定例会大西由紀子議員の文書質問に対する答弁書質問事項一多摩広域基幹病院新築計画について1多摩広域基幹病院のPFIによる整備は、要求水準書などの遵守すべき法令一覧に景観条例などの明記がなく、不備である。関係局間での協議内容と明記されていない理由について伺う。回答要求水準書に記載した関係法令等は、主な法令等を例示したものであり、関係する全ての法令等を示したものではありません。本事業を行うに当たっては、その他必要とされる関係法令及び指針等についても遵守するように明記しています。また、要求水準書の本文中では、「武蔵野台地の緑と、国分寺崖線の湧水等に十分配慮した、地球環境に優しい施設整備を目指す。」と記載しており、国分寺崖線景観基本軸を意識した提案を求めています。多摩広域基幹病院整備における要求水準書等の作成に当たっては、関係局間で届出等の内容について事前に協議を行っています。質問事項一の2今後の都立病院におけるPFI事業で、要求水準書などの不備を繰り返さぬためには、作成過程で庁内横断的な内容の協議、精査が必要である。また、透明性の確保のため、その内容の情報公開も必要と考えるが、見解を伺う。回答多摩広域基幹病院のPFI事業における要求水準書や実施方針については、本事業に関係する条例等の適用について関係局間で調整を行い、作成しています。「要求水準書」等これまでのPFI事業に関わる資料については、病院経営本部のホームページにおいて公開しています。今後とも、多摩広域基幹病院のPFI事業における取組の内容については、適切な情報公開に努めていきます。質問事項一の3事業者の景観シミュレーションは、視点場の設定が不適切との市民の指摘がある。今後、事業者本位にならないようなしくみが必要だ。市民参加などの改善策が必要と考えるが、見解を伺う。回答本建築計画は、国分寺崖線景観基本軸の区域内にあることから、都は、事業者に対して景観シミュレーションの実施を求め、周辺の史跡や崖線の低地部からの計画建築物の見え方を検討しました。視点場については、事業者が当初選定した数地点とともに、地元市から要望のあった地点及び都として重要と判断した地点を加えて設定しています。また、景観シミュレーションの結果については、現地においても確認し、景観形成上支障がないものと判断しています。今後とも、都の制度に基づき、大規模建築物等について、地域特性を踏まえた景観シミュレーションの実施を事業者に求め協議を行うなど、良好な景観形成を進めていきます。質問事項一の4今回の特定行為届出は、府中市の審査会の最終答申前に行われた。改正景観条例に事前協議制度がもりこまれているが、今後関係区市町村の法令との整合をどのように進めるのか伺う。回答平成19年4月から施行された改正東京都景観条例に基づく事前協議制度は、都市計画等に関する許認可権限と連動させた都独自の仕組みであり、その運用については、区市町村の条例等により拘束されるものではありません。なお、都は、東京都景観条例に基づく本建築計画の届出に際しては、従来からの他の案件と同様、地元自治体の意見も参考にして事業者と協議を行っており、府中市については、同市の土地利用調整審査会における審議状況も確認しながら事業者と協議を重ね、当該審査会の最終答申が出された後に、特定行為の届出を受理しています。質問事項一の5特定行為届出に国分寺市長の意見の反映がないなど、適性に疑義がある。届出の審査はどんな時間軸、組織で行われたのか、また、届出内容の審査の透明性のために情報公開が不可欠と考えるが、見解を伺う。回答特定行為届出書については、計画地所在地の区市町村の意見等を記載することとしています。都は、本建築計画について、計画地所在市に隣接する国分寺市における対応状況も踏まえ、平成18年6月から事業者と協議を進め、平成18年12月に病院棟の高さを低減させるなど、関係2市等の意見を適切に反映させた計画への変更を確認の上、特定行為の届出を受理しています。なお、特定行為に係る届出書は、東京都情報公開条例に基づき請求があった場合には、当該条例の規定に従い情報開示が可能です。質問事項一の6本事例は事業契約後に市や都の手続きが行われ変更がきかなかった。計画段階での市民などとの協議、庁内調整の導入、契約後でも見直し可能との契約書への担保が必要と考えるが、見解を伺う。回答今回の計画では、庁内及び府中市と事前に調整して要求水準書や実施方針を作成しました。また、平成18年12月の届出に対する府中市長から事業者への助言を受け、できる限りの配慮をするよう事業者を指導し、建築物の高さの低減や壁面等の緑化、駐車場や計画敷地の緑化などの変更による景観への配慮を行いました。契約書においても、内容を変更する場合には、事業者と協議の上、変更の内容に応じた費用負担を行うこととしています。平成19年第二回都議会定例会文書質問趣意書提出者石毛しげる質問事項一島しょ振興の取り組みについて一島しょ振興の取り組みについて1東京の島々は、自然豊富な広大な海に囲まれ、その海域は小笠原まで含め日本の排他的経済水域の約38パーセント(総面積405.7km)を占める。こうした状況の中で、島しょの優れた自然環境を生かし、島しょ産業振興として観光の果たす役割は大きい。又今、旅を通じて自然に対する理解を深めるエコツーリズムも提唱されている。島しょの観光振興を図るには、島の玄関口である港湾において、観光客の乗降の快適性や利便性の向上を図り、島のイメージをアップしていく必要がある。そこで、港湾局として、観光客の乗降の快適性や利便性の向上に、どのように対応してきているか。2港はまた、島への来訪者と島民が触れ合う交流の場でもある。観光客を呼び込む、賑わいのあるまちづくりに港の果たす役割は大きい。乗船、下船の際に、その玄関口となる船客待合所はなるべく船の停泊地に隣接し、観光客の利便性に考慮した配置や機能が求められる。港において、こうした観光振興に寄与するような様々な取り組みを促進することが必要と思われるが、どうか。平成19年第二回都議会定例会石毛しげる議員の文書質問に対する答弁書質問事項一島しょ振興の取り組みについて1島しょの観光振興を図るため、島の玄関口である港湾において、観光客の乗降の快適性や利便性の向上を図り、島のイメージアップをしていく必要がある。港湾局としてどう対応してきているのか伺う。回答都では、これまで、地元町村と協働で、魅力ある「島のみなとまちづくり」を進めており、岸壁の拡幅や船客待合所、臨港道路、駐車場の整備等、様々な取組を行ってきています。最近の具体的な例では、景観や乗降の快適性・利便性に配慮した日除け雨除け施設の整備、地元小中学生による岸壁への壁画、地元の花をデザインした灯台、足湯、鯨のモニュメントなどに取り組み、島のイメージアップを図っています。質問事項一の2港は、来訪者と島民が触れ合う交流の場であり、賑わいのあるまちづくりに港の果たす役割は大きい。観光客の利便性に考慮し、船客待合所を船の停泊地に隣接するなど、観光振興に寄与する取組が必要だが、所見を伺う。回答船客待合所は、台風や冬期風浪等の厳しい自然環境に対する安全を確保するとともに、来訪者が快適に利用できるよう整備を進めてきました。今後、こうした施設が、地元町村と一層連携して日常的かつ多目的に活用されることにより、よりにぎわいのあるまちづくりや観光振興に寄与できるものと考えています。神津島港では、船客待合所と村の離島体験交流施設とを合築して整備する予定で平成19年度工事に入ります。こうした取組により、村のイベントが開催される際に、船客待合所も活用できるなど、多目的な利用が可能となり、観光振興にも大いに寄与できるものと考えています。引き続き、他の島においても、地元町村と連携し、景観にも十分配慮した、にぎわいや観光振興にも寄与できる港湾施設の整備を進めていきます。平成19年第二回都議会定例会文書質問趣意書提出者清水ひで子質問事項一新銀行東京について一新銀行東京についてわが党は新銀行について、2006年3月期決算と新中期計画について明らかになり、都が出資した1千億円のほとんどが失われる事態となっている事に対し、代表質問で知事の責任を質し早期撤退を求めたが、知事は経営陣の責任であるといい、今後も経営を継続し充実していくなどと答弁した。そこで知事に「経営陣に責任を押しつける答弁は無責任ではないか」「金融庁の検査と指導を受ける」ことについて再質問を行いました。しかし、知事は全く答弁にたちませんでした。そこであらためて知事に伺うとともに、決算及び新中期計画の内容について質問します。1新銀行の破綻責任を経営陣にすべて押しつける答弁は無責任であり、トップダウンで銀行を設置し1千億円を投じた知事自身に最大の責任があるとは思わないのですか。2今回の決算内容は、民間銀行であれば、金融庁の業務改善命令が出されてもおかしくないとの専門家の指摘もあります。預金者保護、健全な経営の立場に立てば金融庁の検査と指導を受けるのは当然と思いますが、なぜ、要請しないのですか。3知事は「乾坤一擲」などと言っていますが、ギャンブルではありません。1千億円を失うことになったら、補償できるのですか、責任をとるんですか、それぞれ伺います。そもそも新銀行東京は、中小企業に役立つ金融機関として設立されたものですが、決算内容は、中小企業に役立つものとなっていないことが明らかです。また、新中期計画の方向も、資金の半分が国債などの中小企業融資以外の運用とされており、専門家や業者から疑問の声が上げられています。そこで、何点か伺います。ある業者の方は、「ホームページを見たところ、運転資金500万円、60ヶ月返済を金利12%以上、連帯保証、担保なしとあり、新銀行から融資を受けたが、実際には、金利が高い上、返済期間が短かった」、そこで、「返済期間をのばしてほしい」と要請したら、「機械が出したデーターなので認められない」、「借りるか借りないかだけ」だと有無を言わせない対応で話し合いの余地なしであった。その方は当座をしのがなければならないので、「街金よりましだから」と思い申請したが、やはり高い金利に耐えきれず、その後、他の金融機関から借りて一括返済したといいます。また、別の方は、1000万円の融資を申し込んだところ、金利年10%で2年の短期返済でしか認められなかった。借りた業者は、金利が高く短期返済だったため、「これは大変だ」と思い、他の金融機関から借り入れを起こして5ヶ月で返済したとのことです。さらに、古書販売業のかたは、350万円を金利年11%で借りたが、利息が毎月2万円で大変で、他の銀行から借り入れをして返済したいと思っているとのことです。以上のように、新銀行東京の提供する融資はいずれも短期、高金利で、中小業者に役立つものとなるどころか、困難に追い打ちをかけるケースも見られます。また、最近では、金利が一律14%の「わらしベローン」がラジオでも宣伝されています。4このような高金利をつづけるつもりなのですか。せめて、他銀行の市中金利なみの金利で中小企業に融資を提供するつもりはないのですか、伺います。5高コスト構造が問題となっていますが、銀行規模が信用金庫、中堅クラスでしかないのに、大企業や大手銀行が集まる大手町の一等地に本社を構えていることについて、わが党は第1回定例会で質したところです。大手町の本社を継続するつもりなのですか、伺います。6中小業者支援というならば、制度融資の充実や商工業支援を強化することが何より求められています。中小企業は、現在、政府系金融機関の統合などによる金融市場の縮小や、この10月から実施される部分保証制度をはじめとする国の責任共有制度導入によって、資金調達がいっそう困難となることが予想されており、都の制度融資の充実を切実に願っています。部分保証が実施されリスクに見合った金利及び保証料を徴求された場合、融資が受けられる企業は、事故率が少なく、金利や保証料の負担能力の高い業種や中小企業に対象が絞り込まれることになり、結果、経営難に苦しむ多くの中小企業が排除され、融資を拒絶される可能性が高くなることが予想されます。今、従業員20人以下の小企業の保証付融資利用率は54.6%過半となっている。部分保証の本格的導入や保証料率の引き上げの方向で見直しが図られるとすれば、中小企業金融の円滑化に多大な影響が及ぶことは必至です。ア保証協会と金融機関の責任共有等の信用保証制度の見直しにより、制度融資において変更や運営の困難を強いるものにならないよう全額保証の継続をはかること。イまた、制度融資を中小業者の返済能力にみあった低利の政策金利とすること、また、長期返済への改善をはかることを求めるものですが、どうか。7次に、NPOにたいする融資制度についてです。NPOにたいする融資制度の拡充が急がれています。介護保険事業では、株式会社コムスンが虚偽の申請内容により事業者指定を受けたことなど営利企業の参入拡大で、介護保険制度の問題点がふきだしています。しかし、少なくない小規模事業者は、介護保険法にもとづくサービスの提供、介護保険法にない内容の依頼にも相談にのり、お客様の満足のいくサービス提供で喜ばれています。ただ、訪問介護サービス事業にはサービス提供から国からの介護報酬の受け取りまでに3ヶ月近くかかります。十分な資金がなく設立しているところも多く、多くの事業所は常に資金難の状態におかれており、ボランティアの方々の献身的な活動に頼る形で運営されています。金融機関から融資を受けようとしても、断れてしまいます。こうした小規模事業所は、特定非営利活動促進法により法人格を得て、活動していますが、東京都は、2007年度の重点事業としたNPOにたいする融資制度は、こうした方々から大変歓迎されており、一日も早い実施が求められます。ところが、この制度は、3月26日には(株)新銀行東京が保証機関となって、6月1日から融資の受付を開始すると発表されましたが、6月末現在でも未だ受付が開始されておりません。東京都からの公式発表すら行われないという異常な事態になっています。ア重点事業として位置づけられ、6月1日から受付が開始される予定だったにもかかわらず、受付の開始が遅れていること、その事情すら公表されていないというのは、どういうことですか。早急に、事態の進捗状況を発表するよう求めます。新聞報道では、この融資制度について、「新銀行が提携先の信用金庫を中心に、融資制度への参加を働きかけてきたが、調整は難航」、「信用金庫にはNPOの審査ノウハウがなく融資体制が整う見通しの信金はわずか」などと報道されています。保証機関の公募についても、新銀行東京だけの応募でした。同様の融資制度をつくっている神奈川県では、融資の申し込み受け付けに際し、県の中小企業センターが現地調査を行う、県の認定委員会が融資対象の可否について審査する、融資対象として適している場合は県から認定通知書が送付されるなど、県が全面的なバックアップ体制をとっています。イ東京都においても、保証・審査を金融機関まかせにせず、都として保証、審査にかかわるなどして、早急に融資体制を整えるよう提案します。東京都の制度は、保証利率は保証機関が決めます。融資期間は5年以内。利率は金融機関が決めることになっています。一方、神奈川県の制度では、信用保証料はに対して0.8%、融資利率年2.1%(固定金利)、融資期間も7年です。ウ事業者が借りやすいように、制度の内容を改善するよう求めます。平成19年第二回都議会定例会清水ひで子議員の文書質問に対する答弁書質問事項一新銀行東京について1新銀行の破綻責任を経営陣にすべて押しつける答弁は無責任であり、トップダウンで銀行を設置し1千億円を投じた知事自身に最大の責任があると思わないのか。回答都は、あくまでも出資者であり、所有と経営の分離の原則の下に、経営については、経営者がその責任において、環境の変化等に柔軟に対応し、適切に行うべきものと考えています。質問事項一の2預金者保護、健全経営の立場に立てば、金融庁の検査と指導を受けるのは当然だが、なぜ要請しないのか伺う。回答銀行に対する検査等については、銀行法に基づき金融庁の判断により実施されるものです。質問事項一の3知事は「乾坤一擲」などと言っているが、ギャンブルではない。1千億円を失ったら補償できるのか、責任をとるのか、それぞれ伺う。回答都は、あくまでも出資者であり、所有と経営の分離の原則の下に、経営については、経営者がその責任において、環境の変化等に柔軟に対応し、適切に行うべきものと考えています。都は出資者として、新銀行東京が新経営陣の下で、収益面の改善を図りつつ、中小企業に対する金融支援を一層充実していくよう、働きかけを行っていきます。質問事項一の4新銀行の提供する融資は高金利であるが、これを続けるつもりか。せめて、他銀行の市中金利並みの金利で中小企業に融資を提供するつもりはないのか伺う。回答新銀行東京の貸出金利については、融資先企業の財務状況や借入期間等に基づき、銀行の判断により決定するものです。質問事項一の5高コスト構造が問題となっているが、大手町の一等地に構えている本社を継続するのか、伺う。回答新銀行東京の本部機能をどうするかについては、顧客サービス向上の観点を第一に、コスト面など総合的に勘案し、銀行が判断するものです。質問事項一の6中小企業支援についてア信用保証制度の見直しにより、制度融資において変更や運営の困難を強いるものにならないよう全額保証の継続を図ることを求めるが、どうか。回答都はこれまでも、制度の見直しに当たり、小規模企業や創業間もない企業をはじめ、経営基盤が脆弱な中小企業に対する金融機関の貸し渋りを招かないよう、十分な配慮を国に対し強く求めてきました。都においては、「小口資金融資」を創設するなどにより、制度融資利用者の4割程度については、これまでどおり信用保証協会による全部保証が維持されることとなりました。また、部分保証の対象となる「経営支援融資」を利用する小規模企業に対して、保証料の補助を実施するなど、東京信用保証協会等の関係機関と連携し、金融支援策の充実に努めています。質問事項一の6のイ制度融資を中小業者の返済能力に見合った低利の政策金利とし、また、長期返済への改善を図ることを求めるが、どうか。回答中小企業金融の円滑化のためには、金利水準だけでなく、迅速な融資手続や金融機関がスムーズに融資を実行できる貸付条件などにも配慮する必要があります。こうした考えから、都は原則3営業日内での保証審査により迅速な融資を可能とするメニューを用意するなど、円滑な資金供給に取り組んでいます。また、「経営支援融資」や「産業力強化融資」では、融資期間は最長10年と長期で、貸付利率も最高で2.2パーセント以内と低利な政策金利を適用しています。質問事項一の7NPOに対する融資制度についてアNPOに対する融資制度の1日も早い実施が求められているが、6月1日予定の受付開始が遅れ、その事情が未公表なのはなぜか。早急に事態の進捗状況を発表するよう求めるが、所見を伺う。回答NPO法人向け保証付融資の受付については、取扱金融機関の事務手続の都合等により、平成19年7月2日から開始しました。質問事項一の7のイ都も、融資の保証・審査を金融機関任せにせず、都として保証、審査にかかわるなど、早急に体制を整えるよう提案するが、どうか。回答NPO法人に対する融資については、信用保証制度を活用するなどして、自律的に資金供給が行われていくよう、金融機関の融資を促す必要があると考えます。このため、取扱金融機関がNPO法人に対する融資ノウハウを蓄積できるよう、信用保証を活用した融資制度を創設しました。質問事項一の7のウ事業者が借りやすいように、制度の内容を改善するよう求めるが、どうか。回答NPO法人に対する融資を実効性のあるものにするためには、幅広く資金供給が行われていくよう、信用保証制度を活用するなどして、金融機関の融資を促す必要があると考えます。こうした考え方に基づき、NPO法人が融資を受けやすくするための仕組みとして、都が保証料の一部を補助する保証付融資制度を創設しました。平成19年第二回都議会定例会文書質問趣意書提出者古館和憲質問事項一バードアイランド三宅島の復興を一バードアイランド三宅島の復興を三宅島は、富士箱根伊豆国立公園に指定され、全島が何らかの形で自然保護地区に指定されているなど、貴重な自然遺産となっています。しかも、三宅島は別名バードアイランドと呼ばれているように、鳥のさえずりがいたるところで聴こえ、アカコッコ館一帯では、ウグイスをはじめさまざまな鳥のさえずりがいっそう広がっている文字通りの鳥たちの聖地です。この6月13日、わが党都議団は三宅村が運営している「自然ふれあいセンター『アカコッコ館』」を訪ねて、専門のレンジャーの方々と懇談する機会を得ました。案内リーフでは「三宅島の特色ある自然を生かし、自然とのふれあいを深め、そして自然保護、環境教育の拠点とするために一九九三年に三宅村が三宅島野鳥公園の中心施設として整備されたもの」と記されています。この「アカコッコ館」では、「日本野鳥の会」の専門のレンジャーが常駐しており、その方々から直接お話をうかがうことができました。三宅島には250種の野鳥の生息が観測されており、火山災害を受けながらも人々の安らぎと生きる勇気を与えていることも確認することができました。とりわけ、三宅の象徴ともされている貴重な鳥として世界的にも知られているアカコッコは、伊豆諸島とトカラ列島でのみ繁殖する日本固有のツグミの仲間で、国の天然記念物であるとともに、絶滅危惧種の1B類と、もっとも絶滅の恐れが高いものとして指定され、その保護が喫緊の課題となっているのです。海外からも研究者をはじめ、多くの人々が三宅島を訪れ、5月、6月は来島者の8割から9割がバードウォッチングに来る方々だとのことです。その三宅島では、現在、公道レースは断念にいたったものの、石原知事のトップダウンでバイクイベントが計画されています。また、最近、発表された「三宅島バイク・フェスタ案」では、三宅島を「バイクアイランド」とすることがうたわれています。しかし、バイクアイランドということになれば、公道だけでなく農道や細い道路をモトクロスのようにバイクが走り回ることが容易に考えられ、野鳥の安息の場が失われ、深刻な自然破壊を引き起こすことにつながりかねません。よって、以下、答弁を求めます。1島外からのオートバイの増加が、もたらす野島への影響や三宅島の自然破壊についてどう考えているのか。2公道レースはいかなる形でも実施しないことはもちろん。自然保護の観点から、「バイクアイランド」を目的としたバイクイベントの企画そのものについて抜本的に見直すことが必要と考えられるが、どうか。3アカコッコに象徴されるバードアイランド三宅島の広報・宣伝や、「アカコッコ館」を設置、運営している三宅村の自然保護の取組みに対する財政支援など、都として支援を強めること。4「野鳥の会」などの自然保護にとりくむ団体などへの支援を強めること。5都内の小・中・高校生たちが、火山とともにそこで共生している鳥たちとの自然に触れるとりくみなどを奨励するとともに、渡航費用の軽減などの支援をおこなうことなども、意義ある取組みと思うが、どうか。平成19年第二回都議会定例会古館和憲議員の文書質問に対する答弁書質問事項一バードアイランド三宅島の復興を1島外からのオートバイの増加がもたらす野鳥への影響や三宅島の自然破壊についてどう考えているのか、所見を伺う。回答オートバイ愛好者の来島が激増し、島の自然環境に影響を及ぼすおそれがあると考えられるような事態が生じた場合には、三宅村において、貴重な島の自然を守るために、適切な対応をとるものと考えます。質問事項一の2公道レースはいかなる形でも実施しないことはもちろん、自然保護の観点からバイクイベントの企画について抜本的に見直すべきだが、どうか。回答バイクイベントは、島の復興に向けた起爆剤となるよう、オートバイを核として島への関心を高め、年間を通じた来島者の増加を図るために開催するものです。現在、NPO法人と三宅村が中心となり、多くの人が楽しめる魅力あるものとなるよう、イベントの内容を検討しています。都としても、このイベントの成功に向け全力で支援していきます。質問事項一の3バードアイランド三宅島の広報・宣伝や、三宅村の自然保護の取組に対する財政支援など、都の支援を強めるべきだが、所見を伺う。回答アカコッコ館の再開及び運営をはじめ、三宅村の自然保護の取組に対しては、三宅島災害復旧・復興特別交付金の交付等により支援を行っています。質問事項一の4野鳥の会などの自然保護に取り組む団体などへの支援を強めるべきだが、所見を伺う。回答東京における自然の保護と回復を図るためには、行政、都民、企業等の様々な主体が協働して取り組んでいくことが重要です。そこで、都は、自然保護に取り組む団体等の自主的・継続的な活動を促進するため、ホームページを活用してボランティア活動を希望する都民との仲介を行うとともに、求めに応じて指導者の紹介等を行っています。さらに、鳥獣保護の分野では、傷病を負った野生動物の保護や鳥獣保護の普及啓発などについて、「日本野鳥の会」などの自然保護団体等と連携して実施しており、今後も引き続き協働して取り組んでいきます。質問事項一の5都内の小・中・高校生が、火山とともにそこで共生している鳥たちとの自然に触れる取組などの奨励や渡航費用の軽減などの支援なども意義ある取組と思うが、どうか。回答三宅島の自然に触れる体験学習等の実施については、各学校等がそれぞれの教育方針に基づき、主体的に判断すべきものです。都として、渡航費用の軽減措置等の支援は考えていません。平成19年第二回都議会定例会文書質問趣意書提出者吉田信夫質問事項一ワンダーサイト事業の抜本的見直しについて一ワンダーサイト事業の抜本的見直しについて石原知事によるワンダーサイト事業にみられる異常なまでの四男重用は、都政を私物化するものとして、超豪華海外出張での税金浪費の問題とともに都民から厳しい批判がよせられました。先の都知事選挙では、石原知事は「説明不足」という限定的いいかたであるものの、都民にたいし「反省」を強調せざるをえませんでした。都民は、知事の「反省」という発言がいかに実行されているのか注目しており、知事の態度が問われています。こうした観点から、ワンダーサイト事業について、人事やあり方の抜本的見直しをどのようにすすめていくのか、何点かうかがいます。1知事は、知事選のなかで「反省」を強調したにもかかわらず、選挙直後から「根も葉もないアンフェアなバッシングがあった」と繰り返しのべています。そうした態度に、マスコミからも「反省の弁」は「本当か、ただの演出だったのか」などの疑問の声があがりました。ワンダーサイト事業は、その立ち上げから館長などの人選、さらに「能オペラ」の企画をはじめ運営に知事の四男が深くかかわって進められました。また四男のために架空の肩書きで名刺を発注し、公共芸術分野の代表として四男を国際会議の代表にし、ダボス会議での「東京ナイト」(知事主催レセプション)の背景画を四男に発注し公費による海外出張まで行わせるなど、異常なまでの四男優遇策がとられました。こうした点について、わが党だけでなく、マスコミからも批判があたったのは当然のことです。選挙での「反省」はいつわりだったのですか、わが党やマスコミからの批判のどの点が「根も葉もないアンフェアなバッシング」といのですか、四男と今村夫妻を重用した都政私物化はなかったというのですか、お答えください。2ワンダーサイト事業は、企画した「能オペラ」は準備の不十分から中止となりそのために財政補填を余儀なくされるという事態や、館長らの飲食にまで公費を使うなど、きわめて乱脈な運営が行われてきました。知事自身も運営に不十分な点があったことは認めざるをえませんでした。乱脈な運営は、何よりも館長、副館長(当時)によって行われたものであり、その責任は見過ごせません。人事の刷新をはかるべきです。3館長、副館長の人事は、事実上知事のトップダウンによって行われたものであり、知事の責任が問われる問題です。4ワンダーサイト館長の今村有策氏は、知事によって参与にも委嘱され月額33万円の報酬が支払われています。参与に委嘱するなら、専門分野での深い造詣と豊かな経験が当然求められます。しかも、委嘱を継続するなら、それまでの委嘱をうけた期間における助言等の実績が問われなければなりません。今村氏は、ワンダーサイト館長としての乱脈な運営を進めた責任こそ問われるべきであり、参与として継続することに都民の理解は到底得られないものです。にもかかわらず知事は、3期目のスタートとともに、今村氏を文化分野での助言者として参与に委嘱しました。過去1年間の委嘱期間に、知事にたいし、どのような助言をおこなってきたのか、その経過、実績について示していただきたい。また、ワンダーサイトをめぐる運営の責任からみても、参与継続の資格はないと思いますが、どのように判断したのですか。5ワンダーサイト事業のあり方も抜本的な再検討が必要と考えます。ワンダーサイトは本郷での若手芸術家育成のための展覧会場の提供からスタートしましたが、その後おもに企画展をすすめる渋谷、昨年には海外芸術家の滞在施設としての青山が開設されました。しかし実際の利用状況をみると、公費による展開でありながら、入場者は少なく、施設の利用者も少ない状況が見られます。現状をまず、明らかにし、3施設のあり方の抜本的再検討が必要と考えます。そこで、今年1月から5月末までの5ヶ月における、3施設それぞれの1日当たり入場者数(重複はさけ)、公募による若手芸術家展示会の回数、さらに青山での海外芸術家の滞在者数、のべ利用回数、宿泊施設の稼動率を示していただきたい。また、海外芸術家にたいし往復旅費を支出した事例があれば、事例とその理由、支出した費用を示していただきたい。6都は、ワンダーサイトについて既存の3施設についで、第4の施設まで準備をしていますが、いまなすべきことは、新たな拡大は中止し、ワンダーサイト事業全体の再検討を行うことです。若手芸術家育成の事業では、この分野で豊かな実績をもち、専門的人材も有する都立現代美術館の役割が重要です。ワンダーサイト事業は現代美術館事業に統合し、これ以上の税金のムダ使いはやめるべきではありませんか。平成19年第二回都議会定例会吉田信夫議員の文書質問に対する答弁書質問事項一ワンダーサイト事業の抜本的見直しについて1知事は選挙で反省を強調したが、選挙直後から疑問の声がある。反省はいつわりなのか、批判のどこが根も葉もないバッシングなのか、四男などを重用した都政私物化はなかったのか、伺う。回答トーキョーワンダーサイトの運営については、立ち上がり当初には若干の混乱もあり、都民の皆様に誤解を招いた点もありましたが、組織、人事を順次、強化することですでに改善しており、お話しのような、都政私物化にあたる事実はありません。質問事項一の2ワンダーサイト事業は、館長らの飲食に公費を使うなど、きわめて乱脈な運営が行われてきた。これは館長などが行ったものであり、その責任は見過ごせない。人事の刷新をはかるべきだが、見解を伺う。回答トーキョーワンダーサイト事業については、東京都歴史文化財団に事業移管するなど、運営の改善を図っており、これまでの事業の実施においても、不適正な支出がなかったことを、調査の上、確認しています。さらに、平成19年1月以降、組織、人事体制を整備したほか、学識経験者等からなる、トーキョーワンダーサイト運営諮問委員会や、滞在アーティスト選考委員会を設置するなど、着実な事務事業執行体制の構築を図っています。引き続き、事業の積極的かつ適正な運営に努めていきます。質問事項一の3館長、副館長の人事は、事実上知事のトップダウンで行われたものであり、知事の責任が問われる問題だが、どうか。回答館長の今村有策氏は、建築家として、これまで、美術館等の基本設計や運営コンセプトの構築に関わってきた経験を有しています。館の運営に当たっては、豊富な知識や発想、行動力などを発揮して、新しい試みを積極的に行っており、若手芸術家の育成に取り組んでいます。民間の優秀な人材を知事の責任で任命し、都政に役立てていくのは当然のことと考えています。質問事項一の4参与には専門分野の造詣などが求められる。今村氏の過去一年の委嘱期間における実績などを示してほしい。また、ワンダーサイト運営の責任から参与継続の資格はないと思うが、どう判断したのか伺う。回答参与の今村有策氏は、平成18年度において、東京都文化振興指針の策定、指針を踏まえた重点事業の計画策定、東京芸術文化評議会の新規設置など、文化政策のための助言・進言等を行いました。今後も、「10年後の東京」の実現に向けた文化政策のあり方や、重点事業の実施・見直しなどについて、文化施策に知見を有する今村参与の助言・進言等が必要であると判断しています。質問事項一の5ワンダーサイト事業のあり方も抜本的見直しが必要と考える。1月から5月末までの1日あたり入場者数などを示してほしい。また、海外芸術家への往復旅費支出事例の内容を示してほしい。回答平成19年1月から5月末までにおける、本郷の開館日数は96日、入場者数は3,310人、1日当たりの入場者数は約34人、渋谷の開館日数は103日、入場者数は6,712人、1日当たりの入場者数は約65人、青山は基本的に展示施設ではありませんが、アーティストトークなどの事業の開催日数は24日、入場者数は467人、1日当たりの入場者数は約19人です。また、同期間における公募による若手芸術家展示会の回数は、本郷が3回、渋谷が1回です。青山は開設して間もないこともあり、同期間の芸術家の滞在者数は海外芸術家25人を含む30人で、延べ利用回数は416回、宿泊施設の理論上の最大利用可能回数2,416回に占める利用率は約17パーセントとなっていますが、4月以降に限った利用率は約23パーセントと上昇傾向にあります。同期間における海外芸術家に対する旅費については、滞在・交流拠点事業と協働スタジオプログラム事業、二国間交流プログラム事業で支出していますが、いずれも、トーキョーワンダーサイトの実施する事業において、ワークショップやイベント等の滞在・交流事業を行った芸術家13人に対して支出したもので、旅費の合計金額は約207万円です。質問事項一の6ワンダーサイト事業の新たな拡大は中止し、事業全体の再検討を行うべき。ワンダーサイト事業は現代美術館事業に統合し、これ以上税金の無駄遣いはやめるべきではないか、見解を伺う。回答トーキョーワンダーサイトでは、まだ評価の定まっていない若手作家の発掘・育成に取り組んでおり、一定の評価を得ている作家・作品を扱う既存の美術館等とは異なる役割を果たしています。都の遊休施設を使ってスタートしたトーキョーワンダーサイトは、今や国際的にも注目される活動拠点になり、ここから、海外で活躍したり、作品に市場で値段がつく作家も出てくるなど、着実に成果が上がっています。平成18年に開設した青山の施設においても、海外のアーティストも呼び込んで交流を始めており、今後ともトーキョーワンダーサイトを東京の文化発信の先鋒として、積極的に事業展開していきます。
2024-03-31T11:22:40.556314Z
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--- title: 平成19年_第3回定例会(第12号) 名簿・議事日程 # 平成十九年九月十九日(水曜日)出席議員百二十六名一番遠藤守君二番伊藤興一君三番米沢正和君四番鈴木章浩君五番きたしろ勝彦君六番後藤雄一君七番福士敬子君八番伊沢けい子君九番そなえ邦彦君十番西崎光子君十一番西岡真一郎君十二番伊藤ゆう君十三番原田大君十四番河野百合恵君十五番小竹ひろ子君十六番松葉多美子君十七番大松成君十八番中山信行君十九番高倉良生君二十番田中たけし君二十一番神林茂君二十二番早坂義弘君二十三番高木けい君二十四番崎山知尚君二十五番宇田川聡史君二十六番高橋信博君二十七番原田恭子君二十八番佐藤広典君二十九番尾崎大介君三十番山口拓君三十一番伊藤まさき君三十二番松下玲子君三十三番野上ゆきえ君三十四番たぞえ民夫君三十五番村松みえ子君三十六番橘正剛君三十七番上野和彦君三十八番吉倉正美君三十九番谷村孝彦君四十番村上英子君四十一番鈴木あきまさ君四十二番秋田一郎君四十三番山加朱美君四十四番串田克巳君四十五番吉原修君四十六番山田忠昭君四十七番田代ひろし君四十九番山口文江君五十番今村るか君五十一番吉田康一郎君五十二番斉藤あつし君五十三番泉谷つよし君五十四番くまき美奈子君五十五番大西さとる君五十六番増子博樹君五十七番かち佳代子君五十八番植木こうじ君五十九番野上純子君六十番東村邦浩君六十一番長橋桂一君六十二番小磯善彦君六十三番三宅茂樹君六十四番高島なおき君六十五番鈴木一光君六十六番菅東一君六十七番石森たかゆき君六十八番矢島千秋君六十九番鈴木隆道君七十番こいそ明君七十一番倉林辰雄君七十二番遠藤衛君七十三番大西由紀子君七十四番いのつめまさみ君七十五番門脇ふみよし君七十六番小沢昌也君七十七番石毛しげる君七十八番岡崎幸夫君七十九番柿沢未途君八十番清水ひで子君八十一番古館和憲君八十二番松村友昭君八十三番東野秀平君八十四番ともとし春久君八十五番鈴木貫太郎君八十六番石川芳昭君八十七番三原まさつぐ君八十八番田島和明君八十九番林田武君九十番野島善司君九十一番高橋かずみ君九十二番樺山たかし君九十三番新藤義彦君九十四番古賀俊昭君九十五番立石晴康君九十六番桜井武君九十七番初鹿明博君九十八番酒井大史君九十九番花輪ともふみ君百番大津浩子君百一番大塚たかあき君百二番相川博君百三番中村明彦君百四番曽根はじめ君百五番大山とも子君百六番藤井一君百七番中嶋義雄君百八番木内良明君百九番石井義修君百十番宮崎章君百十一番服部ゆくお君百十二番川井しげお君百十三番吉野利明君百十四番野村有信君百十五番比留間敏夫君百十六番佐藤裕彦君百十七番川島忠一君百十八番内田茂君百十九番三田敏哉君百二十番馬場裕子君百二十一番大沢昇君百二十二番山下太郎君百二十三番土屋たかゆき君百二十四番田中良君百二十五番名取憲彦君百二十六番吉田信夫君百二十七番渡辺康信君欠席議員なし欠員四十八番出席説明員知事石原慎太郎君副知事谷川健次君副知事菅原秀夫君副知事山口一久君副知事猪瀬直樹君教育長中村正彦君知事本局長大原正行君総務局長押元洋君財務局長村山寛司君主税局長熊野順祥君警視総監矢代隆義君生活文化スポーツ局長渡辺日佐夫君都市整備局長只腰憲久君環境局長吉川和夫君福祉保健局長安藤立美君産業労働局長佐藤広君建設局長道家孝行君港湾局長津島隆一君会計管理局長三枝修一君交通局長島田健一君消防総監小林輝幸君水道局長東岡創示君下水道局長前田正博君青少年・治安対策本部長久我英一君東京オリンピック招致本部長荒川満君病院経営本部長秋山俊行君中央卸売市場長比留間英人君選挙管理委員会事務局長梶原康二君人事委員会事務局長矢口幸一君労働委員会事務局長有留武司君監査事務局長白石弥生子君収用委員会事務局長中田清己君九月十九日議事日程第一号第一第百五十六号議案平成十九年度東京都一般会計補正予算(第二号)第二第百五十七号議案特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例第三第百五十八号議案市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例第四第百五十九号議案東京都立学校設置条例の一部を改正する条例第五第百六十号議案都市計画法に規定する開発許可等の基準に関する条例の一部を改正する条例第六第百六十一号議案東京都建築安全条例の一部を改正する条例第七第百六十二号議案東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例第八第百六十三号議案東京都看護師等修学資金貸与条例の一部を改正する条例第九第百六十四号議案東京都認定こども園の認定基準に関する条例の一部を改正する条例第十第百六十五号議案旅館業法施行条例の一部を改正する条例第十一第百六十六号議案プール等取締条例の一部を改正する条例第十二第百六十七号議案東京都産業労働局関係手数料条例の一部を改正する条例第十三第百六十八号議案緑の東京募金基金条例第十四第百六十九号議案温泉法に基づく温泉の保護に係る手数料に関する条例の一部を改正する条例第十五第百七十号議案東京都公営企業職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部を改正する条例第十六第百七十一号議案警視庁の設置に関する条例の一部を改正する条例第十七第百七十二号議案東京都医学系総合研究所(仮称)(H十九)I期新築工事請負契約第十八第百七十三号議案都立永福学園養護学校(H十九)増築工事請負契約第十九第百七十四号議案妙正寺川整備工事(激特一)請負契約第二十第百七十五号議案妙正寺川整備工事(激特二)請負契約第二十一第百七十六号議案妙正寺川整備工事(激特四)請負契約第二十二第百七十七号議案公立大学法人首都大学東京中期目標の変更について第二十三第百七十八号議案公立大学法人首都大学東京定款の変更について第二十四第百七十九号議案公立大学法人首都大学東京が徴収する料金の上限の認可について第二十五第百八十号議案公立大学法人首都大学東京に対する出資について第二十六第百八十一号議案道路標識設置等工事に係る損害賠償請求訴訟事件に関する和解について第二十七第百八十二号議案土地及び建物の売払いについて第二十八第百八十三号議案東京都江戸東京博物館外二施設の指定管理者の指定について第二十九第百八十四号議案東京文化会館の指定管理者の指定について第三十第百八十五号議案職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例第三十一地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京大気汚染訴訟の和解に関する報告及び承認について議事日程第一号追加の一第一東京都名誉都民の選定の同意について(一九財主議第二三二号)第二東京都名誉都民の選定の同意について(一九財主議第二三三号)第三東京都名誉都民の選定の同意について(一九財主議第二三一号)議事日程第一号追加の二第四議長辞職第五議長選挙第六副議長辞職第七副議長選挙
2024-03-31T11:22:41.204575Z
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--- title: 平成19年_第4回定例会(第19号) 本文 # 午後一時開議 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)これより本日の会議を開きます。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)まず、議事部長をして諸般の報告をいたさせます。 # 議事部長(大村雅一君) 議事部長(大村雅一君)知事より、平成十九年第二回定例会において採択された請願・陳情の処理経過及び結果について報告がありました。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)次に、日程の追加について申し上げます。議員より、議員提出議案第二十五号、硫黄島旧島民の宿泊墓参への支援に関する意見書外意見書三件、決議一件、委員会より、都立梅ヶ丘病院の存続と小児医療の充実に関する請願外請願八件、陳情十件の委員会審査報告書がそれぞれ提出されました。これらを東京都選挙管理委員及び同補充員の選挙の件とあわせて本日の日程に追加いたします。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)次に、文書質問について申し上げます。お手元配布の文書質問事項表のとおり、質問の通告がありました。本件は、直ちに執行機関に送付いたしておきました。なお、本件答弁書は、速やかに提出されるよう希望いたしておきます。文書質問事項表┌┬┐│氏名│件名│├┼┤│後藤雄一君│一方通行・入り口の交通標識│││についてほか│├┼┤│そなえ邦彦君│都の景観行政について│├┼┤│小竹ひろ子君│築地市場の豊洲移転問題につ│││いて│├┼┤│村松みえ子君│東村山三・四・一一号線につ│││いてほか│├┼┤│斉藤あつし君│都営住宅の課題についてほ│││か│├┼┤│かち佳代子君│中小企業支援について│├┼┤││小笠原における東京都版エコ││石毛しげる君│ツーリズムと世界自然遺産登│││録について│├┼┤││横田基地の「軍民共用化」を││古館和憲君│撤回し、基地の全面返還を求│││めよ│└┴┘ # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)これより日程に入ります。日程第一から第三十七まで、議員提出議案第三号、東京都政務調査費の交付に関する条例の一部を改正する条例外議案三十六件を一括議題といたします。本案に関する委員会審査報告書は、お手元に配布いたしてあります。朗読は省略いたします。議会運営委員会議案審査報告書議員提出議案第三号東京都政務調査費の交付に関する条例の一部を改正する条例本委員会は、三月九日付託された右議案を審査の結果、原案を否決すべきものと決定したので報告します。平成十九年十二月十八日議会運営委員長吉野利明東京都議会議長比留間敏夫殿財政委員会議案審査報告書第二百十一号議案平成十九年度東京港臨海道路(II期)中防側アプローチ橋りょう鋼けた製作・架設工事請負契約本委員会は、十二月十二日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。平成十九年十二月十七日財政委員長鈴木あきまさ東京都議会議長比留間敏夫殿財政委員会議案審査報告書第二百七号議案東京都医学系総合研究所(仮称)(H十九)I期新築電気設備工事請負契約第二百八号議案東京都医学系総合研究所(仮称)(H十九)I期新築空調設備工事請負契約第二百九号議案富士見橋鋼けた製作・架設工事請負契約本委員会は、十二月十二日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。平成十九年十二月十七日財政委員長鈴木あきまさ東京都議会議長比留間敏夫殿文教委員会議案審査報告書第百九十七号議案都立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例本委員会は、十二月十二日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。平成十九年十二月十七日文教委員長古館和憲東京都議会議長比留間敏夫殿環境・建設委員会議案審査報告書第二百二号議案東京都立公園条例の一部を改正する条例本委員会は、十二月十二日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。平成十九年十二月十七日環境・建設委員長谷村孝彦東京都議会議長比留間敏夫殿警察・消防委員会議案審査報告書第二百三号議案公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例の一部を改正する条例第二百四号議案性風俗営業等に係る不当な勧誘、料金の取立て等及び性関連禁止営業への場所の提供の規制に関する条例の一部を改正する条例第二百五号議案東京都安全・安心まちづくり条例の一部を改正する条例第二百六号議案警視庁関係手数料条例の一部を改正する条例本委員会は、十二月十二日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。平成十九年十二月十四日警察・消防委員長串田克巳東京都議会議長比留間敏夫殿総務委員会議案審査報告書第百八十六号議案職員の給与に関する条例の一部を改正する条例第百八十七号議案東京都の一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例第百八十八号議案東京都の一般職の任期付研究員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例第百八十九号議案職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例第百九十号議案職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例第百九十一号議案東京都職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例本委員会は、十二月十二日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。平成十九年十二月十四日総務委員長酒井大史東京都議会議長比留間敏夫殿文教委員会議案審査報告書第百九十二号議案東京都育英資金条例の一部を改正する条例第百九十三号議案東京都私立学校教育助成条例の一部を改正する条例第百九十四号議案学校職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例第百九十五号議案学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例第百九十六号議案都立学校等に勤務する講師の報酬等に関する条例の一部を改正する条例本委員会は、十二月十二日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。平成十九年十二月十七日文教委員長古館和憲東京都議会議長比留間敏夫殿財政委員会議案審査報告書第二百十号議案瑞穂大橋鋼けた製作・架設工事請負契約第二百十二号議案当せん金付証票の発売について本委員会は、十二月十二日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。平成十九年十二月十七日財政委員長鈴木あきまさ東京都議会議長比留間敏夫殿厚生委員会議案審査報告書第百九十八号議案東京都児童相談所条例の一部を改正する条例第百九十九号議案東京都心身障害者扶養共済制度条例第二百号議案大気汚染に係る健康障害者に対する医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例本委員会は、十二月十二日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。平成十九年十二月十七日厚生委員長野上純子東京都議会議長比留間敏夫殿経済・港湾委員会議案審査報告書第二百一号議案東京都海上公園条例の一部を改正する条例本委員会は、十二月十二日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。平成十九年十二月十三日経済・港湾委員長増子博樹東京都議会議長比留間敏夫殿環境・建設委員会議案審査報告書第二百十三号議案東京都立小峰公園の指定管理者の指定について第二百十四号議案東京都立明治公園外一公園の指定管理者の指定について第二百十五号議案東京都立大神山公園の指定管理者の指定について第二百十六号議案東京都立横網町公園の指定管理者の指定について本委員会は、十二月十二日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。平成十九年十二月十七日環境・建設委員長谷村孝彦東京都議会議長比留間敏夫殿公営企業委員会議案審査報告書第二百十七号議案東京都水道事業の事務の委託の廃止及び八王子市公共下水道使用料徴収事務の受託について第二百十八号議案東京都水道事業の事務の委託の廃止及び立川市公共下水道使用料徴収事務の受託について第二百十九号議案東京都水道事業の事務の委託の廃止及び町田市公共下水道使用料徴収事務の受託について第二百二十号議案東京都水道事業の事務の委託の廃止及び国分寺市公共下水道使用料徴収事務の受託について第二百二十一号議案東京都水道事業の事務の委託の廃止及び福生市公共下水道使用料徴収事務の受託について本委員会は、十二月十二日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。平成十九年十二月十四日公営企業委員長初鹿明博東京都議会議長比留間敏夫殿 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)これより討論に入ります。討論の通告がありますので、順次発言を許します。二十五番宇田川聡史君。〔二十五番宇田川聡史君登壇〕 # 二十五番(宇田川聡史君) 二十五番(宇田川聡史君)私は、東京都議会自由民主党を代表して、今定例会に提案された全議案について原案に賛成し、議員提出第三号議案に反対する立場から討論を行います。今月十一日、石原知事は、福田首相と異例ともいえる会談を行い、都の法人事業税のうち約三千億円分を地方法人特別税として国税に移転することを受諾されました。この間、国が行おうとしてきた不合理な税財政制度の見直しに対し、都は反論書等で理論武装するとともに、我が党も、都選出国会議員を中心に、東京の財源を守るPTを立ち上げ、東京の財政需要への理解を訴えてまいりました。三千億円という巨額な歳入が見込めないことで、都財政に大きな影響があるのは否めませんが、当初いわれた額から大幅に抑え込み、税制の抜本的改革までの暫定措置とさせるとともに、東京都が進めている重要施策の実現に最大限協力すると国に確約をさせました。これは、現在の国や地方財政が置かれている現状の中で、極めて冷静で現実的な対応であり、都民と日本の繁栄を願う首都東京の代表にふさわしい大局的な判断であると評価をするものです。特に、首都東京の形をつくるため、都と国で協議機関を設置することを首相と知事が合意したことは画期的なことであります。ここにおいて、首都機能移転論議は、事実上終止符を打ったと理解すべきではないでしょうか。また、東京オリンピックの招致については、既にナショナルイベントに位置づけられてはいますが、国とも一体となった招致活動が加速するものと期待をしております。先月十九日に発表された東京オリンピック・パラリンピック開催基本計画では、開催意義について、スポーツを通じて人々に夢と希望を与え、都市を躍動させる、新しい都市モデルを提案し、地球環境を再生すると掲げています。同じ日に開催された決起集会では、招致議連から、都民、国民の熱い声援がこもった三十万名を超える署名を知事にお届けしたところであります。しかるに、一部の会派は、このような地球の未来に向けた皆の願いを殊さらに矮小化し、後ろ向きの議論に終始をしております。今週の土曜日、待望の首都高速中央環状新宿線が開通します。これに先立ち、今月八日と九日、トンネル内を一般公開し、二万五千人の家族連れなどが訪れました。やがて地上部には、電柱がない広々とした歩道と緑の街路樹が連なる山手通りが完成し、交通の円滑化と安全、快適性を備えたまちに生まれ変わります。この姿は、「十年後の東京」構想に示された都市モデルの一端を示すものです。東京オリンピックの目指す、人を育て、緑を守り、都市を躍動させるオリンピックのコンセプトを原動力として「十年後の東京」を実現させ、地球温暖化と闘っている世界の都市に貢献していこうではありませんか。次に、保健福祉関係について何点か申し上げます。最初に、がん対策についてであります。知事は、がんと闘う都民が広く最高水準の医療を受けられるよう、都独自の認定病院制度を創設することを明らかにいたしました。これは、大都市東京の持てる力を存分に引き出し、都民に安心をもたらす制度であり、大いに評価するものです。今後は、この認定病院や連携拠点病院を十分に活用し、放射線療法や化学療法の普及推進を図るとともに、地域の医療機関との連携を強化し、医師を初めとするがん医療を担う人材育成にも積極的に取り組むべきです。次に、後期高齢者医療制度における広域連合等への支援についてであります。先月の我が党の要望に基づき、都が財政支援などの検討に着手したことは、将来の安定した医療の確保に向け、大いなる後押しとなるものです。今後は特に、都民に対して丁寧かつ十分な説明を行うことを求めます。次に、認証保育所について申し上げます。都は、独自の認証保育所制度を創設し、都民の支持を得て大きな成果を上げてきました。この認証保育所について、日本共産党は、都が既に立入調査を実施し、指導を行った一施設の事例を取り上げ、営利企業の運営する保育所には問題があるなどと、まるで鬼の首でもとったような主張を繰り返しました。殊さらに騒ぎ立てることは、粛々と進めている調査や指導に混乱を与えるだけでなく、現に利用している保護者や都民にいたずらに誤解と不安を与え、子どものために真摯に努力している他の事業者を愚弄するものであります。都には引き続き、多様な保育ニーズにこたえる認証保育所の拡充と事業所への適切な指導を要望するとともに、日本共産党には公党として常識ある対応を求めるものです。最後に、東京都政務調査費の交付に関する条例の一部を改正する条例について申し上げます。この改正条例案では、政務調査費の使途に係る透明性を確保するためとして、収支報告書に領収書等の添付を義務づけようとするものです。使途の透明性の向上が大切なことは論をまたないところです。しかしながら、これまで政務調査費については、さまざまな課題があり、慎重かつ総合的な検討が必要であるとして、我が党は民主党及び公明党とともに継続審査とし、一方で、三会派で検討を重ねてきました。さらに、都議会として幅広く検討すべく、都議会のあり方検討委員会が議会運営委員会理事会のもとに設置されたところです。都議会のあり方検討委員会は、使途の透明性の向上も含め、都民への説明責任の向上の観点から、幅広くかつ踏み込んだ議論をする場と考えております。条例改正の方向、内容については、この検討委員会の中での議論を踏まえる必要があることは当然と考えます。したがって、検討委員会での議論を経ていない段階での条例案については、現時点では反対せざるを得ません。いうまでもなく、この検討委員会は全会派から成る検討組織であり、共産党も参加をしております。検討とは、議論を重ね、現実的な合意点を見出すことです。各会派が立場を超えて同じテーブルに着いてこそ、幅広くかつ真摯な議論ができるのです。政務調査費については、議員の職責、職務を踏まえた政務調査活動のあり方、社会通念上妥当な使途基準について会派共通のルールづくり、議員活動の自主性、自立性の確保と使途の透明性の向上の調和、使途基準に沿って適正に行われていることをチェックする仕組みづくりなど、多くの検討課題があると考えております。日本共産党は、本条例案に固執をすることなく、議会内の問題を他会派とともに真に解決しようとする姿勢を持つべきであるということを強く申し上げ、討論を終わります。(拍手) # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)十二番伊藤ゆう君。〔十二番伊藤ゆう君登壇〕 # 十二番(伊藤ゆう君) 十二番(伊藤ゆう君)私は、都議会民主党を代表して、議員提出議案第三号に反対、第百八十六号議案、職員の給与に関する条例の一部を改正する条例外知事提出議案に賛成の立場から討論を行います。まず、銃規制について申し上げます。今定例会の期間中、銃に関する事件が相次いで起こりました。一つは、十二月九日、私の地元目黒区で、銃の手入れをしていた方が目を離したすきに、五歳の長男が誤って引き金を引き、二歳の男の子が亡くなるという事件でございます。銃を使用しないときは、銃と実弾とを別々のところに保管しなければならず、狩猟で使用する場合や射撃場などで発射するとき以外は、実弾を銃に装てんすることは法律で禁止されていますが、今回のような事件、事故は後を絶たず、その徹底が求められていました。このような中、今度は十二月十四日、長崎県佐世保市において猟銃の乱射事件が発生をいたしました。この事件では、許可を受けた後の猟銃の所持者に対する管理の不十分さが明らかになりました。本来、猟銃などは生活必需品ではなく、許可を受けた者は精神的にも経済的にも自立した健全な状態であってこそ、十分な管理能力を保持し、管理体制を維持できるのであります。今回の痛ましい事件を受け、現在の許可の失効要件に、許可申請時と同様に、精神科医などの健康診断とその診断書の定期的な提出を義務づけるとともに、管理能力の欠損を把握するための確認行為が必要であると考えます。このような銃にかかわる事件、事故が相次ぎ、社会の大きな関心を集める中で、銃の保管方法を徹底させるとともに、銃の所有の許可、更新制度の強化に向けて、銃砲刀剣類所持等取締法の改正を国に働きかけるよう要望するものであります。さて、去る十二月十三日、自民、公明両党は、十一日の福田総理と石原知事との合意を受けて、地域格差是正のためとして、地方法人特別税制度の創設を盛り込んだ税制大綱をまとめました。本来、自治体間の税収格差を調整し、ナショナルミニマムを保障するのは地方交付税制度の役割で、国の責任で措置されるべきものであります。しかも、地方分権に伴い、国から自治体への税源移譲が求められている中で、逆に自治体から法人事業税の半分を奪い、法人の事業所などの存在しない自治体にも配るという、国の責任を放棄し、分権改革に逆行し、地方税の原則を踏みにじるという三拍子そろった、たちの悪い税制であります。石原知事は、福田総理の、都の重要施策の推進に総理としても最大限協力したいとの提案を受け入れ、今回の措置を税制抜本改革までの暫定措置とすることを条件に協力することを決断されました。しかし、首都東京の重要施策とされた羽田空港の国際化や三環状道路の整備などは、そもそも国の重要施策として国の責任で行われるべきであります。さらに、オリンピック招致は自民党の選挙公約であり、自民党総裁としての福田総理が、その責任で全面的にバックアップするべきものであります。政府がやるべきことをやるといっただけで、自民党の総選挙対策に都の税収三千億円もの拠出に合意することは、都民の信頼に背くものであります。仮に原理原則を横に置いたとしても、国の協力が都から奪する三千億円を上回るものであるならば、そもそも国には奪する意味がないことを指摘しておきます。次に、第百九十九号議案、東京都心身障害者扶養共済制度条例について申し上げます。本条例案は、東京都心身障害者扶養年金制度にかわり、全国制度に加入するものであります。旧条例廃止のときに、さまざまな場で申し上げましたので、細部にわたっては繰り返しませんが、最後のお一人にご理解をいただくまで、旧制度加入者への丁寧な対応を行うとともに、新制度の周知徹底を求めておきます。保護者の最大の心配は、依然として親亡き後の我が子の暮らしであります。このたび発足する全国制度も、子どもに年金を残したいという親の気持ちにこたえるものであります。これに加えて、障害者の地域での暮らしを社会全体で受けとめ、ともに生きる東京をつくり、保護者がこうした心配をしなくてもよくすることが私たちに課せられた仕事であります。東京都心身障害者扶養年金審議会の制度廃止の答申にもあるとおり、障害者が親亡き後も地域の中で安心して尊厳を持って生活できるよう、積極的に施策を展開することが必要であります。グループホーム等地域居住の場合、日中活動の場、ホームヘルプサービス、訪問看護、地域居住サポートなどの支援システムを一層充実させることを求めます。次に、第二百号議案、大気汚染に係る健康障害者に対する医療費の助成に関する条例について申し上げます。この条例は、東京大気汚染訴訟の和解を受けて、現在十八歳未満の年少者を対象として行っている大気汚染の健康障害者の医療費助成を、気管支ぜんそくについては全年齢を対象にして行うというものであります。しかしながら、この制度創設をもってすべてが解決したわけではありません。さきの定例会でも申し上げましたが、自動車交通総量の削減対策や低公害車の導入促進、エコドライブの普及、推進策などを着実に実行し、自動車公害に苦しむことのない社会を実現することこそが求められているのです。また、今回の改正案には、施行後五年を経過した時点で必要な見直しを行うことが明記されています。見直しに際しては、対象疾病の拡大を含めた制度の維持、拡充を求めるものであります。最後に、議員提出議案第三号、東京都政務調査費の交付に関する条例の一部を改正する条例について申し述べます。政務調査費のあり方については、既に都議会全体の合意をまとめるための都議会のあり方検討委員会が設置され、昨日、第一回の委員会が開催をされています。この委員会には日本共産党の委員も出席し、協議に参加をいたしております。このように日本共産党をも含めた協議が開始された以上、都議会における信義の上では、議員提出議案第三号は取り下げられるべきものと考えておりましたが、残念ながら取り下げられることはなく、本日を迎えてしまいました。この間の判例、事例などにより、現行条例は、規則、規程の定めがあいまいなため、解釈の幅が広く、いたずらに政治的な介入を招きかねないものであることが明らかになってきています。それゆえに、都議会は検討委員会を設置して徹底的に検討し、公開に向けて規定を整備していこうとしているのであります。現行条例のまま公開することは、いたずらな混乱を招くとの観点から、十分な規定整備を行う必要性を改めて申し上げ、都議会民主党を代表しての討論を終えます。(拍手) # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)十七番大松成君。〔十七番大松成君登壇〕 # 十七番(大松成君) 十七番(大松成君)都議会公明党を代表して、知事提出の全議案に賛成し、共産党などの提出議案に反対の立場から討論を行います。初めに、三千億円の法人事業税が都から地方へ配分される問題についてであります。都議会公明党は、東京の活力をそがないよう国の協力を取りつけながら、後々の税制の抜本改革を約束させた知事の大局的な判断と、そして、あらゆる創意工夫を凝らし、都民生活に影響を与えないよう全力を尽くすとした知事の決意を評価するものであります。次に、新設の東京都心身障害者扶養共済制度条例について申し上げます。この条例は、東京都心身障害者扶養年金制度の平成十九年三月の廃止に伴い、保護者亡き後、月額三万円の支給額がなくなる障害者を救済するためのものであり、障害者を扶養する六十五歳未満の保護者を対象とした全国制度であります。この制度への移行に当たり、未受給の方が極力不利益をこうむらないように精算金を支給したり、従来の都制度に比べ高くなる掛金について、生活保護や住民税非課税などの低所得者に対し、一口目の掛金を二分の一に減額するなど、都の対応を評価するものであります。また、六十五歳以上の制度に加入できない保護者に対しても、金融商品の内容をわかりやすく案内するパンフレットを都が作成するとしたことについても評価するものであります。今後は、この制度が安定的に運営されるよう、国に対して強く要望すべきであると申し上げます。次に、大気汚染に係る健康障害者に対する医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例について申し上げます。この改正は、東京大気汚染訴訟の和解を受け、医療費患者自己負担分を国、首都高、東京都、メーカーが負担するという東京都が提案をした画期的な制度であり、気管支ぜんそくについては全年齢が医療費助成の対象になります。都が、都議会公明党の厚生委員会での質疑を受け、都の推計より認定患者の数が上回り、万が一、助成額が都の試算を上回った場合においても、和解条項を踏まえ、制度を維持していくとしたことについては、患者の立場に立ったものとして高く評価するものであります。今後は、制度を財源的に実効性あるものとするために、三十三億円のうち五億円しか負担しない首都高に対し、都は大株主として積極的に協力を働きかけていくべきであると申し上げます。次に、いわゆる迷惑防止条例並びにぼったくり防止条例について申し上げます。現行の条例では、横行するキャバクラスカウト等に対して規制することができず、往来する地域住民、来訪者等に多大な迷惑、不快、不安等を及ぼしていました。今回の改正により、キャバクラスカウトの強引な勧誘だけでなく、人の身体または衣服をとらえ、所持品を取り上げ、進路に立ちふさがり、身辺につきまとう等執拗に勧誘することを規制することができます。このことは、多くの都民の要望にこたえたものとして高く評価いたします。今後は、この条例改正が実効性あるものとなるよう、努力されることを警視庁に求めます。最後に、共産党などが提出をしている東京都政務調査費の交付に関する条例の一部を改正する条例案に反対の立場から申し上げます。昨日、東京都議会において、議会運営委員会のもと、第一回目の都議会あり方検討委員会が開催されました。当然ながら、共産党もこの委員会のメンバーに入っております。しかしながら、この委員会に先立って開催された議会運営委員会において、自分たちの提出議案を取り下げるどころか、議決を求める意見を述べました。都議会あり方検討委員会が早急に検討すべき課題として取り上げたのが政務調査費の件であり、透明性を確保するために、公開を前提として議論が行われるわけであります。にもかかわらず、いたずらに自分たちの提出議案を押し通そうとする姿はパフォーマンス以外の何ものでもありません。政務調査費の透明性を確保し、都民に対する説明責任を果たすためには、実態を明らかにするための活動内容の報告と、政治活動の自由とのバランス、個人情報保護の観点からの公開の範囲とその方法、政務調査費の適正な執行を確保するための検査体制など、検討すべき課題が幾つかあり、やみくもに領収書を添付するだけでは正しい実態が明らかになりません。特に、公正かつ客観的に政務調査費の適正使用を明確にするためには、弁護士、公認会計士、税理士等の専門性を持った第三者のチェック体制が求められます。なぜか共産党は、この専門家による第三者機関のチェック体制につきましては、国の場合においても一貫して反対をしております。専門家がチェックをすると、何か不都合なことでもあるのでしょうか。都議会公明党は、都議会あり方検討委員会を通して、政務調査費の透明性の確保策を講じ、都民に対する説明責任を果たすことをお誓いするものであります。今定例会において、都議会公明党は、後期高齢者医療制度に対する都の財政支援、シルバーパス制度の所得の激変緩和措置の継続や都営住宅の建てかえ規模の拡大、エレベーターへの防犯カメラの設置、がんにおける緩和ケア支援策、児童養護施設を退所した児童の再チャレンジホームの創設など、都民生活に影響を及ぼす課題を取り上げ、施策を前進させることができました。これからも生活現場主義のもと、都政の喫緊の課題を積極的に取り上げ、都民の皆様方におこたえしていくことをお誓いし、討論を終わります。(拍手) # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)十四番河野百合恵さん。〔十四番河野百合恵君登壇〕 # 十四番(河野百合恵君) 十四番(河野百合恵君)日本共産党都議団を代表して、第二百十一号議案、東京港臨海道路II期工事にかかわる請負契約に関する議案外五議案に反対、第二百号議案、大気汚染に係る医療費助成に関する議案外二十九議案に賛成、議員提出議案第三号、政務調査費の交付に関する条例の一部を改正する条例に賛成の立場から討論します。東京港臨海道路II期工事は、一たんは建設が凍結されていたものを、都が事業費の三分の一を負担する国直轄事業として復活させたものです。臨海副都心地域は、現在でも大量の自動車流入による排気ガスが増大しており、この道路建設により大気汚染が一層拡大することが指摘されているものです。一方、東京大気汚染訴訟の和解を受けて提出された医療費助成条例は、自動車排ガスに苦しめられてきた公害病患者の方々の命をかけた運動によって切り開かれた貴重な成果です。東京都が引き続き、原告団及び公害病患者と家族の訴えに耳を傾け、さらなる要求実現に力を尽くすことを求めておきます。今議会で我が党は、貧困と格差の拡大に加え、原油、物価高騰などによって厳しさを増す都民生活への認識を石原知事にただしましたが、知事は、日本は公正な社会であるなどと強弁し、格差や貧困は大したことがないとの認識を示しました。今どき、こういう時代錯誤の認識を示すのは知事ぐらいです。年収二百万円に満たない勤労者が一千万人をはるかに超え、就業人口の五分の一を占めるという日本の事態は、もはや貧困一般ではなく、人間の生存に必要な限界水準の底が抜けた絶対的貧困の出現だとさえいわれています。知事自身、知事選前には、所得格差是正といい、都民税減税まで公約したはずです。ところが、選挙が終わると、手のひらを返したように減税公約を撤回し、公約の進化などといって出された低所得者対策は、貸付事業が中心で全く不十分。その上、貧困と格差が大したことでないように居直る、本当に情けない話です。原油高騰対策も、国でさえ緊急実施する灯油代助成などの支援も知事はやろうとしません。その一方で、石原知事が、オリンピック招致にはなりふり構わぬ大盤振る舞いをエスカレートさせていることが今議会でも浮き彫りになりました。我が党は、オリンピックの関連投資の合計が九兆円にも達し、都の負担がその半分にも及ぶとの試算を明らかにし、オリンピックの施設整備や維持管理費、後利用、インフラ整備などについてきちんと見通しを示すよう求めました。ところが知事は、計画の全容を明らかにしないまま、開催基本計画による過小な数字を繰り返すだけで、まともに答えようとしませんでした。また、知事が世界一環境負荷の少ない都市を目指すといいながら、競技施設建設で代々木や夢の島など都立公園の緑を壊すことになるのをただしたのに対して、知事は、公園をつぶすのではなく、積極的に活用するのだと強弁しました。しかし、既に都民の憩いの場である都立公園を施設を建ててふさいでしまう都のやり方は、近年のオリンピック開催都市が、それまで緑のなかった地域を緑のオリンピック公園として整備し、その中に競技施設を配置するというやり方をとっているのとは正反対です。圏央道や稲城市の南山開発などで、広大な緑の破壊を進めているのも知事です。緑破壊のオリンピックは通用しないことを指摘しておくものです。先日、石原知事は福田首相との会談で、地方自治体の自主財源である地方税を国税化し、三千億円を国に吸い上げるという、地方分権に逆行する提案を容認しました。直前まで裁判も辞さず国と戦うと発言していたのに、態度を一転させたこと自体、許されません。しかも、引きかえに要求した施策は、専らオリンピックやインフラ整備への支援であり、暮らしや福祉、医療など切実な都民の願いはそっちのけです。まして、知事が抜本的税制改革として最悪の庶民増税である消費税増税を声高に主張していることは、都民の暮らしや営業がどれほど痛めつけられているかなど全く意に介さないことを明確に示すものです。石原知事のトップダウンの都政運営が次々と破綻を来しています。中でも、創業からわずか二年半で九百三十六億円もの累積損失を発生させた新銀行東京は、速やかに破綻処理すべきことは明らかです。にもかかわらず、経営陣に都の幹部職員を送り込み、都のポテンシャルを使うなどといって、民間も見放した銀行の経営を、事実上、都が丸抱えして再建するやり方は断じて許されません。知事は、追加出資についても、経営陣がその時々に判断するとして完全否定しませんでした。無責任な態度をやめ、直ちに第三者委員会設置と破綻処理に踏み出すべきことを重ねて指摘しておきます。知事が福祉の最大の目玉として推進してきた認証保育所の中に、職員の架空申請疑惑や、保育内容、施設設備が余りに不十分なことなど、深刻な事態が生じている事実を我が党は明らかにしました。しかも、これが決して例外ではなく、企業立の認証保育所の多くが重要な問題について文書指摘されていることも判明しました。保育への営利企業参入を再検討するとともに、認証保育A型の設置運営基準を改善、強化することを改めて求めておくものです。最後に、議員提出議案第三号、東京都政務調査費の交付に関する条例の一部を改正する条例について申し上げます。政調費は税金であり、その使途を明らかにすることは、都議会の都民に対する責務であります。実際、既に政調費が制度化されている都内のすべての区市町村議会で領収書添付に踏み出し、全国の県議会でもその動きが広がっています。ところが、前回の都議選で当選した六割の議員が領収書の添付を公約した都議会においては、自民党、民主党、公明党三会派は、非公式の協議を理由に、二年余にわたって領収書添付を先送りしてきました。ようやく検討委員会を設置したとはいえ、使途基準等の見直し、検討を理由に政調費の領収書の添付をこれ以上先送りすることは断じて許されないことです。現行の使途基準に基づき、全国最高額の年間九億円を超える政調費が現に使われているのです。政調費の交付に関する条例施行規程第四条では、各会派の経理責任者は、経理帳簿、領収書等を整理、保管し、適正な執行に努めるものとされています。直ちに領収書の公開に踏み切ることに何の障害もないではありませんか。現に我が党は、自主的に公開しています。それができないというのなら、その理由を都民に説明するべきであります。にもかかわらず、議会運営委員会で条例改正案に反対した会派は、公開しない理由を説明できていないのです。都民が納得できるわけはありません。東京で都議会だけが、検討委員会での協議を理由に現在使っている税金の使途の公開をこれ以上先送りすることは、都民の厳しい批判を免れ得ないものです。都議会が条例改正案を可決成立させ、今年度から領収書の添付に踏み出すことを重ねて訴えるものです。日本共産党都議団は、切実な都民要望の実現とともに、都民に開かれた都政の実現に向けて力を尽くすことを表明し、討論を終わります。(拍手) # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)十番西崎光子さん。〔十番西崎光子君登壇〕 # 十番(西崎光子君) 十番(西崎光子君)私は、都議会生活者ネットワークを代表して、知事提出の全議案に賛成、議員提出議案第三号に反対の立場から討論を行います。まず初めに、政務調査費について申し上げます。都議会の政務調査費は、全国で最高額の月額六十万円です。領収書添付が義務づけられていないため、第二の報酬といわれ、政務調査費の透明化はかねてよりの課題でした。生活者ネットワークは、議会として納税者である都民に対する説明責任を果たすべきであり、一貫して領収書添付の義務づけを主張してきました。しかしながら、この問題は全会派が合意して取り組まない限り、実現できません。二〇〇五年の都議会議員選挙前に有権者を対象とした新聞社の調査では、領収書を添付すべきが八七・五%に、また候補者アンケートでは、当選した都議の六割を占める七十五人が領収書添付をすべきと回答したにもかかわらず、その後の議会運営委員会では、公開に慎重な三会派と自主公開した会派の間で膠着状態が続いていました。生活者ネットワークは、ようやくスタートする検討会設置を評価するとともに、政務調査費だけではない、海外視察のあり方など、時代の要請を受けた議会改革にも踏み込む議論をすべきと考えます。次に、低所得者生活安定化プログラム、緊急総合対策三カ年事業について一言申し上げます。低所得者に対するセーフティーネットの機能の必要性を認識しての政策と考えますが、まだまだその場しのぎの感がぬぐえません。このプランでは、若者、母子家庭、中高年、住居不安定就労者などの項目を掲げ、安定した生活の確保に向けた就労支援が中心となっています。しかし、貧困は、さまざまな事件に象徴されるように深刻な段階に来ています。所得の格差が教育の格差を生み出し、差別化が促進されている現実を直視しなければなりません。これを断ち切るためには、貧困や家庭の不和が原因で子どもへの教育の差が生じないよう、最大限の努力が必要です。意欲を持つ子どもへの救済策のさらなる充実が求められます。また、現在進行しているこの対策で、共通でかつ重要な対策は住宅政策と考えます。今回の低所得者対策では、住宅を取得するための情報提供、立ち上がりの資金援助にとどまり、長期的な住宅支援の施策はありません。低廉な家賃の住まいの保障は、基本的人権の保障につながります。住まいの確保こそ、暮らしを安定させる基本であると再度申し上げます。最後に、法人事業税三千億円の移譲合意について一言申し上げます。石原知事と福田首相のトップ会談で、東京都の法人事業税約三千億円を国に差し出すことを決めました。国の法人事業税の再配分の動きに対して、石原知事を初めとして四都府県の知事は合同で反対の緊急アピールを行い、七日の記者会見でも、地方分権に逆行するものだ、筋が通らないことがまかり通るのかと対決姿勢をあらわにしてきました。しかし、石原知事は、その舌の根の乾かないうちに、オリンピック招致への協力などを見返りに、自治の本筋をほうり出してしまいました。こうした原則なき対応が許されてはなりません。確かに、地方との格差は解消されなければならない課題ではありますが、今、地方税をスライドすることでの格差是正が根本的な解決にならないことも、石原知事は十分ご存じのことです。国においては、社会保険庁のずさんな年金管理や防衛省のむだ遣いなどが次々に明らかになる一方で、薬害被害などについては責任を放棄し、国民の怒りを買っています。財源確保のためには、国はまず、公務員の削減や給与引き下げなど、みずから身を切る覚悟で歳出削減を行うべきであり、その上で税のあり方についても抜本的な改革案を示して、地方に税財源の大幅移譲を行い、地方の努力と創意工夫を促すべきです。生活者ネットワークは、国策の失政を放置したまま、それを糊塗することに最大の自治体たる都が加担してはならないと考えます。法人事業税三千億円の移譲を決定したことは、自治の本筋を外れ、地方分権に逆行するものであり、一日も早い抜本的な税制改革を求めるよう要望します。また、この減収による都民生活への影響は最小限にしなくてはなりません。都は、一千二百万人の都民と三百万人の通勤通学者などの昼間都民の生活要求にこたえる施策展開が求められていることを十分に認識し、地球的課題である環境対策や、多様な生き方を保障する福祉、就労のあり方、そして、次世代への投資としての教育に予算を優先的に振り向けるべきです。貧困こそ、政治的、社会的に解決されなくてはならないことを申し上げ、生活者ネットワークの討論といたします。(拍手) # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)以上をもって討論を終了いたします。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)これより採決に入ります。まず、日程第一、議員提出議案第三号、東京都政務調査費の交付に関する条例の一部を改正する条例を採決いたします。本案に関する委員会の報告は否決でありますので、原案について起立により採決いたします。本案は、原案のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)起立少数と認めます。よって、本案は否決されました。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)次に、日程第二、第二百十一号議案、平成十九年度東京港臨海道路(II期)中防側アプローチ橋りょう鋼けた製作・架設工事請負契約を採決いたします。本案に関する委員会の報告は、可決であります。本案は、起立により採決いたします。本案は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)起立多数と認めます。よって、本案は、委員会の報告のとおり決定いたしました。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)次に、日程第三、第二百九号議案、富士見橋鋼けた製作・架設工事請負契約を採決いたします。本案に関する委員会の報告は、可決であります。本案は、起立により採決いたします。本案は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)起立多数と認めます。よって、本案は、委員会の報告のとおり決定いたしました。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)次に、日程第四から第七まで、第二百七号議案、東京都医学系総合研究所(仮称)(H十九)I期新築電気設備工事請負契約外議案三件を一括して採決いたします。本案に関する委員会の報告は、いずれも可決であります。本案は、起立により採決いたします。本案は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)起立多数と認めます。よって、本案は、いずれも委員会の報告のとおり決定いたしました。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)次に、日程第八及び第九、第二百三号議案、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例の一部を改正する条例外議案一件を一括して採決いたします。本案に関する委員会の報告は、いずれも可決であります。本案は、起立により採決いたします。本案は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)起立多数と認めます。よって、本案は、いずれも委員会の報告のとおり決定いたしました。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)次に、日程第十、第二百五号議案、東京都安全・安心まちづくり条例の一部を改正する条例を採決いたします。本案に関する委員会の報告は、可決であります。本案は、起立により採決いたします。本案は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)起立多数と認めます。よって、本案は、委員会の報告のとおり決定いたしました。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)次に、日程第十一から第十四まで、第百八十七号議案、東京都の一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例外議案三件を一括して採決いたします。本案に関する委員会の報告は、いずれも可決であります。本案は、起立により採決いたします。本案は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)起立多数と認めます。よって、本案は、いずれも委員会の報告のとおり決定いたしました。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)次に、日程第十五から第三十七まで、第百八十六号議案、職員の給与に関する条例の一部を改正する条例外議案二十二件を一括して採決いたします。本案に関する委員会の報告は、いずれも可決であります。お諮りいたします。本案は、委員会の報告のとおり決定することにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)ご異議なしと認めます。よって、本案は、いずれも委員会の報告のとおり決定いたしました。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)日程第三十八から第五十五まで、平成十八年度東京都一般会計決算の認定について外十七件を一括議題といたします。本件に関する委員会審査報告書並びに少数意見報告書は、お手元に配布いたしてあります。朗読は省略いたします。平成十八年度各会計決算特別委員会決算審査報告書平成十八年度東京都一般会計決算本委員会は、平成十九年九月二十七日付託された右決算を審査の結果、別紙意見を付して認定すべきものと決定したので報告します。なお、本決算採決の結果、本決算に対し廃棄された意見は、委員古館和憲君が出席委員植木こうじ君及び松村友昭君の賛成を得て、少数意見として留保したので申し添えます。平成十九年十二月五日平成十八年度各会計決算特別委員長鈴木一光東京都議会議長比留間敏夫殿(別紙)(意見)平成十八年度東京都一般会計決算は、歳入総額六兆五千四百六十四億円に対し、歳出総額は六兆三千七百五十五億円で、形式収支は一千七百八億円の黒字、実質収支は一千四百八十七億円の黒字となった。また、十七の特別会計の決算額合計は、歳入総額四兆七千四百三十九億円に対し、歳出総額は四兆五千九百六十億円で、形式収支が一千四百七十九億円、実質収支が一千四百七十三億円の黒字であった。さらに、普通会計決算でも、実質収支は一千三百七十億円の黒字となり、平成十七年度に引き続き二年連続の黒字決算となった。財政の弾力性を示す指標である経常収支比率は、平成十七年度から一・三ポイント改善し八四・五%となり、「第二次財政再建推進プラン」の目標であった九〇%以下の水準を前年度に引き続き達成した。このように、都財政は長く続いた財政再建に区切りをつけ、将来の東京を見据えた施策展開を積極的に行うステージに入った。しかし、景気動向に大きく左右される都の税収構造は今後も不安定さを免れず、また、都の財源を奪おうとする国の動きがますます本格化するなど、中長期的に見た都財政の状況は決して安泰とはいえない。平成十八年度決算から、公会計制度改革によって「東京都年次財務報告書」も公表され、都有資産の減価償却累計額が二兆円を超えることなど、より多面的に都の財務の実態が明らかになった。今後は「東京都年次財務報告書」を事務事業評価などに活用し、引き続き効率的な都財政運営に努められたい。なお、一般会計における都税、諸収入、使用料及び手数料などの収入未済額は依然として多額であり、財産管理においても公有財産等の登載漏れ・過大登載、債権の過大計上など財産管理に適正を欠くものが認められ、各局においてはこれらの諸点の改善が求められる。今後とも、「十年後の東京」の実現に向けた取組や、更新時期を迎える社会資本ストックへの対応、人口減少・少子高齢社会など、都が取り組むべき課題は山積している。こうした課題に的確に対処し、安定的な行政サービスを提供していくため、財政基盤の更なる強化に向け、一層の財政構造改革を進められるよう、強く要望するものである。なお、各局に対する意見は、以下のとおりである。○知事本局関係一知事本局が各局の先頭に立ち、総合調整機能を最大限に発揮し、「十年後の東京」の実現に向け、都民や区市町村、企業から広く意見募集を行い、東京の将来を共に構築するとともに、目標の着実かつ迅速な実現に積極的に取り組まれたい。また、「実行プログラム」の策定に当たっては、まず平成十八年度重点事業の検証を徹底して行われたい。二「アジア大都市ネットワーク21」の事務局を預かる東京都として、今後も各都市のニーズを把握し、事業の推進に努めるとともに、東京オリンピック招致を視野に入れた都市外交を展開されたい。○青少年・治安対策本部関係一子どもをねらった犯罪が後を絶たないことから、防犯カメラの活用や地域安全マップの取組の普及など、各学校において防犯対策が強化されるよう進められたい。二少年院を出た少年の立ち直りを支援していくため、保護司等との連携を強化し、非行少年の更生、再犯防止のための取組を積極的に推進されたい。三飲酒運転による重大な事故が後を絶たないことから、関係機関等と連携して飲酒運転の根絶に向けた取組を推進されたい。四自転車の安全対策として、安全利用促進総合プランを着実に実行し、無灯火走行禁止や改正道交法などの広域キャンペーンの実施及びTSマーク制度の周知・加入促進に努めるなどして、自転車の安全走行に関するルールの遵守の徹底を図られたい。五交通事故をなくすため、三十日以内の交通事故死者の分析を東京都交通安全計画などに反映させ、交通安全対策を推進されたい。六複雑多様化する子ども・若者問題に対し、迅速かつ的確に対応するため東京都子ども・若者問題対策会議を活用し、より実行性のある踏み込んだ対策を講じられたい。七インターネット上の有害情報へのアクセスを防ぐフィルタリング・サービスの利用拡大を図るため、携帯電話事業者や販売店に対する働きかけ、保護者への啓発など改正された青少年健全育成条例の積極的な運用を図られたい。八区市町村や町会・自治会などの地縁団体と連携し、地域コミュニティが有する治安・防犯機能の向上に取り組まれたい。○東京オリンピック招致本部関係一オリンピック招致事業に関しては、世界の強豪都市との競争に勝ち、東京にオリンピック競技大会とパラリンピック競技大会、及びスペシャルオリンピックス大会を招致するために、JOCなどの関係機関と調整を図り、最先端技術の活用と福祉・環境などに十分配慮した、東京の魅力を世界に示せるような立候補ファイルを作成されたい。また、東京オリンピック招致委員会のみならず、区市町村とも連携を図りつつ、次代を担う子どもたちに夢と喜びを与えるような積極的な気運の盛り上げ活動を展開するよう努力されたい。二国内キャンペーンにおいては、五輪の理念を広げ、賛同を増やすため、親子共々がスポーツに感動する機会をつくる取組などを展開されたい。三立候補都市選定後の国際プロモーションにおいては、駐日大使への働きかけなど、より効果的な取組を行われたい。また過去に学び、IOC委員や他都市の動向を知り、東京の招致にいかされたい。○総務局関係一「行財政改革実行プログラム」に基づき、多様な経営改革手法の活用、監理団体改革や公営企業改革の一層の推進に取り組むなど、時代の要請に即した行政改革を実現し、新たな政策展開も一体化して首都東京の再生と都民サービスの更なる充実に向けて総合的な行財政改革に取り組まれたい。二市町村の振興については、地域の実態を踏まえつつ、市町村総合交付金など財政支援策を活用し、施策の一層の充実に努められたい。三三宅島の産業・観光振興を図るため、バイクイベントに対する支援など、引き続き各種施策の支援を積極的に推進されたい。四都区制度改革については、今後、都区が果すべき役割を踏まえて、事務配分、再編を含む区域の在り方、税財政制度について具体的に検討し、都と区が連携して大都市東京の発展に取り組まれたい。五新たな地域防災計画に基づき、首都直下型地震や都市型水害対策などに総力を挙げ取り組むとともに、災害から都民の生命と財産を守るため、八都県市相互応援の連携体制の確立、警視庁・消防庁・自衛隊との連携強化、実践的な総合防災訓練の実施、都民の防災意識の一層の向上など、防災対応力の一層の強化に努められたい。また、各局が実施している防災対策事業を十分に把握するとともに、自治体の避難所の耐震調査を実施されたい。六首都大学東京は都民の期待にこたえる大学になるとともに東京のシンクタンクとして、独立行政法人のメリットをいかした大学運営を図り、高度専門職業人の養成、社会人のキャリアアップの支援、環境や産業など幅広い分野にわたるアジア人材の育成など社会要請に対応した教育の充実を図り、大都市の課題解決を目指すため、社会に貢献し、都民生活の向上に寄与する大都市で活躍する人材の育成を図られたい。そして学生に選択される大学になるよう、魅力的な教員を活用し、教育・研究の質の向上を図られたい。産業技術大学院大学は、東京の産業を活性化する意欲と能力を持つ人材の育成に取り組まれたい。七東京国体については、競技施設の改修など開催準備に万全を期されたい。八「第二次東京都地方分権推進計画」の実施に当たっては、市町村の超過負担が生じることのないよう、権限に見合った税財源の移譲等の措置を講じられたい。また、事務権限の委譲に当たっては区市町村と十分な協議を行われたい。九多摩振興は、多摩リーディングプロジェクトの推進を通じて、地域における核都市の育成整備や立ち遅れている都市基盤整備を進め、多摩の持続的発展の基礎作りを促進されたい。その際には、市町村の要望を今後もより一層踏まえて行われたい。十都庁舎については、災害発生時を含め、首都行政の中枢機能を担う施設として安心安全やセキュリティの確保に努めるほか、多くの都民・旅行客が訪れる国際的な観光施設として、また、オリンピック招致を始めとする重要な都政情報を発信するシンボリックな拠点として、訪問者に対する接遇サービス機能の一層の充実に努められたい。十一行政の応答責任を義務付けた総合的なパブリックコメント(市民意見公募)制度を確立されたい。十二都庁内の障害者雇用はすべての障害を対象とされたい。○財務局関係一財政再建の成果を踏まえ、「十年後の東京」など東京の将来を見据えた都民の負託に積極的にこたえる施策の展開を支えるため、新たな公会計制度を活用する一方、基金の充実などにより景気に左右されない、弾力的で強じんな財務体質の確立に向けて、なお一層尽力されたい。二国による法人二税を見直す財源移転案は、地方分権の視点から大きな問題があり、行政サービスの低下により都民生活に大きな影響が及ぶことが予想されるため、国の方針に反論する都の見解を都民に広くアピールされたい。三豊洲新市場予定地から基準値を大幅に上回る汚染物質が検出されたことにより、都が土地を取得する際には、汚染の有無を慎重に見極めるなど、適切な対応を図られたい。また、土壌汚染地の評価方法の研究を検討されたい。四厳しい経営環境にある都内の中小企業に対する受注機会の拡大への取組を更に強化されたい。五新たな公会計制度の導入を機に、財務諸表の活用により都財政全体の行財政運営の効率性を高めるとともに、事業別の財務諸表の効率的な活用を検討されたい。また、都の財政運営努力を周知するため、財務諸表の内容を都民にわかりやすく示す工夫に取り組まれたい。六公共事業などについては、行政目的に照らし、事前・事後を含めた施策及び業績についての行政評価を行い、情報を公開されたい。七入札参加業者の格付けに当たっては、障害者雇用率、男女平等推進状況、及びNPO支援などの社会性を考慮されたい。八都有地はまちづくりの観点から、当該自治体が使いやすいよう対等な協議を行って有効活用されたい。○主税局関係一国と地方の税源割合を少なくとも一対一とし、真の地方主権の確立に向けて、地方自治体の事務と権限に見合う税源配分の実現が図られるよう、消費税から地方消費税など基幹税による更なる税源移譲を国に強く働きかけられたい。二東京の税財源を奪うような地方法人課税の不合理な見直しを決して行わないよう、国に強く求められたい。三課税の適正化に努めるとともに、都の財政を支える、個人住民税を含む都税の更なる徴収率向上を図るため、区市町村との連携を深め、滞納額圧縮に局を挙げて引き続き積極的に取り組まれたい。また、納税者の実情に沿った適切な対応を進められたい。四固定資産税について、地価の高い大都市地域の税負担に配慮しつつ、簡素で分かりやすい納税者の理解が得られる仕組みとなるよう、抜本的な見直しを国に強く働きかけられたい。五都税などの徴収率向上や不正軽油の取締りに資するため、自治体間の相互協力体制を強化されたい。六都における現場からの着眼点や発想の点から、地方税財政制度の抜本的な改革に関する提言を、積極的に行われたい。七地方自主財源の拡充を国に求め、課税自主権の行使として環境税導入を検討されたい。八都民税の一部を基金として、納税者が指定する事業に当てる仕組みを構築されたい。○生活文化スポーツ局関係一オリンピック招致を視野に入れ、世界に向けた文化発信力を高める施策を推進されたい。二広報広聴活動について、高齢者、障害者、外国人に配慮した取組に努められたい。三東京国体やオリンピックに向けた競技力向上を図るため、ジュニア層の発掘・育成に有効な施策を、関係団体と連携して積極的に推進されたい。四東京マラソンについては、第一回大会での課題を改善し参加者の意見を取り入れて大会運営を見直すとともに、民間からの収入を拡大し、自立的な運営体制の確立を図られたい。五スポーツ振興策の推進に当たっては、学校体育・学校部活動、区市町村やスポーツ団体と連携して、生涯スポーツの普及・振興に努められたい。六都議会における私立学校助成に関する決議を踏まえ、私学助成制度の充実に努められたい。また、家計急変時における就学継続支援策の充実と対象の拡大に努められたい。七公衆浴場の経営安定化策を充実するとともに、公衆浴場が取り組む健康増進への貢献に対し、支援対象事業として充実するよう努められたい。八ウィメンズプラザ事業の運営に当たっては、入居しているコスモス青山ビルの信託期間終了も視野に入れ、事業の一層の充実と発展に向けて、全力で取り組まれたい。九配偶者暴力の防止や被害者支援に向けた取組を、各種関係機関等との協力・連携の下に推進されたい。十策定された「男女平等参画のための東京都行動計画」にのっとり、ワークライフバランスや女性のチャレンジ支援に積極的に取り組まれたい。十一深刻化する高齢者や子どもの消費者被害を未然に防止するため、地域における被害防止の仕組みづくりや情報提供の充実、悪質事業者の規制強化、消費者相談の拡充などの対策を一層推進されたい。さらに、多重債務などに対応するセーフティネット構築のため、区市町村との相互連携を進められたい。○都市整備局関係一国際都市としての活力はもとより、風格や魅力、安全性や持続可能性を備えた、二十一世紀にふさわしい東京の再生に向け、迅速かつ実効性ある都市整備を推進されたい。二都市づくりに関する施策立案や、計画機能、事業実施を総合的に推進し、二十一世紀にふさわしい魅力と活力ある首都東京の形成を図られたい。三広域連携を強化し、羽田空港の再拡張・国際化や、三環状道路等の広域幹線道路ネットワークの形成及び公共交通網の整備を積極的に推進されたい。四大都市の安全を高め、安心を確保する都市づくりを進めるため、建築物の耐震化、木造住宅密集地域の整備、避難路及び民有地を含めた避難場所の確保を図るとともに、豪雨対策を推進するなど、災害に強い都市づくりを総合的に進められたい。また、改正建築基準法により、建築確認事務が停滞することのないよう、適切に対応されたい。五今後の外環ノ二の検討に当たっては、その必要性の有無について具体的な案及びデータを示すとともに、住民及び関連自治体との議論を十分に進め、合意形成を図られたい。六地下鉄利用者の利便性向上や地下鉄ネットワークの有効活用の観点から、東京メトロと都営地下鉄の一元化に向けて、関係各機関に対し主体的に働きかけられたい。七地下鉄八号線、十一号線の整備実現に向け、関係各機関と積極的に検討を進められたい。八羽田空港及び成田空港へのアクセス改善に向け、京急蒲田駅並びに日暮里駅における鉄道駅総合改善事業を着実に進められたい。九踏切対策基本方針で示された京成高砂駅付近などの開かずの踏切を解消するため、未着手の鉄道立体化について、まちづくりの観点も含め、地元区市など関係機関との検討を進められたい。十都内賃貸住宅の空き戸数の増加と公営住宅の申込倍率の増加というミスマッチ現象を踏まえ、少子高齢化時代に対応した、質量両面にわたる居住環境の整備という視点から都民生活の向上に貢献する新たな住宅政策の立案に取り組まれたい。十一都営住宅について、バリアフリーや防犯設備の充実、積極的な環境対応、さらに、建て替えの促進などによって良質なストック形成を着実に進めるとともに、都民共有の財産として、適正かつ効率的な管理運営に努められたい。十二都営住宅に関する新たな使用承継制度の運用に当たっては、居住者の立場に立ってきめ細かく公平な対応に努めるとともに、名義人の死亡後も引き続き住宅の確保に困窮する居住者に対しては、例外規定の取扱いに際し、柔軟かつ生活実態に即した運用に努められたい。十三都営住宅の居住者に対しては、公営住宅のセーフティネット機能の強化を図るため、関係局と連携して自立支援策の効果的な提供に努めるほか、積極的な参加を促す仕組みづくりに努められたい。十四「十年後の東京」に示されている東京を実現するために、都市計画関係の分権を進め、環境を中心に据えたまちづくりに転換されたい。十五若者の自立を支援するため、都営住宅に若者枠を設けられたい。十六DV被害者、ひとり親家庭、外国人等社会的弱者が住居を借りる際の保証人制度を構築されたい。○環境局関係一世界で最も環境負荷の少ない都市東京を実現するため、CO2排出の大幅な削減、太陽光発電やバイオディーゼル燃料等の再生可能エネルギーの利用拡大など、都における地球温暖化対策やヒートアイランド対策を強力に推進されたい。また、都有施設における太陽光発電設備の導入や電気のグリーン購入を推進されたい。二企業の温暖化対策を推進するため、温暖化ガス削減義務化や排出量取引制度の導入に向けた施策の構築に取り組まれたい。その際、大規模事業所に対しては、削減数値目標を厳しく指導・管理するとともに、中小規模事業者に対しては、支援策として、省エネ診断支援事業、環境CBO及び相談体制の充実を図られたい。三人々に潤いや安らぎを与える緑について、都民・企業・NPO等様々な主体と協働して、多摩の森林再生、緑地の保全など、自然環境の保全と再生に努めるとともに、屋上緑化や壁面緑化など、あらゆる工夫による緑の創出に取り組まれたい。また、公立学校校庭の芝生化の着実な展開を図られたい。四窒素酸化物などの大気環境の改善のため、実効性ある流入車対策を構築されたい。また、低公害・低燃費の自動車の普及促進を図るとともに、自動車から排出されるCO2の削減対策やディーゼル車などの自動車公害対策について、中小零細事業者への助成措置を実施されたい。五土壌汚染対策については、汚染原因者となった中小零細事業者が、調査や処理対策等を円滑に進められるよう、総合的に支援されたい。六産業廃棄物対策については、不法投棄の撲滅や感染性廃棄物など有害廃棄物の適正処理を徹底するための取組を実施するとともに、優良な処理業者を評価する仕組みを構築し、適切に運用されたい。七廃プラスチック対策として、事業者の小口巡回収集モデル事業及びサーマルリサイクルの推進や廃棄物の減量化によって、最終処分場の延命化を図られたい。また、循環型社会に向けて、リターナブルびんの認証制度を設けるなど、具体的な誘導策を打ち出されたい。八東京都環境影響評価制度については、単体だけでなく適用対象を拡大し、都市気象や景観等も勘案した総合的な評価として確立するとともに、広域複合開発計画のアセスメントにおいては、ゼロオプションを含む複数の代替案の比較検討の義務づけを検討されたい。九再生可能な自然エネルギーの導入に都独自の助成制度を設け、地域分散型エネルギーへの転換を積極的に進められたい。十地下水、湧水を保全し、総合的な水循環を回復するため、水循環の推進に関する条例を制定されたい。十一雨水浸透ますの設置補助を復活されたい。十二固有種に恵まれた小笠原諸島の自然環境を保全し、世界自然遺産登録に向けた取組をより一層強力に推進されたい。○福祉保健局関係一高齢者が自立した日常生活を送り、地域の中で安心して暮らし続けられるよう、介護予防や認知症高齢者グループホームなど地域密着型サービスの充実に努めるとともに、事業所運営の適正化による介護保険制度の信頼の確保を図られたい。また、認知症に対する正しい理解の普及や専門の人材養成を図るなど、総合的な認知症対策を積極的に推進されたい。さらに、介護人材の確保に向け、実効性のある提言を国に行うとともに、サービスに対する第三者評価制度の活用など、都独自の工夫に努められたい。二認証保育所や零歳児保育など大都市特有の保育サービスの充実、保育所入所待機児童の解消、子どもと家庭に対する相談・支援体制の強化など、安心して子どもを産み、育てられる環境を整備するとともに、ひとり親家庭への支援や在宅で子育てをする世帯が気軽に利用できる子育て支援サービスの全都的な充実を図られたい。三児童虐待に迅速かつ機動的に対応するため、児童相談所の体制強化を図るとともに先駆型子ども支援センターの整備を推進する外、虐待家庭の家族再構築に対する取組への施策の拡充と同様の取組を行う区市町村における人材育成に努められたい。四虐待の防止や虐待を受けた子どもたちへの支援に取り組んでいるNPOや民間団体との連携・強化を図られたい。五養育家庭登録数を増やすため、効果的な広報活動を行うとともに、養育家庭に対する研修、児童委託後の相談・支援体制の整備、手当の増額などの支援を充実されたい。六すべての障害者が地域で自立して生活ができるよう、グループホームや通所施設等のサービス基盤の整備促進に引き続き全力で取り組むとともに、企業と福祉施設とが連携して雇用機会の拡大を図るなど、障害者の就労支援策を一層強化されたい。さらに、障害者自立支援における自己負担は、世帯単位の所得を算定基準とせず、個人単位で組み立て直すよう国に要請されたい。七小児初期救急医療を始め、救急医療事業の充実・強化、周産期医療システムの整備、がん医療の充実に努めるとともに、災害医療派遣活動や災害拠点病院の整備など、救急災害医療体制の確保に万全を期されたい。八世界的な流行が危惧される新型インフルエンザなどの新興・再興感染症について、早期発見、早期対応及び適切な医療体制の確保など感染症対策の充実・強化を図られたい。九ストレスなどに起因する感情障害等の精神疾患に関する相談体制の充実・強化とともに、都民への制度周知に努められたい。十生活習慣の改善による肥満対策を始めとして、糖尿病の予防、がんの予防、心の健康づくり対策など、ライフステージを通じた健康づくりの推進に努めるとともに、自殺者の減少に向けた自殺総合対策の推進に努められたい。十一訪問診療や訪問看護など在宅医療サービスと生活支援サービスの充実を図り、地域自治体において在宅ターミナルケアが可能になるよう支援されたい。十二公共サービスの利用者負担金については、特に年金収入のみで生活する高齢者世帯に対する負担の増加に配慮し、その生活実態の把握に努めるとともに、実態に即した見直しを適宜講じられたい。十三区市町村のバリアフリーの促進に寄与するユニバーサルデザイン福祉のまちづくり推進モデル事業については、区市町村がより参画しやすい工夫の充実と制度周知に努め、大幅な事業実績の拡大を図られたい。十四指定管理者・民間委譲など多様な運営形態が進む中で、すべての福祉施設に第三者機関によるサービス評価制度の受審を義務付け、質の確保に努められたい。十五DV被害者をサポートする民間シェルターやステップハウスが継続できるよう支援を拡充されたい。十六グループホーム事業は、認知症高齢者や障害者のみに限定せず、ソーシャルミックスを実現する住まい方として推進されたい。十七食品安全条例の理念に基づき、遺伝子組換え食品及び有害化学物質、BSEなど新しい状況に対応したリスクの未然防止の観点から、関連施策の展開を図られたい。十八東京都児童会館移転後の施設・敷地は、子どもや若者の文化的環境を豊かにするために活用するよう努められたい。○病院経営本部関係一東京都保健医療公社が運営する公社病院は、地域の中核病院として医療連携を推進し、地域医療の充実に努められたい。二公社病院は、医師及び看護師不足の解消に積極的に努めるとともに、救急医療を始めとする地域の医療ニーズに的確に対応するなど、住民が必要とする保健医療サービスの提供等を行い、都民の医療と福祉の向上に寄与されたい。三東京都保健医療公社の未収金の発生防止、回収など対策を強化されたい。○産業労働局関係一東京に集積する豊富なビジネス機会や大学・研究機関などの資源を最大限にいかし、地域の特性や強みに合った施策を展開するとともに、区部及び多摩の産業支援拠点の整備を着実に進めるなど、中小企業に対する支援体制を強化されたい。また、引き続き商店街の振興に対する支援策の充実を図られたい。二若年者や高齢者を始めとする様々な求人・求職ニーズに的確にこたえられるよう、しごとセンター事業の一層の充実を図るとともに、きめ細かい就業支援策を充実されたい。特に、低所得者の方々に対して、安定した就業機会の確保と経済的自立に向けた支援に積極的に取り組まれたい。また、仕事と子育ての両立が可能な雇用環境を整備するよう、企業に対する助成の拡充等に努められたい。三非正規労働者に対して、職業訓練の充実を図るとともに、処遇改善に取り組む企業への支援を充実されたい。また、女性の再就職に向けて、再就職サポートプログラムの実施に加え、アドバイザーによる支援を行われたい。さらに、障害者の就業支援に向けて、一般就労及び定着に向けた実地訓練の充実、ジョブコーチの大幅な増員及び障害者を雇用する企業に対する都独自の支援策を実施するなど、障害者が真に自立できるよう施策を構築されたい。四金融機関における責任共有制度の導入や、原油高による中小企業への影響等を踏まえ、各種融資制度の改善や融資要件の緩和などにより資金供給が円滑に行われるよう、利用しやすい融資制度を構築し、中小企業の経営の安定を図られたい。五東京の産業を活性化するため、後継者難や相続税負担などに直面する中小企業に対して、人材の確保・育成や事業の継続が可能となるような支援策を充実されたい。また、健康や環境など、大都市特有の課題を解決する産業の育成にも取り組まれたい。六オリンピック招致を契機に、地域の特色をいかして東京の魅力を向上させ、外国人旅行者の増加を図るとともに、観光情報提供の充実など受入れ体制を強化し、観光産業の振興に取り組まれたい。また、舟運ネットワークの構築など、水辺の観光資源の活用に取り組むとともに、観光まちづくり政策を、特定の地域だけでなく全都的に展開し、地域の活性化を図られたい。七多面的な機能を有し、貴重な緑地空間でもある都市農地を積極的に保全するとともに、食育の推進と地場産食材への理解を深める地産地消の推進に努められたい。また、多摩産材の流通促進による林業の育成・支援や、島しょ地域の主要産業である農業と水産業の振興・発展のための施策に積極的に取り組むなど、農林水産業の振興に努められたい。八ニートやフリーターの実態を把握し、就労に向けた情報提供と就労後の定着支援を丁寧に行われたい。九東京の特別栽培農産物の普及・生産拡大を進め、環境に配慮した都市農業を推進されたい。また、農家が行うGMOフリーゾーンなどの設置に向けた自主的活動を支援されたい。○建設局関係一中央環状品川線や多摩地域の南北方向の道路など、都市の骨格を形成する幹線道路、地域幹線道路及び山間・島しょ地域の道路の整備を積極的に推進されたい。特に、整備が遅れている多摩地域を重点的に推進されたい。二道路アセットマネジメントを他の道路構造物にも適用し、事業費の縮減を図られたい。三鉄道の連続立体交差事業については、地域分断の解消や交通渋滞の緩和に効果が高いことから、関係区市と協議し、住民要望を踏まえ、まちづくり事業と連動した、より一層の整備促進を図られたい。四無電柱化事業については、安全で快適な歩行空間を確保し、良好な都市景観を創出するため、一層の整備促進を図られたい。また、新技術導入によるコスト削減を図るとともに、財政支援などを通じて、区市町村の取組を促進されたい。五第二次交差点すいすいプラン及び歩行者や自転車が共に安全に通行できるような広い歩道の整備を推進するとともに、区市町村と連携し、自転車道網及び自転車歩行車道の整備、ネットワーク化を図られたい。六集中豪雨による浸水被害や都市型水害の一日も早い解消を図るため、中小河川の護岸や調節池の整備を重点的に推進するとともに、スーパー堤防の整備や護岸・防潮堤などの耐震強化を図られたい。また、流域景観の向上に資する整備に努められたい。七都市計画道路の整備に当たっては、東京圏の人口動向を踏まえた需要予測を立て、コストを公表するとともに、造らないことも含め関係住民と協議されたい。八墓地については、合葬式墓地を拡充するとともに、新たな埋葬方法を早急に実施されたい。○港湾局関係一船舶大型化や貨物量の増加に対応し、東京港の国際競争力の強化を図るため、新規外貿コンテナふ頭の整備を進めるとともに、港湾コストの一層の低減を図られたい。二東京港の物流効率化に向けて、東京港臨海道路の整備を進めるとともに交差点等の改良を行い、物流ボトルネックの解消に取り組まれたい。また、中央防波堤外側に新たな港湾施設を整備するなど、物流インフラの機能向上を図られたい。三高潮・津波などの災害から都民を守るために、水門・排水機場の耐震性強化及び防潮堤、内部護岸の早期整備を積極的に推進されたい。四運河ルネッサンスを推進するため、豊洲地区を始め、賑わいと潤いのある水辺空間の創出に取り組むとともに、お台場など海浜公園の水質浄化を進められたい。また、レクリエーションニーズに対応した快適な水辺空間となる親水護岸を整備するとともに、自然を再生し、ヒートアイランド現象を緩和するために「海の森」を始めとする公園整備に努められたい。五伊豆諸島及び小笠原諸島における産業振興や、島しょの港湾、漁港、空港の整備に積極的に取り組むとともに、離島航路・航空路補助の充実に努められたい。また、三宅島空港への安全かつ安定的な運航を確保するために、必要な事業を実施されたい。六臨海開発に当たっては、都の財政状況や他の都内道路整備との均衡を考え、将来世代への負担を残さないよう、リスクを最小限に抑えられたい。○会計管理局関係一全国初の本格的な財務諸表を作成した実績を踏まえ、各自治体の要望に応じ、都の新公会計制度に関する知見やノウハウを積極的に提供し、日本の公会計制度改革を支援されたい。二効率的・効果的な都政運営の展開や都民への説明責任の遂行、都民福祉の向上に資するため、新たな公会計制度により作成する、複式簿記・発生主義会計による財務諸表の精度を一層向上させるよう取り組まれたい。○教育庁関係一次代を担う児童・生徒の健全な育成のため、思いやりの心や社会貢献の精神を育むとともに、家庭の教育力の向上を図るための施策を積極的に推進されたい。さらに、いじめを未然に防ぐ取組への積極的な対応、不登校、中途退学、犯罪被害防止への対策などを進めるとともに、部活動の一層の振興を図られたい。二児童・生徒への基礎的・基本的な学力の確実な定着を図られたい。三中高一貫教育校を始めとした新しいタイプの高校の設置、特色ある学校及び開かれた学校づくりなど、都立高校改革を着実に推進されたい。さらに、耐震対策を含めた高校施設の整備を図るとともに、学校経営支援センターを活用し、自律的な学校経営を進められたい。四特別支援教育については、児童・生徒や保護者・関係者の十分な理解を得ながら、児童・生徒が社会的自立を図ることができる力や地域の一員として生きていける力を最大限に伸長するため、ライフステージを見通し、それぞれの障害の程度や発達の状態に応じた適切な教育が受けられるよう計画的に改善を図られたい。さらに、進学や就労など個々のニーズを踏まえた施策の充実を図るとともに、必要な財源措置を国に強く求められたい。五特別支援教育を推進するため、モデル校での実践を検証して、人員増と環境整備を図られたい。六教員の資質・能力の向上については、優秀な新人教員の養成・確保や現職教員の使命感、授業力などの一層の向上を図るための諸施策を積極的に推進されたい。また、優秀な退職教員や教職管理職の活用を図る施策の充実に努められたい。七防災ボランティア活動についての学習に当たっては、子どもたちが年齢に応じた社会貢献ができるよう、体験を重視した指導を行われたい。八都立定時制高校における学校給食費補助については、対象となる生徒が有職者に限られるとする要綱を改め、より多くの生徒が食べられるよう環境整備に努められたい。九子どもの権利を尊重した学校運営を行い、教育の分権を進めること。十リプロダクティブ・ヘルス&ライツの観点による性教育を進められたい。十一情報を正しく把握し選択できるメディアリテラシーの教育を進められたい。十二都内公立校で学ぶ外国人児童・生徒の人権とアイデンティティーに配慮し、国際化を進められたい。十三年代や出身地の異なる生徒の実情に応じた学びが保障されるよう、夜間中学の設置、教師の配置を充実されたい。○人事委員会事務局関係一人事制度に関しては、今後の採用・管理職試験を含めて、都政の活性化や都民サービスの充実拡大、全世代の職員の合理的、効率的活用が図られるよう考慮されたい。○労働委員会事務局関係一労働組合法の改正を踏まえ、職員の専門的能力の一層の向上を図るため、体系的な研修を充実させるなど、審査のより一層の迅速化・的確化を進められたい。○東京消防庁関係一消防庁舎等の耐震性強化、消防団分団本部施設等の整備など震災時の災害活動拠点の充実強化を図るとともに消防団の活動力向上のため、装備資器材等の整備を図られたい。また、消防団員の処遇改善を図られたい。二テロ等によるNBC災害や地震などの大規模災害発生時の対応力を強化するため、消防車両や装備資器材等を充実するとともに、実践的訓練及び消防ヘリコプターを活用した救助体制の整備に努められたい。三効率的な消防活動体制の充実を始め、地域住民や事業所・区市町村等との連携強化、耐震性に優れた活動拠点の整備、災害時支援ボランティアの育成、消防団の救助力、機動力の強化などを行い、大規模災害時の即応体制の強化を図られたい。四救命率の向上を図るため、救急車利用の適正化の促進、救急相談体制の充実、救急ヘリコプターによる救急搬送体制の一層の強化など救急活動体制の充実を図られたい。五防火対象物等の潜在的な危険実態を把握し、総合的な防火安全対策を推進するとともに、住宅火災による死者を減少させるため、住宅用火災警報器の普及促進に努められたい。六情報通信体制の確保を図るため、総合情報処理システムの更新等を推進し、効率的な消防活動を展開していくための体制を整備されたい。七都民の救急相談及び医療機関案内等に対する窓口として救急相談センターを開設し、都民サービスの向上を図るとともに、軽症時の都民の自力通院を促進されたい。○警視庁関係一交番相談員などの非常勤職員の拡充により、警察官の現場シフトを更に進め、第一線の警察活動の強化を図り、交番機能の強化、街頭犯罪・ハイテク犯罪対策の強化など、都民の安全・安心を確保するための犯罪抑止総合対策を推進されたい。二立てこもり事件などの対応に必要な資器材や各種捜査支援システムの整備を図るとともに、犯罪組織の活動資金となる犯罪収益の移転防止に必要な対応策を講じ、暴力団、国際組織犯罪の重点的検挙を推進されたい。三警察官の受傷事故防止と被疑者の逮捕、制圧に有効な装備資器材の整備充実を図り、街頭警察活動の強化を図られたい。四震災などの災害発生に備え、救助活動を支える車両、救助具等の整備を図るとともに、防災拠点となる警察施設等の整備を図られたい。五放置車両確認事務の民間委託の一層の拡大など、新駐車対策法制の定着を図り、交通渋滞の緩和を促進し、安全快適な交通社会の実現に努められたい。六駐車禁止規制からの除外措置については、障害者の現状を十二分に把握し、適宜適切に見直すこと。七生徒の安全・安心を守るため、学校等との連携を強化するスクールサポーター、防犯と安全教育を専門とする学校安全専門員等、再雇用職員の増員を図られたい。八都民への地域安全情報の提供や、都民からも情報提供ができるシステムを整備するなど、地域と連携した犯罪を発生させない街づくりを推進されたい。九歩行者の安全を確保するため、自転車の通行帯の整備を図るとともに、資器材を整備し、高齢者の交通事故防止対策と交通事件・事故の効果的な捜査を進められたい。--------------------平成十八年度各会計決算特別委員会少数意見報告書平成十八年度東京都一般会計決算十二月五日開会の平成十八年度各会計決算特別委員会における右決算に対する左記意見は、採決の結果廃棄されたので、成規の賛成を得て少数意見として留保したから、東京都議会会議規則第六十七条第二項の規定により報告します。記(意見)格差と貧困の広がりが大きな社会問題となる中で、平成十八年度の都政には、ワーキングプア、ネットカフェ難民、さらには介護・医療難民の対策をはじめ、都民の暮らし、福祉の向上など都民の切実な施策にこそ力を注ぐことが強く求められていた。ところが、石原知事は大幅な税収増になったにもかかわらず、「都民生活をまもる」という自治体としての役割を投げ捨て、「オリンピック招致」を口実に一千億円ものオリンピック基金の積み立て、環境破壊の都市再生緊急整備や三環状道路、中央環状道路品川線など、巨大開発を中心に一兆円規模の巨額を投じてきた。しかも、知事自らは豪華海外出張や、高額の税金による料亭などでの飲食、トーキョーワンダーサイトや新銀行東京、三宅島バイクレースなどトップダウン政治に対し、都民から大きな批判が湧き上がった年度でもあった。同時に、平成十八年度決算は石原都政の八年を締めくくる決算でもあった。知事は「巨額の税収不足が生じる」などとして、一次、二次の「財政再建推進計画」を立て、福祉切捨てをはじめとする「痛み」を都民に求めてきた。この八年間、都税収入は当初見通しを累計で三兆一千二百三十五億円も上回りながら、何らの見直しも行わず都民に冷たい都政運営を続けてきたことが明らかとなった。今こそ、こうした都民施策の切捨ての都政運営を改めて、都民生活最優先、都民福祉の増進という自治体本来の方向へと転換することが強く求められている。よって、平成十八年度東京都一般会計決算に反対するものである。平成十九年十二月五日少数意見留保者古館和憲賛成者植木こうじ賛成者松村友昭東京都議会議長比留間敏夫殿平成十八年度各会計決算特別委員会決算審査報告書平成十八年度東京都臨海都市基盤整備事業会計決算本委員会は、平成十九年九月二十七日付託された右決算を審査の結果、別紙意見を付して認定すべきものと決定したので報告します。なお、本決算採決の結果、本決算に対し廃棄された意見は、委員古館和憲君が出席委員植木こうじ君及び松村友昭君の賛成を得て、少数意見として留保したので申し添えます。平成十九年十二月五日平成十八年度各会計決算特別委員長鈴木一光東京都議会議長比留間敏夫殿(別紙)(意見)都議会の決算審査の経過に表れた結果を十分考慮して、財政の健全化を図り、都民の負託にこたえるよう、強く要望するものである。--------------------平成十八年度各会計決算特別委員会少数意見報告書平成十八年度東京都臨海都市基盤整備事業会計決算十二月五日開会の平成十八年度各会計決算特別委員会における右決算に対する左記意見は、採決の結果廃棄されたので、成規の賛成を得て少数意見として留保したから、東京都議会会議規則第六十七条第二項の規定により報告します。記(意見)破綻した臨海副都心開発の基盤整備を進める会計であり、その執行は認められない。よって、平成十八年度東京都臨海都市基盤整備事業会計決算に反対するものである。平成十九年十二月五日少数意見留保者古館和憲賛成者植木こうじ賛成者松村友昭東京都議会議長比留間敏夫殿平成十八年度各会計決算特別委員会決算審査報告書平成十八年度東京都都営住宅等事業会計決算本委員会は、平成十九年九月二十七日付託された右決算を審査の結果、別紙意見を付して認定すべきものと決定したので報告します。なお、本決算採決の結果、本決算に対し廃棄された意見は、委員古館和憲君が出席委員植木こうじ君及び松村友昭君の賛成を得て、少数意見として留保したので申し添えます。平成十九年十二月五日平成十八年度各会計決算特別委員長鈴木一光東京都議会議長比留間敏夫殿(別紙)(意見)都議会の決算審査の経過に表れた結果を十分考慮して、財政の健全化を図り、都民の負託にこたえるよう、強く要望するものである。--------------------平成十八年度各会計決算特別委員会少数意見報告書平成十八年度東京都都営住宅等事業会計決算十二月五日開会の平成十八年度各会計決算特別委員会における右決算に対する左記意見は、採決の結果廃棄されたので、成規の賛成を得て少数意見として留保したから、東京都議会会議規則第六十七条第二項の規定により報告します。記(意見)都営住宅については、入居希望者が殺到しているにもかかわらず新規建設を一戸も行わないばかりか、単身者の入居については、当該年度四月から入居基準を五十歳以上から六十歳以上に引き上げるなど、都営住宅の果たしてきた役割を大後退させてきたことは重大である。よって、平成十八年度東京都都営住宅等事業会計決算に反対するものである。平成十九年十二月五日少数意見留保者古館和憲賛成者植木こうじ賛成者松村友昭東京都議会議長比留間敏夫殿平成十八年度各会計決算特別委員会決算審査報告書平成十八年度東京都用地会計決算本委員会は、平成十九年九月二十七日付託された右決算を審査の結果、別紙意見を付して認定すべきものと決定したので報告します。なお、本決算採決の結果、本決算に対し廃棄された意見は、委員古館和憲君が出席委員植木こうじ君及び松村友昭君の賛成を得て、少数意見として留保したので申し添えます。平成十九年十二月五日平成十八年度各会計決算特別委員長鈴木一光東京都議会議長比留間敏夫殿(別紙)(意見)都議会の決算審査の経過に表れた結果を十分考慮して、財政の健全化を図り、都民の負託にこたえるよう、強く要望するものである。--------------------平成十八年度各会計決算特別委員会少数意見報告書平成十八年度東京都用地会計決算十二月五日開会の平成十八年度各会計決算特別委員会における右決算に対する左記意見は、採決の結果廃棄されたので、成規の賛成を得て少数意見として留保したから、東京都議会会議規則第六十七条第二項の規定により報告します。記(意見)破綻した臨海副都心開発を救済するための有明の丘の買取り費用が含まれている。よって、平成十八年度東京都用地会計決算に反対するものである。平成十九年十二月五日少数意見留保者古館和憲賛成者植木こうじ賛成者松村友昭東京都議会議長比留間敏夫殿平成十八年度各会計決算特別委員会決算審査報告書平成十八年度東京都多摩ニュータウン事業会計決算本委員会は、平成十九年九月二十七日付託された右決算を審査の結果、別紙意見を付して認定すべきものと決定したので報告します。なお、本決算採決の結果、本決算に対し廃棄された意見は、委員古館和憲君が出席委員植木こうじ君及び松村友昭君の賛成を得て、少数意見として留保したので申し添えます。平成十九年十二月五日平成十八年度各会計決算特別委員長鈴木一光東京都議会議長比留間敏夫殿(別紙)(意見)都議会の決算審査の経過に表れた結果を十分考慮して、財政の健全化を図り、都民の負託にこたえるよう、強く要望するものである。--------------------平成十八年度各会計決算特別委員会少数意見報告書平成十八年度東京都多摩ニュータウン事業会計決算十二月五日開会の平成十八年度各会計決算特別委員会における右決算に対する左記意見は、採決の結果廃棄されたので、成規の賛成を得て少数意見として留保したから、東京都議会会議規則第六十七条第二項の規定により報告します。記(意見)会計収束に向け、当初のまちづくりの計画を一方的に変更して土地処分を行った。よって、平成十八年度東京都多摩ニュータウン事業会計決算に反対するものである。平成十九年十二月五日少数意見留保者古館和憲賛成者植木こうじ賛成者松村友昭東京都議会議長比留間敏夫殿平成十八年度各会計決算特別委員会決算審査報告書平成十八年度東京都都市開発資金会計決算本委員会は、平成十九年九月二十七日付託された右決算を審査の結果、別紙意見を付して認定すべきものと決定したので報告します。平成十九年十二月五日平成十八年度各会計決算特別委員長鈴木一光東京都議会議長比留間敏夫殿(別紙)(意見)都議会の決算審査の経過に表れた結果を十分考慮して、財政の健全化を図り、都民の負託にこたえるよう、強く要望するものである。平成十八年度各会計決算特別委員会決算審査報告書平成十八年度東京都公債費会計決算本委員会は、平成十九年九月二十七日付託された右決算を審査の結果、別紙意見を付して認定すべきものと決定したので報告します。平成十九年十二月五日平成十八年度各会計決算特別委員長鈴木一光東京都議会議長比留間敏夫殿(別紙)(意見)都議会の決算審査の経過に表れた結果を十分考慮して、財政の健全化を図り、都民の負託にこたえるよう、強く要望するものである。平成十八年度各会計決算特別委員会決算審査報告書平成十八年度東京都特別区財政調整会計決算本委員会は、平成十九年九月二十七日付託された右決算を審査の結果、別紙意見を付して認定すべきものと決定したので報告します。平成十九年十二月五日平成十八年度各会計決算特別委員長鈴木一光東京都議会議長比留間敏夫殿(別紙)(意見)都議会の決算審査の経過に表れた結果を十分考慮して、財政の健全化を図り、都民の負託にこたえるよう、強く要望するものである。平成十八年度各会計決算特別委員会決算審査報告書平成十八年度東京都地方消費税清算会計決算本委員会は、平成十九年九月二十七日付託された右決算を審査の結果、別紙意見を付して認定すべきものと決定したので報告します。平成十九年十二月五日平成十八年度各会計決算特別委員長鈴木一光東京都議会議長比留間敏夫殿(別紙)(意見)都議会の決算審査の経過に表れた結果を十分考慮して、財政の健全化を図り、都民の負託にこたえるよう、強く要望するものである。平成十八年度各会計決算特別委員会決算審査報告書平成十八年度東京都都営住宅等保証金会計決算本委員会は、平成十九年九月二十七日付託された右決算を審査の結果、別紙意見を付して認定すべきものと決定したので報告します。平成十九年十二月五日平成十八年度各会計決算特別委員長鈴木一光東京都議会議長比留間敏夫殿(別紙)(意見)都議会の決算審査の経過に表れた結果を十分考慮して、財政の健全化を図り、都民の負託にこたえるよう、強く要望するものである。平成十八年度各会計決算特別委員会決算審査報告書平成十八年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計決算本委員会は、平成十九年九月二十七日付託された右決算を審査の結果、別紙意見を付して認定すべきものと決定したので報告します。平成十九年十二月五日平成十八年度各会計決算特別委員長鈴木一光東京都議会議長比留間敏夫殿(別紙)(意見)都議会の決算審査の経過に表れた結果を十分考慮して、財政の健全化を図り、都民の負託にこたえるよう、強く要望するものである。平成十八年度各会計決算特別委員会決算審査報告書平成十八年度東京都母子福祉貸付資金会計決算本委員会は、平成十九年九月二十七日付託された右決算を審査の結果、別紙意見を付して認定すべきものと決定したので報告します。平成十九年十二月五日平成十八年度各会計決算特別委員長鈴木一光東京都議会議長比留間敏夫殿(別紙)(意見)都議会の決算審査の経過に表れた結果を十分考慮して、財政の健全化を図り、都民の負託にこたえるよう、強く要望するものである。平成十八年度各会計決算特別委員会決算審査報告書平成十八年度東京都心身障害者扶養年金会計決算本委員会は、平成十九年九月二十七日付託された右決算を審査の結果、別紙意見を付して認定すべきものと決定したので報告します。平成十九年十二月五日平成十八年度各会計決算特別委員長鈴木一光東京都議会議長比留間敏夫殿(別紙)(意見)都議会の決算審査の経過に表れた結果を十分考慮して、財政の健全化を図り、都民の負託にこたえるよう、強く要望するものである。平成十八年度各会計決算特別委員会決算審査報告書平成十八年度東京都中小企業設備導入等資金会計決算本委員会は、平成十九年九月二十七日付託された右決算を審査の結果、別紙意見を付して認定すべきものと決定したので報告します。平成十九年十二月五日平成十八年度各会計決算特別委員長鈴木一光東京都議会議長比留間敏夫殿(別紙)(意見)都議会の決算審査の経過に表れた結果を十分考慮して、財政の健全化を図り、都民の負託にこたえるよう、強く要望するものである。平成十八年度各会計決算特別委員会決算審査報告書平成十八年度東京都農業改良資金助成会計決算本委員会は、平成十九年九月二十七日付託された右決算を審査の結果、別紙意見を付して認定すべきものと決定したので報告します。平成十九年十二月五日平成十八年度各会計決算特別委員長鈴木一光東京都議会議長比留間敏夫殿(別紙)(意見)都議会の決算審査の経過に表れた結果を十分考慮して、財政の健全化を図り、都民の負託にこたえるよう、強く要望するものである。平成十八年度各会計決算特別委員会決算審査報告書平成十八年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計決算本委員会は、平成十九年九月二十七日付託された右決算を審査の結果、別紙意見を付して認定すべきものと決定したので報告します。平成十九年十二月五日平成十八年度各会計決算特別委員長鈴木一光東京都議会議長比留間敏夫殿(別紙)(意見)都議会の決算審査の経過に表れた結果を十分考慮して、財政の健全化を図り、都民の負託にこたえるよう、強く要望するものである。平成十八年度各会計決算特別委員会決算審査報告書平成十八年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計決算本委員会は、平成十九年九月二十七日付託された右決算を審査の結果、別紙意見を付して認定すべきものと決定したので報告します。平成十九年十二月五日平成十八年度各会計決算特別委員長鈴木一光東京都議会議長比留間敏夫殿(別紙)(意見)都議会の決算審査の経過に表れた結果を十分考慮して、財政の健全化を図り、都民の負託にこたえるよう、強く要望するものである。平成十八年度各会計決算特別委員会決算審査報告書平成十八年度東京都と場会計決算本委員会は、平成十九年九月二十七日付託された右決算を審査の結果、別紙意見を付して認定すべきものと決定したので報告します。平成十九年十二月五日平成十八年度各会計決算特別委員長鈴木一光東京都議会議長比留間敏夫殿(別紙)(意見)食肉市場におけるピッシング中止対応工事などの施設整備を行うとともに、ラインの一時停止に当たっては、関係者と十分に協議されたい。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)本件に関し、平成十八年度各会計決算特別委員長より報告を求めます。平成十八年度各会計決算特別委員長鈴木一光君。〔六十五番鈴木一光君登壇〕 # 六十五番(鈴木一光君) 六十五番(鈴木一光君)平成十八年度各会計決算特別委員会の審査の経過と結果につきまして、その概要をご報告申し上げます。本委員会に付託された案件は、平成十八年度東京都一般会計及び十七の特別会計の決算の認定でございます。平成十八年度の決算審査に当たりましては、従来の官庁会計決算に加え、新たな公会計制度に基づく財務諸表が初めて参考資料として提出され、本委員会として一つの節目となる年でございました。本委員会は、九月二十七日の設置以来、十二月五日までの間に、五回の委員会と延べ十七回の分科会を開催し、集中的かつ精力的に審査を行ってまいりました。この間、副委員長、理事、委員各位におかれましては、大変厳しい日程にもかかわらず、理事者各位の積極的なご協力のもとに終始熱心に審査を続けられ、ここに滞りなく終了することができました。委員長として深く感謝申し上げる次第でございます。さて、平成十八年度の一般会計決算は、歳入総額が六兆五千四百六十四億余円、歳出総額が六兆三千七百五十五億余円で、形式収支は差し引き千七百八億余円の黒字、実質収支も千四百八十七億余円の黒字となっております。さらに、支払い繰り延べや事業繰越を含めた普通会計決算でも、実質収支は千三百七十億円の黒字で、都財政は二年連続の黒字決算となりました。なお、一般会計の決算額を予算現額と比較しますと、収入率は九八・一%、執行率は九五・五%となっております。次に、特別会計でございますが、十七の特別会計の歳入歳出決算を合計いたしますと、歳入は四兆七千四百三十九億余円、歳出は四兆五千九百六十億余円であり、形式収支では差し引き千四百七十九億余円の黒字でございました。この決算額を予算現額と比較しますと、収入率は九七・八%、執行率は九七・七%となっております。次に、決算審査の過程で議論されました主な事項につきまして、その概要をご報告申し上げます。まず、行財政運営に係る分野では、新たな公会計制度について、導入の成果や今後の財務諸表の分析、活用など、さまざまな議論がなされたほか、「十年後の東京」実現の取り組み、第二次財政再建推進プランの税収見込みと実績、都の財源をめぐる国の動きとその対応、徴税努力と徴収率の向上、都有財産の利活用、指定管理者制度、首都大学東京の運営などについて議論が行われました。次に、治安、防災の分野では、木造住宅や私立学校の耐震化、東部低地帯の耐震対策、避難所の整備、不法滞在外国人対策、子どもの安全確保、消防団の人員確保や施設整備などについて質疑が行われました。まちづくりの分野では、中央環状品川線の整備、連続立体交差事業の促進、道路アセットマネジメントや無電柱化の推進について質疑が行われたほか、多摩ニュータウンの活性化、豪雨対策、運河ルネッサンスの推進、都立公園の整備、橋梁の安全性確保、横断歩道橋の管理とバリアフリー化などについて議論が交わされました。また、環境の分野では、緑化対策、ヒートアイランド対策、自動車公害対策、廃棄物対策、土壌汚染対策、環境影響評価制度などについて議論が行われました。福祉と保健医療の分野では、高齢者施策についてさまざまな議論がなされたほか、子育て支援策、障害者の就労支援や自立支援法の利用者負担、公社病院の運営、食品の安全確保、乳がん対策などについて議論が行われました。次に、都民の生活と経済の分野では、都市農業振興、商店街振興、水辺地域の観光振興など各種の振興策のほか、東京しごとセンターの事業実績、ものづくり産業の支援、都営住宅の経営、NPO法人の指導監督、消費者被害対策、獣害対策、新銀行東京の事業運営などについて質疑がありました。また、教育、文化の分野では、特別支援教育や日本の伝統・文化理解教育の推進、教員の質の確保について質疑が行われたほか、学力向上の取り組み、部活動の活性化、学校経営支援センターの運営、私学助成の充実、東京マラソンの大会運営や東京芸術文化評議会の運営などについて議論が行われました。このほか、オリンピックの招致やアジア大都市ネットワーク21の事業運営などについての質疑も行われております。以上述べましたように、本委員会におきましては、都政全般にわたる多様かつ広範な課題につきまして、都民の信託に十分こたえ得る予算の執行がなされているか否か、慎重な審査を続けてまいりました。そして、すべての質疑が終了した後、各会派の意見開陳が行われ、その主な意見につきましては、決算の認定に際しての意見として、お手元配布の審査報告書にお示ししてあります。次いで、十二月五日に、本委員会は、これら平成十八年度各会計決算について表決を行いました。その結果、付託された会計のうち、一般会計及び都営住宅等事業会計、用地会計、多摩ニュータウン事業会計、臨海都市基盤整備事業会計の四特別会計の各決算については起立多数で、その他の十三の特別会計につきましては全会一致で、いずれも認定すべきものと決定をいたしました。なお、起立多数により認定されました一般会計及び四特別会計につきましては、会議規則第六十七条第一項の規定に基づき、少数意見の留保がありましたので、あわせてご報告申し上げます。以上が審査の概要です。本委員会といたしましては、この間の審査の成果が今後の都政に十分生かされますことを期待するものであります。なお、今回初めて提出された新たな公会計制度に基づく財務諸表により、減価償却費や金利等を含めたフルコストの情報など、従来の官庁会計では明らかにされなかった有益な情報が得られるようになりました。今後とも、こうした公会計制度の利点をも生かし、引き続き効率的な事業運営に努められることを期待しております。以上をもちまして、各会計決算特別委員会を代表しての委員長報告といたします。ありがとうございました。(拍手) # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)以上をもって平成十八年度各会計決算特別委員長の報告は終わりました。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)これより採決に入ります。まず、日程第三十八及び第三十九、平成十八年度東京都一般会計決算の認定について外一件を一括して採決いたします。本件は、起立により採決いたします。本決算は、いずれも委員会の報告のとおり認定することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)起立多数と認めます。よって、本決算は、いずれも委員会の報告のとおり認定することに決定いたしました。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)次に、日程第四十及び第四十一、平成十八年度東京都都営住宅等事業会計決算の認定について外一件を一括して採決いたします。本件は、起立により採決いたします。本決算は、いずれも委員会の報告のとおり認定することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)起立多数と認めます。よって、本決算は、いずれも委員会の報告のとおり認定することに決定いたしました。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)次に、日程第四十二、平成十八年度東京都多摩ニュータウン事業会計決算の認定についてを採決いたします。本件は、起立により採決いたします。本決算は、委員会の報告のとおり認定することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)起立多数と認めます。よって、本決算は、委員会の報告のとおり認定することに決定いたしました。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)次に、日程第四十三及び第四十四、平成十八年度東京都都市開発資金会計決算の認定について外一件を一括して採決いたします。本件は、起立により採決いたします。本決算は、いずれも委員会の報告のとおり認定することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)起立多数と認めます。よって、本決算は、いずれも委員会の報告のとおり認定することに決定いたしました。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)次に、日程第四十五から第四十七まで、平成十八年度東京都特別区財政調整会計決算の認定について外二件を一括して採決いたします。本件は、起立により採決いたします。本決算は、いずれも委員会の報告のとおり認定することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)起立多数と認めます。よって、本決算は、いずれも委員会の報告のとおり認定することに決定いたしました。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)次に、日程第四十八から第五十五まで、平成十八年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計決算の認定について外七件を一括して採決いたします。お諮りいたします。本決算は、いずれも委員会の報告のとおり認定することにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)ご異議なしと認めます。よって、本決算は、いずれも委員会の報告のとおり認定することに決定いたしました。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)日程第五十六から第六十六まで、平成十八年度東京都病院会計決算の認定について外十件を一括議題といたします。本件に関する委員会審査報告書は、お手元に配布いたしてあります。朗読は省略いたします。平成十八年度公営企業会計決算特別委員会決算審査報告書平成十八年度東京都病院会計決算本委員会は、平成十九年九月二十七日付託された右決算を審査の結果、別紙意見を付して認定すべきものと決定したので報告します。平成十九年十二月七日平成十八年度公営企業会計決算特別委員長相川博東京都議会議長比留間敏夫殿(別紙)(意見)一患者中心の医療の実現と医療サービスの向上を図るため、「都立病院改革マスタープラン」の実現に努め、「東京発医療改革」の核である都立病院改革を着実に推進されたい。二度重なる診療報酬のマイナス改定など、病院運営を取り巻く厳しい情勢の下、一般会計繰入対象経費の算定方法及び負担区分の一層の明確化に努め、経営基盤の強化を図られたい。今後とも、収入の確保や経費の節減など、更なる経営努力を行うとともに、一般会計から適切に財源を繰り入れることで、早期に累積欠損金の解消を図り、健全な経営に努められたい。三都立病院は、感染症医療、救急医療、がん医療、周産期医療、難病医療などの行政的医療を適正に都民に提供するとともに、都における医療の質的向上に努められたい。また、PFI事業の推進など、経営改善に向けた多様な努力を行い、安定した経営基盤を確立されたい。四産婦人科などの特定診療科で医師不足が深刻化する中、医師の処遇改善や福利厚生の充実を図るなど、医療の中核を担う中堅医師の定着・確保に努めるとともに、次代を担う専門性の高い優秀な若手医師を育成・確保するため、「東京医師アカデミー」開講に向けた準備を確実に進められたい。五「東京ER」を始め、精神科救急や小児救急などの救急医療に適切に対応するとともに、救急医療に従事する医師の育成、確保に努められたい。六看護職員の採用が厳しさを増す中、「看護臨床研修」を実施するなど、その確保・育成を図るとともに、二十四時間保育を実施し、看護職員など病院に勤務する女性職員の定着を図られたい。七PFIによる病院の整備・運営に当たっては、長期にわたって医療環境の変化に柔軟に対応するとともに、民間事業者の業務履行状況を適正にチェックする体制を構築し、サービスの一層の向上に努められたい。八豊島病院の公社移管については、移管の目的、医療サービスがどのように良くなるのか明確にするとともに、地元住民からの意見・要望を十分に反映させるよう努力されたい。九電子カルテシステムの導入推進に当たっては、セキュリティー対策に万全を期すとともに、ハード・ソフト上の課題を改善し、医療従事者の負担軽減、患者サービスの向上に取り組まれたい。十検査機器を始めとする医療機器の購入に当たっては、できる限り費用を低減するよう適切に取り組まれたい。十一医療従事者及び患者に対して、都立病院の患者権利章典の周知を図り、患者へのサービス向上を進め、インフォームド・コンセントの原則を徹底されたい。今後策定予定の精神病院の患者の権利章典については、患者とその家族に向けた特有の「権利」を反映させ、患者中心の医療を進められたい。十二医療系廃棄物については、在宅使用するものを含め、安全な取扱いと廃棄を徹底されたい。十三都立病院でのエイズに関する診療体制と骨髄移植についての医療体制を拡充されたい。十四都立病院の改築・改修に当たっては、その手法の如何を問わず、十分な環境配慮等を行われたい。平成十八年度公営企業会計決算特別委員会決算審査報告書平成十八年度東京都臨海地域開発事業会計決算本委員会は、平成十九年九月二十七日付託された右決算を審査の結果、別紙意見を付して認定すべきものと決定したので報告します。平成十九年十二月七日平成十八年度公営企業会計決算特別委員長相川博東京都議会議長比留間敏夫殿(別紙)(意見)一臨海副都心の開発は、首都東京の活力と創造力を生み出し、中小企業に対して大きな生産誘発効果や雇用誘発効果をもたらす、都民生活を支える新しいまちを創造する重要な事業である。本年三月より公募を開始した青海地区北側を中心に観光・交流のまちづくりを推進し一層の活性化を図るとともに民間事業者の積極的な誘致に努め、土地処分に全力を尽くして、まちづくりの総仕上げに向けた着実な開発を進められたい。二臨海副都心と都心部を結ぶ環状二号線など広域幹線道路の整備を積極的に推進されたい。三有明北地区については、オリンピック選手村としての活用を視野に入れながら、都心に近接した豊かな水辺環境をいかした職住近接のまちづくりを目指して、積極的かつ着実に事業を推進されたい。四東京港の埋立地は、都民の貴重な財産であり、都市再生に寄与するよう長期的な視点に立った着実な開発整備を推進されたい。また、都民の要望に的確に対応し、海上公園等の整備や各種スポーツ・レクリエーション施設の拡充、自然の再生を図るなど、都民の多様な余暇活動のニーズにこたえ、良好な都市環境の形成に努められたい。五破綻した第三セクター三社の民事再生計画の実効性を確保するために、引き続きテナントの確保に向けた営業努力を行われたい。また、株式会社東京臨海ホールディングスについては、情報公開制度を確立し、責任体制の明確化や経営の効率化を図るとともに、ビル事業も含めた第三セクター自体の在り方について、引き続き、官民の役割分担を踏まえて見直していかれたい。六広域防災拠点として位置付けられている有明の丘が、その機能を確実に果たせるよう、地域内の都市基盤はもとより、アクセス道路などの施設を整備されたい。平成十八年度公営企業会計決算特別委員会決算審査報告書平成十八年度東京都高速電車事業会計決算本委員会は、平成十九年九月二十七日付託された右決算を審査の結果、別紙意見を付して認定すべきものと決定したので報告します。平成十九年十二月七日平成十八年度公営企業会計決算特別委員長相川博東京都議会議長比留間敏夫殿(別紙)(意見)一昭和三十五年の浅草線開業以来、初めて経常損益で黒字転換を果たしたことは評価するが、今後は巨額の累積欠損金の解消に向けて一層の経営の効率化を進められたい。併せて、基幹的収入である乗車料収入はもとより、広告事業や駅空間の有効活用により関連事業収入の増収対策にも力を入れ、収支両面から財務状況の改善を図られたい。二ハード面の整備はもとより、訓練やマニュアル等ソフト面からも安全管理・危機管理体制を充実し、事故の未然防止と、より一層の安全対策に万全を期されたい。三大江戸線への可動式ホーム柵設置に向けた取組を行うなど、都営地下鉄においてホームドア等の設置を拡充し、ホームからの転落防止対策を進められたい。四地下鉄における火災対策やエレベーターを始めとするバリアフリー化等を推進するため、用地の確保等に努め、駅施設の整備改善を積極的に推進されたい。また、障害者や障害児のためのトイレのオムツ換えベッドの整備を推進されたい。五駅管理業務の民間委託拡大に当たっては、サービス水準及び安全の確保に万全の措置を講じられたい。六障害者の自立と雇用を積極的に推進するため、出店を公募するなど、障害者が働く駅構内店舗の拡充を図られたい。また、福祉乗車証に関する都民への周知を一層強化されたい。七駅周辺の放置自転車対策として、地元区とも協力し、駐輪場整備に努められたい。八ICカード乗車券パスモについては、連絡定期券としての利便性向上に努めるとともに乗車券以外の目的でも広く活用できるよう検討されたい。平成十八年度公営企業会計決算特別委員会決算審査報告書平成十八年度東京都水道事業会計決算本委員会は、平成十九年九月二十七日付託された右決算を審査の結果、別紙意見を付して認定すべきものと決定したので報告します。平成十九年十二月七日平成十八年度公営企業会計決算特別委員長相川博東京都議会議長比留間敏夫殿(別紙)(意見)一将来にわたる安定給水を確保するため、「水資源開発基本計画」で予定している新規水源開発について、国等に一層の促進を要望するとともに、国庫補助金等の導入拡大に努力されたい。また、水源県との協力関係を深め、その推進に努められたい。二事故時や震災時においても必要な水を確保できるよう、主要施設整備事業を推進し、初期ダクタイル管の取替えや、施設の耐震性の強化等に努められたい。また、都県域を越えた水の相互融通や他の事業と連携した合同訓練の実施、緊急時により機動的に対応できる体制の整備など、危機管理対策に万全を期されたい。三都民が求める安全でおいしい水を供給するため、水質監視体制に万全を期し、高度浄水処理の着実な導入を進めるとともに、給水所における追加塩素注入設備の導入及び残留塩素の低減など、都独自のおいしさについての水質目標を達成するよう、送配水段階におけるおいしい水対策を推進されたい。また、小河内貯水池などの水質保全対策を強化するとともに、水道水源の水質保全対策について、国に強く要望されたい。四貯水槽水道の点検調査について更なるスピードアップを図るとともに、貯水槽水道の適正管理の重要性や直結給水への切り替えなどに関する適切な情報提供を行い、貯水槽水道の適正管理を促進されたい。五公立小学校の水飲栓直結給水化モデル事業及び水道キャラバンを推進し、民間事業者と連携した直結切替え見積サービスを実施するなど直結給水方式の普及・拡大を進められたい。六「東京都水道局環境計画」に掲げた、水道水源林の保全、自然エネルギーの活用、漏水防止対策など環境に配慮した施策をより積極的に推進するとともに、総合的エネルギー管理の実施や都民と連携したCO2削減など、環境負荷低減型都市づくりに努められたい。七「東京水道経営プラン二〇〇七」に盛り込まれた、水道局及び監理団体による一体的事業運営体制の構築など、効率的で責任ある運営体制を構築し、経営基盤の強化を図るとともに、水道文化の継承など次世代を見据えた幅広い施策の推進に努められたい。八広域水道のメリットを発揮し、多摩地区水道事業のより一層のサービスや給水安定性の向上及び効率的な事業運営を図るため、「多摩地区水道経営改善基本計画」に基づき、経営改善を円滑かつ着実に推進されたい。九大規模施設の整備に当たっては、事業評価制度の活用などにより、事業効果の明確化を図るとともに、都民への説明責任を果たし、より一層信頼される事業運営に努められたい。十広報による節水意識の高揚、循環利用及び雨水利用の促進など、節水諸施策を推進し、節水型都市づくりに努められたい。また、経年配水管の取替、初期ダクタイル管の取替及び漏水防止対策を引き続き推進されたい。十一水道局保有の土地や床などの財産について、知事部局との情報交換を密に行い、適切な利活用に努められたい。また、保有財産活用に当たっての契約内容については、都民に分かりやすいものとされたい。平成十八年度公営企業会計決算特別委員会決算審査報告書平成十八年度東京都都市再開発事業会計決算本委員会は、平成十九年九月二十七日付託された右決算を審査の結果、別紙意見を付して認定すべきものと決定したので報告します。平成十九年十二月七日平成十八年度公営企業会計決算特別委員長相川博東京都議会議長比留間敏夫殿(別紙)(意見)一北新宿地区市街地再開発事業については、新宿副都心にふさわしい土地の高度利用と、放射第六号線の早期全面開放による都市基盤の強化を図り、幹線道路とその周辺部の都市機能を再生し、生活環境の改善と防災性の向上を推進されたい。二環状第二号線新橋・虎ノ門地区市街地再開発事業については、都市の骨格を形成する環状第二号線とその周辺を含めた一体的な都市機能を再生し、魅力と個性のある複合市街地の形成を推進するとともに、生活環境の改善と防災性の向上を図られたい。三環状第二号線新橋・虎ノ門地区市街地再開発事業を進めるに当たっては、引き続き宅地買収を進めるとともに、事業の進捗状況の適正管理を行い、一日も早い完成に努められたい。四環状第二号線のうち、本線が地下化される愛宕通りから汐留までの区間における地上部道路の活用の検討に当たっては、にぎわいや活気のある商店街の形成及び緑の配置などの環境や景観への配慮等について、地域住民や関係者と十分な協議を進められたい。五大橋地区市街地再開発事業については、首都高速道路中央環状新宿線大橋ジャンクションの整備と一体的にまちづくりを進め、合理的かつ健全な土地の高度利用と都市機能の更新を図るとともに、幹線道路とその周辺部の都市機能を再生し、生活環境の改善と防災性の向上を図られたい。六ヒートアイランド対策や風の道づくりなどの環境対策については、将来における時代状況の変化や技術の進歩などを見据えた上で、積極的に取り組まれたい。七「十年後の東京」との調和を図りながら、事業を進められたい。八事業を効率的に進めるために、地域を区分し優先順位を付けて整備に取り組まれたい。また、一年ごとの具体的な目標を設定し、その達成度を評価し、見直しも含めて検討されたい。平成十八年度公営企業会計決算特別委員会決算審査報告書平成十八年度東京都交通事業会計決算本委員会は、平成十九年九月二十七日付託された右決算を審査の結果、別紙意見を付して認定すべきものと決定したので報告します。平成十九年十二月七日平成十八年度公営企業会計決算特別委員長相川博東京都議会議長比留間敏夫殿(別紙)(意見)一バス事業、軌道事業については、経常損益で黒字計上したとはいえ、依然として予断を許さない財務状況であるため、引き続き増収・増客に向け、資産の有効活用、新規媒体広告の拡大等による増収対策にも積極的に取り組むとともに、管理の委託など徹底した経営の効率化を推進し、安定的経営に向け努力されたい。二バス停留所上屋を活用した広告事業について、民間による販売委託を検討するなど、損益並びに費用対効果を配慮した事業展開に努められたい。三需要に対応した路線の見直し等を進めるとともに、公共交通としての都バスのサービス推進のため、バス優先の走行環境の整備を推進するよう関係機関に働きかけられたい。四高齢者や障害者はもとより、ユニバーサルデザインの観点から、すべての人々が利用しやすいように、ノンステップバスの導入やハイブリッド自動車、天然ガス自動車などの低公害バスの早期導入に努めるなど、福祉や環境に配慮した取組を引き続き推進されたい。五バス停留所の上屋やベンチ、簡易型バス接近表示装置等、一層の整備を進め利用者の目に見えるようなサービスの向上に努められたい。六事故や災害に対し的確な対応ができるよう、職員の訓練や情報連絡体制の整備など安全対策の強化に取り組まれたい。七都営バス事業において、直営路線と民間への外部委託路線間で、サービス水準や安全水準に差が出ないよう、研修や教育訓練に努められたい。八LRT(次世代型路面電車)の導入に取り組まれたい。平成十八年度公営企業会計決算特別委員会決算審査報告書平成十八年度東京都中央卸売市場会計決算本委員会は、平成十九年九月二十七日付託された右決算を審査の結果、別紙意見を付して認定すべきものと決定したので報告します。平成十九年十二月七日平成十八年度公営企業会計決算特別委員長相川博東京都議会議長比留間敏夫殿(別紙)(意見)一都民に対する食の安全と安心を確保するため、東京都食品安全条例に基づき関係機関や市場関係業者と緊密な連携を図り、輸入食品も含め、安全で安心な生鮮食料品の流通に最大限、努められたい。また、有機農産物や特別栽培農産物等の供給拡大を図られたい。二食品危害対策マニュアルを十分活用し、安全性に問題のある食品に関しては、安全・品質管理者研修を実施し、生産・流通履歴(トレーサビリティ)システムを拡大活用して、市場に入れない、流通させないことを徹底されたい。三食品の偽装表示問題が多発し、消費者の信頼が揺らいでいる現状にかんがみ、卸売業者などに対する指導を徹底し、不適正表示の食料品が市場内で流通しないよう万全を期されたい。四豊洲新市場については、生鮮食料品を取り扱う市場の特殊性にかんがみ、建設予定地の土壌汚染について十分な調査を行い、専門家会議の提言を受けて万全な対策を講じられたい。また、環境基準を超える地下水が検出された地域の土壌調査や粘土層の調査など、徹底的な土壌汚染の詳細調査を実施するとともに、検出された汚染土壌の全面的除去や地下水の浄化・管理の徹底、定期的な観察など、食の安全・安心確保に万全を期されたい。五豊洲の土壌汚染対策は、東京ガス株式会社の負担を明確にし、用地買収はその方向が明確となってから行われたい。六豊洲新市場については、将来の流通環境の変化を十分考慮し、首都圏の基幹市場としての役割を担うものとするため、市場関係業者との協議を十分に行い、都民が安心できる市場として着実に建設を推進されたい。七築地市場の移転問題に関しては、関係者に対して引き続き十分な説明・協議を行うとともに、築地市場の耐震化対策や老朽化対策のための整備を実施されたい。また、築地市場関係者の豊洲新市場への移転については、必要な支援を行うとともに、市場業界の要望に十分配慮されたい。八中央卸売市場の活動に伴う環境負荷を抑制するため、小型特殊自動車などの電動化を推進し、温室効果ガス排出量の削減を図るとともに、太陽光発電などの再生可能エネルギーの導入や建物屋上などの緑化の推進や廃棄物の減量・減容化を図られたい。九第八次卸売市場整備計画の推進に当たっては、活力ある卸売市場を実現するため、特に市場業者の経営基盤の強化、市場施設の効率的な整備・運営等の取組を図られたい。十市場財政の健全な運営を確保するため、内部努力の徹底など運営の合理化に努めるとともに、効率的な資金の運用や財産の有効活用など財政基盤の強化に取り組まれたい。十一市場における観光客への対応については、市場本来の機能及び衛生面での確保を図りつつ、観光客や関係機関への周知徹底を通じて、観光面とバランスのとれた対策を講じられたい。十二市場への四週八休制度の全面的な導入については、消費者や業界団体などの意見を踏まえ慎重に対処するとともに、市場関係企業における人材の確保に向けて、情報提供などの待遇改善策について検討されたい。十三市場の活性化を図るため、市場関係業者による情報化に向けた取組と併せて、IT技術を利用した情報化の一層の推進を図り、高度な品質管理や効率的な物流システムの構築などに努められたい。平成十八年度公営企業会計決算特別委員会決算審査報告書平成十八年度東京都港湾事業会計決算本委員会は、平成十九年九月二十七日付託された右決算を審査の結果、別紙意見を付して認定すべきものと決定したので報告します。平成十九年十二月七日平成十八年度公営企業会計決算特別委員長相川博東京都議会議長比留間敏夫殿(別紙)(意見)一東京港は、首都圏四千万人の生活と産業活動を支える物流拠点として欠くことのできない重要な社会基盤施設である。今後もメインポートとしての地位を維持していくために、利用者ニーズに的確にこたえた施設整備を行うとともに、内外の貨物誘致や事業運営の効率化等を推進するなど、国際競争力の強化を図られたい。二震災時の海上輸送の重要性を踏まえ、免震構造のクレーンの整備などハード面の対応はもとより、港湾労働者の確保や民間との共同訓練などソフト面の防災対策に万全を期されたい。三東京港の在り方は、国際都市間競争するスーパー中枢港湾構想ではなく、都民の暮らしや産業を支える港湾機能を充実させていくことである。大規模な外貿バース整備に偏ることなく、国内物流の老朽埠頭や上屋の耐震改修・更新、環境負荷の軽減対策などが必要である。既存の埠頭の耐震強化やケーソン護岸の補強、シャーシー置場の増設、港湾施設の液状化及び側方流動対策に万全を期すとともに、港湾施設・空き地・屋上等、可能なスペースの緑化を進め、みどりの東京港を目指されたい。四二十四時間開港に対応する港湾労働者の福利厚生施設の充実を図られたい。平成十八年度公営企業会計決算特別委員会決算審査報告書平成十八年度東京都下水道事業会計決算本委員会は、平成十九年九月二十七日付託された右決算を審査の結果、別紙意見を付して認定すべきものと決定したので報告します。平成十九年十二月七日平成十八年度公営企業会計決算特別委員長相川博東京都議会議長比留間敏夫殿(別紙)(意見)一「十年後の東京」で描いた将来像の実現に向けて、「下水道事業経営計画二〇〇七」の達成に全力で取り組み、都民サービスの一層の向上と経営改善を図られたい。二区部下水道事業においては、老朽化施設の更新に合わせ、機能の高水準化を図るなど再構築事業を推進し、陥没対策や震災対策等に重点を置いた「再構築クイックプラン」を着実に実施されたい。三都市型水害に対処し、浸水から都民の生命と財産を守るため、ポンプ所、幹線管きょなどの基幹施設の整備など、浸水対策を積極的に推進するとともに、「雨水整備クイックプラン」を着実に実施されたい。四東京湾及び都内の河川等公共用水域の水質を改善し、快適な水辺環境を創出し、良好な水循環を促進するために、合流式下水道の改善や高度処理を推進するとともに、「合流改善クイックプラン」を着実に実施されたい。また、「合流改善クイックプラン」で示された部分分流の導入などとともに、雨水浸透を積極的に進められたい。五下水道事業における地球温暖化防止計画「アースプラン二〇〇四」を着実に推進し、温室効果ガス排出量の削減に努められたい。また、継続的な環境マネジメントシステムの運用により、地球環境保全への貢献に努められたい。六下水汚泥の資源化技術の開発促進や有効利用の拡大を図り、リサイクルの推進に努められたい。また、都や都関連の公共施設、都が発注する公共事業などへの汚泥資源の利用促進を働きかけられたい。七下水を高度処理した再生水については、ビルのトイレ用水などの雑用水、清流復活用水、ヒートアイランド対策としての道路散水用水など、利用の拡大に努められたい。また、下水熱などの未利用エネルギーの有効活用を進められたい。八管きょの耐震化など、震災対策を着実に推進されたい。九区部に残る下水道普及困難地域を早急に解消されたい。十下水に流入する家庭からの油を減らすために実施している「ダイエットレシピ」など、更に工夫し、積極的に推進されたい。十一単体ディスポーザについての広報活動を強化し、販売及び使用の自粛を徹底するとともに、ディスポーザ排水処理システムの水質管理調査を今後とも継続されたい。十二多摩地域の下水道の普及促進に向け、流域関連公共下水道整備との整合性を図りつつ、流域下水道建設事業を促進されたい。また、都と市町村が協同し、管きょの維持管理を充実し、更なる水環境の改善に努められたい。十三区部及び流域下水道において、より一層の経営改善に取り組み、国庫補助金等の財源確保を図るなど、健全な財政基盤の確立に努力されたい。平成十八年度公営企業会計決算特別委員会決算審査報告書平成十八年度東京都電気事業会計決算本委員会は、平成十九年九月二十七日付託された右決算を審査の結果、別紙意見を付して認定すべきものと決定したので報告します。平成十九年十二月七日平成十八年度公営企業会計決算特別委員長相川博東京都議会議長比留間敏夫殿(別紙)(意見)一電気事業の規制緩和の進展を踏まえ、経営の健全化及び一層の効率的経営に努められたい。平成十八年度公営企業会計決算特別委員会決算審査報告書平成十八年度東京都工業用水道事業会計決算本委員会は、平成十九年九月二十七日付託された右決算を審査の結果、別紙意見を付して認定すべきものと決定したので報告します。平成十九年十二月七日平成十八年度公営企業会計決算特別委員長相川博東京都議会議長比留間敏夫殿(別紙)(意見)一安定給水及び施設の安全性を確保するとともに、効率的な事業運営を推進し、財政の安定化に努められたい。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)本件に関し、平成十八年度公営企業会計決算特別委員長より報告を求めます。平成十八年度公営企業会計決算特別委員長相川博君。〔百二番相川博君登壇〕 # 百二番(相川博君) 百二番(相川博君)平成十八年度東京都公営企業各会計決算の認定につきまして、審査の経過並びに結果の概要をご報告申し上げます。本委員会は本年九月二十七日に設置され、委員会を五回、第一分科会、第二分科会を各四回開催し、付託されました平成十八年度公営企業各会計決算の審査を精力的に行ってまいりました。この間、大変厳しい日程にもかかわらず、副委員長、理事、委員各位におかれましては終始熱心に審査され、また、理事者の皆様にも積極的なご協力をいただきまして、ここに審査を滞りなく終了することができました。委員長として深く感謝申し上げる次第でございます。それではまず、単年度の損益勘定における決算額の収支差し引きである純損益について申し上げます。公営企業十一会計のうち、中央卸売市場会計、都市再開発事業会計、臨海地域開発事業会計、港湾事業会計、交通事業会計、高速電車事業会計、電気事業会計、水道事業会計及び下水道事業会計の九会計はいずれも黒字であり、合わせて九百四十六億余円の純利益となりました。一方、病院会計は、六千五十二万余円の純損失となりました。また、工業用水道事業会計については収支均衡となりました。この結果、十一会計全体では、総額九百四十五億余円の純利益となりました。次に、貸借対照表における累積利益剰余金及び累積欠損金について申し上げます。累積利益剰余金があるのは、中央卸売市場会計、都市再開発事業会計、臨海地域開発事業会計、港湾事業会計、交通事業会計、電気事業会計、水道事業会計及び下水道事業会計の八会計であり、合計四千三十四億余円となっております。累積欠損金があるのは、病院会計及び高速電車事業会計の二会計であり、合計四千八百四億余円の累積欠損金となっております。十一会計全体では、七百七十億余円の累積欠損金が生じております。続きまして、各会計に関する質疑及び意見の概要について申し上げます。まず、病院会計について申し上げます。病院会計につきましては、経営改善の取り組み、医師、看護師の確保育成、仮称精神医療センターの整備などについて質疑が行われました。次に、中央卸売市場会計について申し上げます。中央卸売市場会計につきましては、豊洲新市場の整備、食の安全・安心の確保などについて質疑が行われたほか、豊洲新市場予定地の土壌汚染対策について活発な議論が交わされました。次に、都市再開発事業会計につきましては、環状第二号線新橋・虎ノ門地区及び大橋地区の市街地再開発事業などについて質疑が行われました。次に、臨海地域開発事業会計につきましては、臨海副都心の開発、臨海関係第三セクターの経営状況などについて質疑が行われました。次に、港湾事業会計につきましては、港湾施設の耐震対策について質疑が行われました。次に、交通事業会計について申し上げます。交通事業会計につきましては、バス事業や軌道事業の経営状況、バス事業の管理委託などについて質疑がありました。次に、高速電車事業会計につきましては、地下鉄事業の経常収支、地下鉄の安全対策、地下鉄駅構内における障害者が働く店舗などについて質疑が行われました。また、交通事業会計とあわせて、広告事業について活発な論議が交わされました。次に、電気事業会計につきましては、電気事業の規制緩和の進展を踏まえ、経営の健全化及び一層の効率的経営に努めるよう意見がありました。次に、水道事業会計について申し上げます。水道事業につきましては、安全でおいしい水への取り組み、環境負荷低減に向けた取り組み、水源の確保などについて活発な議論が交わされました。次に、工業用水道事業会計につきましては、安定給水及び施設の安全性を確保するとともに、効率的な事業運営を推進し、財政の安定化に努めるよう意見がありました。最後に、下水道事業会計について申し上げます。下水道事業における浸水対策、再生水利用の普及拡大及び多摩地域の水環境の改善に向けた取り組みなどについて議論が交わされました。なお、認定に際しての委員会の意見につきましては、お手元配布の審査報告書に示してありますので、ご参照いただきたいと存じます。このように、本委員会におきましては、公営企業として常に求められる企業の経済性の発揮を重視し、さらに、公共の福祉を増進するという基本原則に立って、鋭意、各会計の審査を行ってまいりました。そして、すべての質疑が終了した後、港湾事業、電気事業、工業用水道事業、下水道事業の四会計につきましては全会一致で、病院等七会計につきましては起立多数で、いずれも認定すべきものと決定いたしました。本委員会といたしましては、この間の審査の成果が今後の都政運営に十分生かされますよう期待するものであります。以上をもちまして、公営企業会計決算特別委員会を代表しての委員長報告といたします。ありがとうございました。(拍手) # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)以上をもって平成十八年度公営企業会計決算特別委員長の報告は終わりました。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)これより採決に入ります。まず、日程第五十六から第五十九まで、平成十八年度東京都病院会計決算の認定について外三件を一括して採決いたします。本件は、起立により採決いたします。本決算は、いずれも委員会の報告のとおり認定することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)起立多数と認めます。よって、本決算は、いずれも委員会の報告のとおり認定することに決定いたしました。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)次に、日程第六十及び第六十一、平成十八年度東京都都市再開発事業会計決算の認定について外一件を一括して採決いたします。本件は、起立により採決いたします。本決算は、いずれも委員会の報告のとおり認定することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)起立多数と認めます。よって、本決算は、いずれも委員会の報告のとおり認定することに決定いたしました。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)次に、日程第六十二、平成十八年度東京都中央卸売市場会計決算の認定についてを採決いたします。本件は、起立により採決いたします。本決算は、委員会の報告のとおり認定することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)起立多数と認めます。よって、本決算は、委員会の報告のとおり認定することに決定いたしました。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)次に、日程第六十三及び第六十四、平成十八年度東京都港湾事業会計決算の認定について外一件を一括して採決いたします。本件は、起立により採決いたします。本決算は、いずれも委員会の報告のとおり認定することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)起立多数と認めます。よって、本決算は、いずれも委員会の報告のとおり認定することに決定いたしました。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)次に、日程第六十五及び第六十六、平成十八年度東京都電気事業会計決算の認定について外一件を一括して採決いたします。お諮りいたします。本決算は、いずれも委員会の報告のとおり認定することにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)ご異議なしと認めます。よって、本決算は、いずれも委員会の報告のとおり認定することに決定いたしました。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)これより追加日程に入ります。追加日程第一、東京都選挙管理委員四名の選挙を行います。選挙は、投票により行います。議場を閉鎖いたします。〔議場閉鎖〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)この際、立会人について申し上げます。立会人には、会議規則第二十七条第二項の規定により、百七番中嶋義雄君、百十三番吉野利明君、百二十四番田中良君及び百二十六番吉田信夫君を指名いたします。これより投票用紙を配布いたします。書き損じの場合は、それと引きかえにかわりの用紙を差し上げますから、議長までお申し出を願います。〔投票用紙配布〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)投票用紙の配布漏れはありませんか。〔「なし」と呼ぶ者あり〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)配布漏れなしと認めます。投票箱を点検いたします。〔投票箱点検〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)異状なしと認めます。念のために申し上げます。投票は、単記無記名一人一票であります。投票用紙に被選挙人の氏名を記載の上、点呼に応じて順次投票を願います。局長をして点呼いたさせます。〔局長点呼〕〔各員投票〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)投票漏れはありませんか。〔「なし」と呼ぶ者あり〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)投票漏れなしと認めます。以上をもって投票を終了いたします。投票箱を閉じます。〔投票箱閉鎖〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)これより開票を行います。立会人の方々の立ち会いをお願いします。〔開票〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)局長をして投票の結果を報告いたさせます。 # 議会局長(高橋道晴君) 議会局長(高橋道晴君)投票結果。出席議員数百二十四人投票総数百二十四票有効投票百二十一票無効投票三票有効投票中小倉基氏三十四票河合秀二郎氏三十二票岩舘衛氏二十二票浅井守氏二十票朝倉篤郎氏十三票以上。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)本投票の法定得票数は八票であります。よって、ただいまご報告申し上げましたとおり、得票の多数を得られました小倉基君河合秀二郎君岩舘衛君浅井守君が東京都選挙管理委員に当選されました。議場の閉鎖を解きます。〔議場開鎖〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)追加日程第二、東京都選挙管理委員補充員四名の選挙を行います。選挙は、投票により行います。議場を閉鎖いたします。〔議場閉鎖〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)この際、立会人について申し上げます。立会人には、会議規則第二十七条第二項の規定により、百七番中嶋義雄君、百十三番吉野利明君、百二十四番田中良君及び百二十六番吉田信夫君を指名いたします。これより投票用紙を配布いたします。書き損じの場合は、それと引きかえにかわりの用紙を差し上げますから、議長までお申し出を願います。〔投票用紙配布〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)投票用紙の配布漏れはありませんか。〔「なし」と呼ぶ者あり〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)配布漏れなしと認めます。投票箱を点検いたします。〔投票箱点検〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)異状なしと認めます。念のために申し上げます。投票は、単記無記名一人一票であります。投票用紙に被選挙人の氏名を記載の上、点呼に応じて順次投票を願います。局長をして点呼いたさせます。〔局長点呼〕〔各員投票〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)投票漏れはありませんか。〔「なし」と呼ぶ者あり〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)投票漏れなしと認めます。以上をもって投票を終了いたします。投票箱を閉じます。〔投票箱閉鎖〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)これより開票を行います。立会人の方々の立ち会いを願います。〔開票〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)局長をして投票の結果を報告いたさせます。 # 議会局長(高橋道晴君) 議会局長(高橋道晴君)投票結果。出席議員数百二十四人投票総数百二十四票有効投票百二十一票無効投票三票有効投票中田中晃三氏三十四票嶋田実氏三十二票大沢孝明氏二十二票野田和男氏二十票池山鉄夫氏十三票以上。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)本投票の法定得票数は八票であります。よって、ただいまご報告申し上げましたとおり、得票の多数を得られました田中晃三君嶋田実君大沢孝明君野田和男君が東京都選挙管理委員補充員に当選されました。議場の閉鎖を解きます。〔議場開鎖〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)追加日程第三、一九第九四号、都立梅ヶ丘病院の存続と小児医療の充実に関する請願を議題といたします。委員会審査報告書は、お手元に配布いたしてあります。朗読は省略いたします。厚生委員会請願審査報告書一九第九四号都立梅ヶ丘病院の存続と小児医療の充実に関する請願(平成十九年十月五日付託)請願者世田谷区都立梅ヶ丘病院の存続を求める家族と都民の会代表池崎吉次外三八、四四九人本委員会は、右請願審査の結果、不採択とすべきものと決定したので報告します。平成十九年十一月二十九日厚生委員長野上純子東京都議会議長比留間敏夫殿 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)本件は、起立により採決いたします。本件は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)起立多数と認めます。よって、本件は、委員会の報告のとおり決定いたしました。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)追加日程第四及び第五、一九第一九号、東京都児童会館の移転・大規模遊び場機能廃止の周知と意見募集に関する請願外請願一件、陳情二件を一括議題といたします。委員会審査報告書は、お手元に配布いたしてあります。朗読は省略いたします。厚生委員会請願審査報告書一九第一九号東京都児童会館の移転・大規模遊び場機能廃止の周知と意見募集に関する請願(平成十九年九月二十七日付託)請願者渋谷区Tokyoの子どもの遊び場を守る会代表田中絵里緒外四六九人一九第九七号障害者自立支援法に関する請願(平成十九年十月五日付託)請願者清瀬市東京都患者同盟会長小島貞夫本委員会は、右請願審査の結果、不採択とすべきものと決定したので報告します。平成十九年十一月二十九日厚生委員長野上純子東京都議会議長比留間敏夫殿文教委員会陳情審査報告書一九第五一号東京都の心身障害教育の充実に関する陳情(平成十九年九月二十七日付託)陳情者大田区障害をもつ子どものグループ連絡会代表矢澤健司外一、一〇二人本委員会は、右陳情審査の結果、不採択とすべきものと決定したので報告します。平成十九年十二月十四日文教委員長古館和憲東京都議会議長比留間敏夫殿環境・建設委員会陳情審査報告書一九第五三号砂ノ浜海岸の人工リーフ設置計画を見直し自然のままの砂浜を保全することに関する陳情(平成十九年十月五日付託)陳情者大島町大島波乗り会会長吉岡一弥外二、九八八人本委員会は、右陳情審査の結果、不採択とすべきものと決定したので報告します。平成十九年十一月二十八日環境・建設委員長谷村孝彦東京都議会議長比留間敏夫殿 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)本件は、起立により採決いたします。本件は、いずれも委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)起立多数と認めます。よって、本件は、いずれも委員会の報告のとおり決定いたしました。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)追加日程第六、一九第四一号、保険業法の制度と運用を見直し、自主共済の適用除外を求める意見書提出に関する陳情を議題といたします。委員会審査報告書は、お手元に配布いたしてあります。朗読は省略いたします。文教委員会陳情審査報告書一九第四一号保険業法の制度と運用を見直し、自主共済の適用除外を求める意見書提出に関する陳情(平成十九年九月二十七日付託)陳情者新宿区共済の今日と未来を考える東京懇話会代表 東京保険医協会会長 塩安桂樹本委員会は、右陳情審査の結果、不採択とすべきものと決定したので報告します。平成十九年十一月二十九日文教委員長古館和憲東京都議会議長比留間敏夫殿 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)本件は、起立により採決いたします。本件は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)起立多数と認めます。よって、本件は、委員会の報告のとおり決定いたしました。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)追加日程第七及び第八、一七第一七一号、障害児学校寄宿舎の統廃合に反対し、寄宿舎の充実を求めることに関する請願外請願一件、陳情一件を一括議題といたします。委員会審査報告書は、お手元に配布いたしてあります。朗読は省略いたします。文教委員会請願審査報告書一七第一七一号障害児学校寄宿舎の統廃合に反対し、寄宿舎の充実を求めることに関する請願(平成十七年十二月八日付託)請願者江戸川区東京都寄宿舎連絡会世話人代表市川光昭外一五、四七五人一九第九五号障害児の自立を育む寄宿舎の存続・発展を求めることに関する請願(平成十九年十月五日付託)請願者新宿区東京都寄宿舎連絡会世話人代表松田悦郎外一七、七〇一人本委員会は、右請願審査の結果、不採択とすべきものと決定したので報告します。平成十九年十二月十四日文教委員長古館和憲東京都議会議長比留間敏夫殿厚生委員会陳情審査報告書一九第五五号都立病院の地方独立行政法人化などをやめ安心してかかれる公的医療の充実に関する陳情(平成十九年十月五日付託)陳情者新宿区東京の保健・衛生・医療の充実を求める連絡会代表四谷信子外四二、一二二人本委員会は、右陳情審査の結果、不採択とすべきものと決定したので報告します。平成十九年十二月十四日厚生委員長野上純子東京都議会議長比留間敏夫殿 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)本件は、起立により採決いたします。本件は、いずれも委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)起立多数と認めます。よって、本件は、いずれも委員会の報告のとおり決定いたしました。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)追加日程第九、一九第五四号、東大泉アパート建替計画に関する陳情を議題といたします。委員会審査報告書は、お手元に配布いたしてあります。朗読は省略いたします。都市整備委員会陳情審査報告書一九第五四号東大泉アパート建替計画に関する陳情(平成十九年十月五日付託)陳情者練馬区東大泉団地自治会会長鈴木春代外二八九名本委員会は、右陳情審査の結果、不採択とすべきものと決定したので報告します。平成十九年十一月二十九日都市整備委員長村上英子東京都議会議長比留間敏夫殿 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)本件は、起立により採決いたします。本件は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)起立多数と認めます。よって、本件は、委員会の報告のとおり決定いたしました。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)追加日程第十、一九第三三号、都電と都営バスの新路線に関する陳情外陳情一件を議題といたします。委員会審査報告書は、お手元に配布いたしてあります。朗読は省略いたします。公営企業委員会陳情審査報告書一九第三三号都電と都営バスの新路線に関する陳情(平成十九年九月二十七日付託)陳情者西東京市駒井惠一九第三四号東京都交通局の都営バスに関する陳情(平成十九年九月二十七日付託)陳情者西東京市駒井惠本委員会は、右陳情審査の結果、不採択とすべきものと決定したので報告します。平成十九年十一月二十九日公営企業委員長初鹿明博東京都議会議長比留間敏夫殿 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)本件は、起立により採決いたします。本件は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)起立多数と認めます。よって、本件は、委員会の報告のとおり決定いたしました。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)追加日程第十一及び第十二、一九第二七号、硫黄島旧島民の宿泊墓参に関する請願外請願三件、陳情三件を一括議題といたします。委員会審査報告書は、お手元に配布いたしてあります。朗読は省略いたします。総務委員会請願審査報告書一九第二七号硫黄島旧島民の宿泊墓参に関する請願(平成十九年九月二十七日付託)請願者清瀬市硫黄島帰島促進協議会会長高橋喜一外二〇人本委員会は、右請願審査の結果、左記意見を付して採択の上執行機関に送付し、その処理の経過及び結果の報告を請求すべきものと決定したので報告します。平成十九年十一月二十九日総務委員長酒井大史東京都議会議長比留間敏夫殿記(意見)趣旨にそうよう努力されたい。都市整備委員会請願審査報告書一九第一二号小平都市計画道路三・三・三号新五日市街道線の早期建設に関する請願(平成十九年九月二十七日付託)請願者小平市清水徳司本委員会は、右請願審査の結果、左記のとおり決定したので報告します。平成十九年十一月二十九日都市整備委員長村上英子東京都議会議長比留間敏夫殿記◎意見を付して採択の上執行機関に送付し、その処理の経過及び結果の報告を請求すべき分第三項(意見)趣旨にそうよう努力されたい。厚生委員会請願審査報告書一九第九六号多摩地域の小児医療の拡充に関する請願(平成十九年十月五日付託)請願者清瀬市中村あや子外一〇人本委員会は、右請願審査の結果、左記意見を付して採択の上執行機関に送付し、その処理の経過及び結果の報告を請求すべきものと決定したので報告します。平成十九年十一月二十九日厚生委員長野上純子東京都議会議長比留間敏夫殿記(意見)趣旨にそうよう努力されたい。環境・建設委員会請願審査報告書一九第二六号私たちの安心と健康保持を前提とした産業廃棄物処理施設設置等の許可に関する請願(平成十九年九月二十七日付託)請願者東久留米市山岸康明外八、八八〇人本委員会は、右請願審査の結果、採択の上執行機関に送付し、その処理の経過及び結果の報告を請求すべきものと決定したので報告します。平成十九年十一月二十八日環境・建設委員長谷村孝彦東京都議会議長比留間敏夫殿文教委員会陳情審査報告書一九第四三号平成二十年度東京都公立高等学校定時制及び通信制課程の教育振興に関する陳情(平成十九年九月二十七日付託)陳情者町田市東京都公立高等学校定通PTA連合会会長坂口朝美本委員会は、右陳情審査の結果、左記のとおり決定したので報告します。平成十九年十一月二十九日文教委員長古館和憲東京都議会議長比留間敏夫殿記◎意見を付して採択の上執行機関に送付し、その処理の経過及び結果の報告を請求すべき分第一項、第三項、第七項(意見)趣旨にそうよう努力されたい。都市整備委員会陳情審査報告書一九第三七号の一都道の整備促進に関する陳情(平成十九年九月二十七日付託)陳情者小金井市露口哲治本委員会は、右陳情審査の結果、左記のとおり決定したので報告します。平成十九年十一月二十九日都市整備委員長村上英子東京都議会議長比留間敏夫殿記◎意見を付して採択の上執行機関に送付し、その処理の経過及び結果の報告を請求すべき分第二項(意見)趣旨にそうよう努力されたい。環境・建設委員会陳情審査報告書一九第六〇号都市計画道路補助第五四号線の事業推進に関する陳情(平成十九年十月五日付託)陳情者世田谷区水野貞外一人本委員会は、右陳情審査の結果、左記意見を付して採択の上執行機関に送付し、その処理の経過及び結果の報告を請求すべきものと決定したので報告します。平成十九年十一月二十八日環境・建設委員長谷村孝彦東京都議会議長比留間敏夫殿記(意見)趣旨にそうよう努力されたい。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)お諮りいたします。本件は、いずれも委員会の報告のとおり決定することにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)ご異議なしと認めます。よって、本件は、いずれも委員会の報告のとおり決定いたしました。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)追加日程第十三から第十六まで、議員提出議案第二十五号、硫黄島旧島民の宿泊墓参への支援に関する意見書外意見書二件、決議一件を一括議題といたします。案文はお手元に配布いたしてあります。朗読は省略いたします。議員提出議案第二十五号硫黄島旧島民の宿泊墓参への支援に関する意見書右の議案を別紙のとおり東京都議会会議規則第十二条の規定により提出します。平成十九年十二月十九日(提出者)遠藤守伊藤興一米沢正和鈴木章浩きたしろ勝彦後藤雄一福士敬子伊沢けい子そなえ邦彦西崎光子西岡真一郎伊藤ゆう原田大河野百合恵小竹ひろ子松葉多美子大松成中山信行高倉良生田中たけし神林茂早坂義弘高木けい崎山知尚宇田川聡史高橋信博原田恭子佐藤広典尾崎大介山口拓伊藤まさき松下玲子野上ゆきえたぞえ民夫村松みえ子橘正剛上野和彦吉倉正美谷村孝彦村上英子鈴木あきまさ秋田一郎山加朱美串田克巳吉原修山田忠昭田代ひろし山口文江今村るか吉田康一郎斉藤あつし泉谷つよしくまき美奈子大西さとる増子博樹かち佳代子植木こうじ野上純子東村邦浩長橋桂一小磯善彦三宅茂樹高島なおき鈴木一光菅東一石森たかゆき矢島千秋鈴木隆道こいそ明倉林辰雄遠藤衛大西由紀子いのつめまさみ門脇ふみよし小沢昌也石毛しげる岡崎幸夫柿沢未途清水ひで子古館和憲松村友昭東野秀平ともとし春久鈴木貫太郎石川芳昭三原まさつぐ田島和明林田武野島善司高橋かずみ樺山たかし新藤義彦古賀俊昭立石晴康桜井武初鹿明博酒井大史花輪ともふみ大津浩子大塚たかあき相川博中村明彦曽根はじめ大山とも子藤井一中嶋義雄木内良明石井義修宮崎章服部ゆくお川井しげお吉野利明野村有信比留間敏夫佐藤裕彦川島忠一内田茂三田敏哉馬場裕子大沢昇山下太郎土屋たかゆき田中良名取憲彦吉田信夫渡辺康信東京都議会議長比留間敏夫殿硫黄島旧島民の宿泊墓参への支援に関する意見書太平洋戦争の激戦地であった硫黄島では、昭和十九年に当時の島民一千人余りが強制疎開となった。都では、強制疎開後、故郷に帰島できない旧島民のため、硫黄島への墓参事業を昭和五十四年度から実施してきている。現在、年二回、自衛隊機による日帰り墓参を実施しているが、滞在時間四時間という限られた時間で慌ただしく島内を巡る行程のため、高齢化の進む旧島民にとっては、体力的に極めて厳しく、宿泊による墓参の実現が強く求められている。現在実施している日帰り墓参については、防衛省による支援・協力を得て実施していることから、宿泊墓参の実現に当たっては、輸送支援や施設の確保など、国の全面的な支援が不可欠である。よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、旧島民の心情を斟酌した宿泊墓参を実現するため、積極的な支援を行うよう強く要請する。以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。平成十九年十二月十九日東京都議会議長比留間敏夫衆議院議長┐参議院議長│内閣総理大臣│├あて総務大臣│国土交通大臣│防衛大臣┘議員提出議案第二十六号国民生活センターの機能強化に関する意見書右の議案を別紙のとおり東京都議会会議規則第十二条の規定により提出します。平成十九年十二月十九日(提出者)遠藤守伊藤興一米沢正和鈴木章浩きたしろ勝彦後藤雄一福士敬子伊沢けい子そなえ邦彦西崎光子西岡真一郎伊藤ゆう原田大河野百合恵小竹ひろ子松葉多美子大松成中山信行高倉良生田中たけし神林茂早坂義弘高木けい崎山知尚宇田川聡史高橋信博原田恭子佐藤広典尾崎大介山口拓伊藤まさき松下玲子野上ゆきえたぞえ民夫村松みえ子橘正剛上野和彦吉倉正美谷村孝彦村上英子鈴木あきまさ秋田一郎山加朱美串田克巳吉原修山田忠昭田代ひろし山口文江今村るか吉田康一郎斉藤あつし泉谷つよしくまき美奈子大西さとる増子博樹かち佳代子植木こうじ野上純子東村邦浩長橋桂一小磯善彦三宅茂樹高島なおき鈴木一光菅東一石森たかゆき矢島千秋鈴木隆道こいそ明倉林辰雄遠藤衛大西由紀子いのつめまさみ門脇ふみよし小沢昌也石毛しげる岡崎幸夫柿沢未途清水ひで子古館和憲松村友昭東野秀平ともとし春久鈴木貫太郎石川芳昭三原まさつぐ田島和明林田武野島善司高橋かずみ樺山たかし新藤義彦古賀俊昭立石晴康桜井武初鹿明博酒井大史花輪ともふみ大津浩子大塚たかあき相川博中村明彦曽根はじめ大山とも子藤井一中嶋義雄木内良明石井義修宮崎章服部ゆくお川井しげお吉野利明野村有信比留間敏夫佐藤裕彦川島忠一内田茂三田敏哉馬場裕子大沢昇山下太郎土屋たかゆき田中良名取憲彦吉田信夫渡辺康信東京都議会議長比留間敏夫殿国民生活センターの機能強化に関する意見書近年、国民の消費生活を取り巻く環境は大きく変化している。悪質住宅リフォーム被害にみられるように、高齢者の生活基盤をも根底から危うくする深刻な消費者被害が多発している。また、幼児が指を切断するような痛ましい製品事故なども後を絶たない。商品表示の偽装や改ざんが露呈し、社会的信用を失墜させた老舗もある。もとより、消費者被害や事故が発生したときは、速やかに情報を収集・分析し、適切な対策を迅速に講ずることが求められているが、こうした危機的状況においては、国も地方自治体も、消費者保護対策を一層強化する必要がある。現在、国においては、独立行政法人改革を進めているが、国民生活センターの見直しに関しては、消費者保護を充実・強化するという観点から実施すべきである。よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、次の事項を実現するよう強く要請する。一消費者から相談を直接受け付ける窓口を存続し、相談情報等の分析を基に被害の拡大防止を図る観点から、早期に対処すべき事案について、迅速に措置できるよう必要な態勢を整えること。二全国の消費者センターとの連携を強化するため、情報収集の迅速化と範囲の拡大を図るほか、事業者と消費者との間に生じた紛争が早期に解決されるよう機能を整備すること。三公正・中立な立場から製品事故の原因を究明するため、商品テストの大幅な外部委託化の方針を転換し、商品テスト機能を強化する方向で適切な措置を講ずること。以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。平成十九年十二月十九日東京都議会議長比留間敏夫衆議院議長┐参議院議長│内閣総理大臣│総務大臣├あて経済産業大臣│国民生活担当大臣│行政改革担当大臣┘議員提出議案第二十七号原油価格高騰への対応に関する意見書右の議案を別紙のとおり東京都議会会議規則第十二条の規定により提出します。平成十九年十二月十九日(提出者)遠藤守伊藤興一米沢正和鈴木章浩きたしろ勝彦後藤雄一福士敬子伊沢けい子そなえ邦彦西崎光子西岡真一郎伊藤ゆう原田大河野百合恵小竹ひろ子松葉多美子大松成中山信行高倉良生田中たけし神林茂早坂義弘高木けい崎山知尚宇田川聡史高橋信博原田恭子佐藤広典尾崎大介山口拓伊藤まさき松下玲子野上ゆきえたぞえ民夫村松みえ子橘正剛上野和彦吉倉正美谷村孝彦村上英子鈴木あきまさ秋田一郎山加朱美串田克巳吉原修山田忠昭田代ひろし山口文江今村るか吉田康一郎斉藤あつし泉谷つよしくまき美奈子大西さとる増子博樹かち佳代子植木こうじ野上純子東村邦浩長橋桂一小磯善彦三宅茂樹高島なおき鈴木一光菅東一石森たかゆき矢島千秋鈴木隆道こいそ明倉林辰雄遠藤衛大西由紀子いのつめまさみ門脇ふみよし小沢昌也石毛しげる岡崎幸夫柿沢未途清水ひで子古館和憲松村友昭東野秀平ともとし春久鈴木貫太郎石川芳昭三原まさつぐ田島和明林田武野島善司高橋かずみ樺山たかし新藤義彦古賀俊昭立石晴康桜井武初鹿明博酒井大史花輪ともふみ大津浩子大塚たかあき相川博中村明彦曽根はじめ大山とも子藤井一中嶋義雄木内良明石井義修宮崎章服部ゆくお川井しげお吉野利明野村有信比留間敏夫佐藤裕彦川島忠一内田茂三田敏哉馬場裕子大沢昇山下太郎土屋たかゆき田中良名取憲彦吉田信夫渡辺康信東京都議会議長比留間敏夫殿原油価格高騰への対応に関する意見書政府は、原油価格高騰が国民生活や中小企業経営を圧迫しつつある現状を踏まえ、国の内外において多くの重要かつ困難な課題を抱えるなかで、本年十二月十一日に関係閣僚会議を開き、緊急対策の基本方針を速やかに決定した。しかしながら、この先も原油価格が高騰を続けることになれば、国民生活と地域経済に大きな影響を及ぼすことになり、日本経済全体の先行きにとっても極めて重大な問題が生じてくる。よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、次の事項を講ずるよう強く要請する。一国際原油市場の安定に向けた国際協調を推進すること。二資源・エネルギーの安定供給を確保すること。三食料品等の生活必需品の便乗値上げについて厳重に監視すること。四原油・石油製品及び鋼材の価格や供給の安定化を図ること。以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。平成十九年十二月十九日東京都議会議長比留間敏夫衆議院議長┐参議院議長│内閣総理大臣│├あて総務大臣│経済産業大臣│経済財政政策担当大臣┘議員提出議案第二十八号商業地等に対する負担水準の上限引下げなど固定資産税等の軽減措置の継続に関する決議右の議案を別紙のとおり東京都議会会議規則第十二条の規定により提出します。平成十九年十二月十九日(提出者)遠藤守伊藤興一米沢正和鈴木章浩きたしろ勝彦後藤雄一福士敬子伊沢けい子そなえ邦彦西崎光子西岡真一郎伊藤ゆう原田大河野百合恵小竹ひろ子松葉多美子大松成中山信行高倉良生田中たけし神林茂早坂義弘高木けい崎山知尚宇田川聡史高橋信博原田恭子佐藤広典尾崎大介山口拓伊藤まさき松下玲子野上ゆきえたぞえ民夫村松みえ子橘正剛上野和彦吉倉正美谷村孝彦村上英子鈴木あきまさ秋田一郎山加朱美串田克巳吉原修山田忠昭田代ひろし山口文江今村るか吉田康一郎斉藤あつし泉谷つよしくまき美奈子大西さとる増子博樹かち佳代子植木こうじ野上純子東村邦浩長橋桂一小磯善彦三宅茂樹高島なおき鈴木一光菅東一石森たかゆき矢島千秋鈴木隆道こいそ明倉林辰雄遠藤衛大西由紀子いのつめまさみ門脇ふみよし小沢昌也石毛しげる岡崎幸夫柿沢未途清水ひで子古館和憲松村友昭東野秀平ともとし春久鈴木貫太郎石川芳昭三原まさつぐ田島和明林田武野島善司高橋かずみ樺山たかし新藤義彦古賀俊昭立石晴康桜井武初鹿明博酒井大史花輪ともふみ大津浩子大塚たかあき相川博中村明彦曽根はじめ大山とも子藤井一中嶋義雄木内良明石井義修宮崎章服部ゆくお川井しげお吉野利明野村有信比留間敏夫佐藤裕彦川島忠一内田茂三田敏哉馬場裕子大沢昇山下太郎土屋たかゆき田中良名取憲彦吉田信夫渡辺康信東京都議会議長比留間敏夫殿商業地等に対する負担水準の上限引下げなど固定資産税等の軽減措置の継続に関する決議景気は緩やかに回復しているというものの、多くの都民にその実感はない。特に中小企業の業況判断が悪化しているなど、景気の先行きについては不透明感が強まりつつある。また、二十三区の地価水準は、全国と比較すると依然として高く、固定資産税等の過大な負担の実態があることに加え、負担水準の不均衡はいまだ解消されていない。都は、これまで独自に固定資産税等の軽減措置を実施することで税負担の緩和を図り、二十三区に住み、働く、都民や中小企業者等の定住確保や事業の継続等を支援してきた。今、これらの軽減措置を廃止することは、いまだ深刻な経営状況にある中小企業者等に対し、多大な税負担増を求めることになりかねない。よって、東京都議会は、二十三区に住み、働く、都民や中小企業者等の税負担感に配慮する観点から、次の事項を実施するよう強く求めるものである。一商業地等に対する固定資産税等の負担水準の上限引下げを平成二十年度も継続すること。二小規模住宅用地に対する都市計画税の軽減措置を平成二十年度も継続すること。三小規模非住宅用地に対する固定資産税等の減免措置を平成二十年度も継続すること。四新築住宅に対する固定資産税等の減免措置の適用期限を一年延長すること。以上、決議する。平成十九年十二月十九日東京都議会 # 六十七番(石森たかゆき君) 六十七番(石森たかゆき君)この際、議事進行の動議を提出いたします。ただいま議題となっております議員提出議案第二十五号外三議案については、原案のとおり決定されることを望みます。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)お諮りいたします。ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)ご異議なしと認めます。よって、議員提出議案第二十五号外三議案は、原案のとおり可決されました。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)追加日程第十七、議員提出議案第二十九号、地方議会議員の位置付けの明確化に関する意見書を議題といたします。案文はお手元に配布いたしてあります。朗読は省略いたします。議員提出議案第二十九号地方議会議員の位置付けの明確化に関する意見書右の議案を別紙のとおり東京都議会会議規則第十二条の規定により提出します。平成十九年十二月十九日(提出者)遠藤守伊藤興一米沢正和鈴木章浩きたしろ勝彦西岡真一郎伊藤ゆう原田大松葉多美子大松成中山信行高倉良生田中たけし神林茂早坂義弘高木けい崎山知尚宇田川聡史高橋信博佐藤広典尾崎大介山口拓伊藤まさき松下玲子野上ゆきえ橘正剛上野和彦吉倉正美谷村孝彦村上英子鈴木あきまさ秋田一郎山加朱美串田克巳吉原修山田忠昭田代ひろし今村るか吉田康一郎斉藤あつし泉谷つよしくまき美奈子大西さとる増子博樹野上純子東村邦浩長橋桂一小磯善彦三宅茂樹高島なおき鈴木一光菅東一石森たかゆき矢島千秋鈴木隆道こいそ明倉林辰雄遠藤衛いのつめまさみ門脇ふみよし小沢昌也石毛しげる岡崎幸夫柿沢未途東野秀平ともとし春久鈴木貫太郎石川芳昭三原まさつぐ田島和明林田武野島善司高橋かずみ樺山たかし新藤義彦古賀俊昭立石晴康桜井武初鹿明博酒井大史花輪ともふみ大津浩子大塚たかあき相川博中村明彦藤井一中嶋義雄木内良明石井義修宮崎章服部ゆくお川井しげお吉野利明野村有信比留間敏夫佐藤裕彦川島忠一内田茂三田敏哉馬場裕子大沢昇山下太郎土屋たかゆき田中良名取憲彦東京都議会議長比留間敏夫殿地方議会議員の位置付けの明確化に関する意見書地方議会議員の活動は、単に本会議などの会議に出席し、議案の審議などを行うだけではなく、当該地方公共団体の事務に関し調査研究するための活動や、住民代表として住民意思を把握するための活動などいわゆる議員活動があり、とりわけ都道府県議会議員は、活動区域が広域であることや審議事項が広範多岐にわたることから、その職務は、常勤化、専業化している。また、地方分権時代において議会に期待されている利害調整機能、政策形成機能及び監視機能を十分に発揮するためには、議会改革や政策立案など今まで以上に積極的に議員活動を展開していく必要がある。しかしながら、現在、地方議会議員の職務や位置付けは法的に明確にされておらず、議員活動は一般的に議員の職務として認知されていない実態にある。このことが議員の活動に対する期待や評価において議員と住民との意識の乖離を生み出し、さまざまな問題の原因となっており、早急な対応が必要となっている。ついては、住民代表として政治にかかわる地方議会議員の職責又は職務を法律上明確に定義し、それら職務等を遂行するために必要な経費を受けることができるようにするなど、地方分権時代にふさわしい議員活動を保障するため所要の措置を講ずる必要がある。よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、地方議会議員の位置付けを明確化するため、地方自治法を次のように改正するよう強く要請する。一地方議会議員の職責又は職務を明確にするため、地方自治法に新たに、例えば「議会の議員は、議会の権能と責務を認識し、その議会の会議に出席し議案の審議等を行うほか、当該普通地方公共団体の事務に関する調査研究及び住民意思の把握等のための諸活動を行い、その職務の遂行に努めなければならない。」旨の規定を設けること。二地方自治法第二百三条から議会の議員に関する規定を他の非常勤職と分離し、独立の条文として規定するとともに、議会の議員、とりわけ都道府県議会議員の議員活動の実態に対応し、職務遂行の対価について、単なる役務の提供に対する対価ではなく、広範な職務遂行に対する補償を表す名称とするため、「報酬」を「歳費」に改めること。以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。平成十九年十二月十九日東京都議会議長比留間敏夫衆議院議長┐参議院議長│├あて内閣総理大臣│総務大臣┘ # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)本案は、起立により採決いたします。本案は、原案のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)起立多数と認めます。よって、本案は、原案のとおり可決されました。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)この際、継続調査について申し上げます。都議会議員後藤雄一君の調査活動等に関する調査特別委員長及びオリンピック招致特別委員長より、委員会において調査中の案件について、会議規則第六十六条の規定により、閉会中の継続調査の申し出があります。申出書の朗読は省略いたします。平成十九年十二月十二日都議会議員後藤雄一君の調査活動等に関する調査特別委員長服部ゆくお東京都議会議長比留間敏夫殿都議会議員後藤雄一君の調査活動等に関する調査特別委員会継続調査申出書本委員会は、平成十八年三月三十日付託された左記事件を調査中であるが、今会期中に調査を結了することが困難なので、閉会中もなお継続調査を要するものと決定したので会議規則第六十六条の規定により申し出ます。記都議会議員後藤雄一君の調査活動等の具体的事例を検証し、もって、議員の品位保持と調査活動のあり方等について調査・検討する。平成十九年十二月十二日オリンピック招致特別委員長野村有信東京都議会議長比留間敏夫殿オリンピック招致特別委員会継続調査申出書本委員会は、平成十八年十月五日付託された左記事件を調査中であるが、今会期中に調査を結了することが困難なので、閉会中もなお継続調査を要するものと決定したので会議規則第六十六条の規定により申し出ます。記二〇一六年に開催される第三十一回オリンピック競技大会の東京招致に関する調査審議及び必要な活動を行う。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)お諮りいたします。本件は、申し出のとおり、閉会中の継続調査に付することにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)ご異議なしと認めます。よって、本件は、申し出のとおり、それぞれ閉会中の継続調査に付することに決定いたしました。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)請願及び陳情の付託について申し上げます。本日までに受理いたしました請願五件及び陳情三件は、お手元に配布の請願・陳情付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)お諮りいたします。ただいま常任委員会に付託いたしました請願及び陳情は、お手元に配布いたしました委員会から申し出の請願・陳情継続審査件名表の分とあわせて、閉会中の継続審査に付したいと思います。これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)ご異議なしと認めます。よって、本件請願及び陳情は、いずれも閉会中の継続審査に付することに決定いたしました。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)次に、各常任委員会及び議会運営委員会の所管事務について、閉会中の継続調査の申し出があります。本件は、お手元に配布の特定事件継続調査事項表のとおり、閉会中の継続調査に付したいと思います。これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)ご異議なしと認めます。よって、本件は、閉会中の継続調査に付することに決定いたしました。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)以上をもって本日の日程は全部議了いたしました。会議を閉じます。これをもって平成十九年第四回東京都議会定例会を閉会いたします。午後二時五十八分閉議・閉会
2024-03-31T11:22:42.418774Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/698131?Template=document&Id=2170#one
--- title: 平成19年_第4回定例会(第19号) 名簿・議事日程 # 平成十九年十二月十九日(水曜日)出席議員百二十四名一番遠藤守君二番伊藤興一君三番米沢正和君四番鈴木章浩君五番きたしろ勝彦君六番後藤雄一君七番福士敬子君八番伊沢けい子君九番そなえ邦彦君十番西崎光子君十一番西岡真一郎君十二番伊藤ゆう君十三番原田大君十四番河野百合恵君十五番小竹ひろ子君十六番松葉多美子君十七番大松成君十八番中山信行君十九番高倉良生君二十番田中たけし君二十一番神林茂君二十二番早坂義弘君二十三番高木けい君二十四番崎山知尚君二十五番宇田川聡史君二十六番高橋信博君二十七番原田恭子君二十八番佐藤広典君二十九番尾崎大介君三十番山口拓君三十一番伊藤まさき君三十二番松下玲子君三十三番野上ゆきえ君三十四番たぞえ民夫君三十五番村松みえ子君三十六番橘正剛君三十七番上野和彦君三十八番吉倉正美君三十九番谷村孝彦君四十番村上英子君四十一番鈴木あきまさ君四十二番秋田一郎君四十三番山加朱美君四十四番串田克巳君四十五番吉原修君四十六番山田忠昭君四十七番田代ひろし君四十九番山口文江君五十番今村るか君五十一番吉田康一郎君五十二番斉藤あつし君五十三番泉谷つよし君五十四番くまき美奈子君五十五番大西さとる君五十六番増子博樹君五十七番かち佳代子君五十八番植木こうじ君五十九番野上純子君六十番東村邦浩君六十一番長橋桂一君六十二番小磯善彦君六十三番三宅茂樹君六十四番高島なおき君六十五番鈴木一光君六十六番菅東一君六十七番石森たかゆき君六十八番矢島千秋君六十九番鈴木隆道君七十番こいそ明君七十一番倉林辰雄君七十二番遠藤衛君七十三番大西由紀子君七十四番いのつめまさみ君七十五番門脇ふみよし君七十六番小沢昌也君七十七番石毛しげる君七十八番岡崎幸夫君七十九番柿沢未途君八十番清水ひで子君八十一番古館和憲君八十二番松村友昭君八十三番東野秀平君八十四番ともとし春久君八十五番鈴木貫太郎君八十六番石川芳昭君八十七番三原まさつぐ君八十九番林田武君九十番野島善司君九十一番高橋かずみ君九十二番樺山たかし君九十三番新藤義彦君九十四番古賀俊昭君九十五番立石晴康君九十六番桜井武君九十七番初鹿明博君九十八番酒井大史君九十九番花輪ともふみ君百番大津浩子君百一番大塚たかあき君百二番相川博君百三番中村明彦君百四番曽根はじめ君百五番大山とも子君百六番藤井一君百七番中嶋義雄君百八番木内良明君百九番石井義修君百十番宮崎章君百十一番服部ゆくお君百十二番川井しげお君百十三番吉野利明君百十四番野村有信君百十六番佐藤裕彦君百十七番川島忠一君百十八番内田茂君百十九番三田敏哉君百二十番馬場裕子君百二十一番大沢昇君百二十二番山下太郎君百二十三番土屋たかゆき君百二十四番田中良君百二十五番名取憲彦君百二十六番吉田信夫君百二十七番渡辺康信君欠席議員二名八十八番田島和明君百十五番比留間敏夫君欠員四十八番出席説明員知事石原慎太郎君副知事谷川健次君副知事菅原秀夫君副知事山口一久君副知事猪瀬直樹君教育長中村正彦君知事本局長大原正行君総務局長押元洋君財務局長村山寛司君主税局長熊野順祥君警視総監矢代隆義君生活文化スポーツ局長渡辺日佐夫君都市整備局長只腰憲久君環境局長吉川和夫君福祉保健局長安藤立美君産業労働局長佐藤広君建設局長道家孝行君港湾局長斉藤一美君会計管理局長三枝修一君交通局長島田健一君消防総監小林輝幸君水道局長東岡創示君下水道局長前田正博君青少年・治安対策本部長久我英一君東京オリンピック招致本部長荒川満君病院経営本部長秋山俊行君中央卸売市場長比留間英人君選挙管理委員会事務局長梶原康二君人事委員会事務局長矢口幸一君労働委員会事務局長有留武司君監査事務局長白石弥生子君収用委員会事務局長中田清己君十二月十九日議事日程第四号(委員会審査報告)第一議員提出議案第三号東京都政務調査費の交付に関する条例の一部を改正する条例第二第二百十一号議案平成十九年度東京港臨海道路(II期)中防側アプローチ橋りょう鋼けた製作・架設工事請負契約第三第二百九号議案富士見橋鋼けた製作・架設工事請負契約第四第二百七号議案東京都医学系総合研究所(仮称)(H十九)I期新築電気設備工事請負契約第五第二百八号議案東京都医学系総合研究所(仮称)(H十九)I期新築空調設備工事請負契約第六第百九十七号議案都立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例第七第二百二号議案東京都立公園条例の一部を改正する条例第八第二百三号議案公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例の一部を改正する条例第九第二百四号議案性風俗営業等に係る不当な勧誘、料金の取立て等及び性関連禁止営業への場所の提供の規制に関する条例の一部を改正する条例第十第二百五号議案東京都安全・安心まちづくり条例の一部を改正する条例第十一第百八十七号議案東京都の一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例第十二第百八十八号議案東京都の一般職の任期付研究員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例第十三第百九十号議案職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例第十四第百九十四号議案学校職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例第十五第百八十六号議案職員の給与に関する条例の一部を改正する条例第十六第百八十九号議案職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例第十七第百九十一号議案東京都職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例第十八第二百十号議案瑞穂大橋鋼けた製作・架設工事請負契約第十九第二百十二号議案当せん金付証票の発売について第二十第百九十二号議案東京都育英資金条例の一部を改正する条例第二十一第百九十三号議案東京都私立学校教育助成条例の一部を改正する条例第二十二第百九十五号議案学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例第二十三第百九十六号議案都立学校等に勤務する講師の報酬等に関する条例の一部を改正する条例第二十四第百九十八号議案東京都児童相談所条例の一部を改正する条例第二十五第百九十九号議案東京都心身障害者扶養共済制度条例第二十六第二百号議案大気汚染に係る健康障害者に対する医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例第二十七第二百一号議案東京都海上公園条例の一部を改正する条例第二十八第二百十三号議案東京都立小峰公園の指定管理者の指定について第二十九第二百十四号議案東京都立明治公園外一公園の指定管理者の指定について第三十第二百十五号議案東京都立大神山公園の指定管理者の指定について第三十一第二百十六号議案東京都立横網町公園の指定管理者の指定について第三十二第二百十七号議案東京都水道事業の事務の委託の廃止及び八王子市公共下水道使用料徴収事務の受託について第三十三第二百十八号議案東京都水道事業の事務の委託の廃止及び立川市公共下水道使用料徴収事務の受託について第三十四第二百十九号議案東京都水道事業の事務の委託の廃止及び町田市公共下水道使用料徴収事務の受託について第三十五第二百二十号議案東京都水道事業の事務の委託の廃止及び国分寺市公共下水道使用料徴収事務の受託について第三十六第二百二十一号議案東京都水道事業の事務の委託の廃止及び福生市公共下水道使用料徴収事務の受託について第三十七第二百六号議案警視庁関係手数料条例の一部を改正する条例第三十八平成十八年度東京都一般会計決算の認定について第三十九平成十八年度東京都臨海都市基盤整備事業会計決算の認定について第四十平成十八年度東京都都営住宅等事業会計決算の認定について第四十一平成十八年度東京都用地会計決算の認定について第四十二平成十八年度東京都多摩ニュータウン事業会計決算の認定について第四十三平成十八年度東京都都市開発資金会計決算の認定について第四十四平成十八年度東京都公債費会計決算の認定について第四十五平成十八年度東京都特別区財政調整会計決算の認定について第四十六平成十八年度東京都地方消費税清算会計決算の認定について第四十七平成十八年度東京都都営住宅等保証金会計決算の認定について第四十八平成十八年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計決算の認定について第四十九平成十八年度東京都母子福祉貸付資金会計決算の認定について第五十平成十八年度東京都心身障害者扶養年金会計決算の認定について第五十一平成十八年度東京都中小企業設備導入等資金会計決算の認定について第五十二平成十八年度東京都農業改良資金助成会計決算の認定について第五十三平成十八年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計決算の認定について第五十四平成十八年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計決算の認定について第五十五平成十八年度東京都と場会計決算の認定について第五十六平成十八年度東京都病院会計決算の認定について第五十七平成十八年度東京都臨海地域開発事業会計決算の認定について第五十八平成十八年度東京都高速電車事業会計決算の認定について第五十九平成十八年度東京都水道事業会計決算の認定について第六十平成十八年度東京都都市再開発事業会計決算の認定について第六十一平成十八年度東京都交通事業会計決算の認定について第六十二平成十八年度東京都中央卸売市場会計決算の認定について第六十三平成十八年度東京都港湾事業会計決算の認定について第六十四平成十八年度東京都下水道事業会計決算の認定について第六十五平成十八年度東京都電気事業会計決算の認定について第六十六平成十八年度東京都工業用水道事業会計決算の認定について議事日程第四号追加の一第一東京都選挙管理委員四名選挙第二東京都選挙管理委員補充員四名選挙議事日程第四号追加の二(委員会審査報告)第三一九第九四号都立梅ヶ丘病院の存続と小児医療の充実に関する請願(委員会審査報告)第四一九第一九号東京都児童会館の移転・大規模遊び場機能廃止の周知と意見募集に関する請願一九第九七号障害者自立支援法に関する請願(委員会審査報告)第五一九第五一号東京都の心身障害教育の充実に関する陳情一九第五三号砂ノ浜海岸の人工リーフ設置計画を見直し自然のままの砂浜を保全することに関する陳情(委員会審査報告)第六一九第四一号保険業法の制度と運用を見直し、自主共済の適用除外を求める意見書提出に関する陳情(委員会審査報告)第七一七第一七一号障害児学校寄宿舎の統廃合に反対し、寄宿舎の充実を求めることに関する請願一九第九五号障害児の自立を育む寄宿舎の存続・発展を求めることに関する請願(委員会審査報告)第八一九第五五号都立病院の地方独立行政法人化などをやめ安心してかかれる公的医療の充実に関する陳情(委員会審査報告)第九一九第五四号東大泉アパート建替計画に関する陳情(委員会審査報告)第十一九第三三号都電と都営バスの新路線に関する陳情一九第三四号東京都交通局の都営バスに関する陳情(委員会審査報告)第十一一九第二七号硫黄島旧島民の宿泊墓参に関する請願一九第一二号小平都市計画道路三・三・三号新五日市街道線の早期建設に関する請願一九第九六号多摩地域の小児医療の拡充に関する請願一九第二六号私たちの安心と健康保持を前提とした産業廃棄物処理施設設置等の許可に関する請願(委員会審査報告)第十二一九第四三号平成二十年度東京都公立高等学校定時制及び通信制課程の教育振興に関する陳情一九第三七号の一都道の整備促進に関する陳情一九第六〇号都市計画道路補助第五四号線の事業推進に関する陳情議事日程第四号追加の三第十三議員提出議案第二十五号硫黄島旧島民の宿泊墓参への支援に関する意見書第十四議員提出議案第二十六号国民生活センターの機能強化に関する意見書第十五議員提出議案第二十七号原油価格高騰への対応に関する意見書第十六議員提出議案第二十八号商業地等に対する負担水準の上限引下げなど固定資産税等の軽減措置の継続に関する決議第十七議員提出議案第二十九号地方議会議員の位置付けの明確化に関する意見書
2024-03-31T11:22:43.035389Z
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--- title: 平成19年_第4回定例会(第18号) 本文 # 午後一時開議 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)これより本日の会議を開きます。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)次に、日程の追加について申し上げます。知事より、東京都教育委員会委員の任命の同意について外人事案件一件が提出をされました。これらを本日の日程に追加をいたします。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)昨日に引き続き質問を行います。六十九番鈴木隆道君。〔六十九番鈴木隆道君登壇〕 # 六十九番(鈴木隆道君) 六十九番(鈴木隆道君)初めに、東京ビッグトークについてお伺いをいたします。ことしも、親が子どもを、あるいは子どもが親を殺すという事件が相次ぎ、多くの都民の皆様が暗たんたる気持ちで年の瀬を迎えていることと思います。これらを見るにつけ、目先の金銭や快楽を優先する社会の風潮、一時の衝動を抑えられない大人たちの姿が子どもたちをスポイルしつつあるのではないかと強く感じます。先ごろ私は、こうした崩れつつある社会を再生する手がかりに出会いました。十一月二十一日、かつて日本じゅうに熱い感動を与えた有森裕子さんらオリンピック選手を迎えて東京ビッグトークが開催されました。会場は六百人を超える都民で埋まり、多くの十代の若者が参加をいたしまして、そして、それぞれの競技をきわめたアスリートがみずからの実体験に基づき熱く語り、会場は大いに盛り上がったとのことであります。そして、それに参加した高校生たちの感想文を拝見したところ、会場の熱気がそのまま乗り移ったようでありまして、オリンピック選手の話を聞き、大きな夢をかなえるために日々精進しようと思う、オリンピックは日本じゅうの人が日本のことについて考えるよい機会だなどと、若者らしい純粋で率直な感動や興奮がつづられておりました。こういった感動や興奮を一人でも多くの子どもたちに体験させることこそが社会を再生することにつながっていくと思います。また、「十年後の東京」でも、子どもたちが健全に成長し、夢を持って生き生きと生活できる都市へと東京が変わっていく道筋が描かれており、これを着実に実現していく必要があります。いつの時代のどんな社会であっても、子どもは宝物であります。子どもを健やかに育てることができなければ、その社会は滅びるしかありません。そこで、東京の、そして日本の未来を託す子どもたちに、今こそどんな夢と希望を与えていくべきか、知事の率直なお気持ちをお伺いしたいと思います。次に、東京が果たすべき都市外交について伺います。私は先般、都議会海外調査団の一員として、エジプト、スペイン、フランスを訪問してまいりました。私が強く印象づけられたのは、我々日本人が思っている以上に、世界からの日本への関心や評価が高いということでありました。例えばスペインのマドリード市は、二〇〇三年以降、国際化に力を入れています。空港の拡張、環状道路、鉄道の整備など国際都市にふさわしい都市インフラの整備を推進し、二〇〇七年には国際活動戦略本部、マドリードグローバルを設立し、成長したマドリードの姿を世界に発信をしようとしています。そして、マドリードの国際化の最大のターゲットは、実は東京であります。担当官によれば、東京の文化、技術、食、環境との共存などは非常に魅力的ととらえられており、東京はマドリードにとって巨大なライバルであり、模すべきモデルであり、また協力すべきパートナーと考えているそうであります。マドリード市は、在スペインの日本大使館やジェトロ、日本からの進出企業、日系の旅行者団体と意見交換を重ね、日本からの投資また観光誘致計画であるプラン・ハポンを策定し、日本、特に東京に熱烈なラブコールを送っています。また、在スペイン大使館でも、最近の日本ブームについてお伺いをいたしました。スペインでは、社会が急速に成熟する中で、観光、食文化、アニメなどを通じて日本への評価、関心は非常に高く、さらに高まっていくと予想されるものの、日本に関する情報はまだまだ不足をしているようであります。このような日本、東京の文化や観光などに対する関心は、世界の他の地域でも同様なのではないかと思います。また、観光、文化だけではなく、東京都の先進的な政策は世界に誇れるものだと思います。知事も出席したニューヨークの大都市気候変動サミットで、東京の環境対策や水道技術が世界に驚嘆されたことは、いまだに記憶に新しいところであります。アジアでは、石原知事の提唱で設立されたアジア大都市ネットワーク21を通して、東京のリーダーシップのもと、危機管理対策、観光振興、文化交流、感染症対策、地球温暖化対策などさまざまな分野で連携が進み、共通の都市問題の解決に役立っています。都のすぐれた取り組みを紹介したり、観光、文化などの交流を進めていくことは、アジアに限らず、先ほどのマドリードの例のように世界じゅうから歓迎されるものと思います。そして、このような活動が世界における東京の評価を高め、オリンピック招致の実現にも大いに役立つのではないかと思います。東京や東京都政に対する国際的な関心をどのようにとらえているか、そして、どのように対応していくのか、都市外交全般の観点から見解を伺います。このように、世界から寄せられる、東京のことを知りたい、東京と交流したい、東京から学びたいという要望にこたえていくためには、世界とのネットワークづくりが必要だと考えます。現在のネット社会においては、ホームページの充実による海外への情報発信も大きな柱ですが、さらに重要なのは、人と人とのネットワークだと思います。世界に向けて、ニーズに合った貢献を行い、東京を効果的にアピールしていくためには、現地の状況をよく把握している人々と都庁との間でネットワークを形成し、必要な情報を迅速適切に収集、伝達することが必要であります。オリンピック招致のためには、情報だけでなく、環境対策やスポーツ振興などで世界に貢献したいという東京の情熱を世界に知ってもらわねばなりません。熱意を伝えるには、直接的なコミュニケーションにまさるものはありません。オリンピック招致をも視野に入れて、世界と東京との間でどのように人のネットワークづくりに取り組んでいくのかをお伺いいたします。東京の魅力、東京の先進的な政策は世界に誇れるものであり、世界から求められています。しかし、だからといってオリンピック招致をかち取るのは容易ではありません。厳しい競争を勝ち抜くためには、世界と交流し、世界に貢献していこうという東京の強力なメッセージを今まで以上に積極的に発信していくことが必要です。もちろん、世界への貢献は、オリンピック招致のためだけに行うものでないことはいうまでもありません。むしろ東京が果たすべき責務ではないかと思います。石原知事には、環境、観光、先端技術などさまざまな分野において、アジアだけでなく、世界でもリーダーシップをとって世界に貢献し、東京そして日本の国際的評価をさらに高めていただきたいと考えています。石原知事は、これまで先進的な政策でアジア大都市ネットワークにおいて新たな国際ネットワークの姿を示してまいりました。また、この九月には、地球温暖化によって深刻な影響を受けているツバルにみずから足を運び、地球環境の危機をアピールいたしました。今、世界が直面しているさまざまな課題に立ち向かうためには、国の外交だけに頼るのではなく、従来の枠組みにとらわれずに世界の都市を連携させ、都市から世界を変えていかねばなりません。今後、東京の都市外交をどのように進め、世界でどのような役割を果たしていこうとしているのか、知事の考えを伺います。次に、教職員の人事権移譲について伺います。現行制度においては、区市町村立小中学校の教職員の給与負担と人事権については、より財政力が安定し、広域的な人事配置が可能な都道府県が持つことにより、義務教育の質の維持向上を図ることとされています。しかし、このことは、教員の区市町村への帰属意識を失わせるとともに、区市町村が地域の特性を生かした独自の展開をしていくことを難しくしている現実があります。近年、一層複雑多様化する学校教育における課題に迅速的確に対応し、教育改革を積極的に進めていくためには、区市町村の掲げる教育理念の実現に向けて、学校と地域が連携してともに子どもを育てていくことが重要であります。子どもたちは、勉強はもちろん、音楽、スポーツなどさまざまな分野において無限の可能性を持っています。子どもたちの興味、関心を引き出し、その才能を開花させ、個性豊かな子どもたちを育てていくためには、何よりも教員が創意工夫による特色ある授業を展開できるような教育環境が欠かせません。情熱を持って地域の教育に積極的に取り組む優秀な人材の確保や教員の意識改革を進めるために、地域に根差す意識の高い教員を区市町村ごとに採用、配置できるようにすることが有効であります。しかし、本年三月に出された中央教育審議会答申「教育基本法の改正を受けて緊急に必要とされる教育制度の改正について」においては、人事権の移譲については、依然として関係者間での意見の隔たりが大きく、すべての市町村において一定水準の人材確保を図る上で支障が生ずるという懸念が大きい、そのために、広域での人事調整の仕組みや給与負担のあり方などとともに引き続き検討すると先送りにされてしまいました。個性豊かな教育を展開するために、人事権移譲はぜひとも実現すべき課題であり、全国的な人事権移譲の実現が早急には望めない現状にある今こそ、東京都が先陣を切って進めていくべきであると思います。区市町村が地域に根差した優秀な人材を確保、育成し、特色ある学校教育を展開していくためには、区市町村が教職員の人事権を持つことが必要不可欠であると考えますが、区市町村立小中学校教職員の人事権の移譲について、都教育委員会の見解を改めて伺います。次に、踏切対策について伺います。東京は、都市機能の集中、集積を競争力の源泉とし、世界を代表する成熟を遂げた都市としてその地位を確立してまいりました。しかしながら、都市の骨格を形成する基盤施設はいまだ整備の途上であり、交通渋滞などの都市問題が発生しています。この原因の一つが踏切であります。さまざまな問題が都民生活に多大な影響を与えています。まず、人や物の流れの面からは、あかずの踏切によりバス等の定時性確保が困難となるほか、物流効率化の妨げとなっています。また、安全・安心なまちづくりの面からは、無理な横断が死傷事故を引き起こしています。さらに、環境の面からは、踏切を待つ自動車からの排気ガスが都市環境、ひいては地球環境を悪化させる原因ともなっています。まさに踏切問題は二十世紀の負の遺産であり、早期に解消すべきであります。東京を真に世界の範となるようなさらに高いレベルの成熟都市とするためには、踏切対策のさらなる加速が不可欠と考えます。そこで、踏切対策の推進に向けた今後の都の取り組みについて伺います。こうした踏切対策の実施に当たっては、多額の事業費を要することから、安定的な財源の確保が何より不可欠であります。しかし、現在、政府・与党内では道路特定財源をめぐりさまざまな議論があり、予断を許さない状況が続いております。道路特定財源は、受益者負担の原則に基づく合理的かつ安定的な財源として暫定税率を延長し、緊急の課題である踏切対策等道路関係施策に重点的に投入すべきと考えます。また、国の調査によれば、あかずの踏切などの緊急に対策の検討が必要な踏切は全国に千九百六十カ所、このうち約半数の九百六十七カ所が実に関東ブロックにあります。神奈川県、千葉県、埼玉県など首都圏の自治体でも踏切問題が深刻な事態となっています。昨日、石原知事が福田総理と会談された際、知事から、首都の交通網を分断しているあかずの踏切の早期解消を含め、首都東京の重要施策に対し国も力を尽くすよう求めたところ、総理は前向きの返答をされたとのことであります。そこで、日本の社会問題である踏切問題の解消に向けて、東京から、また首都圏から先駆的な取り組みを推進していくべきと考えます。そこで、都は、踏切対策の加速に向けて、首都圏の自治体と連携をして国に働きかけていくべきと考えますが、都の見解を伺い、質問を終わります。(拍手)〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)鈴木隆道議員の一般質問にお答えいたします。子どもたちにどんな夢と希望を与えていくべきかについてでありますが、ご指摘のとおり、子どもたちを取り巻く現況には我々としても危機感を抱かざるを得ません。戦後、我々は平和で豊かな時代を享受してきましたが、その代償として、子どもたちは物や情報におぼれて、みずからがみずからの意思でどう行動していくかがわからなくなり、大人たちもしっかりと子どもをしかることができなくなりました。それゆえにも、子どもそのものが耐性、つまりこらえ性を失って、本質的に非常にひ弱になったと思います。本来、子どもたちは、中でも十代の青春にある子どもたちは、個性の表象であります感性や情念において、大人に比べてもはるかに鋭く、すぐれたひらめきを持っております。彼らはまた、まさに日本の将来を担う原石でありまして、本物に出会った感動に触発され、みずからを鍛え、磨いていく機会を積極的につくることで人生を豊かにし、一生の糧となるような夢と希望を彼らに与えるべきだと思っております。それがまさに子どもあっての親としての我々の責任ではないかと思います。東京オリンピック招致は、その大きなよすがになると思っております。すぐれた競技者たちが国を背負ってみずからの肉体を限界的に駆使して、極限のドラマをつくり上げていくオリンピックは、実体験を伴わないバーチャルなテレビ等による情報からはとても得ることのできない、人生を左右する大きな重みやすばらしさを持っていると思います。そこから子どもたちに夢と希望を、さらにかけがえのない宝物となる心の財産を与えていきたいものだと思っております。次いで、今後の東京の都市外交についてでありますが、東京には都市問題の解決には必要な技術、人材、ノウハウなどが集積しております。こうした資源を生かして、大都市が共通して抱える具体的な課題に連携して取り組むことを通じまして、世界に貢献していきたいと思っております。それが私の考える都市外交であります。これまでも、アジア大都市ネットワークやロンドンとの政策提携など、単なる儀礼的な友好親善にとどまらない実質的な都市外交を展開し、成果をそれなりに上げてきました。今後とも、東京の持てる力を最大限に活用しまして、世界の都市と知恵や経験を分かち合いながら都市問題の解決に当たることによりまして、東京の国際的評価をさらに高めていきたいと思っております。こうした取り組みの積み重ねがオリンピックの招致にもつながると思っておりますし、また、首都東京の都市外交のためにも、例えば羽田空港の一層の国際化が不可欠だと思っております。昨日も福田総理にそのことを念を押してまいりました。その他の質問については、教育長及び関係局長から答弁いたします。〔教育長中村正彦君登壇〕 # 教育長(中村正彦君) 教育長(中村正彦君)区市町村立学校教職員の人事権移譲についてのご質問にお答え申し上げます。都教育委員会は、昨年度、人事権移譲に関する見解を取りまとめ、文部科学省に示したところでございます。区市町村立学校教職員の人事権につきましては、必要な法改正を行った上で、すべての区市町村に対して給与の負担とあわせて移譲すべきでありまして、その際、採用や異動、昇任等につきまして区市町村間の不均衡を生じさせないための広域的な調整を図る仕組みを整備する必要があるとともに、区市町村が給与の負担を行うため、適切な財源の確保が不可欠であると考えております。〔知事本局長大原正行君登壇〕 # 知事本局長(大原正行君) 知事本局長(大原正行君)都市外交に係る二点のご質問にお答えを申し上げます。まず、東京に対する国際的関心と対応についてでございます。東京には伝統的な文化から先端技術、現代美術までさまざまな魅力が集積をしており、海外からも多くの観光客が訪れております。同時に、都が進めてまいりました治安、危機管理、環境対策などの先進的な施策は、共通の問題を抱える多くの大都市の関心を集めております。こうした東京の魅力を世界に発信し、交流の礎にいたしますとともに、先進的な施策を広く国際社会に向けてアピールをし、世界に共通する都市問題の解決に貢献していくことが東京の都市外交の大きな役割であり、この積み重ねがオリンピックの招致にもつながっていくものと考えます。今後とも、都庁一丸となって都市外交に積極的に取り組んでまいります。次に、都庁と世界をつなぐ人的ネットワークづくりについてのお尋ねでございます。現代のようなIT社会におきましても、人と人との直接的なコミュニケーションは依然として大きな役割を担っており、人的なネットワークの構築が必要であることはご指摘のとおりであろうと思います。都はこれまでも、アジア大都市ネットワークの取り組みなどを通じまして、海外都市との間に緊密な人間関係を構築してまいりました。さらにこれからは、東京マラソンや環境技術に関する実務者会議など大きな国際イベントや国際会議を開催いたしますとともに、海外からの研修生や留学生を積極的に東京に受け入れまして、そこで培った人間関係を将来にわたり維持していくことが重要であると思います。これまで築き上げてきた人的ネットワークを継続、深化させますとともに、ネットワークのすそ野を広げることで、オリンピック招致の実現にもつなげてまいりたいと考えております。〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕 # 都市整備局長(只腰憲久君) 都市整備局長(只腰憲久君)踏切対策に関する二点のご質問にお答えを申し上げます。まず、踏切対策の推進についてでございますが、交通渋滞や地域分断を解消し、快適で利便性の高い都市を実現するためには、踏切対策の推進が必要でございます。抜本的な対策でございます連続立体交差事業につきましては、踏切対策基本方針に掲げました検討対象二十区間のうち、新たな取り組みである区施行を含めた三区間で計画の具体化を図ってまいります。その他の区間につきましても、地元区市とともに、沿線のまちづくりを含め検討を深めてまいります。また、早期に実施可能な対策として、踏切道の拡幅、踏切システムの改善などをあわせて促進いたします。今後とも、区市町、鉄道事業者など関係者間の連携を一層強化し、効果的な踏切対策に積極的に取り組んでまいります。次に、踏切対策に関します首都圏の自治体との連携についてでございます。ご指摘もございましたけれども、首都圏には遮断時間が長く自動車交通量が多い踏切が集中しておりまして、踏切対策による効果が非常に大きいことから、重点的な推進が必要であるというふうに考えております。そのためには、暫定税率の延長による道路整備特定財源の確保や国庫補助制度の充実などを国に求めていくことが重要でございます。都は、これまでも、一都七県で構成する首都圏整備促進協議会として提案要望を行ってまいりましたが、引き続きこうした場を通じて、首都圏の自治体とも連携しながら、踏切対策の推進に向け国に強く働きかけてまいります。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)九十八番酒井大史君。〔九十八番酒井大史君登壇〕〔議長退席、副議長着席〕 # 九十八番(酒井大史君) 九十八番(酒井大史君)多摩地域における高付加価値産業の創出と地域振興、それに伴う交通基盤整備について質問をいたします。まず初めに、高付加価値産業の創出について伺います。都は、「十年後の東京」並びに多摩リーディングプロジェクト改訂版の中で、圏央道の開通や横田基地の軍民共用化を契機とした多摩地域における産業拠点の地位向上に向け、多摩シリコンバレーの形成を提唱しています。この多摩シリコンバレーは、多摩が有する潜在的な能力を生かし、多摩地域における高付加価値産業の創出にもつながることであり、大いに期待をしております。そこで、現状における本計画のイメージを確認させていただいた上で、具現化に向けての課題について質問をさせていただきます。まず、多摩シリコンバレーのイメージについて、「十年後の東京」におけるイメージ図を見ると、多摩北西部から南西部にわたる広いエリアを想定しているようですが、都が考える多摩シリコンバレーは具体的にどのエリアまでを想定しているのか、また、どのようなコンセプトを持って形成をしようとしているのか明らかになっていません。この広いエリアには、先端技術を有する企業や工業団地、大学が存在し、都立短大の跡地には多摩における都の産業支援の拠点も建設されています。これら既存の企業や研究機関等を核として、新規事業の創出や高付加価値産業の集積、それに伴う雇用の創出までをも目指した一大産業集積地としてのシリコンバレーを目指すのか、それとも、この地域は先ほど述べたような既存企業、施設が点在していることから、とりあえずこの地域を多摩シリコンバレーと呼んでしまおうというものなのか、ぜひとも前者であってほしいと思いますが、都のイメージ、コンセプトをお伺いいたします。このシリコンバレーの形成に当たっては、一つの参考事例として、スウェーデンのストックホルム市を中心に形成しているシスタ・サイエンスシティーを紹介させていただきたいと思います。これは、先般の海外調査報告でも、原田大議員より報告をいたしましたが、本年十月に現地調査を行ってきたものです。このシスタ・サイエンスシティーは、ストックホルム市が二〇〇〇年にIT構想を打ち上げたことを契機に二〇〇一年より建設が始まりました。二〇〇三年からはエリクソンも本社をシスタに移し、現在、総面積二百万平方メートルを有し、千三百五十社が活動しています。また、このサイエンスシティーの特徴としては、住居エリアを併設していることであり、これにより、研究開発エリアという側面だけではなく、ショッピングセンターをも有する一大先進都市を形成していることにあります。それに伴い、エリア内外を結ぶバス路線や道路が整備され、さらに高速市電も整備されつつあります。行政のかかわりとしては、行政主導によって進められ、当初の一、二年は関係するコミューンが補助金を出し、その後、ストックホルム市や企業等が参加する財団が設立され、運営株式会社とともに運営しております。ストックホルム市においては、土地を十年間無償で貸し付けているとともに、企業等が立地しやすいよう、不動産が投機の対象にならないような配慮をしているとのことでした。このような取り組みにより、二〇〇三年時点でのシスタ・サイエンスシティーにおける雇用者総数は三万人を有し、さらに二〇〇七年にはICT企業だけでも二万人に達しています。また、ICT企業は、二〇〇五年四百二十七社であったものが、二〇〇七年には五百二十社と、二〇%も増加している状況にあります。以上のように、北欧のシリコンバレーといわれるシスタ・サイエンスシティーは、ストックホルム市のイニシアチブによって世界有数の産業集積地となり、世界のITを牽引しているのみならず、域内の雇用や住宅需要の喚起にも貢献していることは、多摩シリコンバレーにも大いに参考になるものと思います。都も、多摩シリコンバレーを形成する以上、世界のシリコンバレーとまではいわないまでも、アジアのシリコンバレーたらんとの気概を持って取り組んでほしいと思いますが、そのためにはさまざまな課題があります。具体的には、産業集積を図り新事業を創出していくためには、都がインセンティブを与えるようなことも考えていかなければなりません。ストックホルム市とは不動産に関する状況が異なるので、同様な対策は不可能でありますが、税制の面での優遇やまちづくりの点での配慮は可能なのではないかと思います。また、インフラについては、高速通信網の充実を初め、交通インフラの充実も欠かせない課題です。都も国道一六号線の拡幅を指摘しておりますが、この地域の物流インフラは不足していますし、都が建設している、昭島、立川の市境に位置する多摩産業支援拠点とのアクセスについても課題があると思います。さらに、シスタ・サイエンスシティーでは、ITに特化し、世界のITをリードするための大学として、ITユニバーシティーが二〇〇一年に設立され、産学連携が活発に行われています。こうした産学連携の取り組みも多摩シリコンバレーの課題であり、海外の先進事例に学ぶ点が多いと考えますが、以上、都としての多摩シリコンバレー形成に向けての課題についてお伺いをいたします。次に、多摩地域におけるもう一つの課題である横田基地の軍民共用化に関して、これが実現に至ったときのインフラ整備について伺います。横田基地の軍民共用化については、騒音の問題等、地域住民への配慮が必要なことはもちろんでありますが、これが実現に至ったときの地域に与える効果は、多摩地域のみならず、隣接する県の住民の利便性拡大、さらには多摩シリコンバレーとも連携しつつ、地域経済の活性化、雇用創出など、はかり知れないものがあります。現在外交交渉中のため、具体的な進展が目に見えてこない状況にありますが、石原知事の所信表明等の中でも、改めて早期実現に向けての強い意思表示がなされたことに大いに期待するものであります。そこで、都としても外交交渉を見守り、また、共用化に向けてのアクションを起こしていくのとあわせて、共用化が実現した際、取り組まなければならないインフラ整備などの課題についてどのように想定しているのか、質問をいたします。このインフラ整備については、軍民共用化が実現し、ターミナル等の位置が確定するまでは具体的な想定は難しいのかもしれませんが、インフラ整備には時間もお金もかかることですので、何通りかの想定をしておくことも必要と考えます。横田基地の軍民共用化が実現し、民間空港として活用することになった場合、一般的には、ターミナルの建設のほか、鉄道や道路などのインフラ整備が必要となります。横田基地の軍民共用化により、国内あるいはアジア地域との航空利便性は飛躍的に向上することが予想されますが、一方、横田基地へのアクセスという面から見ると、現状の道路計画、整備状況では不十分といわざるを得ない状況にあると思います。また、国内外の都市における空港を見てみますと、その多くにおいて、空港近くまで鉄道及び自動車専用道路が整備されています。現実に諸外国では、空港からインターチェンジへ十分以内で到達できるところも多いことから、空港と直結した鉄道や自動車専用道路の整備も必要と考えます。そこで、横田の軍民共用化に当たり、都としては横田基地へのアクセスを中心とした交通網整備についてどのように考えているのか、知事にお伺いいたします。以上、多摩地域における二つの課題について質問いたしましたが、いずれにおいても、その計画が現実のものとなったときに必要とされるのは、人、物、経済の流れをつかさどる道路を初めとした交通網の整備であります。都も、多摩リーディングプロジェクトの中で幹線道路の整備促進などをうたっていますが、多摩地域の道路整備はまだまだ進捗していない状況にあります。平成十六年度末時点で、多摩の都市計画道路は延長千四百二十五キロメートルが計画されていますが、完成率は五一%にとどまっています。そのため、多摩地域の交通は、ピーク時旅行速度が時速十五キロメートルを下回る区間も多いことから、移動に多大な時間とエネルギーをかけざるを得ない状況になっています。私の地元である立川市には広域防災基地がありますが、この中央を通る都道の南進計画も実現のめどが見えず、防災基地への陸路の確保という点では、機能的に不十分な状況にあります。そこで、多摩地域における都市計画道路の整備について、今後どのような計画を持って取り組んでいくのか、見解をお伺いいたします。以上、何点かにわたり質問をいたしましたが、本日取り上げた課題に対応するための一つのアイデアとして、自動車専用道路の建設を提案させていただきます。もちろん、自動車専用道路については、一般的には国等が主体となって行う事業でありますが、都も都市計画決定等に関与する場合もあるので、一つのアイデアとしてお聞きいただきたいと思います。この自動車専用道路の具体的な路線は、パネルをごらんいただきたいと思いますが、中央自動車道国立府中インターチェンジ付近から、広域防災基地、横田基地を通り、圏央道青梅インターチェンジを地下で結ぶものです。総延長は約二十一キロメートル、地下道路の仕様としては、道路構造令に準拠し、設計速度は時速八十キロ、道路区分は第二種第一級とします。土地買収費を極力かけないルートとして、当初、多摩川堤防下、残堀川地下を通るプランを考えましたが、現行法のもとでは河川下の道路構築は非常に難しいとのことですので、都道下や大深度地下を活用し、図にもあるように、大型車も通行可能な直径十三メートル口径の大型トンネル一本、あるいはIT技術を活用し、フランスのA八六号線のような規格の、乗用車や四トン小型貨物車のみが通行可能な直径六・六メートル口径の小型トンネルを二本建設するものです。この地下自動車専用道路の建設により、横田基地へのアクセスが確保されると同時に、現在、国立府中インターから青梅インターチェンジ間の延長約二十一キロにおいて、時速三十キロ走行時七十分かかる所要時間が、控え目に見積もっても、八十キロ走行により所要時間三十分と、四十分も短縮することができ、その結果、来年開催予定の洞爺湖サミットにおけるテーマの一つと想定されるCO2排出量の削減も可能となります。建設費の想定に関しては、シールドの断面積によって変わってきますが、専門家の話では、先ほど紹介した大型トンネル一本で掘った場合、用地買収費やシステム費を除き、約三千八百億円。また、小型トンネルを二本掘った場合は、約半分の一千八百億円とのことです。いずれにしても、膨大な建設費であり、都が単独で行い得る事業ではありませんが、大口径のトンネルについては、走行面下の余剰空間を防災基地における防災機能の向上にも活用できるメリットがあり、また、小口径トンネルについては、我が国においては新たなチャレンジとなりますが、建設コストを削減できるメリットとともに、事故発生時の避難用トンネルとしてもう一方のトンネルを活用できることから、防災面でも注目すべきトンネルとなります。いずれの計画にしても、平成十七年度道路交通センサスを参考に推定をすると、中央自動車道の国立付近では毎日約四万五千台が通行しており、そのうち、仮に三〇%程度が利用するだけでも、現状で一日一万台の利用が想定されることから、十分利用度の見込める道路と考えられます。横田基地へのアクセス道路、多摩地域の交通網拡充の一つのアイデアとして、知事におかれましては、ぜひご記憶にとどめていただければと思います。以上、質問事項に対する知事並びに関係局長の答弁を求め、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)酒井大史議員の一般質問にお答えいたします。横田基地の軍民共用化に伴う交通網整備についてでありますが、航空機の利点は、遠距離の目的地に短時間で到達できることでありまして、出発地から空港までのアクセスが十分に確保されていなければ、この利点を生かすことはできません。横田基地は都心から約三十八キロメートルと、成田の半分程度の距離に位置しておりまして、周辺には既に鉄道や幹線道路が整備されております。軍民共用化の具体化に当たりまして、こうした横田周辺の既存の交通インフラも生かしながら、空港までの到達時間を可能な限り短縮して、利用者にとっていかに便利な空港とするかが重要な課題であります。この問題を左右するのは、例えばもっと大規模に空港が軍民共用化で活用されたときに、恒久的なターミナルを基地のどちら側に使うかによってかなり条件が違ってくると思いますが、また、軍民共用化が実現すれば、地元の多摩地域や横田に近接する隣県の活性化が促進されまして、人や物の動きが従来以上に活発になることが見込まれます。このために生じる新たな交通需要にも対応していくことが必要だと思います。今後は、軍民共用化の日米協議の進捗に合わせまして、国とも連携しながら、軍民共用化に伴う交通網整備について検討を進めてまいります。他の質問については関係局長から答弁いたします。〔産業労働局長佐藤広君登壇〕 # 産業労働局長(佐藤広君) 産業労働局長(佐藤広君)二点のご質問にお答えいたします。まず、多摩シリコンバレーについてでありますが、多摩地域は大学や研究機関、先端技術を有する企業が集積しており、また、都内製造品出荷額の五割以上を占めるなど、大きなポテンシャルを有しております。圏央道の全面開通や横田基地の軍民共用化により、産業のポテンシャルが高まる広域多摩エリアを多摩シリコンバレーととらえ、この地域を、アジアを代表する高度で多様なものづくり産業の集積地として発展させることを目指しております。次に、多摩シリコンバレーの形成に向けた課題でありますが、多摩シリコンバレーの形成に当たりましては、圏央道や多摩南北道路など、産業を支える都市インフラの整備を契機といたしまして、産学公連携をより一層活発化させることなどによりまして、新事業の創出を図っていくことが重要であると考えております。このため、平成二十一年度開設予定の多摩産業支援拠点におきまして産学公の交流センターを設置し、コーディネート機能を拡充していくとともに、中小企業に対する技術、経営両面からの支援を強化してまいります。〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕 # 都市整備局長(只腰憲久君) 都市整備局長(只腰憲久君)多摩地域の都市計画道路についてでございますが、都は、多摩の二十八市町と共同して、昨年四月に、多摩地域における都市計画道路の整備方針を策定いたしました。この整備方針におきましては、都市計画道路の計画的な整備を進めていくため、交通混雑の緩和、防災機能の強化、物流を支える道路網の形成などの評価項目に照らしまして、第三次事業化計画として、平成二十七年度までに優先的に整備する路線を選定してございます。今後とも、関係市町と連携し、多摩地域の発展に資するよう、骨格幹線道路を初めとする都市計画道路ネットワークの早期形成に努めてまいります。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)九十四番古賀俊昭君。〔九十四番古賀俊昭君登壇〕〔副議長退席、議長着席〕 # 九十四番(古賀俊昭君) 九十四番(古賀俊昭君)まず、祖国未曾有の国難に際し、とうとい命をささげられた沖縄県民戦没者並びに戦陣に散華された英霊への畏敬と慰霊の心をもって、沖縄決戦と教科書検定についての質問を行います。ことし三月、文部科学省は、平成二十年度から使用する高校歴史教科書の検定結果を公表し、沖縄集団自決について、日本軍に強制された旨の記述がある七冊の教科書に対して、誤解するおそれのある表現との検定意見をつけ、修正が行われました。これまで、沖縄タイムス社編「鉄の暴風」等の著作物では、昭和二十年三月、慶良間列島にある渡嘉敷島、座間味島への米軍上陸の際に、駐屯部隊の隊長が島民に自決を命じたと記述されてきました。だが、これを原資料とする教科書記述は不適切とするものであります。この検定意見に対して、沖縄の報道機関や新旧左翼勢力は執拗に、もとに戻せと要求を繰り返し、歴史の虚説に事寄せて、日本軍は県民を守らなかった、日本軍に殺されたとの表現を貫く目的の政治運動を扇動しています。実際には、沖縄を守るために多くの特攻隊員が散華し、また、戦艦「大和」などの沖縄を守る作戦も展開されたことは皆さんもご承知のとおりです。可能な限りの策を実行しています。「沖縄県民斯ク戦ヘリ」と有名な決別電報を打った大田實少将など、牛島司令官も沖縄県民への心からの献身への感謝を述べて自決をしています。本来、検定終了後の教科書は、誤字、脱字等のほかは訂正申請は認められていません。にもかかわらず、文科省は、いわゆる十一万人集会、引き続く検定意見撤回を求める政治的圧力に押されて、学習上の支障なるこじつけの専門用語を持ち出して訂正申請を誘導したのです。学問的根拠のないうそに迎合することは、検定制度の崩壊にもつながる暴挙であり、決して許されるものではありません。そもそも今回の検定意見でも、悲惨な集団自決は従前どおり記述されています。沖縄の報道機関等は、集団自決の史実が削除されたかのごとく伝えていますが、誤解を県民に拡大させるだけで、正しい報道とはいえません。検定意見は、隊長からの自決命令、隊長からの強制によって自決が行われたとの記述のみを是正したのであります。自決を決定したのは村の幹部であることは、沖縄県史に、村長、前村長、現学校長等々で決めましたとの証言があり、沖縄県警察史でも、渡嘉敷村駐在の調査記録にも同じような表現があります。住民を避難させたところ、巡査が自決をやめるよう指示したが、聞き入れられなかった、そういう状態であったと伝えています。死におくれた村民が武器を求めて軍部隊に押し寄せたために、軍はそのとき初めて自決の事実をつかんだのです。県史には、このとき隊長は、早まったことをしたなと述べたことも書かれています。座間味村史の軍命ありが沖縄県史に転載されていますが、軍命令ありとしなければ、戦傷者戦没者遺族援護法で補償金が交付されないため、軍命ありと記載したとする情報提供者からの修正申し出が出され、その後、軍命令はなかったと訂正されています。沖縄県集団自決の軍命令説は、昭和四十八年に曽野綾子さんの「ある神話の背景」が出版されたことを機に、ほとんどの文献が訂正、削除または絶版をいたしました。その中で唯一残っているのが、大江健三郎氏の「沖縄ノート」と沖縄タイムスの「鉄の暴風」であります。これは米軍の占領政策の影響を受けたと考えられます。米軍は、沖縄侵攻作戦に先立つ昭和十九年、「琉球列島の沖縄人」と題する心理作戦計画案をまとめていますが、これを見ると、沖縄人と他の日本人との亀裂を利用すると書かれています。真実の歴史を歪曲してでも軍命令ありとしなければ納得しない勢力の存在は、この巧妙な、また悪らつな占領政策を抜きには考えることはできません。ここで、十一万人と発表された宜野湾集会の実際の人数をテイケイ株式会社が科学的な検証を行っておりますので、ご紹介いたします。そもそも琉球新報で会場の全景写真が出ています。スポーツ新聞のような見出しが躍っています。(写真を示す)この写真は非常に精密であり、何人いたかというのは数えればわかるわけです。実際にこの升目を、百四の升目に区切って、一つ一つシールを張って人数を数えた結果、果たして、いた会場の人員は何名なのか。目で見ることが確認できた者は一万八千百七十九人であります。この面積は、公園の面積として、花壇や樹木等が省かれている面積の中にこれだけの人がいたということになれば、恐らく実際の人数は、他の見えない人も含めて二万人を超えることは絶対なかったということであります。東京ドームの面積、観客席も三万三千平方メートル、目いっぱい観客が入っても五万五千人、それより狭い場所に十一万人が入るはずは到底あり得ないのです。そこで質問をいたします。集団自決に軍の命令、強制、関与がなかったことは実証された史実でありますが、知事の所見を伺います。政府・文部科学大臣は、いわゆる十一万人集会が報じられるや、方針転換を示唆して、政治介入に屈する発言を行いましたが、知事の教科書検定制度とこの虚報十一万人集会報道についての所見をお聞かせください。次に、仮称海の森について質問を行います。私は五年前、平成十四年の予算特別委員会において、中央防波堤埋立地八十八ヘクタールに計画されている海上公園、海の森構想を取り上げ、インドのタゴールの日本精神への期待や、ペリーが称賛したかつての東京湾の美しさを紹介しながら、日本人の自然観、精神文化に基づく平成の森づくりを提言いたしました。石原知事は、うっそうとした森づくりのために、一握の土、一本の苗木の持ち寄りを全国の皆さんにお願いすると答弁されました。続いて、平成十六年六月議会では、南方熊楠の自然と人間観を紹介して、森の名称を平成鎮守の森を提案し、石原知事は、明治神宮の森の例を挙げ、子孫への大切な贈り物として全力で実現すると明言されました。本年七月、いよいよ石原知事も出席して植樹式にこぎつけ、あわせて、苗木の費用に充てる海の森募金も始まりました。我々人間は、他の動物とは比較にならないすぐれた頭脳を駆使して、生活に便利なもの、快適にしようとするものを数々文明の利器として生み出しました。しかし、同時にそれは、環境を破壊し、人間の精神までむしばんでいます。この物質科学文明の暴走を象徴するのが、まさに東京湾のごみの島であります。「歴史の研究」を著したアーノルド・トインビーは、我々が選んだ人類の名称はホモファベル、工作人ではなく、ホモサピエンス、賢い人であると、著書「未来を生きる」の中で述べ、現代文明の危うさを突いています。物質文明のツケは、人類の賢さで克服するほかありません。その賢さは、自然との和解、共生を超えた畏敬の念という心の姿勢であり、日本の伝統文化の観点からすれば、鎮守の森の考え方ではないでしょうか。つまり仮称海の森構想は、日本人の自然観、宗教観に基づく森づくりでなければならないのです。知事もご承知のとおり、あの土地には、平成八年に天皇皇后両陛下が全国植樹祭で植樹され、御製の碑が建てられています。また、都にドングリを贈り続けている全国氏子青年協議会を通じて、三笠宮寛仁親王殿下から来年八月に苗木を贈りたいとのご意向も仄聞しています。皇室や多くの国民から寄せられるこうした気持ちは、日本人の自然観を象徴するものであります。かかる伝統的価値観あってこそ、日本の地球環境問題解決への提言を世界に向けて訴えることができ、また、私ども日本人が失った日本の心を取り戻すことができるのではないでしょうか。この日本の姿こそ、オリンピック日本招致にも大きな誘引力となるはずであります。動き出したこの大事業の意義について、知事の認識を改めてお聞かせください。去る十月二十二日の会合で、安藤忠雄氏は、明治天皇が崩御して明治神宮の森がつくられた、だから、またあのような森ができるのではないかと述べました。明治神宮の森には、当時の国家、国民の心が宿っており、今に継承されています。つまり神が宿る森となったということです。ごみの島を単に埋立公園にすることは、物理的にはだれでもできることでありますが、そこにいかなる精神を込めるかが森づくりの大きな岐路となるのです。そのためには、海の森という名称は余りにも平板で味気がなく、文学的でもありません。平成の日本人が、そして東京が、科学的技術文明による危機感から、世界に向けて、神々の宿る森を後世への貴重な財産として創成した、平成鎮守の森の言霊を配した名称、例えば平成海の森にすれば、その知恵は次代へと継承されます。改めて名称の検討を求め、見解を伺います。加えて、将来的にはこの場所を、中央防波堤内側に限らず、外側、そして新海面処分場も取り込んだ大森林構想を検討されるべきだと考えます。現在の海の森の整備状況と今後の計画を伺います。また、平成八年度に行われた全国植樹祭の跡地でもわかるように、植樹の後の管理が大事です。今後、清掃や除草等の協力を申し出る団体が予想されますが、こうした希望にはどのように対応されるのか伺います。次に、公園整備について伺います。都は、平成十九年六月に策定した緑の東京十年プロジェクト基本方針において、都市公園をこれから整備することを数値を挙げて掲げています。その目標の達成のために、都と市区町それぞれが公園整備に積極的に取り組むべきと考えますが、まず、都はどのような取り組みを行うのか伺います。ところで、私の地元、日野市程久保三丁目においても、長年にわたり地元自治会や住民が市や都に対して公園緑地にしてほしいという、約三千三百平方メートル、千坪の場所があります。当該地は、今日まで十年間、民間業者が宅地や宗教施設等の種々の開発計画を示すたびに、地域住民に不安をもたらした、いわくつきのところであります。この土地は、多摩丘陵北部近郊緑地保全区域等の区域内にあって、明星大学があることから明星団地と一般に呼ばれている、約八百世帯のまとまった住宅地であるにもかかわらず、公園、広場がないのです。ゆえに、同地の公園等の整備を長年の課題として、住民は、当該民有地の公有化を市や都に求めてまいりました。しかし、この土地が都市計画公園・緑地の位置づけがないことから、今日まで未解決のままとなっているのです。本件土地には都有地が隣接しており、一部は都から無償で借用した遊び場、ほどくぼ地区広場と接しており、市の公園となることはごく自然なことであり、大きな意義があります。そこで、市町村が公園整備する際に都はいかなる支援ができるのか伺い、私の一般質問を終わります。(拍手)〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)古賀俊昭議員の一般質問にお答えいたします。まず、集団自決と日本軍の命令についてでありますが、沖縄戦の混乱の中で集団自決が行われ、多くのとうとい命が失われたことは、私たち日本人としても忘れてはならないことと思います。しかし、集団自決が日本軍の命令であったかについては賛否両論ありまして、曽野綾子さんの「ある神話の背景」はもとより、最近になって軍命令説をはっきり否定する新たな証言も出ております。軍命令説に基づく「沖縄ノート」の著者大江健三郎氏と岩波書店に対して、出版を差しとめる、損害賠償を求める訴訟が行われておりまして、先日、その大江氏の証言の一部でしたが新聞に載っておりましたが、それを読む限り、私には非常にたどたどしい印象にしか見えませんでした。あの人の政治性は、かつて防衛大学の学生を非難して、本当の青年の将来は北朝鮮にしかないという発言がありまして、これはどこかへいっちゃいましたが、谷沢永一氏が非常に鋭く指摘しておりましたけれども、いずれにしろ、軍命令説を断定的に記述する状況にはないと思われます。よって、先般の教科書検定制度と十一万人集会の報道についてでありますが、私は沖縄の方々がこれに反発する気持ちはわからないではありませんけれども、あの写真を見まして、集まった人の数が十一万というのはちょっと大げさだなと。ちらっと見ても、あの地域にそれだけの人が集まるスペースはとてもないと思いますし、丁寧な方が一つ一つ数えたそうでありますけれども、大体ああいう集会や労働組合のデモを見ましても、主催者と警察側の発表は大分食い違っていまして、せいぜいあれの四分の一、三分の一が妥当なところじゃないかと思いますが、いずれにしろ、検定意見の撤回を求める沖縄県民の集会のあの写真の印象に左右されて、政府の対応が揺らぐ、教科書検定が左右されるというのは、非常に思わしくないと思います。公教育における歴史教科書は、事実の堆積としての歴史を正確に伝えることが必要でありまして、政治的な思惑で歴史事実を書きかえることは許されてはならないと思います。海の森事業の意義についてでありますが、都は「十年後の東京」で、水と緑の回廊に包まれた美しいまち東京を復活させることを第一の目標としておりますけれども、海の森の整備はその第一歩となるものであります。ごみと残土の埋立地を緑の島に生まれ変わらせ、東京湾から都心に向かう風の道をつくり出していくこの事業は、地球環境問題への取り組みとなる、世界でもかなりユニークなプロジェクトであると自負しております。東京湾に創造される緑あふれる島は、日本人が持っている豊かな自然観を次世代に伝える贈り物となると考えております。他の質問については、関係局長から答弁いたします。〔港湾局長斉藤一美君登壇〕 # 港湾局長(斉藤一美君) 港湾局長(斉藤一美君)海の森に関します三点のご質問にお答え申し上げます。まず初めに、海の森の名称についてでございますが、都は、平成十七年二月に港湾審議会から海の森基本構想の答申を受けまして、本年二月、海上公園計画に海の森を位置づけ、整備に着手したところでございます。今後、都民の協力を得ながら着実に整備を進めてまいりますが、開園に向けました名称につきましては、この事業がごみと残土の埋立地を緑あふれる大きな森とする歴史的な事業であることや、募金、苗木づくりなどの先行事業の中で海の森という名称を使用し、都民に一定程度定着していることを考慮に入れながら検討してまいります。次に、海の森整備の現状と今後の計画についてでございますが、都はこれまで、海の森の整備に向けた準備といたしまして、小学生による苗木づくりや街路樹の剪定枝葉等を活用した堆肥生産を行ってまいりました。本年七月には、広く都民の参加を呼びかける海の森募金キックオフイベントを開催し、海の森予定地でこの間育成してきた苗木による記念植樹を行いました。来年度からは、幅広い都民参加による植樹を本格的に開始することとしておりまして、今後三年間は、潮風の影響を緩和するために、南側斜面を中心として森づくりを進め、十年程度で海の森を概成させる予定でございます。最後に、海の森への協力を申し出る団体への対応についてでございますが、海の森は、苗木づくりから植樹、森の管理まで、森づくりの各段階で広範な都民の参加を得て進めていく事業でございます。このため、植樹の進展に伴って清掃や除草等の森の管理が重要な課題となってまいります。したがいまして、今後、森の管理につきましても、個人や団体の参加を積極的に受け入れる必要がございまして、公募方法や参加受け入れの仕組みを早急に検討してまいります。都民の協力を積極的に受け入れることによりまして、都民がみずからの手でつくり、育てる森と実感できる海の森をつくってまいります。〔建設局長道家孝行君登壇〕 # 建設局長(道家孝行君) 建設局長(道家孝行君)二点のご質問にお答えいたします。まず、緑の東京十年プロジェクト基本方針に掲げる目標達成に向けた公園整備の取り組みについてでありますが、緑の東京十年プロジェクト基本方針において、緑の拠点となる都市公園の整備は、水と緑の回廊で包まれた美しいまち東京の復活や、既存の緑のネットワーク化などを進めていく上で、重要な取り組みの一つに位置づけております。このうち、都立公園の整備に当たりましては、道路や河川と一体的に緑の軸を形成する公園、防災の拠点となる公園、里山の自然環境を保全する丘陵地の公園などを積極的に整備してまいります。このため、整備に必要な用地については、一団のまとまりのある大規模な用地や、既に開園している地区に近接する用地など、整備効果の高い用地を戦略的かつ着実に取得するとともに、丘陵地の公園などでは借地公園制度を活用してまいります。次に、市町村が公園を整備する際の都の支援についてでありますが、都立公園整備とともに、市町村が行う公園整備は緑の拠点づくりとして重要であります。このため、都は、市町村への支援として、技術面においては、市町村が緑地保全や緑化の推進の目標などを定める緑の基本計画の策定に際して助言を行うとともに、防災公園やバリアフリー化などの整備計画や内容について指導を行っております。また、財政面においては、市町村土木補助により支援を行うとともに、国庫補助金を市町村が受けられるよう国に対して強く働きかけております。今後とも、都立公園の整備を積極的に進めていくとともに、市町村による公園整備の促進を図り、緑の東京十年プロジェクト基本方針に掲げる目標の達成に向けて取り組んでまいります。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)三十七番上野和彦君。〔三十七番上野和彦君登壇〕〔議長退席、副議長着席〕 # 三十七番(上野和彦君) 三十七番(上野和彦君)初めに、高齢者虐待防止について質問いたします。高齢社会の進展とともに、高齢者に対する虐待問題が看過できない事態となっております。厚生労働省が行った昨年度の高齢者虐待に関する調査によると、家族など養護者による相談・通報一万八千三百九十三件のうち、虐待行為と判断された事例は一万二千五百七十五件もありました。一方、高齢者関係施設の職員による施設内虐待も多く発生し、厚労省の調査で判明しているだけでも昨年度は四百九十八件と、事態の深刻さを浮き彫りにしております。こうした状況を背景に、昨年四月に施行された高齢者虐待防止・養護者支援法や、改正介護保険法では、高齢者の尊厳保持が事業者の責務に追加されました。しかし、立法趣旨と高齢者の安全・安心や権利擁護とはほど遠いのが実態であります。今後は、高齢者施設の通報体制とその対応体制、さらには広く都民への意識啓発などが重要と考えますが、これからの高齢者虐待防止のあり方について知事の認識を伺います。高齢者施設内での虐待の未然防止、早期発見・早期対応には、現場に従事する職員の資質向上が不可欠であり、そうした観点からの職場内研修の実施を事業者に徹底すべきであります。都の見解を伺います。また、施設における虐待に早期に対応するためには、施設職員からの通報と、その通報を受けた後に迅速かつ的確に対応できる体制を全区市町村で整備すべきであります。見解を伺います。さらに、養護者による虐待に対応できる専門性の高い人材も必要であり、そうした人材は都が育成を担い、区市町村に配置する体制を構築すべきと考えますが、所見を伺います。次に、在宅医療廃棄物の扱いについて伺います。医療技術、医療機器の進歩や医療分野の規制緩和もあって、近年、注射による治療薬の自己投与、カテーテル使用、点滴など、自宅で患者自身が治療を行う在宅医療が普及しております。現在、在宅医療の実施件数は、この十年間で三倍以上に増加しております。今後、療養病床の削減などによって在宅医療への移行が加速すれば、在宅医療廃棄物が急速に増加することが予測されます。都はこれまで、針刺し事故などを防止するため、全国に先駆けて平成十四年度から、東京都薬剤師会と協力して薬局での注射針の回収事業を開始し、十七年度には都内全域に拡大しました。薬局で回収するこのシステムは、薬剤師会が回収容器や処分費を負担しており、今後、在宅医療廃棄物の増加に伴い、薬剤師会の費用負担が重くなることが懸念されます。そこで、拡大生産者責任の観点から、製造事業者にも注射針の回収容器の提供など一定の役割を果たすよう働きかけていくべきと考えますが、見解を伺います。また、在宅医療廃棄物の危険性に関する情報が不足していることから、一部の区市町村では感染を恐れて回収しないケースがあります。また、回収している区市町村でも、回収方法が在宅患者にとってわかりにくいとも聞いております。そこで、何が危険で何が危険でないかについて区市町村に情報提供するとともに、住民や在宅患者に正しい排出方法を普及啓発するよう区市町村を指導すべきと考えますが、所見を伺います。次に、中小企業の事業継続計画、BCP作成への取り組みについて伺います。本年七月に発生した新潟県中越沖地震で、同県柏崎市内の自動車部品メーカーが被災し、自動車生産が一時停止状態になりました。その際、企業活動における事業継続計画、いわゆるBCPの重要性が改めてクローズアップされました。こうした中、東京商工会議所は、十二月五日に、都内中小企業のための東京版BCP策定支援ガイドを作成し、東京都中小企業振興公社もBCP作成セミナーを開催するなど、本年第一回定例会で我が党が指摘した取り組みがようやく動き出しました。そこで、都は、東京の経済を支える中小企業のBCP策定を誘発、支援し、本格的に普及啓発に取り組むべきであります。所見を伺います。東京には小規模な企業や商店が数多く存在しています。こうした中小企業が一たび被災すれば、経営体力の面からも早期に営業を再開することは極めて困難であります。そうした中小企業こそBCPを作成することが必要であります。しかし、小規模な企業にBCPの重要性がなかなか認識されておりません。小規模な中小企業が策定するためには、都だけではなく、地域の中小企業に近いところで経営支援を行っている区市町村の役割も大きなものがあります。そこで、都は、区市町村と連携して、企業のBCP策定を推進していくべきであります。所見を伺います。BCPと同様、緊急時の対応に関連し、水道施設の復旧対策について伺います。都の水道管は二万六千キロメートルもあり、阪神・淡路大震災を契機に、さらに耐震性の強い継ぎ手管への取りかえを進めております。都は、平成十八年に首都直下地震による東京の被害想定を発表し、その中では、マグニチュード七・三の東京湾北部地震が発災した場合、東京二十三区の断水率は四六・三%にも及ぶとのことであります。東京は首都中枢機関が集積していることから、各種都市機能を維持したり、医療救護活動を担う病院などへの給水も欠かすことができません。そこで、公明党が重要施設への供給ルートを優先的に整備することを提案してきたのに対し、水道局は、首都中枢機関及び三次救急医療病院などの整備を優先的に取り組むことを明らかにしました。しかし、耐震化が進んだとしても、水道施設への影響は避けられず、断水をなくすことはできないと思われます。首都機能と都民の暮らしへの影響を最小限に抑えるためには、早期復旧への初期活動の強化が極めて重要であります。見解を伺います。次に、エレベーターの安全・安心対策について二点伺います。一点目は、都営住宅エレベーターへの防犯カメラの設置についてであります。江戸川区の小松川の団地で、ことしの九月にエレベーター内で女性が痴漢に遭ったとの報告があり、ほかの団地でも同様の事件が多く発生していると聞いております。このため、東京都では東京都安全・安心まちづくり条例に基づく住宅における犯罪の防止に関する指針を改定し、共同住宅における防犯カメラの設置を推進することとしています。犯罪防止を進めていくためには、都営住宅においても率先して進めていく必要があると考えます。そこで、都営住宅内、とりわけエレベーター内への防犯カメラの設置など安全対策を施すべきであります。見解を伺います。二点目は、震災時のエレベーターの閉じ込め防止機能の向上についてであります。首都直下地震の被害想定では、都内で最大約九千二百台のエレベーターの閉じ込めが発生すると想定されています。この被害を最小限にとどめるためには、都市型災害対策の一環として、エレベーターの閉じ込め防止策の強化が必要です。具体的には、地震の本震であるS波の前に到達するP波を感知した際に最寄り階に停止する装置を設置することにより、エレベーター利用者の閉じ込め防止を図ることが有効となります。そこで、都営住宅や公社住宅などのエレベーターにそうした機能を持つP波感知器を設置すべきであります。見解を伺います。次に、木造住宅の耐震対策について伺います。首都直下地震が迫る中、木造住宅の耐震化はまさに東京の喫緊の課題であります。しかし、古い木造住宅の耐震化は進んでいないのが現状です。国は、災害発生時の犠牲者ゼロの政策のもと、来年度から住宅の耐震改修補助を拡大し、対象住宅の制限撤廃の方針を決めたと聞いております。東京でも耐震改修促進への何らかの対策が急がれますが、耐震改修を促進する上で一番のネックとなっているのは費用負担の問題であります。古い木造住宅に居住している高齢者からは、収入が低く、自分の老い先を考えると、大金をかけてまで耐震改修したいとは思わないといった声を耳にします。しかし、災害の犠牲者の多くは高齢者などの災害弱者であります。都は何よりも都民の命を守ることを最優先にした施策を講じるべきです。最近では、三十万円程度で設置できる耐震シェルターや防災ベッドなどもあり、それらの普及を図るなど、住宅の倒壊から命を守るための取り組みを今まで以上に進めていくことが必要であります。渋谷区では、先月から耐震シェルターや防災ベッドへの助成を開始いたしました。ほかの区や市も強い関心を示していると聞いています。そこで、耐震シェルターなどについて、区市町村単独では効果が薄いため、都としても新たな助成制度を創設し、一層の普及促進を図るべきと考えますが、都の見解を伺います。次に、江戸川都県境の橋梁整備について伺います。江戸川区では、千葉県との都県境の橋梁が少ないため、特に防災面では、低地帯である江戸川区での水害時の避難路や震災時における帰宅困難者のルート確保が脆弱であり、江戸川区に計画されている放射一六号線、補助一四三号線、補助二八六号線の橋梁整備はいずれも重要であります。そこで、地域住民の防災性の向上の視点からも、都は放射一六号線、補助一四三号線の早期事業化に取り組むとともに、地元区が主体となる補助二八六号線の整備に向け、積極的に支援すべきであります。これら路線の橋梁整備について都の所見を伺います。次に、区部東部低地における水害対策について伺います。東京都地域防災計画(風水害編)によると、大河川が決壊した場合、低地帯において浸水域が広範囲にわたり、既存の避難所が使用できず、都県境を越えて避難しなければならない事態の発生も予想されるとしております。その際、多くの避難者が集まることができる場所が必要となります。水害時においても、震災時の避難場所のように、公園など面的な広がりを持つ避難者の受け入れ場所が必要不可欠です。そこで、東京都地域防災計画(風水害編)において、震災時と同様、区部に広域的な避難場所を災害予防計画で規定し、水害対策上の役割を位置づけるべきと考えますが、所見を伺います。江戸川区は区内の約七割がゼロメートル地帯であります。一たん浸水被害を受けると、その浸水は長期間にわたります。また、大水害になると、一部の地域を除き避難する高台がありません。特に、篠崎地域は避難できる高層住宅が少なく、千葉県へ逃げる橋もありません。そこで、現在事業化が計画されている篠崎地区のスーパー堤防事業にあわせ、防災拠点篠崎公園を緊急の避難場所になる強固で高さのある広い公園として、スーパー堤防と連携した整備をすべきであります。都の見解を伺い、質問を終わります。(拍手)〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)上野和彦議員の一般質問にお答えいたします。高齢者虐待についてでありますが、人は必ず老いるものでありまして、老いてこそ人生の終盤の時代をより充実させたいと思うものであります。昨今、そのような思いとは裏腹に、家族間の折り合いの悪さや介護疲れによるストレス、あるいは社会からの孤立感などが重なり合って、高齢者の尊厳を著しく損なう痛ましい事件が頻発しております。人生のよき先達でもある高齢者に対し、敬愛の念を持って接することができる社会こそ豊かな社会であると思います。今後、介護に携わる家族、施設職員のみならず、都民や地域社会が一丸となって虐待の予防、早期発見に取り組み、高齢者が安心して暮らせる社会を実現していきたいと思っております。他の質問については、関係局長から答弁いたします。〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕 # 福祉保健局長(安藤立美君) 福祉保健局長(安藤立美君)高齢者虐待防止に関して三点お答えを申し上げます。まず、高齢者施設内での虐待に関する研修についてであります。高齢者虐待防止・養護者支援法において、現場に従事する職員に対して法の仕組みや虐待防止・権利擁護に関する研修を行うことは、事業者の責務とされております。都としましては、各事業者が法の趣旨を正しく理解し、日々の事業所運営を行うよう、すべての事業者を対象として管理者向けの研修を今年度から順次実施をしております。今後、各事業者において、高齢者の尊厳を尊重した適切なケアやサービスが提供されるよう、施設内研修の実施を徹底させてまいります。次に、虐待の通報に関する体制整備についてであります。事業者の管理者向け研修において、施設従事者等の通報義務や通報による不利益処分の禁止についても周知徹底しております。また、都は、施設従事者等による虐待について、区市町村が迅速かつ適切に対応できるよう、これまでも施設への立入検査等に関する研修を行ってまいりましたが、今年度から新たに、相談・通報を受けた後の事実確認等の方法について、区市町村職員向けの研修を開始いたしました。今後も、こうした研修や個別事例に関する助言を通じて、区市町村の対応力の向上に努めてまいります。最後に、養護者の虐待に対応できる専門性の高い人材についてであります。こうした虐待について区市町村が適切に対応するためには、関係機関が情報の共有と連携を図り、虐待か否か等の適切な判断ができるようにすることが必要でございます。都はこれまでも、高齢者虐待対応マニュアルを策定し、区市町村の体制づくりを支援してきましたが、今年度から、区市町村及び地域包括支援センター職員向けに、居宅への立入調査などの適切な権限行使等に関し、事例検討も交えた研修を実施しております。今後とも、虐待の確認、立入調査などの各段階において適切な判断ができる専門性の高い人材を育成し、体制の強化を図ってまいります。〔環境局長吉川和夫君登壇〕 # 環境局長(吉川和夫君) 環境局長(吉川和夫君)廃棄物対策に関する二点のご質問にお答えいたします。まず、在宅医療廃棄物の適正処理についてでございますが、今後、増加する在宅医療廃棄物を将来にわたって安定的かつ安全に回収していくことは重要でございます。そのためには、針刺し事故や感染を防止する観点から慎重に取り扱う必要のある注射針を安全に回収するための安価な専用容器の普及に加えて、針刺し事故が起きないキャップの開発や、そのまま回収容器にも使えるこん包容器の開発などが必要であると認識しております。これまでも、都といたしまして、医療用器具の製造事業者に対し回収容器の提供を要請してまいりましたが、今後、新たに東京都薬剤師会とも連携して、回収容器の提供の協力や製品開発について要請してまいります。次に、区市町村への在宅医療廃棄物に係る情報提供などについてでございますが、在宅医療廃棄物のうち、注射針などについては医療関係機関が処理し、点滴バッグなど感染のおそれがないものについては、在宅患者の負担にならないように、家庭ごみとして区市町村において収集することが適切でございます。都は、このような考えのもと、現在、日本医師会で進めている患者・家族向けの在宅医療廃棄物取扱マニュアルの検討動向も踏まえ、今後、区市町村に対し、どのような在宅医療廃棄物に感染の危険性があるのかなどについて基礎的情報を提供するとともに、その排出方法をわかりやすく住民に普及啓発するよう指導してまいります。〔産業労働局長佐藤広君登壇〕 # 産業労働局長(佐藤広君) 産業労働局長(佐藤広君)中小企業の事業継続計画、いわゆるBCPに関する二点のご質問にお答えいたします。まず、普及啓発等についてでございますが、災害発生後の中小企業のいち早い事業再開は、都内産業全体の復興を図る上で極めて重要と認識しております。このため、都は、東京商工会議所の東京版中小企業BCPステップアップ・ガイドの策定に際しまして、中小企業が災害や事故等に備えてBCPを比較的容易に作成できるよう、検討段階から支援を行ったところでございます。今後、商工関係団体や中小企業振興公社などの関係機関と連携いたしまして、中小企業が具体的にBCP策定に取り組めるようセミナーを開催するなど、積極的にBCPの普及啓発に取り組んでまいります。次に、BCP策定に関する区市町村との連携についてでございますが、中小企業のBCP策定を推進するためには、都や商工関係団体、中小企業振興公社などの関係機関のみならず、各地域の中小企業の実情に明るい区市町村もBCP策定の意義を理解し、地域の中小企業に対してその策定を促すことが重要かつ効果的であると認識しております。こうした認識のもと、都は、区市町村の経済主管課長会等に働きかけを行いまして、中小企業のBCP策定を推進してまいります。〔水道局長東岡創示君登壇〕 # 水道局長(東岡創示君) 水道局長(東岡創示君)震災時における初期活動の強化についてでありますが、水道は、都民生活と首都東京の都市活動を支える重要なライフラインであり、給水機能が停止した場合、その影響ははかり知れないものがあります。特に、震災時の首都中枢機能維持の観点からも、一刻も早い現場状況の把握とともに、通水作業の迅速化など、首都中枢機関や三次救急医療機関等への供給ルートの早期復旧に向けた取り組みが重要であります。本年七月の新潟県中越沖地震の際に、多くの職員や工事施工業者を派遣し、水道施設の応急復旧を支援した経験からも、震災時における資材の確保や情報収集などの的確な初期活動が重要であることを改めて認識いたしました。そこで、首都中枢機関などの重要施設への復旧を三日以内、都内全域を三十日以内に復旧するという目標の実現をより確実なものにするため、災害時の相互応援協定を締結している主要都市と連携し、合同訓練を定期的に実施することなどに加え、首都中枢機関や三次救急医療機関などへの供給ルートの早期復旧を図るため、いわば水道緊急隊といったような組織を来年度に設置することを検討してまいります。〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕 # 都市整備局長(只腰憲久君) 都市整備局長(只腰憲久君)防災対策についての三点のご質問にお答え申し上げます。まず、都営住宅への防犯カメラの設置についてでございますが、お話にもございましたけれども、近年の犯罪動向を受けまして、本年改正されました都の住宅における犯罪の防止に関する指針におきまして、エレベーターにおける防犯カメラ設置が犯罪防止に配慮した設備として盛り込まれております。防犯カメラの設置は、都営住宅の居住者等の安全・安心を確保する上で有効な手段であると認識しており、今後、建てかえ等を行う都営住宅のエレベーター内には防犯カメラを設置してまいります。次に、都営住宅や公社住宅におけるエレベーターの震災時の閉じ込め防止装置設置についてでございます。従来から、エレベーターの地震時管制運転装置として、本震を感知し停止させるS波感知器を設置してまいりましたが、この装置のみでは、本震到達時に安全装置が作動し、エレベーター内に閉じ込められる可能性がございまして、防災上の課題となっておりました。このため、本震が到達する前の初期微動を感知し最寄り階に停止させる機能を持つP波感知器を、新規のエレベーターにつきましては直ちに、既存のものにつきましては順次計画的に設置していくことで、地震時における閉じ込め防止性能を向上させて、震災時の安全・安心を確保してまいります。最後に、耐震シェルター等の普及についてでございます。大震災の切迫性が指摘される中、都はこれまで、木造住宅の耐震改修を促進する一方、応急対策として、住宅の倒壊から命を守り、経済性にもすぐれた耐震シェルター等を公募により選定し、展示会やパンフレット等で広く都民に紹介してまいりました。今後とも、区市町村との連携を強化し、住民に身近な地域で展示会を開催するなど、取り組みの充実を図ってまいります。また、地震発生時に迅速に避難することが困難な高齢者等への対応が特に重要であることを踏まえまして、耐震シェルターの普及を促進するための効果的な方策を検討してまいります。〔建設局長道家孝行君登壇〕 # 建設局長(道家孝行君) 建設局長(道家孝行君)二点のご質問にお答えいたします。まず、江戸川区と千葉県との境に位置します放射第一六号線外二路線の橋梁の整備についてでありますが、これらの橋梁については、都県境特有のさまざまな課題があるため、千葉県との道路橋梁整備調整会議の場を活用し、その取り扱いを協議してまいりました。このうち、都は、放射第一六号線と補助第一四三号線の橋梁を、優先的に整備する箇所として第三次事業化計画に位置づけております。整備に当たりましては、事業手法や取りつけ部の整備時期などの課題があり、事業化に向け、今後とも千葉県と粘り強く調整をしてまいります。また、補助第二八六号線の橋梁整備につきましては、具体化に向けた地元区の主体的な取り組みに対しまして、都としても、千葉県との広域的な協議、調整を進めるなど、必要な支援を行ってまいります。次に、スーパー堤防と連携した篠崎公園の整備についてでありますが、河川に隣接する公園をスーパー堤防と一体的に整備することは、洪水時にも公園の機能を確保することができ、また、公園から河川へのアクセスが容易になるとともに、眺望も開け、水と緑に親しめる空間の創出を図ることができることなど、意義のあるものと考えております。これまで都立公園では、江戸川に隣接する水元公園や隅田川に隣接する尾久の原公園において、スーパー堤防事業により、その事業範囲にある園地について、盛り土によるかさ上げを行っております。今後、篠崎公園においても、国が行う予定のスーパー堤防事業の状況を踏まえ、取り組みを検討してまいります。〔総務局長押元洋君登壇〕 # 総務局長(押元洋君) 総務局長(押元洋君)東部低地帯におけます水害対策についてお答えを申し上げます。想定外の巨大な台風等により利根川など大河川の堤防が決壊した場合には、ご指摘のとおり、東部低地帯において浸水域が広範囲にわたりまして、広域避難が必要な事態も予想されます。都県境を越えた広域避難につきましては、昨年度、八都県市で、八都県市広域防災プラン(風水害編)を策定いたしまして、現在、その実施に向けて、隣接する都県市で協議中でございます。一方、中央防災会議では、大規模水害時の被害想定を策定中でございまして、これに基づき、来年度を目途に国の大規模水害対策をまとめることとしております。これらを踏まえまして、今後、広域避難場所等を含む総合的な対策を検討し、地域防災計画の必要な見直しを図ってまいります。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)二十八番佐藤広典君。〔二十八番佐藤広典君登壇〕 # 二十八番(佐藤広典君) 二十八番(佐藤広典君)まず初めに、横田基地について伺います。横田基地の共用化については、引き続き米側と協議を継続することとなりましたが、多摩地域を含めた首都圏西部地域の航空利便性の向上と地域の活性化にとって不可欠でありますから、粘り強く交渉することにより、早期実現を目指していくべきであります。軍民共用化に当たっては、民間空港施設やアクセス交通などのインフラ整備が必要となりますが、今のところ、都の具体的な整備計画が明らかになっているわけではありません。しかし、これまで知事本局や都市整備局において、軍民共用化に伴うインフラ整備にかかわる委託調査を実施していると聞いております。知事本局については、十五年から十八年の四年間で六千四百七十五万四千円、都市整備局については、十三年から十八年の六年間で四千六十二万五千円を使って調査を行っております。日米交渉の途中の段階で、その調査結果をオープンにすることは難しいとしても、今後、共用化の協議の進展とあわせ、調査結果を十分に横田基地整備のビジョンに生かし、それを発表し、地元の意向も十分に踏まえた上で、大いに議論をすることにより、インフラ整備の具体化を図っていただくよう要望いたします。また、今後、横田基地が軍民共用化された場合の交通網の整備について、基本となるプランがありません。交通網整備の基本プランをつくり、インフラ整備の具体化を図っていただくよう要望いたします。首都圏における航空需要は、今後、国際航空、国内航空ともに増加すると見込まれております。これに対応するためには、羽田空港の再拡張による発着枠拡大、国際化とともに、横田基地の共用化が必要不可欠です。羽田空港には、多くの国際ビジネス航空やコミューター航空の乗り入れ需要がありますが、利用に当たり制約が多く、要望に十分こたえられない状況だと聞いております。そこで、横田基地の軍民共用化により、旅客定期便の運航だけではなく、羽田空港では対応できない、こうした国際ビジネス航空やコミューター航空の乗り入れ要望に柔軟に対応し、多様な航空サービスを提供すべきと考えますが、見解を伺います。また、多摩は製造業が多く立地しておりますから、貨物便が利用できるようになれば、地域の発展に役立つものと考えます。中小型のチャーター機と貨物に関しても利用できるよう検討していただくことを要望いたします。首都圏の空港の状況を見てみますと、既に成田空港と羽田空港には多くの旅客定期便が飛んでおり、既に飽和状態です。万が一大規模災害が起きて、どちらかの空港が使えない状況になり、長期間復旧のめどが立たないような事態が起きれば、ほかに受け皿となる空港が必要です。しかし、首都圏にある大規模な空港は限られておりますから、横田基地が空の玄関口として受け皿となるしかありません。成田空港と羽田空港に対して、横田基地はある程度距離があるため、補完的な役割を果たすことが可能ではないでしょうか。お互いに距離のある三つの空港が同時に被災することは少ないといえますから、お互いの補完的な機能を持つよう準備をしておくことが有効であると考えます。軍民共用化が実現する前であっても、災害時の首都圏航空受け入れ体制に欠陥が出てはなりません。災害時における横田基地の有効活用に向け、都は総合防災訓練の実施に当たり、横田基地を利用する協定を、その都度、在日米軍と結んでおりますが、災害時に特に重要なのは航空機の受け入れ体制です。災害が発生したとき、直ちに横田基地が使えるよう、航空機の受け入れ体制を含めた協定を在日米軍とあらかじめ結ぶべきと考えますが、見解を伺います。今申し上げましたように、災害に対しての備え、そして離発着枠の確保、産業振興と、横田基地の軍民共用化は、都の利益だけでなく、首都圏及び国益のためにもぜひとも実現すべき課題です。引き続き粘り強く交渉していただくことを要望いたします。続きまして、中小企業再生の施策についてお伺いいたします。現状では、中小企業にとっては依然として景気回復を実感できない状況にあります。受注先からのコストダウン要請や、原油を初めとした原材料価格などの上昇分を価格に転嫁できないことなどにより、利幅が急激に縮小し、資金繰りが逼迫した企業が増加をしております。東京都における最近の調査でも、中小企業の倒産は増加の傾向にあるなど、景気回復の恩恵を受けるどころか、むしろ再生支援の必要性が高まっております。早急に、中小企業の経営安定化のための施策を打ち出していくことが必要です。都の中小企業施策の一つとして、厳しい経営環境下にある中小企業を支援するために設立されたのが新銀行東京です。しかしながら、十一月三十日発表の中間決算によれば、非常に厳しい経営状況に陥っております。不良債権比率は一〇・一七%になり、不良債権処理額は半期で七十一億円に上ります。これでは、金融機関として中小企業を支援する融資を続けていくことは困難です。このような事態に陥った要因の一つに、新銀行東京が信用リスクの高い企業に多くの融資を行っていたということが挙げられます。融資先の多くが、経営再建が必要なほど経営的に厳しい中小企業が多かったがために、経営破綻等によりデフォルトが相次いだのではないでしょうか。このことは、新銀行東京が融資先企業の再生が適切にできていなかったということを意味します。新銀行東京が適切に融資先に対する再生支援を行っていれば、デフォルトを抑え、ここまで新銀行東京の財務内容が悪化しなかったのではないでしょうか。金融機関による再生支援策は、金利減免や返済期限の延長といった条件変更といわれる金融面での支援が当然主となりますが、これには限界がございます。経営再建の際に必要なのは、資金だけでなく、銀行等の債権者間の調整や事業改善そのものに携わる人材です。つまり、新銀行東京の事例は、地域金融機関が自前で企業再生をするには限界があり、企業再生の支援には、融資元の金融機関とは異なる企業再生の支援組織が必要だということを意味しております。都が、中小企業支援、とりわけリスクの高い企業への経営支援を行おうとするならば、経営再建の支援体制を整備することが不可欠です。都は、企業再生の取り組みとして、平成十六年十月創設の投資事業有限責任組合東京チャレンジファンドに二十五億円を出資し、地域金融機関などの出資と合わせて七十五億円規模のファンドで中小企業の再生を支援しております。このファンドは、中小企業の中でも、過剰債務を抱える非常にリスクの高い企業に投資をするわけですから、財務状況や今後の収支見通しなどを詳細に調査し、資本注入や社債の引き受けなど、通常の金融機関では容易に対応できない専門的な再生手法を使っているとのことです。しかしながら、この東京チャレンジファンドは、情報開示が適切になされていないため、だれが幾ら出資をし、どこへ幾ら投資をされたか、二十五億円という予算を使いながら、その状況が明らかにされておりません。そのため、運用者が出資者である地域金融機関や東京都といかに連携して支援を行っているかなど、このファンドが企業の再生に対して有効に活用されているかどうかが明確に示されてはおりません。投資先である中小企業に対する風評リスクの懸念から、ファンドの情報開示には限界があるのでしょうが、この東京チャレンジファンドの出資者として、都がどのような監視を行い、連携をしていくのか、示す必要があると思います。見解を伺います。また、さきにも申し上げましたが、企業再生には、資金だけでなく、金融機関を初めとする債権者間の調整や事業再生ができる人材が欠かせません。ところが、中小企業の再生は、経済効率性の観点からも、なかなかビジネスになりにくく、この分野の人材が不足をしております。早急に人材の育成を図るべきであります。中小企業の再生を行える人材の育成を行うに当たって、このファンドが所有するノウハウも活用できると考えますが、見解を伺います。原油や原材料価格の高騰により体力の低下した多くの中小企業を救うには、この再生ファンドだけではまだまだ十分とはいえません。むしろ、中小企業はその資金調達のほとんどを融資に依存しているのですから、都は制度融資の強化を図るべきであります。都の制度融資は、平成十八年度実績で約十五万七千件、一兆九千九百七十九億円の資金を供給するなど、都内中小企業にとって最も一般的なセーフティーネットであり、中小企業の経営の安定化を図るものであります。しかしながら、本年の十月からは、国の信用補完制度の見直しにより、責任共有制度が導入され、一部の制度を除き、金融機関が信用リスクの二〇%相当を負担することとなりました。そのため、金融機関にとって、信用リスクの高い企業に対する融資はますます困難な状況となり、貸し渋りが懸念をされております。中小企業への安定的な資金供給が断たれることは、ただでさえ原油価格の高騰などにより体力が低下しております中小企業を倒産へと追い込むことになってしまいます。これは、東京の経済活力にとって大きな損失を招くことになります。そこで伺います。都は、この責任共有制度の導入に当たり、再生に向け努力をする企業に対してしっかりとした対策をとるべきと考えますが、見解を伺います。経営状況が苦しく、資金繰りに窮した、担保も信用力もない中小企業の再生は、かなりリスクが高く、民間の金融機関では対応が困難な状況にあります。しかし、そういった企業に対して、都が民間のノウハウを活用し、中小企業の再生を支援していくことは、都の経済活力を支えていく上で大きな効果があると思います。国では、中堅企業や第三セクターの経営再建を支援する地域力再生機構を創設しようとしております。それでは中小企業の再生は進みません。東京チャレンジファンドや制度融資による支援にとどまることなく、中小企業に関する多くの再生専門家を集め、金融機関を初めとした債権者間の調整も強力に進める東京都産業再生機構を創設し、中小企業の再生に取り組むよう要望いたします。最後に、都の契約制度について伺います。公共工事発注・契約の適正化のため、国を初め都においても、一般競争入札の拡大や総合評価方式の拡大に取り組んでおります。適正な品質のものを適切かつなるべく安く買うという姿勢は、都民からの税金を使う以上当然のことです。しかし一方で、一般競争入札などでは、いわゆる低入札の問題が発生しているといわれております。低入札で問題となるのは、何といっても、まず工事の品質の確保、そしてダンピングです。不良不適格業者の参入などによる無理な受注によって、工事における安全管理がおろそかになったり、下請会社などへの低価格の押しつけが発生しているともいわれております。これに対して、都では、低入札価格調査制度を設けて対応しておりますが、入札契約全体の透明性のさらなる向上が必要ではないでしょうか。国土交通省では、昨年度に入札ボンド制度を試行し、ことしの三月には各地方整備局に対し、WTOの政府調達協定の対象となる予定価格七億二千万円以上の工事すべてに入札ボンドを導入するよう求めております。入札ボンド制度は、入札参加者の契約履行能力を金融機関などが入札前に保証する仕組みで、入札参加者が入札ボンドを申請すると、金融機関などは、入札参加者の財務的な履行能力を審査し、履行を保証できる場合に入札ボンドを発行するものです。国の制度では、入札に参加をしたい場合、応札額の五%に相当する額の入札ボンドを金融機関などに発行してもらいます。国でもまだ試行段階であり、その効果を議論するには時期尚早ではありますが、契約履行能力が著しく劣る建設業者の排除や、与信枠の制約による業者の絞り込み、ダンピングの抑止などに効果が期待されております。現在、都の登録の際に、さまざまな項目を提出させているということでありますが、都がそれを一つ一つ調査するのは非常に大変なことでありますし、二年に一度しか資料を出しません。財務内容をよく知っている金融機関が客観的な評価を行うことは有効なのではないかと思います。同様の試みが、既に宮城県や埼玉県で導入されているほか、岩手県、兵庫県でも今年度から導入されました。都でも入札ボンド制度導入に向けた検討を行うべきと考えますが、見解を伺い、私の質問を終わります。(拍手)〔知事本局長大原正行君登壇〕 # 知事本局長(大原正行君) 知事本局長(大原正行君)佐藤広典議員の一般質問にお答えをいたします。まず、横田基地における多様な航空サービスの提供についてでございます。コミューター航空やビジネス航空は、小型の航空機による小回りのきく運航を特徴とするものでございまして、きめ細かい地域的な航空輸送や機動的な経済活動を支える航空サービスでございます。これらの航空サービスによる羽田空港への乗り入れは、大きなニーズがございますものの、現在、発着枠がほぼ満杯であるために、著しい制約を受けております。横田基地の軍民共用化が実現した場合に、通常の旅客定期便に加えまして、コミューター航空やビジネス航空を横田で受け入れることができれば、現状では首都圏で十分に対応することができない航空サービスの提供が可能となり、首都圏の活性化に寄与することができます。軍民共用化の具体化に当たりましては、こうした点も踏まえまして検討してまいります。〔総務局長押元洋君登壇〕 # 総務局長(押元洋君) 総務局長(押元洋君)災害時における横田基地の使用についてお答えを申し上げます。災害が起きた場合、広域的な航空機の活動拠点として横田基地を活用することは、極めて重要でございます。このため、都は、平成十三年度以来、総合防災訓練の会場として横田基地を使用し、広域的な応援隊の受け入れや、傷病者の後方搬送訓練等を実施してまいりました。また、訓練の成果等を踏まえ、災害時における米軍基地使用に関する協定を締結することを、本年全面的に見直した地域防災計画に明記し、現在、国及び在日米軍と協議をしております。今後とも、協定の早期締結に向け取り組んでまいります。〔産業労働局長佐藤広君登壇〕 # 産業労働局長(佐藤広君) 産業労働局長(佐藤広君)中小企業再生施策に関する三点のご質問にお答えいたします。東京チャレンジファンドに対する都の監視及び連携についてでありますが、このファンドは、再生支援が適切と判断された事業者に投資をするとともに、実施に当たりましては、都のリバイバル支援事業や国の再生支援事業との連携を図るなど、都の中小企業再生支援策の一翼を担っております。また、監視につきましては、ファンドの運営状況等につきまして定期的な報告を受け、中小企業に対する再生支援が出資目的に沿って適正に行われているかといった観点から、必要な意見を述べることなどによりまして、対応を行っております。今後とも、このファンドの活動が中小企業の再生のための有効な支援策となるよう、出資者として適切な働きかけを行ってまいります。次に、中小企業の再生を行える人材育成についてでありますが、東京チャレンジファンドは、中小企業に対する再生支援を行うほかに、その専門的なノウハウを活用して、地域金融機関において再生を担う人材の育成を行うことも、その目的の一つとしております。そのため、ファンドでは、各金融機関の担当者を対象に再生支援に関する勉強会を開催するとともに、持ち込まれた再生案件につきまして、関係金融機関と共同で再生計画を作成するなど、再生手法の普及に努めております。今後とも、ファンドがその機能やノウハウを活用し、再生支援に携わる人材の育成を図るよう、働きかけてまいります。最後に、再生に向け努力する中小企業に対する金融支援についてでありますが、経営状況が悪化している中小企業者に対しては、経営支援融資におきまして資金繰りを支援しております。また、民事再生法に基づく再生手続等に入った企業に対しましては、金融機関が適時適切に資金を供給していく必要がございます。このため、既に都は、責任共有制度が導入された本年十月に再建企業向け融資を見直しいたしまして、保証割合を一〇〇%とするとともに、融資限度額をこれまでの一億円から二億円へ引き上げ、融資期間も一年から十年へ延長したところでございます。引き続き、中小企業者の資金調達の円滑化に努めてまいります。〔財務局長村山寛司君登壇〕 # 財務局長(村山寛司君) 財務局長(村山寛司君)契約制度についてお答えをいたします。お尋ねの入札ボンド制度は、本来、入札参加者について、財務内容のほか、過去に行った工事の実績などを評価し、当該工事を遂行する能力を総合的に審査しようとするものでございます。しかし、現在、国等で試行されている入札ボンドは、これを引き受ける金融機関等に技術面等の工事遂行能力などを判断するノウハウが不足しておりますことから、結果的に財務面のみに着目した制度となっております。したがいまして、現時点において国と同様な形で入札ボンドを導入しても、不良不適格業者の排除等の効果は不十分なものとならざるを得ず、なお研究が必要な状況にあると考えております。今後とも、真に効果的な審査方法のあり方を含めまして、総合的な入札、契約制度の改革に取り組んでまいります。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。午後二時五十四分休憩午後三時十九分開議 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)休憩前に引き続き会議を開きます。質問を続行いたします。二十二番早坂義弘君。〔二十二番早坂義弘君登壇〕 # 二十二番(早坂義弘君) 二十二番(早坂義弘君)なぜ東京はオリンピックに立候補したのか。それは、都民にとって利益があるからです。オリンピックは、たった二週間の開催でしかありませんが、それは単なるスポーツの祭典ではなく、開催国の発展にとって、時代を画する極めて大きな意義を持っています。昭和三十九年、東京オリンピックの開催を契機に新幹線ができ、首都高速道路ができ、そして環状七号線もできました。カラーテレビの普及やどぶ川の一掃など、どれをとっても今日の、四十年後の我が国の骨格部分がこのとき形成されました。そして、インフラ整備以上に大きな遺産として残ったものがあります。それは、戦後、奇跡の復興を遂げた我が国が、平和の象徴であるオリンピックを開催することで、名実ともに国際社会へ復帰したという国民全体の自信、高揚感、そして誇りであります。では、今日二〇一六年、東京オリンピックへの立候補は都民にとってどんな利益があるのか。その答えの幾つかは「十年後の東京」に書いてあります。かつて、ケネディは、国家があなたのために何をしてくれるかではなく、あなたが国家のために何をできるかを問おうではないかと訴えました。オリンピックは、都市を進化させるための最大の起爆剤であり、国民に大きな夢を与えることを改めて確認した上で、私はケネディに倣い、あえて、こう問いかけたいと思います。オリンピックが東京のために何をしてくれるかでなく、東京がオリンピックのために何をできるだろうか。オリンピックは世界最高のスポーツの祭典ですから、端的にいえば、競技者に世界最高の競技環境を提供することが、その答えの第一です。このことは、各競技団体の意見を十分に取り入れ、かつ、我が国の技術力をもってすれば、ライバルの諸都市には決して負けません。莫大な費用をかけて派手に会場をしつらえるということではなく、質素で機能重視の高規格なものをつくることは、まさに我が国の得意とするところです。また、競技場のコンディションという狭い意味の競技環境にとどまらず、例えば世界的感染症から選手を守ることなど、広い意味での競技環境の整備についても同じです。つい先日発行されたミシュランガイドブックでは、東京は世界一の美食のまちという高い評価を受けました。また、ハリウッドスターが来日して一番感激するのは、おもしろいことに、トイレのウォッシュレットだそうです。つまり、競技場のコンディションと選手を取り巻く生活環境のどちらをとっても、東京は世界最高の競技環境をオリンピックに提供できること、これが第一の答えです。東京がオリンピックに対してできることの二つ目は、オリンピックの収益金の活用です。かつて、スラム街の映像で、一つのサッカーボールを中心に、子どもがだんごになって集まっている姿を見て、大変強い印象を受けました。あるいは、どんな戦争を行っている国でも、子どもたちは砲撃の合間を縫って遊びを探します。そこで、二〇一六年東京オリンピックでもたらされるであろう収益を、発展途上国や、戦争を行っている国々の子どもたちのスポーツ支援のために使うことを提案します。赤十字があらゆる戦地や途上国に乗り込んでいくように、オリンピックもそこに乗り込んで子どものスポーツを支援する、これはオリンピック憲章の崇高な理念である青少年の教育で世界平和をつくることにかない、二〇一六年東京大会が、オリンピックに貢献できる大きな一つだと考えます。三つ目の答えは、地球規模での環境問題の解決です。我が国は、従来から世界に最新技術を発信してきました。特に、省エネルギー技術は群を抜いています。一定のエネルギーでどれだけのGDPを生み出すかというエネルギー原単位ではヨーロッパの一・五倍、アメリカの二倍であり、世界一の効率を誇っています。地球全体の炭酸ガスを削減するには、世界のCO2の五%を排出する我が国が、みずからの排出量を削減するだけでなく、四カ国で世界の五〇%のCO2を排出する、アメリカ、中国、ロシア、インドの排出量削減のために我が国の技術を提供しないことには解決しません。東京オリンピックを、我が国の省エネルギー技術を全世界に発信する場であると位置づけることは、オリンピックに対する最大の貢献になろうかと思います。有形無形を問わず、それが都民の利益になるからこそ、東京はオリンピックに立候補しました。「オリンピックを日本に、二〇一六年!」では、東京がオリンピックに対して何をできるか、石原知事にお伺いをいたします。次に、浸水対策について伺います。近年、大型台風や局所的集中豪雨による被害が各地で多く発生しています。一昨年の九月四日には、一時間に一〇〇ミリを超える集中豪雨により、我が杉並区などを中心に五千棟を超える浸水被害が発生しました。この豪雨災害では、私自身も腰までつかる経験をし、都市型水害の恐ろしさを目の当たりにしました。このような集中豪雨による都市型水害の特徴は、河川のはんらんにとどまらず、下水道の能力を超えて浸水が発生することにあります。河川の被害は想像しやすいですが、下水道に関する被害は、都市の中心部など、思わぬところで発生するところに恐ろしさがあります。集中豪雨直後の一般質問でも取り上げました和田弥生幹線が、十五年の歳月と五百億円の費用をかけ、本年五月に本格稼働を始めました。この完成により、今後、周辺の浸水被害が軽減されると確信しています。災害対策の本質は、インフラ整備にこそあります。東京都は、一昨年の集中豪雨を契機に、都市整備局、建設局、下水道局の三局で今後の豪雨対策のあり方の検討を進め、本年八月に東京都豪雨対策基本方針を策定しました。この方針の中で下水道局はどのような対策を行うのか、伺います。我が杉並区内で繰り返し浸水被害を受けている地域に、JR阿佐ヶ谷駅周辺があります。今後、この地域の豪雨対策をどのように実施するのか、伺います。次に、安全教育について伺います。子どもたちは、日々、犯罪のみならず、自然災害や交通事故など、さまざまな危険に取り囲まれています。我が党は、これまで防犯カメラの設置や防犯パトロール、交通安全運動の実施など、社会が子どもたちを守るための仕組みづくりを行ってまいりました。一方で、子どもたちにも、だれかに守ってもらうということだけでなく、みずからも率先して、地域の安全を守るための力や態度を身につけさせる必要があります。事件や事故が発生した際に、各学校で一斉に注意を喚起することは必要ですが、常日ごろから安全教育を行い、事件や事故にとっさに反応できる気づき、すなわち反射神経のようなものを養うことが重要です。安全教育には、防犯、防災、交通安全のみならず、例えば詐欺、薬物乱用、伝染病対策など、さまざまな分野があります。幾つかの分野と方法を組み合わせて行う必要があろうかと思います。さて、学校教育において必ず指導すべき内容は、国が定める学習指導要領に示されています。ところが、現状では、安全教育の内容に定めはありません。そのため、学校での安全教育は、何か事件や事故が起こったときの応急的な対応になっているのです。そこで提案ですが、国の基準がないのならば、東京都が、都内の子どもたちに最低限これだけは教えるべきとする、学校の安全教育に関する東京版安全指導基準を具体的に定めることが有効だと考えます。ご見解を伺います。地域の安全は、警察や消防に任せておけば事足りるというものではありません。地域の構成員それぞれが、自分たちの安全は自分たちで守るのだという決意が必要です。そのためにも、ある一定レベルの安全教育を学校で、警察、消防はもちろん、町会、商店会、あるいは医師会など関係機関とも連携して行うことは、将来、安全に関する地域力を向上させることにつながると考えます。ご見解を伺います。次に、救急救命について伺います。東京消防庁管内における救急出動件数は、年間で七十万件に迫ろうとしています。出場件数の増加に伴い、救急車が現場に到着する時間も遅くなっています。昨年の救急車の平均現場到着時間は六分十秒ですが、これは十年前と比較すると五十秒以上も遅くなっており、一刻を争う患者の搬送にとって、大きな問題になっています。世論調査の結果によれば、救急車を呼んだ理由の中に、救急車で病院に行った方が優先的に診てくれると思ったというものや、通院の交通手段がなかったというものが含まれ、本来、救急車が必要でない場面での安易な利用が、出場件数をふやす理由になっています。それゆえ、明らかに緊急性がない場合については患者自身の力で通院をしてもらう、救急車の適正利用が必要ではないかと考えます。そこで、東京消防庁では、本年六月から救急搬送トリアージを始めています。これは、現場に到着した救急隊が緊急性がないと判断した患者に関しては搬送しないというものです。その実績について伺います。一方、救急車を呼んだ理由の中に、重症か軽症かの判断がつかなかった、夜間、休日で診察時間外であったというものがあります。これは、都民自身が救急車を呼ぶほどではないと考えていても、状況に対応できる相談窓口が不十分であったために、結果的に救急車を呼んだケースだと思われます。東京消防庁では、東京都医師会などの協力を得て、本年六月からシャープ七一一九という短縮電話番号により、医師や看護師が都民からの相談を受け付ける救急相談センターを開設しました。このセンターについて、今後さらなる制度の拡充が必要だと考えます。ご見解を伺います。最後に、都立文化施設について伺います。上野の東京都美術館は八十年間に及ぶ歴史を有し、日展や院展など、広く全国から作品を募る公募展、また、新聞社やテレビ局などと共同して行う共催展の開催場所として、多くの都民、国民に親しまれてきました。しかしながら、築後三十年以上が経過し、改修の時期に来ています。総事業費百億円をかけて、平成二十二年度から二年間休館し、工事を行うことになっています。社会の変化に伴い、美術館に求められるニーズも多様化しています。利用者の声を十分に酌み取り、今後の具体的な設計に反映させていくべきであります。改修のチャンスを最大限に生かし、東京都美術館をさらに魅力的なものとしていくため、どのように改修を進めていくのか、伺います。本年一月、東京都美術館と同様の機能を持った国立新美術館が開館しました。強力なライバルを迎えたわけですが、リニューアル後においても、伝統と実績を生かし、今後も公募展会場としての機能はしっかりと継続していくべきと考えます。ご見解を伺います。ありがとうございました。(拍手)〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)早坂義弘議員の一般質問にお答えいたします。オリンピックについてでありますが、早坂議員から健全な発想のご提言をいただきました。東京がオリンピックに対して何ができるかを示すことは、オリンピック招致をかち取る上でも重要なことだと思います。人と地球の可能性を追求し、今までにない新しいオリンピックを実現していきたいと考えております。大切なことの第一は、東京、日本が持つ世界最高の水準の技術の活用であります。アスリートが最高の力を発揮できるよう、また観客が競技を心から楽しめるよう、ユビキタスやロボットなど、科学技術の粋を集めた競技会場を整備してまいります。第二は、オリンピック開催を機に、新しい都市モデルを提案し、地球環境を再生することでもあります。世界で最も環境負荷の少ない都市を実現し、地球の健康を取り戻す具体的な道筋を世界に示していきたいと思っております。第三は、スポーツを通じて人々に夢と希望を与えることでありまして、国内はもとより、アジアやアフリカの子どもたちや青少年のスポーツ活動を支援する仕組みをつくり上げていきたいと思っております。東京から地球社会への贈り物という開催意義を高く掲げて、オリンピック・パラリンピックの開催を実現したいと思っております。他の質問については、教育長及び関係局長から答弁いたします。〔教育長中村正彦君登壇〕 # 教育長(中村正彦君) 教育長(中村正彦君)二点についてお答え申し上げます。安全教育の基準を定めることについてであります。安全に関して必ず指導する事項を明確に示し、すべての学校が年間を通じて意図的、計画的に指導できるよう支援していくことが重要であり、これまで都教育委員会は、生活安全、交通安全、災害安全の課題ごとに指導資料を配布するなどいたしまして、各学校における安全教育の充実を図ってまいりました。今後、都教育委員会は、基本的指導事項を体系的に示した安全教育のプログラムの開発を進め、年度内には教員研修会を実施するとともに、リーフレットを全教員に配布して、安全教育が体系的に行われるよう、各学校を支援してまいります。次に、地域力を向上させるための安全教育の充実についてでございます。学校における安全教育を充実させていくために、各地域において、警察署、消防署などの関係機関と連携することは大変重要であります。これまで都教育委員会は、各学校が関係機関の協力のもとに実施するセーフティー教室、交通安全教室、防災訓練などの取り組みを支援してまいりました。今後、関係機関との連携を重視して、安全教育のプログラムを開発し、子どもたちが将来、安全で安心なまちづくりに貢献する人材へと成長するよう、区市町村教育委員会とともに、各学校の安全教育の充実を図ってまいります。〔下水道局長前田正博君登壇〕 # 下水道局長(前田正博君) 下水道局長(前田正博君)豪雨対策基本方針における下水道局の対策についてでございますが、下水道局は、一時間五〇ミリの降雨に対応できる幹線やポンプ所などの基幹施設の整備を計画的に進めてまいりました。しかし、これらの基幹施設の整備には長い年月と多くの費用を要し、雨水整備率は、現在、約六割にとどまっております。今回策定されました豪雨対策基本方針の中では、浸水予想区域図などをもとに、浸水の危険性が高い流域や、繰り返し浸水が発生している二十地区を、対策促進地区として選定いたしました。対策促進地区では、今後十年間で一時間五〇ミリメートルの降雨に対応できる基幹施設の整備を完了させることといたしました。また、地下街などがあり、浸水時には重大な被害が発生する危険性が高い地区を六地区選定いたしまして、一時間七〇ミリメートルの降雨に対応できるよう、施設を整備いたします。次に、JR阿佐ヶ谷駅周辺の豪雨対策についてでございますが、当該地区は、起伏が多いといった地域特性から、地盤の低いところで繰り返し浸水被害が発生しております。このため、豪雨対策基本方針の中では、この地区を二十ある対策促進地区の一つとして選定し、対策を実施することといたしました。具体的には、内径二・八メートル、延長四百五十メートルの貯留管を新たに設置し、約二千四百立方メートルの雨水を貯留する計画で、早期完成を目指し、積極的に整備を進めてまいります。今後とも、豪雨対策基本方針の施策を着実に実施し、浸水被害の軽減を図ってまいります。〔消防総監小林輝幸君登壇〕 # 消防総監(小林輝幸君) 消防総監(小林輝幸君)救急に関する二点のご質問にお答えいたします。初めに、救急搬送トリアージについてでありますが、東京消防庁では、真に救急車を必要とする都民に迅速に対応できるよう、救急現場において、医学的知見による基準に基づき、明らかに緊急性がないと判断したものにつきまして、傷病者自身での医療機関への受診を促し、同意が得られた場合には医療機関案内などを行った上で搬送しないこととする、救急搬送トリアージの試行を本年六月一日から実施しております。救急搬送トリアージの実績でございますが、十一月末日までに緊急性がないと判断した件数は百六十二件、うち同意を得て搬送しなかったものは百件であり、他の搬送したものにつきましても、すべて軽症でございました。今後は、試行状況を踏まえ、基準の検証や都民の理解を得まして、本格運用を目指してまいります。次に、東京消防庁救急相談センターの制度の充実についてでありますが、本年六月一日から十一月末日までの総受け付け件数は十二万六千七百九件で、そのうち医療機関案内は十一万三千四十二件、医師もしくは看護師が対応した救急相談は全体の約一割に当たる一万二千二百八十六件で、その相談内容は多岐にわたりますとともに、電話が集中するなど、かけ直しをお願いする場合も発生しております。今後は、こうした実態を踏まえまして、受け付け体制を充実しますとともに、東京都医師会、東京都福祉保健局などで構成する東京消防庁救急相談センター運営協議会におきまして、救急相談への対応の質をさらに高めてまいります。〔生活文化スポーツ局長渡辺日佐夫君登壇〕 # 生活文化スポーツ局長(渡辺日佐夫君) 生活文化スポーツ局長(渡辺日佐夫君)東京都美術館に関する二点の質問にお答えいたします。まず、東京都美術館の大規模改修についてでありますが、東京都美術館は、竣工以来三十年以上が経過しており、施設設備の深刻な老朽化への早急な対応が課題となっております。そこで、空調、電気等設備の全面更新を図ることといたしました。環境への負荷も考慮し、都民に親しまれている現在の建物を残しながら、二カ年かけての大規模改修を予定しております。また、ご指摘のとおり、美術館に求められるニーズは一層の快適さや楽しさなど多様化しており、利用者の声を反映させ、エスカレーターの設置やエレベーターの増設、また、一部の展示室について天井高を上げる工事や、レストランの複数整備などを行うことといたしました。今後の設計においても、利用者へのヒアリングを重ねて、美術館の魅力向上に努めてまいります。次に、東京都美術館の公募展会場としての機能についてでありますが、美術団体が主催する公募展は、これまで新人の登竜門として、また美術界のすそ野を拡大し、芸術文化を支えるインフラとしての役割を果たしてきました。東京都美術館は、長年にわたりこれらの美術団体に展覧会の場を提供し、日本の美術の発展に寄与してきました。今回の改修においても、多様な芸術文化活動の発表の場としての機能を引き続き担えるよう、公募展を開催する建物は、現在の構造を生かすこととしております。リニューアル開館後も、美術団体の意見を十分聞きながら、施設運営を行ってまいります。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)五十八番植木こうじ君。〔五十八番植木こうじ君登壇〕 # 五十八番(植木こうじ君) 五十八番(植木こうじ君)住宅の問題について伺います。今、東京では、生活の基本であり、豊かな文化的な生活を支える基礎となる住宅が確保できなかったり、家賃が高くて生活費を切り詰めて、何とかしのいでいる都民がふえています。とりわけ、若者は、厚生労働省のネットカフェ調査でも、都内だけで二千人の若者が住宅を借りることができず、ネットカフェやバーガーショップで寝泊りしている実態が明らかにされました。また、わずかな年金で暮らしている高齢者の場合も、庶民増税や負担増のもとで、条件の悪いアパートで我慢したり、家賃を払った後、生活費の節約のため、値上がった灯油を買わずにじっと我慢している人など、深刻です。ある人は、都営住宅に二十回申し込んだが当たらず途方に暮れているといい、またある方は、年金が月十五万円なのに家賃が七万三千円と、収入の半分が家賃に消えてしまうと嘆いていました。私の地元の中野のある不動産業者は、住宅分野でも格差社会になっているといい、六本木の超高級マンションが即売となる一方で、安い家賃を探す人がふえているといっていました。知事、このように住宅に困っている都民がふえている実態についてどう認識し、どう対応しようと考えていますか。また、今日の事態は、収入が低く、住宅に困窮している人のための都営住宅に行政の光を当てる必要性を改めて浮かび上がらせていると考えますが、知事の見解を伺います。そこで、都営住宅にかかわって何点か伺います。まず、都営住宅の建設です。東京都は、この間、入居を希望する都民がふえ続けているのに、都営住宅の新規建設を打ち切り、募集戸数は、石原都政の八年間で三分の一に減らされているのです。こうしたもとで、特別区議会議長会は、公営住宅への入居希望者は依然として多いとして、公営住宅の建設促進を図られたいという要望書を知事に提出しました。知事は、この要望をどう受けとめているのですか。お答えください。ここで私が強調したいのは、東京都には都営住宅を建設する財源も土地も十分にあるということです。財源についていえば、この間、大幅税収増で三千億円も積み立てている基金を回せばよいことであり、用地は五百六ヘクタールもある未利用の都有地を活用すればよいことです。このように、新たに土地を購入しなくても都営住宅を建てるための都有地はあります。税収も大きく伸びており、新規に建設できる条件はかつてなく広がっています。答弁を求めます。また、東京都は、新規に都営住宅を建てようとしないだけでなく、建てかえに当たって住宅を集約化して生み出した用地を、住宅は充足しているといっていながら、マンション開発業者などに売却することまでしています。少なくとも都営住宅を廃止して用地を民間の開発業者に売却することは改めるべきだと考えますが、見解を伺います。既存の都営住宅を有効に活用することで、入居の希望にこたえることも可能です。日本共産党は、都民の方から都営住宅の空き家がふえているという告発を受け、調査を行いました。日野市の多摩平アパートでは、百六十戸のうち六十一戸が空き家となっています。中には何年間も使われていないものもあります。私も現地を見ましたが、空き家には日やけどめのシートが張られており、一目瞭然です。地元の中野区の江古田住宅では、七十六戸のうち九戸が空き家になっています。このような住宅は、空き家は、都内にたくさんあります。知事、これらの空き家を活用すれば都民の要望にこたえることは可能です。公募にかけるべきと考えますが、答弁を求めます。都営住宅を安心して住み続けられる住まいにすることは、東京都の責任です。この問題では、東京都が都営住宅の使用承継をこれまで親子間まで認めていたものを、原則として配偶者に限定し、誓約書まで書かせ、追い出そうとしている問題を指摘しないわけにはいきません。この問題では、生活と健康を守る会の方々が都と交渉を行いましたが、そこでの都の対応は冷たいものでした。十一月に親を亡くした知的障害四度の方は、相談に行ったら、障害の等級を上げられないのかと非常識なことをいわれたと怒りの声をぶつけていました。交通事故で足を引きずりながらパートで働いている方は、退去したくてもアパート代もない、それでも出ていけというのなら死ぬしかないと悲痛な声を上げていました。知事、これらの方は、都営住宅の収入基準以下の方たちです。当然、都営住宅に住む権利のある方をなぜ追い出さなければならないのですか。答弁を求めます。東京都が、六カ月たったら明け渡すことを約束させる誓約書を書かせることも、許されません。ある方は、父の死亡を届けたら、事情を聞くこともなく誓約書が送られてきました。そこには、六カ月たって退去しない場合、損害賠償として高い民間家賃を払うこと、明け渡し訴訟を起こすことなど、受け取った方を追い詰めるような文言が書かれています。大阪府を初め全国で誓約書を書かせている自治体はほとんどありません。親を亡くして嘆き悲しんでいるときに、このような非人道的な文書を送りつけることを許すことはできません。誓約書の強制は中止すべきですが、どうですか。また、これまでどおり一親等まで承継を認めること、少なくとも障害者や病弱者については承継を認めるべきです。答弁を求めます。住宅の改善も課題です。居住者の強い要望の一つが、ヘルパーさんやお孫さんが来ても座るところがない狭過ぎる単身用住宅の改善です。単身用住宅の面積を広げること、少なくとも、今後配置を改善するなど住みやすいようにすべきと思いますが、いかがですか。また、高齢者の移動と社会参加を促進するために、エレベーターの未設置の解消を急ぐこと、設置が困難な住宅から低層階やエレベーターのある住宅への転居を待っている居住者も多く、要望に積極的にこたえることも必要です。それぞれ答弁を求めます。家賃の負担の軽減も切実な願いです。年金や社会保障の改悪や医療費など相次ぐ負担増で、生活を脅かされている方が多くなっています。こうした深刻な事態を踏まえて、減免制度を家賃の原則免除を含めたものに復活するよう求めるものですが、答弁を求めます。高齢者が多数を占めることとなった都営住宅では、お年寄りが地域社会から孤立した生活を強いられる場合もあり、草刈りや自治会活動などに支障を来すことが少なくありません。大規模団地の管理人の常駐や巡回管理人の制度の拡充、さらには計画的に若年層や子育て世代などの入居を促進し、高齢者を支える仕組みづくりを進めるなど、さらには地域での見守りシステムとの連携を提案するものですが、いかがですか。最後に、都営住宅の資格を持ちながら、応募しても入れない人がたくさんおり、対策が急がれています。こうした人たちに対して家賃の一部を補助することは、所得の再配分機能の一つとして有効であると考えますがどうか。再質問を保留し、質問を終わります。(拍手)〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)植木こうじ議員の一般質問にお答えいたします。住宅に困窮する都民への対応についてでありますが、東京における居住水準は着実に改善してきておりますが、なお住宅に困窮する都民に対しては、既存の都営住宅などの公共住宅のストックを有効に活用し、居住の安定を確保してきました。さらに、公共住宅に加え、民間住宅も含めた重層的な住宅セーフティーネット機能の構築に取り組んでおります。今後とも、都民が真に豊かさを実感できる社会を実現するため、時代に即した住宅政策を総合的に展開してまいります。他の質問については、関係局長から答弁します。〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕 # 都市整備局長(只腰憲久君) 都市整備局長(只腰憲久君)都営住宅等にかかわる十三点のご質問にお答えいたします。まず、住宅困窮者のための都営住宅についてでございますが、都はこれまでも、高齢者や子育て世帯に対する優先入居を実施するなど、真に住宅に困窮する都民に公平かつ的確に供給してまいりました。今後とも引き続き適切に対応してまいります。次に、公営住宅の建設促進に関する特別区議会議長会からの要望についてでございます。地域の住宅政策の推進に当たりましては、区市町村の役割が重要でございまして、都と区市町村は役割を適切に分担しながら、それぞれ主体的に取り組んでいく必要があると考えております。次に、都営住宅の新規建設でございますが、既に都内の住宅の数が世帯数を一割以上上回っておりまして、さらに将来の人口減少社会の到来が見込まれていることなどを踏まえまして、都営住宅につきましては、新規の建設を行わずに、ストックを活用して公平かつ的確に供給してまいります。次に、都営住宅の用地についてでございますが、都民共有の貴重な財産であることから、建てかえにより生み出した用地につきましては、民間事業者の創意工夫も引き出しながら、地域の特性を生かしたまちづくりなどを進めていくことが必要と考えております。次に、都営住宅の空き家でございますが、現在、都営住宅の建てかえを年間三千戸、スーパーリフォーム事業は千九百戸を実施しております。移転先としては、一定数の空き家が必要でございまして、その確保をしております。このほかにつきましても、修繕や入居手続等のために一時的に空き家となっているものでございまして、公募によりまして年間約七千戸の入居が行われております。次に、都営住宅の使用承継制度についてでございます。都営住宅の入居は公募によることが原則でございまして、今回の制度の見直しでは、入居者・非入居者間の公平性を確保するため、国の通知も踏まえ、名義人が死亡した場合等の使用承継を、原則として配偶者に限ることといたしました。施行に当たりましては、使用承継できない場合の退去猶予期間を、従来の原則三カ月から六カ月に延長したほか、賃貸住宅の募集情報の提供、区市町村の福祉の窓口を紹介するなど、きめ細かい対応に努めております。次に、お話の誓約書についてでございます。名義人の死亡等の届け出があった場合に、名義人と同居していた親族が承継の許可基準に該当しない場合や承継を希望しない場合でありましても、六カ月は退去を猶予するよう配慮してございます。このことを確認する意味で、対象者から、猶予期限を明記した誓約書を提出していただいております。使用承継の範囲でございますが、入居を希望している都民が多数いる一方で、長年にわたり同一親族が居住し続けることになりますと、都営住宅の利用機会の公平性を著しく損なうことから、承継を一親等には認めないこととしたものでございます。ただし、高齢者、障害者、病弱者で、特に居住の安定を図る必要のある方につきましては、名義人の三親等まで許可することとしております。次に、都営住宅の建てかえで供給する住宅についてでございますが、建てかえに当たりましては、居住者の世帯人数により基準を設け、住みやすい間取りとなるよう工夫しながら、適切な面積規模の住宅を供給しております。次に、エレベーターの設置でございますが、既設都営住宅におきましては、平成三年度から一定規模以上で、設置が可能な住宅棟のうち、居住者の合意が得られたものから順次進めておりまして、昨年度末までに千基以上のエレベーターを設置してまいりました。また、エレベーター設置が困難な住宅から低層階などへの住みかえにつきましては、年間約五百件程度実施しておりまして、適切に対応しているものと考えております。次に、家賃の減免制度でございますが、都営住宅の減免制度は、使用料の負担をより公平なものとする観点から、平成十二年度に抜本的な見直しを行っております。この見直しは、原則として免除を廃止し、使用料の減額を定額から定率方式に改めることにより、住宅の応益性や入居者の負担能力をより正確に反映できるようにしたものでございます。現在の制度は適切であり、元に戻すことは考えておりません。次に、高齢者を支える仕組みづくりでございます。巡回管理人制度は、従来の常駐型の専任管理人制度を改め、より効率的かつ効果的にしたものでございます。また、子育て世帯の入居機会の拡大を図るため、若年ファミリー世帯向け定期使用住宅の募集などを既に実施しております。今後とも、これらの制度を的確に運用してまいります。一方、地域での見守りシステムにつきましては、地元区市町等によります緊急通報システムなどが用意されておりまして、都営住宅におきましても、居住者の方々がこのようなサービスを利用することが可能となっております。最後になりますが、家賃補助でございます。家賃補助は、生活保護制度との関係や財政負担のあり方など、多くの課題がありますことから、都として実施することは考えておりません。〔五十八番植木こうじ君登壇〕 # 五十八番(植木こうじ君) 五十八番(植木こうじ君)二点の再質問を行います。知事は、居住水準は改善している、ストックは充足していると答えましたが、私が聞いているのは、所得の低い人や若者が入れる住宅が足りないことをどう考えているのかということです。現実に、この十年間に収入が三百万円に満たない世帯が一五%から三一%に倍加しました。都営住宅階層の世帯は、全世帯の三割以上にもなり、二百万世帯をはるかに超えているのです。都営住宅戸数の八倍近い世帯です。だから都営住宅の応募者がふえ続け、知事が就任した一九九九年の平均十一倍から、実に三十五倍へと急増し、年間二十万人を超えているではありませんか。なぜ、これらの人たちのための住宅が不足していることを認めないのですか。お答えください。また、空き家を活用する問題です。入居者と非入居者との公正をというなら、入居できない人が大量に生まれているのは、都営住宅の絶対量が足りないということです。さらに、戸数が足りないだけではない。私どもが調査したら、何と一万一千四百七十六戸も空き家があります。もちろんこの中には、建てかえのための事業用住宅も含まれていますが、四・四%という空き家率は異常です。公正をというのだったら、新規建設を再開するとともに、少なくともこの空き家の活用を図るべきではないですか。お答えください。以上で再質問を終わりにします。(拍手)〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕 # 都市整備局長(只腰憲久君) 都市整備局長(只腰憲久君)先ほど知事からご答弁申し上げましたが、東京における居住水準につきましては、最低居住水準未満の世帯数の割合が、この十年間で半減するなど着実に改善をしてきております。しかしながら、一方で、現に住宅に困窮している都民に対しましては、居住の安定を確保するため、管理の適正化等の取り組みによりまして、都営住宅などの公共住宅のストックを有効に活用するとともに、入居制限を行わない民間賃貸住宅の供給促進など、民間住宅も含めた重層的なセーフティーネット機能の構築に取り組んでまいります。次に、都営住宅の空き家でございますが、これは先ほどの繰り返しの答弁になりますが、建てかえあるいはスーパーリフォーム事業を実施するためには、移転先としての一定数の空き家が必ず必要でございます。そのための確保をしているところでございます。また、七千戸の公募による入居を行っているわけでございますが、そのためには、前の方がお出になった後の修繕並びに入居の手続のために、一時的な空き家はどうしても必要ということでございます。以上でございます。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)六十八番矢島千秋君。〔六十八番矢島千秋君登壇〕 # 六十八番(矢島千秋君) 六十八番(矢島千秋君)石原知事の施策は、興味尽きないものであります。一億人の、世界では中規模国家である日本の一首都が、その活力を将来にわたり担うためには、内向きの都市であることは許されず、まさに現在行われている東南アジア諸都市との交流、協力の取り組みは、そのための重要な要素であります。東京には、台湾の前総裁、李登輝氏が、ある雑誌のインタビューに答え、日本文化は非常に高い精神性を持ち、自然との関係が密接で、自然と人間の間の調和を大切にするとの発言をしておりますように、新時代にふさわしい素地があるだけに、この取り組みは、東京はもとより日本の将来のあり方を示すものとして大いに期待するものであります。都市間協力のかなめとして、東京の役割の今後の方向性について、知事のご見解をお伺いいたします。しかしながら、江戸城の無血開城以来、明治時代の市街地改造、関東大震災、甚大な戦災被害と、戦後の混乱をくぐり抜けてきた東京でありますが、一方、大きな課題を抱えているように見えます。これまで多くの地方出身者のフロンティアから、東京生まれが増大し、都市住民の主流を形成する生活のまちとなりつつあり、また多くの人が活動する多元多様な様相と、一方、開発により一元的な様相を呈するホットスポットと林立する高層マンションが散在する都市に姿を変えています。この状況にあって東京は、矛盾に満ちた複雑多様な性格を包含した部分とを、どのようにか併存させることが、大都市の魅力を深めるものと考えます。そして、このかぎは、多様な解釈を許す共通の文化にあると思います。東京の魅力の源泉となる都市の混沌と、世界都市東京のまちづくりの可能性について、お考えをお伺いいたします。私もこの十月、海外調査団の一員として幾つかの都市に赴いてまいりました。このうち、首都であり、経済の中心都市でありますマドリード、パリでは、市街地の交通対策の柱として自動車専用環状線の整備を進めております。特にパリは、ナポレオン三世治下の時代、十七年かけ、オースマンの超過収用の活用と、建物の高さ、密度の厳しい規制により、既存都市の改造がなされ、シャンゼリゼの見通し線と並木、街並みの美しい風格のある花の都パリが形づくられました。そして現在の市長は、市街地での自動車の使用をあきらめさせる方針で取り組んでいると聞いております。一方、東京は、石原知事がリーダーシップを発揮した広告規制もそうでありますが、東京のまちの将来にかけて凍結されていた三環状道路の整備を進めており、このことは単に交通円滑化の改善にとどまることなく、知事の東京のあり方の理念にかかわる施策展開とも思えるのであります。その意味では、三環状の整備は、東京のまちの姿の次へのステップであるだけに、人々がおのおのの時間の過ぎ行くペースで充実した生活のできる東京に向け、その姿を理念に一層近づける、次の施策を展開する段階に来ているのではないでしょうか。お考えをお伺いいたします。次に、財務局所管に移りました事務事業評価についてお尋ねいたします。平成十七年度末に、東京の行政評価が、重要施策などを対象とした政策評価と財務局所管の事務事業評価に区分されました。財務局から各局への事務事業評価実施の通知によりますと、事業の実施結果を重視する予算編成の仕組みの一環として実施するとありますが、各ツールを集約化し、毎年一定のサイクルのもとで予算編成に資することは、待望久しいものであります。しかし、平成十八年度事務事業評価を踏まえ、二十年度の予算編成に臨むことになりますので、評価内容を予算編成に結びつけるには一年間のタイムラグがあるだけに、事業の必要性などを含めた基本に戻っての評価を考えるべきであります。そこで、財務局の決算分析、予算編成査定など、従来の方法に事務事業評価を加えることにより、どのような効果を生むかお伺いいたします。一九八八年に設立された科学者と政府担当者による気候変動に係る政府間パネルが、第四次報告書を出した本年、ノーベル平和賞を受賞しました。この機関の活動は公開され、報告書も関係各国政府が最終的に承認を与えた信頼性の高いものであり、科学的に地球温暖化の問題を決着させたといわれております。しかし、地球環境問題は深刻化を増すばかりで、もう引き返せないところに来ている危機感の中にあるのも事実であります。そのような折、東京都税制調査会の中間報告が、この十一月二十九日発表されました。その中で、環境税制について幾つかの課題が示され、検討が必要と報告されております。環境税の中間報告は、去る新聞報道で、第一面で期待を持って報道されたほど重要な施策と評価できるものですが、財源確保もさることながら、環境税の目的は、人為的に進んできた温暖化を、わずかの可能性の中でも理念と意思を持って取り組む東京のシンボルともいえる税制ではないかと思うのであります。環境税の審議の状況と、これらの点について、お考えをお伺いいたします。次に、二十一世紀の国づくりでの重要課題、大きな危機の中にある少子化対策について、税制支援の立場からお伺いいたします。この点について、報告書の中で、少子化対策として扶養控除にかえ税額控除を行うとの議論があるが、住民税への導入は、還付を行う場合、歳出増などの課題があり、検討が必要と触れられております。この問題は、アメリカ、イギリス、カナダ、オランダなどの国のように、給付つき税額控除である必要はなく、たとえ減税は納税額までであってもモデル世帯平均の七百万以下の勤労収入に限るなど、子育て支援の立場から、低所得者に恩恵が行き渡る減税は可能であり、それだけに効果は大きいのであります。これらの税制からの取り組みは、石原都政の意思を示す、重い腰を上げない国に先駆けた重要な施策であると思いますが、お考えをお伺いいたします。組織にとって強力な監査体制は、力を弱めるものではなく、モラルを上げ、効率化を果たさせる有用な手段であります。現在の合理化と効率化の観点から進められている人員削減の状況にあっても、監査業務はその重要性から見るべきものであって、過剰な減員は機能を損ねるものとなりかねません。自治体みずからこの点の強化は進めにくいと思いますので、議員として定数所管局に意見を申し述べておきます。さて、地方自治体の監査は、平成三年に行政監査が可能となり、同九年には包括外部監査が導入されました。一方、監査では、定例、随時、行政、決算、援助団体等、工事の各監査が行われ、平成十年度以降、指摘、意見等は年間二百件を挟む水準で推移しております。このうち、平成十七年度の指摘、意見等は二百十四件あり、措置されたものが二百八件でしたが、平成十八年度は二百二十件のうち百五十四件が措置され、この実績は少しく措置の状況が遅いように思われます。措置に至らないものを公表してはいけないとの規定があるわけでありませんから、この促進のため適切な早い時期に公表する必要があるかと考えます。また、監査後、必要に応じ、指摘、意見の表明までの手続がとられることになりますが、特に意見は、手順の変更にまで踏み込んだ業務改善につながるものであるだけに、意見の視点とその改善状況についてお伺いいたします。さらには、この意見による業務改善は、今後進めなければならない内部統制の観点からの業務過程監査として重要と思います。内部統制に対する取り組みの状況と今後の課題についてお伺いいたします。東京都は、国体開催、オリンピック招致に合わせ、スポーツ事業の展開をスポーツ・フォア・オールの立場から進めようとしております。東京都では、昭和三十六年制定、スポーツ振興法に基づき、翌年、条例が制定され、調査、審議し、知事に建議を行う東京都スポーツ振興審議会が設置され、四十五年を経過しております。この間、数多くのスポーツ振興に係る有用な意見が審議会から出されております。そして、この十月には性格を新たにした所管のもとで、第二十二期のスポーツ振興審議会が立ち上げられ、スポーツ振興戦略の策定に向け検討を開始したと聞いております。本来であれば、知事の諮問に答えることが望ましいのでありますが、実際、審議会では、スポーツと行政に見識の深い専門家がフリーにディスカスすることにより、幅広く、かつ踏み込んだ意見が寄せられることから、今後もこれを極力尊重し、新たなスポーツ振興戦略の策定に結びつけていかねばなりません。計画策定に向けた展開についてお伺いいたします。次に、体育施設整備についてお伺いいたします。スポーツは、ルールと施設がなければ成り立たないものであります。各区市町村も、大変整った施設を持つところもあり、団体使用、大会開催に限らず、個人公開を進めるなど、多くの都民の支持を受けております。東京都も広域自治体として大型施設を擁し、都民大会、各競技の全国大会などに提供しております。しかし、東京都の施設はわずかであり、その利用率は基本的に大変高く、生活文化スポーツ局所管の東京体育館は、平成十八年度稼働率は、メーンアリーナで九九%、サブアリーナで九八%に至っております。若干郊外の駒沢オリンピック公園総合運動場屋内施設でも九〇%以上の稼働状況であります。この体育館など屋内施設は、全国大会、世界大会が行われますと、多くの選手、役員、応援団が東京を訪れる集客施設でもあるだけに、施設不足ともいえる現在の状況は、機会損失と見えなくもありません。東京の体育施設は、都民が積極的に活動し、スポーツをみずから楽しみ、あるいは観戦し、また、施設で行われる大会には世界各地から東京を訪れる経済波及効果の大きい重要施設として位置づけ、新設も含め、計画的に整備を進めるべきものと考えますが、お考えをお伺いいたします。最後に、子どもの安全対策の取り組みについてお伺いいたします。ご承知のように、都民の皆さんの都政への要望は、治安が四年続いて第一位であり、特に子どもに対する犯罪が起こりにくい環境の整備が求められております。過去に大阪の池田小学校、さきの加古川の事件など見るまでもなく、小さな子どもを持つ親の心配は尽きないのであります。都政の重要な課題であります子どもを犯罪から守るため、どのような取り組みを都で行っているか、お伺いをいたします。また、地域では、自主的パトロールや警察、自治体の支援による防犯ボランティア団体が以前に比べれば格段にふえておりますが、まだまだ活動の余地は大きく、新たな防犯活動に取り組みたいという声も聞くのであります。このような中、地域での防犯活動の機運を醸成しつつ、効果的な防犯活動ができるようにするためには東京都の支援は不可欠であります。東京都は、こうした地域における防犯活動に対してどのような支援を行っているのか、お伺いいたします。しかし、形を変え犯罪を繰り返す、子どもを取り巻く社会環境に対するためには、現下の対応に加え、たゆまぬ家庭と地域への働きかけが重要であり、まさにここでは社会のあり方が問われるということになります。子どもを犯罪から守るためには、この点への働きかけを強化すべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。以上をもちまして、私の一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)矢島千秋議員の一般質問にお答えいたします。世界との交流、協力における東京の役割についてでありますが、我が国には、世界に誇る歴史、民族固有の伝統、文化がありまして、それが有形、無形の国力になっていると思います。それがさらに集中、集積しているのがこの東京だと思っております。例を挙げれば、世界で最も有名なミシュランのガイドブックが、先般、東京を世界一の食の都と評価いたしました。星をもらったレストランがパリでは八十台、ニューヨークでは五十に満たなかったのが、東京では百五十を超えたわけでありまして、これによって、東京を世界一の食の都と評価してくれたわけであります。一つの器の中に一つの小宇宙をつくり出してみせ、芸術の域にまで高めていく日本の食事の繊細さや、他国の料理であっても、独特の工夫を加えまして、本家以上に磨き上げていく探究心などが世界を魅了したのだと思います。こうした豊かな才能はもとより、礼儀正しさやもてなしの心、あるいは自然を愛する姿勢などが生み出す日本の特質を認識して、東京から世界に発信していくことが、日本と世界のコミュニケーションを深めることになると思っております。極めてナショナルなるものこそが初めてインターナショナルになるという、これは文化の原理だと思います。その意識を強く持ちまして、現在、招致を目指して、オリンピックもその意識にのっとって、それを実現していきたいと思っております。また、アジア大都市ネットワーク21を通じました交流、協力の取り組みをさらに進めるとともに、文化、産業、環境、観光などの都政の各分野を通じて世界のかけ橋となるように、幅広い施策を展開してまいりたいと思っております。他の質問については関係局長から答弁いたします。〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕 # 都市整備局長(只腰憲久君) 都市整備局長(只腰憲久君)まず、東京のまちづくりの可能性でございますが、東京をより一層魅力ある都市とするためには、国際競争力を備えることに加えまして、歴史や文化、あるいは人々の価値観を踏まえまして、地域の特性を生かしたまちづくりを進めることが必要でございます。例えば都心部では、業務、商業、文化、居住など、多様な機能が効果的に組み合わさった、活力と魅力のある地域を形成していくことが重要であるのではないかというふうに考えております。一方、下町などでは、伝統的なコミュニティを継承しつつ、活気あふれる暮らしやすいまちを目指していくことが重要ではないかと思います。こうした東京の多様な魅力を引き出しながら、今後さらに高いレベルの成熟を遂げた都市の実現を図ってまいります。次に、将来の東京のまちの姿についてのご質問でございます。三環状道路の整備を初めとする陸海空のネットワークの強化によりまして、渋滞のない、効率的で利便性の高い東京が実現するものと考えております。同時に、都市再生によって創出されます機能的な業務、居住空間、潤いのある水と緑のネットワークの形成などによりまして、人々が心豊かに暮らせる時間と空間のゆとりが生まれるものと期待しております。あわせまして、先進的な環境負荷の少ない都市づくり、震災対策の一層の推進によります災害に強い都市づくりなどを進めまして、東京を、安全・安心なまちの実現を目指してまいります。〔財務局長村山寛司君登壇〕 # 財務局長(村山寛司君) 財務局長(村山寛司君)事務事業評価についてのご質問にお答えいたします。都財政を取り巻く環境にさまざまな変動要因がある中で、事業の積極的かつ着実な改善を図る上では、事業の実施状況について、実態や効果を具体的に点検し、その質を高めていく努力が重要でございます。こうした観点に立ちまして、十九年度予算から事務事業評価を予算編成過程の中に組み込み、よりきめ細かい事後検証を実施し、その結果をモデルとして取り上げて、公表することといたしております。今後とも、予算編成の中において事務事業評価の仕組みを定着させ、活用範囲を広げていくことによりまして、事後検証の結果を反映した、より効率的、効果的な事業の構築を図ってまいります。〔主税局長熊野順祥君登壇〕 # 主税局長(熊野順祥君) 主税局長(熊野順祥君)二点についてお答え申し上げます。まず、環境税についてでございますが、東京都税制調査会は、東京都気候変動対策方針の推進を支援するための独自税制につきまして鋭意検討を行ってまいりました。その結果、先月の中間報告においては、揮発油税など、既存の税制との整合性など課題もあり、さらなる検討が必要であるとされております。気候変動対策は我が国の喫緊の課題でもございますので、今年度の検討の成果を踏まえつつ、CO2排出抑制のインセンティブなど幅広い角度から、東京都税制調査会において引き続き積極的な検討をお願いしたいと考えてございます。次に、子育て支援税制についてでございます。政策課題解決のために、減税など税制を活用することは有効な手段の一つでございます。しかしながら、税は財政の基盤であることから、減税の効果、税の公平とのバランス、税以外のより効果的な手法の可能性、税収への影響等を踏まえ、慎重に検討すべきものであると考えております。お話の子育て支援のための住民税の活用につきましては、住民税が自治体の基幹税であることなど課題も多うございます。少子化対策は都の重要施策の一つでもございますので、今後の研究課題とさせていただきます。〔監査事務局長白石弥生子君登壇〕 # 監査事務局長(白石弥生子君) 監査事務局長(白石弥生子君)二点のご質問にお答えいたします。まず、監査の結果としての意見、要望についてでございます。監査の結果には、指摘と意見、要望があり、このうち指摘は、合規性の観点を中心に、明らかに不適切な状況の是正、改善を求めるものでございます。一方、意見、要望は、事務事業の制度や仕組みにつきまして、事業環境等を踏まえ、経済性、効率性、有効性の観点から、さらに是正、改善ができないか検討を求めるもので、お話のとおり、各局の業務の改善に資するものと考えております。改善状況ですが、年二回、各局から報告を受けまして、改善されていない場合には、二年間継続して是正に向けての措置を各局に促しております。この間、状況の変化などによりまして、一部の改善にとどまるものや措置に期間を要するものもありますが、大部分は改善されております。次に、内部統制の観点からの監査についてでございます。業務手順の明確化、チェック体制の強化など、内部統制の整備は民間企業と同様、都の事業執行においても重要であります。これまでの監査におきましても、例えば昨年の定例監査におきまして、内部統制に着目し、未収金徴収の事務手続について改善を求める指摘を行いましたほか、ことしの工事監査では、内部統制上の重要な課題であるチェック体制を重点監査事項としております。内部統制の整備運用に当たりましては、事業環境や事業運営などに係る組織のトップの認識が肝要でありますので、今後、監査委員が直接各局の幹部職員に面談するトップインタビューの導入を検討しております。今後とも内部統制の重要性を認識し、監査の充実に努めてまいります。〔生活文化スポーツ局長渡辺日佐夫君登壇〕 # 生活文化スポーツ局長(渡辺日佐夫君) 生活文化スポーツ局長(渡辺日佐夫君)スポーツの振興に関する質問にお答えいたします。まず、新たなスポーツ振興戦略の策定についてでありますが、十月にスポーツ振興審議会を立ち上げ、計画策定に向けた審議を開始したところでございます。第一回審議会においては、「十年後の東京」の実現に向けた八つの目標とスポーツ振興のかかわりを軸に、長期的視点に立った議論が交わされました。今後は、具体的なスポーツ振興施策について各委員の専門分野を中心にご意見を伺う予定でございます。審議会での議論とご意見を十分に踏まえ、だれもがスポーツに親しめる社会を目指して、新たな戦略となるスポーツ振興基本計画を策定し、来年の夏をめどに発表したいと考えております。次に、都立体育施設の整備についてでありますが、都立体育施設では、全国的、国際的なスポーツ大会にふさわしい大規模施設として多くの大会が開催されております。また、アマチュアスポーツ活動の拠点として、都民のスポーツ・レクリエーション振興の中心としての役割も担っております。体育施設には老朽化しているものもあることから、これらの体育施設の機能を十分に発揮できるよう、適時適切な施設の改修に努めてまいります。また、今後、スポーツ振興審議会での議論や、大規模大会の施設需要、都民のスポーツニーズ、財政状況等を踏まえ、計画的な整備も検討してまいります。〔青少年・治安対策本部長久我英一君登壇〕 # 青少年・治安対策本部長(久我英一君) 青少年・治安対策本部長(久我英一君)子どもを犯罪から守るための取り組みについてでございますが、都では、自分で守る、学校で守る、地域で守るという三つの視点から、子どもの安全確保に取り組んでおります。具体的には、子どもたち自身が通学路などの安全を点検して、みずからを守る力を育成するための地域安全マップづくりの普及、公立小中学校等へ設置した防犯カメラを活用することによる学校内の安全性の向上、保護者や地域の方が通学路を見守る子ども安全ボランティア活動の推進等に取り組んでおります。また、今年度は、通学路の見守りをさらに強化するため、青色防犯パトロールの普及にも努めております。次に、地域における防犯活動に対する支援についてでありますが、都内では、ここ数年で住民自身による自主防犯活動の機運が高まり、現在では三千を超える防犯ボランティア団体がさまざまな活動をしております。都では、このような地域の防犯活動に対する支援として、ボランティア団体の立ち上げや相互交流の促進を図るため、大東京防犯ネットワークという都のホームページを通じた情報提供や、防犯活動で使用する腕章等装備品の支給などを行っております。また、十一月を子ども安全ボランティア推進月間として位置づけ、学校、PTAや地域のボランティアなどを対象に、子どもの安全確保に関するスキルアップと相互のネットワークづくりを図るため、子ども安全フォーラムを実施したところであります。最後に、家庭と地域への働きかけについてであります。子どもを取り巻く地域社会では、都市化、核家族化、情報化等の進展により人間関係が希薄になり、子どもを守り育てるコミュニティの機能が低下しております。そこで都では、家庭や地域で親と大人が責任を持って次代を担う子どもをはぐくむため、心の東京革命やあいさつ運動など、さまざまな取り組みを推進しております。また、町会、自治会や共同住宅の住民が連携して防犯活動を行うことにより、地域の防犯力を高める地域防犯モデル事業を実施しております。都といたしましては、今後とも重層的、複合的に諸対策を推進して、家庭や地域のきずなを強め、地域で子どもを犯罪から守り、育てる力の回復、向上に努めてまいります。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)五十一番吉田康一郎君。〔五十一番吉田康一郎君登壇〕〔議長退席、副議長着席〕 # 五十一番(吉田康一郎君) 五十一番(吉田康一郎君)まず初めに、少子化対策・子育て支援について伺います。一昨年の十二月八日、私は初めての一般質問においてこの問題を取り上げ、社会保障・人口問題研究所の我が国総人口に関する推計において、最も悲観的な低位推計では、二一〇〇年には我が国人口は現在の三分の一の四千六百四十五万人になり、その後も減っていくと述べました。これは平成十四年一月推計によります。ところが、同研究所が昨年十二月に公表した新たな推計は驚くべきものです。二一〇五年の人口は中位推計で四千四百五十九万人、低位推計では三千四百五十二万人、わずか四年で中位推計で約二千万人、低位推計で一千二百万人の下方修正がなされたのであります。二年前、私は、百年後に我が国の人口は今の三分の一になると訴えましたが、今は四分の一になると訴えざるを得ません。都の出生率も残念ながら改善していません。これまでの枠を超えた取り組みが必要だと考えます。こういう観点から、まず、日本の家族関係社会支出の対GDP比と比べて、子育て支援の先進国であるスウェーデン、フランスはどの程度の差があるのか、また、出生率にはどの程度の差があるのか、そして、家族関係社会支出の対GDP比と出生率の間には有意な相関関係があると思いますが、見解を伺います。次に、東京の出生率が日本の中で最も低いことについてどのように認識しているのか、伺います。都は、一昨年十二月に私が訴えて後、昨年から国に対して子育て支援のための財源を確保するよう提案要求しており、これは高く評価します。引き続き、国に対して積極的に働きかけを行うべきです。所見を伺います。十九年版少子化社会白書によりますと、結婚後ゼロから四年の若い夫婦では、理想的な子どもの数は二・三人、平均予定子ども数は二・〇五人と〇・二五人の差があります。平均理想子ども数を持てるようにすべきと考えますが、所見を伺います。本年十二月の時点で、少なくとも十二の県が保育料について補助あるいは無料化を実施しており、都内の十四の区市が独自の手当を支給し、三十三の区市町村が認可保育所及び認可外保育に係る保育料等への補助あるいは無料化を実施しています。都としてぜひ、児童手当の加算、あるいは都独自の手当を創設すべきです。また、保育料の減免など、区市町村が独自に行っている支援事業に対して、二分の一助成など行うべきと考えます。強く要望します。次に、家庭内労働及び育児を行う者と外で働く者とで、どちらかが他者に比べて不利益をこうむること、差別的な取り扱いを受けることがないようにすべきです。また、国は保育に欠ける児童とそうでない児童を分けて施策を展開していますが、分け隔てなく保育に欠けない子も支援すべきであります。見解並びに取り組みを伺います。昨日、国が都から三千億円規模の財源を召し上げることになりました。約一千九百億円あれば、都内の子どもに毎月一万円ずつ十五歳まで給付できることを考えれば、本当に残念でなりません。現在、子育て応援戦略会議でさまざまな施策を検討しているとのことですが、従来の延長線上でない、抜本的な施策が望まれます。知事の所見を伺います。次に、河川の整備について伺います。河川事業の担う最も重要な役割は、水害から都民の生命、財産を守ることですが、他方、河川は地域住民に潤いや安らぎを与える場所でもあります。都は昨年十二月に「十年後の東京」を発表し、水と緑の回廊で包まれた美しいまち、水辺空間の再生をうたっています。東京の河川における親水空間の整備についての基本的な考え方及びこれまでの取り組みについて伺います。特に、私の地元の神田川や妙正寺川など、区部西部の中小河川は稠密な市街地を流れており、深い掘り割り構造となっていて、水際までおりることができない区間が多いのですが、このような区部の中小河川における親水空間の整備について、今後どのように取り組んでいくのか伺います。次に、海岸保全事業について伺います。近年、海岸の浸食が激化し、貴重な国土が失われ、このままの状況で推移すると、国全体で、十五年後には新島に匹敵する面積が、三十年後には三宅島に匹敵する面積が失われると予想されています。沖ノ鳥島を初め、伊豆・小笠原諸島など、都の島しょは我が国全体の排他的経済水域の約四五%を占めており、その保全は重要であります。都では、海岸保全事業を昭和三十年代から実施していますが、その整備率はいまだ四割であり、今のペースだと、完成まであと半世紀かかることになります。その間どんどん失われていくわけであります。また、海岸保全区域以外の一般公共海岸においても、毎年一メートル以上も海岸線が後退しているところがあるとのことであります。既に保全区域に指定されている海岸については重点投資して浸食対策を早く進め、いまだ指定されていない海岸についても、浸食の状況や対策の必要性を調査するなどの取り組みが必要だと考えます。そこで、国土及び経済水域を守るために、一般公共海岸における調査も含め、今後、海岸保全事業にどのように取り組んでいくのか、伺います。次に、今の時代にふさわしい都立公園の改修について伺います。都立公園は、都市における貴重なオープンスペースであるとともに、日常生活の中で自然の美しさや季節の移り変わりを感じ、心がいやされる場所として都民に愛されています。しかし、社会経済状況が変化する中、都立公園を将来に向けて生かしていくため、新たに求められる機能に適切に対応した改修が必要と考えますが、都としてどのように取り組んでいるのか、伺います。都では最も古い都市公園の一つである上野恩賜公園において、上野公園グランドデザインの検討を行っていると聞いています。今後どのようにまとめられるか、期待しているところであります。一方、日比谷公園では、大噴水と日比谷公会堂の間にある洋風形式の第二花壇に周りの園路との段差があり、幼児が一回転して転げ落ちたという話も聞きました。幸いけがはなかったとのことでありますが、大事に至る可能性も否定できません。従来以上に安全についてのニーズが高まっている今日、古い時代につくられた歴史のある公園についても、今日まではぐくまれてきた景観を大切にしつつ、幼児から高齢者まで、より安心して快適に利用できる今の時代にふさわしい公園にしていくべきと考えますが、所見を伺います。次に、生物多様性の保全について伺います。希少な野生動植物を含め、多様な生物種と生態系は、人間にとって有用なさまざまな価値を現在及び将来の世代にもたらすものであり、その保全が必要ですが、そのためにはまず都として基礎的な情報を把握することが重要です。都は、平成十年に都内の希少野生動植物のリストである、いわゆる東京都版レッドデータブックを策定しましたが、その後、改定を行っていません。一方、国では、動植物を種類ごとに、例えば哺乳類では平成十年に策定したものを、昆虫類では平成十二年に策定したものを、植物では平成九年に策定したものを、それぞれ平成十九年に改定しています。自然環境もさまざまな要因で変化していく中、都としても改定を行うべきです。所見を伺います。そして、平成十年の策定の際は文献情報の整理を中心に行ったようですが、希少生物種の保護を図っていくためには、その現状をきめ細かく調べることが重要であり、今後、改定する際には、文献調査のみならず現地調査を行うとともに、都民、団体、研究者等から情報が都に提供されるような仕組みをつくり、情報を把握していくべきだと考えます。所見を伺います。次に、環境税について伺います。実効性のある温暖化対策の一環として、環境税の導入は大きな期待が寄せられるものであります。しかし、期待どおりの効果をもたらし、意図せざる弊害を生じさせないためには、幾つかの原則を踏み外さないことが重要だと考えます。すなわち、まず温暖化の負荷の量に従った課税とすること、例えば化石燃料について炭素含有量を基準に課税する、あるいはメタンなど他の温室効果ガスも含め、温室効果量を基準に課税するということです。そして、導入時点において税収中立の制度設計とすること、目的税としないこと、なるべく広域的な税制とすることであります。さらに、適切な激変緩和措置を設けることも必要です。都税調はこれらの点を踏まえて環境税制を引き続き検討していくべきだと考えますが、所見を伺います。次に、自転車の安全な利活用対策について伺います。都は温暖化防止対策を進めるため、カーボンマイナス東京十年プロジェクトに取り組み、CO2を二五%削減する目標を掲げています。この目標を達成するため、他の部門とともに、運輸部門においても削減努力が求められます。さまざまなTDM施策の推進など、総合的な対策を講じていくことが必要ですが、特に自転車は身近で手軽な交通手段であるとともに、CO2を排出しないことから、より一層利用を促進していくことが効果的です。都は、本年一月に自転車の安全利用推進総合プランを策定し、自転車は、鉄道、自動車、徒歩などと並ぶ都市における主要な交通手段の一つとして位置づけました。そこで、今後、都は自転車の利用促進にどのように取り組むのか、また、利用を定着させるために進捗状況を取りまとめ、都民に周知することが必要だと考えますが、あわせて伺います。特に、歩行者と自転車、自動車を可能な限り分離して、それぞれが安全快適に利用、走行できるような道路の整備を進めていくことが必要です。そこで、都道において、また、港湾局所管の臨海副都心において、安全で快適な自転車走行空間の整備にどのように取り組んでいくのか、伺います。また、安全性確保のためにこれまで以上に踏み込んだ取り組みが必要だと考えます。自転車と自動車の事故は漸減傾向にありますが、残念なことに自転車と歩行者の事故は増加傾向にあります。私の身近でも、私の母が自転車の事故に遭いまして、顔と手と足をけがして、今足を引きずっております。最近では、歩行者が自転車にひかれて亡くなる死亡事故も起きています。自転車事故発生件数を年齢別に見てみると、二十代の件数が最も多く、次いで三十代、十代となっています。二十代に焦点を当てた自転車のルール遵守等の普及啓発を実施していく必要があると考えます。所見を伺います。自動車やオートバイ等ではナンバープレート、正式には自動車については自動車登録番号標、軽自動車、自動二輪車、原動機付自転車などについては車両番号標、課税標識といいますが、それを表示させることで安全対策に効果を上げています。自転車についてもナンバープレートを表示させることは、危険な運転や犯罪の抑止に有効と思われます。自転車には防犯登録制度があり、自転車法によってすべての自転車に登録が義務づけられています。罰則規定はないため、貼付率は七六%程度とのことでありますが、この防犯登録番号を周囲から見やすく表示する、いわばナンバープレートとすることで、自転車利用の安全性が高まるのではないか、そして、利便性が高まるのではないか、導入を検討するべきではないかと考えます。所見を伺います。次に、歩道のバリアフリー対策について伺います。平成十二年、東京都福祉のまちづくり条例が施行されて以降、まちづくりのさまざまな場面でバリアフリーの考えが定着してきています。道路については、特に高齢者などの利用を考え、歩道は勾配が緩やかなセミフラット形式が都道の新設や拡幅工事において採用されてきていますが、既設の都道についてもセミフラット形式をさらに推進すべきと考えますが、所見を伺います。次に、アニメ・アーカイブ事業について伺います。世界で放送されているアニメの六割は日本製といわれています。その日本のアニメ制作会社の八割は東京に集積しています。都は、平成十三年度から東京国際アニメフェアを開催するなど、アニメ関連産業の振興、人材育成に取り組んできました。その一環として中野区の旧労働資料センターの四階において、私も六月に視察しましたが、アニメ制作会社からアニメ制作に係る貴重な資料等の提供を受け、収集、整理、保管を行うアニメ・アーカイブ事業を実施しています。これらの文化遺産ともいえる貴重な資料等は、都が保存を支援しなければ廃棄されていたものであり、まことに意義のある重要な事業だと考えます。そこで、現在までの取り組み実績について伺います。他方、アニメの制作現場では、動画部門の海外移転や技術革新が進むなど、急激な変化が起きており、従前の先輩が後輩を個別指導するような人材育成が難しくなってきています。そこで、収集した貴重な資料は将来のアニメ産業を担う人材育成などにも活用すべきだと思いますが、今後の方策について伺います。また、この施設においてぜひ貴重な資料の一部でも常設展示することを要望します。次に、都営地下鉄の安全対策について伺います。十月二十三日に発生した都営大江戸線の停電事故について、当日現場に居合わせた者の一人として二点伺います。停電の発生は朝のラッシュ時の八時八分、その十二分後には新江古田駅の手前二百メートルに停止した列車から乗客の救出を始めています。避難誘導マニュアルに従い、運転席前方の非常扉から避難させたことは判断として間違いではなかったと考えます。しかし、一千三百人、最後の乗客の救出まで二時間もかかったのは改善が必要です。今回の事故を受けて、今後の避難誘導時間の短縮についてどのように考えているのか、伺います。今回の事故では、多くの警察、消防関係者が出動し、私も心強く思いました。今後同じような事故が発生した場合、避難誘導を含め、交通局と警察、消防が連携を強めていくことが重要です。取り組みについて伺います。以上をもちまして、質問を終わります。(拍手)〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)吉田康一郎議員の一般質問にお答えいたします。子育て支援の推進についてでありますが、次代を担う子どもたちの健やかな育ちを支えることは親だけではなくて社会全体の責務であると思います。都は、これまでも大都市特有の保育ニーズに対応した認証保育所の創設などに取り組んできました。これに加えて、現在、仕事と家庭生活の両立が推進されるよう企業の取り組みを支援しております。今後、子育て応援とうきょう会議を活用しながら、社会全体で子育てを支援していくムーブメントを巻き起こし、子育ての喜びを真に感じることのできるような東京にしていきたいと思っております。しかし、肝心なことは、人間が結婚し、家庭で子どもを持つという人間社会の進展のために基本的な価値観の問題じゃないかと思います。これをどうやって培っていくかということは、もはや金目の問題で済まない、もっと基本的な多岐にわたる試みが必要じゃないかと思っております。他の質問については警視総監及び関係局長から答弁いたします。〔警視総監矢代隆義君登壇〕 # 警視総監(矢代隆義君) 警視総監(矢代隆義君)自転車防犯登録の表示についてお答えいたします。自転車の防犯登録については、自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律において、国家公安委員会規則の定めるところにより都道府県公安委員会が指定する者が行うこととされておりまして、都内では東京都自転車商防犯協力会が指定され、その業務を行っております。自動車やオートバイのナンバープレートのような形で防犯登録の番号を表示させることは、議員ご指摘のように、自転車の盗難防止や安全な利用に資するものと考えますが、そのためには自転車の構造の変更や新たなプレートの作成、防犯登録情報の管理等、新たな措置が必要であります。このような形で防犯登録番号の表示義務を課すことは、自転車利用者に新たな負担を課すものであり、法令の改正が必要であります。また、新たな義務を課すこととした場合、その担保措置が必要でありますが、現行の法律では、防犯登録自体、登録しなかった場合の罰則は規定されておらず、義務の履行を法的にどう担保するかという検討も必要であります。このような諸条件を考えますと、ご提案のような制度を導入することはなかなか困難であるかと思われますが、今後自転車の利用者その他関係者の意見を踏まえ、制度的な対応が可能かどうか、関係向きと協議してみたいと考えております。〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕 # 福祉保健局長(安藤立美君) 福祉保健局長(安藤立美君)子育て支援に関しまして六点についてお答えいたします。まず家族関係社会支出の対GDP比、合計特殊出生率及び両者の相関関係についてであります。OECDでの調査によれば、二〇〇三年のOECD基準の家族関係社会支出の対GDP比はスウェーデンが三・五四%、フランスが三・〇二%であり、日本の〇・七五%と比べて四倍以上であります。また、合計特殊出生率は二〇〇六年でスウェーデンは一・八五、フランスは二・〇〇であり、日本の一・三二と比較して一・五倍程度であります。なお、最近の合計特殊出生率の推移で比較すると、スウェーデン及びフランスの上昇幅は日本よりも大きくなっております。次に、東京都の合計特殊出生率についてであります。平成十八年の出生率は一・〇二となっております。出生率が低いことの直接的な原因は、未婚率の上昇、晩婚化などが考えられます。こうした現象の背景には、価値観の多様化や子育てに対する負担感の増大などの要因が指摘されております。次に、財源の確保についてでありますが、都では地域における子育て環境の整備やワークライフバランスの実現のため、子育て支援に対する財源確保を国に対して提案要求しており、今後も引き続き要求してまいります。次に、子どもの数についてでございますが、出産は個人の価値観や人生観に深くかかわるものであり、行政の関与にも限界がございます。しかしながら、子どもを産み育てることを望む人たちが、安心して子育てができ、次代を担う子どもたちが健やかに成長していく環境を整備することは必要でありまして、行政を初め社会全体で取り組むべき課題であると考えております。次に、子育て家庭に対する支援についてでございますが、子どもたちを健やかに育成するためにはすべての子育て家庭への支援策を推進していくことが重要であります。このため、都では、一時保育などの在宅サービス事業のほか、地域の相談拠点である子ども家庭支援センターや親同士の交流を目的とする子育てひろば事業など、すべての子育て家庭のニーズに対応したサービスの提供に努めております。最後に、保育の要件についてでありますが、国は認可保育所における保育の実施基準として、児童の保護者が昼間の就労を常態としていることなど保育に欠ける要件を規定しております。しかしながら、保護者の就労形態が多様化し、社会、地域、家庭の状況が大きく変化してきている中、この要件は大都市特有の保育ニーズにこたえ切れておりません。このため、都は、認証保育所を創設するとともに、国に対し、保育に欠ける要件の見直しのほか、施設と利用者との直接契約や施設による保育料設定など、保育所制度の抜本的な改革を提案しているところでございます。〔建設局長道家孝行君登壇〕 # 建設局長(道家孝行君) 建設局長(道家孝行君)七点のご質問にお答えいたします。まず、河川における親水空間の整備についての基本的な考え方でありますが、河川の整備においては、治水機能を確保しつつ、地域の特性や周辺状況に応じて、にぎわいのある緑豊かな水辺空間を創出していくことが重要であります。例えば東部低地帯の隅田川などでは、水辺を散策できるテラスやまちづくりと一体となった緑の空間を生み出すスーパー堤防の整備を進めており、花火大会やレガッタなどのイベントにおいても、多くの人々が集い、にぎわっております。また、緑が多く残る多摩地域の鶴見川や平井川などでは、魚など水辺の生き物にも優しい多自然川づくりを進めており、子どもたちが水遊びを楽しむなど自然と触れ合えるような水辺環境を創出しているところであります。次に、区部の中小河川における親水空間の整備についてでありますが、市街地を流れる河川は都市における水と緑の貴重なオープンスペースであります。都はこれまでも地元区などと連携し、河川の管理通路を緑化して遊歩道として活用するとともに、可能な箇所では水辺に近づける緩やかな傾斜の護岸を整備しているところです。こうした取り組みの結果、石神井川や目黒川などでは、桜の季節を初め多くの都民が川沿いの散策を楽しんでおります。今後とも神田川や妙正寺川など市街地の河川整備においては地元区と連携し、公園などの川沿いの公共用地の活用を図り、水辺景観を向上させ、人々が憩いにぎわう親水空間の創出に努めてまいります。次に、海岸保全事業の取り組みについてでありますが、国土を保全し、島民の命と暮らしを守るため、台風や季節風などによる波浪から海岸の浸食を防止することは極めて重要であります。このため、都は波浪被害のおそれの高い地域や海岸の浸食が著しい伊豆諸島などの二十六海岸を海岸保全区域に指定し、護岸や人工リーフなどの海岸保全施設の整備を進めております。また、伊豆・小笠原諸島の海岸保全区域以外の一般公共海岸については、平成二十五年度完了を目標に、現地踏査や航空測量による地形や土地利用状況などの調査を進めており、浸食状況の把握に努めております。今後とも財源の確保に努め、着実に海岸保全事業を進めてまいります。次に、都立公園における改修についてでありますが、都はこれまで、社会経済状況の変化などに伴う都民のニーズに対応して、公園の魅力向上や安全で快適な公園づくり、防災機能の向上などの観点から、計画的に施設の改修に努めてまいりました。例えば上野恩賜公園では、歴史的な景観に配慮した樹木の再配置、園路の段差解消などのバリアフリー化、わかりやすい案内サインの設置など、再生整備に取り組んでまいりました。また、震災時の防災拠点となる城北中央公園などでは、ヘリコプターが安全に離着陸できる広場の改修や、大型車両に対応した出入り口の拡幅など、救出救助活動拠点としての改修を行ってきたところです。今後ともそれぞれの都立公園に求められる魅力や機能の向上に向け、公園の改修を着実に進めてまいります。次に、安心・快適に利用できる公園づくりについてでありますが、日比谷公園を初めとする歴史ある公園において、その基本となる設計思想を生かしながら、さまざまな世代の人々に親しまれ、より安心して快適に利用できるように公園を改修していくことは重要であります。例えば日比谷公園においては、入り口などの段差解消、車いす利用者や高齢者が使いやすいトイレへの改築や園路灯の改修を図るなど、安心して利用できる施設整備に努めてまいりました。また、来園者が公園の景観を楽しみながら快適にくつろげるよう、公園のシンボル的空間である大噴水や花壇の周りに思い出ベンチを設置してまいりました。今後とも都民の声も受けて必要な施設の改修などを行い、歴史ある公園を一層魅力あるものにしてまいります。次に、都道における自転車走行空間の整備についてでありますが、自転車は近距離の移動にすぐれるとともに、環境への負荷の少ない都市内の有効な交通手段の一つであり、歩行者と自転車がともに安全で快適に通行できる空間の整備は重要であります。このため、これまで多摩湖自転車道などの自転車道を整備するとともに、有効幅員が四メートル以上の広い歩道を活用して、自転車が走行する部分をカラー舗装により視覚的に分離するなど、モデル地区を定めて自転車走行空間の整備を進めているところです。今後も既存の広い歩道を活用した整備をモデル地区において推進するとともに、区部の環状六号線や多摩の調布保谷線など、道路の新設や拡幅に合わせて安全で快適な自転車走行空間の整備に努めてまいります。最後に、歩道のセミフラット形式の推進についてでありますが、都はこれまでバリアフリーの考え方に基づき、さまざまな方法で歩道の段差や勾配の改善に取り組んでまいりました。このうちセミフラット形式の歩道は、車道との高低差が少なく、すりつけ勾配が緩やかになるため、高齢者や障害者などの移動に有効な構造であり、道路の新設や拡幅工事において、現在は原則としてセミフラット形式を採用しております。既設の都道における車道や歩道の改修の際にも、沿道住民の理解と協力を得て、セミフラット形式を積極的に採用し、安全で快適な歩行空間の確保に取り組んでまいります。〔環境局長吉川和夫君登壇〕 # 環境局長(吉川和夫君) 環境局長(吉川和夫君)三点のご質問にお答えいたします。まず希少野生動植物のリストである、いわゆるレッドデータブックの改定についてでございますが、東京都版レッドデータブックは、平成十年に希少野生動植物の保護を図っていくことを目的に策定いたしました。前回の策定から一定の年数が経過している中、希少野生動植物の生息、生育状況も変化していると考えられますので、現在レッドデータブックの改定に向けて検討を進めております。次に、都民等からの情報提供の仕組みづくりについてでございますが、希少野生動植物に関する情報提供を広く都民等に呼びかけることは、レッドデータブックの精度をより高めていく上で有益だと認識しております。次回の改定に向け、文献調査、研究者等からの聞き取り調査、必要に応じた現地調査に加え、現在、都民等から希少野生動植物に関する情報提供を受ける仕組みの構築についても検討しており、これら多様な取り組みにより都内の希少野生動植物の情報把握に努めてまいります。最後に、自転車の利用促進についてでございますが、自転車は環境に優しく、都民に身近で便利な交通手段であることから、都はこれまで、TDM東京行動プランに基づき自転車道の整備など自転車活用対策を実施してまいりました。現在、環境審議会において、世界で最も環境負荷の少ない先進的な環境都市の実現を目指し、自動車に過度に依存しない交通行動への転換についても議論されております。こうした議論を踏まえ、自転車利用の促進が図られるよう検討するとともに、今後、自転車活用対策の進捗状況を適宜取りまとめ、都民に周知してまいります。〔主税局長熊野順祥君登壇〕 # 主税局長(熊野順祥君) 主税局長(熊野順祥君)環境税についてでございますが、東京都税制調査会の平成十九年度の中間報告は、環境問題は広域的な問題であるが、都市生活と密接な関係を有しており、エネルギーを大量に消費する東京が、税を含め、国に先駆けた取り組みを進めていく意義は大きいとしております。その上で、都独自の環境税制については、揮発油税など既存の税制との整合性、課税の公平性、税収の使途などの課題もあり、さらなる検討が必要としております。環境税につきましては、東京都税制調査会において、環境負荷を基準とした課税の仕組みや負担のあり方など、幅広い角度から引き続き積極的な検討をお願いしたいと考えております。〔港湾局長斉藤一美君登壇〕 # 港湾局長(斉藤一美君) 港湾局長(斉藤一美君)臨海副都心における自転車走行空間の整備についてお答えいたします。自転車は環境に優しく身近な乗り物でありまして、都市の中での有効な交通手段の一つと認識しております。臨海副都心ではこれまで、まちづくり推進計画に基づきまして安全で快適な歩行者・自転車空間を確保するため、ゆとりある幅員の歩道の整備や駐輪場の設置などによりまして、自転車が利用しやすいまちづくりを行ってまいりました。今後、自転車利用を促進するため、さらなる自転車走行空間の確保に向けた検討を進めていくとともに、地元区や臨海副都心の進出事業者で構成されますまちづくり協議会、交通管理者などとも連携して、自転車利用のルールづくりや利用者のマナー向上などの安全対策を図ってまいります。〔青少年・治安対策本部長久我英一君登壇〕 # 青少年・治安対策本部長(久我英一君) 青少年・治安対策本部長(久我英一君)自転車利用者のルール遵守等の普及啓発についてでありますが、都は、春と秋の全国交通安全運動や自転車の安全利用に関するあん・あん自転車TOKYOキャンペーン等により、自転車利用者のルールの遵守、マナーの向上に努めております。また、将来の交通社会を担う中学生、高校生に対する普及啓発を一層推進するため、現在、自転車交通安全教育マニュアルを作成しているところであります。自転車による人身事故の件数は十代から三十代の事故が全体の約半数を占めている実態も踏まえ、今後、自転車の安全利用に関するキャンペーン等の中で若者に対する意識啓発を強化してまいります。〔産業労働局長佐藤広君登壇〕 # 産業労働局長(佐藤広君) 産業労働局長(佐藤広君)アニメ・アーカイブ事業に関する二点のご質問にお答えいたします。まず、取り組み実績についてでありますが、本事業は、アニメの制作工程がアナログのセル画からデジタル方式に急速に移行する中で、貴重な資料や機材の散逸を防ぎ、その先人たちの知恵やわざを次代に残すことを目的としております。現在までにアニメ制作工程における絵コンテ、原画、セル画など、十四社から三万点以上の資料提供を受け、整理、保管をしております。次に、人材育成などへの活用についてでありますが、アニメ産業の発展には作品をつくり出す若手クリエーターの育成が重要であります。このため、収集した資料の中から利用可能なものにつきましては、著作権者と調整の上、人材育成への活用を検討しているところであります。〔交通局長島田健一君登壇〕 # 交通局長(島田健一君) 交通局長(島田健一君)大江戸線の停電事故に関します二点のご質問にお答えをいたします。まず、避難誘導時間の短縮についてでございます。今回の停電事故の後、交通局では直ちに安全対策推進委員会を開催し、原因の究明と対応策の検討を行い、その内容を過日公営企業委員会に報告したところであります。今回の事故の際は、安全を第一とし、規程に従いましてお客様には列車前面の非常扉からはしごを使い降車していただきましたが、今後は事故の状況によりまして、複数箇所からの降車も検討し、避難誘導時間の短縮に努めてまいります。具体的には、後続列車の安全を確認後、列車後部からの降車、また、スペースが許せば、列車側面からの降車、さらにはホーム上へ複数のはしごを使った避難誘導方法等について検討してまいります。次に、事故時における交通局と警察、消防との連携についてであります。今回の停電事故では、警察、消防関係から多数出動いただき、避難誘導や車内で気分の悪くなったお客様の救助救急活動等を行っていただきました。交通局では日ごろから警察、消防と連携を図ってきたところでありますが、今回の事故を踏まえまして、実践的な訓練を積み重ねていくなどして、さらに連携を強めてまいります。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)二番伊藤興一君。〔二番伊藤興一君登壇〕 # 二番(伊藤興一君) 二番(伊藤興一君)初めに、乳幼児突然死症候群、SIDSの予防について質問いたします。元気だった赤ちゃんが眠っている間に突然死亡してしまうSIDSは、平成七年以来、一歳未満の乳幼児の死亡原因の第三位であり、昨年一年間で百九十四人が亡くなっています。また、都においては、事故、中毒、窒息といった外的要因を除き、一歳未満の乳幼児がSIDSなどの心肺停止状態で救急搬送された件数が過去五年間で二百七十一件に及んでいます。家族を深い悲嘆に突き落とすSIDSや子どもの突然の事故、病気については、その予防対策に全力を注がなければなりません。厚生労働省の通知を受けて、都は、SIDSを原因不明の病気とした上で、発症の危険性を低減するため、仰向け寝、母乳育児、喫煙防止の三点について母子健康手帳を通して、注意を呼びかけています。一方、アメリカ国立小児学会は、睡眠時の厚着や毛布のかけ過ぎを避け、室温を上げ過ぎないようにすべきと、昨年からその危険因子を追加して警鐘を鳴らし始めています。こうした状況を踏まえ、都はSIDSを含めた原因不明の乳幼児の突発的な事故、病気について今まで以上に踏み込んだ対策を講じ、かけがえのない幼い命を守るべきであります。都は、昨年度、私が提案した東京都版幼児視界体験眼鏡を作成して都民に配布し、今年度は同じく提案した子どもの事故予防対策を事業化して、日常生活での危険を体験できるシミュレーションソフトが全国で初めて作成されます。そこで、SIDSの予防についてもこのソフトの中に取り入れるべきと考えます。このソフトの概要とともに、所見を伺います。次に、子育て支援について質問いたします。公明党が昨日の代表質問でも取り上げた児童虐待の背景には、子育て家庭の孤立化という問題が潜在しています。特に在宅子育て家庭にとって子育ての負担感が大きいという調査結果や、地域との積極的なかかわりを好まない子育て家庭が多くあることなどに着目し、都は孤立化や虐待を起こさせない社会基盤を整備すべきであります。そこで、大事なことは、日常の中で心強い相談相手となる親や親戚、地域の方々のみならず、保育園などの施設も含め、だれもが身近なところに子育てのパートナーを持つことであります。そのために、例えば、母子健康手帳とともにマイパートナーカードやパートナーガイドを作成、配布するなど、すべての子育て家庭を対象とした支援施策をモデル的に実施、検証し、孤立化防止を着実に推進していくべきと考えます。見解を伺います。次に、高齢者を支える介護保険制度について伺います。今後、高齢者の人口は急激に伸び、平成十七年を基準とした二十年後には、全国平均で約二十三万人の増に対し、東京都は五倍の約百十三万人の増が予測されています。そうした中、高齢者を支える介護保険制度は一層重要性を増すことから、高齢者が安心して利用できる介護制度を確立していくことが重要であります。介護サービスは、いうまでもなく、介護事業を行う事業者と現場で働くヘルパーなどの従業員が最前線で制度の土台を担っています。許しがたい悪質事業者は介護保険制度から退場させなければなりませんが、多くの事業者は誠実に、そして従業員の方々は一生懸命に、誠意を持って利用者の介護に当たっているのが現実です。しかし、平成十二年に介護保険制度がスタートして以来、制度の見直しや介護報酬の改定がたびたび行われ、一人の高齢者の介護メニューを一つ実施するためにも、場合によっては数十枚の書類を作成しなければならず、報酬も実態に合っていないなど、介護の現場は極めて厳しい対応に追われています。また、介護従事者が八千人も減少しているという現実もあります。こうした事態が続けば、介護事業者や従事者の存続が危ういという事態になることは目に見えております。都は、事業者に対して、法令遵守など適正な事業運営を求める立場にあります。しかし、一方的に求めるだけでなく、介護現場の実情や抱える問題など、まさに事業者や従事者といった現場の人たちの声を、さまざまな機会をとらえて直接聞いていくべきであります。所見を伺います。以上、少子高齢分野に絞って伺いましたが、生まれてくる子どもを社会全体で守り、また、高齢者を支える介護事業者や従業員が抱える課題にも目を向けていくことが大切であります。そこで、福祉分野の最後に、今後の東京の福祉の最大の課題となる少子高齢社会対策について、知事の所見を伺います。次に、特別支援学校について質問します。第三回定例本会議の代表質問において、都議会公明党は、初めて特別支援学校における放課後の居場所づくりについて取り上げました。教育長からは、実現可能な仕組みを具体的に検討していくとの答弁があり、多くの保護者から喜びの声が寄せられております。先日公表された東京都特別支援教育推進計画第二次実施計画では、新規施策として、都立特別支援学校における児童生徒等の放課後の居場所づくりについて、外部の教育力を生かした仕組みづくりを検討していくとしています。放課後の居場所づくりについては、障害の種別や家庭の事情などさまざまな課題がありますが、制度のはざまで対策がおくれていた子どもたちや保護者にとって、選択肢が広がるということは画期的であります。そこで、都教育委員会は、特別支援学校における障害児の放課後の居場所づくりに向け、来年度から早速モデル事業を開始すべきであります。見解を伺います。一方、公明党が提唱し、今年度創設された放課後子ども教室は、地域のすべての小学生を対象とするものですが、受け入れ規模は実施主体である区市町村の判断によるため、現状では特別支援学校の児童の受け入れはほとんど進んでおりません。特別支援教育の理念からも、居住する地域においても子どもたちが放課後子ども教室に参加できるよう、都としても受け入れの促進を図るべきと考えます。所見を伺います。次に、公共交通の利便性の向上について質問いたします。「十年後の東京」では、交通インフラのゆとりを生かし、快適で環境に負荷をかけない都市生活を実現するとしています。その実現のためには、発達した東京の交通機能を最大限に活用して、公共交通の利便性をさらに高め、利用促進を図っていくことが重要であります。首都圏では、ことしの三月からICカード乗車券PASMOが導入され、ほとんどの鉄道とバスが一枚のカードで利用できるようになり、現在では、Suicaと合わせて二千九百万枚も普及しております。一枚のICカードは、交通のみならず、電子マネーなどさまざまな情報・利便拡充の可能性があります。こうしたICカードをさらに活用するなど、サービスの充実により公共交通の質の向上を図っていくことが重要であると考えます。所見を伺います。都営交通では、PASMOの導入に伴い、電子マネー機能を生かして花粉症対策に活用しております。こうした取り組みをさらに発展させ、ICカードを利用したサービスとして、都の施策と都民のニーズを合致させた利点をICカード乗車券に付加し、都営交通の利用を促進していくべきです。東急電鉄や小田急電鉄では、PASMOを利用して、子どもが改札機を通ると、その情報を保護者等に伝えるサービスを行っておりますが、都営交通においても、こうしたサービスを、子どもだけでなく、ストーカー被害が心配される女性や高齢者、障害者の見守りシステムの一環としてサービスの拡充を検討すべきであります。見解を伺います。次に、小笠原振興について伺います。私は、去る十月、都議会公明党調査団の一員として、小笠原諸島振興開発計画の進捗状況の確認を行い、世界自然遺産登録のほか、村民の目線から諸課題について現地調査をしてまいりました。世界自然遺産に向けては、小笠原の自然が恒久的に保全されていくような取り組みの強化が大切であると痛感いたしました。何より外来種対策が喫緊の課題ですが、特定の外来種根絶までには相当の年数がかかるため、対策は世界自然遺産登録後も視野に入れ、実効性を高めていく必要があります。また、村民や島を訪れる人が遺産について理解を深め、自然を守っていこうという意識の向上も図っていくべきであります。あわせて所見を伺います。都は、ことし六月、二十五年ぶりに南硫黄島の調査を行いました。都は、ここで得られた成果を小笠原の自然価値の証明だけに活用するのではなく、ありのままの自然の姿を子どもたちや多くの都民にも積極的に伝え、発信していくべきであります。所見を伺います。次に、小笠原村の情報通信について伺います。現在、村の各家庭に光ケーブルが配備され、村の情報ネットワークが推進されております。しかし、肝心な内地との通信体系は、インターネット、テレビ放送ともに依然として衛星に頼っております。インターネットにおいては、速度が遅く、時間がかかり、通信料も高額となっています。村民との懇談の中で、ある教員からは、授業の中で情報を活用するための資料を生徒とともに検索するが、時間がかかり、検索だけで授業時間が終わってしまったという事例や、島内でだれかが大容量の通信を行うと、他の通信が非常に遅くなってしまうといった問題点が出されました。また、テレビ放送については、二〇一一年のデジタル化に向け、整備が間に合うのか非常に心配です。こうした情報通信の課題を一刻も早く解決するためにも、海底ケーブルの設置など、具体的な整備に都と国が全力を尽くすべきであります。見解を伺います。また、父島に唯一の扇浦浄水場は、かなり老朽化しており、さらに海面に近い位置にあり、津波などによる水没の危険が指摘をされております。二千人の島民と来島者などの生命の源となる安全な飲料水の確保について、都は着実な支援を行うべきであります。所見を伺います。次に、島しょ振興に関連して、三宅島のモーターサイクルイベントについて伺います。このイベントには、都議会公明党からも三名が三宅島に行きましたが、エキサイティングな走行や、声援を送る島民の姿に大きな感動を覚えたとのことでした。このイベントは初めての試みでありましたが、事故もなく、十分に成功したといえます。島の復興の観点から、今回の具体的成果について所見を伺います。復興の起爆剤にとの趣旨からすれば、今後も継続して実施し、島の名物として定着を図る必要があります。例えば、子どもたちが参加できる内容を新たに盛り込むことや、よりショーアップする工夫などにより、イベントの魅力はさらに増すと思います。継続実施に向け、都は、企画内容を含めて島の取り組みを積極的に支援すべきであります。所見を伺い、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)伊藤興一議員の一般質問にお答えいたします。少子高齢化対策についてでありますが、人口減少時代がもう現実のものとなりまして、人口の右肩上がりを前提とした我が国の社会システムというものを、新しい時代に見合ったものへと変革していかなきゃならない時期に差しかかってまいりました。これはもう焦眉の問題だと思います。都はいち早く、サービスの利用者を重視した福祉や医療の改革を進めてまいりましたし、民間、地域、行政それぞれの力を最大限に生かした効率的、効果的な施策を展開してきたつもりでございます。今後、将来を担う子どもたちが健やかに育ち、高齢者も安心して暮らせる社会の実現に向けて、大都市東京にふさわしい福祉・保健・医療サービスをさらにきめ細かく充実し、確かな安心を次の世代に引き継いでいきたいと思っております。他の質問については、教育長及び関係局長から答弁いたします。〔教育長中村正彦君登壇〕 # 教育長(中村正彦君) 教育長(中村正彦君)二点についてお答え申し上げます。まず、放課後の居場所づくりの実施に向けた検討についてであります。お話のとおり、都立特別支援学校における放課後の居場所づくりを含め、外部の教育資源を活用した特別支援学校を支援する仕組みづくりを第二次実施計画で新規に打ち出したところであります。児童生徒等の自立と社会参加を促進するに当たっては、教員だけでは限界がありまして、学校を利用した放課後の居場所づくりや、土曜日、日曜日、長期休業中の余暇活動など、さまざまな場面を通じて幅広い社会の多様な人々の支援を受け、交流や連携を進めることが重要であります。これらの事業につきましては、早急にモデル事業を実施し、その成果を踏まえ、都立特別支援学校が地域の理解と協力を得ながら定着していくことを目指してまいります。次に、地域の放課後子ども教室での受け入れ促進についてであります。都教育委員会では、平成十九年度においても、東京都放課後子ども教室推進委員会を活用いたしまして、障害児の受け入れに関する課題検討を行うとともに、放課後子ども教室を支えるコーディネーターや安全管理員等を対象に、障害児理解をテーマとした研修を実施してきたところでございます。今後も、引き続きこうした取り組みを充実させるとともに、各区市町村の障害児の受け入れの先進的な取り組み事例などを紹介するなど、情報提供を拡充してまいります。さらに、国に対しても、放課後子ども教室の制度趣旨の徹底を図るとともに、障害児の受け入れ促進につながるバリアフリー化や介護への補助等の条件整備を行うよう、強く要望してまいります。〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕 # 福祉保健局長(安藤立美君) 福祉保健局長(安藤立美君)少子高齢化問題など四点についてお答えをいたします。まず、子どもの事故予防のためのシミュレーションソフトについてでございますが、このソフトは、子どもの目線の疑似体験などを通じて、保護者が身近な日常生活で起こり得る子どものさまざまな事故の予防策をわかりやすく学べる内容で、来年一月に完成する予定であります。完成後は、子育て中の親が地域でソフトを利用できるよう、区市町村における事故予防教室の開催や、事故予防コーナーの設置などの取り組みを支援し、普及啓発に努めてまいります。乳幼児突然死症候群、いわゆるSIDSの予防策につきましてもソフトの中に取り入れ、保護者の注意を喚起してまいります。次に、子育て家庭の孤立化防止についてであります。核家族化や近隣関係の希薄化が進む中、子育て家庭の地域での孤立化を防ぐためには、身近で相談できるパートナーを持つことが有効であります。このため、都は、あらかじめ登録を行った子育て家庭が、民間保育所で育児相談、保育所体験などのサービスを受けるパートナー保育登録制度を創設いたしました。また、ご提案の子育てのパートナーを明示するカードや、パートナーの手引書の作成などについて、地域の実情に応じて自主的に取り組む区市町村を支援するとともに、こうした先駆的な取り組みについて周知を図ってまいります。今後とも、都は、子育て家庭の孤立化の防止に向け、実効性のある施策を着実に推進してまいります。次に、介護サービス現場からの意見の把握についてでありますが、都はこれまでも、介護サービス事業者の団体からの提言や要望、また、区市町村が実施をしている事業者連絡会での情報などを含め、介護サービス現場の現状把握に努めてまいりました。さらに、平成十八年の介護保険法の改正により、事業所の指定更新制度が導入されましたことから、都は今月から、更新対象事業所の管理者等を対象とした研修会を順次開催することとしており、この機会を活用し、ご指摘の事業者の意見や現状を把握するためのアンケートを実施いたします。これらにより得られた意見等を、介護保険制度の円滑な運営や、国への提案要求の際の参考としてまいります。最後に、父島における安全な飲料水の確保についてであります。父島におきましては、小笠原村が経営する簡易水道事業により飲料水を確保しており、都はこれまでも、村の水道施設の整備への財政的、技術的支援を行ってまいりました。また、現在、村に対しまして、安全な水の供給確保など、水道事業の目指すべき将来像と具体的な方策や工程を示す長期計画であります地域水道ビジョンを平成二十年度までに策定するよう指導しております。今後とも、小笠原村が安全な飲料水を提供できるよう、この地域水道ビジョンに基づき実施をする老朽化した浄水場の施設整備等に対しまして、必要な支援を行ってまいります。〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕 # 都市整備局長(只腰憲久君) 都市整備局長(只腰憲久君)公共交通の質の向上についてでございます。公共交通は、都民の日常生活や経済活動にとって大変重要な都市インフラでございます。都はこれまでも、交通事業者とともに、駅施設のバリアフリー化や地下鉄の駅ナンバリング導入など、利便性の向上に努めてまいりました。お話のICカード乗車券でございますが、首都圏のほぼすべての公共交通機関で利用できるなど、利便性の高さから広く普及しておりまして、その多様な活用の可能性につきまして、国や鉄道事業者などと情報の交換をしていくことが有益であると考えております。今後とも、ハード、ソフト両面にわたる総合的な観点から、東京における公共交通の質の向上を推進してまいります。〔交通局長島田健一君登壇〕 # 交通局長(島田健一君) 交通局長(島田健一君)PASMOなどのICカード乗車券を利用したサービスについてお答えいたします。交通局ではこれまでも、ICカード乗車券について、都の行政施策に活用できるものにつきましては、検討の上、その実現を図ってまいりました。具体的には、都立施設の入園料の支払いや都営地下鉄駅構内の店舗等での買い物にICカード乗車券を利用していただきますと、その料金の一部が花粉の少ない森づくり運動に寄附される取り組みであります。このように、行政施策と連携が可能なものにつきましては、引き続き協力してまいります。ご指摘の東急電鉄等のサービスにつきましては、今後の利用状況や費用対効果等を把握するなど、総合的に勘案し、検討してまいります。〔環境局長吉川和夫君登壇〕 # 環境局長(吉川和夫君) 環境局長(吉川和夫君)小笠原諸島の自然に関する二点のご質問にお答えいたします。まず、世界自然遺産についてでございますが、小笠原諸島の自然を遺産として登録し、登録後も適正に保全していくためには、これまで以上に実効性の高い外来種対策の実施と、地元住民などの自然遺産への理解と協力を深めることが不可欠であると認識しております。外来種対策につきましては、現在の種ごとの対策に加え、新たに、環境省、林野庁、小笠原村と共同して、島ごとに重点的に取り組む内容を取りまとめ、きめ細かに連携をとりながら実施してまいります。また、地元住民や来島者の意識を高めていくため、今年度、遺産としての価値を解説したパンフレットを作成し、村の全世帯や客船の乗客などに配布して普及啓発に努めておりますが、来年は小笠原返還四十周年に当たることから、この機をとらえ、小笠原村と連携し、さらなる普及啓発に努めてまいります。次に、南硫黄島自然環境調査結果の活用についてでございますが、独自の進化を遂げている新種のカタツムリが生息するなど、世界でも類を見ない南硫黄島の自然環境は、世界自然遺産に値するだけでなく、人間の影響を受けていない生態系の姿などを学ぶことのできる貴重な自然教材であると認識しております。現在、手つかずの自然の様子をホームページで公開するとともに、各種イベントでも紹介しておりますが、今後、詳細分析した内容も加え、その生態系のすばらしさなどについて、次世代を担う子どもたちを初め多くの都民の理解が深まるよう、調査隊員の体験談や動画を活用するなど、より一層工夫して情報発信してまいります。〔総務局長押元洋君登壇〕 # 総務局長(押元洋君) 総務局長(押元洋君)島しょ振興に関する三点のご質問にお答え申し上げます。まず、小笠原における情報通信体系の整備についてでございます。地理的条件、経済性などから、本土と小笠原間のブロードバンド化が進んでいない状況にありまして、都といたしましては、小笠原の情報格差の解消を重要な課題と認識しております。この問題につきましては、国の検討会が、小笠原の情報通信環境の整備に関して基礎資料を取りまとめたところでございまして、今後は関係機関の間で具体的な調整を図ってまいります。次に、小笠原村のテレビ放送につきましては、平成八年四月から通信衛星を利用した地上波放送の視聴が可能となっておりますが、ご指摘のとおり、平成二十三年の七月に予定をされております地上波デジタル化への完全移行に伴い、現行の設備では視聴することができなくなります。このため、本年四月に、国、都、小笠原村、放送事業者等関係者から成る専門部会を設置いたしまして、今後のあり方について協議を開始したところでございます。現在、技術的課題などの調査を行っておりまして、平成二十三年の完全移行に向け、伝送方法、事業主体、運営方法などにつきまして、関係者間で具体的な検討を進めているところでございます。次に、三宅島モーターサイクルフェスティバルの成果についてでございます。イベント期間中は、関係者を含め一千人近くの方が島を訪れました。オープニングパレードでは約千六百人もの島の方が沿道で声援を送るなど、参加者との親密な交流が繰り広げられまして、最終日には島民の熱烈な見送りが桟橋で行われるなど、大きな盛り上がりを見せたところでございます。このイベントの成果といたしまして、三宅村では、かつてない大規模なイベントを成功させたことが島民に強い自信となったこと、また、島の復興ぶりと観光地としての魅力を広く全国にアピールすることができたことなどを挙げております。東京都といたしましても、今後、多くの観光客を呼び込み、島を活性化させる大きな足がかりになったものと考えております。最後に、三宅島モーターサイクルフェスティバルに対する支援についてでございます。今回イベントに参加した方々からは、ぜひ来年も開催してほしい、三宅島へまた来たいという声が相次いでおりました。また、島民の間でも、継続して実施することへの期待が高まっております。三宅島では、今回の成果を踏まえ、来年はさらに、島の内外を問わず、子どもたちを含めた幅広い年齢の方々が楽しめるようなイベントとなりますよう、次回の企画を検討すると聞いております。都といたしましても、観光振興に大きく貢献する三宅島ならではのイベントとして定着をするように、こうした取り組みを引き続き積極的に支援してまいります。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。午後五時二十九分休憩午後五時四十一分開議 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)休憩前に引き続き会議を開きます。質問を続行いたします。四十四番串田克巳君。〔四十四番串田克巳君登壇〕 # 四十四番(串田克巳君) 四十四番(串田克巳君)昨日の我が党の代表質問では、今後の人事執行体制のあり方について質問いたしましたが、人材の確保と育成について伺います。昨今の報道では、新規採用確保のための求人では、多くの企業が採用予定数を伸ばすなど、就職氷河期は終わり、求人難の時代に入ったといわれています。民間企業の中には、就職内定者に来年の求人活動の応援を呼びかけ、少しでも早く優秀な人材を確保しようという活動がなされているとのことです。都においても、団塊の世代の大量退職期を迎え、高度成長期を支えてきたベテラン職員が一気に職場を去る時期になりました。一方で、都はこの間、財政再建推進のため、組織のスリム化を目指し、職員採用を極力抑制する方策を進めてきました。国でも、官民一体となった構造改革によって公務員を減らし、小さな政府の実現が目標となっています。しかし、行政に寄せられる住民ニーズは多様化、高度化し、また複雑化しています。またさらには、行政改革などによって行政事務の民間への移譲が進んでいますが、構造設計偽装事件やコムスン問題などが発生し、行政庁による監視の強化が必要とされています。つまり、公務員には行政事務の受け皿となる民間を指導育成する能力も求められているのであります。また、東京は我が国の首都であり、大都市でもあることから、他の自治体とは異なるさまざまな行政課題を抱えており、都職員はこうした課題にも取り組まなければなりません。このように、公務員、とりわけ都の職員には、高い能力や職務に対する使命感といったものが求められる事例は幾つでもあると思いますが、さまざまな課題に果敢に挑む副知事を含めた都職員に求められる資質について、知事のお考えを伺います。都の職員採用については、毎年、全国自治体の中でもトップクラスの応募倍率であったと聞いておりますが、先ほども申し上げましたように、民間でも求人難が懸念される中で、優秀な人材の確保について都としてどのような対策をお持ちか、伺います。年金保険料の横領や官製談合事件など、公務員による不祥事も問題となっていますが、私は、都議会議員としての活動の中で、現場から本庁まで、まじめに骨身を惜しまず働く多くの職員の姿を見てきましたから、一部の不心得な人間の行動が許せない思いでいっぱいです。しかし、公金を扱う以上、一部であってもこのようなことが起こってはならないのも公務員であります。採用の段階で間違いのない人材を選ぶことも重要ですが、採用後の職員の資質の向上策も必要だと思います。また、地球温暖化への対応や観光、技術交流など、外国諸都市との都市間交流がますます重要となる中、職員の国際感覚を養うことも急務であります。都の人材育成の方策について伺います。次に、多摩地域の豪雨対策について伺います。最近、都内では、ヒートアイランドによる影響が一因ともいわれている集中豪雨がたびたび発生しており、くぼ地などの水はけの悪い場所や改修が進んでいない河川の付近などを中心に床上浸水等被害が生じています。また、ことしは七月の集中豪雨や九月の台風九号などにより、多摩地域でも浸水被害が発生しました。このような浸水被害は、区部、多摩地域を問わず、どこにでも同じように発生する危険性があり、多摩地域における対策についても区部同様重要であると考えます。東京都では、ことし八月に東京都豪雨対策基本方針を発表し、河川や下水道の整備はもとより、浸透ますの設置などの流域対策や水害に強いまちづくり、家づくりなど、ハードとソフトの両面から施策を推進しています。これらの施策を効果的、効率的に実現していくために、対策促進エリアが選定されていますが、この対策促進エリアの多くが区部にあることも事実です。河川流域としては野川流域などを含む七流域が選定されていますが、その選定理由について伺います。次に、豪雨対策を効果的に進めるに当たっては、河川や下水道に入る前に雨水の流出を抑制する雨水浸透ますなどの流域対策を進めていくことが大切です。この点、東京都豪雨対策基本方針では、豪雨による浸水被害が頻発している流域を対象に、区市が行っている個人住宅への浸透ます設置に対し助成額の一部を補助していくとしています。雨水浸透ますの設置については、以前に、我が党の遠藤議員が、野川流域の総合的な治水対策の雨水流出抑制施設の設置に関する今後の取り組みについての質問に対し、都庁内及び地元区市などと連携し、この取り組みを進めていくための連絡会を設置して検討を行うとの答弁がありました。そこで、この連絡会や多摩地域の関係市との検討を踏まえ、浸水被害が多い野川流域など流域対策に今後どのように取り組もうと考えているのか、具体的な内容について伺います。次に、豪雨対策においてその根幹となる河川整備ですが、平成十七年九月の集中豪雨では、中野区や杉並区など区部を中心に浸水被害が発生し、特に被害の多かった妙正寺川や善福寺川については、現在、河川激甚災害対策特別緊急事業が実施されています。多摩地域においても、近年、河川からの溢水による浸水被害が発生しており、区部同様、より一層の河川整備を進めていく必要があると考えます。そこで、多摩地域の河川整備の状況と今後の方針について伺います。多摩地域には四百十万の都民が居住しており、東京の産業や都市活動の重要な部分を担っています。豪雨等による浸水被害から都民の生命や財産を守り、これからも安心して住み続けられるよう、多摩地域においても今後とも豪雨対策を積極的に進めてもらいたいと考えます。次に、圏央道について伺います。圏央道については、本年六月に、あきる野インターチェンジから八王子ジャンクションまでの間が開通し、中央道と関越道がつながりました。このことにより、都内や近県からのアクセスが大幅に向上しました。この開通により、日の出町では企業進出により約二千人の雇用が増加するなど、地域や産業の活性化に大きな整備効果を上げています。しかしながら、圏央道の料金は他の高速道路に比べて割高であり、利用しにくいという声が、地元からも物流業者からも上がっています。六月の開通直前には、八王子市長が高い料金に抗議し、開通プレイベントをボイコットする出来事もありました。圏央道の利用促進に向け、八月から、国は料金割引の社会実験を実施しておりますが、この社会実験の成果が出ているか、また、都はそれに対してどのように評価しているのか伺います。せっかく整備した圏央道が有効活用されなければ、意味がありません。今回の社会実験の成果を踏まえ、圏央道をもっと使ってもらえるような料金体系を考えるべきと思いますが、都の所見を伺います。使いやすく、より機能的な首都の高速道路ネットワークをつくる上では、利用しやすい料金体系とすることはもちろんですが、東京方面へのハーフインターとなっている圏央道八王子西インターについて、埼玉県方面へもアクセスできるようフルインター化することが必要であります。地元市でもアクセス道路の整備に着手するなど、物流拠点の整備を目指して着々と準備を進めています。また、八王子西インターにおける埼玉県方面の交通需要は、計画当初よりも高まっています。圏央道八王子西インターのフルインター化実現に向けて、早期に着手することを強く要望し、次の質問に移ります。水道事業について伺います。今月の初めの新聞各紙に学校フレッシュ水道のことが掲載されているのを目にしました。学校フレッシュ水道とは、我が党がかねてから実施を促してきた公立小学校の水飲栓を直結給水化するモデル事業のことであります。記事によりますと、モデル事業を実施した小学校では、教員の水道水に対する満足度が大幅に上昇するとともに、水道水を飲む児童も増加したとのことです。東京の水道水のおいしさが着実に広まっていることを大変うれしく思います。そこで、モデル事業の現在までの実施状況と今後の見通しについて伺います。次に、水を供給する段階での新たな取り組みについて伺います。水道局はこれまで、高度浄水処理の導入を初めとしたおいしい水対策を推進してきました。平成二十五年度末までには利根川水系の全浄水場において、高度処理できるようになるとのことであり、都民も私も心待ちにしております。一方、安全でおいしい水を安定的に供給するためには、水を送り出すためのポンプ運転などで膨大なエネルギーを必要としています。水道局では、これまでも環境計画などを策定し、環境負荷低減への取り組みを進めていますが、それでもなお、都内の電力使用量の約一%を使用しています。水道施設をつぶさに見ますと、浄水場などにおいては、エネルギー使用量の抑制に向けたさまざまな対策が見られますが、給水所や約二万六千キロに及ぶ配水管に着目した取り組みには、まだ余地があるように感じます。こうした意味で、配水施設における残留塩素の低減化に取り組み始めたことは、大いに評価します。そこで、おいしい水対策に、よりエネルギー負荷の少ない方策を加えた新たな水供給の仕組みを構築すべきと考えますが、見解を伺います。次に、交通局が取り組んでいる観光客の誘致を促進するための新たな路線バスについて伺います。都では、観光を有力な産業としてとらえ、各種施策を実施しているところですが、今後は、東京オリンピックの誘致の観点からも、国内外へ東京の魅力を発信し、これまで以上に旅行者誘致に取り組んでいくことが必要であると考えます。東京は、いうまでもなく、江戸以来の独自の文化や豊かな食などの多様な魅力が集積されるなど、観光面でのポテンシャルが高いと思われます。このポテンシャルを生かす取り組みが求められているのではないでしょうか。本年二月の予算特別委員会において、我が党の質問に対し、交通局長から、これまでの都営バスは主に通勤や通学など都民の身近な足として役割を果たしてきたが、今後は観光客の誘致や利用を促進する新たな路線バスを導入する必要があるとの答弁がありました。新たな路線バスについては、観光客の誘致に貢献できるとともに、地元振興にも寄与する重要な取り組みであると考えます。この新たな路線バスについての取り組み状況についてお伺いし、私の質問を終わります。どうもありがとうございました。(拍手)〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)串田克巳議員の一般質問にお答えいたします。都職員に求められる資質についてでありますが、東京は世界を代表する成熟を遂げた大都市であり、日本の頭脳部、心臓部でもあります。今後の東京の発展が日本の命運そのものを左右するといっても過言ではないと思います。都職員は、このような首都東京の現場をじかに行政を通じて扱う、いわばプロ中のプロでなくてはならず、また、日本の未来を切り開くフロントランナーでなくてはなりません。その立場は、国にも他の自治体にもない首都公務員というべきものでありまして、それゆえに都職員は、日本全体を牽引していく自負や、既存の枠組みに縛られない大胆かつスピーディーな行動力、発想力、そして現場を持つ強みを生かして、独自の政策を企画、実行する能力などが強く求められると思います。同時に、地方政府のリーダーとして、国に対してもはっきり物をいうことも必要であります。都はこれまでも、国の硬直した、いわゆるキャリア制度とは異なる独自の能力業績主義制度によりまして優秀な職員を育成し、公会計制度の構築など、全国に先駆けた数々の取り組みを行ってきております。今後も、オリンピックの招致など、直面する重要な課題に職員一人一人が積極的に取り組み、ラインをまたいで積極的に取り組み、首都公務員としての資質にさらなる磨きをかけるとともに、夕張市への職員派遣を初めとしまして、他の地方自治体への人的協力などにも一層力を入れていきたいと思っております。他の質問については、関係局長から答弁いたします。〔総務局長押元洋君登壇〕 # 総務局長(押元洋君) 総務局長(押元洋君)人材確保に関する二点のご質問にお答えを申し上げます。まず、人材確保についての対策でございますが、ご指摘のように人材獲得競争が激しさを増す中で、意欲と能力のある人材を確保するには、より幅広く希望者を募り、有為な人材を選抜していくことが不可欠でございます。このため、都では、今年度の採用試験から、大学院卒など公務に有用な経験を有する者を対象とした新たな試験区分の設定や、高い専門性を有する人材を確保するための試験を実施するなど、さまざまな取り組みを進めてまいりました。さらに今後は、都への就職希望者そのものをふやすことにも力を入れていく必要がございます。このため、ホームページや車内広告等のさまざまな媒体による情報の発信やインターンシップ制度の充実、大学への働きかけの強化など、都職員の魅力を伝えるための取り組みをこれまで以上に積極的に展開してまいります。次に、都の人材育成の方策についてでございますが、都は現在、昨年策定した東京都職員人材育成基本方針に基づきまして、人材育成を基軸に据えた人事管理を積極的に推進しているところでございます。具体的には、職員一人一人の意欲を引き出し、強みをはぐくむ配置管理を推し進めるとともに、OJTの徹底や自己啓発支援の強化、さらには研修の一層の充実などに取り組んでおります。また、オリンピック招致活動に代表されるように、高度な国際関係業務が増加をしておりますことから、今年度から、職務遂行力が高い職員を選抜し、語学力強化の研修を開始いたしました。さらに、今後は、首都公務員として必要な高度な語学力と国際感覚を養うため、海外に職員を派遣することなども検討してまいります。〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕 # 都市整備局長(只腰憲久君) 都市整備局長(只腰憲久君)四点のご質問にお答えをいたします。まず、豪雨対策促進エリアの選定理由についてでございますが、本年八月に策定した東京都豪雨対策基本方針では、効果的、効率的な豪雨対策を実現するため、都内全域を対象にしまして、浸水被害や降雨特性を踏まえ、河川流域や地下街などの地域単位で対策促進エリアを選定してございます。河川流域といたしましては、流域の特性や土地利用の状況などを踏まえまして、集中豪雨による被害が多い七流域を選定しておりまして、このうち多摩地域では、野川流域や石神井川流域などが含まれております。次に、流域対策の今後の取り組みについてでございますが、豪雨対策基本方針では、野川流域などの七流域におきまして流域対策を重点的に行うことによりまして、時間五ミリ相当の降雨に対する流出抑制効果を発揮させることとしております。これまでも都は、一定の条件を満たす開発行為に対しまして、区市と連携しながら、貯留槽や浸透ますなどの設置につきまして必要な指導を実施してまいりました。新たに今年度からは、浸水被害が頻発している地域を対象にしまして、個人住宅への浸透ます設置費用の一部を区市に対して助成をしております。さらに、七流域ごとに、総合治水対策協議会などを活用しまして、流域の特性に合わせたきめ細かな対策を進めていくため、豪雨対策計画を策定してまいります。次に、圏央道の料金割引社会実験についてでございます。圏央道では、高速道路網のさらなる有効活用に向け、料金引き下げによる交通量の変化を把握することを目的としまして、八月から、関越道、中央道間を全線利用する場合と中央道と連続利用する場合の二つにつきまして、料金割引社会実験が実施されております。十一月に国が発表しました速報によりますと、実験前と比較しまして、全線の利用交通が一六%、中央道との連続利用につきましては一三%、それぞれ増加をいたしております。都といたしましては、今回の社会実験の成果から、こうした料金施策が高速道路網の利用促進に大きく寄与するものと評価してございます。最後になりますが、料金体系についてでございます。本年七月、一都三県が共同いたしまして、環状道路の利用促進など首都圏の高速道路網を最大限利活用する料金政策につきまして、国策として実施するよう提言を行いました。十一月に国土交通省が発表いたしました道路の中期計画素案におきましては、利用しやすい高速道路の料金体系の構築が盛り込まれたところでございます。一方、都県の提言に盛り込まれました料金施策を実現するためには、原資となります安定した道路特定財源の確保が不可欠でございます。都といたしましては、引き続き、財源の確保とともに、圏央道を初め首都圏の高速道路につきまして利用しやすい料金体系とすることを国に強く求めてまいります。〔建設局長道家孝行君登壇〕 # 建設局長(道家孝行君) 建設局長(道家孝行君)多摩地域の河川の整備状況と今後の方針についてでありますが、水害から都民の命と暮らしを守るため、多摩地域においても区部と同様に、河川整備を進めていくことは重要でございます。これまで、護岸や調節池などの整備を鋭意進めてきた結果、五〇ミリ降雨に対する治水安全度は平成十八年度末で七四%になっております。引き続き、空堀川や野川など過去に溢水による被害が発生した河川や、鶴見川や湯殿川など流域の開発等により大規模な浸水被害が発生するおそれがある河川の整備を重点的に進めて、水害の早期解消に努めてまいります。整備に当たっては、治水機能を向上させ、安全を確保した上で、地域の自然に配慮し、緩やかな傾斜の護岸など水辺に近づける工夫をするとともに、水辺の生き物にも優しい多自然川づくりを進めてまいります。今後とも、地元自治体の協力や住民の参加を得て、安全で潤いのある川づくりに取り組んでまいります。〔水道局長東岡創示君登壇〕 # 水道局長(東岡創示君) 水道局長(東岡創示君)公立小学校の水飲栓直結給水化モデル事業についてでありますが、各区市町と協議を重ねてきた結果、夏休み期間を中心に二十五校において直結給水化を完了し、年度末までには三十一校が実施される予定となっております。実施校におきましては、教職員の立場から、水道水に満足しているとの回答が三割から六割へ増加し、学校の水道水を飲むと答えた児童も八割を超えるなど、大きな効果があったものと考えております。来年度末までに、全体の約三割に相当する四百校を対象として実施していく予定でございますが、モデル事業の効果につきまして、さまざまな広報によりPRに努めるとともに、引き続き、区市町と調整を重ねてまいります。次に、新たな水供給システムの構築についてでありますが、これまで、高度浄水処理の導入などおいしい水対策に取り組んできた結果、東京は、世界でも数少ない高いレベルの安全でおいしい水を供給しております。今後、このレベルを高め、さらにおいしい水を供給するため、残留塩素の低減化に向けて、送配水段階での追加塩素注入設備を整備してまいります。さらに、送配水施設のエネルギー管理に着目して、水道施設全体のエネルギーの使用状況を瞬時に把握し、送配水経路の最適化を図るなど、従来の水量、水圧をコントロールする水運用システムに、高い次元でのエネルギー対策を加えた水供給を目指してまいります。従来の水運用に、こうしたおいしさとエネルギー管理の視点を融合させた水供給段階での取り組みについて、新しい東京モデルの水供給システムとして構築してまいります。〔交通局長島田健一君登壇〕 # 交通局長(島田健一君) 交通局長(島田健一君)観光客などの誘致を促進するための新たな観光路線バスの取り組み状況についてお答えをいたします。この路線バスは、東京にある観光スポットを点から線へと結びつけ、東京の魅力を満喫できるよう導入するものであり、下町ルートと都心ルートを予定しております。このうち下町ルートにつきましては先行して実施することとし、外部有識者の意見を踏まえ、東京駅から秋葉原、上野、浅草などを経由して、両国までの経路としております。また、車両につきましても、首都大学東京との連携によりまして、観光路線バスと一目でわかる斬新なデザインといたします。今後、この下町ルートにつきましては、平成二十年度早期の運行開始に向けて取り組んでまいります。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)九十七番初鹿明博君。〔九十七番初鹿明博君登壇〕〔議長退席、副議長着席〕 # 九十七番(初鹿明博君) 九十七番(初鹿明博君)まず、子育て支援について伺います。我が国において少子化は、解決すべき大きな課題の一つです。子どもを産まないのは、経済的な問題と同時に、育児に伴う肉体的、精神的負担が大きいことも要因の一つと考えられます。東京は核家族が多く、子育ての悩みを相談する相手がいないなど、育児を母親が一人で抱え込み、無意識のうちにストレスがたまっているにもかかわらず、余暇などで気分転換をすることもままならないという方が多くいます。子育て中でも余暇や趣味などに時間を使うことができれば、精神的な負担を軽減することができると考えます。しかし、子どもを預かってくれる祖父母などが近くにいない場合は、子ども抜きで外出することが難しいのが現実です。子どもが生まれる前にはコンサートや展覧会に行くことが趣味だった方も、子どもが生まれてからは全く行かなくなったということをしばしば耳にします。子連れで行くこともできないことはないのでしょうが、子どもが途中で飽きてしまうのではないか、騒いでしまうのではないかなどの心配が先に立ってしまい、結局やめてしまうという方が大半だと思います。私も、美術館に子どもを連れていったことがありますが、途中で飽きてしまい、もう帰ろう、早く帰ろうとだだをこね、周りの人の迷惑になっているのではと落ち着いて絵を見るどころではなくなったという経験があります。子どものときから本物の芸術に触れさせたいという親の心は、なかなか子どもには伝わらないようです。このような心配をせずに芸術鑑賞ができるように、子どもを預かってくれる託児サービスがあれば、子ども連れで外出しても、子どもを預けて親だけでコンサートや美術館に立ち寄って落ち着いて芸術鑑賞ができ、育児のストレスも解消し、心身のリフレッシュにつながると思います。東京都は、東京芸術劇場や東京文化会館というコンサートホールや東京都現代美術館や江戸東京博物館などの美術館、博物館を持っています。芸術劇場や文化会館で開催されるコンサートの中には、主催者が託児サービスを行っているものも一部ありますが、すべての公演というわけではありません。現代美術館や江戸東京博物館などでも託児サービスがあれば、子育て世代も気軽に芸術鑑賞ができ、大変喜ばれると同時に、利用者増にもつながると考えますが、所見を伺います。東京は、世界に誇れる文化都市にふさわしく、都の施設以外にも、多くの美術館、博物館、コンサート会場があり、マスコミでも大きく取り上げられるような展覧会やコンサートも頻繁に開催されています。これら都の施設以外で行われるコンサートや展覧会でも同様のサービスが提供されるようになることが望ましいと考えます。芸術鑑賞に限らず、行政も民間もともに、子育て中の方々が気軽に外出しやすい環境を整えていくことが求められているのです。子どものいない方も子どもが欲しいと思うようになり、わずかではあるかもしれませんが、少子化の解消につながるのだと思います。東京都は民間とも協力しながら、子育て中でも外出しやすい環境をどのようにつくっていくのか、所見を伺います。次に、バリアフリーのまちづくりについて伺います。ハートビル法や交通バリアフリー法の施行により、駅や公共施設、商業施設のバリアフリー化が進み、町中で障害を持つ方々を多く見かけるようになりました。東京都も平成七年に東京都福祉のまちづくり条例を制定し、バリアフリーのまちづくりを積極的に進めており、高齢者、障害者のみならずすべての方が暮らしやすい環境をつくっていこうとするユニバーサルデザインの考え方も徐々に浸透しています。バリアフリー新法が制定され一年がたとうとしていますが、さらなるバリアフリーを進め、障害のある方もそうでない方も今以上に暮らしやすい東京をつくるという観点で何点か質問をいたします。視覚障害者がまちを歩く上で、点字ブロックが重要な役割を果たしていることはいうまでもありません。現在、道路や駅、公共施設、商業施設への点字ブロックの設置が進み、視覚障害者も安心してまちを歩くことができるようになりました。私たちもまちを歩いていて、角々に点字ブロックが設置されている交差点を目にすることが多くなりました。この点字ブロックによって、視覚障害者は交差点に差しかかったことがわかり、危険がないか注意して交差点を横断することができるようになっています。しかし、横断歩道内には点字ブロックがないために、横断歩道を斜めに横断してしまい、反対側の歩道にきちんとたどり着くことができないことがあると聞きます。特に、スクランブル交差点や、横断歩道が歩道に対して直角ではない道路などを横断することは、視覚障害者には非常に難しいのだろうと思います。そこで、視覚障害者が安全に道路を横断できるようにするために、横断歩道上に点字ブロックを取りつける、いわゆるエスコートゾーンの設置を進めることが必要だと考えます。エスコートゾーンの設置に関して、交通管理者である警視庁の所見を伺います。視覚障害者のうち、全盲の方は二割程度で、大半の方は光を感じることができるなど、わずかながらも視力が残っています。点字ブロックが黄色なのは、弱視の方もどこに点字ブロックがあるのかを識別できるようにと配慮されてのことです。しかし、黄色く彩られた点字ブロックも、夜暗くなると、どこに設置されているのか識別が難しくなってしまいます。最近では、夜暗くなったときにも設置場所がわかるようにと、光る点字ブロックというものもつくられるようになりました。光る点字ブロックの設置が進めば、視覚障害者が夜暗くなった後でも、今まで以上に安心してまちを歩くことができるようになると考えます。先日、この光る点字ブロックが設置されている埼玉県の蕨駅に行き、実際にこの目で見てきました。思った以上に明るく、二秒間隔で点滅もしているため、視覚障害者だけでなく、だれもが点字ブロックの存在に気がつくという効果があると感じました。点字ブロックがあることに気がつくことで、点字ブロックの上に看板を置いたり、自転車を放置したり、点字ブロックにつまずいたりということも少なくなると期待できます。東京都においても、この光る点字ブロックの都道への設置を検討すべきと考えますが、所見を伺います。八月から障害者の駐車禁止除外制度が変わり、車両に対してではなく、障害者本人に駐車禁止除外標章が配布されることになりました。一部対象から外れてしまう方がいるという問題点はあるものの、対象者も拡大し、障害者にとって利用しやすい制度となったことにより、今まで以上に多くの障害者が車を利用してショッピングやレジャーなどに出かけることが予想されます。今では、公共施設のみならず、ホテルやデパート、スーパーなど、人の集まる施設に障害者用の駐車スペースの整備が進み、出入り口近くに駐車することができるようになっています。しかし、駐車スペースの整備は進んできていますが、障害者がいざそこに駐車しようと思っても、健常者が車をとめていて、肝心の障害者がとめられないことが多くあると聞きます。海外では、障害者用駐車スペースを利用できる者を特定したり、健常者が駐車した場合に罰せられる国もありますが、我が国では、個々人のモラルに任されているだけです。先日、関越道のサービスエリアにトイレ休憩で立ち寄った際、トイレの前に設置された障害者用駐車スペースに国産の高級車がとめられていました。とめた方も多少の後ろめたさがあったのか、小走りで車に戻ってこられ、さっと飛び込むように車に乗り込んでその場を立ち去っていきました。経済的に豊かそうな方が、心が豊かだとはいえないような行動をした場面に直面して、私は大変寂しい気分になりました。このように、障害者用の駐車スペースに健常者がとめてしまうことなどをなくす試みとして、佐賀県では、利用証を交付することで障害者用駐車スペースを利用できる方を明らかにするパーキングパーミット制度を全国で初めて導入しました。この制度は、歩行が困難な方として、身体に障害のある方のみならず、けが人や妊産婦など一時的に歩行困難になった方に対しても、一年未満の有効期間を設けて利用証を発行することとしています。こうした制度を東京都においても取り組んでいくべきと思いますが、所見を伺います。次に、物流と地球温暖化対策について伺います。大井ふ頭は、東京港の外貿コンテナ取扱個数の六割を取り扱う日本を代表するコンテナふ頭であり、一大物流拠点です。日本を代表するコンテナふ頭であるがゆえに、当然ながら、多くのコンテナ車両が集中しています。先日、ふ頭内で働く方々と一緒に、この大井ふ頭周辺を車で通過する機会がありました。ちょうどコンテナ船の荷おろしが始まったところに遭遇したのか、周囲の道路はコンテナ車両が長蛇の列をつくり、ひどい混雑を生み出していました。ほとんどがふ頭のゲートに入るために並んでいる車両でしたが、道路左側に寄せてエンジンをかけながらとまっている車両も多く見受けられました。中には、ドライバーが足をほうり出して熟睡をしている車両もありと、相当数の車両がアイドリングしたままとまり、混雑の原因となっていると同時に、地球温暖化の原因であるCO2をまき散らしていました。コンテナ車に周りを囲まれてしまい、前方の状況を確認しようと窓をあけて顔を出したところ、都内の空気は排ガス規制の効果できれいになっているはずですが、ここの空気はというと、強烈な排気ガスのにおいが鼻をつくほどで、大変驚きました。コンテナ車両は、ゲートの状況に応じて少しずつ進まなければならないため、アイドリングを完全にとめることは難しいでしょうが、この状態は、地球温暖化防止の観点からすると非常に問題があると感じました。また、この周辺道路は当然一般車両も通行しますし、路線バスも走っています。曜日や時間帯により混雑状態は異なりますが、ふ頭とは直接関係のない車両の通行にも大きな支障を来すことがあるのは望ましいものではありません。このような状況を踏まえて、都はコンテナ専用レーンをつくり、一般車両の分離を図るなどの努力をしていることも承知をしておりますが、わずかずつでもこの混雑を改善していく必要があると考えます。そこで、大井ふ頭周辺道路の交通渋滞の解消に向け、さらなる取り組みが必要であると考えますが、所見を伺います。さて、この道路状況を見ていて、アイドリングと地球温暖化の関係について改めて考えさせられました。都では、駐停車する際のアイドリングストップを義務づけていますが、エンジンをとめたくてもとめられない状況もあるということも考慮しなくてはなりません。高速道路のサービスエリアなどで、長距離トラックのドライバーが車内で仮眠をとっているところを目にすることがしばしばあります。長距離、長時間運転するドライバーが休息、とりわけ仮眠をとることは、健康管理や事故防止の観点からも必要なことだと思います。車をおりて室内で横になることができればベストでしょうが、施設の有無やコストの面から考えても、車内で仮眠をとることはやむを得ないのが現実です。車内での仮眠は、冷暖房を使用するためにアイドリングしっ放しになります。駐車中はエンジンをとめる方が望ましいとは思いますが、暑い夏や寒い冬にアイドリングストップし、冷暖房を我慢しろというのはちょっと酷だと思います。先日、東京電力と日野自動車が共同開発し、運用が始まった外部電源式アイドリングストップ給電システムを視察してまいりました。このシステムは、駐車中のトラック等の空調のため、駐車場に設置された給電スタンドから車両に電力を供給するシステムで、エンジンをかけずに冷暖房を使うことができるので、CO2の削減だけでなく、燃料費のコストダウンにもつながり、運送事業者にとってもありがたいものです。しかし、このシステムを使用するには、外部電源を使用できる冷暖房装置を装着する必要があり、事業者の負担が大きいという課題があります。このシステムの高速道路のパーキングエリアなどへの設置が進めば、長距離ドライバーが休息時にアイドリングをストップすることとなり、自動車から排出されるCO2が削減され、地球温暖化の防止につながると考えます。自動車からのCO2の削減を進めるためにも、都としても給電スタンドの設置補助や車両への外部電源式の冷暖房装置装着に対する補助制度を創設することを提案しますが、所見を伺います。さて、東京都は「十年後の東京」で、二〇二〇年までに二〇〇〇年比でCO2を二五%削減することを打ち出しています。この目標を達成するためには、新たな技術開発が進むことが不可欠です。地球温暖化防止に向けた取り組みを進めるためにも、都として民間事業者の新たな取り組みを促進していく必要があると考えますが、知事の所見を伺い、質問を終わります。(拍手)〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)初鹿明博議員の一般質問にお答えいたします。地球温暖化防止に向けての取り組みについてでありますが、地球温暖化の危機はもう現実のものとなっておりまして、今後十年程度の間に思い切った対策を打たなければ、ポイント・オブ・ノーリターンを過ぎてしまって、地球に破局的な事態を起こしかねないというのが通説になってまいりました。例えば、NASAのハンセンという学者、教授は、このままでいくと十年後には北極の氷は全部溶けるだろうということをいっています。こうした事態を回避するためには、行政はもとより、民間事業者など、すべての主体がその役割と責任に応じて、我が国の有するすぐれた環境技術を最大限に活用し、温暖化対策の強化に取り組むことが必要であると思います。都は、大規模事業者への排出削減義務づけなど、実効性の高い施策を実施することによりまして、技術開発を促進し、最新の省エネ対策や再生可能エネルギーの活用を全面的に展開していきたいと思っております。ご指摘の大型トラックのアイドリングシステムにしましても、こうした環境にかかわる技術、商品が環境にプラスするという、そういう製品、技術に関しては、結果としてそれが非常にもうかるという経済社会を構築していく必要があると思います。他の質問については、警視総監及び関係局長から答弁します。〔警視総監矢代隆義君登壇〕 # 警視総監(矢代隆義君) 警視総監(矢代隆義君)いわゆるエスコートゾーンの設置についてお答えいたします。エスコートゾーンは、視覚障害者の方々が、横断歩道上を方向を見失うことなく最短距離で歩行できるよう設置する点字ブロックであり、平成十八年十二月に施行されたバリアフリー新法により全国的に整備が進められようとしているものであります。当庁におきましても、横断歩道における視覚障害者の安全性を向上させるため、その整備を推進することとしており、法に基づき区市町村が基本構想を策定した二十一区市、五十の重点整備地区について、基本構想の目標年次であります平成二十二年度に向け、三カ年計画で計三百九十五カ所の横断歩道に整備していくべく、予算要求しているところであります。〔生活文化スポーツ局長渡辺日佐夫君登壇〕 # 生活文化スポーツ局長(渡辺日佐夫君) 生活文化スポーツ局長(渡辺日佐夫君)美術館、博物館の託児サービスについての質問にお答えいたします。音楽会やコンサート会場の託児サービスは既に一部で行われておりますが、美術館では極めてまれでございます。そうした中で、今年度、現代美術館で開催された展覧会において、母の日、父の日に託児サービスを実施いたしました。利用者は、二日間で合わせて九人と少ない人数ではありましたが、久しぶりに気兼ねなく楽しむことができたと大変好評でございました。今後の託児サービスの実施につきましては、託児スペースの設定、確保、安全対策、費用負担などの課題を考慮すると、簡単ではございませんが、展覧会の主催者とも協議しながら検討してまいります。〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕 # 福祉保健局長(安藤立美君) 福祉保健局長(安藤立美君)二点についてお答えをいたします。まず、子育て中でも外出しやすい環境づくりについてであります。子ども連れでも気軽に外出できる環境づくりは、親の育児のストレスを軽減するとともに、子育て家庭の地域での孤立化を防ぐためにも重要であります。都は、先般、社会全体で子育てを応援する機運を一層高めていくため、行政、企業、NPO、マスコミなどで構成する子育て応援とうきょう会議を設置いたしました。この会議を活用して、子ども連れでも利用しやすい施設等の情報を幅広く紹介することなどによりまして、子育てしやすい環境づくりに取り組んでまいります。次に、障害者用駐車スペースについてであります。都におきましては、高齢者や障害者を含めたすべての人が安心して快適に過ごすことのできるユニバーサルデザインの考え方に立った福祉のまちづくりを推進しております。都としては、こうした考え方のもと、障害者用駐車スペースの整備促進を図るとともに、一般の車が駐車することがないよう、利用者マナーの向上など適正利用について一層の普及啓発に努めてまいります。なお、お話のパーキングパーミット制度を巨大都市に導入するには、課題があるというふうに認識をしております。〔建設局長道家孝行君登壇〕 # 建設局長(道家孝行君) 建設局長(道家孝行君)都道への光る点字ブロックの設置についてでありますが、都は、福祉のまちづくりを推進するため、歩道の勾配や段差の改善、視覚障害者誘導ブロック、いわゆる点字ブロックの設置などのバリアフリー化に取り組んでおります。点字ブロックにつきましては、東京都福祉のまちづくり条例の整備基準に基づき、弱視の方にも配慮した黄色のブロックを原則として設置しております。ご提案の光る点字ブロックにつきましては、通常のものと比べコストや耐久性の面で課題があるため、その有効性も含め、今後研究してまいります。〔港湾局長斉藤一美君登壇〕 # 港湾局長(斉藤一美君) 港湾局長(斉藤一美君)大井ふ頭周辺の交通渋滞解消に向けました取り組みについてお答えいたします。東京港における物流効率化と環境対策の観点から、渋滞の解消は喫緊の課題であると認識してございます。このため、平成十七年度に既存道路を改良してコンテナ車両の専用レーンを新設し、ふ頭背後の道路とコンテナターミナル間のスムーズな動線づくりを行うとともに、一般車両との分離を図ったところでございます。また、道路の主要な地点三カ所にウエブカメラを設置し、交通情報をリアルタイムに提供することによりまして、特定時間帯へのコンテナ車両の集中を避けるなどの対策を講じてまいりました。今後も、こうした取り組みに加え、コンテナターミナルの外に空コンテナ置き場等を整備することによりまして、コンテナ車両の分散化を図るなど、大井ふ頭周辺の交通渋滞の解消に向けまして、関係事業者と連携し取り組んでまいります。〔環境局長吉川和夫君登壇〕 # 環境局長(吉川和夫君) 環境局長(吉川和夫君)トラックのアイドリングストップについてでございますが、お話のシステムは、トラックが駐車時にエンジンをかけずに外部の電力を使うことにより車内の冷暖房装置を動かすものであり、CO2の排出削減に効果がございます。長距離トラック等は、駐車の際にエンジンを動かしながら休憩していることが多いことから、このシステムを開発した事業者は、全国四十カ所のトラックステーションや高速道路のサービスエリアなどを今後の導入候補地としております。これを踏まえ、国におきましては、広域的観点から、今年度、主なトラックステーション等を対象に、このシステム事業への補助を開始しました。都といたしましては、この事業の進捗を見守っていくとともに、引き続きアイドリングストップの普及及び指導に努めてまいります。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)二十三番高木けい君。〔二十三番高木けい君登壇〕〔副議長退席、議長着席〕 # 二十三番(高木けい君) 二十三番(高木けい君)最初に、産業振興について伺います。都は、「十年後の東京」の実現を産業振興の面から推進する産業振興基本戦略を本年三月発表し、これを着実に具体化するための指針を近々策定すると聞いています。東京の中小企業は、都内事業所の九九%を占め、従業者の七割が働く場であるなど、ものづくり、流通、サービス等産業活動全般にわたり、東京の活力の源となっています。つまり、東京の産業を支える圧倒的多数の中小企業の活性化なくして、東京の産業の発展はないといえるでしょう。ところが、国際競争が激化する中、中小企業は今、大変厳しい経営環境にさらされています。十月の民間調査機関の報告によると、販売不振など不況型倒産の増加により、全国の倒産件数は対前年比十三カ月連続で増加していますが、一方で、負債総額は減少傾向にあります。これは、同報告で負債一億円未満の倒産が前年比二三%増加していることも指摘しているとおり、中小零細企業の倒産が特に深刻化していることを示しています。加えて、現在の原油価格の高騰は、中小企業の経営環境悪化に追い打ちをかけ、先月、経済産業省が発表した調査結果でも、原油、石油製品価格の上昇により収益が圧迫されている中小企業の割合は九二・五%に上っています。都の税収を見ても、景気は確実に回復基調にあるといわれていますが、一方で、中小企業にその恩恵は届いておらず、大企業との格差は確実に拡大しています。私は、今、都に求められているのは、産業のすそ野を支える中小企業が直面している厳しい経営環境を現場に即してしっかり掌握し、その活力を少しでも高めていくことだと考えます。そこで、石原知事に、この現状を踏まえ、今後の東京の産業政策をどのように進めていくのか、伺います。次に、緑化対策について伺います。都が重点的に進めている緑化対策の柱の一つに、都内のすべての小中学校を対象に、二〇一六年までに三百ヘクタールの新たな緑のスペースを創出する小中学校の校庭芝生化事業があります。校庭の芝生化は、町の緑被率、緑視率の向上はもとより、夏場の体感温度の低下に加え、子どもたちが元気に遊び回るようになること、身近な自然が心をいやしてくれること、維持管理を子ども、地域住民、保護者が協働で行う仕組みをつくることで、親と子、学校と地域のコミュニケーションが大変に深まることなど、ただ単に東京の緑を創出するだけでなく、さまざまな効果を生み出す投資効果の高い事業であるといえ、既に芝生化が実施された都内の小学校の中には、地域に愛される学校をつくり、芝生を活用した授業などで全国の模範となるケースも出てきています。昨日の新聞に報道された都政モニターのアンケート調査では、「十年後の東京」構想の中で、今後重要と考える具体的政策の第四番目が校庭芝生化であったように、多くの都民はその政策に期待し、実現を心待ちにしていると考えられます。しかしながら、校庭芝生化をさらに普及させるには、克服しなければならない課題があることも事実です。私は先般、校庭芝生化で成功している学校を視察し、お話を伺う機会がありましたが、大きく二つの課題をご指摘いただきました。一つは、通年緑の芝生を維持しようとすると、春に夏芝の回復期間で約五十日、秋に冬芝の種まきと発芽、生育までに約二十日、合計年間約七十日間は確実に校庭が使えないこと。二つ目は、芝生の維持管理には、子どもと保護者及び教職員を初め、学校に関係するかなり多くの地域の方の情熱と物心両面での協力が不可欠であることであります。既に述べたように、校庭芝生化のメリットは多く、その政策は広く都民に理解されていると思いますが、今申し上げた二つの課題が多くの学校関係者に不安を抱かせています。したがって、都が定めた芝生化の目標を達成するには、養生期間の短縮と適切な時期の選定、維持管理に必要な造園技術の的確な指導助言、そして地域の協力を得ながら学校が円滑に維持管理を行っていくためのさまざまな支援策が必要であると考えますが、見解を伺います。次に、壁面緑化についてです。校庭芝生化の補助事業では、芝生化とセットで校舎等の壁面緑化も補助対象としています。先般発表されたオリンピック・パラリンピック開催基本計画においても、多様な生命が生きる、緑と水に囲まれた美しい都市東京を目指すことが宣言されていますが、学校などの壁面緑化は、目で見て緑を実感しやすい場所に設置され、広い面積を確保でき、なおかつ校庭芝生化よりも経費が安く、技術的にも容易な対策であることから、私はもっと高い評価がなされるべきで、将来に向けてより一層進めていくべき優先順位の高い政策であると考えます。そこで、壁面緑化は校庭芝生化とセットでの補助事業ではなく、単独での補助事業として、その普及に努める必要があると考えますが、その認識と今後の取り組みについて見解を伺います。続いて、緑化技術の開発促進とその活用についてです。先日、私はある民間の方から、植物の持つ光合成の仕組みを最大限引き出す技術の開発で、一本の親木から丈夫で成長の早い優良な苗木を大量に生産できる研究成果を伺いました。この技術を応用すると、例えば、歴史的価値が高く絶滅の危機に瀕している貴重な樹木から丈夫に育つ苗木を大量に生産することができるわけで、先月、その技術と成果が出展されたアグリビジネス創出フェア二〇〇七を視察し、そうして生産されたエドヒガンザクラ、センゲンシダレザクラなど、桜の中でも国立遺伝学研究所にしか残っていない希少品種の幾つかを拝見させていただきました。私は、このような技術こそ、石原知事が日ごろよくおっしゃる、たとえあした地球が滅ぼうとも、君はきょうリンゴの木を植えるの精神を、今確実に具現化できる手法ではないかと考えます。また、噴火によって緑が喪失してしまった雲仙普賢岳の緑の回復では、高度な緑化技術が使われたと聞きましたので、現在復旧作業が行われている三宅島の緑の回復にも最新の緑化技術が役に立つのではないかと考えます。そこで、緑化技術という点では、先ほど述べた学校の校庭芝生化においても、東京の環境に適した、耐久性にすぐれ、養生期間の短い、なおかつ維持管理もしやすい学校校庭用ともいうべき芝生の研究開発をまずは早急に進めるべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。既に、芝刈りをしなくても済むよう、四・五センチ以上成長しない芝生も開発されています。これらの緑化技術の開発動向を踏まえて、都としてさらに必要な技術開発に積極的に関与し、その成果を、二〇一六年に向けた東京の緑化対策に活用すべきと考えますが、見解を伺います。次に、まちづくりの諸課題について、まず北区十条地区防災まちづくりについて伺います。長年にわたって災害に強いまちづくりを目指してきた私の地元、北区十条地区は、まさに典型的な木造住宅密集地域で、地震による家屋倒壊だけでなく、火災も含めた防災性向上が急務といわれています。そこで、十条地区全体の防災まちづくりについて、まず、これまでの取り組みと成果を伺います。また、木密地域を効果的に改善するため、スピード感を持った事業として、都区連携で取り組んでいる補助八三号線沿道一体整備事業の促進は、極めて重要であります。都は、十条地区の重要な避難路ともなる八三号線の整備について今後どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。あわせて、八三号線に隣接して、JR京浜東北線東十条駅周辺のまちづくりについてですが、ここは木造住宅が密集しているばかりでなく、交通結節機能を担う駅前広場がなく、バリアフリー化も不十分な状況であるため、北区では、八三号線沿道まちづくりに合わせた駅前にふさわしい空間の創出を目指して、周辺の整備を今後のまちづくりの方針として掲げています。そこで、同路線整備の機会をとらえ、駅前広場の設置を初めとした東十条駅周辺のまちづくりについても、都区連携で積極的に取り組んでいただきたいと考えますが、見解を伺います。さて、十条地区の防災まちづくりにとって、木密地域解消とともにもう一つのメーンテーマは、JR埼京線十条駅付近立体化の課題です。これは長年の北区の懸案であるだけでなく、東京の大動脈の一つである埼京線全体にかかわる重要な課題でもあります。現在の埼京線は、朝夕のラッシュアワー時に乗車率二〇〇%を超える混雑著しい路線であり、その混雑率を緩和するためにはひとえに十条駅の形態を変えなければならないことは、残念ながら余り知られておりません。十条駅は、踏切と踏切の間に駅ホームが設置されているため、今以上ホームを延伸することができず、したがって鉄道車両の増結ができません。そして、一方の踏切は都道補助八五号線と交差し、最長で一時間当たり四十分間閉まっている、いわゆるあかずの踏切であるため、車両の増発もできません。つまり、十条駅の形態がこのような状況であるため、埼京線は増結も増発もできず、全体の混雑率の緩和、輸送力増強ができない状態が続いているのです。そこで、北区では、埼京線十条駅付近の立体化が長年にわたってまちづくりの課題となってきたわけですが、ここへ来て本年八月には、区の都市計画マスタープラン及び十条地区まちづくり基本構想に位置づけられている十条駅西口の再開発準備組合が立ち上がり、さらに来年度から、北区が持つまちづくり基金の中に、埼京線立体化に向けた十条まちづくり基金を創設する動きがあるなど、いよいよ地元区と住民が中心となって、まちづくりと鉄道立体化の機運が高まってまいりました。そこで私は、都としても、東京の大動脈の一つである埼京線全体の課題として、十条駅付近立体化について北区と連携して積極的に進めるべきであると考えますが、今後の見通しを伺います。最後に、まちづくりにおける鉄道事業者の役割と行政とのかかわりについて伺います。本年四月一日、私の地元であるJR王子駅南口改札口の開設時間が、およそ一カ月前の一方的な通告により、午後十時以降朝六時まで閉鎖されることになりました。この事件は、南口改札前に北区が駅前広場をつくり、いよいよ完成というやさきの出来事であったため、地元住民、北区、区議会挙げて反対運動が起こりました。それは当然のことで、北区と住民のまちづくりへの努力が、鉄道事業者の一方的な経営方針によってむだになってしまったからで、このようなことは今後どこにでも起こる可能性があります。鉄道事業者、特にJRは、折に触れて、民間事業者であるから利益を追求するのは当たり前で、自由にやって何が悪いといわんばかりの主張をしますが、私は、たとえ民間事業者であっても、その社会的責任を顧みず、自社の経営方針がすべてに優先するという主張は全く正当性を持たないと考えます。例えば、民間建設業者が一定の大きさの建物を建てるとき、近隣に対する住民説明会を行いますが、このような限られた範囲での影響しか考えられない民間事業であっても、最低限の説明責任が伴うのです。それに比べて、公共的な責任を大きく負っている鉄道事業者が、例えば改札口の開設時間の短縮、みどりの窓口の閉鎖など、不特定多数の方が影響を受けると思われる変更について、または地域のまちづくりへの努力が無になるような変更について、地元自治体や近隣住民の意見聴取も行わず、何の説明責任も負わないまま、その方針を進めることができる現状は、明らかにどう考えても間違っているとしか思えません。知事、そう思いませんか。そういうことがまかり通ってしまうのは、それは法が不備だからであって、地域のまちづくりとそごを来さないように、例えば駅改札口や開設時間の変更、大幅なダイヤ改正、その他地域に対して影響があると思われる重要な改変がある場合などには、鉄道事業者と地元自治体との協議を義務づけるなど、私は、都がそのルールをつくるべきと考えますが、見解を伺います。以上で、私の質問を終わります。(拍手)〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)高木けい議員の一般質問にお答えいたします。産業振興についてでありますが、東京の、いや日本の産業活力を支えているのは、東京のすぐれた技術力と人材を抱えた中小企業であると思っております。しかし、この中小の世界でも、今日、景気の動向に左右されて、優劣の二分化が進んでおります。都内には、大企業にない技術や発想力を持つ中小企業が多数集積しておりまして、地域ごとに特色のある発展をしてまいりました。例えば私の選挙区であります品川区などは、かつては豆電球、イルミネーションに使われる、ああいうものの圧倒的な生産地でしたが、香港に追い上げられて、もう、一年のうちに変わってしまいましたので、そのかわりの事業を開発しておりますが、しかし、中小企業は基本的に経済環境の変化のしわ寄せを最も敏感に受ける存在でありまして、国際競争、今日の原油高などの中で、現在は厳しい経営環境の中に置かれております。東京の産業の発展には、こうした中小企業の底上げが極めて重要でありまして、技術、経営はもとより、資金調達や人材の育成など、多面的な方策を講ずる必要があります。都はこれまでも、ベンチャー企業の育成やナノテクノロジーセンターの設置のほか、CLO、CBOなど新たな債券市場の創設によりまして、既に中で、六十六社が上場を果たすなど、独自の施策も展開してまいりました。今後とも、中小企業の実態をつぶさに把握しまして、現場感覚を持って、時期を逃さず大胆な発想で産業政策を展開し、東京の産業を一層発展させていきたいと思っております。他の質問については、関係局長から答弁します。〔環境局長吉川和夫君登壇〕 # 環境局長(吉川和夫君) 環境局長(吉川和夫君)緑化対策に関する四点のご質問にお答えいたします。まず、校庭芝生の維持管理への支援についてでございますが、都内の学校において校庭芝生化を全面的に進めるには、都の技術的支援を強化するとともに、幅広い企業や団体等のさまざまな支援を結集することが重要でございます。このため、本年十月に開催した校庭芝生化に関するフォーラムにおきまして、日本サッカー協会や日本芝草学会等の賛同を得て、維持管理を行うボランティアの派遣や代替運動場の提供などの支援を行う東京芝生応援団の結成を呼びかけました。さらに、直接学校に出向いて芝生の維持管理に関する専門的なアドバイスを行う校庭グリーンキーパー派遣制度の創設をできるだけ早期に進め、東京芝生応援団の活動とあわせ、多くの学校が安心して校庭の芝生化に取り組めるよう、都として積極的に支援してまいります。次に、学校等の壁面緑化の促進についてでございますが、壁面緑化は、人の目に触れることも多く、緑を身近に実感する手法として有効なものであると考えます。中でも、学校における壁面緑化は、夏の日差しを遮って教室内の環境を改善するとともに、植物の成長過程を観察できるなど、環境学習の素材としても活用が図られることから、区市の小学校を中心に取り組みが進み、平成十八年度は約三十校、十九年度は約八十校と、年々実施する学校が増加してきております。学校の壁面緑化はさまざまな方法で実施されており、今後、都は、緑化に用いる植物の種類、施工方法や経費等の情報を把握し、その結果を区市町村に還元してまいります。また、こうした技術情報の提供を含め、効果的な促進策のあり方について検討してまいります。次に、校庭の芝生に関する研究開発についてでありますが、校庭芝生化を円滑に進めていく上では、まず各学校の立地環境などを踏まえ、適切な芝生の品種を選定することが重要であり、都はこれまで、シンポジウムや説明会などを通じて、専門家によるアドバイスを行ってまいりました。このような都の校庭芝生化の取り組みを契機として、民間企業におきましては、校庭に適した芝生の品種や土壌に関する研究開発の動きが始まっております。今後は、こうした研究開発の成果を積極的に活用するため、民間の動向などについて、都内の大学や研究機関等の協力を得ながら情報を集約し、データベースを構築するとともに、今後策定を予定している校庭芝生化のガイドラインに反映してまいります。最後に、緑化技術の積極的な活用についてでございますが、「十年後の東京」で示された緑あふれる東京を実現するためには、緑化技術の成果を活用していくことが極めて有用であると考えております。都はこれまでも、狭小な場所でも植栽が可能である横への広がりの少ない樹木や、屋上、壁面緑化を促進する植物素材など、東京の地域特性から必要となる緑化技術の成果を活用してまいりました。今後とも、各局と連携し、企業、大学、研究機関などの緑化技術の動向について情報収集を進め、東京の緑化に有用な技術を活用しながら、緑の創出、保全に取り組んでまいります。〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕 # 都市整備局長(只腰憲久君) 都市整備局長(只腰憲久君)五点のご質問にお答えをいたします。まず、十条地区の防災まちづくりに関する取り組みと成果についてでございます。重点整備地域でございます十条地区では、都と区が連絡会を設置しまして、連携を強化しまして、不燃化促進事業や木密事業等によりまして、環七沿道を含めまして三百七十戸を超える住宅の不燃化や、六カ所の公園、広場の整備等を推進してまいりました。また、昨年度は、木密事業の区域を約二十ヘクタールから四十七ヘクタールに拡大いたしまして、また本年六月には、建物の不燃化を促進する新たな防火規制を全域で導入いたしました。さらに、地区の西側では、今年度末を目途に、いわゆるミニ延焼遮断帯の形成等を図ります防災街区整備地区計画の都市計画決定手続を進めるなど、事業と規制、誘導策を重ね合わせ、当地区の安全性向上に取り組んでいるところでございます。次に、補助八三号線の整備に向けた取り組みについてでございますが、延焼遮断帯や避難路となる道路整備にあわせまして、沿道のまちづくりを進める沿道一体整備事業は、地域の防災性を早期に向上させる手法として、当地区におきましても有効性は高いと認識をしております。このため、都は、本年八月に、補助第八三号線の事業化につきまして地元説明会を開催し、現在、測量作業を実施しております。今後、沿道の権利者の意向調査をするなど、沿道まちづくりの具体化を進め、早期の事業着手を目指して積極的に取り組んでまいります。次に、東十条駅周辺のまちづくりについてでございます。当駅周辺におきましては、防災まちづくりとともに、バリアフリー化などの推進が課題でございます。このため、地元北区では、駅南口に接続します老朽化した区道の跨線橋のかけかえや駅前広場の設置などにつきまして、今年度、検討を進めております。今後、都といたしましても、区が主体となります駅周辺のまちづくりにつきまして、必要な技術的支援を行ってまいります。次に、JR埼京線十条駅付近の立体化についてでございます。都は、踏切対策基本方針におきまして、本区間を鉄道立体化の検討対象区間に位置づけております。道路と鉄道を立体化することで、道路交通の円滑化や地域分断の解消、お話がございました鉄道輸送の改善などが図れるものと考えております。一方、立体化による事業効果を高めるためには、まちづくりとの連動が重要でございまして、本地域におきましては、地元区がまちづくり構想を策定するとともに、その具体化に向けた検討を進めております。都といたしましては、こうしたまちづくりの進捗を見ながら、都区連絡会の場で、道路と鉄道の立体化につきまして議論を重ねてまいります。最後になりますが、鉄道事業者と行政とのかかわりについてでございます。鉄道事業における輸送サービスの内容は、基本的には、国の一定の関与のもと、各鉄道事業者の判断により設定されることとなっております。一方、お話のように、都市における鉄道は、都民の日常生活や経済活動に不可欠な都市基盤でございまして、そのあり方は都民の安全や利便性にもかかわるものと認識をしております。都といたしましては、鉄道事業者に対しまして、公共交通事業者としての社会的使命を十分に踏まえまして、輸送サービスの変更などに際しましては、地元や利用者に対しまして適切な情報提供を行うよう働きかけてまいります。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)四十九番山口文江さん。〔四十九番山口文江君登壇〕〔議長退席、副議長着席〕 # 四十九番(山口文江君) 四十九番(山口文江君)石原知事は、都知事選の公約として掲げた低所得者の都民税軽減策を取り下げ、進化したものとして、低所得者生活安定化プログラム、緊急総合対策三カ年事業を発表しました。改選直後の公約取り下げは、公約違反という批判は免れないにしても、低所得者に対するセーフティーネットの機能の必要性を認識しての政策と歓迎するものです。そこで、この三カ年プランを提示するに至った基本的な知事の見解を伺います。このプランでは、若年層、母子家庭、中高年、住居不安定就労者などを対象としています。現在の貧困の構造は、所得の格差が教育の格差を生み出し、差別化が促進されているといわれています。高校への進学率は大変高い水準を示してはいますが、進学を希望しても入学できなかったり、希望する学校に入れなかったために中退してしまう子どももいます。教育庁では、教育相談センターでリスタートプレイスを設置し、相談業務やチャレンジスクールへの説明会も開催しているということです。しかし、このチャレンジスクールへの希望者も多く、受検生の半数は入学できない状況です。この再チャレンジへの意欲を持つ子どもへの救済を何らかの形で行うべきと考えます。こうした生徒や中途退学者に対する将来の進路相談の受け皿の充実が求められていると思いますが、見解を伺います。東京都は、二〇〇〇年から、ホームレスの自立支援システムを立ち上げ、支援事業を展開しています。テント生活から脱却し地域生活への移行を目標に、公園での面接相談からスタートし、民間宿泊所、借り上げ住居への入居、一般生活へと段階的な支援を示し、二十三区の協力を得て展開しているところです。今後、その経緯を踏まえ、新システムへの移行を示していますが、この特徴は、アパート借り上げで自立に向けての準備にリアリティーを持たせている点、また、自立後も巡回しながら相談に応じるバックアップ部門の強化という点では評価したいと思います。しかし、現在、路上生活者は減少しているということですが、長期化、高齢化に伴い、就労意欲の減少が見られ、その支援の内容が問われています。この現状をとらえ、今後の対策について伺います。現在進行している貧困は、さまざまな事件に象徴されるように、深刻な段階に来ています。この対策で、共通でかつ重要な対策は住宅政策と考えます。住まいの保障こそ基本的人権の保障につながるのです。都市整備局は住宅政策におけるセーフティーネットの展開をどのように考えているのか、伺います。今、食品表示の偽装や耐震偽装、高齢者をねらった詐欺商法、子どもの安全を脅かす商品など、生活への安心・安全を脅かす問題が次々と起きています。しかし、国においては、二〇〇三年に独立行政法人となった国民生活センターについて、その機能を縮小する案が提案されており、大きな問題となっています。最近の報道によれば、直接相談窓口の廃止は、消費者団体等の強い反対を受け、ようやく撤回したものの、商品テストの一部外部委託化の方針は依然として変えていません。福田首相は所信表明において、消費者保護のための行政機能の強化に取り組むと明言しており、本来なら、直接相談窓口ももっと拡充してしかるべきです。自治体の中には消費者行政に十分手が回らないところもあることから、国が消費者に直接かかわる組織を縮小することになれば、消費者の権利が侵されかねない状況を招きます。こうした中で、これまでも日本の消費生活行政をリードしてきた東京都は、まかり間違っても消費者保護のための行政機能を低下させてはならないと思います。このようなときこそ、消費者被害の未然防止、拡大防止を一層図るため、東京都消費生活総合センターの機能強化を図るべきと考えますが、見解を伺います。東京都消費生活条例は、消費者の権利をうたった画期的なものであり、それに伴って、一九九七年二月、東京都消費生活基本計画を策定しました。しかし、その後、消費者を取り巻く状況は大きく変化しており、策定後十年を経過した消費生活基本計画の改定を行うべきと考えますが、見解を伺います。ことしは、不二家からスタートし、しにせメーカーや有名メーカーによる食品偽装問題が次々と発覚し、消費者の食への不安、不信が後を絶たない状況が続いています。食の安全には、食料自給率を高めることが不可欠です。しかし、日本の食料自給率は、今やカロリーベースで三九%と、自給率向上は夢のまた夢となってしまいました。経済のグローバル化によって日本の農業はどうなっていくのか、私たちの食料はどうなっていくのか、農業従事者は当然のこととして、多くの人が不安に感じています。食料自給ができない国は常に国際的圧力と危険にさらされている国であるとは、アメリカのブッシュ大統領の発言ですが、石原知事も、都内において有害物質が検出された輸入食品が多く流通している事態に対して憂慮し、食の安全確保は都政の重要な役割であると明言されています。大消費地東京の知事として食料問題をどうとらえているのか、知事の見解を伺います。東京には、コマツナやウド、キャベツ、アシタバなどの特産野菜、島しょで生産されるレザーファンなどの花き、観葉植物のように、産地化され市場出荷されている品目が多くあります。一方、市街化区域では、果実や鉢花、多品目の野菜の直売などが大きな比率を占めるなど、大都市としての機能を持ちながらも、都市農業として健闘しているのです。都は、二〇〇一年、東京農業振興プランを策定しました。現在、都市農業検討委員会を設置し、東京農業振興プランの改定を目指していますが、東京における都市農業の課題と展望について伺います。都内の農地の約六割が市街化区域にあり、貴重な緑地空間として、ヒートアイランド現象の緩和や災害時の避難場所、子どもたちの食育の場となるなど、都市農地ならではの役割を担っています。二〇〇五年度に行った都政モニターアンケートでも、東京に農業、農地を残したいと思う人は八一%、農作業の体験をしたいと思う人が六一%に上っており、都民の都市農業に対する関心と農地保全に対する期待は大きいものです。幸いにも、人口減少時代の到来などにより、農地の宅地化を前提とするまちづくりは終えんとすべき社会状況になっています。都市農業の継続を危うくしている要因として相続税等の問題があり、国の対応が待たれるところですが、国の農業政策が農村を基調としているのは当然としても、大消費地東京においては、生産面からとらえた農業のあり方だけでは十分とはいえません。東京における農地は、都市の生活者にとってある意味で公共性を持つものと考えられ、独自の都市農業推進条例を検討すべき時期に来ているのではないかと思いますが、条例制定までには時間がかかります。そこで伺います。大都市東京では、都市農業をきちんと位置づけた上での施策が必要と考えますが、都では現在どのように施策展開を図っているのか伺います。子どもの育ちが社会問題として取り上げられるようになって久しくなります。子どもが思いっきり遊ぶ時間と空間、そして仲間が失われて、子ども自身が生き生きできる環境が奪われています。こうした現状に気づいた大人が、大人の規制により管理されて遊ぶのではなく、子どもたちが想像力で工夫して遊びをつくり出し、自分の責任で自由に遊ぶことができる冒険あそび場・プレーパークを始めました。一九七九年、東京都世田谷区の羽根木プレーパークを皮切りに、この運動が日本でも広がりを見せています。このプレーパークを都立公園において実施したいという市民の声にこたえて、戸山公園を初め、石神井公園、光が丘公園、東村山中央公園など六公園で行われていますが、現在の活動状況について伺います。プレーパークの活動は、遊びを通して発見や創造する喜びが味わえ、子どもが自分の人生を切り開いていく力、すなわち生きる力をつけていく場でもありますが、親が主体的に活動にかかわることによって、親たちの育ちの場にもなっているという声が届いています。今後、こうした活動の回数をふやしていくことが求められています。しかしながら、この活動は親やボランティアの負担が大変大きく、少しでも軽減できるように、子育て支援を担当する地元区市はもとより、都も公園管理者として、親やボランティアの声に積極的に耳を傾け、活動しやすいように支援をしていく必要があると思いますが、見解を伺います。今や、国を挙げて子どもの居場所づくりが進められていますが、子どもたちが生活している、それぞれの地域に合った子どもの目線の施策が大切であり、都としても、プレーパーク活動の啓発にも努めていただくよう要望し、質問を終わります。(拍手)〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)山口文江議員の一般質問にお答えいたします。まず、低所得者生活安定化プログラムについてでありますが、現在、我が国では、額に汗して懸命に働いているにもかかわらず低所得の状況から抜け出せない方々や、就職氷河期を経験した世代を中心として、職にも恵まれず、住居の確保もままならない人々も存在しております。今回のプログラムでは、収入の数字づらではなくて、真に困っている都民の一人一人に手を差し伸べ、将来に向かって明るい展望が開けるよう、多様な施策を重層的に講じるものであります。この取り組みによりまして、こうした方々がみずからの生活安定への道を切り開き、社会を支える力となることにより、豊かで活力のある東京を実現していきたいと思っております。次いで、我が国の食料問題の認識についてでありますが、今、世界的に食料危機が叫ばれている中、我が国の食料の自給率は、主要先進国の中でも最低のレベルにありまして、国家としての基本的な不安要因となっております。地球の温暖化が進んでまいりますと、当然、大飢饉が頻発いたします。現にオーストラリアでは干ばつが続いて農業が衰退し、荒廃し、多くの農民の自殺者も出ております。ゆえにも、食料の確保とそれを支える農業の再生は、我が国にとって極めて重要であります。しかし、東京の農業を見ますと、その基盤である都市農地は、相続などの問題で年々減少し続けております。東京の農業は、全国に誇れる農産物が数多く、また、大消費地に近接した有利性も持っております。さらに、農業、農地は、食料の生産だけではなく、食文化の伝承や緑の保全、災害時の避難場所の確保、憩いの場の提供などの面からも極めて大切であります。このため、都は、農業を重要な産業と位置づけ、今後とも都市農地の保全と農業の振興に努めていきたいと思っています。他の質問については、教育長及び関係局長から答弁いたします。〔教育長中村正彦君登壇〕 # 教育長(中村正彦君) 教育長(中村正彦君)高校を不合格になった生徒や中途退学者からの相談についてのご質問にお答え申し上げます。生徒一人一人の将来の希望の実現を図るために、相談事業を充実することは極めて重要であり、現在、教育庁内に都立高校入試相談コーナーを開設し、常時、相談を受け付けております。また、都教育相談センターでは、電話や来所等によります高校進級・進路・入学相談や、中途退学者への支援を図る青少年リスタートプレイス、進路相談会において相談を受けております。今後とも、都教育委員会は、これらの相談窓口をパンフレットやホームページ等によりまして周知するとともに、生徒がみずからの生き方について考え、主体的に進路選択ができるよう、相談事業の充実を図ってまいります。〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕 # 福祉保健局長(安藤立美君) 福祉保健局長(安藤立美君)路上生活者に対する今後の対策についてであります。都はこれまでも、特別区と共同で自立支援システムや、地域生活移行支援事業におきまして就業や住宅に関する相談などを行い、地域での自立した生活への支援を推進してまいりました。その結果、本年八月の二十三区内の路上生活者数は、調査開始以来最も少ない約三千二百人まで減少いたしました。今後とも、これまでの事業の評価、検証を踏まえ、利用者の状況に応じた支援に努めてまいります。〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕 # 都市整備局長(只腰憲久君) 都市整備局長(只腰憲久君)住宅政策におけるセーフティーネットについてでございますが、都はこれまでも、都営住宅におきまして高齢者や子育て世帯等に対する優先入居などを実施するとともに、入居制限を行わない民間賃貸住宅の供給促進などに取り組んでまいりました。今後とも、都営住宅などの公共住宅に加え、民間住宅も含めました重層的な住宅セーフティーネット機能の確保に向けて取り組んでまいります。〔生活文化スポーツ局長渡辺日佐夫君登壇〕 # 生活文化スポーツ局長(渡辺日佐夫君) 生活文化スポーツ局長(渡辺日佐夫君)消費生活行政に関する質問にお答えいたします。まず、東京都消費生活総合センターの機能強化についてでありますが、都は、これまでも急増する架空・不当請求や深刻化する高齢者の消費者被害に対応するため、架空請求一一〇番や高齢者被害一一〇番を開設し、専門相談員を配置して、相談体制を整備してまいりました。また、悪質、巧妙な手口による消費者被害に適切に対応するためには、住民に身近な区市町村の相談部門との連携強化が極めて重要であることから、被害の傾向や相談処理に関する幅広い情報を積極的に提供するとともに、区市町村の相談員の資質の向上に役立つよう、各種研修を実施しております。今後とも、消費者被害を未然に防ぎ、拡大を抑えるとともに、消費者被害の救済のため消費生活総合センターの機能強化に努めてまいります。次に、東京都消費生活基本計画の改定についてでありますが、近年、詐欺的商法が横行し、表示の偽装が相次ぐなど、消費生活を取り巻く環境はご指摘のように大きく変化してきており、都の消費生活基本計画もこうした変化に的確に対応できるよう、改定する必要があると考えております。このため、本年七月の消費生活対策審議会において、消費生活基本計画改定に向けての考え方をお示しし、平成二十年度を初年度とする五カ年の計画期間など、計画改定の基本的事項について了解をいただきました。現在、都の消費生活関連施策について関係各局のヒアリングを行っており、今後、審議会に対し、来年度の早い時期に基本計画改定の諮問ができるよう、準備を進めてまいります。〔産業労働局長佐藤広君登壇〕 # 産業労働局長(佐藤広君) 産業労働局長(佐藤広君)都市農業に関する二点のご質問にお答えいたします。まず、都市農業の課題と展望についてでありますが、東京の都市農業は、都民に新鮮で安全な農産物を供給するだけではなく、生産活動を通じて貴重な緑地空間やレクリエーションの場などを提供しております。しかし、都市農地は毎年減少が続いており、これらを保全することが大きな課題となっております。このため、都は、都市農地の保全に必要な相続税等の制度改善を国に継続して要望するとともに、高齢や労働力不足などにより耕作が困難な農家を支援する農作業受委託推進事業など、独自の取り組みを進めております。今後とも、大消費地を抱える東京農業の特性や優位性を生かした多様な取り組みにより、都民や農業者にとって魅力と活力あふれる都市農業の実現に取り組んでまいります。次に、都市農業の施策展開についてでありますが、都では、東京の農業振興の方向性を明らかにするとともに、計画的に施策を推進するため、平成十三年に東京農業振興プランを策定いたしました。また、十八年度には、社会情勢の変化を受けまして、このプランの個別施策の検証を行い、重点的に取り組むべき課題や地域の特性を踏まえたきめ細かい施策に取り組んでおります。今後とも、時代の変化に対応しながら、東京農業振興プランに基づきました都市農業の振興策を着実に進めてまいります。〔建設局長道家孝行君登壇〕 # 建設局長(道家孝行君) 建設局長(道家孝行君)二点のご質問にお答えいたします。まず、都立公園におけるプレーパークの活動状況についてでありますが、プレーパークは、たき火や穴掘りなど、公園では通常できない遊びを、子どもたちが自分の責任で生き生きと行える場であり、子どもたちの健全な育成に寄与するとともに、公園利用の活性化の面からも意義があると考えております。こうしたことから、都立公園では、平成十六年度から活動の場を提供しており、ボランティア団体が地元自治体の支援を受けながら、さまざまな活動を行っております。現在、プレーパークを開設している戸山公園や光が丘公園など六公園では、焼き芋づくり、泥遊びや樹木を利用したロープ遊びなど、工夫を凝らした遊びが盛んに行われており、この六公園における利用された延べ日数は、十七年度に二百十三日、十八年度には三百七十九日となっております。次に、プレーパーク活動に対する支援についてでありますが、都立公園におけるプレーパーク活動への支援は、基本的には地元自治体が子育て支援や社会教育活動の一環として行うものであると考えております。都としては、公園管理者として積極的に場の提供を行うとともに、用具の貸し出しなどの支援に努めてまいりました。今後とも、ボランティアが地元自治体と行う意見交換の場などに参画し、親やボランティアの声の把握に努めるとともに、地元自治体と連携して、公園管理者として可能な支援を行ってまいります。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)七番福士敬子さん。〔七番福士敬子君登壇〕〔副議長退席、議長着席〕 # 七番(福士敬子君) 七番(福士敬子君)まず、オリンピックについて伺います。オリンピック主要三施設のうち、メーンスタジアムを中央区晴海に、また、選手村を江東区有明の埋立地に建設する予定になっています。ここは、昨年出された東京都防災会議の首都直下地震による東京の被害想定報告書でも、液状化の発生可能性のある地域とされています。地震がいつ来ても不思議ではないといわれている今日、わざわざこの地域に世界有数のアスリートや観客を呼び寄せる危険性をどうとらえているのか。都財政をつぎ込んでも、この場所に会場を決定された知事にお伺いいたします。また、この場合の安全対策についてはどうなっているのか、あわせてお尋ねします。オリンピック実施のために、都は大型施設の建設をさらに行おうとしています。しかし、一方で既存インフラの老朽化が急速に進み、放置しておくと崩壊のおそれもあり、都民生活に大きな支障を来すことになります。橋梁については、国の三カ年プログラムでは、東京都管理のうち百八十橋に耐震補強が必要とされていますが、二〇〇七年度末で対策済みの橋梁は七五%にとどまっています。大型の新規事業に投入する資金と人的、物的余裕があるのなら、それを集中的に橋梁の耐震補強対策に回すべきと考えますが、いかがでしょうか。また、橋梁かけかえのピークは十数年後に予測され、オリンピック終了後にちょうど当たるのではないかと考えられています。一般的にはオリンピック閉幕後は大方の開催諸国で、ポストオリンピック不況と呼ばれる景気の落ち込みが発生しています。不況により税収落ち込みが予測される時期に、多額のコストが発生する橋梁更新のピークを迎えるおそれがあると考えますが、橋梁の更新について見解を伺います。オリンピック招致委員会と東京都の関係では、NPO法人である東京オリンピック招致委員会が都庁施設を借り、事業を行っています。役員に経団連会長も参加され、民間施設も使うことが可能だと思われるNPO法人への施設借用を認める根拠を伺います。さらに、さまざまな招致委員会のパンフレットなども、実際の配布は教育庁及び都の部局などで行っています。都と招致委員会の役割分担が明白ではないように感じますが、都と招致委員会どちらがオリンピック招致の主体なのか、それぞれの役割分担及び責任分担について伺います。NPO法人東京オリンピック招致委員会の署名活動では、教育委員会や都の部局を使って署名用紙を回しています。しかも、都の招致本部からのお願いでは、任意であること、ご協力いただける範囲でとされていますが、署名用紙にはその項目が書かれていません。そのため任意であることが署名者に伝わっていませんが、これについての見解を伺います。また、招致本部の文章には個人情報保護の点で、取り扱い及び管理についても細心の注意を払うとありますが、地域の町会、自治会では署名を回覧板などで回すという事例があります。これは、だれが署名をしたかしないか、はっきりわかります。個人情報保護の観点から問題ではないか、見解を伺います。署名活動が、上意下達の形で、教育関係では学校職員のみならず、PTAまでおろされていると聞きます。特に町会、自治会の署名活動は、地域差があった場合、チェックされ強制されるのではと心配していらっしゃる方もいらっしゃいます。かつての国家総動員の中で、非協力者は村八分といった事例を思い出し、不安を感じているようです。このように意識的強制力を感じ、署名しておけば無難と、賛成の有無にかかわりなく署名をした例もあるようです。署名活動はまだまだ続くとのことですが、実績が少なかった地域において再度の集約を考えているのか、伺います。このたび、開催概要計画が見直されました。オリンピックの施設整備費では、当初の宿泊施設などを入れても二千八百七十一億円から、新しい開催基本計画では三千二百四十九億円にふえています。ロンドンや北京オリンピックにおいても大幅なコスト増が報道されており、オリンピックが当初予定額の範囲内でおさまることは困難だといわざるを得ません。今回の開催基本計画では、施設整備費は示されていますが、運営経費は示されておりません。運営経費を幾らと見積もっているのか、伺います。あわせて、経過途中の変更ごとに諸々の諸経費も公表すべきと考えますが、見解を伺います。予算については、産業労働局の新・元気を出せ商店街事業において、オリンピック招致フラッグ掲示の補助金が出されています。このように一般事業の枠でオリンピック招致や周知のために使われている予算があると、オリンピックという一時的な予算が見えにくくなります。また、オリンピック招致関連の経費が、各部局の事業持ちでばらばらに支出されると、オリンピック関連予算を一括して把握することが困難となります。東京都の予算の中で、オリンピックにかかわる予算とそれ以外を区別するため、オリンピック特別会計をつくり、予算を一括管理し、外部に情報公開すべきと考えますが、見解を伺います。開催概要計画書には、オリンピックの招致経費として五十五億円が見込まれ、そのうち都の負担は十五億円とあります。これは立候補ファイル作成の予算と同額ですが、招致活動には他に多くの予算が支出されています。これらの予算を積算すると、東京都の負担分は開催概要計画書に記されている十五億円を大きく上回ることになります。オリンピック招致における都の負担分はどのようになるのか、伺います。道路については、八〇年代に私がドイツに行った折、既に環境への配慮から一般道を削り、自転車交通を進める、あるいは公共交通への移行が考えられていました。十二月四日の本会議で行われた海外の視察報告でも、高速道路を取り払い、清流を復活させた例や、自転車や公共交通などを進める例がありました。このように、諸外国では道路をつくればよいという考え方から脱却しつつあります。知事は、東京を成熟した都市とし、今回のオリンピックで、世界最高水準の環境技術と政策で、環境オリンピックを目指すといいながら、外環道などの建設を進めようとしています。これは、もはや発想が古いのではと思われます。後世に財政や環境破壊のツケを回さないためにも、道路整備のあり方を、その是非も含め再考すべきと考えますが、見解を伺います。今回、オリンピック招致に対する世論調査が行われ、賛成六割強、反対二割強という結果が得られました。今回の調査は、あらかじめ登録されたモニターに対し、インターネット上で調査を行うというものです。この手法は、サンプルに非常に偏りがあるといわれています。あらかじめ登録されたモニターは、社会問題に対し賛否を表明することに積極的な傾向を持っているため、無関心層の比率が反映されず、一般的傾向を見る調査には適しません。独立行政法人労働政策研究・研修機構による報告書においても、インターネットを使った社会調査の問題点が指摘されています。調査は、従来の対面聞き取り、郵送による調査を行い、なおかつ、アンケートの回答率をオリンピックに対する関心の有無にフィードバックする調査手法で行ったものを使う必要があると考えますが、見解を伺います。続いて、介護事故に関して伺います。一九九五年、ドイツで開始した介護保険制度は、二十年間も検討し、家族も準ヘルパーの労働として認め、どちらかを選べるなど、さまざまな現実に基づき考えられていました。しかし、日本では、介護の社会化との趣旨から家族ヘルパーを認めない一方、家族との同居者に対しては認定を厳しくし、結局、家族介護を強いるなど矛盾に満ち、ヘルパー不足の中で保険料を払う利用者は置き去りにされています。今回、人材確保対策で厚労省はフィリピンからの介護福祉士を国家試験不要のまま認めることになりました。質の問題がないがしろにされ、ここでも人手不足を安易に外国に求めるだけで、真剣に対策をとる意思は見えません。これほどまで混乱している福祉現場の中で、今回は民間事業者及びヘルパーのあり方について、介護事故を中心に伺います。介護事故を防ぐには、事業者の姿勢とヘルパーの質の向上が欠かせません。しかし、現実はヘルパーの雇用形態も正社員、派遣社員、時には違法とも思われる日雇い派遣などさまざまであり、その形態や人によって労働条件や知識に極端な差が生じています。介護事故の中には周辺に広がる感染症もあり、都内のすべての区市町村は感染症を事故の範囲に組み込んでいます。そして、看護師などは感染症に対する知識も深く、感染症の事故対策として、個人で損害賠償保険に入っている例もあります。しかし、前述のようにヘルパーの知識の差は大きい上、雇用者側でも民間などは反応が鈍く、保険に加入しているかどうかの知識すらないところも見られます。感染症にかかったヘルパーが知らないまま労働を続ければ、二次感染、三次感染の危険性もある上、在宅介護の場合、事故報告もうやむやになりがちです。介護保険施設や在宅における介護事故の報告について、都は保険者や事業者に対しどのような指導助言をしているのか、伺います。都では、ことし三月、保健局専門技術会議において介護保険施設・リスクマネジメント参考マニュアルを出しています。ここでは、ハインリッヒの法則に従って事故防止策が考えられています。この法則は、一つの重大災害の背景には、二十九の事故と三百の冷やりとしたり、はっとしたりしたことがあるというものですが、マニュアルはこの考え方に基づいているようです。この報告集は、素人の私でもわかりやすく、もっと利用を進めてもよいと思われます。ところが、配布は特養や老健など介護保険施設に限っており、注意書きにもわざわざ、すべての施設において取り組みを展開することを求めるものではないと断っています。せめて、このマニュアルを生かしてほしいという前向きな注意にすべきだと考えます。このような事故防止のための行動指針はどのくらい施設に浸透しているのか、また、都が収集した事故情報をどのように活用しているのか伺います。感染症の危険については、事業者から利用者の健康状態をヘルパーに伝え、対策をとることが重要となります。ところが事業者は、ヘルパーに対し、ケース記録の情報伝達をしないだけでなく、その必要性の認識もないところもあると聞きます。したがって、ヘルパーへの情報伝達が悪く事故に至った例は、感染症以外にも苦情相談白書に出ています。感染症対策では、施設系サービスでは注意喚起と対応が図られていると思いますが、在宅系サービスの提供事業者に対し、都はどのように指導助言しているのか伺います。以上です。〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)福士敬子議員の一般質問にお答えいたします。オリンピックに関しては、何でもかんでもけちをおつけになりたいようでありますが、まず、オリンピックにおける選手や観客の安全対策について申し上げます。オリンピックスタジアムや選手村などの主要施設の予定地は、水と緑に囲まれ、建設用地も十分にある臨海地域といたしました。いずれの予定地も、都が行った地域危険度測定調査では、地震に対する総合危険度ランクは、五段階のうち、最も低い評価の地域であります。オリンピック会場には、多くの選手、観客などが集まるので、災害発生時のリスクマネジメントの観点から、建物の耐震性や円滑な避難経路の確保など、総合的な安全対策を講ずることは当然のことであります。他の質問については関係局長から答弁いたします。〔建設局長道家孝行君登壇〕 # 建設局長(道家孝行君) 建設局長(道家孝行君)二点のご質問にお答えいたします。まず、橋梁の耐震補強についてでありますが、都は、国の耐震補強三か年プログラムで耐震補強の対象としている緊急輸送道路上の橋梁百八十橋のうち、主要な防災拠点と市街地を結ぶ優先ルートにかかる百十八橋については、計画的かつ集中的に対策を実施しており、すべて今年度中に完了いたします。また、優先ルート以外の橋梁については、今年度中に二十橋の耐震補強を完了し、残りの橋梁についても計画的に耐震補強を行ってまいります。次に、橋梁の更新についてでありますが、都は、都民の貴重な財産を次世代に継承していくため、橋梁に資産管理の手法であるアセットマネジメントを活用した予防保全型管理を既に導入しております。これまで実施してきた橋梁の健全度調査の結果から、将来の損傷や劣化を予測し、適切な時期に橋梁の耐久性を向上させる長寿命化を進めることにより、かけかえ時期の平準化と総事業費の縮減を図ってまいります。今後とも、「十年後の東京」の実現のため、幹線道路などの都市基盤整備を積極的に進めるとともに、橋梁の耐震補強や長寿命化など、社会資本の適切な維持管理に全力で取り組んでまいります。〔東京オリンピック招致本部長荒川満君登壇〕 # 東京オリンピック招致本部長(荒川満君) 東京オリンピック招致本部長(荒川満君)六点についてお答えいたします。まず、東京オリンピック招致委員会の都庁施設の使用根拠についてでございますが、招致委員会は、都政の最重要課題でありますオリンピック・パラリンピック招致並びにオリンピックムーブメントの推進について中心的な役割を果たす組織でございます。事業の円滑かつ効率的な推進のためには、都の組織と緊密な連携を図る必要があり、都庁舎内に招致委員会の事務所を設置することが最適でございます。こうした理由から、いわゆる行政財産の目的外使用許可を定めた地方自治法第二百三十八条の四第七項及び東京都公有財産規則第二十九条の二第八号に基づき、招致委員会は都庁施設の使用許可を得ております。次に、都と招致委員会の役割及び責任の分担でございますが、招致委員会は、ただいま述べたように、招致活動を推進する中心的な組織でございます。具体的には、申請ファイルや立候補ファイルの決定、国際的な招致活動、全国における広報啓発事業の推進などを行います。都は、招致委員会が事業を円滑に実施できるよう支援してまいります。具体的には、開催計画の作成、国及び区市町村等との連絡調整、各局事業に関連した招致機運の醸成などでございます。次に、署名活動についてでございます。町内会、自治会を初め、都民、国民の皆さんにお願いした署名の用紙の冒頭には、タイトルとして大きな字で「署名活動へのご協力のお願い」と記載し、あくまでも任意で署名をお願いしているものでございます。また、用紙の下段にはアンダーラインを引きまして、「ご記入いただいた個人情報は、厳重に管理し、署名活動以外の目的には使用しません」と明確に記載をしております。また、署名実績が少なかった地域は、再度の署名をお願いすることは考えておりません。次に、オリンピック競技大会の運営経費についてでございます。昨年六月に国内選考向けに策定した開催概要計画書では、約三千億円と見込んでおります。運営経費は、立候補ファイルに記載することになっておりまして、現在、IOCの新しい基準等を踏まえまして、運営計画の内容を精査しているところでございます。次に、招致経費の都の負担分についてでございますが、昨年六月に策定した開催概要計画書におきましては、招致経費全体を五十五億円、うち都負担分を十五億円としておりましたが、現在、他都市に負けない計画の策定、それに基づいたファイルの作成、国内外における効果的、効率的な招致活動の展開を推進するため、経費を精査しているところでございます。最後に、世論調査についてでございます。世論調査はさまざまな手法がございまして、調査に要する費用、時間、調査書の回収率、調査に含まれる誤差などを比較考慮して、調査目的に応じて実施するものでございます。インターネットの設置が全国の家庭の九割にまで普及している今日、インターネット調査は最も一般的な調査方法となっておりまして、短期間で安価、かつ確実に国民、都民の意見を集約することができることに特徴がございます。さらに、今回実施した世論調査は、都内や全国の人口構成を反映した提携モニターから無作為に抽出した対象者、都内二千人、全国六千人という十分な標本数を用いて実施したものであり、公正で客観的に行われたものと認識しております。〔財務局長村山寛司君登壇〕 # 財務局長(村山寛司君) 財務局長(村山寛司君)オリンピック招致経費の予算上の取り扱いについてのご質問でございます。この経費は、オリンピック招致本部予算に計上されることとなります。したがいまして、区分は明確であり、特段、特別会計を設置する必要はないと考えております。なお、オリンピック招致は、現下の都政の重要課題の一つでございますので、これを本来目的とはしない各局事業におきましても、その実施に当たって、オリンピック招致に資するよう意を用いることは当然でございます。〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕 # 都市整備局長(只腰憲久君) 都市整備局長(只腰憲久君)道路整備のあり方を再考すべきとのご質問でございましたが、改めていうまでもございませんが、道路は人や物の円滑な移動を確保するばかりではございませんで、先ほどもご答弁申し上げましたとおり、防災性の向上や緑豊かな都市空間の形成を図る上で不可欠な都市基盤でございます。このため、都はこれまでも、外環を初めとする首都圏三環状道路など高速道路ネットワークや都市計画道路の整備に鋭意取り組んでまいりました。先ほど建設局長からも答弁ございましたように、今後も必要な道路整備を着実に推進して、東京の活力と魅力を高め、安全で利便性の高い都市の実現を図ってまいります。〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕 # 福祉保健局長(安藤立美君) 福祉保健局長(安藤立美君)介護保険制度における事故対策に関して、三点お答えを申し上げます。まず、介護事故の報告についてでありますが、介護保険施設や在宅での介護サービス提供時などに事故が発生した場合、法令に基づき、介護サービス事業者は、保険者である区市町村に報告することになっております。都では、区市町村が事業者からの事故報告を迅速かつ的確に聴取できるよう、事故報告の標準的な書式や基準等を定めております。さらに、都は独自に、施設における死亡事故や感染症など重大な事故について、事業者が都に直接報告することも求め、施設利用者の安全確保や事故の未然防止に努めております。次に、事故防止のための指針の整備状況と事故情報の活用についてでありますが、介護保険施設は、平成十八年の介護保険法の改正により、事故発生時の対応と事故防止のための指針の整備が求められており、現在、特別養護老人ホームの約七割、介護老人保健施設の約九割において整備済みでございます。また、未整備の施設につきましては、指導監査等において整備を行うよう指導をしております。都が収集をいたしました事故情報については、既に本年四月から分析を進めており、今後、事業者がより効果的な事故防止対策に取り組めるよう、その結果を事業者に提供することとしております。最後に、居宅サービス事業者における感染症対策についてでありますが、都では、居宅サービス、施設サービスを問わず、すべての事業者に対し、流行を繰り返すノロウイルスなどの感染症に関する対応マニュアルを配布してございます。また、介護サービス事業所の管理者等を対象とした研修会においても感染防止の取り組みを働きかけております。今後とも事業者に対し、情報の提供や予防対策を周知するなど、適切に対応してまいります。〔七番福士敬子君登壇〕 # 七番(福士敬子君) 七番(福士敬子君)オリンピック会場ですが、東京湾北部地震の場合、マグニチュード七・三で、ガス、上下水道への影響が高いとなっています。液状化部分の点在とともに、歴史的に新しい埋立地で、内陸より本当に危険度は少ないのか、再度お伺いいたします。また、世論調査で、ネットモニターは情報通信に関心が高い層が多く、高齢単身者の回答は得られないと思われますが、いかがでしたか。回答率もお示しください。今回の調査で、一%ですが、どちらでもないが減り、その分、反対がふえました。このような中で、賛成値を上げるために、今後、署名活動の強化、押しつけに走る心配はないのか伺います。運営経費及び招致経費の都負担分は精査中とのことですが、いつごろ出るのか、期限もお示しください。ありがとうございました。〔東京オリンピック招致本部長荒川満君登壇〕 # 東京オリンピック招致本部長(荒川満君) 東京オリンピック招致本部長(荒川満君)今、大分早口でご質問なさったので、聞き取れなかったところがあるのですが、まず最初に安全対策のところでございます。先ほど知事から、オリンピック会場には多くの選手、観客などが集まるので、総合的な安全対策を講ずることは当然のことであるという答弁があったとおりでございまして、しかもIOCからは、安全対策については万全を尽くすよう求められているところでございます。ライバル都市に勝つためにも、当然、安全対策はしっかりと行ってまいります。それから、世論調査の数字についてでございますけれども、現在、数字については分析中でございまして、適切な時期に、内容については報告をしたいというふうに思っております。済みません、あともう一つ何か……(発言する者あり)以上でございますが。〔発言する者多し〕 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)以上をもって質問は終わりました。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)これより日程に入ります。日程第一から第三十六まで、第百八十六号議案、職員の給与に関する条例の一部を改正する条例外議案三十五件を一括議題といたします。本案に関し、提案理由の説明を求めます。副知事谷川健次君。〔副知事谷川健次君登壇〕 # 副知事(谷川健次君) 副知事(谷川健次君)ただいま上程になりました三十六議案についてご説明申し上げます。初めに、第百八十六号議案から第二百六号議案までの二十一件が条例案でございまして、新設する条例が一件、一部を改正する条例が二十件でございます。まず、新設する条例についてご説明申し上げます。第百九十九号議案、東京都心身障害者扶養共済制度条例は、保護者が死亡した場合などに障害者に終身年金を支給する全国制度の共済に参加するための条例を設けるものでございます。次に、一部を改正する条例についてご説明申し上げます。第百八十六号議案、職員の給与に関する条例の一部を改正する条例から第百九十一号議案までの六議案及び第百九十四号議案から第百九十六号議案までの三議案は、東京都人事委員会勧告及び各種制度の見直しに伴い、職員の給与等に関して所要の改正を行うものでございます。次に、第百九十八号議案、東京都児童相談所条例の一部を改正する条例は、東京都小平児童相談所の老朽化及び狭隘化に伴い、同相談所を東京都多摩小平保健所庁舎へ移転するため、規定を整備するものでございます。次に、第二百号議案、大気汚染に係る健康障害者に対する医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例は、東京大気汚染訴訟の和解成立に伴い、医療費助成の対象者を拡大するため、所要の改正を行うものでございます。次に、第二百一号議案、東京都海上公園条例の一部を改正する条例は、東京都立芝浦南ふ頭公園の新規開園などに伴い、規定を整備するものでございます。次に、第二百三号議案、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例の一部を改正する条例は、都民生活の平穏を保持するため、立ちふさがりやつきまといによる執拗な客引きやキャバクラへのスカウト行為等を規制するため、所要の改正を行うものでございます。次に、第二百四号議案、性風俗営業等に係る不当な勧誘、料金の取立て等及び性関連禁止営業への場所の提供の規制に関する条例の一部を改正する条例は、性風俗営業を営む者がキャバクラへのスカウト行為の規制に違反して勧誘された者を雇うことを規制するため、所要の改正を行うものでございます。このほかに六件ございますが、いずれも法令等の改正に伴い所要の改正を行うものでございます。続きまして、第二百七号議案から第二百十一号議案までが契約案でございます。東京都医学系総合研究所(仮称)(H十九)I期新築電気設備工事など合計五件を予定しております。契約金額の総額は、約八十一億七千万円でございます。続きまして、第二百十二号議案から第二百二十一号議案までの十件が事件案でございます。まず、第二百十二号議案は、平成二十年度の宝くじ発売限度額について議決をお願いするものでございます。次に、第二百十三号議案から第二百十六号議案までの四議案は、都立公園の利用者サービス向上等を図るため、都立小峰公園ほか四施設の指定管理者を指定するものでございます。次に、第二百十七号議案から第二百二十一号議案までの五議案は、多摩地区の五市に対する東京都水道事業の事務の委託を廃止するとともに、公共下水道使用料徴収事務を受託するものでございます。上程になりました三十六議案の説明は以上でございますが、このほか人事案を送付いたしております。まず、東京都教育委員会委員でございます。十二月二十日に任期満了となります米長邦雄氏の後任には、瀬古利彦氏を任命いたしたいと存じます。次に、東京都監査委員でございます。同じく十二月二十日に任期満了となります三栖賢治氏につきましては、再任いたしたいと存じます。同意につきまして、よろしくお願いいたします。以上で説明を終わります。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)以上をもって提案理由の説明は終わりました。なお、本案中、地方公務員法第五条第二項の規定に該当する議案については、あらかじめ人事委員会の意見を徴しておきました。議事部長をして報告をいたさせます。 # 議事部長(大村雅一君) 議事部長(大村雅一君)人事委員会の回答は、第百八十六号議案から第百九十一号議案、第百九十四号議案及び第百九十五号議案について、いずれも異議はないとの意見であります。一九人委任第九〇号平成十九年十一月三十日東京都人事委員会委員長内田公三東京都議会議長比留間敏夫殿「職員に関する条例」に対する人事委員会の意見聴取について(回答)平成十九年十一月二十七日付一九議事第二九一号をもって照会があった議案に係る人事委員会の意見は、左記のとおりです。記┌┐│提出議案│├┤│一第百八十六号議案││職員の給与に関する条例の一部を改正││する条例││二第百八十七号議案││東京都の一般職の任期付職員の採用及││び給与の特例に関する条例の一部を改││正する条例││三第百八十八号議案││東京都の一般職の任期付研究員の採用││及び給与の特例に関する条例の一部を││改正する条例││四第百八十九号議案││職員の退職手当に関する条例の一部を││改正する条例││五第百九十号議案││職員の勤務時間、休日、休暇等に関す││る条例の一部を改正する条例││六第百九十一号議案││東京都職員の特殊勤務手当に関する条││例の一部を改正する条例││七第百九十四号議案││学校職員の勤務時間、休日、休暇等に││関する条例の一部を改正する条例││八第百九十五号議案││学校職員の給与に関する条例の一部を││改正する条例│├┤│意見│├┤│異議ありません。│└┘ # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)お諮りをいたします。ただいま議題となっております日程第一から第三十六までは、お手元に配布の議案付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)ご異議なしと認めます。よって、日程第一から第三十六までは、議案付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託することに決定をいたしました。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)これより追加日程に入ります。追加日程第一、東京都教育委員会委員の任命の同意についてを議題といたします。〔大村議事部長朗読〕一、東京都教育委員会委員の任命の同意について一件一九財主議第三四四号平成十九年十二月四日東京都知事石原慎太郎東京都議会議長比留間敏夫殿東京都教育委員会委員の任命の同意について(依頼)このことについて、東京都教育委員会委員米長邦雄は平成十九年十二月二十日任期満了となるため、後任として左記の者を任命したいので、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第四条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。記瀬古利彦略歴現住所東京都渋谷区瀬古利彦昭和三十一年七月十五日生(五十一歳)昭和五十五年三月早稲田大学教育学部卒業昭和五十五年四月ヱスビー食品株式会社入社平成元年四月ヱスビー食品株式会社陸上部監督平成十四年二月社団法人東京陸上競技協会理事平成十七年四月財団法人日本陸上競技連盟理事平成十八年四月ヱスビー食品株式会社スポーツ推進局局長平成十九年四月財団法人日本オリンピック委員会理事現在ヱスビー食品株式会社スポーツ推進局局長 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)本件は、起立により採決をいたします。本件は、知事の任命に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)起立多数と認めます。よって、本件は、知事の任命に同意することに決定をいたしました。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)追加日程第二、東京都監査委員の選任の同意についてを議題といたします。〔大村議事部長朗読〕一、東京都監査委員の選任の同意について一件一九財主議第三四五号平成十九年十二月四日東京都知事石原慎太郎東京都議会議長比留間敏夫殿東京都監査委員の選任の同意について(依頼)このことについて、左記の者は平成十九年十二月二十日任期満了となるため、再び選任したいので、地方自治法第百九十六条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。記三栖賢治略歴現住所東京都練馬区三栖賢治昭和十五年七月二十八日生(六十七歳)昭和三十四年三月警視庁採用昭和五十年二月警察大学校卒業昭和六十三年八月警視庁神田警察署長平成元年八月警視庁警務部人事第一課理事官平成三年三月警視庁警務部人事第二課長平成四年八月警視庁渋谷警察署長平成五年九月警視庁総務部企画課長平成六年八月警視庁公安部参事官平成七年二月四国管区警察局公安部長兼総務部長平成九年二月警視庁警察学校長平成九年九月警視庁生活安全部長平成十一年四月自警会事務局長平成十四年十月(株)弥生共済会代表取締役社長平成十五年十二月東京都監査委員現在東京都監査委員 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)本件は、起立により採決をいたします。本件は、知事の選任に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)起立多数と認めます。よって、本件は、知事の選任に同意することに決定をいたしました。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)請願及び陳情の付託について申し上げます。受理いたしました請願二十四件及び陳情十六件は、お手元に配布の請願・陳情付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託をいたします。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)お諮りいたします。明十三日から十八日まで六日間、委員会審査のため休会いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)ご異議なしと認めます。よって、明十三日から十八日まで六日間、委員会審査のため休会することに決定をいたしました。なお、次回の会議は、十二月十九日午後一時に開きます。以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。本日はこれをもって散会いたします。午後七時五十四分散会
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--- title: 平成19年_第4回定例会(第18号) 名簿・議事日程 # 平成十九年十二月十二日(水曜日)出席議員百二十四名一番遠藤守君二番伊藤興一君三番米沢正和君四番鈴木章浩君五番きたしろ勝彦君六番後藤雄一君七番福士敬子君八番伊沢けい子君九番そなえ邦彦君十番西崎光子君十一番西岡真一郎君十二番伊藤ゆう君十三番原田大君十四番河野百合恵君十五番小竹ひろ子君十六番松葉多美子君十七番大松成君十八番中山信行君十九番高倉良生君二十番田中たけし君二十一番神林茂君二十二番早坂義弘君二十三番高木けい君二十四番崎山知尚君二十五番宇田川聡史君二十六番高橋信博君二十七番原田恭子君二十八番佐藤広典君二十九番尾崎大介君三十番山口拓君三十一番伊藤まさき君三十二番松下玲子君三十三番野上ゆきえ君三十四番たぞえ民夫君三十五番村松みえ子君三十六番橘正剛君三十七番上野和彦君三十八番吉倉正美君三十九番谷村孝彦君四十番村上英子君四十一番鈴木あきまさ君四十二番秋田一郎君四十三番山加朱美君四十四番串田克巳君四十五番吉原修君四十六番山田忠昭君四十七番田代ひろし君四十九番山口文江君五十番今村るか君五十一番吉田康一郎君五十二番斉藤あつし君五十三番泉谷つよし君五十四番くまき美奈子君五十五番大西さとる君五十六番増子博樹君五十七番かち佳代子君五十八番植木こうじ君五十九番野上純子君六十番東村邦浩君六十一番長橋桂一君六十二番小磯善彦君六十三番三宅茂樹君六十四番高島なおき君六十五番鈴木一光君六十六番菅東一君六十七番石森たかゆき君六十八番矢島千秋君六十九番鈴木隆道君七十番こいそ明君七十一番倉林辰雄君七十二番遠藤衛君七十三番大西由紀子君七十四番いのつめまさみ君七十五番門脇ふみよし君七十六番小沢昌也君七十七番石毛しげる君七十八番岡崎幸夫君七十九番柿沢未途君八十番清水ひで子君八十一番古館和憲君八十二番松村友昭君八十三番東野秀平君八十四番ともとし春久君八十五番鈴木貫太郎君八十六番石川芳昭君八十七番三原まさつぐ君八十九番林田武君九十番野島善司君九十一番高橋かずみ君九十二番樺山たかし君九十三番新藤義彦君九十四番古賀俊昭君九十五番立石晴康君九十六番桜井武君九十七番初鹿明博君九十八番酒井大史君九十九番花輪ともふみ君百番大津浩子君百一番大塚たかあき君百二番相川博君百三番中村明彦君百四番曽根はじめ君百五番大山とも子君百六番藤井一君百七番中嶋義雄君百八番木内良明君百九番石井義修君百十番宮崎章君百十一番服部ゆくお君百十二番川井しげお君百十三番吉野利明君百十五番比留間敏夫君百十六番佐藤裕彦君百十七番川島忠一君百十八番内田茂君百十九番三田敏哉君百二十番馬場裕子君百二十一番大沢昇君百二十二番山下太郎君百二十三番土屋たかゆき君百二十四番田中良君百二十五番名取憲彦君百二十六番吉田信夫君百二十七番渡辺康信君欠席議員二名八十八番田島和明君百十四番野村有信君欠員四十八番出席説明員知事石原慎太郎君副知事谷川健次君副知事菅原秀夫君副知事山口一久君副知事猪瀬直樹君教育長中村正彦君知事本局長大原正行君総務局長押元洋君財務局長村山寛司君主税局長熊野順祥君警視総監矢代隆義君生活文化スポーツ局長渡辺日佐夫君都市整備局長只腰憲久君環境局長吉川和夫君福祉保健局長安藤立美君産業労働局長佐藤広君建設局長道家孝行君港湾局長斉藤一美君会計管理局長三枝修一君交通局長島田健一君消防総監小林輝幸君水道局長東岡創示君下水道局長前田正博君青少年・治安対策本部長久我英一君東京オリンピック招致本部長荒川満君病院経営本部長秋山俊行君中央卸売市場長比留間英人君選挙管理委員会事務局長梶原康二君人事委員会事務局長矢口幸一君労働委員会事務局長有留武司君監査事務局長白石弥生子君収用委員会事務局長中田清己君十二月十二日議事日程第三号第一第百八十六号議案職員の給与に関する条例の一部を改正する条例第二第百八十七号議案東京都の一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例第三第百八十八号議案東京都の一般職の任期付研究員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例第四第百八十九号議案職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例第五第百九十号議案職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例第六第百九十一号議案東京都職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例第七第百九十二号議案東京都育英資金条例の一部を改正する条例第八第百九十三号議案東京都私立学校教育助成条例の一部を改正する条例第九第百九十四号議案学校職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例第十第百九十五号議案学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例第十一第百九十六号議案都立学校等に勤務する講師の報酬等に関する条例の一部を改正する条例第十二第百九十七号議案都立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例第十三第百九十八号議案東京都児童相談所条例の一部を改正する条例第十四第百九十九号議案東京都心身障害者扶養共済制度条例第十五第二百号議案大気汚染に係る健康障害者に対する医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例第十六第二百一号議案東京都海上公園条例の一部を改正する条例第十七第二百二号議案東京都立公園条例の一部を改正する条例第十八第二百三号議案公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例の一部を改正する条例第十九第二百四号議案性風俗営業等に係る不当な勧誘、料金の取立て等及び性関連禁止営業への場所の提供の規制に関する条例の一部を改正する条例第二十第二百五号議案東京都安全・安心まちづくり条例の一部を改正する条例第二十一第二百六号議案警視庁関係手数料条例の一部を改正する条例第二十二第二百七号議案東京都医学系総合研究所(仮称)(H十九)I期新築電気設備工事請負契約第二十三第二百八号議案東京都医学系総合研究所(仮称)(H十九)I期新築空調設備工事請負契約第二十四第二百九号議案富士見橋鋼けた製作・架設工事請負契約第二十五第二百十号議案瑞穂大橋鋼けた製作・架設工事請負契約第二十六第二百十一号議案平成十九年度東京港臨海道路(II期)中防側アプローチ橋りょう鋼けた製作・架設工事請負契約第二十七第二百十二号議案当せん金付証票の発売について第二十八第二百十三号議案東京都立小峰公園の指定管理者の指定について第二十九第二百十四号議案東京都立明治公園外一公園の指定管理者の指定について第三十第二百十五号議案東京都立大神山公園の指定管理者の指定について第三十一第二百十六号議案東京都立横網町公園の指定管理者の指定について第三十二第二百十七号議案東京都水道事業の事務の委託の廃止及び八王子市公共下水道使用料徴収事務の受託について第三十三第二百十八号議案東京都水道事業の事務の委託の廃止及び立川市公共下水道使用料徴収事務の受託について第三十四第二百十九号議案東京都水道事業の事務の委託の廃止及び町田市公共下水道使用料徴収事務の受託について第三十五第二百二十号議案東京都水道事業の事務の委託の廃止及び国分寺市公共下水道使用料徴収事務の受託について第三十六第二百二十一号議案東京都水道事業の事務の委託の廃止及び福生市公共下水道使用料徴収事務の受託について議事日程第三号追加の一第一東京都教育委員会委員の任命の同意について(一九財主議第三四四号)第二東京都監査委員の選任の同意について(一九財主議第三四五号)
2024-03-31T11:22:45.036117Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/698131?Template=document&Id=2167#one
--- title: 平成19年_第4回定例会(第17号) 本文 # 午後一時開議 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)これより本日の会議を開きます。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)これより質問に入ります。百十二番川井しげお君。〔百十二番川井しげお君登壇〕 # 百十二番(川井しげお君) 百十二番(川井しげお君)平成十九年第四回東京都議会定例会に当たり、都議会自由民主党を代表して質問をいたします。今、国会の状況を見ますと、混迷する政局を打開するため、みずから職を辞した安倍政権を受け継いだ福田政権が、国会の正常化と国際責任を果たすため、懸命に努力をしております。しかしながら、国会は、建前だけの論議の横行と破廉恥ともいうべき防衛官僚の行動により、空転を繰り返すばかりで、国民生活にかかわる法律はたなさらし状態になっています。国会はまさに国民の負託を放棄したといわざるを得ません。こういうときこそ、住民に最も身近な地方が自立し、信頼される地方政府を確立していく必要があります。ことしは、地方自治法が施行されて六十年に当たります。この間、東京を中心とする首都圏は世界に比類のない大都市圏へと発展し、日本の成長を支えてきました。その後、アジア諸国の急速な経済発展など、世界的な厳しい都市間競争の中、都市の興亡が国家の興亡を左右する時代を迎え、今後、東京の持つポテンシャルを効果的に発揮できるか否かが、我が国の行く末に大きく影響するといえます。しかし、国が全国画一的な関与を続けている現行地方自治制度のもとでは、都の積極的な取り組みにも限界があるのが実情です。今後の分権改革は、我が国の将来にかかわる国家百年の計として、国と地方の役割分担を根本から見直し、地方の自主性、自立性を高めるものにしなくてはなりません。こうした中、先月十六日には、国の地方分権改革推進委員会が中間的な取りまとめを行いました。それに先立ち、知事は、委員会の場で分権改革の必要性を強く主張するとともに、先月の九日には、委員会に提言を提出しました。国の中間的な取りまとめの大きな方向性は、都の提言の内容に沿ったものとなっていますが、知事はどのような思いを込めて委員会に対する提言を行ったのか、考えを伺います。次に、二〇一六年東京オリンピック・パラリンピック招致について尋ねます。去る十一月十九日、二〇一六年東京大会の開催基本計画が発表されました。日本の国家復興の促進に寄与した一九六四年東京オリンピックのレガシーを踏まえ、新しい都市モデルを提案し、地球環境を再生する東京から地球社会への贈り物と位置づけています。大変明確なコンセプトで、都民、国民にも理解しやすいメッセージだと思っています。今後は、このコンセプトを高く掲げて、ただ単に、オリンピック・パラリンピック招致というだけでなく、高度な都市化や高齢化など、二十一世紀的課題を世界で最初に大規模に経験しつつある東京こそが、だれもが安心して快適に暮らせる都市を実現する戦略を示し、政策展開を図っていく必要があります。また、最先端の技術を用い、世界で最も環境負荷の少ない都市を実現し、その成果を広く世界に発信していくことも重要であります。しかし、環境の二十一世紀といわれている現在、ほかの立候補都市も環境対策を重視したコンセプトを提示してくることは明白です。都市間競争を勝ち抜くためには、他の都市にない日本独自の視点が不可欠です。そこで、開催基本計画のコンセプトにおいて、東京また日本ならではの視点は何なのか、伺います。今回の開催基本計画のコンセプトに基づいて、今後の申請ファイル、立候補ファイルを作成すると聞いていますが、さらによい計画となるように常にブラシアップを心がけてほしいと思います。我々都議会オリンピック招致議員連盟は、先月十九日、三十万名を超える都民、国民からの熱い声援がこもった署名を知事に贈呈いたしました。また、今月、招致に関する世論調査の結果が公表され、新聞社が春に実施した調査結果を大きく上回りました。これは地道な招致活動の結果であり、関係者の労をねぎらいたいと思います。今後も引き続き、開催の意義や経済効果などをPRすることにより、賛同の輪を大きく広げていかなければなりません。「オリンピックを日本に、二〇一六年!」が招致スローガンに加えられたことを契機に、今後、都内にとどまらず、広く国内、国外へもこのコンセプトを強く発信していくべきだと思いますが、今後の招致活動の展開について伺います。二〇一六年東京オリンピック・パラリンピックを開催することは、障害者、高齢者、子ども、外国人など、すべての人に優しく、開かれた平和な社会を、未来を担う子どもたちにプレゼントすることであります。この実現のためにも、東京の都市戦略を広く発信し、政策を力強く展開していくことが必要です。我々都議会も、人を育て、緑を守り、都市を躍動させるオリンピックの実現へ、招致活動を大いに盛り上げてまいります。最後に、オリンピック・パラリンピック招致に向けた知事の決意を伺います。次に、横田基地の軍民共用化について伺います。横田基地の軍民共用化は都政の重要課題であり、知事みずからが先頭に立ち、早期実現を目指して精力的に取り組んでこられました。日本政府も、知事の行動によって重い腰を上げ、平成十五年五月、当時の小泉首相とブッシュ大統領との会談で、共用化の共同検討について合意されました。これまで、必ずしも関係省庁の足並みがそろっていたとはいえない時期もあったようですが、知事の熱意により、現在では、関係省庁が都と一枚岩になって共用化の早期実現に取り組んでいます。軍民共用化の検討のために開催されたスタディーグループの協議は、この十月で、十二カ月以内という検討期限を経過しましたが、まだ検討すべき課題が残されているため、先月八日、高村外相とゲーツ国防長官との会談で、議論を継続していくことが了解され、引き続き協議を行うことになりました。知事は、事あるごとに横田基地の軍民共用化の重要性を訴えてきており、先月五日には、新聞に「アメリカは真の友人か?」の見出しで寄稿し、政治家として、日本国民の立場から現状を鋭く分析し、首都圏における空のアクセスを拡大することが国力の維持のために不可欠であり、横田基地の軍民共用化が必要であると訴えています。一方、横田基地を抱える多摩の立場からすれば、戦後六十年以上にわたり、日米の安全保障政策の重要性にかんがみ、基地を受け入れて友好的な関係を保ってきたにもかかわらず、アメリカ側は日本側の求めに対し消極的な立場をとっているようであり、この点については強い憤りを禁じ得ません。そこで、改めて、現在の状況を踏まえ、横田基地の軍民共用化を今後どのように進めていくのか、知事のお考えをお伺いします。次に、平成二十年度予算編成について伺います。都財政は、知事と都議会が手を携えた懸命な財政再建の取り組みが実を結び、平成十八年度決算、二年連続黒字、経常収支比率の改善など、大いに健全性を回復しました。財政再建に区切りをつけた今、これまで我慢をお願いしてきた都民の方々には、その成果を十分還元することが重要であります。同時に、将来の東京をより高いレベルで成熟を遂げたまちにしていくために、我々は今何をなすべきかという中長期的な視点も欠かすことができません。一方で、都財政はよくも悪くも外部要因の影響を受けやすく、将来の不確実性に対して万全な備えを期しておく必要があります。中長期的に安定した施策を展開していくために、財政運営の質という点でも、財政再建期とは違うものが求められると思います。これから予算編成作業が山場を迎えるわけですが、来年度は「十年後の東京」の実現に向けて本格的なスタートを切る重要な年であります。そこで、平成二十年度予算編成に当たって、知事の基本的な考え方について伺います。次に、東京の財源を奪う動きについて伺います。先ほど石原知事が福田総理と会談をし、総理からの求めに応じ、協力することとされたとのことであります。これまで都は、不合理な税財政制度の見直しに対し、断固反対の姿勢を示してきましたが、地方の現実と日本を預かる総理からの要請という状況の中で、大局的見地からご決断されたのではないかと思います。地方税財政制度の本来のあるべき姿、一方では困窮する地方への思い、そして首都東京を預かる知事の立場など、いろいろな要素が複雑に絡み合う中、都民と日本の繁栄を願う観点から、まさにぎりぎりで苦渋の決断だったと推察をいたします。非常に冷静で現実的な対応をとられたものであるとともに、首都東京の代表にふさわしい英断であると高く評価しております。そこで、今回の決断をした知事の率直な気持ちを伺います。次に、都独自の固定資産税の軽減措置について伺います。景気が回復基調にあるとはいえ、中小企業の業況は先行き不透明であり、中小企業者は依然として重い税負担感を持っています。税負担感などに配慮をし、商業地に対する条例減額制度など、都独自の四つの軽減措置を来年度も引き続き継続すべきと考えますが、知事の所見を伺います。次に、都の人事執行体制について伺います。石原知事就任以来、都では、二万人を超える定数削減を行うなど、国や他自治体の模範となる数々の行政改革に取り組んできました。こうした取り組みは、都の財政再建達成に大きく寄与したばかりでなく、監理団体、民間企業へのアウトソーシングなどによって、都民サービスの質的な向上にもつながっております。都民の貴重な税金で人件費を賄う以上、行政改革はこれからも当然必要ですが、長年にわたる定数削減によって、都庁内の一部の職場から、人手不足を訴える声、叫びも聞こえてきております。一例を挙げると、今後十年間で、四大技術職は半数近く、四千人が定年を迎えます。このままでは、熟練職員の大量退職によって、マンパワーの不足や技術力などの伝承が円滑に行われないといった事態も起こりかねません。二十年後、三十年後にも住民ニーズにこたえられる体制を築くには、計画的な職員の採用としっかりした人材育成が極めて重要です。こうした観点から、これまでの取り組みを一度検証してみる必要もあるのではないでしょうか。引き続きスリムな体制を維持しつつ、都民要望に迅速かつ的確に対応していくための今後の人事執行体制のあり方について所見を伺います。次に、地球温暖化対策について伺います。先月まとめられたIPCCの報告書では、地球温暖化は人間の活動に起因する温暖化ガスの増加が原因とほぼ断定し、二〇一五年から二〇年には世界のCO2排出量を減少に転換する必要性を指摘しています。さらに、この報告書では、CO2の削減対策だけでなく、洪水や感染症など、温暖化による悪影響を避けるためのいわゆる適応策の重要性を強調しており、まさに地球温暖化対策は待ったなしの状況であります。こうした中、都は、本年六月策定した東京都気候変動対策方針で、大規模CO2排出事業所への排出削減義務づけと排出量取引制度を導入することを明らかにしました。現在、都は、経済界などと意見交換会を開き、その意見を踏まえながら制度の内容を検討しているとのことですが、義務化については、経済成長が阻害されるといった懸念の声が上がっているとも聞いております。環境と経済は相反するものではなく、東京の長期的な発展を可能とするためにも、東京が国をリードし、積極的な温暖化対策の展開が必要であると考えますが、知事の所見を伺います。さらに、一層の温暖化対策を進める上で、中小企業や家庭も重要であります。中小企業のCO2排出量は都内の約五分の一、家庭の排出量は約四分の一を占めています。しかしながら、中小企業や家庭は省エネルギー対策に関する知識不足のため、取り組みが全体としておくれています。対象者数も多く、それぞれの事情に応じた具体的できめ細やかなサポートが有効なのではないでしょうか。これまでも都は、中小企業への省エネ対策に関する現場相談、省エネ診断や家庭に対する普及啓発などを行ってきましたが、今後、一層積極的、集中的に施策を展開するための拠点づくりを含めた体制整備により、こうした取り組みを進化させるべきと考えますが、見解を伺います。国でも審議会が開かれ、温暖化ガス削減に向けた抜本的検討が進められています。その中で、太陽光など新エネルギーの導入が論点として議論されておりますが、余り期待できるものではありません。我が党は、都が先導的に取り組むべき重要な課題と考えておりますが、都も、検討会の結果を踏まえ、具体的な方策を早急に取りまとめていく方向であると認識しております。そこで、国の施策で普及が進まない理由や、導入コストの軽減を実現する上での課題などを踏まえ、家庭等への普及拡大策の構築を早急に進めていく必要があると考えますが、見解を伺います。こうした取り組みを含め、先進的な温暖化対策の構築をし、環境オリンピックの実現に向けて世界に強くアピールしていくことを要望し、次の質問に移ります。「十年後の東京」において、新しい技術やアイデアで世界をリードする産業都市東京を目指す方針が示されました。東京の産業振興には、革新的なベンチャー企業に対する支援や新産業の育成などによるイノベーションの創出と、それを支える確かなものづくり産業の基盤の維持、強化の二つの視点が必要です。東京のものづくり産業は、高い技術力と競争力を有し、世界的にも高い評価を得ております。これは、金型や鋳造、メッキなどの基盤技術を持つ町工場といわれるような中小企業が、日本製品の高い信頼性と性能を支えてきたからにほかなりません。しかし、戦後最長の景気回復の中にあって、こうした中小企業にはその恩恵が行き渡らず、大企業との収益格差も広がっています。世界をリードする産業都市東京の実現には、こうした基盤技術を担う中小企業が果たすべき役割は極めて大きなものです。今こそ産業基盤の強化に全力を挙げるべきと考えますが、知事の所見を伺います。東京のものづくり産業の基盤を支える中小企業は、後継人材の不足による技術力の低下や大手企業との系列関係の崩壊など、極めて深刻な問題に直面しています。しかし、基盤技術を担う中小企業は、小規模な下請企業であることが多く、克服すべき課題に単独で対応することは極めて困難です。今後、こうした中小企業が、お互いの技術を高め合うとともに、大企業と対等に取引できるような支援策を講じていくべきと考えますが、所見を伺います。将来にわたり東京の産業を高めていくためにイノベーションの創出が不可欠です。都内企業にイノベーションのうねりを巻き起こし、波及効果の高い産業分野を育成することで新産業を創出していくことが必要です。成長性の高い産業分野の民間プロジェクトを集中的に支援する重点戦略プロジェクトは、こうした考えを具現化する施策として大きな期待を寄せているところです。そこで、今後の成長産業の育成に向け、本プロジェクトをどのように展開していくのか、伺います。次に、商店街振興について伺います。都はこれまで、地域コミュニティの核である商店街の活性化を図るため、新・元気を出せ商店街事業などの支援を進めており、その成果もあって、都内の商店街では活性化に向けたさまざまな取り組みが繰り広げられています。その一方で、新たに開店したコンビニや居酒屋に代表されるチェーン店等が商店街に加入せず、商店街の問題となっています。こうした状況を打開するため、かねてより我が党が提言してきた商店街とチェーン店との話し合いの場として、商店街振興組合連合会、東京都商店街連合会、商工会議所、商工会連合会など、地域商業、サービスの関係十団体による商業まちづくり協議会が平成十五年度に設置され、活発な議論が交わされています。その後、連携・協働の商業まちづくり共同宣言や連携・協働ガイドブックの作成など、地域商業者の連携、協働の機運が高まりました。また、都内区市町村での商店街への加入促進を目的とする条例や要綱を定める動きが広がり、現在その数は二十九団体に上ります。地域商店街の活性化をさらに推進するためには、これらの地域商業者の連携や各自治体の取り組みに、都として積極的な後押しが必要と考えます。商店街がチェーン店等とも一体となってさまざまな取り組みを行えるよう、実効ある施策を打ち出すべきと考えますが、所見を伺います。次に、多摩地区の水道事業について伺います。我が国の水道事業は市町村経営を原則としてきたため、経営的にも技術的にも脆弱な中小規模の事業体が多く、経営統合などによる広域化が最大の課題とされています。こうした中で、都は、昭和四十六年に多摩地区水道の都営一元化計画を策定し、現在まで二十五市町の水道を一元化してきました。一方、奥多摩町と檜原村の水道事業については一元化計画の対象外とされ、いまだに両町村による運営が続けられています。第三回定例会で我が党が指摘したとおり、両町村は、水源水質の悪化や技術的な問題など、その運営に苦慮しております。特に、ことし、奥多摩町にある小河内ダムが竣工五十周年を迎えました。奥多摩町は、この間、水源地として都の水道事業にさまざまな協力をし、また町の料金水準を都に合わせるなど、一元化を目指して努力をしております。こうした状況を踏まえ、都は、奥多摩町水道事業の都営一元化を都政の重要課題として取り組んでいくべきと考えますが、見解を伺います。また、奥多摩町が抱えるさまざまな課題への対応は、都の技術力、運営力をもってすれば必ずや解決できると考えますが、見解を伺います。続いて、直結給水について伺います。我が党はこれまで、機会あるごとに直結給水の取り組みの重要性について指摘をしてきました。例えば、平成十三年の水道法改正で、水道事業者が貯水槽水道の管理に関与できるようになったことから、都内にある全貯水槽水道を対象とした点検調査やフォローアップ、また、新築建物における直結給水の基準緩和などを指摘してまいりました。高度浄水処理の導入を初め、我々が水道局とつくり上げてきたおいしい水への取り組みは徐々に実を結びつつあり、東京の水道のおいしさを実感する都民もふえてきております。これまでの世界に誇る安全でおいしい水への取り組み、努力を結実させるためにも、直結給水化など、さらに力を入れていくことが重要だと考えます。また、水道局のみならず、民間の力をも活用した効果的な施策を実施していくべきと考えますが、見解を伺います。次に、羽田空港の跡地利用について伺います。知事は、我が党の第三回定例会の代表質問に、羽田空港の国際化は、我が国の経済を活性化し、国際競争力を強化する極めて重要な国家的プロジェクトであり、引き続き国に積極的に働きかけると強い決意を示しました。羽田空港再拡張事業は、新滑走路整備事業と国際線旅客ターミナルビルなど、整備を行う国際線地区整備事業の二つの事業が同時に進められておりますが、その国際線地区整備事業に隣接するエリアに、羽田空港の沖合展開により生じた跡地約五十三ヘクタールが更地のまま存在しております。この跡地利用について、国、都、大田区の三者での共同調査が進められており、先月公表された羽田空港跡地利用基本計画素案では、跡地を三つのゾーンに分け、各ゾーンの特性を踏まえた利用の方向が示されました。今後の羽田空港跡地の整備に当たっては、今回の基本計画素案で示された地元大田区など周辺地域との連携の視点に立つとともに、羽田空港の再拡張、国際化と整合を図りながら推進すべきと考えますが、今後の跡地利用に関する基本的な考え方について知事の所見を伺います。羽田空港再拡張事業は着実に進んでいると承知しておりますが、一方で、再拡張事業と足並みをそろえるべき跡地については、現在も国が所有し、土地処分のあり方が定まっていないなど、跡地利用がなかなか進まないのではないかと懸念されております。また、跡地が大田区の市街地に隣接しているなど、跡地利用には、都がリーダーシップを十分発揮して、地元大田区と情報交換を行うべきと考えます。そこで、今後の跡地利用の具体化に向けた都の取り組みについて伺います。次に、改正建築基準法の影響について伺います。構造計算書偽造問題の再発防止を図るため、去る六月に改正建築基準法が施行され、姉歯事件で失った建築物の安全への信頼性を回復するための取り組みが進められています。しかしながら、改正内容の周知が不十分だったことなどで、建築確認手続が大幅におくれ、建築着工件数が急減する事態を招いています。こうした状況が継続すれば、建築設計業界を初め、建築工事や不動産関係業界、住宅を購入する消費者など、社会全般に深刻な影響が拡大していく懸念があります。一方、日本銀行や内閣府の経済報告でも、建築確認停滞による影響は既に指摘しており、GDPも下方修正されています。せっかく回復基調にある日本の景気にも冷や水を浴びせかねない状況であります。そこでまず、最近の建築確認の都の現状と国の動向について伺います。我が党は、平成十八年七月に建築設計議員連盟を設立し、建築士事務所との意見交換などを通じて、建築業界が直面する課題に真摯に耳を傾けてまいりました。本件は基本的には国の問題ですが、建築行政を所管する都も、法の中で最大限の取り組みを行うことが必要だと考えます。そこで、今後の都の取り組みについて伺います。我が党は、このような状況を踏まえ、関連中小企業に円滑な資金供給がなされるよう、先月、金融機関及び国、都に対し強く申し入れを行いました。こうした我が党の取り組みが功を奏し、先月二十七日より、国が定める不況業種として建築関連の十五業種が新たに追加指定され、都においても特別相談窓口が設置されました。こうした行政の対応には一定の評価はできるものの、影響が極めて広範な業種に及んでいることを考慮すると、決してまだ十分な対応であるとはいえません。建築着工の落ち込みが特に顕著な都では、国が指定する不況業種以外の業種であっても、建築確認のおくれに伴い経営が悪化している関連中小企業者にできるだけ有利な条件で制度融資が活用できるよう、緊急かつ特別な措置を講ずるべきと考えますが、見解を伺います。次に、建物の耐震化について伺います。三月の能登半島地震や七月の新潟県中越沖地震など、大規模な地震の発生が相次いでいます。一たび東京で大地震が発生すれば、その被害の影響は、東京のみならず全国に及ぶものと考えられます。首都東京の国際的な信用を高める上でも、震災対策、とりわけ建物の耐震化は最優先の課題であります。都は、この課題に全庁を挙げて取り組むとして、ことしの六月に副知事を座長とする建物の耐震化推進会議を設置しました。推進会議では、防災上重要性の高い建築物の一〇〇%耐震化や住宅の九割以上の耐震化などの目標に向け、年内にも効果的な施策を取りまとめると聞いております。今後、建物の耐震化を促進するためにどのような方向で施策を展開しようとしているのか、所見を伺います。耐震化のための助成制度は、現在木造住宅が対象ということですが、耐震改修を促進するために、マンション等の木造以外の建物の助成についても検討されるよう、強く要望をいたします。さらに、耐震化促進のための税制も活用すべきと考えますが、所見を伺います。また、防災上重要な建築物として病院、小中学校、ホテルなどが挙げられていますが、これらが民間所有の場合は、資金面で耐震改修に踏み切れない場合も多いと考えられます。特に私立学校では、少子化の影響により経営が厳しい状況のところもありますが、次代を担う子どもたちを震災から守り、安全な教育環境を確保することは急務であります。そのため、私立学校に対する補助金のさらなる充実など、さまざまな支援が求められますが、都の支援策を伺います。次に、都営住宅のストックの活用促進について伺います。現在、都営住宅の整備は、昭和三十年代以前建設の二万五千戸を対象に建てかえを年間三千戸、四十年代建設住宅を対象にスーパーリフォームを年間千九百戸実施していますが、建てかえの際には、敷地の有効利用で用地を創出し、南青山一丁目や東村山本町地区など、民間事業者による活力ある都市づくりを進めていることも承知しております。一方、スーパーリフォームは、建てかえの半分程度の事業費をかけて一定のバリアフリー改修を行い、居住性の向上を目指すものですが、建物の耐用年数を延ばすことはできず、従来の建物を生かすため、敷地の有効利用を図れるものではありません。こうしたことから、今後は、都民の貴重な財産である都営住宅用地の有効な活用の促進を図るため、老朽化した住宅の建てかえで集約、高層化などを行い、創出した用地を生かした都市づくりを積極的に進めるべきです。そのため、スーパーリフォーム事業は抜本的に見直し、建てかえ事業については、対象住宅の範囲を拡大するとともに、年間の着手戸数をふやし、事業を加速させるべきと考えますが、所見をお伺いします。「十年後の東京」には、豊かな緑や魅力ある水辺環境の創出、災害に強い都市づくりなどが示されていますが、都営住宅の建てかえ事業は、これまでの創出用地を生かした民間事業者による都市づくりに加え、公共公益施設の整備などで、こうした取り組みにさまざまな面で貢献できるものと考えます。そこで、建てかえ促進による「十年後の東京」の実現に向けて、具体的にどのような効果が生み出されるのか、伺います。次に、道路の整備の財源確保について伺います。東京都の慢性的な交通渋滞は、都市機能の停滞や環境の悪化を招くなど、東京の最大の弱点の一つであり、三環状道路を初め、道路ネットワークの形成による渋滞解消が喫緊の課題であります。そのためには道路整備の財源が必要不可欠であり、我が党は、危機意識のもと、第三回定例会において、公明党と協力をし、道路特定財源の首都東京の道路整備への重点投資と首都圏の高速道路料金の引下げに関する意見書を提出し、民主党の賛同を得て、決議し、国に提出をしました。ところが、この道路特定財源をめぐってはさまざまな意見が飛び交っており、閣議決定された暫定税率の維持すら覆す意見もあります。東京を中心とする首都圏は、日本経済全体の牽引役であり、その基盤となる道路ネットワーク整備を早急に進めていく必要があります。都議会自民党は、暫定税率を維持し、道路特定財源を一般財源化することなく、本来の目的である道路整備に充当していくことが不可欠であると考えております。参議院選後のいっときの政治情勢によって、都民、国民の生活を支える道路の整備を遅滞させてはなりません。今後の年末の中期計画の決定、それを受けた法案改正など、道路特定財源については山場を迎えます。そこで、改めて道路特定財源の確保に向けた知事の所見を伺います。次に、美しい都市景観創出について伺います。人々に潤いや安らぎを与え、都市環境の改善や景観の向上などに寄与する街路樹の役割は重要であります。これまで街路樹は着実に増加してきていますが、今後、目標とする街路樹の倍増に当たっては、行政の取り組みだけでなく、都民の理解と協力が不可欠であります。知事は第三回定例会で、我が党の代表質問に、緑あふれる東京の再生に向けて、従来の行政の枠を超えた新しい発想で広く緑のムーブメントを巻き起こしていきたいと表明されました。都ではこれまで、新しい発想による都民参加の取り組みとして、思い出ベンチや舎人公園での桜の森づくりなど実例があり、多くの都民から賛同をいただいております。こうした取り組みのように、わかりやすく参加しやすい仕組みを街路樹の倍増においてもつくるべきと考えますが、所見を伺います。また、東京の良好な都市景観の創出のためには、街路樹の倍増とともに、無電柱化の促進が重要であります。都は「十年後の東京」で、緑のネットワークと連携し無電柱化を推進することとしており、これには、都道はもとより、区市町村と連携した面的な無電柱化に積極的に取り組んでいく必要があります。このため、我が党は、かねてより区市町村に対する財政支援を強く要望してきたところであり、オリンピック開催を見据え、区市町村に対する新たな補助制度を創設し、面的な無電柱化を加速させるべきと考えますが、見解を伺います。次に、東京港について伺います。我が国の持続的な発展のためには、国際競争力の強化が不可欠です。特に、国際物流の玄関口である東京港の基盤整備は喫緊の課題であります。今、世界は、コンテナ輸送における一層の効率化を追求する方向の中、コンテナ船の大型化が急速に進んでいます。本年九月に着工されたパナマ運河の拡張は、世界航路再編の引き金になる可能性も秘めており、東京港においても、将来を見据えた戦略的な港湾施設の整備が必要であります。このため、先般、我が党の港湾空港振興議員連盟から、港湾整備についての要望書を提出したところであります。都の港湾整備の指針である港湾計画は、おおむね十年後の東京港を目指した計画ですが、民間企業では、二年から三年の事業計画を策定し、実績と事業環境の変化に応じてローリングしていくことが一般的となっています。港湾施設の整備には長期間を要することから、十年を計画期間とすること自体は否定しませんが、昨今の世界の物流状況をかんがみれば、柔軟に計画を見直し、スピード感を持って施策を遂行していくことが必要であります。船舶の大型化など世界の潮流を踏まえた港湾計画の見直しを含め、東京港の新たな経営戦略を直ちに作成すべきだと考えます。また、その検討に当たっては、横浜港など他港との連携により、東京湾全体としてアジアを代表する港ともなり得るような国際競争力を強化するという視点も必要だと考えますが、知事の所見を伺います。ところで、経営戦略の策定に当たっては、東京港の今後の役割について認識を明らかにしておくことが重要です。近年、製造業においては、日本とアジア諸国間での国際的な分業が進み、国境を越えた物の動きが年々活発になっており、輸出入の貨物量の急増につながっております。一方、高度な技術力を必要とする生産分野では生産拠点の国内回帰も進んでおり、南東北を中心に国内での工場立地が増加しています。圏央道や外環道などの整備が進む中、首都圏だけでなく、さらに広大な地域が東京港の背後圏となりつつあります。東京港は、このように伸びつつある国内の実需にこたえるメーンポートとしての機能を十分に果たすとともに、我が国を代表する海の玄関口として、内航、外航の円滑な結節点となるハブ機能を担っていくことも必要です。このような国際的、国内的な環境変化を踏まえ、今後、東京港はどのような役割を果たしていくのか、所見を伺います。次に、がん対策について伺います。都内では、がんで入院している患者が約一万二千人、総患者数は十三万五千人と推計されています。また、昭和五十二年から都民の死亡原因のトップを占め、年間三万人もの方ががんで亡くなっており、これは都民にとって大きな脅威であります。現在、都では東京都がん対策推進計画を策定中とのことですが、がんにかからないこと、たとえがんにかかっても、前向きにそれに向き合い、そして、がんを克服できることが都民の切なる願いであります。計画策定に当たり、がん対策に取り組む知事の決意を伺います。また、第三回定例会の代表質問において、我が党は、高度で専門的ながん診療機能を有する病院の活用を提案しましたが、知事は、国が指定する拠点病院と同等の診療能力を有する病院を都独自に認定すると表明されました。この認定病院について、その内容と今後の取り組みについて伺います。次に、医療制度改革について伺います。我が党は、一連の医療構造改革の中でも療養病床の再編については、都民に対する影響が極めて大きいものであることから、幾度となく都議会で質疑を重ねてまいりました。今般公表された東京都地域ケア体制整備構想において、第三回定例会の我が党の代表質問を踏まえ、療養病床数を全国一律で削減しようとする国の考え方によらず、都の地域特性を踏まえた再編を推進することが明記されました。今後、都は、当構想を踏まえ医療費適正化計画を策定していくわけですが、現在の検討状況について伺います。医療費適正化を総合的に推進するに当たって、国は、糖尿病など生活習慣病の予防を重要な取り組み策の一つに位置づけ、平成二十年度からは、特定健康診査そして特定保健指導の実施を医療保険者の責務としました。この特定健康診査・特定保健指導の費用について、区市町村の運営する国民健康保険の場合には、国と都道府県がそれぞれ三分の一を負担することが法定されていますが、国民健康保険組合には該当の規定がありません。生活習慣病予防の取り組みを推進するため、都として国民健康保険組合に対し必要な財政支援を行うべきであると考えますが、所見を伺います。次に、後期高齢者医療制度について伺います。このたび、政府・与党は、来年度からスタートする後期高齢者医療制度の保険料について、扶養家族であった被保険者の保険料の半年間の凍結を含む一層の激変緩和措置を国の財政責任で講じることとしました。また、都内の全区市町村は、保険料の軽減を目的に広域連合への財政支援を実施することとしました。都としても、広域連合及び区市町村と連携をし、安心して新制度を迎えるよう支援すべきと考えます。そのため、我が党は先月、後期高齢者医療制度の円滑な施行に関する要望書を知事に対して提出したところであります。そこで、こうした動向を踏まえた上での都の考えを伺います。次に、子育て支援について伺います。我が国の深刻な少子化に歯どめをかけ、次代を担う子どもたちを健やかに育成するためには、子どもを生み育てたいと望む人たちが安心して子どもを生み、子育てができる環境を整備することが必要です。都は、局を横断して総合的な子育て支援策を推進するため、本年六月に副知事を座長とする子育て応援戦略会議を設置しました。全庁を挙げてさまざまな角度から精力的に検討を重ねてきた結果が、近々、子育て支援の重点戦略として打ち出されると聞いております。そこでまず、大都市東京ならではの子育て支援について、知事の所見を伺います。子育て応援戦略会議のテーマは、働き方の見直しや子育てに必要な環境づくりなど広範にわたっていますが、とりわけ保育所の待機児童五千人の解消は喫緊の課題であります。全国に約一万八千人いる待機児童のうち、何と四分の一は東京都の待機児童です。待機児童問題はまさに大都市問題であり、都の取り組みこそが解決のかぎを握っていると思います。都はこれまでも、独自に認証保育所制度を創設するなど、待機児童の解消に努めてきましたが、残念ながら、いまだ待機児童を目に見える形で解消するには至っていません。そこで、緊急にさまざまな保育サービスを拡充し、確実に待機児童の解消を図ることが必要であると考えますが、今後の取り組みを伺います。さらに、保育サービスを必要とする、しないにかかわらず、すべての子育て家庭に対する支援も重要です。都市部の子育て家庭の約九割は核家族です。地域社会のきずなが弱まる中、子育て家庭が孤立し、子育て不安や育児ノイローゼに悩む親御さんも見られます。これが深刻化すれば、不適切な養育につながり、児童虐待という、あってはならない事態に至る危険性もあります。孤立した子育てにならないよう、例えば、親同士が子育ての相談や悩みなどを気軽に話し合えるような交流の場の整備や、子育ての負担軽減のためのさまざまなサービスを充実させることが必要です。地域で安心して子どもを育てるための支援の仕組みをこれまで以上に充実させるべきと考えますが、所見を伺います。次に、シルバーパスについて伺います。来年三月開業される日暮里・舎人ライナーについて、我が党は、東京都交通局が経営主体として運行を行うこと、さらに、沿線の高齢者の社会参加を一層促進するためにシルバーパスの対象路線とすることを昨年八月に都に要望しました。この点については、既に東京都交通局が経営主体として事業譲渡の許可を得ており、シルバーパスの適用に向けて所要の手続が行われると聞いております。さて、国の税制改正において、十八年度より高齢者に対する区市町村民税非課税の基準が引き下げられましたが、この結果、収入が変わらないにもかかわらず、千円から二万五百十円でパスを購入しなければならなくなる事態を避けるため、影響を受けた方について、都が、十八年度、十九年度と負担額をそれぞれ据え置いたことは高く評価するものであります。国においても、二十年度、二十一年度と介護保険料の激変緩和措置をさらに継続する見込みです。そこで、新たにパスを発行される方も含め、経過措置の継続を強く求めるものであります。都の見解を伺います。次に、都立病院改革について伺います。都立病院は、東京発医療改革の核として、東京ERの実施やPFI手法の導入など、都立病院改革を積極的に推進し、全国をリードしてきました。しかし、全国的な医師不足、とりわけ産婦人科医師の不足は都市部でも深刻であり、都立病院でも、一部分娩の休止や縮小をせざるを得ない状況と聞きます。第三回定例会の代表質問で我が党がただしたとおり、産婦人科医師を含む優秀な医師を確保し、定着を図っていくことは、都立病院がその役割を果たしていく上で何よりも重要であることは論をまちません。特に産婦人科は、女性医師が三十代で五割、二十代で七割を占めており、出産等での離職が少なくないといわれています。今年八月の育児休業法の改正を踏まえ、我が党は、さきの各会計決算特別委員会でも主張したとおり、子育てと勤務の両立を可能とする短時間勤務制度の早期導入を要望していますが、これは、女性医師を初めとする医療従事者の確保に大いに資するものです。都立病院が率先して総合的な医師確保対策を講じ、それを東京発医療改革として発信していくことは、他の自治体病院に大きな影響を及ぼし、現下の医師不足の解消にも寄与するものと考えております。こうした中、先日、日本産科婦人科学会の理事長が知事と面会し、産婦人科医師不足に対して病院現場での総合的な対策を実施してほしい旨の要望を行い、学会の中で相当大きな話題となっていると聞きます。そこで、都立病院の医師不足についての認識と今後の対策について、知事の所見を伺います。また、都立病院改革を推進するに当たって、都立病院の経営形態の検討が大きな課題であります。先月末には有識者による都立病院経営委員会から報告書が出されましたが、その中で、いわゆる非公務員型の一般地方独立行政法人が制度的に最も柔軟な経営形態であると提言されました。一方、報告書では、地方独立行政法人の制度面や運用面での課題も指摘をしております。課題を抱えたままでの拙速な経営形態の変更は、病院現場に混乱を招き、医療サービスの低下につながりかねません。また、都立病院の使命である行政的医療については、都が最終的に責任を持つべきであり、慎重な検討が必要であると考えます。今後、この報告を受けて都としてどのように検討を進めていくのか、所見を伺います。次に、教育関係について伺います。平成十九年四月、改正学校教育法が施行となり、従来、障害種別ごとに設置されていた盲学校、ろう学校、養護学校制度は、複数の障害種別に対応した教育を行うことのできる特別支援学校制度になりました。また、幼稚園、小中学校、高等学校等に在籍する特別な支援を必要とする幼児、児童、生徒に対しても特別支援教育を行うことが明確に位置づけられたところです。本年は、こうした特別支援教育制度が大きく改正された、いわば特別支援教育元年となる年であります。そうした中、このたび、平成二十年度から二十二年度を計画期間とする東京都特別支援教育推進計画第二次実施計画が策定されました。そこで、十一月に発表されたこの計画について伺います。障害の有無にかかわらず、すべての子どもが社会的に自立し、社会参加できるようにすることが大変重要なことであると考えます。特別支援教育制度への理解が進み、これから推進、定着していくことが求められます。そこで、都教育委員会は、知的なおくれのない発達障害を含む障害のある子どもに対する教育をどのように考えているのか、また、第二次実施計画では、障害のある子ども一人一人に応じた支援計画の充実など、障害のある子どもへのライフステージに応じた支援をどう展開していくのか、伺います。第二回定例会の我が党の代表質問で、都独自の取り組みも第二次実施計画で盛り込むべきとの質問に対し、教育長は、国を先導するような改革を推進していくと答弁されました。そこで、国に先駆けた教育内容の充実や外部の教育の活用など、計画に盛り込まれた都独自の先導的な施策とはどのようなものなのか、伺います。次に、スポーツ振興施策の総合的な推進について伺います。都のオリンピック招致に呼応して、ことし八月に、スポーツ振興を国家戦略としてとらえた報告書である「スポーツ立国ニッポン」が発表されるなど、スポーツ振興に対する国の本格的な検討が開始されました。都においても、スポーツ振興審議会が立ち上がり、新たなスポーツ振興戦略の検討が始まったと聞いています。スポーツは、都民の心身の健全な育成や健康づくりに欠くことのできない重要な要素であるとともに、競技者の活躍は、見る者に夢と感動をもたらすものであります。都民の日常生活にスポーツを溶け込ませることは、スポーツ都市東京の実現に欠かせないと考えます。都は、本年四月にスポーツ事業を生活文化スポーツ局に移管し、執行体制の強化充実を図っていますが、新たなスポーツ振興事業について、これまでの取り組みの実績と、今後の展開について伺います。本年二月には三万人が都心を駆け抜ける東京マラソンを開催し、多くの都民に感動を与えるとともに、東京の国際イベント運営能力を国内外にアピールするなど、都民のスポーツ機運の醸成に努めてきました。さらに、七月には、競技力向上推進本部を立ち上げ、総合的な競技力向上策の検討を行っています。将来のアスリート候補であるジュニア選手の発掘・育成事業、青少年がスポーツを親しむ機会の拡大を図るものであり、今後、一層の取り組みの強化を期待しております。このように積極的にスポーツ振興に取り組んでいるものの、まだまだスポーツに関心の低い都民がいることは否めません。我が党は、第三回定例会で都全体のスポーツムーブメントを高めるため、スポーツ情報の積極的な発信を提起したところであります。今後の都民の興味、関心をさらに高めるため、どのような方策を講じるのか、伺います。冒頭、オリンピック招致の決意を知事から改めて伺いました。子どもたちに夢と希望と感動を与えるためにも、ぜひとも招致を成功させたいと思います。各会場に日本の環境技術を世界に発信できるような環境ブースを各企業の協力を得てつくり、まさにスポーツの祭典とパラリンピックに象徴される障害者の社会参加、そして環境見本市を兼ねたイベントであると、広く国民に理解をいただけるよう働きかけるとともに、IOCへの立候補ファイルによって、IOCメンバーを感動させるような斬新な提案を期待します。我々議会も招致議員連盟を中心に一致努力することを申し添えまして、私の質問を終えます。(拍手)〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)川井しげお議員の代表質問にお答えいたします。まず、地方分権改革についてでありますが、国の差配のもとで何もかも全国一律に事業を行うという時代では、もはやありません。地方分権によって地方が真に自立し、みずから地域の活力を取り戻していくことが日本再生のかなめであると思っております。とりわけ首都東京は、我が国の頭脳部、心臓部でありまして、国力の源泉であります。この東京が、人材や企業が高度に集積したたぐいまれなる優位性を生かしまして、大都市特有の諸課題を迅速かつ的確に解決できなければ、一つの都市の盛衰にとどまらず、我が国の存立自体をも揺るがしかねないものだと思います。大都市の現状を熟知した東京都は、これまでもさまざまな先進的な取り組みを講じておりまして、みずからの権限と責任で課題を解決できるだけの力があります。しかし、どうも霞が関は、地方分権の意義を全く理解せずに、あたかも自分たちがこの国の盟主であるがように振る舞って、権限を墨守する姿勢を一向に崩そうとしません。こうした霞が関の姿勢にくさびを打ち込むためにも、地方分権改革推進委員会には、首都東京のかじ取りに必要な権限拡大を求めるとともに、国の関与を一たん白紙にして、必要なものを厳選するといった抜本的な改革が必要であると提言いたしました。また、先月には、委員会への提言を都民に対し、よりわかりやすく具体例を加えて発信いたしました。今後、都議会とも力を合わせて、この国のありようを変える地方分権の闘いを進めていくつもりでございます。次いで、オリンピック・パラリンピックについてでありますが、前回の東京大会が東京と日本の復興の扉を開いたように、二〇一六年の大会は、地球社会の未来のために新しい扉を開いていく絶好の機会であると思っております。地球の健康、人間の健康のためのオリンピック・パラリンピックを開催し、東京、日本が誇る世界最高水準の技術と政策を駆使して、人と地球の可能性を最大限に追求していきたいと思っております。来年は、立候補都市の決定、それから、北海道洞爺湖でのサミット、北京オリンピック・パラリンピックなど、世界の注目が集まる大きな催しがメジロ押しに並んでおりますが、国内外におけるあらゆる機会をとらえて全力で招致活動に取り組み、都市間競争を勝ち抜いて、オリンピック・パラリンピックをこの日本に招致し、東京で開催したいと思っております。その決意であります。このたび、二度にわたり実施した世論調査では、二度とも賛成が六割を超える結果となりました。これは百三十万に及ぶ署名など、これまでの皆さんによる招致活動の成果があらわれたものと認識しております。今後とも、都議会、区市町村、地域団体を初め都民、国民の皆様のさらなるご協力を心からお願いいたします。次いで、横田基地の軍民共用化でありますが、世界全体が時間的、空間的に狭くなっている今日の社会で、空のアクセスは、国家の繁栄、成熟のために不可欠な、非常に重要な意味を持っていると思います。横田基地の軍民共用化は、空港容量の逼迫する首都圏の空のアクセスを拡大するものでありまして、我が国の国力の維持のためにも必要不可欠であると思います。また、地元の多摩地域や、横田に近接する隣県にとっても、航空利便性が向上するばかりでなく、交通インフラの充実や産業の振興など、地域の活性化のためにも大きな意義があります。横田の軍民共用化は、二〇〇三年五月の小泉・ブッシュ会談で検討が合意されたものでありまして、これまで首脳会議などでも繰り返し実現を要請して、日米間の重要な懸案事項であります。これまでの日米協議では、アメリカ側の軍事運用にかかわる幾つかの課題が指摘されておりますが、例えば、セーフアークといいましょうか、弾薬庫の周辺の安全性の問題であるとか、基地を使ってのさまざまな訓練、実際には大してやってないんですが、こういったものが提示されておりますが、これはいずれも調整可能なことばかりでありまして、アメリカの政府が日米関係を本当に重視するならば、軍民共用化に積極的に対処してしかるべきだと思っております。しかし、残念ながら交捗中に、事務方、相手は主に軍人でしょうけれども、その言動に、横田は太平洋戦争の遺産であるなどというけしからぬ認識が露呈してきまして、これは今日の日米安保の地位協定の、要するにゆがみにもあると思いますけれども、そういう実情のもとで努力しなくちゃいけませんが、元在日米軍の司令官などをメンバーとします米国のコンサルタント会社、スペクトラムというグループがございますけれども、彼らの指摘も、米軍側の指摘は、ある部分、非常に拡大されている面があるといっております。今後も、国の関係省庁と都が一枚岩の結束を保ちながら、米側に対して説得力のある具体的な提案を行うなど、粘り強く協議を進めることによりまして、軍民共用化の早期実現を目指していきたいと思っております。平成二十年度予算編成についてでありますが、都財政は、都民、都議会の皆様とともに血のにじむような努力を積み重ねて、ようやく長いトンネルを抜け出すことができましたが、一方では、先行き不透明な景気動向など都政をめぐる環境は、なお予断を許さない状況にあります。そうした中にあっても、東京をさらなる成熟した都市としていくために、「十年後の東京」の実現に向けた実行プログラムを核とする先進的な取り組みの展開や、更新期を迎える都市インフラへの対応など、橋とか何とかが大分耐用年数に近くなっておりますので、そうした山積する課題に対しまして真正面から取り組んでいかなくてはなりません。平成二十年度予算では、いかなる荒波に遭っても東京の将来に向けた取り組みを支え、都民生活を守り抜くことのできる強靭な財政基盤を築くとともに、「十年後の東京」のプラン実現に向けた施策を本格的に展開し、都民の負託にこたえていきたいと思っております。次いで、取りざたされておりました東京の財源を奪う動きについてでありますけれども、けさ、急遽、福田総理との会談を求められたので、官邸に出向きました。総理からは、地方の窮状への理解を求めたいという申し入れがありました。あわせて、東京の活力の増進によって日本の発展を促すため、都の重要施策の推進に総理としても最大限協力したい、そのために、国と都の間で実務者による新しい協議の場を設けたいとの提案がありました。私からは、大都市の税源を理由もなく地方に移転させる今回の措置は、税の原則に反し、地方分権に逆行することから納得できるものではないと、はっきり申しました。また、地方財源の充実は、消費税の税率引き上げなど、地方への配分拡大という抜本的改革によって行うべきだと、強く申しました。また、現在、東京が取り組んでいる重要施策を十数項目、具体的に挙げまして、国がその実現のために力を尽くすようにも強く求めました。これに対して総理からは、私の主張を理解し、その実現に向け最大限努力をするという前向きな回答もありました。こうしたやりとりを踏まえまして、この国の発展を牽引する役割を担う首都東京、同時に地方の一員でもある東京が、その東京を預かる都知事としても、いかになすべきかを熟慮しまして、今回の措置を税制抜本改革までの暫定措置とすることを条件に協力することを、やむなく決断をいたしました。もとより今回の措置によって、地方の疲弊という構造的に生じている問題が根本的に解決されるものでは決してありません。総理には、地方の自立に向けた税財政制度の抜本的改革を早期に実現してほしいと申しました。既に、前政府ですか、国民保険の国家負担は五〇%にするという約束をしておりますから、これを実現すれば、これはとても消費税というものを踏まえなければ税源の確保はできるものではありません。それまでの、一つ、時限ということで合意をいたしましたが、この合意に基づきまして、東京の重要施策の推進を目的とする実務者による新たな協議の場を、国と都の間でつくることにいたしました。この会議をフルに活用しまして、東京の諸課題の実現に向け、首都東京、そして日本の発展のために全力を傾けていきたいと思っております。この間の都議会の皆様のご支援には、心から感謝を申し上げたいと思います。次いで、固定資産税などの軽減措置についてでありますが、これまで商業地等の負担水準の不均衡是正、中小企業支援、景気対策、都民の定住確保などの観点から、固定資産税などについて負担水準の上限引き下げや、小規模・非住宅用地に対する減免措置など、都独自の四つの軽減措置を実施してまいりました。平成二十年度の取り扱いについては、社会経済状況の変化や景気の状況等を踏まえつつ、中小企業者などの税負担感を十分に勘案しまして、今後、積極的に検討してまいります。次いで、温暖化対策の展開についてでありますが、地球温暖化の進行は、近年、加速化していることが明らかになっておりまして、今後十年程度の間に思い切った対策を打たなければ、破局的な事態を免れない。識者にいわせますと、事はもうポイント・オブ・ノーリターンを過ぎてしまいつつあるということでありますが、温暖化対策は、もはや経済の効率との取引、トレードオフができるような問題ではなくて、まさにもっと基本的な人類の生存にかかわる問題ともなっております。企業の経営者に求められるのは、こうした認識に立ちまして、我が国の有するすぐれた環境技術を最大限に活用し、温暖化対策の強化に取り組むことであります。都は、CO2の大幅な削減を可能とする二十一世紀の新しい都市モデルの実現を目指して、大規模な排出事業所への削減義務を初めとする先駆的な施策を展開していきたいと思っております。次いで、産業基盤の強化についてでありますが、世界の技術の粋を集めた航空機や宇宙ロケットなどの製造においても、東京の中小企業の持っているすぐれた技術が生かされております。また、日本の製品が世界のマーケットでの競争を勝ち抜いていくためには、製品の独創性や高付加価値を支える中小企業の技術力が必要不可欠であります。健康、環境、危機管理などの成長産業分野も、基礎的な技術なしには発展し得ません。しかしながら、多くの中小企業は、国際競争の激化や後継者不足など、厳しい経営環境に置かれておりまして、事業の継続自体も危ぶまれる企業がたくさんございます。都としては、技術、経営、人材育成など、さまざまな側面から、中小企業に対する支援を積極的に行い、東京の産業基盤を強化していきたいと思っております。次いで、羽田空港の跡地利用についてでありますけれども、羽田空港再拡張事業は、逼迫する首都圏の航空事情を改善し、日本の経済の活性化や国際競争力の強化を図る上で必要不可欠な国家的プロジェクトであります。きょうも、羽田の、だれが決めましたのか、国際化した後の発着便を三万回とか、以遠性が石垣島近辺のという、そういう愚かな取り決めがあるようなないような現況ですけれども、これは本当に噴飯な話でありまして、国際会議がどんどん減っているこの首都圏の窮状を見ましても、やはり国際化されたときには、最低ASEANまでは飛行機が飛ぶ、しかも、年間三万回などではなくて、要するに、その倍ぐらいの便数というものを可能にすべきだと申しました。そういう意味でも、羽田空港の跡地は、再拡張事業で整備される国際線ターミナルなど、国際化の拠点施設に隣接する貴重な空間でありまして、空港機能をサポートするとともに、空港の持つポテンシャルを活用した跡地利用を行っていくことが重要であります。今年度じゅうに国及び関係自治体との調整を進めまして、跡地利用基本計画を策定し、現在国が進めている再拡張事業の進捗状況を見据えながら、跡地利用の早期具体化を図ってまいります。これが実現しますと、いわゆる川崎口という多摩川をまたぐ橋も考えられておりますから、羽田の活動範囲というのは非常に広範囲に及ぶと思いますし、そういう意味でも、再拡張後の羽田が世界に向けた我が国の玄関口として、その機能を十二分に発揮できるよう、今回示した方向性に沿った跡地利用の実現を国に積極的に働きかけてまいります。次いで、道路整備の財源確保についてでありますが、首都東京が持てる力を十全に発揮するには、三環状道路を初め幹線道路ネットワークや連続立体交差などの早期整備が必要であります。先般、国が公表しました道路の中期計画素案には、都が主張してきた渋滞対策や高速道路を利用しやすい料金体系の構築などが、はっきりと盛り込まれました。これらの施策を実現し、我が国の国土形成の根幹をなす道路整備を着実に進めていくためには、安定した財源の確保が不可欠であります。今後とも、道路特定財源諸税の暫定税率を維持しまして、道路特定財源を本来の目的である道路整備や関係施設に集中的に投入するように、都議会や区市町村などと一体となって国に強く求めていきたいと思っております。次いで、東京港の経営戦略についてでありますが、世界の海運動向を展望しますと、近年、国際的な産業貿易構造が変化する中で、物流の効率化やコスト削減のために船舶の大型化が急速に進展しております。また、二〇一五年のパナマ運河拡張をにらみまして、国際航路戦略が大きく変わろうとしておりまして、スピード感を持って港湾経営に取り組んでいくことが重要であると思っております。一方、躍進の著しいアジア諸港との競争が激化しておりまして、東京港がこの競争に勝ち抜き、日本の国際物流の玄関口としての役割を果たしていくためには、横浜港などと連携を強化するなど、都県境を越えまして、東京湾全体を一体的に運営するポートオーソリティーの設置も必要であると思っております。このため、世界的な船舶大型化に対応した港湾整備のあり方、輸出入貨物の増加を見据えた臨海部道路網の検討などにつきまして、これは二つの環状線も含めてのことでありますけれども、年内に港湾審議会に諮問しまして、東京湾の持つ総合力を高めるような東京港の新しい経営戦略の策定に着手したいと思っております。次いで、がん対策についてでありますが、がんは、無情にも多くの人の命を奪っておりまして、現代社会を生きる我々の健康に重大な脅威を与えております。がんの克服には、都民みずからが予防を心がけ、早期発見の機会となる検診を受診するという行動が大切であります。また、がんにかかった都民がさまざまな治療法を複合的に組み合わせた高度な医療を受けられる体制を整える必要がございます。とりわけ、広く都民が最高水準の医療を受けられるように、国指定の拠点病院に加えて、都は独自の認定病院制度を設け、放射線療法、化学療法の推進など、がん医療の水準を向上させていくつもりでございます。こうした取り組みを核として、がんの予防から治療及び療養生活の質の向上に至るまでの総合的な計画を策定し、がんとの闘いに全力を注いでいきたいと思っております。次いで、東京における子育て支援策についてでありますが、我が国は既に人口減少時代を迎えておりまして、いかなる時代にあっても、次代を担う子どもたちの健やかな育ちを支えることは、親だけではなくて社会全体の責任であると思います。都においては、核家族化や女性の社会進出、就労形態の多様化などに伴う大都市特有の保育ニーズにこたえるため、認証保育所を創設し、都民からの広範な支持を得ております。この認証保育所につきまして、きょう、総理との中で、厚生省の守っているかたくなな規制を廃して、都独特の、要するに認証保育所というものを認可保育所に格上げするように、そういう規制緩和を考えてくれと申しました。引き続き、国に対して保育所制度の改革を働きかけ、「十年後の東京」で示したとおり、待機児童五千人を解消していきたいと思っております。さらに、東京で働く多くの人が仕事と子育てのトレードオフを迫られているという実態がありまして、企業サイドの意識改革を促していくことが重要であります。こうしたことから、企業や経営者に一肌脱いでもらいたいと思い、先日、東芝の岡村さんに会長をお願いしまして、子育て応援とうきょう会議を立ち上げました。今後、この会議も活用しながら、社会全体で子育てを支援していくムーブメントを巻き起こし、子育ての喜びを真に感じることができる東京にしていきたいと思っております。次いで、医師不足についてでありますけれども、この問題は我が国の医療制度に深くかかわっておりまして、本来は国が責任を持って対応することが基本であります。しかし、先日、日本産科婦人科学会の理事長から、医師不足の実態を直接聞きました。医療現場の窮状は、殊のほか深刻であります。動きの鈍い国の対策を待つことなく、都立病院という医療の現場の強みを生かしましたドラスチックな対策を講じることが急務であると痛感いたしました。このために、給与の大幅な改善はもとより、増加する女性の医師のための育児施設や、医療クラーク、これはお医者さんが業務を果たした後、手術なら手術の報告というものをお医者さんが書かずに、それを担当する職員をつくるなど、医師が働きやすい勤務環境を実現していきたいと思っております。また、来年度開講します東京医師アカデミーによる若手医師の計画的な育成、確保にも取り組んでまいります。こうした東京モデルともいうべき重層的、複合的な医師確保対策を講じ、都民に対する医療サービスを守るとともに、深刻な医師不足に悩む全国の自治体に向けても東京のシステムを発信していきたいと思っております。なお、他の質問については、教育長及び関係局長から答弁いたします。〔教育長中村正彦君登壇〕 # 教育長(中村正彦君) 教育長(中村正彦君)特別支援教育に関します二点の質問にお答え申し上げます。まず、特別支援教育に対する基本的考え方、展開についてであります。知的なおくれのない発達障害を含む障害のある児童生徒等に対しては、自立や社会参加に向けた主体的な取り組みを支援するという視点に立ち、児童生徒等一人一人の教育ニーズを把握し、その持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善または克服するため、適切な指導及び支援を行う必要があります。第二次実施計画では、保健、医療、福祉、労働等、他の分野との積極的な連携を図り、乳幼児期から学校卒業後までの一貫した支援を行うために個別の支援計画の策定を一層推進し、例えば、小学部からキャリア教育を導入し、職業教育の充実を図り、障害の状況に応じた就業体験の機会の確保や新たな職種、職域の開拓を進めるなど施策の充実を図ってまいります。次に、第二次実施計画におきます都独自の先導的な施策についてであります。本計画においては、さまざまな面で特別支援教育の新たな取り組みを行っておりまして、主な例といたしましては、第一に、全国に先駆けて開発してきました自閉症の教育課程について、今後、小中学部を設置する知的障害特別支援学校で編成、実施していくこと。第二に、全国初の視覚障害教育部門と知的障害教育部門を併置する新たなタイプの学校を設置し、それぞれの専門性を生かした特色ある教育課程を編成していくこと。第三に、退職教員や教職を目指す大学生などの外部人材の活用やNPO法人、企業などとのネットワークの構築を図り、交流体験活動などのモデル事業を通じて、児童生徒のさまざまな活動を支援する新たな仕組みづくりを検討していくこととしております。これらの事業を含め、今後とも都独自の先導的な施策を推進することによりまして、障害のある児童生徒等一人一人の個に応じた教育の一層の充実を図ってまいります。〔東京オリンピック招致本部長荒川満君登壇〕 # 東京オリンピック招致本部長(荒川満君) 東京オリンピック招致本部長(荒川満君)二点についてお答えいたします。まず、コンセプトにおける東京、日本ならではの視点についてでございますが、開催基本計画で示しましたように、東京オリンピック・パラリンピックは、第一に、世界一コンパクトな大会を目指し、オリンピックスタジアムを中心とした八キロ圏内に、ほとんどの競技会場を配置いたします。そして、東京の都心全体をオリンピックパークとしてとらえ、成熟した大都市の中心で開催する新しいオリンピックのあり方を世界に提案いたします。第二に、他のライバル都市にはない過去のオリンピック遺産の活用でございます。四十年以上も前のオリンピックの競技会場が、現在でも数多くの国際大会に使用されていることに世界は注目をしております。これらの施設のさらなる改修により、未来に引き継いでまいります。第三に、世界最高水準にある交通インフラの活用でございます。正確かつ利便性の高い鉄道システムや充実した道路網により、観客の輸送を円滑、確実に実施いたします。第四に、日本が世界に誇る環境技術の活用でございます。海の森を初めとした緑化を推進するとともに、省エネ技術等を駆使してカーボンマイナス・オリンピックを目指します。以上に加え、今後さらに、東京、日本ならではの取り組みを充実し、人を育て、緑を守り、都市を躍動させるオリンピック・パラリンピックの実現を目指してまいります。次に、今後の国内及び海外での招致活動の展開についてでございます。国内世論の一層の賛同を得ることを目指しまして、まず都内においては、区市町村との連携をより強化し、オリンピック・パラリンピックへの具体的な市民参加の方策について協働して検討してまいります。また、全国レベルでの浸透を図るため、国会議員や全国自治体の力をいただきながら、広がりのある国内キャンペーンを実施してまいります。先日、国会の衆参両議員から成るスポーツ議員連盟に対しまして、オリンピック・パラリンピック招致への支援やメッセージの発信など招致機運の盛り上げを依頼いたしました。また、経済界による協力は、招致活動を財政的にも、人的にも強化するものであり、既にオフィシャルパートナーとして五つの企業が参加しております。今後、より組織的、全国的な協力関係を構築するため、経済団体、商工団体等に精力的に働きかけてまいります。次に、海外における招致活動でございますが、現段階は解禁される前であり、活動に制約がございます。しかし、手をこまねいていることなく、東京開催の意義、目標などについて、世界の理解を求めていく必要があります。そのため、IOCの規約等を遵守しつつ、国や民間における海外のさまざまな情報、人的、組織的チャンネル等を活用して、実質的な活動を行い、他のライバル都市との競争に勝ち抜いてまいります。〔総務局長押元洋君登壇〕 # 総務局長(押元洋君) 総務局長(押元洋君)今後の都の人事執行体制のあり方についてお答えを申し上げます。都は、これまでも各局、各職場の協力のもと、厳しい内部努力を積み重ね、スリムで効率的な執行体制の構築に努めてまいりました。今後とも、都民ニーズに迅速かつ的確に対応するには、その時々の状況に応じた多様な取り組みが必要であります。具体的には、高い志と能力を持つ若手職員の採用に一層努めますとともに、豊富な経験とノウハウを持つ高齢職員のさらなる活用を図ってまいります。また、人材の精鋭化に向けて、職員一人一人の意欲を引き出し、強みをはぐくむ配置管理や各職場におけるOJTの徹底など、人材育成の強化にも取り組んでまいります。今後とも、それぞれの現場の状況も十分に踏まえつつ、スリムで活力ある都政の実現に努めてまいります。〔環境局長吉川和夫君登壇〕 # 環境局長(吉川和夫君) 環境局長(吉川和夫君)地球温暖化対策に関する二点のご質問にお答えいたします。まず、中小企業や家庭における温暖化対策についてでございますが、オフィスビルなどの業務部門や家庭部門からのCO2排出量の増加は著しいものの、国においては効果的な対策がなされておらず、中小企業や家庭の対策は全体として取り組みがおくれております。こうした中、対象者数の多い中小企業や家庭に対しましては、ご指摘のとおり、それぞれの実情をしんしゃくしつつ、きめ細やかで実効性の高い施策を進めていく必要がございます。そのため、地球温暖化防止活動推進の核となるセンター的な機能を有した体制を早期に整備し、省エネの具体的な方策等に関する普及啓発を図るとともに、中小企業に対する省エネ診断の充実や家庭用省エネ機器の導入促進などに向けた効果的な施策を積極的に進めてまいります。次に、太陽光発電の普及拡大策についてでございますが、都は本年二月、太陽光発電メーカー、エネルギー事業者などとともに、太陽光発電利用拡大検討会を設け、普及拡大に向けた施策の検討を進めてまいりました。本年十月に公表した同検討会の中間まとめにおきましては、住宅用太陽光発電の飛躍的な拡大を実現するため、設置者が十年程度で設置コストを回収することができるような新たな仕組みづくりや、施工体制の整備等、進めるべき施策の方向を取りまとめました。今後、都は、金融機関やハウスメーカーなど、さらに幅広い関連事業者との連携を進めながら、普及拡大策を具体化し、できるだけ早期の実施を目指してまいります。〔産業労働局長佐藤広君登壇〕 # 産業労働局長(佐藤広君) 産業労働局長(佐藤広君)四点のご質問にお答えいたします。まず、産業基盤の強化に向けた支援策についてですが、東京のものづくり産業の強みは、多様な基盤技術を持つ中小企業の集積にあり、この集積に支えられて、世界に通用する高度先端技術を駆使した製品を数多く創出することが可能になります。しかしながら、基盤技術を担う中小企業は、東アジアなど海外製品との価格競争や、大手企業との取引関係の不安定化など厳しい経営環境への対応を迫られております。こうした状況を踏まえまして、中小企業の連携による技術の高度化や共同受注体制の整備、また下請取引の一層の適正化など多面的な支援によりまして、ものづくり産業の基盤強化に努めてまいります。次に、重点戦略プロジェクトについてですが、東京の産業の国際競争力を強化し、さらなる成長を促進させていくためには、産業全体に高い波及効果が及ぶ革新的な技術や製品の開発を重点的に支援しまして、イノベーションを創出していくことが重要と考えております。先般、重点戦略プロジェクトの初年度案件といたしまして、自動車や家電分野などさまざまな産業分野において機器の軽量、小型化を可能とする高性能炭素皮膜の研究開発など二つのプロジェクトを選定いたしました。今後、革新的な技術開発プロジェクトを製品化、事業化に至るまで一貫した支援によりまして成功に導き、成長産業の育成につなげてまいります。次に、商店街振興についてでありますが、商店街を活性化させるためには、事業者間の一層の連携や協働が求められております。各地域の商店街では、こうした連携の推進のため、商店街未加入事業者の加入促進に向けたさまざまな取り組みが展開されております。例えば、商店街の連合組織が主体となりまして、加入促進マニュアルの策定や、フランチャイズチェーン本部への働きかけなど地元自治体の協力も得ながら、さまざまな取り組みを行うことで、事業者間の連携、協働が促進された事例もございます。こうした状況を踏まえまして、都は、商店街やその連合組織並びに地元自治体の協働による加入促進の取り組みを積極的に支援をいたしまして、商店街の一層の活性化を図ってまいります。最後に、中小企業への金融支援についてでありますが、ご指摘のとおり、建築確認のおくれに伴う影響は、すそ野が広い建築産業の特性を反映いたしまして、極めて広い範囲に及んでおります。今般、国におきまして、新たに不況業種として追加指定された業種以外にも、深刻な影響が出始めております。また、都内の住宅着工戸数の減少率は、全国平均を大きく上回っておりまして、今後、関連中小企業の資金繰りが一段と悪化をし、都内経済への悪影響も懸念されております。このため、建築確認のおくれに伴いまして、経営が悪化している都内関連中小企業に対しまして、制度融資の中でも最優遇金利が適用されます経営支援融資の対象範囲を拡大する特別措置を早急に講じてまいります。〔水道局長東岡創示君登壇〕 # 水道局長(東岡創示君) 水道局長(東岡創示君)三点のご質問についてお答え申し上げます。まず、奥多摩町水道事業の都営一元化についてでございますが、我が国の水道事業は市町村運営が原則とされ、現在なお二千三百の事業体が存在しております。このため、事業統合による広域化を進めることが最大の課題となっております。都は、国に先駆けて広域化を進め、多摩地区の水道を都営水道に一元化してまいりました。こうした中で、奥多摩町は、ダムや水道水源林がありながら、地理的な条件などから、都営一元化計画の対象外となっております。奥多摩町は、独自の水道事業運営に課題を抱えるとともに、料金水準を都に合わせるなどさまざまな努力をし、都営一元化を強く望んでおり、このことは、都としても十分認識しております。都営一元化には、施設の整備水準や財源の確保等さまざまな課題があることも事実でございます。このため、知事本局、総務局、財務局、水道局から成る検討組織を設置し、こうした諸課題について精力的に検討してまいります。次に、奥多摩町が抱える技術的な課題への対応についてでございますが、奥多摩町の水道事業は、沢水を原水としており、近年、シカの食害と思われる森林崩壊が発生することなどによります取水施設への高濁度水の流入や、登山客や野生生物による原水の水質悪化などが深刻化し、浄水処理や水質管理の面において問題を抱えております。さらに、水道施設全体のバックアップ能力が不十分であることや、施設の老朽化が進行するなど、奥多摩町の技術や体制だけでは解決が難しいさまざまな課題がございます。こうした技術的な課題へ対処するためには、浄水施設への膜ろ過処理の導入や、老朽化した施設の計画的な更新など東京水道の技術を活用することが有効であると考えます。最後に、直結給水化などおいしい水への取り組みについてでございますが、これまで水道局では、直結給水方式の適用範囲の拡大や、都内にある全貯水槽水道を対象とした点検調査を実施してまいりました。加えまして、本年四月からは、直結給水方式への切りかえを希望するお客様に対しまして、工事費を無料で見積もるサービスを民間事業者の協力を得て実施しております。今後さらに、直結給水化を普及促進していくためには、お客様や民間事業者の間で、直結給水化への理解や機運を高めていく必要があります。このため、お客様に対して、パンフレットなどを用いて、個別に費用対効果など直結給水方式のメリットをよりわかりやすくPRしてまいります。さらに、都の指定事業者約五千者を対象とした説明会を新たに実施し、水道局が推進している施策の情報提供を行い、協力を働きかけてまいります。また、これまで直結給水ができなかった高層建物や大規模な集合住宅などに対しましても、直結給水方式を導入できるよう、技術的な検討を行ってまいります。〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕 # 都市整備局長(只腰憲久君) 都市整備局長(只腰憲久君)六点のご質問にお答え申し上げます。まず、羽田空港跡地利用の具体化に向けた取り組みについてでございます。都は、これまでも国、都及び地元区から成る羽田空港移転問題協議会、いわゆる三者協でございますが、そこの事務局として共同調査の実施など跡地利用の検討作業を推進してまいりました。今年度中に策定する跡地利用基本計画に基づき、跡地の整備を進めるためには、道路や護岸などのインフラ整備や跡地の処分、事業手法等の課題を解決し、計画の早期具体化を図ることが重要でございます。このため、引き続き都が主体的に国や地元大田区など関係機関と調整していくとともに、特に土地所有者である国に対しては、跡地整備の課題解決に向けた積極的な取り組みを求めてまいります。次に、建築確認の現状と国の動向についてでございます。現在、都内の確認申請件数は、改正建築基準法の施行以前の水準には及ばないものの、木造住宅を中心に回復が進んでおります。これは事前相談の実施や講習会の開催など都を初めとした関係者の取り組みにより、新たな制度が設計者の間に定着してきた結果と認識しております。一方、国は、運用面の改善を図るため、添付書類の省略や工事途中の変更に関する手続の簡素化について、十一月に規則改正を行いました。都といたしましては、こうした改善策を関係者に十分周知していくとともに、より一層の円滑な審査に努めてまいります。次に、建築確認の停滞に対する取り組みについてでございます。確認の申請件数は今申し上げましたように、回復傾向にあることから、今後は、審査を円滑に進めていくことが重要であると認識しております。このため、先般、都では、申請する側の建築士の団体、審査する側の区市や民間の確認検査機関などが参加する連絡会議を新たに設置いたしまして、関係者が一丸となって、建築確認の円滑化に向けた取り組みを推進しております。また、審査期間に大きな影響を与える構造計算適合性判定につきましては、構造計算が複雑でない小規模な建物の判定体制を簡素化するなど都独自の運用によりまして、迅速化を図ってまいります。都といたしましては、引き続き、建築確認の状況を十分注視いたしまして、国に対して必要な改善を求めていくとともに、社会経済活動や都民生活に支障を来すことのないよう最大限取り組んでまいります。次に、建物の耐震化促進のための施策展開の方向についてでございます。建物の耐震化推進会議では、民間建築物及び都立建築物の二つの部会を設置し、多様な観点から具体的な施策の検討を進めておりまして、年内の取りまとめを予定しております。今後、その成果を踏まえ、都は、建物所有者が主体的に耐震化に取り組むよう、区市町村や関係団体と連携して、普及啓発事業を推進するなど、耐震化促進に向けた機運の醸成を図ってまいります。また、安価で信頼できる耐震技術の普及などにより、耐震化に取り組みやすい環境の整備を図るとともに、公共的な観点から必要な場合には財政支援を行うなど、施策を総合的に展開し、建物の耐震化を促進してまいります。次に、都営住宅ストックの活用促進についてでございます。都営住宅につきましては、都民の住宅セーフティーネットとしての機能を保持するため、適切に維持更新するとともに、用地の有効活用を図り、地域のまちづくりに活用する必要があると認識しております。こうした考えから、これまで建てかえ事業とスーパーリフォーム事業を並行して実施してまいりました。今後は、用地の有効活用をさらに促進するため、建てかえ事業については、管理戸数の抑制を図りながら、財政状況を勘案しつつ、更新期を迎えつつある昭和四十年代建設の住宅に対象範囲を広げ、規模を年間四千戸程度まで段階的に拡大したいと考えております。これに伴いまして、スーパーリフォーム事業につきましては、順次、縮減、廃止してまいります。最後になりますが、建てかえ促進による効果についてでございます。今後十年間で、建てかえにより、団地内に約二十ヘクタールの緑を新たに創出し、周辺の緑とのネットワークや道路や水辺空間の緑と連携した豊かな環境づくりに役立ててまいります。また、敷地の有効活用により、約六十ヘクタールの用地を生み出し、都市計画道路や木造住宅密集地域の整備など、地域の特性を踏まえたまちづくりに活用してまいります。今後とも、都営住宅ストックの有効活用に積極的に取り組むことにより、「十年後の東京」の実現に向け、都市づくりを推進してまいります。〔主税局長熊野順祥君登壇〕 # 主税局長(熊野順祥君) 主税局長(熊野順祥君)建物の耐震化促進のための税制を活用することについてでございますが、平成十八年度の国の税制改正によりまして、国税では所得税、法人税、地方税では固定資産税において、それぞれ耐震改修に伴う税の軽減措置が創設されたところでございます。こうした措置に加えまして、今後、耐震化を一層促進するため、都独自の税制の活用についても検討をしてまいります。〔生活文化スポーツ局長渡辺日佐夫君登壇〕 # 生活文化スポーツ局長(渡辺日佐夫君) 生活文化スポーツ局長(渡辺日佐夫君)三点の質問にお答えいたします。まず、私立学校の耐震化促進のための支援策についてでありますが、私立学校に学ぶ児童生徒の安心・安全のため、都では平成十五年度から耐震診断、耐震補強工事経費の一部について補助を実施してきました。平成十九年度は、専門的、技術的な助言を必要とする私立学校に対して、建築士による耐震相談を実施するなど支援の充実に努めております。また、財務局と連携し、未利用の都有地や都有施設を耐震化工事期間中の代替校舎として活用できるよう検討を進めております。今後、私立学校の耐震化をさらに促進するため、補助率の改善や補助の対象を木造校舎に拡大することなどについて検討してまいります。次に、新たなスポーツ振興事業への取り組み実績でありますが、本年四月のスポーツ事業の移管後は、都政におけるスポーツ振興を幅広くとらえ、関係団体や各局との連携を強化し、多様な事業を展開しております。まず、草の根からのスポーツ振興を図るため、地域スポーツクラブを支援する設立支援協議会を新たに発足いたしました。また、五月には、スポーツ競技への関心を高めるため、丸の内で開催された東京ストリート陸上の実現に協力いたしました。八月には、ジュニア選手の競技力向上と国際交流を目的としたジュニアスポーツアジア交流大会を開催するなどの新しい取り組みを行いました。今後とも、スポーツ振興審議会での検討をもとに、関係団体等と連携、協力して、スポーツ振興施策を積極的に推進してまいります。次に、スポーツに対する興味、関心を高めるための方策についてでありますが、都民にスポーツに関する情報を多様な手段で提供することが、スポーツへの関心を高める有効な方法の一つであると考えております。そこで、各種メディアを活用し、競技大会やイベント等に関する情報を発信するとともに、多様なスポーツ情報を検索できるポータルサイトを構築し、都民がスポーツ情報を容易に得られる環境をつくってまいります。今後も、さまざまなスポーツ大会を実施するとともに、このような情報を提供することにより、スポーツムーブメントを一層盛り上げ、だれもがスポーツに親しめるスポーツ・フォア・オールの実現を目指してまいります。〔建設局長道家孝行君登壇〕 # 建設局長(道家孝行君) 建設局長(道家孝行君)美しい都市景観の創出に関する二点のご質問にお答えいたします。まず、街路樹の倍増における参加しやすい仕組みづくりについてでありますが、街路樹の倍増に当たっては、行政の取り組みだけではなく、都民一人一人が街路樹に関心を持ち、街路樹を植えることや育てることに積極的に参加していただくことが大変重要であります。そこで、本年十月に創設した緑の東京募金における街路樹への募金の一つとして、街路樹を都民や企業から寄附していただくマイ・ストリート・ツリー事業を平成二十年度から開始する予定でございます。この事業では、寄附者が寄附したことを実感できるように、名前などを入れたプレートを一本一本の街路樹や植栽地に設置するなどわかりやすく参加しやすい仕組みとしてまいります。今後とも多くの都民や企業の参加を得ながら、広く緑のムーブメントを巻き起こし、街路樹の倍増に積極的に取り組んでまいります。次に、区市町村の無電柱化事業に対する支援についてでありますが、良好な都市景観を創出し、成熟した街並みを実現するためには、都道だけではなく、区市町村と連携した面的な無電柱化が必要であります。このため、都は区市町村に対し、設計や施工などにかかわる技術支援を行うとともに、電線共同溝のコンパクト化など、狭い歩道における無電柱化技術の開発に、国や電線管理者と連携して取り組んでまいりました。区市町村からも、こうした技術支援とともに、財政負担の軽減方策について要望を受けており、今後、面的な無電柱化の推進を図るため、区市町村の無電柱化事業に対する補助制度の創設に向けて努力してまいります。〔港湾局長斉藤一美君登壇〕 # 港湾局長(斉藤一美君) 港湾局長(斉藤一美君)今後の東京港の役割についてのお尋ねでございますが、これまでも東京港は、首都圏四千万人の生活と産業を支えるメーンポートとしての役割や、国際物流と国内物流を結節する国内ハブ港湾としての機能を担ってまいりました。さらに、近年、国際分業の進展や生産拠点の国内回帰、内陸部における道路ネットワークの充実などにより、東京港の背後圏は、南東北を初め、首都圏を越えて拡大しつつございます。物流拠点としての役割は一段と重要性を増すものと認識しております。このため都といたしましては、外貿コンテナターミナルや輸送革新に対応する内貿ユニットロードターミナルの整備を着実に図っていくこととしており、メーンポートの機能、国内ハブ機能を一層充実させてまいります。〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕 # 福祉保健局長(安藤立美君) 福祉保健局長(安藤立美君)七点についてお答えを申し上げます。まず、東京都認定がん診療病院についてでありますが、国のがん診療連携拠点病院は、二次医療圏に一カ所程度の指定とされておりますが、都は、広く都民に高度ながん医療を提供するため、これに加え、拠点病院と同等の診療機能を有する病院を独自に認定し、拠点病院に準じた支援をしていくことといたしました。拠点病院及び認定病院の選定に当たりましては、胃がん、肺がんなどのいわゆる五大がんへの対応、相談支援センターの設置などの国の基準に加えまして、子宮がん、血液がん等の治療体制の確保、外来化学療法や都民要望の高いセカンドオピニオンの実施などを要件とすることで、高水準のがん医療を提供してまいります。都といたしましては、認定病院を早期に選定し、拠点病院とともに二次医療圏ごとのがん医療ネットワークを構築し、都民に対し質の高いがん医療を提供してまいります。次に、医療費適正化計画についてであります。この計画は、都民の健康の保持増進及び医療の効率的な提供の推進を図るために策定するものでありまして、その目標として、特定健康診査の実施率や療養病床数などを定めることとしております。本年四月には、有識者や医療関係者等を委員とする東京都医療費適正化計画検討委員会を設置し、実効性のある計画の策定に向けた検討を進めておりまして、十一月には、医療の現状を的確に把握するために、都民医療費の分析の取りまとめを行ったところであります。今後、区市町村との協議やパブリックコメントを行った上で、東京都地域ケア体制整備構想を踏まえ、必要な療養病床数を確保するなど、東京都の地域特性を反映した計画を今年度末に策定する予定でございます。次に、国民健康保険組合への財政支援についてでございますが、生活習慣病予防のためには、医療保険者において生活習慣病予備群等の早期把握や食生活の改善指導などを行う、特定健康診査や特定保健指導を着実に実施することが重要でございます。国は、区市町村が行う特定健康診査等への財政負担と同様に、国民健康保険組合における所要額につきましても概算要求をしているところであります。都としても、こうした国の動きを踏まえるとともに、広く都民の健康の保持増進を図るため、国民健康保険組合においても円滑に特定健康診査等が実施できるよう、財政支援を検討してまいります。次に、後期高齢者医療制度における広域連合等への支援についてであります。後期高齢者医療制度は、疾病リスクの高い高齢者を社会全体で支える仕組みであると認識しておりまして、都としても、制度の安定的運営を図るため、高額医療費の一部負担や保険料の法定軽減分の負担など、国や区市町村とともに応分の役割と負担を担っていくこととしております。さらに、都は、都民の健康の保持増進を図る観点から、広域連合が行う後期高齢者の健康診査事業に対する財政支援など、今後、制度の円滑な実施に向けて効果的な支援策を検討してまいります。次に、保育所待機児童の解消についてであります。仕事と子育ての両立支援に向けた環境を整備するためには、増大する保育ニーズに対応した多様な保育サービスをこれまで以上に充実していくことが必要でございます。このため、現在、子育て応援戦略会議では、マンション等併設型の認可保育所や無利子貸付制度による認証保育所の設置の促進など新たな施策を検討しており、子育て支援の重点戦略として、平成二十二年度までの三年間で、保育サービスを計画的、集中的に拡充してまいります。今後とも、待機児童の解消に向けて、保育の実施主体である区市町村を支援しながら、大都市東京にふさわしい保育施策を強力に推進してまいります。次に、子育て支援の仕組みについてであります。地域で安心して子育てができる社会を実現するためには、在宅で子育てをしている家庭を含め、すべての子育て家庭を支援する仕組みが必要でございます。都はこれまでも、地域の総合的な相談・支援の拠点となる子ども家庭支援センターを全区市町に整備してまいりました。これに加えて、子育てをしている親同士の交流を目的とした子育てひろば事業についても、相談体制を強化することを検討しております。あわせて、親の病気や育児疲れなどの際に利用できるショートステイや一時保育などのサービスを推進するなど、今後も子育て家庭を地域できめ細かに支援する仕組みを築いてまいります。最後に、シルバーパスについてでありますが、お話の経過措置は、税制改正に伴う激変緩和措置として、今年度限りの対応として講じたものでございます。シルバーパス事業を今後とも継続させていくためには、利用者である高齢者を初め、広く都民の理解も得ながら、社会状況の変化に的確に対応していくことが不可欠でございます。経過措置を継続することについては、ご指摘の点なども踏まえて、適切に検討してまいります。〔病院経営本部長秋山俊行君登壇〕 # 病院経営本部長(秋山俊行君) 病院経営本部長(秋山俊行君)都立病院の経営形態についてでございますが、都立病院は、これまで百年を超える長い歴史の中で、その時々の社会状況や医療需給の変化に応じまして、都民の皆様に適正な医療サービスを提供してまいりました。また、近年では、医療を取り巻く状況が、診療報酬のマイナス改定や深刻な医師不足など、かつてないほどに厳しいものとなっておりまして、このような激変する医療環境に対しまして、より迅速かつ的確に対応する病院運営が求められているところでございます。こうした観点から、これからの都立病院にとりましては、経営形態のあり方は極めて大きな課題であると認識をしているところでございます。しかしながら、現下の都立病院におきましては、早急に解決を図らなければならないさまざまな課題を抱え、また、何よりも行政的医療の提供という都立病院本来の役割を将来にわたって的確に果たしていくことが重要でありますことから、経営形態につきましては、ご指摘のとおり、拙速に結論を出すことなく、十分な検討を行う必要があるというふうに考えているところでございます。今後は、この都立病院経営委員会からの報告を踏まえ、今年度中に策定を予定しております第二次都立病院改革実行プログラムの中で、都としての考え方を明らかにしてまいります。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩をいたします。午後二時五十九分休憩午後三時二十一分開議 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)休憩前に引き続き会議を開きます。質問を続行いたします。百二十二番山下太郎君。〔百二十二番山下太郎君登壇〕 # 百二十二番(山下太郎君) 百二十二番(山下太郎君)私は、都議会民主党を代表して、都政の主要課題について知事並びに関係局長に伺います。初めに、平成二十年度東京都予算編成にかかわる諸課題について伺います。政府の月例経済報告では、十月月例に続いて十一月月例においても、景気はこのところ一部に弱さが見られるものの回復しているとし、先行きについては、サブプライム住宅ローンを背景とする金融資本市場の変動や原油価格の動向に留意する必要があるとしつつも、企業部門の好調さが持続し、これが家計部門に波及し、国内民間需要に支えられた景気回復が続くと見込まれるとしています。また、幾つかのシンクタンクの中期見通しにおいても、二〇二〇年度までの日本経済は、一%台半ばの成長を維持、あるいは、一時的な減速はあるものの、基本的には緩やかな拡大が続くとしています。不安を抱えつつも楽観的な見通しを立てているわけですが、来年度予算全体のスキームを設定するに当たって、今後の景気動向と税収見込みをどのようにお考えか、伺います。次に、福田総理と石原知事との合意について伺います。福田総理と石原知事は、自治体の税収格差を是正するためとして、東京都などの大都市圏の法人事業税の一部を移管し、税収の少ない地方自治体に配分する案について、抜本改革までの暫定措置とすることを条件に合意されたようであります。知事コメントでは、都の重要施策の実現について踏み込んだ提案をされたことは重要との認識を示されていますが、それが、分権に逆行し、税の原則に反する税制改悪という重大案件との交換条件となり得るのでしょうか。理屈が通るものを示してもらいたい、これは、先週の記者会見における知事の発言であります。しかし、今回の合意のどこに理屈が通っているのでありましょうか。自治体間の税収格差を調整し、ナショナルミニマムを保障するのは地方交付税の役割であり、これを、地方税の一部を剥奪して行おうというのは、国としての責任を放棄するものであり、全く筋が違うといわなければなりません。一部報道によると、石原知事は、法人事業税の配分見直しをめぐり、一部で都の合意が伝えられたことに猛反発し、副知事ら最高幹部を執務室に呼び、国との徹底抗戦を確認したとのことですが、これでは、結果的には政府・自民党に押し切られた形になったとの印象をぬぐい切れません。この間の交渉の間に知事はいかなるリーダーシップを発揮されたのか、ご説明をいただきたいと思います。次に、知事の選挙公約である低所得者減税から進化したとされている低所得者生活安定化プログラムについてです。この一連の対策は、この公約発表当初から民主党がいってきた、自立支援策を行うのが本来の姿であるという指摘に合致したものです。働ける年齢層への就業促進扶助、現に働いている低所得者層への所得向上策といった、これまでの失業保険や生活保護ではカバーしていなかったため統計にもあらわれていなかった、見えない低所得者への新しい取り組みとして、率直に評価をいたしております。景気が回復している時期にこのような取り組みを行うことはよい選択だと思いますし、新しい雇用政策におけるモデルとなることを期待するものです。この取り組みで求められる目標は、労働能力がありながら低所得者にとどまる者をしっかりとした納税者にしていくことであり、一時的な就労で終わらせるべきでないと考えますが、知事の所見を伺います。社会統計は、住居や仕事、年金のある人や、生活保護など既存の福祉制度を利用している人は把握できます。路上生活者の数についても調査がありますが、深夜営業のレストランやファストフード店、簡易宿泊所、病院、施設への入退所を繰り返し転々とする人は、安定した住居を持たないという点ではホームレスですが、この調査では把握されていません。この数を把握する必要性をご理解いただくために、私自身が経験した出来事を紹介したいと思います。最近、景気がよいといわれる、とある政令指定都市で、深夜に駅前のファミリーレストランに入りました。ほぼ満席の店内を見渡すと、ほとんどの方は、私同様、始発電車までの時間調整をしているように見えました。テーブルに突っ伏して寝ている方、話を楽しむ方などがいらっしゃいましたが、特に目にとまったのは四十代から五十代のグループでした。数百円でおかわり自由の飲み物を四人でとり合いをしており、聞こえてくる会話から、日雇い労働で住むところがないと推測できました。ご苦労されているなあと、悲しい気持ちで店内を見渡すと、お客の半数以上が大きな荷物を抱えており、この方々と同じような境遇であると私には推測できました。アイスコーヒーを頼むと、他の系列店ではテーブルに常備されているミルクや砂糖がありませんでした。店員さんに確認したところ、以前は置いていましたが、全部持っていかれるので、その都度お出ししていますとのことでした。まさかと思いましたが、私がアメリカ留学時代、貧困街で経験したのと同じ状況でございました。もし私が一人でなければ、会話に気をとられて見過ごしてしまっていたかもしれません。それほど、一見ごく普通の光景でした。私は、限られた地域に見られた現象が、その数を増し、都市部全体に広がっていると体感し、困窮されている方々が少しでも明るい未来を描ける方法を真剣に考える必要があると再認識をいたしました。知事は、低所得者生活プログラムを実行し、本当に困っている人をサポートしようとされるなら、少なくとも日本の首都東京において一体どれだけの人がこういった状況にあるのかを把握するために徹底した調査をすべきと考えますが、ご所見を伺います。このプログラムの特徴である、いわゆるネットカフェ難民などの見えない低所得者層への支援が行われることは、画期的な取り組みであります。しかし、施策を具体化していく上でよく検討していただきたい点があります。現段階での枠組みでは、主たる生計者であることが一つの条件であるということでございますが、この条件を強調してしまうと、本来主たる生計者として独立した暮らしを営むべき年齢にありながら独立できていない人が見過ごされてしまうおそれがあります。彼らは、十年後、二十年後、親が年老いたときに生計を担うことができず、低所得者として一気に顕在化してしまいます。また、ネットカフェ難民といわれる人々にとらわれ過ぎると、先ほど申し上げた、一体どれだけいるのか把握すらされていない多くの不安定就労者、低所得者は見えないままになってしまうのではないかと考えます。プログラムの対象については、実態すら把握できていないことを踏まえ、ネットカフェ難民といわれる人々のみならず、親にパラサイトしているフリーターや低所得の派遣労働者など、できるだけ多くの低所得者が利用しやすい仕組みを考えるべきだと思いますが、ご所見を伺います。不安定就労に陥る人たちは、就労以前に、心身や生活上の困難を抱えていたり、自身の低学歴に加え、親の教育歴、所得水準の低さとも明確な相関関係があるとの指摘があります。つまり、多くの若者たちは貧困の再生産のサイクルに閉じ込められ、構造的に生み出されているわけであります。特に、バブル期にマスコミが見出したフリーターは、その後の不況で数が激増するも、自由な生き方、親に依存する豊かな若者といったイメージが定着してしまったため、対策がおくれてしまいました。彼らの学卒時に求人と正規雇用が急激に減少し、安定した所得の得られる仕事から社会的に排除され、働きたくても働けなかったのであります。貧困の再生産から抜け出すためには、高校や大学、専門学校への再入学など、年単位での時間が必要です。資格取得の支援についても、修学資金だけでは、その間の生活が維持できませんし、私たちが提案してきた職業訓練期間中の生活資金も、六カ月間だけでは十分とはいえません。また、訓練期間中の母子家庭へのホームヘルパー派遣に加え、保育施設の利用を可能にする支援なども考えるべきであります。このプログラムは、これまで日本の雇用政策、生活保護からこぼれていた方を対象とするだけに、やってみなければわからない部分が残るのはやむを得ません。それだけに、ひとまず区切りとして期間を設けることは理解できますが、やはり三年で効果を上げるところまでいくのか、疑問をぬぐえません。このような低所得者対策を実施するということは、貧困の再生産のサイクル、社会的排除の流れに介入し、社会的包摂へ向かう大きく長い戦いとなります。若年者の就労対策に取り組んできた英国などの例を見ても、二十年以上前から試行錯誤を繰り返し、いまだに解決には至っていません。こうした点を踏まえ、職業訓練を中心とした六カ月の適用期間、また、三年という低所得者プログラムの期間についてどのように考えるのか、伺います。最後に、区市町村を一時相談窓口として考えているようですが、これまで区市町村は、経済や雇用という相談に対応し切れるほどの実績やノウハウがないのが現実です。多様な状況下の利用申請者に十分に前向きな対応ができず、メニューの多いこの施策の対象になるにもかかわらず利用につながらないといったことがないように、市区町村の担当者への理解を深める努力が不可欠です。また、実際には都の担当部署が支援を実施するとのスキームを考えているとのことですが、多くの利用者に対し十分な実施体制が確保できるよう、現行体制を強化する必要があるということを申し上げておきます。次に、多摩・島しょ地域の諸課題について伺います。平成十二年十二月に策定された東京構想二〇〇〇を踏まえ、十五年後の多摩地域のあるべき姿を明らかにし、その実現のための取り組みを示した多摩の将来像が平成十三年八月に作成されました。昨年の十二月には、二度目の東京オリンピック招致を契機として「十年後の東京」が策定され、翌月には、重点推進事業の充実を図った多摩リーディングプロジェクト改訂版が作成されました。都全域の近未来図とした「十年後の東京」が区部中心の構成であり、多摩への取り組みが事業改訂版にとどまっていることに、知事の心は多摩に向いていないのではないかと思うほどであります。また、「十年後の東京」に多摩の説明もありますが、多摩全体がシリコンバレーとなるわけではありません。都は、多彩な地域特性がある多摩がどう変わるのかを示す多摩の将来像の改訂版、近未来図を改めて考えるべきではないでしょうか。知事の所見を伺います。次に、横田基地軍民共用化について伺います。都は、都内最大の米軍基地である横田飛行場の返還を最終目標とし、それまでの対策として、基地の軍民共用化の早期実現に取り組んでいます。知事は、一期目の公約、そして三期目においても、東京再起動の優先課題として、歴代総理や米国関係者に働きかけを行うなど、率先してこの問題にかかわってきました。それが在日米軍再編の一つとして組み込まれ、この秋、共用化の検討結果が公表されることになっていました。都議会民主党も、返還までの対策として横田基地の民間航空との共用化を進めるとともに、都民の平穏で安心な、安全な生活を守り、地域のまちづくりを進める立場にあり、都の取り組みに敬意を表しています。しかし、日米双方を行き来した会合を重ねてきたにもかかわらず、いまだに継続協議となっています。この間、都も国に、連絡会を通じてさまざまな提案を行ってきたわけですが、果たして日米間に共用化に対する共通認識が生まれたのか、また、日本から今後、新提案が示されるとも聞いていますが、まずは第一段階である検討の合意の可能性について、また、十年先も展望して長期的な課題である横田基地の軍民共用化の実現に関して、知事の所見を伺います。また、横田基地の軍民共用化は、都の「十年後の東京」や多摩リーディングプロジェクト改訂版において、多摩地域を首都圏の中核や観光拠点として発展させる重要な位置にあり、その実現の可否は、圏央道等の整備とともに、多摩振興に大きな影響を及ぼします。軍民共用化に当たっては、地域の経済発展ばかりでなく、騒音対策など都市部の基地に起因する生活環境問題への対策を、国とともに万全に行わなければなりません。そこで、今回の日米協議は、これらの視点を十分に踏まえた上で進められているのか、地元自治体に経過は説明しているのか、所見を伺います。平成二十五年に多摩・島しょ地域を中心に開催される東京国体について伺います。昨今の国体は、開催地負担の大きさに比べ、マンネリ化等の問題があり、知事が国体の意義を問いかけたこともあるように、国体改革の必要性が指摘されています。課題としては、オリンピック選手等のトップアスリートが参加しないことやプロ競技者が参加できないこと、学校教育制度に重きを置いた年齢制限があり、ジュニア競技者の育成に対応できていないこと等があります。今回は、トップアスリートの育成など、競技力向上と都民全体のスポーツ振興を高める大きな契機とすべき大会であり、東京から新しい国体、総合スポーツ大会をつくり上げていく取り組みが重要であると考えます。市長会からは、国体を盛り上げる事前事業開催への支援策等も要望されています。また、幅広い都民参加型のデモンストレーションをより多く開催することも考えられます。国体を盛り上げるための新しい試み、そして新しい国体へ向けた取り組みをどのように考えているのか、知事に伺います。今回の国体は、東京で三回目の開催であり、その発端は、市長会と町村長会から提出された平成元年の東京多摩国体の誘致の要望書と、同五年の多摩東京国体の推進に関する要望書によります。そのため、正式名称の東京国体のほかに、開催地の期待と盛り上げのため、サブタイトルやスローガンなどに多摩・島しょを明確に盛り込むことが必要と考えます。また、都では、この国体を契機として市町村振興を推進していく予定であり、まずは財政面における競技施設費補助が来年度から実施されます。しかし、この補助だけでは市町村振興につながりません。都は、国体開催をきっかけとしてどのように市町村振興を展開しようとお考えなのか、お伺いいたします。三宅島の復興とモーターサイクルフェスティバルについて伺います。今回、我々民主党からは、三名の議員が、実際にイベントを観覧するとともに、火山ガスの高濃度地区や産業など、村の復興の現状もあわせて視察をしてきました。村民の念願であった三宅島空港が来春に再開する運びになったことは、今後の観光産業の発展に大きな弾みとなります。我々も、新たな企画によって島の愛好者をふやしていく試みは間違っていないと考えています。また、今回のイベント開催に尽力した関係者のご努力に心から敬意を表します。イベントは、島の復興、発展を願い島内一周を行ったオープニングパレードに始まり、メーンプログラムである全日本ドラッグレース選手権三宅大会では、三宅島空港にプロストックバイクの爆音が響き渡り、その迫力あるスピードは、村民を初め観衆を大いに引きつけました。イベントが終了して、その検証をする上で最も大切な観点は、三宅島にどのような効果がもたらされたのか、また、参加者の皆さんが再度島を訪問したいと感じていただけたのかということです。本大会の最大の企画・支援者である都は、村とともに、その成果と経済波及効果を確認し、また、村民や参加者などの声を積極的に聞き、事業の検証を行っていくべきであります。所見を伺います。今後とも、三宅島への観光客をふやす新たな取り組みが必要です。島は、すばらしい海洋などの自然環境に恵まれ、ダイビングや磯釣り等のスポットとして有名です。また、たび重なる火山活動の猛威を物語る溶岩流などは、ほかでは見ることのできない景観であり、これを観察すること、故ジャック・モイヤー氏が推進していた魚やサンゴなどの自然環境実習とともに、島の自然の活用が子どもたちの学びに大変有効であると考えています。さらに、来年、空港が再開されるこの機会に、島全体を資源として、あらゆるジャンルのロケーション撮影を誘致し、撮影隊だけでなく、作品を通じての観光客もふやす、直接・間接的経済効果を期待する施策を始めるのはどうでしょうか。映像制作から、島の文化に新たな創造を引き出せるかもしれません。東京近郊に位置する島は、ロケ候補地として大変チャンスがあります。実際に、民間で島を舞台にした撮影企画が提案されていると聞きます。この施策では、より効果を上げるため、フィルムコミッションの立ち上げなども考えられます。都も、東京ロケーションボックスの経験を生かせるのではないでしょうか。島が本来持っている魅力を多様な施策として活用し、みずから復興を進めていく、都は、こうした島の姿勢に長期的展望を持って支援していくことが必要であると考えます。ご所見を伺います。次に、医療行政について伺います。私ごとですが、ことし一児の父となり、我がこととしてさまざまな事態に直面し、都のサービスを利用してみて、改めて施策充実の必要性を痛感しているところであります。小児救急電話相談のシャープ八〇〇〇にも、子どもが夜間、四十度近い熱を発した際、電話をしました。これは全国共通の電話番号シャープ八〇〇〇番にかけると、各都道府県の相談窓口に自動転送され、小児科医師や看護師が子どもの病状に応じた対処の仕方や受診できる病院などのアドバイスをくれるものです。私の場合、時間が夜十時を回っていたため、相談は終了しており、救急車を呼ぶ必要があるかどうか、東京消防庁の救急相談センター、シャープ七一一九に相談しました。その結果、救急車は呼ばずに、車で最寄りの救急病院に行くことにしました。私が行ったときもそうでしたが、小児救急の外来は夜十二時を回ってもおおむね混雑していると伺っており、ほかに頼れるところがないから多くの親が来ているのではないでしょうか。しかし、小児救急電話相談シャープ八〇〇〇の利用時間は、平日、夕方五時から夜十時まで、土日、祝日、年末年始には朝九時から夕方五時までです。他の自治体では、平日でも夜十時以降も、二十三道府県、休日は三十三府県が実施しています。救急の前段階での対応を目的として、小児救急相談電話という看板を掲げるのであれば、それに見合う実態を整えることが必要だと考えます。子どもの病気への対処方法をアドバイスする小児救急電話相談シャープ八〇〇〇は、平日、土日、休日とも実施時間を延長すべきと考えますが、所見を伺います。高熱を発した場合の熱性けいれんはよくあることで、心配ないという知識はあっても、我が子が本当にそのケースなのかどうか、電話では不安をぬぐい切れず、どうしても万が一のことを考えてしまいます。私の場合も、応答してくださる方は、実際に診ていませんから当然でありますけれども、大丈夫だとは思いますが、お父さんがご判断してくださいとおっしゃいました。このような課題は、電話サービスの限界ではあります。ただ、これをメリットとして考えた場合に、専門家のリードで状況を整理し、医師に伝えるポイントを絞り込み、診察に臨むという点では、よい流れをつくることができます。この観点はもっと重視してもよいのではないでしょうか。また、都内の、トロント小児病院で行われた調査結果には、救急外来患者の〇・六%はICUを必要とする重篤な患者、一一%が入院が必要な患者であり、小児救急患者の中には、重症者は必ずいるとのことです。素人に病院へ来ないという判断をさせるよりは、たくさんの患者の中に必ずいる重症患者を手おくれにさせないために何ができるかを考えていただきたいのであります。そこで、シャープ八〇〇〇について運用の実績をどのように分析しているのか、また、事前に情報を整理して診察に臨むという観点から、一層の活用を図るための取り組みを求めるものですが、所見を伺います。また、直接病院に来た場合でも、診察を前に同様のことができれば、現場はかなり改善できるのではないでしょうか。都立病院では、医療の現場の負担を軽減するために、幾つかの病院で新たな形の医療事務職導入を目指していると聞いています。これは三百五十人規模のアメリカの病院であれば、レジデント百人、秘書九十人などがいることからも、必要な役割であり、日本にはない周辺の職員のモデルとなり得ます。日本の医療機関として前向きに構築すべき体制と考えます。転院などでは、事前の情報収集はあるようですが、外来ではまだこれからの試みだと思いますので、頑張っていただきたいと思います。しかし、このような患者や家族の病状を踏まえて対応でき、医師ともやりとりできる人材が簡単には見つからないと予想されます。体制構築と並行して人材の発掘、育成の努力をすべきと考えます。さらには、かなりの専門性もあるために、報酬面での身分確保も確立すべきと考えます。東京都はこのような課題についてどのようにお考えなのか、ご所見を伺います。小児科医師の激務によるバーンアウト、医師不足が連日報道されています。私たちが直接伺ったお話でも、大学病院の勤務医師は従来五十代まで働くのが一般的だったのに、最近は、後進の指導に当たるべき中核の年齢層の医師が早目に開業してしまい、空洞化が起きているとのお話でした。また、当直明けからの勤務が終わり、疲労のピーク時でも、病床から自分の担当する子どもが出血したと連絡が入れば、数時間にわたり処置を行うことはよくあること、自分と患者の関係から、どんなに疲れていても帰ることはできない、こう淡々と語る言葉に、ただただ感謝と尊敬、私たちに何ができるのかという焦燥感、とんでもない事態への驚愕、いろいろな感情にさいなまれました。医師は、ただ自分と患者との一対一の関係から日々踏ん張っている、今の救急はその個人におんぶにだっこしている、制度としてバックアップしなければならない、言葉にしてしまうと陳腐かもしれませんが、そう感じました。さらに、私たちがいただいた彼の時間は、半年ぶりの、しかも午後だけのオフであったと、ふとおっしゃったときには、いろいろな意味で申しわけない思いでいっぱいになりました。いささか情緒が過ぎたかもしれませんが、恥じらうことなく皆様にお伝えしなければならないと思い、申し上げました。こうした現場へのバックアップ策として、具体的に提案をいたしますが、二次救急において、実態は夜勤であるのに制度上は休息を基本とする当直とされている点を改め、三十時間や四十時間という超長時間勤務を解消すること、一人の医師が軽症、重症、救急患者、病床、外来に対応する一人三役状態を解消するため、プライマリーケア担当医師を配置すること、さらに、トリアージや患者情報の整理を行う医師の補助者を配置することが必要です。そして、都がすべきなことは、こうしたことを国がやらないのであれば、東京都が実施することであります。この問題は、医療制度、診療報酬の設定に起因しており、今日のこの深刻な状態を招いた我が国の医療政策の無策に強い怒りを感じます。これが実現していない現状では、特に小児救急の分野では、公で負担しなければ、これ以上の空洞化を阻止するための十分な体制を構築することはできません。最近の親は情けないと批判するのは簡単ですが、東京の家庭は核家族が八六%以上、一人っ子が三六%と、家族のあり方も変わってきています。二十四時間三百六十五日、専門の医師がいる、医療施設が整った病院で診てほしいという親の気持ちを是正させる、建前論を基本とした受診抑制策と小手先の改革では、現場は疲弊の段階を超え、崩壊へと進まざるを得ません。私の提案に対する知事の見解を伺います。なお、医療行政に関する最後の質問は、一番最後にさせていただきます。次に、築地市場の移転問題について伺います。都議会民主党が国の民主党に働きかけてきた土壌汚染対策法の附則三条を見直す法律案が十二月四日、参議院に提出されました。この法案が成立すれば、法施行前に有害物質使用施設を廃止した土地のうち一定の用途に使用されるものについては、現行法レベルに基づく土壌汚染状況調査を行うことになります。また、基準を超える汚染土壌があれば、その土地は汚染されている区域として指定区域に指定されることになります。この法案の可否にかかわらず、土壌汚染の対策についても、少なくとも汚染土壌の全面的な除去や地下水の管理徹底など、土壌汚染対策法に指定されることのないレベルにまで対策を講じていかなければ、都民の理解は得られないのではないでしょうか。知事は所信表明で、検査結果をもとに万全の対策を講じていくと述べられていますが、今のところ、万全の対策の意味するところが、私たちと知事との間では違うようです。豊洲の土壌汚染に対する万全の対策について、知事の所見を伺います。この間、市場移転問題での猪瀬副知事の発言が一部で問題視されています。インターネットで連載されている副知事のコラムから引用すると、その内容は、例えば、築地市場はイオンやイトーヨーカ堂に価格決定力を奪われつつあるとか、車社会に対応できずシャッター通りになった駅前商店街と同じとか、あるいは、取扱量は減少し、移転がおくれるほどじり貧化するが、移転をすれば取扱高が再浮上する可能性もあるなどです。これらの発言については、築地の地元、中央区議会でも取り上げられ、矢田美英区長は、データをもとに客観的な議論をといいつつも、築地市場にとって負のデータばかりを列挙しており、市場移転を前提とした議論といわざるを得ないと述べるとともに、東京都の責任者としての視点が欠けていると答弁しています。私たちのところにも、仲卸の小間の権利について、バブルのときは一小間一億円だったが、今は五百万円から七百万円との猪瀬氏の発言に、市場関係者からデータを示せとの声が届いています。今後、地元区を初め市場関係者などと真摯な議論、協議を重ねていかなければならないときに、担当でもない人が副知事の肩書で発言、発信し、不要な混乱を招くことは、好ましいことではありません。私は、東京都のしかるべき責任者が地元区や市場関係者と誠実に協議を重ねていくことが極めて重要であると考えますが、知事の所見を伺います。次に、新銀行東京について伺います。十一月二十二日、石原知事は、新銀行東京の事実上の経営トップである代表執行役の森田氏が退任し、後任に東京都の港湾局長である津島氏を充てることを発表しました。健康上の理由で退任したとはいえ、半年間でトップが二度もかわるというのは、オリンピック絡みの都庁人事でも見たことがありません。まさに異常であります。石原知事は、新銀行東京の失敗について、経営の責任は経営者にあると強弁をし、責任を逃れてまいりましたが、今回のように経営のトップが次々と入れかわるような事態に陥っているのはだれの責任なんでしょうか。知事の所見を伺います。六月の本会議において、東京都は、代表執行役に就任予定の森田氏に対して、長年金融界に身を置き、中小企業支援にも精通したその知識と経験を十分に生かしてもらうことを期待していると答弁していました。であるならば、今回の人事は何なんでしょうか。もはや新銀行東京は、民間からのなり手がなく、都庁の官僚を人身御供として送り込むという状況にあるとしか思えません。石原知事は、銀行側から適任者の推薦依頼があったと述べていますが、銀行経営の責任者として都庁の官僚が本当にふさわしいとお考えなのでしょうか。金融を初めとした経済に精通した民間人の登用を模索したのか、しなかったのかも含め、銀行経営の適任者に対する知事の認識をお伺いいたします。また、石原知事は、新たな代表執行役である津島氏に対して、新銀行の立ち上げとその後の経過について精通していると評していますが、そもそも新銀行東京の失敗は、立ち上げ当時のプランの見通しの甘さにもその一因があったのではないでしょうか。一方で、津島氏は港湾局長として臨海三セクの破綻処理を手がけたことがあり、むしろ彼の手腕を期待するのであれば、新銀行東京の破綻処理にこそふさわしいように思います。石原知事は、新たな代表執行役にどのようなことを期待しているのか、見解を伺います。トップが突然交代する中、新銀行東京は、十一月三十日に平成二十年三月期の中間決算を発表いたしました。九月までの半年間の赤字が八十七億円と、六月に策定された新中期経営計画と比べれば三億円ほど改善しているかのように思われます。しかし、その主な要因は、融資実績が低調だったことにより、貸倒引当金が不要になったことにあるのです。さらに、デフォルト対策でも、予想以上に経費が膨らんでいることからも、改善したといえる状況にはありません。六月に策定したばかりの新中期経営計画と中間決算との間には、既に大きな乖離が生じているように思いますが、東京都は、デフォルト対策で既に経費が膨らんでいることや融資実績が低調なことに対してどのように認識しているのか、見解を伺います。新銀行東京の中間決算の記者会見では、その日に代表執行役に就任したばかりの津島氏が、状況によっては計画にこだわらないと述べるなど、早くも六月に策定されたばかりの新中期経営計画の見直しを示唆しています。石原知事は定例会見において、都が持っているいろんなオプションを活用するなどして頑張ってもらいたいと述べていますが、東京都との連携を名目にして新銀行東京を支援していくようなことがあってはなりません。石原知事は、東京都と新銀行東京との事業連携についてどのようにお考えなのか、見解を伺います。また、石原知事はこの間、新銀行東京への追加出資はしないということを述べられてきましたが、十一月三十日の定例会見では、ニーズがあるのかないのか、新しい責任者の報告を踏まえて考える問題と含みのある発言をしています。新銀行東京への追加出資は、都民の税金をさらにむだにする行為にほかなりません。追加出資の是非について、改めてこの本会議の場において表明されることを求めるものでありますが、知事の見解を伺います。新銀行東京は、既に死に体であります。私たち都議会民主党は、民間への売却を含めて、新銀行東京のあり方を早急に検討すべきだと主張してきましたが、もはやこのような段階になって、新銀行東京を買ってくれるところがあるのかさえ定かではありません。新銀行東京の維持存続にこだわるのではなく、都民に一番負担の少ない形で、東京都が新銀行東京から撤退する方法を早急に検討すべきと考えますが、石原知事の見解を伺います。さらに、新銀行東京について、この間私たちが求めてきた情報公開が全く進んでいないことも残念でなりません。私たちの質問に東京都は、企業経営上秘密としているものを除き、情報公開を進めるよう都として働きかけていくとの答えを繰り返すのみで、具体的な情報はほとんど公開されておりません。都民の税金が一千億も投入されているわけですから、東京都は、新銀行東京に働きかけるだけでなく、株主としての権利を駆使して、みずから情報を積極的に入手すべきであります。これまで私たちが公開を求めてきた全株主のリストを初め、月別、地域別の融資実績、四半期ごとの決算などについては、再度公開を求めるものです。また、これら以外の情報についても、新銀行東京の経営上、公開しても影響がない情報については、東京都が積極的に入手、整理し、都民の前に積極的に公開し、東京都としての説明責任を果たしていくべきと考えますが、あわせて見解を伺います。次に、温暖化対策について伺います。知事は所信表明の冒頭で、アジア大都市ネットワーク21第六回総会に出席し、地球温暖化対策について議論を深めてきたと述べるとともに、アジア諸国における新たな国際的枠組みの成立に向けた取り組みを発表しました。私たちも、日本の首都である東京都がアジアの大都市と連携し、温暖化対策をリードし、進めていくことは、極めて有意義なことであると考えています。しかし、その枠組みとなるアジア大都市ネットワーク21に、中国の首都であり一千五百万人の人口を擁する北京市が入っていないのは、今後、アジア全体での温暖化対策に取り組んでいく上で支障を来すことになるのではないでしょうか。知事は、同じく所信表明で、東京の友好都市北京がオリンピック精神を具現化して大会を成功させることを祈念するとエールを送っていますが、いみじくも東京都が二〇一六年の招致を目指す東京オリンピックのテーマも、地球環境の再生です。今こそ温暖化対策を足がかりにして、アジア大都市ネットワーク21に北京市が復帰するよう働きかけてはいかがでしょうか。アジアの大都市を巻き込んだ温暖化対策の推進に向けて、知事の見解を伺います。また、知事が所信表明で着実に推進していくと述べられた大規模なCO2排出事業者に対する削減義務化などの施策については、一度、二〇〇二年に策定した地球温暖化対策東京作戦でも打ち出し、実現しなかった施策です。今回も、十二月二十五日に開かれた東京都のステークホルダーミーティング、利害関係者との意見交換会では、経済団体から、経済活動を損なうとか他県への事務所の流出を招くなど、反対意見が相次いだと伺っております。導入に向けた道のりは、なお厳しいものがあると思われます。しかし、温暖化対策は待ったなしの問題です。私は、知事が率先して経済団体の理解と協力を得るなどして、実効性のある温暖化対策に取り組んでいくべきだと考えますが、所見を伺います。また、温暖化対策は、義務的手法だけでなく、支援策を通じて進めていくことも重要で、特に中小企業者の温暖化対策を進める上では欠かすことができません。東京都は、平成十七年一月より環境金融プロジェクトの取り組みを進め、環境配慮型金融商品の創設を促すとともに、最近では八月三十一日に環境CBOを創設していますが、こうした施策をさらに進めるとともに、総合的な支援策を構築していくことが必要です。私は、東京都の制度融資に温暖化対策に向けたメニューを追加、充実させていくとともに、温暖化対策に取り組もうとする中小企業への相談体制の充実やESCO事業者などによる省エネ診断を支援する制度の創設など、温暖化対策に向けた中小企業者への支援について積極的かつ総合的に取り組んでいくべきと考えますが、所見を伺います。次に、環境税の導入について伺います。民主党は、さきの参議院選挙でのマニフェストなどにおいても、石炭を含む化石燃料を対象とした地球温暖化対策税の導入などを掲げているところです。しかし一方で、政府・自民党は、環境税の導入には極めて後ろ向きです。このような中、知事の諮問機関である東京都税制調査会は、十一月二十九日、東京都独自課税として環境税の検討を進める中間報告をまとめました。来年秋の最終報告に向けて、今後、活発な議論が期待されますが、国の対応が遅いのであれば、率先して東京都がこの問題に取り組むべきと考えます。環境税の導入に向けた今後の取り組みについて、知事の所見を伺います。最後に、重大な危機意識を持って質問させていただきます。平成十九年十一月二十八日、多摩北部医療センターの非常勤医師が総武線車内で、約百七十人分の氏名、生年月日、診察日時、病名、病状の変化などを含む個人情報のデータが入ったパソコンを紛失するという事故が起きました。事故発生から七日経過し、私が問い合わせるまで、ただの一枚の紙のみが送りつけられただけでした。ほかに何の説明もないことを不審に思った私が調べてみると、何と本年度に入ってたったの半年間で、都と監理団体において計十四件もの個人情報を漏えい、紛失する事故が起きていたことがわかりました。中でも病院経営本部が監督、指導する病院における紛失事故は、今回の事故と合わせて四件にも及びます。個人の病名、病状の変化などの命にかかわる個人情報が流出する危機に瀕していることが一体どういうことなのか、果たして病院経営本部は本当に事の重大さを認識しているのか、私には甚だ疑問であります。半年間で四回もの再発を繰り返す病院経営本部には何の緊張感、危機感もなく、明らかに重大な過失があると思われます。私は疑問を通り越して怒りすら覚えています。民間企業では、ジャパネットたかたで同様の事件が発覚した際には、約二カ月間の広告活動や商品の販売を自粛し、およそ百五十億円の減収に耐えながら、発覚当日から事業再開まで毎週謝罪と報告を繰り返しました。このとき社長は会社を清算することも考えていたといいます。また、ソフトバンクでの情報漏えい時にも、全会員に五百円相当の金券を送るほか、通常有料のサービスを三カ月間無料にし、経営陣も、孫正義氏を減給五〇%六カ月、副社長、取締役を減俸三〇%三カ月という社内処分を下しました。このように、民間企業では大変厳しいペナルティーを払って再発防止と信頼回復に努めているにもかかわらず、それを監督指導する立場の行政が、組織として何の責任もとらず、事故が起きるたびに、ただ、今後このようなことがないようにいたしますと繰り返すだけでは、到底都民の理解が得られるはずがありません。病院経営本部は、この半年間で四件もの個人情報の紛失事故を受けて、どのように組織として責任をとるおつもりなのか、そして、今後どのように再発防止に努めるのか、見解を伺います。最後に、情報化社会がますます進む中、こういうときにこそ知事の強いリーダーシップで、情報管理について職員の意識レベルの向上を徹底していただきたいと申し上げまして、私の都議会民主党を代表しての質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)山下太郎議員の代表質問にお答えいたします。まず、法人事業税の配分見直しについてでありますが、そもそも日本の税制は、国が勝手に決められるものでありまして、知事に全く相談せずに決められるという法体系になっております。過去にも二度、法人事業税の分割基準は、理屈を通り越した変更を強いられました。そういうことをご認識いただいて、批判、質問されるなら、法律の勉強をなさってからされないと恥ずかしいことになります。それを、さらに逆手に取ってこの事態に条件をつけるということが、私は政治というものだと思います。きょう、いかにもこの改革が理が通らないゆえに、総理が私に対して地方の窮状への理解を求めてきたわけでありまして、私としては、大都市の税源を、財源を理由なく地方へ移転させるような措置は税の原則にもとるし、地方分権に逆行するものであり、納得できないということを強く主張してきましたし、きょうも明確に反対だと申しました。だからこそ総理は、首都東京の重要施策の大切さを理解して、個別団体との間で初めて、国と自治体の間での協議の場を新たに設置するということを提案してきたわけであります。こうしたやりとりを踏まえまして、この国の発展を牽引する役割を担う首都東京が、同時に地方の一員でもある東京が、その東京を預かる都知事としましても、いかになすべきかを熟慮し、今日の措置を税制の抜本改正までの暫定措置とすることを条件に協力することを決断いたしました。今後は、総理との合意に基づきまして設けることになりました東京の重要施策の推進を目的とする実務者による新たな協議の場をフルに活用して、東京の諸課題の実現に向けて、首都東京、そして日本の発展のために全力を傾けてまいります。次いで、低所得者生活安定化プログラムについてでありますが、現在、我が国では、額に汗をして懸命に働いているにもかかわらず低所得の状況から抜け出せない人々や、就職氷河期を経験した世代を中心として、職にも恵まれず、住居の確保もままならない人が存在しております。今回のプログラムは、真に困っている都民一人一人に手を差し伸べ、将来に向かって明るい展望が開けるよう、多様な施策を重層的に講じるものでありまして、この取り組みによって、こうした方々がみずから生活安定への道を切り開き、社会を支える力となることによりまして、豊かで活力のある東京を実現していきたいと思っております。次いで、多摩の将来像についてでありますが、昨年末に策定しました「十年後の東京」では、オリンピックの招致はもとより、平成二十五年に開催する国体も視野に入れまして、東京をさらに機能的で魅力的な都市につくりかえることを目的に、都全域を対象として東京の近未来像を描きました。とりわけ多摩地域については、圏央道の全線開通や横田基地の軍民共用化を契機に、首都圏の中核として強く発展する姿を示しております。多摩地域は、先端技術産業や数多くの大学、研究機関の集積、豊かな自然環境などを生かしまして、従来にない特色のある都市づくりが可能な地域であります。今後も、これらの大きなポテンシャルを生かして、都市基盤の整備を初め広域的な課題にも取り組み、市町村とも連携しながら、活力と魅力にあふれた多摩を創造し、東京の再生、ひいては日本の再生を目指していきたいと思っております。次いで、横田基地の軍民共用化についてでありますが、横田基地の軍民共用化にかかわる日米協議は、この十月を期限として検討が重ねられてきましたが、米側の軍事運用にかかわる幾つかの課題が残されておりまして、引き続き協議を行うことになっております。これまでの日米協議で米国から指摘されている課題は、いずれも調整可能な事項ばかりであります。在日米軍基地の中で戦略上重要な地位を占める三沢基地ですら、既に冷戦時代に軍民共用化していたのでありまして、横田でこれが実現できないわけはありません。しかし、交渉の中での得た感触としては、国政のレベルで民主党が唱えている、インド洋の給油活動の、要するに筋の通らない反対というものが、かなり陰に陽にマイナス要因に働いているのは実感であります。それが外交というものかもしれませんが。今後も、国の関係省庁と都が一枚岩の結束を保ちながら、米側に対し説得力のある具体的な提案を行うなど、粘り強く協議をすることによりまして、軍民共用化の早期実現を目指してまいります。新しい国体に向けた取り組みについてでありますが、およそ半世紀ぶりに東京で開催する東京国体は、その三年後に予定されている東京オリンピック成功の原動力ともすべく、東京の総力を挙げて取り組み、これまでにない新しい国体の姿を発信するものにしていきたいと思っています。このため、都議会初め区市町村、経済産業界、スポーツ団体など各界各層の方々にご参加いただき、七月に東京国体準備委員会を設立し、開催の準備に万全を期すことにいたしました。今後、都民の幅広い共感と賛同を得て、開催への機運を盛り上げ、東京国体の成功に向けて取り組んでまいります。次いで、小児医療についてでありますが、子どもの健康を守り、子どもを持つすべての家庭が安心して子育てをしていくためには、小児救急医療の充実が重要な課題であります。都は、これまでも、休日、夜間の小児救急医療体制の整備など、小児医療水準の向上に努めてまいりました。しかし、都内でも小児科などの医師不足が顕在化しておりまして、都として、医師の確保や病院勤務医の負担軽減策について検討を行うとともに、国に提案要求しております。今後とも、小児医療の充実に取り組み、子どもが健やかに成長し、未来に希望の持てる社会を実現していきたいと思っております。次いで、豊洲新市場予定地における土壌汚染対策についてでありますが、豊洲新市場予定地での土壌汚染対策については、専門家会議の提言に基づきまして、敷地全域にわたり、十メートルメッシュで土壌と地下水の調査を行うこととしました。この調査は、土壌汚染対策法が求める内容と同等であります。専門家会議では、調査と並行して、汚染物質の特定と除去、盛り土等による封じ込め、地下水の管理のほか、震災対策など必要な対策についても検討が進められておりまして、来年度の前半には具体的な提言がなされる予定であります。これらの対策は、法令が求める対策と照らしても、安全性を確保する上で極めて手厚いものとなります。今後、この提言を確実に実施し、豊洲新市場予定地の土壌汚染対策に万全を期すことによりまして、都民、市場関係者が安心できる市場として、早期に開場させていきたいと思っています。次いで、築地市場移転についてでありますが、築地市場の移転に当たっては、移転の必要性や土壌汚染対策等について、市場関係者や地元区の理解を得ることが重要であります。都としても、今後とも、市場関係者や地元区との協議を重ね、その意見を十分に聞きながら、豊洲新市場の整備を進めてまいります。猪瀬副知事は、就任早々、築地市場に足を運び、流通環境の変化に対応し切れていない実情を目の当たりにして、客観的かつ正確なデータに基づき、移転の必要性について述べたものであります。次いで、新銀行東京の代表の人選についてでありますが、前代表の突然の退任の意向を受けまして、新銀行東京としても、代表を一日たりとも空席にできないとの判断から、都に適任者の推薦を依頼してまいりました。こうした事態の中で、都は、この銀行の創設に関与した津島前港湾局長が適任であると判断し、推薦いたしました。なお、新銀行東京の経営者には、この銀行の理念の実現に意欲を持ち、かつ思い切った経営改善を強力に進めることのできる手腕が求められております。次いで、新代表に期待する役割についてでありますが、新代表には、これまで幅広い分野で活躍してきた経験を生かしまして、都と十分に連携を図りながら、東京都の持つさまざまな金融にかかわるオプションというものを踏まえて、経営改善の取り組みに大いに力を発揮していただくことを期待しております。次いで、新銀行東京への追加出資でありますが、追加出資のニーズがあるや否かは、銀行の経営陣がその時々資本政策の中で判断するものであります。今は銀行が経営改善の取り組みを着実に進めていくことが必要でありまして、追加出資は考えておりません。次いで、アジア大都市を巻き込んだ地球温暖化対策の推進についてでありますが、近年、地球の温暖化は深刻の度を増しておりまして、今こそ世界のすべての国が参加する新たな枠組みをつくり、具体的な対策に踏み出さなきゃならないと思っております。きょうの新聞にも出ておりましたが、ブータンという国は、背後にあります氷河湖が決壊しますと、頭上からの津波に襲われて全滅する、ほとんど瞬間的に全滅する、そういう危惧というものを持たれておりますが、こういった現象が現に大惨事として起こらないと、なかなか世界がこの問題について共通の強い認識を持つには至らない、そういう残念な状況にあります。そうした中でも、日本の首都である東京は、経済成長の著しいアジアの頭脳部、心臓部を担う大都市と国益や発展段階の差異を超えて連携して、新たな枠組みをつくって後押ししていきたいと思っております。来年二月には各都市の実務担当者を招きまして、日本の環境技術や東京の先進的な政策ノウハウを提供するとともに、協力関係をさらに進めてまいります。なお、本年十月、都を訪れた北京市環境保護局の一行には、北京オリンピックを控え喫緊の課題となっている大気汚染の改善のために、都独自のディーゼル車排出ガス規制についてなど説明するとともに、環境科学研究所に案内しまして、技術面の情報提供を行ってまいりました。環境問題には国境はなく、都市間の立場の違いもなく、ご指摘をまつまでもなく、世界の各都市と地球の未来のために協力してまいります。次いで、実効性のある温暖化対策についてでありますが、地球温暖化の進行は、近年、急激に加速していることが明らかになっておりまして、今後十年程度の間に思い切った対策を打ちませんと、破局的な事態を招きかねないというのが、特にヨーロッパの専門家たちの共通した認識であります。温暖化対策は、もはや経済の効率とはトレードオフできるものではなくて、人類の生存そのものにかかわる問題となってきた。金を持っても死んでしまってはしようがないわけでありまして、そういった認識は、やっぱり企業の経営者にも求められるものでありまして、こうした認識に立って温暖化対策の強化に取り組むことでありまして、従来の自主的な取り組みだけではCO2の大幅な削減が進まないことは明らかであります。都は、日本の地球温暖化対策をリードするためにも、大規模な排出事業所への削減義務を初めとする実効性のある施策を展開していきたいと思っております。次いで、環境税についてでありますが、環境税の問題は、税を負担する企業や住民が、地球環境が危険的な状況にあり、もはや一刻の猶予も許されないところまで来ていることや、後の世代に対する責任をどれだけ認識するかにかかっております。いずれにせよ、文明の発展の代償であります地球のこの異変を前に手をこまぬいていては、人類に未来はないのではないかと思います。地球温暖化対策に、国はもっと責任を持って取り組むべきだと思っております。他の質問については、関係局長から答弁いたします。〔主税局長熊野順祥君登壇〕 # 主税局長(熊野順祥君) 主税局長(熊野順祥君)今後の景気動向と税収見込みについてお答え申し上げます。平成十九年度の都税収入は、十一月末の法人二税の中間申告などを見きわめる必要がございまして、確たることを申し上げる状況にはございませんが、企業収益の好調は持続しておりまして、堅調に推移していくものと考えております。今後の景気につきましては、お話のように、企業部門主導で回復基調を保つといわれています一方、原油など資源価格の高騰、米国経済の減速、そして為替相場の変動など、懸念材料がございます。このため、九月中間決算で好調であった上場企業の見込みにおきましても、本年度の下期以降は減速の見通しとなってございます。平成二十年度の都税収入につきましては、今後こうした景気動向、税制改正などを注視しつつ、的確に算定してまいります。〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕 # 福祉保健局長(安藤立美君) 福祉保健局長(安藤立美君)五点についてお答えを申し上げます。まず、生活困窮者の実態調査についてでありますが、先般、厚生労働省において、住居がなく、インターネットカフェ等に寝泊まりしながら不安定な雇用形態で就業している方の実態調査が行われました。また、今回の低所得者生活安定化プログラムを実施するに当たりましては、インターネットカフェ等で常連的に寝泊まりしている方に対し、こちらから出向いて相談に応じるなど、きめ細かい対応を行う予定でございまして、その中で明らかになるこうした方々の生活実態を、今後の事業展開に活用してまいります。次に、プログラムの対象者についてでありますが、今回のプログラムは、一定以上の資産を保有している方や、同居する家族にも収入がある方などを除きまして、真に困っている方を対象として、一人一人の実態を踏まえた支援を行うものであります。したがって、お話の親元で暮らすフリーターなどは、対象として想定はしてございません。次に、シャープ八〇〇〇番の実施時間についてでありますが、小児救急電話相談、シャープ八〇〇〇番は、母子の健康に関する相談を行うことにより、母親の育児不安の解消と小児救急の前段階での安心の確保を目的としてございます。都では、小児救急電話相談であるこのシャープ八〇〇〇番以外にも、音声、ファクシミリのTOKYO子育て情報サービスやインターネットのこども医療ガイドによりまして、子どもの事故や病気への対処法を、二十四時間、独自に情報提供しております。さらに、普及啓発冊子であります「知って安心暮らしの中の医療情報ナビ」を作成、配布いたしまして、子どもの急な発熱時の相談先や医療機関の利用方法などについて、平常時からの周知を図っております。こうしたさまざまな取り組みを行うことによりまして保護者の安心を確保しておりまして、シャープ八〇〇〇番の実施時間の延長につきましては、今後の研究課題と認識をしております。次に、シャープ八〇〇〇番の実績と活用についてであります。シャープ八〇〇〇番の相談は、まず保健師、助産師等の相談員が対応し、必要に応じて小児科医に転送をしております。平成十八年度の相談は約二万件でありまして、その主な内容は、子どもの病気や事故に関することが約六割、育児相談が約四割でありました。なお、相談内容や緊急性から医師の対応を要する相談は、約八十件でありました。現在、妊婦に対して、母子健康手帳を交付する際に、都が作成いたしましたシャープ八〇〇〇番の案内カードを必ず配布をしてございます。今後とも、さまざまな関係機関と連携しつつ、保護者の不安の解消に役立つよう、普及啓発に努めてまいります。最後に、医師の事務補助者についてでありますが、書類作成などをサポートする事務補助者を活用することは、病院勤務医師の負担を軽減するとともに、診療に専念できる環境を確保する上で有効であると認識をしております。医師の事務補助者の導入に当たりましては、専門職種としての資格の明確化や養成制度の確立、診療報酬での措置が必要と考えておりまして、既に制度設計者であります国に対して、具体的な提案要求を行っているところでございます。〔産業労働局長佐藤広君登壇〕 # 産業労働局長(佐藤広君) 産業労働局長(佐藤広君)六点のご質問にお答えいたします。まず、低所得者生活安定化プログラムについてでありますが、職業訓練など個々の支援につきましては、プログラムの対象者を早期に安定した就労に結びつけるとの観点から、適切な期間を設定してまいります。また、今回のプログラムにつきましては、対象者に対してきめ細かく的確な施策を重点的に講じることが効果的であることから、緊急総合対策として三カ年で実施していくこととしております。次に、新銀行東京の今回の代表交代の責任についてでありますが、森田前代表執行役は、本年六月に就任し、この間、新銀行東京の経営改善に向けて尽力をされましたが、健康上の理由で、十一月末日をもって退任をいたしました。今回の代表交代は、こうした不測の事態を受けて銀行側が判断したものでございます。次に、新銀行東京の現状についてでございますが、新銀行東京は、新中期経営計画におきまして、不良債権鎮静化までは慎重な運営を行い、採算を確保できるような適正規模に資産を圧縮することとしており、今中間決算における融資残高は、おおむね計画どおりとなりました。しかしながら、新経営陣のもとで、債務者実態の把握やそれに基づく貸倒引き当ての見直しを行いました結果、想定を上回る不良債権処理費用が発生するなど、不安定な要素も多い状況です。したがいまして、まずは新銀行東京が足元の状況をしっかり見据えて、デフォルトの抑制や営業経費の削減など、経営改善の取り組みを着実に進めていくことが重要と考えております。次に、新銀行東京との連携についてでありますが、新銀行東京の経営改善の取り組みは緒についたばかりであります。都は、今後、新銀行東京との連携を一層強め、具体的な取り組みが着実に進展するよう、適正な支援を行ってまいります。次に、新銀行東京の今後についてでございますが、新銀行東京は、最近の厳しい競争環境にさらされながらも、中小企業金融において役割を果たす一方で、現在、思い切った経営改善に取り組んでいるところでございます。今後におきましても、新銀行東京が足元の状況をしっかり見据えて、デフォルトの抑制や営業経費の削減など、経営改善の取り組みを着実に進めていくことが重要であります。最後に、新銀行東京の情報開示についてでありますが、都は、これまでも新銀行東京に対しまして、他の金融機関との競争にかかわるものなど、企業運営上秘密としているものを除きまして、業務等に関する情報を積極的かつわかりやすく開示するよう働きかけてまいりました。どのような情報を公開するかにつきましては銀行の経営判断でありますが、今後においても、例えば全株主のリストのように、出資者との関係で公表できないようなものを除きまして、積極的な情報開示を求めていくことに変わりはございません。なお、地域別融資実績及び四半期決算につきましては、明らかにされておりません。〔知事本局長大原正行君登壇〕 # 知事本局長(大原正行君) 知事本局長(大原正行君)横田基地の軍民共用化についてでございます。横田基地の軍民共用化は、圏央道等の整備とともに、多摩地域を首都圏の中核拠点として発展させるための契機となるものでございまして、地域経済の活性化のために重要な意味を持つものと考えております。軍民共用化に当たりましては、騒音対策などの生活環境問題への対応を行うことも必要でございまして、日米協議は、都と国の関係省庁がこうした視点を踏まえた検討、調整を行った上で進められております。地元自治体への経過説明につきましては、横田に係る日米協議が外交交渉であるという制約の中で可能な限り行ってきておりまして、今後とも、地元の理解と協力が得られるよう努力を重ねてまいります。〔総務局長押元洋君登壇〕 # 総務局長(押元洋君) 総務局長(押元洋君)多摩・島しょ振興に関する三つのご質問にお答えを申し上げます。まず、国体開催を契機とした市町村振興についてでございますが、平成二十五年に多摩・島しょ地域を中心に開催いたします国体は、スポーツ振興のみならず、地域振興という点においても大きな意義がございます。都は、多摩地域のすべての市町村を競技会場地に選定するなど、国体開催の意義を踏まえまして、精力的に準備を進めております。六年後の大会開催が、多摩・島しょ地域の一層の活性化に結びつきますよう、スポーツ施設の整備や観光産業振興、地域づくりなどに、市町村と連携を図りながら積極的に取り組んでまいります。次に、三宅島モーターサイクルフェスティバルの成果等についてでございます。イベント期間中は、関係者を含め一千人近くの方が島を訪れまして、島は久しぶりににぎわいを取り戻しました。多くの参加者からは、また島を訪れたいとの声が上がり、島民の間にも、継続して実施することへの期待が高まっております。今回の成果としては、多くの参加者を迎え、観光を初めとする今後の島の活性化に大きな弾みがついたことが挙げられます。一方、今後の課題といたしましては、参加者の受け入れ体制やバイクの輸送体制の改善などがございます。都といたしましても、今回の成果と課題を踏まえ、引き続き島の取り組みを積極的に支援してまいります。最後に、三宅島の魅力を活用した復興への取り組みについてでございます。三宅島は、紺碧の太平洋に囲まれ、火山活動による特徴ある景観が広がり、多種多様な野鳥が生息するなど、豊かな自然に恵まれております。こうした島の魅力を国の内外に幅広くPRし、自然環境学習やロケーションの場として積極的に活用してもらうことは、島の観光振興策として有効でございます。現在、三宅村では、今後の復興に向けて、自然環境を生かした取り組みを幅広く実施していく方針であると伺っております。都としても、関係各局が連携し、こうした島の取り組みを長期的に支援してまいります。〔環境局長吉川和夫君登壇〕 # 環境局長(吉川和夫君) 環境局長(吉川和夫君)中小事業者の温暖化対策についてでございますが、都内における産業、業務部門の温暖化ガスを確実に削減していくためには、大規模事業者のみならず、中小事業者の排出削減対策の強化も必要でございます。多くの中小事業者は、省エネに関する知識や情報、省エネ投資を行う資金力が大規模事業者に比較し不十分なことなどから、取り組みが立ちおくれております。今後とも、都は、省エネのメリットや進め方等に関する研修会を開催するとともに、それぞれの事業者に応じた具体的な対策を提案する省エネ診断の充実を図ってまいります。また、省エネ投資を促進するための環境金融プロジェクトを推進していくなど、中小事業者の温暖化ガスの削減に向けたさまざまな施策を展開してまいります。〔病院経営本部長秋山俊行君登壇〕 # 病院経営本部長(秋山俊行君) 病院経営本部長(秋山俊行君)都立病院などにおけます個人情報の紛失事故についてでございますが、病院は、患者の病名、容態や診療経過など、重要な個人情報を多数取り扱う職場でありますことから、そこで働く職員は、情報管理に細心の注意を払いながら日々の業務を遂行していくことが不可欠であるというふうに認識をしております。都立病院では、これまで、情報セキュリティーのための組織体制や個人情報の取扱方法を定め、情報の管理を行ってまいりましたが、今回、個人情報の紛失事故が重なったことにつきましては、これまでの取り組みが必ずしも十分であったとはいえず、まだまだ改善すべき点があるものと痛感したところでございます。このため、病院経営本部といたしましては、問題発生後に本部職員を各病院に派遣いたしまして、個人情報の管理状況に関する緊急点検を実施するなど、迅速な対応に努めますとともに、新たに全職員を対象とした情報セキュリティーに関する研修を進め、職員の意識啓発にも具体的に取り組んでおります。また、今回紛失の対象となりましたUSBメモリーにつきましては、小型軽量で紛失のおそれが高い外部記録媒体であるため、私物の使用を禁止した上で、認証機能つきのものへ切りかえ、保管管理を徹底いたしますとともに、個人情報を含む電子ファイルにつきましてはパスワードを付与するよう、セキュリティー対策に関しても周知徹底を図ったところでございます。さらに、日々、多くの診療部門などで膨大な量の個人情報が発生し、それを治療に生かすため、多数の職員がアクセスし、利用しているという病院の実態を踏まえまして、各病院に新たに設置いたしました個人情報管理チームが院内を定期的に巡回し、その結果につきましては各部門の責任者が改善を図る仕組みとするなど、現場での具体的かつ継続的な対策も講じているところでございます。病院経営本部といたしましては、こうした取り組みを一つ一つ着実に積み重ねることによりまして、職員一人一人の意識改革を繰り返し促しまして、再発防止に取り組んでいく考えでございます。なお、お話の多摩北部医療センターにつきましては、都の監理団体である財団法人東京都保健医療公社が運営していることから、同公社に対しまして、個人情報の適切な管理と職員の意識改革を徹底するよう、改めて指導してまいります。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。午後四時三十三分休憩午後四時四十八分開議 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)休憩前に引き続き会議を開きます。質問を続行いたします。百六番藤井一君。〔百六番藤井一君登壇〕 # 百六番(藤井一君) 百六番(藤井一君)私は、都議会公明党を代表して、知事並びに関係局長に伺います。初めに、きょう、大きな動きのあった税財政問題についてであります。本日午前中、石原知事は福田総理と会談し、福田総理から地方の窮状を理解されるよう懇願されるとともに、都の重要な施策に国は最大限協力し、そのため国と都の協議の場を設けるとの提案がなされました。石原知事は、それに対し、今回の措置は税制の抜本改革までの暫定措置とすることを条件に国に協力することとしたとのことであります。我々は、東京の活力をそがないよう国の協力を取りつけながら、後々の税制の抜本改革を約束させた石原知事の大局的な判断を評価するところであります。しかし、今回の決着には、いろいろな影響が避けられないと思われます。そうした中にあっても、都民生活にいささかの影響も出ないようにしなければいけません。都民生活を守るべき知事に、都民生活に悪影響を与えないという強い決意で臨んでいただきたいと考えますが、知事の決意を伺います。また、現実に今回の影響額は三千億円程度といわれております。財政当局としては、この大きな減収に対して、今後どう対応していくつもりなのか、伺います。次に、温暖化対策について伺います。平成九年に採択された京都議定書に基づいて、日本の温室効果ガス六%排出削減を実行に移す五年間の目標達成期間がいよいよ明年からスタートし、CO2の排出削減は待ったなしとなります。一方、被害を抑制する適応策の重要性が大きくクローズアップされております。仮に、今直ちに人間活動によるCO2排出をやめたとしても、地球の気候システムが持つ熱的慣性によって気温上昇が続き、温暖化被害が今後頻発するおそれがあります。先月十七日に正式決定されたIPCC、気候変動に関する政府間パネルの第四次評価統合報告書も、温暖化や海面上昇などが今後も続くと予測し、想定される温暖化被害への適応策の重要性を指摘しております。そこで、東京が環境先進都市として世界にアピールしていくには、CO2削減策だけでなく、温暖化被害から都民生活を守るための適応策についても、世界をリードするような都独自の対策を講じるべきと考えます。知事の認識を伺います。想定される適応策の分野は、洪水や暴風雨、熱波や水不足、健康への影響や感染症の拡大など幅広い分野にわたります。しかし、いずれも危機管理、防災対策の面での取り組みは現状でも行われているものの、今後の持続的な気温上昇や、これまで経験したことのない気候変動の影響に視点を据えた対策は講じられておりません。これらの課題はいずれも相互に関連し、しかも都民生活の安全・安心に深くかかわるだけに、全庁的な取り組みが不可欠であります。温暖化被害の適応策は時間との闘いとなっており、早急に庁内横断的に検討を行い、具体策を打ち出していくべきと考えます。都の見解を伺います。次に、環境分野の国際交流に関して、仮称環境子ども調査団の創設を提案いたします。温暖化との闘いが今後長く続くことを踏まえ、東京、そして日本の未来の担い手である子どもたちが、森林伐採など地球上の環境破壊の現状、氷床の融解など温暖化影響の実態などを現地に行って自分の目で見たり、関係者の話をじかに聞くことは、本人だけでなく、広範な温暖化対策にとって貴重な財産になると考えます。それを都内の児童生徒、保護者などに伝えることを通し、温暖化防止に取り組むすそ野を子どもの時代から広げることができます。こうした役割を担う環境子ども調査団の創設は大きな意義があると考えます。見解を伺います。次に、温暖化防止への都民の広範な取り組みについて質問いたします。地球温暖化防止対策といっても、突き詰めれば、人間活動によるCO2の排出をいかに少なくするかということであります。したがって、一人一人がどれだけ意識を持ち、具体的行動に移すことができるかにかかっていることは、いうまでもありません。そこで、地球温暖化対策推進法で都道府県に設置することができるとされ、温暖化防止の啓発・広報活動、情報提供などを担う地球温暖化防止活動推進センターを都は早期に設置するとともに、東京の独自性を打ち出すべきです。見解を伺います。さらに、CO2削減への貢献を都民が実感できる取り組みとして、エコバッグ運動等エコライフの強力な推進を提案します。スーパーや商店等で使われるレジ袋は、全国で年間約三百億枚に上るといわれ、原油換算で約五十六万キロリットル、大型タンカー二隻分に相当します。レジ袋の使用を減らし、エコバッグを普及させることで身近なCO2削減運動となるわけですが、運動の機運を盛り上げるための工夫として、エコバッグやふろしき等にオリンピック招致ロゴを入れるなど、温暖化防止ムーブメントと五輪招致を連動させてはどうかと考えます。都の所見を伺います。さて、都民が安心して将来にわたって暮らしていける東京を実現していくには、何よりも福祉・健康先進都市東京を目指すべきであります。都は、昨年の十二月に、長期ビジョンである「十年後の東京」を発表しました。この中では福祉・健康分野として、超高齢社会の活性化策や障害者の自立支援策、待機児童の解消策、救急医療基盤の整備などの施策の方向性が示されています。しかしながら、児童虐待など支援を必要とする子どもへの対応や、感染症など健康危機への対応の視点が含まれていません。現在、「十年後の東京」実現に向けた実行プログラムが策定されていますが、平成二十年度予算は、今後十年間の都の方向性を具体的に示す初年度の予算であります。そこで、来年度予算編成に当たっては、「十年後の東京」を踏まえ、福祉・健康先進都市東京の展望を明らかにした上で、新年度の事業展開をすべきと考えます。見解を伺います。次に、さきに指摘をした児童虐待などの支援策について質問いたします。児童相談所における虐待相談件数が依然として増加しており、平成十八年度の東京都の児童虐待の対応件数は、十年前の六・七倍となる三千二百六十五件に達し、危機的な状況となっています。虐待を未然に防止するためには、早期発見、早期対応が何よりも重要であります。都は、虐待の危険性のある家庭の早期発見に具体策を講ずるべきであります。所見を伺います。また、緊急性のあるものや困難なケースを発見した場合には、専門的な対応を行う児童相談所がその役割を担いますが、都内十一カ所の児童相談所だけでは、深刻かつ急増する児童虐待に対応し切れない現状があります。従来、児童相談所は、都道府県の事務とされてきましたが、平成十七年の児童福祉法改正により、人口三十万人程度の区市も設置できるようになりました。今後、児童相談所の区市の設置を見据えて、虐待防止に対する区市への支援を強化していくべきと考えます。見解を伺います。一方、虐待を受けた子どもたちの急増に対応すべき社会的養護体制の不足も大きな課題となっています。虐待を受け、心身ともに傷を負った子どもたちの養護と健全育成を図り、さらに児童が親になったときに同じように虐待に走る世代連鎖を防ぐためには、グループホームや養育家庭などを中心とした家庭的養護が必要です。都としても、家庭的養護体制の早急な整備を行うべきであります。見解を伺います。また、施設を退所した子どもたちは、社会の中で自立することが求められます。しかし、就職や人間関係でつまずいたり、さまざまな困難に直面し、行き詰まる場合もあります。その再出発のためには、帰るよりどころと支援が必要です。そこで、新たに相談支援の施設を設置すべきと考えます。見解を伺います。次に、感染症対策について質問いたします。感染症などの健康危機から都民を守る体制を整備することは重要であります。現在、この二十年間で最も早くインフルエンザの流行期に入り、全国各地で感染症の報告が相次いでおります。また、東南アジアでは鳥インフルエンザのヒト感染の症例が発表され、新型インフルエンザに変異し、日本へ到来した場合の危険について、多くの国民が不安を抱いております。そのほかにも、エイズや結核など共通の課題があります。都は、こうした感染症の危機から都民を守るため、情報収集にとどまらず、アジア大都市間に共通する感染症対策の課題について、各都市が協力して調査研究を進めていくことが重要であります。現在、都は、健康危機管理センターを整備する計画を進めていますが、アジア各都市との共同調査研究を付与し、健康危機から都民を守る基盤整備をすべきと考えます。所見を伺います。次に、高齢者施策について質問いたします。「十年後の東京」においては、高齢者が社会のさまざまな場面で活躍し、超高齢社会を活性化するために、世界に先駆けて超高齢社会の都市モデルを創造するとしています。十年後には、高齢者が二百二十九万人から三百十五万人になると見込まれています。多様な価値観を持つ団塊の世代の六十万人が加わり、四人に一人が高齢者になります。都は、平成十九年度から今までの補助事業を分野別に見直し、高齢社会対策区市町村包括補助事業を始めました。幾つかの区市がこの事業を活用していますが、なかなか成果の上がらない区市もあるようです。そこでまず、この包括補助事業の検証を行うべきであります。都が進めている「十年後の東京」の実行プログラム策定に当たっては、このような現状を踏まえた上で、新たな超高齢社会の活性化策を提示していくべきであります。あわせて見解を伺います。次に、高齢者施策に関連して、シルバーパス制度について質問いたします。国の税制改正において、公的年金控除の廃止などが実施され、従来は区市町村民税が非課税であった六十五歳以上の高齢者が、十八年度より収入が変わらないにもかかわらず、区市町村民税が課税となりました。基準を住民税の課税、非課税に求めているシルバーパスの購入も、千円から二万五百十円になるため、都は、影響を受けた方の負担額を十八年度、十九年度と据え置きました。このことは、公明党の強い主張を受け入れたものとして高く評価をいたします。景気が回復をしてきているとはいえ、高齢者の負担増は厳しくなるばかりであります。国も介護保険料の激変緩和措置をさらに二十年度、二十一年度と継続をいたします。また、十七年一月に六十五歳以上で税制改正の影響を受けた方についても、シルバーパスの激変緩和措置の対象としないと不公平になります。そこで、二十年度も引き続き、新たにシルバーパスを発行される方も含めて、激変緩和措置を実施すべきであります。都の見解を伺います。なお、来年開業する日暮里・舎人ライナーについては、昨年八月に、都営交通として運営することとあわせてシルバーパスを適用するよう、我が党は都に要望いたしました。十月に交通局が事業譲渡の許可を得ていることから、今後、開業に向けてシルバーパス適用に必要な手続を速やかに行うよう、強く求めるものであります。次に、障害者自立支援法について質問いたします。障害者自立支援法は、障害を持つ方が地域で安心して生活できる社会を目指す改革として、二〇〇六年にスタートしました。ただ、抜本的な改革であることから、在宅生活の場合、軽減措置を受けている人が少ない、また、障害児のいる世帯の負担感が大きいなどの声が寄せられ、公明党としても、利用者負担の軽減や事業者への支援拡充を国に要望してまいりました。その結果、二〇〇六年度から二〇〇八年度までの特別対策として、通所・在宅サービスの定率一割の利用者負担の月額上限額を四分の一に引き下げるとともに、収入、資産も大幅に緩和、また、送迎サービスへの助成など、事業者への支援も拡充してまいりました。予算は総額で約一千二百億円に上りました。しかし、負担軽減幅の小さいサービスも多く、収入要件のハードルで軽減サービスが受けられない方も多いのが現状です。また、現在の軽減策が三年間の特別対策であることから、二〇〇九年以降も軽減措置を続けてほしいとの切実な声も上がっています。今、国会では障害者自立支援法の見直しの議論が行われていますが、現在の特別対策を恒久化するとともに、低所得者の利用者の負担のさらなる軽減、そして所得要件の緩和などが不可欠であります。そこで都は、国に対しさらなる利用者負担の軽減などを強く求めていくべきであります。見解を伺います。次に、医療施策について質問いたします。初めに、がん対策についてであります。今や日本は、男性の二人に一人、女性の三人に一人がかかるのが、がんであります。日本は世界一のがん大国ですが、がん登録の制度がないなど、がん対策後進国といわれております。都は現在、来年三月の策定に向け、東京都がん対策推進計画の素案をまとめていると聞いております。こうした中、先日公表された福祉保健局の来年度予算要求に、これまで我が党が主張してきた放射線治療の推進や早期段階からの緩和ケアの実施、がん登録の推進などの事業が盛り込まれたことを高く評価いたします。こうした動きを見るにつけ、ようやく都のがん対策の歯車が大きく動き出したとの感を強くいたします。アメリカでがん死亡者が減少する中、日本では増加している現状を考えたとき、まず東京から、がん対策についての積極的な取り組みを行っていくべきであります。石原知事の力強い決意を伺います。がん対策のさまざまな取り組みのうち、今後、急速にニーズが高まってくることが予測されるのは緩和ケアです。このうち、緩和ケア病棟については、今後、民間病院が整備する場合、その後押しとなるよう都として環境整備に努めるべきであります。もう一つの基盤である在宅について伺います。ことし十月、患者、家族の相談や情報提供を行うため、都の在宅緩和ケア支援センターが開設されました。しかし、その取り組みは多摩地域で緒についたばかりであり、患者が多い二十三区でも支援を加速すべきであります。見解を伺います。あわせて、患者や家族の不安の軽減を図るには、緩和ケアを含む相談支援や情報提供をよりきめ細かく行っていくことが必要と考えます。見解を伺います。次に、医師確保対策について質問します。医師不足のうち、特に深刻な産科医不足を解消するには、女性医師の離職防止を図ることが重要です。近年、女性の医師国家試験合格者は年々増加し、全体の三割以上を占めています。しかし、女性医師は、医師として本格的に活躍する医学部卒業後十年前後に、妊娠、出産、育児期などの人生の大きな節目と重なり、約半数が医療の現場から離れています。このまま離職を余儀なくされるのは、社会にとっても大きな損失であります。女性医師が出産、育児を迎えても離職しなくて済む、また、離職しても復職を容易にすることが、過酷な状態にある医師全体の勤務環境の改善につながってまいります。医師の勤務環境を改善するとともに、女性医師を初めとする離職中の医師の復職を支援することが重要であります。全国平均に比べ、女性医師の比率が高い東京都として、全国のモデルとなる支援策を積極的に実施すべきであります。見解を伺います。次に、後期高齢者医療費制度について質問いたします。日本における医療費の特性は、六十五歳未満の一人当たりの医療費が十四万円であるのに対し、七十五歳以上では八十一万円と高く、医療費の伸び率も、六十五歳未満よりも七十五歳以上の方が高いということであります。十八年後の平成三十七年には、七十五歳以上の高齢者の全人口に占める割合は、現在の六十五歳以上の人口割合と同じ程度になります。そこで、世界に冠たる国民皆保険制度を維持し、これ以上の現役世代の負担をふやさないためにも、七十五歳以上の高齢者に公費を重点化し、社会連帯的な保険料で賄う後期高齢者医療費制度が制定されたわけであります。この後期高齢者医療費制度が明年四月より施行されますが、去る十一月二十一日に、東京都の広域連合議会において保険料等を定める条例が可決され、東京都における制度の全貌が明らかになるとともに、幾つかの課題も見えてまいりました。その一つが、すべての被保険者の負担軽減にかかわる財政支援であります。東京都の所得水準が全国平均の一・七二倍とされたことにより、国からの普通調整交付金の交付額が約二百二十七億円減額されます。その結果、一人当たりの保険料がすべての所得階層で増額となります。都内では、全国と比較して生計費が多額とならざるを得ない状況の中、この保険料の増額は家計を圧迫いたします。そこで、広域連合協議会においては、二年間の措置として、財政安定化基金拠出金、審査手数料及び保険料収納率が一〇〇%に満たない差額分に係る七十億円の経費について、区市町村の一般財源を投入することを合意いたしました。都としてこういった取り組みを評価し、広域連合の円滑な運営を確保するために、積極的に財政支援を行うべきであります。二つ目には、法定健診に必要な経費に対する財政支援であります。今般の制度改正により、後期高齢者の特定健診については、広域連合の努力義務とされ、国、都による負担義務はなくなりましたが、国においては、概算要求において一定の財源措置を予定しています。都としても、国のこうした対応や、都民の健康を維持増進し、医療費の適正化につなげる観点から、従来の基本健康診査と同様に必要経費の三分の一の財源補助を行うべきであります。あわせて見解を伺います。次に、ものづくりの活性化と中小企業の販路開拓支援について質問します。一九九〇年代以降のグローバル化により経済構造が変化し、企業間の取引構造は大きく変容しました。このため、優秀な製品や技術を持つ中小企業であっても、特定の取引先に依存することが困難になり、中小企業みずから積極的に販路開拓を行うことが不可欠の課題となりました。都は、平成十年より産業交流展を実施し、中小企業の販路開拓の場として多くの企業の商談に結びつけています。この産業交流展において、都が大企業などに強力に来場を呼びかけることにより商談の機会がさらにふえていくと考えます。都の見解を伺います。また、中小企業にとっても、産業交流展を単なる展示会で終わらせず、根本的な営業力の強化の場とするために、産業交流展自体の機能充実を進めるべきであります。所見を伺います。さらに、ことしの産業交流展では外国からの企業の出展もありましたが、日本にはない技術やノウハウを持つ外国企業との連携は、中小企業の将来の展開を考えるとき、重要な要素となります。今後、こうした外国企業からの出展も充実させるべきと考えます。産業交流展の国際化に向けての所見を伺います。次に、中小企業の人材確保策について質問します。厚生労働省の労働経済動向調査によれば、常用労働者の不足感を示すDI値が過去十年の最高値となっています。民間の調査でも、来春卒業予定の大学生、大学院生を対象とした民間求職状況で、大手企業志向が強まり、企業規模別の求人倍率は、従業員一千人以上で〇・七七倍、一千人未満では四・二二倍と大きな隔たりが生じています。こうした中、都は我が党の提案を受け、新たに産業人材育成実態調査を実施し、ものづくり産業における人材ニーズや確保動向を把握するとしています。そこでまず、都は、中小企業の人材確保状況に対する認識や本調査の実施状況、今後の活用方針を明らかにするべきであります。見解を伺います。中小企業の厳しい人材確保の状況を打開していくためには、従来からの雇用就業施策の充実だけでは不十分です。企業の情報発信能力を高め、東京の中小企業のポテンシャルを魅力として伝えていく必要があります。例えば、民間ノウハウやNPO団体と連携した効果的な人材確保支援策の企画公募、メディアを活用しての中小企業の魅力などの工夫が重要です。そこで都は、大企業に比べ、単体での情報発信が困難な中小企業の、人材確保のための情報発信力を高める支援策を打ち出すべきと考えます。所見を伺います。次に、住宅政策について質問します。かつて、東京の住宅はウサギ小屋と酷評されました。また、長い通勤時間や住宅ローンに追われたライフスタイルをやゆされる場合もあります。衣食住という生活の三大要素のうち、衣と食は、間違いなく世界の最高水準にあります。問題は住です。オリンピック招致を機に、世界の都市問題の解決に貢献しようと決意した東京にとっては、東京が目指す真の住宅の豊かさとは何かを雄弁に物語る、新たな住宅政策を打ち出すことが必要です。そのためにも、住宅政策にかかわる専管局を新設するべきであります。都議会における議論を含め、都民の関心と夢や希望を喚起し、大いに住宅政策論議を巻き起こすべきと考えますが、この点に関する知事の所見を伺います。次に、低所得者向けに整備される公共住宅の総量について質問いたします。東京においては、平成十五年時点で七十五万二千戸、賃貸だけでも四十六万戸の空き家が生じている一方、都営住宅の入居倍率の平均は年々増加し、平成十七年度は三十二・一倍と、全国平均の九・九倍をはるかに超えています。この問題は、果たして市場経済任せで適切に低所得者向け住宅が供給できるのかという大事な課題をはらんでいます。都は、二〇一五年までの十年間における都内の公営住宅の供給の目標を十一万三千戸と定めています。しかし、この数量には既存都営住宅の建てかえも含まれており、低所得者向け住宅の総確保量がどうなるのか、はっきりとしません。そこで、都営住宅の総戸数の設定をより実態に即して見直すべきであります。所見を伺います。次に、都営住宅の建てかえについて質問いたします。この問題に関し、我が党は、第三回定例会の代表質問において、現在のペースのままでは、耐用年限を過ぎても建てかえができない住宅が多数発生することを指摘し、新たな整備方式に切りかえるべきと求めたところであります。そこで、この際、思い切ってスーパーリフォームによる耐用年数の延命化策は取りやめ、建てかえを中心とした整備方式に抜本的に見直すべきと考えますが、見解を伺います。また、都営住宅の建てかえの促進を図る上で、ひとり暮らし高齢居住者への配慮も重要であります。建てかえ後の住宅の間取りや移転先のあっせんなどは、さまざまな面で居住者の生活実態に即した配慮を行うべきと考えます。さらに、都営住宅の建てかえに際しては、CO2削減に率先して貢献できるよう、省エネやエコ対応の設備を設置すべきであります。あわせて見解を伺います。住宅政策の最後に、住宅の耐震化について質問いたします。都は、我が党の主張を受け、昨年度から木造住宅の耐震化助成を開始しました。しかし、住宅の倒壊による道路閉塞を防止するとの観点から、対象地域を木造住宅密集地域の整備地域に限定した制度としているため、初年度とはいえ、その執行率を見ると余りにも低調で、効果が上がっているとは到底いえません。こうした中、福田総理は所信表明演説で、災害発生時の犠牲者ゼロ政策を打ち出し、国では、住宅の耐震改修補助制度を来年度から大幅に拡充することなどを模索しております。一たび震災が起これば、その被害がほかとは比較にならないくらい甚大な首都東京においてこそ、いつ起きてもおかしくない震災から都民の生命や財産を守るため、住宅の耐震化助成制度を大幅に拡充すべきであります。特に、これまでの補助対象の条件撤廃や補助率上積みなどは、待ったなしに取り組むべきであると考えます。所見を伺います。次に、教育施策について質問いたします。初めに、いじめ問題についてであります。いじめは昔からあったものだからと気軽に受けとめる向きもありますが、昨今のいじめの深刻さは、いじめの発生に際し、被害者を守る役割を果たしてくれる存在が決定的に不足しているという点にあります。被害者は、加害者からだけでなく、ともするとクラスメート全員から無視されていたり、いじめの発生自体に全く気づいてもらえない状況に置かれたりしています。いじめの放置は、被害者の心の傷の回復をおくらせるだけでなく、他人の痛みを理解しない大勢の大人を生み出すという、社会全体の被害にもつながります。絶対に看過することはできません。公明党は、国において、いじめの早期発見、早期対応を促すため、NPO団体や教育、福祉、法律の専門家などの協力を仰ぐ、第三者機関としての仮称いじめレスキュー隊を提唱し、二十年度の予算化を目指しています。兵庫県の川西市では、いじめ相談を教育委員会で受けていた四年間の相談件数が百件余りであったのに対し、第三者機関を設置してからは、年五、六百件にふえています。そこで、都においても、東京都子ども・若者問題対策会議などを通じて、いじめレスキュー隊など具体的な対策を検討すべきと考えます。教育長の見解を伺います。次に、食育の推進について質問いたします。早ければ来年の通常国会に、栄養教諭の役割を盛り込んだ学校給食法の改正案が提出され、新たな国家戦略としての食育推進が図られようとしています。子どもたちに対する食育は、心身の成長及び人格の形成に大きな影響を及ぼし、生涯にわたって健全な心と身体を培い、豊かな人間性をはぐくんでいく基礎となります。おくれていた多摩の市町村における中学校給食も、ほとんどの市町村で実施、もしくは実施に向けて準備を進めております。学校給食法において食育が明確に位置づけられようとしている今こそ、東京都においても、食育を含めた形で健康づくりに向け具体的な取り組みを推進していくべきと考えます。都の見解を伺います。次に、学校現場での教員の事務量の軽減策について質問いたします。昨年、四十年ぶりに実施された教員等の勤務実態調査によって、教員の多忙さが裏づけられ、子どもと向き合う時間が少ないということが明確になりました。このため、文部科学省は学校現場での教員の事務量を軽減するためのプロジェクトチームを発足させ、文科省が依頼する調査、統計の削減のほか、都道府県との間で重複している調査の統合、学校の業務日誌や学校運営のための書類などの簡素化などについても検討するとしています。そこで、都教育委員会においても、文科省と連携を図り、教員が子どもと向き合う時間が少しでも長く確保できるようにすべきであります。見解を伺います。さらに、最近、保護者や近隣住民からの理不尽な要求に対して、相談できる相手や機関もないため、一人で悩み苦しんでいる教員の声を聞くことが多くなりました。いわゆるモンスターペアレンツやクレーマーとのトラブル解決に向けて、本年四月に施行されたADR法に基づき法務大臣の認証を受けた紛争解決の専門家を活用し、教員の負担軽減を図るべきであります。所見を伺います。次に、羽田空港の国際化及び跡地利用対策について質問いたします。羽田空港は、二〇一〇年に新たに第四滑走路と国際線旅客ターミナルビル等が供用開始され、いよいよ国際旅客定期便や国際貨物便が就航することになります。そこで伺います。第一に、空港アクセス整備についてであります。現在、羽田空港は、年間六千七百万人の旅客が利用しており、今後、年間一%ずつ利用客がふえると予想されています。さらに三年後、海外から年間七百万人の旅客が羽田空港を利用することになります。しかし、現状では、空港周辺の道路基盤を初めとする空港アクセスは一定の整備がされているものの、将来に向け、これらに対応することができないのではないかと懸念されます。そこで、都は空港アクセスを早急に整備すべきと考えます。見解を伺います。第二に、新空港線の整備についてであります。新空港線とは京浜急行線と東急多摩川線の二つの蒲田駅を結ぶ路線であり、いわゆる蒲蒲線と呼ばれています。新空港線の整備により、東横線や東京メトロ副都心線を経由することにより、目黒区、世田谷区、品川区、渋谷区、新宿区、豊島区、練馬区など、東京圏西南部の地域に広域交通のネットワークが広がります。また、再拡張や国際線の就航、跡地利用を控える羽田空港へのアクセスが強化され、例えば、自由が丘から羽田空港までの所要時間も四十九分から二十五分に二十四分短縮されます。このように、新空港線は、大田区のみならず東京西南部の利便性が向上する路線であり、羽田空港への輸送増強策の一つとして早急に整備すべきと考えます。所見を伺います。本年十月、羽田空港跡地利用基本計画素案が発表され、既にパブリックコメントが終了し、今年度中に跡地利用基本計画が策定されると聞いております。都は、跡地利用基本計画の早期具体化を目指して、羽田空港跡地の道路、護岸、ライフライン等の基盤整備が着実に進められるよう、土地所有者である国に対し強く求めていくべきであります。所見を伺います。次に、横田基地の軍民共用化について質問いたします。横田基地の軍民共用化についての日米協議は、昨年十月、一年以内に結論を得る前提で開始されましたが、ことし十月、何ら結論を得ないまま、この期限を迎えてしまいました。先月八日、高村外務大臣とゲーツ米国防長官との会談で、引き続き協議を行っていくことは確認されましたが、その結論がいつまでも先延ばしになってしまうようなことがあれば、これまでの議論は振り出しに戻ってしまうおそれさえ生じかねません。横田基地の軍民共用化は、これまで石原知事が先頭に立って取り組んできたからこそ、ここまで進めることができたことは事実であり、さらにあと一歩、早期の実現に向けて力を尽くすべきと考えますが、横田基地の軍民共用化への今後の取り組みについて、知事の決意と見解を伺います。最後に、小笠原への航空路開設問題について質問いたします。都議会公明党は、来年、小笠原諸島返還四十周年の佳節を迎えるに当たり、去る十月十七日から二十一日までの日程で小笠原村調査団を派遣し、航空路開設問題など、現地調査を行い、村民の方々と率直な意見交換を行ってまいりました。私も調査団の一人として参加いたしました。昭和四十三年の返還以来、空港建設運動を続けてきた村民感情の中には、過去三度に及ぶ空港建設、超高速船TSLの挫折が少なからず重くのしかかっているのも確かであります。都は、昨年十一月に小笠原諸島振興開発計画の変更を行い、自然環境との調和に十分配慮した航空路を開設するといたしました。我が党調査団の視察後に、小笠原村では航空路開設に向けた機運を盛り上げるため、先月七日から二十数回に及ぶ村民説明会を開催しております。今後は、この村民合意を前提に、都と村が住民参画の手法であるPI協議会を設置すると聞いています。こうした小笠原村民の思いを後押しする上からも、知事の航空路開設に向けた率直な決意を伺います。以上をもちまして代表質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)藤井一議員の代表質問にお答えいたします。まず、今回の地方税財政制度の見直しに際して、都民の生活をいかに守るかについてでありますが、もともとこの税制の改正に関しては、与党の税調等の内容を聞きますと、かなり筋の悪い税法だという意見が専門家の間で出ていまして、それでもなお、やっぱり貧すれば鈍するというんでしょうか、こういうある意味で無体な改正になったわけですけども、ゆえにも、総理もそれは十分認識した上での今回の会談になったと思いますが、その際、こちらもいろいろ条件も出しましたし、要望もいたしました。総理からも、首都の東京という日本の心臓部というものを重視するということで踏み込んだ提案もなされましたし、都の重要な政策を推進するに当たって私が提示した幾つかの案についても、国が大いに協力するという約束もございました。いずれにしろ、約束は約束でありますけれども、その前提に、三千億というべらぼうな我々の財産が非常に無体な形で国に吸収されるわけでありまして、いずれにしろ、その結果、東京がかなり財政の危機を迎えるのは、もう自明なことでありますが、悪い影響を最小限に食いとめるという意味でも、東京が逆手にとった幾つかの提案もいたしました。これまでも、私としても都民生活を守ることを第一に考えまして、「十年後の東京」を初めとする先進的な取り組みも進めてきたつもりでございますが、今回の対応により、一時的に大きな減収になりました。財政的には厳しい状況に置かれることは確かでありますが、この際、やっぱりあらゆる創意工夫を凝らして、都民生活に対して影響を与えないような努力を全力でしてまいります。次いで、温暖化被害への適応策についてでありますが、地球の温暖化は疑う余地がございません。今後十年ほどの間に、あっという間に十年過ぎますが、相当な政策を講じませんと、人類全体にとっての破局的な事態を招きかねないというのが多くの専門家の認識であります。このためにも、都は温暖化ガスを劇的に削減すべく、全庁一丸となって、都民、事業者を巻き込んだ取り組みを進めてまいりました。いうまでもなく、温暖化によって引き起こされる都市水害や新たな感染症の流行などのさまざまな被害への対応も必要であります。この九月に、ツバルという沈みつつある島国を目にしてまいりましたが、日本も島国でありまして、これは決して他人事ではないという認識を強く、また改めて持ちました。都は、現在でも、防災や危機管理の観点から高潮対策や感染症対策などを着実に進めておりますが、地球温暖化がもたらす東京への影響を把握した上で、都民の安全と生活を守るために必要な適応策を検討して、一つ一つ実現していくつもりでございます。次いで、がん対策についてでありますが、がんは、現代社会を生きる我々の健康を脅かす重大な脅威であります。この病気の克服は、都民の願いでもあります。がん医療において都民が最良の医療を受けられるよう、首都東京としてのメリットを生かし、都独自の認定病院制度の創設や、放射線療法、化学療法の推進などにより、医療水準を向上させていきたいと思っております。こうした取り組みをがん対策推進計画に反映して、がんの予防から治療及び療養生活の質の向上に至るまでの総合的ながん対策の推進に積極的に取り組んでいくつもりであります。次いで、住宅政策についてでありますが、都民が真に豊かさを実感できる社会を実現し、東京がさらに高いレベルでの成熟を遂げるためには、何といっても居住の場としての魅力的な都市をつくっていくことが不可欠であります。このため、都民の意見なども踏まえて策定した東京都住宅マスタープランに基づきまして、住まいの安全・安心の確保や、世代を超えて住み継がれる住宅まちづくりなどに取り組んでいきたいと思っております。今後とも、成熟した都市にふさわしい豊かな住生活の実現に向けて、まちづくりと連携した施策の推進など、時代に即した住宅政策を総合的に展開していきたいと思っております。次いで、横田基地の軍民共用化についてでありますが、横田の軍民共用化は、首都圏の航空事情を改善し、首都圏全体に大きな経済効果をもたらすものでありまして、我が国の国力の維持のためにも必要不可欠であります。いずれにしろ、今現在、四十カ国を超す外国が主にこの首都圏に乗り入れを願っていながら待機しているというのが実情でありまして、このゆえにも、この軍民共用化は二〇〇三年五月の小泉・ブッシュ会談で検討が合意されました。これまでの首脳会談などでも繰り返し実現を要請してきましたが、日米間の重要な懸案事項であります。アメリカの政府は、日米関係を重視するならば、軍民共用化に積極的に対処してしかるべきであると思っておりますが、この末端というか、最先端の実務者ともなりますと、やっぱり軍人も含めてのお役人の通弊で、自分の足もとを守る、身の回りだけを守るという大きな視点を欠いた交渉になりがちで、これにはアメリカの元の在日司令官もメンバーにおりますコンサルタントを駆使しまして冷静な判断をさせて、何とかよき結論に導いていきたいと思っております。そこでも指摘しておりますが、米軍側がいっている幾つかの障害は、専門家の見地から見てもクリアできる調整可能な事項であるということで、都としても、一橋大学の杉山学長をヘッドとします杉山委員会において、共用化のためのさらに具体案を検討しておりまして、これを日米協議に反映させるように国にも積極的に働きかけてまいります。今後も、国の関係省庁と一枚岩の結束を保ちながら、粘り強く協議を続けることによりまして、軍民共用化の早期実現を目指していきたいと思っております。次いで、小笠原への航空路開設についてでありますが、私も国会議員時代、あそこが選挙区でもありましたから、友人の飛行機でテストフライトも何度もいたしてみました。いずれにしろ、二転三転して、結局いまだにこれが実現できない。頼りにしておりました高速船も採算が合わないということで、あのプロジェクトも挫折をしました。いずれにしろ、小笠原は本土からも非常に隔絶した離島でありまして、交通アクセスの改善は、昭和四十三年に小笠原が復帰して以来の最大の課題でもあります。航空路の開設には、自然環境との調和など解決すべき課題が多うございますが、小笠原振興を図る上で極めて重要であることも自明であります。洲崎の、昔の陸軍ですかが使っておりました短い飛行場の跡地を何とかできないかと思いますが、これまた環境省のいろいろ規制に引っかかりまして、なかなかクリアするのが難しい現況でありますが、いずれにしろ自然環境に十分配慮しながら航空路の開設を実現するためには、国の理解、協力が不可欠であります。これもやっぱり一歩もお互いが譲らぬということではとても実現できない事態でありまして、また何よりも地元の村民の合意が肝要だと思います。今後も国に強く働きかけを行うとともに、村民の意向を踏まえつつ、航空路開設の実現に向けて積極的な検討を進めていきたいと思っている。現に幾つか条件としての案も棚橋参与の方から出てますし、あとは主に環境省との兼ね合いというものがこれからの最後の問題になると思います。なお、他の質問については、教育長及び関係局長から答弁いたします。〔教育長中村正彦君登壇〕 # 教育長(中村正彦君) 教育長(中村正彦君)四点についてお答え申し上げます。まず、いじめ問題についてであります。いじめ問題の解決には、学校教育関係者はもとよりではありますけれども、都民一人一人がこの問題の重大性について認識を深め、社会全体の問題としてとらえることが重要であります。東京都子ども・若者問題対策会議は、東京の子ども及び若者にかかわります問題への対策につきまして、各局の連携を強化するために設置されておりまして、現在、いじめ問題については福祉保健局、警視庁などと連携し、相談事業や都民への啓発などに取り組んでおります。今後、お話しのいじめレスキュー隊など、国の新たないじめ問題にかかわります動きに注視いたしまして、関係各局や区市町村教育委員会と連携するとともに、いじめ問題学校支援員の中に、より広範な専門家等の協力を求めまして、具体的な対応策に取り組んでまいります。次に、食育の推進に向けた具体的な取り組みについてであります。都教育委員会は、食育を健康教育の一環といたしまして、学校教育全体の取り組みの中で推進していくことが重要であると考えております。都独自の仕組みであります食育リーダーを全都立学校に配置したところでございます。現在、各区市町村教育委員会に対しまして、平成十九年度中に全公立小中学校に配置するよう、積極的に働きかけを行っております。さらに、平成二十年度にはモデル地区を指定いたしまして栄養教諭を配置し、健康づくりの視点を重視した食育推進に効果的な教材、指導方法の開発を行うとともに、家庭、地域と連携した取り組み等を推進していく予定でございます。次に、教員が子どもと向き合う時間の確保についてでありますが、教員が一人一人の子どもと向き合い、指導を行っていくことは、個に応じた指導の充実や豊かな人間関係をはぐくむ上で極めて重要でございます。都教育委員会では、これまでも国と都の統計調査が重複しないように努めたり、効率的に授業準備ができるように教材等に関する情報を提供したりするなどいたしまして、教員の事務量の軽減に取り組んできたところであります。今後、国の動向を踏まえまして、区市町村教育委員会とも連携を図り、教員が子どもたちの指導に直接かかわる業務に取り組む時間を一層確保することができるよう努めてまいります。最後に、学校におけるトラブル解決に向けた専門家の活用についてであります。学校に対して理不尽な要望をする保護者や地域住民への対応に関しましては、教育委員会も連携して学校が組織的に対応することが重要であります。ご提言のADR法に基づきまして、学校においてトラブル解決に対応できる事業者は、現在、都内においては登録されておりませんが、その動向を注視しつつ、今後、教員の負担軽減の観点から、トラブル解決のための一つの手段として、その活用の可能性を検討してまいります。〔財務局長村山寛司君登壇〕 # 財務局長(村山寛司君) 財務局長(村山寛司君)今回の税制上の措置の都財政への影響についてのご質問にお答えいたします。率直に申し上げまして、今回の措置が歳入面において非常に大きい影響を及ぼすことは認めざるを得ないと考えております。他方、都政はそうした中にありましても、「十年後の東京」の実現に向けた施策を着実に推進するとともに、更新期を迎える都市インフラの整備充実や都民生活をしっかり守り抜くなどの諸課題に適切に対応していく責務を負っております。こうした責務を果たすため、この間の財政再建の取り組みを通じて培ってまいりました基金や都債の活用能力など、財政対応能力を生かすとともに、歳入歳出両面の効率性、実効性をさらに一層高めることなどによりまして、財政面から的確に対応すべく、持てる力を最大限発揮していく決意でございます。同時に、今回の措置は抜本的改革までの暫定措置とされておりますので、いかに早期に抜本的改革を実施するのか、そしてその改革が、いかに大都市と地方がともに発展し得る地方の自立につながる本質的な改革となり得るか、これが都財政の将来にとって重要でございます。今回の措置は、地方分権にまさに逆行するものでございますが、その意味で真の地方税財政制度改革の早期実現がもはや先送りできないものであることを、いわば反面教師的に明らかにしたものともいえるわけでございます。したがいまして、今後、都議会の皆様のご協力を得ながら、従来にも増しまして改革の推進に全力を傾けてまいります。〔知事本局長大原正行君登壇〕 # 知事本局長(大原正行君) 知事本局長(大原正行君)温暖化被害の適応策に関する庁内横断的な検討についてでございます。地球規模の温暖化は確実に進んでおりまして、熱波や干ばつ、降雨量の増加といった異常気象や海面上昇などによりまして、世界のあらゆる地域にさまざまな影響を与えることが懸念されております。このため、地球温暖化対策を推進するに当たりましては、温暖化ガスの削減という緩和策に加えまして、温暖化被害への対応という適応策の検討が必要であることはご指摘のとおりでございます。今後、温暖化による都市水害や感染症などへの影響を把握し、カーボンマイナス都市づくり推進本部など、既設の横断的組織の活用を含めまして、総合的な観点から対応してまいります。〔環境局長吉川和夫君登壇〕 # 環境局長(吉川和夫君) 環境局長(吉川和夫君)温暖化対策に関する三点のご質問にお答えいたします。まず、環境子ども調査団に関するご提案についてでございますが、子どもたちに温暖化の影響や緑、水などの自然の大切さを実感する機会を与えることは、子どもたちが環境について日常的に考えることを促し、長い目で見て環境負荷の少ない都市づくりにつながるという意味で極めて重要でございます。このため、都はこれまでもキッズISO一四〇〇〇プログラムの導入など、子どものための環境学習に積極的に取り組んできました。今後、温暖化の影響の深刻さや自分が行動することの大切さをリアルに受けとめられるよう、子どもたちの意見も聞きながら、環境学習の質の向上に努め、子どもたちが環境問題をより主体的に考える機会を提供してまいります。次に、地球温暖化防止活動推進センターの設置についてでございますが、地球温暖化対策は、人類全体の生存にかかわる待ったなしの課題であり、都民や事業者など、すべての主体が能動的に省エネなど低CO2型社会への転換に取り組むことが必要不可欠でございます。そのためには、地球温暖化の危機的な現状や早急な対策の必要性などに関する普及啓発をこれまで以上に積極的に行うことが重要でございます。都は、今後、地球温暖化防止活動推進センターの早期の設置に取り組み、都民一人一人や各事業者が、節電などの直接的な行動につながる気づきを持てるような具体的できめの細かい普及啓発を行い、中小企業や家庭を対象とした効果的な施策を進めてまいります。最後に、オリンピック招致と温暖化防止ムーブメントを連動させた取り組みについてでございますが、都は、CO2削減への貢献を都民が日常生活の中で実感できる取り組みとして、現在、業界の協力も得て白熱球一掃作戦を進めており、都民の理解も深まって、電球型蛍光灯の売り上げが増加傾向に入るなど、温暖化防止に向けた機運は高まりつつあります。このような意味から、都民が身近に取り組めるエコバッグ運動などのご提案は、環境問題に先進的に取り組むオリンピック・パラリンピックの東京招致にとりましても、また温暖化防止ムーブメントを一層盛り上げていく上におきましても、有効な手法であると考えております。今後、オリンピック招致と温暖化防止に向け、さらなる機運の醸成に取り組んでまいります。〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕 # 福祉保健局長(安藤立美君) 福祉保健局長(安藤立美君)お答えを申し上げます。まず、福祉保健施策の事業展開についてであります。都はこれまで、大都市東京にふさわしい福祉、保健、医療サービスの実現を目指し、全国に先駆け認証保育所制度や東京DMATを創設するなど、福祉改革、医療改革に取り組んでまいりました。福祉・健康都市東京ビジョンは、こうした改革をさらに前進させ、確かな安心を次世代に引き継ぐための基本方針として策定したものであり、お話しの福祉健康先進都市東京と目指す方向は同じであると考えております。平成二十年度におきましても、「十年後の東京」を踏まえるとともに、ビジョンの基本方針を継承し、一人一人のライフステージと生活の全体をとらえた福祉健康施策の重点プロジェクトを新年度の事業計画の中で明らかにした上で、積極的に事業を展開してまいります。次に、児童虐待の早期発見についてであります。母親の育児不安や虐待のリスクを早期に発見し、適切な支援につなげることが虐待の未然防止のために重要ではあります。そのため、都は今年度、区市が支援を要すると判断した出産前後の母親に宿泊やデイケア等を行う子育てスタート支援事業を創設いたしました。今後は、都内の全区市町村が、妊娠期から母親とかかわる母子保健事業を活用し、産後うつ病のリスクを発見するのに役立ちますエジンバラ方式なども参考にしながら、母子保健手帳交付時の保健師による面接や健診時のアンケートの実施など、地域の実情に適した方法で虐待のリスクを早期に発見できるよう、必要な支援を検討しております。次に、区市の児童虐待への対応力強化についてであります。平成十七年四月に改正児童福祉法が施行され、区市町村が第一義的な相談窓口を担い、都道府県は専門的な対応や区市町村の後方支援を重点的に行うことになりました。これに先駆けまして都は、児童虐待に対応する専任ワーカーを配置いたしました先駆型子ども家庭支援センターを創設し、その設置を都内全区市に強力に働きかけております。また、地域の関係機関が緊密に連携し、虐待の早期発見と適切な対応を図ります要保護児童対策地域協議会が中心的な役割を果たしますことから、今年度中の全区市設置を目指しております。こうした取り組みにより、今後とも区市の児童虐待への対応力強化を積極的に支援してまいります。次に、家庭的養護についてでありますが、さまざまな事情で親と一緒に暮らすことのできない社会的養護を必要とする子どもたちは増加傾向にあります。こうした子どもたちは、できるだけ家庭的な環境のもとで、健やかにはぐくまれることが望ましいことから、都では養育家庭やグループホームなどによる家庭的養護を推進しております。今後、グループホームの整備の拡大とともに、養育家庭でより多くの児童がはぐくまれるよう、乳児期からの養育を推進するなど、家庭的養護の一層の充実に努めてまいります。次に、施設を退所した児童の支援についてであります。児童が社会的に自立するには、児童養護施設退所後においても就労や生活の面で悩みを抱えた場合に、必要な支援を行うことが重要でございます。このため、都は、今年度から、日常生活上の相談などのアフターケアを行う児童養護施設に対する支援を充実いたしました。また、施設から退所した児童が、社会に適応できず生活の場を失った際に、手厚い支援を受けながら、再度自立への準備を行うグループホームとして、再チャレンジホームの創設を検討しております。次に、健康危機管理センター(仮称)の機能についてであります。都は現在、アジア大都市ネットワーク21の取り組みの一環として、参加十一都市による感染症情報ネットワークを構築しており、健康安全研究センターは、この情報システムの管理運用など、その中核的な役割を担っております。本年十一月、ハノイで開催いたしましたアジア大都市ネットワークの第三回感染症対策プロジェクト会議では、東京都の提案により、プロジェクトの中期計画が策定され、共同調査や研究の実施について参加各都市の合意が得られました。新たに整備するセンターにおきましても、引き続きこのプロジェクトの中核を担うとともに、共同調査や研究、人材育成など、健康危機管理の基礎となる機能の強化を図ってまいります。次に、超高齢社会の活性化策についてであります。活力ある超高齢社会を創造するためには、団塊世代を初め、元気で意欲的な高齢者を地域社会の担い手と位置づけ、活用していくことが重要であります。具体的には、地域の高齢者の見守り、声かけ、話し相手や困りごとの手助け等を初め、地域社会の課題の解決に向け、これまでに培った豊かな知識、技術、経験を十分に生かしながら、自主的、自発的に活動できる環境づくりが必要であります。そのためには、住民に身近な区市町村の取り組みが重要でありますことから、引き続き包括補助により区市町村を支援するとともに、その実施状況を検証しながら、高齢者の主体的な活動が地域において継続できる方策について、速やかに検討してまいります。次に、シルバーパスについてでありますが、お話の経過措置は、税制改正に伴う激変緩和措置として、今年度限りの対応策として講じたものでございます。シルバーパス事業を今後とも継続させていくためには、利用者である高齢者を初め、広く都民の理解も得ながら、社会状況の変化に的確に対応していくことが不可欠でございます。経過措置を継続することにつきましては、ご指摘の点なども踏まえて適切に検討してまいります。次に、障害者自立支援法の見直しについてであります。今回の法施行による改革が広範かつ抜本的なものであったことから、都として、昨年十一月に法の施行状況の実態を踏まえ、国へ緊急要望をし、その後、国において法の円滑な定着を図るための特別対策が実施されております。しかしながら、本年実施をいたしました都の調査によれば、特別対策実施以降もなお利用者に負担感があり、また、事業者報酬についても経営実態に合っていないなどの声が上がっております。今後、国への働きかけを含め、適切に対応してまいります。次に、がん在宅緩和ケア支援センターについてであります。緩和ケアは、身体的な痛みだけでなく、精神的な苦痛の軽減をも図るものであり、がん治療の早期から提供されることが、患者の闘病生活を支える上で重要であります。また、がん患者が住みなれた家庭や地域での療養を選択できるよう、在宅においても緩和ケアを受けられる体制の整備も必要であります。そのため、都では、医師や看護師向けの研修を行うとともに、在宅緩和ケアに関する相談や情報提供を行う在宅緩和ケア支援センターを本年十月、多摩地区に設置いたしました。今後、都民へ広く緩和ケアを普及するため、区部へも支援センターを設置してまいります。次に、がんの緩和ケアを含む相談支援や情報提供についてであります。がんの相談支援や情報の提供を行い、患者、家族の悩みや不安にきめ細かく対応することは、療養生活を支援する上で重要であります。このため、都では、患者団体のご協力も得まして、本年十月からピアカウンセリング事業を開始いたしました。今後、患者、家族への相談支援や情報提供の一層の充実を図るため、がん診療連携拠点病院及び都独自に認定いたします東京都認定がん診療病院のすべてに相談支援センターを設置してまいります。次に、医師確保に係ります都の支援についてでありますが、産科や小児科を中心とした病院勤務医は、業務の過重な負担から病院を離れる実態もありまして、その対策は緊急の課題であると認識をしております。中でも出産や子育てを迎える女性医師については、医療の現場でキャリアを中断することなく働き続けることができるよう、勤務環境の改善を支援することが重要であります。このため、都は、本年六月に設置をいたしました東京都地域医療対策協議会での協議を踏まえまして、短時間勤務の導入、当直体制の見直し、医療補助者の活用等、病院勤務医師の負担軽減に向けた医療機関の取り組みを支援してまいります。さらに、再就業研修を実施するなど、女性医師の復職支援についても積極的に取り組んでまいります。最後に、後期高齢者医療制度におきます広域連合等への支援についてであります。後期高齢者医療制度は、疾病リスクの高い高齢者を社会全体で支える仕組みであると認識しておりまして、都としても、制度の安定的運営を図るため、高額医療費の一部負担や保険料の法定軽減分の負担など、国や区市町村とともに応分の役割と負担を担ってまいります。さらに、都は、都民の健康の保持増進を図る観点から、広域連合が行う後期高齢者の健康診査事業に対する財政支援など、今後、制度の円滑な実施に向けて効果的な支援策を検討してまいります。〔産業労働局長佐藤広君登壇〕 # 産業労働局長(佐藤広君) 産業労働局長(佐藤広君)中小企業対策に関する五点のご質問にお答えをいたします。まず、産業交流展における商談機会の拡大についてでありますが、産業交流展におきましては、これまでも、商社や流通、大手製造業者等に招待状を発送いたしまして、商談機会の拡大につながる来場者の増加に力を入れてまいりました。その結果、今年度は二日間の開催で、来場者数が昨年比約二割増の四万五百五十名となったところでございます。今後は、将来の主要な販売先となり得る大企業に対しまして、一層の来場を促すほか、新たに展示会場内にこれらの企業との商談の場を設置するなど、出展企業の商談機会の拡大に積極的に取り組んでまいります。次に、産業交流展における中小企業の営業力の強化についてでありますが、産業交流展は中小企業にとって安価で出展しやすいことから、将来、専門的あるいは国際的な見本市への出展に向けたトライアルの場として重要な役割を果たしております。今後は、産業交流展に合わせまして、出展企業を対象に、商談の進め方など展示会の有効活用について、そのノウハウを提供する、総合的な営業力強化セミナーを新たに開催いたしまして、中小企業の営業力の向上を図ってまいります。次に、産業交流展の国際化についてでありますが、都では、平成十九年三月に外国企業の東京進出を促すプロモーション活動を、イギリスのロンドン、ドイツのデュッセルドルフの二都市で実施いたしました。ことしの産業交流展におきましては、イギリスから二社、ドイツから四社の出展もあり、アジアの企業を加えまして、海外からの出展企業は合計二十一社となったところでございます。今後は、プロモーション活動を通じまして、産業交流展への外国企業の出展を一層促進し、都内中小企業との取引や技術提携等の機会を拡大してまいります。次に、中小企業の人材確保の状況についてでありますが、少子化の進展や大企業の採用拡大の中、中小企業の人材確保状況は厳しさを増しております。都といたしましては、その対策を講じることが極めて重要であるとの認識のもと、今年度、産業人材育成実態調査を実施したところでございます。その中間集計では、最近三年間で新卒者を募集した中小企業のうち、約一五%が全く採用できなかった、約四五%が採用できたが数は不足と回答をしており、中小企業の厳しい採用状況がうかがえる結果となっております。また、採用時の課題といたしまして、社会的認知度の向上や募集ノウハウを多くの企業が挙げております。今後は、この調査結果を踏まえ、中小企業が人材確保や人材育成を円滑に行えるよう、多面的に支援をしてまいります。最後に、中小企業の人材確保支援策についてでありますが、中小企業の人材確保状況を改善するためには、中小企業みずからが魅力を高め、その魅力を、多くの人々を引きつける情報として発信して、認知度を向上させることが重要であると認識しております。しかし、こうした取り組みは、中小企業のノウハウ不足等もありまして、十分には進んでいないのが現状であります。そのため、都は、企業PRに関して豊富な経験や実績を持つ民間企業やNPOなどとも連携いたしまして、高い技術力を初めとした中小企業のさまざまな魅力を広く発信していくなど、総合的かつ効果的な取り組みによりまして、中小企業の円滑な人材確保の支援に努めてまいります。〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕 # 都市整備局長(只腰憲久君) 都市整備局長(只腰憲久君)ご質問にお答えを申し上げます。まず、都営住宅の総戸数設定の見直しについてでございます。既に都内の住宅の数が世帯数を一割以上上回っておりまして、さらに将来的には東京においても人口減少社会の到来が見込まれていることなどを踏まえ、既存ストックの有効活用を図ってまいります。今後とも、都営住宅につきましては、社会経済情勢等の変化に対応し、管理の適正化の取り組み等によりセーフティーネット機能を強化し、真に住宅に困窮する都民に対して公平かつ的確に供給してまいります。次に、都営住宅の建てかえ推進についてでございます。都営住宅につきましては、都民の住宅セーフティーネットとしての機能を保持するため、適切に維持更新するとともに、用地の有効活用を図り、地域のまちづくりに活用する必要があると認識しております。こうした考えから、これまで、建てかえ事業とスーパーリフォーム事業を並行して実施してまいりましたが、今後は、用地の有効活用をさらに促進するため、建てかえ事業につきましては、管理戸数の抑制を図りながら、財政状況を勘案しつつ、更新期を迎えつつある昭和四十年代建設の住宅に対象範囲を広げ、規模を年間四千戸程度まで段階的に拡大したいと考えております。これに伴いまして、スーパーリフォーム事業につきましては、順次、縮減、廃止してまいります。次に、建てかえの進め方についてでございます。居住者に対しましては、建てかえに際し、事業の説明会などにより丁寧な対応に努めております。また、居住者にとって住みやすい間取りとなるよう工夫しながら、適切な住宅の供給に取り組んでいるところでございます。さらに、移転先の住宅のあっせんの際は、居住者の生活に大きな影響があることから、全体説明会や個別相談会などを通して、要望にこたえるよう努めております。今後とも、居住者に対しましてきめ細かい配慮を行いながら、建てかえ事業を円滑に進めてまいります。次に、都営住宅の建てかえに当たってのCO2削減についてでございます。温暖化対策の視点は、東京の都市づくりにおきまして重要な課題でございまして、都営住宅におきましても、CO2削減のための取り組みが必要であると認識しております。これまでも、建てかえ時にすべての住棟に太陽光発電設備を設置することに加え、敷地の緑化や透水性舗装など、積極的に環境配慮の取り組みを進めてまいりました。今後とも、こうした環境対策を的確に実施するとともに、高効率型の住宅設備につきましては、技術開発やコストの動向を踏まえながら対応することとして、CO2削減に取り組んでまいります。次に、木造住宅の耐震化助成制度についてでございます。住宅の耐震化は、その所有者が主体的に取り組むことが基本であり、都としては、公共的な観点から必要がある場合に財政支援を行うこととしております。木造住宅密集地域の整備地域では、住宅が倒壊した場合に、道路をふさぎ、避難や救急・消火活動に支障を来すおそれが高いことから、本制度はこれを防止することを目的として実施しているものでございます。都といたしましては、このような重点的な取り組みを推進することが防災対策上重要であると考えており、当面、制度の周知徹底など普及啓発に力を注ぎ、耐震改修の促進を図ってまいります。次に、羽田空港の空港アクセスについてでございます。羽田空港は、都心から至近距離に位置し、高い利便性を誇る国内最大の空港でありまして、そのポテンシャルを十二分に生かすためには、幹線道路や公共交通など、空港アクセスの一層の強化が重要でございます。都はこれまで、国道三五七号線東京港トンネル部などの整備促進を国に要請するとともに、京急蒲田駅付近の連続立体交差や駅改良など、空港周辺の渋滞解消や輸送力の増強に努めてまいりました。また、現在、国際線ターミナルの供用開始に合わせ、京浜急行及び東京モノレールでは、新駅の開設に向け工事を進めております。今後も引き続き、国や関係自治体等との連携を図りながら、空港アクセスの強化に着実に取り組んでまいります。次に、東急線蒲田駅と京急蒲田駅を結ぶ路線であります、お話の新空港線、いわゆる蒲蒲線でございます。本路線は、運輸政策審議会答申第十八号におきまして、平成二十七年までに整備着手することが適当である路線に位置づけられております。ご指摘にあるような一定の効果につきましては、理解をしているところでございます。一方で、本路線には、空港アクセスとしての機能性や多額な事業費のほか、事業採算性、東急線と京急線の線路幅の違いなど、さまざまな課題がございます。今年度、地元区が設置した勉強会に、国や鉄道事業者などとともに都も参画しておりまして、こうした場を通じて、具体的な課題につきまして引き続き区と議論を重ねるなど、必要な対応を図ってまいります。最後に、羽田空港跡地の基盤整備についてでございます。空港跡地は、再拡張事業で整備される国際線ターミナルなど、国際化の拠点施設に隣接する貴重な空間でございまして、この跡地の利用につきまして、都はこれまで、国及び地元区とともに検討を進めてまいりました。跡地利用基本計画は、今年度中に策定いたしますが、跡地の整備を進めるためには、道路や護岸などの基盤整備や、跡地の処分、事業手法等の課題を解決することが重要でございます。このため、引き続き、都が主体的に国や地元大田区など関係機関と調整していくとともに、特に土地所有者である国に対しましては、跡地整備の課題解決に向けた積極的な対応を求めてまいります。 # 副議長(石井義修君) 副議長(石井義修君)百四番曽根はじめ君。〔百四番曽根はじめ君登壇〕〔副議長退席、議長着席〕 # 百四番(曽根はじめ君) 百四番(曽根はじめ君)日本共産党都議団を代表して質問します。二年前、私は、都民の深刻な貧困と格差の是正を提起しましたが、知事は、東京にはさしたる貧困も格差もないと開き直りました。今、貧困と格差があらゆる分野に拡大し、社会のゆがみとなっていることが共通認識となりました。これは、十年来の構造改革路線のもとで、雇用の破壊、中小企業の切り捨て、庶民増税や医療、介護など、負担増がもたらしたものです。都の福祉保健基礎調査では、この九年間で、年収三百万円未満の世帯が九六年の一五%から二七%へと倍近くにふえ、別の調査では、勤労者の階層別賃金は、高額所得階層が六年間で平均一五%伸びた一方で、低所得層の平均賃金は逆に四割も減っています。貧困化が格差を激しくしているのです。それに加えて、都民を直撃しているのが、原油高騰に端を発したガソリンや灯油、商工業者の原材料、食料品や生活必需品にまで及ぶ物価高騰の動きです。灯油は、三年前の十八リットル千円が現在、配達で千八百円。年明けには二千円を超すといわれ、低所得者のぎりぎりの暮らしを脅かしています。北区に住む七十八歳の男性は、昼間は外で過ごして石油ストーブは夕方だけ、どうしても寒いときはガスコンロで暖をとると話しています。穀物など輸入品も上昇し、ビール、食パン、即席めんなどの食料品、紙類など生活用品も上がり、ガス、電気も値上げが予告されています。中小零細業者も、原材料が上がる中で、値上げを価格に転嫁できず、苦しんでいます。知事は、所信表明で、こうした都民の苦しみに言及しませんでした。都民の貧困と格差の増大、そして物価高騰について、どう認識し、対処するのか、都民の前に明らかにすべきです。答弁を求めます。私は、物価対策として、かつてオイルショックの際に物価Gメンを配置して洗剤などのため込みを摘発したように、必要な調査体制をとり、大企業の不当な便乗値上げを監視するとともに、原油価格の上昇により都民生活に影響を及ぼすことのないよう、国に強く要望すべきと思いますが、見解を伺います。また、国が灯油代補助を支援する方向であり、都としても区市町村と連携して、所得の低い世帯に対する灯油代への助成などを実施することを提案します。いかがですか。また、国にガソリン税の軽減などを強く求めるとともに、重油などを使う公衆浴場への燃料代や、ガスへの設備更新に思い切った助成を行うことなどが急がれていると思いますが、それぞれ答弁を求めます。貧困をなくし、格差を是正するために、庶民減税はもとより、抜本的な雇用対策や経済支援が必要です。ところが、事もあろうに石原知事は、個人都民税の減税の公約を撤回したのです。しかも、そのかわりに公約の進化だといって持ち出した施策は、極めて不十分です。都が失業者の生活保障の経済給付を職業訓練期間に限定して盛り込んだことは、対象者が極めて限定されているとはいえ、我が党の主張の一部が実現したものです。しかし、都民税減税の対象者が八十万人で七十億円規模だったのに対し、今回、経済給付の対象は、三年間でも二万人程度、金額も二十億円程度にすぎません。しかも、施策のほとんどは貸し付けや相談窓口などで、極めて不十分なものであり、高齢者などは対象にすらなっていません。私は、都が以下のことを実施するよう提案します。まず、高齢者です。老年者控除の廃止など、高齢者への年金課税の強化によって、六十万人を超える高齢者が増税となり、二十二万人の高齢者が新たに住民税課税となりました。高齢者は百億円近い増税になっています。この税収増を、暮らしが大変な高齢者に還元すべきだと思いますが、どうですか。また、住民税課税となった高齢者へのシルバーパスの負担軽減の継続が必要です。お答えください。後期高齢者医療制度について、知事は前定例会で、貧しい年寄りは早く死ねということになっては決してならないと答弁しましたが、示された保険料は平均十万二千九百円、加入者の九割以上が増額、二倍前後の負担増も出るというものです。知事、国に後期高齢者医療制度の四月実施中止を求めるべきではありませんか。あくまで国が実施する場合、広域連合が実施する健診などへの財政支援を行うべきです。お答えください。また、保険料引き下げに向けた都の支援を強く求めておくものです。次に、ワーキングプア対策です。今回の都のワーキングプア対策は、ネットカフェ難民対策を除けば、相談窓口設置と貸し付けなどに限られています。ネットカフェ難民対策も、対象や対策の内容が不十分である上、職業訓練を既存の訓練の枠内で行うため、一般の受講者が締め出されかねません。対象を広げ、別枠で希望者に応じて拡充すべきです。貸し付けは、半年がたつと返済が始まるなど、失業者やネットカフェ難民には条件が厳し過ぎます。返済免除も必要です。少なくとも据置期間を三年程度に設定すべきと思いますが、それぞれ答弁を求めます。東京都の仕事をする労働者の中に、ワーキングプアをつくり拡大させてきた、いわゆる官製ワーキングプアの是正を避けては通れません。八年間の石原都政は、一万二千人の職員定数を削減し、非正規職員や、安上がりの民間企業委託をふやしてきました。今、正規職員十六万六千人に対し、約二万三千人の非正規職員がおり、公社、監理団体にも三千七百人の非常勤や派遣職員が働いています。臨時職員は、学校を除く都の事務系職場で年間延べ四千五百人近くが働いていますが、交通費込みで時給七百九十四円です。民間のアルバイトよりも低い低賃金を強いられており、まさに官製ワーキングプアがつくられているのです。財務局は、交通費込みで時給七百九十四円という参考単価を各局に示していますが、これでまともな生活ができると思うのですか。都の臨時職員の賃金を少なくとも時給千円以上に改善するとともに、交通費は別支給にすること、さらに正規職員化を進めるべきです。消費生活センターの相談員やウィメンズプラザなどの専門職の非常勤職員は、都職員と同等の仕事につきながら、月収は三分の一以下で、ベテランになればなるほど格差は開くばかりです。本来は、都の正規職員として位置づけることが必要です。少なくとも都の職員と同等の待遇を保障すべきです。それぞれ答弁を求めます。コスト第一の民間委託によって、例えば都庁の清掃に従事する企業で働く人は、月十数万円程度で働かざるを得ない人が多いのが実態です。こうした状況をどう認識しているんですか。ワーキングプアをつくり出しているとしか思えません。コスト削減第一の安易な委託は抜本的に見直すべきではないか。知事の答弁を求めます。今、浪費に浪費を重ねるという点でも、環境対策という点でも、オリンピックをどうするかが都政をめぐる最大の焦点になっています。先日、オリンピック招致委員会が開催基本計画を発表し、IOCによる開催都市の選考に当たっての基本的な計画が明らかにされました。この計画は、競技施設を中心に変更が加えられ、これまでの開催概要計画書以上に財政規模が拡大され、環境破壊をもたらす危険の強いものです。まず財政です。第一に、競技施設建設費にかかわる費用ですが、全体として、都民の批判の強い箱物行政が復活したといわざるを得ません。中でもメーンスタジアムは、国立競技場とは別に、わざわざ都立で建設することになりました。しかも、建設される晴海地区は、地震の際に液状化が必至といわれており、運河にかける避難用の橋梁や護岸改修が欠かせないなど、その経費は大きく膨らみます。加えて、交通アクセスのために、大江戸線勝どき駅の改修や動く歩道、暑さ対策としてのドライミストの設置、連結バスの導入などを行います。全体として、メーンスタジアム関連だけで最低でも四千七百億円必要となります。さらに、十一の競技施設が変更され、中でも競技施設の大きな新設を四つも行うことになったため、経費が増大します。バレーボール会場は、既存の駒沢競技場を改修して活用することをやめて、代々木公園のB地区に新設されることになり、百億円が必要となります。また、中央防波堤の水路に決定したボート競技も、水門や護岸整備などで新たに百七十億円もかかります。第二に、オリンピックが終わった後の競技施設の維持管理費の問題です。これは長期の負担となるため、オリンピックを開催した多くの都市で赤字をふやす要因になっています。だからこそ、IOCも新規建設を抑制し、既存施設や仮設施設の活用を求めているのです。ところが、新たに六つもの箱物をつくるため、その維持管理費だけでも、我が党の推定では年間二百億円になると思われます。仮にPFIでやるにしても、後利用が見込めない限り、都の補助頼みになることは明らかです。知事、施設の建設費、さらには維持管理費に幾らかかるのか、どのくらいの利用を見込み、財政収支はどう見込むのか、都民に明らかにすべきです。お答えください。第三に、招致活動でも莫大なお金がつぎ込まれていることです。招致経費のうち、都の負担分は十五億円とされていましたが、来年度予算も含めると、オリンピック招致本部の関係予算だけで既に五十一億円と、これを大きく上回ります。これ以外にも、年度途中にもかかわらず、各局の経費の中で、さまざまな形でオリンピックキャンペーンが実施されています。例えば、商店街から喜ばれ、予算が足りないほどといわれている新・元気を出せ商店街事業では、当初の予算段階ではなかったオリンピックのフラッグ掲揚が事業として追加され、一億円以上が充てられています。年末大売り出しの旗を出せないで困っている、お金は年末のイベントなどに回してほしいなどの批判の声が上げられているのです。六千三百万円かけた緑の基金のテレビスポットも、いつの間にかオリンピック宣伝になっています。交通局は、地下鉄の駅のコンコースで、オリンピックPRとスタンプラリーを行っています。知事、このままではオリンピック経費は膨れ上がる一方です。もっと抑えるべきではありませんか。大体、四十億円集めるとした企業の協賛金は幾ら集まっているのですか。各局の予算は本来の目的に使うべきであり、オリンピックに動員されるようなことがあってはならないと考えますが、知事、どうですか。また、公社などの都の外郭団体に寄附金を要請したそうですが、これは税金の還流となるもので許されません。それぞれ知事の答弁を求めます。一番金額がかさむのは、オリンピックをてこにしたインフラ整備です。三環状道路を初め、オリンピックに間に合わせるためのインフラ整備は約七兆円、都の負担は三兆円にもなりかねません。知事、これだけの投資をこの十年間にやることは余りに無謀です。中でも、地元住民や自治体から批判や反対の声が上げられている外環道は、国の新直轄方式でも三千三百七十五億円、新会社と折半では六千七百五十億円という莫大な持ち出しとなるもので、知事が建設を急げば急ぐほど東京都の負担がふえ、場合によっては一兆三千五百億円を東京都が丸抱えすることにもなりかねないものです。これに六千億円の上部道路が加わります。少なくとも外環道の早期建設を見合わせ、再検討すべきです。また、知事が無責任に言及した羽田築地間のトンネル道路や横田基地と都心を結ぶ高速道路多摩新宿線は建設しないと言明すべきです。それぞれ知事の答弁を求めます。オリンピック関連投資は総額九兆円に及び、都の負担はその半分にも達するもので、オリンピック計画を白紙に戻すことこそ求められていることを重ねて指摘しておくものです。知事は、オリンピックに向け、新たに一千ヘクタールの緑をふやす、世界で最も環境負荷の少ない都市をつくるなどの目標を掲げています。我が党は、これが絵にかいたもちにすぎないことをかねてから指摘しています。今回の計画で、新たに建設される競技施設のほとんどが夢の島公園や代々木公園などの都立公園に建設が予定されており、恒久施設のところは半永久的に緑が失われることになります。いずれも、都民の憩いの場として多くの都民に利用されているところばかりです。また、知事は、中央防波堤内側に八十八ヘクタールの海の森をつくると宣伝していますが、この間に二千七百ヘクタールの緑が失われるのを放置してきただけではなく、新たに稲城市の南山丘陵の開発計画を進めることで、六十三ヘクタールもの緑をつぶそうとしています。大体、二十三区の人口一人当たりの都市公園面積も、二・九平方メートルと大都市平均の四割にも満たず、最低を続けているではありませんか。知事、緑の公園をつぶして、どうして環境に配慮したオリンピックといえるのですか、見解を伺います。東京都がなりふり構わず進めているオリンピック招致活動にも、疑問と批判の声が上げられています。知事は、署名が百万人集まったなどと胸を張っていますが、その実態は、町会や企業を通じて、半ば強制的に集めたという批判の強いものです。町会の回覧板で回されてきて、新聞の投書欄には、拒否することに勇気が必要だった、直ちにやめてほしいなどという声が掲載されています。我が党が入手した資料によれば、石原知事の要請を受けた東京電力で、職場ぐるみ、利益誘導型の署名集めが行われていたことが明らかになりました。本社総務部長から各部長、各所長などに協力依頼のメールが発信され、選手村でのヒートポンプ熱源や原子力発電など、オリンピックに協力することが東京電力のメリットになることが、東京都副知事のコメントとともに書き込まれています。露骨な利益誘導の協力依頼です。また、小中学校の授業時間中にオリンピックイベントを開かせ、子どもを参加させるなど、招致活動に教育を巻き込むことも各地で行われています。知事、企業ぐるみの署名活動や強制に近い署名、さらには教育を巻き込むようなことは改めるべきですが、答弁を求めます。東京都は、こうした異常ともいえるキャンペーンを展開した上で、今月上旬に実施した世論調査の結果を発表しました。賛成が六二%と、目標とした七〇%には達しませんでした。しかも、今回の調査は、調査専門会社に登録されたモニターによるインターネット調査であり、一般的な無差別調査と異なり、思考や趣味、年齢などに偏りがあることから、意思決定のデータとしては代表性の問題から向いていないことは、調査会社自体が明確にしているものです。都民を対象にした世論調査では、オリンピック招致の中止、再検討を求めるものが、読売で六七%、朝日で六九%となっています。世論調査というなら、オリンピックに関連して幾らのお金を使うのか明らかにすべきです。また、無差別抽出による公正で客観性が保証される方法で実施すべきです。知事の答弁を求めます。次に、知事のトップダウン事業の中で、とりわけ破綻が深刻な新銀行東京についてただします。先月末、二〇〇八年の中間決算が発表されました。不良債権処理のための経費が計画の一・六倍の七十一億円、累積損失が、わずか二年半で都の出資金の一千億円の九四%に当たる九百三十六億円に達するなど、ことし三月の決算からも、都が六月に策定した新中期経営計画からも後退するという深刻なものでした。都民に衝撃を与え、マスコミも、存続は重大な局面を迎えている、まさに背水の陣と厳しい評価を下しています。本業の融資による収益は十六億円にすぎず、人件費だけで終わってしまいます。不良債権を四十六億円も償却したのに、個別引当金が新たに積み増しされるなど、融資業務は改善どころか悪化の一途をたどっています。さらに深刻なことは、融資が行き詰まっているために、預金の五割が預金の利息より低い利息収入しかない国債の購入に充てられているため、莫大な損失が生み出されていることです。企業として成り立っていないのです。なのに、この銀行を立ち上げた張本人である石原知事は、本議会の所信表明で一言も触れませんでした。本当に無責任です。しかも、打開策は事態をさらに悪化させるものです。第一に、元副知事に加え、都の港湾局長を代表執行役として派遣し、都のポテンシャルを活用するとしていることです。知事は、民間でなければできないと繰り返し表明してきたではありませんか。なぜ今になって、次々と銀行経営の素人である都職員を経営の中枢に送り込むのですか。大体、この人たちは、新銀行設立の当初からかかわり、失敗の原因となった経営計画を立案してきた当事者ではありませんか。この人たちを経営陣のトップに据えざるを得ないということ自体、新銀行がもはや民間からも見放されたことを示すものにほかなりません。知事、見解を伺います。また、都のポテンシャルの活用ということが、臨海副都心開発やオリンピックのための公共事業の資金調達や債券発行に新銀行を活用するということであれば、形を変えた税金による救済です。文字どおり、東京都の丸抱え銀行ともいうべきものになります。しかも、中小企業に役立つ銀行という設立目的をみずから否定することになり、存在の意味は全くなくなります。知事の見解を求めます。第二に、旧BNPパリバ信託銀行の業務を活用することで経営立て直しを図るとしていることです。信託業務の活用は、金融商品などのハイリスクの投資をふやすことになり、銀行経営のリスクを大きくします。大体、パリバ信託銀行自体が、信託業務で失敗したからこそ新銀行に身売りしたのです。しかも、それを、金融や投資の経験もなく、官の世界から派遣された経営者にゆだねるというのでは、無謀としかいいようがありません。知事、どうですか。知事、潔く経営破綻を認めるべきではありませんか。今度こそ、部下に責任をとらせるのではなく、設立の責任者としてみずからが責任をとるべきです。直ちに第三者委員会を設置して破綻処理に踏み出すべきですが、答弁を求めます。第三に、知事は、追加出資について、今はしないが、経営陣からニーズがあれば考えるべきと表明しました。きっぱりと追加出資はしないと都民に約束すべきです。答弁を求めます。最後に、認証保育所の問題です。我が党の調査で、石原知事が福祉施策の目玉としてきた営利企業による認証保育所制度の欠陥が明らかになりました。第一に、ルール違反がはびこっていることです。株式会社が設置運営しているじゃんぐる保育園の問題は、とりわけ重大です。都の認証保育所事業実施要綱で専任の施設長を置くことが義務づけられているのに、長期にわたり施設長がいない。開設申請書の職員名簿のうち五人は虚偽申請の疑いがあり、七人の保育士が必要なのに、開設時は二人しかおらず、この十一月末まで七人そろったことがありませんでした。問題発覚後、じゃんぐる保育園は、施設長について実名を挙げて長期欠勤状態だと説明した、代表・三谷氏名の十二月三日付のおわびの文書を保護者に配布しました。しかし、東京都はこの方を施設長として受理していません。またしても虚偽の説明を繰り返しています。そもそも、昨年六月の開設当初から数々の問題があったのに、都が立入調査をしたのがことしの八月というのは遅過ぎます。調査後の対応も不十分で、保護者や保育士がかねてから要望していた階段の子ども用手すりも設置されず、十月末には子どもの転落事故が起きています。調査後に機敏な対応をしていたら事故を防げたはずです。施設長が長期間いない問題や、職員の架空申請などの数々の不正疑惑、子どもの安全が確保されていない実態などについて、どう認識しているのですか。徹底調査を行い、子どもや職員に不利益が及ばないよう万全な配慮をしつつ、厳正に対処すべきと考えますが、それぞれ知事の答弁を求めます。いま一つは、認証保育所A型の設置運営基準が余りにも不十分であり、緊急に改善が必要なことです。第一に、乳児の部屋と幼児の部屋をきちんと仕切ること。せめて固定式のさくの設置を義務づけること。第二に、火を常用する飲食店などの上の階への設置は認めないことや、子どもと一緒に避難できるような非常階段など、安全面の基準を強化すること。第三に、園庭にかわる施設を認める場合は、例えば子どもの足で移動時間十分以内、幹線道路は横断しないなどの基準を明確にすること。第四に、十三時間開所にふさわしい職員配置への改善や職員の待遇改善を進め、経験年数が長い保育士を雇用することができるようにすること。以上四点について設置運営基準自体を強化するとともに、各園における改善に向けた努力を支援することが必要だと考えますが、それぞれ見解を伺います。私が指摘したことは、保育の質の確保よりも、企業参入拡大を最優先にしてきた知事の政策の問題です。我が党は、認証保育所に対する過去二年間の指導検査結果を分析しましたが、驚くべきことに、全施設の三分の一がさまざまな問題点を文書で指摘されています。認可保育所への文書指摘はせいぜい一割程度で、多くは実務上の問題ですから、この面からも認証保育所に大きな問題があることが浮き彫りになっています。とりわけ、営利企業によるものは、業界大手も含め、職員数が足りないなど重大な問題が多く、改善されない傾向が明らかになりました。二〇〇六年度では、営利企業の五十四施設に文書指摘がありました。毎月の避難訓練、消火訓練を実施していない、二十一施設、施設長が他の業務を兼務している、十六施設、開所時間は二名以上の保育士を配置するルールを守っておらず、朝晩など一人体制になっているが四施設、その他、必要な職員数が足りない、保育士資格がある職員がいない、正規職員がいないなど事態は重大です。前年度に指摘をされ、改善済みと報告されているのに、翌年度また同じ指摘が繰り返されている場合もあります。知事、認証保育所に対する都の指導検査の結果をどう認識しているのですか。二〇〇五年に、日本女子大学大学院が、認証保育所の施設環境の現状を調査し、課題を取りまとめた研究成果を発表しています。それによれば、児童一人当たりの面積が認可保育所に比べて狭い、園庭がない、遊戯室がない、採光が不十分などの課題を挙げ、認証保育所に偏重することは、認可保育所を含めた保育施設全体の水準を引き下げかねないと結論づけています。既に三年前にこういう指摘がされ、その後、営利企業による認証保育所のさまざまな問題が明らかになっているのです。企業参入推進について、保育の質の確保を最優先にする立場から再検討すること、待機児解消は、認可保育所への支援を抜本的に強め、その増設と拡充を基本に据えることを求めるものです。知事の見解を伺います。また、問題の早期発見、早期解決に向け、指導検査体制強化が必要だと思いますが、答弁を求め、再質問を留保し、質問を終わります。(拍手)〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)曽根はじめ議員の代表質問にお答えいたします。まず、都民生活と都政運営についてでありますが、日本が戦後六十年を経て、世界第二位の経済規模を維持しながら公平で自由な社会を築いてきたことは、だれもが認める紛れもない事実であります。格差や貧困の存在は決して否定しませんが、日本全体にそれが充満しているかのような喧伝をするのは、一種のプロパガンダでしかないと思います。日本がさらに発展を続けていくためには、少子高齢化の進行や人口減少社会の到来を踏まえ、これまでの社会制度を点検し、次の時代に合ったものに再構築することが不可避であります。そうしないと、社会のダイナミズムを維持できず、都民生活の向上そのものが図れなくなります。こうした大局観を全く持たずに、何でもかんでも反対し、一部があたかも全部であるような主張をするのは、事の本質を見誤っているとしかいいようがないと思います。また、第三回定例会で既に方針を示しておりますが、低所得の方々への支援策について、今後、着実に具体化してまいります。原油価格の変動に伴う物価上昇についても、先般、国に対策を申し入れ、今後、都民生活への影響を最小限に抑えるべく、都として適切に対応していきます。都民生活への認識を欠いているといわんばかりの、誤解に基づく主張をしておられますが、それは故意の誤解としかいいようを得ないと思います。次いで、オリンピックに係る施設建設等の経費についてでありますが、先般発表した開催基本計画にあるように、恒久施設は二千四百六億円、仮設施設は八百四十三億円と見込んでおりまして、国からの補助金や民間資金を活用し、都民の負担をできる限り軽減してまいります。このうち、オリンピックのレガシーとして、遺産として新たに建設する施設につきましては、大会終了後の都民のスポーツ需要等を勘案し、効率的な維持管理に努めるなど、適切な運営を行ってまいります。次いで、環境に配慮したオリンピックについてでありますが、東京は、世界一コンパクトな会場配備や最先端技術の活用など、環境に十分配慮した大会を目指してまいります。競技会場として緑豊かな公園を積極的に活用することは、アスリートたちに最高の力を発揮できる舞台を提供するものでありまして、ロンドンや北京の計画に見られるように、今や世界のオリンピックでは常識であります。東京においても、代々木公園や辰巳の森海浜公園などの都立公園を最大限活用しまして競技会場を整備してまいります。さらに、海の森を初めとした地球環境への取り組みの成果も十分活用してまいりたいと思います。このように、二〇一六年大会は、公園をつぶすなどというものではなく、公園の積極活用の考え方に立って行います。次いで、新銀行東京の代表交代についてでありますが、前代表の健康上の理由による退任という不測の事態を受けまして、銀行は、代表を一日たりとも空席にできないとの判断から、都に適任者の推薦依頼をしてまいりました。こうした事態を受けまして、都は、新銀行東京の開設に関与した津島前港湾局長を推薦いたしました。新代表のリーダーシップのもとで、銀行が組織を挙げて経営改善にあらゆる努力を注いでいくことを期待しております。次いで、新銀行東京への追加出資についてでありますが、追加出資のニーズがあるかないかは、銀行の経営陣がその時々の資本政策の中で判断するものでありまして、今は銀行が経営改善の取り組みを着実に進めていくことが重要であります。追加出資は考えておりません。次いで、認証保育所についてでありますが、認証保育所は、大都市の多様な保育ニーズにこたえるため、都独自の制度として平成十三年度に創設して以来、認可保育所を上回るペースで整備が進んでおりまして、多くの都民の支持を得ております。ご質問の認証保育所につきましては、都は既に立入検査や指導を行っておりまして、改善報告を求めております。引き続き必要な調査を行っております。ご指摘を受けるまでもなく、認可保育所、認証保育所を問わず、不適正なところがあれば指導を行い、厳正に対処してまいります。次いで、保育への企業の参入についてでありますが、認証保育所制度は、多様な事業主体の参入による競い合いの中で利用者本位の保育サービスの提供を目指すものであります。認可保育所においても、規制緩和の観点から、平成十二年に民間企業の参入が認められました。都としては、認証保育所、認可保育所ともに、多様な事業者の参入により整備を進め、待機児童を解消してまいります。他の質問については関係局長から答弁いたします。〔生活文化スポーツ局長渡辺日佐夫君登壇〕 # 生活文化スポーツ局長(渡辺日佐夫君) 生活文化スポーツ局長(渡辺日佐夫君)二点の質問にお答えいたします。まず、原油価格上昇に伴う不当な便乗値上げの監視と国への要望についてであります。都においては、物価の異常な上昇や便乗値上げなどにより対策の必要性を生じた場合には、消費生活条例に基づき、商品を指定して特別調査を行い、監視を強化するとともに、不適正事業行為として認定した場合には是正勧告を行うこととしております。一方、最近の物価動向を見てみますと、かつてのオイルショック時の狂乱物価と同じような状況になるとは思われませんが、原油価格の変動に伴い生じる都民生活への影響については、庁内関係八局から成る原油価格変動に伴う行政連絡会議を通じて注意深く見守っております。また、生鮮食料品や石油製品など生活に密着した四十五品目については、国の小売物価統計調査報告に基づき、その価格動向を把握し、都民に情報提供しております。なお、十二月五日には、原油を取り巻く国際情勢や市場価格の動向を監視し、便乗値上げ等が発生することがないよう、国に対して適時適切な対策を講じるよう緊急要望したところでございます。次に、公衆浴場の設備更新等に対する助成についてでございますが、都内の公衆浴場業界では、国際的な原油価格の動向に左右されにくい都市ガス等への使用燃料の転換について、現在、具体化に向けて動き始めております。都としても、比較的クリーンで環境にも優しく、価格が安定しているエネルギーへの転換を促進する必要があると考えており、業界の取り組みを支援する目的で、来年度の予算要求を、せっかくのご指摘ではございますが、既に行っております。〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕 # 福祉保健局長(安藤立美君) 福祉保健局長(安藤立美君)お答えいたします。灯油代の補助についてでございますが、国は、原油価格の高騰に伴います国民生活等への対策として、寒冷地において、生活困窮者に対する灯油購入費助成など、地方自治体が行う原油価格高騰対策に要する経費につきまして特別交付税を措置する方針を決めたと聞いております。詳細は承知をしておりませんが、これはあくまでも国の原油対策として、国の判断と責任によって実施されるものであると認識をしております。次に、高齢者に対する課税についてでございますが、六十五歳以上の方に対する公的年金等控除の縮減や住民税非課税措置の廃止につきましては、少子高齢化が進む中、社会保障給付等に要する費用を、現役世代、高齢者世代がともに公平に分かち合うためのものと理解をしております。ご提案の高齢者に対する税の還元策は、こうした改正の趣旨にふさわしくないことから、都として実施する考えはございません。なお、都はこれまでも、所得の低い高齢者に対して、介護保険サービス利用者負担額軽減制度を独自に拡充するなど、きめ細かな支援に取り組んでおります。次に、シルバーパスについてでありますが、お話の経過措置は、税制改正に伴う激変緩和措置として、今年度限りの対応策として講じたものでございます。経過措置を継続することについては、先ほどお答えいたしましたとおり、適切に検討してまいります。次に、後期高齢者医療制度についてでございますが、後期高齢者医療制度は、疾病リスクの高い高齢者を社会全体で支える仕組みであると認識をしておりまして、国に制度実施の中止を求める考えはございません。また、先ほどお答えいたしましたとおり、都としては、広域連合が行う後期高齢者の健康診査事業に対する財政支援など、今後、制度の円滑な実施に向けて効果的な支援策を検討してまいります。低所得者に対する新たな貸付制度についてでございますが、詳細については現在検討を行っているところであります。この制度は、生活向上への意欲がある者に対し、生活資金等の貸し付けにより、安定した生活及び就労の促進を図るものでありまして、基本的に、返済の免除や三年にわたる長期の据置期間を設定する考えはございません。次に、認証保育所の基準についてでありますが、認証保育所事業実施要綱において、大都市の実情を踏まえ、面積等を一部緩和しているほかは、基本的には認可保育所の基準と同水準に定めております。お尋ねの四点についてでございますが、まず、部屋の仕切りについては、認可保育所では二歳未満児とその他の児童を分けているが、認証保育所ではさらにゼロ歳児の保育場所を区切るなど、より詳細な基準を定めており、安全が確保されております。第二が、二階に設置する場合は、一階に設置する場合に比べて、建物の耐火性、避難路の確保、転落防止等について、より安全面に配慮した基準としております。第三に、屋外遊戯場については、付近にある公園を屋外遊戯場とすることができることは認可保育所と同様でありまして、距離や移動の安全性等について実地に確認をしております。第四に、職員配置につきましては、保育従事職員の配置基準を定め、開所時間の長さに応じ、必要な職員を加えることを義務づけております。今後とも、この基準に基づきまして、各施設を適切に指導してまいります。なお、職員の待遇改善については、各事業者が適切に対応すべきことと考えております。次に、認証保育所に対します指導検査の結果についてでございますが、平成十八年度の実施状況は、認証保育所では、文書指摘を行った施設数が百十二カ所であり、指摘率は五〇%、改善率は九六%であります。一方、認可保育所では、文書指摘を行った施設数が百五十六カ所、指摘率は五一%、改善率は八四%であります。したがいまして、指摘率はほぼ同等でございますが、改善率では、認証保育所が認可保育所を上回っております。なお、文書指摘を受けました百十二カ所の認証保育所のうち、株式会社及び有限会社を合わせて五〇%でありまして、その他の経営形態の認証保育所と特段の差はないと認識をしております。次に、指導検査体制の強化についてでありますが、都はこれまでも、指導検査機能の集約化や福祉サービス専門員の活用などにより、指導検査体制を充実強化してまいりました。中でも、悪質な法令等の違反に対しましては、機動班による緊急指導検査を実施するとともに、日常的に運営指導を行う区市町村とも連携した効果的な指導検査を進めてまいりました。今後とも、こうした実効性ある指導検査体制により、適切に対応してまいります。〔主税局長熊野順祥君登壇〕 # 主税局長(熊野順祥君) 主税局長(熊野順祥君)ガソリンに係る揮発油税等についてでございますが、ガソリンに対しましては、揮発油税及び地方道路税が課税されておりまして、揮発油税の一部及び地方道路税の全額は、地方に配分される貴重な道路財源でございます。したがいまして、国に対し揮発油税及び地方道路税の軽減を求めることは考えておりません。〔産業労働局長佐藤広君登壇〕 # 産業労働局長(佐藤広君) 産業労働局長(佐藤広君)四点のご質問にお答えいたします。まず、低所得者の方々への職業訓練についてでありますが、この訓練は、お話のネットカフェ等が生活の拠点となっている方も含め、額に汗して懸命に働きながらも低所得の状態から抜け出せない方々のうち、受講を希望する方を広く対象としております。また、訓練の規模につきましては、従来の職業訓練の考え方と同様、適切な規模で実施してまいります。次に、新銀行東京の存在意義についてでありますが、新銀行東京では、中小企業向け融資につきまして、小口の顧客に対する支援に重点を置いた取り組みを進める一方で、経費の削減など経営改善の取り組みを進めております。ポテンシャルの活用など、都との連携は、こうした経営改善に資するものであって、中小企業に役立つ銀行という設立目的を否定するものではございません。次に、新銀行東京の信託業務の活用についてでありますが、新銀行東京の経営改善に当たりましては、信託業務を初め、銀行の持てる力を最大限に活用することが重要であります。新代表のリーダーシップのもとで、銀行が組織を挙げて経営改善にあらゆる努力を注いでいくことを期待しております。最後に、新銀行東京の今後についてでありますが、新銀行東京は、最近の厳しい競争環境にさらされながらも、中小企業金融において役割を果たす一方で、現在、思い切った経営改善に取り組んでおります。今後におきましても、新銀行東京が足元の状況をしっかり見据えて、デフォルトの抑制や営業経費の削減など、経営改善の取り組みを着実に進めていくことが重要であります。〔総務局長押元洋君登壇〕 # 総務局長(押元洋君) 総務局長(押元洋君)三点のご質問にお答えいたします。まず、都の臨時職員の賃金等についてでございますが、都では、毎年度の予算見積もりに当たって、通勤費相当分を含む、適切に算定した賃金の参考単価を財務局が各局に通知をしております。また、臨時職員は、一時的、臨時的な行政事務の増加に弾力的に対応することを目的として雇用するものでございまして、これに正規の職員を充てることは、事業の効率的な執行等の観点から適当ではないと考えております。次に、非常勤職員の待遇等についてでございますが、非常勤職員は、常勤職員とは勤務時間や職責などに違いがあり、異なる制度として位置づけられております。また、非常勤職員の報酬は、その職務の遂行に対する純粋な反対給付としての性格を持つものであり、生活給的な要素も含む常勤職員の給与とは基本的に異なるものであります。以上のことから、都の常勤職員として位置づけることや、常勤職員と同等の待遇を保障すべきとの指摘は適当ではないと考えております。最後に、都の事業委託のあり方についてでございますが、都の事業は、申すまでもなく都民の税金で賄われており、常に最少の経費で最大の効果を発揮することが強く求められております。このため、都は全庁を挙げて、業務委託などさまざまな事業手法を積極的に導入し、都民サービスの質の向上と業務の効率的執行に努めてまいりました。今後とも、こうした努力を積み重ね、効率的、効果的な事業執行を推進してまいります。〔東京オリンピック招致本部長荒川満君登壇〕 # 東京オリンピック招致本部長(荒川満君) 東京オリンピック招致本部長(荒川満君)まず、オリンピックの招致経費と寄附等についてでございますが、招致経費につきましては、予算に基づきまして、適正かつ効率的に執行しており、今後ともそうした執行に努めてまいります。また、東京オリンピック招致委員会に対する寄附と協賛金についてでありますが、オリンピック・パラリンピックの開催の意義や効果等を十分にご理解いただいた上で、多くの方々に資金協力をお願いしているところでございます。企業からの寄附等の額につきましては、現在、企業、団体等と最終調整の過程にあり、資金調達に向けての戦略上、現時点ではこれを公表することを控えております。外郭団体からの寄附金についてですが、招致活動に対しては、都民、国民からの広範な支持が必要であり、民間企業のみならず、多くの個人、団体に対しても協力要請を行っているところでございます。こうした考え方から、このたび、監理団体等に対しましても協力をしていただくよう要請いたしましたが、収益から寄附するか否かは各団体の判断であり、税金の還流という指摘は当たらないというふうに考えます。次に、署名活動についてですが、署名活動は、都議会の招致議員連盟にご協力をいただきながら、さまざまなチャンネルを通じて、オリンピック・パラリンピック東京招致に賛同する都内や全国の方々に、あくまでも任意で署名をお願いしているものでございます。また、小学校などの場を活用したオリンピックイベントは、スポーツを通じて身体と精神を高めることを目指すオリンピズムの普及促進を目的としたものであり、大変盛況であったと聞いております。今後とも、いろいろな機会をとらえて、オリンピック招致機運の盛り上げと、オリンピックムーブメントの展開に努め、多くの方々にオリンピズム並びにオリンピック・パラリンピック競技大会のすばらしさを伝えてまいります。世論調査についてでありますが、今回、東京オリンピック招致委員会が二度にわたり実施した世論調査は、人口構成を反映した提携モニターからの無作為抽出により、二度の調査の合計で、都内二千人、全国六千人を対象に、インターネットを用いて、十二月初旬に行ったものでございます。また、調査の際には、施設整備費が記載されている開催基本計画及び大会運営費等が記載されている開催概要計画書を見ることができるように、調査書の画面の中でリンクを張りまして、開催経費の内容がわかるようにいたしました。このように、調査は公正で客観的に行われたものと認識しております。〔財務局長村山寛司君登壇〕 # 財務局長(村山寛司君) 財務局長(村山寛司君)各局予算の執行等についてのご質問でございますが、各局の予算は、改めて申し上げるまでもなく、当該局の事業目的を達成するために計上されているものでございまして、各局におきまして、その趣旨に基づき適切に執行されているものと考えております。同時に、オリンピックの招致は、現下の都政の最重要課題の一つでございます。各局が事業を実施するに当たりまして、この課題に資するよう意を用いることは当然のことでございます。〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕 # 都市整備局長(只腰憲久君) 都市整備局長(只腰憲久君)まず、外環でございますが、外環は、首都圏の人と物の流れを円滑化するとともに、首都東京の国際競争力を高め、快適で利便性の高い都市を実現する上で必要不可欠な道路でございます。今後とも、一日も早く事業に着手するよう、あらゆる機会をとらえまして、国に対して強く働きかけてまいります。次に、羽田築地間のトンネル道路でございます。羽田空港アクセスの向上は重要な課題でございます。お尋ねの道路につきましては、研究してまいります。また、多摩新宿線につきましては、これまでの調査におきまして、整備の必要性は高いものの、事業主体や採算性が課題とされており、引き続き長期的な視点で検討を進めてまいります。〔百四番曽根はじめ君登壇〕 # 百四番(曽根はじめ君) 百四番(曽根はじめ君)何点か、知事に再質問いたします。まず、認証保育所について、三点質問します。第一は、じゃんぐる保育園の事態の認識についてです。都はようやく文書指導しましたが、我が党の調査では、その指導内容は、要綱で定めた要件を有しない人が施設長とされている、職員数が足りない、労働者名簿が整備されていないなど、二十一項目に及ぶ重大なものです。知事、これが保育園としてあってはならない深刻な問題だという認識があるのですか。職員の架空申請など、補助金不正受給の疑惑まで踏み込んで調べるのかどうか、答えてください。第二は、設置基準の問題です。じゃんぐる保育園の保育室は、乳児と幼児の部屋の仕切りがないワンルームです。こんな認可保育所はありません。せめて固定式のさくの設置が必要ではないのですか。安全に配慮しているといわれましたが、階段に子ども用手すりの設置は必要ないのですか。園庭の代替施設について、じゃんぐる保育園の場合、子どもの足で二十分かかることを、我が党は現地調査で確認しています。これでも問題ないのですか。それぞれ答えてください。第三は、指導検査結果の問題です。認可保育所も営利企業の認証保育所も違いないかのような答弁でしたが、ごまかさないでください。我が党は認可の結果も調べています。認可保育所の場合、公立保育園はほとんど書面検査だけです。それで大きな問題はないからです。昨年度の文書指摘は、その多くが実務上の問題で、認証保育所のように、保育士資格を持つ職員がいないとか、正規職員がいないなどという施設はありません。違いますか。答弁を求めるものです。それから、オリンピックの協賛金についてですが、オリンピック招致の経費は、五十五億円のうち四十億円が企業などの寄附や協賛金で賄うとされています。なぜ総額さえいえないのですか。恥ずかしくていえないほど集まっていないとしか思えませんが、いかがですか。私たちは知事に聞いていますので、知事がお答えください。最後に、知事は、貧困と格差の問題を、部分的だとか、我が党のプロパガンダなどと述べましたが、とんでもありません。この問題はさきの参議院選挙で争点となり、有権者の厳しい審判が下された、国民の最大関心事です。大体、知事は所信表明でも、きょう、福田首相に出した重要施策のリストでも、都民の暮らしをどう守るのか、全く触れていません。こんなことでは知事の資格がないといわざるを得ません。以上、再質問といたします。(拍手)〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕 # 福祉保健局長(安藤立美君) 福祉保健局長(安藤立美君)追加の質問をいただきましたが、質問につきましては、先ほどの知事の答弁でお答えしておりますけれども、改めてご質問がありましたので再度お答えをいたしますが、じゃんぐる保育園の項目につきましては、私どもは八月と十月に立ち入りをし、そして、その結果をもとに、この十二月六日に文書指摘をしたところであります。なお、文書指摘と同時に、それの回答を一カ月後にいただくことになっておりますが、引き続き実態については調査をするということを、先ほど知事からご答弁を申し上げております。また、認可基準につきましては、面積につきまして、大都市の特性を踏まえて若干緩和をしてございますが、基本的には認可と同水準のものであるということを先ほどご答弁申し上げました。屋外遊戯場についてもご発言がございましたが、近所の公園でもいいというのは認可も同様でございます。その安全性については、先ほど、現地を訪れて確認したとご答弁申し上げております。そして、認可の結果でございますが、私どもが行いました指導検査結果によれば、認可におきましても指摘事項が同様の率で出ているというのは事実でございます。なおかつ、先ほどは、認証保育所はルール違反がはびこっているというようなことでございましたが、認証保育所につきましても、経営形態によって大きな差はない、こういうふうに申し上げたところでございますので、知事答弁並びに私の答弁をお聞きいただければ、十分ご理解できることではないかというふうに思っております。〔東京オリンピック招致本部長荒川満君登壇〕 # 東京オリンピック招致本部長(荒川満君) 東京オリンピック招致本部長(荒川満君)企業からの寄附金についてでございますけれども、既に、現在協力いただいているサポート企業については、新聞、プレス等で発表したところでございまして、その他の企業、団体等との最終調整を現在やっている過程でございます。したがいまして、総額といえども、資金調達に向けての戦略上、現時点ではこれを公にすることは控えております。〔発言する者多し〕 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)お静かに願います。〔知事本局長大原正行君登壇〕 # 知事本局長(大原正行君) 知事本局長(大原正行君)貧困と格差の問題についてでございます。貧困や格差の存在につきましては、先ほど知事からご答弁申し上げましたとおり、正確な現状認識に基づきまして対応しているところでございます。繰り返しになりますが、第三回定例会でも方針をお示ししましたとおり、低所得の方々への支援策につきましては、今後、着実に具体化をしてまいります。また、原油価格の変動に伴う物価上昇等につきましても、既に国に対策を申し入れているところでございます。ご指摘をまつまでもなく、都として適切に対応してまいります。 # 六十七番(石森たかゆき君) 六十七番(石森たかゆき君)この際、議事進行の動議を提出いたします。本日の会議はこれをもって散会されることを望みます。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)お諮りをいたします。ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)ご異議なしと認め、さよう決定をいたします。明日は、午後一時より会議を開きます。本日はこれをもって散会いたします。午後七時散会
2024-03-31T11:22:46.012457Z
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--- title: 平成19年_第4回定例会(第17号) 名簿・議事日程 # 平成十九年十二月十一日(火曜日)出席議員百二十六名一番遠藤守君二番伊藤興一君三番米沢正和君四番鈴木章浩君五番きたしろ勝彦君六番後藤雄一君七番福士敬子君八番伊沢けい子君九番そなえ邦彦君十番西崎光子君十一番西岡真一郎君十二番伊藤ゆう君十三番原田大君十四番河野百合恵君十五番小竹ひろ子君十六番松葉多美子君十七番大松成君十八番中山信行君十九番高倉良生君二十番田中たけし君二十一番神林茂君二十二番早坂義弘君二十三番高木けい君二十四番崎山知尚君二十五番宇田川聡史君二十六番高橋信博君二十七番原田恭子君二十八番佐藤広典君二十九番尾崎大介君三十番山口拓君三十一番伊藤まさき君三十二番松下玲子君三十三番野上ゆきえ君三十四番たぞえ民夫君三十五番村松みえ子君三十六番橘正剛君三十七番上野和彦君三十八番吉倉正美君三十九番谷村孝彦君四十番村上英子君四十一番鈴木あきまさ君四十二番秋田一郎君四十三番山加朱美君四十四番串田克巳君四十五番吉原修君四十六番山田忠昭君四十七番田代ひろし君四十九番山口文江君五十番今村るか君五十一番吉田康一郎君五十二番斉藤あつし君五十三番泉谷つよし君五十四番くまき美奈子君五十五番大西さとる君五十六番増子博樹君五十七番かち佳代子君五十八番植木こうじ君五十九番野上純子君六十番東村邦浩君六十一番長橋桂一君六十二番小磯善彦君六十三番三宅茂樹君六十四番高島なおき君六十五番鈴木一光君六十六番菅東一君六十七番石森たかゆき君六十八番矢島千秋君六十九番鈴木隆道君七十番こいそ明君七十一番倉林辰雄君七十二番遠藤衛君七十三番大西由紀子君七十四番いのつめまさみ君七十五番門脇ふみよし君七十六番小沢昌也君七十七番石毛しげる君七十八番岡崎幸夫君七十九番柿沢未途君八十番清水ひで子君八十一番古館和憲君八十二番松村友昭君八十三番東野秀平君八十四番ともとし春久君八十五番鈴木貫太郎君八十六番石川芳昭君八十七番三原まさつぐ君八十八番田島和明君八十九番林田武君九十番野島善司君九十一番高橋かずみ君九十二番樺山たかし君九十三番新藤義彦君九十四番古賀俊昭君九十五番立石晴康君九十六番桜井武君九十七番初鹿明博君九十八番酒井大史君九十九番花輪ともふみ君百番大津浩子君百一番大塚たかあき君百二番相川博君百三番中村明彦君百四番曽根はじめ君百五番大山とも子君百六番藤井一君百七番中嶋義雄君百八番木内良明君百九番石井義修君百十番宮崎章君百十一番服部ゆくお君百十二番川井しげお君百十三番吉野利明君百十四番野村有信君百十五番比留間敏夫君百十六番佐藤裕彦君百十七番川島忠一君百十八番内田茂君百十九番三田敏哉君百二十番馬場裕子君百二十一番大沢昇君百二十二番山下太郎君百二十三番土屋たかゆき君百二十四番田中良君百二十五番名取憲彦君百二十六番吉田信夫君百二十七番渡辺康信君欠席議員なし欠員四十八番出席説明員知事石原慎太郎君副知事谷川健次君副知事菅原秀夫君副知事山口一久君副知事猪瀬直樹君教育長中村正彦君知事本局長大原正行君総務局長押元洋君財務局長村山寛司君主税局長熊野順祥君警視総監矢代隆義君生活文化スポーツ局長渡辺日佐夫君都市整備局長只腰憲久君環境局長吉川和夫君福祉保健局長安藤立美君産業労働局長佐藤広君建設局長道家孝行君港湾局長斉藤一美君会計管理局長三枝修一君交通局長島田健一君消防総監小林輝幸君水道局長東岡創示君下水道局長前田正博君青少年・治安対策本部長久我英一君東京オリンピック招致本部長荒川満君病院経営本部長秋山俊行君中央卸売市場長比留間英人君選挙管理委員会事務局長梶原康二君人事委員会事務局長矢口幸一君労働委員会事務局長有留武司君監査事務局長白石弥生子君収用委員会事務局長中田清己君十二月十一日議事日程第二号第一第百八十六号議案職員の給与に関する条例の一部を改正する条例第二第百八十七号議案東京都の一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例第三第百八十八号議案東京都の一般職の任期付研究員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例第四第百八十九号議案職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例第五第百九十号議案職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例第六第百九十一号議案東京都職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例第七第百九十二号議案東京都育英資金条例の一部を改正する条例第八第百九十三号議案東京都私立学校教育助成条例の一部を改正する条例第九第百九十四号議案学校職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例第十第百九十五号議案学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例第十一第百九十六号議案都立学校等に勤務する講師の報酬等に関する条例の一部を改正する条例第十二第百九十七号議案都立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例第十三第百九十八号議案東京都児童相談所条例の一部を改正する条例第十四第百九十九号議案東京都心身障害者扶養共済制度条例第十五第二百号議案大気汚染に係る健康障害者に対する医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例第十六第二百一号議案東京都海上公園条例の一部を改正する条例第十七第二百二号議案東京都立公園条例の一部を改正する条例第十八第二百三号議案公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例の一部を改正する条例第十九第二百四号議案性風俗営業等に係る不当な勧誘、料金の取立て等及び性関連禁止営業への場所の提供の規制に関する条例の一部を改正する条例第二十第二百五号議案東京都安全・安心まちづくり条例の一部を改正する条例第二十一第二百六号議案警視庁関係手数料条例の一部を改正する条例第二十二第二百七号議案東京都医学系総合研究所(仮称)(H十九)I期新築電気設備工事請負契約第二十三第二百八号議案東京都医学系総合研究所(仮称)(H十九)I期新築空調設備工事請負契約第二十四第二百九号議案富士見橋鋼けた製作・架設工事請負契約第二十五第二百十号議案瑞穂大橋鋼けた製作・架設工事請負契約第二十六第二百十一号議案平成十九年度東京港臨海道路(II期)中防側アプローチ橋りょう鋼けた製作・架設工事請負契約第二十七第二百十二号議案当せん金付証票の発売について第二十八第二百十三号議案東京都立小峰公園の指定管理者の指定について第二十九第二百十四号議案東京都立明治公園外一公園の指定管理者の指定について第三十第二百十五号議案東京都立大神山公園の指定管理者の指定について第三十一第二百十六号議案東京都立横網町公園の指定管理者の指定について第三十二第二百十七号議案東京都水道事業の事務の委託の廃止及び八王子市公共下水道使用料徴収事務の受託について第三十三第二百十八号議案東京都水道事業の事務の委託の廃止及び立川市公共下水道使用料徴収事務の受託について第三十四第二百十九号議案東京都水道事業の事務の委託の廃止及び町田市公共下水道使用料徴収事務の受託について第三十五第二百二十号議案東京都水道事業の事務の委託の廃止及び国分寺市公共下水道使用料徴収事務の受託について第三十六第二百二十一号議案東京都水道事業の事務の委託の廃止及び福生市公共下水道使用料徴収事務の受託について
2024-03-31T11:22:46.666028Z
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--- title: 平成19年_第4回定例会(第16号) 本文 # 午後一時一分開会・開議 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)ただいまから平成十九年第四回東京都議会定例会を開会をいたします。これより本日の会議を開きます。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)まず、会議録署名議員の指名を行います。会議録署名議員は、会議規則第百二十四条の規定により、議長において九番そなえ邦彦君及び六十五番鈴木一光君を指名をいたします。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)次に、議事部長をして諸般の報告をいたさせます。 # 議事部長(大村雅一君) 議事部長(大村雅一君)平成十九年十一月二十七日付東京都告示第千五百三号をもって、知事より、本定例会を招集したとの通知がありました。また、同日付で、本定例会に提出するため、議案三十六件の送付がありました。次に、選挙管理委員会委員長より、選挙管理委員及び同補充員の任期について、来る平成十九年十二月二十二日をもって満了するとの通知がありました。次に、知事より、平成十九年第三回定例会の会議において同意を得た、監査委員、教育委員会委員、公安委員会委員及び土地利用審査会委員の任命について、発令したとの通知がありました。また、先般の人事異動に伴う東京都議会説明員の変更について、地方自治法第百二十一条及び会議規則第四十二条の規定に基づき通知がありました。次に、人事委員会より、平成十九年十月十二日付で、都の一般職の職員の給与についての勧告等がありました。次に、知事より、地方自治法第百八十条第一項の規定による議会の指定議決に基づき専決処分した訴えの提起、損害賠償額の決定及び和解に関する報告がありました。次に、監査委員より、例月出納検査の結果について報告がありました。また、監査結果に基づき知事等が講じた措置に関する報告がありました。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)この際、平成十九年十一月二十日付をもちまして、自治功労者として地方自治法施行六十周年記念総務大臣表彰を受けられました方をご紹介いたします。三田敏哉君。ここに敬意を表し、心からお祝いを申し上げます。〔拍手〕 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)次に、平成十九年十月二十三日付をもちまして、全国都道府県議会議長会において自治功労者として表彰を受けられました方々をご紹介をいたします。在職三十年以上、桜井武君。在職十年以上、遠藤衛君、倉林辰雄君、馬場裕子さん、田代ひろし君、村松みえ子さん、古館和憲君、吉野利明君、川井しげお君、かち佳代子さん、吉田信夫君、たぞえ民夫君、三宅茂樹君、高島なおき君、鈴木一光君、清水ひで子さん、こいそ明君、土屋たかゆき君。ここに敬意を表し、心からお祝いを申し上げます。〔拍手〕 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)次に、文書質問に対する答弁書について申し上げます。第三回定例会に提出されました文書質問に対する答弁書は、質問趣意書とともに送付いたしておきました。ご了承願います。〔文書質問趣意書及び答弁書は本号末尾に掲載〕 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)次に、先般の人事異動に伴い異動のありました説明員をご紹介いたします。港湾局長斉藤一美君。〔理事者あいさつ〕 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)以上をもちまして説明員の紹介は終わりました。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)次に、東京都議会友好代表団について申し上げます。本議会を代表いたしまして、去る十一月六日から十二日まで、北京市及びソウル特別市へ友好代表団を派遣いたしました。友好代表団を代表いたしまして、報告のため、発言の申し出がありますので、これを許します。北京市及びソウル特別市訪問東京都議会友好代表団団長石井義修君。〔百九番石井義修君登壇〕 # 百九番(石井義修君) 百九番(石井義修君)東京都議会友好代表団のソウル特別市及び北京市、上海市訪問についてご報告をさせていただきます。山田忠昭副団長を初め、自由民主党、民主党、公明党、日本共産党の各会派の代表から成る友好代表団十名は、ソウル特別市議会及び北京市人民代表大会常務委員会の招聘を受け、十一月六日から十二日まで七日間、ソウル市、北京市及び上海市を訪問いたしました。まず、十一月六日から八日まで、ソウル市を訪問いたしました。ソウル特別市議会の朴柱雄(パク・ジュンユン)議長及びソウル特別市政府の權泳臻(クォン・ヨンジン)政務副市長を表敬訪問し、友好関係のさらなる推進を確認するとともに、交通政策、環境対策などの都市づくり政策について活発な意見交換を行ってまいりました。ソウル市では、市議会で実際に運用されております電子会議システム、また、都市の再生事業の一環としての清流復活事業、清渓川(チョンゲチョン)の復元事業に感動いたしました。これについては後ほど触れたいと思います。都市計画局の担当者から、ソウル市の都市政策について詳細な説明を受け、安全・安心、緑豊かな都市づくりをめぐって、東京の実情を紹介するなど、率直な意見交換を行ってまいりました。さらに、十九年前に開催されたソウルオリンピックのメーンスタジアムと、五年前に開催されましたワールドカップスタジアムを視察してまいりましたが、いずれも日本のスタジアムでは例のない多目的な活用をしており、大いに参考になったところであります。続いて、八日から十日まで、北京市を訪問いたしました。私自身は、都議会の訪問団としては今回三回目、それ以前に中日友好協会の招請で四回、計七回目の中国訪問となりましたが、北京市、上海市の変貌に驚かされたところであります。北京市人民代表大会常務委員会の杜徳印(ト・トクイン)主任を表敬訪問し、日中国交回復三十五周年の節目に当たり、二十八年の歴史を持つ東京、北京の交流が、日中の友好にも大きく貢献することを再確認するとともに、両都市の抱える、環境に配慮した持続的都市づくり等の諸課題について意見交換を行ってきたところであります。北京市の都市計画については、映像や模型などさまざまな手法で、四千年の歴史の上に立って未来を志向する大胆な都市づくりを目の当たりにしてまいりました。来年に迫った北京オリンピックに向けて、環状道路が五本も完成しておりました。これまで何回も目にした道路を埋め尽くす自転車が全くなくなり、高速道路網が整備されておりました。LNGのバスが走っておりました。オリンピックの会場建設も急ピッチで進んでおります。鳥の巣と呼ばれる斬新なデザインのメーンスタジアムはもとより、北京市の意気込みがあらわれた施設群と会場のスケールの大きさに驚かされました。続いて、十日から十二日まで、上海市を訪問いたしました。上海市人民代表大会常務委員会のコ・イ副主任の表敬訪問では、上海市の発展に向けては環境にも十分配慮しているという話を伺いました。実用化されたリニアモーターカーでは、時速四百三十一キロメートルを体験し、さらに、森ビルが施工しております、世界一の高さになる、来年完成予定の上海国際金融センターの建設現場の最上階から上海市を展望いたしましたが、変貌し続ける上海市のエネルギーを実感したところであります。七日間で三都市の訪問というハードなスケジュールでしたが、発展著しいソウル市、北京市、上海市の現実の姿を実際に見聞いたしてまいりました。特に、次の三点が強く印象に残ったところであります。第一は、ソウル市の清流復活事業、清渓川(チョンゲチョン)の復元事業であります。パネルをごらんいただきたいと思います。皆さんもご承知のように、ソウル市の中心を流れる漢江(ハンガン)の支流であります清渓川(チョンゲチョン)は、朝鮮王朝時代からソウル市民に親しまれてきた川でありました。しかしながら、二十世紀の半ばの経済発展によって、川は極度に汚染され、やがて高架道路の建設のためにふたをかけ、暗渠化され、その姿を消してしまったところであります。しかし、二〇〇二年、ソウル市の李明博(イ・ミョンバク)市長、現在の大統領候補でありますけれども、のマニフェストによりまして復元事業が決まるや、わずか二年三カ月で高架道路を取り払い、側道も整備し、五・八キロメートルの清流が復活したのであります。工事期間の短さもさることながら、四千回を超える周辺住民との粘り強い対話、交渉、話し合い、その上に立った受け皿としての住宅や商業施設の整備、地下鉄やバス路線の整備などの交通対策など、大きな難問にも積極果敢に取り組んだ事業でありました。東京に当てはめてみれば、銀座、宝町、京橋、日本橋に至る高速道路を取り払い、水と緑の清流を復活させた、そのような事業でありました。第二番目は、ソウル市議会の電子会議システムであります。このパネルをごらんいただきたいと思います。このように、本会議場百六、この東京都議会の約四分の三の大きさでありますけれども、百六の各議員の議席にパソコンのディスプレーがありまして、そして、議案などの資料の閲覧、本会議、常任委員会の各議員の発言の議事録の検索が瞬時に自分の議席でできるのであります。議席の後ろには大型スクリーンが設置されており、さまざまな資料がそこに映し出されることができるのであります。東京都議会議員代表団歓迎の大きな文字が掲げられておったところであります。もちろん、記名、無記名の電子投票がその場でできます。即座に結果も掲示されるのであります。第三番目は、ソウル市、北京市、上海市ともに、みずからの都市のPRに極めて積極的であったということであります。各都市の都市計画展示館では、先進的な技術による模型やコンピューターグラフィック映像を駆使して、都市のそもそもの成り立ち、歴史的変遷、そして未来の姿まで、市民だけでなく、外国のすべての来訪者に理解できるように工夫がされております。十分程度にまとめられた、各国の言語で制作された映像には、その都市の誇りと熱意が込められており、すばらしいものでありました。帰国して、東京都に外国のお客さんが来られた折に東京を知ってもらう同様の紹介ビデオがあるのかどうか探してみましたが、どこの局にもありませんでした。まことに残念であり、寂しい話であります。所管は知事本局と生活文化スポーツ局であります。東京都は、ディーゼル車対策など、世界に誇れる都市づくりを実践しているのでありますから、世界に向けたシティーセールスをしていく上で、また、オリンピック東京招致に向けたPRのために、ぜひとも、英語、中国語、韓国語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語など、各国語で東京を紹介する映像、ビデオなどの媒体を作成すべきではないか。これは、参加した十名の団員の総意で、石原知事に申し上げるものであります。以上、述べてまいりましたけれども、今回の三都市の訪問は、都議会の先人によって築かれた友好交流の歴史の上に立って、さらに新しい都市間のきずなを強くすることができたと確信をするものであります。そして、このたびの訪問に当たり、お世話をいただいたソウル市、北京市、上海市の皆様に改めて心から感謝と御礼を申し上げまして、報告とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手) # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)以上をもって、東京都議会友好代表団の報告は終わりました。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)次に、東京都議会海外調査団について申し上げます。本議会において、去る十月二十二日から三十一日まで、カイロ、ルクソール、マドリード、パリ及びナントへ、また十月七日から十六日まで、カンゲルルススアーク、レイキャビク、ヴァンター、ブルージュ及びストックホルムへ、それぞれ海外調査団を派遣いたしました。海外調査団を代表いたしまして、それぞれ報告のため発言の申し出がありますので、これを許します。六十五番鈴木一光君。〔六十五番鈴木一光君登壇〕 # 六十五番(鈴木一光君) 六十五番(鈴木一光君)今、議長からお話がありましたように、このたび、都議会を代表いたしまして、我が都議会自由民主党から、私、鈴木一光を団長として、林田武議員、矢島千秋議員、鈴木隆道議員、神林茂議員の五名で、エジプト、スペイン、フランスの三カ国を、十月二十二日から三十一日までの十日間にわたり調査してまいりましたので、簡潔にその報告をいたします。調査の目的といたしましては、環境施策、観光振興・文化財保護施策、公共交通施策、都市政策等についてであります。訪問都市は、エジプトのカイロ及びルクソール、スペインのマドリード、フランスのナント及びパリであります。まず、エジプトであります。カイロ及びルクソールでは、主に観光振興と文化財保護を調査するため、エジプト政府の観光局や考古庁を訪問し、歴史的に貴重な文化財の保護と観光資源としての活用などについて説明を受けました。エジプトは、七千年もの歴史を持つ国です。貴重な文化財が多数あるわけでありますが、それを保護し、観光資源として活用していることは、東京の文化行政を考える上で大いに参考になりました。もともと、エジプトは親日的な国ということもあり、東京都とも平成二年に姉妹友好都市提携をしておりますが、実際にいろいろとお話を伺う中で、日本との交流、特に東京とのさらなる交流を強く望んでいることを感じました。また、カイロは世界で二番目に大気汚染がひどいということを伺いました。確かに自動車の渋滞はひどく、朝から空気はよどんでいました。東京のオリンピック・パラリンピック招致を進める上で、環境は大きな目玉となります。東京の環境を一層改善し、水と緑の東京を実現することはもちろん大切でありますが、地球全体の環境を考えたときには、東京の持つ環境技術で地球の環境を改善していくことも大切です。姉妹友好都市であるカイロの大気汚染の改善をしていくことにも大きな意義があるのではないかと思います。オリンピック開催地決定に際しても、東京がカイロの大気汚染の改善に一役買ったとなれば、好印象を持たれるのではないかと思います。また、エジプトの政府の高官から、もし東京でエジプト展を開催してくれるならば、何でも提供する、一切問題ないと。二日間滞在したわけですが、二日間滞在の中でいろんなものを見て、どれが欲しいということを遠慮なくいってもらいたいというふうな、大変にありがたい言葉をいただいてまいりましたので、ぜひ東京でエジプト展の開催のご検討をお願いをしたいと思います。次に、スペインのマドリードに参りました。マドリード市の国際観光部門及び都市整備部門を訪問いたしました。そのときにこのネクタイをいただいてまいりました。裏を見ると、メード・イン・フランスと書いてあって、非常におおらかな人間性だなというふうなことも感じましたけれども、マドリードは、ご承知のように、二〇一六年オリンピック・パラリンピックに東京都とともに立候補しており、有力候補といわれています。オリンピックについてはお互いに頑張ろうとエールを交換してまいりました。二〇一二年オリンピックがロンドンに決定したとき、パリとマドリードは最後まで残りましたが、マドリードは負けて悲しんだとか落胆したとかということがなく、王室みずから先頭に立って招致活動を行い、負けたときも、大きな夢を見ることができて楽しかった、また頑張ろうというふうに述べていたそうであります。国民性の違いというものを痛切に感じました。しかし、二〇一二年の惜敗にもかかわらず、二〇一六年も立候補しています。マドリード市は、我々が思っている以上に気合いが入っていました。手ごわい相手になろうかと思います。また、オリンピック招致の上で大きな要素となるのは都市の魅力です。その点、マドリードは観光施策に大変力を入れておりまして、GDPの一〇%が観光業からの収入、人口の九%が観光に携わる職業についているという観光都市であります。その背景には、EU第三位の空港を持つアクセスのよさ、リーズナブルな価格で一定水準を確保したホテル、ビジネス関連イベントを開催する国際会議場などの充実したインフラ、プラド美術館などの豊富な文化施設、豊富なスポーツイベント、スペインの伝統料理など食文化の豊かさ、半径百キロメートル以内にトレドなどユネスコ世界遺産が四カ所あることなどが挙げられます。これらの多くは、東京が持つ都市の魅力と共通するものがあります。東京も、千客万来の都市東京を目指しており、マドリードの豊かな文化財や恵まれたロケーションを生かした観光プロモーションなど、学ぶところが多いと感じました。また、マドリード市は日本との交流を強く望んでいました。特に、ジャパンプロジェクトというものを立ち上げて、特に日本をターゲットとして観光客を誘致しようというふうなことをおっしゃっておりました。今、もしこれが、東京からマドリードに友好都市提携を結びましょうといった場合には、多分喜んで向こうは友好都市提携を結ぼうという話になるだろうというふうに思います。ということは、オリンピック、いざというときには、そういった友好関係というものは、強力な味方になってくれるということも考えられるわけでありますので、ぜひご検討いただきたいと思います。最後に、フランスであります。フランスでは、ナント市とパリ市を訪問し、主に交通施策による環境対策について調査しました。まず、フランスの路面電車トラムの現状を研究するため、トラムが最初に導入されたナント市を訪問し、トラムの歴史やシステムについて調査を行いました。ナント市のトラムの歴史は古く、第二次世界大戦前から導入されましたが、戦争を挟んで一時廃止されました。しかし、一九七八年、当時の市長の英断により、トラムの導入が決まり、その後、トラムの路線もふえ、現在では、ナント都市圏で交通を利用する市民の二分の一はトラムを利用しているといいます。導入当初、トラムに賛成の市民は五〇%にとどまりましたが、現在は九〇%の市民が支持をしているといいます。一度は廃止されたトラムを復活した理由は、三つあります。第一に、環境保全のためです。路面電車トラムは、自動車中心の交通体系から発生する環境汚染から市民を守ることになるからであります。第二に、車とトラムの共同によって、トラムによってまちを分断させることなく、周辺との新しい空間をつくり、ゆったりしたまちづくりの景観をつくり出せることであります。第三に、トラムを有効に活用することによって、都心に働くすべての人々の移動を改善させ、都市中心部の再生に寄与するからであります。自動車やバスとの共存を図りながら、トラムを活用した見事な都市再生であるといえましょう。国内でも、一度は廃止された路面電車が、次世代型路面電車LRTとして脚光を浴びてきています。東京では、都電荒川線が唯一の路面電車の路線として運行されていますが、車社会、環境問題を考えるとき、都民の足としての路面電車の復活を真剣に考えるべきではないかと思います。最後に、パリを訪問し、パリ市の交通対策部門で、トラムと自転車を活用した交通政策について説明を受けました。パリでは、人々が車を使うことをあきらめさせることを目的に交通政策を行っている市長の方針により、自動車交通の四〇%減を目標に交通政策が実施されています。その中心がトラムです。パリ市も、ナント市と同じく一時廃止しましたが、一九九二年に復活し、今では環状幹線の重要な部分を担っています。そして、その資金は、一定規模以上の事業者が交通事業者に直接納付する交通負担金によっています。もう一つは、自転車の活用です。自転車は、レンタサイクルを初め、交通手段として定着しています。レンタサイクルは、一日券から一カ月券までの各チケットを購入すれば、だれでもが乗ることのできるシステムであります。パリ市としては、市内に自動車を入れないようにするため、自転車の活用に注目し、パーク・アンド・ライドに相当力を入れており、東京にも大いに参考になると感じました。東京の道路計画には自転車が欠如しています。そのため、自転車は加害者にも被害者にもなります。歩道を暴走する自転車が横行する一方、車道では被害者になる可能性があります。自転車は本来環境に優しい乗り物であり、これを活用しない手はありません。パリでは、自転車専用道をつくっています。片側二車線あれば、一車線を自転車専用にしているところもありました。東京でも、これくらい思い切った方策をとらなければ、車社会からの切りかえは難しいのではないでしょうか。既成の都市の中でまちづくりを進めるためには、明確な方針と強い意志なくしては進め得ないことを改めて痛感をいたしました最後に、いずれの訪問国においても、それぞれ日本大使館を訪問し、大使、公使などから各国の概況についてお話を聞くとともに、東京が目指す二〇一六年オリンピック・パラリンピックの招致に向けて、開催地決定に大きな力を持つEU諸国の現状などについても極めて率直な意見交換ができました。今回の視察で感じたことは、視察は大変有意義であるということを改めて痛感をいたしました。我々議員は、だれもが積極的に視察に出かけるべきであると考えます。報告は以上であります。なお、詳細につきましては、現在報告書として取りまとめているところでありますので、本日は概要のみ口頭にて報告をいたしました。ありがとうございました。(拍手) # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)続きまして、十三番原田大君。〔十三番原田大君登壇〕 # 十三番(原田大君) 十三番(原田大君)平成十九年度都議会海外調査団の報告をいたします。都議会民主党の中村明彦議員を団長に、酒井大史議員、石毛しげる議員、そして私、原田大の四名は、去る十月七日から十月十六日までの十日間、北欧諸国を中心とするヨーロッパを訪問し、政策調査を行いました。今回の調査では、東京の持続可能な発展に欠かせない三つのテーマを選定いたしました。第一に、温暖化等の環境問題に配慮した新エネルギー政策、第二に、ITを活用した高付加価値産業育成、そして第三に、水辺空間の豊かさを生かした都市空間形成であります。この調査目的を達するため、デンマーク領グリーンランドのカンゲルルススアーク市、アイスランドのレイキャビク市、フィンランドのヴァンター市、スウェーデンのストックホルム市、ベルギーのブルージュ市を訪問いたしました。以下、各テーマに沿ってご報告いたします。まず、温暖化等の環境問題に配慮した新エネルギー政策の調査であります。今回は、グリーンランドで温暖化の影響等の調査を、レイキャビク市で水素・燃料電池を利用した新エネルギー政策等の調査を行いました。まず、グリーンランドでは、入り口となるカンゲルルススアーク市から車で二時間の内陸氷河まで行き、見渡す限りの壮大な氷の大地に圧倒されました。しかし、この永遠に見える白い大地でも、以前は雪しか降らなかったところで雨が降り、寒冷な気候に適応した生態系、そして生活体系が温暖化によって脅かされています。さらに、一度白い氷が解けて黒い岩肌が露出してしまうと、太陽熱を吸収しやすくなり、氷の融解が加速度的に起こってしまうとのことで、早期の取り組みの重要性が指摘をされました。次に、アイスランドのレイキャビク市に行き、当地のエネルギー政策を視察してまいりました。アイスランドでは、現在、地熱と水力でエネルギー需要の約七割を賄っています。残りの三割は石油の輸入に頼っていますが、この石油の大部分は、自動車及び漁船の燃料として使われております。したがって、これを燃料電池で代替できれば、地熱発電の安価な電力を利用して水素は安価に手に入るので、エネルギー自給率を一〇〇%近くにできるという野心的な取り組みをしております。我々は、新エネルギープロジェクトに取り組むINE社を訪問し、水素バスや水素自動車の導入プロジェクト等について視察を行うとともに、意見交換を行いました。また、建設中の地熱発電所を訪問し、地熱利用の実態調査を行いました。アイスランドと状況の異なる東京で、アイスランドのエネルギー政策をそのまま適用することはできませんが、東京でも、東京の事情に応じたエネルギーシステムの構築が必要だと実感をいたしました。次に、ITを活用した高付加価値産業育成政策を視察するため、フィンランドのヴァンター市及びスウェーデンのストックホルム市を訪問いたしました。ヴァンター市のIT戦略計画で注目すべきは、フィンランド政府や他市と連携した計画づくりを行う方向へと進んでいることです。例えば、さまざまな電子行政サービスのかぎとなるシティーカードの開発も、国内四市で連携して取り組んでおりました。また、セキュリティーと利用者の利便性確保などについて、東京都でも参考にすべき点がありました。スウェーデンのストックホルム市では、ストックホルム市の区の一つであるシスタが、周辺三市と連携して、シスタ・サイエンスシティーを開発、IT企業を中心としたまちづくりを進めています。各市が連携を始めて国と交渉し、インフラ整備等を進めた上、IT産業のクリーンであるという特徴を生かして、職・住・商業の近接したまちづくりがなされていました。この北欧のシリコンバレーともいわれるシスタ・サイエンスシティーが、世界のITを牽引しているのみならず、域内の雇用や住宅需要の喚起にも貢献していることは注目に値します。東京都においても、「十年後の東京」の中で多摩シリコンバレーをうたっていますが、ストックホルム市の例に倣い、具体的な計画性を持って都が主体的に取り組む必要性を強く感じたところであります。最後に、水辺空間の豊かさを生かした都市空間形成の調査のため、ベルギーのブルージュを訪問いたしました。世界遺産にも指定されているブルージュは、外壁の建てかえを厳しく制限して、中世の美しい街並みを残しています。視察では、こうした街並みの維持や修復などの問題点、旧市街への自動車の乗り入れを制限するパーク・アンド・ライド、駅からのシャトルバス運行、市中の通り抜けを不可能にするループ式一方通行、観光バスを含む大型バス乗り入れ規制の実施などについて見てまいりました。自動車の制限をする一方、水路が観光に活用されてもおりました。まちの美観では、ネオンや看板といった広告等の制限が挙げられます。また、夜間のライトアップといった、歴史や文化を生かす演出もありました。これからの東京の発展を考えた場合、経済的な繁栄を維持しつつも、自然環境に配慮し、また、都市を人間性あふれるものにすることが必要です。今回の視察結果を、東京の発展のための政策提言につなげていきたいと思います。なお、詳細につきましては、後日、報告書を取りまとめ、ご報告したいと思います。ご清聴ありがとうございました(拍手) # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)以上をもって、東京都議会海外調査団の報告は終わりました。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)会期についてお諮りをいたします。今回の定例会の会期は、本日から十二月十九日までの十六日間といたしたいと思います。これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)ご異議なしと認め、よって、会期は十六日間と決定をいたしました。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)この際、知事より発言の申し出がありますので、これを許します。知事石原慎太郎君。〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)平成十九年第四回都議会定例会の開会に当たりまして、都政運営に対する所信の一端を申し述べ、都議会の皆様と都民の皆様のご理解、ご協力を得たいと思います。先週、フィリピンの首都マニラで開催されましたアジア大都市ネットワーク21第六回総会に出席し、地球温暖化対策について議論を深めてまいりました。産業革命以来、世界は化石燃料を大量に消費して大いに発展はしたものの、その過程で排出されたCO2の影響により地球は温暖化し、水没の危機に瀕するツバル諸島に象徴される地球環境の異変を引き起こしております。このまま手をこまねいていれば、海面上昇に加え、温暖化による気候変動がもたらす台風の巨大化や干ばつなどのために、生きる場所もすべも失った難民が世界に多数発生するのは必至であります。これにより南北の格差や貧困は深刻化し、新たな紛争の火種になりかねません。発展の代償である地球の異変は、国境を越え世界じゅうに広がりつつあり、もはや環境を軸としてすべての国を引き込んだ新たな国際的枠組みを構築しなければ、人類に未来はありません。世界も遅まきながらこれに目覚め、足並みがそろわないながらも、ポスト京都議定書をめぐる議論が国連の場で始まりました。来年開催される北海道洞爺湖サミットでも最重要議題となることは確実であります。今回のアジア大都市ネットワーク21総会では、東京が環境政策のトップランナーとして参加都市に強く働きかけ、CO2の排出削減に共同して取り組むことを合意できました。アジアは、世界の人口の半分以上を占めるとともに、経済の成長が著しく、アメリカやEUに匹敵する第三の極となりつつあります。そのアジア諸国の頭脳部、心臓部を担う大都市が、それぞれの国家の国益や発展段階の差異を超えて、先進国と途上国の利害が複雑に交錯する地球環境問題の解決に向けて連携することは、新たな国際的枠組みの成立への強力な後押しとなります。来年二月には、東京で環境技術に関する実務者会議「第一回アジア・エネルギー環境技術ワークショップ」を開き、日本が培ってきた技術や東京の先進的政策ノウハウをアジアに提供いたします。東京は、アジアと連携していくとともに、大規模なCO2排出事業者に対する削減の義務化など先駆的な施策を着実に推進し、地球温暖化に立ち向かってまいります。地球環境問題だけでなく、高齢化や高度な都市化に伴い生じるさまざまな課題は、二十一世紀の世界に共通するテーマであります。こうした課題を克服するには、世界が同じ危機意識を持つことが不可欠であり、スポーツで世界の人々の心を一にするオリンピックは、その重要な機会ともなります。東京は、これらの課題を世界で最初に大規模に経験しつつありますが、既に先進的な政策を講じ取り組んでおります。こうした経験を持ち、現代文明の光も影も知る東京こそが、オリンピックを契機に、課題の解決策を世界に向けて示すことができると思います。先般、開催意義や競技会場の配置などを盛り込んだ開催基本計画を公表いたしました。これをもとに二〇一六年オリンピック・パラリンピック東京大会を開催することで、前回の東京大会が東京と日本の復興の扉を開いたように、地球社会の未来のため新たな扉を開いていきたいと思います。東京から、スポーツとオリンピックの持つ力を最大限生かして、新たな扉をあける二つのかぎを世界に示してまいります。まず一つは、スポーツを通じて人々に夢と希望を与えていくことであります。私たちは、トップアスリートが表現する肉体の力強さや、たぐいまれなる精神のたくましさに感動し、夢や生きる希望を得るわけです。子どもたちの気力や体力の低下が懸念される中、オリンピックやパラリンピックを契機に、次代を担う子どもたちにかけがえのない心の財産を残すとともに、スポーツに打ち込んで成長する喜びを与え、その生き生きとしたひとみの輝きを取り戻していきたいと思います。また、高齢化が進む現在、すべての人々がスポーツを通じて健やかな生活を手に入れ、夢と希望を持って人生を送ることができるようにしたいと思います。もう一つは、新しい都市モデルを提案し、地球環境を再生することであります。私たちを魅了してやまないトップアスリートにとって、きれいな空気と豊かな水と緑にあふれた都市こそ最高の舞台であります。また、大会に向けた十年間は、地球温暖化を解決するための正念場でもありまして、環境に負荷をかけている都市はその行動を問われております。世界じゅうの目が注がれる大会の舞台づくりに当たり、最先端の環境技術や政策ノウハウを用いて都市のあり方を進化させることにより、地球の健康を取り戻す具体的な道筋を世界に示してまいります。こうした考えのもと、大会運営面にさまざまな工夫を凝らしてまいります。まず、全国の子どもたちが一人でも多く会場に足を運び、あるいはメディアを通じて、トップアスリートの最高の活躍をみずからの目と耳と肌で感じることができるように、オリンピックの開催期間は、子どもたちの夏休み等を考慮しまして、七月二十九日から八月十四日に設定いたしました。また、世界一コンパクトな大会を目指し、ほとんどの競技会場を、晴海オリンピックスタジアムを中心とした半径八キロ圏内に集中させました。環境への影響を極力抑えるため、既存の競技施設をできる限り使用するとともに、観客の輸送等には、正確無比で都内を縦横に走る公共交通網を最大限に活用いたします。オリンピックスタジアムへのアクセスには、環境に配慮したバス高速輸送システムを導入いたします。開催基本計画に掲げた「人を育て、緑を守り、都市を躍動させるオリンピック」を成功させるためにも、「十年後の東京」に基づき、東京をより高い次元で成熟させ、大会を通じて二十一世紀の新しい都市モデルとして世界に披瀝してまいります。来年はオリンピックイヤーでありまして、八月、北京大会が開かれます。ソウル大会から二十年ぶりとなるアジアでの開催に、多くの都民、国民が現地を訪れ、北京市民はもとより世界じゅうの人々と交歓を深めることになると思います。東京の友好都市北京が、オリンピックの精神を具現化して大会を成功させることを祈念いたします。これから北京大会に全世界の耳目が集まる中、二〇一六年大会に立候補した都市への関心も高まります。この機を逃すことなく全力で取り組み、都市間競争を勝ち抜いて、必ずや日本にオリンピックを招致し、東京で開催する決意であります。来年一月には、IOCに対して申請ファイルを提出いたします。子どもたちに心の財産を残し、環境問題に先進的に取り組む東京の志を世界に示すとともに、充実した都市機能もアピールしてまいります。招致議員連盟などから既に百万人を超える数の招致を求める署名をいただきましたが、都民、国民の皆様、都議会の皆様には、二年後の平成二十一年十月二日に開かれるIOC総会での開催都市決定に向け、さらなるご協力をお願いいたします。都政がその持てる力を尽くして世界に新しい潮流をつくり出そうとしているその一方、国政には近視眼的な議論が充満し、とりわけ地方税財政制度について本質から外れた動きが続いております。本来、中央政府の財源は国税により、地方政府の財源はその地域の住民が納める地方税によるのが基本であります。しかし、霞が関がすべてを差配するこの国の構造のもと、地方は国からの財源に依存し、地域における受益と負担の関係があいまいなまま、国の硬直的な行財政運営を後追いせざるを得ませんでした。それゆえに昨今、そのツケに苦しみ、しわ寄せが住民に及んでおります。しかし、国はみずからの誤りを反省しないばかりか、都市と地方の格差を喧伝し、その是正案と称する牽強付会ともいうべき代物で糊塗しようとしております。その最たるものが、地方税である法人二税を国が徴収し再配分するという案であります。さらに、最近では、地方税である法人事業税について、二十年度税制改正で、都から三千億円程度を地方に移すという合意ができたと報道されておりますが、そんな話は全く聞いておりませんし、ましてや内諾など全くしておりません。これは受益と負担の関係をさらにあいまいにし、地方を真の自立から一層遠ざけるものでしかありません。また、東京は三百万人を超える昼間流入人口を抱え、都は、そのために生じる膨大な行政需要に対処しながら、我が国の頭脳部、心臓部を維持して発展を図っております。さらに、日本の将来に不可欠なインフラ整備を国が遅々として進めないことから、やむなく国にかわってみずからの負担で進めております。東京の膨大な行政需要は、日本の屋台骨を支えるためのものであります。都は、こうした行政需要に対応するため、行財政改革に取り組み、平成以降、職員を四割以上も削減するなど、徹底して努力してきました。にもかかわらず、国のご都合主義によって税源を奪われ、財政再建団体に転落すれば、まさにこれは東京の死であります。これは地方自治の死であり、日本の死を招くことにつながります。国は、小手先の手法に走らず、地方の税財政基盤を確立するために、消費税の税率引き上げや国と地方の配分についての抜本的な検討を進めるとともに、必要十分な地方交付税を確保すべきであります。また、国に対して、東京の懐に手を突っ込む前に、まず、みずからの身を切る改革を断行し、地方への関与や補助金、二重行政を廃してスリムになることを強く求めます。動きの遅い国の分権改革・地方税財政制度改革をただ待つだけでは、地方は国と共倒れになりかねません。今なすべきは、都市と地方がその持てる力を融合させ、ともにみずからの活路を開くことなのであり、東京は、地域に活力を取り戻そうとする自治体や企業などと手を携えてまいります。そこで、都が開催する日本最大級の見本市である産業交流展に、全国の中小企業が出展する機会を提供いたします。これにより、地方と東京の中小企業や大学、研究機関などの交流を進め、新技術、新製品の開発や販路の開拓のために連携を促進してまいります。また、全国の中小企業が東京で活動する拠点を提供いたします。さらに、展望室だけでも国内外から年間百八十万の人が訪れるこの都庁舎を、都道府県の情報発信拠点として最大限活用し、日本の各地域の魅力を、この都庁舎でとにかく広くPRしてまいります。東京と地方がそれぞれの現場を踏まえ、知恵を出し合い協力することで、共存共栄の道を見出していくとともに、都市と地方の力の総和によって日本全体に新しい活力を生んでまいりたいと思います。これまで申し上げてきた意欲的な取り組みを進めるとともに、東京に存在する多くの課題を積極的に克服していくことで、日本と世界をこの東京がリードしていきたいと思います。三千四百万人以上の人口が集積する首都圏の最大の弱点は交通渋滞であります。渋滞により発生する経済損失や環境悪化は、東京のみならず、日本の発展のボトルネックとなっております。都はこれまで、三環状道路を初め、区部の環状道路や多摩南北道路の整備を促進しており、今月にはいよいよ中央環状線の新宿から池袋までの区間が開通いたします。今後、道路整備をさらに進め、十年後を目途に、お盆や正月並みのスムーズで環境に優しい車の流れを実現したいと思っております。先般、国が公表した道路の中期計画の素案には、都が主張してきた道路ネットワークの整備や、高速道路を利用しやすい料金体系の構築などが盛り込まれました。こうした施策を実現するには、道路特定財源にかかわる暫定税率を延長して財源を確保し、首都圏に集中的に投入すべきであります。また、外環道についても、都は既に四百回以上にわたる地元との意見交換を経て、大深度地下方式への都市計画変更を完了しており、国は一刻も早く整備計画路線に格上げしてしかるべきであります。今後とも、首都圏の着実な道路整備のために国を動かしてまいります。都みずからも共同事業者となって整備を進めている中央環状品川線については、平成二十五年度の完成を目指して最速のスケジュールで推進してまいります。もう一つの大きな弱点は、空港容量の絶対的な不足であります。人と物の交流が都市や国家の活力と繁栄に直結するこの現代において、その手段を欠いてはとても世界には太刀打ちできません。そのために、都は、羽田空港の再拡張・国際化と横田基地の軍民共用化を推進してまいりました。羽田空港については、第四滑走路の建設に一千億円の無利子貸付を行うなど、従来の自治体の枠を超えた対応を行い、工事は着実に進んでおります。また、空港の沖合展開に伴う跡地は、国際線ターミナルなど国際化の拠点施設に隣接する重要な空間であり、空港と連携する旅客サービス施設などに活用して、再拡張後の空港機能の強化を図っていく必要があります。今年度中に国及び関係自治体との調整を進め、跡地利用の基本計画を取りまとめてまいります。一方、横田基地の軍民共用化は、小泉・ブッシュ会談の合意を出発点として、米国政府に早期実現を求めてまいりました。日米両政府によるスタディーグループは十月を期限に検討を重ねてまいりましたが、米側の軍事運用にかかわる幾つかの課題がまだ残されております。いずれも調整は可能な事項ばかりであります。在日米軍基地の中で戦略上重要な位置を占める三沢基地ですら、既に冷戦時代に軍民共用化をしていたのでありまして、米国政府は、主な機能がしょせん兵たん基地でしかない横田基地の軍民共用化に真摯に対処して当然であります。先般、こうした考えを直接シーファー駐日大使に伝えるとともに、福田総理とも面会し、横田基地の軍民共用化は我が国の国力の維持のために必要不可欠であるとの基本的な立場を確認いたしました。今後も、国の関係省庁と都が一枚岩の結束を保ちながら、米側に対して具体的な提案を持ちかけるなど、粘り強く協議を続けることにより、軍民共用化の早期実現を目指してまいります。東京は、そこに住む人々が安心して暮らすためのさまざまな仕組みを充実させ、日本と世界をリードしていく都市にふさわしい成熟を遂げる必要があります。東京の高齢者は、十年後には全国でも群を抜き、三百万人を大きく超えるものと見込まれております。超高齢社会を迎えて、だれもが安心して暮らせる都市を実現しなくてはなりません。昨日、高齢者の地域での生活を支える基本方針となる地域ケア体制整備構想を策定いたしました。この構想をもとに、高齢者が住みなれた地域での生活を継続できる社会の実現を目指して、地域ケアの拠点となる地域包括支援センターをサポートするとともに、医療、介護、見守り等のネットワーク構築など、サービス基盤の充実にも取り組んでまいります。来年度には、具体的な施策展開を明らかにするため、平成二十一年度から二十三年度を計画期間として高齢者保健福祉計画を改定し、超高齢社会への備えを固めてまいります。がんは、年間三万人の都民の命を奪っております。都民の不安を解消するため、予防や早期発見の取り組みを強化するとともに、がんに罹患しても最善の治療を受けられる体制を強化していかなくてはなりません。都は、来年三月を目途に東京都がん対策推進計画を策定し、がんの早期発見、化学療法、放射線治療、緩和ケアなどの多様な治療方法の推進、専門医療従事者の育成などに取り組んでまいります。また、すぐれた診療機能を備えた病院が集まる東京のメリットを生かして、国が指定する拠点病院と同等の診療能力を有する病院を、来年四月から都独自に認定いたします。拠点病院と認定病院とが地域の医療機関を支援する体制を構築し、都全体のがん診療水準の向上に努めてまいります。自動車排出ガスによる大気汚染は、大都市における二十世紀の負の遺産ともいうべきものでありまして、多くの方々が東京大気汚染訴訟の推移を注目しながら、長い間、病に苦しんでこられました。都は、独自の患者救済策を提案して、八月に歴史的な和解に至り、さきの第三回定例会で都議会の承認もいただきました。現在、医療費助成制度の実施に向け、窓口となる区市町村との協議を行うとともに、本定例会には制度創設のための条例改正案を提案いたしました。全力で準備を進め、来年八月からの助成開始を目指してまいります。築地市場は、戦前戦後を通じ東京の台所として役割を果たしておりますが、モータリゼーションやIT技術の進展などに伴う流通環境の変化により、市場の施設、設備が時代に合わなくなり、老朽化や場内の狭隘化も進んで、市場機能を十分に果たせない状況にあります。このため、市場関係団体との協議を踏まえて、江東区豊洲への移転を進めておりますが、食の安全・安心に万全を期すため、専門家会議を設けて、移転予定地に対する土壌汚染対策を評価、検証しております。今般、専門家会議の意見を踏まえて、移転予定地の全面にわたり四千百カ所の詳細な土壌・地下水調査を行います。この調査結果をもとにして万全の対策を講じ、着実に移転を進めてまいります。いつの時代も、国家・社会の発展の基礎は次代を担う子どもであります。東京が日本と世界をリードし続けるには、子どもたちに努力する力や社会の発展を担う力を体得させる必要があります。そこでは、子どもたちの学力や体力、忍耐力などをバランスよくはぐくまなくてはなりませんが、昨今の学力の低下が懸念されております。国は四十三年ぶりに全国学力テストを実施し、十月、結果を公表いたしました。これは遅きに失したとしかいいようがありません。都は、平成十五年度から独自に、児童・生徒の学力向上を図るための調査を実施して、授業の改善を進めております。今後も、独自調査と国の調査の結果を徹底活用し、さらに学力を向上させてまいります。また、教育課題が複雑化、多様化する中で、教員の資質向上が急がれており、都は東京教師道場を設置して、教員の授業力向上を図ってまいりました。また、来年四月に設置される教職大学院に、学校教育の中核となる現職教員を派遣するとともに、新人教員の養成、確保のために連携するなど、新たな仕組みを構築してまいります。次に、多摩・島しょの振興について申し上げます。多摩の発展のためには、バランスのとれた道路ネットワークの形成、とりわけ南北方向の交通の円滑化を図っていかなければなりません。先般、新しい多摩大橋が開通し、来年春の八王子村山線の全線開通に向け、大きな山場を越えることができました。本路線の全線開通は、現在整備を進めている多摩南北道路の主要五路線のうちでは最初となるものであります。今後とも着実に整備を進め、首都圏の活力の一翼を担う多摩地域における都市基盤の充実に取り組んでまいります。また、この地域は、豊かな自然に加えて、長い歴史や伝統を持つ観光資源に満ちております。六月には関越道と中央道を結ぶ圏央道の区間が開通したことで、都内や近県からのアクセスが大幅に向上し、四季折々の風物に触れ親しむことがより便利になりました。こうした中、都は、多摩産材を活用した案内標識の設置など、観光ルートの整備を進め、新たな観光客の流れやまちのにぎわいを創出するための地域支援に取り組んでまいります。先月十六日から十八日までの三日間、三宅島においてモーターサイクルフェスティバルが開催されました。全国各地から延べ二百台ものバイクが参加し、関係者を含め一千人近くの人々が島を訪れました。私も十七日に訪れて一泊し、レース等をみずからの目で確かめ、島の空気を肌で感じてまいりました。島内外の人々が交流し活気にあふれる会場を見て、三宅島の観光、産業振興に大きな弾みがついたと強く実感いたしました。引き続き、復興に向けた三宅島の取り組みを積極的に支援してまいります。東京再起動を掲げた三期目のスタートから半年余りが経過いたしました。東京大気汚染訴訟では、全国の範となる解決モデルを提案して和解に導き、地球温暖化問題では、ニューヨーク、ツバルなどを訪れ、次の世代に残す地球を守るためのメッセージを、都民、国民はもとより、世界に向けて発信いたしました。これらを初め、より安心で安全な東京を実現するための取り組みを鋭意進めてまいります。一方、国政を見ると、政治家は選挙目当ての議論に終始し、官僚は、年金や肝炎の問題で、本来仕えるべき国民をないがしろにしている姿を露呈しました。国のかじ取りを任された者のこうした姿を眺めるにつけ、国家の強固な意思と行動力を示し得ない日本の厳しい現状に暗然とする思いであります。これは、政治家や官僚の自己保身もさることながら、さきの敗戦後、奇跡的な経済復興とは裏腹に、日本みずからのアイデンティティーを見失い、みずからの持てる力を認識できず自信を失ったことに原因があると思われてなりません。かつての東京もまた、みずからの力と存在の意義を明確に意識できずにおりました。そこで、知事就任以来、都政を預かる者として、東京のアイデンティティーが日本の首都という点にあることを強く意識して、幾つかの改革に取り組んでまいりました。三期目を開始するに当たり、職員に、単なる地方公務員ではない、首都公務員としての気概を持てと激励したのも、そうしたみずからがよって立つ足場を強く意識することを求めたわけであります。我が国は今、まさに内憂外患といえる状況にあります。しかし、日本は、長い歴史に培われた伝統文化とあわせて、高度で緻密な技術力を持つ国であり、必ずや自分の力と存在意義を再認識する日が来ると信じております。東京には、こうした日本の力が集中、集積しております。これを最大限に生かして先進的な取り組みを展開し、この国を覚せいさせるとともに、二十一世紀の都市モデルとして世界にも貢献していきたいと思います。今後の取り組みを着実なものとするため、年内を目途として、都の行財政運営を先導する「十年後の東京」の実現に向けた実行プログラムを策定し、今後の事業展開を内外に明らかにいたします。また、首都の誇りと日本への愛着とともに、地球の未来への視座を持って、都政運営に全力を尽くしてまいります。なお、本定例会には、これまで申し上げたものを含め、条例案二十一件、契約案五件など、合わせて三十六件の議案を提案しております。よろしくご審議をお願いいたします。以上をもちまして所信表明を終わります。ありがとうございました。(拍手) # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)以上をもって知事の発言は終わりました。 # 六十七番(石森たかゆき君) 六十七番(石森たかゆき君)この際、議事進行の動議を提出いたします。本日の会議はこれをもって散会し、明五日から十日まで六日間、議案調査のため休会されることを望みます。 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)お諮りをいたします。ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 議長(比留間敏夫君) 議長(比留間敏夫君)ご異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれをもって散会し、明五日から十日まで六日間、議案調査のため休会することに決定をいたしました。なお、次回の会議は、十二月十一日午後一時に開きます。本日はこれをもって散会いたします。午後二時五分散会文書質問趣意書及び答弁書一九財主議第三四一号平成十九年十一月二十六日東京都知事石原慎太郎東京都議会議長比留間敏夫殿文書質問に対する答弁書の送付について平成十九年第三回東京都議会定例会における左記議員の文書質問に対する答弁書を別紙のとおり送付します。記福士敬子議員そなえ邦彦議員河野百合恵議員たぞえ民夫議員斉藤あつし議員植木こうじ議員酒井大史議員平成19年第三回都議会定例会文書質問趣意書提出者福士敬子質問事項一東京都の管理する緑地公園を使用してのミサイル部隊の移動・展開訓練について一東京都の管理する緑地公園を使用してのミサイル部隊の移動・展開訓練について防衛省は、航空自衛隊入間基地に配備されている弾道ミサイル防衛のための地対空迎撃ミサイルであるパトリオット3(PAC3)を都内に展開することを検討し、その展開先として東京都が管理する代々木公園や晴海ふ頭公園など複数の緑地公園が考えられているという報道がなされている。(8月30日付「読売新聞」、8月31日付「朝日新聞」など)これらが実施されれば、アジア近隣諸国との間の緊張関係を高める可能性がある他、基地から展開予定地の公園までの間の騒音やミサイル誘導に伴う電磁波障害、公園利用者への利用制限の告知など都民の生活上にさまざまな点で重要な支障をきたすと考え、文章質問を行う。1ミサイル部隊の都内への展開訓練に対して、防衛省から東京都に連絡があったのか。その内容も含めて具体的に明らかにされたい。また防衛省から東京都に対して連絡がないのにマスコミ報道がされたのであれば、その経過を確認し、マスコミへの情報が先行することのないように防衛省に対して抗議を行うべきと考える。抗議を行ったのならその日時および内容を、抗議を行わないならその理由を示されたい。2防衛省が東京都の管理する公園にミサイル部隊の展開計画を持っているのか確認しているのか。その場合は情報を公開せよ。確認の必要性についてはどう考えているのか。その理由も含め明らかにせよ。3都市公園法第1条には「都市公園の健全な発達を図り、もって公共の福祉の増進に資することを目的とする」と定められており東京都の管理する公園でのミサイル部隊の移動や展開訓練は、この項目に明白に抵触する。また東京都立公園条例第16条の規定その他に抵触する。したがって規則上できないものと考えるが、東京都の見解を明らかにされたい。4その上でもし防衛省から東京都に対し公園使用の要請があったとしたら東京都はどのような態度を示すのか。明確にされたい。5東京都の管理する公園からミサイルが発射された場合、迎撃に成功したとしてもミサイルの破片などで近隣の住民に被害が及ぶことが予想される。その被害想定を東京都はしているのか。またミサイル誘導に伴う電磁波障害の危険性について都はどのように認識しているのか。ミサイル迎撃に失敗した際の迎撃ミサイルの落下による被害を受ける対象は東京都の住民だけでなく、埼玉県・千葉県・神奈川県の住民も該当すると思われるが、その対策について東京都の見解を明らかにされたい。6PAC3ミサイル発射の際には、人体に有害な煙が発生するとの指摘もなされている。東京都として煙の成分と人体への影響、及び周辺住民の保護について防衛省に確認すべきと考えるがどうか。7市ヶ谷駐屯地に展開する場合、迎撃時には隣接する高層マンション(建設中)の窓ガラスが風圧により破壊されるとの報道(5月9日付、朝日新聞)がなされている。都民の安全に責任を負うべき東京都として、この問題の事実確認及び対処策を防衛省に確認すべきと考えるがどうするつもりか。8ミサイル部隊の移動・展開訓練が東京都の管理する公園で実施される場合、一般使用者への利用制限の告知などは東京都が担当せざるを得ないと思うが、その際の具体的方法などは検討しているのか。明らかにされたい。9ミサイル部隊の都内への展開に対して、防衛省から東京都に連絡があった場合、公園管理者の東京都だけの問題ではなく、沿道の区市町村にも関わる問題であると考える。アその際の東京都と沿道の区市町村との連絡体制についてどのようになっているか。明らかにされたい。イまたミサイル部隊の公園への展開については、公園管理者の東京都のみの判断で公園使用の諾否を決定するのではなく、公園所在地の当該自治体の長や住民区民との十分な協議を経たうえで決定されるべきと考える。都としてこうしたプロセスを踏む意思はあるのか。10入間基地から東京都の管理する公園に行くまでの順路は事前に把握できるのか。その情報公開をすべきだと思うがどうか。それらの確認はどうなっているのか。11ミサイル関連装備は大型トレーラーなど数多くの車両に載せて移動させるため、交通規制がなされることが予想される。東京都として事前に交通規制の計画を把握し、都民に情報公開すべきと考えるがどうなっているか。12公園及び駐屯地にミサイル関連装備が展開された場合、装備の防衛を名目として過剰な警備態勢が敷かれることが懸念される。東京都として事前に警備計画を把握し、人権侵害等のないよう防衛省・警備当局に要請すべきと考える。都の考えを明らかにされたい。平成19年第三回都議会定例会福士敬子議員の文書質問に対する答弁書質問事項一東京都の管理する緑地公園を使用してのミサイル部隊の移動・展開訓練について1防衛省がPAC3の都管理の公園等への展開を検討しているとの報道があった。この展開訓練について、防衛省から連絡があったのか。また、マスコミへの情報が先行しているのなら抗議すべきだが、行ったかどうか伺う。回答ミサイル部隊の都内への移動・展開訓練については、防衛省から連絡を受けていません。マスコミへの情報提供については、防衛省が適切に判断すべきものと考えています。質問事項一の2防衛省が都管理の公園にミサイル部隊の展開計画を持っているか確認したのか。その場合は情報を公開すべきである。また、確認の必要性はどう考えているのか。その理由も含め明らかにすべきだが、見解を伺う。回答防衛省から連絡があれば、具体的な内容を見た上で、都として適切に判断をします。質問事項一の3都管理の公園でのミサイル部隊の移動や展開訓練は、都市公園法第1条や都立公園条例第16条の規定に抵触する。したがって規則上できないものと考えるが、都の見解を伺う。回答防衛省から連絡がなく、具体的内容が不明のため、現時点では公園使用の可否についての判断はできません。質問事項一の4その上で、もし、防衛省から都に対し公園の使用の要請があったとしたら、都はどのような態度を示すのか伺う。回答防衛省から公園の使用の要請があった場合は、その時点で具体的な内容を見た上で、適切に判断します。質問事項一の5都管理の公園からミサイルが発射された場合、迎撃の破片などでの被害想定、ミサイル誘導に伴う電磁波障害の危険性への認識及び迎撃失敗の際の迎撃ミサイル落下による被害への対策について見解を伺う。回答迎撃の必要性と影響等については、政府が判断すべきものと考えています。質問事項一の6PAC3発射の際には、人体に有害な煙が発生するとの指摘もある。都として煙の成分と人体への影響、及び周辺住民の保護について防衛省に確認すべきだが見解を伺う。回答迎撃の必要性と影響等については、政府が判断すべきものと考えています。質問事項一の7市ヶ谷駐屯地に展開する場合、迎撃時には隣接マンションの窓ガラスが風圧で破壊されるとの報道がある。都として、この問題の事実確認及び対処策を防衛省に確認すべきだが見解を伺う。回答迎撃の必要性と影響等については、政府が判断すべきものと考えています。質問事項一の8ミサイル部隊の移動・展開訓練が都管理の公園で実施される場合、一般使用者への利用制限の告知などは都が担当せざるを得ないと思うが、その際の具体的方法などは検討しているのか伺う。回答防衛省から連絡を受けていないため、その際の対応については検討していません。質問事項一の9ミサイル部隊の都内への展開についてア防衛省から部隊の都内展開の連絡があった場合、公園管理者の都と沿道区市町村との連絡体制はどうなっているのか伺う。回答沿道区市町村への連絡の必要性については、防衛省が判断すべきものと考えています。質問事項一の9のイまた、公園使用の諾否の決定に地元自治体等との協議というプロセスを踏む意志はあるのか伺う。回答防衛省から公園の使用の要請があった場合は、公園管理者として適切に判断します。質問事項一の10入間基地から都管理の公園に行くまでの順路は事前に把握できるのか。その情報公開をすべきだがどうか。それらの確認はどうなっているのか伺う。回答防衛省から連絡があれば、法令等に基づき、適切に対処していきます。質問事項一の11ミサイル関連装備は多くの車両に載せて移動させるため、交通規制が予想される。都として事前に交通規制計画を把握し、都民に情報公開すべきだが、見解を伺う。回答ミサイル部隊の移動・展開訓練に係る交通規制については不明です。質問事項一の12公園等にミサイル関連装備が展開された場合、装備防衛を名目にした過剰な警備が懸念される。事前に警備計画を把握し、人権侵害等のないよう防衛省等だが、都の考えを伺う。回答防衛省から連絡があれば、具体的な内容を見た上で、都として適切に判断をします。平成19年第三回都議会定例会文書質問趣意書提出者そなえ邦彦質問事項一都の防災対策について一都の防災対策について3月の能登半島地震では、多大な犠牲者と被害が生じました。都は、昨年5月に公表された、新たな首都直下型地震の被害想定や、最近の災害から得た教訓を踏まえ「地域防災計画」の抜本的な見直しを行いました。そこで、改めて、都の防災対策について、何点かお伺いいたします。1都の「指定地方公共機関」に指定されている機関には、どの様なものがあるか、又、その目的は何なのか。2その他都と関係機関と、防災に関して「協定」を締結しているのか。3災害時の帰宅困難者への支援策はどうなっているのか。4木造密集地域への耐震診断、耐震補強への補助状況はどうなっているのか。5家具類の転倒防止のための家具固定への補助状況はどうなっているのか。6住宅用火災警報器の設置状況とそれへの補助状況はどうなっているのか。7学校での防災教育の実態はどうなっているのか。8在日米軍は、合同でどのような訓練を行い、今後、災害時にどのような要請をしていくのか。又、その根拠は何か。平成19年第三回都議会定例会そなえ邦彦議員の文書質問に対する答弁書質問事項一都の防災対策について1都の指定地方公共機関に指定されている機関にはどの様なものがあり、また、その目的は何か伺う。回答指定地方公共機関は、都の地域防災計画の作成及び実施が円滑に行われるよう、協力を得ることを目的として、災害対策基本法に基づき、知事が指定するものであり、都は、鉄道事業者や放送事業者等、これまで40機関を指定しています。質問事項一の2その他、都と関係機関とで、防災に関して協定を締結しているのか伺う。回答都は、東京都医薬品卸業協会との「災害時における医薬品等の調達業務に関する協定」をはじめ、事業者団体や民間事業者と58の協定を締結しています。質問事項一の3災害時の帰宅困難者への支援策について伺う。回答都では、災害時における駅周辺の混乱を防止するとともに、鉄道運行状況や帰宅道路に関する情報の提供、代替輸送手段の確保、徒歩帰宅者に対する沿道支援等、帰宅困難者への支援を行うこととしています。また、事業者に対しては、東京都震災対策条例に基づき作成する事業所防災計画の中に、帰宅困難者への情報の提供や保護支援などの対策を盛り込むよう指導しています。質問事項一の4木造密集地域への耐震診断、耐震補強への補助状況について伺う。回答都は、木造住宅密集地域のうち、防災都市づくり推進計画に定められた整備地域を対象に、区と連携して、木造住宅の耐震診断及び耐震改修への助成を実施しています。平成18年度の実績は、耐震診断助成については551件、耐震改修助成については、22件となっています。なお、平成19年度からは、整備地域を抱えるすべての区で助成が実施されており、平成19年度予算では、耐震診断助成1,500件、耐震改修助成500件となっています。質問事項家具類の転倒防止のための家具固定への補助状況について伺う。回答都では、高齢者の安全・安心確保策の一環として、従前から区市町村による家具等の転倒防止器具の設置に関する取組を支援しており、平成18年度には申請のあった32区市町に対して助成しています。質問事項一の6住宅用火災警報器の設置状況とそれへの補助状況について伺う。回答住宅用火災警報器の設置状況については、平成18年に東京消防庁が実施した「消防に関する世論調査」において、19.3パーセントの世帯が、火災に対する備えとして住宅用火災警報器を設置していると回答しています。なお、現在既に設置義務化されている、新築及び改築される住宅の平成18年度における住宅用火災警報器等の設置状況は、竣工した住戸72,654戸のうち72,572戸に設置され、99.9パーセントの設置率です。また、住宅用火災警報器の設置への補助については、区市町村に対し、給付や助成事業の実施を働きかけるとともに、都民に対し、これらの制度の有効な活用について呼びかけています。質問事項一の7学校での防災教育の実態について伺う。回答学校における防災教育の目標は、児童・生徒が様々な災害発生時における危険について理解し、正しい備えと適切な行動がとれるようにすることにあります。そのため、各学校では、すべての学年で災害時の避難訓練を定期的に行うとともに、自然災害への備えや応急手当などについての授業を行い、実践的な資質や能力を養っています。都教育委員会は、こうした学校の取組の充実を図るため、昭和48年度から、各校種別に、副読本「地震と安全」を作成して、都内全児童・生徒に配布しています。質問事項一の8在日米軍は、合同でどのような訓練を行い、今後、災害時にどのような要請をしていくのか。又、その根拠は何か。回答平成19年度の総合防災訓練では、在日米軍はヘリコプターを使った物資輸送及び医療搬送訓練、横田基地消防隊と東京消防庁の連携による消火訓練、艦船による帰宅困難者の輸送訓練に参加しました。災害が発生した場合には、都は、東京都地域防災計画に基づき、在日米軍に対して必要な支援を要請します。平成19年第三回都議会定例会文書質問趣意書提出者河野百合恵質問事項一浸水被害防止対策について一浸水被害防止対策について地球温暖化が原因とされる集中豪雨が毎年のように日本各地に水害をもたらしています。今年9月も台風11号と秋雨前線で関東地方や東北地方に豪雨が降り、とりわけ東北地方では、秋田県の北秋田市や能代市には災害救助法が適用になりました。東京では、2004年、2005年に連続して豪雨被害が発生しており、今年も多摩川の増水など心配な事態が起きました。今年7月、東京都は都市整備局、建設局、下水道局が共同で「東京都豪雨対策基本方針の中間まとめ」を発表しました。中間まとめは、「近年、都内の一部地域において局所的集中豪雨が頻発している」とし、都の豪雨対策は「対策促進エリア」を設定し、重点的に取り組みを進めるとしています。都が選定した対策促進エリアは、区部西部に重点が置かれ、東部低地帯の江戸川区や葛飾区などは、対象からはずされています。都は、近年、東京において時間50ミリを越える豪雨が増加しているとしながらも、対策エリアの選定について、かつて被害が多かった東部低地帯から浸水被害の形態が変化し、区部西部に大きな被害が発生するようになっていると説明づけています。確かに、区部西部はヒートアイランド現象の影響などで「環八雲」が発生し、大量降雨の頻度が増していますから、集中豪雨対策を進めることは当然です。しかし、同時に東部低地帯の浸水対策が、都民の生命と財産を守る自治体の使命に照らして、都政では避けられない喫緊の課題であることにかわりはありません。私が住んでいる江戸川区では、2004年10月、台風22号が襲来した際、区内全域で床下浸水が起こり、江戸川区土木部に被害通報があったものだけで126ケ所を数えました。区部西部だけでなく、東部地域でも浸水被害は発生しているのです。浸水被害があった地域では、下水道の水が逆流してきたり、お店の商品が水に浸かってしまったり、自動販売機にも水が入り故障するなど数えきれない被害がありました。区から支給される土嚢で、懸命に水の浸入を防ぐ住民の苦労は涙ぐましいものでした。地域住民は、今も大雨の予報があるたびに、不安で眠れないと話しています。浸水被害は、行政の努力で被害を最小限に食い止めることができます。そこで、伺います。1江戸川区中央1.2丁目の境界に下水道が敷設された時、東京都は雨水を取り入れる貯留管を設置しました。貯留管が設けられた周辺地域では浸水被害が起こりませんでした。当時、都下水道局は、南側にもう1ケ所、貯留管を設置する計画を持っていました。しかし、今日にいたっても住民に約束した貯留管は設置されていません。そのために、2004年の時は、貯留管未設置の地域では、軒並み床下浸水の被害が発生し、近くにある江戸川区役所の土木庁舎にも水が入る事態になりました。都下水道局は、「江戸川区は比較的遅い時期に下水道ができた地域だから、今すぐ対応できない、都心の古くなっている下水管を改良することが急がれる」との態度で、区民の水害防止を求める要望に応えた対応をする意思を見せていません。浸水被害から住民を救ううえで、効果が明らかな下水道貯留管を一日も早く敷設すべきではありませんか。お答えください。2都心部は、都市再生路線のもとで巨大開発が展開され、都民にとっては気の遠くなるような事業費が投入されています。比べて、江戸川区民が望んでいる下水道貯留管の工事費は、都財政の現状なら十分生み出せる金額ではないでしょうか。下水道貯留管敷設の工事費はいったい幾らかかるのでしょうか。金額をお示しください。3毎年、発生する集中豪雨による被害を防ぐには、河川整備や、遊水地、調整池の増設、透水性舗装の促進や雨水浸透マスへの補助の充実などさまざまな対策を講じることが重要です。これらの取り組みを、都は区部西部地域を重点に進める方針ですが、集中豪雨被害が起きる可能性がある地域について事業を進めていただくよう要望します。お考えをお聞かせください。4江戸川区の隣の墨田区では、早い時期から雨水の利用に力を注いできています。特に区民との協力で、各戸に雨水貯留タンクを置き、その費用を区が補助する努力も進めてきました。「町のなかに小さなダムを無数につくる」という考えにもとづいて取り組まれている雨水貯留タンクは、浸水被害を減らし、区民の環境問題への意識も高めています。他の自治体にも助成制度は広がっています。都が、墨田区のような努力をしている自治体の取り組みを広く都民や企業に知らせていくとともに、雨水タンクへの補助制度を創設するなどの支援策を講じることを求めるものですが、いかがでしょうか。5国土交通省は、1987年から首都圏・近畿圏の水防対策として利根川水系、荒川水系など5河川6水系で高規格堤防、いわゆるスーパー堤防の建設計画を進めようとしています。江戸川区もこれを受けて、江戸川流域の北小岩から篠崎地域や、荒川流域の平井・小松川地域にスーパー堤防を建設する計画を明らかにしています。北小岩地域のスーパー堤防計画は、江戸川右岸を約2.2キロメートルにわたって200から300mの幅で盛土して整備するというもので、対象面積は約48haに及びます。この地域には約1,800棟の建築物があり、6000人近い人が居住しています。居住者は一度立ち退きを求められ、盛土したスーパー堤防の上の土地に区画整理事業が施行されて、新しい家を建築することになるのです。住民にとっては多大な犠牲が伴う公共事業となります。北小岩や東小岩、篠崎地域などに、江戸川区が国土交通省とともに進めようとしているスーパー堤防事業は、住民の負担・犠牲があまりにも大きすぎること、水防対策として実際に必要で効果ある事業になるか、など疑問が数多く出され、批判、反対の声が高まっています。北小岩・東小岩地域48haのスーパー堤防建設と区画整理事業にかかる予算額は1700億と言われています。事業を行なうとすれば、東京都も直轄事業負担金などの支出が求められることになりますが、都の負担は幾らになるのでしょうか。内訳、金額などをお示しください。6昨年7月に開催された利根川治水大会で、熊谷市長が「スーパー堤防は巨額の事業費がかかり、長く時間がかかる。また地権者の合意を得るのがむずかしい」と見解を示されて、熊谷市ではスーパー堤防建設とは違う水防対策に転じることを検討している、と発言されていました。治水対策を進めてきた自治体の長が疑問を呈し、また、計画が持ち上がっている江戸川区などでは、住民から強い異論が出ているスーパー堤防計画について、再検討すべきと考えます。どうお考えですか。7街づくり、災害対策は住民参加で納得・合意を大前提にすすめられなくてはなりません。都の財政負担も発生するスーパー堤防計画については、国や地元自治体、住民と十分に協議をし、住民の声を反映させた治水対策になるよう都としての役割を発揮していただくことを望みます。御所見をお示しください。平成19年第三回都議会定例会河野百合恵議員の文書質問に対する答弁書質問事項一浸水被害防止対策について1江戸川区では、下水道貯留管の設置地域では浸水被害が無いが、当該地区の南側の未設置地域では被害が発生している。浸水被害から住民を救う上で、効果が明らかな貯留管を早急に敷設すべきだが、所見を伺う。回答当該地区では、昭和60年代から平成のはじめにかけ、道路冠水や床下浸水が発生していました。都は、浸水被害を軽減するために貯留管の整備を計画し、その一部を平成11年度に完成させました。これにより、当該地区では浸水被害が軽減され、着実に効果が上がっています。引き続き整備する予定であった南側の貯留管については、平成16年度の浸水被害を踏まえ、より効果的な浸水対策とするため、地域特性などを考慮した再検討を行い、計画を見直しました。計画の見直しに際し区と協議した結果、区が計画している道路事業の施行に合わせて、拡幅される道路の下に整備することとしました。質問事項一の2都心部は、巨大開発に多額の事業費が投入されており、江戸川区民の望みの下水道貯留管の工事費は都財政の現状なら十分生み出せる金額と考える。いったい幾らか。金額を示して欲しい。回答整備を行う貯留管については、今後、区が計画している道路事業の施行に合わせ、具体的な内容を検討していくこととしており、工事費についても、これに合わせて算出します。質問事項一の3集中豪雨被害の防止には、河川整備、遊水地、調節池の増設などの対策が重要だ。これらを区部西部地域だけでなく、集中豪雨被害の可能性のある地域について進めるべきだが、見解を伺う。回答平成19年8月に策定した東京都豪雨対策基本方針では、効果的・効率的な豪雨対策を実現するため、都内全域を対象に、過去の豪雨による浸水被害や降雨特性などを踏まえて、流域単位、地区単位、施設単位で対策促進エリアを選定しています。この対策促進エリアでは、神田川流域などでの河川整備、隅田川幹線地区などでの下水道整備を進めるとともに、これらの整備と合わせて雨水流出抑制などの流域対策を重点的に実施することとしています。質問事項一の4墨田区では、各戸に置く雨水貯留タンクへ補助をしている。都がこのような取組を広く都民などに知らせていくとともに、雨水タンクへの補助などの支援策を講ずべきだが、所見を伺う。回答各戸に置く雨水貯留タンクなど、小規模施設への補助については、墨田区のほか台東区、足立区などでも実施しています。こうした地域の実情に応じた取組は、基本的に、その普及広報を含め区市町村が行うべきものと考えます。都は、広域的自治体として、延べ床面積10,000平方メートル以上の大規模施設を対象として、「水の有効利用促進要綱」に基づき、雨水貯留施設の設置を促進しています。質問事項一の5スーパー堤防事業は住民の負担・犠牲が大きいなど、批判、反対の声が高いが、北小岩・東小岩地域のスーパー堤防建設事業等にかかる都の直轄事業負担金の負担額はいくらになるのか。回答江戸川のスーパー堤防は、国が事業主体となり全区間整備することとされています。北小岩地区におけるスーパー堤防の整備は、現在、事業化に向けた準備段階であり、事業費など事業内容については承知していません。なお、国による都関連のスーパー堤防事業が実施された場合、都は、河川法に基づく直轄事業負担金として、河川事業費の3分の1を負担することになります。質問事項一の6昨年の利根川治水大会で、熊谷市長がスーパー堤防事業について疑問を呈した。また江戸川区でも住民から強い異論が出ており、スーパー堤防計画について再検討すべきだが、所見を伺う。回答江戸川では、国が昭和62年度にスーパー堤防事業に着手しています。市街化が進んでいる北小岩地区において、まちづくりと一体となって、洪水や地震に強いスーパー堤防事業を進めることは、江戸川の治水安全度を高める上で、意義のあることと考えます。質問事項一の7街づくり、災害対策は住民参加で納得・合意を前提とすべきである。都負担もあるスーパー堤防計画について、住民の声を反映させた治水対策になるよう都の役割の発揮を望むが、所見を伺う。回答スーパー堤防事業は、区画整理事業など、まちづくりと一体的に進める事業であり、住民の理解と協力を得ることが必要です。都は、事業主体である国や江戸川区と連携し、都民を水害から守るスーパー堤防の整備促進に協力していきます。平成19年第三回都議会定例会文書質問趣意書提出者たぞえ民夫質問事項一遊戯施設の安全管理の徹底について一遊戯施設の安全管理の徹底について地方でも都市でも、遊園地での遊戯施設事故が重大な社会問題となっています。大阪府吹田市の遊園地「エキスポランド」で今年5月、乗客1人が死亡、19人が負傷するコースター脱線事故が発生しました。この事故は、コースターの車軸が金属疲労で破断したことが原因でした。このような痛ましい事故が全国で続発し、都民も胸を痛めています。遊戯施設の検査標準(日本工業規格)は、全車軸を年1回調べるよう定め、メーカーも異常がなくても車軸を8年間ごとに交換するよう推奨しているにもかかわらず、車軸を運行開始から15年間1度も交換していなかったほか、探傷試験を先送りさえしていました。事態を重く見た国土交通省は、特定行政庁や遊戯施設の所有者、管理者にたいして、緊急点検の実施を通知しましたが、都内では18ケ所の遊園地のうち、台東区内の「浅草花やしき」と、日野市内の「多摩テック」で、不適合とする損傷箇所が見つかり、都民から驚きの声が上がっています。1緊急点検の結果、遊園地からどのような報告が示されたのですか。「多摩テック」には年間40万人が訪れ、都立多摩動物園にも隣接していることから、多くの都民が利用しています。これらの施設が安全対策を怠り、子どもたちや利用者の安全で楽しい遊び場という夢と期待を失うようなことは絶対にあってはなりません。2遊戯施設が集中する東京で、未然に事故を防ぐことは緊急の課題と考えますが、見解を伺います。都内にある遊戯施設は、地元の特定行政庁と東京都が直接指導する施設に分類されています。例えば、文京区内の後楽園遊園地や、日野市内の多摩テックなどは特定行政庁である地元の自治体が監督していますが、あきる野市内のサマーランドは東京都が特定行政庁として監督しています。そのため、都が直接監督していない遊戯施設は、実質的に地元の特定行政庁が定期点検などを対応するため、都は実態を掌握することが困難です。3遊戯施設の近代化や構造の複雑化に対応するため、東京都が都内の遊戯施設の全体を把握する必要があるのではないですか。この問題を解決するには、おおもとである遊戯施設の定期検査を定めている建築基準法のあり方も問題です。それは、建築基準法第12条3項で、「定期に検査をさせ」、特定行政庁に報告することを規定している定期点検と、日本工業規格(JIS)の検査標準で示している、「車輪軸は一年間に1回以上」の探傷試験をおこなうこととの関連が明確ではありません。そのため、東京都は今年5月、建築基準法施行細則を改正し、施設の名称や知事が定める定期検査の成績表・検査表を補充し、車輪軸については探傷試験を追加しました。地方自治体がこのような対応をせざるをえないこと自身、建築基準法が社会問題になっている事態に十分に対応できないことを物語っているのではないでしょうか。こうしたことが、安全対策を遅らせている原因になっています。4建築基準法令の抜本的見直しを国に求めるべきではないですか。4月の六本木ヒルズでのエレベーター火災、5月のエキスポランドでの死傷事故では、原因とみられる不具合が検査資格者による定期点検で見過ごされていた可能性が指摘されています。現在、遊戯施設やエレベーターの検査資格者は全国で約3万人いますが、検査資格者は、財団法人『日本建築設備・昇降機センター』が実施する4日間の講習修了者に資格が与えられ、検査業務が行なわれています。しかし、修理や交換が必要と判断するための判定基準が法律上位置づけがあいまいなもとで、一方、遊戯施設の近代化にともなう機械の高度化、複雑化が進行しています。定期点検をおこなう検査資格者の技術の向上は急がれています。5国に、3年から5年を周期とした定期的な更新講習の義務付けを求めるよう提案しますが、どうですか。事故が多発している背景に、遊戯施設の所有者、管理者の安全管理をおざなりにしてきた国の姿勢を転換して、国民の命を守り、安心して遊戯で楽しめるための手立てが急がれています。遊戯施設の事故は、もはや一刻も放置できません。こうしたときこそ、都民のいのちを守る先頭に東京都が立つべきです。6都は、事業者が都内で遊園地を開設する場合は、規模と合わせて、すべての遊戯の種類と設置数など、事前に把握する必要があると思いますが、見解を伺います。建築基準法第88条では、観光のための乗用エレベーターやエスカレーター、高架構造のウォーターシュート、コースター、回転運動をおこなうメリーゴーランドや観覧車、滑走面に水を流し、水着やゴム製などの補助具を使用して滑走するウォータースライドについて定期点検を規定しています。東京都にあってはこれらの施設には、半年に1回の定期点検を義務付けていますが、基準法の対象になっていない、例えば軌道上をゆっくり走る豆汽車やゴーカートなどは、定期点検と報告義務は求められていません。7建築基準法88条の対象になっていない遊戯施設についても、都として点検整備の実施記録の報告を求め、状況を把握する必要があると考えますが、見解を伺います。平成19年第三回都議会定例会たぞえ民夫議員の文書質問に対する答弁書質問事項一遊戯施設の安全管理の徹底について1遊園地での遊戯施設事故が重大な社会問題となるなか、国交省は、施設の管理者等に緊急点検の実施を通知し、都内でも不適合の損傷箇所が見つかった。緊急点検の結果、遊園地からの報告内容について伺う。回答大阪府で5月に発生したジェット・コースター事故を契機にした緊急点検では、都内は、116の遊戯施設が対象となっています。このうち、浅草花やしきのコースター、多摩テックのでんでん虫とガリオンで、車軸や車輪に関する不具合が、江戸川区立のプールガーデンのウォータースライドで、滑走面に関する不具合が発見され、いずれの施設も是正済みと報告を受けています。質問事項一の2遊戯施設が集中する東京で、未然に事故を防ぐことは緊急の課題と考えるが、見解を伺う。回答年齢を問わず不特定多数の者の利用があり、近年、多種多様になっている遊戯施設の安全性を確保することは、重要な課題であると認識しています。このため、都では、特定行政庁として、所有者等に対して、建築基準法に基づく定期検査や安全運行に関する指導を実施するとともに、区市とも連携し、都内の遊戯施設の事故防止に努めています。質問事項一の3遊戯施設の近代化や構造の複雑化に対応するため、都が、直接監督していない遊戯施設も含め、都内全体を把握すべきではないか。回答建築基準法に基づく遊戯施設は、建築確認や完了検査、定期検査等について特定行政庁が所管することになっており、特定行政庁ごとに、遊戯施設の実態を把握することが基本です。都としては、これまでも、広域的な観点から区市との連絡会等を通じて、適宜情報を把握しています。質問事項一の4遊戯施設の定期検査を定めている建築基準法が社会問題になっている事態に十分に対応できていない。建築基準法令の抜本的見直しを国に求めるべきではないか。回答国においては、大阪府で5月に発生したジェット・コ-スタ-の死亡事故を受け、遊戯施設に関わる定期検査の方法、内容のあり方等について、社会資本整備審議会に諮り、検討していると聞いています。質問事項一の5遊戯施設やエレベーターの定期点検を行う検査資格者の技術の向上は急がれている。国に、3年から5年を周期とした定期的な更新講習の義務付けを求めるよう提案するがどうか。回答社会資本整備審議会において、法令改正や新技術に対応した検査方法、判定基準等を内容とした定期的な講習と修了考査を義務付けることを、既に検討していると聞いています。質問事項一の6都は、事業者が都内で遊園地を開設する場合、規模と合わせて、すべての遊戯の種類と設置数などを事前に把握すべきだが、見解を伺う。回答遊戯施設は、ブランコや滑り台などの簡易なものから、高速回転運行するコースターなど複雑で大規模なものまで様々です。このため、建築物の構造等の最低の基準を定め、国民の生命、健康及び財産の保護を図ることを目的とする建築基準法は、第88条において、故障等があった場合に人命に危害が及ぶ可能性が高い一定の遊戯施設を指定し、構造強度等に関する基準を定め、設置時においては建築確認と検査を行うとともに、完成後には定期検査報告制度を設け、その安全を確保しています。それ以外の簡易な遊戯施設の安全確保については、所有者等の責任において行われることが基本であると考えます。質問事項一の7建築基準法88条の対象になっていない遊戯施設についても、都として点検整備の実施記録の報告を求め、状況を把握すべきだが、見解を伺う。回答建築基準法第88条に指定されていない遊戯施設については、利用者の安全を確保する上で、日常の維持管理が重要であるという観点から、所有者等の責任において、点検整備と記録を行うことが基本であると考えます。平成19年第三回都議会定例会文書質問趣意書提出者斉藤あつし質問事項一看護専門職の不足について二児童虐待の現状について一看護専門職の不足について以前に都立村山養護学校で看護師を募集しておりましたが、応募が無く、同校校長が小平市教育委員会の校長会にまで足を運び、勤務可能な知人がいないか小中学校の学校長に声かけていただけるようお願いに来ていました。東京都の施設という人事・福利面でも安定した勤務において人材確保が難しいのは深刻な状況と言えるのではないでしょうか。そこで質問します。1過去に上記のような困窮事例がありましたが、その原因・背景はどのようなものと考えているのか。また、その後この件はどのような手段により解決したのか。福祉業界の介護職員の人手不足は高齢者分野を含めて深刻であり、特に東京都は「福祉分野の有効求人倍率」が全国平均1.17(H18.11)に対し4.72と4倍になっています。看護職についても業務内容や勤務環境に差はあると思うが、順調な話ばかり聞こえてくるわけではありません。そこで質問します。2医療機関をはじめとする関係施設での看護職の確保に関しての需給状況について教えていただきたい。また、現在、東京都としてどのような看護職の確保対策を行っているのか教えていただきたい。二児童虐待の現状について児童虐待の報道は以前よりは若干沈静化したが、あくまで報道レベルではないかと思われる。各区市町村では家庭支援センターの設置などで地域ネットワークは以前よりも充実したと思われる。しかし、実態に職員数、専門職員数が追いついているのか。「家庭再統合」など虐待家庭にどこまで推進できるか未知数の課題もかかえている。児童虐待対策の現状について伺う。1児童虐待の実態について教えていただきたい。2市の家庭支援センターが以前よりも増えているが連携は順調か。3児童相談所の職員は充足しているのか。4母子生活支援施設は虐待の加害者からの避難目的もあるが、自治体単位の「費用払いシステム」があるために自治体外への遠方避難ができないという問題の指摘を受けることがある。実情とあわない仕組みになってはいないのか。所見を伺う。平成19年第三回都議会定例会斉藤あつし議員の文書質問に対する答弁書質問事項一看護師等の専門職の不足について1以前に都立村山養護学校で看護師を募集したが、応募が無く、校長が小平市の教育委員会の校長会にまで足を運んで、勤務可能な知人がいないか小中学校の校長に声かけの依頼に来ていた。過去に上記のような困窮事例があったが、その原因・背景はどのようなものと考えているのか。また、その後この件はどのような手段により解決したのか。回答都教育委員会は、平成18年度より、都立肢体不自由養護学校において日常的に医療的ケアを必要とする児童・生徒のニーズに的確に対応するため、従前より配置されている常勤看護師に加え、新たに非常勤看護師を大幅に任用することとしました。これを受け、初年度である平成18年度に、すべての都立肢体不自由養護学校が一斉に非常勤看護師の募集を行い、特に、東京小児療育病院に隣接する都立村山養護学校では、都立肢体不自由養護学校全体の任用計画人員の約3分の1に当たる23名の非常勤看護師を平成18年度当初から任用することとしましたが、同年6月現在で、11名を確保するに留まりました。このため、村山養護学校では、同年8月以降、小平市など地域の小・中学校への協力依頼、タウン誌への広告等による募集活動等を精力的に行い、都教育委員会においても広報東京都などにより募集を行いました。その結果、平成19年度当初には、ほぼ当該年度の計画人員である28名の看護師を確保することができ、その後も現在に至るまで、この水準で推移しています。質問事項一の2医療機関をはじめとする関係施設での看護職の需給状況及び都の看護職の確保対策について伺う。回答平成19年11月に策定した「東京都看護職員需給見通し」では、平成19年の看護職員の需要数は110,688人、供給数は108,177人と見込まれており、充足率は97.7パーセントとなっています。都では、看護職員の確保を図るため、都立看護専門学校の運営や民間看護師養成所等への運営支援などの養成対策、院内保育の運営や勤務環境改善のための支援などの定着対策、東京都ナースプラザにおける再就業研修や就業あっせんなどの再就業対策などに取り組んできました。また平成19年度からは、これらに加え、新人看護職員の早期離職の防止を図るため、専任研修指導者の配置に対する支援等を行うとともに、離職した看護師が身近な地域の病院で再就業研修や就業相談を行う取組を新たに実施しています。今後とも、養成対策、定着対策及び再就業対策など、総合的な看護職員確保対策に取り組んでいきます。質問事項二児童虐待の現状について1児童虐待の実態について伺う。回答児童相談所における相談対応状況でみると、児童虐待の相談対応件数は、平成14年度は2,353件でしたが、平成18年度には3,265件となっており、この5年間で約1.4倍に増加しています。平成18年度の相談対応状況のうち、被虐待児の年齢別の状況では、小学生以下が62.6パーセントであり、主たる虐待者別の状況では、実母が52.5パーセントで最も多く、次いで実父の16.8パーセントとなっています。質問事項二の2市の子ども家庭支援センターが以前よりも増えているが連携は順調か伺う。回答都は、これまで、区市町村に対し、地域で身近な相談窓口としての子ども家庭支援センターの設置を働きかけてきました。その結果、平成19年10月1日現在、子ども家庭支援センターは57の区市町村に設置され、そのうち43の区市町が児童虐待の対応力を強化した先駆型子ども家庭支援センターとなっています。平成17年4月の改正児童福祉法の施行により、区市町村は児童相談の第一義的窓口とされ、児童相談所は、専門的知識や技術等が必要な困難な事例への対応や、児童福祉施設への入所等の措置が必要な場合の対応を行うこととされました。児童相談所は、子ども家庭支援センターに対し、地域の関係機関が連携して児童虐待防止等の取組を行う「要保護児童対策地域協議会」の設置を促すとともに、その運営を支援しています。また、子ども家庭支援センター職員と家庭訪問を協働で実施するほか、個別の相談事例への助言を行っています。さらに、児童相談所において子ども家庭支援センター職員の受入研修を行い、実践的な相談対応力の向上を図るなど、連携強化に向けた取組を行っています。質問事項二の3児童相談所の職員は充足しているのか伺う。回答都では、増大する虐待相談に的確に対応するため、児童相談所において相談援助業務を行う児童福祉司を、平成13年度から19年度までの間に53名増員し159名としたほか、子どもの心理的ケアを行う児童心理司を、平成19年度に13名増員し54名としました。また、児童の心理的ケアの充実を図るため、児童相談センターに常勤の精神科医と心理職を配置するとともに、一時保護所には非常勤の心理職を各1名配置しています。質問事項二の4母子生活支援施設には避難目的もあるが、自治体単位の費用払いシステムのために自治体外への遠方避難ができないとの指摘がある。実情とあわない仕組みになっていないのか、所見を伺う。回答母子生活支援施設の広域利用については、福祉事務所を所管する区市が入所について必要な連絡及び調整を図ることになっています。現在、23区では広域利用が行われていないところがありますが、これは、区立の施設が多く、条例等により自区民の利用としていることや、区独自の異なった運営費加算があるなどの課題によるものと考えます。都としては、広域行政の観点から、区市の広域利用推進への取組を支援していきます。平成19年第三回都議会定例会文書質問趣意書提出者植木こうじ質問事項一貧困と格差の広がりに新たな住宅対策を一貧困と格差の広がりに新たな住宅対策を今日、構造改革路線のもとで広がる貧困と格差が大きな社会問題になり、それは住宅政策の分野でも新たな対応が迫られる事態になるなど、もはや、避けてとおることのできない状況になってきています。日本の貧困と格差の広がりについて、国連の「2007アジア太平洋経済社会報告」では「経済回復にもかかわらず」「国民所得における雇用者所得の比率はこの5年間減り続けている」として特に、25歳から35歳の若年層について賃金所得のジニ係数が94年の0.22から05年の0.25に上昇したとして、低賃金の非正規雇用者の増加によるものであると指摘しています。厚生労働省の調査で明らかになったネットカフェ難民問題はこの貧困と格差がもっとも端的に現れたものとして注目をあびました。調査では、住宅喪失者が全国で5400人におよび、うち東京23区内には約2000人といわれている。そのうち、非正規労働者が1400人もおよび、正規社員すら住宅喪失者になっていること、この背景には不安定就労者や低賃金の問題があることを指摘さえしています。ネットカフェ難民に加えて、24時間営業の漫画カフェやマクドナルドなども含めると住宅喪失者はさらに増えることは間違いなく、働いている人々でさえ住宅を喪失するという極めて重大な問題になっているのです。高齢者もわずかばかりの年金で生活している方々に、老年者控除の廃止や課税水準の引き下げ、介護保険料の引き上げが相次いでいる上に、来年からの後期高齢者医療制度など負担の増大に悲鳴の声が上がるなど生活実態が大きく変化しています。こうした中で、現役時には払えた住宅家賃が払えなくなるなど高齢者の公営住宅への要求も強くなっています。こうしたなかで、特別区議会議長会が来年度予算に関する要望書で「民間賃貸住宅において貸主が入居制限などをおこなうことにより、住宅に困窮する低所得者・高齢者・障害者等が存在する。」「公営住宅への入居希望者は依然として多い。大都市の実情に即した公営住宅計画に改善し、公営住宅の建設促進を図られたい。」と異例の要望書を提出しました。1知事、こうした貧困と格差の広がりのなかでネットカフェ難民のみならず、住宅に困窮する幅広い低所得者や高齢者・障害者が存在し、強い住宅要求が新たに広がっていることをどう受け止めておりますか、お答えください。2ところが、石原都政はこうした時代の変化に対応するのでなく「住宅市場の構造改革」だと住宅ビックバンを打ち出しました。その後、「住宅供給における公的主体の役割を強化」するとうたっていた「東京都住宅基本条例」そのものを改定し、従来、公的住宅の建設を中心とした直接供給政策を根本的に転換し、これからは住宅政策の基本を民間の住宅供給への支援にするとして、「市場」の活用やストックの活用重視の方向を打ち出してきたのです。これらは、日本経団連が住宅政策提言で、「住宅は足りている」、これからは「個人が住宅を占有」するのでなく「住み替え、住み継ぐ」ものに変えなければとあからさまに述べ、民間活力による住宅建設をうながしたように、政府、財界が一体となってすすめてきた住宅分野の構造改革路線と機をいつにするものです。そもそも住宅ビックバンなど住宅の構造改革は、官から民へ自己責任論を進めるもので既にイギリスのサッチャー政権が失敗した構造改革の二の舞です。先の参院選でも示されたように安倍(自・公)政権が進めてきた構造改革路線が、あらゆる分野で破綻が明らかになり、自・公政治そのものが行き詰まってきました。にもかかわらず、東京都がこれまでどおりの住宅政策における構造改革路線を引き続き進めることは問題です。知事は、都内の住宅戸数は充足している、新たな公的住宅の供給は必要なくなったと新規建設を中止しました。しかも、やることといえば年間3000戸の建て替えと、老朽化した住宅の改善工事にとどめ、大規模団地の建て替え事業については、敷地の有効活用を口実に容積率を高めた高層住宅や、一定規模以下の団地を「非建替え団地」と選別化して、団地住民を移転させ、浮かした土地をもっぱら「都市再生」など街づくりに提供してきた。都営住宅の新規建設を一切打ち切って抑制してきたため、住宅への拡充要求は年々増え続けているのです。都営住宅の空き家募集の倍率は石原知事が就任した1999年には11.6倍だったのが2006年には55.1倍と平均競争率がわずか7年間で5倍にもなったのです。全国の平均倍率と比べても十数倍にもなるなど、東京では住む場所に困っている人が確実に増えているのが実態です。結局、石原知事が進めてきたのは、財界や大手住宅ディベロッパーの立場に建って、住宅に困っている都民の声を無視し続けてきた8年間で、もはや許されなくなってきているのです。アこうした民間ディベロッパーによる住宅供給を基本とする構造改革路線を改めて、「住宅は人権」という立場にたって貧困と格差の新たな事態に対応して低所得者、高齢者、子供を育成する家庭などへの対応を行うよう求めるものです。イさらに住宅供給計画において、「住宅が国民の健康で文化的な生活にとって不可欠な基盤」という立場に立って、「住宅の確保に特に配慮する」ために、公営住宅の新規建設に踏み切るべきです。それぞれ、お答えください。住む場所に困っている人々の状況も多岐にわたるようになって新たな具体的な対応が求められています。その一つが、ネットカフェ難民やホームレスへの対応の問題です。ネットカフェ難民は、非正規労働者や正規社員が住宅喪失者になるなど不安定就労者や低賃金の実態の反映があります。年齢も25才代が3割近く、55才代も2割以上になるなど働きざかりが多いことも問題です。3住宅を喪失したきっかけは「仕事をやめた」ことが原因の多くを占めていますが、いったん住居を喪失すると入居の初期費用がない、家賃が安定的に払えない、保証人がいないなどで新たな住宅確保が困難になるのが特徴です。仕事の確保への支援や低賃金の解消と同時に、居住支援として入居時の保証金や保証人対策、家賃への支援など賃貸契約への支援を行うとともに、緊急入居できる住宅提供など総合的な支援策を提案しますが、答弁を願います。4また、ホームレスも倒産や仕事がなくなったことがきっかけに住宅やアパートを出なければならなくなった人が63%に及んでいます。仕事確保への支援を行うと同時に居住継続のための家賃助成や緊急入居への支援が引き続き必要ですがどうか。住宅難民はネットカフェ難民に限らず、リストラや病気などでとたんにそれまでの生活が狂ってしまうケースや、年金生活になって住居費の負担割合が増えるなど住宅の困窮度が増すケースが広がっています。各区市町村で、住み替え家賃助成や新婚・子育て世代、高齢者、障害者などの家賃助成に努力していますが、基本は各自治体の定住者対策が中心で、今求められている住宅困窮者に対して住宅セーフティネットとしての家賃助成になっておりません。民間住宅への入居拒否の解消をうたった住宅セーフティネット法でも、「憲法25条の趣旨が具体化されるよう」にという文言が加えられたように、そもそも民間住宅にさえ自力では入居できない、或いは、公営住宅への入居資格がありながら入居できない人々に家賃助成を行うことが必要になってきているのです。5東京都は「家賃助成は典型的な所得再配分政策であり、国と一体となって検討すべき」と消極的ですが、知事は「国がやらないなら」と常に言っているように都民の生活基盤を確保するためにこそ東京都が力を発揮すべきです。新たな貧困と格差の広がりへの対応として、少なくとも都営住宅入居基準内の収入の人への家賃助成に踏み切るべきです。お答えください。さらに問題なのは、都営住宅の使用承継について、従来、1親等まで認めていたのに、国の通達に基づいて原則、配偶者に限定したため、高齢者、障害者など例外規定はありますが、障害や健康の問題があっても住宅の承継ができず高い家賃の民間住宅に移らざるを得なくなる事態が生じると、多くの不安を抱えた方々から訴えが寄せられています。障害者で言えば4級、5級の知的障害者は承継の対象外ですから親が亡くなると、退去猶予期間を3ヶ月から半年に延ばしたとしてもパニックになってしまいます。ある女性は、「私が死んだら、知的障害で愛の手帳4の子はどうしたらよいのか」と訴えています。また、2級の精神障害者のお子さんを持つAさんは、「精神障害者は一級の人しか入居できない、娘は身の回りのこともできず、働きに出ることもできないし、薬を飲んでいても幻聴が毎日のように起きます。親が死んだら野垂れ死にするしかありません。精神障害者は、生きる価値もないというのでしょうか。」と連綿と手紙で訴えてきました。6都営住宅担当者は相談窓口で福祉の窓口を紹介します、と述べて平然としていますが、保健福祉局にいったら、住まいが見つかるまで丁寧に斡旋してくれるのでしょうか。また、「新たに都営住宅の応募を申し込めばよいではないか」とも言いますが、申し込んで入れなかった場合は、見つかるまで都営住宅に住まわせてくれるのでしょうか。軽度の障害者でも民間アパートに頼んでもなかなか入れないのが実態だということをどう理解しているのでしょうか。お答えください。7障害者等についてア何故、控除対象であるかないかを基準に規定を設けたのか、その理由を明らかにすべきです。イ障害者は障害の程度によってだけで生活実態が判るわけではないので、「特に居住の安定を図る必要のある者」という立場にたって一律に線引きすべきではありません。それぞれ、答弁を求めます。8こように、「使用承継の厳格化」によって退去を迫られる者の中には高齢者や障害者、難病患者などが少なくなく、高い家賃の民間住宅に移ることになれば居住の安定を著しく阻害され生活自体が立ち行かなくなることが予想されます。アだからこそ、全国では、通知に係わらず、従前の承継制度を継続する自治体も多く、親が死んで悲しんでいる子供を追い出すことはできないとして実施を中止する自治体も多くあります。これが人間として当たり前の判断ではないでしょうか。居住の安定を図るためにも、親が死んで悲しんでいる子供を追い出すような非人間的な使用承継の改定は直ちに見直すべきです。イ同時に、国及び政府に対して、公営住宅の使用承継に関する国土交通省住宅局長通知および、住宅総務課長通知の撤回を求めるべきと思うが、それぞれ見解を伺います。9さらに、政府は公営住宅法施行令の一部改定で、2009年4月から収入基準について政令月収20万円だったのを、15万8000円に引き下げるとしています。これは、これまで収入基準以内だった家庭がいきなり収入超過者となる世帯がふえることになります。住み続けるには近傍同種家賃をはらうことになるが、家庭の実情によっては家賃が払えなくなる人が出かねません。こうした事態を避けるためにも国に対して実施の撤回を求めるべきと思うが、お答えください。最後に、東京都が目玉政策として「活力ある地域社会の形成への寄与」と称して都営住宅用地を民間住宅ディベロッパーに提供する問題について指摘します。10南青山都営住宅用地の半分を民間に提供して建てた超高級マンション青山1丁目タワーは、賃料が1m2約1万円、50m2で4~50万円もするもので最大で350m2もの住宅もあります。多くは外資系の会社などが賃貸契約を結んでいると都の職員が話していましたが、とても一般の都民の手が届かない文字通り超豪華マンションが建てられオープンセレモニーが華々しく行われました。都営住宅を建設しないで一般都民の入れない超高級マンションの建設を促進するために都営住宅用地を提供するのが都の進めるべき住宅政策といえるのでしょうか。こうした民間の住宅供給への支援を住宅政策の基本にすえるという東京都の住宅政策をいまこそ転換すべきことを改めて求めておきます。平成19年第三回都議会定例会植木こうじ議員の文書質問に対する答弁書質問事項一貧困と格差の広がりに新たな住宅対策を1貧困と格差の広がりの中でネットカフェ難民のみならず、住宅に困窮する幅広い低所得者や高齢者・障害者が存在し、強い住宅要求が新たに広がっていることをどう受け止めているか伺う。回答都は、これまでも、都営住宅において高齢者や子育て世帯等に対する優先入居などを実施するとともに、入居制限を行わない民間賃貸住宅の供給促進などに取り組んできました。今後とも、公共住宅に加え、民間住宅も含めた重層的な住宅セーフティネットの機能構築に向けて取り組んでいきます。質問事項一の2住宅施策の見直しについてア民間による住宅供給を基本とする路線を改め、住宅は人権という立場にたって貧困と格差に対応して低所得者、高齢者、子供を育成する家庭などへの対応を求めるものだが、見解を伺う。回答住宅が量的に充足し、民間住宅市場が発達した今日において、高齢者世帯の増加や家族形態の変化、居住ニーズの多様化に柔軟に対応し、都民の住まいの安心を確保するためには、福祉施策との連携・役割分担を図りながら、公共住宅に加え、民間住宅も含めた重層的な住宅セーフティネットの機能を構築していくことが必要です。今後とも、既存の住宅ストックを有効に活用し、住宅に困窮する都民の居住の安定の確保に取り組んでいきます。質問事項一の2のイ住宅供給計画において、住宅が国民の健康で文化的な生活にとって不可欠な基盤という立場にたち、住宅の確保に特に配慮するために、公営住宅の新規建設に踏み切るべきだが、見解を伺う。回答既に都内の住宅の数が世帯数を一割以上上回っており、さらに将来の人口減少社会の到来が見込まれていることなどを踏まえ、都営住宅については、新規の建設を行わずに、ストックを活用して、公平かつ的確に供給していきます。質問事項一の3ネットカフェ難民は、入居の初期費用が無いなど新たな住宅確保が困難になる特徴がある。入居時の保証金対策などの支援、緊急入居できる住宅提供など総合的な支援策を提案するが、いかがか。回答インターネットカフェ等で常連的に宿泊している方々に対しては、平成19年第三回都議会定例会において答弁したとおり、その生活実態を踏まえ、的確な支援策を講じていきます。質問事項一の4ホームレスも倒産や仕事がなくなったことをきっかけに住宅を失った人が63%いる。仕事確保への支援と同時に居住継続のための家賃助成や緊急入居への支援が引き続き必要だが、どうか。回答ホームレス対策については、都はこれまでも特別区と共同で、緊急一時保護センター及び自立支援センターを設置し、心身の健康回復や就業・住宅相談などにより自立を支援するとともに、地域生活移行支援事業において、地域での自立した生活への移行を推進してきました。ホームレスが早期に路上生活から脱却し、地域での自立が図れるよう、特別区と協力しながら支援に努めていきます。質問事項一の5都は、家賃助成は典型的な所得再配分政策であり、国と一体となって検討すべきと消極的だが、都民の生活基盤確保に力を発揮すべきだ。都営住宅入居基準内の収入の人へ家賃助成すべきだが、伺う。回答家賃助成については、生活保護制度との関係や財政負担のあり方など、多くの課題があることから、都として実施することは考えていません。質問事項一の6規定変更で都営住宅の使用承継できない障害者等について、相談窓口では、福祉の窓口を紹介するなどと平然としているが、軽度の障害者でも民間アパートに入居困難な実態をどう理解しているのか、伺う。回答都営住宅の入居は公募によることが原則で、入居を希望している都民が多数いる一方で、長年にわたり同一親族が居住し続けることとなると、入居者・非入居者間の公平性を著しく損なってしまうことから、今回の制度改正を行ったものです。制度の実施に当たっては、福祉の窓口を紹介するほか、住宅供給公社、都市再生機構などの公共住宅の募集情報の提供等について、丁寧に対応しています。また、あらたな都営住宅の申し込みに際し、一定の級以上の障害者がいる世帯については5倍ないし7倍の優遇倍率が適用されるとともに、ポイント方式の募集に申し込むことができるほか、単身者も申込みが可能となっています。質問事項一の7障害者等の基準についてア障害者等について何故、控除対象であるかないかを基準に規定を設けたのか、その理由を明らかにすべきだが、見解を伺う。回答「特に居住の安定を図る必要がある者」については、適用に際して公平性を確保することが必要なことから、客観的な基準として、所得税法施行令において特別障害者として認められている範囲を準用しました。これについては、改正前の制度でも同様の取り扱いをしてきました。なお、税法上の特別障害者控除を具体的に受けていない場合でも、受けられる対象となっていることが、障害者手帳や、原爆被爆者の厚生労働大臣認定等により確認できれば、使用承継を許可することができます。質問事項一の7のイ障害者は障害の程度によってだけで生活実態が判るわけではないので、特に居住の安定を図る必要がある者という立場に立って一律に線を引くべきではないと考えるが、見解を伺う。回答「特に居住の安定を図る必要がある者」については、適用に際して公平性を確保することが必要なことから、客観的な基準として、所得税法施行令において特別障害者として認められている範囲を、改正前と同様に準用しました。質問事項一の8使用承継の改定見直しについてア全国では通知に係わらず、従前の承継制度を継続する自治体や実施を中止した自治体も多い。居住の安定を図るためにも非人間的な使用承継の改定は直ちに見直すべきだが、見解を伺う。回答都営住宅の入居は公募によることが原則で、入居を希望している都民が多数いる一方で、長年にわたり同一親族が居住し続けることとなると、入居者・非入居者間の公平性を著しく損なってしまうことから、国のガイドライン等に基づき今回の制度改正を行ったものです。実施に当たっては、規則改正から施行まで一年間の猶予期間をおくなど様々な配慮を行っており、今後とも適切な制度運用を図っていきます。なお、他の道府県、政令指定市でも制度改正が進められており、国土交通省の調査では、平成19年4月1日現在で、その内25の自治体が、既に新制度を施行又は施行決定済みです。質問事項一の8のイ同時に、国及び政府に対し、公営住宅の使用承継に関する国土交通省住宅局長通知などの撤回を求めるべきだが、見解を伺う。回答都営住宅の入居は公募によることが原則で、入居を希望している都民が多数いる一方で、長年にわたり同一親族が居住し続けることとなると、入居者・非入居者間の公平性を著しく損なってしまうことから、今回の制度改正を行ったものです。公営住宅の使用承継に関する国土交通省からの通知については、その内容が、都営住宅における入居者・非入居者間の公平性の観点から適切なものであるとともに、東京都住宅政策審議会においても、使用承継のさらなる厳格化を図るべきであるとの同趣旨の提言がなされていることから、撤回を求めることは考えていません。質問事項一の9施行令改定による収入基準の引下げによって収入超過となる人が住み続けるには近傍同種家賃を払うことになるが、事情により家賃が払えなくなる人が出かねない。国に実施の撤回を求めるべきだが、見解を伺う。回答入居収入基準の見直しについて、国は平成18年8~9月にパブリックコメントを行った後、現時点では政令改正を行っていません。都としては、今後とも国の動きを踏まえて適切に対応していきます。質問事項一の10青山一丁目タワーのような超高級マンション建設に都営住宅用地を提供するのが都の進めるべき住宅政策と言えるのか。都の住宅政策を転換すべきだが、見解を伺う。回答都はこれまでも、都営住宅の建替えにより創出した用地について、地域のまちづくりに戦略的に活用しており、今後とも、地域の特性を踏まえ、区市町村と連携しながら有効に活用していきます。平成19年第三回都議会定例会文書質問趣意書提出者酒井大史質問事項一東京都犯罪被害者等支援推進計画(仮称)について一東京都犯罪被害者等支援推進計画(仮称)について犯罪被害者支援の推進については、都議会本会議等において過去数回にわたり質問し、また提案を行ってきた。この間、国においては「犯罪被害者等基本法」が制定され、また法に基づく「犯罪被害者等基本計画」が作成され、実施に移されている。この度、東京都においても「東京都犯罪被害者等支援推進計画(仮称)」中間のまとめが発表された。当該推進計画は、「犯罪被害者等基本法」に基づき閣議決定された「犯罪被害者等基本計画」に沿ったものであり、平成19年第一回都議会定例会において、私が行った一般質問に対し総合的な計画作成を知事が明言したことを受けるものであり、作成自体には評価をするものである。しかしながら、中間のまとめを見る限り現状把握や施策内容、計画の立て方について、不十分な点も多く見受けられる。これらの点については、平成19年第三回都議会定例会における都議会民主党の代表質問において、大枠については質問をし、答弁を得たところであるが、平成20年1月を目途に作成される予定の本計画において、より充実したものとなるよう念願し、中間まとめを踏まえ本計画策定に向けた都の方針等について質問する。以下の点について、都の見解を伺います。1計画の前段及び全般にわたる問題点についてア現状認識において、刑法犯の認知件数について言及し把握しているものの、被害者支援を行う上で当然把握しておかなくてはならない犯罪被害者数についての言及がなく不十分といわざるを得ない。犯罪の認知件数の把握とは別に、被害者の実際の人数の把握する考えはないのか。また犯罪被害者の実態調査を行う考えはないか。(都民センターが行った実態調査の一部報告があるが、サンプル数119名のみであり、サンプルとしては少ないと考える)イ計画の対象となる犯罪被害者等の定義が無いが、どのように対応するのか。ウ都内全域において被害者支援を推進していくため、区市町村や民間団体等との連携とは、どのように進めていくのか。基本的な役割分担及び支援策についても伺う。2具体的な支援策についての課題について損害回復・経済的支援について経済的支援について、この計画の中では後段の部分で国に要望する旨が記載されているが、犯罪被害者等基本法では、地方公共団体も国と共に実施主体になっている以上、都としての独自策も必要と考える、以下具体策を列挙する。ア損害賠償請求は、現在、被害者本人が行う(民事訴訟/保険など)が、その負担は大きい。米国のように、医療費や生活の変更に伴う経済的負担については、都が制度を創設することや、地方自治体への補助金なども必要になるが、どのように考えるか。イ都も認識しているとおり、犯罪被害給付金は、国家予算が少ないため、対象者が限定されている。被害回復のための都独自の給付金制度が必要だと考えるが如何か。ウ性被害者への緊急避妊などへの一部負担を、「全額負担」に変更する考えはないか。エDV被害者などへの転居費、就職支度金の貸し付け制度(現行)を、更に充実する考えはないか。居住の安定についてオ事件の影響で、自宅に一時的にすめなくなった場合に、公費での居住確保をする考えはないか。(DV、児童虐待などの制度を対象者の範囲を広げる。)カこれらの手続きをサポートする職員(被害者総合窓口)を、すべての地方自治体に設置することはできないか。(杉並区、日野市などの例)雇用の安定についてキ被害者は、事件後、事情聴取や実況見分、裁判傍聴などで仕事を休まなければいけない場合が多いため、特別な休暇制度が必要だが、制度創設を都が主導する考えはないか。ク今後、被害者の訴訟参加制度が創設されたため、刑事裁判に出席のために仕事を休む事例が増えてくる。そのための休暇制度などは、裁判員制度と同等のものが必要になるが、その点についての都の見解は。また国への働きかけを行う考えはないか。精神的、身体的被害の回復、防止への取り組みについてケPTSDの知識のある専門家が少なく、二次被害の実態もあるため、都として専門家を養成していく必要があると考えるがいかがか。コ保健師の必要性が注目されている。児童相談、うつ病、などが増えており、さらに犯罪被害者支援も業務に入ってくることを考えると、大幅な増加が望まれる(5千人に一人程度)が見解は。サ救急医療に連動した精神的ケアの実施は必要だが、実際には、重度な精神的ケアと共に、軽度な精神的サポートがあれば落ち着くケースが多い。都は区市町村と適切な役割分担を行っていく中で、杉並区などが実施している「生活支援」制度を参考に、「普通の生活」を目指した軽度なサポート体制の整備などを、区市町村に対して促していくべきではないか。シ児童虐待に対する対応充実については、職員数の大幅な増強が求められるが計画はどのようになっているのか。ス少年被害者の保護を「要保護児童対策地域協議会」で行うのはよいが、いじめや虐待だけのケースを想定しているのか。他にも、家族が被害者になった場合や本人が被害者になった場合の対応などそれぞれどのようになっているのか。セスクールカウンセラーの充実は当然のことだが、「被害者はカウンセラーに」という風潮は、被害回復の外注化という批判がないわけではない。また、カウンセラーではできない被害回復があり、それは、「子どもの話を(解決するのではなく)、じっくりと聞き続ける」という作業になるが、そのようなアプローチはできるか。ソ犯罪被害者に関する情報の提供を警視庁が行っているが、「指定被害者が、情報を受け取れるようにはなっていないと言われているが、どのように対応しているのか。タ児童虐待の防止については、「防止教育」は当然必要だが、児童虐待についての授業を行うことについて見解を伺う。チ教育委員会の「人権教育指導推進委員会」で児童虐待を扱っているようだが、その他の犯罪被害者については、扱う委員会はないのか。ツ職員への研修は、何年で全ての職員が研修を受けられるようになるか。(先進自治体のひとつ、日野市では、年2回の研修を行い、毎回100人以上の職員が参加。6年で全職員が研修を受ける計算になる。)テ女性警察官の指定は良いことだが、男性が被害にあう場合も少なくない。特に少年の場合は暗数が相当いる。そのため、女性警察官のみならず、男性警察官も、指定を受けるべきと思うが如何か。ト警察署の被害者相談室の設置の際は、どのような検討が行われるのか。被害者相談室の設置の際は、地域の関係者や被害者団体と相談して設置することが望ましいと考えるが如何か。刑事手続きへの関与の拡大への取り組みについてナ被害者の手引きなどは、全被害者の何%に配布できているのか。ニ被害者の手引きの配布や被害者連絡などを行う「一定の被害者等」はどの程度の被害者か。また、昨年の実績は。支援のための体制整備への取り組みについてヌ人権部が行っている「じんけんのとびら」などでの告知は、どのくらいの都民に告知されるのが理想か。またそのための方策は。ネ警察で行っている被害者ネットワークの実施状況は。ノ警察が犯罪被害者ホットラインの中で、「被害者の状況に応じて、都民センターを初めとする関係機関や団体を紹介」とあるが、この関係機関や団体とはどのような団体か。ハ平成18年度の都の交通事故相談の相談実績とその内容について伺う。ヒヤングテレホンや電子メールでの少年からの相談件数は。フ学校での犯罪被害者への対応は、スクールカウンセラーなどへの外注だけではなく、教員が犯罪被害者の現状を知るような対応が必要だと考えるが如何か。ヘ「自助グループ」については、都民センターだけではなく、様々な自主的な被害者団体があるので、これらの団体とも連携を進める必要があると考えるが如何か。ホ人権部のHP「じんけんのとびら」をみたが、犯罪被害者がアクセスしても、どこに書かれているのかわからない状況。見解を伺う。マ犯罪発生直後からの支援は指定被害者支援制度を根拠に行っているが、昨年の実績数はどのくらいか。それは、全被害者の何%を支援したのか。ミ犯罪被害者児童・生徒が不登校になった場合に、昨年までどのような対応をしていたのか。ム民間団体の研修への支援として、講師派遣があるが、それでは不十分であると考える。支援団体だけでなく、被害者団体も含めて支援し、年間の開催目標を定めて、都内全域で開催するような動きが必要と考えるが見解は。メ警察における民間の団体との連携でも、都民センター、東京都、警察署などとの連携に、被害者団体も加える必要と考えるが見解は。都民の理解の増進と配慮・協力の確保への取り組みについてモ現在、公立学校における人権教育プログラムにおいて、その課題の一つに犯罪被害者等の人権を掲げているが、活用実態が分からない。今後の取り組みはどうするのか。ヤ学校教育では、命のかけがえのなさの教育のほか、被害に遭った場合の対応についての教育も進める必要があると考えるが見解は。3新たな都の取り組みについてア支援のための総合的窓口の設置については評価できる。しかし、設置数等が明確ではないので、その点を明らかにして欲しい。先進国の状況を見ると、被害者支援センターを40万人に一カ所程度設置できることが望ましい。基本的には都内全区市町村の窓口で対応できることが望ましいが見解は。また都の総合窓口の役割、位置づけはどのようなものを想定しているのか。イ支援担当職員向けマニュアルの作成について、都では医療機関向けマニュアルの実績もあり、評価できるが、何時までに作成するのか。またマニュアルを作成するだけでなく研修体制を確立することも必要と考えるが如何か。(再掲)平成19年第三回都議会定例会酒井大史議員の文書質問に対する答弁書質問事項一東京都犯罪被害者等支援推進計画(仮称)について1計画の前段及び全般にわたる問題点についてア都の計画の中間のまとめは、現状把握や施策内容など不十分な点も多い。犯罪の認知件数の把握とは別に、被害者の実人数を把握する考えや犯罪被害者の実態調査を行う考えはないか伺う。回答犯罪被害者等へ適切な支援を行うためには、被害者等の置かれた状況など、その現状を正確に把握し分析することが重要です。被害者等の実態、要望等については、これまで、国や民間団体等が調査を行っており、都においても、平成18年12月に被害者団体等に対して、調査を実施しました。都としては、今後、これらの調査結果等も踏まえ、平成20年1月を目途に計画を策定していく予定です。質問事項一の1のイ計画の対象となる犯罪被害者等の定義がないが、どう対応するのか伺う。回答本計画の対象となる犯罪被害者等の定義は、「刑法や我が国の刑罰法令に触れる行為、及び、これに準ずる心身に有害な影響を及ぼす行為により被害を被った者、及びその家族又は遺族」であり、都民を原則とします。なお、都民ではないが、都内で被害に遭われた方々についても相談などに応じることがあると考えています。質問事項一の1のウ都内全域において被害者支援を推進するため、区市町村や民間団体等との連携の進め方、基本的な役割分担及び支援策について伺う。回答犯罪被害者等を途切れることなく支援するためには、区市町村や民間団体等との連携が重要です。このため、都がまず本計画を策定し、区市町村や民間団体等に示すとともに、様々な機会をとらえて、区市町村に対して、地域の実情に応じたきめ細かい支援施策の必要性等を説明していきます。質問事項一の2具体的な支援策についての課題についてア現在、被害者本人が行う損害賠償請求の負担は大きい。医療費や生活の変更に伴う経済的負担について、都による制度創設や地方自治体への補助金等も必要だが、所見を伺う。回答平成19年6月に、「犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事訴訟法等の一部を改正する法律」が公布され、犯罪被害者等による損害賠償請求について刑事手続の成果を利用する制度が創設されたことにより、損害賠償請求に係る負担の軽減につながるものと考えています。都としては、警視庁が現在行っている犯罪被害者等給付金に関する取組等、各局等が実施している様々な施策を引き続き推進するとともに、被害者等への情報提供や相談等にきめ細かく対応できるようにしていきます。質問事項一の2のイ犯罪被害給付金は、国家予算が少ないため、対象者が限定されている。被害回復のための都独自の給付金制度が必要だが、所見を伺う。回答犯罪被害者等給付金については、国の検討会における最終取りまとめにおいて、給付金の最高額を引き上げる等の方向が示され、現在、取りまとめを受けた施策の具体化に向けた検討がされていると聞いています。都としては、国に対して、更なる制度の拡充を要望していきます。質問事項一の2のウ性被害者への緊急避妊などへの一部負担を、全額負担に変更する考えはないか伺う。回答平成18年4月1日から、被害者の経済的負担の軽減を図るため、性犯罪被害者に対しては、診断書料及び診察料に加え・緊急避妊薬費用(医療機関において支払った額のうち、6千円を限度)・性感染症検査費用(医療機関において支払った額のうち、2万円を限度)・人工妊娠中絶費用(医療機関において支払った額のうち、15万円を限度)について、公費で支出しています。これらの費用については、医療機関における個人負担の平均額を考慮して算出したものです。性犯罪被害者の緊急避妊等に要する経費については、保険を適用した金額を除いて、公費により補われていることから、被害者本人の負担に係る金額はほとんどないと承知しています。質問事項一の2のエDV被害者などへの転居費、就職支度金の貸付制度を、さらに充実する考えはないか伺う。回答DV被害者など、これまでの生活基盤が突然なくなり、新たな生活を始めなければならない人に対しては、当面の経済的な負担軽減のための支援が重要です。現在、都の貸付金には、東京都生活福祉資金、東京都母子福祉資金及び東京都女性福祉資金などの制度があり、転宅に必要な費用や、就職に必要な費用など、目的に応じた貸付けを行っています。今後とも、適切な貸付けに努めていきます。質問事項一の2のオ事件の影響で、自宅に一時的にすめなくなった場合に、公費での居住確保の考えはないか伺う。回答東京都犯罪被害者等支援推進計画(仮称)中間のまとめでは、新たに、被害直後における居住について、既存の取組のほか一時的に滞在できるホテル等の確保を検討することとしています。都としては、施策の具体化に向けて、さらに取り組んでいきます。質問事項一の2のカ居住確保の手続きをサポートする職員または被害者総合窓口を、すべての地方自治体に設置できないか伺う。回答地方公共団体における犯罪被害者等への支援については、犯罪被害者等基本法で、地方公共団体がその地域の状況に応じて施策を策定し実施する責務を有する、と規定されており、各区市町村においても主体的に施策を策定し実施することが重要だと考えています。都としては、今後、各区市町村が総合窓口設置を含め、被害者支援に取り組むよう、働きかけていきます。質問事項一の2のキ被害者は、事件後、事情聴取や実況見分などへの対応のため、特別な休暇制度が必要である。都が制度創設を主導する考えはないか伺う。回答労働者の休暇制度は、労働基準法など労働法制の問題です。現在、国で、犯罪被害者に対する休暇制度の導入について、現状に関する調査を行い、必要な施策を検討しています。このため、都としては、国の動向を見守っていきます。質問事項一の2のク被害者の訴訟参加制度創設により、刑事裁判に出席するための休暇制度は、裁判員制度と同等のものが必要になるが、都の見解を伺う。また国への働きかけを行う考えはないか伺う。回答平成19年6月、刑事訴訟法の一部改正が成立し、平成20年末を目途に被害者の訴訟参加制度が創設されることは承知しています。刑事裁判に出席するための休暇制度は、国の法制度の問題であり、都としては、国の動向を見守っていきます。質問事項一の2のケPTSDの知識のある専門家が少なく、二次被害の実態もあるため、都として専門家を養成していくべきだが、所見を伺う。回答PTSD対策に係る専門家の養成研修については、現在、国において「こころの健康づくり対策」研修会の中で実施されています。都においては、引き続き精神保健福祉センター等の職員をこの研修に派遣し、PTSDに対する都民や関係機関からの相談に的確に対応できるよう、職員の専門性を高めていきます。質問事項一の2のコ増加する児童相談やうつ病に加え、犯罪被害者支援も業務に入ってくると、保健師の大幅な増加が望まれるが、見解を伺う。回答保健所、保健センター等では、精神保健福祉相談の一環として、犯罪被害者等についても、保健師等による相談体制を確保しています。今後とも、区市町村とともに、医療機関や警察・教育等の関係機関と連携して、犯罪被害者等の支援に努めていきます。質問事項一の2のサ軽度な精神的サポートがあれば落ち着くケースが多い。普通の生活を目指した軽度なサポート体制の整備などを区市町村に対して促すべきだが、所見を伺う。回答都では、精神保健福祉センターや保健所等において、関係機関と連携を図りながら精神保健福祉相談を実施し、こころの病気や精神的な問題をもつ都民をサポートしています。なお、日常の生活支援などのサポート体制については、都と区市町村の役割分担を踏まえ、地域の実情に合わせて住民に身近な区市町村で検討していくべきものと考えます。質問事項一の2のシ児童虐待への対応の充実には、職員数の大幅な増強が求められるが、その計画について伺う。回答都では、増大する虐待相談に的確に対応するため、児童相談所において相談援助業務を行う児童福祉司を、平成13年度から19年度までの間に53名増員し159名としたほか、子どもの心理的ケアを行う児童心理司を、平成19年度に13名増員し54名としました。また、児童の心理的ケアの充実を図るため、児童相談センターに常勤の精神科医と心理職を配置するとともに、一時保護所には非常勤の心理職を各1名配置しています。さらに、都は、児童相談の第一義的窓口である区市町村に、児童虐待への対応力を強化した先駆型子ども家庭支援センターの設置を進めており、都の児童相談所との連携を図りながら虐待等の相談に対応していきます。質問事項一の2のス要保護児童対策地域協議会で行う少年被害者の保護は、いじめや虐待だけのケースを想定しているのか。他に、家族や本人が被害者になった場合の対応はそれぞれどうなっているのか伺う。回答「要保護児童対策地域協議会」が対象とする児童には、虐待を受けた児童ばかりでなく、保護者がいなくなった児童や非行児童など、様々な事情により支援が必要な児童が含まれています。犯罪に巻き込まれた児童についても援助が必要な場合には、同協議会での連携の下、児童相談所のほか、医療機関や警察、教育等の関係機関が、適切な援助を行っています。質問事項一の2のセスクールカウンセラーの充実は当然のことだが、スクールカウンセラーではできない被害回復があり、それは子どもの話をじっくり聞き続けるという作業だが、そうしたアプローチはできるか伺う。回答スクールカウンセラーは、心理相談に関する専門的知識や経験を有し、児童・生徒や保護者への相談に応じるとともに、教員への助言等を通して、学校の組織的な教育相談機能の充実に大きな役割を果たしています。犯罪等の被害を受けた児童・生徒に対し、学校はスクールカウンセラー等と連携を図りながら、学級担任や養護教諭、教育相談担当などを中心に、組織的な相談活動を継続することが大切であると考えます。質問事項一の2のソ犯罪被害者に関する情報提供を警視庁が行っているが、指定被害者が情報を受け取れていない。どのように対応しているのか伺う。回答被害者等の抱える問題は、生命、身体、財産上の直接的な被害だけでなく、捜査や裁判の過程における精神的、時間的負担や失業などによる経済的困窮など、広範囲にわたっています。警視庁では、殺人、性犯罪等の身体犯や重大な交通事故事件等の被害者に対し、あらかじめ初期支援要員に指定されている捜査員が、各種捜査活動の補助、病院等への付き添いなどを行うとともに、刑事手続の流れや各種救済制度、関係機関・団体の情報を掲載した小冊子「被害者の手引」を交付することとしています。さらに、被害者の要望に応じ、被害者連絡員に指定された捜査員が、捜査状況等の連絡を行い、適切な情報提供に努めています。質問事項一の2のタ児童虐待の防止教育だけでなく、児童虐待についての授業を行うことについての見解を伺う。回答都教育委員会では、虐待に関する指導資料やチェックリストの作成・配布などにより、児童虐待の未然防止や早期発見ができるよう、区市町村教育委員会や学校を指導しています。児童虐待についての授業は、児童・生徒と保護者との信頼関係を損なわないよう配慮する必要があるなど、様々な課題もあります。都教育委員会が設置している人権尊重教育推進校における研究や他県の事例などの情報も参考にして、各学校が、児童・生徒の発達段階を踏まえて適切に指導できるよう、指導・助言していきます。質問事項一の2のチ教育委員会の人権教育指導推進委員会で児童虐待を扱っているが、その他の犯罪被害者について扱う委員会はないのか伺う。回答人権教育指導推進委員会は、都教育委員会と区市教育委員会が人権教育推進上の課題や方策等について研究・協議を行うために設置されているものであり、児童虐待だけでなく、犯罪被害者等を含めた東京都人権施策推進指針に示されている様々な人権課題を扱っています。この他に都教育委員会では、校長、副校長、主幹・教諭を対象とした人権教育に関する研究協議会を実施し、人権教育の内容や方法についての研究・協議を行っています。今後とも、関係機関等との連携を図りながら、様々な人権課題についての正しい理解と認識を深めることができるよう、取り組んでいきます。質問事項一の2のツ何年で、全ての職員が研修を受けられるようになるか伺う。回答犯罪被害者等への施策を推進していくためには、支援に携わる職員が、被害者等の心情や、その置かれている状況等に対する理解を深めることが重要です。そのためには、職員に対する研修が有用であると考えています。その具体的な内容・進め方については、引き続き検討していきます。質問事項一の2のテ女性警察官のみならず、男性警察官も指定を受けるべきだが、所見を伺う。回答性犯罪被害者が女性警察官による対応を希望する場合は、あらかじめ専門的な教養を受講し、性犯罪捜査員に指定された女性警察官が、事情聴取や証拠採取等の必要な捜査活動を行っています。また、性犯罪被害者が少年の場合については、本人及び保護者等の希望を確認して性犯罪捜査員又は男性の捜査員が事情聴取等の捜査活動を行うなど、被害者に応じた適切な対応に努めています。なお、捜査員に対しては、性犯罪捜査における被害者の精神的負担を軽減するため、刑事任用科等の教養の場において、届出の受理、事情聴取要領、供述調書の作成要領及び被害者連絡等に関する指導教養を行っています。質問事項一の2のト警察署の被害者相談室設置の際は、どのような検討が行われるのか。また、地域の関係者や被害者団体と相談した上での相談室設置が望ましいが、所見を伺う。回答平成12年9月に総理府が実施した「犯罪被害者に関する世論調査」において寄せられた、「落ち着いて話ができる事情聴取場所を確保して欲しい。」との要望事項を踏まえ、モデル署(高井戸署)を設置しました。同署における捜査員及び被害者等の意見を聴取、検討の上定めた、相談室の整備基準に基づき、平成13年以降に新築された警察署には、専用の相談室を設置しています。それ以外の警察署については、できる限り既存の相談室や調室の内装や照明等を改善して、被害者の心情に配意した相談室の整備に努めています。質問事項一の2のナ被害者の手引きなどは、全被害者の何%に配布しているのか伺う。回答「被害者の手引」は、全ての被害者に対して交付しているものではありません。「被害者の手引」は、原則として、指定被害者支援の対象事件である身体犯及び重大な交通事故事件等の被害者に対して交付することとしており、必要に応じて財産犯等の被害者やその家族、友人等の関係者に対しても配付しています。また、被害者支援に関するリーフレットについては、各種会議や催し物等の機会を通じて幅広く配布し、広報啓発活動を行っています。質問事項一の2のニ被害者の手引きの配布や被害者連絡などを行う「一定の被害者等」はどの程度の被害者か伺う。また昨年の実績について伺う。回答「一定の被害者等」とは、殺人、強盗致死傷、性犯罪等の身体犯及びひき逃げ事件、交通死亡事故等の重大な交通事故事件等の被害者及びその遺族をいい、他の財産犯等の被害者と比較して、被害によって受ける精神的苦痛がより大きく、事件への関心も強いことから、警視庁指定被害者支援実施要領において対象事件として定め、その被害者に対して初期支援、被害者連絡及び地域警察官による訪問・連絡活動を実施しています。また、指定支援対象事件の被害者に対しては、原則として「被害者の手引」を交付することとしており、平成18年中に初期支援を実施した被害者は4,664名です。そのうち、被害者連絡の要望のあった被害者については1,678名です。質問事項一の2のヌ人権部が行う「じんけんのとびら」などでの告知は、どのくらいの都民に告知されるのが理想か伺う。またそのための方策について伺う。回答インターネットには、アクセスすればいつでも容易に必要な情報を引き出すことができるという長所があることから、ホームページ「じんけんのとびら」は、有効な広報媒体の一つであると考えており、その内容の充実に努めています。今後、「じんけんのとびら」をはじめ様々な媒体を活用し、幅広く都民への周知に努めていきます。質問事項一の2のネ警察で行っている被害者ネットワークの実施状況について伺う。回答地域の実態に応じた効果的な支援活動を推進するため、各警察署において、管内にある病院や被害者支援に関係する行政機関、民間団体等により、警察署犯罪被害者支援ネットワークを構築しています。平成18年の活動状況については、ネットワーク会員等を招聘し、連絡会議を開催した警察署が79署(88回)、ネットワーク会員等に対する被害者等による講演会を開催した警察署が65署(67回)、ネットワーク会員に対する会報を発行している警察署が78警察署となっています。質問事項一の2のノ警察が犯罪被害者ホットラインの中で、被害者の状況に応じて紹介するとされている関係機関や団体とはどのような団体か伺う。回答警視庁では、東京都犯罪被害者支援連絡会を設立し、連絡会に参加する37機関・団体が相互に協力連携して被害者に対する効果的な支援活動を推進しています。犯罪被害者ホットラインにおいて受理した相談のうち、被害者の要望に適切に対応するため、同連絡会に参加する機関・団体である社団法人被害者支援都民センターをはじめ、東京地方検察庁、法テラス、東京三弁護士会、東京都の関係部局に設置している相談窓口等を紹介しています。質問事項一の2のハ平成18年度の都の交通事故相談の相談実績とその内容について伺う。回答生活文化スポーツ局が実施している交通事故相談は、被害者の救済を図ることを目的として、専門の相談員が弁護士の助言を受けて相談に応じています。平成18年度の相談実績は全体で18,285件です。内容としては、事故の初期段階の問い合わせや保険、過失相殺など損害賠償額の内容等の賠償問題に関する相談が15,180件、他機関・救済制度紹介が849件、その他が2,256件です。また、相談は交通事故被害者・加害者相方から受けていますが、被害者からの相談が83.5パーセントを占めています。なお、相談の内容によって交通事故被害者・加害者の間で解決が困難な案件については財団法人交通事故紛争処理センター、財団法人日弁連交通事故相談センターなど他の機関を紹介しています。質問事項一の2のヒヤングテレホンや電子メールでの少年からの相談件数について伺う。回答平成18年中のヤング・テレホン・コーナーに寄せられた相談総数は、5,417件で、そのうち少年自身からの相談件数は1,978件、保護者からの相談が1,342件、成人からの相談が2,097件です。電子メールについては、平成18年中の警視庁ホームページに寄せられた意見、要望等の件数は15,171件です。個人のプライバシー保護の観点から、相手方の年齢、性別等については判明していません。質問事項一の2のフ学校での犯罪被害者への対応は、スクールカウンセラーなどだけでなく、教員が犯罪被害者の現状を知るような対応が必要だが、所見を伺う。回答都教育委員会では、教員用の人権教育に関する実践的な手引である「人権教育プログラム」に、犯罪被害者等に関する実践・指導事例及び関係資料を掲載するとともに、人権教育に関する研究協議会等を通して、教員が犯罪被害者等の現状を理解できるように取り組んでいます。質問事項一の2のヘ自助グループについては、様々な被害者団体があり、これらの団体とも連携を進めるべきだが、所見を伺う。回答警視庁においては、被害者支援を適正かつ確実に行うことができる営利を目的としない民間援助団体として、東京都公安委員会から犯罪被害者等早期援助団体に指定されている社団法人被害者支援都民センターを通じて、被害者に対する自助グループの紹介を行っています。また、同センターを通じ、警察署等に対する「遺族の手記」の配付、各種講習や警察署における被害者等による講演会の開催に際して、自助グループと協力、連携しています。質問事項一の2のホ人権部のHP「じんけんのとびら」に犯罪被害者がアクセスしても、どこに書かれているのか分からない状況だが、見解を伺う。回答ホームページ「じんけんのとびら」では、犯罪被害者等に関する問題について、「みんなの人権」コーナーで被害者やその家族の人権問題について解説するとともに、「相談」コーナーにおいて犯罪被害に関する相談や支援を行っている機関を紹介しています。今後とも、利用者がよりアクセスしやすく、また被害者等への支援策など必要な情報が容易かつ的確に得られるよう、引き続き使いやすいホームページづくりに努めていきます。質問事項一の2のマ犯罪発生直後からの支援は、指定被害者支援制度を根拠に行っているが、昨年の実績数について伺う。また、被害者の何%に当たるのか伺う。回答平成18年中における指定被害者支援対象事件のうち、初期支援を実施した被害者は4,664名で、そのうち身体犯等の被害者が2,252名、重大な交通事故事件の被害者が2,412名です。また、被害者連絡の要望者数は1,678名、さらに身体犯等の被害者に行っている訪問・連絡活動の要望者数については20名です。なお、指定被害者支援は、全ての被害者を対象にしたものではありません。質問事項一の2のミ犯罪被害者児童・生徒が不登校になった場合、昨年までどのような対応をしていたのか伺う。回答不登校児童・生徒に対しては、その背景や原因にかかわらず、一人一人の状況に応じたきめ細かい対応が必要です。都教育委員会では、スクールカウンセラーを全公立中学校に配置するなど、学校の組織的な教育相談体制の整備に向けた支援を行っています。また、区市町村教育委員会と連携し、教育相談室や適応指導教室などの機能充実に向けた連絡会の開催や情報提供等の支援を行い、不登校児童・生徒が専門的な相談や指導が受けられるよう取り組んでいます。質問事項一の2のム民間団体の研修支援としてある講師派遣では不十分である。支援団体だけでなく、被害者団体も含めて支援し、年間の開催目標を定め、都内全域で開催する動きも必要だが、見解を伺う。回答犯罪被害者等を途切れることなく支援するためには、民間団体等の果たす役割も重要です。今後、支援に携わる職員への研修を検討する中で、こうした民間団体等に対する研修支援についても、合わせて検討していきます。質問事項一の2のメ都民センター、東京都、警察署などとの連携に、被害者団体も加えるべきだが、見解を伺う。回答警視庁では、社団法人被害者支援都民センター等のほか、自助グループや他道府県において犯罪被害者等早期援助団体に指定されている民間援助団体とも協力、連携しています。今後とも、必要に応じて、民間援助団体等と連携を図っていきます。質問事項一の2のモ公立学校の人権教育プログラムの課題の一つに、犯罪被害者等の人権を掲げているが、活用実態が分からない。今後の取組について伺う。回答都教育委員会では、平成15年以降、「人権教育プログラム」に、様々な人権課題に関する実践・指導事例や関係資料等を掲載し、都内の公立幼稚園・学校のすべての教員に配布しています。各学校では、職員会議、校内研修会、指導計画の作成等の際に「人権教育プログラム」を活用しています。また、都教育委員会が行う人権教育に関する教員研修において、「犯罪被害者やその家族」を含む様々な人権課題について正しい理解と認識を深め、学校で積極的に活用できるよう指導しています。今後とも、国が策定した「人権教育・啓発に関する基本計画」を踏まえるとともに、「東京都人権施策推進指針」等に基づき、「人権教育プログラム」の内容の充実に努め、学校が人権教育を一層推進することができるよう、引き続き取り組んでいきます。質問事項一の2のヤ学校教育では、命のかけがえのなさの教育のほか、被害に遭った場合の対応についての教育も進めるべきだが、見解を伺う。回答今日の社会では、児童・生徒やその家族を含めて、誰もが犯罪被害者となる可能性があります。学校では、様々な場面で児童・生徒に命の大切さを指導しています。また、都教育委員会が発行した「非行防止・犯罪被害防止教育推進指導資料」などを活用し、発達段階に応じて、危険を予測し、回避する能力や、犯罪等の被害に遭った場合に身近な人に助けを求めたり、教員やスクールカウンセラー等に相談したりするなど、的確に行動できる力の育成を図っています。質問事項一の3新たな都の取組についてア支援のための総合的窓口の設置数等について明らかにしてほしい。都内全区市町村の窓口で対応できることが望ましいが、見解を伺う。また、都の総合窓口の役割、位置づけについて伺う。回答総合的窓口の役割等については、犯罪被害者等に対して情報提供や相談等を行うことにより、被害者等が再び平穏な生活を営めるようになるまで途切れることなく支援していくことだと考えています。総合的窓口のあり方については、設置数を含め、引き続き検討していきます。また、都としては、今後、各区市町村が総合窓口設置を含め、被害者支援に取り組むよう、働きかけていきます。質問事項一の3のイ支援担当職員向けマニュアルは、いつまでに作成するのか伺う。また、マニュアル作成だけでなく、研修体制の確立も必要だが、所見を伺う。回答支援担当職員向けのマニュアルについては、早急に作成していきたいと考えています。また、犯罪被害者等への支援を行う窓口職員に対しては、被害者等の心情等に配慮したきめ細かい対応が可能となるよう、より専門的な内容の研修を実施していく予定です。
2024-03-31T11:22:47.750168Z
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--- title: 平成19年_第4回定例会(第16号) 名簿・議事日程 # 平成十九年十二月四日(火曜日)出席議員百二十五名一番遠藤守君二番伊藤興一君三番米沢正和君四番鈴木章浩君五番きたしろ勝彦君六番後藤雄一君七番福士敬子君八番伊沢けい子君九番そなえ邦彦君十番西崎光子君十一番西岡真一郎君十二番伊藤ゆう君十三番原田大君十四番河野百合恵君十五番小竹ひろ子君十六番松葉多美子君十七番大松成君十八番中山信行君十九番高倉良生君二十番田中たけし君二十一番神林茂君二十二番早坂義弘君二十三番高木けい君二十四番崎山知尚君二十五番宇田川聡史君二十六番高橋信博君二十七番原田恭子君二十八番佐藤広典君二十九番尾崎大介君三十番山口拓君三十一番伊藤まさき君三十二番松下玲子君三十三番野上ゆきえ君三十四番たぞえ民夫君三十五番村松みえ子君三十六番橘正剛君三十七番上野和彦君三十八番吉倉正美君三十九番谷村孝彦君四十番村上英子君四十一番鈴木あきまさ君四十二番秋田一郎君四十三番山加朱美君四十四番串田克巳君四十五番吉原修君四十六番山田忠昭君四十七番田代ひろし君四十九番山口文江君五十番今村るか君五十一番吉田康一郎君五十二番斉藤あつし君五十三番泉谷つよし君五十四番くまき美奈子君五十五番大西さとる君五十六番増子博樹君五十七番かち佳代子君五十八番植木こうじ君五十九番野上純子君六十番東村邦浩君六十一番長橋桂一君六十二番小磯善彦君六十三番三宅茂樹君六十四番高島なおき君六十五番鈴木一光君六十六番菅東一君六十七番石森たかゆき君六十八番矢島千秋君六十九番鈴木隆道君七十番こいそ明君七十一番倉林辰雄君七十二番遠藤衛君七十三番大西由紀子君七十四番いのつめまさみ君七十五番門脇ふみよし君七十六番小沢昌也君七十七番石毛しげる君七十八番岡崎幸夫君七十九番柿沢未途君八十番清水ひで子君八十一番古館和憲君八十二番松村友昭君八十三番東野秀平君八十四番ともとし春久君八十五番鈴木貫太郎君八十六番石川芳昭君八十七番三原まさつぐ君八十八番田島和明君八十九番林田武君九十番野島善司君九十一番高橋かずみ君九十二番樺山たかし君九十三番新藤義彦君九十四番古賀俊昭君九十五番立石晴康君九十六番桜井武君九十七番初鹿明博君九十八番酒井大史君九十九番花輪ともふみ君百番大津浩子君百一番大塚たかあき君百二番相川博君百三番中村明彦君百四番曽根はじめ君百五番大山とも子君百六番藤井一君百七番中嶋義雄君百八番木内良明君百九番石井義修君百十番宮崎章君百十一番服部ゆくお君百十二番川井しげお君百十三番吉野利明君百十五番比留間敏夫君百十六番佐藤裕彦君百十七番川島忠一君百十八番内田茂君百十九番三田敏哉君百二十番馬場裕子君百二十一番大沢昇君百二十二番山下太郎君百二十三番土屋たかゆき君百二十四番田中良君百二十五番名取憲彦君百二十六番吉田信夫君百二十七番渡辺康信君欠席議員一名百十四番野村有信君欠員四十八番出席説明員知事石原慎太郎君副知事谷川健次君副知事菅原秀夫君副知事山口一久君副知事猪瀬直樹君教育長中村正彦君知事本局長大原正行君総務局長押元洋君財務局長村山寛司君主税局長熊野順祥君警視総監矢代隆義君生活文化スポーツ局長渡辺日佐夫君都市整備局長只腰憲久君環境局長吉川和夫君福祉保健局長安藤立美君産業労働局長佐藤広君建設局長道家孝行君港湾局長斉藤一美君会計管理局長三枝修一君交通局長島田健一君消防総監小林輝幸君水道局長東岡創示君下水道局長前田正博君青少年・治安対策本部長久我英一君東京オリンピック招致本部長荒川満君病院経営本部長秋山俊行君中央卸売市場長比留間英人君選挙管理委員会事務局長梶原康二君人事委員会事務局長矢口幸一君労働委員会事務局長有留武司君監査事務局長白石弥生子君収用委員会事務局長中田清己君十二月四日議事日程第一号第一第百八十六号議案職員の給与に関する条例の一部を改正する条例第二第百八十七号議案東京都の一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例第三第百八十八号議案東京都の一般職の任期付研究員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例第四第百八十九号議案職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例第五第百九十号議案職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例第六第百九十一号議案東京都職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例第七第百九十二号議案東京都育英資金条例の一部を改正する条例第八第百九十三号議案東京都私立学校教育助成条例の一部を改正する条例第九第百九十四号議案学校職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例第十第百九十五号議案学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例第十一第百九十六号議案都立学校等に勤務する講師の報酬等に関する条例の一部を改正する条例第十二第百九十七号議案都立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例第十三第百九十八号議案東京都児童相談所条例の一部を改正する条例第十四第百九十九号議案東京都心身障害者扶養共済制度条例第十五第二百号議案大気汚染に係る健康障害者に対する医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例第十六第二百一号議案東京都海上公園条例の一部を改正する条例第十七第二百二号議案東京都立公園条例の一部を改正する条例第十八第二百三号議案公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例の一部を改正する条例第十九第二百四号議案性風俗営業等に係る不当な勧誘、料金の取立て等及び性関連禁止営業への場所の提供の規制に関する条例の一部を改正する条例第二十第二百五号議案東京都安全・安心まちづくり条例の一部を改正する条例第二十一第二百六号議案警視庁関係手数料条例の一部を改正する条例第二十二第二百七号議案東京都医学系総合研究所(仮称)(H十九)I期新築電気設備工事請負契約第二十三第二百八号議案東京都医学系総合研究所(仮称)(H十九)I期新築空調設備工事請負契約第二十四第二百九号議案富士見橋鋼けた製作・架設工事請負契約第二十五第二百十号議案瑞穂大橋鋼けた製作・架設工事請負契約第二十六第二百十一号議案平成十九年度東京港臨海道路(II期)中防側アプローチ橋りょう鋼けた製作・架設工事請負契約第二十七第二百十二号議案当せん金付証票の発売について第二十八第二百十三号議案東京都立小峰公園の指定管理者の指定について第二十九第二百十四号議案東京都立明治公園外一公園の指定管理者の指定について第三十第二百十五号議案東京都立大神山公園の指定管理者の指定について第三十一第二百十六号議案東京都立横網町公園の指定管理者の指定について第三十二第二百十七号議案東京都水道事業の事務の委託の廃止及び八王子市公共下水道使用料徴収事務の受託について第三十三第二百十八号議案東京都水道事業の事務の委託の廃止及び立川市公共下水道使用料徴収事務の受託について第三十四第二百十九号議案東京都水道事業の事務の委託の廃止及び町田市公共下水道使用料徴収事務の受託について第三十五第二百二十号議案東京都水道事業の事務の委託の廃止及び国分寺市公共下水道使用料徴収事務の受託について第三十六第二百二十一号議案東京都水道事業の事務の委託の廃止及び福生市公共下水道使用料徴収事務の受託について
2024-03-31T11:22:48.644523Z
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--- title: 平成19年_第1回臨時会(第7号) 本文 # 午後一時二分開会・開議 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)ただいまから平成十九年第一回東京都議会臨時会を開会いたします。これより本日の会議を開きます。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)まず、議席の変更を行います。議席変更の申し出がありますので、会議規則第二条第三項の規定により、お手元配布の議席変更表のとおり、議席の一部を変更いたします。(別冊参照) # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)次に、去る四月八日執行されました東京都議会議員の補欠選挙において当選されました議員の議席を、会議規則第二条第二項の規定により、お手元配布の議席指定表のとおり、それぞれ指定いたします。(別冊参照) # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)次に、会議録署名議員の指名を行います。会議録署名議員は、会議規則第百二十四条の規定により、議長において八番伊沢けい子さん及び六十五番野島善司君を指名いたします。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)次に、議会局の部長に異動がありましたので、紹介いたします。管理部長長嶋博宣君、調査部長前田敏宣君。〔部長あいさつ〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)以上で紹介を終わります。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)次に、議事部長をして諸般の報告をいたさせます。 # 議事部長(松原恒美君) 議事部長(松原恒美君)平成十九年四月二十七日付東京都告示第七百二十一号をもって、知事より、本臨時会を招集したとの通知がありました。また、平成十九年第一回定例会の会議において同意を得た固定資産評価審査委員会委員及び公害審査会委員の任命について、発令したとの通知がありました。次に、先般の組織改正に伴う東京都議会説明員の変更について、地方自治法第百二十一条及び会議規則第四十二条の規定に基づき通知がありました。(別冊参照) # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)この際、報告いたします。このたびの能登半島地震により被災された方々に対し、衷心よりお見舞いを申し上げます。本議会は、石川県議会議長及び石川県知事に対し、見舞状を添えて、全議員の拠出による見舞金を贈呈いたしました。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)次に、文書質問に対する答弁書について申し上げます。第一回定例会に提出されました文書質問に対する答弁書は、質問趣意書とともに送付いたしておきました。ご了承願います。〔文書質問趣意書及び答弁書は本号末尾に掲載〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)次に、閉会中の議員の辞職について申し上げます。去る三月十五日付をもって、足立区選出近藤やよいさん及び江戸川区選出大西英男君より、また、三月十九日付をもって、江東区選出山崎孝明君、大田区選出松原忠義君及び板橋区選出坂本たけし君より、それぞれ議員を辞職したい旨、届け出がありました。本件は、地方自治法第百二十六条ただし書きの規定により、議長において、それぞれ同日付をもって辞職を許可いたしました。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)次に、新たに当選されました諸君を順次ご紹介申し上げます。三番米沢正和君、四番鈴木章浩君、五番菅東一君、十番西崎光子さん、五十番今村るか君、九十一番三原まさつぐ君、九十二番田島和明君。〔拍手〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)以上をもって紹介は終わりました。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)次に、先般の組織改正に伴い、異動のありました説明員の方々をご紹介いたします。生活文化スポーツ局長渡辺日佐夫君、会計管理局長三枝修一君。〔理事者あいさつ〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)以上をもって説明員の紹介は終わりました。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)次に、閉会中の常任委員の所属変更について申し上げます。去る四月二十七日付をもって、吉原修君より、都市整備委員から公営企業委員へ、花輪ともふみ君より、経済・港湾委員から公営企業委員へ、秋田一郎君より、公営企業委員から都市整備委員へ、それぞれ常任委員の所属変更の申し出がありましたので、委員会条例第五条第三項ただし書きの規定により、議長において、それぞれ同日付をもってこれを許可いたしました。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)次に、閉会中の常任委員の選任について申し上げます。委員会条例第五条第四項の規定により、去る四月二十七日付をもって、議長において、新たに当選されました諸君を、お手元に配布の名簿のとおり、それぞれ指名いたしました。常任委員選任名簿経済・港湾委員米沢正和君経済・港湾委員鈴木章浩君文教委員菅東一君総務委員西崎光子君経済・港湾委員今村るか君総務委員三原まさつぐ君警察・消防委員田島和明君〔以上平成十九年四月二十七日付〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)次に、閉会中の議会運営委員の欠員の補充について申し上げます。議員の辞職に伴い、同委員に欠員が生じましたので、委員会条例第五条第四項の規定により、議長において、去る四月十日付をもって、鈴木あきまさ君、串田克巳君及び高木けい君をそれぞれ指名いたしました。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)次に、閉会中のオリンピック招致特別委員の欠員の補充について申し上げます。議員の辞職に伴い、同委員に欠員が生じましたので、委員会条例第五条第四項の規定により、議長において、去る四月十日付をもって、串田克巳君及び村上英子さんをそれぞれ指名いたしました。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)会期についてお諮りいたします。今回の臨時会の会期は、本日一日といたしたいと思います。これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)ご異議なしと認めます。よって、会期は一日と決定いたしました。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)この際、知事より、あいさつのため発言を求められておりますので、これを許します。知事石原慎太郎君。〔知事石原慎太郎君登壇〕 # 知事(石原慎太郎君) 知事(石原慎太郎君)平成十九年第一回都議会臨時会の開会に当たりまして、一言ごあいさつを申し上げます。このたび、都民の皆様のご支持を賜り、三たび、首都東京のかじ取りを担うこととなりました。引き続きよろしくお願いいたします。改めて二期八年を振り返ってみますと、東京から日本を変えようということで、都独自の取り組みを重層的、複合的に講じ、その幾つかは国を動かす力となって、日本全体に新しい流れをつくり出してもきました。都議会の多くの方々との歯車もかみ合い、前向きな議論を重ねることができたからこそ、多くの成果を形をもって示し得たのだと思っております。しかし、今、都民の間に漠たる不安、漠たる閉塞感があることも事実であります。今回の選挙においても、街頭に立ち、都民のこうした心情を肌で感じてまいりました。東京には、よきにつけあしきにつけ、日本の現況が先鋭的にあらわれております。都民、国民の不安を一刻も早く払拭し、より安心で安全な東京を実現するには、いまだ多くの課題が残されているといわざるを得ません。もちろん、安心・安全の確保は、いつの時代にあっても、行政の最も基本的な役割であります。しかし、それは、最大の都民福祉である治安の維持や回復、あるいは充実した医療の提供にとどまるものではありません。高齢者、障害者も安心して生活できる社会の仕組みづくりや、不安なく子どもを産み育てられる環境の整備、次代を担う子どもたちの健全な育成と教育の再生など、都民生活の根幹にかかわる、すそ野の広い課題であります。同時に、地球のあすをも左右しかねない温暖化問題への対応など先進的な環境対策や、いつか必ず起こる大規模な地震への万全の備えについても、しっかりと手だてを講じる必要があります。今後、昨年末に策定しました「十年後の東京」の実現に向けて、さらにアクセルを踏み込み、日本をリードする先駆的な政策を着実かつ迅速に実行に移し、都民の安心・安全を確保してまいります。また、この東京で再びオリンピックを開催することは、都民、国民にとって大きな夢の実現であり、若い世代へのすばらしい遺産となるに違いありません。今後、招致活動に総力戦で臨み、大願を成就していきたいと考えております。これからの四年間は、まさに十年先の東京を見据えた基礎固めの時期であります。必要とあらば、国と鋭く対峙することも辞さず、一歩も引かない姿勢を貫いて、新しい首都東京の造成に取り組んでまいります。過去八年の実績をステップに、新たな一歩を力強く踏み出し、東京のため、日本のため、全身全霊を傾注していく覚悟であります。以上、三期目のスタートに当たり、都政運営に関する基本姿勢の一端を申し述べましたが、都民の皆さんとの約束を確実に果たしていくには、都議会の皆様の協力が不可欠であります。これまで以上に連携を深め、車の両輪として都政運営に当たってまいりますので、よろしくお願い申し上げます。なお、本臨時会には、副知事選任の同意に関する議案を提出しております。よろしくご審議をお願いいたします。以上をもちまして発言を終わります。ありがとうございました。(拍手) # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)以上をもって知事の発言は終わりました。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)これより日程に入ります。日程第一から第三まで、東京都副知事の選任の同意について三件を一括議題といたします。〔松原議事部長朗読〕一、東京都副知事の選任の同意について三件一九財主議第四二号平成十九年五月十日東京都知事石原慎太郎東京都議会議長川島忠一殿東京都副知事の選任の同意について(依頼)東京都副知事に左記の者を選任したいので、地方自治法第百六十二条の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。記谷川健次略歴谷川健次昭和二十三年三月十三日生昭和四十六年三月中央大学商学部卒業昭和四十三年四月入都昭和六十二年四月第五商業高等学校事務室長平成元年四月総務局副主幹〈オフィスオートメーション推進担当〉平成三年六月総務局総務部情報システム管理室企画指導担当課長平成五年四月財務局経理部契約第二課長平成七年六月財務局主計部予算第一課長(統括課長)平成九年七月財務局参事〈総務課長事務取扱〉平成十一年四月武蔵村山市助役平成十二年八月福祉局障害福祉部長平成十四年七月建設局総務部長平成十五年六月交通局次長平成十七年七月財務局長一九財主議第四三号平成十九年五月十日東京都知事石原慎太郎東京都議会議長川島忠一殿東京都副知事の選任の同意について(依頼)東京都副知事に左記の者を選任したいので、地方自治法第百六十二条の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。記菅原秀夫略歴菅原秀夫昭和二十二年五月八日生昭和四十七年三月中央大学法学部卒業昭和四十一年五月入都昭和六十二年六月文京区総務部副主幹〈文京区地域振興サービス公社派遣〉平成四年十二月主税局総務部副参事(広報担当)平成六年四月主税局徴収部整理課長平成七年六月主税局徴収部計画課長(統括課長)平成九年七月主税局課税部計画課長(統括課長)平成十年七月杉並都税事務所副所長兼総務課長平成十一年六月中野都税事務所長平成十三年七月主税局徴収部長平成十五年六月主税局総務部長平成十七年七月主税局長一九財主議第四四号平成十九年五月十日東京都知事石原慎太郎東京都議会議長川島忠一殿東京都副知事の選任の同意について(依頼)東京都副知事に左記の者を選任したいので、地方自治法第百六十二条の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。記山口一久略歴山口一久昭和二十四年十月十日生昭和四十八年三月明治大学政治経済学部卒業昭和四十三年四月入都昭和六十二年六月産業貿易センター振興課長平成二年八月生活文化局副参事(国際フォーラム調整担当)平成四年四月総務局人事部制度企画室人事制度担当課長平成六年四月港湾局総務部企画室計理担当課長(統括課長)平成八年七月港湾局参事〈総務課長事務取扱〉平成九年四月科学技術大学事務局長平成十一年六月労働経済局参事〈信用組合経営改善担当〉平成十二年八月生活文化局国際部長平成十四年七月産業労働局総務部長平成十五年六月大学管理本部長平成十六年七月主税局長平成十七年七月知事本局長 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)本件は、起立により採決いたします。本件は、いずれも知事の選任に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。〔賛成者起立〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)起立多数と認めます。よって、本件は、いずれも知事の選任に同意することに決定いたしました。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)陳情の付託について申し上げます。本日までに受理いたしました陳情三件は、お手元に配布の陳情付託事項表のとおり、都市整備委員会に付託いたします。(別冊参照) # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)お諮りいたします。ただいま都市整備委員会に付託いたしました陳情は、閉会中の継続審査に付したいと思います。これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)ご異議なしと認めます。よって、本件陳情は、いずれも閉会中の継続審査に付することに決定いたしました。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)この際、副知事の職を退任されることになりました横山洋吉君、大塚俊郎君及び関谷保夫君より、あいさつがあります。横山洋吉君。〔副知事横山洋吉君登壇〕 # 副知事(横山洋吉君) 副知事(横山洋吉君)副知事を退任するに当たりまして、一言ごあいさつを申し上げます。川島議長、木内副議長を初め都議会の先生方におかれましては、長年にわたりまして温かいご指導、ご鞭撻を賜りましたことに、まずもって厚く御礼を申し上げます。私は、昭和四十年に東京都に職を奉じて以来、今日まで四十二年間にわたり務めさせていただきました。特に、石原知事のもと、都議会のご同意をいただきまして、教育長並びに副知事の職を拝命いたしました。私としましては、都政発展のため、精いっぱいの努力を重ねてまいったつもりではございますが、もとより浅学非才でありますため、今改めて振り返り、期待にこたえ得たのか否かを考えるとき、じくじたる思いをぬぐい去ることができません。にもかかわりませず、今日この日を迎えることができましたのも、ひとえに諸先生方のご厚情のたまものと存じ、重ねて深く感謝申し上げる次第でございます。議長、副議長を初め都議会の先生方におかれましては、今後ともご健勝にて、都政発展のため、さらなるご活躍をなさいますよう心からお祈り申し上げまして、退任に当たりましてのお礼のあいさつとさせていただきます。長い間まことにありがとうございました。(拍手) # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)大塚俊郎君。〔副知事大塚俊郎君登壇〕 # 副知事(大塚俊郎君) 副知事(大塚俊郎君)退任に当たりまして、一言お礼のごあいさつを申し上げます。議長、副議長を初め都議会の先生方におかれましては、長年にわたり温かいご指導、ご鞭撻を賜りましたことに、まずもって厚く御礼を申し上げます。私は、昭和四十三年に入都以来、今日まで三十九年間にわたり務めさせていただきました。もとより浅学非才でありますために、今はその成果のほどを顧みて、内心まことにじくじたるものがございます。にもかかわりませず、今日の日を迎えることができましたのも、ひとえに諸先生のご厚情のたまものと存じ、重ねて厚く感謝を申し上げる次第であります。議長、副議長を初め都議会の先生方におかれましては、今後とも、ますますご健勝にて、都政発展のため、さらなるご活躍をなさいますよう心からお祈りを申し上げまして、御礼のごあいさつとさせていただきます。長い間まことにありがとうございました。(拍手) # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)関谷保夫君。〔副知事関谷保夫君登壇〕 # 副知事(関谷保夫君) 副知事(関谷保夫君)退任に当たりまして、一言ごあいさつを申し上げます。議長、副議長を初め都議会の先生方におかれましては、長年にわたりご指導、ご鞭撻を賜り、厚く御礼を申し上げます。私は、昭和四十七年、東京都に職を奉じて以来、今日まで三十五年間にわたり務めさせていただきました。自分といたしましては、自分なりに都民のため、都政のために努力を傾注してきたつもりでございますが、今、顧みますと、至らない点が多々あったことと感じております。にもかかわりませず、きょうの日を迎えることができましたのも、ひとえに諸先生のご支援のおかげでございまして、重ねて感謝を申し上げる次第でございます。議長、副議長を初め都議会の先生方におかれましては、今後とも、都政発展のため、さらなるご活躍を心からお祈り申し上げまして、御礼のごあいさつとさせていただきます。まことにありがとうございました。(拍手) # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)以上をもってあいさつは終わりました。本当に長い間ご苦労さまでございました。 # 議長(川島忠一君) 議長(川島忠一君)以上をもって本日の日程は全部議了いたしました。会議を閉じます。これをもって平成十九年第一回東京都議会臨時会を閉会いたします。午後一時二十三分閉議・閉会文書質問趣意書及び答弁書一九財主議第一三号平成十九年四月二十日東京都知事石原慎太郎東京都議会議長川島忠一殿文書質問に対する答弁書の送付について平成十九年第一回東京都議会定例会における左記議員の文書質問に対する答弁書を別紙のとおり送付します。記後藤雄一議員そなえ邦彦議員小竹ひろ子議員植木こうじ議員石毛しげる議員清水ひで子議員古館和憲議員平成19年第一回都議会定例会文書質問趣意書提出者後藤雄一質問事項一神津島の農協直売所に対する補助金について二東京都立多摩総合精神福祉センター建物管理委託について三交差点の交通標識について四交通局の事務引継とパワーハラスメントについて五都議会政務調査費の監査委員監査について六都庁舎地下駐車場の組合車両の駐車について七都庁第一庁舎7階フロアー「イス」の入札について一神津島の農協直売所に対する補助金について平成18年9月26日、東京都神津島村から「農協直売所建設」の補助金申請(5250万円)が提出され受理された。しかし受理されたにも関わらず、平成18年度中(平成19年3月31日)に工事が完了に目処がただず、補助金は執行されなくなったと聞く。そこで1平成18年1月の神津島村議会で産業観光課長は「(農協直売所建設は)本質的には農協の立て替え事業」と答弁しており、それが事実であるとすれば、村担当者が補助金目的を逸脱していることを承知で補助金の申請を行ったことになると思うが、東京都の見解を伺う。2本件申請は9月に受理されたにも関わらず、建築確認申請を提出したのが、平成19年1月初旬、その為、工事が間に合わなかったようだが、何故建築確認申請まで4ヶ月近くかかったのか、伺う。3本件建設予定現場では、建築確認申請をする前から建物土台工事の予備工事を行い、地下に埋設されていた排水溝の上部を切り取る作業まで行っていた。この排水溝は大島支庁が管理する排水溝と聞いているが、行政財産である排水溝の上部を切り取る許可を出した部署はどこか伺う。また、修復する必要があるかを含めて、見解を伺う。418年度の補助金は未執行で処理された。新たに19年度分として補助金申請をするのか?この例のような場合はどのように対処するか?事例を含めて見解を伺う。二東京都立多摩総合精神福祉センター建物管理委託について平成17年4月1日、東京都立多摩総合精神福祉センターは、(株)プロスペックと建物管理委託契約を結んだ。しかし、本契約3条には「業務の一部再委託の禁止」条項があるにも関わらず、「清掃業務等」を別会社に再委託している事が判明した。そして、6ヶ月後に「建物管理委託契約にかかる業務の一部再委託について」との起案文書が作成され、4月に遡及して「再委託」を認めている。行革110番が福祉センター事務長より事情を聞いた所、本件管理委託契約には「再委託が行われた清掃業務」以外にも行われている業務があることを、再委託を認める理由に上げている。しかし本件・東京都立多摩総合精神福祉センター建物管理委託は、37,800,000円と財務局契約で、内容は「清掃業務、環境衛生管理業務、設備管理業務、警備業務、樹木管理」である。一方、(株)プロスペックが再委託先との委託契約書が存在、その契約書には、「東京都立多摩総合精神福祉センター建物等の清掃、環境衛生管理、設備定期保守点検、樹木管理に関する業務」と書かれ、16,269,804円と書かれている。つまり、東京都立多摩総合精神福祉センターが(株)プロスペックと建物管理委託契約を結んだ部分の「警備業務」を除くほとんどの部分を「再委託」していることになる。そこで、1本件業務委託契約は、本契約3条の「業務の一部再委託の禁止」条項に違反すると考えるが、見解を伺う?2現在の契約状況は改善されているのか、伺う?本件契約は財務局契約であり、財務局に「業務委託契約成績評定報告書」の提出が定めら、担当者、担当係長が記入し本件も提出されている。しかし、提出された報告書の担当者欄には係長が記入しており、「担当職員」が記入した報告書が別に存在していたことが判明している。行革110番の調査で、担当者が評価欄に「0点」を記入したので、書き替えるように職務命令をかけたが、指導したが従わないので現在提出したものを作成したと言う。そこで、3本来提出する報告書は、「担当者欄には、担当者が記入し、所見、総合所見欄に管理職が経緯等」を書くべきと考えるが、見解を伺う。4この職務命令まで行い、担当者の評価を変えろ!と命令する行為は、パワーハラスメントに当たらないか、伺う?三交差点の交通標識について出会い頭の事故は信号機のある交差点でも相変わらず発生しているが、身近な信号機のない交差点の事故が多い。そこで、道路交通標識の改善が必要と考える。そこで以下の質問をする。1同規模の幅員の道路が交差する交差点で、「止まれ」の標識・停止線の設置が義務付けられていると思うが、伺う?もし義務づけられている場合は、道交法を始め条例・要綱等の法文規程をお示し頂きたい。2自転車は軽車両として位置づけられている。しかし、自転車に対する交通標識はほとんどないに等しい。「ストップマーク」が存在すると反論されるかも知れないが、「マーク」は公安委員会の管轄でない。特に危険と思われるのは、優先道路と一方通行の交差点で、一方通行道路を逆行で走ってくる自転車には一時停止の標識がなく事故が起きても不思議ではない。自転車用に一時停止させるよう標識の設置を考えるべきと思うが見解を伺う。3国道と都道が交差している交差点、また都道と区市町村道が交差している交差点等の場合、交差点の標識等の設置、管理の体制について、伺う?4通行者・ドライバーの視点で交通標識を考えると、以下のように縦割りの弊害が思い当たる。交通事故を一件でも減らす為に、交通標識等については一元化すべきと考えるが、見解を伺う?道路交通標識について苦情の受付はどこか。都民の生活する(狭隘)道路の交通標識は、電柱に付けられているケースが多々存在する。そして、電柱の付け替え等が行われたときに、交通標識を考慮に入れないケースが多々存在する。また上記交差点で、標識・マークを併用しているが、マークばかり多くて通行客・自動車・自転車を利用するものに取って、紛らわし。高い位置に付けられている「止まれ」の標識は、離れたところからはよく見えるが、そばに行くと見えない。通常の「止まれの標識」も併用すべきだ。四交通局の事務引継とパワーハラスメントについて1事務引継時間に付いて都バスを運行する交通局、早稲田営業所青梅支所との18年1月から9月までの超過勤務命令簿から、「泊勤務の朝の事務引継ぎ時間」を調べてみた。青梅支所には出先の大和操車場があり、事務引継時間は「青梅支所の運転主任は30分、同運輸事務は20分、そして大和操車場の運輸事務は60分」という一定の法則があるのが分かった。青梅支所で勤務するAバス乗務員が指摘したところ、事務引継時間の60分は多少は改善されたと聞いている。そこで、ア全営業所の泊まり勤務時の事務引継時間は、どの程度か伺う?イ大和操車場の60分の事務引継時間が、妥当だったと言える根拠は何か伺う?ウ今後の事務機引き継ぎ時間について改善を行うべき、と考えるが見解を伺う?エこの事務引継時間問題はバスだけでなく、地下鉄も同様と考える。交通局全体の状況も伺う?2パワーハラスメントに付いて以前、アルコール検査を免れようとしたバス乗務員が、検査係の職員にアルコールチェッカー検査の替え玉を依頼した。この替え玉検査を行っていた現場に居合わせてAバス乗務員職員が、替え玉検査を行った検査係を発見し上司に告発した事件があった。今回の事務引継時間についてもAバス乗務員職員の指摘で改善が行われたにも関わらず、Aバス乗務員職員は上司である管理職から、「お前なんか、公務員なんかやめろ、交通局協力会に雇ってやる。一番安い最低の賃金で使ってやる」と暴言を吐れた本人から行革110番は告発を受けている。そこでア青梅支所では、60分の事務引継、アルコールチェッカーの替え玉等、考えられない事件がつづく、原因についてどのような見解をもっているか、を伺う?イマスコミでも職場に於けるイジメ、管理職のパワーハラスメントが問題になっている。今回指摘した事例は「パワーハラスメント」と認識してよいか?また今後の対応策について伺う?五都議会政務調査費の監査委員監査について政治家の金にまつわることが最近のマスコミ報道で多く取り上げられている。また、区議会議員の政務調査費については目黒区の公明党区議会議員全員が辞職するなど、常識で考えられないような違法・不当な支出が明らかになり、23区のほとんどが領収書の添付を決めた。そのような中で、東京都では監査委員は現在4名、19年度からは5名に、1名増員されるが、都議会の政務調査費の領収書を含めた監査は行っていない。多くの都民は「なぜ、監査(監査委員・会計検査院)をやっているはずなのに、これだけ不祥事がおこるのか?」と疑問というより怒りに変わり、監査委員へのあきらめ、そして不信になっている。そこで伺うが、1都議会議員の政務調査費の領収書を含めた監査を行う時期にきいてると思うがいかがか?2今まで領収書を含めた監査を行っていないが、なにか法的根拠があるのか伺う。3また、都知事は予算の管理・監督・執行権者であり、監査委員に対し「都議会の政務調査費の領収書を含めた監査を指示する事ができる」と認識するがいかがか?できないと考えられ根なら、その法的根拠を伺う。4都議会議員が利用する公用車・ハイヤーについて通常の監査は行っていると考えるが、実際の利用・運用についてまでの監査を行ったことがあるか伺う?また、行ってなければ、何故行ってないのか伺う?六都庁舎地下駐車場の組合車両の駐車について現在、都庁職員が作る組合団体の車が、都庁第1庁舎等の駐車場に無料で停めている。行革110番が指摘した所、4月から駐車場公社が組合団体と定期貸し(有料)を結び駐車を認める、と言う。そこで1都庁地下駐車場に4月からの定期貸しを行う団体はどこか伺う?また、現在定期貸ししている団体はどこか伺う?2今後、同様の要望が他の団体等から出される可能性があるが、定期貸しを認めるのか伺う?3定期貸しを認める条件についても伺う?七都庁第一庁舎7階フロアー「イス」の入札について2月、都庁第1庁舎7階フロアーのイスを買い替る為、電子入札によって行われた。電子入札では、パソコン画面上で(1円入札などは例外として)入札価格の安い業者を落札者とし、落札業者決定の「確認ボタン」を押す。そして、落札業者を都庁に呼んで契約手続きに入る。この「イス」の入札、調べると落札価格は、998万円と記されている。しかし、行革110番の調査で、落札額より200万円以上安い「780万円」の札(メール)を入れた業者がいる事が判明している。しかしその業者は「辞退」とされ、2番目の価格(998万円)で入札した業者が落札していたのだ。そこで、1なぜ、200万円も安い業者が入札しているのに、今回は2番札の998万円の業者に落札したのか伺う?2今回の開札時、パソコン画面の保留ボタンを押し、この入札を保留にし、各入札参加業者にも保留したことを通知した。保留ボタンはどのようなケースに押すことになっているのか、基準・マニアルがあるのか伺う?存在しない場合は、今後作成する予定があるかも伺う?3今回の「イス」の入札でも寸法等が入った図面を記載している。しかし物品には各メーカーで同等品が多く存在する。そこで仕様書に「××と同等品以上のもの」という記載で十分と思うが、財務局の見解を伺う。4都庁では、メーカーの「出荷証明書・品質証明書」の提出をさせるケースがあると聞くが、事実か伺う?また、理由も伺う。平成19年第一回都議会定例会後藤雄一議員の文書質問に対する答弁書質問事項一神津島の農協直売所に対する補助金について1神津島産業観光課長は「(農協直売所建設は)本質的には農協の立て替え事業」としている。事実であれば、村担当者が目的逸脱を承知で補助金申請を行ったことになるが、都の見解を伺う。回答JA東京島しょの計画では、農業協同組合の事務所と、農産物直売施設及び農業指導等を行う研修室を同時に整備することとなっていました。都の補助事業では、このうち、直売事業と研修室の部分及びトイレ等の共通部分のうち面積比に応じて案分した部分を対象としていたものです。質問事項一の2なぜ建築確認申請まで4ヶ月近くかかったのか伺う。回答本事業では、都は完了した時点で検査を行いますが、事業途中における進捗状況の確認やそれに伴う諸手続については、事業主体であるJA東京島しょ自らが把握すべきものです。質問事項一の3建設予定現場では、建築確認申請前から土台予備工事を行い、大島支庁管理の排水溝の上部を切り取ったが、許可を出した部署はどこか。また、修復する必要があるかを含め、見解を伺う。回答排水溝を切断する許可は出していません。なお、排水溝を管理する大島支庁では、排水溝の機能維持のため、速やかに復旧するよう指示しました。質問事項一の418年度の補助金は未執行処理された。新たに19年度分として補助金申請するのか。この例のような場合にはどう対処するか。事例を含めて、見解を伺う。回答補助事業の申請は、事業主体であるJA東京島しょが行うものであり、平成19年度に申請するかどうかは承知していません。また、本件と同様の事例は把握していませんが、改めて申請があった場合については、補助基準等に照らして、判断することとなります。質問事項二東京都立多摩総合精神保健福祉センター建物管理委託について1平成17年度の多摩総合精神保健福祉センターの建物管理委託契約では、再委託先との契約書が存在する。業務委託契約は、本契約第3条の「業務の一括再委託の禁止」条項に違反すると考えるが、見解を伺う。回答本件委託契約書第3条では、「乙は、この契約について委託業務の全部又は主要な部分を一括して第三者に委託することができない。ただし、あらかじめ甲の承諾を得たときは、この限りでない。」と規定しています。都では、個別の契約ごとに、再委託の必要性、妥当性などを勘案し、適切と判断した場合には、委託業務の一部について第三者に委託することを承諾しています。本件委託契約の履行においては、受託者から受託業務の一部について第三者に委託して実施したい旨の申出があり、委託業務の全部又は主要な部分の一括再委託には当たらないと判断し、委託契約書第3条ただし書の規定に基づき承諾しており、違反していません。質問事項二の2現在の契約状況は改善されているのか伺う。回答平成18年度の東京都立多摩総合精神保健福祉センター建物管理委託契約の履行において、受託者は、受託業務の一部を第三者に委託していません。質問事項二の3本契約に関する成績評定報告書の担当者欄は、係長が記入している。担当者欄に、担当者が記入し、所見、総合所見欄に管理職が経緯等を書くべきと考えるが、見解を伺う。回答都の業務委託成績評定は、財務局通知に基づき、契約の履行開始日から基準日である9月1日までの履行状況について、全庁統一的に評定を行っているものです。業務委託成績評定は、組織として実施し、報告するものであり、関係職員や上司が担当者に代わって記載しても、何ら問題ありません。本件委託契約に係る平成17年度業務委託成績評定においては、担当者が行った評定の方法が適切でなかったため、上司が担当者に代わって記載したものです。質問事項二の4担当者に書き替えるよう職務命令をかけたが、従わなかったという。職務命令まで行い、担当者の評価を変えろと命令する行為は、パワーハラスメントに当たらないか、伺う。回答担当者に対し、業務委託成績評定報告書を財務局通知に基づき適切に記載するよう指導したのは、上司として当然の行為です。質問事項三交差点の交通標識について1同規模幅員の道路の交差点で、止まれの標識・停止線の設置が義務付けられているのか伺う。義務付けられている場合は、法文規程を示していただきたい。回答同規模幅員道路の交差点における、一時停止標識及び停止線の設置は義務付けられていません。設置の必要性については、個々の交差点の実態に応じて、公安委員会が判断しています。質問事項三の2一方通行道路を逆行してくる自転車に対しては、一時停止の標識がない。自転車用に一時停止させるよう標識設置を考えるべきだが、見解を伺う。回答道路交通法上、自転車は「車両」に該当しますので、道路交通法上の交通規制の対象となります。したがって、一方通行道路を逆行する自転車に対する一時停止規制の実施は可能です。しかしながら、自転車は、小学生から高齢者まで幅広く利用されている交通手段であり、その高い利便性により手軽に利用されている実態から、このような場合に、あえて罰則の対象となる交通規制の義務を課すことは必ずしも適切ではないこと、一般的に自転車自体の性能が高速度を出すことができない構造になっていること、道路交通法第42条の規定により、見通しがきかない交差点等における徐行義務が自転車にも課せられていることなどから、当庁では、一時停止規制に代わる対策として、「自転車ストップマーク」表示を路面に設置することにより、注意喚起を図っています。質問事項三の3国道と都道の交差点、都道と区市町村道の交差点等の場合、交差点の標識等の設置、管理の体制について伺う。回答道路標識標示の設置については、・道路交通法及び道路標識、区画線及び道路標示に関する命令(内閣府令)に基づき公安委員会が設置する規制標識等・道路法及び道路標識、区画線及び道路標示に関する命令(内閣府令)に基づき道路管理者が設置する案内標識等があります。なお、公安委員会が設置する規制標識等については、道路の管理区分に関係なく警察署長が管理しており、道路管理者が設置する案内標識等は各道路管理者が管理しています。質問事項三の4通行者・ドライバーの視点で交通標識を考えると、縦割りの弊害が思い当たる。交通事故を一件でも減らすため、交通標識等については一元化すべきと考えるが、見解を伺う。回答東京都内の道路標識等には、・道路交通法及び道路標識、区画線及び道路標示に関する命令(内閣府令)に基づき公安委員会が設置する規制標識等・道路法及び道路標識、区画線及び道路標示に関する命令(内閣府令)に基づき道路管理者が設置する案内標識等があり、それぞれ適切に設置・管理されており、今後も引き続き、相互に連携を図りながら、交通事故防止に努めていきたいと考えています。質問事項四交通局の事務引継とパワーハラスメントについて1事務引継時間についてア全営業所の泊まり勤務時の事務引継時間は、どの程度か伺う。回答事務引継について、点呼執行者は、運行管理に関わる業務全般について行っており、事務引継時間は、30分となっています。また、会計業務や運行管理業務を担当する職員は、それぞれの業務について個別に行っており、事務引継時間は、20分となっています。質問事項四の1のイ大和操車所の60分の事務引継時間が、妥当だったと言える根拠は何か伺う。回答大和操車所では、管理する乗務員数及び車両数に対応して職員1人を24時間配置し、運行管理業務を行っています。この間、当該職員は、午前7時から午後8時まで窓口で定期券等を販売するため、60分の超過勤務をさせています。その時間について、午前8時30分以降の勤務時間外に、「運行管理業務」を「事務引継」として処理したものです。質問事項四の1のウ今後の事務引継時間について改善を行うべきと考えるが、見解を伺う。回答事務引継については、適切に対応しています。質問事項四の1のエ事務引継時間問題は、バスだけでなく地下鉄も同様と考える。交通局全体の状況も伺う。回答事務引継は、バス運行管理部門、地下鉄の駅務や保守部門などの交替制勤務職場において、円滑な事業執行を図る観点から行うものであり、各々の業務実態に応じ適切に対応しています。質問事項四の2パワーハラスメントについてア青梅支所では、60分の事務引継、アルコールチェッカーの替え玉等、考えられない事件が続く、原因についてどのような見解を持っているかを伺う。回答御指摘のような事件が続いているという事実は、全くありません。質問事項四の2のイ乗務員職員が、上司である管理職から、公務員なんかやめろなどと暴言を吐かれた。この事例は「パワーハラスメント」と認識してよいか。また今後の対応策について伺う。回答所長が暴言を吐いたという事実はありません。質問事項五都議会政務調査費の監査委員監査について1都議会議員の政務調査費の領収書を含めた監査を行う時期にきていると思うが、いかがか。回答政務調査費については、東京都政務調査費の交付に関する条例等で、領収書の添付が義務付けられていないため、定例監査等において、領収書を監査しうる状況となっていません。質問事項五の2今まで領収書を含めた監査を行っていないが、何か法的根拠があるのか伺う。回答東京都政務調査費の交付に関する条例等において、領収書の添付が義務付けられていないためです。質問事項五の3知事は予算の管理・監督・執行権者であり、監査委員に対し、政務調査費の領収書を含めた監査を指示することができるか。できないなら、その法的根拠を伺う。回答知事は、監査委員に対して、監査の要求をすることは可能ですが、東京都政務調査費の交付に関する条例では、議長がその適正な執行の確保に努めるものとされています。したがって、知事が監査の要求を行うことは考えていません。質問事項五の4都議会議員が利用する公用車・ハイヤーについて通常の監査は行っていると考えるが、実際の利用・運用についてまでの監査を行ったことがあるか伺う。また、行っていなければ、何故行っていないのか伺う。回答公用車に関する監査については、毎年、定例監査の中で行っており、車両の借入れなどの契約を中心に監査しています。何をどのように監査するかは、監査委員が決めることであり、通常、重要と思われるものを中心に監査しています。質問事項六都庁舎地下駐車場の組合車両の駐車について1都庁地下駐車場に4月からの定期貸しを行う団体はどこか伺う。また、現在定期貸ししている団体はどこか伺う。回答東京都庁駐車場の運営を行っている財団法人東京都道路整備保全公社によれば、4月からの全日定期の新規契約者は、東京都庁職員労働組合、全水道東京水道労働組合、東京水道労働組合の3団体と聞いています。なお、同公社が現在、同様の駐車契約を締結している団体は、公立大学法人首都大学東京と承知しています。質問事項六の2今後、同様の要望が他の団体等から出される可能性があるが、定期貸しを認めるのか伺う。回答本件については、東京都から行政財産の使用許可を受け、東京都庁駐車場の運営を行っている財団法人東京都道路整備保全公社が、同公社の定める駐車場管理規程第7条第2項に基づき、個別に判断するものです。質問事項六の3定期貸しを認める条件についても伺う。回答財団法人東京都道路整備保全公社が定める駐車場管理規程第7条第2項によれば、夜間定期を除き、全日定期の駐車契約が可能なのは、「東京都関係団体車両で且つ東京都が指定する団体の車両」及び「公共事業関係車両」となっています。質問事項七都庁第1庁舎7階フロアー「イス」の入札について1なぜ、200万円も安い業者が入札しているのに、今回は2番札の998万円の業者が落札したのか伺う。回答平成19年2月7日に行われた椅子の購入に係る電子入札の開札状況については、「入札経過調書」に記載のあるとおり、入札参加者10社のうち、結果的に4社が辞退し、残り6社のなかで最低価格を提示した業者が落札したものです。質問事項七の2今回の開札時、パソコン画面の保留ボタンを押し、入札を保留にしたが、どのようなケースに押すことになっているのか。基準・マニュアルがあるのか、作成予定はあるか伺う。回答本件は、契約の適正な履行を確保するため、開札処理において応札金額の確認を要する場合と判断し、電子入札システムにおける「保留」ボタンを使用しました。「保留」ボタンの取扱いについては、今後とも電子入札の公平性・透明性の確保の観点から適正な運用に努めていきます。質問事項七の3今回の入札でも、寸法等が入った図面を記載しているが、物品には同等品が多い。仕様書に、同等品以上という記載で十分と思うが、財務局の見解を伺う。回答物品の買入れ契約に当たっては、原則として、商標等を指定せずに、調達する製品の説明として、規格、機能、その他の要件を仕様書や図面で行っています。質問事項七の4都庁では、メーカーの出荷証明書・品質証明書の提出をさせるケースがあると聞くが、事実か伺う。また、理由も伺う。回答仕様書に定める品質や性能を有することを確認するために、出荷証明書、品質証明書の提出を求める場合があります。平成19年第一回都議会定例会文書質問趣意書提出者そなえ邦彦質問事項一都営住宅政策について一都営住宅政策について真に住宅に困窮する都民に、公平かつ的確に住宅を供給するために、セーフティネット的役割をはたすことが望まれております。公営住宅の応募率をみても、平成16年度で全国平均が9.7倍、大阪府が13.2倍で、東京都は28倍を超すということであります。私の近くにも、民間から、明け渡しを迫られたり、生活の事情から家賃の低い都営住宅に入居を希望し、申し込むが、なかなか当たらない人達が多く存在しています。今や、都営住宅も様々なニーズに応えるよう改良化していかねばなりません。都でも「住宅マスタープラン」に従って都民に住居の安定確保をするよう努力をしていると思いますが、ここで改めて、都営住宅政策をめぐる疑問点について何点か質問したいと思います。1都営住宅の最近5ケ年の募集戸数と倍率はどのくらいかを伺います。2シルバーピア、車イス用住宅は全体でどのくらいの戸数なのか、又、今後どのくらいに設定していく予定なのか伺います。3困窮度の高い者が優先的に入居できるように募集、選考方法を改善すべきだと考えますが、その点について、伺います。4高額所得者は何人いるか、又、それらの人達にはどの様な手続きで対処されているのか伺います。5住戸の規模と居住人数とのアンバランスを解消するためにどの様なことをされているかを伺います。6都営住宅の耐震化改修工事の現状と今後の計画について伺います。7バリアフリー化についてどの様な事を行っているのかについて伺います。8「高齢者の見守り」を神戸で、公営住宅の住戸を利用して行う制度を導入したが、都でも導入する考えはないか、伺います。平成19年第一回都議会定例会そなえ邦彦議員の文書質問に対する答弁書質問事項一都営住宅政策について1都営住宅の最近5か年の募集戸数と倍率はどのくらいかを伺う。回答都営住宅の平成13年度から5か年の募集戸数と平均倍率は、以下のようになります。平成13年度は、募集戸数8,965戸、平均倍率22.0倍同様に、平成14年度は、6,826戸、30.0倍、平成15年度は、7,700戸、28.7倍、平成16年度は、7,379戸、29.4倍、平成17年度は、6,474戸、33.7倍となっています。質問事項一の2シルバーピア、車いす用住宅は全体でどのくらいの戸数なのか、また、今後どのくらいに設定していく予定なのか伺う。回答平成17年度末の戸数については、シルバーピア4,100戸、車いす用住宅1,007戸です。また、シルバーピアや車いす使用者向けの都営住宅の建設については、都営住宅の建替えに当たり、地元区市から、まちづくりの構想などにより建設の要請があった場合、当該団地の居住者の状況等を踏まえながら適切に供給していきます。質問事項一の3困窮度の高い者が優先的に入居できるように、募集、選考方法を改善すべきだと考えるが、所見を伺う。回答都営住宅の入居者選考において、高齢者世帯や障害者世帯等を対象に、抽選によらず住宅困窮度の高い者から順に都営住宅への入居を認める「ポイント方式」や、通常より当せん率を高くする「優遇抽せん制度」を実施しています。今後とも、真に住宅に困窮している低所得者に対し的確に住宅を提供していきます。質問事項一の4高額所得者は何人いるか、また、それらの人達にはどの様な手続きで対処しているのか伺う。回答高額所得者として明渡しの対象となる居住者は、平成17年度末で、205名です。高額所得者として認定した場合、まず自主的な明渡しを求め、応じない場合、東京都都営住宅高額所得者審査会の審査を経た上で、法的手続により住宅の明渡しを請求しています。質問事項一の5住戸の規模と居住人数とのアンバランスを解消するために、どのようなことをしているのか伺う。回答都営住宅では、世帯人員の増減により住宅の規模とのアンバランスが生じた場合、住宅変更制度により、審査の上、他の住宅への変更を認めています。さらに、都営住宅の建替えに当たっては、居住者の世帯構成に応じた、適切な居室構成や面積規模の住宅を供給しています。質問事項一の6都営住宅の耐震化改修工事の現状と今後の計画について伺う。回答都営住宅においては、阪神・淡路大震災の被害状況を踏まえ、平成8年に専門家により耐震に関する指針を作成し、優先順位の高いものから取組を進めてきました。今後は、平成18年度に策定した耐震改修促進計画を踏まえ、旧耐震基準で設計された都営住宅のうち、建替え対象を除く約3,200棟について、平成24年度を目途に耐震診断を行い、必要に応じて順次、耐震改修を実施します。質問事項一の7バリアフリー化についてどの様な事を行っているのかについて伺う。回答都営住宅の建替えに当たっては、エレベーター設置、住戸内の床段差の解消、浴室・玄関等への手すり設置等のバリアフリー化を実施しています。また、既存の都営住宅についても、団地の状況や費用対効果などを踏まえ、エレベーターの設置やスーパーリフォーム事業を行うなど、バリアフリー化に努めています。質問事項一の8高齢者の見守りを神戸で、公営住宅の住戸を利用して行う制度を導入したが、都でも導入する考えはないか伺う。回答見守りなど高齢者を地域で支える施策は、地域福祉の担い手である区市町村が主体となって実施すべきものと考えています。なお、都営住宅の建替えに当たっては、地元自治体と、地域に必要な福祉施設等の整備について協議しています。平成19年第一回都議会定例会文書質問趣意書提出者小竹ひろ子質問事項一「産業振興基本戦略」と今後の中小企業振興策について一「産業振興基本戦略」と今後の中小企業振興策について東京都産業労働局は1月末に「東京都産業振興基本戦略(素案)」(以下「産業基本戦略」)を発表しました。その後、都民意見の公募という形をとり、「2006年度末までに最終まとめを発表したい」としています。そこで、この「産業基本戦略」のうち、中小企業振興策に絞って、何点か質問します。最初に、「産業基本戦略」の策定趣旨が「『10年後の東京』が目指す都市像の実現を産業振興の面から具体化するもの」とする点についてです。そもそも「十年後の東京」は、オリンピックにむけた三環状道路を中心としたインフラ整備に主眼がおかれており、福祉やくらし、教育などの施策に見るべきものがありません。福祉の目玉は介護ロボットの研究で、特別養護老人ホームやリハビリテーションの充実、介護保険の負担軽減など、都民要望にこたえる中身がありません。教育でも三〇人学級など、ゆきとどいた教育のための条件整備は見あたりません。産業分野にいたっては、切実な課題となっている商店街事業、農林漁業対策にはひと言も言及がありません。この「十年後の東京」で掲げられている産業を見ても、「都市機能の向上をふまえ、東京の持つ豊富なポテンシャルを活かして、東京の将来を支える都市型産業を重点的かつ戦略的に育成していく」としています。そして、「創造的都市型産業群」として例示しているのは、「環境、健康・医療・福祉、危機管理、アニメ・コンテンツ、デザイン、ファッション、情報家電、マイクロマシン、航空機」です。また、「三環状道路の開通や羽田空港の国際化など、今後の都市機能の向上を契機に、都市機能活用型産業を育成していく」、「多摩シリコンバレー」は三環状道路のひとつである圏央道促進の理由づけと言われても仕方のないものです。まるで、都市づくり戦略と産業をマッチさせていけば、すべてがうまくいくような記述です。これを読んだ学者の方からも、「これでは産業政策に名を借りた東京都市再開発プランだ」との声が寄せられています。1産業政策を考えるというのに、このようなオリンピックにむけた「『十年後の東京』がめざす都市像の実現を産業振興の面から具体化するもの」する事自体が間違いです。このような「十年後の東京」を前提にせず、産業政策をつくるよう求めるものです。東京の産業振興をいうのであれば、まずは東京の中小企業の実態の上に立って、今求められていることはどういうことなのかを分析することが必要です。東京の中小企業は、倒産、廃業で減少しつづけています。製造業でみれば3割も減少しており、その8割は10人未満の中小零細企業となっています。2今後10年の産業振興の施策展開の方向性を示した「産業基本戦略」といいながら、「産業基本戦略」には、こうした現状分析がありません。そもそも、長期的視点にたった産業戦略を考えるなら、地域経済、中小企業など、中小企業の実態、東京の産業の実態を分析することが必要です。答弁を求めます。「産業基本戦略」では、「これまでの施策の成果」として、CLO・CBO、ファンドの活用やベンチャー企業の育成や産技研の独法化などがあげられていますが、CLO・CBOなどで資金調達できるのは体力ある中堅企業が対象です。今中小企業のおかれている厳しい現状の上に立って、本当に必要とされていたものなのかどうかはなはだ疑問を感じざるをえません。3これまで都が行って来た施策が、現状の中小企業にとってどのように使われてきたのか、その問題点と成果・教訓など、今後にいかし発展させいくべきは何なのかについて分析など、これまでの東京都の産業政策の総括が必要です。また、東京都の独自の役割として、区市町村など基礎的自治体との連携などの視点が必要です。それぞれ答弁を求めます。「産業基本戦略」は、「基本的考え方」で「イノベーションにより国際競争力を強化」としています。グローバリゼーションは避けて通れない課題ですが、グローバリゼーションの中でも、ヨーロッパの各国では、地域に密着した中小企業が主役になっています。地域に根付き中小企業が、本当に消費者・ユーザーにとって選ばれるお店づくり、工場づくりをするために、それぞれの企業の特徴を活かして行く必要があります。また、「イノベーション」、技術革新の必要性は、これまで繰り返し言われてきたことです。しかし、中小企業の多くは、簡単にはできず、その底上げが求められています。そのためには、きめ細かな相談にのることのできる専門能力をもった職員が欠かせません。しかし、この間石原都政がすすめてきたのは、高度な技能と見識を持った人材を確保していた商工指導所を廃止してしまうなど人材育成に逆行しています。2001年に51名いた中小企業経営診断士などの資格をもった経営指導職という専門職の人は、2006年には東京都中小企業振興公社を含めて23名に半減してしまいました。4大阪では継続させ商工業の支援に大きな役割を果たしています。人材育成を言うなら商工指導所を復活させるなど、有能な人材を確保し中小企業を支援すべきです。見解を求めます。「産業基本戦略」は、「10年後の東京」をうけ商業振興策などについて、非常に低い位置づけになっており、充実する必要があります。また、業界団体から再三にわたり要望があがっている建設産業振興については、振興策がみえません。建設産業振興策について言えば、東京都では、これまで産業振興の対象に位置づけられておりません。都市整備局で、「建設工事請負契約上の紛争相談」「建設業者の許可、指導、監督、および経営事項審査」などに対応しているだけです。これでは、建設産業の振興を、産業政策としてかんがえられるわけがありません。国は、すでに建設業を「地域の基幹産業」として位置づけ、「新しい建設業政策のあり方」を検討しています。5建設業を、地域の基幹産業として位置づける必要があると考えます。また、建設業を含めた産業振興政策をつくるよう求めます。それぞれ、答弁を求めます。「産業基本戦略」についての問題点を指摘してきましたが、このような「産業基本戦略」ができた要因の一つとして、その作成手続きにかかわる問題があります。東京都には、「東京都中小企業振興対策審議会」(以下、「中対審」)が設置されています。この審議会は、2004年5月の「都のものづくり産業の集積施策のあり方」答申を発表して以来、休眠状態です。6こうした各種審議会が設置されているにもかかわらず、ごく少数の委員のみですすめる一方、産業の基本方針を都民参加ですすめないのは問題です。東京都の産業政策は、あらためて作成段階から各産業の代表を網羅し公募した都民による参加で、審議をすすめ、産業にかんする基本方針を作成するよう求めるものですが、答弁を求めます。一方、都立産業技術研究所の臨海部への移転を決めた「産業支援体制の再整備に係わる基本構想検討」は、7人の委員でわずか半年間、4回の会議を経て発表。「産業基本戦略」も7人の委員で5回の会議が開催され今年の1月30日に素案が発表されましたが、検討経過も非公開ですすめられ、委員会の議題すら公表されません。7こうした経過でつくられた「産業基本戦略」をもとに、予算が重点的に配分されて執行するようなことはあってはなりません。広く、産業振興を考え、特定の分野に偏って執行するようなことがないよう求めるものですが、答弁を求めます。平成19年第一回都議会定例会小竹ひろ子議員の文書質問に対する答弁書質問事項一「産業振興基本戦略」と今後の中小企業振興について1オリンピックにむけた「10年後の東京」がめざす都市像の実現を、産業政策の面から具体化すること自体が間違いである。「10年後の東京」を前提とせず、産業政策をつくるよう求める。答弁を求める。回答「10年後の東京」は、成長のステージを経て成熟を遂げつつある東京が、さらに機能的で魅力ある都市に生まれ変わるため、都市インフラはもとより、産業、観光、環境、安全、文化などさまざまな分野で、より高いレベルの成長を遂げていく都市像と、それに向けた政策展開の方向性を都市戦略として示したものです。産業振興基本戦略は、この都市像の実現を産業振興の面から推進するために策定したものです。質問事項一の2産業振興基本戦略には、現状分析がない。長期的視点にたった産業戦略を考えるなら、地域経済、中小企業など、中小企業の実態、東京の産業の実態を分析すべきだが、答弁を求める。回答都では、東京の産業の実態について、「東京の産業と雇用就業」や「中小企業の現状」(旧「中小企業経営白書」)、政策調査などにおいて、日常的に実態調査や現状分析を行っています。産業振興基本戦略では、これらに基づき「東京の産業の特徴」として現状の分析を記載しています。質問事項一の3これまでの施策の分析など、都の産業政策の総括が必要である。また、都独自の役割として、区市町村など基礎的自治体との連携などの視点が必要である。それぞれの答弁を求める。回答都は、これまでCLO、CBOの発行、ベンチャーファンドの創設、ナノテクノロジーセンターの設置など、都独自の産業振興施策を進め、中小企業の競争力強化など東京の経済活性化に大きな役割を果たしてきました。また、区市町村との連携は重要であり、基本戦略においても区市町村が進める産業振興との連携・協力を強化していくこととしています。質問事項一の4大阪では、商工指導所を継続させている。人材育成を言うなら、商工指導所を復活させるなど、有能な人材を確保し中小企業を支援すべきである。見解を求める。回答平成13年度、それまで商工指導所が行っていた経営相談業務については、東京都中小企業振興公社に移管した上で、中小企業経営、法律などの専門家を確保・活用して効果的かつ効率的に推進しています。質問事項一の5建設業を、地域の基幹産業として位置づけるべきである。また、建設業を含めた産業振興政策をつくるよう求める。それぞれ答弁を求める。回答平成11年の中小企業基本法の改正の趣旨を踏まえ、都においても業種別振興を柱とする政策から、経営革新や創業等、業種に関わらず意欲ある中小企業等の前向きな事業活動に対して支援する方向に政策を転換してきました。したがって、個別の業種について、地域の基幹産業として位置付けることや、産業振興政策をつくる考えはありません。質問事項一の6産業振興基本戦略は、作成手続きに問題がある。あらためて作成段階から各産業の代表を網羅し公募した都民による参加で、審議し、産業に関する基本方針を作成するよう求める。答弁を求める。回答産業振興基本戦略は、素案の策定に当たり、懇談会委員の外に、中小企業、研究機関など、現場の第一線の方々から多くの意見を聴取しました。素案発表後は、パブリックコメントを通じて都民の方々から意見をいただくとともに、議会、業界団体、自治体から、幅広く意見を聴取しました。これらの意見を十分に考慮して、産業振興基本戦略を策定しました。質問事項一の7検討経過非公開ですすめられるなどした産業振興基本戦略をもとに、予算が重点的に配分されるなどしてはならない。広く産業振興を考え、特定の分野に偏って執行することがないよう求める。答弁を求める。回答産業振興基本戦略は、重点産業の育成、技術・経営革新の促進と経営基盤の強化、魅力ある都市の創出、人材育成の4つの戦略を定め、東京全体の産業の活性化を推進する中長期の施策の方向性を示しています。今後の産業振興に当たっては、これら4つの戦略を具体化していきます。平成19年第一回都議会定例会文書質問趣意書提出者植木こうじ質問事項一中野区の小児救急医療の危機打開への支援を一中野区の小児救急医療の危機打開への支援を医師不足が深刻な社会問題になっています。とりわけ、乳幼児の命と健康を守る小児科医の確保は急務です。中野区では、区内でただひとつ365日24時間対応の小児救急を実施していた中野総合病院が、小児科医不足のため小児病棟を維持できなくなり、二次救急も対応できなくなりました。同病院は、中野区医師会と協力して、小児初期救急と二次救急をくみあわせて軽症から検査、入院まで対応する「中野方式」といわれる先進的な体制を構築し、実績をあげていました。その中野総合病院の小児二次救急が維持できなくなり、中野区内から休日・夜間の小児救急に対応できる病院がなくなってしまったことは、区と区医師会、そしてなにより区民にとって大問題になっています。私は先日、中野総合病院を訪問して実情を伺ってきました。病院では、「これまでは大学病院との連携によって医師の体制を組むことができましたが、大学側も研修医制度の影響もあって医師不足が深刻になり、他の病院への派遣ができなくなってしまいました。独自に医師を確保するなど努力をしてきましたが、残された医師の負担が重くなり、やむなく小児二次救急を断念せざるをえませんでした」と語っていました。中野区が属している区西部医療圏で小児休日全夜間救急を実施している病院は5か所ですが、いずれも新宿区の大学病院、国立病院です。人口30万人の中野区がゼロ、人口51万人の杉並区もゼロです。40度の熱で脱水状態になった乳児が、三か所の大学病院が一杯で断られて4か所目の大学病院でようやく受け入れてもらうことができて一命をとりとめることができましたが、診療してもらうまで3時間もかかったということもおきています。1東京都は都内60か所に小児休日全夜間救急を整備するとしていますが、区西部医療圏は5か所から4か所に後退し、中野区は1か所がゼロになっています。深刻な事態であり、早急に打開する必要があると思いますが、都の認識を伺います。中野総合病院の小児科は現在、外来のみで、平日午後7時から10時までの平日準夜間の小児初期救急については、中野総合病院の医師と医師会の19名の医師により維持しています。しかし、小児病棟がなくなることを予告してから、小児科外来、準夜間救急ともに、急速に患者数が減っています。やはり多くの区民は、初期救急と検査・入院の両方が一か所でできる「中野方式」の再開を期待しているのです。同病院では、地域住民の医療をまもるため、小児科医をなんとかして確保し、休日全夜間救急を再開したいと努力をつづけています。しかし、「医師確保のための広告費や人件費などがたいへんで、一病院の努力で小児二次救急を再開するのは困難だ」と訴えています。2こうした民間医療機関の小児科医確保に対し、都として助成をおこなうなどの支援が必要だと考えますが、どうですか。3たとえば三重県は、県の職員として医師を確保し、県内の医療機関に派遣するドクター・プール制度を実施しています。長崎県や北海道にも、医師の派遣制度があります。都としても、島しょ対策だけでなく、医師不足に苦しんでいる民間病院や公立病院に対する医師派遣制度を創設することを提案するものです。見解を伺います。4八王子市では、都立八王子小児病院が小児休日全夜間救急を実施しているほか、東京医大八王子医療センターが偶数日、東海大学八王子病院が奇数日を担当するという分担方式で実施しています。こういう複数の病院が連携した方法で小児休日全夜間救急を再開することも緊急対策として有効だと思いますが、どうですか。飯田橋にある東京警察病院が、中野区に移転する計画で、新病院の建設をすすめています。区民からも、区医師会からも、同病院で小児二次救急をおこなってほしいという切実な声があがっています。私は2月19日に、日本共産党中野区議団とともに東京警察病院の新病院建設委員長を担当している病院副委員長を訪ね、新病院で小児二次救急を実施してほしいとの申し入れをおこないました。新病院では小児科外来を開設することにしているが、「小児二次救急の体制を整えることは難しい」と答えました。話し合いの中で、「小児救急の必要性は認識している。医師不足の問題など多くの課題がある。将来の課題です」と話していました。5中野区に開設予定の新しい東京警察病院において、休日・全夜間対応の小児二次救急を実施することは重要な意義があると思いますが、どうですか。また、都としても実施に向け働きかけていただきたい。答弁を求めます。6都は病院が実施する小児休日・全夜間救急に対し病床確保などの財政支援をおこなっていますが、実態に見合ったものとなっていません。小児医療をめぐる今日のきびしい環境の下で目標の60か所を実現するには、思い切った拡充が必要です。私は、初期救急から検査・入院まで対応できる「小児救急医療センター」の整備・運営を支援する事業として抜本的に拡充することを提案するものですが、どうですか。7中野区は、医師会や区民のつよい要望もあり、準夜初期救急の予算を拡充し、今年の4月から、これまでの平日だけでなく土曜、日曜も加えた体制整備の努力をしています。こうした小児初期救急体制整備に向けた区市町村のとりくみに対する都の運営費補助、整備費補助についても拡充することを求めるものです。見解を伺います。都は来年度予算で、大学病院等が、都内に不足する診療科を志望する後期臨床研修医を確保した場合に指導経費等を補助し、都における将来の専門医確保をはかる「東京シニアレジデント」や、都立病院における臨床研修医制度を整備・拡充する「都立病院医師アカデミー(仮称)」をもりこみましたが、小児科、産科などの医師の育成・確保対策については、いっそうの拡充が求められています。たとえば、医学生に対する奨学金制度は群馬県、長野県、和歌山県、鳥取県、山口県、宮崎県などが実施し、県内の医療機関に就職した場合は返済免除にするなど、地元への定着を図る努力をしています。三重県や宮城県は、地元の大学医学部に地域医療の寄付講座を開設しています。東京都も、都内の大学医学部に、地域医療、小児救急などの寄付講座を開設し、都が必要としている医療人材を積極的に育成してはどうでしょうか。山形県、愛知県、京都府、山口県などは、離職している医師の再就職を支援する無料職業相談所ドクターバンク事業を実施しています。なかでも京都府は、離職した女性医師対象の女性医師バンク、定年退職した熟練医師が対象のベテラン医師バンクなど、きめ細かい対応をしています。8こうした全国のとりくみも参考にして、都として小児科・産科医師育成奨学金、大学寄付講座、ドクターバンクの実施など、医師確保対策のいっそうの拡充にふみだすことを提案するものですが、答弁を求めます。また、小児科の医師は、女性医師のしめる割合が高いことが特徴であり、女性医師が働きつづけられる環境整備が重要です。9都内の医療機関で働く女性医師の妊娠中の当直免除や、産休中の身分保障、育児休暇をとった医師の代替要員確保と現場復帰の保障、院内保育所整備など、女性医師の仕事と家庭の両立支援に、都としてとりくむことを提案するものですが、どうですか。これほど医師不足が深刻になった要因のおおもとには、政府が医療費適正化の名で、医師の養成を抑制してきたことにあります。政府はいまだに「医師は充足している」としていますが、大きな間違いです。日本の医師数は人口10万人あたり200人に対し、OECD加盟国の平均は310人で、OECD加盟30か国中、日本は27位という低い水準です。最近政府は、世論の高まりをうけて従来の立場を修正し、暫定的に医学部の定員増を認める方向をうちだしましたが、対象は10県にかぎられ、それも将来分の前倒しにすぎず、のちに定員削減を求められます。これでは、深刻な事態の根本的打開はできません。10都として政府に対し、大学医学部の定員を大幅に増やし医師の計画的な増員をはかること、小児科、小児救急の診療報酬をひきあげることを要請すべきと考えますが、答弁を求めるものです。平成19年第一回都議会定例会植木こうじ議員の文書質問に対する答弁書質問事項一中野区の小児救急医療の危機打開への支援を1都は都内60か所に小児休日全夜間救急を整備するとしているが、区西部医療圏は4か所に後退し、中野区は1か所がゼロになっている。早急に打開すべきだが、都の認識を伺う。回答入院治療を必要とする小児救急患者に対応する休日・全夜間診療事業(小児科)については、都全域で整備目標である70床を確保しています。中野区を含む区西部保健医療圏においても、複数病院の参画を得て必要な入院治療体制が確保されています。質問事項一の2中野総合病院では小児科医確保の努力をしているが、二次救急再開は困難だと訴えている。民間医療機関の小児科医確保に対し、都として助成するなどの支援が必要だが、見解を伺う。回答休日・全夜間診療事業(小児科)の参画医療機関に対しては、これまでも小児科医師の確保のための経費を含め、支援を行っています。質問事項一の3他県にはドクタープール制度や医師の派遣制度がある。都としても、島しょ対策だけでなく、医師不足に苦しむ民間病院や公立病院に対する医師派遣制度の創設を提案する。見解を伺う。回答医師の養成・確保は、本来、国の責務であり、都道府県単位の医師確保の取組には限界もあることから、国に対し、重点事項として医師の養成・確保についての提案要求を行っています。また、都としても、全国的に不足しているといわれている小児科・産科等の医師確保について、「東京シニアレジデント」制度の創設や「都立病院医師アカデミー」などの新たな独自の取組を開始することとしています。質問事項一の4八王子市で実施されているように、複数の病院が連携した方法で小児休日全夜間救急を再開することも、緊急対策として有効だと思うが、見解を伺う。回答小児の休日・全夜間診療事業については、二次保健医療圏ごとに地域の医療資源の実情に応じた体制整備を行うこととしており、既に複数医療機関での体制確保も、この事業の対象としています。質問事項一の5中野区に開設予定の東京警察病院での、休日・全夜間対応の小児二次救急実施は、重要な意義があると思うがどうか。また都としても、実施に向け働きかけるべきだが、答弁を求める。回答東京警察病院の移転に当たっては、病院に対し、地元自治体や医師会等との協力、連携に努めるよう指導しており、救急医療など地域に貢献できる医療を実施すると聴いています。質問事項一の6都は、小児休日・全夜間救急への財政支援をしているが、実態に見合っていない。初期救急から検査・入院まで対応できる小児救急医療センターの整備・運営支援事業として抜本的拡充を提案する。見解を伺う。回答都は、入院治療を必要とする小児の救急患者に対応する休日・全夜間診療事業(小児科)において、参画医療機関に対し、小児科医師の確保料を含め、国の基準を上回る手厚い財政支援を行っています。軽症患者の診療に当たる初期救急については、区市町村が主体となって小児初期救急診療事業を行っていますが、地域の医療資源の状況に応じて、二次救急医療機関において区市町村が小児初期救急診療事業を実施する場合についても、既に都は補助を行っています。質問事項一の7中野区では、準夜初期救急の予算を拡充している。こうした小児初期救急体制整備に向けた区市町村のとりくみへの都の運営費補助、整備費補助の拡充を求める。見解を伺う。回答初期救急医療体制は、本来、住民に身近な区市町村が主体となって整備を進めるものです。都は、これまでも、区市町村が実施する平日夜間の小児初期救急診療事業に係る運営費や施設整備費等の支援を行うことにより、その促進を図っています。質問事項一の8全国のとりくみも参考にし、都として小児科・産科医師育成奨学金、大学寄付講座、ドクターバンクの実施など、医師確保対策の拡充にふみだすことを提案する。答弁を求める。回答医師の養成・確保は、本来、国の責務であり、都道府県単位の医師確保の取組には限界もあることから、国に対し、重点事項として医師の養成・確保についての提案要求を行っています。一方、都としても、全国的に不足しているといわれている小児科・産科等の医師確保について、「東京シニアレジデント」制度の創設や「都立病院医師アカデミー」などの新たな独自の取組も開始することとしています。質問事項一の9都内医療機関で働く女性医師の妊娠中の当直免除、産休中の身分保障、院内保育所整備など、女性医師の仕事と家庭の両立支援に、都としてとりくむことを提案する。答弁を求める。回答出産、育児に関する労働条件は、労働基準法をはじめ育児・介護休業法などにおいて定められているとともに、次世代育成支援対策推進法において、職場と家庭生活との両立支援に向けた雇用環境の整備が求められており、医療機関も事業主として適切に対応することが求められています。都においても、法律や制度の周知など普及啓発に取り組むとともに、院内保育所の運営について補助を行うなど、これまでも支援に努めています。質問事項一の10都として政府に対し、大学医学部の定員を増やし医師の計画的増員をはかること、小児科、小児救急の診療報酬をひきあげることを要請すべきだが、答弁を求める。回答都はこれまでも、小児科医師の十分な養成・確保、小児医療、小児救急医療に係る診療報酬の改善について、国に対する提案要求を継続して行っています。また、これまでも全国知事会における国への予算要望活動等、様々な機会を通じ、へき地勤務医師の確保や小児科・産科等の特定診療科における医師の偏在の解消、増加傾向にある女性医師の就業環境の整備などに関し、広く要望を行っています。平成19年第一回都議会定例会文書質問趣意書提出者石毛しげる質問事項一軽度発達障害者支援について二北多摩北部保健医療圏の小児救急医療について一軽度発達障害者支援について軽度発達障害者の就労支援をめぐる問題について、大妻女子大学人間関係学部の小川浩助教授がこのように言っております。「軽度発達障害の人が一般企業に就職する場合、企業が障害に対する一定の配慮を行うことが必要である。障害に対してどの程度配慮できるかどうかは、障害のある人の能力とともに就労成功の重要な要素となる。多くの従業員を雇用管理する企業の立場からすると、公的に障害者と認定され、障害者雇用率の対象となる人であれば一定の配慮を行うことはできるが、障害者手帳を持たない人に対してあいまいな根拠で配慮をすることは困難である。極端に言えば、障害に対する配慮が必要であれば、手帳を取得して、障害者雇用枠で就職することが無難であり、障害者であることを職場で公表したくなければ、通常の競争原理の中で働く覚悟が必要となる」知的障害者を対象とする療育手帳の交付基準は、県によっては若干異なっているようである。一部では、自閉症の診断を受けた児・者については、境界線級まで療育手帳を交付している例もあり、支援の必要性に合致した運用として成果を上げている。軽度発達障害のある人が雇用率対象に含まれるためには、このように境界線級を含めた療育手帳交付を進めることも一つの方策であると考える。」「軽度発達障害のある人の就労支援の課題は多岐にわたり、その問題解決には、自閉性障害についての専門知識が必要とされる。今後、研修の実施などを通して、障害者職業センター、ハローワーク、就業・生活支援センター、地方自治体の就労支援事業、発達障害者支援センターなどに軽度発達障害に関する専門性を持った就労支援専門職員をふやしていくことが必要である」「軽度発達障害のある人の社会適応は就労の成功がかぎとなる。職業生活に適応できず就労困難となった人は、知的障害者や精神障害者の福祉サービスには居場所を見つけることができず、結果、家庭での引きこもりに至ることも少なくない。生活面の問題を深刻化しないためにも、学校生活から職業生活への移行を支援していくことが必要となる。そのためには、就労支援の分野だけではなく、早期の診断、障害受容、教育、職業訓練などを含むライフサイクルに即した一貫した支援が必要である」このように述べております。このようなことを十分考えていただいて、これからの東京都における発達障害児・者の施策について伺います。1雇用する側、される側の視点に立ち、療育手帳の申請相談の中で、予算的な課題もあるだろうが、希望があれば、障害者として認定する方策は考えられないのか。2今後、研修の実施などを通して、障害者職業センター、ハローワーク、就業・生活支援センター、地方自治体の就労支援事業、発達障害者支援センターなどに軽度発達障害に関する専門性を持った就労支援専門職員は現在配置されているのか。また、ふやしていくことは考えられるのか。3神奈川県では、学校で一番力のある先生でもあるコーディネータが特別支援教育について、担任をやりながらでは忙しくてその実力を発揮できないため、平成19年度から7億1千万の予算をつけ教員を雇い、授業の肩代わりを出来るような体制を整え、専任でコーディネータの仕事を出来るようにするという。東京都も、特別支援教育コーディネータ(教育支援コーディネータではない)について、保護者から「現場の先生を忙しくさせる研修ではなく、具体的な検討事例を含めた研修を実現してほしい」「親との接触が何もないことに不安を感じている」「障害理解には当事者の話を聞くことが一番大切だと思うが公的研修だけで大丈夫だろうか」との声も上がっており、同様の施策の実現が望まれるが、見解は如何。4小平市では指定学校変更許可及び区域外就学承諾に関する審査基準において、区分の2番目に身体的理由が書かれているが、各方面の医師や幼稚園教諭、訓練士等から、高機能広汎性発達障害の障害特性ゆえ、刺激が多いと勉強に集中できないのでクラスの人数の少ない小学校に行くことを強固に勧められている場合でも、市教委もこの障害を基準に適用させることができない場合が多い。故に、東京都の施策で軽度発達障害児が在籍する学級の児童数を若干抑えることが出来ないか。例えばそのクラスに限り30人以下にする。また、その児童を2名分とカウントし、1学年が80名ならその子がいるとカウント上は81名となり3クラス編成ができるようになるなどが考えられるが。5地域の方からの話によれば、能力が高くても支援が足りずに普通学級にいられなくなった児童は生活のための学習を続けることになる。障害児教育自体は生活の訓練であり、その子に合わせるというのも良いけど、ここまで持っていくというものがなく、能力の高い児童がこのままの教育を受けると、本当はやればできることもやらずに終わってしまうと危惧されている。最近、都立の養護学校は職業訓練型の学校も含め、愛の手帳の提示を求めるようになっており、知的に遅れのない場合、入学が難しいと言われている。小平市で増えている、知的に遅れがなさそうな児童が心障学級に多いということは、障害児教育を受けたため高校入試は学力的に無理で、発達検査の結果が高く「愛の手帳」がなく、養護学校も入れない、中学校を出てもどこにも進学できないのではないかと親御さん達は心配している。小・中ともに保護者の方は、「障害者は労働者たり得る、そのための公的な支援、教育なのではないか」という意識で、子どもの能力開発をしたいのに、そのような就学の機会がなく、一般事務が出来るだけの学習面の教育がされず、現状では問題が多すぎると見ている。発達障害の自閉の子が固定の心障級にいくと勉強の習慣がつかない、作業しか教えないことで能力開発ができなかったなどの声もよく聞きます。普通級から心障級に転学したお子さんの保護者は、小学校3年生まででも子どもの能力はIQも含めてぐんと伸びるので、ぜひ、可能性をもたせてほしいと言っております。そして、現場の心障級の先生がちゃんと勉強する機会を保障して欲しいということも言っております。中年以上の先生ほど分かっておらず、勘に頼りすぎるので、子どもに対する、障害特性やそれに伴う教育支援のあり方を、先入観を持たずに知って欲しい。先生方は学校の雑務に忙殺されているが、市は教員の人材養成にもっと力を入れて欲しいと皆さん言っておられます。東京都教育委員会は、児童相談所の判定で、「愛の手帳」が出ず、発達検査でも知的障害が認められない児童が心障学級に行くことについて、どのような認識をもっているか。この陥穽をどのように埋めようと考えるか。静岡県では固定級において、知的障害学級と情緒学級を分け、それぞれの障害特性に応じた教科教育やソーシャルスキルの訓練を行っている。東京都でも同様の施策を実現できないか。6通級学級設置校の児童については、市区町村内全域の対象児童を数校の通級学級で受けているの場合が多いと思うが、区域の各校の児童を公平に受け入れているとは言い難い。自力通学が出来るか出来ないかという1つの能力の有無で、支援の必要な児童・生徒を安易に切り捨ててはいないだろうか。通級はそもそも入級資格に関して明記されたものがなく、人によって話も違っており、いつ募集があり、決定されるのかを公表していない。また、通級を希望しても、学務課に相談も見学も断られる児童・親がいる。どんなに医者や訓練士から通級を勧められても、知的に境界線上にいる子どもの多くは、入級対象外とされているケースも見受けられる。通常の授業を抜けて通級指導を受けても勉強が遅れないようにするためとの説明もあるが、親御さん達にとっては、「支援の価値なし」と思われているようだとのこと。これらの児童・生徒に対して放置するのではなく、何らかの具体的な教育支援をとるべきだと考えるが東京都の見解を問う。7また、通級の入級資格の透明性を図り、通級設置校・非設置校の如何に関わらず現状の人数の偏りについて平等性を確保し是正を行うべきだが、見解を問う。質問というより提案ですが、障害特性に応じた通級と同じような教室を、特別な支援を必要とする子がいる全学校に設置すべきではないか。無論それが出来ないから通級なのだという話もわかるが、通級設置校以外の通級児童の親御さん方から指摘される不公平や不平等性、子どもの片道20分以上も一人きりで歩かねばならない自力登下校の安全面、先生方の送り迎え、親御さんの送り迎え、ルート上にバスを走らせることなどの全てのコストパフォーマンスを比較考慮しても、特別な教育支援を必要とする子どもがいる全学校に加配なり何なりして、逆に通級の先生が巡回したってかまわないのだから、子どもが移動する必要がない指導学級の制度も意を尽くして、考えるべきだがどうか。簡単に言えば、各校においても通級設置校と同様に、もっと簡易に支援を受けられるようにならないか。通級設置校の児童は、診断を受けていない児童でも在籍校と言うだけで、休み時間や放課後を利用して簡単に指導を受けられる。都の責任で通級の増設を可能にできないか。8また、今後も通級への入級希望者が増え続けることが予想されるが、各校の定員を超えた場合の対策は考えているか。また指導教員の数が不足しているのではないかとの声もあるがどうか。さらに、各通級指導学級の指導教員は専門的な知識や研修を積んだ教員が少なく、通常学級の担任からの移行が多いように思われ、また自主的に研修を積んでいる教員がいる一方、障害の特性を理解しまいまま、指導に当たっている教員がいる現状を把握しているか。二北多摩北部保健医療圏の小児救急医療について夜間・休日に子どもが急な病気になった際、診療してもらえる医療施設があることは子どもを持つ親にとって切実な要求である。小平市、東村山市、清瀬市、東久留米市、西東京市の5市から構成される、北多摩北部保健医療圏においても、夜間・休日の小児医療の確保は重要な課題となっている。これまでこの地域の小児医療に大きな役割を果たしてきた都立清瀬小児病院は、平成22年3月に府中市に小児総合医療センター(仮称)として移転統合される予定となっており、その後の小児医療とりわけ小児救急医療の確保はこの保健医療圏において大きな問題となってきた。このため、都では、多摩北部医療センター(旧都立多摩老人医療センター)に小児科を設置、平成17年6月からの休日・全夜間診療事業(小児科)参画など、同医療センターの二次救急医療機関としての体制整備を進めてきた。一方、圏域各市においては、地元医師会の協力を得て、平成17年1月から小平市が、同年6月からは東村山市、清瀬市、東久留米市、西東京市の4市が共同で小児初期救急診療事業を立ち上げ、また、圏域5市及び5市医師会その他の関係者が集まり、圏域の小児初期救急医療体制について検討を行う会議を定期的に開催するなど、市の枠組を越えて協力し、小児救急医療体制の確保に取り組んできた。しかしながら、清瀬小児病院がこれまで地域で担ってきた役割の大きさを考慮すると、多摩北部医療センターの小児科の更なる体制充実とともに、現在、各市が実施している初期救急診療事業についても拡充が必要と言わざるを得ない状況にある。加えて、小児科医師の確保難から、この圏域においても小児科の二次救急医療機関が夜間・休日の小児救急医療を休止する例も出ており、地元各市の関係者の危機感は大変強いものとなっている。こうした状況の中、先ごろ各市は地元医師会と協力し小児初期救急診療事業の拡充を進める方向を確認し合い、4市共同で実施している小児初期急診療事業においては、現在多摩北部医療センターでの診療日数を拡大するとともに、新たに西東京市内においても実施拠点を設けることとした。この方針については、清瀬市と東京都における地域の小児医療の確保に関する協議においても検討がなされ、都も初期救急医療体制の整備について、地域の意向に配慮した支援を行っていくとされている。各市は、圏域の小児初期救急体制の充実に向け取り組んでいくにあたり、市の取組に対し都の十分な理解と支援を求めることが必要であるとして、本年1月、5市市長が連名で都への要望を行い、その中で「北多摩北部圏域における総体的な小児医療体制の底上げに向けた支援」を求めている。1都は、5市市長が一体的に要望を行った意義についても重く受けとめ、小児初期救急診療事業の拡充などの各市の取組に対する支援を講じていくべきである。5市市長からの「北多摩北部圏域における総体的な小児医療体制の底上げに向けた支援」の求めに対し、都はどのように取り組んでいくのか伺う。比較的軽症な患者に対応するための初期救急医療体制の整備を進める市の取組は重要であり、都として十分な支援を行うべきと考えるが、一方、入院が必要な症状の重い患者をいざという時に受け入れられる、しっかりとした二次救急医療体制も地域にとっては不可欠である。2地域の二次救急医療機関として多摩北部医療センターが期待される役割は大きく、そのため同医療センターの小児科の体制充実は、地域の安心を得るためにも重要である。5市市長の都への要望においても、「多摩北部医療センターにおける需要に見合った小児科医師の配置」を求めているが、都としてどう取り組んでいくのか伺う。北多摩北部保健医療圏の小児救急医療体制整備については、今後、都と地元市、医師会、地域の医療機関等の関係者が力を合わせて、実際の体制づくりを行っていくこととなるが、その取組にあたっては、どこかにしわ寄せがいくような仕組みとならないようにする目配りも必要である。この圏域に限られることではないが、より安全で安心できる小児救急医療が提供されるためには、診療にあたる医師の側の環境についても配慮が必要であり、新聞報道等で取り上げられるような、救急病院の小児科医師が長時間労働などの勤務環境の苛酷さに耐え切れずやめていってしまうということを防ぐシステムづくりにも目を向けることが求められる。その一つは、小児科の診療に携わる医師にインセンティブを与えるような待遇や勤務環境の改善を通じて医師の安定的な確保を図ることであり、それに向けた抜本的な方策について都が他に先駆けて取り組むことを私は強く期待している。また一方、一部の医師に負担が集中しないよう、限られた医療資源ともいえる小児科医が協力して、地域の小児医療を支えるシステムの構築も重要である。3小児救急医療に携わる医師の安定的な確保について、都の考えを伺う。平成19年第一回都議会定例会石毛しげる議員の文書質問に対する答弁書質問事項一軽度発達障害者支援について1軽度発達障害者の就職には、企業の配慮が必要だが、療育手帳を持たない人への配慮は困難である。雇用の視点に立ち、手帳申請相談で、障害者認定する方策は考えられないか伺う。回答愛の手帳は、「東京都愛の手帳交付要綱」に基づき、明確な判定基準にのっとって、知的障害者を対象として交付しています。このため、本基準に該当しない方を、障害者として認定することは困難です。質問事項一の2障害者職業センター、ハローワーク、発達障害者支援センターなどに軽度発達障害の専門性を持った就労支援専門職員は現在配置されているのか。また、増やすことは考えられるのか伺う。回答東京都発達障害者支援センターにおいては、現在、4名の専門職員が、発達障害者及びその家族等に対し専門的な助言や就労支援等を行うとともに、関係機関への普及啓発等を実施しています。また、障害者就業・生活支援センターや区市町村障害者就労支援事業、国の東京障害者職業センターやハローワークでは、障害者の就業を支援する職員を配置し、発達障害を含むすべての障害種別に対応した就労支援を実施しています。都では、現在、発達障害を含めた障害者の就労支援に関する専門性の向上を目的として、都や区市町村の各就労支援機関の職員に対して研修等を実施しています。質問事項一の3神奈川県では、平成19年度から特別支援教育について、コーディネーターが専任で仕事ができるような体制を整えるという。同様の施策の実現が望まれるが、見解はいかが。回答小・中学校における特別支援教育コーディネーターについては、国は、いわゆる義務標準法において専任として位置付けておらず、また、都教育委員会としても、特別支援教育コーディネーターを校務分掌の一つと位置付け、すべての教員が発達障害等障害を理解し、協力して組織的に一人一人の児童・生徒の指導や支援に取り組むべきものと考えています。なお、区市町村教育委員会における特別支援教育を支援・推進していくため、平成19年度より、小・中学部が設置されている知的障害養護学校の教員が計画的に地域の小・中学校を訪問し、支援することができるよう、必要な非常勤講師の配置や旅費に係る予算措置をしています。質問事項一の4小平では、指定学校変更許可基準等により、医師などから少人数クラスの学校を勧められても実現できない場合が多い。都の施策で軽度発達障害児が在席する学級の児童数を抑えることができないか伺う。回答都教育委員会としては、学級には一定規模が必要と考えており、引き続き、現行の学級編制基準に基づき対応していきます。なお、区市町村教育委員会においては、通常の学級に在籍する学習障害等の児童・生徒への対応も含め、校内委員会の設置や特別支援教育コーディネーターの指名など小・中学校における特別支援教育の推進体制の整備を進めており、都教育委員会としても、特別支援教育体制モデル事業等の成果の提供等を通じ、区市町村教育委員会を支援しています。質問事項一の5都教委は、愛の手帳が出ず、知的障害が認められない児童が心障学級に行くことをどう認識しているか、静岡では障害特性に応じた教科教育等を行っているが、都でも実現できないか伺う。回答小・中学校の特別支援学級については、学校教育法等に基づき、障害のある児童・生徒を対象としており、知的障害特別支援学級については、愛の手帳の有無に関わらず、知的障害のある児童・生徒を対象としています。なお、特別支援学級については、学校教育法等に定める障害のいずれを対象とするかを含め、区市町村教育委員会の判断により設置するものです。質問事項一の6通級は入級資格を明記したものがなく、通級を希望しても入級対象外にされるケースもある。これらの児童・生徒を放置するのではなく、具体的な教育支援をとるべきだが、見解を問う。回答小・中学校の特別支援学級のうち、通級指導学級の対象となる児童・生徒については、小・中学校の設置者である区市町村教育委員会において、学校教育法施行規則等に基づき、様々な観点から総合的に判断しています。なお、区市町村教育委員会においては、通常の学級に在籍する学習障害等の児童・生徒への対応も含め、校内委員会の設置や特別支援教育コーディネーターの指名など小・中学校における特別支援教育の推進体制の整備を進めており、都教育委員会としても、特別支援教育体制モデル事業等の成果の提供等を通じ、区市町村教育委員会を支援しています。質問事項一の7通級の入級資格の透明性を図り、平等性を確保し是正すべきだが見解を問う。各校でもっと簡易に通級設置校と同様の支援を受けられないか。都の責任で通級の増設を可能にできないか。回答小・中学校の通級指導学級については、小・中学校の設置者である区市町村教育委員会の判断により設置され、都教育委員会としては設置の同意を行うものです。なお、通級指導学級の対象となる児童・生徒については、各区市町村教育委員会において、学校や家庭における状況、専門的な検査など様々な観点から総合的に判断するものですが、都教育委員会としても、通級指導学級への入級も含め、障害のある児童・生徒の就学相談に関し、区市町村教育委員会に対する支援を行っており、保護者の理解が得られる就学相談の充実のため、引き続き取り組んでいきます。質問事項一の8今後も入級希望者が増えると思うが、定員を超えた場合の対策は考えているか。指導教員不足との声もあるがどうか。通級指導学級で障害の特性を理解していない指導教員がいる現状を把握しているか伺う。回答小・中学校の通級指導学級については、小・中学校の設置者である区市町村教育委員会において、地域の状況等も踏まえつつ、設置されるもので、都教育委員会としては設置の同意を行うものです。なお、都教育委員会においては、通級指導学級での研究授業等へ講師として指導主事を派遣したり、東京都教職員研修センターにおいて、特別支援教育に関する教員研修を実施し、また、区市町村教育委員会においても研修等を実施するなどして、指導教員が障害のある児童・生徒の理解を深めて、指導しています。質問事項二北多摩北部保健医療圏の小児救急医療について1都は、5市市長が一体的に要望を行った意義についても重く受けとめ、小児初期救急診療事業の拡充などの各市の取組に対する支援を講じていくべきである。5市市長からの「北多摩北部圏域における総体的な小児医療体制の底上げに向けた支援」の求めに対し、都はどのように取り組んでいくのか伺う。回答都は、区市町村が行う住民に身近な場所で小児初期救急医療を確保しようという取組に対して、地域の実情を踏まえながら、小児初期救急平日夜間診療事業補助により支援しています。北多摩北部保健医療圏の5市の要望についても、小児初期救急平日夜間診療事業補助の活用とともに、入院治療が必要な小児患者に対しては、休日・全夜間診療事業(小児科)による二次救急医療体制の確保などを通じ、総体的な小児医療体制の底上げに向け引き続き支援していきます。質問事項二の2二次救急医療機関として多摩北部医療センターへの期待は大きく、小児科の体制充実は重要である。五市の要望でも、需要に見合った小児科医師の配置を求めているが、都としてどう取り組むのか伺う。回答清瀬小児病院の移転後に、地域住民が安心して適切な医療を受けられるよう救急医療を含む小児医療体制を確保するためには、多摩北部医療センターが小児医療に関して地域の中核的役割を果たしていくことが不可欠であると考えています。そのため、小児科医師の確保については重要な課題と考えており、多摩北部医療センターを運営する東京都保健医療公社とも連携しながら、引き続き努力していきます。質問事項二の3一部の医師に負担が集中しないよう、限られた医療資源ともいえる小児科医が協力して、地域の小児医療を支えるシステムの構築も重要である。小児救急医療に携わる医師の安定的な確保について、都の考えを伺う。回答都は、小児初期救急診療事業によって地域の小児科医が協力して小児救急医療を支える仕組みづくりを推進するとともに、親の不安を軽減するため、小児救急電話相談や東京都こども医療ガイドでの普及啓発を行い、一部の救急医療機関への夜間の患者集中の緩和を図っています。さらに、「開業医小児医療研修」の実施により、地域の小児医療基盤の確保についても既に取り組んでいます。また、国に対しては、小児救急医療に係る診療報酬や医師の勤務環境の改善を通じ、小児科医師を十分に養成・確保することを提案要求しています。平成19年第一回都議会定例会文書質問趣意書提出者清水ひで子質問事項一希望するすべての子どもたちに高校進学を保障することについて一希望するすべての子どもたちに高校進学を保障することについて今定例会本会議でわが党の松村議員は、99年度には96校あった夜間定時制高校が、統廃合により、この4月に向け生徒を募集したのは39校で、しかも今年度は一度に18校も募集停止になったため、2次試験でも多くの不合格者を生むのではと懸念されていることを指摘し、「夜間定時制高校は統廃合計画は見直し、募集再開を含め、生徒の実情にあった配置に改善するよう」求めました。中村教育長は「都立高校改革推進計画」に基づき、周辺の夜間定時制課程を統合しながら、昼夜間定時制独立校の整備をしており、今後も着実に計画を推進」と、今後も計画どおり統廃合を進めていく旨の答弁をしました。統廃合により生徒たちがどんな事態に陥り、どれだけ生徒たちの気持ちを傷つけているか、まったく理解していない答弁だといわざるをえません。私の地元の八王子市では、石原知事のもとで2002年に発表された都立高校改革推進計画、新たな実施計画により、市内の南多摩高校、富士森高校、第二商業高校、八王子工業高校の4校の夜間定時制高校が、昼夜間定時制の八王子拓真高校に統廃合されることとなり、今回の入試から4校とも募集停止となりました。かねてから八王子地域では、この統廃合と募集停止により、残った高校に応募が殺到し、2次募集でも合格できずに、卒業式まで進路の決まらない生徒が生まれるのではないかと懸念されていました。そして1次募集の合格発表が終わった今、その懸念が現実のものとなりつつあります。これまで都立高校の受験生たちは、もし失敗しても、定時制高校の2次募集に十分な枠があり、そこで受け入れてもらうことができました。しかし今年度は、これまであった4校がすべて募集停止、統合された八王子拓真高校は、1次募集から応募倍率が4倍となり、拓真高校だけで373人も不合格となったのです。市内の全日制の不合格者も合わせて398人にもなりました。それに対し市内の二次募集は、拓真高校の分割後期募集145人のみという、狭き門になってしまっているのです。受験した子どもたちの思いはどうだったでしょうか。3月1日に合格発表がありました。八王子市内のある中学校では、15人が八王子拓真高校を受けましたが、2人の男子しか合格しませんでした。その隣の中学校では、1人も合格しなかったといわれています。心を痛めた女子中学生が3月2日に書いた文章です。「私の意見がすこしでも参考になればうれしいです。私の学校では拓真高校をうけた子が15人です。その中でも私立を受けていない子がほとんどでした。みんなだめかもと言いながらテスト受けて、いっぱい面接の練習をしたりして、すごくがんばった子ばかりでした。しかし結果は男子1人しかうかりませんでした。落ちた子は働くって言ってる子ばかりで・・。がんばったけど勉強についていけず、内申が上がらなかった子もたくさんいました。高校に行きたい、でも受かる高校がない、でも私立をうけることはできない、だから拓真を受けたって子もいました。口では働くっていってるけど、やっぱり、高校に行きたいって思っているはずだから、少しでも募集してもらえるようになるとうれしいです。一人でも多く・・・お願いします。」また、ある男子生徒は、インターネットの日記に次のように綴っています。「高校落ちた。/あっけなかった。合格発表の紙見た瞬間、足の力が抜けて倒れた。/先生ごめん。/合格できなかった。/いろいろな事やってくれたのに。/期待に応えられなくて。親父ごめん。/絶対合格するっていったのに・・・。/中略/またがんばるからさ。/応援してください。」1このような生徒たちの気持ちをどう思いますか。全日制の受験生のなかには、不合格なら私立高校に行く生徒もいるかもしれません。しかし、都立高校の授業料免除者は、石原都政7年間で、全日制と定時制あわせて6,739人(99年度)から16,135人と2.4倍にもなっていることからも明らかなように、経済の格差の拡大が教育の分野にも大きな影響を与え、都立高校でないと進学できないという生徒は増えているのです。都立がだめなら高校進学はあきらめるという生徒が多くなっているとき、都の対応がこれでいいのか、本当に疑問です。2高校で学びたいと考える子どもたち全員に学びの場を保障するのが、東京都教育委員会の重要な役割であり責任であると考えますが、どうですか。都教育委員会は、昼夜間定時制の独立校を開校するに際して、統合する対象校の生徒数に対応する定員を確保するという計画で、八王子地区でも必要な募集定員は確保している、高校進学を希望する生徒が通学可能な範囲の学校に入学できないということはない、と言います。しかし、これまでの例でも昼夜間定時制担った学校は、1次募集で倍率は2倍にも3倍にもなり、定員は埋まってしまいます。夜間定時制の代わりの役割は果たせないのです。数年前江東区で、周辺の夜間定時制が大江戸高校に統廃合されたときは、大江戸高校だけでなく、両国高校など残った夜間定時制の2次募集に応募が殺到し、夜間定時制を不合格になった生徒が64人も出てしまいました。他の昼夜間定時制高校やチャレンジスクールへの統廃合でも、多かれ少なかれ同じような状況が生まれ、都民やから批判されてきたのではないですか。3これまでの経験から、今年の入試で八王子地域でも同じことが起こると予測しなかったのですか。また都教委はこの間の都議会文教委員会で、八王子で不足しても、国立、府中、調布などの夜間定時制高校があるから、そこで受け入れることができると答弁しています。しかし、ある保護者は、「八王子の恩方中学校から八王子駅までの通学定期代は月22,320円、高尾駅までは19,440円です。これだけでも大きな額ですが、さらにJRや京王線の定期が必要となると大変な額となり、大きな負担です。比較的通いやすかった都立高陵高校、館高校が募集停止となり、数年後今度は、第二商業、八王子工業の募集停止と、通いやすい高校が次々なくなり、不安な気持ちでずっときました。夜間定時制4校の統廃合も、第2商業が昼夜間定時制の八王子拓真高校に変わることも、私たち保護者の誰1人望んだことではありません。中学校での説明を、驚きと不安で聞かされてきただけなのです」と述べています。国立がある、調布があるというのは、生徒や保護者の実態や気持ちとかけ離れた話です。その親御さんはまた、「親の感覚では、定時制が希望する生徒を受け入れないとは、まず理解できなかった」と言い、八王子拓真高校についても、お子さんが、「(午前、午後、夜間の)3部もあるのだから(入れるのではないか)」という親の言葉に「お母さんはなにもわかっていない」と泣いて訴えていた意味がわかり、愕然としたそうです。4倍という異常な倍率となり、発表のあった3月1日、「落ちちゃった」「だめだったよ」とお子さんのところに友人から次々と連絡が入ったそうです。「まだ14歳、15歳の子どもが学費だけでなく、定期代までも心配し、親に負担をかけまいと学校を選択し、がんばってきたことを、東京都の方に知ってほしい」と訴えています。保護者だけではありません。ある中学校の副校長先生も今回の事態を憂え、校長会でも緊急に対応を申し入れることを検討したり、いろいろと努力しているとのことです。現場を知る教職員をはじめとする多くの関係者が、生徒たちの現状から、このまま放っておくことは出来ないと考えているのです。4校長会をはじめ、教育関係者、都民などからどんな要望かあがっていますか。お示しください。またそれらの要望を重く受け止め、対応すべきと考えますが、どうですか。3月6日、2次募集の応募倍率が発表されました。八王子拓真高校は344人、2.37倍の応募で、およそ200人も不合格になってしまいます。この200人の子どもたちの未来をくじくようなことがあってはなりません。どう考えても募集定員が足りません。神奈川県では2003年春に、統廃合により定時制高校に応募が殺到するという事態になり、3次募集までおこない枠を増やしました。このように、1度計画したことでも、その結果起こったことを謙虚に受け止め、募集枠、募集人員を急遽増やし対応しているところもあるのです。5都教委として、今年の受験生の高校進学を保障できるよう、緊急に、八王子の南多摩高校など今回募集停止となった定時制高校の募集を再開する、八王子拓真高校の募集を増やすなど、今からでも対策をとることを求めます。6来年は、十分な定時制の枠が確保できるよう、今年の事態をきちんと分析し、生徒の希望や通学事情などの実態に即して必要な定員枠を確保できるよう、本格的に夜間定時制の募集を再開する措置をとることを求めます。7経済格差の拡大の中で、交通費負担の少ないところでなくては通えない、都立でなくては行けない生徒が増えています。そうした状況の変化がある中で「都立高校改革推進計画」を遮二無二すすめるのでなく、いったん立ち止まり、生徒の実情にあった内容に、見直し・改善をすべきだと思いますが、見解を伺います。平成19年第一回都議会定例会清水ひで子議員の文書質問に対する答弁書質問事項一希望するすべての子供たちに高校進学を保障することついて1これまで都立高校の受検生は、もし失敗しても、定時制の二次募集に十分な枠があったが、今年度は狭き門となり、不合格者が多数出た。このような生徒たちの気持ちをどう思うか。回答都としては、今年度も従前と同様に全日制課程、定時制課程、通信制課程と、生徒の就学希望にこたえられる必要な受入枠を設けています。なお、都立高校は、全日制課程について、推薦による選抜、第一次・分割前期募集、分割後期・第二次募集、さらに、定時制課程の第二次募集を設定するなど、生徒の受検機会を十分保障しています。質問事項一の2経済格差の拡大により、都立がだめなら進学はあきらめるという生徒が多くなっている。高校で学びたい全員に学びの場を保障するのが、都教委の重要な役割・責任であると考えるが、どうか。回答都としては、これまで、全日制課程、定時制課程、通信制課程と、必要な受入枠を設けています。受検生の就学希望にこたえ得る受入枠を確保しています。質問事項一の3江東区で夜間定時制が統廃合された際、不合格の生徒が多数出てしまい、他の統廃合でも同じような状況となった。これまでの経験から、八王子でも同じことが起こると予測しなかったのか。回答都教育委員会では、定時制における多様化するニーズにこたえるとともに、全・定併置校が抱える施設利用や指導時間の制約などの課題を解決するため、昼夜間定時制独立校を地域のバランスを考慮して全都に11校設置し、定時制教育の改善を図っています。八王子拓真高校は300人の募集人員であり、これは募集停止となる4校の在籍人数を確保できるように設定したものです。また、近隣の夜間定時制課程において相当数の第二次募集が実施されるなど、定時制課程を希望する生徒の受入は可能であると考えています。質問事項一の4保護者だけでなく、多くの関係者がこのまま放置できないと考えている。校長会、教育関係者、都民などからどんな要望があがっているか。要望を重く受け止め、対応すべきだが、どうか。回答都民などに、様々な意見があることは認識していますが、都教育委員会としては、都立高校改革推進計画に基づき、昼夜間定時制独立校の設置を中心に、定時制教育の改善を図っていくことが、多様化する生徒・保護者のニーズにこたえることであると考えています。質問事項一の5今年の受検生の高校進学を保障できるよう、緊急に、南多摩高校など今回募集停止となった定時制高校の募集再開、八王子拓真高校の募集を増やすなど、対策を求める。答弁を求める。回答八王子拓真高校は300人の募集人員であり、これは募集停止となる4校の在籍人数を確保できるように設定したものです。また、近隣の夜間定時制課程において相当数の第二次募集が実施されるなど、定時制課程を希望する生徒の受入は可能であると考えています。質問事項一の6来年は、今年の事態をきちんと分析し、生徒の希望や通学事情などの実態に即して必要な定員枠を確保できるよう、本格的に夜間定時制の募集を再開する措置をとることを求める。答弁を求める。回答定時制課程に通学している生徒数及び応募状況等から判断して、定時制を希望する生徒の受入枠は確保していると考えており、夜間定時制課程の募集を行う学校を増やす考えはありません。質問事項一の7経済格差の拡大の中で、都立でなくては行けない生徒が増えている状況の中、都立高校改革推進計画を生徒の実情にあった内容に見直し・改善すべきと思うが、見解を伺う。回答都教育委員会は、多様化する生徒の実態や社会状況の変化を踏まえ、多様な進路希望等に対応できる様々なタイプの都立高校を設置し、都民の期待にこたえています。今後とも、都立高校改革推進計画に基づき、着実に都立高校改革を推進していきます。平成19年第一回都議会定例会文書質問趣意書提出者古館和憲質問事項一三宅島島民への復興支援について一三宅島島民への復興支援について先月2月1日で三宅島の避難指示が解除されて二年がたちました。三宅島に帰島した島民も、いまだに帰島できないでいる約千人の人たちも困難を極めた生活をおくっています。故郷にさまざまな事情で帰れない島民は、「三宅島への一時帰島にたいして船賃などの運賃補助がなくなってしまった。補助を復活してほしい」など、生活に関する要求・要望などであふれています。島民への生活再建支援はもとより、帰島する意思がありながらも都内で生活を余儀なくされている三宅島民への直接支援が待ったなしの緊急課題となっています。都内では「三宅島ふるさと再生ネットワーク」が結成され、いまもさまざまな支援活動を展開していますが、その一つが「三宅島非帰島住民の生活状況についてのアンケート」活動です。配布世帯のうち回収率が31%で、回答者の7割の方が60歳台以上とのことです。現在の職業が避難前では、「無職」が3割強でしたが、現在の避難先では無職が6割強と最も多くなっていることです。1年前に比べて『生計』はどうかとの問いに、とても苦しくなったが22%、少し苦しくなったが44%、合わせると66%が苦しくなったとしています。今後の生計について7割以上が悲観的な回答をよせています。困っていることへの回答で一番多かったのが「島の住宅費がかかる」で回答者の42%。次に「近くに知り合いがいなくてさびしい」「自分もふくめ、家族の中に喘息など高感受者や病気がちの人がいる」「家賃の支払い」「医療費が高い」「未帰島の人への支援が打ち切られて苦しい」「飛行場が再開されていない」などとなっています。1こうしたアンケートへの回答が寄せられているが、改めて、村とともに都として三宅島に戻っていない約一千人にたいして生活実態調査や、要望などを集約するとともに帰島する意思がありながら、何らかの事情で帰島できない島民に対して、住宅の再建や溶岩流に覆われた農地の復旧、公営住宅の建設、医療の確保など都として帰島を早めるための対策をとること。帰島して三宅島で生活している島民も、高濃度ガスによっていまだ自分の家にも住めず「家屋補修が継続して求められている。なんとか援助してほしい」との声は、災害がいまも継続している島民です。こうした認識に立った施策展開が求められています。また、「村営住宅の家賃が高くて払いきれない、何とか補助してほしい」などなどの切実な声があがっています。いま、都や村にとっての最重要課題は、村民が求めている生活苦などの島民のニーズを汲みつくすことだと考えます。帰島から一年たった際に、三宅村長が知事に会い、そこで「都が持っている農地試験場の跡地を開放してほしい」旨を要望したこと。それに対して、石原知事は、「都が使っていないんだったらいくらでも提供しますが・・・」と言いながら、三宅村長に対して『マン島視察』について言及したことが、報道記事(06年1月27日の記者会見)で読みました。2この「畜産試験場の未使用地」の利用については、その後、どのようになっているのでしょうか。3多くが未使用地となっているときいており、有効利用の立場から「高濃度地区」の住民などに農地として使用できるようにするなど、有効活用に道を開く必要があると考えますがどうか。4海中は、火山灰が浮遊し、磯はあれ、その上亀が大量に上陸してテングサを食い荒らしているなど海の復興もいまだ道半ばとのことです。この対応も急務だと考えますが、対処についてお聞かせください。5枯損木の処理もすすんでおりません。個人所有地での枯損木の処理と植樹については、都として補助をするなど、積極的な対応がいまこそ求められています。6また、三宅村が昨年の3月に作成した「三宅村観光支援」プランでは、三宅島観光の目指すべき姿として「火山島である三宅島の豊かな自然を体験するエコーツーリズム(自然環境などを損なわずに行う観光事業)」が第一に掲げられており、知事のトップダウンで進められようとしているバイクレースがこうした目標にそぐわないことは明らかです。エコーツーリズムを第一に掲げている三宅村の『構想』を後押しすることこそ都の最優先の課題ではありませんか。7さらに、村民の強い要望である、東京からの飛行機の直行便の再開を引き続き働きかけること。平成19年第一回都議会定例会古館和憲議員の文書質問に対する答弁書質問事項一三宅島島民への復興支援について1都として、村とともに三宅島に戻っていない約1千人にたいして生活実態調査や、要望などを集約するとともに、帰島意思がありながら、事情により帰島できない島民に対し、住宅再建や農地復旧、公営住宅建設、医療確保など、都として帰島を早めるための対策をとることを求める。答弁を求める。回答帰島後2年を経過し、いまだ帰島していない方々については、健康状態等、個々の事情があるものと理解しています。三宅村としては、未帰島者から帰島の相談等がある場合は、村営住宅の入居その他について積極的に支援を行っています。都としては、被災農地の復旧、村営住宅整備への補助、医療体制の整備など、三宅島の帰島支援対策に積極的に取り組んできており、住宅再建支援については、東京都三宅島災害被災者帰島生活再建支援条例の有効期限を1年延長しました。また、国においても、引越し経費等を支援する制度が1年延長されました。なお、未帰島者に対する生活実態調査等の実施については、三宅村が判断すべきものであり、村として実施する予定はないと聞いています。また、都としても、実施する予定はありません。質問事項一の2知事が、都が使っていないなら提供する、と言った畜産試験場の未利用地の利用は、その後、どのようになっているのか。回答旧畜産試験場の用地については、現在、東京都島しょ農林水産総合センターが管理しており、三宅島の農業の復興に向けた試験研究のための農場として活用しています。なお、利用可能な部分については、すでに、都が、三宅島雄山の荒廃地を緑化するためのオオバヤシャブシやヤブツバキなどの苗木育成ほ場として利用しているほか、三宅村に対して、施設栽培農家のためのレザーファン苗の育成ほ場として提供しています。質問事項一の3多くが未利用地になっているときいており、有効利用の立場から高濃度地区の住民などに農地として使用できるようにするなど、有効利用に道を開くべきだがどうか。回答旧畜産試験場用地のうち利用可能な用地については、都が農業に関する試験研究や緑化用苗木の育成ほ場として利用しているほか、三宅村がレザーファン苗の育成ほ場としても利用しています。今後も引き続き、こうした活用により三宅島の復興に貢献していきます。質問事項一の4海中は、火山灰が浮遊し、磯は荒れ、亀が大量に上陸してテングサを食い荒らしているなど、海の復興もいまだ道半ばである。この対応も急務だが、対処について伺う。回答都では、火山灰の堆積や流入による三宅島周辺漁場の回復状況を継続的に調査しています。この結果を踏まえ、テングサの繁茂状況等を示したマップを随時漁業者に提供し、効率的な漁業操業を支援しています。また、平成17年度からはイセエビや海藻の資源を回復するため、火山灰の影響が少なく、早期の回復が見込める地域において築いそによる漁場整備を進めています。さらに、アカハタの稚魚やトコブシなどの放流によって、着実な資源の増殖を図っています。質問事項一の5枯損木の処理もすすんでいない。個人所有地での枯損木の処理と植樹については、都として補助するなど、積極的な対応が求められているが、答弁を求める。回答三宅島においては、現在も火山ガスの放出が続いているため、都では、ガスの危険度を踏まえて、枯損木の処理及び植樹を実施しています。なお、個人の森林所有者が実施する枯損木の伐採とその後の植樹に対しては、造林補助制度が設けてあります。質問事項一の6三宅村観光支援プランでは、エコツーリズムが第一に掲げられており、バイクレースがそぐわないのは明らかである。三宅村の構想の後押しこそ都の最優先課題ではないか。答弁を求める。回答三宅島の観光復興に当たっては、三宅村による主体的な取組が重要です。都は、平成18年度において、村が取り組む観光復興事業への専門家の派遣やモニュメント建設への支援を行いました。質問事項一の7村民の強い要望である東京からの飛行機の直行便の再開を引き続き働きかけることを求める。答弁を求める。回答三宅島島民にとって航空路の再開は、島民の生活を安定させる上で欠かせないものであり、これまで滑走路や航空灯火などの空港施設の復旧整備を行うとともに、運航事業者等との調整を行ってきました。しかし、空港は高濃度の二酸化硫黄ガスが観測される環境にあることから、運航事業者より、公共交通輸送機関として安全の確保が最も重要であり、運航可否の判断を行うためには空港及び空港周辺の飛行経路上における二酸化硫黄ガスの観測の必要性などが指摘されており、このため、上空のガス濃度の測定や気象状況の観測などを行っています。今後も、観測の結果などを踏まえ、関係機関や運航事業者などと連携し、再開に向けた取組を進めることとしています。
2024-03-31T11:22:49.845629Z
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--- title: 平成19年_第1回臨時会(第7号) 名簿・議事日程 # 平成十九年五月十日(木曜日)出席議員百二十七名一番遠藤守君二番伊藤興一君三番米沢正和君四番鈴木章浩君五番菅東一君六番後藤雄一君七番福士敬子君八番伊沢けい子君九番そなえ邦彦君十番西崎光子君十一番山口拓君十二番伊藤ゆう君十三番原田大君十四番河野百合恵君十五番小竹ひろ子君十六番松葉多美子君十七番大松成君十八番中山信行君十九番高倉良生君二十番きたしろ勝彦君二十一番田中たけし君二十二番鈴木隆道君二十三番神林茂君二十四番早坂義弘君二十五番崎山知尚君二十六番宇田川聡史君二十七番原田恭子君二十八番佐藤広典君二十九番尾崎大介君三十番伊藤まさき君三十一番松下玲子君三十二番野上ゆきえ君三十三番西岡真一郎君三十四番たぞえ民夫君三十五番村松みえ子君三十六番橘正剛君三十七番上野和彦君三十八番吉倉正美君三十九番谷村孝彦君四十番石森たかゆき君四十一番高橋信博君四十二番鈴木あきまさ君四十三番秋田一郎君四十四番矢島千秋君四十五番高橋かずみ君四十六番串田克巳君四十七番吉原修君四十八番山田忠昭君四十九番山口文江君五十番今村るか君五十一番吉田康一郎君五十二番斉藤あつし君五十三番泉谷つよし君五十四番くまき美奈子君五十五番大西さとる君五十六番増子博樹君五十七番かち佳代子君五十八番植木こうじ君五十九番長橋桂一君六十番野上純子君六十一番東村邦浩君六十二番小磯善彦君六十三番臼井孝君六十四番林田武君六十五番野島善司君六十六番高木けい君六十七番山加朱美君六十八番服部ゆくお君六十九番田代ひろし君七十番三宅茂樹君七十一番川井しげお君七十二番鈴木一光君七十三番大西由紀子君七十四番いのつめまさみ君七十五番門脇ふみよし君七十六番小沢昌也君七十七番石毛しげる君七十八番岡崎幸夫君七十九番柿沢未途君八十番清水ひで子君八十一番古館和憲君八十二番松村友昭君八十三番東野秀平君八十四番藤井一君八十五番ともとし春久君八十六番木内良明君八十七番吉野利明君八十八番倉林辰雄君八十九番村上英子君九十番こいそ明君九十一番三原まさつぐ君九十二番田島和明君九十三番樺山たかし君九十四番新藤義彦君九十五番古賀俊昭君九十六番立石晴康君九十七番初鹿明博君九十八番酒井大史君九十九番花輪ともふみ君百番大沢昇君百一番大津浩子君百二番大塚たかあき君百三番相川博君百四番曽根はじめ君百五番大山とも子君百六番鈴木貫太郎君百七番石川芳昭君百八番中嶋義雄君百九番石井義修君百十番桜井武君百十一番遠藤衛君百十二番高島なおき君百十三番宮崎章君百十四番野村有信君百十五番比留間敏夫君百十六番佐藤裕彦君百十七番川島忠一君百十八番内田茂君百十九番三田敏哉君百二十番中村明彦君百二十一番山下太郎君百二十二番馬場裕子君百二十三番土屋たかゆき君百二十四番田中良君百二十五番名取憲彦君百二十六番吉田信夫君百二十七番渡辺康信君欠席議員なし出席説明員知事石原慎太郎君副知事横山洋吉君副知事大塚俊郎君副知事関谷保夫君教育長中村正彦君知事本局長山口一久君総務局長大原正行君財務局長谷川健次君主税局長菅原秀夫君警視総監伊藤哲朗君生活文化スポーツ局長渡辺日佐夫君都市整備局長柿堺至君環境局長村山寛司君福祉保健局長山内隆夫君産業労働局長島田健一君建設局長依田俊治君港湾局長津島隆一君会計管理局長三枝修一君交通局長松澤敏夫君消防総監関口和重君水道局長御園良彦君下水道局長前田正博君青少年・治安対策本部長舟本馨君東京オリンピック招致本部長熊野順祥君病院経営本部長大塚孝一君中央卸売市場長比留間英人君選挙管理委員会事務局長梶原康二君人事委員会事務局長高橋道晴君労働委員会事務局長押元洋君監査事務局長白石弥生子君収用委員会事務局長中田清己君五月十日議事日程第一号第一東京都副知事の選任の同意について(一九財主議第四二号)第二東京都副知事の選任の同意について(一九財主議第四三号)第三東京都副知事の選任の同意について(一九財主議第四四号)
2024-03-31T11:22:50.518181Z
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--- title: 平成19年議会運営委員会(第26号) 本文 # 午後二時五十五分開議 # 吉野委員長 吉野委員長ただいまから議会運営委員会を開会いたします。初めに、都議会のあり方検討委員会について申し上げます。本件につきましては、理事会において、議会運営委員会の理事会のもとに設置することといたしました。設置要綱及び委員につきましては、お手元配布の資料のとおりです。ご了承願います。 # 吉野委員長 吉野委員長これより付託議案の審査を行います。議員提出議案第三号、東京都政務調査費の交付に関する条例の一部を改正する条例を議題といたします。これより本案に対する質疑を行います。発言を願います。〔「なし」と呼ぶ者あり〕 # 吉野委員長 吉野委員長発言がなければ、お諮りいたします。本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 吉野委員長 吉野委員長異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。この際、本案に対し発言の申し出がありますので、これを許します。 # 服部委員 服部委員日本共産党提案の条例改正案に反対するに当たりまして、一言申し上げます。今回、政務調査費を含め都議会のあり方について幅広く検討するため、都議会のあり方検討委員会が議会運営委員会理事会のもとに設置をされたところです。都議会のあり方検討委員会は、使途の透明性の向上も含め、都民への説明責任を果たす観点から、幅広くかつ踏み込んだ議論をする場だと考えております。条例改正の方向や内容については、この検討委員会の中での議論を踏まえる必要があります。先ほどの理事会で、こういう状況の中では、本来であれば日本共産党みずからが取り下げるべきではないか、取り下げていただきたい、そのようなことを全会派一致で申し上げたんですが、大変かたくなな態度で一向に聞き入れられず、採決するということはまことに残念であります。したがって、検討委員会での議論を経ていない段階での条例案については、現時点では反対せざるを得ません。検討とは、議論を重ね、現実的な合意点を見出すことです。各会派が立場を超えて同じテーブルに着いてこそ、幅広くかつ真摯な議論ができるのだと考えます。日本共産党には、議会内の問題を他会派とともに真に解決しようとするならば、白紙の状態で、しがらみなく同様の考えに立って同じテーブルに着いていただきたい、このことを強くもう一度申し上げさせていただきます。 # 吉田委員 吉田委員東京都政務調査費の交付に関する条例の一部を改正する条例について、提案者として、賛同、可決を求める立場から意見を述べます。条例案は、政務調査費の使途にかかわる透明性を確保するために、条例第十条第一項に、当該調査費の支出を証する書類を添付することを明記し、いわゆる領収書添付を義務づけるもので、本年四月より施行するというものです。検討会が設置され検討が始まりますが、条例案は、現在実際に執行されている政調費について領収書の添付に踏み切ろうとするものです。現行の使途基準等について意見があり、速やかに協議するとしても、政調費を使うことを中断するならともかく、現に月七千万円を超える税金が使われており、その使途を明らかにすることは都民から見れば当然であり、検討会での協議とは別に決断が求められています。現在の調査費の交付に関する条例施行規程では、第四条で、各会派の経理責任者は、調査にかかわる経理帳簿、領収書等を整理、保管し、使途基準に基づき適正な執行に努めるとされています。したがって、その気になれば、本来直ちに使途の公開に踏み切ることができるものです。もしそれができないなら、なぜできないのか都民に説明すべきです。しかも、都議会の政務調査費は全国最高額で、一人当たり月額六十万、年間では九億円を超える額であり、その執行に領収書がつけられていないこと自体、不適正であり、都民からは納得ができないものです。今、税金の使途、使い方を明らかにすべきという都民の声が広がっており、都議会だけが検討会での協議を理由に現在使っている税金の使途の公開をこれ以上先送りすることは、都民の理解は得られません。既に、都下の議会で政調費が制度化されている区市などの議会はすべて領収書添付が実行され、都道府県レベルでも実施議会が広がっています。さかのぼれば、前回都議会議員選挙でも都民の関心が寄せられ、当選した六割の議員が、領収書添付、透明化をマスコミのアンケートに答えるなど、公約してきました。既に二年余が経過しましたが、都民への公約に責任を負うという立場からも、可決、成立を求めるものです。 # 吉野委員長 吉野委員長発言は終わりました。これより採決を行います。本案は、起立により採決いたします。本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。〔賛成者起立〕 # 吉野委員長 吉野委員長起立少数と認めます。よって、議員提出議案第三号は否決されました。以上で付託議案の審査を終わります。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、委員会の審議状況についてご報告いたします。各常任委員会とも付託議案の審査はすべて終了いたしました。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、文書質問について申し上げます。お手元配布のとおり、八名の議員から通告がありましたので、議長から執行機関に送付いたしておきます。なお、本件は、明十九日の本会議においてその旨報告いたしますので、ご了承願います。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、選挙管理委員及び同補充員の選挙についてご協議願います。各会派より、選挙管理委員及び同補充員の推薦者届が、お手元配布の名簿のとおり提出されました。先ほどの理事会協議の結果、明十九日の本会議において、いずれも投票により選挙を行うことになりました。本件につきましては、理事会協議の結果のとおりとすることでよろしいでしょうか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 吉野委員長 吉野委員長それでは、そのようにいたします。それでは、投票の方法について議事部長から説明いたさせます。 # 大村議事部長 大村議事部長まず、選挙管理委員の選挙を投票により行います。投票は、単記無記名、一人一票となります。投票用紙は書記が配布いたしますので、鉛筆で被選挙人の一名の氏名を書いていただきたいと存じます。なお、鉛筆は議席に用意してございます。姓のみ、または名のみの記入、誤字や氏名以外のことを記入したものは無効票となることがありますので、ご注意ください。投票中は議場を閉鎖いたしますので、宣告の際、議場にいない議員は投票できません。また、原則として、中途退席することもできません。投票用紙を書き損じたときは議長まで申し出てください。書記が新しい用紙と交換いたします。局長が議席番号と氏名を読み上げますので、議長席に向かって右側、理事者席側から登壇していただき、演台に置きました投票箱に投票いただいた上、左側、書記席側を通り議席にお戻りください。全員の投票が終了した後、開票を行いまして、局長から投票の結果を報告させていただきます。得票数上位四名が選挙管理委員に選ばれて、選挙管理委員の選挙は終了します。選挙管理委員の選挙に引き続き、同補充員の選挙を投票により行いますが、手順は、選挙管理委員の投票の方法と同様でございます。以上でございます。 # 吉野委員長 吉野委員長説明は終わりました。ただいまの件につきましては、議員への周知方よろしくお願いいたします。また、会議規則第二十七条第二項に基づく開票立会人は、議長において、自民党は私、吉野、民主党田中議員、公明党中嶋議員及び日本共産党吉田議員を指名することとなります。ご了承願います。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、委員長の口頭報告について申し上げます。各常任委員会からの委員長の口頭報告はございません。特別委員会につきましては、平成十八年度各会計決算特別委員長及び平成十八年度公営企業会計決算特別委員長より、それぞれ七分程度の口頭報告があります。ご了承願います。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、討論につきまして、先ほどの理事会で協議いたしました結果を議事部長から説明いたさせます。 # 大村議事部長 大村議事部長理事会におけます協議結果についてご説明いたします。討論につきまして、行うのは五会派、行う順序は、自民党、民主党、公明党、日本共産党、生活者ネット、所要時間は、各会派八分程度とのことでございます。以上でございます。 # 吉野委員長 吉野委員長説明は終わりました。ただいまの説明のとおりとすることでよろしいでしょうか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 吉野委員長 吉野委員長それでは、そのようにいたします。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、意見書、決議について申し上げます。お手元に配布してあります意見書三件、決議一件の案文は、各常任委員会において調整済みですので、明十九日の本会議に上程し、議決をすることになります。ご了承願います。また、先ほどの理事会協議の結果、お手元に配布いたしてあります地方議会議員の位置付けの明確化に関する意見書(案)を明十九日の本会議に上程し、議決することといたしました。本件につきましては、理事会協議の結果のとおりとすることでよろしいでしょうか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 吉野委員長 吉野委員長それでは、そのようにいたします。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、継続案件について申し上げます。各特別委員会から、お手元配布の継続調査事項表のとおり、それぞれ申し出がありました。本件は、明十九日の本会議において継続調査の議決を行うことになりますので、ご了承願います。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、明十九日の本会議の議事日程について申し上げます。本件につきましては、議長においてお手元配布のとおり作成されました。また、追加議事日程につきましては、作成され次第、配布するとのことです。ご了承願います。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、明十九日の本会議の会議順序について、議事部長から説明いたさせます。 # 大村議事部長 大村議事部長お手元配布の平成十九年第四回定例会会議順序(4)をごらんいただきたいと存じます。明十二月十九日午後一時に開議いたします。まず、諸報告が一件ございます。次に、日程追加の宣告を行います。次に、文書質問について報告がございます。次に、日程に入りまして、日程第一から第三十七までを一括上程いたしまして、討論を行った後、採決に入ります。まず、アの日程第一よりキの日程第十一から第十四までにつきましては、それぞれ起立採決でございます。次に、クの日程第十五から第三十七までにつきましては、簡易採決でございます。続いて、日程第三十八から第五十五まで、十八年度各会計決算認定の件を一括上程し、委員長口頭報告を行った後、採決に入ります。まず、アの日程第三十八及び第三十九よりオの日程第四十五から第四十七までにつきましては、それぞれ起立採決でございます。次に、カの日程第四十八から第五十五までにつきましては、簡易採決でございます。続いて、日程第五十六から第六十六まで、十八年度公営企業各会計決算認定の件を一括上程し、委員長口頭報告を行った後、採決に入ります。まず、アの日程第五十六から第五十九までよりエの日程第六十三及び第六十四につきましては、それぞれ起立採決でございます。次に、オの日程第六十五及び第六十六につきましては、簡易採決でございます。裏面をごらんいただきたいと存じます。続いて追加日程に入りまして、10の追加日程第一、東京都選挙管理委員四名の選挙及び11の追加日程第二、東京都選挙管理委員補充員四名の選挙をそれぞれ投票により行います。次に、12の追加日程第三から17の追加日程第十までをそれぞれ上程し、議決いたします。起立採決でございます。次に、18の追加日程第十一、請願四件及び第十二、陳情三件を一括上程し、議決いたします。簡易採決でございます。次に、19の追加日程第十三から第十六まで、意見書三件、決議一件を一括上程し、進行係の動議により議決いたします。簡易採決でございます。次に、ただいまご協議いただきました結果、上程することになりました、地方議会議員位置付け明確化意見書を追加日程第十七として上程し、議決いたします。起立採決でございます。次に、都議会議員後藤雄一君の調査活動等に関する調査特別委員会及びオリンピック招致特別委員会の閉会中の継続調査の決定を行います。次に、請願陳情の新規分を付託いたします。請願五件、陳情三件の計八件でございます。次に、請願陳情の閉会中の継続審査の決定を行います。次に、特定事件の閉会中の継続調査の決定を行い、閉議・閉会となります。所要時間はおおむね二時間十分程度を予定しております。以上でございます。 # 吉野委員長 吉野委員長説明は終わりました。ただいまの説明のとおり進めてまいりますが、よろしいでしょうか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 吉野委員長 吉野委員長それでは、そのようにいたします。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、本委員会の閉会中の継続審査及び継続調査について申し上げます。本日までに決定を見ていない陳情及びお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、よろしいでしょうか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 吉野委員長 吉野委員長それでは、そのようにいたします。本件は、明十九日の本会議において、それぞれ閉会中の継続審査及び継続調査の議決を行うことになりますので、ご了承願います。以上をもちまして本日の委員会を閉会いたします。午後三時十分散会
2024-03-31T11:22:51.323692Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/959518?Template=document&Id=3515#one
--- title: 平成19年議会運営委員会(第26号) 名簿・議事日程 # 平成十九年十二月十八日(火曜日)議会運営委員会室出席委員二十二名委員長吉野利明君副委員長川井しげお君副委員長田中良君副委員長中嶋義雄君理事服部ゆくお君理事高橋かずみ君理事山下太郎君理事大沢昇君理事藤井一君理事吉田信夫君大西由紀子君石森たかゆき君野島善司君林田武君矢島千秋君鈴木隆道君土屋たかゆき君大津浩子君泉谷つよし君ともとし春久君東村邦浩君松村友昭君欠席委員一名副議長石井義修君本日の会議に付した事件都議会のあり方検討委員会について付託議案について委員会の審議状況について文書質問について選挙管理委員及び同補充員の選挙について委員長の口頭報告について討論について意見書、決議について継続案件について議事日程及び追加議事日程について会議順序について議会運営委員会の閉会中の継続審査及び継続調査について
2024-03-31T11:22:52.186038Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/959518?Template=document&Id=3514#one
--- title: 平成19年議会運営委員会(第25号) 本文 # 午前十一時四十九分開議 # 吉野委員長 吉野委員長ただいまから議会運営委員会を開会いたします。初めに、第四回定例会について申し上げます。本件につきましては、知事より、十二月四日に招集したい旨、議長に申し出がありましたので、ご報告いたします。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、今定例会に提出を予定されております案件について申し上げます。本件につきまして、村山財務局長から説明があります。 # 村山財務局長 村山財務局長ご説明申し上げます。第四回定例会に提出を予定しております議案は、お手元の平成十九年第四回東京都議会定例会提出予定議案件名表の表紙に記載してございますように、ただいまのところ、条例案二十一件、契約案五件、事件案十件、合わせて三十六件でございます。このほかに、人事案が二件ございます。まず、条例案からご説明申し上げます。新設の条例が一件、一部を改正する条例が二十件、合計二十一件でございます。このうち、主な案件につきましてご説明させていただきます。まず、新設の条例でございます。お手元件名表の一ページをごらんいただきたいと存じます。一段目の東京都心身障害者扶養共済制度条例は、保護者が死亡した場合などに障害者に終身年金を支給する全国制度の共済に参加するための条例を設けるものでございます。次に、一部を改正する条例でございます。二段目の職員の給与に関する条例の一部を改正する条例から、二ページ三段目の東京都職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例まで及び三ページ二段目の学校職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例から、四段目の都立学校等に勤務する講師の報酬等に関する条例の一部を改正する条例までの九件は、東京都人事委員会勧告及び各種制度の見直しに伴い、職員の給与等に関して所要の改正を行うものでございます。次に、四ページをごらんいただきたいと存じます。二段目の東京都児童相談所条例の一部を改正する条例は、東京都小平児童相談所の老朽化及び狭隘化に伴い、同相談所を東京都多摩小平保健所庁舎へ移転するため規定を整備するものでございます。次に、三段目の大気汚染に係る健康障害者に対する医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例は、東京大気汚染訴訟の和解成立に伴い、医療費助成の対象者を拡大するため所要の改正を行うものでございます。次に、四段目の東京都海上公園条例の一部を改正する条例は、東京都立芝浦南ふ頭公園の新規開園などに伴い、規定を整備するものでございます。次に、五ページをごらんいただきたいと存じます。二段目の公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例の一部を改正する条例は、都民生活の平穏を保持するため、立ちふさがりやつきまといによる執拗な客引きやキャバクラへのスカウト行為等を規制するため、所要の改正を行うものでございます。次に、三段目の性風俗営業等に係る不当な勧誘、料金の取立て等及び性関連禁止営業への場所の提供の規制に関する条例の一部を改正する条例は、性風俗営業を営む者がキャバクラへのスカウト行為の規制に違反して勧誘された者を雇うことを規制するため、所要の改正を行うものでございます。このほか、法令等の改正に伴い規定の整備を行うものなどが六件ございます。続きまして、契約案でございます。七ページ一段目の東京都医学系総合研究所(仮称)(H十九)I期新築電気設備工事など合計五件を予定しております。契約金額の総額は、約八十一億七千万円でございます。続きまして、九ページからが事件案でございます。十件を予定しております。まず、一段目は、平成二十年度の宝くじ発売限度額について議決をお願いするものでございます。次に、二段目から一〇ページ一段目までの四件は、都立公園の利用者サービス向上等を図るため、都立小峰公園外四施設の指定管理者を指定するものでございます。次に、同じく一〇ページ二段目から一一ページ二段目までの五件は、記載の五市に対する東京都水道事業の事務の委託を廃止するとともに、公共下水道使用料徴収事務を受託するものでございます。続きまして、お手元配布の人事案件につきましてご説明申し上げます。まず、東京都教育委員会委員でございます。十二月二十日に任期満了となります米長邦雄氏の後任には、瀬古利彦氏を任命いたしたいと存じます。次に、東京都監査委員でございます。同じく十二月二十日に任期満了となります三栖賢治氏につきましては、再任いたしたいと存じます。以上で説明を終わります。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。 # 吉野委員長 吉野委員長説明は終わりました。ただいま説明のありました案件のうち、人事案件につきましては、質問終了日の本会議に上程し、委員会付託を省略して議決いたしたいと思いますが、よろしいでしょうか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 吉野委員長 吉野委員長それでは、そのようにいたします。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、地方自治法施行六十周年記念総務大臣表彰について申し上げます。お手元配布の名簿のとおり、去る十一月二十日、三田敏哉議員が地方自治功労者として地方自治法施行六十周年記念総務大臣表彰を受けられました。心よりお祝い申し上げます。本件につきましては、定例会招集当日の本会議においてその旨ご報告いたしますので、ご了承願います。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、議員の表彰について申し上げます。去る十月二十三日付で、全国都道府県議会議長会から、お手元配布の名簿の方々が自治功労者として表彰されました。心よりお祝い申し上げます。本件につきましては、定例会招集当日の本会議においてその旨ご報告いたしますので、ご了承願います。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、文書質問に対する答弁書の送付について申し上げます。さきの定例会において提出のありました文書質問に対し、知事より答弁書が提出されましたので、議長より、質問趣意書とともに各議員あて送付いたしておきました。本件につきましては、定例会招集当日の本会議においてその旨報告いたしますので、ご了承願います。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、議事説明員の異動について申し上げます。先般の人事異動により、斉藤一美君が港湾局長になりました。本件につきましては、定例会招集当日の本会議において紹介いたします。なお、紹介は自席で行いますので、ご了承願います。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、知事発言について申し上げます。知事より、定例会招集当日の本会議において発言を行いたい旨、議長に申し出がありました。本件は、申し出のとおり発言を許可したいと思いますので、ご了承願います。時間は、二十五分程度とのことです。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、選挙管理委員及び同補充員の選挙についてご協議願います。選挙管理委員及び同補充員の任期が十二月二十二日をもって満了となりますので、従前の例により、今定例会最終日の本会議で選挙を行うことにいたしたいと思いますが、よろしいでしょうか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 吉野委員長 吉野委員長それでは、そのようにいたします。つきましては、各会派における推薦者届を、十二月十七日正午までに議長までご提出ください。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、今定例会の会議予定につきまして、先ほどの理事会で協議いたしました結果を議事部長から説明いたさせます。 # 大村議事部長 大村議事部長お手元の平成十九年第四回定例会会議予定表(案)をごらんいただきたいと存じます。本日十一月二十七日が告示日でございまして、会期は、十二月四日から十九日までの十六日間でございます。十二月四日は招集日でございます。本会議を開きまして、会期の決定、知事の所信表明等がございます。十二月五日から十日までの六日間、議案調査のため休会いたします。十二月十一日及び十二日の二日間は、本会議を開きまして、代表質問及び一般質問等を行います。十二月十三日から十八日までの六日間は休会いたしまして、常任員会審査を行います。十二月十九日は最終日でございます。本会議を開きまして、議案の議決等を行い、閉会となります。以上でございます。 # 吉野委員長 吉野委員長説明は終わりました。ただいまの説明のとおりとすることでよろしいでしょうか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 吉野委員長 吉野委員長それでは、そのようにいたします。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、質問につきまして、先ほどの理事会で協議いたしました結果を議事部長から説明いたさせます。 # 大村議事部長 大村議事部長各会派等の質問時間につきまして、理事会における協議結果をご説明いたします。質問日は二日間でございまして、各会派の質問時間は、自民党百三十七分、民主党百分、公明党六十三分、日本共産党三十七分、生活者ネット十一分、無所属の自治市民が十三分、合計三百六十一分となりました。以上でございます。 # 吉野委員長 吉野委員長説明は終わりました。ただいまの説明のとおりとすることでよろしいでしょうか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 吉野委員長 吉野委員長それでは、そのようにいたします。なお、質問通告書は、十二月七日正午までに議長までご提出願います。また、念のため申し上げますが、質問通告書については、都政一般、知事の基本姿勢またはその他ということではなく、具体的にご記入いただきたいと思います。ご協力をお願いいたします。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、意見書、決議について申し上げます。本件につきましては、提出要領に基づき、十二月十八日正午までに議長までご提出願います。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、請願陳情について申し上げます。十二月五日までに受理した分は質問終了日に、その後の分で十二月十八日正午までに受理した分は最終日に、それぞれ所管の委員会に付託することとし、また、付託審査中のもので報告のありました分につきましては、最終日に上程して議決することにしたい旨、議長から申し出がありました。よろしいでしょうか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 吉野委員長 吉野委員長それでは、そのようにいたします。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、東京都議会友好代表団の報告について申し上げます。去る十一月六日から十二日まで、北京市及びソウル特別市へ東京都議会友好代表団が派遣され、友好交流の推進と都市問題等に関する視察という所期の目的を果たし、無事帰国されたことをご報告申し上げます。なお、本件につきましては、定例会開会当日の本会議におきまして、団を代表して団長の石井義修副議長からご報告がありますので、ご了承願います。時間は、五分程度とのことです。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、東京都議会海外調査団の報告について申し上げます。去る十月二十二日から三十一日まで、カイロ、ルクソール、マドリード、パリ及びナントへ、また、十月七日から十六日まで、カンゲルルススアーク、レイキャビク、ヴァンター、ブルージュ及びストックホルムへ、それぞれ東京都議会海外調査団を派遣しました。いずれも、海外諸都市の施策、問題点などについて調査するという所期の目的を果たし、無事帰国されたことをご報告申し上げます。なお、本件につきましては、定例会開会当日の本会議におきまして、調査団を代表して、カイロ等につきましては鈴木一光議員から、カンゲルルススアーク等につきましては原田大議員からそれぞれご報告がありますので、ご了承願います。時間は、それぞれ五分程度とのことです。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、定例会開会当日の音楽演奏について申し上げます。先ほどの理事会で協議いたしました結果を議事部長から説明いたさせます。 # 大村議事部長 大村議事部長お手元の第四回定例会開会当日の音楽演奏(案)についての資料をごらんいただきたいと存じます。演奏日時は、十二月四日、定例会開会当日の十二時四十分からでございます。今回の演奏は、東京都交響楽団メンバーによる弦楽四重奏で、曲目は、ピョートル・チャイコフスキー作曲バレエ音楽「くるみ割り人形」より「花のワルツ」外三曲でございます。演奏者は、東京都交響楽団の四名のメンバーでございます。演奏時間は、おおむね十六分でございます。当日は、十二時に本会議開会予定放送にあわせまして演奏予告放送を行います。十二時三十五分に参集の放送を行いますので、十二時四十分までに議席にご着席いただきます。十二時四十分から演奏が開始されます。終了後、十三時に本鈴及び放送を行い、定例会開会となります。以上でございます。 # 吉野委員長 吉野委員長説明は終わりました。ただいまの説明のとおりとすることでよろしいでしょうか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 吉野委員長 吉野委員長それでは、そのようにいたします。なお、各会派におかれましては、開会当日は十二時四十分までにお集まりいただきますよう、特段のご配慮をお願いいたします。以上をもちまして本日の委員会を閉会いたします。午後零時四分散会
2024-03-31T11:22:52.837092Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/959518?Template=document&Id=3513#one
--- title: 平成19年議会運営委員会(第25号) 名簿・議事日程 # 平成十九年十一月二十七日(火曜日)議会運営委員会室出席委員二十三名委員長吉野利明君副委員長川井しげお君副委員長田中良君副委員長中嶋義雄君理事服部ゆくお君理事高橋かずみ君理事山下太郎君理事大沢昇君理事藤井一君理事吉田信夫君大西由紀子君石森たかゆき君野島善司君林田武君矢島千秋君鈴木隆道君土屋たかゆき君大津浩子君泉谷つよし君いのつめまさみ君ともとし春久君東村邦浩君松村友昭君欠席委員なし議長比留間敏夫君副議長石井義修君財務局長村山寛司君本日の会議に付した事件第四回定例会の招集について第四回定例会提出予定案件について議員の地方自治法施行六十周年記念総務大臣表彰について議員の表彰について文書質問に対する答弁書の送付について議事説明員の異動について知事発言について選挙管理委員及び同補充員の選挙について会議予定について質問について意見書、決議について請願陳情について東京都議会友好代表団の報告について東京都議会海外調査団の報告について定例会開会当日の音楽演奏について
2024-03-31T11:22:53.452608Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/959518?Template=document&Id=3512#one
--- title: 平成19年議会運営委員会(第24号) 本文 # 午後三時四十六分開議 # 吉野委員長 吉野委員長ただいまから議会運営委員会を開会いたします。このたび新たに就任されました比留間議長並びに石井副議長には、本日の委員会よりご出席していただくこととなります。よろしくお願いいたします。初めに、議会運営委員の辞任及び選任について申し上げます。去る九月二十七日の本会議において、古館和憲委員の辞任が許可され、新たに、いのつめまさみ議員が選任されましたので、ご報告いたします。この際、いのつめまさみ委員を紹介いたします。 # いのつめ委員 いのつめ委員いのつめです。よろしくお願いいたします。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、議席について申し上げます。議席は、ただいまご着席のとおりといたしたいと思いますが、ご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 吉野委員長 吉野委員長ご異議なしと認めます。よって、議席はそのようにいたします。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、知事より追加提出されます案件について申し上げます。本件につきまして、村山財務局長から説明があります。 # 村山財務局長 村山財務局長人事案につきましてご説明いたします。東京都監査委員でございます。古賀俊昭委員及び大沢昇委員からこのたび辞任の申し出がございましたので、その後任といたしまして、倉林辰雄議員及び馬場裕子議員を選任いたしたいと存じます。同意につきまして、よろしくお願いいたします。 # 吉野委員長 吉野委員長説明は終わりました。ご苦労さまでした。ただいま説明のありました案件につきましては、先ほどの理事会で協議いたしました結果、明五日の本会議に上程し、委員会付託を省略して議決することといたしました。本件につきましては、理事会協議の結果のとおりとすることでよろしいでしょうか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 吉野委員長 吉野委員長それでは、そのようにいたします。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、本委員会に付託されております議員提出議案第三号、東京都政務調査費の交付に関する条例の一部を改正する条例についてご協議願います。本案の取り扱いにつきまして、先ほどの理事会で協議いたしました結果、閉会中の継続審査の申し出をすることについて、採決を行うこととなりました。この際、吉田理事から発言がございます。 # 吉田委員 吉田委員我が党などが提出をしている、いわゆる政務調査費への領収書添付を義務づける条例案について、継続ではなく本会議で採決することを強く要望するものです。条例案を提出して既に半年以上が経過いたしました。にもかかわらず、事実上何ら協議の俎上にのせることなく、三たび継続として先送りすることは、到底都民の理解は得られないと思います。政調費として、現に年間九億円が支出され、使われているのであり、使途基準の見直しの協議を理由に、領収書添付、公表を拒否することはできません。我が党は既に自主公開していますが、使途基準の検討、協議というならば、各党が政調費の使途を自主公開し、これに基づいて公式の協議に入るべきです。添付義務づけも拒否し、自主公開を拒否するという態度では、都民の批判は免れないと思います。既に、政調費が支出されている都内のすべての議会が公表に踏み出し、道府県議会でも、今年度に入って大阪府議会など六府県が新たに踏み出し、公表に踏み切った議会は十七道府県に拡大しています。検討委員会などで公式に検討が始まっている議会も十七県議会に及びます。国会でも、政治資金報告書について、どの党も、一円からの領収書添付をいわざるを得ないときに、都民の税金で賄われている政調費の領収書添付をいまだに先送りすることは許されません。もし継続手続をとるならば、都下の議会での政務調査費の領収書添付状況、全国の都道府県での実施状況、実施道府県での使途基準などの資料を委員会として提出を求めることを提案いたします。 # 吉野委員長 吉野委員長発言は終わりました。本案の取り扱いについて採決いたします。本件は、起立により採決いたします。本案は、今定例会会期中に審査を終了することができませんので、閉会中の継続審査の申し出をすることに賛成の方はご起立願います。〔賛成者起立〕 # 吉野委員長 吉野委員長起立多数と認めます。よって、本件は、そのように決定いたしました。なお、本件は、明五日の本会議において、閉会中の継続審査の議決を行うことになりますので、ご了承願います。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、委員会の審議状況についてご報告いたします。各常任委員会とも付託議案の審査はすべて終了いたしました。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、文書質問について申し上げます。お手元配布のとおり、七名の議員から通告がありましたので、議長から執行機関に送付いたしておきます。なお、本件は、明五日の本会議において、その旨報告いたしますので、ご了承願います。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、常任委員の改選について申し上げます。お手元配布の名簿のとおり、各会派等から委員の選定届が提出されました。本件は、明五日の本会議において選任いたします。なお、役員互選のための委員会は本会議終了後に行うことになりますので、ご了承願います。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、委員長の口頭報告について申し上げます。各常任委員会及び特別委員会からの委員長の口頭報告はございません。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、討論につきまして、先ほどの理事会で協議いたしました結果を議事部長から説明いたさせます。 # 大村議事部長 大村議事部長理事会における協議結果についてご説明申し上げます。討論について、行うのは五会派、行う順序は、自民党、生活者ネット、民主党、公明党、日本共産党、所要時間は、各会派七分程度。以上でございます。 # 吉野委員長 吉野委員長説明は終わりました。ただいまの説明のとおりとすることでよろしいでしょうか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 吉野委員長 吉野委員長それでは、そのようにいたします。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、意見書、決議について申し上げます。お手元に配布してあります意見書三件の案文は、各常任委員会において調整済みですので、明五日の本会議に上程し、議決をすることになります。ご了承願います。また、先ほどの理事会協議の結果、お手元に配布いたしてあります道路特定財源の首都東京の道路整備への重点投資と首都圏の高速道路料金の引下げに関する意見書(案)を、明五日の本会議に上程し、討論を行った上、議決することといたしました。本件につきましては、理事会協議の結果のとおりとすることでよろしいでしょうか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 吉野委員長 吉野委員長それでは、そのようにいたします。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、本意見書に対する討論につきまして、先ほどの理事会で協議いたしました結果を議事部長から説明いたさせます。 # 大村議事部長 大村議事部長理事会における協議結果についてご説明いたします。意見書に対する討論について、行うのは二会派、行う順序は、日本共産党、自民党、所要時間は、各会派三分程度。以上でございます。 # 吉野委員長 吉野委員長説明は終わりました。ただいまの説明のとおりとすることでよろしいでしょうか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 吉野委員長 吉野委員長それでは、そのようにいたします。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、継続案件について申し上げます。各特別委員会から、お手元配布の継続調査・審査事項表のとおり、それぞれ申し出がありました。本件は、明五日の本会議において、継続調査及び審査の議決を行うことになりますので、ご了承願います。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、明五日の本会議の議事日程について申し上げます。本件につきましては、議長において、お手元配布のとおり作成されました。また、追加議事日程につきましては、作成され次第、配布するとのことです。ご了承願います。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、明五日の本会議の会議順序について、議事部長から説明いたさせます。 # 大村議事部長 大村議事部長お手元の平成十九年第三回定例会会議順序(4)をごらんいただきたいと存じます。明十月五日午後一時に開議いたします。まず、諸報告が三件ございます。次に、日程追加の宣告を行います。次に、文書質問について報告がございます。次に、日程に入りまして、日程第一から第三十二までを一括上程いたしまして、討論を行った後、採決に入ります。まず、アの日程第一よりカの日程第十一から第十四までにつきましては、それぞれ起立採決でございます。次に、キの日程第十五から第三十一まで及びクの日程第三十二につきましては、それぞれ簡易採決でございます。続いて追加日程に入りまして、8の追加日程第一及び9の追加日程第二、監査委員選任同意の件をそれぞれ上程し、議決いたします。無所属の意向を確認の上、簡易採決もしくは起立採決となります。次に、10の追加日程第三から15の追加日程第九までをそれぞれ上程し、議決いたします。起立採決でございます。次に、16の追加日程第十、陳情五件を上程し、議決いたします。簡易採決でございます。次に、17の追加日程第十一から第十三まで、意見書三件を一括上程し、進行係の動議により議決いたします。簡易採決でございます。次に、ただいまご協議いただきました結果、上程することになりました、道路特定財源の首都東京の道路整備への重点投資と首都圏の高速道路料金の引下げに関する意見書を追加日程として上程し、討論を行った後、議決いたします。起立採決でございます。次に、18の常任委員の選任の決定を行います。次に、都議会議員後藤雄一君の調査活動等に関する調査特別委員会及びオリンピック招致特別委員会の閉会中の継続調査の決定を行います。次に、ただいま閉会中の継続審査とすることを決定いたしました東京都政務調査費の交付に関する条例の一部を改正する条例につきまして、議会運営委員会の閉会中の継続審査の議決を行います。起立採決でございます。次に、平成十八年度各会計決算特別委員会及び平成十八年度公営企業会計決算特別委員会の閉会中の継続審査の決定を行います。次に、請願陳情の新規分を付託いたします。請願二十三件、陳情九件の計三十二件でございます。次に、請願陳情の閉会中の継続審査の決定を行います。次に、特定事件の閉会中の継続調査の決定を行い、閉議・閉会となります。所要時間はおおむね一時間十分程度を予定しております。以上でございます。 # 吉野委員長 吉野委員長説明は終わりました。ただいまの説明のとおり進めてまいりますが、よろしいでしょうか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 吉野委員長 吉野委員長それでは、そのようにいたします。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、東京都議会情報公開推進委員会委員の改選について申し上げます。委員は、お手元配布の名簿のとおり議長から指名いたすことになりますので、ご了承願います。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、本委員会の閉会中の継続審査及び継続調査について申し上げます。本日までに決定を見ていない陳情及びお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、よろしいでしょうか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 吉野委員長 吉野委員長それでは、そのようにいたします。本件は、明五日の本会議において、それぞれ閉会中の継続審査及び継続調査の議決を行うことになりますので、ご了承願います。以上をもちまして本日の委員会を閉会いたします。午後三時五十九分散会
2024-03-31T11:22:54.099142Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/959518?Template=document&Id=3511#one
--- title: 平成19年議会運営委員会(第24号) 名簿・議事日程 # 平成十九年十月四日(木曜日)議会運営委員会室出席委員二十三名委員長吉野利明君副委員長川井しげお君副委員長田中良君副委員長中嶋義雄君理事服部ゆくお君理事高橋かずみ君理事山下太郎君理事大沢昇君理事藤井一君理事吉田信夫君大西由紀子君石森たかゆき君野島善司君林田武君矢島千秋君鈴木隆道君土屋たかゆき君大津浩子君泉谷つよし君いのつめまさみ君ともとし春久君東村邦浩君松村友昭君欠席委員なし副議長石井義修君財務局長村山寛司君本日の会議に付した事件議会運営委員の辞任及び選任について追加提出案件について付託議案について委員会の審議状況について文書質問について常任委員の改選について委員長の口頭報告について討論について意見書、決議について継続案件について議事日程及び追加議事日程について会議順序について東京都議会情報公開推進委員会委員の改選について議会運営委員会の閉会中の継続審査及び継続調査について
2024-03-31T11:22:54.718622Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/959518?Template=document&Id=3510#one
--- title: 平成19年議会運営委員会(第23号) 本文 # 午前十時四十五分開議 # 吉野委員長 吉野委員長ただいまから議会運営委員会を開会いたします。初めに、議員の辞職について申し上げます。去る九月十四日付で、自民党臼井孝議員より辞職願が提出されましたので、同日付をもちまして議長において許可をいたしました。本件につきましては、本日の本会議においてその旨報告いたしますので、ご了承願います。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、会派所属議員数の変更について申し上げます。ただいま申し上げましたとおり、臼井孝議員の辞職に伴い、自民党から、九月十四日付で所属議員数が四十八名になった旨の届け出が議長にありましたので、ご報告いたします。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、閉会中における特別委員の辞任及び選任について申し上げます。九月十三日付をもって、石井義修議員よりオリンピック招致特別委員を辞任したい旨の申し出がありました。本件は、同日付で、申し出のとおり議長において許可いたしました。なお、委員の欠員を補充するため、議長において、同日付で長橋桂一議員を選任いたしました。本件につきましては、本日の本会議においてその旨報告いたしますので、ご了承願います。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、議席の変更について申し上げます。先日の委員会におきまして、本日の本会議で自民党、民主党及び公明党の申し出のとおり議席の変更を行う旨ご了承をいただいておりましたが、自民党より、改めて議席を変更したい旨、議長に申し出がありました。なお、新しい議席変更表は、お手元に配布いたしてあります。本件につきましては、本日の本会議において、申し出のとおり議席の変更を行いたいと思いますので、ご了承願います。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、質問時間の割り振りについてご協議願います。先日の委員会におきまして、質問時間の割り振りを決定いたしましたが、会派所属議員数の変更に伴い、各会派の時間配分について協議が必要となりました。先ほどの理事会協議の結果、自民党が二分減り百三十七分、民主党が一分ふえ百分、公明党が一分ふえ六十三分となりました。本件につきましては、理事会協議の結果のとおりとすることでよろしいでしょうか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 吉野委員長 吉野委員長それでは、そのようにいたします。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、会派所属議員数の変更に伴う議会運営委員の会派別割り当てについてご協議願います。本件については、先ほどの理事会協議の結果、民主党が六名から七名、日本共産党が三名から二名となりました。本件につきましては、理事会協議の結果のとおりとすることでよろしいでしょうか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 吉野委員長 吉野委員長それでは、そのようにいたします。なお、関係会派におかれましては、辞任及び選任の手続方、速やかにお願いいたします。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、会派所属議員数の変更に伴うオリンピック招致特別委員の会派別割り当てについてご協議願います。本件については、先ほどの理事会協議の結果、民主党が六名から七名、日本共産党が三名から二名となりました。本件につきましては、理事会協議の結果のとおりとすることでよろしいでしょうか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 吉野委員長 吉野委員長それでは、そのようにいたします。なお、関係会派におかれましては、辞任及び選任の手続方、速やかにお願いいたします。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、平成十八年度各会計決算特別委員について申し上げます。各会派より、特別委員の選定届が提出されました。名簿はお手元に配布してあります。ご了承願います。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、平成十八年度公営企業会計決算特別委員についてご協議願います。各会派より特別委員の選定届が提出されましたが、会派所属議員数の変更に伴い、委員の会派別割り当てについて協議が必要となりました。先ほどの理事会協議の結果、民主党が六名から七名、日本共産党が三名から二名となりました。本件につきましては、理事会協議の結果のとおりとすることでよろしいでしょうか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 吉野委員長 吉野委員長それでは、そのようにいたします。なお、関係会派におかれましては、委員の選定届は、本委員会終了後、速やかに議長までご提出願います。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、本日の本会議の議事日程及び追加議事日程について申し上げます。本件につきましては、議長において、お手元配布のとおり作成されました。ご了承願います。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、本日の本会議の会議順序について、議事部長から説明いたさせます。 # 大村議事部長 大村議事部長お手元の平成十九年第三回定例会会議順序(1)をごらんいただきたいと存じます。本日九月十九日、午後一時に開会・開議いたします。まず、議席の変更を行います。次に、会議録署名議員の指名を行います。四番、鈴木章浩議員及び六十四番、高島なおき議員でございます。次に、諸報告は九件ございます。次に、災害見舞金贈呈の報告を行います。次に、後藤雄一議員、そなえ邦彦議員、斉藤あつし議員、大西由紀子議員、石毛しげる議員、清水ひで子議員、古館和憲議員及び吉田信夫議員の文書質問に対する答弁書を送付した旨の報告を行います。次に、閉会中における議員の辞職の報告を行います。次に、新任副知事の紹介を行います。紹介の後、登壇の上、あいさつを行うことといたします。次に、新任説明員の紹介を行います。警視総監につきましては、紹介の後、登壇の上、あいさつを行うこととし、青少年・治安対策本部長につきましては、自席で紹介を行うことといたします。次に、閉会中における議会運営委員及び特別委員の辞任及び選任の報告を行います。次に、会期の決定を行います。会期は、九月十九日から十月五日までの十七日間でございます。次に、永年在職議員の表彰を行います。表彰されますのは桜井武議員でございます。なお、表彰の後、登壇し、ごあいさつを行います。時間は一分程度とのことでございます。次に、日程追加の宣告を行います。次に、進行係の動議により、質問に先立ち議事に入ることを決定いたします。次に、進行係の動議により、追加日程第四、議長の辞職の許可の決定を行います。次に、川島議長より退任のごあいさつがございます。次に、追加日程第五、議長選挙を投票により行います。次に、議長当選者から就任のごあいさつがあります。次に、進行係の動議により、追加日程第六、副議長の辞職の許可の決定を行います。次に、木内副議長より退任のごあいさつがございます。次に、追加日程第七、副議長選挙を投票により行います。次に、副議長当選者から就任のごあいさつがございます。次に、知事発言がございます。発言時間は二十五分程度とのことでございます。次に、進行係の動議により、日程の順序を変更し、追加日程先議を決定いたします。次に、追加日程第一及び第二、多湖輝氏及び松平康隆氏の名誉都民選定同意の件を一括上程し、議決いたします。起立採決でございます。次に、追加日程第三、加瀬三郎氏の名誉都民選定同意の件を上程し、議決いたします。簡易採決でございます。最後に、進行係の動議により、九月二十日から二十五日までの六日間の休会の決定を行いまして散会となります。所要時間は、おおむね一時間四十分程度を予定しております。なお、本日は、開会に先立ちまして、十二時四十分より東京都交響楽団による音楽演奏が実施されます。以上でございます。 # 吉野委員長 吉野委員長説明は終わりました。ただいまの説明のとおり進めてまいりますが、よろしいでしょうか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 吉野委員長 吉野委員長それでは、そのようにいたします。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、東京都議会情報公開推進委員会委員の改選についてご協議願います。委員の配分等につきましては、先ほどの理事会協議の結果、現行と同様、お手元配布の資料のとおりとすることといたしました。本件につきましては、理事会協議の結果のとおりとすることでよろしいでしょうか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 吉野委員長 吉野委員長それでは、そのようにいたします。なお、委員の選定届は、九月二十五日正午までに議長までご提出願います。以上をもちまして本日の委員会を閉会いたします。午前十時五十五分散会
2024-03-31T11:22:55.354754Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/959518?Template=document&Id=3509#one
--- title: 平成19年議会運営委員会(第23号) 名簿・議事日程 # 平成十九年九月十九日(水曜日)議会運営委員会室出席委員二十三名委員長吉野利明君副委員長川井しげお君副委員長田中良君副委員長中嶋義雄君理事服部ゆくお君理事高橋かずみ君理事山下太郎君理事大沢昇君理事藤井一君理事吉田信夫君大西由紀子君石森たかゆき君野島善司君林田武君矢島千秋君鈴木隆道君土屋たかゆき君大津浩子君泉谷つよし君ともとし春久君東村邦浩君古館和憲君松村友昭君欠席委員なし議長川島忠一君副議長木内良明君本日の会議に付した事件議員の辞職について会派所属議員数の変更について閉会中における特別委員の辞任及び選任について議席の変更について質問について議会運営委員についてオリンピック招致特別委員について平成十八年度各会計決算特別委員について平成十八年度公営企業会計決算特別委員について議事日程及び追加議事日程について会議順序について東京都議会情報公開推進委員会委員の改選について
2024-03-31T11:22:56.397205Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/959518?Template=document&Id=3508#one
--- title: 平成19年議会運営委員会(第22号) 本文 # 午前十一時七分開議 # 田中副委員長 田中副委員長ただいまから議会運営委員会を開会いたします。あらかじめお断りいたしておきます。宮崎委員長が議会運営委員を辞任されましたので、本日、私が役員互選のため委員会を招集いたしました。委員長がただいま欠けておりますので、暫時、私が委員長の職務を代行させていただきます。ご了承願います。初めに、閉会中における議会運営委員の辞任及び選任について申し上げます。本件は、お手元配布の名簿のとおり、議長においてそれぞれ辞任を許可し、後任委員を選任されました。ご了承願います。なお、本件につきましては、定例会招集当日の本会議において、その旨報告いたしますので、ご了承願います。それでは、この際、新たに委員に選任されました方々を名簿順にご紹介いたします。吉野利明委員、川井しげお委員、服部ゆくお委員、高橋かずみ委員、野島善司委員、林田武委員、矢島千秋委員、鈴木隆道委員、石森たかゆき委員、大沢昇委員、大津浩子委員、泉谷つよし委員、ともとし春久委員。以上で紹介を終わります。 # 田中副委員長 田中副委員長それでは、これより欠位となっております委員長の互選を行います。互選の方法はいかがいたしましょうか。 # 山下委員 山下委員委員長の指名推選の方法によることとし、直ちに指名していただきたいと思います。 # 田中副委員長 田中副委員長ただいまの動議にご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 田中副委員長 田中副委員長ご異議なしと認めます。よって、委員長には吉野利明委員を指名いたします。これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 田中副委員長 田中副委員長ご異議なしと認めます。よって、委員長には吉野利明委員が当選されました。吉野委員長より就任のごあいさつがあります。〔田中副委員長退席、委員長着席〕 # 吉野委員長 吉野委員長一言ごあいさつを申し上げます。ただいま委員長にご推選をいただき、皆様のご了解をいただきました。ありがとうございました。東京都議会は日本の首都の議会でございまして、これまで先人が築き上げてきた歴史がございます。それを汚さぬよう、公平公正な委員会運営を進めて、都政の進展に努めてまいりたいと思いますので、どうぞ皆様のご協力をよろしくお願い申し上げまして、一言ごあいさつとさせていただきます。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、副委員長二名が欠位となっておりますので、引き続き副委員長の互選を行います。互選の方法はいかがいたしましょうか。 # 山下委員 山下委員委員長の指名推選の方法によることとし、直ちに指名していただきたいと思います。 # 吉野委員長 吉野委員長ただいまの動議にご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 吉野委員長 吉野委員長ご異議なしと認めます。よって、副委員長には、川井しげお委員及び中嶋義雄理事を指名いたします。これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 吉野委員長 吉野委員長ご異議なしと認めます。よって、副委員長には、川井しげお委員及び中嶋義雄理事が当選されました。川井副委員長及び中嶋副委員長より就任のごあいさつがあります。 # 川井副委員長 川井副委員長ただいま副委員長としてご推選をいただきました川井でございます。委員長を助け、都民のために価値ある議会運営を進めるために支えていきます。よろしくお願いいたします。 # 中嶋副委員長 中嶋副委員長中嶋でございます。吉野委員長のもと、しっかりとした委員会運営に努めてまいりますので、どうかよろしくお願い申し上げます。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、理事の辞任についてご協議願います。土屋たかゆき理事から、理事を辞任したい旨の申し出がありました。お諮りいたします。本件は、申し出のとおり、辞任を許可することにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 吉野委員長 吉野委員長ご異議なしと認めます。よって、申し出のとおり、土屋たかゆき理事の辞任は許可されました。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、理事四名が欠位となりましたので、理事の互選を行います。互選の方法はいかがいたしましょうか。 # 山下委員 山下委員委員長の指名推選の方法によることとし、直ちに指名していただきたいと思います。 # 吉野委員長 吉野委員長ただいまの動議にご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 吉野委員長 吉野委員長ご異議なしと認めます。よって、理事には、高橋かずみ委員、服部ゆくお委員、藤井一委員及び大沢昇委員を指名いたします。これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 吉野委員長 吉野委員長ご異議なしと認めます。よって、理事には、以上の方々が当選されました。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、議席について申し上げます。議席は、ただいまご着席のとおりといたしたいと思いますが、ご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 吉野委員長 吉野委員長ご異議なしと認めます。よって、議席はそのようにいたします。この際、議事の都合により、暫時休憩いたします。午前十一時十五分休憩午前十一時五十九分開議 # 吉野委員長 吉野委員長休憩前に引き続き委員会を開きます。初めに、進行係について申し上げます。自民党より、進行係を山加朱美議員から石森たかゆき議員に交代したい旨、議長に申し出がありました。ご了承願います。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、新潟県中越沖地震災害見舞金について申し上げます。さきの新潟県中越沖地震で被災された新潟県、長野県、新潟県柏崎市及び新潟県刈羽村の方々への見舞金につきましては、各会派等のご了承をいただき、去る七月三十一日、議長より、新潟県議会議長及び長野県議会議長に見舞状を添えて贈呈いたしましたことをご報告申し上げます。各議員におかれましては、ご協力をいただき、まことにありがとうございました。なお、本件につきましては、定例会招集当日の本会議においてその旨報告いたしますので、ご了承願います。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、第三回定例会について申し上げます。本件につきましては、知事より、九月十九日に招集したい旨、議長に申し出がありましたので、ご報告いたします。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、今定例会に提出を予定されております案件について申し上げます。本件につきまして、村山財務局長から説明があります。 # 村山財務局長 村山財務局長ご説明申し上げます。第三回定例会に提出を予定しております議案は、お手元の平成十九年第三回東京都議会定例会提出予定議案件名表の表紙に記載してございますように、ただいまのところ、予算案一件、条例案十六件、契約案五件、事件案八件、専決一件、合わせて三十一件でございます。このほかに、人事案が十四件ございます。まず、予算案からご説明申し上げます。お手元の件名表一ページをごらんいただきたいと存じます。平成十九年度東京都一般会計補正予算(第二号)の一件でございます。内容は、東京大気汚染訴訟の和解に伴う拠出金の一部を受け入れるもの三十八億円、中小企業への円滑な資金供給とCO2削減対策をあわせて推進するため環境CBOを導入するもの五十億円、合わせて八十八億円の補正を行うものでございます。続きまして、三ページからが条例案でございます。新設条例が一件、一部改正条例が十五件、合わせて十六件でございます。このうち、主な案件につきまして説明させていただきます。まず、新設の条例でございます。三ページ、一段目に記載の緑の東京募金基金条例は、「十年後の東京」に掲げた、水と緑の回廊で包まれた美しいまち東京を復活させるため、都民等から募った寄附金を緑化事業に充当するための基金を設置するものでございます。次に、一部を改正する条例でございます。三ページ、二段目及び三段目の、特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例及び市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例は、都市計画法及び感染症法の一部改正に伴い特別区等に事務を移譲するため、規定を整備するものでございます。次に、四段目の職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例は、退職手当の支給の一層の適正化を図るため、死亡による退職時における退職手当の支給制限規定等を新たに設けるものでございます。次に、四ページ、一段目の東京都立学校設置条例の一部を改正する条例は、都立学校三校を新たに設置するほか、都立高等専門学校三校を独立行政法人化に伴い廃止するものでございます。次に、四ページ、四段目の東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例及び六ページ、二段目の温泉法に基づく温泉の保護に係る手数料に関する条例の一部を改正する条例は、温泉法の一部改正に伴い、それぞれ手数料を新設するものでございます。次に、六ページ、四段目の警視庁の設置に関する条例の一部を改正する条例は、東京湾岸警察署を新設するほか、警察署の管轄区域を改めるものでございます。このほかに八件ございますが、いずれも、法令等の改正に伴い所要の改正を行うものでございます。続きまして、七ページ及び八ページが契約案でございます。妙正寺川整備工事など五件を予定しております。契約金額は、総額約百四億六千万円でございます。続きまして、事件案でございます。八件を予定しております。まず、九ページは、都立高等専門学校の移管に伴い、公立大学法人首都大学東京の中期目標の変更等に関し議決をいただくものでございます。次に、一〇ページは、警視庁発注工事に係る損害賠償請求訴訟事件についての和解を行うもの、土地及び建物の売り払いに関するもの、江戸東京博物館等の指定管理者を指定するものでございます。続きまして、一一ページが専決でございます。都議会閉会中に専決処分いたしました、東京大気汚染訴訟事件に関する和解について、その報告及び承認をお願いするものでございます。続きまして、お手元配布の人事案件につきましてご説明申し上げます。まず、名誉都民の選定でございます。東京都名誉都民選考委員会で、加瀬三郎氏、多湖輝氏、松平康隆氏の各氏が選考されました。選定の同意につきましては、十月一日の顕彰式に向けまして、事務的な準備期間が必要になりますので、早期の議決をいただきたいと考えております。次に、東京都教育委員会委員でございます。九月三十日に任期満了となります鳥海巖氏の後任には、竹花豊氏を任命いたしたいと存じます。次に、東京都公安委員会委員でございます。十月十九日に任期満了となります安西邦夫氏につきまして、再任いたしたいと存じます。また、同じく十月十九日に任期満了となります大西勝也氏の後任には、仁田陸郎氏を任命いたしたいと存じます。次に、東京都監査委員でございます。新たに、金子庸子氏を選任いたしたいと存じます。次に、東京都土地利用審査会委員でございます。十月二十四日に任期満了となります戸沼幸市氏、澤井英久氏、安倍澄子氏、池邊このみ氏の各氏につきましては、再任いたしたいと存じます。また、同じく十月二十四日に任期満了となります日端康雄氏の後任には大村謙二郎氏を、渡辺卓美氏の後任には北川雅章氏を、緒方瑞穂氏の後任には奥田かつ枝氏をそれぞれ任命いたしたいと存じます。同意につきまして、よろしくお願いいたします。また、平成十八年度東京都各会計歳入歳出決算及び平成十八年度東京都公営企業各会計決算の認定に関する決算書等につきましては、準備が整い次第送付いたしますので、よろしくお願いいたします。以上で説明を終わります。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。 # 吉野委員長 吉野委員長説明は終わりました。ご苦労さまでした。ただいま説明のありました案件のうち、名誉都民の選定の同意につきましては定例会招集当日の本会議に上程し、また、その他の人事案件につきましては質問終了日の本会議に上程し、いずれも委員会付託を省略して議決いたしたいと思いますが、よろしいでしょうか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 吉野委員長 吉野委員長それでは、そのようにいたします。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、永年在職議員の表彰について申し上げます。東京都議会議員表彰内規に基づき、在職三十年表彰に該当されますのは、お手元配布の名簿のとおり、桜井武議員でございます。心からお祝いを申し上げます。桜井武議員の表彰の件につきまして、先ほどの理事会で協議いたしました結果を管理部長から説明いたさせます。 # 長嶋管理部長 長嶋管理部長永年在職議員の表彰につきまして、理事会協議の結果をご報告いたします。議員の表彰は、議員表彰内規により議会の議決をもって行うことになっておりますので、九月十九日の本会議において、お手元配布の名簿のとおり、桜井武議員を表彰する旨議決いたします。表彰状の案文は、議長一任でございます。表彰状を受けられる議員が登壇し、ごあいさつされます。表彰状の伝達等は、本会議終了後、特別応接室で、各会派幹事長ご同席の上、議長から行います。知事、副知事、教育長もご出席の予定でございます。以上でございます。よろしくお願いいたします。 # 吉野委員長 吉野委員長説明は終わりました。ただいまの説明のとおり実施するということでよろしいでしょうか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 吉野委員長 吉野委員長それでは、そのようにいたします。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、文書質問に対する答弁書の送付について申し上げます。さきの定例会において提出のありました文書質問に対し、知事より答弁書が提出されましたので、議長より、質問趣意書とともに各議員あて送付いたしておきました。本件につきましては、定例会招集当日の本会議においてその旨報告いたしますので、ご了承願います。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、閉会中における特別委員の辞任及び選任について申し上げます。都議会議員後藤雄一君の調査活動等に関する調査特別委員及びオリンピック招致特別委員について、お手元配布の名簿のとおり、議長において、それぞれ辞任を許可し、後任委員を選任されました。ご了承願います。本件につきましては、定例会招集当日の本会議においてその旨報告いたしますので、ご了承願います。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、議席の変更について申し上げます。自民党、民主党及び公明党より、お手元配布の議席変更表のとおり議席を変更したい旨、議長に申し出がありました。本件につきましては、定例会招集当日の本会議において、申し出のとおり議席の変更を行いたいと思いますので、ご了承願います。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、議事説明員の異動について申し上げます。先般の人事異動により、議事説明員に異動がありました。本件につきましては、定例会招集当日の本会議において紹介いたします。なお、副知事及び警視総監につきましては、登壇の上、あいさつを行い、青少年・治安対策本部長につきましては、自席で紹介を行いますので、ご了承願います。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、知事発言について申し上げます。知事より、定例会招集当日の本会議において発言を行いたい旨、議長に申し出がありました。本件は、申し出のとおり発言を許可したいと思いますので、ご了承願います。時間は、二十五分程度とのことです。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、平成十八年度各会計決算の認定についてご協議願います。本件につきましては、先ほどの理事会で協議いたしました結果、お手元配布の設置要綱(案)のとおり、平成十八年度各会計決算特別委員会を設置し、これに付託することとなりました。設置要綱(案)及び委員の割り当て等につきまして、議事部長から説明いたさせます。 # 大村議事部長 大村議事部長お手元の平成十八年度各会計決算特別委員会設置要綱(案)をごらんいただきたいと存じます。委員会の目的、名称、設置の根拠につきましては、それぞれ1、2及び3に記載のとおりでございます。次に、4の委員会の組織でございますが、(1)にございますように、委員は三十一名とし、委員長一名、副委員長三名及び理事六名を置くことといたしております。なお、委員の割り当ては、(2)にありますとおり、各会派の案分比によることといたしております。先ほどの理事会におきまして、各会派への委員の割り当ては、自民党十二名、民主党九名、公明党六名、日本共産党三名及び生活者ネット一名となりました。なお、役員の構成でございますが、委員長は自民党から、副委員長三名につきましては、自民党、民主党及び公明党から各一名となりました。また、理事六名につきましては、自民党及び民主党から各二名、公明党及び日本共産党から各一名となりました。また、(3)にございますように、委員会に三つの分科会を設けます。分科会の役員構成は、(4)にありますとおり、委員長一名及び副委員長二名を置き、分科会の委員長及び副委員長は、委員会の副委員長及び理事をもって充てることといたしております。次に、分科会の名称と分担事項につきましては、(5)に記載のとおりでございます。次に、5の審査の方法でございますが、(1)にございますように、委員会での概要説明、分科会での局別説明と質疑、委員会での質疑、意見開陳及び表決の順で行うことといたしております。また、委員会、各分科会の場所につきましては、(2)に記載のとおりでございます。次に、6の審査の期限でございますが、本年第四回定例会までといたしております。以上でございます。 # 吉野委員長 吉野委員長説明は終わりました。ただいまの説明のとおりとすることでよろしいでしょうか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 吉野委員長 吉野委員長それでは、そのようにいたします。なお、準備の都合がございますので、委員の選定届は、九月十三日正午までに議長までご提出願います。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、平成十八年度公営企業各会計決算の認定についてご協議願います。本件につきましては、先ほどの理事会で協議いたしました結果、お手元配布の設置要綱(案)のとおり、平成十八年度公営企業会計決算特別委員会を設置し、これに付託することとなりました。設置要綱(案)及び委員の割り当て等につきまして、議事部長から説明いたさせます。 # 大村議事部長 大村議事部長お手元の平成十八年度公営企業会計決算特別委員会設置要綱(案)をごらんいただきたいと存じます。委員会の目的、名称及び設置の根拠につきましては、それぞれ1、2及び3に記載のとおりでございます。次に、4の委員会の組織でございますが、(1)にございますように、委員は二十三名とし、委員長一名、副委員長三名及び理事五名を置くことといたしております。なお、委員の割り当ては、(2)にありますとおり、各会派の案分比によることといたしております。先ほどの理事会におきまして、各会派への委員の割り当ては、自民党九名、民主党六名、公明党四名、日本共産党三名及び生活者ネット一名となりました。なお、役員の構成でございますが、委員長は民主党から、副委員長三名につきましては、自民党、民主党及び公明党から各一名となりました。また、理事五名につきましては、自民党から二名、民主党、公明党及び日本共産党から各一名となりました。また、(3)にございますように、委員会に二つの分科会を設けます。分科会の役員構成は、(4)にありますとおり、委員長一名及び副委員長三名を置き、分科会の委員長は委員会の副委員長をもって充て、分科会の副委員長は委員会の副委員長及び理事をもって充てることといたしております。次に、分科会の名称と分担事項につきましては、(5)に記載のとおりでございます。次に、5の審査の方法でございますが、(1)にございますように、委員会での概要説明、分科会での局別説明と質疑、委員会での質疑、意見開陳及び表決の順で行うことといたしております。また、委員会、各分科会の場所につきましては、(2)に記載のとおりでございます。次に、6の審査の期限でございますが、本年第四回定例会までといたしております。以上でございます。 # 吉野委員長 吉野委員長説明は終わりました。ただいまの説明のとおりとすることでよろしいでしょうか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 吉野委員長 吉野委員長それでは、そのようにいたします。なお、準備の都合がございますので、委員の選定届は、九月十三日正午までに議長までご提出願います。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、今定例会の会議予定につきまして、先ほどの理事会で協議いたしました結果を議事部長から説明いたさせます。 # 大村議事部長 大村議事部長お手元の平成十九年第三回定例会会議予定表(案)をごらんいただきたいと存じます。本日十二日が告示日でございまして、会期は九月十九日から十月五日までの十七日間でございます。九月十九日は招集日でございます。本会議を開きまして、会期の決定、知事の所信表明等がございます。九月二十日から二十五日までの六日間、議案調査のため休会いたします。九月二十六日及び二十七日の二日間は、本会議を開きまして、代表質問及び一般質問等を行います。九月二十七日の一般質問終了後、議案を常任委員会に付託するとともに、平成十八年度各会計決算特別委員会及び平成十八年度公営企業会計決算特別委員会を設置いたしまして、決算の認定について付託をいたします。九月二十八日から十月四日までの七日間は休会いたしまして、常任委員会審査を行います。十月五日は最終日でございます。本会議を開きまして、議案の議決等を行い、閉会となります。以上でございます。 # 吉野委員長 吉野委員長説明は終わりました。ただいまの説明のとおりとすることでよろしいでしょうか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 吉野委員長 吉野委員長それでは、そのようにいたします。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、質問につきまして、先ほどの理事会で協議いたしました結果を議事部長から説明いたさせます。 # 大村議事部長 大村議事部長各会派の質問時間につきまして、理事会における協議結果をご説明いたします。質問日は二日間でございまして、各会派の質問時間は、自民党百三十九分、民主党九十九分、公明党六十二分、日本共産党三十七分、生活者ネット十一分、無所属の行革一一〇番が十三分、合計三百六十一分となりました。以上でございます。 # 吉野委員長 吉野委員長説明は終わりました。ただいまの説明のとおりとすることでよろしいでしょうか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 吉野委員長 吉野委員長それでは、そのようにいたします。なお、質問通告書は、九月二十一日正午までに議長までご提出願います。また、念のため申し上げますが、質問通告書については、都政一般、知事の基本姿勢またはその他ということではなく、具体的にご記入いただきたいと思います。ご協力をお願いいたします。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、常任委員の改選についてご協議願います。本件につきましては、十月五日の本会議において委員の選任を行います。ご了承願います。つきましては、委員の割り当て等につきまして、先ほどの理事会で協議いたしました結果、お手元配布の資料のとおり、現行のとおりとすることといたしました。本件につきましては、先ほどの理事会協議の結果のとおりとすることでよろしいでしょうか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 吉野委員長 吉野委員長それでは、そのようにいたします。なお、委員の選定届は、九月二十五日正午までに議長までご提出願います。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、意見書、決議について申し上げます。本件につきましては、提出要領に基づき、十月四日正午までに議長までご提出願います。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、請願陳情について申し上げます。九月二十日までに受理した分は質問終了日に、その後の分で十月四日正午までに受理した分は最終日に、それぞれ所管の委員会に付託することとし、また、付託審査中のもので報告のありました分につきましては、最終日に上程して議決することにしたい旨、議長から申し出がありました。よろしいでしょうか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 吉野委員長 吉野委員長それでは、そのようにいたします。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、東京都議会海外調査団の派遣についてご協議願います。お手元配布のとおり、調査計画書が提出されました。本件につきましては、先ほどの理事会協議の結果、計画書のとおり派遣することといたしました。よろしいでしょうか。 # 吉田委員 吉田委員かねてから発言してまいりましたけれども、海外出張は高額な費用を伴うものであり、都民の納得が得られるものでなければならないと思います。実態的には、海外視察については各会派代表という形をとっておりますけれども、これは一たん中止をして再検討すべきだという意見を改めて述べさせていただきます。 # 吉野委員長 吉野委員長それでは、計画書のとおり派遣することといたしましたけれども、よろしいでしょうか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 吉野委員長 吉野委員長それでは、そのようにいたします。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、定例会開会当日の音楽演奏について申し上げます。先ほどの理事会で協議いたしました結果を議事部長から説明いたさせます。 # 大村議事部長 大村議事部長お手元配布の第三回定例会開会当日の音楽演奏(案)についての資料をごらんいただきたいと存じます。演奏日時は、九月十九日、定例会開会当日の十二時四十分からでございます。今回の演奏は、東京都交響楽団メンバーによる弦楽四重奏で、曲目は、エドワード・ウィリアム・エルガー作曲「愛のあいさつ」外三曲でございます。演奏者は、東京都交響楽団の四名のメンバーでございます。演奏時間は、おおむね十六分でございます。当日は、十二時に、本会議開会予定放送にあわせまして演奏予告放送を行います。十二時三十五分に参集の放送を行いますので、十二時四十分までに議席にご着席いただきます。十二時四十分から演奏が開始されます。終了後、十三時に本鈴及び放送を行い、定例会開会となります。以上でございます。 # 吉野委員長 吉野委員長説明は終わりました。ただいまの説明のとおりとすることでよろしいでしょうか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 吉野委員長 吉野委員長それでは、そのようにいたします。なお、各会派におかれましては、開会当日は十二時四十分までにお集まりいただきますよう、特段のご配慮をお願いいたします。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、議長及び副議長辞職の件について申し上げます。先ほどの理事会におきまして、議長及び副議長から辞職したい旨申し出がありました。本件につきましては、先ほどの理事会で協議いたしました結果、いずれも定例会招集当日の本会議において辞職許可の議決を行うこととなりました。よろしいでしょうか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 吉野委員長 吉野委員長それでは、そのようにいたします。この際、議長及び副議長より発言がございます。 # 川島議長 川島議長ただいま吉野委員長からお話がございましたが、今回をもちまして議長を辞職させていただくことになりました。平成十七年、一昨年でございますけれども、皆様のご推挙を賜り、議長に就任以来、木内副議長とともに、円滑かつ公正な議会運営に微力をささげてまいりました。おかげをもちまして、大過なく重責を全うしようとしているところでございます。これもひとえに、歴代の議会運営委員会の委員を初め議員の皆様のご支援、ご協力のたまものでございます。ここに厚く感謝とお礼を申し上げる次第でございます。地方分権が進展していく中、都議会の果たす役割、責任は、これからますます大きくなってくるものと思います。私も、これから一都議会議員として、引き続き都民の生活の向上のために全力で頑張る決意でございます。結びに当たりまして、東京都議会のさらなる発展と先生方各位のご活躍を心から祈念いたしまして、お礼のごあいさつにかえさせていただきます。ありがとうございました。 # 木内副議長 木内副議長私も、川島議長と同様に、今回をもって副議長の職を辞任させていただきたいと思います。この二年余りの間、川島議長を支え、円滑かつ公正な議会運営に努めてまいりました。大変微力ではございましたが、議会運営委員会委員長、各会派の皆様方、そして何より川島議長のご指導のもと、副議長としての職責を無事に果たすことができました。皆様方の本日までのご協力に心から感謝を申し上げ、辞任のあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。 # 吉野委員長 吉野委員長川島議長並びに木内副議長のご労苦とご功績に、委員会を代表し、敬意と感謝の意を表させていただきます。まことにありがとうございました。 # 吉野委員長 吉野委員長次に、後任の議長及び副議長の選挙についてご協議願います。本件につきましては、先ほどの理事会で協議いたしました結果、議長及び副議長ともに、定例会招集当日の本会議において投票により行うこととなりました。よろしいでしょうか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 吉野委員長 吉野委員長それでは、そのようにいたします。それでは、投票の方法について、議事部長から説明いたさせます。 # 大村議事部長 大村議事部長まず、議長選挙を投票により行います。投票は、単記無記名、一人一票となります。投票用紙は書記が配布いたしますので、鉛筆で被選挙人一名の氏名を書いていただきたいと存じます。なお、鉛筆は議席に用意してございます。姓のみ、または名のみの記入、誤字や氏名以外のことを記入したものは無効票となることがありますので、ご注意ください。投票中は議場を閉鎖いたしますので、宣告の際、議場にいない議員は投票できません。また、原則として中途退席することもできません。投票用紙を書き損じたときは、議長まで申し出てください。書記が新しい用紙と交換いたします。局長が議席番号と氏名を読み上げますので、議長席に向かって右側、理事者席側から登壇していただき、演壇に置きました投票箱に投票いただいた上、左側、書記席側を通り、議席にお戻りください。全員の投票が終了した後、開票を行いまして、局長から投票の結果を報告させていただきます。議長選挙に引き続き、副議長選挙を投票により行いますが、手順は、議長選挙の投票の方法と同様でございます。以上でございます。 # 吉野委員長 吉野委員長説明は終わりました。ただいまの件につきましては、議員への周知方、よろしくお願いいたします。なお、投票用紙の記入に際しては、同姓または同名の議員がおりますので、氏名を必ず記入していただきますよう、周知徹底をお願いいたします。また、会議規則第二十七条第二項に基づく開票立会人は、議長において、自民党、私、民主党田中議員、公明党中嶋議員及び日本共産党吉田議員を指名することとなります。ご了承願います。以上をもちまして本日の委員会を閉会いたします。午後零時二十六分散会
2024-03-31T11:22:57.501094Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/959518?Template=document&Id=3507#one
--- title: 平成19年議会運営委員会(第22号) 名簿・議事日程 # 平成十九年九月十二日(水曜日)議会運営委員会室出席委員二十三名委員長吉野利明君副委員長川井しげお君副委員長田中良君副委員長中嶋義雄君理事服部ゆくお君理事高橋かずみ君理事山下太郎君理事大沢昇君理事藤井一君理事吉田信夫君大西由紀子君石森たかゆき君野島善司君林田武君矢島千秋君鈴木隆道君土屋たかゆき君大津浩子君泉谷つよし君ともとし春久君東村邦浩君古館和憲君松村友昭君欠席委員なし議長川島忠一君副議長木内良明君財務局長村山寛司君本日の会議に付した事件閉会中における議会運営委員の辞任及び選任について委員長の互選について副委員長の互選について理事の辞任について理事の互選について進行係について新潟県中越沖地震災害見舞金について第三回定例会の招集について第三回定例会提出予定案件について永年在職議員の表彰について文書質問に対する答弁書の送付について閉会中における特別委員の辞任及び選任について議席の変更について議事説明員の異動について知事発言について平成十八年度各会計決算の認定について平成十八年度公営企業各会計決算の認定について会議予定について質問について常任委員の改選について意見書、決議について請願陳情について東京都議会海外調査団の派遣について定例会開会当日の音楽演奏について議長及び副議長の辞職について議長、副議長選挙について
2024-03-31T11:22:59.447144Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/959518?Template=document&Id=3506#one
--- title: 平成19年総務委員会 本文 # 午後一時開議 # 酒井委員長 酒井委員長ただいまから総務委員会を開会いたします。初めに、先般の人事異動に伴い、新たに就任いたしました東京オリンピック招致本部の幹部職員、及び交代のあった人事委員会事務局の幹部職員について紹介があります。 # 荒川東京オリンピック招致本部長 荒川東京オリンピック招致本部長さきの人事異動に伴い就任いたしました当本部の幹部職員を紹介させていただきます。当本部次長の松田二郎でございます。どうぞよろしくお願いいたします。〔理事者あいさつ〕 # 矢口人事委員会事務局長 矢口人事委員会事務局長さきの人事異動により交代のございました当局の幹部職員についてご紹介いたします。十二月一日付で試験室長に就任いたしました内藤泰樹でございます。どうぞよろしくお願いいたします。〔理事者あいさつ〕 # 酒井委員長 酒井委員長紹介は終わりました。 # 酒井委員長 酒井委員長次に、意見書について申し上げます。過日の委員会で理事会にご一任いただきました意見書二件のうち、一件につきましては、お手元配布の案文のとおり調整いたしました。案文の朗読は省略いたします。硫黄島旧島民の宿泊墓参への支援に関する意見書(案)太平洋戦争の激戦地であった硫黄島では、昭和十九年に当時の島民一千人余りが強制疎開となった。都では、強制疎開後、故郷に帰島できない旧島民のため、硫黄島への墓参事業を昭和五十四年度から実施してきている。現在、年二回、自衛隊機による日帰り墓参を実施しているが、滞在時間四時間という限られた時間で慌ただしく島内を巡る行程のため、高齢化の進む旧島民にとっては、体力的に極めて厳しく、宿泊による墓参の実現が強く求められている。現在実施している日帰り墓参については、防衛省による支援・協力を得て実施していることから、宿泊墓参の実現に当たっては、輸送支援や施設の確保など、国の全面的な支援が不可欠である。よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、旧島民の心情を斟酌(しんしゃく)した宿泊墓参を実現するため、積極的な支援を行うよう強く要請する。以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。平成十九年十二月日東京都議会議長比留間敏夫衆議院議長┐参議院議長|内閣総理大臣├あて総務大臣|国土交通大臣|防衛大臣┘ # 酒井委員長 酒井委員長本件は、議長あて提出の手続をとりたいと思いますので、ご了承願います。なお、その他の意見書につきましては、調整がつかなかった旨、議長へ報告すべきとの結論になりましたので、ご了承願います。 # 酒井委員長 酒井委員長本日は、お手元配布の会議日程のとおり、付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。これより付託議案の審査を行います。第百八十六号議案から第百九十一号議案までを一括して議題といたします。本案につきましては、いずれも既に質疑を終了いたしております。これより採決を行います。第百八十六号議案から第百九十一号議案までを一括して採決いたします。お諮りをいたします。本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 酒井委員長 酒井委員長異議なしと認めます。よって、百八十六号議案から第百九十一号議案までは、いずれも原案のとおり決定いたしました。以上で付託議案の審査を終わります。 # 酒井委員長 酒井委員長次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 酒井委員長 酒井委員長異議なしと認め、そのように決定をいたしました。 # 酒井委員長 酒井委員長この際、所管七局を代表いたしまして、押元総務局長から発言を求められておりますので、これを許します。 # 押元総務局長 押元総務局長当委員会所管の七局を代表いたしまして一言お礼を申し上げます。ただいま本定例会にご提案を申し上げておりました議案につきましてご決定を賜り、まことにありがとうございました。この間にちょうだいいたしました貴重なご意見、ご要望等につきましては、可能な限り今後の都政運営に生かしてまいります。今後ともよろしくご指導、ご鞭撻のほどをお願い申し上げまして、甚だ簡単でございますが、お礼の言葉とさせていただきます。ありがとうございました。 # 酒井委員長 酒井委員長発言は終わりました。以上をもちまして本日の委員会を閉会いたします。午後一時四分散会
2024-03-31T11:23:00.418047Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/226227?Template=document&Id=4331#one
--- title: 平成19年総務委員会 名簿・議事日程 # 平成十九年十二月十四日(金曜日)第一委員会室出席委員十四名委員長酒井大史君副委員長鈴木隆道君副委員長花輪ともふみ君理事小磯善彦君理事松村友昭君理事林田武君後藤雄一君山口文江君遠藤守君尾崎大介君菅東一君倉林辰雄君吉野利明君大沢昇君欠席委員なし出席説明員知事本局局長大原正行君次長河島均君企画調整部長川澄俊文君青少年・治安対策本部本部長久我英一君総合対策部長百合一郎君東京オリンピック招致本部本部長荒川満君次長松田二郎君企画部長並木一夫君総務局局長押元洋君総務部長岳野尚代君選挙管理委員会事務局局長梶原康二君人事委員会事務局局長矢口幸一君任用公平部長川村栄一君試験室長内藤泰樹君監査事務局局長白石弥生子君本日の会議に付した事件意見書について付託議案の審査(決定)・第百八十六号議案職員の給与に関する条例の一部を改正する条例・第百八十七号議案東京都の一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例・第百八十八号議案東京都の一般職の任期付研究員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例・第百八十九号議案職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例・第百九十号議案職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例・第百九十一号議案東京都職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例請願陳情の継続審査について特定事件の継続調査について
2024-03-31T11:23:01.122218Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/226227?Template=document&Id=4330#one
--- title: 平成19年総務委員会 本文 # 午後一時一分開議 # 酒井委員長 酒井委員長ただいまから総務委員会を開会いたします。初めに、意見書について申し上げます。委員から、お手元配布のとおり意見書を提出したい旨の申し出がありました。お諮りいたします。本件につきましては、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 酒井委員長 酒井委員長異議なしと認め、そのように決定をいたしました。 # 酒井委員長 酒井委員長本日は、お手元配布の会議日程のとおり、総務局関係の付託議案の審査及び知事本局関係の報告事項に対する質疑を行います。これより総務局関係に入ります。付託議案の審査を行います。第百八十六号議案から第百九十一号議案までを一括して議題といたします。本案につきましては既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。発言を願います。 # 菅委員 菅委員では、第百八十六号議案の給与に関する条例の一部を改正する条例についてお尋ねをいたします。地方公務員の給与につきましては、公務員人件費改革の中で一層の適正化が求められているとともに、国民の厳しい視線が注がれております。都においては、これまで、都財政状況や社会経済情勢を踏まえた上で、人事給与制度について先駆的な取り組みをしてきたことにつきましては、大変評価をいたしております。ただ、今後とも東京都が日本の首都として存在感を発揮し、都民の負託にこたえていくためには、不断の取り組みが必要である、こういうふうに思っております。こうした観点から、何点かお尋ねをいたします。まず、今回の見直し内容についてでありますが、職員の給与については、都民の理解と納得を得る観点からも、国、他団体、民間との均衡を考慮して定めるものだと考えております。とりわけ給与水準については、基本的には人事委員会勧告を踏まえて対応すべきものだろうと思います。そこで確認のためにお伺いいたしますが、今回の改定で給与のベースはどうなるのか、国や他団体の状況とあわせてお尋ねをします。 # 野口勤労部長 野口勤労部長国では、人事院勧告で月例給につきまして〇・三五%のプラス勧告が行われ、また地方公共団体では、都道府県政令市のほとんどでプラスまたは据え置きの勧告が行われる中で、東京都と横浜市のみがマイナス勧告となっております。都におきましては、人事院勧告を踏まえまして、例月給でマイナス〇・〇七%引き下げます。これは三年連続でベースダウンとなるものでございます。なお、特別給につきましては、年間〇・〇五月分引き上げることとしております。 # 菅委員 菅委員昨今の社会経済状況を見ますと、内閣府の最新の月例経済報告では、景気は、ここのところ一部に弱さが見られるものの回復していると見ておりますけれども、日銀の景気判断では、企業ごとの業績回復の度合いに差が生じており、とりわけ輸出を担う大企業に比べ中小企業や非製造業を取り巻く経営環境は極めて厳しい状況が続いているという見方をしております。一律的なベースアップについては、既に企業横並びの構図が一層崩れてきており、また各企業とも、厳しい国際競争を背景として、絶えざる経営改革を行っているのが実態であろうかと思います。今回の勧告内容は、こうした民間の厳しい状況を踏まえた結果であり、給与水準の問題については理解ができます。ところで、都政は、「十年後の東京」の実現やオリンピック招致など、山積する重要な課題に的確に対応していかなければなりません。そのためには、スリムで効率的な執行体制の確立を急ぐ必要があり、給与構造についても不断の見直しを進めていく必要があろうかと思っております。今回の給与改定で、給与構造につながるような取り組みは含まれているのか、この点についてもお伺いをしておきます。 # 野口勤労部長 野口勤労部長菅委員ご指摘のとおり、今回の改正に当たりましても、給与構造改革を一層進めていく観点から、年功的、一律的な給与構造を見直す改革を行っております。具体的には、例月給のマイナス改定の中で、若手職員の引き下げは抑制する一方、高齢職員の引き下げは一層強めることにより、年功的な給与の伸びを抑制いたします、いわゆる昇給カーブのフラット化を進めますとともに、職責の違いを給与に反映させるため、若手管理職の引き下げを抑制しております。 # 菅委員 菅委員全国的に見ても厳しい給与改定の中で、都として工夫しながら給与構造の改革を進めているということでありますから、こうした取り組みは不断に進めていただきたい、こういうふうに思っております。さて、民間企業においては、二〇〇七年度問題といわれているとおり、団塊の世代の大量退職を迎え、企業経営に大きな影響を及ぼしているといわれております。都においても例外ではなく、質量を含めたマンパワー不足が都政運営に一時でも支障を来すことがあってはならない、こう思っております。そのためには、いわゆる少数精鋭の体制を強化していくことが不可欠でありまして、一人一人の職員の能力や資質を高め、さらなるレベルアップを図っていくことが極めて重要である、こう思っております。職員の士気を高め、都庁の組織力を強化していくことの必要性については、我が党としても、かねてから指摘をさせていただいたところであります。都では、平成十八年度に昇給制度の見直しを実施し、職員の仕事ぶりをきめ細かく処遇に反映する仕組みを構築した、こういうことは承知をしております。こうした職員一人一人のやる気を引き出していく取り組みは、さらに進めていく必要があると考えますが、今回の給与条例の見直しを契機として、こうした観点から給与制度に関して具体的に見直した制度があるのかどうか、この点についてもお尋ねしておきます。 # 野口勤労部長 野口勤労部長都は、これまでも、職責能力、業績を重視する観点から、給与構造制度の改革に取り組んでまいりました。菅先生ご指摘のとおり、昨年度から新たな昇給制度を導入したほか、民間におけるボーナス査定に当たる勤勉手当の成績率の制度もいち早く導入しているところであります。今年度におきましては、勤勉手当の支給月数がふえることや、民間におけるボーナス査定の動向を踏まえまして、勤勉手当に係る成績率の仕組みをこれまで以上に拡充することといたしました。具体的には、成績率が適用される職員の範囲を拡大いたしますとともに、課長補佐、係長級におきましては、成績上位者と下位者とのボーナスの差額を、従来と比較し二倍程度拡大するものでございます。 # 菅委員 菅委員勤勉手当、いわゆるボーナスが増した分を一律に支給することなく、頑張った職員を適正に処遇するという見直しは大変評価できると思いますが、依然として民間企業との差があるのではないか、こういうふうに思われてなりません。引き続き、仕事に対し日々努力をし成果を上げた職員については、きちんと評価をして、しっかりと処遇していく仕組みの拡充に努めていただきたい、こういうふうに思います。いずれにいたしましても、限られた人材で最大限の組織力を発揮し、都政のさまざまな課題に果敢に立ち向かっていかなければならない、こういうふうに思います。そのためには、人事給与制度の改革を着実に進めることによって、都政を支える気概を持った職員を育成していくとともに、活力のある効率的な執行体制につなげていくことが重要である、こうふうに思います。今後とも、仕事の内容や職責に応じた処遇を実現し、給与制度の見直しを一層進めることを求めて、私の質問を終わります。 # 遠藤委員 遠藤委員私からは、第百九十一号議案でございます東京都職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例についてお伺いをいたします。まず、質疑に入る前に、確認のために、この特殊勤務手当の定義と現在の支給状況についてご報告いただきたいと思います。 # 野口勤労部長 野口勤労部長特殊勤務手当は、著しく危険、不快、不健康または困難な勤務、その他著しく特殊な勤務に従事する職員に対しまして、勤務の実績に応じて支給する手当でございまして、知事部局等におきましては、職員の給与に関する条例及び東京都職員の特殊勤務手当に関する条例で規定しております。知事部局等における特殊勤務手当の支給状況でございますが、手当の種類は十三手当、平成十九年度予算額は十九億円でありまして、病院に勤務する職員を初め、全体の約四割に当たる職員がこの手当を受給しております。 # 遠藤委員 遠藤委員今、知事部局で十三手当、平成十九年度の予算ベースで十九億円、そして職員の四割がこの手当を受けていると、こういう報告でございました。この特殊勤務手当につきましては、昨年の第一回の定例会におきまして、私が一般質問に立たせていただきました。その際、職員にとって真に必要のある手当は残しつつも、必要性の薄れた手当というものは思い切って廃止するなど、大胆に見直すべきである旨の提案をいたしました。これを踏まえて、都は、昨年、この特勤手当の総点検を実施し、見直しを行いました。そこで、この昨年度の見直しも含めまして、これまでの見直しの具体の成果についてご答弁いただきたいと思います。 # 野口勤労部長 野口勤労部長ご指摘いただきましたとおり、都におきましては、これまでも特殊勤務手当の必要性や支給額等につきまして適宜見直しを実施してきております。遠藤委員ご指摘の平成十八年度の見直しについてでございますが、総点検を実施した結果、知事部局において、全十四手当のうち一手当を廃止し、また十二手当で支給額を減額または支給範囲を縮小するなどの見直しを行いまして、予算額ベースで約二億五千万円の削減をいたしました。なお、他任命権者の教育委員会事務局職員、学校職員、警視庁職員、消防庁職員に係る手当の見直し分を含めますと、財政効果は約三億四千万円でございます。また、この十年間で申し上げますと、知事部局で平成九年度に四十一種類あった手当を、現在十三手当にまで削減したことになります。見直しの効果につきましては、この間で約十九億五千万円削減したところでございます。 # 遠藤委員 遠藤委員以前は四十一の手当があったものが、十三手当までに削減し、そしてトータルで十九億円超を削減したと、こういうことでございます。都では、都民の目線、そして納税者の視点に立った不断の見直しによって、手当そのものを、今申し上げたとおり、またご答弁いただきましたとおりスリム化をしてまいりました。財政上の効果も上がったわけでございます。こうした取り組みは、我が党としても高く評価をいたすものでございます。ところで、今回の見直しの内容は、このようなこれまでのスリム化の流れに反するというか、やや逆行するような形で新しい二つの特殊勤務手当を新設するというものでございます。これまでには、基本的な手当は削減、この方向で見直しを行ってきた中で、今回新たに手当を新設する背景または趣旨をご答弁いただきたいと思います。 # 野口勤労部長 野口勤労部長今回の見直しの背景といたしましては、地域医療を担う医師の不足や診療科の偏在が全国的に深刻であり、都立病院につきましても臨床医師の確保が喫緊の課題となっていることから、その対策が求められていること、とりわけ産科においてその傾向が顕著であり、その背景に、医療訴訟の増加に象徴されますように、医療行為を伴う分娩業務の困難性が高まっているという状況がございます。見直しの趣旨でございますが、指導医業務手当につきましては、来年四月より、都立病院に新しい専門臨床研修システムとなります東京医師アカデミーが創設されることに伴いまして、ここで研修医の指導に当たる指導医においては、総合診療能力と高い専門性を兼ね備えた若手医師の計画的な育成と確保のために、指導業務に相当の専門性や困難性が求められることから、当該業務に従事した場合に新たに支給すべき手当を新設するというものでございます。次に、異常分娩業務手当につきましては、先ほど申し上げましたとおり、帝王切開や吸引分娩等、近年、医療行為を伴う分娩業務の困難性が一層高まっていることにかんがみ、こうしたリスクの高い分娩業務に従事した場合に支給すべき手当を新設するというものでございます。 # 遠藤委員 遠藤委員見直しの背景として、都立病院における医師不足がますます深刻化しているという状況をご説明いただきました。都立病院が高水準な行政的な医療を都民に安定的に提供していくためには、それにふさわしい有能な、また有為な人材を確保するということは、論をまたないわけでございます。そうした意味で、来年度から開設される予定の東京医師アカデミーが、都独自に質の高い若手医師を育成確保するシステムとして機能していくためには、指導に当たる医師の力量に負うところが大きいわけでございまして、指導医の業務の困難性、これに着目し、この困難性を適正に評価する、そしてそこに特勤手当ということで手当てをするということは、意義深いことであると思うわけでございます。また、産科をめぐる状況につきましては、昨今の妊婦の救急受け入れ拒否の実態を挙げるまでもなく、医師不足の中で特に深刻でございます。訴訟リスクや、または勤務の困難性の増大、この辺のところは、新聞紙上を見ても毎日のように何らかの形で取り上げられているということで、こうしたことから産科医自体が減少していることは事実であって、地域の拠点となるべき都立病院においても、業務実態にふさわしい処遇を確保しようという当局の趣旨は理解できるところでございます。我が党としても、質問の冒頭に指摘しましたとおり、手当をただ削減すればよいということではなくて、真にその必要性があって、都民の理解と納得を得られるものであれば、それに応じた処遇は妥当である、このように考えております。こうした観点から、今回は、特殊勤務手当の新設とはいえ、適当な見直しであると考えております。ただ、今回の見直しについては理解をいたしましたけれども、臨床医師の確保という角度から改めて考えてみますと、民間や、または他の公立病院と比較して、そもそも現在の都立病院の医師の処遇が適正なのかどうかという点もあるかと思います。さらにいえば、給与面に限らず、例えばことし八月に地方公務員育児休業法が改正されて、新たに育児のための短時間勤務制度が創設をされましたけれども、都においても、具体的にこの制度化を進めて、仕事と子育てを両立できる働きやすい環境を整備するなどの抜本的な方策を講じていくべきであると考えます。この点については、さきの代表質問でも我が党が主張させていただいたとおりでございます。いずれにいたしましても、真に優秀な人材を確保していくには、こうした勤務条件において、さらなる改善が必要であると思いますが、この点について見解をお伺いいたします。 # 野口勤労部長 野口勤労部長遠藤委員ご指摘のとおり、私どもといたしましても、都立病院の中核を担うすぐれた臨床医を確保するため、医師の業務実態を適正に評価し、それにふさわしい処遇が必要であると考えております。こうした観点から、民間病院等の実態も踏まえつつ、例えば人材確保に直接資するような処遇の見直しや勤務条件の改善について、現在、具体的な検討を進めているところでございます。いずれにいたしましても、職員の勤務条件につきましては、国や民間、他団体との均衡を考慮しつつ、都民の理解と納得を得られる観点から鋭意検討を進めてまいります。 # 遠藤委員 遠藤委員今、給与面に限らず、さまざまな具体な検討をしているということでございますので、医師不足、本当に深刻でございます。ぜひともこの検討のペースを速めていただいて、早急に結論を出していただきたいと思います。都立病院医師の確保、人材確保につきましては、都立病院総体としての体制づくりが肝要でございます。我が党も、こうした観点から、これまで、都立病院における二十四時間院内保育の実施や、また産科につきましては助産師の積極的な活用等々を指摘し、都でもそれぞれ対応いただいております。そうした意味では、医師アカデミーの創設を含め、現在病院経営本部が取り組んでいる施策の充実が一層重要であると思います。その上で、近年激務となっている勤務医の実態を考えますと、総務局といたしましても、医師の適正な処遇の確保、こうした観点から医師の勤務条件の面での改善が必要と考えます。今後も、病院経営本部等関係部局と密接に連携をとりながら、ぜひとも都立病院の体制づくりの後押しとなるような見直しを求めて、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 # 松村委員 松村委員六議案は、いずれも労使協議で最終的に合意を見たものなので賛成するわけですが、百九十号議案について意見を述べたいと思います。その前に、一つだけ確認の意味で伺いますけれども、都内の民間事業所の正規の勤務時間は、一日当たりどのぐらいになっておりますか。 # 野口勤労部長 野口勤労部長平成十九年人事委員会報告によりますと、都内民間事業所におけます平均所定労働時間数は、一日単位で七時間四十分、一週間単位では三十八時間二十九分となっております。 # 松村委員 松村委員この議案は、職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例ですが、提案理由にも書かれているとおり、休息時間の廃止及び休憩時間の見直しをするものです。見直しの第一点は、休息時間を廃止するものです。これまで四時間の勤務時間に対して十五分の休息時間があり、その休息によって気分を転換し、一休みすることで業務能率を向上させてきた経過の中で位置づけられていたものです。長時間労働や精神疾患で病気休暇等を取得する職員が減少しない都庁の中にあって、その休息時間の廃止は職員の労働環境の悪化をもたらさないのか、危惧するところです。休息時間を廃止したとしても、業務を円滑に効率よく進めるための手休めは、今後とも必要だと考えるべきです。第二点は、拘束時間が十五分延長になることです。このことに対しては、育児、介護のみならず、透析などの通院、通学などさまざまな要因により、拘束時間の延長反対についての悲鳴ともいえる声が職場から上がっていることを当局は踏まえるべきです。労働時間短縮が歴史的流れであるのに、低賃金とあわせ、長時間労働が子育てを困難にし、少子化の大きな要因となっています。たとえ十五分であっても、実質的な労働時間の延長は時代の流れに逆行するものです。今、答弁いただきましたけれども、東京都人事委員会の調査結果によっても、都内の民間事業所の正規の勤務時間は一日当たり七時間四十分です。私が聞いたところによると三十八分となっておりましたけれども、四十分と。雇用主としての都がまず行うことは、一日当たりの労働時間を十五分間短縮することだということを強く意見として申し上げたいと思います。なお、自治体が行う都民サービスの提供は、マンパワーに負うところが大きいわけです。職員の給与などの処遇とあわせて、住民福祉増進を図るという本来の役割を果たす職員体制がしっかり確保されていなければなりません。ところが、石原都政八年間で一万二千人の職員定数を削減し、非正規職員や安上がりの民間企業委託をふやしてきました。この結果、さまざまな問題が起きていることは、本定例会でも我が党は指摘してきたところなので繰り返しませんが、行革プログラムによるこれ以上の職員削減はやめるべきだということも申し上げておきたいと思います。以上です。 # 酒井委員長 酒井委員長ほかに発言がなければ、お諮りいたします。本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 酒井委員長 酒井委員長異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。以上で総務局関係を終わります。 # 酒井委員長 酒井委員長これより知事本局関係に入ります。報告事項、地方分権改革の推進に向けた提言についてに対する質疑を行います。本件につきましては既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。ご発言を願います。 # 菅委員 菅委員それでは、地方分権改革の推進に向けた提言についてお尋ねをいたします。地方分権については、これまで都議会では、我が党の提案により設置された行財政改革基本問題特別委員会におきまして、中長期的な視点から都政のあるべき姿を検討し、平成十六年に報告書をまとめたと、こう伺っております。その後も、現在に至るまで真摯な議論を重ねてきておると。一昨日、我が党の代表質問でも、現行の地方自治制度のもと、国が全国画一的な関与を続けており、このままでは東京の優位性が失われ、世界的な都市間競争に敗れるという強い危機感を表明したところであります。今回のこの資料第2号の七ページを見ましても、平成五年の国会決議からこれまで十五年間も地方分権の議論が行われているにもかかわりませず、この国の形を変える抜本的な分権改革はいまだに実現していない、こういう現状が示されております。七ページの下の方には、国が定めている保育所の施設基準について、乳幼児がみずから施設のよしあしを判断できないから全国一律のルールが要ると、驚き、あきれ果てるような回答を国はしております。抜本的な改革の実現にはほど遠いこうした状況のもとで、今回、国の地方分権改革推進委員会に対して都が行った提言のねらいについて、まず伺っておきます。 # 中村自治制度改革推進担当部長 中村自治制度改革推進担当部長これまでの地方分権改革では、国が権限と財源を手放そうとしなかったことから、国と地方の役割を明確に区分し、その役割に応じて財源を配分するという重要かつ本質的な議論にまでは踏み込めず、不十分な形で終わってきたと考えております。現在行われている地方分権改革推進委員会の調査、審議に対しても、各省は消極的な姿勢を崩しておりません。こうした各省の姿勢にくさびを打ち込み、局面を打開するため、現在各省と渡り合っている地方分権改革推進委員会に対して、抜本的な改革を促す提言を行い、その審議を後押しし、地方分権改革の推進を図ろうとしたものであります。 # 菅委員 菅委員全国知事会あるいは市長会からの要望に対して、国の各省はゼロ回答という極めて消極的な姿勢であります。こうした霞が関の抵抗を封じ込めることが分権改革への第一関門である、こういうふうに思います。各省の抵抗を打ち破るために、都の提言では、国の関与を一たん白紙にして検討すること、こういうことにしておりますが、具体的にはどのような手だてを講じるべきと考えているのか、お尋ねをします。 # 中村自治制度改革推進担当部長 中村自治制度改革推進担当部長これまで国の関与の見直しに当たっては、地方が行う事業にもかかわらず、地方の側が廃止すべき関与を説明し、国がその是非を判断する方法をとってまいりました。これに対して、今回の都の提言では、すべての関与を一たん白紙にした上で、挙証責任を逆転し、国の側が存続すべき関与を説明し、地方がその判断を行う方法に転換するよう提言いたしました。地方分権の原則に立った方法を講じることにより、国の関与が大幅に縮小されることを目指しているところでございます。こうした考えは、先月十六日に出されました地方分権改革推進委員会の中間的な取りまとめにも生かされていると考えております。 # 菅委員 菅委員今のご答弁で、国側に関与の説明責任を持たせる、こういう手法は確かに発想の転換である、こういうふうに思います。このほか、国が分権に抵抗する背景として、権限を移譲しても地方はやっていけるのかという、地方の行政能力に対する不信感も大分あるのではないか、こういうふうに思います。これに対して、今回、都の先進的取り組みを具体的に示した上で、国から権限を移譲されれば、都はより質の高い行政を行うことができると、はっきりと宣言したことは評価をしたいと思います。十一月九日に国の地方分権改革推進委員会に都が提言した後、十六日にはこの分権委員会から中間的な取りまとめが出されたとのことであります。前回、理事者側から、国の取りまとめについては、都の提言におおよそ沿ったものになっていると説明がありました。具体的にはどのような点が評価できるのか、この点についてもお尋ねをしておきます。 # 中村自治制度改革推進担当部長 中村自治制度改革推進担当部長先ほどの答弁で申し上げた国の関与の見直しについて、すべての事務について国の義務づけ、枠づけを検証し、存続させる理由のないものは原則廃止すべきとした点、また条例によって国の定めた基準を上書きできるよう条例の制定権の拡大を図るとした点などは、これまでの分権改革の議論に見られなかった内容が示されたと考えております。 # 菅委員 菅委員さきの代表質問では、国の制約に縛られ、大都市が直面する諸課題に取り組むのに限界がある、こういうのが実情であると述べたところでございますけれども、分権委員会の中間的な取りまとめでは、大都市の視点がどの程度盛り込まれているのか、この点についてもお尋ねをしておきます。 # 中村自治制度改革推進担当部長 中村自治制度改革推進担当部長中間的な取りまとめでは、大都市制度については、大都市がみずからの区域を超えて周辺自治体とともに広域的な取り組みを必要とする状況にあるとして、大都市制度についてそのあり方を検討すべきとしております。一方、この中では、大都市について政令指定都市を含めた広い意味合いで用いており、東京を初め個別の都市については言及されておらず、首都東京における自治制度のあり方については、都区制度を含めて具体的な記述はございません。 # 菅委員 菅委員分権委員会の中間的な取りまとめは、都の提言におおむね沿った内容とはいえ、大都市制度のあり方、特に都区制度のあり方について具体的な記述がなされておりません。都区制度については、現在、都区のあり方検討会で議論されている最中でありますし、総務局所管でもあるのでここでは詳細な質疑は行いませんけれども、東京都から今後の都区制度について明確な方針を打ち出していくべきではないか、こういうふうに述べておくにとどめます。また、権限の問題と同時に、車の両輪である財源の問題も極めて重要な課題であります。来年度の法人事業税の税制改正案は、東京の活力の維持と地方の窮状にかんがみ、国家的見地に立った知事の苦渋の選択と考えますが、この間の法人二税をめぐる動きは、数字合わせの近視眼的議論が先行して分権の視点が欠如していた、こういうふうに思わざるを得ません。権限にふさわしい財源を確保するためには、こうした刹那的な議論ではなくて、この国の将来を見据えた抜本的な税財政制度の改革が必要であると思います。今回の提言では、税財政制度についてどのように考えておられるのか、この点についてもお尋ねをします。 # 中村自治制度改革推進担当部長 中村自治制度改革推進担当部長地方みずからの権限と責任で行政を行うためには、それに見合った財源の確保が不可欠でございます。今回の提言では、権限と財源は車の両輪であり、地方が真に自立できる税財政制度の確立を強く求めております。その際には、受益と負担の関係が明確な地方税を地域の財源の根幹に据え、充実させていくことを最優先すべきと提言しております。 # 菅委員 菅委員分権改革の推進に向けては、税財政制度のあるべき姿を構築することが極めて重要である、こういうふうに思います。また、分権の全体像をつかむ上では、国と直接向かい合っている事業局の実態を踏まえた検討も必要ではないか、こういうふうに思います。関係各局との調整を十分行い、地方分権を確実に進めていくべきだと考えますが、どうでしょうか。この点についてもご答弁願います。 # 中村自治制度改革推進担当部長 中村自治制度改革推進担当部長地方分権改革は、国と地方のあり方を抜本的に変える改革であり、国と地方の役割分担を明らかにし、地方が真に自立するための権限移譲の実現や、権限に見合った財源を確保できる税財政制度の確立が不可欠であります。こうした抜本的な改革は、都政のあり方全般にかかわるものであることから、全庁にわたる横断的、総合的な取り組みが必要であります。今後、関係各局と十分連携を図りながら、地方分権の取り組みを進めてまいります。 # 菅委員 菅委員国の分権委員会では、来年春以降、具体的な指針の勧告を順次行い、新たな分権一括法案について平成二十二年春までに国会提出を目指している、こういうことであります。こうした国の動きもにらみながら、首都東京を維持発展させ、次世代に引き継ぐ観点から、今後も積極的に分権改革の提言や意見の発信を行っていくべきと思いますが、最後に知事本局長に決意のほどを伺って、質問を終わります。 # 大原知事本局長 大原知事本局長先生ただいまご指摘のとおり、国の地方分権改革推進委員会は、来年の春以降、順次勧告を行うという予定にしております。新たな分権一括法の制定に向けました論議が本格的に動いていくということであろうと思います。こうした流れを踏まえますと、ともすれば抽象的になりがちな分権改革の論議というものを、首都東京の発展、それから都民生活の向上につながる具体的な姿としてこの東京から提示をしていくということが非常に重要であろうかと思います。都議会におかれましても、これまで行財政改革基本問題特別委員会を中心にさまざまな角度からご議論いただきまして、東京の将来像を展望しながら中長期的な視点での自治制度改革のあり方を示していく、この重要性を常々ご指摘、ご指導をいただいているところでございます。今後、大都市経営や都民本位の行政運営といった視点からさらに私ども検討を深めまして、東京から自治のあるべき姿を示します東京発自治論というものを展開していきたいと考えております。引き続き議会でのご議論、ご指導をいただきながら地方分権改革の推進に努めてまいりたい、このように思っております。 # 松村委員 松村委員我が党は、地方分権の推進は、住民の福祉の増進と地域の活性化を図る上で喫緊の課題となっていると一貫して主張し、その実現に努めてきました。しかし、三位一体改革として行われたことは、必要な税財源の移譲は一部にとどめられ、公立保育所運営費補助などの国庫補助負担金及び地方交付税の削減が実施されるなど、地方自治体に新たな税財政負担を押しつけるものでありました。今日、地方自治体の困難の原因は、第一に、住民のための仕事を地方が六割受け持っているのに対し、その財政は四割しか保障されていないことにあります。本来、地方分権の推進は、このような逆転を解消し、地方自治体が自主的、自立的に行財政運営を行うことが不可欠であります。また、憲法が保障する国民の生存権、基本的人権にかかわるナショナルミニマムを財政的に保障することが引き続き国の責務であることも論をまたないことは当然です。以上、我が党は、こうした立場に立って引き続き地方分権の推進に全力を尽くすものであります。そこで、この冊子について、こうした立場に立って幾つかの点でただしたいというふうに思います。まず、二ページ、基本的な考え方、この丸がついたこれについては、もちろんこの立場が必要であります。国と地方の役割分担を明確に区分し、地方が担う事業についてはみずからの判断と責任で住民ニーズにこたえていくことができるようにすると。また、現在、地方は多くの行政サービスを提供しているけれども、みずからの権限と財源で行えないと。そして、三つ目の丸には、地方の事業に対する瑣末な国の関与、こういうことはやはりなくしていかなければならないと。そこで、ちょっと伺いますけれども、国の関与はなくしていかなければなりませんということですけれども、それでは一切なくせという立場なのかどうか、ちょっとこの考え方について伺います。 # 中村自治制度改革推進担当部長 中村自治制度改革推進担当部長先ほども申し上げましたけれども、関与については、一たん白紙にした上で見直していくべきだと提言をしてございます。ただ、それについては、必要な国家的見地にかかわるような関与、そういうものについては一定程度存続すべき場合もあり得るというふうに考えております。 # 松村委員 松村委員私は、その点では、何と何が、必要な国の役割分担の中で、特に冒頭私どもの立場を述べましたけれども、当然、憲法が保障する国民の生存権とか基本的な人権、後でちょっと国庫補助負担金のところでも伺いたいんですけれども、そういうナショナルミニマムについては、国の関与というよりも、国の責任としてきちんと位置づけられて、もっと関与をふやしてといいますか、重大な責任を問わなければならないと思うんです。もちろん、今、私ども、国直轄事業負担金なんていう、国が一方的に事業の計画から立てて東京都にこれだけ払えと、それが終わった後の事務費だけじゃなくて管理費まで持たされているという、こんなやり方については、これは全国の知事会もこの点では一致しているんですけれども、どうやら最近の石原知事はちょっと、東京都にとっては必要な例えば圏央道などもありますから、トーンが当初の就任のときよりもダウンして、原則的にはなどといい始めて、全国の知事会、知事と足並みがそろっておりませんけれども……。そういう国直轄事業負担金などということは、直ちに廃止を全国の知事会と一緒になって進めるべきですけれども、やはりナショナルミニマムといった、国がやるべき、言葉は関与ですけれども、当然国が自治体と一体となって住民福祉の増進の立場からやらなきゃいけないんですね。ここがやっぱりおろそかにされていると。そういう点では、何か関与という言葉で、一切国の役割まで免罪するというような、危惧がというか、あるんですよね。その点をもっとはっきり都民に対して、こういう考え方を明らかにしていこうというんですから、きちっとそういう点を盛り込むべきというか、明らかにすべきではないかと思いますけれども、この点についてはいかがでしょうか。 # 中村自治制度改革推進担当部長 中村自治制度改革推進担当部長関与と財源というのは、別に論じられるべき問題であるというふうに考えております。瑣末な関与が、いわゆる縛りなり何なりが問題となっているわけでございまして、それが押しなべて必要であるかのような議論というのは成り立たないのではないかと思います。ですから、今回については、一たんすべての関与を白紙にした上で厳選すべきだと。要するに、小さい関与は縮小されるべきだという形になってございます。その辺のところをご理解いただければと思います。 # 松村委員 松村委員だから、そういうのは私ども嫌というほどありますよ、そういう関与というのは。そして、それに伴って、例えば学校をつくった場合のさまざまな超過負担なんかだって、ほおかぶりしているというようなことも含めて、今までも電柱一本動かすのにそういう規制がかかっているとかいろいろな議論も私たちやってきたから、そういうことはわかるんですよ。そういう瑣末な国の支配というか、関与は当然廃止しなければならないということは一致しているんですけれども、それでは、国がやるべきというか、そのことも同時にはっきりさせなければ、言葉じりじゃないけれども、そういうことをとらえて原則廃止といったら、力関係で、幾らでも今まで国が負うべきそういうものですら、ああ、そうですかと、関与しないんですねといって、なくなっちゃうおそれを、都民や私は私もそういう危惧を抱くんですから、こういう文章を明らかにするには、きちっとしたことを明らかにし、書くべきだと思います。そこで、もう一つ、三ページのところで、その流れからいって、国庫補助金なんですね。この国庫補助金も廃止して、一般財源として何でも使えるようにというか、地方が使うんだということですけれども、国庫補助、これは一切廃止するんですか。この文言だと、そのように書いてありますけれども。 # 中村自治制度改革推進担当部長 中村自治制度改革推進担当部長住民に対し受益と負担の関係を明確にするという観点から、地方が行う事業については地方税で賄うことが基本であると考えております。国の補助金を受けて事業を行うと、事業内容につきまして国の画一的な細かな交付基準に従う必要があるなど、地方の自主性、自立性を阻害しているということは論をまたないと思います。そこで、こうした補助金は廃止し、一般財源として地方に移譲すべきであるという考えでございます。 # 松村委員 松村委員国庫補助金でも、国庫補助負担金や支出金だとか、さまざまなそういうのがあるんですよね。ですから、例えば国庫補助金について、石原知事も、義務教育費、生活保護費、そういうのは当然残すべきだということです。だから、それだけかと、私たち、この間も議会でじゃあ、義務教育と生活保護費だけでいいのかと。やっぱり我々は、私どもの立場からいえば、国がナショナルミニマムとして持つべきものは、高齢者医療費とか児童手当だとか保育所運営費、介護保険事務費、軽費老人ホーム事務費、障害者福祉費など多数あるわけですよ。ですから、国庫補助を廃止して、それらは全部やるんですか、そんなことにはなりませんよね。国庫補助金は廃止して一般財源化するというんですけれども、国が責任を負うべき国庫補助金、またそれに伴うどういう事業の財源かをきちっと明記し、それ以外は廃止するとか、そういう書き方をしなければおかしいんじゃないでしょうか。 # 中村自治制度改革推進担当部長 中村自治制度改革推進担当部長国庫補助金とここで書かれておりますものは、国庫支出金には国庫負担金、国庫委託金、国庫補助金とございまして、ここでいっているのは、そこのところにおける国庫の補助金でございます。国がいわゆる責任を持たなきゃいけない部分、生活保護費等ございますけれども、それについては国庫負担金という形になってございます。その国が負うべきものについては、当然存続されるべきと考えておりますし、ですから、ひもつきというような、いわゆる国庫補助金については全廃すべきだと、こういうふうにいっているわけでございます。それと、国庫補助金を廃止したときに、その財源をそのまま国に差し上げますと、そういうふうにいっているわけではなくて、要するに、ここの中でいっているのは、権限と財源は密接不可分であるという形になってございますから、その国庫補助金が削減されれば、一般財源として地方に来るというのは当然のことだというふうに思いますので、ご理解をお願いしたいと思います。 # 松村委員 松村委員こういう事例、なかなか一般論でしかいわなくて、私は具体的に、そういう書き方だったら、国庫補助負担金、それは国のシビルミニマムとして、画一的、全国一律的といったって、その土台のベースは必要なんですよ。それがまだ低過ぎる。きちっとやった上で、東京都が独自の、かつては保育所事業においても都基準というのを設けて手厚くしたと。今はそれが逆になっていますから、後でもちょっと触れますけれども、私はそちらのおそれの方を強く感じているんです。もう一つは、公園を例に挙げたいんですけれども、都から国への補助の要望の中にも、例えば公園のそういう補助をもっとふやせと。公園用地費については、現在の二分の一を三分の二にすべきだという要望を出していますよね。そういう兼ね合いではどうなんですか。 # 中村自治制度改革推進担当部長 中村自治制度改革推進担当部長この冊子は、すごく細かく学術論文的に書くという形ではなくて、都民、一般の人にわかりやすい形。というのは、関与が国から多いんだとか、国庫補助金の本来的なものとして、地方の行政なりをゆがめてしまう、住民ニーズに合わないものになってしまう、そういうところを問題にしてございまして、補助金のあり方そのものを問題にしているというところをご理解いただければと思います。 # 松村委員 松村委員だから、そういう瑣末なとか、国の支配や干渉というものをなくしていくというのは、それは基本的にいいんですよ。でも、どちらかといったらそれは、そういう制度があって、それがまだ不十分だと。しっかり国の果たすべきナショナルミニマムの点からも求めなきゃいけないし、それをもっと拡充させていくと。余りにも低過ぎるわけですよね。そういうことをやはり私はきちっと前提にしながら、そしていろいろな、運用上できない独自の自治体の裁量の余地とか、いろいろなのがないというのは、私は運用上の問題も多分あると思うんですよ。それはきちっとそういうことをやめさせていくということは、できると思うんですよ。そしてまた、やらなければいけない問題ですけれども。やはりこういうふうに、今、書き方の問題というだけじゃないんですね。根本的な考え方において、特にこれを都民に示すという意味ですから、やっぱり都民が安心できて、そうかと、そういう地方分権の推進かというものに当然していかなければならないと思うんです。私はなぜそのように聞くかというと、現実に東京都政がやっていることをごらんください。改めて、ここ所管局じゃないから認証保育についてはいいませんけれども、石原都知事がこれを目玉にしておりますよね。今までは、保育というのは、家庭を中心としながらも、子育て支援というのは少子化社会に見られるように非常に困難だと。だから、国や自治体、また社会も応援していこうということになっていると思うんですね。ところが、石原知事、保育にはお金がかかると、いみじくも我が党の質問で、予算委員会でもいいました。そして、そういう分野まで、今まで国のささやかな全国の基準しかつくってなかった、東京都はこれまで都民のニーズ、要望にこたえて都基準を設けてやってきたんですよ、手厚くというか。ところが、財政危機だ、財政難だと。もっと入れない方々がいるから、とりあえず入るようにするためだと。これを補完的に認証保育でやるならいいけど、お金がかかる公立保育所というか、公的保育を区市町村がやるものについては用地費補助まで減らして打ち切り、そしてそういう保育にしたから今どういう問題が起きているのかということを本定例会でも私ども出したんです。だから、国が土台としたベース義務教育、それから生活保護、保育所とか、介護だとか、そういうものをきちっと国に求めて、その上に、都が独自の、東京都の都民ニーズに基づいて上乗せていくというならば、私ども大いに賛成、結構ですよ。しかし、そこもはっきりしないと。言葉だけは、国の関与、国庫補助を廃止して、その分の財源をこちらに持ってきて自由裁量で使えるものにしろといった結果、都民の必要な施策はどんどん切り捨てながらここにも、職員の問題と歳出削減の取り組み、わざわざ九ページに、その事態の数字、グラフで明らかになったら、本当にびっくりするような形になっているというふうに思うんですけれども、逆に、そういうものを歳出削減を行ったといっても、それは全部今まで国が、そういうふうに使っちゃだめなんですよ、これはこういう補助だから公園整備ですよ、義務教育ですよ、何々ですよというふうにあったものを外しちゃうんだと。それで、その財源が自由裁量で使えて、東京都政ができるようにするんだといったら、今の石原知事などに任せたら何に使うのか。オリンピック、大型開発と。冗談じゃないですよといいたい立場なんですよ。そして、あなた方がこういう冊子をつくって都民に知らせるんだったら、そうじゃありませんよともしいうんだったら、きちっとそういうことを明らかにして、都民と一緒になって真の地方分権を求めるという立場でしょう。やはりそういうのが違うから、本冊子の中でも明らかにできないで、もっと使える財源、補助を外してくれば、もっともっと、今、石原知事がいうような都市間競争に打ち勝つ、そういう基盤整備づくりだけに使われるということになりはしないかと。この点について、私の危惧に対する明確なお答えをいただきたいと思います。 # 中村自治制度改革推進担当部長 中村自治制度改革推進担当部長地方自治体は、行政サービスの提供に当たって、最少のコストで最大の効果を得るように努める責務を負っているものでございまして、地方分権の実現のために行革努力を否定なさるようなことはいかがなものかというふうに存じます。 # 松村委員 松村委員やはり私は、この間やってきた行革実行プログラムは、総務局所管だから皆さん方答えられると思うんですけれども、もう事務事業質疑の中でやりましたから繰り返しませんけれども、やっぱりこの職員定数削減にしろ、こういう歳出削減の取り組みにしろ、しっかり検証して、本来の地方自治体が果たすべき住民福祉の増進の立場から、都民サービスがどうなったのかということを検証すべきだと思うんです。小さな政府とか、それから規制緩和、官から民ということがどういう事態をこの日本や東京でもたらしたかと。私は繰り返しこの間もいってきたけど、既に諸外国というか、ヨーロッパのサッチャー改革で始まったものから含めて、いろんな形は違えて、世界でも新自由主義という新しい取り組みやったんです。そういう方向が行き詰まった、今のグローバル化したやり方の中では行き詰まったんで、これを新たな転換をしようということで、小さな政府とか、やはり規制緩和や官から民という流れは、どこでも世界の大きな都市も含めてやってきたんです。その結果がどうだったかといったら、これは間違っていたというか、違うというので、みんな今反省して、これからはやっぱり方向を変えているんですよ。それを見なければいけないの。何かもう日本は、十年おくれで始めて、小泉構造改革の前後からですよ、やってみた結果だって、今でも貧困や格差とか、ワーキングプアだとか大変な事態が出てきていること、これは明らかなんじゃないでしょうか。改めて私は、今までのこの石原都政になった八年間でもいいですよ、きちっと検証する。その上に立って、何が地方自体にとって必要なのか。もちろん国のそういう支配や関与はありましたよ。逆に、地方分権といいながらも、独法化だかといろんなものは、全部国のやり方に従っているのが皆さんじゃないですか。一方、どんどん従いながら今、部長さんは税源の話だけをしているんだというんですが、それにとどまらないんです。税財源は、冒頭に述べたように、六割の仕事をしながら四割しか来てないという、きちっとこの逆立ちを正すべきだということは一致しているんですよ。一緒になって取り組むためにも、また全国の自治体とも力を合わせるためにも、東京ひとり勝ちだとかいろんなことじゃなくて、やはりそういう点を明らかにしながら、逆立ち財政を正さなければならない、それがあくまでも前提だということを強く申し上げて、終わります。今後とも質疑を続けるということを申し上げて、終わります。 # 山口委員 山口委員国の法人事業税の再配分の動きに対して、石原知事を初めとして四都府県の知事は、地方分権に逆行するものであり、筋が通らないと、対決姿勢をあらわにしてきました。税の本筋や自治の観点から反対するのは当然のことです。しかしながら、ここに来て、石原知事と福田首相のトップ会談で、東京都の法人事業税約三千億円を国に差し出す方向になってしまいました。そもそも東京富裕論が出てくる背景としての東京と他の自治体との格差の進行は、東京への集中を加速させて地域のコミュニティーを破壊し、自治体に対する財源移転の怠慢と自治体を隷属させるような交付税措置であり、挙げて国策の失敗にほかなりません。都は、国に対して地方に税財源の大幅移譲を行い、地方の努力と創意工夫を促すよう求めていくべきと考えています。地域の活性化を一つの目標として、最大の自治体である都が、国に対して地方分権の推進を提言していくということは、大変評価をしております。二〇〇〇年の地方分権一括法以来の国の取り組みについて、都はどのように総括をしているのか、初めに伺います。 # 中村自治制度改革推進担当部長 中村自治制度改革推進担当部長資料2号の七ページを見ていただくとよくわかるんでございますけれども、そのトピックの中にも示してございますけれども、平成十二年に施行されました地方分権一括法では、機関委任事務が廃止されたものの、権限や財源の移譲はほとんどなく、大きな課題が残されました。その後の国の三位一体の改革では、税源移譲はなされたものの、権限拡大を伴わない国庫負担金の削減や五・一兆円もの地方交付税の削減が行われるなど、数字合わせの議論に終始し、今日の地方の疲弊を生じさせたというふうに考えております。このように、これまでの地方分権改革では、中央省庁の抵抗などによって、国と地方の役割分担を明確に区分し、その役割に応じて財源を配分するという重要かつ本質的な議論にまでは踏み込めず、不十分な形で終わってきたと考えております。 # 山口委員 山口委員分権改革が遅々として進まなかったのなら、これまでのやり方を変えていかなければ、流れを変えることはできないと思います。今回の提言や冊子は、これまでの地方の大きな足かせとなってきた国の関与をターゲットにしています。国の関与を一たん白紙にして検討することとした提言一のやり方はもっともなことですが、実際にやるとなると実効性が担保されるのでしょうか。また、その後最低限残る国の関与とは何なのか、伺いたいと思います。 # 中村自治制度改革推進担当部長 中村自治制度改革推進担当部長都から提言しました、関与を白紙にして検討するという趣旨は、国の地方分権改革推進委員会の中間的な取りまとめにも生かされ、分権改革は一歩前進したものと考えております。具体的には、すべての自治事務について国の義務づけ、枠づけを検証し、存続させる理由のないものは原則廃止すべきとしてございます。この方法は、これまでの、地方の側が廃止すべき関与を説明し、国がその是非を判断する方法よりも、関与の廃止が進むものと考えております。地方分権改革推進委員会における検討が着実に進めば、国の関与は、制度の根幹的部分に加わる規定など、国家的見地から真に必要なものに限られていくと考えてございます。今後、分権改革においてすべての自治事務を都の主張したとおりゼロベースで検証がなされていくかを見守り、必要な働きかけをしてまいります。 # 山口委員 山口委員国が行うべき役割は、外交、防衛、司法や最低限の規定整備に限定していくべきであり、この考え方に立って、国と地方で同様の事務を行っている、いわゆる二重行政についても積極的に解消し、地方に権限移譲すべきです。国ではなく地方が行うとされた仕事について、都道府県と市区町村の振り分けの基本的な都の考え方を伺います。 # 中村自治制度改革推進担当部長 中村自治制度改革推進担当部長地方が行うとされた仕事の割り振りについてでございますが、住民に最も身近な基礎的自治体は、包括的に住民サービスの提供を担うものと考えております。一方、広域的自治体は、基礎的自治体の区域を超える行政需要に対応する課題の解決、高度に専門的な見地から実施すべき取り組み、さらに基礎的自治体では実施が困難な事業の補完などを担うものと考えております。 # 山口委員 山口委員今、基礎的自治体は、包括的にサービスを提供する主体であるとの答弁がありましたが、できる限り住民に身近な地域へと権限や財源を移していくという方向で、役割分担については見直すべきだと考えております。六つの提言も、この基本的な方向で強力に推進していくべきと考えております。その際、全国知事会や都内の市区町村との足並みをそろえて国に働きかける必要があると考えますが、どうでしょうか。 # 中村自治制度改革推進担当部長 中村自治制度改革推進担当部長都は、全国知事会において、その一員として地方分権改革の検討に加わり、知事会はそれを取りまとめ、国に対してさまざまな要望を行ってまいりました。今後とも、知事会を通じて、各県と連携しながら国に働きかけを行ってまいります。また、都内の区市町村につきましては、都は、区市町村からの要望も受けまして、国に対して地方分権を強く求めてまいりました。今後とも、区市町村の要望をも踏まえながら、国に積極的に働きかけてまいります。 # 山口委員 山口委員今後、都のこの提言を踏まえて、中期的な展望を持って具体的にどういうふうに分権を進めていくかということにつきましては、先ほど知事本局長の方から、新たな新分権一括法の成立に向かいまして、東京都も国の動向を踏まえつつ、都民本位の観点、大都市経営の観点から効率化の観点、さらに検討を深めて積極的に国に働きかけていくという答弁をいただきましたので、最後に意見だけを述べさせていただきたいと思います。分権改革の次なるステップは、改革を市民や基礎自治体に基点を置いて考えていくべきと考えております。都は、世界最大の自治体としてそれを行い、推進していく力と義務があると考えられます。私たち生活者ネットワークは、分権の推進を、自分たちのまちのあり方は自分たちで決めるという原則に基づいた法的整備の必要性を、国には自治基本法を、自治体においては自治基本条例制定をと提案をしてきました。こうした自己決定のルールの整備を、東京や首都圏の自治を考えるときにあわせて検討していく必要があるのではないでしょうか。今後の地方分権推進に当たっては、こうした観点からも、他の団体とも連携を図り、より大きな力で国を突き動かして、分権改革をぜひ実現していただきたいということを要望いたしまして、質問を終わりにいたします。 # 酒井委員長 酒井委員長ほかに発言がなければ、お諮りいたします。本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 酒井委員長 酒井委員長異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。以上で知事本局関係を終わります。これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。午後二時十三分散会
2024-03-31T11:23:02.593907Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/226227?Template=document&Id=4329#one
--- title: 平成19年総務委員会 名簿・議事日程 # 平成十九年十二月十三日(木曜日)第一委員会室出席委員十四名委員長酒井大史君副委員長鈴木隆道君副委員長花輪ともふみ君理事小磯善彦君理事松村友昭君理事林田武君後藤雄一君山口文江君遠藤守君尾崎大介君菅東一君倉林辰雄君吉野利明君大沢昇君欠席委員なし出席説明員知事本局局長大原正行君儀典長多賀敏行君次長河島均君理事政策部長事務取扱前田信弘君企画調整部長川澄俊文君秘書部長長谷川均君企画調整担当部長小林清君特命担当部長鈴木賢二君調整担当部長角南国隆君参事中村信一君国政広域連携・首都調査担当部長吉田長生君自治制度改革推進担当部長中村靖君参事中村長年君総務局局長押元洋君危機管理監中村晶晴君理事島田幸太郎君理事中井敬三君総務部長岳野尚代君参事和久井孝太郎君行政改革推進部長松崎茂君情報システム部長紺野秀之君首都大学支援部長松本義憲君主席監察員齋藤進君行政部長中西充君多摩島しょ振興担当部長松本栄一君都区制度改革担当部長森祐二郎君参事廣瀬秀樹君総合防災部長石野利幸君企画調整担当部長鈴木省五君勤労部長野口宏幸君統計部長金子優君人権部長田村初恵君国体推進部長笠井謙一君本日の会議に付した事件意見書について総務局関係付託議案の審査(質疑)・第百八十六号議案職員の給与に関する条例の一部を改正する条例・第百八十七号議案東京都の一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例・第百八十八号議案東京都の一般職の任期付研究員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例・第百八十九号議案職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例・第百九十号議案職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例・第百九十一号議案東京都職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例知事本局関係報告事項(質疑)・地方分権改革の推進に向けた提言について
2024-03-31T11:23:03.365440Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/226227?Template=document&Id=4328#one
--- title: 平成19年総務委員会 本文 # 午後一時一分開議 # 酒井委員長 酒井委員長ただいまから総務委員会を開会いたします。初めに、会期中の委員会日程について申し上げます。お手元配布の日程のとおり理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。本日は、お手元配布の会議日程のとおり、総務局関係の第四回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取、知事本局関係の報告事項の聴取並びに総務局関係の請願の審査を行います。なお、提出予定案件及び報告事項につきましては、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いたいと思います。ご了承願います。これより知事本局関係に入ります。初めに、理事者の欠席について申し上げます。多賀儀典長及び中村参事国際共同事業担当は、公務のため本日の委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承願います。次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。 # 中村自治制度改革推進担当部長 中村自治制度改革推進担当部長地方分権改革の推進に向けた提言につきましてご説明申し上げます。お手元に配布の資料第1号及び第2号でございますが、資料第1号は、都の考え方を国の地方分権改革推進委員会に対して提言したもので、資料第2号は、広く都民等に対して発信していくため作成したものでございます。まず、資料第1号の地方分権改革の推進に向けた提言についてをごらんください。表紙をおめくりください。この提言は、去る十一月九日に地方分権改革推進委員会に提出いたしました。地域の活性化が求められる今、地方分権を強力に推進し、自立した地方が地域を主宰できるようにすることこそが必要であるとして、地方の自立を実現する分権改革の推進に向け、六項目を提言しております。六項目の提言につきましては、次の二ページ以降をごらんください。提言1は、分権改革の進め方として、国の関与を一たん白紙にして検討すること。提言2は、大臣協議や同意といった国の手続的関与を廃止して、条例の規定範囲を拡大すること。提言3は、財源補完的なものを除いて国庫補助金は廃止すること。一枚おめくりください。提言4は、地方の役割を拡大し、国と地方による二重行政を解消すること。提言5は、首都東京を担う都の権限、責任を拡大すること。提言6は、権限の移譲に見合った財源が不可欠であることから、地方が真に自立できる税財政制度を確立すること。以上六項目を求めております。四ページをお開きください。六つの提言に従って、国から都などの自治体に移譲すべき事業などの例を示しております。以上が十一月九日に地方分権改革推進委員会に提出した提言の内容でございます。なお、その後、地方分権改革推進委員会は、十一月十六日に中間的な取りまとめを行っております。取りまとめの内容といたしましては、国の義務づけ、枠づけを見直し、条例制定権の拡大を図るとするなど今回の都の提言の内容におおよそ沿ったものとなっております。次に、資料第2号、「地方の自立」に向けてについてご説明申し上げます。こちらは、さきの提言に示した都の考え方を広く発信していくため、よりわかりやすい内容の冊子としたもので、本日公表いたします。一ページをお開きください。「はじめに」では、地方分権の意義を示すとともに、分権について都民とともに考え、推進していくべきときであるとしています。二ページをお開きください。二ページから六ページまでは、地方分権の基本的考え方を示しております。まず、分権を進めるに当たって、地方の事業に対する国の関与が責任の所在をあいまいにしており、関与をなくしていくべきとしております。また、国と地方の二重行政のむだを指摘するとともに、地域のニーズに合った施策を展開していくためには、権限と財源の移譲が必要であるとしています。三ページでは、国の関与によって地方において生じる問題をイメージ図で示しております。八ページをお開きください。八ページは、これまで都が実施してきた先進的な施策を掲げるとともに、都は、国と比べて厳しい行政改革に努めており、国の関与をなくし、権限の移譲を受けても、都は、より低いコストで質の高いサービスを提供できる力量があることを示しております。一〇ページをお開きください。ここでは、都における地方分権のメリットとして、利用者本位の行政サービスが提供できること、首都東京にふさわしい戦略的な大都市経営が可能となること、行政運営の効率化が図られることの三点に整理しております。一二ページをお開きください。一二ページから二〇ページまでは、国の関与などの具体的事例として、教育・福祉など六分野、高等学校の学習指導要領など十五項目にわたって例示しています。それぞれの事例につきましては、後ほどごらんいただければと存じます。大きく飛びまして、最後の二一ページをお開きください。税財政制度のあり方につきましては、地域社会の維持に要する費用は、地方税を中心に賄われることが基本であるとしています。最後の「おわりに」の部分では、地方も相応の力量を養い、地方分権を強力に推進していくという結びになってございます。以上、地方分権改革の推進に向けた提言に関して説明させていただきました。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。 # 酒井委員長 酒井委員長報告は終わりました。この際、資料要求がある方は発言を願います。〔「なし」と呼ぶ者あり〕 # 酒井委員長 酒井委員長なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。以上で知事本局関係を終わります。 # 酒井委員長 酒井委員長これより総務局関係に入ります。第四回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。 # 押元総務局長 押元総務局長今定例会に提出を予定しております条例案六件につきまして、その概要をご説明させていただきます。恐れ入りますが、資料第1号、平成十九年第四回東京都議会定例会提出予定条例案の概要をごらんいただきたいと存じます。表紙の次に目次がございます。番号1、職員の給与に関する条例の一部を改正する条例でございます。この条例案は、東京都人事委員会勧告などに基づき、今年度の公民較差等に基づく職員の給料及び諸手当の規定改正と給与の支給方法の見直しに伴う規定改正を行うものでございます。番号2、東京都の一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例、及び番号3、東京都の一般職の任期付研究員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例でございます。これらの条例案は、東京都人事委員会勧告に基づき、一般職の任期つき職員及び任期つき研究員の給与を改定するものでございます。番号4、職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例でございます。この条例案は、仕事と子育ての両立を支援する観点から、育児休業を取得した職員の退職手当の除算割合に関する規定を整備するものでございます。番号5、職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例でございます。この条例案は、休息時間を廃止し、休憩時間を見直すことに伴い、規定改正を行うものでございます。番号6、東京都職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例でございます。この条例案は、都立病院に所属する医師の特殊勤務手当を新設するものでございます。以上が今定例会に提出を予定しております案件の概要でございます。詳細につきましては総務部長から説明をさせていただきます。どうぞよろしくご審議のほどお願い申し上げます。 # 岳野総務部長 岳野総務部長今定例会に提出を予定しております条例案六件につきましてご説明させていただきます。ただいまの資料第1号の一ページをおめくりください。番号1、職員の給与に関する条例の一部を改正する条例でございます。東京都人事委員会勧告に基づきまして、今年度の公民較差等に基づく職員の給料及び諸手当の規定改正と、給与の支給方法の見直しに伴う規定改正を行うものでございます。まず、1、今年度の公民較差等に基づく給料及び諸手当の規定改正についてでございますが、主な内容は三点でございます。まず一つ目、(1)、給料表の改定でございます。行政職、公安職、研究職などの八つの給料表を、人事委員会から勧告されました給料表等に改めるものでございます。今回の改定では、若年層及び若手管理職層の引き下げを抑制し、高齢層の引き下げを強めることによりまして、年功的な給与の伸びを抑制してございます。(2)、手当等の改正でございます。給料の調整額の支給限度額、勤勉手当の支給月数及び通勤手当額を改正するものでございます。(3)、平成二十年三月に支給する期末手当に関する特例措置でございます。本年四月からこの改正の実施の日の前日までの期間に係る例月給及び特別給の公民較差相当分を解消するため、平成二十年三月に支給します期末手当の額を調整するものでございます。次に、2、給与の支給方法の改正についてでございます。懲戒免職等に相当する罪を犯して死亡した職員に対する給与の支給方法を改正するものでございます。具体的には、その月の給料は、死亡した日までの日割り支給とすることができるものといたしまして、期末勤勉手当につきましては支給しないことができるとするものでございます。その他条例改正に関しまして必要な事項を附則として規定してございます。施行日は、それぞれ資料に記載の日を予定してございます。二ページをおめくりいただきたいと思います。番号の2、東京都の一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例でございます。東京都人事委員会勧告に基づきまして、一般職の任期つき職員の給料月額を改定するものでございます。施行日は、公布の日の属する月の翌月の初日を予定してございます。番号3、東京都の一般職の任期付研究員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例でございます。東京都人事委員会勧告に基づきまして、一般職の任期つき研究員の給料月額を改定するものでございます。施行日は、公布の日の属する月の翌月の初日を予定してございます。番号4に参りまして、職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例でございます。職員の仕事と子育ての両立を支援する観点から、育児休業を取得した期間の退職手当の除算割合につきまして、これまで、子が一歳に達する日の属する月までは三分の一除算、それ以降は二分の一除算といたしておりましたが、これを全期間三分の一除算に改善するものでございます。施行日は、平成二十年四月一日といたしまして、施行日以降の退職者から適用することを予定してございます。番号5、職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例でございます。国が休息時間を廃止したことを受けまして、都におきましても、休息時間を廃止することとしたものでございます。また、休息時間の廃止に伴いまして、休憩時間は原則四十五分、新宿本庁舎に勤務する職員については六十分と定めるものでございます。施行日は、平成二十年一月一日を予定してございます。三ページの方に移らせていただきます。番号6、東京都職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例でございます。都立病院に所属する医師の特殊勤務手当を新設するものでございます。東京医師アカデミーの研修医に対する指導業務に従事した医師に支給する指導医業務手当と異常分娩業務に従事した医師に支給する異常分娩業務手当の二つの手当を新設することとしてございます。施行日は、平成二十年四月一日を予定してございます。以上、簡単ではございますが、今定例会に提出を予定しております案件につきましてのご説明でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。 # 酒井委員長 酒井委員長説明は終わりました。この際、資料要求のある方は発言を願います。〔「なし」と呼ぶ者あり〕 # 酒井委員長 酒井委員長なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。 # 酒井委員長 酒井委員長次に、請願の審査を行います。一九第二七号、硫黄島旧島民の宿泊墓参に関する請願を議題といたします。本件について理事者の説明を求めます。 # 松本多摩島しょ振興担当部長 松本多摩島しょ振興担当部長それでは、請願一九第二七号につきましてご説明いたします。恐れ入りますが、資料第3号、請願・陳情審査説明表をごらんください。一九第二七号、硫黄島旧島民の宿泊墓参に関する請願は、硫黄島帰島促進協議会の会長であります高橋喜一さん外二十人から出されたものでありまして、平成十九年九月十三日に受理されております。請願の要旨は、都が、昭和十九年の戦火の中、強制疎開させられたまま帰島できない硫黄島の旧島民のために実施しています年二回の自衛隊機での日帰り墓参を、宿泊墓参ができるようにしていただきたいというものでございます。現在の状況でございますが、昭和十九年の強制疎開後、故郷に帰島できない硫黄島旧島民のため、硫黄島への墓参事業を東京都が昭和五十四年度から実施してきております。内閣総理大臣が決定いたしました昭和五十九年の小笠原諸島振興計画において、硫黄島及び北硫黄島については、一般住民の定住は困難であるとされましたが、それ以降も旧島民に報いるための措置として継続して実施しています。昭和五十四年度から平成十八年度までに都が四十八回実施し、延べ二千五百三十四名の旧島民関係者が参加しております。現在は、年二回、九月と三月に、自衛隊機による日帰り墓参を実施しております。島内での滞在時間は四時間というスケジュールとなっており、ゆとりを持って訪島したいという旧島民の心情につきましては、真摯に受けとめなければならないというふうに考えてございます。しかしながら、硫黄島訪島に当たりましては、防衛省の輸送等支援を受けており、宿泊の場合についての調整が必要となってきます。このほかにも、宿泊場所の確保、食事の確保、急患対策等、解決すべき課題があります。都は、国土交通省を通じ、防衛省へ輸送等支援の協力を依頼するなど、国や小笠原村と連携しながら、宿泊墓参の実現に向けて諸課題の検討をしているところでございます。以上で説明を終わります。よろしくお願いいたします。 # 酒井委員長 酒井委員長説明は終わりました。本件についてご発言を願います。〔「なし」と呼ぶ者あり〕 # 酒井委員長 酒井委員長発言がなければ、お諮りいたします。本件は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 酒井委員長 酒井委員長異議なしと認めます。よって、請願一九第二七号は趣旨採択とすることに決定いたしました。なお、本件は執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。請願の審査を終わります。以上で総務局関係を終わります。これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。午後一時二十一分散会
2024-03-31T11:23:04.044798Z
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--- title: 平成19年総務委員会 名簿・議事日程 # 平成十九年十一月二十九日(木曜日)第一委員会室出席委員十三名委員長酒井大史君副委員長鈴木隆道君副委員長花輪ともふみ君理事小磯善彦君理事松村友昭君後藤雄一君山口文江君遠藤守君尾崎大介君菅東一君倉林辰雄君吉野利明君大沢昇君欠席委員一名出席説明員知事本局局長大原正行君次長河島均君理事政策部長事務取扱前田信弘君企画調整部長川澄俊文君秘書部長長谷川均君企画調整担当部長小林清君特命担当部長鈴木賢二君調整担当部長角南国隆君参事中村信一君国政広域連携・首都調査担当部長吉田長生君自治制度改革推進担当部長中村靖君総務局局長押元洋君危機管理監中村晶晴君理事島田幸太郎君理事中井敬三君総務部長岳野尚代君参事和久井孝太郎君行政改革推進部長松崎茂君情報システム部長紺野秀之君首都大学支援部長松本義憲君主席監察員齋藤進君行政部長中西充君多摩島しょ振興担当部長松本栄一君都区制度改革担当部長森祐二郎君参事廣瀬秀樹君総合防災部長石野利幸君企画調整担当部長鈴木省五君勤労部長野口宏幸君統計部長金子優君人権部長田村初恵君国体推進部長笠井謙一君本日の会議に付した事件知事本局関係報告事項(説明)・地方分権改革の推進に向けた提言について総務局関係第四回定例会提出予定案件について(説明)・職員の給与に関する条例の一部を改正する条例・東京都の一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例・東京都の一般職の任期付研究員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例・職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例・職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例・東京都職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例請願の審査(1) 一九第二七号硫黄島旧島民の宿泊墓参に関する請願
2024-03-31T11:23:05.033846Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/226227?Template=document&Id=4326#one
--- title: 平成19年総務委員会 本文 # 午後一時一分開議 # 酒井委員長 酒井委員長ただいまから総務委員会を開会いたします。初めに、今後の委員会日程について申し上げます。お手元配布の日程のとおり理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。本日は、お手元配布の会議日程のとおり、知事本局、人事委員会事務局、東京オリンピック招致本部、選挙管理委員会事務局関係の事務事業及び人事委員会事務局関係の報告事項に対する質疑を行います。これより知事本局関係に入ります。事務事業に対する質疑を行います。本件については、既に説明を聴取しております。その際要求いたしました資料は、お手元に配布をしてあります。資料について理事者の説明を求めます。 # 川澄企画調整部長 川澄企画調整部長要求がございました資料二点につきまして、お手元にお配りしてございます総務委員会要求資料に従いましてご説明申し上げます。まず、一ページをお開きください。このページから三ページにかけまして、姉妹・友好都市との主な交流実績をお示ししてございます。現在、都は、ニューヨーク市など十一の都市及び州と姉妹・友好都市の提携を行っております。この姉妹・友好都市につきまして、平成十五年度から現在までの主な交流実績を姉妹・友好都市ごとに記載してございます。続きまして、四ページをごらんください。世界のジェット旅客機開発状況についてでございます。現在、アジア大都市ネットワーク21におきまして、中小型ジェット旅客機の開発を促進しております。この資料は、世界のジェット旅客機開発につきまして、現在の状況を、機体ごとにメーカー、座席数などをお示ししたものでございます。以上、簡単ですが、要求がございました資料の説明とさせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。 # 酒井委員長 酒井委員長説明は終わりました。これより、ただいまの資料を含め本件に対する質疑を行います。発言を願います。 # 鈴木委員 鈴木委員それでは、私から順次質問させていただきます。東京都は、環境対策を初め、さまざまな分野で、国のやらないこと、またはやれないことを率先して実行し、東京から国を変えていこうということで施策を展開してきたのも事実であります。都市外交の分野においても、石原知事の提唱により、アジア大都市ネットワーク21を設立して共同事業を進めるなど、先見性のある取り組みを行ってまいりました。また、先月には、知事がEU加盟国の大使を招待して東京の島や奥多摩を案内したと聞いています。新聞報道などを拝見しますと、参加した大使にはとても好評で、知事は、こういうことが外交だと、本来なら国がやるべきことともいったそうであります。これもまた知事ならではの外交戦略があってのものと高く評価をしているところであります。今後も、都は、日本の首都として国全体をリードしていくような都市外交を積極的に推進していくべきだと考えますが、考え方を伺います。 # 長谷川秘書部長 長谷川秘書部長世界の各都市は、環境問題、交通対策など多くの共通の課題を抱えており、都の先進的な政策への関心が高くなっております。海外の都市のみならず、政府機関などからも情報提供や視察等の依頼が多く寄せられており、所管局と協力しながら積極的に対応しております。また、東京の魅力や先進的な政策を主体的にアピールするため、百を超える在京大使館との交流の機会を定期的に設けております。特に、アジア大都市ネットワークやロンドンとの政策提携などにより、単なる友好親善にとどまらない、大都市に共通する具体的な都市問題を解決するための交流を積極的に進めております。今後も、このような都市外交を積極的に推進することで、東京のすぐれた政策や技術を海外に発信し、東京の魅力をアピールしてまいります。首都東京を世界にアピールすることで、国際社会における日本の存在感の向上にもつながっていくと考えております。 # 鈴木委員 鈴木委員今答弁がありましたように、今の東京都の都市外交においては、オリンピック招致ということが念頭に置くべき大きな要素になっているというふうにも考えられますが、オリンピック招致だけが実は都市外交の目的ではないということであります。そうはいっても、二〇一六年のオリンピック招致のためには、IOCの投票で一票でも多く獲得をして、海外の強力なライバルに打ち勝たなければならない、そのための戦略も必要であることも事実であります。そこで、オリンピック招致に向けた、まずは東京の都市外交戦略についてお伺いをいたします。 # 長谷川秘書部長 長谷川秘書部長東京オリンピック招致決定までの厳しい競争を勝ち抜くためには、申請ファイルやプレゼンテーションがIOCの高い評価を得ることが必要でありますが、オリンピック開催の理念や東京が目指す新たな都市像が、世界各国や主要都市の共感と賛同が得られて、東京開催が国際世論として支持されることも重要でございます。現在は、海外に向けての直接的なプロモーションは禁じられている時期であるため、姉妹・友好都市やアジア大都市ネットワーク、在京大使館との交流、都庁を訪れる海外要人への対応など、あらゆる機会をとらえて、東京の魅力や、ディーゼル車規制、CO2削減などの環境対策を初めとするすぐれた都の政策をアピールし、東京の力を示していきたいと考えております。来年六月の立候補都市選定後に解禁されます海外プロモーションについても、IOC委員への直接的なアピールのみならず、国や在外公館等の協力も得ながら、広く海外の国や各都市に向けて東京をアピールするとともに、東京オリンピック招致の実現に向けて最大限の努力をしてまいります。 # 鈴木委員 鈴木委員私は、実は、先般、海外視察でマドリードに行ってきました。これはこの後一般質問でもするつもりでありますから、余り深くは触れませんが、都市間交流に対しても、非常にマドリードが東京に対して、また日本に対して交流を切望している状況があります。ですから、実際に世界の中で東京というものが非常に大きくクローズアップされて、首都としての東京というのは、やはり世界有数というか、はっきりいえば一番の都市だという評価を受けている、そういう現実があるといっても過言ではない部分があるんですね。ですから、そういうものも含めて都市間交流というものを考えていくことが非常に大事であり、それがオリンピック招致に向けても、またいろいろな戦略になっていくのかなということも思っておりますので、言葉を添えさせていただきたいと思います。次に、アジア大都市ネットワーク21について伺います。日本とアジアとの貿易や直接投資が増大していることにもあらわれているように、企業の本社が集中する東京にとって、アジアとの関係は最も重要であります。また、アジアにおいて、地球環境問題、自然災害や感染症など国境を越えた課題が発生をしております。これらの課題について、アジアとの協力体制は不可欠になっている現状であります。東京都は、平成十三年にアジアの首都及び大都市で構成するアジア大都市ネットワーク21を立ち上げました。都市問題など共通の課題に共同して取り組む活発な都市外交を展開をしているところであります。ことしは、今月末にマニラでアジア大都市ネットワーク第六回総会が開催され、石原知事も出席されるとのことであります。十月下旬に行われた知事の記者会見で、マニラの総会で、アジアの諸都市が地球温暖化対策に一致して取り組むことを共同で宣言したいとの発言がありました。そこで、ことしのマニラ総会の特徴と、総会の場で東京都として何を主張していく予定かをお伺いをいたします。 # 中村参事(国際共同事業担当) 中村参事(国際共同事業担当)アジア大都市ネットワーク21の今回のマニラ総会では、アジアの各都市の重要課題について政策対話や特別報告で首長たちが直接意見交換を行い、大都市問題の解決に取り組んでまいりました。ことしの総会では、地球温暖化問題を特別報告のテーマといたしまして、CO2の削減など東京都の取り組みを紹介し、アジアの首長に問題の重要さを訴えるとともに、アジアの大都市が一体となって地球温暖化対策に取り組むことを共同宣言に盛り込む予定でございます。また、政策対話では、マニラの提案により、都市生活における多様な市民間の調和をテーマに、モラルの向上や防犯について各都市の取り組みを紹介し、議論する予定でございます。これらの議論を通し、アジアの各都市の連帯を強化し、アジアが一層発展していくことを目指してまいります。 # 鈴木委員 鈴木委員石原知事の推進するアジア大都市ネットワーク21の共同事業の一つであります中小型ジェット旅客機開発促進プロジェクトは、アジアの存在感を高め、アジア諸都市の繁栄と発展に資するプロジェクトであります。成功すれば、アジアの協力の象徴となるものと期待をしているところであります。現在、我が国は、二つの国産ジェット機のプロジェクトが動いております。一つは、防衛省の次期哨戒機PXと次期輸送機CXであります。このうちPXは、九月に初飛行に成功したところであります。また、YS11以来となる国産旅客機の開発プロジェクトも事業化を目前にしております。石原知事のリーダーシップによる東京都の中小型ジェット旅客機開発促進プロジェクトが、これらの国の動きを牽引してきたことは明らかであります。こうした中、東京都は、アジア大都市ネットワークでの中小型旅客機の共同開発の実現に向けて今後どのように取り組んでいくのかをお伺いしたいと思います。 # 中村参事(国際共同事業担当) 中村参事(国際共同事業担当)東京都は、平成十四年から毎年、アジアの各都市において中小型ジェット旅客機の開発に向けた国際会議を開催し、活発な議論を行ってまいりました。この結果、中小型ジェット旅客機の開発に向けた機運は確実に高まってきております。先月三十日には、第二回アジア旅客機フォーラムを東京で開催いたしました。公募した一般都民、アジアと我が国の第一線の航空関係者が参加したこのフォーラムでは、東京とアジアが技術を集約してジェット旅客機を開発することの重要性が強調されました。現在事業化を目指している国産ジェット旅客機の開発は、アジア大都市ネットワークが目指しているアジア旅客機の実現に向けた大きな一歩となるものであります。都は、国が国産ジェット旅客機の開発を支援するよう求め、これをてこに、アジア旅客機の開発に向けて、アジアとの連帯を一層強化してまいります。 # 鈴木委員 鈴木委員次に、やはり共同事業の一つである危機管理ネットワークについてお伺いいたします。近年の気候変動による大規模な自然災害の発生やテロや大規模ビル火災など、アジアの大都市は依然としてさまざまな危機にさらされているのが現実であります。今後三十年間に大地震が発生する確率が七〇%とされている東京も例外ではありません。アジアの大都市が互いの経験や取り組みを情報交換し、連携して危機管理能力向上に努めていくことは、大変意義深い取り組みだと考えます。危機管理ネットワークについて、最近の取り組みと今後の事業の方向性をお伺いいたします。 # 中村参事(国際共同事業担当) 中村参事(国際共同事業担当)危機管理に対するアジアの大都市の関心は高く、危機管理ネットワークには十一の全会員都市が参加しており、毎年危機管理会議を開催して、災害等に関する各都市の経験や取り組みを議論し、危機管理能力の向上に努めております。本年十月にジャカルタでアジア危機管理会議を開催し、ジャカルタの災害対策の実態に触れるとともに、災害時の大都市機能の維持と被害の軽減をテーマに、各都市における総合防災訓練の実施状況と成果など、最近の取り組み事例について活発な意見交換を行いました。また、本年九月、東京都総合防災訓練では、昨年のソウルに続き、台北から救助隊と救助犬が参加し合同訓練を行うなど、危機管理ネットワークを通じた都市の連携は確実に強化されております。今後とも、年一回の危機管理会議にとどまらず、防災訓練への相互参加やアジア都市間の災害通信訓練などを実施し、アジア全体の危機管理能力の向上を図ってまいります。 # 鈴木委員 鈴木委員石原知事の提唱で始まりましたアジア大都市ネットワークの共同事業が着実に実績を重ね、東京とアジアの都市との連携が確かなものになってきたということは確認ができたと思います。ただ、東京都、国、それから国家間でこのことを実現に向けて実際に動いていくときには、相当大きな壁が立ちはだかっているというのは否めない事実だと思いますし、その目標に向かって全庁挙げた努力をしていくと、そういう意味では、東京都知事以下の職員の皆さんの理解と、それから本当の意味での協力がなければ、幾らいいことを知事がいい、また議会が承認しても、物事進んでいかない。国を理解させるというのは、相当大きな努力も必要ですし、実際に航行路線にしても、それぞれの航空会社がそれぞれ利益を上げなければいけない、それから非常に厳しい経営状態にあるということも踏まえていくと、実は路線をどういうふうにしていくのか、また発着便の回数も含めてどう考えていくというのは、国交省に聞いても相当厳しい見解が返っていることも事実であります。それらを踏まえて、しかし、そういう壁があっても、首都東京として、世界の中で東京であるがゆえに果たさなければならない責任があるということを自覚して、知事がやはり進んでいるというふうに思います。ですから、そういう意味では、我々自民党は、知事とともに、きちっとアジアネットを通して、首都東京がアジアの平和と安定、そしてアジアのために貢献できる東京であるということを目指して、このことは進めていきたい、強力に進めていきたいと思っておりますので、ぜひその辺のお願いも、職員の皆様の全庁挙げての見解まで底上げをしていただければ大変ありがたいと思います。今後、東京オリンピック招致をかち取るため、そしてまた長期的な東京の都市外交を考えた場合、アジアだけではなく、世界の都市と戦略的に交流を図る必要があると思います。東京都の都市外交をどのように進めていくのか、最後に知事本局長の決意を伺って、質問を終わります。 # 大原知事本局長 大原知事本局長まず、国際社会における東京都の役割でございますけれども、私どもは、国境を越えた人、物、情報の交流がますます盛んになる中で、東京には、世界に冠たる大都市として、すぐれた環境対策ですとか、あるいは独自の文化などを世界に発信をいたしまして、国際社会に積極的に貢献をしていく、こういう役割が期待されているというふうに考えております。このために、東京都は、単に儀礼的な友好親善にとどまることなく、アジア大都市ネットワークに代表されますように、さまざまな分野におきまして世界の大都市に共通する都市問題により具体的に取り組んでいく、いわば問題解決型の都市外交というものを積極的に推進をしてまいりました。今後の東京都の都市外交を考えますときに、先生ご指摘のように、オリンピック招致ということも視野に入れる必要があると思います。そのために、アジアだけでなく、ヨーロッパ、アフリカなど世界の大都市と幅広く交流をしていく必要があると思います。これまでに築いてまいりました世界の大都市や在京大使館との交流の経験を生かしながら、大都市に共通する課題解決にともに取り組むなど、いわば都庁が一丸となって戦略的に交流を深めていくという決意でございます。 # 大沢委員 大沢委員先日いただいた知事本局の事業概要を見させていただきまして、その分掌事務の中に、都市外交や、そしてまた姉妹都市との交流及び協力の推進に関することということがございます。私もその点から何点か質問をさせていただきたいと思います。今現在、東京都においては十一の姉妹都市があると私は認識をしておりますが、その姉妹・友好都市提携を行ってきた、まず初めにその意義と目的をお伺いをいたします。 # 長谷川秘書部長 長谷川秘書部長姉妹・友好都市提携につきましては、昭和三十五年のニューヨーク市との姉妹都市提携に始まります。世界の都市や市民が、文化や社会体制の違いなどを超えて、行政、文化などさまざまな分野における交流を通じまして相互理解を深めていくことが、都市の発展と友好関係を増進させることになります。それが、国家間の良好な関係の強化に資するとともに、ひいては世界平和の実現にも貢献するという考え方を基本理念として、姉妹・友好都市提携をこれまで行ってまいりました。 # 大沢委員 大沢委員昭和三十五年からこの東京の姉妹・友好都市交流が始まったということでございます。そしてまた、その歴史というか、平成十五年からの各姉妹都市の交流実績というものを資料として提出していただきましたが、この提出された交流実績を見てみますと、知事本局が行っている事業だけでなくて、産業労働局のシティープロモーションなど、また、私も以前港湾局を所管する委員会におりましたが、港湾局においても姉妹港というような、各局がさまざまな事業を行っておることを認識をしておりますし、また、この交流実績を見ても多く目につくところでございます。その点で、どのような考え方で知事本局が都市外交を進めているのか、お伺いをいたします。 # 長谷川秘書部長 長谷川秘書部長東京都では、これまで築いてきた都市交流の経験を生かしながら、単なる友好親善にとどまらず、世界の各都市に共通する具体的な課題を解決するため、アジア大都市ネットワークやロンドンとの政策提携や、各都市におけるシティープロモーションなど、いわば問題解決型の都市外交を積極的に推進してきております。具体的な事業展開に当たりましては、各事業所管局が知事本局と調整をしながら主体的に実施しているところでございます。 # 大沢委員 大沢委員先ほどの鈴木副委員長からの質問の答弁においても出てきましたが、問題解決型の都市外交や、そしてまたアジア大都市ネットワークやロンドンとの政策提携など、さまざまな面で都市外交を行っているということ、このことにおいては私も評価をするところでございます。また、先般行われました総務局の事務事業質疑の中においても、資料請求の中で配られた東京都防災訓練実施状況の中に、平成十八年、十九年と、ソウル市、そしてまた台北市などが参加をしていただいて、災害が起きたときの連携や、そしてまたこのような防災訓練を経て、東京都のノウハウが他都市の災害訓練や防災の施策に生かされるということは、私は、最初にご答弁をいただいたように、行政や文化などのさまざまな分野における交流を通じて相互の理解を深めていき、都市の発展と友好関係を増進させることになると、大変評価をするところでございます。そしてまた、港湾局や産業労働局のシティープロモーションなど、さまざまな部局でも、独自にといいますか、皆様方のご支援をいただきながらこの都市外交を進めていると思います。今後、私は、知事本局もこれらの事業を支援し、そしてまた大きく連携していくべきと考えますが、ご見解をお伺いいたします。 # 長谷川秘書部長 長谷川秘書部長各局が事業を海外等で実施する場合や、海外から視察団、訪問団を受け入れる場合、知事本局では、これまで培ってきました姉妹・友好都市のネットワークを通じまして、相手都市との連絡調整や、海外に派遣されている職員などによる現地支援を行ってきております。今後とも、各局の事業が円滑に進むように支援、連携を図っていきたいと考えております。 # 大沢委員 大沢委員いろいろな答弁を聞いていますと、よくやっているのかなというような印象を持つわけでございますが、違った見方からいたしますと、この配られた資料11の姉妹・友好都市との交流実績を見てみますと、都市によっては、実績にばらつきがあるように思えてなりません。アジア大都市ネットワークという新しい都市外交がふえて、今、そちらの方の柱もできてきたので、平均的にいくということがなかなか難しいのかもしれませんけれども、どのような考え方でどのようにこのばらつきをとらえているのか、ご見解をお伺いいたします。 # 長谷川秘書部長 長谷川秘書部長東京都では、先ほどもお話し申し上げましたけれども、昭和三十五年のニューヨークとの姉妹都市提携を皮切りに、現在まで十一都市と姉妹・友好都市提携を行っておりますが、各都市の歴史ですとか文化、経済などの置かれている状況が異なるために、交流実績に差が出ているのではないかなと考えております。ただ、今後も、姉妹・友好都市を初め、海外の各都市と幅広く交流を重ねまして、共通する課題の解決に努めてまいりたいと思っております。 # 大沢委員 大沢委員ご答弁のように、各都市の歴史や文化、経済などの状況が異なるということはよくわかります。北京市やソウル特別市は、地理的には近いところにあるわけでございまして、また、その中で見てみますと、サンパウロ州などは東京の反対側にあるわけですから、平均的に行えないのかなということもわかるわけでございますが、そこは皆様方のご努力で、より一層姉妹都市交流が進むことを意見として申し述べさせていただきます。そして、初めの答弁でも、世界の都市や市民が、文化や社会体制の違いなどを乗り越えて交流していくんだというご答弁がありました。都議会においても、四つの議連を持っていたり、そしてまた海外調査団などを行って、都議会といたしましても、都市外交といいますか、そのサポートをしていると私は思っているわけでございますが、知事本局からして、都議会友好団体や、そしてまた都議会が行っております海外調査団など議会による交流というものをどのようにとらえているのか、ご見解をお伺いいたします。 # 長谷川秘書部長 長谷川秘書部長都議会の代表団等が姉妹・友好都市を初め海外の各都市を訪問されていることは、大変意義のあることだと思います。知事本局では、都議会の代表団等が海外の諸都市を訪問する際には、議会局からの依頼に応じまして、相手都市との連絡調整や現地に派遣されている職員による支援など、できる限りの協力をさせていただきたいと思っております。 # 大沢委員 大沢委員まさに今現在、都議会においても、この友好団体がソウル市、そしてまた北京市、上海市に、この委員会の中においても尾崎委員や菅委員が行っている最中であると思います。そして、その日程を見させていただきますと、表敬訪問や、都市計画に対する意見交換、そしてまたオリンピック施設の利用状況だとか、また北京においてはオリンピックメーン会場等の視察というのが組まれているわけでございます。このような中で、さまざまな姉妹・友好都市との交流がオリンピック招致にも大いに役立つと私は考えておりますが、この視察をして帰ってきて、オリンピック招致委員会やさまざまなところで、議会からさまざまなオリンピック招致に向けての有意義な意見や提言が出されると思います。そのことがまたオリンピック招致に大いに役立ってなければならないと思いますし、役立つと思います。そのことについてどうお考えなのか、お伺いをいたします。 # 長谷川秘書部長 長谷川秘書部長東京オリンピックの招致決定までの厳しい競争を勝ち抜くためには、申請ファイルやプレゼンテーションがIOCの高い評価を得ることが必要でございますが、オリンピックの開催の理念や東京が目指す新たな都市像が、世界各国や主要都市の共感と賛同が得られて、東京開催が国際世論として支持されることも重要でございます。そのため、これまで築いてきた友好関係や都市交流の経験などを生かしながら、今ほどお話のございました議会からの貴重な意見もちょうだいしながら、姉妹・友好都市との連携協力を初め、在京大使館との情報交換、連絡調整、シティーセールスなどを積極的に活用いたしまして、東京オリンピックの招致につながるように取り組んでまいりたいと思います。 # 大沢委員 大沢委員先ほど鈴木副委員長からもあったかと思いますが、私も、最後の質問として、オリンピック招致のためには、知事本局が各局をリードして従来以上に姉妹・友好都市との交流を深めていくべきだと考えますが、ご見解をお伺いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。 # 長谷川秘書部長 長谷川秘書部長知事本局では、東京マラソンへの姉妹・友好都市等の首長の招待や東京国際ユースサッカー大会への参加チームの誘致など、相手都市との連絡調整を行いまして、事業主体となる各局を支援しているところでございます。オリンピック招致の実現に向けまして、世界各国、各都市の支持を得るために、知事本局としては、これまで以上に、在外公館や自治体国際化協会等の協力も得ながら、姉妹・友好都市を初め、世界の各都市、地域との連携協力を各局とも協力しながら積極的に推進してまいります。 # 小磯委員 小磯委員私からは、「十年後の東京」実現に向けた実行プログラムの策定状況についてお伺いをしたいと思います。実行プログラムについては、現在、策定に向け、知事本局と各局の間で活発な意見交換がされております。改めて、実行プログラムの策定意義と目的についてお伺いいたします。 # 小林企画調整担当部長 小林企画調整担当部長今回の実行プログラムは、「十年後の東京」の実現に向けてアクセルを踏み込む三カ年のアクションプランを示すことによりまして、今後の都の事業展開を内外に明らかにし、これからの行財政運営を先導するために策定するものでございます。これによりまして、「十年後の東京」に掲げました八つの目標の実現に向けた政策を着実かつ迅速に実施していくとともに、二〇一六年の東京オリンピック開催のためにも、二十一世紀の都市モデル実現に向けた先進的な取り組みを展開することが重要であると考えております。 # 小磯委員 小磯委員昨日、各局の平成二十年度の予算要求概要が公表をされました。新たな取り組みを中心に、各局がそれぞれ意欲的に実行プログラム事業案を出していることと考えますが、現段階の実行プログラムの事業規模はどのようになっているのか、お伺いしたいと思います。 # 小林企画調整担当部長 小林企画調整担当部長実行プログラムは、三年後、平成二十二年度の到達目標と事業費総額を二十年から二十二年の三カ年のアクションプランとして明示していくものでございます。各局の要求ベースでは、概算でございますが、平成二十年度で約六千億円、三カ年でおよそ二兆円となってございます。 # 小磯委員 小磯委員この策定方針という中に、三年後の到達目標と事業費総額を明示した三カ年のアクションプランということで明確に書かれてございまして、今、平成二十年度が約六千億円、三カ年でおよそ二兆円ということで、この数字については初めて聞く数字でございますけれども、これは二十年度の一般会計の約一割強という、そういう予算だというふうに思います。新規事業はもちろん、また今までの施策も加速していこうと、全面展開で取り組んでいこうと、そういう予算ではないかなというふうに思います。「十年後の東京」は、「水と緑の回廊で包まれた美しいまち東京を復活させる」が八つの目標の筆頭に掲げられるなど、他の大都市はもちろん、これまで都が策定してきた長期ビジョンと比較しても、緑化の推進など環境重視の姿勢を強く打ち出しておりますが、まさに時宜にかなったものと思います。校庭の芝生化、街路樹の倍増など、具体化に当たっては区市町村の協力が欠かせません。町田市においても、都市農地の保全、活用など、緑を守る取り組みについてどのように都と連携して進めていくか、大変関心が高いわけでございます。実行プログラムの策定の中で、このような区市町村の意見がどのように反映されるのか、どのようにそういった意見を取り入れようとしているのか、お伺いをしたいと思います。また、都民の意見についても反映を図るべきと考えますが、ご所見を伺いたいと思います。 # 小林企画調整担当部長 小林企画調整担当部長「十年後の東京」の実現に向けましては、都民、企業、行政が協働しながら東京全体で取り組みを進めていくことが重要でございます。特に、区市町村につきましては、街路樹の倍増や緑の保全、あるいは建物の耐震化、子育て支援など、具体的な事業展開に当たりまして、都との連携を一層深め、積極的に協力していただくことが不可欠でございます。このため、今回、実行プログラム策定に当たりまして、すべての区市町村に対する要望調査を実施いたしました。八つの目標ごとに具体的な意見、要望を聴取するなど、区市町村との連携に万全を期しております。また、政策の具体化に当たりましては、都民の参加、協力を得て広範なムーブメントを起こしていくことが重要でございますので、今回、「十年後の東京」の実現に向けて、都政モニターに意見を伺うことといたしました。今後、これらの意見を十分に踏まえながら、年内を目途に実行プログラムを策定してまいります。 # 小磯委員 小磯委員区市町村からは、その調査を実施して、なおかつ意見、要望を聴取するという形をとられたようでございまして、具体化に当たって、このような区市町村や都民の意見を反映していく姿勢は評価されるものと思います。また、この実行プログラムの策定についてということで、都議会からの意見反映というのも入っておりますが、これもまた都議会における本会議、委員会における質疑などを通して各局がこうした実行プログラムに反映しているというふうに認識をしているところでございます。今回の実行プログラムは、三カ年のアクションプランとのことでございますが、一度つくったらそのまま固定化されてしまうということでは困ると思います。まだ策定前の段階で、策定後のことについて言及するのも恐縮でございますが、事業の実施状況や機運の醸成を踏まえ、新たに追加する施策もあると考えます。この点について見解をお伺いいたします。 # 小林企画調整担当部長 小林企画調整担当部長「十年後の東京」に掲げた目標を着実に実現していくためには、事後検証の機能を充実することによりまして、事業の執行状況管理にとどまらず、政策に関する検証、評価、政策目標の設定をさらに的確に行うことが必要でございます。したがいまして、実行プログラムでお示しいたしますアクションプランにつきましては、計画のPDCAサイクルを確立し、毎年度各局が主体となって実施する検証を経ましてローリングをしていくということにしてございます。これによりまして、社会経済状況の変化に的確に対応するとともに、「十年後の東京」で描きました東京の近未来図を着実に実現してまいります。 # 小磯委員 小磯委員検証の仕組みやアクションプランをローリングしていく考え方を確認できて、まずは安心をいたしました。「十年後の東京」は、都が久々に発表した長期ビジョンであり、東京がより成熟した都市となるためには、ここで示されている政策を迅速かつ着実に実施していくことがぜひとも必要であると私も考えます。知事本局が持つ総合調整機能を遺憾なく発揮して、オール都庁で実行プログラムをよりよい実施計画にしていただくよう、要望いたします。続きまして、米軍厚木基地の航空機騒音問題についてお伺いをいたします。厚木基地自体は神奈川県にあるわけでございますが、横須賀に米軍の空母艦載機が到着いたしますと、そこの艦載機の、いわゆる米軍のジェット機が飛行訓練を繰り返すわけであります。そして、その飛行訓練の騒音が、神奈川県の市のみならず、この町田市でも大変騒音問題がひどいという状況でございます。横田基地の方は、どちらかというと輸送機中心なんですけれども、厚木基地はまさに戦闘機なんですね。そういった意味で、その騒音たるや大変なものがあると。かつて横田基地周辺に住んでいた方が町田に来られて、町田の方がはるかにうるさいと、そんな声も聞かれたわけでございます。そんなことで、私、二〇〇一年からずっとこの問題を取り上げてまいりまして、議会では、もう六回、きょうで七回目ぐらい取り上げるわけでございます。そして、防衛施設庁長官のところにはもう三回ほど申し入れに行きまして、とにかくこの防音、いわゆる騒音のための防音ですね、施設庁の防音工事区域の拡大については、本当にこの数年間取り組んでまいりました。おかげさまで、九十数カ所の防音工事区域の対象地域が、今では町田市では四万七千戸まで拡大をいたしまして、毎年順次工事を行っているところでございます。そういう経過を含めまして、改めて少しご質問を申し上げたいと思います。米軍基地については、その周辺地域において、航空機騒音などさまざまな問題が生じております。このような問題に東京都はどのように取り組んでいるのか、お伺いしたいと思います。 # 鈴木特命担当部長 鈴木特命担当部長都内に所在します米軍基地につきまして、都民生活の安全を守り、地域のまちづくりを推進するため、基地の整理、縮小及び返還の促進を基本として取り組んでいるところでございます。特に、神奈川県内に所在いたします厚木基地も含めまして、基地周辺の騒音被害の軽減を初め、環境対策や安全対策につきまして、機会をとらえて国及び在日米軍に対して提案、要請を行っているところでございます。 # 小磯委員 小磯委員厚木基地では、本年五月に空母艦載機離着陸訓練が実施されるなど、周辺地域における騒音問題が深刻でございますが、東京都はどのようにこれに対応しているのか、お伺いいたします。 # 鈴木特命担当部長 鈴木特命担当部長平成十八年度の環境局が実施しております騒音調査の結果によりますと、町田市内における七つの調査地点のうち、六地点で環境基準を超過しておりました。この結果に基づきまして、都は、本年十月、町田市と共同いたしまして、国及び在日米軍に対して、騒音対策、安全確保の徹底などの要請を行ったところであります。また、本年五月に七年ぶりに実施をされました夜間の空母艦載機離着陸訓練、NLPでございますが、これに対しましては、都として国及び在日米軍に対して厳重に抗議をいたしました。また、八都県市首脳会議としても、国に対して厚木飛行場の騒音問題の抜本的解決の要請を行ったところでございます。 # 小磯委員 小磯委員また、来年には空母「キティーホーク」にかわって空母「ジョージ・ワシントン」が横須賀基地に配備されると聞いておりますが、そのことによって航空機騒音などは増加するのか、お伺いをしたいと思います。 # 鈴木特命担当部長 鈴木特命担当部長横須賀基地を母港といたします米海軍空母「キティーホーク」は来年夏退役し、「ジョージ・ワシントン」にかわる予定と発表されております。米側からの公表によりますと、厚木基地に飛来する艦載機及びその構成につきましては変更はないとのことでございます。 # 小磯委員 小磯委員平成十八年一月に、先ほど申し上げました厚木基地周辺の住宅防音工事の助成区域について見直しがございました。工事の進捗状況や進め方はどのようになっているのか、お伺いしたいと思います。 # 鈴木特命担当部長 鈴木特命担当部長国におけます平成十八年一月の厚木飛行場に係る住宅防音工事助成区域の見直しによりまして、町田市の助成対象世帯が、それまでの百世帯から四万七千世帯に大幅に拡大されたところでございます。防衛省北関東防衛局の説明によりますと、住宅防音工事は、まず騒音の著しい区域、次いで高齢者などを含む世帯を優先し、その中で建設年度の古い住宅から順次実施することとしております。平成十八年度につきましては、町田市分の予算額四十二億六千万円に対しまして工事の実績が千三十九件、十九年度につきましては、予算額四十二億九千万円ということでございます。都としましては、今後とも、騒音実態の把握に努めるとともに、国及び米軍に対しまして騒音軽減を引き続き強く働きかけてまいります。また、住宅防音工事の対象区域等の拡大を求めてまいります。 # 小磯委員 小磯委員しっかりとこの騒音の実態の把握に努めていただき、また工事がしっかりと進捗していくように国に対しても求めていっていただきたい、このことを要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。 # 松村委員 松村委員初めに、「十年後の東京」について伺います。「十年後の東京」は、三環状道路により東京が生まれ変わると、専ら圏央道、外環道路、首都高速中央環状線の建設が都政の最優先課題として描かれています。そこで伺いますが、この冊子の三八ページに、三環状道路の整備効果の記述がありますが、これによりますと、外環道路は、私の住む練馬区大泉の関越道路まで現在接続されておりますけれども、十年後もそれ以南は供用されておりません。それでも、この三八ページの三環状道路の整備効果として、圏央道内側の主要渋滞ポイント六百カ所が渋滞が解消され、区部の旅行速度が二十五キロと速まり、毎日が正月かお盆並みにすいすい快適ドライブができるようになるということなのですけれども、一体どういう根拠のもとにそのような記述になっているんでしょうか。 # 小林企画調整担当部長 小林企画調整担当部長三環状道路の整備効果ということでございますが、ここに記しました平均旅行速度が十八・八キロから二十五キロに上昇するということは、「十年後の東京」では、今お話がありましたけれども、外環道の整備はまだできておりません。三環状の整備率は約九割でございます。ただ、この三環状の整備だけではなくて、都が進めております幹線道路の整備、これも区部においては九五%まで持っていくというふうにいってございますが、こうしたもろもろの効果を踏まえて、この区部の平均旅行速度が十八・八キロから二十五キロへ改善され、これはお盆や正月並みということでございますが、そういう記述をしたものでございます。 # 松村委員 松村委員外環道は供用されていないと。圏央道、それから首都高中央環状線は完成されていると。確かに、今、関越から都心に入ろうとする車は、外環のインターがなければ、谷原交差点を通って目白通りだとか環八道路だとかに入るわけですね。これは青梅街道、新青梅、または中央自動車高速道路、それから東名と、いずれも外環道が完成しなければ都心に入らざるを得ない車の量だと。しかし、その他のさまざまな道路の整備によるといいますけれども、大体この三環状によって都心に入る車を排除するということになれば、果たしてそれが、もろもろといいますけれども、科学的なというか、具体的な根拠として、そういうことになることが検証されているのか。これは、所管局の都市整備局に説明を求めても、局がつくったものでないといいますし、それでは、ここに国交省のホームページにより作成というふうに書かれておりますので、私どもも国交省に行きまして、この東京都の「十年後の東京」を示して、こういうふうになるのかという説明を求めましたけれども、これを裏づけるデータは示されませんでした。多分、現在の車の発生量、交通量、交通センサスによるものを、この圏央道や首都高中央ができればこのぐらい減るだろうということの当て込みといいますか、今後もろもろ発生する自動車交通量とかそういうあれは見込んでないんじゃないかと。また、今いいましたそのもろもろや、東京都がさらにそれに伴う道路をつくるから交通速度がふえるんだといっても、じゃあ具体的にどことどこで、どういう形で自動車交通量の変化を見越して渋滞が解消され、都内六百カ所の渋滞が解消されるということを都民に示すことになるのか、私は大いに疑問に思っておりますし、三環状道路ができれば都心に乗り入れる車が減るといいますけれども、今、都市再生などで都心部には超高層オフィスビルが林立し、これに伴い都心に呼び込まれる自動車台数が排除される車より十万台以上もふえるという試算もあります。ましてや道路をつくればつくるほど自動車の潜在需要を引き起こすということは、今や交通専門家の分析によっても世界の常識となっています。「十年後の東京」は、こうした要因を一切度外視し、先ほどいいましたように、さらに道路が東京都によって整備されるんだと、それによって旅行速度が速まるんだといいますけれども、私は、机上のプランではないかという思いを強くしております。もう一度、そういう旅行速度になり、お正月や盆並みに、すいすいこの二環状、外環が供用されなくても走るんだということがいえるのかどうか、都民の前に明らかにしていただきたい。 # 小林企画調整担当部長 小林企画調整担当部長繰り返しになる点もあろうかと思いますけれども、この二十五キロへ平均旅行速度が増すということは、三環状道路の整備がこの十年間で、現在のこの「十年後の東京」を策定したときには三五%という整備率が約九〇%に、また東京都が進めております幹線道路につきましても、区部の環状道路については九五%まで高めていくと。こういう三環状道路だけではなくて、東京都が進めている幹線道路、そういったものの効果も含めまして、二十五キロに平均旅行速度が向上するというものでございます。それから、三環状道路等の整備についての考え方ということであろうかと思いますけれども、東京がより高いレベルの成熟した都市となるためには、残された二十世紀の負の遺産を解消することが必要でございまして、そのためには、東京の最大の弱点であります慢性的な交通渋滞を克服していかなければいけないと考えております。この三環状道路は、放射方向の道路とネットワークを形成しまして、首都圏における都市活動や市民生活を支え、渋滞あるいは環境悪化といった都市の諸問題の解決に大きく寄与する最も重要な都市基盤でございます。この三環状道路の整備によりまして、渋滞解消はもちろんでございますが、ここにもございますように、CO2排出量が二百万から三百万トン削減され、これは東京都とほぼ同じ面積の植林によるCO2吸収量とほぼ同じ量になるわけでございます。また、この三環状道路の整備によって生まれます交通インフラのゆとりを生かして、快適で利便性の高い都市生活の実現も可能となります。このように、活力にあふれ、魅力ある東京圏の形成を実現するためには、この三環状道路の着実な整備を推進していくことが必要だと考えております。 # 松村委員 松村委員ですから、外環道路が供用されないそのもとで、お盆や正月並みにすいすい都内の道路が渋滞なくして使えるということですから、それを具体的に示す根拠を都民に示してほしいし、ましてや私は、道路のより専門的な都市整備局などがそういう裏づけを持ったデータを示すならば理解しますけれども、現在のところ私はそういうふうに聞いておりませんし、国交省へ行っても、先ほどのことは繰り返しませんけれども、その裏づけのデータはいただけませんでした。そして、今、るる三環状の完成の意義を強調されましたけれども、逆に莫大な財政負担が東京都にもかかってくるわけですよね。いまだかつて、国も、国幹審など、外環道路の整備、これを明らかにしておりません。そういう状態にあるならば、私たち見方を変えて、それならば、外環をつくらなくても、都民が求めるお盆や正月並みの都内の道路状況になるんだったら、それでいいじゃありませんか。もう少しよく状況を見きわめながら、都民合意などで今後検討していく、または外環のつくり方も抜本的に検討するとか、いろいろな道が開かれるというふうに思うんですよね。その点は指摘しておきたいというふうに思います。それでは、環境問題でも、首都圏におけるCO2排出量削減効果が二百から三百万トンと、この同じく三八ページで記述しておりますけれども、これも何を根拠とした数字なのでしょうか。 # 小林企画調整担当部長 小林企画調整担当部長この三環状道路におきますCO2の二百万トンから三百万トンの削減量というのは、三環状道路がすべて完成した際の効果として国が推計した値でございます。 # 松村委員 松村委員今度は、このCO2の場合には、三環状道路が全部完成したときの数値だと。でも、実際には三環状道路は十年後に完成されてないわけですから、それからいつになるか見通しはないもと、このCO2の排出削減だけが、それを前提としてこのように記述するというのは、これまた私は机上のプランではないかと思います。この点でも、国土交通省の研究をもとに環境政策研究所の方が試算しております。道路整備による新たな自動車交通の誘発効果や道路の建設、周辺開発などによって、CO2は減るどころか、二百九十一万トンも排出されることが明らかにされているのです。CO2ばかりではありません。高尾山は水が豊富で、そのため貴重な植生物が多く、自然の宝庫といわれています。そこに二本のトンネルを掘るのです。既に圏央道のトンネルで水がれが起きており、広範な批判が沸き起こっています。外環道も強行されれば、私の住むこの練馬、ここには貴重な湧水がまだあるんです、特に八の釜憩いの森が消失するなど、かけがえのない自然の破壊が起こることは明らかです。また、財政面でも、圏央道は利用料金が高いことに批判が起きていますが、それでも賄い切れず、国の新直轄事業方針のもと、毎年都財政に大きな負担がかかっています。外環は、本体部分で一兆六千五百億円といわれています。その上、都が進めようとしている外環上部道路を合わせれば約二兆円です。首都高中央環状品川線も、本来都のやるべき仕事ではないのに、石原知事の三環状優先、このために二千億円もの都財政の負担となり、また外環道も、この二の舞になりかねない、都財政を圧迫する要因となることは必至です。三環状道路優先の計画は中止すべきです。さらに、「十年後の東京」は、十年後のオリンピック招致に照準を合わせて、すべてそこに集約しようとする計画ですが、押しなべて十年単位の計画でいいのでしょうか。三年、五年単位で計画するものもたくさんあるのではないかと思いますが、どうでしょうか。 # 小林企画調整担当部長 小林企画調整担当部長今の十年スパンのご質問にお答えする前に、先ほど平均旅行速度二十五キロが達成できればもう外環は要らないんじゃないかと、こういうお話がございましたけれども、平均旅行速度二十五キロが実現をします十年後におきましても、渋滞箇所がすべて解消するわけではございません。あくまでも、外環を含みますすべての三環状道路が整備されれば東京の渋滞が解消されるということでございまして、外環の整備は不可欠であるというふうに考えております。それから、ただいまのご質問でございますけれども、「十年後の東京」は、東京が近未来に向けまして、都市インフラはもとより、環境、安全、文化、観光、産業などさまざまな分野で高いレベルの成長を遂げていく姿と、それに向けた政策展開の方向性を都市戦略として示したものでございます。東京をさらに成熟した都市としていくためには、例えばディーゼル車対策や認証保育所の設置など、都が国に先駆けて進めてきた取り組みや重要施策重点事業による戦略的な施策展開など、これまでの八年間に及ぶ経験と実績を踏まえた上で、これをさらに発展させて、具体的な東京の近未来図として完成させたものでございます。先ほど、オリンピックに焦点を当てというお話がございましたが、オリンピック招致は、東京がさらに機能的で魅力的な都市に生まれ変わるための絶好の機会でございますが、これはあくまできっかけでございます。また、「十年後の東京」で掲げました目標や政策展開は、例えば待機児童の解消、集中的な耐震化の取り組みなど、東京が置かれた現状と課題を十分に踏まえた上で、十年後に向けて都政が進むべき道筋を示したものでございまして、三年や五年というお話がございましたが、直面する課題を軽視しているものではないと考えております。 # 松村委員 松村委員今、答弁の冒頭に渋滞問題についての言及がありましたけれども、都内のすべての渋滞が解消されなくても、少なくともここには二環状、外環がなくてもですね、六百カ所の渋滞が解消され、お盆や正月並みになるということですから、私は都民はそれ以上望んでいないと思いますよ。先ほどいいました環境問題にしたって、財政負担にしたって、もろもろも一方あるわけですよ。だれがそれを負担するのか。こういう問題もやはり総合的に考えてみなければならないということは、当然ではないでしょうか。それから、今、るる東京の十年計画について、これも言及がありましたけれども、今までの石原都政八年間、このさまざまな取り組みを踏まえてのこの「十年後の東京」になったといいますけれども、私は、都民の目線から見れば、この八年間石原知事がやってきたことは、財政危機だと、財源不足だと、今までの積み重ねてきた都民施策のほとんどを、重要なそういう施策を逆に切り捨ててきた、それがこの八年間の実態ではなかったでしょうか。それを積み上げてこの十年計画をつくったといったら、まさに今まで切り捨ててきた都民の命や暮らし、環境、教育にかかわる、そういう施策をしっかり盛り込んだ長中期的な計画にしていくんだったらまだ理解できますけれども、決してそういうふうになっていない。「十年後の東京」について、この間、関係局に計画の考え方や具体化について問い合わせても、知事本が十年後の東京のあるべき姿を描いたもので、所管局との検討を重ねたものではないということが、ほとんど大半そういう答えが返ってきているんですよ。今までの都政で、私、こんなトップダウンの手法でつくられた計画というものを見ないわけでありますけれども、この点どうでしょうか。 # 小林企画調整担当部長 小林企画調整担当部長政策の形成に当たりまして、知事がみずから発案したり、明確な方針を示すことは、これは自然な姿でございまして、ただ、その政策を具体化していくには、都民や専門家の力をかりましたり、区市町村の協力を求めましたり、あるいは現場を担う職員の創意工夫というものを生かすことが重要であるというふうに思います。都は、これまでも、知事のリーダーシップと現場からの知恵を生かしながら、不正軽油対策や新たな公会計制度などの先駆的な取り組みを推進してまいりました。「十年後の東京」におきましても、世界をリードするCO2の大幅削減や、あるいは東京を緑あふれる都市に再生するなど、知事の示した大きな方向性に基づきまして、都民からの意見や議会でのご議論、あるいは予算編成における区市町村要望、外部の専門家、民間事業者の意見も聞くとともに、各局との意見交換を通じて策定したものでございます。 # 松村委員 松村委員少なくとも、この計画、「十年後の東京」の考え方や具体化について、担当局に聞いても担当局はまさに都民と接し、いろいろな具体的な都民ニーズも一方ではつかんでますよ。しかし、この計画については、知事本がつくったもので多くは知らないという答え、これで果たしていいんでしょうか。知事は、それは時としてはリーダーシップを発揮して、所管局などにいろいろな具体的な計画を検討させ、それを練った上で実行に移すならまだしも、今は、一部のそういう事業だけを挙げながら、それが今の都政のやり方なんだと是とする考え方というものは、私は絶対受け入れられないというふうに思います。それでは、三環状道路など都市づくりを最重点にしながら、一方では、福祉を初めとする都民の暮らしの計画はどうなっているんでしょうか。 # 小林企画調整担当部長 小林企画調整担当部長「十年後の東京」におけます福祉施策の、いわば位置づけというご質問であろうかと思いますが、この「十年後の東京」では人口の将来推計をしておりまして、東京の高齢者は二〇一五年には三百万人を超えて、四人に一人が高齢者という超高齢社会が到来し、とりわけ七十五歳以上の後期高齢者が約百五十万人と、全国でも群を抜く規模になると見込んでおります。このような状況では、介護予防や認知症対策など増大する行政需要に対して、サービスを効率的に提供していくことが求められるわけでございますが、公共セクター中心の福祉サービスの提供体制が行き詰まっている中、多くの事業者が競い合って提供する多様なサービスの中から、利用者みずからがサービスを主体的に選択し、活用する、利用者本位の新しい福祉の実現に向けて、都はこれまで、先ほどもありました認証保育所の設置など、大都市特有のニーズにこたえる都独自の先駆的な取り組みを展開してまいりました。「十年後の東京」におきましても、八つの目標の一つといたしまして、世界に先駆けて超高齢社会の都市モデルを創造するということを掲げまして、利用者本位の福祉改革をさらに進化発展させて、最先端技術の活用や多様な主体との連携強化を図りながら、例えば認知症高齢者三十万人の大幅抑制、障害者雇用三万人の創出、待機児童五千人の解消など、具体的な目標とその実現に向けた政策展開を示しております。また、これまで日本経済をリードしてきました団塊の世代が高齢期を迎えるということから、社会を活性化させる存在として高齢者像を転換いたしまして、介護や子育てなど社会的課題の解決に高齢者みずからが活躍する場を提供するなど、多様な社会参加を促進していく、こういった点についても言及しているところでございます。 # 松村委員 松村委員位置づけなどと抽象的なことを長々と今お話を伺いましたけれども、具体的に都民の暮らしや福祉ですよ、どういう具体化があるのかと。確かに一部目標などを挙げましたけれども、私はよく読みましてですね、書かれているのは介護ロボットですね、具体的で。あ、そういうことをやるのかと、それしか書かれていないというのが都民の実感ではないでしょうか。今、都民生活には貧困と格差が広がり、そのもとでワーキングプア、ネットカフェ難民や医療難民、出産難民までもが生まれる事態となっています。こうした直面した課題にも中長期的計画もしっかり立てて取り組むべきだと申し上げて、次に移ります。横田基地軍民共用について伺います。日米両政府による公式な協議組織であるスタディーグループが昨年十月に発足し、一年が過ぎました。このスタディーグループは、横田飛行場のあり得べき軍民共同使用の具体的な条件や対応に関する検討を実施し、開始から十二カ月以内に終了するとされていたものです。どのような検討結果となったのでしょうか。 # 中村参事(横田基地共用化推進担当) 中村参事(横田基地共用化推進担当)スタディーグループでの協議につきましては、昨年十月の開始から十二カ月以内に終了することとなっておりますが、現時点では協議の結論は出されておりません。日本政府としましては、可能な限り早期に結論が得られるよう、引き続き米側と協議を行っているところでございます。 # 松村委員 松村委員引き続き協議を行っているというお話でしたけれども、それでは次回の交渉はいつでしょうか。 # 中村参事(横田基地共用化推進担当) 中村参事(横田基地共用化推進担当)次回のスタディーグループでの開催はというご質問だと思うんですが、それにつきましてはまだ決まっておりません。 # 松村委員 松村委員では、交渉を継続するという合意があったのですか。 # 中村参事(横田基地共用化推進担当) 中村参事(横田基地共用化推進担当)合意があったわけではございません。 # 松村委員 松村委員合意があったということではないけれども、結論が延長されているから協議も延長して行われるだろうと、日本政府も引き続きそういう努力をするというようなご答弁に聞こえますけれども、そういうことだろうと思うんですけれども、私は、それは日本政府がそういっているのか、または石原知事や東京都のそういう理解というか、まあ勝手な思い込みにすぎないというふうに思うんですけれども、通常の外交交渉は、次回の日程を取り決めて終わるものだと聞いております。その取り決めがないということは、協議は終わったということではありませんか。そういう認識の方が正しいんじゃないですか。 # 中村参事(横田基地共用化推進担当) 中村参事(横田基地共用化推進担当)今のご質問なんですけれども、引き続きどういうふうになっているかというご質問かなと思うんですが、具体的な話については、米政府と日本政府とのやりとりの中で決められるものであって、具体的な話については、東京都としましては聞いておりません。 # 松村委員 松村委員引き続きそうなるだろうというようなことでは、事外交とか、ましてやこういう軍事的な問題も絡んだ交渉ということは、進むわけがありません。我が党は、先日横田基地を訪問しました。私も基地の状況を見て、米軍広報部長の大尉から説明を受けましたが、九・一一テロ以降、横田基地からもイラクやアフガニスタン、アフリカなどに三千五百人の隊員の一割ずつが順番で定期的に派遣されるようになり、基地全体が非常に緊張してきたということでした。都は、横田基地が現在どういう位置づけと役割を担った基地になっているのか、掌握しているのでしょうか。 # 中村参事(横田基地共用化推進担当) 中村参事(横田基地共用化推進担当)横田基地は、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約、いわゆる安保条約に基づき米国に提供された施設でございます。横田基地は、在日米軍司令部、第五空軍司令部、第三七四空輸航空団などの部隊が使用しておりまして、極東における唯一の空輸団として空輸支援を行う第三七四空輸航空団が管理する基地であるというふうに認識しております。 # 松村委員 松村委員安保条約における一般的な意義の役割ということではなく、今、そういう厳しい情勢下というか、米軍はそういう世界戦略を展開しているわけですから、少なくともそれを今後整理、縮小、返還、またはその前の民間との共用というならば、そういうことをしっかりつかんでおいた上で、どういう全面返還に向けての戦略を立てるかとかいうことになるのではないでしょうか。少なくとも、そういう点を問い合わせるなど行うべきではないかということを強く指摘しておきたいと思います。そして、石原都政のもと軍民共用でこの八年間やってきましたよね。都が進めようとする整理、縮小、返還の道が私は逆に遠ざかっているというふうに思います。また、こういう軍民共用などということを石原知事がいい出したために、地元関係市にも、意見の対立といいますか、そういう知事の方針に対するですね、本当に分裂までがもたらされた八年間ではなかったかと思いますけれども、この点での総括といいますか、どのようにこの軍民共用の八年間をとらえていますか。 # 中村参事(横田基地共用化推進担当) 中村参事(横田基地共用化推進担当)米軍基地に対します都の基本的な立場につきましては、先ほど先生のご指摘のありましたように整理、縮小、返還の促進でございます。しかしながら、横田基地の全面返還につきましては、現在の国際情勢等を勘案しますと、直ちに返還がなされる状況にはないと考えられます。そのため、返還までの対策としまして、軍民共用化の実現を目指しているところでございます。これまでも目指してまいりましたし、これからも目指してまいります。 # 松村委員 松村委員アメリカの先制攻撃な軍事戦略が、在日米軍を中心とした展開がさらに強まる中、横田基地を、自衛隊をその戦略に組み入れる軍軍共用化は進めても、民間との共用化を進めるものでないことは、私も本当に基地を見て、関係者から話を聞いて、改めて実感しました。同時に、ここからの脱却の道は、憲法九条を持つ国として、時代錯誤の、世界でも例を見ないような従属的なこういう日米軍事同盟から、日米平和友好条約、そういう同盟に切りかえ、すべての在日米軍基地の日本への返還を求める以外にないと改めて確信しております。東京から日本を変える、世界を変えるというなら、まさにこの先頭に立って、まずは首都東京の米軍基地全面返還を求める、都がその先頭に立つべきだということを主張し、次の質問に移ります。アジア大都市ネットワークについて伺います。世界のジェット旅客機開発状況の資料を出していただきました。これを見ますと、世界の主な地域の国々で開発が進められている状況がうかがえます。日本でも三菱重工業が経済産業省の全面支援を受けて開発を進めています。ここに、この三菱のMRJです、二〇一二年予定とありますけれども、先月、十月三十日にこの都庁ホールで行われた第二回アジア旅客機フォーラムを私も拝聴いたしました。三菱重工業は、MRJを来年四月から販売を始めるとしています。既に中型の国産旅客機が開発されたのです。こういう状況のもとで、東京都はジェット旅客機の開発をさらに進める必要があるのですか。この点について伺います。 # 中村参事(国際共同事業担当) 中村参事(国際共同事業担当)国産ジェット旅客機は、事業化を目指し現在開発が進められております。アジア大都市ネットワーク21が目指すアジア製の旅客機は、アジアの技術を持ち寄ってつくる独自の中小型ジェット機であります。国産ジェット旅客機の開発の成功は、アジア旅客機の開発のてことなるものでございます。また、航空機産業は、最先端の技術が活用され、産業のすそ野も広く、広範な技術波及効果を有し、産業全体の高度化に貢献することが期待され、東京とアジアの今後の発展に大いに資するものであると考えております。このような観点から、アジアの技術を持ち寄る旅客機の開発促進に向けてアジアとの連携を強化してまいります。 # 松村委員 松村委員そもそもですね、ジェット機開発が自治体の仕事でしょうか。東京都は都政の主要な仕事と位置づけているようですが、その理由をお聞かせください。 # 中村参事(国際共同事業担当) 中村参事(国際共同事業担当)先ほども申し上げましたが、航空機産業、特に、今申し上げましたけれども、非常に最先端の技術を活用いたします。それで、そのすそ野も大変広うございます。また、技術の波及効果も大変大きゅうございます。産業の高度化に貢献するものであり、それは非常に東京にとってもメリットがあるものと考えております。 # 松村委員 松村委員お出しいただいたこの資料を見ても、それぞれの国のメーカーも、自国政府ですよね、それぞれの国の政府の全面支援を受けての開発の取り組みだと考えますが、都市が、つまり自治体が開発を進めているような、そういう事例というか、状況があるんですか。今、一般的に非常に先端技術だとか幅広いといったら、どこの国も注目して、そういう自治体や都市も開発に乗り出していいというような気もするんですけれども、この点についてはどうなんでしょうか。 # 中村参事(国際共同事業担当) 中村参事(国際共同事業担当)自治体が直接費用を出してジェット機を開発するということはございません。ただし、いろいろな面で側面的な支援をしているという事実はございます。 # 松村委員 松村委員東京のものづくりのすぐれた技術力を持つ中小企業の育成の側面を持っていることは否定しませんが、第二回旅客機フォーラムでは、中小企業で組織されている、まんてんプロジェクトの代表の方も参加しておられて、報告しておりました。旅客機部門はビジネスチャンスだが、中小が入れるのは四人から六人のセスナの分野で、ジェット旅客機は政府の承認が必要など中小企業のバリアは非常に高いと報告しておりました。つまり旅客機というのは、本当に物すごい安全性というか、技術だとか、そういうのが要って、それはだから高い開発といっても、日本の政府だとか、今、世界ではやはりアメリカですよね、そういう市場を持つアメリカとか各国の認証が必要だというんですね。そういうことを私も初めて聞いて、これは本当に幾ら中小のすぐれた技術力を生かしてといっても、夢のような話で、やはり率直な話、その一部の加工、つまり大企業などが出すそういう部品だとか、そういう加工分野へのエリアがあるような話も伺いました。こういうことに都が莫大な予算を投入してジェット旅客機開発に成功しても、肝心の中小の支援にはつながらないんではないですか。その中小支援ということについてもう一度都の見解をお伺いいたします。 # 中村参事(国際共同事業担当) 中村参事(国際共同事業担当)今、莫大な資金を投入してというお話ございましたけれども、東京都としては、資金は投入してございません。開発についての資金は投入してございません。中小企業に対する、どのようなメリットがあるかということでございますけれども、航空機、航空部品製造業の出荷額を見ますと、東京都は全国の約四分の一を占めております。また、航空機関連産業に参入する中小企業は、都内に多く存在していると聞いております。このように国産旅客機の開発は、国内の中小企業の技術の向上と、それからビジネスチャンスに多大な効果をもたらすものと考えております。 # 松村委員 松村委員来年度の教育予算でも、このジェット機開発などを恐らく視野に入れながら人材基金として七十億円でしょう。事実、石原知事が、私、このフォーラムを聞いたときに、冒頭のあいさつで、ある国々のそういう声かけられたと。技術や金を提供するといったけれども、技術なんか要らないと、金を出せと、私はそういう話をしたんだといっていますけれども。そういう知事の姿勢ですから、これから実際に開発が始まったらどうなるんでしょうか。そういうことも私は視野に入れながら今の質問をしたわけであります。また、フォーラムでは、日本の航空機産業の現状は、機体、エンジンとも世界の技術の水準にあり、いつでも開発できると報告されていました。ですから事実、三菱重工では独自にMRJを開発してしまったんですね、できているんです。問題は、石原知事が、繰り返しいいますけれども、冒頭発言で述べていたんです。販路が問題なんだと。マーケットをいかに確保するかにあると、このためのアジア大都市ネットワークだということを、繰り返し繰り返しいってるんです。つまり、技術力やアジア全体の都市の共同での開発よりも、やはり販路なんですよ、マーケット、そのための共同だと、ネットワークだという、私はそこに、ねらいというか、目指すところがあるということが理解できたというか、感じたわけでありますけれども、結局やはり大企業のための販路拡大であり、中小企業はつけ足しというような実態にならざるを得ないということです。答弁は要りません。最後に、石原知事によるトップダウン事業、すなわちオリンピック招致しかり、新銀行、築地市場の豊洲移転、三宅島のバイクレース、ワンダーサイトなどなどですね、それがどれほど都政にゆがみをもたらし、税金の使い方を逆立ちにして都民生活を犠牲にした都政運営となり、しかも、その多くが破綻に直面していることを、我が党はあらゆる議会の場でただしてきましたが、この知事本局との質疑においても、改めて福祉の増進を図るという本来の自治体の都政に立ち戻らせるべきだということを主張いたしまして、私の質問を終わります。 # 酒井委員長 酒井委員長ほかに発言がなければ、お諮りいたします。事務事業に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 酒井委員長 酒井委員長異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。以上で知事本局関係を終わります。 # 酒井委員長 酒井委員長これより人事委員会事務局関係に入ります。事務事業及び報告事項、平成十九年職員の給与に関する報告と勧告についてに対する質疑を一括して行います。本件はいずれも既に説明を聴取しておりますので、これより質疑を行います。発言を願います。〔「なし」と呼ぶ者あり〕 # 酒井委員長 酒井委員長発言がなければ、お諮りいたします。事務事業及び報告事項に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 酒井委員長 酒井委員長異議なしと認め、事務事業及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。以上で人事委員会事務局関係を終わります。 # 酒井委員長 酒井委員長これより東京オリンピック招致本部関係に入ります。初めに、先般の人事異動に伴い幹部職員に交代がありましたので、本部長から紹介があります。 # 荒川東京オリンピック招致本部長 荒川東京オリンピック招致本部長十一月一日の人事異動に伴いまして就任をいたしました、当本部の幹部職員を紹介させていただきます。企画部長の並木一夫でございます。どうぞよろしくお願いいたします。〔理事者あいさつ〕 # 酒井委員長 酒井委員長紹介は終わりました。 # 酒井委員長 酒井委員長事務事業に対する質疑を行います。本件については既に説明を聴取しております。その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。資料について理事者の説明を求めます。 # 並木企画部長 並木企画部長去る十月十八日開催の当委員会におきまして要求のございました資料についてご説明させていただきます。恐れ入りますが、お手元にお配りしてございます総務委員会要求資料の表紙をおめくりいただきまして、立候補都市の世論調査結果一覧をごらんいただきたいと存じます。本資料は、二〇一二年及び二〇〇八年の立候補都市における世論調査結果をまとめたものでございます。いずれの都市も申請ファイル段階及び立候補ファイル段階で世論調査を実施しており、ごらんのとおりの支持率となっております。なお、二〇一二年のIOCからの質問は、都市または地方及び国における世論の状況はどのようなものかという質問であり、各都市は、都市及び国において世論調査を実施しております。二〇〇八年の質問では、特に対象地域等の指定がなかったため、ほとんどの都市で一カ所のみ実施となっております。以上で、簡単ではございますが、要求資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議を賜りますよう、お願い申し上げます。 # 酒井委員長 酒井委員長説明は終わりました。ただいまの資料を含めまして、本件に対する質疑を行います。発言を願います。 # 鈴木委員 鈴木委員それでは、私から何点かにわたって質問をさせていただきます。二〇一六年東京オリンピックの開催計画については、昨年六月、開催概要計画書が発表されて以来、招致本部においてさまざまな検討が行われてきたものと思います。こうした中、一昨日、東京オリンピック招致委員会理事会総会が開催され、来年一月にIOCに提出する申請ファイルの重要な柱となる、主に競技会場の配置、施設整備費の見込み、晴海オリンピックスタジアムの観客輸送の三点について決定がなされたとの報道発表がありました。これらの内容については、後日、都議会に対して正式な報告がなされた後に、我が党としても改めて議論はしていきたいと思いますが、本日は事務事業質疑の場でありますので、このホットな話題について、プレス資料をもとに何点か質問したいというふうに思います。そこで、一点目でありますが、まず今般発表された競技施設の配置計画について、どのような観点から検討をし、昨年の開催概要計画書と比較して具体的にどの施設が変更になったのかをお伺いいたします。 # 中嶋参事 中嶋参事国内立候補都市に決定されました後、各競技会場につきまして、JOCや国内競技団体などとの意見交換や、海外の専門家からの助言をもとに、IOCのテクニカルマニュアルの変更点、これは会場数ですとか座席数ですとか等々ございますが、これらも踏まえまして検討を行ってまいりました。その結果、IOCからより高い評価が得られる、よりコンパクトな配置計画を目指す観点から、今回、会場の変更を行った次第でございます。具体的には、七競技、八会場について配置を変更いたしました。順にご説明をさせていただきますが、まず、水泳会場につきましては、東京ビッグサイトを特設会場としておりましたが、既存施設の活用がIOCの高い評価につながることから、既存の東京辰巳国際水泳場を活用しつつ、水泳四種目を同一エリアで実施できる会場として新たに辰巳の森海浜公園を選定いたしました。次に、サッカー会場は、鹿島サッカースタジアムにかえまして、国立霞ヶ丘競技場を選定いたしました。次に、バレーボール会場でございますが、これは駒沢オリンピック公園総合運動場としておりましたが、選手村からの距離が十一・三キロと遠く、また、周辺道路が狭く交通アクセスに課題があるなどとの理由から、代々木公園内に新設する屋内競技場といたしました。四点目でございますが、トライアスロン会場ですけれども、これは浜離宮としておりましたが、都内でトライアスロン大会開催実績のあるお台場海浜公園といたしました。次に、ビーチバレー会場でございますが、お台場海浜公園としていたものでございますけれども、オリンピックで求められる会場規模を確保するという観点から、隣接する潮風公園としたものでございます。次に、セーリング会場でございますが、これは江の島ヨットハーバーとしておりましたが、交通アクセスや敷地の規模などの問題がございまして、都内に会場を求めました結果、選手村により近い若洲海浜公園といたしました。次に、馬術会場でございますが、これは海の森予定地としておりましたが、全種目の施設を同一会場内に配置することが困難でありますため、海の森は自然の環境を生かして競技を行う総合馬術のクロスカントリーのみといたしまして、馬場馬術、これは馬をどれだけ自由に調教させるかという競技でございますが、それと障害飛越、これは馬がハードルを飛び越す障害競技でございますが、この二競技につきましては夢の島の競技場といたしました。最後に、射撃でございますが、中央防波堤の外側埋立地としておりましたが、風や航空機の騒音が競技に与える影響を考慮いたしまして、陸上自衛隊朝霞駐屯地とする方向で、現在、国と最終的な調整を行っているところでございます。 # 鈴木委員 鈴木委員要するに、コンパクト化ということがキーポイントかと思います。昨年の開催概要計画書発表以来、精力的に国内の競技団体等と調整を行うとともに、海外からの専門家等の助言も踏まえ、よりIOCから高い評価の得られるようコンパクトな会場配置をしたという結論に現段階では達したものと理解をいたしますが、決断としては確かに評価をしたいと思います。しかし、国際レベル、要するに幾つかの立候補都市がある中で、それぞれの都市も、今いったIOCの基準を求めて、より高いレベルのものへどんどんお互いの情報をとり合って高めているという事実があるわけです。ですから、東京だけがやったからこれでいいんだという段階にはないということも、これは一言添えていきたいと思うのです。ですから、日本もこれから恐らく外国にある大使館等とも連携をとって、その国の持っている情報を瞬時に今とらえる、ネット社会ですから、とらえられるわけですね。裏返しに、日本にある各国在留大使館の側も、日本の情報を全部発信しているわけですよ。そういうことが実際に行われている中に今あるということもよく考えていただいて、確かに今回のものに対しての決断は評価しますが、より高めていくということを決して忘れないでほしいということだけは一言申し添えておきたいというふうに思います。先ほどもいいましたけれども、今回のことはまだ我が党の方に正式なものはないですから、党としてまた話し合いをした後、意見を申し上げる場はあると思いますので、その点も踏まえてですが、私個人の見解として一言申し添えておきます。それでは、二問目として、今回の競技会場の配置計画において、常設で整備することとされた施設にはどんなものがあるのか。また、なぜそれらを常設で整備することにしたのか、その基本的な考え方を伺います。 # 中嶋参事 中嶋参事今回発表いたしました競技施設の配置計画におきましては、常設の施設として新設するものは五施設でございます。その内訳は、陸上競技やサッカーで使用いたしますオリンピックスタジアム、二点目が、中央防波堤外側東西水路におきますボート競技やカヌーのフラットウオーター競技の会場、三点目が、バレーボールで使用いたします代々木公園に建設予定の体育館、四点目が、若洲海浜公園におきますセーリング会場、最後五点目でございますが、葛西臨海海浜公園におきますカヌーのスラローム競技の会場、この五点でございます。これらの施設を常設といたしましたのは、それぞれの施設につきまして、現在の需要、今後のスポーツ振興のための必要性などを考慮した後利用の見込み、オリンピックのレガシーとしての象徴性などを総合的に勘案いたしまして、常設とすることが都民にもIOCにも高く評価される計画になると、このように判断した次第でございます。 # 鈴木委員 鈴木委員今、最後にいわれた、オリンピックのレガシーとしての象徴性とか総合的に勘案するというのは、私もこの間マドリードへ行って向こうの状況を聞いたのですが、非常に高い国際的な中での、その辺の評価というのは、IOCの中にどうもあるみたいですね。それは非常に考えさせられてきたところもあります。それはちょっと一般質問で僕も触れるところがあるかもしれませんので、それはそういうことで感想だけ申し上げておきますが、それでは今回の発表では、施設整備費についても変更になる旨の発表がありました。競技会場見直しによって施設整備費はどのように変更になったのかをお示し願いたいと思います。 # 中嶋参事 中嶋参事まず、恒久施設の整備費に関してでございますが、晴海に建設いたしますオリンピックスタジアムにつきまして、災害発生時のリスクマネジメントの観点から見直しを行いました。三方を海で囲まれたスタジアム建設予定地と、運河を挟んで対岸の豊海地区を連絡できる避難経路の確保などによりまして、約百七億円の増額となってございます。また、新設、改築、改修を行うボート会場等二十一施設につきましては、ボート会場を仮設から恒久施設に変更したことに伴いまして、桟橋や護岸の整備費が増加しております。また、セーリング会場につきましては、江の島ヨットハーバーの既設施設での利用から若洲海浜公園の恒久施設の建設に変更したことに伴う、防波堤や係留施設の整備費の増加がございます。こういった観点で約二百二十四億円の増額となってございます。次に、仮設整備費に関しましては、競技会場の見直しによります仮設整備内容の変更等によりまして、全体で四十七億円の増額となってございます。 # 鈴木委員 鈴木委員次に、今回発表された三点目の項目事項であります晴海オリンピックスタジアムの観客輸送についてお伺いをしたいと思います。的確かつ円滑な観客輸送は、オリンピックの運営計画上、非常に重要な要素であるというふうに思います。オリンピックを成功に導くかぎであるといっても過言ではないというふうに理解すべきであります。晴海のオリンピックスタジアムへの観客輸送については、地下鉄の建設も選択肢の一つとして検討がなされてきたと伺っていますが、今般発表された報道では、既存地下鉄等の活用、BRTの導入、臨時バスの運行が主体となった観客輸送となっています。どのような考え方に基づいてこうした輸送計画になったのか、その基本的な考え方を伺いたいと思います。もう一点、具体的な輸送手段として、既設地下鉄等の利用、BRT、臨時バスの三つが示されましたが、十分な輸送能力があるといえるのか、お伺いをいたしたいと思います。 # 藤井参事 藤井参事オリンピックスタジアムには、選手を初め、多くの大会関係者や観客等が集まるため、確実な輸送計画を策定する必要があります。観客等の輸送については、東京には既に高密度な交通ネットワークが整備されており、この高い集積力を最大限活用することが何より重要であり、このことがIOCから高い評価を得ることにもつながると認識しております。そのため、既存の鉄道インフラの有効利用、環境都市東京を世界にアピールするバスシステムの活用、快適な歩行空間の創出、だれもが利用しやすいユニバーサルデザインのまちづくりの推進、これら四点を輸送計画の基本的な考え方としております。具体的には、都営大江戸線勝どき駅などの改良、環境面に配慮したバス高速輸送システム、BRTや臨時バスの導入、動く歩道やドライミストなどによる快適な歩行空間の創出、これらにより、オリンピックスタジアムへの円滑かつ快適な観客輸送を実現してまいります。続きまして、輸送能力についてのご質問でございますけれども、晴海のオリンピックスタジアムの収容人数は十万人を予定してございます。過去の大会実績や海外専門家の意見を踏まえると、関係者二万人を除く観客八万人と、会場周辺の見物客二万人の合計十万人が、一時間半以内で最寄りの交通機関まで移動できることが求められることから、一時間当たり約七万人の輸送能力が必要となります。現在想定しております三つの輸送手段のおのおのにおける一時間当たりの輸送能力について、一定の条件のもとで試算した結果、既設地下鉄等の利用により約五万二千人、BRTにより約一万一千人、臨時バスの運行により約一万八千人であり、合計しますと一時間当たり約八万一千人となり、十分な輸送能力を備えているといえます。今後さらなる調査検討を行い、効率的かつ確実な輸送計画を策定してまいります。 # 鈴木委員 鈴木委員今答弁いただいた最後ですが、さらなる調査検討を行い、効率的、確実な輸送計画を策定していく、これがまさに今後の課題になると思うのですよ。確かに数字上はこうであっても、それをより明確に説明できるというぐらいの具体性を持った輸送計画を策定していくということ、これは要望しておきたいと思います。以上のように、一昨日発表されたプレス資料をもとに質問をしてきました。ところで、現在、安藤忠雄氏を中心として進めていると聞いているオリンピックの開催理念でありますグランドデザインについてはどのような状況なのかを改めて伺いたいと思います。 # 中嶋参事 中嶋参事オリンピックのグランドデザインにつきましては、本年八月、東京オリンピック招致委員会におきまして、安藤忠雄氏をチーフといたしますグランドデザイン検討会を立ち上げて検討を重ねてございます。昨年六月に発表いたしました開催概要計画書におきましては、開催の意義を、アジアで初めてとなる二回目のオリンピックを開催し、アスリートたちに最高のパフォーマンスの場を用意するとともに、大きな感動を全世界の人々と分かち合うとし、また世界一コンパクトな大会など、五つの基本コンセプトをお示しいたしました。グランドデザインは、この内容を都民によりわかりやすい形となるようにまとめたものでございます。グランドデザインを都民、国民にしっかりとご理解いただくことが、オリンピックの東京招致を実現するかぎとなってくると考えてございます。現在、都民、国民の方々に効果的に周知するという観点から、最終的なまとめを行っているところでございまして、近々に発表してまいりたいと考えてございます。 # 鈴木委員 鈴木委員近々に発表してまいりたいということでありますが、この発表の仕方が非常に大事になるのではないかなと思うのですね。要するにPR戦略ですね、どのようにして多くの国民、都民の人に知らせるかというのを、奇抜なアイデアを集めるぐらいの気持ちを持って、それは相当に知恵を絞っていただいたPR戦略というのを練っていただくことをやはりお願いをしたいですね。それで、また、ちょっとそのことが目についたら記憶にずっと残っているぐらいのものがあってもいいような、そんな気がしますが、どうでしょうかね。一言だけ自分の感想を述べておきます。今回の報道発表により、来年一月の申請ファイル提出に向け一定の方向性が打ち出されたものとは考えています。今後発表される東京オリンピック競技大会のグランドデザインとあわせて、国内はもとより世界に向けて東京オリンピックのすばらしさを訴えていく必要があるものと考えます。そこで、今後の招致活動の展開に向けた本部長の決意を伺って、質問を終わります。 # 荒川東京オリンピック招致本部長 荒川東京オリンピック招致本部長昨年八月に国内立候補都市に東京が選ばれまして、その後、JOCとも協力しまして招致委員会を発足させて、また都議会におきましても特別委員会を設置していただき、また、招致議連を結成していただきましてご支援をちょうだいしてまいりました。また、国の方でも閣議了解をいただいたということで今日まで参りまして、そして今回、先ほど参事たちが答弁いたしましたように、申請ファイルの提出に向けて、これまでの開催概要計画書を見直しまして、改めて開催基本計画を示すまでになりました。しかしながら一方で、二年後のIOC総会まで続きます招致レースということを考えますと、これからが本当の本格的な戦いでございまして、まさに国や全国自治体、あるいは都内の区市町村、経済界、スポーツ界と一緒になって、全国的な盛り上げですとか、あるいは国際的なPR活動を展開していかなければなりません。まさに、やるべきことはたくさんございます。とりわけ、間もなく予定しております世論調査では、大きな賛同が得られますように、開催意義やコンセプトなどを発表ぎりぎりまでブラシアップいたしまして、発表する際は、派手というわけではありませんけれども、都民の皆さん、あるいは国民の皆さんに理解いただける、あるいはしみ通るような発表の仕方をしていきたいというふうに思っております。また、先ほど先生からお話がございましたように、海外のライバル都市の情報をしっかりつかんでいかなくてはいけないと思っておりまして、欠点ですとか、あるいはすぐれた点を分析いたしまして、とにかく最終的に東京に投票してもらう、そういう計画づくり、あるいはPR活動といいますか、招致活動を展開していかなければならないと思っております。オリンピック招致本部や招致委員会だけの力では及ばないところがございます。予想もつかないことが多々生じるかと思いますけれども、ぜひとも都議会の先生方の全面的なご支援をいただきながら、必ず開催をかち取ると、こういう決意を抱いております。職員一同取り組んでまいりたいと決意しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 # 遠藤委員 遠藤委員私の方でも、さきの招致委員会の理事会また総会での決定事項に関連して何点かお伺いしようかと思いましたが、今の鈴木副委員長との質疑で大概が明らかになりましたので、その部分は大幅に割愛して質疑をしたいと思います。今、最後、招致本部長の方から、この招致機運の盛り上げに関連して、世論調査の話が、言及ございました。この世論調査活動に当たってさまざまな仕掛け、取り組みが今、表で、また水面下で進んでいると思いますけれども、町場では署名活動を全力で進めておりまして、私たち招致議連としても、それぞれの役割というか、目標を決めてやっているわけでございます。そんな中、先月、十月の二十一日に、この議連とまた皆さんとタイアップをして、東京の各地で街頭署名活動を行いました。私も銀座の数寄屋橋の交差点で、午後二時間ほど署名活動に参加をさせていただきました。銀座ですから、東京都民ならず大変たくさんの方々がいらっしゃって、私がこう署名を持ちかけただけでも、兵庫の方ですとか、遠くは北海道の方、都民と、あといわゆる他の道府県の方、半々ぐらいだったと思います。そんな中で、私が率直に感じた点は、招致機運の盛り上がり、残念ながらいま一歩かなと、裏を返せばこれからだなと、こういう率直な印象を受けたわけでございます。先ほど来お話しのとおり、この署名活動というのは、十一月に行われる予定と聞く世論調査での支持率アップの取り組みの一環ですけれども、そもそもこの世論調査というものは、どういう形で、またどういう位置づけで行われるのかを確認したいと思います。 # 岸上招致推進部長 岸上招致推進部長まず、署名活動に全面的にご協力を賜りまして、本当にありがとうございます。オリンピック、パラリンピックの東京招致自体につきましては、十分に周知が進んできているものというふうに考えております。今後は、さらにオリンピック招致に関する都民の支持率のアップにつなげていきたいと考えております。お尋ねの世論調査でございますけれども、IOCへ提出することになっております申請ファイルにおきまして、オリンピック競技大会開催プロジェクトに対する、都市または地域及び国における一般的な世論はどのようなものか等について記載が求められております。その際、世論調査を実施した場合には、質問内容、対象地域、実施日程、サンプル数を明記するということになっております。二〇一六年東京オリンピック招致につきまして、間もなく世論調査を実施する予定でございまして、現在、東京オリンピック招致委員会と具体的な実施方法につきまして最後の詰めを行っているところでございます。 # 遠藤委員 遠藤委員ご答弁では、このIOC提出の申請ファイルに一般世論の動向を明記するということでございます。先ほど来の質疑で明らかになったとおり、今、安藤先生を中心に、グランドデザイン、これをしっかりとコンセプトワークしていくということでございます。要望にかえますが、なぜ東京で行うのか、そしてまた、昭和三十九年の大会と二〇一六年、どこが違うのか、これを説得力のある、そして明確な簡潔なコンセプトでぜひとも発信をしていっていただきたいと思います。ところで、この二〇一六年の大会の基本理念といたしまして環境が取り上げられているというのは、もうほぼ周知の事実かと思います。先般、私たち都議会公明党の研修会に、元副知事の青山先生にお越しをいただきました。さまざまな示唆に富むお話をちょうだいしたわけでございますが、青山先生は、このオリンピックの開催の究極の目的、クーベルタン男爵のお話、またはオリンピック憲章の詳細な中身等々、ここにはさまざまなものが盛り込まれているけれども、究極の目的は世界の平和と差別の解消、この二つに集約をされるのではないかと、このようにおっしゃっておられました。私たちも大変に感銘をした次第でございます。また、さらに、もうご案内のとおり、ことしのノーベル平和賞は、地球温暖化問題について映画等で世界的な啓発活動を行いました、アメリカの前副大統領アル・ゴア氏と、国連の気候変動に関する政府間パネル、IPCCに授与されるということが先般決定をされたわけでございます。この温暖化問題への取り組みでノーベル平和賞が贈られるのは初めてのようでございまして、環境分野という、より広い分野になると、これも記憶に新しい、二〇〇四年にケニアのワンガリ・マータイさんが受賞されたということで、この環境問題と、あと先ほど青山先生が指摘をされていた世界平和の構築、さらに戦争の裏側にある差別、また、差別の解消、環境というのは、今や切っても切れない、直結、裏腹の関係にあるというのが、現在の世界を取り巻く状況ではないかと思います。また、こうした世界的な状況のみならず、日本が世界に誇れる環境分野の先端技術というのは大変すばらしいわけでございまして、もう皆さん方大変お忙しくて視察に行くいとまもないと思いますので、かわって私たち都議会公明党が先般視察をしてまいりました。日本のこの環境問題、環境分野の先進事例ということで、電気自動車の開発現場でございます。電気自動車は、同じクラスのガソリン車に比べて、CO2の排出量は約三分の一、燃費に至っては五分の一から十分の一と、極めて環境に優しい車であります、これはその開発をしている企業の調べでございますけれども。ただその一方、これまで電気自動車というと、走れる距離が短いですとか、または充電時間が長く、その充電する機械ですね、インフラも少ないと、またさらには、コストが高い、価格が高い、こうした難点がございました。しかし、こうした課題は着実にクリアしつつあるというのが実態でございまして、中でも最大のネックであった充電については、普通充電と急速充電という二つの充電に対する考え方というものを用いまして、例えば普通充電でいえば、どこの家庭にでもある電気のコンセントに、約八時間入れればフルパワーで走れると。または、そういうまどろっこしいことはできないと、急に充電したいんだということであれば、それなりの専用の充電器が必要ですけれども、十五分充電すれば約八割の充電ができるという、この普通充電と急速充電を組み合わせることによって、三年後の実用化に向けて大きく弾みをつけることができたと。それで、現在実証実験を続けているということでございました。ちなみに、この一〇〇%のフル充電で走れる距離は八十キロメートルということで、この距離は、首都圏を走る業務用車両が一日に走り回る距離とほぼ等しいということでございました。百聞は一見にしかずというか、百聞は一乗にしかずということで、私も試乗をしてまいりましたけれども、大変滑らかな走りで、近くにいてもエンジン音がほとんど聞こえないというようなことでございました。またさらにもう一つ視察をしたのは、これは火力発電所から発生する石炭灰、これを再利用して舗装材に使うという取り組みでございました。さまざまな加工をするので、車道にはなかなか不向きということでありますけれども、一般の生活用の道路や、または歩道などにこの素材を使うことで、一般的なアスファルト舗装に比べて、路面の温度を最大十度C低く抑えられると、こうした技術も開発されているようでございます。今紹介したのは、ごくごく一部の例でございますが、東京が世界的な環境問題の解決への回答となる都市をつくり上げるとともに、日本が世界に誇るこうした先端技術を活用した大会を開催するというのは、大変意義深いことだと私も思います。こうした技術または哲学、歴史を持っているのは、世界はどこでもないと、日本だけだと、東京だけだと、そのように確信をいたしておる次第でございます。ぜひこうした点を世界に積極的にさらにアピールしていただきたいと思います。この環境分野、特に絞って私も招致本部長の決意をお伺いして、質問を終わります。ありがとうございました。 # 荒川東京オリンピック招致本部長 荒川東京オリンピック招致本部長かつてオリンピックムーブメントというふうにいわれますと、これはまだ憲章にはそう書いてあるんですけれども、スポーツと文化という二本柱になっております。ただ、今日では、環境そのものがオリンピックムーブメントの第三の柱ということに正式に位置づけられまして、オリンピックにおいて重要な要素となっております。先月北京で、IOCが主催しまして、スポーツと環境世界会議というのが開かれまして、その中でロゲ会長が、開会のときのスピーチで、要するに自分たちの責任は何なんだと、スポーツというのは単独では生きていられない、社会のいろいろな分野とのかかわりを持つ必要があり、だから環境を守らなくちゃいけないんだと、こういうような発言をしております。ご存じのように、東京都は環境問題の重大さに早く気がつきまして、都議会と一緒になりまして、世界でも前例のないディーゼル規制ですとか、そういったような世界最高水準の技術によるさまざまな環境対策に取り組んでまいりました。これはご存じのとおりでございます。地球環境問題は今後十年が勝負だというふうにいわれております。ほぼ、まさにこの十年後に開かれます二〇一六年の東京オリンピックでは、こういう先端的な技術を使いまして、カーボンマイナスオリンピック、あるいは緑を大切にした大会を開催いたしまして、環境危機からの脱却あるいは平和な社会づくりということに挑戦する東京の姿をぜひ世界の人々にお示しして、未来を担う子どもたちにもプレゼントしたいと、こういうように考えております。ただ、ほかの立候補都市も、東京と同様に第三の柱というふうに位置づけられております環境対策については、重視してくると思います。そのことをよく認識しまして、他の都市あるいは国にはない最高水準の環境技術を具体化しまして、それを生かした都市づくりやオリンピック運営を実現すべきだと考えております。先ほど先生からお話ございました電気自動車につきましても、まだ経済性ですとか使い勝手の問題でいろいろ問題があるようでございますが、そういった点もクリアして、ぜひオリンピック運営の中に生かしていきたいというふうに考えております。ぜひとも招致レースに勝ちたいと決意しております。先生方のご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。 # 酒井委員長 酒井委員長この際、議事の都合により、おおむね十分間程度休憩をいたします。午後三時十分休憩午後三時二十四分開議 # 酒井委員長 酒井委員長では、休憩前に引き続き委員会を開きます。質疑を続けます。発言を願います。 # 松村委員 松村委員まず、オリンピック主要三施設について伺います。東京オリンピック招致委員会が十一月六日に開催基本計画を決定しました。その資料を見ますと、都営大江戸線勝どき駅から動く歩道を設置する、有楽町、有明方面などから連接バスを運行、あとは臨時バスを運行する計画となっています。先ほどの答弁で、十万人の割り振りが、ちょっと確認の意味でも伺いますけれども、この大江戸線の勝どき駅などから、徒歩、動く歩道を使った方の輸送力が五万二千人、それから、連接バスのBRT、これが一万一千人、臨時バスが一万八千人、合計八万一千人ということで、よろしいんですね。それで、十万人もの観客を短時間に安全に輸送できる輸送手段が、これどういう機関できちっとシミュレーションをやって、こういう割り振りで確保できるんだということの数字でしょうか。その根拠というか、お示しいただきたいと思います。 # 藤井参事 藤井参事繰り返しになりますけれども、今先生おっしゃったとおり、三つの輸送手段におけるおのおの一時間当たりの輸送能力につきましては、既設地下鉄等の利用により約五万二千人、BRTにより一万一千人、臨時バスの運行により一万八千人、合計で一時間当たり約八万一千人となり、求められる能力七万人に対して、十分な輸送能力を備えているというふうに考えております。このもととなる数字については、幾つかのケースについて試算を行っております。また、今後各輸送手段につきまして、さらなる調査検討を進めてまいりたい。結果として、効率的かつ確実な輸送計画を策定してまいりたいと考えております。 # 松村委員 松村委員国内都市の選考のときには、たしか福岡の計画では、きちっとIOCのそういうシミュレーションの、このソフトというか、あって、JOCの当時の評価でもきちっとそれをやっていると。そういうものは検証できるということだったんですけれども、そういうものをやりながらの試算ということで受けとめてよろしいんですね。それでちょっと私は、大江戸線勝どきですよね、今の大江戸線の輸送力で、一時間半ぐらいで五万二千人ですか、その能力があるのか。例えば私、先日の委員会でも、ぎゅうぎゅう満員の電車に乗ったときに、あのときには千三百人ですよね、閉じ込められたの。全部がその大江戸線で勝どきに向かうわけじゃないでしょうから、千人としても、五万二千人というと、この列車が千人としても、五十両ぐらいですよね五十両じゃないや、それが一時間半でどんどん勝どき駅に着ける、そういう輸送力なのか、ちょっと私疑問に思うのと、それから、例えばBRT、これ連接バスだそうですけれども、二両で百人としても、これどのぐらいになりますか、十台ですか。で、臨時バス、これ六十人乗りとしても、一万八千人ですから三百台ですか、などなど考えたときに、果たして今の大江戸線の勝どき駅、それから連接バスを、どこか最寄りの恐らくJRだとかというところからのあれを、ピストンというか、やったり、また臨時バスをその他走らせるんだといっても、十万人を本当に安全に、確かにさばき切れるのかということは、ちょっと疑問というか、ですから、もっと詳しいあれを示していただかないと、やってみて、やっぱり新たな地下鉄とか何か大量な輸送機関が必要になってきたということになっては大変ですから、しっかりその点は示さなければならないと思うのです。じゃ、今想定されるそういう輸送手段の事業費というのはどう見込んでおりますか。 # 藤井参事 藤井参事現在、各輸送手段につきまして、さまざまな調査検討を行っているところでございます。引き続き、効率的かつ確実な輸送計画を策定するということで検討を進めていきたいというふうに思っております。 # 松村委員 松村委員事業費をお聞きしましたけれども、輸送手段ですね、お答えになかったということは、試算というか、はっきりしないという点だろうと思います。そして、輸送手段を環境型バスとしておりますけれども、先ほど挙げた導入バスの台数、これをどのぐらい見込んでいるのか。その費用は幾らになるか。また、動く歩道ということで、この間の距離が、私はあそこ二キロぐらいだと思ったのですけれども、九百メートルという話も聞きましたけれども、九百メートルの動く歩道を設置するともなれば、大変な設置費用と、またこれ撤去も恐らくするんじゃないかと思うんですね、これを含めれば相当大きな負担となるのではないか。先ほど、スペインのマドリードがありましたけれども、私、バルセロナに一昨年ですか、行く機会がありまして、バルセロナ・オリンピックのそういう競技施設の跡を見ました。小高い丘でやったところに、ここも駅から離れていますから、ずっとやっぱり動くというか、これはエスカレーターだとか、いろいろなものを組み合わせたと。しかし、バルセロナから何年たちましたか、全くそれは動いていないというか、もうつくりっ放しというか、そういう状況を見て、私はやっぱりオリンピックというか、開催が終われば大変なもんだなというのを実感したんで、改めてこの臨海部に動く歩道をこれだけ設置するというので、思わずそのことが思い浮かばれて心配になったんですけれども、やっぱりそういう設置費用などをきちっと明らかにしなければ、それが現実的なものかどうかということは判断できないというふうに思います。そして、先ほど挙げたBRTにしても臨時バスにしても相当な台数、五百台近い、じゃ、その駐車場はどこにあるのかと。晴海の会場も、恐らく横浜日産スタジアムの十万人規模というので、あれが入るというのですっぽり当てはめて、ここでできるということをやったのでしょうけれども、ぎりぎりですよね。周りの用地を見ても、駐車場はどうなのかということ、本当に心配になりました。一説によると地下駐車場をつくるなどということでありますけれども、これだけの新たな自動車による輸送手段ということですから、さらには大変な駐車場スペースだとか、これをつくるための費用、しかし、それを一たんつくってしまったらその後の後利用がどうなるか、今後の課題ですけれども、果たしてそういうのがきちっと成り立っていくのかということについても、しっかり都民の前にその事業費、試算、こういうものについて明らかにしなければならないというふうに思います。こういう点についてはどのように考えているのでしょうか。 # 藤井参事 藤井参事ご質問の動く歩道の設置箇所やバスの運行であるとか、それから、バスベイの設置位置、これについては、今後の具体的な検討の中で調査検討をさらに深めてまいりたいというふうに思っております。 # 松村委員 松村委員少なくても今度IOCへの申請ファイルには、輸送手段がどうなのかというのは重要な項目なんですよね。それがまだ、あそこに考え方は示したものの、これからの検討課題ということでは、極めておぼつかない計画ではないかという思いもします。それから晴海のメーンスタジアムについては、三方を海に囲まれていることから、国内選考時の評価委員会からも、災害発生時のリスクマネジメントの点から、課題と指摘されていましたよね。また我が党も、あそこ臨海部全体は埋立地ですから、液状化問題や側方流動の起こる危険性を警告してきましたが、この対応は基本計画に取り入れられたのでしょうか。 # 藤井参事 藤井参事晴海のオリンピックスタジアムについては、多くの選手、観客が集まる施設であり、施設建設に際しては十分な安全対策を講じていくことは当然でございます。スタジアム建設では、くいを強化するなど、液状化などに対して安全対策を行ってまいります。また、災害時に三方向を海に囲まれたオリンピックスタジアムから観客を安全に避難させるために、豊海地区と連絡できる避難経路についても、新たな施設整備費として計上したところでございます。 # 松村委員 松村委員この基本計画で具体化されたのは、今も答弁がありましたように、避難通路、これ橋ですか、橋のような道路を避難通路としてつくるということは具体化されておりますけれども、それ以外の地震対策はこれからだと。それから観客輸送問題については、まだまだ課題がたくさんありますし、きちっと示されていないというふうに思います。それから、もう一つ、主要施設の築地のメディアセンター、この計画も豊洲の土壌汚染が解決されなければ計画が進まないのではありませんか。また、選手村の高層棟、この問題も、これ評価委員会でも、これではIOCというか、世界に通用しない、再検討の必要があるというふうに指摘されていましたけれども、この問題も、基本計画には言及がないのですけれども、これはどうしたんでしょうか。 # 藤井参事 藤井参事豊洲の新市場の関連でメディアセンターを予定しておりますけれども、豊洲新市場予定地の土壌汚染対策等については、学識経験者により構成される豊洲新市場予定地における土壌汚染対策等に関する専門家会議を設置し、専門的見地から科学的に検証を行っているところでございます。その提言を受け、必要な対策を確実に実施した上、都民が安全で安心できる市場として豊洲新市場を開場させる予定であると聞いております。オリンピック招致本部といたしましては、豊洲新市場の開場に合わせて移転する築地市場跡地に、二〇一六年のオリンピック開催に向けてメディアセンターを整備してまいります。続きまして、選手村の高層棟の問題でございますけれども、選手村につきましては、他の施設と同様IOCの委員からより高い評価が得られるよう、現在さまざまな角度から検討を進めているところでございます。 # 松村委員 松村委員いよいよ世界にこの計画を示す、そういう段階でも、例えばメディアセンターでも今後どう進展するか本当にわからない。もし基本計画をきちっとつくるというんだったら、そういう検討も入ってしかるべきだと思いますけれども、すべて今後の課題だということで、果たしてこれ、申請ファイルの段階でも世界に通用するんでしょうか。それから、次に、今回変更になった競技施設について、これまで我が党がいっていたとおりになってきたという思いを強くしています。ここでは七施設八会場を変更したということでありますが、水泳はビッグサイトではできないと私たちが繰り返し指摘してきたのに対して、頑迷にビッグサイトを主張してきたのが皆さん方なんですよね。今回、辰巳の森海浜公園に変更した理由、先ほど述べられました。既存施設を使った方が高い評価を得られると。こういう変更理由でしたけれども、実態は、結局できないと。当初皆さん方が競技施設にいっていたのは、隣接地を使って新たにそこにつくるんだと。しかし、それは新たな土地取得だとか、用地は新たに求めないとか、そういうこととかかわるから、結局やはり計画を変更せざるを得なかったというのが実態でないでしょうか。トライアスロンを変更したのも、浜離宮は水質が悪く泳げないんですよ。あの水質改善などということも盛んにいっておりましたけれども、莫大な費用がかかると。これも不可能だということで、やはり変えざるを得なかったというのが実態なのではないでしょうか。よりよく競技団体と調整しながら変更したということでしょうけれども、今までの、この議会での指摘というのは、それを受け入れたということなのかどうか、もう一回、この間変更した考え方についてきちっとしてもらわないと先に進めないという気がしますけれども、お答えください。 # 中嶋参事 中嶋参事ただいまお話のありました競技会場の変更につきましての、まず水泳会場についてでございますが、これにつきましては、東京ビッグサイト特設会場ということで、私ども東京ビッグサイトの敷地内で、ハード、ソフトの両面からさまざまな検討を行ってまいりました。しかしながら、これではオリンピックの水泳競技におけるレガシーが大会後に何も残らないというような状況もございます。先ほども申し上げましたが、今回、既存施設の活用がIOCの高い評価につながるという観点から、私ども再検討いたしました結果、既存の東京辰巳国際水泳場を活用しつつ、水泳四種目を同一エリアで実施できる会場として、新たに辰巳の森の海浜公園を選定した次第でございます。また、このように辰巳地区に水泳会場を置きますことで、隣接いたします夢の島の馬術競技場、またユース・プラザなどと合わせまして、オリンピック六競技の会場をこの一帯に集積することができます。したがいまして、この一帯がまたオリンピックの雰囲気を体感できる、新しいオリンピックのムーブメントにつながる空間を創出できるということで、東京大会をより魅力的な計画にすることができるという前向きな考えから、今回変更したものでございます。また、トライアスロンにつきましてお話がございましたが、先ほど申し上げましたとおり、浜離宮としておりましたけれども、お台場海浜公園につきまして、ビーチバレーが潮風公園に移りました関係から、お台場海浜公園につきましては毎年国内大会の実績があるということで、私どももここで十分にできるのではないかという観点から、トライアスロン会場につきましてはお台場海浜公園に変更した次第でございます。 # 松村委員 松村委員一つ一つ挙げていったら切りがないので、この程度にしたいと思うのですけれども、いかに今までの開催概要計画書が、我々が指摘していたようなずさんさがあったんだということが、改めてはっきりしてきたことだというふうに思います。先ほどの答弁でレガシー、レガシーといいました。IOCというか、そのレガシーは非常に大事です。しかし、今後つくる施設のレガシーでなくて、例えば一九六四年のあの東京オリンピックの駒沢競技場、今の例えば霞ヶ丘の国立競技場、これをやっぱり引き継いでいくというのは、これは大きな、オリンピックを再び東京で開催される、当時のレガシーを引き継いだということが大事だという点では、私、駒沢のあのぼろぼろというか、大変な状況、だれが見ても、水たまりがある、カラスが入ってふんがあるとか、手すりが大変だとかですね、これを改修するということなので、私、この面では、東京のスポーツ振興で今まで本当に手をつけなかった、ひどいと、ある日突然オリンピックと、こんなことではないでしょうという話もしてきて、少なくとも駒沢の競技場の改修は、そういう意味では進めていただきたいという立場なんですけれども、今度それを移しちゃうんですね。これ駒沢の今のこの現状、どうするんですか。あなた方には責任あると思いますけれども、(発言する者あり)そうです、ご答弁いただきたいと思います。 # 中嶋参事 中嶋参事今回、私どもは、オリンピックにふさわしい競技会場ということで選定をした次第でございます。その観点から、バレーボールにつきまして、当初予定していました駒沢オリンピック公園につきましては、選手村からの距離が約十一・三キロと、他の競技会場と比較して遠いという配置上の課題がございました。特にバレーボールという人気競技の会場が遠距離になるということの計画上の難点を懸念するという声もございました。また、海外の専門家などから、駒沢オリンピック公園は周辺道路が狭く、交通アクセスに課題があるという指摘も受けてございました。こうした観点から、今回、よりコンパクトな会場配置が可能であり、アクセスの容易な代々木公園内に会場を建設し、駒沢は競技会場として使用しないということにした次第でございます。 # 松村委員 松村委員駒沢の改修は超党派の要望ですからね、要望のようですから、これはこれで、使わなくなったから、そんな無責任な計画変更ではなく、しっかりと庁内での取り組みを進めていただきたいということを要望しておきます。そして、これらの競技施設の変更による整備費は、今回、先ほどの答弁でも三百三十一億円ふえて二千四百六億円としておりますが、このうち、それでは都の負担はどうなんですか。今まで知事を先頭に、東京都の負担は四百五十三億円だと、コンパクト化、コンパクト化と、こんな負担でできるんだということを盛んにいってきました。今回の見直しによって、四百五十三億円がどのぐらいに、減ることはないでしょうね、ふえるんですか。 # 中嶋参事 中嶋参事具体的な都の負担額につきましては、今後の国との協議において決定されます国の負担割合の状況によりまして異なりますので、現時点で明確に都負担が幾らかという数字をお答えすることはできません。 # 松村委員 松村委員国の負担割合が決まっていない。この備考にも、都立施設における国の負担割合は、今後国との協議により決定されると書いてありますけれども、閣議了解、ここではっきり国の考え方が示されているではありませんか。何かこれから国との負担割合の協議があるなどということは、過去の札幌も含めて、長野もありました、冬季夏季も含めて、ないんですよ。もう決まっているんですよ。例えば主要施設、これは国が半分と、あとは、今度主催者の主催都市の東京都と、ですから今度のこの計画、まだまだ私、これ膨れると思うんですけれども、恒久施設の合計が二千四百六億円でしょう、今回。で、オリンピックスタジアム、これが今まで国がやるといっていたのが東京都だったんで、しかもこれが避難経路も入ったので一千二百十四億円ですけれども、オリンピックの主要施設の本体にかかわる一千億円という数字を皆さん方が出しました。つまり、一千億円のうちの五百億円なのですよ。だから、合計、国が出すお金は二千四百六億円のうち五百億円、そうしたら一千九百六億円ですか、もう私はこの時点でこの数字がはっきりしているし、それをやはり都民に示さなければいけないというふうに思うのですよ。この点についてはどうでしょうか。 # 中嶋参事 中嶋参事九月に行いました閣議了解における方針では、主要施設の整備に要する経費に占める国の負担割合は二分の一以内とすることというふうに書いてございます。したがいまして、主要施設の範囲、あるいは国の負担割合が二分の一以内という表記でございますので、具体的にどれぐらいの割合になるのかというのは、まさにこれから、この閣議了解をいただいた後、国と協議をして決定していくものであるというふうに私どもは考えてございます。 # 松村委員 松村委員私も札幌に行って調査をして、過去冬季をやりました。そういう経験もありますし、今度夏季も準備いたしました。そういうときに主要施設というのは先ほども私、主要施設で三施設、メーンセンター、メディアセンター、選手村と、そこなんですよ。あとはやはり新規で建てたらそれは開催都市の負担となると。仮設とかそういう場合にはそれぞれの大会運営経費で賄えるという、そういう仕分けがあるということもはっきりしているんです。もう一度伺いますけれども、閣議了解ということを盛んにいいますけれども、一九六四年の東京オリンピックの閣議了解と今回の閣議了解、その違いについてどのように認識していますか。 # 梶原参事 梶原参事東京オリンピック、一九六四年、今回の状況、これは社会的な、社会経済状況、それから、取り巻く状況、さまざまな状況が全く異なっている。高度経済成長前のインフラ整備、例えば首都高をつくる、それから新幹線をつくる、あるいはホテルがない、そういうようなインフラ状況であった一九六四年の閣議了解の文面と、今回の閣議了解、これは、その時代の背景というものを考えないといけないというふうに考えております。私どもは、今回の閣議了解は内閣としての意思決定として、一九六四年と同様に、国が全面的にナショナルイベントとして協力を公式に表明したものでありまして、具体的な補助金額あるいはそういうものではなくて、考え方として、国が全面的な支援をするという意味では、閣議了解の意味は変わっていないというふうに考えております。 # 松村委員 松村委員オリンピック招致特別委員会でも、二つの閣議了解の文面を示してただしましたけれども、一九六四年のときの閣議了解には、でき得る限りの支援をするという、そういう文言が入っているんですよ。それで手厚い支援がなされました。札幌冬季までがそういうふうだったんです。ところが、今度の大阪のときの、正式に立候補をしましたよね、そのときの閣議了解、そして今度の東京に行われた閣議了解、全く文言は同じなんですよ。変わってきているんですよ。そこのところをきちんと見なければいけないし、事実、石原知事も、国は腰が引けているという認識を示しているじゃありませんか。ぜひ閣議了解を踏まえて試算すれば、現時点でも、先ほどいった四百五十三億円どころか、東京都の財政負担は約二千億円近いと。しかも、やはり水泳は仮設としていますが、ユース・プラザと同様、IOCの評価では恐らく新設扱いになる可能性が高いと私は判断しております。また、もろもろの競技施設、例えばテニスも屋内一つでは到底できないと、競技団体から私ども聞きました。少なくとも二つ何面ですか、今は二面ですか、それが六面か八面ぐらいのものがなければオリンピックのそういう水準に達していないと。事実、石原知事は、そんな屋根の一つや二つですか、つくってやるよと。あの選考委員会の前日に、石原知事から直接電話があったということも競技団体から聞いて、既にこういう話は他の場所でも私ただしましたけれども、ですから、あとどのぐらいそういう形で、競技施設だけでも財政負担がふえるか、本当にきちっとしなければ、私はやっぱり都民の評価ということは受け入れられないというふうに思います。ましてや、今回も競技施設にかかわる整備費や輸送手段の費用も、またさらにはオリンピックにかかわるインフラ整備費も、本当に今の質疑を通じてもどうなんだろうと、明らかになっていないということはやはり否めないというふうに思います。我が党は、皆さん方は盛んに、それはオリンピックとは関係ないというけれども、石原知事みずからがそのための三環状だということをいっております。また、スポーツ振興でも私、びっくりいたしましたけれども、スポーツ振興のそういう中にも、出された資料に、三環状が通れば、それによってスポーツ観客が少しでもふえて、スポーツへの観客が広がるんだと、そこまですべて結びつけている。ですから、やっぱりそういうインフラ整備を含めた費用、我が党はこれまで八兆五千億円、石原知事がオリンピックの名でいった、インフラ整備からいろいろ集めれば八兆五千億円ですよ。もちろんそのうち都のどれだけの財政負担になるかはこれからの問題でしょうけれども、民間資金っていったって、新銀行をごらんくださいよ。惨憺たる民間からの出資の状態ではありませんか。そういうことを考えてみた場合、いよいよ十一月中ですか、先ほどもあった世論調査を実施するということですけれども、だったら都民に、このオリンピックについて正確に知っていただいた上で私、都民の意見を聞くことは大事だと思うのですよ。しかし、今のようなままで、オリンピックは、いいですか、夢を与えるんですよ、賛成してくださいというやり方では絶対だめだと思います。先ほども世論調査については答弁がありましたけれども、再度こういう全体図を明らかにして、都民の評価をもらうべきではないでしょうか、この点についてはどうでしょうか。 # 岸上招致推進部長 岸上招致推進部長ただいまのお言葉で、その全体図というのがどの程度の範囲を指すのか必ずしも明らかではございませんけれども、今回の報道発表では、競技会場の配置、競技施設整備費の見込み、晴海オリンピックスタジアムの観客輸送など、オリンピック開催計画の基本となる部分について明らかにしたところでございます。これまで明らかにした内容もあわせますと、都民の皆さんがオリンピック招致について考えるための基本となる情報は、既にお示しをしているものと考えております。したがいまして、適切に世論調査を実施することは可能でございまして、都民、国民の支持をぜひいただくように、ますます私どもとしても努力してまいりたいというふうに考えております。 # 松村委員 松村委員世論調査前に恐らくオリンピック問題で議会、都議会で質疑するのがきょうだと思いますけれども、今私がやりとりした、こんな不十分ないろいろな問題点がある中で、あくまでもやっぱり世論調査を実施するのですか。するといっておりましたけれどもするということですね。我が党は先日石原知事に対し、知事が強引に進めているオリンピック東京招致に対し、改めて開催の断念を求めるとともに、都は少なくとも競技施設整備とオリンピックにかかわるインフラ整備投資と財政の計画を公表すること、地震対策や観客輸送の問題点、対策を示すこと、賛同署名の強制はやめ、世論調査は公正客観的の方法で行うことを申し入れました。速やかにこの点が実施されることを求め、質問を終わります。 # 後藤委員 後藤委員私からは、こちらの事業概要の二一ページの申請ファイルについてお尋ねをいたします。この申請ファイルの作成ですけれども、これには費用が幾らぐらいかかるのか、教えていただけますか。 # 梶原参事 梶原参事申請ファイルの作成に当たっての経費、今、具体的な金額は手持ちがございませんが、具体的には、英語、フランス語でそれぞれ二十五問の質問に対して、一ページずつ答えるという形になってございます。それに付表をつけて、ほぼ全体で七十ページの印刷物、これを最低八十部IOCに提出をするということでございます。したがいまして、それに伴います印刷、それから、フランス語、英語等の翻訳経費、あるいはその申請ファイルをつくる前段に必要な調査等の経費がかかるというふうにご理解いただきたいと思います。 # 後藤委員 後藤委員こちらの申請ファイルについてお伺いをするというふうにこの間からいっていましたので、金額ぐらいはわかっているのかなと思っていたのですけれども、こちらの概要の二一ページに書いてあります項目、例えば一番から八番までだと思うのですけれども、ここの申請ファイルはというのはIOCからの質問事項だと思うのです。この質問事項に答えるためには結構な専門知識が要ると思うんですけれども、この専門知識は皆様がお持ちなのか、聞かせてください。 # 梶原参事 梶原参事申請ファイルをつくるに当たりましては、今ご指摘があったように、あるいは先ほど回答いたしましたように、二十五問についての質問事項でございます、それぞれについて専門的な、IOCの求めるレギュレーションあるいはテクニカルマニュアル、それから、一方で、この質問状の回答、申請ファイルでございますが、申請ファイルについては、国内の法的制度あるいは国内の状況、それをまとめるということの作業が必要でございます。私どもは昨年、国内で概要計画書をつくり、それ以降一年間、さまざまなスタッフで、専門家からも意見を聞きながら、この申請ファイルの作成に取り組んでいるところでございます。 # 後藤委員 後藤委員部長が今、さまざまなスタッフというふうにいわれましたけれども、そうしたならば、海外のコンサルタントの方を三名お願いをしているというふうに聞いているんですけれども、この海外コンサルタントの三名の採用の基準と採用の方法、氏名と報酬、報酬が幾らなのか、できたら教えてください。 # 梶原参事 梶原参事まず、海外コンサルタントでございます。海外コンサルタントにつきましては、これまでの招致に成功してきた都市の招致活動におきまして、IOCやIFなどに精通した特定の人物、専門の団体というのが大きな役割を果たしてきているということから、この海外コンサルタントの契約を行っているということです。海外コンサルタントの契約につきましては、国際競技大会の運営実績があることから、多くのオリンピックに精通した海外コンサルタントを紹介できること、あるいは、契約不履行等国際契約に伴う訴訟になった場合のリスクを回避できること、あるいは、海外コンサルタントの業務実績に応じて、他の専門家を速やかに紹介することが可能なこと等の理由から、東京都は株式会社電通との間で海外コンサルを東京都に提供することについて契約を行っております。海外コンサルタントの選定に当たりましては、オリンピックの開催計画の作成や招致活動の実績、オリンピック競技大会の運営についての実績、東京の状況についての理解度、東京オリンピック招致への熱意等を基準といたしまして、各コンサルタントからのプレゼンテーション、条件提示などを経て、今お話がありました現段階では三名の方を選定をし、お願いをしてございます。コンサルタントにつきましては、氏名ということでございますが、デビット・チャーチス、ダイアン・バーンスタイン、サンディ・フォロウェイという三人の方につきまして、海外コンサルを現在お願いをしております。なお、その報酬につきましては、報酬契約の内容は電通と海外コンサルタントとの間で契約が行われているものでございまして、個人情報または法人の活動に関する可能性が極めて高いことから、お答えすることはできません。 # 後藤委員 後藤委員確かに報酬の案件は個人情報になると思いますけれども、この三人の海外コンサルタントの方に払っている報酬ですけれども、この報酬は個人に払われるのではなくて、電通にまとめて払っているような形になっているのですか。 # 梶原参事 梶原参事東京都は電通との間で、電通がコンサルタントを東京都に対して提供するという契約を結んでございます。したがいまして、電通は海外コンサルタント個人と契約を行っている、もしくは会社と契約を行っているという形態になっているというふうに思います。 # 後藤委員 後藤委員この三名の方ですけれども、国籍というのか、現在お住まいになっているところがどこだか教えてください。 # 梶原参事 梶原参事コンサルタントにつきましては、先ほどお話をいたしましたように、私ども複数の方を面接をし、複数の会社のヒアリングをし、私みずからも立ち会い、さまざまなプレゼンテーション、条件提示を経てお願いをしたところでございます。先ほど申しましたコンサルにつきましては、現段階ということでございまして、三人とも国籍はオーストラリアでございます。 # 後藤委員 後藤委員多少は私もオリンピックのことは勉強をしているんですけれども、例えばオリンピックで勝つためにはIOCの委員の方たちの投票ということになると思いますけれども、これは偏った見方かもわかりませんけれども、ヨーロッパの方たちが結構お強いというふうなことも聞いているんですが、例えば今回みたいに海外のコンサルタントの方をお願いするときに、たまたまなのかもしれないけれども、オーストラリアの方三名になったというのは、何かもったいないような気がするんです。この辺ですけれども、電通か何かの意向があったんですか。 # 梶原参事 梶原参事海外コンサルタントの方ですが、さまざまな分野の方がいらっしゃいます。例えば環境であるとか、セキュリティーであるとか、輸送であるとか、現在のこの三名の方というのは、全体的な競技会場の配置であるとか、それから、考え方、それから、全体を見られる方ということでお願いをしている段階でございます。したがって、あるいは逐次その海外の専門家については、その他の方にも具体的にお話を聞いておりまして、すべての方がオーストラリアであるということはございません。先生ご心配のように、電通からいわれて雇ったものではございません。 # 後藤委員 後藤委員確かに部長はそのようにお答えになられたかもしれませんけれども、例えば日本の国内においてオリンピックのことでわかるのは電通しかないというふうにいわれているということも多分皆さんご存じだと思いますけれども、今回のを見てますと、何かすべてが電通なんですよね。で、特に今回の場合、これまとめますけれども、海外のコンサルタントの方を例えば推薦というのですか、推薦をしたのも電通だというふうに聞いているんですけれども、何でも電通、何でも電通に頼んでやっていて、これが最後になりまして、私は長野のオリンピックのことの後始末というのですか、にもかかわったんですけれども、なるべく透明で、なるべくわかりやすく、ここのところは都民の方に説明しながらやっていかなければいけないというのに、例えば私がこうやって聞きましても、電通だ、電通に何でも頼んでいるからわからないというふうにいわれてしまいますと、これ自体、オリンピック自体が、何かやみの中で行われているような気がしてならないんです。できたら、この辺は要望ですけれども、なるべく開かれたオリンピック、なるべく開かれたオリンピックをやらなかったならば、今度世論調査とかやられるというふうにおっしゃっていますけれども、非公開というのか、オリンピックが閉ざされていては、多分賛同が得られないと思います。この辺はよく考えになって皆さんやられてください。お願いをします。 # 並木企画部長 並木企画部長先ほどのご質問の中に、ファイルの費用ということでありますけれども、十九年の予算では、申請ファイル、それから立候補ファイル作成、それから、それに関する経費、先ほどお話がありましたように、印刷とか翻訳、こういったもので合計しますと四億二千百万円の予算は計上してございます。 # 岸上招致推進部長 岸上招致推進部長先ほどのお話の中で、委託の会社の話ございましたけれども、先ほど梶原参事が答弁しましたように、あくまでその専門的なスペシャリティー、あるいは専門的な能力、経験、そういった観点で、人物本位で選定をしているということでございます。それから、先ほど会社についての実績は、国際的ないわゆる競争という中で、七つの都市の中での競争になっておりますので、国内の業者ということで、通常の何というんですか、いわゆる手続だけを重視するということだけで済まないという部分がございまして、つまり、最終的には国際的な競争の中で勝てるか勝てないかという、そういう極めて高度な専門能力、専門性、経験、そういったものをあわせて総合的に判断をして、こういう契約を進めております。 # 後藤委員 後藤委員こちらの方もああだこうだといっているのではなくて、とりあえず今は電通と契約しているわけですよ。ですけれども電通と契約をしていて、例えば今後ですけど、これからも招致活動はやっていかなければいけないと思いますけど、これからまた電通と、例えば立候補ファイルの作成ですとか、いろいろなことでかかわってきます。確かに私たちがかかわりました長野の調査委員会の資料は、私もかかわってますんで、多分皆さんよりは、少しですけれども、知っているところがあるのかもわかりませんけど、ここのところで注意をしないと、必ず終わってからですよ、必ず終わってから皆さんのところに降りかかってくるんですよ。例えば長野の場合でも、これはレポートで出てますけど、九千万円のお金がどこか消えちゃったというふうなレポートを書いたわけですけれども、これは膨大に調べました。確かに調べていきますと、必ず最後にいくのが職員の方たちから聞くことになるわけですよ。で、例えばオリンピックっていいますと、子どもたちから見ましても、やっぱりオリンピックってすばらしいですよ。すばらしいことをやった中で、後から何かいわれないようにというふうな意味でいっているんであって、できるだけわかりやすく皆様に公開するようにしていってくださいという、何というのですか、要望なのかお願いなのかわかりませんけれども、ひとつよろしくお願いしますということですので。 # 小磯委員 小磯委員オリンピックの招致においては、先ほども話がございましたが、環境先進都市と、その東京を世界に発信していくことが重要であると思います。近年のオリンピック、また、ワールドカップなどの大規模国際スポーツ大会を開催した都市では、環境負荷を低減する取り組みが行われております。私、昨年シドニーを訪問いたしまして、向こうの組織委員会の方々と意見交換をしてまいりましたが、彼らがいってたのは、一つはやはりレガシーということ、もう一つは、組織委員会が当初から環境保護団体と共同でオリンピックの開催準備を進めたからこそ、さまざまな環境対策を講じることができたと、そんなようなことをいっておりました。今回東京都は、「十年後の東京」で、世界でも最も環境負荷の少ない都市の実現、そういう政策展開の方向が示されたわけでございます。こうした取り組みを推進することによって、東京は確かに環境面で世界の大都市をリードする都市となると思われます。そして、全世界が注目するオリンピック競技大会のホストシティーとしても高い評価を得られると思うわけでございます。東京は、省エネ技術を初めとした環境技術の数々が世界最高水準にあり、特に、北京オリンピックを間近に控えた中国を初めとしたアジア地域へ東京都が持つ環境対策のノウハウを普及するなど、そうした貢献は、オリンピックの東京招致を実現する上でも大きな利点になると確信をしております。オリンピックの招致には、こうしたアジアへの貢献を通じて、東京の優位性を強く世界にアピールすることが大切であると考えます。そこで、東京オリンピックにおける環境面での取り組みとしてどのようなことを考えているのか、見解を伺います。 # 中嶋参事 中嶋参事東京の環境面での先進的な取り組みは、特に優位性の高い分野であると認識してございます。委員ご指摘のとおり、環境配慮型のオリンピックは、近年の大会での潮流でございまして、IOCも開催都市の環境対策を非常に重要視してございます。東京は、先ごろ都バスに導入いたしました第二世代バイオディーゼル燃料などすぐれた環境技術を有してございまして、こうした技術力を活用したアジアへの貢献も、オリンピック招致において重要であると考えてございます。東京が環境先進都市の強みを生かしまして、水と緑の回廊で包まれた都市の大会、会場や交通などから発生する環境負荷を徹底的に抑制したカーボンマイナスオリンピックを実現するため、今後、都民や事業者、また環境保護団体などとも適宜連携を図りながら、さまざまな方策を検討してまいりたいと考えてございます。 # 小磯委員 小磯委員ぜひとも、こうした都民また環境保護団体との連携を図りながら進めていっていただきたいというふうに思います。次に、多摩地域を活用したオリンピックムーブメントの盛り上げについて伺います。競技会場の配置計画は、極力コンパクトであることが重要と聞いております。このため今回、一九六四年の東京オリンピックの貴重なレガシーである駒沢オリンピック公園の会場を断念してまで、競技会場の配置のコンパクト化を図るなど、招致本部が涙ぐましい努力をされていることはよくわかります。しかし、そのコンパクト化の結果として、都内の多くの区市町村に競技会場が一つもないという状況になっております。率直に申し上げて、地元に競技会場が来ない自治体においては、機運が盛り上がりに欠けていることは否めません。特に多摩地域については競技会場が全くなく、オリンピックに対する人々の関心もいま一つといった状況であります。そこで、私から提案がありますが、多摩地域には公立私立ともにたくさんの体育施設が存在しているわけでございまして、こうした施設を、北京オリンピックなど、今後アジアで開催される国際大会に向けた、各国選手団の事前合宿などの会場として活用してもらってはいかがでございましょうか。北京オリンピックはいよいよ来年開催でありますが、ここに来て各国から中国の環境問題に関する懸念が表明されております。そうした中、体育施設が充実しているだけでなく、環境面また治安、利便性等あらゆる面において高いレベルにある日本が、各国から北京オリンピックの事前合宿の場として注目されていると聞いております。各国選手団がオリンピック直前に実施する事前合宿の会場として多摩の体育施設を活用すれば、多摩の人々がオリンピックをより身近に感じられるようになり、オリンピックに対する関心も高まり、支持率向上にもつながるのではないかと考えます。多摩地域の体育施設を、北京オリンピックの際の各国選手団の事前合宿の場所などとして活用してもらえるよう、積極的にPR誘致に取り組むべきと考えますが、所見を伺います。 # 重田参事 重田参事オリンピック参加選手、大会役員などの移動時の利便性の確保、またオリンピック開催中の交通渋滞の抑制など、都民生活への影響をできる限り軽減するため、競技場のコンパクト化を図った結果、やむを得ず競技会場がない区市町村があることにつきましては、ご理解をいただきたいというふうに考えております。しかしながら、そうした地域におきましても、オリンピック、パラリンピックをより身近に感じ、その開催が大きな意義を持つことをご理解いただくため、さまざまなイベントを通して、海外からの選手、観客との交流や文化プログラムの実施、並びにこれらの事業を通じました子どもや青少年の情操の育成などの事業を行っていきたいと考えております。そのため先月一日に、都と区市町村及び東京オリンピック招致委員会の部課長級の職員をメンバーとします都区市町村連絡協議会を設置したところでございます。理事ご指摘の北京オリンピックを初めとする国際大会の事前合宿など、オリンピック、パラリンピックへの具体的な参加方策につきまして、今後共同して検討していくことになります。その際、区市町村からも積極的なご提案をしていただきたいと考えております。 # 小磯委員 小磯委員区市町村から都に提案をしていけばいいということで、そのような取り組みをするように我々も働きかけていきたいなというふうに思っております。また、そういった事前合宿の招致には、恐らくいろんな費用もかかることでしょうから、そうした予算の応援もしていただきたいことを要望して、私の質問を終わります。 # 酒井委員長 酒井委員長ほかに発言がなければ、お諮りいたします。事務事業に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 酒井委員長 酒井委員長異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。以上で東京オリンピック招致本部関係を終わります。 # 酒井委員長 酒井委員長これより選挙管理委員会事務局関係に入ります。事務事業に対する質疑を行います。本件については既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。発言を願います。 # 鈴木委員 鈴木委員それでは、私から端的に伺いたいと思います。平成十七年に行われました東京都議会議員選挙の際の選挙運動用自動車の燃料代の公費負担についてお伺いをしたいと思います。この燃料代については、都の条例に基づき支払われておりますが、当時の公費負担について請求の誤りの申し出がされていると聞いております。候補者が条例の趣旨を理解することは当然でありますが、どうもこの公費負担制度はわかりにくいのではないかと感じている人が多いと思います。そこで、公費負担制度の仕組みがどうなっているのかを改めてお伺いをしたいと思います。 # 梶原選挙管理委員会事務局長 梶原選挙管理委員会事務局長公費負担制度の概要をご説明申し上げます。都議会議員選挙における公費負担の対象や手続につきましては条例で定められており、その対象は、選挙運動用自動車の借り上げ、運転手の雇用、燃料の購入に要する経費と選挙運動用ポスターの作成に要する経費でございます。このうち燃料代の主な請求手続についてでございますが、まず、候補者は燃料販売店との燃料供給契約を締結いたします。その上で、燃料代金が条例の限度額以内であることにつき選挙管理委員会の確認を受け、販売店に対し給油量を示した証明書を提出いたします。販売店は、この証明書や請求内訳を添えて公費負担額を請求いたします。この請求を受け、請求額が条例で定められた限度額内であることを確認の上、販売店に対して支払いをしております。なお、公費負担は供託金を没収される候補者は対象となりません。 # 鈴木委員 鈴木委員今ざっと聞いただけでありますが、確かにわかりづらい仕組みのような気がします。選挙運動自動車の燃料代を公費で負担する制度は、どのような経緯で取り入れられたのか、改めて伺います。 # 梶原選挙管理委員会事務局長 梶原選挙管理委員会事務局長国政選挙におきましては既に制度化されておりましたが、平成四年の公職選挙法改正によりまして、地方公共団体の選挙についても、条例で定めることにより公費負担を行うことが可能となりました。これに伴い、東京都においては、平成五年に都議会議員選挙及び都知事選挙に公費負担を導入する条例が制定されております。その請求手続は、国政選挙の仕組みに準ずることとされており、都においても同様となってございます。 # 鈴木委員 鈴木委員今回、燃料代の公費負担に関して請求に誤りがあったとして都選管に申し出をされているということでありますが、現在のところ、どのような状況にあるのか、伺います。 # 梶原選挙管理委員会事務局長 梶原選挙管理委員会事務局長十一月七日現在の申し出件数は四十四件、申し出金額の総額は約二百六十万円でございます。 # 鈴木委員 鈴木委員返還した人の多くが請求に誤りがあったということのようでありますが、この制度は、やはりわかりにくいことが誤りの原因の一つであるようにも感じています。これまで都選管は、候補者に対してこの仕組みについてどのように説明をしてこられたのかをお伺いをいたします。 # 梶原選挙管理委員会事務局長 梶原選挙管理委員会事務局長候補者に対しましては、立候補届け出の前に個別に各種の手続について説明を行っておりますが、その中で、公費負担についても具体的に記載例を示して説明をしてきたところでございます。 # 鈴木委員 鈴木委員これまで候補者に対して説明をしてきたということでございますが、それでも今回のようなことが生じている。選管として、このような誤りがないようにする手だてはないのか何か方策を考えているのか、伺います。 # 梶原選挙管理委員会事務局長 梶原選挙管理委員会事務局長まず、制度や手続について候補者の十分な理解が重要と考えております。このために、よりわかりやすい候補者への説明や、また一連の請求手続についても、販売店の理解も含めまして、何らかの工夫ができるのではないかと考えております。 # 鈴木委員 鈴木委員この問題については、まだ流動的な点もあると考えられます。選管としては、早急にその工夫を具体化することはできないという点も考えられると思いますが、現時点で考えられることとしてはどのようなものがあるのかをお伺いをしたいと思います。例えば、選挙運動用自動車以外の自動車への給油分も間違って請求したという事例が報道されていることから、請求関係の各種書類に車両ナンバーを記載させる方法も有効と考えられますが、いかがでありますか。 # 梶原選挙管理委員会事務局長 梶原選挙管理委員会事務局長工夫の例についてでございますが、まず、候補者への説明に使用しております手引を、よりわかりやすくしていきたいと考えております。また、候補者及び販売店からの請求手続におきまして、請求対象が選挙運動用自動車に限られるということを意識できるよう検討していきたいと思っております。なお、お話のあった車両ナンバーの記載については有効な方策と考えられます。今後の工夫の中で具体的に考えてまいります。 # 鈴木委員 鈴木委員今、答弁の中で、幾つか工夫ができるという話がありました。結果として、手続自体が必要以上に煩雑になるのも考え物であるとも思います。国の制度に準ずることによって、制限もあり、難しい面もあると思いますが、今後、都として、できる部分については区市との連絡調整を図りつつ積極的に取り組んでほしいということを要望して、終わります。 # 後藤委員 後藤委員私からも、選挙運動費用の公費負担についてお尋ねをします。聞こうと思っていたことを鈴木副委員長の方でいろいろと聞いていただいたので、ここで、鈴木副委員長が聞いたことに対して事務局長がお答えになったので二つばかりわからないことがあるので聞きたいんですけれども、例えば公費負担ですけれども、ガソリン代の請求の手続について、もう一回だけいっていただけますか。 # 梶原選挙管理委員会事務局長 梶原選挙管理委員会事務局長少々長くなりますが、繰り返しでよろしいのでしょうか。(「簡単に」と呼ぶ者あり)途中省略なかなかできないものですので……(「ガソリン代だけで結構です」と呼ぶ者あり)燃料代の主な請求手続ですが、まず、候補者が燃料販売店との燃料供給契約を締結いたします。その上で、燃料代金が条例の限度額以内であることにつき選挙管理委員会の確認を受け、販売店に対し給油量を示した証明書を提出いたします。販売店は、この証明書や請求内訳を添えて公費負担額を請求いたします。この請求を受け、請求額が条例で定められた限度額内であることを確認の上、販売店に対して支払いをしております。なお、公費負担は供託金を没収される候補者は対象となりません。 # 後藤委員 後藤委員一つおかしいと思うのは、契約者いますね。例えば候補者なんですけれども、候補者がガソリンスタンドと契約をするのは単価ですよね。単価であって、条例の限度額で契約するというふうにおっしゃいましたけれども、限度額はこの金額ですよ、わかっていますねということだったらわかりますけれども、例えばガソリンも給油もしていないのに、ガソリンスタンドと契約者が契約をする限度額の契約ですね。契約書という場合には、例えば単価があって、入れた金額があって、請求金額ですよね、一般的に考えますと。ここでおっしゃっている契約というのは何の契約になるのか、そこだけちょっとはっきり先に詰めておきます。 # 梶原選挙管理委員会事務局長 梶原選挙管理委員会事務局長私は、燃料販売店と候補者との燃料供給契約を締結すると申し上げましたが、その内容が何であるかは申し上げてありません。その上で燃料代金がという、次の確認の手続について申し上げたところでございます。 # 後藤委員 後藤委員これと、契約書ですけれども、ガソリンスタンドとの契約書の中に、たしか車両のナンバーというのは書く項目があったと思うんですけど、いかがですか。 # 梶原選挙管理委員会事務局長 梶原選挙管理委員会事務局長ただいま申し上げました燃料供給契約書の中には、車両の、自動車の登録番号を書く欄がございます。 # 後藤委員 後藤委員書く欄があるということは、これは改善策でも何でもなくて、たまに、私も調べましたけれども、書かれていない方は何名かいました。書かれていない方は何名かいましたけれども、契約書に、例えば登録番号ですよね、車の番号を書いているんですから、これはもう局長がおっしゃっていた改善策というよりも、普通にやっていていただければみんなわかること。例えばわかりにくいとおっしゃいましたけれども、例えば手続がわかりにくいというふうにいいましたけれども、かかった費用ですよ。かかった費用を請求して、これは選挙の費用ですから、選挙カーの費用であって、別の車なんていうことは、考えること自体がまずはおかしいと思います。ここで聞きますけれども、例えば書類が出てきます。候補者の方から書類がいろいろ出てきたときの選管のチェックの方法をまずお伺いしたいんですけれども、どういう観点から出てきた文書をチェックしているのか、教えてください。 # 梶原選挙管理委員会事務局長 梶原選挙管理委員会事務局長ただいまのお尋ねの前に、ご意見のようなお話ではございましたが、二点お話がございました。まず、一点目、自動車の登録番号の問題でございますが、これは契約書には登録番号の記載がございますが、その後一連の書類の中に登録番号を記載する欄がないわけです。一連の書類、その書類の中に登録番号を取り入れることも一つの工夫ではないかというご提案をいただいたと承知しております。もう一つ、わかりにくいというご指摘は、これは副委員長がいろいろな世の中のことも考えていただいていることで、私どもも、実際にこの仕組み自体は、候補者が請求するのではなくて、ガソリンスタンドがかわってと申しましょうか、ガソリンスタンドの方から直接的な請求がある。候補者とガソリンスタンド、販売店との関係で整理されている部分があるところが、なかなかわかりにくいのではないかというふうに承知しております。 # 酒井委員長 酒井委員長あと後段の……。 # 梶原選挙管理委員会事務局長 梶原選挙管理委員会事務局長失礼しました。ご質問の点ですが、公費負担条例に基づく選挙運動自動車の燃料代、その請求手続につきましては、先ほど副委員長にご説明申し上げたとおりでございまして、条例の定めに従って所定の事務手続の過程において、実際に請求される金額が条例の限度額内であることを確認しつつ事務を行っております。 # 後藤委員 後藤委員例えば最終的な金額だけ合っていればいいということですか。経過ですけれども、例えば毎日何リットル入れたとかいうのも選管から見ればですね、毎日何リットル入れたのかも報告させているわけですよね。毎日何リットル入れたのかも書かせている以上は、ここのところは全くチェックをしないで、ただ最後の請求金額だけわかれば出していたということになるんですか。 # 梶原選挙管理委員会事務局長 梶原選挙管理委員会事務局長もちろん、いただいた書類はすべて見ております。ただ、今申し上げましたとおり、条例の定める枠組みの中で、所定の手続の中で、実際に請求される金額が条例の限度内であるということを確認するポイントが何点かございます。そのポイントにおいて確認をしております。 # 後藤委員 後藤委員局長が今ポイントが何点かあるといったのの、その何点ちょっと教えていただけますか。 # 梶原選挙管理委員会事務局長 梶原選挙管理委員会事務局長大変細かいお話になって恐縮でございますけれども、まず、候補者からの確認というのがございます。ここにおいて、その確認の額が条例の限度額内であるということを確認いたします。また、販売店から請求があったときに、その請求額について条例の限度額内であるということを確認いたします。 # 後藤委員 後藤委員ならば、局長は二、三点といわれたのが、結局は限度ということの一点だけに絞られるということになりますけど、仮にそうなりますと、局長の方、結局選管の方から出している書類で、ただ毎日何リットル入れているなんて関係ないんです。請求額が限度よりも下回っていれば、選管としては、これで選管の仕事は終わりだよというふうなことなのか。過程がありますよね。必ずチェックというのは、ただ数字だけが合っているんではなくて、例えばおかしなところがあるなというふうなことを職員の方が見つけたらば、これは何なんだろうというふうに、少なくとも疑問に思うと思うんですけれども、今回の件では、今回の件というのは十七年の七月の都議選ですけれども、このとき出てきた資料というのは膨大なものだったと思います。確かに私もとりまして、このぐらいの資料を私も持っていますけれども、一つ一つそれ見ました。普通に見ていても、何かこれ変だなと思うのが結構あったんですけれども、例えば皆様は今まで選挙いっぱいやっていますよね。選挙をやっているから選管なんですけれども、この選管の方たちが見ていて、何かおかしいなと思うものが一個もなかったのか、そこだけはっきりお答えください。 # 梶原選挙管理委員会事務局長 梶原選挙管理委員会事務局長直接的な個々の欄につきまして、逐一の判断は行っておりません。 # 後藤委員 後藤委員今、私が聞いたのは、判断どうのこうのではなくて、少しでもおかしいと思ったのはなかったですかというふうに聞いているんです。 # 梶原選挙管理委員会事務局長 梶原選挙管理委員会事務局長抽象的なお尋ねでございますが、承知しておりません。 # 後藤委員 後藤委員例えば毎日同じ給油量ですとか、普通の車のガソリンタンクというのは、これはやはり限度があると思います。このガソリンタンクの限度よりも大幅に超えているような量がある。こういうのは、多分皆さんの中にも車を運転なさる方はたくさんいらっしゃると思いますけれども、このぐらいのことも皆さんおわかりにならないんですか。 # 酒井委員長 酒井委員長速記をとめてください。〔速記中止〕 # 酒井委員長 酒井委員長速記を始めてください。 # 梶原選挙管理委員会事務局長 梶原選挙管理委員会事務局長先ほども申し上げましたが、逐一直接的な判断はしておりません。 # 後藤委員 後藤委員多少観点を変えて聞きたいんですけれども、この公費の負担ですけれども、経過というんですか、局長も先ほど、国が定めたものをこちらの方に引っ張ってきているというふうなことをおっしゃっていましたけど、国の方で、例えば何年に一番最初は幾らぐらいの公費負担から始まって、経緯があると思うんですけれども、経緯をちょっと教えていただけますか。 # 梶原選挙管理委員会事務局長 梶原選挙管理委員会事務局長この制度は、昭和五十年に国で制定されております。燃料代で申しますと、当初五千円でございます。その後、一、二、三、四回の改定を経ておりますが、逐次ご説明を申し上げますと、昭和五十五年六千円、昭和五十八年七千円、平成元年七千二百十円、平成十年七千三百五十円でございます。 # 後藤委員 後藤委員局長が今、五千円、六千円、七千円、七千二百十円、七千三百五十円となっているというふうにいわれましたけれども、昭和五十八年の七千円から七千二百十円、七千二百十円から七千三百五十円に上がったというのは、これですけれども、消費税の関係で上がったと思うんですけれども、それでよろしいですか。 # 梶原選挙管理委員会事務局長 梶原選挙管理委員会事務局長平成元年の七千二百十円は消費税三%の導入、平成十年七千三百五十円は消費税五%の導入でございます。 # 後藤委員 後藤委員そうなりますと、昭和五十八年からもとの金額は全然変わっていないということになるんですが、現在は平成十九年ですから、結構長い間ですね、見直しも行われなくて今まで来たわけです。例えば選管というのは、確かに国から引っ張ってきているのはわかりますけれども、各自治体には選管という機能がありまして、選挙管理委員の方たちが、ここのところは独自に決めることはできないんでしょうか。 # 梶原選挙管理委員会事務局長 梶原選挙管理委員会事務局長先ほど来ご説明申し上げましたとおり、これは燃料代の限度額でございますので、限度額自体を、例えば物価騰貴ですとか、市場価格ですとか、細々と逐一計算しながら変えるのは余り適切ではないというふうに考えております。 # 後藤委員 後藤委員毎年変えてくれなんて僕いっているんじゃないんですけれども、例えば二十何年来ほうっておくのは、これはやはり不作為というんですかね、結局、二十何年前といいますと、車も違うし、環境全然違いますよ。ここで私がいいたいのは、確かに国ですとかほかの自治体が七千三百五十円というふうには決まっていますけれども、ここいらで大幅に変える、変えるに当たっては、立証ということ、例えば説明責任も負うことになりますけれども、選管の方でどこかに委託をして、例えば都内でどのぐらいガソリン使うのか、このぐらいのことはおやりになられてもいいんじゃないでしょうか、いかがですか。 # 梶原選挙管理委員会事務局長 梶原選挙管理委員会事務局長選挙運動自動車の実態というのは、大変千差万別だろうと思いますし、市場価格についてもさまざまなものがあろうと思います。こういったものを、膨大な調査をしてあえてここで変えなければならないと、国自身の制度もこの間変わってございませんし、そのようには私どもは考えません。そもそも公費負担制度は、候補者の立候補機会の均衡を図るという観点から、その趣旨に沿って、候補者が行う選挙運動費用の一部についてその請求により公費負担するというそのものでありまして、その限度額を定めているわけでございます。 # 後藤委員 後藤委員局長の方から、候補者間の機会均等を保障するためというふうにいわれるんだとしたらば、例えば社会保障ではないですけれども、最低限のことを候補者の方たちに保障するというんだったらわかりますよ。だって、二倍も三倍もかかるようなものの可能性があるような、普通で考えたら、最高限度額というのをここのところで例えば決めておくのはおかしいんじゃないんでしょうか。ですから、候補者間の機会均等を保障するためというのは、例えばお金がなくても、政治に関心があって、選挙をやりたい、立候補をしたいというふうな方たち用に、例えばガソリンですとか車ですとか運転手だとか、いろいろ考えられてやられているのはよくわかりますけど、ここのところの本来の意味からしてみたら、例えば限度額がすごい高くなっているというのはおかしいと思いませんか。 # 梶原選挙管理委員会事務局長 梶原選挙管理委員会事務局長幾度か申し上げておりますが、選挙運動費用の一部についてその請求によって公費負担を行う限度額でございますので、その限度額について逐一変えるという必要はないと考えております。また、社会保障というご意見がございましたけれども、これは申しわけございませんが、見解がいろいろある中の一つではなかろうかと思っております。 # 後藤委員 後藤委員そうしましたら、ポスターのことだけ聞きたいんですけれども、例えばポスターの支払いの流れをちょっと教えていただけますか。 # 梶原選挙管理委員会事務局長 梶原選挙管理委員会事務局長先ほどの選挙運動用自動車の燃料代の請求手続と仕組みも手順もほぼ同様でございます。少々長くなり恐縮でございますが、順を追ってご説明申し上げます。ポスター作成費の主な請求手続につきましては、まず、候補者は作成業者とのポスター作成契約を締結いたします。その上で、ポスター作成枚数が条例の限度枚数以内であることにつき選挙管理委員会の確認を受け、作成業者に対し、作成枚数及び作成金額を示した証明書を提出いたします。作成業者は、この証明書や請求内訳を添えて公費負担額を請求いたします。この請求を受け、作成枚数及び作成単価が条例で定められた限度内であることを確認の上、作成業者に対して支払いをしております。なお、公費負担は供託金を没収される候補者は対象となりません。 # 後藤委員 後藤委員ここのポスターでは、二点だけ確認をしたいんです。私も議員という立場があるので、何回かは、やったことあるんですけれども、例えばポスターをつくるときに、印刷代ですとか写真代ですとか、どこまで入れていいのかなというふうに皆さん思われると思うんですけれども、このポスターの作成代というのはどこまで含まれているのか、明確にまずお答えを願いたいのと、枚数ですけれども、公営掲示板というんですか、掲示板の数の二倍までだったら印刷していいですよというふうになっていると思うんですけれども、この二倍という根拠だけちょっと教えておいていただけると助かるんですが。 # 梶原選挙管理委員会事務局長 梶原選挙管理委員会事務局長ポスターの作成単価でございますが、これは印刷費や企画費などポスター作成に係る経費ということでございます。それから、掲示場についてでございますが、これは公職選挙法施行令に規定された国政選挙における算出方法に準じておりまして、掲示したポスターが破損した場合なども含めまして、張りかえの枚数を想定して、公費負担の範囲としたものでございます。 # 後藤委員 後藤委員ここで私がちょっと問題にしたいというのは、二倍という、例えば公営掲示板の二倍の数までは印刷していいということになっている理由が、例えば棄損というんですか、破けてしまった、なくなってしまったというふうなことだと思うんですけれども、これも私の方で聞きましたらば、国の方で決めた昭和五十年から、この二倍というふうな数は変わっていないというふうに聞いているんです。確かに昔々は紙に印刷をしてまして、紙ですから風が吹いたらば破けてしまうとかというふうな話はいろいろありましたけれども、局長もご存じだと思いますけど、このごろのポスターの紙というのはなかなか破れない紙をお使いになったり、えらい進歩しているわけですよ。ここで、もし、紙が破けてしまったとかいうふうな理由で、例えば二倍というのを、昔から決まっていたから現在も二倍というふうになっているということになりますと、選管というのは、お役所ですよね。だったら、お役所の仕事というのも見直しながらやっていかなければいけない。確かに局長がいったように、これはあくまでも限度額ですよと。これはあくまでも限度額、限度額というふうにいわれてますけれども、先ほど局長もおっしゃいましたけど、四十人ぐらいの方が、これは間違ったのか何かわかりませんけれども、返してきているというふうな事実があるということになりますと、結局私がいいたいのは、見直すというのを、本当の意味で大幅に見直さなければならないというのを、ここで認めたらどうですかっていうことなんですよ。多分、変えられるとは思います。変えなかったらおかしいです、こんなの。お役人の方はいつもそうなんですけれども、こういうふうな場で聞きますと、もう決まり切ったことだけいうわけですけれども、もっとそこのところで積極的に、ここに書いてある事務事業ですけれども、変えていく、改善する点があったらば毎年変えたっていいじゃないですか。このぐらいのことはおやりになられないんでしょうか。 # 梶原選挙管理委員会事務局長 梶原選挙管理委員会事務局長選挙運動費用は、候補者の方々がそれぞれさまざまな工夫を凝らして自己の主張を訴え、アピールしているものだと思います。その工夫の中に、私どもが、どのようなものがあって、またそれが積算したときにどういうふうにするのかという膨大な作業をしてまで逐一変えなければいけないのかという点については、私は疑問に思っております。お尋ねのポスター掲示場ですが、先ほどポスターが棄損した場合などを含むと申し上げまして、最近の状況では、長い選挙運動期間中にポスターのデザインを変える方もいらっしゃいます。そういったものを特段否定しておりません。そういったものも含めまして、限度額の範囲内で請求していただくという仕組みになっております。 # 後藤委員 後藤委員だったらば最後にお尋ねしますけれども、確かに張りかえて、例えば二種類のポスターだとかおつくりになる方もいるでしょう。私も二種類はつくったことがあります。ただしですね、ここでいいたいのは、候補者の機会均等を保障するためというふうに明確にうたっているわけですよ。明確にうたってるんだとしたらば、で、このお金がだれかが例えば寄附をしたお金だったらばいいですけれども、これは税金なんですよ。税金ということは、このことをむだ遣いとはいいませんけれども、例えば公金ですよ、公金だとしたらば、どこまでを公金で払っていいのかということをいつも考えていかなければいけないのに、で、片や選管は、こちらの事務事業の一一ページのところに、選挙の啓発ということで、児童だとか生徒の方たちに選挙を啓発していこう、ここで選挙を何で啓発するかといったらば、民主主義のもとですよね、選挙というのは。だったらば、民主主義のもとをやっていらっしゃる方たちがですよ、こんなにがちんがちんの、昔からやっていたものをそのまま今でも続けてこられて、こういうふうに変えたらどうでしょうかねというふうにいっているのに、お役人がこういうふうにいわれてしまいますとで、例えば局長がおっしゃったみたいに、これは限度額だったら限度額でわかります。限度額でわかるんだとしたらば、これは職員の方たちにもおかしいと疑問に思っていたという告発が僕のところに何本も届いてます。おかしいと思っていて、選挙関係者にもお話はしたけれども、取り合ってもらえなかったというふうな告発も来ているんですよ。で、これを最後にしますけれども、このぐらいのことはだれでもわかることですから、こういうふうなことがありましたらば、職員の方たちがおかしいと思ったらば、局長だったら、吸い上げて検討する、条例までは変えられないのかもしれませんけれども、ちょっとそこで工夫をしようよということを何でしないのかと思って、一言でいえば寂しいんですけれども、このことについて、できたらば最後に何かお考えがあったらばお話していただければなと思います。 # 梶原選挙管理委員会事務局長 梶原選挙管理委員会事務局長重ねてになりますが、条例の定める枠組みの中で、所定の一連の手続について私ども必要な事務処理を行ってございます。この条例の仕組みの枠に沿った形での仕事でございますので、おのずからそれの中で仕事をしているわけでございますが、先ほどガソリン代、燃料代のところで申し上げましたとおり、誤りが多いということであるならば、早速検討いたしまして、さまざまな工夫をしてみたいと、先ほどご答弁申し上げたところでございます。 # 酒井委員長 酒井委員長よろしいですか。ほかに発言がなければ、お諮りいたします。事務事業に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 酒井委員長 酒井委員長異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。以上で選挙管理委員会事務局関係を終わります。これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。午後四時五十八分散会
2024-03-31T11:23:06.298302Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/226227?Template=document&Id=4325#one
--- title: 平成19年総務委員会 名簿・議事日程 # 平成十九年十一月八日(木曜日)第一委員会室出席委員十二名委員長酒井大史君副委員長鈴木隆道君副委員長花輪ともふみ君理事小磯善彦君理事松村友昭君理事林田武君後藤雄一君山口文江君遠藤守君倉林辰雄君吉野利明君大沢昇君欠席委員二名出席説明員知事本局局長大原正行君儀典長多賀敏行君次長河島均君理事政策部長事務取扱前田信弘君企画調整部長川澄俊文君秘書部長長谷川均君企画調整担当部長小林清君特命担当部長鈴木賢二君調整担当部長角南国隆君参事中村信一君国政広域連携・首都調査担当部長吉田長生君自治制度改革推進担当部長中村靖君参事中村長年君東京オリンピック招致本部本部長荒川満君技監福島七郎君企画部長並木一夫君参事重田敏光君招致推進部長岸上隆君参事梶原洋君参事中嶋正宏君参事藤井寛行君選挙管理委員会事務局局長梶原康二君人事委員会事務局局長矢口幸一君任用公平部長川村栄一君試験室長長谷川登君参事堀江正敏君本日の会議に付した事件知事本局関係事務事業について(質疑)人事委員会事務局関係報告事項(質疑)・平成十九年「職員の給与に関する報告と勧告」について事務事業について(質疑)東京オリンピック招致本部関係事務事業について(質疑)選挙管理委員会事務局関係事務事業について(質疑)
2024-03-31T11:23:07.029821Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/226227?Template=document&Id=4324#one
--- title: 平成19年総務委員会 本文 # 午後一時二分開議 # 酒井委員長 酒井委員長ただいまから総務委員会を開会いたします。本日は、お手元配布の会議日程のとおり、監査事務局、青少年・治安対策本部及び総務局関係の事務事業に対する質疑を行います。これより監査事務局関係に入ります。事務事業に対する質疑を行います。本件については既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。発言を願います。〔「なし」と呼ぶ者あり〕 # 酒井委員長 酒井委員長発言がなければ、お諮りをいたします。事務事業に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 酒井委員長 酒井委員長異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。以上で監査事務局関係を終わります。 # 酒井委員長 酒井委員長これより青少年・治安対策本部関係に入ります。事務事業に対する質疑を行います。本件については既に説明を聴取しております。その際要求いたしました資料は、お手元に配布をしております。資料について理事者の説明を求めます。 # 百合総合対策部長 百合総合対策部長十月十八日の当委員会におきまして要求のございました資料につきましてご説明をさせていただきます。恐れ入りますが、お手元にお配りしてございます総務委員会要求資料の一ページをごらんいただきたいと存じます。1、心の東京革命推進会議開催状況及び議題でございます。平成十二年四月二十六日開催の第一回会議から直近までの開催状況及び議題を記載してございます。二ページをごらんいただきたいと存じます。2、心の東京革命推進会議委員名簿でございます。現在委嘱しております委員の氏名、団体名、役職等を記載してございます。以上、簡単でございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどをお願い申し上げます。 # 酒井委員長 酒井委員長説明は終わりました。ただいまの資料を含めまして、本件に対する質疑を行います。発言を願います。 # 鈴木委員 鈴木委員それでは、私から、二点に関してお伺いをしていきたいと思います。第一点目でありますが、不法滞在または不法就労の件に関して、簡明に聞いていきますので、お答えの方も簡明にお願いしたいと思います。都は平成十五年十月、法務省入国管理局、東京入国管理局、警視庁とともに、首都東京における不法滞在外国人対策の強化に関する共同宣言を発表いたしました。不法滞在者の半減に向けてさまざまな取り組みを行っていると聞いております。東京における来日外国人による犯罪は、平成十七年度以降二年連続で減少しており、これは各関係機関の努力の結果、また成果であると考えています。そこでお伺いをいたしますが、全国における不法滞在者の現状について伺います。 # 八木沼治安対策担当部長 八木沼治安対策担当部長不法滞在者の現状についてでございますけれども、法務省入国管理局の発表によりますと、本年一月現在、全国の不法滞在者は、推計で約二十万であります。共同宣言を発表した平成十五年に比べますと約五万人減少しております。また、昨年退去強制手続をとった外国人は約五万六千人であり、その大部分は不法就労者であるといわれております。摘発検挙された不法滞在者は、以前多く見られた集団居住のケースがほとんどなくなり、また地方へ拡散していることなどが主な特徴となっております。 # 鈴木委員 鈴木委員今答弁をいただいたように、状況としては数字上もそうであろうと思います。不法滞在者の大部分は不法就労であるという答弁があったわけですが、その実態について、できれば詳しくお伺いしたいと思います。 # 八木沼治安対策担当部長 八木沼治安対策担当部長不法滞在者の実態についてですが、昨年退去強制手続をとった外国人のうち、八割強に当たる約四万六千人が不法就労者であります。このことから、国内にいる不法滞在外国人の多くが不法就労していることを裏づけていると考えられます。その主な業種としては、食品、製造及び建設業等で全体の約七六%を占めております。また、国籍別で多いのは、中国、フィリピン、韓国の順となっております。 # 鈴木委員 鈴木委員まあ実態はそういうことでありましょう。そして、今いったようなそういう現状を踏まえて、都の取り組みについて改めて伺いたいと思います。 # 八木沼治安対策担当部長 八木沼治安対策担当部長都の取り組みについてですが、都では、十八年度から、事業者に対しまして、食品、製造、建設業等を中心に、外国人の不法就労を防止するための啓発講習を実施しております。平成十八年から本年十月末までの累計で、講習回数は百七十五回、約三万二千事業者に対しまして講習を行ってまいりました。今年度は、外国人を雇用する際のポイントをわかりやすく解説したビデオやマニュアルを作成しまして講習で活用するなど、内容の充実を図っているところでございます。このほか、留学生、就学生の違法活動を防止するために、専修学校などの教育機関に対する啓発かつ指導にも取り組んでおります。都といたしましては、今後とも、入国管理局や警察など関係機関との連携を密にしながら、不法滞在者の減少に向けた取り組みを充実強化してまいりたいと考えております。 # 鈴木委員 鈴木委員今答弁があったように、都が取り組みについて非常に努力しているということ、また対応に対しても、非常に私はいいというふうに思います。しかし、私も、実は先日、うちの会社の関係の、知人の会社で、実際に働いていた数人の外国人の方が不法就労の疑いで警察に検挙されました。その外国人のことの話を聞きますと、非常にまじめで礼儀正しくて、それで、非常に親孝行というか、自分が来ている国に対しての考え方とか、そういうのも非常にしっかりしていてまじめであるということをお聞きしました。そういうまじめに働いている人でも不法就労をせざるを得ないような状況が片一方にあるということも、もう一度我々は問題意識を持たなければいけない点があると思います。ですから、犯罪目的で入国する者には、これは厳しく対処しなければいけないと思うのですね。しかし、日本で働きたいという外国人が適正に働けるような環境というものも大変重要であるということを改めて意見として申し上げておきますので、ひとつご理解をいただければありがたいというふうに思います。次に、二点目の中学生の職場体験についての質問に移ります。近年、急速な社会の変化とそれに伴う価値観の多様化等から、若者を中心として働くことに対する意識が希薄になり、社会的な問題になっているというふうに感じます。こうした背景の中で、若者が自分の将来に夢や希望を抱き、その実現を目指す意欲を高め、社会性や望ましい勤労観、職業観を身につけていくことは、極めて重要であるというふうに考えます。その意味では、中学生が地域の商店、事業所等で実際に仕事を体験する職場体験は、とても意味のある活動であるととらえていくべきであると思います。東京都では、平成十七年度より、わくわくウイーク東京として、中学生の職場体験を推進し、成果を上げていると聞いております。そこで一点目に伺いますが、この三年間、東京都は中学生の職場体験を推進してきましたが、どのように成果が上がっているのか、事業実績についてお伺いをしたいと思います。 # 小島青少年対策担当部長 小島青少年対策担当部長中学生の職場体験の事業実績についてでございますけれども、東京都では、平成十七年度より、中学生の職場体験を推進するわくわくウイーク東京を実施し、ことしで三年目を迎えております。事業の初年度であります平成十七年度は、都内公立中学校六百四十六校の四七%に当たる三百四校の中学校で、わくわくウイーク東京として中学生の職場体験を実施し、全生徒数七万二千人の六〇%に当たります約四万人の生徒が参加いたしました。平成十八年度につきましては、都内公立中学校の七九%に当たる五百六校の中学校で職場体験を実施いたしまして、全生徒数の八六%に当たる約六万二千人の生徒が参加いたしまして、実施校、参加生徒数とも前年度を大幅に上回り、事業の拡充が図られたところでございます。平成十九年度、今年度につきましては、年度当初の予定数でございますけれども、都内公立中学校の八五%に当たります五百四十一校の中学校で、全生徒数の九三%に当たる六万八千人の生徒がわくわくウイーク東京として中学生の職場体験を予定しておりまして、一層の充実が図られるものでございます。 # 鈴木委員 鈴木委員三年間で職場体験の実施校、また参加生徒数とも増加をし、事業の拡充が図られたことはよくわかりました。私は、職場体験を通して、社会経験の浅い中学生が商店や企業等で身をもって仕事の大変さを感じることがこの事業の目的であると考えています。そういう意味においては、当事者である中学生やその保護者が、職場体験を通して何を感じたかが非常に重要であると思います。中学生の職場体験を行った子どもやその保護者は、この体験を実際にどのように受け取っているのか、都の見解を伺います。 # 小島青少年対策担当部長 小島青少年対策担当部長子どもやその保護者が、どのようにこの事業を受け取ったかということでございますけれども、都では、職場体験事業の効果を総合的に評価するとともに、今後の事業のあり方の参考にするために、職場体験を行った中学生やその保護者を対象にしたアンケート調査を実施しております。このアンケート結果によりますと、学校の授業で味わえない仕事の厳しさや楽しさを体験できたかと、こういう問いに対しまして、生徒の九八%、保護者の九四%が、できたと回答いたしまして、生徒、保護者から職場体験を肯定的に受けとめられていると考えております。生徒の感想には、親が働いているのは当たり前と思っていたけれども、実際に働いてみるとすごく大変だったといった感想も多く、また保護者からは、任されたことをきちんと責任を持ってやり遂げる大切さを実感したようですという感想などが上げられ、職場体験を通して、生徒が、働くことの厳しさを感じるとともに、家族のために働いている保護者への感謝の気持を感じることができたと考えております。 # 鈴木委員 鈴木委員今、答弁にありましたけれども、親が働いているのは当たり前と思っていたと。実際に働いてみたらすごく大変だった。でまた、親の方は親の方で、責任を持ってやり遂げることの大切さを感じたと。やっぱり、こういうことが親子の間で会話になったり、実際に家庭の中でそういうことが話されるということが非常に大事で、そういうところでお互いに親子が改めてお互いを認め合えるというか、そういうものが生まれてきて、さっき答弁の一番最後にいわれましたけれども、感謝の気持ちが生まれてくると。生かしてもらっている、または自分が生きているということに対して感謝ができるような、そういう環境になっていくということは、日本人の風習からいっても、または世相観からいっても、非常に大事なことだと思うのですね。また、そういうような職場体験を行うことによって、中学生は大人が一生懸命仕事に取り組んでいる姿を目の当たりにし、また、中学生自身も長時間同じ作業をするなど、仕事をする大変さや大切さを感じるとともに、働くという意味を理解して将来の進路を選択し、また決定する態度や意欲を身につけていくものと思います。こういう経験を通して中学生は精神的に恐らく大きく成長してくれるものと考えます。職場体験後、中学生は学校や家庭でどのように具体的に変化が見られたのかを改めて伺います。 # 小島青少年対策担当部長 小島青少年対策担当部長中学生が具体的にどのように変わったかという点でございますけれども、職場体験後、家庭や学校から寄せられた報告等によりますと、人に対して優しく接するようになった、あるいは他者を思いやる気持ちや態度が育った、身なり、言葉遣い、時間の厳守など基本的な社会のルールやマナーが身についたなどの好ましい変化に、保護者が、あるいは教員が気がついたということでございます。職場体験で生徒が日常の家庭や学校から離れ、働く大人の中でみずから仕事を体験するということで、人とのかかわり方や仕事の厳しさを学び、社会の一員としての自覚が芽生え、社会的に大きく成長したものと考えております。 # 鈴木委員 鈴木委員今、答弁の中で、人に対して優しく接するようになったとか、相手のことを思いやる気持ち、態度が育ったとか、言葉遣い、時間の厳守の基本的な社会のルール、マナーが身についた、これは本当に今、現実にそういうことであればすばらしいことですよね。ただ、そのことが実際、今度その子どもが地域に帰ったり家庭に帰ったりしたときに、本当にそういうことを実践、またリーダーとして実践できるような、そういうような環境があるのか。また、それを整えていかなければならないというような問題は実は僕はあると思っていますが、ただ、私の地元である目黒区でも、中学生が、ダイエーというスーパーがあるわけですが、その大型店舗で働いたり、または老人ホームなどの介護関係の事業所で熱心に職場体験を行っています。中学校では受け入れてくれる職場の確保が非常に難しいというふうに聞いていますが、そういう点で伺いたいと思います。すべての中学校で職場体験を実施するには、中学生を受け入れる企業や商店街の協力が不可欠であるというふうに考えます。受け入れ事業所を確保するための取り組みについて、厳しい点はあると思いますが、伺いたいと思います。 # 小島青少年対策担当部長 小島青少年対策担当部長中学生を受け入れる事業所を確保するための取り組みについてでございますけれども、本事業を実施するに当たりましては、中学生を受け入れていただいている企業や商店等の方々に、この中学生の職場体験について十分ご理解いただくことが欠かせないというふうに認識しております。都では、これまで受け入れの具体事例などが掲載されました職場体験報告書、これを作成いたしまして事業所へ配布するなどいたしまして、企業や商店等の方々に職場体験の受け入れに対する理解をいただけるよう努め、受け入れ先の拡大を図ってまいりました。また、中学校におきましては、職場体験する生徒へ心構え等について事前指導を徹底したり、学校と受け入れ先との連絡体制を充実したりいたしまして、職場体験の円滑な実施に取り組んでいます。今後とも、地域において子どもを育てていく、こういう機運を醸成するとともに、職場体験受け入れに対しまして一層の協力を求めていくために、産業団体や地域、学校等の関係者で構成されております職場体験推進協議会を活用いたしまして、中学生の職場体験事業の一層の推進に努めてまいります。 # 鈴木委員 鈴木委員最後に一言いわせていただきたいと思っていますが、職場での体験を通したことに関しては、この事業を一層推進していくことには大賛成でありますが、その職場体験の中でも、特に高齢者や障害者などの介護にかかわる福祉関係の仕事を経験した生徒というのは、人の役に立つ喜び、またはそういう大切さを非常に強く感じると思うのですね。また、思いやりの気持ちが育つとも考えられます。こうした福祉関係の職場で奉仕体験活動をすることは、これからの社会を考える上で極めて重要であると思います。中学生の段階で、ぜひ高齢者や障害者の介護にかかわれるような奉仕体験活動が充実されることを願い、私は質問を終えたいと思います。 # 花輪委員 花輪委員私の方からは、交通安全対策について伺います。先週なんですけれども、私が子どものころから世話になった方が、バイクにはねられて亡くなりました。二週間ぐらい意識不明で、最後は亡くなってしまったのですが、そういう事故とか、この前も、四、五日前ですか、首都高で観光バス二台と多くの乗用車が関係するような事故があって、何十人という方がけがをして、バスガイドさんが足首を切断するなんて、そういう事故のニュースを聞くたびに、本当にそのニュースから目をそらしたくなるような思いをしばしば感じるわけです。そんなことから、ちょっときょうは交通安全について伺いたいと思いますが、都は、都内の交通安全を推進していくために、東京都交通安全対策会議による五カ年計画第八次交通安全計画を平成十八年に策定をされました。この計画の中で、二十二年までに都内の交通事故死亡者を二百五十人以下とするということを目標にされているようです。まず、この五年間の交通事故の発生の件数及び死者の数がどのように推移しているか、ご答弁をお願いします。 # 八木沼治安対策担当部長 八木沼治安対策担当部長過去五年の交通事故発生件数及び死者数についてでございますけれども、五年前の平成十四年の交通事故発生件数は八万八千五百十二件で、死者数は三百七十六人でございました。その後、年々減少を続けまして、昨年の平成十八年の交通事故発生件数は七万四千二百八十七件で、死者数は二百六十三人となっております。 # 花輪委員 花輪委員今のご答弁の中で、都内の交通事故の死者数は二百六十三人であったということです。平成二十二年の目標にされている二百五十人には及ばなかったようですが、相当減少をされていて、そして戦後最少だったというようなお話も聞いております。都の皆さん、また警視庁、また関係団体とか区市町村、そういう方々の努力のたまものなのかなとも感じているところですが、それでは、ことし、交通事故の発生状況についてはどうなっているか、これまでの状況を教えていただければと思います。 # 八木沼治安対策担当部長 八木沼治安対策担当部長本年の交通事故の発生状況についてですが、十月末現在の交通事故発生件数は五万六千六百七十件でございまして、前年と比較しますと四千七百四十二件の減少となっております。また、交通事故による死者数は二百十八人であり、前年よりも十六人の増となっております。 # 花輪委員 花輪委員事故の数そのものは減っているようですが、死者数が残念ながら増加をしてしまっているということであります。なかなか思うように事も進まないとは思うのですが、いま一歩のご努力をぜひお願いしたいと思います。そういう中で、特に死亡事故を起こすような、重大な事故につながりやすい飲酒運転について少しお話をお伺いしたいと思いますが、去年八月ですか、福岡で大変悲惨な事故がありました。橋の上で追突事故が起きて、お子さんが乗った車が海の中に落っこってしまって、三人のお子さんが亡くなったという、そんな事故もありました。その後、法律の改正なんかもありまして、それまでは酒酔い運転は懲役三年で罰金が五十万だったものが、懲役五年、罰金が百万円に引き上げられたり、また、酒を飲んでいる人に、ちょっと家まで送ってくれよみたいなことで同乗しちゃうと、同乗罪なんていうのもできたようです。そういうことで、だんだん法律そのものは厳しくなっているようでございます。その中で、先ほどは事故そのものの数をお伺いいたしましたが、飲酒運転の状況については、特にことしになってからどのような状況になっているか、ご答弁をお願いします。 # 八木沼治安対策担当部長 八木沼治安対策担当部長本年一月から九月末までの間に発生しました飲酒運転による交通人身事故の発生件数は三百二十四件であり、死者数は十六人でございます。前年同期と比較いたしますと、発生件数はマイナス四百五十六件で、五八%の減少となっております。また、死者数はマイナス七人で、三〇%の減少となっております。 # 花輪委員 花輪委員飲酒の方は、飲酒による事故の数、また死亡者の数は減っているということでございます。今までもそのようなんですが、去年は福岡のああいう事件があったということで、一人一人の意識も変わったということで、こういうふうに人数が減ったのかもしれません。たしか東名高速で、インターのあたりでトラックが飲酒をして乗用車に追突をして、そのときも若いお子さんの命が多く失われました。ああいう事件があると厳罰化をされて、その影響も、また社会的な状況もあって、事故や死亡者数が減ってくる。しかし、それが少しのど元を過ぎるとまたちょっとふえてくる。またこの前の福岡のような事件があると減るというような、この繰り返しなわけです。ですから、こういうところを何とか、一度下がったものを再び上げないような、そういう努力が必要なのかなというふうに思います。中に、飲酒で摘発をされたり、事故を起こす人の中には、アルコール依存症で再発をしやすい人もいるというような話を聞きますし、政府の方もそういう調査に入った、検討に入ったというような話も聞いたりしております。ぜひこういういろいろな調査も必要でしょうし、それと同時に厳罰化、で、一番もっともっと大事なのは、一人一人の意識改革じゃないかと思うんですね。最近、ファミレスなんかに行っても、車を運転する方にはお酒は販売しませんよとか、どこか飲み屋さんに入っても、きょうは車じゃないわよねと確認されたり、新年会とか会合に行っても、お酒をつがれるときに、きょうは車じゃないですねと確認をされながらお酒をつがれるような、そういう状況も出てきました。そうやって、社会全体で飲酒運転はだめなんだというようなことを徹底していくことが一番大事なのかなというふうに思います。これから十二月に向けて忘年会のシーズンになってきます。こういうときに、ぜひ皆さんも力を入れて、飲酒運転防止対策というものをしていただきたいと思いますが、お考えがあればお答えください。 # 八木沼治安対策担当部長 八木沼治安対策担当部長飲酒運転の根絶を図っていくためには、先生が今おっしゃったように、一人一人の意識改革はもとより、社会全体が飲酒運転をさせない、許さないという環境をしっかりとつくっていくことが極めて重要であると考えております。これまで警視庁と連携して進めてきた、飲酒運転をさせない東京キャンペーンでは、飲食店を初めとする数多くの企業や団体、業界等が参加いたしまして、積極的な取り組みを行ってきたところでございます。具体的には、啓発ステッカーを店内に提示したり、飲酒した客が運転することのないように、飲食店や駐車場の従業員が一声をかけるなどの取り組みや、ホームページを活用した飲酒運転とアルコール依存症に関する普及啓発など、さまざまな対策を講じてきております。また、本年十二月には、年末の飲酒機会をとらえたキャンペーンを一カ月間予定しておりますが、今後も継続して、職場や地域、家庭などで飲酒運転をさせない環境づくりを強力に進めてまいる所存でございます。 # 花輪委員 花輪委員今、年末の十二月に、飲酒運転をしないというキャンペーンを一カ月されるというご答弁がありました。冒頭にお話をしましたけれども、事故が起きて、それまでずっと隣にいた人が、ある日突然いなくなる。普通の病気と違って、事故というのは、愛する家族とか友人とかが急にいなくなるという、大変悲しい事件です。私もお葬式に行って、遺族の方の顔を見ることもできないような状況でした。そういう不幸な、悲惨な事故をなくすためにも、ぜひともこういうキャンペーンをしっかりとこれからも展開していっていただきたいと思いますが、最後に、この飲酒運転の根絶対策を初めとした交通安全対策について、本部長のご意見、決意をお伺いできればと思います。 # 久我青少年・治安対策本部長 久我青少年・治安対策本部長先ほど担当部長がお答えいたしましたとおり、昨年、交通事故死者数は二百六十三人で、戦後最少となっておりますが、本年は十月末までに既に二百十八人の方が亡くなり、昨年よりも十六人増加しております。特に六十五歳以上の高齢者が八十六人で二十五人も増加して、全死者数の約四割を占めております。また、飲酒運転による交通事故も、昨年より減少したとはいえ、予断を許さない状況が続いております。第八次東京都交通安全計画では、平成二十二年までに年間の交通事故死者数を二百五十人以下とすることを目標としておりますが、究極の目標は、交通事故のない社会を実現することであります。都といたしましては、今後とも警視庁など関係機関、団体や交通事業者等と緊密に連携協力し、地域、職域を初め、社会全体で飲酒運転を根絶する環境づくりや、高齢者交通安全対策を強力に推進するなど、交通事故のない、安全で安心して暮らせる社会の実現に全力で取り組んでまいります。 # 小磯委員 小磯委員私の方からは、青少年の健全育成並びに交通対策についてお伺いをしたいと思います。昨年の六月、第二回定例会の代表質問で、ゲームについてご質問をさせていただきました。ゲームは今や青少年だけでなく、幼児から大人まで家庭生活の中に深く浸透していると。ある調査によりますと、約七八%の家庭がゲーム機を所有して、また一方、昨今多発している凶悪犯罪の遠因の一つにテレビゲームやインターネットゲームがあって、それに没入する余り、現実とバーチャルな世界の混同が起きているのではないか、そのように指摘をされているわけでございます。そういう中で、このゲームの問題点などを情報提供していくべきであると、そんな質問をさせていただきました。そういう中で、青少年育成協会の方で、「作ってみようファミリeルール」という小冊子をつくられました。これで、要するにテレビゲームだとかインターネット、または携帯電話についての、いわゆる家庭のルールづくり、その家庭のルールづくりをやるための参考ということをつくられたわけでございます。このファミリeルールを作成されましたが、どのように活用しているのか、まずお伺いをしたいと思います。 # 小島青少年対策担当部長 小島青少年対策担当部長ファミリeルールの活用状況でございますけれども、冊子「ファミリeルール」をこれまでに六千部作成いたしまして、都内の公立、私立小学校へ、約千四百校でございますけれども、配布したところでございます。また、これを用いまして保護者の指導に当たるファシリテーターを、これまでに百二名養成いたしまして、このファシリテーターが指導し、少人数形式で行いますグループワークファミリeルール講座を、平成十八年度は二回、これは十九年の三月から始めたものでございますので、二回ということでございます。参加者が四十八名。平成十九年度につきましては、十月末で十二回開催しておりまして、参加者は六百十名となっております。 # 小磯委員 小磯委員このファミリeルールにつきましては、私も内容を見させていただいて、例えば、子どもをネット社会の脅威から守る七つの方法ということで、一つには迷惑メールを拒否する方法とか、ゲームの年齢制限をする方法とか、パソコンをウィルスから守る方法とか、いろんな、本当に我々が見ても大変役に立つような情報が入っております。そういった意味では、これをどんどん活用して、子どもたちの健全育成を図っていくべきだと思うんですが、今ご答弁にありました参加者の数がやや低調と思われるわけでございますが、今後の事業の取り組みについてお伺いをしたいと思います。 # 小島青少年対策担当部長 小島青少年対策担当部長今後の事業の取り組みについてでございますけれども、携帯電話やインターネットをめぐりさまざまな事件が発生しております昨今の状況から、ファミリeルール講座の必要性がさらに高くなっておりまして、都民の期待も高まっているというふうに認識しております。受講者のアンケート結果等を参考にいたしまして、ニーズにより合ったものとするために、現在、有識者によるプロジェクトチームにおきまして、冊子の内容の改定等について検討しております。また、ファミリeルールの一層の普及啓発のために、冊子のホームページの作成でありますとか、教育庁や東京都小学校PTA協議会を通じました学校への周知、これらにつきまして強力に推進するとともに、特に講座を進めるファシリテーターの専門知識の向上や増員を図ることで参加者の増加に努めてまいりたい、取り組んでまいりたいというふうに考えております。 # 小磯委員 小磯委員ぜひ、この拡大についてよろしくお願いをしたいと思います。また、昨年の六月に、テレビゲームによる影響について実態調査を行うことについて所見を伺うと、そういう質問をしたわけでございますが、青少年・治安対策本部長からは、鋭意検討するという、そういう答弁がございました。その後の取り組みについてお伺いをしたいと思います。 # 小島青少年対策担当部長 小島青少年対策担当部長テレビゲームによる影響についての調査についてでございますけれども、まず、テレビゲームに関しましては、既に実施されている調査研究等について調べました。そうしましたところ、文部科学省や社団法人日本PTA全国協議会など、国や民間におきましてさまざまな調査研究がなされておりました。その中で、例えば小学生へのアンケートや学校、地域へのインタビューを通じまして、テレビゲーム接触時間の長い子ほど生命感覚が希薄で自尊感情が低く、また、テレビゲーム接触時間をコントロールした学校の子どもには、生活リズム、自尊感情、学習態度その他に向上が見られる傾向があるとの結果が出ているものもございました。子どもがメディアとよりよくつき合うためには、さまざまな場や分野における総合的な取り組みが大事であるとの提言がなされているところでございます。こうしたことから、既に得られているこれらの知見を活用いたしまして、テレビゲームの利用時間の制限について、親子が効果的にルールづくりができるよう、今後、ファミリeルール講座内容の充実改善に反映させてまいります。 # 小磯委員 小磯委員恐らくこういうファミリeルールのような小冊子をつくって家庭のルールづくりというのは、東京都が本当に先駆的にやっている事業だと思います。この前の、昨年の質問でも知事が、テレビゲームによるいろいろな影響ということについても述べておられます。こらえ性がなくなったりとか、また、のめり込み過ぎて、自分が生きている現実とゲームの世界の境目がつかなくなったりして、非常に危険な行動をとったり、そういう発想に陥ってしまう可能性があると。そういったことをきちっと、やっぱり子どもに余り見させないとか、そういったことをやるのも私たち大人の責任であると。こういうふうに知事も答えられておりますので、どうかそういった調査研究をしっかりと検討していただいて、今後のファミリeルール講座内容の充実に反映させていただきたいというふうに思います。続きまして、交通対策の中で、とりわけ自転車対策についてお伺いをしたいと思います。自転車は、都内には約八百四十万台もの自転車が保有されており、都民生活にはなくてはならない交通手段となっております。しかし、その自転車利用の裏返しともいえるさまざまな問題がクローズアップされております。その中でも大きな問題は、交通ルール遵守の欠如、マナーの低下であります。歩道上の暴走、無灯火運転、携帯電話の使用など、危険きわまりないと思います。交通事故の多発が懸念をされております。東京都は、このような自転車利用の状況を踏まえて、平成十九年一月に自転車の安全利用推進総合プランを作成されたと思いますが、当該プランの位置づけ及びその施策について、ご説明をいただきたいと思います。 # 八木沼治安対策担当部長 八木沼治安対策担当部長先生お話のように、自転車利用が普及する中で、自転車の交通ルール遵守の徹底、マナーの向上は大きな課題となっております。このため、平成十九年一月に、学識経験者、都民、関係部署等から成る検討会を設置いたしまして、自転車の安全利用推進総合プランを作成いたしました。本プランでは、交通安全確保の最重視等を基本といたしまして、交通ルールの遵守、マナーの向上や自転車の安全性の向上など四つの視点から、幼児のヘルメット着用の啓発や、自転車点検整備制度の普及促進など、四十七項目の具体的な対策を提案しております。また、本プランの位置づけについてでございますけれども、都の関係局や区市町村などが自転車に関する施策を立案計画する際のガイドラインとして策定したところでございます。 # 小磯委員 小磯委員確かにおっしゃるように、ここに書いてある、この自転車の安全利用推進総合プラン、大変いろいろな、さまざまな提言がされております。やっぱり、これを提言からどう実行に移して効果ある対策をやっていくかということが一番大事だと思います。都民が自転車を安全に、安心して利用していくためには、当該プランに示されているように、さまざまな施策を都区市町村などさまざまな機関、団体が連携協力して実施していく必要があります。しかし、歩道上の暴走行為など、自転車に関する交通ルールが守られていないのが現実であります。自転車を安全に、安心して利用していくために、子どもの自転車の歩道通行を可能にする改正道路交通法の施行も間近に迫っていることも踏まえ、小学生はもとより、中高生も含めた、ルールの遵守とマナーの向上を図るための自転車の交通安全教育が喫緊の問題であると考えております。東京都は、ルールの遵守、マナーの向上を図るための自転車の交通安全教育のためにどのような施策を実施し、また、どう進めていく考えなのか、見解を伺いたいと思います。 # 八木沼治安対策担当部長 八木沼治安対策担当部長自転車の交通安全教育についてでございますが、自転車の交通ルールの遵守、マナーの向上のためには、大変重要であると考えております。現在、区市町村等では、自転車教室の開催や自転車運転免許証の発行などを実施しておるところでございます。都は、交通安全教育の充実を図るために、区市町村の担当者を対象といたしまして、交通安全実務講習会を開催し、支援しているところでございます。また、中学校、高等学校における自転車の安全教育の充実が図られるよう、教育庁とも連携いたしまして、自転車交通安全教育マニュアルの作成、配布を予定しておるところでございます。今後とも、プラン等で定めた自転車のルール遵守の徹底、マナーの向上の視点や、改正道路交通法も踏まえまして、自転車の安全教育の充実に努めてまいる所存でございます。 # 小磯委員 小磯委員今ご答弁にありましたように、中学校、高校生にこの自転車交通安全教育マニュアルを作成、配布と、これは大変大事だと思います。私なども、自動車を運転していまして、本当にすぐ前を自転車が通ったり、バックをしているのに、それがわかっているだろうに、すぐ自転車が通ったりとかする、そのたびに交通安全教育、どうなっているんだろうという思いがするわけでございまして、自転車運転免許証は大体小学生とか、そういう方が対象が多いのですけれども、ぜひ中学、高等学校、未来のある青年にしっかりと交通安全の教育をしていただいて、事故のないような形をしていただきたい、こういうことを申し上げまして、質問を終わらせてもらいます。 # 松村委員 松村委員青少年・治安対策本部の事務事業概要を見ますと、分掌事務は、青少年の健全な育成、治安及び交通安全にかかわる総合的な施策の推進に関する事務とありますし、この設置目的のところにも、青少年健全、それから治安、交通安全、これを一体的、総合的に推進するというふうに書かれておりますけれども、この一体的、総合的に推進するというこの本部の役割なんですけれども、これをどのようにとらえたらいいのかを、ちょっと改めてというか、伺いたいと思うのです。 # 百合総合対策部長 百合総合対策部長一体的、総合的にという文言のご説明ということでございますけれども、私ども、事務事業概要にございますように、青少年対策、それから治安対策、交通安全対策と、これらの対策はいずれも一定の一つの局、縦割りの局の中だけではなくて、それぞれの関係部局と連携をして進めていく政策が多いと。これまでるるご質問の中にもございましたけれども、青少年問題につきましても、教育庁、それから区市町村等との連携また福祉局との連携もございますし、また治安問題につきましても、警視庁、それから関係部局との連携もございます。こういった意味で、さまざまな部局と一体となって総合的に対策を講じた方がより効果的なものについて、正面から見据えて対策を講じていくという意味で、一体的、総合的な対策を講じていくという意味合いで組織を設置したところでございます。 # 松村委員 松村委員青少年健全育成にしても、それから治安にしても、交通安全も非常にそれぞれ重要な部門ですけれども、それが一つの本部として構成されていて、予算があり、その執行があるという中での、今、ほかの事業もみんなかかわるからですね、例えば後で総務局で伺うのですけれども、防災だったら防災に関連する計画や方針を明らかにして、それが事業になれば、都市整備局だとか建設局とか、それぞれやっぱり一体的、総合的にやらなければ事業は進まないと。そういう意味では、そういう点の一体的、総合的なんですけれども、一つの部としての一体的、総合的と、この三つを所管しているこの意味合いがなかなか理解できない。たまたま一緒になったというのか、つくった経緯を決算委員会でも我が党の委員から聞きましたし、この設置目的のところにもある程度の成り立ちがわかりますけれども、一つの本部として一体的、総合的に進めるという意味合いからいくと、私などのとらえ方は、青少年健全育成というのは非常に幅広い、重要な役割がありますけれども、本部の取り組みとしてとなると、やはり治安、そういう中でのっていうか、一体的なという意味では、逆に青少年の健全育成というか、対策が、何か枠の中というか、というようなとらえ方というか、範囲になりはしないかという、そういう心配があるんです。で、事実、この決算を見ても、青少年対策、治安対策、交通安全対策費があります。これも既に決算委員会で我が党の委員から指摘しているので繰り返しませんけれども、いただいた資料、決算書を見ると、例えば十八年度、二〇〇六年度の決算では、青少年対策費は一億四千三百余ですよね。治安対策費は九億二千三百余、交通安全対策費が八億二千三百四十八余、その前年、さらには前年度に比べても、やっぱり青少年対策予算というものは、決算で見ると減っていると。逆に治安対策は、その前の平成十五年度の決算では一千四百万円余が、十八年度の決算では九億二千三百と。交通安全はほぼ横ばいですけれども、そういう本部全体のこの予算の配置、使われた決算を見ると、やはり治安対策、重要ですから、そういう方向にいくのかなという思いなんですけれども、青少年対策をこの中の一つに入れて、そこの枠にとどめてはやはりならないというふうに思うのです。果たしてそれでいいのかという思いが強くするので、こういった指摘をさせていただいているのですけれども、そこで、青少年健全育成の基本的な考え方について、本部の認識といいますか、考えを伺いたいと思います。 # 小島青少年対策担当部長 小島青少年対策担当部長青少年健全育成の基本的な考え方についてでございますけれども、青少年健全育成とは、次代の社会を担うべき青少年が、社会の一員として心身ともに健やかに成長することができるよう、環境を整備することと考えております。このために、東京都といたしましては、健全育成条例の的確な運用、あるいは青少年育成団体、家庭、学校、地域等との有機的な連携による地域における子どもの健全育成活動の支援、また引きこもり、ニートであるとか、自立性、社会性に問題を抱える若年者の支援、こういった新しい社会情勢に応じた課題への対応、こういったものについて、青少年問題全体を総合的にとらえる立場から取り組んでおるところでございます。 # 松村委員 松村委員私もそのためには、やはり、都としての青少年行政、重視して取り組んでいただきたいと思いますし、とりわけ発達途上のそういう青少年が、健全な大人というか、主権者としての成長を図る、そういう上では、やはり青少年の自主的な活動に参加する機会が持てるようにすることや、また青少年の居場所づくりと申しますか、そういう場所の提供などを行っていく。さらには、今、複雑な社会の中でのいろいろな青年の意識が変化しておりますから、そういう青少年の意識調査をかつては、やっていたんですよね、大学などに依頼して。そういう専門機関とも継続的な研究調査をやり、その時代、その時々の社会に的確にマッチするような対策を素早く打ち出すとか、そういう役割は、私は本当に期待したいというふうに思うのです、本部にも。もちろん、皆さん方、本当にご苦労されているというか、一つの部として、私、どこに共通があるかといえば、安全とか安心とか、青少年がそういう犯罪に巻き込まれてはならないという、そういうところでの共通点はあっても、それぞれが独立した、特に私は青少年の健全育成という事業分野は、非常に各区、それとも教育庁だとか、いろんな関連して一体的、総合的なそういう進め方が大事だと思うのです。この予算も、いろいろ聞いてみますと、青少年対策費というのは、例えばかつて、手元にいただいた決算の資料では、平成十年度は四億五千三百万あったんですね。それが、先ほどいいました平成十八年度決算では一億四千三百万。この減った理由は、青少年センターがなくなったということですけれども、そういう先ほどいった居場所もなくなって、それを管理していた、生活文化局がやっていたその事業がなくなって、予算もがくっと落ちて、そしてその分野の青少年育成事業というのがこちらの本部の方に、先に出発していた治安、当時の名称はあれですか、治安本部の方にこれが入ってきたというような経過から見ると、私は、やっぱり石原都政になっての青少年対策事業というのが、いろいろな評価はあるでしょうけれども、どちらかというと管理する立場、または規範意識を育てるとか、いってみれば青少年というのは、本当に、ちょっと言葉は適切ではないかもしれませんけれども、ほうっておけば何かすぐそういう犯罪に巻き込まれるとか、何かそういうふうになってしまうんだと、だから、それをきちっとしなければいけないという、そんな知事の発言を聞くと、本来、私などが、私たちが求めたいそういう青少年、本当に健全育成を目指すという東京都全体の重要な取り組みが、そういう枠の中にとどまってきてしまうんではないか、そういう思いがしたもので、ちょっと基本的な点について伺わせていただきました。最後に、そういう点では私、青少年問題協議会が、条例上も位置づけられている非常に重要な役割を果たすと思うんですけれども、この青少年問題協議会の最近の開催状況、またここでの検討事項についてお伺いしたいと思います。 # 小島青少年対策担当部長 小島青少年対策担当部長青少年問題協議会の開催状況についてでございますけれども、現在、心身の成熟ギャップから、成人年齢である二十を超えても社会にうまく適応できない、また社会において自立できない、精神的に大人になり切れない若者が多数存在しておりまして、こうした非社会的な行動に対して、社会的課題として対応すべき状況が生じてきているというふうに認識されているところでございます。そこで、平成十八年十一月に青少年問題協議会に対しまして、若者を社会性を持った大人に育てるための方策について、これを諮問いたしまして、平成十九年一月からこの十一月までの間、六回にわたりまして、専門部会において、委員並びに外部の専門家から意見を聴取しているところでございます。内容的には、さまざまな若者の抱える状況等につきまして、専門的な立場からご意見を伺っているところでございます。 # 松村委員 松村委員そういう青少協などの議論を通じたりしながら、この平成十九年度には新たに、ひきこもりやニートの電話相談も開始したということも事務事業に載っておりますし、また、今諮問していることも非常に大事で、ぜひその答申を期待して、そして、それが出されましたら、さらにもっと質疑をさせていただく機会をまた持ちたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。以上で終わります。 # 山口委員 山口委員初めに、青少年・治安対策本部が実施しています青少年育成総合対策と他局との施策の違いについて伺いたいと思います。先ほど少し方針なども答弁の中にもあったかと思いますが、行政を初め、家庭、学校、地域社会などが協働連携して、青少年の自立性と社会性を育成するための条件整備をしていくことを基本に青少年育成総合対策が推進され、平成十六年八月に青少年育成総合対策推進本部を設置されています。翌年八月には青少年・治安対策本部が設置されて二年が経過していますが、福祉、教育、警察などと異なる、いわゆるこの青少年育成総合対策というものの大きな特徴とは何なのか、まず伺いたいと思います。 # 小島青少年対策担当部長 小島青少年対策担当部長青少年・治安対策本部の事業の特徴ということでございますけれども、青少年・治安対策本部におきましては、青少年施策につきましては、大きく分けて一応三つの柱がございます。東京都青少年の健全な育成に関する条例の運用による健全育成を阻害する環境の改善、次に、青少年育成団体等と連携して行います地域における子どもの健全育成活動の支援、次に、ひきこもり、ニート、少年院出院者など、自立に困難を抱える若年者への支援など、新たな行政課題への対応、こういった事業を実施しているところでございます。いずれの事業とも、福祉、教育、警察などが行う事業と密接な関連を有するものでございますけれども、本部ではこれら他部門と緊密に連携をいたしながら、青少年問題について、総合的な視野をもって正面から取り組む、こういった点に特徴がございます。また、取り組みに当たりましては、青少年問題協議会の運営等を通じまして、青少年をめぐる諸問題について幅広く調査、企画立案、調整を行いまして、時代の要請に応じた総合的な対策の展開を図っているところでございます。 # 山口委員 山口委員次に、青少年問題協議会の答申を受けて、今年度、非行少年の立ち直り支援策を開始したということですが、その課題と取り組み状況について伺います。 # 小島青少年対策担当部長 小島青少年対策担当部長非行少年の立ち直り支援策についてでございますけれども、平成十七年十一月、東京都青少年問題協議会に対しまして、少年院等を出た子どもたちの立ち直りを地域で支援するための方策について諮問いたしました。翌十八年十月、答申を得たところでございます。答申におきましては、就労支援及び就学支援、適切な住居の確保、少年の生活面でのサポート、家族へのサポート、この四つを柱にしてございまして、今後取り組むべきことにつきまして提言がなされております。都においては、本答申の提言を具体化するため、今年度より、少年院出院者を初めとする非行少年の立ち直り支援、このことにつきまして取り組みを始めたところでございます。提言の中で、地域において少年院出院者の立ち直りを中核となって支えていらっしゃいます保護司との連携を深めることの重要性が求められているところから、保護司活動の支援に必要な情報提供や率直な意見交換を行う場といたしまして、本年四月に、庁内関係部局、東京都保護司会連合会、法務省から成る少年院出院者の立ち直りを図るための保護司活動支援協議会を設置しております。これまでに二回開催しておりまして、協議を重ねたところでございます。 # 山口委員 山口委員では、その少年院出院者の立ち直りを図るための保護司活動支援協議会、まだ二回ほどということですけれども、その中でどのような協議がされて、どのような役割を今後担っていくのか、伺っておきます。 # 小島青少年対策担当部長 小島青少年対策担当部長協議会における協議内容とその役割ということでございますけれども、少年院出院者の立ち直りを図るための保護司活動支援協議会、これにつきましては、協議会の場で各機関、団体の取り組みについての情報交換を行いますとともに、実際に少年の指導に当たっております保護司会の方々の意見、要望を伺いまして、支援策への反映を行っているところでございます。保護司会の要望を受けまして、これまでに、都の施策や各機関の連絡先等を資料化いたしましたガイドブックの作成配布、また非行少年の立ち直り支援を行うNPOとの意見交換会などを行っております。今後とも、保護司会の意見、要望を踏まえまして、関係部局と連携しながら必要な施策を講じてまいりたいと考えております。 # 山口委員 山口委員意見交換をされているといわれます、非行少年の立ち直りを支援しているNPOとはどのようなものがあるのか、伺わせてください。 # 小島青少年対策担当部長 小島青少年対策担当部長非行少年の立ち直りを支援しているNPOについてでございますけれども、当本部におきまして、本年五月から六月にかけまして、都内所在の少年非行の問題にかかわると見られるNPO団体やサポート校等百二十団体を対象に実態調査を行いました。アンケート調査や面接調査等を通じまして、非行少年の立ち直り支援を行うNPO七団体を把握いたしました。その活動内容につきましては、少年に対する相談を行うもの、居場所をつくるもの、学習指導を行うものなど、少年に対する支援のほかに、保護者に対する相談等の支援を実施しているものもございます。各団体の規模もさまざまでございまして、また、その活動内容はそれぞれに特色を持っているところでございます。今後とも、非行少年の立ち直り支援を行うNPO等の活動状況を把握しながら、連携の方策についても検討してまいりたいと考えております。 # 山口委員 山口委員この十月一日に改正少年法が施行されて、少年院への措置がおおむね十二歳からと対象年齢が引き下げられています。ということは、今後、保護観察対象者の年齢も低下していくことになるかもしれません。一昨年の保護司会会長に対して実施された保護司制度に関するアンケート調査では、保護司個々の状況に頼っていることや、多忙で時間がないなどの理由により適任者への依頼を断られるケースが多いとの実態などが明らかになったといわれています。保護司へのサポート体制を、先ほど出ましたNPOなども含めたさまざまな関係機関と連携して確立していただきたい。そこに着眼されたということは、一つの大きな東京都の取り組みとしては評価されるのかなというふうに考えています。ただ、本来子どもというのは、さまざまな経験を通して社会性や自立性を身につけていくもので、失敗をしたり、失敗をしても差別を受けない社会、それから失敗をばねにさらに成長できる社会の仕組みについてが今後必要なのだと思っています。子どもの人権を尊重する立場というか、その辺の取り組みもしっかり視野に入れながらの青少年の健全育成について、今後も取り組んでいただきたいということを要望して、質問を終わらせていただきます。 # 酒井委員長 酒井委員長ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。事務事業に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 酒井委員長 酒井委員長異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。以上で青少年・治安対策本部関係を終わります。 # 酒井委員長 酒井委員長これより総務局関係に入ります。初めに、理事者の欠席について申し上げます。廣瀬参事特命担当は、公務のため本日の委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承願います。事務事業に対する質疑を行います。本件については、既に説明を聴取しております。その際要求いたしました資料は、お手元に配布をしてあります。資料について理事者の説明を求めます。 # 岳野総務部長 岳野総務部長十月十八日の当委員会におきまして要求のございました資料につきましてご説明させていただきます。恐れ入ります、お手元に配布してございます総務委員会要求資料の二枚目をごらんくださいませ。東京都総合防災訓練実施状況、過去十年間でございます。平成十年度から十年間の東京都総合防災訓練の実施状況を掲げてございます。参加機関、団体等につきましては、東京都区市町村、町会などの自主防災組織、NTT、東京電力などの防災機関、警視庁、東京消防庁、自衛隊などが参加しておりますが、平成十八年度からは、国外からの支援としてアジアの諸都市及び在日米軍が参加しております。以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。 # 酒井委員長 酒井委員長説明は終わりました。ただいまの資料を含めまして、本件に対する質疑を行います。発言を願います。 # 鈴木委員 鈴木委員それでは、私から、都区のあり方について質問させていただきたいと思います。都区のあり方の検討については、検討スケジュールとして、平成十九年度、二十年度の二年間で基本的な方向を打ち出すとしております。既に十九年度も第三・四半期になっておりますが、ちょうど上半期が終了した直後の十月十日に、幹事会から検討委員会に検討状況を報告したと聞いております。まず、その報告内容を確認させていただきたいと思います。 # 森都区制度改革担当部長 森都区制度改革担当部長都区のあり方検討委員会のもとに設置されております幹事会におきましては、この六月から九月まで四回にわたって検討を行い、都が行っている事務の中から特別区に移管すべき事務をどのように選び出すかという手続、それから事務配分に関する二十年度末における検討の到達点のイメージにつきまして、おおむね整理がつきましたので、幹事会座長の山崎墨田区長がこれを検討委員会に報告し、了承されたものでございます。 # 鈴木委員 鈴木委員二十年度末の基本的方向をどこまで詳細なものにするかによると思いますが、今のペースで間に合いますか、伺います。 # 森都区制度改革担当部長 森都区制度改革担当部長この十月からは、幹事会におきまして区域のあり方の検討も始めたところでございまして、現在、ことし一月の検討委員会で確認されたスケジュールに沿って予定どおり進んでおります。二十年度末の基本的方向の取りまとめに向けまして、引き続き着実に進めてまいります。 # 鈴木委員 鈴木委員今回、検討委員会に報告された検討対象の事務は、四百四十四事務に及んでおると聞いております。このほか、区域のあり方や税財政も検討していくとなると、二十年度末に基本的な方向を出すといっても、中途半端なものになってしまうという危惧もあります。その後さらに何年も検討が続くようなことになるとも懸念される次第であります。二年間ですべての結論が出るとは思いませんが、自治制度全体を取り巻く社会情勢の流れはどんどん速くなっていると考えられます。例えば分権改革については、ことしの四月に設置された地方分権改革推進委員会が、今月中にも中間のまとめを出すと聞いています。道州制についても、昨年二月に第二十八次地方制度調査会が答申し、ことしに入って設置された道州制ビジョン懇談会が、本年度中に中間報告を取りまとめることにもなっています。さらに、知事が地方分権改革推進委員会などでも発言しているように、真に地方が財政的に自立できるようにするためには、消費税の税率を引き上げ、地方消費税をふやすといった抜本的な税制改正に直ちに取り組むべきであるにもかかわらず、政府・与党は、平成二十年度財政改正において小手先の対策を図ろうとしております。すなわち、十月末の報道によれば、政府・与党が、五千億円前後の法人二税の税収を都市部から地方に移転させる方向で調整に入ったとされるなど、東京の財源をねらい撃ちにした税制改正が待ったなしの状況になっていると考えられます。このように、周囲のうねりが速く、しかも大きくなる中で、都と区が余りじっくり検討していると、周りの動きから取り残されてしまうことにもなりかねないと思います。都区のあり方の検討は非常に大きな課題で、一朝一夕に結論が出ないことは十分理解できますが、精力的な検討をこれはお願いをしたいと、強く要請をしておきたいと思います。その意味で、三点目で伺いますが、事務移管の検討にしても、端から順に隅々まで検討していくのではなく、やはり大きな方針を持って検討していくべきであると思います。すなわち、これからの都の役割、区の役割がどうあるべきか、それを踏まえて事務配分がどうあるべきかという基本的な考え方が必要であると思います。分権改革が進む中、都は、より広域的な事務、大都市東京全体の経営に力点を置き、住民に身近な事務は極力特別区が担うようにすることが必要であると考えます。こうした考え方に立ち、政令指定都市レベルの事務があっても、思い切って移管していくぐらいの大きな方針を立てるべきと思いますが、どうか、伺いたいと思います。 # 森都区制度改革担当部長 森都区制度改革担当部長事務移管の検討に当たりましては、府県事務も含め幅広く検討することとしておりますが、効果的な検討を行っていくためには、先生ご指摘のとおり、取り組み方針を立てて検討に臨むことが重要でございます。今後、都としての方針を策定し、事務移管の検討に取り組んでまいります。 # 鈴木委員 鈴木委員思い切った事務移管を行うためにも、区域の再編は必然であるというふうに考えます。戦後六十年間の経過に伴って拡大した生活圏への対応、思い切った事務移管の受け皿としての行財政基盤の強化、行政改革のさらなる推進など、区域の再編は今こそ推進していかなければならないと考えます。政令指定都市レベルの事務移管の受け皿という観点からいえば、政令指定都市並みの人口規模にすべきという考え方もありますが、都としては再編後の特別区の規模についてどのように考えているかを改めて伺います。 # 森都区制度改革担当部長 森都区制度改革担当部長自治体の事務は、基本的には、人口や面積、行財政能力等に基づいて、広域的自治体と基礎的自治体に配分されております。このため、基礎的自治体である特別区がさらに幅広く事務を担うためには、再編による規模拡大や行財政能力の強化が必要でございます。こうしたことを踏まえまして、特別区の規模や権能について、都としても現在さまざまな角度から調査検討しているところでございます。先生ご指摘のとおり、政令指定都市の事務のように移管事務が専門性等を要する事務であれば、やはりそれにふさわしい規模が求められると考えられますが、さらに調査検討を進めてまいりたいと存じます。 # 鈴木委員 鈴木委員答弁今みたいにいただいているわけですが、実際のところ、平成の大合併は進んでいる。特別区の場合には、このままでは立ち行かなくなるというような状況もないわけですね。中核市になる、また政令指定都市になるとかいうことでもないために、他の市町村とは異なり、実際の話をしたら、そう簡単に再編が進むとは考えられない部分があります。制度上、当事者たる特別区がその気にならなければ進まないということにもなっておりますし、特別区は、区域の再編に対して概して消極的であるとも聞いています。私、区議会からこっちへ来ていますから、区議会では相当この議論をして、実際には、ある程度合区論というのを区議会の中でも議論している、そういう方々もいます。積極的にそういうふうに動こうといっても、実際には、区長さん以下、それから区の役人の方々も、それほど賛成の意を表するということはないというような現状があるわけですから、そういうことをきちっと理解を得ながら、一つ一つ進めていく。しかも、それを、先ほどもいったように、時間をかけないでいかに理解をしてやっていくかということが非常に大事ですから、都区間の同意、それから都、区議会、それから区議連協を通して、きちっとその辺の説明を丁寧にしていく。それで、今までも、区政会館によるミスリードというのは随分あったわけですね。それは、区長会の意向だけが区議会に伝わっていって、それが区議会の方の報告になっているということもあったわけです。そういうことがないように、東京都も、きちっと都区間で合意したことは文書にして例えば区議会に全部流すとか、区議会の各会派にも流すというような努力をして、具体的に都の考え方が区議会、それから区の職員の方々にも伝わるようなことをしていきませんと、今いったお互いに間を通していくと、誤解が生じていることが随分あるということも、一つ指摘をしておきたいと思います。そういうことでありますが、新たな分権改革が進み、道州制が本格的に検討されていく中で、特別区だけが今のままというわけにはいかない。むしろ変革の波のトップランナーとして、次なる時代の地方自治のあり方をリードしていくことが特に期待されているというべきであると考えます。都区のあり方検討の推進に対する局長の決意を改めて伺いたいと思います。 # 押元総務局長 押元総務局長鈴木副委員長からご指摘のございましたように、特別区の再編が一朝一夕で解決できるような課題でないということは、まことにそのとおりでございまして、この問題は、都と区にかかわる者が総力を挙げて取り組まなければならない重要な課題であると考えております。昨今の地方自治をめぐる社会経済情勢の急激な変化を踏まえれば、取り組むべきときはまさに今であると認識をしているところでございます。しかも、地域格差の是正の名のもとに、税制の基本を崩すような税制改正が行われようとしている現在の事態は、まさに東京の自治が危機にさらされているといわざるを得ません。ご指摘のあった点も含めまして、こうした現状を深く認識をいたしまして、特別区の再編を含め、都区のあり方を十分に検討し、東京におけるよりよい自治の仕組みの実現に向けまして、最大限の努力をしていく覚悟でございます。 # 大沢委員 大沢委員先日いただいた総務局の事業概要を拝見したところ、分掌事務に、小笠原諸島振興開発特別措置法の施行に関することとあります。国が定めた小笠原諸島振興開発特別措置法では、第三条で、小笠原諸島振興開発基本方針が定められており、そして第四条で、東京都は、基本方針に基づき小笠原諸島振興開発計画を定めなければならないとあります。都議会民主党でも、島しょ振興調査会を設けて、島しょ地区の自立と振興を目指し、積極的な政策提言を行っております。そこでお伺いをいたしますが、小笠原の航空路開設についてお伺いをいたします。小笠原と本土を結ぶ交通アクセスは、現在でも、週約一便、片道約二十六時間の「おがさわら丸」しかないという、極めて不便な状況にあります。私は、昨年、東京から地球の反対側のブラジル・サンパウロに行ってまいりましたが、ニューヨーク乗りかえで約二十三時間で到着をいたしましたから、小笠原は、本土から約千キロという外洋にある地理的な状況ではありますが、世界のどこよりも遠い国内となってしまうわけでございます。このため、小笠原における航空路の開設は、小笠原村民の長年にわたる悲願であると私は考えております。小笠原に空港ができることにより、具体的にどのようなメリットがもたらされるのか、お伺いをいたします。 # 松本多摩島しょ振興担当部長 松本多摩島しょ振興担当部長先生ご指摘のとおり、小笠原諸島と本土間の交通アクセスにつきましては、現在、片道所要時間が約二十六時間の船舶航路に限られてございます。航空路が開設されますと、小笠原と本土を結ぶ交通アクセスの所要時間が大幅に短縮されることになります。これに伴いまして、医療や福祉の分野など島民生活安定や、多様な交通手段による観光振興を中心といたします産業経済の活性化など、小笠原振興発展を図る上で大変大きなメリットがあると考えられております。 # 大沢委員 大沢委員それでは、これまで東京都では、小笠原における航空路の開設についてさまざまな検討がなされてきたと私は認識しておりますが、こうした中で、過去において有力候補地であった兄島案、そしてまた時雨山案のいずれもが、残念ながら撤回、断念をせざるを得なくなりましたが、そのおのおのの理由についてお伺いをいたします。 # 松本多摩島しょ振興担当部長 松本多摩島しょ振興担当部長兄島案につきましては、当時の環境庁が、平成八年一月に、兄島の世界的に貴重な自然環境を保護する立場から、反対の意向を表明いたしました。これを受けまして、空港建設を断念したものでございます。また、時雨山案につきましては、自然環境への影響や事業費の増加などが見込まれることから、平成十三年十一月に空港建設を断念したものでございます。 # 大沢委員 大沢委員平成十年五月に小笠原村議会で決議された小笠原空港建設促進に関する決議文を読んでもわかるように、村民の多くが航空路の開設に期待を寄せていただけに、とりわけ時雨山案撤回により、この小笠原村民の皆様方の間に大変大きな無力感が広まったと聞いております。こうした状況の中で、平成十三年の時雨山案の撤回後、東京都は航空路の開設についてどのような取り組みを行ってきたのか、お伺いをいたします。 # 松本多摩島しょ振興担当部長 松本多摩島しょ振興担当部長時雨山周辺区域での計画の撤回後、航空路開設に向けて、費用、環境、技術の面から、洲崎地区活用案、それから水上飛行機案など四つの航空路案を中心に検討を進めるため、気象・海象観測調査、環境現況調査、また採算性等の調査を実施してまいりました。また、平成十八年十一月には、小笠原諸島振興開発計画の変更を行いまして、航空路について将来の開設を目指して検討を進めることを同計画に明記いたしました。村と連携して、航空路開設に向けて検討を進めてきているところでございます。 # 大沢委員 大沢委員ただいまの答弁によりますと、航空路の開設に向けて、費用や環境、そしてまた技術面など、そしてまたさまざまなこの地区においてのイメージをしているということがよくわかりました。そしてまた、先ほどの答弁で、小笠原諸島には世界的に貴重な自然が残されているとのことでもありました。現在、その小笠原においては、世界自然遺産登録に向けた取り組みが進められていると私は認識しておりますが、この空港建設に際し、自然環境への影響が全くないということは考えられないと思っておりますが、空港建設は世界自然遺産と両立ができるのかどうか、お伺いをいたします。 # 松本多摩島しょ振興担当部長 松本多摩島しょ振興担当部長小笠原諸島への航空路の開設につきましては、自然環境の調和など多くの課題を解決する必要がございます。昨年十一月に変更いたしました小笠原諸島振興開発計画におきましても、航空路の開設を目指した検討は自然環境との調和に十分配慮するものとしてございます。このため、航空路の開設につきましては、世界自然遺産登録との両立を前提にいたしまして、国や村などの関係機関との十分な調整を図ってまいりたいと考えてございます。 # 大沢委員 大沢委員先ほどの答弁でも、都は、平成十八年に振興開発計画を変更して、村と連携して航空路に向けて検討を行っているという答弁をいただきました。先ほども述べましたが、小笠原における航空路の開設については、多くの小笠原村民の期待が大きいものがあります。今後、空港建設に向けてどのような具体的な取り組みを行っていくのか、お伺いをいたします。 # 松本多摩島しょ振興担当部長 松本多摩島しょ振興担当部長小笠原の航空路の開設につきましては、自然環境との調和を初め、運航の安全性や採算性の確保など多くの課題がございます。ただ、何よりも、空港開設について地元村民の合意を得ることが肝要だというふうに考えてございます。今後、こうした村民合意を前提にいたしまして、都と村で協議会を設置いたしまして、情報公開を行いながら、関係者間の円滑な合意を図り、住民参加の手法でありますPI、パブリックインボルブメントでございますが、を実施していきたいというふうに考えてございます。また、このPIに反映させるため、自然環境への影響、費用対効果、運航採算性、安全性等につきまして、総合的に調査検討を行っていくことといたしてございます。 # 大沢委員 大沢委員最後に、小笠原諸島については、この小笠原諸島振興開発特別措置法が適用されておりますが、一方で、国の法律の中においては、離島振興法というものがございます。小笠原においては小笠原諸島振興開発特別措置法が適用されて、離島振興法より私は有利な条件になっていると思いますが、都のご見解をお伺いをいたします。 # 松本多摩島しょ振興担当部長 松本多摩島しょ振興担当部長先生ご指摘のとおり、国土交通省で予算計上を行う場合には、離島振興法では全国の離島全体を対象として行われておりますけれども、小笠原諸島振興開発特別措置法では、小笠原諸島のみを対象とした予算が確保されてございます。また、補助対象事業に対する補助率の点を申し上げますと、例えば港湾整備である防波堤事業の場合、国庫補助率が、離島振興法では八割の補助率となってございますのに対しまして、小笠原諸島振興開発特別措置法では九割となるなど、補助率のかさ上げが行われておりまして、この法が存在することによって有利な条件となってございます。 # 大沢委員 大沢委員最初の私の質問の答弁におきまして、航空路開設のメリットとして、医療や福祉の分野などの島民生活の安定や観光振興などの産業経済の活性化という答弁が、多摩島しょ振興担当部長からありました。私も、都が定めたこの振興開発計画を達成するためには、航空路の開設がさまざまな分野に大きく影響を与えていると感じた次第でございます。また、この航空路の開設は、村民の長年にわたる悲願でもあり、小笠原の振興にとっても非常に重要であることから、今後、都も積極的に取り組んでいただくことを強く強く要望しておきたいと思います。加えて、今質問させていただきましたように、小笠原振興にとって基幹となっているこの小笠原諸島振興開発特別措置法が、平成二十一年三月三十一日までの時限立法となっております。いわゆるもう折り返しに来ているということでございます。今後、地元小笠原村と十分に連携をして、国に対して、この法延長の働きかけを行っていただくこともあわせて要望させていただいて、私の質問を終わります。 # 小磯委員 小磯委員本年二月の予算特別委員会で、東京都職員の初動態勢について取り上げさしていただきました。この五月には、東京都地域防災計画が修正され、減災目標の設定、都市型災害対策の強化が盛り込まれるなど、抜本的な見直しが行われましたが、その中で、新たな震災対策として、東京都職員の震災時の参集体制の見直しを行い、都職員の居住地と勤務場所との距離を基準に応急対応を行う体制の整備を図ることが盛り込まれたわけでございます。さらに、勤務場所までの距離が離れている職員は、現地機動班として東京都の指定施設に参集し、応急対策に当たることになりました。このような体制は、応急対策を実践的なものとする上で非常に有効であります。そこで、新たな初動態勢について、何点かお伺いをいたしたいと思います。その新たな初動態勢がどのようなものなのか。また、現地機動班を含め、各配備体制の規模はどれだけなのか、お伺いをしたいと思います。 # 石野総合防災部長 石野総合防災部長新たな初動態勢についてでございますが、災害時に従事すべき業務が勤務地にある職員につきましては、勤務地に参集することになりますが、勤務地から十キロ以内に居住する職員を第一配備職員としまして、また十キロを超え二十キロ以内に居住する職員を第二配備職員といたしました。また、二十キロを超える職員でも、業務に必要な職員につきましては、特例配備職員といたしました。さらに、勤務地に業務がない職員につきましては、現地機動班要員としまして、災害時には、指定された拠点に参集し、あらかじめ指定されました業務、または必要とされる業務、そうした業務に従事することといたしました。警察、消防を除きます各局職員約五万四千人を配分しました結果、現在、第一配備職員につきましては約一万九千人、第二配備職員につきましては約一万五千人、特例配備職員については約一万五千人、そして現地機動班につきましては約五千人となっております。 # 小磯委員 小磯委員この現地機動班約五千人については、あらかじめ指定された参集場所に参集することになっておりますが、その参集拠点、これが何カ所指定をするのか、お伺いしたいと思います。 # 石野総合防災部長 石野総合防災部長現地機動班は、災害時におきまして、大規模公園等で救出救助部隊の活動支援を行うほか、備蓄倉庫におけます荷さばき、また駅前滞留者の整理誘導などの業務を行うことになります。このため、参集拠点につきましては、これら応急対策活動実施場所までの距離や、また参集する職員の居住地からの距離、こうしたものを勘案しまして定めることといたしております。具体的には都税事務所などを考えておりまして、二十三区には各区一カ所、多摩地域は、三ブロック程度に分けまして、各ブロック一カ所を指定したいと考えております。 # 小磯委員 小磯委員二十三区は各区一カ所、多摩地域は三ブロックで各ブロック一カ所で三カ所ということで、別にこういうものまで多摩格差を設けなくてもいいんじゃないかなと思うんですけど、多摩地域はもっとふやすべきだと思うわけでございますが、多摩地域の中では、とりわけターミナル駅のある町田市が、住民も外出者も多く、震災時には現地機動班の支援が必要となると思われます。この町田市に参集拠点を指定すべきと思いますが、所見をお伺いいたします。 # 石野総合防災部長 石野総合防災部長参集場所につきましては、一番危険性の高い東京湾北部地震を想定しまして、また地盤の問題もございますので、その辺でやはり参集場所というのは、どうしても二十三区は数的には多く配置する必要があるということで考えております。多摩地域の中で、町田市でございますが、ターミナル駅でございます町田駅周辺、ここにつきましては、多くの外出者が滞留し、混乱も予想されますので、町田市につきましても、参集拠点の指定について検討してまいりたいと思います。 # 小磯委員 小磯委員ところで、私は、ことしの予算特別委員会で、職員の防災対策について質問し、職員が災害時に的確に応急対策に当たれるよう、災害発生時の安全確保や参集場所、業務内容をまとめた手引きを作成するとの答弁をいただいたわけでございますが、その進捗状況をお伺いしたいと思います。 # 石野総合防災部長 石野総合防災部長職員が災害時に迅速に応急対策活動を行うためには、あらかじめその職員に非常配備態勢や参集時の留意事項、緊急交通路などを周知しておくことが必要でございます。このため、職員の災害時の手引きとして、携帯用の防災カードを現在作成中でございます。このカードを、今月実施を予定しております職員の非常参集訓練で活用いたしまして、必要な修正を行った上で、年内に全職員に配布する予定でございます。 # 小磯委員 小磯委員今月、職員の非常参集訓練を実施するとのことでございますが、その規模と内容についてお伺いをしたいと思います。 # 石野総合防災部長 石野総合防災部長今月実施を予定しております訓練でございますけれども、全体で約三千人を対象にして行うことを考えております。このうち、新たに整備した非常配備態勢で、都庁舎へ参集することとなっております第一配備職員、第二配備職員及び特例配備職員につきましては、約千六百名でございます。また、都税事務所等へ参集することになっております現地機動班につきましては、約千名でございます。また、災害対策職員住宅の業務要員などに対しては、携帯電話を使った非常参集システムで招集をかけまして参集することを予定してございます。 # 小磯委員 小磯委員現地機動班を整備することで、駅前に滞留している帰宅困難者を支援し、地域防災計画で掲げている減災目標の一つである帰宅困難者を四日以内に帰宅させることが可能になると思われます。近隣県市に徒歩で帰宅する者も多くおり、この徒歩帰宅者については、八都県市における支援が重要でございます。このため、八都県市では、帰宅困難者に対するリーフレットを作成しており、この中で、帰宅支援ステーションとして、ガソリンスタンド、コンビニエンスストアを紹介しております。こういうもので、折り畳みでございまして、NTT、それからau、ドコモ、ソフトバンクの伝言ダイヤルの方法とか、あと帰宅支援ステーションのこととかも出ております。私、防災訓練でこれいただいたんですけれども、ただ、この帰宅支援ステーションが、ファミレス、コンビニ、ガソリンスタンドだけで、都で指定している都立高校の記載がないんですね。それで、リーフレットに都立高校も紹介すべきでであると思いますが、今後の取り組みについてお伺いしたいと思います。 # 石野総合防災部長 石野総合防災部長ご質問の八都県市の帰宅支援の関係でございますが、現在、八都県市では、帰宅困難者対策を共通の重要課題と位置づけまして取り組みを進めておるところでございまして、平成十一年から、帰宅困難者に対する災害時の心構えや家族への連絡方法などを盛り込みました八都県市共通のリーフレットを作成して、配布しているところでございます。都におけます都立高等学校の帰宅支援ステーションとしての指定など、都県市独自の取り組みにつきましては、リーフレットに記載されておりませんが、都県境をまたがり帰宅する人の支援としましては必要なことでありますので、今後、各都県市の取り組みについても共通のリーフレットに記載するよう都として提案し、調整を図ってまいりたいと思います。 # 小磯委員 小磯委員災害時に都立高校は、帰宅困難者にとって休息、休憩場所として重要な施設でございます。都立高校に自家発電設備も今後やっていくと、設備を整えていくということも決まったようでございますので、そういった意味では、大変有益な施設になるんじゃないかなと思います。したがって、他県も帰宅支援ステーションとして県立高校も指定するように働きかけるべきであると考えますが、見解をお伺いいたします。 # 石野総合防災部長 石野総合防災部長災害時には、他県へ帰ります帰宅困難者は、都内にありますガソリンスタンドやコンビニエンスストア、都立高校などの帰宅支援ステーションを利用しながら自宅を目指すことになります。都立学校につきましては、民間事業者の帰宅支援ステーションとは異なりまして、水やトイレ、各種の情報提供などのほかに、休憩、休息の場所として位置づけられております。近隣県市におきましては、このような位置づけはなされていないという状況でございます。しかしながら、都県境を越えて移動する際には、利用できる休息、休憩場所、これが指定されていないことは、徒歩帰宅者の安全な帰宅ということに支障を来すものと考えられます。このため、他県においても休息、休憩場所の確保を図れるよう、八都県市に働きかけてまいります。 # 小磯委員 小磯委員これは大変大事なことだと思いますので、ぜひともよろしくお願いしたいと思います。災害対策に関連いたしまして、情報システムについてもお伺いをいたします。事業継続計画、いわゆるBCPにおける都の情報システムについてでございますが、初動の重要施策とあわせ、それを支えていく情報システムの事業継続は、都民への情報提供、行政機能の維持を図るためにも必要不可欠なものと考えます。この事業継続についての重要なことの一つとして、データのバックアップのあり方といったことがあると思います。このことに関連して、都では、先般、情報セキュリティーポリシーの改定を行い、情報システムの重要度に応じたデータのバックアップ方法についても検討を進めていると聞いております。また、練馬区では、通信回線を通じてデータを転送する、いわゆるリモートストレージ方式によるバックアップ方式を採用していると聞いており、こうした検討を行うに当たっては、さまざまな手法について調査研究すべきものと考えます。そこでお伺いいたしますが、災害時に情報システムを維持、継続していくために、データのバックアップ方法についてどのような検討を進めているのか、今後の対策についてお伺いをしたいと思います。 # 紺野情報システム部長 紺野情報システム部長災害発生時に行政機能を維持し、都民への情報提供等を的確に行っていくためには、情報システムの機能確保が不可欠であり、そのためデータのバックアップについて対策を講じることは極めて重要なことでございます。現在でも、各情報システムにおいて、磁気テープ等を利用してデータのバックアップを行っているところでございますが、ご指摘のとおり、データバックアップにはさまざまな手法があり、これらを十分比較検討することは重要なことであると認識しております。そのため、既に実施しておりますバックアップ手法やその他データ転送による方式などについて、災害発生時の有効性やコストなどを勘案しながら、総合的に検討を進めているところでございます。今後は、東京都事業継続計画を整備しております防災所管部署等関係部署と連携しつつ、こうした検討結果を踏まえたデータのバックアップ手法のひな型を作成するなど、災害発生時における情報システムの機能確保に万全を期してまいります。 # 小磯委員 小磯委員この情報システムのバックアップ体制につきましては、この二月の予算特別委員会でも質問をさせていただいております。この情報システムのバックアップの考え方は、理解をいたしました。災害時における初動態勢の確保とあわせ、情報システムの初動も重要な機能でございます。今後のIT化取り組み方針の課題にも掲げているとおり、しっかりとした取り組みをお願いをしたいと思います。続いて、市町村総合交付金についてお伺いをいたします。景気が回復してきているとはいえ、多摩の市町村は、区部に比べますとまだ苦しい状況でございます。こうした厳しい状況にある多摩地域の市町村に対しては、都が積極的に支援をすべきでございますが、都の市町村総合交付金は、市町村にとって重要な制度であると伺っております。そこで、この市町村総合交付金制度についてお伺いいたします。まず、都は、平成十八年度に市町村総合交付金を創設いたしましたが、この市町村総合交付金はどのような目的から創設した制度か、お伺いをいたします。 # 中西行政部長 中西行政部長多摩・島しょ地域の魅力を高めていくためには、市町村の行財政基盤の強化が不可欠で、市町村みずからの努力とともに、都による適切な財政支援が必要でございます。そこで、特色ある地域づくりに取り組む市町村を積極的に支援するとともに、行政改革の取り組みを促すことを目的といたしまして、平成十八年度に、従前の三交付金を統合継承いたしまして市町村総合交付金を創設いたしました。 # 小磯委員 小磯委員市町村総合交付金は、市町村への支援をより積極的に行っていくために創設されたものであるということでございますが、市長会からの予算要望などを見ると、市町村総合交付金のさらなる充実を求める意見も大変多うございます。例えば、現在五〇%ずつになっている市町村の財政状況や行革の取り組みに応じて配分される基盤強化分と、まちづくりへの支援を行う振興支援分の構成割合を柔軟に調整してほしい、また、人事、給与や徴税の状況など市町村の行革の取り組みに応じて配分される経営努力割について、市町村の行革への取り組みを確実に反映してほしいなど、さまざまでございますが、都は、こうした市長会からの要望にどう対応していく考えか、お伺いをしたいと思います。 # 中西行政部長 中西行政部長市町村総合交付金の創設に当たりましては、市長会や町村会を通じて市町村の要望を十分に踏まえながら制度の設計を行っており、市町村からご理解をいただいているものと考えております。市長会や町村会からいただいた要望につきましては、制度の運用上、新たに生じた課題や時代の変化に応じて見直しが必要となった事項などとともに、市町村の自助努力と創意工夫の発揮を促すという観点から適宜改善を図りまして、効果的な運用を行ってまいります。 # 小磯委員 小磯委員最近、地元で話を聞きますと、子育てしやすい環境づくりなど、福祉保健分野でのサービスの充実が求められていると感じております。こうした中、都の義務教育就学児医療費助成の創設、また、このたびの後期高齢者医療制度の発足など、福祉保健分野での新たな制度創設が続いております。こうした制度の充実は、その方向性は理解できるわけでございますが、これに伴って市町村に財政負担が生じることが心配であります。そこで、市町村総合交付金についても、市町村財政を取り巻く環境や財政需要を十分に踏まえて充実を図っていくべきであると考えますが、見解をお伺いいたします。 # 中西行政部長 中西行政部長少子高齢化が進む中で、地域の実情に応じまして、次世代の育成や高齢者への各種支援がこれまで以上に必要になってくることが見込まれるのは、ご指摘のとおりでございます。市町村総合交付金におきましては、こうした市町村の財政需要を踏まえ、財源補完としての役割を十分果たしていくことが重要と考え、制度創設二年目となる十九年度は一層充実を図ったところでございます。今後とも、市町村を取り巻く環境変化や地方分権の進展により拡大する基礎的自治体の役割を把握し、市町村の財政需要に的確にこたえられるよう、適切に対応してまいりたいと考えております。 # 小磯委員 小磯委員ぜひとも一層の充実ということでよろしくお願いをしたいと思います。次に、障害者の就労支援についてお伺いをいたします。我が党は、これまでも障害者の就労支援について取り上げてまいりました。多くの企業が集積する東京都においてこそ、障害者の自立支援に向けて先駆的な役割を果たすべきであると考えます。我が党の本年第二回定例会の代表質問において、「十年後の東京」の中にある今後十年間で障害者雇用を三万人以上増加するという目標達成に向けての取り組みについて、都の姿勢をただしたところでございます。この中で知事も答弁されているように、今後十年間で障害者雇用三万人増加という目標を達成するには、社会全体でムーブメントを起こし、障害者雇用に対する理解と関心を高め、新たな雇用機会の拡大を図っていくことが極めて重要であります。今後、こうした取り組みが推進されることを期待しております。こうした民間企業への就労の推進は確かに不可欠でありますが、一方で、行政における取り組みも重要であります。特に都では、これまで身体障害者の採用は一定程度進んでいるものの、知的障害者の雇用については実現をしておりません。国においても、チャレンジ雇用制度を推進していくなど、知的障害者の雇用に取り組んでいるところであります。そこで、まず、国におけるチャレンジ雇用制度の概要と現状について確認をしたいと思います。 # 中井理事 中井理事お尋ねのチャレンジ雇用は、国において今年度から実施されているものでございまして、知的障害者等が、国の府省などにおいて一般雇用に向けての経験を積む機会を提供していくという施策でございます。具体的には、一年以内の期間を単位として、国の府省などで知的障害者等を非常勤職員として雇用し、一年から三年の業務経験を経た上で、ハローワーク等を通じて一般企業への就労を実現していこうとするものでございます。今年度中には、厚生労働省のハローワークなどを中心に、約百名を雇用する予定と聞いております。 # 小磯委員 小磯委員国においても、このように知的障害者の就労拡大に取り組んでいるところであります。また、我が党代表質問に対して総務局長からは、東京都としても知的障害者の就労拡大に向けた取り組みを検討するとの前向きな答弁をいただいたところであります。都としての取り組みを今後一層進めるべきでありますが、いかがでございましょうか。 # 中井理事 中井理事知的障害者の雇用拡大を図る上では、広く社会全体で障害者雇用を拡大していくことが基本となると考えておりますが、都としても、ご指摘のあった国におけるチャレンジ雇用の取り組みなどを参考にするとともに、これまで行ってきている知的障害者の現場実習の実施状況なども踏まえながら、関係局との連携のもと、都としてどのような取り組み方ができるか、現在、鋭意検討を進めているところでございます。いずれにいたしましても、知的障害者の就労拡大に向け、鋭意努力してまいりたいと考えております。 # 小磯委員 小磯委員障害者の就労の拡大を図っていく上で、民間と行政の連携が非常に重要でございます。庁内関係部署が連携をとりながら、社会に根づくような効果的な取り組みをしっかり検討するようお願いして、私の質問を終わります。 # 酒井委員長 酒井委員長この際、議事の都合によりおおむね十分間休憩いたします。午後三時休憩午後三時十一分開議 # 酒井委員長 酒井委員長休憩前に引き続き委員会を開きます。質疑を続けます。発言を願います。 # 松村委員 松村委員最初に、石原都政の行財政改革について伺います。石原都政のもとで、二次にわたる財政再建推進プランや都庁改革アクションプラン、職員の定数削減、さらには行財政改革実行プランなどを行財政改革と称して進めてきました。この間に縮小、廃止された施設や事業、職員の削減数、新たな官から民への指定管理者制度、その他業務委託件数など、その実態についてお伺いいたします。 # 松崎行政改革推進部長 松崎行政改革推進部長平成十一年の石原知事の就任以来、都におきましては、国の改革が一向に進まない中で、直面する危機を克服するため、東京から日本を変えるという考え方のもと、危機意識の徹底とスピードの重視を基本理念に、さまざまな都政改革を推進してまいりました。この間、二次にわたる都庁改革アクションプランや行財政改革実行プログラムを策定し、推進してまいってきております。それぞれの実施計画の進捗状況につきましては、各年度の実施状況を把握し、議会に報告するとともに、都民に公表してまいりました。このような中では、例えば指定管理者については、二百一施設に導入しているといったようなことをご報告いたしております。 # 中井理事 中井理事ただいまのお尋ねの中の職員定数削減について申し上げます。石原都政の平成十一年度から十九年度までの間に、東京都職員定数は、当初の十八万八千八百十九名、これが十九年度には十六万八千百三十余名ということで、この間に二万六百八十五名の削減となっております。 # 松村委員 松村委員今、石原都政のもとでの全体にわたる行財政改革として進めてきたその影響、廃止、縮小された施設や事業の数、それから指定管理者制度については、今、二百一施設移行したということが出されましたけれども、その他の多数業務委託件数があると思うんですね。それらの全体については、こういうプランの進行管理を行う総務局として把握されていないんでしょうか。少なくとも総務局の直接所管する、ご答弁がありました都庁改革アクションプラン、それから行財政改革プランでは、プランで廃止、縮小、それから業務見直し件数などは、もちろんつかんでおられると思うんですけれども、それについて再度お尋ねしたいのと、それから、今、職員数は、石原知事就任時から二万六百八十五人削減されているということを聞きましたけれども、その中身についてもご答弁いただきたいと思います。 # 松崎行政改革推進部長 松崎行政改革推進部長都庁改革アクションプランや行財政改革実行プログラムに盛り込まれた施策につきましては、その進捗状況についてご報告をしているところでございますが、都政全体について業務の廃止、また縮小、また業務委託の件数については、私どもとしては把握をしていないところでございます。 # 中井理事 中井理事先ほど申し上げました石原都政における職員定数削減二万六百八十五名の内訳でございますが、平成十二年度に行いました清掃事業の特別区移管、これに伴うものが約八千人でございます。そのほか、都立四大学の公立大学法人への移行、都立大久保病院等の保健医療公社への移管、公営企業等を含めたそういった移管、委託、こういったもので約四千人の減というような状況になってございます。 # 松村委員 松村委員そうしますと、二万六百八十五人から、今いいました清掃移管の八千人、四大学、それから病院などの法人化移管、移譲などで四千人というから、残りの八千人余は、縮小、廃止、業務見直しなどということで理解してよろしいんですね。それと、私、ぜひ総務局所管の二つのアクションプラン、それから現在進めている行財政改革実行プラン、これについての廃止、縮小に伴う事業件数を、これ今示せといってもあれですから、ぜひ資料を、毎年度示しているといっても、トータルでどうなったのかつかみたいので、後日でもお示しいただきたいと思います。結局、これら、こういう行財政改革としてやった結果、都政と都民サービスにどういう事態が起こっているのかを総務局として検証しているのでしょうか。 # 松崎行政改革推進部長 松崎行政改革推進部長例えば民間に業務委託を実施するに際しましては、所管局におきまして、都民ニーズを反映した委託内容を受託者が履行するよう契約書及び仕様書等の定めに基づき適正に管理していることはもとより、最少の経費で最大の効果を得られるような取り組みを通じて、都民サービスの向上に努めているところでございます。また、新たな経営改革手法の一つであります指定管理者制度におきましては、制度を導入いたしました公の施設二百一施設の管理につきまして、行政のチェック機能を強化いたしますとともに、都民サービスの質の向上などを図るために、外部委員を含む評価委員会の設置や利用者満足度の把握など、都独自の評価の仕組みを構築し、施設運営の継続的な改善につなげているところでございます。 # 松村委員 松村委員今、私の質問に対して、指定管理者制度のもとでの取り組みについては若干言及がありましたけれども、私は、この行政改革全般が都民の立場に立ってどういう都民サービスの状況になっているかと。今、さまざまな業務委託の中では、契約の際、最大のサービス向上に努めているところですと。じゃ本当にそうなっているのかどうかを、進行管理といいますか、そういうプランをつくって指示する総務局としては、やはりそのことを把握する必要があるのではないかということです。それでは、幾つかの事例を挙げてみますが、例えば本来都の事業が指定管理者制度となって、どういう声が聞かれるかと。私のところに寄せられた声の中にも、東京都体育館、これがやはり指定管理者で民間に管理運営が移されました。特に、このプールでは、利用時間が途端に変更されて、それに伴い、料金も割高になって使いづらくなったとの声を聞いています。また、同じく水泳、プールの辰巳の森でも、これは皆さん方の評価委員会の中でも、先ほど二百一施設ということが挙げられましたけれども、辰巳の森のプールでは、管理に不備があると評価委員会も指摘するほど、利用者の安全性にかかわる問題が起きたと聞いております。また、福祉や医療の分野ではどうかと見ると、母子保健院、これが廃止されましたよね。今度の第三回定例会でもさまざまな角度から取り上げられましたけれども、出産難民と、こういうことがいえるような事態がこの都内でも起きております。また、都立病院改革が進められた結果、本当に給与、今までの医師の待遇などが変えられて、医師不足が常態化し、診療科目に廃止や休止の事態が起き、都民の医療要求のニーズにこたえることが困難になっているということも事実ではないでしょうか。教育、青少年分野では、高校生などの部活に、さらには子どもや大学生まで合宿、学習会、私も聞いてみましたけれども、甲子園の大会に出たような都内の高校もここで合宿をやったり、チアリーダーの合宿だとか、あと勉強会とか、さまざまな社会教育活動にも使われていた、それで大変好評だった大島セミナーハウスが、二〇〇六年、平成十八年度で廃止されました。青少年センターも、これは石原知事の前ですけれども、都心に近く使い勝手のよかった飯田橋から、専ら臨海副都心、あのテレコムセンターに移されたため、非常に使い勝手が悪くなったとか、不便だとか、そして利用率が落ちれば、石原都政になってから、この青少年センター、これを廃止するという事態まで起きているんです。青少年の健全育成の重要性をいうなら、先ほども青少年・治安本部で私、質疑若干しましたけれども、発達途上の青少年の自主的に活動する機会や居場所を提供すべきなのに、逆に、石原都政の進めるプランは、そういう機会や場所を奪ってしまうという事態が起きているではありませんか。これは数々の廃止、縮小された事業などのほんの一例ですけれども、やはりそういうことを、サービス向上に努めているはずだとか、そういう契約だとかということにとどまらず、総務局としても把握して、その改善に努めるべきだということを強く申し上げたいと思います。さらに、職員定数の削減と業務委託の拡大で、官製ワーキングプア、こういう言葉が使われるような事態を引き起こしていることも、これはマスコミ報道でも最近ニュースになるような事態になっています。しかも、行財政改革プランで、さらに今後二千八百人削減しようとしているんですよね。伺いますけれども、私は今るる幾つか述べましたけれども、こうした事態が起きている中で、きちっと再点検といいますか、評価することなくして、こうした行財政改革実行プランを進め、職員削減を行うのですか。この点についてお伺いします。 # 松崎行政改革推進部長 松崎行政改革推進部長ただいまご質問の中にございました、例えば指定管理者についての評価でございますが、お話にございましたように、東京辰巳の国際水泳場につきましては、施設の機能維持の点から、建物、設備の点検業務について改善が必要であるということで、実際不備があるということについては評価委員会でも指摘がございまして、それについては改善が求められております。一方で、評価すべき点として、開庁時間を延長させているということ、またシャトルバスについて当初の計画よりルートをふやしているなど、サービスの向上に取り組んでいるという点については評価をされております。また、残りの二百の施設につきましては、おおむね適正に管理が進められているというような評価になっております。また、民間への委託の関係では、例えば平成十三年に委託をいたしました旅券の窓口につきましては、その民間委託に伴いまして、日曜日の交付の受け付けを始めるでありますとか、申請の受け付け時間を延長するなど、都民サービスの向上につながってまいってきているのではないかというふうに考えております。行財政改革実行プログラムにおきましては、公を行政だけが担うシステムを、原点に立ち返って、官民の役割分担を徹底して見直し、民間ができることは民間にゆだねるとともに、社会全体の利益につながる活動に多様な主体がかかわる豊かな公を構築することを目指しております。このプログラムを着実に実行していくことで、スリムで仕事ができる効率的な都庁の実現を通じて多様な都民ニーズに対応することができるものと確信をしております。 # 松村委員 松村委員それは個々の事業で改善された点多々あると思いますよ。それまで否定するわけじゃないんですけれども、全体的に都民負担がどうふえているかとか、サービスはどうなのか、やはり都民の声、要求もしっかり受けとめながら進めていかなければならないと。そこで、今、さらに官から民だということですが、業務委託をそのもとでさらにふやそうとしておりますけれども、その委託先の雇用の実態について、雇用条件、賃金についてはどう把握されているのでしょうか。 # 松崎行政改革推進部長 松崎行政改革推進部長委託に当たってのその委託先について、どのような条件を求めるかにつきましては、それぞれ所管局において検討がなされているものでございまして、私どもでは把握をいたしておりません。 # 松村委員 松村委員業務委託をしている団体の賃金など雇用実態をきちっと掌握しないで、どうして適正な事業執行が行われているなどと判断できるのでしょうか。やはりきちっとこういう計画をつくって、それぞれの局の取り組みを促して、進行管理する局の立場からやっぱり明らかにしておく、そういう点が求められるというふうに思います。そこで、ちょっと幾つか出ている問題についても伺いたいんですけれども、都庁見学、勝手に団体お断りという新聞報道がなされたことを皆さんご存じですよね。これは、この報道記事によりますと、都総務局の調べで明らかになったと。これはつまり、今、都庁舎や展望室、都議会棟などをめぐる団体見学、この案内業務をある会社に委託していると。ところが、その委託会社が団体見学を拒否しているという、こういう情報があって、都の総務局が恐らく調べて明らかになったという記事のようです。どういう事実を総務局としてはつかんで指導したんでしょうか。 # 岳野総務部長 岳野総務部長今の新聞記事にもございましたとおり、ことしの三月に私どもに情報提供がございまして、調査をいたしましたところ、団体見学をしている委託会社の現場担当者が、団体見学の教育訓練が間に合わないということで、何件か自分たちの判断でお断りしていたということが判明したということでございます。なお、私どもの仕様書なり契約内容には、教育訓練を行った職員を配置するようにと、そういうことを書いてございまして、それを守らなかったということでございまして、委員ご指摘のような定数削減の影響とか、直営であるか委託であるかとは別の次元の問題というふうに考えております。 # 松村委員 松村委員そういう情報提供があったと。なければ、やはりなかなかそういう都民のサービス低下、せっかくのそういう都庁見学、この記事にもあるように、石原知事みずから、観光、そして都庁がその最大の観光のシンボル的な目玉になっている。それを断っているという事実、これがこういう形で明らかになると。今、部長の方からは、それが委託だから、または職員の雇用実態とかそういうことに関係ないというか、じゃないようなことをいいましたけれども、私たち、さまざまな事案の中で、その実態からいろいろな問題が起きているということをつかみつつあります。これはまた別の機会に明らかにしたいというふうに思っておりますけれども、これだって、昨年の六月から七月に相次いで四人が退職したんでしょう。で、新人研修が間に合わず、人手が足りないということで勝手に断っていたという事例のようですけれども、やはり根っこにはそういう問題が深くあるのではないかということも、やはり調べてみなければわからないと思います。私たちも重大な関心を持っていきたいと思いますけれども、そこで、こういう事態が都民サービスの低下にもあるんですけれども、もう一つ、最近相次いで都営地下鉄に重大な事故が発生しましたよね。一つは都営浅草線、これも、今まで都の交通局の直営職員がやっていた鉄道の保守点検を業務委託に移したと。そういう中で、電線のケーブルを切断して、それに全然気がつかないまま朝の始発にもちろん保守点検する場合には、電源切りますよね。それを切断したということに全く気づかずに始発に入れたところ、パンクしちゃって、既に動き出した列車が戻れず、引き込み線に引くためにいろんな作業をやって、それで、あれ何時間でしたっけ、三時間も四時間も、浅草線は乗り入れ線ですから、他社のそういう鉄道の客にも重大な影響を及ぼしたという事例ですけれども、これも、私、当時公営企業の副委員長をやっておりまして、来たときに説明をいろいろお聞きしたけど、今までは、そんなこともうイロハで、一回もなかったことなんですよね。やはりそこには、業務委託になってこういう重大な事故が起きているという一つの事例です。それから、最近起きた大江戸線のこの事故も、やはり業務委託されたその団体の全く信じられないようなうっかりミス、これも大江戸線が走ってそんなことないですよね。イロハのイロハだという、何度かのそういうチェックを切り抜けたということでありますけれども、こういう重大な都民に与える影響が起きております。そして、これらは、皆、この行財政改革プログラムに、例えばこのプランの中で、都営地下鉄のそういう保守点検は地下鉄保守事業における業務委託拡大と。それで二十年度まで、十八年から十九年、二十年度ということの記事があるんですよね。さらに、もう一つは駅務業務の委託拡大、この大江戸線のときには、そういううっかりした入力というか、電源を入れなかったというだけではなく、実際に列車がとまったわけですよね。私は、たまたまその列車に乗っておりました。ちょうど八時五分、練馬から、都庁の委員会があったので少し早目に準備するために乗ったんですよ。それで、そこに閉じ込められまして、私は七両目で、電車から出たのは約一時間以上かかっておりました。最後、誘導が終わったのが二時間以上かかったというふうに、後で新聞報道でも見ましたけれども、全く車内は、耐えがたい。大体、その時間ですから満員でしたよ。上着も脱げない。あの車両も、窓をあけてくださいといってあけても、三分の一しかあかないんですよね。で、盛んに車内放送では、非常のあれはさわらないでくださいと、繰り返し繰り返しいう。みんなじっとして我慢しながら、もう近くにいた女性なんかふうふうふうふういってるし、その中にいた方は、急病人ですというので、助けてくださいといって、非常のあれをやって、じゃあ会話してくださいというと。私が何をいいたいかというと、駅員が一人来たんですね。来て、どこですかとかね。で、救急車が来たらしいんですけど、担架もあの構造じゃ入れないんです。だから病人もそこでなかなか脱出ができない。非常ドアは絶対あけないでくださいと。もうみんな苦しくなって、今、何両目まで誘導しているんですかといったら、三両目ですといったら、みんな、ええっという声を上げて、私も本当に、皆さんが何かパニックでも起こし出したら大変だという思いでしたし、それでですね、誘導の仕方が何かといったら、前から一両ずつ出すんですと。そういうマニュアルになっているそうなんですけど、そこに職員が一人、それから階段上がるときに一人、だから線路をずっと行けば三倍ですよね。ところが、一人一人が…… # 酒井委員長 酒井委員長松村理事にお願いいたしますが、そろそろ質問に入っていただきたいんですけれども。 # 松村委員 松村委員質問しております、重大なことですから。 # 酒井委員長 酒井委員長重大なことですけれども、それは交通局の話ですから、本件について質問されている趣旨というのは、業務委託の問題で質問されているわけですよね。だから、その事例はわかりますけれども、もう延々と事例のご紹介をいただいていますので、そろそろ質問をまとめていただきたいというお願いでございます。 # 松村委員 松村委員私は、これがたまたま停電というか、そういう事故だった。そして、列車の停電だったから、その側壁の明かりがついていたんですよ。それでパニックにもならなかった。しかし、これが地震とか、何か火災とかそういうことが起きたら、どういう惨事になっていたかということを改めて見なきゃいけない。何で、あんな駅の非常がありながらの誘導なのか。石原知事みずからが、もっと職員が配置されていれば違ったやり方があると。私も幾らでも、あの現場にいて何をしていると思ったんですよ。大体、全部の車両が、私の乗った車両と同じようにとまっている。だから相当の駅員があちこちでやらなければ、これ解決できないということで、私も我慢していたし、みんなそういうことだったんですね。何も私の乗った電車だけじゃないんです。じゃあ、なぜ職員が来なかったのか。それが、駅務職員が、このとまったところの前後含めて委託でしょう、東京交通サービスという。それをさらにどんどん進めていく。だから、石原知事も、駅の職員がもっと配置されれば、こんな苦痛だとか、万が一パニックになるような誘導方法はやらなくて済んだ、見直しができるということなんですよ。そこからやはり私は教訓を学ばなければいけないし、もちろん事業者である交通局であるんですけれども、皆さん方が出したこの行革プランは、さらにそれを進めるんだと、進行管理するんだというもとで起きている事態でしょう。ぜひそういう点での、業務委託をさらに進めるとか、駅業務委託はすべて民間に任せるとかというやり方についても、関係局といろいろ連携とりながら再検討すべきだと。いずれにしても、この問題の最後ですけれども、行政改革、すなわちこれニュー・パブリック・マネジメントといわれていますよね。NPMとは、新自由主義の行政版であり、それが何をもたらすか、既にイギリスのサッチャー改革の破綻で明らかになっているにもかかわらず、日本ではそこから学ぼうとしないばかりか、それにおくれること十年、小泉構造改革として本格的に始めたんです。ところが、東京においては、さっき冒頭、部長さんの説明ありました。石原知事の就任以来、国の改革が一向に進まないなどとして、国に先駆けたということを誇っているんですよね。ですから、小泉構造改革と相まって、首都東京では、ワーキングプアや貧困と格差が急増して、まさにこういう安全面やいろいろな面でも、本当に耐えがたい痛みといいますか、そういうことにもなっているんだということを指摘したいと思います。都政の行革を都民の立場から再点検し、行革実行プログラムなどを中止し、これ以上都民のサービス低下につながる職員削減や施策の切り捨てをやめることを強く主張して、次に移ります。次は、災害対策についてです。地域防災計画が見直されましたが、見直しのポイントについて伺います。 # 石野総合防災部長 石野総合防災部長今回策定いたしました地域防災計画は、昨年公表いたしました新たな被害想定や最近の実災害などを踏まえまして、従来の計画を抜本的に見直したものでございます。新たな計画では、死者の半減など、初めて減災目標を設定しまして、十年以内に目標を達成することといたしました。また、エレベーター対策や外出者対策など都市型災害対策を強化したこと、これまでの訓練の成果を反映しまして海外からの支援の受け入れなどを盛り込んだこと、さらには応急復旧対策のマニュアルとして活用できるようにしたことなどが、主な見直しの特徴として挙げられます。 # 松村委員 松村委員建物倒壊や火災による死者を十年以内に半減させると具体的に目標を定めたことは、大変評価されると思いますけれども、目標を達成するためにどういう取り組みを行うんでしょうか。 # 石野総合防災部長 石野総合防災部長今回見直しました地域防災計画の中では、先ほどご説明しましたが、十年以内に達成すべき減災目標を定めまして、またその目標を達成するに向けて行うべき主な対策を具体的に定めてございます。これらの対策を着実に実施するために、震災対策事業計画、これを三カ年ごとに策定しまして、その進行管理を図っていこうと考えておりまして、現在、全庁的な検討組織を立ち上げまして、事業計画の年度内策定に向けて検討を進めているところでございます。 # 松村委員 松村委員多数の建物の倒壊、住宅全壊、半壊合わせて約二十五万棟と。また、それに伴う大火災の発生による六千三百四十三人の死者が出た阪神大震災の教訓は、建物の倒壊をどう防ぐのか、そのための耐震化がその当時から東京でも急務となっていたはずです。そこで伺いますけれども、東京における耐震化の現状はどうなっているのか。また、それが進んでいない状況が明らかなんですけれども、その原因について伺います。 # 石野総合防災部長 石野総合防災部長今回見直しました地域防災計画の中では、耐震化について、また位置づけを一層強く打ち出している、減災目標の手段として位置づけているところでございますが、これまでの地域防災計画におきましても、地震に強いまちづくりを目指しまして、建築物の耐震不燃化を重要課題の一つとして取り組んでまいりました。木造住宅密集地域のうち、特に危険な地域につきましては、重点整備地域に指定しまして耐震不燃化の促進を図ってきました。また、昭和五十六年の新耐震基準を満たします建物が、毎年五万棟以上建てられておりまして、耐震化は着実に進んできているものと考えております。 # 松村委員 松村委員阪神大震災から十二年たちますよね。そして、今もご答弁がありましたとおり、その直後から、耐震化は重要だということで、そういう計画を立てて取り組んできたはずですが、どのぐらいの進捗率かというふうにお聞きしたんですけれども、答弁がありませんでしたけれども、やはり私は、計画を立てっ放しで進行管理しなくて済むという問題ではないというふうに思うんです。やはり進行管理に責任を負う、それが総合防災部だと考えますけれども、この点についてはどうなんでしょうか。 # 石野総合防災部長 石野総合防災部長耐震化を含めます減災目標を達成するための主な対策を具体的に進めるために、先ほどもちょっとご答弁させていただきましたが、現在、震災対策事業計画、この策定に向けて全庁を挙げて取り組んでいるところでございます。また、耐震化につきましては、総合防災部としましても、関係各局、また関係区市町村と十分連携しまして、その推進を図ってまいりたいと考えております。 # 松村委員 松村委員今までは、耐震化は重要だと、阪神・淡路大震災以来そういう計画でやってきたと。今度、いよいよそれが見直された地域防災計画で十年以内に死者を半減すると。これは平成十七年までにその半減目標は書いてありますから、本当にこれしっかり早く達成して、それ以上の目標に向かっていただくような修正も引き続き行っていただきたいと思うんです。それにしても、こういう計画に基づいて、二〇〇六年、平成十八年度に民間住宅の耐震化助成が始まりましたよね。初年度ですけれども、既に決算も出ていますけれども、総合防災部としては、この進捗率ですか、どのように把握しておりますか。 # 石野総合防災部長 石野総合防災部長住宅の耐震化でございますが、この耐震化につきましては、自助、共助、公助の原則を踏まえまして、所有者によって行われるのが基本でございますが、都は、公共的な観点から、必要がある場合には財政支援を行うこととしております。ご質問がございました木造住宅耐震化助成制度のことだと考えられますけれども、これにつきましては、十八年度、昨年度創設したばかりでございまして、制度が十分に周知されていないと。また、年度の途中から助成を開始した区もあったという状況がございましたが、制度創設を契機にしまして、区における取り組みが急速に進んでございまして、今年度は整備地域を抱えるすべての区で助成が実施されている状況でございます。今後とも、本制度が十分に活用できますように、関係各局や区と十分連携しまして、制度の普及啓発を図ってまいりたいと考えております。 # 松村委員 松村委員この具体的な耐震化の取り組みは都市整備局ですけれども、実際に、今、初年度で半ばから始まったといっても、どのぐらい進捗率があったのかと。今度は具体的な数値目標を掲げたから、やっぱり進行管理を受け持つ災対部としてもしっかりつかんでほしいという意味から質問したわけですけれども、この都市整備の、私も決算で取り上げたんですけれども、木造住宅の耐震化の助成の執行率が六・四%なんですよね。それから、民間マンションの耐震診断助成も執行率が〇・五%、ほとんど先ほど立てた目標の進捗率が上がっていないということもいえると思うんです。それは、今いった初年度だとか、周知徹底しないとか、いろいろな面があると思いますけれども、ぜひそういう点では、今度はこういう計画をつくったわけですから、進行管理をやる総合防災部としてもしっかり把握して、一日も早く進捗率が上がり、達成するようにやっていただきたいと。そこで、私は、進捗率を上げるためにも、もっと使いやすい制度に変えていくことが必要ではないかと。確かに、木密地域で、一定の対象が絞られているんですよね。それを決めるのは、考えるのは、確かに都市整備かもしれませんけれども、やはり全体的な計画を立てて、それを促す総合防災部においても、関係局と連携し、もっと使いやすい制度に変えていくことを検討すべきではないかと思いますけれども、この点についてもお答えいただきたいと思います。 # 石野総合防災部長 石野総合防災部長制度の運用の具体的な中身につきましては、ちょっと詳細に存じませんのでお答えはできませんですが、現在、住宅も含めました、この中には地域防災計画の中で耐震化を推進すると。それも受けまして、現在、庁内横断型の耐震化の推進会議を設けてございます。その中で、今、全庁挙げて耐震化の推進に検討を進めているところでございます。 # 松村委員 松村委員今、災害からの復興支援について、国でも、被災者支援法が使い勝手が悪いということで、もっと個人住宅への支援という広範な世論の高まりで、超党派の見直しが準備されていると聞いております。都としても、先ほどの耐震化の住宅支援にとどまらず、やはりこの事前復興、それからまた事後のそういう復興への個人住宅への支援という、新たな住宅再建にかかわる支援制度をつくるべきではないかというふうに思いますけれども、この点についてはどうでしょうか。まあ、いいです。それは要望にとどめておきます。この関連で、三宅島噴火災害では、四年以上にわたる避難生活の後やっと帰島となりましたが、火山ガスとの共生を余儀なくされ、被災者の住宅再建は極めて困難な状況が続いています。その上、先日は台風被害にも見舞われました。高濃度地区における住宅の保全解体費用に係る住民への支援については、先日の各決の我が党の質疑で、支援が検討されているということがわかりましたが、今後、さらに住宅災害を初めとする三宅島島民への生活再建支援が必要だと思いますけれども、どのように考えられているのか、伺います。 # 中西行政部長 中西行政部長三宅島の復興に向けての必要な取り組みにつきましては、東京都は、これまでも村からの要望を十分に踏まえて支援を行ってまいりました。今後も、引き続き適切に対応してまいりたいと考えております。 # 松村委員 松村委員三宅島のモーターサイクルフェスティバルの参加者などの開催準備はどうなっているのか、中身を詳しく伺いたいと思います。 # 中西行政部長 中西行政部長私どもが把握している状況におきましては、十一月二日の時点でございますが、百七十七名の方の申し込みがございまして、競技に参加するライダーなどを含めますと、イベント参加者の総数は約四百八十名を見込んでおります。このうち、バイク持ち込みの申込者四十五名を含めましたツーリングラリー等へのバイクでの参加者数は、約九十名の方を確保できる見通しでございます。 # 松村委員 松村委員今、新聞報道などでも、幾つか参加者などについてのあれがあるので、もう一回正確に伺いたいんですけれども、ツーリングラリーなどへの参加者数は約九十名と。これは一般参加者が四十五名、そしてそれ以外、招待レーサーなどが四十五名で、それで九十名と。これは百五十台予定していたけど九十台という数字でよろしいんですねということ。それから、十一月二日の時点で百七十七名の申し込みがあったというのは、これは旅行会社の代理店を通じて申し込まれたのが、新聞報道ではいろんな数字があるんですけれども、十一月二日の時点で百七十七名ということですね。それは、当初目標としていたのが三百人だったけれども、十月三十一日に締め切って、十一月二日では百七十七名ということですよね。そうしますと、イベント参加者、これは千人の目標ということを聞いていましたけれども、この千人に対しては何人ということになるんですか。 # 中西行政部長 中西行政部長今回のイベントにつきましては、例えば参加者、一般募集したわけでございますが、島における宿泊可能数などから、参加申し込みについては三百名までは可能なのではないかというふうに考えて募集をしたものでございます。また、バイクの持ち込みにつきましても、海上輸送の容量の限界やイベントの安全性を確保する観点から、百五十台を上限として募集したものでございます。そういった意味では、いずれもいわば上限という形で募集したものでございますので、ご理解をいただくようお願いをいたします。それから、千名を目標にということのご質問がございましたが、私どもとしては、千名を目標にイベントを考えているというようなことを発表したことはないかというふうに考えております。 # 松村委員 松村委員ですから、イベント参加者の総数はどうだったんですかと。つまり、今、一般参加者三百人ぐらいを上限としていたけど百七十七名と。それから、バイクのツーリングラリーの参加者を百五十台を上限としていたけど九十台と。そこまではわかりました。その内訳が、一般が四十五名で招待レーサーなどが四十五名と。あと、イベント参加者総数が、千名といったことはないというんですけれども、現在どういう状態にとどまっているんですか。 # 中西行政部長 中西行政部長イベント参加者の総数は約四百八十名を見込んでおります。また、そのほか大会運営にかかわる方を含めますと、島外から六百名を超える方が島を訪れることが見込まれております。この数は、三宅島のような離島にとりましては大変大きな数でございまして、復興の起爆剤としてのイベントとしてにぎわいのある形で実施できるものと考えております。 # 松村委員 松村委員今いった四百八十名今、四百八十名という数字は答えなかったんでしたっけ。いいましたよね。これにはマスコミは入ってないんですね。あとお聞きしたいのは、大会主催者ですか、関係者入っていないということですけれども。 # 中西行政部長 中西行政部長私ども主催者ではございませんので、余り細かい内容はよくつかんでおりませんが、マスコミの方は入っていないというふうに考えております。 # 松村委員 松村委員いろいろな新聞報道がありますし、しっかりした、これは東京都がもともと主導してやってきたものだし、後で主催者の点についても聞きますけれども、私はもともと千人ぐらい集めるというふうに聞いて、島も期待していたと思うんです。実際には、さっきいったみたいに目標を下回っていると思いますけれども、この理由については何でしょうか。何で少なくなったのか。 # 中西行政部長 中西行政部長募集人員が上限に達しなかった理由についてでございますが、PR期間が短かったなどさまざまな要因があろうかと思いますが、今後検証してまいりたいと考えております。 # 松村委員 松村委員PR期間が少なかったといったって、やるといってどのぐらいたつんですか。新聞報道も含めて大騒ぎしていたので、決して私はPRが不足していたからこういう点にとどまったんじゃなくて、さまざまな、歓迎されないというか、歓迎されていない、本当に復興支援というんだったら、あれ自然環境だし、私たちも委員会、議会、あらゆる場面でこれただしてきたので繰り返しませんけれども、そういうもろもろの批判的な意見というか、これがやはりこういう点にとどまっているということも、きちっとやっぱり見ていかなければならないというふうに思うんです。もう少し聞きたいんですけれども、主催者はどこなんですか。 # 中西行政部長 中西行政部長今回のイベントの主催者は、NPO法人三宅島スポーツ振興会と三宅村でございます。 # 松村委員 松村委員村とNPOというんですけれども、村が口を出しても取り上げてくれないなどという声を多数聞くんですよね。村でも、どこがやっているかわからないというような、そういう当局からの話があったりして、やはりそれ、村と、その実行委員会ですか、NPOだということでは済まされないし、都が入っていませんよね、主催者に。赤字になったとき、最終責任はだれが負うのでしょうか。 # 中西行政部長 中西行政部長今回のイベントの収支につきましては、三宅島スポーツ振興会が村からの補助金を基本に均衡を図るという予定でございます。現時点では、収支計画に変更を生じるという話は聞いておりませんが、万一そのような事態になりました場合には、主催者である村とNPO法人が対応することとなります。 # 松村委員 松村委員今、予定していたよりも、人数というか、参加者がふえないという中で、主催者が村とNPO法人三宅島スポーツ振興会だと。それが全部受けろというのは、これはやはり余りにも過酷というか、無責任というか、きちっとした東京都の、これ主導してやってきたんですから、対応が求められるというふうに思います。そこでですね、これまで秋の村の行政懇談会の席上、都から特別交付金が出ていると、やらなければお金が来ない、こんなことが懇談会で村当局から発言があったとも聞きますが、そこで、これまで復興のための災害特別交付金が出ていますよね。それは全体でこれまで幾らなのか。また、その中身はどういうものなのか。二〇〇七年、平成十九年度はどうなるのかをお答えください。 # 中西行政部長 中西行政部長三宅村の実施をいたします災害復旧復興事業を支援するための三宅島災害復旧・復興特別交付金につきましては、平成十四年度から十六年度までは各年度五億円、平成十七年度及び十八年度におきましては各年度十億円を交付しております。主な充当事業でございますが、島民の一時帰宅事業、小中学校などの復旧、島内活動の安全確保、島内の廃棄物処理のための事業などでございます。なお、平成十九年度については、予算額は十億円でございますが、今後、村からの要望に基づきまして三月に交付する予定でございます。 # 松村委員 松村委員今まで、復興のためだということでのこのバイクレース、モーターサイクルフェスティバル、大体三億円だといったけど、これはこの災害特別交付金の中の枠組みだというふうに思うんですけれども、その執行はというか、これからということですね、十億円の使い方。ちょっとそれだけ確認しておきたいと思います。 # 中西行政部長 中西行政部長今年度の特別交付金の執行につきましては、村からの要望に基づきまして三月に交付いたします。 # 松村委員 松村委員このモーターサイクルフェスティバルのお金もその中と、村から要望があればということを確認しておきたいというふうに思うんです。いずれにしても、先日、台風で土砂崩れなどの被害が出て、土どめなどに億単位のお金がかかるとも聞いております。モーターサイクルフェスティバルはやめ、島民生活の再建に使うべきだということを強く申し上げておきたいと思います。最後に、東京都国民保護計画について伺います。防衛省は、ことし三月、弾道ミサイル防衛のための迎撃ミサイル、パトリオット、PAC3を自衛隊入間基地に初配備したのを初め、私の地元練馬区の北町にある自衛隊駐屯地、さらには都内の晴海ふ頭や代々木公園など公園緑地への展開、訓練を検討していると伝えられておりますけれども、これと東京都の国民保護計画、どういう関係だというふうに考えていいのでしょうか。 # 鈴木企画調整担当部長 鈴木企画調整担当部長東京都の国民保護計画でございますけれども、その中で、武力攻撃事態といたしまして、弾道ミサイル攻撃など四つの事態類型を想定してございます。本計画では、そうした事態におきまして、都民の生命、身体及び財産を保護し、被害を最小化するよう、住民の避難、または避難住民の救援、武力攻撃災害への対処につきまして定めているというものでございます。 # 松村委員 松村委員このパトリオットの配備計画といいますか、展開、訓練という要請に、都は従う義務があるのですか。 # 鈴木企画調整担当部長 鈴木企画調整担当部長防衛省から協力要請があれば、そうした具体的な内容を見た上で都として判断するということになるということでございます。 # 松村委員 松村委員このパトリオットの目的は、アメリカの先制攻撃計画に日本を従わせることにあることは、自明なんです。武力攻撃事態等における国民の保護のための措置などということでも、断じてないと思います。したがって、これに協力するなどということは、憲法上許されないというふうに指摘しておきたいというふうに思います。また、東京都の国民保護計画、これも制定時に、この総務委員会で我が党委員から、国民保護法そのものが有事法制に基づくものであり、憲法が否定している集団自衛権に基づくものとして違憲立法だと、憲法違反ということは明白だということを指摘しましたけれども、引き続き国にこういう法案の撤回を求め、またこの東京都国民保護計画もやめるよう強く申し上げて、私の質問を終わります。 # 山口委員 山口委員私の方からは、初めに、職員のメンタルヘルスについて伺います。知事部局の職員数は年々減少していますが、三十日以上の病気欠席者等の罹患率は少しずつ上昇しています。そして、三十日以上の病気休暇者等の理由の第一位は精神障害で、二〇〇六年度は全体の五二%を占めています。社会的にも心理的にも過度のストレスを受けやすい現代人にとって、メンタルヘルスへの関心が非常に高まっていますが、知事部局におけるメンタルヘルス対策の基本的な考え方について、初めに伺います。 # 野口勤労部長 野口勤労部長職員の健康管理の問題は、本人の健康保持にとどまらず、職場全体の公務能率を向上させる上でも重要な課題でありまして、勤労部としてもその充実に努めております。そうした中、精神障害を理由とする病気休暇者等は依然として増加しておりまして、まさにメンタルヘルス対策の強化が喫緊の課題となっております。そこで、平成十八年三月に新たに東京都職員の心の健康づくり計画を策定し、メンタルヘルスにおいて職員みずからが行うこと、事業者が行うことなど、それぞれの取り組みや役割を明確にいたしました。具体的には、一次予防として、職員の意識啓発をするため精神保健講習会やメンタルヘルス講習会などを催しますとともに、職員みずからが心の健康度を自覚するためのストレス度チェックを実施し、また二次予防として、心の健康相談を初めとした相談事業の充実を図り、職員からの相談への対応や心の病気の早期発見に努め、さらに休職中の職員の職場復帰支援や再発防止のための三次予防にも取り組んでおります。こうした取り組みをさらに強化するため、平成十八年四月からは、八名のスタッフから成ります精神保健相談員制度を創設し、職員のメンタルヘルスをより能動的に支援する仕組みを導入いたしました。 # 山口委員 山口委員予防対策も含めて取り組まれているということですけれども、では、具体的に、近年、非常にうつ病の患者が増加していると思うのです。中学生でも今約四%がうつを体験しているともいわれている中で、この都の病気休暇中の職員の中にも相当数おられるのではないかと思いますが、では休職者が職場に復帰をしようとする場合の具体的な支援を伺いたいと思います。 # 野口勤労部長 野口勤労部長休職中の職員の円滑な職場復帰を図るため、都の健康管理部門の精神科医、心理職、精神保健相談員の専門スタッフが、本人及び職場の上司と話し合いを行った上で、復職後の勤務を想定した無理のない段階的な職場復帰訓練計画を策定し、これに基づいて、本人の状況に応じた個別指導を行っております。職場復帰を希望する職員は、休職期間中にこの職場復帰訓練を活用することで、不安の軽減と勤務への自信回復を図ることができ、このことが再発の防止にもつながっております。 # 山口委員 山口委員一定期間休職した職員が復帰するときには、受け入れる職場の理解や協力も不可欠ですが、こちらは具体的にどのように対応されているのでしょうか。 # 野口勤労部長 野口勤労部長受け入れる側の職場の体制づくりといたしまして、管理職の悉皆研修を行いますとともに、職場の安全衛生管理者等を対象とした講習会を定期的に開催し、職場全体の理解を深めるための教育、啓発に努めております。また、各職場を精神保健相談員が巡回し、心の病の発生防止や発生した場合の対応策について、その職場の状況に応じた具体的な指導を行っております。休職者が職場に復帰する際には、精神科医を中心とした専門スタッフが職員及び職場の上司と三者で話し合い、職場の環境づくりなどについて適切にアドバイスすることで、円滑な復職につなげております。 # 山口委員 山口委員復帰しました職員についても、その復職後にはフォローが必要になるかと思いますが、そちらの支援はどのように行っているのでしょうか。 # 野口勤労部長 野口勤労部長職員が復職した場合でございますが、復職した職員を継続的に支援するため、担当になった精神保健相談員を中心とした専門スタッフが、復職後の支援の必要度に応じまして、職員及び職場の上司と定期的に面接を行い、適切な指導を行うことにより、心の病の再発を防止するためのケアに努めております。 # 山口委員 山口委員本人も周囲の人も早期に気づくための方法、何よりも予防の観点からストレスを解消するための方法など、民間などの取り組みを参考にして充実していただきたいということを要望して、次の質問に移ります。次は、障害者雇用について伺いたいと思います。東京都は、障害者も施設での隔離された生活から地域での生活に移行する方針を打ち出し、特別支援教育でも就学から就労まで、トータルな支援教育を打ち出しています。さらに国では、障害者の地域における自立した生活を支援する体制づくりの推進のため、障害者自立支援法がスタートし、身体、知的、精神の三障害に対応するサービス体系が一元化されました。同時に、改正障害者雇用促進法が施行され、まさに社会参加と自立に向けた施策の転換において、就労問題は重要な課題だと思います。初めに、保護者などから、都庁内においても知的障害者の職場体験を広げてほしいなどの要望が届いているのではないかと思いますが、いかがでしょうか。 # 中井理事 中井理事現在、知的障害者等を対象とした都庁内における職場体験が、産業労働局、福祉保健局、教育庁において実施されているところでございますが、障害者団体の皆様方からは、先生ご指摘のとおり、こうした職場体験の機会をさらに広げてほしいといった趣旨のご要望をいただいているところでございます。 # 山口委員 山口委員先ほど、国におけるチャレンジ雇用制度の実施の状況などは、既に答弁をいただいておりますが、では近隣自治体における最近の知的障害者雇用の動きについて、どのように把握されているのか、伺います。 # 中井理事 中井理事最近の近隣の自治体の動きでございますが、一例を挙げさせていただきますと、千葉県において、県庁内に知的障害者の働く場を提供する「チャレンジドオフィスちば」といった雇用の機会を提供する、そういった施策を行っているという事例を聞いております。この取り組みでは、知的障害のある方を非常勤職員として雇用いたしまして、庁内からの依頼による文書収受、発送、封入やコピーといったような業務を行い、この業務経験を生かして民間企業への就職につなげるといったことを目的に取り組んでいるというふうに聞いております。 # 山口委員 山口委員障害者雇用の促進については、福祉的就労から一般就労へ促進するという施策にのっとって、先ほどもありました、庁内では福祉保健局、産業労働局、教育庁との連携で職場体験実習も導入されています。生活者ネットワークは、二〇〇六年第二回定例会の一般質問で、都が雇用する障害者は身体障害者のみに限定されていて、知的障害者については就労の機会の提供に努めるとなっており、精神障害者とともに雇用の対象になっていないことを指摘し、障害者の一般就労を推進する自治体として検討することを提案をしてきました。国の動向を受けて、都として今後の計画と取り組み、先ほどご答弁をいただきましたので、早急に具体的な取り組みをしていただきたいというふうに、ここでは要望させていただきますが、では庁内で障害者雇用の実態を取りまとめていく役割が総務局にあるのではないかというふうに考えますが、見解を伺います。 # 中井理事 中井理事障害者の就労拡大に向けた取り組みを進めていく上では、障害者の就労支援を所管する関係局との連携が必要不可欠であると考えております。今後もこうした庁内の連携をより一層密に図りながら、実情の把握や、今後の取り組みの検討などを行ってまいりたいというふうに考えております。 # 山口委員 山口委員障害者が能力を最大限に発揮して、働くことを通して社会参加ができる環境整備を図ることが必要です。都は、障害者雇用を促進する立場として民間企業にも働きかけていますが、そうであるならば、都みずからが率先して障害者の雇用に打って出るべきではないでしょうか。先ほど千葉県の事例が出されましたが、今年度は兵庫県、そして来年度には名古屋市、それから岐阜県などでも、知的障害者の雇用なども促進するように進めていると聞いております。兵庫県の明石市では、庁内に障害者の作業所を設置して、そこから庁内に必要なできる仕事を受け入れ、その運営をNPOなどに委託した新しい事業展開もされているというようなことも聞いておりますので、ぜひ、関係各局は当然ですけれども、民間企業、それから当事者による事業所というのも都内でもいろいろ活動がされていると思います。イタリアなどでは、精神障害者のことにつきましては、もう既に精神障害の病院を解体をして、そして、そういった障害者、あるいはまた刑務所を出所したとか、社会的な弱者の人たちが、一定程度の数をきちっと確保して、ともに出資をして協同組合という形式で仕事をつくっていく、社会的協同組合というような取り組みも進められておりますので、そういったことなどもきちっと調査をしていただいて、今後ともぜひ、この都庁みずからが知的障害者、あるいはまた精神障害者の雇用に打って出ることを要望しておきたいというふうに思っています。最後に、人権施策の推進について伺いたいと思います。高齢者、児童虐待、障害者差別、DV、セクシュアルハラスメント、さらには今パワーハラスメントなども問題になっておりますし、いじめなど、さまざまな人権侵害に関する事件が後を絶ちません。また、東京は、多くの外国人が生活をし、さまざまな文化や価値観、ライフスタイルを持つ人々が生活している町でもあります。お互いの違いを認め合い、尊重しながら、多様な人々が共生する社会、また、障害があってもなくても自分らしい生き方のできるノーマライゼーション社会の実現には、一人一人の人権がきちんと守られなければなりません。東京都は、平成十二年十一月に、「東京都人権施策推進指針東京ヒューマン・ウエーブ21の展開」を策定し、全庁的な推進体制のもと、救済保護、啓発教育、支援助成の三つの観点から総合的に人権施策を推進しているということですが、どのような施策がこの間展開されてきたのか伺います。 # 田村人権部長 田村人権部長東京都人権施策推進指針は、東京都が総合的に人権施策を推進してまいりますための基本的な考え方をお示ししたものでございます。指針では、都が取り組むべき事業を、救済保護、啓発教育、支援助成の三つの観点から新たに整理し体系化しております。まず、第一の救済保護の観点では、人権相談への対応、救済保護機能の充実、地域との協力体制の推進に区分し、合計で三十五事業を提示しております。第二の啓発教育の観点では、啓発教育研修で六十事業を示してございます。また、第三の支援助成の観点ですけれども、社会的弱者、少数者の自立支援、多様な主体の連携協働の推進、企業、NPOとの自主的な取り組み支援、人権施策への民間活力の導入で三十事業、総計いたしますと百二十五の事業を掲げて取り組んできたところでございます。 # 山口委員 山口委員人権施策は、長期的な視点に立ち継続的に取り組むべきであるとは思いますが、既に七年が経過をしています。指針の策定当時と比べ、その後、指針に掲げた事業がどのように変わってきたのか伺います。 # 田村人権部長 田村人権部長指針策定以降これまでの間、国の動向、都における人権をめぐる状況を勘案いたしまして事業を進めてきたところでございまして、引き続き現行の指針を生かしながら、人権施策を総合的に推進していくこととしております。なお、個別の事業につきましては、犯罪被害者等への支援、NPOとの協働等、時代のニーズを的確にとらえ、新たな事業を加えるなどして、当初の百二十五事業が現在は百五十七事業となっております。 # 山口委員 山口委員冒頭でも申し上げたとおり、人権問題も複雑、多様化していますが、日本国憲法で保障されている基本的人権が正しく理解され、定着しているかといえば、大いに疑問を感じないわけにはいきません。一方、国際社会では、人権問題の解決を市民社会や企業などの社会的責任としてとらえる動きもあります。個別の施策については、社会の動きをとらえ、時代のニーズを踏まえながら取り組みを進めているということですが、行政だけではなく、NPOや民間企業等の連携で、新たな視点での取り組みを推進していただくよう要望して、質問を終わります。 # 後藤委員 後藤委員私からは、資料2号の八〇ページに、伊豆諸島離島振興計画について書かれています。まず、この離島振興計画について、できたらばご説明をしてください。 # 松本多摩島しょ振興担当部長 松本多摩島しょ振興担当部長離島振興計画でございますが、これは、伊豆諸島地域における平成十五年から二十四年までの十年間の振興の方向性を示すものでございまして、この計画に基づき実施される事業は、国庫補助率のかさ上げ措置の対象となるものでございます。この計画は、価値ある地域差の発揮を基本理念といたしておりまして、島の自立発展の筋道を示す広域的な基本方針でございます。 # 後藤委員 後藤委員この計画ですけれども、この計画は何年ぐらい前から始まって、現在の予算ですね、概算要求というのですか、例えば概算要求ですけれども、毎年幾らぐらいあるのか教えてください。 # 松本多摩島しょ振興担当部長 松本多摩島しょ振興担当部長この離島振興計画は、昭和二十八年七月に離島振興法が制定されまして計画を立てることになったものでございます。もう一つの要求額でございますが、先ほどお話ししましたように、現在十五年から二十四年までの十年間の計画になってございますが、平成十八年で申し上げますと、全体で約二百十八億の概算要求額となってございます。 # 後藤委員 後藤委員でしたらば、民間企業なら、例えば毎年二百億円のお金を投資していれば、進捗状況ですとか達成率ですとか、評価をして、計画の見直しも行う場合もあると思いますけれども、窓口となっています行政部、こちらの行政部の方で、例えば総合的な進捗状況だとかのチェックは行っているでしょうか。これを教えてください。 # 松本多摩島しょ振興担当部長 松本多摩島しょ振興担当部長この振興事業は、都の関係局が責任を持って実施管理をしているものでございます。したがいまして、関係局において、それぞれの事業については進捗状況を把握してございます。総務局は、予算要求時などに、各町村とのヒアリングや関係局からのヒアリング、こういうものを通じまして進捗状況を把握するように努めてございます。 # 後藤委員 後藤委員次ですけれども、七八ページをちょっと見ていただきたいのですけれども、この七八ページのところには、多摩島しょ振興推進本部というのが書かれています。これで多摩ですとか島しょの計画を立てられていると思いますけれども、今回私が問題にしています離島振興計画が、この会議ですか、多摩島しょ振興推進本部の議題に上がったのは何回ぐらいあるのかということと、過去十年の間に何回ぐらい議題に上がったか教えてください。 # 松本多摩島しょ振興担当部長 松本多摩島しょ振興担当部長現在、手持ちの資料で持ってございますのは過去五年間分でございますので、五年間分でお答えさせていただきたいと存じます。離島振興計画については、平成十四年から現在まで二回議題に上がってございます。 # 後藤委員 後藤委員できたら、二回というのは何年なのか教えていただけますか、済みません。 # 松本多摩島しょ振興担当部長 松本多摩島しょ振興担当部長まず、五年間分の平成十五年一月に離島振興計画の素案について本部会議で審議をしてございます。また、十五年三月に離島振興計画の案について審議をしてございます。 # 後藤委員 後藤委員結局、そういうことになりますと、この計画のスパンというのは十年だと思うんですけれども、この計画が始まってから今まで一回も、検討委員会というのですか、多摩島しょ振興推進本部というのは、これですけれども、本部の下に幹事会があって、都市づくり検討会がありまして、くらしづくり検討会というのがあるわけですけれども、各担当の方たちが集まって、この離島振興法というやつは、建設局もありますし、港湾局もありますし、いろいろなところがあるわけですけれども、例えば局を総合して、みんなが集まって進捗状況を検討するべきだと思うんですけれども、このような考え方はありませんか。 # 松本多摩島しょ振興担当部長 松本多摩島しょ振興担当部長離島振興計画は、今、後藤委員おっしゃったように、関係各局の局長級で構成されます多摩推進本部会議での調整を経て策定したものでございます。したがいまして、関係局は、この離島振興計画の目的や目標を踏まえまして各事業を実施しており、計画推進のために進捗状況等を把握し、関係各局の調整を図っているところでございます。総務局といたしましては、この離島振興計画を所管する立場から、関係各局の事業進捗状況を把握するとか、各町村に要望、状況を説明する、こういうことをしながら、離島振興事業が円滑に実施されるように連絡調整に努めてございます。一括して会議を設けるという考えは今のところございません。 # 後藤委員 後藤委員今の部長がおっしゃったのはちょっとおかしいと思うのですけれども、例えば総合的に進捗状況は把握はしていないのかもわかりませんけれども、この離島振興事業の最終目的というのは、伊豆諸島の地域の自立ということだと思うんですよ。で、仮にそうだとしましたらば、今どきですよ、例えば十年のスパンで物事を考えて事業をやるというのは余りないと思うんですけれども、確かに部長がおっしゃったように、局長が責任を持ってやるのはわかりますけれども、今の民間の動きを見ていていただきたいんですけれども、例えば携帯電話だって一年で変わるような世の中です。こういうような民間の、動きが早くなっているんですから、例えば三年でみんなでもう一回集まって相談してみようとか、五年でも構わないと思いますけれども、例えば十年間、この十年間を、各任せてある局長に、局長に任せてあるから大丈夫ですよということ自体が、いわゆるお役所の発想というんですか、例えば縦割りの発想なのかもわかりませんけれども、ここのところで、皆様がいつもおっしゃっていることだと思うんですけれども、例えば総合的に考えてというふうなことで、石原知事もおっしゃっていますけれども、いろいろな会議をつくっているじゃないですか、大きな会議をつくってやってるのに、離島振興計画を見てみますと、一たん離島振興計画は十年間任せてしまったから、各局が、勝手にじゃないですね、各局が責任を持ってやるからいいだろうというふうにいっていて構わないんでしょうか。できたらば、もう一度そこのところを教えてください。 # 松本多摩島しょ振興担当部長 松本多摩島しょ振興担当部長繰り返しになりますが、離島振興計画に基づく事業につきましては、各局で責任を持って実施してございます。その連絡調整には、総務局として当たらせていただいてございます。 # 後藤委員 後藤委員というふうにいわれましたらば、八一ページなんですけれども、八一ページの真ん中辺に過疎地域活性化特別措置法というのが書いてあります。ここのところで新島村が新たに地域の指定を受けたと書かれていますけれども、新島村が新たに指定を受けたのは何年なのですか。 # 松本多摩島しょ振興担当部長 松本多摩島しょ振興担当部長そこに書いてございますように、平成十年三月に新たに新島村が地域の指定を受けたものでございます。 # 後藤委員 後藤委員結局私が今いいたいのは、例えば七年前、例えば七年前ですとか十年というふうなスパンで物事を考えるんじゃなくって、これだけ世の中が進んでいます。例えば小笠原ですけれども、あの小笠原の高速船がありましたね。TSLというのがありましたけれども、あのTSLだって、計画をしていたのが、途中で、はい、やめましたということになるわけです。ですから、私がお願いをしたいのは、結局時代に合った見直しというのをいつもいつもやっていただきたい。ここのところでやらないと、結局見直しをほうっておくとだれが困るかといいますと、住民の方たちが困るわけです。例えば十年前のものを、計画のままでいっていますから、ここのことはできたら考えていただきたいと思います。次なんですけれども、この離島振興計画などで、都庁の職員の方が伊豆諸島ですとか小笠原諸島に出張をしていますけれども、このときの宿泊費は幾らか伺います。 # 野口勤労部長 野口勤労部長島の宿泊施設の料金について、我々ですべての宿泊施設を調査したものではございませんが、勤労部で新島、式根島、神津島の宿泊施設について、聞き取り調査等により現在調べた限りで申しますと、条例では宿泊料一万円というふうに定めておりますが、これを超える宿泊施設が、新島で四軒、式根島で三軒、神津島で三軒、こういうような状況でございます。今申しましたのは一万円以上ということでございまして、一万円未満につきましては、新島で三十軒、式根島で三十五軒、神津島村で十三軒、そういう状況でございます。 # 後藤委員 後藤委員私の方でいただいている資料とちょっと違うので、できたらば見ていただきたいのですけれども、例えば新島には宿泊の施設が七十五、この七十五のうちに一万円以上の宿泊施設が四つ、式根島には六十三の施設があって、一万円以上が三つ、神津島村では九十六の施設があって、一万円以上は三つと聞いていますけれども、こちらの数字でよろしいでしょうか。 # 野口勤労部長 野口勤労部長今、後藤委員がおっしゃいました宿泊施設につきましては、島しょ保健所事業概要にございます施設でございまして、そういった施設でございます。先ほど私どもが申しました数字につきましては、そのうち勤労部の調査で、聞き取り調査等で把握している施設についての数ということでございます。今、後藤委員がいわれましたように、一万円以上の施設について申しますと、新島で四軒、式根島で三軒、神津島村で三軒、合計十軒でございます。 # 後藤委員 後藤委員今部長がおっしゃった金額ですけれども、例えば民宿の場合でしたらば六千三百円というのが一番安い金額になっています。で、確かに部長が最初におっしゃったように、例えば一万円以上のやつは四軒というふうにいわれていますけれども、例えば通常料金であっても一万一千五百五十円だとかというのはありますけれども、これは本当にごくまれです。パーセントでいきましたらば五%にも満たないようなところですけれども、例えば三宅島では、スイートルームの部屋が一万五千円というのもあるんですけれども、確かに一万円を超えている宿泊施設はありますけれども、例えば都庁の職員が行きましたら、都の中ですよね、都の中の新島、式根島、神津島、小笠原だとかに行くわけですけれども、普通の一般の職員は一万円の宿泊費をもらって行きます。で、私も新島ですとか式根島、神津島にはよく行くのですけれども、民宿に泊まった場合、六千三百円、六千八百円、例えば七千円ぐらいが普通になります。で、職員の宿泊費ですけれども、普通でしたら平均をとると思います。都内の中でも、例えばスイートルームだとかすごいいいホテルをとったらば三万円だとか四万円もあるとは思います。例えば十万円もあるでしょう。ただし、例えば都内に泊まる場合は一万二千円ですか、こういうふうになってますけれども、職員が都内の出張に行ったときに、例えば差額が生まれる。ここのところで差額が生まれるということは、いい方は悪いかもわかりませんけれども、お小遣いになってしまうわけです。で、こういうふうにいいましたらば多分皆さんはいうと思うのですけれども、例えば高いところに泊まったらば、だったら差額分は私たちは負担しますというふうにいうとは思います。これが北海道に行ったり九州に行ったりするんだったらばいいんですけれども、今回私が指摘していますのは、地番から見れば東京都、例えば新島村です。ということは、同じ自治体の中同じ自治体というんですかね、例えば圏域の中で、このように差額が生まれるのがはっきりわかっている。例えばわからないんだったら構いません。わからないのだったら構わないけれども、ここまではっきりわかっているんだったならば、何らかの方策を講じるべきだと思いますけど、いかがでしょうか。 # 野口勤労部長 野口勤労部長旅費につきましては、いわゆる実費弁償と定額方式があるわけですが、旅費は旅行した事実に対しまして支給する実費弁償の経費であり、本来、当該旅行のために要した一切の費用を弁償すべきであり、かつそれで十分であるという考え方もございます。しかし、すべての旅費種目につきまして実費主義を貫くことは、手続が煩雑であるばかりか、同一地域への旅行であっても、各自が選択するホテル等によりまして旅費額が異なる可能性があるなど、適正な支出額を判断することは困難をきわめます。そのため、標準的な実費額を基準として定額で定めることにより、簡単な手続と適正な支出を確保しようとするものでございます。国や他団体でも定額ということになっております。東京都も、職員の旅費に関する条例で定額制を規定しておりまして、条例に沿った形で現在の宿泊料を定めて支出しておるところでございます。 # 後藤委員 後藤委員確かに部長がおっしゃるように、書いてはあります。書いてはあるということは、条例に書いてあることはよくわかっているんですけれども、仮にそういうふうにいわれるのだとしましたらば、以前行革一一〇番が指摘をしたように、例えば役場の公費でお土産を都庁の職員が出張に行ったときに渡したよという文書が、村の方に情報公開をかけたらば出てきたわけですけれども、この件に関しまして私も調べましたらば、役場の方は、今後は行わないというふうにいっています。で、ここで役場は行わないというのは当たり前だと思うんですけれども、だったら都庁の職員の方はどういうふうな手当てを講じたのか伺います。 # 岳野総務部長 岳野総務部長島しょ地域の町村による都職員に対する交際費の支出についてでございますけれども、関係局に対する総務局行政監察室による聞き取りの調査を行いました結果、処分に至るような違反は認められませんでした。しかしながら、今後とも、都職員としてその行動に都民からの疑念を抱かれることがないよう、各局総務課長会の場を通じまして、利害関係者との接触に関する指針の趣旨を改めて徹底したところでございます。なお、島しょへの出張の際には、町村の職員等と勤務時間外に飲食をしながら意見交換を行う場合は、これまでどおり応分の負担をして参加してまいりたいというふうに思っておりますが、公費による土産物、贈答品の受領につきましては辞退することといたしまして、島しょ地域の町村に対してもその旨をお伝えして理解を求めたところでございます。 # 後藤委員 後藤委員とりあえずお土産に関しましては、これで片がついたのかなと思うんですけれども、例えば宿泊費に関して、役場の職員は、こちらから行く職員が一万円の宿泊費をもらっていて、例えば民宿ならば民宿、泊まった場所がわかるわけです。必ず迎えに来てくれだとかということになるんではないかなと思いますけれども、仮に六千三百円の民宿に泊まっているところに、役場の職員の方が迎えに行ったときに、三千七百円の差額がこの人には入っているんだよということが、明々白々になっているわけですよ。で、ここまでになりましたらば、確かにお土産の件は片づいたといいましたけれども、ここでお土産は片づきましたけれども、都庁の職員は例えば民宿との差額を受け取っているなと、いいな、これはと、こういうふうなことになりますと、これでは同じ公務員として示しがつかないと思うんですけれども、見解を伺います。 # 野口勤労部長 野口勤労部長島しょ地域の宿泊施設は、主に観光客を対象としておりまして、その内容により宿泊料に大きな差がありまして、季節によって高額な宿泊料金となるなどの状況がございます。また、季節によっては宿泊施設が不足する状態となり、現行においても、場合により、職員が条例で規定した額以上の宿泊施設に宿泊し、その差額を負担しているという実態もございます。先生のご指摘の課題につきましては、まず、施設の宿泊料の状況、それから職員の宿泊実態などの把握を十分行った上で慎重に検討する必要があるというふうに考えております。 # 後藤委員 後藤委員結局部長がおっしゃるのは、実費でやったりすると領収証を添付するのが面倒くさいからだというふうに思うんですけれども、例えば実費でできない理由、この実費でできない理由というのは、例えば領収書をとるのが面倒くさいというふうに理解してよろしいですか。 # 野口勤労部長 野口勤労部長旅費につきましては、先ほど申しましたように、定額主義でいくという考え方でございまして、その料金水準を現在のところ甲乙という二つのランクで定めておりまして、方式的にはその方式の方がすぐれているというふうに考えております。 # 後藤委員 後藤委員部長がそこまでいわれましたらば、ここに内国旅費請求内訳書兼領収書というのがありますけれども、例えば船ですね。船に乗った場合には領収書が添付されているというふうにちゃんと書かれているのですよ。結局出張旅費を請求する場合には、片や船に乗るときには必ず領収書をとってきてくださいねとなっているわけですよ。こうなっていたらば、例えば宿泊費だって、ちょっと面倒くさくなるかもしれないけれども、領収書をとってきて、こういうふうになれば、部長がさっきおっしゃったように、高い宿しかあいていない場合には、高い領収証があるわけですから、いいわけですよ。で、一つだけ私がちょっと驚いたのは、結局部長が、例えば定額主義の方がすぐれているっておっしゃいましたけれども、この定額主義の方がすぐれている理由を教えてください。 # 野口勤労部長 野口勤労部長旅費の件につきましては、一番最初に申しましたように、両主義の優劣につきましては難しい問題でございますが、旅費の実費弁償という性格に即していえば、証拠主義の方がすぐれているということで、先ほど後藤委員がいわれました船みたいな、ケースがかちっと決まっている場合については、そういった形でやるという方式もございますが、しかし、あらゆる旅費種目において証拠書類を求める証拠主義を貫くことは困難でございまして、旅行者及び旅費事務担当者の手続の増加はいうまでもなく、制度の乱用等の弊害が発生するおそれもあります。他方、定額主義は標準的な実費額で機械的に計算するため、手続の簡素化が図られるともに、比較的経費が節約できるという長所もございます。一方、短所もあって長所もあるということでございますが、都においては、証拠主義の考え方に立ちながらも、具体的な宿泊料につきましては、国の旅費制度に準じて定額主義を建前としておりまして、証拠主義を採用するという折衷的な制度ということになっております。だから、そういう意味で、どちらがすぐれていて、どちらがすぐれていないということについては、先ほどちょっと後藤委員から指摘ございましたようにちょっといい過ぎた面もございますが、両方、優劣は難しい問題でありまして、宿泊料については定額方式をとっているということでございます。 # 後藤委員 後藤委員だったらば、私の方からは、要望になるかもわかりませんけれども、例えば定額でやるんだとしたらば、例えば現在の場合は二段階に分かれていますけれども、だったら三段階に分けることも可能だと思います。例えば三段階に分けて金額を下げた場合に、高いところしか宿があいていないということがわかれば、このことは文書でつければお金は出ることになってますよね。で、ここで私がいいたいのは、役場の職員の方も、都庁の職員の方も同じ公務員なんですよ。結局同じ公務員で同じ仕事をやってるのに、片やそこから、返す必要のないお金、簡単にいえばお小遣いになってしまうのかもわかりませんけれども、このようなことで、このようなことにならないようなシステムをできたらば考えていただきたい。今回のことで、こういうふうなこと、離島振興法のことを私いいましたけれども、結局離島振興法というのは何かといいましたらば、伊豆諸島の自立を考えて、皆さんで、例えば都庁の職員の方も、役場の職員の方も、地元に住んでいらっしゃる方とみんなでやっていかなければいけないわけですから、ここのところはぜひ皆さんで考えていただきたいと思います。 # 花輪委員 花輪委員それでは、監理団体について何点かお尋ねをしたいと思います。監理団体の随意契約について、先日の定例会で一般質問をさせていただきました。その中で、総務局がつくっていらっしゃる監理団体の指導監督基準では、いわゆる契約については競争入札が原則となっているけれども、実際監理団体に問い合わせてみたところ、監理団体が十八年度に契約をした一万一千四百四十件中、九千四百三十件、八割以上がその指導基準に反して随契をしている、そういうことを指摘をさせていただきました。それで、随契を減らして透明性を高めるべきじゃないかということもいわせていただいたわけです。そのときに、局長から、随意契約手続の一層の適正化と透明性を確保するために、各団体の随意契約に関する規定については、所要の整備を行った上、公表するよう指導するという答弁をいただきました。当時は規定の中に、原則は競争入札だけれども、本当は競争入札をしなければいけないんだけれども、規定そのものが原則随意契約をしなければいけないみたいな規定をしているところが二件あるというふうに私も指摘をさせていただきましたが、その規定の整備について進捗していればご答弁をいただければと思います。 # 松崎行政改革推進部長 松崎行政改革推進部長委員のご質問の中で、指導基準に反しているということで、随意契約を行うこと自体が指導基準に反していることではなくて、随意契約を原則としているところが指導基準に反しているということで二団体ございまして、財団法人東京都交響楽団と財団法人東京観光財団でございます。これらの団体におきましては、業務の専門性等から、複数見積もりの聴取や、企画コンペにより一定の競争性は確保されていたと聞いておりますが、実態として入札を実施するような契約案件を想定していなかったため、随意契約を原則とする契約規定となっていたものでございますが、規定を見直すよう指導したところでございます。 # 花輪委員 花輪委員規定については見直しをしていただけるということなので、一歩前進だと思います。よろしくお願いします。次に、監理団体というのは、人もたくさん、都の職員の方が派遣をされていたり、また、多額のお金が東京都から出資とか出捐をされていたり、また継続的な財政的な関係があるという、そういう団体です。ですから、都と大変密接な関係がある団体なわけですが、まず最初にこの監理団体の情報公開の基本的な考え方についてご答弁をお願いします。 # 松崎行政改革推進部長 松崎行政改革推進部長監理団体の情報公開につきましては、都の情報公開条例に基づきまして各団体に対してモデル要綱を示し、都に準じた情報公開制度の整備を指導してきたところでございまして、平成十二年以降、すべての監理団体におきまして、条例の趣旨を踏まえた情報公開制度を整備済みでございます。指導監督要綱におきましては、団体の自主的な取り組みを基本として、その推進を図るものとするとしているところでございます。また、十八年七月に策定した行財政改革実行プログラムを踏まえまして、各監理団体におきましては、経営の透明性の向上を図るため、役職員の報酬、給与等に関する情報の公表を進めるとともに、主要事業指標や財務指標といった経営情報の提供頻度の拡大を推進するなど、情報公開制度によらず、みずからも積極的に情報開示に取り組んでいるところでございます。 # 花輪委員 花輪委員みずからも積極的に情報開示に取り組んでいるところであるというようなご答弁がありました。それで、先日、各団体に先ほど、随契の数が九千四百三十件監理団体の中にあるという話をしました。そのうち一億円を超えるものが八十四件ありました。団体でいうと十八団体、十八団体が一億円を超える随意契約をしていて、件数が八十四件ということでございました。その八十四件について、私の方で、契約名と契約の相手方、そして契約の金額について明らかにしていただきたいと各局に問い合わせをしました。こんな表で、契約件名、契約の相手方、契約の金額をお願いしますということをお願いしたんですが、残念ながらどの団体も、各局から返ってきた答えは真っ白でございます。数字について、契約件名について、相手方については明らかにしていただけませんでした。明らかにできない場合は理由も書いてくださいというふうにお願いをしましたらば、各局から、把握する立場にない、または局としては把握をしていません、局としては回答できませんという、そういう回答がそれぞれありました。これについて、総務局としてどのようにお考えか、お聞かせをいただけますか。 # 松崎行政改革推進部長 松崎行政改革推進部長監理団体が外部業者と行う契約につきましては、契約権者であります各団体の長にその権限がございまして、個々具体的な契約情報の詳細を公表するかどうかについては、事業運営上の観点等から各団体がみずから判断することが基本であると考えております。したがいまして、一般的に所管各局におきまして、監理団体が行う個々の契約内容の詳細は把握していないものでございまして、仮に知り得ることがあった場合でも、各局は契約権者でございませんので、基本的にそれを開示をするという立場にはないものと考えております。 # 花輪委員 花輪委員各局は契約権者でないため、基本的に開示する立場ではないというご答弁がありましたが、各局は各団体を指導する立場にあります。総務局も同じだと思います。例えば、多摩都市モノレール、最近非常に経営が厳しくなったということで、また追加で融資が都から行われる。何百億円というお金が入るという話もあります。また、東京都が監理団体に、委託事業として随意契約で監理団体にまず仕事を出す。そこから監理団体が随意契約で、いわゆる民間企業に仕事を出していくと。そこでは競争性が一切ない契約もたくさんあるわけですね。だからそういう契約については、私はこれだけ東京都と密接ないわゆる事業をやっている。だからこそ監理団体として皆さんが指定をしているわけですから、情報についてはしっかりと公開をしていくべきだというふうに思います。ちなみに、東京都の随意契約はどうなっているのかなと思いまして、財務局に確認をしました。東京都の随意契約について、どのように公表されているんだと聞いたところ、十日ぐらい時間がかかったのですが、東京都の契約の情報については、特命随意契約を除いた工事、委託などについては既に電子情報システム及び窓口で公表しておりますが、これまで積極的には公表してこなかった特命随意契約についても、今後は、個別の情報開示があれば原則すべての案件で契約の相手方と契約の金額を開示するという方針ということをお答えいただきました。多分、総務局の皆さんも、そのあたりは確認をしていただいているというふうに思います。このように財務局も、都の随契については基本オープンにしようじゃないかというような姿勢になったわけですね。監理団体も、私はそういう姿勢になっていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。 # 松崎行政改革推進部長 松崎行政改革推進部長契約情報の公表は、団体の契約特性や案件の性質を踏まえ、事業運営上の観点から、団体の長がみずから判断することが基本でございますが、東京都発注の契約情報の取り扱いを参考に、契約手続の公正性や透明性の向上の観点等から、適切な対応を図るよう指導してまいりたいと考えております。 # 花輪委員 花輪委員今、公正性や透明性の向上の観点から、適切な対応を図るように指導していくというご答弁をいただきました。この前の定例会でも、知事が、随意契約については基本的に見直すべき問題という、大変重要な答弁をされたわけですが、今、適切な対応を図るという答弁がありましたけれども、もうちょっと具体的に、どのように今後指導をしていくのかお答えいただけますか。 # 松崎行政改革推進部長 松崎行政改革推進部長監理団体の契約につきましては、その特性を生かし、公共性とともに民間並みの経済性を発揮することが必要であり、適正性を確保しつつ、さまざまな契約手法が採用されているところでございます。しかしながら、監理団体には本来、地方自治法の規定は適用されないわけでございますが、その監理団体につきまして、都に準拠した契約の分類、したがいまして競争であるか随意契約であるか、そういった分類を行ってまいりましたために、民間で通常行われている企画コンペや複数年契約、保守メンテナンス契約なども入札という形式を採用していないことから、随意契約として分類せざるを得ず、結果的に随意契約が多くなり、全体として透明性が低いのではないかと見られてしまう懸念があると認識をしております。さきの定例会の質疑を踏まえ、知事からは、監理団体の契約について総点検を行い、都民から誤解を受けることのないよう、また都民に対してきちんと説明できるようにとの指示を受け、各団体に対し随意契約の総点検に着手するよう指導したところでございます。具体的には、監理団体としての公共性や民間企業並みの経済性を踏まえ、監理団体にふさわしい契約となるよう、契約類型の整理や契約方法の見直しを行うとともに、契約規定の整備と公表を行っていくことを考えております。今後とも監理団体の契約について、都民から誤解を受けることのないよう、競争性や透明性の一層の向上を図ってまいりたいと考えております。 # 花輪委員 花輪委員今、総点検に着手するという、そんなご答弁もいただきましたし、契約の方法について見直しを行うということと、契約規定の整備と公表を行うということと、また、それぞれの団体の経営、競争性や透明性の向上を図るということをご答弁いただきました。私も、随契すべてがいけないとはいいません。やっぱり少額なものを入札にかけるよりは、それは随契でやった方が手間が省けるというようなこともあるでしょう。また、お宅しかできないんだという特命随意契約もあるでしょう。でも、その少額随契にしても特命随契にしても、また見積もり合わせにしても、都民から、それはどうして随意契約なんですかと聞かれたときに、それが説明できないといけないと思うんですね。ですから、そのあたりで規定の整備をしっかりしていただいて、都民から疑念とか疑問を抱かれないようにぜひしていただきたいと思います。きょうのところは、皆さんが点検をする、総点検をするとおっしゃっているので、これ以上質問はしないですが、ぜひ前例にとらわれず、見直すべきところはしっかりと見直していただき、特にまた監理団体の契約、それと同時にOBの再就職も含めて透明性を高めていただきたいと思います。最後に局長の決意をお伺いして質問を終わりたいと思います。 # 押元総務局長 押元総務局長監理団体の透明性の向上につきましては、私どももこれまで、経営状況あるいは経営評価に関しまして、毎年度、議会へも報告申し上げますとともに、都民にも公表をしてまいりました。また、都に準じた情報公開要綱をすべての団体で整備するなど、情報公開の取り組みを着実に進めてきたと考えております。副委員長ご指摘の監理団体の契約につきましては、都と密接な関係がありますことから、契約手続の適正性や透明性が求められる一方、監理団体の設立の趣旨からは、民間企業並みの効率性や柔軟性の発揮も求められておりますところから、そのあたりのバランスをとることが必要であろうというふうに考えております。契約に関する情報につきましても、取引条件など、団体の経営そのものと密接な関係があり、一律に情報開示の対象とすることは困難な面もございますので、その範囲、内容は各団体の自主的な判断により決定されるべきものではございますけれども、先ほど来の質疑にもございましたように、今後とも東京都の取り扱いを参考に、契約手続の公正性、透明性の向上の観点から、できる限り情報公開が行われるよう、各団体に引き続き働きかけてまいりたいと存じます。さらに、このたび着手をいたしました監理団体の契約の総点検でございますが、この総点検におきましては、公共性と経済性の両立といった監理団体の特性にふさわしい適正な契約となるよう、契約類型の整理ですとか、あるいは契約方法の見直しなどを行いまして、一層の競争性と透明性の確保を図ってまいりたいと存じます。 # 遠藤委員 遠藤委員長時間の質疑になりました。私、最後でございますのでテンポよくやってまいりますので、どうかご協力のほどをお願いいたします。行財政改革実行プログラムにおけるIT化による業務運営の効率化について、私の方から、これに絞って何点か質問をさせていただきます。東京都はこれまで、財政再建や職員定数の大幅な削減を進めるなど、不断の行財政改革を進めて経費削減に取り組んでいるところでございます。国の取り組みを大きくリードするこうした改革、総務局さん中心になって取り組まれております。日ごろのご労苦に対して、まず心より敬意を表したいと思います。今後とも、都民サービスを維持向上させていくために、常に業務運営の効率化を進めて、費用対効果の向上を図るといった改革を推進していかなければならないと思います。業務の効率化にはさまざまな方法、手法がございますけれども、ITを活用した取り組みは、その中でも中核をなすものであって、こうした点から、この実行プログラムに示されたIT化による業務運営の効率化という項目は、極めて重要なものであると考えております。そこで、まず、この実行プログラムに示されたIT化による業務の効率化、この実行プログラム、昨年のスタートでございますので、大分進展していると思いますので、この進捗状況についてお伺いしたいと思います。 # 松崎行政改革推進部長 松崎行政改革推進部長行財政改革実行プログラムには、IT化による業務運営の効率化に関して五つの実施計画を掲げております。第一に、IT執行体制の見直しでございますが、本年四月に副知事級の情報統括責任者を設置し、そのもとにIT業務改革会議を設置し、業務改革と連動した今後のIT戦略の方向性を示すための全庁横断型の戦略会議として位置づけるなど、都庁のIT執行体制を再編したところでございます。第二に、システム総点検の実施でございますが、IT分野に詳しい民間専門家を含めたシステム評価委員会における検討などを踏まえ、システム総点検を進めているところでございます。第三に、システム調達の見直しでございますが、昨年度経費適正化マニュアルを作成し、全庁に周知を図っており、このマニュアルをさらに充実していくなど鋭意取り組んでいるところでございます。第四に、情報セキュリティー対策の強化でございますが、本年九月に情報セキュリティーポリシーを全面改定し施行したところであり、この新しいポリシーに対応すべく、既存の情報システムに係る手順書の見直し作業などを進めているところでございます。そして第五に、今後のIT化の指針となる計画の策定でございますが、これにつきましては、業務と情報システムの最適化など、都が今後五年間に取り組むべき施策を今後のIT化取り組み方針として取りまとめ、去る九月十日に公表したところでございます。 # 遠藤委員 遠藤委員今ご答弁いただいた最後の五番目に、今後のIT化の方向性を示す計画として、この九月に新たに今後のIT化取り組み方針を策定し発表したと、このように答弁がございました。その中には、非常に重要な内容が含まれていると思います。それは、このIT調達における総合評価一般競争入札の見直しのくだりでございます。情報システムの調達の際には、そのシステムの設計開発、いわゆる初期段階から運用、そして運用終了までの全体のコスト、いわゆるITのライフサイクル全体ですね、ライフサイクル全体を前もって勘案することが重要であるということはいうまでもございませんが、今回のこの取り組み方針には、総合評価一般競争入札の運用について、後年度負担額をより重視していくと、こういうくだりがございます。情報システムの関連経費については、国や民間においても、運用経費の硬直化が問題視されております。都においても同じようなことがいえるんだろうと思います。そこで、二点目の質問になりますけれども、この総合評価一般競争入札の現状の課題と具体的な見直しの方向性についてお答えいただきたいと思います。 # 松崎行政改革推進部長 松崎行政改革推進部長情報システムの開発委託契約について、総合評価一般競争入札を導入いたしましたのは、最初の入札を低価格で落札し、次年度以降の契約で利益を得るという、いわゆる低価格入札を排除し、良質なシステムを適正な価格で調達することを目的としているものでございます。しかしながら、現状の評価項目の設定では、システムの設計開発から運用の全期間に係るトータルライフサイクルコストについて、十分に評価し切れていないという評価基準上の課題が存在しております。このため、評価基準を見直し、システムに係る後年度のコストを今まで以上に重視するということを進めてまいります。具体的には、最初の入札価格が低価格であっても、後年度に係るコストが都の想定額を超過している提案は評価が低くなるよう、評価基準の見直しを検討してまいりたいと考えております。 # 遠藤委員 遠藤委員今、答弁いただきましたけれども、システム開発の委託契約を行う際に、その落札業者の選定において、後年度負担額をより重視するという考え方、大変重要な視点だと思います。ぜひこの総合評価一般競争入札の運用見直しについては、積極的に取り組んでいただいて、できるだけ早期に実現を図っていただきたいことを強く要望させていただきます。次いで、情報セキュリティー対策について伺います。テレビなどの報道によりますと、個人情報の漏えいなど、いわゆる情報セキュリティー事件の発生が後を断ちません。都においても、今年度電子化された個人情報の紛失などの情報セキュリティー事故が六件発生している中で、皆様方、新聞報道等ご存じのとおり、先週、都立学校において、生徒の個人情報を含む二件の紛失事件が発生をしております。大変残念なことであります。そこで質問をいたしますけれども、まず、現在の東京都の情報セキュリティー対策の現状はいかがなものか、お答えください。 # 松崎行政改革推進部長 松崎行政改革推進部長都は平成十四年四月に東京都情報セキュリティポリシーを策定いたしましたが、その後、情報を取り巻く技術、環境の変化が著しく、また、都におきましても、個人情報の紛失などの事故が依然として発生している中で、情報セキュリティー対策を一層強化するべく、去る九月に東京都情報セキュリティポリシーを全面改定し、全庁統一的に情報セキュリティー対策を向上させていくこととしたところでございます。現在、今回改定した新ポリシーのもと、都が保有する電子情報の重要度に応じた分類作業や、システムごとのより具体的な対策を定めた実施手順書の作成作業を進めているところでございます。また、職員の教育研修の充実策として、今年度中に全管理職を対象とした情報セキュリティー研修の実施を計画しております。このような中で今回の都立学校の事故が発生したことは、大変遺憾なことでございまして、総務局としても重く受けとめております。このため、ただいま申し上げた対策に加えまして、情報セキュリティー対策の強化に関するさらなる方策の検討を実施し、このような事故が繰り返されることのないよう、全力を挙げて取り組む所存でございます。 # 遠藤委員 遠藤委員十月末のこの都立高校で発生した二件の事件は、今部長まさに答弁されたとおり、こうしたセキュリティー対策の強化を都として一丸となって取り組んでいるさなかに起きたということであります。今の答弁で、重く受けとめると、このように答弁がございましたけれども、今後、職員全員の意識啓発への取り組みをぜひとも早急に強化をしていただきたいと思います。ただ一方で、IT化が社会の隅々までに行き渡った社会において、電子データの外部への持ち出しというのは、広く行われている、一般的に行われていることでありまして、都においても業務上必要となる場合があることも想定されるが、特に個人情報を含むものについては厳重な管理が必要であるということは論をまちません。したがって、決められたルールの遵守について職員に周知させていくということは当然のことである一方、人間が行うことである以上、この紛失や、または盗難というのは、必ず起こってしまうんだという一つの前提に立って、その対策を講じていくべきであると思います。そこで、東京都における電子データの持ち出しへの情報セキュリティー対策について、例えば記録するデータの暗号化など、技術的な対策を講じておくべきだと思いますが、今後の取り組みについて見解をお伺いいたします。 # 松崎行政改革推進部長 松崎行政改革推進部長情報の持ち出しについてでございますが、東京都情報セキュリティポリシーでは、例えば都民の個人情報などの重要な電子情報については、原則持ち出しを禁止しておりまして、まず、この原則持ち出し禁止については、今回の都立学校の事故を踏まえ、全庁全職員が遵守するよう改めて周知徹底の取り組みを行ってまいります。また、やむを得ず業務上、情報の外部への持ち出しが必要な場合、管理職の許可を得るとともに、暗号化などの技術的対策を施すことが必要でございますが、これらの手続や技術的な対応の具体的な内容については、各局において安全管理措置に定めるということを新たなポリシーで規定をしております。このため、現在、各局における安全管理措置の策定を支援するため、総務局におきまして、標準的な内容を盛り込んだひな型の作成作業を進めているところでございますが、このひな型の作成に当たりましては、ただいまいただきましたご指摘も踏まえ、例えば認証機能のある外部記録媒体の使用やファイルの暗号化を必須とするなどの事項を盛り込んだ上で、早急にひな型の提示をしてまいりたいと考えております。 # 遠藤委員 遠藤委員今答弁のあった内容を、ぜひとも早急に進めていただきたいと思います。なおかつ、東京都におきましては、多くの個人情報を管理しております。さまざまなレベルの対応がありますけれども、ぜひともこの最高レベルのセキュリティー対策を構築していただきたいことを重ねて要望いたします。一方で、昨今のマスコミの報道によれば、企業や地方自治体などにおける個人情報の損失、または漏えい事件は、外部委託契約に基づいた受託事業者から情報が流出したことによるこうした情報漏えいのケースが起こっていると、こういう報道も見受けられます。例えば直近の例でいえば、ことしの十月に明らかになったものですけれども、千葉県職員の情報が流出したという事案がございました。ホームページを見て千葉県の方に問い合わせをしたところ、千葉県では、原則職員一人に一台卓上のパソコンを配置をしているそうでございます。そのパソコンを使うためのICカード、これをつくるために、その作業用データとして、業者に職員のデータを提供をしたということでございます。これが二〇〇六年の一月時点でございました。その数は、千葉県職員の警察並びに教員を除くすべてということで、約一万五千人分ということであったようでございますが、その一万五千人分のデータが、それから一年半以上たったこの十月になって、すべて情報漏えいしていたということが明らかになったということでございます。また、これはことし三月に判明した事案ですが、これは公務員が絡むものではなくて、民民の事案でございますが、三菱UFJニコス、これはクレジット会社だと思いますけれども、この三菱UFJニコスが業務を委託している大日本印刷株式会社で、このニコスがカード及び融資専用カード、マイベストというのでしょうか、このお客様情報約百二十万件、この百二十万件分の名前や郵便番号、また住所、お客によってはカードの番号、生年月日、性別、電話番号という、極めて重要な個人情報が入っていたものが、すべて外部に流出したということでございます。今指摘をしたいずれの事案も、外部の委託業者に仕事を投げたと、その中で発生した事案でございます。東京都においても、さまざまな外部委託事業を行っておりますが、それに関して情報セキュリティー対策については、これまでも、それなりにとられていると思いますけれども、このITの情報に関する技術というのは、本当に日進月歩でございます。こちら側が一つの対策をとれば、直ちにねらってくる方は次の対策をとるという、イタチごっこの状況があります。都として、より厳格にこうした対策を講じるべきと考えますが、今後の取り組みについて伺います。 # 松崎行政改革推進部長 松崎行政改革推進部長外部委託先に対する情報セキュリティー対策も非常に重要な課題だというふうに考えておりまして、情報システム関係の外部委託契約に関して、受託事業者が遵守すべき事項などを規定した現行の標準特記仕様書の改定作業を早急に行ってまいります。具体的な改定内容としては、まず受託事業者に対して、作業開始前に遵守事項についての同意書等の提出を義務づけること、また情報セキュリティーに関する契約上の遵守事項について、受託事業者が実際に遵守したことの報告書を委託作業完了後に提出させるなど、発注者である都が遵守事項の点検をしっかり行うことを盛り込んでまいります。さらに、万一、受託事業者に遵守事項違反があり事故が発生した場合の事業者名の公表についても明記する予定でございます。今申し上げました方向で、現行の標準特記仕様書を改定し、改めて全庁に周知徹底し、それをきちんと都として管理していくということで、受託事業者に対する情報セキュリティー対策を強化してまいります。 # 遠藤委員 遠藤委員これまでの質疑では、主にハード面での取り組み、対策強化を中心に指摘をしてまいりましたが、いただいた資料にこういう標語が載っておりました。これは平成十八年度東京都情報セキュリティー強化月間における最優秀情報セキュリティー標語ということで、皆さんご存じでございましょうか。セキュリティー一人一人が責任者、セキュリティー一人一人が責任者、こういう標語が皆さんの心の中にも入っているんだろうと思います。今後とも、この職員の意識啓発の、活動の強化を初めとしたこの人的な側面、そして、今、さまざまやりとりがありましたけれども、このハード、この両面にわたる対策を講じていただき、情報セキュリティー対策については万全を期して取り組んでいただきたいと思います。次いで、人材育成について何点か、最後にお伺いいたします。ITを有効に活用していくためには、それを実際に利用する職員が十二分にITについて理解し、使いこなしていくことが必要不可欠であると思います。また、先ほどから伺っている情報システムの調達や情報セキュリティー対策についても、職員の皆さんがIT技術を有効に活用しなければ、的確に対応していくことは不可能でございます。先ほど来話題となっておりますIT化の取り組み方針、この課題の中にも、ITの人材の育成、この項目が掲げられております。国や他の地方公共団体でもなかなか進んでいないのが実態かと思います。そして、必ずしも容易な課題ではないということは、十分承知しているわけでございます。しかしながら、冒頭申し上げましたとおり、都政の効率化や、または都民サービスの一層の向上のためにIT化の推進が不可欠である以上は、それを支える人材の育成、それに向けた努力が非常に重要であります。そこで伺いますが、まず、都の今後のIT化を支えていく人材をどう育成しているのか、ご答弁をいただきたいと思います。 # 紺野情報システム部長 紺野情報システム部長都政の効率化と都民サービス向上に向けて、都のIT化をさらに進めていくためには、これを支えるIT人材の育成が非常に重要であると考えております。育成に当たりましては、情報システムの企画立案、運用保守を担う中核的人材である、いわゆるコア人材を育てていくとともに、すべての職員が情報システムを最大限有効に利活用できるように、ITスキルの向上を図っていく必要がございます。また、個々の職員のITスキルの向上を図るとともに、ITを組織的に活用して事務改善を進めていくために、管理職に対する教育が重要であると認識しております。都では、従来からIT人材の育成を目指し研修等に取り組んできたところでございますが、今後は、職員に求められるITスキルの目安を明らかにすることなどを含め、IT化の中核となる人材、管理職、一般職員、それぞれに応じた育成方法をより具体化し、都庁のIT化を支える人材を確保してまいります。 # 遠藤委員 遠藤委員今ご答弁いただいた取り組み、ぜひ力を入れて取り組んでいただきたいと思います。しかしながら、こうした取り組みの一方で、ITの世界は非常に専門化また複雑でございます。よって、すべてを内部の職員の皆さん方で賄うというのは、非常に難しいという局面がございます。IT化を有効に進めるためには、都の業務内容を十分に理解し、それに適合したシステムとしていく必要があって、その意味で、先ほど伺いました内部職員の育成はもちろん不可欠でありますけれども、同時に、特に高度で専門的な業務については、外部からの人材を積極的に登用活用し、そのスキルやノウハウを職員全体に還元していくことも必要だと思います。そこで、改めてお伺いします。都ではITの専門的能力を有する外部の人材の採用をうかがっていると聞いておりますけれども、その活用についてどう考えているのかお伺いいたします。 # 紺野情報システム部長 紺野情報システム部長ITの有効活用のためには、内部での人材を育成するとともに、ご指摘のとおり、高度な専門性を即戦力で求める部門には、外部人材を積極的に登用することも重要でございます。これまでも都では、民間企業での経験を有する人材を経験者採用により確保したり、また、本年五月からは、課長級の特定任期つき職員を登用するなどしてまいりました。また、本年度からは、専門的知識、経験へのニーズが高い分野ごとに区分を設定して、外部人材を登用するための専門人材主任採用試験を新たに実施しており、この中でも、システム分野の人材を登用するための区分を設けているところでございます。こうした人材を、システムの開発運用業務や、それに伴う関係者との調整業務などに積極的に登用し、費用対効果等の向上を図るとともに、そのスキルやノウハウを内部の職員に還元し、職員のレベルアップにもつなげてまいりたいと思います。 # 遠藤委員 遠藤委員先ほど来申し上げているとおり、ITは簡素で効率的な質の高い行政運営を実現するための不可欠なツールでございます。ぜひともITを十分に使いこなして、都民サービスの向上につながる、スリムで効率的な行政運営の実現を図っていただきたいと思います。そのためにも、この今後のIT化取り組み方針に示された施策を着実かつ迅速に実行していくことを改めて強く要望し、質問を終わります。ありがとうございました。 # 酒井委員長 酒井委員長ほかに発言がなければ、お諮りいたします。事務事業に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 酒井委員長 酒井委員長異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。以上で総務局関係を終わります。これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。午後五時三十六分散会
2024-03-31T11:23:08.242726Z
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--- title: 平成19年総務委員会 名簿・議事日程 # 平成十九年十一月六日(火曜日)第一委員会室出席委員十二名委員長酒井大史君副委員長鈴木隆道君副委員長花輪ともふみ君理事小磯善彦君理事松村友昭君理事林田武君後藤雄一君山口文江君遠藤守君倉林辰雄君吉野利明君大沢昇君欠席委員二名出席説明員青少年・治安対策本部本部長久我英一君総合対策部長百合一郎君青少年対策担当部長小島昭君治安対策担当部長八木沼今朝蔵君総務局局長押元洋君危機管理監中村晶晴君理事島田幸太郎君理事中井敬三君総務部長岳野尚代君参事和久井孝太郎君行政改革推進部長松崎茂君情報システム部長紺野秀之君首都大学支援部長松本義憲君主席監察員齋藤進君行政部長中西充君多摩島しょ振興担当部長松本栄一君都区制度改革担当部長森祐二郎君総合防災部長石野利幸君企画調整担当部長鈴木省五君勤労部長野口宏幸君統計部長金子優君人権部長田村初恵君国体推進部長笠井謙一君監査事務局局長白石弥生子君参事皆川重次君本日の会議に付した事件監査事務局関係事務事業について(質疑)青少年・治安対策本部関係事務事業について(質疑)総務局関係事務事業について(質疑)
2024-03-31T11:23:08.956528Z
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--- title: 平成19年財政委員会 本文 # 午後一時開議 # 鈴木委員長 鈴木委員長ただいまから財政委員会を開会いたします。初めに、意見書、決議について申し上げます。過日の委員会で理事会にご一任をいただきました意見書、決議中、決議一件については、お手元配布の案文のとおり調整いたしました。案文の朗読は省略いたします。商業地等に対する負担水準の上限引下げなど固定資産税等の軽減措置の継続に関する決議(案)景気は緩やかに回復しているというものの、多くの都民にその実感はない。特に中小企業の業況判断が悪化しているなど、景気の先行きについては不透明感が強まりつつある。また、二十三区の地価水準は、全国と比較すると依然として高く、固定資産税等の過大な負担の実態があることに加え、負担水準の不均衡はいまだ解消されていない。都は、これまで独自に固定資産税等の軽減措置を実施することで税負担の緩和を図り、二十三区に住み、働く、都民や中小企業者等の定住確保や事業の継続等を支援してきた。今、これらの軽減措置を廃止することは、いまだ深刻な経営状況にある中小企業者等に対し、多大な税負担増を求めることになりかねない。よって、東京都議会は、二十三区に住み、働く、都民や中小企業者等の税負担感に配慮する観点から、次の事項を実施するよう強く求めるものである。一商業地等に対する固定資産税等の負担水準の上限引下げを平成二十年度も継続すること。二小規模住宅用地に対する都市計画税の軽減措置を平成二十年度も継続すること。三小規模非住宅用地に対する固定資産税等の減免措置を平成二十年度も継続すること。四新築住宅に対する固定資産税等の減免措置の適用期限を一年延長すること。以上、決議する。平成十九年十二月日東京都議会 # 鈴木委員長 鈴木委員長本件は、議長あて提出の手続をとりたいと思いますので、ご了承願います。なお、意見書については、調整がつかなかった旨、議長に報告すべきであるとの結論になりましたので、ご了承願います。 # 鈴木委員長 鈴木委員長本日は、お手元配布の会議日程のとおり、付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。これより付託議案の審査を行います。第二百七号議案から第二百十二号議案までを一括して議題といたします。本案については、既に質疑を終了しております。なお、第二百七号議案から第二百十一号議案までの契約議案については、事業所管の常任委員会から、お手元配布のとおり、調査の報告がありました。朗読は省略いたします。ご了承願います。平成十九年十二月十四日厚生委員長野上純子財政委員長鈴木あきまさ殿契約議案の調査について(報告)十二月十二日付けをもって議長から依頼のあったこのことについて、左記のとおり報告します。記1調査議案第二百七号議案東京都医学系総合研究所(仮称)(H十九)I期新築電気設備工事請負契約第二百八号議案東京都医学系総合研究所(仮称)(H十九)I期新築空調設備工事請負契約2調査結果(1)自民党、民主党、公明党及びネットは、全議案に対し異議はありません。(2)日本共産党は全議案に対し、次の意見がありました。(意見)第三回定例会で提出された、本体である医学系総合研究所(仮称)新築工事請負契約議案は臨床医学総合研究所、精神医学総合研究所、神経科学総合研究所の移転統合計画は、研究者・関係者による検討が不十分のまま、決定されたものであることを指摘した。とりわけ、三研究所の統合移転によって、都立病院、臨床現場から研究所が切り離されてしまうデメリットや、研究所の面積も縮小されるなかで、不安定な有期雇用の研究員を重視するものであり、研究機能の強化という建前からも、逆行するという観点から反対した。よって、付随する第二百七議案及び第二百八号議案に反対である。平成十九年十二月十四日都市整備委員長村上英子財政委員長鈴木あきまさ殿契約議案の調査について(報告)十二月十二日付けをもって議長から依頼のあったこのことについて、左記のとおり報告します。記1調査議案第二百九号議案富士見橋鋼けた製作・架設工事請負契約2調査結果(1)自民党、民主党、公明党は、本議案に対し異議はありません。(2)日本共産党は、本議案に対し、次の意見がありました。(意見)富士見橋工事請負契約は、補助第三一五号線の一部として整備するもので、「臨海副都心開発推進計画」の中で開発促進のために幹線道路と補助幹線道路があわせて計画されたものである。元々、臨海開発の財政フレームは基本的に開発者負担を原則に始められたものである。その後、臨海開発財政の破綻が明らかになり、数回の見直しの中で都財政が様々な形で投入されるようになった経緯があり、そうした臨海開発を救済するために急ぐ計画であり、認めるわけにはいかない。しかも、オリンピックの推進のために、築地市場豊洲移転の計画にあわせて整備するものであるが、豊洲の土壌汚染問題も未解決なままであり、急ぐ必要性のないものである。よって、第二百九号議案に反対である。平成十九年十二月十四日環境・建設委員長谷村孝彦財政委員長鈴木あきまさ殿契約議案の調査について(報告)十二月十二日付けをもって議長から依頼のあったこのことについて、左記のとおり報告します。記1調査議案第二百十号議案瑞穂大橋鋼けた製作・架設工事請負契約2調査結果異議はありません。平成十九年十二月十三日経済・港湾委員長増子博樹財政委員長鈴木あきまさ殿契約議案の調査について(報告)十二月十二日付けをもって議長から依頼のあったこのことについて、左記のとおり報告します。記1調査議案第二百十一号議案平成十九年度東京港臨海道路(II期)中防側アプローチ橋りょう鋼けた製作・架設工事請負契約2調査結果(1)自民党、民主党、公明党及びネットは、本議案に対し異議はありません。(2)日本共産党は、本議案に対し、次の意見がありました。(意見)臨海道路は、臨海副都心開発の広域アクセス道路として計画され、当初、臨海副都心開発事業会計等で整備される予定で計画され、I期工事が行われた。巨大な投資で臨海開発が進められ、その破綻が誰の目にも明らかになり、臨海開発の見直しを求める都民世論が盛り上がる中で、平成九年、不十分ながら計画の見直しが行われた。臨海道路はI期工事のみで、II期工事は社会経済状況等を見た上で、整備時期検討路線ということで凍結されたものである。その後、平成十二年、石原都政になり「東京構想二〇〇〇」で東京港の国際物流機能強化のための道路として位置付けられ、首都圏規模の都市改造として息を吹き返した。知事が国に要請し、国直轄事業になった結果、事業経費は一般会計からの支出になり、臨海地域開発事業会計の負担が軽減されたものである。これは臨海の救済である。臨海II期道路は、臨海開発を促進するとともに、臨海部の自動車走行の増加による大気汚染や温暖化など環境への負荷を招くことになりかねない。財政負担を招く広域幹線道路臨海II期工事は、中止するよう求める。よって、本議案に反対である。 # 鈴木委員長 鈴木委員長この際、本案に対し発言の申し出がありますので、これを許します。 # 曽根委員 曽根委員本委員会に付託された議案について、日本共産党の意見を述べます。第二百七号、第二百八号議案は、医学系三研究所の統合による総合研究所を世田谷の松沢病院敷地内に建設するための電気設備及び空調の工事契約ですが、もともと駒込病院の増築で玉突きになった経緯もあり、しかも施設規模も人員も縮小する計画であることから、本体工事と同様、反対をいたします。第二百九号議案は、有明北と豊洲を結ぶ補助三一五号線の富士見橋の鋼けたをかける工事であり、臨海開発のアクセス道路の一つですが、臨海会計を救済するため開発者負担を軽減し、一般会計で整備するものであり、反対いたします。第二百十一号議案は、臨海道路II期工事の一環として、中防外側の北東部にアプローチ橋梁をつくる工事です。二百九号議案と同じく臨海開発推進のアクセス道路であり、開発者負担による整備計画が一たん凍結され、その後、国直轄事業として、都の一般会計で三分の一を負担して事業化されたものであり、破綻した臨海開発への税金投入になることから、反対です。以上です。 # 鈴木委員長 鈴木委員長発言は終わりました。これより採決を行います。初めに、第二百十一号議案を採決いたします。本案は、起立により採決いたします。本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。〔賛成者起立〕 # 鈴木委員長 鈴木委員長起立多数と認めます。よって、第二百十一号議案は原案のとおり決定いたしました。次に、第二百七号議案から第二百九号議案までを一括して採決いたします。本案は、起立によって採決いたします。本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。〔賛成者起立〕 # 鈴木委員長 鈴木委員長起立多数と認めます。よって、第二百七号議案から第二百九号議案まではいずれも原案のとおり決定いたしました。次に、第二百十号議案及び第二百十二号議案を一括して採決いたします。お諮りいたします。本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 鈴木委員長 鈴木委員長異議なしと認めます。よって、第二百十号議案及び第二百十二号議案はいずれも原案のとおり決定いたしました。以上で付託議案の審査を終わります。 # 鈴木委員長 鈴木委員長次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項については、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 鈴木委員長 鈴木委員長異議なしと認め、そのように決定いたしました。 # 鈴木委員長 鈴木委員長この際、所管四局を代表いたしまして、村山財務局長から発言を求められておりますので、これを許します。 # 村山財務局長 村山財務局長所管四局を代表いたしまして、一言御礼を申し上げます。本定例会に提案いたしました議案につきまして、それぞれご審議をいただき、ただいまご決定をいただきました。まことにありがとうございました。また、都税調の中間報告あるいは都財政をめぐる最近の動きなど報告事項につきましても、委員長を初め委員の皆様には、さまざまな視点、観点からご審議をいただきました。まことにありがとうございました。審議の過程で賜りました貴重なご指摘、ご意見につきましては、十分に尊重し、受けとめさせていただき、今後の都政運営に万全を期してまいりたいと存じます。今後ともご指導、ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。 # 鈴木委員長 鈴木委員長発言は終わりました。以上をもちまして本日の委員会を閉会いたします。午後一時六分散会
2024-03-31T11:23:09.851312Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/647540?Template=document&Id=5391#one
--- title: 平成19年財政委員会 名簿・議事日程 # 平成十九年十二月十七日(月曜日)第二委員会室出席委員十四名委員長鈴木あきまさ君副委員長高倉良生君副委員長柿沢未途君理事西岡真一郎君理事秋田一郎君理事曽根はじめ君伊沢けい子君原田大君高木けい君宇田川聡史君野上ゆきえ君遠藤衛君東野秀平君桜井武君欠席委員なし出席説明員財務局局長村山寛司君経理部長新田洋平君主計部長真田正義君主税局局長熊野順祥君総務部長加島保路君会計管理局局長三枝修一君管理部長細野友希君収用委員会事務局局長中田清己君本日の会議に付した事件意見書、決議について付託議案の審査(決定)・第二百七号議案東京都医学系総合研究所(仮称)(H十九)I期新築電気設備工事請負契約・第二百八号議案東京都医学系総合研究所(仮称)(H十九)I期新築空調設備工事請負契約・第二百九号議案富士見橋鋼けた製作・架設工事請負契約・第二百十号議案瑞穂大橋鋼けた製作・架設工事請負契約・第二百十一号議案平成十九年度東京港臨海道路(II期)中防側アプローチ橋りょう鋼けた製作・架設工事請負契約・第二百十二号議案当せん金付証票の発売について請願陳情の継続審査について特定事件の継続調査について
2024-03-31T11:23:10.587415Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/647540?Template=document&Id=5390#one
--- title: 平成19年財政委員会 本文 # 午後一時一分開議 # 鈴木委員長 鈴木委員長ただいまから財政委員会を開会いたします。初めに、意見書、決議について申し上げます。委員から、お手元配布のとおり、意見書、決議を提出したい旨の申し出がありました。お諮りいたします。本件につきましては、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 鈴木委員長 鈴木委員長異議なしと認め、そのように決定いたしました。 # 鈴木委員長 鈴木委員長本日は、お手元配布の会議日程のとおり、財務局関係の付託議案の審査及び報告事項の聴取並びに会計管理局及び主税局関係の報告事項に対する質疑を行います。なお、付託議案中、第二百七号議案から第二百十一号議案までの契約議案については、議長から、事業所管の常任委員会に調査依頼を行っているとのことでございます。ご了承願います。これより会計管理局関係に入ります。報告事項、平成十九年度資金管理実績(上半期)についてに対する質疑を行います。本件については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。ご発言をお願いします。〔「なし」と呼ぶ者あり〕 # 鈴木委員長 鈴木委員長発言がなければ、お諮りいたします。本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 鈴木委員長 鈴木委員長異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。以上で会計管理局関係を終わります。 # 鈴木委員長 鈴木委員長これより財務局関係に入ります。初めに、付託議案の審査を行います。第二百七号議案から第二百十二号議案までを一括して議題といたします。本案については、既に説明を聴取しております。その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。資料について理事者の説明を求めます。 # 新田経理部長 新田経理部長先日の委員会におきまして要求のございました資料についてご説明申し上げます。お手元に配布してございます要求資料第1号をごらんください。東京港臨海道路(II期)財務局契約案件一覧でございます。東京港臨海道路(II期)工事におけるこれまでの財務局契約の実績につきまして、業種、件名、契約の相手方、予定価格、落札金額、落札率をまとめたものでございます。説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。 # 鈴木委員長 鈴木委員長説明は終わりました。ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。ご発言を願います。〔「なし」と呼ぶ者あり〕 # 鈴木委員長 鈴木委員長発言がなければ、お諮りいたします。本案に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 鈴木委員長 鈴木委員長異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。 # 鈴木委員長 鈴木委員長次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。 # 真田主計部長 真田主計部長それでは、私から、報告事項、都財政をめぐる最近の動きについて口頭によりご説明申し上げます。なお、参考資料といたしまして、皆様のお手元には石原知事のコメントをお配りしてございます。この資料は、一昨日の十二月十一日に福田総理と石原知事の会談が持たれまして、地方税収の格差問題につきまして一定の決着がついたところでございますけれども、この会談終了後に石原知事から発表させていただいたものでございます。恐縮ですが、本文を読み上げさせていただきます。1、首都として、また三百万人を超える昼間流入人口の存在により、膨大な財政需要を抱えている。にもかかわらず、国は二十年度税制改正において税収格差の是正と称して、都などから法人事業税を吸い上げようとしており、都は強く反対してきた。こうした中、福田総理との会談を求められたので、先ほど首相官邸で面談してきた。総理からは、地方の窮状を理解してほしいとの話とともに、首都東京の活力の増進により日本の発展を促すため、都の重要な施策に国は最大限協力する、そのため実務者による国と都の協議の場を設けるとの提案がなされた。もとより、税制改正は国の法改正によるものであるが、今回の法人事業税の取り扱いは、大都市の財源を理由なく地方に移転させるもので、地方分権に逆行するばかりでなく、税の原則に反し、都として納得できるものではない。また、地方財源の充実は小手先ではなく、消費税の税率引き上げと地方の配分拡大という抜本的改革により行うべきであり、総理にも強く申し上げた。しかし、今回、総理が、首都東京の活力の増進が国の発展に不可欠との認識を示した上で、都の重要施策の実現について踏み込んだ提案をされたことは重要である。私からは、この総理の提案を踏まえ、現在、東京が取り組んでいる重要施策を具体的に挙げ、国も力を尽くすべきことを強く求めたところ、総理は前向きの返事をされた。これを踏まえ、今回の措置を税制の抜本改革までの暫定措置とすることを条件に、協力することとした。総理には、消費税を含む税制の抜本改革をぜひ早期に実現してもらいたい。私としては、首都東京、そして日本の発展のため、重要な施策について精力的に協議を積極的に進め、速やかな実現を図っていく。そういうものでございます。次に、その際、石原知事から福田総理に対しまして国の協力を求めた事項につきましてご説明いたします。その次のページ、三枚目をごらんいただきたいと思います。当面の首都東京の重要施策リストでございます。内容的には記載のとおり、ハード関係、ソフト関係両方にわたっておりまして、合計十三項目ございます。まず、ハード関係でございます。Iにありますとおり、首都の効率を増進するインフラ整備としまして羽田空港国際化の一層の推進など五項目、首都の信頼、安心の向上として耐震対策の強化促進等で一項目、首都の品格を高める環境整備として美しい景観の創出など二項目でございます。また、ソフト関係についてでございますけれども、IIにありますとおり、首都の活動を支える施策の充実として治安の維持向上など四項目、首都オリンピックへの全面的な支援として財政保証等の一項目でございます。最後になりますが、この間の先生方のご支援に対しまして感謝申し上げたいと思います。説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願いしたいと思います。 # 鈴木委員長 鈴木委員長報告は終わりました。これより本件に対する質疑を行います。発言をお願いします。 # 秋田委員 秋田委員報告事項について質問させていただきます。去る十一日、石原知事と福田首相の会談により、地方間の税収の偏在是正策について合意がなされました。このことについて何点か伺います。これまで我が党は、国が行おうとする不合理な税財政制度の見直しに断固反対してまいりました。今回いわれている是正策は、国が一方的に大都市から財源を奪い国税化するという、地方分権に逆行するものであり、納得できる内容ではありません。そもそも現在の地方財政の困窮は、国が三位一体の改革の名をかりて、地方分権改革の本来の趣旨とは無関係に、三年間で五・一兆円もの地方交付税を削減したことによるものであり、無責任に都市の財源を地方に配分すればよいというものではありません。都は六月に、「大都市狙い撃ちの財政力格差是正論への反論」を発表し、経済財政諮問会議などの議論に対して明快に反論をしています。そのころは、財務省案だ、総務省案だといろいろな議論が出ておりました。そこでまず、夏の議論のころ、どのような議論が出ていて、都への影響額はどれくらいと見込まれていたのか、伺います。 # 真田主計部長 真田主計部長第一弾の反論書を出した六月ごろには、国は骨太の方針二〇〇七の策定に向けた検討を進めておりました。そこにおける議論では、地域間の税収の差を単純に財政力の差に結びつけ、税収の偏在の是正に早急に取り組むべきとし、東京を初めとする都市部の財源を吸い上げ、地方に回そうとする議論が俎上に上がっておりました。そこで想定された見直し策は大きく三つございます。一つは、法人二税を国にプールしまして人口基準等によって自治体に配分するもので、いわゆる財務省案でございます。人口基準によりまして全額を配分した場合、都の減収は一兆四千億円になると見込まれておりました。もう一つは、偏在性の低い国税である消費税を地方税化しまして、偏在性の高い地方税である法人二税を国税化しまして、同額を交換するものでございます。いわゆる総務省案でございますが、国と地方の消費税を二・五対二・五としまして、同額の法人二税を国税化した場合、都の減収は五千億円になると見込まれておりました。このほか、地方消費税の一%分を法人事業税と交換する案もございまして、その場合の影響額は約三千億円程度で見込まれておりました。 # 秋田委員 秋田委員今の主計部長のお話を改めて聞いて、それだけ大きな額が議論されていたと思うとそら恐ろしく感じるところでございます。都議会自民党は、早くから政府や党役員に働きかけ、都財政を守るべく腐心してまいりました。秋になって議論が切迫する中、我が党の東京都選出国会議員を中心に東京の財源を守るプロジェクトチームを立ち上げ、日本を牽引する首都としての東京の役割、大都市特有の東京の財政需要への理解を訴えてまいりました。また、都も第二段階の反論の書として「都市と地方の共倒れを招く『法人二税の格差是正策』に反論する」という小冊子を作成し、国の考える是正策は都市のみならず地方にとってもメリットがないことや、真の地方分権に向けた提言などを各方面へ精力的に訴えてまいりました。ことしの反論書の内容は、これまでよりも東京という主張が小さくなり、地方への配慮が見えますが、それはどのような意図によるものか、伺います。 # 真田主計部長 真田主計部長従来より国は都を富裕団体とみなしまして不合理な財政調整を行ってきておりますけれども、昨年は東京の財源をねらい撃ちする動きが再燃いたしましたので、東京富裕論に対する反論を前面に出して戦い、そうした動きを食いとめることができました。しかし、ことしに入りまして、国は明らかに不合理な税制改正を持ち出してまで国の責任を棚に上げて、都市と地方の対立の構造を意図的につくり出すことによりまして地方を分断しようとする動きを強めてまいりました。こうした国の土俵に乗ることは都市と地方の共倒れを招くだけであると強く危機感を抱きまして、地方間の連携を強くして国に対抗していく必要があると考えたところでございます。そのため、ことしの反論の書では、財政面で国の差配を受けない不交付団体である東京都が、地方財政を困窮させた原因が国にあることを指摘して国の責任を問うとともに、地方交付税の復元を国に求めるなど、地方の共感を得まして、ともに戦える内容を重視したところでございます。 # 秋田委員 秋田委員こうした取り組みによって、全国の自治体や国の中でも東京の主張に対する理解が深まって、また四都府県の連携によるアピールなども相まって、単純に都市の財源を奪うという動きは誤りであるといった認識が大きく広がったものだと思います。そうした理解も背景にあって、一兆円といわれたむちゃくちゃな都への影響額を大幅に縮小させることができたともいえるのではないのでしょうか。石原知事は今回このような形で大きな決断をしたわけでありますが、地方の現実と日本を預かる総理からの要請という状況の中で、大局的見地からご決断されたのではないかと思います。地方税財政制度の本来のあるべき姿、一方では困窮する地方への思い、そして首都東京を預かる知事の立場など、いろいろな要素が複雑に絡み合う中で、都民と日本の繁栄を願う観点から、まさにぎりぎりの苦渋の選択の決断だったと推察します。非常に冷静で現実的な対応をとられたものであるとともに、首都東京の代表たるにふさわしい英断であると評価しています。我が党としても、東京だけを考えればいいという状況ではありません。それだけ地方の疲弊は進み、抜き差しならない状況になっているともいえます。全国会議などで他県の議員と議論をすると、それだけの危機感をひしひしと感じます。それだけに知事の悩みもよくわかります。私は第三回定例会で、国を親、東京を長男、他の道府県を弟に例えて質問させていただきましたが、例えば金遣いが荒く大きな借金を背負った親を持つ四十七人兄弟の長男として、弟たちの面倒を東京が見なければならない立場のつらさ、自己犠牲の精神も十分に理解できます。今回の知事の決断を、麻生全国知事会会長も、東京都としての地方への配慮の意思表示であると大変評価しており、知事の真意が伝わっていると考えられると思います。さて、福田総理との会談は総理から求められたものでした。一国の総理が知事と真剣な交渉をすることは異例のことであり、都の存在感が際立つとともに、総理が何を提案したのか、興味のあるところでございます。この異例の会談の中で福田総理からどのような提案があったのか、伺います。 # 真田主計部長 真田主計部長福田総理からは、地方の窮状への理解を求めたいという申し入れがございまして、あわせて首都東京の活力の増進によりまして日本の発展を促すため、都の重要な施策の推進に国は最大限協力したい、そのため、国と都の間で実務者による協議の場を設けたいという提案があったとのことでございます。個別団体に対します国と地方の協議の場の設置は初めての取り組みでございます。そもそも日本の税制は国が勝手に決められるものでございまして、知事に相談などせずに決められるものであるにもかかわらず、総理からこのような異例の提案がなされましたのは、都がこれまで、大都市の財源を理由なく地方へ配分するような措置は税の原則に反し、地方分権に逆行するものであると知事を先頭に強く主張してきたため、国としても都の反対の意向を全く無視して強行することができなくなったことによるものと考えております。 # 秋田委員 秋田委員石原知事は、その会談の中で国の申し出を無条件にのんだわけではありません。逆手をとって条件をつけるのが政治という記者会見での発言もあったようですが、福田総理との会談の中で石原知事が条件を出して合意した事項は何ですか。 # 真田主計部長 真田主計部長今回の措置は、地方税の原則や、あるいは地方分権にも反する筋の悪いものでありながら、知事が最終的には協力することとした前提となった条件としまして、あくまでも税制の抜本改革までの暫定措置であるということが確認されたことにあると思います。そのため、知事からは、地方の自立に向けた税財政制度の抜本改革を早期に実現することを総理に強く申し入れたところでございます。さらに、知事は総理に対しまして、現在、東京が取り組んでおります重要施策を具体的に挙げまして、国がその実現のために力を尽くすよう強く求めまして、これに対して総理からは、知事の主張を理解し、実現に向け最大限努力するという前向きな回答をいただいたとのことでございます。そこで挙げた内容の例としましては、先ほどもご説明しましたとおり、例えばハード関係では羽田空港の国際化の一層の推進や、圏央道の整備促進や外かく環状道路の早期着工などによる首都の効率を増進するインフラ整備、ソフト関係では都独自の認証保育所制度の承認、二〇一六年東京オリンピックへの全面的支援など多岐にわたっておりますけれども、いずれも首都東京にとって重要な施策でございます。これらの重要施策の推進のため、国と都の間で実務者による新しい協議の場を設けることとされておりますが、今後はこの場を活用して精力的に協議を続けていくことによりまして、重要施策の速やかな実現が図れていくものと考えております。 # 秋田委員 秋田委員まず初めに、今のご答弁の後半に挙げられた、国から東京オリンピック招致や東京のインフラ整備など都の重要施策の実現についての全面的な支援をかち取ったことを評価したいと思います。第一に、これまでやりたくても国がネックになって進まなかった事業が進むことであり、これは都民に大きな効果をもたらすことが予想されます。第二に、首都としての東京の活力増進が国の発展に不可欠であるということを認めたことであって、首都東京の重要性を認めたことは大きいと思います。第三には、国と都が協議しながら事業を進めるというモデルスキームができたことで、地方の意見をもっと反映させた事業を進めることができるようになることです。これは、東京都だけではなく、地方全体に波及するものと思われます。これら石原知事が提案した事業をきちんと実施することにより、都だけでなく他の地方自治体、都民のいずれにもメリットがあり、この約束をかち取った影響は大きいと考えます。その効果を発揮するためには、今後設置される国との協議会において、今般、福田総理と石原知事が合意した項目を着実に実施するようにお願いしたいと思います。もう一つの条件は、税制の抜本改革までの暫定措置であるということです。この暫定措置であるということを条件に出した理由はどのようなものだと考えられますか。 # 真田主計部長 真田主計部長先ほどもお答えいたしましたように、今回の税制によります措置は、地方税の原則や、あるいは地方分権にも反する筋の悪いもので、本来であれば都としてもとても受け入れがたいものでございます。それにもかかわらず知事がこれを最終的に受け入れることとしましたのは、総理からこれしかないという申し出があり、また知事としてはあくまでも暫定という確約がなければ協力できないというぎりぎりの状況の中での決断であったというふうに推察しております。したがって、今回の措置が本当の暫定のものとなるよう、税制の早期抜本改革に向けまして、知事を先頭に今後とも全力で取り組んでいく必要があるというふうに考えております。 # 秋田委員 秋田委員確かに税制の抜本改革までの暫定措置ということで、地方税財政改革に向けた道筋をつけたといえると思います。これは歴史的に見ても大きなメルクマールといわれることになるかもしれません。しかし、税制改革が進まず、いつまでもこのような不合理な措置が続けば、いずれ都民サービスへの影響も避けられません。今回の是正策はあくまでも税体系の抜本的改革までの暫定措置であることを明確にし、地方分権改革も含めて地方税財政改革を確実に進めるよう、国に対して今まで以上に働きかける必要があります。これら二つの条件は、これまでの経緯などを踏まえれば、そう簡単に国がのめるものではありませんでした。その意味では、今回の合意は、単なる妥協案ではなく、より東京都の立場を強化し、地方全体にも配慮した大局的な判断だったのではないのでしょうか。今回の英断により、図らずも東京が地方自治体の真のリーダーであることが改めて証明されたと思います。今後も真の地方分権の実現に向けて、地方の先頭に立って国を動かしていくとともに、自立に向けて志を持って努力している地方との連携、支援を深めていくなど、大局的な視点から都市と地方の共生を目指すことでさらなる信頼を獲得できるよう努力していただきたいと切に願います。こうしてこれまでの経緯を振り返って、最後に局長の所見を伺います。 # 村山財務局長 村山財務局長お答えいたします。今、これまでの経緯を含めてるるご質問、ご指摘をちょうだいいたしました。確かに、夏場前のころを振り返ってみますと、もう日本全国、東京に対する包囲網が広がるという状況の中で今回の取り組みはスタートしたわけでございまして、そういうことから見ますと、今ご指摘いただきましたように、都議会の先生方のご支援、ご努力をいただきながら、私ども知事を先頭に、この間、いかに今回の大都市から税を取り上げて地方にぶんまこうという、そういう発想というのが野蛮なものであるのか、不合理なものであるのかというようなことを訴え続けてきたわけでございます。そういう努力の中で、内容的にはいろいろ、極めて問題があるわけでございますけれども、暫定という条件を付して、しかもさまざまな、個別の団体との間では初めて、国が団体の施策の推進に向けて協議会を新たに立ち上げるというような形での一つの決着を見ることができたというふうに考えておりまして、この間のご支援、ご協力、ご努力、本当にありがとうございました。そういう上でのお話でございますけれども、改めて私どもから今回の内容について申し上げさせていただければ、やはり知事も、本会議のところでも申し上げましたとおり、税の基本からすると極めてひどいと。地方分権という流れに対しても逆行するものであると。この点はいかんとしても私どもは納得できるものではないわけでございまして、それだからこそ、知事は、日本を引っ張っていく首都東京の知事として、あるいは地方の一員として大局的な見地から熟慮されて、暫定だぞという条件で協力をするというご決断をされたのだというふうに私どもは受けとめておりますけれども、その決断の意味を本当の意味で意義あらしめるためには、我々これから本当の意味での地方税財政制度の抜本改革、地方税制の改革というものをできるだけ早い時期に成功させるということが、今回の知事の決断というものを歴史的に見ても実態的に本当の意味で意味のあるものにしていくことだというふうに考えておりまして、そこのところで私ども改めてスタートラインに立ったつもりで決意を新たにしているところでございます。同時に、都財政の運営を預かる立場というふうに考えてみますと、今回の財政的な影響は非常に大きいものがございます。このことをどういうふうに受けとめて、どう対処していくのかというのが現実的な世界においては私どものもう一つの仕事ということになるわけでございます。この間ずっと私ども都財政の再建に継続的に努力してきたわけでございますけれども、まさに財政再建というのは、こういう危機的な状況の中にあっても、しかるべく東京という都市を、日本を牽引できるような都市として都市づくりを進めていくこと、それから、そこに住んで働いていらっしゃる都民の方々あるいはそこに来られる国民の方々がしっかりと生活をエンジョイできるような、都民生活の安寧を図るという営みをしっかり危機のときにも対応しながらやっていくために、これまで努力してきたわけでございますので、私どもが現時点で培ってきている対応能力というものをフルに活用して、何としても「十年後の東京」の実現に向けて頑張らなきゃいけないというふうに思っております。同時に、その厳しさは決意として厳然としてあるわけでございますので、歳入歳出両面から、効率性とか、むだのないようにとかいうようなことにもう一回目を改めて向け直して、足元を固めながら、しっかりと一歩一歩、都議会の先生方のご叱正も受けながら、期待を裏切ることのないように頑張っていきたいというふうに、この点についても改めて決意をいたしているところでございます。いずれにいたしましても、今回のところに立ち至るまでの間の都議会の皆様方のご尽力に本当に改めて感謝を申し上げますとともに、この二つの地方税財政制度の抜本改革と、それから本当に都民の東京都をちゃんとつくり上げていくという課題に向けまして、今後ともよろしくご指導、ご鞭撻のほどをお願いいたしまして、決意というふうにさせていただきます。 # 西岡委員 西岡委員財政委員会財務局所管分の報告事項に関連いたしまして、知事が所信表明で日本の死とまで宣言をされた法人事業税の国税化に関して伺ってまいりたいと思います。まず最初に、この間の東京都の財政再建の努力、そしてこの問題に関して反対を貫いてきたこれまでのご努力には敬意を表しております。東京都からの十三項目の重点要望事項を協議するための協議会設置の合意が取りつけられ、また年金財源の確保を含めた抜本的税制改革までの暫定措置として、知事が受け入れを十一日、総理との会談によって表明をいたしました。たとえ結果的に単年度だけの実施だったとしても、知事が制度受け入れの表明を行ったことは極めて私にとって驚きであるとともに、あれだけ反論してきた立場が急激に一変したことは、これはもう地方分権の逆行であることに変わりはなく、率直にいって大変残念に思っております。暫定措置だったとしても、最後まで反対は貫くべきだったというふうに私は考えております。現在、他の自治体からも声が上がっておりまして、岩手県からは、地方の総意を完全に無視するものとのコメントも発表されております。また一方、こういう形で税金が配分をされるということに対して、本当に地方が歓迎をしているのかどうかということに関してもよく考えなければいけないというふうに私は考えております。また、地方自治体間の格差是正策に地方の自主性をゆがめる手法を用いた、この時点においてのみ東京都からの要望を聞き入れる政府の姿勢にも私は大いなる疑問を感じております。政府は、日本の首都東京の施策は常に取り組むべきものであって、この間精力的に行われてきた東京都から国への提案要求などは今まで何だったのだろうかというふうに私は思っております。また、この間一貫して法人二税の緊急アピールなどを提言し、十二月六日にも緊急アピールを発表した愛知、大阪、神奈川の同種自治体の立場も憂慮されます。互いの成果が、今回の総理との合意で、地方税制の抜本改革という決着をかち取れる明確な確約がない現状では、まだまだこの先の地方税財政のありようが極めて懸念をされると思っております。そこで幾つか伺ってまいりたいと思います。また、財務局と主税局で質問を少し整理いたしましたので、財務局に関連することということで質問させていただきたいと思います。さて、この三千億円というのは東京都一般会計の五%程度に相当するものであります。最も重要なことは、今回の措置によって、都財政、予算、歳出、施策に今後どのような影響が出ることになるのかということでありまして、現状での考え方を伺ってまいりたいと思います。 # 真田主計部長 真田主計部長今回の措置が都の歳入面において非常に大きい影響を及ぼすことは事実でございますけれども、そうした中にありましても、都政は「十年後の東京」の実現に向けた施策を着実に推進するとともに、更新期を迎える都市インフラへの対応や都民生活をしっかりと守り抜くことなど、諸課題に適切に対応していかなければなりません。そのため、基金あるいは都債の活用など、これまでの財政再建への取り組みを通じて培ってきました財政の対応能力を生かすとともに、歳入と歳出両面のいろいろな創意工夫によりまして、都民生活に影響を与えないよう懸命に努力してまいりたいと考えております。 # 西岡委員 西岡委員五%というのは、一般会計の五%というのは大変大きな影響だなというふうに思っておりまして、本当に今後の予算編成は一体どういうことになるのか、大変懸念をされております。一方、今回の措置では法人住民税には一切手がつけられておりません。事業税のみの国税化ということになっておりますが、区市町村への影響は、したがって直接的な影響はないものと率直に感じるわけでございますが、こういった事業税の国税化、国税として徴収をされて地方に配分をされ、結果として東京都は三千億円の減収になるわけですけれども、関連して市区町村に何らかの影響が出ないようにしなければいけないというふうに思っておりますけれども、区市町村に影響が出ないかどうか、この辺の見通しについて伺っておきたいと思います。 # 真田主計部長 真田主計部長お話しのように、今回の措置は法人住民税には及んでおらない模様でございますので、直接、そういう意味からしますと、区市町村への税収減につながることはないというふうに考えております。一方、先ほどもご答弁いたしましたように、都は今回の措置によりまして大きな減収となります。財政的に厳しい状況に置かれることになりますけれども、あらゆる創意工夫を凝らすことによりまして全力を尽くしていく必要があるというふうに考えております。 # 西岡委員 西岡委員これから財政当局は大変な作業に入っていくんだと思うんですね。区市町村にも都民生活にも影響が出ないようにするための措置を考えていかなければいけません。一方、非常に重要なことは、この抜本的税制改革までの暫定措置ということなんですけれども、これが一体いつ抜本的税制改革ができたというふうに政府も都も両者が納得できる状況になるのかということだと思うんですね。これが単年度なのか、いや、二年後なのか、三年後なのか、今の段階ではまだ明確ではないわけでありまして、結果としてこの暫定措置というものがいつの間にか恒常的な国税化となって、今のこの我々の大変熱い思いというか、悔しい思いとか、政府に対する怒りの思いが薄まっていくことが大変心配をされるんですね。そういうことは絶対にあってはならないというふうに思っておりまして、政府が決めることですから、法律は政府が出すわけですから、我々はその法案に対して反対することはできないわけですけれども、何としてもこれを恒常的な税制に持ち込まないための努力が必要だというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。 # 真田主計部長 真田主計部長先ほどもご答弁申し上げましたけれども、知事は、今回の税制上の措置について、税制の抜本的改革が行われるまでの暫定措置とするということを条件にいたしておるところでございます。これを本当の意味での暫定とするためにも、税制の抜本改革が早期に実現されるよう、知事を先頭にしまして国に強く働きかけてまいりたいと考えております。 # 西岡委員 西岡委員結局、単年度で終わるという担保が今何にもない状況なんですよね。その担保がない中で不透明な領域に入っていくことは本当に心配をいたします。過去もそういった思いをしてきたと思います、いろいろと分割基準の見直しなどにおいても。そういう意味では、今回の法人事業税の国税化は暫定措置ということで短期間、単年度で終わらせていくという努力が必要になっていくと思います。一方、国と都の協議機関が設置をされるということなので伺っていきたいと思いますが、要望した重点事項への財政の支援が見込めるのかどうかということが実は極めて大きなポイントになってくると思うんですね。また、この規模がどの程度のものになるのかということが非常に重要だと思っております。ただ、よく考えてみますと、これだけのことをしないと国の財政、予算が組めないという政府が、一方でこういう国税化をしながら、一方で別な予算措置をしていくということが一般的に考えにくいなと思っているわけなんですね。そういう意味では、その辺の国と東京都の協議機関における財政的な観点というのはどんなふうに整理をされているのか、現時点でありましたら教えていただきたいと思います。 # 真田主計部長 真田主計部長国と都の実務者による新たな協議の場についてでございますけれども、先ほどご説明しました知事のコメントにもありますとおり、総理が首都東京の活力の増進が国の発展に不可欠との認識を示した上で、この協議の場が設定されることとなった意味は大きいというふうに考えております。また、総理からは、知事が示した先ほどの重要施策に対しまして、実現に向け最大限努力するという前向きの回答があったというふうに聞いております。このため、都としては、この場を早期に立ち上げまして、実質的な議論を精力的に行いまして、首都東京の重要施策について速やかな実現を図っていくことが重要であるというふうに考えております。 # 西岡委員 西岡委員この点についても、財政支援に関してはまだ明確な担保は何もない状況だというふうに理解いたします。ここは本当にこれまで以上の努力も必要かと思いますし、ただ一方で、ここでまた首都東京と地方との格差の指摘がなされないようにしなければいけないと思うんですね。首都東京であるというところが非常に重要なんですけれども、別な格差を指摘されないようにする東京都の努力というものが求められていくのかなというふうに考えております。さて、三千億円という規模は、東京、愛知、大阪などを除いた四十四道府県で単純に割り返すと、一つの県当たりで見ればせいぜい七十億から八十億円程度にしかならない規模であります。道府県の中で比較的財政規模が小さい鳥取県、島根県、高知県の税収は五百億から六百億円台でありますから、市町村はさらに財政規模が小さなところが多いという状況を勘案すれば、この三県などについては決して少ない額ではないかもしれませんが、これだけの額で地方の疲弊という根本的な解決ができると国は本当に考えているのかどうか、大変疑問を感じるわけであります。これでは税を使ったばらまき行為にしかならないとも見えるわけですけれども、今回のこうした一連の見直しをどのように感じているかというご見解と、今後こうした事態をどのようにして本来のあるべき姿に戻していく必要があるのか、局長の所見を伺っておきたいと思います。 # 村山財務局長 村山財務局長もとより今回の措置について、地方全体への影響という点について見ても、一昨日、知事の答弁の中でも申し上げているとおり、地方の疲弊という問題を根本的に解決するものではないわけでございます。その意味におきましても、先ほども申し上げましたとおり、本当の意味での地方の自立を目指す地方税財政制度の抜本改革、税制の抜本改革をいかに早期に実現するかということが大きな課題だというふうに考えておりまして、その実現のために今後とも東京都としては知事を先頭に頑張ってまいりたいと、かように考えております。 # 西岡委員 西岡委員いずれにしましても、地方分権に重要なこの税財政のあり方というのは、やはり税源移譲をかち取っていくということが極めて重要なんだろうというふうに考えておりますが、私ども民主党本部も今月下旬には私たちなりの税制改正大綱を取りまとめる方針でございます。私ども民主党本部の現時点での法人事業税の国税化に関しては、反対をしていくという状況でございます。一方、政府はこの新しい国税化と譲与税ということで新たな法案を国会に提出するわけでございますが、現時点では参議院においては与野党が逆転をしている状況でございまして、まだ政府・与党間で合意をされたこの法人事業税の国税化に関しましては国会の場でどうなるのだろうかというところも一方ではございます。仮にこれが参議院で否決をされた場合に、再議決にするのかどうかという問題点も出てくるかもしれません。まだまだこれは国会の場でも大いに議論ができるところでありますけれども、私たち民主党は私たちなりにしっかりとあるべき地方税財政の姿を考えていきたいと思っておりますし、私たちも状況に応じて適切に国会の場にしっかりと意見をいっていきたいというふうに考えているところであります。以上、そのような意見を申し上げまして質問を終わらせていただきます。 # 東野委員 東野委員法人二税に関する問題について何点か質問いたします。今春以降ずっと議論されてきた地方税収の格差是正を名目とした法人二税の再配分問題が事実上一応決着したところであります。それまで都は、法人二税の再配分、特に影響が一兆円にも及ぶといういわゆる財務省案については、都財政への影響が極めて大きく、都民生活に与える影響も甚大であることはもとより、そもそも地方税の原則にもとるものであり、また地方の税源涵養の努力を無にする等の理由から、全国知事会などの場だけではなくて、反論書の発行や緊急アピールなどの形で徹底的に反対の姿勢を貫いてきたわけでございます。我が党においても同様の点を問題視しまして、都選出の国会議員にも働きかけて、都と姿勢を同じくしてきたところであるわけです。そうした中、先日の十一日の総理との会談において石原知事は、総理から地方の窮状についての理解を求められる一方、総理も首都東京の重要性を認識しまして、都の重要施策への国の最大限の協力やそのための協議の場の設置を提案されました。その結果、税制の抜本改革までの暫定措置ということで、石原知事の大局的な判断のもと、決着されたものと聞いております。これまでの議論のとおりでございます。今回の決着は、東京の活力をそがないように、また、国の協力を取りつけながら、場合によっては一兆円の影響もあるといわれた法人二税の再配分額を三千億円ほどにとどめたものであり、一定の評価をするものであります。しかしながら、今回行われる予定の法人事業税の国税化という措置は、大都市の財源を理由もなく地方に移転をさせるもので、地方分権に全く逆行する上、税の原則にも反するものだということも確かであるわけです。そもそも国は、これまで地方分権を政策のテーマとして掲げ、地方の行財政運営の自主性や、また自立性を強調してきたわけです。しかし、一方では自治体から不合理に財源を奪う措置をとろうとしているわけでございます。こうした国のやり方は、行財政改革や産業振興施策といった、自治体がみずからの努力で行う自立に向けた取り組みの成果を、いってみれば無にするようなものであるわけです。これでは努力をした者が報われない仕組みとなってしまい、東京だけではなく、まじめに取り組んでいる他の自治体の士気にも悪影響を与えてしまうのではないか、このように考えるわけでございます。この点に対する見解をまずお聞きしたいと思います。 # 真田主計部長 真田主計部長今回、国は、法人事業税の一部を国税化し、地方に再配分するという手法で都から財源を吸い上げることとなりましたけれども、こうしたやり方は、お話しのとおり、税の原則に反するだけでなく、まさに地方分権の流れに逆行するものでありまして、都としても決して納得できるものではございません。そればかりか地方自治全体にとっても根本的な解決にはならないというふうに考えております。こうした国の近視眼的な議論の末、法人事業税の国税化といった手法をとることとなりましたけれども、このようなやり方は、地方の行財政改革やあるいは税源涵養努力といった自立に向けた取り組みの成果を無にしかねないものであるということは先生ご指摘のとおりでございます。このため、こうした手法は早期に税財政制度の抜本的改革を行って見直すべきものというふうに考えております。 # 東野委員 東野委員都は、そうした国の不合理な動きに対して、以前は単独で反論書を出すなど対抗手段をとってきておりました。しかし、今年度、法人二税の再配分の議論に対し、都と同じく大都市としての重要な課題を抱える他の団体と連携して主張を行ってきたわけです。具体的には神奈川県、愛知県、大阪府の三府県と共同でアピール文を発表するなど、歩調を合わせることでマスコミなどに取り上げられることもふえ、効果的な主張につながったことは評価できるんではないかなというふうに思います。しかしながら、最近の新聞報道などを見ますと、さきの都の協力がそれらの自治体との連携を崩してしまったかのような印象を与えるものも見受けられます。今後行われる抜本的な地方税財政改革には引き続きそれらの都市との連携が重要だというふうに考えますが、この点についての見解を伺います。 # 真田主計部長 真田主計部長法人二税を奪う動きが本格化した今年度から、法人税収やあるいは大都市需要などの面で立場や見解を都と同じくします神奈川県、愛知県、大阪府と連携を図りながら、知事会を初めとする多くの場で強く意見を主張してまいりました。これまでも関係機関に対しまして四都府県連名の緊急アピールを行ったところでございまして、こうした連携があったからこそ、ぎりぎりの暫定措置という条件をかち取ることができたのではないかというふうに考えております。今回の都の協力は大局的な判断で、国の求めに暫定措置ということを条件に応じたものでございますが、抜本的な税財政制度改革の必要性に対する考えはいささかも変わっておりません。このことにつきましては、三府県ともに理解をいただいているものというふうに考えております。したがいまして、今後とも三府県との連携に努めながら、税財政制度改革の早期実現に向けまして努力してまいりたいというふうに考えております。 # 東野委員 東野委員これまではそうした四都府県の連携なども駆使して国の動きに対抗してきたところであるわけですけれども、今回の措置により三千億円という、都にとっても決して小さくない額が奪われることになりました。これは、自治体のリーダーたる都が地方の窮状を踏まえた上での大局的な判断をしたということは理解するところであるわけですが、そうはいっても都にとって最も大事なのは、先ほども出ておりましたけれども、そこに住む都民であることは明らかであるわけです。都民サービスへの影響が大変に気になるところであります。まして、もしも暫定的としている状態が長く続いてしまうことになれば、景気の波により都税収入が落ち込み、またさらに厳しい状態が訪れないとも限らないことが懸念されるわけでございます。このことは先日の我が党の代表質問で質問したところでございますけれども、私自身、非常に重要なことであるというふうに考えますので、この場で改めてのご回答というか、見解をお願いしたいと思います。 # 真田主計部長 真田主計部長都財政は、これまで徹底した内部努力あるいは経費の削減など血のにじむような努力によりまして財政再建を進め、今日ようやく新たなステージに入ることができたわけでございます。今後は「十年後の東京」の実現のための施策や、あるいはこれまで抑制せざるを得なかった更新期を迎える都市インフラの整備など、山積する諸課題に対し真正面から取り組んでいかなければならない状況にございます。そうした状況の中にありまして、都は多大な歳入を奪われることと今回なりましたけれども、そうした厳しい状況下にありましても、都は住民生活を守るべき地方自治体としての責務を果たすために、財政再建への取り組みなどによって培ってまいりました基金や都債などの財政対応能力の活用、あるいは歳入歳出両面にわたって効率性を向上させることなど、あらゆる工夫を凝らしまして、都民サービスに影響が出ないよう、財政面から着実に対応していきたいというふうに考えております。また、今回、税制の抜本改革までの暫定とする条件がついたとはいえ、なるべく都財政への影響を小さくする必要がございまして、そのためにも税財政制度改革の早期実現に向け全力を傾けていきたいと考えております。 # 東野委員 東野委員今の答弁でも、地方税財政制度改革への言及がありましたけれども、改めて考えてみますと、そもそも法人二税の再配分などが必要とされたのは、都市と地方の税収格差が開いたからというよりも、地方財政の困窮がこれまでになく進んだことに理由があるように思われます。現に都の反論書にも人口一人当たりの税収比較がありますが、地方税全体を見ると、平成元年度は最高の東京都と最低の沖縄県との倍率は四・九倍でありましたが、十八年度では三・一倍、中長期的にはその差は縮小傾向にあるわけですね。つまり、地方財政が困窮したのは、直接的には三位一体改革で地方交付税が大幅に削減されたこと、また、あるいは社会保障費や公債費などの義務的経費がふえて、その反動で政策的経費が減少したことが原因といえる。根本的にはこのことによって地方分権改革が進まず、地方財政が硬直化していることが問題だというふうに思われるわけでございます。そういう意味では、今回の措置は自治体間での単なる税収のやりとりでありまして、地方財政が困窮していることの根本的な解決には何らつながらない、ごく近視眼的な対応策である。これまで申したとおりでございます。地方が真に自立し、財政的にも安定した運営をしていくためには、地方分権の推進とともに、抜本的な地方税財政改革が急務となります。そこで、その実現に向けた局長の決意を伺って質問といたします。 # 村山財務局長 村山財務局長いろいろご指摘いただきましたように、あるいは東京都もことしのこの間の、冒頭から申し上げているとおり、今回の事態というのは、やはり三位一体改革の名のもとに、結局は国の財政再建のために、地方を、内部努力とか、努力しろとかいうような名のもとに、そこから財源を奪っていくということの一つの大きなツケが今回地方に回ってきているというところに問題の直接的な原因があるわけでございまして、その背景には、さらにいえば、地方税財政制度、分権改革の進展のおくれの中で、地方の真の自立に向けた仕組みができていないというところに根本的な問題があるわけでございまして、今回の暫定措置の中に、いわばそういう根本的な改革がもはや待ったなし、それなしには日本という国が今後発展していくことがなかなか難しくなっているんだということを明らかにしているという側面も強く感じられる今回の状況だというふうに私も認識をいたしております。そういう意味では、今後、今回一緒に頑張ってきた三府県はもとよりでございますけれども、全国の自治体等の間で改めてちゃんと協力体制を組んで、本当の意味での真の自立に向けた地方税財政改革、あるいは税財政制度の国、地方を通じた抜本的な改革に向けまして、東京都が先頭になって頑張っていきたいと。そのことによって今回の知事の熟慮の末の決断もまた生きていくんだろうというふうに、私どもとしては改めて気持ちを引き締めているところでございます。引き続き都議会の皆様のご支援をいただきながら、先送りしない抜本改革の実現に向けまして頑張ってまいりたいと思います。 # 曽根委員 曽根委員今回の福田総理との会談の結果、石原知事が法人事業税の一部を国の税金に転化することを認めると。実質的には三千億円の財源、税収不足が生まれるだろうと。これを了解したということについて、私からも、本当にこの前代未聞ともいうべき合意の中身についてちょっと聞きたいと思うんですが、まず事実経過が全くよくわかりません。たしか先月末まで、知事は財務局に反論ペーパーをつくらせ、訴訟も辞さないと、国と戦う姿勢を強調していたと思いますが、まず、いつから国との妥協調整に入ったのか、その経過を教えてください。 # 真田主計部長 真田主計部長その辺の経過につきましては、私どもお答えできる立場にございません。 # 曽根委員 曽根委員報道されているところでは、四日の定例会開会日ごろに妥協したのではないかといううわさがあって、知事は強く否定したという報道がありました。しかし、その後、七日に与謝野自民党政調会長さんですか、与謝野氏が、(「政調小委員長」と呼ぶ者あり)政調小委員長、与謝野氏が知事を訪ねて、その後の発言は違うわけですよね。石原知事は、国がこれだけ無法なことをするなら、東京から三千億円ふんだくる代償もあってしかるべきだ、何を今からどうしろとはいわなかったが、これは総理に約束してもらわないと、と言及したというふうに、これは記者の取材に答えた形で発言があり、明らかにこれは三千億円持っていかれることを前提にして、それに対する代償という発言に変わっているわけです。しかも、その翌日の八日に財務局長が、国の財務省、総務省の官僚と接触して、その後のトップ会談が出てきたという報道もありますが、これは事実ですか。 # 真田主計部長 真田主計部長先週末の段階で非公式に、国から都に対しまして国の考えについて説明がございました。非公式なものでございまして、メンバー、内容等については申し上げられません。 # 曽根委員 曽根委員財務局長は、反論ペーパーまで知事の指示のもとにつくって、いわば知事を理論的に支えてきた。この立場で、なぜ、財務省、総務省、国と接触して妥協調整路線の担い手にならなきゃならなかったのか、全く理不尽な話ではないでしょうか。これこそまさに知事のトップダウンの弊害だと、これまた、しかも重大なトップダウンの問題だというふうにいわざるを得ません。大体、地方分権問題の出発点は、自治体が六割の仕事をしながら四割しか自主税収がないと。こういう問題から出発して、しかも今日、都市と地方の格差が問題になっている。この問題についても、これは都もいってきたわけですが、国が地方交付税、そのほか一方的に削減するなど、ナショナルミニマムで国が責任を持つべき部分まで後退させてきたことが大きな原因だというふうに私たちも主張してきたわけです。したがって、この解決の道は国の責任できちんと、教育とか国が責任を持つべきナショナルミニマムを財政保証することと、それから税源移譲で地方の自主財源をふやすこと、地方自治の拡充。それでも残る格差については自治体間で、私たちは国の介入を許さず、自主的に税制も含めて解決していく、こういうことが課題だというふうにいってまいりましたし、東京都も、今回のような解決では本意ではないというのは先ほど繰り返しありましたが、出てきた結論は明らかに百八十度転換、地方自治や分権の原則を、いってみれば投げ捨てるものになっているのではないでしょうか。この点については、実態としてはそうだということは認めざるを得ないと思いますが、いかがですか。 # 真田主計部長 真田主計部長今回の措置につきましては、るるご答弁申し上げてきたとおり、私どもとしましても、地方税の原則に反しまして、また地方分権にも反することから、都として到底受け入れられるものではないというふうに考えておりますし、先ほど冒頭、知事のコメントの中でもご説明しましたとおり、知事からもその旨ははっきり総理の方に申したわけでございます。しかしながら、ぎりぎりの知事と総理の折衝の中で、東京都は首都東京を担っている、あるいは地方の一員でもあるというようなことも含めまして、また総理からもぎりぎりのお願いの話もありました。最終的にはそういったことを総合的に判断し、知事が大局的な見地からそういう判断をしたのだというふうに考えております。 # 曽根委員 曽根委員ぎりぎりの判断というふうにおっしゃいますが、しかし、結果として地方自治、分権の大義をみずから捨てた、この影響は大きいと思いますよ。しかも抜本改革を求めると、それまでの暫定措置だといいながら、知事がいう抜本改革とは交付税のことは一言もいっていないんですね。消費税の税率引き上げ、このことしかいっていないわけですよ。これまで地方の財政難は交付税で解決すべき問題なんだというふうに繰り返し主張してきて抜本改革を求めていた知事が、今回のコメントでもなぜ交付税のことを一個もいわないのか。そして、しかも税金で解決すべきじゃないといいながら、地方税を国税に転化することを認めてしまった。地方分権と全く逆行する話でしょう。地方税が国税になってしまうんですから、こういう道を開いたこと、これは全く(「だから、知事は苦渋の選択をしているんだ」と呼ぶ者あり)苦渋の選択といいながら、暫定措置といいながら、地方分権に対する大義をみずから捨てたといわざるを得ないと思いますが、いかがですか。 # 真田主計部長 真田主計部長先ほど来申し上げていますけれども、本来そういったものについては、地方税の原則あるいは分権の原点からしまして、決して受け入れられるものではございませんけれども、一方で、先ほど申し上げたようないろんな状況、それから暫定的な措置であるということ、それから首都東京としての重要性についての総理の認識、それから協議の場の設置、そういったものを総合的に判断して、知事が大局的なご判断をされたものというふうに考えております。 # 曽根委員 曽根委員このまま暫定措置がずるずると延び延びに続いて、国税による国の介入が続くということもあり得るという観測も出ています。ましてや抜本改革が知事のいうように消費税率の引き上げということであれば、これは到底、私たちはもちろんですが、国民的合意も得られるものじゃありません。この景気が厳しいときに、しかも原油、物価高騰がまさに今激しくなろうとしているときに、物価高騰をあおるような消費税増税、中小企業、零細商店街、国民の生活、だれが今認められるんですか。こんなことを持ち出して抜本改革というなら先に延びてしまいます、これは。そうすると国の介入が続くということになりかねないんじゃありませんか。しかも、知事は、それと引きかえにみずからの十三項目ですか、重要事業について国に協議の場をつくらせたといって自慢しているわけですが、こういうやり方、自治体同士の協力で国と対決していこうといっていた知事が、いや、ほかの自治体はともかく、自分のところはこれを認めてくれと国と個別に取引をするという形で、本当にほかの自治体にこのことが認められると思いますか、納得されると思いますか。 # 真田主計部長 真田主計部長何回も同じことを申し上げて恐縮ですけれども、知事としましては、地方自治体全体が置かれている厳しい窮状、それから東京都がその中で首都東京としての役割を果たしていかなければいけないけれども、一方で地方の一員としてその役割も果たしていかなきゃならない。そういう中で総理の方から誠意ある申し入れがあり、最終的には抜本的な税制改正を目指すけれども、それまでの間の暫定的な対応でというようなお話もありまして、それらを総合的に判断して知事がご判断なさったことでありまして、これは都民の理解を得られるものと考えております。 # 曽根委員 曽根委員地方の窮状といわれたから仕方がないというふうに、あたかもほかの自治体、特に地方の自治体の窮状に手を差し伸べるかのようないい方ですが、しかし、都の中には、都の幹部には、三千億円ぐらいなら大丈夫、もっと傷つくぐらいならこれぐらいで妥協をという声があったというようなニュアンスのことを知事自身がおっしゃっているじゃありませんか。つまり、この辺で何とか傷を浅くしておきたいという思惑。それから、国と勝手に取引して、ほかの自治体では、つくりたくたって高速道路なんかはなかなか認められないと。そういうときに国幹会議にもかかっていないような高速道路を優遇でつくらせてもらうと。こういうやり方が、ほかの自治体から見て、東京はうまくやっているなと。とんでもないやり方ということで抜け駆けというふうに見られても、これは仕方ないといわざるを得ないと思うんです。こういうことこそ、いわば自民党の与謝野氏の働きかけを受け、また福田首相から声をかけられて、知事がお気に入りの十三の事業について協議の場を設けるというだけの約束で唯々諾々となってしまった。これは本当に知事のトップダウン事業の暴走というべきものだと思いますが、いかがですか。 # 真田主計部長 真田主計部長先ほど来申し上げていますけれども、諸般の状況を総合的に判断して知事が大局的な見地からご判断なさったものでありまして、トップダウンの暴走というふうには決して考えておりません。 # 曽根委員 曽根委員こういうことこそ都民合意が大前提であるべきであります。都民にも議会にも秘密。我々野党ですけれども、どうも与党の方々にも秘密だということで、本当に国と勝手に取引すること自体が民主主義の根本原則を否定するものでありますし、我々議会も本当にこけにされたというふうにいわざるを得ないと思うんです。それで、そのかわりに重要施策については協議の場を設けさせることができたというこの中身についてなんですが、この一つ一つについて国から一体どういう優遇措置が引き出せるんですか。これについてそれぞれ答えてください。 # 真田主計部長 真田主計部長先ほどリストについてご説明しましたけれども、リストが意味しているところは、ダイレクトにお金が欲しいからということで申し上げているわけでもなく、首都東京をいかに発展させるかということで、そのことが重要だという観点から知事は十三点をお示しになったんじゃないかというふうに考えます。むしろこの機会に大都市の発展を国、都の間でしっかりと真正面からテーマに据えていくことこそが大切であるというふうにお考えになっているんだと思います。それが今回の合意の中でも、首都東京の重要性を総理が認めたことにもつながりましたし、また、その協議の場の設定にもつながったものだというふうに考えております。個別の事業についてコメントする立場にございませんので。 # 曽根委員 曽根委員しかし、これ、財務省は最終的に予算を組まなきゃならない。東京都の予算の元締めですから、これだけ莫大な費用のかかる事業を知事が国に協議を要請したということで、認められたらどういうことになるかを考えなきゃならないと思うんですね。例えば外環道を、国幹会議にかけるかかけないかはともかく、優遇して早期着工させてくれというのがありますが、もともとこれは地元の区や市のほとんどが現在の都の計画の見直しを求めている事業ですよね。国の特別優遇を取りつけて無理やりこれを進めるということになると、住民や自治体との合意も、それから、いわれている環境問題も無理押しした上に、これは総額、本体だけでも一兆三千五百億円、上部道路も東京都は考えていますから、これが約六千億円だと見られますが、合計約二兆円もかかる事業をまともな手続さえ踏まないで、飛び越えて推し進めるということになるんですが、財務局としてこれでいいんですか、国との関係で、前向きの協議に入るというんですけれども、それは構わないんですか。 # 真田主計部長 真田主計部長リストにお示ししてございますインフラ整備事業は、国の取り組みが鈍く、いまだ事業化には至っていないものでございまして、これが実現すれば東京の活力増進に大きく寄与すると考えておりまして、都政にとって重要な施策であるというふうに考えております。そういった協議の場がなかったとしても、いずれかの時点では具体的な検討が必要な施策であるというふうに考えております。また、リストの意味しているところは、先ほど申しましたとおり、お金が欲しいということをストレートに、ダイレクトにいっているあれではなくて、あくまでも首都東京を今後いかに発展させていくかという大局的な観点で国としっかりと真正面から議論していくということが大切だということで、知事がご提案なさったというふうに考えております。もとより財政状況はこれから厳しくなりますけれども、厳しくなっても、必要な施策については、その優先順位をちゃんと精査した上で措置していきたいというふうに考えております。 # 曽根委員 曽根委員お金の問題だけじゃないということを繰り返しいわれるけれども、本当にお金を要求しているというよりは、先ほど、浪費家の親に対して長男として何とかしなきゃならぬという話がどなたかからありましたけれども、今度は親にかわって自分が浪費を始めると。私たちにいわせると、そういうことを親に認めさせるというような話じゃないですか、これは。例えば、考え方の問題としても不可解なのは、交通政策審議会答申によらない地下鉄建設を認めてくれと、これは一体どういうことなんですか。 # 真田主計部長 真田主計部長ご質問の点につきましては、東京の特性に応じた施策展開のための規制緩和、分権改革の例示として挙げたものでございます。 # 曽根委員 曽根委員分権改革といいますけれども、今、交通政策審議会によらなくても急いでつくらなきゃならないと東京都が考えている地下鉄というのは、オリンピックの会場へのアクセスの地下鉄以外に何か考えられないと思うんですが、そういうことを想定しているんですか。 # 真田主計部長 真田主計部長あくまでも分権改革、規制緩和の例示として挙げたものでございまして、具体的な路線を想定したものではございません。 # 曽根委員 曽根委員私たちも昔というか、以前、エイトライナーとか進めてきたんですよ。まだ地下鉄とも何とも決まっていない。いろんな路線の話がありましたよ。なぜわざわざ地下鉄と銘打っているのかといえば、しかも今、地下鉄で路線、十三号線以降の具体的な事業化はないわけで、地下鉄というと考えられるのはオリンピック以外ないじゃありませんか。(「例えばといっているじゃないの」と呼ぶ者あり)その例えばが、だからオリンピック最優先ということでしょう、いってみれば。その下には財政保証、招致活動支援頼むよということまで入っている。大体この重要施策のリストが、いってみれば財政収入は減るし、財政運営が厳しくなるけれども、重要なことはやっていかなきゃならないというふうに今主計部長がおっしゃった、その重要なものというのがこういうことになるわけですよね。そうすると、ずうっと見渡してみると、都民の暮らしや福祉、教育にかかわることは認証保育所以外ないわけですよ。ほとんどがハードの関係。それから、今問題になっている格差是正の問題、ワーキングプア対策、医療や保険、介護の制度の問題。国との関係でも東京都が要望を出しているものはいろいろありますよね。それがこういったことに優遇、重要というものが絞られていく、偏重されていくということ自体が大問題じゃないでしょうか。認証保育所だけ入っているんですけれども、認証保育所制度というのは何か国に優遇してもらうといいことがあるんですか。 # 真田主計部長 真田主計部長先ほども申し上げましたけれども、具体的な事業につきましてはお答えできる立場ではございません。 # 鈴木委員長 鈴木委員長曽根理事、質問の重複はなるべく避けて。 # 曽根委員 曽根委員認証保育所はほかの方は聞いていないと思うんで。それで、認証保育所を、どうなるかわかりませんけれども、仮に国にこれを認可保育所並みに認めさせて国の補助金が出るようにすると。それで国からもお金が出るよという話だとすれば、とんでもないことですよ。認証保育所自体、営利企業が参入したことによってどういう問題が起きているかということは、先日、私自身が代表質問で取り上げたとおりで、認証保育所のほとんどが都が立入調査をしなきゃならない。そのうち半分が指摘を受ける。重大な指摘が幾つも出ているという事態で、じゃんぐる保育園みたいな例が出ているわけで、そういう制度の検証もなしに、福祉、教育で出ているのはこれだけですから、それを国に求めると。知事が本当に目玉にしているお気に入りの事業だけを偏った並べ方をして、それで国に優遇を求める。これ自体が都民から見ても重大なことだと思います。三千億円の税収が減ることを国との関係で認めた上に、ここに並んでいる事業を全部本当に国が容認して一斉にスタートしたら、大変なお金が支出されていく。借金もふえるでしょう。一体どうやって財政運営を都民生活にかかわる事業に傷をつけないでやっていくことができるのか、私はちょっと考えにくいと思うんですよ。どういうふうに財政運営ができるんですか。 # 村山財務局長 村山財務局長議論の前提なんですけれども、国の税制、日本の税制というのは、基本的には国が法律で定めるとそれで決まってしまうというふうにまずなっております。したがいまして、中身についていろいろ文句があるわけですけれども、今回の措置についても、国とすれば、法律を変えてそのような制度にすれば、別に恒久法でも何でもすることは可能なそういう制度になっております。したがいまして、総理が知事にいいでしょうかと了解を求めるということは制度上全く必要がないというところからまずこの問題は始まっております。そういう状況の中での税制改正の動きに対して、この間、議会の皆様方のご尽力、ご協力をいただきながら反対をしてまいりました。理不尽な税制改正というのはよくないんだと、抜本的な改革をしなければいけないんだというふうにいってまいりました。そういう中で、今回、いろいろな紆余曲折がある中で、総理があえて知事に対して協力を依頼してきたというのは、この間の議会の皆様方と一緒にやってきた大きな反対運動の一つの結果でございまして、その中で、先ほど来、主計部長からるるご説明申し上げておりますように、一つは何とか地方の立場に立ってご協力をいただけないかという協力の要請、それから、しかしながら首都東京の発展についての重要性はよくわかっているという認識の表明、それを具体的にやっていくために、初めて個別団体との間で協議機関を新たに設けて、その中で首都としての重要施策の推進について協議をしていこうという提案、これらがなされたわけでございます。そこで、知事といたしましては、先ほど来申し上げているような、全体として東京が日本の中で果たすべき役割、地方の一員としての立場、それ以外にもいろいろ政治的な情勢についてのご判断を含めた上で、あえて今回の措置について税財政制度の抜本改革までの暫定措置とすることという条件を付した上で、それに協力するというふうにご判断を、ご決断をされたわけでございます。そのことの意味は、全体として今回の措置が、やろうと思えば国として強引にやってしまうことができるような状況の中であった上で、その中で何を切り開いていけば全体として東京のためになるのか、地方のためになるのか、日本のためになるのかという、そういう判断のところから、やはりここはしっかりとした暫定措置ということを明確にしようではないか。その上で抜本改革に向けて、そのことをスタートにして、さらにアクセルを踏める状況にしようではないかというご判断と同時に、首都東京の繁栄に向けてしかるべき具体的な例を挙げた上で、今後の協議に向けてより具体性を高めようというご努力をされたというふうに私どもは受けとめております。そういう中で、いろいろ個別の施策については恐らく曽根理事との間で見解の相違はあろうかと思いますが、全体として東京のために何をなすべきなのか、あるいは日本のために何をなすべきなのかという大所高所からの判断に立った今回の知事のご決断であったというふうにご理解を賜りたい。 # 曽根委員 曽根委員そういう話をされるので簡潔に申し上げておきますが、まず国会は、先ほど民主の方もおっしゃったように、簡単に、福田内閣がこういう法律を決めますといって、国民の大方の合意がない法案について通るような状況にないことはだれもが知っている事実ですよ。そんな簡単に通りませんよ。抜本改革だといっている消費税増税だって簡単じゃないですよ。福田首相自身でさえ簡単じゃないということを認めざるを得ないんですから。抜本改革だって先の可能性は十分ありますよ。(「だから何」と呼ぶ者あり)だからこそ福田首相は知事に、味方になってくれよということでしょう、いってみれば。そうしなければ事態が打開できないのをよくわかっているから、首相が会ってほしいといったわけですよ。それに対してどういう態度をとったかと。私、二つ大きな問題があると思うんですよ。先ほどからいっていますが、一つは、地方自治、地方分権の大義を捨てたことなんですよ。地方の財源である地方税を国の税金に置きかえるということを認めちゃったんですよ。ほかにも幾らも財政調整の方法はありますよ。そのことはほかの自治体との関係でも大きなマイナスになるし、東京の孤立化を導く道だということを私はいわざるを得ないんですよ。もう一つは、首都東京の繁栄のためということを認めさせたといいながら、実態、中身は、都民の繁栄ではなく、知事がお好みのオリンピックに間に合わせた東京の都市づくりの話じゃないですか、ほとんどが。それを認めさせたといっているけれども、こういう特別扱いを国に認めさせることでまた地方からも孤立し、都民にとっては、この中身を本当に知れば、こんなことを約束するのと引きかえに何で税収不足を認めちゃうのかと。都民から見れば怒るじゃないですか。自分たちが苦しんでいる物価問題や医療問題、福祉問題、教育問題、何にも入っていないんですから。格差是正、どこにあるんですか。そういう問題をやはり犠牲にしているということが第二の大きな問題だといわざるを得ません。私、この問題は、したがって、先ほどお答えはほとんど個々の事業についてはできないということなので、事柄の性格上、今後の財政運営の大きな根幹にかかわることですから、必要な委員会も集まって合同で審議するぐらいの問題だと思うんです。その点で、きょうは質疑の機会を鈴木委員長に与えていただいたので大変感謝をしたいところですが、同時に、今後も必要に応じて合同の委員会などを呼びかけていただきたい。その点で委員長のお骨折りをぜひお願いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。 # 鈴木委員長 鈴木委員長本件に対する質疑は本日で終了いたします。ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 鈴木委員長 鈴木委員長異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。以上で財務局関係を終わります。 # 鈴木委員長 鈴木委員長これより主税局関係に入ります。報告事項、平成十九年度東京都税制調査会中間報告についてに対する質疑を行います。本件については、既に説明を聴取しております。その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。資料について理事者の説明を求めます。 # 宗田参事 宗田参事先般の委員会におきまして要求のございました主税局関係の資料についてご説明申し上げます。恐れ入りますが、お手元の財政委員会要求資料の一ページをごらんいただきたいと存じます。要求資料第1号、東京都税制調査会及び政府税制調査会の答申等でございます。この表は、東京都税制調査会、平成十九年度中間報告及び政府税制調査会、抜本的な税制改革に向けた基本的考え方における主な論点について項目ごとに記載したものでございます。要求のございました資料に関する説明は以上でございます。よろしくお願い申し上げます。 # 鈴木委員長 鈴木委員長説明は終わりました。ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。ご発言を願います。 # 桜井委員 桜井委員私からは、主に東京都税制調査会のことについて二、三質問させていただきます。東京都税制調査会の平成十九年度中間報告に関連して何点かまず伺います。都税調は、平成十二年に創設をされまして、今年度で八年目と聞いていますが、私の不勉強なのかもしれませんが、残念ながら、その認知度といいますか、都税調の存在感というんですか、そういったものが必ずしも高くないように思われてなりません。改めて、そういった意味において、都税調が担っている役割、その重要性、そういったものについてどのようにお考えになっているのか、伺います。 # 宗田参事 宗田参事東京都税制調査会は、平成十二年、分権を進める上で不可欠な税源の移譲がなかなか進まない中、分権時代にふさわしい地方税制のあり方等について、都、さらには地方全体の立場から検討し提言することを目的に設けられた知事の諮問機関でございます。学識経験者、都議会議員、特別区長会や東京都市長会等の会長、都の副知事など多様な立場の方を構成員としておりまして、幅広い視点から実効性の高い提言を行うことが役割であると認識してございます。なお、都は、国への提案要求等について東京都税制調査会の提言を適時活用するとともに、平成十四年には、提言を踏まえ、大都市にふさわしい法定外目的税として宿泊税を導入したところでございます。 # 桜井委員 桜井委員都税調の役割は今後は非常に重要性を増してくると、このように思われます。二番目の質問ですけれども、さっき財務局の質疑でもありましたが、税制の抜本的な見直しということが非常に大きな課題になっていますが、税制は都民、国民生活に直結するものでありまして、非常に多様な角度から十分な議論をすることが必要であることは申すまでもありません。都議会での議論も当然重要なのでありますけれども、仕組みからいきまして都税調の役割もますます重要になってくると重ねて思います。来年度は三年に一度の答申の年度と聞いていますけれども、答申に向けて今後どのような検討を行っていく予定なのか、それを伺います。 # 宗田参事 宗田参事来年度は、委員ご指摘のとおり、三年に一度の答申の年度でございます。これまでの検討成果も踏まえつつ、消費税のあり方を含め、分権時代にふさわしい国と地方の税源配分や地方税制のあり方について積極的な検討を行い、平成二十年秋に予定している答申を取りまとめていただきたいと考えております。 # 桜井委員 桜井委員それでは、三つ目の問題ですけれども、これは自民党というか、与党税制調査会の平成二十年度の税制改正大綱がたまたま本日決定される予定であります。法人事業税の見直しについては、石原知事も最後はやむなしとして、当面の措置として導入されるようであります。この間の国の議論を見ておりますと、小手先の議論だけに終始しておったというふうにいわざるを得ません。そして、都民の納めた税金が都民のために使えなくなるような理不尽な案がまさにまかり通らんとしているわけでもあります。こういう状況が都民に十分に伝わっていないことも極めて問題でございます。都の財政、ひいては都民生活に大きくかかわる問題でもあり、もっとわかりやすく伝えることも必要だったのではないかなと、このように思われます。局長は、六月に就任して以来、知事の言葉を使うならば理不尽というんですか、国の動きに対しましてさまざまな努力、取り組みをされてこられましたが、今求められていますのは、社会経済の変化に対応した税制の抜本的な見直しでありますし、地域格差是正や消費税の問題はそうした税体系全体の検討の中でしっかり議論すべきであり、分権時代にふさわしい地方税制の確立に向けて今後どのように取り組んでいくつもりなのか、この点につきまして質問させていただきます。 # 熊野主税局長 熊野主税局長ご答弁申し上げる前に一言御礼を申し上げたいと思います。この間の税収格差をめぐる問題につきましては、委員長初め委員の先生方に大変ご指導、ご支援をいただきまして、ありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。結果、ご案内のような政治決着を見たわけでございますけれども、私どもに残された課題は大きく二つあると考えております。一つは、国との協議の場を活用いたしまして都の重要施策を進展させることでございます。それから、二つ目は、今回の措置が抜本的税制改正までの暫定措置とされていることから、可能な限り速やかに抜本的な税制改正が行われるよう努めることであると思っております。特に後者の問題につきましては、税を預かる者といたしまして、今回の措置が地方分権に逆行し、さらには税の原理にももとる理不尽なものであるだけに、できるだけ早く是正を求めるべきというふうに受けとめております。桜井先生の今のご質問の、分権にふさわしい地方税制の確立に向けてどのように取り組んでいくのかというご質問はこの点をご指摘いただいたものでございますけれども、社会経済情勢の構造変化の中で我が国の税制が抜本的見直しを求められているということは紛れもない事実でございます。消費税あるいは税収格差の問題も、そうした見直しの中で十分検討、議論をされるべきということは先生のご指摘のとおりだと認識してございます。その際、その見直しを地方の自立につながる本質的な改革に結びつけていくということが重要でございますので、そうした観点から申し上げれば、地方の仕事の量に見合った税収の確保という量の問題、あるいは税の公平性、安定性といった質の問題など、さまざまな側面から議論が必要になってくると考えております。また、先生からご指摘いただきました、都民にわかりやすく訴える必要があったという点に関しましても、住民が身近なところで受益と負担の関係を判断していくということが民主主義あるいは地方自治の原点でございますので、今後またそういうところにも留意をしていきたいと思っております。いずれにいたしましても、これらの点を踏まえまして、今後、都税調において積極的な議論をいただくとともに、都といたしましても、都議会のご協力をいただきながら、分権の時代にふさわしい地方税制の確立に向けて主体的かつ全力で取り組んでまいりたいと思っております。 # 鈴木委員長 鈴木委員長この際、議事の都合によりおおむね十分間休憩いたします。午後二時四十二分休憩午後二時五十四分開議 # 鈴木委員長 鈴木委員長休憩前に引き続き委員会を開きます。質疑を続行いたします。発言を願います。 # 西岡委員 西岡委員財政委員会の主税局報告事項、平成十九年度東京都税制調査会中間報告に関連し、先ほどの財務の委員会でも質疑を行わせていただきましたけれども、東京都の税制を担当する主税局の担当分のいわゆる総理と知事との間で合意された一連の法人事業税の国税化について、ここでは極めて基本的な事項について伺ってまいりたいと思っております。まず最初に、東京都税制調査会が提唱してきた地方税制の考え方や税の原則からいって、今回のこの一連の合意、対応、措置というものに関して、主税局としてどのように考えるか、伺ってまいりたいと思います。 # 松田税制部長 松田税制部長東京都税制調査会は、これまでの答申、報告におきまして一貫して、地方分権を推進していくためには地方税の充実、確保が不可欠であり、また地方税においてはサービスの受益の程度に応じて負担をする応益原則が重要であると指摘をしております。今回の措置は、法人事業税の一部を地方に配分するために、国税である地方法人特別税に分離をするものでございまして、東京都から財源を不当に奪うということにとどまらず、自主財源である地方税中心の地方税財政制度を確立すべきという地方分権の理念にも反するものでございます。しかしながら、知事は、現下の情勢においては、法人事業税について何らかの見直しが行われることは不可避であるとの判断に基づきまして、総理が、都の重要施策の実現に国が最大限協力をし、そのための協議の場を設けるという提案をされたことを踏まえ、今回の措置を税制の抜本改革までの暫定措置とすることを条件に、大局的な見地から協力することを苦渋の選択として決断をされたものであるというふうに理解をしております。 # 西岡委員 西岡委員ちょうど与党の税制改革大綱がきょう発表されるという報道もございますが、この中身についてまだ具体的なものが、何となくわかってはいるんですけれども、現時点で明らかになっていることというのを少しきょうの段階で詰めておきたいと思うんですね。まず、今回の措置の具体的内容について伺っていきたいんですが、この法人からの国税としての徴収はいつからスタートして、いつから地方に配分される見通しなのかということなんですが、一般的に私も来年度からというふうに考えていたんですけれども、どうも報道などを見ていると、徴収は二十年の後半、地方に譲与されるのは二十一年からというと、来年一年間穴があいてしまうのかなと思っていると、どうも、これも報道なんですが、特別枠というものがあって、国は四千億円ぐらい用意をして、本来二十一年度から分配される三千六百億円分は来年度は徴収できないので、とりあえず政府は来年度だけ、平成二十年度だけ用意しましょうというような状況も漏れ聞こえてくるわけなんですけれども、東京都主税局として今明らかになっていることについて、一応確認をしておきたいと思います。 # 松田税制部長 松田税制部長今お話しのとおり、今回の見直しの内容につきましてまだ詳細がわからないところでございますので、報道等で知り得た範囲でご説明を申し上げます。消費税を含む税体系の抜本的改革が行われるまでの暫定措置としまして、法人事業税、これは地方税でございますけれども、その一部、約半分の二・六兆円を国税である地方法人特別税として分離をして、その税収を人口と従業員数を基準にして地方法人特別譲与税として都道府県に再配分するというようなものでございます。この地方法人特別税につきましては、平成二十年十月一日以降に開始をする法人の事業年度から課税をする方向というふうに聞いておりまして、そういった形になりますと、今ご指摘のとおり、二十年度中の納税というのは全くゼロではございませんけれども、ほとんどのものは二十一年度以降になるというふうに考えております。また、地方法人特別譲与税につきましては、平成二十一年度から譲与をされるものというふうに聞いております。 # 西岡委員 西岡委員お互いに報道等ということで同じ認識でございまして、そうすると、やっぱり来年度は政府の特別な措置が行われることになるのかなと予想できるところでございます。一方、今回の措置で考えておかなければいけないのは、今まで自治体に納めていた法人の事業税が国税化をされて、結果として違う自治体に、その法人の意思に関係なく配分されるということになるわけですね。そうすると、今までは法人も自分たちが頑張った成果が自分たちの地域に還元される、あるいは、政府や自治体もいっているように、地域を活性化しようというために企業も一生懸命努力したわけですけれども、今回のこの措置というのは、法人側にとっても地域活性化への意欲を減退させるものではないのかなというふうな懸念をされるわけでございますが、主税局として、法人側に何らかの意識的変化がないのかどうか、現時点の見解を伺っておきたいと思います。 # 松田税制部長 松田税制部長今回の措置では、法人の税負担には基本的には変動が生じない見込みでございますが、地方法人特別税につきましては、納めた税が受益とは無関係に配分をされることになります。このような制度導入に対しまして法人がどのような反応を示すかにつきまして、制度導入の方針が示されてから間もない現時点では明確に判断することは困難でございますが、今後そうした動向についても注視をしてまいりたいというふうに思います。 # 西岡委員 西岡委員我々もしっかりと注視をしていきたいというふうに思います。一方、今回の合意を受けたことによって、先ほどの財務局での答弁も、主税局の今までの答弁を聞いても、あるべき地方税財政体系を確立するためにこれまで以上に頑張っていくんだという姿勢はよく伝わってくるんですが、今までのこれに対する反論の文書ですとかもろもろ考えてみますと、東京都の挽回策というものに関しては消費税の増税の必要性と配分比率の関係も相当意識をされていると思うんですね。しかし、我々は現時点ではこの消費税を行うべき立場ではないものですから、自治体として消費税の増税を求めていく姿勢に関しては同調できない部分があるんですね。この消費税の部分に関してどうこれからとらえていくのか、伺っていきたいというふうに思っております。 # 松田税制部長 松田税制部長今回の措置に至るまでの総務省、財務省の議論に見られますように、国は地方の格差是正の名のもとに、小手先の議論で事をおさめることに終始しようとしておりました。こうしたことから、本年十月二十六日に発表いたしました都の反論書においても、都は国に対しまして、真に地方が自立できるよう、消費税の税率の引き上げ、国と地方の配分について抜本的検討に直ちに入ることを要求をしているものでございます。税財政制度に関する改革の方向性につきましては、先ほど局長も申し上げておりますが、国においてはまさしくこれからの議論であるというふうに理解をしております。いずれにいたしましても、いわゆる三位一体改革の反省を踏まえまして、都市と地方がともに発展をし得る改革に向けて努力をしてまいりたいと存じます。 # 西岡委員 西岡委員ぜひ、自治体として消費税の引き上げについての論陣というのは慎むべきであって、やはり求めるべきは税源移譲を強く求めていくべきではないのかなというふうに私は思っております。この期に及んでは、今の段階では東京都として国の税財政の抜本改革を待つのではなくて、他の府県とも連携をして、東京都みずからが税源移譲を実現させる対案というものを示していく必要があるのではないのかなと思いますが、最後に主税局長の見解を伺って質問を終わりたいと思います。 # 熊野主税局長 熊野主税局長私どもはこれまでも、都税調の提言などを踏まえまして、国から地方への税源移譲など、地方の自立を確立するための地方税財政制度の改革案、具体的なものにつきまして積極的に国に提案要求をしてまいりました。都の要求は、所得税から個人住民税への三兆円規模の本格的な税源移譲として実現するなど、具体的な成果となって結実したものと考えております。今回の措置は、税制の抜本改革までの暫定的なものでございますけれども、新地方分権一括法に合わせた形での税制の抜本改革についても、都は国の動きを待つのではなくて、他の自治体との密接な連携のもとに、都税調も活用しながら、また都議会の皆様のご協力もいただきながら、みずからあるべき改革の姿を積極的に国に提示してまいりまして、真に地方が財政的に自立できる地方税財政制度の実現に向けて強く働きかけていく所存でございます。 # 高倉委員 高倉委員本日は、都の法人税の三千億円、これを財政力の弱い地方自治体に回すことについての議論が種々行われているわけであります。私どもも東京都などから法人事業税を吸い上げようとする国の動きについては強く反対をしてきたところでございます。今回の都税調の中間報告の中でも、このことについては言及されているわけでありますけれども、今回、知事が首相とのトップ会談において、東京都の重要政策に最大限協力をするという約束、あるいは政府と東京都の間で政策協議の機関を設置するということ、あるいは今回これを抜本改革までの暫定措置としたこと、こういったことを知事としても一定の前進があったというふうにいわれているわけですけれども、厳しい局面の中で、私もこの知事の決断については評価をいたしているところでございます。ただ、今回、三千億円の移譲というのは、知事も本会議等で答弁をされておりますけれども、税の原則に反するものでありまして、地方分権にも逆行する、こういったものであるというふうに思います。また、東京都の都政においても大きな影響があるものである、このように思っておりまして、ぜひ今後、本来あるべき税財政制度の抜本的な改革に早期に積極的に取り組んでいただきたいというふうに思います。きょう私からは、この都税調の中間報告につきまして二点ほど具体的なことについてお聞きをしたいと思います。まず最初に、環境税制のことでございます。東京都がいろんな政策を進めていくに当たって、税制を活用してその政策を前進させていくということは非常に私も大事な点であるというふうに思います。例えば今少子化が進んでいる中で、子育て支援を前進させるために税制の面から取り組んでいく、あるいは耐震化のような大きな課題についても税制の面からも都として積極的に取り組んでいく、こんなことがこれから本当に大事なことになってくるんではないかなと思います。特に環境税につきましては、地球温暖化対策、地球の存続にかかわる重要な課題に対する税制の活用という点からの有効な手段として今議論がされているんだと思いますけれども、一方で、ガソリンの価格等も大変高騰をしている中でありまして、新たな税の導入ということについては都民にさらなる負担を強いるというところもありますので、ぜひ慎重に検討する必要があると思っております。今回の中間報告においては、都独自の環境税制について四つの案を検討しているわけでありますが、まず導入ありきということではなくて、課題について整理をしている、このことについては妥当ではないかと思います。そこで、この中間報告では、それぞれの案についてどのような課題を指摘をしているのか、また、今後どのように検討を行っていくのかということについてご説明をお願いしたいと思います。 # 宗田参事 宗田参事今回の中間報告は、都独自の環境税制として、化石燃料に対する課税、電気、ガスに対する課税、自動車税の超過課税及びいわゆる緑化税の四案が考えられるとしております。これらの案の課題でございますが、共通の課題として、税収を充てる施策を明確にすることを挙げてございます。また、それぞれの案にかかわる課題でございますが、化石燃料に対する課税については揮発油税など既存税制との整合性や税の捕捉の困難性、電気、ガスに対する課税については他のエネルギー源との課税の公平性、自動車税の超過課税についてはCO2排出と資産としての自動車の所有との相関関係が低いこと、緑化税については緑の東京募金など都の環境施策全体との整合性などをそれぞれ課題として挙げているところでございます。今後、ただいま申し上げた課題等について議論を深めるなど、来年度の答申に向けてさらに積極的に検討をお願いしたいと考えてございます。 # 高倉委員 高倉委員いろいろと課題解決に向けたハードルというのは高いような感じもいたしますけれども、ぜひ議論を進めていっていただきたいと思います。なお、私は、環境税制の検討に当たっては、先ほども税収を充てる施策というふうな話がございましたけれども、税の軽減という視点というのも大変大事なものではないかなと、このように思っているわけであります。先般、私は東京電力の技術開発研究所というところに行ってまいりまして、電気自動車というのを実際この目で見てまいりまして、自分でも試乗をしてきたわけであります。実用化に向けていろんな課題があるということもいわれていたわけでありますが、実際試乗をしてみますと、いわゆる通常のガソリン車とほとんど変わらない乗り心地でありまして、機能も全く遜色がないという感じがしたわけであります。東京電力の方では、今、日常の業務にも電気自動車を使用している、今後さらに台数を大幅にふやしていきたいと、こんなようなお話も伺ってきたわけであります。この電気自動車というのは、CO2を排出しないわけでありまして、地球環境の面からも非常にすぐれているわけであります。ただ、コストが高いこと等々で普及がまだ進んでいない。こんなことのようでありますけれども、バイオエタノールあるいは太陽光発電、エコハウスなどを初めとして地球環境に優しいすぐれた技術の開発も進んでいるわけであります。このような技術を税制を活用してむしろ促進をしていく、こういう視点からも検討をすべきではないかと思うわけでありますけれども、ご所見をお伺いしたいと思います。 # 宗田参事 宗田参事今回の中間報告は、インセンティブ付与の観点から、環境のために望ましいものに対する税の軽減についても幅広く検討することが必要であるとしてございます。環境に優しいすぐれた技術を普及促進するため、税制を活用することは有効な手段の一つでございます。今後、東京都税制調査会にはこうした視点からも検討いただきたいと考えております。 # 高倉委員 高倉委員きょう質問するもう一つの点でございますけれども、今回の中間報告では、個人所得課税ということについて触れられているわけでありますけれども、私は、寄附金税制ということもこれから非常に重要な検討課題であるというふうに考えております。これからの社会のあり方を考えていきますと、公を支える民間の役割ということは非常に重要になってきますし、寄附文化というのを醸成をして、そして地域に密着した民間の非営利活動を積極的に支援をしていくということも求められているのではないかと思います。そうした点からもお伺いしますけれども、総務大臣から提起をされているふるさと納税構想について、寄附金税制で対応するというお話を聞くわけでありますけれども、今どのような仕組みが考えられているのか、お聞きしたいと思います。 # 宗田参事 宗田参事平成二十年度政府税制調査会答申は、地方公共団体に対するいわゆるふるさと納税について、寄附金税制を活用した仕組みを検討することが必要としております。また、その際、納税者が効果を実感しやすいものとなるよう、税額控除方式にするとともに、控除の割合を高く設定すること、適用下限額を大幅に引き下げることが適当であるとしております。なお、新聞報道等で伝えられるところによりますと、この仕組みは平成二十年分所得にかかる個人住民税から適用し、寄附金のうち五千円を超える分について一定の限度まで税額控除の対象にするとされております。 # 高倉委員 高倉委員このふるさと納税については、落ちつくところに落ちつくのかななんていう感じがするわけでありますが、寄附金税制について、新たな公益法人制度の導入等との関連でも、対象法人の拡大が議論をされているわけであります。どのようなことが検討されているのかについてお聞きをしたいと思います。 # 宗田参事 宗田参事公益法人改革では、現行の社団法人、財団法人について、登記により簡単に設立できるようにするとともに、その中で公益性が認定されたものについて所得税の寄附金控除など税の優遇が受けられるようにすることとされております。この公益法人改革を踏まえ、また、地域に密着した民間の非営利活動の促進の観点から、住民税の寄附金控除については、都道府県または市町村が条例により対象となる寄附金を指定する仕組みを導入することが検討されていると聞いております。あわせて、適用下限額を現行の十万円から五千円に引き下げるとともに、控除方式を先ほど申し上げた地方公共団体に対する寄附と同様、税額控除に改める見込みと聞いております。 # 高倉委員 高倉委員今ご答弁で、民間の非営利活動の促進という観点からは、住民税の寄附金控除について都道府県または市町村が条例により対象となる寄附金を指定する仕組みと、こういうふうなお話があったわけでありまして、ぜひ積極的に都としてもそのあり方を検討していただきたいなと思います。来年度は都税調の三年に一度の答申の年度というふうになっております。今申し上げた寄附文化の醸成あるいは環境税制のあり方を含めまして、十年後の我が国の社会を見据えた東京都ならではの提言を期待をしているところであります。検討に向けた局長のご所見を最後に伺いまして、質問を終わりたいと思います。 # 熊野主税局長 熊野主税局長我が国の税制は、現在、少子高齢化やグローバル化など、経済社会の激しい構造変化の中で抜本的な改革が求められているわけでありますけれども、そうした中で、東京都税制調査会には、これまでも分権、環境という視点から地方税制のあり方についてご検討いただき、またこの視点は今後も検討の大きな軸となると考えております。また、地域社会の活力を維持していくためには、今後、民間が担う公共の役割がますます重要になり、寄附と税制の役割などは今後の検討課題の一つであると認識してございます。都税調には、来年度の答申に向け、国の税制改革の動向を踏まえつつ、国と地方の税源配分や消費税、さらにはお話しの寄附税制や環境税制などについて、将来を見据えた積極的なご議論をいただきたいと考えております。 # 曽根委員 曽根委員私からも、私も税調の委員ではありますが、十一月二十九日に税制調査会の中間報告が取りまとめられて知事に手渡された途端に、何を議論していたんだかわからないような事態になっているわけですけれども、しかし、その後の結果についてやっぱり一定の質疑をしておきたいと思うんです。改めて、私たち野党ですから、この中にも認められない問題も入っています。しかし、地方自治、地方分権を進めるという立場で、専門家の方、それから税を払っている立場の事業者の代表や私たち議員も入って、半年ぐらいですかね、中間報告ですから詰めた議論を行って、やっとまとめたこの冊子を見ると、それなりに考え抜かれた表現は出ているわけです。そういうものが、全く趣旨に反する知事の決断によって、ほとんどご破算に近い状態にきょうの審議までになってしまったということに非常にむなしさを感じるわけです。とりわけ知事が先ほどの財務局の方で質疑しましたので、今回の合意の中身そのものについては省略しますが、暫定措置といいながら抜本改革に何を求めたのかという点で、やはり消費税の増税に踏み込んで発言をしている。ここは私、到底認めがたいところです。中間報告では、消費税の扱いについては今後の地方税の改革というところで触れていると思うんですが、どういう扱いになっているでしょうか。 # 宗田参事 宗田参事東京都税制調査会の中間報告でございますが、分権社会の実現の観点から、今後の税制改革のあり方として、国と地方の役割分担を明確にし、役割に見合った権限と税源を地方に移譲することが必要であるとしてございます。その上で、消費税につきましては、税収が安定的で偏在が少ないなど、地方税にふさわしい税であり、消費税から地方消費税への税源移譲を図るべきとしてございます。なお、中間報告は、消費税及び地方消費税の税率引き上げがいずれ不可避との認識もあわせて示しているところでございます。 # 曽根委員 曽根委員今お話があったように、今後の税制のあり方という改革の方向という点では、地方消費税への消費税からの税源移譲ということの表現になっているわけです。確かに今お話しのように、ほかの部分に、今後、税率の引き上げは不可避という部分もありますが、きょう資料でいただいた政府税調の消費税の扱いの比較をもらった一番下にありますが、社会保障費について消費税率の引き上げにより賄うことも選択肢の一つというふうに踏み込んだ表現になっている政府税調よりもやはり抑えた表現というふうにいえると思います。私たちはもちろん、現在の税率の中であっても消費税の地方配分をふやすということは、結局は社会保障を主に担っている地方自治体が財源が必要になったら税率を上げざるを得なくなってくるという点で、地方の配分をふやすことには賛成できない立場ですけれども、それでも税金をいきなり上げろという話はここではしていないわけですよ。しかし、知事はそこまで踏み込んで、これを税の抜本改革として政府にまで求めているわけです。ある意味では政府の税調の答申さえ逸脱しているといってもいいかもしれません。今後、先ほど主税局長の発言の中にもありました、やはり税を含めた地方の税財政のあり方の抜本改革を早く実現するよう求めていくといいますか、取り組んでいきたいと。その方向として、私も意見の違うところは後で少数意見も入れてもらっていますが、少なくともこの中間報告で提起しているように、やはり税を払う人たちもいる中で、都民の立場も踏まえて慎重な立場をとっている都税調のこの中間報告は尊重されてしかるべきだと思いますが、いかがでしょうか。 # 松田税制部長 松田税制部長東京都税制調査会には、地方主権の時代にふさわしい地方税制のあり方などについて幅広く検討し、提言や意見を述べていただいているところでございます。一方、今回の知事の判断は、これまで説明がございましたように、一定の国からの提案も受けまして、大局的な見地から国の方策に協力することを決断をされたものというふうに理解をしております。そういった中で、消費税の税率の引き上げについてと、それからまた地方の配分拡大については、知事が知事としてのお考えを述べられたものというふうに理解をしております。 # 曽根委員 曽根委員知事としての判断、考えということはあるかもしれませんが、少なくとも都税調をみずからお願いして、神野さんにも会長になってもらってつくった以上、そこで出された中間報告を全くここに書かれていることを一つ一つ読むとどうなっちゃうのかというような中身になっているわけですよ、今回の合意は。それを尊重するような立場として取り組むよう、少なくとも主税局としてはきちんと取り組みを進めていただきたいことをお願いしたいと思うんです。都税調の議論の中でも、例えば税を納めている事業者の代表の方は、私たち共産党とは意見が違うと。今の税率を前提にすれば、その中で地方配分をふやしてほしいという意見なんだと。しかし、税率を上げることには自分たちも反対だよと明確におっしゃっているんですよ。それは、これが上がっちゃうと事業者としては大変ですから、ということもおっしゃっている。そういうことも踏まえての税調の中間報告だということをぜひ慎重に考えてほしいと思います。もう一点なんですが、消費税の税率が引き上がるとどういうことになるかということで、既に私たちは経験を持っているわけで、主税局からも資料を前にもいただきましたが、前回の三%から、わずか二%とはいうものの五%に税率が上がった際に、その直前の九六年度の都の法人二税の収入一兆八千六百四十二億円が、税率が引き上がった直後の三年間で五千億円も落ち込んで、一兆三千九百五十八億円まで落ちていると。結局、ここまで景気が冷え込んでしまったので、その直後から定率減税を法人所得税それぞれに行って、また財政支出、税収が足りなくなるわけですから、赤字をふやすということにならざるを得なかったと。じゃぶじゃぶの公共事業をやって、またさらに借金をふやすという国の政策がとられて、借金が大きく拡大するきっかけになったわけですよ。こういう教訓を再び繰り返していいのかということが問われていると思うんです。そういう点では、消費税増税に対しては、主税局として、これは今後の税収がまた逆に落ち込んでいくという危険も踏まえて対処すべきだと思いますが、いかがですか。 # 松田税制部長 松田税制部長平成九年の景気の低迷についてでございますが、平成九年四月の消費税率の引き上げの後、一たんは経済成長率が回復をしておりまして、その後の景気が低迷をしたことにつきましては、金融機関の破綻等の金融危機と、それに伴う貸し渋りの問題、アジアの国際通貨、金融問題に伴う不安心理の拡大など、内外の悪条件が同時期に重なったことが最大の要因だったというふうに考えております。そういった点はございますが、今後の消費税の問題につきましては、国民生活への影響等も十分に配慮した上で検討されるべきものというふうに考えております。 # 曽根委員 曽根委員国民生活という点では、私たち、さきの本会議でも申し上げましたが、今物価高騰がまさに火がついたという瞬間でありまして、年明けには公共料金も含めてどっと上がっていくという動きであります。そのときに消費税の増税と、いつ行われるかは別にしても、非常に危険な動きといわなきゃならないし、九七年の再来と。それで同時に金融機関の破綻とか、東京都も銀行を一行抱えていますから。そういったことも含めて国民生活に多大な悪影響を及ぼしかねないという点でいうと、消費税増税、庶民増税であり、私たちにとっては最悪の逆進課税ですから、こういうものに手をつけるべきじゃないということ。また、中間報告についてぜひよく読んでとらえてほしいんですが、消費税増税をやらない方法としても、例えば国の所得税の再配分率の是正だとか強化するとか、それから日本の法人税については必ずしも国際的には高くないはずだというふうな指摘もちゃんと行っているわけで、税源の求め方は何でも消費税しかないかのような今の大きな物いいがされていますが、都税調の中ではいろんな議論がされているということもあわせて指摘をして、私の質疑を終わりたいと思います。以上です。 # 伊沢委員 伊沢委員私の方からも意見及び質問を申し上げたいと思います。今回の知事の福田首相との会談については、一つ非常に大きな矛盾があると思います。簡単にいいますと、三千億くれといっている人にまたさらに二兆円もかかるような外環道ですとか、それをはるかに上回る額のものを次々と要求するというのは、これは無理難題といいますか、やっぱり大きな矛盾なのではないかといわざるを得ません。これまで石原知事は都市再生ということで、小泉前首相などと国際競争力に勝つためということで力を入れてきましたけれども、そもそも東京と地方の格差がなぜ生まれているのかという原因のところに今立ち返らないといけない時期なのではないかと思います。地方では公共事業が非常に削減されましたけれども、その分やはり東京や愛知、大阪などに集中して行われてきた投資というものを見直さなければいけない。つまり、政策上の見直しも必要ではないかと今本当に思います。つまり、地方と国、地方と東京というような国全体としてのレベルアップが必要ですし、またもっといえば、国民一人一人、個人個人の格差を是正していくということが今最大の課題ではないかと思います。今非常に格差が、二極分化が進んでいまして、このことに対する国民の答えは参議院選挙の結果でもやはり示されたのではないかと思います。そういう中で、今どのようにこれを再分配していくのかということが非常に問題になるわけです。一つは、これは都もいっているように、税源を、そして権限を地方へ国から移譲していくということはやはり最大のことではないかと思います。それともう一つは、やはり個人の解決策として消費税を上げるということがいわれておりますけれども、この点についてお聞きしたいと思います。消費税は、まず非常に逆進性が強くて、今いうまでもなく年金生活者あるいは非常に国民が困窮している中で消費税ということを解決策として打ち出すのは、逆進性も強い。この逆進性について都はどういうふうに考えているのか、聞きたいと思います。 # 松田税制部長 松田税制部長いわゆる消費税の逆進性の問題でございますが、所得階層が低い人の負担が重く逆進的であるという意見もございますが、また十一月二十日に取りまとめられました政府税制調査会答申におきましては理由を述べておりますが、それは省略いたしますけれども、逆進性の弊害があるとは必ずしもいえないとされるなど、いろいろな見方がございます。いずれにしても、税負担のレベルにつきましては、消費税という一税目のみを取り上げて議論すべきではなくて、税制全体、さらには社会保障制度等の歳出面を含めた税財政全体で判断をしていくことが必要と思います。 # 伊沢委員 伊沢委員これは逆進性が強いということは非常に明らかなことでありまして、消費税がアップされればさらに格差が広がっていく。個々人でもそうですし、また地方との格差も広がっていくということは目に見えているので、私は、本当にこれはやめるべきだと、都はそういうことを提案すべきではないというふうに考えます。それから、もう一つは景気への影響ですけれども、私が三鷹でも耳にしますのは、これ以上税が上がったら、特に高齢者などはそうですけれども、非常に消費を控えているということで、さらにそんなことになったらもう一円も使わないと。財布のひもは絶対にかたく締めたままにするというようなことで、景気への影響、冷え込みということが予測されますけれども、いかがでしょうか。 # 松田税制部長 松田税制部長先ほどもちょっと申し上げたところでございますが、平成九年の税率引き上げの際はどの程度それが影響があったかは、その後の景気の低迷につきましては別の要素の方が先ほど申し上げましたように多かったのではないかというふうに考えられているところでございまして、なかなか判断をしにくいところだと思います。そういった点で、いずれにしましても、今後、そういう税率等の問題を議論する際には、当然、国民生活に与える影響、また、もしそれを改定する場合にはどういった緩和措置を講ずるか、そういったことも含めて議論をされるべきだというふうに考えております。 # 伊沢委員 伊沢委員やはり都民あるいは国民に与える消費税の影響ということは、過去の経緯も振り返り、本当によく現実を見なければとんでもないことになってしまうということを申し上げたいと思います。私は、繰り返しいいますけれども、都としては消費税を上げるということはいうべきではないということをいいたいと思います。では、どこに財源を求めるかということになるわけですけれども、個人所得税の累進課税の強化、これについては、都のこの中間報告を読みますと、余りはっきりと書かれておりません。しかし、消費税が導入されたときに累進課税が緩和されまして、それが次々と今もう最高税率三七%というところまで下がってきているということです。ですから、消費税を引き上げるのではなくて、今こそこの累進課税を強化するということを、つまり最高税率を上げるということを、これは、政府・与党の税調の中でも最近やっと何かこういう議論が少し出てきているようですが、都としてはこちらの方に重きを置けばいいのではないかと思うんですが、そちらの方についての見解を伺いたいと思います。 # 松田税制部長 松田税制部長先般行われました三位一体の改革によりまして、個人住民税におきましては負担分任の性格をより明確にするために、一〇%の税率のフラット化を行ったところでございます。累進税率による所得再分配につきましては、国税である所得税が専ら担うこととなっております。また、両税を合わせた最高税率は五〇%になっているところでございます。今後、高齢化社会の進展によって社会保障関係費が増大する中で、その負担をどのように国民に求めていくかを議論していかなければならないわけでございますが、所得課税全体のあり方についてもその中で検討されるべきものというふうに考えます。 # 伊沢委員 伊沢委員やっぱり今、国としても都としても非常に大きな分岐点といいますか、転換点に来ているのではないかと私は思います。これまでの都政の進め方についてもやっぱり見直すべきときに来ているという一つの、この三千億円の問題というのは大きなサインであったというふうに思います。それから、確かに所得税については国の税制問題で、都が直接かかわれる問題ではありませんけれども、やはり都民一人一人、国民一人一人にとって公正な税制というものを目指さないと、今の問題はとても解決できないということを申し上げたいと思います。以上で終わります。 # 鈴木委員長 鈴木委員長ほかに発言がなければ、お諮りいたします。本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 鈴木委員長 鈴木委員長異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。以上で主税局関係を終わります。これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。午後三時三十八分散会
2024-03-31T11:23:11.740967Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/647540?Template=document&Id=5389#one
--- title: 平成19年財政委員会 名簿・議事日程 # 平成十九年十二月十三日(木曜日)第二委員会室出席委員十四名委員長鈴木あきまさ君副委員長高倉良生君副委員長柿沢未途君理事西岡真一郎君理事秋田一郎君理事曽根はじめ君伊沢けい子君原田大君高木けい君宇田川聡史君野上ゆきえ君遠藤衛君東野秀平君桜井武君欠席委員なし出席説明員財務局局長村山寛司君経理部長新田洋平君参事竹本節子君主計部長真田正義君財産運用部長塚本直之君建築保全部長戸田敬里君参事岡沢裕君参事山本康友君主税局局長熊野順祥君総務部長加島保路君税制部長松田曉史君調整担当部長堀内宣好君参事宗田友子君課税部長安田準一君資産税部長吉田裕計君徴収部長宮下茂君特別滞納整理担当部長松原恒美君会計管理局局長三枝修一君管理部長細野友希君警察・消防出納部長堀切喜久男君参事安藤弘志君本日の会議に付した事件意見書、決議について会計管理局関係報告事項(質疑)・平成十九年度資金管理実績(上半期)について財務局関係付託議案の審査(質疑)・第二百七号議案東京都医学系総合研究所(仮称)(H十九)I期新築電気設備工事請負契約・第二百八号議案東京都医学系総合研究所(仮称)(H十九)I期新築空調設備工事請負契約・第二百九号議案富士見橋鋼けた製作・架設工事請負契約・第二百十号議案瑞穂大橋鋼けた製作・架設工事請負契約・第二百十一号議案平成十九年度東京港臨海道路(II期)中防側アプローチ橋りょう鋼けた製作・架設工事請負契約・第二百十二号議案当せん金付証票の発売について報告事項(説明・質疑)・都財政をめぐる最近の動きについて主税局関係報告事項(質疑)・平成十九年度東京都税制調査会中間報告について
2024-03-31T11:23:12.351850Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/647540?Template=document&Id=5388#one
--- title: 平成19年財政委員会 本文 # 午後一時一分開議 # 鈴木委員長 鈴木委員長ただいまから財政委員会を開会いたします。初めに、会期中の委員会日程について申し上げます。お手元配布の日程どおり理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。本日は、お手元配布の会議日程のとおり、財務局関係の第四回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取及び主税局、会計管理局関係の報告事項の聴取並びに主税局関係の請願陳情の審査を行います。なお、提出予定案件及び報告事項につきましては、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いたいと思いますので、ご了承願います。これより主税局関係に入ります。初めに、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。 # 宗田参事 宗田参事昨日開催されました東京都税制調査会において取りまとめられました中間報告について、その概要をご説明申し上げます。恐れ入りますが、お手元の資料第1号、平成十九年度東京都税制調査会中間報告の概要をごらんいただきたいと存じます。初めに、全体の構成でございますが、1、地方税財政制度改革、三ページになりますが、2、基幹税の当面の課題、3、東京の環境税制の三部構成になっております。まず、一ページの1、地方税財政制度改革でございますが、(1)、改革をめぐる今日の状況では、三位一体の改革を検証した上で、改革をめぐる今日の状況を概観しております。2)三位一体の改革の検証では、地方の自主性、裁量の拡大につながらない国庫補助負担金の見直し、国の財政再建を優先した地方交付税改革など、三位一体の改革は極めて不十分なものであったとしております。3)格差是正論議では、地域格差の背景等を踏まえた上で、資料の二ページになりますが、昨今、国等で展開されている法人二税の配分見直し論は、法人二税を実質的に国税化するものであり、分権改革に逆行するものであることを述べております。次に、(2)、今後の改革のあり方では、まず国と地方の役割に見合った権限と財源の移譲が不可欠であるとしております。また、地方税財源の充実に向け、税収が総体として足りないのであれば、全体のパイの拡大が必要であるとするとともに、国、地方の歳出削減に向けた努力の徹底が必要であるとしております。さらに、次のステップは、地方消費税への税源移譲であるとし、地方税の充実を図りつつ、地方交付税への繰入財源を含め、国と地方の税源配分の見直しも検討課題であるとしております。(3)、大都市東京の財政需要では、税源偏在の問題に関連し、東京には、1)首都機能や諸機能の集中に伴う需要、2)大都市に顕著な需要、3)世界都市東京の需要という膨大な特有の財政需要があるとしております。恐れ入りますが、三ページをごらんいただきたいと存じます。2、基幹税の当面の課題でございます。基幹税については、国等の動きを踏まえ、今後の方向性を検討いたしました。(1)、個人所得課税では、消費税及び地方消費税の税率引き上げがいずれは不可避であり、所得格差への対応も必要な中で、所得税の再分配機能の回復が重要課題であるとしております。(2)、法人所得課税では、法人二税は歴史的経緯を見ても、地方の提供する行政サービスへの対価として重要な役割を担っており、安易な引き下げや見直しは避けるべきであるとしております。また、偏在是正に効果があることから、中小企業に配慮しつつ、外形標準課税の付加価値割の割合を拡大すべきとしております。次に、3、東京の環境税制でございます。「十年後の東京」等、都における環境施策の新たな展開を踏まえ、都独自の省エネ促進税制のあり方について検討いたしました。化石燃料の消費を対象とする案や、電気やガスの使用に着目した案など、複数案を検討いたしましたが、既存の道路特定財源との整合性、課税の公平性等の課題があるとし、税収の使途などを含め、引き続き検討が必要であるとしております。平成十九年度東京都税制調査会中間報告の概要の説明は以上でございます。なお、中間報告の本文につきましては、お手元に資料第2号として配布させていただいておりますので、後ほどごらんいただければと存じます。 # 鈴木委員長 鈴木委員長報告は終わりました。この際、資料要求のある方はご発言を願います。 # 曽根委員 曽根委員一点だけお願いしたいんですが、この税制調査会の中間報告と相前後して出された政府税調の答申で、かなり同じ問題についてそれぞれの論点が出ていると思うんですね。わかりやすく表にしてもいいですし、国の税調のいい分と都の税調での内容と、それぞれどういう論点についての見解になっているか、比較できるものをお願いしたいと思います。 # 鈴木委員長 鈴木委員長ただいま曽根理事から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 鈴木委員長 鈴木委員長異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。 # 鈴木委員長 鈴木委員長次に、請願陳情の審査を行います。請願・陳情審査件名表に記載の整理番号(1)から(85)までの、請願一九第一三号外二十五件、請願一九第一四号外二十五件、請願一九第一五号外二十五件、陳情一九第四四号外一件、陳情一九第四五号外一件、陳情一九第四六号外一件及び陳情一九第五九号は、いずれも関連がありますので、一括して議題といたします。本件について理事者の説明を求めます。 # 松田税制部長 松田税制部長請願一九第一三号外二十五件、小規模非住宅用地に係る固定資産税及び都市計画税の減免措置の継続に関する請願、請願一九第一四号外二十五件、小規模住宅用地の都市計画税の軽減措置継続に関する請願、請願一九第一五号外二十五件、負担水準六五%を超える商業地等の固定資産税・都市計画税の軽減措置継続に関する請願、陳情一九第四四号外一件、小規模住宅用地の都市計画税の軽減措置継続に関する陳情、陳情一九第四五号外一件、小規模非住宅用地に係る固定資産税及び都市計画税の減免措置の継続に関する陳情、陳情一九第四六号外一件、負担水準六五%を超える商業地等の固定資産税・都市計画税の軽減措置継続に関する陳情についてご説明申し上げます。これらは、いずれも固定資産税及び都市計画税の軽減措置に関する内容でございますので、一括してご説明いたします。恐れ入りますが、お手元の財政委員会付託請願・陳情審査説明表の一ページをお開きください。小規模非住宅用地に係る固定資産税及び都市計画税の減免措置の継続に関する請願の趣旨は、小規模非住宅用地に係る固定資産税及び都市計画税の減免措置を平成二十年度以降も継続することを求めるものでございます。この小規模非住宅用地に係る固定資産税及び都市計画税の減免措置は、過重となっております二十三区の非住宅用地の税負担を緩和するとともに、極めて厳しい経済状況下における中小企業への支援を行うため、平成十四年度から実施してきたものでございます。次に、五ページをお開きください。小規模住宅用地の都市計画税の軽減措置継続に関する請願の趣旨は、小規模住宅用地に係る都市計画税の軽減措置を平成二十年度以降も継続することを求めるものでございます。この小規模住宅用地に係る都市計画税につきましては、住民の定住確保、地価高騰に伴う負担緩和の見地から、昭和六十三年度より、その税額の二分の一を軽減する措置を講じてきたものでございます。これらの措置についての平成二十年度以降のあり方につきましては、社会経済状況の変化、景気の動向、都の財政状況、都民の負担感等を踏まえながら、今後検討してまいります。次に、九ページをお開きください。負担水準六五%を超える商業地等の固定資産税・都市計画税の軽減措置継続に関する請願の趣旨は、商業地等における固定資産税及び都市計画税について、負担水準の上限を六五%に引き下げる軽減措置を平成二十年度以降も継続することを求めるものでございます。商業地等における固定資産税及び都市計画税の負担水準の上限引き下げにつきましては、負担の不均衡を是正するとともに、全国に比べ過重となっている二十三区商業地等の負担の緩和を図るため、負担水準が六五%を超える場合に、条例により六五%の水準まで税額を減額する措置を講じているものであり、平成十七年度から実施してきたものでございます。平成二十年度以降の取り扱いにつきましては、負担水準の状況等を踏まえながら、今後検討してまいります。ただいま請願についてご説明いたしましたが、一三ページの小規模住宅用地の都市計画税の軽減措置継続に関する陳情の説明につきましては、五ページの小規模住宅用地の都市計画税の軽減措置継続に関する請願の説明で申し上げた内容と同じでございます。次に、一五ページの小規模非住宅用地に係る固定資産税及び都市計画税の減免措置の継続に関する陳情の説明につきましては、一ページの小規模非住宅用地に係る固定資産税及び都市計画税の減免措置の継続に関する請願の説明で申し上げた内容と同じでございます。次に、一七ページの負担水準六五%を超える商業地等の固定資産税・都市計画税の軽減措置継続に関する陳情の説明につきましては、九ページの負担水準六五%を超える商業地等の固定資産税・都市計画税の軽減措置継続に関する請願の説明で申し上げた内容と同じでございます。陳情一九第五九号についてもあわせて説明してよろしゅうございましょうか。次に、陳情一九第五九号、固定資産税における償却資産の取扱いに係る意見書の提出に関する陳情についてご説明申し上げます。恐れ入りますが、一九ページをお開きください。固定資産税における償却資産の取扱いに係る意見書の提出に関する陳情の趣旨は、固定資産税の償却資産の取り扱いについて、免税点を基礎控除に改め、控除額を大幅に引き上げること及び申告期限を三月十五日とすることを内容とする国への意見書の提出を求めるものでございます。まず、償却資産の免税点を基礎控除に改め、控除額を大幅に引き上げることについてでございますが、免税点制度は、課税標準額が免税点未満の場合には課税しない制度であるのに対し、基礎控除制度は、課税標準額から一律に基礎控除額を控除する制度でございまして、固定資産税においては、土地、家屋及び償却資産の三資産について、いずれも免税点制度とされております。また、償却資産の免税点は、中小零細企業の税負担に配慮して百五十万円と、他の資産に比べて高い水準に設定されており、免税点未満の者の割合は納税義務者数の八〇%を超えております。次に、償却資産の申告期限を三月十五日とすることについてでございますが、固定資産税は、土地、家屋及び償却資産の三資産について、毎年一月一日における価格に基づき課税することとされており、当該価格については課税庁が三月末日までに決定することとされております。償却資産の申告期限は、このような賦課課税としての固定資産税の基本的仕組みを考慮し、定められているものでございます。本件請願及び陳情についての説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。 # 鈴木委員長 鈴木委員長説明は終わりました。本件についてご発言願います。〔「なし」と呼ぶ者あり〕 # 鈴木委員長 鈴木委員長発言がなければ、お諮りいたします。本件は、いずれも継続審査とすることにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 鈴木委員長 鈴木委員長異議なしと認めます。よって、整理番号(1)から(85)までの、請願一九第一三号外二十五件、請願一九第一四号外二十五件、請願一九第一五号外二十五件、陳情一九第四四号外一件、陳情一九第四五号外一件、陳情一九第四六号外一件及び陳情一九第五九号は、いずれも継続審査といたします。請願陳情の審査を終わります。以上で主税局関係を終わります。 # 鈴木委員長 鈴木委員長これより会計管理局関係に入ります。理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。 # 細野管理部長 細野管理部長平成十九年度上半期の資金管理実績につきましてご説明申し上げます。お手元の資料第1号の表紙をおめくりいただき、一ページをごらんいただきたいと存じます。初めに、歳計現金等でございますが、今年度は基金への積み立てを一部年度前半に行ったことにより、昨年度上半期、これは(B)の欄になりますが、これと比べ、平均残高が一千四百二十八億円減少し、八千七百九十六億円となりました。一方、利回りは、定期性預金の金利上昇により昨年同期の〇・〇五八%から〇・二八五%へと向上しております。この結果、運用収入は、昨年同期が約三億円であったのに対し、約十二億六千万円となっております。次に、基金でありますが、先ほどご説明いたしました年度前半の積み立てなどにより、平均残高は昨年同期と比べ七千三十三億円増加し、一兆五千七百八十三億円となっております。利回りも金利の上昇により向上した結果、運用収入は昨年同期が約十七億一千万円であったのに対し、約六十二億一千万円となっております。次に、準公営企業会計ですが、平均残高は、一般会計から準公営企業会計である中央卸売市場会計へ貸付金が返還されたことなどにより、昨年同期と比べ、一千九百七十八億円増加し、四千五百五十一億円となりました。利回りも金利の上昇や債券運用の開始により向上し、運用収入は、昨年同期が約三億円であったのに対し、約十五億六千万円となっております。二ページには、それぞれの推移についてグラフでお示ししてあります。次に、三ページをお開きください。運用商品別内訳でございます。上段の歳計現金等は、すべて預金で運用しております。中段の基金につきましては、預金が約六割、債券が約四割となっております。その下の準公営企業会計では預金が約九割、債券が約一割となっております。四ページには、第一・四半期と第二・四半期のものをお示ししてあります。次に、五ページをお開き願います。金融機関種別預金内訳でございます。左から二列目、平成十九年度上半期、期中平均残高の構成比の欄をごらんください。上段の歳計現金等の保管先につきましては、支払い準備における流動性確保の観点から、これまで同様、一〇〇%すべて都市銀行に預金しております。中段の基金の運用先につきましては、都市銀行一三・三%、信託銀行三九・六%、その他地方銀行等四七・一%となっております。その下、準公営企業会計につきましては、都市銀行一八・一%、信託銀行一九・三%、その他地方銀行等六二・七%となっております。六ページには、その推移をお示ししてあります。資金管理につきましては、引き続き安全性を最重要視した上で、効率的な保管、運用を行ってまいります。以上をもちまして報告事項の説明を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。 # 鈴木委員長 鈴木委員長報告は終わりました。この際、資料要求のある方はご発言を願います。〔「なし」と呼ぶ者あり〕 # 鈴木委員長 鈴木委員長なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。以上で会計管理局関係を終わります。 # 鈴木委員長 鈴木委員長これより財務局関係に入ります。第四回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。 # 村山財務局長 村山財務局長第四回定例会に提出を予定しております財務局関係の議案につきましてご説明申し上げます。お手元にお配りしてございます平成十九年第四回東京都議会定例会提出予定議案件名表をごらんいただきたいと存じます。今回提出いたします議案は六件でございまして、契約案五件、事件案一件でございます。契約案五件の内訳は、設備工事が二件、土木工事が三件でございます。事件案は、当せん金付証票、いわゆる宝くじの平成二十年度における発売についてでございます。以上が議案の概要でございます。詳細につきましては、それぞれ所管の部長から資料に基づきましてご説明いたします。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。 # 新田経理部長 新田経理部長第四回定例会に提出を予定しております工事請負契約議案の概要につきまして、資料第1号によりご説明申し上げます。表紙をおめくりいただきまして、一ページの工事請負契約議案一覧をお開きいただきたいと存じます。初めに、1の総括の表をごらんください。今回ご審議いただきます契約議案は、右側の計の欄にございますとおり、合計五件、契約金額の総額は八十一億七千六百七十七万円でございます。契約の方法は、提出予定の五件につきまして一般競争入札により契約を締結しようとするものでございます。次に、2の案件別の表によりまして、概要についてご説明申し上げます。番号1は、世田谷区上北沢二丁目地内において、東京都医学系総合研究所(仮称)のI期新築電気設備工事を施行するものでございます。番号2は、世田谷区上北沢二丁目地内において、東京都医学系総合研究所(仮称)のI期新築空調設備工事を施行するものでございます。番号3は、江東区豊洲六丁目地内から同区有明一丁目地内にかけて富士見橋の鋼けた製作・架設工事を施行するものでございます。番号4は、江戸川区江戸川四丁目地内において、瑞穂大橋の鋼けた製作・架設工事を施行するものでございます。番号5は、江東区青海二丁目地先中央防波堤外側埋立地において、東京港臨海道路(II期)中防側アプローチ橋梁の鋼けた製作・架設工事を施行するものでございます。それぞれの契約金額及び契約の相手方は、表の右側の欄に記載のとおりでございます。一枚おめくりいただきまして、裏面の二ページから四ページでございますが、案件ごとに、件名、工事場所、契約の相手方、契約金額、工期、契約の方法及び工事概要等を記載してございますので、ご参照いただければと思います。また、各案件の入札の経過等につきましても五ページ以降に記載してございますので、あわせてごらんいただきたいと存じます。以上が今回提出を予定しております契約議案の概要でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。 # 真田主計部長 真田主計部長続きまして、お手元の資料第2号、当せん金付証票の発売について、ご説明申し上げます。これは当せん金つき証票、いわゆる宝くじの平成二十年度の発売に関する議案でございます。議案の中ほどの記書きにございますように、宝くじの発売目的として、公園整備等の費用の財源に充当するために発行するものでございまして、平成二十年度は二千四十億円の発売限度額を定めるものでございます。提案の理由でございますが、裏面に条文を掲げてございますけれども、当せん金付証票法第四条第一項の規定に基づき提案するものでございます。よろしくご審議のほどお願いいたします。 # 鈴木委員長 鈴木委員長説明は終わりました。この際、資料要求のある方はご発言願います。 # 曽根委員 曽根委員臨海道路II期工事の事業が始まってから今回までの一連の契約案件について、契約の時期、相手方、契約金額、入札予定額についての資料をいただきたいと思います。 # 鈴木委員長 鈴木委員長ただいま曽根理事から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 鈴木委員長 鈴木委員長異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。以上で財務局関係を終わります。これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。午後一時二十八分散会
2024-03-31T11:23:13.378539Z
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--- title: 平成19年財政委員会 名簿・議事日程 # 平成十九年十一月三十日(金曜日)第二委員会室出席委員十四名委員長鈴木あきまさ君副委員長高倉良生君副委員長柿沢未途君理事西岡真一郎君理事秋田一郎君理事曽根はじめ君伊沢けい子君原田大君高木けい君宇田川聡史君野上ゆきえ君遠藤衛君東野秀平君桜井武君欠席委員なし出席説明員財務局局長村山寛司君経理部長新田洋平君参事竹本節子君主計部長真田正義君財産運用部長塚本直之君建築保全部長戸田敬里君参事岡沢裕君参事山本康友君主税局局長熊野順祥君総務部長加島保路君税制部長松田曉史君調整担当部長堀内宣好君参事宗田友子君課税部長安田準一君資産税部長吉田裕計君徴収部長宮下茂君特別滞納整理担当部長松原恒美君会計管理局局長三枝修一君管理部長細野友希君警察・消防出納部長堀切喜久男君参事安藤弘志君本日の会議に付した事件主税局関係報告事項(説明)・平成十九年度東京都税制調査会中間報告について請願陳情の審査(1)一九第一三号┐(2)一九第一六号|(3)一九第二一号|(4)一九第二四号|(5)一九第二九号|(6)一九第三二号|(7)一九第三五号|(8)一九第三八号|(9)一九第四一号|(10)一九第四四号|(11)一九第四七号|(12)一九第五〇号|(13)一九第五四号├小規模非住宅用地に係る固定資産税及び都市計画税の減免措置の継続に関する請願(14)一九第五五号|(15)一九第五九号|(16)一九第六二号|(17)一九第六五号|(18)一九第六八号|(19)一九第七一号|(20)一九第七四号|(21)一九第七七号|(22)一九第八〇号|(23)一九第八二号|(24)一九第八六号|(25)一九第八九号|(26)一九第九二号┘(27)一九第一四号┐(28)一九第一七号|(29)一九第二〇号|(30)一九第二三号|(31)一九第二八号|(32)一九第三一号|(33)一九第三四号|(34)一九第三七号|(35)一九第四〇号|(36)一九第四三号|(37)一九第四六号|(38)一九第四九号|(39)一九第五二号├小規模住宅用地の都市計画税の軽減措置継続に関する請願(40)一九第五三号|(41)一九第五八号|(42)一九第六一号|(43)一九第六四号|(44)一九第六七号|(45)一九第七〇号|(46)一九第七三号|(47)一九第七六号|(48)一九第七九号|(49)一九第八三号|(50)一九第八五号|(51)一九第八八号|(52)一九第九一号┘(53)一九第一五号┐(54)一九第一八号|(55)一九第二二号|(56)一九第二五号|(57)一九第三〇号|(58)一九第三三号|(59)一九第三六号|(60)一九第三九号|(61)一九第四二号|(62)一九第四五号|(63)一九第四八号|(64)一九第五一号|(65)一九第五六号├負担水準六五%を超える商業地等の固定資産税・都市計画税の軽減措置継続に関する請願(66)一九第五七号|(67)一九第六〇号|(68)一九第六三号|(69)一九第六六号|(70)一九第六九号|(71)一九第七二号|(72)一九第七五号|(73)一九第七八号|(74)一九第八一号|(75)一九第八四号|(76)一九第八七号|(77)一九第九〇号|(78)一九第九三号┘(79)一九第四四号┐├小規模住宅用地の都市計画税の軽減措置継続に関する陳情(80)一九第五六号┘(81)一九第四五号┐├小規模非住宅用地に係る固定資産税及び都市計画税の減免措置の継続に関する陳情(82)一九第五七号┘(83)一九第四六号┐├負担水準六五%を超える商業地等の固定資産税・都市計画税の軽減措置継続に関する陳情(84)一九第五八号┘(85)一九第五九号固定資産税における償却資産の取扱いに係る意見書の提出に関する陳情会計管理局関係報告事項(説明)・平成十九年度資金管理実績(上半期)について財務局関係第四回定例会提出予定案件について(説明)・東京都医学系総合研究所(仮称)(H十九)I期新築電気設備工事請負契約・東京都医学系総合研究所(仮称)(H十九)I期新築空調設備工事請負契約・富士見橋鋼けた製作・架設工事請負契約・瑞穂大橋鋼けた製作・架設工事請負契約・平成十九年度東京港臨海道路(II期)中防側アプローチ橋りょう鋼けた製作・架設工事請負契約・当せん金付証票の発売について
2024-03-31T11:23:14.666590Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/647540?Template=document&Id=5386#one
--- title: 平成19年財政委員会 本文 # 午後一時二分開議 # 鈴木委員長 鈴木委員長ただいまから財政委員会を開会いたします。初めに、今後の委員会日程について申し上げます。お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了解願います。本日は、お手元配布の会議日程のとおり、収用委員会事務局及び主税局関係の事務事業に対する質疑を行いたいと思います。これより収用委員会事務局関係に入ります。事務事業に対する質疑を行います。本件につきましては、既に説明を聴取しております。その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。資料について理事者の説明を求めます。 # 中田収用委員会事務局長 中田収用委員会事務局長要求いただきました資料について、ご説明申し上げます。お手元にお配りしてございます要求資料第1号をごらんいただきたいと思います。平成十二年以降に在任した収用委員会委員の一覧でございます。表の左から順に、委員の氏名、在任期間、就任時の職業を記載し、公務員の職歴を有する委員につきましては、職業欄に最終職歴を併記してございます。氏名をゴシックで表示したものは会長経験者をあらわしております。また、太線枠内の七名は、現在在任中の委員でございます。なお、委員の氏名の下の括弧書きは専門分野でございます。以上、簡単ではございますが、資料の説明とさせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。 # 鈴木委員長 鈴木委員長説明は終わりました。ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。発言を願います。 # 曽根委員 曽根委員簡潔にお聞きしたいと思います。資料をいただきましたが、これまでの、大体過去十年ぐらいさかのぼって歴代の収用委員会の方々の職業、肩書きなどについての資料をいただきましたが、これを見渡しても、現職の方を除いては、東京都の公共事業、建設局や都市整備局にかかわる公共事業の責任者をやった経験のある方は、現職の方を除いてはいないようなんですが、もう少し前にさかのぼって見ても、いわゆる行政経験者の中で建設局長とか都市整備局長などをおやりになった方はいなかったのではないかと思いますが、いかがでしょうか。 # 太田審理担当部長 太田審理担当部長歴代委員中、都市整備局、当時は都市計画局でございましたが、また、建設局などの局長経験者はお一人だけでございます。 # 曽根委員 曽根委員現在、収用委員会には圏央道の事業がかかっております。そこでは住民の皆さんと、事業者は、直接は国ですけれども、東京都もかなり深くこの事業にかかわっているということで、双方の主張が論議をされていると。そういうときに、現職の、委員長代理になるんでしょうか、の方が、この圏央道事業を国とともに進めてきた東京都の建設局長並びに都市整備局長を経験された方で、その局長時代にこの事業を進める責任者でもあったと。こういう方が、いわば住民の側、そして事業者の側の相互の利害が関係するこの収用委員会に委員として選任されるというのは、ほかにだれもいなければ別ですが、行政経験者、東京都はもちろんですが、他の自治体の方も含めれば、あまたふさわしい方はいる中で、より適切な任命というものがあり得たのではないかと思いますが、いかがでしょうか。 # 太田審理担当部長 太田審理担当部長収用委員会委員の選任につきましては、土地収用法は、収用委員会の公正中立性を担保するため、厳格な任命の要件と手続を規定しております。なお、土地収用法はかなり専門的な法律でございますので、少々長くなりますが、これらの要件や手続を、確認の意味を含めましてご説明をさせていただきながら、お答えをしたいと思います。まず、収用委員会委員の中に都市整備局や建設局の局長経験者がいるとのご指摘でございますが、法は、法律、経済または行政に関してすぐれた経験と知識を有し、公共の福祉に関し公正な判断をすることができる者のうちから、都道府県の議会の同意を得て、都道府県知事が任命すると規定しておりまして、局長経験者のように、都の行政に関してすぐれた識見を有する者を任命することは、法の要請するところでございます。また、知事による委員の任命に先立ち、住民代表でございます都議会のご同意をいただいていることからも、事務局としては、当該委員の任命につきましては何ら問題がないものと認識しております。次に、土地収用法は、公共事業を施行する起業者や、土地所有者及び関係人と身分または職務の上で現に特別な関係にある委員につきましては、一時的に裁決手続から排除する除斥という制度を定めております。この除斥につきましては、収用委員会においても検討いたしましたが、当該委員を除く委員の全員が一致して除斥事由には該当しないと判断しております。なお、理事にはご理解をいただいているところでございますが、再認識の意味で、収用委員会の役割について原則的な説明をさせていただきます。土地収用法では、事業が収用に足る公益性を有するか否かについては、別の行政庁が判断することになっておりまして、収用委員会は、その判断を前提として、既に収用を行う必要があると判断されたものにつきまして、主にその損失補償の内容を判断するものでございます。具体的には、収用する土地の区域と、それに対する正当な補償額などを判断するものでありまして、このような判断事項に照らしても、ご指摘のあった委員に問題はございません。今後とも、公正かつ中立な立場で審理、裁決を行うという収用委員会の役割を適切に果たしていくため、事務局といたしましても、委員の選任に当たりましては、法の定める厳格な任命の要件と手続を遵守していく必要があると考えております。 # 曽根委員 曽根委員決め事、ルールに従えば、これは別に違反ではないということかもしれませんが、私が申し上げたいのは、やはり、より適切な、もっといえば、都民的に理解の得られる選任が必要じゃないかということを申し上げたいわけです。極端な例をいえば、この収用委員会も、住民側の利益、そして事業者側の利益、双方の利益を争う、いわば裁判所的な役割も果たします。場合によっては、別の行政機関で選ばれて、既に収用すべきであるということが決まっているものだといっても、却下裁決というのもあり得るわけです。また、損失補償については、まさに住民の利益、事業者の利益が相反することは当然です。そういう点からいっても、いろいろおっしゃいましたけれども、公正中立ということが担保されなきゃならないことは、これは変わりないわけで、その点から、私は、過去にも例がないということとあわせて、現職の委員の中で中心的な役割を果たしておられる委員の中に、建設局長、都市整備局長を歴任され、しかも、今かかっている、大問題である圏央道の事業に深くかかわった責任者をおやりになった方を選任するのはふさわしくないということを改めて申し上げて、質問を終わります。以上です。 # 鈴木委員長 鈴木委員長ほかに発言がなければ、お諮りいたします。本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ございませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 鈴木委員長 鈴木委員長異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。以上で収用委員会事務局関係を終わります。 # 鈴木委員長 鈴木委員長これより主税局関係に入ります。事務事業に対する質疑を行います。本件につきましては、既に説明を聴取しております。その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。資料について理事者の説明を求めます。 # 加島総務部長 加島総務部長先般の委員会におきまして要求のございました主税局関係の資料につきまして、ご説明申し上げます。恐れ入りますが、お手元の財政委員会要求資料の一ページをごらんいただきたいと存じます。要求資料第1号、個人都民税における主な税制改正の影響額についてでございます。この表は、平成十五年度から十八年度までの個人都民税における主な税制改正の内容と、都税収入への影響額をお示ししたものでございます。次に、二ページの要求資料第2号、上場株式等の配当及び譲渡益に対する軽減税率適用による個人都民税の影響額についてでございます。この表は、平成十五年度から十八年度までの上場株式等の配当及び譲渡益に対する軽減税率適用による個人都民税の影響額をお示ししたものでございます。次に、三ページの要求資料第3号、資本金区分別法人数及び法人事業税額についてでございます。この表は、平成十四年度から十八年度までの資本金区分別の法人数及び法人事業税額等をお示ししたものでございます。次に、四ページの要求資料第4号、法人二税の超過課税収入額の推移についてでございます。この表は、平成十四年度から十八年度までの法人二税の超過課税収入額等をお示ししたものでございます。次に、五ページの要求資料第5号、個人都民税軽減措置に係る検討経過についてでございます。この表は、個人都民税の軽減措置の検討経過をお示ししたものでございます。要求のございました資料に関する説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。 # 鈴木委員長 鈴木委員長説明は終わりました。ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。発言を願います。 # 桜井委員 桜井委員この「都市と地方の共倒れを招く『法人二税の格差是正策』に反論する」というのをいただきまして、これに基づいて、法人二税の見直しについて質疑をさせていただきます。これに関連していることとしては、国の地方分権改革推進委員会に対しまして提言も知事本局が行っておりますので、それも含めて質疑をさせていただきます。この法人二税の見直しについての質疑は、前回の財政委員会のときにも、我が会派では高木委員が質疑されておられましたが、本当に極めて重要な課題だと思うものでございますので、再度触れさせていただきます。考えようによっては、この課題はオリンピックの誘致よりも重要じゃないかなと、こう思うんですね。オリンピックは来なくたって、東京都は財政再建団体に転落することはないんですが、この問題が解決うっかりすると財政再建団体に転落する可能性があるという論議でありますので、そういった意味において非常に重要な課題であると、こういう認識を持っております。質疑に入る前に、たまたまきのう、きょうと新聞に出たんですけど、この課題についての全国知事会の様子ですね、新聞記事に出ておりましたけれども、これについて、部長、どのようにお感じになっているのか、ちょっとお話ししていただけますか。 # 松田税制部長 松田税制部長全国知事会の様子というお尋ねでございますけれども、ずっとこの税財源の問題につきましては全国知事会の重要なテーマとして論議をされてきておりまして、直近では十三日に全国知事会で議論をして、一定の取りまとめを行いまして、昨日の政府主催の全国知事会議におきましては、会長を初め各知事からいろいろと国に対しても申し上げているというところでございます。その中で、お尋ねは、東京などの法人二税をめぐる問題についてだというふうに思いますけれども、まず、知事会の全体的な考え方としては、これからの地方分権を進め、そして権限と責任に見合った税財源を確保していく、そういった意味で税源移譲が必要である、それを求めていく、その中で、いわゆる格差是正についても一体的に解決をしていく、こういったところについては一致をしているところでございます。ただ、当面の問題といたしまして、非常に地方が、最近の財政状況が苦しくなっていると。その中に、東京のようなところと地方との税収の面での大きな差がある、これをどうするかというところの議論がございまして、この地方の窮状に対しては、この間、削減をされてきた交付税の復元、充実を求めていく、これも一致をしているところでございます。また、国の方で一部検討をされております、法人二税を配分し直そうと、また、後でご質問等があるかと思いますが、その法人二税の配分という議論については、これは受け入れられない議論である、こういうところまでは一致をしているわけでございますが、これもまた後でお話があると思いますが、法人二税と消費税との税源交換、税目交換、こういったものにつきましては、それぞれの大都市部と地方部、またその地方の中におきましてもさまざまな意見がありまして、知事会としては一致をしていない。ただ、大勢としましては、税源交換論を進めていくというのが中心的な意見でございまして、知事会長さんとしては、そういったことを、反対意見があることも踏まえながら柔軟に発言、対応していく、こういうふうなことで動いているところでございます。 # 桜井委員 桜井委員もう一点ちょっと伺うんですが、この反論するという中の一番最後の方に出てくる東京都の対抗策として消費税に触れてきているわけですよ。一七ページの3に載っておりますけれども、これを委員会で正式に質疑するとか討論するとかということは今回が初めてなんじゃないかなというふうに思うわけでございますが、それはそれでいいんですけど、きょうの新聞に、消費増税を来年度に見送りするというふうに書いてありますと、国の方は、消費税については依然として論議はしないと、まだ。そうすると、さらに東京都が先頭を切ってというか、最もトップで議論をするという形になるのかなと、こう思うんですが、ここらあたりいかがですか。 # 松田税制部長 松田税制部長消費税の論議でございますが、政府の方におきまして、消費税を、この一、二年あるいは二、三年はまだ引き上げる段階ではないというふうなことを首相がいわれたというふうに報道等で見ておるところでございます。一方、東京都でございますけれども、今、国でいろいろな議論をされている中で、非常に小手先の議論が多い。これに対しまして、将来を考えれば、こういった消費税を含めた抜本的な検討に入ることが必要であると、検討ということで提起をしたものでございます。また、先般の知事会等におきましても、ほかの県でも、消費税についてやはり検討をしていく必要があるというふうな意見も出ているところでございまして、特に東京都が先頭を切っているというわけではないというふうに考えております。 # 桜井委員 桜井委員じゃ、質疑に入らせていただきますが、東京の法人二税を、さっきお話ございましたけど、他の地方に配分するべきであるという議論が今されているわけですが、法人二税はほかの税に比べて偏在性が高いとか、景気にも影響されやすいとよくいわれておりますし、それから、地方税体系全体の見直しといった、そういった大きな議論の中で、これは地方税に適しているかどうかと、そういった議論をするならまだわかるわけなんですけれども、国、地方を通じました抜本的な税制改革を議論する中で、こうした検討が行われればいいんでございますが、今行われているのは、財政的に疲弊した地方に対して、東京のような大都市が、入ってくる法人二税を再配分というんですかね、配分することで問題を解決しようということは、抜本的な税制改革を議論するということじゃなくて、小手先の議論で問題の解決を図ろうとしているんじゃないかと、こういうふうに東京都は主張しているわけでありますが、その点について、まず一点お聞きしますけれども、地方税の偏在性が拡大しているということはしきりにいわれますけれども、実際に偏在性が拡大しているということの実態、その実態の最近の状況を数字で示していただきたいと思います。 # 松田税制部長 松田税制部長偏在性につきまして、都道府県ごとの人口一人当たりの都道府県税収額で比較をいたしますと、平成十八年度決算におきましては、最大の東京都は最小の沖縄県の三・一倍となっておりまして、前年の三・二倍に比べて減少しております。また、平成元年度の数値は四・九倍でございまして、長期的に見ても地方税の偏在性は縮小しております。なお、地方交付税などを含めました人口一人当たりの一般財源で見ますと、平成十七年度決算では、全国平均額が十九万一千円のところ、東京都は二十二万一千円でございまして、全国平均を若干上回る程度でございます。また、全国の順位としては二十三位でございます。 # 桜井委員 桜井委員これまで国によって行われた法人事業税の分割基準のいわゆる不当な見直しの影響もありますし、また、法人二税や地方税全体の偏在性は、今お答えがありましたけれども、縮小しておりますし、さらにまた、今のお答えにもありましたけれども、交付税などを含めた一般財源では必ずしも東京が、一般にいわれているほど突出しているというわけではないんだというふうに解釈しているわけであります。にもかかわらず、地方間の格差がいわれているのは、その理由は、これは多くの方々が指摘していることでございますけれども、いわゆる三位一体の改革の結果として、交付税が総額で五・一兆円削減されましたよね。それで地方の財源が減ったからであると。それが格差の最も基本的な原因なんだと。そのツケを東京のような大都市の自治体に持ってくるというのは極めて筋違いじゃないかと、こういうふうに思うんでありますが、この点についてはいかがでございますか。 # 松田税制部長 松田税制部長委員ご指摘のとおり、今、地方の方で非常に苦しい状況にあるのは、まさに地方交付税がこの間削減をされてきた、その結果でございます。一方で、東京都あるいは愛知県等が、この間の企業業績の回復によりまして税収が伸びている。この二つをいわば混同して、ふえているところと減っているところとを単純に比較をして今の議論がなされているというふうに考えております。 # 桜井委員 桜井委員もう一度繰り返しになりますが、現在国で検討されている法人二税の見直しということは、具体的にいいますとどういうものなのか、なるべくわかりやすく答えてください。 # 松田税制部長 松田税制部長新聞報道などによりますと、おおむね二つの案が検討されているところでございます。一つは、法人二税を国が一括徴収して地方に配分するというふうな案でございますが、これについては、まだ正式に発表されたものはございません。新聞報道等に基づいてご説明いたしますが、この案は、現在は各法人が事務所、事業所の所在する都道府県に申告納付をしております法人二税を、国が一括して徴収し、それを人口あるいは事業所数、従業者数などの一定の指標を用いて地方自治体に配分をするというものでございます。この案によりますと、税収が課税権とは無関係に配分されることとなりまして、実質的には譲与税と変わらないような形になります。次に、もう一つの案でございますが、法人二税と消費税を、税目を交換するという案でございまして、こちらの案は、増田総務大臣が十一月八日の経済財政諮問会議に提案をしております。現在、消費税は、国税の消費税が四%、それから地方消費税が一%でございますが、そのうちの国税の一%分を地方消費税に移しますと、金額的には約二・六兆円となります。そのかわりに、同額の法人二税を国税の法人税の方に税源移譲をする、これが総務大臣の案でございます。この案によりますと、国税の消費税が三%となり、地方消費税が二%となりますことから、消費税については、地方の税収がふえ、国の税収が減ります。その一方で、同額の法人二税が減りまして、国税である法人税がふえるということになります。この結果、国税、地方税それぞれの税収全体のパイは変わらないわけでございますが、法人二税と消費税とでは各都道府県の全国シェアが異なりますことから、個々の団体で見ますと増減収が生じまして、都にとってはマイナスになるというものでございます。 # 桜井委員 桜井委員税の話というのはますますわかりにくくなっていくという感じがいつもしているんでありますけれども、今、簡潔に聞きますと二案、二つの案というんですか、二案あるという話でありますけれども、受益と負担という地方税の原則にこの二つの案というのは全く反するものでありまして、容認できないというふうに解釈いたします。国による一括徴収などといった法人二税の分配案は、これはよくいわれますけれども、地方の課税権を完全に否定することになりますし、地方法人課税の存在意義を奪うことにもなるわけであります。そもそも地方の自主性を高めるという地方分権の流れにも逆行するものでありますし、いずれの見直し案も、結局は小手先の数字合わせにすぎないというふうに考えます。こういうふうに主張しても、こうした案がもし実施された場合の東京都への影響額はどのくらいになるんですか。 # 松田税制部長 松田税制部長例えば先ほどの一つ目の案でございますが、法人二税を国が一括徴収をし、事業所数で二分の一、従業者数で二分の一、こういう割合で地方自治体に配分をした場合で試算をいたしますと、東京都で一兆円を超えるような減収となる見込みでございます。また、二つ目の、税目交換の案の場合におきましても、消費税は一%分の交換とした場合におきまして、三千億円を超える減収となる見込みでございます。 # 桜井委員 桜井委員例えば国が一括徴収して、事業所数二分の一、従業者数二分の一で自治体に配分するということですけれども、それでなぜ東京都が減収になるのか、そこのところをわかりやすく、わかりやすくですよ、説明してください。 # 松田税制部長 松田税制部長現在の法人二税は、法人の事務所、事業所の所在する都道府県に納付されることとされておりまして、複数の地方自治体にまたがって事業活動を行う企業につきましては、課税標準を従業者数等の分割基準を用いて事業所等の所在する団体に分割をして税額を計算し、納付をすることとされております。そこで、企業の事業活動が活発に行われ、利益を上げている大企業も多い東京などの大都市につきましては、おのずから多額の法人二税が納付をされるということになります。これに対しまして、今回の見直し案では、企業の規模や収益の状況に関係なく、すべての企業の事業所数あるいは従業者数、こういったもので全国の自治体に配分をすることとなりますので、企業が事業活動を行っていないような自治体にも税収が配分されることとなるわけでございます。その結果、東京などの大都市の税収が減少し、その減少分がそれ以外の地方の自治体に配分をされる、こういうことになります。 # 桜井委員 桜井委員東京は三環状道路とか羽田空港の整備とか都市インフラの更新、特に都市インフラの更新はこれから重要でありますが、大都市特有の財政需要があるわけであります。もし万が一このような法人二税の見直しが行われれば、東京はもちろんでありますが、日本全体の衰退にもつながっていくというふうに考えられます。東京都はこれまでも非常な努力をしてきております。人員削減とか、職員の給与カットとか、予算の見直しとか、ほかにはないような改革の努力を行ってきております。それによってようやく、本当にようやくですよね、ようやく黒字になったにもかかわらず、このような理不尽ともいっていいような見直しをされてはたまらないわけでありますので、こうした動きに対しまして断固反論していかなければならない。かつて、首都機能移転ということがあったとき、知事はポスターまでつくって絶対反対だとやって、今ようやくあれはおさまったみたいですけれども、この問題についても断固反対していかなきゃならないと思われますが、今後、こうした国の動きに対しまして、どういうような反論をしていくんですかね。 # 松田税制部長 松田税制部長現在国で行われております議論は、先ほど来お話もございますように、単に税収格差という一面だけをとらえまして、東京などの大都市の税収を地方へと移転させる、そういう小手先のものでございまして、地方が財政的に苦しんでいる問題の解決には何らつながらないものというふうに考えております。今回、「都市と地方の共倒れを招く『法人二税の格差是正策』に反論する」という冊子を取りまとめておりますが、この中でも、東京都からの提案といたしまして、地方分権改革を先延ばしすることなく早急に実施すること、地方が真に財政的に自立できるよう消費税の税率引き上げ、国と地方の配分についての抜本的検討に直ちに入ること、緊急的措置として、三位一体の改革の名のもとで削減をした五・一兆円の地方交付税を国の責任と財源で復元することなどを国に対して強く求めていくと述べております。今後、こういったものも活用いたしまして、また、都議会や都選出の国会議員の皆様のご協力もいただき、大都市自治体とも連携をして、法人二税の配分見直しのような小手先の対応でなく、地方が真に財政的に自立できるような抜本的検討を行うことなどを国に対して強く求めてまいります。 # 桜井委員 桜井委員先月、関東地方知事会議、石原知事はその会議で、消費税の税率の引き上げを含めた議論に直ちに入るべきだと、こういう提言をされたそうであります。これも考えようによっては、東京から日本を変えるという姿勢の一つのあらわれなのかなというふうにも思われまして、その趣旨は理解できます。しかし、消費税の税率の問題については、都民の税負担に直結する問題であること、それからまた、地方消費税など地方税財政にも非常に大きな影響があることなどから、今後、都議会でも十分に議論した上で結論を得るべきだと考えますけれども、この点についてはいかがでございますか。 # 熊野主税局長 熊野主税局長近年、そして将来にわたります高齢化社会の進展によりまして、国、地方を通じて、年金、医療、福祉、そういった社会保障関係費が増大することは先生もご案内のとおりでございます。今後、その負担をどのように国民に求めていくか、これを真剣に議論していかなければいけない時期にかかっているというふうに考えておりますが、基本的には、税のあり方として、生産、分配、消費、それぞれの段階でバランスをとっていくとか、そういった税体系全体の問題として検討を行うべきであると考えますし、また、その上で国と地方の財源配分を考えていかなければいけないだろう。そうした中では、やはり消費税の問題は避けて通れないのではないかと考えております。こうした中で、今回、今ご議論いただきました、国と地方の配分について抜本的な検討に、直ちに消費税の引き上げも含めて検討すべきだというふうに都が提案いたしましたのは、今回の総務省、財務省の議論にもありますように、地方の格差是正の名のもとに、小手先の議論で事をおさめようとする、終始しようという国の姿勢に一石を投じたいと、そういう思いから、私どもが知事を先頭に提案をしたものでございます。消費税につきましては、非常に安定的で、また地域格差も少ない、あるいは世代間の負担が公平であるという、そういった性格もございますけれども、先生今ご指摘のとおり、消費税率を上げるということは、都民負担が増加するということは事実でございますし、そうした際に、低所得者層の方々への配慮をどうするかといった問題も当然あると考えております。こうしたさまざまな消費税に関する諸問題につきましては、今後、都議会のご意見も伺いながら、東京都の税制調査会を活用して、幅広く検討してまいりたいと考えております。 # 高倉委員 高倉委員コンピューターやインターネット等々、情報通信技術の発展は大変目覚ましいものが今あると思います。そうした技術を活用した電子行政サービスの一つに電子申告・納税がございます。国税においては電子申告・納税システム、いわゆるe-Taxがあるわけであります。盛んに宣伝もされております。一方、地方税でも、地方税電子化協議会が運営をする地方税ポータルシステム、いわゆるeLTAXによりまして電子申告が可能となっております。この地方税電子化協議会が運営するeLTAXというものはどういうものであるのか、まずこのことについてお伺いしたいと思います。 # 堀内調整担当部長 堀内調整担当部長まず、eLTAXを運営する地方税電子化協議会でございますけれども、平成十五年八月に、地方税の電子化を推進し、納税者の利便性の向上を図るとともに、地方税務行政の高度化及び効率化に寄与することを目的に設立され、平成十八年四月に社団法人化したものでございます。現在、参加団体は、四十七都道府県、十七の政令市と二つの市の六十六団体でございます。eLTAXにつきましては、地方税の申告等の手続を、インターネットを利用して電子的に行うシステムであり、地方税電子化協議会に参加する地方自治体が共同で開発、運用しているものでございます。現在、利用可能な手続は、法人住民税、法人事業税の申告及び固定資産税の償却資産の申告となっております。 # 高倉委員 高倉委員当然ながら、情報通信技術を活用していく大変大きなメリットがあると思いますけれども、このeLTAXの特徴、それから納税者等へのメリットですね、このことについて、簡潔で結構ですので、具体的にお教えいただきたいと思います。 # 堀内調整担当部長 堀内調整担当部長eLTAXの特徴といたしましては、地方自治体共通の地方税に関する電子的な総合窓口として、システムを標準化し、使い方の統一を図った全国共通のシステムとして整備されているものでございます。納税者等へのメリットといたしましては、まず、地方税の場合、支店や工場、営業所等が複数の自治体にある企業では、それぞれの地方自治体に申告書を提出する必要がございます。eLTAXを利用すれば、自動的にそれぞれの団体へ振り分けるため、一カ所への送信で済むこと、また、企業のオフィスや税理士の事務所、自宅からインターネットを利用して申告を行えるほか、eLTAXが無償で提供いたしますソフトウエアによりまして、住所、氏名の自動入力や税額の自動計算などの申告書作成サポートや、市販の税務・会計ソフトウエアにも対応していることなどがございます。 # 高倉委員 高倉委員今、種々ご答弁をいただきましたが、このeLTAXは、納税者等々にとって、一元化された受付窓口で統一をされた手続によって、時間と場所を選ばず、自宅やオフィスで申告を行うことが可能でありまして、利便性の高いシステムであると思います。一方、地方自治体にとっては、共同運用によるコスト削減効果、こういったものが期待できる大変画期的なシステムであると思います。とりわけ、一カ所への送信で済むということは、多数の課税団体が併存する地方税の世界では、導入メリットが大変に高いものでありまして、大いに活用すべきものであると思います。そこで、お伺いしたいと思いますが、eLTAXの都におけるこれまでの利用状況がどういうふうになっているのか、このことについてお伺いしたいと思います。 # 堀内調整担当部長 堀内調整担当部長eLTAXの利用状況でございますけれども、平成十七年八月に電子申告の受け付けを開始した法人二税におきましては、平成十七年度、十八年度の利用率は一%に満たないような状況でございました。しかし、今年度につきましては、利用者から要望の多かった、税理士等が申告書を作成、送信する場合、納税者本人の電子署名を省略することができるという手続の簡素化を実施いたしまして、また、利用者へのPRにも努めてまいってきたところでございます。その効果もありまして、法人二税の電子申告による受け付け件数は十月末現在で約二万件、利用率では四・四%まで上昇しているという状況となってございます。 # 高倉委員 高倉委員今ご答弁で、一%も満たない状況であったところ、ことし十月までに二万件、利用率で四・四%まで上昇していると、こういうお話がありました。さらに、手続の簡素化あるいはこのPR、そういったものもさまざまな努力もされているというお話がございましたけれども、全国の地方自治体共通の地方税のためのインフラとして整備をされたシステムであるにもかかわらず、まだまだ利用率においては低いというような状況があると思っておりますけれども、その原因についてどのようにお考えになっているのか、ご所見を伺いたいと思います。 # 堀内調整担当部長 堀内調整担当部長利用率が低い原因でございますけれども、地方税の地方自治体共通のインフラとして整備されたeLTAXでございますけれども、利用可能な手続が、法人住民税、法人事業税の申告及び固定資産税の償却資産の申告に機能が限られていること、また、参加している地方自治体は、都道府県単位では全団体が参加しているのに対しまして、市町村単位では、政令市を中心に十九団体と非常に少ないことなどが挙げられると考えているところでございます。 # 高倉委員 高倉委員確かにeLTAXの機能というのが限られている上に、全団体が参加をしているという都道府県に比べて余りにも参加が少ない区市町村数、こういったことでは、せっかくのシステムが十分に生かされることがなく、利用率も上がらないというふうに思います。今後、こうした現状をどのように変えていかれるおつもりなのか、このことについてのお考えをお伺いしたいと思います。 # 堀内調整担当部長 堀内調整担当部長今後の対応でございますけれども、現在、地方税電子化協議会におきましては、eLTAXの機能を拡充するため、システムの二次開発を進めているところでございます。この開発によりまして、申告手続では、区市町村にとってメリットの大きい住民税の給与支払い報告書などの特別徴収関係の手続、また、事業所税の申告が可能となります。また、申請、届け出関係におきましては、法人二税の法人設立届と異動届あるいは事業所税の事業所等新設・廃止申告手続などが可能となります。さらに、納税手続では、eLTAXで申告したすべての税、具体的には、法人住民税、法人事業税、事業所税、それと特別徴収に係る個人住民税で電子納税が可能となるものでございます。これによりまして、eLTAXの利便性は大きく向上し、また、特別徴収に係る住民税のシステムが開発されることなどによりまして、区市町村の積極的な参加も期待できると考えております。 # 高倉委員 高倉委員今ご答弁で、このシステムの二次開発が進められていて、大変な機能の拡充が図られる、こういったご答弁がございました。本当に今ご説明をお伺いして、大幅な機能の充実でありまして、eLTAXの利便性というのが大いに向上するということが理解できましたけれども、都としてこれをいつごろから実施されようとしているのか、そしてまた、それによる効果はどういうふうになっていくのか、このことについてお考えをお聞きしたいと思います。 # 堀内調整担当部長 堀内調整担当部長実施時期でございますけれども、都の、先ほど申し上げました、申告、申請、届け出、納税の手続につきましては、平成二十年八月実施を目途に準備を進めてまいります。今回、eLTAXでシステム開発中の機能は、利用者の要望に沿ったものでございまして、利便性の向上が図られ、また、住民税のシステム化により区市町村の参加をも促すものでございます。これを契機に、地方税電子化協議会とも連携しまして、eLTAXの積極的なPRに努めてまいります。こうしたことによりまして、利用率は大幅に向上していくものと期待しているところでございます。 # 高倉委員 高倉委員eLTAXは、地方自治体が相互に協力して開発、運営をされているものであります。地方税の実情に即した効果的、効率的な運営が期待できる、地方税独自のシステムであると私も考えております。現在、納税者サービスの向上にとって、IT化、またインターネットの利用というものが不可欠であるというふうに思います。地方税の電子的な総合窓口を目指して、さらに積極的なPRも必要であると思います。一層の利便性の向上、普及拡大というのを期待いたしまして、質問を終わらせていただきます。 # 曽根委員 曽根委員私からは、最初に、徴税のマニュアルの問題について何点かお聞きしておきたいと思います。最近、私は、主税局がつくった徴税のマニュアル、平成十八年度業務体験基礎研修資料、想定問答研修資料(タイプ別ああいえばこういおう問答集)というものを手に入れまして、読んでみたんですが、非常にリアルで具体的な、悪質滞納者に対する徴税の担当者が行うべきやりとりや対応について法的根拠も含めて書かれたものです。なかなかよくできています。悪質滞納者を、根拠追求型、それから甘え型、居直り型、たられば型、無責任身勝手型、高圧型などに分類して、例えば根拠追求型でいうと、東京都のお世話になったことなどないといういい分に対してはどう答えるか、こういう単純なものから、甘え型では、前の担当者は優しかった、あなたは鬼だというようなことをいわれたときには、例えばその回答は、その優しい対応で納付されなかったから今もなお滞納となっているのではないですか、厳しいといわれようと、早期に解決することが延滞金の負担も減り、あなたのためだと信じています。極めて的確だと思います、これは。しかし、この中に、例えば子どもの教育費がかかって納税まで手が回らないというああいえばに対して、納税は日本国憲法で定められています、ご納付いただきたいという答えなど、相手が悪質滞納者であれば極めて正当、しかし、その人が、払いたいんだけれども払えない人かどうか、この見きわめが前提になければならないという対応も幾つかあるように見受けました。ただ、研修資料ですので、東京都の職員はもちろんですが、最近、東京都の徴税のこうした緻密さですね、これを学んで、かなりほかの自治体からも研修の方が来られているというふうに聞いています。主税局としてどのぐらいの他の自治体からの研修者を受け入れているんでしょうか。 # 松原特別滞納整理担当部長 松原特別滞納整理担当部長主税局では、従前からの職員の受け入れに加えて、平成十五年度以降、個人住民税の徴収支援のため、都内の各区市町村から滞納整理に関する実務研修生を積極的に受け入れています。お尋ねの研修生の状況ですが、平成十八年度につきましては、九区、四市、十三自治体から十四名を受け入れたところでございます。 # 曽根委員 曽根委員前、議会局におられた松原部長のお世話にならないように私も気をつけたいと思うんですけれども、そういう他県もしくは都内の各区市町村からの研修者に対して、私、このマニュアルの中で一番最初に書いてある、ちょこっと書いてあるんですけれども、納税交渉の基本(聞き上手は話し上手)、相手の話をきちんと聞いてあげる、払わない人か払えない人かを見きわめると、冒頭に三行あるんですね。以下、タイプ別で対応が詳しく書いてあるんですが、この三行が極めて重要であり、以前もこの委員会でお聞きしましたが、払えない人に対するきめ細やかな対応という点でも、東京都の対応はレベルが高いというふうなことも聞かせていただきました。したがって、研修を受けた人の場合、地元の自治体に帰ってから、こうしたやり方を、いわばこの三行に書いてある前提抜きに、私の小耳に挟んだところでは、例えば国保料の滞納者に対して使う、区民税の滞納者に対して使う、そうした場合、その中にはかなり払いたくても払えない人もいるというふうなことが明らかな場合にも使われているんじゃないかと、こうした対応が。ああいえばこういうが。というふうなことをちょっと心配になったものですから、研修の方に対してきちんとした対応をしていると思いますが、この点での東京都の取り組みについてお聞かせいただきたい。 # 松原特別滞納整理担当部長 松原特別滞納整理担当部長主税局は、インターネット公売、タイヤロックなど新たに開発した手法に加え、納税交渉や財産調査手法など滞納整理のノウハウを、都の実務研修や区市町村の職員に対する研修を通じて提供しています。お話しの、滞納者に応じてきめ細やかに対応するということを基本に、ただ、その中で、納税する資力が十分ありながら納税に誠意が見られない悪質な滞納者に対しては、税務行政の公正公平性の確保の観点から、法令に基づく捜索、預金等の差し押さえ、公売による換価など、強力な滞納整理を推進することとしています。 # 曽根委員 曽根委員くれぐれも、今のお話にあるとおり、この都の徴税の基本的な姿勢、理念を、研修を受ける他の自治体の方にも伝えていただきたいと思います。次に、この春に知事が約束した都民減税についての公約違反問題について質問します。知事は、知事選であれだけ都民に対してはっきりと公約した個人都民税の減税公約を前定例会直前にあっさりと撤回し、公約の進化だといっております。しかし、三月の記者会見で、ゆがんだ税制に一石を投じると述べて、税制のゆがみを正すという役割を表明した事実は消せません。また、生活保護程度の暮らしの都民にまで課税されていることを税制のゆがみとして問題にしておりました。この是正を約束した、この約束をほごにした罪は重いと思います。そこで、三月の知事の公約発表の際、知事が表明した税制のゆがみというのは、どういうものをゆがみとして見ていたんでしょうか。 # 松田税制部長 松田税制部長三月に個人都民税軽減措置の実施方針を発表した時点では、都において生活保護受給者や非正規の雇用が全国平均を大幅に上回って増加をしている、こういうふうな状況を踏まえまして、低所得者の方々に対する一定の配慮、支援が必要という認識を持ってこれを発表したわけでございます。しかしながら、その後、総合的な検討を行った結果、歳出によりきめ細かで的確な施策を重点的に講ずる方が、より公平で効果的と判断をしたところでございまして、現在、その方策について、所管の局において検討中でございます。 # 曽根委員 曽根委員低所得者対策として、今お話のあった個別の施策はもちろん重要でありまして、例えば失業者への生活支援手当などは、我が党は以前から繰り返し求めてきたところです。しかし、この間、低所得者に、より重い形で、各年代、世代にわたってかけられた庶民増税、この負担増で暮らしが追い詰められている実態から見れば、少しでも増税の痛みを和らげるために、減税の必要性もまた明らかだと思うんです。両方ないと、やはり低所得者対策としては不十分だというふうに思います。そこで、ちょっとお聞きしたいんですが、最初に、減税規模が、たしか春の段階では五十億円といっていましたが、撤回する直前には、答弁の中で七十億円というふうにいわれました。ふえたのは、私が思うに、この間、〇五年度から〇六年度にかけて庶民増税が行われたために、高齢者や、それまで非課税だった方にも新たな増税が来た、課税が来たということが、減税しなければならない額がふえたということに反映しているんじゃないでしょうか。いかがですか。 # 松田税制部長 松田税制部長個人都民税の軽減措置の影響額が変わったということについてのお尋ねでございますが、この変わった理由は、試算のベースが動いたことと、それから軽減措置の対象とする基準が異なることによったものでございます。今お話しの点は試算のベースの方にかかわるものでございまして、当初、平成十七年度の課税状況をベースに試算をしたわけでございますが、その後、平成十八年度の課税状況をベースに試算をしたということによって影響額がふえております。このふえた原因でございますけれども、十八年度におきましては、十六年度の税制改正における公的年金等控除の見直し、あるいは老年者控除の廃止、また十七年度税制改正における六十五歳以上の者に対する特別な非課税措置の廃止の適用などがありまして、課税ベースの拡大が行われております。こういったことからこの課税の対象となる方々がふえたということが一つの原因だろうというふうに考えられます。しかしながら、資料の制約がございまして、確たることは申し上げられないところでございます。 # 曽根委員 曽根委員十七年度、〇五年度から十八年度、二〇〇六年度にかけて、高齢者を中心に、いわゆる庶民増税分が大きくふえたと。で、六月の区民税などの通知に対して、北区でも何千人もの人が電話や、また訪問で区役所に詰めかけるというようなこともありましたが、これによって課税ベースが拡大し、救わなければならない課税の規模がふえたと。ここが、私たちがいう増税の重みであり、痛みなんですよ。ですから、春の段階での試算のときよりも、秋で中止しようというときにはもう減税の必要性がますます大きくなったということを数字の上でもこれは証明していると思います。知事も予算議会で、国税である所得税とかかわりなく、地方団体における基幹税目である個人住民税のあるべき姿を実現するものだということで、都民減税案について紹介しております。つまり、明らかに、国が行っている税制の改正によって低所得者に税が重くなってきているときに、基幹税目である地方税の個人都民税のあり方として、低所得者に減税することの意義を明確に答弁でも述べているわけで、この知事の認識は、私は極めて正しいと思うんですが、この知事の認識は間違いだということになるんでしょうか。 # 松田税制部長 松田税制部長先ほど申し上げました、この間の、特に高齢者に対します改正は、少子高齢化が進展する中で、現役世代の活力を維持し、また世代間の公平を確保するというような観点から行われたものでございます。そのほか、三位一体の改革によりまして住民税のフラット化も行われたわけでございます。そういった中で、低所得者に対する措置というものは、税制で行うか、あるいは歳出で行うかというふうな選択の余地があるわけでございますが、三月の時点では、税をもって低所得者の方々を支援していこう、こういうことで、またそのための、現況の中で生活保護を受けている方がふえている、あるいは非正規雇用がふえている、そういった状況からも一定の配慮が必要である、そういったことで知事がその認識を述べられたものであるというふうに理解をしております。 # 曽根委員 曽根委員当時の知事の理解、認識を素直に施策にあらわせば、減税をやるのが当然なんです。今回既に、公約の進化だといっていますけれども、個別の施策が発表されていますが、そこで出された施策、例えば失業者対策やフリーター、ネットカフェ難民といわれるような若年者の対策の対象の多くは非課税者です。しかし、最初の話は、課税されている、しかし生活保護並みだと。ここに対する減税だったわけで、非課税者は対象じゃなかったわけです。そういう点でも、減税の対象として考えてきた対象と、今回の個別施策の対象は明らかにずれがある。例えば、減税対象となるべきだった多くの部分を占める高齢者、母子世帯、就学援助を受けなければならないような子育て世代などは、今出されている施策の中ではカバーし切れないと思いますが、やはり減税が必要なんじゃないでしょうか。 # 松田税制部長 松田税制部長低所得者に対します支援の施策を税制で行うか、あるいは歳出面の施策で行うかによりまして、当然、施策を受けられる方の対象が異なってくるわけでございますが、税制による対応で行いますと、低所得層の方の中にも、例えば世帯主以外の方にも収入がある方あるいは所得は少ないけれども、多額の預貯金を保有している方などもございまして、そういった点では、真に困窮している方に対しての施策という意味でいろいろな限界もあるところでございまして、そういったことで、歳出面の施策の方で講じた方がより公平で効果的というふうに判断をされたものでございます。 # 曽根委員 曽根委員効果的といっても、実際には減税でカバーすべき対象をカバーし切れていないという実態があるわけです。高額のため込みをしている人がいるとかいうこともあくまで推測の範囲であって、そういう人も含めて今増税になってきているんですから、その増税分を軽減するという、税制におけるゆがみを正すという知事の姿勢を代替することはできないわけです。まさに、増税の負担軽減を期待したという多くの都民の期待を欺くものだといわざるを得ません。私は、ここで重要なことは、国が高齢者や非課税ラインぎりぎりの階層を、私からいわせればねらい撃ちのように増税攻撃が今かかっているわけで、それに対して石原知事は、これを正面から、先ほどいったように、五十億が七十億になるぐらい、国がやっている増税の対象をまさに東京都が減税で救うという、国の施策に対して税制のゆがみを正すということで、防波堤ともいうべき役割を表明したと。だからこそ、私は都民から見ればですよ。個別の減税額は大したことないですよ。一人当たり年間八千円かそこらですよね。しかし、まさに都民利益のために国と正面から政策的にも争うという姿を見たからこそ、私は期待したんだと思います。それを選挙後はいとも簡単に投げ捨てて、個別施策にすりかえて公約の進化だという姿勢は、私は自治体としての根本的な使命への冒?だと思います。同額だから個別施策で構わないということには絶対になりません。引き続き我が党は、個別施策とともに減税の実施を求めていきたいと思います。それとあわせて、先ほどもちょっとお話ありましたが、知事が三月の記者会見で、地方税のフラット化についても、税制のゆがみとして異論を唱える根拠としていた発言がありました。これは、都民減税とどう結びつくのかは別としても、我が党としては、地方税のフラット化が、いわば所得の低い階層の都民に対して税制のゆがみとなっているという認識は当然だと考えますが、主税局の見解を伺います。 # 松田税制部長 松田税制部長個人住民税のフラット化についての認識ということかと思いますが、住民税は、地域における行政サービスの経費を地域住民がその能力と受益に応じて共同して負担をするものでございまして、地方自治体の基幹的な税でございます。このような住民税の性格を踏まえまして、三位一体の改革による税源移譲により、一律一〇%のフラット化が導入されたものでございます。なお、この改正によりまして、所得税と住民税を合わせた税負担は変わらないようになっております。知事のご発言の趣旨でございますけれども、こういった意味で税負担は変わらないわけでございますが、住民税だけを見た場合に、所得の低い層において負担がふえている、そういった状況のもとで、また一方において、先ほども申し上げましたように、近年、生活保護受給者がふえている、あるいは非正規雇用者が全国平均を大幅に上回って増加している、こういった状況の中で、困っている方々に対する支援が必要である、そういったことの認識ということでいわれたものというふうに理解をしております。 # 曽根委員 曽根委員今回、地方税のフラット化自身は、国の所得税によって相殺されたという措置がとられましたが、しかし、知事が春の段階で答弁で述べたように、国の税金がどうあろうとも、地方税の、しかも基幹税目である個人都民税のあり方として、例えば何十億もの高額所得者と課税ラインぎりぎりの低所得者が同じ一〇%の税率という税金のフラット化というのは、その所得のほとんどを消費せざるを得ない都民にとっては負担が重過ぎるという認識を示したことは、私は極めて正当だったと思います。しかし、その認識も、都民減税の公約とともに今投げ捨てられているという実態だと思うんです。石原知事は、先ほどもお話のあったとおり、究極のフラット税制である消費税の増税論の先頭に立っています。余りの豹変ぶりに唖然とするばかりなのは、私ばかりではなく、多くの都民の思いだということを申し上げておきたいと思います。次に、一方で、大企業、資産家への優遇税制が拡大しております。資産家、特に株の取引の課税が、また減税措置が延長された問題は前の定例会で質疑いたしましたが、資料でいただいている、九九年度、平成十一年度からの企業減税による昨年度の法人二税の減収は幾らになるんでしょうか。 # 松田税制部長 松田税制部長平成十一年度の恒久的な減税に係る十八年度の影響額のお尋ねというふうに思いますが、当初予算ベースで算定をいたしました、平成十八年度法人二税の恒久的な減税に係る減収影響額は、法人都民税が千百八十六億円、法人事業税が千六百億円、二税合計で二千七百八十六億円でございます。 # 曽根委員 曽根委員失礼しました。これは資料になかったので数字をお聞きしたんですが、国民や都民への定率減税は既に廃止されましたが、この法人減税はいつまで続くんでしょうか。 # 松田税制部長 松田税制部長恒久的な減税の中にもそれぞれの趣旨がございまして、法人の場合には、その時点でございますが、将来の税制についての、いわば先取りというような形で行われたというふうに理解をしております。現在のところ、これについて昔に戻すというふうな議論は行われていないというふうに理解をしています。 # 曽根委員 曽根委員昔に戻す議論がないだけではなく、これは減税措置じゃなく本税になってしまったんじゃないですか。 # 松田税制部長 松田税制部長法人税が、現在、基本的な税率が三〇%でございますが、これは本則的な税率として規定をされております。 # 曽根委員 曽根委員すると、これからは、減税の影響額ということを公式には、資料をお願いしても、いや、減税はありませんと、これは本税なんですということになるわけで、こんなひどい話はありません。資料でいただいているのは、都は、かねてから大企業に対する超過課税を行ってきました。資料を見ると、法人二税のうち都民税が千五百五十一億円に対して、事業税の超過課税分は六百二十億円と少ないわけですが、それぞれ課税標準に対しどういう割合で超過課税をしているのか、また限度課税率は幾らなのか、お聞かせください。 # 松田税制部長 松田税制部長法人事業税の方でございますが、現在、標準税率の一・〇五倍で実施をしています。個々にはいろいろな税率がございますので、省略をさせていただきます。制限税率は一・二倍までは課税ができるというふうになっております。また、法人住民税の方でございますけれども、これは現在、制限税率いっぱいで課税をしております。都道府県税の部分が標準税率五%に対しまして六%、市町村民税相当部分が標準税率一二・三%に対して一四・七%、これはほぼ一・二倍という数字でございます。 # 曽根委員 曽根委員すると、法人に対する住民税は限度いっぱいかけていると。しかし、事業税の方は、五%増しですから、あと一五%分、約千八百億円ほどが課税の余地があります。国の方で国民に対する定率減税を廃止しながら、法人減税の方は恒久減税を本税化してしまっているわけですから、せめて東京都が行っているこの超過課税、大企業に絞って課税しているもので、これを課税限度額千八百億円、あとできる分課税を強化して、大企業は担税能力があるわけですから、課税すべきだと思いますが、いかがですか。 # 松田税制部長 松田税制部長法人事業税の超過課税の引き上げをしたらどうかということでございますが、東京都は、昭和五十年に標準税率の一・一倍の制限税率が設けられて以来、制限税率で課税をしてまいりましたが、昭和六十三年に、他の自治体に与える影響等に配慮いたしまして、現行のような一・〇五倍の超過課税に引き下げております。こうした経緯もあり、また現在、国際競争力維持の観点から法人の実効税率について議論が行われていること、あるいはいろいろな今の格差問題がいわれているというような状況もありまして、超過課税の税率を引き上げることは考えておりません。 # 曽根委員 曽根委員その、他の自治体への影響というのは、この超過課税を強化すると、それが企業の側では損金になって、その分国税にはね返って、それがまた地方の交付税といった形で間接的に何割かずつ影響が出るんですが、ここで課税税率を強化して東京都が得られる財源に比べれば、ほかの自治体に対する影響は微々たるものです。しかも、この東京都の財源と地方の財源の話、先ほどもちょっとありましたが、私は率直にいって国の責任は重いという都のいい分は共感するところがありますし、東京都が本来、地方の財源不足があればそこを手当てする役割を持っていると同時に、やはり大都市需要を考えても、東京都の税収の大きさから見れば、自治体間の財政調整は、今議論が始まっていますが、私はやはり国の介入を許さない形で自主的に行っていく、検討していく必要があるという立場で大企業が払えるんですから、取れるものはきちんと東京都で取って、その上で公平を期するような自治体間の協議を進めていく、こういうことがあっていいと思いますし、東京の法人税が重過ぎるから地方に本社を移すという企業がいるのなら、一極集中の分散にもなりますから、私は、そういう意味でも、きちんと、国が大企業を優遇している分、東京都は適切な課税を強化すべきことを申し上げて、質問を終わります。 # 熊野主税局長 熊野主税局長税制というのは社会のシステムの中の一つでございまして、あらゆる制度と有機的に結びついているものということはもちろんご理解いただいていると思うんですが、冒頭の住民税の軽減措置の話にいたしましても、あらゆる制度は、一千二百万都民に適用しようとすると必ずやはり矛盾とかひずみ、そういったものは生じる、これは税制に限らずあらゆる制度についていえると思います。その際に、税制の中のひずみを税制でセーフティーネットを設けなければいけないかというと、必ずしもそうではなくて、先ほど申しましたように税制も社会的なシステムの一つでございますので、そういった適用に際して生じる矛盾とか、そういうものをほかの制度でセーフティーネットを設けていく、今回の場合で申し上げれば、歳出できめ細かく効率的に対応していく、こういったセーフティーネットを設けていくというのは当然の考え方だろうと思います。それからもう一つ、法人二税の超過課税につきましても、これを取れば住民税の軽減措置とかほかの方へ回せるじゃないかというふうなお話がございますが、これも、法人二税の超過課税という税制はやはり有機的にほかの社会的システムと結びついているわけで、当然のことながら、今、部長が答弁しましたように、他団体への影響であるとか東京都の財政状況だけではなくて、社会全体の経済、それから社会に与える影響等々を幅広く検討しなければ結論が出ない問題でございますので、そういった点をぜひご理解いただきたいと思います。 # 曽根委員 曽根委員主税局長の出番をつくらなかった私も申しわけなかったんですけれども、今お話のあったとおり、確かに私たちは、税制のゆがみを税制だけで解決できるというふうにいっているわけじゃないんです。個別施策も当然必要ですし、税制がゆがんでいるから個別の施策が必要になる場合もありますよ、それは。しかし、今回行われている五百万の規模の都民に対する増税に対して、個別の施策で突出して困っている人たちに対する施策はあったとしても、これだけ幅広く増税がかかっているときに、これに対する負担軽減というのは、やはり税制の軽減ですね、税の軽減という方法を考えるのは当然ではないかと。ここをまた逆に、全く考えないという方がちょっとおかしいじゃないかということは意見としていわせていただきたいと。それから最後に、超過課税の問題についていえば、これは、かねて東京都は、その当時の限度いっぱい、今の二倍ぐらいでしょうかね、割合でいうと、かけていた経緯があるわけですので、少なくとも今の超過税率でおさめなければ大変だということにはならないということもあわせて申し上げておきます。以上で質問を終わります。 # 高木委員 高木委員まず最初に、東京の税源をめぐる動きについて一言申し上げておきたいと思います。現在、国では、平成二十年度税制改正に向けて、地方間の税収偏在の是正を目的に法人二税を人口等によって配分すべきといった議論が連日のように行われております。しかしながら、こうした動きは、税収の偏在を殊さらに強調し、東京の抱える大都市特有の膨大な財政需要や、日本の牽引車たる首都東京の役割を無視した非常に不合理な議論であり、断じてこれを容認することはできないと私たちは考えています。このような東京を初めとした大都市の財源をねらい撃ちをする不合理な見直しが具体化することがないよう、国に強く働きかけていかねばならないと思っています。前回の財政委員会のときにも申し上げましたが、都議会自民党としても全力を挙げて、都選出の国会議員も含めて戦っていく決意であるということは、ぜひきょうも申し上げておきたいと思っています。関連をして、先ほど桜井委員がこの税源問題について大変詳しく質疑をされましたけれども、これは前回の財政委員会でも申し上げましたけど、今の時期に、これは共産党とは全く別の次元で考えていただきたいんですが、消費税の問題について踏み込んでいくということが、果たして問題提起をすることが必要なのかどうかということは、やっぱりこれはもう少し議論をしていく必要があるんじゃないかなというふうに思っています。先ほど税制部長からもご答弁がありましたし、また最後、局長からもご答弁がありましたけれども、今後増大する、福祉を含めて行政サービスに対してどのように都民、国民に負担を求めていくのかというのは、これは大変重要な議論だと思うし、重要な視点だと思うんですが、片や一方で、負担を求めていく議論をするとすれば、やっぱり行政側として、あるいは私たち議会もそうですけれども、どうしたら少ない負担で済ませることができるのかということを考えていかなきゃいけないと思うんですよ。ですから、局長の答弁の中にちょっとそこの部分が抜けていたような気がしたんで、あえてご指摘を申し上げるんですが、私もそうですし、東京都の職員の主税局の皆さんもそうですが、職場を離れれば一国民なわけですよ。一都民なわけですね。そうすると、主税局としては、仕事として当然税制をつくり、都民や東京都で活動する法人に対して課税をして、そして一〇〇%の徴収を目指して仕事をしていく、それは当然だと思うから、どのように負担を求めていくのかという視点は、主税局としては、私は当然だと思う。思うんだけれども、一歩もう一つ引いていただいて考えてみていただければ、例えば消費税が上がりました、そうしたら私たちは、都民や国民としてはそれを負担しなきゃいけないという、そういう責務があるわけじゃないですか。ですから、当然、主税局としてやるべきことはやるべきこととしてやっていただきたいけれども、もう一方では、もう少し幅広い視点でそういう部分を見ていただくことが必要じゃないかなというふうに申し上げておきたいと思います。 # 熊野主税局長 熊野主税局長先生のご指摘はそのとおりでございまして、財政の原則は、まず行政がやるべきことがあって、それの財源をどう調達するか、そこに税制があるということでございますので、まず行政サービスの範囲、金額を固めていかなければいけない。そのときに、やはりそれはできるだけ効率的な行政をやるという観点で少なく抑える、これは大前提でございますので、そういった点にも留意して検討を進めてまいりたいと思います。 # 高木委員 高木委員ぜひそういう考え方で、気持ちとして、姿勢として常にそういう部分を持っていただいてお願いをしたいと思います。それでは、質問に入りたいと思いますが、不正軽油をめぐる最近の取り組みについてお伺いをしたいと思います。東京都では平成十二年から不正軽油撲滅作戦に取り組み、以来七年が経過をいたしております。この間、作戦開始当初は一四%もあったわけですね、不正軽油が。それの軽油抜き取り調査の混和率が、平成十二年度以降は一%台で推移してまいりまして、その効果は着実にあらわれてきていると思っております。これもひとえに、不正軽油というのは、軽油引取税の脱税であると同時に、環境にも大変悪影響のあるものだという認識のもとで、主税局を初めとして関係者の皆さんが、不正軽油は絶対許さないんだという強い決意で臨んでいただいた、特に都庁全体で知事も含めて一致協力して取り組んでいただいた成果であるというふうに高く評価をしたいと思っているんです。一方で、最近、石油製品の値上がりというのは物すごいものがございまして、軽油についても、昨年十月では一リットル当たり百二十円前後だったものが、先月は百二十五円前後と、一年で五円も上昇しているわけであります。また、運送業界の価格競争も激しくなっておりまして、ディスカウントされた運賃は、運転手の給料や燃料代の負担にも影響を与えているといわれております。このように、不正軽油を取り巻く状況は日々刻々と変化をしておりますが、最近の不正軽油をめぐる状況についてお伺いをするわけであります。まず、ことし五月、セルフ給油式のガソリンスタンドにおいて灯油を直接トラックに給油をしているところを東京都主税局職員が撮影をして、これがテレビのニュースで全国にも放映され、話題となりました。これはどんな事例だったのか、もう少し詳しくご説明いただきたいと思います。 # 安田課税部長 安田課税部長本年の四月でございますが、東京都が設置しております不正軽油一一〇番に、足立区内のセルフ式スタンドにおきまして繰り返し灯油を直接トラックに給油して、軽油引取税を脱税している、そういった通報がございまして、調査いたしましたところ、その事実を確認いたしました。そこで、当局職員がビデオ撮影等を行いまして、その行為を記録したものでございます。また、このトラックが長野県ナンバーであったため、長野県と合同で車両の追跡など検税調査を実施し、その後の処理につきましては、都が収集した資料等とともに長野県に引き継いでございます。 # 高木委員 高木委員私は、不勉強ながら、灯油でトラックが走るというのを知らなかったんですよ。ガソリンスタンドの方に聞いてみましたら、結構昔からこういう話はあることはあるんだと。灯油も、日本の灯油はいいということもあるんでしょうし、それからディーゼルのエンジンもいいんで、結構走ることは走るんだよという話がございました。走ることは走るんでしょうけれども、環境だとかさまざまなところで負荷を与えているのは間違いないし、当然これは脱税行為でありますから、こんなことはやっぱり許しちゃいけないと思うんですね。業界団体の調べでは、ことし三月末で都内には二百三十二カ所のセルフ式スタンドがございまして、全国でも六千百カ所余りを数えております。年千カ所以上のペースでセルフ式スタンドというのがふえているわけで、セルフ式スタンドは有人スタンドと比べて価格が、若干だと思いますけれども、安くて、今後もふえていくことが予想されると思っています。灯油を直接トラックに給油するような事例が今後もふえることが、これだけ石油製品が値上がりをしているわけですから非常に懸念されるんですけれども、主税局としてはこのことに対してどのように今後対応していくのか、お伺いしたいと思います。 # 安田課税部長 安田課税部長今回の事件を受けまして、東京都では、去る五月二十九日に、石油元売業界の団体でございます石油連盟及びガソリンスタンドの業界団体でございます東京都石油商業組合それぞれに対しまして、セルフ式スタンドにおいて灯油を直接トラック等に給油する、こういったことがないよう、従業員の方々への注意喚起と、そして万が一そういった行為を発見した場合の調査への協力といったことで緊急要請を行ったところでございます。あわせて、「車に灯油はダメ!」と、こう記しましたステッカーを作成いたしまして、セルフ式スタンドへ配布するなど、ユーザーへの啓発にも努めているところでございます。 # 高木委員 高木委員ステッカーはこれですね。(実物を示す)いただきまして、車に灯油はだめって、当たり前だと思うんですけど、こういうのをつくらなきゃいけないという事例があること自体が実は驚きでございました。欲をいえばもう少し大きくしてもらった方がいいのかなという感じがするんですけれども、大変ご努力をされているということがよくわかりました。車に灯油はだめというのは当たり前ですから、ぜひこういうのをいろんなところで宣伝をしていただければと思っています。トラックやダンプカーというのは、都内だけでなくて全国各地で給油する可能性がありますから、幾ら東京都だけが頑張って都内のセルフ式スタンドにおける灯油の給油をやめさせたとしても、他のところ、他県で入れたのでは元も子もないわけですから、東京都のこうした取り組みが全国で行われなければその効果が半減をすると思います。セルフ式スタンドにおける灯油の給油行為に対して、全国的にはどのような取り組みが行われているのか、お伺いしたいと思います。 # 安田課税部長 安田課税部長テレビ放映、大変反響を呼びまして、各県におきましても、今回の東京都の取り組みを契機といたしまして、都の場合と同様に、業界団体等を通じまして、スタンド従業員あるいはユーザーに対しまして、灯油を自動車に給油する行為、こちらをやめさせるよう働きかけをしているところでございます。また、東京都は、各都道府県の軽油引取税担当者が参加しております軽油引取税全国協議会、こういったものがございますが、こちらにおきまして改めてその取り組みの必要性について訴えまして、参加各道府県の賛同を得たところでございます。 # 高木委員 高木委員セルフ式スタンドの出現によって、だれも見ていないからばれないだろうと灯油を直接給油するという新たな不正軽油の事例が発生をしたわけですね。東京都主税局としては、これまでどおり、こういうことに対してはやっぱり毅然とした態度で臨むことをぜひ希望しておきたいと思っています。一方、不正に混和して使用されている軽油なんですが、軽油抜き取り調査における混和率が下がったとはいえ、全くなくなったわけではないわけであります。重油や灯油等をまぜて脱色及び識別剤であるクマリンを除去した、いわゆる密造軽油も以前東京都が摘発して話題になりましたけれども、完全になくなったわけではないと聞いています。しかも、わずかながら発見される不正軽油は、製造者や原料供給者、販売者及び使用者が幾つもの自治体にまたがっているケースが非常に多くなっておりまして、実際にも他県ナンバーのトラック等から不正軽油と疑われるものが検出される例がふえていると聞いております。新たな不正軽油のケースへの対応策とともに、他県とも連携した取り組みが、先ほどからいっておりますように必要だということだと思うんです。このような不正軽油の現況に対して、トータルとして今後主税局はどのように取り組んでいくのか、お伺いしたいと思います。 # 安田課税部長 安田課税部長委員ご指摘のとおり、東京都を初めとする各自治体の毅然とした取り組みによりまして、大規模な不正軽油の製造基地等はほぼ姿を消したというふうにいわれているところでございます。しかしながら、その一方で、海上コンテナの中に製造施設を隠し、各地を転々と移動して摘発を逃れる、こういった、より複雑、巧妙な事例も現在あらわれているところでございます。東京都は、今後とも、先ほどもお話しいたしました軽油引取税全国協議会、こういった組織を活用した情報の収集あるいは提供、そればかりではなく、他県との個別協力あるいは相互支援など、連携の強化に取り組んでまいります。また、セルフ式スタンドの増加や原油価格の高騰、こちらを背景といたしまして、安易に灯油等を自動車燃料として使用する、そういったケースもふえつつございます。今後は、トラック等の所有者や運転手などに対しましても、調査等あらゆる機会をとらえまして、不正軽油を使用させないための指導を徹底するなど、ユーザーの皆さんへの対応策を講じていく必要がある、かように考えているところでございます。あわせまして、今回のセルフ式スタンドにおける灯油の直接給油事件、こちらが、不正軽油一一〇番のPRを強化した効果として、不正軽油に関する通報件数がふえ、その結果として新たな課税等に結びついているということもございますので、引き続き不正軽油一一〇番、こういったもののPRを強化してまいる所存でございます。 # 高木委員 高木委員質疑の中で明らかになったと思いますけれども、東京都を初めとして関係者の取り組みによって、今まで不正軽油というのはかなり少なくなってきたわけですが、しかしながら、燃料代の高騰ですとか、石油原価の高騰ですとか、運賃の価格競争などによって、運送業界を取り巻く厳しい現在の状況下では、不正軽油はその取り締まりの手を一たん緩めてしまうと、またもとの状態に戻ってしまうおそれがあると考えられます。部長が先ほどお答えになられたように、海上コンテナとか、大変、捕まえにくくなっているというか、不正が見破りにくくなっているというようなことも事例としてあるわけですので、ぜひこの点は、厳しくするのはもちろんですけれども、巧妙化する犯罪行為に対してきちんと対処していただきたいという目を常に持っていただきたいと思うんです。ですから、引き続き東京都主税局には、不正軽油を使わせない取り組みとあわせて、先ほどお話がございました不正軽油一一〇番のPR、これはぜひPRしていただきたいと思います。私たちも、どこへ電話したらいいのかとかというのがわからない部分もありますので、ぜひPRも含めて他県との連携協力、支援を深めることによって不正軽油の流通を阻止する、その一層の取り組みをしていただきたいと強く要望しておきたいと思います。特に、これから十年後の東京に向けて環境の部分も含めて不正軽油問題というのはやっぱり大事だと思いますから、ぜひ頑張っていただきたいと思っております。次の質問に移ります。駅ナカ等の課税問題についてお伺いをいたします。先月、合計で約二十二億円の追加課税を行う通知を鉄道事業者等に送付したという報道がございました。そもそも、この鉄軌道用地の評価の見直しというのは、どういう背景、理由から取り組んできたものなのか、これは復習になりますけれども、もう一回お願いしたいと思います。 # 吉田資産税部長 吉田資産税部長近年、一部の駅で大規模な商業施設が併設され、また、高架式の線路の下も店舗や駐車場に利用されるなど、鉄軌道用地の複合的利用が進んでおります。鉄軌道用地につきましては、用途の転換が困難であるなどの理由から、固定資産の評価において、付近の土地の三分の一の価格とすることとされております。このため、同様に商業等の用に供する駅周辺の土地との間で固定資産税の負担に著しい不均衡が生じておりました。都といたしましては、こうした複合利用の状況にある鉄軌道用地につきまして、税負担の公平性を確保する観点から、固定資産評価の見直しに取り組んできたものでございます。 # 高木委員 高木委員その評価の見直しを行うに当たって、どういう手続が必要だったのか。例えば法改正のような制度的な整備が必要だったのかどうか、その点をまずお伺いしたいと思います。 # 吉田資産税部長 吉田資産税部長固定資産税の基礎となる価格につきましては、地方税法により、総務大臣が定める固定資産評価基準によって算定することとされております。鉄軌道用地の評価方法もこの評価基準に定められていますが、今日のような利用状況の変化は想定されていなかったため、現況に見合った評価を行う上での明確な規定がございませんでした。こうした状況の変化は、東京だけでなく全国的な課題であったため、都が問題提起したことを受けて、国において調査検討が行われまして、本年三月に評価基準が改正されたところでございます。 # 高木委員 高木委員国の定める基準がことしの三月に改正されたわけですね。私も昨年、財政委員会に所属をしておりましたから、品川駅の視察等も含めて、この問題を推進していくために議員としての活動も一生懸命やらせていただいたんですが、そこで東京都が果たした役割というのはどういうものだったのか、もう一回教えてください。 # 吉田資産税部長 吉田資産税部長今回の改正に際し、総務省は、鉄軌道用地の現況を把握し、これに見合う適正な評価方法について意見を聞くため、学識経験者、鉄道事業者及び自治体職員で構成する研究会を設置しました。都もこの研究会に委員として参加し、さきに申し上げましたような固定資産評価における不均衡について具体的に状況を説明するとともに、評価方法等について提案するなど、検討過程におきましても積極的に参加してきたところでございます。 # 高木委員 高木委員国が行う基準改正の検討に積極的に参画をしてきたということであると思いますが、この問題は、先ほどもご答弁ありましたように、全国的な課題であったと思うんですね。ですから、全国的な課題であったとすれば、他の自治体との協力とか協働による働きかけだとか、そういう面ではどうだったんでしょうか。 # 吉田資産税部長 吉田資産税部長今回の評価基準改正により、全国一斉に新しい方法で評価を行う中、見直しに携わってきた都に対しては多数の自治体から問い合わせや相談がございました。都といたしましても、都内各市を初め近隣の自治体や全国の政令指定都市などと積極的に連絡をとり合い、経緯の説明や基本的な情報の交換に努めてきたところでございます。 # 高木委員 高木委員まさに全国的に関心が高まっているこの時期だからこそ、私は、この駅ナカという問題を社会的な意義のあるテーマにすべき絶好の機会だというふうに思っているんですよ。というのは、商業の立地条件ですね、駅ナカに課税をしようというふうに考えた発端というのは、駅の中で囲っちゃって商業をやっている、だから、ここはやっぱりきちっと固定資産税評価しなきゃいけないだろう、そういう発想だったと思うんですけれども、商業の立地条件という点で、駅ナカという場所は、私は極めて高い優位性を持っているんだと思うんです。そういう有利な土地で鉄道事業者が商業を営むわけですから、鉄道事業じゃないわけですよ、ある意味ではね。鉄道事業じゃないことをその用地の中で営んでいるわけですから、やっぱり企業の社会的責任として一定の還元を社会にしなきゃいけないだろう、これが私はこの駅ナカの課税の評価基準を見直す上での根本的なバックボーンだというふうに思っているんですよ。私は従前からいっていますけれども、固定資産税という面からいえば、駅前というのはやっぱり一等地とよくいわれますけれども、駅前が一等地だったら駅ナカって特等地ですよ。だから、もっと評価基準を厳しくしていいと思っているんです。それで社会に還元させたらいいんですよ。だれもそれは文句いいませんよ。鉄道事業者は文句いうでしょうけれども。だけど、社会的責任を果たさな過ぎるんです、鉄道事業者は。駅前の放置自転車の問題にしたって、これは自転車法という法律があるにもかかわらず、罰則規定がないことによって何にもやらないわけですよ。地方自治体に全部押しつけているんですよ、これを。こういうことをやっているからだめなんですね。ですから、駅前が一等地だったら駅ナカは特等地なんだということをぜひ、今度例えば国の基準が改定されるときは東京都からそういうことをきちっというべきだと思いますし、それでこそ初めて東京都主税局が都民の側に立ったというふうにいわれるんだと私は思いますから、ぜひその点を努力をしていただきたいと思うんですが、さらに課税を強化すべきだという私の私見に対して部長はどのように思われますか。 # 吉田資産税部長 吉田資産税部長先生の名句、駅前が一等地であれば駅ナカは特等地であるという名句は、私も、国が主催する研究部会の委員として入っておりまして、その場の中でも、学識経験者等を前にいたしましてさんざん使わせていただきました。その結果、今回の基準改正に至った運びでございますが、先生ご指摘の中身でございますが、東京は、多くの場合、駅を中心に市街地が形成され、駅に近いほど地価が高い傾向がございます。土地の評価は、専門機関による調査を活用して、こうした各種の価格形成要因を分析し、先生ご指摘のような駅特有の要素も考慮した上で行っているところでございます。今後とも、鉄軌道用地につきましては、現況の変化を的確に把握しながら、さらに適正かつ公平な評価、課税に努めてまいります。 # 高木委員 高木委員ぜひ、適正かつ公正な評価、課税、これを実現していただきたいと思います。先日、私は大井町の駅に行ったときに、駅ナカ商店街とはいえないのかもしれないけれども、かなりの多くの商店がある駅があります。これは基準がありますから、課税の対象になるかどうかということはあるんでしょうけれども、これからますますそういう駅がふえてくると思うんですよ。先日、テレビでもやっていましたけど、東京駅もまたこういう形になりましたし、まさに駅の改札口の中で囲ってしまって、お客さんをそこで滞留をさせて、電車にも乗ってもらうけれども、買い物もしてもらうと。これができるのは鉄道事業者しかないわけですよ。ある意味でこれは、私は独占禁止法の優越的地位の乱用にすら当たるんじゃないかと思うぐらい、これはやっぱり優越的地位なんですよ、そこの部分というのは。だって、改札口の中に入っちゃたら出られないんですから、次の駅とかほかのところまで行くまで。出て、ちょっと買い物してという話じゃなくて、そこにみんな、駅を利用しながら買い物にまでいってしまうというようなことは、鉄道事業者の本来の業務ではないと思うんです。だからこそ、こういうことをきちっとやってもらいたいというふうに思っております。主税局は、財源の確保というのが最終的な目的だと思いますけれども、やっぱり首都東京の役割として、全国の自治体をリードすることが期待をされておりますし、先ほどいった不正軽油の撲滅運動ですとか、あるいはネット公売など、さまざまな取り組みでその期待にこたえてきた、全国をリードしてきたというふうに思っています。ですから、駅ナカの取り組みも、まさに都が国を動かして、先ほど来答弁があったように、新しいビジネスに対応した公平な税の仕組みを実現したものと私は受けとめております。改めて局長から、今回の取り組みの成果と、これを踏まえた今後の決意をぜひ、力強い決意をひとつよろしくお願いしたいと思います。 # 熊野主税局長 熊野主税局長主税局は、これまでも、他の個々の自治体では解決が困難であった課題に突破口を開き、税収の確保と適正、公正な税務行政の確立に貢献してまいりました。今回の駅ナカの取り組みでは、都の働きかけによりまして固定資産の評価方法が改正され、いわゆる駅ナカと近隣商業施設との関係で公平な税負担の仕組みが構築されたと思っております。また、その結果として、都財政にも幾ばくかの寄与を果たせたものと考えております。今後とも、国への提案あるいは他の自治体との連携などを積極的に行いながら、税の命である適正、公正な税務行政の推進を行うとともに、首都東京の歳入所管局としての使命、そして全国の税務行政のリーダーとしての役割を全力を挙げて遂行していくつもりでございます。 # 高木委員 高木委員ありがとうございました。ぜひ頑張っていただきたいと思っております。駅ナカあるいは不正軽油の問題とは全く別のことで一つだけ意見を申し上げておきたいんですけれども、固定資産税に関連をして、都市計画道路の計画線の中にある更地に対する課税というのをもう少し何か考えていただくことはできないだろうかというふうに常々思っています。つまり、事業認可はまだされていなかったとしても、例えばもう測量に入りますよとか、事前の準備に入っているところで、計画線の中で更地になったところは、そのまま例えば置いておいていただければ事業もやりやすいと思うんですね。ところが、今の制度だと、更地でそのままずっと置いておくと、いろんな意味で地権者にマイナスになってくるということがありますので、事業認可をとるかとらないかということは大事だとは思いますが、しかし、将来展望の中でここは確実に、例えば道路用地あるいは再開発、区画整理、そういうことも含めて、そういう事業が行われる予定になっているというところが、地権者が先を見て、ここはそういう事業にかかっているんだから、やりやすいように置いておいた方がいいんじゃないかという、そういう賛成の方の何か、優遇とはいわないけれども、制度というものはできないものなのかなと私は常々思っています。どうぞこれは、検討ではなくて研究で結構ですから、研究課題としてひとつ頭の中に入れておいていただければありがたいと思っています。以上で終わります。 # 宇田川委員 宇田川委員私からは、個人都民税の徴収率向上といった観点で幾つかお尋ねをしたいと思います。個人都民税というのは、都税の中でも歳入規模の大変大きな税目の一つでありまして、主に都民の日常生活のため、大変身近な行政サービスに供する必要な経費として充当されているものでございます。この税は、都が直接課税徴収するものではなくて、区市町村において区市町村民税とあわせて課税徴収されているわけでございまして、その区市町村も、徴収に当たっては大変な努力をしていただいていると推察するところでございます。しかし、他の都税と比較すると、非常に残念なことではあるんですが、徴収率は余り高い水準ではない、そうした数字で推移している、これは事実であると思います。都は、都税を徴収してもらっているという立場でありますから、徴収率の向上のためにも、直接的あるいは間接的にさまざまな支援を区市町村に対して行っていくべきであると考えております。これまで東京都はどのような支援を行ってきたのか、まずお尋ねをいたします。 # 松原特別滞納整理担当部長 松原特別滞納整理担当部長徴収支援のための組織として、平成十六年度に個人都民税対策室を発足させ、各種支援を行ってまいりました。平成十六年度からの三年間で、主税局の職員を延べ三十六団体に派遣し、滞納整理に当たらせるとともに、五十団体から約一千百件、六十一億円分の個人住民税の滞納案件を都が引き継ぎ、直接整理してまいりました。また、区市町村職員に対する各種研修や相談を実施するなど、支援を行ってまいりました。 # 宇田川委員 宇田川委員ただいまのご答弁にありましたとおり、さまざまな、種々の支援を行ってきて、いわばその徴収支援が功を奏した形で、また、もちろん区市町村のたゆまぬ努力、こういうものが結実した、こういうものがあったからこそ徐々に徴収率が向上しているんだと思いますし、そういった報道があったことも記憶をしております。他の道府県と比較をすることによって、よりわかりやすい結果が見えてくると思いますので、比較した徴収率、その推移などをあわせて教えていただきたいと思います。 # 松原特別滞納整理担当部長 松原特別滞納整理担当部長支援組織であります個人都民税対策室を設置する直前の平成十五年度、個人都民税の徴収率は九〇・一%で、四十七都道府県中三十五位でありました。その後、各種徴収支援策を実施しながら区市町村と連携、協力して徴収に取り組んでまいりました結果、徴収率は年々向上し、平成十八年度決算では九三・七%に達し、全国順位で申し上げますと第十位にまで上昇することができたところでございます。 # 宇田川委員 宇田川委員対策室を設置した三年間で三・六ポイント上昇して、順位も十位にまでなってきた、こういうお話でありまして、あくまでも率が一〇〇%に近づくというのが目標でありまして、順位にこだわることは余り意味はないと思うんですが、ほかの道府県を見ますと、今おっしゃった三年間で徴収率トップはずっと京都府でありまして、まだまだ上には上がいると。東京に比べても二ポイントぐらい上にありますので、ぜひ上を目指していただいて、お力添えを進めていただければなと思います。さて、今年度より所得税から住民税へ税源移譲が始まりまして、一層の地方分権改革が進んできたところであります。しかし、この税源移譲とともに、個人住民税に対する定率減税の廃止など、この辺が相まって、住民税の徴収に際して、今年度、今まで以上の困難が生じてきているのではないかなと思います。徴収率の現在の状況、それに、先ほども全国と比較するとというお話をしましたが、全国の徴収率もあわせて教えていただきたいと思います。 # 松原特別滞納整理担当部長 松原特別滞納整理担当部長個人都民税の九月末時点の徴収率は三一・八%でございます。昨年同時期に比べ二・五ポイント下回っております。その内容を区市町村別に見ても、一部を除いてほとんどの区市町村で前年を下回っている状況であります。また、都道府県全体の九月末時点の平均徴収率は三四・九%で、昨年同時期に比べ二・七ポイントのマイナスとなっており、全都道府県が昨年実績を下回っている状況でございます。 # 宇田川委員 宇田川委員部長のお話があって、予想したとおりというか、予想以上というか、九月末時点で昨年比二・五%、全国平均も二・七%マイナスということで、大変に厳しい状況だなと私も感じております。しかし、厳しいからといって手をこまねいているばかりでは好転するはずもないわけでございまして、歳入を確保するためにはなお一層の徴収努力を重ねていただくしかないと思っております。都も以前に増して区市町村との連携を深めていただいて、支援体制を強化というか、充実させていくことも求められることだと思います。今申し上げたとおり、大変厳しい状況だということは重々承知しておりますが、収入確保に向けてさらに力を入れて努めていかなければならない、そう考えているところですが、今後どのような取り組みを行っていくのかをお尋ねいたします。 # 松原特別滞納整理担当部長 松原特別滞納整理担当部長引き続き区市町村の実情を正確に把握し、おのおのの実態あるいは要望を踏まえ、主税局として納税キャンペーンなどを活用した広報、あるいは直接、間接的な支援策を継続して実施してまいります。また、状況に応じて、徴収のための特別研修あるいは都が滞納案件を追加して引き継ぎ、直接処理するなど、支援策を新たに実施してまいります。今後とも区市町村との連携を一層強め、区市町村と協力して個人都民税の収入確保に全力を尽くしてまいります。 # 宇田川委員 宇田川委員私、冒頭で申し上げたんですが、都民の一番身近なる行政サービスのために供される税収であるわけでございまして、主税局の皆さん方、そして区市町村に対しても大いに敬意を表しているところではございますけれども、今、部長のお話があったとおり、今後まさに全力を尽くしていただく、このことをぜひお願いをすると同時に、期待をさせていただいておりますので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。以上です。 # 鈴木委員長 鈴木委員長ほかに発言がなければ、お諮りいたします。本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 鈴木委員長 鈴木委員長異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。以上で主税局関係を終わります。これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。午後三時六分散会
2024-03-31T11:23:15.984597Z
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--- title: 平成19年財政委員会 名簿・議事日程 # 平成十九年十一月十五日(木曜日)第二委員会室出席委員十四名委員長鈴木あきまさ君副委員長高倉良生君副委員長柿沢未途君理事西岡真一郎君理事秋田一郎君理事曽根はじめ君伊沢けい子君原田大君高木けい君宇田川聡史君野上ゆきえ君遠藤衛君東野秀平君桜井武君欠席委員なし出席説明員主税局局長熊野順祥君総務部長加島保路君税制部長松田曉史君調整担当部長堀内宣好君参事宗田友子君課税部長安田準一君資産税部長吉田裕計君徴収部長宮下茂君特別滞納整理担当部長松原恒美君収用委員会事務局局長中田清己君審理担当部長太田雄二郎君本日の会議に付した事件収用委員会事務局関係事務事業について(質疑)主税局関係事務事業について(質疑)
2024-03-31T11:23:16.649375Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/647540?Template=document&Id=5384#one
--- title: 平成19年財政委員会 本文 # 午後一時一分開議 # 鈴木委員長 鈴木委員長ただいまから財政委員会を開会いたします。本日は、お手元配布の会議日程のとおり、会計管理局関係の事務事業に対する質疑並びに財務局関係の報告事項の聴取及び事務事業に対する質疑を行いたいと思います。これより会計管理局関係に入ります。事務事業に対する質疑を行います。本件につきましては、既に説明を聴取しております。その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。資料について理事者の説明を求めます。 # 細野管理部長 細野管理部長先般の委員会におきまして要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。お手元の財政委員会要求資料をお開きいただきたいと存じます。恐縮ですが、資料は横向きに作成しております。新公会計制度に係る国及び地方自治体の検討状況でございます。資料の左側が地方自治体の状況でございます。全国知事会では、今後の地方自治体における公会計制度のあり方について、ワーキンググループを設置して検討を行っております。また、総務省に対し、全国標準的な会計基準の整備を要望しているところでございます。次に、全国の自治体の状況でございますが、財務諸表のうち、貸借対照表については約六割の自治体が作成しております。しかし、これは官庁会計の決算を手作業で組みかえて作成する、いわゆる総務省方式などによって作成しているもので、複式簿記・発生主義会計による本格的な財務諸表の作成となりますと、ほとんどの自治体が着手していないという状況でございます。次に、都内の自治体ですが、多数の区で検討が行われており、市においても市長会が研究会を設置して検討を行っております。資料の右側が国の状況でございます。総務省は、昨年五月、基準モデルと総務省方式改訂モデルという二つの公会計モデルを提案し、本年十月十七日、二つのモデルの具体的な作成要領を公表いたしました。最後に、財務省ですが、財務省の所管である国の会計制度につきまして、複式簿記のシステム化を検討中とのことでございます。以上、簡単ではございますが、資料の説明を終わらせていただきます。 # 鈴木委員長 鈴木委員長説明は終わりました。ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。発言を願います。 # 宇田川委員 宇田川委員公会計制度改革について質問させていただきます。さきの決算特別委員会第一分科会において、新たな公会計制度における税の取り扱いについて質疑が行われ、私も何点かにわたってお伺いをさせていただいたところですが、さらに理解を深めるために改めてお尋ねをいたします。税を都の財務諸表ではどのようにとらえているのか、都民の皆さんからお預かりしている税金であるわけですから、都民に向けてわかりやすいように、より丁寧にお答えをいただきたいと思います。 # 安藤参事 安藤参事都では、税をさまざまな行政サービスに要する費用の財源としてとらえまして、キャッシュ・フロー計算書の行政サービス活動収入及び行政コスト計算書の行政収入に計上してございます。民間企業では、商品の売り上げとそれにかかるコストとの間に直接的な対価性があるのに対しまして、行政では、住民からいただきました貴重な財源である税と個々の行政サービスとの間に直接的な対価性を持たないことに特徴がございます。都では、税を収入するのは主税局のみでございますのに対しまして、行政サービスは各局から都民に提供されております。そこで、財務諸表におきまして、主税局で収入した税を一般財源として一たん留保しまして、各局におけるキャッシュ・フローの差額分に充当するという会計処理を行っております。したがいまして、各局の行政コスト計算書では、その局の特定財源のみの収入と費用との差額を当期収支差額として示した後に、行政コスト計算書の最下段の欄に、一般財源を充当した後の収入と費用の差額を表示してございます。 # 宇田川委員 宇田川委員今のお話で、税をどうとらえているのか、会計処理についてはわかりました。それでは、先ほど説明があった要求資料についてなんですが、複式簿記・発生主義会計による本格的な財務諸表の作成にほとんどの自治体では着手してない、こういう状況にあるとのことであります。特に、昨年は地方債発行が自由化をされまして、北海道夕張市が財政再建団体に転落してしまったなど、地方自治体の財務状況の一層の透明化が求められる状況にあります。そうした状況のもとで、全国の自治体は、都の新公会計制度に対し高い関心を抱いている、そんな話も耳に入ってまいります。にもかかわらず、何ゆえ地方自治体における公会計制度改革が進んでいかないのか、どんな理由が考えられるのか、ご所見をお伺いいたします。 # 安藤参事 安藤参事主な理由は三点あると考えてございます。第一点でございますが、本格的な財務諸表を作成するには、すべての財産について価格を把握する必要がありますけれども、多くの自治体において財産価格の把握が不十分な状況にございます。個々の資産評価作業に膨大な時間と労力が必要であることだと考えております。第二点として、複式機能を備えた財務会計システムを再構築する必要がございます。そのシステム開発に新たなコスト負担が発生することなどが挙げられると思います。さらに三点目として、総務省研究会の二つの公会計モデルの位置づけやその詳細な内容がなかなか定まりませんで、自治体がその事態を注視していたことが挙げられると思っております。 # 宇田川委員 宇田川委員今お話があった総務省研究会の動きについてですが、先ほどの資料にあったように、総務省が二つの公会計モデルによる財務諸表の作成要領を発表した、こういうとであります。この総務省研究会の二つの公会計モデルについて、都としてはどのように評価しているのか、ご見解を伺います。 # 安藤参事 安藤参事総務省の提示している総務省方式改訂モデルでございますけれども、それは官庁会計決算を手作業で再計算して組みかえるものでございまして、本格的な複式簿記の導入とはいいがたいものでございます。そのため、財務諸表の正確性が不十分でございますし、事業別の財務諸表の作成も困難です。一方、もう一つの基準モデルというものについてですが、こちらにつきましては、国際公会計基準とも大きく異なる非常に独特な考えに基づいておりまして、難解で実務的にも対応が困難なものとなっております。また、二つの公会計モデルとも地方自治体の意見を反映したものではございません。そのため、両者とも今後、全国標準的な会計基準になり得ないものと考えております。 # 宇田川委員 宇田川委員民間企業などにおいて複式簿記・発生主義会計、この処理を行っているんですが、こうした処理については、企業会計原則など統一的な会計基準がありまして、どの企業であっても同じ会計処理になっている、このことによって財務諸表を作成しているということになるわけですけれども、地方自治体にとって今お話のあった二つの公会計モデルはどんな意味を持つのか、お尋ねをしたいと思います。 # 安藤参事 安藤参事この間の十月二十五日になりますが、総務省が二つの公会計モデルについて自治体に対する説明会を行いました。その際、この二つの公会計モデルによる財務諸表の作成は、地方自治法等の法律による義務づけがあるものではない、総務省としては協力をお願いするものであるとおっしゃっております。地方自治体には二つのどちらかを活用して財務諸表を作成してほしい、さらに基準の統一化はまだ先の課題であるとの説明を受けております。 # 宇田川委員 宇田川委員今のご答弁ですと、総務省はモデルをあくまでも推奨しているだけで、自治体は必ずしもそのモデルに従わなければならないというものでもないということであります。そうした総務省の対応にも少々疑問が浮かんでくる、私はそんな気がしております。既に、都は、全国に先駆けて会計基準を策定しておりまして、本格的な財務諸表の作成という成果を上げてきているところであります。今後、全国の標準的な会計基準の整備について、先駆者である東京都の立場としてどのように取り組んでいくのか、お聞かせをいただきたいと思います。 # 安藤参事 安藤参事現在都は、全国知事会公会計ワーキンググループというのがございますが、その座長を務めておりまして、この七月には全国知事会として総務省に対し要望活動を行いました。その内容は、第一に、自治体間や民間の類似事業と比較分析し、経営改善に活用するために全国標準的な会計基準が整備されるべきであること、第二に、行政の特質を考慮した上で、住民にわかりやすく、民間とも比較容易な基準とすることということでございます。また、現在、このワーキンググループにおきまして、今後の地方公会計制度のあり方について継続して検討を行っておりまして、都は座長として的確に先導していきたいと、そういうふうに考えております。 # 宇田川委員 宇田川委員お話のあったワーキンググループにおいて、まさにおっしゃるとおり、座長として先導役を務めていただきたいと思います。いずれにしても、こんな状況では、各地方自治体における本格的な公会計制度改革が進展していかないと思います。これまでも都は、大規模な説明会の開催ですとか、個別の依頼があった中で説明を行っているなど、多くの自治体に対して都の新公会計制度について紹介をしてきた、そういうお話を伺っております。第三回定例会で、我が党の秋田議員いらっしゃいますけれども、一般質問をされた中で、公会計制度改革について、都の知見とノウハウの積極的な提供に関する前向きな答弁があったところであります。その後、具体的にどういった動きを目指しているのか、どういった取り組みを考えているのかをお伺いいたします。 # 安藤参事 安藤参事都の新公会計制度の導入を積極的に検討している自治体に対し、団体の希望に応じまして、都職員が定期的に出張して、実務的、技術的助言等を行う、いわば新公会計支援コンサルともいうべきコンサルティング活動を検討しているところでございます。 # 宇田川委員 宇田川委員公会計制度改革について、今、都がコンサルティング活動を展開するというお話ですが、そういうふうになれば、公会計を整備しようとしている自治体にとっても大いに助かるものなのかなと思いますし、ぜひ他の自治体にとっても有効なコンサルをしてほしいなと願っております。その活動によって、都にとっても、都が今後展開していく上で役に立てればいいな、そういう思いも私の中にはございます。今後も先駆けとして、そしてリーダーとして、全国の自治体行政をもサポートする取り組みをぜひとも進めていただければ幸いでございます。今までの質疑の内容を踏まえた上で、今後の全国展開に向けた局長の意気込みといいますか、目標といった点をぜひお聞かせいただきたいと思います。 # 三枝会計管理局長 三枝会計管理局長我が国の現状を見ますと、地方行財政全般にわたる改革を進めていく上で、複式簿記・発生主義会計を導入することはもう避けて通れないものであろうというふうに考えております。しかしながら、先ほど来答弁申し上げておりますとおり、総務省の二つのモデル、これが今後全国標準にはなり得ない、極めて不十分なものであるということでございます。しかしながら、ここで手をこまねいておりますと、公会計改革が今後進むことは余り期待できなくなってしまうのではなかろうかというふうに考えております。そうした中で、フロントランナーである都が果たすべき役割が重要であるということは、委員ご指摘のとおりかと思います。私どもといたしましては、全国初の本格的な財務諸表を作成した実績を踏まえまして、これまで重ねてきましたさまざまな取り組みに加えまして、さらに新たにコンサルティング活動を構えるなどを行いまして、各自治体の要望に応じまして、またそれぞれのニーズに沿って、多様な支援、協力を行ってまいる所存でございます。 # 野上委員 野上委員私からも、公会計制度の改革について伺います。要求資料のご説明にもありましたように、去る十月十七日に、総務省は、新地方公会計制度実務研究会において検討された、基準モデルと総務省方式改訂モデルという二つの公会計モデルによる財務諸表の作成要領を公開いたしました。このうち、総務省方式改訂モデルは、官庁会計の決算を組みかえる方式で財務諸表を作成するので複式簿記の導入とはいえませんが、基準モデルは、都と同様に複式簿記の導入といえます。基準モデルでは、財務諸表として貸借対照表、行政コスト計算書、純資産変動計算書、資金収支変動計算書の四つを作成します。これは、都の作成する貸借対照表、行政コスト計算書、正味財産変動計算書、キャッシュ・フロー計算書に対応するもので、名称は一つ一つ異なりますが、基本的な位置づけは同じだと考えます。しかしながら、都が導入した新たな公会計制度は会計処理等で異なる点も見られます。そこで、基準モデル、両者の違いを中心に質問をさせていただきます。まず、両者で異なっているのが税収の取り扱いについてですが、基準モデルと都の新公会計制度では、税収の位置づけやその会計処理がどのように異なっているのか伺います。 # 安藤参事 安藤参事基準モデルでは、税収を純資産の増加と位置づける考え方に立ってございます。納税者である住民を企業における株主と同様にみなしまして、民間企業における株主が出資を行うのと同様に、住民の納税という行為を住民がその自治体に対して出資を行うものと解釈しているものでございます。したがって、税収を純資産変動計算書に計上してございます。都では、税を行政サービスの提供に要した費用に対する財源として位置づけまして、行政コスト計算書の行政収入に計上しております。国際的な基準でございます国際公会計基準においても、税収の取り扱いについては都と同じ考え方に基づいております。 # 野上委員 野上委員都民から見たときに、自分が納めている税金が出資というのはちょっとわかりにくいと思います。税収を出資と位置づけると、行政コスト計算書に計上せずに貸借対照表の純資産に直入するということになると思いますが、この処理ではコスト情報が見えにくくなるというふうに私も考えます。本来、行政コスト計算書は発生主義ベースで、自治体の経営状況とか経営成績とか、収支状況を明らかにするというのが目的ですから、自治体の財源の大部分を占める税収を示さなければ支出の財源を示すことができない、行政コストの計算書を作成する意義がなくなってしまうんではないかなという疑問は私にもあります。その一方で、確かに、福祉や教育などの個々の行政サービスに対する直接的な対価として税金を納めているわけではありませんので、ここでは受益と負担の関係が非常に不明確です。全体としては、行政サービスに対する対価として納めているとの考えが大体は順当なのではないかとは考えております。次に、基準モデルでは、建物や工作物などの一般的な固定資産については減価償却を行い、費用として行政コスト計算書に計上していますが、例えば、道路とか橋とか港湾施設などのインフラ資産については、直接資本減耗という会計処理を行っています。今さまざまな議論の上で設定されている独立行政法人の会計基準なんかを見てみますと、インフラ資産の直接資本減耗については、原則として、独立行政法人会計基準の仕訳というか動向に準拠しようというふうになっているようです。これは独立行政法人が所有する原価資産のうち、その原価に対応すべき収益の獲得が予定されないものとして、特定された資産については該当資産の減価償却相当額は損益計算書の費用には計算せず、資本余剰金を減額するものとするという場合と同様の会計の処理だと思います。直接資本減耗という会計処理は、減価償却相当額について行政コスト計算書の減価償却費に計上せず、純資産を直接マイナスしていくものであります。これについて、都の新たな会計制度では、インフラ資産について減価償却費を計上しておりますが、なぜこのような相違があるのか伺います。 # 安藤参事 安藤参事基準モデルでは、お話にございましたけれども、インフラ資産については減価償却費という費用に対応すべき収益が得られないという理由から、インフラ資産について直接資本減耗という会計処理を行うこととしております。都では、複式簿記・発生主義会計の考え方に基づきまして、インフラ資産についても行政財産などと同様に、過去に行った支出のうち、当該年度に負担すべきコストを明らかにするということで、真のコストを把握するため、減価償却費を計上することとしております。 # 野上委員 野上委員せっかく発生主義会計による会計処理というのを取り入れたんですから、計上すべき費用はきちんと計上することが当然であると私も考えます。次に、資産評価についてでありますが、基準モデルについては、資産評価について公正価値の考え方を採用しています。公正価値とは、公正な評価額という意味で、取得原価も時価も含めた広い概念として理論上用いられています。開始貸借対照表を固定資産台帳等に基づいて作成して、ストック・フロー情報を網羅的に公正価値で把握した上で、個々の取引状況を発生主義によって複式記帳して作成するということが前提ですので、やっぱり実務処理の負担というのは非常に高いということを聞いておりますし、実際この方式を研究されている中でも、ここの実務処理の負荷についてのハードルを超えないと、なかなか難しいのではないかというふうに伺っている次第です。そこで、基準モデルが資産評価について公正価値を採用しているのに対して、都の新たな会計制度では取得原価主義を採用していますが、その理由を伺います。 # 安藤参事 安藤参事取得原価主義では、実際にかかった経費に基づき資産の額を計上しておりますので、評価の客観性、確定性にすぐれているといわれております。また、住民からいただいた税金などの財源がどのように資産形成に使われたかをあらわすことができます。さらに、民間企業においても、固定資産の評価は取得原価によるのが一般的となっております。これらの理由により、都では取得原価主義を採用したところでございます。 # 野上委員 野上委員これまで伺ったところによると、基準モデルの考え方というのは、企業会計、実務をもとに資産とか税収とか移転収支とか、地方公共団体の特殊性というのが非常に加味されている、そして資産、負債管理や予算編成などの活用等も見込んで公会計に期待される機能を果たすことを目的としているので、国際公会計基準や民間の会計基準にも準拠しない独特な考え方に基づいているんだなということがわかります。純資産変動計算書についても同様でありますし、民間企業では、文字どおり、貸借対照表の資産と負債の差額である純資産について一年間の変動状況を明らかにした表でありますが、基準モデルでは、純資産変動計算書に純資産だけではなく固定資産も加えてその変動状況を示している独特な表となっています。これも含め、基準モデルと都の新たな公会計制度はそれぞれどのような特色があるのか伺います。 # 安藤参事 安藤参事基準モデルは、国際公会計基準とも大きく異なる非常に独特な考えに基づいておりまして、難解で実務的にも対応が困難なものとなっております。都の新公会計制度は、民間の企業会計基準に準拠しつつも、行政の特質を十分に踏まえたものとなっておると思っております。そのため、基準モデルによる財務諸表と比べますと、住民にもわかりやすく、民間との比較も容易で、作成に当たっても職員が対応しやすいものと認識しております。このような方式を採用しましたのは、住民の皆様への説明責任の遂行や効率的、効果的な行政運営をより展開しやすいと考えたからでございます。 # 野上委員 野上委員都が先駆的に新公会計制度を導入し、各自治体が都の方式について検討している中で、総務省が別な考えに基づいた、特殊なというか、違う目的というか、何というんでしょうか、基準モデルと改訂モデルを提案し、そのいずれかを選択して財務諸表を作成するよう自治体に要請し始めたという状況にあります。三つの方式はそれぞれ財務諸表の様式などが異なっているため、自治体間の比較が非常に難しいと思われます。そこで、地方自治体における会計基準の統一化が望ましいと考えますが、見解を伺います。 # 安藤参事 安藤参事ご指摘のとおり、全国の自治体が三つの方式をそれぞれ導入していった場合、自治体間の比較が難しくなるため、会計基準の統一が望ましいと考えております。都は現在、総務省が提案している二つの公会計モデルは、全国標準的な会計基準とはなり得ないと評価しておりまして、国への提案要求において、総務省に対し、東京都会計基準を踏まえ、地方自治体にとってわかりやすく使いやすい全国標準的な会計基準の整備に早急に着手することを要求してございます。先ほどの要求資料に対する管理部長からの説明にもありましたが、全国知事会においても、この七月に、総務省に対し、都と同様の要望を行ったところでございます。 # 野上委員 野上委員国もしっかりとした対応をしていただきたいと私からも思います。都はパイオニアとして、東京都会計基準に基づいた正確な財務諸表を作成するという実績を積み重ねていくことが重要だと考えます。従来、都が作成してきた機能するバランスシートと比べれば、格段に財務諸表の精度が向上したといえますが、本格的な財務諸表の作成は今回が初めての取り組みであり、いかに正確な財務諸表を作成するか、さまざまな取り組みが行われてきたと思います。今回の財務諸表の作成に当たって、その正確性をどのように確保したのか伺います。 # 安藤参事 安藤参事今回の財務諸表の作成に当たっては、各局において仕訳処理の点検や財産データの照合作業などを繰り返し実施して、数値を正確に計上するように努めました。また、公認会計士から成る東京都会計基準委員会委員のご指導を受けまして、精度のさらなる向上を図ったところでございます。さらに、東京都監査委員による定例監査を受けた上で財務諸表を公表しております。 # 野上委員 野上委員都も複式簿記・発生主義会計を導入し、本格的な財務諸表を作成するからには、やはり民間企業並みの財務諸表の精度というものが求められると思います。一定規模以上の民間企業では、財務諸表の公表に当たっては、外部の公認会計士による監査を受けることが義務づけられており、そのために多額な経費と労力をかけております。都も同様の監査を受けるべきだとも考えられますが、一方で、上場企業などにおいては財務諸表について株主総会の承認を受けなければならない。財務諸表は投資家にとって非常に判断材料であることなど、行政とは財務諸表の位置づけが異なることから、都において多額の経費と労力をかけて外部の監査を受けるのは、無理があるのかなということも承知しています。資産とか、どこのところで比べたらいいのか、都の資本というと、道路とか橋とかになりますから、それが企業と同じように、財政状況が悪化したらすぐ売れるというようなものではないので、一概に企業との資産あるいは資本と比べられるとは思いませんけれども、連結決算でのトヨタ自動車の監査法人へ出している金額というのは、監査報酬で出しているのは大体八億六千万ぐらいは監査法人に出しているといわれています。そうなると、やっぱり東京都の予算規模になると、想像するだけでもかなりの額、精度を上げるためには費用がかかるということもすぐ想像できることです。なかなか難しいなというふうには私自身も考えます。とはいえ、財務諸表の数値の信頼性を一層向上させることは、行政にとっても重要な課題だと思いますので、都として引き続き精度向上に取り組まれることを要請して、私の質問を終わります。 # 高倉委員 高倉委員東京都の新しい公会計制度について、民間企業で使用している会計との違いといった観点から質問をさせていただきたいと思います。今回、本格的な複式簿記・発生主義会計による財務諸表が公開をされました。これは、我が国初めてとなる取り組みでありまして、かねてから導入を提唱してまいりました私たち都議会公明党としても、大変誇らしく思っているところでございます。こうした財務諸表を今後財政改革に有効に活用していくためには、都の財務諸表の指し示すそれぞれの数字の意義を正確に認識をしまして、また職員の一人一人がコスト意識を持って職務に取り組んでいくことが非常に大事だと思います。そこで、都の財務諸表の内容に関してお聞きをいたしますけれども、まず、この新たな公会計制度により作成された財務諸表によってどのようなことが新たに明らかになったのか、この点についてお伺いいたします。 # 安藤参事 安藤参事従来の官庁会計では、ストック情報についての把握が不十分でございまして、ただ、今回の貸借対照表を作成しましたことによりまして、都が保有している資産と負債の金額が一目でわかるようになりました。次に、行政コスト計算書により、これまで把握できなかった減価償却費など、フルコストが民間企業並みに明らかになりました。さらに、キャッシュ・フロー計算書により、支出について、費用として当期に費消されるものか、資産形成としてストック化されるものかなど、現金支出の内容とコスト情報、ストック情報との関係が明らかになったところでございます。 # 高倉委員 高倉委員財務諸表を作成することで、これまで把握できなかった多くの財務情報を明らかにできたというわけでありますけれども、今後、説明責任の一層の遂行と、そして効率的、効果的な行政運営の展開にこれを役立てていかなければならないと思います。そのためにもまず、都の財務諸表がどのような考え方に基づいて作成をされているのかについて、確認をさせていただきたいと思います。都の財務諸表は、東京都会計基準に基づいておりますけれども、これは、平成十四年五月に石原知事が複式簿記・発生主義会計の導入を表明されてからさまざまな検討を重ねた上に、一昨年八月に策定をされたものでございます。この基準は、民間企業で使用している会計基準に準拠しながら行政の特質を考慮したものというふうにお聞きをしておりますけれども、どのような点を考慮されたのかお伺いしたいと思います。 # 安藤参事 安藤参事まず、行政と民間とでは本質的な存立目的が異なる点でございます。民間企業では利益を獲得することが主な目的でございますけれども、行政では住民福祉の向上が目的となっております。次に、将来的に収入が発生しない資産の存在でございます。一般的に民間企業では、活用や売却などにより利益を上げることを見込んで資産を保有いたしますけれども、行政では、道路、橋梁等の住民生活や都市活動に必要不可欠で売却不可能なインフラ資産を大量に保有してございます。さらに、民間企業では複式簿記・発生主義会計が徹底されているわけでございますが、行政では行政運営は従来の官庁会計で行われているという点がございます。こうした基本認識のもとに、東京都の会計制度に関する検討会を設けまして、そこで公認会計士の皆様などの有識者による検討を行いまして、東京都会計基準を策定したものでございます。 # 高倉委員 高倉委員複式簿記・発生主義会計という民間と同じ会計手法を取り入れるとしても、さまざまな行政の特質を考慮しなければならないということについて理解いたしました。答弁のあった民間と行政の違いといった点では、民間企業では利益が幾らあるのか、これを明らかにするということが大変重要なわけでありますけれども、これに対して、行政では利益の獲得を目指して事業を行っているわけではない、こういう違いがあると思っております。そこで、行政コスト計算書の数字の意義ということでありますけれども、民間企業の損益計算書では、収益と費用の差額である当期利益は、文字どおり企業の利益をあらわすことになるわけであります。今回、十八年度決算における都の行政コスト計算書では、当期収支差額が約一兆一千億円となっておりますけれども、この当期収支差額といったものは何をあらわしているのかについて、ご説明を伺いたいと思います。 # 安藤参事 安藤参事先生ご指摘のとおり、民間企業と異なり、行政には利益という概念はございません。このため、当期収支差額は単純に収入と費用の差額を表示しているものでございます。十八年度決算の行政コスト計算書における当期収支差額分につきましては、都市施設の整備や都債の償還などに充てられているところでございます。 # 高倉委員 高倉委員行政は、民間企業とは目的も事業も性質も異なるわけでありますから、民間企業の手法を取り入れながらも、行政の特質を考慮するということは大変に重要であると思います。質問の最後に、今後の大きな課題としまして、都の職員一人一人がこの複式簿記・発生主義会計という新たな視点を常に意識をしまして、それぞれの事業を見つめ直していく、こういったことを通して都庁全体の経営改革につなげていく、こういうことが非常に大事であると思います。そこで、職員の意識改革も含めた公会計制度改革について、最後に局長のご決意をお伺いしたいと思います。 # 三枝会計管理局長 三枝会計管理局長私どもが導入いたしました新公会計制度でございますけれども、これは、資産や負債などのストック情報、そして金利や減価償却費を含む真のコスト情報を明らかにするものでございます。そのことによって財政の透明化あるいは効率的、効果的な行財政運営、こういったものの強力な牽引車となることが期待をされているわけでございます。しかしながら、この牽引車であることを実現する上で、職員の意識改革は極めて重要である、これは副委員長のご指摘のとおりでございます。今回、本格的な財務諸表の作成、この作業に直接携わりました経理あるいは会計を担当している職員、こういった者に対しては、意識改革を促せる大変大きなインパクトがあったのではないかということを実感しているところであります。今後でございますけれども、事業に直接携わる職員たちが自分たちの事業の分析であるとか、あるいは組み立て、そういったものを通じて、新しい視点、意識を持てるように、関係局とも連携して取り組み、都庁全体の意識改革を進めてまいります。 # 曽根委員 曽根委員私からも、今回初めて決算参考書の中に財務諸表が複式簿記・発生主義会計によって出されましたので、これの活用という問題について幾つか質問したいと思いますが、先ほどの質疑を聞いていて、国の総務省の基準モデルと東京都の考え方に大きな違いがあると。改めて確認をしたいんですが、一つは、税金収入について、何でも総務省のモデルでは出資の中に入ってくるというふうに聞いたんですが、それが確かかどうかということと、それから先ほども土地の評価について、事業用地については公正価値ですか、いわば一定の期間の間に変動する地価評価なども含めたものと思いますけれども、そういう変動するものを取り込む、これは企業会計でもやっているのかどうかわかりませんが、そういう考え方が国の方にあると。これが大変な実務負担になるという話がありましたが、この二点について改めて確認をしたいんですけれども。 # 安藤参事 安藤参事まず一点目の出資かどうかというお話でございますけれども、出資という項目になるというよりも、住民の皆様からいただきました税金につきまして、それは株主に対する普通の会社の出資と同じような考え方で貸借対照表の純資産の方に入れていくということでございます。一点目はそういったことになります。それから二点目の公正価値というのは、学問的な用語でございますけれども、ここで申し上げているのは、いわゆる公正価値といういい方をして時価評価をした方がいいというのが基準での考え方、基本になっていると思います。 # 曽根委員 曽根委員私自身、昨年でしたか、この会計がスタートするという際に、その時点での認識として、東京都のほとんどの会計、つまり一般会計などの各事業については、複式簿記の公会計制度はふさわしくないという認識を示しましたが、ただ一つ、東京都が行っている事業の中で企業的な部分、とりわけ再開発事業ですね、第二種。東京都が直接土地を買収し販売するというこの事業についてはこの公会計制度が使えるかもしれない。というのは、ご存じのとおり、第二種再開発事業は、一千五百億円という莫大な赤字が明らかになるのは十年以上たってからだったんですね。その時点ではもう取り返しがつかない赤字ができちゃっている、そういうことがあったものですから、毎年出されるこの会計の中に、そのときの土地の評価額が動いていくというものをしっかりつかめるような仕組みができるんであれば、それは一定の意味があるんじゃないかということを申し上げました。今のお話ですと、土地の評価について変動の指標を取り込むという考え方や、都民の税金を、これは一般の事業では考えにくいんですけど、再開発事業の場合には土地を買うために使うわけですから、一種の出資と考えると。そして土地を売却すれば再開発事業では収入になりますよね。これと一緒にしないと、税金の存在をね。という点では、再開発事業に関しては、国の総務省モデルの方が実態にこれに限ってですよ、合っているのかなという印象を受けたんですね。実際には、総務省モデルを使った場合にはどういう点で問題があるのか、もしくはメリットがあるのか、お伺いします。 # 安藤参事 安藤参事おっしゃったのは総務省の基準モデルだと思いますが、総務省の基準モデルにつきましては、我々は、国際公会計基準とも大きく異なる非常に独特な考えに基づいて、難解で実務的には対応が困難なものと考えてございます。それから、いろんなものの評価につきまして、非常に難解な上に、細部のきめ細かな、いわゆる実務に落とせるような内容がまだ示されてなくて、それについては我々は採用できないと考えております。 # 曽根委員 曽根委員比較するにも、まだ総務省のモデル自体も細かい点はあいまいな状態だということはわかりました。それじゃ、東京都のつくったこの複式簿記の会計制度に基づく財務諸表で、再開発事業についてどういうことが新たに明らかにできたのか、今後それがされていくのかということをお聞きします。 # 安藤参事 安藤参事開発事業に関しまして、貸借対照表の資産の部において、区画整理事業における保留地や再開発事業における保留床などの資産額が明らかになるとともに、負債の部において、都債や他会計借入金などの額が明らかになったと思っております。 # 曽根委員 曽根委員そうすると、例えば、ある年度に開発事業で一たん買収した土地を事業者に保留床を売却するといった場合、買ったときの値段よりも低い価格で売らざるを得なかった、そこから赤字が出てくるわけですが、その赤字というのはどういう部分に出てくるんですか。 # 安藤参事 安藤参事いわゆる行政コスト計算書上でございますが、その他行政収入、その他行政費用という項目がございまして、そこのところで、いわゆる損、益両方出てございます。 # 曽根委員 曽根委員確かに毎年決算の形で、前年度に行った土地の売却もしくは買い入れ、その結果として損害になったのか収益になったのかが毎年出てくれば、もしこれが債務超過状態などに陥れば、それが結果として出てくるでしょうから、そこは一歩前進なのかもしれませんが、これは結果論であって、じゃ残っている資産、抱えている土地、これが簿価で載っているわけですよね。買い入れ価格の状態で載っていると。しかしそれがあのバブルの当時、買ったものが日々下がっていくという状態だったときに、一体どれぐらいの残り資産の価値があるのか、今幾らで売れるのかというようなことを知りたいときには、変動的な数値が取り入れられるということは有効じゃないかというふうな印象を受けるんですが、どうですか。 # 安藤参事 安藤参事民間企業においては、土地や建物について取得原価主義による資産評価を採用していると思います。都の会計基準でも、資産の評価について取得原価を基本として算定するということをしております。したがって、貸借対照表においては、土地の取得に要した金額を計上しまして、土地の価格の変動については表示いたしません。実際に土地の売却を行った場合には、売却額と資産額との差額である売却損益について、行政コスト計算書において表示するということにしております。 # 曽根委員 曽根委員なるほどと思いました。つまり、私、この企業会計を新たに取り入れる際に一定の期待もあったんですね。確かに年度ごとには、結果としては、売却益が出たのか売却損になったのかは出るでしょう。しかし、企業があの時期に不良債権をたくさん抱えながら、なかなかその実態が世間に出なかったというのは、やっぱり企業会計のこういう点での限界があるんだと思うんです。東京都の再開発事業についても、この複式簿記会計を取り入れても、こうした企業会計の限界は、やはりそれも含めてあるだろうというふうなことで、幻想を持つことはできないと思います。こういう点を強調するのは、実は、私の地元の北区の赤羽北再開発事業というのは、面積でいえばわずか三・八ヘクタールで、第二種再開発の中で面積的にはごくごく、百分の一以下の面積だったんですが、一千五百億のうちの二百五十億の赤字がここから出ているわけで、一平方メートル当たり七十万から八十万円の赤字になりました。これはひとえに八五年に計画された後に、バブルに乗って、買い入れのときには物すごい金額が上がったわけです、土地が。売るときにはばあっと下がったと。この時期に開発をかけることがいかに誤ったかということが後にならなきゃ出てこなかった。こういう実態をリアルにとらえるという点では、この会計でもやはり限界があるということをいわざるを得ないと思います。この開発に巻き込まれて、地権者の方、またはそこで借家で営業していた方、数十軒の商店街も二、三軒しか残らない、あとはみんなもう出て行かざるを得なかったんですが、その住民をまとめていた方も、結局最後は追い詰められて自分で命を絶つというようなこともありました。こういう悲劇を生まないためにも、公共が行う開発事業については、企業会計以上に厳しい目で見なきゃならないということを私、特に痛感してきたんです。ですから、この点での行政コスト計算書や、この問題でいえば貸借対照表でしょうか、そういうものだけに寄りかかっていたのではこうした問題は見えないということで、もしこれを本当に分析するのであれば、再開発事業などは、もっと土地評価の動きなども含めた新たな分析が要るということを強調しておきたいと思います。以上で質問を終わります。 # 鈴木委員長 鈴木委員長ほかに発言がなければ、お諮りいたします。本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 鈴木委員長 鈴木委員長異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。以上で会計管理局関係を終わります。 # 鈴木委員長 鈴木委員長これより財務局関係に入ります。初めに、理事者の欠席について申し上げます。竹本契約調整担当参事は、所用のため、本日の委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承願います。次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。 # 真田主計部長 真田主計部長それでは、お手元の資料第1号によりまして、「都市と地方の共倒れを招く『法人二税の格差是正策』に反論する」と題する冊子の内容についてご説明いたします。国においては、現在、ご案内のとおり、法人二税を地方に分配する動きが機運となっております。今後、年末の与党税制改正大綱の策定に向けまして、こうした議論がますます盛んになることが予想されます。そうした中にありまして、都などの大都市の財源を奪おうとするこうした動きに対する反論の書として、東京都の考え方を実証的に取りまとめたものが本冊子でございます。今後は、この冊子によりまして、都議会や国会の先生方を初め、関係方面と力を合わせて国に対抗してまいります。それでは恐縮ですが、冊子の目次をごらんいただきたいと思います。表紙をおめくりください。本書は四部構成になっておりまして、第一章では、現在の地方財政の困窮を招いた責任は国にあること。また第二章では、現在議論されている小手先の手法は国が地方全体の財源を召し上げるものであって、都市と地方にとってメリットがないこと。それから第三章では、こうしたことが行われれば、日本を牽引している都市の衰退を招くことになりますが、これは国全体の衰退につながること。そして最後に、全体の総括としまして、地域を活性化し、地方が自立することこそが今後の目指すべき方向であるということを都からの提案という形でまとめております。内容は詳細にわたりますので、お手元にその概要版、参考資料ということで添付させていただいていますので、それに基づきましてご説明させていただきます。それでは、資料の一枚目をごらんいただきたいと思います。まず、第一章の、現在の地方財政の困窮に対する国の責任についてでございます。資料の上段、左側にありますように、バブル経済崩壊後の公共事業の増加が地方の借金を増大させておりまして、これが地方財政を圧迫する要因となっております。さらに、右側にありますように、国は三位一体改革の名をかりまして、地方から財源を奪っておりまして、右のグラフのとおり、三年間で地方交付税が約五兆一千億円削減されただけでなく、国庫補助金につきましても、スリム化の名のもとに約一兆円の財源が削られております。これらは、いずれも国の経済財政政策のツケを地方に押しつけるものでございます。このように、第一章では、現在の地方財政困窮を招いた責任は国にあることを述べてございます。次に、第二章の、現在議論されているような税を再配分する小手先の手法は、いずれも都市、地方にとってメリットがないことについてでございます。まず、現在検討の動きがある法人二税の制度見直し案につきましては、左側にありますとおり、大きく二つのものがございます。一つ目は、国が法人二税を一括徴収し、法人の事業活動にかかわらず、人口や事業所数などに応じて配分するものでございまして、いわゆる財務省案といわれているものでございます。これが行われた場合、東京都は一兆円超の減収と試算されております。二つ目は、国税である消費税と地方税である法人二税を同額交換するものでございまして、いわゆる総務省案といわれているものでございます。これが行われた場合、現在国、地方で四対一の消費税を二・五対二・五とするとすれば、東京都は約五千億円の減収と試算されております。いずれの案も、下に記載のとおり問題点がございます。まず第一は、税制の基本を崩し、地方の活性化にもマイナスとなるということです。受益に応じた負担という地方税の大原則に反するほか、地方が自立し、独自の地域活性化に挑もうとする意欲を減退させることは問題です。また第二は、国が徴収して地方に分配するような手法は、法人二税の実質国税化でございまして、地方の財政自主権を将来にわたり切り崩すものになるということでございます。それから第三は、現行の地方交付税制度を前提としますと、大都市から奪われた財源の多くは地方交付税の減という形で国が召し上げることになり、地方団体にとってもメリットがないということでございます。次に、右側の箱をごらんください。法人二税の見直しが行われれば、東京都は数年以内には財政再建団体に転落し、大規模な歳出削減が迫られることになります。この場合、例に記載してございますとおり、ハード、ソフトを問わず、多くの都単独事業などが実施できなくなりまして、都民サービスの大幅な低下が避けられなくなります。このように、第二章では、現在議論されている案はいずれも問題があり、都市、地方ともに何らメリットがない愚策であるということを述べております。引き続き、資料の二ページ目をごらんいただきたいと思います。第三章の、日本を牽引している都市の衰退は、国全体の衰退をもたらすという点についてでございます。東京は日本全体を牽引する役割を期待されておりまして、また現実そうした役割を果たしております。また、道路、空港、港湾の例でお示ししていますように、東京への投資は、日本全体の活力を向上させていく上におきまして重要な役割を果たしております。さらに、羽田空港の例にありますとおり、都は、国が進めないインフラ整備を国にかわりみずからの負担で推進しております。また、東京が抱える膨大な財政需要を放置しますと、東京の活力が失われ、ひいては国全体が疲弊することとなります。膨大な財政需要の例としまして、橋を例にグラフでお示しさせていただいておりますけれども、都の橋は整備時期が早かったため老朽化が進んでおりまして、今後十年間で、約半分の六百もの橋が架設後五十年を迎えることになります。このためのかけかえ費用だけでも約一兆五千億円と試算されております。また、都は、これまでの十年間で七兆三千億円もの都市基盤整備のための投資を行っております。さらに、先般の年次財務報告書でもご説明したとおり、都のインフラ資産の減価償却累計額は二兆円を超えておりまして、これらは今後の財政需要として顕在化してまいります。さらに、昼間流入人口に伴う財政需要が二千億円以上あること、また都の用地取得単価は、全国の平均の十倍以上であるということなどを例に、都が抱える大都市特有の財政需要を説明しております。このように、第三章では、主に需要面から分析しておりますけれども、日本を牽引しているのは都市でありまして、そうした役割を担っている都市の衰退を招くことは、国全体の衰退につながり、ひいては、都市、地方が共倒れになりかねないということを述べております。最後に、資料の右側をごらんください。全体のまとめとしまして、東京都からの提案についてご説明しております。記載のとおり、地域を活性化し、地方が自立することこそが今後の目指すべき方向であると考えますけれども、本冊子では、そのために必要な五つの点について提案しております。第一は、まずは国が責任を持って、地方を自立、活性化するための総合的な地域振興策を立案、検討すべきだという点でございます。第二は、分権改革を先延ばしすることなく、早急に実現すべきであるということです。第三は、今議論されているような小手先の対策ではなく、地方税の税率引き上げや必要な交付税原資の確保などによりまして、真に地方が財政的に自立できるようにする必要があるということです。そして第四に、そうした抜本的な対策が講じられるまでの間の緊急的、臨時的な措置としまして、三位一体改革で削減した地方交付税五兆一千億円を、国の責任と財源で最大限復元すべきということです。さらに第五としまして、都としても、志と意欲を持って努力している自治体と手を携えまして、地域の活性化のためにともに知恵と努力を傾けていくということでございます。説明は以上でございます。よろしくお願いします。 # 鈴木委員長 鈴木委員長報告は終わりました。本件につきましては、次に行います事務事業の質疑の際にあわせて質疑を行いますので、ご了承願います。次に、事務事業に対する質疑を行います。本件につきましては、既に説明を聴取しております。その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。資料について理事者の説明を求めます。 # 新田経理部長 新田経理部長先日の委員会におきましてご要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。恐れ入りますが、お手元の財政委員会要求資料をごらんください。まず、表紙をおめくりいただきたいと存じます。今回ご要求のございました資料は、目次に記載してございますとおり二件でございます。一枚おめくりいただきまして、要求資料第1号は、第二次財政再建推進プランに基づく財源確保額、平成十六から十八年度でございます。プラン期間中の三年間におきまして、内部努力や施策の見直し等の区分ごとに、プランの目標額と財源確保額を比較したものでございます。なお、財源確保額の数値は、当初予算ベースの数値となっております。一枚おめくりいただきまして、要求資料第2号でございます。都立施設の取得価格、減価償却額、残存簿価の例でございます。都立の学校と事業所を対象にそれぞれ二施設ずつ例にとりまして、取得年、規模数量、取得価格、耐用年数、減価償却費、減価償却累計額、残存簿価等を比較したものでございます。説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。 # 鈴木委員長 鈴木委員長説明は終わりました。ただいまの資料を含めまして、これより事務事業及び報告事項、「都市と地方の共倒れを招く『法人二税の格差是正策』に反論する」についてに対する質疑を一括して行います。発言を願います。 # 高木委員 高木委員まず、「都市と地方の共倒れを招く『法人二税の格差是正策』に反論する」、こちらの方から入りたいと思います。これは、東京都の財源を奪う動きに対して、東京都が説明をというか反論を非常に詳しくされた冊子だと思います。最近、地方の財源をめぐる議論がますますかまびすしくなってきております。テレビ、ニュースや新聞においては、都市と地方の格差をテーマに、主観的、感情的に過ぎるとも思えるような内容が報道されるケースも大変多く目にするようになりました。税や財源などという話は、一般の人々の日常生活にとってなじみが深い分野とはいえないだけに、その説明においてはわかりやすさが大切になってくるわけですが、その場合でも、客観的な事実は、当たり前のことですが、正確かつ冷静に伝えなければならないと思います。先ほどご説明のあった「都市と地方の共倒れを招く『法人二税の格差是正策』に反論する」という冊子を先月都は発表されたわけでありますが、実はことしの春にも、「大都市狙い撃ちの財政力格差是正論への反論」という反論の書を東京都が発表しておりまして、東京の財源を奪おうとする動きに対する反論という意味では、両方とも同じ目的に沿ってつくられたものであると解釈をいたしております。そこで、今回作成された新たな反論の書の位置づけと、まず、作成の意図はどのようなものなのかを一度確認をしたいと思います。 # 真田主計部長 真田主計部長二十年度税制改正の動きが年末に向けまして大詰めを迎えるのを前といたしまして、国が税収格差是正の名目で大都市の法人二税を奪い取ろうとする動きを強めておりますけれども、これが実施されますと、都市と地方の共倒れを招くことになると強く懸念しております。このため、法人二税の格差是正策に改めて反論し、この問題に対する都の基本的な見解を明らかにするものとして、今回の反論の書を作成いたしました。また、このところ、主に財務省でございますけれども、国の財源には一切手をつけさせまいと躍起になる余り、事実を歪曲した情報を意図的に流布するなど、目に余る動きを見せておりますけれども、こうした動きに対しましても、客観的な事実に基づく正確な分析あるいは主張を発信することで、くさびを打ち込んでおく必要があるというふうにも考えております。こうした観点に立ちまして、今回の反論の書では、地方が困窮した原因は国にあるんだと、検討されている法人二税の制度見直しは都市と地方双方にとってメリットがないんだと、それから都市の衰退は国全体の衰退につながることなどを、春に発表した反論の書と比較しまして、実証的、分析的に明らかにさせていただきました。この反論の書を武器に、地域が活性化し、地方が真に自立するために目指すべき方向性を提起しまして、各方面へ働きかけを一段と強化するとともに、地方全体を巻き込みながら、都市と地方を対立させようとする国の企てに対抗していくことをねらいとしております。 # 高木委員 高木委員そういう国の企てに対抗していくという、非常に私はいい表現だなというふうに思いますね。まさに今国がやろうとしていることはそういうことですから、これから議論を深めていきたいと思いますけれども、一層決意を持ってやっていただきたいと思うんですね。今回の反論の書では、国で検討中の法人二税の見直し策の不合理性や大都市特有の財政需要など、春の反論書で取り上げられたテーマについて、より詳しく掘り下げた分析がなされています。それと同時に、幾つかの新しい事実についても分析がなされておりまして、大変興味深い内容も見受けられるわけであります。中でも、インパクトがあると私が思いましたのは、国が検討しているといわれている格差是正策について、都市にとってメリットがないのはもちろんなんですが、実は地方にとってもメリットがない、こういう指摘であります。国は、格差是正と称して、都市から奪った財源を地方に再配分することを意図しているのかな、こう思っておりましたら、こうした格差是正は、少なくとも地方にとってはメリットのある話なのかなと思っていたんですけれども、どうもそうではない。そこで、現在検討の動きのある法人二税の見直しが、都市だけではなくて地方にもメリットがないものなんだということは、具体的にどういうことなのか、もう少し詳しくお伺いしたいと思います。 # 真田主計部長 真田主計部長都市から取り上げました税を地方に配ったといたしましても、現行の地方交付税制度を前提とすれば、地方交付税の算定におきまして、ふえた税収の四分の三は基準財政収入額に算定されてしまいます。このため、基準財政需要額に増加要因がなければ、交付団体の財源不足額が圧縮されまして、その分の地方交付税が減らされてしまうという関係にございます。さらにいえば、地方の収入を税ではなくて地方譲与税という形でふやした場合には、ふえた分の全額が基準財政収入額に算入されることになりまして、同額の交付税が減らされるということになりまして、この場合には地方の増収はゼロとなってしまいます。このように、都市から奪った財源の多くは、結果として国のものとなってしまいまして、地方にとってメリットがないということでございます。こうした収支面に加えまして、制度面でも幾つか問題がございます。まず、法人二税の制度見直しは、税は行政サービスの対価であるという税制の基本を崩すばかりでなく、地方が国から自立して独自の産業振興などに取り組もうとする意欲を減退させるものでありまして、地域の活性化にもマイナスの影響を与えます。また、法人二税を国が一括して徴収して配るような手法がとられれば、これは事実上の国税化でありまして、将来にわたって地方の財政自主権を切り崩すことになってしまいます。このように、法人二税の制度見直しは、あらゆる意味で地方にとってメリットがない手法であるということを述べております。 # 高木委員 高木委員大変よくわかる説明でした。とにかく、国は、いずれのやり方をしても、地方交付税を減らそう減らそうというところに話が集約をされていって、まさに一般の国民にはなかなかわかりにくいんですが、財源とか税制の問題を語る上で、地方財政の基準財政収入額がどう満たされていって、それに対して基準財政需要額をどう積み上げていって、その差額を地方交付税で、簡単にいえば算入をしていくという仕組みを、いかに地方交付税のところを薄くしていくかというところに腐心をしているような気がしてならないんですね。ですから、こういう非常にわかりやすい説明を私はどんどんしていただきたいと思うんですね。ですから、当の地方の知事からも、毒まんじゅう拒否とかそういう宣言が出されているぐらいですから、地方にもメリットがないという今の東京都の主張は、私は極めて的を得たものだというふうに思うんです。反論の書の結びに、東京都からの提案として五つの項目が掲げられているんですが、項目のうち、地方分権改革の早期実現については、これはだれしも異論のないところだと思います。そして消費税について、税率や国と地方の配分にまで踏み込んだ抜本的な検討を行うことという項目についても、地方財政が極めて厳しい状況にある中で、地方全体の財源のパイをふやすことの必要性という観点から、主張の意図は理解ができる。ただし、消費税の税率について、上げるんだというようなことも含めた想定であるとすれば、これはまたちょっと違った議論があるんだと思いますから、税率云々の問題については、これはもう石原知事がよく発言を時々記者会見なんかでもされているようでありますけれども、ここは私は慎重にすべきだというふうに思っているんです。ですから、消費税の税率というところまで、いたずらにどんどんどんどん踏み込んでいって、上げてもいいんだという議論は、これはちょっともう少し議会も含めて考えていくべきだろうなと実は思っています。ただ、全体の流れの中で、そういうことも一つの検討項目のうちに値はするんだよということは、これは理解ができる話なんで、私は東京都の主張はなるほどなと思わせていただきました。一方、それ以外の三つの提案項目については、やや意外な感もなくはなかったわけで、例えば、真の地方活性化のための総合的な地域振興策の立案、実行ですとか、三位一体改革で削減された地方交付税の復元、志と意欲を持って努力している自治体を都が支援となっておりますが、いずれもそれらを実現したからといって、都自身が直接的な恩恵を受けるわけではないというような事柄なわけですね。このように、都があえて地域振興策や地方交付税の復元などを提案していること、つまり、東京都が直接影響を受けたり、あるいは利益を受けたりということでないことまで今回お書きになられたということについて、どういう意図があるのかお伺いしたいと思います。 # 真田主計部長 真田主計部長現在の地方の困窮は、バブル経済崩壊後の国の経済対策として行われました公共事業のために発行された地方債の償還が地方財政を圧迫していたところに、三位一体改革の名をかりまして、国が三年間で五兆円以上もの地方交付税を削減したことに大きな原因がある、いわば、国が地方にバブル崩壊のツケを押しつけた結果であるというふうに考えております。それにもかかわらず、国はこの問題を地域間の税収格差の問題にすりかえておりまして、根本的な問題解決の道筋を示すことすらしておりません。このままでは都市と地方の共倒れを招きまして、結局は国全体の衰退につながりかねないと危惧しているところでございます。都としては、このような国の小手先の手法に反論するにとどまらず、全国の自治体、さらには日本全体のことを考えまして、都市と地方が共存共栄して、地方全体あるいは国が発展するためにはどうすべきかという大局的な視点に立った提案を行うことで、現在の問題の根本的な解決に向けた方向を明示していくことが必要だというふうに考えました。提案に際しましては、都自身の特質だけではなくて、地方の真の自立という本質的な課題の解決を最優先に考えまして、都として実施できる地域の振興策ですとか、あるいは、都にとって直接のメリットはございませんけれども、地方交付税の復元ですとか、そういった主張にも力点を置かせていただいたところでございます。 # 高木委員 高木委員真の意味で日本全体のために、我が国のためにというその視点はやっぱり非常に大事なところだと思うんです。知事が常々いわれているように、東京から日本を変えるというその主張も同じ視点だろうと思いますし、我が国をどうするのかという視点で書かれているところに、この冊子の秀逸な、光る部分が私はあるんだろうというふうに思います。ですから、東京都がそういう観点から、地方全体、とにかくもう全国的に、日本全体をよくするんだという積極的なこの提案は、私は地方の皆さんにも共感を得られる内容だろうと思いますし、議員個人としてもすばらしい内容だなというふうに、本当の意味でこれは思っております。大変頼もしく思いました。これから国との戦いという意味では、十二月にかけて行われる来年度税制改正の議論が本当の意味での正念場になるんだろうと思います。税の制度設計の詳細を詰める過程では、具体的な数字の飛び交う駆け引きがますます本格化してくることと思いますが、そうした中にあっても、今回この冊子に示されたような正論は正論として筋をきちんと通して、主張すべきことは主張していくということが私は大切だろうと思っています。今、国は、私たちが危惧をしているのは、税がどうあるべきかという税理論も何も考えずに、とにかく財源を、足りないものをどうやって取っていくのかということにのみ血道を上げているという状況であると私は思います。ですから、先日も、私たち都議会自民党の勉強会でも税理論の勉強というのをさせていただきましたが、なるほど税理論というのはやっぱりきちんとしたものがあるわけでして、そんなことを財務省の方々も当然ご理解をされているにもかかわらず、税理論を無視したような課税が行われたりというケースを、ここのところ時々というかよく見る話であります。例えば、何年か前に中小企業の留保金課税に対して、これを強化したという事例がありましたけれども、この留保金課税は、ある意味で、税理論としては別に問題はないと思いますが、そのことに対して批判が集中したことによって今度は留保金課税を緩めた。留保金課税を緩めたことによって、じゃ、どこから取ったかといったら、例の中小企業、特殊支配同族会社の役員給与に対する損金不算入というあの制度をつくったわけです。つまり、法人にかける税金を個人の税金に振りかえたというか、めちゃめちゃにごっちゃにしてそういうことをやり始めたわけです。これはもう税の専門家からいったって、今まで国は法人税と個人所得に対する税金というのはきちんと分けていたのに、それが今回こんな制度になって、これは何なんだという批判がかなりあって、それで初めて八百万円という最低限から千六百万かな、千五百万だかに上げられたというようなこともあるんですけれども、そういう税理論を無視した議論というのは、私はやっぱりきちっと正すべきだと思います。ですから、こういう反論の書を東京都が出してくれたということは、これは一東京都の問題じゃなくて、日本全体のために私は画期的なことだというふうに思うんです。だから、正論をきちんと主張してほしい、そういうふうに申し上げておきたいと思います。ですから、そういう意味では、地方同士が連携を深めて、一枚岩となって国に対峙をしなければならないと思いますし、世論の共感をとにかく得ることが大事だと思います。東京都としては、守るものは守って、地方全体の発展のために尽くすところは尽くす、そういう覚悟を持って来るべき十二月の山場に臨んでいただきたいと思います。そこで、最後に、来年度税制改正の動きが本格化する十二月に向けて、今後の取り組みに対する局長の決意をお伺いしたいと思います。 # 村山財務局長 村山財務局長お答えいたします。今、るるいろいろご指摘をいただきました。私どもの今回の反論ペーパー、第二弾ということになるわけですけれども、今の財務省というふうに象徴的にいわれている地方に対する攻撃というのが、基本的には、国と地方の間の縦の矛盾によって生じたさまざまな深刻な問題というのを、いわば地方同士の横の対立にすりかえていく。そのことによって矛盾を隠ぺいすると同時に、何となく財源が少し地方の方に豊かになるんじゃないかという幻想を持たせながら、実は、結局、最後に財源が吸い上げられるのは国の方に吸い上げられてしまって、地方全体もよくならないというような今の状況に対する対応の仕方というのは、絶対に、中長期的に見ても、あるいは短期的に見ても、日本の国全体のためにとってよくないという基本的な、ご指摘いただいたような立場に私どもも立って作成をさせていただいたつもりでございます。やはり今の、東京都もそこは認識を共有しているわけでございますけれども、日本の地域社会といいましょうか、地方が非常に厳しい状況に置かれているという認識については、東京都としてもしっかりと共有をした上でそれを根本的に改めていく、改善していく道というのは、しっかりした現状の分析と、それに対応する税理論を含めたしっかりとした制度論に基づいて改革を抜本的に行っていくという中にあるわけでございまして、小手先の形で行う場合には、矛盾をさらに別の方にゆがめて、堕していくにすぎないということになろうかというふうに思っております。そういう意味では、私ども、今回の反論ペーパーを出させていただいたのをもう一つのばねといたしまして、さらに今後、十二月中旬に至るであろうその間のあと一月余りの中で最大限頑張って、東京都としての、地方と対立するロジックではなくて、地方と連携、連帯する論理の中で頑張っていきたいというふうに考えております。同時に、この問題というのは、ある面では、国全体の政治的な合意形成の問題という側面も強くあるわけでございますので、そういう点では、ぜひとも、都議会の各会派の皆様のお力添えをいただきながら、他の道府県とも連携してこの難局を乗り切ってまいりたい、かように決意している次第でございます。 # 高木委員 高木委員ただいまの局長の答弁、大変心強く思いました。これは主税局にも関係があるんだと思いますが、東京都全体で、財務局が主導的な役割を果たしながらぜひ頑張っていただきたいというふうに思っています。私たち都議会自民党も、都選出の国会議員と連携しながら国にしっかり物を申していきたいと思っておりますし、財務局としても、総力を集中してこの難局を乗り切っていただきたいということをぜひお願い申し上げたいと思っています。これは蛇足ですが、今国がやろうとしていることは、私は、国家としての責任放棄につながっていくとさえいえるものだと思います。特に、局長がおっしゃられたように、本当は縦で調整しなきゃいけない、いわゆる垂直調整の部分を水平調整で賄おうとしているというだけのすりかえの議論ですから、そんなことがまかり通っちゃいけないと思います。ですから、今、世界的な傾向というのは、財源保障、つまり、ナショナルミニマムの部分はきちんと国が保障するというのは世界の流れなわけですから、それだけはきちっと守っていかなきゃいけないんじゃないですかということをやっぱりいってもらいたいと思いますし、国もその責任を持ってやらなきゃいけないというふうに思います。先ほどから申し上げているように、これは一東京都の問題じゃないですから、要するに日本国全体の問題ですから、そういう自負を持ってぜひ頑張っていただきたいと思います。次の質問に移ります。これは契約事務の関係なんですけれども、六月二十日に建築基準法が改正をされまして、この改正によって審査が非常に厳格化をされております。それで、民間の建築工事は、国土交通省が発表した資料を見ても、かなり件数が落ち込んでおりまして、確認がとれている件数も落ち込んでいるし、当然、そうなれば、工事が着工している件数もどんどん落ち込んでくるということになっておりまして、せっかく我が国の景気が上向きつつあるといわれる中で、このことによって景気が減退をしてくるのではないかという指摘すら聞こえるようになりました。これは財務局の所管の部分ではないと思いますので、このことはこのこととして、それぞれのセクションで、ぜひ国にこういうことがないようにということを働きかけていかなきゃいけないんだと思いますが、実は、私が申し上げたいのは、東京都が発注する建築工事においても同様のことがもしかしたら起こっているのではないかという懸念があるので、今回、この財政委員会で、事務事業の質疑ということでさせていただきたいと思っています。これはどういうことかというと、今までの様式と都が発注するいわゆる公共工事、例えば都営住宅であるとか、また学校もそうでしょうし、そういう建物の工事も同じような、同じようなというか、全く同じ建築確認をとらなきゃいけないという制度に変わったわけですから、そういう意味では、確認がとれるのかとれないのか、また、とるまでにどのぐらいの時間がかかるのかというところに非常に懸念をする材料があるわけでございます。これから申し上げることは、六月二十日に建築基準法が改正をされる前の話ですけれども、以前に東京都の工事で、契約をしたのにもかかわらず、すぐに工事に着手できなくて、半年待たされたという事例があったというふうに聞いています。つまり、二月に契約をして、工事にかかれたのが八月だった。その間何をしていたかというと、事情はいろいろあったんでしょうけれども、契約をした工事業者は、仮囲いをして、安全パトロールの人間もつけて、半年間待たされていたわけです。ですから、そこには当然費用もかかっているし、いろんな意味で、待たされるということ自体が問題があるんだろうなというふうに思っているんです。まず最初にご質問したいのは、建築基準法が改正をされました。今後、財務局が発注をする工事は、契約をしてゴーサインが出たということが行われたときに、既に建築基準法による確認済み証が取得をされているというのが私は当然だと思いますけれども、それがとれないということが考えられるのかどうか、それがとれているのかどうか、そのことをまずお伺いしたいと思います。 # 戸田建築保全部長 戸田建築保全部長基準法の改正に伴う諸所の混乱につきましては、ご指摘のとおりかと思っておりますものですから、そのあたりにかかわる情報につきましては、私ども、日ごろからできるだけアンテナを高く広く掲げておりまして、私どもの業務に支障のないように努めているところでございます。そこで、今ご指摘をされました工事の契約と建築確認、私ども、基準法では、東京都ですとか区役所が建築主事を持っている官公庁で建築確認をすることを計画通知というふうにいっておりますものですから、建築確認という言葉のかわりに計画通知ということでご説明させていただきたいと思いますけれども、私どもが発注する工事は、この計画通知の審査の日程を勘案して、計画通知の提出予定をあらかじめ定めて設計等の作業を進めるなど、工事の契約日までに計画通知の確認証が得られるよう努めているところでございます。また、設計から工事発注までに時間的な余裕のある案件は、確認済み証の交付を得た後、工事の起工を行っているというふうにやっているところでございます。 # 高木委員 高木委員今、民間の、建築基準法改正によって影響を受けている例えば設計それから建築工事、また構造設計というのもあるのかな、一つ、カテゴリーとしては。そういう方々のお話を聞くと、とにかく建築確認をとるまでに物すごい時間がかかっているわけです。それで、いろんな問題点が指摘をされておりますが、これは端的にいえば、改正された建築基準法が、姉歯事件によって、構造の問題から、改正されなくてもいいところまで改正をされていたり、一カ所直そうと思うと全部出し直しになってしまうとか、とにかく時間がかかるシステムになっちゃったというわけです。いたずらに時間がかかるシステムになっちゃった。私が先ほどもいっているように懸念をしているのは、もちろん都が発注する工事はそういうことがないように、時間的な余裕も見て、契約をしたらすぐにゴーサインが出せるようにしていただけるんだとは思いますが、しかし、ピアチェックも含めて、構造の部分なんかかなりいろんな修正が入ったり、それから、気がつかなかったところでチェックをされたりというようなことがどうもあるようでございまして、本当に予想以上に時間がかかっている。ですから、予想以上に時間がかかって、もし仮に、東京都が発注する工事で契約時に建築確認が取得をできていないというような場合になったときに、東京都はどういう対応をするんですか。 # 戸田建築保全部長 戸田建築保全部長計画通知に伴います確認済み証の取得がなされていないような場合に、発注者である東京都の事由により工事の一般的な準備期間を過ぎても工事着手ができない場合は、請負業者と協議の上、工事の中止等の措置をとるといった判断をいたします。工事の施工を一時中止させた場合は、必要があると認められるときには、工事の延長や工事の続行に備えた工事現場維持のための費用を負担することとなります。なお、負担する工事費の算出につきましては、公表されております公共建築工事積算基準に基づいて処理をするということにしております。 # 高木委員 高木委員今の部長の答弁の中で工事の延長というお話がありましたが、工期の延長だよね。工期が延長されるということですね。つまり、契約のときに、いついつまでにやってくださいという工期が決まっているわけですから、待たされた分は要するに工期は延長していただくということにぜひしていただかないと困るんだと思います。ですから、そういう必要があると認められる場合、あるいは、東京都と契約者との協議の上という話がありましたけれども、ぜひこれは考えていただきたいんですが、通常の準備期間というのは当然あってしかるべきで、その準備期間を過ぎても確認がとれない、ゴーサインがおりなかったというところについては、発注者としての責任としてやっぱりきちんと処理をしていく。工期を延長する、あるいは違約金を払う、そういう仕組みをつくらなきゃいけないんだと私は思います。そうでなかったら発注者としての責任を果たせない。ましてやそのことが、発注者として責任を果たしていただけるとすれば、それは請負の方だって、それはもうきちんと請け負った方の責任として工期はもちろん守る、それからきちんとした工事をする。安全性も含めて、要するに、どこから検査をされても大丈夫なものをつくっていく、そういういい循環になっていくんだと私は思います。ですから、今回の改正建築基準法にはいろんな問題があると思いますし、私たちは、これはやっぱり究極的には法改正を求めていかなきゃいけないんだろうと思っていますが、これを一つの奇貨として、私は、発注者としての責任をきちんと、一番最初に、冒頭に申し上げた事例が聞こえてきているわけですから、そういうことが今後、このことによってまた改めてないようにぜひ努力をしていただきたいなと思っております。どうぞよろしくお願いしたいと思います。以上で終わります。 # 東野委員 東野委員私からは、反論の書について何点かお伺いしたいと思います。一部重複する部分がありますけれども、ご容赦いただきたいと思います。最近の新聞報道を見ていましても、都市と地方の格差是正などを理由として、東京を初めとする都市の財源を奪おうとするという動きが本格化しているわけでございます。東京都では去る六月に「大都市狙い撃ちの財政力格差是正論への反論」、これを公表されて、その後の経済財政諮問会議の議論などに対しまして一定の効果があったのではないかな、このように評価しているわけでございます。しかしながら、その後の参院選の結果を受けまして、特に地方の国会議員からは、都市の財源、特に法人二税を地方に横流ししよう、そういった動きが活発化してきておりまして、先ほど来お話があります総務省や財務省も検討しているようでございます。この際、まず初めに、確認も含めて、法人二税について、総務省、財務省両省が検討している案の内容と、できましたら問題点についてお伺いしたいと思います。 # 真田主計部長 真田主計部長新聞報道等によりますと、都市と地方の税収格差を是正するという名のもと、財務省は、法人二税を国が一括徴収した上、法人の事業活動に関係なく、単に人口あるいは事業所数、従業員数などに応じて自治体に分配するといった手法を検討しております。これは、受益と負担という地方税の大原則に反する上、地方税を事実上国税化するものでありまして、地方分権にも逆行することになります。極めて問題が多いものでございます。一方、総務省は、地方税である法人二税と国税である消費税の同額を交換することを検討しております。いずれの案も、地方にとりまして基幹税である法人二税を減らすことにかわりはございませんで、自治体の産業振興等に対する動機づけを弱めることになりますし、また、地方交付税の算定上、現行制度を前提としますと、交付団体の税がふえても地方交付税が減るということになりまして、結局その分を国が召し上げるだけということになりますので、地方にとってはメリットがないということになります。 # 東野委員 東野委員今お聞きしましたように、総務省案はもとより、財務省案に至ってはもはや地方税とは呼べないもので、地方自治をある意味では侵害するようなものである、このように思うわけでございます。東京都は、一次、二次にわたる財政再建プランを通じまして、ようやく財政再建を達成したところであるわけでございます。この間には、各種の施策の見直しはもとより、都民にも我慢をしていただいた部分もありますし、また都職員の給与カット等も、また大幅な人員削減、こういったことを行って、文字どおり血のにじむような努力を国や他の自治体に先駆けて行ってきた、こういったことがあるわけでございます。そのようにして生み出した都民のいってみれば果実を、都は富裕だからという理由で地方に配分するということを看過することはできない、このように思います。そういった動きに対しまして、先月、この反論の書を作成したわけでございますが、この中で、最後の方の結論にございます、地方が困窮から脱却するためには、「まず何よりも」という言葉を使われていますけれども、国による総合的な地域振興策を挙げているわけでございますけれども、地方が現状から脱却するのに真っ先に地域振興策の必要性を取り上げている、この理由と説明をお願いしたいと思います。 # 真田主計部長 真田主計部長現在地方が困窮しております最大の原因は、国が三位一体改革の名をかりて地方交付税を大幅に削減したことでございますけれども、さかのぼって考えますと、これまで国が補助金あるいは交付税で地方を誘導する一方で、地方も国からの補助金あるいは公共事業に頼るという、国と地方がいわばもたれ合う構図から抜け出すことができなかったことにも原因があるというふうに考えております。過去、国が経済対策として行った公共事業の積み増しは、一瞬のカンフル剤にはなることがございましたけれども、抜本的な意味では、地方の自立に必ずしもつながっていないという側面もあったかと認識しております。こうした視点に立ったとき、地方が現在の困窮から脱却するためには、真の意味で地方が自立し、活性化することが重要でありまして、それには地方の自主財源の充実を図ることはもとより、地方が地域の特性を生かした地域振興に積極的に取り組める仕組みとその方策を国が責任を持って示すことが何よりも必要であるというふうに考えました。そういうことで、反論の書でも、一番初めにそういった観点からの振興策の必要性をまとめたものでございます。 # 東野委員 東野委員非常に大事な点だと思いますし、また、私もそのように当然のことながら思うわけでございます。今回の反論の書の中で、東京が日本を牽引しており、そしてまた、東京への投資が滞れば日本全体に影響があること、こういったことが力説されているわけでございます。これまで、六月の反論の冊子などでも東京への投資の重要性が示されているわけでございますが、今回の反論の書では、世界における東京の地位や東京における施設の更新需要などが数字で記載されており、実感がわくものとなっているわけでございます。ただ、その中で気になりますのは、そういった例示に挙げられているのがいわゆるハード事業が多いこと。別のいい方をすれば、財源が奪われた場合、大きな影響が出るのはハード事業というようにも受け取られる部分がある。各種のソフト事業が重要なのは、これはあえていうまでもないことでございますけれども、ソフト事業に対しても、財源が奪われた場合、影響は大変に大きい、これは当然のことだというふうに思います。この反論の書の中で、繰り返しになりますけれども、ハード事業偏重ともとれる部分がありますけれども、実際のところ、どう局としては考えておられるのか、お聞きしたいと思います。 # 真田主計部長 真田主計部長今回の反論の書では、東京の需要の重要性を示す例といたしまして、日本を牽引する東京への投資が日本経済全体に大きな効果をもたらすことなどを示しておりまして、それをわかりやすくイメージしていただくために、道路ですとか橋梁ですとか空港ですとか、生活に身近でかつ規模の大きないわゆるハード事業を例示として掲げてございます。加えて、都が所有するインフラ資産につきまして、今後生じる膨大な更新需要、あるいは東京での旺盛な経済活動を支える都市基盤整備への対応がなされなければ、都民生活に大きな影響が出ることはもちろん、国全体にも影響を及ぼすということから、ハード事業の必要性を打ち出しております。一方で、先生からご指摘いただきましたとおり、都におけるいわゆるソフト事業につきましても、まさに都民生活に直結している重要な施策でございまして、今回の反論の書の中でも、都民の安全・安心を守る警察、消防業務についても例示させていただいているところでございます。このように、特段、ハード事業だ、ソフト事業だということではなくて、都民生活に影響を及ぼすことのないよう、都の財源を奪う動きに対抗していくという観点から、できるだけわかりやすい需要を例示として掲げながら、適切に反論していくことが必要であるというふうに考えております。 # 東野委員 東野委員わかりました。できるだけわかりやすいように例示した、そのように理解いたしましょう。翻って、財源が奪われた場合ということで、今回初めて、財政再建団体への転落への危機ということが書かれているわけでございますけれども、その場合には、認証保育所や商店街振興など、影響を受ける事業の例として挙げられているわけでございます。仮にこれが本当だとすれば、都民生活に大変に大きな影響を与えるゆゆしき事態になるわけでございます。東京が財政再建団体に転落するとすれば、その影響は夕張市の比ではもちろんないと思います。この点に関する局の見解をお伺いしたいと思います。 # 真田主計部長 真田主計部長万一、都から一兆円もの財源が奪われますと、当面は基金の取り崩しなどの財源対策によりしのいでいくこととなりますけれども、それにも限界がありますし、私どもの試算によりますと、都は数年以内に財政再建団体に転落してしまうことになります。財政再建団体に転落しますと、冊子でもご説明させていただいておりますし、また夕張市の報道にもございますように、提供するサービスは必要最低限のレベルまで引き下げられる一方で、住民負担も高額なものとなってまいります。また、国の指導監督のもとで財政再建計画に従わざるを得なくなりますので、地方団体としての主体性が著しく制限されることになります。そのような事態に陥りますと、先生からお話がございました認証保育を初めとしまして、都がこれまで力を入れてきた数々の先進的な取り組みができなくなりまして、都民生活に重大な影響が出るのはもちろんのことでございますし、また区市町村への財政支援も行えなくなりまして、区市町村の行政にも影響を与えることになります。さらには、首都高あるいは羽田空港への出資、貸し付けなどもできなくなるため、日本全体への影響も避けられないものでございます。このような事態は何が何でも阻止しなければならないというふうに考えております。 # 東野委員 東野委員先ほどの部分にちょっと戻りますけれども、ハード事業が事例として多く挙げられているということは、こちらが別に弁護するわけでもないんですけれども、認識論からすれば、やはり目に見えたもの、そういったものを多くの方は認識していく、この観点からすればやむを得ないかなというふうに思いますし、また、そういうアプローチの仕方というか表現の仕方というのも、一つのテクニックとしても、また一つの表現方法としても大事な部分だというふうに思いますので、あえて私はそれにこだわらないということをつけ加えさせていただきたいと思います。最後になりますけれども、先ほども申し上げました、都は血のにじむような努力をして財政再建をなし遂げたところであるわけでございますけれども、今話がありました、財源を奪われたことで財政再建団体に転落するということは絶対にあってはならないわけでございます。日本の首都が財政再建団体になるということは、地方自治制度そのものの崩壊を意味するだけではなくて、これまで築き上げてきた都民生活に大変に大きな影響を及ぼす、とんでもないことだというふうに思います。今回の反論の書では、都が見解を主張するという点で大変重要なものであります。しかしながら、本来の目的は、この反論の書を出すことではなく、都の財源を守り、ひいては都民の生活を守っていくということで当然あるわけでございます。ともすれば国と地方の財源の奪い合いや権限争いに見られがちなこういった問題は、都民の生活を守る戦いであるということが、行政もまた議会も含めて、東京都の総力を挙げた戦いのためのキーワードというふうに考えるわけでございます。都民の生活を守るという今申し上げました戦いに向き合っておられる財務局長の決意を最後にお伺いして、質問を終わりたいと思います。 # 村山財務局長 村山財務局長今、財源問題という形でお金の問題としてあらわれている現在我々が直面している問題でありますけれども、それは、お話しいただきましたように、日本全体のそれぞれの地方地方で暮らされているそれぞれの国民の生活をどうしていくのか、経済的な暮らしをどうしていくのかというような問題であるわけでございますし、それが、東京というところについていえば、東京で暮らされている、あるいは働いていらっしゃる都民、住民の方々の暮らしをどうしていくのかというところにかかわる問題でありまして、まさしく生活の問題というふうに認識をしなければいけないというふうに考えてございます。思い起こせば、都財政という観点から立ちますと、この間、私も結構長い役人人生をやっておりますけれども、ほとんどの期間は、苦し紛れのいろんな手練手管を使って財政をとにかく何とかしのいでいこうという期間でございました。それは、今やっている必要不可欠な事業をしっかり守るために、じゃ、どの部分をやめるなり減らすなりしてもいいだろうか、あるいは、ちょっと後におくらせてもいいものがあれば、おくらすことができないだろうかというようなことをやりながら、経済変動、景気変動の中でいろんなことが変化する中にあって、絶対に実施しなければならない都民サービス、事業をしっかり行いながら、必要な事業をまた新しく始めていくにはどうしたらいいかということに、微力ながら一生懸命やってきたものでありまして、そういう意味では、東京都の行政全体が、そういうふうにしていろいろご批判をいただきながら努力してきたというふうに思います。そうした中で、ここに来て、過去のさまざまな負債といいましょうか、隠れ借金というようなものも含めて、何とか前の方を向いて努力をしていく余地が少しできたかなというのが現時点の、有史以来初めてというとやや大げさかもしれませんが、そういうような時期に今到達しているということでございまして、その時期に我々は、今ご議論いただいているような問題に直面をいたしているわけでございますけれども、そういう中で、ご指摘いただきましたような財政再建団体に転落をする、あるいは転落の危機が招来するであろう状況に直面するならば、やはりその中でまた、じゃ、施策そのものについてどういうふうに改めて取捨選択を、優先順位を定めながら考えていかなければならないということになるわけでございまして、そうなってくると、勢い、前向きの施策を考えるよりも、どうしてもやらなければならないものは残して、ほかのものはどうにか縮小したりできないかなというふうに目が向くことになっていくというのは、「十年後の東京」をこれから目指していこうという今日においては、東京の都民の暮らしにとって非常に大きな障害になるでありましょうし、日本全体を牽引していく東京の役割という点でも、ソフト、ハード両面にわたってさまざまな問題が生じるものというふうに私は懸念をいたしておりまして、そういう意味でも、単なるお金の問題ということではなくて、首都東京のありようの問題、そこに暮らし働く都民の生活の問題として、この問題にしっかり取り組んでいきたいというふうに改めて決意をいたしている次第でございます。 # 鈴木委員長 鈴木委員長この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。午後二時五十四分休憩午後三時十分開議 # 鈴木委員長 鈴木委員長休憩前に引き続き委員会を開きます。質疑を続行いたします。発言を願います。 # 曽根委員 曽根委員それでは、私から、大きく二点、お聞きしたいと思います。一つは、前定例会で私は新たな会計制度による財務諸表の活用について質問させていただきましたが、その続きというわけじゃないんですけれども、コスト計算書などの活用について何点かお聞きしておきたいと思います。前回申し上げましたように、障害児教育の現場である養護学校のホームページにまで生徒一人当たりの行政コストを載せているというふうな問題については、余りにも無神経である、コスト計算のひとり歩きを戒めて、活用を慎重かつ適切な範囲に抑える何らかのルールや規制が必要だということを申し上げたわけです。今回、これとの関連で、行政コスト計算の仕組み上、同じ行政サービスであってもコストが違ってくる問題について、確認のため資料をお願いいたしました。出していただいた資料で、都立の学校施設でA校とB校、事業所ということで、都税事務所だということですけれども、XとYということで、平成の時期に新設もしくは建てかえたものと昭和三十年代ごろの古い建物を比べれば、当然のことながら残存簿価でも大きな違いがありますし、減価償却費も数倍もしくは十倍ぐらいの違いが出てくるということがわかります。この違いが、この間、私、問題にしました行政コストとしての計算上の額の違いに出てくることになるんだと思いますが、いかがでしょうか。 # 真田主計部長 真田主計部長ただいま先生お話しいただきましたとおり、施設の建設時期あるいは規模などによりまして減価償却費の多寡に違いが生じて、コスト全体の水準に影響を及ぼすということは事実でございます。しかし、そうした施設ごとの状況も含めまして、さまざまな判断材料を踏まえて、事業運営のより効率的、効果的なあり方を検討することは重要だというふうに考えておりまして、状況が違うからコストを比較すべきでないというのは、私どもとしては容認できない考え方です。 # 曽根委員 曽根委員私、コストを比較すべきじゃないなんていっていないわけで、一定の限界があるということを踏まえた上での活用が必要だと申し上げているわけです。ここで出てくるのは、恐らく減価償却費が毎年違っているわけですよね。例えば、A校、B校でいうと三千万円ぐらいですか、違いがあるわけで、これが生徒一人当たりのというふうな計算をこの間のようにやれば数万円の違いになるのかな。ということで違ってくるわけで、しかし、これからコスト主義が余りにも徹底されると、数%程度のコストの違いにきゅうきゅうとすることになりかねないから申し上げているわけです。そんなことがあってはならないし、大体、都のほとんどの事業の場合、その事業を行っている建物の築年数の違いで、行政サービス、教育なり福祉なり都税事務所の仕事なりにサービスの違いが出てはならないし、実際ないわけです、そんなことは。ということでありますので、こういう点でも行政コスト計算には限界があるということを踏まえて、したがって、それぞれの行政分野の本来の使命を十分に果たしていくという観点に立てば、財務諸表を使って、例えば学校などの施設ごとのコストを比較して事業のあり方を利用者に問うというやり方は慎むべきだと考えますが、いかがでしょうか。 # 真田主計部長 真田主計部長ただいま申し上げましたとおり、個別事情に応じて減価償却の状況が違うというのは事実でございますけれども、なぜそういう違いが出るのかというのは当然説明した上で、そのコストが妥当なのかどうか、それをご判断いただくためにそういった情報を提供することは意義あることだというふうに考えております。 # 曽根委員 曽根委員相変わらず意義あることだとおっしゃるので、そういう説明がされないまま、本当にだれでも見られるような養護学校や都立の個々の施設のホームページにまで載っちゃっているから私は申し上げているわけで、そういう点は改めて強く申し上げておきたいと思うんです。それで、私、都政全体にわたって、減価償却費も含む資産情報によるこういう財務諸表が作成されたことで、むしろだれしもが期待をするといいますか、求めたいと考えるのは、今急務とされている膨大な都有施設の今後の更新費用を割り出していく上で大きな根拠となるデータが出てくるんじゃないかということじゃないかと思うんです。膨大な都有施設がある、その資産価値はどの程度なのかということがいろんなメジャーでこの間出されましたよね。現在、財務局は、大規模施設の更新を図るための改築や改修の方針をつくっているというふうに聞いていますけれども、この財務諸表が出たことでこうした作業が促進されたのではないかと思うんですが、現状についてお聞かせいただきたいと思います。 # 真田主計部長 真田主計部長前回の財政委員会でも桜井委員の方からのご質問にお答えしたとおりでございまして、今年度、大規模施設等の改築、改修計画について各局に調査を実施しまして、現在、この調査を踏まえまして、大規模施設等の改築、改修に関する実施方針の策定に向けた検討を行っているところでございます。財務諸表におきまして得られたデータ、それらも当然参考にしながら、今現在作業を進めているところでございます。 # 曽根委員 曽根委員九月にいただいた決算の参考書の財務諸表では、都有資産の減価償却額について、全会計を合わせると当期償却額が一千四百九十三億円余り、当期末減価償却累計額が二兆三千六百億を超える額というふうになっています。全会計といえば公営企業会計も入りますから、都民からの料金でもって施設を賄うのは除いたとしても、一般会計でも、当期償却額は一千八十五億余り、当期末減価償却累計額は一兆七千億を超えるという状況ですよね。この数字から見ますと、これはもちろん簿価であって、減価償却方式によっても違いが出るのは承知の上で、また、現有施設をすべて維持更新していくのかどうかとは限らないということも承知しているわけですが、都有施設を更新していけば、平均してこれから年間で一千億円規模の金額がかかってくるんだというふうに推定してよろしいんでしょうか。 # 真田主計部長 真田主計部長ただいま先生の方からお話ございましたとおり、施設が建設された年次とか仕様とかによりまして、もともとの減価償却のもととなる建設コストも大きく異なってまいりますし、また、そもそも建設コストと改修コストが同額になるということもございませんし、また、すべての施設を更新するわけでもございませんので、改修経費と減価償却累計額が同額になるということはない、これは当然そうなるかと考えておりますけれども、ただ、今後の更新需要を把握するための一定の目安ということにはなるというふうに考えております。 # 曽根委員 曽根委員目安ということですけれども、いずれにせよ、今後、都有施設の維持更新だけでも巨額の費用が必要となることは、この財務諸表の一つの数字からも容易に予想され、当然ながら計画的な改築、改修が必要になると思います。私、その際、大変危惧しているのは、今都が大規模施設についての更新を検討しているということで、まかり間違っても、大規模なものが優先されて、小規模なもの、特に都民生活に密着した都営住宅だとか学校その他、都民の身近なものが、相対的に小規模なものですね、後回しや、場合によっては、更新費用を軽減するためということで施設の統廃合が進められていくことがあっては、これは全く本末転倒であって、これは絶対あってはならないと考えますが、いかがでしょうか。 # 真田主計部長 真田主計部長都民から預かりました貴重な税金を使って私ども行政サービスを行っているわけでございますので、その税金を使うに当たりましては、費用対効果を最大限発揮する、それはもう当然のことだというふうに考えております。そういった観点から、都有施設の改築、改修につきましても同様の考え方でございまして、すべての施設を機械的に改築、改修するということではなくて、やっぱり時代状況の変化あるいは都民ニーズの変化に対応して、その時々に合った費用対効果を求めて必要な施設を精査することが必要だというふうに考えております。それは単に費用だけで判断するのではなくて、費用と行政効果を比較して、それで更新すべきかどうかということを判断すべきだというふうに考えておりまして、費用が多額であっても効果が大きければ当然実施することになりますし、また、費用に対して効果が少なければ、当然見直すということにもなろうかというふうに思います。必要な施設を精査する取り組みというのは、単に費用面だけでの効率性だけではなくて、行政目的ですとか効果ですとか、そういったさまざまな要因を総合的に判断して行っていくものでございまして、これは行政として当然そういうふうにしなければならないというふうに考えておりますので、先生ご懸念のそういった点はないというふうに考えております。 # 曽根委員 曽根委員その答弁、非常に大事ですので、よく押さえておいていただきたいんですが、しかし、実際には、都営住宅など小規模なものは、区市町村が受け取らない場合、今、次々と住民はほかの団地に立ち退かせて、移転させて、除却が進んでいるわけなんです。北区でも、田端とか滝野川の地域の住宅で、これから三カ月ぐらいでほかの団地に移ってくれということが都からの通知が来て、みんな混乱しているという現状が実際あるわけです。ですから、私が危惧している点は、一部先取りが、これは局の方針とかいろいろあるんでしょうけれども、先取りされてきている実態が見かけられるものですから、くれぐれも財務局がそうしたことの、都民にとってどう大事なのかということの観点を抜きにした、いわば企業的な効率化のみで旗を振るようなことがないように、くれぐれもこれは申し上げておきたいと思います。今都民が求めているのは、都心の大規模施設優先ではなくて、より身近な、生活に欠かせない都有施設の耐震化だとか更新だということも改めて強調しておきたいと思います。次に、財政再建推進プランについても資料をいただきました。第一次、第二次の財政再建推進プランが終了して初めての決算が先日出されたわけです。一次、二次を通じて、いつもお聞きしてはいますが、プランの見込みと実際の税収の違いは、最終的に確定された数字では幾らの金額の違いが出たんでしょうか。 # 真田主計部長 真田主計部長平成十一年度に策定しましたいわゆる第一次の財政再建推進プラン期間中、平成十二年度から十五年度までの四カ年でございますけれども、そのときの都税の決算額は十六兆五千五百七十四億円でございまして、収入見通し十五兆八千四百億円に対しまして七千百七十四億円の増でございます。また、第二次財政再建推進プラン、これは十六年から十八年度までの三カ年でございますけれども、同様に、決算額が十三兆七千七百六十一億円でございまして、収入見通し十一兆三千七百億円に対しまして二兆四千六十一億円の増となっております。これらを合算しますと、都税決算額が合計で三十兆三千三百三十五億円、収入見通しが二十七兆二千百億円でございますので、結果として三兆一千二百三十五億円の増という形になってございます。 # 曽根委員 曽根委員三兆一千二百三十五億円の、それぞれのプランの見込んだ時期は違いますが、トータルすると見込みから増額があった。これと、それぞれのプランの中でさまざまな見直しが計画されて実行されたわけですが、例えば都民施策の見直しという点でいえば、第一次プランで二千四百億円、これは一〇〇%以上達成しています。第二次プランでは一千二百億円、これは九四・五%達成していることになっているんですが、合計した額よりもはるかに大きい金額が、約四千五百億円ですよね、七年間でならしても。これがいわばプランの見通しよりも増額されていたということは、これは本当に都民要望をここまで削るどころか、むしろ増額、拡充さえ可能だったことが決算としては明らかになったと思うんです。都民施策の見直し問題は、先日、決算委員会で植木議員が質問したので、ここでは繰り返しませんが、私、もう一つ、見直しの中で大きな位置を占めていた内部努力について、きょう、ちょっと何点か聞きたいと思うんです。資料の内部努力項目、財政プラン、財源確保のですね、目標額一千億円、その中の第一に給与関係費の削減というのが出てきます。これは、正規職員の給与の引き下げとか定数削減はもちろんですが、非正規の都職員にも及んでいるわけです。それで、ちょっと具体にお聞きしたいんですが、都の臨時職員、つまり一般的にいえばアルバイト、これの大部分の給与は時給八百円を切っていると思うんですけれども、現在幾らで、どこが決めているのかお聞きします。 # 真田主計部長 真田主計部長現在の臨時職員の時給というか賃金の額でありますけれども、この十月十九日が直近でございますが、一日八時間としまして六千三百五十円でございます。この賃金の決定に当たりましては、基本的には、予算の範囲内におきまして各局が職務内容に応じて決定しているところでございます。 # 曽根委員 曽根委員各局が決めているといいながら、実際にはほとんどの方が日給六千三百五十円、時給にすれば七百八十九円で働かされているというのは、どこにもとの数字があるんでしょうか。 # 真田主計部長 真田主計部長ちょっと先ほど答弁でご説明が漏れて恐縮ですけれども、この六千三百五十円の根拠となっていますのは、基本的には、私ども、各局が予算を見積もるに当たりまして参考単価というのを示しておりまして、そちらで、賃金の参考単価ということでお示しした数字がその数字でございます。それに基づきまして、最終的にはそれを参考にしながら各局が決める形になりますけれども、結果として各局がそれを適用してやっているというところでございます。 # 曽根委員 曽根委員失礼しました。さっき六千三百五十円というお話でしたね。これは、実際の実施は来年度の予定の金額じゃなかったかと思うんですがいや、いいです。そうしますと七百九十四円ですよね、時給がね。どちらにしても八百円を切っているわけですが、今、民間の動向などを参考にしているというお話、それで参考単価をつくったものが、実際には各局がそれを使っているというお話がありましたが、八年前、平成十一年までは、日給六千五百六十円、時給八百二十円だったんではないでしょうか。 # 真田主計部長 真田主計部長八年前、平成十一年度は六千五百六十円でございます。 # 曽根委員 曽根委員六千五百六十円、時給八百二十円だったわけですね。民間の企業は、この間、八百円台ではなかなかアルバイトも雇えないということで、大体九百円前後まで上がってきているんですが、実際には、東京都の方は逆にこの八年間で下がってきて、いろいろでこぼこはありますよ、去年よりはことしはちょっと上がったんでしょうけれども、それにしても八百円を切っている。ほかをちょっと調べてみたんですが、都内の区市町村で平均が八百五十円ぐらい。東京都よりも臨時職員の賃金が低いのは奥多摩町と日の出町のみです。財政力豊かな東京都が何でこんなに低いのかということなんです。臨時職員といえども労働者ですから、その労働者の賃金を決めるのに、財務局が数字を出すと、それが全部ひとり歩きで、全部ほかの局がその金額を使って予算を計上するからそのとおりになっていく。結局、働く人を一人前に暮らせるような金額で雇うという形で検討されていないじゃないかというのが、私、率直な実感なんですけれども、少なくとも、今いわれている千円とはいかないまでも、都内の自治体の平均八百五十円などを参考にして大幅な引き上げが必要だとは思いませんか。 # 真田主計部長 真田主計部長私どもの参考単価でございますけれども、これにつきましては、国、他団体の賃金状況も参考としておりますし、また都の人事委員会の勧告内容なども参考にしながら、最終的にはそういったものと職務内容とをあわせまして、予算編成上の参考単価という形で各局にお示ししているところでございます。ちなみに、平成十一年からの数字を先生おっしゃられていますので、平成十一年から十九年度まで参考単価がどうだったかというのをちょっと私も見てみましたけれども、この間、参考単価自体は、三・八%、平成十九年は下がっておりますけれども、例えばその間のベア率を見ますと、七・五%下がっておりますので、そういう意味からすると、ベア率の下げ幅よりも今回の賃金単価の下げ幅の方が少ないということでございまして、そういう意味からすると、それなりの、職務内容等々、あるいは、他団体、民間の賃金状況なんかも加味した妥当な水準になっているというふうに考えております。 # 曽根委員 曽根委員少し下がり方が人勧よりも少ないから、それよりはましというお話はちょっといただけないんですけれども、もともとベースが低い上にまた下がっているわけですから。民間と本当にまともに比較した上でも、それから他の自治体と比較しても余りに低過ぎる。この金額は、私どもは、どんな職業であっても時給最低千円はということを政策で掲げておりますが、少なくとももっと大幅な現状からの引き上げが必要だというふうに申し上げたいと思うんです。まさにこれは、さっき血のにじむ努力とありましたけれども、実際は血をにじませているわけで、血がにじんでいるのは働いている方だ、都民ももちろんですけれども、ということは申し上げなきゃならないと思うんです。それから、都の雇用している職員もなんですけれども、もう一つあるのは、コスト管理の徹底ということは、委託で出している事業などについてコストを見直していくということだと思うんですけれども、その一例として、私たちが仕事をしております議会棟、この議会棟の清掃委託の費用が相当下がっていると思うんですが、この五年間の推移についてお知らせいただきたい。 # 岡沢参事 岡沢参事議会棟に関します建物の清掃委託費でございますが、平成十四年度は九千七十二万円、十五年度は八千六百七十三万円、十六年度は四千四百十万円、十七年度は約四千六十四万円、昨年十八年度は約二千九百九十四万円となってございます。 # 曽根委員 曽根委員平成十四年、二〇〇二年度に九千万円以上だったものが、平成十八年度、二〇〇六年度、昨年ですね、二千九百九十万円と三千万円を切っているわけです。三分の一以下に下がっているわけですが、正規の雇用ではとても落札できない金額になっていると思うんです。実際、今働いている方々は全部アルバイト雇用だそうで、そういう会社でなければ入札では落とせないという実態です。都は、一般的にいえば、都内企業の雇用については、雇用の安定とか正規雇用を呼びかけていると思うんですけれども、実際は、自分のところで契約して仕事を任せている会社には、結果として非正規雇用の企業しか残れない仕組みに現になってきているという点で、先ほどのアルバイトの安過ぎるという問題も含めて、これこそ本当に官製ワーキングプアを東京都が率先してつくり出してきているということにはなりませんか。いかがでしょうか。 # 岡沢参事 岡沢参事ただいまお尋ねの契約金額が落ちている理由等でございますけれども、清掃業務委託経費につきましては、都民からお預かりしております貴重な税を効率的に用いるために、これまでも、清掃回数の見直しといった工夫を重ねてコストの縮減を図ってきたところでございます。契約金額が低下してきた原因につきましては、これは入札でございますので、入札に参加した企業が、清掃方法でございますとか機材の選定等につきましてそれぞれ工夫に努めたということに加えて、入札に当たって、企業の経営戦略上の思惑など、さまざまな要素があったものと考えております。非正規雇用を生み出していないかというお尋ねでございますが、業務委託契約でございますので、これは、委託者が求めるサービスを受託者が契約に沿いまして提供するということを目的とするものでございます。そのサービスをどのように提供するかということは、受託者の判断にゆだねられているものでございます。したがいまして、サービスの提供の際に従業員の雇用形態をどのようなものにするかといったことは、受託者側の経営上の問題に属するものと考えているところでございます。 # 曽根委員 曽根委員公共の契約で、そういうことだけで、きれいごとで済まされる実態じゃないということなんです。例えばこの議事堂の清掃についてなぜ取り上げたかというと、平成十五年度までは、東京都弘済会、財団法人ですよね、ここが受けていたわけです。それでも、その間に半分ぐらいに額が落ちたんだけれども、弘済会は頑張って引き下げて入札で勝ち残ったんですが、その後さらに入札額が落ちて、現在三千万円を切っていまして、ついに負けたわけです。東京都弘済会というのは、財団法人であることもあるんでしょうが、前はこの都庁舎の清掃で障害者も雇っていたんですが、それが維持できなくなったわけです、半分ぐらいに下がっちゃったから。さらに下がったので、結局、都庁関係の清掃、ほとんど仕事を失った。下水やそれから水道局の仕事もなくなって、ついにもう清掃事業から全面撤退するということで、ことし、全員解雇、百五十人の清掃部門、整理解雇を労働組合に提案したということで、総務部長にもお話を伺ったんですが、本当に身を切る思いだけれどもしようがないんだと。ほかの民間企業は全部アルバイトだから、とても正規雇用では太刀打ちできない、そういう実態になってきているんです。組合としても、労働者がほかの企業で生き残るためにはアルバイトにならなきゃならない。正規雇用で雇ってくれる清掃会社なんかもうどこにもない、そういう状態にまでなっているわけです。こうした事態をやっぱり東京都が率先して進めていいのかという問題として、改めて、契約条件に正規雇用を行っている会社などの条件を入れるような方向で検討できないものでしょうか、これは。 # 新田経理部長 新田経理部長今お話ございました清掃委託など、都が発注します業務委託契約におきましては、あくまでも、業務内容を仕様書、図面等に明示いたしまして、受託者におきましては、明示された業務内容を契約書に基づきまして適切に履行していただくというものでございまして、最終的には検査に合格することで履行が完了し、委託の目的が達成されるということになっております。入札契約の条件、これはなかなか厳しいものがございます。雇用形態など、企業内のマターに属します労働条件等につきまして、発注者として契約条件とするということで関与すること、これはなかなか適当でないというふうに考えております。 # 曽根委員 曽根委員今まで例が余りないのは事実です。しかし、清掃委託だということで、清掃のできぐあいはいろいろ検査するでしょう。だから、余り安く落とし過ぎたところは一回だめになった場合もあるというふうに聞いていますが、でも、ちゃんとやるように検査していけば、その面ではレベルは落ちないでしょう。しかし、最後は、そういう場合には労働者の賃金にしわ寄せがいっちゃうわけです。会社としての保険もない、国民健康保険と国民年金だけで雇われているという方が一生懸命仕事をしていますよ。だけれども、時給八百五十円だというんだから。そういう実態を都庁みずからつくり出しちゃいけない。同じ都庁で働いているのに、我々議員だとか都の職員の方々と十倍以上も賃金が違う、こんなことでいいのか。貴賤の差別はないといったって、現に差別が物すごくあるという実態があるわけで、そこは私、改めて、難しいことはいろいろあると思いますよ、隘路があるということはわかりますが、しかし、これからはやっぱり、きちんとした雇用を行っている会社がちゃんと正当な仕事をし、負託にこたえる仕事をするんだというルールをつくっていく必要があるということを強調したいと思います。きょうは内部努力問題についてちょっと質問したんですが、東京都の第一次、第二次プラン、さっきもいいましたけれども、血のにじむ努力というのはやっぱり都民や職員の犠牲の血だと思うんです。そういうことでもって財源をつくり出して、そして今、財源に余裕ができた。また、景気もよくなったので、大手を中心にして法人税もふえてきた。その財源がまた、ほかの自治体との関係で摩擦が問題にされているということだと思います。それで、反論ペーパーについても一問だけちょっとやっておきたいんですが、私、今回の「都市と地方の共倒れを招く『法人二税の格差是正策』に反論する」というこの文書で、中身で私たちがもっともだなと思う点ももちろんあります。それから、前回、私が指摘した東京の昼間流入人口の問題も新たに入れていただきました。ただ、結論がその前に、私たちの基本的な立場としては、一つは、やはり国の責任として考えるべきは、先ほどどなたかいいましたけれども、ナショナルミニマムとして最低限国が責任を持たなきゃならない義務教育費とか、それから福祉の補助金などについて大幅に削り込んだというこの間の財源調整、交付金の引き上げなどについてはもとに戻すべきだということと、同時に、それでもなおかつ、東京都の昼間人口など、その他の大都市需要を考えてもなお東京都が財政的にはやはり差がある、地方との間に。ここは、国の関与ではなく、自治体間の自主的な努力で調整をする方法をやはり協議していかなきゃならないということは、都税調を初めとして申し上げてきたので、それをまず申し上げておきたい。それに対して、東京都の結論なんですけれども、一七ページに、地方の自立を確立するために、小手先の対策ではなく、財政的に自立できるよう、消費税の税率の引き上げ、国と地方との配分についての抜本的検討に直ちに入ることというふうにあるんですが、少なくとも、東京都の自分の財源は手をつけられたくない、自分の懐は痛めたくない、そのために国民に対して新たな増税を求める。それも、かねてから申し上げているように、庶民の重い逆累進の消費税を第一に掲げるというのは全くの本末転倒で、こういう考え方が都民に受け入れられるというふうに考えているんでしょうか。 # 真田主計部長 真田主計部長消費税の問題ですから、税制度ですとか、あるいは税率とか、そういう問題に関することにつきましては、私ども、お答えする立場ではございませんので、私どもの立場とすれば、財政運営の観点からお答えしたいというふうに考えておりますけれども、今回の国の議論では、限られた地方税のパイの中で大都市の税を地方に回そうとしているけれども、そもそも地方税と地方交付税を合わせた一般財源ベースで見れば、既に偏在は交付税によって十分均衡されている。それにもかかわらず今地方が困っているというのは、その最大の原因は、国が三位一体改革の名のもとに交付税を大幅に削ったことにあるんだというふうに考えておりますので、まずはこれを国の責任で復元するというのが重要だというふうに考えております。ただ、本質的な問題である地方の自立に向けた検討をするに当たりましては、地方税財源の充実を真剣に考えるということをするならば、今の限られた地方税の中だけで議論していては、問題の本質的な解決にはならないんじゃないかというふうに考えておりまして、本質的な解決を検討するのであれば、地方税財源全体のパイをふやすことも視野に入れた検討が必要じゃないかというふうに考えていまして、そのための方策の一つとして、今回、消費税率の引き上げですとか、国と地方の配分の見直しとかいった方策を提言したものでございまして、そういう観点からこのくだりが出ておりますので、決して大都市の税源を守るためにそのことを提言したということではございませんので、ご理解いただきたいと思います。 # 曽根委員 曽根委員そうはいっても、前の方は全部、大都市財源をしっかり守るという話があって、最後に確かに交付税の問題もいっていますが、具体的な財源対策として、将来に向けて消費税、これは到底受け入れられませんよ。最近、新聞の方で世論調査をやって消費税の論議が出てきたものですから、社会保障財源に充てるといったって消費税増税に納得できないというのが五四%。増税で社会保障に対する反発だというふうに新聞にも書かれているぐらいで、ましてや、東京都の税財源を守るために、国民の皆さん、都民の皆さん、消費税で泣いてくださいなんて、どこが、おこがましくていえるかという問題だと思うんです。まして、今、原油の高騰で大変なわけです。私も今ちょっと原油高騰問題もいろいろ調べているんですけれども、とにかく商店街の中で、少ないところでも五%、多いところは二〇%から三〇%の資材値上げで転嫁は困難、商売をもうやめなきゃならないというところが続出しているわけです。こういうときにこういう消費税の話を持ち出すというのは、本当に都民のことを考えていないというふうに、この結論については全くいただけないということを申し上げておかなきゃなりません。以上で質問を終わります。 # 鈴木委員長 鈴木委員長ほかに発言がなければ、お諮りいたします。本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 鈴木委員長 鈴木委員長異議なしと認め、事務事業及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。以上で財務局関係を終わります。これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。午後三時四十七分散会
2024-03-31T11:23:17.505499Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/647540?Template=document&Id=5383#one
--- title: 平成19年財政委員会 名簿・議事日程 # 平成十九年十一月八日(木曜日)第二委員会室出席委員十三名委員長鈴木あきまさ君副委員長高倉良生君副委員長柿沢未途君理事西岡真一郎君理事秋田一郎君理事曽根はじめ君原田大君高木けい君宇田川聡史君野上ゆきえ君遠藤衛君東野秀平君桜井武君欠席委員一名出席説明員財務局局長村山寛司君経理部長新田洋平君主計部長真田正義君財産運用部長塚本直之君建築保全部長戸田敬里君参事岡沢裕君参事山本康友君会計管理局局長三枝修一君管理部長細野友希君警察・消防出納部長堀切喜久男君参事安藤弘志君本日の会議に付した事件会計管理局関係事務事業について(質疑)財務局関係報告事項(説明・質疑)・「都市と地方の共倒れを招く『法人二税の格差是正策』に反論する」について事務事業について(質疑)
2024-03-31T11:23:18.264506Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/647540?Template=document&Id=5382#one
--- title: 平成19年文教委員会 本文 # 午後一時開議 # 古館委員長 古館委員長ただいまから文教委員会を開会いたします。初めに、本委員会の今後の委員会日程について申し上げます。お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。次に、意見書について申し上げます。過日の委員会で理事会にご一任をいただきました意見書中、二件につきましては、お手元配布の案文のとおり調整いたしました。案文の朗読は省略いたします。国民生活センターの機能強化に関する意見書(案)近年、国民の消費生活を取り巻く環境は大きく変化している。悪質住宅リフォーム被害にみられるように、高齢者の生活基盤をも根底から危うくする深刻な消費者被害が多発している。また、幼児が指を切断するような痛ましい製品事故なども後を絶たない。商品表示の偽装や改ざんが露呈し、社会的信用を失墜させた老舗もある。もとより、消費者被害や事故が発生したときは、速やかに情報を収集・分析し、適切な対策を迅速に講ずることが求められているが、こうした危機的状況においては、国も地方自治体も、消費者保護対策を一層強化する必要がある。現在、国においては、独立行政法人改革を進めているが、国民生活センターの見直しに関しては、消費者保護を充実・強化するという観点から実施すべきである。よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、次の事項を実現するよう強く要請する。一消費者から相談を直接受け付ける窓口を存続し、相談情報等の分析を基に被害の拡大防止を図る観点から、早期に対処すべき事案について、迅速に措置できるよう必要な態勢を整えること。二全国の消費者センターとの連携を強化するため、情報収集の迅速化と範囲の拡大を図るほか、事業者と消費者との間に生じた紛争が早期に解決されるよう機能を整備すること。三公正・中立な立場から製品事故の原因を究明するため、商品テストの大幅な外部委託化の方針を転換し、商品テスト機能を強化する方向で適切な措置を講ずること。以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。平成十九年十二月日東京都議会議長比留間敏夫衆議院議長┐参議院議長|内閣総理大臣|総務大臣├あて経済産業大臣|国民生活担当大臣|行政改革担当大臣┘原油価格高騰への対応に関する意見書(案)政府は、原油価格高騰が国民生活や中小企業経営を圧迫しつつある現状を踏まえ、国の内外において多くの重要かつ困難な課題を抱えるなかで、本年十二月十一日に関係閣僚会議を開き、緊急対策の基本方針を速やかに決定した。しかしながら、この先も原油価格が高騰を続けることになれば、国民生活と地域経済に大きな影響を及ぼすことになり、日本経済全体の先行きにとっても極めて重大な問題が生じてくる。よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、次の事項を講ずるよう強く要請する。一国際原油市場の安定に向けた国際協調を推進すること。二資源・エネルギーの安定供給を確保すること。三食料品等の生活必需品の便乗値上げについて厳重に監視すること。四原油・石油製品及び鋼材の価格や供給の安定化を図ること。以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。平成十九年十二月日東京都議会議長比留間敏夫衆議院議長┐参議院議長|内閣総理大臣├あて総務大臣|経済産業大臣|経済財政政策担当大臣┘ # 古館委員長 古館委員長本件は、議長あて提出の手続をとりたいと思いますので、ご了承願います。なお、その他の意見書につきましては、調整がつかなかった旨、議長に報告すべきであるとの結論になりましたので、ご了承願います。 # 古館委員長 古館委員長本日は、お手元配布の会議日程のとおり、付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。これより付託議案の審査を行います。第百九十二号議案から第百九十七号議案までを一括して議題といたします。本案につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。この際、本案に対し発言の申し出がありますので、これを許します。 # 大山委員 大山委員私は、日本共産党を代表して、第百九十七号議案に反対、その他の議案には賛成する立場から意見を表明します。第百九十四号議案については、労使合意がなされていますので、賛成はします。しかし、この条例改定で指摘しなければならないのは、第一に休息時間の削除です。現在は、勤務時間四時間について、その勤務時間に含む十五分の休息時間を置かなければならないという規定になっているものをなくすことです。もう一つは、勤務時間が六時間を超える場合は四十五分だった休憩時間を、「少なくとも四十五分」と、「少なくとも」を入れたことです。休息時間がなくなったといっても、トイレや水分補給などの生理的な要求はいうまでもないことですが、くれぐれも抑えることにならないようにしなければなりません。同時に、勤務時間の問題です。ことしの都人事委員会勧告の人事制度及び勤務時間制度等に関する報告では、都内民間事業所における平均所定労働時間は、一日当たり七時間四十分、一週間当たり三十八時間二十九分だと報告し、国の人事院勧告では、民間準拠を基本に早期に職員の勤務時間を見直すことが適当であるとして、来年をめどに、行政サービスに支障を生じさせることがないよう勤務体制の整備等の具体的準備を行った上で勧告するとしていることも述べています。人事制度の位置づけからいっても、勤務時間についても民間準拠することは当然のことです。同じ報告の中に、都民サービス低下をしないように、また所要の環境整備を含めて検討していくとありますが、それも当然のことです。都民サービスの低下をしないように勤務時間を短縮するためには、人員増などの整備は当然のことといえます。早期に所要の環境整備を行い、勤務時間も民間準拠できるようにしていくことを求めておきます。同時に、指摘しなければならないことは、学校の現場では、教員が休憩時間も満足にとれない状況があるということです。文科省が昨年七月から十二月にかけて調査した全国の公立小中学校の教員への調査によれば、一日当たりの休息、休憩の平均取得時間は約十分、夏休みでもやっと四十五分です。休息、休憩時間、勤務時間の検討なら、こうした実態を解決することこそ必要です。教員の多忙化を解消するための条件整備をしていくことも強く求めます。第百九十七号議案は、学校医等の公務災害の補償に関する条例の改定でありますが、第一子、第二子については減額、第三子はわずかに増額ですが、圧倒的に該当が多い第一子、第二子の分を減額する理由は全くありませんので、反対です。以上です。 # 古館委員長 古館委員長発言は終わりました。これより採決を行います。初めに、第百九十七号議案を採決いたします。本案は、起立により採決いたします。本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立を願います。〔賛成者起立〕 # 古館委員長 古館委員長起立多数と認めます。よって、第百九十七号議案は原案のとおり決定いたしました。次に、第百九十二号議案から第百九十六号議案までを一括して採決いたします。お諮りいたします。本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 古館委員長 古館委員長異議なしと認めます。よって、第百九十二号議案から第百九十六号議案までは、いずれも原案のとおり決定いたしました。以上で付託議案の審査を終わります。 # 古館委員長 古館委員長次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 古館委員長 古館委員長異議なしと認め、そのように決定いたしました。 # 古館委員長 古館委員長この際、所管二局を代表いたしまして、中村教育長から発言を求められておりますので、これを許します。 # 中村教育長 中村教育長所管両局を代表いたしまして、ごあいさつをさせていただきます。本定例会にご提案申し上げておりました議案等につきまして、ご審議、ご決定をいただき、まことにありがとうございました。ご審議の過程で賜りました貴重なご意見、ご要望等を踏まえまして、これからの事業執行に万全を期してまいります。簡単ではございますが、御礼の言葉とさせていただきます。ありがとうございました。 # 古館委員長 古館委員長発言は終わりました。以上をもちまして本日の委員会を閉会いたします。午後一時八分散会
2024-03-31T11:23:19.270277Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/538855?Template=document&Id=6469#one
--- title: 平成19年文教委員会 名簿・議事日程 # 平成十九年十二月十七日(月曜日)第三委員会室出席委員十四名委員長古館和憲君副委員長早坂義弘君副委員長門脇ふみよし君理事吉原修君理事斉藤あつし君理事石川芳昭君伊藤ゆう君松葉多美子君中山信行君伊藤まさき君鈴木一光君古賀俊昭君大山とも子君服部ゆくお君欠席委員なし出席説明員生活文化スポーツ局局長渡辺日佐夫君次長三橋昇君総務部長高西新子君教育庁教育長中村正彦君総務部長志賀敏和君本日の会議に付した事件意見書について付託議案の審査(決定)・第百九十二号議案東京都育英資金条例の一部を改正する条例・第百九十三号議案東京都私立学校教育助成条例の一部を改正する条例・第百九十四号議案学校職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例・第百九十五号議案学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例・第百九十六号議案都立学校等に勤務する講師の報酬等に関する条例の一部を改正する条例・第百九十七号議案都立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例請願陳情の継続審査について特定事件の継続調査について
2024-03-31T11:23:20.255920Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/538855?Template=document&Id=6468#one
--- title: 平成19年文教委員会 本文 # 午後一時二分開議 # 古館委員長 古館委員長ただいまから文教委員会を開会いたします。初めに、意見書について申し上げます。委員から、お手元配布のとおり、意見書五件を提出したい旨の申し出がありました。お諮りいたします。本件につきましては、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ございませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 古館委員長 古館委員長異議なしと認め、そのように決定いたしました。 # 古館委員長 古館委員長本日は、お手元配布の会議日程のとおり、生活文化スポーツ局、教育庁関係の付託議案の審査並びに教育庁関係の報告事項に対する質疑及び請願陳情審査を行います。それでは、これより生活文化スポーツ局関係に入ります。付託議案の審査を行います。第百九十二号議案及び第百九十三号議案を一括して議題といたします。本案につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。ご発言を願います。〔「なし」と呼ぶ者あり〕 # 古館委員長 古館委員長発言がなければ、お諮りいたします。本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 古館委員長 古館委員長異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。以上で生活文化スポーツ局関係を終わります。 # 古館委員長 古館委員長これより教育庁関係に入ります。初めに、付託議案の審査を行います。第百九十四号議案から第百九十七号議案までを一括して議題といたします。本案につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。ご発言を願います。〔「なし」と呼ぶ者あり〕 # 古館委員長 古館委員長発言がなければ、お諮りいたします。本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 古館委員長 古館委員長異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。 # 古館委員長 古館委員長次に、報告事項、東京都特別支援教育推進計画第二次実施計画についてに対する質疑及び請願陳情審査を行います。本件については、いずれも関連がありますので、質疑をあわせて行いたいと思います。ご了承願います。報告事項につきましては、既に説明を聴取しております。その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。資料について理事者の説明を求めます。 # 志賀総務部長 志賀総務部長去る十一月二十九日の当委員会において要求のございました資料につきまして、ご説明申し上げます。お手元の文教委員会要求資料の一ページをお開き願います。今回要求のございました資料は、東京都特別支援教育推進計画第二次実施計画におけるパブリックコメントの反映等についてでございます。本年七月に公表した東京都特別支援教育推進計画第二次実施計画骨子案に対し、都民の皆様からいただいたパブリックコメントにつきまして、主なご意見、主な提出者の属性、現状または第二次実施計画との関係及びその反映状況について、お示ししてございます。以上、簡単ではございますが、要求のありました資料の説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。 # 古館委員長 古館委員長説明は終わりました。次に、請願一七第一七一号、請願一九第九五号、陳情一九第五一号は内容に関連がありますので、一括して議題といたします。理事者の説明を求めます。 # 荒屋特別支援教育推進担当部長 荒屋特別支援教育推進担当部長一七第一七一号、障害児学校寄宿舎の統廃合に反対し、寄宿舎の充実を求めることに関する請願、一九第九五号、障害児の自立を育む寄宿舎の存続・発展を求めることに関する請願、一九第五一号、東京都の心身障害教育の充実に関する陳情について、ご説明申し上げます。最初に、一七第一七一号、障害児学校寄宿舎の統廃合に反対し、寄宿舎の充実を求めることに関する請願について、ご説明申し上げます。本請願は、江戸川区の東京都寄宿舎連絡会世話人代表市川光昭さん外一万五千四百七十五名から提出されたものでございます。本請願の趣旨は、障害児学校寄宿舎に関して、次のことを実現していただきたいというもので、まず、1、教育的意義、役割を認め、統廃合を行わないことでございます。これに関する現在の状況でございますが、都教育委員会は、平成十六年十一月に、東京都特別支援教育推進計画を発表し、寄宿舎の適正な規模と配置において、計画策定時十一舎の寄宿舎を五舎にすることを計画し、第一次実施計画では、青鳥養護学校と八王子養護学校の寄宿舎を、また、第二次実施計画においては、立川ろう学校と江戸川養護学校の寄宿舎を再編整備の対象としたところでございます。次に、2、入舎理由を通学困難に限定せずに、従来どおり、通学困難、家庭事情、教育的理由による入舎を認めることでございます。これに関する現在の状況でございますが、寄宿舎の管理運営に関する規則は昭和三十二年に制定されたものであり、現在とは社会情勢が異なっており、通学困難のほか、家庭の事情、教育上入舎による入舎を認めてきた経緯があります。しかし、社会情勢等の変化に伴い、寄宿舎の入舎実態も大きく変化してきたことから、平成十八年度に、入舎理由を本来の設置目的である通学困難に限定する見直しを行い、教育上入舎を削除しました。なお、通学困難の場合には、家族に複数の障害児や障害者がいたり、保護者が長期の病気や家族の介護等の理由により通学の付き添いが困難であり、かつ長期的で継続的な場合等も含まれます。次に、3、生徒が安心して寄宿舎生活を送れるよう、寄宿舎指導員の増員と施設設備の改善を行うことでございます。これに関する現在の状況でございますが、特別支援学校の寄宿舎指導員の定数については、国の基準に基づき、寄宿舎の収容定員を基礎として、必要数を配置しているところでございます。また、寄宿舎の施設設備については、必要な改善を行っているところでございます。次に、一九第九五号、障害児の自立を育む寄宿舎の存続・発展を求めることに関する請願について、ご説明申し上げます。本請願は、新宿区の東京都寄宿舎連絡会世話人代表松田悦郎さん外一万七千七百一名から提出されたものでございます。本請願の趣旨は、障害児の自立をはぐくむ寄宿舎に関して、次のことを実現していただきたいというもので、1、江戸川養護学校、立川ろう学校の寄宿舎を廃舎しないことと、2、入舎理由を通学困難に限定せず、今までどおり、家庭の事情、教育的理由による入舎を認めることにつきましては、先ほどの一七第一七一号と重複いたしますので、説明を省略させていただきます。次に、3、八王子盲学校、八王子養護学校の子どもたちが安全に寄宿舎生活を送れるように、障害種別に対応した八王子養護学校の寄宿舎利用ができるようにすることでございます。これに関する現在の状況でございますが、八王子盲学校の寄宿舎と八王子養護学校の寄宿舎の組織統合をしていくに当たっては、児童生徒等にとっての施設設備の安全性及び機能性等を十分に確保していくことを前提としています。次に、4、平成二十七年度までに十一の寄宿舎を五舎に減らす計画を見直すことでございます。これに関する現在の状況でございますが、都教育委員会は、これまで、特別支援学校の設置やスクールバスの整備を図りながら、通学困難の解消に努めてきました。さらに、公共交通機関の発達などにより、通学困難を理由とする寄宿舎への入舎は、平成十五年度では全体の五・一%であり、また入舎生も減少しており、平成十五年当時の年間宿泊率は三八・八%の状況にありました。今後も、特別支援学校の適正な配置やスクールバスの一層の整備により、入舎生の減少が見込まれることから、寄宿舎の規模と配置の適正化を図っていくものでございます。なお、将来的にも、各障害に対応した受け入れは維持することから、入舎基準に該当する障害のある児童生徒等の寄宿舎への入舎は確保してまいります。次に、一九第五一号、東京都の心身障害教育の充実に関する陳情について、ご説明申し上げます。本陳情は、大田区の障害をもつ子どものグループ連絡会代表矢澤健司さん外千百二名から提出されたものでございます。本陳情の趣旨は、都において、次のことを実現していただきたいというもので、まず、1、特別支援学校及び特別支援学級の大規模学級を解消するため、学級を新増設すること、2、都として考える特別支援学校及び特別支援学級の適正規模を障害別に示すこと、4、特別支援学校の過密教室を解消するため、地域に普通科の養護学校を新増設することでございます。これに関する現在の状況でございますが、都教育委員会は、児童生徒の実態を踏まえ、東京都特別支援教育推進計画第一次実施計画に基づき、既存の知的障害特別支援学校の十二校において、普通教室を確保するための増改修工事を行うこととしています。また、知的障害が軽い生徒を対象とした永福学園養護学校を初め、知的障害特別支援学校を六校設置するとともに、肢体不自由特別支援学校においても、知的障害が軽い生徒を対象とした特別支援学校高等部に肢体不自由教育部門を併置する形で、二校設置することとしています。さらに、第二次実施計画においても、同様に特別支援学校の設置及び増改修を進めるなど、学校の適正な規模と配置に努めているところでございます。なお、区市町村立学校における特別支援学級の設置運営は、設置者である区市町村の教育委員会が行っているところでございます。次に、3、心身障害学級を新設する区市町村に対し、指導及び援助をすること、5、障害児教育システムをさらに充実させるため、特別支援学級の複数担任の原則を守り、通級指導学級の学級編制基準を維持、継続、発展させることでございます。これに関する現在の状況でございますが、小中学校の特別支援学級の設置運営は、設置者である区市町村の教育委員会が行っているところであります。なお、都教育委員会は、特別支援学級及び通級指導学級について、都独自の学級編制や教員配置基準の設定を行い、教員を配置しております。次に、6、特別支援教育コーディネーターの教員を加配することでございます。これに関する現在の状況でございますが、小中学校において特別支援教育を適切に推進していくためには、すべての教員が軽度の発達障害を理解し、協力してその指導や支援に当たることが重要であり、国においても、特別支援教育コーディネーターを専任として配置する考えをとっておりません。都教育委員会では、国の特別支援学校におけるセンター的機能充実のための教員配置計画を踏まえ、平成十九年度から、特別支援学校に対して、特別支援教育コーディネーターなど、小中学校への巡回指導等を行う教員の持ち時数軽減を目的とした非常勤講師時数を措置しており、今後とも、特別支援学校のセンター的機能充実のための体制整備を図ってまいります。次に、7、後期中等教育を充実させるため、軽度発達障害児の進路先を保障すること、8、都立高等学校に心身障害学級を設置するなど、中学校卒業後の進路の選択肢をふやすことでございます。これに関する現在の状況でございますが、都教育委員会では、チャレンジスクールなどさまざまな新しいタイプの高校を設置して、軽度の発達障害のある生徒を含め、多様な生徒を受け入れるとともに、スクールカウンセラーの配置や精神科医による学校保健活動支援事業などによる、軽度の発達障害のある生徒などに対する支援を行っています。また、東京都特別支援教育推進計画に基づき、本年四月には、知的障害が軽い生徒を対象とした特別支援学校として永福学園養護学校が開校したところであります。今後も順次、同様の学校を設置していく予定でございます。なお、特別支援学校の教育の対象となる児童生徒については、高等部への希望者全員の入学を実施しているところでございます。次に、9、養護教員を三年から六年の短期間で強制的に異動させないことでございます。これに関する現在の状況でございますが、教員の異動については、平成十五年度に異動要綱を改正し、学校経営方針を踏まえた校長の人事構想に基づき異動を行うこととしました。改正異動要綱では、現任校において引き続き三年以上勤務する者を異動の対象とし、勤務年数が六年に達した者は異動するものとしていますが、校長の具申及び区市町村教育委員会の内申に基づき、学校経営上引き続き勤務させる必要があると都教育委員会が認めた者については、異動の対象としないなどの柔軟な対応を行っているところでございます。次に、10、特別支援教育を充実するため、小中高等学校の三十人以下学級を早期に実現することでございます。これに関する現在の状況でございますが、都教育委員会では、教科等の特性に応じて、習熟度別学習集団など、学級とは異なる多様な学習集団が編制できるよう、少人数指導の充実に努め、教育の向上を図っているところでございます。児童生徒が社会性を養うための教育効果の観点からは、生活集団としての学級に一定規模が必要であると考えており、学級編制基準は国の標準である四十人としております。説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。 # 古館委員長 古館委員長説明は終わりました。これより、先ほどの資料を含めまして、報告事項及び請願陳情に対する質疑を一括して行います。ご発言を願います。 # 早坂委員 早坂委員東京都特別支援教育推進計画第二次実施計画について伺います。特別支援教育は、学校、保護者、支援を受けている関係機関との三者間での連携や特別支援学校と小中学校などの学校間の連携など、さまざまな関係諸機関との連携を図っていくことが重要であります。第一次実施計画では、連携体制を築くため、各区市町村の教育機関と福祉、保健などの機関が連携する特別支援プロジェクトのモデル事業を実施し、昨年度末に報告書が発表されました。その後の各区市町村における特別支援プロジェクトの取り組み状況について伺います。 # 荒屋特別支援教育推進担当部長 荒屋特別支援教育推進担当部長特別支援プロジェクトは、就学に向けての連携体制についてモデル事業を実施し、その成果についての報告書を都内の区市町村に配布し、周知を図ってきたところであります。これを受けて、十九年度は、清瀬市、町田市などがモデル事業を参考に、就学前支援などで連携支援体制を充実させてきた経緯があります。今後も、各区市における特別支援プロジェクトの事業が推進するよう、区市への情報提供など、推進を図ってまいりたいと思います。 # 早坂委員 早坂委員平成十六年の第一次実施計画策定後、障害者に関する法改正が行われました。十七年に発達障害者支援法、十八年には障害者自立支援法が施行され、障害者に対する支援体制の充実が図られてきました。今回発表された第二次実施計画では、障害者福祉施策における法改正も視野に入れ、第一次実施計画とは異なった、新しい関係諸機関との連携が盛り込まれております。そこでまず、第二次実施計画での新たな連携の基本的な考え方について伺います。 # 荒屋特別支援教育推進担当部長 荒屋特別支援教育推進担当部長障害者自立支援法の施行により、障害者に対する支援は、一人一人の障害に応じた個別の支援計画に基づき、区市町村が実施主体となって行うこととなっております。第二次実施計画では、特別支援教育において、障害のある児童生徒に対し、関係機関が連携して、乳幼児期から学校卒業までの成長段階に応じた支援について取り組むこととしております。具体的には、就学前及び卒業時における関係諸機関との連携を図ることといたしました。就学前においては、保健所、保育所、幼稚園などとの連携、また高等部卒業時においては、一般就労や福祉作業所などへの移行を円滑にするため、学校と関係諸機関との連携を図っていくこととしております。 # 早坂委員 早坂委員就学前における保育所、幼稚園との連携は、第二次実施計画で初めて示された計画であります。これはどのような背景で今回計画に入ったのか、伺います。 # 荒屋特別支援教育推進担当部長 荒屋特別支援教育推進担当部長学校教育法の一部改正を受け、本年度から、幼稚園、高等学校においても特別支援教育を行うこととなっております。これを受けまして、都教育委員会は、これまでの小学校、中学校に加え、高等学校、中等教育学校及び幼稚園、さらに保育所においても、該当する児童生徒及び幼児に対し、障害による学習上または生活上の困難を克服するための支援を行うための連携に取り組むことといたしております。 # 早坂委員 早坂委員保育所、幼稚園への支援についてですが、例えば幼稚園を考えると、東京都の場合、幼稚園のほとんどが私立幼稚園という現状があります。私立幼稚園と公立幼稚園との比率は現在どのようになっているのか、伺います。 # 荒屋特別支援教育推進担当部長 荒屋特別支援教育推進担当部長平成十八年度の学校基本調査によりますと、学校数では、国公私立全体で千九十五校、うち私立幼稚園が八百七十校、七九・五%、幼児数では、国公私立全体で十七万八千八百五十人、うち私立幼稚園が十六万三千百十人、九一・二%となっております。 # 早坂委員 早坂委員ただいまのご答弁にもありましたが、園児数でいえば九割以上が私立幼稚園に通っているという状況であります。第二次実施計画での就学前における関係諸機関との連携についてですが、東京都教育委員会は、幼稚園への支援は具体的にどのような内容を計画しているのでしょうか。また、その支援対象には私立幼稚園への支援も当然含まれていると考えます。お伺いいたします。 # 荒屋特別支援教育推進担当部長 荒屋特別支援教育推進担当部長都教育委員会といたしましては、私立幼稚園も支援対象として考えております。具体的には、就学支援シートの利活用などの情報提供や幼稚園の教諭や保育所の保育士を対象とした特別支援教育に関する講習会を行うことなどの支援を考えております。なお、二十年度には関係者による検討委員会を発足し、連携内容の検討を行っていく予定でございます。 # 早坂委員 早坂委員私立幼稚園の所管は、私学助成の事業など生活文化スポーツ局の所管であると理解しています。今後、私立幼稚園への支援の仕方も、教育庁と生活文化スポーツ局の両局が所管するとなると、現在の体制の中では、教育庁ができる支援にはおのずと制約が出てくるかと思います。ご見解を伺います。 # 荒屋特別支援教育推進担当部長 荒屋特別支援教育推進担当部長二十年度に設置を予定している検討委員会には、医療や保健所、保育所を所管する福祉保健局や私立幼稚園を所管する生活文化スポーツ局の関係者も委員とすることを予定しております。検討委員会は、学齢期に向けて、乳幼児期から就学前までの情報や支援の内容を円滑につなげていくため、関係機関の連携体制を構築することを目指しております。 # 早坂委員 早坂委員保育所、幼稚園に対する新たな連携については、二十年度に検討委員会を立ち上げるということでありますが、既に第二次実施計画は公表、発表され、都民に広く周知されております。今後、私立幼稚園の保護者や関係者などからは、東京都教育委員会が私立幼稚園への連携支援を始めてくれるといった期待感を持たれて、さまざまな問い合わせがあるのだろうと思います。今回、第二次実施計画で考えられている保育園、幼稚園との連携については、先ほど就学支援シートの利用、活用などの情報提供や特別支援コーディネーターによる講習会への参加といった内容のご答弁がありました。現実には、私立幼稚園や保育所にも発達障害の子どもたちが通園しております。そうした子どもたちへの具体的な支援についても、ぜひご検討をお願いいたします。今後、生活文化スポーツ局、福祉保健局とも連携を図っていかれるとのことですが、我が党としては、教育庁が主体となって臨んでいただきたいと思います。今後立ち上げる検討委員会では、団体などの意見も聴取しながら、ぜひ実効性のある新たな連携体制を確立していただきたいと思います。ご決意を伺います。 # 荒屋特別支援教育推進担当部長 荒屋特別支援教育推進担当部長特別支援教育の必要な幼児にとっては、早期からの発見や適切な指導が重要であり、そのことは保護者にとっても関心の高いことでございます。都教育委員会では、検討委員会を推進するに当たっては、幼児の育成にかかわる都の関係局を初め、関係団体との十分な調整を図りながら進めてまいる決意でございます。 # 伊藤(ま)委員 伊藤(ま)委員まず、寄宿舎についてお伺いをしたいと思います。今回、この委員会には二つの請願が出されておりますけれども、第二次実施計画において、寄宿舎の適正な規模と配置として、立川ろう学校、江戸川養護学校の寄宿舎を閉舎するという記述がなされております。既に、第一次計画におきまして入舎基準の改正が行われ、入舎理由は、島しょ地区の生徒、九十分以上の通学時間、視聴覚障害、保護者の病気などの通学困難に限定され、さらに、青鳥養護学校を閉舎、八王子養護学校も閉舎となります。これまでの都の説明では、各障害種別一舎ずつ寄宿舎を置くということがいわれてきたと記憶をいたしますけれども、今回、立川ろう学校の寄宿舎が閉舎となることで、親御さんたちからすると、今までの説明と違う、だまされたという思いがあるんだろうと思います。かわって葛飾盲学校の寄宿舎を視聴覚障害との共用にするということで、都としては、一障害一舎は確保しているということなんだろうと思いますけれども、説明不足の感は否めないと思います。今後、計画完成時までにさらに配置を見直していくというお考えのようですが、このように都に対する不信感が募ることは好ましいことではございません。誠意ある説明をし、不安が募る保護者の立場に立って事業を推進していただきたいというふうに思いますが、どのように取り組むんでしょうか。また、閉舎をされて、一舎となったとき、寄宿舎を必要とする場合に必ず入舎ができるようにしなければならないと思います。もう寄宿舎が足りないから入れないんだということは避けなければいけないと思いますが、ご答弁をお願いします。 # 荒屋特別支援教育推進担当部長 荒屋特別支援教育推進担当部長東京都特別支援教育推進計画において、寄宿舎につきましては、一、各障害種部門の寄宿舎を配置すること、二、複数の障害種部門を併置する設置形態を導入していくことなどを基本的な考え方としております。既に、第一次実施計画では、知的障害部門の運営を八王子盲学校の寄宿舎で一括して行うことを明記しており、計画どおり実施してきております。第二次実施計画におきましても、改めて八王子盲学校寄宿舎を視覚障害と知的障害の児童生徒を受け入れる寄宿舎とし、また、葛飾盲学校寄宿舎を視覚障害と聴覚障害の児童生徒を受け入れる寄宿舎としていくことを明記しております。寄宿舎の適正な配置に当たりましては、保護者に誠意ある説明を行うとともに、都教育委員会としては、今後とも、通学困難な事情のあるすべての入舎生を受け入れていく方針に変わりはございません。 # 伊藤(ま)委員 伊藤(ま)委員都は従来、教育入舎などについては、その機能を寄宿舎の入舎生だけに限定せず、全都の生徒に自立に向けた生活訓練を行う必要があるとして、入舎基準を改正いたしました。親御さんたちが寄宿舎をなくさないでほしいとおっしゃる理由の一つとしては、その教育効果があるわけですが、私たちとしても、学校卒業後の自立した生活に向けて、この点は非常に重要であり、さらに充実をしていただきたいと思います。第二次実施計画の策定を受けて、今後のこういったことの取り組みについて、お伺いします。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長特別支援学校に通うすべての児童生徒にとって、社会的自立に向けて、基本的生活習慣の確立や集団生活のマナーの習得などの生活訓練は不可欠でございます。こうした生活訓練につきましては、寄宿舎の有無にかかわらず、従前から、すべての特別支援学校において、計画的、継続的に指導を行ってきております。今後とも、校内の施設設備を活用した日常生活の指導や宿泊行事等の内容の一層の充実を図りまして、児童生徒一人一人の自立と社会参加に向けた指導を行ってまいります。 # 伊藤(ま)委員 伊藤(ま)委員ぜひともしっかりやっていただきたいと思います。最近では、ノーマライゼーション社会の実現に向けて、労働分野では障害者の欠格条項の見直し、特例子会社の増加、障害者の雇用促進や安定就労を支援するジョブコーチ、障害者の法定雇用率達成に向けた取り組みも行われております。私が文京盲学校におじゃまをした際に伺ったんですけれども、ヘルスキーパーという新しい職種で、日本IBMなど大企業に就職をされる生徒さんもいらっしゃるということで、社会の意識も大分変わってきているんだなと感じました。福祉の分野では、重度障害者のグループホームが開設をされるなど、従来では考えられなかったような障害の重い方の自立生活も実現しており、地域活動への参加、ホームヘルプサービスの供給拡大など、自立と社会参加に向けた支援が実施をされております。まだまだ十分とはいえないかもしれませんけれども、障害があっても、自分なりに自立して生活をしていく道が開かれてきております。意識の高い企業との協力連携を行うとともに、さらにこうした理解者、協力者をふやし、社会全体が障害者とともに生きていくという社会になるように、都立の特別支援学校の担う役割は非常に大きいと思いますので、その責任を自覚し、さらにしっかりと取り組んでいただきますようお願いをいたします。続きまして、第二次実施計画のうち、早期支援の連携について、特に私立幼稚園との連携に絞って、何点か質問をしたいと思います。先般、ちょうど先月でありましたけれども、私、ある葛飾区の私立幼稚園へ視察に行ってまいりました。大体百人ぐらいの児童さんが元気いっぱいに教育を受けておりましたけれども、園長先生のお話によりますと、その中の数名は、軽度、重度、いろいろあるんですけれども、発達障害だろうということで、大変その対応に苦慮しているというお話を伺いました。現に、これは区議会の要望でありますけれども、葛飾区では、現在、子ども発達センターという区立の施設があるんですけれども、このセンターから私立幼稚園に対して、訪問相談事業、心理の専門家だとか療法の専門家が派遣をされているんですけれども、この数が少ないので、ぜひとも充実をしてもらいたいという具体的な内容なんですけれども、こういうお話を実際に伺いました。そして、それと時を同じくして、今回のこの二次実施計画が発表されて、入り口論として、十分な支援がなかった部分に東京都が乗り出すということについては、大変高い評価をしたいと思いますし、こうした関係者の期待というものがかなり高いというふうに思っております。具体的には、先ほどもありましたけれども、就学前の連携ということで、幼稚園や保育所と連携を図るというものでございますけれども、現在、私立幼稚園、保育所との連携として、都教委としてどのような連携事業を行っているんでしょうか。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長本年十一月に、私立幼稚園や保育所にも参加を呼びかけまして、個別の教育支援計画講習会を実施いたしました。講習会では、幼稚園などでの支援の情報を就学先の学校に引き継ぐための就学支援シートの説明を行いました。また、当日、パネルディスカッションを行い、私立幼稚園長もパネラーとなりまして、就学支援に関する協議を深めることができました。 # 伊藤(ま)委員 伊藤(ま)委員恐らくこうした取り組みは初めてなんだろうと思います。先月やったばかりということでございますけれども、その講習会には、私立幼稚園の教諭や、当然保育所の保育士さんも参加されたと思いますが、どれぐらいの参加があったんでしょうか。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長講習会には、各校種の教員や保育士等、合計七百二十四名の参加がございました。そのうち私立幼稚園の教員や保育所の保育士の参加は百六十六名でございました。 # 伊藤(ま)委員 伊藤(ま)委員初めての講習会ということでありましたけれども、かなりの参加があったんじゃないかなというふうに私は感じます。地元の園長の話とあわせて考えますと、私立幼稚園などの教諭が現実に発達障害の児童への対応などにさまざまな問題を抱えていると思いますが、都教委に対して、同じようにしっかりとした支援をしてもらいたいという思いを持っておられる方がたくさんいるんだということだと思います。そこで、現実には、先ほどの答弁でも、初めて私立幼稚園の教諭や保育所の保育士が参加されたということで、まだまだ私立幼稚園への支援は始まったばかりでありますが、例えば現在、先ほど葛飾区の例を取り上げましたけれども、区立の小学校、中学校に都の特別支援学校の教諭がコーディネーターとして巡回をして、支援をしているという実態が現にございます。こういった支援をぜひとも幼稚園でも実施をして、幼稚園の教諭を支援するということは、新たな支援施策として考えられないんでしょうか。 # 荒屋特別支援教育推進担当部長 荒屋特別支援教育推進担当部長都教委が私立幼稚園に対して行う具体的な支援としては、就学支援シートの利活用などの情報提供を幼稚園の教諭を対象に実施することや、講習会への参加などを現在考えているところでございます。 # 伊藤(ま)委員 伊藤(ま)委員ただいま主に情報提供というご答弁だったと思いますが、現実的には、例えば私立幼稚園の児童を対象に都教委が予算措置をすることができるのかということも、恐らく内部で問題になっているんじゃないかなというふうに思いますが、先ほど部長の答弁がありましたように、今千九十五、公立、私立あわせて幼稚園があるわけでありますが、先ほど八百七十ということでありましたけれども、正確には、募集停止をしている幼稚園もありますので、八百四十程度と、先ほど生活文化スポーツ局に問い合わせましたけれども、実際これだけの公私間の格差と申しましょうか、九割以上の児童が私立幼稚園に通っているという実態があるわけでありますし、その子どもたちが将来は公立の小学校に行ったりとか、または都立の特別支援学校に入学あるいは就学をするということを考えますと、やはりここにもしっかりとした手当てをしていく必要があるというふうに思いますし、第二次実施計画でもはっきりと、就学前における支援は極めて重要なことであるという認識もされているわけでございますので、そういった意味からいえば、今までにない新しい仕組みづくりが必要だと考えます。今後、二十年度に設置をされます検討委員会でぜひとも検討するべき内容だと考えますが、これは要望にとどめておきたいと思います。それで、この検討委員会のスケジュールとまた検討内容について、どのようになっているんでしょうか。 # 荒屋特別支援教育推進担当部長 荒屋特別支援教育推進担当部長検討委員会につきましては、委員の人選や検討内容について、関係局や関係機関との調整を進めながら、二十年度じゅうに開催してまいる予定でございます。 # 伊藤(ま)委員 伊藤(ま)委員二十年度に設置をするこの検討委員会で、今いろいろと議論をしているということでありますが、生活文化スポーツ局だとか福祉保健局など、都庁内でのほかの局の参加者も募るということでありますけれども、就学前の児童への支援など、特別支援教育関係は恐らく教育庁の所管になるんだろうと思いますけれども、現在私学関係は、補助金など生活文化スポーツ局の所管ということでありますし、たまたまこれは文教委員会で、両方の局で質疑をすることができますけれども、やはり教育庁でまとめていただいて、きちんと議会のチェックが入るように、そこら辺の交通整理もなるべく早くしていただいて、そして、二十年度にやるんだ、だからいいんだということじゃなくて、現に現場で困っているわけでありますから、ぜひともなるべく前倒しをして、こういったものができるように強く要望して、私の質問を終わります。 # 中山委員 中山委員初めに、寄宿舎について質問させていただきます。平成十八年十二月に寄宿舎の利用条件を通学困難に限ると改定し、第二次実施計画の五〇ページに、平成十九年から定められた新しい入舎基準が掲載されております。その中で、新しい入舎基準のイの常に九十分以上の通学に当たる理由につきましては、第一次実施計画の中で、通学バスの所要時間の改善も実施されて、その理由で入舎する児童生徒は、経過措置もあるのかもしれませんが、実質的に解消しているというふうに伺っているところでございます。こうした中で、平成十九年現在で十舎ある寄宿舎を、今後、平成二十七年までに順次減らし、五舎にする方針が第二次計画の中で記されていますが、せっかく存在する寄宿舎という教育財産をどのように活用していくのか、障害児教育の関係者のみならず、少なからず都民の関心が寄せられているところであります。そこで、閉舎後の寄宿舎施設の活用方策はあるのか、また、寄宿舎の従来とは異なる新たな活用方策はあるのか、お伺いいたします。 # 荒屋特別支援教育推進担当部長 荒屋特別支援教育推進担当部長閉舎する寄宿舎施設につきましては、一部を普通教室や特別教室への転用または生活訓練室として整備するなど、障害のある児童生徒のために有効に活用してまいります。また、寄宿舎の新たな活用方策として、寄宿舎を設置している特別支援学校のみならず、寄宿舎を設置していない特別支援学校の児童生徒も、長期休業期間中に寄宿舎を活用できるようにするなど、弾力的な活用を推進してまいります。長期休業中の寄宿舎の活用の事業は、本年度から試行しているところでございます。 # 中山委員 中山委員特別支援学校におきまして、閉舎する寄宿舎の一部を普通教室や特別教室へ転用することが学校の教育効果を上げることにつながるのであれば、それはそれで結構なことだと思います。しかし、障害がある生徒の学校卒業後の就労を促進していくためには、職業技術の習得とともに、一般社会での生活に必要な基本的生活習慣の確立や集団生活におけるマナーの習得を図れるような指導が必要でございます。私は、第二次計画の一八ページに記されている、自立と参加に向けての小学部からのキャリア教育を含む職業教育の充実という視点こそが、今回の第二次実施計画の最も重要なポイントの一つであると考えております。さきの十八年度決算特別委員会の分科会で、私は、我が会派の同僚議員と視察に訪れました三重県名張市のブリヂストン化成品製造株式会社の障害者雇用の模様を紹介して、福祉保健局に取り組みの促進を求めました。詳細は重なりますので、割愛させていただきますけれども、法定雇用率一・八%のところを四%から八%常時達成しておりまして、常用雇用の中で十数万円程度の賃金を、重度も含む知的障害者の方が得ていらっしゃる。その製品も、トヨタという世界最高水準の会社に納める製品を立派につくっていらっしゃるという取り組みをされております。その関係者のお話では、技術的なことは会社に入ってから、会社の中で、技術工程というものを障害者向けに組み直すというようなことをすれば、これはかなり教えられるけれども、生活態度、自分で生活できる、自立できる、自分のことは自分でできるという生活の訓練というものは、会社に就労する前の段階で非常に大事だ、そういうものが身についていらっしゃる障害者の方がいらっしゃれば、もっともっと雇用していきたいというようなことを、会社の関係者の方もおっしゃっておられました。そのためには、寄宿舎施設などを活用した生活訓練などがより一層取り組まれるようにあるべきだと思いますが、その点はいかがでございましょうか。 # 荒屋特別支援教育推進担当部長 荒屋特別支援教育推進担当部長障害のある生徒の就労を促進していくためには、学校の教育活動全体を通じて、障害に基づく種々の困難を改善、克服するための自立活動の指導や、あいさつや衣服の着脱などの日常生活の指導を充実するとともに、ご指摘のように、宿泊体験を通して基本的な生活習慣や集団生活におけるマナーを習得することが大切であります。そのために、寄宿舎や生活訓練室を活用した校内宿泊や移動教室などの校外宿泊のあり方を工夫し、障害のある生徒の社会的自立を図ることのできる力を育成してまいります。例えば、寄宿舎や生活訓練室や校外施設などを通勤寮に見立てて、そこから就業体験先や校外の研修先に通ったり、調理や洗濯などをみずから行ったりするなど、障害特性や発達段階に応じた活動を工夫してまいります。 # 中山委員 中山委員従来の取り組みにあわせて、そういうすばらしい新たな寄宿舎などを活用した取り組みをされるということで、ぜひとも充実をお願い申し上げたいと思います。期待しております。特別支援教育の中では、障害者就労促進のために最も重視すべき点は、先ほど申し上げましたように、生活訓練という視点ではないかと思います。その生活訓練において、企業側がどのような成果を求めているのかを把握して、プログラムを組み立てることも重要であります。この点は要望とさせていただきます。あわせて、その成果において、日中の訓練と宿泊の訓練でどのような役割分担が行えるのか、その点についても明確にしておくことが大切であります。そして、特に宿泊訓練におきましては、どの程度の訓練の積み重ねがあって初めて身につくものなのか、効果が得られるものなのか、見きわめていくことも大切であります。現在、宿泊そのものは、対象となる学年ごとに、平均しますと年間で一泊程度なのかというように思いますけれども、しかし、その程度で果たして宿泊により必要な生活訓練の成果が得られるのかどうか、これは逆に、目標から逆算して検討すべきではないかと思います。もちろん学校教育法におきましては、教員が宿泊においては一緒に宿泊しなければいけないとか、さまざまな制約があることもよくわかっておりますけれども、例えば地域のセンターとして、福祉保健局や産業労働局などの都庁の各障害者就労を担当している部局とも連携して、教員の負担を減らす形でも寄宿舎というものを活用していくとか、そういう視点も大事ではないかと思います。この点も要望とさせていただきます。なお、一般就労に結びつかなくても、生活訓練の充実ということは、親亡き後の子どもたちのために大切なことでございますので、さらにこうした点でのご検討をよろしくお願いいたします。続きまして、特別支援コーディネーターについて、お伺いさせていただきます。特別支援教育の体制整備がかなり進んできております。小中学校では、特別支援教育コーディネーターの指名や校内委員会の設置につきましては、ほぼ一〇〇%とお伺いしております。しかし、特別支援教育に詳しい教員がいらっしゃる学校ではその取り組みも充実しているのかもしれませんけれども、例えば特別支援学級を設置していない学校などでは、体制をつくっても、どう機能させていったらよいかわからないというのが正直なところの学校もあるのではと心配しております。発達障害につきましては、まだ目新しいこともあって、どのような障害であるのか、また学習面や生活面でどのような困難があるのかなどを、教員の側が実態把握がきちんとできていない、そういうところもあるのではないかと思っております。ことしが特別支援教育元年であり、今後、特別支援教育の体制整備を一層推進させていくためには、まず、推進役の核となる特別支援コーディネーターを十分に機能させ、それぞれの学校において、校内支援体制を構築していく必要があります。小中学校におきます特別支援教育を一層充実させていくために、都教委はどのような支援を行っていくのか、お伺いいたします。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長都教育委員会では、特別支援教育に関する講習会などで、先進的な取り組みを行っている学校の中から、複数の特別支援教育コーディネーターを指名した例や、校内の協力体制を工夫したり、外部の人材を活用したりしている例等を紹介しているところでございます。また、個別の教育支援計画の策定と活用や、校内委員会の運営などのリーフレットを作成、配布いたしまして、特別支援教育コーディネーターの資質向上に努めております。 # 中山委員 中山委員特別支援コーディネーターの資質向上に取り組んでいらっしゃる、また取り組んでいただける、大変期待しているところでございます。都におきましては、早くから東京都教職員研修センターで特別支援学校や区市町村からの代表の特別支援コーディネーターを集めての養成研修や育成研修を行っているとお伺いしております。かなり専門的な研修で、特別支援教育を推進するために必要な資質や能力を身につけることができる内容になっているとも聞いております。しかし、都内のすべての小中学校に最低一人はいる特別支援教育コーディネーター全員が参加できる研修を行っているわけではありません。区市町村からの代表の特別支援教育コーディネーターが自分の区市町村に戻って、伝達講習や研修会を開催するなどの際には、その研修の中身や専門性の高さをどう担保していくのか、これは大変難しい課題だと思います。区市町村における研修会などでも核となって活躍してもらう特別支援教育コーディネーターの質の高い研修を行ったり、先駆的な情報、実践の情報を伝えてあげたりすることが、特別支援教育の推進において重要であります。区市町村で実施している特別支援教育コーディネーター研修に対して、都教委はどのような支援を行っていくのか、お伺いいたします。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長区市町村で実施する特別支援教育コーディネーター研修につきましては、都教育委員会の指導主事を講師として派遣し、特別支援教育に関する最新の動向や先駆的な取り組みを紹介するなどしているところでございます。今後とも、区市町村からの要請に応じて、小中学校の特別支援教育コーディネーターがより専門性を高め、特別支援教育の推進にかかわる資質や能力を身につけることができるよう、必要な支援に努めてまいります。 # 中山委員 中山委員区市町村におきます小中学校の特別支援コーディネーターを中心とした研修につきましては、都教委の皆様も大変お忙しいと思うんですけれども、ぜひお出かけいただいて、実施状況を確認していただければと思うんですね。自分のところだけしかわからないと、先輩たちがやってきたような内容をそのままどんどん引き継いでしまうという例があって、本当は初めからレベル高く研修が行われていれば、大変だなということで力も入ると思うんですけれども、そうじゃないと、いつまでたっても流れが変わらない、真剣味といいますか、より実践に即した形での研修が行われないという可能性もありますので、いろいろなところの研修の状況を把握している都教委の方のアドバイスが必要かと思います。また、特別支援教育の取り組みが、普通学校におきまして、特別支援教育コーディネーターにより周知されていくことに、私は大変期待を持って、関心を寄せております。それは、障害児教育によって得られる教育の視点というものが、健常児、いわゆる普通のお子さんに対しても、例えば行動や言動、いろいろなことについての目のつけどころ、こういった点において、一人一人感じ方や身体的な状況やいろんなことの変化、そういうものに教師の側が気づいていく、そういう個別性を重視した教育というものに結びついていくのではないかというふうに思っております。都教委は既にそういう少人数教育指導、授業などについても取り組まれていらっしゃいますけれども、そういう面で障害児教育の取り組みの成果が一般の健常児のお子さんに対しても、本当に一人一人に視点を当てた教育に結びついていくという形で発展していくことを期待しております。次に、肢体不自由児あるいは知的障害者、聴覚障害者の併置校についての質問をさせていただきたいと思います。複数部門を併置する特別支援学校の設置についてお伺いいたします。第二次実施計画では、改正学校教育法の特別支援学校制度の趣旨を踏まえた複数の障害部門を併置した学校の設置を進めると書かれていますが、基準がなく何でも併置していくというわけではないと思います。当然メリットがあるから併置するということであると私は思います。もちろん事務等におきまして、集中化することによって得られる合理化の成果というのは結構だと思いますけれども、当然、生徒指導という側面におきましては、併置するからといって合理化しちゃうというわけじゃなくて、その点については、むしろそれぞれの障害特性に応じた取り組みが一層進むのではないかと思っております。ましてや障害のある児童生徒にとっては、安全に学習でき、自分が持っている力を最大限に伸ばしてくれる学校を求めているというのが心情だと思います。そこで、お伺いいたしますが、併置校の教育的効果はどのように考えていらっしゃるのか、また、その複数の障害部門を併置することでの効果をさらに取り入れた取り組みを今後どう行っていくのか、お伺いいたします。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長併置校におきましては、各障害部門の専門性を生かし、児童生徒一人一人について多面的に実態を把握するとともに、多様な指導方法や教材、教具を工夫するなどして、一人一人の障害の状態に即した教育活動を一層充実することができます。特に、重複障害のある児童生徒の指導においては、それぞれの専門性を生かした合同検討会を実施するなどして、障害に応じた質の高い教育活動を展開することができます。今後、さらに効果的な指導を行うために、合同検討会に外部の専門家を活用することなどを検討してまいります。 # 中山委員 中山委員ぜひそうした取り組みの充実をお願い申し上げます。併置校の成果を都民に向けてわかりやすくアピールしていくことも、今回の実施計画に対する都民の応援をいただいていくという面で大事なことだと思います。また、その成果を積み重ねて得られたところのものを、先ほどの特別支援教育コーディネーターの研修にも生かしていただきたいというふうに思います。この後、松葉議員からもお話があると思いますけれども、所沢の国立の障害者リハビリセンター、これは国立の大変すぐれたところでありますが、一人一人に応じたプログラムを組んで、訓練を行っておりまして、大変な成果を上げております。そうした一人一人の特性に着目をした、かといってそれに応じていっぱい書類をつくるというのだと、学校の先生の負担がふえちゃいますけれども、そういうものをきちっと理解した上で教育に臨んでいく、そういう視点に、この併置校の成果が、障害の重複等に応じた、それぞれの個性に応じた教育が行われるという点で生かされていくことを期待しております。最後に、副籍制度のことについてお伺いいたします。副籍につきましては、今年度から全都的に展開を始めているところですが、共生社会づくりに向けて、そして、障害のある児童生徒の自立と社会参加に向けての重要な取り組みであると高く評価しております。平成十六年六月に改正された障害者基本法におきまして、障害者の自立及び社会参加の支援のための基本理念、国及び地方公共団体の責務が規定され、その中で、教育に関しては、障害のある児童及び生徒と障害のない児童及び生徒との交流及び共同学習を積極的に進めることによつて、その相互理解を促進しなければならないと示されています。交流教育につきましては、平成十年の学習指導要領の改訂におきましても、盲学校、ろう学校及び養護学校などとの間の連携や交流を図るとともに、障害のある幼児、児童生徒や高齢者などとの交流の機会を設けることとされ、組織的な交流を実施することとなった経緯があります。今までの学校間の連携などによる交流では、残念ながら時期や回数が限られていたり、交流の広がりが難しかったりするようなことがあったと感じております。ぜひ多くの関係者に、交流等の意義や重要性を理解してもらって、この副籍制度をさらに拡大していってほしいと願っております。そこで、お伺いいたしますが、副籍制度を導入することで、子どもたちにどのような成果があると考えていらっしゃるんでしょうか、お伺いいたします。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長副籍制度は、特別支援学校の児童生徒が居住する地域の小中学校に副次的な学籍を持ち、交流等を行っていくものでございます。特別支援学校の児童生徒にとりましては、同世代の児童生徒との関係が深まり、地域の一員としての自覚を深めることができます。また、小中学校の児童生徒にとりましては、障害についての正しい理解と認識を深め、ともに助け合い、支え合うことの大切さを学ぶことができると考えております。既にモデル事業を実施している地域からは、同様の成果が報告されているところでございます。 # 中山委員 中山委員副籍制度によりまして、最初は普通学校に行くことを、すごく恐怖心といいますか、ためらっていたお子さんが、その中で温かく迎え入れてもらって、いろいろ交流できて、自分の表現がうまく伝わらないんじゃないかとご心配があったところ、大変喜んでいる、社会自立への第一歩として、大きく副籍制度の効果が上がっているということも聞いております。ただ、私は、副籍制度というのは、障害を持ったお子さんたちが二重に籍を持つということよりも、本来的には健常者であるお子さんたちが障害児の皆さんとの間の交流の機会を、むしろそちら側のほうが、副籍というわけじゃありませんが、持っていただく。これは交流活動の中では、交流の相手校となる指定校は、地域の近隣の一校だけなわけですよね。しかし、もし全体の普通学校のお子さんたちが障害のあるお子さんたちとの交流の機会を得ることができるようになれば、これは大変な効果があるんじゃないかなと思います。私の地元でも、交流校のお子さんたちが養護学校の学芸会、いろんな機会に参加させていただいて、大変感銘している姿を見ました。私自身も、障害を持っていらっしゃるお子さんたちをご家族の方がどれほど大切にされていらっしゃるのか、また、その方たちのために養護学校の先生方がどれほど真剣に取り組んでいらっしゃるのかということを見るだけでも、健常者のお子さんたちが自分がいかに親から大切にされているのかということを気づく機会にもなりますし、大変な効果があるというふうに思っております。したがいまして、副籍制度につきましては、ぜひより多くの普通の学校の生徒さんたちが障害者の方々と触れて、そして、社会全体が迎え入れられる、そういう社会になりますように、充実させていっていただくことをお願いして、私の質問を終わります。 # 大山委員 大山委員私は、この特別支援教育推進計画第二次実施計画についての、計画の策定の仕方について、まず質問したいと思っています。都教委は骨子案を発表して、パブリックコメントを募集しました。パブコメを募集すること自体は、広く都民の皆さんの意見を聞いて、計画に反映することが本来ですから、実施したことは、一般論からいえばよいことです。パブリックコメントで寄せられた意見と、それらを計画にどう反映させたかという一覧表を資料で出していただきました。この資料を見ますと、意見が集中しているのは規模と配置というところですね。大規模化、併置校、寄宿舎、そしてその他ということですけれども、それだけで合わせても、三百六十七件の意見です。要約しますと、学校の統廃合はやめてほしい、そして学校の大規模化は反対で、学校を増設してほしいということですね。寄宿舎は教育的な入舎を今までどおり認め、寄宿舎を存続させてほしいということです。重度重複学級の増設と教員の増員、そして、普通教室の増設です。つまり特別支援学校の教育条件を整備してほしいということです。この願いは、今回一緒に審議されている請願陳情とも一致して、多くの関係者の願いであるということです。この願いにこたえることこそ都教委の役割です。この立場でどうだったのかということが問われるわけです。骨子案からパブコメなどの意見の集約などを踏まえて、補強、修正したものは、この計画の中にはあるんでしょうか。 # 荒屋特別支援教育推進担当部長 荒屋特別支援教育推進担当部長パブリックコメントの意見は大変重要であり、計画への反映を意識してきたところでございます。結果的に、骨子案公表後から計画策定までの間にさまざまな調整を重ねてきた過程の中で、多くの意見が反映されたところでございます。 # 大山委員 大山委員多くの意見が反映されたというふうに答弁されていますけれども、資料の反映状況の欄で、反映していないものは横棒になっているわけですよね。例えば大規模化については、適正規模にしてほしいということは横棒になっています。それから併置校、これにも横棒です。寄宿舎の廃舎反対にも横棒です。入舎基準の見直しも横棒、特別支援学級の増設や特別支援コーディネーターの複数配置にも横棒、重度重複学級を増設してほしいということも横棒。主なこのパブリックコメントで寄せられた願いにはほとんど横棒になっている。反映していないということですね。パブリックコメントでの意見を踏まえて再検討することが本来だと思いますけれども、都教委はパブリックコメント、どう位置づけているんですか。 # 荒屋特別支援教育推進担当部長 荒屋特別支援教育推進担当部長都民の方々のさまざまなご意見を伺うことで、より多くの都民から支持される、充実した計画になるものと考えております。 # 大山委員 大山委員意見を聞いても反映させない、生かそうともしない。それでは支持されるどころではありません。しかも、反映状況で丸になっているところも、よく見ると、例えば一番上、実態に合った重度重複学級の認定をしてほしい、これは反映状況は丸になっています。意見を出している人は、実態に合っていないから、実態に合わせてほしいと。どうして丸になるんですか、これが。 # 荒屋特別支援教育推進担当部長 荒屋特別支援教育推進担当部長丸のついた部分につきましては、実現または既に計画しているものでございます。 # 大山委員 大山委員実現もしくは計画といっても、この間の質疑でも、重度重複学級はふやさない予定じゃないですか。どうしてそれで計画なんですか。見合っているとか、実態に合っている、これが丸だなんていっているのは都教委ぐらいですよ。パブコメの意見だけではありません。養護学校のPTAの皆さんからも軒並み出されています。保護者も実態と大きく乖離していることを実感しているからにほかなりません。この要望にどうこたえるんですか。 # 荒屋特別支援教育推進担当部長 荒屋特別支援教育推進担当部長今後の計画において必要なものは、今後の計画に入れていくものでございます。 # 大山委員 大山委員今後の計画に入れていくというのは、重度重複学級もきちんと位置づけるということなんですか。 # 荒屋特別支援教育推進担当部長 荒屋特別支援教育推進担当部長重度重複学級の充実につきましては、学級増設といった手法だけではなく、個に応じた教育内容の充実や教育諸条件の整備についても重要であると考えております。具体的には、知的障害特別支援学校における自閉症の教育課程を編成、実施することや、肢体不自由特別支援学校における自立活動の指導に当たって、理学療法士や作業療法士などの外部専門家を引き続き計画的に導入し、指導内容、方法の充実と教員の専門性の向上を図ってまいります。 # 大山委員 大山委員今答弁の中で、学級増設といった手法だけでなくということは、結局、実態と合っていないということを認めているということじゃないんですか。教育課程を編成、実施するといっても、教育条件の整備がまず必要ですよ。対象の児童生徒の半数しか重度重複学級に措置されていない実態を計画的に解決することこそ、実施計画というものです。しかも、加えていいますと、重度の障害の子どもたちへの計画というのは、二九ページの「障害の重い児童・生徒に対する小学部から高等部までの一貫した教育に関する研究・開発」の四行だけです。一次計画には、重度重複学級の充実、これがありました。それさえもなくなってしまいました。計画の基本理念が最初に、四ページに出ていますけれども、一人一人の能力を最大限に伸長すると書いていながら、軽視しているといわざるを得ません。次に、特別支援学校の統廃合、併置校化、それから大規模化の問題です。この計画の四四ページの現状のところに、それぞれの障害種別における教育の専門性を十分確保するとともに、児童生徒の障害特性に応じた適切な学習環境を確保しますと、これ、強調しているにもかかわらず、なぜわざわざ知的と視覚、それから知的と肢体不自由の併置校をつくるんですか。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長各障害部門の専門性を生かし、児童生徒一人一人について、多様な指導方法や教材、教具を工夫するなどして、一人一人の障害の状態に即した教育活動を一層充実できるものと考えております。また、学校生活全般におきまして、異なる障害のある児童生徒が、得意なことや力を発揮できることを生かして互いを助け合い、支え合う体験を積み、思いやりの心や自信をはぐくむことができるなどのメリットがあると考えております。こうしたメリットを生かすことができる併置校においては、児童生徒一人一人の障害特性や実態に応じた教育活動の一層の充実を図ることができると考えております。 # 大山委員 大山委員美しい言葉を並べてくれましたけれども、併置校になるとどうして各障害部門の専門性を生かし、児童生徒一人一人について、多面的に実態を把握するとともに、多様な指導方法や教材、教具を工夫するなどして、一人一人の障害の状態に即した教育活動を一層充実できる、こういうふうにご答弁されていますけれども、全く私には理解できません。また、学校生活全般において、異なる障害のある児童生徒が得意なことや力を発揮できることを生かして、互いに助け合い、支え合う体験を積み、思いやりの心や自信をはぐくむことができるというのがメリットだということですけれども、具体的にはどういうことなんですか。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長それぞれの障害の専門のある教員同士が共同してかかわることによりまして、児童生徒一人一人について多様な指導方法や教材、教具を工夫するなどして、一人一人の障害の状態に即した教育活動を一層充実できると考えております。また、子ども相互の人間関係から、豊かな心を培うこともできると考えております。 # 大山委員 大山委員教員同士だったら、別に併置校にして巨大な学校にしなくたって、事例研究だとかを研究会でやればいいわけですよね。それはそれで独自にやればいいわけですよ。教材研究だって、きちんと時間を保障して、やればいいわけですよ。子ども相互の、非常に抽象的におっしゃいましたけれども、私、永福学園養護学校に先日伺いました。ここは併置校になるわけですね、知的と肢体。軽度の知的障害の高等部で今一学年がいるわけですけれども、グループで調査したことが壁新聞になっていたり、グループで話し合いながら勉強している様子も見せていただきました。中学のときには普通学級に通っていた生徒が、そのときはお客さん状態だったんだけれども、ここだったら、パソコンも自分で自由にきちんと使うこともできる。自信を持って生活できているんですという話も伺いました。しかし、敷地は非常に狭いんですよね。完成すると、高校生が三百人になります。グラウンドのトラックは一周一周ですよ、百二十メートル。校長先生、副校長先生たちもいっていましたけれども、運動会など、三百人ではとてもできません、一学年ごとにやらなければならないとまでおっしゃっていました。どうしてこんな状態で、知的と肢体不自由の子どもたちの交流などといえるのでしょうか。知的の三百人の高校生と肢体不自由、最初は小中高で八十人ぐらいを想定しているんでしょうか。合わせて四百人もの児童生徒の、例えば小学生と大きな高校生といるわけですよね。名前を覚えているなんていうのは、現実的とはいえないんじゃないんでしょうか。もう一つわからないのは、十月二日に、実施計画骨子案の質疑をしましたけれども、そのときの答弁で、必要な教室確保のための方法として、新設校の設置や普通教室の増設ととともに、併置校の設置を挙げていました。新設校の設置だとか普通教室の増設というのは、純粋に教室がふえることですから、教室数の確保はいいわけですね。併置校をつくることが、どうして普通教室の確保になるんですか。 # 荒屋特別支援教育推進担当部長 荒屋特別支援教育推進担当部長併置校を設置する際に、新たな学部の増設による学級増を図ることが可能になるものであります。なお、普通教室の確保については、全都的な学校配置により推進していくものであり、併置校の個々について、開設時に解消していくというものではありません。 # 大山委員 大山委員じゃ、この間の答弁はごまかしだということですね。例えば実施計画には、現在小学部だけの小岩養護学校ですけれども、併置校にするときには、小学部に加えて、中学部を新たにつくるわけですね。新たな学部をつくれば、また教室が必要ですから、普通教室はさらに必要になる、これは普通の考えじゃないんでしょうか。江戸川養護と小岩養護のカーテンなどで仕切っている教室、それから転用教室、すべてを解消するためには、普通教室は幾つ必要なんですか。 # 荒屋特別支援教育推進担当部長 荒屋特別支援教育推進担当部長江戸川養護学校については、七教室をカーテン等で仕切り、半分の大きさの教室を十四確保しております。また、九教室を転用により確保しており、これらをすべて解消するとなると、合わせて十六教室、普通教室の整備が必要となります。小岩養護学校につきましては、六教室を仕切って、十二教室を確保しているほか、六教室の転用を行っているので、合計で十二教室となります。 # 大山委員 大山委員江戸川養護は二十三教室で、小岩養護は十八教室ですよね。 # 荒屋特別支援教育推進担当部長 荒屋特別支援教育推進担当部長カーテン等で仕切っている教室は七教室でありまして、分けた結果、十四教室が確保され、転用教室が九室でございまして、江戸川養護学校に関しましては二十三であり、小岩養護学校は六教室を分けて十二となり、転用教室が六となりまして、計十八教室となるものでございます。 # 大山委員 大山委員そうですよね。現在の学部のままでも、二十三足す十八ですから、合わせて四十一教室も不足しているわけですね。それに中学部をつけるんですから、さらに教室が必要だということです。たとえ江戸川養護の一部が水元養護に移るにしても、どうやってこの教室を確保するんですか。 # 荒屋特別支援教育推進担当部長 荒屋特別支援教育推進担当部長今後、こうした教室につきましては、こうした併置校あるいは東京都全体の適切な配置計画などに基づきまして、解消していく予定でございます。 # 大山委員 大山委員合わせた時点で、今の段階でも四十一教室、それに中学の教室も確保しなきゃいけない。そして、江戸川養護と小岩養護の敷地は決まっているわけです。あそこにあるわけですよね。今、全都的に適切な配置にしていくんだというふうに答弁されましたけれども、もちろん知的障害の子どもたちが小中一貫して見通しを持って学校に通いたいというのはありますから、中学部を併設することはいいですけれども、学校をふやさないでやりくりしようというから、矛盾が大きくなるわけですね。本当に、さっき答弁したように、適切に配置していくんだということは、基本的に増設を位置づけなきゃいけないと思っています。本来だったら、例えば江戸川区は広いですし、区民は東京一平均年齢が若いわけですから、学校を新設するということが求められます。ですから、計画的に教室をふやす道筋を、きちんと目標を持って実施計画に盛り込むことが求められているわけです。やりくりじゃなくて、増設が必要だということです。ところが、この間、七月に出た骨子案には、不足教室の数、今後整備するべき数が明記されていました。この必要教室数は、実施計画には、何と記述がどこを探してもなくなっちゃっているんですね。もちろん骨子案のときに質疑したように、五百三十教室という数字自体も、重度重複学級の増加を全く入れていないなど、少ない数字ですけれども、それさえも実施計画から抜けています。一次計画にはきちんと書かれていました。二次計画で書き込まなかったというのはどういうことなんですか。 # 荒屋特別支援教育推進担当部長 荒屋特別支援教育推進担当部長知的障害特別支援学校においては、在籍者数の増加に対応するため、これまでも普通教室の計画的な増設等を行ってまいりました。今後も、さらに教室の増設など、その対策は講じていく必要があると認識しております。本計画は、必要となる普通教室については、平成二十七年度までにすべて整備していくというものでございます。 # 大山委員 大山委員すべて整備していくものだと答弁しましたけれども、閉舎する寄宿舎の数は、名前まで挙げて書いています。統廃合する学校も、具体的に名前まで挙げています。にもかかわらず、不足している普通教室をどうふやしていくのかということは、道筋を示していません。その数さえも落としてしまった。書き込んでいません。とんでもないですよ。せめて骨子案での五百三十教室ぐらいは書き込んで、教育環境、教育条件の整備は都教委の仕事なんですから、大規模な学校にして、子どもたちをすし詰めに詰め込むのではなくて、学校をふやして、普通教室も特別教室もしっかりと確保する方向で、都教委の責任を果たしていただきたいと、強く申し述べておきます。寄宿舎についてです。寄宿舎についての要望というのは、請願も二つ出ていますね。紹介議員は超党派で、文教委員会にいる会派はすべてそろっていますから、心強いわけですね。十七年の請願には一万五千四百七十五人の賛同署名、そして新しい、ことし出された請願には、もっとふえて、一万七千七百一人の署名がついています。これらは重く受けとめなければならないことだと思っています。寄宿舎への願いというのは、寄宿舎を廃舎しないでほしいということ、教育的な理由での入舎をこれまでどおり認めてほしいということ、それから、障害の異なる子どもたちが一緒の寄宿舎になるときの安全、そして、統廃合計画自体の撤回です。まず、教育的な理由での入舎についてですけれども、寄宿舎の教育的役割について、〇六年二月二十一日、昨年の二月二十一日の文教委員会では、基本的生活習慣の確立及び集団生活におけるマナーを身につけることと答弁されています。実際、子どもたちは寄宿舎の中で生活空間を広げて、自立への力を養う上で極めて有意義な役割を果たしてきました。都教委自身、こうやって目的を持って実施してきた、寄宿舎の果たしてきた教育的役割について、どう評価しているんでしょう。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長特別支援学校の寄宿舎では、学校における指導と並行して、基本的生活習慣の確立や集団生活のマナーを身につけるなどの指導を行ってまいりました。こうした指導は、寄宿舎の有無にかかわらず、生活指導や宿泊行事等の中で重点的に行っていくものでございます。 # 大山委員 大山委員今、基本的生活習慣の確立や集団生活におけるマナーを身につけることなどの指導を行ってきたと答弁されましたけれども、これは事実を答弁されただけですね。私は、その寄宿舎の教育的な役割について、都教委はどう評価しているのかということを聞いたんです。どうでしょう。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長特別支援学校の寄宿舎では、学校における指導と並行して、基本的生活習慣の確立や集団生活におけるマナーを身につけることなどの指導を行い、児童生徒の成長にとって成果があったと認識しています。 # 大山委員 大山委員きちんと教育的な役割を目的として持って位置づけて、そして役立ってきた、そういう評価もしているのが都教委だということですよね。それだったら、きちんともっとこれを拡充、発展していくという立場に立つことこそ、今求められているんじゃないでしょうか。寄宿舎の教育的な役割を、利用した児童生徒も保護者も実感して、指導員も先生たちも、かけがえのないものだと知っているわけですね。先日、在校生や卒業生や保護者や指導員や教員の皆さん方が開いた寄宿舎を守る集会にご招待されて、私も伺いました。その集会でも卒業生や保護者や指導員の皆さんからの発言もありました。八年間の盲学校の生活の中で、二年間寄宿舎で過ごした卒業生も発言しました。先生と一緒にバンドをつくり、曲を書き、演奏したことが一番の思い出だと話していました。時にはキムチ鍋を囲んで、友達や先生と楽しく交流したこと、後輩にもぜひとも体験させたいという発言でした。もう一人の卒業生は、高校二年生の二学期間を過ごした寄宿舎ですけれども、存続させたいという発言をしていたら、ある人に、寄宿舎の先生にいわされているといわれて、本当に悔しい、そういいました。それは、自分が本当に大切さを知っているから、何としても復活させたい、もっと寄宿舎を利用してほしい、そういう思いなんだと率直に話していました。口々に寄宿舎で自分が成長できたことを語っていました。肢体不自由学校の子どもを持つお母さんは、六年生のときに寄宿舎に入れて、週末に帰ってくると、お母さんがびっくりするほど、自分の時間の計画を立てて過ごすことができるようになっていたんですね。ですから、親の理由に関係なく、どの子も成長するためには必要な寄宿舎であり必要な経験だと話していました。ダウン症で弱視の小学校四年生の子を持つお母さんは、小学校二年生から週に一日やら二日やら徐々に利用していったわけですけれども、朝支度をして出かけるまでに、二時間半から三時間かかっていた子が、朝七時に起きて自分のことが自分でできるようになった、親子だと、どうしても早くってせかしちゃうんですよねというふうにおっしゃっていました。このような教育的に高い価値を持つ寄宿舎を経験した人たちは、後からの子どもたちにもぜひとも必要だ、そう思っているわけです。〇四年から〇六年度の教育的理由での入舎生の人数と割合はどうなっていますか。 # 荒屋特別支援教育推進担当部長 荒屋特別支援教育推進担当部長教育的理由での入舎生の人数と割合については、全員入舎を前提としている久留米養護学校の寄宿舎を除く十舎の合計で申し上げますと、平成十六年度が百四十七人、六六・八%、平成十七年度が百三十七人、六一・四%、平成十八年度が百三十二人、五六・四%となっております。 # 大山委員 大山委員盲学校などは比較的、教育的そのほかの通学などの理由が多いわけですけれども、多いところでは、教育的な理由が一〇〇%だとか九〇%になっているところもあるわけですね。それだけ望んでいるということなんですね。ところで、二次計画の五一ページには、長期休業中の弾力的な活用と。具体的にはどういうことですか。 # 荒屋特別支援教育推進担当部長 荒屋特別支援教育推進担当部長寄宿舎は、長期休業中を除いた期間を収容期間としております。そこで、寄宿舎としての利用がない長期休業中につきましては、寄宿舎設置校と非設置校の別にかかわらず、寄宿舎施設を活用することができるようにするというものであります。平成十九年度には、特別支援学校の児童生徒の合同学習合宿や就労体験宿泊などの授業を試行しております。 # 大山委員 大山委員積極的に寄宿舎を活用することはいいわけですけれども、合同学習合宿、就労体験宿泊ということですけれども、実際どれぐらい実施したんでしょう。 # 荒屋特別支援教育推進担当部長 荒屋特別支援教育推進担当部長合同学習合宿につきましては肢体不自由校、就労体験宿泊に関しましては永福養護学校が利用しております。 # 大山委員 大山委員一泊ずつ利用しているという実績はもらいましたけれども、やはりこれは行事なんですね。宿泊行事はあくまでも行事ですから日常ではありません。生活訓練室でやるからいいんだといいますけれども、生活訓練室も生活があるわけではありません。大体一泊ぐらいしかやってないようですけれども、そこはやはり非日常なんですね。寄宿舎は生活があって日常があります。だから寄宿舎が必要なんだと皆さんがいっているわけです。寄宿舎の教育的意義を評価しているのは、保護者や卒業生だけではありません。例えば、日本福祉大の大泉溥教授は、生活を無視、軽視した教育では人は真に育ちません、思春期、青年期の自立への羽ばたきにとって、寄宿舎生活の意義は極めて大切なものですと述べています。同じく日本福祉大の木全克己教授は、生活の中での教育の重みを大切にしたいですねとメッセージを寄せています。生活の中での教育的役割が重要だということですね。ただ、あいさつができるとかということではなくて、教育的役割があるということです。あるお母さんは、寄宿舎の中で心が育っているとつくづくおっしゃっていました。寄宿舎は、せっかくあるところをなくすのではなくて、教育的意義を認めているんだったら、寄宿舎がないところにきちんと設置していくことこそ求められているわけです。今回の計画で私、驚いたのは、立川ろう学校の寄宿舎を廃止するかわりに、葛飾盲学校に聴覚障害と視覚障害の児童生徒を受け入れるということなんですね。聴覚障害児と視覚障害児、同じ寄宿舎に入舎した場合、手話でやっても見えない相手だし、言葉でいっても聞こえない相手。児童生徒同士はどうコミュニケーションとるんですか。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長視覚障害のある児童生徒と聴覚障害のある児童生徒が交流する場合、弱視や難聴の児童生徒では、おおむね話し言葉によるコミュニケーションが可能でございます。また、話し言葉によるコミュニケーションが困難な場合には、寄宿舎指導員などが仲立ちをしたり、手話などの多様なコミュニケーション手段を用いたりして、互いに交流を深めることができるようにしてまいります。 # 大山委員 大山委員そんなこといいますけれども、例えば、聴覚障害児は、家族が健聴者であれば、家庭に帰っても、また地域に帰っても、コミュニケーションという点で孤立してしまうということは、先日の委員会で明らかになったわけです。例えば、聴覚障害の息子さんを持つお母さんは、家に帰ると、お父さんは手話が余りわかりません。お母さんは手話で日常会話はできますけれども、息子さんが中学生になって思春期に差しかかって、家では意思疎通がいま一つできない悩みがあったときに、寄宿舎に入舎しました。そのお母さんも一日入舎してみて、息子さんが友達や先輩と喜々として手話で話しているところを見たわけですね。先ほど、おおむね話し言葉によるコミュニケーションが可能などと答弁されていましたけれども、聴覚障害者、視覚障害者ともに孤立させてしまうということではないんでしょうか。教育的な配慮など全くないといわざるを得ません。寄宿舎はアパートではないんですから、ただ宿所が提供されればよいというものではありません。今までの実践で明確なのは、寄宿舎での同学年、先輩、後輩、一緒に過ごす生活をする中で力をつけ成長してきた。孤立していては寄宿舎の意味はありません。今回の計画は余りにも乱暴だといわざるを得ません。寄宿舎の教育的入舎を認めて、江戸川養護、立川ろうの寄宿舎も、八王子養護も、今後計画される二舎も廃舎しないでほしいという当然の願いにこたえ、存続するべきです。次に、特別支援学級について伺います。特別支援学級には、情緒障害、聴覚障害、言語障害、弱視などの子どもたちが通ってくる通級制の学級と、知的障害児がその学級に在籍する固定学級がありますが、まず、情緒障害通級指導学級の担当教員の専門性を活用した巡回による指導ということに関してです。この計画の六二ページに、特別支援学級未設置校においても、特別な支援を必要とする児童生徒が適切な指導及び必要な支援が受けられるよう、通級指導学級の担当教員の専門性を活用した巡回による指導とありますけれども、具体的にはどのようなことを考えているんでしょう。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長巡回による指導は、通級指導学級の担当教員の専門性を活用し、特別な支援を必要とする児童生徒が適切な指導や支援を受けられるようにすることを目指すものでございます。今後は、モデル事業によりまして、具体的な内容について研究開発を進めてまいります。 # 大山委員 大山委員東京の通級学級は、きちんと学級認定をして教員を配置していますので、専門性が高いということは評価されていることです。その専門性を生かすことは重要です。この専門性を都教委も認めて活用しようというものですね。ほかの学校にも支援が必要な児童生徒がいるので、その子たちの指導に専門性を生かすということは重要です。しかし、通級学級の子どもたちの分として配置されている教員を巡回に使い回しするということでは、通級に通ってきている子どもたちの教育が薄くなってしまうということです。ですから、都教委が本当に専門性を生かして、巡回指導が必要だと考えているんだったら、きちんと通級学級の教育を保障し、巡回指導もきちんと行えるように教員を増員して行うことこそ本来なんじゃないですか。 # 松田人事部長 松田人事部長現在、モデル事業を計画しておりまして、教員の配置については考えておりません。 # 大山委員 大山委員あくまでも、通級指導学級の子どもたちの学級認定とそれに伴う配置なわけですよね、今の通級学級の教員。しかも、通級学級が今どうなっているのかということです。二次計画の六〇ページに、通級指導学級に通って特別な指導を受けている発達障害の児童生徒が急増しています、こういうふうに現状を書いているんですね。実際どういう人数かというと、情緒障害学級は、小学校ですと、二〇〇二年度には九百八十八人だった子どもが、今年度は二千七百三十五人、この五年間で千七百四十七人もふえました。通級学級を設置する学校もふえてはいますけれども、児童生徒のふえ方からすると追いついていません。一つの学校に四学級以上設置されている学校が、五年前は一校しかなかったんですけれども、今年度は三十三校にもふえました。例えば、十二月三日付の資料で見ますと、四学級三十七人、それから四学級で四十一人にもなっているところがあります。七学級で六十八人とか、八学級七十三人というところもあります。どうして、今私が人数と学級数を挙げるのかというと、教員の配置は学級数プラス一人だからです。つまり一学級は十人ですね。ですから、例えば、一学級で子どもが六人だったら担任は二人ですから、教員一人当たりの子どもの人数は三人です。実際の学校で見ますと、四学級で三十六人の学校がありますけれども、教員配置は学級数プラス一ですから五人です。一人当たりの児童は七人強ですね。八学級七十三人の小学校は、一人当たりの児童数は八人強です。つまり、学級数がふえている学校が多くなっているということは、教員一人当たりの児童生徒数が多い学校がふえているということなんです。東京都の制度がすぐれているのは、加配教員じゃなくて、学級認定をして、週に一日、二日、最近は希望者が多いのでほとんど一日のようですけれども、その学級認定をして、小集団での教育ということです。この通級学級に通っている子どもの実践の積み重ねと、都教委も認める専門性をさらに継続充実するために、教育条件を維持向上させることは都教委の責任です。それを巡回にも使い回しするということでは、通級の子どもたちにも手薄になってしまいます。通級の子どもたちの教育の保障と巡回を実施するなら、きちんとやれるように定員をふやして進めるべきです。二つ目は、通級指導学級での指導の開始、終了判定システムの構築、それから区市町村教育委員会からの学級編制の同意協議の際には、支援の現状に関する資料の提出を求めるなどのあり方の改善の問題です。普通学級にいて友達との関係がうまくとれなかったりして居場所がなかったりしてきた子どもたちが通級を始めれば、教員の適切な対応や、小集団ですから子どもたちは落ち着くことができます。ですから、週に一日ではなくて二日でも通いたい、そういう希望者も多いわけですね。指導の開始、終了判定システムが、通級を必要としている児童生徒の通級を抑制する役割を果たすことにはなってはいけないと考えますが、どうですか。 # 荒屋特別支援教育推進担当部長 荒屋特別支援教育推進担当部長判定システムについては、通級指導による指導の成果について判定することを目的とし、成果の程度に応じて、可能な限り通常の学級での指導の機会を多くするなど、あくまで適正な指導を目指したものでございます。 # 大山委員 大山委員今答弁された、可能な限り通常学級での指導を、これをよしとする都教委の考え方だったら、子どもの状況はないがしろにされかねません。早く通常学級に通えるようになればそれがいいんだというものではないわけですよね。その子の状況を把握して、その子にとってどうすることが一番よいのか、これを判断することが重要なわけです。ですから、児童生徒のことをしっかり把握している学校で判断するべきことです。六三ページには、通級指導学級での指導の開始、終了判定のあり方を検討し、ガイドラインを作成するとともに、区市町村教育委員会からの学級編制の同意協議の際には、支援の現状に関する資料の提出を求めるなど、あり方を改善すると書いてありますけれども、支援の現状に関する資料、これは何を指すんでしょう。 # 荒屋特別支援教育推進担当部長 荒屋特別支援教育推進担当部長区市町村教育委員会が作成する特別支援教育の基本計画、学級数や児童生徒数の見込み、通級指導学級への入級手続に関する資料等、学級編制に関する資料でございます。 # 大山委員 大山委員これは、平成二十年度区市町村立小中学校、中等教育学校前期課程及び区立特別支援学校の学級編制に関する調査についてという通知です。この中に、通級指導学級のこともあるわけですけれども、どういう書類を出しなさいよということが書いてあるんですけれども、通級指導学級同意のためにさまざまな資料を出すことになっているんですね。子どもの住所、氏名、現在の状況、入級状況、障害の状況、週当たりの指導時数、入級理由、事細かに、こうやって書きなさいよという見本までつけてあるわけです。それと同時に、この通知の中に、通級学級における個別指導計画の提出を求めています。この個別指導計画というのは、それぞれの、この子の指導、この子の指導ということですから、極めてプライベートな資料で、学級編制の同意に当たって資料にするようなものではないと関係者はいっています。関係者との合意もなく、一方的なやり方だといわなければなりません。この計画の中の現状と課題の中で、通級指導学級に通っている発達障害の児童生徒が急増していますと述べた上で、さっきいった指導の開始、終了システムをつくって、学級の同意の際には事細かな資料を提出させるということですね。結局、指導の開始、終了システムで受け入れの児童生徒を抑制するとともに、学級設置のハードルを高くして、より困難にするものでしかないといわざるを得ません。重度重複学級が実態とかけ離れた設置であるというのは、学校からのヒアリングだといって都教委がもう抑えているというのは、十月の質疑のときで明らかになりました。それと同じじゃないかといわざるを得ません。必要な子どもたちに必要な教育を保障することは当然のことです。ハードルをわざわざ高くして、重度重複学級の設置の二の舞になりかねないということはやめてほしいと強く申し述べておきます。三つ目は、固定制の弾力的な運用の問題です。六〇ページの固定制の現状と課題というところには、在籍者の障害の状況が多様化し、在籍者も増加、その要因として、発達障害の児童生徒の入級の増加と特別支援学校へ入学する程度の児童生徒も学級にいるという現状を述べています。このような現状認識があるのであれば、パブコメの意見にもあるように、また多くの保護者や関係者が切望しているように、特別支援学級を設置する学校をふやすこと、これを都教委が率先して進めることです。ところが実施計画で出ているのは、新設ではなくて、複数の担任の役割を明確にした弾力的な指導ということですね。これは一体、具体的にはどういうことなんですか。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長特別支援学級で複数担任のそれぞれが児童生徒の担当や指導内容、方法等の分担を明確にした上で、さまざまな指導の工夫を行うことでございます。その指導事例につきましては、今後、仮称でございますが、特別支援学級の教育課程編成の手引の中で示してまいります。 # 大山委員 大山委員今大きな問題になっているのは、この現状認識で述べているように、非常にふえている、いろんな障害が複合しているということが問題なわけですよね。私、五学級で四十人の児童が在籍している学校に伺いました。都教委の現状認識にあるように、まさに障害は多様化しています。進級したら自閉的な子が一クラス八人という大きな集団になって、四月当初は教室に入れなくなってしまいました。母子家庭のお母さんが仕事をやめて付き添わざるを得なくなってしまったんですね。このような状況を解消すること、設置校をふやすことこそ求められているんではないでしょうか。どれぐらいふえているのかということをちょっと述べておきますと、二〇〇二年度は、小学校で二千七百五十五人いましたけれども、二〇〇七年度は三千九百二人ですから千百四十七人の増加です。一校当たりの人数は、五年前は十一人、今年度は十三・九人です。ですから、どんどん大規模化しているということなんですね。また、六四ページには、就学、転学相談の改善というのがあります。通常の学級との交流や共同学習が進められていて、その結果、適切な時期に通常の学級への措置変更の判定や転学相談を実施とあります。これらは子どもの実態を丁寧に見る必要があるわけですね。子どもの状況をそっちのけで、交流だとか共同することが先行してしまったり、通常学級への転学をより多くすることを都教委の方針で推し進めよう、そんなことになったら、子どもの成長、発達する権利を保障できないことになりかねません。特別支援学級を設置する学校をふやす方向で区市町村ともよく話し合って、通常の学級にいる子どもも含め、十分な支援ができる教員数を増配置して、一人一人の子どもの実態に合わせた柔軟な教育ができる方向で充実することを強く求めておきます。最後に、特別支援学級について、骨子案、七月に出たのでは、別紙1-2という表の、計画化する主な事業項目の例示の中に、特別支援学級のあり方と指導内容、方法の改善、この一項目があるだけだったんですね。しかし、二次の実施計画では、第二部の第4章、六ページにわたって記述があります。ほとんどが新規の事業です。これでは骨子案との差があり過ぎますし、二次計画への意見を都民からは聞いていないということではないんでしょうか。 # 荒屋特別支援教育推進担当部長 荒屋特別支援教育推進担当部長骨子案は、第二次実施計画の作成途中のものであり、計画の基本的方向を早い時期に示す必要があったものでございます。骨子案公表時においてできる限りの計画項目を示したものであり、その後、この案にさまざまな計画項目を具体化し、体系化したものでございます。 # 大山委員 大山委員骨子案のとき、これ数えたら二十文字ですよ。どうして、この二十文字しか書かれてないものが六ページにもなってしまうんでしょう。骨子案はパブリックコメントを求める段階までできていなかったということなんじゃないんでしょうか。今回の二次実施計画は、るる述べてきましたように、まさに都民の願いにはこたえていないものであり、パブリックコメントを募集する段階にもなかったもので意見を募集する、都民には余りにも不誠実ではないんでしょうか。この計画について再び都民の意見をきちんと得て、抜本的にやり直すことを求めて、質問を終わります。 # 古館委員長 古館委員長この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。午後三時休憩午後三時十五分開議 # 古館委員長 古館委員長休憩前に引き続き委員会を開きます。質疑を続行いたします。ご発言願います。 # 吉原委員 吉原委員それでは、報告事項でございます東京都特別支援教育推進計画の第二次実施計画について、若干お伺いをいたしたいと思います。改めていうまでもありませんけれども、東京都特別支援教育推進計画は、新たな対象となった知的なおくれのない発達障害を含む障害のある幼児、児童生徒一人一人の能力を最大限に伸長するために、乳幼児期から学校卒業後までを見通した多様な教育を展開し、社会的自立を図ることのできる力や地域の一員として生きていける力を培い、共生社会の実現に寄与することを基本理念としているわけであります。この基本的な理念のもとに、平成十六年からスタートをいたしました十年間の長期計画、そして平成十六年から今年度まで続行中でありますけれども、第一次実施計画の取り組みや成果が今まであったんだろうと思いますけれども、それを踏まえた上で、今回の十一月に公表されました第二次実施計画が策定されたものと承知をしているところでもございます。今後、第二次実施計画の取り組みをどのように展開していかれるのか、基本的な考えをお伺いいたしたいと思います。 # 荒屋特別支援教育推進担当部長 荒屋特別支援教育推進担当部長第一次実施計画では、知的障害が軽い生徒を対象とした特別支援学校などの新たなタイプの学校の設置や小中学校における校内委員会の設置、特別支援教育コーディネーターの指名など、特別支援教育にかかわる校内支援体制整備のモデル授業などに取り組んでまいりました。第一次実施計画策定後、国においては、知的なおくれのない発達障害を含む障害児や障害者を支援するため、発達障害者支援法や障害者自立支援法が施行されました。また、一部改正された学校教育法が本年四月に施行され、我が国の特別支援教育の制度がスタートいたしました。さらに、都においては「十年後の東京」を公表し、その中で、新たに三万人以上の障害者雇用を創出することを明示いたしました。第二次実施計画は、こうした第一次実施計画に基づく取り組みの成果と課題及び国の法改正の動向や都の取り組みを踏まえ、都における特別支援教育を充実、発展させるため、平成二十年度から二十二年度までの三カ年の施策の実施計画を定めたものでございます。 # 吉原委員 吉原委員今ご答弁をいただきましたけれども、ことしの四月に施行されました改正学校教育法、この中には複数の障害種別に対応した教育を行うことのできる特別支援学校を創設すること、また、特別支援学校は、地域の特別支援教育のセンター的役割を担うこと、幼、小、中、高、そして中等教育学校においても、特別な支援を必要とする幼児、児童生徒に対して特別支援教育を行う、こういうことが明確にされているわけであります。そうした中にあって、今回のこの二次の実施計画では、法改正を踏まえて政策を展開する、こういうことになるんだろうと思いますけれども、この計画の特色は一体どういうところにあるのか、お尋ねをいたします。 # 荒屋特別支援教育推進担当部長 荒屋特別支援教育推進担当部長第二次実施計画の大きな特色は、特別支援学校や小中学校に在籍する知的なおくれのない発達障害を含む障害のある児童生徒に加え、幼稚園や高等学校等に在籍する特別な支援を必要とする幼児、生徒に対しても、適切な指導及び必要な支援を行うことを明確に位置づけるとともに、乳幼児期から学校卒業後までを見通した一貫した支援システムを構築することを示したことでございます。個別の事業としては、知的障害が軽い生徒を対象とした高等部職業学科を持つ特別支援学校を引き続き設置するとともに、改正学校教育法により規定された特別支援学校制度の趣旨を踏まえ、複数の障害教育部門を持つ特別支援学校を設置いたします。さらに、幼稚園や高等学校等も加えた特別支援教育の充実、保健、医療、福祉、労働等の関係機関と連携した早期支援や就学支援、学習支援、就労支援などに取り組んでまいります。 # 吉原委員 吉原委員ただいまご答弁いただきましたように、さまざまな事業に取り組む今回の二次の実施計画であります。そうした取り組みを実行していくためには、支援を必要としている幼児あるいは児童や生徒、また保護者、学校関係のみならず、広く都民に対してもご理解をいただけるような都教委の努力がますます必要になってくるんではないかなというふうに思います。今回のこの二次の実施計画が公表されてまだ間もないわけでありますけれども、関係者や都民に対して、その内容をどのように周知しているのか、またこれからどのような形で周知をしていかれるのか、お伺いをいたします。 # 荒屋特別支援教育推進担当部長 荒屋特別支援教育推進担当部長十一月の第二次実施計画公表後、区市等の教育長会や学務課長会、指導室課長会、幼稚園園長会や小中学校及び高等学校並びに特別支援学校の校長会、小中学校や特別支援学校のPTA連合会、知的障害者育成会などの障害者関係団体などに対して、順次説明会を実施しておるところでございます。二月には都民向けの説明会を区部と多摩地区において実施することを予定しております。また、「広報東京都」にも掲載依頼をしているところでございます。今後、企業等に対しても、積極的に周知を図り、障害のある生徒の就労等に対する理解を広げてまいります。 # 吉原委員 吉原委員この第二次の実施計画には、乳幼児期の早期支援から学校卒業後の就労支援まで、教育であるとか、保健、医療、福祉、労働など、関係する機関が連携して一貫した支援を行おうとする都独自の考え方が示されているんだろうと思います。そうした考えが、都民の期待は大きいものがあるんだろうと思うわけであります。そこで最後に、教育長から、都における特別支援教育の推進に向けた決意をお聞かせ願いたいと思います。 # 中村教育長 中村教育長ご案内のとおり、ことしは学校教育法が改正になりまして、特別教育元年というふうにもいわれております。我々、障害があるなしにかかわらず、個人の人格、個性を尊重していかなければならない、そのための仕組みをつくっていかなければならないなというふうに考えております。第二次実施計画で、今ご指摘のように、私どもは、対象者を学校だけということではなくて、学校就学前から卒業後までを見据えて、子どもたちに何とか希望を持って生きていただきたい、それから施策対象として、教育庁だけではなくて、広く東京都全体の各局を通じてこれを実施していきたい、こんなふうな計画をつくったつもりでございます。今後とも、都民の期待あるいは保護者のご希望にこたえまして、障害のある幼児、児童生徒、この方々の夢をはぐくみ、その夢を実現するために、国に先駆けて全国を先導できるような施策を確実に実施してまいります。 # 吉原委員 吉原委員今、教育長の並々ならぬ決意をいただいたところでもあります。加えて、きのう十二月の十三日には、障害者教育の学校の名称の変更の方針も出された、こういうことをお聞きしているわけでございまして、その決定については、また来年度の四月からきちっとした形でスタートできるように、ぜひ私自身もしてほしいと思いますし、関係する保護者の皆さんや、あるいはそれぞれの関係の皆さんも、その名称がまた新たな形になって進んでいくということについては、多分大きな期待を寄せていただけるんではないかなというふうに思っているところでもございます。とにかく、今この二次の計画について、基本的な考え方あるいは特色だとか、どういう形で周知をしていっていただけるのかということをお尋ねさせていただきましたけれども、当然のことながら、障害者の方々が社会に適応して自立するためのさまざまな支援や取り組みを着実に実行していかなければならないわけでございまして、そんな観点から申し上げると、教育長からも今お話しいただきましたけれども、私自身もやっぱり、生徒や児童と直接かかわりを持っている教員の存在というものは極めて大きいわけでございまして、今までにもお話も出ているのかもしれませんけれども、教員の資質だとか、専門的な知識がこれからますます要求されてくる状況になってくるんだろうと思います。引き続き、都教委としても、そうした教員の育成にも最大限の努力をお願い申し上げまして、質問を終わります。 # 斉藤委員 斉藤委員それでは、東京都特別支援教育推進計画の第二次実施計画について質問いたします。私は地元が小平なんですけれども、地元の方には小平養護学校がございます。以前、肢体不自由児の養護学校などについて、吸引とかの関係で看護師等をパートさんで雇うというような話のときに、私の地元の小平養護学校や、そしてまたもう少し西に行った村山養護学校などの募集が大変多くて、詳しく伺ったところ、東京は過去の経緯から、障害者福祉に関してはある程度リーダーとなって動いていた経緯があり、また、医療機関が非常に多いということもあって、重度の障害者の方、特に身体障害者の方などはかなり集中をしていると。その中で、私のいる北多摩の方は病院が多かった関係もあって、大変重度な方が学校教育を受けるというような、全国的に見ても余りほかに先例がないような重い方も見ているケースがあるので、そういう意味では、日本全体から見ても、東京というのはリーダーとして頑張らなきゃいけないし、また同時に、そういった実績を持っているという点では、非常に誇りに思っているということを担当の職員から聞いたことがあります。そういう点では大変評価をする部分でありますし、また逆に、こういった計画の中で、他県をリードするような形で新しいものをどんどん取り入れていただきたいというのが率直な意見です。さて、そういった中で、以前に第一次実施計画が出たときに、私の周りの障害者の保護者の方も、計画それ自体も結構厚みがあったんですが、それでも自分の子どもが関係する部分というのは、その中の何ページかしかなかったわけですけれども、その少ないページを一生懸命読み込んでいる保護者の方がたくさんいらっしゃいました。そういう点では、この計画、大変簡潔に、そしてまた事務的な部分などもありまして、上手にまとめられているんですが、一方で、書いてあること自身が、保護者の方にとってもうちょっと細かく書いたらイメージがつくのにとか、これはどういう意味で書いたんだろうかというふうに思われないように注意をしなければならないと思います。せっかくこういったものが公になったときに、ちょっとこれだけではわからない、もしくは誤解を受けてかえって期待をしてしまったというようなことがないようにぜひしていただきたいと思います。そういう視点から何点か質問いたします。これまで多くの養護学校において、施設の老朽化や設備の破損などで、保護者の方から、随分早急な修繕や改修を望む声が数多くございました。ハードウエアの話なんですけれども、今回の計画の中で統廃合など随分出てきますが、そういった統廃合というシステムの変化の中で、計画の中で、内容が変わる関係で、設備面の方に手を同時に出す、設備面の方の工事を少し行うというようなこともあるんではないかと思います。この二次計画の中では、いろいろそういった統廃合や併置のプランなど入っておりますが、実際に学校のハード面の改修という部分にも、それによって同時になされるということはあるんでしょうか。例えば、ある程度、設備面を変える関係で、同時に修繕も行うというようなことがあるんでしょうか。以前私ども、都議会民主党の多摩部会の方で、八王子盲学校の設備面、非常に問題が多いというふうにご意見をいただいたときに、実際に足を運んで、盲学校の授業なども含めて見学をさせていただきました。その際に、すぐ修繕については対応していただいたんですけれども、今後もそういった各養護施設の設備面の部分もまた課題が出てくると思いますので、そのあたりの状況について、今回改修がなされるか、そしてまたそれ以外の学校はどういうふうになるのか、そういうことがわかればよりよいと思いますが、いかがでしょうか。 # 荒屋特別支援教育推進担当部長 荒屋特別支援教育推進担当部長養護学校における施設整備につきましては、計画的に改修を行っているところでございます。第二次実施計画では、施設の老朽化や設備の破損に基づく改修等については対象としておりません。施設整備等につきましては、今後も各学校の要望を聞き取り、緊急性や必要性に応じて計画的に工事等を行ってまいります。 # 斉藤委員 斉藤委員計画の方は主にシステムもしくはソフト面ということで、ハードウエアの方の計画の工事に関しては直接関係がないということです。ただ、今最後の方の答弁で、要望などを聞き取りということだったので、ぜひともその部分については、各学校の意見を鋭敏に聞いていただければと要望いたします。それでは、その中身のソフト面について伺います。今回の計画については、大変細かい工夫や動き、変化というものを随分織り込んでいるように見受けられます。何か変化をつけなくてはいけないからというような理由で入れたんではないと私も想像したいと思います。むしろ、現場で以前から気がついていた課題とか、そしてまた同時に、やってみて大変いいからぜひとも今後取り組んでいくんだ、もしくは広くたくさんの学校や自治体で採用していただきたい、それゆえに、このような工夫を織り込んだのだというようなことで計画書に掲載されていることを期待いたします。それでは、まず一問目なんですけれども、三一ページの(7)ですね。肢体不自由特別支援学校における自立活動の指導のために重要な役目を果たす外部専門家である理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、心理の専門家臨床心理士あたりなんでしょうか、を引き続き計画的に導入し、指導内容、方法の充実と教員の専門性の向上を図りますというふうに書いてあります。私も、既存の人材だけでは考えずに、幅広く外部人材に目を向けるということはよいことだなというふうに思っていますが、今回、東京都の教育委員会の方で、外部専門家の導入を行うということについての趣旨を詳しく教えてください。 # 荒屋特別支援教育推進担当部長 荒屋特別支援教育推進担当部長都立肢体不自由特別支援学校においては、障害の重い児童生徒に対する自立活動の指導の際には、高度で最新の専門的知識や技能が求められております。このため、平成十六年度から、都立肢体不自由特別支援学校に理学療法士等の外部専門家を順次導入し、外部専門家からの指導の際、専門的立場から教員への指導助言等を行っております。なお、平成十九年度までに、都立肢体不自由特別支援学校十四校中、七校に外部専門家を導入したところでございます。第二次実施計画においても、導入していない都立肢体不自由特別支援学校へ外部専門家を導入し、指導の充実を図ってまいります。 # 斉藤委員 斉藤委員これまで十分届いていなかった、未導入の学校に関しても、今後指導の充実を図るために導入していくということで、引き続き頑張っていただきたいと思います。また、こういった要望に関しては、パブリックコメントの冒頭の方にも載っていることでございますので、ぜひともその辺も配慮しつつ、ご努力いただきたいと思います。さて、次でございますが、三二ページの(9)、(10)から質問いたします。東京都の教育委員会と学校関係者による生活訓練事業調整委員会が、学校外活動の場を確保する施設を把握する情報データベース化を行うと書いてあります。また、(10)には、キャリア教育指導や研究開発をするということが書いてあります。恐らく、これは過去の経験から必要性を感じて施策として盛り込んだんだなと思います。ただ気になるのは、この委員会について詳しい書き方が余りこの計画書の中ではされておりません。委員会で情報をまとめるとなるとそれだけの事務作業の手間がございますから、そういったことが実際にできる委員会なのか、そしてまた委員会の新設ということが(10)にあるわけですが、こういったものについてはどういうふうにするのか、この点についてそれぞれのビジョンをお聞かせください。 # 荒屋特別支援教育推進担当部長 荒屋特別支援教育推進担当部長生活訓練事業調整委員会については、都教委職員及び都立特別支援学校教員で構成した委員会でございます。委員会での事務作業は、少し手間がかかりますけれども、これらの委員会での作業はぜひ必要である、このように考えております。情報データベース化につきましては、宿泊施設及び野外施設のデータベースを既にTAIMSの掲示板を活用して作成しているところであります。また、キャリア教育指導につきましては、平成二十年度において、特別支援学校の小中学部の教員を中心にした委員会を設置し、研究開発を進めてまいります。 # 斉藤委員 斉藤委員今話に出てきたTAIMS、これは東京都で既に使っていて、一般の職員も使っているネットの掲示板みたいなものでしょうか。また、(9)、(10)については、双方とも余り文面ではよくわからなかったわけですけれども、それほどすごい大規模なものというふうなイメージではないようです。ただ、この委員会に入る方の負担が過重にならないように、そこはぜひ考慮して取り組んでいただくよう要望いたします。さて、少しページを進めて、三六ページの(2)、視覚障害者、聴覚障害者の特別支援学校における進学希望への対応というのがありますけれども、この中で、出前授業、大学体験入学、筑波大学との連携など、恐らく経費もそれなりに若干はかかるだろう、また手配とか手間がかかるだろうと思われるものが幾つかございます。効果については、それなりの確信や実績があることが予想されますが、実行するという点では、これらのことは容易なものなんでしょうか。その辺について詳しくお聞かせください。 # 荒屋特別支援教育推進担当部長 荒屋特別支援教育推進担当部長出前授業につきましては、ろう学校の教諭がろう学校に通級している難聴の児童が在籍する小学校へ出向き、通常の学級の児童に対して、聴覚障害とはといった内容の理解啓発授業を行ったなどの事例がございます。その効果としては、難聴の児童の学級の児童たちが優しくなり、難聴の児童が学級に溶け込みやすくなったというようなことが報告されております。大学体験入学では、大学体験入学を経験した生徒のモチベーションが向上するなどして、本人の努力と教員の指導によって大学に合格するケースなどが出ております。筑波技術大学との連携は、筑波技術大学のデザイン科とろう学校のデザイン系の希望生徒との高大連携を行っており、大学の専門技術を学ぶことができるなどのメリットがございます。こうした連携は、さまざまな困難がございますが、障害のある児童生徒の進学希望をかなえるため実施していく必要があると考えております。 # 斉藤委員 斉藤委員こちらの計画に載っている部分ではちょっとわかりにくいですが、しかしながら、かなり細かいビジョンがあるのではないかと思います。その部分では期待をいたします。それでは続きまして、四一ページの(3)のイに、東京都の特別支援教育推進室(仮称)について書いてあります。これは、東京都就学相談室の機能を拡大して設置するというふうに書いてあります。しかも、四つの機能というものをこれまでのものに加えて、さらに東京の特別支援教育推進の中核にするというふうな説明が入っております。これは大変重い責任を担っているんじゃないかと思います。東京全体の子どもの教育に悩む保護者の支えとなるものでありますから、大変意味は大きいですし、同時に責任重大、このような中核機関にはそれなりの組織や事務局施設が保障されていなければ、なかなかできないんじゃないかなというふうに思いますが、どのような機関になるのか、教えていただきたいと思います。 # 荒屋特別支援教育推進担当部長 荒屋特別支援教育推進担当部長東京都特別支援教育推進室は、従来の就学相談室を発展させ、就労支援機能、情報提供機能、理解啓発機能、関係機関の連携調整機能を備えた、都の特別支援教育を推進する中核的な役割を担う機関となるものであります。 # 斉藤委員 斉藤委員聞けば聞くほど大変重要な仕事を担うというふうにわかります。ただ、この計画書の中では余りにもあっさり書いていて、今回は予算委員会でありませんので、余り規模について、予算的な意味合いで質問するというわけにはいかないわけですけれども、恐らくこの中で、特にこのような機能を実施するには、最初のうちは、もちろん東京都の就学相談室あたりのところから仕事を始めていくことが多いんではないかと思いますが、一方で、やっていく中で、特にこの中でいわれている四つの機能のうち、就労の支援の部分ですね。この機能については、恐らく今大変注目を集めていますし、期待もされているということです。自立支援法の関係で、この部門は特に期待が大きいわけですから、今現在スタートという部分で、余り最初から大きなことはできないのかもしれませんが、今後は予算やもしくは人材の確保といった部分で、またこれ詳しく予算委員会あたりでやった方がいいとは思うんですが、しっかりとこれから拡大をしていくようなつもりで準備をしていただきたいと思います。こういった議論については今後に持っていくとして、次の質問に移ります。それでは四七ページ、(8)、本計画に基づく都立特別支援学校の再編整備等によって、地域、保護者からの期待の高い学校などに置く統括校長というのがこの中で登場いたします。一般の校長と比較して、明らかに客観的に高い評価を得ていなくてはならない校長というふうに理解いたしますが、この中で、判断力や実行力において特にすぐれた校長と形容されております。このように評されている役職でありますから、何であの人がとほかの先生にいわれてしまうようでは、やはりいけないと思います。では、どのような基準でだれがこの統括校長を人選するのか、ぜひ教えてください。 # 松田人事部長 松田人事部長都教育委員会は、校長の職を分化いたしまして、特に重要困難な校長の職として統括校長を設置したところでございまして、平成二十一年度以降任用していく予定でございます。都立の特別支援学校におきましては、都立特別支援学校の再編整備等によりまして、地域、保護者からの高い期待にこたえる責務を負う学校や複数の障害部門を設置する学校など、管理の困難度が高い学校に統括校長を置くことを考えております。統括校長の任用に当たりましては、詳細は現在検討中でございますが、校長として顕著な勤務実績があり、学校経営においてすぐれた資質、能力を有する者を都教育委員会が適切に選考してまいります。 # 斉藤委員 斉藤委員統括校長については、今詳細について検討中ということですので、余りこの場での答弁は求めませんが、しかしながら、今の段階ではどうしても抽象的な表現にしかなかなかならないところだと思いますので、今後明確に、特に関係する職員の皆さんにとっても大変関心があると思いますので、ぜひとも詳細に、また客観的にも納得がいくような一つのルールというものをつくった上で取り組んでいただきたいというふうに思います。それでは続きまして、五四ページの(3)に特別支援教育のコーディネーターについて書いてあります。この数を今後ふやしていくというのは大変すばらしいことだと思います。そしてまた、ADHDとかLDの発見、判断という難しいとされてきた分析の能力を持ち、保護者にそのことをよく理解してもらい、医療資源活用などができる、そして的確な進路アドバイスができるという、そういったコーディネーターがいれば、確かにそれはすばらしいことだと思います。その育成のための研修が予定されているということでありますが、どのような研修をイメージしているのか、詳しく教えてください。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長この研修は、特別支援学校のコーディネーターが地域の小中学校の支援を行うために必要となります資質や能力を育成することなどをねらいとして、教職員研修センターで実施しているものでございます。研修内容は、発達検査等を活用した児童生徒の障害の実態把握や個別の教育支援計画の策定と活用に関する演習、指導の実際の場面を想定したロールプレー等を取り入れ、特別支援教育コーディネーターとしての実践的な力が身につくようにしているところでございます。 # 斉藤委員 斉藤委員こういった研修、なかなか表現をするのは難しいところでありますが、ぜひともより多くの方に研修を受けていただき、そしてまたこういったコーディネーターをふやしていただきたいと思います。さて、すぐ次の五五ページに、同様に研修のことが載っています。(4)に、児童生徒の問題行動の現状と課題の理解を深め、的確に対応するための知識や技術の習得を図る研修を実施し、高いカウンセリングマインドを身につけるというふうにあります。このカウンセリングマインド、なかなかイメージするのは難しいところがあるかもしれません。これを実際に研修し、習得を評価するということは大変難しいと思います。具体的にどのようにやるのか、ビジョンをお聞かせください。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長学校教育相談に関する専門研修では、児童生徒の障害特性の理解に基づいた教育相談を担当できる知識や技能の習得を図っているところでございます。研修の実際に際しては、臨床心理の専門家を講師に迎えたり、さまざまな障害のある児童生徒の指導に関する事例研究を行ったりするなどして、障害のある児童生徒一人一人の心情を深く理解できる教員の育成に努めているところでございます。また、研修成果の評価につきましては、研修受講者に自己評価を行わせるとともに、受講者の校長に研修成果が学校で生かされているかについて報告を求めておりまして、今後も教員の資質向上が図られているかどうかを見きわめてまいります。 # 斉藤委員 斉藤委員文章では大変簡潔に書かれていますが、詳しく説明をいただくとよりよくわかります。ではもう一つ、六〇ページの(3)にも、指導などについて書いてありますが、多様化する知的障害者に対応する指導システムというのがございます。これは確かに求められるところでございますが、この指導システムの構築に関してどのようにビジョンを持っているか伺います。計画書では大変簡潔に表示されていますが、実際には、大変造詣の深い優秀な経験豊富な人材をリーダーに据えて、明確なビジョンを持ってこのシステムをつくっていかなければ、なかなか大変かと思います。この指導システムの課題と展望について教えてください。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長児童生徒の障害の多様化に対応できる指導のシステムを構築するためには、複数担任のそれぞれが児童生徒の担当や授業の分担等を明確にしていく必要がございます。このことにつきましては、平成二十一年度までに、仮称でございますが、特別支援学級の教育課程の編成の手引を作成いたしまして、複数担任の役割を明確にした指導事例などを示すことで、特別支援学級における児童生徒の障害特性に応じた効果的な指導を行っていくことができると考えます。 # 斉藤委員 斉藤委員では、最後にもう一つ伺います。六一ページの(1)のところに、先ほど幼稚園の方の研修会講師派遣などの話が、我が党の伊藤委員また自民党の早坂副委員長の方からも質問が出ました。パブリックコメントの中でも少し触れられていますが、昨今の学校、大変全般的に教職員多忙というふうに聞いておりますし、また大変疲労もストレスも問題になっております。都立の特別支援学校には例外的にそのような余裕が残っているのか心配ですし、その間の学校の体制を補完する補助人材の確保など見込めるんでしょうか。この辺については、先ほどの陳情に対する現況の説明の中で若干触れられた部分があるかと思いますが、確認のため伺います。 # 荒屋特別支援教育推進担当部長 荒屋特別支援教育推進担当部長知的障害特別支援学校小中学部併置校が地域の特別支援教育のセンター校として、区市町村の特別支援教育体制の推進を主な目的としたセンター的機能を発揮するため、非常勤講師を措置しているところでございます。 # 斉藤委員 斉藤委員ありがとうございました。今全部で九問ほど伺ったんですけれども、今回、計画をつくる中で、一方で、割と現況のシステムを使って作業の延長線としてできますよというような、例えば、先ほどいった学校外活動のための施設を把握する情報データベース化、これなどは今までもやっているので延長線でできますよというふうなことが書いてあります。一方で、先ほどお話ししましたように、今の時代大変期待が大きい就労支援機能などについて、しかもそのほかにも三つの機能を、これまでのいわゆる相談室に拡大をして乗せていく、これについても非常にコンパクトに書いてあります。内容によって表現が、本当はもっと細かく書いた方がいいんではないかなとか、一方でこれについては非常に簡単だけれども、重々しく書き過ぎているかなという部分も若干見受けられるというのが私の感想であります。そういう点で、この計画書そのものを大変多くの方々が我が子のために、もしくは我が事のように読み込む方がたくさんいらっしゃいます。そういう点では、いつでも誤解のないような説明ができるように、ぜひ今後とも努力をしていただきたいと思いますし、また多くの方に見ていただいて、東京の教育委員会がどのようなイメージでこういった特別支援教育をやっていこうとしているのか理解をしていただいて、その上でさまざまに現場からの意見を発してもらうということを今後とも努力をしていただきたいと思いますし、それによって他県にない、東京ならではの、まさに日本をリードできる特別支援教育というものをつくっていただきたいと思います。最後は要望として、以上で質問を終わります。 # 松葉委員 松葉委員この東京都特別支援教育推進計画第二次実施計画でございますが、「はじめに」のところで、第一次実施計画を踏まえ、学校教育法の一部改正を踏まえ、平成十八年十二月の「十年後の東京」での障害者雇用を新たに三万人ふやすということを踏まえて、特別支援学校はもとより、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校においても、特別な支援を必要とする幼児、児童生徒に対して、適切な指導及び必要な支援を行うための施策を盛り込んでいますということで、具体的に、乳幼児に対する早期支援、児童生徒に対する就学支援、学習支援、発達障害者支援法及び障害者自立支援法の施行を受けた就労支援を充実しますと、そのように、この「はじめに」に簡潔に全体の目指しているものを表現されていると読ませていただきました。大変に今後三年間の重要な施策でもございますので、私も真剣に何度も何度も読ませていただきました。そこで、本日は何点かにわたり質問をさせていただきます。この第二次実施計画には、知的障害特別支援学校や小中学校の知的障害及び情緒障害の特別支援学級の在籍者数が増加しているとあります。平成七年生まれぐらいから発達障害児が増加をしているという傾向が指摘をされておりまして、その平成七年生まれのお子さんが小学校に入学されるのが平成十四年ということになりますけれども、この巻末にございます参考図表1や参考図表3を見ますと、その傾向が顕著に平成十四年ぐらいからあらわれているなというふうに読ませていただきました。そこで、都教委は、この知的障害や発達障害の児童生徒が増加した要因をどのように分析されているのか、まず伺います。 # 荒屋特別支援教育推進担当部長 荒屋特別支援教育推進担当部長都教育委員会といたしましては、知的障害特別支援学校や小中学校の知的障害及び情緒障害の特別支援学級における個に応じた指導の理解啓発が進んだことが、在籍者数の増加の最も大きな要因ではないかと考えております。 # 松葉委員 松葉委員今ご答弁がございましたけれども、さまざまな要因が考えられると思いますが、確かにそういった理解啓発が進んできたこと、それも大変大きなことだと思います。現実に、この都立知的障害特別支援学校では、今後も児童生徒が増加していく、そういう傾向性が見受けられるわけですけれども、そうしますと、普通教室不足が今後も続くものと考えられます。そこで、その点について、今後の施策の方向性を伺います。 # 荒屋特別支援教育推進担当部長 荒屋特別支援教育推進担当部長都立知的障害特別支援学校における必要な普通教室を確保するため、閉校した都立高等学校や都立聴覚障害特別支援学校の跡地を利用した新設校の設置や、複数の障害教育部門をあわせ持つことによるメリットを生かした併置校の設置、普通教室の増築など、総合的に適正配置をしていくことで教育環境の向上を図ってまいります。 # 松葉委員 松葉委員先ほど申し上げました参考図表3を見ますと、通常の学級に在籍しながら通級指導学級に通って、特別な指導を受けている発達障害の児童生徒がふえていることが明らかに読み取れるわけでございますけれども、中学校の通級指導学級に通っている保護者の方々から、中学校卒業後の進路についてどういった学校に行けばいいか、そのようなご相談を私もたびたび受けております。そこで、中学校の通級指導学級に通っていらっしゃるほとんどの発達障害の生徒の方の進路先は、高等学校であるというふうに聞いておりますけれども、そういった意味では、今回この第二次実施計画の中で、第5章を設けて、都立高等学校等における特別支援教育の充実を計画しているということは、大変に大事な視点であると思います。そこで、この高等学校の教員に対して特別支援教育についての理解を深めていく、そのためにどのようなことをされていくのか、伺います。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長都立高校におきましても、教員に特別支援教育の理解啓発を図ることは極めて重要でございます。このため、都教育委員会は、本年十二月十一日に、全都立高校を対象とした特別支援教育に関する研究協議会を開催し、先進的に取り組んでいる学校の実践事例の報告等を行ったところでございます。今後、すべての都立高校におきまして、各学校の特別支援教育の推進役となります特別支援教育コーディネーターを指名するとともに、その資質、専門性の向上を図る研修や各学校の実践事例報告、情報交換などを行います都立高等学校等発達障害支援研究協議会を実施するなどして、都立高校における特別支援教育の充実を図ってまいります。 # 松葉委員 松葉委員中学校までが義務教育でございまして、高校はそうではありませんけれども、今や全入時代といわれるぐらい高校に進学する時代になっておりますので、この中学校、通級指導学級に通っている生徒の皆さんが、進学に当たって本当に悩んでいらっしゃいますので、そういうようなことも含めて、今後さらに検討していただければと思っております。次に、都議会公明党では、五月三十日に、私の地元の杉並区に本年四月に開校しました永福学園養護学校に、石川理事を中心に訪問いたしました。この永福学園養護学校では、ビルクリーニングや物流事務、食品や福祉のコースを設置して、企業のニーズに応じた職業教育を展開しており、全国的にも先駆的な取り組みであり、大変に期待をしております。今回の第二次実施計画では、さらに板橋学園特別支援学校と東部地区学園特別支援学校の設置計画が示されました。これは、第二回定例会の代表質問におきまして、公明党が全員就労を目指す知的障害特別支援学校高等部の増設について提案をいたしました。それに対して、知事からは、特別支援学校の職業教育、就労支援の一層の充実が必要でありまして、知的障害が軽い生徒の全員就労を目指す高等部の計画的な設置を含めて進めていきたいと答弁があり、第二次実施計画に設置計画が盛り込まれたものと理解をしております。そこで、平成二十年度に開校する青梅東学園養護学校、また平成二十一年度開校の南多摩地区学園養護学校や、この二次計画で設置計画が示された二校での教育内容について、どのようなものになっているのか伺います。 # 荒屋特別支援教育推進担当部長 荒屋特別支援教育推進担当部長今後設置する知的障害が軽い生徒を対象とした特別支援学校には、永福学園養護学校と同様に、高等部職業学科を設置し、流通・サービス系列や家政系列などの職業教育を行うことになっておりますが、設置する地域の特性を踏まえて、特色ある教育課程を編成する予定でございます。例えば、青梅東学園養護学校には、流通・サービス系列に、永福学園養護学校には設置していないエコロジーサービスコースを設置し、園芸、農園芸等を活用した自然環境保全に係るサービス関連の就労に関する指導を行う予定でございます。 # 松葉委員 松葉委員ただいまのご答弁で、青梅東学園養護学校では、農園芸等を活用した自然環境保全によるサービス関連への就労、そのようなコースも開設する予定であるという答弁がございまして、非常に期待をするところでございます。先ほど中山委員からお話しございましたけれども、国立の職業リハビリテーションセンターというのが、埼玉所沢と岡山の吉備高原にございまして、私はこの吉備高原に視察に行き、中山議員は所沢の方に行ったわけでございますが、この中身につきましては、中山議員が第二回定例会の一般質問で、障害者の就労支援について詳しく質問したところでございます。その中には、この所沢におきましては、全盲の視覚障害者でも高度な情報処理が可能になるような、ITを含めた先進機器技術、企業も連携した、そういうような職業訓練も行っているというようなものも視察をしております。そういったことは産業労働局も含めた今後の取り組み、障害者職業能力開発校等でも進めていくことになりますけれども、そのような中身もさまざまございますので、この新しく設置する知的障害が軽い方の職業校、特別支援学校につきましても、そういった教育内容についてさまざまご検討していただくことを要望しておきます。次に、この永福学園養護学校のような知的障害が軽い生徒を対象とした特別支援学校のみならず、地域型の知的障害特別支援学校においても、企業への就労を目指した指導を充実することが重要でございまして、現在、この巻末の参考図表4に、高等部卒業者の進路状況が載っておりますけれども、知的障害特別支援学校高等部卒業生の企業就労率は、約三〇%とこの八年推移しておりますけれども、今回の第二次実施計画では四〇%を目指していくと、そのように高い取り組みが載っております。そこで、具体的にはどのような取り組みをされてこの四〇%を目指すのか、具体的に伺います。 # 荒屋特別支援教育推進担当部長 荒屋特別支援教育推進担当部長就労先企業の実態に合わせた作業学習や実習を実施するために、地域型の知的障害特別支援学校を職業教育改善校として順次計画的に指定し、産業社会に対応した新しい作業学習の設定を推進するなど、教育内容の充実を図り、就労率の向上を目指してまいります。また、指定校等による委員会を設置し、取り組みの成果を検証してまいります。 # 松葉委員 松葉委員取り組みの成果を期待しております。私は、IOCからオリンピックという名称を許可されている知的発達障害の方のスペシャルオリンピックスについて、定例会の一般質問で質問させていただきました。二〇一六年、東京はオリンピック、パラリンピック招致を目指しておりますけれども、このスペシャルオリンピックスにつきましては、同じように四年に一回オリンピックという形で開いております。これは、アメリカの故ケネディ大統領の妹であるユーニス・ケネディ・シュライバー夫人が自宅の庭を開放して開いたデーキャンプから始まっておりますけれども、このスペシャルオリンピックスの精神というのは、各個人のあらゆるハンディに負けない精神を培うということと、それから社会に貢献可能な人材であり、言葉をかえれば、社会人として納税者になれる人材であるという考え方がスペシャルオリンピックスのコンセプトだといわれております。ですので、知的発達障害をお持ちの方が社会に貢献可能な人材、そしてまた納税者になれる人材である、そのことを目指して、教育訓練またスポーツプログラム、そのようなことも含めてスペシャルオリンピックスという複数形にして、四年に一遍のスポーツの大会だけではなく、教育プログラムを実施している、そのような大会でございます。そういう趣旨からも、この一般就労を、障害をお持ちの方が社会の中で生き生きとされていくということは、これからの社会の中で非常に大事だと思っております。この第二次実施計画には、四〇ページに、「十年後の東京」に掲げられた、新たなる障害者雇用三万人の増加に向けての特別支援学校における就労支援のための民間を活用した企業開拓など、新たな仕組みづくりを計画されております。そこで、この仕組みを機能させるために具体的にどのような取り組みをされるのか、伺います。 # 荒屋特別支援教育推進担当部長 荒屋特別支援教育推進担当部長特別支援学校における就労支援につきましては、これまで、各学校の進路指導担当教員が企業を回り、実習先や就労先の開拓を行ってきたところでございますが、第一次実施計画では、知的障害が軽い生徒を対象とした特別支援学校高等部職業学科及び普通科職業コースに民間の人材を活用した就労サポーターを導入し、実習先や就労先の開拓の改善を図ってまいりました。第二次実施計画では、すべての特別支援学校における就労支援を展開していくため、各学校がこれまで培ってきたノウハウを生かすとともに、民間を活用した企業開拓を行い、実習先や就労先の確保の拡大を図ってまいります。また、現在の東京都就学相談室の機能を拡大して、東京都特別支援教育推進室(仮称)を設置し、これまで各学校が開拓した企業情報や新たに民間を活用して開拓した企業情報、ハローワークなどと連携して集約した情報を集約、調整してデータベース化し、各特別支援学校が活用できる新たなシステムを構築してまいります。さらに、企業向けセミナーの実施、理解啓発ビデオを作成活用するなどして、企業に対し障害者雇用の理解と協力を求めてまいります。 # 松葉委員 松葉委員企業開拓を委託していく、そういう企業をつくるということでございますので、しっかりとした企業に業務委託ができるように、都教委といたしましても、選定基準など、万全を期していただきたいと思います。今、企業向けセミナーという話がございましたが、企業向けセミナーを実施して、また企業に対し、障害者雇用の理解と協力を求めていくということでございますけれども、これまで実施してきた企業向けセミナーの実績と今後の方向性を伺います。 # 荒屋特別支援教育推進担当部長 荒屋特別支援教育推進担当部長企業向けセミナーは、知的障害特別支援学校高等部の生徒の就労を促進するため、都内の企業の方々を対象に、平成十七年度より都教委主催で実施しております。本年度は七月十七日に、都民ホールにおいて、二百五社、二百七十八名の企業の方々の参加を得まして、「障害者の社会自立の可能性を広げて」をテーマに開催したところでございます。当日は、障害者雇用を積極的に進めている企業の方に、障害者雇用の職域拡大についてご講演をいただいたところであります。「十年後の東京」の障害者雇用三万人以上の増加を目指すことを受け、第二次実施計画では、産業労働局、福祉保健局と連携し実施していく予定でございます。 # 松葉委員 松葉委員今、企業向けセミナーの取り組みについて伺いましたけれども、企業に対しては法定雇用率が定められておりますし、例えば特定就職困難者雇用開発助成金等、国の施策もございますけれども、しかしながら、企業開拓をしていく上では、この障害者雇用が進んでいる企業を、例えば表彰するとか、何か顕彰するとか、そのような仕組みも関係局と連携をされながら考えていかれるということも一つの方策ではなかろうかと思いますので、ご検討していただければと要望しておきます。こうやって就労支援を行っていくためには、企業への理解啓発とともに、障害のある子どもを持つ保護者の方に理解啓発を行っていくことも重要であると考えます。保護者に対する理解啓発をどのように今後行っていかれるお考えか、伺います。 # 荒屋特別支援教育推進担当部長 荒屋特別支援教育推進担当部長委員ご指摘のように、就労支援のためには、障害のある子どもを持つ保護者に対する理解啓発を図り、学校と家庭が連携した指導を行っていくことが重要であります。障害のある生徒が企業で働ける力を育成するためには、小中学部段階からキャリア教育を充実し、活動する喜びや働く喜び等が体感できる指導を展開する必要があります。そこで、第二次実施計画では、キャリア教育を充実するための委員会を設置し、指導内容について研究開発していくこととしております。今後、個別の教育支援計画や個別指導計画に基づく指導をより一層充実し、保護者の理解を得ながら、家庭と学校が連携したキャリア教育を推進してまいります。 # 松葉委員 松葉委員新たなこういった特別支援学校における就労支援の取り組みを心から期待をしております。最後に、先日、一般質問で、我が党の伊藤興一議員が、特別支援学校における放課後の居場所づくりについて質問いたしまして、教育長から、モデル事業の実施をするということを明らかに答弁をしていただきました。地域において受け皿となる福祉的な観点からの居場所づくり、また教育的な特別支援学校の観点からの放課後の居場所づくり、両方からの取り組みが重要だと思っております。来年度、ぜひともモデル事業を着実に推進していただくことを改めて要望いたしまして、質問を終わります。 # 古館委員長 古館委員長ほかに発言がなければ、お諮りいたします。報告事項及び請願陳情に対する質疑は、これをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 古館委員長 古館委員長異議なしと認め、報告事項及び請願陳情に対する質疑は終了いたしました。これより請願陳情の採決を行います。初めに、請願一七第一七一号を起立により採決いたします。本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。〔賛成者起立〕 # 古館委員長 古館委員長起立少数と認めます。よって、請願一七第一七一号は不採択と決定いたしました。次に、請願一九第九五号を起立により採決いたします。本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。〔賛成者起立〕 # 古館委員長 古館委員長起立少数と認めます。よって、請願一九第九五号は不採択と決定いたしました。 # 古館委員長 古館委員長次に、陳情一九第五一号を起立により採決いたします。本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。〔賛成者起立〕 # 古館委員長 古館委員長起立少数と認めます。よって、陳情一九第五一号は不採択と決定いたしました。請願陳情の審査を終わります。以上で教育庁関係を終わります。これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。午後四時十七分散会
2024-03-31T11:23:21.250072Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/538855?Template=document&Id=6467#one
--- title: 平成19年文教委員会 名簿・議事日程 # 平成十九年十二月十四日(金曜日)第三委員会室出席委員十四名委員長古館和憲君副委員長早坂義弘君副委員長門脇ふみよし君理事吉原修君理事斉藤あつし君理事石川芳昭君伊藤ゆう君松葉多美子君中山信行君伊藤まさき君鈴木一光君古賀俊昭君大山とも子君服部ゆくお君欠席委員なし出席説明員生活文化スポーツ局局長渡辺日佐夫君次長三橋昇君総務部長高西新子君広報広聴部長和田正幸君都民生活部長小笠原広樹君消費生活部長宮川雄司君私学部長小濱哲二君文化振興部長杉谷正則君スポーツ振興部長細井優君参事萩原まき子君参事平林宣広君参事桃原慎一郎君参事池田俊明君参事高原俊幸君教育庁教育長中村正彦君総務部長志賀敏和君学務部長新井清博君人事部長松田芳和君福利厚生部長秦正博君指導部長岩佐哲男君生涯学習部長三田村みどり君特別支援教育推進担当部長荒屋文人君人事企画担当部長直原裕君参事石原清志君参事森口純君本日の会議に付した事件意見書について生活文化スポーツ局関係付託議案の審査(質疑)・第百九十二号議案東京都育英資金条例の一部を改正する条例・第百九十三号議案東京都私立学校教育助成条例の一部を改正する条例教育庁関係付託議案の審査(質疑)・第百九十四号議案学校職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例・第百九十五号議案学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例・第百九十六号議案都立学校等に勤務する講師の報酬等に関する条例の一部を改正する条例・第百九十七号議案都立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例報告事項(質疑)・東京都特別支援教育推進計画第二次実施計画について請願陳情の審査(1)一七第一七一号障害児学校寄宿舎の統廃合に反対し、寄宿舎の充実を求めることに関する請願(2)一九第九五号障害児の自立を育む寄宿舎の存続・発展を求めることに関する請願(3)一九第五一号東京都の心身障害教育の充実に関する陳情
2024-03-31T11:23:21.953625Z
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--- title: 平成19年文教委員会 本文 # 午後一時二分開議 # 古館委員長 古館委員長ただいまから文教委員会を開会いたします。初めに、陳情の取り下げについて申し上げます。お手元配布の一九第六一号、江戸川養護学校と小岩養護学校の統合計画と寄宿舎廃舎計画の見直しに関する陳情は、議長から取り下げを許可した旨通知がありましたので、ご了承願います。 # 古館委員長 古館委員長次に、会期中の委員会日程について申し上げます。お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。本日は、お手元配布の会議日程のとおり、生活文化スポーツ局、教育庁関係の第四回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取及び陳情の審査並びに教育庁関係の報告事項の聴取を行います。なお、提出予定案件及び報告事項につきましては、本日は説明を聴取し、資料要求することにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いたいと思います。ご了承願います。これより生活文化スポーツ局関係に入ります。初めに、第四回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。 # 渡辺生活文化スポーツ局長 渡辺生活文化スポーツ局長今定例会に提出予定の条例案二件についてご説明申し上げます。お手元配布の資料第1号、平成十九年第四回東京都議会定例会議案の概要をごらん願います。表紙を一枚おめくり願います。目次に条例案の一覧をお示ししております。東京都育英資金条例の一部を改正する条例案及び東京都私立学校教育助成条例の一部を改正する条例案でございます。学校教育法等の一部を改正する法律の施行による学校教育法等の改正に伴い、規定を整備するため、所要の改正を行うものでございます。以上で条例案の概要説明を終わらせていただきます。詳細につきましては、引き続き総務部長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。 # 高西総務部長 高西総務部長今定例会に提出を予定しております条例案の詳細について、ご説明申し上げます。お手元配布の資料第1号、平成十九年第四回東京都議会定例会議案の概要の一ページをお開きください。上段に記載しております東京都育英資金条例の一部を改正する条例案の概要でございます。1、目的にありますように、学校教育法等の一部を改正する法律の施行による学校教育法等の一部改正に伴い、規定を整備するものでございます。2、内容にありますように、学校教育法の一部改正により、学校種の規定順について幼稚園を最初に規定する改正があるため、引用している法律の条項を改めること、また、地方独立行政法人法の一部改正により、公立大学法人が高等専門学校を設置することが可能となることから、所要の改正を行うものです。なお、本条例案は、学校教育法等の一部を改正する法律の施行の日から施行を予定しております。次に、下段に記載しております東京都私立学校教育助成条例の一部を改正する条例案の概要でございます。1、目的にありますように、学校教育法等の一部を改正する法律の施行による学校教育法の一部改正に伴い、規定を整備するもので、2、内容にありますように、学校教育法の一部改正により、学校種の規定順について幼稚園を最初に規定する改正があることなどから、所要の改正を行うものでございます。本条例案は、学校教育法等の一部を改正する法律の施行の日及び公布の日から施行を予定しております。なお、お手元配布の資料第2号、平成十九年第四回東京都議会定例会議案につきましては、後ほどごらんいただきたいと存じます。以上、今定例会に提出を予定しております議案についてご説明をさせていただきました。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。 # 古館委員長 古館委員長説明は終わりました。この際、資料要求のある方はご発言願います。〔「なし」と呼ぶ者あり〕 # 古館委員長 古館委員長なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。 # 古館委員長 古館委員長次に、陳情の審査を行います。陳情一九第三九号及び陳情一九第四二号は、趣旨が同一でありますので、一括して議題といたします。理事者の説明を求めます。 # 宮川消費生活部長 宮川消費生活部長一九第三九号、割賦販売法の抜本的改正を求める意見書提出に関する陳情及び一九第四二号、割賦販売法の改正を求める意見書提出に関する陳情についてご説明申し上げます。陳情の趣旨につきましては個別にご説明させていただき、現在の状況につきましては重複しておりますので、一括してご説明させていただきます。最初に、一九第三九号、割賦販売法の抜本的改正を求める意見書提出に関する陳情の要旨についてご説明申し上げます。お手元に配布しております陳情審査説明表の一ページ目をごらんください。本陳情は、千代田区の東京弁護士会会長下河邉和彦さん外二人から提出されたものでございます。陳情の要旨は、クレジット被害の防止と取引適正化を実現するため、消費者に対し、安全・安心なクレジット契約が提供されるよう、国に対し、割賦販売法を抜本的に改正することを求める意見書を提出していただきたいというものでございます。次に、一九第四二号、割賦販売法の改正を求める意見書提出に関する陳情の要旨についてご説明申し上げます。陳情審査説明表の二ページ目をごらんください。本陳情は、新宿区の東京司法書士会会長小村勝さん外三人から提出されたものでございます。陳情の要旨は、クレジット取引における消費者の安心・安全を確保する観点から、国に対し、割賦販売法の改正を求める意見書を提出していただきたいというものでございます。現在の状況につきまして、一括してご説明いたします。都はこれまでも、消費者保護の観点から、割賦販売をめぐり現実に起きているさまざまな問題に対し適切に対応できるよう、割賦販売法の改正を、国に対し提案要求してまいりました。本年は七月に実施いたしました。また、苦情、相談を受けている東京都消費生活総合センターでは、割賦販売法上の問題があると思われる事項を整理いたしまして、本年六月に意見書を国へ提出いたしました。東京都議会におかれましても、平成十九年第三回定例会におきまして、割賦販売法の改正に関する意見書を採択され、国へ提出されたところでございます。現在、国の産業構造審議会において、悪質商法を助長する不適正な与信の排除及び過剰与信の防止等を図るため、割賦販売法を改正する方向で検討、審議を進めており、今月末までには最終報告を取りまとめる予定であると伺っております。説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。 # 古館委員長 古館委員長説明は終わりました。本件について、ご発言願います。なしでよろしいでしょうか。〔「なし」と呼ぶ者あり〕 # 古館委員長 古館委員長発言がなければ、お諮りいたします。本件はいずれも継続審査とすることにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 古館委員長 古館委員長異議なしと認めます。よって、陳情一九第三九号及び陳情一九第四二号は、いずれも継続審査といたします。 # 古館委員長 古館委員長次に、陳情一九第四一号を議題といたします。理事者の説明を求めます。 # 宮川消費生活部長 宮川消費生活部長一九第四一号、保険業法の制度と運用を見直し、自主共済の適用除外を求める意見書提出に関する陳情についてご説明申し上げます。お手元に配布しております陳情審査説明表の三ページ目をごらんください。本陳情は、新宿区の共済の今日と未来を考える東京懇話会代表、東京保険医協会会長塩安佳樹さんから提出されたものでございます。陳情の要旨は、国に対して、次のことを求める意見書を提出していただきたいというものです。1、構成員が限定され助け合いを目的とした共済の実態を踏まえ、保険業法の制度と運用を見直していただきたい。2、団体が目的の一つとして構成員のために自主的かつ健全に運営されている共済を、保険業法の適用除外にしていただきたい。これに関する現在の状況でございますが、平成十七年五月二日に保険業法等の一部を改正する法律が公布され、平成十八年四月一日に施行されました。この改正保険業法が施行されるまでは、特定の者を相手方として法律に基づかず保険を引き受けている、いわゆる無認可共済は、保険業法の適用対象外とされてきました。しかし、近年、いわゆる無認可共済が会員向け限定と称して販売する保険に関し、不適正な販売方法や財政基盤の脆弱なこと等によるトラブルが増加し、保険契約者等の保護を図ることが必要であるとして、国が保険業法の改正を行ったものであります。改正保険業法では、特定の者を相手方として保険の引き受けを行う事業に、原則として保険業法の規定が適用されます。また、一定事業規模の範囲内で少額かつ短期の保険の引き受けのみを行う事業者は、少額短期保険業者として国に登録を行う必要があります。改正保険業法の施行により、いわゆる無認可共済事業者が事業を継続するためには、平成二十年三月末までに、保険会社か少額短期保険業者になる等の対応を行わなければなりません。説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。 # 古館委員長 古館委員長説明は終わりました。本件について、ご発言願います。 # 中山委員 中山委員私は、都議会公明党を代表して、陳情一九第四一号について意見を表明します。消費者被害を防止するための保険業法等の一部を改正する法律の施行については、少額短期保険業者などへの移行などを模索する、いわゆる無認可共済団体に対し、国は所管の金融庁を通じて適宜問い合わせや相談に応じ、円滑な移行に努力しているところと聞きます。およそ何らかの共済に加入する人々は、その共済制度が善意に過失なく運営されるであろうことを信じて積立金を支払っています。しかし、多くの消費者被害は、そうした善意が何らかの事情からむなしくくじかれる事例の発生が少なくないことを物語っています。加入者の信頼に足る共済運営を末永く担保していくためには、ある程度の法制度の関与は社会的に見て不可避な趨勢といえます。問題は、改正法の内容が不当に高いハードルを課すオーバースペックになってはいないかという点にあります。この点において、改正法などの条文、文言を特定して、具体的に問題点を指摘する声は届いておらず、今回の陳情の文面においても明らかになっていません。したがって、現時点では、直ちに当該改正法の施行を大幅に見直す必要があるとは認めがたく、本陳情は不採択とするべきと考えます。しかし、少額短期保険業者などへの移行については、例えば保険業に精通した人材の確保や電算機器体制の整備などの点において、あたかも法が求める基準を超える体制の充実が必要であるかのような誤解が生じていたのも事実です。この点については法改正を大きなビジネスチャンスととらえたコンサルティング会社などの営業による影響もあると思われます。具体的には、保険業に精通した人材の確保については、その雇用方法も非常勤で構わないということであり、また、電算機器体制の整備についてもこれまでのパソコンなどをうまく使うことでよいというのが、金融庁の見解です。こうした誤解をいまだに払拭できていない、いわゆる無認可共済団体があるとすれば、放置するべきではありません。また、少額短期保険業者などへの移行については、最低資本金一千万円以上という基準があります。この点についても、長年共済事業を営んできた団体にとっては、決して不当に高いハードルではないはずとする金融庁の判断の妥当性を確かめる必要があります。さらに、少額短期保険業者などへの移行や共済の解散ではなく、民間の既存保険商品への移行という選択肢を選んだ場合についても、保険会社の商品の掛け金や補償内容が、共済と比べて契約者にとって不利になったのかどうかについても確かめる必要があります。こうした点において、生活文化スポーツ局は、自局の消費者行政の分野だけでなく、福祉保健局などの都庁全般、さらに区市町村にも呼びかけ、法改正に伴う苦情や相談が都民から寄せられていないかどうかを確認し、適切に対処するべきであると主張して、本件に係る我が党の意見の表明を終わります。 # 大山委員 大山委員私の意見を述べます。私は、この陳情に関して調べる中で、保険業法の改定に伴って大変なことになっているという認識を新たにいたしました。この保険業法改定の本来の目的は、共済の名をかたる悪徳保険業者の規制でした。共済規制の発端となったのは、高配当をうたって約九十億円もの資金を集め、そのほとんどを私的に流用して逮捕されたオレンジ共済事件など、悪徳業者による一連の事件でした。こうした事件を起こした組織は、共済を名乗ってはいるものの、不特定多数を対象としていますから、共済とはいえません。求められたのは、共済の名を掲げて悪質な商売をする無認可保険業者や、オレンジ共済のように実は商売さえしていない詐欺組織から消費者を守るための対策でした。ところが、今、大問題になっているのは、自主的に団体自治で運営してきた健全な共済が廃業に追い込まれるという事態です。国会の答弁で、昨年九月の届け出の期限までに三百六十九の共済事業者のうち、約四二%、百六十五の共済団体が廃業に追い込まれる予定であることが明らかになりました。この陳情にある団体、開業医さんたちの保険医協会の休業補償制度は、一九七〇年に設立され、三十五年を経過し、約五万人の加入者がいます。開業医さんはほとんど一人で開業していますから、本人が病気やけがになると、診療所の存続にかかわります。ですから、代診を雇って診療所を継続するためのスタッフの給与などを補償するのが休業補償制度です。この制度は、休診審査といって、この病気で本当に休む必要があるのかということを医師同士で調べることまでやっています。これは同業組合だからボランティアでできるといっています。非常に健全性が高いということです。実際、この保険で閉院を免れることができたという開業医さんたちが多くいます。これで助かるのはお医者さんだけではなく、都民にとってもかかりつけの医科、歯科がなくなってしまうことを防ぐことにもなります。勤労者山岳連盟は、遭難したときの捜索は莫大な費用がかかりますから、一九七一年に山岳遭難対策基金を創設し、会員の苦労と努力で山岳会でも最も保障内容の充実した基金をつくり上げました。現在は、この基金の一部を安全対策基金として二十年以上続けている雪崩講習会や登山学校、クライミングの岩場の整備など、組織内外の事故防止事業などに年間千五百万円を限度として補助もしています。同じ山の会で東京都山岳連盟は、少額短期の保険に移行しようと、指導も受けながらいろいろ努力しましたけれども、職員を何人も置かなければならないことや、専門家も必要で余りにもハードルが高いため、結局断念したということです。そればかりではありません。小児がんを克服した後も、いつ再発し、多額の医療費がかかるかわからないという不安を抱える親が、民間保険へ加入できないためにみずから立ち上げて運営している共済保険もあります。障害者が入院するとき、差額ベッド代や、付き添ってほしいといわれるためにそれらの費用を賄っているのが障害者の互助会です。知的障害者も民間保険に入りたくても断られることがほとんどだといいます。PTAの互助会も、登下校やPTAの行事のときのけがなどの見舞金を支払うものもあります。中小業者も同様で、全商連の共済は二十三年間続いています。このように、対象者が限定され、健全に団体自治で活動してきた団体です。情報公開など会員には毎年会計報告がされるのですから、これほど明快なものはありません。このような共済が廃業に追い込まれるということです。都もよく自助、共助、公助といいますけれども、その積み重ねてきた共助、助け合いの部分をずたずたにするということにほかありません。金融庁長官の諮問機関であります金融審議会が出した報告書は、構成員が真に限定される共済などは保険業法の適用除外だとしていました。ですから、本来の自主共済は、この時点では明らかに適用除外とされていたのです。これが〇四年です。しかし、法律はその適用除外部分が抜け落ちてしまったということです。国会でも、我が党だけでなく、与野党とも、自主的、健全に運営している、団体自治で運営している共済は適用除外にすることを求めています。民主党さんは、保険業法の一部を改正する法律案も出していらっしゃいます。それだけではなく、きょうの陳情を出された共済の今日と未来を考える東京懇話会が四月に開催した第一回国会議員懇談会には、自民党、民主党、社民党、共産党、国民新党の国会議員及び秘書、合計二十六人が参加し、参加議員たちは、自主共済存続のための議員立法に向け努力していきたいという考えをそれぞれ表明したと聞いています。これらの超党派での活動を激励する上でも、ぜひこの陳情は採択をし、意見書も出していこうということを呼びかけたいと思います。 # 古館委員長 古館委員長ほかに発言ございませんか。〔「なし」と呼ぶ者あり〕 # 古館委員長 古館委員長発言がなければ、これより採決を行います。本件は、起立により採決いたします。本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。〔賛成者起立〕 # 古館委員長 古館委員長起立少数と認めます。よって、陳情一九第四一号は不採択と決定いたしました。これで陳情の審査を終わります。以上で生活文化スポーツ局関係を終わります。 # 古館委員長 古館委員長これより教育庁関係に入ります。初めに、第四回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。 # 中村教育長 中村教育長平成十九年第四回都議会定例会に提案を予定しております議案の概要につきましてご説明申し上げます。本定例会におきましてご審議いただきます教育庁関係の案件は、条例案四件でございます。恐縮ですが、お手元の平成十九年第四回都議会定例会議案(条例)の目次をごらんいただきたいと思います。一の学校職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例は、休息時間の廃止及び休憩時間の見直しに伴い、規定を整備するものでございます。二の学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例は、東京都人事委員会勧告などに基づきまして、学校職員の給与を改定するほか、所要の改正を行うものでございます。三の都立学校等に勤務する講師の報酬等に関する条例の一部を改正する条例は、新たな講師制度の導入に伴いまして、所要の規定を整備するものでございます。四の都立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例は、政令の改正に伴いまして、規定を整備するものでございます。以上が、平成十九年第四回都議会定例会に提案を予定しております教育庁関係の案件でございます。詳細につきましては、総務部長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。 # 志賀総務部長 志賀総務部長お手元の資料、平成十九年第四回東京都議会定例会議案(条例)に基づきまして、条例案の説明をさせていただきます。一ページをお開き願います。学校職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例でございます。国との均衡の観点から、休息時間を廃止するとともに、十分な休憩時間を確保するため、規定を整備するものでございます。施行日は、平成二十年一月一日としております。三ページをお開き願います。学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例でございます。平成十九年十月の都人事委員会勧告などに基づきまして、今年度の公民較差に基づく学校職員の給料及び諸手当の規定ほかを改正するものでございます。改正の内容につきましては、二三ページをお開き願います。このページから二六ページにかけまして、学校教育法の改正に伴う規定整備のほか、職員が死亡した場合の給料等支給の取り扱いの規定整備、期末手当の支給額等を改正するとともに、二七ページ以降のとおり、給料表の改正を行うものでございます。施行日は、公布の日の属する月の翌月の初日としておりますが、学校教育法の改正に伴う改正規定は学校教育法等の一部を改正する法律の施行の日から、職員が死亡した場合の改正規定については公布の日から、別表第四の改正規定については平成二十年四月一日からとしております。三九ページをお開き願います。都立学校等に勤務する講師の報酬等に関する条例の一部を改正する条例でございます。団塊世代の教員の大量退職時代を迎えまして、ベテラン教員の多くのマンパワーが失われていく中で、さまざまな問題の解決と学校教育の質の維持向上に、これまで教職を長く経験してきた者の豊富な知識と経験を生かしていくことを目的として日勤講師を新設するとともに、関連する規定を整備するものでございます。施行日は、平成二十年四月一日としております。四五ページをお開き願います。都立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例でございます。公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償の基準を定める政令の一部を改正する政令等の施行に伴い、補償基礎額を改定するものでございます。施行日は、公布の日からとしております。以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。 # 古館委員長 古館委員長説明は終わりました。この際、資料要求のある方はご発言願います。〔「なし」と呼ぶ者あり〕 # 古館委員長 古館委員長なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。 # 古館委員長 古館委員長次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。 # 荒屋特別支援教育推進担当部長 荒屋特別支援教育推進担当部長去る九月十三日の文教委員会におきまして、東京都特別支援教育推進計画第二次実施計画の骨子案についてご報告申し上げたところでございますが、先週、十一月二十二日の東京都教育委員会において、東京都特別支援教育推進計画第二次実施計画を決定いたしましたので、ご説明申し上げます。お手元の資料、A4判三ページの東京都特別支援教育推進計画第二次実施計画についてをごらん願います。本計画は、知的なおくれのない発達障害を含む障害のある幼児、児童生徒の教育に対する都民の期待にこたえるため、区市町村立の幼稚園や小学校、中学校並びに区立特別支援学校及び都立高等学校等における特別支援教育の推進に関する展望を明らかにする総合的な計画でございます。2の(1)、計画の基本理念等は、発達障害を含む障害のある幼児、児童生徒の一人一人の能力を最大限に伸長するため、乳幼児期から学校卒業後までを見通した多様な教育を展開し、社会的自立を図ることのできる力や地域の一員として生きていける力を培い、共生社会の実現に寄与しますとしております。(2)の長期計画と実施計画でございますが、平成十六年度から平成二十五年度までの十カ年の長期計画のうち、今回の第二次実施計画は、平成二十年度から平成二十二年度までの三カ年の計画として定めたものでございます。3の第二次実施計画の具体的な展開でございますが、六項目を挙げております。(1)は、都立特別支援学校における個に応じた教育内容の充実でございます。障害特性に応じた教育課程の研究開発などを行ってまいります。また、自立と社会参加に向けて、小学部からのキャリア教育を含む職業教育を充実するとともに、大学への進学等、多様な進路希望にこたえる指導の充実を図ることや、民間と連携した就労支援など、乳幼児期から学校卒業後までの一貫した支援ができる体制整備を図ってまいるものであります。二ページをお開き願います。(2)は、都立特別支援学校の適正な規模と配置でございます。表におきましては、本計画の開始年度である平成十六年度の学校数五十五校一分校が、平成十九年度現在五十三校一分校となっておりまして、第二次実施計画期間の最終年度となります平成二十二年度時点では五十五校になる予定でございます。また、個に応じた新たなタイプの学校づくりの主なものといたしましては、知的障害が軽い生徒を対象とした特別支援学校高等部や視覚障害教育部門と知的障害教育部門を併置する特別支援学校及び知的障害教育部門と肢体不自由教育部門を併置する特別支援学校の設置を挙げております。(3)は、都立特別支援学校の教育諸条件の整備でございます。教員の資質や専門性の向上等を目的としまして、特別支援学校教諭免許状の取得促進や教員の人事交流等の充実を図ってまいります。(4)は、区市町村における特別支援教育の充実への支援でございます。発達障害を含む障害のある幼児、児童生徒の特別な教育ニーズに対応するため、幼稚園、小中学校の特別支援教育体制整備への支援を推進してまいります。(5)は、都立高等学校等における特別支援教育の充実でございます。高等学校や中等教育学校においても、校内の特別支援教育に関する委員会の設置や特別支援教育コーディネーターの指名など、特別支援教育体制の整備を図ってまいります。(6)は、一人一人を大切にする教育を推進するための都民の理解啓発の充実であります。これまでに各学校が実施してきた理解啓発に関する取り組みをより一層充実させるとともに、全都的な視点に立って特別支援教育に関する理解啓発活動の充実を図ってまいります。三ページ目は、参考といたしまして、第二次実施計画策定までの経緯を載せてございます。次に、お手元の東京都特別支援教育推進計画第二次実施計画の冊子をごらん願います。二一ページをごらん願います。二一ページから二三ページが、ただいまご説明いたしました第二次実施計画の具体的な展開を体系図にしたものでございます。二八ページをごらん願います。ここからは、体系図に沿って第1章から順にお示ししております。第1章が都立特別支援学校における個に応じた教育内容の充実でございます。1の障害の重度重複化、多様化に対応する個に応じた教育の推進では、第一次実施計画で研究開発しました知的障害特別支援学校における自閉症の障害特性に応じた教育課程による指導を、小中学部を設置するすべての知的障害特別支援学校で推進していくことなどを行ってまいります。三四ページをごらん願います。自立と社会参加に向けた多様な進路希望にこたえる後期中等教育の充実です。民間を活用しまして、障害の状態に応じた就業体験の機会の確保や、新たな職種、職域の開発等を進めてまいります。三七ページをごらん願います。3の新たな連携体制整備でございますが、都立特別支援学校では、小学部からのキャリア教育と連動した教育内容、方法の改善を図るとともに、生徒の居住する区市町村の福祉、労働等の関係機関との緊密な連携を図り、効果的な就労支援を行ってまいります。次に、四四ページをごらん願います。第2章の都立特別支援学校の適正な規模と配置でございます。1の個に応じた新たなタイプの学校づくりでは、先ほど申し上げました知的障害が軽い生徒を対象とした特別支援学校高等部の設置のほか、初めてのタイプとなる視覚障害教育部門と知的障害教育部門を併置する学校の設置や、知的障害教育部門と肢体不自由教育部門を併置する学校の設置を行ってまいります。四五ページをごらん願います。2の都立特別支援学校の適正な規模と配置でございます。各障害種別の学校数や在籍者数の増減、地域バランス等に配慮しながら、都立特別支援学校の配置の適正化を行ってまいります。五〇ページをごらん願います。3の寄宿舎の適正な規模と配置でございます。寄宿舎は、通学が困難な児童生徒に宿舎を提供し、就学を保障することを目的として設置しております。都立特別支援学校の適正な規模と配置の進捗により、通学時間が縮小され、通学困難を理由とする寄宿舎入舎対象者は減少が推測されております。平成十九年度現在十舎ある寄宿舎を、本計画完成時の平成二十七年度までには五舎にしていく予定でございます。五四ページをごらん願います。第3章、都立特別支援学校の教育諸条件の整備でございます。1の教員の資質及び専門性の向上としまして、学校教育相談の基本的な考え方についての理解や、児童生徒の問題行動の現状と課題の理解を深め、的確に対応するための知識や技能の習得を図る研修を実施し、高いカウンセリングマインドを身につけた教員を育成してまいります。五五ページでは、2の教育効果を高める指導体制におきまして、肢体不自由特別支援学校に理学療法士などの外部専門家を引き続き計画的に導入してまいります。五六ページをごらん願います。3の学校施設設備の充実では、知的障害特別支援学校に在籍する児童生徒の増加に伴う普通教室の確保などを行ってまいります。五七ページをごらん願います。4の都民に信頼される学校経営の確立では、都教育委員会は、校長が経営者としてのリーダーシップを発揮して、学校が組織的な取り組みをより一層進め、都民に信頼される学校経営を確立していくための支援を行ってまいります。六〇ページをごらん願います。第4章、区市町村における特別支援教育の充実への支援でございます。1の発達障害を含む障害のある幼児、児童生徒の特別な教育ニーズへの対応の充実では、特別支援学級のあり方と指導内容、方法の改善を図ります。六五ページをごらん願います。2の都と区市町村の連携体制の整備では、幼稚園や小中学校の要請に応じて、都立特別支援学校の特別支援コーディネーターや指導主事を派遣し、特別支援教育体制の整備に関する助言、援助を行ってまいります。次に、七四ページをごらん願います。第5章、都立高等学校等における特別支援教育の充実でございます。1の知的なおくれのない発達障害の生徒への支援の充実では、都立高等学校等における特別支援教育に関する校内の委員会設置と特別支援教育コーディネーターの指名を行ってまいります。次に、七八ページをごらん願います。第6章、一人一人を大切にする教育を推進するための都民の理解啓発の充実でございます。1の理解啓発促進のための取り組みの充実では、共生社会の実現に寄与するためにも、特別支援教育や発達障害の理解に関する啓発事業等を計画、実施してまいります。以上が第二次実施計画の概要でございますが、計画事業の推進に当たりましては、各区市町村、関係機関、団体、学校関係者等との連携を図り、着実な実施を目指してまいります。以上で、東京都特別支援教育推進計画第二次実施計画についての説明を終わらせていただきます。 # 古館委員長 古館委員長報告は終わりました。この際、資料要求のある方はご発言願います。 # 大山委員 大山委員一つだけお願いします。事務事業質疑のときの資料要求で、パブリックコメントで出された意見の一覧表は出してもらいました。そのパブリックコメントで出されたそれぞれの意見を、この計画にどう反映させたのかというのがわかるような資料をお願いします。以上です。 # 古館委員長 古館委員長ほかにございますか。〔「なし」と呼ぶ者あり〕 # 古館委員長 古館委員長ただいま大山委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 古館委員長 古館委員長異議なしと認めます。理事者におきましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。 # 古館委員長 古館委員長次に、陳情の審査を行います。陳情一九第四三号を議題といたします。理事者の説明を求めます。 # 新井学務部長 新井学務部長一九第四三号、平成二十年度東京都公立高等学校定時制及び通信制課程の教育振興に関する陳情についてご説明を申し上げます。本陳情は、東京都公立高等学校定通PTA連合会会長坂口朝美さんから提出されたものでございます。本陳情の趣旨でございますが、定時制及び通信制教育の振興のため、次のことを実現していただきたいといたしまして、まず、1、カウンセラー等の教育相談員の配置拡大等支援体制の整備に関することでございます。これに関する現在の状況でございますが、スクールカウンセラーの配置は、平成七年度から国の委託事業として開始され、都立高等学校においては中途退学率等の高い学校に配置してきたところでございます。平成十九年度は、六十校にスクールカウンセラーを配置し、学校における教育相談体制の充実を支援しております。そのうち、定時制・通信制課程十三校、全日制・定時制課程併設校二十四校に配置してございます。次に、2、部活動の振興のため金銭的、制度的な支援を拡充することでございます。これに関する現在の状況でございますが、部活動に係る経費は受益者負担が原則でございますが、都教育委員会は、部活動の振興を図るため、多くの生徒が共有する物品の購入や外部指導員の導入のための経費を補助しております。また、生徒の大会参加費や旅費の補助につきましても、予算措置をしているところでございます。次に、3、給食費、教科書代に対する補助制度を堅持することでございます。これに関する現在の状況でございますが、給食費、教科書代に関する高等学校定時制教育及び通信制教育振興奨励費補助金は、勤労青少年の定時制高校等への修学を促進するため、有職者、求職中の者、疾病の者、心身に障害のある者等を対象に実施してございます。なお、給食費につきましては一部補助、教科書代につきましては全部補助としております。次に、4、給食制度の現状を維持することでございます。これに関する現在の状況でございますが、都立高等学校定時制(夜間)課程においては、生徒数の減少による調理の非効率を解消するとともに、民間ノウハウを活用した給食の提供方法を試行することといたしまして、平成十九年度から二校で外部調理方式を導入しております。導入に当たりましては、給食の質の確保のため、都の職員が作成した栄養バランスのとれた献立によりまして、安全・安心な食材を使用することや、衛生管理の基準を満たすことなどを条件にした業者の選定を行っているところでございます。次に、5、閉課程に伴う教職員の適正配置を行うことでございます。これに関する現在の状況でございますが、都立高等学校の教職員定数につきましては、学級数に応じた都立高等学校教職員定数配当基準に基づきまして、各学校に配置しているところでございます。閉課程となる高等学校におきましても、さまざまな教育活動の水準の維持確保を図るために、今後とも学校の実情に応じた適切な対応を図ってまいります。次に、6、定時制専用教室を確保することでございます。これに関する現在の状況でございますが、定時制の専用教室は、現在、職員室、生徒会室、教材室、厨房、食堂を設置しております。普通教室及び体育館などにつきましては、全日制と定時制が共用することとしておりまして、定時制の専用施設とすることは考えてはおりません。次に、7、情報授受(インターネット)機能の活用を促進することでございます。これに関する現在の状況でございますが、都立高等学校におきましては、情報活用技術の育成を図るために、パソコン教室等を整備しておりまして、全校にインターネット環境を整えているところでございます。また、機種変更につきましては、六年をめどに更新を図っております。次に、8、教育活動サポーター制度を導入することでございます。これに関する現在の状況でございますが、キャリア教育や平成十九年度から必修化された教科「奉仕」を推進する上で、地域企業やさまざまな機関等との連携を図り、生徒が体験を通して学ぶことは極めて大切なことでございます。都教育委員会では、平成十九年度より教育支援コーディネーター制度を導入いたしまして、学校と企業、NPO等との連携が効果的に進められるように、双方のニーズや条件に応じて調整を図る教育支援コーディネーターを派遣しております。教育支援コーディネーターの活用につきましては、教育庁生涯学習部と指導部とで、教育支援コーディネーター活用研修等を実施して、学校の担当者に本制度や具体的な活用事例の紹介、協力団体リストの提供等を行っているところでございます。説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。 # 古館委員長 古館委員長説明は終わりました。本件についてご発言願います。 # 中山委員 中山委員私は、都議会公明党を代表して、陳情一九第四三号について意見を表明します。スクールカウンセラー等の生徒の心理面の相談に応じる体制の整備、給食費、教科書代についての補助制度の維持及びインターネット環境の全校整備の三点は、既に都教委としても、都議会と連携して既定方針化しているところであり、今後とも、全日制校、全日・定時併置校、定時制校の公私間のバランスに配慮しながら、適宜粛々と進めるべきと考えます。また、部活動への公的支援の拡充及び教職員や教室の適正配置については、都教委は都議会との連携を深め、国への要望を強めるなど、教育予算や教職公務員の全体的な充実を実現する中で、同じく公私間の均衡などに考慮して検討するべき課題と考えます。さらに、今後の給食制度については、外部調理方式などの新しい試みの長所と短所を冷静に分析し、効率性や安全性にさらに配慮しながら、食育効果の高い工夫を取り入れるなどの総合的検討の中で議論すべき課題と考えます。最後に、都教委の活動を支援する外部人材の活用については、都教委は都議会との連携のもと、既に教育支援コーディネーター制度や外部講師、地域との連携など、先進的な取り組みを実施しており、既定の方針の中で、具体的な課題に応じて、より一層の充実を期すべき事柄と考えます。以上の内容を踏まえ、一部項目について趣旨採択とすべきことを主張し、意見の表明を終わります。 # 大山委員 大山委員質疑します。昨年も、定時制・通信制高校PTAの皆さんから陳情が出されています。スクールカウンセラーの配置をふやしてほしいという要望が、昨年も一番目でしたけれども、やはり今回も、まず最初はスクールカウンセラーだということなんですね。それだけ要望が大きいということです。去年明らかになったのは、都立高校の六十校にスクールカウンセラーを配置しているというのは、国の補助そのままの配置で、去年の十一月の時点でも、百五十校近くの学校からスクールカウンセラーを配置してほしいという要望が出ていても、国の予算以上は配置しないから六十校だけの配置だということで、国の基準以上はやらないという姿勢がここでも明らかになったわけですけれども、実際、都教委は、スクールカウンセラーの仕事と必要性、高校への配置についてどう評価しているんでしょうか。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長都立高校の中には、中途退学率が高かったり、問題行動等が多く発生したりするなど、心理的なケアを必要とする生徒が多く在籍している学校もございます。こうした学校にはスクールカウンセラーを配置いたしまして、生徒へのカウンセリング及び保護者や教員への助言などを通して、生徒の問題行動等の未然防止や解消を図る必要があると考えております。スクールカウンセラーの配置によりまして、校内の教育相談体制が構築され、配慮の必要な生徒への対応ができるようになった、スクールカウンセラーからの助言等により、教員の教育相談技術が向上した、保護者への対応が充実し、学校に対する安心感が生まれた、外部関係機関との連携が図れたなどの配置校の報告から、学校内の教育相談体制等の充実に効果を上げていると評価をしているところでございます。 # 大山委員 大山委員本来の教育相談体制の充実に効果を上げているという評価なんだと。実施している学校の校長先生から都教委に出される報告書の評価で、今答弁されたような内容が挙げられているということですね。学校の教育相談体制が構築され、配慮の必要な生徒への対応ができるようになったとか、それから保護者への対応だとか、学校に対する安心感が生まれたとか、外部との連携がとれるようになったことが評価されているということなんですけれども、直接配置されている校長先生から出されている評価ということですから、非常に重要なことだと思っています。PTAのお母さんたちが、町田高校でスクールカウンセラーが配置されて、その高校は退学率が減った、父母の悩みも聞いてくれるというふうに話していました。実際、ホームページで見ますと、スクールカウンセラーが配置されたのが平成十四年度からで、十三年度は中途退学者が八十一人、二二・六%だったんですけれども、十四年度には、約半数、四十三人で一三・七%に減っています。そのまま十七年度までは五十人台、四十人台で推移しているということなんですね。もちろん、中途退学というのは、こうすればなくなるというような単純な理由ではないと思いますけれども、実際、スクールカウンセラーが配置されて以降、確かに減っているわけですね。夜間の定時制高校の場合、陳情の文章にあるように、さまざまな課題を抱えている生徒が多い、だからこそ専門家がより必要だといえるわけです。実際に配置している学校がスクールカウンセラーの役割を評価して、保護者も評価しているわけですから、配置を拡大することが必要だと思いますが、どうですか。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長スクールカウンセラーは、チャレンジスクール、エンカレッジスクール、昼夜間定時制高校に配置するとともに、中途退学率が高かったり、問題行動等が多く発生したりするなど、心理的なケアを必要とする生徒が多く在籍する学校に重点的に配置しております。スクールカウンセラーの配置されてない学校において、臨床心理の専門家が必要となった場合には、都教育相談センターと連携いたしまして、アドバイザリースタッフ等の派遣を実施しております。今後とも、スクールカウンセラーの有効活用を図るとともに、アドバイザリースタッフ制度の効果的活用について一層啓発を図ってまいります。 # 大山委員 大山委員スクールカウンセラーと東京都独自でアドバイザリースタッフの制度があるんだというんでしょうけれども、これはやはり必要なら要請してくれということですよね、アドバイザリースタッフは。問題が起きて対応するということなんです。しかし、それにしても都教委は、必要だからスクールカウンセラーも置くし、それからアドバイザリースタッフも準備しますということなんですね。国の予算がついている中学校の一割以内しか配置していない、その中でやりくりしようとするからこういうことになるわけですよね。昨年は、十一月の段階で百四十九の学校から要望があったのに、配置は六十校ですね。今年度は何校から配置の要望があったんでしょう。念のため、昨年の数字も途中段階だったので、昨年の確定の数字と、ことしの現在の数字、お願いします。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長平成十九年度配置希望校は、全日制、定時制合計いたしまして百六十九校、平成二十年度配置希望の学校につきましては、十一月二十九日段階で、全定含めまして百六十校でございます。 # 大山委員 大山委員昨年も今の段階よりも二十校も要望がふえているというわけですね。ことしも多分、今の段階で去年よりも多い百六十校ですから、さらにふえる予測が立つわけですね。区市だって独自にスクールカウンセラーを小学校に配置しているんですよね。都が独自で増配置することは財政的にも十分可能だといえることなんです。実際、週に一回ではありますけれども、スクールカウンセラーが定期的に来てくれるということはどういうことかということなんですが、これはさっきもいいましたけれども、町田高校のホームページです。スクールカウンセラーの人がこのページを書いているわけですけれども、スクールカウンセラーは、あなたがあなたらしく学校生活を送ることができるようにお手伝いいたします、気がかりなことを一人で抱え込まずにおしゃべりするような気持ちで利用してみてはいかがでしょうか、例えばこんなときにと、人との関係、学校生活、自分の性格について、体と心について、そのほか何でもいいですよ、どんなことでも構いませんというふうに、問題が起きてからではなくて、悩んでないでいらっしゃいというふうに、門戸がいつでも開かれているわけですよね。たとえ週一回でも、常に配置されているからこそできることなんですね。アドバイザリースタッフももちろん必要ですけれども、スクールカウンセラーの増配置を求めます。部活のことですけれども、都立学校の部活予算の推移を見ますと、平成十一年度に十四億円近くあった予算が、十二年度には八億二千万円と大きく減少しています。それ以降毎年減少を続けて、平成十七年度には四億二千万円まで落ち込んでいます。本年度は五億円と少し上向いていますけれども、どうしてこんなに減額しているんでしょう。理由は何でしょう。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長平成十一年度から十二年度にかけての減額は、学習指導要領の改訂に伴い、いわゆる必修クラブが廃止されたことによるものでございます。平成十二年度から十七年度までは、財政再建推進プランの実施期間でございまして、東京都全体の方針に基づき予算化しているものでございます。平成十六年度から十七年度にかけての減額は、国の緊急雇用対策として、平成十二年度から実施しておりました部活動アドバイザー事業の終了に伴うものでございます。 # 大山委員 大山委員十一年度に比べると、今年度は九億円も減額なんですね。必修クラブがなくなったことが大きいわけですけれども、それでも生徒の活動費が減ったということには変わりはありません。同時に、財政再建推進プランの実施時期だったということで、ここでも高校生にしわ寄せが来ているということなんですね。少しずつ回復してきているようですけれども、せめて、削減する前までの予算には早急に回復させることが求められていますが、どうですか。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長部活動は、生徒自身の興味や関心に応じ、自主的な判断によって参加するものであり、部活動に要する経費は受益者負担が原則でございます。しかし、学校の文化として定着し、人間形成や健全育成に貢献してきた部活動の振興を図るため、指導員への謝礼や施設使用料、大会への参加費や共同使用する物品の購入費などの経費を予算化してきたところでございます。今後とも、必要な予算の確保について引き続き努力してまいります。 # 大山委員 大山委員高校生の全国大会なんていったら、結構遠くまで行かなきゃいけないということでは、本当に今必要性も認めているというところで、ぜひ頑張って予算を確保するように努力していただきたいと申し上げておきます。給食費や教科書代に対する補助制度のことですけれども、定時制高校生に対しては、教科用図書補助、それから修学旅行費補助、修学指導事業費補助といって、日帰り、または宿泊行事への補助があります。そして給食費の補助というように四つの補助があるんですね。現在、これらの補助の交付を受けている生徒の割合はどれほどになっていますか。 # 新井学務部長 新井学務部長十八年度におきまして、教科用図書補助金につきましては、定時制課程に在籍する生徒の三七%、また給食費補助につきましては、二三%が交付を受けております。 # 大山委員 大山委員教科用図書補助は有職者に限定されていて三七%ですね。修学旅行補助は、有職者のうち、授業料の減免者に限定ですから、さらに交付を受けられる生徒は少なくなりますね。修学指導の補助は、有職者かつ授業料減免じゃなくて免除者のみなんですから、さらに狭くなります。昭和四十六年度にこれらの制度が始まったときには、教科書も修学旅行も、それから修学指導も皆、定時制に在学している生徒なら受けることができました。それがこんなに対象を狭めてしまったわけですけれども、なぜこんなにも対象を狭めてしまったのでしょう。 # 新井学務部長 新井学務部長教科用図書補助金制度及び夜食費の補助金制度でございますが、勤労青少年の高等学校定時制課程及び通信制課程の修学を促進し、教育の機会均等を保障するために設けられたものでございます。夜間定時制課程におきましては、近年、勤労青少年のほか、不登校経験のある生徒や中途退学の経験のある生徒など、在学者の多様化が進んできたことから、制度の趣旨にかんがみ、原則として有職者を補助対象としたものでございます。また、修学旅行補助金制度及び修学指導事業補助金制度につきましては、都単独事業として実施しておりまして、教科用図書補助金制度等と同様の趣旨から、原則として有職者を補助対象とするとともに、経済的な理由から参加できない生徒をなくすために補助を行っているものでございます。 # 大山委員 大山委員そんなことをいいますけれども、例えば修学指導事業補助は都単独事業ですね。昭和四十六年度から定時制在籍の生徒を対象に補助を始めました。始めたときは、宿泊行事だけだったんです。しかし平成七年度に宿泊以外にも対象を拡大しています。改悪が始まるのは、修学旅行費補助に有職者で授業料減免者と限定したのは平成十二年度、修学指導補助は平成十四年度に有職者で授業料減免者に限定する。同じ年に教科書代補助は一年生からも有職者でなければならないと限定したんです。さっき部活のときの予算もそうですけれども、結局、十二年度、十四年度、改悪というのは、より対象を狭めたというのは、財政再建推進計画の一環で削減した、対象を狭めたということじゃないんでしょうか。聞きますけれども、給食費の補助、現在は一食六十円ということですが、平成十二年以降の一食当たりの補助額というのはどうなっていますか。 # 新井学務部長 新井学務部長平成十二年度は、国庫補助の夜食費が七十六円十五銭、都単独事業のおかず代が十二円九十二銭で八十九円七銭です。平成十三年度から十四年度までは七十六円十五銭、十五年度から十七年度までは六十一円、十八年度からは六十円となってございます。 # 大山委員 大山委員財政健全化計画が十二年ですよね。十二年までは都の補助も上乗せをしていたんです。しかし、十三年度以降は東京都の単独の補助、これも削っちゃったんですね。わずか十三円にもならない額ですよ。それを削ってしまった。本当に冷たいといわざるを得ません。食べること、これは生きる喜びですし、楽しみです。ましてや、成長期の若い生徒たちにとっては重要です。定時制高校にはさまざまな経験をした、不登校などのつらい経験をした生徒も多くいるということですが、だからこそ、人と人とのつながりがより大切だし、食事をともにする、おいしくて温かい、つくってくれる人との関係も含めて、より豊かにできるように、条件整備をしていくことが都教委の役割だと思います。高校生に対する食育についてどう考えていますか。 # 新井学務部長 新井学務部長都教育委員会は、食育につきましては、児童生徒の生涯にわたっての健康づくりの柱であり、知育、徳育及び体育の基礎となるものであるとの考えから、健康教育の一環として推進していくことが重要であるというふうに認識しております。生徒への食の指導の取り組みといたしましては、公立学校におきます食育に関する検討委員会の検討結果に基づきまして、平成十九年二月に都立学校における食育の推進に関する指針を各学校に通知したところでございます。各学校におきましては、校長のリーダーシップのもと、生徒の実態などを十分考慮しながら、食に関する指導の全体計画などを作成し、食育リーダーを中心とした校内指導体制を整備して、都立学校における食育のさらなる充実を図ってきているところでございます。 # 大山委員 大山委員食育は重要だから進めていくんだということですね。定時制高校の学校給食の役割、位置づけをどう考えていますか。 # 新井学務部長 新井学務部長都立高等学校定時制夜間課程の学校給食でございますが、夜間課程を置く高等学校における学校給食に関する法律の趣旨に基づきまして、働きながら高等学校の夜間課程において学ぶ青少年の身体の健全な発達に資することを目的として、実施するものでございます。 # 大山委員 大山委員給食は、心身ともの成長発達に大事なんだということですね。しかし、定時制高校の給食は大事にされているんだろうかということです。それぞれの学校に栄養士さんもいて、調理師さんもいて、学校で調理していたのを、やはり平成十三年度からグループ方式を取り入れて、自校で調理できない学校が出始めました。学校で調理するというのは、栄養士さんや調理師さんも、生徒の食べぐあいもわかるし、張り合いもあります。生徒も、おいしそうなにおいがして、登校したら、一時間目が終わったら給食を食べる、これは幸せの一つなんですよ。現在、自分の学校で調理している学校は何校で、他の学校で調理されたものを運んでくる学校は何校で、さらにことしからは、外部に調理を委託して、この陳情でいっているデリバリー給食になっている学校は何校になっているんですか。 # 新井学務部長 新井学務部長学校の給食の実施状況でございますが、十九年度ですが、単独校で実施している学校が、調理校として二十九校、受配校として八校でございます。グループ校でございますが、調理校として二十二校、受配校が三十五校、外部調理委託校は二校となってございます。 # 大山委員 大山委員自分の学校で調理していない学校がどんどんふえてきたわけですけれども、とうとうデリバリー弁当になってしまったということですが、委託した業者のホームページを見ますと、営業品目というのは、定食弁当、特別弁当、折り詰め弁当、オードブル、学校弁当、幼稚園弁当、委託給食、パーティー、イベント等におけるケータリング、設営なんですね。しかも、事前に申し込まなければ食べられないし、急に食べられないという状況になっても、給食代は払わなければならないわけですから、食数は減るわけですね。例えば、給食調理を自分の学校でやっているところ、栄養士さんからというホームページもあります。まだまだ成長期ということで、安全を第一に考えて、無添加のものや減農薬、国産のものなどをできる範囲で取り入れ、既製品に頼らず、素材からつくる手づくりを基本としていますとか、もう一つの、これは荻窪高校定時制ですけれども、とにかくおいしい、給食は専門の栄養士さんが腕を振るっています、安全な素材を使用し、デザートに至るまで手づくり、自校方式の給食はできたてで、とにかくおいしいというわけなんです。これだけ見ても、見るからにおいしそうなわけですけれども、さすがこの学校は喫食率、今年度六五%ですね。ことしからデリバリーの二校は、昨年は三四%だった学校が二二%に、昨年五二%だったところが四二%に、それぞれ一〇%も喫食率が激減してしまっているという事態です。自校調理を原則にして、そして安全で安心で、ここにあるように無添加だったり、減農薬だったり、国産のものをきちんと使えるような、積極的に使えるような自校調理原則にすること、そしてデリバリーなどの方も拡大しないようにということを求めておきます。閉課程に伴う教職員の適正配置ということなんですけれども、定時制の統廃合に伴う教職員の配置、都立高校で、とりわけ夜間定時制高校の統廃合は、多くの都民の皆さん、保護者や生徒の反対を踏みにじって強行したわけですね。この文教委員会にも、何度も何度も請願や陳情が出されました。例えば、両国高校定時制などは、廃校の上に校舎まで移転させられました。決して生徒には迷惑はかけない、一人も取りこぼさない、これが最低の約束でした。現在、募集停止している学校は何校あって、そのうち陳情にあるように、養護教諭が配置されてない学校というのは何校あるんですか。 # 松田人事部長 松田人事部長現在、都立高校の定時制課程で募集停止となっている学校は三十九校二分校でございます。そのうち、二十六校二分校で養護教諭を配置しております。それ以外の学校につきましても、学校からの要望等を踏まえて、再雇用の養護教員の配置または一般賃金の予算措置など、必要な対応を図っているところでございます。 # 大山委員 大山委員配置されてない学校は幾つなのかと聞いたんですけれども、引き算すると、十三校は配置がないということでいいんでしょうか。再雇用などの配置もあるんでしょうから、全くいないというのは四校ということでいいんでしょうか。 # 松田人事部長 松田人事部長正規職員としての養護教員を配置していない学校は十三校でございます。再雇用職員の配置、一般賃金の予算措置等の措置がない学校は四校でございます。 # 大山委員 大山委員生徒が何人であろうと、養護教諭が必要なことにはかわりはないわけですよね。都立高校の統廃合を始めたのは生徒の都合でも何でもありません。都民の大きな反対にもかかわらず、都教委が行っていることなんです。決して生徒に迷惑はかけないということだったら、最後まで養護教諭は配置することが必要なんじゃないんでしょうか。 # 松田人事部長 松田人事部長都教育委員会では、募集停止となった都立高校の教育水準の維持確保を図るために、必要に応じて、都立高等学校教職員定数配当基準で定める教職員を上回る教員の配置を行っております。高等学校定時制課程の養護教諭につきましても、国のいわゆる高校標準法では、生徒の収容定員が百二十一人以上の場合に配置するという基準を定めておりまして、都教育委員会でも、四学級以上の学校について養護教諭を必ず配置するということとしておりますけれども、生徒の健康の保持増進を図る観点から、募集停止によりまして三学級以下となっている学校に対しましても、必要に応じて養護教諭や再雇用職員の配置等を行っておりまして、今後とも、学校の状況等を踏まえて適切に対応してまいります。 # 大山委員 大山委員国の標準法どおりにやっているんだということですね。しかし、決して生徒には迷惑はかけないといいながら、全くいない学校も、四校現実にあるわけですよね。学年進行でいきますから、三学級以下の学校というのは、来年度になるとまたふえることになりますね。ぜひ、現在は四学級以上なので配置されているけれども、三学級以下になるところもきちんと配置してもらいたいと思います。養護の先生、生徒たちの心のよりどころになっているようなところも多いでしょうから、信頼関係も継続させながら、ぜひきちんと対応してもらいたいということを述べて、終わります。 # 古館委員長 古館委員長ほかに発言がなければ、お諮りいたします。本件中、第一項、第三項及び第七項を趣旨採択とすることにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 古館委員長 古館委員長異議なしと認めます。よって、陳情一九第四三号中、第一項、第三項及び第七項は、趣旨採択と決定いたしました。これをもちまして陳情の審査を終わります。以上で教育庁関係を終わります。なお、本日審査いたしました陳情中、採択と決定いたしました分につきましては、執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。午後二時十八分散会
2024-03-31T11:23:26.455615Z
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--- title: 平成19年文教委員会 名簿・議事日程 # 平成十九年十一月二十九日(木曜日)第三委員会室出席委員十四名委員長古館和憲君副委員長早坂義弘君副委員長門脇ふみよし君理事吉原修君理事斉藤あつし君理事石川芳昭君伊藤ゆう君松葉多美子君中山信行君伊藤まさき君鈴木一光君古賀俊昭君大山とも子君服部ゆくお君欠席委員なし出席説明員生活文化スポーツ局局長渡辺日佐夫君次長三橋昇君総務部長高西新子君広報広聴部長和田正幸君都民生活部長小笠原広樹君消費生活部長宮川雄司君私学部長小濱哲二君文化振興部長杉谷正則君スポーツ振興部長細井優君参事萩原まき子君参事平林宣広君参事桃原慎一郎君参事池田俊明君参事高原俊幸君教育庁教育長中村正彦君総務部長志賀敏和君学務部長新井清博君人事部長松田芳和君福利厚生部長秦正博君指導部長岩佐哲男君生涯学習部長三田村みどり君特別支援教育推進担当部長荒屋文人君人事企画担当部長直原裕君参事石原清志君参事森口純君本日の会議に付した事件陳情の取り下げについて生活文化スポーツ局関係第四回定例会提出予定案件について(説明)・東京都育英資金条例の一部を改正する条例・東京都私立学校教育助成条例の一部を改正する条例陳情の審査(1)一九第三九号割賦販売法の抜本的改正を求める意見書提出に関する陳情(2)一九第四二号割賦販売法の改正を求める意見書提出に関する陳情(3)一九第四一号保険業法の制度と運用を見直し、自主共済の適用除外を求める意見書提出に関する陳情教育庁関係第四回定例会提出予定案件について(説明)・学校職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例・学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例・都立学校等に勤務する講師の報酬等に関する条例の一部を改正する条例・都立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例報告事項(説明)・東京都特別支援教育推進計画第二次実施計画について陳情の審査(1)一九第四三号平成二十年度東京都公立高等学校定時制及び通信制課程の教育振興に関する陳情
2024-03-31T11:23:27.551686Z
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--- title: 平成19年文教委員会 本文 # 午後一時一分開議 # 古館委員長 古館委員長ただいまから文教委員会を開会いたします。初めに、今後の委員会日程について申し上げます。お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせしましたのでご了承願います。本日は、お手元配布の会議日程のとおり、教育庁関係の事務事業に対する質疑を行いたいと思います。これより教育庁関係に入ります。事務事業に対する質疑を行います。本件につきましては、既に説明を聴取しております。その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。資料について理事者の説明を求めます。 # 志賀総務部長 志賀総務部長去る十月十八日の当委員会において要求のございました資料につきまして、ご説明申し上げます。お手元の文教委員会要求資料の目次をお開き願います。次のページにかけてお示ししてありますように、今回要求のございました資料は二十二件でございます。それでは一ページをごらん願います。区市町村別の都民の日における学校授業の実施状況及び区市町村教育委員会の指示内容でございます。公立小中学校における都民の日の授業の実施状況について、区市町村別に過去三年間をお示ししてございます。また、管理運営に関する規則における都民の日を休業日とする規定の有無や、区市町村教育委員会の指示内容について、区市町村別にお示ししてございます。二ページをお開き願います。平成十八年度公立小中学校退職校長の再任用・再雇用への任用状況でございます。小中学校を退職した校長の再任用及び再雇用への任用状況について、校種別にお示ししてございます。三ページをごらん願います。非常勤講師あっせん任用支援システムの区市別利用実態でございます。非常勤講師あっせん任用支援システムの利用状況及び検索者について、区市別にお示ししてございます。四ページをお開き願います。特別支援学校(高等部)卒業者の進路状況及び今後の卒業予定者数でございます。平成十四年度から平成十八年度までの特別支援学校(高等部)卒業者の進路状況と、平成十九年度から平成二十一年度までの卒業予定者数について、知的障害と肢体不自由の障害種別ごとにお示ししてございます。五ページをごらん願います。都立高校のタイプ別教員定数及び現員等についてでございます。進学指導重点校及びエンカレッジスクールの教員定数及び現員等について、学校別、課程別にお示ししてございます。六ページをお開き願います。部活動振興予算の重点配付についてでございます。平成十九年度部活動振興予算の重点配付について(通知)で、平成十九年五月十日付、都立高等学校長あての通知文でございます。七ページをごらん願います。平成十九年度都立高校部活動振興予算の重点配付額一覧でございます。平成十九年度の部活動振興予算の重点配付について、学校別、配付額別にお示ししてございます。八ページをお開き願います。東京都公立学校教員採用者数の推移でございます。平成十五年度から平成十九年度までの五年間における東京都公立学校教員の採用者数についてお示ししてございます。九ページをごらん願います。東京都特別支援教育推進計画第二次実施計画骨子(案)に対する意見募集の集計結果についてでございます。このページから一〇ページにかけまして、平成十九年七月十七日に公表した東京都特別支援教育推進計画第二次実施計画骨子案に対する意見について、内容別の件数、主な意見、主な提出者の属性をお示ししてございます。一一ページをごらん願います。平成十九年度放課後子ども教室の実施状況でございます。平成十九年度に放課後子ども教室を実施している区市町村数と箇所数、運営主体と運営方法別の実施箇所数をお示ししてございます。一二ページをお開き願います。日本語学校の所在地、児童生徒数、教員数及び児童生徒の主な使用言語でございます。このページから一三ページにかけまして、日本語学級を設置している学校、在籍している児童生徒数、教員数及び児童生徒の主な使用言語の種類についてお示ししてございます。一四ページをお開き願います。都立高校における日本語教育が必要な生徒の受け入れ状況及び教員配置状況でございます。海外帰国生徒や在京外国人生徒など、日本語教育が必要な生徒の都立高校における受け入れ状況と、配置している教員数についてお示ししてございます。一五ページをごらん願います。教育庁所管の廃止、終了及び見直し事業でございます。平成十四年度から平成十八年度までの過去五年間において、廃止、終了または見直しをいたしました事業について、年度別に事業名とその内容をお示ししてございます。一六ページをお開き願います。平成十九年度において学級編制の弾力化を実施する道府県の状況でございます。このページから一七ページにかけまして、学級編制の弾力化について、各道府県における実施状況の概要をお示ししてございます。一八ページをお開き願います。区市町村立小中学校の学級規模別学級数でございます。平成十五年度から平成十九年度までの五年間における区市町村立小中学校の一学級当たりの人数別の学級数について、校種別にお示ししてございます。一九ページをごらん願います。東京都公立小中学校児童生徒の就学援助受給者の推移でございます。就学援助は、区市町村が経済的理由によって就学困難と認められる学齢児童生徒の保護者に対し、学用品等購入のために行う扶助制度でございまして、平成十四年度から十八年度までの五年間における就学援助を受けた児童生徒数及び受給率の推移を、要保護、準要保護の別にお示ししてございます。二〇ページをお開き願います。公立学校教員の年代別退職者数でございます。平成十四年度から平成十八年度までの五年間における退職者数について、年齢別、校種別にお示ししてございます。二一ページをごらん願います。学校経営支援センターによる学校訪問の実績でございます。このページから二二ページにかけまして、学校経営支援センター三所、三支所の計六所が、平成十八年十月から平成十九年三月までと平成十九年四月から九月までに訪問した学校数とその回数について、訪問事由ごとにお示ししてございます。二三ページをごらん願います。学校訪問時に提示を求めている書類でございます。学校経営支援センターが学校を訪問する際に、学校側に提示を求めている書類について、月別にお示ししてございます。二四ページをお開き願います。学校経営支援センターの事務室業務と学校事務室との関係でございます。学校経営支援センターの事務室と学校事務室の関係について、実例を挙げてお示ししてございます。二五ページをごらん願います。特別支援学級の設置状況でございます。各区市町村における特別支援学級の設置状況について、校種別にお示ししてございます。二六ページをお開き願います。都内公立小中学校及び都立高校における図書購入費の推移でございます。平成八年度から平成十七年度までの十年間における図書購入費について、校種別にお示ししてございます。二七ページをごらん願います。都内公立図書館資料購入費の推移でございます。平成十年度から平成十九年度までの十年間にわたる公立図書館における資料購入費の当初予算額について、設置者別にお示ししてございます。以上、簡単ではございますが、要求のありました資料の説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。 # 古館委員長 古館委員長説明は終わりました。ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。発言を願います。 # 服部委員 服部委員土曜日の正規授業実施について、三点お伺いをさせていただきたいと思います。最初に、学力低下についてですが、学校週五日制の完全実施が決まって六年が経過をいたしました。文部科学省が進めたゆとり教育とともに、家庭、学校及び地域の三者が互いに連携して役割分担をしながら社会全体で子どもを育てるという理念のもとに出発をしたこの制度ですが、果たしてその理念どおりに進展をしているのでしょうか。例えば、学力面については、平成十六年の十二月に、OECDの学習到達度調査結果が公表されました。四十一の国、地域の十五歳を対象とした調査で、日本の高校一年生の学力は数学的応用力が、三年前の調査の一位から六位、読解力が八位から十四位に今落ちました。このことについて、その原因を考えると、昭和五十年代以降のゆとり教育への方向転換が関係していると思われます。昭和五十二年、文部省は、ゆとりある充実した学校生活の実現を目指して、児童生徒の学習負担を適正化するためにゆとりの時間を新設、二割を超える授業時間を削減する学習指導要領の改定を行いました。当時は、確かに受験戦争の過熱あるいは知識偏重による詰め込み主義など、学校教育についての課題が社会問題となっていたわけですけれども、十分な検証なしで思いつきのようにゆとり教育が進められたことが、考える力を奪い、日本の衰退を招く結果になっているとしたら、問題であります。そこで、都教育委員会として、最近の児童生徒の学力低下についてどのような認識をしているのか、まず見解をお伺いいたします。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長ご指摘の国際的な学力調査を初め、国及び東京都の学力調査結果を総括いたしますと、基礎的、基本的な知識、技能の習得の状況につきましては、おおむね良好と認められますが、思考力、判断力、表現力等を問う読解力や記述式の問題に課題があると考えております。 # 服部委員 服部委員大変課題があると思います。今、この土曜授業の実施状況についてお伺いいたしますけれども、児童生徒の学力については、おおむね良好といいながらも今の答弁のように課題があるわけで、学力向上のために国や都同様、各区や市町村も独自の取り組みを真剣に行っています。地方の時代といわれ、そして分権化も進んでいる昨今、平成十七年十月に公表された中央教育審議会の答申には、学校や区市町村がそれぞれの地域の状況を踏まえた最適な教育を行えるよう可能な限りその権限と責任を拡大する改革を進める、このことが明記されています。また、本年六月に出された教育再生会議第二次報告にも、学校週五日制を基本としつつ、教育委員会、学校の裁量で、必要に応じ土曜日に授業を行われるようにするといった提言がされています。これに先立って、台東区を例に申し上げますと、学校週五日制が始まった平成十四年度から、授業時間が減ることに相当危機感を抱いて、区内全部の小中学校で土曜スクールを開始されました。土曜休業日における児童生徒の指導は、当時、正規の教員の服務の問題があって、地域のボランティアの方あるいは教員のOBにその協力をいただきました。しかし、学習がつまらなくなると子どもが来なくなる。結局、教員が教えるのが一番、こう区の教育委員会の担当者がいうように、日ごろから子どもの状況を把握している教員ならば、習熟の程度に応じて指導ができるはずです。そこで、正規職員が土曜スクールに参加できるよう、台東区からはその実現に向けて条例改正を含めた要望が私のところにも当時寄せられました。こうした地域の実情を踏まえて、都議会自民党としても教員の勤務時間の弾力的な運用を都教育委員会に要望して、平成十七年度の予算特別委員会、翌平成十八年三月の文教委員会での質疑を経て、学校職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の改正に至りました。この改正では、教員について、半日単位での勤務時間の割り振り変更が可能となり、このことによって、これまで難しかった土曜日における教員の勤務ができるようになったわけです。その結果、台東区では、年々土曜スクールに参加する児童生徒の数がふえて、保護者からも大変好評を得ていると、そのように聞いております。私としては、ここまでの都教育委員会の取り組みに対し、高く評価をしております。都内の各区市でも、台東区のように土曜日を活用して学習の機会を設定していると思いますけれども、都内の土曜スクールの実施状況がどうなっているのか伺います。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長現在、教員や外部講師が学習指導を行う、いわゆる土曜スクールを開催しているのは十五区市でございます。 # 服部委員 服部委員十五区市ということですが、その内容についても把握がされていると思いますけれども、台東区だけではなくて、他の区市においても努力しているということがわかります。先ほど触れましたように、ことしの六月、教育再生会議は社会総がかりで教育再生をと題して第二次報告がされ、必要に応じて土曜日の授業も可能にする、そのことを提言いたしました。また、十一月の中央教育審議会の教育課程部会におけるこれまでの審議のまとめでも、学校週五日制のもとでの土曜の活用について示されたわけです。私は、これまでゆとり教育の名のもとに、週五日制という労働条件改善の視点を、そのまま教育の現場に当てはめることは、子どもたちにとって無理があると同時に、日本で長い間培われてきた教育の伝統あるいは文化、そういったものを壊すものだと、そのように指摘してまいりました。今回の中央教育審議会の審議のまとめは、私にとってはまだまだ納得のいく内容ではありません。台東区の土曜スクールは、学校週五日制の趣旨から、児童生徒の任意参加という形をとっているため、参加しない児童生徒も少なからずいます。台東区で調査をしたところ、参加しない児童生徒の約六割が、土曜日に何もせず過ごしています。この事実は、土曜日の休日は、結果的に学ぶ機会を減らしているということになるのではないでしょうか。このままでは、学校で学ぶ子どもと、何もせず過ごす子どもとの二極化が起こるのではないかと、関係者あるいは保護者からは不安の声が上がっています。このように土曜日の活用の仕方は、児童生徒の学力向上や健全育成にとって重要な意味を持つと思うのであります。そこで、児童生徒の学力向上や生活習慣について、今までいろいろな施策を講じている東京都としては、児童生徒の土曜日の過ごし方について、その実態を調査する必要があると思いますが、見解を伺います。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長ご指摘のように、教育再生会議の第二次報告、中央教育審議会の審議のまとめの中で、学校週五日制のもとでの土曜日の活用について示されております。都教育委員会としましては、今後の学習指導要領の改訂に向けまして、児童生徒の土曜日の過ごし方についてアンケート調査を行うなど、実態を把握する必要があると考えているところでございます。 # 斉藤委員 斉藤委員まずは都立高校に関して幾つか伺います。現在、各都立高校では、数年前より地域の関係者や有識者を委員とする学校運営連絡協議会を数カ月に一度開催して、そして委員への学校の近況報告などの後、意見交換をする中で、さまざまな第三者的な立場からの学校運営に関する意見をいただいているというふうになっております。では、この学校運営連絡協議会について、多分これはさまざま学校によって雰囲気、色合いというものが違うと思うんですが、総論としてどのような役割を果たしているというふうに考えているんでしょうか、そこを伺います。 # 森口参事 森口参事学校運営連絡協議会は、学校運営に保護者、地域住民の意見や希望を反映するための意見交換を行う場を設けるとともに、学校評価を行うなどして学校経営の改善や地域に開かれた学校づくりを推進する役割を果たしております。同協議会の所掌事項は、学校運営、教育活動及び家庭、地域社会との連携について、校長に学校の実態に応じた助言等を行うことでございます。 # 斉藤委員 斉藤委員私も出身が都立高校なんですが、私の母校の高校の話をちょっと伺うと、近隣に幾つかの大学がたまたまありますので、大学関係者の方に委員として何人か参加していただいて、その議論を行っていただいております。大学の関係者の方が多くなりますと、たまたまちょっと私の方の学校は今、現役での大学進学が大変調子がいいために、おのずと進学指導の話題が多くなるんですが、恐らくこういった話題の進め方というものについては、委員の構成によって、どういう方が委員になっているかということによって大分違ってくるんではないかと思います。協議委員が学校に対して効果的な支援をしているという具体的な例を、またその委員の構成なども含めて、特徴あるものについて教えていただきたいと思います。 # 森口参事 森口参事学校運営連絡協議会委員の特徴的な支援としては、行政機関等委員の紹介による高校生の地域行事参加や地域清掃への協力、地元中学校との部活動交流の促進、先ほど大学の関係者ということがございましたが、学校関係者と委員の協力によりまして、授業や学校経営に関する講演会、それから研修会を実施しております。さらに、商店会役員等委員の紹介によりまして、生徒の就業体験先職場の開拓であるとか拡大、そういった例がございます。 # 斉藤委員 斉藤委員この学校運営連絡協議会、確かにその高校の場所によっても、なかなかお願いする委員の方、こういうのが何か決まってくると思います。今のように具体的に、いらした方が、例えばその商店街の方だとかいうことで就業体験につなげるとかという、非常に特徴のある活動ができれば、結果的にはそこの会議の場だけではなくて、その次の段階に進んでいくという大変広がりのある効果が出せると思うんです。ただ一方で、大変私、気にしているのは、逆になかなか学校の方で一般の方にお話をしてすぐにわかるような、いい効果や、いい数字が出せている学校ばかりではないと思います。こういったところでは、なかなか上手に委員の方のやる気とか興味というものを引くというのは難しいです。また一方で、委員の方の選定というものがちょっとお仕着せになったり、もしくは余りにも一般的に、要するに選定に対してきめ細やかにしていないがためについ肩書がある人だけにお願いをして、どうしてもそういった方は忙しい方が多いですから、そういったことによって出席が非常に難しい、現実的には引き受けたけれども出席が難しいということになって、結果的に何となくこの会議そのものが鎮静化してしまうようなことがあってはならないと考えております。ですから、たまたま私はちょっと知っている学校の中身については、比較的活発な活動をされているようでありましたし、今伺った例も、いい議論と、いい活動ができているようですけれども、やはりなかなかそういったところに結びつけられない環境にある学校については、もしくはそういう状況にある学校については、東京都の方である程度、余り形にとらわれずに、肩書的に決して目立つ人ではないけれども近所でよく学校を知っている、もしくは本当にその学校のことをよく考えているというような方にきちんとお願いをして、余りこうでなければならないというような感じにならないように、促していっていただきたいというふうに思います。では、次の質問です。ことし十月、先月ですね、平成十九年度の学校経営診断の実施結果というものが出されました。私もここ数日で読んでみて、分厚い内容ですけれども、なかなかよく書かれていて、読みごたえがあってよかったです。なかなかいい報告だなと思いました。この中では、企業経営者などを中心に学校経営支援センターの経営支援顧問という方が、この学校経営支援センター発足後の成果について、おおむねよい評価を出しております。またその一方で、大変客観的な、そしてまた経営者、経営陣という立場の中で、大変新鮮な意見も出しております。この学校経営支援センターについて、これも多分学校や地域によって差があると思いますが、具体的に現在、学校経営支援センターはどのように各学校をサポートしているのか、お聞かせ願います。 # 森口参事 森口参事学校経営支援センターは、各チームが事業、学校行事、校内研修など月一回の学校訪問を通して、学校の実態に応じた機動的できめ細かい支援を行うこととしております。このため、各学校に対しては、経営情報の把握と相談、授業や生活指導の改善、校長の人事構想を踏まえた人事異動の実現など、学校経営面、教育活動面、人事管理面で、校長が自立的経営を行えるよう、日常的に必要な支援を行っております。また、教職員の服務事故の対応や生徒の事件、事故などの緊急時においても、学校経営支援センターが学校現場への危機管理支援を行っているところでございます。 # 斉藤委員 斉藤委員それでは、学校経営支援センターがかなり直接的にサポートすることになります各校の経営企画室について伺います。この経営企画室というのは、昔は学校事務室という見たままの名前であったわけですが、ちょっと生徒から見てどういう中身かなというふうに、わからないような、なじみのないような経営企画室という名前になりました。この学校経営支援センターが設置されて、契約事務や旅費事務など、センターで集約して行うようになって、学校事務室から経営企画室に変わると同時に、こういうセンターでの支援が入ることによって、この学校経営企画室そのものがどのように変わっていったのか、そこを教えてください。 # 森口参事 森口参事学校経営支援センターの設置に伴い、事務室で行っていた契約などの業務を集中化し、業務を軽減する一方、従来の事務室を企画、予算調整、広報活動、渉外などの機能を充実し、校長の学校経営を支えるため、経営企画室と改めたところでございます。学校説明会の開催に当たって、企画の段階から経営企画室も参加し、学校説明会の開催がよりスムーズにできた、経営企画室が学校のホームページの作成や更新に教員と連携し、定期的に最新情報の訂正、追加などを行った、また特別支援学校の経営企画室が企業への学校の教育活動を積極的にPRし、生徒の進路先開拓のサポートを行ったなどの例がございます。 # 斉藤委員 斉藤委員今、学校経営支援センター、そしてまた経営企画室について伺ったんですが、先ほどの学校経営診断の実施結果などを見たときに、ある経営支援センターの経営支援顧問の方の意見を見ますと、例えば分掌業務という中について、業務の振り分けですけれども、多くの教員の業務時間の半分を割かざるを得ない状況にあるという大変厳しい意見もございました。その中で、教員は一般的には教科指導業務をより充実させる必要がありとの認識のようであるが、分掌業務も重要な役割であるために常時多忙感に悩まされている実情にある、それを改善した方がいいんじゃないかという意見もいただいています。また、この経営企画室などの部分でも、大体もともといた事務のスタッフを二人ぐらい削っているような話を聞いております。そうすると、この学校経営支援センターが入ることで、その事務員二人分の活動ができるか、活躍ができるかという話になっていると思います。おおむね学校そのもの全体に対しては、先ほどの教職員の服務事故などの対応などができますし、あと校長先生そのものからしてみれば、なかなか学校の中で全部解決しようと思うと外部の第三者的な方に相談するというチャンスがない。そういったところが、経営支援センターという少し距離を置いた客観的な立場の、しかも学校のことについて知識のある人に相談ができるという点では、非常にメリットが大きいというのも評価として伺っておりますし、また事実だと思います。一方で、先ほど申しましたように、二人減ったという部分をカバーするには、この支援センターそのものが、かなり広域の幾つかの学校をサポートする立場にありますので、なかなかその一カ所をじっと見ているわけにいかないですから、そういったデメリットも現実にあると思います。この辺を今後の課題として、また特に今回報告を見ても、大変報告の評価などもいい面、悪い面、両方きちんと書かれておりますので、ぜひこういう報告の中身を受けて、今後の課題として、すぐに直る、何かを変えていくというふうなわけにいきませんから、年単位で少しずつ今の部分で課題が残っている部分については対応していただきたいというふうに要望いたします。続きまして、これは都立高校に限らない小中高等学校について伺います。特に小学校、中学校ですけれども、現在、地域の拠点としてさまざまな活動の場となっています。少し最近落ちついた感じがしますが、何年か前は、それこそ地域の拠点としていろんなイベントイベントといっていいですかどうかわかりませんが、その地域の方を対象にするような、いろんな行事の場として学校が使われた経緯がございます。そういったときには学校の職員、本当に忙しそうでありました。またその上、最近は児童等が被害者になる事件が大変多発しております。安全管理に過去にないほど注意をしなければならないという状況になっております。それに加えて、マスコミでも話題になっておりますモンスターペアレントと呼ばれている、いわゆる非常識な要求をする保護者の存在は、教職員をかなり精神的に追い詰めているんじゃないかというふうにいわれています。私のところも子どもがまだ一年生なんですけれども、学校の先生が、ちょっと私の感覚からするとそんなに気を使わなくてもいいのになと思うようなことで、かなりまめに電話をしてくれるんですね。ありがたい反面、いやいやこれは大変だなというふうに思うことも多々ございます。多くの教職員が多忙である上に過剰なストレスを受けていて、本来の業務である学習授業に集中できない状況になってしまうんではないかなという懸念を抱いております。各市区町村の人員配置のこういった教育委員会の判断となると思うんですけれども、教育のプロであり、職人である教員には、もっと授業に集中させてあげられる工夫がやはり必要ではないかなというふうに考えます。従来の学校事務員だけではなくて、もっと教員に踏み込んでサポートをしていくような、教材の準備や授業のための研究の補助や、また、事務的な家庭の連絡や防犯などを含めた安全管理など、プロの、いわゆる議員の世界ではないですけれども、まさに秘書のような、学習を支えて、そしてまた学校の運営を支えていくような存在が学校にいてもよいのではないかなというふうに考えます。人件費等もありますので、余り軽々な提案はできませんけれども、例えば、現在、病院経営本部などでは、過剰労働ぎみの医師など専門職を助けるために、医療に専念できるようにするための医療クラブの試験的な導入を今予定をしているというふうに、先般の予算要望のヒアリングの中でもいっておりました。なかなか、こういったいい人材がいるかどうかというのは難しいところらしいんですが、同様の発想で学校の教職員とかを助ける存在というものが今後あってもいいんではないかということを検討していただければと思っております。さて、質問なんですが、こういった実際に過剰なストレスで心の病、いわゆる精神性疾患で休職する教員というのは、何年も前から大変、徐々にふえているということで話題になっております。そこで、現状、精神性疾患で休職する教員を減らすためにどのような予防対策をとっているのか、そしてまた休職した教員をサポートして円滑な職場復帰ができるように、どのような施策を講じているのか教えてください。 # 秦福利厚生部長 秦福利厚生部長都教育委員会は、心の病の予防を図る観点から、管理職を含めた全教員に対しましてメンタルヘルス、心の健康づくりに関するハンドブックやリーフレットを配布するとともに、精神科医師の健康相談員や心理職員による精神保健相談、管理職や教員を対象としました精神保健講習会などを実施しております。さらに、昨年度からは、心理職員と学校校長等教育経験者がペアとなりまして、学校に出向く訪問相談を実施し、管理職等に対しまして助言、支援を行ってございます。また、教員が心の病で休職した場合につきましては、休職教員の円滑な職場復帰や再発予防を目的としまして、家族や主治医、精神科医師の健康相談員と連携しまして、医療機関や所属学校での職場復帰に向けた訓練を実施しております。都教育委員会は、今後とも教員に対するメンタルヘルスの取り組みを推進しまして、良好な職場環境づくりに努めてまいります。 # 斉藤委員 斉藤委員最後に要望だけですが、このメンタルヘルスに関して伺うと、恐らく東京都の一般的な行政事務職員に比べてはるかに早い段階から手厚い、いわゆる職場復帰のプログラムというのを組み始めたような印象があります。内容的にも大変細かくて、ある意味、ほかの局の職員の同様な疾患に対しても、ある程度応用がきくような流れじゃないかなと思います。ただ、現実問題として、こういった状態で休職をしている方に対する風当たりというのは、大変厳しいものがあると思います。これは教職員に限らないと思います。ぜひともこういった教育庁の前向きな対応をより多くに広めていって、ほかの同様なことで悩む職員、一般の労働者のこともそうかもしれませんが、そういった方に、ここまでしていくべきなんだよということをリードしていただきたいというのが正直なところです。そしてその一方で、本当にこういった職員が自然に戻れる、そしてまたケース・バイ・ケースで対応できるような体制づくりの研究に今後とも邁進していただきたいと思います。以上で、要望を最後につけまして質問を終わります。 # 松葉委員 松葉委員放課後の子どもの居場所づくりにつきまして、三点お伺いいたします。まず初めに、放課後子ども教室について伺います。平成十八年第三回定例会におきまして、私は、本年度実施の放課後子ども教室の都教育委員会としての取り組みについて質問いたしました。中村教育長より、子どもたちに文化やスポーツなどの多様な活動を提供することなどにより、地域の教育力が向上することが期待できる事業であるというようなご答弁をいただきました。本日の委員会資料の中に、先ほどご説明がありましたけれども、この平成十九年度放課後子ども教室の実施状況は、三十七区市町村、四百六十四カ所となっておりますけれども、これは全小学校数の何%に当たるのか、まず最初にお伺いいたします。 # 三田村生涯学習部長 三田村生涯学習部長この四百六十四カ所は、都内の全小学校数の三五・一%でございます。 # 松葉委員 松葉委員三五・一%というご答弁でございましたが、本年度スタートして三五・一%ということですので、着実に進んでいると理解いたしました。この第三回定例会の一般質問で、具体的な都教育委員会の取り組みについて伺いましたところ、ご答弁といたしまして、行政関係者や学校教育関係者など関係機関との連携を図るための推進委員会の設置、人材の確保を中心的に担いますコーディネーターの資質向上のための研修、都教育委員会のホームページを活用した活動事例や安全管理に関する情報提供など、放課後子ども教室推進事業の実施に向けた効果的な支援策を検討していく、そういうご答弁がありましたけれども、現在、どのような具体的な取り組みが進んできたのか伺います。 # 三田村生涯学習部長 三田村生涯学習部長まず、情報提供についてでございますが、学童クラブとの連携の先進事例や、新たに教室を設置する際に参考となる事例など、事業推進に資する情報を随時提供するとともに、安全管理のための手引きを区市町村教育委員会を通じて全教室に配布するなど、円滑な事業実施に向けた情報提供を行ってきたところでございます。今後も、適宜情報提供に努めてまいります。また、研修につきましては、教室運営の中核を担うコーディネーターを初め運営にかかわるスタッフ等を対象に、子どもの発達理解や遊びの指導方法、教室運営などをテーマとした全五回の研修を企画実施し、人材の育成に努めております。次に、都の推進委員会についてでございますが、教室の現状や課題を的確に把握するために、都及び区市の教育、福祉それぞれの関係職員のほか、現場からの意見を反映できる委員として、放課後子ども教室のコーディネーターや学童クラブ職員、小学校長、PTA役員等の方々をメンバーとした東京都放課後子ども教室推進委員会を設置しております。今後は、本推進委員会におきまして、放課後子ども教室事業の検証、指導者研修の企画、学童クラブとの連携方策等、放課後対策の総合的なあり方を検討し、放課後子ども教室の推進が一層図られるよう区市町村教育委員会を支援してまいります。 # 松葉委員 松葉委員今、さまざまな取り組みが行われてきたということがわかりました。現在、推進委員会で具体的な検討がされているということですので、ぜひとも全小学校区での実施へ向けて、効果的な支援策を講じていただくように強く要望いたしておきます。次に、特別支援学校における放課後の居場所づくりについて伺います。公明党は、第三回定例会におきまして、代表質問で特別支援学校における障害児の放課後の居場所づくりについて提案をいたしました。中村教育長から、今後、実現可能な仕組みを具体的に検討していくとのご答弁がありました。大変な反響がございまして、ご父母の方々から早期の実施に向けての期待の声が数多く寄せられております。十月の文教委員会で、我が党の大松議員も質問をいたしましたが、私からも改めてお伺いいたします。第二次実施計画が十一月中、間もなく発表になりますけれども、この計画は大変に重要なものになると認識しております。そこで、特別支援学校における障害児の放課後の居場所づくりの推進という項目を盛り込んでいただきまして、二次計画の最初の年度となる平成二十年に具体的な検討に入っていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。 # 荒屋特別支援教育推進担当部長 荒屋特別支援教育推進担当部長都立特別支援学校における放課後の居場所づくりについてでありますが、平成二十年度から課題の整理を含めた検討に着手してまいります。 # 松葉委員 松葉委員今、簡潔にご答弁いただきましたけれども、中村教育長が本会議で具体的な検討に入っていただくと、そのようなご答弁もいただいておりますので、この二十年度からの二次計画の中できちっと位置づけていただきまして、検討に入っていただき、順次できるところから実施に移していただきたいことを強く要望して質問を終わります。 # 大山委員 大山委員私からは、学校経営支援センターについて、それから教員の任用について、それから高校改革についてと、学力テストと三十人学級ということで質疑していきたいと思っています。まず、学校経営支援センターについてです。学校経営支援センターの一つの側面であります事務室関係のことですが、事務室業務の集約化がいかに非効率であるかということは、学校経営支援センターは二年ですけれども、ますます明らかになってきました。折り紙やチョークやマグネット、張るラミネート、それからボウル、またたわしなどの雑貨、MDプレーヤーなどの備品を含めて、学校から学校経営支援センターに申請するわけですが、申請してから学校に届くまで二カ月は見てほしいと。最近はそれが何とか平均五十日程度にはなったということなんですけれども、どうしてそのような時間がかかるんでしょう。 # 森口参事 森口参事学校経営支援センターでは、各校の年間計画を踏まえ、学校からの契約締結請求を毎月二回集約しており、使用内容、発注物件の確認、調整、仕分けに十日程度、東京都の契約諸規定により事業者の見積もり期間で一週間程度、競争入札案件は公示期間一週間程度、事業決定からすべての物品が納品されるまで三十日程度の期間が必要となります。なお、学校から短期間での納品要望がある場合は、学校経営支援センターで個別に対応しており、また急を要する少額、少量の消耗品については、学校でも即日購入できることになっております。 # 大山委員 大山委員急ぐときは学校でもできるんですということですね。しかし、今、集約化のために十日プラス七日プラス三十日ですから、合計四十七日ですね。基本的にも四十七日かかっちゃうわけですね。中部学校経営支援センターで伺ったときには、入札する場合はさらに十一日から十二日かかるといっていました。つまり、各学校から出されたものの整理と分類でまず時間がかかる。しかも集約するから、入札することになります。学校経営支援センターで集中購買するから時間がかかるし、月に二回しか申請の受け付けをしませんから、その締め切りの例えば、その翌日に、あ、これがということで先生から申し込まれても、申し込み自体が半月後、もしくはセンターによっては申し込みできるもの、月の前半は例えば理科と音楽、後半は家庭科とか、こう種類があるところもありますから、半月どころか申し込み自体が一カ月後になってしまうという状況もあるわけです。学校経営支援センターで集約することの矛盾、そしてむだというのは、これはもう明らかなんです。今の時代、注文して五十日も二カ月も待つ、これは異常な事態だと思われないでしょうか。教育委員会で議事録を見ていましたら、教育委員の一人の方が何でそんなにかかるんですか、きょう頼んだらあした来る業者もありますね、また他の委員も、二カ月たって初めて納品されるということなら今のこのスピード時代に失格とまで発言をしています。各学校で購入していたときには、学校の近所の業者さんですから、よく学校のことを知っているわけですね。年間で必要なもの、その重立ったものはちゃんと見込んでいてくれましたから早いわけです。特別支援学校なんかだったら、教材にしてもその子に合ったものが必要ですから、種類は多いけど一種類の数は少ないわけですね。それらを集約すること自体、本当にむだだということなんです。学校によってはというか業者によっては、ちゃんと各クラスごとに仕分けまでしてくれていたところもあるわけです。学校ごとにやった方がどれだけ効率的なのかということが明らかではないでしょうか。そう思われませんか。 # 森口参事 森口参事経営支援センターで集約するものについては、年間で一定数を見込み、使う時期、使う量を見込んで、それらを集約してそのスケールメリットを得るというのが目的でございますので、例えば、物品、消耗品が必要であるということであれば、即近所の商店なりお店で買うことは十分可能です。ただ、支援センターで集約して契約し、物品を納品するということの非常に大きなスケールメリットとしては、契約件数が各学校でやっていたものについては集約するわけですから、当然減ります。約六割程度になっていると思います。それから落札率ですが、従来、学校ですと七割、八割程度でございましたが、それよりさらに一割、二割、物品によっては四〇%から五〇%低下するといったメリットがございますので、学校予算の節減、有効活用を図ることができて、学校契約に比べてやはり効率的であるというふうに考えております。 # 大山委員 大山委員今、スケールメリットがあるからやるんだということなんですけれども、今、物によっては一割、二割安かったんだ、五割も安いところもあるんだとおっしゃいましたけど、実際、昨年度のスケールメリットというのは幾らだったんですか。 # 森口参事 森口参事物品ごとによって違いますので集約はしてございませんが、おおむねその程度の割合だというふうに思っております。 # 大山委員 大山委員数はいえないわけですよね。結局どうなったのかというのは、わからないわけですよ。例えば、昨年の委員会で明確になっちゃいましたけれども、毎年同じガラスが割れる、その割れるガラスを学校で入れていたときの値段よりも、学校経営支援センターを通して入れたら高くなった、これはもう教育長も認めたことですね。修繕などは、住宅供給公社を間に入れているわけですからその経費は高くなる、これは当然ですね。学校職員を約二百人削減したということでは、財務との関係では、そんなに削減できたからいいんでしょうけれども、学校の現場ではどうかといったら、人が少なくなって連日の残業、それから病欠まで出ています。とても子育てしながら学校事務室勤務はできないという状況になっているわけですね。教員以外の大人が少なくなっていますけれども、学校の安全上も非常に心配だという声が出ているわけですね。教育委員会の議事録を見ましたら、委員が、旅費の計算などの事務については軽減されたけど、仕事の量が大変ふえて多忙であるということをここにつけ加えていただきたい、こう発言しているじゃないですか。学校経営支援センターで事務の集中化をすることは考え直すことが必要だと思いますけど、どうですか。 # 森口参事 森口参事学校経営支援センターで集約しているのは、旅費、それから手当の認定、契約事務でございます。先ほどありました事務量が減らないというのは、たしかアンケートでもありましたが、契約事務については確実に減っていると思いますし、庶務事務手当についても、それに伴う監査の対応とか書類の作成、業者への対応は確実に減っていると思います。先ほど申し上げましたように、センターで契約するスケールメリットがあるということで、なお急を要する個別のものについても、センターで個別に対応できる。そして学校でも即日、ですからその日のうちに購入できるといった契約方法をとっておりますので、集中化の見直しについては考えておりません。 # 大山委員 大山委員スケールメリットについても明確ではないし、緊急のものを学校経営支援センターで対応するとか、それから学校でもできるんだということだったら、結局基本的に学校でやればいいことなんですよね。集中化すれば、それだけ余計な時間がかかるというのは明確なんですから、事務職員の人数は元に戻して、学校単位でできるようにすることが学校の安全ということから考えても必要なことです。学校事務を集約化してほしいなどということは、学校現場から出てきたものでないということも明らかですね。もう一つは、学校経営支援センターを中心に行っている、いわゆる学校経営の適正化といって進められてきた学校への介入で、職員会議での挙手採決の禁止についてです。挙手採決の禁止については、昨年の四月十三日に学校経営の適正化についてという通知で、校長の意思を拘束することはだめだとしました。この通知で、職員会議で挙手や採決することも禁止するということで、マスコミもびっくりしたわけですね。五月には、各校長先生あてに意思決定行為としての議決でなくても採決等を職員会議で行うことはできない、こういう文書まで出して、さらに締めつけてきたわけですね。そんな中で、ことし七月十二日の教育委員会で、職員会議の運営状況についてということで、九校の校長、副校長から聞き取りを行い、結果的には四校の校長に対して教育長から厳重注意を行うという報告がされました。どういう経過で九校を調査し、どのような理由で厳重注意をしたんでしょうか。 # 森口参事 森口参事六月二十八日の東京都教育委員会において、職員会議の運営状況に関し再調査する必要があり、都立学校九校の挙手採決等の状況について、校長及び副校長に対してヒアリングを行いました。職員会議は、校長の任意の補助機関であり、その機能は教職員に対する報告、意見聴取及び連絡に限定しており、学校における意思決定は組織の責任者である校長の最終判断で決定されなければなりません。職員会議において挙手採決等の方法を用いて教職員の意見を確認することは、校長みずから決すべき意思決定に少なからず影響を与え、同会議が実質的な議決機関となりかねず、こうした運営は不適切でございます。今回の調査で、四校の職員会議において挙手採決等が行われていたことが明らかになったため、職員会議の運営を適正に管理すべき立場にある校長に対し、教育長から厳重注意を行ったものでございます。 # 大山委員 大山委員本当にがんじがらめという感じですよね。これは七月十二日の教育委員会に出された職員会議の運営状況についてという資料ですけれども、六月二十八日の教育委員会を受けて九校の調査をした報告です。十八年度の職員会議の運営状況で、厳重注意を行う四校の状況が書かれています。どういう状況で厳重注意を行ったのかということなんですけれども、例えば、判断を覆すつもりはなかったので最終決定は校長が判断するからと説明した上で挙手による採決をしたわけですね。これが一つです。それから二つ目の学校は、校長が判断に迷ったため校長が挙手を求めた。三つ目の学校は、特別指導案件や年間行事計画などにおいて教員の意見を聞く必要があり校長が挙手を求めた。もう一つは、卒業判定案件において、教員から意向の確認を求められ校長の判断に資するため挙手を認めた。もう本当にごく当たり前のことをやっているにもかかわらず、厳重注意なんですね。校長が判断に迷っても、それから最終決定は校長がするからといっても、校長が教員の意見を聞く必要があっても、最終判定で校長の判断に資すると考えても、挙手や採決はしてはいけない、こういうことなんですよ。校長が例えば判断に迷ったときに、教職員の意見を聞くのは当然のことじゃないんでしょうか。どうしてそれがいけないんですか。 # 森口参事 森口参事学校においては、教職員がそれぞれの分掌や学年など職務上の立場から建設的な意見を出し合い、企画調整会議において議論を深め、校長が最終決定するという適正な校内運営手続のもとで活発な議論を行うことは望ましいことでございます。こうした意思決定方で教職員の意見を把握できる機会を多く設けているにもかかわらず、職員会議でしか職員の意見を聞く場がないということ自体、学校経営上、問題があるといわざるを得ません。職員会議は、教職員に対する報告、意見聴取及び連絡を行う場であり、校長の判断により職員会議で教職員の意見を聞く場合においても、挙手採決等の方法は、校長の決定権を制約することになり、学校経営上、不適切でございます。 # 大山委員 大山委員そうやって挙手もだめ、採決もだめ、それから校長先生が教員はどういう意見を持っているのかなということを確認することもだめ。例えば、そんなことで、今、高校の現場はどうなっているのかといったら、生徒指導というのはかなり複雑な状況になっているわけですね。生徒にとって何が一番いいかを考えて対応することが求められているわけですよ。これまでは、特別指導と卒業認定というのは大激論が交わされてきました。子どもをめぐって議論するかいがあったんですよね。きちんと職員会議の場で議論する場があって、かいがあって、かいがなければ議論できないんですよ。子どもを把握しているのは、さっきおっしゃっていた企画調整会議や学年でやればいいっていいますけれども、その子どもを把握しているのは主任というわけでないわけですね。例えば担任の先生であったり、保健の先生であったり、それから生徒指導の先生であったり、さまざまな教職員がその生徒にかかわりを持っているわけですよね。職員会議で全員がいるわけですから、自分はこの生徒のことを、あ、どうしてあの先生が知っているんだろうと思うような方も含めて、いろんなかかわりを持っている。だから職員会議で議論する必要があるわけです。そう思いませんか。 # 森口参事 森口参事学校も一応組織でございますので、それぞれの分掌や学年等での十分な意見交換を行い、それらは適宜、校長、副校長に報告することになっております。それらをもとに学校の中枢機関である企画調整会議で十分議論を深めて、その上で校長が判断するといったのが組織のルールであるというふうに思っております。繰り返しますが、挙手採決等については、それらのルール、権限を制約するものであるというふうに考えております。 # 大山委員 大山委員企画調整会議でやればいいというわけですよね。しかし、学校というのは、子どもをめぐっては教職員が対等な立場で、別に企業だとか行政の組織じゃないわけですから、担当の人が担当のことだけをやっていればいいということじゃないわけですよね。例えば、たばこを吸っている子どもがあれば、自分はたばこ係じゃないから、じゃあたばこ係の先生を呼んでこようかと、そういう社会じゃないわけですよね。都教委の学校経営の適正化で校長先生、副校長先生、主幹、主任などの人たちが参加対象の企画調整会議を学校運営の中心にして、本来、自由な議論を深めて学び合って、より質の高い合意形成を図っていく場であります職員会議は、今どうなっちゃっているかというと、各学校でも、校長先生が提案するとき、質問はあっても意見はないんですよね。だから校長先生自身も正しいのか、支持されているかもわからない。こういうことになるわけですよ。だから、だんだんだんだん職員会議は形骸化してしまってきているんです。教員集団は上からいわれたことをやっていればいいのかということになるわけですよね。今のこのがんじがらめの、自由も、それから自由な議論も保障されないようなところでは、自主的、民主的に学校をどうしようということにはならない。都教委が学校をこういう状況に追いやっているということなんです。職員会議で意見をぶつかり合わせて教育議論ができる、それから校長も教員の意向がわかる、職員が何を考えているか知りたい、そういうわけですよね。七月十二日の教育委員会の報告資料の今後の対応に、学校経営支援センターと本庁各部が十分連携し、課題解決に向けた具体的な相談や助言を行うなど必要な支援を行っていく、こうなっていますけれども、七月以降、三カ月しかたっていませんけれども、具体的にどのような対応をしてきたんですか。 # 森口参事 森口参事七月以降の対応ということでございますが、今回の調査結果を踏まえまして、校長がリーダーシップを発揮し、学校内の旧来の慣例や慣行にとらわれずに一層適正な学校運営を行うため、企画調整会議、職員会議、委員会の運営について、改めて校内で点検や見直しを行うよう、七月に各学校に都教育委員会として通知いたしました。また、八月の学校経営支援センター連絡会、九月の校長連絡会及び副校長連絡会等において適正な学校運営の継続について、改めて周知徹底を図ったところでございます。また、今回の調査結果で相当な課題が出てまいりましたので、企画調整会議や職員会議を初めとし、学校経営上の諸課題の解決に当たっては、校長が問題を一人で抱えることがないよう学校経営支援センターが本庁と十分連絡し、従来にも増して学校との意思疎通を図りながら、適正な学校運営のため積極的に相談に応じ、具体的かつ実効性のある助言等を行っているところでございます。 # 大山委員 大山委員まさに七月には各学校に通知、八月には学校経営支援センター連絡会、それから九月、校長連絡会及び副校長連絡会、毎月毎月、さらに都教委のいうことを、どんな理由があろうともとにかく押しつけるということにほかならないじゃないですか。自主的、民主的、そして校長先生と教員の集団が対立しているようなところでは、いい教育なんかできないわけですよね。それを、都教委がそれを促進させる。そして自主的な、民主的な話し合いさえも議論ができるというのは、やっぱり自分の意見が出せたり、取り入れられたり、それからほかの人の意見が聞けたり、そういう相乗効果があって議論するかいがあるわけですよね。そういう状況をつぶしているということなんですよ。ですから都教委は学校への介入をやめて、本来の仕事である教育条件の整備にこそ力を入れるべきです。そして、その介入の仕組みとしてある、システムとしてある学校経営支援センターは廃止するということを改めて申し述べておきます。次に、子どもたちの教育にとっては重要な役割を果たす先生たちの任用についてです。これまで東京都の教員採用というのは、採用選考の結果を名簿搭載者と補欠者に分けて、名簿搭載者は原則四月一日付採用、補欠者は、名簿搭載者で不足する分の四月採用、または年度途中の欠員や病気休職教員の補充として必要が生じた時点から正規教員として採用してきたわけですね。都教委は、今年度から補欠者制度をやめて、任期が一年までの、いわゆる臨時採用の期限つき任用教員としての採用にしてしまいました。都教委が昨年三月に出しました、「これからの教員選考・任用制度について」というのによれば、合格者に確実に都に来てもらうということで、補欠者は不安定だから他の道府県や民間企業に流出してしまう、だから臨時的期限つき任用にするんだということが書いてあります。補欠者は、採用されれば、四月当初でも年度途中でも正規採用となっていました。しかし、期限つき任用はその年度のみの採用ですから、期限つきの方が私は不安定で、教員を目指す人にとっても魅力に欠けると思いますけれども、どうして期限つき任用の方が不安定でないといえるんでしょうか。 # 松田人事部長 松田人事部長期限つき任用教員は、任用期間に定めがある以外は基本的に正規教員と同様の身分でございます。任用期間に関しましてでございますが、期限つき任用教員は、翌年度の採用選考において特例区分で受験することができます。その際、一次の択一試験は免除されまして、二次の面接のみの受験となります。さらに、選考におきましては、任用期間中の職務の遂行に関しまして、校長、教育委員会の評価を適切に反映する仕組みを講じております。これらの措置によりまして、本人のモチベーションのアップにつながるとともに、児童生徒、保護者にとりましても、より質の高い教員を確保できるものと考えております。 # 大山委員 大山委員補欠者は、補欠者であっても採用されれば、その時点からほかの先生たちと同じ正規の採用になったわけですね。採用方法を変えて、今年度はどうなったでしょう。四月当初から名簿搭載者からの採用では、教員が足りなくなりましたね。大量に期限つき任用教員を今年度は採用しました。さらに驚いたことに、期限つき任用の名簿も足りなくなって二〇〇七年度採用のための教員採用試験を受けていない人からも採用しましたね。今年度の名簿搭載者は何人だったんでしょうか。それと一緒に、四月段階での名簿搭載者からの採用は何人で、期限つき任用の採用は何人でしょう。この期限つき任用のうち期限つき名簿搭載者と、採用試験を経ずに任用した教員は、それぞれ何人ずつでしょうか。 # 松田人事部長 松田人事部長十九年度正規採用名簿に搭載した人数は、二千二百六十五人でございます。期限つき任用名簿からの採用は、四月十七日までで三百十七名でございます。それから特別に認める者を名簿に追加し任用できる特認制度というものがございますが、この制度により任用した期限つき任用教員は、十月二日現在、二百八十一人でございます。 # 大山委員 大山委員期限つき任用の人が、四月当初から三百十七名採用された。だれが考えても、ちょっと異常なんじゃないでしょうか。そのために年度初めあるいは入学式に先生がそろっていなかったとか、担任の先生が正規でなくて一年間の臨時採用の先生だったという保護者の驚きの声もありました。子どもたちに責任を持つ担任の先生が、正規採用でないのか、一年後にどうなるかわからないという不安定な立場で、やりがいを持って子どもたちの教育に専念してもらえるんだろうか、学校の中で立場が弱くて大変なのではないかと保護者も心配していました。また、校長先生という学校をまとめる立場である人からしても、四月当初に正規採用の先生がそろっていないのは、学校の運営に大きな支障を来すといいます。担任として、子どもたちに同じ責任を持つのに、正規と期限つきでは、受けられる研修の内容も違います。身分が不安定である上に、次年度に正規採用されるよう推薦してもらうためには、校長先生の顔色をうかがわなければならないなど問題だらけです。なぜ四月当初から名簿搭載者が不足するような事態になったんですか。 # 松田人事部長 松田人事部長各年度の採用予定者数は、教員採用選考の合格者を決定する十月ごろに必要数を予測いたしまして、名簿搭載者数を決定しております。今回不足が生じましたのは、学級増、勧奨退職者の増等、予想が困難な欠員が生じたこと、それから当初の予想より辞退者が多かったことによるものでございます。 # 大山委員 大山委員しかし、いろいろいいますけれども、「これからの教員採用・任用制度」によれば、二〇〇七年度の採用見込み数は二千六百人程度になっているんですね。さっき、名簿搭載者が二千二百六十五人ですね。これ自体、もう既に少ないわけです。しかも名簿搭載者の一割程度は辞退するということも、この中には書いてあるんですね。それは見込み済みなわけですよ。見込まなきゃいけないわけですね。定年前の退職者も資料で出してもらいましたけれども、相変わらず多いのは、別の問題ありますけれども、突然ふえたわけではないわけですね。学級数の予想も、予想がつかないというか、予想外というようなことをおっしゃいましたけれども、何百も変わるわけじゃないわけですよね。もちろん不確定な要素というのはありますけれども、必要な先生の数が見込みよりふえたとはいえません。少なくとも、この予想でやっている二千六百人程度を名簿搭載することが当然ではないんでしょうか。二千二百六十五人しか名簿搭載者にしなかったということが不自然といわざるを得ません。少なくとも年度当初は正規教員のみによる配置となるような採用を行うべきと考えますが、どうですか。 # 松田人事部長 松田人事部長正規の名簿搭載者は、辞退者や次年度の教員定数、それから退職教員数を精査した上で算定しておりますけれども、それでもなお学級増や勧奨退職者、病気休職者等の不確定要素による欠員が発生した場合に備えて、期限つき任用教員制度を導入しておりまして、正規の名簿搭載者が不足すれば、四月当初から期限つき教員を任用することも当然あり得ると考えております。 # 大山委員 大山委員さっきいったように、何百も学級数がふえるわけはないわけですよね。退職者だって、急激にふえるわけじゃないんですよ。しかも、この教員候補者選考結果についてという、ことしの十月二十六日の紙には、十九年度から年度途中の欠員に対応するため期限つき任用教員制度を導入したと、こう書いてあるわけですね。年度途中の欠員に対応するためなんですよ。ですから、年度当初は正規の教員が原則であるということは確認できますよね。 # 松田人事部長 松田人事部長当然、正規の名簿搭載者数は、年度搭載者、年度当初の必要数を算定しております。しかしながら、先ほど申し上げましたように、不確定要素による欠員が生ずる場合がございますので、そういう場合には期限つきの教員を任用する場合が生じるかと考えております。 # 大山委員 大山委員年度当初は、原則は正規教員なんだということですね。ところで、来年度に向けた名簿搭載者数はどうなっていますか。 # 松田人事部長 松田人事部長来年度につきましては、二千九百八十一人を採用予定者として名簿搭載をしたところでございます。 # 大山委員 大山委員来年度の教員採用の見込み数というのは三千百人程度となっていますので、ことしよりは差が少ないわけですね。これによると三千百、今おっしゃったご答弁では二千九百八十一ですから、ことしよりは差が少ないようですけれども、それでも百二十人程度少な目なわけです。名簿搭載者を採用しないわけにいかないから、どうしても見込みより少な目に搭載せざるを得ないということだと思うんですね。辞退者がいることを考えれば、やはり来年度も三百人から四百人の期限つきの先生が年度当初から生じざるを得ないと思うんですけれども、どうですか。 # 松田人事部長 松田人事部長たびたび申し上げておりますけれども、辞退者数、それから勧奨退職者数等はこれから数字が出てまいりますので、現時点で来年の四月の状況を正確に予測することは困難だと考えております。なお、補欠者制度というのは、正規採用への期待があるわけですけれども、逆に一年間待たせた上で経過期間、名簿搭載期間が過ぎて、これは他県にもない都独自の制度でございましたけれども、受験生からは戸惑いや不安の声が寄せられていたことも事実でございます。 # 大山委員 大山委員今年度のことを見れば、採用されないどころか、採用試験を受けなかった人さえもかき集めなきゃならなかったという事態なわけですよね。それで、その補欠者が不安定だなんていうことはいえないと思います。そもそも四月一日に何人教員を採用できるかというのは、もちろん不確定な要素がどうしてもあります。以前は、採用試験合格者全員が同じ名簿で、上から順番に採用していったために、本人からしてみれば、これは自分が採用される可能性が高いか、それほどでもないのかにかかわらず、確実に内定を出してくれる企業に流れたりしていたわけですね。それを防ぐために名簿に線を引いて、ほぼ確実に採用される人にはそれがわかるようにして、採用されない可能性がある人を補欠者にしたのが去年までの補欠者制度ですね。人材の確保という点では、この制度の方がよほど合理的ではないかと思います。期限つき任用教員の制度を見直して、これまでどおり正規教員名簿搭載者のみによる、四月当初、年度当初なるような採用を行うべきと考えるが、どうですか。 # 松田人事部長 松田人事部長正規の名簿搭載者につきましては、たびたび申し上げておりますけれども、さまざまな要因で不確定な要素がございます。したがって、そういった欠員が発生した場合に備えて期限つき任用教員制度を導入したものでございまして、かつ、この制度につきまして先生の方から、先ほどから不安定だというお話もございますけれども、大事なことは、期限つき教員が正規教員かどうかではなくて、教員としての実力や姿勢があるかどうかだというふうに考えております。そういった意味で、期限つきの教員につきましては、従来の補欠に相当する成績の者を任用いたしておりまして、そういった意味では実力としては同等でございます。かつ、先ほど申し上げましたように、本人のモチベーションについても、これを維持するような仕組みをつくっておりまして、にもかかわらず翌年度の採用選考に不合格になった場合には、それはやはり教員としての適性に欠けると、不十分だということでございますので、優秀な教員を確保するという観点におきましても、期限つき任用教員制度については有効な方策だと、このように考えております。 # 大山委員 大山委員せめて年度当初は、さっき原則ですということですから、きちんと見通しを四月当初は、せめてその学校に四月一日にいないというようなことがないように、採用を行うべきだと思います。クラス担任を受け持って、子どもたちと学校運営に責任持って、先の見通しを持って、伸び伸びと充実した教育活動を行うためには、やはりきちんと正規で身分が保証された先生が配置されることが重要なんですよ。これまでどおり教員採用は正規採用で行うことを強く求めて、次の質問に移ります。高校なんですけれども、都教委は、都立高校改革だといって平成九年九月に、長期計画である都立高校改革推進計画を策定して、それに基づく第一次実施計画、第二次実施計画、そして新たな実施計画と進めてきました。これに基づいて、都民が存続を要求している、その要求を踏みにじって都立高校の統廃合も進めてきました。この計画も、この統廃合と同時に、もう一つの側面は、新しいタイプの学校だといって中高一貫校や総合学科高校、単位制の高校や進学重視型の高校やチャレンジスクール、新たなタイプの昼夜間定時制高校だとかエンカレッジスクールなど設置して、都立高校の差別化、序列化を進めてきたことです。普通の普通科というのは、見つけるのがもう大変になるほどに多様化しました。ことし四月に新しいタイプの高校における成果検証検討委員会の報告が出ました。この報告書には、新しいタイプの設置状況がまず出ていて、その次に都立高校の状況がさまざまな数字であらわされています。中途退学率だとか、原級留置率、なぜそうなるのかということを分析なく数は出されていました。その後、進路状況の推移が出されています。その後に、進学指導重点校で、いかに現役で東大だとか京大などに入学しているかとか、または私立難関校に合格しているか、東大、東工大、一橋に都立高校出身者がいかにふえたかというようなことが載っています。さらに、進学重視の学校は、進学指導重点校、それから進学指導特別推進校、進学指導推進校、中高一貫校と、四段階に分けられているわけですね。都立高校を差別化して進学重点校もつくったわけですね。その対極に、チャレンジスクールだとかエンカレッジスクールをつくったわけです。差別化自体の問題は、きょうはやりませんけれども、エンカレッジスクールに関して幾つか質問していきたいと思っています。先日、エンカレッジスクールである足立東高校を訪問して、生徒の様子も見せていただくとともに、校長先生や副校長先生の話も伺いました。エンカレッジに指定されて現在五年目になるということで、中退者の数が百人、八十人、七十人、三十人、三十人と減少してきているんですということをお話しされました。都教委がエンカレッジスクールをつくった動機は何ですか。 # 森口参事 森口参事エンカレッジスクールにつきましては、小学校、中学校で力を発揮し切れずにいた生徒が、社会生活を送る上で必要な基礎的、基本的学力や社会人としての規範意識を身につけ、自己に対する理解を深めるとともに、将来を見通し、卒業後は自立して社会に貢献できるように育成することが目的でございます。個性化、特色化を進める都立高校改革推進計画に基づき、基礎学力を中心にした体験学習や選択授業を大幅に取り入れる全日制課程の高校をエンカレッジスクールとして四校指定してございます。 # 大山委員 大山委員学び直したいという生徒にとって必要な学校で、わかる授業で子どもたちが変わっていくというんですね。総合的な活動をすることによって心身ともに力をつける、自主性、主体性をつけることが重要だということで、本当に一人一人にしっかりと力をつけたいということが、校長先生だとか副校長先生の話から伝わってきました。私は、この学校で一番印象的だったのは、小中学校でお客さんだった子が高校で初めてわかる授業を受けたということなんですね。生徒がわかるということは、生徒が変わるということで、自分をコントロールできるようになると校長先生は話していました。これはもう、教育の原点というか、基本だと思います。こうやって、きちんと一人一人に力をつけようという学校をつくったわけですから、徹底してこのエンカレッジという名のとおり、都教委が生徒の学びを応援する、教育条件を整備することが求められていると思います。足立東高校は、現在三十三人で一学級、一学年六学級で成り立っています。二つのクラス、一組と二組をさらに合わせて四つのクラスに分けて、数学や国語、英語などの授業を行っていました。実態に合わせて三十三人なり三十人で一学級にする方が、合理的なんじゃないでしょうか。 # 森口参事 森口参事エンカレッジスクールは、既存の全日制課程の高校をエンカレッジスクールとして指定しておりますが、足立東高校の場合には、学級規模は他の普通科高校と同様一学級四十人規模でございます。エンカレッジスクールにおいては、小学校、中学校で力を発揮できなかった生徒に対応したきめ細かな指導をすることが重要であることから、都立高校改革推進計画に基づく学級の弾力的な展開によるホームルームの少人数化によって、五学級、六展開としているところでございます。 # 大山委員 大山委員きめ細かな指導をするために五学級、六展開としているんだということですね。既存の学校を指定しているから四十人学級が基本で、少人数展開なんだということなんでしょうけれども、ホームルームも三十三人にしているというのは、生活集団も少人数にすることが必要だということですよね。 # 森口参事 森口参事小学校、中学校で力を発揮できなかった生徒が自立して社会に貢献していくためには、高校段階で基礎から勉強をやり直すことが重要と考えております。こうした生徒たちが社会生活を送る上で必要な基礎的、基本的学力を身につけることができるよう、エンカレッジスクールでは学級の弾力的な展開によるホームルームの少人数化による多展開や、習熟度別少人数授業など多様な指導形態で、きめ細かく、個に応じた学習指導を実施しているところでございます。 # 大山委員 大山委員学習指導というのに非常に力を入れられたわけですけれども、ホームルームを三十三人に少人数多展開にするというのは、生活面でもきめ細かく指導することが必要だということが認識されているからですよね。どうですか。 # 森口参事 森口参事生活面が全くないということではございませんが、学習指導が中心でございます。 # 大山委員 大山委員学習指導だけだというんだったら、ホームルームをわざわざ多展開にする必要はないわけですね。二クラスを四クラスに分けて、さらに学習集団は小さくしているわけですから、四十人学級じゃなくて、ホームルームを三十三人にする、少人数多展開にするということは、生活面でもきめ細かく指導するためには、集団の規模を小さくすることが必要なんですよね。それなのに、四十人が基本で、ホームルーム、生活の基礎集団も少人数展開にする。どうして、そういう中途半端なことをするのかと思うわけですよね。新しいタイプの学校なんだというふうにおっしゃるんだったら、新しい考えでやればいいと思うわけですね。現在は、学級認可が一学級四十人、一学年五学級なので、三学年で十五学級ですから、教員は三十三人配置されています。しかし、実際は三学年で十八学級ですから、複数担任で、それだけでも三十六人必要なんです。三十三人ですから、既に三人足りません。実態に合わせて学級をつくることが、どうしてできないんでしょうか。一学級を三十三人なり三十人にすれば、それだけで教員は三人増員になります。英、数、国、理、社は四展開にしたいし、英、数、国は三年生までやっています。一年生も五十分授業をしているんですよ。三十分授業をしたいけれども五十分授業をしているのは、教員の人数と教室が足りないからということなんですね。だから、きちんと実態に合わせて生活面もあるけれどもというふうに、生活面での指導もきちんと、規模を小さくすることが必要なんだったら、ちゃんと基礎集団を三十三人なり三十人にすればいいわけですよね。現在、高校の教員の持ち時数というのは何時間になっていますか。 # 松田人事部長 松田人事部長教員の週当たりの持ち時数は、各学校の状況によって異なっておりますけれども、都教育委員会では標準的な教科持ち時数につきまして、高等学校の全日制課程では週十八時間、定時制課程では週五時間といたしまして、講師時数算定上の基準としております。 # 大山委員 大山委員例えば、足立東高校では加配がありますけれども、そうやって四十人学級が一学級なんだということに固執しているもんだから、基本のところで三人既に足りないわけですよね。ですから、どういうふうに解消するかといったら、先生たちの持ち時数を多くするしかないわけですよ。週二十時間、二十一時間が普通になっちゃっているんだと。結局、先生たちが頑張って実践しているということなんですね。やはり教員を実態に見合ってきちんと配置することが求められています。足立東高校では、教員を増員することはもちろん、多展開するには教室を増築することが必要なんだということなんですが、非常にいいことに学校には教室をつくるスペースはあるんだということなんですね。ですから学校と相談して増築していくことが求められていますけれども、どうですか。 # 森口参事 森口参事エンカレッジスクールでは、個に応じた指導とわかる授業確立のため、一年次の一、二時間目に到達度に差がつきやすい国語、数学、英語の各教科を中心に、三十分、三コマの授業を習熟度別で実施しております。到達度に応じた習熟度別の指導は授業に集中できることから、生徒の基礎、基本の習得に対し効果を上げております。しかしながら、一方では、生徒の卒業後の社会人としての育成には、在学中に集中して五十分の通常授業を受講できるようにすることが必要でございます。このためエンカレッジスクールでは入学後、一年でわかる授業を徹底して、わかる、理解することの喜びを実感した上で、二年次以降は通常授業により学力の充実や進路意識を高める指導を行ってまいります。こうしたことから、教室の増築については考えてございません。 # 大山委員 大山委員せっかく学び直そう、それから力をつけよう、そういう学校をつくったのに、どうしてそういう中途半端なことをやるのかということですよ。一年生のときは三十分、そして二年生になったらもう五十分、そうやって、それは都教委が想定していたことなんですよね。それこそ机上で考えていたことが、現実に生徒たちが入学してきて、五年間の実践を通じて課題が明らかになって、教員も教室ももっと必要なんだ、少人数、多展開の拡充が必要なんだ、これが明らかになってきたわけですから、この現実を見なくちゃいけないと思います。だから都教委の枠に生徒たちをはめ込むんじゃなくて、子どもの実態にきちんとどう対応していくのか。どうしたら力をきちんとつけられるのか。卒業までに力をつけるということを目標にしているわけですから、そのためには、どこまでどう丁寧にするのか。それから、必要なときにちゃんと必要な教育だとか対応だとかをすることこそ求められているわけですよね。だって、ここに入ってくる子どもたちというのは、小学校や中学校のときにきちんと力をつけてもらってなかった子どもたちなんですから、ちゃんとその高校の三年間で力をつけるんだという学校をつくったんだから、徹底してきちんと教育条件を整備しなきゃいけない、そう思いますよ。もう一つは、スクールカウンセラーです。例えば、足立東高校の保健室には一日五十人ぐらい来るわけですね。リストカットする子もいるし、多動の生徒もいるし、親からの暴力を受ける子どももいるということでは、児相との連携もとっています。だからこそ養護教諭の二人はなくてはならない。そしてスクールカウンセラーは、週一回では生徒の要望にほとんど対応できないというんですね。毎日来ても十分に仕事があります、そうおっしゃっていました。小中の時代に、まじめに、わからないけれども教室にじっと座っていた、そういう子どもたちというのはストレスを抱えているというんですよね。解決しなければならない課題がある生徒が、おとなしいけれども多くいるんです。だから心理の専門職であるスクールカウンセラーが大きな役割を果たしてきました。スクールカウンセラーの配置は、現在週一回のみですけれども、これでは不十分です。本当は毎日必要だということですけれども、少しでも回数をふやすことが必要ですが、どうですか。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長都教育委員会は、スクールカウンセラーを国の基準に基づき週一回、エンカレッジスクール等心理的なケアを必要とする生徒が多く在籍している学校に配置しております。さらに、学校の要請を受けまして、都教育相談センターがアドバイザリースタッフ等を派遣いたしまして、生徒の心理的なケアの充実に努めております。今後とも、こうした対応を継続し学校を支援してまいりたいと思います。 # 大山委員 大山委員そんなことをいいますけれども、新しいタイプの高校における成果検討委員会報告書では、成果の中でスクールカウンセラーは生徒からのさまざまな相談に対応し、生徒指導のかなめとして重要な役割を果たしていると評価をして、この課題の中でスクールカウンセラーの配置には予算上の限界があり週一回の配置となっている、そのことが課題だというふうに述べているわけですよね。課題を明確にしたら、その課題を解決するにはどうするのかを考えて対応すること、それで教育条件を整備することが教育庁の役割ではないでしょうか。課題を明確にしたのに対応しないというのは、まさに怠慢だといわざるを得ません。これはおしまいですが、そこで、学力テストの問題です。競争教育ですけれども、その一つ、一斉学力テストの実施と公表ですね。競争をあおることがいかに教育を荒廃させるのかということは、足立区で起こった事件が象徴しています。昨年とことしの一月に行われた都の学力テストと、昨年四月の区の学力テストで、教員が間違いを指さしで知らせるということが明らかになりました。この件について、区の教育長は、区議会で、行き過ぎた部分もあろうかと思うし、上位校から下位校まで含めて競争をあおるような部分がなかったとはいい切れない、こう答弁しています。この答弁の背景には、学力テストの成績が下から十番目までの校長は呼びつけられて区教委からしかられる。区教委がテストに出るような国語、算数、数学、英語の問題集をつくって各学校にデータで送付することなど、点数を上げるために区教委が先頭に立ってきた事実があります。それらは都の学力テストで足立区が最下位になったことがきっかけであり、学校選択制のもとで学力テストの成績が学校選択の物差しになっている。都教委が自治体ごとの成績を発表して、区市町村が各学校の成績を発表する。それは都教委がテストの成績で自治体を競争させている。このことが教育の荒廃を招いているといわざるを得ませんが、どう認識していますか。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長都教育委員会が実施しております学力調査の目的は、児童生徒の学力の実態を明らかにすることによって、それぞれの教師が授業を改善し児童生徒の学力の向上を図ることにございます。今後とも学力調査を実施し、児童生徒の学力の実態を明らかにして、区市町村や学校の学力向上の取り組みを支援してまいります。 # 大山委員 大山委員ちっとも支援にはなっていないわけですね。一斉学力テストを実施して、その成績を公表したら、トップはどこかな、びりはどこかな、例えば国のだったら東京はどのあたりかな、こういうような意識が動くのは、ごく当然なんです、自然なんですね。校長先生だったら、今度はどうしよう。それから区市町村教育委員会だって、今度はどうしようと、こう考えるのは自然の成り行きだと。一斉学力テストの実施と公表は、学校教育を一つの基準で評価をする、序列をつけるということですね。国の一斉学力テストを実施していない犬山市の教育委員を務める中嶋哲彦、名古屋大の大学院教授は、テストの結果で子どもを序列化する現在の教育施策自体が現場を追い詰め、不正を生み出すもとになっている、こう指摘しています。足立区では、学力テストの成績を上げるために、朝は早く子どもを集め、休み時間や給食、掃除の時間は少しずつ短縮して、朝読書は昼にして、計算、漢字の書き取り、過去に出された問題などを反復して練習できるものを行う。夏休みは短縮して八月二十七日から授業の学校が多くなりました。夏休み中も、学習教室には四日間で、九十五人の学年のうち、延べ二百五十人参加しました。十五日間実施した学校もあります。ドリルの学習は宿題になります。しかし、同じような状況は足立区だけではなくて、多くの他の自治体でも起こっています。ある市では、市内で前年度の点数が一番低かったという学校は、〇七年一月の都の学力テストに向けた異常な準備が始まりました。小数点の割り算の十日間連続二十五問宿題。担任は、算数で必要なのは、早く、確実に、正確に、どんなときでもと生徒を叱咤激励して、集中できる教室環境ということで、子どもたち、普通絵なんか飾ってありますけれども、そういうものを全部外して、何が正面に掲げられているかといったら、特訓月間、びっくりマーク二つ。毎日のミニテストは自分の点数を毎日折れ線グラフにして、冬休みは二十六枚裏表プリントの宿題、児童発案の宿題点検係には勉強ができる子がなって、居残り通知表を係が渡します。お母さんが、帰ってきた子どもがいつになくふさぎ込んでいるのでわけを聞くと、子どもはなかなかいわないんですね。やっと、その係から居残り通知表をもらってしまったということがわかりました。子どもは本当に傷ついていたようですとお母さんは語っています。こういう教育、同じことを反復してやったりなんて、教育がゆがんでいる、こう思わないですか。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長先ほど答弁申し上げましたように、都が実施しております学力調査の目的は、児童生徒の学力の実態を明らかにしまして、その結果に基づきまして教師が授業を改善し、児童生徒の学力の向上を図ることが目的でございます。 # 大山委員 大山委員都教委から区市町村教育委員会が、それから区市町村の教育委員会から学校が強い競争圧力にさらされている中で、本来の授業もやめてテストの点数を高めるだけの対応が必死で行われているということなんですよ。教育というのは、直ちに点数化できないような人間の力量の形成も課題としていますね。みんなが毎日クラスで一緒にいろんなことに取り組む、そのために楽しく共同して生活していける力を子どもの中にどうつくり出すかというような課題も、教育実践の上では欠かせません。しかし、テストの点数を速効的に高める教育に一面化すると、そういう課題が切り捨てられてきてしまいます。実際、そのクラスで取り組むことが重要な行事がなくされてしまったりということも起こっています。保護者が心配しているのは、例えば、小学校六年生の息子さんを持つお母さんは、知的な関心が一気に広がる時期なのに、普通のテストなども何点だったという点数だけを気にする子どもたち、保護者は本当に心配して、テストと習熟度で学力評価が固定化して、自分はどの程度と子どもが判断するんですよね。本当にこれが学力なんでしょうか、テストのための勉強でいいんでしょうか、学力向上につながっているんでしょうか、疑問を持っています。六年生が家庭科の宿題で、一週間の夕食づくりが宿題になったんですって。そのお母さんは、そうめんだけだったとか大変だったけど、その一週間やり抜いて、子どもが一生生きていく自信がついたと、そういったというんですよね。近くの高校の公開授業で夏休みに科学教室に参加して、あんな授業をしてくれる高校に行きたい、こういったんです。本当に学びたい、そういう気持ちですよね。東京芸術劇場でオーケストラ鑑賞して、すごい体験したよってお母さんにいったんですって。子どもは、楽しい授業だとか感動に対して、吸収して輝く力を持っている、お母さんは話してくれました。本当の学力とは何なのかということが、保護者の中からもわいてきているということなんですね。過去に出た問題の訓練だとか計算などの練習を盛んに子どもにやらせていた学校が、都の学力テストでは一位になったけれども、試験のやり方を記述式に変えた区のテストでは五十九位だった。そういうことからも、テストの点数だけを上げようとするやり方がいかに不毛なことかということなんですよ。ただ競争を強めれば学力が上がるという方策は、既に破綻しているといわざるを得ませんけれども、どうですか。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長先ほど申し上げましたように、この学力調査の目的は、結果に基づいて教師が授業を改善する、そして学力が向上するということでございまして、授業を改善する中で、今先生がおっしゃいました感動する授業とか楽しい授業というものをつくり出していくことが、この学力調査のねらいの一つでもございます。 # 大山委員 大山委員そんなこといいますけれどもね、そうやって行事などを削って反復練習したり、過去問をやったりしているわけですよ。今、児童生徒の学力の実態を明らかにすることによって、それぞれの教師が授業を改善し、児童生徒の学力の向上を図ることにある。各学校は調査結果に基づき、学習指導上の課題を明らかにし、その改善策を授業改善推進プランに明示して継続的に学力向上に取り組んでいくといいますけれども、子どもたちにとって、生きるテストというのは、自分がどこがわかって、どこがつまずいちゃったのか、わからなかったのかということが、きちんとすぐに把握できること。テストしたらすぐ戻ってこないと役に立たないと思いませんか。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長本調査は、通常学校で行われているテストとは異なりまして、全都の児童生徒の学力の実態を明らかにすることによって、それぞれの教師が授業を改善し、児童生徒の学力の向上を図るものでございます。本調査は、全都の公立小学校第五学年、公立中学校第二学年の児童生徒約十六万人を対象とした悉皆調査をしているものでございます。 # 大山委員 大山委員どのくらいのことなのか、それからどういう状況にあるのかというのは、悉皆調査なんかしなくたって自明のことですよね。足立区では、学力テストの点数を公表したり予算に差をつけることはおかしいと、多くの保護者が考え始めました。テストは必要だと考えている保護者は多いんですけれども、一斉学力テストは保護者が望んでいるようなテストではありません。保護者は、回答用紙を返してほしい、どこが間違っていたのかそれを知りたいからと話しています。私も、そのとおりだと思います。都教委は、ことしから問題解決能力等に関する調査を実施しました。このテストの問題自体、例えば、気球の図が間違っていたとか、表現する力を見るのに二、三十字で書けるのかとか、まるでクイズのような問題で問題解決能力が図れるのか、そもそも問題解決能力とはどんな能力なのか、さまざまな指摘があったわけですね。問題解決能力という力をはかる、どのような科学的な根拠を持って問題を作成したんですか。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長都教育委員会は、問題解決を図るために必要な諸能力であります問題を発見する力、見通す力、意思決定する力、適応、応用する力、表現する力の五つの観点として、問題解決能力等に関する調査を検討し作成したものでございます。 # 大山委員 大山委員科学的根拠と聞いたんですけれども、明らかにはできないわけですよね。例えばOECDの文書では、学力は知識を身につけ、その知識、わざをこなす力、それからコミュニケートしながら参加し、共同する力、目的を把握し、見通し計画する力の三つの基本能力で人間の能力をとらえようとしています。つまり、人間は主体的に目的を持って社会に参加して、コミュニケーションで他者とつながって社会をつくり出していくのであり、それを推進していくために知識を使いこなすということです。そうした、人間として生きる営みを土台として、その上に知識、わざを使いこなす力が組み込まれている。さらに重要なことは、これらの基本能力のうち、テストで学力としてはかれるのは知識、わざを使いこなす力だけだということなんですね。都教委は、競争をあおることは直ちにやめて、学校が地域と深く結びついて、また、子どもの困難に深く共感して子どもたちを支えていく拠点として、学校が働く必要があります。そのためには、教員の数をふやしてクラスの生徒数を二十人、三十人と縮小し、学習がおくれてしまった児童生徒にも丁寧な援助ができる教育条件の飛躍的な向上が緊急な課題です。学校と教室を子どもたちが人間としての誇りを持って学べる空間、生徒が互いに人間的な成長を支え合える空間につくり変えていくことです。ですから一斉学力テスト、実施と公表はやめるべきだということを申し述べて、次の質問に移ります。それでは、少人数学級についてです。子どもたちの教育条件の問題ということで、少人数学級のことです。全国の道府県が三十人学級を初めとした少人数学級に踏み出して、学習面でも生活面でも効果を上げている一方で、東京都だけが四十人の大規模学級に固執していることが、いかに子どもたちにとってひどいことで、矛盾に満ちたことなのか、ますます明らかになったということなんです。第二回定例会で、中村教育長は、我が党の村松みえ子議員が、東京の小中学校で子どもたちが四十人学級でどういう状況になっているのか見に行ったことがあるのですか、また全国の少人数学級での実践を一度でも見に行ったことはあるんですか、もし行ったこともないんだったら見に行くべきですと質問したことに対して、中村教育長は、先日も知事と一緒に学校訪問をしたところでございますと答えています。知事は、正直に、議員のときには行ったんだ、こういって、知事になってからは行ってないと答弁したんですけれども、中村教育長は学校訪問したところでございますと答えていますけれども、この先日訪問した学校というのはどこですか。 # 中村教育長 中村教育長あのときご答弁する直前だったと思いますけれども、知事とご一緒しましたのは、不登校対策に取り組んでおります八王子市立の高尾山学園という学校を知事と訪問しました。 # 大山委員 大山委員高尾山学園だということですね。知事は、高尾山学園を第二回定例会で、参考にしたい、こう評価した学校ですね。私たちも高尾山学園には調査に行きました。この公立小中学校の学級認可は四十人ですけれども、運営上のクラスの人数は一学級四人から二十人です。知事が答弁しているように、固定化したパターンに当てはめずに一人一人に応じたやり方、これが必要だからですね。これは、どの子にも当てはまることではないでしょうか。 # 新井学務部長 新井学務部長高尾山学園でございますが、都教育委員会といたしましては、四十人学級として同意しているところでございます。お話のように、学級として固定化するのではなく、必要に応じて少人数のグループを構成して学習等を行っていくということは、少人数による指導の一形態だろうと考えております。都教育委員会といたしましては、児童生徒の一人一人の能力を伸ばすためには、少人数指導によるきめ細かな指導を進めることが重要であると考えております。 # 大山委員 大山委員今答弁されたように、きめ細かく進めていくこと、生活面でも学習面でもそれが必要だから高尾山学園も基礎的なクラスを四人から二十人にしているということですよね。全国の道府県でも少人数学級を、それこそきめ細かく丁寧に一人一人ということで、進めているわけです。ここは不登校だということですけれども、児童生徒が不登校になる前にやらなければならないのは、やはり全国で明らかになった一人一人、個に応じたきめ細かい対応、今答弁されたことを東京の子どもたちにもちゃんと保障することだと思います。私たち、全国の道府県の調査をしました。少人数学級を実施してどういう効果があらわれていますかという調査で、不登校の生徒が減っていると、こう回答している山形県と秋田県、そして東京の不登校の状況を比べてみました。中学校では、不登校生徒の割合が山形県や秋田県に比べて一%以上の高どまりとなっています。少人数学級を導入した十四年度、山形県、秋田県ですね、その両県とも全生徒に対する不登校生徒の割合はピークになっています。しかし、翌年度から、わずかずつですけれども減少に転じています。一方、東京都はというと、十三年度がピークで、その後は横ばいです。しかし他県と違うのは、東京の不登校生徒の割合が中学の場合、他の二県よりも一%以上高いということなんですね。東京で一%といえば、二千人になります。このような子どもたちの状況、学校に行きたくても行けない状況の子どもたちを、十七年の数字ですけれども、中学校で六千七百六十五人、小学校で千七百七十一人も生み出していることに、痛みは感じないんでしょうか。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長不登校の解消は、学校教育における重要な課題の一つでございます。一人一人の児童生徒の状況に応じた対策を講ずることが重要であると考えております。都教育委員会は、全国に先駆けてスクールカウンセラーを公立中学校全校へ配置するとともに、教育相談に関する研修を実施するなど、区市町村教育委員会とも連携し、不登校の未然防止ときめ細かな対応に努めているところでございます。今後とも、これまでの取り組みを一層充実させるとともに、区市町村における不登校児童生徒が通う適応指導教室や教育相談室、児童相談所等の関係機関による連携の強化を図るなど、児童生徒の実態に応じた不登校対策を推進してまいります。 # 大山委員 大山委員さまざまな機関との連携ももちろん重要です。同時に、さっきご答弁されたように、重要な課題の一つで、一人一人の児童生徒の状況に応じた対策を講ずることが重要なんだということですよね。現場では、一人一人の状況に丁寧に対応したくてもできない。それが四十人学級の悩みなんですよ。現場では、校長先生たちも少人数学級を求めています。中学校校長会は、来年度の予算要望で、初めて三十八人学級と数字を挙げて要望しました。どうして三十八人なんですかと伺いましたら、あえて三十八人にしたのは、三十人ではだめだといわれ、三十五人でもだめだといわれ続けて、とにかく子どもたちのためには一歩でも進めたい、そういう切実な気持ちからなんです、そうおっしゃっていましたよ。小学校長会は、とりわけ小学校一、二年生で少人数学級を要望して、子どもたちに直接責任を持つ学校で判断できるようにしてほしいということを強調しています。子どもたちと日々過ごして、実質的に少人数の学級になったときのよさがわかって、そしてその一方で、四十人に近い人数での子どもたちの様子がわかっているからこそ切実なんですよね。市長会も、東京都を除くすべての道府県において四十人未満学級編制の取り組みが行われているということを述べながら、四十人未満学級編制の計画的実施を要望しています。教員は、四十人ぎりぎりの学級だと一人一人の気持ちにとどまっていられない、一人一人の話を聞く余裕がない、そういうことに心を痛めています。保護者も、四十人ぎりぎりのクラスと二十人台などの実質的に少人数学級になるときを経験していますから、少人数学級を切望しているんですね。保護者を初め直接子どもたちの教育に責任を負っている教職員、自治体の切実な声にどうこたえるつもりなんですか。 # 新井学務部長 新井学務部長都教育委員会といたしましては、基礎学力の向上に配慮し、きめ細やかな指導を行う上では、多様な集団を編成できる少人数指導が有効であると考えておりまして、そのための教職員定数の改善を行ってきたところでございます。学級には一定規模が必要であると考えておりまして、今後とも各区市町村教育委員会等に対してその趣旨について周知を図ってまいります。 # 大山委員 大山委員周知を図っていくことなんか必要ないです。一定の規模が四十人だなんていっているのは、都教委だけですよ。実際、先ほど質疑しましたけれども、都立高校でエンカレッジ高校を設置した目的は、小中学校で力を発揮し切れずにいた生徒が、基礎的、基本的な学力や社会人としての規範意識を身につけることなどを目的とすると答弁されました。だから、足立東高校だったら一学級三十三人に、ホームルームの人数、学級を少人数学級にしているんじゃないですか。私、足立東高校に伺って、東京都の役割は、小中学校の九年間をお客さんで過ごさせてしまった東京都の責任は大きいということなんです。だからこそ、小中学校の貴重な時代にどの子にも力をつけさせることを保障することが東京都の責任であることです。そのために、都教委はみずから高校生に少人数学級を保障しているわけです。だから、高校生で学び直すというよりはというか、今の存在はきちんとやりつつ、小中学校できちんと丁寧に対応できるようにしていく方がいいわけですね。その方向をきちんと認めている、三十三人を認めている、それから、少人数多展開を三十三人を基礎にしているということは、みずから少人数学級が必要だということを認めているということじゃないんでしょうか。 # 新井学務部長 新井学務部長学級には一定規模が必要と考えておりまして、児童生徒が集団の中で互いに切磋琢磨し、社会的な適応能力をはぐくむために、今後とも学級には一定の集団が必要であるという考え方で進めてまいります。 # 大山委員 大山委員いつまでも四十人いないと切磋琢磨できないなんていうことをいっていること自体、本当に時代おくれといわれちゃうんですよ。全国の調査をしてどうですか、切磋琢磨できるのは、一定のきちんとした人数、少人数がいるからこそ切磋琢磨できるんですということが、もう実践で明らかになっているわけですよ。都教委だけじゃないわけですね。足立区では、低学力、生活環境の悪さを克服して、どの子にも本当の学力をつけるために少人数学級を切望しています。小一プロブレムが発生しているし、この段階で学習にしっかりと意欲を持って学級の中で勉強していくという姿勢をとるには、すんなり学びに入っていくことができるように、それから落ちつけるように生活集団は少人数も必要ではないか、こう教育長は区の議会で答弁をして、区の教育委員会も合意しています。少人数学級にするには正規教員増が必要で、給与を区が負担してでも正規教員の増員を求めているんですね。区市町村が自治体の予算で雇用をして教員を増員する場合、区市町村からの申し出があれば都教委はその分を合わせて採用することを求めますが、どうですか。 # 松田人事部長 松田人事部長県費負担教職員の定数につきましては、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第四十一条の規定によりまして都の条例で定めることになりますが、各区市町村の独自の施策を都の条例で決定することは適切ではないと考えております。また、市町村立学校職員給与負担法におきまして、県費負担教職員の給与は都道府県が負担することと定められておりまして、区市町村が負担することを可能とする規定はございません。 # 大山委員 大山委員今は制度上の問題があるからできないんだということですね。やはり東京都がきちんと三十人学級を実施することが、こういう足立区などの悩みを解決する上でも早道だということですね。また、区市町村が雇用する教員での少人数学級の開始については、自治体の自主的な判断を尊重することを求めますが、どうですか。 # 新井学務部長 新井学務部長区市町村が独自に任用した教員を活用して学級を編制することにつきましては、具体的な申請が出ておりませんので、都教育委員会として判断する段階ではございません。都教育委員会といたしましては、基礎学力の向上に配慮をし、きめ細やかな指導を行うために多様な集団を編制できる少人数指導等が有効であると考えておりまして、そのため、教員定数の改善等を図ってきたところでございます。 # 大山委員 大山委員申請があれば検討するということですよね。それで、少人数学級にかかわって、現在、小学校一年生のとき、例えば二十一人と二十人の二クラスだったけれども、二年生に進級するときに一人転居してしまって四十人の学級一学級になってしまうとき、学級維持制度として二学級のまま二年生に進級することができるわけですね。同様に、六年生の進級と中学校三年生の進級は学級維持制度はあるけれども、ほかの学年ではありません。しかし、このような状況になるのはどの学年でも同じわけです。そして、学級数が減ってしまう可能性があるとき、保護者は心配して、毎年どこかで維持してほしいという要望が出ていますね。つまり、少人数での学級を維持してほしいということなんですね。ですから、学級維持制度を全学年に広げることを求めますが、どうですか。 # 新井学務部長 新井学務部長学級維持制度でございますが、卒業や進学を控えた小中学校の最終学年への進級時と、集団生活への適応に問題が生じやすい小学校二年生への進級時に、区市町村教育委員会が特に必要と判断した場合に前年度の学級を維持できるというものでございまして、これを全学年に適用することは考えておりません。 # 大山委員 大山委員都教委の意図はそうだったのかもしれませんけれども、現実には少人数学級を維持してほしいということが保護者の願いなんですね。結局、現場は少人数学級を望んでいるということなんです。かたくなに四十人学級にしがみついていないで、東京の子どもたちにも三十人学級を実現して、一人一人の子どもたちが、どの子も力がつくように、小中学校で力が発揮できなかった、力がつかなかったということがないようにするために教育条件を整備すること、そして、一日も早く三十人学級などの少人数学級に踏み出すことです。先ほど、最初に教育長に伺いましたけれども、村松議員が質問したのは、四十人学級で授業を受けている学級を見に行ったことがありますか、それから、他県で少人数学級を実践しているのを見に行ったことがありますか、そう聞いたんです。知事は正直に、知事になってからは行っていないということを表明したわけですけれども、教育長は高尾山学園四十人学級ぎりぎりでやっている、教室で学んでいるようなところは見に行っていないにもかかわらず、高尾山学園でごまかしてしまったというわけですけれども、まずは、教育長自身が知事と一緒に四十人ぎりぎりの人数がいる学級を見に行くところから、都内の子どもたちがどういう状況になっているのかということを見に行くことから出発しなきゃいけないと思います。どうぞ四十人で授業をやっているところはいっぱいありますから、見に行ってくださいということを要望し、そして、一刻も早く三十人学級に踏み出すことを要望して、質問を終わります。 # 中村教育長 中村教育長今、ごまかしたというお言葉があったものですから、ちょっとこだわりますけれども、あのときの質問は学校を見に行ったことがあるかという命題ととらえまして、ああいうお答えを申し上げました。知事も私も五十人学級の時代ですので、四十人学級も重々承知しておりますし、四十人学級のところも見に行っております。よろしくお願いします。 # 大山委員 大山委員見に行ったのかということですけれども、真意は、今の四十人学級の、何十年前のお話ではなくて、今の状況をぜひ見に行っていただきたいということですので、よろしくお願いします。 # 古館委員長 古館委員長大山委員の質疑が終わりました。暫時休憩します。午後三時十九分休憩午後三時三十六分開議 # 古館委員長 古館委員長休憩前に引き続き委員会を開きます。質疑を続行いたします。ご発言を願います。 # 吉原委員 吉原委員それでは、私の方から、東京都の教育の日について若干お伺いをさせていただきたいと思います。これまで我が党は、区市町村との連携を図りながら、家庭あるいは学校や地域におけるさまざまな取り組みを拡充して心の東京革命を着実に推進するとともに、東京都教育の日を中心に、保護者や都民が子どもたちの教育をともに考える契機となる事業をしっかりと実施されるように、こういうふうに意見を述べてまいりました。先日の事務事業でも説明がありましたけれども、心の東京革命教育推進プランを引き続き推進して、東京都教育の日に関する事業などを実施していく、こういう説明をいただいたところでもございます。そこでまず、確認の意味で、東京都教育の日が制定された経緯と目的についてお尋ねをいたします。 # 三田村生涯学習部長 三田村生涯学習部長平成十二年に策定されました心の東京革命行動プランにおきまして、教育の日を設定し、心の東京革命に関する各事業の集中的な実施や、学校から家庭、地域への働きかけを行うことにより、子どもたちの健全育成を社会全体での取り組みへと展開していくことが示されました。その後、平成十五年に改定した心の東京革命教育推進プランにおきましても、都教育委員会としての教育の日を設定することを明らかにいたしましたが、これを受けまして、平成十六年二月に、都民の教育に関する関心を高め、次代を担う子どもたちの教育に関する取り組みを都民全体で推進し、都における教育の充実と発展を図ることを目的といたしまして、十一月の第一土曜日を東京都教育の日に制定したものでございます。 # 吉原委員 吉原委員ことしの都の教育の日に当たりまして、今年度のポスターとリーフレットを拝見させていただきました。いずれも食育をテーマとした児童や生徒、子どもたちによる標語の部門、あるいはレシピの部門の優秀作品が載せてあったわけであります。このポスターやリーフレットを私も拝見して、本当に教育の日という事業が、行政、学校あるいは地域や保護者と一緒に取り組む事業として行われている様子が都民に理解をしていただいているんだろうかというふうな疑問を持ったところでもございます。これまでの教育の日に関する取り組みの内容と実績をお教えいただきたいと思います。 # 三田村生涯学習部長 三田村生涯学習部長都教育委員会は、毎年、東京の教育にかかわる重要な事項の中から当該年度における教育の日のテーマを定めており、今年度は、子どもの生活習慣確立、生活リズムと食育をテーマとしております。テーマに沿って標語などを都内の児童生徒を対象に募集し、優秀作品を表彰するとともに、ポスターやリーフレットで広く紹介しております。今年度は、国立、私立も含めました都内の幼稚園や小中学校、高等学校のほか、都の施設などで教育の日の趣旨や今年度のテーマに沿った合計で約六千八百の事業を実施する予定であり、多くの学校では保護者や地域の人々の参加が可能な事業を実施しております。また、今年度より、公立学校でのすぐれた事業実践や特色ある教育活動を都内の公立学校に普及啓発し、また、広く都民にも紹介することにより教育の充実に生かそうと東京都教育実践発表会を開催するなど、教育の日事業の充実に努めているところでございます。 # 吉原委員 吉原委員毎年テーマを設定して、事業の数も年々ふえている、こういうことでありますけれども、もう既に制定から三年経過している現在でありますから、制定当初の強い思いというものがだんだん薄れてきているのかなという感じがちょっとしているわけであります。今後、教育の日の趣旨がますます都民の皆さんに浸透されるように、学校、保護者、地域などが一体となって教育に取り組むことが当然必要でありますから、そのためにも、教育委員会がこの教育の日というものに重点を置いていただいて、取り組みにもっと工夫を加えていく必要があるんではないかというふうに思っているところでもございます。教育のテーマを見ても、十七年度については学校と地域、家庭の連携、こういうことでありました。そして、十八年度は子どもの生活習慣確立、今年度は生活リズムと食育、こういうことでありますけれども、何かこのタイトル、テーマといいましょうか、その対象が限定されているような感じがするわけであります。東京都の教育の日というからには、もっと広くわかりやすい大きなテーマを選定していただいて、地域全体を巻き込んだような事業にしていただきたいなというふうに感じているわけであります。それにしても、私の周りではこの教育の日というのがあるということ自体を知らない方々はまだまだたくさんいるわけでございまして、それはなぜかなというふうに考えたところ、ある程度学校の中にもそれぞれ教育委員会を通じて事業をお願いしている部分があるんだろうと思いますけれども、肝心かなめのこの十一月の第一土曜日、教育の日として制定をしているわけでありますけれども、この日に何か事業を全くやっていないからではないかなというふうに思わざるを得ないわけであります。ですから、この十一月の第一土曜日の教育の日というふうに制定をされているわけでありますから、当然のことながら、教育の日としてとらえて、その日に何かしら事業を行うべきではないかなというふうに思います。先ほども答弁にありました教育の日に係る標語やポスターなどの表彰式は若干その前後にやられているようでありますけれども、そうはいっても、服部委員からもかつてから意見もいわれているわけでありますけれども、教師に対しても励ますという意味で何らかのことをやっていく必要が当然あるんだろうと思いますし、あるいは学校を取り巻くPTAの皆さんや、学校にボランティアとして部活なんかにお手伝いをいただいている人たち、そういった方々にも対象を広げていただいて表彰する機会をとるべきではないかと考えますけれども、見解を伺います。 # 三田村生涯学習部長 三田村生涯学習部長教育の日の広報につきましては、「広報東京都」や都教委のホームページに掲載するとともに、十月下旬から十一月上旬にかけて、すべての都バス車内及び東京メトロ全駅でのポスター掲示などの広報には努めてまいりました。また、平成十九年度には、すべての都立学校と九七%の公立小中学校で教育の日事業に取り組んでおり、これらの事業の実施を通じて、教育の日の趣旨が都民にあまねくとはいえませんが、一定の進展をしてきているものと考えております。今後は、今年度までの実施状況などから課題の整理や検証を行うことによりまして実効ある広報活動の充実を図るとともに、より適切なテーマ設定を行うなど、教育の日の趣旨をさらに浸透させるとともに、区市町村立のすべての小中学校において保護者や地域を巻き込むような事業を実施することを目指してまいります。また、十一月の第一土曜日に都教委として表彰式を初めとする教育の日にかかわる象徴的な行事を実施することにつきましても、検討を進めてまいりたいと考えております。 # 吉原委員 吉原委員都民の皆さんに教育の日だということを浸透させていく手段というのはなかなか難しいし、大変なことだろうというふうに思いますけれども、それにしても、東京メトロ、地下鉄だとか都バスの範疇の中だけというのは何か寂しいような気がいたしますので、もう少しPRの方法を考えていただければありがたいというふうに思います。また、今、ご答弁いただきましたけれども、公立小中学校で、九七%の学校で取り組み、実績があり、着実に事業が浸透している、こういうようなお話もいただいているわけでありますけれども、逆に考えて、大変失礼ですけれども、都内の中の公立学校は二千以上あるわけでありますから、その残りの三%といってもそこそこの数の学校がまだこれに対応、参加をされていないということでございます。そういった意味では、ぜひ全都的に、公立学校、少なくとも公立学校の皆さんにはこの教育の日ということをしっかりと周知していただくためにも、都教委としても危機感を持っていただいて、次代を担う子どもたちの教育を都民全体で進めていく、そういう意味での充実を今後図っていただきたいというふうに思っているところでもございます。最後で恐縮ですけれども、先ほど教育の日において、教育に携わるPTAの皆さんや地域のボランティアの皆さんも含めて、こういうふうな対象を広げてくださいというお話をさせていただきましたけれども、今、都内のすべての小中高の学校が対象となりますと、都教委による表彰というだけでは、全都的な表彰だけではごく限られてしまうわけでございまして、そんなことを考えると、各学校にも周知をしていただく、あるいはPTAや地域の皆さんにも理解をしていただくという意味においては、学校単位で学校長が責任を持って表彰するということも当然可能なわけでございますから、そういったことも教育の日に、各学校で熱意を持ってしっかりと教育に当たっている教師の皆さん、あるいはPTAの皆さんや地域のボランティアの人たちに対して、そういった基本的なといいましょうか、何か条件整備をきっちりと都教委の方でもそろえていただくと、さらに教育の日というのが都民の中にも浸透していくんではないかなというふうに思いますので、そのこともあわせてこれからもご検討をお願いさせていただきたいと思います。以上で質問を終わります。 # 伊藤(ま)委員 伊藤(ま)委員私からは、東京都がPFIの手法を用いて都内二カ所、多摩と区部で展開をしていますユース・プラザ事業について、まずお聞きしたいと思います。まず、PFIを用いて事業をやっている、非常に先進的な取り組みで、精力的にこうした事業を行うということに対しては高く評価をさせていただきたいと思います。内閣府によりますと、PFIの導入に当たっては三つの成果を期待するというふうに発表しておりますけれども、第一は、国民に対して低廉かつ良質な公共サービスが提供されるということ、二つ目には、公共サービスの提供における行政のかかわり方が改革をされるということ、三つ目には、民間の事業機会を創出することを通じて経済の活性化に資する、この三つの条件を挙げているわけでありますが、きょうは、第一と第二の国が挙げているこの成果がどのように上がっているのかということについて、三問お聞かせいただきたいと思います。まず、このユース・プラザ事業の実績とその評価について所見を伺います。 # 三田村生涯学習部長 三田村生涯学習部長事業の実績と評価についてでございますが、例えば区部ユース・プラザの年間の宿泊延べ人数は、平成十六年度が約三万一千人、平成十七年度が約三万七千人、平成十八年度が約四万一千人と推移しております。また、多摩地域ユース・プラザにつきましては、同じように宿泊延べ人数、十七年度は約二万七千人、平成十八年度は約三万五百人と年々増加しております。平成十九年度におきましても、両施設とも引き続き順調に利用者数を伸ばしており、平成十八年度を上回るものと期待しております。宿泊利用以外の体育施設やレストラン、売店などの利用者数も順調に推移しており、利用料金収入や売り上げ収入も当初の計画を大幅に上回っていることから、両施設とも順調に運営されていると評価しております。また、経営状況につきましても、両施設の事業収支の実績は当初の計画を上回って好調を維持しており、長期借入金の返済も計画通り進んでいることなどから健全であると評価しております。 # 伊藤(ま)委員 伊藤(ま)委員当初の目標よりも大分いい実績を上げているということで、まことに結構なことでありますが、特に、この多摩のユース・プラザにおいては社会教育事業を行うということが目的とされております。本来、社会教育事業というのは民間でもやり得る分野でもありますけれども、東京都が本来やらなければいけないことだと思いますが、事業を任せ切りにしてしまい、本来の目的がおろそかになるという危険性があると思いますけれども、所見を伺います。 # 三田村生涯学習部長 三田村生涯学習部長PFI事業におきましては、事業期間中のサービスの質を維持することが重要であり、PFI事業者が提供する公共サービスの水準を監視する行為、いわゆるモニタリングが行政側の重要な業務となります。都教育委員会では、本事業について、毎月行う書類による業務確認及び四半期ごとに実施している現地確認におきまして、事業計画どおり適正に管理運営されていることを確認するとともに、財務状況等についても毎年度財務諸表に基づいた報告を受けております。社会教育事業につきましても、都の施策と連動する必要があることから、事業の企画段階から都教育委員会の職員がかかわり、指導助言を行いつつ実施しております。都教育委員会としては、今後もPFI事業者との良好なパートナーシップを維持しながら、ユース・プラザが適切に運営されるよう努めてまいります。 # 伊藤(ま)委員 伊藤(ま)委員PFI導入の重要な目的の一つに、低廉かつ良質な公共サービスの提供があり、導入に当たってVFMを評価することは不可欠であります。このユース・プラザ事業についても当然ながら財政支出の削減効果があることを確認し、PFIを導入されたと思います。実際、五%の削減効果があったというふうに聞いておりますが、今、PFIの専門家にいわせますと、事業の導入の成果ということを考えるに当たっては、行政全体としてのVFMを考えていかなければいけないという問題提起がなされております。どういうことかといいますと、もともと直営でやっていたものをPFIで民間にお願いすると、その直営部隊はそのままになってしまうわけでありますから、そうなってしまいますと、かえって行政が肥大化をしてしまうという問題があるわけであります。しかし、現状ではこの部門のサービスを提供する必要がなくなったからといって人員を削減することができないシステムになっておりますから、次善の策として、定量的な効果、メリットだけではなくて、民間事業者のノウハウや創意工夫など数値化できないメリットをいかにたくさん引き出すかということだと思いますけれども、その数値化できないメリットはどのようなものがあるのか、ご所見を伺います。 # 三田村生涯学習部長 三田村生涯学習部長今お話がございましたとおり、財政支出と削減効果として数値で示される定量的な評価とともに、限られた財政支出の範囲で事業者の創意工夫により、より質の高いサービスの提供が得られるという定性的なメリットを評価することも重要であると考えております。ユース・プラザ事業におきましても、例えば区部ユース・プラザでは、民間提案事業としてのフットサル施設の導入やスポーツ教室の開催、レストランメニューの工夫など、多摩地域ユース・プラザにおきましては、立地を生かしたテントサイトやビオトープなどの野外施設の設置を初め、陶芸や料理などさまざまな利用プログラムの開発、親会社の特性を生かした広報、宣伝活動など、従来型の手法により事業を実施した場合、行政側からはなかなか出てこないアイデアも含めまして、PFI事業ならではの効果を得られたと評価しております。今後も、このような民間事業者の経営上のノウハウや創意工夫のメリットを最大限活用するとともに、利用者サービスの一層の向上を目指して事業者と緊密に連携しながらユース・プラザ事業を進めてまいります。 # 伊藤(ま)委員 伊藤(ま)委員導入されて三年、かなり実績を上げられているということでございますので、どうぞ行政の全体VFMということも考えながら、この事業が適正に執行されるように都としても努力をしていただきたいということを要望しまして、次の質問に移ります。次は、区市町村立小中学校の適正規模、適正配置についてお伺いをいたします。少子化の影響で、区市の多くはその規模を適正化していこうということでさまざまな努力をされているというふうに聞いております。実際は、地元への説明がなかなかできなくて、総論賛成、各論反対という中で大変な苦労をされているということであります。私の地元の葛飾区でも学校の校舎が十数年先には建てかえのピークの時期に当たることから、今、区でもさまざまな検討に入っているというふうに聞いております。本来、設置者は市区町村でありますから、市区町村独自の判断において自由に選択がされるべきだというふうには思いますけれども、都としてもしっかりと方針を明示して、区市町村の支援を強化するべきだという観点から、以下質問したいと思います。まず、市区町村立小中学校の児童生徒数の推移と学校数の推移を伺います。 # 新井学務部長 新井学務部長まず、小学校の児童数でございますが、最大規模でありました昭和五十四年度と比較いたしまして本年度は五四%、中学校の生徒数は同じく六十年度と比較いたしまして四七%となってございます。一方、小学校の学校数でございますが、最大規模でありました昭和六十三年度と比較して本年度は九三%、中学校は同じく平成八年度との比較で約九五%でありまして、児童生徒数は約半数となっているのに対しまして学校数はそれほど減少していないという状況でございます。 # 伊藤(ま)委員 伊藤(ま)委員児童生徒数が約半分に減っている中で学校数はそんなに減っていないというご答弁でありました。先ほどは財政上の面からこの適正化ということについて導入部分でお話をしましたが、子どもの教育環境を整えるという観点からも適正化は必要だというふうに思います。それでは、適正化、適正化といいますけれども、小中学校の適正規模について、都教育委員会が望ましいとする学級数についてお伺いいたします。 # 新井学務部長 新井学務部長国におきましては、小中学校ともに十二学級以上を標準としておりまして、都教育委員会といたしましてもこれと同規模以上を確保していくことが望ましいというふうに考えております。 # 伊藤(ま)委員 伊藤(ま)委員一学年一学級じゃなくて複数の規模が適正なんだと、国の方針ということもありまして、東京都もこの方針に従ってやっていきたいということの答弁だと思いますが、それでは、なぜ小規模学校がいけないのかと申しましょうか、小規模学校における教育上の課題としてはどのようなものがあるんでしょうか。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長小規模校におきましては、児童生徒同士が協力し合ったり、競い合ったりすることにより切磋琢磨することなど、多様な集団活動を行うことが困難でございまして、活気が低下する傾向があります。小学校では学級数が十二学級を下回りますと一学級の学年ができ、クラスがえができず人間関係が固定化しがちであり、人間関係を構築したり修復したりするなどの調整が難しい傾向がございます。また、中学校におきましては、多様な選択教科や部活動の開設が制限されがちであるといった課題がございます。 # 伊藤(ま)委員 伊藤(ま)委員さまざまな問題があるということはわかりました。それでは、小中学校の適正規模化についての取り組みに対する都教委の対応をお伺いいたします。 # 新井学務部長 新井学務部長都教育委員会といたしましては、小規模校における教育上の課題にかんがみまして、区市町村が行う小中学校の適正規模化の取り組みを支援する必要があるというふうに考えてございます。このため、平成十八年度に区市町村教育委員会と意見交換を行いまして、その結果を踏まえて、平成十九年度より新しい学校づくり重点支援事業といたしまして、必要な備品、小規模な改修経費、また通学上の安全確保等のための通学指導員等の経費への補助及び児童生徒に対する適応支援相談員の配置などの支援策を提示いたしまして、小中学校の適正規模化に取り組む区市町村が選択できる方式を導入したところでございます。 # 伊藤(ま)委員 伊藤(ま)委員学校を適正規模化しなければいけないという総論は恐らくほとんどの人が同意をしていただけると思いますが、いざ自分の住んでいる地域の学校がなくなる、また自分が卒業した学校がなくなるといったことについては、やはりいろいろと議論が出てくるんだというふうに思います。先ほどもいったように、あくまでもこれは市区町村で判断をする問題ではありますが、東京都としてもぜひとも、市区町村が選択をできる方式を導入したというご答弁でありましたけれども、今後とも市区町村の取り組みに対して支援をしていただきたいということを要望しまして、私の質問を終わります。 # 中山委員 中山委員私の方からは、再任用校長の活用の問題と非常勤講師あっせん任用支援システムのこと、それからものづくり教育について質問させていただきます。再任用校長の活用につきましては、団塊世代の教育管理職が大量退職期を迎える中、優秀な人材を確保するため、平成十八年第三回定例会の代表質問で我が党が取り上げ、中村教育長は、新たに十九年度以降、区市町村教育委員会と連携して、大量退職のピークを迎えている小学校を中心に、再任用フルタイム勤務の校長、副校長の登用を図っていくとご答弁くださり、都教委の積極的なご努力の結果、実現したものであります。定年退職する教育管理職の中から再任用フルタイム勤務の校長を任用する制度について、資料もご提出いただいておりますが、導入後の活用はどのような状況になっているのかお伺いいたします。 # 松田人事部長 松田人事部長教育管理職の大量退職が続く当分の間、優秀な教育管理職を退職後も活用するために、平成十九年度より再任用制度を教育管理職にも適用いたしまして、大量退職のピークを迎える小学校を中心に、小学校二十四名、中学校二名、合わせて二十六名を再任用校長として任用したところでございます。制度適用後七カ月が経過したところでございますけれども、区市町村教育委員会からは、豊富な経験を持つ再任用校長の活用によりまして、学校が抱えている教育課題の解決や地域との連携、推進に向けて安定的、継続的な学校経営が行われていると報告を受けております。来年度におきましても教育管理職の大量退職が続くことから、教育管理職の退職者数や年齢構成等を勘案いたしまして、区市町村の教育委員会とも連携を一層図りまして、さらに活用を拡大していきたいと考えております。 # 中山委員 中山委員退職校長の再任用につきましては、再任用された校長先生個人単位にさまざまな評価があることは承知しております。しかし、大量退職によって経験豊かな教育管理職が急激に不足する現状にあっては、退職校長の再任用は大まかな方向性として大変に有効であり、私どももさらに任用拡大に取り組むべきであると考えております。しかし、退職校長の再任用は、だれでもよいというわけにはいきません。むしろ今後の再任用人数の拡大のかぎは、都教委も区市教委も、そして現場の父母のだれもが再任用を望むようなすぐれた校長に再任用への意欲をかき立ててもらえるかどうかということにかかっております。したがって、退職校長の再任用制度自体の魅力を高める必要があると思います。とはいえ、給与面などでは全体のバランスもあり、改善にも一定の限界があると思います。そこで、大事なことは、配置計画などにおいて再任用を希望したくなるような配慮を講じることであります。私がご意見を承った範囲では、退職時に赴任している学校は既に四、五年の間も校長を務めており、そこで再任用を引き受けると、さらに三、四年の間、同じ学校で校長を務めることになる、モチベーションを維持する上でいかがなものかというものがございました。また、かといって再任用後に新たな学校に赴任してしまうのでは、赴任する側も受け入れる側としてもいろいろ不都合が伴うので、できれば退職の一年ほど前に新たな学校に赴任して、周囲の気心が分かり合える中で再任用校長としての職をスタートすることが望ましいというものでありました。もちろん、今、例として挙げた要望を実現するにはさまざまな困難が伴うと思いますし、工夫してほしい要望の内容は人それぞれに異なるかもしれません。しかし、運用や工夫次第ですぐれた校長が再任用に意欲を抱いてもらえるのなら、費用対効果は高いものと考えます。そこで、今後の再任用校長の配置についてどのように考えているのかお伺いいたします。 # 松田人事部長 松田人事部長再任用の任期は制度上、一年ごとの更新となっておりますので、安定的、継続的な学校経営の観点から、再任用校長の配置に当たりましては、原則として退職時の学校に配置をいたしております。今後につきましては、この原則を維持しつつも、区市町村教育委員会とも綿密に協議を行いながら、本人の資質、能力を十分に考慮するとともに、これまでの経験を生かして学校経営に取り組めるよう運用についてさらに工夫や柔軟な対応についての検討をしてまいりたいと考えております。 # 中山委員 中山委員ぜひよろしくお願いいたします。それでは、次の質問に移ります。非常勤講師あっせん任用支援システムの活用についてであります。公立学校では、教員の産休や長期の病休などが発生した場合に、原則として現場の教員の中で補完し合い、それが困難な場合には副校長が授業の代替を担う制度になっております。当然、休業が長期にわたる場合には学校内での代替の継続が困難になり、教員資格を有する非常勤講師を雇い入れ、授業を担わせることになります。この非常勤講師の選定作業が実は多くの学校にとって大変な負担になっており、副校長が一手に引き受けて対応しているのが実情と聞いております。副校長は学校長を支え、ただでさえ忙しい中、非常勤講師として雇い入れることが可能な者のリストを参照して一人一人に電話を入れ、交渉し、候補者として決定していかなければなりません。紙ベースで提供されているリストには直近の就労状況が反映されているわけではありませんので、勤務時間内に電話を入れても通じず、また、日中は副校長自身も多忙であるため、非常勤講師探しは勤務時間以外に対応せざるを得ない現状であります。非常勤講師も教壇に立ち、授業を受け持つ以上、その人選は重要であります。したがって、非常勤講師としての過去の勤務状況において評判の高い人に各学校からの問い合わせが集中します。評判のよい非常勤講師の中にはかなり先までの予約が入っている例もあると聞いております。さらに、最近では、教員不足の影響から、そうした評判のよい非常勤講師のうちのかなりの数が既に正規の教員として採用され始めており、評判のよい非常勤講師を求めての競争は一層熾烈化していると聞いております。質のよい非常勤講師が適宜適切に雇用できないと、空き授業を穴埋めする教員や副校長の負担が重くなり過ぎたり、副校長自身の事務負担も過重になったりして、ひいては他の授業や学校運営にも影響が出始めかねません。そうした現状を踏まえ、中村教育長は平成十七年の第四回定例会の我が党の代表質問に答え、候補者名簿をデータベース化しまして、都立学校はもとより、区市町村教育委員会においても活用が可能となるよう、インターネットによる検索システムを来年度早期に稼働できるよう取り組んでまいりますと積極的なご答弁をいただき、まことにありがとうございました。区市の教員の喜びの声は我が党にも聞こえてまいりました。しかしながら、本日ご提示いただきました資料によりますと、区市の小中学校におきましては、都教委が苦労して作成した非常勤講師あっせん任用支援システムの活用が余り進んでいないようであります。都立学校では一〇〇%活用が進んでいるとのことでございますが、区市においては非常勤講師あっせん任用支援システムの利用が進んでいない主な理由はどういう点にあるとお考えでしょうか、お伺いいたします。 # 松田人事部長 松田人事部長非常勤講師あっせん任用支援システムは、都立学校及び区市教育委員会が都の講師登録制度に基づいて登録された講師に関する情報を閲覧、検索いたしまして、任用を具申する事務を効率的に処理するため、平成十八年度に導入されたものでございます。現在、約半数の区市がこのシステムを利用していませんけれども、その主な理由は、区市教育委員会が東京都教育委員会に任用具申する際に、講師の氏名、勤務校等の個人情報をインターネット回線で都教委に送信をすることになりまして、そのことが各区市の個人情報保護条例により制限されるということが挙げられております。 # 中山委員 中山委員資料を見ますと、区市の半分が利用しているといいましても区市教育委員会レベルの利用であり、副校長が学校内で活用している実績はゼロであります。さらに、今のご答弁によりますと、そもそも都立学校では学校単位の本支援システムの活用を前提としているのに対し、小中学校の副校長の利用はそもそも前提としていないということであります。この支援システムの活用方法において、そのような立て分け方はどのような考え方から生まれているのかお伺いいたします。 # 松田人事部長 松田人事部長このシステムは、非常勤講師情報の閲覧、検索から任用具申の処理までを一体的に処理するものでございまして、任用具申を担当する都立学校の副校長及び区市町村教育委員会の担当職員の事務を支援することを目的としております。小中学校の副校長は、区市教育委員会が作成した講師候補者リストをもとに講師との折衝を行っておりますけれども、このシステムの稼働によりまして、候補者リストを作成する際に講師の空き時間数などがリアルタイムで確認できるようになっておりまして、副校長にとってもそういう意味ではメリットのあるシステムと考えております。 # 中山委員 中山委員今のご答弁を私なりにまとめてみますと、この支援システムが講師情報を検索するだけでなく、任用具申、決定までのプロセスを網羅したシステムであることから、区市では学校単位で活用できないという制約が生まれているというふうに思います。ご答弁のありましたとおり、現時点でも副校長が区市の教育委員会まで出向き、検索を行えば利用できるかもしれないんですけれども、実際の便益性を考え合わせますと、せっかくのシステムがほとんど利用しにくい現状となっていると思います。小中学校の副校長は、講師の折衝事務に大変苦労していると聞いております。講師との折衝において、このシステムにより講師情報を閲覧、検索することが学校内でできるようになれば、それだけでも有用であります。小中学校の副校長が当システムの講師情報の閲覧、検索を利用できるようにすべきと考えますが、見解をお伺いいたします。 # 松田人事部長 松田人事部長当システムは、先ほども申し上げましたように、講師情報の閲覧、検索と任用具申をあわせた事務の支援システムとなっております。講師情報の閲覧、検索に限りまして小中学校の副校長が利用できるようにするためには、システムの改修とセキュリティーの確保のためのIDナンバー付与が必要でございます。小中学校の副校長が、講師との折衝において、現在、相当の労力を要するものとなっているというのはご指摘のとおりでございまして、その事務の効率化を支援するシステムとしても活用できるよう、今後、学校や区市教育委員会の意見も踏まえまして、このシステムの改善について検討してまいります。 # 中山委員 中山委員現時点で、システムの改善の検討にまで踏み込んでご答弁くださったことの意義は大変大きいと思います。セキュリティーの確保等システム改善のためにいろいろな課題があるかと思いますが、ぜひお取り組みをお願いいたします。なお、これは要望になりますが、その検討の際には、ご答弁にありました学校や区市町村教育委員会の意見を踏まえとの言葉のとおり、次の二点を検討項目に加えていただきたいと思います。一つは、閲覧、検索できる講師情報の項目をどう組み立てるかということであります。現場の小中学校の副校長の意見をよく吸い上げていただきたいと思います。副校長さんたちが知りたい情報をできる限り網羅できるシステムにしていただきたいと思います。二点目は、最初の質問に対するご答弁で、区市の個人情報保護条例による制限の影響との指摘がございました。この点につきましても、個々の区市ごとに具体的にどのような条例上の規定が壁になっているのか聞き取り調査を実施していただいて、セキュリティー確保上の専門的なアドバイスや他区市の工夫例などを紹介するなど、この支援システムの活用ができる限り進むよう丁寧な後押しをお願いしたいと思います。中には、個人情報保護審議会や電算情報審議会などへの諮問手続などの事務負担に区市教委が二の足を踏んでいるだけの可能性もあると思いますので、よろしくご対応いただくことをお願いして、次の質問に移ります。最後に、ものづくり教育について質問をさせていただきます。私は、足立区の選出の都議会議員でございます。足立区は職人のまちでございまして、いろいろ最近、世間をにぎわせていることもございますけれども、子どもたちの幸せを願う、教育上、一生懸命頑張っている努力の結果であります。その子どもたちの幸せを願う意味から、ものづくりということに力を入れていただいて、人材育成に応援をいただきたいという意味から質問させていただきます。去る十月六日、「働くって素晴らしい!~子供たちへのメッセージ~」と題した昨年度に引き続く第二回目のキャリア教育推進フォーラムに参加をさせていただきました。私の地元足立区の都立高校生も、会場内の整理役員をはきはき、きびきびとした立ち居振る舞いで務めており、大変に感動いたしました。内容的にも小中高の各児童生徒さんがみずからの職業体験を工夫して報告をしてくださるなど、子どもたち主体でキャリア教育の重要性と効果をアピールする絶好の機会となったと思います。余談になるかもしれませんが、役員を務めてくださった高校生の晴れがましい笑顔を見ておりますと、大人たちから評価されるようなことを子どもたちの力でなし遂げることの喜びと自信は大変な教育効果があるんだなということを実感いたしました。最近の子どもたちはとか、あるいは親たちはと嘆く前に、東京マラソンの運営に協力をしてくださった都立高校生の活躍の例などを含め、大人と子どもたちが何か社会的に意義のあることに一緒に力を合わせて取り組む機会をふやしていけば、健全に成長していこうとする子どもたち本来の特性は確実に開花していくと私は思います。ところで、そのキャリア教育フォーラムにおける発表の中でもいみじくも発言があったわけなのですが、どうしても高校生段階になりますと現実的な職業選択の問題と絡み、キャリア教育の対象となり得る職業の幅が狭まってくるという難点があります。確かに小学校レベルでは、どの職業も子どもたちにとって純粋な発見や喜びの対象となり得る状況にあります。しかし、高校生ともなりますと、職業は就職という現実的な問題と重なってきます。その結果、身の回りに存在する大人たちの職種であるホワイトカラーやサービス業といった職業にキャリア教育の対象が偏っていくことになります。つまり、現にものづくりに取り組んでいる大人の数が少ないことがものづくり人材のさらなる不足を招くという悪循環を生んでおります。そうした負のスパイラルを断ち切るためには、ものづくりを具体的に選択肢にとらえ始めた都立工業高校や都立高専の生徒だけを対象にものづくり教育を進めていては効果が薄いということになります。就職を考え始める高校段階の指導だけではなく、もっと早い小中学校段階からの取り組みが重要であります。もちろん、本来的にはどの職種も大事な職業であります。しかし、天然資源の少ない我が国においてものづくりという産業界の根幹が揺らぐことは、それを取り巻く販売業も、流通業も、金融業も、サービス業もやがては衰退し、結果的には子どもたち全体の就労の可能性を狭めることになってしまいます。先日、ある識者から、ロンドンは金融、ニューヨークとパリは観光、そして東京はものづくりで生き残りの世界戦略を構築するべきであるとの意見を拝聴しました。私も、この国の将来を真剣に考えるならば、多かれ少なかれ似たような結論に至るのではないかと考えております。例えば、小中学生のうちから地域にある町工場や工芸品をつくる職人のいる職場へ行って体験したり、人と触れ合ったりする機会をつくり、ものづくりに関心を抱く人材のすそ野を広げる工夫が大切であります。社会構造の変化に対応した巨視的な視点から人材育成のあり方に一定の方向性を持って臨んでいくことは公立学校教育の大事な役割であると私は考えます。現実に、最近の我が国の経済動向を見ますと、景気は徐々に回復し、製品の受注などがふえてきている状況にありながら、就職の希望者がいないとか、後継者がいないといった人材不足が特にものづくり産業において深刻な課題となっております。そこで、都内の小中学校において工場やものづくりの職人と触れ合う機会についての状況はどのようになっているのか、お伺いをいたします。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長小学校では三年生の社会科の授業で地域の実態に応じ、地域にある工場や伝統工芸品などをつくる工房の見学や調査を行うなどの学習を行っております。五年生になりますと、我が国の工業生産についての学習の一環といたしまして、多くの学校で自動車工場など大きな工場への見学を実施しております。また、中学校では、職場体験学習の一環といたしまして、地域にある工場や伝統工芸品などをつくる工房で実際の仕事を体験する生徒もおります。 # 中山委員 中山委員見ること、体験すること、これは、子どもたちにものづくりに興味、関心を抱かせていく取り組みの手始めとして一番大事な視点であると思います。ところで、小学生の場合は見学が主で、中学生が体験ということのようでございますが、そのすみ分けはどのような考え方から導かれるものなのかお伺いいたします。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長望ましい勤労観、職業観を身につけ、自立した人格を形成するためには、子どもの発達の状況に応じた計画的、系統的な指導を行うことが必要でございます。そのため、体力や判断力が十分発達しているとはいえない小学校段階では見ることや調べること、また、中学校段階では実際に働く体験を中心とした学習を行うことが大切になっております。 # 中山委員 中山委員今、ご答弁いただきましたように、発達段階に応じた取り組みが重要ということでございます。しかし、ものづくり分野の人材不足は他の分野に比べ深刻な状況にあります。ものづくりという地道な世界よりも華やかでおもしろおかしい世界に目を奪われがちであるのは人の常であり、現代はそうした刺激が子どもたちの周りを埋め尽くしております。よほど意識して積極的にものづくりへの関心を高める教育指導を効果的に積み重ねていきませんと、はっきりとした成果には結びつかないのではと考えております。そこで、ものづくりに関する分野の人材不足を解決するために、都は、子どもの発達段階に応じた計画的、系統的なキャリア教育をどのように進めていくのかお伺いいたします。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長都教育委員会では、児童生徒の将来の目的意識や学ぶ意欲を育てるねらいから、小学校からの発達段階に応じた系統的なキャリア教育の展開を図っております。小学校では身近な職業への関心意欲を向上させることに、中学校では興味、関心に基づく勤労観や職業観の形成に、さらに高等学校では勤労観、職業観の確立にそれぞれ重点を置いているところでございます。具体的な取り組みといたしましては、工業高校等において小中学生を対象として開催するものづくり教室、中学二年生が五日間程度職場体験を行うわくわくウイーク東京事業、そして高校生がものづくり企業等において就業体験を行いますインターンシップなどを実施しているところでございます。 # 中山委員 中山委員現在の取り組みにつきましてはよく理解できました。ぜひそうした区市の小中学校における取り組みにつきまして、実態の把握と取り組みの拡大、内容の充実に向けて、都も区市相互間の情報交換や先進事例の紹介に努めるなど積極的なイニシアチブをおとり願いたいと思います。しかし、ものづくり人材の育成、獲得という面では、現状の取り組みに加え、これを重視する都教委の確固たる考え方をさらに強く鮮明に打ち出す新機軸ともいうべき取り組みが必要であると思います。今後、さらにどのような取り組みを重ねていくのか見解をお伺いいたします。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長ものづくり人材の育成は、小学校段階から行うことが大切でございます。現在実施しておりますものづくり教室では、喜々としてものづくりに励み、ものづくりに強い関心を持つたくさんの小中学生の姿が報告されております。今後も、ものづくり教室の内容のより一層の充実を図ってまいります。このほか、工業高校、高専の教員が小中学生を相手に理科、技術科の授業を行ったり、小中学校教員を対象とした研修会の講師になったりする授業などを通して、小中学生のものづくりに対する関心を高めてまいります。 # 中山委員 中山委員ぜひよろしくお願いしたいと思います。私どもも、都教委のものづくり教育に対する新機軸、積極的な取り組みをしっかりと応援してまいりたいと思っております。公教育の関係者が国の将来的課題を冷静に分析し、明確な方向づけと不退転の決意を持って現場の教育に臨んでいるかどうかは、優秀なIT技術者を大量に育成しているインドの数学教育や、一人っ子政策が進む中にあっても極めて優秀でたくましいエリート集団を生み出している中国の例などを見ても極めて重要であることがわかります。子どもたちの職業選択の自由は、我が国の長所としてどこまでも尊重していくべきでありますが、それだけにより一層、我が国の教育関係者は、広範な情報収集と綿密な検討に裏づけられた子どもたちの自発的な関心を引く、より高い効果の教育プログラムを整えて、ものづくり教育を進めていく必要があります。ものづくり教育を進めて、ものづくり人材のすそ野を広げることは、より優秀な人材をものづくりの世界に獲得していくことにつながります。本来、ものづくりは、国を挙げて優秀な人材を投入していってこそ価値があると思います。東京の中小企業が誇る世界的なものづくりの技術も、学歴だけではなく、極めて優秀な人材が精進と研究を積み重ねてつかんだ技術ばかりであります。先ほどのご答弁にもありました勤労観、職業観という言葉を私なりに理解してお話しさせていただきますと、小中学校においては見る、聞く、体験するといった五感を通じてものづくりに触れて、あこがれを生み出させる、そして、その後は五感に刻まれたものづくりの記憶を具体的な職業選択に結びつけるような沈潜化、血肉化という段階を特に中高生レベルで行う必要があると思います。すなわち、すぐれた技術を身につけたり、すぐれた製品を生み出せるようになったりすることが人生設計上どれだけのメリットに結びつくのかということを子どもたちに実感させていく必要があります。最近、職業格差の拡大が広がっているという指摘の新聞記事を読みました。単なる正規職と非正規職の違いといった単純な問題ではありません。その指摘によれば、機械やコンピューターに使われる仕事しかできない人と創造的な何かを生み出す仕事に従事できる人との相違であり、どうしても前者は低い賃金に抑えられ、後者はより高収入を得ていく傾向にあるとのことであります。すぐれた製品を生み出す技術を持つ人は、その人自身の存在を職場に必要とする創造的な仕事に従事する人に含まれると思います。反面、日本においては接客サービスの質に応じて対価を支払うという意識が薄く、サービス業で年数を重ねてもなかなか収入のアップにつながらないというつらい現実もあります。無垢な夢を抱く子どもたちに突きつけるにはあまりにも酷な姿かもしれませんけれども、学校という優しい世界を卒業すれば弱肉強食の世の中にさらされるのは子どもたちであります。私たち大人は、こうした世の中の現実そのものの変革に取り組みつつも、同時に、日本の豊かな将来のために、子どもたちの幸せな人生設計を切り開くために、より多くの小中学生が、高校生になったときにはものづくりをキャリア教育の対象に選んでいけるような、そういう人生の職業選択というものをしっかりと見詰める機会というものを都教委のリードによって構築していただきたいと思います。以上の要望をさせていただきまして、私の質問を終わります。 # 早坂委員 早坂委員指導力不足教員と期限つき任用教員についてお伺いをいたします。まず、一般に、地方公務員の採用試験は人事委員会が行いますが、公立学校の教員の採用は教育委員会が行っています。その理由も含めて、教員の採用方法及び受験資格についてお伺いいたします。 # 松田人事部長 松田人事部長教育公務員特例法第十一条は、教員の採用は選考によるものとし、その選考は、教員の任命権者である教育委員会の教育長が行うと規定をしております。都におきましても、教員の採用選考は教員免許状を既に取得している者または任用までに取得見込みのある者の中からその資質や適性、専門性を見きわめ、よりふさわしい人材を確保することが重要でありまして、教員の任命権を持つ教育委員会の教育長が行っております。都教育委員会におきましては、筆記試験や面接等により能力実証をし、教員としての熱意や使命感並びに実践的な指導力を重視した選考を行っております。なお、受験資格といたしましては、先ほど申し上げた免許要件のほか、一般選考四十歳未満、教職経験者、社会人経験者等を対象とした特例選考は四十五歳未満としております。 # 早坂委員 早坂委員地方公務員として採用されても、条件つき採用期間、いわゆる試用期間が一般の地方公務員より教員の方が長いようであります。このあたりの事情について伺います。 # 松田人事部長 松田人事部長地方公務員法第二十二条第一項によりまして、一般職の地方公務員には六カ月間の条件つき採用期間が設けられております。教諭等につきましては、新任教員に対しまして実践的指導力と使命感を深めるとともに、幅広い知見を得させることを目的といたしまして、採用後一年間の初任者研修制度が設けられております。この初任者研修制度の実施に伴いまして、教育公務員特例法によりまして教諭等の条件つき採用期間を一年間とする特例が定められております。 # 早坂委員 早坂委員ただいまの二つのご答弁を私なりに解釈すると、教職免許という高度な資格を持った人であるから一般公務員とは別の採用方法で採り、また、より高度な水準に達するべく長い試用期間が定められている、それゆえに一般公務員より給料は高い、こんなことだろうと思います。今日、教員の人件費は、義務教育費国庫負担制度により国が三分の一、都道府県が三分の二の割合で負担しています。しかし、教員は区市町村立の学校に所属しておりますから、採用教員の給料の支払いは、都道府県でなく区市町村が行うべきものと考えます。ご見解を伺います。 # 松田人事部長 松田人事部長現行制度におきましては、区市町村立小中学校の教職員の給与は義務的経費であり、かつ多額であるため、区市町村より財政力が安定している都道府県の負担とされ、あわせて広く区市町村を超えて人事を行うことにより教職員の適正配置と人事の交流を図るため、その任命権は都道府県が有することとされております。しかし、東京都教育委員会といたしましては、本来、区市町村立小中学校の教育につきましてはその実施主体である区市町村が責任を負うべきであり、教職員の人事権の行使と給与の負担についても区市町村が行うべきと考えております。 # 早坂委員 早坂委員新たに採用された教員はどのような研修を受けるのでしょうか。あわせて、中堅、ベテラン教員の研修制度についてもお伺いいたします。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長新規に採用されました教員は、一年間にわたりまして教職員研修センターにおいて教員としての使命感や授業力向上等に関する研修を受講するとともに、勤務校において授業研究等を中心とした年間三百時間以上の実践的な研修を受講いたします。初任者研修を修了した後、都立学校におきましては授業力の向上を図る二、三年次授業研究、四年次授業観察を受講いたしまして、小中学校につきましても、ほとんどの区市町村で同様の研修を受講するようになっているところでございます。さらに、在職期間が十年に達した後に十年経験者研修を受講いたします。都教育委員会は、これらの必修研修のほかに、校長、副校長、主幹などの職層に応じた研修や、教科や教育課題等についての研修などを実施し、教員のライフステージに応じた資質向上を図っております。 # 早坂委員 早坂委員教員の日常の勤務評定とそれに対する処遇への反映はどのようになっているか伺います。 # 松田人事部長 松田人事部長教育職員の資質能力の向上と学校組織の活性化を図ることを目的といたしまして、平成十二年度から自己申告と業績評価の二つの柱で構成する人事考課制度を導入しております。このうち、業績評価は校長が授業観察などにより教員の職務遂行状況について把握をし、評価を実施するものでございまして、その結果を処遇へ反映させることで能力と業績に基づいた人事管理を推進しております。具体的には、勤務成績が上位の者については昇給幅を大きくし、下位の者については小さくする昇給制度を実施しております。 # 早坂委員 早坂委員教員の中には、学習指導や学級経営などを適切に行えない、いわゆる指導力不足教員がいることが問題になっています。この指導力不足教員の定義と判断基準などについて伺います。 # 松田人事部長 松田人事部長指導力不足教員につきましては、教育委員会規則において要件が定められておりまして、教科に関する専門的知識等の不足、指導方法が不適切あるいは児童生徒を理解する能力等が欠けているなどにより、学習指導、学級経営、生活指導などを適切に行うことができない者で、東京都教育委員会教育長が校長等の申請に基づき指導力不足であると認定した教員をいいます。指導力不足教員の認定に当たりましては、申請書類だけではなく、実際に学校に出向きまして授業観察を行い、要件に合致しているかどうか判断をしております。 # 早坂委員 早坂委員では、指導力不足教員はどのくらいいるのでしょうか。また、制度発足以来の実績はどのようになっていますか。あわせて、指導力不足教員と認定された場合、どのような措置がなされるのか伺います。 # 松田人事部長 松田人事部長今年度、指導力ステップアップ研修を受講している指導力不足教員の人数は十三名でございます。平成十三年度から十八年度におきまして、指導力ステップアップ研修を受講した教員は五十六名でございまして、そのうち、指導力が改善され現場に復帰した者が十七名、研修途中に自主退職した者が二十名、教員として不適切と判定された者が十四名、その他休職者等が五名でございます。次に、指導力不足教員に対する措置についてでございますが、指導力不足教員と認定された教員は、指導力改善のため、指導力ステップアップ研修が命ぜられ、必ず受講しなければなりません。指導力ステップアップ研修では、長期、通所、短期の三つのコースが設定されておりまして、個々の教員の状況に応じてコースを決定し、教職員研修センター及び当該教員の所属校において研修を実施することとしています。なお、指導力不足等により日常の指導に著しく困難を来している教員は、教壇から外しまして、年間を通して主な研修場所を教職員研修センターとする長期講習を受講させることとしております。 # 早坂委員 早坂委員東京都内の公立学校には六万人の教員が勤務しています。マスコミで報じられる学級崩壊などの事例数に比べると、指導力不足と認定すべき教員が今年度はわずか十三人とは驚きで、実際にはそれ以上たくさんいるのではないかという印象を率直に持ちます。指導力不足教員の認定に当たって提出する申請書類は膨大なもので、それが校長に申請をちゅうちょさせる遠因だとも聞きます。あるいは、指導力不足教員が認定されると、それを埋め合わせるためにその学校の教員全体の負担が重くなり過ぎるので、それゆえに申請しないという見方もあるようです。そのほかにも、現行の指導力不足教員の認定の仕組みには幾つか課題があるように思います。ご見解を伺います。 # 松田人事部長 松田人事部長指導力不足教員に係る課題についてでございますが、お話の指導力不足教員に係る申請手続に関しましては、制度導入時、申請に際して相当数の提出資料が必要とされたことから、校長、副校長にも負担感がございました。また、昇任直後の教育管理職の一部には制度の理解不足があることなども申請者数に影響を与えている可能性がございます。そこで、今年度は申請書類の簡素、簡略化などによりまして負担軽減を図るとともに、区市町村教育委員会を通じ、機会あるごとに制度趣旨の周知徹底に務めてまいりました。次に、指導力不足教員が教壇を外れた後の後任の補充についての問題でございますが、指導力不足教員の所属校では、指導力不足教員が指導していた児童生徒に対しまして学校全体でサポートをしているところでございますけれども、後任の補充については指導力のある教員を配置することが大事だと考えております。今年度、所属校支援の観点から、指導力不足教員に係る後任教員の配置について、従来より繰り上げて決定することといたしまして、一般異動の中で教員を配置できるよう改善したところでございます。今後とも、申請手続や後任の補充等の課題につきまして、区市町村教育委員会や現場の校長の声も聞きながら適切に対応してまいりたいと考えております。 # 早坂委員 早坂委員教員が、年度途中、短期あるいは長期に欠ける場合の対応について伺います。 # 松田人事部長 松田人事部長教員が短期的に休暇を取得する場合の児童生徒への指導につきましては、時間割の変更や他の学年、他の学級担当の教員による指導の実施など各学校におきまして指導体制を整えて対応をしております。また、教員が妊娠出産休暇や育児休業を取得した場合には、その代替となる臨時的任用教員を配置しております。病気や死亡等の事由によりまして長期にわたり欠員となる場合には、その時期や期間などに応じまして期限つき任用教員や非常勤講師の配置を行っております。 # 早坂委員 早坂委員非常勤講師とはどういうものでしょうか、お伺いをいたします。 # 松田人事部長 松田人事部長非常勤講師とは、地方公務員法の適用を受けない特別職の非常勤職員でございます。非常勤講師の勤務内容は教科指導の授業のみに限られておりまして、学級担任や校務分掌を担当することはできません。任期は、欠員となる期間に応じ、最長一年間でございます。 # 早坂委員 早坂委員従来の補欠制度にかわって期限つき任用教員という新しい制度が導入されました。これにより何が変わったのか伺います。なお、特別認定による任用もできると聞きますが、これはどういうものか伺います。 # 松田人事部長 松田人事部長いわゆる団塊の世代の大量退職に伴います採用数の増への対応を、単に大量の新規採用者で補充すれば教員のいびつな年齢構成を是正することができないばかりでなく、質の低下を免れないと考えております。そこで、教員採用候補者名簿に登載する数をこれまで以上に精査をいたしまして、確実に必要な数を新規採用することとし、その上でなお、学級増や勧奨退職、病気休職等、予測困難な欠員がある場合に備えて、地方公務員法に基づいて期限つき任用教員制度を導入することといたしました。期限つき任用教員の勤務内容は正規教員と同様でございまして、授業を行うだけでなく、学級担任や校務分掌も担当でき、任用期間は最長一年間でございます。期間に定めがあること以外は基本的に正規教員と同様で、地方公務員法の適用を受けます。任用に当たりましては、教員採用選考において採用枠の関係で合格に至らないものの、それに準ずる成績上位者から任用をしております。なお、特別認定とは、名簿登載者がいない場合に、要項を定めまして都教育委員会が特別に認める者を名簿に追加し、任用することができるという制度でございます。 # 早坂委員 早坂委員期限つき任用教員は、能力的には十分合格レベルに達しているが定員の関係でたまたま不合格になってしまっただけという見方があるかもしれません。しかし、期限つき任用教員は、合格者のうちで成績が最も下位の者であります。だからこそ正規の合格者と違って任用が継続されないのが原則です。それならば、期限つき任用教員にこそ研修をしっかり受けてもらうべきでありますが、年度途中の採用であったならば正規合格者が受けた研修すら受けられない可能性が出てきます。さらに、その期限つき任用教員にすら入れなかった者に対し、教員不足状態を解消するために広げた枠をさらに広げたのが特別認定です。すばらしい青年が期限つき任用教員としての活躍ぶりを高く評価され、翌年四月、晴れて正規教員として採用されるという事例が頻発されることを願います。しかし、可能性の話であるならば、もし仮に指導力不足教員が年度途中に教壇から去り、その後がまに入った教員が期限つき教員であるならば、またしても指導力に劣るという前提で状況に対応すべきであります。指導力不足教員だと認定されて教員が欠けた場合の後任補充には最大限の手厚い指導体制で臨み、これまでのおくれを挽回する必要があると思います。来年度の期限つき任用教員の採用想定数や今後のあり方について伺います。 # 松田人事部長 松田人事部長平成二十年四月一日付の採用候補者として二千九百八十一人の採用選考合格者を確保いたしましたが、学級増や勧奨退職、病気休職等予測が困難な欠員に備え、期限つき任用教員採用候補者名簿の登載者は千百九十七名といたしました。期限つき任用教員として任用した場合には、教育公務員としての基礎的要素、学習指導、特別活動、生活指導、進路指導などの専門的な知識を身につけさせるため、新規採用者向けの初任者研修の一部を受講させ、年間を通じて体系的な指導を行っているところでございます。今後の育成のあり方について、区市町村教育委員会や学校長の意見を聞きながら、さらに検討を進めてまいります。 # 早坂委員 早坂委員これまで期限つき任用教員について、るる伺ってまいりました。学校現場で校長の指導を受けながら教員としての資質を高め、一方で、優秀な者には正規教員になる道をつくり、他方で資質が不十分な者は教員を去っていくというこの制度は、教員の大量採用を控え、かつ教員の質を見きわめるには有効な制度であると思います。しかしながら、期限つき任用教員は、任用が期限つきではあっても正規教員であり、新規採用教員として教壇に立ち、児童生徒の教育に当たるわけでありますから、そこに学校や教育委員会の支援は欠かせません。また、将来の優秀な教員となるために育てていくということの必要性は、むしろ正規任用の教員より大きいかもしれません。今の答弁では、初任者研修の一部を受講させるということでありましたが、彼らには、初任者研修の全部プラスアルファの研修が必要ではないでしょうか。制度が導入されてまだ一年足らずです。研修の拡大を初め、ぜひよりよい制度となるよう、改革を続けていただくようお願いいたします。 # 伊藤(ゆ)委員 伊藤(ゆ)委員ラストバッターでございますので、テンポよく質疑をしていきたいと思います。まずは、間もなく改訂をされます学習指導要領の改訂による総合学習の時間の削減についてお尋ねをしてまいりたいというふうに思います。一九九八年に新しい学習指導要領が改訂をされて、教科の授業時間を減らして総合学習を本格導入する試みがスタートいたしました。以来、学力低下の懸念が渦巻きながらも、各学校では総合学習の時間の研究開発を行ってきたところでございます。ところが、二〇〇三年のOECDの学力調査で、先ほども質疑にありましたけれども、読解力が〇〇年の八位から十四位に下落をすると、日本の子どもの学力低下が叫ばれ、総合学習の見直しの大合唱が始まったように思います。教育現場では、せっかく総合学習の指導方法が確立をし始めてきているのに、学力調査の結果に振り回されて改訂されるのではたまらないという声も聞かれます。私も、今回の改訂で国や都が何を見直し、何を目指すつもりなのか、判然といたしません。教員からは総合学習がなくなってしまう方向にあるんではないかという不安の声も聞いたりいたします。この質疑ではまず、国や都の目指す公教育のあり方についてお伺いをしていきたいと思います。まず、都は、今回の指導要領の改訂の契機となったのは何だというふうに考えていらっしゃいますでしょうか。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長学習指導要領は、社会の変化や子どもたちの現状を踏まえ、それぞれの時代において一人一人の人格の完成と国家社会の形成者の育成という教育の目的の実現を図るべく、おおむね十年ごとに改訂をされてまいりました。今回の改訂に当たりましても、社会の変化や子どもたちの現状を見据え、いかに教育の普遍的な目的の実現を図るかという観点から検討されております。 # 伊藤(ゆ)委員 伊藤(ゆ)委員十年ごとに改訂をされるというふうに今、ご答弁がありましたけれども、この改訂のきっかけになった一つはOECDの調査も影響しているんではないかというふうに思います。事実、今回の学習指導要領の改訂で三十年ぶりの授業時間増になりそうだということでありますし、小学校の低学年で週九十分ほど、高学年だと四十五分、中学校では五十分ほどふえることになっています。今回の見直しは学力向上のためのいわゆるゆとり教育の見直しと見ていいのかどうか、ご所見を伺いたいと思います。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長文部科学省では、授業時数の増加につきまして、現行の学習指導要領の基本的理念は変わるものではなく、子どもたちがつまずきやすい内容の確実な習得を図るための繰り返し学習や、知識、技能を活用する学習を行う時間を充実するためとしているところでございます。 # 伊藤(ゆ)委員 伊藤(ゆ)委員ここが非常にわかりにくくさせているというふうに思うんですけれども、今、答弁の中でゆとりの見直しではないというふうにいわれましたけれども、事実、主要教科の授業時間はふえ、総合学習の時間が削減されたことで、報道各紙ではゆとりの見直しだと一斉に書いております。そのため、総合学習がゆとりの代表選手のように伝わっており、あたかも学力低下の悪玉のようにとらえられているわけでありますけれども、都は、総合学習の時間が学力を下げているというふうに考えていらっしゃるかどうかお伺いしたいと思います。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長総合的な学習の時間は、学び方や物の考え方、よりよく問題を解決する能力等をはぐくむとともに、各教科における基礎的、基本的な知識、技能の習得にも資するものであり、確かな学力を育成する上で重要であると考えております。 # 伊藤(ゆ)委員 伊藤(ゆ)委員ここで大事なことは、学力の定義だというふうに思います。今、総合的な学習の時間は大事だという答弁がありましたけれども、学力をどう定義するかによって、恐らくとらえ方は違ってくるんではないかというふうに思います。学力向上を目指して学習指導要領の見直しが行われますが、保護者の多くは、学力といえば受験に強い学習成果を想像しがちであります。国のいう学力とは何を指しているというふうに都は考えておりますでしょうか。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長学校教育法の改正の過程におきまして、学力の重要な要素として、基礎的、基本的な知識、技能の習得、知識、技能を活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力等そして学習意欲が示されております。 # 伊藤(ゆ)委員 伊藤(ゆ)委員今、国の学力の定義をお伺いしましたけれども、都の考える公立学校が担う同じく学力とはどのようにお考えでしょうか。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長都教育委員会が考える学力は、単に知識の量ではなくて、みずから学ぶ意欲、思考力、判断力、表現力などを含めたものであり、国の考え方と変わるものではございません。 # 伊藤(ゆ)委員 伊藤(ゆ)委員ということは、国も、都も、基礎的な知識と並んで思考力や学習意欲の向上が学力だというふうに定義されているわけでございます。ここで、今後の議論をわかりやすくするために、国や都の目指す学力をまさに真の学力とするならば、塾が目指す学力を受験の学力と定義しておきたいというふうに思います。そこで、伺いますが、学習意欲の向上などまさに真の学力向上に総合学習は有効と考えますでしょうか。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長総合的な学習の時間では、地域や学校の特色に応じた課題や児童生徒の興味関心に基づいた課題などについて学習活動を展開することから、意欲的に活動することが期待できるものと考えております。 # 伊藤(ゆ)委員 伊藤(ゆ)委員今、学習意欲の事実上、向上につながるという趣旨の答弁であったと思いますけれども、ところが今回、総合学習は削減される方向となっていて、主要教科の授業時間数が拡充をされます。矛盾するこの背景には、文部行政関係者の間に総合学習の授業内容に薄いものがあるとの認識があったのではないかと思います。事実、伊吹前文部科学大臣は、この改訂に当たって、ゆとり教育は間違っていないが運用面で効果が出ていないところをほかに振りかえるというふうに発言をされました。このような指摘というのは当たっているというふうにお考えでしょうか。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長現行の学習指導要領は、各学校がゆとりの中で特色ある教育を展開し、生きる力をはぐくむことを基本的なねらいとして改訂され、その趣旨を生かした教育活動を進める観点から総合的な学習の時間が創設されました。総合的な学習の時間については、大きな成果を上げている学校がある一方で、当初の趣旨、理念が必ずしも十分に達成されていない授業も見られることから、成果を上げている実践事例を広めるとともに、実践上の課題とその改善について研修会や指導資料などを通して学校を指導してきたところでございます。 # 伊藤(ゆ)委員 伊藤(ゆ)委員私も伊吹前大臣の指摘の側面があったんではないかというふうに思います。学校によって非常に内容の差が激しい総合学習の時間であります。導入も唐突感があったとか、あるいは導入に当たってさまざまな支援が十分でなく、教育現場の中で総合学習の研究が十分にされてこなかったという声も聞くわけでありますけれども、同時に、非常に評価の高い総合学習の時間もございます。これは、今、藤原校長先生で有名ですが、杉並区の和田中の「よのなか科」の授業メニューがありますけれども、私も何度か見に行ってまいりました。非常に深い議論を中学校の子どもたちにさせています。教室を一つの議論の場にして、賛成、反対をまずは分けてそれぞれディベートをさせるという形で解決策を探っていく授業であります。例えば、これまでのメニューの中には、放置自転車問題を考えるだとか、あるいはどこまでいじくる人の体ということで、技術と倫理の相克問題のディベートなども行われておりますし、自殺の問題やまちづくりの問題などさまざまな観点で子どもたちに議論をさせることで深い思考能力をはぐくんでいるわけでございます。そこで、お伺いしたいんですけれども、逆に、薄い授業という指摘を先ほどさせていただきましたが、総合学習が授業の補講時間や、あるいは修学旅行の準備といった、総合学習の精神に沿っているとはいえないような授業内容を聞いたことがあります。こうしたあり方についての都の所見をお伺いします。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長総合的な学習の時間については、各教科、道徳及び特別活動と関連づけて実施することとなりますが、その際、最も重要なことは総合的な学習の時間のねらいを明確にした計画を立て、実施することでございます。今後とも、研修会の実施や指導資料の配布を通しまして、学校や教員への指導を徹底してまいります。 # 伊藤(ゆ)委員 伊藤(ゆ)委員必ずしも十分に今回のこの総合学習の時間というものが達成されていないという側面が明らかになったわけでありますけれども、つまるところ、今回の学習指導要領の改訂は、ゆとり教育の見直しということではなくて、総合的な学習の時間の運用の見直しだということになるんだろうと、今の答弁から思います。今回の見直しで文科省は、薄かった総合学習の授業内容が時間縮減で濃い授業になると期待しているのではないかと思いますが、むしろ私は、今回の見直しを契機に、ゆとり教育に疑念を持っていた保護者がますます受験に強い学力を求めることが予想されるというふうに思います。これまで、都の目指す学力と保護者の目指す学力の板挟みになっていた教師が総合学習を補講時間に充てる傾向がますます強まる可能性があると思いますので、この質疑で都が総合学習の重要性を認めているということを明らかにしていきたいというふうに思っていたわけでございます。私はとりわけ、小学校までは実は基礎知識をしっかり身につけることが何よりも大事だというふうに思っております。杉並区では土寺と呼ばれていますけれども、土曜寺子屋、先ほど土曜日の授業の質疑もありましたけれども、私も大変効果的なものだというふうに思います。しかし、土曜日の授業をやったり、基礎知識をしっかり身につける、拡充をしていくことと、総合学習が不要であるということは何も相反するものではありません。そこで、こんなデータが今、出ております。ちょっと前には考えられないことでしたが、国が行った学力調査の結果、塾に通う生徒の割合が今や小学校で全国四五%、中学校だともう六〇%にもなっていて、都市ではもっと高いんではないかともいわれています。通塾者の学力の高さも実は証明をされております。保護者の受験の学力志向が証明をされた形になりました。グーのリサーチの結果ですと、親が考える子どもの学力低下の防止策のトップは、学習塾に通わせるのが圧倒的でありました。このままでは受験主義の教育要求が高まっていって、国や都の目指す学力がないがしろにされかねません。学習意欲の低下が進めば受験の学力も低下するというふうに私は思います。公立小中学校の役割に基礎的な知識の習得があるのはもう当然でありますけれども、受験勉強における塾の存在が大きくなっている現実の中で、公教育は受験でははかれない能力や学習意欲を高める教育にますます力を入れるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長都教育委員会は問題解決的な学習や体験的な学習を重視し、単に知識の量だけではなく、みずから学ぶ意欲、思考力、判断力、表現力などの向上を目指しているところでございます。 # 伊藤(ゆ)委員 伊藤(ゆ)委員大変心強い答弁でありました。同時に、財団法人の日本青少年研究所というところの調査結果もございます。勉強のできる子になりたいかという問いかけに対する北京とソウルと東京の子どもたちの回答がございます。勉強ができる子になりたいかという問いかけですから、これは一種の学習意欲と見ることができるわけですけれども、そう思うと答えた小学生は、北京の子どもで七八・二%、ソウルでは七八・一%、ところが東京の子どもは、四三・一%という低い数字があらわれております。学習意欲を上げることが学力を上げることとなると思います。また、都の学習に関する意識調査というのがありますけれども、これの過去四年分の中学生の動向を見ますと、授業は楽しいかという問いに対する答えは年々上昇をしているという傾向がありますのは、総合学習の導入の成果とも受け取れるかもわかりません。学力には記憶による詰め込み型の情報処理力と、こちらは受験ではかれる能力ですけれども、情報を収集して分析し、納得できる答えを導く情報編集力があるというふうに思います。もっとも、九九のような情報処理力なくして情報編集力は育ちません。特に小学校では、再三申し上げますが、情報処理力を鍛える記憶系の学習がしっかり行われるべきですけれども、この反復型の教育は総合学習型の教育と対立する概念ではないことを先ほども申し上げたところでございます。中学生には、特にこの情報編集能力の育成が必要だというふうに思います。発光ダイオードを発明した中村修二さんでありますけれども、今までにない発想を、蓄積した情報を組み合わせることで世界を驚かす発明をし、成功をかち得ました。まさに情報編集能力のあらわれだというふうに思います。後者は受験ではかれる能力でないだけに、特に公教育が担うテーマではないかというふうに思いますけれども、都の所見をお伺いします。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長都教育委員会は、児童生徒が各教科等で身につけた知識や技能、思考力や判断力等を相互に関連づけ、生きて働く力として身につけることが重要であると考えており、小学校段階から発達段階に応じた取り組みが充実するよう指導助言しているところでございます。 # 伊藤(ゆ)委員 伊藤(ゆ)委員そこで、お伺いしたいと思いますけれども、総合学習の時間の授業内容の向上には何が必要であるというふうにお考えでしょうか。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長各学校では、児童生徒や地域の実態に応じまして総合的な学習の時間の充実のためにさまざまな工夫を行っております。中にはすぐれた実践を行っている学校や、力量のある教員もおります。これらの実践から学ぶことも総合的な学習の時間の充実につながることと考え、研修会や指導資料を通しまして各学校にそれらの実践を周知しているところでございます。 # 伊藤(ゆ)委員 伊藤(ゆ)委員今、指導資料を通じて各学校にそれらの実践を周知しているというお話がありました。私も、ホームページやら研究報告書なども見せていただいているところでありますけれども、例えば研究指定校の紹介という一覧表、これがそうですけれども、学校名と研究主題等というテーマが書いてあったりいたします。それから、研究報告書というのもあって、総合的な学習の時間の研究報告書が特集でまとめられているわけでございますが、もちろんこれらも有効な研修の資料になるというふうに受けとめられますけれども、私自身もさまざまな総合学習で効果を上げている学校を見てまいりまして、何よりも、文字よりも見ることが教師の行う授業でありますので、百聞は一見にしかずという実感をこれまでにも得てまいりました。そこで、ちょっとお伺いしたいんですけれども、平成十七年度の東京都教育委員会の職員表彰に総合学習のすぐれた実践で受賞をされた方がいるかというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長東京都教育委員会職員表彰におきまして、平成十七年度、総合的な学習の時間の実践にすぐれた業績を上げた教員が表彰されております。 # 伊藤(ゆ)委員 伊藤(ゆ)委員こうしたすぐれた実践を上げた教職員の方でありますけれども、この教員が勤務する学校など総合学習で成果を上げている学校へ他の教員が視察している状況というのはいかがでしょうか。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長都教育委員会は、総合的な学習の時間の研修会におきまして、職員表彰を受けた教員等の授業を見たり、実践発表を聞いたりするプログラムを実施いたしまして、十八年度、十九年度の二年間で百六十名以上の教員が受講をしております。 # 伊藤(ゆ)委員 伊藤(ゆ)委員二年間で百六十人程度というのは、大変多くの教員の方々がこの表彰を受けた先生の授業を見に行ったり、研修を受けに行ったりしているということですので、大変評価するべきことだというふうに思いますけれども、まさにこうしたいい授業を紹介し、見てもらうということが総合学習の向上に直結をするというふうに思います。ただし、教員がほかの学校への視察など研修時間を十分にとれるのかどうかというのが大きな問題になってくると思いますけれども、研修時間を十分にとることは可能なんでしょうか。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長教員が他校の授業を参観する場合、自分が担当する授業と重なる時間帯であることが多いことなどから、校長は校務に支障がない範囲で研修を認めているところでございます。 # 伊藤(ゆ)委員 伊藤(ゆ)委員ここが大事なところで、自分の授業を持っている先生たちがほかの授業を見に行こうとしますと、当然自分の授業を休むか、あるいはほかの先生にかわってもらうかということをしなければならないということで、現場の先生に聞きますと、この時間をとるのが極めて難しいということでございました。当然、総合学習の場合ですと、一時間だけ一こまでやる授業よりも、例えば朝からお昼過ぎまでこまをためて一日で行う総合学習なども結構多くございます。そうなると、ますます他校への研修というのは非常に難しい環境にあるのではないかというふうに思います。ぜひ行きやすい時間帯の公開授業を、例えば都で調整をするとか、あるいは都内の職員に紹介するなどしていただければというふうにも思います。総合学習の内容向上のためには、都は、先進的な取り組み事例をそうした形で積極的に紹介してはどうかと思いますけれども、いかがでしょうか。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長総合的な学習の時間の充実に向けまして、これまでも指導資料を作成、配布し、先進的な取り組み事例を紹介してまいりました。教職員研修センターのホームページには総合的な学習の時間の実践事例を掲載し、いつでも参考にできるようにしているところでございます。総合的な学習の時間を含めまして、教育研究校や特色ある実践をしている学校などの一覧を都教育委員会ホームページで公開し、各学校が必要に応じて問い合わせができるようしているところでございます。 # 伊藤(ゆ)委員 伊藤(ゆ)委員私もホームページをさまざまに拝見させていただきましたので、そのご努力には頭の下がる思いでありますけれども、しかし、いかんせん情報が一覧表で出ているというような形で、どこが本当にすぐれた総合学習の授業をやっているのかというのが極めてわかりづらいものであります。例えていうなら、おいしいラーメン屋さんのリストを出してくれといったら電話帳が出てきたような印象も私としては受けました。ですから、東京都の主事さんを初めとして、都内各地で行われている総合学習のいいところというのをより選別していただいて、そして、積極的に情報提供を行っていただけたらというふうに思うわけでありますけれども、それを要望申し上げたいと思います。真の学力向上には総合学習の授業が欠かせないことをこれまでもいってまいりました。問題は、薄い授業の時間数を減らすことではなくて、薄い授業を濃い授業に変えることだというふうに思います。総合学習の内容充実に向けた教育長のご決意を伺いたいと思います。 # 中村教育長 中村教育長伊藤ゆう委員がご心配されるように、私も中教審の委員で、中教審でいろんな議論がございました。特に問題になりましたのは、総合的な学習の時間を学校によって、場合によっては教員個々人によってやり方が全く違う、先生のお言葉をかりれば薄い方もいらっしゃるし、厚い、濃い方もいらっしゃるということで、いかんせん教科書もございません。ということで、いろんな議論がありましたけれども、子どもたちに学び方、考え方あるいは課題の発見の仕方、解決の仕方、これを教科横断的にやるには、やっぱり総合的な学習の時間は絶対必要なんだということで、今、教育課程部会でパブリックコメントをやっておりますけれども、やはり残そうというふうになっております。私も同じ考えでございまして、やはり小学生、中学生、高校生を含めまして、ただ単に算数ができる、書き取りができるということでなくて、この字は三日月という理科の授業にも関係するわけですし、特に今、災害がいつ来るかわからない、総合的学習の時間で災害を命題にしてやれば、自分の住んでいる地形を調べざるを得ない。どこに水がつくのか、どこが割れやすいのか、どこにお年寄りが住んでいて助けなければならないのか、そういう社会に生きる子どもたちとしての立場も子どもたちにわからせる、あるいは社会貢献もしなければいかぬ、こういう観点で総合的な学習の時間はぜひ必要だろうというふうに考えております。指導部長から、るるお答え申し上げましたけれども、やっぱり研修だとか事例紹介をして、全国に先駆けてリーダーになり得るべく総合的な学習の時間に力を入れてまいりたいというふうに思っております。 # 伊藤(ゆ)委員 伊藤(ゆ)委員教育長から本当に心強い、そして感動を覚えるような、今、答弁でございました。ありがとうございます。私も、現場の先生に聞きますと、急遽導入した総合学習でありますので、急ごしらえのままもう数年間運用してしまっているという率直なお話も伺ったことがあります。一度つくってしまいますと、こんな分厚い授業計画書でありますので、なかなかそれを変えるというのも今の教育現場ではおっくうだという話も伺うわけでございますので、ぜひ、東京都としても、今、教育長にいっていただいたような支援を強化していただければというふうに思います。それでは、続いて別の質問をさせていただきたいというふうに思います。最近、とみに学校の校長先生、副校長の事務量というのが非常にふえているというふうに伺っております。小中学校の現場からは、副校長の勤務実態は長時間労働になっているというふうにも伺っております。特に事務的な仕事に多くの時間を費やしているという声があります。こうした副校長の勤務実態を含め、教員の勤務実態について文部科学省が調査を行ったというふうに聞いておりますけれども、どのような結果が出ているでしょうか。 # 直原人事企画担当部長 直原人事企画担当部長平成十八年度に文部科学省が行いました教員勤務実態調査によりますと、小中学校の副校長は一日当たり十二時間程度勤務しており、校長や教諭等と比較しても勤務時間が長い、このような調査結果になっております。また、その業務の内容を見ますと、報告書や資料の作成など事務的な仕事に、これは時期にもよりますが、一日三時間から四時間と多くの時間を費やしている実態がございます。 # 伊藤(ゆ)委員 伊藤(ゆ)委員今、お話にもありましたが、残業時間などを含めると一日当たり十二時間程度の勤務というのがあると。また、副校長は校長先生や教諭と比べても大変長い勤務時間数だということが今、わかりました。こうした副校長の勤務実態について改善していくべきだというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。 # 直原人事企画担当部長 直原人事企画担当部長副校長の勤務時間が長くなっており、また、その業務の中には副校長がみずから処理しなくても可能なものもある、このように考えております。都教育委員会として副校長の職務内容を明確化し、作業的な仕事は適切に分掌組織に割り振ることなどにより業務量の負担軽減を図り、副校長が学校経営上の職責をさらに担うことができるよう、学校全体の校務分掌のあり方などについて検討しているところでございます。 # 伊藤(ゆ)委員 伊藤(ゆ)委員実は、私が回っている何校かの副校長先生に聞いたところ、特に事務量で一番負担になっているのは各種のアンケート調査がやっぱり頻繁に回ってくるということでありまして、小中学校の副校長先生のところへ年間で二百件とか、あるいは多いところだと四百件ぐらいの各種のアンケート調査が回ってくる、この一件のアンケート調査を行うだけでも一日が終わってしまうという話を聞いたことがあります。私も、あるいは役所の方もさまざまな形で調査を回すということがあると思いますけれども、こうした調査のとり方、方法などもこれから改善をしていく必要があるんだろうと思います。同時に、こうした業務には学校の事務職員が処理をしても差し支えない事務もあるんではないかというふうに思うわけでございます。学校には校長先生、副校長先生、教員、そしてまた事務職員の方がいらっしゃいます。この学校事務職員の主な職務内容というのはどのように決まっているんでしょうか。 # 直原人事企画担当部長 直原人事企画担当部長学校教育法におきまして、事務職員は、事務に従事するとされており、ここで事務とは、一般には校長、教員の職務遂行を円滑ならしめるために必要なもろもろの仕事であり、人事事務、会計事務、施設管理などと解されております。 # 伊藤(ゆ)委員 伊藤(ゆ)委員今、答弁がありましたけれども、会計事務や施設管理、人事事務というのは非常にわかりやすいというふうに思います。しかし、その中には一般的な事務というのも含まれていて、この事務の定義がさまざまにあるんだろうというふうに思います。私は、副校長に限らず、教員が担っている事務作業の中にも学校事務職員が処理しても差し支えない事務があるというふうに思います。例えば今、学校を地域で支えようという運動が各地でありますけれども、こういうボランティア団体の例えば名簿の管理なども、あるいはまた修学旅行のときのしおりの印刷業務や、また先ほどの各種アンケート調査、これも、いわゆる教育にかかわるところではなくて、施設とか設備とかあるいは学校給食などそういったアンケート調査の集計については、学校の事務職員の職務として含まれてもおかしくないんではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。 # 直原人事企画担当部長 直原人事企画担当部長事務作業の分担のあり方につきましては、各学校の実態によりさまざまでございますが、お話のように、現に教員が担っている事務作業につきましても、学校長が各学校の実情を勘案した上で校務の円滑な遂行のために事務職員が担当することが適当であるというふうに考えるならば、事務職員の分掌事務と位置づけることにより事務職員に担わせることも可能でございます。 # 伊藤(ゆ)委員 伊藤(ゆ)委員おっしゃっていただいたとおりだと思うんですけれども、学校事務職員の中には学校教育の充実のために積極的に事務的な仕事に取り組んでいる職員もいらっしゃるというふうに伺っております。しかし、中には、校長先生がこうした仕事を割り振ろうとしても積極的に取り組もうとしない職員もいるというふうに聞いております。その理由の一つには、人事権が東京都にあるため市区町村に対する帰属意識が薄く、積極的な職務への取り組みが不十分であるということも挙げられています。そこで、学校事務職員の地域への帰属意識を高め、より積極的に小中学校の職務に取り組むようにするために、都にある事務職員の人事権を市区町村に移譲すべきだというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。 # 直原人事企画担当部長 直原人事企画担当部長都費事務職員の人事権を区市町村へ移譲することで区市町村への帰属意識が高まり、地域に応じた学校づくりに事務職員が意欲を持って取り組むことが期待できると考えております。また、小中学校と区市町村教育委員会事務局や区市町村の長の部局との間で事務職員が交流することにより、学校と区市町村の一般行政との連携が図りやすくなるというふうに考えております。都教育委員会としましては、区市町村の実情に応じた教育行政を展開するため、都費事務職員の人事権の移譲について国へ法改正を要望しているところであり、今後とも働きかけを行ってまいります。 # 伊藤(ゆ)委員 伊藤(ゆ)委員ぜひ今の答弁に基づいて、さらに積極的な働きかけをお願い申し上げたいというふうに思います。教職員の事務量を減らせば減らすほど教職員は授業に専念することができるというふうに思いますので、その観点をぜひ持っていただければというふうに思います。それでは次に、今、よく聞くキーワードとして、モンスターペアレントというんでしょうか、理不尽な要求を学校側に突きつける親が多くなってきているという話を伺います。保護者と学校とのこうしたトラブルもあると思いますが、あるいはまた理不尽な要求かどうかはともかくとして、地域の住民と学校とのトラブルというのもあるというふうに思います。実は、うちの選挙区の目黒区でも、私自身が区議会議員時代に経験をし、見たわけですけれども、ある学校の放課後に、放置してあったサッカーボールか何かだと思いますけれども、ボールがあって、放課後に残っていた子どもが蹴ったか投げたかいたしまして、塀の向こう側にとまっていた高級車に当たってしまった、ボンネットがへこんだという事故がありました。非常にお怒りで学校に乗り込んでいらっしゃったその所有者の方であります。この場合、投げた子どもが悪いのか、あるいは学校が悪いのか、そんな議論も出てくるわけでありますけれども、学校の教育現場ではまさにこういうトラブルに対応するだけで極めて大きな時間というものをとられてしまうということにもなります。教育委員会への報告であったり、あるいはその所有者に対する対応であったりということになりますので、こうしたトラブルの解決というのもこれから支援が必要なのではないかなというふうに思います。そこで、こうした保護者やあるいは近隣住民の方と学校とのトラブル解決に向けて、ADR法に基づき法務大臣の認証を得て調停業務を行う専門家を活用できないかというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。 # 新井学務部長 新井学務部長小中学校に対して理不尽な要求をする保護者や近隣の住民とのさまざまなトラブルの対応に教職員が苦慮している実態がありまして、一部の区市町村教育委員会におきましては、こうしたトラブル解決のために弁護士など専門家の活用を開始しているというふうに聞いております。学校に関するトラブルにつきましては、学校を含めまして教育委員会も連携して組織的に対応することが重要であると考えておりますが、本年四月に施行されましたいわゆるADR法に基づきまして法務大臣の認証を受けた認証紛争解決事業者を活用することは、将来、トラブルの種類によっては有効な手段の一つとなり得るものというふうに考えております。同制度については発足したばかりでございますので、今後、制度の成熟等を踏まえてその動向を注視してまいります。 # 伊藤(ゆ)委員 伊藤(ゆ)委員ぜひ、このADR法の研究と活用方法をご検討いただければと思います。最後に、今、二十三区のうちの四区の教育委員会で活用がされているフリーペーパーがございます。具体的にいうと「エコリ」という雑誌でありますけれども、民間の会社と教育委員会が共同で内容の開発をされて、そして学校の教育現場で今、無料配布をされている雑誌がございます。この「エコリ」に限らず、今後、フリーペーパーを学校現場で配りたいという要望が出てくる可能性があると思うわけでありますけれども、都立学校でのこういうフリーペーパーのいわゆる活用というのと、それから、活用するに当たっては同業他社への公平性の担保というのが必要だろうと思うんですけれども、どのようにお考えかお伺いしたいと思います。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長都立学校に外部団体等からの配布依頼があった資料の取り扱いにつきましては、校長の権限と責任において適切に判断することになっております。校長は、教育効果や業者間の公平性等を十分考慮し、配布の可否や方法等の対応を決定することになります。 # 伊藤(ゆ)委員 伊藤(ゆ)委員私は、かねてから民間の発想とか民間の力を教育現場で取り入れることは賛成でありまして、こういう民間の力をかりて教育委員会が共同開発していくことには全く反対ではありません。しかし、フリーペーパーというのは、どれだけ多くの方に手にとっていただけるかということがまさにそのフリーペーパーの存続にかかわることでありますし、市場の独占ができればできるほどフリーペーパーとしての影響力、そして価値が高まるものというふうに思います。きょう、「エコリ」を持ってきましたけれども、この中には実は某旅行代理店が情報提供などもされていて、中には学校の教育で非常に役立ちそうな算数の教え方だとか書いてあるんですけれども、例えばそのうちの一つとして、お父さんとお母さんと子どもと一緒に体験の旅行に行こうというような企画が入っています。その体験企画をよく見ていくと、旅行代理店のお知らせがあって、このプランは幾らです、そして有名な旅行代理店の名前が書いてある、こういうことでございます。そういうものが学校の教育現場で配られている。それぞれの各区の教育委員会では、かなりいろんな議論を経て導入しようということになったようであります。今、公平性の担保を都立校の場合は学校長が行うというふうにいわれましたけれども、教育委員会の議事録やあるいは教育議案の議論というのは外に出てくると思います。しかし、学校長に任せるということで今、答弁がありましたが、学校長一人に任せて公平性がどう担保されるのか教えてください。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長配布資料につきましては、さまざまなものが考えられますので、一律の基準で判断するのは難しい部分がございます。学校教育の管理者は、法に基づきますと校長でございますので、校長が責任を持って適切性について判断をするものというものでございます。 # 伊藤(ゆ)委員 伊藤(ゆ)委員ですから、公平性を担保するということは、同業他社が出てきたときに、うちも入れてくれといわれたときの議論をどうするかということになるんだと思います。この議論を校長先生一人にお任せするという今の答弁なんでしょうか。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長学校運営上、校長の方から相談があることもございます。判断について相談がある場合には教育委員会の方で相談を受けまして、適切に状況を把握して判断したいと思っております。 # 伊藤(ゆ)委員 伊藤(ゆ)委員まさに議論をしていただいて、その議論がどういう過程でどの業者に決まったのか、あるいはほかの業者から申し出があったときにどういうふうに結論をつけたのかということ、これが公開をされていて、そして、だれもが読めるものになっているから初めて公平性の確保になるんだというふうに思うわけでありまして、当然、学校長は、こういう新しい試みでありますから、こういうものが提案されてきたときには東京都教育委員会に相談があるんじゃないか。ですから、教育委員会としての基本的な姿勢をお伺いしたいということを申し上げているので、今、答弁にもあったように、教育委員会と相談するケースがあるということですから、その場合にはどうされるんですかということを伺っているんです。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長配布資料等につきましてはさまざまなものがございますので、一律の基準で判断するのではなく、個別の状況に応じて判断し、対応していきたいと考えております。 # 伊藤(ゆ)委員 伊藤(ゆ)委員あくまで一人の方が、例えば校長先生のところに業者さんが来て、校長先生だけが決めて他社を排除したと。同じような提案があっても、もううちはこれをやっているんだと他社を排除したということになれば、これは一種の市場の独占じゃないかという批判が生まれることも想定をされますし、一種の特定の業者に対する便宜供与にも当たる可能性が出てくるわけですから、私としては、ぜひこれは教育委員会として、方向性、対応というものを常に検討、検証していただくということが望ましいというふうに思いますけれども、改めて最後にどうですか。 # 岩佐指導部長 岩佐指導部長先ほどの「エコリ」の件につきましては、これは区の教育委員会と学校、それから「エコリ」の方のタイアップのかかわりだと思いますので、それはあくまでその線の問題だろうと思います。都立高等学校におきましてそのようなフリーペーパー等が配布された場合につきましては、先ほどから申し上げておりますように、教育委員会の方でそういう相談を受けました折には、個別の事情についてきちっと確認をした上で判断していきたいと考えております。 # 伊藤(ゆ)委員 伊藤(ゆ)委員もう皆様お疲れだと思いますので、これはこれ以上申し上げませんが、しかし、学校の教育現場に任されるといっても校長先生も困るわけでありますから、ぜひこういうものが出てきたときには教育委員会の中でしっかり議論していただきたいということを要望申し上げまして、私からの質疑を終わらせていただきたいと思います。 # 古館委員長 古館委員長ほかに発言がなければ、お諮りいたします。本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 古館委員長 古館委員長異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。以上で教育庁関係を終わります。これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。午後五時四十分散会
2024-03-31T11:23:31.845605Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/538855?Template=document&Id=6463#one
--- title: 平成19年文教委員会 名簿・議事日程 # 平成十九年十一月十五日(木曜日)第三委員会室出席委員十四名委員長古館和憲君副委員長早坂義弘君副委員長門脇ふみよし君理事吉原修君理事斉藤あつし君理事石川芳昭君伊藤ゆう君松葉多美子君中山信行君伊藤まさき君鈴木一光君古賀俊昭君大山とも子君服部ゆくお君欠席委員なし出席説明員教育庁教育長中村正彦君次長松田二郎君総務部長志賀敏和君学務部長新井清博君人事部長松田芳和君福利厚生部長秦正博君指導部長岩佐哲男君生涯学習部長三田村みどり君特別支援教育推進担当部長荒屋文人君人事企画担当部長直原裕君参事石原清志君参事森口純君本日の会議に付した事件教育庁関係事務事業について(質疑)
2024-03-31T11:23:32.469567Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/538855?Template=document&Id=6462#one
--- title: 平成19年文教委員会 本文 # 午後一時一分開議 # 古館委員長 古館委員長ただいまから文教委員会を開会いたします。本日は、お手元配布の会議日程のとおり、生活文化スポーツ局関係の事務事業に対する質疑を行いたいと思います。これより生活文化スポーツ局関係に入ります。初めに、先般の人事異動に伴い、幹部職員に交代がありましたので、局長から幹部職員の紹介がございます。 # 渡辺生活文化スポーツ局長 渡辺生活文化スポーツ局長十一月一日付の人事異動で当局の幹部職員に異動がございましたので、ご紹介申し上げます。参事で文化施設改革担当の桃原慎一郎でございます。当委員会との連絡等に当たらせていただきます総務課長の武市玲子でございます。以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。〔理事者あいさつ〕 # 古館委員長 古館委員長それでは、事務事業に対する質疑を行います。本件につきましては、既に説明を聴取しております。その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。資料につきまして理事者の説明を求めます。 # 高西総務部長 高西総務部長去る十月十八日の当委員会において要求のありました資料についてご説明申し上げます。お手元に配布しております平成十九年文教委員会要求資料の表紙をおめくり願います。目次に記載のとおり、1、公衆浴場数の推移外八件の資料を記載しております。それでは、一ページをお開き願います。1、公衆浴場数の推移でございます。平成十年から十九年までの公衆浴場数の推移を区市ごとに記載しております。二ページをお開き願います。2、私立学校経常費補助(一般補助)の生徒一人当たりの単価及び全国順位の推移でございます。私立学校経常費補助に係る生徒一人当たりの補助単価及びその全国順位について、平成十四年度から十八年度までの推移を学種ごとに記載しております。三ページをお開き願います。3、私立学校の授業料及び初年度納付金の推移でございます。私立学校の授業料の年額及び初年度納付金について、平成十四年度から十八年度までの推移を学種ごとに記載しております。四ページをお開き願います。4、東京都育英資金一般貸付の規模の推移でございます。平成十四年度から十八年度までの五年間について、(1)に計画額及び実績額の、(2)に貸付人員数の推移をそれぞれ記載しております。五ページをお開き願います。5、私立幼稚園における預かり保育の実施状況でございます。平成十九年六月一日現在、幼稚園の教育時間終了後も引き続き園児を預かる預かり保育を実施している私立保育園数及びその割合を掲げております。六ページをお開き願います。6、私立学校における学級規模別学校数でございます。表の左側に記載した学級規模の区分ごとに、幼稚園、小学校、中学校、高等学校の数をそれぞれ掲げております。七ページをお開き願います。7、私立高等学校中途退学者理由別内訳でございます。平成十八年度の一年間に私立高等学校を中途退学した生徒数を、その理由別に記載しております。八ページをお開き願います。8、都立体育施設の改修、改築、増築等の状況でございます。東京体育館など都立体育施設においてこれまでに実施いたしました大規模改修や改築等の状況を、それぞれ施設ごとに記載しております。九ページをお開き願います。9、スポーツ振興施策に係る予算の推移でございます。当局が所管するスポーツ振興施策に係る予算について、表の左側に記載の区分ごとに、平成十年度から十九年度までの推移を記載しております。以上、簡単ではございますが、要求のありました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。 # 古館委員長 古館委員長説明は終わりました。ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。ご発言を願います。 # 早坂委員 早坂委員スポーツ振興策についてお伺いをいたします。東京都が昨年十二月に発表した「十年後の東京」では、都政の多くの課題の中でスポーツ振興が施策展開の柱の一つに位置づけられ、スポーツを通じて次代を担う子どもたちに夢を与えるという明確な目標が掲げられました。二〇一六年のオリンピック開催都市の決定まで二年を切り、また、六年後に迫った東京国体に向け、選手強化が本格化するなど、東京都においてはスポーツ振興に対して歴史的な追い風が吹いていると考えます。本年四月にスポーツ事業が教育委員会から生活文化スポーツ局に移管され、スポーツ専管部署であるスポーツ振興部が設置されましたが、このねらいは何であるか伺います。 # 細井スポーツ振興部長 細井スポーツ振興部長スポーツ振興部の設置のねらいでございますけれども、オリンピックの招致や東京国体の開催など、都のスポーツを取り巻く環境の変化に対応した施策を適宜適切に推進するため、教育委員会から事務を移管し、生活文化局にスポーツ振興部を設置し、スポーツ振興の執行体制を一層強化充実したものでございます。 # 早坂委員 早坂委員速やかに事業の執行体制を整える必要があったことから、東京都においては現行法令の範囲内で事務の移管を行ったということであります。これを追認する形で、来年の四月、スポーツ事業を教育委員会ではなく、首長が担当することができる法律の改正が施行されることになりました。東京都が国を動かす形となりましたが、生活文化スポーツ局でスポーツ事業を実施することで施策の展開がどのように変わるのか、伺います。 # 細井スポーツ振興部長 細井スポーツ振興部長スポーツ振興の効果を幅広くとらえ、教育行政にとどまらず関係各局と都政の各施策について連携することによって、スポーツ振興をこれまで以上に充実し、生涯スポーツの振興や競技力の向上を目指すなど、総合的なスポーツ施策を積極的に推進してまいります。 # 早坂委員 早坂委員今回の事務移管を機に、教育委員会が平成十四年に策定した東京スポーツビジョンを改定し、新たなスポーツ振興戦略を策定するとのことでありますが、改定に至った背景と理由についてお伺いいたします。 # 細井スポーツ振興部長 細井スポーツ振興部長教育委員会が東京スポーツビジョンを策定してから五カ年が経過いたしました。この間、少子高齢化のさらなる進展や歯どめのかからない子どもの体力低下など、スポーツを取り巻く環境は大きく変化してまいりました。文部科学省は、これらに対応するため、平成十二年に策定しましたスポーツ振興基本計画を昨年九月に改定したところでございます。東京都におきましても、時代の変化に取り残されることなく、スポーツ振興の喫緊の課題に対応するとともに、オリンピック招致活動を契機として、スポーツムーブメントの創出を図り、「十年後の東京」に示された目標を実現するため、東京スポーツビジョンを改定し、新たなスポーツ振興戦略を策定することとしました。 # 早坂委員 早坂委員教育委員会は、東京スポーツビジョンに基づきスポーツ振興に取り組み、地域スポーツクラブの育成などの成果を上げてまいりました。生活文化スポーツ局では、時宜を逸することなく東京都が一丸となってスポーツ振興に取り組むため、新たな戦略を示すということであります。十月にはスポーツ振興審議会が立ち上げられ、「十年後の東京」を見据えたスポーツ振興策について意見が交わされたと伺っておりますが、今後の展開について伺います。 # 細井スポーツ振興部長 細井スポーツ振興部長第一回の審議会では、「十年後の東京」の実現に向けた八つの目標とスポーツ振興のかかわりを中心に議論が展開されました。今後は、審議会での検討を踏まえまして、都民のだれもがいつでもどこでも、年齢や目的に応じてスポーツに親しめる社会の実現を目指しまして、オリンピック招致都市にもふさわしい新たなスポーツ振興戦略を策定し、来年夏を目途に発表したいと考えております。 # 早坂委員 早坂委員だれもが分け隔てなくスポーツに親しめる社会、スポーツ都市東京の実現は我が党の悲願であり、そのためには、二〇一六年東京オリンピック招致は最高の起爆剤であります。スポーツ都市東京の実現に対する生活文化スポーツ局長の決意を伺います。 # 渡辺生活文化スポーツ局長 渡辺生活文化スポーツ局長十年後の東京を見据え、都民のだれもが身近でスポーツに親しめる環境をつくるため、新たなスポーツ振興戦略を策定することといたしました。これを指針といたしまして、スポーツ実践層のすそ野を広げ、スポーツ・フォア・オールの発展につなげることによって、スポーツ都市東京の実現に尽力してまいります。 # 伊藤(ま)委員 伊藤(ま)委員まず、ワンダーサイトについてお聞かせいただきたいと思います。ことしの予算特別委員会で東京ワンダーサイトの事業運営について、幾つか質問や提案をさせていただきました。その後、状況が改善されたかどうかについて確認をする観点から、再度質問したいと思います。私は、都がコンテンポラリーアートの受け皿を国に先駆けて実現をしたことは、高く、今でも評価をさせていただいております。問題意識を持っていたのは、運営のあり方についてであります。その一つは、平成十三年にワンダーサイトの本郷がオープンしてから、平成十七年に渋谷、次いで平成十八年に青山と急速に事業が拡大をしていった一方で、それを支える体制がついていけなかったのではないかということであります。特に若手芸術家の支援の入り口の機能を果たす本郷の事業が弱くなっているのではないかという懸念を持っておりました。そこで、まずお伺いをしますが、平成十九年度の上半期のワンダーサイト本郷の事業実績はどうなっておりますでしょうか。また、あわせて渋谷と青山の実績についてもお聞かせください。 # 杉谷文化振興部長 杉谷文化振興部長十九年度上半期の実績でございますが、トーキョーワンダーサイト本郷の平成十九年度の九月末までの事業実績は、ワンダーウォールの入選者に対して作品発表の機会を提供する展覧会などを中心といたしまして、十一の事業を実施いたしました。観覧者数は七千百八十六人となっております。また、渋谷につきましては、ステップアップが期待されている若手アーチストをサポートする展覧会など五つの事業を実施いたしまして、観覧者数は七千七百七人となっております。また、青山につきましては、基本的には展示施設ではございませんが、レジデンスの滞在アーチストによるトークなど十三の事業を実施いたしまして、観覧者数は三百八十七人となっております。また、同時期における青山のアーチスト・イン・レジデンスへの芸術家の滞在者数は二十三人で、延べ利用回数は七百三十回、施設の理論上の最大利用回数でございます二千九百二十八回に対する利用率は、約二五%となっております。 # 伊藤(ま)委員 伊藤(ま)委員たしか私が質問したときの本郷の実績が二千人程度でありましたから、三倍以上に本郷の方は観覧者数がふえているということもありますし、青山の方も、立ち上げの時期であったからだというふうには思いますけれども、一〇%の利用率が二五%にまで改善をされたと、はっきりと数字で出ているわけであります。これだけ事業が実施できたということは、館の人員、組織体制が改善されたということでしょうか。 # 杉谷文化振興部長 杉谷文化振興部長現在の人員、組織体制でございますが、現在、館長のもとに都から部長級の副館長を派遣し、その下に管理課及び事業課を置きまして、さらに係を設置するなど、二課五係体制をとっておりまして、着実に事務事業を実施できる体制を整えてございます。 # 伊藤(ま)委員 伊藤(ま)委員次に、業務の委託についてお伺いをしたいと思いますが、イベントの開催に当たっての委託業者の選定について、特定の業者に特命をするなど、契約方法に不透明さを指摘させていただきましたが、現在の契約手続はどのようになっているでしょうか。 # 杉谷文化振興部長 杉谷文化振興部長契約手続でございますが、ワンダーサイトの所属いたします歴史文化財団の規定では、予定価格が三十万円以上の契約は競争見積もりで、また、百万円以上の契約は競争入札により業者を選定することが原則となっております。現在までのところ、予定価格が三十万円以上の契約はございませんが、今後、予定価格が三十万円以上の案件が出てきた場合には、規定の原則どおり、複数事業者が参加する競争見積もり、または競争入札の手法により、適切に事務処理を行ってまいります。 # 伊藤(ま)委員 伊藤(ま)委員続いて、事務処理体制がこれまで充実をし、事業実施がより適切な形で実施をされるようになっていることは、よくわかりました。東京都写真美術館がすばらしい経営改善を実現できた要因の一つに、館の運営において外部の有識者の意見を取り入れたことがあったことは、予算特別委員会での私の質疑でも明らかになり、ワンダーサイトでもそうした取り組みを行うとの局長の答弁がございました。ワンダーサイトそのものの運営やレジデンス施設への滞在アーチストの選考に当たって、そうした取り組みは実現をしているのでしょうか。 # 杉谷文化振興部長 杉谷文化振興部長ワンダーサイトの事業につきましては、外部の意見を反映するため、事業運営に係る基本的事項や重要な事項について審議し、助言いただく外部委員から構成された運営諮問委員会を設置し、現在までに二回のご議論をいただいております。また、レジデンス施設への滞在アーチストの選考におきましても、外部の有識者の声を運営に生かすため選考委員会を開催し、アーチストの選考基準などについてご意見をいただいております。また、ワンダーサイトの事業に参加するアーチストの募集につきましても、公募の方式を取り入れてございます。 # 伊藤(ま)委員 伊藤(ま)委員運営諮問委員会の要綱だとか青山の選考委員会の要綱をいただいておりますけれども、非常に力のある方々にお引き受けをいただいて、しっかりと議論をしていただいているということでもありますし、また、事業の実績もかなり上がってきているということが明らかになりました。ぜひとも引き続き、文化施策の振興に向けて努力をしていただきたいと思います。続いて、先ほど質疑にもございましたけれども、スポーツ振興についてお伺いしたいと思います。私からは、ジュニアの競技力向上と学校との連携についてお伺いしたいと思います。国民体育大会やオリンピックで東京都の選手が活躍する姿は、都民に大きな夢と感動を与えるものであり、開催地域の発展、活性化に大きく貢献をするものであります。都では、昭和二十四年の第四回、昭和三十四年の第十四回に続き、実に五十四年ぶり、平成二十五年に東京国体が多摩で開催される予定になっております。また、東京国体開催三年後のオリンピック招致に向けて、本格的に招致活動を展開されているところでもございます。ところで、都内には国体や高校総体、甲子園等の全国大会で優秀な成績を上げている学校が数多く存在しております。私の地元の葛飾でもバレーだとか野球が非常に活発なんですけれども、非常に強い中学校や高校も、葛飾区内にもございます。中学や高等学校の運動部活動は、東京から巣立つジュニア選手を養成する重要な基盤であるといえると思います。スポーツ振興事業を教育庁が所管していたときは、公立学校と連携して一体的な取り組みができていたと思いますが、平成十九年度から生活文化スポーツ局に移管されたことを踏まえ、三点質問したいと思います。まず、役割分担についてお聞きしたいんですが、スポーツ振興行政において、現在の生活文化スポーツ局と教育庁との役割分担はどのようになっているんでしょうか。 # 細井スポーツ振興部長 細井スポーツ振興部長オリンピック招致に向けたスポーツ機運の醸成、東京国体に向けた競技力の向上、区市町村及びスポーツ関係団体との連携強化などスポーツ振興のための新たな課題に対応するため、本年四月、スポーツ振興事業を生活文化スポーツ局に移管したところでございます。公立学校における体育や運動部活動につきましては、学校教育の一環であるため、引き続き教育庁で所管しております。なお、私立学校につきましては、生活文化スポーツ局でこれまでも所管しておりまして、スポーツ振興策においても連携強化を図っているところでございます。 # 伊藤(ま)委員 伊藤(ま)委員続いて、連携体制について伺いますが、生活文化スポーツ局がスポーツ振興行政の中心的役割を果たしていく趣旨は理解できましたが、学校体育や学校部活動との連携は重要でございます。東京国体やオリンピックで主力になるのは現在の小中学生や高校生であり、学校の果たす役割は非常に大きいと思います。学校はまさに東京のジュニア選手育成の重要な基盤であるといえますが、スポーツ振興部として、教育庁などとどのように連携を図っていくんでしょうか。 # 池田参事 池田参事東京国体やオリンピックに向けまして、選手の強化、指導者育成、医科学サポート体制の整備などを総合的に推進することを目的として、本年七月に東京都競技力向上推進本部を設置したところでございます。将来有望なジュニア選手の育成強化も重要な課題でございまして、そのためには学校と連携した取り組みが不可欠でございます。そこで、本部におきましては、教育庁や区市町村教育委員会、私立中学高等学校協会に加え、小中高校の各体育連盟の代表にも参画をいただきまして、具体的方策を検討する体制をつくっております。 # 伊藤(ま)委員 伊藤(ま)委員連携体制はできているということはわかりましたが、今後、学校と連携しながらジュニアの競技力向上に具体的にどのように取り組んでいかれるのでしょうか。 # 池田参事 池田参事ジュニア選手の競技力向上に向けまして、東京都競技力向上推進本部では、学校の運動部活動を活性化するための取り組みなど、さまざまな施策を検討しております。今後、教育庁や私立学校などと連携しながら、東京に数多く存在するスポーツ強豪校の競技力をより一層向上するための支援や学校部活動に専門的な指導者を派遣する仕組みづくりなど、学校でのジュニア選手の育成強化を図るための施策を推進してまいります。 # 伊藤(ま)委員 伊藤(ま)委員ジュニア選手の育成強化は、今後のスポーツ振興における重要な課題でございます。今、注目を浴びているゴルフとかフィギュアスケートや卓球、いずれも十代の選手が非常に活躍をしております。そのためには、公立、私立を問わずに都内の各学校と連携して、東京のジュニア選手の競技力が向上するような施策の展開に積極的に取り組んでいただきたいと思います。東京から巣立つアスリートが東京国体やオリンピックなどさまざまな大会や競技会で活躍できるよう、東京都競技力向上推進本部での今後の健闘に期待をいたしたいと思います。続いて、いわゆるNOVAの問題についてお聞きしたいと思います。既に、私は、第一回定例会の開催中のこの文教委員会において、この問題を取り上げさせていただきました。ちょうど二月に都とお国が合同で、語学教室最大手のNOVAに立入検査に入ったという新聞報道を見まして、受講されている多くの都民の方々の不安を少しでも軽減したいと考えまして質問をしましたが、その当時は、立入検査を通じて提供された大量の資料を分析中ということで、大変慎重な答弁でございましたが、何が問題なのかということと、ここに至るまで都はどのような対応をされてきたのかということと、報道されているようなNOVA側の主張は本当に正しいのかといったことなどについて、詳細なご説明をわかりやすくしていただきました。その結果、NOVA側がこの間、相当な無理をして急激に経営拡大を図ったツケが、まさに消費者である受講生に転嫁をされてきた事情がつまびらかにされたんだと思います。その後は、ご存じのとおり、四月にNOVAの清算方式は違法とする最高裁の判決が出ましたし、六月には経済産業省から処分が出る等、一時は経営改善に向けたNOVA側の取り組みが進むかに見えました。しかし、しばらくして経営陣の迷走が始まって、対応の稚拙さが世間に露呈してきますと、株価は一段と下がり、これはピーク時の十分の一以下に落ちてしまったようでありますけれども、各地で教室の閉鎖が続いて、さらに受講生離れに拍車がかかるという悪循環に陥っていきました。五千人近くいる社員や外国人講師への給料の支給も長期間滞るようになり、前払いした授業料の返還などを求める訴訟が各地で提起され、外国人講師の給料未払いや雇用確保が社会的問題にまで広がりを見せてくるころ、ついに社長不在の臨時取締役会において社長を解任して、会社更生法の適用を申請するに至り、大阪地裁から財産保全命令が出て、とうとう経営破綻をしてしまったわけであります。そこで、これから、三月の文教委員会における質疑以降の都や国の動きを中心に幾つか質問をして、この間の出来事を明らかにしていくとともに、この問題の今後の見通しや受講生に対する都の対応などについてもお聞きしたいと思います。まず、なぜ都は国と合同で行政処分などを行うことにしたのか、その経緯を説明していただきたいと思います。 # 宮川消費生活部長 宮川消費生活部長NOVAの受講生からの苦情相談が、都内の消費生活センターだけでなく、全国的にも多数寄せられている関係もございまして、本年二月十四日に国と合同で立入検査を行い、その際入手しました膨大な証拠書類等を入念に調査いたしました。都も国も、当該事業者が語学教室の最大手であり、都内だけでなく全国に教室を展開して、四十万人ともいわれる受講生を抱えている現状を重く受けとめまして、相互に連絡を取り合いながら慎重に事実関係の解明を進めてまいりました。その結果、問題の取引につきましては、特定商取引法と東京都消費生活条例に明らかに違反しておりまして、多くの受講生に多大な被害を与えている事実が明白になりましたので、六月の十三日に、国は法律に基づく処分を、都は条例に基づく勧告を同時に実施いたしました。 # 伊藤(ま)委員 伊藤(ま)委員たしか大阪地裁から資産の管理保全命令が出て、その保全人であった弁護士の方が記者会見でおっしゃっていましたけれども、この問題は戦後最大の消費者被害をもたらしたというふうにもいわれております。これほどですから、その対応の難しさはよくわかります。都は国と十分連携して大変慎重に事に当たったということは、一定の評価をしたいと思います。それでは次に、都と国が行った処分と勧告の内容と、その考え方を説明していただきたいと思います。 # 宮川消費生活部長 宮川消費生活部長都も国も、当該事業者が、先ほど申し上げましたように多数の受講生を抱えております語学教室であるという点を重視いたしまして、その処置に当たりましては、不適正な取引を厳正に取り締まることに加えまして、現在の受講生を保護するという観点も不可欠と判断をいたしました。特に業務の停止を命ずる処分を実施するとなりますと、経営そのものに大きな影響が出ることから、処分権者の国は、処分によって被害の拡大を防止することと、企業の経営改善努力によって受講生を保護する道を残すこととが両立できるように、その対応については腐心をしたというふうに聞いております。具体的には、最長三年分の受講料を前払いさせているNOVA独自の仕組みが問題の元凶であることから、特定商取引法に基づく国の処分は、一年以上または七十時間を超える長期コースの新規契約につきまして六カ月間の業務停止命令を命ずるもので、既に契約をされている受講生には影響が及ばない内容となっております。一方、都は、条例に基づいて改善勧告を発することによりまして、条例の違反事項について、時期を定めて改善の報告を求め、予約が取れないなどの多くの苦情を解消するための方策が確実に実施されるよう、継続的に監視することといたしました。 # 伊藤(ま)委員 伊藤(ま)委員まず受講生の保護ということを第一にしながら、どういう処分をするかということで国も苦心をした結果、問題の元凶である長期の前払い制度については、六カ月間の業務を停止するということであり、目くばせのきいた配慮のある処置だったというふうには思います。しかし一方で、二月に立入検査に入って六月に処分を出すというのは、四十万人という受講生を抱えている企業に対する処分としては、唐突という意見も一部にございますが、これについてはどういうふうに考えますでしょうか。 # 宮川消費生活部長 宮川消費生活部長国と連携をしまして慎重に事実解明を進めてまいりましたことは、先ほどご説明申し上げたとおりですけれども、この二月から六月に至りますまでの四カ月間という期間は、国や都がこれまで行いました処分事例の中でもかなり長い時間をかけた部類に入るものでございます。また、この四カ月の間には、冒頭で伊藤委員からもお話がございましたように、NOVAの清算方式を違法とする最高裁判決が四月に出まして、大きく報道されております。この関係で広く国民が問題の所在を知るところとなっているというふうに考えます。さらに、国や都は、この間幾度となく役員や従業員から事情を聴取したり、改善意見を求めたりしております。したがいまして、こうした機会を通じて、当該事業者は、国と都の考え方や対応についてある程度知るところとなって、仮に処分があったとしても、特段あわてることなく適切に対処できる準備期間は十分に与えられていたものと理解をいたしております。なお、処分と勧告を行うに当たりましては、行政手続法に従いまして弁明の機会を付与するなど、適正に手続を進めてまいりました。 # 伊藤(ま)委員 伊藤(ま)委員この問題については、従前の対応以上に時間をかけて、そして入念に必要な手続を進めてきたということがわかりました。唐突ではないというふうに私も理解しますが、どちらかというと、私の思いとしては、もうちょっと早く処分を出した方がよかったのではないかなということであります。三月の私の質問に部長もお答えになっておりますが、平成十五年度に百七十件、十六年度には百六十五件、十七年には二百三十八件、このNOVAの問題について、実際、東京都に相談やら苦情が来ているわけであります。処分の権限は国にありますから、東京都がその時点でどういうところまでできたかということは、非常に判断が難しいところだと思いますけれども、もっと早い処分だったら、より被害が少なかったんじゃなかったのかなというふうには、私は個人的には思います。それでは次に、都が行った勧告に関連してお尋ねをしたいと思います。六月の勧告後、NOVAは改善に向けた取り組みを真摯に進めたのでしょうか。都は、その後のNOVAの対応についてどのように評価をしておりますか。 # 宮川消費生活部長 宮川消費生活部長六月十三日に勧告を行いましたが、同時に、事業者に業務改善の報告を求めております。同月二十六日になりまして、業務改善計画報告書が提出されております。しかしながら、肝心の予約が取れないという受講生の苦情に対する改善策や、中途解約者に対する清算方法に関する具体的な対応策が示されていないため、これらについて追加で報告をするように求めたところでございます。その後、八月に入りまして二回目の報告書が提出されましたが、予約の問題について講師の増員によって改善するとしただけで、中途解約者に対する清算方法に関する具体の提案は示されませんでした。その後も、不利な清算方法によって解約を余儀なくされている受講生に対して誠意ある対応をということで、私どもの方は再三にわたってNOVAに求めましたけれども、残念ながら最後まで明確な回答が得られませんでした。この間、都との折衝役に立ちました在京のNOVAの役員は、時間をかけて逐一社長に報告をし、詳細な指示を仰ぎつつ都との話し合いを進めてきておりまして、結果として、改善案を明確に示すということによってNOVAとしての信頼を回復する、そのために必要な時期を失してしまったような感がございます。 # 伊藤(ま)委員 伊藤(ま)委員最近、報道を通じていろいろなことがわかってきておりますけれども、処分や勧告を受けた時点で誠実な対応を怠らなかったということであるならば、今回このように経営破綻ということにはならなかったのではないかなと私も感じます。そこでお伺いをしますが、経営が破綻した現在、勧告を行った都としては、今後の取り扱いを含め、どのように対応されるのでしょうか。 # 宮川消費生活部長 宮川消費生活部長報道にございますように、今後、NOVA本体が清算されるということになりますと、都が勧告を行った相手方が消滅してしまうということになりますので、それによりまして違反行為の改善を求める勧告の効力は失われてしまうことになります。今後は、営業の譲渡を受けた事業者やNOVAの旧受講生を受け入れた他の語学教室などにおきまして、法律や条例が遵守されるよう注視してまいります。 # 伊藤(ま)委員 伊藤(ま)委員勧告を行った相手先はあくまでもNOVAということで、そこが消滅してしまえば、その勧告は効力を失うわけでありますから、引き継ぎの会社が今、いろいろとやっているわけでありますけれども、引き続き法律や条例が遵守されるように、細心の注意を払って見ていただきたいというふうに思います。しかし、事ここに至るとなれば、受講生が前払いしたお金は全く手元に戻らないことになるわけで、本当にお気の毒としかいいようがございません。聞くところによりますと、全体で四百億円にも上る被害が出るのではないかというふうにいわれておりますが、この間、少しでも多くの方々が何らかの形で救済をされているということがわかれば、少しは気持ちも救われるんですけれども、経営が破綻する前、いろいろと苦情相談を受けていたと思いますが、これまで都としてどのように対応されてきたのかということと、救済された受講生はいるんでしょうか。 # 宮川消費生活部長 宮川消費生活部長NOVAに関します苦情相談は、十八年度、十九年度と急増いたしまして、最近は、NOVA側の顧客の窓口との連絡も十分にとれない状況となっておりました。そのような中で、都では、区市町村で受け付けた苦情相談もまとめて引き受けまして、中途解約の返金交渉を統一的に進めてまいりました。また、弁護士会の中で弁護団結成の動きが出てまいりましたので、訴訟の希望者には、費用対効果の点で有利な集団訴訟を紹介いたしました。さらに、教室の統廃合により、受講を断念せざるを得なくなった受講生につきましては、少しでも有利な解決が図れるよう信販会社に強く働きかけまして、返済を軽減する措置を講じさせたりいたしました。なお、会社更生手続を進めている段階では、教室が閉鎖され、受講できないにもかかわらず信販会社からの引き落としが継続されないように、国に対して強く対策を働きかけまして、その結果、信販協会に対し、国が引き落としの停止を要請することになりました。そして、各信販会社が停止の措置を講ずることになったものでございます。正確な数字につきましては把握はしてございませんが、これらの都の取り組みによって少なからぬ受講生が救済を受けることができたというふうに考えております。 # 伊藤(ま)委員 伊藤(ま)委員都の強い働きかけによって国が、異例の処置という新聞報道もございましたけれども、信販会社に対して引き落としをしないようにという要請もあり、実際それで救われた方もたくさんいらっしゃるというふうに思いますが、一言で救済といっても、なかなか簡単にはいかないでしょうが、さまざまな努力をなされてきたことに対しては、一定の評価をしたいと思います。きょうの新聞報道にもありましたけれども、国の給付金が約四千人の方が適用されないと。要は現金が、給付金が戻ってこないという方がまた四千人いるということもわかりました。いろいろな展開がこれからあると思いますので、どうぞ今後もこういった問題、消費者被害の問題が、仮に起きたとしても最小限度に抑えられるように努力をしていただきたいと思いますし、国の動きも最近非常に気になるニュースが出ていますが、国民生活センターの事業規模を縮小するのではないかという心配をされる報道も出ております。ますます都の役割が強くなってくるというふうに思いますけれども、今後も、こうした問題に対しては、都が国や区市町村を初め関係機関と協力して全力で立ち向かうことによって確かな解決を図り、都民の安全・安心な暮らしが実現されることを心から願って、私の質問を終わります。 # 松葉委員 松葉委員都は昨年、文化振興施策を総合的かつ効果的に推進するために、知事の附属機関として、新たに東京芸術文化評議会を設置されました。日本が世界に誇る著名な芸術家などの方々を招集し、今後の文化政策についてそれぞれの立場から自由に議論していただいていると聞いております。知事は、世界文化都市東京を実現するための文化戦略、芸術文化活動に対する支援のあり方、都立文化施設のあり方、また、平成二十年にIOCに提出するオリンピック文化プログラムについて、評議会に諮問されています。そこで、これまで平成十九年三月に第一回、八月に第二回の評議会が開催されましたが、評議会では、世界に向けた東京の文化発信のためどのような議論や提案がなされたのか、伺います。 # 杉谷文化振興部長 杉谷文化振興部長評議会での議論や提案でございますけれども、東京芸術文化評議会では、東京が活力ある都市として持続的に発展するため、活発な意見交換が行われております。演劇、音楽、美術、伝統文化などの視点から、パリやロンドン、ベルリンなど世界の主要都市と競い合える国際的なプロジェクトの実施や、芸術文化を通じた子どもたちの育成について提案がなされましたほか、芸術文化活動に対する支援などに関する議論が行われております。諮問事項でございます世界文化都市東京を実現するための文化戦略につきましては、具体的に、国際的な舞台芸術フェスティバルや六本木地区を中心としましたアートイベント、大規模音楽フェスティバルといった国際的な文化プロジェクトの開催などのご提案がございました。 # 松葉委員 松葉委員今、ご答弁で大規模音楽フェスティバルという話がございましたけれども、公明党は、さきの第二回定例会におきまして、十月一日、都民の日は、世界的には国際音楽の日であるということを取り上げさせていただきました。この国際音楽の日は、一九七五年、当時のユネスコ傘下でございますが、国際音楽評議会の会長であり、二十世紀の最高峰のバイオリニストであるユーディー・メニューイン氏が、紛争の絶えない世界を憂いて提唱し、一九七七年に制定されたものであります。私もメニューイン氏にはお会いしたことがございますけれども、昼間まちを掃除する人々が夜には四重奏を演奏する、そんな社会が実現することを望んでいますとの心情を伺い、大変に感銘を受けました。ことしは、この国際音楽の日が制定されてちょうど三十年の節目に当たります。毎年、世界各国でこの国際音楽の日に、世界の人と音楽でつなぐ心の輪をモットーに、子どもからお年寄りまで、そして、プロとアマチュアの共同によるさまざまな音楽の特別イベントが開催されております。この子どもからお年寄りまで、プロとアマチュアの共同、大切な視点だと思っております。その趣旨から、この十月一日の都民の日においても、プロもアマチュアも公募で募り、東京国際フォーラムやビッグサイト、東京芸術劇場や東京文化会館、江戸東京博物館、ひいては都立公園などでの野外コンサートも含めて、国際音楽の日として世界の人々と音楽で心をつなぐ日としてはどうかと、そういう趣旨の提案を、第二回定例会におきましていたしました。石原知事からは、都民の日に国際音楽の日を重ねて催し物をやることは大変おもしろいという、そういう趣旨の答弁がありました。そこで、評議会から提案のあった大規模音楽フェスティバルを国際音楽の日に合わせて開催し、オリンピック招致も視野に入れて、世界に向けた文化的発信力を一層強化すべきと考えますが、見解を伺います。 # 杉谷文化振興部長 杉谷文化振興部長世界に向けた文化発信力を一層強化するために、世界の主要都市と競い合える芸術文化の創造、発信を行うことが重要なことと考えております。そのために、芸術文化評議会の提案を尊重いたしまして、国際的な文化プロジェクトの開催に向け、積極的に取り組んでまいります。委員ご指摘の大規模音楽フェスティバルにつきましても、その実現に向けて取り組むとともに、実施時期につきましても、ご提案の趣旨を踏まえ、検討してまいります。 # 松葉委員 松葉委員ぜひとも実現をしていただきたいと思います。ところで、東京の文化を世界に向けて発信するに当たっては、都立の文化施設は大変に重要と考えます。中でも音楽文化の発信拠点としては、東京芸術劇場と東京文化会館が挙げられます。今後、オリンピック招致も視野に入れてすぐれた文化事業を展開していくためには、施設のハード、ソフト両面でのますますの充実が求められていると認識しております。そこで、東京芸術劇場の大ホールは、オーケストラの演奏を中心としたコンサート専用ホールであり、また、大ホールには、世界最大級でルネサンス、バロック、モダンの三つの音色を奏でるパイプオルガンがあることが知られております。私もそのすばらしい音色を聞かせていただき、大変に感動いたしました。そこで、このホールの特性を生かし、東京芸術劇場がどのような取り組みを行っているのか、伺います。 # 桃原参事 桃原参事東京芸術劇場におきましては、これまでも劇場の主催によるクラシックコンサートのシリーズや、通勤帰りの時間に近隣の社会人が気軽に立ち寄れる芸劇ラッシュアワーコンサートの実施など、さまざまな活性化策を進めてまいりました。また、平成十八年度からは読売日本交響楽団との間で事業提携を行っておりますけれども、具体的には、両者の協力のもと、小中学生を対象としてオーケストラ公演を行う教育プログラムコンサートや、オペラの雰囲気を気軽に味わえるシアターオペラの企画、制作に取り組んでおります。パイプオルガンにつきましては、オーケストラのコンサートで利用されるほか、芸術劇場といたしましても、都民を初めとしてより多くの方々に広くオルガン音楽の鑑賞機会を提供するために、自主企画のオルガンコンサートを年に二回、ランチタイムコンサートを年に十回、それぞれ開催するなど、パイプオルガンを活用した事業を実施し、評価をいただいております。 # 松葉委員 松葉委員パイプオルガンにつきましては、三種類の機能を持つという複雑なその特性ゆえに、ふぐあいも多いと聞いております。貴重な都民の財産であり、きちんと活用することができるよう維持管理をするべきと考えますが、いかがでしょうか。 # 桃原参事 桃原参事芸術劇場のパイプオルガンにつきましては、劇場のオープンから十五年以上経過したことから、最近ではオルガンの音色を制御するための内部コンピューターの作動トラブルが生じているところでございます。このコンピューターのふぐあいにつきましては、放置した場合、演奏に大きな支障が生じるおそれがございます。今後、早期に改修に着手することとしております。また、今後予定してございます東京芸術劇場の大規模改修に合わせまして、オルガン全体のオーバーホールにつきましても実施を検討しているところでございます。 # 松葉委員 松葉委員今後、オリンピック招致に向けても、都立文化施設は芸術文化発信の拠点として重要な役割を担っていると思います。本日、質疑いたしました芸術劇場のオルガンは、世界的に見てもほかに例を見ない特色あるオルガンであり、その特性を発揮して積極的に活用することは望ましいと考えます。また、そのほかの都立文化施設を含めて、ハード、ソフト両面から都立文化施設の魅力をますます高めていくような取り組みを要望いたします。そして、ぜひとも、提案させていただきました国際音楽の日事業も含めて、東京の文化事業を都民のために充実させ、さらには総合化、体系化して世界に発信していくよう強く要望して、質問を終わります。 # 大山委員 大山委員私からは物価対策について、それから私学、そしてスポーツ振興、この三つの課題で質疑したいと思います。まず、物価対策の問題ですけれども、ガソリンがあっという間に百五十円台の大台に上るというニュースが流れ、十一月からは、トイレットペーパーだとかパスタだとかカレールー、パンなど、家計を直撃するものが軒並み値上げと、さらにガス代、電気代などの公共料金の値上げ、低所得者も、それから子育て中の若い世帯も、それからワーキングプアも直撃されるわけです。灯油の値上げは、灯油のストーブを高齢者の方なんか結構使っているわけですけれども、その家庭は寒さがひときわ厳しいという状況になります。先日、多摩の地域に住んでいる知人が、引っ越した七、八年前はたしか五、六百円で買えていた灯油が、この間準備しようと思って買ったら千六百円したというんですね。原油高騰の原因、それから、この事態についてどのような認識を持っていらっしゃいますか。 # 宮川消費生活部長 宮川消費生活部長原油高騰の原因というふうにお尋ねだと思いますけれども、これは、既にご案内のように、アメリカの住宅ローン問題、いわゆるサブプライムローン問題をきっかけにいたしまして、行き場を失った投機筋のマネーが原油や穀物市場に集まり、国際的に相場が急騰しているということだというふうに認識をいたしております。現在の物価の状況についてのお尋ねということでよろしゅうございますでしょうか。 # 大山委員 大山委員どのような認識を持っているか……。 # 宮川消費生活部長 宮川消費生活部長認識でございますか。原油の価格そのものにつきましては、石油小売価格で見ますと、これは財団法人の日本エネルギー経済研究所の調べになりますが、都内のレギュラーガソリンの十月店頭価格は、先ほどの先生のお話もございましたけれども、一リットル百四十八円でございまして、前月に比べて二円上昇しております。これは、前年同月、昨年の十月と比べますと四円の上昇というふうになっております。また、総務省統計局発表の東京都区部の十月の消費者物価指数は、速報値でございますが、総合指数で見ますと、前月比で〇・一%、前年同月比、昨年の十月と比べますと〇・一%と、わずかな上昇にとどまっております。現在、いろいろな生活必需品などの値上げも予定されているようでございますけれども、こういったものが都民の家計にどのように影響するか、今後、注意深く見守る必要があるというふうに考えております。 # 大山委員 大山委員十月の指標ですから、そうなんでしょうけれども、十一月からの値上げがかなりあるということですね。見守るということなんですけれども、都民の生活を守る消費者行政を所管する局として、物価対策は欠かせないと思っているんですが、都民の暮らしを守る観点から、都の物価対策、これはどうなっていますか。 # 宮川消費生活部長 宮川消費生活部長東京都では、物価の異常な上昇や便乗値上げなどによりまして対策の必要を生じた場合には、都の消費生活条例に基づいて、商品を指定して特別調査を行い、監視を強化するとともに、不適正事業行為として認定した場合には是正勧告を行うほか、国に対しましても必要な対策を講じるべきことを要請することといたしております。過去には灯油、小麦粉、食パン、冷凍魚類、米などを指定いたしまして、対応をしてまいりました。また、生鮮食品や加工食品、日用雑貨品、石油製品など都民の生活に密着した四十五品目につきましては、現在も総務省統計局の小売物価統計調査報告に基づきまして、その価格動向を都民に情報提供しております。さらに、今回の原油価格でございますけれども、これに関しましても、関係局による連絡会議を通じまして、各種データや関係局の取り組みについて情報交換を継続的に行っているところでございます。 # 大山委員 大山委員監視の強化や、それから国に対する要請、それから情報提供、これらももちろん重要なことではあるんですけれども、具体的な対策がやはり求められていると思います。しかも、さっきご答弁あったように、今回の原油高騰というのは、やはり米国の高利の住宅ローン問題がきっかけだと。で、行き場を失った投機の筋のお金が原油や穀物市場に集まって相場が急騰した、これが原因だといわれているわけですけれども、投機のお金が庶民の家計を直撃する、もうこれはひど過ぎると思うんですね。日本の自給率の低さも手伝っているわけです。二〇〇五年にも今回のような原油価格の高騰があって、我が党の吉田幹事長が代表質問で、都として原油高騰対策本部を設置し、便乗値上げの監視や価格安定対策に全力を尽くすべきと質問しまして、その質問に対して当時の生活文化局長さんは、今後とも原油価格の上昇による都民の消費生活への影響について注視していくと答弁をしていますが、これについてはどうなっていますか。 # 宮川消費生活部長 宮川消費生活部長東京都では、原油価格の変動に伴って、都民生活への影響に関する情報といいますか、こういったものを把握する、そのために関係各局による連携と協力の体制等を確立する目的で、平成十七年十一月に当局及び総務局、産業労働局など関係八局から成ります原油価格変動に伴う行政連絡会議を設置いたしました。また、この連絡会議のもとに、原油価格の変動に対しまして機動的に対応できるように幹事会を設けております。本年は二月と七月に開催をしておりますが、最近の原油価格の動向にかんがみまして、今月中にも幹事会を開催する方向で、既に準備を進めております。 # 大山委員 大山委員今の動向の中で今月も幹事会を開くということですけれども、今回深刻なのは、これは東京新聞ですけれども、各種統計では、労働者の賃金は伸び悩んでおり、好調な企業収益が家計まで波及していない、十月の月例経済報告は個人消費の現状認識を十一カ月ぶりに下方修正、みずほ証券は民間企業の冬のボーナスを前年比マイナスと予想し、個人消費はこれまで以上に期待しにくいとしている、こういう記事があります。実際、例えば、これは国税局の調査ですけれども、税金に基づく額ですからかなり正確だと思いますが、民間平均給与の実態調査ですね。二〇〇〇年に比べて二〇〇五年は二十六万一千円の減額です。総務局が「都民の暮らしむき」というのを出していますけれども、これで見ると、一九九三年を一〇〇とすると二〇〇六年は八六・五ですね。だから、やはりさっきの東京新聞でいっているような給与の下がりというのは数字からも明らかだと。給料は下がっているのに原料コストの上昇につられて価格が上がるというわけですから、庶民の生活はダブルパンチだといわなければなりません。さらに、高齢者の年金は減るし医療費は上がる、生活保護費も高齢加算はもう既になくなっていて、ひとり親家庭の児童扶養手当の削減はするんだというわけですから、その上生活必需品が値上げになっては、本当にたまったものじゃないというのが都民の皆さんの状況だと。原油価格変動に伴う、先ほどおっしゃった行政連絡会を立ち上げて関係局で情報を共有する、これも重要です。それだけで都民のために対応しているとはいえないと思います。今このときに全庁的な対策本部を設置して、便乗値上げの監視だとか価格安定対策などに早急に取り組むべきだと思いますが、見解を伺います。 # 宮川消費生活部長 宮川消費生活部長先ほどもお答え申し上げましたように、現在、東京都区部の消費者物価指数、これを総合指標で見ますと、わずかながら上昇をしている状況にあります。いずれにしましても、今後の動向につきましては、原油価格変動に伴う行政連絡会議等を通じまして動向を見きわめ、状況を注視してまいりたいと考えております。 # 大山委員 大山委員注視していくということですけれども、実際ダブルパンチに見舞われる都民の生活を支援することがやはり求められています。電気、都市ガス料金については、これから値上げが予定されているわけですけれども、公衆浴場の利用が比較的多いのが高齢者、それから、アパートなどに住んでいる人たちということですけれども、ますます厳しくなって、おふろも加減しなきゃいけないかなという状況になるわけですが、例えば高齢者の世帯だとか比較的収入の低い世帯などに、緊急に無料の公衆浴場利用券を配布するような考えはないでしょうか。 # 宮川消費生活部長 宮川消費生活部長現在も、東京都は広域的な立場から、各市におけます生活保護世帯に対して、家計費負担の軽減と入浴機会の拡大を図るために、年間一人当たり六十枚の入浴券を配布しております。ちなみに、平成十九年度の予算で見ますと、七千万円の金額を計上しております。また、多くの区市におきましても、住民に身近な基礎的自治体として地域の特性に応じたきめ細かな対策を講じておりまして、生活保護世帯に加え、高齢者世帯、障害者やひとり親世帯などに対して、一定の数の入浴券を配布しているところでございます。これも十九年度の予算で見ますと、総額で二十四億四千七百万円余り計上しております。今後とも、都は区市と緊密に連携しながら適切に対応してまいります。 # 大山委員 大山委員必要だからこそ、こういう入浴券などが、区市でも実施しているということだと思うんですね。知事が、公約を撤回してしまって許されないわけですけれども、ことしの知事選では、知事も生活保護水準もしくはそれ以下の人たちへの減税を公約せざるを得ない、そういう事態になっているわけですね。ですから、東京都がやっている生活保護世帯に限っての入浴券ではなくて、ワーキングプアだとか、それから、比較的低い、低所得の方々への拡大が求められると思います。ぜひ検討していただきたいと思います。燃料に石油製品を使っている事業者のことも心配なわけですね。特に利用者が年々減っていて、出していただいた資料でも箇所数自体がどんどん減っている公衆浴場、原油の価格高騰で経営の圧迫が懸念されます。公衆浴場利用者の増加を図る対策、これが必要だと思いますけれども、どうですか。 # 宮川消費生活部長 宮川消費生活部長公衆浴場の中でも主に重油を燃料として使用しているところでは、今回の原油価格の高騰が経営を圧迫しているとの懸念がございます。この点につきましては、公衆浴場業界におきましても十分に認識をされておりまして、現在、国際的な原油価格の動向に左右されにくい都市ガス等への使用燃料の転換につきまして、具体的な対策に向けて動き始めているところでございます。都といたしましても、比較的クリーンで環境にも優しく、価格が安定しているエネルギーへの転換を促進する必要があると考えておりまして、既に来年度の予算要求を行っているところでございます。なお、都はこれまで、公衆浴場の経営の安定化や利用者の増加を図るため、公衆浴場の施設設備の改善や利用促進のための広報等に係る各種補助施策を実施してきているところでございます。 # 大山委員 大山委員公衆浴場対策、さまざまな施策が必要なわけですけれども、都市ガスへの転換というのもいいわけですが、ガスも今度上がるわけですよね。お客さんが少なくなっている状況のもとで、設備投資は本当に大変な負担になります。入浴券を出すというさっきの提案は、お客さんにとってもいいことだし、それから浴場にとっても有効なわけですから、一石二鳥になるわけです。ですから、ぜひ検討してほしいと思います。消費者行政、この数年間、消費者被害対策などにウエートがかかっているわけです。もちろんこれも重要ですから、やらなければならないことですが、同時に、消費者行政を所管する生活文化スポーツ局は、消費者を守る視点で、生活の基本となる物価対策を再びきちんと位置づける必要があると思います。物価の安定に積極的に役割を果たすとともに、福祉保健局など庁内の各局とも連携をとりながら、都民の生活を支援していくことができるように積極的に努力していただきたいという要望を申し述べて、物価の関係はおしまいです。私学ですけれども、幼稚園の保護者負担軽減についてです。物価の高騰、今、質疑しましたけれども、幼稚園に子どもを行かせている若い保護者の教育費の負担というのは大変なわけですね。昨年の東京都福祉保健局の基礎調査を見ますと、生計中心者の年間収入、三十歳未満で見ますと、五百万円未満が八四・四%です。ですから、圧倒的、ほとんどは五百万円未満の収入だということですね。三十代でも三七・六%です。一カ月の育児にかかった費用、三歳から六歳未満の子どもを持つ家庭は、三万円から六万円未満の費用がかかったという家庭が約四割あります。幼稚園の保護者負担軽減に関しては、財政再建推進プランで所得制限の強化がされ、また、所得区分は生活保護と非課税の区分、それ以上の所得という二つだけの区分だったものが、非課税ではない、それ以上の所得のところで、課税世帯の収入によって三つの階層に分けてしまったわけですね。それによって所得が少し高いところには補助額を削減したわけです。所得額を細分化するというのは、所得制限ラインぎりぎりのところの人たち、ことしは補助が受けられたけど、次の年はちょっと収入が多くなっちゃったから、ほとんど同じ収入だけど受けられない、こういう矛盾をよりふやすことになるわけですから、こういうわずかな差の中で所得制限を区分するというのは、矛盾をよりふやすことになると思っています。区分1の生活保護世帯、それから区市町村民税所得割非課税世帯の補助額が七万四千四百円ですけれども、いつからその額で、その額にした理由というのは何でしょうか。 # 小濱私学部長 小濱私学部長園児保護者負担軽減事業の生活保護世帯と区市町村民税所得割非課税世帯に対する補助額につきましては、平成八年度から現在の単価になっております。単価につきましては、当時の保育料の公私格差を、国の制度である就園奨励費と都の園児保護者負担軽減事業で解消できるよう設定いたしました。 # 大山委員 大山委員公立幼稚園に行っている子どもも私立幼稚園に行っている子どもも、保育料負担は同じになるようにということですよね。これは、発想自体は非常に重要だと思いますし、この格差がなくなるというのは重要な根拠だと思っています。しかし、平成八年度からですから、十一年間も同じ補助単価ということなんですね。その間、私立幼稚園の保育料の平均は、出していただいた資料の3で見ても、保育料だけでも保育料だけじゃないんですよね、入園料だとか何かいろいろあるんですけれども、保育料、授業料だけでも、四年間で一万千五百七十三円も上がっています。八年から実施ということは、検討したのは平成七年ですね。そのときの保育料は幾らだったかというと、平均二十五万百八十九円です。今年度は平均すると三十万六十五円ですから、保育料だけでも約五万円もふえているということです。先ほど、公私の格差を解消するための補助ということですけれども、平成七年度のこの計算をしたときは、生保世帯と非課税世帯は、保育料での格差は、公私の格差はゼロだったということですね。現在の公私の格差はどのくらいになりますか。 # 小濱私学部長 小濱私学部長平成十八年度におきましては、年額で約八千四百円の開きとなってございます。 # 大山委員 大山委員年額八千四百円の開きなんだということですね。せっかく公私の格差をゼロにしよう、こういう基本的な考え方を持っているわけですから、きちんと、十一年間も上げずにいるんじゃなくて、その都度、公私格差をゼロにする、その基本の考え方に立って見直すことが必要だと思っています。ですからこの際、基本額の増額と、それに伴ってそれぞれの単価を上げる必要があると思いますけれども、どうですか。 # 小濱私学部長 小濱私学部長国の就園奨励費や区市町村の補助などの施策とあわせまして、都では幼稚園に対する経常費補助や、今申し上げました園児保護者負担軽減補助を行ってまいりました。こうした補助制度によりまして総合的に保護者負担の軽減が図られてきているというふうに考えておりまして、現時点では単価を見直すことは考えておりません。 # 大山委員 大山委員総合的にといいますけれども、もちろん経常費用補助も重要です。しかし、保育料は実際に上がってきているわけですよね。実際に保育料だけで済むわけではないわけですし、先ほど物価対策の話をしましたけれども、若い保護者も、お給料は上がらないのに、生活必需品の物価が上がるわけですね。物価対策での間接的な支援にもなるわけです。もう一つ、都の園児保護者負担軽減事業では、幼稚園に二人以上同時在園する場合に限って第二子以降の単価が割り増しになるわけですけれども、三年間で同時在園というのはなかなか少ないケースなんですね。ですから、同時在園に限らず、第一子が小学生である場合も対象にするなど、実際の第二子以降の子どもたちすべてに、第二子以降の単価の割り増しをきちんと拡大するべきだと思いますが、どうですか。 # 小濱私学部長 小濱私学部長都の園児保護者負担軽減事業では、幼稚園などに二人以上同時在園する場合の第二子以降の園児に対しまして単価の割り増しを行いまして、保護者の負担軽減を図っております。一方、国の就園奨励費は、同時在園の要件を幼稚園に限らず小学三年生まで拡大することを目標といたしまして、平成十八年度に小学一年生、十九年度に二年生、二十年度要求においては小学三年生と、順次、範囲を拡大してきております。都といたしましては、国の制度の動向も踏まえ、保護者負担の軽減について、今後とも適切に対処してまいります。 # 大山委員 大山委員国は順次拡大をしているんだということですけれども、本当に三つ違ったら、もう同時在園ではなくなっちゃうわけですから、ぜひその拡大をしていただきたいと思っています。幼稚園の保育料補助というのは区市町村で上乗せをしています。それは必要だからやっているんですね。しかし、区市町村によって補助額は大きく異なります。ですから、広域自治体である東京都が底上げをする必要性があるわけです。授業料でもう一つ、高校生のことなんですけれども、ことし、私、二月二日の文教委員会で高校生の授業料補助の問題を取り上げて、公私の授業料の差額の補助というけれども、どれぐらいまでを目指しているのかという質問をしましたら、担当部長さんが、公私格差の三分の二を目指して、生活保護世帯については補助をすると答弁されています。この三分の二を目指すということからいいますと、本年度で計算しても十九万何がしかの額が必要なんですね。ですから、もう少し足りない。今年度でも足りないわけです。私たちは、もちろん幼稚園の授業料補助と同じように公私の格差はなくすべきだと考えているし、他県の状況から見ても東京の補助額は低いわけですから、上げなきゃいけないわけです。せめて東京都の考え方である公私の格差の三分の二まで引き上げるべきだと思いますけれども、どうですか。 # 小濱私学部長 小濱私学部長私立高等学校に対する特別奨学金事業についてでございますけれども、この事業につきましては、平成十九年度に補助単価を十六万四千円から十八万円に増額したところでございます。今後とも、各方面、関係団体等の要望も踏まえまして適切に対処してまいります。 # 大山委員 大山委員今年度引き上げたけれども、まだ三分の二までは行ってないということなんですね。ですから、引き続き、ぜひよろしくお願いいたします。命にかかわる耐震化についてなんですけれども、私立学校の耐震化率、どうなっているでしょうか。幼稚園、それから小学校、中学校、高校別にお願いします。 # 小濱私学部長 小濱私学部長平成十九年四月一日現在の都内私立学校の耐震化率でございますけれども、幼稚園全体で五九・二%、うち学校法人立の幼稚園が六七・八%、個人立等の幼稚園が四八・七%となっております。また、小学校は七六・八%、中学校は八二・三%、高等学校七〇・六%で、全体では六六・五%となっております。 # 大山委員 大山委員全体では六六・五%ですね。都立高校は九割方耐震化されていて、公立小中学校の都内平均が七二・四%ですから、これより低くなっているわけですね。とりわけ小さな子どもがいる幼稚園、それも個人立の幼稚園だと四八・七%でしかないということですけれども、これは国の補助がないということも、原因があるわけですね。そしてもう一つ、耐震化が進まない原因の一つとされているのが、耐震化が必要な建物というのは、同時に老朽化による改築をしたいと学校は考えるわけですけれども、しかし、それには補助が出ないということがあります。「十年後の東京」では、小中学校は一〇〇%耐震化を目標としていますけれども、先ほどの耐震化率を聞く限り、まだ道半ばという感じですね。私学に通う児童生徒も同じ東京の子どもたちですから、このような状況の中、二十年度予算要求について補助率三分の二に引き上げるとともに、耐震改修が必要な校舎の改築経費の一部を新たに補助することとしたというのは、耐震化を促進する上で評価できるものです。一刻も早く私立学校の耐震化を促進して一〇〇%の目標を達成していただきたいと思いますけれども、どういう考えか、所見を伺います。 # 小濱私学部長 小濱私学部長私立学校の耐震化は児童生徒の生命にかかわる重要なことでございます。したがいまして、積極的に取り組むべき喫緊の課題であると考えております。このため都は、都独自の補助として、平成十九年度に個人立等の幼稚園も補助対象に加えるなど、補助制度の充実に努めてきたところでございます。今後とも、私立学校に対しましては補助制度の積極的活用を働きかけますとともに、耐震化に係る情報提供や建築相談をあわせて実施するなど、私立学校への支援に努めてまいります。 # 大山委員 大山委員積極的に進めるという立場なんだということと同時に、どうそれぞれの学校で達成していくのかということを、それぞれの学校、幼稚園と相談をして計画的に実施できるように、ぜひ進めていっていただきたいという意見を述べておきます。最後に、スポーツ振興ですけれども、生活文化スポーツ局となってスポーツの分野が所管となったわけです。スポーツをしたいという都民のだれもがスポーツできるような環境を保障することが、生活文化スポーツ局の仕事になったということですね。ここのところ、オリンピックだとか国体だとか、大マラソン祭りだ等、スポーツイベントがにぎやかになってきているんですけれども、スポーツしたい都民がだれでもスポーツすることができる環境をつくってきたのかということが問われるわけです。先ほどご答弁の中で、だれもがいつでもどこでもスポーツに親しめる都市をつくると、こうご答弁されていましたけれども、これは二〇〇二年の七月に出したスポーツビジョンにある基本理念ですね。それを実現するために都がどう実践してきたのかということが問われると思っています。十九期のスポーツ振興審議会が出した建議で、「いきいき・はつらつ・スポーツ都市東京を目指して」と、こういうことをもとにして、東京都は、今申し上げました二〇〇二年七月に、東京スポーツビジョンを作成したわけですね。その中にビジョンの役割と期間というのがあって、ビジョンの計画期間は二〇〇二年度から二〇一三年度であること、それから、この基本計画に基づいて、都はスポーツ振興の具体的な計画をつくりますと、こう書いてあります。この具体的な計画というのは何を指すんでしょう。つくったんでしょうか。 # 細井スポーツ振興部長 細井スポーツ振興部長具体的な計画とは、事業を実施するに当たり必要に応じて作成する個々の事業計画などであります。各年度の予算も具体的な計画の一つであるというふうに考えております。 # 大山委員 大山委員具体的な計画は特につくってない、予算でやるんだということなんですけれども、基本計画に東京都は具体的な計画をつくりますと明記していながら、計画もつくらなかったということは、非常に無責任だといわざるを得ません。さらに、この十九期の次の審議会、二十期では、東京都スポーツビジョンの実現に向けた今後の取り組みについて、これも提言を出しています。スポーツ振興に関して、この間どうだったのかということなんですが、スポーツビジョンでは、地域スポーツクラブの育成、これを強調しています。ことし一月十五日に、東京都スポーツ振興審議会が開かれて、その議事録を見せてもらったんですけれども、委員が、地域スポーツクラブをつくるにも、施設がないためにクラブをつくれない、こういう苦しい発言もありました。障害者スポーツの振興と書いてありますけれども、東京都には障害者が安心してスポーツするところ、障害者スポーツセンターが全都に一カ所あるのみだと、だれもが気軽にスポーツできる環境を積極的に進めてきたかというのはいいがたいといわざるを得ません。スポーツビジョンに基づく実施計画もつくらずに来たわけですけれども、先月の十月三十日に二十二期の東京都スポーツ振興審議会の第一回の会議が開かれて、新たなスポーツ振興基本計画を策定するためということで開かれたわけですけれども、現在のスポーツビジョンの計画期間は二〇〇二年度から二〇一三年度ですから、ちょうど中間の地点なんですね。普通、行政計画だったら中間でのローリングをするということになるんでしょうけれども、計画期間中で、その計画ではない新たなスポーツ振興基本計画をつくるということですから、よほどの必然性がなければならないと思うんですけれども、どのような必然性があったんでしょうか。 # 細井スポーツ振興部長 細井スポーツ振興部長国のスポーツ振興基本計画が昨年九月に改定されたことを受けまして、スポーツ振興の喫緊の課題に対応するとともに、オリンピック招致活動を契機としてスポーツムーブメントの創出を図り、「十年後の東京」に示された目標を実現するため東京スポーツビジョンを改定しまして、新たなスポーツ振興基本計画を策定することにしたところでございます。 # 大山委員 大山委員「十年後の東京」の計画というのは、二〇一六年のオリンピック招致に照準を合わせて、オリンピックのための計画ですよね。結局、オリンピックがあるからスポーツビジョンまでオリンピックに合わせようとしたことではないでしょうか。これは十月三十日の第一回審議会に出された資料ですけれども、新たなスポーツ振興基本計画(仮称)というものです。まさにこれ、真ん中にあるのは「十年後の東京」の実現に向けてということですけれども、この「十年後の東京」の八本の柱がそのまま柱になっているわけです。例えば、三環状道路をつくるとどうしてスポーツ振興なのかということですよね。都市の魅力や産業力で東京のプレゼンスを確立する、これがどうしてスポーツ振興になるのかと思うんですけれども、この審議会の資料の一番最後に、教育庁が行いました十九年一月、都民の体力及び地域でのスポーツ活動に関する意識調査のこの数字があります。都民のスポーツ要求がこの意識調査でよくあらわれているんですね。公共スポーツ施設に望むこと、この断然のトップは施設数の増加、これが四四・七%です。運動不足の感じ方、大いに感じるが二八・二%、ある程度感じるが四八・二%ですから、合わせて七六・四%の人が運動不足を感じているということなんですね。スポーツクラブ、同好会への加入のための条件を聞いた質問がありますけれども、時間的余裕があれば、これが四八%です。これは働き方を変えていくというのも重要ですけれども。会費が安くなれば、これ、二七・二%です。近くにスポーツクラブがあれば、二三%です。運動、スポーツを行った場所は、こういう質問に、道路や遊歩道、これが四五%なんですね。このアンケートの分析はまだこれからということなんですけれども、審議会に出されたものだけを見ても、運動不足は自覚しているけれども、時間がないしお金もかかる、だから、運動している人も道路や遊歩道で、結局ウオーキングかランニングをしているということなんですね。ウオーキング、ランニングは気軽にできるということで、もちろんすぐれていますし、健康にもいいです。それにしても、時間的な余裕があって、会費が安くて、近くにあればスポーツクラブや同好会に入りたいと、こう考えているわけですね。だから、公共施設数の増加ということになるわけです。つまり、身近なところにお金がかからずスポーツできるところが欲しいということではないんでしょうか。どうですか。 # 細井スポーツ振興部長 細井スポーツ振興部長先般の十月三十日の審議会で出された資料につきましては、本年一月に教育庁が行いました三千人に対するアンケートの結果でございまして、今回の審議会では、そのアンケートの結果も尊重しながら検討を進めていくということでございます。 # 大山委員 大山委員ここにあらわれただけでも、都民の皆さんの意識は、身近なところにお金がかからずスポーツできるところが欲しいというのが都民の意識なんじゃないんでしょうかという質問なんですけれども、どうですか。 # 細井スポーツ振興部長 細井スポーツ振興部長スポーツにつきましては、例えばウオーキングやジョギングなど、道路や歩道や公園で行うスポーツもございます。それから、広場や公園でできるスポーツもございまして、それから、屋内でやるスポーツもございまして、スポーツを行う場所はさまざまでありますので、都民のニーズとか施設の需要、それから既存施設のさらなる有効利用なども含めて、総合的に検討していきたいと思っております。必ずしも現状が不足しているということではなくて、都内のスポーツ施設というのは、全国的にも既にトップレベルの数にはあるわけでございます。 # 大山委員 大山委員きちんと、せっかく調査したわけですから、やはり素直に数字は見るべきだと思いますよ。そして、東京都の立場というのは、さっきいったとおり、いつでもどこでも、だから、都民のニーズに合わせて、スポーツしたいウオーキングしたい人もいるし、ランニングしたい人もいますよ。テニスしたい人もいるし、バスケットをやりたい人だっているわけですよね。ですから、そういう要求にきちんとこたえる、だから、公共施設に望むこと、それは施設数の増加なんですよね。で、お金は安くということなんですよ。そこには自治体の役割が大きいわけです。さっき足りているというようなことをいいましたけれども、後で聞きますけれども、公共施設をつくってほしいという要求が大きいわけですね。施設の問題というのは東京都みずからがつくることと区市町村が整備するものを支援すること、これは両面あります。東京のスポーツ施設の整備率は全国的に見ても多いんだと、こうおっしゃいましたけれども、数字は正直です。東京のスポーツ施設の整備率は全国的に最低水準です。人口百万人当たりの体育館数、十五・五施設で四十七位。四十七都道府県しかありませんから、最下位です。多目的運動広場、これは八・五施設で四十七位。水泳プール、これは十六・二施設で四十六位、一位上げました。東京のスポーツ施設整備率は全国的に見ても最低水準であるということは、客観的に明らかだと。この状況、どう認識しているんでしょうね。 # 細井スポーツ振興部長 細井スポーツ振興部長施設の整備率というのは単に人口当たりの施設数で評価するものではないと考えております。スポーツ施設は施設の規模、交通の利便性、人口や区域の面積など、さまざまな要素を総合的に勘案して評価するものと考えております。さらに、平成十七年度の文部科学省の調査報告書によりますと、都内の社会体育施設数は二千九十一カ所、民間体育施設数は八百五十、このほかにも国の施設がございます。いずれも全国のトップクラスの数になっておりまして、決して最低水準にあるとは、現状では認識しておりません。 # 大山委員 大山委員平均ぐらいのレベルでそういうんだったらいいですよ。四十六位、四十七位ですからね。人口当たりで割り返すというのは客観的な数字になるわけですね。例えば近県、交通の利便性とかとおっしゃいますから、近県は割と利便性が高いわけですが、近県で見ても、体育館、百万人当たり、東京、十五・五カ所ですけれども、埼玉は二十三・六カ所、千葉県は二十一・二カ所、神奈川県は二十五・六カ所です。全国平均が五十・二カ所ですから、近県でも成績悪いんですけれども、東京よりはあるわけですね。「十年後の東京」では、東京のこれまでの歩みと到達点で、東京にはスポーツ施設の集積があり今、ご答弁したとおりのことを書いてありますよ、各種スポーツ施設が高度に集積し、施設面で恵まれた環境にあるという認識です。この認識は改めるべきだと思いますけれども、どうですか。 # 細井スポーツ振興部長 細井スポーツ振興部長今、答弁しましたとおり、東京には都立スポーツ施設を初めとした国立、公立のスポーツ施設、また民間の施設も多数設置されております。決して少ない数だとは思っておりません。 # 大山委員 大山委員さっき答弁されたように、民間のフィットネスクラブなどのことを入れているわけですよ。それだけで恵まれているというのは、余りにも一面的な話なんです。都民がそれを使ってスポーツしているというんだったらいいですよ。民間のスポーツジムなどが幾らあっても、さっきの教育庁の調査からもわかるように、会費が安くなればスポーツクラブに入会できるという人は二七・二%、約三割いるんです。だから、道路や遊歩道などになるわけですね。スポーツ関係団体からは、場所が取れない、それから、費用が高い、こういう声がたくさん寄せられています。久しぶりに私、BumBに行ってみました。日曜日だったせいだと思いますけれども、利用者が多くて、体育館も弓道場もサブアリーナもフットサルもいっぱいでした。例えばフットサルは一時間で、土日祝日は一万二千六百円です。一時間あれば、二十分ハーフですか、だから一ゲームはできるわけですよ。一ゲームというのか、できるわけですね。一ゲームするために、十人で割ったとしても千円以上かかるということなんですね。利用料が高いというのは深刻なんです。例えば高校生たちがスケートボードしたい、でも、やるところがなくて、いろいろ探したんですけれども、やっとうちの区の体育館のローラースケート場を、小さい子がいないときはやっていいよ、こういうことになったんですけれども、だから、自分たちでこうやって斜面もつくって、板買ってつくったんですけれども、一回三百円が必要なんです。だから、自分たちのお小遣いではとても、一回三百円出して何回も行けないわけですよね。だから、結局使えなかったんです。お金がかからない、軽費でできる、これはだれもが気軽にスポーツができる重要な条件の一つなんです。都の施設での利用料の軽減に努力することを要望しておきます。だからこそ、施設面で恵まれたなどという認識は改めなければならないことだということを強く指摘しておきます。ですから、人口当たりの整備目標を持って施設整備計画をつくることが必要だと思いますけれども、どうでしょうか。 # 細井スポーツ振興部長 細井スポーツ振興部長スポーツ施設は施設規模、交通の利便性、人口や区域の面積などのさまざまな要素を総合的に勘案して評価するものと考えておりまして、施設整備に際しましては、そのさまざまな要素を総合的に判断して行う、このように考えているところでございます。 # 大山委員 大山委員今、いろいろと数字まで挙げてお示しして質疑しているわけですから、ちょっと検討するぐらいのことはしてもらいたいと思うわけですよ。もう一つ、全体の計画というのは、やっぱり東京都の計画を自分で立てるものと同時に、区市町村が促進できるような財政的な支援も必要ですけれども、これについてはどうですか。 # 細井スポーツ振興部長 細井スポーツ振興部長都は区市町村を超える全都的、広域的なスポーツ大会や交流の場としての機能を重視し、体育施設を設置すべきものであり、区市町村は地域のスポーツ活動の実践の場としての機能を持つスポーツ施設を設置すべきと考えております。このような役割分担を踏まえれば、区市町村が独自の判断と責任で施設を整備すべきでございまして、都としては、区市町村の施設整備への個別の支援は考えておりません。 # 大山委員 大山委員本当にスポーツ振興、いつでもどこでもだれでも、要求を満たす、権利としてのスポーツを保障する立場に立つのか、立っているのかということを疑わざるを得ませんけれども、例えば武蔵野の森スポーツ公園、これは今、味の素スタジアムのあるところですね。この計画というのは、スタジアムとメーンアリーナ、それからサブアリーナ、プール、アイスアリーナ、武道館、こういう五館をつくる構想でしたね。しかし、財政健全化計画の中で凍結されています。多摩の地域には、都立の体育館もプールも武道館もありません。先ほどご答弁したように、東京都の役割というのはスポーツ大会などができるところを整備する、それが役割なんだと自覚されているわけですね。スポーツ団体の人たちは、全都的な大会をやるとき、会場を確保するのに苦労しています。大会をもっと大きく実施しよう、こういう話になるけれども、結局、人数がふえると会場がないから、規模は今までどおりになってしまう、こういうわけですね。五館構想、この凍結は解除して、地元自治体と話し合いを始めるときじゃないんでしょうか。 # 細井スポーツ振興部長 細井スポーツ振興部長武蔵野の森総合スポーツ施設基本計画につきましては、都財政の状況が極めて厳しい中で、平成九年に計画自体が凍結されております。 # 大山委員 大山委員凍結されていますというと、本当に冷たいことをいっているわけですけれども、厳しい財政状況の中で凍結が決まって、今どうかといったら、税収は順調に順調にというか、非常に大きく伸びているわけですよね。だから、やはり凍結は解除して、地元の自治体と、どうしましょうか、こういうテーブルに着く、それが重要だと思っているんですよね。というのも、地元の各市の議会というのは、五館構想の特別委員会を皆、設置しています。現在、三市は、副知事、都の四者協をつくっていると聞いていますけれども、五館構想の西側都有地については、三市の合意のもとに四者協でやってもらわないとというふうになっているということなんですね。スポーツに力を入れるというんだったら、凍結解除して地元の自治体と協議するぐらいはやってしかるべきじゃないんでしょうか。多くの局が関係しているというんだったら、スポーツを所管している、都民のスポーツ要求をかなえる責任がある生活文化スポーツ局が中心になって動かしていく、これが求められているんじゃないんでしょうか。もう一つ、駒沢オリンピック公園にある体育施設ですけれども、資料で出していただいたように、例えば屋内球技場、昭和三十九年十月につくって改修改築はなしと、軟式野球場も水泳場も、それから弓道場もテニスコートも、特に改修も改築も増築もしていません。それで、この駒沢オリンピック公園にある体育施設というのは、数少ない都立の体育施設であります。ようやく野球場と、雨が降るとすぐに水たまりができちゃって、次の日はもう使えない、それから、観覧席も大変な、取れちゃったり何かしていたところは直す、改修を始めている、それから、陸上競技場も改修をしているわけですけれども、ほかのところもきちんとメンテナンスを行って、気持ちよく使える施設を維持することが重要だと思います。改修だとか改築などを計画的に行うことが求められていますけれども、どうですか。 # 細井スポーツ振興部長 細井スポーツ振興部長駒沢オリンピック公園総合運動場では、平成十八年度から陸上競技場の大規模改修及び硬式野球場の管理棟の改築工事を実施しております。今後も、利用者がさらに安全かつ快適に利用できる施設とするため、その整備に努めてまいります。 # 大山委員 大山委員ぜひ整備に努めてください。例えばテニスコートなども、ずっと改修していないものですから、雨が降ると次の日使えないとか、球が伸びると後ろに下がり切れないでフェンスにぶつかっちゃうとか、そういうことは前からいわれていることですね。利用者の皆さんの意見だとか要望を聞いて、安全で快適に利用できるように、ぜひとも進めていってほしいという要望を述べて、終わりにします。 # 古館委員長 古館委員長この際、議事の都合によりまして、おおむね十分間休憩したいと思います。午後二時五十分休憩午後三時一分再開 # 古館委員長 古館委員長休憩前に引き続きまして委員会を開きます。質疑を続行いたします。ご発言を願います。 # 吉原委員 吉原委員それでは、さきの都議会第三回定例会におきまして、割賦販売法の改正に関する意見書を取りまとめて国へ提出をいたしました。私たちがそこで問題とした個品割賦購入あっせんは、手持ちの現金がなくても高額な商品の購入も可能になるという、本来ならだれもが安心して利用できる便利な取引手段のはずでありました。しかしながら、この仕組みを悪用して高齢者の老後の資金まで根こそぎ吸い上げてしまうような悪質事業者が後を絶たないために、まじめな事業者の営業活動までも国民の信頼を得られなくなるおそれが出てきています。これはゆゆしき問題でありまして、もはや見逃すことができない事態でありますから、都議会の意見書の内容を十分踏まえた中で、国は早急に法改正をされるよう強く望むものであります。さて、福田総理大臣は、十月一日に行った所信表明演説の中で、悪徳商法の根絶に向けた制度の整備など消費者保護のための行政機能の強化に取り組む、こういう発言をされました。国はここに来てようやく消費者の視点に立った発想に転換して、特定商取引法や割賦販売法などの法改正に向けた具体的な中身の検討に入っているとお聞きしているところであります。東京都としても、我が党が申し上げてまいりました、現実に起きている消費者被害の拡大防止は待ったなしであるから条例改正を急ぐべきだと主張してまいりました。そうした主張に対して全面的に東京都も受け入れていただき、法の網をすり抜けるような悪質事業者に対する規制強化を盛り込んだ条例改正を既に昨年の末に行ったわけであります。都道府県レベルの消費生活条例に全国で初めて禁止命令、そして罰則を設けるなど、高齢者などの消費者被害の拡大防止と予防に積極的に取り組んできた姿勢は、高く評価されているとお聞きしているわけであります。そこで、まず伺いますけれども、昨年末の条例改正からもう既に一年近くになろうとしている今であります。改正の効果があらわれてきているのではないかと思われますけれども、所見を伺いたいと思います。 # 宮川消費生活部長 宮川消費生活部長悪質事業者を取り締まる根拠法であります特定商取引法は、突然の訪問のような不意打ち性の高い取引によるトラブルから消費者を守ることを目的としているために、消費者側から依頼をしたり消費者みずからが出向いた場合には、たとえ事業者が悪質でありましても、この法律では規制が厳しくなります。この東京都の改正条例の重要な柱の一つでございますけれども、このような法律の抜け穴を悪用して消費者に大きな被害を与えている、トイレや洗面所など衛生設備機器の修繕、これは水漏れというような緊急事態を逆手に取って、高額な、しかも無用な工事をしてしまうというような業者がおります。それから、不用品などの回収、これは回収車に積み込んだ後で、法外な値段で料金を請求する、こういうような事業者がおります。それから、タレント、モデルを養成する講座の提供、オーディションに誘いまして、簡単に合格させて、その後に非常に高額な養成講座というものを用意して押しつける、こういうような三種類の取引と、それから、法律が初めから規制の対象から外しております取引がございまして、原野商法二次被害のような深刻な問題が起きております訪問販売や電話勧誘販売による土地の広告、そして、高齢者に被害が急増しております、みそなどの調味料の訪問販売、この二種類の取引と合わせました五種類の取引に対しまして、都が独自に禁止命令を出すことができるようにしたことでございますが、ただ、条例の施行が本年の七月ということもございまして、この改正条例に基づいて禁止命令を発したという事例は、まだございません。しかしながら、法律の規制対象にならないことを盾に、都の相談員からの問い合わせにも、改正前には全く無視をしていたのが、改正後は事業者の方から話し合いに応じるようになったり、問題のある販売方針をみずから見直したりする事業者がふえております。また、悪質事業者の中には、事務所の閉鎖を行うようなものも出てきておりまして、悪質商法に対する抑止効果が確実にあらわれているというふうに見ております。 # 吉原委員 吉原委員今、ご答弁いただきましたけれども、改正されました条例によって、悪質な商法に対して実際に大きな効果が発揮されている、そういうことでありますから、都民にとりましても安心度というのがさらに向上したように思うわけでありまして、大変よかったなというふうに思います。そうした中にあって、国は、東京都のこの条例改正を実際どんなふうに受けとめられて、また評価をされているのか、お伺いをいたします。 # 宮川消費生活部長 宮川消費生活部長法のすき間をかいくぐる悪質事業者を排除する都の消費生活条例については、国も高く評価をしております。例えば、昨年末の条例改正に当たりましては、事務方によるまだ作業段階から、国は非常に高い関心を示しまして、担当者が都庁舎に足を運び、積極的に情報交換や勉強を行っております。また、国の要請を受けまして、条例改正後の本年二月から、特定商取引法の改正について検討、審議をいたします国の産業構造審議会や消費経済審議会の部会審議に都も参画をいたしまして、意見を述べ、提案を行っているところでございます。さらに、国は、これまで大臣にしか認めていなかった電話勧誘販売と通信販売に関する処分権限につきまして、知事への移譲を求める都の提案要求に応じて、本年七月の都条例の改正施行に合わせて政令改正を行っております。こうした国の対応は、都条例を高く評価していることのあらわれと受けとめております。 # 吉原委員 吉原委員国の方もしっかりと、東京都が条例改正したことを理解いただいて、また、そのことによって国民生活が向上するような形をとってきていただいた、このことは大変すばらしいわけでありますし、まして東京都としても、全国で初めてこういう形でつくってきたわけでありますから、その効果たるものは、東京都民にとっても大変すばらしいことであろうなというふうな思いをしているところでもございます。そこで、もう少しお伺いをしたいわけでありますけれども、今、お話もございましたが、条例が法のすき間を埋めることの意味や価値について、具体的な説明があれば、もう少し細かなことを教えていただければありがたいと思います。そのことが都民にとっても、また一層実感できるものであるんだろうなというふうに思うわけであります。例えば、国の消費者生活に何か直接の影響を与えたことがあったとか、あるいは変化があったというようなことでもあればお伺いをしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。 # 宮川消費生活部長 宮川消費生活部長先ほどもご答弁申し上げました、都が条例改正によって独自に禁止命令を出すことができるようにいたしました五種類の取引のうち、高齢者をねらった被害が急増している、みそなどの調味料の訪問販売につきましては、国はこの七月に、急ぎ特定商取引法の規制対象に加えるための政令改正を行っております。また、現在、訪問販売などの特定の販売方法について、扱う商品とサービスを限定して規制をしている現在の法の仕組みを抜本的に見直す方向で法改正の検討が進められておりまして、これは、要は原則としてそういった規制をしないというような方向になるわけでございますが、このことも都の条例改正が国の消費者政策に少なからず影響を与えたものというふうに自負をしております。 # 吉原委員 吉原委員そこで、条例をせっかく改正して規制を強化しても、その執行がしっかりと担保されなければならないわけでありまして、そういうふうにならないためにも、人数も当然のことながら限度があるわけでございますから、有効に活用していかなければならないというふうに思います。悪質業者を効果的に取り締まることが、そのためにも当然のことながら必要だと思うわけであります。そこで伺いますけれども、取り締まりの体制をいかに整備して、現場における迅速かつ的確な対応を確保するためにどのような取り組みを行っているのか、そしてまた、ちょっと重なる部分もあるかもしれませんけれども、広域的な連携をどのように進めてきているのか、そして、これから進めていくのか、そして最後に、実際の取り締まりの実績が上がっているのかどうなのか、その三点についてお尋ねをいたします。 # 宮川消費生活部長 宮川消費生活部長まず、取り締まりの体制についてでございますが、現職の警察官であります警視庁の併任職員一名のほかに、本年四月から、経験豊かな警視庁警察官OB三名を非常勤職員として配置したところでございます。また、立入調査を円滑に実施し、証拠資料等を的確に捕捉できるよう、今年度は現場の張り込みや資料運搬等に用いる車両を調達する経費を予算措置し、有効に活用をいたしております。次に、広域連携についてでございますが、埼玉、千葉、神奈川に静岡を加えた一都四県で体制を確立して、既に実績を上げております。昨年の十一月でございますが、広範囲におとり広告を使って高額なミシンの購入を契約させる悪質な販売事業者に対し、五都県同時に行政処分を実施いたしております。今年度も、広域的に悪質行為を行う事業者に対しまして、都の保有するノウハウを他県の職員とも共有しながら、共同して調査を進めております。なお、取り締まりの実績についてでございますが、これを処分等で見てみますと、平成十七年度が十一件、平成十八年度が二十一件、平成十九年度、今年度は、この十月末現在で既に二十七件となっておりまして、国の実施した今年度の実績十九件を大きく上回っている状況でございます。 # 吉原委員 吉原委員今のお話の中では、いろいろ努力をされてきたんだろうなというふうに思いますし、評価をしているところでもございます。しかしながら、今後も市場の公正さというものをしっかりと維持していかなければなりませんので、悪質事業者の取り締まりをこれからもやっていただきたいというふうに思います。何といっても私たちのこの東京にとっては、大変多くの皆さんが生活をしておりますし、そういったすき間というものをそれぞれの皆さんの中では、悪質業者から見たときには、仕事をしやすい環境というのも東京にはあるわけでございまして、その辺のところも考慮をいただきながら、これからもご努力をいただきますようにお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。 # 伊藤(ゆ)委員 伊藤(ゆ)委員それでは、私から、都内に住みます外国人に対する相談についてお伺いをしていきたいというふうに思います。二十一世紀に入ってますますグローバル化が進む中で、都内に住む外国人の方々の数も増加の一途をたどっているように思います。総数でも、都内では三十七万人の外国人の登録者数が既に報告をされておりますし、区部でも外国人人口比率が三・六%、また、多いところでは、港区や新宿区では十人に一人が外国人であるという統計もあります。外国人の定住化が進む中で、法律関係や各種手続などの手助けが必要な在住外国人が多いと聞いております。在住外国人のこうした問題については、東京都における地域の国際化を推進する役割を担っている東京都国際交流委員会がかかわる民間団体が相談事業を行っていると聞いておりますけれども、専門家による相談事業の実施状況について、まずお伺いしたいと思います。 # 小笠原都民生活部長 小笠原都民生活部長在住外国人に対します専門的な相談事業につきましては、お話しの東京都国際交流委員会の協力のもと、区市の国際交流協会や民間の外国人支援団体が連携いたしまして多言語による専門家相談会を実施しており、平成十八年度は十区七市におきまして十七回開催されたと聞いております。 # 伊藤(ゆ)委員 伊藤(ゆ)委員都内各地で在住外国人に対する専門家の相談会が開催されているということは、困っている外国人にとっては大変心強いものだというふうに思います。しかし、今後は、さらに手続の煩雑化など相談内容も多様になってくるというふうに想像できます。そこで、専門家相談会では、行政手続に明るい行政書士が専門家として入っているのか、また、入っているのであれば、今後さらなる活動の機会拡充についてどのように考えているか、お伺いしたいと思います。 # 小笠原都民生活部長 小笠原都民生活部長専門家相談会におきましては、弁護士、行政書士、社会保険労務士などさまざまな専門家が加わりまして、在住外国人に関する相談に対応しております。今後も、在住外国人に対して各国際交流団体等が行う相談事業につきまして、専門家の協力を得ながら実施されることが必要と考えてございます。 # 伊藤(ゆ)委員 伊藤(ゆ)委員外国人の人口が増加をする中で、その相談内容、あるいは困っていることというのも本当に多種多様になってきているというふうに思います。昔は、国内における在留資格をどうやって取っていくかとか、あるいは離婚、結婚ということの手続などについてもご相談があったようですけれども、今ではさらにいろいろな相談がふえてきていて、例えば国内における教育をどうやって受けていくかとか、就労あるいは労働環境の相談ということも現実に出てきているようであります。私が聞いた話では、ある区のある学校では外国人のお子さんが非常に多くなってきていて、クラスの三分の一ぐらいが外国人のお子さんであるというクラスも中にはあるというふうに伺っていますので、恐らく学校現場における言葉の不自由さゆえのご苦労や、あるいは教育にかかわる費用の捻出など、それぞれに抱えられているテーマと問題というのも多種多様になってきているというふうに思います。そこで、行政書士というのは、平成元年以降、外国人が在留資格の変更や、あるいは在留期間の更新などの各種申請を行うときの申請取り次ぎを代行として行ってきておりまして、こうした外国人に対する見識というのも深く持っている、知識もあるというふうに思います。こうした知識や、あるいはそういう方々とのパイプや関係を持っている専門家の方々の活用を、ぜひ今後ともご検討いただくことをお願い申し上げまして、私からの質疑にさせていただきたいと思います。ありがとうございました。 # 中山委員 中山委員私からは消費行政と私学振興について質問をさせていただきます。初めに、消費行政について質問させていただきます。都では現在、先進的環境都市を実現するため、全庁横断的な戦略組織として環境都市づくり戦略合同会議を設置しております。そこでは、副知事をトップに関係局が一体となって、二酸化炭素の削減を目指すカーボンマイナス都市づくりや、東京の緑を再生し、安らぎと潤いのある都市を目指す緑の都市づくりなどに取り組んでいます。都は既にディーゼル車規制などですばらしい成果を上げ、なおかつ今後は緑化の推進などで環境先進都市の模範の姿を示そうとしております。現時点で世界でも有数の環境先進都市である東京が、それでもなお相当の本腰を入れて取り組んでいかなければならない課題が、二〇二五年までに二〇〇〇年比で二五%のCO2削減という大目標であります。バイオエネルギーなどの活用もその一つの手段でありますが、穀類の高騰を呼ぶなどの課題も多く、グリーン電力の導入も大事な課題なんですけれども、短期間に大きな決め手となるような成長を遂げるには、まだ目安が立っていないという現状だと思います。そこで、私は、改めて見直すべきは都民一人一人、そして各家庭で取り組むことのできる省エネ活動の徹底した推進ではないかと思います。ある試算では、都内の全家庭に白熱球が一個ずつあると仮定しての話ですが、それを省エネ型の蛍光灯などに取りかえるだけで年間二十万トン、〇・三%のCO2の削減が実現できるといわれております。〇・三%といいますけれども、こうした取り組みが仮に十種類あるとしたら、それだけで三%が削減できるということになります。こうした取り組みを着実に推進するためには、都民一人一人が身近なところから環境への負荷を低減するための行動を起こしていく必要があります。そのため重要なのが消費生活にまつわる都民的なムーブメントという視点であります。このような観点から、二、三お尋ねしたいと思います。消費生活部では平成十七年度まで、環境に配慮した消費生活の普及推進という事業に取り組んでいたと聞いておりますが、この事業の内容について、まず、お伺いいたします。 # 宮川消費生活部長 宮川消費生活部長お尋ねの環境に配慮した消費生活の普及推進事業でございますが、これは、消費者や事業者などと連携をいたしまして、環境に配慮した消費生活の普及によって消費者のライフスタイルの転換を図り、環境負荷を軽減させることを目指して、これまで実施をしてまいりました。具体的には、環境に優しい買い物キャンペーンを展開いたしまして、自治体や商店街、市民グループなどの参加を得て、環境に配慮した商品等の積極的な選択やマイバッグの持参を都民に呼びかけてきております。また、NPO法人と共催して環境に配慮した商品、サービスの普及に関する各種提案や先駆的、模範的な取り組みに対しまして、東京都グリーンコンシューマー奨励賞を贈呈するなどの事業を行ってきております。 # 中山委員 中山委員マイバッグの持参を都民に呼びかけレジ袋の削減を目指すなど、環境への負荷の少ないライフスタイルの転換を進め、消費者の視点から環境問題に取り組んできたことは、大変意義のあるものであったと思います。しかし、このような事業が十七年度に終了してしまったということでございますけれども、現状は一体どうなっているのか、お伺いいたします。 # 宮川消費生活部長 宮川消費生活部長東京都がこれまで区市町村や商店街、NPO法人などさまざまな団体と共同して行ってきましたこうした先駆的な取り組みは、現在、それぞれの団体に引き継がれまして、さらに大きな運動として広がってきております。例えば東京から始まりました環境に優しい買い物キャンペーンは、国を動かし、すべての都道府県の共同キャンペーンとして実施されるまでに成長しております。また、地球環境のためによい商品やそれを取り扱う販売店などを意識的に選ぶ、いわゆるグリーンコンシューマーの取り組みも、NPO法人などを中心に多彩な活動が行われております。 # 中山委員 中山委員ただいま答弁ございましたように、東京から始まった運動が今や全国的な規模の運動にまで成長しているというお話ですが、これはこれとして大変喜ばしいことであると評価いたします。このように区市町村や商店街などの地域に根差した取り組みや、NPO法人などさまざまな団体が創意工夫を凝らして運動するということは、たとえ地道な取り組みであっても、一人一人の消費者の力が大きな力となって、深刻化する環境問題の改善につながっていくことになると思います。そこで、都としても、消費者がみずから環境問題に取り組む機運をさらに盛り上げていくために、環境に配慮した消費生活の普及事業は十七年度で終了しましたけれども、今後は改めてこうした活動を積極的に支援していくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。 # 宮川消費生活部長 宮川消費生活部長当初、行政が牽引してきた取り組みも、今やさまざまな団体によって広がりのある活動となって展開されているわけですが、これからは、こうした機運をさらに盛り上げる方向で、ただいまのご指摘のように行政も協力していくことが重要と考えております。そこで、都は現在、都内の消費者団体と共同して実施しております消費者月間事業を中心に、環境問題に取り組む機運の醸成に努めております。今年度は、再生するのリサイクル、再使用するのリユース、減らすのリデュース、この言葉の頭文字を取りまして、いわゆる3Rやレジ袋の削減など、環境に配慮した生活提案に取り組む消費者団体や事業者の活動を取り上げたところでございます。今後も、消費者がみずから環境問題に取り組む機運をより一層高めるために、さらなる工夫に努めていく考えでございます。 # 中山委員 中山委員知事は、第一回の環境都市づくり戦略合同会議の席上、緑の都市づくりも地球温暖化対策も、広く民間企業や都民、NPOなどの力を集めて進めることが必要であると発言されています。ただいまの私の質問に対するご答弁からは、生活文化スポーツ局としても環境問題に取り組む都民やさまざまな団体の活動に対して、今後も積極的にかかわっていくという姿勢を強く感じることができました。今後は、こうした姿勢を堅持しつつ、これは要望になりますが、例えば毎年の消費生活月間などにおいて、環境負荷を軽減する消費生活運動の取り組みの成果を、二〇二五年までの間、共通のテーマに掲げて月間として取り組むなど、より積極的に事業を展開することが重要ではないでしょうか。生活文化スポーツ局がことし三月に公表した環境に対する世論調査の結果でも、例えばレジ袋の利用頻度の調査を見ますと、意識の低さは多摩地域よりも区部、女性よりも男性、主婦よりも勤労者、老年者よりも若年者が低いという状況になっております。地球環境問題に関する意識の厚薄がそのまま、レジ袋をどの程度使わないようにしていくかという行動につきましても結びついていることが、はっきりと読み取れます。その面でも、消費者の意識の高揚や方向づけに大きな役割を果たす生活文化スポーツ局の役割は重要であります。しかし、心配なのは、先ほどの環境に対する世論調査の結果の一〇二ページにも明らかですけれども、環境対策全般について、今後都に力を入れていただきたいと都民が望む選択肢の中で、都民、団体などの連携、協働、活動支援を選択した人の率が、複数選択であるであるにもかかわらず二・八%と低いという現状にあります。まだまだ都民全体が、都民一人一人の小さな環境貢献の積み重ねがどれほど大きな効果をもたらすものかということについて十分に認識できていないという現状があるかと思います。この点に関する生活文化スポーツ局の大いなる力を発揮していただいて、環境問題につきましても流れを大きく変えていただくことを期待して、この項に関する質問を終わります。続きまして、私学振興について質問させていただきます。経済協力開発機構がことしの九月に、加盟各国の教育への取り組みを二〇〇四年現在で調査した結果を公表しましたが、国内総生産、GDP比で見た場合、数値が比較できる二十六カ国中、日本の公的支出は三・五%で、下から二番目ということでありました。各国の教育費は一九九五年からの十年間で平均四二%ふえているのに対し、日本は一一%程度の伸びで、数年後には最下位になってしまうという見方もあります。他国が金額的に見ても教育に力を入れる傾向が高まる中、日本の教育費の伸びは心もとないものに映ります。このままでは日本の教育は世界におくれをとってしまう、日本でも教育に関する公費負担をもっと充実させる必要があると考えております。東京都の状況を見ると、高校で約五割、中学でも約二割が私立学校であります。東京の教育を考える際には、公立学校の充実もさることながら、私立学校の充実も不可欠であります。慶應義塾大学経済学部教授の文献によりますと、教育先進国といわれているオランダでは、ほとんどの私立学校に公立学校同様の補助金を支出しており、補助を受けた学校は、学費の払えない生徒の入学を拒否することはできないこととなっております。スウェーデンでは、公立学校の八五%以上の補助金を私立学校へ支払うこととなっており、一九九七年以降は、私立も学費は無料となっております。もっとも、この公立と私立の費用の差を公的補助金でなくすということにつきましては、私立側からとってみると、生徒選択の自由が奪われるとか、あるいは学費の使途の制限が加わるとか、ある面で自由を奪われるという代償も伴うものでございますけれども、大事な課題の一つではないかと思います。東京都におきましても、現在、私立学校に対する公費負担として経常費補助を実施し、私立学校の教育環境の整備に努めているようでありますが、これらの国の制度と比較しますと、まだまだ改善の余地があるのではないかという気がいたします。特に、親の経済状況により受けられる教育の幅が狭められることがないように、私立学校に対する公費負担について、さらなる検討が求められると考えております。こうした前提に立って、具体的に質問させていただきます。先日、私立中学校に子を通わす保護者の集まりで、保護者の倒産やリストラなどの家計急変などの場合、学費の負担が非常に重く、私立学校をやめざるを得ないと、窮状を訴えられました。このような私立中学生に対する対策はどうなっているのか、お伺いいたします。 # 小濱私学部長 小濱私学部長東京都は、私立学校がその学校に通う生徒の家計の状況もしくは家計状況の急変、所得が大幅に減少した場合ですが、こうした理由によりまして生徒の授業料を減免した場合に、減免額の三分の二を学校に対して補助する授業料減免制度を設けまして、保護者の経済的負担の軽減を図っているところでございます。 # 中山委員 中山委員それでは、都内の私立中学校では、何校が授業料減免制度を持っているのか、お伺いいたします。 # 小濱私学部長 小濱私学部長この補助制度は、私立学校における前年度の減免実績に対しまして補助するものでございますので、直近の実績は平成十七年度の実績となります。都内私立中学校百七十八校のうち八十九校が制度を有しております。 # 中山委員 中山委員都内の私立中学校に通っている生徒は何名で、そのうち何名が授業料減免を受けているのか、お伺いいたします。 # 小濱私学部長 小濱私学部長平成十七年度に都内の私立中学校に通っている生徒は七万五千九百三十四人でございます。そのうち百八十人が授業料減免を受けております。 # 中山委員 中山委員それでは、授業料の減免額の総額はどのくらいなのか、一人当たりの平均額はどのくらいなのか、お伺いいたします。 # 小濱私学部長 小濱私学部長都内私立中学校における平成十七年度の授業料減免額の総額は、約四千五百万円となっております。また、生徒一人当たりの平均減免額は約二十五万円となっております。 # 中山委員 中山委員今、ご答弁いただきましたように、制度を導入している私立中学校は約五割にとどまっております。今後はより多くの中学校がこの制度を活用していくことが望ましいと考えておりますけれども、いかがでございましょうか。 # 小濱私学部長 小濱私学部長先生おっしゃるように、この制度を導入してくれる学校がふえることが非常に好ましいと考えております。なお、そのために、毎年度開催しております経常費補助説明会などで、この制度についての周知を図ってきたところでございますけれども、今後とも、各学校においてこの補助制度が積極的に活用されるよう、都としてもさらに強く働きかけてまいります。 # 中山委員 中山委員私立中学校に入学後、親の経済的な事情で地元の公立中学校に転入していくということは、そのお子さん自身にとっては大変な苦痛となります。授業料減免もその有力な手段の一つでございますが、私立学校側が自分の学校としても三分の一の負担を負うことを覚悟して実施する必要がありまして、学校経営側の判断として実施できないと結論されてしまいますと、それは強制の手段はありません。その場合、かわいそうなのは、やはりそのお子さんたちであり、子どもに罪のない、親の都合で子どもに学校をあきらめさせなければならない親の心情かと思います。したがって、今後も授業料減免の制度の私立中学校への普及、理解の促進を進めていただくことは大変重要なことでございますが、さらなる負担軽減の策が私立中学校に対しても必要だと私は考えます。そこで、一つ参考にしたいのが、私立高校生に対する奨学金の制度であります。この制度には、経済的理由により就学困難な生徒に対して、給付制度として特別奨学金事業があり、また、無利子の貸付制度として育英資金事業がございます。その実績はどのようになっているのか、お伺いいたします。 # 小濱私学部長 小濱私学部長平成十八年度の都内の私立高校生の数は約十七万五千人となっております。このうち平成十八年度の特別奨学金の利用者数は、都外にある高校に通う生徒も合わせて、二万六千五十三人でございます。また、育英資金の貸付人員総数は千五百二人となっております。 # 中山委員 中山委員今、ご答弁ありましたように、特別奨学金に比較して育英資金の利用者数が大幅に少ないように思いますが、その理由はどのように認識されていらっしゃるか、お伺いいたします。 # 小濱私学部長 小濱私学部長特別奨学金は返還不要の現金給付でございますので、支給要件に該当する生徒にとっては、比較的抵抗なく申請が可能でございます。これに対しまして、育英資金は返還義務を伴うため、利用に慎重になることが考えられます。 # 中山委員 中山委員それでは、特別奨学金は年度途中の家計急変にも対応できるのか、お伺いいたします。 # 小濱私学部長 小濱私学部長特別奨学金は、先ほど申し上げましたように現金給付事業でございますので、支給要件に該当するかを慎重に審査しております。前年の所得の証明を求めたりしております。そのため、当該年度途中の家計急変の場合については、即時に対応することは困難でございます。 # 中山委員 中山委員無利子貸与の制度は将来的に返還を要する制度であり、高校進学後も貸与を受け続けるなど、貸与年数がかさむことを考えますと、将来の返還負担が重くなるというデメリットがございます。また、給付制度については、今、ご答弁がありましたように、前年収入に基づく生活保護と同程度との認定が必要でありまして、家計急変には即応できないデメリットがあります。どちらにしても何らかのデメリットを伴う制度ではありますけれども、先ほどの授業料の減免が学校側の実施決断に左右される制度であることを考え合わせますと、この奨学金制度を何らかの形で、家計が急変して私立学校への通学が困難になった場合に適用できるようにするべきと考えます。可能であれば、私立高校同様に全面的に私立中学校にも適用していただきたいところではありますが、いろいろ難しい面があるのであれば、家計急変による中途適用に限ってもよいのではないかと思います。具体的には、急変に対応するため、取り急ぎは無利子貸与で対応する、この場合は保証人が必要なんですよね。この保証人につきましても、できれば学校側に代替してもらうような形がとれないのかどうか、そういったことも含めた、就学困難な家計状況の継続のぐあいを見て、無利子貸与制度から給付制度に切りかえる措置でよいのではないかと思います。こうしたことの検討を強く要望させていただきまして、私の質問を終わります。 # 斉藤委員 斉藤委員それでは、最後でございます。事業概要から五事業に関して順番に質問したいと思います。こちらの事業概要の五二ページにあります個人情報保護制度について、まず伺います。個人情報の保護法が施行されて、大変耳なれた名前になってから久しいわけですけれども、こちらの生活文化スポーツ局の方では、東京都の保有する個人情報の管理をするとともに、一般からの個人情報保護に関する相談事業も行っております。そこで伺いますが、個人情報保護に係る相談事業について、現状どのような相談が傾向として多いのでしょうか、教えてください。 # 萩原参事 萩原参事個人情報保護にかかわる相談の傾向でございますが、平成十八年度の相談件数は千五百十二件となっており、都民等からの相談の傾向は、対象事業分野別に見ますと、不動産業分野、情報通信分野、金融信用分野が上位となっております。相談内容につきましては、最も多かったのが個人情報の漏えい、紛失に関するもの、次いで個人情報の同意のない第三者提供に関するもの、個人情報の不適正な取得に関するものとなっております。具体的に不動産業分野の相談内容を一つご紹介申し上げますと、不動産販売業者から勧誘電話が頻繁にかかってくるが、自分の個人情報が不正に取得されているのではないかというような内容のものでございます。 # 斉藤委員 斉藤委員個人情報を使われたというようなことで、被害的な意味でご相談が多いということですね。そして、その一方で、先日、たまたま新聞を見ていましたら、個人情報保護法のために、子どもの同級生の家に電話もかけられない、学校付き合いも疎遠になっているような気がするというような、一般的に個人情報の保護をどういうふうに管理をしていくかという、当事者的な角度からの記事が載っておりました。私の方も、個人的な話でありますが、たまたま子どもがちょうどことし小学校へ入って、たまたま下の子も幼稚園へ入って、見ていると、学校や幼稚園それぞれで、個人情報をどう扱っていくか、保護者の同意をどういうふうにスムーズに得ていくかというところでは、随分やり方もさまざまですし、悩んでいるような雰囲気がいたします。実際に、こういった新聞記事に載るような個人情報保護のために必要な情報がないというようなことに関してどのような相談回答を行っているのか、伺います。 # 萩原参事 萩原参事個人情報保護法は連絡網や名簿の作成を禁止するものではございませんが、法律の全面施行から二年半が経過し、当初の混乱は解消したものの、いまだ一部には、法の誤解に起因して名簿等の作成が中止されるなど、いわゆる過剰反応という問題が生じております。このような相談に当たりましては、個人情報保護法は保護と利用のバランスを図るものであるという法の趣旨について説明を行った上で、本人からの同意の取得方法、利用目的の限定など、名簿作成のポイントを具体的に回答しているところでございます。例えば学校の連絡網につきましては、入学式等で連絡網の必要性や取り扱い方法を十分にご説明し、事前に保護者から同意を得るようにアドバイスをいたしております。 # 斉藤委員 斉藤委員ありがとうございます。なかなか名簿の必要性みたいなものの説明が、昔は少し神経質になっていて、余りなされなかったような印象を受けます。逆に、今、バランスとして、名簿があったらあったでこういうふうに必要なんだよと、リスクとしてはこういうふうな場合があるけれども、対処するセーフティーネットとしてこういうふうなことを考えているんだよということが、両方がバランスよく提示されるということが、以前と少し違うところなのかなと思います。このような誤解は、確かに法律の施行のところからいわれておりますが、そしてまた、そういったものがある程度浸透してしまったような感じも受けます。このような課題に対して、国は現在どのような見解を示しているのか、また、東京都はどのような取り組みをしているのか、伺います。 # 萩原参事 萩原参事個人情報保護法を所管する内閣府におきましても、都と同様に、いわゆる過剰反応により名簿等の作成ができない事態が生じているという認識であり、これを解消するために、個人情報保護法の正しい理解を得るための普及啓発活動を行っているところでございます。都においては、個人情報保護と地域社会に焦点を当てたパンフレットを作成、配布いたしましたほか、内閣府と共同いたしまして、名簿作成に関心が高い町会、PTA等を対象とした説明会を開催したところでございます。今後とも、個人情報保護についての普及啓発を適切に実施いたしてまいります。 # 斉藤委員 斉藤委員個人情報保護についてはわかりました。それでは、続きまして、同じく概要の六三ページにあります公益法人の関係について伺います。平成二十年の十二月に、公益法人制度改革による新制度が施行されます。新たな公益法人制度では、法人格の取得と公益性の判断が分離されまして、非営利活動を行う団体は一般社団法人、そして一般財団法人として、登記により簡便に法人を設立することができます。しかしながら、公益法人となるためには、さらに公益認定というものを申請しなくてはなりません。これまで法人格を持たずに活動してきた団体が公益法人を希望する場合に、こういった申請の準備を進めなければなりませんが、大変、内容的にも、今まで余り経験がないところから見れば、複雑な事務という印象を受けます。人口規模が大きい東京都でありますから、公益認定を申請する団体もその分多いと考えますが、どのような団体からの申請を現在想定しているんでしょうか、伺います。 # 小笠原都民生活部長 小笠原都民生活部長現行制度におきまして都が所管しております公益法人の数、すなわち社団法人、財団法人の数は八百四十五ございまして、これらの法人は、法施行後の五年間の移行期間内に公益社団・財団法人または一般社団・財団法人のいずれかへの移行手続を行うことになりますが、本年十月のアンケート調査によりますと、約八割の法人が公益社団・財団法人への移行を考えているとの結果でございました。このほかに、新規に法人格を取得して公益認定を申請する団体や、既に中間法人やNPO法人として活動している団体の中で公益活動を拡充する計画を持っているものからの申請が想定されるところでございます。 # 斉藤委員 斉藤委員伺えば、十一月上旬の方で、東京都の方も、今現在、国の方で制度そのものの細かい部分を検討している最中でありますが、早い段階で予定されるような法人に対して説明をしようということで、パンフレットもある程度わかっている範囲でつくって、説明会を開いたというふうに聞いております。まだ本当に、これからもう少し詳しくなると、もうちょっと問い合わせそのものも多種多様な細かいものになってくると思うんですが、新制度での公益法人を目指して検討を行っている団体が私の周辺にもあるんですけれども、やはりそういった団体から話を伺うと、公益性の認定を受けるためには結構煩雑な手続、事務作業が多いというような感じを受けていて、なかなか法人申請には緊張を伴うというふうな印象を受けました。このように申請に向けて検討に入っている団体は、まだいずれにせよ顕在化していないと思いますが、都内に相当数あると思います。どのようにして、この相当数、かなりの数の団体に対して、この制度や、そしてまた煩雑な事務手続を広報していって、移行に関しての知識、認識を浸透させようと考えているのか、伺います。 # 小笠原都民生活部長 小笠原都民生活部長今回の制度改革はこれまでの制度を抜本的に見直すものでございまして、公益認定を目指す場合、各団体は法律の公益認定の要件に適合させるための準備が必要となります。現在、国の委員会におきまして具体的な公益認定の指針について検討中でございますが、都においても、国の検討状況を参考にしながら、今後、運用指針をまとめる予定でございます。したがいまして、新たな公益法人制度についての時期をとらえた情報提供が非常に重要であると考えておりまして、都は本年十月三日、都所管の社団法人、財団法人を対象に、制度改革の最新の情報について説明会を開催したところでございます。今後さらに、ホームページ、パンフレットなどによる周知や説明会、相談会の開催など情報提供に努めまして、各団体が新制度への準備を円滑に行えますよう、平成二十年十二月の法施行に向けまして、積極的に取り組んでまいりたいと存じます。 # 斉藤委員 斉藤委員ありがとうございます。国もまだ全部詰め切れてないということで、過去いろいろ、国の制度の中では、直前まで国で審議をしていて、結果的に広報する暇がなかったような制度も多々ございます。そういう点では、間に入った東京都の広報も大変かと思いますけれども、ぜひ、NPO法人の制度設立のときよりも余り知られてないような感じがしますので、ぜひとも広報活動に頑張っていただきたいというふうに思います。それでは、三つ目に移ります。概要の一八七ページにあります財団法人東京都交響楽団の助成に関して伺います。財団法人東京都交響楽団では、運営資金の確保や収益事業の拡大など経営改善に取り組んでいると伺っております。都からの楽団への補助金額は、昨年度と比較して四億円程度削減されているということですが、公共のオーケストラに対しての助成額はどの程度が適当なのかというのは、大変判断が難しいかと思います。こちらの運営に関しては、都議会議員も含めた評議員十七名が評議に参加をしておりますが、そうはいってもなかなか、ベースとなる金額の設定というのはわかりづらいですし、また、難しいと思います。そこで、お金をかければうまくなる、評価が上がるというものではありませんから、意見さまざまあると思いますけれども、実際に助成額の算定について、根拠というものはどういうふうになっているのか、伺いたいと思います。 # 杉谷文化振興部長 杉谷文化振興部長東京都交響楽団は、東京オリンピックの記念事業として、首都の文化行政の立場から、都民の情操を豊かにし、音楽芸術の普及向上を目的としまして、東京都が昭和四十年に設立した楽団でございます。都民の期待にこたえる交響楽団として、低料金で良質な音楽を提供している定期演奏会などのほか、都内の小中学校を対象とした年六十回を超える音楽鑑賞教室、福祉施設や病院などへのデリバリー形式の演奏会、小中高生への演奏指導と共演の場所をつくり上げていくティーンズのためのジョイントコンサートなどの多種多彩な活動を行っております。また、若手の指揮者やソリストも積極的に起用しております。このような東京都交響楽団ならではの活動は、都における音楽芸術の振興や普及、青少年に対する音楽芸術への理解に大きく寄与しておりまして、都は、人件費及び管理費など基幹的経費の一定額に対しまして、楽団運営に必要な最低限の補助金を支出しております。なお、東京都交響楽団では、自立した楽団運営を実現するために、平成十七年三月に中期ビジョンを策定し、契約楽員制度の導入や民間理事長の招聘など、経営改善にも積極的に取り組んでいるところでございます。 # 斉藤委員 斉藤委員以前、ほかの民間の楽団の方から、東京都の方は税金がかなり出ていていいなというお話を伺ったことがあります。もちろん成り立ちが東京都の方で始めたということでありますから、その辺の肩入れの仕方というのは差があっても仕方ないところかなと思いますが、一方で、こういった中期ビジョンを策定して自助努力というものを行って、バランスよく、税金との、いわゆる助成との兼ね合いというものを持ちながら、対外的にも説明のできる状態を保っていただきたいというふうに思います。さて、こういった助成を行っても、交響楽の世界において、国際的な交流が一般的でありますから、やはり日本の中で比較をするんではなくて、世界レベルとの比較というふうなことになります。特に欧州の音楽文化に対して、日本古来の音楽文化ではありませんから、やはりトップレベルを目指すといっても、なかなか環境という点で日本は及ばないところがあると思います。また一方で、音楽家の方から、現状に満足するような状態ではありませんよ、日本の交響楽、まだまだですよというような厳しい意見も聞いたことがございます。こういった中で、国際的な比較ということに関して、東京都の交響楽団はどのレベルにあって、また、どのようなレベルを今後目指していくというふうになっているんでしょうか、そこの考えをお聞かせください。 # 杉谷文化振興部長 杉谷文化振興部長交響楽団の演奏能力の国際的な比較というのは非常に難しいことでございます。東京都交響楽団を含めまして、交響楽団というものはおのおの個性を持ち、独自で多彩な演奏活動を行っております。東京都交響楽団は、これまで約四十年間にわたりまして、さまざまな演奏活動に取り組んできておりまして、海外の音楽祭から招待を受けて公演を実施した実績もございます。また、世界的に著名な指揮者の方が指揮する演奏会も数多くございまして、演奏家や指揮者の方などから、日本のトップレベルの演奏能力を有する交響楽団との高い評価を受けております。今後とも、都民の誇りとなるよう、東京都交響楽団の演奏が日本の音楽文化の代表として評価されることを期待しているところでございます。 # 斉藤委員 斉藤委員では、交響楽団の方の質問はそのぐらいにして、四点目として、概要の六八ページにあります東京ウィメンズプラザについて伺いたいと思います。男女平等参画施策の拠点として、渋谷区の神宮前五丁目のコスモス青山の中に、東京ウィメンズプラザがあります。地下一階地上二階の三フロアで、年中無休、三つの会議室と視聴覚室、そして保育室のほか、二百四十六席、五百五十三平米のホールがあります。このホールは、九時から十二時間、丸一日借りても十四万六千二百円という、東京メトロ表参道駅から徒歩七分という立地にありながら、大変低額で借りることができる施設であります。しかしながら、この施設の貸し出しについては、男女平等社会の実現のための活動の場として提供するという基本原則があります。実際、この施設全体では、カウンセリングを柱とした配偶者暴力相談支援センター事業など、大変具体的で、きちんとした相談人材を採用して行っている相談業務など、その場所があり、男女平等参画事業として有効な活動をしているということは、私も評価しております。ただ、残念ながら、このような大変大きな原則があるために、貸し施設事業としては、会議室などは平均利用率は七割程度でとどまっておりますね。特にその中で、ホールは低い数字でここ何年か推移しているというふうに聞いております。一方、その原則ゆえに使い勝手に支障が出ることは、東京都のウィメンズプラザだけじゃなくて、以前、私が立川市にある女性センターと称する同様の施設に、これは市の方がかかわっている施設でありましたが、何年か前に伺ったときに、やはり名称とか趣旨に縛られて、貸し施設として最初から、男性が役員をやっているような団体の場合、ちょっと二の足を踏んで、すぐにここを借りようという話に、なかなか最初ならないと。その結果、こういった何部屋も会議室があったにしても、むだなく上手に一〇〇%を目指して効率よく使っていただくという上手な運営ができないという悩みを訴えておりました。基本的に、原理原則にこだわらず貸し出しをすれば、もっと多くの団体が、安い、こういったウィメンズプラザや女性センターといったところを借りに来るということは、想像に難しくありません。その一方、余り自由に貸すことができるとなると、じゃ、なぜわざわざこのような拠点施設を維持するということになるのか、その意味があるのかということになってしまいます。大変その両方のバランスが難しいですし、本来ならば、ウィメンズプラザ本来の男女平等参画という基本姿勢を守ったままやらなきゃいけないというところですが、ハードルを低くせざるを得ないという現状があります。実際に、このウィメンズプラザについても、昨今のホールの予定表を見ますと、直接、そういった趣旨がわかるようなタイトルのものではない貸し方もしております。一概にこれが悪いということではなくて、少ししようがない事情なのかなというふうに思いますが、当局としては、ウィメンズプラザの本来の目的とホールの利用率の向上というバランスをどうとっていくべきと考えているのか、伺います。 # 平林参事 平林参事東京ウィメンズプラザには、ホール、会議室などの施設があり、男女平等の推進に関する講演などを実施する場合に使用を承認することとしております。都はこれまでも、利用率向上のために男女平等のための活動を目的とする団体を優先した上で、空きがある場合には、利用対象を営利を目的としないものにも拡大したり、利用日直前まで利用促進を図るなどの工夫を行ってまいりました。その結果、最も利用率の低いホールが、平成十三年度の三二%から、五年後の十八年度には四八%に増加し、施設全体の利用率も向上しております。今後とも、施設本来の使用目的を十分尊重しながら、利用率の向上に努めてまいります。 # 斉藤委員 斉藤委員そのバランスが非常に難しいという中で、新たな工夫を重ねているというような印象を受けました。ある程度の原則緩和についてはやむを得ないと考えているというふうに解釈いたします。では、ちょっと伺うんですけれども、男女平等参画については、私個人としては、必ずしもハードウエアがなくては進まないというようなものではないと考えております。例えば先ほどの相談事業のように、ソフト面、相談業務の人材がしっかりしていれば、どこに拠点を置いても、相談室を置いても、電話相談が中心でありますから、仮に電話相談を中心と考えれば、場所を、渋谷区ではなくて、それこそ葛飾区や杉並区に置いても活動は十分できると思います。この施設がなくてはならないということがあるのか、伺います。また、現在の賃料について、幾らになっているか、確認をしたいと思います。 # 平林参事 平林参事東京ウィメンズプラザは、かつて飯田橋庁舎にありました東京都女性情報センターを発展させて、現在の場所に新設したもので、男女平等参画を推進する活動の拠点として重要な機能を果たしていると認識しております。建物につきましては、平成元年度の土地信託契約に基づき、当初から現在の利用を想定して設計され、平成七年度から二十年間を信託期間として建設されたものであります。都は、現在の建物所有者である信託銀行に対しまして、建物賃借料及び共益費として年間約六億八千万円を支払っておりますが、土地信託の仕組みでは、毎年度の施設利用の便益に加えて、最終的に建物と信託配当が東京都のものとなると理解しております。 # 斉藤委員 斉藤委員六億八千万円ということで、もちろん信託の仕組みからして、家賃として払うけれども、最終的には東京都の方にお金が入ってくるということなので、そのままそれが消えてしまっているというわけではないというふうなことでした。ただ、全体の方の財政的な規模というのは大変大きな施設であるということであります。そしてさらに、八年後には、投資信託の終了という形で、運営的な節目を迎えるということも現在の状況かというふうに理解をしております。大変気になるところでありますが、私も、この始まった平成七年のときに、ちょうど地元の市議会の方に当選しまして、やはりそのころ、各市の方で、こういった男女共同参画とか平等参画とか、女性センターというものについて、御旗を揚げてやっていこうという動きがございました。ただ、そういったタイトルを掲げても、実際に何をやっていくのかという点が、非常に各市、事務方は悩んでいたというふうに記憶をしております。そういった中で、何をしていいかわからない、どこから手をつけていいかわからないという中で、逆に、まずそういった場をつくっていこうということで、当時の施策が動いていたという印象を受けます。先ほど話に出た立川市の施設も、そういった背景があったようです。ただ、そういった根拠で、恐らくウィメンズプラザも一つのシンボルとして、その事業のシンボルとしてつくられた部分も大きいかと思うんですが、一方で、昨今の東京都の事業を幅広く見ていきますと、例えば、児童相談所の方でそういった、男女平等参画そのものではなくても、女性の支援、そして子育ての支援という中で、虐待をしてしまう、もしくは虐待の被害に遭ってしまう、そういった子どもたちや家族の保護とか、さらには、産業労働局では、育児休暇取得促進の企業への支援、次世代育成企業支援という事業ですが、これなども行っております。平成十九年度で、次世代育成企業支援というのは六千四百九十二万円程度の予算になっているようですが、二十年度の予算要望を見ますとかなり多くなって、三億七千八百七十六万円程度、要望を出しています。この次世代育成企業支援などを見ますと、私ども男性の側から見れば、私の妻が看護師をやっていたんですけれども、どこの企業でもやっぱりこういうことがあって、育児休暇を取りやすくなったらいいなと、まさに男女平等参画としてのメリット、そしてまた理想というものを体現できる、そしてまた、社会の新しい常識というものをつくっていく、大変いい挑戦を促す事業だなというふうに感じております。このように、以前は少し、何をしていいかわからないなというようなところがあった男女平等参画ですが、今、少しずつですが確実に、こういうことをやったらいいんじゃないかというソフト面の充実が出てきております。先ほどの児童相談所についても、児童虐待、子育てのノイローゼなど、そういった問題がふえている中で、残念ながらまだ広範囲に一カ所の児童相談所しかないという状態がありますから、例えば私のいます小平市など、九つの市の所管をする児童相談所がたった一カ所でございますので、そういったところの職員の不足などを心配していますから、そういったところにお金をかけていくこと自体は、ある意味、女性の保護とか、いわゆるDVの問題に対しという点ではいいのかなというふうに思っています。そういったことを考えてみると、昔は何をしていいかわからないから、まず拠点をというような感じはあったんですが、だんだん少しそういった役目が変わってきているんじゃないか。正直いって、以前、女性のさまざまな課題に関して取り組む場が、その当時はシンボルとして必要だったけど、今度はもっと別の問題が、シンボルとして必要なものも、今の時代、あるんじゃないか。そういった場合に、投資信託の終了という節目を迎えるときに、じゃ、男女平等参画の建物というものがどういうふうな気概でそこに拠点を置いていくのかというのは、以前と同じというわけにはいかないんではないかなということを大変気にしております。そのときにはそれなりの、大変立地のいい場所に建っているメリットというものはこういうことだ、しかもそれは、ほかの事業よりもこういう意味でここにある必要があるんだというものをかなり明確に出さなくては、なかなかその後の存続という点では、課題が残ってしまうのではないかと思っております。そういう意味で、今回、今後の活動の展開というものについてどのように考えているか、伺いたいと思います。 # 平林参事 平林参事今後の東京ウィメンズプラザの事業についてでありますが、東京都配偶者暴力対策基本計画などに基づき、配偶者暴力を初め、家族や職場に関するさまざまな相談事業を着実に実施するほか、区市町村の職員向けの研修や事業に対する支援を行ってまいります。また、男女平等参画のための東京都行動計画に基づきまして、ワークライフバランスや女性の再チャレンジ支援に関する講座などを引き続き実施してまいります。 # 斉藤委員 斉藤委員まだ投資信託の終了という節目までは少し時間があります。そのときに、やはりそのあり方について、以前と、これがまさに建てられたときと違った、時代の流れを感じさせながらも、なおかつやっぱりそこにあるという意義そのものがだれにでもわかるような形で、きちんとそのあり方を提示できるようにする準備がそろそろ必要になるのではないかと思いますので、そこをぜひともご検討いただきたいと思います。それでは最後に、簡単に一点伺います。概要の一六五ページにございます花火大会の助成に関してです。この事業そのものは、隅田川の花火大会を中心とした助成の制度でございます。伝統という点では特筆すべき花火大会でありますし、東京都が年間三千五百二十万円の補助を出している事業であります。その部分では、伝統という点で理解ができるものですけれども、残念ながら、私がおります多摩地域からですと、わざわざ足を運んで見るというような機会がなくて、ちょっとそういう意味では残念であります。ですから、それ以外の花火大会の補助も、この制度の中で若干行っているというのは、大変バランスとしていいのではないかなというふうに思いますけれども、現在、補助を出している各団体には、どの程度の金額が補助されているのか、そこを確認したいと思います。 # 杉谷文化振興部長 杉谷文化振興部長東京都は、文化としての花火を振興し、都民のふるさと意識の高揚を図るため、区市町村が関与する地区花火大会の経費の一部を補助しております。この地区花火大会事業の補助金は、花火の打ち上げ数に応じて交付しておりまして、平成十九年度には、一団体当たり三十万円から六十五万円を交付いたしました。 # 斉藤委員 斉藤委員それでは、最近の補助団体の増減数、もしくは増減額、こういったものについてはいかがでしょうか。 # 杉谷文化振興部長 杉谷文化振興部長最近の地区花火大会事業の補助団体、金額の増減でございますが、平成十八年度は二十五団体に計一千百四十五万円を交付しておりまして、これは前年度に比べて二団体、額にして六十万円の増加でございます。また、平成十九年度は二十六団体に計一千二百五万円を交付しておりまして、前年度に比べまして一団体、額にして六十万円の増加でございます。 # 斉藤委員 斉藤委員それでは、補助対象になる団体というのは、何か規定があって、それで補助を決定しているのか、その規定の内容についても伺います。 # 杉谷文化振興部長 杉谷文化振興部長地区花火大会事業の補助金の対象でございますけれども、花火大会を区市町村が主催している場合には、その主催している区市町村が対象となります。また、地元住民及び関係団体の代表者が主体となって組織した実行委員会などが区市町村の補助を受けて花火大会を主催している場合には、当該の実行委員会などが補助対象者となっております。また、補助の対象となる経費は、花火購入経費、花火の打ち上げ経費でございます。 # 斉藤委員 斉藤委員花火大会、幾ら補助しなければいけないとか、無理にやらないといけないとかいうものではないので、大変その辺の補助のあり方というのは難しいと思います。ただ、こういった隅田川の花火大会のように大きなものが一個あると、なかなかほかのところにまで十分お金が回らないということは、事情としてあると思いますが、どうしても地域的な格差が大きくなってしまう助成制度というのは、非常にバランスが難しいですが、それでもやはり全体の方の、少しでも、ちょっと離れた地域の希望というものも聞いてあげるようにしながら予算を捻出していただくようお願いいたします。その辺の苦労については、バランスをとって頑張っていただければと思います。最後は要望として、質問を終わります。 # 古館委員長 古館委員長ほかに発言がなければ、お諮りいたします。本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ございませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 古館委員長 古館委員長異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。以上で生活文化スポーツ局関係を終わります。これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。午後四時十八分散会
2024-03-31T11:23:33.693946Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/538855?Template=document&Id=6461#one
--- title: 平成19年文教委員会 名簿・議事日程 # 平成十九年十一月十三日(火曜日)第三委員会室出席委員十四名委員長古館和憲君副委員長早坂義弘君副委員長門脇ふみよし君理事吉原修君理事斉藤あつし君理事石川芳昭君伊藤ゆう君松葉多美子君中山信行君伊藤まさき君鈴木一光君古賀俊昭君大山とも子君服部ゆくお君欠席委員なし出席説明員生活文化スポーツ局局長渡辺日佐夫君次長三橋昇君総務部長高西新子君広報広聴部長和田正幸君都民生活部長小笠原広樹君消費生活部長宮川雄司君私学部長小濱哲二君文化振興部長杉谷正則君スポーツ振興部長細井優君参事萩原まき子君参事平林宣広君参事桃原慎一郎君参事池田俊明君参事高原俊幸君本日の会議に付した事件生活文化スポーツ局関係事務事業について(質疑)
2024-03-31T11:23:34.462546Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/538855?Template=document&Id=6460#one
--- title: 平成19年都市整備委員会 本文 # 午後一時開議 # 村上委員長 村上委員長ただいまから都市整備委員会を開会いたします。初めに、意見書について申し上げます。委員から、お手元配布のとおり、意見書二件を提出したい旨の申し出がありました。本件については、本日の理事会で協議の結果、いずれも調整がつかなかった旨、議長に報告すべきであるとの結論になりました。お諮りいたします。本件については、理事会の協議結果のとおりとすることにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 村上委員長 村上委員長異議なしと認め、そのように決定いたしました。 # 村上委員長 村上委員長本日は、お手元配布の会議日程のとおり、契約議案の調査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。契約議案について申し上げます。契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。公文の写しはお手元に配布してあります。朗読は省略いたします。平成十九年十二月十二日東京都議会議長比留間敏夫都市整備委員長村上英子殿契約議案の調査について(依頼)左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。記1調査議案第二百九号議案富士見橋鋼けた製作・架設工事請負契約2提出期限平成十九年十二月十四日(金) # 村上委員長 村上委員長これより都市整備局関係に入ります。初めに、理事者の欠席について申し上げます。河島航空政策担当理事は、公務のため、本日の委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承願います。次に、契約議案の調査を行います。第二百九号議案を議題といたします。本案については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。発言を願います。 # 植木委員 植木委員補助三一五号線、今回はその一部の富士見橋の鋼けた製作、架設に係る案件ですけれども、この補助三一五号線の位置づけは、どういう計画で位置づけられてきたのか、経緯をお聞かせください。 # 小澤参事 小澤参事補助第三一五号線は、平成五年七月に都市計画決定をされました臨海部広域幹線道路、四路線のうちの一路線でございます。これら臨海部の広域幹線道路は、都心部と臨海副都心との連携強化や東京全体の交通ネットワークの充実、地域内交通や周辺市街地へのアクセスの円滑化を図ることなどを目的としてございますが、補助三一五号線は、豊洲駅前から有明地区の湾岸道路に至ります、主に地域内交通を担う補助線街路として整備を進めているものでございます。 # 植木委員 植木委員臨海副都心まちづくり推進計画の中では、広域交通基盤として、幹線街路、それから補助街路も含めて臨海副都心開発に位置づけているということは明確なんです。それで、この事業手法についてですけれども、推進計画にあるように、これまでどおり開発者利益の還元方式を維持しながら着実に整備を進めると、こういうことになっていたと思うんですけれども、開発者負担の還元方式というんですか、これはどういうふうになるんでしょうか。 # 小澤参事 小澤参事臨海部の広域幹線道路は、臨海地域の開発に欠かせない道路でございますとともに、東京の道路ネットワークを形成する、公共性を有するものでございます。このため、公共負担と開発者負担により整備をしているというものでございます。 # 植木委員 植木委員基本は開発者負担が原則として始まったのが、その後、開発者負担だけでなくて、なってきたと。今回の提案について見ますと、支出科目が、一般会計から、それから都市整備費、市街地整備費、臨海都市基盤関連街路と、財政の仕分けが非常に複雑になっているんですけれども、結局これは開発者負担を原則とする整備の割合が変わってきたと、こういうことでよろしいんでしょうか。 # 小澤参事 小澤参事臨海部の開発計画の検討過程におきましては、負担割合についてはさまざま検討の経緯もございますが、平成九年三月に決定をいたしました内容は、二分の一を開発者負担とすることで広域幹線道路の整備を進めるということで、今進めてございます。 # 植木委員 植木委員結局、臨海開発そのものの計画が途中で何回も見直しがあって、財政フレームも変わってくる中で、その一環としてそういうことになってきたんだろうと思うんです。次に、入札についてですが、今回の契約案件は、入札経過調書を見ましたら落札率が七三・九%で、調査基準価格を下回る、いわゆる低入札価格ということで書かれておりました。この低入札の価格の、当然低入札を認めてきたわけですから、低入札価格審査委員会で審査されていると思うんです。その内容、それから、なぜ低入札価格で認めてきたのか、お示しください。 # 安藤総務部長 安藤総務部長今回の契約の相手方、要するに当時、当該入札者でございますけれども、積算能力、施工体制、工事内容、経営内容、信用状態などの調査が行われました。その結果、本契約の適正な履行に必要な技術力、経営内容を備えていると認められたものでございます。 # 植木委員 植木委員もちろん、都民の税金ですから節約によって安くなることは当然あっていいことなんですけれども、問題は、低入札価格によってその工事が大丈夫なのか、安全は保たれるのかという声が、非常に、これまでの低入札価格の中でもいろいろありました。国の方でも、低入札がどんどん進んだりふえてくるとそれによって企業の経営自体が脅かされる例もある、ということを国土交通省などでも見解を出しているような状況でありますだけに、こういう低入札がすべてよしというふうにはならないというふうに思うんです。私は、三点で、一つは、長期的に見て安かろう悪かろうということになってはいけない、やはり何十年というふうに使うわけですから品質を保てるのかということが、長期間にわたって品質が保てるかということが第一だと思うんですね。それから、都民の安全が確保できるのか。三点目には、低入札だからといって、公共が発注する仕事の中で下請や働いている人たちが犠牲になってはいけない、法令を遵守していく必要がある。この三つの点で、私は、低入札についても見ていく必要があると思うんです。きょう、意見書にもちょっと出ていますけれども、型枠偽装ということで出してあるんですけれども、栗本鐵工所というところが、円形型枠の強度不足の偽装問題ということで発覚して、四十年間も改ざんが行われていたということがマスコミに報道されました。建設局にお聞きしましたら、都内でもこういう円形型枠を活用しているのが二十二カ所あるというふうに聞きました。ただ、どの事業者かというのが、特定がまだわからないんですけれども、この栗本も入っているというふうにいわれてました。それから、一昨日は、今度はフジモリという、この二社が円形型枠の一、二を争う企業なんですけれども、やはりデータの改ざんが行われていた。しかも幹部もこのことは承知していたということが報道されましたけれども、そういうことがあってはならないというふうに思うので、やはり低入札価格を行った後の工事中の厳格な管理、施工管理、品質確保にどういう努力をするのか、発注者として果たさなければならない責任があると思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。 # 宮村市街地整備部長 宮村市街地整備部長道路等の公共施設は、将来にわたる社会資本といたしまして、都民が安心・安全に利用できる、そういう形で整備する必要がございます。それらの工事の実施におきましては、低価格調査対象の案件に限らず、施工管理が重要であるというふうに認識しております。本件のような鋼製橋梁の工事におきましては、今後とも、工場製作から現場架設に至る段階ごとに品質検査などを実施するとともに、施工体制や安全管理についての点検も実施し、施工管理には万全を期してまいります。また、低価格調査ヒアリングで入札価格の低減につながったとされた工事項目につきましては、現場で特に注意して施工管理を行っているということでございます。 # 植木委員 植木委員今ちょっと聞き漏らしたのかわからないんですけれども、そのヒアリングの中で指摘された項目というのはどういう項目ですか。 # 宮村市街地整備部長 宮村市街地整備部長低入札価格の調査に当たってヒアリングを行っていますが、価格が低減された主な理由としましては、この工事は、鋼けたを工場で製作してきまして、それを船等で運搬してきて現場で架設をするという工事なんです。その工場での、けた製作でのロボット化等の自社のロボット化のラインを持っているということからの低減とか、それから、工場での塗装において塗料が低価格で仕入れることができるとか、自動化をして塗装をするというようなことから、工場での、主にそういったいろいろ企業努力の結果として低減をされるというふうに聞いております。 # 植木委員 植木委員いろんな努力で低減されたというお話ですが、いろんな工事があって、栗本鐵工所の問題、フジモリ産業の問題などあったりすると、やっぱり心配な面もありますので、施工管理はより厳密にやる必要があるというふうに思っています。それで、そういう安全、品質管理の問題とあわせて、法の遵守の問題として、下請や孫請との関係、そういう意味で、発注者として、あるいは元請の企業に対してきちっとした指導をする必要があると思うんですけれども、どのような姿勢で臨んでいくのでしょうか。お聞かせください。 # 宮村市街地整備部長 宮村市街地整備部長下請と孫請等との間で、いろんな問題が起こり得るかとは思いますけれども、それぞれの契約関係でございますので、基本的には当事者間で解決すべきものであろうというふうに考えておりますが、東京都といたしましては、元請負人に対し、下請負人同士の契約においても書面による契約とするようその責任において指導するなど、下請契約の適正化に努めるよう求めております。なお、下請業者間の問題について相談などがあった場合には、事実関係について元請負人などにヒアリングを行い、必要に応じ、関係部局と連携を図り、元請負人に対し解決に向け努力するよう働きかけております。 # 植木委員 植木委員そういう立場で臨むというのは大事なことだと思うんです。私どもにいろいろな相談も来る例がたくさんあるんですけれども、どうしても、二次、三次、ここの場合はどこまで行くのかわかりませんけれども、あるいは個人で入っている事業者なんかも、契約書なんか書かないまま入っておられたりして、後でトラブルになる例がないわけではない。あるんです。そういう意味で、ぜひそういうふうにしていただきたいと思うんですが、そこで、一点、下請と孫請との契約上のトラブルが発生した場合、当事者間で解決するのが基本だと私も思いますし、当然そこには、民法、いろいろあるわけですけれども、建設業法で、やはり元請の責任で解決を図る規定があるというふうに思っておりますけれども、この点についてのご説明をお願いします。 # 金子市街地建築部長 金子市街地建築部長建設業法の四十一条第二項では、特定建設業者が元請となっている建設工事においては、下請の建設業者が使用している労働者に対する賃金の支払いを遅滞した場合で、必要があると認めるときは、賃金相当額の立てかえ払い等の措置を講ずることを、国土交通大臣または都道府県知事は特定建設業者に対して勧告することができるとしております。また、同じく第三項では、下請の建設業者が、建設工事の施工に関し、他人に損害を加えた場合で、必要があると認めるときは、立てかえ払い等の措置を講ずることを特定建設業者に対して勧告できるというふうにしております。なお、これらの規定に基づく勧告が実際に行われた例はないと聞いております。 # 植木委員 植木委員四十一条二項、三項を活用して、やはり適切に、先ほど姿勢は述べられましたけれども、具体的にあらわれた場合には対処していくということをぜひお願いしたい。特に、勧告については、まだ出された例がないということなんですけれども、事業内容を適切に見れば勧告を可能にできるわけですから、ただ、勧告したからといってこれで義務になるわけではないわけですから、積極的に対応していくことを私は求めたいというふうに思っております。いずれにいたしましても、こういう低入札価格の場合の事例について、今後とも適切な姿勢で臨んでいただきたいということを申し述べて、質問を終わりにします。 # 村上委員長 村上委員長ほかに発言がなければ、お諮りいたします。本案に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 村上委員長 村上委員長異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。この際、本案に対して意見のある方は発言を願います。 # 植木委員 植木委員第二百九号議案、富士見橋鋼けた製作・架設工事請負契約の議案について意見を述べます。富士見橋工事請負契約は、補助第三一五号線の一部として整備するものですが、臨海副都心開発計画の中で、開発促進のために幹線道路と補助幹線道路があわせて計画されたものです。もともと臨海開発の財政フレームは、基本的には開発者負担を原則に進められたものです。その後、臨海開発財政の破綻が明らかになり、数回の見直しの中で、都財政がさまざまな形で投入されるようになった経緯があります。そうした臨海開発を救済するために急ぐ計画であって、認めるわけにはいかないというふうに思います。しかも、オリンピック推進のために、築地市場豊洲移転の計画に合わせて整備するという面もあります。しかし、豊洲の土壌汚染問題も未解決のままであり、その解決がされてからで十分であるわけですから、急ぐ必要のないものだと考えています。よって、第二百九号議案に反対します。 # 村上委員長 村上委員長発言は終わりました。お諮りいたします。本案につきましては、ただいまの意見を含め、委員長において取りまとめの上、財政委員長に報告いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 村上委員長 村上委員長異議なしと認め、そのように決定いたしました。以上で契約議案の調査を終わります。以上で都市整備局関係を終わります。 # 村上委員長 村上委員長次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 村上委員長 村上委員長異議なしと認め、そのように決定いたしました。 # 村上委員長 村上委員長この際、只腰都市整備局長から発言を求められております。これを許します。 # 只腰都市整備局長 只腰都市整備局長一言お礼のごあいさつを申し上げます。このたびの定例会に提案いたしました議案につきまして、ただいまご決定をいただきまして、まことにありがとうございました。村上委員長を初め委員の皆様には、今後ともより一層のご指導、ご鞭撻を賜りますよう心からお願いを申し上げまして、大変簡単ではございますが、お礼のあいさつとさせていただきます。まことにありがとうございました。 # 村上委員長 村上委員長発言は終わりました。これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。午後一時二十二分散会
2024-03-31T11:23:35.421810Z
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--- title: 平成19年都市整備委員会 名簿・議事日程 # 平成十九年十二月十四日(金曜日)第六委員会室出席委員十四名委員長村上英子君副委員長吉倉正美君副委員長大塚たかあき君理事きたしろ勝彦君理事松下玲子君理事新藤義彦君鈴木章浩君河野百合恵君高橋信博君泉谷つよし君植木こうじ君立石晴康君相川博君藤井一君欠席委員なし出席説明員都市整備局局長只腰憲久君次長泉本和秀君技監福島七郎君総務部長安藤明君都市づくり政策部長野本孝三君住宅政策推進部長松村光庸君都市基盤部長升貴三男君市街地整備部長宮村光雄君市街地建築部長金子敏夫君都営住宅経営部長小林計代君企画担当部長村尾公一君住宅政策担当部長瀬良智機君外かく環状道路担当部長遠藤正宏君民間開発担当部長座間充君多摩ニュータウン事業担当部長今井光君都市景観担当部長安井順一君建設推進担当部長山室善博君参事中山正雄君参事瀧本裕之君参事宇多田裕久君参事庄司貞夫君参事小澤弘君参事並木勝市君参事清水文夫君参事荒川達夫君本日の会議に付した事件意見書について都市整備局関係契約議案の調査・第二百九号議案富士見橋鋼けた製作・架設工事請負契約請願陳情の継続審査について特定事件の継続調査について
2024-03-31T11:23:36.131728Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/707982?Template=document&Id=7154#one
--- title: 平成19年都市整備委員会 本文 # 午後一時二分開議 # 村上委員長 村上委員長ただいまから都市整備委員会を開会いたします。初めに、請願の取り下げについて申し上げます。お手元配布の一九第九八号、結核回復者に対する都営住宅の特別割当の確保に関する請願は、議長から取り下げを許可した旨通知がありましたので、ご了承願います。 # 村上委員長 村上委員長次に、会期中の委員会日程について申し上げます。先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程のとおり申し合わせしましたので、ご了承願います。本日は、お手元配布の会議日程のとおり、都市整備局関係の第四回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取、請願陳情の審査及び報告事項の聴取を行いたいと思います。なお、提出予定案件につきましては、本日は説明を聴取し資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行い、報告事項につきましては、説明聴取の後、質疑を終了まで行いたいと思いますので、ご了承願います。これより都市整備局関係に入ります。初めに、第四回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。 # 只腰都市整備局長 只腰都市整備局長本日は、平成十九年第四回東京都議会定例会に提出を予定しております都市整備局関係の案件をご説明申し上げます。提出予定案件は、契約案一件でございます。お手元の資料1でございますが、江東区豊洲と有明に架設いたします富士見橋の工事請負契約議案でございます。引き続き詳細な内容につきまして、総務部長よりご説明申し上げます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。なお、航空政策担当理事の河島均は、公務のため、本日の委員会を欠席させていただいております。どうかよろしくお願い申し上げます。 # 安藤総務部長 安藤総務部長それでは、工事請負契約議案をご説明申し上げます。お手元の資料1、契約案、富士見橋鋼けた製作・架設工事請負契約をごらんください。一ページに、件名、工事場所、契約の相手方、契約金額、工期、契約方法、工事概要、提案理由をそれぞれ記載しております。契約の相手方は高田機工株式会社、契約金額は十三億四千六十四万円、工期は平成二十二年一月十九日までとなっております。二ページに案内図と平面図、その次のページに側面図、断面図を添付してございますので、それぞれごらんいただきたいと存じます。簡単ではございますが、以上で平成十九年第四回東京都議会定例会に提出を予定しております案件の説明を終わらせていただきます。ご審議のほど、よろしくお願い申し上げます。 # 村上委員長 村上委員長説明は終わりました。この際、資料要求のある方はご発言願います。〔「なし」と呼ぶ者あり〕 # 村上委員長 村上委員長なければ、資料要求はなしということで確認させていただきます。 # 村上委員長 村上委員長これより請願陳情の審査を行います。初めに、一九第一二号、小平都市計画道路三・三・三号新五日市街道線の早期建設に関する請願を議題といたします。理事者の説明を求めます。 # 升都市基盤部長 升都市基盤部長お手元の資料2、請願・陳情審査説明表の一ページをごらんください。整理番号1、一九第一二号、小平都市計画道路三・三・三号新五日市街道線の早期建設に関する請願についてご説明させていただきます。本請願は、小平市の清水徳司さんから提出されたものでございます。請願の要旨は三点ございます。一点目は、小平都市計画道路三・三・三号新五日市街道線について、昭和三十七年に都市計画決定されて以来、一部区間は完成したものの、全線開通に至っていないことから、道路事業を推進して、速やかに全線開通させること。二点目は、事業遂行に支障があって停滞しているのであれば、直ちに道路事業計画の廃止を含めた見直しを行い、道路事業を完結すること。三点目は、道路事業に関する情報について、公開できるものは速やかに広報することでございます。現在の状況でございますが、二ページの図面をごらんください。新五日市街道線は、図面の右側に二重丸で表示しております西東京市の東伏見四丁目を起点といたしまして、小平市、立川市、福生市を経由し、左側の二重丸で表示しております、あきる野市小中野に至ります延長約三十二キロメートルの多摩地域を東西に結ぶ幹線道路として都市計画決定されており、当該地の小平市内につきましては、昭和三十七年に都市計画決定されております。次に、整備の状況でございますが、図面で黒く表示したところが完成区間をあらわしておりますが、国道一六号の西側につきましては、一部事業中の区間を除きまして、おおむね整備されております。東側は、一部区間を除き、未整備の状況となっております。一点目の早期全線開通についてのご要望でございますが、平成十八年四月に策定いたしました多摩地域における都市計画道路の整備方針(第三次事業化計画)では、図面の新五日市街道線と表示した左上、国道一六号と立川東大和線の間、約六千百三十メートルを平成二十七年度までに優先的に整備する路線、優先整備路線に位置づけております。しかし、立川東大和線から東側につきましては、当該地を含めまして、この優先整備路線に位置づけられておりません。このため、次期事業化計画を策定する際に整備時期等の検討を行うことになります。次に、二点目の廃止を含めた計画の見直しについてでございますが、第三次事業化計画におきまして、未着手の都市計画道路の必要性を検討いたしました結果、本路線につきましては、多摩地域における都市間連携の向上に資する東西方向の重要な骨格的幹線道路として、必要性を確認したところでございます。三点目の道路事業に関する情報の広報についてでございますが、第三次事業化計画を策定する過程におきまして都民意見の募集を行ったほか、都市整備局のホームページなどで公表しており、今後も必要な情報については明らかにしていく予定でございます。よろしくご審議のほどお願いいたします。 # 村上委員長 村上委員長説明は終わりました。本件について発言を願います。 # 高橋委員 高橋委員それでは、一九第一二号、新五日市街道線の早期建設に関する請願に関連いたしまして、多摩地域の都市計画道路につきまして何点か質問させていただきます。私の地元であります小平市には、南北方向に府中街道、東西方向に青梅街道、五日市街道があり、古くから多摩地域の道路交通を担う重要な路線であります。これらの道路では、これまでに部分的な拡幅整備や、すいすいプランによります交差点改良などが行われておりまして、一定の渋滞の解消は図られていると思います。しかしながら、通勤時間帯のみならず、土曜、日曜の買い物客などによります渋滞は、依然として多摩地域各所で発生をしております。移動に多大な時間と労力を要し、バスの定時性も確保されないなど、社会的な損失は相当なものと思われます。また、裏道と称される生活道路に通過交通が流入いたしまして、歩行者の安全性や地域環境の悪化などの問題も生じております。交通の円滑化や安全な歩行者空間の確保を図ることは極めて重要な課題であり、都市計画道路の整備の重要性を改めて痛感させられているところでございます。そこで、多摩地域の都市計画道路の整備状況はどのようになっているのか、また、未着手となっている道路はどのくらいあるのか、ご説明をお願いいたします。 # 升都市基盤部長 升都市基盤部長多摩地域の都市計画道路の整備状況でございますが、現在、計画延長約千四百三十キロメートルに対しまして、完成率は平成十八年度末で約五三%と、ようやく五割を超えたところでございます。また、未着手となっている路線でございますが、約三六%に相当する約五百二十五キロメートルとなっております。 # 高橋委員 高橋委員完成率はようやく五割を超えたということでありまして、都市計画道路はまだまだ不足しているといわざるを得ません。今後も早急な整備が必要であることはいうまでもなく、特に骨格的な幹線道路を優先して整備していくことが不可欠と考えます。そこで、都市計画道路の整備目標はどのようになっているのか、伺います。 # 升都市基盤部長 升都市基盤部長都市計画道路は、委員のお話もございましたが、都市を形成する最も基本的な都市基盤でございまして、魅力と活力に満ちた多摩地域を創造する上でも、早急に整備を進めることが不可欠であるというふうに考えてございます。昨年四月に策定いたしました多摩地域における都市計画道路の整備方針(第三次事業化計画)の策定に当たりましては、活力、安全、環境及び暮らしの四つの基本目標を掲げ、その達成に向け優先整備路線を選定したところでございます。これらの路線のうち、特に多摩地域の南北道路などの整備を重点的に進め、二〇一五年までに骨格幹線道路の整備に一定のめどをつけることを目指すとともに、都市計画道路ネットワークの早期実現を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。 # 高橋委員 高橋委員多摩の南北道路の不足は致命的といっても過言ではありません。ぜひ重点的な整備をお願いしたいと思います。一方で、東西方向の道路も、その交通容量は相当不足していると考えます。最近は、ロードサイド型の大規模ショッピングセンターの進出が顕著となっておりまして、激しい交通渋滞が各所で見られております。そこで、東京都は東西方向の幹線道路の整備についてどのような認識を持っているのか、伺います。 # 升都市基盤部長 升都市基盤部長多摩地域の交通の流動につきましては、圏央道の開通などによりまして一定の改善はなされておりますが、交通需要の変化などからまだまだ渋滞箇所があることは十分承知しているところでございまして、東西の骨格的幹線道路の整備も重要であるというふうに認識しているところでございます。第三次事業化計画におきましても、多摩地域の都市間を接続する骨格幹線道路を整備し、道路ネットワークを形成する必要があるとしており、東西方向の幹線道路では、東京八王子線、新青梅街道線、新五日市街道線などの一部を優先整備路線に位置づけ、整備を進めることとしております。 # 高橋委員 高橋委員多摩地域の道路ネットワークは、南北、東西双方の幹線道路が整備されてこそ、初めて有効に機能するものと考えます。ぜひ東西方向の道路整備にも精力的に取り組んでいただきたいと思います。今回請願が出されている新五日市街道線はその一つでありますが、今後、横田基地が軍民共用化された際には、都心方向からのアクセス道路としても極めて重要な道路となると考えております。そこで、東西方向の幹線道路であります新五日市街道線の整備の見通しはどのようになっているのか、伺います。 # 升都市基盤部長 升都市基盤部長新五日市街道線の整備の見通しでございますが、新五日市街道線は、東西方向の都市間の連携の向上に資するとともに、多摩地域のまちづくりにとって重要な骨格的幹線道路として都市計画決定されているところでございます。また、小平市都市計画マスタープランにおきましては、主要幹線道路として位置づけているところでございます。立川東大和線の西側区間は、第三次事業化計画では優先整備路線に位置づけられておりますが、残る東側の区間については、周辺の都市計画道路の整備状況などを勘案いたしまして、次期の事業化計画を策定する際に検討を行っていく考えでございます。 # 高橋委員 高橋委員これは横田基地の軍民共用化の行方にも随分かかわってくると思いますけれども、小平市内の小川町一丁目の区画整理も順調に進んでおり、進行しているわけでございますので、ただいまの説明のとおり、立川東大和線の西側区間、つまり西の一六号から、西から東に向かって整備がされている。小平市はその隣でございまして、ぜひとも、区画整理も現実にやっているわけですので、優先整備路線に準じて整備を進めてほしいと願っております。新五日市街道線は、その多くは現道のないところに計画線がかかっていることもあり、該当する多くの地権者の方々が道路整備の行方を知りたがっていると思います。また、今回の請願者のいうように、早期整備を望んでいる方も数多くいらっしゃると考えます。どうか、多摩地域の発展のため、また、ご協力をいただいている多くの関係地権者のためにも、早期整備が実現されますよう強く要望いたしまして、質問を終わります。 # 松下委員 松下委員私も、一九第一二号、新五日市街道線の早期建設に関する請願に関連して質問をいたします。当該路線は、昭和三十七年の都市計画決定以来、既に四十五年が経過し、現在、一部が完成したのみで、その大部分が未完成のままであり、事業化のめどが立っていません。一方、小平市内の小川町一丁目においては、本路線の区域を含めて土地区画整理事業が進められており、この部分に限っては先行して整備がなされています。このような状況の中、請願者は、都の事業に積極的に協力したいという思いで、みずから率先して代替地を入手していらっしゃいます。その処分について悩んでいらっしゃり、この計画道路に関する情報を得たいと思うのは当然のことであると思います。そこで、請願者を含めて当該路線の計画について関係地権者にどのような情報をどのように提供しているのか、お伺いいたします。 # 升都市基盤部長 升都市基盤部長東京都と二十八市町が共同で昨年策定いたしました多摩地域における都市計画道路の整備方針(第三次事業化計画)では、平成二十七年度までに優先的に整備すべき路線を選定しております。この第三次事業化計画では、当該路線の小平市区間は優先整備路線に選定をされておりません。第三次事業化計画の策定につきましては、「広報東京都」や地元小平市の市報などにより公表したところでございます。その内容については、広報PR用として概要版を市町の関係窓口に配布するとともに、都市整備局のホームページでその全文を掲載しているところでございます。また、都市計画道路の計画線の位置など、都市計画に関する情報につきましても、都市整備局のホームページで提供するとともに、都市整備局や各市町の窓口において常時ご相談に応じているところでございます。 # 松下委員 松下委員情報提供としては、多摩地域における都市計画道路の整備方針に当該道路がのっていないということで、平成二十七年までには着手も行わないというふうに解釈をするということかと思いますが、この方が当時代替地を買われたときには、他の事業に優先して事業を着工するという説明を受け、確かに発表当時は工事が進められており、この分では立ち退きの時期が迫ってくると考えて、また、代替地は個人で探すようにとの説明であったため、苦労して代替地を探して購入したとのことは、この請願にも述べられておりますが、情報提供として、都に対して問い合わせをしても、現在事業の予定はありません、今後の見通しはわかりません、建設計画は廃止していませんという回答では、余り親切な回答とはいえないのではないかと思います。平成二十七年までには事業決定が優先的にはされないという、数字を出すなり、今後の見通しが、代替地を処分しようかどうしようかと悩んでいらっしゃる請願者に対して少しでも判断材料になるような形で情報提供をしていただきたいと思いますし、今後も積極的な情報提供を行っていただきたいと思います。優先整備路線に選定されておらず、本請願のように長期間事業が行われない路線については、地権者は、都市計画道路区域内の建築制限により土地の有効利用が図れないなど、不便を強いられております。このような状況を緩和するため新たに建築制限を緩和し、これまでの二階建てから、三階建てなどが可能になってはいます。この建築制限の緩和についてどのように関係者に広報され、また、相談、質問に対してどのような対応をしているのか、お伺いいたします。 # 升都市基盤部長 升都市基盤部長建築制限の緩和に関する広報についてでございますが、平成十八年六月から実施されております建築制限緩和につきましては、その実施の際に「広報東京都」でお知らせをしております。また、あわせまして都市整備局のホームページにも掲載しておるところでございます。また、個別の相談や質問に対しましては、都市計画道路の担当部署や建築指導担当部署で常時対応しているところでございます。 # 松下委員 松下委員先ほどの当該路線の計画に関しての情報提供では、小平市報においても公表したというふうにありましたが、今のお答えだと東京都の広報やホームページということで、東京都からの情報提供なのかなというふうに思いますが、やはり、都の広報もそうですが、三多摩地域の市民にとって、市報という身近な存在で、しっかりと都の事業に関してなり新たな情報なりを入手する手段として、市報というのは大きく位置づけられているとも思いますので、市報に載っていなかったのは残念だなという気はいたします。都市計画道路の整備には長期の事業期間がかかり、具体的な情報提供にはもちろん限界があるとは思いますが、この請願者のように知り得る情報量が少なく、不安な日々を送られている方は多いと考えられます。一般都民にわかりやすい情報提供を今後もより考えていただく必要があると思います。今後とも住民の方からの相談や質問について、今まで以上に丁寧なご対応をしていただきたいと思いますし、四十五年間という長い年月にわたって、立ち退きの心配を抱えつつ、また代替地の維持費用も払いつつ過ごしていらっしゃる計画道路上の方がたくさんいらっしゃるということをぜひしっかりと念頭に置いていただいた上で、この事業に関して適切な情報提供と丁寧な情報提供を行っていただきたいと要望して、私の質問を終わります。 # 升都市基盤部長 升都市基盤部長申しわけありませんでした。先ほどのお答えの中で、市の広報についてお話をしておりませんでした。建築制限の緩和につきましても、多摩地域の都市計画道路の整備方針を公表いたしました小平市報「市報こだいら」の中で、建築制限の緩和につきましても広報させていただいております。どうも申しわけございませんでした。 # 植木委員 植木委員この請願を見まして、道路というのはなかなか難しい問題があって、やはり生活がかかっているからだと思うのですね。だから、やるならやってほしい、あるいは、もうここまで来たのなら見直してほしい、そういう意見が出るのはある意味では当然だと思うのです。この現道の未着手部分、小平のところですけれども、昭和三十七年というのですから四十五年前ということですが、当時は恐らく、ここはほとんど人が住んでいなかったかと思うのですけれども、そこのところを正確にひとつ教えてほしいのと、現在は住宅密集地になっていて、そこを通るという計画だろうと思うのですが、道路というのはやはり、道路があって人が住むのじゃなくて、人が住んでいて道路をどうするかということですから、非常に悩むことになると思うのです。そういう点で、現状についてまずお示しをいただきたい。 # 升都市基盤部長 升都市基盤部長現状でございますが、資料2の二ページでございますが、現在の状況を、先ほどもご説明いたしましたが、小平区間を表示してございます。その中で、現在一部完成しているところが、花小金井の駅前のところ、一部完成しております。また、先ほどご質問の中でお話がございましたが、小川町一丁目土地区画整理事業が現在事業をしておるところでございまして、その部分については、区画整理の中で新五日市街道線の整備を進めております。そのほかは、一般市街地の中を現在都市計画決定されておりますが、事業は行われていないということでございます。 # 植木委員 植木委員私が現状といったのは、人の住んでいる状況を中心に考えてどうかということだったのですけれども。質問の方もちょっと舌足らずだったので大変申しわけないと思っているのですが、いずれにしても道路の事業化というのは、やはり人の住む環境あるいは自然環境を大事にする。それから、社会的な状況がどうだ、人口減少社会あるいは少子高齢化社会の中でどうか。そういうことを踏まえたものに努力する必要があると思うのです。特に都市計画道路の整備方針、事業化計画を立てる、あるいは見直しに当たっては、そういう立場が私は必要だと思うのです。特にこの三・三・三号線は、先ほどもお話がありましたように三十七年、四十五年前、当時は住宅について今ほどはなかったと思うし、今は多くの方々が住んでおられる。そういう意味で、こうしたところに幹線道路が通っていくと、地域住民が非常に分断されて、生活圏も分断される、そういうこともあると思うのですね。そういうことと、もう一つは、この請願の二番目にもありますように、四十五年も状況を残したままということは、やはり何か問題があるのではないか。時のアセスということもありますように、やはり廃止も含めて再検討するべきだというふうに私は思っています。特に地域住民が切実に求めている生活道路、現在ある生活道路をより整備する、あるいは歩道の整備だとか、そういうことで地域の住民の皆さんの生活圏を守っていくという道路なら私は大賛成ですけれども、こうした住環境や自然環境への大きな負荷になるような、そうした計画については再検討することを私は求めておきます。以上です。 # 村上委員長 村上委員長ほかに発言がなければ、お諮りいたします。本件中第三項を趣旨採択とすることにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 村上委員長 村上委員長異議なしと認めます。よって、請願一九第一二号中第三項は趣旨採択と決定いたしました。 # 村上委員長 村上委員長次に、一九第三七号の一、都道の整備促進に関する陳情を議題といたします。理事者の説明を求めます。 # 升都市基盤部長 升都市基盤部長お手元の請願・陳情審査説明表の三ページをごらんください。整理番号2、一九第三七号の一、都道の整備促進に関する陳情についてご説明いたします。本陳情は、小金井市の露口哲治さんから提出されたものでございます。陳情の要旨は二点ございます。一点目は、小金井市の道路整備状況について、十年後に策定予定の多摩地域における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)において、多摩地域の近隣他市並みとすること。二点目は、都道一三四号線、連雀通りの小金井市中町一丁目十番十七号から十二番十六号地先までの間は、道路幅が狭く歩道もないため、拡幅整備をすることというものでございます。現在の状況でございますが、四ページの図面をごらんください。一点目についてでございますが、東京都では、平成十八年四月に多摩地域の二十八市町と共同で多摩地域における都市計画道路の整備方針(第三次事業化計画)を策定し、平成二十七年度までに優先的に整備を進めていく路線、優先整備路線を選定しております。このうち、小金井市内では、四ページの図面の右上の方に南北方向に破線でお示ししておりますとおり、東京都施行の小金井都市計画道路三・四・一一号線、小金井市施行の小金井都市計画道路三・四・八号線を優先整備路線に位置づけております。このうち、三・四・一一号線につきましては、平成十八年度に事業に着手し、三・四・八号線につきましては、現在、小金井市が事業を進めております東小金井駅北口土地区画整理事業の中で整備を進めていくこととしております。その他の都市計画道路の整備につきましては、次期事業化計画を策定する際に検討していくこととなります。次に、二点目でございますが、四ページの図面の中央部下側をごらんください。拡幅整備を要望している約二百七十メートル区間のうち約八十メートル区間については、小金井都市計画道路三・四・三号線と重複しておりますが、同路線は第三次事業化計画に位置づけられておりません。このため、同区間の整備につきましては、次期事業化計画を策定する際に検討を行うこととなります。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。 # 村上委員長 村上委員長説明は終わりました。本件について発言を願います。 # 吉倉委員 吉倉委員一九第三七号の一、都道の整備促進に関する陳情の第二点目につきまして、一言意見を申し述べたいと思います。この件につきましては、地元住民の意見を十分に聞き、合意形成を得て進められるよう、特にお願いをしておきたいと思います。以上でございます。 # 植木委員 植木委員この陳情の第一ですが、多摩地域における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)についてですが、先ほど基本的なことを述べましたので改めて繰り返すことはいたしませんけれども、やはりそこに住んでいる人たちが基本でありますから、そういう点で、見直すべきところは見直すという立場に立っていただきたいということを申し述べて、意見を表明しておきます。 # 村上委員長 村上委員長ほかに発言がなければ、お諮りいたします。本件中第二項を趣旨採択とすることにご異議ございませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 村上委員長 村上委員長異議なしと認めます。よって、陳情一九第三七号の一中第二項は趣旨採択と決定いたしました。 # 村上委員長 村上委員長次に、一九第四七号、公団住宅の見直しに対する意見書提出に関する陳情を議題といたします。理事者の説明を求めます。 # 松村住宅政策推進部長 松村住宅政策推進部長それでは、整理番号3、一九第四七号、公団住宅の見直しに対する意見書提出に関する陳情についてご説明申し上げます。お手元の資料2、請願・陳情審査説明表の五ページをお開きいただきたいと存じます。本陳情の陳情者は、葛飾区の東京二十三区公団住宅自治会協議会の会長、林守一さんでございます。陳情の要旨は、国に対して、次のことを求める意見書を提出していただきたいというものでございます。一つ目は、公団住宅、現在のUR賃貸住宅が、居住者の居住の安定を保障し、引き続き公共住宅としての役割を果たすよう、政府と独立行政法人都市再生機構はその充実に努めること。二つ目は、居住者の高齢化や収入低下の実態に配慮した家賃制度に改めるよう検討すること。三つ目は、政府と機構は、国会で可決された独立行政法人都市再生機構法に対する附帯決議を忠実に守り、その実現に努めることでございます。現在の状況でございますが、独立行政法人都市再生機構は平成十六年七月一日に設立され、根拠法は独立行政法人通則法及び独立行政法人都市再生機構法でございますが、この機構法の成立に当たりましては、附帯決議が付されております。その内容といたしましては、「賃貸住宅について、居住者との信頼関係を尊重し、居住者の居住の安定を図り、住宅や利便施設等の適切な維持管理を行うとともに、家賃が低所得の高齢者等の居住者に対して過大な負担とならないよう配慮すること。」などとなっております。また、本年六月二十二日には規制改革推進のための三カ年計画が閣議決定され、その中で機構の賃貸住宅事業につきましては、機構本来の役割を果たすべく、居住者の居住の安定に配慮した上で、一つ、「機構の保有する賃貸住宅のうち、公営住宅階層の居住者が大半を占めているものについては、機構本来の役割に徹するべく地方公共団体に譲渡するなどして機構の業務から切り離すため、当該団体と協議する。」二つ、「機構の持つ七十七万戸の賃貸住宅について適正化に向けた今後の削減目標を明確にする。」などの措置を講ずることとされております。なお、これらの措置内容につきましては、平成二十年度までに結論を得、結論を得次第措置することとされており、現在、機構等において検討が行われているところでございます。以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。 # 村上委員長 村上委員長説明は終わりました。本件について発言を願います。 # 植木委員 植木委員この陳情は、公団の賃貸住宅に住む方々の生活がかかった、非常に切実な内容だというふうに思います。今も説明がありましたけれども、規制改革推進のための三カ年計画が閣議決定されて、いろいろ動き始めてきているわけですけれども、特に賃貸住宅にお住まいの方々は公営住宅階層の居住者が大半を占めている、高齢者の方々も多くなってきているということで、この方々は何とか公団で住み続けながら生活をしたいという思いから、あえて高家賃の中でも頑張って生活をしていたり、それから国などにも毎回各政党を通じて要望したり、いろいろな努力をしてきています。ところが、これが地方公共団体に移譲するなど、機構と切り離すということになりますと、一体その後どうなるのかということで、切実な声が私どものところにも寄せられています。その一方で、また都市機構の方は、賃貸住宅約二十万戸削減計画というのを内々的に持っているということも、この間明らかになってきました。都市機構は、公には追い出しはあり得ないということをいってはいるのですけれども、いっているとすれば、こうした二十万戸削減計画というのはやはり撤回するというふうに明言すべきだと思うのですが、こうした事態に今なっていると思うのです。今も説明の中で附帯決議の問題がありました。都市機構法あるいは住宅セーフティーネット法などの制定時に、全会派が一致して附帯決議をつけた。この附帯決議の中身は四点ですよね。居住者との信頼関係、それから居住の安定、住宅の利便施設などの適切な維持管理、それから家賃を低所得者が住めるように過大にならないように、この四点の附帯決議がついているわけですから、そういう意味で、この住民の思いをどうしても国の方に届けていくということは、私ども都民にとっても非常に大事な問題の一つだと私は思うのです。そこで、今説明の中に全国の公団賃貸住宅は七十七万戸あるというふうに出ていますが、全国では七十七万戸、何人が住んでおられるのか、そのうち、都内にある公団の賃貸住宅については何戸で何人ぐらいが住んでおられるのか、つかんでいたら教えていただきたいと思います。 # 松村住宅政策推進部長 松村住宅政策推進部長十九年三月末で管理戸数は七十七万戸ですが、居住人数については今ちょっと資料を持ち合わせておりません。都内の管理戸数は十七万戸でございまして、居住人数については今ちょっと資料を持ち合わせておりません。 # 植木委員 植木委員十七万戸といいますと、約二〇%ちょっとになると思うのですね。ですから、全国の中で二割以上を占めているということで、非常に大きいと思うのです。それだけに、私は、都としても、どういうふうに推移していくのかまだ明確なところは出ておりませんけれども関心を持っていく必要があると思うのです。それで、公営住宅階層の居住者が大半を占めているというふうにいわれているのですが、一体どのくらいおられるというふうに都としてはつかんでおられるのでしょうか。 # 松村住宅政策推進部長 松村住宅政策推進部長今の私どもの手持ちでは、どのぐらいが公営住宅階層かという資料はちょっと持ち合わせておりません。 # 植木委員 植木委員国の方向で行くと、年内には計画を持って、二十年度には結論を出すと。その後、どうするかという話になってくる。こうした基本的なスケジュールは出ているわけです。しかし一方で、附帯決議がついていて、各政党を通じて内閣にもいろいろな意見が行っている段階だろうと思うのです。そういう意味で、やはり地方公共団体というのは、都と区市、東京でいえばそれしかないわけですから、ぜひ現状をつかんで、本当にどういうふうに動いていくのか。そこはやはりきちっと見ていく必要があると思うのです。それで、何よりも公団居住者が引き続き居住の安定を保障される。一番いいのは、都市機構が公共住宅の役割を維持して、附帯決議の趣旨を生かしていくということで、削減計画は撤回するということになれば一番いいわけですから、今の段階でこそ国に対して物をいっていくことが必要だと思うのです。それから、多摩平なんかの団地では、公団住宅が老朽化していく中で、一定部分そこに都営住宅を建てて都営住宅階層の方々を入れるとか、そんな工夫も過去にはやった例があるわけですから、そういう意味で、居住の安定の確保のためには国も地方自治体も大いに努力をする。そして、この附帯決議に反しないようにしていく。そういう意味で、私はこの陳情を、議会として、意見書ということで国に意見を現段階で申し述べていくということは非常に大事だし、東京都としてもそうした働きかけをしていただきたいということを求めて、私の質疑を終わりにします。 # 村上委員長 村上委員長ほかに発言がなければ、お諮りいたします。本件は継続審査とすることにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 村上委員長 村上委員長異議なしと認めます。よって、陳情一九第四七号は継続審査といたします。 # 村上委員長 村上委員長次に、一九第五四号、東大泉アパート建替計画に関する陳情を議題といたします。理事者の説明を求めます。 # 山室建設推進担当部長 山室建設推進担当部長それでは、整理番号4、一九第五四号、東大泉アパート建替計画に関する陳情についてご説明いたします。請願・陳情審査説明表の七ページをお開き願います。陳情者は、練馬区の東大泉団地自治会会長、鈴木春代さん外二百八十九名でございます。陳情の要旨でございますが、都が計画している東大泉アパートの建てかえにおいて、次の四点を実現していただきたいというものでございます。一つ目は、建てかえ後の新しい住居は、単身者用についても二DK、四十七平米以上とするものでございます。二つ目は、建てかえ後の使用料、家賃については、現行使用料より高くならないようにすることでございます。三つ目は、集会所については、建てかえ計画の百平米では狭いので、近隣開放型二階建てとするものでございます。四つ目は、倉庫については、現在の面積を上回る面積の倉庫を設置することでございます。現在の状況でございますが、一つ目の新しい住居の広さについてですが、都営住宅の建てかえに当たりましては、型別供給実施基準を設け、居住者の世帯人員に応じ適切な居室構成、面積規模の住宅を供給しており、一人世帯用は一DKとなります。この一DKの住戸の面積は、一人世帯の最低居住水準二十五平米、二人世帯の最低居住水準三十平米を確保するとともに、浴室や廊下などのバリアフリーにも配慮し、三十二平米としております。二つ目の都営住宅の使用料につきましては、公営住宅法、都営住宅条例等に基づき、入居者の所得や部屋の面積、経過年数等により定める応能応益的使用料負担制度をとっております。このため、建てかえ後の使用料は、部屋の面積、入居者の収入等により異なることになりますが、建てかえ前より使用料が高くなる場合は、五年間の段階的に差額の六分の一ずつ漸増する措置をとり、入居者の負担を軽減緩和しております。三つ目の建てかえで設置する集会所につきましては、建設する住宅の総戸数により基準を設け、その規模を定めておりまして、地元の町会などから近隣住民への開放の要望がある場合は、所定の規模に一定程度を加えた集会所を設置することができることとしております。ちなみに、東大泉アパートでは、建てかえで建設する総戸数が五百二十三戸であることから、集会所の面積は百平米となります。なお、地元の町会などからは集会所の近隣住民への開放の要望は出されておりません。また、集会所の階数につきましては、バリアフリーやコスト、緊急時の避難の面から平屋建てとしております。四つ目の倉庫につきましては、集会所内に一定規模の面積を確保することとしております。よろしくご審査のほどお願いいたします。 # 村上委員長 村上委員長説明は終わりました。本件について発言を願います。 # 泉谷委員 泉谷委員この件について何点か質問させていただきます。練馬区の都営住宅の戸数というのは今どのぐらいあるのか、また世帯比はどのぐらいなのか、お教えいただければと思います。 # 山室建設推進担当部長 山室建設推進担当部長本年三月末時点でございますが、練馬区の都営住宅の戸数は一万二千戸余りでございます。また、練馬区の総世帯数約三十二万世帯に対する世帯比は約四%でございます。 # 泉谷委員 泉谷委員もう一点聞けばよかったのですけれども、都営住宅はなかなか入れないということをよく耳にしますけれども、都営住宅の応募倍率というのはどのぐらいなのでしょうか。また、この東大泉アパートの戸数は今どのぐらいなのか、あわせてお願いいたします。 # 山室建設推進担当部長 山室建設推進担当部長都営住宅の応募倍率でございますが、直近の平成十九年、本年の五月時点の倍率で見ますと、都全体では三十八倍となってございます。また、練馬区で見ますと六十倍ということでございます。また、都営東大泉アパートの全戸数は、現在三百六十戸でございます。 # 泉谷委員 泉谷委員この陳情に出ておりますけれども、もうちょっと広くしていただきたいとか、家賃が高くならないようにしてくださいということがありますけれども、この東大泉地域で民間の賃貸住宅の家賃というのは、例えばワンルーム、一DK、二DKの家賃相場というのはどのぐらいなのでしょうか。 # 山室建設推進担当部長 山室建設推進担当部長民間の賃貸住宅の家賃でございますが、ご案内のとおり、民間の賃貸住宅は市場における取引によって決まるものでございまして、公営住宅法や条例により定められる都営住宅の使用料とは算定方法が異なりますが、参考までに複数の民間の不動産仲介業者の物件情報を調べてみたところ、都営東大泉アパートの最寄り駅であります西武鉄道池袋線大泉学園駅周辺の民間賃貸マンションの平均的な家賃は、ワンルームにつきましては六万三千円から七万九千円、一DKにつきましては七万三千円から七万五千円、二DKにつきましては九万円から十一万四千円程度となっております。 # 泉谷委員 泉谷委員今のご答弁でわかったとおり、二DK、単身用で二DK、約九万から十一万四千円、こんなにかかる。そういうものを単身用にしてくれというのは、余りにも身勝手過ぎる要求だと思います。私は、単身者というのはどういう人たちが入るのかわかりませんけれども、普通に考えている都営住宅の人というのは、高齢者であったり、働けない障害をお持ちの方とか、そういう人が入るのならいざ知らず、普通の人が入るのであれば、若い人たちは、ワンルームで六万、あるいは、この間テレビでやっていましたけれども、押し入れを上と下で分けて一万円弱ぐらいで入っている。上の人があけたら、下の人もこんにちはと出てきちゃうような、ドラえもんみたいな部屋で過ごしている人もいたり、やはりそういう観点から見ても、二DKを単身用にするというのは、根本的に不当要求だと思っております。また、都営住宅に入る方への教育というのがちょっと足りないのじゃないかと思っております。先ほど六十倍というお話がありましたけれども、六十分の一しか入れないそういう人たち、ほかの五十九世帯の方は入れないわけですから、もし入るときにしっかりと、税金でこういうふうに補助されていると。本来なら名前も公表して、税金はこういうふうに使われているのだということを、しっかり名前を出して発表して教育をすべきだと思うのですが、なかなかそういうところまでプライバシーの問題があったりしてできないというのは認識しておりますけれども、そういった状況でこういった二DKを要求するというのは、本当にありがたみが全然わかっていない不当要求だと思いますので、こういう、一番みたいなことはおかしいと思いますし、また、建てかえ後の使用料について、現行より高くならないようにするということがありますけれども、これも、新築に建てかえたら家賃が上がるのは当然のことでありまして、これもおかしな話だなと思っております。また、ここに、三点目に集会所をつくってほしいということがあるのですが、現在、集会所の使われ方というのはどのようにされているのでしょうか。 # 山室建設推進担当部長 山室建設推進担当部長集会所の利用方法についてご説明いたします。都営住宅に設置する集会所につきましては、東京都営住宅集会所使用要領に基づきまして、団地自治会が管理運営をしております。都営東大泉アパートは、現在一カ所、百四平米の集会所がございまして、この団地の自治会や居住者がさまざまな行事などに使用しているところでございます。 # 泉谷委員 泉谷委員そう考えると、五百二十三戸で百平米というのは、小さいとは決していえませんし、普通の会合を行う、あるいは何かを行うにはちょうど適した大きさかなと思っております。また、新しく建てるわけですから、建築基準法の新規の法にのっとってやるわけですから、耐震性もあると思いますので、そういうところが避難所になるということは想定できないわけですね。もし、新しくできるところが倒壊するような、液状化現象や倒壊することがあるということは、ほかの地域はもう全滅的になっておりますので、そういうことを考えると、そこに住んでいる方の葬儀や、いろいろな趣味の、あるいは自治会の諸行事を行うのであれば、この百平方メートルで狭いとはいえないと思いますので、これも不当な要求だなと思っております。全般的にして都営住宅、これは今いろいろなお話がありましたけれども、法律で決まっていることではございますけれども、私が感じるに、今、承継制度とかいろいろ問題がありますけれども、都営住宅に入っている人が都営住宅から出てもっと自分の生活を向上しようという意欲がないということに本当に都営住宅というのはいいのか、そのように感じております。私も、親ががんになりまして、一年間親が働けなくて、しかも自営業でしたので、治療費と借金で借金まみれになったことがありましたけれども、そういう中でも歯を食いしばって、人の世話にはならないということで来ましたので、そういう気概がなく、ずっとそこに落ちついてしまうというこの制度自体がおかしな制度だなと思っております。そういう観点から、私は、この陳情に対して不当要求だということを申し上げて、採択は否決だということを述べて終わりにいたします。 # 河野委員 河野委員私は陳情について意見を申し上げます。都営住宅の建てかえ計画で、居住者が直面している切実な思いが込められた陳情だと思います。私は、先日十一月六日の事務事業質疑で、建てかえで移転した高齢者の方の生活の現状を述べて専用面積の拡大等を都に求めましたが、陳情者も同じ思いだということがわかりました。都営住宅は、法律に基づいて所得の少ない人の生活を維持させていく上で、やはりセーフティーネットということで、公が責任を持って住宅を供給するという大事な住宅の制度だと思います。そういう点では、生活維持ができるだけの家賃の負担、応能応益という言葉がありましたけれども、やはり能力に応じた、生活水準に応じた家賃を設定するということが必要であると考えます。さらに、集会施設の充実についても求められておりますが、私が住んでいる江戸川区に、数十戸の東瑞江都営アパートというのがあります。ここに、この陳情者が求めておられる近隣開放型の集会施設と位置づけられたようなものがありまして、ここは、高齢者の方とか女性のサークル団体とかがそれぞれ団地自治会の役員さんに申し込みをして、自分たちの活動に生かしているという施設になっていて、都営住宅と併設されたこういう集会施設があるということは、地域にとっても大変ありがたいことだなというふうに感じています。そういう幾つかの点で申し上げましたけれども、本陳情については、住民同士が生活を支え合ってコミュニティの形成に努めていく、そういう願いが込められておりますし、団地自治会が挙げて都議会に陳情を提出されている、このことを重く受けとめて、陳情者の要望に対し東京都が努力していただくことを求め、陳情の趣旨採択をお願いして発言を終わります。 # 村上委員長 村上委員長ほかに発言がなければ、これより採決を行います。本件は、起立により採決いたします。本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。〔賛成者起立〕 # 村上委員長 村上委員長起立少数と認めます。よって、陳情一九第五四号は不採択と決定いたしました。以上で請願陳情の審査を終わります。なお、本日審査いたしました請願陳情中、採択と決定いたしました分につきましては、執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。 # 村上委員長 村上委員長次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。 # 只腰都市整備局長 只腰都市整備局長来る、来年になりますが、二月七日木曜日に開催予定の第百八十回東京都都市計画審議会に付議を予定しております案件につきまして、ご説明申し上げます。今回、東京都決定案件が全部で二十件ございまして、案件総括表の中に書いてございますが、その内訳は、区部で十二件、市町村部で八件ございます。本日でございますが、これらのうち、主な案件といたしまして、東京都市計画都市再生特別地区の渋谷二丁目二十一地区並びに国分寺三・四・五号国分寺北線及び関連する案件の二件につきまして、担当部長から説明をいたさせますので、よろしくお願い申し上げます。 # 瀧本参事 瀧本参事私からは、都市再生特別地区、渋谷二丁目二十一地区の変更についてご説明いたします。資料は、お手元の白表紙、提案事項概要、薄茶色表紙、事前説明会資料でございます。あわせて、お手元の桃色表紙、都市計画(素案)の提案をご参照ください。今回の変更は、都市再生特別措置法に基づき、渋谷新文化街区プロジェクト推進協議会の事業推進者である東京急行電鉄株式会社から、本年十月、都市計画の提案があったものでございます。スクリーンをごらんください。都における都市再生緊急整備地域は、八地域、約二千五百十ヘクタールが指定されており、本地区は、都市再生緊急整備地域の渋谷駅周辺地域内にございます。事前説明会資料八ページをごらんください。計画地は、西側に明治通りが隣接し、北側に宮益坂、東側に青山通りが近接する約一・一ヘクタールの区域でございます。スクリーンには地区の航空写真を示しております。計画地西側にJR渋谷駅、地下鉄銀座線・半蔵門線渋谷駅、東急東横線渋谷駅が近接しているほか、来年六月には地下鉄副都心線渋谷駅が開業いたします。事業者からの提案内容については、地域の整備方針に適合し、周辺環境への配慮、都市基盤との均衡が確保されるとともに、都市再生貢献が高く、周辺地域の方々のおおむねの同意も得られていると判断いたしてございます。事前説明会資料一〇ページ及び一一ページをごらんください。本計画は、渋谷駅周辺の谷の地形に対し、縦方向のバリアフリー移動空間であるアーバンコアを整備するなど、歩行者ネットワークの形成を図るものでございます。また、本格的なミュージカル劇場や関連文化施設を整備し、多様な世代のニーズに対応できる生活文化の発信、交流拠点の形成を図ります。災害時の支援機能として、防災備蓄倉庫の整備や帰宅困難者のための一時収容場所を確保するほか、環境負荷低減の取り組みとして、隣接する地下鉄副都心線渋谷駅の自然換気を行うための吹き抜け空間を整備し、省エネルギー化に貢献いたします。建築物についても、最新技術を導入するとともに、夜間の冷気を活用するナイトパージや緑化の推進など、環境対策を実施いたします。白表紙の提案事項概要四ページ及び事前説明会資料九ページをごらんください。都市計画の主な内容として、建築物の容積率の最高限度は一三七〇%とし、そのうち二四〇%は文化施設の用途に供する部分といたします。建築物の高さの最高限度は、高層部Aの部分で百八十八メートルといたします。事前説明会資料一二ページをごらんください。建築物の完成予想図でございます。建築物の主要用途は、店舗、文化施設、事務所、駐車場となっております。私からの説明は以上でございます。 # 升都市基盤部長 升都市基盤部長私からは、国分寺都市計画道路及び用途地域の変更についてご説明させていただきます。本件は、JR中央線国分寺駅の北口周辺に関する案件で、国分寺都市計画道路三・四・五号国分寺北線並びに三・四・一二号国分寺駅上水線及び用途地域の変更を行うものであり、関連案件として国分寺市決定の市街地再開発事業などがございます。お手元の白表紙、提案事項概要では二九ページから四〇ページ、薄茶色表紙、事前説明会資料では一一七ページから一三七ページになります。航空写真をスクリーンに映してございますので、ごらんください。本件は、社会経済状況の変化を踏まえて市街地再開発事業の街区の配置や面積などを変更することに合わせて、交通広場の位置や規模など都市計画道路の変更を行うとともに、用途地域を変更するものでございます。赤色のハッチが今回変更する都市計画道路をあらわしており、東西方向のものが三・四・五号国分寺北線、南北方向の道路とこれに付随する交通広場が三・四・一二号国分寺駅上水線でございます。緑色のハッチは、用途地域を変更する区域でございます。次に、スクリーンの都市計画変更概要図をごらんください。現計画では、駅に接して交通広場を設置し、その北側に再開発建築物の西街区を配置する計画でございました。変更案では、国分寺駅北口の交通結節点機能を強化し、交通の円滑化を図るため、交通広場面積を六千平方メートルから八千平方メートルに拡大するとともに、交通広場と西街区を入れかえ、既成市街地に広く接することとなる北側に移動させ、既成市街地の建物更新を促進し、健全な市街地の発展に寄与することとしております。なお、変更案では交通広場が駅と離れることになることから、両者のアクセスを確保するため、立体通路及び立体交通広場を同時に都市計画決定いたします。次に、都市計画変更の内容についてご説明いたします。事前説明会資料一一九ページの都市計画道路三・四・一二号線の計画図をごらんください。三・四・一二号国分寺駅上水線は、標準幅員十六メートル、国分寺駅と小平市域の五日市街道までを結ぶ延長千六百九十メートルの路線で、駅に近接する区間は幅員二十二メートルとなっています。斜線で示した駅近傍の区域が、廃止される現計画の交通広場で、北側のメッシュで示した駅から離れた区域が、追加される区域となります。この広場の位置変更に伴いまして、三・四・一二号線の起点位置を新たな交通広場との接点に変更し、延長を変更いたします。事前説明会資料一一八ページをごらんください。三・四・五号国分寺北線は、標準幅員十六メートル、延長三百十メートルの路線で、再開発区域を除いておおむね整備済みとなっております。交通広場の変更に合わせまして、起点部の隅切りを三・四・一二号の交通広場に編入し、起点位置及び延長を変更いたします。また、これらの変更とともに、両路線の車線数を二車線と定めます。次に、事前説明会資料一二三ページ、用途地域の変更に関する計画図をごらんください。これまで都市計画道路の中心及び現道の中心を区域境としていた部分につきまして、今回の都市計画道路の変更に合わせまして、1)、2)及び3)の部分について区域境を道路端に変更し、商業地域五〇〇%及び四〇〇%を商業地域六〇〇%に変更いたします。また、再開発事業区域から除外される4)の部分につきまして、商業地域六〇〇%を商業地域四〇〇%に変更いたします。次に、今回の都市計画変更と同時に国分寺市が決定、変更する案件について説明いたします。事前説明会資料の一二四、一二五ページ、交通広場及び通路の計画図をごらんください。今回位置を変更する交通広場とのアクセスを確保するため、再開発ビル内に約千平方メートルの立体交通広場と幅員十二メートル、延長約六十メートルの立体通路を新たに決定いたします。次に、事前説明会資料の一二六ページ、駐車場の計画図をごらんください。位置を変更する交通広場の地下部分に、約三千台の自転車の収容が可能な約〇・二六ヘクタールの自転車駐車場を決定いたします。次に、事前説明会資料の一二七ページから一三一ページ、国分寺駅北口地区第一種市街地再開発事業の計画図をごらんください。市街地再開発事業の施行区域面積は約二・一ヘクタールで、公共施設として交通広場のほかに区画道路を整備いたします。施設建築物は二棟あり、主な用途は、西街区が商業施設、東街区は住宅でございます。全体の事業スケジュールといたしましては、今年度都市計画変更を行い、平成二十年度に事業認可、平成二十一年度に権利変換、平成二十二年度に工事に着手いたしまして、平成二十五年度を完成目標にしております。次に、事前説明会資料の一三二、一三三ページ、高度利用地区の計画図をごらんください。第一種市街地再開発事業の変更に伴い、壁面の位置の制限、建ぺい率の最高限度、容積率の最高限度などを変更いたします。事前説明会資料の一三四ページから一三七ページ、地区計画の計画図をごらんください。再開発事業区域を含む国分寺駅北口地区の約三・六ヘクタールの区域において、都市基盤の改善や地区特性に応じた土地利用を誘導することで、国分寺市の新たな顔となるまちづくりの推進を図るため、地区計画を変更するものでございます。以上で説明を終わります。 # 村上委員長 村上委員長報告は終わりました。これより本件に対する質疑を行います。発言を願います。 # 立石委員 立石委員都市再生特区について何点かお伺いいたします。初めに銀座四丁目六地区のプロジェクトについてですが、今回のプロジェクトは、東京の都市再生の一翼を担う銀座地区を国際的な商業、観光の拠点としていくため、これまでの銀座のにぎわいを維持しながら、銀座にふさわしい商業機能の更新と充実を図ろうとするものであり、注目をしております。銀座は、一年を通して買い物、観劇などの来客が多く訪れる、日本を代表する商業のまちであることはいうまでもありません。そこで、最近は銀座の風景が、しにせに加えて外国の高級ブランド専門店が次々にビルを構え、新たなにぎわいをつくり出しています。このようなにぎわう銀座が、だれもがちょっと一休みとか、気軽に腰をおろすような場所がなく、つまり広場がないということであります。土一升、金一升のところですから、広場などつくれるわけはないということもいえるわけですけれども、しかし、先進七カ国などの街並みを見ると、大変合理的な、合理的というか適当な広場があるわけでありますけれども、こういうものがこの銀座にできるといいなと私は思っておりました。今度の計画を見ますと、銀座サテライトということで工夫をされているようでございますが、この銀座サテライトについて、その具体的な内容を少し説明してほしいと思います。 # 瀧本参事 瀧本参事お尋ねにございました公共的な広場ということでございまして、このプロジェクトの中では銀座テラスというふうに名づけてございますが、この広場、銀座テラスにつきましては、地区計画の地区施設として位置づけまして、本館屋上、新館九階部分のフロアに設置をいたします。外部から直接アクセスできるエレベーターを備え、来街者に開放された約二千九百平方メートルの公共的な休憩、交流、憩いの広場空間として整備することとしております。そのうち、屋外空間では、約三百九十平方メートルの芝生広場の整備やプランターの設置など、緑化を進めます。屋内空間では、テーブルやいすなどの休憩施設を配置するほか、環境PR等のコーナーを設けることとしております。運営については、デパートの営業時間よりも長く利用できるようにするとともに、地元のニーズに対応した展示会やイベントなども実施することといたしております。 # 立石委員 立石委員先ほどもちょっと話しましたけれども、これを仮に公共が、つまり税金で広場を用地買収するようなことがあればいうまでもなく大変な経費がかかるわけですけれども、それを都市再生特区という、文字どおり地方自治が民主政治の実験室だといわれる、昔からいわれておりますけれども、そういう意味でちょっとこの銀座テラスという発想は、この資料を見ておもしろい考え方だな、こう思いました。しかしながら、どういうふうに、例えばデパートが閉まった時点では、外部から直接とはいいながらも、時間的な担保だとか休日、三百六十五日あるわけですけれども、こういう広場はどういうふうに運営されるのか。具体的にはいろいろな形があると思いますけれども。あるいはまた、よくあの辺では半分が室内になりますけれども、室内の場合で、展示会その他が本来の公共空間としての、あるいは都市再生の貢献としての役割ではなくて、商業的な従属した形で使われてしまうのじゃないかなというちょっと懸念もありますが、そこら辺はどのように再生特区として担保しているのか、ちょっとお聞きしたいと思います。 # 瀧本参事 瀧本参事この銀座テラス、公共の広場でございますけれども、運営につきましては、基本的にはデパートの営業とともに営業してまいりますが、しかし、その営業時間よりも長く利用できるようにするとともに、直接外部からアプローチできるエレベーターも設置いたしまして、この対応をするということになってございます。また、今お尋ねのございました銀座テラスの屋内部分でございますが、環境や健康に配慮した商品を扱うロハス店舗の設置ですとか環境イベントの開催ということを行って、環境に関する啓発活動等も行うということで進めてございます。これらにつきましては、地区計画の地区施設として位置づけて、公共的な広場として活用していくということにいたしてございます。 # 立石委員 立石委員銀座は地元なので、よく行くところですけれども、晴海通り、中央通り、区道があるわけですけれども、ちょうど晴海通りに地下鉄の出入り口が何カ所かあって、この間もそうだったのですが、片や社民党の党首が中央通りで演説をしている、日曜日に。民主党の党首が、また各党の党首が、その次あたりに我が党が遊説の順番が回ってきて、ちょうどあの辺で立っているような状況の中で、本当に大勢の人が流れているので、この空間は、水がちょうど抵抗を受けるみたいに人の流れが地下鉄の出入り口で抵抗を受けていますけれども、そういうような点は今度のこの企画では少し整理されるようでございますけれども、人の流れといいますか、この辺は具体的にはどんな感じになるのでしょうか。 # 瀧本参事 瀧本参事今お尋ねの人の流れということでございます。今回のプロジェクトにおきましては、周辺地区の通りの整備というものも予定しているところでございまして、晴海通りの地上歩道にある地下鉄出入り口を三越の敷地内などに移設して、歩道の拡幅、改善を行います。また、地下道は、銀座線の駅前空間を拡充整備し、エレベーターを設置してバリアフリー動線を確保するほか、東銀座方面への地下道を明るく歩きやすい空間として整備をする予定でございます。このほか、銀座一丁目から四丁目の区道四二七号について、石張りなどの表層整備を行いまして、安全で快適な歩行者空間の実現を図ることとしてございます。また、あわせまして、安全な歩行者ネットワークということでは、今回駐車場の整備というものを予定してございまして、都市計画駐車場九十六台、周辺の小規模建物の集約駐車場五十一台、それからプロジェクトの提案者である三越の附置義務駐車場二百五十二台、合計で三百九十九台の駐車場の整備を行います。また、駐輪場百九十二台、駐バイク場十八台を整備いたしまして、歩道の通行機能の改善、安全性の向上を図る、このようになってございます。 # 立石委員 立石委員今、地下の広場のことも触れられました。あそこは、ちょっと失礼ですけれどもホームレス的な方がたむろしているようなところもありまして、よく東銀座まで行くのに、地下道を通るとちょっと暗い感じがするなと。この間もまたユビキタスの実証実験なんかをやられておりましたけれども、あの辺がそうすると明るくなる。段差がなくなる。そして何といいますか、広場みたいなものがどのくらい、図面を読めばわかるわけですが具体的にはどのくらいの広場が本来あれは、公共がつくったとしたら、どのくらい費用は、費用は大ざっぱでいいのですけれども。つまり、大変な公共、こうあるべきまちの風景とか地下の風景があるといいなと我々はいつも思って海外などを視察しますけれども、そうすると、ニューヨークに限らず、ロンドンに限らず、シンガポールでも、本当にうまいことを考えているなというのは幾らも例がありますね。遅まきながらといったら大変失礼ですけれども、都市再生特区という手法で、実験的に幾つか、もう既に十カ所ばかりできましたかね。そういうようなことから考えて、せっかくこれをまた銀座の四丁目の、特に目抜き通りの、ある意味で日本一の商店街の風格ある地下街といいますか、先ほどお話があったように駐車場が足りないとか駐輪場が足りないとかそういうお話を、商店街、銀座通り連合会とか町会の新年会に出ますとよく陳情を受けますけれども。そういう意味で大変立派な、この絵によると立派な、本来いわゆる公共がやるべき、パブリックがやるべきことを、事業者の提案によって都市再生貢献といいますかそういう形でなされるということで、これは非常にいいことだと私は思っておりますし、本来どのくらいかかるかということを聞くのは、事業上の秘密もあるでしょうし、概算しても相当なお金がかかるなというふうに思います。しかもまた、今のお話だと四二七号でしたか、区道のつけかえによって、そこに表面上の、何といいますか石畳というのですか、きれいな石を張る。しかも、当該敷地だけじゃなくて四二七号のエンドまで、つまり銀座一丁目まで持っていくということですけれども、これも非常にすばらしいことだと私は思います。大ざっぱでいいのですが、答えられないかもしれませんが、大体どのぐらいかかるものなんですかね。本来公共で、税金でやるべきものを税金でやるべきというと語弊がありますけれども、やったとしたらどのくらいかかるものが、この事業の展開によって何といいますか、今アメリカで、PPPというパブリック・プライベート・パートナーシップというのが非常にいわれ出して、例の双子の赤字以来アメリカで大変な税収の足りなくなった時点、あの時点でたしかいわれる話だと、インカムが百、出が百四十だといわれるような状態の中で考えられた方法が、公共と、しかもプライベートとパートナーを組んで、つまり、民間企業と、公共の税金を使うべきところを、パートナーシップをとって、お互いによりよき地域のために、また都民、向こうでいえば市民のために州政府が主導してやったなんていうことを読んだことがあるのですけれども。この場合においても、大ざっぱにいうと都市再生特区はそういう一面も私は持っていると思いますので、この事例で、部長は、大ざっぱで結構ですけれども、このぐらい得をするというと語弊がありますが、パートナーとしてお互いにいいわけですから。ちょっとわかりましたら教えてください。わからなかったら後で結構です。 # 瀧本参事 瀧本参事今委員からお尋ねのございました、まず地下の空間の整備でございますけれども、これは、地下鉄の地下空間の駅前空間の拡充整備、それからさらに晴海通り地下側の拡幅整備、さらに歩道の整備、長さ百メートルほどの現状の歩道を明るく歩きやすい空間に改善整備をいたします。これらの面積の合計としましては、約二千平方メートルの整備を行っていただくということでございまして、この整備については、今回のプロジェクトの中で、プロジェクト側で負担して整備をしていただくというような貢献をしていただくことになってございます。それからまた、先ほどの区道四二七号でございますが、これにつきましても、延長五百メートルにわたって整備をしていただく。面積は四千平米になります。これにつきましても、表層整備は、このプロジェクトの中で負担してやっていただくことになってございます。これは、当然事業費的にはかなりの金額になるわけでございますけれども、この事業計画につきましては、私ども東京都の方にも提出をしていただいておりますが、金額的なものについては、業者、事業者等の関係で公表しないということになってございまして、相当の金額がかかるということでご理解をいただければと思っております。 # 立石委員 立石委員相当な金がかかるということはいわれたので、それ以上は結構ですけれども、非常に、私はそういう意味で都市再生特区に期待をしております。と同時に、私も長く都会議員をやらせていただきましたけれども、何でこんなことができないんだと。都民、区民、市民、それと、だれもが考えて、こんなことはやった方がいい。駐輪場は何でできないんだろうか。そういうようなときに、官と民の境がはっきりし過ぎていて、やはりなかなかできなかった。しかし、昨今の事例を見ると、一〇〇%とはいえませんけれども、もちろんメリットがあると同時にデメリットもたくさんあるのでしょうけれども、しかし、概してまちはきれいになって整備されてきたなと。しかも、耐震、耐火、安全・安心、環境に大変配慮されている形になっているなということで、期待をしています。しかし、同時にまた、今気づいたことの一つとして、それじゃ何でもあるのかと。四二七号の区道が、銀座の一丁目から四丁目の角まで、一等地のあそこを、今まではそこにはデパートの商品を納入する車ががたがた、ばたばたしていました。それを整理されて、またタクシーの出入りで、あるいは駐車場の出入りで本当に錯綜していました。この区道のあり方として、区は判断されて、道路、通路としての用途は残しながら、かつ三原通りに区道をつけかえるわけですね。何といいますか、つけかえの大原則みたいな方法といいますか、区道をつけかえる利便性として、皆さんのためになるのだ、公のためになるのだという貢献上の判断として、東京都、都市整備局としてどんな判断をされたのか、ちょっとお尋ねしたいと思います。 # 瀧本参事 瀧本参事今お尋ねの区道のつけかえということでございますが、中央区としましては、この銀座地区については、歴史的にも街区が非常に小さいということで細切れの形になっているところを、できるだけ街区の大きな単位でこの地区の開発を誘導していくというような方針を持ってございます。この銀座地区につきましても、そうしたことで、こうした再開発、開発の機会をとらえて、できるだけ街区としてまとまりのあるようなものになるように、なおかつ、それは通行機能等を維持した上で、よりよい街区ができるような誘導をしているところでございます。今お話のございました区道四二七号の道路をつけかえた部分でございますが、これにつきましては、先ほど交通がふくそうしているという三原通りのものを、駐車場の出入り口を道路をつけかえた部分の三原通りの方へ整備するということでございまして、そこにつけかえた道路の活用を図ることとしてございます。そして、そのつけかえた、民間敷地となる区道部分でございますが、これにつきましては、通路として、地区計画の地区施設として位置づけまして、歩行や自動車交通の機能を確保しながら、店舗が連なるにぎわいのパサージュとして整備をすることといたしてございます。この日常管理については、三越が行うという予定でございます。それから、区道をつけかえた先の三原通りの部分でございますが、歩道の整備を行うとともに、都市計画駐車場等の出入り口として、歩行者と自動車が交錯しない形で整備をいたします。この日常管理や運営についても、三越が行う予定というふうになってございます。 # 立石委員 立石委員大体わかりました。四二七号がいわゆる貫通通路というのですかね、要するに通路になる、何とかパサージュとおっしゃいましたけれども、要はにぎわいのある、暗くならない、物の仕入れ先の裏側動線ではなくて表動線になるということで、銀座のにぎわいからしたらウエルカムな話だと思います。そこは、しかし時間で車が入れないのですか。それとも、それはどういうようなことになるのですか、その貫通通路というものは。私道みたいになっちゃうのかどうか、わかりませんけれども。 # 瀧本参事 瀧本参事今お尋ねの四二七号のパサージュという部分でございますが、ここにつきましては、都市計画法上の地区計画の地区施設として位置づけまして、また、道路交通法の規制等も引き続きしていただくということで警察当局とも協議を進めてございまして、これは二十四時間通行が、歩行や自動車交通がきちっと確保される。その上で、この周辺に歩道状空地等も整備をいたしまして、出会いとにぎわいのパサージュという形で商業拠点にふさわしい整備をしていこうというものでございます。 # 立石委員 立石委員わかりました。銀座はわかりました。先ほどもちょっとお話ししましたように、公共と民間が事業協力をして、いいまちをつくろうとするという趣旨もわかるし、いろいろなメリット、デメリットもあるとは思いますけれども、今に合っているなという感じはいたしました。期待したいと思います。それと同時に、ここで提案されている渋谷の、これは二丁目ですか、昔の東急文化会館ですか、そこのところに今度、再開発のための再生特区をかけようというわけですね。これについてちょっと質問したいと思いますが、自分の体験談を恥ずかしながら語ると、私も物心ついて初めて渋谷駅に着きました、銀座線で。銀座線で着いて、ああ、ここが渋谷かと。十代のころ、初めて渋谷というところへ、東京生まれですけれども行って、まあ何とすごいところだろうと思いながら出ようとしたら出口がわからなかった。本当に江戸っ子としては悔しいので、何とか探そうと思って出口を探しましたけれども、わからなかった。最後は結局、恥ずかしながら駅員さんに聞いて、やっと出た。出たら、デパートの中でどこだかわからない。これは何だ、こういう渋谷はもう来たくないな。委員長には悪いけれども、そんな思いがしました。しかし、渋谷はいいところですから、若者がたくさんいて。それを今度のこの会館、旧東急文化会館というのですか、そこを今度再生特区にしてどのように変わっていくか。この点を幾つか質問したいなと思います。公共貢献という、先ほども話しましたけれども、公共貢献としてどんなメリットがあるのか。要するに、地域社会というか、まちそのものにどんな貢献をされるのか、お聞きしたいと思います。 # 瀧本参事 瀧本参事この渋谷二丁目地区の公共貢献ということのお尋ねでございますけれども、今委員からございましたが、渋谷は非常に谷の地形でございまして、移動するのにも非常に苦労するということがございます。そこで、今回のこのプロジェクトにおきましては、縦方向をつなぐバリアフリー動線ということで、アーバンコアの整備をするという提案がございます。このアーバンコアによりまして、地下三階から地上四階まで、そして渋谷駅の方面から宮益坂、青山方面へ連続する歩行者ネットワーク、バリアフリーのネットワークを整備するというもので、今、一つ公共貢献を進めているところでございます。それからまた、環境対策といたしまして、隣接する地下鉄副都心線渋谷駅の自然換気を行うための吹き抜け空間を建物内に整備するといったようなことで、自然エネルギーの活用を図ることといたしてございます。また、本格的なミュージカル劇場や関連文化施設を整備しまして、多様な世代のニーズに対応できる、魅力ある生活文化の発信、交流拠点の形成を図ります。さらに、災害時の支援機能といたしまして、ミュージカル劇場やエキシビションホール、アーバンコアを活用して、帰宅困難者のための一時収容場所を提供いたします。また、敷地外の南側区道の整備や地下鉄副都心線渋谷駅と連絡する地下接続広場空間の整備を行うほか、銀座線移設に伴う駅の受け入れ空間の確保や橋脚の一部整備を実施することとなってございます。 # 立石委員 立石委員今初めて聞いた言葉の中にアーバンコアという言葉が出ましたけれども、要は谷底から山の上まで、地下三階から地上四階か三階ですか、七階分のフロアのアップダウンをバリアフリーにして、エスカレーター、エレベーターを使って、宮益坂というのですか、そこへ出たり青山通りへ出ることが可能になる。渋谷の文字どおりの谷が解消される、アーバンコアになるということが一つの大きな社会貢献と。環境的に、何というか、余り詳しいことはわかりませんけれども、これを読むとナイトパージですか、そういう言葉が出てきたりしていますけれども、これはどういう環境対策になるのですか。 # 瀧本参事 瀧本参事今回のこの渋谷二丁目地区におきましては、環境対策にも力を入れて取り組んでいるところでございまして、今お尋ねのございましたナイトパージというものも採用することになってございます。このナイトパージでございますけれども、夜間の外気を取り入れることによりまして、夜間の間に自然の通風を建物の横から取り入れて上空の方へ流す、そういう通風の空間を建物内で用意することによりまして、夜間の間に建物の温度というものを下げていく。そういうことによりまして、空調負荷の低減を図ろう、そして環境対策、CO2の削減等にも結びつけていこうというような試みを、今回このプロジェクトの中で実施するということになってございます。 # 立石委員 立石委員わかりました。いわば、昔のことをいうとおかしいですけれども、昔の木造のトイレって、和便器があって、下の方に小さな窓があって上の方に大きなそれなりの窓がある。三十センチぐらいの窓が下にあって上に同じぐらいの窓があるというのは、だれもがよく経験したことのある、昔の木造家屋の一軒家のつくりでしたね。そういうようなものをナイトパージと思っていいわけですか。うんといっているのでいいと思うのですけれども。これはつまり、僕は何をいいたいかというと、今の時代は、窓は閉めっきり、全部自然の換気とか、そういう日本人の文化というかな、そういうものを余りにも近代科学は利用していないと思いますね。日比谷っていうのは谷だろう、文字どおり。渋谷もね。日比谷と渋谷、間違えたけれども、「ひび」というのはノリの竹のことをいうらしいですね。それで、あそこは谷だったので日比谷という。渋谷も同じように、渋ガキがあったかどうかわかりませんけれども、そういうアップダウンが東京には片っ端からあると思うのですね。それで、今いうアーバンコアを使うとか、先ほどの、江戸時代と大げさなことをいう必要もありませんけれども、独特の日本人が持っている知恵ですね。話がちょっと、時間がなくなりましたけれども、日本人のトイレに対する感覚というのはすばらしいというのですね。あの有名なマドンナが日本に来日されて、トイレでびっくりしたという話を聞いたことがあるのですよ。つまり、便座が温かいとか、女性でなくても恥ずかしいなと思うようなことにやはり消音の効果があるとか、すごい工夫がされている。非常に繊細なものですね、日本人の文化というのは。そういうようなものを、局の皆さんが、提案される事業者の方に、こういう形で、古きをたずねるというかな、古きをたずねて、近代の、つくりかえるときにかつて成長時代に環境を無視してどんどんどんどん窓も閉めっきり、強制換気というか機械換気に頼っていた時代に、こういうナイトパージなんて英語を使うとわかりにくいけれども、昔流にいえばそういうことだろうから、そういうようなものも積極的に評価すべきことだなというふうに思いました、これを読んで。それと同時に、思いつきのようで悪いのですが、実は思いつきではなくて、銀座の点にしてもこの渋谷の計画にしても、絵文字みたいなものを、ピコグラフ、ピコ何とかというのでしょう、そういうようなものをどんどん利用して、ここは皆さんが自由に出入りしていい銀座テラスなんですよ、渋谷のアーバンコアなんですよというような表示をされるようなことも、局として事業者に提案してほしいなと思います。絵を見れば、海外の方でも一目瞭然にわかることです。ここは自由に休んでいいところだと、せっかく銀座に外部から直接入れるエレベーター、二十七人乗りが三台ついていますね、この計画を見ると。同じように渋谷でも、同じような形で、みんなが本当に使いやすい、専門家が専門家としてわかったふりをして、わかったつもりになっていて、一般の方が気づかないのじゃ何にもなりませんので、わかりやすく説明できるような手法をどんどん考えてほしいなということを要望して、また私の意見を申し上げて、質問を終わります。ありがとうございました。 # 村上委員長 村上委員長この際、議事の都合により、おおむね十分間の休憩をとりたいと思います。午後二時四十五分休憩午後二時五十七分開議 # 村上委員長 村上委員長休憩前に引き続き委員会を開きます。質疑を続行いたします。発言を願います。 # 河野委員 河野委員私は、押上・業平橋駅周辺地区地区計画、それと都市高速道路五号、六号線の車線拡幅、それから江戸川区篠崎地域の都市計画道路、公園緑地の変更について質問をいたします。最初に、押上・業平橋駅周辺地区の地区計画と新タワーの建設に関係して伺いたいと思います。NHKと在京民放五社が新タワーの建設を墨田区押上・業平橋エリアに決めたのは、昨年の三月三十一日でありました。今回地区計画が示された地域は、新タワー建設予定地の六・四ヘクタールの区画整理地域が入っております。区画整理事業は既に区画整理組合が設立されているとのことですが、そこの地権者は、東武鉄道、京成電鉄のほか、民間地権者十数人と聞いています。そのうち東武鉄道の所有地が八〇%近いということも聞いております。まず伺いたいのは、区画整理事業についてでありますが、事業費と、都の負担する補助金などについてお示しをいただきたいと思います。 # 座間民間開発担当部長 座間民間開発担当部長土地区画整理事業におきます都の財政負担でございますけれども、事業費全体で約八十六億円でございます。このうち東京都の負担金としては、補助金といたしまして約三十四億円、事業費に対する割合として約四〇%となっております。 # 河野委員 河野委員そうすると、事業費八十六億円ですか、そのほかの財源としてはどのようなものがあるか、もう少し詳しくご説明いただけますか。 # 座間民間開発担当部長 座間民間開発担当部長事業費といたしまして八十六億円のうち、補助金と、保留地処分金が補助金のほかにございます。金額は約十億円でございます。 # 河野委員 河野委員私がお聞きしているところによりますと、事業費は約八十六億三千万、そして保留地処分金十一億ということで、あとは国と都から補助金という形で入ってくるというふうに承っておりますが、それで間違いなければ後でご答弁いただきたいと思いますが、そうであれば、この区画整理事業については、保留地処分金のほかは大半が国や都のお金で実施されるということになります。次の質問ですが、現在示されている新タワービル建設計画は、延べ床面積が二十三万平方メートル、三十一階建て、一番高い棟が百六十メートルの高さ、一階から三階は商業床になると聞いています。タワーそのものの高さは六百十メートルということで、相当高い構造物になります。新タワーを誘致する地元の墨田区は、このタワー構想について三つのメリットを挙げています。一つは都市防災上の安全機能の向上、二つ目は集客効果と地域活性化、経済への波及効果、そして三つ目が観光と産業の融合、ものづくりのまち墨田の可能性を求めていくというものですが、私は、この点について東京都の見解を幾つかお伺いしておきたいと思います。第一、防災の問題です。このビルとタワーの建設で、防災機能はどのように果たしていくのでしょうか。そしてまた、墨田区はご承知のとおり東部低地帯に位置しております。地盤は非常に軟弱だといわれておりますが、その軟弱地盤のところに、六百十メートルもの高さの構造物が一緒になった大きな商業ビルをつくるわけですから、耐震性については十分な検証がされていることが必要だと思います。とりわけ六百十メートルもの高さのタワー、これは今、長周期地震波、この問題が大きく注目されている中で、この長周期の地震波との関係では、本当にきっちりと耐えられるものかどうか、そういう懸念も出されております。この防災問題で、二点についてご答弁をお願いします。 # 野本都市づくり政策部長 野本都市づくり政策部長区が決定する地区計画の整備方針において、新タワーゾーンに防災広場を整備し、平常時は交流空間として、災害時には来街者等の一時的な避難空間として活用することとしております。また、本地区は墨田区基本計画において新たな防災の拠点として位置づけられておりまして、防災行政無線網の強化や高所カメラの増設を行い、災害対応力あるいは情報収集能力の向上を図ることとしております。もう一つのタワーの耐震性能についてでございますけれども、事業者が環境局に提出しております環境影響評価書案に係る見解書では、タワーの耐震安全性については超高層建築物と同様に、学識経験者により審査を経て、国土交通大臣の認定を取得すると記載されております。 # 河野委員 河野委員タワーの長周期地震動と、エレベーターも当然設置されるでしょうから、その安全性などについては、地域住民の方から意見も多く出されているということを申し上げておきます。タワーは電波塔でありますから、電磁波のことも心配されています。電磁波が小児白血病の健康被害の原因になる、こういう懸念から、昨年一月、WHO、世界保健機構では、電磁波による健康被害の有無は現時点では断言できないとしながらも、予防原則という立場から対策を先行させるという方向に変わってきております。下町墨田区は密集した市街地であり、新タワー建設予定の隣接地には都営の押上アパートもあります。近隣住民への電磁波の影響、これについてはどういうものが判断としてあるんでしょうか。 # 野本都市づくり政策部長 野本都市づくり政策部長電磁波による影響でございますけれども、事業者が環境局に提出した環境影響評価書案によりますと、予定されている放送塔による電磁波の発生状況は、総務省の電波防護指針、この基準値を大きく下回る値となっております。また、評価書案に係る見解書によりますと、事業者は、放送事業者等と協議して、電波防護指針を遵守するとともに、定期的に電波環境を測定し、適正な管理運営を行っていくとしております。 # 河野委員 河野委員今お答えいただきました総務省の電波防護指針ですか、これなんですが、日本の国の基準は国際基準に比べるとかなり緩やかだというお話もあります。健康被害の心配、特に子どもさんの小児白血病ということもありますので、ぜひこの電磁波の問題については、東京都も今後注意を払っていっていただきたいということを要望として申し上げておきます。地区計画の問題で伺っていきます。この事前説明資料、黄色いページのですね、一五ページにゾーニングが示されております。それぞれゾーニング、機能再生ゾーンとか新タワーゾーンとかにぎわいゾーンとかありますが、最初に伺いました墨田区の見解の二点目、地域の活性化と経済波及効果に関して伺っていきます。この新タワービルの区画整理区域の周辺を取り巻くように、にぎわいゾーンということで位置づけられておりますが、浅草通り、そして押上通りに沿って今商店街が立地しています。墨田区は全国的にも中小商工業者のまちとして有名でありますけれども、今、さまざまな理由の中で、墨田区内でも商店街の衰退は否めないものがあります。墨田区の関係者のお話によりますと、この五年間だけでも七つの商店街がなくなっているとのことでした。計画では新タワーに年間五百万の集客を見込んでいるとのことです。数百万人の人がタワー見学などに来ても、ほとんどの人がこのにぎわいゾーンに足を運ぶのかどうかということが問題だと思うんですが、私たち一般的な消費活動をする主婦の立場から考えると、新タワービルの商業施設内で買い物や食事がもう済んでしまう、消費活動が完結してしまうということが起こるのではないでしょうか。近くに業平橋駅があって浅草にも出られますし、押上駅には半蔵門線が入ってきています。そういう点では交通も都心に向けて非常に便利なところに位置しているわけですが、そういうところに立地する新タワーというので、新しい名所にはなりますが、そのことが果たして周辺のこの地区計画地域を中心としてにぎわいゾーンということで位置づけて、地域の活性化につながるのかどうか。その点では私、一定の疑問を持つんですが、墨田区が長い間中小企業のまちと評価されてきたその伝統が守れるかどうかということが、今度の新タワービル建設にかかっていると思うんです。にぎわいゾーンという位置づけについて、商店街対策、中小企業振興対策、これはどのような対応が考えられているのか、お答えいただければと思います。 # 野本都市づくり政策部長 野本都市づくり政策部長周辺商店街のにぎわいであるとか活性化ということでございますけれども、地元の墨田区では、平成十九年三月に策定しました商業活性化すみだプログラムでは、押上・業平橋地区の目標の一つに、タワー街区の商業と周辺商業が補完し合うということを定めまして、商店街の活性化を図る取り組みを行っていると聞いております。 # 河野委員 河野委員本当にこのにぎわいゾーンが名前のとおりにぎわい、地域経済を活性化させるゾーンになることを私は望むものなんですけれども、そのようになるように都もぜひ支援してあげていただきたいと思います。それで五百万人の集客を見込むということは、車や人の動き方、動線ですね、それについても十分な対策が必要だと思います。新タワービルの中には一千台の駐車場がつくられ、そして一日、一万一千台の車の走行が集中してくるという予測もされていると聞いています。そしてまた、北十軒川、新タワーゾーンの南側に位置する北十軒川ですね、ここに沿って区画整理事業で道路をつくる計画のようでありますけれども、地区計画区域内の道路状況を見れば、北側の水戸街道寄りの方ですね、これは大変狭隘な道路も数多くあります。こういう点で、交通渋滞、交通事故を誘発する可能性が懸念されているわけなんですけれども、車両交通や人の流れについての安全策などについて検討していることがあれば、その状況をお示しいただきたいと思います。 # 野本都市づくり政策部長 野本都市づくり政策部長新タワーゾーンの開発に伴う交通量は、環境影響評価書案によりますと、ただいまご指摘のように、平日では約一万一千百台、休日では約一万二千七百台の予測となっております。発生する交通量につきましては、開発地内に約千百台規模の駐車場を整備するとともに、主に敷地内に設ける交通ロータリー、これで交通処理を行う予定でございます。また、業平橋駅と押上駅間を連絡する歩行者空間といたしまして、幅員約四メーター、それから延長約四百メーターの東西通路の整備を図ると、区が決定する地区計画の方針に定めております。これらの対策によりまして、周辺道路における交通は円滑に処理できると考えております。 # 河野委員 河野委員そうすると、私が今質問いたしました機能再生ゾーンのあたりから北側にかけてにぎわいゾーンの方向とか、このタワービルができる周辺について、車両交通などについてはほぼ心配ない状況で道路網が整備されていく、そして今の道路も使いながら十分な対策が講じられるということになりますでしょうか。 # 野本都市づくり政策部長 野本都市づくり政策部長ただいま申しましたように、幾つか述べた対策によりまして、周辺道路における交通は円滑に処理できると考えております。 # 河野委員 河野委員それではこの質問で最後に伺っておきたいんですが、私の記憶の範囲内ですけれども、かつて、数年前、石原知事が記者会見で、今どきタワーでもないだろう、光ファイバーなどの通信の手段もあるんだし、といった意味の発言をされたことがありました。今なぜこのように高い、六百十メートルもの新タワーがこの下町地域に必要なのかという点では、いろいろな方からのご意見も伺う機会があります。それぞれの立場であるんですが、ある方は、今、世界では高いタワーということから方向が変わってきている、ケーブルとか、知事が例示した光ファイバーとか、そういうほかの方法で放送を確保している、そういうことも起こっているし、電磁波の問題もあるし、世界の流れとしては高い放送タワーを建てる時代ではないということがいわれているんですが、新タワーの必要性、東京に今なぜこれが建てられなくてはならないのかという点で、都の見解をこの機会にお聞きしておきたいと思います。 # 野本都市づくり政策部長 野本都市づくり政策部長今回提案させていただきました案件は、押上・業平橋駅周辺地区における土地区画整理事業の進捗に合わせた用途地域変更でありますけれども、その上であえて答弁いたしますと、環境影響評価書案に係る見解書では、地上デジタル放送やワンセグ、防災無線等は、都心部に林立する二百メートル級の超高層ビルの影響を受けにくい高さからの送信が望まれており、年々増加する超高層ビルの約二倍以上の高さから電波を発射するこの六百メートル級のタワーは必要である、事業者はそんなふうに見解書で述べています。また、光ケーブルの普及が進んでいるというような今ご指摘もありましたけれども、事業者は、非常災害時には電波による放送が有効であると記載しております。 # 河野委員 河野委員六百十メートルというのは現在の段階では世界で一番高いタワーになるようですけれども、今皆さんが心配されているような電磁波とか交通問題とか、このタワーが東京の一つの新しい名所ともなっていくのかもしれないんですけれども、さまざまな問題をはらんでいるということも受けとめていただいて、都としても見守っていく、そういう懸念のないような形で対応されるようにこの機会に求めておきます。東京新聞が十一月二十六日付の朝刊で、墨田区が住民の人たちに情報公開をこの問題で求められて、まちづくり協議会、仮称のようですけれども、これを設置したと報道しました。地域住民から、新タワービル建設や地域のまちづくりについて情報が届いていないというか、少ないという、そういう声が上がって、まちづくり協議会の設置に至ったということが書かれています。東武鉄道を中心にした新たな開発事業の中で、三十数ヘクタールの地区計画の地区内とその周辺住民に対しては、今、あなたのおうちを売ってください、土地を売ってくださいと業者が訪ねてくるようになっていたりして、土地バブルの再来かといわれるような、まさに地上げというような状況も起こっていると聞いています。このままでは地域住民が住み続けられないまちになっていくのではという不安の声もありますので、住民に安心感をもたらすまちづくりが進められるように都の特段の努力を求めて、この問題での質問を終わります。次に、高速五号線と六号線の車線拡幅に関連して質問をいたします。五号線と六号線の工事に当たって、それぞれの事業費、そして都が負担すべきお金ですね、それから事業の完成年度、この三点についてお答えをお願いいたします。 # 遠藤外かく環状道路担当部長 遠藤外かく環状道路担当部長ただいま三点お尋ねがございました。初めに、事業費でございますけれども、事業予定者でございます首都高速道路株式会社では、現時点におきまして、五号線の方につきましては二百五十億円程度、六号線の方につきましては百から百五十億円程度と、このように算定してございます。次に、都の負担でございますけれども、この二つの事業とも、これまでの例によりまして、都の出資対象事業と推定されるところでございますが、具体の都負担の額につきましては、今後関係者間で協議していく、こういうふうになります。それと三点目の完成目標でございますけれども、両事業とも中央環状線が全線開通を予定しております平成二十五年度まで、これを目指すことといたしてございます。 # 河野委員 河野委員私は江戸川区に住んでおります。中央環状葛飾江戸川線をしばしば使います。葛飾区の六号線は土手沿いの道路の上に高速道路があるから、下の民家には余り影響がないという、そういう地理的な条件だというふうに感じられる方もいらっしゃるかもしれないんですが、実際は高速道路の下の住民の皆さんは自動車の騒音などで大変悩みを持っています。小菅、堀切間の車線拡幅もいろいろな問題を含んでいるわけなんですけれども、今回は幹線道路、山手通りに沿って走っております五号線の車線拡幅に関連して、以下、何点かお伺いをいたします。五号線の板橋、熊野町ジャンクションの拡幅工事区間の現在の車両交通量、これはどうなっているでしょうか。それからまた、首都高速株式会社が独自にこの区間の環境アセスメントを実施しているようでありますけれども、何年度を予測の年次にしてアセスが行われたのか、そして予測した将来交通量についてはどのようなものだったのかをお示しください。 # 遠藤外かく環状道路担当部長 遠藤外かく環状道路担当部長初めに、現在の交通量でございますけれども、首都高速道路株式会社が平成十八年に行った調査によりますと、当該、板橋、熊野町ジャンクション間の上り線と下り線を合わせました交通量、一日で約十一万台、このようになってございます。それと将来交通量でございますけれども、この箇所が今後ピークを迎えるであろうと想定されます、見込まれます平成三十二年を予測の年次と考えまして、上り線、下り線を合わせまして一日の交通量を約十六万五千台と、このように推計しているところでございます。 # 河野委員 河野委員品川線、新宿線とずっとつながって熊野町に入っていくわけなんですが、平成二十五年以降もふえ続けて、平成三十二年がピークで、そのときには今の十一万台の五割増しの十六万五千台ということは大変な一車線ふえることでこれがどういうふうな状況が生まれるのかというのはとても心配になる今のご答弁だったと思います。それで、五万五千台の走行車両がふえたことで、周辺環境への影響はどうなのでしょうか。工事区間の近くにある板橋区の大和町交差点、ここはご存じのとおり、NO2、二酸化窒素の測定値が毎年ワーストワンとかワーストツーとか、悪い値が出ています。拡幅工事によって走行車両がふえれば、現在より環境は悪化すると考えるのが当然なのではないでしょうか。大気質、騒音、振動などについて、現状とそれから今後の開通後の問題で比較した数値、ありましたらお示しください。 # 遠藤外かく環状道路担当部長 遠藤外かく環状道路担当部長現況と予測の数値でございますけれども、大気につきましては、二酸化窒素、NO2の現況値、熊野町測定局ですけれども、平成十八年のデータで〇・〇六一ppmとなってございます。これが先ほどの平成三十二年度、予測でございますが、〇・〇四九ppm、このように改善されるというふうに考えてございます。それと騒音につきましても、近接の空間でございますが、昼間、西側の例でございますけれども、七二デシベルの現況に対しまして予測値で七一デシベルと、こんなような予測をしてございます。それと振動につきましても、昼間、西側で、現況値五一デシベルに対しまして予測値で五三デシベルと、このように予測してございます。 # 河野委員 河野委員現状で〇・〇六一の二酸化窒素の測定値があって、これは環境基準を超えているわけですが、予測どおり〇・〇四九ppmに本当になるのかという点では、大変疑問です。車の単体規制が進むとか、いろいろな道路構造を変えて環境対策をとっていくとかということがありますけれども、研究者の人たちは、自動車の単体規制が進んでも、車が集中してくれば、そこの地域についていえば環境はそれほど改善されないということをおっしゃっている方もいらっしゃいますので、私たちはこの問題をこれからもきちんと注目をして、本当に、都が今アセスを根拠にしてご説明いただきましたけれども、そしてここの事業者の主体は首都高速株式会社でありますけれども、しっかりと関心を払ってこの環境問題を見詰めていきたいということを申し上げておきます。あと、今回の車線拡幅工事を実施していくということに当たりまして、東京都と首都高速の株式会社の方で、都市計画変更案に関連して住民説明会を開かれたと聞いています。参加した住民の皆さんから出されたこの都市計画変更案に対して、あるいは環境問題などについての意見をご紹介いただきたいと思います。 # 遠藤外かく環状道路担当部長 遠藤外かく環状道路担当部長説明会でございますけれども、先月の四日と五日の二日間にわたりまして、板橋の地元で素案の説明会をいたしております。都市計画素案や事業そのものに対する反対の意見はございませんでした。なお、環境にかかわる項目といたしまして、遮音壁のかさ上げにかかわるものとか、あるいは電波障害が発生した場合の補償などの幾つかの要望があったところでございます。 # 河野委員 河野委員遮音壁などについて要望があったということでありますが、私たちが聞いている範囲では、この地域の住民の皆さん、参加した方々それぞれが環境問題について意見を述べられているようです。現在でも騒音と振動が耐えられない、静かな夜が欲しい、自宅の換気扇のフィルターをわざわざお持ちになって、この汚染の中で毎日暮らしているんですよ、何とかしてくださいという声があったということも聞いております。そういう点では本当に今、事態がひどいという、皆さんが、環境負荷がかかっているこの熊野町と板橋の間のジャンクションの下で山手通りに沿って、大変な思いをされて生活しているということがうかがい知れるのではないかと思います。これ、質問の最後に伺っておきますが、現在の三車線の高速道路でも、周辺住民は環境の悪さを、今ご紹介したように訴えているわけです。今後中央環状品川線が完成しさらに都が街路事業として工事を強行している中央環状新宿線が完成して、その後、品川線が平成二十五年完成ですけれども、車が板橋区にも集中している、地上に上がってくることは避けられません。道路をつくれば車は分散するということではなくて、むしろ反対に集中してくる、増加するということを専門の研究者もいっています。将来にわたって住民の健康被害をきちんと防いでいくこと、環境改善に努めていくというのが都としての、本当に自治体としての責務と考えるものなんですが、拡幅工事による住民生活への影響、今後について、先ほど環境アセスでは心配ないんですよということなんですが、現状に照らし合わせて、本当に十分な保証、大丈夫だという保証があるのかどうか、再度都の見解を伺っておきます。 # 遠藤外かく環状道路担当部長 遠藤外かく環状道路担当部長都は、現在、首都圏におきます交通渋滞の緩和や環境の改善を図るために三環状道路の整備を進めているところでございます。中央環状線につきましては、先ほど申し上げましたように、平成二十五年度の全線完成を目指しているわけでございます。こうした中央環状線の整備効果、道路ネットワークとしての効果を十分に発揮させるためには、現在供用している区間におきましても、ボトルネック対策など局所的な対策を講じまして、それを全線完成を見据えて取り組んでいくことが大変重要である、このように考えておるわけでございます。今回、放射線と交差します板橋区内と葛飾区内の二カ所につきまして、ジャンクション付近の拡幅をするという都市計画変更を提案しているわけでございます。先ほどアセスの中でも申し上げましたように、答弁の中で申し上げましたように、遮音壁のかさ上げとか、あるいは橋のつなぎ目を減らす対策なども、この事業の中、工事の中で実施していくことといたしておりまして、そうしたことを十分に講じながらこの事業を進めていきたいというふうに考えてございます。東京の最大の弱点であります交通渋滞を緩和し、大気を初めとする環境の改善を図る上で、これら二つの事業は不可欠な事業だというふうに考えておりまして、今後とも具体化に向けた取り組みを鋭意進めてまいる所存でございます。 # 河野委員 河野委員対策も講じられるというご答弁ではありますけれども、やはり、今深刻な環境汚染の中で生活をされている都民がいらっしゃるということを深刻に受けとめていただいて、この現状を直視しながら、道路交通問題について都は一定の見解を持っていただきたいと思います。今多くの人たちが脱車社会ということで、公共交通網の整備を初めとして、環境汚染を引き起こす車から脱却する移動の自由ということもいろいろな方が研究していらっしゃいますので、そういうことも都政の中に反映させていただくように求めておきたいと思います。最後に伺いたいのは、議案の九、十、十一になりますか、都市計画道路二八六号線、二八八号線と緑地、篠崎公園の都市計画公園の変更についての問題です。今回、二八六号、二八八号の都市計画道路と、篠崎公園、江戸川緑地が、示された議案のとおり都市計画変更になるというか、なる計画が出されております。なぜこの変更案が出されたのか、その理由、背景についてご説明をいただきたいと思います。 # 升都市基盤部長 升都市基盤部長今回の都市計画道路、公園緑地の変更の理由でございます。お手元の薄茶色の事前説明会資料でございますと、九九ページをごらんください。あわせて、後方のスクリーンに航空写真を映させていただきます。当地区では、都市計画道路補助二八八号線と都市計画篠崎公園が重複して決定されておりまして、既定計画のとおり整備いたしますと、開設済みの篠崎公園を分断することになります。そこで江戸川区では、現計画の道路機能を確保しつつ、公園及び緑地などの計画面積を確保するという考え方から、江戸川区決定によりまして補助二八八号線の線形を見直し変更することといたしました。この補助二八八号線線形変更に伴いまして、補助二八六号線につきましては、新たに補助二八八号線と交差点となる部分において、交通の円滑化を図るため一部線形を変更するものでございます。篠崎公園につきましては、補助二八八号線の変更に伴いまして、都市計画施設間の整合と公園の機能向上を図るため、また、江戸川緑地につきましては、補助二八八号線の線形変更によるほか、浅間神社の区域を江戸川区決定の特別緑地保全地区として都市計画決定することに伴いまして、変更するものでございます。 # 河野委員 河野委員補助二八八号線が都立公園の中を走っている路線であるから、これを土手の方に大きく切り回すということが変更案の第一の理由というように、今ご説明を聞いて思いました。地域の人たちは、この二八八号線について、必要な道路なのかどうかということで、今の計画線のままもう何十年もこのまま引かれているわけですから、なくても何も不便がないわけなんですね。だからむしろ廃止していただいて、そのまますぐそばにあります鹿骨街道や柴又街道を使って交通の便は十分に果たせるということもあるので、あえてこの線が変更になるから、こちらにぐるっと回しますよというようなことをしなくても、私は、この地域の交通問題については住民の要望に沿ってきちんと対応できるんじゃないかと思っていますので、そのことを初めに申し上げておきたいと思います。時間の関係があるので、順次質問しなくてはなりませんので、次の問題について質問をさせていただきます。江戸川区は、この間、都市計画変更地域の中で、篠崎公園地区のまちづくり意見交換会として何回かにわたって住民説明会を開いています。区は、篠崎公園を含めて、江戸川河川の土手から約三百メートルの幅でスーパー堤防を建設すること、あわせて篠崎公園の南側に接する地域で区画整理を施行するといっています。スーパー堤防と区画整理事業が一緒の形で行われるとすれば、都も、東京都自身が国直轄事業負担金や区画整理への財政負担をすることが求められるようになるわけですけれども、これらにかかる総事業費は幾らと積算されているのでしょうか。また、この事業のそれぞれの事業年度についてお答えをいただきたいと思います。 # 升都市基盤部長 升都市基盤部長区画整理事業、これは区施行を予定されております。それからスーパー堤防はお話しのとおり国が事業をする予定になっておりますが、事業予定者である国土交通省や江戸川区からは、事業計画を策定する前の段階で、まだ事業費は算出していないというふうに聞いてございます。また、事業予定でございますが、補助二八八号線は平成二十年度、補助二八六号線は二八八号線の進捗に合わせて平成二十三年度の着手を目指すというふうに聞いてございます。また、土地区画整理事業につきましては、平成二十年度の事業化を目標としており、スーパー堤防につきましては、区画整理事業等の進捗状況を踏まえまして盛り土工事に着手する予定だというふうに聞いておるところでございます。 # 河野委員 河野委員そうすると、わかっているのは、事業年度が、区画整理は平成二十年度に事業化を目指しているということと、都市計画道路は二八八号線がその区画整理と同じ年度に着手をしていこうということなわけですね。そういうふうに私は今お聞きしましたので、確認させていただきます。私、どうしても伺いたいことがあるんですが、治水と水防対策についての問題です。東京都のこれまでの考え方を、いろいろな議事録を見まして改めて振り返ってみました。昨年、平成十八年の第二回定例会で、石原知事は本会議の答弁で、東部低地帯のことに対する質問について答えておられます。この東部低地帯といわれる地域には多くの人口と資産が集積しておりまして、中でも、満潮面以下の区域に百五十万人の都民が生活している、このために高潮などに対する水害対策が極めて重要であると述べて、そして東京都としては、これまで長年にわたり防潮堤や水門の整備に力を注いできた、その結果、例のハリケーン・カトリーナの被害の際、あのハリケーンに匹敵するような伊勢湾台風級の高潮に対する安全性を確保しているということをおっしゃっているわけですね。だから大きな雨が降っても、この東部低地帯については、被害は今のところカトリーナ級でも心配ないですよという意味のことを石原知事はいっています。それからもう一点、ことしの八月に、都市整備局と建設局、下水道局が共同で、東京都の集中豪雨対策基本方針を出しました。この中では、東京のまちに降る雨、これの降り方が変わってきている。区部西部に集中した豪雨が起こる、降る頻度が高くなっているということから、この基本方針の対策エリアは区部西部を重点にするということで、江戸川区などの東部地域は豪雨対策基本方針の重点地域には位置づけられてないわけです。江戸川区などの東部地域でどうなのかと考えたときに、知事の答弁とか、都市整備局、建設局、下水道局のこの豪雨対策基本方針などに照らして考えると、私たちが住むこの江戸川区では、大洪水が起こる確率は極めて少ないというふうに判断されているのが東京都の今の立場なんじゃないかと私は思います。これらに照らして考えて、それならば、なぜスーパー堤防構想、水害対策のための構想が、今、この篠崎地域やあるいは江戸川では北小岩地域でも持ち上がっておりますけれども、なぜ江戸川地域にこの構想が、建設計画が持ち上がってきているのかというのが、住民の一人として私自身もどうしても理解できないんです。道路や公園、緑地の都市計画変更は今回出されましたけれども、スーパー堤防構想がその背景にあるということは、私たちは本当に感じ取っていくわけなんですけれども、なぜ今、スーパー堤防建設が必要なのか、国がどういう基準でこれを判断しているのか、そういうことについて都が掌握されていること、あるいは見解をお持ちであれば、お答えをいただきたいと思います。 # 升都市基盤部長 升都市基盤部長今、委員のご発言の中で、非常に大きな洪水は起こらないと思っているのではないかというお話がございましたけれども、知事の発言は、先ほどお話がございましたように、これまでの高潮等や台風に対する安全性のお話をさせていただいたというふうに理解しております。また、私ども発表させていただいた豪雨対策、これは、今の都市型水害と集中豪雨に対するお話をさせていただいているところでございます。現在の江戸川の堤防は、当該地域を洪水や高潮から守り、都市の安全度を高めるために整備をされてきてございます。ただ、今回国が整備を行う予定のスーパー堤防は、堤防の幅を広げまして、堤防を越えるような極めて大規模な洪水が発生した場合の安全性でございますとか、水が堤防内に浸水していくことに対する安全性、さらには、地震に対する安全性を一層向上させるために行うというふうにしているところでございます。また、まちづくりと一体的に整備するということによりまして、土地の有効利用や親水性のある快適な空間が確保されるなどの効果を伴うものであるというふうに考えておるところでございます。 # 河野委員 河野委員部長さん方はいろいろな委員会の場とかで、防災対策とか、それぞれしっかりと議会の議事録なども見ておられると思うので、釈迦に説法かもしれませんけれども、昨年の決算特別委員会の建設局の質疑のところで、東京のこの葛飾とか江戸川に大地震が起こった場合にどのような被害が発生するかということで、大雨が降って堤防が決壊したり、阪神・淡路大震災級ぐらいのああいう地震が起こった場合にどんな被害が起こるのかという点で、その確率、建設局質疑の中で答弁があるんです。それを見ると、大雨が降って堤防が決壊して、そこに地震が起こって、水がどんどんと江戸川なんかに流れてきちゃいますよ、江戸川区内なんかにきちゃいますよというのは、確率としては五万数千分の一だというようなご答弁もシミュレーションとして出ていますというのがありますので、ぜひ一度これは議事録を当たってみていただいて、都市整備局のこれからのまちづくりの参考にしていただきたいなと私は思っています。その点、局長を初めとして、皆さん、まちづくりの専門家なわけですから、ぜひごらんいただきたいと思います。私は、昨年の七月に利根川治水大会に参加いたしました。そのとき思ったんですけれども、スーパー堤防事業というのはかなり前から取り組まれています。国としては一九九一年に、東京を中心とした首都圏、それから大阪を中心とした近畿圏、いわゆる二つの大都市を中心とした二つの地域で、五河川六水系にスーパー堤防を整備するという方針を出したんです。それからかなり年数がたって、二十年以上たっていますけれども、全国的にスーパー堤防が整備された率は現在五・四%と聞いています。私が参加いたしました利根川治水大会で特別に発言された熊谷市長さんのお話をご紹介したいと思います。スーパー堤防は熊谷市でも検討してきた、しかし、お金がかかる、時間がかかる、そして地権者の住民合意がとりにくい、こういういろいろな隘路があるのでこれはなかなか進まない事業であるということを判断して、熊谷市としては別の河川整備方法、治水対策に転換をするような方法をとっているということもいわれています。そういう点では、今、スーパー堤防が、大きな雨が降ったときに堤防の幅を広げて極めて大きな降雨に対してそして地震も含めて防災対策上必要な事業である、というような考えをお持ちというご答弁もあったんですけれども、本当にそうなのかということで検討が必要な時期に入っているのではないかと思っています。スーパー堤防は本当に今、国としても、国土交通省は推進の旗を振りましたけれども、この二十数年たって五・四%しか進まないという状況を踏まえて、一体これでいいのかという見直しの時期に入っているということも伺っておりますので、東京都も、今回、国や都の事業ということで都市計画変更をこれにのせて出してきておりますけれども、この事業が本当に防災対策に有効なものなのかどうか、水防の対策になるのかどうか検証してみていただきたいと思います。大きく降った雨は、上流域で遊ばせる遊水池とか、上流地できちんと水が流れ込んでこない、被害が起こらないような輪中堤防とか囲繞堤防などの案も出されていますから、やはり今研究や調査の結果が進んでいるこうした、これまでの築堤やダムの建設で水防をしていくという方法のみに限らない、さまざまな手法が開発されているということを受けとめて、今回のスーパー堤防問題、これでいいのかということを考えてみていただきたいなと思います。それで篠崎公園に関連して伺いたいんですが、都立篠崎公園は東京都の公園です。昭和四十年代初めから今のような整備が進んでまいりました。木も育って、スポーツや憩いの広場としてみんなから親しまれています。今回の都市計画の変更によりまして、二八八号線の幹線道路が公園北側から周囲を取り巻く形で建設されることになります。江戸川の堤防沿いは、土手から平均で約三百メートルの幅でスーパー堤防のために盛り土されることになります。せっかく数十年かけて育てた緑を一たんははぎ取ることになってしまって、環境には大きな変化が起こるわけです。私、いろいろ当たってみたんですが、東京都の廃棄物審議会が、昨年六月に、循環社会への変革ということを理念にした答申を出しています。この答申では、産業廃棄物の中で建設泥土がふえ続けていることが記されて、シールド工法によるトンネル工事、くい基礎工事によって建設泥土が大量に排出されていて、この建設泥土のリサイクルが今有効に進んでいないと。このリサイクルをきちんと進めていくために、何に使うかということで、最終処分の場に、スーパー堤防がこの答申では挙げられているわけなんです。現在、都内ではご承知のとおり、中央環状新宿線などが地下高速道路としてシールド工法で工事が進められておりまして、大量の建設泥土が発生しているわけですね。今後、三環状道路の建設推進といっていますから、さらにたくさんの建設泥土が都市再生の路線のもとで発生されることが予想されます。超高層ビルの建設からも発生源として出てくることになります。巨大開発によって排出されてきた建設残土をどこに持っていくかということで選ばれたのが、最終処分場として、篠崎公園とか江戸川の北小岩の閑静な住宅地などが対象になってくる。これは本当に地域にとっては重大問題なんです。環境に優しいまちづくりは、都市整備として大事な仕事、これは都市整備局がきちんと位置づけられていると思うんですが、緑を失って、巨大開発による残土受け入れ場ともなる今回のようなまちづくりについては、いかがなものなんでしょうか、お考えをお聞かせください。 # 升都市基盤部長 升都市基盤部長まず、緑地の緑の話が出ましたが、国がスーパー堤防事業を実施するに当たっては、篠崎公園の現在の樹木を一時的に移植するということになりますが、同事業による盛り土が完了した後には、また緑豊かな公園として原状復帰を図るというふうに今後調整を進めていくこととしているところでございます。また、盛り土の土の話が出ましたが、一般的に盛り土に使用する土というものは、土壌汚染対策法などに定める基準に適合した、建設発生土を使う場合は当然そういう基準に適合した土を利用するというふうになります。そしてお話しの答申、十八年六月の答申の中にはそのようなことが書いてございますが、その答申を受けまして、九月に東京都が定めました廃棄物処理計画の中では、スーパー堤防に使うということは書いてございません。ただ、都の関係部局が一体となって有効利用を推進するという形に書きかえてございます。また、答申の中では、最終処分としてスーパー堤防に盛り土に活用、と書いてある前に、当然にその泥土自体を中間処理をする、安定処理をするということで、基本的には、利用する場合には土壌汚染対策法に定める基準に適合したものとするという前提で書かれているものだと私どもは考えておるところでございます。 # 河野委員 河野委員一回はぎ取った緑がまたもとどおりの豊かな緑になるには何十年もかかるんですね。私は篠崎公園は昭和四十年代から遊びに行っていますけれども、最初は本当に小さな木だったのが、今は豊かに緑が育っています。そういう点では、一回はぎ取ったものがもとどおりになるには数十年の歳月がかかるということも一つの問題ですし、私、土の質のことはいっておりません。国土交通省できちんと土を振り分けて、何がどういうところに適しているかというのを厳しく精査しているということは伺っていますから、その土の質が問題なのではなくて、シールド工法などによって大量に排出される残土の処理について、スーパー堤防が一つの選択肢として挙げられているということについて、非常に違和感を覚えるということを申し上げておきたいと思います。また、環境問題についていえば、ここの地域も北小岩もですけれども、区画整理事業がスーパー堤防とあわせて行われますから、結局のところが区画整理で家を壊して一回移転してまた戻ってくるということで、壊す家の建設廃材の大量発生の問題なんかも、環境負荷ということを考えると、大変大きな問題を起こすのではないかということも感じていることを申し上げておきます。スーパー堤防と一緒に江戸川区が区施行で予定している区画整理の問題です。篠崎の公園のそばの地域、これを、非常に狭い地域なんですが、A、B、Cの三地区に分けて事業化すると説明されています。Aの地区は、今回特別保全緑地指定地区になるところも含めて江戸川緑地として、そういう方向で緑の土地にしていくということで位置づけられているんですが、その中に住んでいる、今、家のある人たちはみんな一回どこかへ行ってもらうというのが区の説明の資料にあるわけなんですね。住めないわけです。隣のB、C地区は区画整理をしますと、減歩の負担、一三%平均減歩率、皆さん負担してもらいますよ、こういう説明なんですが、私がきょうお話ししたいのは、一点、お寺の問題です。現在、居住者がたくさん住んでいるA地区の中には、開山七百三十年を迎えるお寺さん、妙勝寺さんという名刹があります。この寺院は今回このスーパー堤防事業がかかっている地域にちょうど当たっているわけですね。この区画整理の隣にB地区というのがあるんですが、A地区の中にあるお寺がそっくりそのまま墓地も含めて、隣の区画整理地域のBに移転してくださいといわれているそうです。このお寺さんは、昭和四十年代に都立篠崎公園が整備されたときにも、お寺の墓地を公園整備のために移動しているんですね。公共工事に協力するという立場から、墓地の移転を求められたわけです。そしてそれを実施したわけです。今回またしても、地域の住民の人たちがいろいろな形で異議を唱えているスーパー堤防と区画整理事業、都市計画道路の変更などのために、寺ごと、お墓ごと移りなさいというのは、たとえすぐそばの隣のB地区であってもこれは承服できない問題だということをご住職は訴えておられますし、檀家の皆さんもこぞって反対の声を上げておられます。きょう、委員長にお許しをいただきまして、私、二枚写真を持ってまいりました。これが篠崎公園の土手に近いところにあるまちで、こういう戸建て住宅が、篠崎はまだ畑がたくさんありますから、畑の向こうの方にいっぱい住宅が建っていて篠崎公園の方にはお店もあったりして静かな住宅地で車の渋滞もほとんどないような地域なんです。こういう地域と、これはお寺さんにお許しをいただいて持ってまいりましたが、お寺さんも、門前、山門のところに、こうやってスーパー堤防反対ということで高々とのぼり旗を掲げていられるんです。これがこの地域の実情なんですね。その点で、私はお寺さんのお話をちょっと、時間の迫っていることも承知しておりますけれどもご紹介したいんです。このお寺さん、第四十五世のご住職なんだそうですが、明治十一年以降、東京全体の河川のはんらんは何回あったかということで調べたそうです。十五回あったうち、江戸川のはんらんは明治二十九年にあったけれども、これは野田の地域、千葉の方ですね、ここで自然堤防の環境の中で一度だけ決壊をした、堤防がですね。江戸川区内では百年以上ただの一度も堤防は壊れたことがないというふうに、調べた結果、書かれています。そしてお寺さんが今思っていることは、このお寺さんの墓地も昭和四十一年、現在の篠崎公園建設のため境内に移転させられ、今ようやくご先祖様のみたまも安らかに眠っておられますと書いてあります。そして今、このスーパー堤防の工事が降ってわいたように知らされたわけなんですけれども、どのようにして次の世代を担う子どもたちに、文化、伝統、先祖や宗教への畏敬の念、近隣との助け合いの心を伝えていくのか本当に疑問だ、古いものを何もかもぶち壊し、根拠のない大規模な公共事業を私は認めるわけにはいかないと、地域のほとんどの人たちが反対しています、安住の地として満足していた生活を突然追われるような過酷な立場を強いられる、この悲惨な状況に落ちていることを行政は十分に認識してほしいということを、スーパー堤防事業に関して綿々と述べられております。全部は紹介できませんけれども、こういう地域の状況があるわけです。そういう点で私が伺いたいのは、この檀家のご先祖様のお墓を守ってきた大事な役割のお寺が、二度にわたって公共事業、公園づくりとスーパー堤防や区画整理のためにお墓ごと移転を迫られるということがあり、そして関係住民に対しては、本当に精神的にも物理的にも大きな負担を押しつけていくような状況が生まれている、これが現実なんです。都は、今回、都市計画の変更、緑地、公園、都市計画道路の線引きの変更で出されてまいりましたが、スーパー堤防と確実にリンクしているこの事業に対して、どんなふうな受けとめをされておられるか、お答えをいただきたいと思います。 # 升都市基盤部長 升都市基盤部長妙勝寺さんのお話がございましたが、お話がありましたように、お寺につきましては、区画整理地域内でございまして、区画整理事業の中で、隣接地に換地により移転することで今調整をしているというふうに区から聞いているところでございます。現在、お寺には江戸川緑地が都市計画決定されておりまして、お話のように、A地区の部分では緑地の用地買収が始まるわけでございます。そういう意味では、今のお寺さんも買収の対象地だということになります。区としては、地区内に可能な限り住み続けられるという意味からも、区画整理の中で、お寺さんについては換地で隣接地に移転してもらうということで調整をしたいというふうに考えているところだと聞いているところでございます。また、そのほかのところにつきましても、移転を要する方々につきましては、江戸川区が近隣に代替地を用意しているというふうに聞いております。そういうことが活用できるように十分配慮しながら事業を進めていくということで、繰り返しになりますが、可能な限り地区内に住み続けられることができるよう配慮しながら、区としては事業を進めていきたいというふうに聞いておるところでございます。 # 河野委員 河野委員ご自分お一人お一人が、お父さん、お母さんのお墓があったり、おじいさん、おばあさんのお墓があったり、ご先祖様のお墓がある、そういう方が多いと思うんですが、そのお墓がこういう公共事業のために何回も何回も、どいてください、移ってくださいなんていわれた場合に、みずからに照らしてみてどんなふうに思うかというのを、このまちづくりに当たって改めて皆さんにお考えいただきたいということを私は一言申し上げておきたいと思います。江戸川ではスーパー堤防事業はこの江戸川の河川沿いだけではなくて、荒川の方でもやられてきました。荒川沿いの平井七丁目のスーパー堤防と区画整理事業では、一・七ヘクタール、七十四軒の人たちを対象とした事業が行われてもう既に完成していますが、昨年私たちが調べた時点では、この区画整理地区内にもとどおりに戻れた人は半数の三十数軒でありました。江戸川沿いの北小岩のスーパー堤防の計画地では、事業が決まってもいないのに、地上げ屋さんたちが各戸を訪問し始めているという話もあります。宅地を買い占めて、換地のときに集約化すれば高度利用ができて、高層の民間分譲マンションなどが建設可能になります。バブルのときを連想させるような地価の上昇が起こりつつあるという状況が生まれていて、これは江戸川だけじゃなくて、既に行われた足立区の小台のスーパー堤防事業ではライオンズマンションが建ちました。野田市の江戸川右岸流域では、区画整理対象地域四十一・三ヘクタールの約九割になる三十七・八ヘクタールの土地が、長谷川コーポレーションが買い占めている、こんな例もあるんです。治水対策といいながら、宅地を集約化して大規模な民間開発に回されていくような、こうしたまちづくりと一体として、区画整理と一体として進められているというスーパー堤防のねらい、治水が目的というよりも、もう一つの目的は開発を促進する、そこにあるのではないかと判断しちゃうんですけれども、どうでしょうか。 # 升都市基盤部長 升都市基盤部長江戸川区では、平成十一年に策定いたしました都市計画マスタープランでございますまちづくり基本プランにおきまして、本地区を都市計画道路補助二八六号線、二八八号線や篠崎公園の計画とあわせ、駅至近の住宅地として面的に整備を検討し、利便性の高い住宅地を形成すると位置づけております。また、スーパー堤防事業により、地域の安全性を向上させるとともに、地権者の地区外移転を極力少なくするため、区画整理手法を活用したまちづくりをあわせて実施することとしているということでございます。このように、これらの事業は安全で快適なまちを実現することを目的としたものであるというふうに考えているところでございます。 # 河野委員 河野委員みんなが住み続けられて安全で快適になればいいんですけれども、なかなかそうもいかないというのが現実ではないでしょうか。それで最後に確認の質問をさせていただきますが、道路や公園、緑地の都市計画変更ということで今回議案が出されました。あわせて、これはスーパー堤防や区画整理事業などのまちづくり事業とリンクしているんですけれども、こうしたまちづくりは、何よりも関係する地域住民の合意に基づいて判断されていくことが必要だと思います。国土交通省は、一九九一年にスーパー堤防事業推進を決めたときも、九七年に河川法を改正したときも、住民の意思の反映を重視しなければならないという考え方を示しています。今回の道路、公園、緑地の都市計画変更とその背景にあるスーパー堤防計画については、徹底した住民への情報公開と住民の意見の反映が求められると私は考えます。国が示している、住民の合意をきちんと形成した上での事業への取り組み、その考え方は都も同じスタンスであると受けとめてよろしいですか、お答えをいただきたいと思います。 # 升都市基盤部長 升都市基盤部長江戸川区におきましては、先ほどもお話しいたしましたが、都市計画マスタープランを策定しておりますが、その策定する過程の中で、今回の都市計画変更に関する内容も含めて広く区民に説明しておるところでございます。さらに、今回の都市計画変更に当たりましては、平成十七年五月以降本年十月までに二十二回の意見交換会や説明会を開催し、地域の住民の方々や権利者の方々に理解と協力が得られるよう努めてきているというふうに聞いております。意見交換会や説明会の中では、避難場所など区の防災計画に関することや、各事業の実施方法や施行順序などについて意見があったというふうに聞いております。江戸川区は今後とも事業の具体化に向けて引き続き地元との意見交換会や説明会を実施し、地域の方々に理解を求めていくというふうに聞いております。また、今、委員のお話のございました河川法の関係では、河川整備計画というものが位置づけられておりまして、平成九年の改正でございますが、その中に、河川管理者は、必要があると認めるときは、公聴会の開催等関係住民の意見を反映させるために必要な措置を講じなければならないというふうに定められております。これに基づきまして、今、国土交通省におきまして、利根川・江戸川河川整備計画の公聴会を開催しているというふうに聞いておりまして、江戸川におきましては、本年二月に公聴会を開いたというふうに聞いてございます。公聴会の中では、江戸川区在住の公述人の方もいらっしゃいまして、高規格堤防、スーパー堤防の整備促進を求めたというふうに聞いておるところでございます。 # 河野委員 河野委員私は、そういう国と区はわかっているんです。都がどういうスタンスでこのまちづくり事業について軸足を置いているのかということを伺ったつもりなんですが、それはご答弁いただけなかったんです。非常に残念な思いです。結局のところは、国や区がやっているから、東京都も都市計画の変更に協力してあげますよということで今回の議案が出されているというふうに、私は、判断しなくてはならないと思います。その意味で、今回、スーパー堤防の建設を前提とした、示されている都市計画変更案、これは住民の納得、合意が形成されていない段階でありますから、都市計画審議会には提出しないように都に求めまして、質問を終わらせていただきたいと思います。よろしくお願いします。 # 植木委員 植木委員私も二つのテーマで質問したいと思います。一つは、三宅島の都市計画マスタープランについてです。ご存じのように、三宅島は火山ガスの噴出があったため、都市計画マスタープランが他の自治体と一緒にできなかった、今日に至ったというふうに聞いております。三宅島は現在も火山ガスが噴出している地域があり、阿古地域、それから坪田地域の一部分ではいまだに高濃度地区として指定されています。こういう段階で都市計画について長期的な視野に立ってマスタープランを定めるということは、高濃度地区の解除の見通しができたからでしょうか。 # 野本都市づくり政策部長 野本都市づくり政策部長都市計画区域マスタープランは、都市計画法に基づき、三宅区域を除く他の二十五区域では、平成十六年四月に策定を既に終えております。しかしながら、三宅都市計画区域は被災状況を考慮しまして、その策定を保留してきたわけです。この時期に策定する理由は、おおむね人口も回復しまして、火山ガスの放出は全体として減少傾向にあるということ等の状況を踏まえまして、復興のめどがついた段階と判断したものでございます。高濃度地区につきましては、依然として基準を上回っておりまして、その規制を見直すレベルまで低下していないという状況は変わっておらず、現在のところ、指定解除の見通しはないと聞いております。 # 植木委員 植木委員人口回復や、だんだん復興が進んできているということですが、この二つの高濃度地区の住民の方々は指定が早く解除されてほしいということを願っているわけです。いずれとにかく解除されることになるだろうと思うんですけれども、その場合、この都市計画マスタープランとの整合性、これについては長期的な見通しに立って立てるわけですから、どのように考えているでしょうか。 # 野本都市づくり政策部長 野本都市づくり政策部長今回の都市計画区域マスタープランは、三宅地域の都市計画に関する基本的な方針を定めるものでございます。その中で、既存集落につきましては、その将来像として防災に配慮した集落環境を整備し、良好な居住環境の整備、維持を促進する方針を示しているわけでございます。高濃度地区の坪田地区、阿古地区の両地区につきましては、被災前は既存集落を形成した地域でありますので、これらの方針が適用される地域でございます。 # 植木委員 植木委員既存地域だから適用はされるということなんですが、高濃度地区の住民は現在そこに住めない生活を余儀なくされているわけです。早く解除されてそこに住める方はいいんですけれども、しかしながら、長期的に見てどうか、あるいはもっと安全なところに移転できないか、いろいろな悩みを持ちながら臨んでおられるというふうに私ども聞いています。そうした場合のまちづくりについては、基本的には村自身で住民の皆さんと相談して計画することだと思いますけれども、そういう点でマスタープランの具体化に当たっては、今後、村との調整を進めて臨んでほしいと、これは要望をしておきます。二点目の質問は、都市再生特別地区の問題です。今回、銀座とそれから東急の二つが出ていますが、特に銀座については銀座ルールというのがあるということで、大変地元の方々は努力されているというふうに聞いています。地元の方々がお話ししているのが、書かれているものを読んでみると、なかなか努力されているな、銀座全体の方々を視野に入れて、銀座じゅうの意見をなるべく漏れなく取り込むという考え方で進めてきたということとか、それから大型店が結構あるわけですけれども、しにせのお店などは非常に苦しい中でやっているけれども、頑張っているけれども、そういう店が銀座の雰囲気を、銀座らしさを表現しているのではないか、そうした方々の努力も実らせたいというお話とか、それから東京では数多くの再開発が促進されているが、そのほとんどが高層建築、高層化で出てきている。どの再開発に行っても何か似たようなものの繰り返しで、開発の味というか、魅力というのが独特のものが見えない、これでは都民としてまずいんじゃないか、やはりまちの特徴というのは大事にしていかなければいけない、こういうふうにいっておられるのを読ませていただきました。そして銀座ルールというものをつくって、高さを十六メートルに抑える、こういう努力をされている。これが非常に大事な地元住民の皆さんの努力だというふうに思うんですが、しかしながら、都市再生全体は必ずしもこうなっていない、今回の銀座は高さにおいてはそういう点はありますけれども。そこで、私は幾つかの角度から質問をしたいというふうに思っています。問題の一つは、都市再生への貢献ということで容積率などの大幅な緩和を進めている問題です。渋谷東急のビルについては、基準容積率八一五%に対してプラス五五五%、実に一三七〇%にもなる。増加率は四割、四〇・五一%。銀座三越、ここは高さは抑えられていますけれども、地下にやったり、後で述べることとも重なってきますが、いずれにしても基準容積率は七七五%に対してプラス五二五%で一三〇〇%、これも増加率は四〇・三八%。どちらも四割を超える容積率が貢献という形で出されている。こうした容積率の引き上げについての考え方はどのようになっているでしょうか。 # 瀧本参事 瀧本参事都市再生特別地区における割り増し容積率につきましては、都市再生緊急整備地域の整備方針等を踏まえ、周辺を含めた公共施設整備、敷地内の空地、緑地、道路等の整備、地域に必要な都市機能の導入など、都市再生貢献の内容を総合的に判断いたしてございます。 # 植木委員 植木委員容積率をそういう考え方で出しているというんですけれども、実に最高限度が一三七〇%、私は異常だと思うんですよね。とにかく権利床というんでしょうか、床をふやしてやると。いわば利益を与えるようなものですよね。それで貢献の中身もちょっと見てみますと、例えば東急の例でいいますと、多層をつなぐ歩行者ネットワーク、基盤改良の一体的推進を貢献として容積率を引き上げると、こういうふうになっています。もちろん地域貢献というのはあると思うんですよ。それを評価するということは、私、全部否定するつもりはありませんけれども。しかし、貢献という面もありますけれども、どちらかというと、地下鉄の駅の乗降客や地域の人々の流れをこのビルにずっと誘導していく、そういう意味では受益の面が非常に多いというふうに思うんですね。ある意味では受益者負担ともいえるんじゃないか。それからミュージカルの文化施設ですけれども、これも大変いいことなんですけれども、もともと東急の文化施設として建てかえてきたわけですから、それが中止するから、何とかこれ、やってほしいということで貢献の度合いをはかるということでもなさそうですね。結局、貢献という形で、特定の事業者に対して利益につながるものまで容積率を引き上げる、これはやはりおかしいんじゃないかと私は思うんですけれども、いかがでしょうか。 # 瀧本参事 瀧本参事この都市再生特別地区における容積の割り増しということでございますけれども、これは都市再生緊急整備地域の整備方針等を踏まえて、この公共貢献の内容を総合的に判断しているところでございます。この都市再生緊急整備地域の方針でございますが、それぞれ銀座地区、それから渋谷地区、そういうところの、例えば銀座地区であれば国際的な商業拠点を形成する、そして渋谷地区であれば、あそこにふさわしい駅前の空間の整備、そして先ほどのアーバンコアというネットワークの構築、そしてその文化の創造発信拠点の形成、こういったものが盛り込まれているものでございます。また、あわせて、その地区計画においてもこの地域の整備方針というものが出されてございまして、そういうものに即して、そういうものの方針に合致をした形で、そして具体的には個々の公共貢献をしていただいているもの、そういうものを総合的に判断をして容積率の評価をさせていただいているところでございます。 # 植木委員 植木委員私も地域貢献というのは、さっきいったように、あり得るとは思うんだけれども、問題は、やはり貢献という言葉が緩和のための理由づけになってやしないか、そのことなんですよ。結局、前の特別地区の、いろいろな提案がこれまでもありました。たびたびその貢献の中身それぞれについて、どのくらいのパーセンテージなんだと聞いても、答えられなかったわけですよね。つまり貢献ということで緩和のための理由づけになってはいないか、そうであってはいけないというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。 # 瀧本参事 瀧本参事この容積の割り増しということでございますが、これは公共貢献の内容を総合的に判断をして評価をするというものでございますが、その際、他の都市開発諸制度、そういうものの評価という内容についても照らしまして、そういうものとの均衡というものも視野に入れて、この審査、評価をいたしているところでございます。その中で例えば銀座地区におきましては、既にこの機能更新型高度利用地区というのが設定されてございます。そういうところでの容積の割り増しの考え方、これは例えば高度利用地区の場合には最高で三〇〇%の割り増しがございます。また、既存の都市開発諸制度によるその他の有効空地の整備、そしてここでは託児スペースの導入機能、さらに敷地外の区道や地下空間の整備、そういったものを行っているものでございまして、こういうものも他の制度でも評価して、そういうものについてもこの再生特区の中で視野に入れながら総合的な判断をいたしてございます。また、渋谷地区については、この細分化された土地の集約化を行って一つの大きな街区にする。そしてまた、銀座線移設に伴う駅中心部の拡大などによる骨格的な都市基盤整備の考え方に基づいて、既存の都市開発諸制度などでは、歩行者ネットワークの整備、文化施設の導入機能、さらに地下接続空間の整備、銀座線移設に伴う駅空間の確保や橋脚の一部整備について、いろいろ評価があるところでございまして、この再生地区においてはそういうものを総合的に判断をいたしているところでございます。 # 植木委員 植木委員私、提案なんですけれども、いろいろな制度の中でも、屋上緑化だとか、一定の空間確保を附置義務としてやっている都市計画手法もありますよね。そういう意味で、もちろん屋上緑化とか広場とか、それから自分のビルに少なくともお客さんを誘導するとか、そういう受益の部分は一定の受益の割合を判断して附置義務にする、そういうことも含めて考えるべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。 # 瀧本参事 瀧本参事この容積率の割り増しを含めまして、都市再生特別地区の運用というものにつきましては、国から示された指針がございます。これは特定街区等のような有効空地の確保や導入施設の内容など、個別項目の条件を満たせば一定の容積率の緩和を認めるといった積み上げ型の運用ではなく、都市の魅力や国際競争力を高めるなど、当該都市開発が持つ都市再生の効果等に着目した柔軟な考え方のもとに行うというふうにしてございまして、東京都においてもこの考え方に基づいて、一律的な基準によらない、一件ごとの個別審査により審査を行っているというところでございます。 # 植木委員 植木委員国の指針に基づいてというんですけれども、この間、十幾つか特別地区が出されましたよね。今回、五五五%プラスしている。三越も五二五%。大手町に至っては八九〇%もの容積率、二館足してね、やっている。それから日本橋室町東地区は五四〇%、淡路二丁目北地区は四七五%。つまり基準容積率とほぼ同じぐらい乗っているのもあるんですね。だから、やはり緩和のための理屈づけになってやしないか、やはりそういう疑惑の持たれないような仕組みというものにしていく必要があるんじゃないかということを私は改めて強調したいというふうに思っています。その上で一つだけ、今東急の例でやったんですが、銀座三越の例でいいますと、これは中央区の決定ではありますが、区道の廃止問題があるんですね。もちろんその区道をほかに移転をして、しかも通路として活用するということで一定の配慮をしているということなんですが、この区道を廃止することで一体的に整備すること、それによって、高さ、容積率、これが目いっぱい使えるということになるわけです。一定のそういう、これも要件緩和なんですよね、実質的には。銀座は、先ほどもちょっとお話ありましたけれども、そういう区道がまちの中に長い歴史の中で培われてきている。それが要らないというならともかくとして、そうじゃなくて、生きているというところが、こういうことで特定の街区あるいは特定の事業者の緩和のために廃止するということがほかのところでも出やしないかという、私、思いがあるものですからあえて取り上げたんですけれども、今回区決定ではありますけれども、全体の計画の要件にもかかわるわけでありますので、その点についてはどんなふうに考えているでしょうか。 # 瀧本参事 瀧本参事このお尋ねの区道四二七号のつけかえでございますけれども、これにつきましては、この銀座地区の街区が非常に小規模であるということから、中央区の方では、できるだけ開発に当たっては大きな街区として土地を有効高度利用しようということがございました。この特区の提案に当たって両者、中央区、そして事業者ともいろいろ相談をして、今回こういう形で道路のつけかえを行う。その一つには、三原通り沿いに都市計画駐車場の出入り口をつくる、そこに公共的な用地が必要であるということもございます。そういうことで、そちらに区道の部分をつけかえる。そしてこの移転をした後の四二七号の部分につきましては、これは通路として地区計画の地区施設に位置づけまして、通行機能も確保した上で、これまでどおり交通規制も行った上で、そこの部分を公共的な利用をしていくということでございます。そうしたことで両者一体となって整備をしてきているところでございます。こうしたつけかえにつきましては、中央区の方でも方針を設定しておりまして、銀座地区であれば、この中央通りの一本中側に入った、この現在の区道四二七号沿いといったあたりを対象として、このつけかえをするというものに対応していくというような方針のもとで行ったというふうに聞いてございます。 # 植木委員 植木委員私は、こういうことがどんどん乱用されないかという心配の面からいっているんですけれども、その点は、もちろん個々で判断していくことになるんだろうと思うんですけれども、乱用になってはいけないというふうに思いますが、いかがでしょうか。 # 瀧本参事 瀧本参事中央区におきましては、この銀座地区の区道の改廃に関する考え方ということで取りまとめてございまして、それによりますと、道路機能に係る、例えば交通、環境、防災、防犯、そういったものの評価、それからさらに、もちろん地域住民の一定の合意形成というものもございます。そうした全体的な交通機能の確保、あるいは周辺に与える影響というようなものの中で、今回、この中央通りの四二七号沿いというものについて、このつけかえに対する対応を図るといったような、その方針に基づきましてこれを対応しているということでございます。ですから、どこでもということではないというふうに私どもは理解をいたしてございます。 # 植木委員 植木委員ぜひ乱用にならないように注視していただきたい。二点目は環境問題です。事業所ビルからのCO2の排出量の伸び率、環境局の資料によりますと、他のものも含めていろいろ発表があるんですけれども、一九九〇年から二〇〇五年の間で、産業部門はマイナス四三・四%、業務部門がプラス三三・〇、家庭部門はプラス一五・三%、運輸部門はプラス七・四%。これを見てわかりますように、業務部門の排出量が一番伸びているわけです。今回の案件は東急と三越の例でどうかという問題ですが、このCO2排出量については、従前の建物と計画地ではどういうふうになっているでしょうか。 # 瀧本参事 瀧本参事年間のCO2排出量ということでございますが、銀座四丁目六地区では、既存の建物は一万二千三百三トンでございます。計画建物は一万二千九百二十八トンと試算しております。また、渋谷二丁目二十一地区では、従前の建物が七千九百四十一トン、計画建物が一万五百六十二トンと試算しております。 # 植木委員 植木委員今のをちょっと計算してみますと、東急の方は差し引きプラス二千六百二十一トン、年当たりの排出量。それから銀座三越の方は、プラス六百二十五トン、年CO2排出量というようになっています。両方で三千二百四十六トンということです。今、「十年後の東京」でカーボンマイナスの方針では、最も環境負荷の少ない先進的な取り組みが都市の隅々にまで浸透している、二〇〇〇年比でマイナス二五%の排出削減を目標に最先端の環境技術を駆使する、こういうふうに二〇〇〇年比でマイナス二五%にするということを掲げています。しかしながら、世界的に見ますと、京都議定書では、九〇年比で二〇一〇年までマイナス六%の抑制をするということで努力すべきだったんですが、現実は逆にプラス七%にもなってきている。ですから、京都議定書よりもこの東京のカーボンマイナスは目標値が下げられているわけですけれども、いずれにしても、この東京都の目標から見ても、CO2排出量が増加しているということ自体、都の方針に反しているといっても仕方ないんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。 # 瀧本参事 瀧本参事都市再生プロジェクトにつきましては、事業者はCO2排出量削減の取り組みを積極的に行うというふうにしております。プロジェクトにおきましてさまざまな都市再生貢献を行う一方、建物の建てかえにより床面積が増加し、建てかえ後にCO2排出量が増加するケースもございますけれども、建物の環境性能を高めるとともに、最新鋭の設備機器を導入するなどによりまして、床面積当たりのCO2排出量の削減を図っております。また、例えば今回の銀座四丁目六地区では、新たに整備する銀座テラスでの環境配慮の啓発活動、また、渋谷二丁目二十一地区では、吹き抜け空間の確保による隣接地下鉄駅の環境負荷低減など、建物以外でのCO2排出量の削減に貢献をいたしているところでございます。こうした都市再生のプロジェクトを進めながら都市機能の更新を図ることは、「十年後の東京」の趣旨にも沿ったものであるというふうに考えてございます。 # 植木委員 植木委員努力するのは私は当然だと思うんですけれども、最新鋭の設備機器を導入しても、結果としてこれはマイナスにならないわけですよね。これはまだ特区だから、かなり皆さんが努力して指導したり、こういうものを使いなさいよといっているのは私もよく承知しています。しかし、都市再生緊急整備地域というのはもっと面的に広い。八カ所で二千五百ヘクタール。そこではもっともっとどんどんビルが建っているわけです。この都市再生緊急整備地域内での百メートル以上のビルについて、以前資料をもらったことがあるんですけれども、それによると、九十三棟で容積率が八百三十八万二千五百平米も、これ、増加分だけですよ、累計じゃなくて。CO2の排出量に換算すると年間で実に八十二万トンふえることになる、私計算したんだから。これでは、努力するのは、私はもっと努力しなきゃいけないと思っているんですけれども、抑制に努力しているといっても、実際は差し引きプラスになっているんですよ。そういう点はどんなふうに見ていますか。 # 野本都市づくり政策部長 野本都市づくり政策部長都市再生によって大規模開発が進むと二酸化炭素増加を招くんじゃないかと、そんなご指摘かと思うんですけれども、先ほどから何回かお話ししていますように、「十年後の東京」では、東京全体で二〇二〇年までに二〇〇〇年比二五%の削減を目標に掲げるとともに、環境都市づくり戦略合同会議というものを設置しておりますけれども、その中で、産業部門、業務部門、家庭部門、運輸部門と、各部門ごとにカーボンマイナス都市づくりの実現に向け全庁横断的に取り組んでおります。例えば運輸部門ですと、三環状道路など骨格的な道路交通ネットワーク整備推進によりまして、慢性的な渋滞解消というようなことによりまして、CO2の削減、環境負荷が低減されると。これは国の試算でございますけれども、三環状道路が完成しますと、年間二百万トンから三百万トンのCO2の低減が見込まれるというような数値もございます。それから都市開発の方ですけれども、建物の高断熱化あるいは効率の高い熱源機器の採用のほか、新たな取り組みとしては、例えば下水熱の利用であるとか、あるいは保水性舗装の導入、こういったことにもよりましてカーボンマイナスの取り組みが一層進んでいくと考えております。CO2排出量の問題は、一部の拠点開発の案件だけをとらえまして、局所的にその増減を論じるのでなくて、都市づくり全体で議論すべき問題と考えております。今後とも都市開発の機会を初め、インフラ整備の機会、あるいは住宅政策における取り組みなどを含めまして、都市全体でCO2削減に取り組んでまいります。 # 植木委員 植木委員都市全体で削減するのは当然だし、私は大賛成ですよ。今、都市計画案件でいっているわけですから、私はここのところをいっているわけですよ。それで三環状の道路問題が出ましたけれども、今回は三環状問題じゃないから余り突っ込むことはしませんけれども、国土交通省はいろいろな研究をやっていまして、いろいろな文書が出ているんですよ。確かに一時的に減るという研究成果も出ている。同時に、長期的に見ると、誘導効果というのを計算して排出量がふえていくことも出しているんですよ。国土交通省というのはそういう意味でいろいろな研究をやっていて、それこそ部分を取り上げていっちゃいけないんですよ。将来的に見てどうかという、私はそれを読んだんです。なるほどと思った。一時的に減る問題と、長期的に誘導効果と出る問題と、いろいろな角度からやっています。それだけじゃないんですけれども、きょうはそれはちょっと時間長くなっちゃうからやめますけれども、いずれにしても、やはり都市づくりとしても、一定の努力で、努力したけれどもふえちゃったということでは済まない段階に来ている。東京は百年で三度C伸びているんですよね。これはニューヨークやロンドンやパリから比べたって断トツに気温が上がっているんですから、その危機感がなけりゃ、やはりこれはできない。ですから、総量を、この都市づくりにおいても抑制するという方針に転換すべきだということを、この二点目の質問では強調しておきたいというふうに思っています。三点目の問題は、都市問題ですね。特に都市再生特別地区を今回論議しているわけですけれども、都心部へのオフィスの集中を招き、CO2の排出量の増大、混雑緩和など、さまざまな問題が出てきている。都心に集中する車によるCO2、あるいはSPMも増加する。それから都心の居住面積がどんどん今減っていますよね。千代田なんか、実に床面積の七五%は事務所ビルですよ。それから地下鉄だとか大江戸線もそうですし十三号線も、いろいろなものを整備しても一向に改善されない。社会的、経済的条件に対する都市づくりにおける負荷、こういうものが、今やはり考えていかなきゃならない問題だと思いますけれども、いかがでしょうか。 # 瀧本参事 瀧本参事この都市再生特別地区でございますけれども、緊急整備地域の整備方針等を踏まえまして、都市計画の視点に立って、周辺を含めた公共施設の整備や都市機能の状況を把握し、交通や環境などの面で地域に大きな負荷を与えていないか、プロジェクトの内容を審査しております。例えば交通処理については、このプロジェクトの中で円滑な交通が確保されるということをチェックをいたしております。また、CO2排出量削減の取り組みについては、都市再生特別地区ではできる限りの削減を図ることといたしております。このような取り組みを、広範囲にかつ積極的に進めることにより、CO2排出量の削減がなされていくと考えます。今後の都市づくりにおいて、民間の活力を活用して地域の課題の解決を図る都市再生特別地区は、これからの都市づくりのあり方を示すものであり、有意義と考えてございます。 # 植木委員 植木委員いろいろ努力されているというお話なんですが、特に都心ですよね、緊急整備地域八カ所になってきていますよね。渋谷が今回案件が出て、今後渋谷がどんどんそういうことをしていく。銀座も建てかえ計画が始まりますと、これがどうなってくるか。とにかく都市再生特区だけじゃなくて、いろいろな手法によってまちづくりが進んでくる。特にそういう八つの緊急整備地域などの都市に対する負荷、これは住民や地方自治体に対しても負荷が出てくる、こういうことですから、この点はやはり肝に銘じていかなきゃいけないし、私は今の段階で軌道修正といいましょうかね、一定の抑制方針の策を入れる必要があるというふうに思っています。これをもう一つの角度から見ますと、都市再生による都市づくりというものがだんだん、違った角度が今出てきている。都市づくりというよりも、例えば都市再生ファンドだとか証券化、SPCなど、いわゆる金融機関も含めて、事業所ビルが投資の対象になって新しい開発やビル建設をさらに誘導していく、こういう状況が出てきている。私、ここに危惧の念を抱いているんですね。特区の場合は、都市計画手続を一定期間に早くできるようになっていて、したがって金融機関が投資をしやすい、こういう好条件が整えられている。ちまたでは青天井の規制緩和が可能だといわれている。財界の意向を受けて、都市再生事業推進のための政府系の資金を供給できる都市再生ファンドなども用意されている。それが都市計画上の規制緩和とも相まって、どんどん都市づくりが促進して、都心に負荷が集中している。バブルのときも確かに低金利の金が相当動いて、地上げ屋を初めとした、当時は、まち壊しということをいわれましたけれども、今日的にはもっと大きな規模で金融機関も含めてこの都市再生の中に、あるいはいろいろな事業所ビル建設の中に、まちづくりではなくて、ビルを商品として扱うようになってくる。これが加速されていきますと、バブルじゃありませんけれども、十年後、二十年後の都市がどうなっていくんだ、もっとゆがんでいくんじゃないか、都市への負荷がどうなるのか、こういう視野がなければ私はいけないというふうに思いますが、いかがでしょうか。 # 野本都市づくり政策部長 野本都市づくり政策部長都心部のまちづくりの中で、ファンドとか、どちらかというと、まちづくりというよりは商品とか経済とか、そういう視点が強まっているんじゃないかという指摘なんですけれども、東京は、「十年後の東京」が目標とする国際競争力を高める、国際競争力を高めるということのために快適で利便性の高い都市を実現することが必要であると、そんなふうに考えているわけです。そのために、先ほどから何回かいって恐縮なんですけれども、交通渋滞の解消につながる三環状道路の整備であるとか、都市再生緊急整備地域内における拠点開発、それから計画的な都市機能の整備更新を図るための都市再生は不可欠である、こんなふうに考えているわけです。そのために、先ほどから何回か説明しているかと思うんですけれども、民間プロジェクトの推進に当たって、緑のオープンスペース、それから風の道の確保、そういった環境に十分配慮した都市づくりを誘導しているわけです。東京を、国際競争力を高める、快適で利便性の高い都市を実現するというような魅力的な都市とするためにも、今後とも都市再生を積極的に推進してまいりたいと思います。 # 植木委員 植木委員幾ら国際競争力だからといって無秩序ではだめなんですよ。私、都市計画というのは、本来、無秩序な開発を規制するというところから出発してきたと思うんですけれども、今はどちらかというと、今の答弁でもそうですし、ほとんど同じことを何回もいっているんです。都市再生とそれから促進、それ以外にないんです。(発言する者あり)いや、これ、本当に深刻なんだよ。これは都市整備局だからこそ、私は強くいわなきゃいけないと思っています。ほかの局にこれをいっても仕方ないんです。現にこの都心区の千代田、中央、港、新宿、渋谷、事業所ビルの集中度合いは大変ですよ。さっき千代田が七五%といいました。中央区は六十数%、港区は五割、新宿が約四割、渋谷も四割、事業所ビルの床面積が、住宅や工場も含めた全床面積のうち、それだけになっているんですよ。だからこそ、長期的な視野に立って都市計画については今きちっとゆがみを正す、そういう立場に立って都市再生の促進については見直す時期にかかってきているということを強く求めて、質問を終わりにします。 # 村上委員長 村上委員長ほかに発言がなければ、お諮りいたします。本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 村上委員長 村上委員長異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。以上で都市整備局関係を終わります。これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。午後四時四十五分散会
2024-03-31T11:23:36.986170Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/707982?Template=document&Id=7153#one
--- title: 平成19年都市整備委員会 名簿・議事日程 # 平成十九年十一月二十九日(木曜日)第五委員会室出席委員十四名委員長村上英子君副委員長吉倉正美君副委員長大塚たかあき君理事きたしろ勝彦君理事松下玲子君理事新藤義彦君鈴木章浩君河野百合恵君高橋信博君泉谷つよし君植木こうじ君立石晴康君相川博君藤井一君欠席委員なし出席説明員都市整備局局長只腰憲久君次長泉本和秀君技監福島七郎君総務部長安藤明君都市づくり政策部長野本孝三君住宅政策推進部長松村光庸君都市基盤部長升貴三男君市街地整備部長宮村光雄君市街地建築部長金子敏夫君都営住宅経営部長小林計代君企画担当部長村尾公一君住宅政策担当部長瀬良智機君外かく環状道路担当部長遠藤正宏君民間開発担当部長座間充君多摩ニュータウン事業担当部長今井光君都市景観担当部長安井順一君建設推進担当部長山室善博君参事中山正雄君参事瀧本裕之君参事宇多田裕久君参事庄司貞夫君参事小澤弘君参事並木勝市君参事清水文夫君参事荒川達夫君本日の会議に付した事件請願の取り下げについて都市整備局関係第四回定例会提出予定案件について(説明)・富士見橋鋼けた製作・架設工事請負契約請願陳情の審査(1)一九第一二号小平都市計画道路三・三・三号新五日市街道線の早期建設に関する請願(2)一九第三七号の一都道の整備促進に関する陳情(3)一九第四七号公団住宅の見直しに対する意見書提出に関する陳情(4)一九第五四号東大泉アパート建替計画に関する陳情報告事項(説明・質疑)・第百八十回東京都都市計画審議会付議予定案件について
2024-03-31T11:23:37.769856Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/707982?Template=document&Id=7152#one
--- title: 平成19年都市整備委員会 本文 # 午後一時開議 # 村上委員長 村上委員長ただいまから都市整備委員会を開会いたします。初めに、今後の委員会日程について申し上げます。先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程のとおり申し合わせましたので、ご了解願います。本日は、お手元配布の会議日程のとおり、都市整備局関係の事務事業に対する質疑を行います。これより都市整備局関係に入ります。事務事業に対する質疑を行います。本件につきましては、既に説明を聴取しております。その際要求いたしました資料は、お手元に配布してございます。資料についての理事者の説明を求めます。 # 安藤総務部長 安藤総務部長十月十六日の当委員会で要求のございました資料につきまして、ご説明申し上げます。お手元に配布しております都市整備委員会資料の表紙をおめくりいただきまして、目次をごらんください。資料は、1の都内における住宅着工件数から、22の都営住宅における駐車場設置状況及び月額使用料までの二十二件でございます。それでは、まず一ページをお開き願います。1の都内における住宅着工件数でございます。平成十九年六月から八月までの総数と前年同月比が記載してございます。二ページをお開き願います。二ページから三ページにかけまして、2の平成十八年度東京都の耐震診断・耐震改修助成実績を記載してございます。(1)では木造住宅、(2)ではマンションについて、地方公共団体ごとに耐震診断件数、耐震改修件数を記載してございます。四ページをお開き願います。四ページから六ページにかけまして、3の平成十八年度各区市町村の耐震診断・耐震改修助成実績を記載してございます。(1)では木造住宅、(2)ではマンションについて、地方公共団体ごとに耐震診断件数、耐震改修件数を記載してございます。七ページをお開き願います。4の都内の自動車保有台数の推移でございます。過去十年間の台数について記載してございます。八ページをお開き願います。5の世界主要都市における地下鉄の輸送状況でございます。世界主要都市ごとに、企業体名称、営業キロ、路線数、年間輸送人員を記載してございます。九ページをごらんください。6の主要環状道路の事業費及び進捗状況でございます。首都圏中央連絡自動車道、東京外かく環状道路、首都高速中央環状線の三環状道路について、それぞれ区間または路線名、延長、概算事業費と進捗状況を記載してございます。一〇ページをお開き願います。7の都市再生特別措置法、都市計画法、建築基準法の主な制度改正とその内容でございます。都市再生特別措置法、都市計画法、建築基準法の改正年月、主な内容について記載してございます。一二ページをお開き願います。一二ページから一五ページにかけまして、8の都市再生特別地区の指定区域概要を記載してございます。都市再生特別地区の指定地区ごとに、その概要を記載してございます。一六ページをお開き願います。9の都市再生緊急整備地域内の主な開発計画の件数・延べ床面積でございます。制度ごとに、地区数、区別状況、延べ床面積を記載してございます。下段注書きには、複数の制度をあわせて指定している地区の計上方法等を記載してございます。一七ページをお開き願います。一七ページから一九ページにかけまして、10の高さ百メートル以上の大規模ビルの建設状況を記載してございます。平成十九年三月末までに建築確認済みの高さ百メートル以上のビルにつきまして、竣工またはその予定日が平成十五年度から二十年度のものを、名称、高さ、延べ面積について、年度別に記載してございます。二〇ページから二一ページにかけまして、11の都市再生緊急整備地域指定後の高さ百メートル以上の大規模建築物の建設状況を記載してございます。(1)から(6)の各地域ごとに、名称、高さ、延べ面積、従前延べ面積を記載してございます。二二ページをお開き願います。12の都心三区、都心五区、二十三区の業務床面積の推移でございます。千代田区、中央区、港区の都心三区、これに新宿区、渋谷区を加えました都心五区、二十三区の別に、過去十年間の業務床面積の推移を記載してございます。二三ページをごらんください。13の都営住宅・公社住宅・都民住宅等の建設実績でございます。過去十年間の建設実績を、新規、建てかえ別に記載してございます。二四ページをお開き願います。14の都内の最低居住水準未満・誘導居住水準以上の世帯の割合でございます。民間住宅、公共住宅の別に、最低居住水準未満の世帯の割合と誘導居住水準以上の世帯の割合を記載してございます。二五ページをごらんください。15の既設都営住宅のエレベーター設置状況でございます。既設都営住宅のエレベーター設置状況を、過去五年間について年度別に記載してございます。二六ページをお開き願います。16の公社住宅のエレベーター設置状況でございます。公社住宅のエレベーター設置状況を、過去五年間について年度別に記載してございます。二七ページをごらんください。17の使用承継制度の厳格化実施状況でございます。都道府県と政令市ごとに措置状況を記載してございます。二八ページをお開き願います。18の都施行土地区画整理事業の地区別施行面積・総事業費・過去五年の事業費の推移でございます。会計区分ごとに、地区名、施行面積、総事業費及び各年度事業費について記載してございます。二九ページをごらんください。19の生産緑地地区面積の推移でございます。過去五年間の生産緑地地区面積について、都内計、区部、多摩部別に記載してございます。三〇ページをお開き願います。20の羽田空港のアクセス整備計画の概要でございます。これまでの実施内容と今後の予定について、鉄軌道、道路別に記載してございます。三一ページをごらんください。21の平成十九年度東京都木造住宅耐震化促進事業の耐震診断・耐震改修助成の申請状況でございます。地方公共団体ごとに、耐震診断件数、耐震改修件数を記載してございます。三二ページをお開き願います。22の都営住宅における駐車場設置状況及び月額使用料でございます。区部、市町部ごとに、団地数、駐車場設置団地数、駐車場設置率と一台当たり月額使用料について記載してございます。以上で資料説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくご審議のほどお願い申し上げます。 # 村上委員長 村上委員長説明は終わりました。ただいまの資料を含めて、本件に対する質疑を行います。発言を願います。 # きたしろ委員 きたしろ委員帰り新参で初めて質問をさせていただきます。よろしくお願いをいたします。まさに花と緑の環境に優しい東京、ガーデンシティー東京ということを目指して、私はこの二年間やってまいりました。それに関して、水と緑のまちづくりについてお伺いをいたします。地球温暖化問題がまさしく今、地球規模で取り組まなくてはならない最重要課題となっているわけです。東京の都市づくりにおいても、水と緑による環境負荷の少ない都市の実現がますます重要になってまいりました。私はこれまで一貫して、都市における水と緑の重要性を取り上げてきたところです。最近では東京都においても、緑について、グリーンロードネットワークを目指す百万本の街路樹整備や環境軸の形成、水辺については、運河のにぎわいを創出する運河ルネッサンス事業など、さまざまな取り組みが始まっているわけです。そこで、きょうは、水と緑による都市環境への取り組みに関連し、品川駅、田町駅周辺地域のまちづくりや公開空地の緑づくりについてお伺いをいたしたいと思います。まず、品川駅、田町駅周辺地域のまちづくりについてでありますが、当地域は寺社の緑や運河などの水辺、東京湾の海風など環境資源に恵まれているため、これらを生かして、快適で、省エネルギー、省資源にすぐれた先進的な都市づくりが可能である地域であります。また、当地域は交通利便性が大変高いことに加えて、JR車両基地など、今後大規模な開発が見込まれている地区を有し、今後の発展が期待され、重要な新拠点に位置づけられています。このように重要な当地域について、都は、約六百三十ヘクタールの区域を対象にしたまちづくりガイドライン案をこの秋に公表したところです。今後は、このガイドラインにより、都市の環境負荷を軽減し、地球温暖化対策につながる環境モデル都市づくりなどに取り組もうとしているわけです。そこでお伺いをいたします。まず、ガイドラインにより、水と緑など環境に配慮したまちづくりにどう取り組んでいくのか、お伺いをいたします。 # 野本都市づくり政策部長 野本都市づくり政策部長品川駅、田町駅周辺地域では、現在策定を進めておりますまちづくりガイドラインに基づきまして、環境モデル都市づくりに取り組んでまいります。具体的には、まず、東京湾の海風を運河や道路などに沿って導く風の道を確保しまして、ヒートアイランド等を改善するため、例えば風の道の部分で、建物高さは五十メートル以下を基本とするほか、隣棟間隔を十分確保するなど、地区の特性に応じて開発を適切に誘導してまいります。次に、緑につきましては、既存緑地の保全、優先整備地区でまとまった緑地を確保することにより、地域全体のみどり率を、現況の約二割増加を目指してまいります。また、運河ルネッサンスと連携しまして、水上レストランなど魅力ある水辺空間を形成するほか、CO2削減に向けて、下水熱等再生可能エネルギーを活用するなど、環境に配慮した多様な取り組みを行ってまいります。 # きたしろ委員 きたしろ委員ところで、まちづくりには地域住民や地権者など、関係者の理解と協力が不可欠であると思います。ガイドライン案の公表に合わせてパブリックコメントを実施したと聞いておりますけれども、どのような意見が寄せられたのか、お伺いをいたします。 # 野本都市づくり政策部長 野本都市づくり政策部長まちづくりガイドラインの案につきまして、九月十日から約二週間パブリックコメントを実施しまして、個人や法人から約六十件の意見をいただいております。いただいた意見の一例としまして、風の道の確保に賛成であり大規模開発の手法などと整合のとれた制度としてほしいなどといった意見、あるいは、運河を再生し水辺を生かしたまちづくりについて公民相互で検討すべきなどで、環境モデル都市づくりに関心を寄せた意見が多かったところでございます。いただいたパブリックコメントの意見結果は、各意見に対する都の対応方針とともに取りまとめ、公表するとともに、ガイドラインの運用に当たってはこれらの意見の趣旨を生かしてまいります。 # きたしろ委員 きたしろ委員ぜひそういった意見を取り入れて、みんなでいいまちをつくっていってほしいというふうに思います。また、今回のガイドラインは環境モデル都市という新たな視点を盛り込むなど、先駆的な指針になったと評価できますけれども、大事なのはこのガイドラインの内容を着実に実現していくことだと私は思います。そこで、今後ガイドラインをどのように実現していくのか、お伺いをいたします。 # 野本都市づくり政策部長 野本都市づくり政策部長まず、品川駅・田町駅周辺まちづくりガイドラインを、今後正式決定を経まして、十一月末に公表しまして、来年一月から運用を開始する予定でございます。このガイドラインを着実に実現していくために、地域全体としては、地区計画や景観条例を活用し、風の道の確保、緑のネットワークの形成あるいは良好な景観形成を要請してまいります。また、JR車両基地などの優先整備地区では、計画段階から管理運営段階まで、基盤整備やまちづくりを一貫して計画、管理していくほか、都、区、土地所有者等関係者による協議会を設置しまして、環境モデル都市の中核的拠点としての整備に向け、適切に開発誘導してまいります。 # きたしろ委員 きたしろ委員当地域の先駆的な取り組みは全国的にも注目されているものだと私は思います。私としては、このガイドラインの中で、環境モデル都市づくりをまちづくりの基本的な方向として掲げ、特に水と緑のネットワーク形成を重視したことは大変高く評価したいと思っております。ところで、これからの時代のキーワードは環境だと私は思っております。環境の中で最も重要な要素が、水と緑だと思います。私は常々、公園の中に東京という都市があることをイメージして、ガーデンシティー東京といったスローガンを示し、緑があふれ、魅力ある東京を目指していくことが大事だと思い、発言をしてきたところでございます。ガーデンシティー東京をつくるには、緑の数値的な目標だけでなく、いかに機会をとらえてネットワーク形成を誘導していくのかが重要ではないのか、そのように思っております。私がことし二月に予算特別委員会で行った、総合設計や再開発事業など大規模な開発における民間事業者の緑化促進に取り組むべきとの質問に対して、局からは、都市開発諸制度の見直し検討を進めていくとの答弁をいただいたわけです。これらの総合設計などの制度の見直しを進める中で、公開空地などを活用した緑が広がり、ネットワーク形成が進むと思っております。しかし、実態は、公開空地を緑という視点から見ると、例えば隣のビルとの境界壁の暗がりに植え込みが集中したり、隣接する歩道の街路樹と公開空地の樹木の枝と枝とが競合したり、せっかくの歩道状空地が隣接ビルの敷地の壁で行きどまりになっていたりというような、残念な例も見受けられます。そしてまた、再開発のエリアの中で、自分たちのビルだけのミニパークになっているようなところもあるというふうに私は感じています。公開空地相互の緑や街路樹などを上手にネットワーク化する工夫が必要なのではないか。そうすれば、ガーデンシティー東京にふさわしい緑の散歩道の実現の一歩となると私は思っております。まち全体の緑のネットワークを考えて、公開空地はこのようにしなさいというような行政の指導が体系立って実施されることが必要だと思いますけれども、そこで、お伺いをいたします。緑のネットワーク形成を効果的に進める公開空地への指導はどのように行っているのか、答弁をお願いします。 # 升都市基盤部長 升都市基盤部長お話のように、緑豊かな魅力ある東京を目指していくためには、緑のネットワークの形成を誘導していくという視点は大変重要であると認識しております。このため、公開空地などにつきましても、既存の事例を調査、分析した上で、特に緑のネットワークや見通しなどの安全性などの配慮事項を柱とした、公開空地等のみどりづくり指針を本年五月に定めたところでございます。現在、総合設計や市街地再開発事業などに基づく公開空地などのうち、都の指導案件につきましては、この指針に基づき、六月から統一的に指導しておるところでございます。 # きたしろ委員 きたしろ委員今の答弁の中で、六月から実際に指導を始めているということですけれども、きょうまでどのくらいの実績を上げているのか、また指導の効果について、具体的なところがあれば、ご説明をお願いいたします。 # 升都市基盤部長 升都市基盤部長本指針の運用を開始いたしました六月一日から十月末日まで、指導した件数は六十三件でございます。この新しい指針におきまして適用範囲を明確に示したことから、相談の件数は従前よりも飛躍的にふえている状況にございます。指導の効果ですが、既にある公開空地に隣接して新たに総合設計が生じた場所で、敷地境界に沿ってフェンスを設置したり、行き来のできない植栽を行おうとしていたところを、指導によりまして相互に広場として往来できるような一体的な空間に改善させた事例などがございます。 # きたしろ委員 きたしろ委員今の答弁にありましたように、着実な効果あるいはまた役割を果たしているように思われます。ぜひこれは効果的に指導をしていっていただきたいと思います。しかし、こういった大切な指針も、東京都だけのものと考えてはまずいなというふうにも思います。やはり二十三区等との協働ということが大事で、方向性について周知徹底することが必要だと思います。この点について、これまでどんなことをやってきたのか、これからどうするのか、二十三区との関係でお伺いをいたします。 # 升都市基盤部長 升都市基盤部長本指針につきましては、総合設計や市街地再開発事業などで生まれる公開空地などのうち、都の指導案件について適用することとしていますが、緑のネットワークを一層図っていくためには、区や市との連携が重要であると考えております。今まで、区や市の緑化担当の窓口に指針の趣旨を説明し、協力を求めてきたところでございますが、今後はさらに範囲を広げまして、二十三区であれば特別区建築行政担当課長会、また市の建築行政担当課長会などにつきましても積極的に働きかけ、指針を準用してもらうよう協力をお願いしてまいります。 # きたしろ委員 きたしろ委員こういうまちづくりというのは、東京都だけ、もちろん一万平米以上が東京都というふうになっておりますけれども、一万平米以下についても同じように総合設計等あるわけですよ。そういった意味で、二十三区あるいは市区町村と協力をして、一つの方向で、それこそ緑の都という形の東京をつくるためには、そういう協力がぜひ必要だと思っているんです。私自身も二年前、この委員会でも質問をさせていただきました。そして、昨年は環境・建設でも同じような視点で物事をいってきたわけですけれども、本日は、品川駅、田町駅周辺地域の環境モデル都市づくりや公開空地の緑づくりを取り上げてきましたが、これらは、私のこれまで一貫した水と緑への取り組みの成果でもあると、自分なりに自負はしているところです。これからも都、区市町村一丸となって、水と緑のネットワークによる豊かな都市環境、ガーデンシティー東京といったようなすばらしい東京をつくっていっていただきたい。それと同時に、事業局である都市整備あるいは環境、建設、そういう各局とも連携をして、一つの方向づけとして「十年後の東京」を目指して、緑の東京をぜひつくっていただきたいということを要望して、運営に協力しながら、これで質問を終わらせていただきます。 # 大塚委員 大塚委員それでは、私も緑のことになるわけですけれども、緑の創出について、民間事業者との関係という観点から、幾つかお伺いをしたいと思います。昨年十二月東京都が策定した「十年後の東京」では、水と緑の回廊で包まれた美しいまち東京を復活させることを今後十年間の目標の一つに掲げています。そして、東京を緑あふれる都市へと変えていくために、新たにサッカー場千五百面に相当する千ヘクタールの緑を生み出すとしております。緑は都市に潤いや安らぎを与えるだけでなく、今大変問題になっております、お話もありましたように、都市におけるヒートアイランド現象の緩和など、都市環境の向上効果が期待されております。千ヘクタールの緑の創出は、大気汚染の改善を目指し、東京都が積極果敢に取り組んだディーゼル車規制に続く、今後の大きなテーマだと思います。また、街路樹や公園整備など、東京都が直接緑化に取り組むことはもちろん重要なことですが、同時に都民や民間事業者などに対する緑化の働きかけが重要であり、特に民間事業者の努力や創意工夫に対し、行政が積極的に連携し、手を差し伸べる必要があると思います。そして、その結果、千ヘクタールの緑の創出が実現に近づくと思います。そこで、まず確認の意味で、都市づくりを担う都市整備局として、今述べた千ヘクタールの緑を生み出す緑化政策の中で、都市整備局が中心になって取り組む事項をお聞かせください。 # 野本都市づくり政策部長 野本都市づくり政策部長一千ヘクタールの緑は、都市公園の整備で三百ヘクタール、都内の全公立小中学校の校庭芝生化で三百ヘクタール、それから屋上、壁面、鉄道敷地、駐車場、その他あらゆる都市空間の緑化で四百ヘクタールにより創出してまいります。当局では、都市づくりを所管する立場から、今申し上げた三点目の、あらゆる都市空間の緑化において、民間事業者の自主的な取り組みの促進、それから都市づくり制度を活用した緑化の誘導策の検討、そして、景観や緑の連続性の向上などに配慮した公開空地等の緑づくりに取り組んでおるところでございます。 # 大塚委員 大塚委員今答弁にありました三つ目の取り組みということですが、その具体的な内容について、幾つかお伺いをいたします。まず、先ほどいったように民間事業者の自主的な取り組みの促進策ですが、これまで、民間事業者の緑化を促すために都はどのような取り組みを行ってきたか、お聞かせください。 # 野本都市づくり政策部長 野本都市づくり政策部長昨年十一月、知事及び建築家の安藤忠雄さん出席のもと、民間事業者二十六社のトップを招きまして都市の景観と緑に関する懇談会を開催し、また本年五月には、さらに七つの業界団体にも参加してもらいまして、緑化施策の重要性を確認しております。これを受け、二十六社からは、鉄道線路敷ののり面あるいは駐車場の緑化、事業予定地の暫定的な緑化などによりまして、約一・三ヘクタールの緑が新たに生み出されたとの報告を受けております。都では、こうした二十六社の取り組みを先導的な取り組みととらえておるところでございます。 # 大塚委員 大塚委員今お話がありました民間事業者二十六社、七業界団体ということで、緑化の促進に関して先導的な取り組みを進めてきたということですが、今後、この千ヘクタールの緑の創出を実現するのは、並大抵の努力ではないと思います。そこで、さらなる、二十六社からの新たな取り組みの協力、また東京都全体の中で中小の民間事業者に対しても取り組みのすそ野を広げていくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。 # 野本都市づくり政策部長 野本都市づくり政策部長緑化機運を醸成し、緑化技術の普及を図るため、民間事業者の優良な緑化事例を局のホームページなどを活用して積極的にPRしてまいります。また、優良な緑化技術を有する造園業者あるいは発注を意図しているビルオーナー、都民などを一堂に会した緑化に関する展示会を企画し、先ほどの業界団体等を通じ、中小企業などへすそ野を広げてまいります。 # 大塚委員 大塚委員今具体的な中小企業の民間事業者への対応のお話を伺いました。都市づくりの制度を活用した緑化誘導策の検討をすると聞いておりますけれども、実は、私の学生時代からの知人で、トーセイ株式会社という港区の会社があるわけですが、そこの社長と先日お会いをし、東京都の緑化政策について意見交換をしました。先ほど答弁がありましたけれども、屋上、壁面、鉄道敷地、駐車場、その他あらゆる都市空間の緑化で合計四百ヘクタールの緑を創出するという東京都の方針に対し、その会社は、二〇〇六年六月、みずからの経営理念やその物件の資産価値を上げるため、原則保有するすべての物件に屋上緑化を実施するという会社の方針を発表しました。既存物件二十棟のほか、現在も新規物件五棟の合計二十五棟について、先ほど目標としております四百ヘクタールには遠く及びませんが、約千五百平米の屋上緑化を実施しているということです。このことについては多くの業界紙でも取り上げておりますけれども、そこで、お伺いをしますが、このような企業の自主的な緑化に対する努力をどのようにお考えか、お聞かせください。 # 野本都市づくり政策部長 野本都市づくり政策部長建物の屋上緑化は、先ほどの先生のご発言にもありましたけれども、ヒートアイランド現象の緩和や建物の断熱性能の向上につながるだけでなく、人々に潤いや安らぎを与える効果もありまして、大変有効な取り組みであると考えております。ご紹介いただいた事例のように、既存ビル、新築ビルを問わず、企業が自主的な緑化に取り組むことは都の施策にも合致しておりまして、今後さまざまな機会をとらえ、広く推奨してまいりたいと思います。 # 大塚委員 大塚委員このような自主的な事業者の緑化への積極的な取り組みについて評価をいただいたわけですけれども、今後はこうした屋上緑化に対する自主的な取り組みに加え、一層の緑化を促していくためには、都市開発の機会をとらえて、例えば今きたしろ理事からもお話があった総合設計制度、都市計画諸制度、緑化に対する容積ボーナスを与えるというようなことで、緑化が進んでいくと思います。答弁が重なるといけませんが、容積ボーナスを与えるという観点から、公開空地の評価など、もし重ならない答弁がございましたら、お答えいただきたいと思います。 # 野本都市づくり政策部長 野本都市づくり政策部長総合設計など都市開発諸制度を活用する開発において、割り増し容積の算定に際し、公開空地の緑化あるいは屋上緑化に対するめり張りをつけた評価の導入を検討していきます。また、建物の壁面や駐車場など、これまで評価してこなかった、すき間の緑化を評価することも検討してまいります。こうした評価とともに、公共空間と民地との緑のネットワークの形成などを図る観点から、公開空地等の緑づくりについても取り組んでまいります。 # 大塚委員 大塚委員最後に若干意見を述べて終わりますが、平成十五年ごろだったと思いますけれども、表参道ヒルズの工事期間中の建設現場で、地元商店街などからの要望を受けて、仮囲いに緑を配置し、そこに広告掲載を東京都が許可をして、その収入をもって緑化の費用あるいは維持管理に充てたと聞いております。工事期間中だけの取り組みでこういった民間事業の創意工夫をさまざまな分野で引き出していくことが、あらゆる都市空間の緑化につながると考えます。また、平成十五年の私の予算委員会での質疑の中で、都市計画の重要性というものを当時の勝田局長に一問一答の形で行いました。人間の住む東京、働く東京、その都市計画のバランスと規制といったものが大事であるという質疑をいたしましたけれども、今後の十年の緑づくりにおいても、都市整備局が大変重要な役割を果たすと思います。そういったことから、民間の大手を筆頭に、先ほど述べたトーセイ株式会社の取り組みなど、連携をさらに深めて、都市整備局が都市計画諸制度を今後さらに積極的に検討していただくことを強く期待し、私の質問を終わります。 # 吉倉委員 吉倉委員私は最初に、都営住宅の使用承継についてお伺いしたいと思います。ことし八月より、利用機会の公平性を確保する観点から、原則として名義人の配偶者のみとする使用承継の新しい制度が施行されております。この制度の施行に当たり、都議会公明党は、本人の努力や意思にかかわらず、いわゆる住宅困窮者に対して、特に例外規定を設け継続して居住の安定を図るべきであると主張してきたところであります。その意味で、現在都が設けている高齢者、障害者、病弱者の例外規定については高く評価をしております。その上で、第三回定例会の我が党代表質問の中でこの使用承継の問題を取り上げ、例外規定である高齢者、障害者、そして病弱者の取り扱いについては、形式だけではなく実情を踏まえる必要があると、都の積極的な対応を求めたところであります。新しい制度がスタートしたばかりですが、実情に即した対応を求める意味から、何点かお伺いしたいというふうに思います。この新しい使用承継制度につきましては、冒頭ご説明をいただきました資料、使用承継制度の厳格化実施状況に明らかでありますけれども、四月一日現在で、既に半数以上の都道府県で施行済み、または制度を改正して施行待ちとなっているということであります。そこで、改めて、都として今回制度の見直しを行った理由についてお伺いしたいというふうに思います。 # 並木参事 並木参事都営住宅の入居は公募が原則でございまして、入居を希望する都民が多数いる中で、公募の例外である使用承継によって長年にわたり同一親族が居住し続けることを認めることは、入居者、非入居者間の公平性を著しく損なうこととなります。このため、平成十七年十二月に出されました承継の厳格化を求める国の通知や昨年六月の都の住宅政策審議会の答申も踏まえまして、高齢者、障害者、病弱者など居住の安定を図る必要のある者に配慮しつつ、使用承継の範囲を原則として配偶者に限るということにしたものでございます。 # 吉倉委員 吉倉委員都営住宅に入居できる人とできない人との不公平感をなくしていく、公平性を確保していくことは大変重要だというふうに考えております。その上で大事なことは、制度の運営に当たって、現実的にどう社会的弱者に対して配慮していくことができるかということだと思っております。そこで、例外規定の中の高齢者についてお聞きしたいと思います。居住の継続に配慮していくべき高齢者についてでありますけれども、実際には微妙なケースがあります。名義人である高齢の母親と娘二人の三人家族、娘二人は独身で、しかも高齢。長女は六十一歳、次女は五十八歳であります。この場合、仮に高齢の母親が亡くなった時点で長女が承継しようとしても、同居者である次女が六十歳に満たない場合、承継できないと聞いております。例外的に承継できるものとして高齢者世帯を認めるに当たり、同居者を含めて六十歳という年齢で高齢者を区切った意味はわかります。しかし、残された者が病弱者であった場合でも、六十歳に満たない者がいるということで承継の対象外となるのは、適当ではないと思うわけですけれども、このあたりいかがでしょうか。 # 並木参事 並木参事例外規定の高齢者とは、名義人が死亡した時点で承継しようとする者が六十歳以上で、かつ同居人のいずれもが六十歳以上または十八歳未満である者でございます。ご質問の事例では、次女が六十歳未満ということでございますので年齢要件では例外規定に該当しませんが、病弱者に該当することが医師の診断書により証明される場合には、承継の対象となります。 # 吉倉委員 吉倉委員わかりました。体に不安を抱える高齢者にとって、安心して住み続けられる生活基盤が保障されるかどうかは死活問題であります。年齢要件とともに、病弱者であるかどうかを踏まえ、実質的な対応をぜひお願いしたいというふうに思います。次に、例外規定の中の障害者の範囲についてお聞きしたいと思います。名義人の死亡などにより残された者が障害を持っている場合、例外規定として継続して居住することが認められております。しかし、例外として承継が認められる範囲は、愛の手帳所持者が一度、二度、また身体障害者手帳所持者が一級、二級であり、精神障害者保健福祉手帳所持者は一級のみとなっております。これは承継できる障害者の範囲を定めるに当たり準用された所得税法の特別障害者のとおりであり、客観性と公平性の点では納得できるわけであります。しかし、特別障害者に該当しない、例えば精神障害者二級の者でも、障害により病弱になっている者、あるいは退去させられると病気になるおそれが大きい者がいるというふうに思いますけれども、こういう者についても一切承継はできないのかどうか、この点いかがでしょうか。 # 並木参事 並木参事例外として使用承継できる障害者の範囲につきましては、今先生ご説明のとおり、所得税法で定める特別障害者の規定を従来から準用してございますけれども、それに該当しない精神障害者二級でありましても、病弱者に該当することが医師の診断書により認められる場合には、やはり同様に承継の対象となります。なお、手帳を取得していなくても、特別障害に準ずるものとして区市町村長や福祉事務所長の認定を受けている場合には、特別障害者として承継の対象となります。 # 吉倉委員 吉倉委員さらにお聞きしたいと思いますが、障害をお持ちの方の中には、いわゆる外見からではわからない内部障害や発達障害あるいは高次の脳機能障害の方もふえてきております。こうした外見からではわかりにくい障害をお持ちの方々について、例外規定には含まれるのかどうか、このあたりいかがでしょうか。 # 並木参事 並木参事外見からは判断できない障害を持つ内部障害者でございましても、一定の級以上の障害者手帳を所持する場合や、先ほどお答えした区市町村長等による認定を受けている場合などで、所得税法上の特別障害者に該当する場合には、承継の対象となります。 # 吉倉委員 吉倉委員ただいま例外規定の病弱者について、たびたび言及をいただきました。これは国の通知にもなく、他の道府県でも採用しているのはわずかであり、大変評価できるものというふうに考えております。そこで、改めて病弱者の定義についてお伺いしたいと思います。 # 並木参事 並木参事病弱者の定義でございますが、例外的に使用承継の対象となる病弱者とは、承継しようとする者または同居者で、疾病により当該都営住宅に継続して居住しなければ生活の維持が困難であると認められる者でございます。具体的には、国及び都が指定する難病にかかっている者、原爆被爆者、公害病認定患者、そして、当該都営住宅に継続して居住しなければ生活の維持が困難であることが医師の診断書により証明された者等でございます。 # 吉倉委員 吉倉委員わかりました。使用承継の見直しを適切に施行しながらも、居住の安定に配慮する必要のある方々のために設けられた例外規定の適用に当たっては、居住者の実情を踏まえて、きめ細かく対応していただくことをお願いしておきたいというふうに思います。次に、都営住宅の建てかえと再編整備に伴う用地の活用についてお伺いしたいというふうに思います。都民の切実な要望にこたえて、今後、都営住宅は老朽化した住宅の建てかえを着実に推進するとともに、住宅セーフティーネットとしての機能を確保することが最も大切であります。そこでまず、都営住宅の建てかえとその用地の活用について、都の基本的な考え方をお聞きしたいというふうに思います。 # 清水参事 清水参事都営住宅の建てかえと用地活用の基本的考え方についてでございますが、約二十六万戸ある都営住宅につきまして、都民の住宅セーフティーネットとしての機能を維持するため、計画的な建てかえを実施することとしており、現在、昭和三十年代以前に建設された約二万五千戸を対象に、着実に建てかえを進めております。都営住宅は都民共有の貴重な財産であることから、その建てかえに当たっては、敷地の高度利用や住宅の集約化により生み出された用地を有効に活用して、地域の活力を高め、都市再生を推進することは重要と考えてございます。 # 吉倉委員 吉倉委員わかりました。ことし三月に完成した南青山一丁目住宅は、PFI的な方式を活用し、都営住宅を初め、公共施設の整備や定期借地権を生かした民間プロジェクトの推進など、都心居住の新しい形として建設されたものであります。私は、この南青山一丁目の手法は、老朽化した都営住宅の建てかえや再編成ができること、また活性化できること、さらに周辺団地の集約により創出した土地の利活用により財政収入が見込めること、こういう点から高く評価をしております。また、東村山市の本町地区では、高品質で低廉な戸建て住宅の供給についての実証実験を行うなど、都心部や郊外部でさまざまな取り組みが行われております。そこで、東京都では、この二つの事業の成果についてどのように評価されているのか、お聞きしたいというふうに思います。 # 清水参事 清水参事南青山一丁目地区では、都営住宅と民間施設等を一体的に整備し、都心居住を推進するとともに、保育園、図書館、高齢者グループホームなどの設置によりまして、少子高齢社会への対策や地域の活性化など、多様な視点からの都市再生を推進しております。また、東村山本町地区では、広くて質がよく、建築本体工事費が都内の平均単価より三割程度安い戸建て住宅を供給することによりまして、住宅市場に刺激を与え、市場の構造改革を促進するとともに、ゆとりのある美しい住宅市街地を目指す、多摩地域の郊外型モデルプロジェクトを実施しております。いずれのプロジェクトも、東京都の政策目的の実現とともに地域の活性化にも寄与するなど、整備の進展に伴って、所期の成果を発揮しつつあると認識してございます。 # 吉倉委員 吉倉委員現在、ほかの地域でも、さまざまな政策目的に沿って、都営住宅の建てかえに伴う創出用地を活用した民間プロジェクトが進められております。地域特性やあるいは事業性の判断もあろうかと思いますが、今後も積極的に用地の活用は進めるべきであるというふうに考えております。見解をお伺いしたいと思います。 # 清水参事 清水参事ただいまお答えさせていただきました南青山や東村山本町地区以外にも、現在、都営住宅の創出用地を活用した民間プロジェクトを推進中でございます。例えば港区の港南四丁目地区では、中堅所得層ファミリー世帯向け定期借地権つき分譲住宅の建設を、中央区の勝どき一丁目地区では、子育て世帯が安心して快適に暮らせるまちづくりなどを目的とした事業を実施しております。今後も、都営住宅の建てかえ事業の進捗に合わせまして、老朽化した都営住宅を更新するだけではなく、敷地の高度利用により創出した用地を有効に活用いたしまして、民間事業者の活力などを生かしながら、地域の活性化や防災性の向上など、都の政策目的の実現に向けた事業を推進してまいります。 # 河野委員 河野委員私は、都営住宅の使用承継、建てかえ問題、それから区画整理事業、この問題についてお伺いをしてまいります。初めに、都営住宅の使用承継について伺います。国土交通省は、二〇〇五年十二月に、公営住宅法施行令改定と住宅局長通知を続けて出しています。現在、都営住宅居住者に大きな不安を与えている使用承継制度の変更は住宅局長通知によるものでありますが、公営住宅の事業主体である地方自治体にとって、施行令及び住宅局長通知はどのような法的な拘束力を持っているのか、まず伺います。 # 並木参事 並木参事平成十七年十二月の国の通知は、公募が原則である公営住宅において、長年にわたり同一親族が居住し続け、入居者、非入居者間の公平性を著しく損なっている実態が見られることから、承継の範囲を配偶者及び高齢者等、特に居住の安定を図る必要がある者に限定したものでございます。この通知は法的に各自治体を拘束するものではございませんが、実施については、適切な運用に特段の配慮が要請されているものでございます。ご指摘の施行令につきましては、政令ですので、当然法的拘束力がございます。 # 河野委員 河野委員先ほども質問がありましたけれども、東京都はことしの八月二十五日から、使用承継を認めるのは、国土交通省の住宅局長通知に基づいて原則配偶者のみとし、そして特例として、承継しようとする者が六十歳以上、障害者は愛の手帳一、二度、身体障害者手帳一、二級、精神障害者保健福祉手帳一級、難病などの病弱者を認めるとしました。ことしの八月二十五日以降、名義人が亡くなってしまって、使用承継のこの基準に当てはまらずに困っているという家族が出ています。私たちのところにも相談が寄せられております。東京都が把握している、サービス公社などに寄せられている相談件数、そしてまた実際に承継できた件数、これはどのくらいの数を把握されていられるのか、お示しください。 # 並木参事 並木参事施行後の状況ですが、現在手続中のものもございまして、状況は整理中でございます。なお、本年九月に使用承継を許可した件数は二百三十件余でございます。 # 河野委員 河野委員二カ月で二百三十件で、それから相談件数はまだ掌握中ということで、私たちが問い合わせを受けているだけでも相当の数いらっしゃいますので、私自身のところにも昨日も相談が寄せられておりますが、かなりの数の方が困っている、あるいは悩んでいる。そういうところに、今、置かれているのではないかと思います。そこで、一つ伺っておきたいんですが、ある多摩地域の市では、親御さんが亡くなられて、残されたご家族に、東京都として、六カ月以内に住宅を出ますという誓約書を居住者に求めたと聞いています。親御さんが亡くなられたばかりの居住者に直ちに立ち退きの誓約書を求めるというのは、余りにも冷たい、そういうやり方なのではないでしょうか。まず、このような、人としての尊厳を踏みにじるようなやり方、都として直ちに改めていくべきだと私は考えますが、いかがでしょうか。 # 並木参事 並木参事お答えの前に、ただいま二カ月間というお話でしたけれども、九月の一カ月間の使用許可件数でございます。それから、ただいまのご質問の誓約書の件でございますけれども、名義人の死亡等の届けがあった場合に、名義人と同居していた親族が承継の許可基準に該当しない場合、あるいは承継を希望しない場合、そういった場合でありましても六カ月間は退去を猶予するように配慮してございます。その確認の意味で、対象者全員から期限を明記した誓約書を提出してもらっているものでございます。 # 河野委員 河野委員私は、そういう親御さんを亡くされた方の置かれているつらい立場に立てば、こういう六カ月、来年三月までに出なさいよということで誓約書をとる、とられた方は念書というふうにも受けとめていると聞いていますけれども、そういうやり方については、きちんと温かい対応をしていただく、このことが必要ではないかと考えておりますので、改めて善処を求めておきたいと思います。具体的に申し上げますが、私が住んでいる江戸川区の都営住宅の居住者からも、何人か、この問題で相談が寄せられています。船堀地域の五十代の男性は名義人のお母さんを介護しています。九十歳近いお母さんはほぼ寝たきり。介護保険のケアサービスも使っていますが、息子さんが同居し介護してもらわなければ生活ができません。したがって、息子さんは働く時間がなるべく短い職場を選ぶ、そのために収入が少ない仕事にしかつけないという状態で、何とか生活を支えているわけです。お母さんの年金と合わせてようやく生活が成り立っている。もしこのご家庭で名義人のお母さんが亡くなると、この方は都営住宅を出なくてはならなくなります。蓄えもほとんどないのにどうしたらよいのかと、とても心配されています。このような切実な不安の声が本当に数多くあるわけなんですけれども、都はこうした居住者の生活実態を十分に調査、把握して、使用承継の基準を定めたのでしょうか。この点についてご説明ください。 # 並木参事 並木参事ただいまの誓約書の件は、温かい配慮は当然ですが、なるべく早目にお知らせした方が、突然いわれるよりも本人のためということもありまして、そういう対応をしてございます。それから、生活実態の件でございますけれども、使用承継はあくまでも公募の原則の例外でございまして、配偶者のほか特に居住の安定を図る必要がある者に対して認めているものでございます。例外として許可する高齢者、障害者、病弱者の範囲につきましては、客観的かつ公平な基準で定めておりまして、この取り扱いは原則として一親等まで承継を認めていた改正前の例外規定と同様でございます。 # 河野委員 河野委員なるべく早く教えてあげるのが温かいやり方ということですが、既に何回も「すまいのひろば」ではこのことは通知していますよね。居住している方は大体知っているわけです。ことしの「すまいのひろば」でも見ましたけれども、六月、八月、十月、続けて、東京都は「すまいのひろば」でこの使用承継制度が変わりましたということをどんどん知らせているわけですから、ここで改めて温かい配慮で誓約書をとるなんていうのは、ちょっと私は納得がいきませんので、もう少し心を大事にした対応を改めて求めておきたいですし、私はやはりこういう点では、調査の問題、もっともっときちんと調査して、使用承継の問題では都の努力が求められているのではないかということを申し上げておきたいと思います。委員会の資料で、先ほどもありましたけれども、使用承継制度の厳格化実施状況を出していただきました。十月十八日の毎日新聞の夕刊の記事には、全国で二十の道府県が、国土交通省の住宅局通知が出た後も、公営住宅の親子間継承、つまり一親等まで認めると回答していることが紹介されています。今、四十七都道府県のうち二十三の道府県で、国土交通省の住宅局通知のとおりではなくて従前のままの制度を続けており、政令市では十七市のうちで、この表を見ましても、措置済みとなっているのはわずかに二市です。各自治体がこの問題では慎重な態度をとっていることがわかります。毎日新聞の記事では、特例の範囲は、例えば大阪府など十一府県は障害者手帳の交付者をすべて対象にしている。一方、十六都県は基準を定め、比較的軽度の障害者の特例を認めていない。東京都と岐阜は身体障害者が二級までと、より厳しい基準だと書いてあります。障害の基準以外にも、大阪府は年齢を東京都のように六十歳以上ではなくて五十歳以上と定めてありますし、母子、父子家庭や生活保護受給世帯にも承継を認めております。神奈川県は母子、父子世帯のほかに特別低所得の人にも承継を認めるとしています。こうした他府県の行っている、措置済みといわれているところでも、東京都の基準に比べると、かなり居住者の立場に立った配慮がされていると感じるんですけれども、東京都の基準は余りにも厳し過ぎる、このように感じておりますが、いかがでしょうか。 # 並木参事 並木参事お答えの前に、ただいまの周知の件ですけれども、「すまいのひろば」で何回もやっているということですが、これは逆にPRが足らない、十分にやれというご指摘がございましてやっているものでございますので、その辺ご理解いただきたいと思います。それから、他県と比べた比較ですけれども、例外で承継を認める範囲につきましては、都は病弱者も対象としております。この病弱者を承継対象としている道府県は、承知している範囲では非常に少なく、都は厳しいとは一概にはいえないと考えてございます。また、国の通知では、配偶者以外の承継対象として、高齢者、障害者等、特に居住の安定を図る必要がある者としておりますが、各自治体においては応募倍率等の状況はさまざまで、それ等を踏まえて定めておりまして、単純な比較はできないものというふうに考えてございます。 # 河野委員 河野委員都としては、八月二十五日実施に移したわけですから、そのようにお答えになるしかないのかもしれません。しかし、私たちも調べてみましたけれども北海道は三親等以内の親族に認めている。千葉県も同じです。それから千葉市、三親等以内というようなことが、全国を調べてみますと東京都の基準、参事がご答弁されているように配慮されているということではありますが、さらに配慮されているというのが、実際に今の段階では、調査の結果明らかになっています。そこで、もう一つ伺います。十月十日の毎日新聞の夕刊に、都営住宅の使用承継について、やはり記事が出ています。渋谷区笹塚の都営アパートに住む八十三歳の女性のことです。五十四歳の娘と二十五歳の孫が同居している。娘は糖尿病で、毎日インシュリンの注射をしながらスーパーのパートに出ている。孫は知的障害四度。娘のパート収入と母の年金で三人の生活はやっとの状態。娘さんの糖尿病治療費は月に二万円近くかかる。八十三歳のこの女性は、自分が死んだら年金収入もなくなり、使用承継の制度変更で都営住宅に残された人たちが住めなくなってしまう。このことをとても心配して、娘や孫はホームレスになれというのでしょうかと、切実に訴えておられます。国土交通省の住宅局長の通知は、最初に確認したように、もし通達どおりに実施しなくても問題はない、罰則の規定などはないわけです。国土交通省は、公営住宅の事業者がみずから基準等を定めるもの、との立場を明らかにしています。他の自治体に比べても厳し過ぎる、居住者の生活実態を反映していないと私たちが判断しているこの使用承継制度の基準について、本当に早急な見直しを私は求めたいと思いますが、東京都のお考えはいかがでしょうか。 # 並木参事 並木参事使用承継の見直しにつきましては、これまでるる申し上げておりますとおり、都営住宅の利用機会の公平性を確保するために、公募の原則の例外であります使用承継の厳格化を図る必要があるということで行ったものでございます。見直しに当たっても種々の配慮をしてございますし、また、実施に当たってもさまざまな周知をして行ったものでございまして、今後とも適切に制度を運用していきたいというふうに考えてございます。 # 河野委員 河野委員つい先ごろ厚生労働省が、社会問題となっておりますインターネットカフェなどに寝泊まりしているネットカフェ難民の実態調査を実施しています。全国で推計五千四百人のネットカフェ難民が存在し、そのうち東京は二千人が難民と呼ばれるような状態になっていることが発表されています。今回のような使用承継制度の厳格化という名のもとの制度がそのままにされれば、さらなる住宅難民をつくり出してしまうことになりかねないのではないでしょうか。ある政令市では、高齢の親の面倒を見てきた家族が親がいなくなったときに泣いてしまうような状態になる、そういう施策はどうしてもやる気になれないと、使用承継は従前のままで行っているそうであります。大都市であります愛知、兵庫、京都やほとんどの政令市でも実施に移してはおりません。他府県の例もよく調査して、病気や障害、生活難の中で頑張っている都民の立場に立って、使用承継制度のこうした都民を不安に陥れるようなやり方は撤回して、居住者、都民に安心をもたらすように、私はこの機会に局に強く努力を求めておきます。続きまして、都営住宅の建てかえ問題について伺います。都は昭和三十年代以前に建築の都営住宅二万五千戸、これを、年間三千戸を目標にして、建てかえ事業を行うとしています。都営住宅の建てかえは、いろいろ要望したいことがありますけれども、今回は型別供給の問題を中心に伺います。世帯人数に合った間取りで住宅を供給するという考え方そのものはそれとしてあると思います。しかし、都営住宅などの建てかえで行われている型別供給で問題になっているのは、専用面積がとても狭いということです。基準では単身世帯だと一DKで三十二平米となっています。DKとはダイニングキッチン、食堂と台所が一体の部屋だということだと思いますけれども、都が今一DKということで、DKという言葉を使ってイメージしているダイニングキッチン、その機能や間取りなどについてはどのような内容のものであるのか、イメージやその機能についてご説明を求めておきます。 # 山室建設推進担当部長 山室建設推進担当部長建てかえで建設する住宅は、世帯人員に応じました最低居住水準を確保するとともに、バリアフリーにも配慮した規模にしておりまして、現行の一DKの食事室の面積についても適切と考えております。したがいまして、現在の間取りの中で住まい方を工夫しながら、お住まいいただければというふうに考えております。 # 河野委員 河野委員そういうご答弁でありますが、実は私、あるひとり暮らしの、建てかえで型別供給という一DKのお部屋に入った方の高齢女性の部屋を見せていただきました。建てかえのときの説明では、ひとり暮らしだから一DKといわれた。大丈夫かなと思って実際に入居してみると、DKといわれる部屋はとてもダイニングキッチンと呼べるような使い方は無理だったと話しておられます。ダイニングキッチン、DKとされている板の間は実質三畳を欠けるくらいの面積です。食器戸棚、炊飯器やポットを置くあるいは電子レンジを置く台などが、この方はコンパクトな家具を選んでおられますが、いっぱいに壁のそばに配置されていました。それで、問題は冷蔵庫を置く場所がなかなか見つからないということで、結局考えたあげくガスレンジの前に置いたんですね。でも、そのすき間は、人が横になってやっと入れるスペースしか確保できなかったんです。写真も撮ってまいりましたけれども、私は思わず、この場所でてんぷら料理をつくる場合はどうしているのですかと聞いてしまいました。油が飛んできて怖いから、てんぷらは、ここへ移ってきて二年くらいたつけれども今まで一回しかしたことがありませんという答えでした。食卓セットを置けるような状態でもとてもありません。食堂と台所が一緒のスペースがDKという位置づけであるならば、この間取りではとてもDK、そういう呼び方をするようなスペースは確保されていないと考えますが、東京都はどのようにお感じですか。 # 山室建設推進担当部長 山室建設推進担当部長一DKの食事室でございますが、一DKは主として一人世帯用に供給するものでございまして、この食事室には一般に市販されておりますテーブルや茶だんすを置くことを前提に設計しております。このため、繰り返しになりますが、現行の一DKの住戸規模は適切と考えておりまして、現在の間取りの中で住まい方を工夫しながら、お住まいいただければと考えております。なお、建てかえにより移転していただく場合につきましては、その住宅の間取り図を示すとともに、必要に応じまして、移転先の住宅の見学会等を行い、実際に現地で間取りの寸法などを見ていただいた上で、移転先を決めさせていただいております。 # 河野委員 河野委員上手に使ってくださいよというようなご答弁なのかなと思います。移転に当たっては、確かに今お答えにあったように、選択の範囲というか、どうぞ見てください、だめなら別を選んでくださいということもあるようですけれども、この方も悩みながら苦渋の選択でこの一DKのお部屋に移られた経過があります。当時一緒に住んでいた団地の中には、ここはとても私の生活では無理だからということで断った方も相当数あると聞いておりますので、私は、今ご答弁いただきましたけれども、東京都の局長を初め幹部職員の皆さんが、一DK三十二平米のお部屋がどんなような住まわれ方をしているのか、現場に足を運んでいただきたいと思うんです。ぜひ見てみてください。続いて質問しますけれども、この方は、二年前まで住んでいた部屋は二DKの部屋でした。建てかえで転居することが余儀なくなって、それまで使っていた家財道具の大部分を処分せざるを得なくなりました。どうやって工夫しても仏壇を置く場所がない。そのために、この仏壇は息子さんの家に預かってもらっている、そういうお話もされていました。夜具は小さな自分用のソファーベッドを和室の六畳間に置いて、押し入れの収納スペースも一般の日本風の家屋よりも狭いつくりになっていますから、布団を一組だけ残して、あとは全部別の場所に預かってもらっているそうです。もし寝起きが大変になって、もう少し大きなベッドを置かなければならなくなったら、娘さんやお孫さんが泊まりに来ても、布団一組をベッドの下に並べて敷くことができない、そんな状態も話してくれました。お友達も一度に招ける人数はもう限られてしまったと、生活の不便を語っていたのです。都は型別供給といって、単身世帯は三十二平米、二人世帯は一DKか二Kで三十七平方メートル程度、三人世帯で二DKへの転居を求めています。建てかえの説明があった江戸川の東篠崎団地の居住者の話によれば、二DKといっても和室六畳、そして洋間となる板の間の部屋は五畳分ぐらいの広さで、小さな子どもと一緒の三人世帯なら何とかなるかもしれないけれども、大人三人が生活している場合は家族でどうやってこの二DKで住み分けをしたらよいのかこの先大変だと、とても悩んでいるという話でした。よく住まいは人権といわれています。東京都がこの間進めてきた型別供給のあり方は、人間としての生活を豊かに保障する立場に立っているかどうか、このことをとても疑問に今私は感じています。都は、こうした悩んでいる居住者の生活の実態、把握されておられるのかどうか、この点もお答えをいただきたいと思います。 # 山室建設推進担当部長 山室建設推進担当部長建てかえに当たりましては、実際に事業を行います住宅建設事務所と連携をしまして、居住者の要望などにつきまして適切に把握しております。建てかえ後に供給する住戸につきましては、例えば一人用は一DKとするなど、世帯人員に応じた住宅規模を定めた、いわゆる型別供給実施基準に基づき実施しております。この基準の設定に当たりましては、都営住宅は都民共有のセーフティーネットであることから、最低居住水準を確保するとともにバリアフリーを考慮した面積としており、必要な機能は十分満たしているものと考えております。また、居住者にとって住みやすい間取りとなるよう工夫をしながら、適切な規模の住宅を供給しているところでございます。 # 河野委員 河野委員最低居住水準一人当たり二十五平米ですか。これは三十二平米ですから確かに確保されているということにはなりますが、一DKというDKが、今いったような状態でとても台所の機能を備えるような事態になっていない。一DKがそうであれば、やはりひとり暮らしの人にも一LDK、こういうことを供給していく検討も必要じゃないかと思うんですよ。だから、二十五平米以上満たしているからといってそこで都民が十分に満足しているというご判断に立つのではなくて、強調しておりますが、やはり東京都の方々が、実際に型別供給で一DKや二Kなどの部屋に転居された場合にどんなふうなご不便が起こっているのか、そういうものも十分に調べていただいて、今、住みやすい住環境のためにさらに努力されていくというようなご趣旨の答弁もありましたので、そういう方向で改善方検討していただきたいということを申し上げておきたいと思います。今、都営住宅の応募状況、大変です。入居者、非常に高い倍率になっています。区部では、住宅供給公社のホームページを見ますと、ある区のある地区では六百倍とか五百倍、こういう地区があります。二百五十倍を超えている地区はざらにあるんですね。一般募集の平均倍率は、ことし五月は三十八倍、昨年の十一月では五十三倍に上っています。圧倒的に都営住宅の戸数が少ないということが現実であり、そのことが公平性の確保という理由づけで使用承継の厳格化や型別供給などの矛盾をつくり出している、そのように私は判断します。ことし八月二日、特別区の区議会議長会が、東京都に対して都営住宅建設整備計画の新たな策定を求める要望書を提出し、都営住宅、公営住宅の建設促進を求める異例の働きかけを行っています。公営住宅法第三条には、「地方公共団体は、常にその区域内の住宅事情に留意し、低額所得者の住宅不足を緩和するため必要があると認めるときは、公営住宅の供給を行わなければならない」と書かれています。この精神に立ち返って、新規建設に向けて再開していただくよう、直ちにそういう検討もしていただくようにこの機会に求めておきますし、きょうは質問いたしませんでしたけれども、低層都営住宅のエレベーター設置の促進、団地内への高齢者生活相談所の設置要望にこたえることや近傍同種の家賃制度の問題など、都民の都営住宅に対する要望は数々ありますから、居住者の安心と都民の住宅ニーズにこたえられるように、施策の充実に東京都都市整備局が力を注いでいただくことをお願いして、都営住宅に関する質問は終わらせていただきます。次に、区画整理事業についてお伺いをいたします。まず、江戸川区内で東京都が施行している瑞江駅西部地区、篠崎駅東部地区の区画整理の進捗状況と見通しについて、お伺いをいたします。この二つの地区は、事業が大変長期にわたっております。それぞれの地区の移転の執行状況、これについてお答えください。 # 宮村市街地整備部長 宮村市街地整備部長瑞江駅西部地区及び篠崎駅東部地区は、ともに都営地下鉄新宿線の駅周辺の都市基盤施設の整備及び健全な市街地の造成を目的とした事業でございます。瑞江駅西部地区は施行面積が約三十ヘクタールで、平成十四年度から建物などの移転に着手しており、平成十九年度末の建物移転の進捗率は約三〇%となる予定でございます。また、篠崎駅東部地区は施行面積が瑞江駅西部地区の三分の二ほどで、一年早く建物移転に着手しており、同じく十九年度末の建物移転の進捗率は約六一%となる予定でございます。 # 河野委員 河野委員今の二つの地区の中で、篠崎駅東部地区は移転棟数が瑞江駅西部地区に比べて半分以下、四百九十八ですか、そういう五百棟に満たない数です。一方で、瑞江西部は移転棟数千二十四棟、大変大きな、移転しなければならない建築物の数を抱えています。この瑞江駅西部地区の場合、今年度の事業が終わっても、先ほど今年度末で移転執行率三〇%ということですから、まだ七百棟以上が移転できないまま残されることになります。今年度は三十七億円の予算で瑞江駅西部地区九十四棟の移転が進むとなっていますけれども、仮に来年度から引き続いて年間平均百棟移転が行われるとしても、移転完了まで七年かかることになります。来年度、平成二十年度から七年かかるとすると、施行期間、平成二十五年末とされていますから、どう計算しても施行期間内に事業が終わらないことになります。区画整理事業の場合、施行期間内に事業が完了するというのは、建物の移転が終わるだけでなくて清算金の徴収、交付、こうした手続も完了しているという意味を持ちます。瑞江駅西部地区について、実際にどんな形でこの施行期間内に事業を完了させるという取り組みが進んでいくのか。施行期間内に終わらせると表明しておられる都の計画について、具体的にお伺いをしておきます。 # 宮村市街地整備部長 宮村市街地整備部長瑞江駅西部地区につきましては、事業計画決定段階から換地設計の決定まで地元の合意形成に時間を要しましたが、移転工事に着手して以降は、事業は順調に進捗してきているというふうに認識しております。先ほどご質問にもございましたが、当地区の今年度予算は前年度の約一・二八倍の三十七億円ということでございます。今後とも適切な予算の確保に努め、事業施行期間内の完了に向けて、着実に事業を進めてまいります。 # 河野委員 河野委員瑞江駅周辺の区画整理は四地区に分かれて行われてきまして、この瑞江駅西部地区が最後に取り残された地区なんですね。この人たちは、周りの約百に満たないヘクタールですけれども、既にほとんど終了しているのに、自分のところだけが都施行でやってもらっているんだけれどもなかなか先が見えないということで、長年にわたって苦労されておりますので、そういうこともお考えに入れていただいて、瑞江駅西部地区そして篠崎駅東部地区の区画整理事業の進行については、特段の努力をお願いしておきたいと思います。今おっしゃられた施行期間内に事業を完了させる、この点では、事業予算の確保とともに職員の配置も充実していく必要があると思います。さきに開かれました区部周辺の区画整理議員連盟の総会の際に、足立区の都施行区画整理について、職員配置の充実が必要であるという要望が出されていました。江戸川区でも関係住民の方から同じような要望が上がっています。特に審議員を務めている方からは、審議会に出席する区画整理事務所の所長さんを初め各課長、こういう幹部職員の方の異動が頻繁で、意思の疎通を図るのになかなか苦労している。地域の実情がわかってもらえたかなと思うころに、また別の人にかわってしまう。専門的知識や経験が必要な区画整理事業だからこそ、職員配置について都はもっと工夫してほしいと要望が上がっております。瑞江駅西部そして篠崎駅東部などは第一区画整理事務所の所管なんですけれども、所長あるいは副所長、各課の課長の平均在職日数、これはどのくらいの期間、職についておられるんでしょうか。 # 宮村市街地整備部長 宮村市街地整備部長第一区画整理事務所の幹部職員の平均在職年数でございますが、近年の状況としましては、ほかの事務所も同様ですが、おおむね二年程度となっております。 # 河野委員 河野委員二年で職員というか責任者の方も含めてかわっちゃうんですが、これはあっという間の期間だと思うんです。一方で関係住民の方はそこに住んでいますから単純に数えても、測量説明会、瑞江西部の場合は私もよく存じていますけれども、昭和六十三年、このころから区画整理、区画整理ということでみんな心配しているわけです。数えると二十年間も区画整理事業とつき合っているわけなんですね。こういう現状も踏まえて、もし職員に異動があったとしても、事業の内容や地域の実情などについて住民の疑問や要望にこたえる体制、これにきちんと対応していく仕組みづくりというんですか、人的配置も含めて求められていると思うんですけれども、施行者としてはこういう点でどんな努力をされてきましたか。 # 宮村市街地整備部長 宮村市街地整備部長先ほどのご質問とあわせて、ちょっとダブりますけれども、幹部職員の平均在職年数は先ほども申し上げたとおりおおむね二年程度ということでございます。ただ、当然組織としてやっておりますので、係長それから担当の係員、あるいは地区長、それぞれ、通常のルールですとほぼ同一事務所に六年程度が一つの目安で、組織的には、できるだけきちんと引き継ぎをしながらやっているということでございます。私も所長を、第一区画ではございませんが、経験しておりますけれども、その辺はきちんと、幹部が一斉にかわるということが余りないように、できるだけつながっていくように、そういう人事異動はやっているところでございます。それから、土地区画整理の実施に当たりましては、地元の地権者の理解を得ながら進めていくということが重要でございますので、今後ともきめ細かな地権者対応ができるように、適切な人員確保などに努めてまいります。 # 河野委員 河野委員部長、ぜひそういう地域の声をよく聞いていただいて、十分な対応をしていただくように、よろしくお願いいたします。瑞江と篠崎東部についてはこれで質問を終わりますけれども、第一区画整理事務所が所管している他の地区の区画整理事業についても伺います。第一区画整理事務所は、江戸川区内の二地区のほかに、臨海都市基盤整備事業会計の開発費で、豊洲、有明北、晴海地区など臨海部の事業も担当しています。豊洲地区の区画整理事業について、きょうは幾つか質問させていただきます。平成五年に豊洲地区の区画整理事業が都市計画決定されて、事業計画の決定が公告されたのが平成九年です。豊洲地区の区画整理施行面積は約九十一ヘクタールということになっています。ここに二〇〇〇年、平成十二年三月二十二日の経済・港湾委員会の議事録を持ってきてありますけれども、当時、我が党の丸茂勇夫議員が豊洲地区の護岸整備について質問しています。豊洲地区を取り巻く形で、防潮護岸の建設のために幅約三十メートルから五十メートルの沖出しの埋め立てを行うことについての質問です。傾斜が緩やかな緩傾斜の護岸で面積は約十一・五ヘクタールになると、当時、港湾局が答弁しています。そして、この埋め立てた分は区画整理事業の中に組み入れる予定であるとの答弁もあります。このとき、護岸工事の事業費は約六百億円とされて、東京ガスなどの地権者いわゆる開発者が二分の一を負担し、残り二分の一を都が負担、そのうち一般会計で二分の一、臨海副都心開発の会計で二分の一、ですから、四分の一の百五十億円ずつ合計三百億円を東京都が負担する、こういうことになっていました。その後、平成十三年十二月に築地市場の豊洲移転計画が出されまして、この晴海、豊洲などの、特に豊洲の土地利用方針に大幅な変更があったということで、埋め立てた土地は区画整理事業には組み込まず、護岸の埋め立て費用も開発者と都の負担割合が大幅に変わったと聞いております。第一区画整理事務所が臨海都市基盤整備事業会計で事業に取り組み始めたのは平成十三年度からでありますから、この間のいきさつを都市整備局は承知されていると思います。ここでお伺いをしておきますが、埋め立てた護岸が区画整理施行地区に入らなかったことを含めて、この経過、ご説明をいただきたいと思います。 # 小澤参事 小澤参事お尋ねの豊洲地区の防潮護岸でございますが、当初、土地区画整理事業区域に編入する予定でございました。その後、平成十三年に築地市場の豊洲移転が決定をいたしましたことに伴いまして、一つは土地利用に大幅な変更が生じたこと、また、中央卸売市場が新市場予定地の前面部の防潮護岸の所有権を取得することなどになりまして、防潮護岸は土地区画整理事業に編入されないことになった次第でございます。 # 河野委員 河野委員非常にコンパクトな答弁なんですが、この裏というか、ここまでに至る背景にはいろんな経過があるんですが、きょうはそのことについては深くお聞きしません。私は、この区画整理事業に関係して、保留地の問題について伺っておきたいと思います。平成十三年度の第一区画整理事務所の事業概要を見ますと、保留地の面積は十二・二一ヘクタールになっています。平成十九年度、今年度の事業概要では七・二四ヘクタールが保留地とされておりまして、約五ヘクタール保留地の面積が狭くなっています。保留地は、事業費を賄うために各地権者が土地を出し合い生み出していくものでありますが、この保留地を出す負担割合がそれぞれ軽くなったわけであります。地権者ごとの保留地負担の軽減についてどんな状況になってきたのか、十二・二一ヘクタールのときと七・二四ヘクタールに変わった今とでは、どんな変化が起こっているのか、ご説明を求めます。 # 小澤参事 小澤参事区画整理事業では、保留地が減ったことによりまして、各宅地の平均減歩率は緩和されることになります。ただし、保留地の面積が変更になった場合につきましては、各宅地の換地面積が変更になるだけではなくて位置とか形状も変更になります。各権利者の減歩率は、従前の宅地と換地の位置、形状等との関係から定まってまいりますので、保留地の面積の変更が一律に各権利者に影響を及ぼすものではございません。したがいまして、お尋ねの個々の減歩率への影響を算定することはできないことになってございます。 # 河野委員 河野委員そういうご答弁ではありますけれども、豊洲地区の施行面積はさっきいいましたように九十一ヘクタールですね。そのうち東京ガスが持っている土地は約四十八ヘクタールあります。半分以上の土地を持つ最大の地権者が東京ガスです。単純に考えても、一律に各権利者にどんなような影響があったのか算出できないというお答えではありますけれども、本当に単純に考えても、保留地に出す土地の負担割合が減ったことは、東京ガスや東京電力などの民間の開発者、この大手企業の負担も軽くなった、これは確実な事実じゃないかと思いますけれども、その点で違っていたらまた後でご答弁をいただきたいんですが、私はそのように判断いたします。次の質問なんですが、事業概要には、平成十七年度、十八年度に保留地処分を行ったと書いてあります。この保留地の箇所、処分の価格、売却先、七・二四ヘクタールのこの保留地の処分がどのような状態で行われたのか、ご答弁をお願いいたします。 # 小澤参事 小澤参事お尋ねの豊洲地区の保留地の位置でございますけれども、晴海通り延伸部と新交通「ゆりかもめ」に囲まれた五街区の一部でございまして、豊洲市場内の予定地にございます。また、売却価格は約四百五十億円でございまして、市場予定地といたしまして財務局に売却したものでございます。 # 河野委員 河野委員その保留地と売却価格の関連で伺います。やはり第一区画整理事務所の事業概要、平成十三年版からの数字なんですが、総事業費は七百二十四億円となっています。また、この問題では、平成九年十月三日の当時の建設・住宅委員会、松村友昭議員が豊洲の区画整理の保留地処分と事業費について質問をしています。当時建設局区画整理部長の方が、総事業費は七百四十二億円で、保留地売却のお金、これを全部充てて賄うと答弁しています。現在、豊洲地区の事業費は五百九十八億円でありますから、保留地売却分のお答えにありました四百五十億円、財務局の方に移っているようですが、四百五十億円で買ったということでは、豊洲地区の事業費は五百九十八億円から引き算いたしますと百四十八億円の不足が生じることになります。保留地売却費で総事業費を賄うとしていたかつての東京都の考え方は、変更があったのでしょうか。さらに、百四十八億円の不足額、これについてはどのような財源見込みがあるんでしょうか、この点もご説明ください。 # 小澤参事 小澤参事当初の事業費は、委員お話しのとおり七百四十二億円でございまして、保留地処分金を財源としてございました。現在は、その後事業費の縮減に努めまして、約五百九十八億円となったものでございまして、この財源は、保留地処分金のほかに下水道負担金や中央卸売市場負担金などで賄ってございます。当初と現在の考え方の違いということでございますけれども、当初負担金の協議が調っていなかった下水道負担金でございますけれども、負担協議額が調いましたので額が確定いたしました。よって、事業計画の変更を行ったものでございます。また、先ほどお話ししました中央卸売市場負担金につきましては、市場の移転に伴いまして、道路構造を高架化したことなどにより工事費がふえまして、その増嵩分を事業計画の変更によって計上したものでございます。 # 河野委員 河野委員当初は、保留地の売却のお金で総事業費を賄うとしておりましたが、現段階では百四十八億円が下水道局や中央卸売市場が負担する、このような方向に進んでいることが今のご答弁でわかりました。いずれも公営企業会計からの支出になるわけですけれども、公共の財政負担ということになると思います。晴海と豊洲の土地利用計画はこれまでも何回も改定がありました。都民には極めてわかりにくいものになっているというのが率直な私の実感です。さかのぼって、私も過去何回か改定されてきた豊洲・晴海再開発整備方針などを見てみました。以前は、地区内の都市基盤施設整備に開発者負担をしてもらうとして、地区内にできる上下水道、共同溝などは開発者負担の導入を原則とする、こういうことがうたわれているんですね。こうした内容が何回かの繰り返しの改定案でるる述べられていまして、事業費に充てる保留地負担分が軽減されたり、あるいは都と民間開発者の事業費負担割合が変わったり、都の負担がふえたり、そういうことはこの時点では想定されていなかったということが改定の経過の中でうかがい知ることができます。こういう経過を見ますと、まさに区画整理事業の根本にかかわることが目まぐるしく変更されているという印象を、この豊洲地区の区画整理事業で受けてしまいます。きょうは時間の関係もありますのでこれ以上詳しくは申し上げませんけれども、大企業の東京ガスなどの民間地権者、開発者の負担割合がだんだんに減っていって、その分東京都の負担割合がふえている。こういう事業の進め方がされれば恐らく都民の多数は納得しない、こんな声が上がってくるだろうといわざるを得ない状況があるんじゃないかと思います。最後に、意見として、要望として申し上げておきたいんですが、今年度、瑞江駅西部と篠崎駅東部の二地区の予算額は合計六十一億円です。臨海部の三地区は百五十九億九千五百万、約百六十億でありますけれども、そのうち豊洲は百十億円を超えています。都市再生路線ということで東京都がまちづくりの方針を進めていますが、臨海部開発と一体となったこの豊洲地区の区画整理事業に予算の大きな重点が置かれていることを、私は改めて感じております。二十年もの長い間、区画整理事業のもとで生活や営業を営んできた、区部周辺の区画整理施行地域住民の生活や営業を、本当に大事にするということを第一に据えた区画整理事業を、東京都の努力で進めていただけるように一層の努力を求めて、きょうの質問を終わらせていただきます。 # 新藤委員 新藤委員久々に質問させてもらいますが、立川基地が米軍から返還されたのは昭和五十二年十一月、丸三十年になるわけでございます。そんな関係の中で、昭和記念公園あるいは防災基地等で、立川地区の方は大分整備が進みましたが、昭島地区においては全く三十年間手つかず。ですから、現在、足の踏み場というか、入れないような状況で、タヌキなり、シカはいないけれども、ウサギあるいはキジ等がすんで、大変自然に戻ったことはいいんですが、周りは市街地なんです。そういう中において、駅の近くなもので、このままでいるのももったいないということで、私も都議会議員になってからもう十数年この問題について質問してきました。その中で、立川基地跡地の昭島分についてを中心に、多摩地域の問題について若干触れてみたいと思います。多摩地域においては、首都圏メガロポリスを支える中核拠点として、八王子、立川、青梅、町田及び多摩ニュータウンの五つの都市が核都市として位置づけられ、首都圏全体の活力を支え、多くの人たちが訪れ、魅力ある拠点としてさらなる発展が期待されております。そして、引き続き整備の推進が必要とされてまいりました。そうした観点から、今回は、昭島市と立川市にまたがって設定されている核都市立川について、お伺いいたします。まず、核都市立川について、これまでの都の取り組みと整備状況についてお伺いします。 # 瀧本参事 瀧本参事核都市立川につきましては、首都圏の連携、交流のかなめとなる拠点の一つでございまして、都として昭和五十七年に、多摩の心(しん)に位置づけております。その後、都では、多摩の心(しん)育成・整備計画を平成十年四月に策定し、立川駅を中心とした、昭島市と立川市にまたがるエリアを整備エリアといたしまして、立川駅周辺の土地区画整理事業や市街地再開発事業など六つの広域重点プロジェクトを計画いたしました。そのうち、これまでに五つのプロジェクトが完成または事業中となっており、立川基地跡地昭島地区の整備が未着手となっております。 # 新藤委員 新藤委員ただいまご説明ございましたように、重点プロジェクトの中で唯一立川基地跡地の昭島分が未着手になっています。その中で昭島地区は、先ほど申しました、三十年間そのままずっと放置されてきました。これまで都としてもいろいろと取り組んできたと思いますが、立川基地跡地の昭島地区に関して、これまでの取り組みの経過についてお伺いいたします。 # 瀧本参事 瀧本参事理事お話しのとおり、昭島地区約七十ヘクタールにつきましては、国有地に編入された後、未利用の状態となっております。こうした中で、平成十年に、都は昭島地区の土地利用構想を作成し、土地区画整理事業の実施を計画いたしました。平成十五年には、国が基地跡地について処分の留保から利用へと方針転換し、五年以内に自治体が利用計画を作成することとなりました。そのため、平成十六年度から、都、地元の昭島市及び立川市、財務省によりまして、土地利用計画に関する利用連絡協議会を組織し、利用計画や事業手法等について検討を進めているところでございます。 # 新藤委員 新藤委員東京都や地元市で土地利用計画の見直しを行っているということでございますが、こうした中で、この九月に、法務省、財務省両方からこの跡地の整備をしたいという申し出があり、特に国際法務総合センターですか、こういったものの話が出ております。そこで、法務省からの移転の申し出があった施設の計画の概要と現在の状況について、お伺いいたします。 # 瀧本参事 瀧本参事本年九月、法務省から、府中市にある国連アジア極東犯罪防止研修所や矯正研修所、八王子市にある医療刑務所や少年鑑別所などの施設を昭島地区に移転、集約し、国際法務総合センターとして整備する旨の申し出がございました。この申し出に対しまして、地元の昭島市及び立川市は、今後、事業計画の策定の中で検討する意向を示しております。法務省の総合センター整備の計画につきましては、現在、法務省が地元への説明会に入ったところでございます。法務省に対しては、地元に十分説明をするよう東京都からも要請してございます。 # 新藤委員 新藤委員現段階で、地元市としては法務省の計画を受け入れるかどうか、現在白紙の状況にございます。都としては、法務省にきちっと説明を要請しているということでありますが、施設の受け入れについては、地元住民の理解が基本になることはいうまでもありません。平成十年十一月に、多摩島しょ振興推進本部会議でこの土地を土地利用構想として発表され、その中には流域下水道の処理場が設置される計画が位置づけられております。また、昭和記念公園とあわせて、多摩地域の緑の核となる緑地の一つとして、当地区に都立の総合公園が計画され、市民からの要望の強いスポーツ施設等についても、今後の検討課題として、公園計画が具体化した際に公園の一部を利用するものとされてきました。また、隣接する国営の昭和記念公園内には残堀川の治水対策として調整池が暫定設置されていますが、これも基地跡地側に移転すべきとの昭和記念公園側の意見もあったと聞いています。当然この考え方は当時の構想には位置づけられていませんでした。一方、この地域は道路整備がほとんど進んでおりません。居住者にとっても大変不便な、一方通行、一方通行のところが多いわけでございます。また、防災面からも非常に問題があり都市計画道路の整備が急務であります。また、東中神駅の南口はいいんですが、北口については改札口あるいは駅前広場等が全く整備されておらず、未整備の状態にあります。当地域の利用計画の見直しに当たっては、このような状況を十分に踏まえて、都としての果たすべき役割を今後どのように対応していくのか、お伺いいたします。 # 瀧本参事 瀧本参事都といたしましては、昭島地区の計画的な市街化に合わせて、地域の将来像にふさわしい適切な機能の立地や都市計画道路等の都市基盤の整備が進むよう、本地区の利用計画の見直しについて、国や昭島市、立川市等と協議、調整を進めているところでございまして、見直しに当たりましては、現在改定検討中の流域総合計画と整合を図るとともに、本年六月に策定された残堀川整備計画も踏まえながら、検討を進めてまいります。今後、地元の状況も踏まえながら、年度内を目途に利用計画の見直し案を取りまとめ、来年度、財務省に利用計画を提出する予定でございます。 # 新藤委員 新藤委員多摩地域の中で、この立川基地跡地の昭島分というのは面積約七十ヘクタール、非常に広大な土地があります。しかも全く未整備の状況にありますが、これを整備することによって多摩地域の大きな発展に寄与するわけでございます。この地域の整備は地元としても長年の懸案であり、周辺の多くの市民の方々からこのところを早く何とかしてほしいという要望が非常に強いわけでございます。この地区のすぐ西側には、多摩の南北道路といって、よく問題になります非常に交通の便の悪い南北の道路が、非常に整備が進みまして、つい先日は多摩大橋の新橋の完成、そして青梅線の立体交差化というものがほぼ順調に進んでおり、平成十九年度末には完成という予定になっております。こういったことをあわせた中で、この地区内に計画されております昭島三・二・三号線、それから三・二・一一号線ですか、この南北道路が整備されることによって非常に交通のネットワークがよくなり、この未利用地域をあわせ、大変な広域的な発展に寄与するものでございます。そういったことも含めまして、ぜひこのあたりを十分ご配慮いただきたい。ぜひ、都は、広域的な観点から利用計画の見直しを行うとともに一日も早く都市基盤を整備し、地域に貢献できるような土地の利用が進むように、その取り組みをお願いしたいと思います。最後に局長には、この立川基地跡地昭島分を含めた多摩地域全体のまちづくりについての決意をお伺いして、私の質問を終わります。 # 只腰都市整備局長 只腰都市整備局長核都市とされています立川でございますが、多摩都市モノレールなどの交通基盤の整備とともに、土地区画整理事業あるいは再開発事業などによりまして、基盤整備が進められております。その結果と思いますが、諸官庁の移転あるいはデパートなどの商業施設の集積が図られるなど、多様な機能が立地をいたしまして、多摩地域の拠点の一つとして整備が進んできたものというふうに考えてございます。しかしながら、理事からご指摘ございましたように、昭島地区でございますが、取り残された形になっておりまして長年未利用の状態が続いております。このたび法務省の計画が公表されたところでございまして、今後、地元市の意向も十分踏まえながら、貴重な広大な国有地を活用いたしまして都市基盤整備やまちづくりを進め、都として、それに当たりましても必要な役割を果たしていくというふうに考えてございます。また、今ご質問ございました多摩地域全体でございますが、本年六月には、ご承知のように圏央道が中央道と接続をいたしまして、多摩地域の交通利便性は非常に向上いたしました。また、今お話ございましたように、多摩の南北道路についても鋭意整備を進めておりまして、八王子村山線の全線開通に向けた整備等が進捗することで、環状方向の機能分担がより一層進むものというふうに、私ども期待をしてございます。都といたしましては、今後とも多摩地域におきまして、こうした広域交通ネットワークの強化や産業施策等との連携によりまして、八王子や立川、多摩ニュータウンなど五つの核都市を初めといたしまして、業務機能や新たな産業機能の立地を積極的に誘導いたしまして、住機能と種々の都市機能が複合的に調和した、活気のあるまちづくりがなされるよう取り組んでいく所存でございます。 # 村上委員長 村上委員長この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩をいたします。午後二時五十四分休憩午後三時十分開議 # 村上委員長 村上委員長休憩前に引き続き委員会を開きます。質疑を続行いたします。発言を願います。 # 松下委員 松下委員私は、都営住宅における駐車場の設置に関してと、木造住宅耐震化促進事業に関して、外環ノ2に関して、大きく三つに関して、ご質問を何点かしたいと思います。まず初めに、都営住宅における駐車場の設置について、幾つかお伺いいたします。都営住宅の駐車場は、新規建設の団地では多摩ニュータウンは昭和五十一年度から、その他の団地は平成二年度から、また既設の団地では平成四年度から駐車場を設置されています。都営住宅の駐車場に関する過去の議事録を確認しましたところ、都としては、平成二年四月、都営住宅等駐車施設の設置方針を決定し、これまで原則としては駐車場を設置していなかったが、当時の車社会の進行に伴い地元区市、警視庁及び居住者団体等から強い要望があったため、これらの要望に対応し、設置方針を作成し方針を転換したようであります。今回提出してもらった資料によりますと、駐車場設置の結果として、団地数では区部で三二%、市町部で六八%、都内全体で四四%の設置率となっています。私の地元の武蔵野市でも駐車場が設置されていない団地があり、建てかえに伴って新たに駐車場を設置してはおりますが、現在、設置に向けて協議を進めている団地もあり、市内全体の住宅戸数に比べると、駐車場設置の割合は団地数に比べて少ない感じがいたします。私の感じからしますと、資料にある都営住宅の団地数での割合四四%よりも、都営住宅の総戸数約二十六万戸に対する駐車場の区画割合は圧倒的に少ないのではないかと思いますが、その点はいかがでしょうか。区部と多摩地域の市町部、都全体に分けて、お答えください。 # 小林都営住宅経営部長 小林都営住宅経営部長都営住宅の戸数に対する駐車場の区画割合でございますが、区部が七%、多摩が三三%、都全体では一七%でございます。 # 松下委員 松下委員やはり、戸数割合でいくと低くなるということだと思います。高齢者がふえて駐車場の需要が少なくなった団地もある一方、子育て世帯が車を必要としたり、駅から遠いなど、駐車場の需要の高い団地もあるかと思います。都営住宅での駐車場設置はどのような考え方により行われているのでしょうか。また、需要を十分に把握して設置しているのでしょうか。建てかえを行っている団地、既存の団地でのそれぞれの考え方をお伺いいたします。 # 小林都営住宅経営部長 小林都営住宅経営部長都営住宅の駐車場につきましては、設置方針に基づきまして、敷地の形状、建物や緑地等の配置、需要の状況などを勘案し、設置しております。具体的には、建てかえ事業におきましては、区市の駐車場設置に関する条例や要綱に基づき、区市と協議を行うとともに、入居する予定世帯の車の保有状況を調査いたしまして、需要に見合った区画を設置するよう努めております。また、既存団地におきましては、居住者の保有状況を調査した上で、敷地の状況に応じて可能な範囲で整備しております。 # 松下委員 松下委員都営住宅等駐車施設の設置方針並びに都営住宅駐車施設の設置基準、既設都営住宅駐車施設実施要領など、また区市の要綱など、いろいろとそれぞれ細かく定められていますので、これらの方針や基準、実施要領に基づいて駐車場整備に取り組んでいるかとは思いますが、団地内にスペースがあり、駐車場を設置すれば利用者が確保できる場合については、都に駐車場収入が入るわけですから、できるだけ早く駐車場を設置して、都有財産の適正化、有効活用を図っていただきたいと思います。駐車場設備のない団地では団地内の無断駐車が問題になっており、消防車や救急車の緊急車両が団地内に入る妨げとならないためにも、無断駐車をなくすために駐車場を設置することが必要だと思いますが、一方、無断駐車に対する対策も重要だと思います。車を保有するには車庫証明が必要です。団地内に無断駐車の車があるのは、車庫が別のところにあるのか、それとも借りていた車庫を既に解約してしまっているのか、わかりかねるところではありますが、車庫証明を定めた車庫法が適正に運用されていないことにも原因があるのではないかと推測をいたします。無断駐車対策には車庫証明制度の厳格化も必要だとは思いますが、ここでは所管が異なりますので車庫証明制度については言及はいたしませんが、原因の究明に関しても今後検討をしていただきたいと思います。いずれにしても、団地内の無断駐車をなくすためにどのように取り組んでいるのか、伺います。 # 小林都営住宅経営部長 小林都営住宅経営部長無断駐車につきましては二つの面から対策を行っております。団地内に駐車場が不足する場合には、敷地の状況に応じて可能な範囲で駐車場の整備に努めております。また、無断駐車に対しましては、車に警告文を張りつけ、所有者に口頭や文書などにより是正指導を行っております。これにより是正されない場合には、一定期間の通告後、車どめやカラーコーン等を設置いたしまして、無断駐車の防止に取り組んでいるところでございます。 # 松下委員 松下委員これまでも無断駐車の対応に取り組んでいただいているとのことですが、引き続き無断駐車をなくすように、駐車場の設置とあわせて取り組んでいただきたいと思います。自動車ばかりではなく、都営住宅内では、バイク、二輪車の置き場についても問題となっているようです。自転車置き場に置いてあるバイクを見かけたことがございますが、私の見る限り、都営住宅にはバイク専用の置き場が整備はされていないようです。都営住宅内のバイク駐車の現状と今後の取り組みについてお伺いいたします。 # 小林都営住宅経営部長 小林都営住宅経営部長都営住宅の敷地内にはバイク置き場を特段に定めていないため、駐輪場やその周辺等にバイクが置かれている状況がございまして、現在、一部の団地でバイクの駐車台数や駐車場所等につきまして、現況を調査しているところでございます。バイク置き場につきましては、建築基準法など関連法令による制限や排気量による車体の大きさの違いなど、検討すべき点も多く、その取り扱いにつきましては今後の課題と考えております。 # 松下委員 松下委員現在調査中とのことですが、都では全都的にバイクの駐車問題に関して、バイク置き場の設置など積極的な対応をしています。この都庁舎の都議会議事堂の隣にもバイク専用の駐車場が既に設置をされております。都営住宅についてもぜひ早急に対応していただくことを要望しておきます。都営住宅は都民共有の財産であります。その管理に当たっては、駐車場に関しても、公営住宅法及び東京都営住宅条例にのっとり適切に行われることを要望して、次の質問に移りたいと思います。次に、木造住宅耐震化促進事業についてお伺いいたします。平成七年の阪神・淡路大震災、本年七月の新潟県中越沖地震など、過去の震災では、倒壊した木造家屋の下敷きとなって多くのとうとい命が失われています。このような被害を繰り返さないためにも、既存の木造住宅の耐震化を強力に推し進めていくことが重要だと思います。現在、都では、木造住宅の耐震化を進めるために、木造住宅密集地域を対象とした耐震診断・耐震改修助成、耐震診断技術力の高い建築士事務所を登録し紹介する耐震診断事務所登録制度、木造住宅のための安価で信頼できる耐震改修工法の紹介という三つの事業を行っておりますが、本日は、その中の安価で信頼できる耐震改修工法の紹介について、何点かお伺いしたいと思います。まず、この事業の目的と方法についてご説明ください。 # 金子市街地建築部長 金子市街地建築部長住宅の耐震化は、所有者が主体的に取り組むことが基本でございます。都といたしましては、所有者の主体的な取り組みを支援するため、区市町村や関係団体と連携いたしまして、安心して耐震化に取り組むことのできる環境の整備などを行っております。木造住宅の耐震改修につきましては、さまざまな工法や技術が開発されているにもかかわらず、工事費への負担感に加えまして、工法の適切な選択が難しい、地震に対してどの程度有効なのか不安があるなどの理由から、十分に進んでいないのが現状でございます。このため、都は、安価で信頼できる耐震改修工法等の事例について広く募集いたしまして、学識経験者等による評価委員会で一定の評価を受けたものを選定した上で、展示会の開催などにより都民に情報提供しているものでございます。 # 松下委員 松下委員今ご答弁ありましたように、耐震改修工法に関しては本当にさまざまな工法があり、またその費用の負担感、特に高齢者の方から私もご相談を受けることがあるのですが、自分の予算の範囲内でどこまでできるのか、今後の生活を考えた上で私財を全部耐震改修につぎ込むことはできませんので、できる範囲で身を守る方法はないかなど、大変さまざまなお悩みを抱えている方がいるように思われます。耐震改修工法について一般の方にわかりやすく情報提供をしていくためにも、実物を見たり、その場で説明を受けたりすることができる展示会というのは大変効果的な方法だと思います。そこで、これまでの展示会の開催状況についてご説明ください。 # 金子市街地建築部長 金子市街地建築部長安価で信頼できる耐震改修工法の展示会につきましては、平成十七年度末に初めて都庁の都政ギャラリーで開催いたしまして、七日間で千六百名を超える来場者がございました。これを含めまして、都庁ではこれまでに四回展示会を開催しております。十八年度からは、東京消防庁の協力を得まして池袋、本所、立川にある防災館での展示を実施しているほか、区市と協力いたしまして地域の防災イベントなどでの展示を行っております。さらに今年度からは、新聞社主催の住宅リフォームフェアなど民間のイベントにも出展しております。 # 松下委員 松下委員都庁での展示会は、この議会棟の一階で行われておりますので私もたびたび見かけましたけれども、今年度になって、展示会自体の、都庁での展示会の数もふえているのは実感しておりましたし、また、新たに多摩地域では、調布市役所や立川防災館で開催されるなど広がりを見せているようです。わざわざ都庁まで足を運ぶのは大変だけれども、もっと身近な場所で展示会が開かれれば見に行きたいという人は大勢いるのではないかと思います。展示会の開催について、区市町村と連携して、協力をして平成十八年度に行っているとのご回答ではありましたが、区市町村にはどのような働きかけを行ったのか、具体的にお伺いします。 # 金子市街地建築部長 金子市街地建築部長安価で信頼できる耐震改修工法の一層の普及を図るためには、住民に身近な地域で展示会を開催することが必要と考えまして、区市町村と連携して、地域の防災イベントなどで展示を実施しているところでございます。今年度の実施に当たりましては、ことしの六月に区市町村にアンケートを行いまして、展示会における都、それから区市町村、出展事業者の役割分担を示した上で、展示会開催の意向を調査いたしました。開催の意向を示した区市及び出展を希望する事業者と個別に調整を行いながら開催場所や日程を決定しておりまして、これまでに港区及び調布市で実施いたしましたほか、今後、渋谷区、台東区、墨田区、北区、中野区での実施を予定しております。 # 松下委員 松下委員今お答えをいただきましたけれども、実際に実施したところが、まだ一部の自治体でしか取り組んでいないのが現状のような感じがいたします。特に多摩地域ではまだまだ少ないのではないかなと感じます。区市町村への働きかけの中で、意向を示したところと個別に調整して展示会を開催されたとのことですが、実施をまだしていない自治体の、実施できない理由はどのようなものか、お伺いいたします。 # 金子市街地建築部長 金子市街地建築部長六月に実施いたしましたアンケートによりますと、展示会を実施しない理由としては、展示に使用可能な会場が確保できない、人員に余裕がなく通常業務との調整がつかないなどが挙げられております。 # 松下委員 松下委員都民に身近な基礎的自治体で、広く耐震改修工法の紹介が行われるべきだと私は思います。展示に使用可能な会場が確保できないという理由も今お答えにありましたけれども、市役所や区役所のロビーなど、探せばできそうなところは幾らでもあるんじゃないかなという感じもします。今年度は六月になってアンケートを実施したということですが、今後は、区市町村において事前に会場や人の確保ができるように、前年度のうちから区市町村への呼びかけを行うなど、十分な準備期間をとって計画的に展示会を開催していただきたいと思います。木造住宅の耐震化への取り組みについては、自治体によって相当温度差があるように感じられます。都民が自宅の耐震化のことでまず相談に訪れるのは区市町村の窓口ではないでしょうか。しかし、区市町村の担当者が、都が紹介している耐震改修工法についてよくわからなければ、相談に来た人に紹介することはできかねます。耐震改修工法について都民に都が直接情報提供するだけでなく、窓口で直接都民からの相談を受けている自治体担当者に対して講習会などで周知を図っていくことも必要と考えます。また、中野区では、昭和五十六年以前に建てられた区内の木造住宅約四万戸を対象に戸別訪問を行ったそうですが、耐震診断助成の実績を見ると中野区は突出しており、大きな成果を上げているようです。そうした先駆的な取り組みを行っている自治体から、他の自治体の担当者に、取り組みについて紹介してもらう機会をつくることもよいのではないでしょうか。このように、今後、基礎的自治体の担当者に、より丁寧な説明や耐震改修の意義を訴えるべきだと考えますが、いかがでしょうか。 # 金子市街地建築部長 金子市街地建築部長都では、区市町村と連携いたしまして、都内の建築物の耐震診断、耐震改修の円滑な推進を図るため、平成十六年度に東京都耐震改修促進行政連絡協議会というものを設置いたしまして、区市町村の耐震改修促進計画の策定支援などを行ってまいりました。今後とも、こうした場などを活用いたしまして、耐震診断及び耐震改修に関する区市町村担当者の知識や技術力の向上についても取り組んでいくなど、区市町村の耐震化への取り組みを促進してまいります。 # 松下委員 松下委員それぞれの都民が、自分の自宅である木造住宅を、耐震診断を行ってそして耐震改修まで行うというのは、私は大変高いハードルがあるように感じられます。そうした高いハードルをできるだけ除去するためにも、都がリーダーシップを発揮して区市町村のモチベーション、耐震改修を促進するためのやる気を高めて、木造住宅耐震化促進事業をより一層推進していっていただきたいと要望して、最後の質問に移りたいと思います。最後に、外環ノ2について何点かお伺いをいたします。東京外かく環状道路、いわゆる外環は、都心から約十五キロメートルの圏域を環状に連絡する延長約八十五キロメートルの道路であり、現在は常磐道を結ぶ三郷ジャンクションから関越道を結ぶ大泉ジャンクションの間が開通していますが、都内区間の関越道から東名高速の間、約十六キロメートルが未整備となっております。この都内区間は、本年三月、都の都市計画審議会で大深度地下方式による変更案が承認され、同四月、都は地上高架方式から大深度地下方式にする都市計画決定を告示いたしました。この計画変更に関して、大深度地下方式の構造について、地下水への影響や災害時等における安全面での知見が少ない状況にあり、今後も環境や安全に対するさらなる慎重な検討を求めるという沿線区市長からの意見も付されておりますので、今後も沿線区市や地域住民の意見を丁寧に聞くなど、本線に関しても課題はまだまださまざまあると思います。外環本線は、地域PI、オープンハウスも、現在も開催されているようです。一方、この外環本線の地上部には外環ノ2という都市計画道路が既に決定されているものがあります。この外環ノ2に関して、本線のような地域PI実施など、住民の意見を聞くような取り組みは行われていないようです。この外環ノ2に関して、これまでの経緯と今後について幾つか伺いたいと思います。まず、外環ノ2が昭和四十一年に都市計画決定するに至った経緯と、その位置づけについてお伺いいたします。 # 遠藤外かく環状道路担当部長 遠藤外かく環状道路担当部長地上部街路の外環ノ2についてのお尋ねでございます。外環ノ2でございますけれども、東京の都市計画道路のネットワークの一部といたしまして、三鷹市内の東八道路から練馬区内の目白通りまでの約九キロメートルが、外環ルート上の地上部分に幅員四十メーターの道路として計画決定されているものでございます。その件についてでございますけれども、東京の都市計画道路につきましては幾多の変遷があるわけでございますけれども、戦後、戦災地復興計画方針、これを経まして昭和二十五年に計画決定されたものが基本でございます。その後、昭和三十年代に入りまして、増加する自動車交通への対応、あるいは都心集中型の都市構造を再編する、こういったことが喫緊の課題となりまして、昭和三十九年から四十一年にかけて計画の再検討が行われております。そうした状況の中で、この外環ノ2は、昭和四十一年に外環本線と同時に計画決定されておりまして、当時、外環本線と一体となって自動車交通に対処するとともに、地域の利便性や沿線のまちづくりに寄与する道路、こういうことで計画決定されたものでございます。 # 松下委員 松下委員今ご答弁いただきまして、この外環ノ2は幾多の経緯を経て再検討した結果、外環本線と同時に、そして外環本線と一体とした都市計画、一体としたまちづくりのために都市計画が決定されているというようなお答えかと思いますが、この昭和四十一年の都市計画決定以前にこの付近に都市計画道路のネットワークというのが存在していたはずですが、外環ノ2の計画決定に伴って廃止した都市計画道路はあるのか伺います。 # 遠藤外かく環状道路担当部長 遠藤外かく環状道路担当部長外環ノ2の計画決定前の周辺の計画道路ということでございますけれども、外環ノ2の計画地の周辺には、何本かの細街路、つまり幹線や補助線の街路網を補う幅員の小さい道路という意味でございますけれども、こうした細街路の計画が決定されてございました。これらは、昭和四十一年の再検討におきまして、経済的で能率的な街路計画に編成するという方針のもとで、一部は補助線街路に集約されまして廃止になっているという経緯がございます。 # 松下委員 松下委員この昭和四十一年の外環ノ2の都市計画決定の前に細街路が幾つかあり、この四十一年の決定とあわせて廃止された他の街路もあったというお答えだと思いますが、この外環ノ2というのは、外環の本線が高架式で現在の位置に決定したこととともに決定したのだという歴史的な経緯のある都市計画道路であります。今、再検討を行ったという経緯もご説明いただきましたが、この当時の昭和三十年代後半そして四十一年決定までの、都市計画道路網の再検討が行われているその背景としては、激増する自動車交通に対処するための方策として高速道路計画の樹立とともに都市計画道路網の再検討が行われたということが、この昭和四十一年、東京都市計画区域全域について再検討が完了したようであります。この再検討は基本構想というものがあったようで、昭和五十五年の道路交通需要に応じ得るばかりでなく、当時から、今後二十年で完成し得る、最も経済的でしかも能率的な街路計画に編成するというものであったようであります。昭和四十一年の計画決定から四十年以上を経て、外環道路の高速道路本線が地下方式に計画変更した経緯や、その重み、ネットワーク形成時からは、道路交通需要や少子高齢という社会構造の変化、また環境への配慮など、当時とは前提が大きく変わっているということを都は重く受けとめていただきたいと思います。高度経済成長真っただ中の時代と、持続可能な社会を目指す現在という時代の、時代は変化しているにもかかわらず都市計画道路だけがそのままということに私は強い違和感を感じます。この外環ノ2は東八道路以北に都市計画決定されたものですが、従前の都市計画では東八道路以南に附属街路という道路が計画決定されていました。この都市計画上の位置づけの違いと、附属街路を廃止した理由を伺います。 # 遠藤外かく環状道路担当部長 遠藤外かく環状道路担当部長外環ノ2につきましては、先ほどご答弁申し上げましたように、東京の都市計画道路のネットワークを構成する一部ということで計画されたものでございます。それともう一つ、東八以南についての附属街路のご質問がございました。こちらの方につきましては、東八道路から東名高速までの約七キロメートルにわたりまして、外環本線に沿う形で幅員六メーターの附属街路が、従前、都市計画決定されていたわけでございます。この附属街路につきましては、外環本線が高架構造で整備された場合に外環本線によって分断されて、接道しない土地とかあるいは土地利用ができない土地が発生してまいりますので、それを避けるため、救済するために計画された道路でございまして、この附属街路につきましては、本年四月の大深度方式に計画変更しましたことを受けまして、その必要がなくなりましたので、この計画そのものを廃止してございます。 # 松下委員 松下委員今ご説明、ご答弁ありました中で、外環ノ2と附属街路の部分は、附属街路は道路としての機能が異なるということかとは思いますが、両道路とも外環本線とともに昭和四十一年に都市計画決定をされ、南北一本の地上部街路となっていたものであります。その機能は、東八道路を境に異なるというふうに位置づけられていたようではありますが、機能が異なるといっても、同じ線上に一本の道路で、片や東八道路以南の附属街路が廃止になり以北の外環ノ2がなぜ廃止にならないのか、この外環ノ2の沿線住民にとってはなかなか理解がしがたいことではないでしょうか。外環ノ2について、外環本線の都市計画変更手続の中で、都民や沿線の区市からどのような意見が都に出されたのかお伺いいたします。 # 遠藤外かく環状道路担当部長 遠藤外かく環状道路担当部長外環本線の都市計画変更に当たっての意見でございますけれども、最初に都民の意見でございますけれども、法の定めるところによりまして都民等から意見が出されておりますけれども、その中に外環ノ2について触れたものがございます。早期実現を求めるもの、あるいは廃止すべきとするものなど、非常にさまざまでございます。それと、沿線の区市からの意見といたしましては、ことしの一月でございますけれども、意見書をそれぞれの市が提出してございますけれども、地上部街路が計画されております三鷹、武蔵野、杉並、練馬の四つの区と市から、この地上部街路に関します意見が提出されてございます。重立ったものを拾い出しますと、都の責任において適切かつ十分な検討を行うこと、必要性について原点に立ち返ってオープンに議論をすることが重要であること、外環本線の事業着手は外環ノ2の方向性が明確になってから行うべきだ、等々の意見をいただいているところでございます。 # 松下委員 松下委員今、都民や沿線区市の外環ノ2に関する意見についてご紹介いただきましたが、早く整備してほしいというものから、原点に立ち返って考え直してほしいというものまで賛否が両論あるということだと思います。今、ご答弁の中にもありました市長意見で、私の地元の武蔵野市では武蔵野市長としての意見を提出しております。外環ノ2の計画の方向性を明確に示すこととして、本来、外環本線と外環ノ2は一体として計画されるべき路線であり、本都市計画変更に伴い都市計画の変更が必要な路線である。東京都は外環ノ2について、廃止することも含め、計画の方向性、検討のプロセスを早急に明らかにされたい。また、その検討過程においては、地元との協議、対話を重視するとともに、安全面、環境面に最大限配慮することを求める。なお、外環本線の事業着手については、外環ノ2の計画の方向性が明確なものとなってから行うべきであり、現時点で着手は容認するものではないという武蔵野市長からの意見も出ております。東京都も、これまでも外環の本線の計画の中に、地上部の取り扱いについて、外環ノ2の今後の検討として三つの案今後の検討、三つの方法を示してきているわけではありますが、今後、具体的な、この三つをどう検討するかにはまだ至っていないところかと思います。外環ノ2について、現在、検討のどの段階にあり、今後どのように取り組んでいくのかお伺いいたします。 # 遠藤外かく環状道路担当部長 遠藤外かく環状道路担当部長現在、検討のどの段階にあるかということでのお尋ねでございますけれども、先ほど先生のご質問の中にもございましたけれども、三つの考え方をこれまで整理して地元に示してまいりました。それと、武蔵野市長さんからのご意見を紹介されましたけれども、基本的な考え方を示してほしい、あるいはデータの提示を求めるといったことが沿線の区や市からの要請でございます。それに対しまして、私ども東京都あるいは国は、必要性の検証を行う旨の回答をしてきてございます。そうした状況を踏まえまして、現在、環境、防災、交通ネットワークなどの観点を踏まえまして、この道路の必要性や整備のあり方を早期に地元に提示すべく作業を進めている段階でございます。これまでの実施してまいりました調査の成果なども活用しながら、現在、課題の分析や、機能の代替の可能性等々について検討しているところでございまして、早期にそれらを取りまとめまして、地元初め広く都民の方々に意見を聞いてまいりたい、このように考えてございます。 # 松下委員 松下委員調査の成果を示し、そのデータの裏づけというものをきちんと沿線市または都民に対して示していただきたいと思いますし、都としての方針を取りまとめる前に沿線市や沿線住民、また広く都民の意見をしっかりと聞いた上で、今後、外環ノ2に関して検討をしていただきたいと思います。外環ノ2の沿線住民は、昭和四十一年の計画決定から四十年以上にわたり苦しみ、都市計画決定された道路上に自分の自宅があるということで非常に苦しみを強いられて今日まで来ております。外環の本線が、本年、大深度地下方式に計画が変更されたという経緯とその事実の重みをしっかりと考えた上で、外環ノ2についても検討をしていただきたいということを要望し、私の質問を終わります。 # 藤井委員 藤井委員まず、この都市整備局は、都市づくり全般に関する政策並びに住宅に関する政策や、あるいは道路、鉄道等の都市基盤整備、そしてまた市街地の整備や宅地開発、そして都営住宅の建設、管理など幅広い分野にわたる仕事を遂行しておられます。大変重要な仕事であるというふうに思っておりますが、只腰局長初め理事者の皆様方が、この仕事を通して都民サービスにますます寄与されるよう、まずもって期待をしたいと思っております。私は、この都市整備局、委員会、初めてでございまして、そういう意味では、いろいろとこの一年間勉強させていただきたいと思っております。きょうは、羽田空港の跡地利用等についてのお伺いをしたいと思います。先月の三十一日に東京都と国と、そして大田区、品川区で構成をいたします羽田空港移転問題協議会が開催されました。そこで、この羽田空港の跡地利用基本計画の素案というのが合意をされ、都民に公表されたところであります。現在、今年度中に基本計画を取りまとめをするためにパブリックコメントを実施いたしまして都民の意見を集約しているというふうに聞いております。今回の羽田空港跡地利用基本計画素案と、それに関連する羽田空港周辺の道路などの基盤整備に関して、何点か質問をいたします。まず初めに、羽田空港跡地利用基本計画素案についてですけれども、羽田空港の跡地に関しては、私も大田区、地元ですけれども、大田区民の皆さん、大変最大の関心事であり、また大きな関心と期待を持って今日までまいりました。昭和二十年に、敗戦のときにGHQが乗り込んでまいりまして、今の羽田の跡地に住んでいた、当時鈴木町といっておりますけれども、ここに住んでいた人たちが四十八時間以内に撤収しろとGHQにいわれまして、泣く泣く自分たちが住んでいた先祖からの土地を、そしていろいろな思い出を積みながら、雨の中、とぼとぼとリヤカーを引いて疎開といいますか、海老取川を渡ったというふうに聞いております。まだ羽田を中心に、そのころの方が現に生きておりまして、そういったつらい思い出を私たちも聞かされているわけでございます。その後、空港が沖合へと展開していく中で、昭和五十二年、羽田空港移転に関する国、都、区の三者の話し合いの場として、羽田空港移転問題協議会が設置をされたわけでございます。この跡地利用基本計画、今回出ました跡地利用基本計画では、羽田空港跡地を約五十三ヘクタールというふうにしておりますが、まずそこで、この羽田空港跡地の範囲及び面積が決定された経緯についてお伺いをいたします。 # 庄司参事 庄司参事まず、跡地の発生についてでございますけれども、羽田空港跡地は、航空輸送力の確保と航空機騒音問題の解消を図るため昭和五十八年度から行われた沖合展開事業及び、都市の国際競争力強化及び発着容量の改悪の解消などを図るため平成十六年度から行われております再拡張事業の結果、発生したものでございます。次に、経緯と面積でございますが、昭和五十六年、国、都、大田区、品川区がメンバーとなります羽田空港移転問題協議会、いわゆる三者協におきまして、沖合展開完了後引き続き空港用地として使用する範囲が示され、跡地の範囲として約二百ヘクタールが示されました。平成十二年には、空港処理容量の拡大に対応した空港施設計画の変更などに伴いまして、三者協において、跡地が約七十七ヘクタールとなることが国から提示されました。その後、再拡張事業によって平成二十二年に四本目の滑走路が整備されるとともに国際定期便が就航するなど羽田空港をめぐる状況の変化を踏まえ、平成十八年十二月に三者協におきまして、国から跡地の範囲と面積として約五十三ヘクタールが提示され、平成十九年三月に三者協で合意に達したものでございます。 # 藤井委員 藤井委員ただいまご答弁ありましたように、最初は約二百ヘクタールということで検討され、そしてそれが七十七ヘクタール、そして今回五十三ヘクタールというふうに徐々に面積が狭められてきたわけでございます。これは羽田空港が国際化をするということで、それに必要ないろいろな設備あるいは施設等がどうしても必要だということで、こういった面積が削られてきたことは私もやむを得ないことだというふうには思っておりますけれども、そういう中でこの跡地利用計画が、先ほどのご答弁にありましたように、もう既に二十数年、三十年近い間、推移をしてきたわけでございます。この、国と東京都あるいは大田区の三者の間で跡地利用基本計画を検討する上での基本的な視点は何か、このことについて伺います。 # 庄司参事 庄司参事羽田空港跡地基本計画の検討に当たっての基本的な視点につきましては、再拡張事業により、発着回数が年二十九・六万回から年四十・七万回に約一・四倍に増加するとともに年間七百万人の国際線利用者が見込まれることなどを踏まえ、平成十九年三月に開催された三者協におきまして、一つ、空港を生かす、一つ、空港と連携する、一つ、周辺と調和する、の三つを基本的な視点とすることに合意いたしまして、これを踏まえて国、都、大田区の三者で今年度の検討を行っているところでございます。 # 藤井委員 藤井委員三つの視点ということで今回の利用基本計画が策定をされたということでございますが、この利用計画を策定する上での基本的な視点というのは、やはり何といっても三年後、第四番目の滑走路がいよいよ完成をするわけでございまして、また国際旅客ターミナルも平成二十二年度に完成をするというふうに聞いております。そういった再拡張事業を踏まえまして、羽田空港の国際化の視点とか、あるいは空港に隣接をいたします大田区との連携を図る上でも、大変重要であるというふうに考えます。そこで、基本計画を策定する上で、ただいま答弁にありました基本的な視点に加えて、特に留意した点についてお伺いいたします。 # 庄司参事 庄司参事本基本計画の検討に当たっての留意事項につきましては、空港や周辺市街地などとの位置関係や、航空法による高さ制限などの条件に配慮すること。また先ほど先生からお話がありましたように、終戦直後の強制退去の歴史などの過去の経緯を踏まえるとともに、再拡張事業後のさらなる航空需要の増加に対応すること。また国際便の就航や旅客数、貨物量の増加を踏まえ、多様な交流によるにぎわいの創出など、空港整備との相乗効果が期待できる計画とすることなどに留意して検討を進めてまいりました。 # 藤井委員 藤井委員ただいま基本的な視点と留意事項についてご説明いただきました。それでは、この利用計画素案で示されておりますゾーニングについて何点か伺います。まず、この五十三ヘクタールの跡地を三つのゾーンに区分けをしております。最初にその考え方及び各ゾーンの特性、そして利用の方向性についてお伺いいたします。 # 庄司参事 庄司参事ゾーンについてでございますが、本基本計画の検討に当たりましては、道路との関係、空港用地、国際線地区、周辺市街地との位置関係、航空法による高さ制限などを考慮し、跡地を大きく三つのゾーンに分けております。第一ゾーンは大田区市街地に近接したゾーンであり、天空橋駅を有するアクセスのよさなどから、文化・交流、産業支援ゾーンとして位置づけております。第二ゾーンは、新たに整備される羽田空港の国際線地区に隣接するゾーンであり、国際線旅客ターミナルビルとの補完的、一体的な旅客サービスを提供する、国際交流、商業ゾーンとして位置づけました。第三ゾーンは、航空法による高さ制限を一番強く受け、空港の制限エリアとの連続性や近接性が高いことから、再拡張事業後の空港関連施設のニーズに対応するための空港連携ゾーンとしての位置づけを行っております。 # 藤井委員 藤井委員ただいま、この土地利用の方向性についてのご説明をいただきましたけれども、それだけでこの基本計画が具体化されるということではないと思います。今回、あくまでも基本計画でありまして、今後、事業化を進めるに当たっては数々の課題が残されていると思います。そこで、どういう課題があって、それに対して東京都がどのような対応をしようとされているのか、お伺いいたします。 # 庄司参事 庄司参事今後、事業化を進めていくためには、跡地の基盤整備や事業手法などの課題を整理し解決を図る必要がございます。都は、引き続き羽田空港移転問題協議会などの場を通じまして国や地元区と調整し、課題の解決を図ってまいります。 # 藤井委員 藤井委員この跡地利用については、地元大田区は、既に二十年近い前、エアフロントシティ21という計画をつくっております。そこでは、産業拠点施設をつくったり、あるいは区民の人たちが憩える森をつくったり等々の計画がなされたわけですが、さらに最近、大田区では、五十三ヘクタールの跡地範囲が決まってから、大田区独自の跡地利用基本計画というものを示しております。私は、かねてからこの跡地利用については、都議会におきまして、委員会、本会議等におきまして、早く東京都も跡地利用についての体制をつくり、そして跡地に何を東京都としてつくるのか、これを検討すべきだということを主張してまいりました。東京都は、国と大田区、品川区の間に入りまして、この跡地利用のための三者協の事務局という立場でございまして、そういった意味では、国も、あるいは東京都、大田区、それぞれの考え方があると思いますけれども、東京都として、この跡地についてはここの部分が必要だ、あるいはここに何をつくりたいという都の考え方は必要ではないかというふうに考えるわけでございます。大田区は既に地元としてここの土地を買いたいというようなこともいっているわけでございますが、そういった意味では、なかなか国と区の間に入ってご苦労はあると思いますが、東京都独自としての跡地利用についての基本的な考え方、こういったものも早急に検討していただきたいということを強く要望したいと思います。もう一つは、先ほども答弁にありましたように、羽田空港の第四番目の滑走路ができますと、今までは年間三十万回の離発着の飛行機便でございましたが、これが第四番目の滑走路ができれば約四十万回にふえるわけでございます。国はこれの増便に対しては国際便として約三万回ということを示しておりますが、三万回では私はまだまだ少ないというふうに考えております。そしてまた、国の計画では、羽田から約二千キロ、二千キロを範囲として考えておりますが、これは石垣島までの距離しかありません。ですから、中国でいえば、北京とか上海はたしか入らないと思います。知事も本会議の答弁で、この羽田からの国際便については東南アジアまで飛ばしたいということも述べられたわけでございますが、そういった意味では、せっかくこの羽田空港が国際化をして、年間七百万人、もっともっと多くの海外からのお客を迎え、そしてまた二〇一六年の東京オリンピックを考えれば、早急にこの羽田からの国際便の回数をふやすと同時に、飛行距離も東南アジアまで行けるように引き続き国に働きかけていただきたいということを強く要望したいと思います。次に、羽田空港周辺の道路についてお伺いいたします。羽田空港機能の再拡張、国際化に際しては、空港へのアクセス道路の機能が大変重要になってまいります。しかしながら、羽田空港に直結いたします幹線道路である国道三五七号線については、東京港トンネル部やあるいは多摩川トンネル部などがまだまだ整備されておりません。そのため、ネットワーク化が図られていないわけでございます。そこでまず、国道三五七号についての都の認識について伺います。 # 升都市基盤部長 升都市基盤部長国道三五七号線に対する認識でございますが、国道三五七号線は、東京臨海部における広域的な道路ネットワークを形成していく上で必要不可欠な路線であるとともに、国際化に向けて再拡張が進められております羽田空港へのアクセス道路としてもまた重要な路線であるというふうに認識しているところでございます。 # 藤井委員 藤井委員この国道三五七号が海や川で途切れることなく連続して通行可能となることが何よりも重要であるというふうに考えます。そこで、国道三五七号の事業の見通しについて伺います。 # 升都市基盤部長 升都市基盤部長国道三五七号線でございますが、先ほど委員からお話がございましたように、東京都区間におきましては、東京港トンネル部と多摩川トンネル部がまだつながっていない状況にございます。東京港トンネル部につきましては、国土交通省におきまして平成十四年度に事業化しております。現在、構造形式の検討や地質調査などを行っていると聞いております。また、多摩川トンネル部につきましては、都市計画決定はされておりますが、事業化については未定となっております。 # 藤井委員 藤井委員この交通アクセスについては、今回の羽田空港跡地利用基本計画の中にも出ておりますけれども、三ページの地図のところですけれども、ここに神奈川口構想というのがあるのですね。これは神奈川県と横浜市と川崎市と国も入っておりますけれども、神奈川の方から多摩川、川崎から多摩川を越えて羽田空港の道路にアクセスをしたいということが今検討されているというふうに聞いております。これはなぜかというと、羽田空港が国際化をして、人、物、金、情報が入ってまいります。特に物、いわゆる物流拠点を神奈川の方に引っ張りたい、羽田空港から多摩川を渡ればもう川崎ですから。ですから、昔の東急ホテルがあった、多摩川沿いにあったところに橋を渡して、今ちょうど羽田空港の空港連絡道路というのができまして、空港に行くのに大変便利な道路ができたわけですけれども、ここにつながれたら、もう物流は羽田空港飛行機で運ばれた物流は神奈川の橋でもってみんな向こうに行ってしまうという危険性、可能性もあるというふうに思っております。やはり何といっても、東京が海外から来た人や物、情報、こういったものを受け入れられる、そういった体制整備というのが大変重要だというふうに思っております。そういう意味では、ただいまご答弁ありましたけれども、アクセス、国道三五七号を初め、あるいは京浜急行、そしてモノレール、バス、こういったアクセスだけでは到底足りなくなるし、また、そういったものが運ばれてきたときの、受け入れられるだけの、いわゆるそういった体制も早急に整備しなければならないというふうに考えております。そこで、東京港トンネル部と多摩川トンネル部の双方のトンネルともに、完成の具体的な見通しが立っていないと今ご答弁がありましたけれども、都として、この早期整備を求めるなど積極的に取り組むべきであると考えますが、所見を伺います。 # 升都市基盤部長 升都市基盤部長都といたしましては、国道三五七号線のトンネル部につきまして、これまでも国へ提案要求を行うなど、さまざまな機会をとらえて整備促進を要請してきております。今後とも、関係自治体と連携を図りつつ早期整備に向けて積極的に取り組んでまいります。 # 藤井委員 藤井委員最後に、局長にお伺いをいたします。羽田空港は再拡張事業によって、三年後には二十四時間化されました国際空港として名実ともに国際化が図られることになるわけでございます。そういった意味で、今後、重要なこういった羽田空港の機能そしてまた役割、そしてそのための整備というのが大変必要になってまいりますが、羽田空港の国際化について局長のご決意を伺いたいと思います。 # 只腰都市整備局長 只腰都市整備局長再拡張後の羽田空港でございますが、国際空港としての持つポテンシャルを十分に発揮した国際旅客定期便や国際貨物便の就航を図るとともに、国際線地区に隣接する跡地につきましても、空港と連携しながらその機能を高めていく重要な空間として活用することが不可欠でございます。また、就航する国際線につきましては、近距離に限定することなく、都心に近い空港としての利便性を生かして東南アジアの主要都市にまで足を伸ばすことが必要であるというふうに考えてございます。さらに、羽田空港の再拡張、国際化を踏まえた道路ネットワークの拡充、今も国道三五七号線のご質問がございましたけれども、あるいは公共交通の質の向上など、広域的な社会資本整備も重要であると考えております。都は引き続き、世界に向けた我が国の玄関口としての機能を十分発揮できるよう、こうした課題への積極的な取り組みを国や関係機関に働きかけてまいります。 # 植木委員 植木委員私は、木造密集地域の問題を最初、取り上げたいというふうに思います。阪神・淡路大震災で死者が六千五百人、この大半が建物の倒壊によるといわれています。もちろん火災もありました。しかも、木造建物の倒壊で被害者が多い、こういう事態だったと思うんですけれども。東京でも、木造密集地域、重点的に取り組んでおられるとは思うんですけれども、首都直下地震が起きた場合の被害想定や、それに基づく地域の防災計画の見直しが進んでいると思うんですが、都内に多く存在する木造密集地域での被害、どのようになるか、まずお示しいただきたいと思います。 # 座間民間開発担当部長 座間民間開発担当部長東京都地域防災計画に示されました首都直下地震による東京の被害想定によりますと、東京湾北部地震、多摩直下地震、いずれも地震規模マグニチュード六・九、七・三の場合、人的被害や物的被害が区部の木造住宅密集市街地を中心に発生すると想定されております。これは木密地域に限定された被害想定ではございませんけれども、一つのケースとして、東京湾北部地震では、マグニチュード七・三、冬の夕方十八時、風速毎秒十五メートルの場合、人的被害では、都全体で約六千四百人が死亡、約十六万人が負傷されるとされています。また、物的被害では、揺れ、液状化や地震火災で、全壊の建物被害が約四十七万棟と推定されております。 # 植木委員 植木委員六千四百人、十六万人の負傷者、建物は四十七万棟というお話がありました。本当にこのことをきちっと受けとめて対策をとっていかなきゃならないと思うんですけれども。木造密集地域といいますと、中には昭和五十六年以前のいわゆる旧耐震の建物も非常に多かったり、それから狭隘道路だとか、長年の地域の歴史によって所有権もいろいろ複雑だったり、困難がたくさんあるのは私も承知しておりますけれども、こうした震災対策の中で特に木造密集地域の位置づけを持って取り組んでおられると思うんですけれども、その位置づけについてお示しください。 # 座間民間開発担当部長 座間民間開発担当部長地域防災計画における木密事業の位置づけでございますけれども、本年公表しました地域防災計画では、初めて減災目標を定めまして、その目標を達成するための対策を掲げております。その減災目標のうち、火災による死者の半減、住宅の倒壊や火災による避難者を三割削減を達成するためには、木造密集地域の不燃化が掲げられております。その主な対策の一つとして、木密事業や不燃化促進事業の実施が位置づけられております。 # 植木委員 植木委員減災目標、火災の半減、住宅の倒壊を三割削減という明確な目標が出たわけですから、特に力を入れなきゃいけないと思うんですけれども、一つは、この木造密集地域の総体としての面積がどのくらいあって、中でも危険度の、つまり防災危険度の高い整備地域としての指定面積、これが防災都市づくり推進計画の中でどのように変更されたのか、その見直しの理由、あわせてお聞きしたいと思います。 # 座間民間開発担当部長 座間民間開発担当部長防災都市づくり推進計画につきましては、平成八年度、そして平成十五年度に公表されておりますけれども、平成八年度の計画では、約九千二百ヘクタールを事業対象区域としておりましたが、平成十五年度公表の新しい防災都市づくり推進計画では、震災時の危険度が高い地域で集中的に事業を実施し早期に安全性を確保するために、各事業の進捗状況や地域危険度調査の結果を踏まえ、防災対策を実施する整備地域を約六千五百ヘクタールに絞り込んでおります。また、整備地域のうち、重点整備地域として約二千四百ヘクタールを選定し、街路事業等の基盤整備型事業、建物の共同化や沿道の不燃化を進める修復型事業等を重点化して実施するとともに、各重点整備地域における延焼遮断帯の形成率や不燃領域率などの整備目標を明確化しております。 # 植木委員 植木委員危険度の高い整備地域の見直しを縮小した。しかしそこで集中的に、重点的にということなんですけれども、木密全体の総面積は二万三千ヘクタールですから、そのうちの六千五百ヘクタールということは二八%、約三割程度です。さらにその中の重点地域となりますとそのまた三分の一になりますから、全体とすれば木密地域の十数%になるわけですね。先ほど、改めて減災目標が確定したわけですから、ここで改めてこの被害想定や減災目標に基づいて見直しを図る必要があるんではないか。つまり、危険度の高い整備地域、それから重点整備地域、これをぜひ実行すべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。 # 座間民間開発担当部長 座間民間開発担当部長防災都市づくり推進計画の見直しにつきましては、現在の市街地整備の状況等、そしてただいま検討しております地域危険度、そういうものを踏まえながら、適当な時期に見直しを考えていきたいと考えております。 # 植木委員 植木委員適当な時期は私は今だと思うんですけれども、地域防も改めてそこに出たわけですから。いずれにしても見直しをするということをはっきりいったわけですから、できるだけ早くやってほしい。これは後の事業に関係してくるわけです。それで、現在、木造住宅密集地域整備事業としていろいろやっていますけれども、この事業として実施している地域及び面積、それから今後の見通しについてはいかがでしょうか。 # 座間民間開発担当部長 座間民間開発担当部長木密事業につきましては、現在五十三地区、約二千二百ヘクタールで木密事業を実施中でございます。これまでに十八地区約七百ヘクタールで事業が完了しております。今後、事業実施地区におきましては、その整備進捗を図るとともに、区と連携いたしまして、木密事業が導入されていない整備地域での事業の展開を図ってまいりたいと考えております。 # 植木委員 植木委員これまで七百ヘクタールの事業終了、二千二百ヘクタールが残っている、こういうことですから、進捗率は非常に低いわけですよね。これはなぜ進まないのか。もちろん、最初にいいましたように狭隘道路だとか権利関係とか、それから個々のご事情がある。特に老朽した住宅なんかは、年配の方々などは、とてももう改善するわけにいかないよという人だとか、いろんな問題があると思うんです。建物、あるいは道路関係、権利関係あると思うんですけれども、進める側の問題点については、どのように、進まない原因について認識しているでしょうか。 # 座間民間開発担当部長 座間民間開発担当部長木密地域の課題でございます。ただいま委員ご発言のとおり、高齢化の進行や権利関係がふくそうしていること、加えて狭小敷地や道路に接していない建物が多いことなどから、建てかえが容易に進みにくく、防災上危険な状況と認識しております。このため、東京都では、早期かつ効果的に木密地域の整備、改善を進める観点から、震災時に大きな被害が想定される地域に対し、集中的かつ重層的に事業を展開しているところでございます。具体的には、避難、救援活動を円滑にする主要生活道路などの公共施設の整備や、沿道一体整備事業、防災街区整備事業などを積極的に活用しております。今後とも、住民の協力を得ながら、地元区と連携し、効果的に事業手法を組み合わせながら、木密地域の整備、改善に努めてまいります。 # 植木委員 植木委員効果的にやるために努力するということで、ぜひやっていただきたいんですけれども、実態はどうかということですね。平成十一年度と今年度と比較して、木密事業それから都市防災不燃化促進事業、防災生活圏促進事業それぞれが、十一年度とそれから決算というか結果ですから十八年度末とで、どのように決算額が推移しているでしょうか。 # 座間民間開発担当部長 座間民間開発担当部長平成十一年度並びに平成十八年度の各事業の決算額についてでございますけれども、木密事業につきましては、平成十一年度が約二十四億円、平成十八年度は約十二億円の補助を行っております。また、不燃化促進事業につきましては、平成十一年度が約二億円、平成十八年度が一億七千万円となっております。また、防災生活圏促進事業につきましては、平成十一年度が五億七千万円、平成十八年度は二億二千万円の補助となっております。 # 植木委員 植木委員十一年度と十二年度で今のお話をトータルしますと大体三十一億円余が十五億円余に半減になっているんですね、予算は。だから、いろいろ重点的にというんですけれども実態はどんどん予算が削減されているんですよ。それは、なかなか困難で進まないから予算を組んでも不用額が多くなったりして、木密が七割程度の進捗率だし都市防災不燃化事業は八割というような状況ですけれども、それにしても額がこれだけ減ってきて重点化を図るんだといっても、最初の位置づけそれから減災目標、この規模からしてこれでいいのか、これが問われていると思うんですけれども、これでいいとそういうふうにご判断で、先ほどの答弁なんでしょうか。 # 座間民間開発担当部長 座間民間開発担当部長各事業の執行につきましては、特に木密事業におきましては用地取得、これはかなり大きいウエートを占めておりますので、こちらの実績が十一年度と十八年度、相手の都合にもよりますのでこの差が出てきていると思います。また、不燃化事業につきましては、建てかえが主になりますので、これは建物の建てかえ動向、市場、そういうものがかなり影響しているものと思っております。しかしながら、この状況で決してよいとは思いませんので、先ほどご答弁申し上げましたように、今後の木密事業、木密地域の効果的な整備を進めるために、沿道一体事業ですとか防災街区整備事業、こういう効果的な事業を積極的に展開してまいりたいと考えております。 # 植木委員 植木委員三つの事業で年間約十五億円決算で、これで僕は進むわけないと思いますよ。もちろんいろんな要因があるのは私も承知している。金をふやせばそれだけでいいとは思っていません。ただ、どう打開していくかというこの方向ですよね。一つは、減災目標を掲げたからには重点化はもちろん大いに取り組む、同時に、指定面積をふやして面的にも対象を拡大するということがまず一点必要じゃないかというふうに思うんですよ。それからもう一つは、防災生活圏事業、これは終了しましたよね。私、この時期になぜ終了するのかと不思議に思っているんですけれども、それでいいのだろうかと。これはむしろ今こそ活用にきちっと再開すべきじゃないか。この二点についてどうですか。 # 座間民間開発担当部長 座間民間開発担当部長ただいまご意見にありました防災生活圏の促進事業でございますけれども、これにつきましては、いわゆる延焼遮断帯となる道路ですとか鉄道、それに囲まれた一定の区域を防災生活圏として位置づけまして、その中の防災機能を高めるということで、主に我々はガワとあんこといっておりますけれども、あんこ、市街地の中のそういう整備を進めるということで制度化されたものでございまして、それが平成十八年に木密事業に統合されております。したがいまして、現在、この防災生活圏事業につきましては、十八年当時に現存、事業中のもの、事業中の区域に限って継続しているものでございます。しかしながら、この必要性については十分東京都としても理解しておりますので、この防災生活圏促進事業が終了した地区におきましても、地区の事業実施状況あるいは地区の特性を踏まえて、必要に応じて木密事業あるいは不燃化事業に編入することは可能でございます。 # 植木委員 植木委員十八年度に防災生活圏事業が終わるというので、私、中野区にもちょっと、地元ですから聞いてきたら、そしたら、もうこれで終わりですよと周知、宣伝して、活用してくださいといったら、やっぱりその年度はぐっとふえているというんですね。不燃化事業の方は確かに同様に使えるんですけれども、これは都市計画上のいろんな制約だとか整備を、要件が整わないとできないわけですね。だから、不燃化事業を促進するということはあるんだけれども、防災生活圏事業というのが木密事業の中に入っちゃってわからなくなっているんですけれども、やはりきちっとこういうものも位置づけていってこそ促進できる。それから、答弁なかったのでそれをもう一度お願いしたいのは、対象面積を思い切って広げる問題、これは減災目標を掲げたら絶対に不可欠ですよ。いかがですか。 # 座間民間開発担当部長 座間民間開発担当部長整備事業区域の拡大についてでございますけれども、先ほどご答弁いたしましたが、木密地域の整備効果を高めるためには、重点化、集中化して整備を進めることが得策と考えておりますので、整備区域を改めて拡大する考えはございません。 # 植木委員 植木委員考えはございません、さっきは適切な時期に、どっちが本当なんですか。対象のことなんですか、それとも、何が、今できませんといったんですか。 # 座間民間開発担当部長 座間民間開発担当部長木密地域の整備効果を高めるために重点的、集中的に今施策を展開しているところでございますので、現段階では整備地区区域を拡大する考えはございませんが、先ほど申し上げましたように、現在、地域危険度調査をしておりますので、その結果によって改めて区域の拡大を、必要になれば拡大したいと思っております。 # 植木委員 植木委員ぜひこれは両方とも、指定もそうだし、それから活用の、内容の対象地域の拡大、イコールの部分が大半だとは思うんですけれども、ぜひ早くやって、とにかく執行率が七割、八割ですし、とても間尺に合わない。減災目標なんて、これはいかないわけですから、ここは大いに、さっきいったように実行する側の、進める側の問題点の認識が非常に弱いということを重ねて指摘をしたい。時間の関係もありますので次に移りますが、一点だけ具体的な問題、先ほど中野区の南台の防災生活圏事業の実施のことはちょっといいましたからこれは省きますが、南台一、二、四丁目地域というのは、東京大学海洋研究所の移転が計画されていて、防災公園を整備する、こういうふうに聞いておりますけれども、この見通しをどのように都はつかんでおられるでしょうか。 # 座間民間開発担当部長 座間民間開発担当部長東京都は、防災都市づくり推進計画におきまして、南台一丁目地区に約一ヘクタールの防災公園の整備を位置づけております。これを踏まえまして中野区では、東京大学海洋研究所が平成二十年度末を目途に順次千葉県柏市に移転することを契機にいたしまして、その跡地と、隣接いたします東京大学教育学部附属中等教育学校の校庭の一部用地を防災公園として整備をすべく、現在、大学側と協議中であると聞いております。 # 植木委員 植木委員こういう公的な建物、国の建物ですけれども、移転が決まったということで木密地域の中に公園をつくることが可能になった。そういう点で地元も大変喜んで早く整備してほしいという思いがあるわけですが、こういう東京大学海洋研究所、今回一つの例ですけれども、木造密集地域に国有地のもう完全に利用がない、活用されないという土地だとかあるいは活用されていない都有地、こういうものを、現在活用されているものということを私はいいません、活用など、思い切った措置をとるべきではないかというのが一点。それからもう一つは、そうはいっても中野区だけでなくて各区でも、建物共同化への補助要件なども緩和しないとなかなか実際には進まないというようなこともあると思うんですけれども、これは国の制度なんでしょうか。そういった制度の改善といいましょうか緩和といいましょうか、そういうものも国にも求めるなど、具体策についても促進をいただきたいと思うんですけれども、この二点についていかがでしょうか。 # 座間民間開発担当部長 座間民間開発担当部長木密地域の整備、改善のためには、公有地を種地として活用することは有効であると考えております。例えば、従前、居住者用の住宅の整備や防災広場の整備、また防災街区整備事業等の種地としても活用し、円滑な事業推進を図ることが可能と考えております。今後とも、都営住宅の再編整備や小中学校の統廃合等によりまして公有地の確保ができる場合につきましては、区と連携し、防災都市づくり用地に活用していきたいと考えております。また、木密事業等いろいろな共同化につきましても、今いろんな制度ができておりますけれども、今後その整備が円滑に進むように、制度改正等も含めて国に働きかけてまいりたいと考えております。 # 植木委員 植木委員ぜひそういう具体化を促進していただきたいと思います。いずれにしても、結局ずっと聞いていても、予算は減っている、対象地域も減っている、防災生活圏事業も終わってきちゃっているということで、予算が実際に縮小されちゃっているということはやっぱり問題だと思うんですよ。大規模開発なんかだったら一カ所で百億単位で平気で使うわけですから、こういう、面的に思い切って広げる対策としてやる必要があるし、かつて東京都、皆さんは、一つ一つの事業がいいかどうかは私もここではつまびらかにする余裕はありませんけれども、白鬚の地域だとか、墨田の京島とか、都の職員も入ってモデルをつくったりいろいろ意欲的な取り組みもやった経験あるわけですよ。そういう体制も含めて強化をするということを重ねて求めておきます。それから、耐震診断、耐震改修、これも木密地域の問題ですけれども、これも執行率が十分でないんですね。執行率、十八年度の決算書を見ますと六・四%、決算委員会でも指摘があったということですけれども。そしたら、十八年度は制度の周知が不十分で、今年度は昨年度と違う、大幅に増加することが見込まれると答弁されているようですが、既に今年度に入って半年たっていますけれども、実績と見通し、これはいかがでしょうか。 # 金子市街地建築部長 金子市街地建築部長木造住宅の耐震化助成の今年度の見通しにつきましては、現時点では正確に把握できておりませんけれども、半年後、半年たっております九月末現在の申請状況につきましてはお手元の資料にあるとおりでございまして、今年度は、年度当初から整備地域を抱えるすべての区で助成が実施されておりますので、制度の周知も進んでいくことから、大きく増加していくのではないかというふうに見込んでおります。 # 植木委員 植木委員資料で確かにあるんですけれども、九月末で、診断の方は三百四十九件、改修が三十一件ですよ、この木密地域の耐震診断、耐震改修が。このテンポで果たして大丈夫なんだろうかと。執行率は今年度はまだわかりませんけれども、若干伸びるとしたって一けた台ではどうしようもないので、一けた、二けたの一〇%台ではどうしようもないんですけれども、これで一つは達成できるのかということですよ。その点について一つ。それからもう一点あわせてお聞きしますが、さっき木造密集地域での指定の拡大という話もしていましたけれども、木造の耐震診断、改修の、この対象も拡大すべきではないかというふうに一つは思いますし、それからもう一つは、先ほどの質問でもありましたが、全部するのはなかなか大変だけれども寝室とか居間とか一部分の改善で何とかしたい。こういう思いの人は今は対象に、たしかなっていないと思うんですけれども、こういう命を守るという立場でやる場合も対象にするような要件の緩和とか、そういった努力が必要ではないかというふうに思うんですが、この二点についてどうでしょうか。 # 金子市街地建築部長 金子市街地建築部長木造住宅の耐震化を促進する上で、助成制度というのは非常に有効であると考えておりますけれども、そのほかにも、安価で信頼できる耐震改修工法の紹介ですとか耐震診断技術者の育成など、耐震化に取り組みやすい環境の整備を図っていくことも重要でございます。また、ことし六月には、建物の耐震化に全庁を挙げて取り組むための建物の耐震化推進会議を立ち上げたところでございまして、木造住宅の耐震化を加速する新たな方策についてもさまざまな角度から検討しているところでございます。今後とも、目標の達成に向けまして、庁内はもとより区市町村や関係団体とも連携を一層強化し、総合的な取り組みを進めてまいります。それと制度の関係でございますが、住宅の耐震化は、自助、共助、公助の原則を踏まえまして所有者によって行われることが基本でございまして、都は公共的な観点から必要がある場合に財政支援を行うこととしております。こうした基本的な考え方に基づきまして、耐震化助成につきましては、住宅が倒壊した場合に道路をふさいでしまって避難や救急消火活動に支障が生じるおそれの高い木造住宅密集地域の整備地域を対象に実施しております。また、住宅の倒壊による道路閉塞の防止を目的としておりますことから、前面道路の幅員が六メーター以内であること、また耐震改修後の耐震診断の評点が一・〇以上、すなわちいいかえれば大地震が来ても倒壊しない程度の強度を確保すること、そういったことを助成の要件としております。まず、こうした地域を対象に、こういった耐震性のある、耐震性を確保していくということに重点的に取り組むことが防災上重要であるというふうに考えておりまして、当面、制度の周知の徹底などを行いまして、普及啓発に力を注いでまいりたいと考えております。 # 植木委員 植木委員要件の緩和は今は考えていないという答弁ですね。執行率を見たらやっぱり木密事業の指定対象地域の拡大、それから要件の緩和というのは、もちろん無制限に、これは税金ですから何でもいいということを僕はいっているんじゃないんです。適切な基準というのをもちろん設けて緩和をというふうにいっているので、ぜひこれは、その推進会議ができたというんですが、そこで具体化を図っていただきたいというふうに思います。それで、簡易な形のというのは、先ほどこの議会棟で展示が行われているということのお話がありました。これは非常にいろんな人に喚起する上で私も大事な事業の一つだろうというふうに思うんです。総務局なんかにも防災展示全体についての常設展示をできるようなところということをいっていますけれども、都市整備局としても、こういう常設展示に総務局と一体となって努力すべきではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。 # 金子市街地建築部長 金子市街地建築部長今のご質問は、安価で信頼できる耐震改修工法の紹介についてということだと思いますけれども、これにつきましては、都庁での展示会の開催に加えまして、先ほどもちょっとご答弁させていただきましたが、東京消防庁の協力を得まして、池袋、本所、立川にある防災館での展示を実施しております。また、住民に身近なところで展示会を開催する、それが効果的であるというふうに考えておりまして、区市と連携して地域の防災イベントなどで展示を実施しているほか、新聞社主催の住宅リフォームフェアなど民間のイベントにも展示しておりまして、現在ではほぼ毎月、都内のどこかで、どこかの場所で展示が実施されているといった状況でございます。今後とも、さまざまな機会をとらえまして展示会を継続的に開催し、安価で信頼できる耐震改修工法の普及を図ってまいります。 # 植木委員 植木委員これは都市整備局だけでできるかどうかというのは難しい問題もありますので、ぜひ今後、努力をしていただきたい。もちろん、身近なところでの展示の促進は私も大賛成です。この問題の最後に、耐震診断、耐震補強とか、それから姉歯設計事務所以来、倒れない住宅ということで建築確認審査の厳格化が行われました。行われたことは、私も主張していましたし大賛成であります。ただ、実際には国の準備が十分整わなくて、いまだにソフトができ上がっていないということだとか機械的な運用の問題も指摘されて、かなりマスコミにも大きく報道されていて、国土交通省の発表では、住宅着工戸数が七月にはマイナス二三%、八月にはマイナス四三%、九月はマイナス四四%と、こういうふうな状況になってきているということで、厳密な審査を前提にしながらも国のそうしたおくれによる問題点はきちっと正さなきゃいけないというふうに思うんですね。もちろん周知の問題もいろいろあると思うんです。そういう意味で、この間、国や東京都がどのような努力をされてきたのか、それから今後東京都としてどうするのか、あわせてお聞きしたいと思います。 # 金子市街地建築部長 金子市街地建築部長現在、生じている建築確認の停滞に関するご質問でございますけれども、国につきましては、九月の下旬に国土交通省が改正建築基準法の円滑な運用に関する技術的助言を通知いたしまして、都道府県に対して説明会の開催など、特定行政庁や設計者等への周知徹底を要請しております。また、十月末には、運用面の改善を図るために添付書類の簡素化など規則の一部を改正する、そういった予定をしている旨を公表しております。一方、都におきましては、建築行政を所管する立場から、新たな制度について早期に定着を図ることが重要であるというふうに認識しておりまして、このため、申請窓口における事前相談を丁寧に行うとともに、区市や関係団体と連携いたしまして、設計者、審査担当者など実務者向けの講習会をきめ細かく開催しております。また、国とも連携しまして、QアンドAの作成ですとか、電話相談窓口の開設を行って、設計事務所等からの問い合わせにも対応するなど、積極的に取り組んでいるところでございます。今後とも、建築確認申請の円滑化に向けて新たな制度の周知に努めてまいります。 # 植木委員 植木委員震災関係はこれで終わりにいたします。次に、多摩ニュータウンについての質問をしたいと思いますが、多摩ニュータウンは昭和三十八年に、当時は深刻な住宅不足だとか土地の値上がりだとかいろんなことを背景にして、新住宅市街地開発法によって始まって今日に至って、途中いろいろ変遷ありますけれども、来ておるわけですが、今、この問題では財政的な問題、いろんな開発による影響、それから今日では環境問題、こういったいろんな問題が出てきているというふうに思うんですね。それで、まず全体の、この間、都議会でも大きな問題になってまいりました隠れ借金が、二年前に欠損金が約一千億円というのが出されておりました。昨年度末はということで、昨年度の資料によりますと一千四百億円、これは多摩ニュータウン事業等というふうになっていますから、そこがどういうふうになっているかわからないんですが、これらの内容と今後の見通しという点ではどんなふうになっていますでしょうか。 # 今井多摩ニュータウン事業担当部長 今井多摩ニュータウン事業担当部長多摩ニュータウン事業の会計の状況でございますが、まず先生がおっしゃった隠れ借金という言葉でございますが、これにつきましては、平成十七年の七月に都の財務局が発表いたしました「都財政が直面する課題」の中で、隠れ借金というものの一つとして多摩ニュータウン事業の欠損金が約一千億ある、こういうふうな記載をしたものでございます。この二年前の平成十七年の時点において財務局がどのような方法でこの一千億円ということを推計したかは詳しくは承知しているわけではございませんけれども、現金の収支の整理を基本といたします官庁会計における予算と決算の情報から試算したものと思われます。私どもは、今年度の決算特別委員会で、東京都決算参考書の財務諸表の中で多摩ニュータウン事業会計貸借対照表に記載いたしましたとおり、平成十九年三月三十一日現在の債務超過は一千二百二十九億円と算定してございます。このいわゆる「都財政が直面する課題」の中で出されました隠れ借金というものと、それから今回の決算の参考資料中の財務諸表でございますが、これにつきましては算出の時点がまず違うということが一点、それから算出の行い方も違います。そういうことで、都市整備局といたしましては、多摩ニュータウン事業会計の貸借対照表の記載のとおり、債務超過が千二百二十九億円である、こういう認識をしております。大変な厳しい財政状況にあるという認識をしております。今後の見通しについてでございますが、地価でございますとか宅地需要の将来動向に左右されるなど、確定的なことは申し上げられませんが、このような厳しい状況を十分に認識いたしまして、事業用宅地を積極的に販売をいたしまして、債務超過額の圧縮に努めてまいるつもりでございます。 # 植木委員 植木委員隠れ借金というのは私が使ったんじゃなくて財務局が出したわけですから、全庁的に隠れ借金問題がこれだけ大きな問題になっているときに、それを知らないよというわけには当該事業局としていかないのは当然ですよ。もともと財務諸表については、購入時価格が基本になっていたり、いろんなルールがあって、現実と合わない中身も計上せざるを得ないということですから、やっぱり収支の関係という点では、この隠れ借金という財務局の方が非常にわかりやすいと私は思うんですけれども、いずれにしてもこれは、どちらにしても巨大な金額であることは間違いないわけです。これは、当初は山林原野を買ったり安い土地だったりしたのが、バブルの時代になっても引き続き土地を購入し続けて、途中で見直しも十分行われなかったり、あるいは開発を取り入れたり、いろんなことがふくそうして巨大になっていったわけです。もともとバブル以前の段階ではこういう状態というのはなかったわけですよ。そういう意味で、途中でのきちっとした再検討や見直しが行われる必要もあったと私は思うんですね。それで、四十四年もたった現在ですけれども、到達点はどこまでいっているんでしょうか。 # 瀧本参事 瀧本参事多摩ニュータウンでございますけれども、八王子、町田、多摩、稲城の四市にわたる総面積約二千九百ヘクタールの地域でございまして、先ほど委員のお話ございました昭和三十八年の新住宅市街地開発法施行以来、四十年以上の長きにわたってまちづくりを進めてきております。当初は住宅の大量供給を目的に整備を進めてきましたが、昭和六十一年に新住宅市街地開発法の改正がございました。それを機に、住機能だけではなくて多様な機能の立地も図ってまいりました。平成十七年度をもちまして新住宅市街地開発事業が終了いたしましたけれども、計画人口三十四万二千人に対しまして、平成十八年十月一日現在の居住人口、二十万五千人というふうになってございます。 # 植木委員 植木委員未利用地というのか残地というのか、それぞれ東京都だけじゃない、URとかあると思うんですけれども、どのくらいになるんでしょうか。 # 今井多摩ニュータウン事業担当部長 今井多摩ニュータウン事業担当部長東京都の未利用地でございますが、今年三月末で約六十八ヘクタールでございます。また、都市再生機構の未利用地につきましては、同じく今年三月末で約九十一ヘクタールであると聞いております。 # 植木委員 植木委員両方合わせると百五十ヘクタールを超えるわけですね。相原・小山地区、多分これは入っていないと思うので、入れれば東京都のは八十・三ヘクタールになると思うのですけれども。いずれにしてもこれだけの、今は東京都、売却するというふうに最初の答弁でありましたから重ねて聞きませんが、どんどん売却しているといろんなトラブルも起きるわけですね。地元市との整合性というんでしょうか、それから巨大マンションだとか大型店の問題とか。あるいは、今までは公的な住宅だと、割と建ぺい率、容積率を多少見ながら緑を配置したりいろんなことをやってきたんですけれども、民間だとどうしても目いっぱい建ててくるということで、住環境問題などでトラブルが発生する。これらは当然、地元市と調整を図ってやっていると思いますけれども。私、もう時間もないので、結論的にいっちゃうと、誤解を生みかねないのでちょっと心配なんですが、いずれにしても、新住法は終了したといっても多摩ニュータウンのいわゆるまちづくりというのはいろんな形で進んでいるわけです。今後も、そういう意味では、私は東京都に責任が当然あると思うんですよ。ですから、都と市長と詰めたまちづくり計画というものを関連四市でやるか、あるいは各市とやるかはいろいろやり方はあると思うんですけれども、改めて今日時点に立ってまちづくり計画の立て直しをきちっと図るべきだというふうに思うんですが、いかがでしょうか。 # 今井多摩ニュータウン事業担当部長 今井多摩ニュータウン事業担当部長まちづくり計画の前に、未利用地の先生のご指摘でございますが、ただいま申し上げた六十八ヘクタールというのは相原・小山地区も含んでおります。(植木委員「前にもらった資料が違うよ」と呼ぶ)いや、多摩ニュータウン全体の未利用地ということでございますので、新住宅市街地開発事業地と相原・小山地区の未利用地と両方含んだものでございますので、もし先生そういう誤解がございましたら、訂正させていただきます。 # 瀧本参事 瀧本参事まちづくり計画の見直しというようなお尋ねでございますけれども、この多摩ニュータウンでございますけれども、それぞれの時代の要請を踏まえまして先導的なまちづくりを進めてまいりました。それには大もとの土地利用計画、あるいは新住宅市街地開発事業の計画に基づいて進めてきたところでございます。今日では、開発者主体の建設の時代から、地域や生活者の視点に立った地域経営の時代を迎えております。また、その事業期間が四十年以上にわたってきているということから、この地域の中も開発時期ごとに、特殊なまちの課題、それぞれ各地で異なっておりまして、地域の整備のよりきめ細かい対応が必要となってございます。そうした中で、都といたしましては、これまでの大きな計画というものに基づいて、今後は地域経営の主体である地元市を初めとして関係機関と連携しつつ、多摩ニュータウン全体を視野に入れて、広域的な観点からまちづくりに取り組んでいくということとしております。 # 植木委員 植木委員当然、広域的な観点は必要なんだけれども、市長会からの要望書はこういうふうに出ていますよ。ちょっと省きますけれども、この事業はすぐれて政策的に実施されてきた経過にかんがみ、事業の実施に伴い発生した課題及び財政課題云々と、こういって、いわゆる多摩ニュータウン地区には住民の年齢構成の偏在や都市更新の困難性など独自の都市的な課題が存在する。この現状認識に基づき課題解決に向けた研究、検討が重ねられてきたが実効性ある対応策は確立されていないといっているわけですよ。これらのまちづくりに向けた経営主体が地元自治体であることに異論はないけれども、事業の実施自体に起因する課題については、総合調整権に基づき、多摩ニュータウンの事業をリードしてきた東京都が課題解決に至るまでの間主体的な対応をされたい、こういっているわけですよ。ですから、やはり今日の時点できちっとそういう対応をするように求めておきます。最後に、一点だけ質問します。多摩ニュータウン、いろいろ課題があって挙げればきりがないんですけれども、一点だけ挙げます。稲城市の若葉台地区では、小学校の学級数が当初二十学級だったのが現在は二十九学級、千五十人の生徒。全都で一番規模が大きい、文字どおり大規模校になっています。学校教育法によりますと標準学級数は十二から十八学級になっているので、その二倍の規模になるわけです。大規模化に伴って学習発表会でも一人一人の発言がほとんど一言になってしまう、こういう声もある。この地域は、URの関係が多いんですけれども、開発計画を踏まえて二校建設する計画だった。ところが、都の補助がだんだん順次削減されて、新たな建設は市も断念して増設によって補ってきた。したがって、学校の敷地も、間に一般道路があるという異常な形態になってきている。こういう状況は、これは何も教育庁でなくても、まちづくりの観点から見ても決してよい教育環境ではないというのはわかると思うんですけれども。問題は、今でも土地処分が続いていて世帯数がふえる。稲城市ではアッパー三十四学級、つまり今二十から二十九学級まで伸びている。それが三十四学級、あと五学級ふえそうだ、人口増になって。問題は、東京都の住宅建設対策、都の補助金、これが削減されてきて、そういうことで新たにつくるということは困難になってきている。これはまさにそういう意味では負の遺産の一つでありますから、たとえ新住法が終わったからといって、やはり開発によって起きたこういう問題についてはきちっと対応すると。二十年度の先ほど出した四つの市長会の予算要望にも、多摩ニュータウンにおける住宅建設と地元市の行財政に関する要綱で、関連公益施設整備費の補助の大幅な引き上げを行われたい、こういっているわけですから、これをぜひ要望を受け入れて進めるべきだと思うんですが、いかがですか。 # 瀧本参事 瀧本参事私の方から、前段のところにつきまして、ちょっとご答弁申し上げたいと思います。この地区の状況でございますが、都市再生機構が新住宅市街地開発事業によりまして宅地造成を行って土地売却を進めているエリアということでございます。ここの小学校の状況につきましては、今、委員おっしゃったような状況でございまして、二校整備するということを一校の整備ということになっているのが現状でございます。ただ、これにつきましては、将来の児童数のシミュレーションというものを行って、そして地元の稲城市と都市再生機構が協議をいたしまして、その中で、じゃ、一校でこれはいけるという中で戸建て用地に変更して土地処分をしたというふうに聞いてございます。東京都といたしましては、こうした都市再生機構が土地を処分するに当たりましては、地元市と都市再生機構、よく協議をした上で住居の変更というものを行うということでございまして、この地域のまちづくりに当たって引き続き都市再生機構と地元市が十分に検討を行う、行っているということでございまして、都としてはそのようなところでの認識をいたしてございます。 # 今井多摩ニュータウン事業担当部長 今井多摩ニュータウン事業担当部長今、住宅建設補助制度についてご質問がございましたが、この制度、昭和四十九年に創設されたんですが、その目的は、開発初期の大量かつ集中的な住宅建設による地元市の財政負担を軽減することでございまして、補助を開始してから見直しの時期まで二十年以上経過いたしまして、多摩ニュータウンの地元市におきましても、まちづくりも進展するなど、制度が創設されたときとは状況が相当に変化をしてきたということでございます。このため、平成八年でございますけれども、都の行財政改革大綱において補助制度の運用を実態に見合ったものに見直すことになったわけでございます。三年間の協議を経まして、平成十一年度から激変緩和措置も伴って現行の制度に移行したものでございます。本制度はそれから定着をしているということで、既に私どもとしてはこの制度で運用を続けたいというふうに考えております。 # 村上委員長 村上委員長植木委員、大分超過していますから気をつけてください。 # 植木委員 植木委員はい。いずれにしても、市長会から改めて出ているんですから、そのことをぜひ受けとめていただきたいということを述べて、私の質問を終わりにします。 # 鈴木委員 鈴木委員お疲れさまであります。前が予定時間を大幅にオーバーしておりますので、簡潔な質問で時短に寄与したいと思っておりますので、明快な答弁をよろしくお願いいたします。先ほど藤井委員より、羽田空港誕生に至る大田区住民のつらい過去についての話がありましたが、その後も騒音の問題や安全性の問題、防災上の問題など、今日に至るまでさまざまな困難な状況に耐えてきたわけであります。こうした中で、羽田空港移転決議、その後の沖合展開事業の受け入れ、そして二〇二〇年の国際化につながってきているわけであります。私は、さきの第三回都議会定例会の一般質問で、そうした大田区における経緯と区民の思いを踏まえて、目の前に迫る羽田空港の国際化に関連して何点か質問させていただきました。その中で、羽田空港跡地整備については、羽田空港移転問題協議会、いわゆる三者協で合意された基本的な視点を踏まえ羽田空港跡地利用基本計画の取りまとめを進めること、また、基本計画は都民の関心が高いことなどから、計画の策定には、地元大田区の意見を十分考慮しつつ各意見の調整に努めみんなが納得できる最善の計画となるよう要望したところであります。そこで、お伺いいたしますが、先日発表した羽田空港跡地利用基本計画の素案について、私が要望した地元大田区の意見をどのように考慮されたのかお伺いいたします。 # 庄司参事 庄司参事羽田空港跡地利用基本計画の策定に当たりましては、国、都、大田区から成る羽田空港跡地共同調査に関する連絡会議におきまして、三者による共同調査を行っております。この調査の中で、国と大田区が意見を出し合い、有識者委員会の委員の指導、助言をいただきながら検討を重ね、素案に反映させております。最も大田区市街地に隣接している第一ゾーンでは、公共的な空間形成として、周辺地域との共生や調和、海外との文化交流などを促進する文化・交流ゾーンや、地元大田区の高度な技術を保有した企業の集積地域を踏まえた産業技術の国際展示などを行う産業支援ゾーンに位置づけているところでございます。また、本計画素案につきましては、国、都、大田区、品川区から成る羽田空港移転問題協議会、いわゆる三者協で合意をいただいているところでございます。 # 鈴木委員 鈴木委員今の答弁で、この策定に当たりましては、大田区も参画した連絡会議で十分議論を尽くし検討し、関係者間で合意された素案であるということは理解できました。今回示された第一ゾーンは、先ほどの答弁にもありましたし、また、ただいまいただいた答弁にもありましたように、大田区市街地に隣接する地域で、文化・交流機能や産業支援機能などが望ましい機能として提案されております。この内容については、現在、パブリックコメントを実施して都民の意見を募集している最中ということでありますが、原則、素案提案に当たっては大田区も合意しているという理解であります。今後、パブリックコメントを踏まえ今年度中に羽田空港跡地利用基本計画を取りまとめることになると聞いておりますが、今後、事業化に当たっても地元大田区と連携を図っていくことが重要と考えますが、東京都はどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。 # 庄司参事 庄司参事都の取り組みでございますが、都はこれまでも東京、首都圏を見据えた広域的な視点に立って、羽田空港移転問題協議会の開催や共同調査の実施などを通じまして国や地元区と調整し、跡地利用に主体的に取り組んでまいりました。都は、計画の早期具体化に向けまして、地元大田区はもとより、土地所有者である国などの関係者間の一層の連携のもと、跡地の基盤整備や事業手法などの課題を整理し、解決を図り、計画の早期具体化を進めてまいります。 # 鈴木委員 鈴木委員この跡地は以前、東京都が買って整備するとしていたときもあったわけです。それが一千億円を貸し付けたころから仕切り直しになり、国際化も含め、今日に至っているわけであります。こうした経緯からも、またこの地域は東京の空の玄関に隣接する大切な地域として、ぜひ東京都がリーダーシップを発揮して跡地利用の早期具体化を図っていただきたいと思います。そのためには今までこれは余り触れられていませんけれどもこのままでは使えないわけであります。六メートルもの高潮対策の護岸整備は不可欠なものでありますし、また国道の三五七号の整備も含め跡地内の道路ネットワーク等の基盤整備が必要であるわけであります。その整備は、土地の所有者である国が責任を持って行うべきと考えておりますけれども、都の考えをお伺いいたします。 # 庄司参事 庄司参事都といたしましても、羽田空港の持つポテンシャルを十二分に生かすため、国道三五七号、東京港トンネルなどの空港周辺の道路ネットワークなど広域的な社会資本整備を推進するとともに、空港跡地の利用促進に不可欠な河川護岸などの基盤整備が不可欠であると考えております。このような観点から、従来からも、国への提案要求などにおきまして国の積極的な取り組みを求めており、今後も国に強く働きかけてまいります。 # 鈴木委員 鈴木委員我々も国に対して要望していきますので、都も強力に推し進めていただきますようお願いいたします。最後に、羽田空港を多摩川で挟んだ対岸の川崎市側では、羽田の再拡張、国際化の効果を京浜臨海部や神奈川県経済の活性化につなげるため、新たな交流拠点を形成する神奈川口構想の整備に向け、京浜臨海部利用検討会を立ち上げ、国を巻き込んで推進していると聞いております。また、都市再生緊急プロジェクトの一環で、平成十六年に神奈川口構想に関する協議会を立ち上げ、県と川崎市、横浜市と連携をとりながら推進していると聞いております。しかし、この跡地は、東京都の、また当該地であります大田区の今後のまちづくりの重要な拠点でありますので、都としても、このことに関しては積極的に対応していただきたいと強く要望しておきます。また、神奈川県側におくれることなく、城南島や京浜島を含めた京浜臨海部のまちづくり、活性化について、地元大田区と連携して検討を進めるなど取り組んでいただきますよう強く要望して、今回はこの程度で終わります。 # 立石委員 立石委員六月二十日に建築基準法が改正されて社会問題になっている。着工戸数が、確認がおりないということで大変社会問題になっている。このことについて何点か質問したいと思います。私の友人が八月の末に確認申請を渋谷に出した。きのう確認がおりたようでありますが、通算七十日近い、あるいは七十日を過ぎたかもしれませんが、そこら辺はあやふやですが、いずれにしても従来は、改正前は二十一日間で確認というのはおろさねばならない、そういう規定があった。しかし、やりとりがあって構造上の間違いがあれば、それは設計士の方に球が投げ返されて確認は再び期間が延びるわけでありますが、それにしても、おおむねほぼ一カ月でおりてきたわけですが、昨今、改正後の規定によると、確認申請は何日以内におろさねばならないという規定があるのかないのか、ちょっと初めにお聞きしたいと思います。 # 金子市街地建築部長 金子市街地建築部長今回の法改正後の建築確認の審査期間についてでございますけれども、木造二階建てにつきましては従来どおり七日間ということで変更はございませんが、それ以外の建築物につきましては、先生お話しのとおり、従前二十一日間であったものが、今回の法改正によりまして、新たに構造計算適合性判定いわゆるピアチェックというものですが、これが導入されたことから、原則的には三十五日間に延長されております。なお、大臣認定の構造計算プログラムを利用しない場合や、あるいは申請図書に、先ほどもお話ありましたが、不明な点が多い場合には最大七十日間まで延長できるとされております。 # 立石委員 立石委員つまり、二十一日間が三十五日に延びたということですね。それならそれほどの問題は起こらないですね。七、八、九の三カ月でおおむね半分近く着工件数が減ってしまったわけですけれども、そのことで押せ押せでえらい経済効果、国民総生産もかなり大きな影響を受けるだろう。〇・三として、四倍すれば三、四、十二、一・二%のマイナスというか、下限がおりるわけでありますけれども、経済成長率一つにしても、大変な、すそ野の広い産業としてこれは重大な問題だと。これは何とかしなきゃならない。そこで、七十日というのは、要は最大七十日でもいいということになれば、押せ押せで大変なデメリットになる、社会的にもですね。社会的にデメリットになるというだけじゃなくて、これはやはり、職人というのは物をつくるわけでしょう。ものづくりの基本、職人ですね、大工、左官、とび、土工、それぞれ大変な長い年月をかけて熟練工になっていく。そういう意味では、大変なマイナスになると思うんですね。経済成長率だけじゃなくて大変なデメリットになる。そこで東京都は、どういう対応をしてこの法改正に、いうまでもなく姉歯事件でこういう厳しいことになったわけでありますが、それは結構なことであります。しかし、どういうふうに対応を都はしていこうとしているのか、お答えいただきたいと思います。 # 金子市街地建築部長 金子市街地建築部長今ご指摘がございましたように、建築確認のおくれが現在の景気にも悪影響を与えるというような状況を生じていると思いますが、今回の建築基準法の改正につきましては、お話ありましたように、耐震偽装事件の再発を防止し、建築物の安全・安心に対する信頼を回復するための必要な措置であるというふうに認識しております。しかしながら、確認や検査に当たっての審査の基準ですとか設計図書の様式など、明確にすべき国の告示や技術基準の公表が六月二十日の施行日直前までおくれたために、新たな制度の周知が十分にできなかった、そういった経緯がございます。それから、申請書につきましては、軽微な不備を除いて原則として補正ができないとされましたけれども、その範囲があいまいであったということ、それから構造計算の途中経過やその結果の改ざんを防止する機能を持つ大臣認定プログラムというものが供給されることになっていたわけですが、いまだに供給されていない、そういった複数の要因が確認申請の実務に影響を与える結果となっております。こうしたことから、新たな制度に対して設計者などが的確に適応できずに確認申請が円滑に進まない状況が生じたものというふうに認識しております。それで、都の取り組みでございますけれども、都は建築行政を所管する立場から、今回の法改正で導入されました新たな制度について早期に定着を図ることが重要であるというふうに認識しておりまして、このため、申請窓口における事前相談を丁寧に行うとともに、区市や関係団体と連携いたしまして、設計者や審査担当者など実務者向けの講習会をきめ細かく開催しております。既に十六回で延べ三千人を対象にした説明会を開催しておりまして、今後も五回、延べ二千四百人を対象に開催する予定となっております。また、国とも連携いたしまして、新制度に関するQアンドAを作成するとともに、電話相談窓口を開設して設計事務所等からの問い合わせにも対応するなど、積極的に取り組んでいるところでございます。 # 立石委員 立石委員そもそも論をここでいうと時間がなくなっちゃうのでやめますけれども、建築確認ということは、第一義的には設計者の意図ですね。設計者の意図が本質的には信頼されなければならない。それに対して検査機関だとか地方自治体、建築主事のいる確認行為というのはいってみればセカンドオピニオンだ。これを、この地味な仕事を、社会全体の中でまちづくりという派手な仕事に、都市計画とか派手な仕事に、技術者の方が寄り過ぎて少し手薄になっているんじゃないかというような気がいたします。これは私の考えなのでとりあえず申し上げておきたいと思いますし、国も、これだけ重要な法改正をしながらソフトがおくれているということですよね、簡単にいえば。これはけしからぬことで、早急に東京都からも国に上げてもらいたいし、国としてはもう既に今十一月ですから数カ月過ぎているわけですね。国の通達その他どんな手を打たれているのか、わかりましたら教えてほしいんですけれども。 # 金子市街地建築部長 金子市街地建築部長国の動向でございますが、国は十月三十日に、改正建築基準法の円滑な施行に向けた取り組みといたしまして、建築確認手続に関する運用面の改善のための規則改正を行うということを明らかにしております。内容といたしましては二つありまして、一つは確認申請時における構造や材料などに関する大臣認定書の写しの添付を簡素化するということ、もう一つは、工事途中の間仕切りなどの変更で構造や防災の性能が低下しない場合には計画変更申請を不要とする、そういった内容でございます。これらは、設計者が書類の準備に多大な労力と時間を要することや、わずかな変更でも工事がストップするといったことへの大きな懸念材料として従来から関係団体などが改善を要望してきた事項でございます。したがいまして、国が明らかにした改善内容につきましては、設計者の負担軽減ですとか円滑な工事の進捗に対して一定の効果があるというふうに考えております。 # 立石委員 立石委員最後に局長に、心構えといいますか東京のあるべき姿といいますか、建築のすそ野の建築確認行為という非常にすそ野の広い、社会経済的に与える影響、そういうものを考えて、どういうふうな決意といいますか、局全体として大きな役割を担うわけですから、その辺の決意を語っていただきたいと思います。それを質問したいと思います。それと同時に、非常に私、昨今思うのですが、理科系の学生さんも、就職先がどちらかというと何か金のもうかる、金、金、金の金銭至上主義みたいな世の中の風潮になっている。こういうところは、やっぱり地味な技術を育てる職人という人たちがどのぐらいとうとい仕事であるか、あるいは建築士が医者、弁護士に等しい、同じように大事な大事な国民の財産、都民の財産をつくる基本ですよね。こういう人たちの技術を大切にしないという風潮が社会の全般に私はあると思います。そういう点を、絞れば絞るほど、あの姉歯事件が、あつものに懲りてなますを吹くみたいな形で国交省がこういう形になってきたと思うんですが、そこら辺は現場を預かる局長として十分配慮して、局の中でも、またいろんな意味で技術者を大事にするということをしてほしいと思います。特に、都市計画法で特定街区というのができて、もちろん私も賛成なんですが、この間の事前説明、都市計画決定しましたけれども、十五年とか十六年ぐらいで本当に立派な建物をたたき壊してやるような風潮がこういうものにまるで工業製品のようになっていくんじゃないか。今度、福田総理も、住宅を二百年住宅をつくろうというような提案をされているようですけれども、そういう思想がないと、大事な都民の基本的な財産が、やはりばかなことが起こると思うんですね。そういう点も踏まえて、私の意見を申し上げながら、局長の決意を聞いて終わりたいと思います。 # 只腰都市整備局長 只腰都市整備局長今回の建築基準法改正でございますが、耐震偽装事件の再発防止に必要な措置でございまして、建築士を初めかかわります設計者、工事施工者にも十分理解を得て施策の展開を図っていく必要があるというふうに考えてございます。一方で、今ご指摘ございましたように、建設業界は非常にすそ野が広うございまして、設計や工事のみならず、建築の資材あるいは住宅の関連の機器などさまざまな業種と関連をしておりまして、建築工事のスタートになります建築確認申請が停滞いたしますと、社会経済上大きな影響を及ぼすということになろうかと思います。現在、そのような状況が残念ながら生じつつあるというふうに広く各方面から認識、指摘がされておりまして、早急な事態の打開が必要な段階に至っているというふうに思ってございます。都といたしましては、国に対しまして、新たな制度が一日も早く定着するよう運用面でのより一層の改善と対策の実施を強く求めてまいります。また、都みずからも、みずから審査している立場がございますので、円滑な審査に努めることはもとより、建築確認の大半を担います区市並びに民間の指定確認検査機関への情報提供や技術的支援など、都内全体の建築確認が円滑に進むよう積極的に取り組んでまいります。最後に、ただいま立石委員から、技術者の社会での有用性といいますか、大切にしなければいけないというふうに、そういうご指摘ございましたけれども、私どもの局も事務、技術、力を合わせて行政を執行してございますが、我々、先生にご指摘いただいたような認識を持ちまして、技術者、私もその一員でございますが、そういう矜持を持ちまして運営に当たりたいというふうに思います。ありがとうございました。 # 村上委員長 村上委員長ほかに発言がなければ、お諮りいたします。本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 村上委員長 村上委員長異議なしと認めます。よって、事務事業に対する質疑は終了いたしました。以上で都市整備局関係を終わります。これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。午後五時二十八分散会
2024-03-31T11:23:39.036094Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/707982?Template=document&Id=7151#one
--- title: 平成19年都市整備委員会 名簿・議事日程 # 平成十九年十一月六日(火曜日)第六委員会室出席委員十三名委員長村上英子君副委員長吉倉正美君副委員長大塚たかあき君理事きたしろ勝彦君理事松下玲子君理事新藤義彦君鈴木章浩君河野百合恵君高橋信博君泉谷つよし君植木こうじ君立石晴康君藤井一君欠席委員一名出席説明員都市整備局局長只腰憲久君次長泉本和秀君技監福島七郎君理事河島均君総務部長安藤明君都市づくり政策部長野本孝三君住宅政策推進部長松村光庸君都市基盤部長升貴三男君市街地整備部長宮村光雄君市街地建築部長金子敏夫君都営住宅経営部長小林計代君企画担当部長村尾公一君住宅政策担当部長瀬良智機君外かく環状道路担当部長遠藤正宏君民間開発担当部長座間充君多摩ニュータウン事業担当部長今井光君都市景観担当部長安井順一君建設推進担当部長山室善博君参事中山正雄君参事瀧本裕之君参事宇多田裕久君参事庄司貞夫君参事小澤弘君参事並木勝市君参事清水文夫君参事荒川達夫君本日の会議に付した事件都市整備局関係事務事業について(質疑)
2024-03-31T11:23:39.793655Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/707982?Template=document&Id=7150#one
--- title: 平成19年都市整備委員会 本文 # 午後一時一分開議 # 村上委員長 村上委員長ただいまから都市整備委員会を開会いたします。初めに、請願陳情について申し上げます。本委員会に付託されております請願陳情は、お手元配布の請願・陳情継続審査件名表のとおりでございます。ご了承願います。本日は、お手元配布の会議日程のとおり、都市整備局関係の事務事業の説明聴取を行いたいと思います。なお、事務事業につきましては、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は後日の委員会で行いたいと思います。ご了承願います。これより都市整備局関係に入ります。初めに、都市整備局長から、あいさつ並びに幹部職員の紹介があります。 # 只腰都市整備局長 只腰都市整備局長都市整備局長の只腰憲久でございます。村上委員長を初め委員の皆様には、当局の事務事業につきまして、日ごろからご指導、ご鞭撻を賜り、まことにありがとうございます。都市整備局といたしましては、事務事業の適切かつ円滑な運営を図るとともに、安全で快適な都市づくりを進めるために一層の努力をいたす所存でございます。何とぞよろしくお願いを申し上げます。それでは、お手元の理事者名簿に従いまして、当局の幹部職員をご紹介申し上げます。次長の泉本和秀でございます。技監の福島七郎でございます。航空政策担当理事の河島均でございます。総務部長の安藤明でございます。都市づくり政策部長の野本孝三でございます。住宅政策推進部長の松村光庸でございます。都市基盤部長の升貴三男でございます。市街地整備部長の宮村光雄でございます。市街地建築部長の金子敏夫でございます。都営住宅経営部長の小林計代でございます。企画担当部長の村尾公一でございます。住宅政策担当部長の瀬良智機でございます。外かく環状道路担当部長の遠藤正宏でございます。民間開発担当部長の座間充でございます。多摩ニュータウン事業担当部長の今井光でございます。都市景観担当部長の安井順一でございます。建設推進担当部長の山室善博でございます。連絡調整担当参事の中山正雄でございます。開発プロジェクト推進担当参事の瀧本裕之でございます。民間住宅施策推進担当参事の宇多田裕久でございます。航空政策担当参事の庄司貞夫でございます。調整担当参事の小澤弘でございます。経営改革担当参事の並木勝市でございます。再編整備推進担当参事の清水文夫でございます。営繕担当参事の荒川達夫でございます。当委員会との連絡に当たらせていただきます総務課長の岩瀬和春でございます。なお、航空政策担当理事の河島均は、知事本局次長との兼務のため、総務委員会と当委員会が同日開催される場合、当委員会は欠席とさせていただきます。以上でございます。どうかよろしくお願い申し上げます。〔理事者あいさつ〕 # 村上委員長 村上委員長あいさつ並びに都幹部職員の紹介は終わりました。 # 村上委員長 村上委員長引き続き、事務事業について理事者の説明を求めます。 # 只腰都市整備局長 只腰都市整備局長都市整備局の事務事業につきまして、お手元に配布しております資料1におきまして、主要課題の概略をご説明申し上げます。一ページをお開きいただきたいと思います。当局は、現場感覚を反映した迅速で実効性ある都市整備を進めていくことによりまして、都市の活力はもとより、風格や魅力、安全性や持続可能性を備えた二十一世紀にふさわしい東京への再生を目指しております。当局の所管事務は、おおむね次の五つに区分をされます。第一は、都市整備の基本的事項に関することです。第二は、土地利用や都市基盤などの都市計画に関することです。第三は、住宅及び住環境整備に関することです。第四は、市街地整備に関することです。第五は、建築に関することです。計画部門と事業実施部門が一体となった組織の特性を十分に発揮しながら、東京が二〇一六年夏季オリンピックの国内候補地に選定されたことも踏まえまして、これらの事務事業を総合的に推進してまいります。続きまして、当局が所管する主要な課題への取り組みについてご説明を申し上げます。1の住み・働く場としての都市の再生でございます。まず、拠点整備の推進でございます。大手町・丸の内・有楽町地区における国際ビジネス拠点の形成、品川駅・田町駅周辺地域での環境モデル都市づくり、渋谷駅周辺地域の再編整備、臨海部における都市基盤整備など、東京の活力を高め、新しい魅力を創造する都市再生を積極的に推進してまいります。多摩ニュータウンにつきましては、核都市として複合的な都市機能や自然と調和した良好な住環境を備えたまちづくりを、地元市や関係機関と連携して進めてまいります。次に、民間活力を生かしたまちづくりプロジェクトの推進でございます。都有地を有効に活用したプロジェクトを推進し、地域の活力を高め、都市再生を図ってまいります。本年三月に竣工した南青山一丁目団地のほか、港南四丁目第三団地、東村山市本町地区、勝どき一丁目地区、上目黒一丁目地区においてプロジェクトを推進しております。次に、2の首都東京を支える都市基盤の整備でございます。まず、航空政策の推進でございます。首都圏における空港機能の充実は、東京のみならず我が国の国際競争力の強化のため、喫緊の課題となっております。羽田空港の再拡張、国際化につきましては、本年五月、国は、アジア・ゲートウェイ構想で羽田の国際化の推進を決定いたしましたが、都といたしましても、一日も早い新滑走路の完成と、さらなる国際化の推進を働きかけてまいります。また、横田飛行場の民間航空利用や横田空域の返還につきましては、昨年五月の在日米軍再編の最終取りまとめの中で一定の前進が見られましたが、引き続き、早期実現に向けて積極的に取り組んでまいります。次に、三環状道路の整備促進でございます。首都圏の三環状道路につきましては、本年六月、圏央道のあきる野インターチェンジから八王子ジャンクションまでの区間が開通いたしました。また、本年十二月には、中央環状新宿線の池袋から新宿までの区間が開通する予定です。現在建設中の中央環状品川線などとあわせて、さらに事業を促進してまいります。また、大橋地区では、首都高速道路のジャンクション整備と一体的に市街地再開発事業を進めてまいります。東京外かく環状道路につきましては、本年四月、大深度地下方式への都市計画変更の決定告示を行いました。今後、速やかに事業化が図られるよう、国に強く働きかけてまいります。次に、首都圏の新たな高速道路料金体系の構築でございます。高速道路の料金体系につきましては、本年七月、一都三県知事が国土交通大臣への提言を行いましたが、引き続き、首都圏における一体的で利用しやすい料金体系の実現を国等に働きかけてまいります。次に、都市計画道路の整備につきましては、事業化計画に基づき着実に推進するとともに、隣接県と連携した広域的な道路ネットワークの形成などにも取り組んでまいります。次に、公共交通網の整備でございます。公共交通網につきましては、本年度末、日暮里・舎人ライナーが開業する予定です。地下鉄副都心線などの整備を引き続き推進するとともに、空港へのアクセスを改善するため、京急蒲田駅、日暮里駅において改良工事を進め、輸送力増強や乗りかえ利便性向上を図ってまいります。次に、踏切対策の推進でございます。都内には、いまだ約千二百カ所の踏切が残されておりまして、踏切問題の早期解決が課題になっております。このため、連続立体交差事業につきまして、JR中央線など八路線十区間で事業を引き続き推進するとともに、京王線代田橋駅から八幡山駅間と西武新宿線中井駅から野方駅間について、事業化に向けた検討に着手をいたします。今後とも、地元区市町、鉄道事業者など関係者間の連携を一層強化し、効果的な踏切対策に取り組んでまいります。次に、物流対策の推進でございます。物流対策につきましては、国際競争力の強化や暮らしと環境の向上を目指し、昨年二月に総合物流ビジョンを策定いたしました。このビジョンに基づき、繁華街における物流効率化や大型貨物車の走行適正化など、物流の効率化に向けたハード、ソフト両面の取り組みを、庁内の関係各局と連携し、引き続き進めてまいります。続きまして、3の大都市の安全を高め、安心を確保する都市づくりでございます。災害に強いまちづくりを促進するため、木造住宅密集地域の整備、避難場所・避難道路の指定及び建築物等の耐震化を総合的に進めてまいります。木造住宅密集地域においては、道路整備と一体的に進める沿道まちづくりなどにより、都市計画道路の整備を契機として、沿道の不燃化、共同化を促してまいります。避難場所については、今年度末までに変更指定をするため、現在、見直し作業を進めております。耐震化につきましては、本年三月に、建築物の耐震化を総合的、計画的に進めるため、東京都耐震改修促進計画を策定いたしました。今後とも、耐震診断、改修に関する助成制度や、都民に対して安価な耐震工法の紹介を行うなど、関係区市とも協力して建築物等の耐震化に取り組んでまいります。続きまして、4の快適な都市環境の整備でございます。まず、東京らしいみどりをつくる新戦略でございます。東京を緑豊かで快適な都市としていくため、昨年三月に策定した都市計画公園・緑地の整備方針に定められました事業化計画を、区市との連携のもと、確実に実施してまいります。また、本年五月、都市開発諸制度等で生まれる公開空地等の緑づくりについて公開空地等のみどりづくり指針を、本年六月には、環境軸の展開に必要な配慮すべき事項などをまとめた環境軸ガイドラインを策定いたしました。今後とも、水と緑で包まれた美しいまち東京を復活させるために、環境軸の形成や民設公園制度の活用など、さまざまな施策を展開してまいります。次に、良好な景観の形成でございます。昨年度、美しく風格のある首都東京を実現するために、東京都景観計画を策定し、東京都屋外広告物条例及び施行規則の改正を行いました。今後とも、建築物などについての景観誘導と屋上広告物などの広告物規制を一体的に行い、風格と魅力ある東京の再生に努めてまいります。続きまして、5の住宅施策の推進でございます。まず、新たな住宅政策の展開でございます。本年三月、今後十年間の住宅政策の目標と基本的施策を具体化し、体系的に推進していくため、新たな東京都住宅マスタープランを策定いたしました。今後は、このマスタープランに基づき、成熟した都市にふさわしい豊かな住生活を実現するために必要な取り組みを重点的に展開してまいります。次に、民間住宅施策の推進でございます。民間住宅建設市場の構造改革を図り、広くて質がよく低廉な戸建て住宅の供給を促進するため、東村山市本町地区において、住宅の本体工事費を三割程度引き下げる実証実験の取り組みを進めており、本年三月から一部区域におきまして入居を開始いたしました。このほか、マンションの長寿命化、建てかえ円滑化や、安心して取引できる戸建て中古住宅市場の環境整備など、民間住宅施策を推進してまいります。次に、都営住宅の適切な管理運営でございます。都営住宅につきましては、使用承継を認める対象を原則として配偶者に限るなど、真に住宅に困窮している人に、都営住宅をより的確に供給するよう努めてまいりました。また、さきの第二回都議会定例会で、暴力団員の入居を排除する規定を盛り込んだ条例の改正案が可決され、施行されました。今後とも、都営住宅が都民共有のセーフティーネットとして一層有効に機能するよう、管理制度の抜本的改革を推進してまいります。また、老朽化した都営住宅の建てかえを着実に進めるとともに、適切な営繕を行うことにより、約二十六万戸のストックを維持更新してまいります。最後になりますが、6の建築行政の展開でございます。建築物の安全性の向上を図るため、確認、検査はもとより、定期報告制度を確実に実施するなど、建築規制の実効性の確保に努めてまいります。また、都民が安全で安心して暮らせるよう、建物の耐震強化を促進するなど、まちづくりと連動した建築行政の推進に取り組んでまいります。これまで申し述べました主要課題に局全体が一丸となって取り組むことによりまして、首都東京の活力と魅力を高め、都民生活の質の向上を図ってまいります。続きまして、総務部長から所管事業の詳細につきましてご説明をさせていただきます。 # 安藤総務部長 安藤総務部長ただいま局長から都市整備局の主要課題をご説明申し上げましたので、私からは、お手元の資料2、事業概要に基づきまして、当局の所管事業の概略をご説明申し上げます。まず、五ページをお開きください。局の役割でございます。東京が成長、成熟を経て、二十一世紀にふさわしい機能的で魅力的な都市に再生していくため、住み・働く場としての都市の再生、首都東京を支える都市基盤の整備、大都市の安全を高め安心を確保する都市づくり、快適な都市環境の整備、住宅施策の推進、建築行政と開発規制の六つの施策を柱に、迅速かつ実効性ある都市整備を進めております。次に、八ページをごらんください。局の組織でございますが、本庁七部、事業所七所で構成されております。本庁には、総務部、都市づくり政策部、住宅政策推進部、都市基盤部、市街地整備部、市街地建築部及び都営住宅経営部の七部がございます。また、事業所は、次の一〇ページにございますように、第一及び第二区画整理事務所、再開発事務所、多摩建築指導事務所、東部、西部の二つの住宅建設事務所、ページの中ほどとなります、課相当の多摩ニュータウン整備事務所の計七カ所でございます。次に、一五ページをごらんください。部課別の職員定数を一覧表にしてございます。左上の合計欄に記載しておりますように、当局の職員定数は、平成十九年四月一日現在、一千二百二十一名でございます。続いて、一七ページをごらんください。平成十九年度の予算規模でございますが、下段の表にありますように、一般会計が二千七百四十億円余、特別会計が二千二億円余、公営企業会計が三百八十五億円余、総合計で五千百二十八億円余でございます。続きまして、三九ページをお開きください。都市整備に関する基本的な計画でございますが、このページの東京の新しい都市づくりビジョンのほか、四二ページの都市計画のマスタープラン、四四ページの土地利用に関する基本的な計画、五三ページの東京都住宅マスタープランなどを記載してございます。続きまして、各事業の概要を、順にご説明申し上げます。恐れ入りますが、六一ページをお開きください。東京の都市構造と拠点整備の推進についてでございます。東京の都市整備を戦略的に促進するため、都心、副都心、核都市に、品川、秋葉原の二つの新拠点を加えた地区において、地域の特徴を生かした魅力ある都市整備を進めております。まず、六四ページをごらんください。都心の整備でございます。ビジネス機能の強化や首都東京を象徴する景観の形成など、大手町・丸の内・有楽町地区の再生を進めております。次に、六六ページをごらんください。副都心の整備でございます。下段に、渋谷駅周辺地域の整備について記載してございます。駅施設の機能更新と周辺都市基盤の再編を進め、にぎわいと回遊性を備えた、歩いて楽しい安全・安心な都市空間の形成に向けて取り組んでおります。次に、六八ページをごらんください。新拠点の整備のうち、品川駅周辺地域の整備についてでございます。歴史的資産や水辺空間など、これらの地域資源を生かした今後のまちづくりについて記載しております。次に、七三ページをごらんください。多摩ニュータウンについてでございます。多摩ニュータウンは、今日では職と住のバランスのとれた、ゆとりある地域が形成されております。建設事業につきましては、一部を除き終了したことから、都は宅地の販売、活用を通して、業務施設の誘致などにより多機能複合都市として育成していくなど、広域自治体としての役割を果たしているところでございます。続きまして、七八ページをごらんください。民間活力を生かしたまちづくりプロジェクトの推進についてでございます。都営住宅の建てかえなどにより生み出された用地を活用しながら、民間プロジェクトによるまちづくりを推進しており、東村山市本町地区、勝どき一丁目地区などを記載しております。続いて、八二ページをごらんください。都主体の市街地整備事業の推進についてでございます。公共施設の整備促進、密集市街地解消など東京の市街地が抱える課題を解決するため、公共性が高く、民間では実施が困難なものについて、都が主体となって事業を実施し、都市機能の更新や防災性の向上に取り組んでおります。このページの下段から八五ページまでは、汐留地区などの大規模跡地開発土地区画整理事業、瑞江・篠崎周辺地区などの既成市街地再整備土地区画整理事業、さらに豊洲地区、晴海地区などにおける臨海部土地区画整理事業を記載しております。八六ページ中段からは、亀戸・大島・小松川地区などの防災関連市街地再開発事業、大橋地区などの都市施設整備再開発事業を記載しております。次に、九〇ページをごらんください。道路整備と一体的に進める沿道まちづくりでございます。都市計画道路の整備に合わせて、民間活力を誘導しつつ沿道の効率的な土地利用を図るため、現在、東池袋地区などにおいて事業を進めております。続きまして、九五ページをごらんください。地域が主役のまちづくりの推進についてでございます。下段にございます街区再編まちづくり制度は、土地の有効利用を図りながら共同化などを促進し、街区単位で魅力ある街並み形成を進めることを目的としております。続きまして、一〇四ページをお開きください。道路網の整備についてでございます。このページから一〇七ページまでは、区部及び多摩地域の都市計画道路について、事業化計画や整備状況などを記載しております。また、一〇七ページの中段からは、都市高速道路について、中央環状品川線や東京外かく環状道路の整備などについて記載しております。次に、一一三ページをごらんください。新たな鉄道、新交通システムの整備についてでございます。日暮里・舎人ライナーについては、平成十九年度末の開業に向けて事業を進めております。次に、一一七ページをごらんください。航空政策の推進でございます。このページから一一九ページにかけましては、羽田空港の再拡張、国際化、横田飛行場の民間航空利用と空域の返還など、首都圏の空港機能の充実に向けた取り組みについて記載しております。次に、一二〇ページをごらんください。物流対策等の推進でございます。総合物流ビジョンに基づく物流効率化の推進や物流拠点の整備支援などについて、記載しております。続きまして、一二七ページをお開きください。木造住宅密集地域の整備でございます。防災都市づくり推進計画に基づきまして、重点整備地域を中心に、延焼遮断帯や防災都市基盤、避難場所の整備などを進めております。次に、一三一ページをごらんください。建築物等の安全性の向上でございます。本年三月に策定した耐震改修促進計画に基づき、緊急輸送道路沿道建築物や防災上重要な建築物等の耐震化を進めております。次に、一四〇ページをごらんください。総合的な治水対策の推進でございます。近年の集中豪雨の頻発を踏まえ、ハード、ソフト両面からの取り組みの方向性を明らかにした東京都豪雨対策基本方針を策定し、総合的な治水対策の見直しを進めております。続きまして、一四五ページをお開きください。東京らしいみどりをつくる新戦略でございます。みどりの新戦略ガイドラインの策定に加え、民設公園制度の創設、都市計画公園・緑地の整備方針や、公開空地等のみどりづくり指針に基づく取り組みなど、東京らしい緑づくりについて記載しております。次に、一五二ページをごらんください。環境軸の形成でございます。本年六月に環境軸ガイドラインを策定し、道路、公園、河川などの都市施設整備を契機とした周辺のまちづくりの中で一体的に形成される広がりと厚みを持った豊かな緑、オープンスペース、良好な景観を備えた緑豊かな都市空間のネットワークづくりに取り組んでおります。次に、一六一ページをごらんください。良好な景観の形成でございます。本年三月に東京都景観計画を策定し、良好な景観の形成に関する方針を明示するとともに、施策の体系化を図ったところでございます。景観基本軸の指定などによる良好な景観形成への誘導、眺望景観の保全や歴史的建造物の選定、保存に係る取り組み、地域の個性や魅力を生かした広告景観の創出などについて記載しております。次に、一六七ページをごらんください。ユビキタス技術を活用したまちづくりの推進でございます。いつでも、どこでも、だれでもが、必要な情報をその場で手軽に得ることのできる社会の実現に向け、最先端の技術を活用したまちづくりの実証実験に取り組んでおります。続きまして、一七一ページをお開きください。マンション施策の総合的な推進でございます。今後、老朽化したマンションの急増が見込まれる中、居住環境の向上と都市再生に向け、良質なストック形成を図る取り組みとして、「マンション建替えガイドブック」の作成やマンション改良工事助成の実施など、総合的なマンション施策を推進しております。次に、一七三ページをごらんください。良質で多様な住宅の供給誘導でございます。広くて質がよく低廉な戸建て住宅の供給促進に向けた取り組みとして、東村山市本町地区プロジェクトにおける実証実験について記載しております。また、一七四ページには、安心して取引できる戸建て中古住宅市場の形成促進などについて記載してございます。次に、一七七ページをごらんください。シルバーピア事業、とうきょうハートフル民間賃貸住宅制度など、高齢者向け住宅対策の推進について記載しております。次に、一七九ページをごらんください。賃貸住宅紛争防止条例の制定、宅地建物取引業法に基づく免許の交付、指導に関する事務事業など、不動産取引に対する施策について記載してございます。次に、一八三ページをごらんください。都営住宅等の供給でございます。住宅困窮者の住まいを確保するため、公営住宅法に基づき、都営住宅等を整備、供給しております。まず、一八四ページ下段の、都営住宅建てかえ事業として、昭和三十年代以前に建設した都営住宅を中心に、計画的な建てかえを実施しております。また、一八六ページ下段にありますとおり、昭和四十年代に建設した住宅は戸数が多く、建てかえに長期間を要することが予測されるため、スーパーリフォーム事業に取り組んでおります。次に、一八九ページをごらんください。都営住宅等の管理でございます。中段の表にございますとおり、平成十九年三月末現在の管理戸数は、約二十六万四千戸となっております。続いて、このページから一九七ページまでは都営住宅の入居者の募集、使用料及び入居後の居住者の指導など、都営住宅の管理について記載しております。続いて、一九七ページをごらんください。中段から次のページにかけて、都営住宅が、都民共有のセーフティーネットとして一層有効に機能するよう取り組んでいる都営住宅の管理制度の改革について記載しております。続きまして、二〇七ページから二一四ページまでは、建築基準法及びその他の関係法令による建築計画の確認、許可、指導などについて記載しております。二一五ページからは、建設業法に基づく建設業者の指導育成と、建築士法に基づく建築士の指導育成について記載しております。さらに、二一八ページからは、宅地造成等規制法に基づく宅地開発に対する規制などについて記載しております。次に、二二五ページをごらんください。このページ以降は資料編となっておりまして、本編の記述に対応した基本的な資料を掲載してございます。最後に、お手元の資料3、東京都監理団体等運営状況によりまして、当局所管の団体についてご説明申し上げます。表紙の次のページをお開き願います。都が二五%以上の出資等を行っている当局所管の団体は、公益法人では、東京都住宅供給公社、東京都新都市建設公社、株式会社では、東京臨海高速鉄道、多摩ニュータウン開発センター、多摩都市モノレール、東京地下鉄、日本自動車ターミナル、東京スタジアム、建設資源広域利用センター、首都高速道路がございます。これらの団体の詳細につきましては、後ほど資料をごらんいただきたいと存じます。各委員の皆様方におかれましては、これらの団体が都の事務事業等を代行、補完し、都民サービスの向上に一定の役割を果たしていることをご理解いただき、これらの団体の健全な発展のため、今後ともご指導、ご支援くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。以上、簡単でございますが、当局の事務事業につきましての説明とさせていただきます。 # 村上委員長 村上委員長説明は終わりました。この際、資料要求のある方はご発言願います。 # 立石委員 立石委員六月以後の都内における住宅着工件数下落率、いわゆる六月二十日から施行された建築基準法の改正に基づく関連の資料、わかるものを提出してください。 # 植木委員 植木委員都及び区市が実施している木造あるいはマンションなどの耐震診断、耐震改修の実績、それから都内の自動車保有台数の推移を十年間、世界の主要都市における鉄道及び軌道の輸送力に関しての国際比較。それから都市再生関係で、国及び東京都の都市再生特別措置法や都市計画法、建築基準法、環境影響評価など一連の制度改正とその内容について、この十年程度お示しいただきたいと思います。それから、都市再生特別地区の指定区域概要及び相談地区数、都市再生緊急整備地区内の主な開発計画の件数、延べ床面積、高さ百メートル以上の大規模建築物の建設状況と、その中で都市再生緊急整備地区指定地域内のものも指摘してください。それから、都心三区、都心五区、二十三区の業務床面積の推移、主要環状道路の事業費及び進捗状況と出資金、貸し付けについてお示しください。以上です。 # 河野委員 河野委員七点お願いします。一点目が、都営住宅、公社住宅などの建設実績、十年間。二点目が、都内の最低居住水準未満及び誘導居住水準未満の住宅について、民間は持ち家、賃貸に分けて、公共は公営、公社、機構住宅に分けてお願いします。三点目が、都営住宅、公共住宅のエレベーター設置状況と今後の計画について。四点目は、公営住宅の使用承継制度について、全国の都道府県及び政令都市での状況について。五点目は、二〇〇六年八月に国土交通省が発表した、公営住宅法施行令等の一部改正についてに基づいて収入基準が変更された場合、現在の入居者で推計した場合に、どれだけの都営住宅住民が対象外になるか、階層などケースごとにお願いします。六点目、都施行、土地区画整理事業の地区別の施行面積、総事業費、過去五年の予算の推移。七点目、生産緑地の買い取り申請の件数、面積と、買い取り後の状況、過去十年間。以上です。 # 藤井委員 藤井委員四点お願いします。まず、羽田空港跡地利用計画についてですが、都の取り組みについてわかるもの。具体的には、共同調査並びに跡地利用基本計画の進捗状況等についてわかるものをお願いいたします。二点目は、羽田空港アクセス整備計画についてでございます。概要をお示しいただければと思います。三点目は、京浜急行高架化事業の進捗状況並びに今後の計画等について、わかるものをお願いいたします。四点目は、木造住宅耐震化促進事業の中で、一つは、耐震診断助成の実績、十八年度並びに今年度の途中までわかるものを。二番目は、耐震改修建てかえ助成の同じく実績がわかるものをお願いいたします。以上です。 # 松下委員 松下委員都営住宅における駐車場の有無と、駐車場がある場合は駐車料金についての現状、そして今後の都営住宅における駐車場の取り組みについて教えてください。 # 村上委員長 村上委員長ほかに、よろしいでしょうか。ただいま、立石委員、植木委員、河野委員、藤井委員、松下委員から資料要求がありました。これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 村上委員長 村上委員長異議なしと認めます。よって、理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。以上で都市整備局関係を終わります。これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。午後一時三十八分散会
2024-03-31T11:23:40.496639Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/707982?Template=document&Id=7149#one
--- title: 平成19年都市整備委員会 名簿・議事日程 # 平成十九年十月十六日(火曜日)第六委員会室出席委員十四名委員長村上英子君副委員長吉倉正美君副委員長大塚たかあき君理事きたしろ勝彦君理事松下玲子君理事新藤義彦君鈴木章浩君河野百合恵君高橋信博君泉谷つよし君植木こうじ君立石晴康君相川博君藤井一君欠席委員なし出席説明員都市整備局局長只腰憲久君次長泉本和秀君技監福島七郎君理事河島均君総務部長安藤明君都市づくり政策部長野本孝三君住宅政策推進部長松村光庸君都市基盤部長升貴三男君市街地整備部長宮村光雄君市街地建築部長金子敏夫君都営住宅経営部長小林計代君企画担当部長村尾公一君住宅政策担当部長瀬良智機君外かく環状道路担当部長遠藤正宏君民間開発担当部長座間充君多摩ニュータウン事業担当部長今井光君都市景観担当部長安井順一君建設推進担当部長山室善博君参事中山正雄君参事瀧本裕之君参事宇多田裕久君参事庄司貞夫君参事小澤弘君参事並木勝市君参事清水文夫君参事荒川達夫君本日の会議に付した事件都市整備局関係事務事業について(説明)
2024-03-31T11:23:42.786686Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/707982?Template=document&Id=7148#one
--- title: 平成19年都市整備委員会 本文 # 午後二時十五分開議 # 新藤座長 新藤座長ただいまから都市整備委員会を開会いたします。先ほどの本会議において、議長から役員互選のための委員会が招集されました。委員長互選の職務は年長の委員が行うことになっております。私が暫定座長を務めさせていただきます。初めに、委員会条例第七条の規定により、委員長の互選を行います。その方法はいかがいたしましょうか。 # 泉谷委員 泉谷委員座長の指名推選の方法によることとし、直ちに指名していただきたいと思います。 # 新藤座長 新藤座長ただいまの動議にご異議ございませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 新藤座長 新藤座長異議なしと認めます。よって、委員長には、村上英子委員をご指名申し上げます。これに異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 新藤座長 新藤座長異議なしと認めます。委員長には、村上英子委員が当選されました。委員長から就任のごあいさつがあります。〔新藤座長退席、村上委員長着席〕 # 村上委員長 村上委員長ただいま座長から就任のご指名をいただきました村上英子でございます。都民が安心して暮らせる安全なまちをつくるため、この委員会では多くの諸課題がありますけれども、委員の皆さん及び理事者の皆さんのご協力をいただいて、一年間、スムーズな委員会の運営をしてまいりたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。 # 村上委員長 村上委員長引き続いて副委員長の互選を行います。副委員長の数及び互選の方法はいかがいたしましょうか。 # 泉谷委員 泉谷委員副委員長の数は二名とし、委員長から指名していただければと思います。 # 村上委員長 村上委員長ただいまの動議にご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 村上委員長 村上委員長異議なしと認めます。よって、副委員長には、吉倉正美委員、大塚たかあき委員をご指名申し上げます。これにご異議ございませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 村上委員長 村上委員長異議なしと認めます。副委員長には以上の方々が当選されました。副委員長から、それぞれ就任のごあいさつがあります。 # 吉倉副委員長 吉倉副委員長ただいま副委員長にご推挙いただきました吉倉正美でございます。委員長をしっかりと補佐いたしまして、円滑な委員会運営のために全力で取り組んでまいります。どうぞよろしくお願いいたします。 # 大塚副委員長 大塚副委員長同じく副委員長に指名をいただきました民主党の大塚たかあきでございます。村上委員長を支え、皆さんとともに、すばらしい東京づくりに邁進してまいりたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。 # 村上委員長 村上委員長引き続いて理事の互選を行います。理事の数及び互選の方法はいかがいたしましょうか。 # 泉谷委員 泉谷委員理事の数は三名とし、委員長から指名していただければと思います。 # 村上委員長 村上委員長ただいまの動議にご異議ございませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 村上委員長 村上委員長異議なしと認めます。よって、理事には、きたしろ勝彦委員、松下玲子委員、新藤義彦委員をご指名申し上げます。これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 村上委員長 村上委員長異議なしと認めます。理事には以上の方々が当選されました。 # 村上委員長 村上委員長次に、議席についてお諮りいたします。議席は、例によりまして正副委員長を正面とし、理事、委員は議場の議席順といたしたいと思いますが、いかがでしょうか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 村上委員長 村上委員長異議なしと認めます。よって、議席はそのように決定いたしました。 # 村上委員長 村上委員長次に、本委員会の担当書記をご紹介いたします。議事課の担当書記は、秋山安彦君、江口慎一郎君。議案法制課の担当書記は、中村亮君。よろしくお願いいたします。〔書記あいさつ〕 # 村上委員長 村上委員長以上をもちまして本日の委員会を閉会いたします。午後二時十九分散会
2024-03-31T11:23:44.813230Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/707982?Template=document&Id=7147#one
--- title: 平成19年都市整備委員会 名簿・議事日程 # 平成十九年十月五日(金曜日)第六委員会室出席委員十四名委員長村上英子君副委員長吉倉正美君副委員長大塚たかあき君理事きたしろ勝彦君理事松下玲子君理事新藤義彦君鈴木章浩君河野百合恵君高橋信博君泉谷つよし君植木こうじ君立石晴康君相川博君藤井一君欠席委員なし本日の会議に付した事件委員長の互選副委員長の互選理事の互選議席について
2024-03-31T11:23:45.534891Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/707982?Template=document&Id=7146#one
--- title: 平成19年厚生委員会 本文 # 午後一時一分開議 # 野上委員長 野上委員長ただいまから厚生委員会を開会いたします。初めに、意見書について申し上げます。過日の委員会で理事会にご一任いただきました意見書三件につきましては、調整がつかなかった旨、議長に報告すべきであるとの結論になりましたので、ご了承願います。 # 野上委員長 野上委員長本日は、お手元配布の会議日程のとおり、付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。これより付託議案の審査を行います。第百九十八号議案から第二百号議案までを一括して議題といたします。本案につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。これより採決を行います。第百九十八号議案から第二百号議案までを一括して採決いたします。お諮りいたします。本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 野上委員長 野上委員長異議なしと認めます。よって、第百九十八号議案から第二百号議案までは、いずれも原案のとおり決定いたしました。以上で付託議案の審査を終わります。 # 野上委員長 野上委員長次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。本日までに決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 野上委員長 野上委員長異議なしと認め、そのように決定いたしました。 # 野上委員長 野上委員長この際、所管局を代表して、安藤福祉保健局長から発言を求められておりますので、これを許します。 # 安藤福祉保健局長 安藤福祉保健局長お許しをいただきまして、当委員会所管両局を代表いたしまして、御礼のごあいさつを申し上げます。本定例会でご提案申し上げました議案につきましては、ただいまご決定をいただき、まことにありがとうございました。ご審議の過程でちょうだいいたしました貴重なご意見、ご指摘等につきましては、今後の事業執行に反映させてまいりたいと存じます。また、病院経営本部とも、より一層緊密に連携を強めまして、さらなる施策の充実に努めてまいる所存でございます。今後ともよろしくご指導、ご鞭撻のほどをお願い申し上げまして、御礼のごあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。 # 野上委員長 野上委員長発言は終わりました。これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。午後一時三分散会
2024-03-31T11:23:46.549828Z
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--- title: 平成19年厚生委員会 名簿・議事日程 # 平成十九年十二月十七日(月曜日)第七委員会室出席委員十四名委員長野上純子君副委員長山加朱美君副委員長かち佳代子君理事くまき美奈子君理事長橋桂一君理事野島善司君西崎光子君大松成君佐藤広典君田代ひろし君石毛しげる君野村有信君佐藤裕彦君吉田信夫君欠席委員なし出席説明員福祉保健局局長安藤立美君総務部長杉村栄一君病院経営本部本部長秋山俊行君経営企画部長及川繁巳君本日の会議に付した事件意見書について付託議案の審査(決定)・第百九十八号議案東京都児童相談所条例の一部を改正する条例・第百九十九号議案東京都心身障害者扶養共済制度条例・第二百号議案大気汚染に係る健康障害者に対する医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例請願陳情の継続審査について特定事件の継続調査について
2024-03-31T11:23:49.788046Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/772370?Template=document&Id=8108#one
--- title: 平成19年厚生委員会 本文 # 午後一時一分開議 # 野上委員長 野上委員長ただいまから厚生委員会を開会いたします。初めに、意見書について申し上げます。委員から、お手元配布のとおり、意見書三件を提出したい旨の申し出がありました。お諮りいたします。本件につきましては、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 野上委員長 野上委員長異議なしと認め、そのように決定いたしました。 # 野上委員長 野上委員長本日は、お手元配布の会議日程のとおり、福祉保健局関係の契約議案の調査及び付託議案の審査、並びに病院経営本部関係の報告事項に対する質疑及び陳情の審査を行います。契約議案について申し上げます。契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分につきまして、議長から調査依頼がありました。本件につきましては、調査結果を財政委員長に報告することになっております。公文の写しはお手元に配布してあります。朗読は省略いたします。平成十九年十二月十二日東京都議会議長比留間敏夫厚生委員長野上純子殿契約議案の調査について(依頼)左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。記1調査議案第二百七号議案東京都医学系総合研究所(仮称)(H十九)I期新築電気設備工事請負契約第二百八号議案東京都医学系総合研究所(仮称)(H十九)I期新築空調設備工事請負契約2提出期限平成十九年十二月十四日(金) # 野上委員長 野上委員長これより福祉保健局関係に入ります。初めに、契約議案の調査を行います。第二百七号議案及び第二百八号議案を一括して議題といたします。本案につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。発言を願います。〔「なし」と呼ぶ者あり〕 # 野上委員長 野上委員長発言がなければ、お諮りいたします。本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議はありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 野上委員長 野上委員長異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。この際、本案に対して意見のある方は発言を願います。 # かち委員 かち委員第二百七号議案及び第二百八号議案について意見を述べます。両議案は、いずれも東京都医学系総合研究所(仮称)平成十九年I期新築工事に伴う電気設備工事と空調設備工事請負契約であります。我が党は、三定議会での当委員会で、本体である医学系総合研究所新築工事は、臨床医学総合研究所、精神医学総合研究所、神経科学総合研究所の移転統合計画は、当該の研究者、関係者による検討が不十分なまま決定されたものであることを指摘し、とりわけ、三研究所の統合移転によって、都立病院、臨床現場から研究所が切り離されてしまうデメリットや、統合によって研究室の面積も縮小される中で不安定な有期雇用の研究員を重視するものであり、研究機能の強化という建前からも逆行するものであるという観点から反対をいたしました。よって、それに付随する今回提案された二件の工事請負契約については反対であることを表明いたします。以上です。 # 野上委員長 野上委員長発言は終わりました。お諮りいたします。本案については、ただいまの意見を含め、委員長において取りまとめの上、財政委員長に報告したいと思いますが、これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 野上委員長 野上委員長異議なしと認め、そのように決定いたします。以上で契約議案の調査を終わります。 # 野上委員長 野上委員長次に、付託議案の審査を行います。第百九十八号議案から第二百号議案までを一括して議題といたします。本案につきましては、既に説明を聴取しております。その際、要求いたしました資料はお手元に配布してあります。資料について理事者の説明を求めます。 # 杉村総務部長 杉村総務部長過日の厚生委員会でご要求のありました資料につきまして、お手元の厚生委員会要求資料にまとめてございますので、ご説明申し上げます。資料は、目次にございますように、全部で三項目となっております。それでは、順を追って説明させていただきます。まず、一ページをお開き願います。川崎市における成人ぜんそく患者に対する医療費助成制度の概要といたしまして、目的、対象疾病、対象者などの内容を記載してございます。二ページをお開き願います。東京都大気汚染医療費助成制度の概要といたしまして、目的、対象疾病及び対象年齢などの区分ごとに、現行と改正案の内容をそれぞれ記載してございます。三ページをごらん願います。心身障害者扶養共済制度(全国制度)の保険料といたしまして、加入時の年齢ごとに、平成二十年三月までと平成二十年四月以降の保険料月額について、それぞれ記載をしてございます。以上、簡単ではございますが、ご要求のありました資料につきましてご説明申し上げました。よろしくお願いを申し上げます。 # 野上委員長 野上委員長説明は終わりました。ただいまの資料を含めまして、これより付託議案に対する質疑を一括して行います。発言を願います。 # 田代委員 田代委員大気汚染の医療費助成の条例の一部改正について質問したいと思います。平成八年に第一次訴訟が提訴されてから、足かけ十一年にわたって東京大気汚染訴訟、これが去る八月八日に和解したわけですけども、平成十四年の一審判決の際に、知事は、国の自動車の排出ガス規制責任を認めないなど、判決の内容が、あるいは論理は承服できない、こういう意見だったわけですが、何といっても健康被害者の救済と自動車の排出ガスの対策の強化を早急に実施しなくちゃならない、これが行政の使命であるということで控訴しないことを決定して、我が党は強くそれを支持したわけであります。その後、原告並びに道路管理責任が認められた国、そして首都公団は控訴しましたけども、昨年の第三回定例会における我が党の質問に対して、知事は、被害者の救済を最優先して、社会全体の課題として取り組むことをしたいという答弁をいただいて、我が党はこれを高く評価したわけであります。これを契機に和解交渉が急速に進展していきましたが、この和解の大きな柱となっているのが、東京都が提案した医療費助成制度というわけであります。そこで、まず初めに、東京大気汚染訴訟の所管は、これは知事本局というのが一番、第一義で、知事本局がやらなくてはならないわけですけども、ここは厚生委員会ですから、そこの点ではなくて、医療費助成制度を所管する福祉保健局として、今度の制度創設の意義をどう認識しているのかということを伺いたいと思います。 # 金丸参事 金丸参事今回、東京大気汚染訴訟の和解に基づき実施することとなった気管支ぜんそくを対象とする医療費助成制度は、過去の大気汚染訴訟の和解では、被害者救済のための財政負担を行ったことのない国や首都高速道路株式会社、さらには平成十四年の一審判決に勝訴した自動車メーカーも、その社会的責任に基づき財政負担に応ずることによって創設されるものでございます。本制度の意義は、こうした関係当事者の総意により、大気汚染による健康被害を受けた都民の一日も早い救済を図るものであると認識しております。 # 田代委員 田代委員こういう被害者の方々、疾病を受けていらっしゃる方々を助成するということは、一番大切だということですよね。何といってもこれを第一義にしなくちゃならないわけですけど、こうした医療費助成制度というのは、国民の生命を守る国がその責任において構築すべきものと考えているわけですけども、東京都においては知事と議会が両輪となって、過去の公害訴訟の先例にとらわれない、そういう動きの遅い国をも巻き込んで東京都がリーダーシップを発揮して和解に至った。これは、大変、都市型の環境問題を考える上で大きな意義があると考えます。私も、この委員会では、随分アレルギーと大気汚染の話をしてきましたけども、大気汚染の問題については、平成十三年になりますけども、予算特別委員会で、山崎孝明、今の江東区長が、自動車メーカーの社会的責任として新しい自動車税の創設を提案するなど、我が党も、社会的責任、この解決を訴えてまいりました。そういう意味で今回の新たな医療費助成制度は、私どもの主張と大変合致するものと考えております。また、自動車排気ガスによる大気汚染問題の難しさというのは、都民の一人一人が被害者であると同時に、またある意味では、同時に加害者にもなり得るということで、財政的な問題も考えずに、ただやみくもに医療費助成の範囲を拡大することだけで解決が図られるわけではないわけです。そもそも、この四疾病を助成対象とした現行条例が制定された昭和四十七年度当時の大気汚染の原因物質というのは、工場などの固定された発生源から排出される硫黄酸化物が中心でありました。しかし、その後、固定された、決まった場所の、発生する場所による大気汚染というものは逆に改善されていって、現在では、今度は移動する、固定していない、自動車などの移動発生源から排出される窒素酸化物や浮遊粒子状物質などが問題になっている。花粉症なんかもそうですね。自動車から排出されるガスによって健康被害、これが平成八年に、今回の訴訟の発端となる第一次の提訴が行われたわけであります。そして、先ほど申し上げた平成十四年度の一審判決では、気管支ぜんそくの発症、増悪と自動車排出ガスとの因果関係が一部認められたわけであります。制度改正に当たっては、このような状況変化を踏まえた対応も当然必要でありますし、この点については、改正条例案では、大気汚染の影響があると推定される疾病の範囲を基本的には気管支ぜんそくとして、次に十八歳未満の方々について、現行の慢性気管支炎、ぜんそく性気管支炎、肺気腫の三疾病についても助成対象としているわけです。今回のこの改正条例案の対象となった疾病の基本を気管支ぜんそくとしたその考え方を教えていただきたいと思います。 # 金丸参事 金丸参事今回の条例改正は、八月に合意された和解条項を受けて、現行四疾病のうち気管支ぜんそくについて、助成対象を全年齢に拡大するために行うものでございますが、ご指摘の大気汚染の状況変化や、平成十四年の一審判決において気管支ぜんそくの発症、増悪と自動車排出ガスとの因果関係が一部認められたことを踏まえまして、公費による医療助成の範囲として、対象疾病を気管支ぜんそく及びその続発症としたものでございます。その上で、十八歳未満については、三十年余にわたって現行の制度を実施してきた経緯や、現に、少数ながらぜんそく性気管支炎と慢性気管支炎の認定患者が存在することを考慮いたしまして、引き続き、気管支ぜんそく以外の三疾病についても助成対象としているものでございます。 # 田代委員 田代委員この認定は大変な作業だと思いますけども、しっかりとサポートしていただきたいと思います。そして、今回の条例改正のもう一つのポイントというのは、五年後の見直しについて規定されているわけですけども、成人の方の気管支ぜんそくの多くは慢性疾患でありまして、さっと治ってしまうというのはなかなかないわけですね、難しい病気です。そのために、五年後の制度廃止を危惧する声、こういうのが出ているわけですけど、まさか病気がその五年でさっと治るなんていうことはあり得ないので、制度廃止なんていうことはあり得ないと思いますが、そういう心配をなさる方もいらっしゃるわけで、この条例の附則に、施行後五年を経過した時点で、その条例の施行状況の検証を行い、その結果に基づいて見直しを行うと。見直しもいろんな見直しがあると思うんですね、前向きな見直し、いろんなのがあると思いますけども、五年後の制度廃止なんていうことは到底あり得ないと思いますが、この点について伺いたいと思います。 # 金丸参事 金丸参事改正条例案の附則もまた、本年八月に合意されました和解条項を受けたものでございまして、五年を経過した時点で医療費助成の実施状況等を検証し、あわせて、都内の大気汚染の改善状況や現在国が進めております大規模疫学調査を初めとする各種調査研究の結果、さらには、医療保険制度等の社会経済の動向等を総合的に勘案いたしまして制度のあり方を見直していくというものでございます。五年後の制度廃止を前提としたものではございません。 # 田代委員 田代委員安心しました。中には、五年でこれが終わっちゃうなんてわけのわからない話になっているところもあるみたいですけれども、そういうことがないように、やっぱりこれは説明をしっかり徹底していくということだと思うんですね。今現在、この大気汚染、大きな問題になっているわけです、環境問題として。それで、これが健康に対していろいろな影響がある。しかし、これがエビデンスをもって解明されているわけじゃない。そういう中で一刻も早く苦しんでいる人たちを救済しようという、そういう新しい制度を創設するわけですから、やみくもにお金を突っ込めばいいということではなくて、やはり費用対効果をしっかり見ていただかなくてはならない。当然見直しということはしなくちゃならないことですから、これは実行していただきたい。そして、この制度を所管する福祉保健局としては、こういう検証を国の疫学的調査に任せるだけではなくて、東京都も引き続きこういうものに取り組んで、治験の積み上げに一層進んでいただきたいと思います。知事は、さきの所信表明で、新しい医療費助成の開始を来年八月、なかなか、待っている人はたくさんいて、早くやっていただきたいということはありますけど、こういうものを始めるとなると、認定から新たな作業、我々が考えても膨大な作業量になると思うんですが、果たして本当に八月に間に合うのかどうか。ただただ急ピッチでやって変なものができては困るわけでありまして、かといってゆっくりされては困るということで、かなり思い切った早目の実現に向けてのお話をいただいているわけですけど、この点について最後にお尋ねしたいと思います。 # 金丸参事 金丸参事本制度改正では、制度の対象が数万人規模に及ぶこともありまして、実施に当たっては区市町村や医師会等の関係機関の協力が不可欠でございますが、これらの機関との調整や必要な事務手続などには、どうしても一定の時間が必要となります。また、各種システムの改修や、都民及び医療機関に対する周知にも十分な時間を確保する必要がありますので、当初から制度開始までには相当の時間を要するものと想定しておりました。その一方で、一日も早い助成開始を待っている方々の期待に何とかこたえられないかと、施行までの時間短縮を模索してまいりましたところ、今後、準備をさらに加速させることによって来年八月の施行が可能な状況になってまいりましたので、助成開始目途を八月としております。また、制度の導入直後は多くの申請が予想されますので、施行三カ月前の五月から事前申請を受け付け、認定審査を集中的に行うなどして、制度の円滑な実施に努めてまいりたいと存じます。 # 田代委員 田代委員そうなんですね。一刻も早く進めていただきたい、だけどミスは困るということで、なかなかこれは難しい注文をしているわけですけども、精力的に取り組んでいただきたいと思います。助成開始三カ月前の五月から事前申請を受け付ける、そういうお話でしたが、だとすると、実質的には来年度早々のスタートと変わらないわけですよね。この短い時間の中でどんどんどんどん進めていかなくちゃならない。しかし、こういう新しい制度の導入期というのは、申請の集中なんかによって窓口が大変混雑したり、あるいはなかなかご理解がいただけなくて、心配の余りいろんなトラブルになってしまう。こういうことがないように円滑に導入していくためには、やはり皆様方の努力というものがただ一つ必要なわけですから、ぜひとも精力的に取り組んで、早期の、しかも万全の体制をつくっていただくことを強く要望して、質疑を終わります。 # 大松委員 大松委員私からも、気管支ぜんそく患者の医療費助成制度について伺います。このたび議案になっております新たな医療費助成制度は、現在、十八歳未満の気管支ぜんそく患者に行われております助成の対象を、都内に住む十八歳以上のすべての成人患者に広げるという大変画期的なものでございます。改めて申し上げるまでもなく、この制度は、八月八日に成立いたしました東京大気汚染訴訟の和解条項に盛り込まれたものでございます。そして、この制度の基本的な考え方というものは、和解に先立ちまして東京高裁が出しましたこの勧告に示されているわけでございますけれども、自動車の排気ガスが大気を汚染し、人の健康や生活環境に影響を及ぼしているとして、自動車メーカー、国、道路管理者、さらに車社会の恩恵を受けている国民一般も社会的責任を受けとめるべきである、こうした考え方に基づくものでございまして、それぞれが財源を拠出する助成制度が示されているわけでございます。こうした新しい制度の創設は、十一年間にも及びます原告団の皆様方の闘争によって生み出されてきたものでございまして、原告団の皆様方のこの闘争に、私は深い敬意を表するものでございます。また、この和解の成立に向けまして、新しい制度を提案されました石原知事のリーダーシップを高く評価するものでございます。そこで、本日は、この歴史的な和解によりまして創設をされます新制度の円滑な実施に向け、何点か質問をいたします。まず、この新しい制度の周知の徹底が大切でございます。東京都の推計によれば、この制度の対象者は七万七千人にもなります。大変多い数になるわけでございますけれども、この認定を受けるべき人が、混乱なく、一人も漏れなく認定を受けられるように、きめ細かい対応が必要になってまいります。この認定の手続も、主治医が診断報告書を書いて、患者さんが申請をして医療券が発行されるということになるわけでございますので、特に医療機関には制度の仕組みをよく知っておいていただかなければなりません。そして、現在、治療を受けておられる方には、医療機関を通しましてお知らせをする、こういう周知の徹底方法になると思うわけでございますけれども、一方、この症状が安定をして、病院から遠ざかっている方も多くいらっしゃるわけでございます。中には経済的な理由などで受診を抑制している方もいらっしゃるわけでございまして、ぜんそくといいますのは、いつ発症し、悪化をするかわかりません。むしろこうした方にこそ、この新しい制度の周知の徹底が必要になるわけでございます。また、ぜんそく患者の四人に一人は六十五歳以上という統計がございます。高齢者には情報を入手する機会が少ない方が多く、こうした高齢者の皆様方にどう伝えていくかということも重要になるわけでございます。そこで、この制度の実施に当たりましては、都民及び医療機関に対して十分な周知徹底を図るべきであります。東京都の見解を伺います。 # 金丸参事 金丸参事申請主義をとる制度を実施する場合は、十分な事前広報を行うことが前提になるものと考えております。そのため、本制度実施に当たっては、「東京都広報」やホームページを初めとして、テレビやラジオの東京都提供番組での周知など、都の持つ広報媒体を活用して事前周知を行ってまいります。あわせて、ポスターや、見やすくわかりやすいリーフレットを作成して、医療機関や公共機関などでの掲示、配布を行いますとともに、区市町村の広報紙への掲載依頼や、マスコミへの積極的な情報提供にも努めてまいります。また、医師向けには、手引書を作成して都内の医療機関に配布することを予定しておりまして、可能な手段を駆使して都民や医療機関への制度周知を図ってまいります。 # 大松委員 大松委員さらに、この現行の制度で既に助成を受けていらっしゃる十八歳未満の患者さんへの周知につきましても大切でございます。十八歳になると助成が受けられない、このように思い込んだまま申請漏れにならないよう、この現行の制度から新しい制度へ移行されることになる患者さんには個別にお知らせを出すなど、万全の対応が行われるべきでございます。都の所見を伺います。 # 金丸参事 金丸参事新たな制度の実施に当たっては、ご指摘のとおり、現行制度の認定患者が必要に応じて確実に新制度を利用できるよう配慮することも重要だと考えております。そのため、今回の制度拡大に際しては、認定期間が二年間であることを考慮いたしまして、十六歳以上の認定患者全員に対して個別に制度改正に関するリーフレットを送付するなど、新制度への移行が円滑に進むよう、きめ細かく対応してまいります。 # 大松委員 大松委員今回の制度が創設をされれば、ぜんそくの医療費助成が成人にまで拡大されるわけでございますので、このことによりまして適正な受診が行われることにより、重症化の防止につながるものと期待をするものでございます。その上で、今回のこの制度の創設にあわせまして、ぜひやっていただきたい、やらねばならないことがございます。それは、ぜんそくの発生を少しでも抑えて、そしてぜんそくに関する知識や予防方法について都民に理解を広げる保健対策でございます。ぜんそくは大変つらい疾病、病気でございます。私は二十年間、環状七号線沿いの北区内に住んでおりますけれども、やはり近所にぜんそくの友人が何人かいらっしゃいました。以前、その友人がぜんそくであることを知らずに、電車に間に合うようにということで、駅まで一緒に走ったことがございました。そうしましたら、駅に着いてから吸引器を吸い始める姿を見まして、大変申しわけなく思ったことがございました。また、転地療養のために沖縄県に移り住んだ別の友人もいたわけでございます。実は、私も四十代になりましてから、ぜんそくになったわけでございます。以前から疲れると息苦しくなる、こういう症状が出ていたわけでありますけれども、子どものころからのアレルギー性鼻炎の延長ではないかと、こんなことで放置をしておりまして、その後風邪をこじらせましたときに、余りの苦しさに病院に駆け込んだところ、ぜんそくですと、このように診断をされて驚いたわけでございます。幸い治癒したと診断はいただきまして、以来、症状は落ちついておりますけれども、大変危険な病気なので自己管理を怠らないよう、医師から注意もいただいているわけでございます。ぜんそくという病気は、自覚症状がなくとも、気道で炎症が続いている慢性の病気であります。普段から定期的な治療と自己管理を続けることが不可欠であります。そこで、成人の気管支ぜんそく患者への保健対策を強化していかなければならないわけでございます。このことにつきまして、東京都の所見を伺います。 # 金丸参事 金丸参事気管支ぜんそくを適切にコントロールし、重症化を防止するには、患者さん自身の適正な受診と自己管理の重要性への理解が必要なことから、都はこれまでも、気管支ぜんそくに罹患した方々に対して、講演会やホームページなどを通じて正しい知識の普及に努めてきたところでございます。こうした取り組みに加えまして、今後、喫煙の問題や疾病コントロールの方法を紹介した成人向けのリーフレットを作成して、区市町村の協力を得て、医療費助成の申請機会を利用して配布するなど、今般の制度拡大にあわせて普及啓発を強化していく考えでございます。また、本制度を利用する方々の自己管理状況を把握するためのアンケートを行って、その結果を活用した効果的な事業を実施するなど、成人の気管支ぜんそく患者に対する保健対策の充実に向けて、引き続き努力してまいります。 # 大松委員 大松委員最後にもう一問伺います。今回の制度では七万七千人を対象といたしまして、東京都、国、首都高、自動車メーカーが五年間で二百億円を拠出することになっておりますけれども、都内のぜんそく患者はふえる傾向にございます。認定患者が七万七千人を超えるということも考えられるわけでありますけれども、その場合、拠出金がなくなったから認定は打ち切る、こういうことがないようにぜひしていただきたいわけでございます。この点につきまして東京都の見解を伺います。 # 金丸参事 金丸参事お話の二百億円は、都が和解に向け医療費助成制度を提案した際に、十八歳以上の気管支ぜんそく患者への医療費助成額として五年間に要する費用を試算したものですが、今後、保健医療に係る制度改正による影響や、急激な申請者の増加などによりまして、万が一、五年の間に医療費助成に要する費用が試算を上回ることになりました場合でも、和解条項を踏まえ、制度を維持してまいる考えでございます。 # 大松委員 大松委員石原知事は、今回の和解の際のコメントで、これですべてが終わるわけではないといたしまして、社会全体で大気改善に向けた決意を新たにすることが必要だと訴えておられます。石原知事は、既にディーゼル規制など画期的な施策を実現してこられました。このたびの医療費助成に加えまして、局の所管は違いますけれども、エコカーの開発促進など、さらなる取り組みを進められるよう要望いたしまして、私の質問を終わります。 # かち委員 かち委員私からも、二つの条例について質疑をさせていただきます。最初に、第二百号議案、大気汚染に係る健康障害者に対する医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例、ただいま二人の方から質疑がありまして、私、ほとんどダブりますので、質問は省かせていただきますけれども、意見を述べさせていただきます。深刻な排ガス汚染により、ぜんそくなどの被害をこうむった被害者、患者の皆さんが原告となり、裁判に訴えてから今日、和解解決に至るまで、実に十一年に及ぶ長く苦しい闘いでした。原告の中には、途中で力尽きて亡くなられた方々も数多くおられます。この大気汚染裁判は、千葉から始まり、西淀、川崎、倉敷、尼崎、名古屋南部と続いて、東京は総仕上げ的な裁判でした。今回の和解によって医療費の救済制度が実現できたのは、川崎市に次ぐものでありますが、既定の制度とも合わせると、都内全域、全年齢のぜんそく患者の医療費の個人負担を全額助成する仕組みであること、この救済を国、首都高速道路会社、自動車メーカーにも財政措置を求めた上で実現できたことは画期的であり、公害裁判史上でも大きな一歩を築いたものであり、本条例案には賛成の立場です。今度の医療費助成制度の対象者は七万七千人とのことですが、今回の制度は、これまでの十八歳未満の医療費助成制度はそのまま継続し、新たに十八歳以上を対象とするということになるわけですが、資料にもありますように、十八歳未満については、気管支ぜんそくのほか、ぜんそく性気管支炎、慢性気管支炎、肺気腫などが対象疾患になっているのですが、新制度においては気管支ぜんそくのみということになっております。その考え方については、先ほどお答えがありました。なぜこのようになってしまうかといえば、これまでの公害健康被害補償法が、一九八八年に国が新規認定を打ち切りにした結果ともいえるものですが、現実問題としては、十八歳以下の世代よりも、むしろ大気汚染の複合汚染などで成人の慢性気管支炎や肺気腫が年々増加しているとも聞いております。実態に見合った補償制度の充実という点でも、今後これらの疾患についても加えられるよう要望しておきます。さて、本制度を五年後に見直しをするということですけれども、その判断材料としては、先ほどお聞きしました疫学調査の結果などで、大気もきれいになり、ぜんそく患者も減って、本制度の必要性がなくなることが最も望ましく、期待するところでありますけれども、今、ぜんそく等で苦しんでおられる方々は、十年、二十年以上、将来にわたって治療を余儀なくされ、完治するということはほとんどないといっても過言ではありません。制度施行後五年目でその施行状況を検証、点検することは重要ではありますけれども、よもや打ち切るようなことは、せっかくの制度創設の意義が失われかねません。五年後も継続されることを強く要望しておきます。さらに、この制度の施行は交付の日から一年以内となっており、知事の所信表明でも、八月までには施行したいと述べられましたが、十一年もの長きにわたって待ち続けてきた原告患者の方々の状況は、一日でも早く施行してほしいというのが切なる願いです。その意にこたえ、施行されることを改めて求めて、この項の質問を終わります。次に、第百九十九号議案、東京都心身障害者扶養共済制度条例について伺います。私は、これまでこの委員会でも、都の障害者扶養年金制度が廃止されるに当たって、さまざまな問題点を指摘してきました。実際、昨年、制度の廃止が決まってから、ことしの夏に至るまで、大変な混乱と怒りの声が寄せられたのも事実であります。東京都は最大限の努力をしたといっておりますが、実際にはいろんな被害を受けているということもわかりました。私が伺った方では、障害者本人が受け取る場合、給与所得が基準の五百五十万円をわずかに超えているということで、清算金の所得加算で従来の障害者年金支給額を喪失するという事態となり、清算金受領が実質デメリットになってしまった方、また、加入者、親御さんが受領した場合、清算金が一時所得となり、少額の厚生年金からの税負担、所得税や住民税、国民健康保険料や介護保険料の増額に連動し、日常生活に大きな負担を強いることになったなどとも聞いております。それにかわる代替制度の一つとして全国制度があったわけですけれども、東京都はこれまで独自制度をとってきたので、全国制度には加入していませんでした。本来なら、少なくとも都制度廃止の前に国制度へ引き継げるような手だてを尽くすこともなく、今回改めて全国制度に加入するということでの条例案であります。心身障害者の生活の安定と福祉の増進に資するとともに、心身障害者の将来に対し不安を解消するための扶養共済制度であり、選択肢の一つとして当制度に加入することに基本的には賛成ですけれども、これまでの経過を踏まえて何点かお聞きします。今回、加入する全国制度についての概要はどのようなものでしょうか。 # 松浦障害者施策推進部長 松浦障害者施策推進部長全国制度でございます心身障害者扶養共済制度の概要でございますけれども、国が制度の枠組みを用意しまして、地方公共団体が条例に基づきまして実施する制度でございます。まず、東京都と加入者が扶養共済契約を締結しまして、東京都が徴収しました加入者の掛金は、独立行政法人でございます福祉医療機構を経由しまして、保険料として生命保険会社に納められます。加入者が死亡等の場合に、その福祉医療機構が生命保険会社から一時金としまして保険金を受け取りまして、その保険金を信託銀行において運用しながら障害者に年金を支払うという仕組みでございます。このように、これまでの都制度と制度の仕組みが異なりますが、障害者の保護者の相互扶助の精神に基づきまして、保護者が生存中、掛金を納付することによりまして、保護者が死亡した場合などに障害者に終身年金を支給するという任意加入の制度という点では、都制度と同様でございます。 # かち委員 かち委員仕組みは都の制度と異なりますけれども、保護者の亡き後に終身年金を支給する制度であるということで、趣旨は同じであるわけですけれども、その年金は、都制度では月三万円でしたけれども、国制度では月二万円ということになるわけですね。昭和四十五年にできた全国制度は、現在加入者が六万七千人余りですけれども、平成七年度以降、加入者は減少傾向にあるとのことです。平成八年には保険料の引き上げが行われ、国と道府県、指定都市が二分の一ずつ負担をする措置を講じられてきました。しかし、その後も厳しい運営状況が続き、平成十七年には、独立行政法人福祉医療機構において三百八十八億円の繰越欠損が発生するという状況から、新たな見直しということになったわけですけれども、今回の共済制度の見直しの経緯について伺います。 # 松浦障害者施策推進部長 松浦障害者施策推進部長国につきましては、経済情勢の変化等による運用金利の低下等で、運営については財政的にいろいろやらなくちゃならないということで、その全国制度を安定的に運営し、将来の年金給付を確実に実施するため、本年三月下旬に外部の有識者や障害者団体の代表が参加しました検討委員会を立ち上げまして、制度の見直しを検討しました。四回の検討会の開催を経まして、九月に検討会報告を取りまとめたところでございます。国は検討会報告を受けまして、都道府県、政令指定都市に対しまして、準備期間を考慮したということで十月に説明会を開催しまして、平成二十年四月一日から適用する条例の準則を示したところでございます。 # かち委員 かち委員検討委員会では、制度の存亡も含めて検討した結果、長期にわたって安定的に持続可能な制度への見直し、積立不足への対応とともに、新たな積立不足を発生させないための措置を講ずるべきであるとの結論に達し、年金給付の水準としては現行の二万円を維持するという内容のようです。今お話しのように、ことし九月に見直しの取りまとめを行い、来年四月から新制度のスタートということになっているわけです。そこで、資料を出していただきましたけれども、その内容は、新旧対照表で掛金、保険金の見直しの前後比較表が出ていますけれども、これを見ますと、非常に高くなるという印象です。とりわけ東京都のようにこれから加入する場合は、年齢別で見ますと、加入者、保護者が三十五歳以下で三千五百円が九千三百円になるわけで、二・七倍ですね。親御さんが六十五歳以上になりますと、一万三千三百円が二万三千三百円ということで、一・八倍になります。これでは、年金が月二万円支給のところ、保険料が二万三千三百円ということで、受け取る年金を上回ってしまうという点でも大変厳しい内容だと思います。しかも、都制度では、給付年金が月三万円だったのが二万円に下がるという点でも、国制度への加入者がこれまで以上にふえるとは、大変心もとない限りです。そういう意味でも、都制度の結論を出すのは、全国制度の見直しの結果が出てからでもよかったのではないかと思います。国制度になった場合、都の財政負担はどれくらいになるのか。また、他の道府県の公費負担はどうなっているのでしょうか。 # 松浦障害者施策推進部長 松浦障害者施策推進部長先ほど申しましたように、全国制度は、これまで経済情勢の変化等による運用金の低下等により積立不足が生じております。その不足分に対しましては、年間九十二億円を国が二分の一、それから、これまで全国制度に参加しています道府県と政令指定都市が二分の一を負担してまいりました。この公費負担の期間を延長しまして、しかも継続するということにしております。道府県と政令指定都市の負担総額は年間四十六億円になりますけれども、これは改正時点の平成十九年度末におきますこれまでの制度加入者数と年金受給者数の延べ人数等による案分で、それぞれ各団体が負担いたします。したがいまして、平成十九年度末に参加していない都におきましては、二十年四月の全国制度参加に当たっては公費負担は生じません。今後につきましては、全国制度の扶養共済制度は五年ごとに見直すことになっておりまして、その際には、先ほど申し上げました延べ人数等による案分で各団体の負担も見直されるということになっておりますけれども、平成二十年度以降の新規加入者については算定されないというふうに聞いております。ただ、他府県におきまして、全国制度に既に加入している方が引っ越し等で都に転入する場合もございますので、その分につきましては、今後、都の公費負担が生ずることもあり得るというふうに考えております。 # かち委員 かち委員今回の見直しで都の負担はないということですけれども、来年度以降、全体では九十二億円、都道府県、案分で四十六億円の負担については、今回新規加入ということで、今まで住んでいた都民との関係では、都の負担はしばらくは発生しないということですけれども、将来的には出てくる可能性もあるということですね。いろいろお聞きしてきましたけれども、今後この制度の将来性、見通しというものに対し、都はどのように認識しているでしょうか。 # 松浦障害者施策推進部長 松浦障害者施策推進部長先ほども申し上げましたとおり、国の方はきちんとした財政とし、また、保険数理に基づいた適正な保険料に改定するということで、今後、制度を安定的に運営し、将来の年金給付を確実に行うための制度設計がなされたというふうに考えているところでございます。したがいまして、全国制度は、心身障害者の生活の安定と福祉の増進に資するとともに、障害者の将来に対し保護者の方々が抱く不安の軽減を図るという目的を安定的に果たしていくものというふうに考えております。 # かち委員 かち委員障害者の方々の将来、親亡き後の生活の安定のために、こうした年金あるいは保険制度というものが関係者の皆さんの総意として生まれたものであり、将来にわたって継続、維持させなければならないものだと考えます。しかし、制度が始まっても、都制度のように行き詰まった、廃止だということになると、当事者、関係者の方々の生活設計に大きな影響をもたらすことになるので、そうしたことは最大限回避しなければなりません。制度維持のために、国や都道府県が基盤を十分支える仕組みを確保することを強く求めて、質問を終わります。 # 山加委員 山加委員私は、第百九十九号議案、東京都心身障害者扶養共済制度条例について伺わせていただきます。当時、昭和四十四年、都の国に先んじた画期的な制度であったこの扶養年金制度は、本年三月をもって廃止されたわけであります。しかしながら、私は、人間は過去の反省をしながら常に未来を見詰めてよりよい制度をつくり上げていく、それが人間の知恵であると思っております。本年六月の厚生委員会でも、私は、従前の都の扶養年金制度とこの全国制度である扶養共済制度について質問をさせていただきました。その際、東京都は、全国制度に参加という可能性があったからこそ、従前の都制度を廃止できたわけであります。今後は、この全国制度に期待をつなぐ多くの障害者のために、責任を持ってこの制度へ参加できるよう制度をぜひとも再構築していただきたいと要望いたしました。今回、その全国制度であります扶養共済制度条例が提案をされています。そこで、確認の意味で、東京都がこの全国制度に参加する意義についてお伺いをいたします。 # 松浦障害者施策推進部長 松浦障害者施策推進部長都が全国制度に参加する意義でございますけれども、この全国制度は、これまでの都の扶養年金制度と仕組みは異なりますけれども、都制度と同様に、障害者の保護者の相互扶助の精神に基づきまして、保護者が生存中、掛金を納付することによりまして、保護者が死亡した場合などにつきまして、障害者に終身年金を支給する任意加入の制度でございます。この全国制度に参加することは、先ほど山加副委員長がおっしゃいましたとおり、都の扶養年金制度廃止に係る代替制度として、都制度に加入した方にとって、引き続き保護者亡き後の障害者の生活の不安の軽減を図りたいという、そういう保護者の方の期待にこたえられるとともに、都はこれまでの制度運営の責任を果たすことになるというふうに考えております。 # 山加委員 山加委員今、部長にお答えいただいたことは、加入者が最も確認をしたいことの一つであると思います。私は、よく障害児をお持ちの親御さんとお話しをする機会が多いのですが、親御さんは、私はこの子よりも一日でいい、長生きをしたいと必ずおっしゃいます。昔から、親より先に旅立つ子どもは一番の親不孝であるといわれております。ですから、そのようなお話で、親御さんの、一日でもいいからこの子より長生きをしたい、そんなお話を伺うときに、いつも胸が締めつけられるような思いがいたします。ぜひともこの全国制度に参加することで、親亡き後の親御さんの不安が軽減できるということは、私は都の障害者福祉施策を推進する上で大きな意義があると思います。ところで、国はことし三月、検討会を立ち上げて、関係団体の意見も聞きながら全国制度の見直しを検討してきたという、先ほどもご答弁がございましたが、全国制度はどのように見直されたのか、お伺いをいたします。 # 松浦障害者施策推進部長 松浦障害者施策推進部長見直しにつきましては大きく二点ございますが、一点目は、全国制度はこれまで運用金利の低下等によりまして積立不足が生じておりましたが、この不足分に対しまして、年間九十二億円を国が二分の一、それと、これまで全国制度に参加している道府県と政令指定都市が二分の一というふうに負担してきましたけれども、この公費負担の期間を延長して継続するということが一点目でございます。また二点目は、保険料につきましては、任意加入の制度であること、それから月額二万円という現行の年金給付水準を維持することを前提としまして、保険数理に基づいて現時点の諸条件に見合った適正な水準に改正したものでございます。これらの見直しによりまして、全国制度を安定的に運営し、将来にわたる年金給付を確実に行える新たな制度設計がなされたものと考えております。 # 山加委員 山加委員保護者の方にとっては、年金のように一定額が支給される制度があるということがとても重要であります。制度の安定的な運営のための見直しが実施されたと思います。この制度は、枠組みは国が用意するということでしたが、都が独自に対応するということはあるのでしょうか。 # 松浦障害者施策推進部長 松浦障害者施策推進部長山加副委員長の都独自の対応というご質問は、都独自に低所得者の方に配慮しないのかというご指摘と受けとめさせていただきますけれども、東京都といたしましては、新しい扶養共済制度におきましても、加入する保護者の方が生活保護を受給している場合や住民税非課税の場合は、保険料の減額をしてまいります。 # 山加委員 山加委員東京都は、新しい扶養共済制度におきましても、独自に低所得者に対する減額制度を設けるように検討されているという、今お話をお伺いしまして、大変安心をいたしました。次に、新たな全国制度に加入できる方はいいのですけれども、条件に合わずに加入できない方も当然いらっしゃると思います。東京都心身障害者扶養年金審議会の最終答申でも指摘されていたように、保護者が既に六十五歳以上となっている方、身体障害者四級の方など、新たな全国制度には入れない方に対しても、私は、保護者亡き後、障害者へ年金的にお金を残したいという要望にこたえることが必要であると思います。最後に、もう一つお伺いをいたしますが、これら全国制度に加入できない方にどのように対応していくのか、お伺いをいたします。 # 松浦障害者施策推進部長 松浦障害者施策推進部長ご指摘のとおり、保護者が既に六十五歳以上となっている方や、身体障害者四級の方などは全国制度に加入できないことになります。民間金融商品の中には、この扶養共済制度に類似する、すなわち障害者が定期的に金銭を受給できるものといたしまして、生命保険会社が扱う年金特約つき生命保険とか、信託銀行が扱う特定贈与信託、特約つき金銭信託などがございます。これらの金融商品を活用することによりまして、保護者亡き後の障害者の生活の不安の軽減を図りたいという保護者の方の希望をかなえる選択肢の一つとなるよう、これらの金融商品の内容を紹介するわかりやすいパンフレットを作成するなど、全国制度に加入できない方に丁寧にご案内していく所存でございます。 # 山加委員 山加委員ぜひとも全国制度の加入対象とならない方についても、金融機関等と連携をし、民間の金融商品についてわかりやすく丁寧に説明していただくことをお願いしたいと思います。これまでの質疑で、従前の扶養年金制度の廃止に係る制度運営者としての責任を東京都が大変重く受けとめ、審議会の最終答申である代替制度についても着実に実施していることを、私は強く確認できました。今後、全国制度の立ち上げに当たっては、従前の都制度に加入していた方に対して、この新制度を紹介するお知らせを郵送したり、また、新制度に加入を希望する方に対して説明会を開催するなど、十分に対応いただけるものと思っております。また、新制度の周知に当たっては、ぜひとも団体等からご要望のある点字対応も実施していただけると期待をしております。ぜひ、全国制度への加入はもちろんでありますが、全国制度の代替商品の紹介なども含めまして、都民のさまざまな選択について丁寧な対応、そしてまた支援に努めていただきたいと思います。都は、障害者の親亡き後の生活の安定と福祉の向上に向けて施策を確実に実施し、総合的に障害者福祉施策を推進することを要望いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。 # 野上委員長 野上委員長ほかに発言がなければ、お諮りいたします。本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議はありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 野上委員長 野上委員長異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。以上で福祉保健局関係を終わります。 # 野上委員長 野上委員長これより病院経営本部関係に入ります。報告事項、都立病院経営委員会報告についてに対する質疑及び陳情の審査を行います。本件については、いずれも関連がありますので、質疑をあわせて行いたいと思います。ご了承願います。報告事項については、既に説明を聴取しております。その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。資料について理事者の説明を求めます。 # 及川経営企画部長 及川経営企画部長去る十一月二十九日の本委員会におきまして要求のございました資料についてご説明申し上げます。お手元にお配りしてございます資料1、厚生委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。資料は目次にございますように、1、都立病院における共同購入実績から8、地方独立行政法人法案に対する衆議院及び参議院における附帯決議までの八点でございます。恐れ入りますが、一ページをお開きいただきたいと存じます。1、都立病院における共同購入実績でございます。共同購入とは、これまで各病院で購入していた診療材料と検査試薬を病院経営本部で一括して購入する方法でございまして、平成十八年度から開始いたしました。この実績につきまして、対象品目数や実施による費用削減額などの区分により記載しております。二ページをお開き願います。2、都立病院における業務委託に係る契約金額の推移でございます。平成十四年度から平成十八年度までの契約金額の推移について記載しております。三ページをごらんください。3、都立病院における主な業務委託に係る契約金額の推移でございます。平成十四年度から平成十八年度までの主な業務委託について、業務別に契約金額の推移を記載しております。四ページをお開き願います。4、都立病院における主な業務委託の契約相手方と契約金額の推移でございます。平成十六年度から平成十八年度までの主な業務委託の契約相手方について、業務別に契約金額の上位三者を記載しております。五ページをごらんください。5、他の地方公共団体の病院事業における地方独立行政法人導入事例でございます。他の地方公共団体の病院事業において地方独立行政法人を導入している事例について、都道府県、市町村別に記載しております。また、地方独立行政法人導入後にPFI手法を活用している事例についても、あわせて記載しております。六ページをお開き願います。6、地方独立行政法人大阪府立病院機構における職員給与制度及び利用者負担例でございます。地方独立行政法人大阪府立病院機構における職員給与制度の概要と利用者負担例については、法人移行前後の状況を記載しております。七ページをごらんください。7、独立行政法人国立病院機構に対する運営費交付金の推移でございます。独立行政法人国立病院機構年度計画に基づきまして、同機構に対する運営費交付金について、予算額の推移を平成十六年度から平成十九年度まで記載しております。八ページをお開き願います。8、地方独立行政法人法案に対する衆議院及び参議院における附帯決議でございます。地方独立行政法人法案に対する衆議院及び参議院における附帯決議の内容について、それぞれ記載しております。簡単ではございますが、以上で要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。 # 野上委員長 野上委員長説明は終わりました。次に、陳情一九第五五号を議題といたします。理事者の説明を求めます。 # 及川経営企画部長 及川経営企画部長それでは、お手元配布の資料2、厚生委員会付託、請願・陳情審査説明表に沿ってご説明させていただきます。一ページをお開き願います。整理番号1、陳情一九第五五号についてご説明申し上げます。この陳情は、新宿区の東京の保健・衛生・医療の充実を求める連絡会代表、四谷信子さん外四万二千百二十二名から提出されたものでございます。陳情の要旨についてでございますが、都立病院の地方独立行政法人化、公社化、公社病院の民営化、小児病院の統廃合計画をやめ、だれでも安心してかかれる公的医療の充実を実現していただきたいというものでございます。現在の状況についてでございますが、都立病院の経営形態については、有識者等による都立病院経営委員会において、自治体病院のさまざまな経営形態について検討を行い、同委員会から報告を受けたところでございます。さらに、この報告を踏まえて、平成二十年一月に第二次都立病院改革実行プログラムを策定する予定でございます。また、公社病院につきましては、今後とも都立病院との役割分担のもとに、経営の自立化を促進するとともに、地域の医療機関と緊密に連携し、適切な医療サービスを提供してまいります。小児病院の移転統合については、小児医療に関して、心から体に至る総合的で高度専門的な医療を提供することとしておりまして、高度な小児救急医療、障害児医療への対応など、都における小児医療の拠点として整備を進めることにより、その充実を図ってまいります。簡単ではございますが、以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。 # 野上委員長 野上委員長説明は終わりました。ただいまの資料を含めまして、これより報告事項及び陳情に対する質疑を一括して行います。発言を願います。 # 野島委員 野島委員この都立病院経営委員会報告に関しまして、何点かお伺いいたしたいと思います。都立病院の経営形態については、先般の我が党の代表質問で、課題を抱えたままでの拙速な経営形態の変更は病院現場に混乱を招き、医療サービスの低下につながりますよと、こういうご指摘を申し上げたところであります。その際、病院経営本部長からは、拙速に結論を出さずに十分検討を行う必要がある、こういうご答弁をちょうだいしております。この質疑、答弁、こんなところを踏まえて何点か伺っていきたいというふうに思っております。さて、この都立病院の経営形態に関しましては、昨年七月に策定されました行財政改革実行プログラム、この中で、将来にわたり都民に対して安定的かつ継続的な行政的医療が提供できるよう、地方独立行政法人化などを視野に入れ、経営形態の検討を行う、こういうことが示されておりまして、これを端緒に今回の検討が始められた、このように私は承知をいたしております。将来にわたって確実に行政的医療を提供するという点に関しましては、都立病院そのものの存在意義の根幹でもありまして、議論を挟む余地はないわけでありますが、本報告もそれを前提にしているものと、こんなふうに認識をいたしております。しからば、なぜ今、経営形態の検討を行う必要があるのか、こういうことに相なろうかというふうに思っております。一つの施策を進めていくときに、その執行体制をどうする、運営形態をどうするというのは、大変根幹にかかわる問題でありますけれども、一方、そういう制度論とか何とかというのは、正直なところ、私も議会に籍を置いておりますけれど、見えにくい、わかりにくい、あるいはそれを都民の皆さんが説明を受けたところで、ある種、無味乾燥なんですね、こういう組織論というのは。そんなところもありますけれども、ぜひ十分な説明をしていっていただきたいというふうに思っております。一方、きょう、陳情も一緒に審査することになっておりますけれども、こういったふうなことで、この陳情の方は何が何でも都の直営だと、こういう趣旨だろうと思っておりますので、私どもとはいささか見解を異にしているところがあるわけでありますが、まず最初に、なぜ都立病院の経営形態を検討しなければならないのか、どんな背景があるのか、こんなところを冒頭お伺いしておきたいと思います。 # 及川経営企画部長 及川経営企画部長現在、医療制度改革を初めといたしまして、国の医療政策が大きく変化をし、刻々と医療環境が変化していく中で、高齢化の進行によります医療需要の増大、あるいは医師不足の深刻化といったような影響によりまして、これから医療を取り巻く環境もますます厳しさを増していくということが考えられます。都立病院におきましても、医療サービスの対価でございます診療報酬、これが数年来マイナス改定が続いておりまして、こういったことによる影響で厳しい経営状況が続いているということ。それに加えまして、平成十六年に義務化されました医師の臨床研修、これなどを理由とした大学医局による派遣医師の引き揚げといったような問題がございまして、産科、小児科など特定の診療科において医師不足が顕在をしております。このため、今後の病院運営に当たりましては、健全な財政基盤のもとで優秀な医療人材を確保、育成することによりまして、行政的医療を適正に都民に提供するとともに、医療の質をより一層向上させまして、安定した医療サービスを継続的に提供していくことが、委員ご指摘のとおり、大変重要になってまいります。こうしたことから、病院運営においては、こうした変化に適合した合理的で迅速な対応が可能な体制づくりといったものが必要になってきておりまして、今般、都立病院にふさわしい経営形態についての検討を行ったというものでございます。 # 野島委員 野島委員検討の必要性についてはわかりました。医療を取り巻く環境がいろんな面で大きく変わってきている、そういう中において、しからば、どういったふうなものが一番適切な経営形態なのか、こんなことでというふうに理解をいたします。次に、中身について幾つか伺っていきたいと思います。この検討委員会報告の中では、るるいろいろ、プラスマイナス検討いたしながら、今回の一定の方向といいましょうか、この委員会報告の方向ですよ、一般地方独立行政法人、いわゆる非公務員型の地方独立行政法人が最も柔軟な制度だと、こんなふうな結論をこの委員会としてはつけているわけでありますね。そこで、この管理者の権限だとか人事、給与を含む、あるいは財政、そういったふううなものについては、現行の経営形態と比べますと、裁量権が拡大されて弾力的な対応が可能である、こういうふうな述べ方をされているわけであります。そこで、経営ですから、人、物、金あるいは全体としての制度論、こういうことに相なろうかと思いますので、現在の直営の経営形態と比べて、どういったふうな場合にどう柔軟になるのか、そんなところをちょっと具体的にお答えいただければありがたいなと思っております。 # 及川経営企画部長 及川経営企画部長例えば、組織や定数に関しまして、現行の経営形態では条例等で定められておりまして、先ほど来申し上げたような医療環境に応じて柔軟に対応するといったことに関しては困難性を伴っております。一方、地方独立行政法人では、原則として理事長がみずからの裁量で決定することができるため、随時必要な組織を設置したり、業務量に応じて人員を配置するといったことが可能となるということでございます。具体的に申し上げますと、例えば七対一看護のような制度が新設された際に、必要な人員を適宜採用して迅速に対応することにより、医療サービスの向上を図るといったことができるようになるのではないかというふうに考えております。また、給与などの勤務条件に関しましても、現在は人事委員会勧告に基づきまして条例等で定められているため、職員の処遇がある程度画一的にならざるを得ないといった部分がございます。地方独立行政法人では、病院ごとの特徴に応じた独自の勤務条件などを定めることが可能となるため、必要な医療人材を確保しやすくなるといったような、そういった給与体系を導入することも可能となるのではないかというふうに考えております。さらに、予算に関しましては、現在、地方自治法による予算単年度主義などの制約がございますために、新たな医療課題に対して機動的な対応が困難となっている部分がございます。地方独立行政法人では、患者さんのニーズに応じまして、例えば新たな医療機器などを年度の枠にとらわれずに購入することができるということでございます。このように、医療の環境は、制度の変化に迅速に対応して患者サービスの向上を図ることができるといったことに加えまして、診療報酬の増加を見込むこともできるといった経営上のメリットが多いために、最も柔軟な制度であるというふうに報告されているものと認識をしております。 # 野島委員 野島委員ありがとうございました。具体的にプラス面を挙げていただいたわけであります。今、地公法とか条例とか、あるいは予算単年度主義とか、こういうところで直営型の部分との、ある種、制約というのかな、そんなところがまさしくそのとおりであるというふうに思ってございます。世の中には、いいという部分と、一方、それではマイナスになるのではないか、こういう部分もあろうかと思いますので、今いろいろ挙げていただいたわけでありますが、特に都立病院改革で、いわゆるPFI事業を導入して、三つが大きなプロジェクトとして進行しているということで、現場の対応あるいは病院経営本部においても大変事業量も多いというふうに思っておりますし、私どもは、これをしっかりと仕上げる、成功させるんだ、こういうことが今一番大切なことだろうというふうに、今までのPFI事業でも質疑を通じて申し上げてきたところでございますが、こういったものの中で、地方独立行政法人になることでどんな影響が出てくるのか、こんなことも大きな課題だろうというふうに思っております。この報告でも、都立病院の当面の運用面での課題として挙げられておるわけでありますし、先ほどこの資料の中で、独立行政法人化した自治体病院というのが幾つか示されておりますけど、そんなに多くないようですね。そこで、こういったことで、地方独立行政法人化した場合には、PFI事業との関係はどのようになるのか、何らかの支障が生ずる可能性があるのかどうか、こんなところをお伺いしておきたいと思います。 # 及川経営企画部長 及川経営企画部長地方独立行政法人法では、設立団体が有する権利及び義務は、原則的には地方独立行政法人に承継されるといったことになっております。したがいまして、都とPFI事業者である特別目的会社SPCとの契約関係に関しましても、地方独立行政法人が引き継ぐといったことになるため、PFI事業は引き続き法人が実施をするということになります。一方で、同法は、債権者、この場合はSPCでございますが、この債権者が異議を申し立てることができるといった規定も設けてございます。したがいまして、基本的には、債権者であるSPCにとって不利益な扱いがなければ異議の申し立てはなく、事業の遂行においては影響がないというふうに想定されますけれども、理事がご指摘されたように、前例がないといったこともございますし、また、東京都が直接の契約の当事者ではなくなるといったようなことから、今後慎重な対応が必要であろうかというふうに考えております。 # 野島委員 野島委員基本的には承継される、こういうふうなこととお伺いをいたしました。しかしながら、今いったように、東京都が直接の当事者ではなくなるんですよと、当然、地方独立行政法人が事業の主体になるわけですから。そういったふうなことで、制度設計でどうなっていくのかというのは、正直なところ、僕らにも見えないです、正直なところね。そこで、そんな不確定要素もあるということについては私は理解をいたしました。特にこれからいよいよPFIが本格化しまして、この数年の間に新たな病棟が相次いで開設されるわけでございますから、事業が円滑に進むように十分配慮していただきたいと思います。そして、さらに今回の報告書では、運用面のもう一つの課題として医師不足の問題がご指摘されているわけであります。これは何も、医師不足は都立病院だけに限った話ではありませんが、産科医や小児科医が極めて全国的に不足している。医師を確保する上で、経営形態の変更がどのような影響を与えていくのか、こんなところも心配になるわけであります。それでこの報告書は、この課題に対して、まずは現行の制度のもとで可能な限りの方策を講じることが重要である、こんなふうにしているわけでありますね。私どもも、さきの代表質問で、都立病院が率先して医師確保、定着の総合的対策を講じるべきだと、こんなご指摘を申し上げまして、知事から前向きな答弁もいただいているわけでありますし、これらについて、具体的にいろいろこの委員会でも議論をしてきたという経過は承知をしております。先ほど、現在の制度は地方独立行政法人に比べると柔軟さに欠けると、その反対がメリットですよと、こういうことだろうと思うんですが、この医師確保の問題について、病院経営本部では、現行の経営形態のもとで具体的にどのような対策を考えていかれるのか、こんなところを伺っておきたいと思います。 # 及川経営企画部長 及川経営企画部長都立病院の医師確保対策につきましては、まず第一に、診療の中核を担います中堅の医師や、それから今は、現在不足をしております産科医師の確保、定着を図るために、自治体病院の中でも非常に低い水準でございます現在の東京都の医師の給与について、まずは改善を図るとともに、指導医業務手当や異常分娩手当を新設することによりまして大幅な処遇の見直しを行いたいというふうに考えております。また、増加する女性医師が仕事と育児を両立できる勤務環境を実現するために、二十四時間院内保育室の来年度からの運営実施を検討しておりますほか、柔軟かつ多様な勤務が可能な制度、いわゆる短時間勤務制度につきましても、来年度の実施に向けまして関係局と協議を進めております。さらに、医師が診療に専念できるよう、医療クラークを導入するなど、医師の負担軽減策についても検討を行っております。こうしたことに加えまして、来年度開講いたします東京医師アカデミーでは、魅力ある研修を体系的に実施し、都立病院の将来を担う若手医師を計画的に育成、確保してまいります。 # 野島委員 野島委員今の医師の確保、育成、こんなことで、現行の経営形態においてもさまざまに対応しながら、喫緊の課題に精力的に取り組みます、こういうことだというふうに思っております。ぜひ全力を挙げて進めていただきたいと思っております。それで、今まで都立病院の現状を踏まえた観点から何点かお聞きしたわけでありましたが、改めていろいろな方面からの慎重な検討が必要だろうというふうに思ってございます。そこで、これからの時系列ですと、この報告書を踏まえて第二次都立病院改革プログラムを策定する、こういうことになっているわけであります。この経営形態の検討に関しては十分な時間をかけつつ、経営委員会報告の検討に当たっての前提条件でありますが、冒頭申し上げましたが、都立病院の使命である行政的医療を将来にわたって確実に実施していく、こういうことを強く要望しておきたいというふうに思ってございます。一方で、冒頭、いろいろな医療を取り巻く課題も列挙をされました。制度のプラス、マイナスもいわれました。そういった中、医療資源というのは、最後はすべからく国民負担でございますので、また、医師をふやしていく、そういうことがあっても、医療資源というのは当然のことながら有限であることは論をまたないわけでありますから、これらを最大限活用しながら患者サービスを向上していく、このためには不断の改革が不可欠であろう、こんなふうに思っております。世の中変わっても、今までどおり、今までどおりというのは実は一番楽なんですが、それが全体として世の中を疲弊させていってしまうということは、何も病院経営のみならず、さまざまな分野でいわれているわけであります。だからこそ改革の必要性がいわれている。そして具体的にやっていく中では、いろいろな摩擦もあるし、しかし、それを乗り越えていくことによって新しい地平が切り開けるというのが、私は、現在の地方行政あるいは国の行政を取り巻く課題であろうというふうに思っております。したがって、PFIを初めとして、あらゆる手法を駆使しながら、都民からの貴重な税が投入されている都立病院を効率的に運用していく、こういう視点が一番重要だろうというふうに思います。そこで最後に、経営形態の検討も含めまして、都立病院改革に取り組む病院経営本部長の決意を伺っておきたいと思います。 # 秋山病院経営本部長 秋山病院経営本部長都立病院は、明治初期の伝染病の流行に伴う駒込、大久保、本所の各いわゆる避病院、この開設や、精神疾患対策としての東京府癲狂院の開設以来、長い歴史の中で経営形態を大きく変えることなく、その時々の都民の皆様の期待にこたえて適正な医療サービスを提供してきたものというふうに考えてございます。しかしながら、先ほど経営企画部長からご説明したとおり、医療環境そのものが大変激変しているということでございますが、それだけではなくて、中身もさることながら、そのスピードにおいても、物すごいスピードで変化が訪れているということが大きな特徴かと思います。都立病院の影響にも極めて甚大な影響を与えているということでございまして、日々病院の運営に我々当たっているわけでございますけれども、将来にわたって都立病院の使命でございます総合診療基盤に支えられた行政的医療、これを安定的に提供していくというためには、やはり医療環境の素早い、大幅な変化に対して迅速かつ的確に対応するということが不可欠だというのは、正直実感としても持っております。こんなことを背景といたしまして、外部の有識者等から成る都立病院経営委員会に、都立病院の経営形態のあり方につきまして検討を依頼したというのも、これも先ほどご説明したとおりでございますが、そういった背景がございます。今般、検討結果を受けまして、来年の一月に策定を予定しております第二次都立病院改革実行プログラム、その中で都としての考え方を明らかにしていこうという予定ではございますけれども、経営委員会の報告、これは課題も出ておりますので、それも含めまして踏まえますとともに、都議会自民党代表質問でのご指摘に加えまして、ただいま野島理事からも、慎重かつ十分に時間をかけて経営形態の検討を行うべしというご意見を賜りまして、そういったものも受けとめて対応していきたいというふうに思っております。経営形態のあり方は極めて重要な課題ではございますけれども、しかし、その目指すところは、いかに都民医療の向上のためにさまざまな施策やサービスを着実に実施するかということにございますので、このことを肝に銘じまして、不断の都立病院改革を積極的に推進してまいります。 # 野島委員 野島委員ありがとうございました。終わります。 # 長橋委員 長橋委員私からも、報告事項であります今後の都立病院の経営のあり方、並びに関連して陳情も出されておりますので、質疑を行わせていただきます。陳情については、四万名以上の方の陳情でありますけれども、独法化の反対だけではなくて、小児病院の移転統合等についても述べられているわけでありますが、小児病院については前回質疑をしたところでありますし、また独法化については、今、野島理事がお話しした、拙速な独法化ではなくて慎重に対応していくべきだということでございますが、私も同じ立場に立っているところでございまして、なるべくダブらないように質問をさせていただきたいと思いますが、関連して質問をさせていただきます。今お話がありました都立病院の経営委員会、これが平成十四年の六月に設置をされたということでございます。そして、今までこの経営委員会では、医療サービスの向上と評価、人材の育成、活用などについて議論を進めてきた。今回、都立病院の経営形態に関する検討をこの経営委員会にお願いしたということでございます。お伺いをしますと、今までの経営委員会の議論を踏まえて参考にしてきた、また、それを踏まえてやってきたということでございますが、きちっとこういう報告を求めての検討依頼は初めてであるというふうにも聞いておりますし、また、なぜこの時期に今、本部長が社会の変化のスピードというようなお話もございましたけれども、そういうこともあろうかと思いますが、改めて、この経営委員会に経営形態に関する検討をどのような観点で依頼したのか、なぜこの時期に依頼したのか、あわせてご答弁をお願いします。 # 黒田参事 黒田参事経営委員会への検討依頼についてでございますが、都立病院は、高水準で専門性の高い総合診療基盤に支えられました行政的医療を適正に都民に提供し、他の医療機関との密接な連携を通じまして、都における良質な医療サービスの確保を図ること、このことを基本的な役割としております。将来にわたりましてこの行政的医療を安定的かつ継続的に提供していくという考え方は、今後とも堅持していかなければならないと考えておりますが、高齢化の進行による医療需要の増大や医師不足の深刻化など、今後、医療を取り巻く環境は一層厳しさを増すことが見込まれます。このような状況の中で、医療の質、患者サービスの向上を通じて都民の皆さんからの医療に対する期待にこたえていくため、変化に適合した合理的で迅速な対応が可能な病院経営が必要となってきております。こうした観点から、今回、都立病院の経営形態のあり方について検討を依頼したものでございます。 # 長橋委員 長橋委員今お話がありました、前のご答弁でも同じように、いわゆる高齢化の進行、そして医師不足の深刻化。医師不足の深刻化については今ご質疑があったわけでございますけれども、いわゆる高齢化の進行というのは大変な課題であろうかと思います。知事も今定例会の所信表明で、十年後の東京において超高齢社会を迎える、高齢者が全国で群を抜いて三百万人を超えるということでございますし、この高齢者対策については、我が党も代表質問で取り上げたところでございまして、現在の高齢者二百二十九万が十年後には三百十五万人になる。都民の四人に一人が高齢者になる。団塊の世代の方々が六十万人、その仲間入りをするということであります。当然、元気な高齢者、活躍をできる高齢者もいるわけでありますけれども、まさに医療的な需要というのは大きな課題であろうかと思います。そういった意味で、今までの都立病院がこのままでいいとは私も思わないわけでありまして、時代の変化に合わせて、経営形態も含めて検討していかなければいけないというのは当然であろうかと思います。ただし、都立病院が担う医療というのは何かといえば、ここに書いてあるとおり、行政的な医療であります。行政医療、いわゆる都立病院が経営的にも、また財政的にも厳しくても取り組まなきゃいけない、民間ではなかなか取り組めない、そういうことであろうかと思いますけれども、行政的医療、これも私は時代の変化とともに変わってくるんだろうと思うんですね。前期のこの厚生委員会で、今議論している独立行政法人、岡山の精神科医療センターにお邪魔させていただきまして、その内容については、理事者の皆さんとも一緒に行かせていただきましたし、あわせてハンセン病の施設も行きました。これも行政的医療であるわけでありますけれども、まさに時代とともに行政医療も変わってくるわけであります。そこで、都立病院が担う行政医療とは何なのかということであろうかと思います。この経営報告書に、具体的といいますか、どういうものが求められるかということが書いてあります。法令等に基づき対応が求められる医療、社会的要請から特に対策を講じなければならない医療、それから、新たな医療課題に対して先導的に取り組む必要がある医療、こういうことでありますけれども、これについて、現時点でのこの行政的医療、具体的にどういうものがあるのか、ご答弁をお願いします。 # 黒田参事 黒田参事行政的医療についてでございますが、具体的な医療課題ごとに何点か例を挙げますと、まず、法令等に基づき対応が求められる医療につきましては、先生からもお話がございました精神科救急医療やまた感染症医療がございます。次に、社会的要請から特に対策を講じなければならない医療につきましては、難治性のがんや合併症を併発しているがんなどへの医療や、周産期の母子医療などがございます。そして、新たな医療課題に対して先導的に取り組む必要がある医療、これには小児精神医療やエイズ医療などが挙げられております。 # 長橋委員 長橋委員まさに今、具体的に、私も取り組んできた小児精神医療だとかエイズ対策とか、または、今回代表質問でも取り上げましたけれども、感染症対策も、今インフルエンザが猛威を振るっている中にあって、この体制整備もこれからの課題であろうかと思いますし、そういうことを考えると、まさに都立病院の担う役割というのは大変重要な意味がありますし、そのための経営形態を考えるということは、大きく都立病院のあり方を、存在自体を問われることであろうかと思うわけであります。そういう中で、今回、都立病院については、お話のあったとおり、経営面、制度面におけるメリット、デメリットを比較考量した結果、地方独立行政法人非公務員型がいいのではないかということがこの報告に指摘をされているわけであります。今お話のあった、メリット、デメリットを比較考量した、こういうふうに書かれているわけであります。今、野島理事のお話で、メリットについては具体的にお話がありました。それでは、デメリットは何があるのかということなのであります。やはり現在の都立病院でも、当然、どんな組織でもメリット、デメリットというのはあるわけでありまして、独立行政法人が、この報告でも、最高ではなくて、一番柔軟だということでありますけれども、当然そこには今の都立病院と比べてもデメリットはあるわけであります。そういう中で、この報告では、例えば、今、国がもう独法化を進めていますから、国が交付金を一律削減したという事実もあるし、また、経費の基本的な考え方が、財政状況によっては影響を受けるということもありますし、また、資金調達についてもちょっと心配があるのではないか、こういうようなことが懸念をされるわけでありますけれども、こういったことについて、デメリットはどういうものがあるのか、改めてお伺いします。 # 黒田参事 黒田参事独立行政法人化の課題やデメリットについてでございますが、資金調達の問題につきましては、設立団体からの長期借入金は可能となっておりますことから、事実上の問題は少ないと考えております。しかしながら、みずから迅速な資金調達ができないことによりまして、病院設備の整備や医療機器の更新などへの迅速な対応に支障が出る可能性も否定できないというふうに考えております。また、不採算性が高いといわれております行政的医療を適正に提供するためには、一般会計からの繰出金は不可欠でございますが、この点につきましても、地方独立行政法人法では、病院事業等の公営企業型につきまして、地方公営企業法と同様に、経費の負担の原則に基づく運営費負担金が規定されております。行政的医療を継続して提供していくという上で、一律的な運営費交付金の削減や設立団体の財政状況による負担金の削減は行うべきではないというふうに考えておりますが、お話のございました国の独立行政法人など、先行事例を十分検証する必要があると考えております。 # 長橋委員 長橋委員今お話があったとおり、デメリット、心配をされる点、課題があるということでありますし、こういう問題は、やはりメリット、デメリット、これは机上での話であります。大事なのは、現場を見ないとわからないということだと私は思います。後で述べますけれども、まだ地方の自治体の病院は独法化した病院が少ないわけでありまして、その検証をするにも、検証もまだできない状態であろうかと思いますし、やはり現場を見なければわからないということも指摘をしておきたいと思います。そういう中で、都立病院、大変に経営状況についてはご苦労をされてきておることは今までもたびたびお伺いをしてまいりましたし、そういう中で、近年、診療報酬のマイナス改定が続いていたりということで、非常に影響を受けてきたんだろうと思いますし、また、医師不足、そういったことを含めて都立病院に対する不安というのも、今多くの方から、陳情等も含めて聞かれているわけであります。そこで、この都立病院、現時点での経営手法の一つとして、一般会計からの繰入金を除いて、みずからの収益と費用、これで算出された自己収支比率、こういうのがありますけれども、その推移についてお伺いをしたいと思います。特に、大枠に病院ごとに、都立病院も今はそれぞれの特性を持って病院をやっていますけれども、その特性も含めて、病院ごとにどうなっているのかお伺いをいたします。 # 黒田参事 黒田参事都立病院の自己収支比率についてでございますが、平成に入りましてからのここ十数年間の推移を見ますと、平成二年度には都立病院全体で六〇・三%となっております。このうち、総合病院全体では六四・四%となっております。その後の経営改善の取り組みによりまして、平成十七年度には、都立病院全体では七三・〇%、総合病院全体では七五・四%と、一〇ポイント以上の改善が図られております。また、近年では、平成十四年、十六年、十八年度と、三度にわたりまして診療報酬のマイナス改定がございましたが、この影響によりまして、それぞれの改定年度には自己収支比率は一時的に低下するものの、また翌年度には回復するという傾向が続いております。また、先生からお話のございました医療の特性からの特徴としましては、小児病院、それからまた精神科病院につきましては、総合病院と比較して自己収支比率は低い傾向にございます。 # 長橋委員 長橋委員今お話があったとおり、六〇ポイントから七〇ポイントと、一〇%向上したということであります。たび重なる診療報酬の改定の中にあって努力をしてきた。こう考えると、都立病院のままでいいんじゃないかというようにも思うわけでありますけれども、今、分野別に聞くと、小児医療であるとか精神医療については厳しい状況にあるということでありますし、それは医師不足だけの問題ではなくて、社会的なこの時代の変化の中での要請でもあろうかと思うわけであります。そういったことも考えますと、ちょっと読ませていただきましたけれども、指定入院医療機関は地方独立行政法人の非公務員型では運営ができないというふうになっているわけでありますが、都立病院もこういう分野を担っているわけでありますけれども、これは独法化できないということになるのではなかろうかと思いますが、なぜこういった指定入院医療機関が独法化、非公務員型はできないのか教えていただきたいと思います。 # 黒田参事 黒田参事医療観察法に基づきます指定入院医療機関についてでございますが、この法律、すなわち心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律では、お話のございました指定入院医療機関の指定につきましては、この法律の十六条で限定されておるところでございますが、その中には公務員型の独立行政法人は含まれておりますが、非公務員型の独立行政法人は除外されております。最高裁判所の事務総局に照会をしましたところ、指定入院医療機関を公務員型の独立行政法人に限定した理由について二点の説明がございまして、まず第一に、この法律に基づきまして入院による医療が行われるわけですが、この入院医療は対象者の意思に反しても行い得るものであるということを踏まえたものであるという見解がございました。続きまして、この指定入院医療機関に入院中の対象者が無断で退去してしまった場合には、その者を連れ戻すことが可能であるということも踏まえたものであるという見解も最高裁判所の事務総局から示されているところでございます。なお、現在、指定入院医療機関を運営しております国立の精神・神経センターは、平成二十二年度に非公務員型の独立行政法人になることが既に決定されております。このため、指定入院医療機関としての取り扱いがどのようになるのかということにつきまして、鋭意情報を収集しているところでございます。 # 長橋委員 長橋委員今お話があったとおり、いわゆる独法化に当たっても、この病院事業についてはまだまだ未整備な点があるわけでありまして、国もまだ検討しているということでありますし、そういう中で拙速に独法化をするべきじゃないということは繰り返していっているわけでありますけれども、もちろん経営形態について検討していく、よりよい方向に検討していくことが大事であるかと思いますけれども、それ以上に、私は、今、病院経営本部が抱えている課題はたくさんあろうかと思います。前の委員会で質疑をいたしました小児三病院の移転統合、これもさまざま議論をさせていただきましたし、また、私が質問しました大塚病院での小児精神科外来の開設、これもしっかりと進めていただきたいと思うわけであります。また、駒込病院の改修、また駒込病院のがん診療拠点病院、これを目指すということもありますし、そういう中で、今抱えている課題はきちっと詰めていかなければ困る。これがおくれることがあってはならないし、これをまさに整備していくということが今の病院経営本部の課題ではなかろうかと僕は思うわけでありますけれども、こういった大変重要な事業を推進するに当たって、この独法化というものがかえって影響を与えてしまうと私は困るといいますか、皆さんも困るわけでありまして、その辺についてはどういうふうに考えているのかお伺いをいたします。 # 黒田参事 黒田参事独立行政法人化によります重要事業への影響についてでございますが、先生からもお話がございました、現在都立病院が進めております各事業につきましては、仮に地方独立行政法人化した場合にありましても、これらの事業は何ら変更することなく継続していくものと考えております。一方で、仮に地方独立行政法人化した場合には、組織、人員、予算など、病院運営の根幹となる運営システムが変更となり、病院の現場にも大きな影響を与える可能性がありますことから、移行する場合には十分な準備が必要になるというふうに考えております。このため、今後、経営形態の検討を進めるに当たりましては、こうした点も十分に踏まえていく必要があるというふうに考えております。 # 長橋委員 長橋委員ちょっとご答弁に、仮に地方独立行政法人化しても何ら変更することない、しっかりやっていくということでありますけれども、何かすぐに移行するようなニュアンスもなきにしもあらずで、やはりきちっと検討していただきたい、こう思うわけであります。最後に、この報告の中に、国における公立病院改革というところがございます。これを読みますと、総務省は平成十九年内、今年ですね、十九年内に各自治体にガイドラインを示し、経営指標に関する数値目標を設定した改革プランを策定するよう促すということでありますけれども、総務省において、有識者による公立病院改革懇談会を平成十九年の七月に設置をされた。まだ設置されたばかりですね。そこで、公立病院改革ガイドライン策定に向け、現在、経営効率化、再編ネットワーク化、経営形態の見直しについて検討を行っているということであります。それに対してこの報告があるわけでありますけれども、あわせて病院経営本部は、今年度中に、来年の早々だと思いますけれども、第二次都立病院改革実行プログラムを策定するといっているわけであります。国がこのガイドラインをまだ策定している最中に普通は、私は前のほかの委員会にいたときに、地域防災計画とか、そういったものを東京都がつくると、それに倣って区市町村がつくる、一年かけてつくる、こういうことであります。国が今そういうガイドラインをつくっている中にあって、今年度中、来年早々にはこの第二次都立病院改革実行プログラムがもうできるということであります。もちろん、こういった経営委員会の意見も踏まえて、きょうの委員会等の質疑も踏まえてつくられるということだと思いますけれども、ちょっと余りにも早くできてしまうのではなかろうか、こういうふうにも思うわけであります。いわゆる先行事例、きょうの資料にあります。先行事例が四例あるということでありますが、この委員会でも岡山県の病院には行きました。これは公務員型であります。今この報告書で一番柔軟な経営形態は独立行政法人の非公務員型だ、こういっているわけでありますけれども、非公務員型は宮城の県立こども病院、そして長崎県の町立病院、この二つしかないわけであります。町立の病院と県立の病院でありますから、我が党は早速、大阪の病院も公務員型でやっているわけですけれども、大阪と宮城に視察に行ってまいりました。大変参考になった。そこでの一番の感想は、やはり現場を見なきゃわからない、現場を見て検証しなきゃわからない、こういうことでありますけれども、なおかつ、宮城の県立病院は、ここのホームページを見たら、院長先生があいさつしているんですけれども、もともと宮城県立こども病院は公設民営の病院であった。運営を財団法人厚生会に委託をしていましたが、平成十五年の地方自治法の改正その他の諸般の事情により、平成十八年度から、厚生会から自立して地方独立行政法人としてスタートしたということですから、もともと公設民営ですから、ある意味では非公務員の独法化にしては、今いろいろな課題にあっては、移行がしやすかった。課題もあったと思いますけれども、移行がかなり条件が当てはまっていたというふうに思うわけでありまして、県立病院では非公務員型はここ一カ所しかないわけです、あとは町立ですから。ここを参考にするといっても、検証するといっても、まだ検証する状態に僕はないと思うわけでありまして、ぜひ、もちろんこの委員会の報告は尊重もするわけでありますけれども、この独法化については、非公務員化については、検証とともに時間をかけていただきたいというふうに思うわけであります。ぜひそういったことを含めて、この経営委員会の報告、また、先ほどの国のガイドラインの話もしましたけれども、そこら辺を含めて、今後どのように対応していくのか、最後に本部長にお伺いをしたいと思います。 # 秋山病院経営本部長 秋山病院経営本部長都立病院はこれまでも、患者中心の効果的で効率的な医療体制の実現に向けまして、全国に先駆けて都立病院改革に取り組んできたというふうに考えております。ご指摘の国の公立病院改革ガイドラインでございますが、この動向につきましては我々としても注視をしておりますけれども、これまでもこのような国の取り組みに先駆けまして都立病院改革に取り組んできたということでもございまして、今年度中に第二次都立病院改革実行プログラムを策定し、今後とも都立病院改革を着実に推進していくということは、この国の動きとも合致するものだというふうには考えてございます。また、国のガイドラインにおきましても、経営形態のあり方として、これが重要な一つの課題という形で掲げられておりますけれども、経営委員会報告でも指摘されておりますとおり、さまざまな課題の解決に向けて十分な検討が必要であるという認識につきましては、もう長橋理事のご指摘のとおりだというふうに思っております。特に現段階では、自治体病院の地方独立行政法人化の事例が極めて少ないというのもただいまご指摘を受けました。実例に基づく詳細な検討がなかなか難しいということもございまして、今後、国や他の自治体の動向、これもしっかり見きわめていかなければいけないだろうというふうに考えております。ただいま参事の答弁で、仮に独法化した場合という答弁がございまして、直ちに選択肢として考えているんじゃないかというご意見がございましたが、そういうことではございませんで、経営形態のあり方につきましては病院の根幹にかかわると。ただ、先ほど申し上げたとおり、迅速な対応、弾力的な対応をするための経営形態の検討はやはりしていく必要があるだろうというふうには思ってございますけれども、経営委員会の報告、これは課題も含めて、それとともに、ただいまの長橋理事からのご指摘も踏まえまして、都としての考え方を今年度中に作成するプログラムの中で明らかにしていきたいというふうに考えております。また、これもご指摘がございましたけれども、足元にはさまざまな課題が山積しているというのはもうそのとおりでございまして、そういった地に足の着いた喫緊の課題、こういったものにきちんと対応していくことが何よりもまず大事なことだろうというふうに考えておりまして、都民の皆様の医療サービスの向上に向けて全力で取り組んでいきたいというふうに思っております。 # 長橋委員 長橋委員本部長からお話、またご説明をいただきまして、決して私もすぐに独法化になるなんて思っているわけじゃないし、病院経営本部がそういうふうに考えていないことは十分わかっているわけでありまして、また、今回の経営形態の見直しについては、もちろんそんなことはないと思いますけれども、拙速な変更はかえってこの課題解決につながらないし、間違えると、これはかえって逆の方向に行ってしまうわけでございます。今年度、病院改革実行プログラム、これを策定するに当たっては、慎重かつ十分な検討をぜひとも行っていただきたい、お願いをいたしまして、質問を終わります。 # 野上委員長 野上委員長この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。午後二時五十八分休憩午後三時十二分開議 # 野上委員長 野上委員長休憩前に引き続き委員会を開きます。質疑を続行いたします。発言を願います。 # 吉田委員 吉田委員私も、報告、今後の都立病院の経営形態のあり方について及び陳情、都立病院の地方独立行政法人化などをやめ安心してかかれる公的医療の充実に関する陳情について質疑をし、意見を述べたいと思います。報告は、制度面での課題や当面の課題などを挙げ、十分な検討を行うべきとの指摘をしながらも、一般地方独立行政法人(非公務員型)が制度的にも最も柔軟な経営形態であるという結論を下しています。しかし、都立病院が真に行政医療を担うという点でも、また、その支えとなる総合診療基盤を確保し、都民、患者の医療ニーズにもこたえていくというためにも、また、経済的にも貧困が拡大する中で都民が安心してかかることのできる命綱としての役割を発揮するためにも、私は都立直営で拡充することこそ求められていると思います。先ほど来、根幹にかかわる問題であり、慎重に、あるいは時間をかけて検討するということがいわれました。手続的には当然のことでありますけれども、私は、実行プログラムの策定に当たっては、非公務員型地方独立行政法人の導入を盛り込むことなく、都立直営の継続と拡充、そして、報告でも示されていました当面の諸課題解決のために全力を尽くすべきだと思います。以下、その理由について質疑しつつ、意見を述べたいと思います。まず第一の問題は、今回の検討と報告をまとめることになった経過及び背景に関してです。既に議論がありましたけれども、検討の引き金になったのは、昨年七月に発表された行財政改革実行プログラムが、都立病院などの新たな経営形態の検討を掲げ、そこでより効率的、効果的に事業を推進していくため、地方独立行政法人などを視野に検討を実施計画に入れたということが出発点だと思います。これまで病院経営本部などの文書の中には、具体的に地方独立行政法人化などの検討という文言が見当たらなかっただけに、私どもとして大変驚かされたことを思い出しますけれども、この行革実行プログラムは、なぜ、どのような理由で地方独立行政法人化などを視野にというふうに指定し、効率化の観点から検討を求めたものなのでしょうか。 # 黒田参事 黒田参事地方独立行政法人化を視野に入れた検討についてでございますが、公立病院を取り巻く全国的な流れの中で、国立病院が独立行政法人化されるなど、独立行政法人が病院事業においても新たな経営形態のあり方とされていたことなどから、検討の選択肢の一つとして例示され、視野に入れて検討するということになったというふうに考えてございます。 # 吉田委員 吉田委員あくまでも検討の一つだということをご主張されると思いますけれども、実行プログラムでは、あえて具体例として地方独立行政法人化ということを例示したわけですね。しかも、こうした実行プログラムは、その趣旨にあるとおり、都立病院のあり方が、真に都民ニーズにこたえるためという視点よりは、あくまでも行政改革、行政のスリム化ということが中心的な背景として検討が求められているということも着目せざるを得ないと思います。なぜこのことをいうかといいますと、実は、先ほど国絡みの話もありましたけれども、こうした背景に国の動きがあるということも私は改めて着目せざるを得ないと思います。例えば国の行政改革推進法がありますけれども、その第五十五条の五項では、抜粋を読み上げますが、地方公共団体は、公立の大学及び地方公営企業について、一般地方独立行政法人その他の法人への移行を推進するものということが明記をされております。全体は、今国は公務員の削減、財政削減という方向で動いておりますけれども、こうした中で行革実行プログラムがあえて地方独立行政法人を例示して検討を求め、今回の経営委員会の報告でもこれが最適だというふうに示されましたけれども、私は、やはり病院の経営形態を考えるときには、単純にスリム化、行革あるいは職員の削減という視点ではなく、真に今求められている都立病院の役割から検討すべきだということをまず述べておきたいと思います。次にお伺いしたいんですけれども、このように、そもそも国が地方独立行政法人化あるいは非公務員型の地方独立行政法人化への移行を促進しているということの背景あるいはねらい、意図というものはどういうところにあると認識をしているのか、ご答弁をお願いいたします。 # 黒田参事 黒田参事独立行政法人、特に非公務員型についてでございますが、経営委員会の報告の中でも述べられておりますが、非公務員型の独立行政法人の特徴の一つとしまして、職員定数枠がないため、環境の変化に応じた柔軟な人員配置が可能であること、特に非公務員型の場合には、公務員型と異なりまして、常勤職員数を毎年度設立団体に報告する必要がないことが一つの大きな特徴となっておりまして、この理由の一つではないかというふうに考えております。 # 吉田委員 吉田委員そうした個々の問題とともに強調したい点なんですけれども、平成十五年七月に、この法の施行に関連して、総務省行政局長など連名で各都道府県知事あて通知文書、すなわち地方独立行政法人法及び地方独立行政法人法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の公布についてという通知文書が出されております。そこを見ますと、もちろん地方独立行政法人などの判断は地方公共団体の自主的な判断としつつ、今日の厳しい経済状況のもと、各地方公共団体における行政改革をより一層適切に推進していくための新たな手法として位置づけられるものだというふうにこの地方独法化を強調しているわけですよね。しかも、さらにそれに続けて、行政機能の減量化が強く求められている現状にかんがみれば、まず、対象となる事務事業について、その廃止や民間移譲の可能性について十分な検討を行うことが必要ですと。その上で、効率的、効果的に行政サービスを提供できると判断された場合に地方独法が適当であるという旨のことが書かれております。このような国、政府の行政機能の減量化、徹底した行政コストの削減ということが大きな背景にあるということも着目をしておく必要があると思います。もちろん、個々の分析に入る前提として意見を述べさせていただいております。そうしたことの具体的な例として、きょうも委員会資料に出していただきましたけれども、先行的に実施が行われ、五年近くがたとうとしております独立行政法人国立病院機構の場合ですけれども、国からの運営交付金が、この間、毎年一定率で減額をされております。〇四年五百二十億余だったものが、直近で四百九十八億円余、約五%近い減額となっておりますけれども、こうした国立病院機構では、運営交付金の削減がどのような計画のもとで削減をされているのか、また、そうした結果の影響などについては把握していらっしゃるのでしょうか。 # 黒田参事 黒田参事独立行政法人国立病院機構におきます運営費の削減についてでございますが、経営形態の検討に当たりまして、国立病院機構につきましても調査を行ったところでございます。運営交付金の推移につきましては、今回の厚生委員会要求資料で提出させていただいたところでございますが、運営費に関しまして、その具体的な評価を行う立場にはないというふうに考えております。 # 吉田委員 吉田委員先ほど来、情勢にかみ合った柔軟な運営ができるというようなことがメリットとして強調されていたと思うんですが、私の認識では、この国立病院機構の運営費はもう初めから毎年一%削減と、五年間、毎年毎年。こういうことが効率化係数によって定められている。だから、どんなことがあっても、これから五年間は運営交付金は一%ずつ削減されるということが、初めから枠がかぶさるわけですよね。そういう中で、果たして適切な、状況に応じた、財政的にフレームがかかる中で運営ができるのかということが、例えば国立病院機構の例を見たときに考えることができますし、また、それは国立だけではなく、先行的に行われている首都大学の場合はどうかというふうに見ますと、これはもっと削減率が大きくて、毎年二・五%の減額ということが定められているわけですよね。こうして財政フレームがある程度、交付金が定められている中で、どんなに努力をしたとしても、一定の制約が生まれることは明らかですし、報告書でも、国の独立行政法人化の運営を見ると、運営交付金の一律削減が課せられているなど、国の財政面からの効率化が前面に出ている例もあるというふうに報告書自身も認めざるを得ませんでした。そして設立団体が負担する経費の基本的な考え方は、現行の一般会計繰出金と変わらないが、都の財政状況によっては影響を受けるおそれがあるというふうに指摘をしております。こうしたように、たとえ病院経営本部としては、こういう仕組みができたとしても、必要な運営交付金を出したいんだという意図があったとしても、一たん独立行政法人化のレールに入れば、そうした視点であらゆるものが点検されるということになるわけですから、実際上、運営上大きなマイナスを及ぼしかねないと思います。先ほど大阪の例がありました。私ども大阪に行ってまいりましたけれども、大阪の場合も、五カ年の目標、計画の中で、五年間で約六十六億円の不良債権を解消するということが目標として定められておるわけであります。さらに、私、まだまだ勉強が足らない点ありますが、驚いたことは、国立病院機構は、来年度で五年間の中期目標、中期計画が終わるわけですよね。それに向けてどういうことが検討されているかといえば、ことし発表されたいわゆる骨太方針二〇〇七において、すべての独立行政法人について民営化や民間委託の是非を検討し、独立行政法人整理合理化計画を策定するということで、たしか今年中にこの整理合理化計画を策定しているところだと思います、出ているのかもしれませんけれども。このように、一たん独立行政法人に移行したとしても、こうした五年ごとの中で民営化や廃止を含めて検討するんだという仕組みになっていることも、私はこの際見ておく必要があると思うんです。そうすると、地方独法であったとしても、このように五カ年間なりの中期計画が終了時点で、事業を継続していくのか、廃止をするのか、民営化するのか、そういう検討が求められるということになると思うんですが、いかがでしょうか。 # 黒田参事 黒田参事独立行政法人とその後の経営形態についてでございますが、都の場合について申し上げますと、地方独立行政法人化が決まっているという状況にはございませんで、先ほど来答弁していますとおり、経営形態について現在検討をしているところでございます。来年、今年度中に策定いたします第二次プログラムの中で明らかにしてまいります。したがいまして、地方独立行政法人化の後の経営形態がどうなるかということについては、現時点ではご答弁することは極めて困難であるというふうに考えておりますが、私どもは、東京都といたしましては、行政的医療という都立病院の基本的役割に関しては今後とも堅持していくということを先ほどご答弁させていただきましたが、行政的医療については今後とも堅持していくという考えでございます。 # 吉田委員 吉田委員私も、何も今の時点で独断的に東京都がこうするだろうという意味で発言したものではありません。現在の法の仕組みについて、この機会に確かめたかったわけであります。そこで改めてお伺いしますが、地方独立行政法人法第三十一条では、中期目標の期間の終了時の検討についてどのように規定しているのでしょうか。 # 黒田参事 黒田参事地方独立行政法人法についてでございますが、この法律の第三十一条におきましては、設立団体の長は、地方独立行政法人の中期目標の期間の終了時におきまして、当該地方独立行政法人の業務を継続させる必要性、組織のあり方その他その組織及び業務の全般にわたる検討を行い、その結果に基づき所要の措置を講ずるものとする、このように規定しているところでございます。 # 吉田委員 吉田委員これも一般論ですけれども、ぎょうせいという出版社から出ている「逐条解説地方独立行政法人法」の解説を読みますと、例えばその具体的な解説として、行政主体が担う必要性が乏しくなった事務事業を廃止あるいは民営化し、また、時宜に応じた事業運営の方法に改めるなど、機動的、弾力的な業務運営が行われることとなると。こういうものが一般論としての地方独法の仕組みだということについても、私は見ておかなければならないなというふうに思いました。次にお伺いしたいのは、経営委員会の検討の経過についてなんですけれども、先ほども根幹にかかわるというお話がありましたけれども、そういう極めて重大な問題にかかわる問題であります。そのことについて、私も公表されている議事録は一通り読ませていただきました。経営委員会はたしか五回開かれております。ただ、私の読む限りでは、五回の経営委員会がどういうテーマで一回ずつ議論を深めてきたのかということについては、非常に大ざっぱな印象を率直に持たざるを得ませんでしたし、同時に、検討するからには、まだ時期的には短いですけれども、国はもう五年がたとうとしておりますし、大阪は一年が経過をいたしましたけれども、そうしたことについてもきちんと経営委員会の中で報告をして、そうした先進といいますか、既に行われた事例について検討するということが必要だと思うんですが、議事録を読む限り、そうしたことが行われたことが見当たらないんですが、いかがですか。 # 黒田参事 黒田参事経営委員会におきます検討状況、また検討課題についてでございますが、経営委員会の開催に当たりましては、それぞれの開催時に必要なテーマを提示した上で検討をしていただきました。また、この経営形態の検討に当たりまして、国立病院機構、大阪府立病院機構の先行事例につきまして、病院経営本部として調査を行いました。その結果について検討委員会での検討に反映いたしました。 # 吉田委員 吉田委員私の議事録の読み方が不十分だったかもしれませんけれども、国立や大阪の事例などについて踏み込んだ報告及びその質疑というものは、私自身は読み取ることができませんでした。言葉として大阪とか国立とかといったことはもちろんあるでしょうけれども、踏み込んで調査結果が報告をされ、それに基づいて質疑をされたとは到底受けとめることはできませんでした。そうした中で、あえて最も柔軟なものとして、非公務員型地方独法最適というふうな結論が導き出されたのは、余りにも拙速ではないかというふうに思いますし、ましてや非公務員型地方独法は、先ほど話がありましたけれども、規模的に全く小規模の、しかも、もともと都立、公立病院から独法化へではなくて、医師会委託や、あるいは法人からの変更という点で参考になるものではないと思います。さらに、非公務員型の場合には、当然職員との合意ということが非常に大きな問題となると思うんですけれども、こうした点についてはどのように考えていらっしゃるのでしょうか。 # 黒田参事 黒田参事非公務員型の独立行政法人と職員との関係についてでございますが、まず、自治体病院での非公務員型の地方独立行政法人の導入事例は極めて少なく、経営委員会報告が指摘しておりますように、今後、国や他の地方公共団体の動向などを十分に見きわめる必要があるというふうに認識しております。また、職員に関してでございますが、経営委員会報告では、設立団体の職員は、別に辞令を発せられなければ自動的に地方独立行政法人へ引き継がれることになり、地方公共団体の職員ではなくなるため、十分な説明が必要であり、特に非公務員型の場合、公務員でなくなるため十分な調整が必要である、このように述べられております。 # 吉田委員 吉田委員十分な合意が必要であるというのは当然のことなんですけれども、地方独法化した場合、職員のやりがいが発揮されるかのような記述が示されております。その方が働きがいが発揮されるのではないかというようなことがありますけれども、そもそも現時点でも職員団体からは、こうした非公務員型地方独法化の検討に対して厳しい批判の声が上げられているわけですよね。もともと公務員で就職した人が非公務員になって、それでやりがいを発揮しなさいというふうに仮定すること自身が極めて私は困難なことだというふうに考えております。次に、地方独法のメリットということについて具体的なお話がありました。議事録などを読むと、驚くべきことに、都立病院直営という形態では、何かもう制度的に限界だと、あるいは経営形態の激変が不可欠だというふうに強調されていますけれども、これは余りにも短絡的な、自分たち自身が行ってきたことを限界だというふうにいわれること自身が私としては理解ができないわけですけれども、抽象的な議論ではなく、なるべく具体的に議論をしたいと思うんですが、例えば独法のメリットの一つとして挙げている医療人材の確保についてなんですけれども、都立直営よりも非公務員型の独法化の方が医療人材の確保はしやすいんだというふうな判断ができるのでしょうか。 # 黒田参事 黒田参事地方独立行政法人と人材確保についてでございますが、都立病院経営委員会報告では、地方独立行政法人は、理事長がみずからの裁量で病院の実情に合った適切な人員配置を行うことができ、経営状況や職員の業績を反映させた給与体系の設定が可能であることなど、制度的には人材確保に当たって柔軟な対応が可能であると述べられております。 # 吉田委員 吉田委員一般論で述べられておりますけれども、具体的な根拠は今の範囲ではわからないわけですよね。しかも、これはまだ公式の議事録が出されておりませんが、第四回経営委員会を傍聴された方のメモを読ませていただきましたら、要するに医師確保について、経営形態が変わった場合の問題点について第四回で議論があったと思います。そのときに、高橋職員課長は、経営形態で医師確保が変わるとは思われない旨のご発言をされ、大道委員長がそれを引き取って、変化ないとのお答えだという旨のお話をされていると。また、第三回経営委員会、これは議事録が既に出ておりますが、大道委員長は、医師確保において給与だけが条件ではなく、勤務形態だとか勤務地、診療領域などの要因で、仕事をするかどうかを決めるのは当然だと。都立病院で医師として働けるというのは、別の意味で大きなモチベーションになってやっていることも事実であるということを委員長は発言されていますよね。そういう点では、もちろん給与を上げていかなきゃならないんですけれども、都立病院で医師として働くということ自身が、医師確保にとって、医師のやりがいにとって大きなモチベーションなんだというふうに強調していることは、私は非常に重要な指摘だというふうに思います。それで、先ほどの話とちょっとダブりますけれども、例えば国立病院機構やあるいは大阪府立病院の独法化で、職員の離職率が改善されたり、医師などの人材確保が向上したというふうなことはいえるのでしょうか。 # 黒田参事 黒田参事大阪府立病院機構と人材確保についてでございますが、大阪府立病院機構につきましては、経営形態の検討に当たりましてさまざまな観点から調査を行っております。しかし、人材確保の点についての資料は特に公表されていないことから、人材確保の状況については私どもとしては存じ上げていないところでございます。 # 吉田委員 吉田委員私どもは、十月に大阪府、そして独立行政法人病院機構、さらに、その一つの病院であります母子医療センターを訪問して話を聞いてまいりました。昨年度、初年度になりますけれども、予想を超える黒字化を果たすことができたと。その中でも、母子医療センターがたしか九億円だと思いますが、最も稼ぎ頭だったわけですけれども、しかし、結果的には、黒字目標達成のために頑張り過ぎて、医師、助産師が燃え尽きてしまうというふうな状況になって、医師では九名中四名が退職し五名になり、助産師では七十名のうち二十五名が退職をした。そして、総長を含めて関係者の皆さんに聞いたんですけれども、コスト意識と効率性ばかりにとらえられると、医療スタッフのやる気が失われるというふうな言葉を聞いたことは非常に印象的でした。大阪府立病院機構は、初年度、予想を上回る黒字を達成いたしましたけれども、しかし、それは収益面では目標は下がったんですよね。何で黒字になったかというと、収益は上がらなかったんだけれども、費用面で給与費を中心に大幅に目標を上回る削減をすることができたというのが十三億円の黒字化の原因だというふうに報告書の中でも書かれております。こうしたことで真に人材確保が改善することができるのかというふうに指摘せざるを得ません。次に、PFI事業との関係も、実は以前、私、PFIに関連してお聞きいたしましたけれども、これは既に先ほどお話がありました。東京都のようにまずPFI事業が先行して、東京都とSPCが契約をしておきながら、その契約相手が東京都から独立行政法人にかわるというふうな例は、多分これから本格的なことだと思います。したがって、SPCからすれば、東京都だと思って安心して契約したのに、突如として東京都から、幾ら継承できるといっても、独立行政法人にかわるということに異議が唱えられる可能性というのは十分あると思うんですよね。そうしたこと自身一つをとってみてもさまざまな問題がありますし、また、第四回経営委員会の中で、わずかですが、PFIの問題の議論がされているように受けとめましたけれども、三人ほどの委員及び委員長から、前例がない、不安を持っている、独法となった場合いろいろ問題がある、独法化したとき、PFIと併存できないなどの旨の発言がされているということは、やはり改めて受けとめておくべきことだと思います。次にお伺いしたいのは、議会のチェックが、今の都立直営の形態から非公務員型の地方独法になった場合にどういうふうになるのか、このことについてお伺いしたいんですが、いかがでしょうか。 # 黒田参事 黒田参事都議会との関係についてでございますが、現在の都立病院は都の一組織でございまして、組織定数は議会の議決を経まして条例等で定められております。また、毎年度の議会による予算の議決、決算の認定などが行われております。一方、地方独立行政法人では、設立に当たって議会の議決を経て定款が定められるほか、三年から五年の中期目標について、さらには病院事業などの公営企業型の場合には、この中期目標に基づいて作成される中期計画につきまして議会の議決が必要とされております。このほか、評価委員会による各事業年度及び中期目標に係る評価結果を長から議会に報告することとされております。 # 吉田委員 吉田委員明らかに現在の場合には、毎年の予算、決算がそれぞれ都議会に報告をされ、採決がされるということや、また、一定額以上の契約なども議会に報告をされ、財政委員会も含めて議会の同意が求められますし、さらに事務事業質疑では、都立病院の全般的な状況について質疑をするということになります。しかし、今度といいますか、非公務員型の地方独法の場合には、東京都の側の組織は残るでしょうけれども、直接的には、いわゆる独立行政法人が運営をするということになり、三から五年の目標や計画については議会に諮られますけれども、運営費を除けば、個々の予算執行などについては、今までと比べれば大幅に議会としてのチェックの対象が縮小されていくということは明らかだと思うんですね。最後に、都議会に提出をされた、この独法化ではなく都立病院の継続拡充を求め、また、小児病院の統廃合ではなくて存続を求める、継続を求めるという署名は、お示しされている資料にあるとおり四万二千百二十二名の方から寄せられております。また、東京の保健・衛生・医療の充実を求める連絡会のアンケートはがきには、約五千名の都民の方から回答が寄せられたと聞いており、大多数、九割の方が直営を求めているという回答があったと聞いております。私もこのアンケート、一冊の本になっていたので読ませていただきましたけれども、例えば多摩地域四十代の女性は、清瀬病院清瀬小児病院だと思いますがにずっとお世話になっています、長期入院し、本当によく診ていただきました、経営難から減少しつつある小児科をどうか公立で支えていっていただきたいという声が寄せられておりましたし、区部の六十代の男性は、年金暮らしの都民にとって、私立病院の高額な医療費は負担が大きく、将来において不安です、ぜひ都立病院を存続してほしいという声を上げておりましたし、多摩の六十代の男性は、ことし六月に狭心症のため府中病院に入院しました、主治医の先生、病棟内の多くの看護師さんたちの心温まる看護に感謝の気持ちでいっぱいです、このような病院の体制が末永く存続されることを望んでいますと。一部だけを紹介しましたけれども、こういう声が寄せられております。こうした署名に示された都民の声をどのように受けとめるのでしょうか。 # 黒田参事 黒田参事署名をどう受けとめるのかということについてでございますが、四万人余の署名は受けとめておりますが、私ども行政の執行機関といたしましては、当然、都民の代表である都議会の議決や決議に従うとともに、本会議や本委員会における質疑、ご意見の趨勢を行政施策に反映させていくものでございます。都立病院は、行政的医療を安定的に提供していくという使命を担っておりまして、この都立病院にとりましてどのような経営形態がふさわしいのかということにつきまして、今後、慎重かつ十分な検討を行うことにつきましては、先ほど来ご答弁申し上げているとおりでございます。 # 吉田委員 吉田委員きょうも委員会でいろいろな方から意見がありましたけれども、私の意見も含めて、ぜひ本委員会の質疑、意見を受けとめていただきたいと思いますし、また、検討に当たっては、当然、直接当事者となる職員団体の皆さんなどの意見をきちんと受けとめるということを要望としておきます。最後に、都立病院改革マスタープランの発表から六年が経過をいたしました。八王子、清瀬、梅ケ丘の小児病院存続という点では、今でも多くの区民、市民の皆さんが署名活動などを求めて運動を続けております。また、代替措置として、清瀬小児病院の場合には多摩北部医療センターが挙げられておりますけれども、小児科医師がわずか二名ということで、実際上の対応が困難になる。また、公社病院に移管した荏原病院を初め他の公社病院においても、医師や看護師不足によって病棟閉鎖などを含めた事態が生まれるという状況があります。豊島病院は、当初、老人医療センターとの統合、民営化ということがマスタープランでは打ち出されましたけれども、結果的には公社化ということが今打ち出され、老人医療センターは民営化ではなく独法化ということで、計画の大きな変更も余儀なくされております。私は、こうした現時点に立って、都立病院の経営形態以前の問題として、こうしたマスタープランそのものを現時点で改めて再検討すべきだというふうに思いますし、また、先ほどから話がありました、医師不足を初めとする、当面喫緊の解決すべき課題に全力で取り組むべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。 # 黒田参事 黒田参事都立病院改革マスタープランについてでございますが、このプランは平成十三年の十二月に、都立病院から二十一世紀の医療の創造ということで策定したものでございます。医療環境が目まぐるしく変化する中では、都民の皆さんに適切な医療を提供するという中で不断の改革を継続していくことが重要であるというふうに考えております。また、本マスタープランの前文には、安全・安心を支える質の高い患者中心の医療の実現と都民の皆さんに対する総体としての医療サービスの向上を図る具体的な道筋を明らかにするためにこのマスタープランを策定したということが述べられております。この患者中心の医療、都民の皆さんへの患者サービスの向上、こういった考え方は変わるものではございませんで、引き続き東京都、都立病院としましては、都民の皆さんにとってふさわしい都立病院経営を心がけていくつもりでございます。 # 吉田委員 吉田委員以上、質疑をし、意見を述べさせていただきましたけれども、最後に、陳情一九第五五号については採択を求めるものです。以上。 # 西崎委員 西崎委員都立病院経営委員会報告に関しましては、ほかの委員からもう多くの質疑が出ていますので、意見だけ述べさせていただきます。これまでの厚生委員会におきまして議論されてきましたように、都立病院に限ったことではありませんが、日本の医療において、医師不足、看護師不足は深刻な問題です。また、診療報酬のマイナス改定の影響などによりまして、病院経営は一層厳しくなっています。こうした状況を打開することが都立病院の喫緊の課題であると思います。都議会生活者ネットワークは、生活者の視点に立った医療、患者中心の医療の実現が重要であると考えまして、先日の事務事業質疑の際にも、都立病院の子ども患者権利章典を取り上げ、こうした取り組みを一層推進していただくことを要望してまいりました。今回の経営形態の検討に関しましても、経営形態を変更することにより、都立病院がいかに医療サービスを向上させていくことができ、どのように患者中心の医療を行うのかということが重要なポイントになると思います。今回の報告では、非公務員型の地方独立行政法人が制度的に最も柔軟であると提言している一方で、本日の質疑でも取り上げられましたように、さまざまな課題があり、仮に地方独立行政法人化を目指すのであれば、こうした課題をまず解決すべきではないかと思います。特に、先ほども質疑がありましたが、ほかの自治体での地方独立行政法人の導入事例を見ますと、非公務員型は極めて少なく、移行後の期間も短いため、現段階では十分な検証がされていません。経営形態を変更することは都立病院の将来を左右する重要なことですので、十分に時間をかけ検討を進めていくことを要望いたしまして、意見とさせていただきます。 # 野上委員長 野上委員長ほかに発言がなければ、お諮りいたします。報告事項及び陳情に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 野上委員長 野上委員長異議なしと認め、報告事項及び陳情に対する質疑は終了いたしました。これより陳情の採決を行います。陳情一九第五五号についてお諮りいたします。本件は、起立により採決いたします。本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。〔賛成者起立〕 # 野上委員長 野上委員長起立少数と認めます。よって、陳情一九第五五号は不採択と決定をいたしました。陳情の審査を終わります。以上で病院経営本部関係を終わります。これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。午後三時五十九分散会
2024-03-31T11:23:50.739169Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/772370?Template=document&Id=8107#one
--- title: 平成19年厚生委員会 名簿・議事日程 # 平成十九年十二月十四日(金曜日)第七委員会室出席委員十三名委員長野上純子君副委員長山加朱美君副委員長かち佳代子君理事くまき美奈子君理事長橋桂一君理事野島善司君西崎光子君大松成君佐藤広典君田代ひろし君石毛しげる君佐藤裕彦君吉田信夫君欠席委員一名出席説明員福祉保健局局長安藤立美君次長関敏樹君技監梶山純一君総務部長杉村栄一君指導監査部長梶原秀起君医療政策部長細川えみ子君保健政策部長清宮眞知子君生活福祉部長永田元君高齢社会対策部長狩野信夫君少子社会対策部長吉岡則重君障害者施策推進部長松浦和利君健康安全室長桜山豊夫君企画担当部長松井多美雄君施設調整担当部長宮垣豊美子君参事蒲谷繁夫君参事吉井栄一郎君参事住友眞佐美君参事芦田真吾君参事松原定雄君参事菊本弘次君参事金丸陽子君参事奥澤康司君参事月川由紀子君病院経営本部本部長秋山俊行君経営企画部長及川繁巳君サービス推進部長都留佳苗君参事黒田祥之君本日の会議に付した事件意見書について福祉保健局関係契約議案の調査・第二百七号議案東京都医学系総合研究所(仮称)(H十九)I期新築電気設備工事請負契約・第二百八号議案東京都医学系総合研究所(仮称)(H十九)I期新築空調設備工事請負契約付託議案の審査(質疑)・第百九十八号議案東京都児童相談所条例の一部を改正する条例・第百九十九号議案東京都心身障害者扶養共済制度条例・第二百号議案大気汚染に係る健康障害者に対する医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例病院経営本部関係報告事項(質疑)・都立病院経営委員会報告について陳情の審査(1)一九第五五号都立病院の地方独立行政法人化などをやめ安心してかかれる公的医療の充実に関する陳情
2024-03-31T11:23:51.425427Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/772370?Template=document&Id=8106#one
--- title: 平成19年厚生委員会 本文 # 午後一時三分開議 # 野上委員長 野上委員長ただいまから厚生委員会を開会いたします。初めに、会期中の委員会日程について申し上げます。先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程表のとおり申し合わせをいたしました。ご了承願います。本日は、お手元配布の会議日程のとおり、福祉保健局関係の第四回定例会提出予定案件の説明聴取及び請願陳情の審査、並びに病院経営本部関係の報告事項の聴取及び請願の審査を行います。なお、第四回定例会提出予定案件及び報告事項の都立病院経営委員会報告については、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いたいと思います。ご了承願います。また、報告事項の契約の締結については、説明を聴取した後、質疑を終了するまで行いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。これより福祉保健局関係に入ります。初めに、第四回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。 # 安藤福祉保健局長 安藤福祉保健局長平成十九年第四回定例会に提出を予定しております福祉保健局関係の議案につきましてご説明申し上げます。今回ご審議をお願いいたします議案は、条例案三件と契約案二件でございます。初めに、条例案でございます。お配りをいたしました資料は、平成十九年第四回東京都議会定例会条例案とその概要でございます。それでは、条例案の概要をごらんいただきたいと存じます。一ページをお開き願います。整理番号1、東京都児童相談所条例の一部を改正する条例でございます。東京都小平児童相談所が東京都多摩小平保健所の庁舎に移転することに伴いまして、当該児童相談所の位置に変更が生じることから、規定整備を行うものでございます。この条例は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において東京都規則で定める日から施行することとしております。次に、整理番号2、東京都心身障害者扶養共済制度条例でございます。都は、東京都心身障害者扶養年金制度につきまして、東京都心身障害者扶養年金審議会の審議を経て、平成十九年三月一日に廃止をいたしましたが、当審議会から、安定的な運営が可能な全国制度に参加するべきとの答申を受け、これを踏まえまして、全国制度に参加するため、新たに条例を制定するものでございます。この条例は、平成二十年四月一日から施行することとしております。二ページをお開き願います。整理番号3、大気汚染に係る健康障害者に対する医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例でございます。東京大気汚染訴訟の和解を受けまして、一定要件を満たす十八歳以上の気管支ぜんそく患者を医療費助成の対象とするため、規定整備を行うものでございます。この条例は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において東京都規則で定める日から施行することとしております。以上が条例案の概要でございます。条例案の詳細な内容につきましては、お手元の資料、平成十九年第四回東京都議会定例会条例案をご参照いただきたいと存じます。続きまして、契約案についてでございますが、これにつきましては、引き続き総務部長からご説明を申し上げます。よろしくご審議のほどお願いを申し上げます。 # 杉村総務部長 杉村総務部長それでは、引き続きまして、平成十九年第四回定例会に提出を予定いたしております工事請負契約案二件につきましてご説明申し上げます。本契約案は、財政委員会に付託の上、本委員会でご調査いただくものでございます。お手元の資料のうち、工事請負契約の概要をごらんいただきたいと存じます。一ページをお開き願います。東京都医学系総合研究所平成十九年度I期新築工事の概要を二ページにかけましてお示ししてございます。この工事は、だれもが健康に生き続けられる社会の実現を目指しまして、東京都神経科学総合研究所、東京都精神医学総合研究所及び東京都臨床医学総合研究所の三研究所を統合いたしまして、新たに医学系の総合研究所を整備するものでございます。工事場所は、東京都世田谷区上北沢二丁目でございます。敷地面積は一万三千百五十三平方メートル、用途地域は、大半が第一種中高層住居専用地域で、一部、第一種低層住居専用地域となっております。建物の構造は鉄筋コンクリートづくり、地上五階建てでございます。今回のI期工事の建物の規模は、延べ床面積一万二千五十八平方メートルで、実験室、講堂などを設置することとしております。次に、二ページをお開き願います。ページ上段に施設の案内図を、下段に配置図をそれぞれ記載してございます。I期工事は、配置図の北側の実線及び網かけでお示ししている部分でございまして、II期工事は南側の点線部分でございます。次に、三ページをごらん願います。本工事請負契約の概要をお示ししてございます。まず、上段の電気設備工事請負契約についてでございますが、契約金額は十二億一千五百九十万円で、契約の相手方は、協和・千代田・日昭・東陽建設共同企業体でございます。工期は、契約確定の日から平成二十一年三月十日まででございます。次に、下段の空調設備工事請負契約についてでございますが、契約金額は十七億六千四百万円で、契約の相手方は、一工・精研・経塚・大立建設共同企業体でございます。工期は、契約確定の日から平成二十一年三月十日まででございます。契約方法その他につきましては、記載のとおりでございます。なお、四ページ以降に議案の内容を記載してございますので、ご参照いただければと存じます。以上、簡単ではございますが、契約案につきましての説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。 # 野上委員長 野上委員長説明は終わりました。この際、資料要求のある方はご発言を願います。 # かち委員 かち委員四点ほどお願いします。最初は、大気汚染に係る健康障害者に対する医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例に関して、川崎市の制度の概要、二番目に、十八歳未満の現在の制度との比較をお願いいたします。次に、東京都心身障害者扶養共済制度条例にかかわって、初めに、全国の制度の概要、二番目に、国の制度見直しの経過と実際についてお願いいたします。以上です。 # 野上委員長 野上委員長ほかにございませんか。ただいま、かち副委員長から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 野上委員長 野上委員長異議なしと認めます。理事者においては、要求された委員と調整の上、提出願います。 # 野上委員長 野上委員長これより請願陳情の審査を行います。初めに、請願一九第一九号を議題といたします。理事者の説明を求めます。 # 吉岡少子社会対策部長 吉岡少子社会対策部長お手元にお配りしてございます請願・陳情審査説明表に従いまして、ご説明させていただきます。整理番号1、一九第一九号、東京都児童会館の移転・大規模遊び場機能廃止の周知と意見募集に関する請願は、渋谷区のTokyoの子どもの遊び場を守る会代表の田中絵里緒さん外四百六十九名から提出されたものでございます。請願の要旨は、都において、次のことを実現していただきたいというものでございます。まず、第一項でございますが、平成二十一年度以降に、現状の渋谷駅近隣における東京都児童会館の運営を打ち切り、大規模ホール及び大規模な遊び場のない新宿区内の新規施設、子ども家庭総合センター仮称でございますがをもって代替するという計画について、現存施設利用者の意見を郵送やホームページ等で広く募集していただきたいというものでございます。次に、第二項でございますが、移転計画の詳細を、児童会館設置のチラシ及びホームページ等で利用者に知らせていただきたいというものでございます。現在の状況について、まず第一項でございますが、東京都児童会館は、東京都における児童の健全な育成を図るため、昭和三十九年に開設されました。同会館が開設された当時、区市町村の児童館は十八館にすぎませんでしたが、現在では六百二十館に達しており、地域において、遊びを通じて児童の健全な育成を図る場はおおむね整備されてきております。一方で、同会館は、建築後四十年余りが経過し、建物の老朽化が進んでおります。このため、都といたしましては、区市町村との役割分担の観点や、これまで東京都児童会館が培ってきた成果を踏まえ、区市町村の児童館への情報提供、指導員の人材育成などの機能を子ども家庭総合センター(仮称)に機能移転し、区市町村の児童館の支援を強化していくことといたしました。平成十八年一月には、東京都児童会館の機能移転の内容を含む子ども家庭総合センター(仮称)基本構想を策定し、プレス発表するとともに、ホームページで広く都民に公表しております。次に、第二項でございますが、現時点でお示しできる計画につきましては既に公表しております。説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。 # 野上委員長 野上委員長説明は終わりました。本件について発言を願います。 # 野島委員 野島委員今の東京都児童会館に関する請願について、何点かお伺いしておきたいと思います。これまでにも本委員会において、東京都児童会館の機能移転、こういった問題については審議を重ねてまいったということは今さら申すまでもございません。私も、先ほど部長からご説明のあったとおり、東京都児童会館が開設した当時と区市町村の児童館の整備が進んだ現段階、こういうところでは、いろんな状況変化、いわば児童の健全育成をめぐる状況も変化してきているだろうというふうに思っていますし、そのあり方をより止揚して児童館行政を展開していく、こういう立場から見直すことは当然必要だろうというふうに思ってございますし、そんなことを今までの質疑の中でも申し上げたような記憶があるのであります。それで、この請願者の方は、利用者の意見を募集すること及び移転計画の詳細の公表を求めているという願意と受けとめております。そこで、この児童館の機能移転について公表されておりますというお話があったわけでありますが、仮称でありますが、子ども家庭総合センター基本構想の中の一節に書かれておりまして、なかなかこういう部分というのは無味乾燥なんですね、正直なところ、我々一般人がとらえますと。行政の方は、どこから何かをいわれても、いや、そこはしっかりこういう構想の中に書いてあるじゃないですかと、そういうふうな、こういうものをしっかりつくっていただきますので、その辺のところがあると思うんですね。そういう意味では、わかりにくいというのが私はあろうかというふうに思っております。大体、そういうものを読んでいくと、何か、読もうと思うんだけれども、こっちが読み込まれて終わっちゃうというのが実情でございますので、都民にもっとわかりやすく周知する必要があるのではないか、こんなふうに考えておるんですが、その辺はいかがかということ。加えて、請願によれば、児童会館に問い合わせたところ、移転計画について、公式ホームページには一時載せていたが、あえて掲載をやめた、こういう表現が使われているわけです。あえてというのは余りいい言葉じゃありませんで、これから受けとめる印象は、本来持っているのにもかかわらず、あえてやめた、こういうことになりますと、それは情報隠ぺいになりますから、そんなことはないと思うんですが、そういう事実があったかどうかの確認。それから、私の承知する限りでは、構想から具体的に行政がやっていくのは、基本計画をつくったり、年度がまたがれば、あるいは単年度の予算を措置しながら実現していく、こういう行政手続上の問題もあろうかというふうに思っておりますので、この開設時期、つまり、東京都児童会館の機能移転の具体的な時期などがいつの段階で示されるのか。そのことによって皆さんの意見もまたいろいろ出てこようかと思いますので、そんなところをあわせて伺ってまいりたいと思っております。 # 吉岡少子社会対策部長 吉岡少子社会対策部長児童会館の子ども家庭総合センターへの機能移転につきましては、先ほど申し上げましたとおり、子ども家庭総合センター(仮称)基本構想の中で示しておりますけれども、野島理事のご指摘のとおり、福祉保健局のホームページに掲載してはおりますが、まだまだわかりにくいという部分もあろうかと存じますので、今後は、児童会館の利用者を初め都民の方にわかりやすくするために、児童会館のホームページにも基本構想の内容を掲載していくなど、周知方法を工夫してまいりたいと考えております。また、児童会館の機能移転については、今まで児童会館のホームページに掲載したという事実はございません。次に、開設時期に関するお尋ねでございますが、これにつきましては、現在の工事の進捗状況についてご報告いたしますと、子ども家庭総合センター(仮称)の建設予定地では埋蔵文化財が発見されておりまして、来年の一月から三月にかけて試掘調査を行う予定でございます。この試掘調査の結果によりまして、平成二十年度に予定しております本採掘調査の規模なり所要期間というのが確定してまいりますので、そういたしますと、子ども家庭総合センター(仮称)の全体の建設工事スケジュールが確定してまいります。したがいまして、試掘調査の終わります来年度当初には、具体的な子ども家庭総合センター(仮称)の開設予定時期をお示しできるようになると考えております。 # 野島委員 野島委員さっき構想の話をしましたけれども、私ども利用者にとっては、正直なところ、ある意味、構想というのは、ああ、そうなのと、こういう受けとめ方が一般的だと思うんですよ。それを具体化していくために、これから建設工事スケジュール、こういったものを確定していく、こういうことだというふうに思います。特に、具体的なスケジュールとかになりますと、これは当然財源を伴う話ですから、今から構想と同じレベルで、こんなこと、あんなことというふうになかなかいかない、人組みの問題もありますしね。そういう意味では、行政の中でしっかりそれらを縦横に十分検討しながら、できる限り早く利用者の方に正確な情報、これが伝わるような工夫をしていただきたい、こんなことを、情報の提供という意味では強く求めておきたいと思っております。そこで、次に、いろいろ請願の願意も出ているようでございます。既に議論されておりますのでね、と思いつつも、根幹にかかわる部分があるんですね、機能移転の部分と渋谷じゃなくなるよという部分で。この願意の中にもそれが読めるような部分もありますので、根幹のところだけ伺っておきたいと思います。広域的な自治体である東京都の持つ役割と、基礎的な自治体である各区市町村との役割分担、こんなことは地方分権の中で当然のことだろうというふうに思っております。児童の健全育成行政の一環としてのこの児童館行政も、都が先導的にあるいは広域的に実施する都立の児童館、こういったふうな児童館の果たすべき役割と、身近にある区市町村の児童館、こういったふうなところでは、私はその機能が明確にならないといけないというふうに思っております。仮に、都も区市町村も同じようなことをやっていたら、東京都が自治体として先導的にあるいは広域的に役割を果たしていくということができなくなっちゃうわけですから、税にも限りがあるわけですから、その辺は逆にいいますと、二重行政、税金のむだ遣い、こういうご指摘にもなろうかと思いますので、私はそういう意味では、役割分担、これらをしっかりとしながら、連携して、共同して都と区市町村が健全育成行政を進めていく、こんなことが必要だろうというふうに思っております。そういう中で、この児童館が、もう整備を進めている区市町村もありますし、あるいは、一つの方向性はあるけれども、財源との関係でなかなかそこまで至らない、こういうところもあるわけです。あるいは、それを担う人材育成の話もございます。こういうふうな区市町村の役割を踏まえ、広域的な、あるいは先導的なという言葉も加えてもいいと思うんですが、東京都児童会館の機能移転後の役割、何でそっちに動かすんだ、こんなことにつきまして、改めて都の認識を伺っておきたいと思います。 # 吉岡少子社会対策部長 吉岡少子社会対策部長児童館は、児童の健全育成を図っていく上で地域の拠点となる施設でございますけれども、一方で、学童クラブや放課後子ども教室等が増加してきておりまして、地域の児童館の役割は相対的に変化してきております。従来の小学生を主たる対象とした運営に加えまして、乳幼児とその保護者、または中学生、高校生など、さまざまな利用者への対応を強化していく必要があると考えております。一方で、都と区市町村の役割分担の観点から、都立施設であります児童会館は、子ども家庭総合センター(仮称)への機能移転後、区市町村の先駆的な取り組みなどの情報発信や遊びの開発、人材育成など、地域の児童館の支援に重点化を図ってまいります。 # 野島委員 野島委員わかりました。健やかに子どもたちが成長するためにも、社会状況の変化、あるいは、今いったように、区市町村がどういう役割を果たしていくか、それに対して、東京都がどういう役割を果たすことによって区市町村を支援していけるのか、こんなことをしっかりとらまえていただきたいというふうに思っております。東京都全体の児童の健全育成、これを向上させるために、機能を分担しつつ、共同しつつ支援をしていく、こういうことだろうと思いますので、ぜひ先導的な役割をこの場面でもお果たしをいただきたいというふうに思っております。それと、さっきもお話ししましたけれども、ここの児童会館を移転する子ども家庭総合センター、児童相談センター、教育相談センター、そして警視庁所管の新宿少年センターがそれぞれの専門的な立場を生かしながら、親と子どもを一体的、総合的に支援する施設にしていきたいんだ、こういうふうな考えと伺っております。そこで私は、このことが、東京都児童会館が機能移転することに大きくプラスになるだろう、地域の児童館を支援する機能を果たす上でも効果的であろうというふうに思うんです。子どもたちを取り巻くメンタルな部分とか、そういう意味では、市町村が人材的にどうだという部分も、私、正直なところ、感じているところがあるんですよ。それはやっぱり都の専門的な立場からやっていく、そういう視点も必要でありますので、そんなところについて都の所見を伺っておきたいと思います。 # 吉岡少子社会対策部長 吉岡少子社会対策部長東京都の児童会館は、地域の児童館の役割の変化に合わせて、新たな研修プログラムの企画や情報の収集、普及に取り組んでいく必要がございます。その役割を果たしていく上では、障害児のケアや青少年期に特有の行動や心理について、専門性の高い相談機関と緊密な連携を図れる体制というのは有益であるというふうに考えております。 # 野島委員 野島委員わかりました。これで終わりにします。たしか、この児童会館が四十三年間ノウハウを蓄積してきたわけでありますから、そういうことを踏まえつつ、現下の児童を取り巻く状況、これを児童館行政の中で都が先導的、先駆的に展開をしながら市区町村をしっかりバックアップしていく、いわば共同、連携、こういったふうなことでしっかり進めていただきたいと思っております。それから、情報提供の部分はぜひわかりやすく。正直なところ、話はもとに戻りますけれども、構想を読み切って、ああ、わかったというのはないわけですね。自分がそういうところに行ったときに、こういう悩みを抱えている、こういうふうなことを児童館に求めたいとなったときに、ああ、こういう相談ルームもあるのかとか、こういう専門家もいるのかとか、そういう自分の行動に合わせて行政がどうやってくれて合わせてというのはおかしいですな、希望や願いに基づいて行政がどうやってくれるかというのが具体的にならないと、なかなか僕はわかりにくいと思います。ぜひ、わかりやすい広報、こういったふうなこと、それから、いろんな意見を十分聴取して進めていただくことをお願いいたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。 # かち委員 かち委員私からも一九第一九、都立児童会館について質問させていただきます。野島委員とは若干違う立場から質問いたしますけれども、この問題については、何度か私もこの委員会でも質疑をさせていただきました。昨年の一月に子ども家庭総合センター構想が打ち出され、その中にこの児童会館の機能移転という問題が出てきて、それ以降、私も何度か児童会館にも足を運び、また、全国のセンター的な役割を持つ大型の児童館の実態だとか、また、群馬県のこどもの国児童会館にも行ってまいりまして、そういうものをいろいろ見てくる中でも、東京都が三十九年に開設されて、これはもう全国に先駆けて、先駆的に取り組まれてきたわけですけれども、東京の児童会館活動が全国の児童館活動にも大変大きな主導的な役割を果たしてきたということも実感しておりますし、今、子どもたちの置かれている環境や状況が複雑になってくる中で、本当に豊かな親子の育ち合い、こういうことを保障する場である東京都立の児童会館の役割というのは、ますます大きくなっているなというのを今実感しているんです。この機能移転をすることになったきっかけが子ども家庭総合センター構想ということになりまして、そのことが今進んでいるわけですけれども、どういう進捗状況なのかと思いましたら、先ほど質疑がありまして、来年の一月には埋蔵文化財の本格試掘に入るというような状況になっているとのことでした。それで、改めて、私、子ども家庭総合センター構想、一体どういうものなのかということをもう一回読み直してみました。そうしましたら、こんなに分厚い中身なんですけれども、この中で児童会館の機能を移転するという記述が、最後のページのこの半ページ分しか載っていないんですね。児童会館の機能をここに移すことが、子ども家庭総合センターの役割の中でどういう位置づけ、役割を持つのかというようなことが余り記述されていないんですね。ただ、これからのあり方として、地域の児童館の活動のための情報収集だとか機能の支援、または、家庭で行えない木工や科学工作、造形遊びなどをやるというふうには書いてあるんですけれども、あの大きな役割を果たしていた児童会館の役割は一体どのように位置づけているのかなというのは大変見えてこないものですから、ぜひそのところをお聞きしたいというふうに思うんです。あえて児童会館の機能をこのセンターに統合させる必要がどこにあったのかということをお聞きします。 # 吉岡少子社会対策部長 吉岡少子社会対策部長子ども家庭総合センターに児童会館の機能を移転する必要性についてのお尋ねでございますけれども、まず、先生が基本構想を今ご指摘になりましたが、この基本構想では、先生が今ご指摘になったページ以外のところでも、児童会館の機能を移転することについて触れている箇所がございます。新たな子ども家庭総合センターにつきましては、この中で、豊かな親子関係創造部門というのが大きな柱の一つとして位置づけられておりまして、豊かな親子関係を創造するために、地域の児童館活動のノウハウを都全域に広める拠点として、研修、講演会の実施、児童館運営に関する情報の収集、提供、子どもがみずから考え、工夫を凝らし、物をつくる喜びを体験できる機会や遊びの場等を提供し、子どもの健康の増進、豊かな感受性の醸成を図るというふうに位置づけられております。私どもは、児童会館が子ども家庭総合センターに機能移転し、統合されることによりまして、先ほど申し上げましたように、ほかの児童相談センターなど、発達障害やあるいは青少年の心理等について専門性の高い相談機関と緊密な連携を図ることにより、より実効性の高い研修なり人材育成が実現できるようになるというふうに考えております。 # かち委員 かち委員失礼しました。そういえば、三九と四〇ページにかけてちょっと書いてありました。今おっしゃられたような中身は書いてあったんですけれども、この構想そのものは、今、本当に子どもたちをめぐって、被虐待とか暴力とか、また発達障害だとか、非常に複雑な問題がいろいろ子どもたちの中にあらわれている、その背景には、社会的ないろんな環境の変化が大きいんだと思いますけれども、そうした中で、一つ一つの問題解決も大変難しく複雑になっている、だから、一つ一つの、児童相談窓口、教育相談窓口、また少年センターというそれぞれの場での対応だけではし切れない状況もある、だから、統一的に一つの建物の中で総合的に対処したいということは私は理解できるものでありますけれども、大変中身的には重い中身があるんですね。だけれども、児童館に通ってくる子どもさんたちというのは、もっと広い層で、これからもっと豊かな遊びや親子関係や交流を通して育成していく、育っていくという要素の強い役割だと思うんです。そういう意味では、この建物の中にその児童館機能を入れてしまうということは、私は大変異質なものではないかなというふうに思うわけです。それで、今のご答弁の中で、地域の児童館では対応し切れない子どもたちへの支援や中高生への対応が求められている、そういうところに支援をするんだというふうにいわれましたけれども、今の児童会館の中でも家庭相談活動もやっておりますし、また、中高生の居場所問題というのも大変大きな問題に今なっているわけですね。児童館が全都で六百数十カ所できたといいますけれども、中高生の子どもたちが集ったり、いろんな活動をしたりする場所というのはまだ四十数カ所でありまして、しかも、ここにあるような音楽スタジオなどというような重装備なものというのはなかなかないわけです。そういう意味で、中高生の唯一の居場所ともいえるこの児童館の存在意義というのはますます大きいんじゃないかというふうに思います。それで、今日的に見ても、年間八十万人からの利用者が利用している。本当にみんながそこに求めてやってくるということからしても、この児童館を、もう役割は終わったということで、別の機能でということであそこからなくしてしまう道理はないんじゃないかというふうに思うんです。この児童館の機能移転とおっしゃっていますけれども、いま一度、何をしようとしているのかお聞きします。 # 吉岡少子社会対策部長 吉岡少子社会対策部長子ども家庭総合センターに児童会館のどのような機能を移転するのかというお尋ねかと存じますが、これも先ほど来ご答弁申し上げておりますとおり、先駆的な取り組みの情報収集、提供、それから新たな遊びの開発、それから青少年の心理等に関する専門的な知見を踏まえた研修等々でございます。 # かち委員 かち委員先駆的、専門的な難しい問題についてやるんだとおっしゃっていますけれども、時代とともに子どもたちの育つ環境もいろいろ変わってきます。だから、今までやっていた遊び、それで通用するというものではないですよね。今の環境の中で、どうしたら本当に生き生きと豊かな遊びや成長をはぐくむことができるかというのは、日々研さん、未来に向かって研さんしていかなければならないものなんですよね。ところが、そういうフィールドはもう要らないと。地域の児童館の指導員の人材育成といいますけれども、地域の児童館の活動を支援したり育成していくためにも、あれだけの豊かなスペース、広さ、いろんな遊びがあるというあの中央児童館の機能があって、そこに研修に来たり実践体験をして学び育って、また地域に散っていくということだと思うんです。前、この委員会でも、児童館の指導員をやっていた方もいまして、あの児童館で大変成長することができたとおっしゃっていましたけれども、まさにそのフィールドがなければ、そういう新しい先進的な発掘とか取り組みもできないわけですよ。そういう意味での中央児童館の役割というのがあると思うんですけれども、今度、移転構想の中では、本当に専門的な一部分だけの機能を残すということですね。構想が出たから、基本設計で今動いていらっしゃると思うんですけれども、その基本設計の中では、七階のワンフロア、それと屋上の一部を使うというだけであって、本当に今までのような豊かな遊びを体験できるような、とてもそういうものではないなというのは本当に実感するわけです。そういう意味で、先駆的な役割を果たすんだというのであれば、やっぱり今の規模や内容豊かなあの児童会館を残すべきだというふうに思います。それで、児童会館の中にある六百名規模のホールなんですけれども、ここでも、子どもたちの文化、芸術、それから、お祭りとか音楽コンクールとか、いろんな活動をやっていて、あの児童会館の中の心臓部分みたいな役割を持っていると思うんですけれども、都としては、このホールももう必要ないんだというお考えでしょうか。ホールの今まで果たしてきた役割についてはどのように認識しているでしょうか。 # 吉岡少子社会対策部長 吉岡少子社会対策部長東京都児童会館に併設しておりますホールについてのお尋ねでございますけれども、東京都児童会館が開設をされました昭和三十九年当時は、数少ない公共ホールとして、良質な児童演劇の提供などにより児童の健全な育成に貢献してきたものと考えております。しかしながら、現在では、民間のホールに比べまして比較的低廉な価格で使用できます公共のホールで、都内では五百人以上収容できるものだけでも六十七施設に達しておりまして、児童会館が独自にホールを持つ意義は薄れているものというふうに考えております。 # かち委員 かち委員区市町村にホールが普及してきたからもう必要ないとおっしゃいますけれども、しかし、このホール、今でも利用率八〇%を超えているんですよね。それだけみんなに人気があって、やっぱり利用したいという多くの皆さんの願いですから、そこにやっぱりこたえるべきだというふうに思います。そして、児童会館の機能移転にかかわるお知らせが不十分だということがこの請願者の願意だったと思いますけれども、東京都としてはお知らせをしているといいますけれども、私も児童会館を見た。インターネットでは見つかりません。福祉保健局をたぐってたぐっていくと、やっとこの構想が出てくるんですけれども、これはやっぱり不親切だと思うんですよね。先ほど、これからは充実させていきますといっておりましたけれども、これからって何でしょうか。この構想そのものを、関係者、利用者に今すぐにも明らかにすべきだと思うんですけれども、どうですか。 # 吉岡少子社会対策部長 吉岡少子社会対策部長先ほど、都民にわかりやすくご説明するということで、児童会館のホームページに掲載することを検討していくと申し上げましたけれども、これについては、できるだけ速やかに実施したいというふうに考えております。あと、先ほど、かち副委員長から東京都児童会館のホールの利用率についてちょっとお話がございましたが、平成十八年度のこのホールの利用率につきましては、ステージの利用数というところで見ますと、利用率は五二%というふうになっております。 # かち委員 かち委員私、けさ、児童館に直接聞いた数字ですので。速やかに、直ちに構想から掲載するという確認でいいんですね。はい。それは本当にこの方の願意に沿うものですので、ぜひやっていただきたいと思います。そういう意味で、これはもちろん採択をお願いして、私の質疑を終わります。 # 野上委員長 野上委員長ほかに発言がなければ、これより採決を行います。本件は、起立により採決いたします。本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。〔賛成者起立〕 # 野上委員長 野上委員長起立少数と認めます。よって、請願一九第一九号は不採択と決定いたしました。 # 野上委員長 野上委員長次に、請願一九第九六号を議題といたします。理事者の説明を求めます。 # 細川医療政策部長 細川医療政策部長整理番号2、一九第九六号、多摩地域の小児医療の拡充に関する請願は、清瀬市の中村あや子さん外十名から提出されたものでございます。請願の趣旨は、二十三区に比べ小児科医が少ない多摩地域の現状にかんがみ、多摩地域の小児医療について、次のことを実現していただきたいというものでございます。内容について順にご説明いたします。まず、第一項でございますが、都が責任を持って小児科医師確保対策を行うことというものでございます。次に、第二項でございますが、二十四時間三百六十五日、安全・安心して子育てができるように、休日・夜間の小児医療を確保することというものでございます。第三項でございますが、多摩地域の都民の要望をきちんと聞き、小児医療の充実に取り組むことというものでございます。現在の状況について、まず第一項でございますが、医師確保対策は、制度設計者である国がまずその責任を果たすべきものであることから、本年六月、都は国に対して、産科、小児科等の病院勤務医師の養成などについて具体的な緊急提案を行いました。一方、都においても、東京都地域医療対策協議会を設置し、学識経験者、医療関係者、区市町村代表及び住民代表など、さまざまな立場からの意見を交えながら、都内における医療従事者確保の方策について協議を行っております。次に、第二項でございますが、都は、休日・全夜間診療事業(小児科)を実施し、緊急に入院治療が必要な小児患者に三百六十五日二十四時間小児科医が対応する二次救急医療機関を、多摩地域のすべての二次保健医療圏で確保しております。平成十九年十一月現在、緊急入院のための病床として、東京都全体で四十七施設七十二床、このうち多摩地域においては十五施設二十五床を確保しております。このほか、都は、市町村が行う休日及び平日夜間の初期救急診療事業への補助を行い、身近な地域で初期救急診療を受けられる体制の整備を支援しております。第三項でございますが、都は、東京都における小児医療の拠点施設として、多摩メディカル・キャンパス内に小児総合医療センター(仮称)の整備を進めるとともに、多摩北部医療センターを小児科二次救急医療機関として確保するなど、各市町村や医師会等関係団体とも連携を図りながら、多摩地域における小児医療の充実に努めております。説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。 # 野上委員長 野上委員長説明は終わりました。本件について発言を願います。 # 田代委員 田代委員小児科を初めとする医師不足、大変大きな問題に最近なっているわけですけれども、地域の小児医療の提供に必要な小児科医を確保してほしい、これはもっともな要望だと思うんですね。しかし、今お話しいただきましたように、国がやらなくてはならない、それに対して東京都がどういう体制をとっていくのかということを具体的に図っていかなくてはならないわけでありまして、この医師不足の背景にはいろいろ大きな問題が幾つかあると思うんです。病院の勤務がきついでありますとか、あるいは、二十四時間ということで肉体的にも精神的にも極限まで働かされているという状況もある。じゃ、開業医の先生たちが何にもしていないかというと、そんなことはないのであって、一生懸命往診もしている。表に出てこないために、何となく病院だけが大変なように見えますけれども、両方大変な状況で今取り組んでいるわけです。これを解決していくためには、先ほどおっしゃった、東京都から国へ申し上げたこと、あるいは東京都の中でいろいろ議論なさっていること、こういうものを実際に生かしていかなくてはならないわけですけれども、今、現実に医師の数が足りなくて、しかも生身の人間が生きているんだというところの問題の解決は、一つは、医師をふやせばふやすほど医療費が高くなってしまって、医療費が高くなること自身が国にとってマイナスなんだという間違えた考え方の是正を、少なくとも東京都はしっかり持っていていただきたいということ。それから、生身の人間であるからというだけのいいわけでは、これは済まないことであって、生身の人間じゃなくてできることも、工夫ですね、どこかで、直接、医師あるいは看護師、あるいは周りの医療関係の人たちに不要なプレッシャーがかからないような、そういうような取り組みというのが非常に重要だと思いますし、特に福祉保健は、医師不足ということを考えて全体を見ていかなくちゃならない。病院経営本部は、都立病院の医師不足を見ていかなくちゃいけない。それぞれ微妙に立場は違うと思うんですけれども、やはり大きな立場で見ていかなくちゃいけないわけですから、そこをしっかりとらえておいていただきたいと思うんですね。ですけれども、今もお話しいただきましたように、七十二床のうち二十五床、人口比でいえば適正な人口比になっている。ただ、そうなんですけれども、私も多摩永山病院にいて、地域的に見ると非常に世田谷とは世田谷もかなりでかいんですけれども、比べ物にならない。まして八王子市の往診なんていうと、隣の村というと、隣って歩けるものが世田谷では普通なんですけれども、とんでもない話で、延々三十分かかるなんていうことは普通になってしまうわけで、別に自分の病院の宣伝をするわけじゃないんですけれども、日本医大も、救命救急と外科系の救命救急と二本立てで救命救急をやっているわけですから、それなりに充実はしていると思うんですが、広さというものが一つ目の前にあるわけですね。昔は三多摩格差という言葉があって、今はないといっているわけじゃないんですよ、いろんな問題点も新聞を昔はにぎわしたことがあるんですけれども、最近は、僕が覚えている限りでは余り大きな問題はないような気がするんですが、この請願者がお住まいの清瀬市、北多摩北部の医療圏の小児医療の確保というものに対しては、我が党の野島理事が、かねてよりこの厚生委員会でいろいろ質疑を行っていただいて、清瀬の小児病院の移転後の小児救急医療の確保について、つぶさにその取り組み状況というのを確認してきたわけです。この地域の小児救急医療の確保については、地域に必要な二次救急医療については、多摩北部医療センターの小児科の体制を充実させていく、それから小児救急体制については、地元市や地域の医師会と協力して、二カ所の中核的病院において小児の初期救急事業を実施し拡張していくということが、地元関係者との大変長い地道な協議を踏まえて決まったわけであります。この状況を、しっかりと前向きに進んでいくかどうかを我々は見ていかなくちゃならない。これは言葉でいうと簡単なことですけれども、先ほど申し上げました広さというものをカバーしていくためには、やはり人的なことだけでは不可能なので、人的プラスアルファなものの工夫ですね、これだけ技術が発展しているわけですから、工夫をしていかなくちゃならないと思うんです。しかし、別の観点から見ますと、いつも申し上げているとおりに、あの映画が正しいわけじゃないんですけれども、ムーア監督の「シッコ」なんかを見ていますと、日本の小児救急というのはかなりレベルが高い。多分、一位でしょうね。その中で東京都は、体制的にも、それから数的にも一位であるわけで、ある意味で見ると世界一ということになるんですけれども、システムができているから全部いいわけではなくて、中身の動かし方が果たしてきちっとなっているかどうかということは、いつでも検討を重ねていく必要があるのであろうと思います。特に小児救急というのは、夜が多いわけですね。家庭教育の問題とかいろいろいいますけれども、確実に核家族化しているわけですから、おじいちゃん、おばあちゃんがいないから対応がというんですけれども、おじいちゃん、おばあちゃんの時代の問題ではなくて、私が医師になったときには、既にあのときには、脳梗塞というと、もうあきらめる病気だったんですね。今は脳梗塞はあきらめない病気になった。たった四十年の間にこれだけ変わるわけですから、昔のおじいちゃん、おばあちゃんの知恵だけで、お孫さんと一緒にいればすべてカバーできるかといったら、そういう時代ではなくて、もっともっと高度なものが求められるようになったわけですから、やはり夜中、たとえ三世代同居であったって心配なものは心配であるし、子どもに何かあれば、親としては当然それに対して気が気ではないという現状があると思うんです。いや、それだったら、インターネットを見ればこういうことでわかりますよ、こういう電話相談がありますよと、いろいろあると思うんですけれども、少なくとも電話相談は人の声が聞こえて、ある程度安心感があると思いますけれども、ただホームページだけで見るというのでは心もとない、これは当たり前のことだと思うんですね。夜中にいらっしゃる患者さん方、うちの病院でもそうですけれども、どこで聞いてもやっぱり一番大きな問題は、わざわざ夜中にいらっしゃる必要があったのかなという、そういう状況の方が非常に多い。そのトリアージをどういうふうにやっていくかということが一つ、非常に医師の数を急に、きょうからあしたにかけて倍にしようということは現実に無理なわけですから、今ある体制をうまくスムーズに使う上で、しかも余分なもの、余分というのは不必要という意味ですよ、面倒くさいという意味じゃなくて。不必要なところは省くということが、さらに重要な医療を受けなくちゃならないお子さん方に時間がちゃんと割り振りができるわけですから、トリアージをしていくということはとても重要だと思うんです。ですから、そういうことを、具体的にどういうふうに患者さんたちの声を聞きとっていくのか、そして、その中で不安を解消していくということが非常に重要だと思うんですね。ただお医者さんが足りない、看護師さんが足りない、世の中大変だというだけで、大変、大変で人数をふやしても、むだがあってはもったいないわけですから、そういうことがないような状況をつくっていただきたいんですが、都としてはどのような対策をとっているのか伺いたいと思います。 # 細川医療政策部長 細川医療政策部長ただいま親御さんの不安な気持ちにこたえる対策ということでご質疑を受けましたが、まず、一点目といたしましては、入院治療の必要のない比較的軽症な小児患者への救急医療体制を確保するということをやっております。都としましては、平成十四年度から、平日夜間の小児初期救急診療事業への補助を実施しております。事業主体である区市町村を支援するという位置づけでございますが、現在二十九の区市で事業が実施されています。また、保護者の方へのご相談ということになりますが、子どもの急病時に保健師等に相談できる小児救急電話相談事業、いわゆるシャープ八〇〇〇というのを実施しておるところでございます。またさらに、東京消防庁においてでございますが、本年六月から救急相談センターを開設し、短縮番号のシャープ七一一九番で、救急車の利用や医療機関への受診、そしてまた急病時の対応に関するような電話相談もしているところでございます。そのほかに、急病時ではございませんが、日ごろから知識を身につけていただこうということで、インターネットで気軽に情報を得られる子ども医療ガイド事業、また、適切な医療機関への受診方法等をアドバイスする暮らしの中の医療情報ナビというリーフレットの作成など、保護者への普及啓発にも努めているところでございます。今後とも、子どもの急病時の保護者の不安な気持ちにも配慮した総合的な取り組みを進めてまいりたいと思います。 # 田代委員 田代委員今お答えいただいた中に、いろいろ希望が持てるお答えがあったと思うんですね。特に、医療というものに対して医師以外の人たちの参加を積極的に求めていく。ただ、これは、保健師さん、あるいは今、助産婦さんの問題、制度上いろいろゆがみが出てきて、看護師さんになった後から保健師さんになる、助産師さんになるというルールになっているものですから、昔は一緒に受けられたんですけれども、助産師さんが受かったんだけれども看護師さんが受からなかったなんていうねじれが出ちゃうと、どうしていいんだかわからなくなっちゃうということなんですけれども、余りそういうところを厳しくその制度が悪いといっているんじゃないんですよ。東京都は東京都で、もうちょっといろんなことを対応して話ができる、医療的な知識を持っている人たちの活用みたいなものも、例えば准看護師さんでも構いませんし、何かそういうトレーニングをして、ある程度、本当に最初のトリアージができるような体制というものを何しろお父さん、お母さんたちは、二十四時間すぐつながりたいんですよ、まず。質が大切であることは当然ですけれども、その前に、どっちかといったら、まず量。すぐ通じたいとなるわけですから、なかなか医療法の壁というのは難しいと思いますけれども、何か工夫をしていただいて、医師の手元に来たときは、もう医師は、ただただその治療に没頭すればいいような状態、状況把握から、ゼロからスタートしなくちゃいけないという状況を少し変えていただけたら大変ありがたいなと思うんですね。本年六月に東京都は地域医療対策協議会を設置して、都における医師確保の対策を協議しているところでありまして、この協議会での検討も踏まえて、勤務環境改善や、せんだっても申し上げましたけれども、女性医師の再就職ですね、一度離職してからも戻ってきやすいような、こういう病院の勤務医の負担軽減に向けた取り組みを検討している、こういう答弁があったんですけれども、多摩地区だけではなくて、当然、都内いずれの地域においても、やはり小児科医師というのは非常に大切でありまして、今、産科の問題も、同じく麻酔科と小児科が必要ということになったから、ますます足りない。足りないもの同士で引っ張り合っているわけですから、三つ足りない、麻酔科も足りない、小児科も足りない、産科も足りない中で、三つが一緒にいなきゃ、やっちゃいけないといわれたら、ますます足りなくなっちゃうわけで、こういうことをどうやって具体的に解決していくかということの取り組みを、三多摩のみに限らず、これはそういうつもりで出されたことでないことは、僕はよくわかっているんですけれども、やはりご自分の地域から見ると心配だと、当然そうなんですけれども、やはり皆様方の立場からすると、東京全体に対してこういう問題が起きないようにしっかりと取り組んでいただくことをお願いして、質疑を終わります。 # 吉田委員 吉田委員私からも、本請願について、趣旨採択を求める立場から若干質問をし、要望も述べさせていただきたいと思います。一番目の小児科医確保の問題は、既に本委員会事務事業質疑などでも繰り返し議論をされてきましたので、繰り返しません。私は、第二項目めの休日・全夜間の小児救急の確保について質問させていただきたいと思います。先ほどの部長の説明では、すべての二次保健医療圏に確保しているというご説明でありました。事前に資料もいただきましたけれども、資料を見ると、確かに、多摩地域だけではありませんが、すべての二次医療圏に休日・全夜間の小児救急の医療機関を確保しているということは確認できます。ただ、例えば多摩地域を見ますと、指定医療機関は、昨年十八病院だったものが十五病院というふうに減少しておりますし、また、医療圏ごとに見た場合、西多摩医療圏、これは野村委員の地域かもしれませんが、ここはずっと一病院二ベッドのみというふうになっておりますし、さらに北多摩西部は、昨年までは三病院あったものが、ことしは一病院に減少し、ベッドも二ベッドということになっております。北多摩西部というのは、立川市、昭島市、国立市、国分寺市、武蔵村山市、東大和市という六市の行政区で一つの医療圏ですけれども、こういうことを見ると、各医療圏にありますよというだけではなくて、やはりそれぞれの医療圏ごとのこのような偏在が解消されていくべきではないかなというふうに思うんですけれども、その辺はどのようにお考えで対応しているのでしょうか。 # 細川医療政策部長 細川医療政策部長二次救急医療機関につきましては、地域的な配置も勘案しながら確保しております。その中でそれにふさわしい医療機関を選定していくということで、西多摩、北多摩西部の医療圏におきましても二次救急医療機関は確保できているというふうに考えております。また、多摩地域全体での確保病床は現在二十五床となっておりますが、多摩地域における休日・全夜間診療事業の入院患者実績からしても、一日当たりの入院病床としては十分に確保できているというふうに考えております。 # 吉田委員 吉田委員確保されているということですけれども、私は、一層の拡充を求めたいということで要望し、質問したわけです。実はこれは、単に多摩地域だけの問題ではありません。私は杉並区の選出ですけれども、医療圏でいいますと、区西部保健医療圏ということになっています。この区西部医療圏では、休日・全夜間の東京都が委託をしている医療機関は四病院五ベッドということになっています。ところが、私の杉並区は長期にわたって対象病院を確保することができておりませんし、最近まで、中野区には一病院、委託をされていた病院があったんですが、これが休止をいたしましたから、四病院五ベッドありますが、杉並区にも中野区にもないという事態があるわけです。もちろん、医療圏で数的には対応できるというふうに解釈されているかもしれませんけれども、たとえ二次救急であったとしても、やはり身近な自分の行政区の中であってほしいというのは当然の要望だと思うんですね。そういう意味から、医療圏に最低ありますよというだけではなくて、ぜひ地域的な偏在がないように、大いに都としても、これは単なる区市町村の事業じゃなくて、都の事業として委託をしている関係にあるわけですから、拡充していただきたいということを要望として述べておきます。その関連で、以前も実は本委員会で質問し、要望させていただいたことがありますけれども、この場合には、あくまでも一つの病院が三百六十五日、週でいえば七日間、切れ目なく休日・全夜間、小児科医が対応し、入院も受け入れることができるという条件があって初めて委託費が払われるということなわけですが、杉並区の場合には、努力はしていますが、ある大きな病院が、たしか週四日程度しか小児科医の関係で受け入れることができないんですよね。その分どのようにしているかというと、それでも確保してほしいということで、杉並区がたしか独自の補助金を出して支援をするというふうな形をとっております。二つの病院を組み合わせて三百六十五日ならばというようなことは聞いておりますけれども、こうした完全週七日、三百六十五日になり切らなくても、かなりの日数で対応できるような医療機関への支援策というものはぜひ検討していただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。 # 細川医療政策部長 細川医療政策部長小児科の休日・全夜間診療事業は、すべての休日及び夜間に入院治療を要する救急患者に医療を提供することを目的に実施しておりますので、これを担う病院は、都民の利用しやすさ、救急搬送のわかりやすさ等を勘案し、固定で確保することを原則としております。また、一つの病院ではすべての休日・夜間において救急医療体制をとることができない場合であっても、複数の医療機関が交代で体制確保ができる場合には既に事業の対象としており、柔軟な対応を行っているところでございます。 # 吉田委員 吉田委員複数で一週間あるいは三百六十五日の場合には対応していますよということですけれども、それをさらに柔軟にして、例えば週五日間とかいうようなことを、杉並区の場合には、杉並区として補助して支援をするというようなことをやっているわけですから、そうしたことに対する都としての何らかの支援策を進めれば、実態として見れば、もっと進むのではないかなということで、繰り返し要望させていただきます。次に、請願の三項目めに関してですけれども、請願理由を見ますと、こうした要望をされている理由として、都立清瀬小児病院、八王子小児病院の廃止、統合に伴って、小児救急の後退ということを危惧されて要望しているというふうに受けとめられます。部長の説明では、多摩北部医療センターで、小児の二次救急医療機関として確保して、そうしたことをしているんだというご答弁がありました。指定するのは結構なんですけれども、実際に、量、質ともに都立清瀬小児病院にかわり得るような機能が発揮できるのか、また、この間、発揮しているのか、そこはどのように見ていらっしゃるのでしょうか。 # 細川医療政策部長 細川医療政策部長清瀬小児病院につきましては移転を予定しているところでございますが、移転する前に、それに先立ち、平成十七年六月に小児科の体制整備を行った多摩北部医療センターがございます。こちらにおきましての取扱実績ですが、平成十七年には、十カ月でございますけれども、休日・夜間診療事業の患者数は約千六百人ございました、平成十八年度には、取扱患者数は四千二百件と増加してきておりまして、地域住民の間における認知も大分進んでいるというふうに認識しております。 # 吉田委員 吉田委員取扱実績の数が紹介されましたけれども、どういう行為を行ったら取り扱いというふうになるのかがちょっと認識できないんですけれども、先日の厚生委員会に、これは病院経営本部ですが、提出いただいた資料で、公社病院の各医師数の定員と現員について示していただきました。そうしますと、多摩北部医療センターの小児科医師数は、定員は五名です。それに対して、つい先月になりますが、ことし十月一日時点の現在いる小児科の医師の数は二名なんですよね、いただいた資料では。これは正規の数で、ほかに非正規の方がいらっしゃるのかもしれません。ちなみに、都立清瀬小児病院の小児科の医師の数は二十四名なんですよね。果たして小児科の医師が二名だけで、どうやって休日・夜間、三百六十五日回すことがそもそもできるんだろうかという疑問を率直に持ちました。しかも、市は、東京都との協議で、多摩北部医療センターに小児科医八名を確保するということの約束を了として、東京都の計画に理解を示すというふうに説明したというふうに聞いておりますけれども、それどころか、定員にも満たない二名という状況では、やはり真に都立清瀬小児病院にかわり得るような機能、量、質ともに到底なり得ないのではないかというふうに受けとめざるを得ません。そういう意味からも、本請願の、きちんと充実に取り組んでほしいということは、ぜひ改めて要望したいと思いますし、市民の中では、今でも清瀬小児病院を守ってほしいという署名活動を、この十一月、寒風の中でも続けるという努力がされ、また市民もそれにこたえているというふうに聞いております。清瀬小児、八王子小児病院を廃止、統合し、その代替策で対応するということではなくて、やはり存続してこそ、真に多摩地域の小児救急の体制が確保できるという意見を述べまして、私の質問を終わります。 # 野上委員長 野上委員長ほかに発言がなければ、お諮りいたします。本件は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 野上委員長 野上委員長異議なしと認めます。よって、請願一九第九六号は趣旨採択と決定いたしました。 # 野上委員長 野上委員長次に、請願一九第九七号を議題といたします。理事者の説明を求めます。 # 松浦障害者施策推進部長 松浦障害者施策推進部長整理番号3、一九第九七号、障害者自立支援法に関する請願でございますが、清瀬市の東京都患者同盟会長、小島貞夫さんから提出されたものでございます。請願の趣旨は、都において、次のことを実現していただきたいというものでございます。内容につきまして順にご説明いたします。まず、第一項でございますが、生活保護境界層対象者に対する負担軽減措置を適用する場合の預貯金などの限度額は、自立に必要な金額の保有を認めること。第二項でございますが、障害者施設での日常生活費及び更生訓練費については、すべての入所者及び通所者に支給するよう国に働きかけること。第三項でございますが、内部障害者更生施設において、引き続き、障害者手帳を所持しない結核回復者の入所を認め、さらに、福祉ホーム等のほかの施設へ転入所する場合にも同様に認めるとともに、あわせてこれらを国に働きかけること。第四項でございますが、障害者入所施設における障害者の入退所につきましては、今までどおり障害者本人の希望に沿った選択ができるようにし、あわせて国に働きかけること。第五項でございますが、障害者自立支援法の運用に当たっては、障害程度区分や在所期間に応じて機械的に一律の取り扱いをするのではなく、障害者本人の立場に立った自立支援を行うことというものでございます。現在の状況につきまして、まず第一項でございますが、平成十八年四月からの利用者負担の導入に当たり、新たに生活保護への移行防止策が講じられているところでございます。これは、定率負担により生活保護の対象となる場合には、生活保護の対象とならない額まで負担を引き下げるものでございまして、移行防止策の対象となる生活保護境界層対象者であるか否かの判断は、生活保護制度に基づいて行われるところでございます。第二項でございますが、日常生活費につきましては、施設入所か在宅生活かにかかわらず必要な経費でございまして、在宅生活者との負担の公平化を図る観点から自己負担を原則としまして、平成十八年四月以降、給付の対象から除外されております。また、更生訓練費につきましては、区市町村地域生活支援事業の選択事業の一つでございまして、支給については区市町村が決定するものでございます。第三項でございますが、現に内部障害者更生施設に入所している者で、身体障害者手帳を所持していない結核回復者につきましては、平成二十三年度までは経過措置として利用が可能でございます。また、新規利用についても、経過措置期間中についてはこれまでと同様の取り扱いでございます。それ以降の利用につきましては、現在、国において、法施行後三年を目途に行う見直しに合わせて取り扱いを検討中でございます。福祉ホーム等、他の施設への転入所につきましては、障害者自立支援法に規定する障害者であることが要件となります。第四項でございますが、障害者自立支援法では、平成十五年度から導入した支援費制度の自己決定と自己選択及び利用者本位の理念を継承しつつ、地域生活支援、就労支援といった新たな課題に対応するとともに、入所期間の長期化など、本来の施設の機能と入所施設の実態の乖離を解消するため、サービス体系を機能に着目して再編し、サービス内容と利用者像を明らかにしております。再編後のサービス体系でございますが、日中活動の場を利用しながら在宅での地域生活を行うことを基本としつつ、居住支援が必要な障害者にはグループホームやケアホームなどのサービスが用意されており、夜間における入浴、排せつ等の支援を必要とする障害者を対象といたしまして施設入所支援を行うこととしております。こうしたサービスの支給決定は、障害程度区分や障害者本人のサービス利用意向も踏まえた上で区市町村が行っております。第五項でございますが、障害者自立支援法では、地域での自立した生活を続けるために必要なサービスを障害者のだれもが公平に受けることができるよう、サービス支給の決定の透明化、明確化が図られております。施設入所支援につきましては、障害者の心身の状況を総合的にあらわす障害程度区分に基づきまして、入所の対象となる方が定められておりますけれども、具体的なサービス支給の決定は、障害程度区分に加えまして、介護を行う者の状況、地域における活動、就労、居住等の障害者の置かれた環境、サービス利用に関する意向の具体的内容など、個々の障害者の状況を勘案しまして区市町村が行うこととされております。なお、従来施設に入所していた障害者につきましては、経過措置により平成二十三年度まで引き続き入所が認められておりますが、国は、既存の施設入所者が行き場がないということが生じないよう、所要の手続を経まして、三年以内のできるだけ早い時期に必要な制度改正を行うこととしております。説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。 # 野上委員長 野上委員長説明は終わりました。本件について発言を願います。 # 吉田委員 吉田委員本請願についても、趣旨採択を求める立場から何点か質問させていただきます。第一項目めの境界層対策についてなんですけれども、この境界層対策という施策については、この委員会でも余り取り上げて議論をしたことが、機会がありませんでしたし、なかなか周知徹底もされていないのではないかなというふうに思います。今、簡略的なご説明がありましたけれども、そもそもこの境界層対策というものは、どういう仕組みで、どのような趣旨で、どのような手続で利用することができるのか、改めてご説明をお願いしたいんですが。 # 松浦障害者施策推進部長 松浦障害者施策推進部長まず、障害者自立支援法に基づきます利用者負担には、負担上限額の設定など、低所得者の方にさまざまな負担軽減策が講じられておりますけれども、このような負担軽減策を講じても、定率の負担をすることによりまして生活保護の対象となる場合がありまして、その場合には、生活保護の対象とならない額まで定率負担の月額上限額をさらに引き下げるということになっております。これを生活保護境界層と国はいっているわけでございますが、この対象者であるか否かの判断は生活保護制度に基づいて行われまして、事前に福祉事務所に生活保護の申請を行い、生活保護境界層対象者と認められれば境界層証明書が発行されまして、利用者負担が減額されることになります。 # 吉田委員 吉田委員生活保護、生活扶助を受けることなく自立した生活を促すということかと理解いたしますが、しかし、手続としては生活保護申請をする。そして、その対象になり得るかという点では、資産要件、預金なども、全く生活保護と同じ基準をクリアしない限りは、この境界層対策を受けることはできないということになれば、この請願者から出されているように、預貯金など、もっと要件を緩和してほしいというのは、私は趣旨からいっても当然のことではないかなというふうに思います。それで、改めてこの機会に聞きますけれども、実際にこの境界層対策の対象者となっている方というのはどのぐらいいらっしゃるのでしょうか。 # 松浦障害者施策推進部長 松浦障害者施策推進部長平成十九年四月実績で、障害児を除いた人数で申し上げますけれども、区市町村が障害者自立支援法に基づく介護給付や訓練等給付のサービスを給付決定したものが、延べ約四万三千人ございます。そのうち、生活保護境界層該当者は延べ五十九人となっております。 # 吉田委員 吉田委員これは周知徹底の不十分さと同時に、やっぱり仕組みからして、四万三千人に対して五十九人、四月一カ月だけの数字ですから限定的なものかもしれませんけれども、明らかに少な過ぎるという印象を持たざるを得ません。やはりこうした対象の方々がこのような制度を生かすことができるならば、周知徹底と同時に、要件などももっと緩和をして受けられるべきだと思いますし、東京都は、ご承知のとおり、低所得者対策ということを新たに打ち出そうとしていますけれども、もし低所得者対策ということならば、こうしたことも一つの課題として検討していくべきではないか、これは要望として述べさせていただきます。次に、二つ目の日常生活費及び更生訓練費についてですけれども、特に更生訓練費の支給についてですが、この目的は、実習及び訓練に要する費用を支給し、社会復帰を促進するというふうに聞いております。区市町村事業、地域生活支援事業の必須ではないその他事業ではありますけれども、すべての区市で実施をしているという説明がありました。社会復帰、自立にとっても非常に重要な施策ですので、こうしたことが拡充されるよう、都としても支援されることを要望しておきたいと思います。この請願の最後に、身体障害者手帳を保持していない施設入所者への対応についてですけれども、今後、施設の入所は障害程度区分によって可否が決まる。平成二十三年までは継続できるけれども、それ以降についてはまだ確定をしていないということで、不安が起きるのは当然だと思います。そこで、内部障害者の施設に入所している方で手帳を持っていない方というのはどの程度いらっしゃるのでしょうか。ご答弁をお願いいたします。 # 松浦障害者施策推進部長 松浦障害者施策推進部長旧体系の内部障害者更生施設につきましては、都内に清瀬園と浅川園の二施設がございます。平成十九年十一月一日現在のこの二施設の入所者でございますが、九十八名でございまして、そのうち、身体障害者手帳を所持していない利用者は三十六名ということになってございます。先ほど委員おっしゃったように、障害者自立支援法施行後におきましても、従来から施設に入所している方々につきましては、経過措置により平成二十三年までは引き続き入所が認められております。また、この経過措置期間後の扱いにつきましては、国は、既存の入所者が行き場がないということが生じないよう、所要の手続を経まして、三年以内のできるだけ早い時期に必要な制度改正を行うことを昨年十二月に明らかにしたところでございます。 # 吉田委員 吉田委員ことしの一定の本委員会でもそういうご答弁がありましたけれども、その後、国においてどのような検討が進んでいるのか、現在の状況についてご答弁をお願いいたします。 # 松浦障害者施策推進部長 松浦障害者施策推進部長私どもは、適宜、国とコミュニケーションをとっているところでございますけれども、障害者自立支援法につきまして、この件も含めて、現在、国において精力的に抜本的な見直しが検討されているというふうに認識しているところでございます。 # 吉田委員 吉田委員内部障害者の施設だけで見ても、九十八人のうち三十六名の方が手帳を保持していらっしゃらないという、決して少数の方ではないと、この比率でいえばいえると思います。ぜひ、国の動向を見つつも、都としても適切な対応を図られることを要望いたしまして、質問を終わります。 # 野上委員長 野上委員長ほかに発言がなければ、これより採決を行います。本件は、起立により採決いたします。本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。〔賛成者起立〕 # 野上委員長 野上委員長起立少数と認めます。よって、請願一九第九七号は不採択と決定いたしました。 # 野上委員長 野上委員長次に、陳情一九第五二号を議題といたします。理事者の説明を求めます。 # 松浦障害者施策推進部長 松浦障害者施策推進部長整理番号4、一九第五二号、障害者施策推進区市町村包括補助事業に移行した通所訓練等事業の存続に関する陳情でございますけれども、大田区の障害をもつ子どものグループ連絡会代表、矢澤健司さん外三千二百七十人から提出されたものでございます。陳情の趣旨でございますが、都は、平成十九年三月末で心身障害者児通所訓練等事業を廃止し、四月から障害者施策推進区市町村包括補助事業に移行したが、作業所以外は平成二十三年度以降の計画が示されていない。そこで、都において、次のことを実現していただきたいというものでございます。内容につきまして順にご説明いたします。まず、第一項でございますが、通所訓練等事業の内容を廃止することなく存続すること。第二項でございますが、新規の申請も、平成二十年以降も引き続き認めることというものでございます。現在の状況についてでございますが、まず第一項でございますが、心身障害者児通所訓練等事業は区市町村が実施する事業でございまして、在宅の心身障害者児に対する創作活動及び機能訓練または学齢児童を主たる対象とした集団活動及び訓練を行うことにより心身障害者児の自立を促進することを目的に、都がその運営費の一部を補助してきたものでございます。障害者自立支援法の施行に伴いまして、東京都は、通所訓練等事業などの法定外事業につきまして、障害者自立支援法に基づく新体系事業に移行し、法内事業に位置づけることで、国から必要な財政支援が行われ、経営の安定を図ることが可能であるというふうに考えております。そのため、通所訓練等事業などが新体系事業に円滑に移行できるよう、施設設備整備の特別助成、法内化促進支援事業及び新体系移行支援事業など、都として多様な支援策を講じておるところでございます。こうしたことから、都は、通所訓練等事業の実施要綱及び補助要綱を平成十九年三月末日付で廃止しまして、同年四月から障害者施策推進区市町村包括補助事業の一般事業に位置づけまして、新体系事業に移行するまでの間、区市町村に対しまして、従前の運営水準を維持するための補助を行うことといたしております。次に、第二項でございますが、都は、新規に開始する事業につきましては、障害者自立支援法に基づく新体系事業として行うものを支援することとしております。説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。 # 野上委員長 野上委員長説明は終わりました。本件について発言を願います。 # 野島委員 野島委員この陳情について何点かお伺いしておきたいと思います。申すまでもなく、障害者自立支援法、こういうものが施行されまして、これに基づいて法定事業へ移行していく、こういう経過期間でありまして、今回、この陳情を出されております心身障害者児の通所訓練等事業を初め、東京都の単独事業として実施している法定外事業の事業者がさまざまにご苦労なされながら、法内化に向けて検討を重ねていると伺っております。こういう制度の変わり目でございますから、なかなか悩みも大きい、あるいは不安がよぎる、こういうことは当然だろうというふうに思ってございます。今ほど、移行にかかわる東京都の基本的な考え方を部長からお伺いしたところでありますが、改めて、法定外事業が法定事業へ移行する、こういうことの意義がどの辺にあるのかということをお聞きしておきたいと思います。 # 松浦障害者施策推進部長 松浦障害者施策推進部長法定外の事業でございます心身障害者児通所訓練等事業でございますけれども、国の財政支援が不十分でございまして、事業基盤が脆弱でありまして、事業運営が不安定であるということのほか、法人格を持つ事業体と比べまして、事業の透明性が十分でないというような課題がございます。東京都は、障害者自立支援法の施行に伴いまして、これらの法定外事業につきましては、自立支援法に基づく自立支援給付事業や地域生活支援事業などの新体系事業に平成二十三年度までに順次移行していただき、法定事業に位置づけることが必要であるというふうに考えております。法内化することによりまして、事業者には国から必要な財政支援が行われ、事業の運営の安定化が図られるというふうに考えております。また、法人としての事業の透明性や公益性が強く求められることから、利用者支援のより一層の充実が期待できるというふうに考えております。 # 野島委員 野島委員ありがとうございました。実は、昨年の三定というふうに記憶をしているんですが、私、この事業に関する請願審査で質疑をいたしております。法内に移行していくと、要するに、事業主体の明確化が図られて透明性があると。それから、移行することによって財政的にも、これは自立支援法の中で義務づけられるわけですから、今のみならず将来に向かって国費等を導入していくことの安定性が図られる、こんなことで質疑をしたと思っております。ただ、現実に、冒頭申し上げました制度の変わり目の中、法内化に向けて一生懸命努力をしていくわけでありますが、財政支援を含む、そのためにもインセンティブのきいた支援策、これを強く要望したところでありますが、法内化を促進するためにどのように具体的な支援を行っているのか、こんなところを伺っておきたいと思います。 # 松浦障害者施策推進部長 松浦障害者施策推進部長心身障害者児通所訓練等事業が法内化するために、都はさまざまな財政支援を行っているところでございます。まず、法人設立等の専門知識を有する支援員を派遣いたしまして、法人格を取得するための手続を支援するとともに、法人格取得後も、例えば会計処理とか規定整備など、このような運営のノウハウを提供しまして安定的な運営を支援する法内化促進支援事業、それとともに、障害者自立支援法に規定されます新体系事業に移行した後も、従来の運営水準ができるよう運営費を補助する新体系移行支援事業などを今年度から開始しているところでございます。こうしたソフト面の支援に加えまして、新体系事業への移行に伴いまして必要となる施設設備の整備につきましても、東京都独自に八分の七を補助する障害者通所施設等整備費補助、それから、補助率、これは十分の十でございますが、障害者自立支援基盤整備事業補助、このようなハード面の特別助成策を講じまして、総合的に心身障害者児通所訓練等事業の法内化の促進を図っているところでございます。 # 野島委員 野島委員わかりました。いろんな支援策を用意していただいて、いわば法内化をしていく、そのことが私は一番今重要なことだろうというふうに思っております。さまざまに多くの課題を抱えておるわけでありますが、引き続きそういう面でのご支援をお願いしたい。しかし、これらの支援が用意されても、直ちに新体系事業に移行できない、こういう法定外の事業があるわけですね。現行の自立支援法のもとでは、心身障害者児通所訓練等事業が新体系に移行していくには極めて課題が多いのかな、こんなふうに考えております。そこで、こういう事業を、努力していくにしても直ちに法内化できない、こういうことがあれば、私は、当分の間は引き続き都が支援すべきと考えておるんです。そんな観点から去年も質問したんですが、その辺、どんなぐあいになっているのか、教えていただきたいと思います。 # 松浦障害者施策推進部長 松浦障害者施策推進部長野島理事ご指摘のとおり、直ちに法内事業へ移行することが困難な心身障害者児通所訓練等事業についてでございますけれども、都におきましては、本年四月から、区市町村がそれぞれの地域の実情に応じて主体的に福祉サービスの充実に取り組むことを支援いたします障害者施策推進区市町村包括補助事業を開始しております。心身障害者児通所訓練等事業に対しましては、この包括補助の一般事業に位置づけまして、新体系事業に移行するまでの間、従前の運営水準を維持できるよう区市町村に対し補助を行っております。 # 野島委員 野島委員今ご答弁のありました都の取り組みについては、実は、事業のかかわる市、こういったようなものが大変高く評価をしております。それから、実は私、先般、こういう事業を行っておる事業者の方、それから保護者の方との意見交換会の機会を得ました。この制度といいましょうか、都の支援策、これについては大変感謝をしておりますし、正直なところ、ありがたい、こういうお言葉もありましたので、お伝えをしておきたいというふうに思ってございます。それはさておきながら、学齢期の障害児の日中活動を支える事業、こういったふうなことは当然必要でございますし、これがぜひ自立支援法に基づく事業に位置づけられて、冒頭いいました、財政面でも安定的な運営ができる、こんなことが進んでいくことが私は一番望ましい、理想型であると考えてはおります。ぜひ東京都には、法内化に向けた支援とあわせて、新体系移行までの間の包括補助の一般事業による支援を継続していただくよう、強く要望しておきたいと思います。そこで、実は、自立支援法が施行されまして、多くの課題があり、現場の間尺に合わないじゃないか、こういう意見もありましたね。去年は負担の問題もありました。千二百億円の基金造成をいたしまして、円滑施行に向けて取り組んでいこう、こういう動きも国にあるわけです。一方、さきの自民党と公明党との政策合意の中で、自立支援法の抜本的な見直しをしていこうじゃないか、こういう合意もなされております。それに基づいて、現在、与党のプロジェクトチームが発足いたしまして、さまざまな課題に取り組んでいこうという方向性を出しております。例えば、学齢期の障害児の皆さんの放課後の日中活動、こういったふうなこと、それから養護学校卒業後の課題、こういったふうなものがあるわけでございます。そういう意味では、自立支援法そのものが、そういう障害児施策の中でどういうふうに取り組んでいくのかというところの部分については、まだまだ僕は不十分なところがあるだろうというふうに思っております。そういうふうなことも含めまして、例えば、民主党さんは応益負担廃止の法案を出しているんですよね、たしか国会に。私は、その負担の問題も当然大事なことだろうというふうには思っております。ただ、なぜ応益応能なのか、その辺の切り分けのものは、一回、私、議論したことがあるのでここでは触れませんが、そういったふうな負担の問題。それから、実は、今のこの課題もさることながら、さまざまな福祉施策で、こっちへやっていった方がいいんじゃないのという部分も当然あるわけでございまして、ぜひ、私たちは政党というレベルで自民党に働きかけていきますし、公明党さんは公明党に働きかけていただくというようなことを当然やっていかなきゃいけないだろうというふうに思っております。それから、東京都は現場を抱えているわけでございまして、そういうところから、こういったふうな現状の課題について、ぜひ積極的に国に意見をいっていっていただきたいなと思うんです。そんな執行側と両々相まって、私はこの課題に取り組んでいく必要があるだろうというふうに思っております。そこで、その願意といいましょうか、全体として陳情の願意は、見直しによって事業が位置づけられるまでの間は継続してくれ、こういうことについては、現在の取り組みについて理解いたしました。同時に、新規の申請もと、この部分はさっきご答弁をいただいたとおりでございます。東京都の財政力や市町村のいろんな財政力、こういったようなところを除いて、あるいは含めてもいいんですが、要は、都単事業なり市町村事業で都が幾ばくかのというふうなことでこういう事業をやっていくことも、選択肢としては僕はあり得るとは思うんですよ。あり得るとは思うんですが、しかし、そういうことですと、事業の安定性が将来確保されるのか。例えば、市単独事業でやっていった場合に、常に税収だとか財源との絡みですが不安定になってきちゃうわけですね。それから、じゃ、都と市の負担割合はどうなるのか、こんなこともしょっちゅう議論しなきゃいけない。そういう意味で、新体系への移行をしていただくと同時に、あるいは、こういう事業もあるからこういうものを体系の中に位置づけろ、こういうことの努力をしていく時期だというふうに私は思うんですね。そういう意味では、願意の願いはわかりますが、いわばどういうふうに福祉施策あるいは障害者行政を高めていくか。国、東京都、市の間において、あるいは現実に利用なさる利用者の皆さんあるいは事業主の皆さん、こういう枠組みの中では、確かに話はわかる、やってやれという一つの判断もあると思いますが、そういう全体像の中では、ぜひそういう、今申し上げてきましたいろいろな立場を十分理解しながら、国への制度改正、こういったふうなものに、あるいは現に移行に向けて努力していることを、もっとインセンティブをきかせながらこれを支援していく、こういう時点ではないかなと私は思っておりますので、一番最後の部分はほとんど演説会に終始しましたけれども、私の考え方を申し述べて、質疑を終わりたいと思います。以上です。 # かち委員 かち委員私からも、一九第五二号、障害者施策推進区市町村包括補助事業に移行した通所訓練等事業の存続に関する陳情について何点かお聞きします。今お話もありましたけれども、この制度は、昭和四十五年に障害児の親御さんたちの要望にこたえてできたものです。当初は障害を持つ幼児の保育の場からの始まりでしたけれども、その後だんだん、子どもたちの成長とともに、学齢期の子どもの放課後活動、そして余暇活動、作業所、療養活動へと対象が大きく広がっていった、あらゆる年齢のさまざまな障害を持つ者を対象とする、多様な活動を援助する制度へと発展してきたものなわけですね。特に私、学齢期の子どもたちの放課後活動というのは大変重要だというふうに思っております。この間、幾つかの放課後の学童にお邪魔をして見てきた経験もありますけれども、子どもたちにとっては、学校以外の場所で自分が成長する場、社会性を身につける場ということで、本当に生きる場所としての位置づけがあると思うんですね。そういう放課後活動を保障していくということは、これからも大変重要だというふうに思っているんですけれども、都の単独事業として、補助事業として、ことしの三月までこの事業を支援してきたわけですけれども、それが、自立支援法が施行される中で三月で制度は廃止されましたけれども、四月から区市町村の包括事業ということに移行したわけです。本事業の中でも、とりわけ障害を持つ子どもたちの放課後や休日を過ごす場としてかけがえのないこの事業を、心身障害者児通所訓練等事業として都はどのように認識されているのか、位置づけているのかということをまずお聞きします。 # 松浦障害者施策推進部長 松浦障害者施策推進部長心身障害者児通所訓練等事業でございますけれども、在宅の心身障害者児の方々に日中活動の場を提供するために区市町村が実施しております法定外事業でございまして、在宅の心身障害者児の自立促進を図っているというふうに考えております。都としましては、こうした地域に根差した在宅心身障害者児の自立促進の活動を安定的に運営していただくために、国から必要な財政支援が得られる、障害者自立支援法に定める新体系に移行していただくことが望ましいというふうに考えております。そこで、先ほども答弁いたしましたけれども、法内化への移行を促進するための多様な支援策を講じているところでございます。 # かち委員 かち委員こういう事業、法定外の日中活動の場としての事業を安定的に運営を進めるために、法内化を目指して支援をするということでしたけれども、それでは、区市町村が進める障害者施策推進区市町村包括補助事業、今年度からスタートしているわけですけれども、これまでの通所訓練事業と今回の包括事業との関係で、予算的な支援というのはどのように変わったのでしょうか。 # 松浦障害者施策推進部長 松浦障害者施策推進部長本年四月から、区市町村がそれぞれの地域の実情に応じて主体的に福祉サービスの充実に取り組むことを支援いたします、副委員長おっしゃった障害者施策推進区市町村包括補助事業を開始しているところでございます。この包括補助事業の予算額でございますけれども、平成十八年度の包括化の対象となった既存事業等の予算額の総額は約八十五億円でございますけれども、それに十五億円増額いたしまして、百億円といたしまして充実を図ったものでございます。心身障害者児通所訓練等事業につきましては、この包括補助事業の一般事業に位置づけまして、新体系事業に移行するまでの間、従前の運営水準を維持できるよう、十八年度と同水準の所要額を確保いたしまして、区市町村に対して補助を行っているところでございます。 # かち委員 かち委員通所訓練事業が区市町村の包括事業になったとしても、その包括事業の予算の枠内で十分に活動できる十全の保障はしていますよ、八十五億円を含んだ百億円を計上しているから大丈夫だというふうに受けとめましたけれども、しかし、都としては法内化を促進するとしていますが、それでは、放課後児童の活動の場としての事業、これはこの新しい分類の中では一体どこに当てはまるのでしょうか。 # 松浦障害者施策推進部長 松浦障害者施策推進部長新体系事業につきましては、新しい事業体系ではいろいろ考えられるということになりますけれども、その考えられる移行先ということを申し上げますと、自立支援給付としましては、生活介護とか児童デイサービスとか自立訓練とか就労継続支援などの事業、また、区市町村の地域生活支援事業としましては、地域活動支援センター、日中一時支援事業というようなものが移行先として考えられるということでございます。 # かち委員 かち委員今いろいろと例示をされましたけれども、今のお話の中で、学童の放課後に最も近いものはどれかなと、いろいろ私も見てみたんですけれども、この新サービス体系の中でいえば、児童デイサービスというのがありますね。この児童デイサービスが一番近いのかなと思うんですけれども、この基準となりますと、そこに参加する人数が、就学前の児童が七〇%以上であるというようなことからすると、学童を対象にしているのに、そういう対象が七〇%という点では、既に放課後活動としては成り立たないというわけですね。そうであれば、別の対応としてあるものは、地域生活支援事業というのがありまして、この中に、区市町村の独自活動五つプラスその他というのがあります。じゃ、その中でよく見てみると、その他事業の中に日中一時支援事業というのがありまして、学童とすればこの辺に当たるのかなというふうに思うわけですけれども、この市区町村の地域生活支援事業、一体、予算枠というのはどれほどのものなのかということなんですけれども、いかがでしょうか。 # 松浦障害者施策推進部長 松浦障害者施策推進部長区市町村はそれぞれ独自の地域特性等に応じまして予算を組んでいると思いますけれども、区市町村地域生活支援事業、これは国庫補助事業でございまして、その負担割合が、国が二分の一、東京都が四分の一、区市町村四分の一というふうになってございまして、国庫補助の内示額は、補助率が二分の一ということでございまして、約三十四億円でございます。 # かち委員 かち委員今お答えがありましたように、国庫補助事業であって、国が二分の一、国の負担分が約三十四億円としますと、都や区市町村があと四分の一ずつということなので、大枠で六十八億円ぐらいのものかなというふうに思うんですけれども、それも市区町村の選択事業になりますから、必ずしも、ここにどれだけの予算が来るかとなるとわからないんですけれども、それにしても、この五つの分類プラスその他で、その他の中にもかなりいっぱいの項目があるわけですね。その一つだという点では、今まで八十五億円かかって運営していたこの通所訓練事業が果たして、この予算ではやり切れないというのは目に見えて明らかではないでしょうか。通所訓練事業の中でも、障害児の放課後活動のように、自立支援法の分類ではどこにも当てはまり切らないような事業もあるわけです。このような事業についてはこれまでどおり包括支援を継続すべきであり、新規についても同様に扱うべきだと思いますけれども、繰り返しですけれども、都の考えをお聞きします。 # 松浦障害者施策推進部長 松浦障害者施策推進部長まず、お答えする前に、今までの心身障害者児通所訓練等事業の中の地域デイグループ事業につきましては、十八年度予算は約三億七千万ということで数字が異なってございます。また、区市町村が独自にやっているということにつきましては、東京都は本年六月に、地域生活支援事業につきまして、事業の充実に取り組む都道府県や区市町村に超過負担が生じないよう、地方自治体における状況を早急に把握した上で十分な予算措置をとるよう、既に国に要望しているところでございます。心身障害者児通所訓練等事業の中で新体系事業になじまないものについて東京都が継続して支援すべきということにつきましては、私どもとしましては、心身障害者児通所訓練等事業等、これらの法定外事業につきましては、障害者自立支援法に基づく新体系事業に移行していただき、国から必要な財政支援を受けて安定的な運営を図ることが必要というふうに考えているところでございます。そこで、先ほど申し上げましたように、法内化移行の促進のための多様な支援策を講じているところでございます。しかしながら、直ちに法内事業へ移行することが困難な心身障害者児通所訓練等事業に対しましては、障害者施策推進区市町村包括補助事業により、区市町村を通じて財政支援をしてまいります。 # かち委員 かち委員法内化した方が安定的運営ができるから、都としてもその移行のためには最大のいろいろな支援策をとっているというふうにいわれましたけれども、自立支援法が施行されて一年もたたないうちに見直しがされ、いろいろな対策もとられてくる中でもまだ不十分ということで、特に入所施設でも通所施設でも、事業者側から見ても大変厳しい営業運営を迫られているのが実態だということは周知のとおりです。利用者もまた、応益負担、一割負担ということで、必要なサービスも受けられないという実態もあるわけです。こうした声が今大きく高まってきて、また、ことしの十月三十日には、日比谷野音で六千五百人の障害者や関係者の皆さんが集い、自立支援法の抜本的見直しを求める集会も開かれ、また各党からも参加をされているようです。今国会の中でも、自立支援法の抜本見直しが各党から打ち出されている今日、少なくとも新しい見直しができるまでは、今までどおり継続支援をされることを強く求めたいと思います。いろいろな動きもありますので、本陳情は継続をお願いいたします。 # 野上委員長 野上委員長ほかに発言がなければ、お諮りいたします。本件は、継続審査とすることにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 野上委員長 野上委員長異議なしと認めます。よって、陳情一九第五二号は継続審査といたします。請願陳情の審査を終わります。なお、本日審査いたしました請願陳情中、採択と決定いたしました分につきましては執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。以上で福祉保健局関係を終わります。この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩をいたします。午後二時五十六分休憩午後三時七分開議 # 野上委員長 野上委員長休憩前に引き続き委員会を開きます。これより病院経営本部関係に入ります。初めに、理事者から、都立病院経営委員会報告について報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。 # 及川経営企画部長 及川経営企画部長都立病院経営委員会報告につきましてご報告申し上げます。お手元に、資料といたしまして、資料1、都立病院経営委員会の概要、資料2、都立病院経営委員会報告、今後の都立病院の経営形態のあり方について概要、資料3、都立病院経営委員会報告本文冊子となっているものでございますをお配りしてございます。それでは、資料の1及び2によりご説明をさせていただきます。まず、資料1、都立病院経営委員会の概要をごらんいただきたいと存じます。1の設置目的でございますが、都立病院経営委員会は、都立病院の経営に関し、患者の視点、民間の視点を取り入れた病院経営の実践的取り組みに関する提言を得て、都立病院運営の充実を図るため、平成十四年六月に設置されました。2の委員名簿でございますが、企業経営者、民間病院長、学識経験者、患者NPO関係者、都医師会関係者の計九名により構成されております。3の開催状況でございますが、平成十九年三月二十二日に、病院経営本部長より本委員会に対し、今後の都立病院の経営形態のあり方について検討を依頼いたしました。同委員会では、委員会を五回開催するとともに、都立病院の視察を行っていただき、その検討結果が十一月二十六日に病院経営本部長に報告されたところでございます。この報告の内容でございますが、次に資料の2、都立病院経営委員会報告、今後の都立病院の経営形態のあり方について概要をごらんいただきたいと存じます。左上、医療環境の変化と新たな経営形態検討の必要性では、医療を取り巻く厳しい環境といたしまして、急速に進む少子高齢化、国の医療制度改革、病院勤務医不足の深刻化などを挙げております。また、都立病院の基本的役割といたしまして、都全域あるいは複数の二次保健医療圏を対象として、高水準で専門性の高い総合診療基盤に支えられた行政的医療を適正に都民に提供し、他の医療機関等との密接な連携を通じて、都における良質な医療サービスの確保を図ることとしております。一方、現行の経営形態(地方公営企業法一部適用)の課題といたしまして、組織、予算、定数、給与等が一般行政組織と同様に定められ、医療環境の変化に応じた迅速で柔軟な対応が困難であることなどを指摘しております。このため、新たな経営形態検討の必要性といたしまして、行財政改革実行プログラムでは、将来にわたり都民に対して安定的かつ継続的な行政的医療が提供できるよう、地方独立行政法人化などを視野に入れ、経営形態の検討を行うとしております。次に、主な経営形態の比較をごらんください。本委員会では、地方公営企業法の全部適用、地方独立行政法人、指定管理者制度それぞれの経営形態の制度面及び運用面におけるメリット、デメリットを比較しております。詳細は後ほどごらんいただきたいと存じますが、検討の結果、地方独立行政法人の非公務員型には、まず管理者の権限等では、地方公共団体の長が定める中期目標のもと、自主、自立的な事業運営、独自の意思決定が可能になる、また人事、給与、服務面等では、みずからの裁量で病院の実情に合った適切な人員配置、経営状況や職員の業務実績を反映させた給与体系の設定、中長期的な視点に立った職員育成が可能となる、さらに財政面では、予算単年度主義の概念がないため、事業運営の機動性、弾力性が向上する、複数年度契約など自由度が増し、より経済性を発揮することができるなどといったメリットがあると評価をしております。このため、右側の都立病院にふさわしい新たな経営形態では、都立病院が都民の医療に対する期待にこたえ、より質の高い医療サービスを提供していくとともに、将来にわたり安定的かつ継続的に行政的医療を提供していくためには、一般地方独立行政法人(非公務員型)が制度的に最も柔軟な経営形態であるとしております。一方、地方独立行政法人のメリットを生かすためには、以下の課題を解決する必要があるとしております。まず、地方独立行政法人の制度面での課題といたしまして、全国的に見ても、自治体病院における導入事例、とりわけ非公務員型は極めて少ない、非公務員型の場合、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律、いわゆる医療観察法の現行規定では指定入院医療機関の運営を行うことができない、国の独立行政法人の運営を見ると、交付金の一律削減をかけられている例もあることなどを指摘しております。また、都立病院の当面の運用面での課題といたしましては、都立病院においては医師不足の問題が急速に深刻化しており、人材の確保、育成が喫緊の課題となっている、今後数年の間に、PFI事業を含めた再編整備が本格的に実施される予定であり、大きな現場環境の変化が予想されることを指摘しております。こうしたことから、今後の方向性といたしましては、まずは医師の処遇改善や臨床研修の充実等、現行の制度のもとで可能な限りの方策を講じることが重要である、また、PFI手法を活用した再編整備事業に支障が出ないよう配慮する必要がある、その上で、国や他自治体の動向を十分に見きわめる必要がある、新たな経営形態への移行に当たっては、さまざまな課題の解決に向けて十分な検討を行うべきであるとしております。この都立病院経営委員会報告を踏まえまして、今年度中に第二次都立病院改革実行プログラムを策定してまいります。なお、策定の際は、改めて本委員会にご報告させていただきます。以上で説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。 # 野上委員長 野上委員長報告は終わりました。この際、資料要求のある方は発言を願います。 # 吉田委員 吉田委員この機会に何点か資料をお願いいたします。一点目は、都立病院における薬品、診療材料などの一括購入の取り組みとその効果についてお示しをお願いいたします。二つ目に、都立病院における委託事業費の推移についてお願いをいたします。三つ目に、主な委託事業者別の委託件数及び委託費の推移について。四つ目に、他の地方公共団体における自治体病院への独立行政法人を導入している事例について示す資料をお願いいたします。次に、大阪府立病院の独立法人化による職員給与制度、また利用者負担の変化についてわかる資料をお願いいたします。及び、独立法人化導入以降の各病院の職員の離職数についてお願いをいたします。次に、他の地方公共団体における独法化とPFI手法の活用を同時に行っている事例があったら、それを示す資料をお願いいたします。次に、国立病院の独立法人化による運営交付金削減の推移及びその影響についてお願いをいたします。最後に、地方独立法人化法案に付された衆参の附帯決議をお示しいただきたいと思います。以上です。 # 野上委員長 野上委員長ただいま吉田委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 野上委員長 野上委員長異議なしと認めます。理事者においては、要求された委員と調整の上、提出願います。 # 野上委員長 野上委員長次に、理事者から、契約の締結について報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。 # 及川経営企画部長 及川経営企画部長動産の買い入れ契約につきまして、お手元にお配りをしております資料4、契約締結報告書に基づきご報告申し上げます。恐れ入りますが、一ページをお開き願います。一ページには総括表をお示ししてございます。この総括表に基づきましてご説明させていただきます。番号1は、都立駒込病院において使用いたします磁気共鳴断層撮影装置の買い入れでございまして、契約の相手方は株式会社自治体病院共済会、契約金額は一億九千九百八万円で、契約の方法は一般競争入札でございます。なお、本契約の概要につきましては、二ページに記載しておりますので、後ほどごらんいただきたいと存じます。簡単ではございますが、以上で契約締結のご報告を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。 # 野上委員長 野上委員長報告は終わりました。これより本件に対する質疑を行います。発言を願います。〔「なし」と呼ぶ者あり〕 # 野上委員長 野上委員長発言がなければ、お諮りいたします。本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 野上委員長 野上委員長異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。 # 野上委員長 野上委員長これより請願の審査を行います。請願一九第九四号を議題といたします。理事者の説明を求めます。 # 及川経営企画部長 及川経営企画部長それでは、お手元配布の資料5、厚生委員会付託請願・陳情審査説明表に沿ってご説明させていただきます。一ページをお開き願います。整理番号1、請願一九第九四号についてご説明申し上げます。この請願は、世田谷区の都立梅ヶ丘病院の存続を求める家族と都民の会代表、池崎吉次さん外三万八千四百四十九名から提出されたものでございます。請願の要旨についてでございますが、都立梅ケ丘病院を存続させ、小児科を新設していただきたいというものでございます。現在の状況についてでございますが、都立梅ケ丘病院につきましては、都立病院改革に基づく再編整備の一環として、清瀬小児病院及び八王子小児病院と統合し、小児総合医療センター(仮称)として新たに府中キャンパス内に移転、整備することといたしました。整備に当たりましては、多摩広域基幹病院(仮称)とあわせて、PFI手法の導入により整備することとし、本事業のために設立された特別目的会社、多摩医療PFI株式会社と平成十八年八月に事業契約を締結いたしまして、平成二十二年三月の開設に向けて、本年七月に病院本体工事に着工いたしました。小児総合医療センター(仮称)では、小児医療に関し、心から体に至る総合的で高度専門的な医療を提供することとしておりまして、高度な小児救急医療、障害児医療への対応など、都における小児医療の拠点として整備を進めることにより、その充実を図ってまいります。また、小児精神科の外来部門を大塚病院に設置し、区部における小児精神科外来機能を確保してまいります。簡単ではございますが、以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。 # 野上委員長 野上委員長説明は終わりました。本件について発言を願います。 # 田代委員 田代委員梅ケ丘病院の移転、幾つか質問させていただきたいんですけれども、一番何といっても、お子さんが病気を持っていらして、特に精神科領域の病気というのは、非常に親御さんにとっては悩ましい、つらい現実であるわけですね。そして、我々医療提供者はそこが意外と気がつかないんですが、患者さんというのは、いらっしゃるということ自身が非常に苦痛であったり大変であったり、通院することがですね。我々は普通に淡々と仕事をしているつもりなんですが、患者さんの方から見ると、どうもそれが不親切であったり、あるいは理解ができないということが多々あるというのが現実であるわけです。これは当然、今からの医療というものは変えていかなくちゃならないわけですが、特に、先ほど申し上げましたように、小児の精神というものを治療していくという、そういう状況の中では、親御さんたちあるいは関係者の方々の心労、苦労というものははかり知れないものがあると思うんですね。そして、急に、今まである意味では生活の一部として通院をして治療を受けてきたリズムが、場所が変わるということによって当然変調を来してくるわけですから、その対応というものは、現実に家族の方にしてみると大変な問題になるんだろうと思っています。特に、私自身が研修病院として梅ケ丘にいたものですから、あるいは父の代から梅ケ丘で仕事をしているものですから、ある特定の思いはあると思うんですけれども、長い歴史の中で、前に申し上げましたように、ある意味では差別との闘いがあって、そして、世田谷区でも特に梅丘地域の人たちは、そういうものをしっかりと守っていこうということで、地域を挙げて梅ケ丘病院を支援して守ってきたという長い歴史があるわけであります。梅ケ丘自身、昭和二十年ということですから随分古い。建物としては四十年代が中心というお話でしたけれども、いわゆる耐震基準には全くそぐわないものだらけになったので、非常にその点は一つ不安ではあります。こういうことをしっかりしていかなくちゃならない。それからもう一つ、我々が研修病院として行っていたころとは今はさま変わりでありまして、お子さんの、患者さんを取り巻く環境というのは、もっともっとスキルアップしたというか希望が高い。全体を安全に診ていくことが要求されるわけであって、昔のまま、旧態依然のままの治療だけでいいわけではなくて、新しいものに取り組んでいかなくちゃならない。その新しいものに取り組んでいくという中で、この場所でなかなかやっていくことが難しいというお話、あるいはもう一つ、総合的に小児の精神というものを診ていくために、もっともっと充実した中でやっていきたいという話で一歩が始まったんだと思うんですね。確かに、患者さん方が受ける治療というものは、当然そのときそのときで最良のものでなくちゃいけませんし、さっき都立病院の基本的役割というところで、適正に都民に行政的医療を提供して、都における良質な医療サービスの確保を図る、そして、高水準で専門性の高い総合診療基盤、こういうものに支えられたものを提供しなくちゃいけないんだというお話でした。まさしくそのとおりですから、そうなると、一番具体的にいうと、梅ケ丘の場所に新しいものができて、そしてそこに全部医師が集まって、小児の精神科医療というものが総合的に対応できるというのが理想的ではあるんですが、そうすると、じゃ、今まで大変遠くから通っていた方々はどうしようかと。その地域その地域に数多くそういうものができればいいんですが、残念ながら、そういう専門家がほとんどいない状況であって、プラスして、そういう人たちを補完していくほかの医療専門家も、もともと今東京都に足りないということになっている。現実に、質の高いもので患者さん方にご理解いただける、ちゃんとした治療を提供できるところはどこかということになると、今度のメディカル・キャンパスであり、また大塚病院というお話になるんでしょうけれども、後でちょっとお話ししますけれども、基本的にはなかなか、通っている方々が急にあっちへこっちへといわれるのは、単純に非常に大変なんだということは頭に入れておいていただきたい。それを解決するためにはいろいろな方法があるでしょうけれども、やはり地道な、しかも熱心な誠意のあるアカウンタビリティーが必要であって、一生懸命説明をしていただく、ご理解をいただくという努力はしていただかないとだめだと思うんですね。ただ、先ほど申し上げましたように、建物としては非常に古い、そして安全性も余り確保できない。経済的ないろいろな問題があって、すぐに何でも建てればいい、人的な問題もあって、そこに全部人を集めればいいということが現実にできない。しかも、公平に東京都民全員がそういう施設を利用することができるためには、ある程度分散化していかなくちゃならない。そうすると、今まで一つしかなかったこういう小児の精神の専門家の場所が今から二つに分かれるわけですから、トータルすると、多分、今までに比べて性能もアップしていくでしょうし、量的にもふえていくだろうと思っております。その中で、まず最初にお聞きしておきたいのは、二つに分けて今から対応していくわけですけれども、特に、府中のメディカル・キャンパスの方でも新センターを展開する、こういうことをお話をいただいているわけですけれども、確認のために、どういうことをまず意義について考えて、これを実行していくのかということについてお話をいただきたいと思います。 # 及川経営企画部長 及川経営企画部長小児総合医療センターを多摩キャンパスで実施するといったことの意義についてでございます。近年、発達障害を持つお子さんがふえるなど、小児精神疾患は増加傾向にございまして、心身症といったものや重度の摂食障害なども含めて、こうした疾患の早期発見のためにも、委員のお話にあったとおり、精神科医だけではなくて小児科医も含めて、そういった連携の中で医療を実施していくということがこれまで以上に重要になってきているというふうに考えております。また、厚生労働省の子どもの心の診療医の養成に関する検討会報告書でも述べられておりますけれども、子どもの心の診療に携わる医師には、子どもの心身の健康な発達の支援への予防的かかわりと、著しい情緒、行動の問題や精神障害への治療的かかわりの二つの役割が求められているといったことから、小児科医と精神科医らが協力連携して対応していくことが必要というふうにしております。このため、体を扱う他の小児病院と統合するとともに、今回、キャンパス内で同時に整備をいたします多摩広域基幹病院や、キャンパス内にあります神経病院、府中療育センターなど、キャンパス内の他の医療機関等とも密接に連携をしながら、心から体にわたる総合的な高度専門的な医療を提供していくこととしたものでございます。新設をいたします小児総合医療センターでは、多様な症状のあるお子さんを幅広く受け入れることのできる総合診療部を設置いたしまして、心の疾患とそれに伴う体への対応、体の疾患を持つお子さんへの心理的な対応などに取り組んでまいります。また、小児期の疾患を成人になった後もそのまま抱えていらっしゃる、いわゆるキャリーオーバーの患者さんへも円滑な対応を行うというふうに考えております。 # 田代委員 田代委員この小児の総合医療センターが、今までの梅ケ丘の病院の機能を引き継いで、小児精神科医療の分野で、東京都のみならず全国に模範を示すような、拠点的な役割をきちっと担っていただかなくちゃならないわけですけれども、これで一番問題は、先ほど申し上げましたように、人的な専門家の不足なんですね。小児科だけが足りないわけではなくて、精神科の医師も一時に比べて非常に今需要と供給ということは変な話ですけれども、患者さんの希望と専門家のバランスが全然とれていない、これが精神科の大きな問題になっているわけです。小児精神科の専門家の確保、それから、当然、確保といったって、もともといないわけですから、人材をつくっていかなくちゃならないわけですが、そういうものの育成をしていかなくてはならない。ナショナルセンターである成育医療センターのほかにも、児童青年用のいわゆる精神科病棟を持つ病院で組織されている全国の児童青年精神科医療施設協議会の会員状況を見ても、平成十九年度現在で正会員が十九機関、オブザーバー会員が九機関、本当に少ない。絶対数が全くないわけであります。梅ケ丘病院はそういう数少ない医療機関の一つでありますけれども、児童の精神科専門レジデントの研修を本格的に行っている、非常に数少ない研修機関の一つでもあるわけです。新しく整備する小児総合医療センターでもこうした機能を引き継いでいただかなくちゃなりませんし、また、心と体を総合的に扱う病院として、人材育成面でもしっかりとスキルアップをしていただかなくてはならない。そういうことで、小児総合医療センターと大塚病院での小児精神科外来の円滑な運営が見えてくるわけですが、そこで、小児総合医療センターでの小児精神医療にかかわる医師の育成についてはどうお考えか、お伺いをしたいと思います。 # 及川経営企画部長 及川経営企画部長梅ケ丘病院では、委員お話しをしていただいたとおり、これまでも若手の小児精神科医の研修、育成機関として先導的な役割を果たしてまいりました。実際に子どもの心の診療に関します専門的な研修を行っている病院は、お話にもございましたとおり、全国でも極めて限られておりまして、児童青年用精神科病棟を持つ病院で組織をされます協議会、これに参加をする病院の中でレジデント研修ができる施設とされたのは、梅ケ丘病院を含めて八カ所ということでありまして、さらに、その中で児童精神科専門のレジデントの正式定員を持つ定数ですね定員を持つ施設は、梅ケ丘病院を含めて三カ所しかないというふうにされております。こういったことから、梅ケ丘病院の研修、教育機関としての役割は極めて大きいというふうに認識しております。そこで、近年では、梅ケ丘病院におきまして、小児総合医療センター及び大塚病院小児精神科外来の整備に向けまして、シニアレジデントの定員について段階的に拡大をしてきております。ちなみに、今年度実施をしたシニアレジデントの採用選考におきましては、三名の募集に対しまして十六名の応募がありました。このことは、全国で有数の研修、育成機関であるということのあらわれではないかというふうに考えております。新たに整備をいたします小児総合医療センターでは、心と体を総合した高度で専門的な医療を提供するという、こういった特徴を生かしながら、臨床とともに専門研修機関としての機能もますます充実させまして、小児精神科医の育成にも積極的に取り組んでまいります。 # 田代委員 田代委員都立病院としては人材確保が非常に重要なんですけれども、何回も申し上げていますように、ただお金を払ってどんどん集めればいいというわけではなくて、これは東京都の医療状況がおかしくなりますから、すばらしい人材を発掘してそれを育てていく、そういうことを並行してやっていかないとだめなわけで、特にこういう新しい分野、先ほどから何回も申し上げておりますように、この小児精神というのは、全く考え方がどんどんどんどん毎年変わってきている。そういう中で、一番良質なものを患者さん、ご家族に提供できるためにはどうしたらいいかということを考えるためには、やはり人材を確保するだけではなくて、それを育成していくということがとても大切なわけですね。これがうまくいけば、こういう問題はもう起きなくて、地域地域でどこでも専門家がいて、そのチームがあって、お子さん方が、ご家族の方が安心して治療を受けることができる。遠くに行くとか、あるいは長い距離、いろいろ時間をやりくりして通わなくちゃいけないなんということがないような時代が来ることが理想でありまして、そのためには、まず、東京都が一生懸命こういう研究も一緒にやっていかなくちゃいけない。松沢に今度できます三研究所も、当然そういう意味もあって、中で臨床と研究をコラボレーションしていく、これはとても必要なわけですね。ただ、これは基本的には将来の問題で、今すぐということではないわけですけれども、先ほど最初に申し上げましたように、小児の精神だけを扱っていればいいわけではなくて、一般医療もすべて、その方々を取り巻く状況というのがあるわけで、一般医療というものをきちっとやっていくためには、せんだって長橋理事からもお話しいただいて、僕もなるほどなと思って、とても心配だったんですけれども、大塚の方で、新しい場所がすぐ動線がきちっとしているかどうかですね。日本の病院とアメリカの病院、よく比べられるんですけれども、一つ日本が劣っているのは、動線を考えていない。そばにあっても、うまくそこと医者が通行できるのか、患者さんが動くことができるのか。それで長橋理事から随分ご質問をいただいて、これはとても重要な問題だと思うんですけれども、これは多分、後でまた先生の方からしっかりやっていただけると思うんですが、全体を取り巻く状況をよくするために移るんだといっても、現実にそうなっていちゃ話にならないのであって、移ったら、そこで今まで以上に全体の医療というものが診れるようにしていただきたい。これはどちらも同じこと、大塚だけではなくて、府中もこれは同じことだと思うんですね。こういうものに対して、具体的に患者さん、家族の方々に話をしていただきたい。これをやっていかないと、先ほど申し上げましたように、確かに、東京都に一つしかなかったものが二つになったんだ、そして、遠くになる人もいるけれども近くに来る人もいるんだと、それは単なる理屈であって、今まで現実に通っていた方々にしてみれば、非常に大きな苦労になるわけですから、そこをしっかりとご理解いただくためには、やはり懇切丁寧な、理解を得るそういう説明が必要で、そういう努力もしていただかないとなかなか今まで長いこと梅丘の住民を中心としてみんなで支援してきた病院が、何か変な形で変わっていくというのは非常に悲しいことですし、地元としては、長い歴史、昭和二十年から延々と続いている、六十年以上経過したこういう歴史の中での一つの医療体制を提供してきたところですから、もしもこの病院がここでなくなってしまうというようなことがあっても、その後はプラスにつながるような形の活用を、医療とか福祉とか介護とか、いろいろな問題があると思いますけれども、地元の世田谷区ともしっかりお話しをいただいて、結果として、移ったことが決してマイナスにならなかったというような結果を出していただきたいということを強く要望して、終わります。 # 石毛委員 石毛委員質問が重複する場面があるかもしれませんが、お答えよろしくお願いいたします。梅ケ丘病院が府中の小児総合医療センターへ移転、統合されることに関しまして、民主党としても、本委員会で昨年、さまざまなことを確認あるいは要望を申し上げてまいりました。こうしたことも踏まえつつ、私からも何点かお聞きしたいと思います。民主党としても梅ケ丘病院を視察する機会が何度かあったわけですが、私自身も昨年視察させていただき、小児精神科という全国にも数少ない医療機関の現場をつぶさに拝見させていただきました。また、院長も懇切丁寧に案内をしていただいて、勉強になったわけです。近年、LD、学習障害、あるいは多動性障害、ADHDなどの発達障害を抱えるお子さんがふえているといわれております。家族や関係者が悩みながら疾患に向き合っていることが多いと聞きますが、私自身も、そうしたお子さんの関係で少々かかわりを持った経験がございまして、やはり社会でしっかり取り組んでいくべき問題だと認識しております。そのとき、実際に梅ケ丘病院というところに私の知り合いのお子さんが入ったわけなんですが、専門的にこの医療に取り組んでいる施設の存在の大きさというか大切さというか、そういうのを実感した覚えを持っております。その点、東京都として大きな財産であることは間違いありませんし、府中に移転して、新たに小児総合医療センターとして充実した医療を提供できるようにするわけですが、今回、移転することに不安を感じて請願を出された方々にも十分理解できるように、そうしたことに努めていただきたい。さて、現在梅ケ丘病院は、緑というか樹木も大変多くて、運動場も確保されて、さまざまな心の疾患を抱えるお子さんにとって非常によい環境であります。これに対して、府中で整備される小児総合医療センターは高層化の予定であり、患者さんにとってふさわしい環境や安全性が確保されるのかという点について昨年の本委員会の中でお尋ねをしたわけですが、そこで、確認のために改めてお伺いしますが、現在の小児総合医療センターの整備の進捗状況と、あわせて、患者の療養環境や安全面の確保についてどのように取り組んでいるのか、お聞かせください。 # 黒田参事 黒田参事小児総合医療センターの精神科部門についてでございますが、緑豊かな府中キャンパスの自然環境を最大限に生かすという方針のもとに設計業務を仕上げておりまして、本年七月から本格工事に着工しております。設計におきましては、隣接いたします駐車場の二階の部分に専用の運動場を設置するほか、小児病棟には中庭としてルーフコートを整備するなど、子どもの患者さんが豊かな自然と触れ合いながら活動できるスペースを設けることとしております。また、全体の建物のうちでございますが、小児総合医療センターは中層部に設置されることになっておりますが、小児総合医療センターの施設の配置や動線につきましては、安全性の確保の面から万全を期した設計を行ってまいります。 # 石毛委員 石毛委員わかりました。都内にはタワーマンションが多く建設されている現在、社会生活の中でも高層化が当たり前になってまいりました。他の大規模病院でも高層建築となっている例も多いわけですが、高層化自体が医療面で悪影響であるとは思いません。患者さんの治療をするという病院施設なので、何よりも安全性の確保に力を入れてほしい、これはお願いにとどめておきます。さて、現在の梅ケ丘病院では、医師、看護師、保育士、またOT、PTなどのさまざまな職種の人たちがかかわっております。患者さんの治療に当たっているわけですが、小児精神という分野なので、大変高い専門性が要求されると思うんですね。昨年の委員会でも、こうした分野だからこそ、人材の確保、育成が重要であるというふうに私ども民主党で指摘をしたわけでありますが、病院経営本部からは、計画的な人材の育成に取り組まれているとお答えがあったわけですが、特に昨今、医師不足、中でも小児科は大変厳しい医師不足で問題になっております。これまで梅ケ丘病院で取り組んできた小児精神医療を府中でも充実させていく、これを担う医師を本当に確保できているのか、いささか心配を含めて、どのようになっているのか、お聞かせください。 # 黒田参事 黒田参事梅ケ丘病院の現在の小児精神科医師についてでございますが、常勤医師が十二名、非常勤医師も同じく十二名の体制となっておりまして、これは全国でもトップレベルであるというふうに考えております。さらに、今後の医師の育成、確保についてでございますが、いわゆるシニアレジデントにつきましては、本年度は定数を八名にふやすなどの対応をしております。今後とも医師の育成に積極的に取り組みまして、さらなる体制の充実を図ってまいります。 # 石毛委員 石毛委員トップレベルということでございますので、そのことについてはちょっと安心したわけですが、小児医療という本当に専門の少ないところ、積極的に人材の育成を行っていくことであり、今申し上げたように、小児総合医療センターに上手に引き継ぐことをお願いいたします。さて、心に疾患を持つ梅ケ丘病院の患者さんの中には、新しい環境になれないというんでしょうかね、適応が難しいなんという方もおられると思うんですが、こうした環境変化への適応には時間がかかったり、あるいは見守ったりとか、そういったことが必要かと思いますが、患者さんのご家族、関係者は、梅ケ丘病院が移転した場合に、こうした点が心配の方もおられるのではないかと思います。そこで、移転に当たってこうした患者さんたちへの配慮が重要だと思いますが、人手をかけて丁寧に対応していただきたいと思いますが、その点のご見解をお聞かせください。 # 黒田参事 黒田参事移転に当たっての対応でございますが、子どもの患者さんの特性を踏まえた配慮が非常に重要であるということは十分に認識しております。現在の梅ケ丘の患者さんが小児総合医療センターに円滑に引き継がれていくことができますように、医師、看護師など関係スタッフの連携のもとで、個々の患者さんや、またご家族の状況に応じながらきめ細かく対応してまいります。 # 石毛委員 石毛委員わかりました。ぜひそんなような形をお願いしたいところですが、安心というんですかね、患者さんにとって大切な場面、安心できる体制というものが必要だと思いますので、患者さんが環境変化への適応に時間がかかる、こうしたことも含めて、取り巻く問題点は多々あるとは思いますが、今お答えになったように、ぜひとも積極的に、鋭意住民また患者さんたちに説明をしていただいて、今後も小児総合医療センターの開設に向けて引き続き取り組みを強化していただきたいと最後に申し上げまして、質問を終わりたいと思います。 # 長橋委員 長橋委員私からも、本請願、都立梅ヶ丘病院の存続と小児医療の充実に関する請願について質疑をさせていただきます。先ほどお話があった、梅ケ丘病院が二カ所になるということで、私の地元の大塚病院に関連して、この質疑はこの前の事務事業質疑でもさせていただきました。既に私にも、請願者である梅ヶ丘病院の存続を求める家族と都民の会からもニュースを見せていただいたりしておりました。まさにここに書いてあるのが、子どもの心の診療に実績のある都立梅ケ丘病院をぜひ現地で、こういう内容でありまして、私自身も、発達障害については、自閉症協会の皆さん方からも話を聞き、取り組んできたところでありますし、また、自閉症協会の方から話を聞いて、梅ケ丘病院にもお邪魔をして見させていただきました。本当に先進的に、子どもの心の病について都立梅ケ丘病院があるということで、本当に患者の皆さんは安心をし、また、そこに唯一の光を求めていた、そんな状況も見させていただきましたし、また逆に、外来、診察を受けたい、梅ケ丘病院でなければと、こういう思いが大変多くて、中には診察を受けるまでに長時間を要した、こんな話も聞いたわけでありまして、そういう中で、今回、府中の小児総合医療センターと大塚病院にと、こういうことでございます。先日の質疑では、大塚病院の小児精神科外来ができるに当たって、梅ケ丘病院の機能が、説明を読むと、整備計画を読むと、分割をされてしまうようにも私はとったものですから、そこら辺について質疑をしましたところ、梅ケ丘病院の機能については、そのまま小児総合医療センター、府中に移行して、それに加えて大塚病院の機能を充実させる、こういうご答弁であったわけであります。そういうことで、私の地元にも、もちろん発達障害を含めたお子さんを抱えた保護者の皆さんがおります。このことについては、地元の方は逆に、地元にできたということで大きな喜びもあったわけでありますが、逆に世田谷の皆さん方は大変ご不安がある。まさに都立病院が、そこにあったものがなくなるということは、大変にご不安があるというのは本当にわかるわけで、今、私の前に質疑をされた委員の方も同じ話をしたのではなかろうかと思います。そこで、大変恐縮でございますけれども、現在の都立梅ケ丘病院と比較をいたしまして、いわゆる小児総合医療センター、そして大塚病院での小児精神科外来、外来とデイケア、具体的に規模がどういうふうに変わっていくのか、どういうふうになるのか、まず、そこら辺からお伺いをしたいと思います。 # 黒田参事 黒田参事小児精神科の規模についてでございますが、まず外来診療部門についてでございますが、梅ケ丘病院では、平成十九年度の外来予算規模は一日当たり百四十人となってございます。一方、小児総合医療センターの心の専門診療部におきます外来規模は、一日当たり百五十人として計画しておりまして、さらに大塚病院小児精神科では、外来規模を一日当たり三十人程度として計画しております。次に、デイケア部門についてでございますが、梅ケ丘病院において実施しておりますデイケアのうち、幼児と学童の平成十八年度の実績は、二百四十七人の登録人員となっております。一方、小児総合医療センターでは、デイケアにつきましては、梅ケ丘病院と同程度の規模で実施していくことを想定しておりまして、さらに、大塚病院の小児精神科のデイケアでは、五十人程度の登録人員を想定しております。 # 長橋委員 長橋委員先日は聞かなかったんですけれども、今改めてお伺いしますと、いわゆる外来の規模については、梅ケ丘が百四十人だったのが、小児総合医療センターになった場合には百五十人にする、それに加えて、都立大塚病院でも新たに三十名を計画しているということでございますから、十足す三十ですから、外来規模でも四十人上回る、こういうことでありますから、先ほど私がお話しをいたしました、外来についても時間を待たされるということについては幾分よくなる、まさに三割ぐらいよくなる、こういう計算になるのではなかろうかと思います。デイケアについても、私も梅ケ丘病院のデイケア見させていただきましたけれども、大変デイケアというのは重要だと私も思っております。先日、環境整備についてはお伺いをいたしましたけれども、これについても、いわゆる小児総合医療センターで同規模で、なおかつ大塚病院でも五十人のデイケアをやるということでございますから、いわゆる梅ケ丘病院、老朽化ということだけではなくて、ただ移転をするというのではなくて、こういう形で一つの、外来、デイケアについては拡充をするということですから、こういったこともぜひ説明をきちっとしていただきたいと思います。ここのニュースを見させていただいて、また都民の声という、利用者の声というお話もありました。私も要約した声を見させていただきましたけれども、中には、仙台の方からの声であるとか、茨城県からの声であるとか、栃木県からのもちろん、世田谷の地元の方もおりますけれども、東京二十三区だけではなくて、いわゆる日本全国からこの梅ケ丘病院を目指して来ていらっしゃる、その方々のよりどころになっているというふうにも思うわけであります。病院経営本部にちょっとお伺いいたしましたら、ワンデイ調査というのをやりましたと。これは去年の、十八年の十月十八日にワンデイ調査、どれだけこの梅ケ丘病院にどういうところから外来、入院されているのかという調査でございます。外来だと、地元の世田谷区は一二・六%、区部は四八・五%、区部以外の市部については一八・五%、都外が三三%あるということであります。ですから、東京都以外の人たちも三三%、三割の方が外来に来ている。入院についてはさらに、世田谷では五・七%、区部では三七・三%、市部では三四・七%で、同じく都外は二八%、約三割あるということでございます。こういった点を見ても、小児総合医療センターと大塚病院の拡充、これは私は、東京だけではなくて全国の患者さんといいますか、そういうお子さんを抱えている保護者にとっても重要なことではなかろうかと思うわけであります。そこで、先ほど医療人材の確保、医師の確保という視点もございました。また、この世田谷の地は、さっきちょっとお話が出ました成育医療センターもあるわけですね。成育医療センターでもありますけれども、ここではこころの診療部というところがあります。ここでは、同じように発達障害を含めた診療をやっておりまして、こころの診療部とは、子どもとその家族の心の問題に関する診療を行うこととして創設をされているわけであります。また、同じく発達障害者支援センター、これも世田谷の船橋にあります。これについては福祉保健局の事務事業で質疑をさせていただきましたけれども、こういった、まさに世田谷の梅ケ丘病院と発達障害者支援センター、または成育医療センターという中にあって、この地域というものが、その中心的な地域であったということは認識をするわけであります。発達障害者支援センターが都内で一カ所しかない。それを今度はモデル事業を複数にしていきたいという思いがあるようでありますけれども、今度はそれが府中の方に移転した場合に、発達障害者支援センターとの連携現在はどうなっているのか、移転したら今度ちゃんとやっていけるのかどうか。距離という問題も大きな問題だと思うんですけれども、そこら辺についてご答弁をお願いします。 # 黒田参事 黒田参事発達障害者支援センターとの連携についてでございますが、発達障害者支援センターにおきましては、発達障害を抱える方やそのご家族に対しまして、日常にかかわるさまざまな相談対応及び制度や支援機関についての情報提供等の事業を行っております。その中で、梅ケ丘病院では、発達障害者支援センターから医療が必要であると紹介があった場合に、患者さんに対する診療を行っております。また、梅ケ丘病院の院長は、発達障害者支援センターのセンター長とともに、東京都発達障害者支援体制整備検討委員会の委員として参加をしておりまして、発達障害児の実態ですとか、今後の支援体制の整備等につきまして意見交換を行っているところでございます。今後、移転後の小児総合医療センター及び大塚病院におきましても、これまで同様に、発達障害者支援センターからの紹介に十分に対応するとともに、連携体制の強化に努めてまいります。 # 長橋委員 長橋委員十分に連携をとっていくということであります。都立梅ケ丘病院は医療の分野でこれを担ってきたわけでありますが、発達障害というのは、医療の分野にとどまらず、いわゆる教育や福祉、または保健の分野でさまざまネットワークを広げていかなければならない、そういう中でそういった支援というものを重層的にやっていかなければいけないと思います。ぜひ引き続き、この発達障害者支援センター、連携をさらに具体的にやっていただきたいことをお願いしたいと思います。そして、もう一つお伺いをしたいのが、今度は二カ所に分かれる。大塚病院と府中の小児総合医療センター、こことの連携も重要になってくるかと思います。この間の質疑で、大塚は外来とデイケア、入院はありません、もしそういう患者さんが来た場合にはどうするんですかとお伺いをいたしましたら、それについては、府中と連携をとって、府中の方で入院については面倒を見ます、こういうご答弁があったわけであります。そういう連携だけではなくて、さまざまな患者さんの対応があると思います。急患の問題もあるでしょうし、そういった意味では、大塚病院の小児精神科外来の運営に当たって、入院を含めてどう府中との連携を図っていくのか、これが二カ所設ける意味では大事だと思いますので、そこら辺についてご答弁をお願いいたします。 # 黒田参事 黒田参事大塚病院におきます小児精神科外来の運営についてでございますが、大塚病院小児精神科外来としましては、単独では医師を初めとする専門性の高い人材育成を行うことは大変なことであるというふうに考えております。このため、小児総合医療センターが人材面でもバックアップしていくこととしております。お話がございましたように、小児精神の外来機能しか持たない大塚病院におきましても、入院を必要とする患者がいらっしゃることが想定されます。この場合におきましては、医師同士の緊密な連携体制、バックアップ体制のもとで、小児総合医療センターが病床を確保しまして受け入れていくこととしております。なお、専門医師が不在となります、これもお話がございました、例えば夜間、休日の緊急時の対応などにつきましては、幾つかの課題も残されておりますことから、小児の特性を踏まえまして適切に対応できますように、関係局とも協議をしながら、引き続き検討を進めてまいります。 # 長橋委員 長橋委員まだ残された課題もあるということでございます。ぜひそういった課題もしっかりと検討して、その課題を解決して充実を図っていただきたい、こう思うわけであります。先ほど、医療人材の確保、これもお話がありました。これもぜひしっかり取り組んでいただきたい。二カ所にしたけれども、拡充したけれども医師がいない、こういうことではいけないわけでありますので、ここについてはぜひ努力をしていただきたいと思いますし、また、先ほど皆さんからの声の中にも、梅ケ丘病院は大変評価をされていると。声の中には、梅ケ丘病院が今まで提供してきた医療がすばらしい、だから残してほしい、また、府中に移転してしまうと遠くなる、こういうことで、梅ケ丘病院に対する思いというのは並々ならぬものがあるわけでありまして、そういった方々に対して、同じ質問になるかもしれませんけれども、しっかりと説明責任を果たしていただきたい。今、私もホームページを見させていただきましたけれども、なかなかここら辺の説明については、まだ検討段階もあるでしょうから、明らかになっていないところがあるわけでありますけれども、外来がこれだけふえますよとか、デイケアもこうなりますよとか、それから、府中に行ったら、ほかの医療との連携も充実しますよとかいうことをきっちりと説明していただきたいわけでありまして、まさに三万八千名の方々の署名をいただいての請願であります。その多さというものをしっかりと受けとめた上で説明責任を果たすべきであろうと思いますけれども、今後、都は、具体的にそういった皆さん方にどのように説明をしていくのか、お伺いをいたします。 # 黒田参事 黒田参事患者さんやご家族に対します都としての説明についてでございますが、移転に関する疑問や相談に対しましては、日常の診察や、各病棟で行っております月一回の家族会などを通じまして個別に説明してまいりました。移転に際しましては、今後とも患者さんが安心して治療を継続し、小児総合医療センターへ円滑に引き継いでいくことができますように、都といたしまして、個別の患者さんの声に十分に耳を傾けてまいります。そして、状況に応じた説明を行うなど、懇切丁寧に対応させていただきまして、ご理解をいただきますよう努めてまいります。また、今ご指摘、お話のございましたホームページについてでございますが、小児総合医療センターや大塚病院における医療体制につきましては、現在のホームページをさらに工夫、活用することなどによりまして、広く広報活動についても強化してまいります。 # 長橋委員 長橋委員ぜひその努力をお願いしたいと思います。私は、この発達障害について、きのう、おとといと、ある方にお会いしてお話を聞いてまいりました。その中に、日本の周産期医療は世界のトップレベルだというふうにいわれています。確かに死亡率は圧倒的に低いわけであります。世界で最も少ない、こういわれている。しかしながら、発達障害児の発生頻度は世界で最も多いかもしれない、こういうふうに話を聞きました。そういった意味では、生まれてくる赤ちゃんを予期せぬ事故や発達障害から守るためには、妊娠、分娩、そして新生児の管理、大塚病院にはNICUがありますけれども、そういったものに予防医学を導入したらどうかというようなお話も聞いてきたわけであります。府中は小児総合医療センター、大塚は今後、周産期・小児医療センターとして、東京での中心的な役割をさらに整備していくというわけでございます。赤ちゃんが生まれてからの、障害を持って生まれてきた方に対してきちっと支援をしていくということも大事であろうかと思いますけれども、都立病院の担うもう一つの柱としては、大塚病院の中の周産期、そういった意味では、赤ちゃんがお母さんの胎内にいるときからその管理をして、そして事故を防ぎ、なおかつ新生児の管理をしていく、それによって、障害者の発生といいますか、大きく防ぐことができるというお話も聞いてまいりました。このことについては改めて議論させていただきたいと思っております。ぜひ、そういったことを含めて、改めて、きょう請願をいただいた皆様方に懇切丁寧なご説明をして拡充を図っていただきたい。お願い申し上げまして、質問を終わります。 # かち委員 かち委員私からも、一九第九四号、都立梅ヶ丘病院の存続と小児医療の充実に関する請願について何点かお聞きします。こういう請願が出てくる背景は、東京都が都立病院改革実行プログラムをつくりまして、その中に、府中キャンパスの中に、八王子小児や清瀬小児にあわせて、梅ケ丘小児病院、小児精神科の専門病院も一緒にそこに組み込むという計画が出された以降、都民の声となって上がってきているわけですけれども、私どもも、もともとこういうやり方は見直しをすべきだという立場で見てまいりました。本委員会にも今度で三度目の請願であり、質疑になるわけですけれども、過去二回、この請願署名は十万を超えております。そして、今回も三万八千四百四十九名ということで、根強く、この梅丘の地で小児精神専門病院の展開を、継続を、そして充実をという願いが強いということを改めて認識したわけでございます。それで、子どもの精神疾患をめぐる状況の推移を振り返ってみたいと思うんですが、かつては、自閉症とか情緒障害、てんかんなど、知的障害が上位を占めていましたけれども、最近では、自閉症を含む広汎性発達障害、注意欠陥多動性障害、ADHDとか適応障害などがふえてきております。ここ数年は、いわゆる軽度の心理的発達障害が社会問題となっています。梅ケ丘病院の市川院長がいっておられますけれども、入院する子どもたちのありようは、社会のゆがみを映し出す鏡であるといわれているように、時代の変化、社会環境の変化によって、子どもたちにあらわれる現象も多様に変化してきています。そして、いまだこの子どもの精神科領域の研究は研究途上ともいえる段階です。子どもの心の診療をめぐっては、世界的には、早期診療、早期診断による精神療法や家族療法の研究が進んでいます。アメリカでは、小児科や精神科、児童精神科のトレーニングを積んだ専門医が約四千人いると聞いています。認定制度も確立してきているところです。ところが日本では、難治例や重症例を診療できる専門医は約二百人程度と聞いています。子どもの精神科病院は、全国すべて合わせても九百床足らず。アメリカの約七分の一だそうです。そうした中で梅ケ丘病院は、国内でも、もちろん最も病床数も多い、そしてスタッフも充実しているのが特徴です。その梅ケ丘病院の初診受診は一、二カ月待ちが常態化しているとも聞いております。そういう意味では、新たに外来診療部門を大塚病院に設置するという点では、当然の対応だろうというふうに思います。全国的にもまれな小児精神専門の病院が今日ますます重要になっています。小児精神医学が確立していない今だからこそ、梅ケ丘病院の役割は一層大きくなっているのではないでしょうか。その点についての病院経営本部としての見解をお伺いします。 # 黒田参事 黒田参事梅ケ丘病院についてでございますが、先ほどもお答え申し上げましたが、小児精神医療の分野におきまして、これまで先導的役割を果たしてまいりました梅ケ丘病院の重要性は十分に認識しております。小児精神医療の、東京都、さらには全国の拠点としまして広域的役割を担ってまいりました梅ケ丘病院でございますが、近年、小児精神医療を取り巻く環境が大きく変化しておりますことから、さらに充実強化していく必要があると考えております。このため、梅ケ丘病院を清瀬小児病院、八王子小児病院と統合し、小児総合医療センターとして再編整備しまして、これまで単科の病院では十分な対応ができなかった心と体の総合的な治療、さらには研究、そして人材育成を推進してまいります。 # かち委員 かち委員梅ケ丘病院の果たしてきた役割は、全国的レベルにおいても、先駆的、先進的な役割、大変重要な役割を果たしてきたんだという認識に立って、さらに充実させていく必要がある、本当にごもっともだと思うんですけれども、そうであれば、その専門領域をもっと充実させるべきではないかと思うんですが、皆さんは、小児科総合診療ということで、その一角に置くということになって、そこが私はちょっと見解が違うんですね。本年八月に厚労省から子どもの心の診療拠点病院を整備する方針が出されまして、来年度から三カ年間、十病院を選定してモデル事業を実施する予定とのことです。一一年度以降、全都道府県に一カ所の拠点病院を順次指定する予定と聞いています。当然、現在八名の小児精神医療のシニアレジデントの研修を受け入れるという梅ケ丘病院において、その役割を果たすべきと思いますが、どのようにとらえているでしょうか。 # 黒田参事 黒田参事子どもの心の診療拠点病院についてでございますが、来年度に向けまして厚生労働省が選定する予定と聞いておりますが、梅ケ丘病院は、これまでも東京都及び全国の小児精神医療の拠点として先導的役割を果たしてきておりまして、引き続きその役割を果たしてまいります。 # かち委員 かち委員そういうことですので、多分、診療拠点病院として、また全国レベルの拠点病院としても位置づけられるような役割、そして、そういう医療展開をされていくだろうというふうに思います。ここに「ケースで学ぶ子どものための精神看護」という本があります。これは梅ケ丘病院の看護師さんたちが共同で研究論文をまとめたものですけれども、大変いろいろな、子どもをめぐる精神疾患の症例というのは本当に数多くあるんだなというのを改めて認識しましたけれども、一つ一つが大変わかりやすい症例紹介であり、場面の説明とか看護の視点、看護のポイントが、順にわかりやすく、一般の病院でも小児病院でも使えるものになっています。こういう本が出せるだけの医療の実績づくりを積み重ねてきたというのが梅ケ丘病院だなというふうに改めて感ずるんですが、こういう医療展開ができるのも、先ほどもありましたけれども、医師、看護師だけではなくて、分教室も含めて、事務や栄養士やPSW、そして、その他もろもろにかかわる、子どもたちの周りをめぐる職員などの多職種のチーム医療、連携が確立していることだと思うんです。さらに、病院の外側にも、病院周辺の生活環境や地域のコミュニティがあって、信頼と理解の中で医療が展開できている、それが梅ケ丘病院の今のありよう、姿であるというふうに思うんです。先ほどから、小児総合医療センターの中で心と体の総合的な治療を確立するとのことですけれども、このような病院で治療する子どもたちにとって、環境の変化や通院条件が大きな影響をもたらすことは、先ほど来たびたび出ているところです。梅ケ丘病院のような生活環境の中で、自然体で溶け込める環境、周辺の福祉施設などとの連携で、社会復帰につながる環境が欠かせない条件なのではないでしょうか。梅ケ丘病院では数十年にわたって築き上げてきたものです。ここで、さらに小児精神科の専門医療をきわめていくことこそ求められているのだと思いますけれども、移転、統合される予定の府中キャンパスでの小児精神科の病棟規模、配置、そしてグラウンドや分教室など、具体的にどういう構想になっているのでしょうか。 # 黒田参事 黒田参事府中キャンパスに整備される予定でございます小児総合医療センターの治療環境についてでございますが、先ほどもご答弁申し上げましたが、子どもの患者さんの特性に十分配慮した治療環境を整備することとしております。小児総合医療センターの心の病棟につきましては、建物全体のうち、中層部である五階を中心に配置しておりまして、また専用のグラウンドを設置しております。分教室につきましては、これまでに清瀬小児病院や梅ケ丘病院の分教室で培ったノウハウ等をもとに、心の小児患者、体の小児患者さんそれぞれに対しまして設置いたします。繰り返しになりますが、このように、子どもの患者の特性に十分配慮した治療環境を整備することとしております。 # かち委員 かち委員これが府中キャンパスの構想という絵ですよね。どういう配置になっているかというと、これが大人用で、こちらの低層部分の方に小児が、小児病棟になるようで、この七階建てぐらいの建物の五階層を小児精神科の病棟にするというお話を伺いました。そして、グラウンドは、今は本当に中庭のようになっているので、いつでも自由に出入りができるんですけれども、これは、グラウンド整備をしているといっても、敷地内とはいえども、道路を隔てた駐車場の屋上ということなんですね。先ほど動線の話もありましたけれども、子どもたちにとっては、自然な環境、生活環境というのはすごく大事なんですが、これはいかにも大きな病院の、巨大な病院の一角の中に、しかもそのグラウンドも、別に歩いていかなければいけないとか、分教室はどこにできるのかわかりませんけれども、心と体を分けるとはいっておられますけれども、分教室も大変重要な役割を果たしております。毎年百十名ほどの在籍者がいるということですので、こういうことを生かしていくためにも、今の環境というのは変えることができないんじゃないかと思うんです。外来はさっき十名ふえるとおっしゃいましたけれども、病棟の患者数は十名ほど減るんですよね。そういう意味でも、今、非常に小児精神領域の患者さんがふえる中で、本当に十分にその要求にこたえていけるのかどうか、そういう点でも大変疑問を持つところでございます。昨年の一定定例議会で、一般質問で私どもの会派が行いましたけれども、平成九年五月の都立病産院小児医療検討委員会の最終報告では、梅ケ丘病院はその特性から単独の専門病院が望ましい、こういう結論だったはずですけれども、どうしてその方針が転換されたのか、今改めてそこに立ち返るべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。 # 黒田参事 黒田参事検討委員会の最終報告についてでございますが、この都立病産院小児医療検討委員会報告書は平成九年五月のものでございますが、この報告がありまして現在までに十年が経過しておりまして、この間、小児精神医療を取り巻く状況は激変しております。具体的には、心の病を持つ小児患者さんが大幅に増加しているとともに、精神疾患と身体疾患の合併症ですとか、キャリーオーバーの問題などもございます。このため、心と体を総合した高度専門的な医療を提供することがこれまで以上に重要となっておりまして、平成十三年の都立病院改革会議報告を受けまして、三つの小児病院を統合し、小児総合医療センターとして整備することとしたものであります。 # かち委員 かち委員小児精神科医療を取り巻く環境は激変をしているとおっしゃいまして、確かにそうですよね。いろいろ、先ほど私は最初の方にいいましたけれども、初期の発達障害とか、非常に心と体の問題というのが出ているのは事実です。だから、一般の病院にもそういう患者さんはいっぱい来るわけですよ。そういう子どもさんに的確な対応をするにはどうしたらいいかということが非常に今求められているわけで、そこをとにかくレベルアップして研究開発をして帰していかなければいけない、その役割が梅ケ丘病院にはあるんじゃないかということなんですよ。そのことは、どうしても私は譲れない点だというふうに思います。心と体を一体的に診療できる体制ができるというわけですから、そうであるならば、世田谷区では都立母子保健院も廃止され、今二十四時間対応できる小児科は、八十四万区民のいる世田谷区で成育医療センターのみとなっているわけです。梅丘の地に小児科を併設することこそ必要だということを強く求めて、私はこの請願は趣旨採択を求めて、質問を終わります。 # 野上委員長 野上委員長ほかに発言がなければ、これより採決を行います。本件は、起立により採決いたします。本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。〔賛成者起立〕 # 野上委員長 野上委員長起立少数と認めます。よって、請願一九第九四号は不採択と決定いたしました。請願の審査を終わります。以上で病院経営本部関係を終わります。これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。午後四時二十五分散会
2024-03-31T11:23:52.707626Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/772370?Template=document&Id=8105#one
--- title: 平成19年厚生委員会 名簿・議事日程 # 平成十九年十一月二十九日(木曜日)第七委員会室出席委員十四名委員長野上純子君副委員長山加朱美君副委員長かち佳代子君理事くまき美奈子君理事長橋桂一君理事野島善司君西崎光子君大松成君佐藤広典君田代ひろし君石毛しげる君野村有信君佐藤裕彦君吉田信夫君欠席委員なし出席説明員福祉保健局局長安藤立美君次長関敏樹君技監梶山純一君総務部長杉村栄一君指導監査部長梶原秀起君医療政策部長細川えみ子君保健政策部長清宮眞知子君生活福祉部長永田元君高齢社会対策部長狩野信夫君少子社会対策部長吉岡則重君障害者施策推進部長松浦和利君健康安全室長桜山豊夫君企画担当部長松井多美雄君施設調整担当部長宮垣豊美子君参事蒲谷繁夫君参事吉井栄一郎君参事住友眞佐美君参事芦田真吾君参事松原定雄君参事菊本弘次君参事金丸陽子君参事奥澤康司君参事月川由紀子君病院経営本部本部長秋山俊行君経営企画部長及川繁巳君サービス推進部長都留佳苗君参事黒田祥之君本日の会議に付した事件福祉保健局関係第四回定例会提出予定案件について(説明)・東京都児童相談所条例の一部を改正する条例・東京都心身障害者扶養共済制度条例・大気汚染に係る健康障害者に対する医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例・東京都医学系総合研究所(仮称)(H十九)I期新築電気設備工事請負契約・東京都医学系総合研究所(仮称)(H十九)I期新築空調設備工事請負契約請願陳情の審査(1)一九第一九号東京都児童会館の移転・大規模遊び場機能廃止の周知と意見募集に関する請願(2)一九第九六号多摩地域の小児医療の拡充に関する請願(3)一九第九七号障害者自立支援法に関する請願(4)一九第五二号障害者施策推進区市町村包括補助事業に移行した通所訓練等事業の存続に関する陳情病院経営本部関係報告事項・都立病院経営委員会報告について(説明)・契約の締結について(説明・質疑)請願の審査(1)一九第九四号都立梅ヶ丘病院の存続と小児医療の充実に関する請願
2024-03-31T11:23:53.621383Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/772370?Template=document&Id=8104#one
--- title: 平成19年厚生委員会 本文 # 午後一時開議 # 野上委員長 野上委員長ただいまから厚生委員会を開会いたします。初めに、今後の委員会日程について申し上げます。先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程表のとおり申し合わせをいたしました。ご了承願います。本日は、お手元配布の会議日程のとおり、病院経営本部関係の事務事業に対する質疑を行います。これより病院経営本部関係に入ります。事務事業に対する質疑を行います。本件につきましては、既に説明を聴取しております。その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。資料について理事者の説明を求めます。 # 及川経営企画部長 及川経営企画部長去る十月十六日の本委員会におきまして要求のございました資料についてご説明申し上げます。お手元にお配りしてございます厚生委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。資料は、目次にございますように、1、都立病院の産婦人科及び小児科における医師の定数及び現員から、6、都立病院と主要他府県立病院及び政令指定都市立病院における医師の給与比較(団体別)までの六点でございます。恐れ入りますが、一ページをお開きいただきたいと存じます。1、都立病院の産婦人科及び小児科における医師の定数及び現員でございます。都立病院の産婦人科及び小児科の常勤医師の定数と平成十九年十月一日現在の現員について、病院別に記載しております。なお、NICUを有する病院につきましては、当該欄にその旨を記載しております。二ページをお開き願います。2、PFI事業にかかわる決算の推移でございます。平成十四年度から平成十八年度までのPFI事業にかかわる決算額について、多摩広域基幹病院(仮称)及び小児総合医療センター(仮称)整備等事業など、三つの事業別に記載しております。三ページをごらんください。3、公社病院における医師の定数及び現員(診療科別)でございます。公社病院の常勤医師の定数と平成十九年十月一日現在の現員について、病院別、診療科別に記載しております。四ページをお開き願います。4、公社病院に対する運営費補助金の推移でございます。平成十四年度から平成十八年度までの公社病院に対する運営費補助金の推移を病院別に記載しております。五ページをごらんください。5、公社病院における看護職員の固有、派遣職員数の推移でございます。平成十四年度から平成十八年度までの公社病院における看護職員の四月一日現在の定数及び現員の推移を病院別に記載しております。なお、現員については、固有職員及び派遣職員の内訳を記載しております。六ページをお開き願います。6、都立病院と主要他府県立病院及び政令指定都市立病院における医師の給与比較(団体別)でございます。総務省作成の平成十七年度地方公営企業年鑑に基づきまして、都、主要他府県及び政令指定都市が運営する病院における医師の平均給与月額について団体別に記載しております。簡単ではございますが、以上で要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。 # 野上委員長 野上委員長説明は終わりました。ただいまの資料を含め、本件に対する質疑を行います。発言を願います。 # 田代委員 田代委員東京都で今こうやって病院を経営している。これに対して非常に都民の期待も大きいのでありまして、ですから、逆にクレーマーの問題が日常茶飯にマスコミで取り上げられてくる。なかなか現場で働いていらっしゃる方は大変だと思います。特に行政的医療、それから都立病院のあり方というものは、今までとは変わっていかなくちゃいけない大きな転換期にかかっておりまして、今まではただ臨床を、町のお医者さんたちが足りないところを補えばいい、あるいは大学病院に行くほどでなければ、あるいは国立病院に行くほどでなければ、都立病院でちょっと診てもらいましょうと、町にある、地域にある安心してかかれる病院というイメージがあったわけですね。それが国もある意味では望むところであって、都もそれに合わせてきたところがあるわけですけれども、これから十年先を見て、医療というものを取り巻く環境が国の方でも激変してくる中、責任をとるのはすべて東京都の方に回されるわけですから、やはりこれからは独立自尊で物を考えていく、そういう気概を持って対処していただきたい。また、それができるだけの唯一の自治体であるわけですから。逆にいうと、都立病院の今からのあり方というのは、東京のような大都市における公的病院というより、医療のあり方の一つの方向性を決める壮大な実験場であり、研究所であるようなものなんですね。どうしても民間の医療機関ではできないような、実験的な、先鋭的な、ちょっと考えると、とても便利なように見えるけれども、やってみないとわからないというようなものは、実は公的なところで取り組んでいただかないと前に進んでいかないわけでありまして、また、零細企業の中でそういう医療システムをどんどんどんどん新しくしていこうという、機械をつくったり、そういうシステムをつくったりしても、買ってくれるところがなきゃ、ここから先に進んでいかないわけですから、そういうものにお金を使うことは、良質な医療を目指すという方向性さえ間違えていなければ、都民は決して反対はしないと思うんですね。それは決して税金のむだ遣いといわれることではないと僕は思っているんです。特にその中で幾つか取り上げていかなくてはならないのは、今の医療費の問題。医療費が一般的に高いといわれることは非常におかしいことだということは、今かなり国民の中で理解はされていますけれども、どこがおかしいのかがよくわからないというのが現状だと思いますし、都民の方もわからないところがある。日本の医療はいいという意見もある。アメリカや諸外国に比べると非常に高度に進んでいて、しかも国民皆保険でいいといわれているんですが、逆にいうと、国民健康保険の、トータルすると今、約二千万人ぐらいになるんですかね、徴収を含めて問題がある人たちが。そうすると、逆に考えると、アメリカと日本で人口比率でいうと二対一ですから、せんだってのムーア監督の「シッコ」なんかに出ているように四千万人、アメリカは実はもっと多いんですけれども、四千万人の無資格者がいるといいますけれども、単純計算すると、日本もアメリカも、倍してみれば四千万人じゃないかということになってしまう。果たして世界に誇る国民皆保険が実際できているのかというと、そこの検証が全くできていないわけです。しかし、アメリカに比べても、あるいはシンガポールなんかに比べても、半分であったり、六分の一の値段でこういうすばらしい医療を提供している。その中心にある都立病院が、今からどうやって東京都の中で、大都市の、あるいは日本の医療というものの方向性を決めていくかということの答えを出していく責務があると思うんですね。ですから、予算の問題はあると思いますが、議会の方も一生懸命皆さん方のお手伝いをして、これからの医療というものをどう決めていくかという実験のお手伝いもさせていただきたいと思っていますので、そういう意味で取り組んでいただきたい。特に、先ほど申し上げましたような、東京都における土地の値段、人件費、もろもろのものを入れた医療費、一点十円で果たしていいのかどうか。一点十円の決まり方については、長くなりますから話しませんけれども、いつまでもこれが固定されているものでないことはわかっているわけでありまして、では、どこまでを都市部といって、どこからをそうじゃないというか。これ、難しいことですよね、感情的なこともあるでしょうから。しかし、それを一回見ていかなくちゃいけない。それから、やはり都立病院を見ていますと、非常に込んでいます。時々、寄せていただきますけれども、異様に込んでいて、人気のほどは知れるんですけれども、使っている方から見ると使い勝手が悪い。やはり、これは予約システムがしっかり機能していないんですが、予約システムは、私の知っている病院でも、あるいは私の病院でもそうですし、いろいろなところで、診療所でも入れましたけれども、どこも一つもうまくいかないんですよ、残念ながら。やはりマンパワーでやった方が間違いなく進んでいくところがあるので、これをどこかでクリアしなくちゃならないこともありますし、それから、都立病院はすべてカード決済ができるように今なったということをお聞きしたんですけれども、それに対しての苦情とか問題もないのかも一回調べていただきたい。それから、何回も申し上げておりますけれども、医師がカルテを書くといういわゆるコンピューターをさわっていますと、キーボードをさわっていると、患者さんとアイコンタクトをする時間が全くないわけですね。それだけ医師がなれていればいいんですけれども、なかなかそんなにみんなが器用に打てるわけじゃありませんから。年代的なこともありますし、ある程度責任者になってくると、コンピューター世代ではない人たちも含まれてくる。その中ですべてキーボードをさわっていると、アイコンタクトがどんどんどんどんできなくなってくるわけで、これも重ねてお願いしますけれども、都立病院では、やはり医療事務的な、いわゆるカルテ整備士みたいなものを試しに入れていただきたい。これは国の医療法違反にならないことがわかっているわけですから、アメリカ方式でやっていただけると、患者さんの顔を見ながら我々が話ができることになるわけです。そういう医療を取り巻く周りの職員の専門化、多様化というものも考えていただけたらありがたい。どこの大学病院でもそうですけれども、外来主任が鉛筆を持つまで、ペンを持つまではみんなフリーズしているわけですね。さあ始めるよと医者がいって、初めてみんなが動いていく。そういうむだにならないように、診療主任が入ってくる前にやるべきことはある程度動いていて、患者さんも何時ぐらいに戻ってくればどうにかなるかというようなことも、これを予約システムを含めて東京都で実験していただかないと、我々私的な病院ではそれを実行することができないわけです。しかし、そういうものを解決する中の一番大きな問題の一つに今は医師不足がありまして、医師不足対応というものに東京都はしっかり対応していこうということで、医師アカデミーですか、これをつくっていこうということになったわけですね。これはご存じのとおりに、研修医システムという、これも長くなりますから省きますけれども、ある意味があって研修医システムが入って、それが大学医局に入る人たちの数の制限が始まって、それで足りない分だけ大学の方に市中病院から引き揚げがあってと、こう悪い循環が、負の循環が始まったものですから、医師不足がずっと恒久化しているわけですけれども、このときに、やはり東京都の方ではそれに対応していかなくちゃならない。まして、今問題になっている小児科と産科、せんだっても問題になりましたけれども、この対応というのはせんだって、ある大きな、自治医大の方なんですけれども、産科の研修をする希望者が、二年間の研修が終わると約三分の一になるといっていました。九人来ると三人しか残らない。あとは二年の間に洗脳されちゃうわけではないですが、余りのすごさにもうギブアップしてしまう。最初に来たときには、最終的に二年たったら産科の医局に入りたいといったけれども、入らない。今、こういう状態にあるというんですね。小児科もまさしく同じ、麻酔科もまさしく同じ。こういう状況が別のところで続いているわけで、こういう人たちを医師アカデミーできちっと確保していくためには、いろいろなことを考えていかなくちゃいけないんですけれども、まず、入ってからやる気のある状況をつくっていくということが一番。モチベーションですよね。このモチベーションの問題で幾つかあるのが、一つは指導者の問題、指導医の問題。指導医を東京都が今までずっとつくり続けてきたということは当然ないと思うんですね。これは、性格上そんなことはある必要もないわけであって、それは大学病院が担っていけばいいことだったわけですけれども、今から、人格的にも人間形成の上でも指導ができるような指導医が一人でもなって、それから将来を見据えて、公的病院の医師として生きていく人生観と、あるいは途中で開業医になる、あるいはまた別に行政の方に入っていく考えを持つようなことそれぞれを指導するような、すばらしい指導医がいなくちゃいけない。と同時に、今、専門医制度というのが非常に揺るぎ始めまして、私がもともといたころには、医学博士というのは、よくいわれる、足の裏についた米粒といわれるような比喩だったんですね。戦前はそうじゃなかったんですけれども。当時は専門医を取ることが一つの目的であったわけですけれども、専門医自身も、最近いろいろな事件があって揺らいできて、国自身がもう既に、専門医の必要性は認めるんですけれども、今の専門医制度の是非は、非常に危惧感を持っている。ですから、上級専門医制度というものを今取り組んでいるわけです。私自身も、その上級専門医制度の委員会に入ってやっているんですけれども、なかなかこれも、まさしく指導医がいないために、どこでどう取らせていいのかわからない。形だけつくっても、いわゆる本物の専門医をつくるというシステムは、日本はアメリカに比べて大変おくれているものですから、それがない。そうなると、医師アカデミーに入ったときに、本当に専門医が取れるのか。あるいは、大学に籍を置かなくてそういうラインに乗れるのかということもみんな心配だと思うんですね。ですから、せっかくたくさんの貴重な症例を見ながら勉強していく中でも、アカデミーに入る人たちのモチベーションをちゃんと保って、何年か行った後に、医師アカデミーで研修が終わった後にきちっと都立病院に勤めたい、しかも我々が求めている診療科目にこぞって入ってきてくれるというようなシステムをつくっていかなくちゃいけないんだと思うんですね。先ほどちょっと指導医の話をしましたけれども、指導医をつくっていくというか、医師アカデミーを成功させる大きなポイントの一つになる、優秀な中堅医の人たちの層を厚くしていくための方策、何かあればお聞かせいただきたいと思います。 # 及川経営企画部長 及川経営企画部長中堅医師の確保、定着についてでございますけれども、これまで私どもも、先生ご指摘のような医師不足に対しまして、幾度となく大学の医局の医学部長あるいは主任教授と、派遣についていろいろ協議を重ねてまいりましたけれども、やはりお話のとおり、なかなか難しいと。大学そのものも本当に危機的状況だというようなところが多くて、私どもとしては何とか医師不足に対応したいと思ってお願いをしているんですけれども、なかなか難しい状況が続いてきております。こういう厳しい状況にありましても、やはり都立病院がこれまで担ってまいりました行政的医療をきちっと安定的に果たしていくためには、また、お話にありました医師アカデミーを魅力的なものにして体系的に研修を行っていくためにも、お話にある中堅医師の確保、定着が何よりも重要だと私ども認識しておりますし、その取り組みについては喫緊の課題であるというふうに考えております。これまで、医師の確保、採用確保の困難性を考慮して手当等の増額などを図ってまいりましたけれども、現下はさらに厳しいということを踏まえまして、実は来年度に向けて、処遇のなお一層の改善とか、中堅の医師が研究、研さんを積むといったことを支援するための、研究研修費といっているんですが、こういったものの増額などについて、現在、関係局と検討を進めておるところでございます。 # 田代委員 田代委員いろいろご努力いただいているのはよくわかるんですが、先ほど申し上げましたように、行政的医療を当然続けていただかなくちゃなりませんけれども、やはり先駆的なことに対しても東京都は勇気を持って取り組んでいただきたいんですね。ある意味では、医師だけ、あるいは病院サイドだけの問題ではなくて、患者さんとの対応があるわけですから、やはり医師と対面したときに患者さんが納得するような状況もつくっていかなくてはならない。それは、ある意味で医師側がアメニティーもよくしていく。例えば、だらしない格好はさせない、白衣をきちっと着せる、のりのきいているもので。形から入る必要はないと僕は思うんですけれども、しかし、ある意味では患者さん方というのは、見た目で安心感があって、あまり不精な、不潔な格好をしている都立病院の先生がいると、がっかりしちゃうと思うんですね。そういうものを医師に全部やれというのはなかなか経済的にも難しいですし、これは一般の大学病院のように、すべて大学で白衣の洗濯をして、ユニホームに着がえると。余り自由にしない。一番もめている教育の現場で、余りにもだらしない格好をしている学校の先生たちに教わっている子どもたちがまさしくだらしなくなっていくのと同じことでして、気分的なことがあるので、これはきちっとやっていただきたいんですが、公的病院に勤めている医師が、みんなお給料が上がると喜ぶかというと、実はそうじゃないんですね。これはもう何回も申し上げてありますように、この職業、医師という職業はちょっと特殊性があって、経済的なものを全く求めないとはいいませんけれども、求めるのであれば、そういう公的なところにはいないという方法があるわけですから、もしくは、そこにいるとすれば、そこでしっかりとした研修ができて、自分の自己検証を高めていくことができるという、そういう努力すれば入れるというシステムがどこか残っていれば、だれでもがそうやって、例えば海外へ短期留学できるとか、そんな必要は僕はないと思うんですね。本当にそれが必要な医者で、あるいは学会に行って発表することが非常にプラスになるような、本人にとっても医学界にとってもプラスになるような発表をするときには、それをきちっとフォローしてやるシステム。ですから、逆にいうと、お給料の問題ではなくて、ダブルキャストで全部やらせていただきたいんですよ。これは定員法もあっていろいろ難しいんでしょうけれども、自分が何か研究に入るときに、きちっとそれに対応できるような医師が、信頼できるもう一人のダブルキャストがあれば安心して仕事に打ち込んでいくことができるし、患者さんも診ることができる。逆にいうと、一人の医師が一診制で見ていくのと、二診制、多診制で診ていくのでは、意見もやはりいろいろ出てきますし、ミスも少なくなるし、しかも後からいい逃れもできない、ほかの医師もチェックしているわけですから。そうなると、安心して休むことができる。今、産科の病院での問題というのは、全部といっちゃいけませんけれども、ほとんどが僕が知っている限りはアルバイトの医師が来たときの説明の対応なんですね。それは、相手の方の性格を知っている主治医がその夜いれば、こういうことをいったら、この人はきっと気を悪くするだろうなと思うから別のアプローチをするんですけれども、ぽんと大学から来たお医者さんは科学的なことだけを話してしまう。そうすると、コミュニケートがとれなくて大騒ぎになって、後で事務長が行ったり院長が行って話すとわかるんですけれども、非常にくだらないトラブルになる。ですから、いつも共通した知識をダブルキャストで患者さんに持っている、あるいは診療科目に持っているということが必要で、余りお給料の面だけでということでこれが解決するとは僕は全然思っていないんですね。もっとほかの悩みがあって、もっともっと新しいことを知りたいし、それから図書館も欲しい、あるいは共同の医局も欲しい。それも、いつでもインターネットがつながっていて海外の学会の状況が見れるようなものがあれば逆にそういうところに残れない。そういうものが使えないようなお医者さんであれば辞めていかざるを得ないわけですから、もうちょっとモチベーションをしっかりつくって、インセンティブを上げていくための具体的な、ただお金で釣ろうというのは余り意味がないんじゃないかなと思うんですね。そこのところはお考えいただけたらありがたいと思います。もう一つ、産科、先ほどお話ししたあれですけれども、お医者さんが足りない。足りない医師の中で、特に医学部の受験生の変動もあって、我々のときは一割いるかいないかの女性医師が今はもう約半数いらっしゃる。そして、その半数の女性医師の中でも特に産科をしっかりきわめていこうという人もいるわけですけれども、そういう人たちの問題が二つありまして、一つは、本当に第一線で活躍できる状態になったときに、ご自分のお産であるとか保育であるとかというものにぶつかってしまう。もっと大きな問題は、一度リタイアすると、今の医学というのは甚だしく進んでいきますからせんだって発表のあった幹細胞における脳梗塞の治療なんていうのは、昔は想像もできなかったけれども、あんなにすごい結果が出てくるようになったわけですね。もう障害が残らない時代が来るかもしれない。それほど新しい知識は、半年ぐらいでどんどんどんどん治験が出てくるものですから、一年、二年、三年と女性医師がリタイアして戻ってくると、その間全く情報がないということで、非常に戻りづらい。ですから、抜けている間でも女性医師がいつでも、あるいは、実は女性医師の問題じゃなくて今から男性医師もそうやって産休をとっていく時代に入ってくるでしょうから、そうなると、それぞれの医師が自分の家庭を見ながらでも戻っていくことができるようにするためには、やっぱり時々顔を出さなくちゃいけないけれども、一時期、安心して家事、育児に専念できるためには、やはりダブルキャストじゃなきゃ無理なわけですね。患者さんも安心できない。今まで説明した先生と今度来た先生がいっていることが全然違いますでは話にならないですけれども、まず最初に東京都は、手本として、女性医師だけではなくて医療従事者の方々、看護師さんも含めてすべての人たちがきちっと最低限人間らしい生活ができるような、保育室であるとか育児に対する最低限のきちっとした対応をしていただきたい。これは前々から要望しているわけですけれども、こういう産科医師を中心とした医師の定着というものを図っていくために、東京都はどういうことをお考えになっているかを教えていただきたいと思います。 # 及川経営企画部長 及川経営企画部長お話にございました都立病院におきます深刻な産科医不足についてでございますが、ご指摘のとおり、産科医療の特性や状況を踏まえた対策がやはり必要であるというふうに考えておりまして、例えば、産科医師の絶対数が今足りておりません。全国的にも足りておりませんので、そういった確保するというだけで極めて困難であります現下の状況などを踏まえまして、さらにもう一歩、委員お話のあった給与だけでなく、さまざまな処遇についての改善などについて、現在、関係局とも調整をしながら検討を進めております。また、これもお話にありました、産科を含めて増加をしております女性医師の定着対策につきましては、やはり仕事と育児の両立を可能とするような勤務環境、こういった環境の充実が不可欠であるというふうに考えております。解決方法といたしまして、お話にもありました二十四時間の院内保育室につきましては、来年度、何とか運営実施に向けて今準備をしているところでございまして、さらに加えまして、育児をしながらでも医療にも従事できるといったような柔軟な勤務の体系といいますか、いわゆる短時間勤務制度といっているんですが、そういった制度の導入につきましても、現在、精力的に関係局と詰めているところでございます。 # 田代委員 田代委員先ほど申し上げましたように、女性だけではなくて全員に対してそういう対応をしていただきたい。特に、休んで復帰した後の復帰の支援システムをちゃんとつくっておかないと大変難しいと思うんですけれども、二十四時間の院内保育室、これいいんですけれども、日本は、今から十七年ぐらい前になりますけれども、イギリスで院内感染ができたときに笑ったんですね。ひどい国だな、相変わらずイギリスってどうしようもないなといったけれども、今、世界一の院内感染院内感染を起こさない病院はゼロになっちゃったんですね、日本は。どこを探してもMRSAがある。ですから、無理に考えなくても、東京都が独自にあれだけしっかりしたものを、認証保育所というのを考えたわけですから、病院の周りに幾つでも、考えればやりようがあると思うんですね。あるいは、都立病院の職員の住居のマップをつくって、どこの病院の人でも、都立病院の関係者であればそこに預けることができるような具体的な工夫をしていただかないと、ただ中につくりましたというだけでは、なかなか利用率が上がらないかもしれません。ですから、具体的にみんなができてよかったと思うような状態にしていただきたいんです。それと同時に、全体の医師の不足というのが大きな問題なんですが、医師不足に対して、何せ都立病院、今から医者を集めるぞというだけではなくて、東京の医療全体の手本としてよくしていくためには、国にも物をいっていくし、問題点があるところは問題点も挙げていくぞと。一番踏み込めない一点十円という値段に対しても、九円が正しいのか、十一円が正しいのか、これはいろいろな考え方があると思いますけれども、東京都の現状に即した医療の向上を含んで医師の確保に向けていく都立病院の覚悟というか決意を本部長に伺いたいと思います。 # 秋山病院経営本部長 秋山病院経営本部長ただいま田代委員から、都立病院を取り巻きます課題につきまして大変貴重なご意見をちょうだいいたしました。まず医師の不足でございますけれども、申すまでもなく、私ども病院経営本部は病院という事業を運営するものでございまして、医師不足に関しましても、このような現場の視点から原因を分析して、現場で展開できる地に足のついた効果的な対策を進めていくというのが本筋だろうというふうに思っております。昨今の医師不足、さまざまな要因が指摘されておりますけれども、病院を運営する立場から端的に申し上げれば、委員ご指摘のとおり、大学医局の医師派遣能力の低下が直接的な原因ということがいえるかと思います。また、現在の医療制度の実情や国の施策の方向性を見ますと、将来にわたりまして医局が従前のような機能を取り戻すというようなことは難しいだろうということを前提にして対策を講ずべきものという基本認識に立っております。この点で、都立病院みずからが一体となって医師を育てる、で、それを確保していくという東京医師アカデミーを成功に導くことが、現場において実行可能で、かつ極めて効果的な対策だというふうに思っております。既に、来年度の開講に向けまして、約百名の医師アカデミーの第一期生を募集いたしました。約一・八倍の応募がございました。全国的にいわばシニアレジデントの争奪合戦というべき状況が展開されている中で、まずは順調なスタートが切れたものと考えておりますけれども、一方で、委員ご指摘のとおり、多数の研修生の能力向上を図るための指導医層の確保、これが当面の大きな課題となっておりまして、現在、来年度予算で、指導にかかわる医師への対策、処遇等々を一生懸命努力しているところでございます。さらに産科医の不足につきましては、人数そのものが、全国でも東京でも急速に減少していると。大変厳しい状況にございます。そこでまずは、給料だけではないというお話もございましたけれども、都立病院の給与水準は極めて低いということも考えまして、医師の不足状況や激務を反映した処遇改善で産科医全体のインセンティブを高めようという取り組みとともに、先ほど部長から説明した、育児を行う女医先生方への対策などを講ずるということで総合的な対策をしていきたいというふうに思っております。本部長就任以来、多くの医科大学、医学界の関係者と協議をさせていただいておりますけれども、その中で、これまでのように都立病院の役割とネームバリューをもちまして一生懸命お願いをすれば医師が大学からやってくる、ないしはその引き揚げが食いとめられるというような状況はここ数年で一変しておりまして、本当に深刻な事態にあるというふうに身をもって痛感しております。しかしながら、病院経営におきまして、医師が確保できなければ医療サービスはもう不可能、これは自明の理でございますので、都立病院が総合診療基盤に支えられた行政的医療を安定的に提供していくというためにも、本部及び都立病院が一体となって医師の確保に全力を挙げていきたいというふうに思っております。また、医師確保対策を初めとしまして、委員ご指摘の予約システムやカード決済の検証というのは患者サービスの向上の側面、それから今、電子カルテを有効に診療に活用するため、フェース・ツー・フェースの問題とか、医療クラーク等専門職の活用などの問題に関しましていろいろご意見を賜りまして、他の医療機関のモデルとなるよう、委員ご指摘の気概を持って全力で取り組んでまいりたいと思っております。 # 田代委員 田代委員大変力強いご答弁いただいて、これからの都立病院、明るくなると思うんですけれども、明るくするための実行でございますから、特に大学病院が出せないということについてのいいわけとか理由は、話すとくどくどとなりますが、大変大きな理由があるんですけれども、そういうことも含んで、先ほど申し上げたように、国のかわりに今度は東京都が全体の医療行政というか医療プランをつくっていかなくちゃならない時代にいよいよ入ったわけでありますから、やはり大学病院とのコンタクトも今まで以上に綿密に、しかも、いつも、常時コンタクトがとれるような形が、逆に、医師アカデミーを実行していく上で、指導医というものの専門的な教育をやっていた大学の力もどんどんどんどん利用していくことが必要かなと思います。特に都立病院に対しての都民の希望、要望というものは、本当に物すごく大きなものがあるわけですから、やはりそれを一つ一つうまく取り上げていくためには、もっとわかりやすいような、恒久的に簡単に記入できるようなアンケートシステムみたいなものもひとつつくっていただいて、ある意味では、文句がいえれば少しガスが抜けるというところが全然ないわけではありませんから本当に都立病院へ寄せていただくと、あの混雑の中で患者さんもよくじっと我慢しているなと思います。それでも、ほかの病院に比べればいいところはいっぱいあるんですけれども、それが都立のよさですから、もうちょっとアメニティーを向上するためにはどうしたらいいかということを、きょうは時間がありませんからPFIの話はしませんけれども、新しい形のそういうものも考えながら進めていく。職員がみんなやる気になれば、患者さんも明るくなっていくと思います。ということで、次の松沢病院に移らせていただいて終わりたいと思います。今、医療観察法病棟の整備についていろいろ問題になっているわけですけれども、松沢病院は、ご存じのとおりに非常に古い歴史、明治十二年ですから、東京府で癲狂院として始まって百三十年、記念式典も行ったわけですけれども、最古の、日本では一番歴史の古い、精神科の公立病院としてはそういう状況を持っているわけですね。現在のいわゆる松沢病院のあの八幡山の土地に移ってから、もう九十年になる。この間、長い地元の皆さん方の協力があって、理解があって本当に精神科医療というものは、今まで我が国では、国でもどこでも、ある意味では、ちょっとおざなりにするというか、何とかにふたというか、真剣に取り組むという状況がなかったわけです。ところが、昨今、人権問題とかいろいろなことが出てきて、しかも精神科疾患というものが科学的に解明されてきて、昔は、何だかわけわからなかったら、どこか閉じ込めておけばいいといったら悪いですけれども、戦前の考え方はそういうところがあったわけですけれども、近年は、薬物によっても随分症状がよくなってくる、しかも高齢化社会になってきて、男性でも女性でも更年期というものがあって、しかも、その中に大きなポイントとして、うつというものがあるんだということも、うつ症状を出すこともわかってきた。ですから、いろいろなケース・バイ・ケースの精神科疾患があることがわかってきたわけですね。一つで一くくりできないようになってきた。やっとそうなってきて国の対応も始まって、今度、この医療観察法の病棟ができるわけですけれども、これに関しても今まで二転三転で、やっとこれに落ちついたからこのままいくかどうかはわかりませんが、やはりここで問題になる、犯罪を犯した人の人権というものも考えていかなくてはならない。そして、その人たちの治療というものも、今までのようにただ閉じ込めていくという形ではなくて、積極的に社会復帰も考えていかなくちゃならない、そういう近代社会になってきたわけですね。でも反面、もう一つ考えると、今までの長い間、九十年の間、そういう社会の差別と闘ってきて、患者さんたちあるいは病院をある意味では支援して守ってきてくれた地元の人たちの気持ち。急にまた国からぽんといわれたから、確かに東京都が何かをしようとするなら、東京都は国のいわれるとおりに動くしかないわけですけれども、ただいわれたからやるんだという対応で地元の人と話し合っていくのはいかがなものかなという感じがするわけですね。この病棟自身、今必要じゃないわけではなく、まだまだ足りない。どうしても今からこういう触法の患者さんたちを社会復帰させていくためには、大きな一つの考え方を持って具体的な病棟運営をしていかなくちゃならないわけですけれども、今、厚生労働省によると、触法の精神障害者の人たちというのは年間約三百人発生するということなんですけれども、特にその中では殺人、放火、大変大きな事件を起こす方もいるわけです。だけど、それぞれの自治体でそれぞれ責任を持って今からやっていく状況ですから、やはり東京都も、五百万人に一カ所という中で、千二百万人いるわけでありまして、先行して開設された国立武蔵ではもう満床状態が続いているわけですね。そうなると、やはり歴史が長くて、東京で一つということは、逆にいえば、我が国でもナンバーワンの、アジアでもナンバーワンのこの精神科の専門病院がこの医療観察病棟を無視して運営していくということはできないだろうと思っています。ただ、安全性というものはしっかり確保されていかないと、住民の方たちからその必然性、必要性は、それはよくわかっていると思うんですよ、地元の方々もね。精神科疾患の人たちをきちっと人間性豊かに扱っていかなくちゃならない、それは当然わかっていることであるんですが、逆に、現実の問題としての安全性というものの説明が行政からしっかりなされないと、それから、将来どうなっていくという一つの精神科医療に対する考え方も行政から説明されれば、当然、一番長いこと地元で苦労なさってきた方々ですからご理解いただけると思うんですけれども、実現するためにはそこの努力が必要だと思うんです。医療観察法に基づく病棟の施設面とか運営面の安全性ですね、前にも申し上げましたけれども、しっかり中を見せていただくということも含めて、どういうふうなお考えで進められていくのか、お答えいただきたいと思います。 # 及川経営企画部長 及川経営企画部長医療観察法に基づく病棟でございますが、患者の早期社会復帰を目指しまして、その症状に応じた手厚い専門的な医療を提供するといった施設でございまして、患者の治療や療養環境に配慮した整備を行っていく必要がございます。同時に、本病棟の性格上、無断退去や外部からの接触等を防止する必要がございますことから、委員ご指摘のとおり、患者のプライバシーや人権に配慮しながら、一般精神医療の病棟とは異なります高い安全管理の対策が必要というふうに考えております。このため、病棟の施設面におきましては、閉鎖病棟としまして、玄関は電気錠によります二重構造とするほか、窓の材質や構造の強化、病棟周辺へのフェンスやセンサーの設置など、安全上の工夫を行ってまいります。一方、運営面におきましては、一般の精神科病棟に比べまして、二倍から三倍と手厚く配置をされます職員が十分に見守りを行うほか、専属の警備員を二十四時間体制で配置をしまして、入退室者のチェックや巡回などを行います。また、地元関係機関や住民代表で構成をいたします地域連絡会議を設置いたしまして、地域との連携体制のもとで安全管理の対策を推進してまいります。また、委員のお話にあった、病棟の開設などに先立ちましては、地域の皆様に見学会を開催いたしまして、住民の方の目で直接病棟の安全対策を確かめていただくなどの機会も設けていきたいというふうに考えております。こうした取り組みによりまして、病棟の施設面、運営面での安全対策に万全を期してまいりたいと思っております。 # 田代委員 田代委員ぜひともその努力を続けていただきたいと思うんですね。やっぱり物を見せるというのはとても重要なことですから。住民の方の最大の不安というのは、医療観察法の病棟ができてしまうと、精神障害に由来するものとはいっても、重大な他害行為を行った人たちが自分の身近に来る、これは心配なわけですね。当然その方たちの治療を受ける権利や人権を考えれば、専門病棟をつくって対処するのは当たり前のことであって、普通のことなんですが、しかし逆から見ると、住民の心配も普通である。法律ができたから、国が決めたから、こういうことで松沢病院でもやりますというのは、一刀両断で話を進めてしまおうとすると、先ほど申し上げたようにやっぱりうまくいかないわけですから、何回もご努力をいただいて説明会をやっていただいていると思いますけれども、我々の医師のインフォームド・コンセントと同じで、幾ら医師がしゃべっても患者さんに伝わらなければインフォームド・コンセントにならないわけであって、アカウンタビリティーをしっかり果たしていただきたい。ただし、この問題が早く解決というか、いい方向にしっかりと話が進んでいきませんと、やはり住民の方との関係の中で、全く関係ないのに政治的な意図を持って動いてくるような、成田闘争じゃありませんけれども、本来とは違うようなことをしようとする動きがないわけではありません。それも、今の自由主義の社会ですから、どんな行動があってもいいわけですけれども、やはり都民の方々、地元の方々の気持ちを逆なでするような、政治闘争にだけ転化していこう、こういうことにならないようにしていただきたいんですね。例えば今答弁にあったような病棟の施設面とか運用面の安全についても、もっともっとアピールしていただきたい。逆にいえば、行政が絶対に安全だと太鼓判を押すぐらいにしていただきたいと思うんですが、この病棟の安全対策についてはどのように住民に説明して理解を求めていくのか、伺いたいと思います。 # 及川経営企画部長 及川経営企画部長医療観察法に基づく病棟の安全対策につきましては、これまでも、周辺住民全体に対する説明会を初めといたしまして、町会や地元商店会などを対象としました説明会におきましても、先行いたします国立病院での具体的な例なども示しながら説明をしてきました。もちろん、こうした説明だけで住民の方の不安がすべて解消できるとは思ってございません。今後、実際に建設をする病棟の設計が進んだ段階で、再度、住民説明会を開催するなどしまして、病棟の構造やセキュリティーの設備の概要など具体的な安全対策について、よりきめ細かく丁寧に説明をしていくつもりでございます。また、先ほどお話もありましたように、見学会等を開きまして、ぜひ実際に見ていただいて、その安全性についても確かめていただきたいというふうに考えておりまして、こうした取り組みによりまして、より多くの地域住民の方からご理解をいただけるようにさらなる努力をしてまいります。 # 田代委員 田代委員最後に一言申し上げて終わらせていただきたいと思います。住民の方々が心配なさっているのは、普通に生活している一般の方々の家から、非常にこの病棟が近いということなんですね。あれだけ広い、広過ぎるとは僕は思っておりませんけれども、前に申し上げたとおり、まだまだあってもいいと思いますけれども、あれだけの広さの中ですから、最初から決めた計画どおりにここじゃなきゃだめだという決め方がいいのか、やはり、もうちょっと住民の方々の考え方をしっかり取り入れて、将来的にも共存共栄して、長いこと精神科医療の専門病院としての松沢病院を見守ってくださっていた地元の方々の考え方にある程度即していくためには、手続がどうだとか、計画だからということだけではなくて、やはり建設予定地を見直す努力をしっかりやっていただきたいと思うんですね。時間が大変難しいということはあるんですけれども、やはり今からの長い精神科医療の中では、この病棟を建設する場所も具体的にもしくは設計どおりにするんだとすれば、もうちょっと考えて、皆さん方の住んでいるところからも少しでも距離があく、そして、周りにある程度公的な病院システムみたいなものがあって、ある意味では二重にも三重にもブロックされているという安心感があるような具体例に進めていかれることを強く要望して、質疑を終わります。 # 長橋委員 長橋委員私からは、先日の福祉保健局の事務事業質疑でも取り上げました発達障害支援について伺いたいと思います。ご案内のとおり、発達障害者支援法は平成十七年の四月に施行されました。この中で、特に大塚病院の小児精神科外来の設置については、私も含め我が党は、ことしの予算特別委員会でも、昨年の予算特別委員会でも、その前の予算特別委員会でも、大塚病院の小児精神科外来を取り上げてまいりました。初めて取り上げたときに、都立梅ケ丘病院が移転統合されるに当たって、区部に、大塚病院にもつくる、設置をするという答弁が出て、私は地元でもございますし、また関係者の方からも大変な声がありまして、その声というのは、一日も早くということでもありますし、歓迎もあったわけであります。そしてまた昨年では、じゃ、いつ設置をするのかということについては、府中にできます小児総合医療センターの設置に合わせて適切な時期にやりますということでございました。要望を受けてそのように答弁があったわけであります。そして、本年の予特で初めて、この小児総合医療センター、平成二十一年末の開設を視野に入れて、それ以前に運営できるよう万全の準備を整えていきますということで、府中の小児総合医療センターよりも早く、この大塚病院の小児精神科外来は運営をするというふうに答弁が出てきたわけであります。私が思うには、三年かかってそういう答弁が出てきた。大変なご努力があるだろうし、今、田代先生から医師不足というお話もありましたが、特に小児精神科外来の医師というのは大変少ないわけでございまして、この確保というのは大変だろうなと思うわけであります。そしてまた、平成十七年四月の発達障害者支援法の施行を受けてそれまでは、私自身もそうだったんです、発達障害という言葉を知らなかった。その前、専門家の方たちはもちろん、また理事者の皆さんはご存じだったと思いますけれども、世間的にも認知をされていなかった、そういう状況でありました。それが、この法律が施行されて、あわせてこの発達障害者の児童、いわゆる広汎性発達障害とか、中には知的障害を伴わないアスペルガーとか、そういうことが認知をされてきて、また、それにあわせて児童が急増しているという話もあります。梅ケ丘病院にお邪魔したときには、この間もいいましたけれども、診療を受けるのに数カ月も待たされるという話もありましたし、また医師の方も、市川院長に聞きましたら、一日八十人の診察をこなすと。一日八十人といったら、一人何分だろうか、こういうふうにも思ってしまうわけであります。今までは、ちょっと変わった子というような認識でしかなかった。親も、自分の子どもはちょっと変わっているなという認識しかなかった。親もわからなければ周りもわからない、そういうのをこの障害であるというふうになったわけです。さんざっぱらやってきましたので、ちょっと変わっているというと、私自身もちょっと当てはまるのかななんて思ったりした場合もあるし、私の周りにも、そういう人はいないでもないなと思うわけでありますが、そういう中で、大塚病院の小児精神科外来、この六月に、いわゆる整備計画が出ました。私はこれを見て、いよいよ目に見えてこの計画が出てきたと、大変うれしく思ったわけであります。ちょっと確認なんですが、そこに、この整備計画の考え方というところに、大塚病院小児精神科外来の設置はどういうことかというと、移転統合される梅ケ丘病院の医療機能のうち、小児精神科の外来部門を周産期小児医療センターである大塚病院に一部移転し、区部における小児精神科外来機能を確保するということでありまして、私は、この梅ケ丘病院から府中と大塚、拡充をされるというふうに思っているわけですけれども、これはどうしても、小児精神科の外来部門をそれぞれ、基本的には府中に移すけれども、残りを大塚病院に移転するというような文章に読み取れるというふうに思うわけなんですね。そこら辺どうなのか。今度新しく大塚病院に移転する意味、多摩と区部に移転するという意味はわかるんですけれども、ではこの機能はどうなのか、この大塚病院の事業規模を具体的にご答弁をいただきたいと思います。 # 黒田参事 黒田参事大塚病院におけます小児精神科外来についてのご質問でございますが、最近十年間の、お話がございました梅ケ丘病院の患者動向を見ますと、初診の患者数が一・六倍というふうになっておりまして、増加傾向にある中にございます。一方、梅ケ丘病院の施設の老朽化が進んでおりまして、今後求められます心と体の総合的な医療を提供することが難しい状況でありまして、移転統合いたしまして小児総合医療センターを整備いたしますとともに、先生、今お話がございました大塚病院にも小児精神科外来を設けるものでございます。その場合の双方の関係につきましては、基本的に、現在の梅ケ丘病院の規模は、府中病院、府中キャンパスにできます小児総合医療センターに引き継いでまいります。それに加えまして、それにさらにプラスする形になりまして、大塚病院では小児精神科外来に取り組んでいくものでございまして、お尋ねのございました具体的な規模につきましては、外来診療では一日当たり三十人程度を想定しております。また、デイケア、これも非常に重要な機能なのでございますが、五十人程度の登録人員を想定しております。 # 長橋委員 長橋委員今、明確にご答弁をいただきまして、現在の梅ケ丘病院の機能はそのまま小児総合医療センターに引き継ぐ、さらに、それに加えて大塚病院で拡充を図る、こういうことでございまして、そういう説明が書いていない。ぜひそういった説明をきちっとしていただきたい。ご案内のとおり、私のところにも来ています、梅ケ丘病院の存続を求める、こういう方々もいらっしゃるわけでございまして、拡充をする、さらに、府中においては発達障害だけではなくて総合的に連携を図っていくということでもあろうかと思うわけであります。そこで、特にこういう児童の障害であります小児精神科でございますので、今お話のあった、外来診療とデイケアを行うと。それぞれ、外来診療では一日当たり三十人、デイケアでは五十人の登録人員を想定しているということでありますが、そういう子どもは、じっと診察を待っていられなかったり、また、デイケアということで、まさに療育の分野ではさまざまな配慮が必要でなかろうかと思うわけでありますが、そうした外来、デイケア、発達障害者のための環境整備をどういうふうに進めていくのか、施設の概要を含めてお尋ねをいたします。 # 黒田参事 黒田参事大塚病院の小児精神科外来棟でございますが、こちらの設計を進めるに当たりましては、小児精神という専門的な医療を提供する観点ですとか、利用者の特性等、子どもさんという特性を踏まえたものとする必要があるというふうに認識しておるところでございます。まず外来部門におきましては、診察、検査、相談などに必要なそれぞれの部屋を整備することはもちろんでございますが、先生からもお話のございました落ちついた待合室の整備にも配慮することで、子どもさん、患者さんが安心して受診できる環境を整えてまいりたいと考えております。デイケア部門につきましては、現在の梅ケ丘病院のデイケアプログラムを基本に考えております。遊びですとか学習、さらには運動など、それぞれの機能別に部屋を整備してまいりたいと考えております。こうした考え方で設計を進めることによりまして、利用者、患者さんに配慮した使い勝手のよい施設としてまいります。 # 長橋委員 長橋委員今お話がありました障害を抱える児童だけではなくて、私は保護者の皆さんの負担というのが大変であると思っております。そういう子どもが自分の子どもで、障害があると、なかなか社会の中で認められなかった。また、支援法ができるまではそういう支援もなかなかなかった。本当に、周りからも認められない中で自分の子どもを育てる、どこに頼っていいのか、こんな話も私は何人にも聞きましたし、中には、そういう子どもを持ったがゆえに働くことも難しくなったり、こういう子どもたちは睡眠障害というのもありまして、夜一睡もしないで仕事に行く。ストレスが保護者にもたまって大変な状況になるということでございますので、この大塚病院に来ると、当然保護者も一緒に来るんだろうと思います。保護者の方が本当に安心して任せられる、そういう環境を整備していただきたい、心からお願いを申し上げます。また、この大塚病院については、最後に、この整備計画の中に小児精神科外来をどこに設置するのかというのが出ています。私は大塚病院に設置をするということで聞いておりましたので、本館のどこに来るんだろうなと思っておりましたら、この整備計画は、本館の中ではなくて私は、地元、大塚病院でよくわかるんですけれども、大塚病院の本館の前は駐車場がある。駐車場の一部につくる。別棟をつくるということでありまして、私は、これもまた新たに費用もかかるのになと思いながら、意欲を知ったわけであります。大塚病院は、正門があって、正門から入ってまずは駐車場があって、本館の正面入り口に着くわけであります。今この計画では、その予定地が、一番この正門に近いところ。一番正門に近いところということは、本館の方とはちょっと距離があるということなんですね。そう考えますと、いざこの病棟が別棟として設置をされると、いわゆる別棟だけですべての診療が済まない場合もあるかと思います。本館に行って診てもらわなきゃいけない。そういったことで、行ったり来たりという状況も生じるかと思うんですけれども、そういう子どもですから、例えばLDとかADHDで、お母さんの手を、保護者の手を振りほどいてどこかへ走っていっちゃう子どももいるわけです。そういう中で、駐車場の中につくるというのはちょっと心配があるわけでありまして、そういった本館と小児精神科外来の別棟の動線については当然考えていらっしゃるかと思うんですけれども、そこら辺の安全、どのように考えているのか。できれば、もう少し場所についても配慮するようなことも含めていかがと思うんですが、ご答弁をお願いします。 # 黒田参事 黒田参事小児精神科外来棟の設計におきましては、建物配置につきましては、ただいまご指摘がございましたとおり、小児精神科外来を行う新たな建物と病院本館との動線に、ご指摘がございました安全性等を含めて十分配慮しなければならないと認識しております。新たに整備する建物の位置としましては、当初、できるだけ本館の近くにと考えておりましたが、現在、敷地内には、例えば液体酸素のタンクなどさまざまな既存の構造物がございます。これらの関係から、整備計画の中では、今お話がございました正門の入り口のわきに予定しているものでございます。しかしながら、今後、設計作業を進める中で、さまざまな条件をさらに精査しながら、引き続き患者動線について検討してまいります。 # 長橋委員 長橋委員区部の皆さん方も含めて大変に期待をされているわけでありまして、万全の準備、環境整備も含めて、開設に向けてご努力をいただきたいと思っております。また当然、今お話のあったとおり、外来とデイケアがありますので、入院については、府中の小児総合医療センターと連携をとって、そういったことにも配慮していくという答弁もいただいているわけであります。何よりも心配なのは医師の確保でございます。これについては、きょうもありましたし、今までも医師不足という中にあって、その確保に向けては、今、梅ケ丘病院の人材を供給していくということもあると思いますけれども、やはりこういった、いわゆる小児精神科外来、私もこの問題を取り上げたときに、民間ではどれくらいあるのか、どこにあるのか、こういうことを調べたんですけれども、明確にこれが治療できるまだ確立していないそうなんですけれども、梅ケ丘病院だけではなくてここでもできるよというようなことを、そういうこともご案内できたらどうかといったら、それもなかなか難しいという状況であります。本当にそこに行けば発達障害を診てくれるかというと、なかなかそうでなかったりする場合もある。そういった意味では、府中とあわせてこの大塚病院の小児精神科外来、ここに行けばこの障害が少しでもよくなる、こういうことを期待しているわけでありまして、これは都立病院の担うべき大きな使命の一つだと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。あわせて、早期に開設するということでございます。平成二十一年度末の府中の小児総合医療センター前ということですので、今度お尋ねするときには、いつぐらいにできるというくらいまではご答弁をいただきたいなと思うわけでございますが、よろしくお願いいたします。次に、がん医療対策について伺いたいと思います。がん対策、我が公明党は、国においても、そしてまた都議会におきましてもたびたび取り上げてまいりました。そして、本年四月にがん対策基本法が施行されました。この目的の中に、がんが国民の疾病による死亡の最大の原因となっている、そして、がん対策の一層の充実を図るため、がん対策に関し基本理念を定め、国、地方公共団体、医療保険者、国民及び医師等の責務を明らかにしていくということでございます。そこで、東京都におけるがんの死亡者数、これはもう毎年増加をしているわけであります。平成十七年度のがんによる死亡者数というのは、ご案内のとおり全体の三割、約三万人いるということでありまして、常に昭和五十年代から死亡原因のトップはがんであります。そういう中で、今、がん対策基本法が施行されまして、それぞれがん対策推進計画を今年度中に作成をするということになっているわけであります。そして、その中で駒込病院をPFI手法、これについてはまた議論あるかと思いますけれども、活用して、がん・感染症医療センターとして整備をする。既に整備事業者も決まっているということであります。そこで、都民のがん医療対策を何としても向上させていかなければならないと思うわけでありますが、新たに整備をされます、がん・感染症医療センターの整備を通じて、がん医療の充実をどのように展開していくのか、ご答弁をいただきたいと思います。 # 黒田参事 黒田参事駒込病院は、老朽化の進む設備を刷新いたしまして、最先端のがん、感染症医療を都民の方に提供させていただくために、お話がございましたPFI手法を活用いたしまして、仮称がん・感染症医療センターとして整備することとしております。現在、年内の事業契約締結に向けまして事業者との調整を進めているところでございます。整備に当たりましては、通院しながら化学療法や抗がん剤治療が受けられる外来治療センターを拡充するとともに、治療の初期段階からがんの痛みをとりまして、心理面のケアなども行う緩和ケアの専門病棟も整備いたします。また、放射線治療時の患者のわずかな動きにも対応しまして、がんの患部を自動的に補正し正確に放射線を照射できるサイバーナイフという最先端の機械がございますが、こういった最先端の放射線機器も導入することとしております。これによりまして、難治がん、治療がなかなか難しいがんなどの困難な症例にも対応できる、高度で専門性の高いがん医療を提供してまいります。 # 長橋委員 長橋委員がん医療対策について、今、一生懸命やっている同僚もおります。お伺いをしますと、また私も駒込に行ってまいりましたけれども、例えば駒込病院では、キャンサーボードと呼ばれる制度によって、複数の医師が自由濶達に意見を交わしてがん治療にすばらしい成果を出している、こんなようなことも聞きまして、やはり最先端、日本一のがん医療センター、がんの病院にしていただきたいと思うわけであります。昨年の二月に、厚生労働省が健康局長名で各都道府県知事に対して指針を示しました。いわゆる診療連携拠点病院の整備に関するものであります。この中で、従来の二次医療圏ごとの地域拠点病院に加え、その上に、新たに都道府県ごとにおおむね一カ所、広域的な拠点病院を整備するということが厚生労働省から示されたわけであります。現在、駒込病院は、二次医療圏において地域がん診療連携拠点病院に指定をされているわけでありますけれども、いわゆる医療圏での中心拠点であるということでありますけれども、その果たしている役割、そしてまた、今後、連携拠点病院としての機能強化についてはどのように取り組むのか伺います。 # 黒田参事 黒田参事駒込病院は、ただいまお話がございました地域がん診療連携拠点病院に指定されておりまして、地域のがん診療水準の向上のためにがんの専門医療を提供するとともに、地域の医師に対する研修会の実施ですとか医療情報の提供、さらには医療相談など患者への相談支援体制を充実してまいりました。こうした機能をさらに充実強化していくために、平成十八年度に、地区の医師会の皆様、さらには近隣の大学病院等で構成しましたがん診療連携地域連絡会というものを設置いたしました。緩和医療の提供の体制ですとか地域との連携体制、医療従事者の皆様への研修体系、さらには相談支援体制などについて、現在、協議を行っているところでございます。 # 長橋委員 長橋委員この地域連絡会ですか、がん診療連携地域連絡会を設置しているということで、私も地元の医師会等にもお話を聞きますと、駒込病院に行く機会もあって、さまざまな意見交換といいますか、やっていますということで、駒込病院はそういったところにも力を入れているというふうにも聞いております。ぜひそうした医療圏の中にあって、民間の医師会、病院ともさらに密接な連携を図っていただきたいと思います。先ほど申し上げました都道府県のがん診療連携拠点病院、厚生労働省は、今年度中に東京都における拠点を指定するというふうに聞いておりまして、聞きますと、本年一月末現在で、もう既に三十一府県ではこの広域的な拠点病院は整備をされているということでございます。この駒込病院が、今、種々お答えをいただいた最先端のがん医療に取り組んでいるということでございますので、他の医療機関への支援を強化することによって、都のがんセンターとなるような国の指定する拠点病院の指定をぜひとも目指していただきたいと思うわけでございます。また、何カ所指定されるかわかりませんけれども、駒込病院、この指定されるということを目指すのであれば、やはり臨床だけではなくて、がん治療についてはさまざまな治療があるわけであります。粒子線治療だとか陽子線治療とか、我が会派の同僚も、全国のそういった最先端の技術を見に行っているわけで、私も一緒に行ったところもありますし、そうした研究との連携も必要ではなかろうかなと思うわけであります。ぜひこうした臨床と研究、こういった連携も含めまして、最後に本部長に、このがん医療の充実に取り組む決意、取り組み、ぜひ力強くご答弁をいただきたいと思います。 # 秋山病院経営本部長 秋山病院経営本部長先ほど長橋理事よりご指摘ございましたとおり、がんは都民の死亡原因の第一位でございまして、今後ますます高齢化が進むということにかんがみますと、今後とも増加していくということが推測されます。今や、がんは、国民病、ないしは我々都の立場からいえば都民病と呼んでも過言ではないというような状況になっております。都立病院におきましては、これまでも、駒込病院を中心にいたしまして、難治性あるいは合併症併発のがん治療を行政的医療と位置づけまして、重点的に取り組んでまいりました。また、医療の世界はまさに日進月歩でございまして、医師、看護師を初めとする都立病院の医療従事者は、常に最新の技術の習得や情報の収集に努めてきたところでございます。がんを完全に克服するというのは、現時点では大変に困難ではございますけれども、一人でも多くのがんの患者さんの命を救うということは、都民の皆様の安心につながるものというふうに認識しております。したがいまして、病院経営本部といたしましては、駒込病院の整備に当たりまして、最先端の治療機器の導入はもとより、お話の臨床と研究との連携の仕組みづくりに取り組むとともに、他医療機関への支援体制、患者の相談支援体制などを強化することによりまして、都のがん医療の中心的な役割を果たせるよう整備をしていく考えでございます。また、センター的機能を強化した駒込病院を中核といたしまして、各都立病院とも密接に連携を図り、都立病院全体でがんに対する医療提供体制の強化を図ってまいります。 # かち委員 かち委員私からも、まず患者医療サービス向上、そして患者中心の医療について何点かお聞きします。今もお話がありましたように、日本人の死亡原因の第一位を更新し続けるがんの克服は、国を挙げての重要課題となっています。この間、がん患者当事者の皆さん、また家族や遺族の方々の悲痛な訴えや運動が世論を動かし、ようやく本年四月にがん対策基本法が施行されました。都立駒込病院では、早くから地域がん診療拠点病院として、院内登録を初め、多職種によるチーム医療に先進的にも取り組んでまいりました。日進月歩の医療技術の進歩の中で、がん医療も、より全人的アプローチが求められています。がん医療の均てん化ともいわれておりますが、どこの病院で治療をしても同じようなレベルの医療が受けられる、これが今の課題となっています。そのためにさまざまな取り組みが進められているところですけれども、その一つとして、多職種によるチーム医療の力量アップが求められています。都立駒込病院では、こうしたことにも取り組んでいるわけですが、今もお話がありましたように、都道府県がん診療連携拠点病院として申請をしているところでもあり、都内のがん医療の先端的役割を担っています。都内の他の病院での人材育成の拠点としても、その力が期待されているところです。そこで、現在、駒込病院では、医師以外の職種の研修受け入れ状況はどのようになっているでしょうか。 # 黒田参事 黒田参事駒込病院ではこれまで、東京女子医大看護学部、さらには千葉大看護学部などから、認定看護師の資格取得カリキュラムの一環としまして研修を受け入れておりますほか、公開講座の開催や各種講演に講師を派遣するなどの啓発活動につきましても積極的に行ってきておりまして、引き続き実施してまいります。 # かち委員 かち委員看護師に対する専門研修を受け入れていらっしゃるということでありましたけれども、私、実は最近、多職種のコメディカルのスタッフの皆さんのがん専門レジデント制を来年からスタートさせるという静岡の県立がんセンターに行ってまいりました。がん患者を中心に、がん専門の高度な医療従事者を養成するため、全国的にも先駆的な取り組みとして、看護師や薬剤師や、各種技師からMSWや心理療法士など、十一種類の専門職の医療従事者を対象とした職種別の研修制度を創設したということです。二年コースで十八人程度を予定しているとのことでしたけれども、それぞれの職種が研修プログラムを立てて臨床で体験研修をしながら、二年間研修を積み重ねていくというもので、チームコンファレンスなども活発に行われているとのことでした。今後、患者中心のがん医療を進めていく上でも、このような多職種による研修制度というものも必要であると考えますが、都立駒込病院でもこのような研修制度を視野に入れた研修のあり方を検討することを、まず求めておきます。次に、私の友人が、もともと糖尿病があったんですけれども、子宮がんを発見され、ついては、最も信頼できると思われる有明の癌研に行き、断られました。がんセンターにも行きましたが、断られました。なぜかといいますと、いずれの病院も、がん医療については権威なのですけれども、持病を持っている人はだめなんだということなんですね。驚きました。しかし、人間である以上、何らかの持病を持っているということは大いにあり得ることであります。それで、だめだといわれて大変ショックを受けたんですけれども、友人は別の大学病院で無事に手術を終えることができました。駒込病院ががん・感染症医療センターとして今後再整備されるということになっておりますけれども、こうした患者さんにもこたえ得る、総合診療基盤の上に成り立つ病院であるべきで、両輪で進めるべき課題であるというふうに思いますけれども、その辺を確認したいと思います。 # 黒田参事 黒田参事がんに関しまして、専門医療と総合診療基盤についてでございますが、駒込病院では、都立病院改革実行プログラム及びがん・感染症医療センターの整備計画の中で明らかにしておりますように、今後とも、総合診療基盤に支えられた現在の機能を活用しつつ、より専門性を高め、都におけるがん・感染症医療センターとしての役割を果たすという基本方針のとおりでございます。 # かち委員 かち委員確認しました。都は、患者中心の医療を目指すといいまして、患者の権利章典も掲げています。私は静岡のがんセンターで、その具体化として、徹底した患者の声に耳を傾ける、そして、苦痛や要望など一人一人の声にこたえていく姿勢を見てまいりました。特にがん医療などでは、一層、患者さん、家族の不安や悩みが集中する病院でもあります。これまで私は本委員会で、そうした方々のための相談室や患者図書館の必要性を訴えてきまして、駒込病院でも、二年前に相談室「こまどり」が実現し、大変うれしく思っております。また、本年十月からは、患者さん同士によるピアカウンセリングにも取り組まれているとのことです。そこで、駒込病院での相談室の活用、実際のやり方はどのようになっているのか、実績などについてもお伺いします。 # 都留サービス推進部長 都留サービス推進部長駒込病院におきましては、がんの症状や治療法につきまして情報を求めておられます患者さんや家族の方に対しましては、医療情報相談室、愛称「こまどり」でございますけれども、そこにおきまして、主に司書が情報提供を行いますとともに、がん看護専門の看護師が相談に応じております。十八年度の相談件数は七百六十九件でございます。また、病気に対する不安やさまざまな悩み、精神的な悩みを抱えていらっしゃいます患者さんやご家族に対しましては、臨床心理士が各診療科などの依頼で相談を行いますほか、院内に設置しております「こころの相談室」におきまして、患者さんから直接予約を受け、相談に当たっております。「こころの相談室」におきます十八年度の直接の相談件数は、六十一件でございます。さらに、そのほかの生活全般や経済的な相談につきましては医療相談室で対応するなど、患者さんのさまざまな要望に対応できる体制を整えております。 # かち委員 かち委員今、がん医療などを中心に、相談室の充実というのは全国各地で取り組まれるようになってまいりましたけれども、そのきっかけとなったのが、静岡での実験調査報告、七千八百八十五人のがんと向き合った皆さんの声を集めたものだったと思うんですね。ここではどういうふうに患者さんの声を受け入れてやっているかということなんですけれども、がんセンターでは、外来にはよろず相談室というのがあるんですが、入院の病棟が二つずつあるんですけれども、そのフロアごとにパソコンのコーナーがあって、投書箱があり、それから、毎回どんな要望が出されて、それにどうこたえたかということが全部ファイルにされていたんですね。すべて患者さんの声を聞きますよ、そして、聞いたものはすべてお返ししますという姿勢がよくわかったんですけれども、毎日投書箱をあけて、それに回答するということを、リスクマネジャーなど数名の管理職が行っているということでした。(冊子を示す)そういうものがまとめられたものが、こういうすごい冊子になって、よろず相談室に、ご自由にお持ちくださいということで置かれているんですね。いろいろな患者さんの悩みや問題を、その場だけの対応ではなくて、フィードバックして、また新たな患者さんや共通する悩みを解消していく。患者さん自身がそういうものを解決しやすい状況をつくっていくという点でも、大変モデル的な事業ではないかなというふうに思ったんですけれども、駒込病院でも、このようなフィードバックをするような活動というか、やり方が重要だと思いますけれども、いかがでしょうか。 # 都留サービス推進部長 都留サービス推進部長駒込病院におきましても、もちろん、先ほどの「こまどり」には、パソコンですとか資料をたくさん用意してございまして、ご自由にごらんいただけるようになっております。また、これまでに受けました相談内容も生かしながら、患者さんお一人お一人の個別の状態に合った、いわばオーダーメードの情報の提供や相談を行っております。今後、こうした取り組みをさらに充実させることで、患者サービスの向上に努めてまいります。 # かち委員 かち委員これから本当に、隣の何人もががんになっていくという状況があり得るわけで、そうした患者さんたちが同じような悩みを同じように繰り返すのではなくて、一定そういうものの知識を積み重ねていくという状況をつくっていく、その役割を拠点病院の役割として、ぜひフィードバックについてもご検討いただきたいと思います。それから、以前にも提案してきましたけれども、全国的には、小児医療を提供する病院ではチャイルドライフ・スペシャリストなど専門職を配置することが今、広がっています。希少な職種ではありますけれども、私が見てきた病院では、宮城県のこども病院、大阪の母子保健総合医療センター、静岡のがんセンターなどで採用が進んでいました。子どもの特性に合わせた心理的アプローチや工夫が、むだな労力を使わずに、子どもにとっても要らぬ苦痛に耐えることなく、スムーズに効率的に医療が進むという点でも、また、子どもを全人格的にとらえるという医療のあり方の上からしても、こういうアプローチの仕方は非常に有効だというふうに思いますけれども、ぜひ都立病院でもこのような取り組みを試みていい時期ではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。 # 黒田参事 黒田参事子どもの患者さんへのサポートについてでございますが、現在の都立病院におきましても、看護師、一部の病院では保育士が、病院生活を送る子どもの患者に対しまして、精神的負担を軽減し、ゆったりと安心して治療が受けられるように、これまでも取り組んできております。お話のございましたチャイルドライフ・スペシャリストにつきましては、アメリカなど海外に留学して資格を取得しなければならないなど、日本におきましてはまだ確立されていない資格でございまして、現時点において職員として採用していく予定はございません。 # かち委員 かち委員すぐに職員として採用ということではなくて、世界的にもこういう取り組みが広がっている、日本の中でも広がっているわけです。先ほどもお話がありましたけれども、都立病院というのは、そういう実験的、先進的な医療に取り組む立場にあるわけですから、子どもの医療についても、もちろん保育士とか、そういう職種はありますけれども、その上に立つ専門的なアプローチをする職種ですので、ぜひ取り組むという姿勢に立っていただきたいと思います。それで、いよいよ昨年公社化された荏原病院の問題についてです。資料を出していただきまして、三ページに公社病院の医師体制が出ています。これを見ますと、大学病院も厳しい、都立病院も厳しいといわれますが、それ以上に公社病院の医師体制は厳しいというものが見てとれるのではないかと思います。昨年移管された荏原病院は、公社病院の中で唯一、産科を持つ病院ですけれども、そこの医師が、定員五名に対して、現在、三名欠員という状況になっています。それで、現在、どうなっているかといいますと、八月から看護師不足のために一病棟閉鎖、十月から産科の休診状態というふうになっているんですね。大田区での年間出生数は約五千五百件です。そのうちの約千件を荏原病院で受け持っていたということなんですけれども、それが今後受け入れられないということになりますと、若い妊婦さんやご家族の皆さん、今、本当に大きな不安と混乱が生じています。荏原病院では、十月以降の百名近い出産予定者について、他の病院に振り分けたというか、紹介したといっておりますけれども、他の病院といいますと、NTTとか東芝とか民間病院あるいは大学病院、こういうふうになるわけで、そうしますと経済的にも大変負担が重くなるんです。荏原病院、公立病院だったら約三十五万円ぐらいで産むことができますけれども、民間や大学病院だと六十万、七十万、高いところでは百万、二百万というところもあるんですけれども、それにしても、民間病院、大学病院ではなかなか産めないというのが、今の若いお父さん、お母さんの実態です。人口六十五万人の大田区では、産科のある病院が七つありました。しかし、そのうち、荏原病院も含めて、既に三つの病院が産科をやめました。これは大変大きな影響をもたらしています。ちなみに、昨年の分娩数では、荏原病院が何と千二百六十三件こなしていたんですね。最も多い数でした。次いで東邦医大が九百七十六件。五つの病院で三千三百九十七件生まれたんですけれども、その約三七%、四割近くを荏原病院で受け持っていたということなんです。今、これで受けられなくなりますと、当然、残るあとの病院に集中します。最近、東邦医大でも、妊娠三カ月以降の妊婦さんの分娩は、既にいっぱいですので断られます。それから、大森日赤でも、近隣の病院での産科休止により、出産予定が集中しているので、これ以上緊急入院は受けられない、こういう通知が各病院に配布されたと聞いております。荏原病院のこの事態は、区内の医療機関にも大きな影響をもたらしています。特に、産科の危機的な状況を招いています。荏原病院の公社移管に当たっては、本委員会でも繰り返し議論してきたところでありますが、病院経営本部としては、これも繰り返し、今のレベルを落とさない、今までと何ら変わらない、さらに充実させるとご答弁されてきたわけです。ところが、移管後二年もたたないうちに、このような危機的な状況を招いているわけであります。病院経営本部として、今の事態を招いたことに対し、どう認識しているのか、まずお聞きします。 # 都留サービス推進部長 都留サービス推進部長荏原病院の医師による分娩の取り扱いの休止、また一部の病棟の休止につきましては、東京都保健医療公社からそれぞれの状況報告は受けております。これらの原因につきましては、先ほどからるる申し上げておりますとおり、全国的な産科医不足、大学等への引き揚げ等、それから看護師につきましては、昨年四月の診療報酬の改定で、これまで最高の基準でありました、一日平均いたしまして看護師一人が患者十人を受け持つ十対一看護に対して、看護師一人が患者七人を受け持つ七対一という看護基準が新設されまして、診療報酬も大幅に増額されました。これに伴いまして、全国的に看護師の争奪戦というような現象も起きております。大病院によります看護師の大量採用も生じておりますため、その影響により採用が非常に困難になった、そのように認識をいたしております。なお、現在、公社におきましては、医師、看護師の確保に向け、全力を挙げて取り組んでいると聞いております。 # かち委員 かち委員いろんなところで議論もありまして、全国的な状況というのは私たちも重々承知しているわけですけれども、そういう一般的な見解ではなくて、公社移管後一年たって、二年もたたないうちに医療そのものが維持できなくなってきてしまっている、こういう事態に、病院経営本部として何ら責任をお感じにならないのか、そのことを伺っているわけです。荏原病院の産科医師は、五名プラス非常勤二名で引き継いだものですが、現在では部長と医長の二名になってしまいました。五名の医師の退職理由はどういうものでしょうか。 # 都留サービス推進部長 都留サービス推進部長荏原病院の産婦人科医師の退職理由でございますけれども、二名が、産婦人科医師を派遣しております大学医局の医師の引き揚げによるものでございまして、一名が自己都合による退職であるというふうに聞いております。 # かち委員 かち委員今のお話は、常勤医についてのみのお話でしたけれども、非常勤二名についても大学に引き戻されたということで、今、二人だけになってしまったということなんですね。今のお答えで、一般的にいわれているのは大学医局への引き揚げだといわれていますけれども、荏原病院よりも一回り小規模な区内の日赤病院でも、五名プラス非常勤二名という体制です。荏原と同じ大学から派遣されている医師で運営している状況を見れば、なぜ荏原病院だけ集中して引き揚げられたのか、その辺での調整はできなかったのかと思います。また、今からでも調整依頼すべきではないかと思いますけれども、病院経営本部としてどのように対応されるのでしょうか。 # 都留サービス推進部長 都留サービス推進部長公社におきましては、産科医師の確保に向けまして、これまで荏原病院に産科医師を派遣してまいりました大学医局に対し、幾度も医師派遣の交渉を行ってまいりました。さらに、他の大学医局にも医師の派遣を継続的に働きかけております。また、緊急的な対策といたしましては、夜勤のパート医師三名を確保し、中期的には、来年度から開始いたします東京医師アカデミーに公社病院が参加することによりまして、若手医師の育成と確保に努めてまいります。なお、今後も公社におきまして医師派遣の調整は精力的に行ってまいりますが、先ほどもお答えしましたとおり、産科医不足は全国的また構造的な問題でございまして、都立病院や民間病院も含め、現状では大変厳しい状況でございます。 # かち委員 かち委員厳しいことは重々承知の上で私も聞いているんです。そして、公社が努力しているのは当然の話なんです。既に公社の問題だから公社がやるべきだというのは、余りにも冷たい態度ではないでしょうか。もともと組織編成をされたときに、公社病院の管理は、病院経営のノウハウのある経営本部によって支援、協力した方が有効性があるということで移ったわけですよね。この間の経緯でも、公社が求めて荏原を公社化したわけではありません。東京都が病院改革の名のもとに、次々と公社に送り込んだものです。都立病院として都民、住民の医療の期待に大きくこたえてきた荏原病院が、公社に移った直後にこのようなことになっては、東京都に対する信頼も損ねかねません。調整ができないなら、産科医師確保のために何らかの手だてを東京都としてとるべきではありませんか。現在、医師の初期臨床研修が始まって二年を過ぎましたけれども、新研修制度のひずみが大きく浮き彫りになっています。先ほど来のお話です。それで、現在、都立、公社病院では二年間の初期研修を行っていますけれども、規定では、一年目が内科、外科、救急、麻酔というような基本のコースとなっていますが、産科、小児科関係学会から、これでは産科、小児科に回ってくる機会が、そのモチベーションが後退してしまうということで、産科、小児科を一年目に回してはどうかというような提言が出されていまして、最近、厚労省は、制度は変えないけれども、前倒しで一年目に入れてもいいというような報道がありました。そして、横浜市の市立市民病院などでは、既にそういう取り組みもしているようです。一つの試みとして、このような研修のあり方についても検討に値すると思いますけれども、いかがでしょうか。 # 及川経営企画部長 及川経営企画部長国の制度でございます初期臨床研修医制度につきましては、厚生労働大臣の諮問機関でございます医道審議会の研修部会において検討が進められ、さまざまな意見があるという中でございますが、現時点におきましては、部会としての最終意見には至っていないというふうに承知しております。 # かち委員 かち委員この医師を育てる、専門医を育てていくということについても、全国的にいろんな取り組みがされているわけですから、様子を見るだけではなくて、都としても、どういうあり方がいいのかというのを具体的にぜひ検討していただきたいと思います。荏原病院では看護師不足も深刻です。公社移管時には減らした定員ではありましたけれども、過員で引き継いだものでした。この夏には、その定員をも三十名近く下回って、一病棟閉鎖せざるを得ない事態となっています。八月ごろから四十三床の病棟を閉鎖していると聞いていますけれども、今現在、何名の看護職員の不足が生まれているのでしょうか。また、ことし四月一日の欠員状況と、何名の入職があって、中途退職があったのでしょうか。 # 都留サービス推進部長 都留サービス推進部長十九年十一月一日におきます荏原病院の看護職員の欠員は、三十四名でございます。四月一日の欠員は十八名でございました。また、四月から九月末までの採用でございますけれども、二十五名、退職者は十五名でございました。そのほかにも、育児休業入りで現員のカウントから外れている職員も何名かいるというふうに考えております。 # かち委員 かち委員荏原病院が公社移管が検討される前に、定員の減というのがありまして、それが二十四名となっています。そこから見れば、今の三十四名減ということで、五十八名の欠員ということもできるわけです。医療規模そのものは全然変わっていないわけですから、これだけの欠員が生じては到底維持することはできない。結果的に病棟閉鎖に追い込まれたわけです。今までは、少なくともこういう事態はなかったわけですから、なぜこうなってしまったのか、経営本部としてどのように分析されているでしょうか。 # 都留サービス推進部長 都留サービス推進部長先ほどの質問にも関連いたしますけれども、移管前の定数から現在の定数になったことにつきましては、公社病院の役割としての医療機能や看護体制に見合ったものとしたものでございます。それに対しまして現在の職員数がどうかということは、また別のことでございまして、定員減と欠員というものを一緒にお話しされるということにつきましては、混乱を招くものと考えております。なお、現在の荏原病院の看護職員の欠員につきましては、先ほども申し上げましたように、昨年、十八年度の七対一看護基準の新設によりまして、大病院等を中心に看護師の大量採用が生じ、全国的に看護師不足が起きまして、その影響を受けたものだと考えております。 # かち委員 かち委員荏原病院が公社病院に移る議論の中では、これからは地域医療支援のための病院だ、地域の病院だというようなことはおっしゃっていたんですけれども、じゃ、実際にどうだったかといえば、そういう病院どころかといいますか、今までの公社病院は大体三百床クラスですよね。大久保のように、かなり精査して科目も減らしたところもありますけれども、荏原の場合には、科目を減らすどころか、さらに充実させるということで、SU病棟の拡充だとか、リニアックを入れて集学的がん医療をやるんだとか、いろんなことをいって、五百床そのものをかなり充実させた形で送り出したわけですよね。だから、いっていることとやっていらっしゃることは違うんじゃないかと思うんです。七対一看護基準の影響というのは、荏原病院だけではなくて、どこの病院でも同様の影響は受けているわけです。この五百床クラスの総合病院が一病棟閉鎖するということは、近隣の民間病院についても大変大きな影響、入院させたくてもベッドがないというようなことが生じておりまして、結局、地域医療を支援するどころか、地域医療が壊れかけているというのが今の実態です。少なくとも原状回復の手だてをとるべきですが、都としてどのような支援策を考えているのか。移管してまだ二年もたっていません。都として追加派遣を行うなどの具体的な支援が必要と思いますけれども、いかがでしょうか。 # 都留サービス推進部長 都留サービス推進部長産科につきましては、先ほど申し上げたとおりでございますけれども、一部病棟の休止は全体を調整して行っておりまして、病院を利用される方への影響は最小限にとどめているというふうに聞いております。また、監理団体への職員の派遣につきましては、東京都の行財政改革実行プログラムに基づきまして順次、縮減をすることが東京都全体の方針となっております。公社病院における看護師の確保につきましては、公社がみずからの努力により採用することが基本でございまして、公社ではきめ細かな採用や定着対策に取り組んでいると聞いております。都から公社への派遣職員につきましては、公社における固有職員の確保状況や、各年度の事業計画等を総合的に勘案しながら、段階的に派遣解消することとしておりまして、追加派遣は考えておりません。 # かち委員 かち委員今おっしゃっていることは、実行プログラムそのものが計画的に進めるといわれておりますけれども、そのことが順調に展開していればこその話だと思うんですね。公社がきめ細かく現地での採用をやっていますといったって、入ってこないという事態があるわけです。だから、こういう状況が生まれているわけです。このような事態になっていることに対して、公社の努力だなどといって突き放しても、公社の力が足りないんですから、こうなっている場合には、所管の本部が具体的支援をするのは当然ではないのでしょうか。やらないというのは余りにも無責任に聞こえます。こういう状況の中にあって、豊島病院の公社移管が進められようとしています。今、豊島病院の産科医、小児科医とも、この資料にもありますけれども、大幅な欠員状況になっておりますけれども、今の医療現場での実態はどのようになっているでしょうか。 # 黒田参事 黒田参事豊島病院の産婦人科につきましては、平成十八年九月以降、医師の確保が困難な状況となったことから、当面の間、分娩及び手術の受け入れを休止することといたしました。ただし、婦人科の手術につきましては、平成十九年四月より再開しております。また、小児科のうち、NICU、新生児集中治療室につきましても、平成十九年十月以降、医師の確保が困難な状況となったことから、当面の間、NICUの受け入れを休止することといたしました。なお、一般の小児科につきましては、通常どおり診療を行っております。 # かち委員 かち委員都立病院の中でも、地域周産期医療を支える豊島病院がNICUを持っているということは、大変重要な役割を果たしてきたわけです。そこが閉鎖するということになると、周産期医療にとって重要な影響をもたらすことは、この間の福祉保健局の委員会でも申し上げたところです。先日も厚生委員会で質疑をしましたけれども、ただでさえ不足しているNICUベッドが六床減るということであり、大変な状況です。ここでは産科医不足ということですが、産科、NICUそれぞれの再開の見通しはどうなっているでしょうか。 # 黒田参事 黒田参事産科、NICUについてでございますが、先ほど本部長、経営企画部長、サービス推進部長も答弁の中で申し上げておりましたが、産科や小児科の医師確保は、公立病院、民間病院を問わず全国的に厳しい状況ではありますが、できる限り早期に医師を確保できるよう、引き続き努力してまいります。 # かち委員 かち委員今、必要なことは、本当に、全力を挙げて一日も早く都立病院としての必要な人員配置を確保して、標榜する医療を再開することです。よもや、見通しがないというようなことで、産科、NICUを廃止したまま公社移管などということはなさらないと思いますけれども、確認したいと思います。 # 黒田参事 黒田参事先ほどもご答弁申し上げましたが、産科医、小児科の医師確保は大変厳しい状況ではございますが、できる限り早期に医師を確保できるように、引き続き努力してまいります。 # かち委員 かち委員今求めたご答弁にはなっていなかったんですけれども、今までのご答弁を聞いていると、医療の現場あるいは地域医療がどうあれ、計画した都立病院改革は着々と進めるんだというふうに聞こえますけれども、都の病院改革も第一次が終了しようとしている今、いろいろな問題も出てきております。今、立ちどまって、これまでを検証すべきだということを申し上げて、質問を終わります。 # 西崎委員 西崎委員都立病院の患者権利章典について伺います。事業概要を開いてみますと、まず初めに、都立病院の患者権利章典と都立病院の子ども患者権利章典が掲載されています。これまで、都立病院が患者さんの視点に立って医療サービスを提供することの重要性を訴えてきましたが、そうした観点からも、権利章典というものは非常に大切なものであると考えます。都立病院の患者権利章典が制定されましたのは平成十三年七月ですが、当時としては非常に先駆的な取り組みであり、ほかの病院にも大きな影響を与えるものではなかったかと思います。そこで、まず初めに、都立病院の患者権利章典は、どのような背景で、またどのような趣旨で制定されたのか、改めて伺います。 # 黒田参事 黒田参事都立病院の患者権利章典についてでございますが、当時の日本の医療におきましては、相次ぐ医療事故の発生や、患者さんへの情報提供の不足などによりまして、医療に対する信頼が大きく揺らいでいた時期でございました。このため、患者との信頼関係をより一層緊密にし、患者、家族と病院職員が相互に協力しながら、よりよい医療をつくり上げていくことが求められておりました。このような背景から、患者の基本的な権利と責務を明確にし、病院職員のさらなる意識改革を図るとともに、患者が医療に主体的に参加していけるように支援することを目的といたしまして、都立病院の患者権利章典を制定することとなりました。 # 西崎委員 西崎委員生活者ネットワークは、子どもの患者の権利についても十分尊重するために、都立病院が子どもの患者向けの権利章典を制定することに注目してまいりました。本年、病院経営本部では、都立病院の子ども患者権利章典を制定しまして、現在、各都立病院で権利章典が掲示されているというふうに伺っています。そこで、今回の都立病院の子ども患者権利章典はどのような検討を経て制定されたのか、伺います。 # 黒田参事 黒田参事都立病院の子ども患者権利章典につきましては、患者中心の医療を推進する観点から、平成十七年七月に都立病院倫理委員会に検討を依頼いたしました。検討に当たりましては、専門委員会を設置いたしまして、平成十七年十一月から五回の専門委員会の開催と小児三病院の視察を行いまして、鋭意検討していただきました。専門委員会での検討終了後、都立病院倫理委員会に検討結果の報告が行われまして、了承が得られましたことから、本年六月に都立病院の子ども患者権利章典として報告書がまとめられまして、病院経営本部長に提出されたものでございます。 # 西崎委員 西崎委員今のお話を伺いますと、子どもの患者権利章典が十分な検討を経て制定されたことはわかりましたが、子どもの患者はまだ心身の発達段階にあり、大人とはさまざまな面で異なっており、医療サービスの提供に当たっても、子どもならではの対応が必要であると考えます。子ども患者権利章典には、この権利章典は、都立病院の患者権利章典を基本に、小児医療の特性に配慮し、策定したものですという注意書きもされています。そこで、この権利章典では、策定に当たってどのような点に留意したのか、また、子どもの患者の特性にどのように配慮しているのか伺います。 # 黒田参事 黒田参事都立病院の子ども患者権利章典におきましては、都立病院の患者権利章典の基本理念を踏まえつつ、学習する権利ですとか遊ぶ権利など、子どもならではの権利を掲げております。また、小学校低学年程度の子どもでも十分理解できる言葉で表現しております。さらに、特性といたしましては、大人と異なりまして、診療方針等について自分ですべてを決定することが難しいことなどに配慮するとともに、子どもの患者に対する医療では、患者を支える家族と医療従事者との協力が不可欠でありますことから、家族の方にも医療に積極的に参加してもらうためのお願いを掲げてございます。 # 西崎委員 西崎委員今のお話を伺って、子どもの患者の特性に配慮されていることはわかりました。しかし、どんな立派な権利章典を制定されても、患者さんやその家族に理解してもらわなければ、権利章典の趣旨は病院現場で生かされないと思います。また、病院で働く医師や看護師などの職員が十分趣旨を理解していることも不可欠です。都立病院では、子どもの患者やその家族に対して、権利章典をどのように周知し、内容を理解してもらうように努めているのか、また、職員への周知徹底をどのように図ったのか伺います。 # 黒田参事 黒田参事都立病院の子ども患者権利章典の制定後、各病院におきましては、病棟、外来への掲示を行いますとともに、病院窓口で患者、家族の方にパンフレットを配布しております。また、職員に対しましては、各病院におきまして、パンフレットの配布のほか、院内LAN、これは病院の中の情報システムネットワークでございますが、こちらへの掲示などによりまして全職員に周知徹底を図っております。さらに、今後は、患者満足度アンケートを実施いたします際に、権利章典に関する質問を加えるなど、周知や理解が浸透しているかを定期的に検証してまいります。 # 西崎委員 西崎委員最後に、意見になりますけれども、今後も引き続き、患者やその家族の視点を重視した小児医療の提供に努めていただきたいと思います。それから、今、検証されるということでしたけれども、これから子どもの患者の権利を実現していくための方策をどのように担保していくのか、それが重要なことだと思いますので、ぜひこういったことに努力されることを要望しておきます。そして、都立病院でのこうした取り組みが、ぜひほかの医療機関にも広がることを期待いたしまして、私の質問を終わります。 # 野島委員 野島委員質問する私自身が、またかいなという感がしないでもないんです。そんなことで多くの皆さんの時間を制約するのは大変申しわけなく思っておりますが、事務事業質疑ということでございまして、恐らくは執行側も、ここでの議論や質疑を通じてこれから事務事業を進めていく、こういうことだろうというふうに思いますので、二十五分という時間を申告してございますので、その範囲内で、お手数を煩わせますが、ひとつよろしくお願いしたいと思います。二点ございまして、まず最初に、都立病院のPFI事業についてお伺いしたいと思っております。現在、都立病院のPFI事業、多摩広域基幹病院及び小児総合医療センターが、既にこの七月に着工された、がん・感染症医療センターについては年内に契約締結を予定されておりまして、松沢病院を改築、改修する精神医療センターは事業者選定を進めている、こんなふうに承知をいたしております。三つの大きな事業がそれぞれ進んでいくわけでありまして、恐らく全国的にも例がないだろうと思いますし、病院経営本部にも大変なご苦労をおかけしているのかなというふうには思っておりますが、こういう大きなプロジェクトを緊張感を持って取り組んでいくところに、私はしっかりした事業執行ができるもの、こんなふうに思っておりますので、事の重大性と重さをしっかり受けとめて執行していただきたい、こんなふうに冒頭お願いを申し上げておきます。このPFI事業は、都立病院の将来にとっても多大な影響を及ぼすものであろう、こんなことで、我が党も機会をとらえながら、さまざまな場面で質疑を繰り返してまいりましたし、去年も申し上げたかな、私自身も高知の医療センターに視察に出向いて、いろいろ意見交換もしてまいりました。そんな中で、高知医療センターに関しまして、PFIによる病院運営は失敗であるかのような記事が東京新聞に掲載されました。病院長の汚職、こういう話については、当然のことながら、とんでもない話でございまして、その中で、病院赤字でも運営企業は黒字、こういうふうな報道がなされているんですね。実は私、この記事だけじゃなくて、高知の医療センターに対する、ずっと追っかけの記事があったんですね、構想段階から。これをずっと読んで、なおかつ、この記事を読んだものですから、突出した形の議論というのは、いささか全体像をとらえていないだろうというふうには思っておりますが、公立病院の経営では行政的医療、先ほどかち副委員長も取り上げていましたけれども、都が取り組む行政的医療、こういったふうなことが求められる以上、不採算なことは、当然のことながら出てくるだろうと思っております。企業が黒字になることが、病院、こっちが赤字でこっちに吸い上げているよというふうな認識でありますけれども、企業が提供するサービスで利潤が上がらなければ、逆にサービスの質が落ちちゃうわけでありますから、正直なところ、企業というのは利潤がインセンティブでありますから、適正利潤を求めつつ業務を執行していくのは当たり前の話でございまして、それは切り分けて考えないといけないことだろうというふうに思っております。これは何もPFIでSPCがやるからということじゃなくて、それぞれ今でも単体でいろいろ業務委託しているわけですから、その場合でも全く同様であると思っております。ただ、こういうことで、新聞というのは影響力が大きいものですから、さきの公営企業決算委員会分科会でも何点か質問をいたしました。私はその中で、いわゆる診療業務そのものなど病院運営の中核の部分や病院経営については都が責任を持って行います、医事業務や建物管理など、いわば医療周辺業務については、民間が創意工夫を図って、包括的に特別目的会社、SPCが担う、こういう答弁をいただきました。ただ、こういう制度論というのは、なかなか理解されにくいところがございまして、あるいは、あえて理解をしないという向きもあろうかというふうには思っておりますが、先般の共産党さんの機関紙「赤旗」に、府中病院は都直営でということで、共産党の要請にこたえ、国立の関口市長がコメントを寄せているんですね。かち副委員長は大変ご苦労さまでございました。このコメント、私は、政党機関紙ですけれども、一応、新聞報道ということになれば、その中のコメントを多分、いろいろな話をしていると思うんですね。だから、その中の括弧書きだけを取り出していろいろ申し上げるのは、私、体質的に合わないところがあるんですよ。しかしながら、そういうことであっては困るわけでありますし、この事業スキームをしっかりと都民に理解をいただく、あるいは現場で働いている職員にもしっかり理解いただいて、不必要な動揺や混乱を招くことがあってはいけないと思っているんですね。特に市長さんということになりますと、これは一次医療を担う首長さん、大きな責任を持っているわけでありますから、こういう方にもしっかり理解をしていただかないと、PFI事業、ひいては都立病院改革、いわば一次医療、二次医療あるいは東京都が担う広域的な行政的医療、それから国の役割、こういうものがごちゃまぜにされて、ともかく必要な医療に対して、国でもいいや、都でもいいや、市町村でもいいや、こういう提供体制をつくっていったら、有限な医療資源なんて有効に活用できないわけですから、私はこのコメントは必ずしも、このコメントだけというふうに拘泥しているわけじゃないですよ、私自身が。しかし、その根幹にあるところを首長さんにも理解してもらいませんと、これは日本の医療全体にとってのマイナスだろうというふうに私は思っているんですよ。そんなところで、前回の公決の分科会でもお聞きをしたところでありますが、きょうは事務事業質疑ということでございます。あえてもう一度、病院の経営とPFI事業との関係についてお伺いをしておきたいと思ってございます。よろしくお願いします。 # 及川経営企画部長 及川経営企画部長今回の私どものPFI事業でございますが、理事お話のとおり、診療業務そのものとか、まさに病院の経営など病院運営の根幹にかかわるものにつきましては、これまでどおり都が責任を持って行います。また、これまでも個別に委託してまいりました、お話の医事業務とか建物管理、加えまして、清掃、洗濯、消毒など多数の医療周辺業務につきましては、特別目的会社、いわゆるSPCの方で、民間ならではの自由な発想や創意工夫を行いながら包括的に担うというシステムでございます。これによります効果の一例としまして、例えば、これまで手術室においては、空調とか清掃、消毒、滅菌、こういった業務が手術に関連して発生いたしますが、それぞれの受託者に対しまして、医師や看護師あるいはコメディカル等、医療従事者から個別の指示を必要としておりました。今回のPFI事業では、SPCに一括して指示をすれば、包括的に一括管理して手術環境の整備を行うため、医師、看護師など医療従事者は診療業務に専念できることとなりまして、医療サービスの向上が図れるものというふうに考えております。また、今回のPFIにおきましては、SPCに対しまして、コスト管理など民間が持つ経営ノウハウや業務プロセスの改善に関する助言、協力など、病院経営につきましても支援するという業務を担わせておりまして、病院の健全経営に貢献をさせることとしております。 # 野島委員 野島委員今の答弁で、診療業務そのものなどの病院運営のコア部分、こういった病院経営の根幹の部分は、PFIということの事業でやっても民間にゆだねられるわけではない、あくまでも都が責任を持って担っていくということを改めて確認を申し上げたところであります。ぜひそういう割り振りというのかな、役割分担というのか、その役割分担であっても都はちゃんとやっていきますよ、こういうことを広く都民にPRをしていただきたいと思うのです。これがPFIがどうだとか、これが直営だからどうだというのは、正直なところ、じゃ、それによってどういう効果があるんですかというよりも、自分が必要なときに必要な医療を受けられれば、それもなお近いところで、これは気持ちとして当たり前なんです。当たり前なんですが、それを行政として、あるいは体制としてどうやっていくかということをしっかりと構築しない限り、新しい医療需要にこたえていくとかいうことはなかなかできないわけですよね。結局、最後は国民負担にかかってきますから、そこのところは、やっぱり執行する側がしっかりと責任を持って、どんなに苦しい場面があろうとも、都民の理解を得ていく。それも、なるべくわかりやすくこれから広報していただきたいと思うのです。どうも皆さんは、かたい話になりかねないというところがありますので、ああ、なるほど、こういうふうによくなるのかというふうなところをしっかりとPRをこれからも、今までしているのかどうかわかりませんが、これからぜひそういうところにウエートを置きながら、「赤旗」に書いてあったから白旗を出せというわけじゃなくて、しっかり進めていただきたいというふうに思っております。この高知医療センターについて、新聞報道などで見ますと、例えば、SPCが契約上定められていた材料費で医薬品、診療材料等の調達ができず、行政側の追加支出がなされた、当初の約束と違って多く金を払わなければいけないんじゃないか。あるいは、診療請求の請求漏れ等が急激に増加したにもかかわらず、業務を直接行っている協力企業に対し、SPCが的確な指導、是正を迅速にできなかった。いわば仕事を頼んだけれども、その到達点なり効果を、発注側が十分に機能できなかった、こんなことでご苦労もなさっているやに見受けられます。それと、さきの公決の分科会で共産党のたぞえ委員が質問しておりまして、別にそのことをとやかくいう立場にありませんが、発言をとらえた私の認識ですよ、本人がこういっていたんじゃなく、私の認識。それによりますと、SPCであたかもすべての業務を丸投げし、全く行政側のチェックが働かない今もちょっと申し上げましたけれども、いわば頼んだ側の、発注側の目指すべき成果品とその対費用効果が、発注側において明確に認識されなかった。したがって、当初の財源縮減効果が生じなかったのみならず、むしろ費用増になってしまった。こういうふうなことで、SPC、PFI、とりわけSPCの失敗だからPFIをやめろみたいな、そういう質疑であったというふうに思っているんですが、そういうことだと思うんですね。そういういろんなシステムを組み上げていく中では、いろいろな問題がありますよ。問題がないことなんてあり得ないんだ、世の中。したがって、これから、高知の医療センターよりも東京都は後に事業をスタートすることになるわけでありますから、ぜひその辺を、先行事例を生かすようなことを考えていかなきゃいけないだろう。また、そういう立場にも、ある意味ではメリットという部分もあろうかと思います。それで、今、そういうふうな新聞報道で私が推測申し上げ、たぞえ委員の発言から推測申し上げた、こんなふうなことをクリアしていくといいましょうか、防止していくために、都のPFI事業の仕組みとしてどんなところを工夫されていかれるのか、こんなところをお伺いしておきたいと思います。 # 及川経営企画部長 及川経営企画部長お話の先行事例におきましては、例えば個々の業務を行う協力企業を指導監督し、業務全体を統括する機能、いわゆるマネジメント機能と呼んでいるんですが、この機能を、SPCの業務として明確に位置づけていなかったというようなことがございます。また、お話にあった医薬品や診療材料の購入などにおきましても、契約上、業務ごとに委託金額を固定していたというふうに聞いております。こうしたことによりまして、新聞報道などで、先ほど理事からもお話があったような問題点が指摘されているのかなというふうに考えております。今回、私どものPFIでは、このマネジメント機能をSPCの機能として明確に位置づけておりまして、業務が適切になされているかどうかをチェックいたします、いわゆるモニタリングの対象としております。例えば、このチェックが通らなければ、SPCに対しまして業務の改善勧告をする、あるいは委託料の支払いを留保する、さらには減額をするといった措置も、今回、この仕組みの中に私ども採用しております。また、私どもは、業務ごとに内訳金額を固定しておりませんで、包括的な総価による契約方法としております。そのため、さまざまな与条件に対しまして弾力的な業務執行を可能としたものというふうに考えております。こうした仕組みを通じまして、PFIのメリットをより生かした病院運営を目指しているところでございます。 # 野島委員 野島委員わかりました。今、そういういろいろな業務設計をしていく中で、価格を固定しちゃっているとか、いろいろな課題があって、今度は包括で都の場合にはやっていきますよと。恐らく、その辺、いろいろ見ていくと、おもしろいと思うんですよ。そうすると、SPCといっていながら、実はSPCの利点を生かし切れないような制度設計を高知県のことですから、私、余計なことをいう必要はないですが、しちゃったのではないかななんて疑問を持つわけ。そうすると、今度、東京都の場合は、そうじゃなくて、ちゃんとそういう柔軟性が発揮できるような制度にしていこうということですからさっきいったように、まだ今後も課題がいろいろ出てこようかと思います。直営でやるべきだ、これは民間のSPCでとんでもないと、僕は、そういう対立概念じゃないんです、この仕事はというふうに思っているんですね。いわゆる都立病院の運営、その責任は全部東京都ですから、それをより有効、適切にやっていくために、SPCという手法を使うことによって経費の圧縮をしていく、あるいは患者サービスの向上を図っていくという、いわば共同作業だというように私は理解しているんですよ。したがって、直営でなければいけない、PFIでやるから医療が崩壊していく、そういう概念を持ちますと、根本のところで違ってきちゃうと思うんですね。したがって、これからもそういう理解をしっかりとしていただくように、先ほども申し上げましたけれども、広く広報等で進めていただきたいと思っております。それから、重要な視点は、診療報酬制度がマイナス改定あるいは医療技術の進歩など、環境が目まぐるしく変わっていくわけでありまして、そういうことに柔軟に対応しながら病院運営を行って患者サービスを向上していくことが、今、一番大事なところだと思うんですね。硬直化した中でやっていきますと、当然ながら、コスト高あるいは創意工夫が出ない、こういうことがありますから、ぜひそういう利点も生かしていただきたいというふうに思っております。この前の公決での質疑でも、事業契約の中には、患者ニーズの変化に応じて委託業務内容を見直すといったことや、物価の上がり下がり、あるいは薬価改定、医薬品や材料費等の大幅な変動という場合には、支払い額を見直すなどの仕組みを組み込んでいきます、将来の医療環境の変化にも柔軟に対応できるようになっている、こういう答弁もいただいておるわけでございまして、ぜひそんなことも踏まえつつ、しっかりと取り組んでいただきたいというふうに思ってございます。せっかくこれだけの仕事に取り組んでいくわけでありますから、東京から病院PFI事業の成功事例を発信していただきまして、そういうことが、例えば高知県のそういう事業に、ある意味、改善のいい影響を与えるということも、私は東京に課せられた、いわゆる地方自治のトップランナーとしての責任だろう、こんなふうに思っておりますので、ひとつ格段の取り組みをお願いしていきたいと思ってございます。次に、清瀬小児、定点観測みたいな話で恐縮なんですが、あと五分しかないのでもうやめますが、移転するということは承知しております。しかし、移転をされますと、多摩地域の小児医療の拡充の請願というのは、福祉保健局の審査にゆだねられているんですが、この議論もあります。いわば現場の心配も、都民の心配、市民の心配も当然あるわけであります。そこで、府中に小児総合医療センターが整備されていく、じゃ、その後の地域医療をどうするんだ、こんなことで実は私も思い悩んで取り組んでまいりました。その結果、清瀬市と東京都あるいは関係の皆さんが協議を重ねまして、ことしの二月に一定程度の取りまとめがなされたというふうに承知しております。今、四市五医師会で実施していただいております平日夜間の小児初期救急事業の段階的な拡充を目指していきたいということと、十七年四月公社化と同時に小児科を設置した多摩北部医療センターの小児科を、清瀬小児移転の一年前、いわばソフトランディングというとおかしいですけれども、ちゃんとつないでいきますよ、こういうことの合意、一つの結論に至ったというふうに思っております。清瀬の所在地である市長さんも苦渋の選択だろうというふうに思っておりましたけれども、それだけに、確認された充実策を着実に実行していっていただきたいと思っております。十三年に都議選がありまして、そのときはこの課題はありませんでした、都議選が終わったら都立病院改革が出てきましたから。十七年の都議選のときはこれが争点になりました。幸いにして当選を果たすことができましたけれども、この次は二十一年となりますと、ちょうどその時期なんですね。だから、充実をしっかりして私もいろいろ努力してまいりました、地元の医師会とか、両市の市長さんとか関係の市長さんとね。私、別にいいんですけれども、ぜひそういう、私の努力が実るような充実策にひとつ心がけていただきたいというふうに思っております。そこで、今後のそういったふうなところ、初期救急事業が取り組みされてきたわけでありますが、今後どんな方向を目指していくのか、そんなところをお聞かせいただきたいと思います。 # 及川経営企画部長 及川経営企画部長本事業につきましては、北多摩北部地域の五市の医師会と東村山市、清瀬市、東久留米市、西東京市の四市が協力して実施に至ったものでございます。平成十七年六月から、公社病院である多摩北部医療センターを使いまして、週二日間、火曜日、金曜日、十九時半から二十二時半の時間帯で開始をいたしております。その後、地域の方々が話し合いを重ねる場に都も加わりながら、ことし七月より、多摩北部医療センターでの実施日数を週三日間、火、木、金とする拡充を図りました。また、同じくことし七月より、西東京市内の佐々総合病院でも、週二日間、月、水の初期救急事業を始めました。これにより、二カ所合わせて、月曜日から金曜日までの週五日間の初期救急事業を確保することとなりました。今後、地域では、清瀬小児病院の移転までの間に、二つの拠点それぞれで週五日間ずつ実施することを目指していると伺っております。 # 野島委員 野島委員そういうことで、開始して二年たって、拡充への第一歩を踏み出すことができまして、当局初め、関係者の皆さんに心から敬意を表したいと思っております。先ほどの話に戻りますが、ただ単に、今まで便利に使っていた病院がなくなると困る、それは当たり前な話として、気持ちとしてはよくわかります。しかし、医療総体の中で、市町村が担う役割、広域自治体としての都が担う役割、それも有限な医療資源あるいは国民負担においてという中で、清瀬の市長さんも苦渋の選択をしていただいたわけでありまして、そういう意味では、一次医療を私たちはしっかり充実していかなければいけないという方向性も出ているわけでありますから、ぜひ積極的な後押しをしていただきたいというふうに思っております。そこで、最後に一つだけお伺いしたいんです。実は跡地の問題がございまして、大変大きな面積なんですね。前にも申し上げましたが、清瀬市というのは、医療、福祉、そういう資源がたくさんありまして、あるいは、それだけにその周辺の緑というのが大変多いんですね。あそこは清瀬市松山ですかな。隣は竹丘というんです。その隣に行くと梅園というんですね。松竹梅なんです。非常に緑の多いところで、これを何とかしていかなければいけない、こういう思いもあるんですね。ただ、どうしていくかということは、これからの課題でもありますけれども、実はそこに大変大きな関心が集まっているんですね。この帰趨が清瀬の顔をどう変えていってしまうのか。今まで清瀬が売り込んできたといいましょうか、清瀬の特徴であったものがどう失われてしまうのか、こういう大変大きな課題でもあるんです、この跡地の問題は。そこで、清瀬小児病院の跡地に対する考え方についてお伺いをしておきたいと思います。 # 及川経営企画部長 及川経営企画部長清瀬小児病院が移転した後の跡地につきましては、都民の貴重な財産でございます。また、公営企業会計で経理をいたしております私ども都立病院全体にとりましても、貴重な財産だというふうにとらえております。その扱いにつきましては、先生からもお話があったように、地元清瀬市のお話も伺いながら進めていくことが重要であると考えておりまして、引き続き市と協議を行う中で検討していきたいと考えております。 # 野島委員 野島委員ありがとうございました。ぜひよろしくお願いいたします。所管が恐らく分かれてくるというか、またがってくると思うんですね。僕もいろんな提案を、清瀬の市長さん初め関係者には申し上げているんですよ。都市計画法上の課題をどうクリアしていくのか、あるいは、そうなった場合でも事業主体をどうするのか。それから、今、経理する立場という、貴重な財産だと、こういうお話もございました。その経理するというのがどういう重みを持っているのか、いささか私の耳には届きませんが、財源の問題も大変大きな課題でございますが、いずれにいたしましても、しっかりした協議を積み重ねて、清瀬のまちづくりに、立つ鳥跡を濁さず、こんな立場で病院経営本部からもしっかりと応援していただきたいというふうに思っております。ここまで、PFI事業に関する課題と、移転に伴う地域の医療課題への対応についてお伺いをしてまいりました。病院経営本部では、平成十三年十二月に都立病院改革マスタープランを発表して以来、さまざまな病院改革に取り組んできているわけでありますが、今回取り上げましたPFI手法により進められている三つの事業が本格化するなど、これからますます坂道もきつくなりますけれども、いわばこれからの医療にとっての正念場であるというふうに思っております。この事業の成功が、私は都立病院の将来を明るくするものになるだろうと信じてやまないところであります。そこで、最後に、PFI事業等による再編整備を初めとする、都立病院改革を推進していくに当たっての本部長の考え方をお伺いしておきたいというふうに思ってございます。 # 秋山病院経営本部長 秋山病院経営本部長これから本格化いたしますPFIによる三つの事業につきましては、対象病院の施設設備の更新、医療機能の高度化とともに、官民の適切な役割分担のもとに質の高い医療サービスを提供していくというものでございまして、再編整備の大きな柱というふうに考えてございます。ご指摘のとおり、着実に進めていかなければならないという認識に立っております。また、このようなPFI事業を含みます都立病院全体の再編整備事業を推進していくことが、行政的医療を適正かつ効率的に提供いたしまして都民の皆様への医療サービスを向上させていくという、都立病院の本来の使命を果たしていくことにほかならないというふうに考えております。ただいま野島理事よりご指摘がございましたけれども、再編整備に伴う移転統合に当たりましては、対象病院がこれまで地域で提供してきました初期医療等の医療機能につきまして、地元自治体や地域の医療機関等の役割分担を踏まえながら、地域住民の皆様が安心して身近な地域で適切な医療が受けられる、そのように都としても可能な限り支援を行ってまいります。また、足元に目を転じてみれば、まず全国的に不足している医師、看護師などの医療人材の確保でございます。先ほど議論がございましたけれども、これまでも、本部としても、また公社としても最大限の努力をしてまいりましたし、また無責任とのご感想もございましたけれども、不足の原因を何度も簡潔に答弁させていただきましたのは、原因を過たずに、的を射た対策を実施したいとの考え方でございます。このような人材不足のほかに、相次ぐ医療制度の改革や診療報酬のマイナス改定への適切な対応など、多くの課題がございまして、これらにも早急に対処していく必要がございます。こうした認識のもとで、これまでお尋ねのあった困難な課題にも一つ一つ対応しながら、都立病院に寄せられた都民の皆様の期待にこたえ、安全・安心を支える患者中心の医療を実現する都立病院改革を着実に実施していくよう、職員一丸となって全力を挙げて取り組んでまいる所存でございます。 # 野上委員長 野上委員長ほかに発言がなければ、お諮りいたします。事務事業に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 野上委員長 野上委員長異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。以上で病院経営本部関係を終わります。これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。午後三時三十一分散会
2024-03-31T11:23:54.539450Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/772370?Template=document&Id=8103#one
--- title: 平成19年厚生委員会 名簿・議事日程 # 平成十九年十一月二十二日(木曜日)第七委員会室出席委員十四名委員長野上純子君副委員長山加朱美君副委員長かち佳代子君理事くまき美奈子君理事長橋桂一君理事野島善司君西崎光子君大松成君佐藤広典君田代ひろし君石毛しげる君野村有信君佐藤裕彦君吉田信夫君欠席委員なし出席説明員病院経営本部本部長秋山俊行君経営企画部長及川繁巳君サービス推進部長都留佳苗君参事黒田祥之君本日の会議に付した事件病院経営本部関係事務事業について(質疑)
2024-03-31T11:23:55.396479Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/772370?Template=document&Id=8102#one
--- title: 平成19年厚生委員会 本文 # 午後一時開議 # 野上委員長 野上委員長ただいまから厚生委員会を開会いたします。本日は、お手元配布の会議日程のとおり、福祉保健局関係の事務事業に対する質疑を行います。これより福祉保健局関係に入ります。初めに、理事者の欠席について申し上げます。芦田連絡調整担当参事は、公務のため、本日の委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承願います。次に、事務事業に対する質疑を行います。本件につきましては、既に説明を聴取しております。その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。資料について理事者の説明を求めます。 # 杉村総務部長 杉村総務部長過日の厚生委員会でご要求のありました資料につきまして、お手元の厚生委員会要求資料にまとめてございますので、ご説明申し上げます。資料は、目次にございますように、全部で十六項目となっております。それでは、順を追って説明させていただきます。まず、一ページをお開き願います。区市町村における妊婦健康診査に対する施策の状況といたしまして、全区市町村における共通施策及び各区市町村ごとの独自施策について、平成十九年三月末及び同年十月一日時点における実施自治体数を記載してございます。二ページをお開き願います。小児科、産科、産婦人科標榜医療機関及び医師数の推移といたしまして、小児科などを標榜する病院数、診療所数及び医師数について、二ページから三ページにかけまして平成七年のものを、四ページから五ページにかけまして平成十二年のものを、六ページから七ページにかけまして平成十七年のものを区市町村ごとにそれぞれ記載してございます。八ページをお開き願います。都立福祉施設における廃止、民間移譲の状況と今後の予定といたしまして、(1)には廃止した施設、(2)には民間移譲した施設、九ページに参りまして、(3)には今後の予定につきまして、それぞれ記載してございます。一〇ページをお開き願います。福祉保健局における主な廃止、見直し事業といたしまして、(1)には主な廃止事業、一一ページに参りまして、(2)には主な見直し事業につきまして、事業名と決算額に区分し、それぞれ記載してございます。一二ページをお開き願います。国民健康保険における加入世帯数並びに被保険者資格証明書及び短期被保険者証の交付件数の推移といたしまして、平成十七年度から十九年度までの加入世帯数などについて、区市町村ごとに一三ページにかけまして記載してございます。一四ページをお開き願います。国民健康保険料(税)率の推移といたしまして、平成十二年度から十九年度までの区市町村ごとの国民健康保険料、税率について、所得割、資産割、均等割及び平等割に区分し、一五ページにかけて記載してございます。一六ページをお開き願います。国民健康保険料(税)の減免件数の推移といたしまして、平成十六年度から十八年度までの区市町村ごとの減免件数について記載してございます。一七ページをごらん願います。国民健康保険における一部負担金減免件数の推移といたしまして、平成十六年度から十八年度までの区市町村ごとの一部負担金減免件数について記載してございます。一八ページをお開き願います。国民健康保険料(税)の滞納世帯数及び収納率の推移といたしまして、平成十四年度から十八年度までの対象世帯数、滞納世帯数及び収納率について区市町村ごとに記載してございます。一九ページをごらん願います。区市町村における障害者自立支援法に係る利用者負担独自軽減策の実施状況といたしまして、軽減策の実施または未実施の自治体数などを記載してございます。二〇ページをお開き願います。区市町村における介護保険料減免等の状況といたしまして、(1)には、低所得者に対する保険料減免を実施している区市町村を、(2)には、低所得者等に対する利用料軽減を実施している区市町村をそれぞれ記載してございます。二一ページをごらん願います。生計困難者に対する介護保険サービス利用者負担額軽減制度事業の実施状況といたしまして、事業開始年月ごとに、各区市町村の確認証交付人数及び利用者負担額軽減実績などを記載してございます。二二ページをお開き願います。介護保険施設等の定員、病床数及び高齢者人口に対する割合といたしまして、六十五歳以上の高齢者人口、施設ごとの入所定員または病床数及び高齢者人口に対する割合について都道府県別に記載してございます。二三ページをごらん願います。療養型施設数及び療養病床数の推移といたしまして、医療保険適用と介護保険適用に区分してそれぞれ記載してございます。二四ページをお開き願います。認可保育所の定員、入所児童数及び待機児童数の推移といたしまして、待機児童に関する新定義及び旧定義それぞれに分け、平成十七年から十九年までの区市町村別の定員、年齢別の入所児童数及び待機児童数について、三三ページにかけまして記載してございます。最後になりますが、三四ページをお開き願います。認可保育所における常勤、非常勤従事者数及び非常勤従事者比率の推移といたしまして、平成十四年度から十八年度までの推移についてそれぞれ記載してございます。以上、甚だ簡単ではございますが、ご要求のありました資料につきましてご説明申し上げました。よろしくお願い申し上げます。 # 野上委員長 野上委員長説明は終わりました。ただいまの資料を含め、本件に対する質疑を行います。発言を願います。 # 田代委員 田代委員まず最初に、最近、新聞やテレビで大変話題になっております、お産をめぐるいろいろな問題が都民の心配を喚起しているわけですけれども、それについてお尋ねしたいと思います。東京都内の出生率、出生数、大体十万人前後で推移しているわけですが、結婚なさる方が、昔とは違って年齢的にかなり高くなってきた。その分だけ、妊娠、出産というものに対してハイリスクになる。これは現実で仕方がないと思うんですが、逆に今、重症児の救命率、上がっているわけですね。この三十年の間に格段に上がって、特に世田谷区にあります成育医療センターなどでは、胎児医療という、昔では考えられなかった、子宮内にいる胎児の手術までするような現実が出てきていて、これはまたいつか質疑をさせていただきたいと思いますが、お生まれになったお子さんが一〇〇%健全で生まれるのであればいいんですけれども、なかなか、いろいろな障害をお持ちになって生まれていらっしゃることもあるので、その後のQOLをどうしていくかということも大変大きな問題。ただただNICUですべて行えばいいということではない、その後の生活ということがあって、これは大きな問題だと思うんです。そういう中で、最近新聞にもよく出ておりますけれども、やはり産科医の勤務状況が厳しい。朝、昼、晩、夜中、全然関係なしに、ある程度コントロールしてお産をするということは薬でできないわけではないんですが、やはり自然な分娩を希望なさるお母様方も大変多いわけですから、そうすると、それに対応するためには、予定で大よその大まかな予定はわかりますけれども、それ以上のピンポイントにはならないわけで、これが大変過酷な労働条件である。それから、不可抗力という言葉が医療の世界から消えつつある。何でもかんでも一〇〇%でなくてはならないということで、医療訴訟が頻発している。やはり産科の先生が一番多いわけですね。実際は、そんなことで産科をやめるという気持ちになっては、大変、医師の方々、残念だと思うし、そうあるべきではない。医師という仕事を選ぶときには、そういうリスクを最初から理解して進んでいくべきであって、これは、医学部教育の中でもう一度それを取り組んでいかなくてはならない。ほかの人たちと同じ責任で医師が生活していくということは、逆に何かおかしなものを感じることがあるので、ハイリスクであることから仕方がないと思うんですが、現実に医療機関がどんどんどんどん減少している。そして、昔と違って、どんなに腕がいい医者であっても、麻酔医が必ず必要であるというルールになりましたから、そうなると、我々若いころには、自分で麻酔をかけて自分で処置するということは当たり前だったのですが、ある意味ではそれが今許されなくなってきた。たとえ、そんなことはないでしょうけれども、自分の方が麻酔がうまくても、若い麻酔医を雇わなくちゃいけない。なかなか麻酔のお医者さんは、今、ご存じのとおり、特に日本じゅうどこを探してもいなくなっちゃうぐらい少なくなったわけですから、こういうことも相まって、東京だけではなく、全国でお産が難しくなってきたわけですけれども、都はこれまで、このハイリスクに対応する高度医療を備えた周産期母子医療センターの整備を進めていただいているわけです。お話を伺うと、医師の確保はなかなか大変なようです。そして逆に、整備していただいているんですが、先ほど申し上げましたように、お産をするところが少なくなってきて、正常分娩を希望する患者さんたち、患者さんじゃないですね、お母様方が希望する病院に入るというのも私どものところに来る要望で一番多いのは、三カ月したら病院を出されちゃうからどうしてくれというのが昔多かったんですけれども、今、どこかでお産するところを探してくれというのが随分多くなりました。そういう中で、もっともっと患者さんというかお母様が安心してお産ができるようにということで、周産期センターに正常分娩の人までも来てしまう。そこまでする必要があるのか。一般の何でもない風邪のときに、わざわざ大学病院に並ぶ必要があるのかということと同じことですけれども、そういう都民の志向があるわけですね。逆にまた、裁判を回避したいために、一般の診療所からも周産期センターに患者さんを紹介する。どんどんどんどんたまってきて、二十四時間でこなせない状況になっているわけです。このように、出生数というのは横ばいでありましても、ハイリスク妊娠の増加や、あるいはNICUを必要とするそういう患者さんたち、お子さんたちの周産期の医療というのは非常にニーズがふえているわけですね。同時にお医者さんは足りない。こういう背景から、昨今問題になっています、妊婦さんの搬送の受け入れ体制の課題というのが全国的にいろいろニュースになっているわけですけれども、まず、東京都においては、妊婦さんの搬送の体制というのは現状はどうなっているかをお聞かせいただきたいと思います。 # 吉岡少子社会対策部長 吉岡少子社会対策部長都における妊婦搬送体制でございますけれども、出産前後の母体、胎児や新生児の救急患者に高度専門的な医療を提供する周産期母子医療センター二十二施設を整備するとともに、周産期母子医療センター等と東京消防庁をネットワークで結び、空床情報を共有するシステムを整備し、搬送先の選定に活用しております。また、患者の迅速な搬送や受け入れを行うため、都内を八つのブロックに分け、各ブロックの総合周産期母子医療センターが搬送先の選定を行う仕組みを構築しております。 # 田代委員 田代委員十月に今回発表された、総務省の消防庁、厚生労働省による産科と周産期傷病者搬送の実態調査があったわけですけれども、医療機関への照会回数や搬送に要した時間の最多あるいは最長が東京都であると。こういう事例が東京都であったと報道されていましたけれども、しかし、調査結果を詳しく見てみますと、交通事故なども含めた年間の搬送事例の総件数のうち、産科と周産期傷病者の件数は〇・七%の約四千二百件ですね。そのうち九六%は三回以内の照会で受け入れ先が決まっているわけです。これは当然、現場の医療機関や消防の現場の方々の努力の結果であるといえるわけですけれども、都の搬送体制、先ほど申し上げましたように、全国的に見ると、数でいうと確かに多い、長いかもしれませんが、平均からすると、パーセンテージでいうと、決して東京都が悪いわけではないわけですから、だからいいというわけじゃないのですけれども、しかし、東京都のこの特殊事情の中で、搬送先選定までに時間がかかる事例があることも事実なわけです。搬送先を設定するのに、いろいろこれが問題になっているわけですけれども、それまでにおいても、ほかの、妊婦さんが妊婦健診を受けていないとか、後ほど伺いますけれども、きちっとした手続をとられていないということがあれば、それはそれでまた東京都は妊婦さん方にそういうことを告知していく、あるいは、ある意味では教育をしていく、そういうわかりやすいシステムをつくっていかなくちゃなりませんし、また、どこを見ても大きな問題になりますのは、対応する病院があって、そして、その対応する医師がそこにいなくてほかにいて、そして、対応する麻酔科の医者がまたほかにいて、たまたま三つが全部そろっていないといけないということになると、どこまでも回されちゃうわけですね。ですから、せんだって防衛省でGPSという話が出ましたけれども、実際、我々医師みたいな者は、仕事上、GPSをしっかり持っていて、いつでも対応できるようなチームができていて、ある場所が選定されて、この病院に行けばそういう施設があるんだということであれば、手のあいているといったらおかしいですけれども、動くことができる産科のお医者さん、あるいは麻酔科のお医者さんをそこに、その病院に目がけてみんなが動いていく、妊婦さんも動いていくということがあれば対応ができるわけで、これは工夫の方法は幾らでもあると思うんですが、今現実にこういう問題になっているわけで、東京都としては、こういう時間がかかって、選定までにどうも手間取って事件になることが多いんですけれども、どうお考えになっているか、お話を伺いたいと思います。 # 吉岡少子社会対策部長 吉岡少子社会対策部長妊婦搬送に時間を要する場合の原因といたしましては、低出生体重児の増、他県からの患者流入、長期入院児の存在などによりまして、周産期母子医療センターのNICUの稼働率が極めて高くなっていること、また、産科医不足により地域の分娩取り扱い施設が減少しているため、周産期母子医療センターに一般医療機関で対応可能な分娩が集中していることなどが考えられます。なお、田代委員ご指摘のとおり、かかりつけ医がいないために妊婦の状態が把握できず、適切な医療機関の選定が困難になっている事例もあるというふうに聞いております。 # 田代委員 田代委員そのかかりつけ医がいないという問題は大きな問題だと思うんですね。患者さん自身の問題であると簡単に説明してしまえばそのとおりなんですが、やはり生活をしっかり支えながら、働きながら、そしてお子さんも育てて、また次のお子さんを産む。大変忙しい中で都民は生活しているわけですから、やはりもっともっと、お子さんを産むということに対して、こういう世の中になったわけですから、情報開示をしていく。もう患者さん任せにするのではなくて、患者さんの方患者さんという言葉はおかしいですね、妊婦さんたちが、でも医療に関しては患者さんも含めてですけれども、もっともっと医療をどうやって受ければいい、あるいは安全なお産というのはどういうふうにしていくかということを、なさっていることはよくわかっているんですけれども、もう一歩進めて、情報公開の新しい方法、メソッドができたわけですから、インターネットだけではなくて、いろんな多チャンネルでやっていくべきじゃないでしょうか。東京都というのは、当然、ほかの道府県に比べて医療機関が多いんですけれども、やはり先ほど申し上げましたように、特に産科に関しては医師不足が続いております。これは都立病院もなかなか大変な状況であると伺っていますけれども、それから空きベッドが、先ほど申し上げたように、安全に自分のお孫さんのお産を受けたいんだけどという要望が非常に僕のところに多いんですけれども、これも思うとおりに何月何日何時何分というわけにいきませんから確保が難しい。特に周産期センターは、NICUに二割以上、東京都以外の他県の患児を受け入れているわけですから、これもなかなか大変だと思うんですね。全く診ないというわけには当然いきませんけれども、二割というと、これ、かなりの人数になります。それだけ東京都が頼りにされているといえばそうなんですが、やはり各県の独立自尊をもうちょっと進めていかなくちゃならないと思いますが、それにはやはりネットワークをつくっていかないと、全部それぞればらばらにやったって意味がないわけですから。こういう現状があるわけですが、総合周産期センターの医師が搬送の調整を担う仕組みというのは、妊婦さんの状況を的確に把握して初めて有効な仕組みになるわけです。しかし、いざというときの搬送を担う医師というのは、まず自分たちの仕事に非常に忙殺されていて、そしてそれにプラスして、またある時間帯では病院のスタッフが少ないというときに、そこまでも医師がやるというのはなかなか難しいところがあるわけですね。別にアメリカの医療がいいわけじゃないのですが、アメリカの医療は、我々行きますと、我々はカルテはほとんど書かないんですね。インカムでほとんど指示をする。それをシュライバーのような、カルテ整備士のような人がプリントして、そこに証拠として残している。そうすると、カルテの改ざんというか変更ができないわけで、それぞれの分担、医師は医療に専念するということで、ほかの事務的なことは逆にできない、やらない。そういうものに対してペイは払わないわけですね。必ずしもその医療が、映画の「シッコ」なんか見ていますと、いいのか悪いのかわからないところがあるわけで、全面的にアメリカがいいなんて僕は全然思っていませんけれども、取り入れるべきところは取り入れて、そういう調整というものは、医師がしなくてはならない何年卒のだれだれですけれども、お久しぶりですね、こういうことで困っていますから、先生お願いしますよというのは非常に簡単にできますけれども、逆にそういうコネクションのないお医者さんはそれがやりづらくなる。そういうコネクションがあろうとなかろうと、第三者機関みたいなものが的確に医師に連絡をとって、そして、その状況を把握するのは専門家の医者がやってもいいですし、看護師さんがやってもいいですし、あるいは、ある程度スコアづけの表があれば、トレーニングを受けた方でも十分できるわけですから、何かすべてをそのときに現場にいる医師に責任も権限も全部渡しちゃうというのは、なかなか問題解決にならないと思いますので、そこも含めて、搬送の受け入れ体制を強化するために、東京都としてはどうやって今から取り組んでいくのかというお考えがあれば、伺いたいと思います。 # 吉岡少子社会対策部長 吉岡少子社会対策部長緊急搬送の受け入れ体制を強化するために、総合周産期母子医療センターの搬送調整機能の強化や、NICUの回転率を高めるための後方病床の充実について現在検討しているところでございます。 # 田代委員 田代委員その後方病床がないんですよね。質のいい後方病床があれば、これは全然問題ないんですよ。そこが全然足りていないから、どうにもならない。それで、その後方病床を充実するためにはどうすればいいかというと、何せ着実に、ある程度一般的なことも診れるし、専門的なことも診れる産科医というものをふやしていかないと、どういっても、システムができても、そこにソフト、人材的なものが入っていかないと、ハードだけでは動きませんので、この点にどのように取り組んでいくのか、お聞かせいただきたいと思います。 # 吉井参事 吉井参事周産期医療センターを初め、病院等で出産を取り扱う産科医師の確保は、早急に解決すべき課題であると考えております。そこで、本年六月、産科医師の代表も含めまして構成いたします東京都地域医療対策協議会を設置いたしまして、都における医師確保対策について協議をしております。本協議会での協議の状況も踏まえ、今後、産科領域でも増加が予想される女性医師の再就業対策、あるいは勤務環境の改善など、病院勤務医師の負担軽減に向けた取り組みを現在検討しているところでございます。また、産科専門医の育成、確保に向けた取り組みについても、本年度より着手したところでございます。 # 田代委員 田代委員せんだっての搬送実態調査でも、周産期分野では、医療機関から医療機関への転院の搬送の割合がとても多いわけですね。そして、依頼する側とそれを受ける側、先ほど申し上げましたように、日ごろから現実の連携ができていないと難しいわけです。国の医療計画の作成指針でも、妊婦さんや胎児のリスクに応じた医療が提供されるように医療機関の機能に応じた役割分担と連携を図る必要性がある、これはもっともなんですが、実はこれを具体的にどうすればいいかということは、その委員会でも話をなされていると思うんですけれども、やっぱりさっき申し上げました周産期センターを中心としたネットワークをしっかりつくっていき、そして、周産期医療センターにすべての患者さんが集中しているという今のこの状況をちょっとでも軽減していく。それにはやはり、説明を聞いたとき、都民が、ああ、そこに行かなくても私は大丈夫なんだなと思うその理解がないと、幾ら振り分けの方向を机の上でつくって、この人たちはこっちへ行きなさい、あの人たちはあっちへ行きなさいということでも、お母さん方にとっては、妊婦さんにとっては、自分のお子さんが世界で一番の宝物で、唯一の一番大切な宝物ですから、納得してお産を受けられるような情報開示というか、だれが見てもわかるような、専門家じゃないとわからないような難しい言葉で説明しても何の意味もないので、安心してお産ができるような方向性をやはり東京都がやっていかなくちゃならないわけですけれども、この周産期センターへの集中を軽減する何かいい策はありますでしょうか。 # 吉岡少子社会対策部長 吉岡少子社会対策部長医療機関相互における連携と役割分担についてでございますけれども、本年五月、東京都周産期医療協議会に搬送部会を立ち上げまして、妊婦健診を実施するかかりつけの診療所等から高度医療や救急医療に対応する周産期母子医療センターまで、分娩リスクの程度に応じた医療機関の役割分担を明確にし、妊婦を中心とした医療機関の連携、協力体制を進めるためのネットワークグループの構築を検討しております。この検討結果につきましては、ガイドライン等として取りまとめるとともに、現在改定作業を進めております東京都保健医療計画に反映をいたしまして、着実に実現を図ってまいります。 # 田代委員 田代委員それは大変いいお考えで、進めていただきたいんですけれども、このネットワークグループ、やはり一つ押さえておかなくちゃならないのは、個人情報保護法をしっかり踏まえて、そこを踏み外さないように、いろいろなお立場の方、行政から見たら、よかれと思ってやって差し上げても、妊婦さんから見ると何となくという不安感を得ることもあるかもしれませんから、そこをしっかり押さえておいていただきたいと思うんです。都の方は、平成十七年度からオープン病院化モデル事業を実施しているわけですが、妊婦健診は診療所、分娩は病院といった役割分担を進めて、医療安全や医療資源の有効活用に役立つ、そういう目的でということで、このモデル事業の手法を、今おっしゃったネットワークづくりにもしっかり使っていただきたいと思うんですね。先ほど申し上げましたように、それができることによって、妊婦健診の未受診の方、これが最近の問題で大きく取り上げられているわけですが、これをしっかりもう一度つくり直していただきたい、確実なものにしていただきたい。我々皮膚科は感染症をよくやるものですから、妊婦さんの感染症というのは非常に大きな問題があって、安全な出産を脅かすいろいろな感染症があるわけで、今、日本も感染症大国といわれるようなひどい状況になりつつあるんだと警告する医師もいるぐらいですから、やはり情報をしっかり妊婦さん方に届けるということをやることが一番基本で、それがネットワークをつくっていくことができる、そして、初めてかかりつけ医に妊婦さん方がかかっていく気持ち、モチベーションをつくることができると思うんですね。ただ方向性だけ決めて制度をつくっても、先ほど申し上げましたように、妊婦さんにその気になっていただかなくちゃならぬわけですから、都民の方々に理解いただくようにしていただきたい。そして、そのときには、やはり経済的なことが大きな問題になるわけですけれども、都内の公費負担による妊婦健診の受診率というのは今現在どうなっているか、お聞かせいただきたいと思います。 # 吉岡少子社会対策部長 吉岡少子社会対策部長妊婦健康診査の実施状況でございますが、東京都では、妊娠二十三週までの妊娠前期、妊娠二十四週以降の妊娠後期の二回の健診及び三十五歳以上の妊婦に対する超音波検査一回を、都内どこでも共通の受診券で受けられる体制で実施しております。平成十七年度の区市町村の公費負担による妊婦健診の受診率は、妊娠前期につきましては八八・五%、妊娠後期につきましては八〇・五%、超音波検査は八三・二%でございます。 # 田代委員 田代委員しっかりと取り組んでいただいて、まだまだやっていただくことは多いと思うんですけれども、こういうものは、やはり情報開示でどなたでも理解しておいていただきたい。これは僕は当たり前に知っていると思うんですけれども、妊娠中の女性に聞くと、知らない方もたくさんまだいらっしゃるというのが現実のようですから、しっかりと広報していただきたい、そう思います。国は、妊婦健康診査の受診率を高めて、経済支援の一環として、妊婦健診の公費負担を最低五回程度実施すべきとしているわけです。区市町村によっては、妊婦健康診査について独自に施策をつくっているところも数多くあるわけですけれども、この区市町村における公費負担回数をふやしていく、こういう運動に向けて、東京都はどういう考えで援助していくのかをお聞かせいただきたいと思います。 # 吉岡少子社会対策部長 吉岡少子社会対策部長妊婦健康診査は、妊娠経過の把握と分娩リスクの早期発見に大変重要な機会でございます。そのため、都は、都内全区市町村で国が最低限必要とする五回の公費負担実施に向けた取り組みが進むよう、健診項目や受診券様式等、健診体制のあり方について、本年六月から、実施主体である区市町村や東京都医師会、学識経験者等とともに検討を行ってまいりました。現在、この検討結果に基づいて、来年度の回数増へ向けた準備を進めております。また、妊婦に確実に健診を受診してもらえるよう、現金給付方式ではなく、妊婦への受診券の配布方式の実施に向けて取り組んでいるところでございます。 # 田代委員 田代委員お産をめぐるいろんな大きな問題があるんですが、実は、これはもう、きょうは時間の関係で意見を述べさせていただくにとどめて次回にと思いますけれども、今、不妊治療を受けていらっしゃる方が大変多いんですね、東京都でも。そして、我々が見ても、びっくりするほど大きな、きれいな施設で不妊治療が行われているところがあるんですけれども、値段を聞いてみますと驚愕の値段。東京都もしっかりと、かなり前になりますけれども要望させていただいたら、それに対してかなりの部分を今、経済援助していただいているのは大変感謝申し上げるんですが、しかし、まだまだ、だれでも安心して若い方々が不妊治療を受けるという状況になっているとは、まだちょっと思えないところがある。やはりどんな経済状態の方でも不妊治療がしっかり受けられるような、そういう取り組みをしていただくことも、お産を取り巻く問題の解決、方向性をつける大きな力にもなると思うので、要望しておきたいと思います。次に、今、一番国民の方々が関心のある幾つかの中で健康問題というのがあって、特に高齢者の方、このたびの後期高齢者医療制度、どういうものだかよくわからなくて心配なさっていらっしゃる。これも、我々は当然専門家としてそういうものの情報はありますから理解をしているつもりですが、その中でもいろいろ問題点があるのに、一般の国民の方、都民の方々は何なんだろうと。まだまだおれはその年じゃないからいいやという人もいるでしょうけれども、そうなってもよくわからないという方々が、大変多くの何か経済的な負担がふえるんじゃないかと心配しているわけですが、これについてちょっと教えていただきたいと思います。大変今、医療の質が、日本はほかの中で特段に高い。そして、急速な高齢化によって老人医療費を中心とする医療費の増加がこれは当たり前のことで、ニーズが高くなって、しかも現実にそういうものが実行されるとなれば増加するのは当たり前で、増加すること自身が悪だというような財務省の考え方は、僕はどうもぴんとこないというか、余りにも的外れだと思うんですけれども、しかし、ではそれで医療のために国が滅びてしまったらいいのかというと、そういうわけではないわけですね。国があって初めて医療制度というものを守っていけるわけですから、ここはちゃんとどこかの兼ね合いを考えていかなくてはならないと思っておりますので、そういうところで、国民皆保険制度を堅持していく中で後期高齢者の医療制度というものが出てきたんだと思うんですね。いよいよ来年四月スタートということですけれども、激変緩和ということで、扶養家族であった被保険者の保険料負担について半年間の凍結、こういうことを含む緩和措置を国の財政責任でやることとなったわけですけれども、ちょっと確認しておきたいんですが、この新たな医療保険制度である後期高齢者医療制度について、国はどのような財源構成で制度設計をしているのか。そしてまた、国の制度設計に従うと、我々の東京都において、都はどの程度の財政負担を負うことになるのか。また、現場である区市町村の負担がどのくらいになるのか。もちろん、都は広域の自治体として応分の負担を担うものとは思いますけれども、詳細について、確認の意味で伺いたいと思います。 # 永田生活福祉部長 永田生活福祉部長後期高齢者医療制度の財源構成のお話でございますけれども、国の制度設計では、患者の負担分のほかに、医療給付費等につきまして、公費で五割、後期高齢者の保険料や現役世代の保険料からの支援金で五割を負担することとなってございます。公費負担につきましては、国が十二分の四、都道府県と区市町村がそれぞれ十二分の一を負担することとなっておりまして、国の負担の十二分の四のうち、その十二分の一相当分は、調整交付金として全国の後期高齢者層の平均所得水準との比較によりまして交付割合が調整されることとなっております。その結果、東京都の場合は、全国の水準より所得が高いことから、五八%の交付見込みとなってございます。東京都は、この十二分の一の定率負担のほか、保険料軽減の財源補てん分の四分の三や、財政安定化基金の三分の一、高額療養費負担金の四分の一など、リスク軽減措置について負担を負う仕組みとなってございます。広域連合の試算によりますと、東京都のこの法定負担分、総額では七百七十億円でございまして、区市町村の法定負担分は約六百九十五億円となってございます。このように、東京都は、広域連合の安定した財政運営のために応分の規模の財政負担を担ってまいります。 # 田代委員 田代委員区市町村が困らないようにしていただきたい、まずこれが一番ですよね。やっぱり現場で医療を受ける方々が住んでいるところが安定していかなくちゃならない。今のお話を伺っても、それは僕も聞いたことですからわかるんですけれども、では一般の都民の方が今の説明で、ぱっとわかるということもあるでしょうけれども、どのぐらいの負担を国と地方自治体がして、自分たちがどのぐらいの経済的な負担を強いられるのか、そして、それによってどういうものが手に入るのかということがしっかりわかってくれば、かなり理解も得やすいと思うので、そういう努力もできたらしていただきたいと思うんですが、そのときに重要な問題である保険料について教えていただきたいと思います。当初、広域連合では、十五万五千円という相当高額な保険料の試算額を提示していましたけれども、今月になって固まった保険料の案の平均年額は十万二千九百円と聞いております。広域連合議会に出されている保険料案の内容は具体的にどのようなものであって、その水準は現行の平均の国保料と比較してどうなんでしょうか。また、全国的に見てどうであるのかということをお伺いしたいと思います。 # 永田生活福祉部長 永田生活福祉部長広域連合における保険料のお話でございますけれども、実は本日開会の広域連合議会に上程されております保険料率案は、均等割で三万七千八百円、所得割で六・五六%でございます。ご指摘のとおり、平均年額は十万二千九百円となっておりますけれども、低所得者層への軽減措置等を反映した平均年額は約九万円になるとのことでございます。一方、広域連合の資料によりますと、七十五歳以上の都内国民健康保険料の平成十八年度の平均額は約九万一千円でございます。全国の広域連合の保険料率は、今月中を目途にそれぞれの広域連合におきまして決定される予定でございますが、全国平均はまだ現時点ではわかっておりません。昨年、厚生労働省が示しました厚生年金の全国的な平均年額でいいますと二百八万円でございますけれども、この場合で見ますと、保険料の試算額は、医療給付費のみではございますけれども、七万四千四百円でございます。これに対しまして東京都広域連合の保険料率では、同じ二百八万円の年金収入の場合においては七万三千八百八十円と、五百二十円ほど安い金額となると聞いています。なお、十一月十六日に神奈川県広域連合議会で可決されました保険料率は、均等割で三万九千八百六十円、所得割で七・四五%と、東京都よりも高く設定されております。この保険料率の場合、年金収入二百八万円の保険料は八万八百三十円と、東京都よりも六千九百五十円ほど高い金額となります。 # 田代委員 田代委員物の見方ですけれども、平均で見た場合、東京都における後期高齢者の保険料率は、他県に比べても決して高いというものではないということですね。しかし、こういうものをしっかりと、東京都や広域連合あるいは市町村、区は、情報を都民に十分説明を行って制度の理解促進を図っていかないと、せっかくそうやって進めていっても、なかなか結果が出てこないことになりますので、そこは再度申し上げておきたいと思います。後期高齢者の生活の質、いわゆるQOLを保つ上で重要なことというのは、やはり今いわれたように生活習慣病、こういうものを早期に発見して重症化を防ぐ。やっぱり定期健診、これが重要なことですね。七十五歳以上の後期高齢者に対する健診は任意事業でありますけれども、東京都の広域連合は実施する、こう決めたということなのですが、この健診の重要性について東京都の考えを伺いたいと思います。 # 永田生活福祉部長 永田生活福祉部長国は、後期高齢者に対する健診等の保健事業につきまして、生活習慣の改善による疾病予防というよりも、生活の質、先ほどのQOLの確保と介護予防が大事だと。もう一点は、糖尿病等の生活習慣病の早期発見のための健康診査は大変重要であるとの認識のもと、健康診査について、基本的には七十五歳と同様の健診項目とした上で、実施は各広域連合の努力義務としているところでございます。東京都後期高齢者医療広域連合では、このような健診の重要性にかんがみ、実施することを決定したということでございます。 # 田代委員 田代委員では、そのようにする健診事業がしっかりと運営されるために、財源の裏づけが大変重要だと思うんですけれども、この負担の枠組み、どうなっているでしょうか。 # 永田生活福祉部長 永田生活福祉部長国は、費用の三分の一の補助分を概算要求しておりまして、それを踏まえまして、現在、広域連合では、一人当たり五百円の自己負担分を除く部分について、国と区市町村と保険料とで三分の一ずつ負担することとしておりますが、あわせて、都に対しましては財政の補助を要望してきているところでございます。なお、健診費用に自己負担分を設けた趣旨につきましては、広域連合は、受診する人としない人との公平を図るため一律五百円の自己負担を設けるが、各区市町村が特定健診との整合を図るために無料とした場合には区市町村の負担とするというふうにいっております。 # 田代委員 田代委員そのためにも、広域連合に対して都としても適切な支援を行っていただきたいと思うんですけれども、後期高齢者への健診は広域連合の努力義務とされているわけですが、四十歳以上七十五歳未満の年齢層に対する特定健診の特定保健事業は、来年度から医療保険者の責務となるわけです。今おっしゃった糖尿病や高脂血症、いわゆる生活習慣病の予備軍を早期に発見して、これを減少させていくことは大変重要なわけですけれども、この特定健診等の実施費用について、区市町村の国民健康保険に対して、国と都道府県はそれぞれ三分の一を負担するよう法律で義務づけておりますけれども、国民健康保険組合に対してはそういう規定がないわけです。現状のまま推移したときには、国民健康保険組合は特定健診の費用を保険料に上乗せせざるを得なくなるわけですが、国はこのたび、国民健康保険組合についても必要額を概算要求したように、都も財政支援する必要があると考えられるんですが、見解を伺いたいと思います。 # 永田生活福祉部長 永田生活福祉部長特定健康診査及び特定保健指導は、糖尿病等の生活習慣病の有病者やその予備軍の減少を目指すものでございまして、その結果、医療費の適正化にも資することから、医療保険者に課せられた責務は重大であると考えております。都は、ご指摘の趣旨を踏まえ、区市町村国民健康保険との均衡も考慮いたしまして、国民健康保険組合の特定健康診査等につきまして必要な額を予算要求しているところでございます。 # 田代委員 田代委員健診事業というのは、すればいいわけじゃなくて、終わった後どういうふうに指導していくかということが非常に重要なことで、例えば高脂血症、糖尿病、これはみんな高血圧、一つのカテゴリーに大きく見ると入るもので、これの一番基本的な対応策というのは歯科医療なんですね。よくかむということがあれば、ほとんどの疾患の三割から五割はなくなってしまうわけです。歯科医療の中で何が必要かというと、咬合学、かみ合わせですけれども、ただ健診をすればいいということではなくて、その後にどうやって続けていくかということと、一般医療と歯科医療のミットを進めていくことと、そういう大きなガイドラインをつくっていかないと、幾らあなたはウエストが何センチですよ、体重がどれだけですよ、減らしなさいといっても、そんなことできやしないわけですね、言葉でいっても。逆にいうと薬ばかり使うことになって、前も申し上げたように、ジェネリックというのは残念ながら、二割から三割、下手すると五割ぐらいは、安いんだけれども余り効かないという薬もある。こういうことがわかっているわけですから、いい薬を少量でもしっかり効くようにしていくことも一つの方法で、そのためには歯科医療とのミットというのは物すごく重要です。これを今からの健診事業の中でも、どうしたらその事業の結果が生きてくるかということを東京都も一度考えていただいて、これは要望させていただきます。最後になりますけれども、今問題になっている看護師さんの問題、足りなくなる。今からどんどんどんどん足りなくなるということなんですが、例えば看護師さんたちの雇用、これを今から考えていくと、それぞれの立場、公的な病院と私的な病院で、看護師さんのいわゆる不足の状況というのは随分違うと思うんですね、雇用体制も違いますから。そうすると、一般的にいうと、我々医師会の運営している病院と公的病院では、やはり流れが、ある意味では私的な病院から公的な病院に流れていく。しかし、我々は、先ほどもお話の中で出ましたように、個々の地域で医療というものを一生懸命守って、二十四時間守っているわけですから、どこの診療所に看護師さんが要らなくて、こっちの病院に要るというわけではなくて、どこでもそういう、ある程度以上の質を担保した看護師さんが必要なわけですが、この需要と供給のラインが非常に今狂ってきている。そうすると、どこどこの病院に足りない、どこどこの病院に足りるという、非常にミクロの話をすることがありますけれども、そんなことは問題じゃないとはいいませんけれども、もっと大切なことは、もっと大きな東京都の看護というものをどう考えていかなくちゃならないのか、こういうことが大変重要だと思うんですね。一つ、この五年間の数値が出ているわけですけれども、当局としては、ミクロの問題もマクロの問題も含めて、特にこういう雇用になると、一部感情的に揚げ足取りみたいな話になって非常に困るので、そうではなくて、全体を見た看護師さんたちのこれからの需給バランスをどうとっていくかということを、東京都の認識を伺いたいと思います。 # 吉井参事 吉井参事ただいまご質問のありました看護職員の需給等の問題についてでございますが、今回、看護職員の需給見通しを作成したところでございます。この需給見通しにおきましては、平成十八年に実施した看護職員就業等実態調査を踏まえまして、需要と供給数を推計したところでございます。平成十九年において、約二千八百人の都内での不足というものがございますけれども、五年後の平成二十三年には、不足が三千五百人に拡大するというような形で見込んでおります。これを踏まえまして、今回の見通しの中では、養成対策、定着対策、再就業、こうした既存の施策に加えまして、平成十九年度に新規に取り組みを始めました新人看護職員の早期離職の防止を図るための新人看護師研修体制整備事業、それから、身近な地域の病院で再就業研修や就業相談を行います看護職員地域確保支援事業、こうしたことの施策効果を反映させまして需給を均衡させることとしてございます。 # 田代委員 田代委員看護師さんの提供体制の問題としては、昨年四月の七対一の看護基準の新設、これが大きな一つのきっかけになっているわけでありますけれども、これは大きな問題になってはいますが、確かに病院を運営する我々からすると大変苦しいことですけれども、やはり全体の医療というものを見て、日本の医療の質を上げるためには、もっともっと対応がよくなってもいいわけですね。ただ、現実に看護師さんが足りない。そして、その大きな問題は、良質な医療を提供する病院に対する経済的なある程度の支援というものが、形では図られていますが、なかなか目に見えた現実の、今の例えば東京都の物価とか地価とか、そういう諸経費にかかわるような補助が、国からされている、健康保険の中に入っているわけではないわけでありまして、こういうところも変えていかないと、せっかくある意味では看護職員の方々の待遇が一部改善されてきたのに、それが途中でとまってしまうのであると、やっぱりモチベーションが上がっていかない。これは東京都に幾ら申し上げても、それはちょっと方向性が違うかもしれません。国の方にいっていかなくちゃいけないわけですけれども、昨年決まった医療計画の中では、最終的には東京都にこういう実権を全部おろすということになっているわけですから、そこを、十年なんというのはあっという間に過ぎちゃいますから、よく頭に入れて考えておいていただきたい。それと同時に、今、看護師さんの数が足りないから、何でもかんでも養成所をつくれ、学校をつくれという意見があります。しかし、受けている、資格を持っている人たち、潜在している人たちが非常に多くいらっしゃるわけで、その人たちがもう一度現場に帰れるような状況を全く何もしないで、ただただ新しい学校をつくれ、養成所をつくれ、人をふやせといっても、これはまず意味がない。それからもう一つ、フィリピンから、あるいは諸外国からの看護師さんをどうやって受け入れていくかということは、これは話が長くなって打ち切りますけれども、やはり愛国心という教育がしっかりしていないと、お互いに仲よくしていくということは全くできないわけですね。意味がわからない人は笑って終わっちゃうでしょうけれども、やはり人というのは、自分たちの立場というのを考えながら、お互いを尊重して進んでいかなくちゃいけないことであって、そういう中で看護というものもやっていかなくちゃならないので、ただやみくもに入れればいいというわけじゃないけれども、しかし入れないとできていかないということもある。こういうものを解決していくために、やっぱり看護師さんたちの話をまず聞いていただきたいんですよ。アトランダムでいいです、いろんな立場の。それは、中には非常に変わった政党に属しているような人たちもいますけれども、そういう人たちの話も決して無視しないで聞いてあげる。全部いろんなところで何でそうやってゆがんじゃったかというと、ゆがんじゃったもとがあるわけですね、生活苦みたいなもの。それを是正してあげないと、ずっとおかしくなっちゃうわけですから、まず看護というものを政治色に使うようなことがないように、そこをちゃんと目を開いていただくように、いろんな意見をそれぞれの看護師さん、肩書のある人だけ、あるいは公的病院の責任者だけという看護師さんじゃなくて、現場で働いている人たちの話をもっともっと聞いていただきたい。それが表に出る出ないはともかくとして、聞いていただくことによって、随分、看護師さんたちが思っているささいな要望ですよ、子どものこととか教育のことで、ちょっとした時間のこととか、朝だけ、何カ月だけちょっと遅く勤務してくれればいいとか、このときだけ休みをくれればいいという非常にささいなものが、何か一つだめだと耐えられなくなっちゃうのですね。これは、先ほど申し上げた勤めている医師も同じことですけれども、ほんのささいなことをちょっと変えていただくだけで、随分これは変わってくると思います。ですから、今潜在している看護師さんたちをどうやって、もっとやる気になって、自信を持って、プライドを持って出していくか、こういうことを東京都はもうちょっと真剣に考えていただいた上で、さらに足りないところはどうするという話になるので、最初から、ただただつくれつくれという話ではなくて、もう一度改めて全体のデザインを考えていただきたいと思いますが、どのように支援していくのか、東京都の考えを伺いたいと思います。 # 吉井参事 吉井参事看護職員の確保に関してでございますが、先ほどもちょっとお話し申し上げましたように、いわゆる再就業のための仕組みとして、看護職員地域確保支援事業の取り組みも新たに開始をしたところでございます。それから、いわゆる声を聞くというお話がございましたけれども、先ほどもこれも申し上げましたが、今年度から開始いたしました新人看護師研修体制整備事業、これは民間の病院に対しまして、主に新人看護師が早期に離職しないというような意味で、卒後研修の充実を図るために事業化したものでございます。具体的に申し上げれば、三百床以上の病院には研修専任者の配置を促進する、それから三百床未満の病院には、東京都ナースプラザがございますが、そこに就業協力員というのを配置して、これをその病院に派遣をするみたいなことを行います。その中で、新人看護師の声というか相談を受けるとか、看護管理者に対しましても、研修内容だとか、例えばその職場の定着に向けた環境づくり、こうしたことについての指導助言を行う新たな取り組みを開始したところでございます。 # 田代委員 田代委員今後五年間で需給を均衡させる見通しは結構なことですけれども、現実に今、看護師さんは不足しているわけです。病院もそのために、医師もいない、看護師さんもいないということで閉鎖せざるを得ない、こういうところも出ているわけですから、何せ、五年後にどうにかなればいいということでなくて、もう今、きょうからそういうトラブルがないようにしていただかないと、やはりインセンティブが下がってきてしまう、持てなくなってきちゃう。看護師さんがいつも将来が、今頑張ればどうにかなるんだということを、早く言葉でわかるように見せてあげていただきたいと思いますね。それがないとどうも、やりますやりますといっても、何が見えないかとなると、勤める人は嫌になってしまう。それから、こういう状況は今度初めて出てきたわけですから、定着するためにどう先輩たちが教えていけばいいかというのは、これは難しいんですね。研修医もそうですけれども、医療的にベテランであっても、教師としてベテランであるとは限らないわけであって、看護師さんたちも、肩書が山ほどあって黒線がいっぱい入っている人がすべて部下を把握する力があるかというと、そうじゃないことがある。医者とやり合ってでも患者さんを守るということはうまいんだけれども、後輩にはなかなかうまくしゃべれないという人もいるわけですから、こういうものも、一つの何かルールみたいなものをつくって、簡単な引きとめ策、あるいはモチベーションを上げるためにどういう言葉が必要なのかということもやっていただけたら大変ありがたいと思います。ですから、できるだけ早く需給の均衡を目指すべきですけれども、その所見を伺いたいと思います。 # 吉井参事 吉井参事都内の医療機関が、その医療機能に応じて必要な看護職員を確保すること、これは都民への安心・安全な医療を提供する上で極めて重要であると考えてございます。都は、都立看護専門学校の運営を初めといたします養成対策、院内保育所運営費補助や看護師宿舎施設整備補助などの定着対策、さらには、東京都ナースプラザの運営などの再就業を促進する対策、さらに講習会などの資質向上対策等、総合的な看護職員確保対策に引き続き取り組んでまいります。あわせまして、先ほど申し上げましたように、平成十九年度からの新たな取り組みでございます新人看護師研修体制整備事業、さらには看護職員地域確保支援事業につきましても着実に推進してまいりたいと考えております。こうした養成、定着、再就業などの総合的な看護師確保対策を充実させまして、委員ご指摘の需給の均衡については、できるだけ早期に達成するよう目指してまいります。 # 田代委員 田代委員時間の関係もありますので、最後に一言要望して終わらせていただきたいと思いますが、今問題になっているC型肝炎の問題、これは薬害ですけれども、これは各診療所から随分前に当時の厚生省に報告が上がっているんですが、その対応が全くできていなかった。私が診ている患者さんも、あの人数の訴訟団には入っていないわけですね。どうしていいのかわからないということで随分空白の時間を持っていて、多分、今推定される倍、三倍ぐらい、だから千五百名ぐらいですかね、もっとになるかもしれません。そういう人たちが二度とこういう苦しい目に遭わないように、東京都も、現場の医師から上がってきたそういう情報に対しては真摯に一つ一つ対応していただいて、国に全部任せるのではなくて、しっかりとした方向性をとるような体制をとっていただきたい。と同時に、今、都民の中にたくさん苦しんでいる方がいらっしゃる、そういう薬害を中心としたC型肝炎への対応というものも、格段にもう一度取り組んで、そのC型肝炎の問題ではなくて、それをやることによってほかの疾病も対策ができていくわけですから、先ほど歯科医療にもあわせて健診をということをお願いしましたけれども、プラスしてそういう体制をつくっていただくことを要望いたしまして、質疑を終わらせていただきます。 # 佐藤(広)委員 佐藤(広)委員まず、介護サービス情報の公表制度について質疑をいたします。介護サービス情報の公表制度については、手数料負担など、事業者からの不満の声を聞いております。介護サービス事業者は、大手や大規模施設を除けば、小規模事業者などはかなり厳しい経営にさらされているのが実情です。そのような経営状況にもかかわらず、介護サービス情報の公表制度では手数料の負担を余儀なくされております。そして、そもそもこの介護サービス情報の公表制度の目的や意義、周知について、いまだ十分に浸透していないと考えております。そこでまず、介護サービス情報の公表制度の目的と意義について改めて伺います。 # 狩野高齢社会対策部長 狩野高齢社会対策部長介護サービス情報の公表制度の目的は、介護サービス事業者の情報提供の仕組みを整備して、利用者が介護サービスや事業者を適切に選択できるように支援することでございます。また、介護サービス事業者から見れば、みずから提供しているサービス内容を公表し、適切な事業者として利用者から選ばれることを通じてサービスの質の向上につながるものでもございます。こうした点から、本制度は、介護サービスの質の向上を図る上で、サービスの利用者と提供者、両者にとって大変重要なものであると認識しております。 # 佐藤(広)委員 佐藤(広)委員介護サービス情報の公表制度の目的と意義についてはご説明いただきましたが、続きまして、介護サービス情報の公表制度について事務の流れがどうなっているのか、その概要を伺います。 # 狩野高齢社会対策部長 狩野高齢社会対策部長介護サービス情報の公表制度は、介護サービスの事業者に、毎年一回、事業所に関するサービスの内容等の各種情報の公表が義務づけられているものでございます。公表される情報は、その内容や質により、基本情報と調査情報に分かれております。基本情報は、例えば職員体制や利用料金などの事実情報で、事業者からの報告内容がそのまま公表されます。調査情報は、サービス提供内容などの記録の有無など、調査員が事業所を直接訪問して確認した上で公表されるものでございます。東京都では、介護保険法に基づき、情報公表センターとして財団法人東京都高齢者研究・福祉振興財団を指定し、調査機関には、特定非営利法人が八機関、株式会社が十一機関など合計三十の調査機関を指定し、平成十八年度の調査事務を行いました。 # 佐藤(広)委員 佐藤(広)委員指定公表センターが財団法人東京都高齢者研究・福祉振興財団であり、調査機関は三十機関あり、その中には株式会社やNPOもあるということはわかりました。これらの機関には、事業所の理解を得るためにも、公平公正な立場であることが求められます。それぞれどのような基準で決定されたのか伺います。 # 狩野高齢社会対策部長 狩野高齢社会対策部長介護保険法第百十五条の三十六は、都道府県知事は、その指定する者に介護サービス情報の報告の受理及び公表を行わせることができると定めております。政省令において、その指定基準について、法人格を有すること、次に、当該法人みずからが介護サービスを提供していないことなど、公平公正性を確保するための要件を定めております。東京都では、この政省令に準じて介護サービス情報指定情報公表センター等指定要領を定めまして、政省令の基準に加え、苦情窓口の設置などの要件も定めているところでございます。東京都が情報公表センターとして財団法人東京都高齢者研究・福祉振興財団を指定した理由は、これらの要件に合致するとともに、都で推進しております第三者評価事業に関する業務運営や、インターネットによる情報公表を安定的に行ってきたためでございます。また、調査機関についても、指定情報公表センターと同様、政省令及び都の指定要領に基づき東京都が指定しております。 # 佐藤(広)委員 佐藤(広)委員制度の目的や事務の流れについては理解いたしましたが、そもそも、介護サービス情報の公表制度と、指導検査や第三者評価制度など類似の制度があるわけです。これらは事業者にとっても、事務的にも金銭的にも負担となっております。そこで、介護サービス情報の公表制度とほかの制度との違いについて伺います。 # 狩野高齢社会対策部長 狩野高齢社会対策部長指導検査につきましては、事業所における人員や設備、運営基準など、介護保険法等の法令の基準に違反していないかどうかを確認することが目的でございます。第三者評価制度は、事業所の組織運営とサービスの改善への取り組みを評価するものでございます。これに対して介護サービス情報の公表制度は、事業者みずから提供しているサービス内容などについて、調査機関の調査員が確認をした上で、客観的な情報として公表する制度でございます。 # 佐藤(広)委員 佐藤(広)委員さて、介護サービス情報の公表制度の対象となる介護サービスは、初年度である昨年度は九サービス、今年度は三サービスふえて十二サービス、来年度以降は、公表すべき情報の検討、実施体制の整備等を経て、残る二十六サービスを順次施行することとしております。事業者からは、一つの事業者が複数の介護サービスを提供している場合、サービスごとに手数料が定められているため、さらに過重の負担となってしまうとの声を聞いております。例えば、一つの事業者を訪れて一つのサービスについて調査した場合と、四つといった複数のサービスについて調査した場合とを比較しても、支払う料金は単純に四倍になるわけですが、調査に要するコストはそれほど変わらないのではないでしょうか。運営しているサービスの数だけ調査にかかる手数料がふえるという仕組みでは、調査に要するコストが変わらないということであれば、調査会社の得る利益がふえるということになるのではないかと思います。そこで、複数サービスの調査を行った場合、手数料はどのようになるのでしょうか。また、調査手数料の軽減等の措置はあるのか伺います。 # 狩野高齢社会対策部長 狩野高齢社会対策部長介護サービス情報の公表にかかわる調査手数料は、同一所在地の事業所であっても、サービスの種類ごとに調査を義務づけられており、また、調査内容、項目も異なることから、それぞれのサービスの種類ごとに、事業者は条例により定められた手数料額を負担することとなっております。 # 佐藤(広)委員 佐藤(広)委員複数の介護サービスを提供している事業者にとっては、実際の調査の状況からすれば、割高感がかなり強いと思います。厚生労働省が平成十九年十一月二日に公表した平成十九年度第二回介護サービス情報の公表制度担当者会議資料のうち、各都道府県における調査事務の平成十八年度の収支状況についてによると、調査機関の収支状況として、黒字の都道府県が三十県、赤字の都道府県が七県、収支ゼロが八県という状況になっております。そこで、都の調査機関の収支はどうなっているのか伺います。 # 狩野高齢社会対策部長 狩野高齢社会対策部長平成十八年度における都の指定調査機関の収支状況につきましては、指定調査機関三十機関の手数料収入である歳入総計が約三億一千七百五十万円、人件費、交通費、事務局運営費など歳出総計が三億一千五百六十二万円、差し引き百八十八万円の残額となっております。利益率にすれば〇・五九%となっております。なお、指定調査機関の収支状況を含む事業の実施状況につきましては、現在精査中でございます。 # 佐藤(広)委員 佐藤(広)委員調査機関全体の収支状況はわかりました。先ほど申し上げましたように、介護サービス情報の公表制度の対象となる介護サービスは、初年度である昨年度は九サービス、今年度は三サービスふえて十二サービス、来年度以降は、公表すべき情報の検討、実施体制の整備等を経て、残る二十六サービスを順次施行することとなっておりますので、それだけ調査会社の収入がふえ、一方、介護サービス事業者の費用負担が増加するという見通しになるのではないかと思います。調査会社の収入となる調査手数料の検討は行うものの、事業者の負担を軽減することも必要です。都として、介護サービス事業者の費用負担を軽減するため、補助金を導入するべきと考えますが、見解を伺います。 # 狩野高齢社会対策部長 狩野高齢社会対策部長厚生労働省は、介護サービス情報の公表制度の導入に際して、介護サービス情報の公表制度における手数料に関する指針を各都道府県あて通知しております。その指針では、介護サービス事業者への便宜を供与するために必要な調査及び公平な情報の公表の機会を提供する事務を行うものであることから、介護サービス事業者から手数料を徴収できるものとしており、事業者負担により制度運営を行うこととされております。四十七都道府県は、すべてこれに従って条例で手数料額を定め、各事業者から手数料を徴収しているところでございます。 # 佐藤(広)委員 佐藤(広)委員国の法律のもとで都が実施をしているため、都の裁量で運用を変えることが難しいということはわかりますが、都民が安心して暮らせる福祉をつくるのが都の責務であり、安心して暮らせる福祉を実現するためには、その担い手である介護サービス事業者の環境を整えなければなりません。介護サービス事業者の負担をふやさないためにも、都から調査費の補助を検討いただくよう要望いたしまして、次の質問に移ります。続きまして、学童クラブについて質疑いたします。まず現状を伺いますが、都内の学童クラブの登録児童数、待機児童数の状況を伺います。 # 吉岡少子社会対策部長 吉岡少子社会対策部長都内の学童クラブについてでございますが、平成十九年五月一日現在、学童クラブの登録児童数は七万九千九百九十五人、待機児童数は二千二百三十一人となっております。 # 佐藤(広)委員 佐藤(広)委員都内で二千人以上の待機児童がいるということは、非常に危機的な状況であると思います。また、多摩地域だけでも三万人近い児童が通っており、待機児童が千人を超えるような現状が数年も続いております。この多くの待機児童を受け入れることができるような体制をつくらなければ、親御さんも安心して仕事をすることができません。私も親御さんたちから伺っておりますのは、学童クラブに子どもを預け、共稼ぎをしないと生計が成り立たないという切実な声です。親御さんが安心して働くことができるよう、学童クラブの受け入れ体制を整備することが不可欠です。三年後に国の補助金が廃止となる七十一名以上の大規模学童クラブが多くの自治体にあり、その数は、都全体で三百六カ所、市町村だけでも百四十二カ所にも上ります。待機児童と大規模学童クラブを解消するため、学童クラブを大幅に新設または増設することが急務になっております。多くの区市町村で多くの待機児童がいるわけですが、こうした待機児童を解消するためには学童クラブの増設が必要です。そのために区市町村を支援すべきと考えますが、見解を伺います。 # 吉岡少子社会対策部長 吉岡少子社会対策部長都内の学童クラブは、平成十三年度末現在一千二百六十三カ所から、平成十八年度末現在一千四百十四カ所になっておりまして、五年間で百五十一カ所増設されております。学童クラブ事業は、実施主体である区市町村が地域の実情に応じて創意工夫して取り組むべきものでございますが、都としても、学童クラブの登録児童数が増加していることから、待機児童解消は課題の一つであるというふうに認識しております。都では、平成十八年度に、区市町村が地域の実情に応じて主体的に行う子育てサービス基盤の整備を柔軟かつ広範に財政支援する子育て支援基盤整備包括補助を創設し、積極的に学童クラブの設置促進を図っております。 # 佐藤(広)委員 佐藤(広)委員区市町村が実施主体であるために、地域の財政事情によって整備の状況に地域差があるように思います。待機児童の数が偏ることのないよう、財政の苦しい地域に配慮した支援を要望いたします。また、現在、放課後子ども教室推進事業が実施されておりますが、放課後子ども教室推進事業は、東京都放課後子ども教室推進事業等実施要綱には、おおむね年間を通じて、放課後や週末、長期休業日に継続的に実施することと定めてはおりますが、区市町村によって運営形態はさまざまであり、常設の運営形態ではありませんので、放課後子ども教室推進事業を行うことが待機児童を解消できるものではないということを再度認識していただき、待機児童を解消するには学童クラブとしての整備が不可欠であるということを申し上げておきます。しかしながら、地域において学童クラブを新設したり増設する場所を確保することができない場合、待機児童解消には学校の余裕教室など既存の施設を活用することが有効であると考えておりますが、区市町村だけでは活用が進まない状況にもあります。都としても区市町村に働きかけるべきと考えますが、都の見解を伺います。 # 吉岡少子社会対策部長 吉岡少子社会対策部長既存の施設を活用して学童クラブを整備することは、区市町村の財政負担の上からも効果的であるというふうに考えております。このため、都におきましてはこれまでも、学童クラブ事業の実施要綱に基づきまして、学校の余裕教室などの社会資源を活用して実施するよう助言してまいりました。また、区市町村とのヒアリングを精力的かつきめ細やかに行うなど、区市町村に対する働きかけを強化しているところでございます。 # 佐藤(広)委員 佐藤(広)委員区市町村では、待機児童解消のための学童クラブの増設はもちろん、老朽化が進んでいるにもかかわらず、建てかえや修繕もできず、アスベスト対策もできないなど、劣悪な環境の学童クラブがあります。子どもたちが安全に安心して過ごせるよう、こうした学童クラブの整備についても都の支援が必要であると考えますが、見解を伺います。 # 吉岡少子社会対策部長 吉岡少子社会対策部長先ほどご答弁申し上げました子育て支援基盤整備包括補助を活用いたしまして、学童クラブの環境を改善し、機能を拡充する整備を幅広く支援しておりまして、アスベスト等の使用状況調査や除去等に必要な工事費につきましても補助を行っております。 # 佐藤(広)委員 佐藤(広)委員区市町村では、学童クラブの登録児童の増加に職員が追いつかず、運営費も不足しているのが現状です。こうしたソフト面の経費についても都の支援が必要であると考えますが、見解を伺います。 # 吉岡少子社会対策部長 吉岡少子社会対策部長都では、子育て支援の主体である市町村が地域の実情に応じて創意工夫により施策を展開できるよう、これまでの都加算補助制度等を包括化し、平成十八年度に子育て推進交付金を創設いたしました。この交付金では、学童クラブの登録児童数の増に応じて算出する規模増分を設けるなど、学童クラブの拡充に取り組む市町村を支援しております。 # 佐藤(広)委員 佐藤(広)委員また、親御さんから要望の多い事柄でございますが、学童クラブの預かり時間の拡大について要望しておきます。小学校に比べまして学童の預かり時間が短いため、子どもの長期休暇の際、親御さんが出勤や帰宅の時間を調整しなければならないために、困っていらっしゃる親御さんもいらっしゃいます。預ける時間を小学校の開門時間より早め、引き取り時間を遅くするという受け入れ時間の拡大を望む親御さんのご意見をたくさんいただいております。ぜひ学童クラブの預かり時間の拡大や土日の開設について、区市町村に対して働きかけていただくよう要望いたします。現在、多くの学童クラブで、ハンディキャップのある子どもの受け入れが進んでおります。しかしながら、ハンディキャップのある子どもに対して受け入れを行っていない学童クラブがあったり、受け入れの数の枠を設けているために、学童に入れたとしても、わざわざ自宅から遠い学童クラブまで子どもを連れていかなければならないという事例もあります。ハンディキャップのある子どもが希望どおり学童クラブに入ることができるよう、働きかけていただくことを要望しておきます。また、臨時職員の研修が不十分なまま、ハンディキャップのある子どもを受け入れている事例も見受けられます。ハンディキャップのある子どもの受け入れについて十分な研修をするよう、都として働きかけていただくよう要望いたします。先ほど申し上げたように、三年後には大規模学童クラブに対しての国の補助金が廃止されます。つまり、三年間のうちに大規模学童クラブが解消できなければ、国からの補助はなくなるため、運営を続けるには都の補助をふやさざるを得ません。この三年間で大規模学童クラブから新設、増設した施設に移行するためにも、一刻も早く学童クラブの整備を急ぐ必要があります。区市町村に対しての都の積極的な支援を要望いたしまして、次の質問に移ります。区市町村が実施しているコミュニティバスに対する補助について伺います。高齢者は、車の運転や自転車に乗るのが難しくなると、生活をしていくためにはバスに頼らざるを得ません。特に多摩地域においては、駅から離れている地域が多く、生活に不便を感じている高齢者の方々が多く、中には、長年住みなれた自宅を売って、駅から近い地域に移り住むという方もいらっしゃいます。急速に高齢化が進んでいる中、交通空白地域を解消し、高齢者の方々が安心して暮らせるよう、利用しやすいバス路線を整備することが求められております。現在、都の福祉保健基盤等区市町村包括補助事業によって、コミュニティバスの実施主体である区市町村に対し補助が行われているわけですが、人口密度が低く、交通空白地域を多く抱える自治体の多くが財政状況が厳しく、交通空白地域の解消ができているとはいいがたい状況であります。また、人口密度が低い地域は、コミュニティバスの路線をつくったとしても、黒字転換をするめどが立たないため、財政負担がふえることを懸念して、コミュニティバスの新規路線をふやすことにちゅうちょする状況になっております。つまり、地域の交通が不便でコミュニティバスを整備する必要が強い地域ほど財政が厳しく、また新規路線の黒字転換が厳しいという現状になっております。しかしながら、財政負担が重いからといってコミュニティバス事業をおろそかにしてしまえば、高齢者は生活に不便を感じ、出かける回数を減らしてしまい、地域は確実に衰退をしてしまいます。福祉保健基盤等区市町村包括補助事業の趣旨は、高齢者が地域で生活できないような状況になることを防ぐために、コミュニティバス事業に対しての補助を行っているわけです。しかし、コミュニティバス事業の整備が不十分であったり、利用しにくい料金体系のままであれば、高齢者の生活はおぼつかなくなってしまい、その地域に住み続けることが難しくなってしまいます。今申し上げたように、交通空白地域を解消すること、そして利用しやすい料金設定をすることが不可欠です。今回、道路運送法等の一部を改正する法律、また道路運送法施行規則の一部改正により、地域公共交通会議の判断によって、柔軟に路線や運賃の設定が可能になりました。この機会に、地域の住民の利便性が高まるような路線や運賃を実現すべきと考えております。料金設定に関しては、区市町村が主体となって決めるべきものではありますが、都が補助している以上、住民にとって使いやすい料金体系となるよう、補助対象の要件を変えることも必要ではないかと思います。コミュニティバスは区市町村の実施事業でありますが、料金体系はそれぞれ異なっております。中には距離に応じて値段がふえるような料金体系もあり、利用者の負担感は重いという意見を聞いております。空白地域を通る路線のため、距離に応じて料金が上がる料金体系の場合、高い運賃になってしまうわけです。せめて定額の利用料金となるよう、補助の対象要件を変えることができないものかと考えておりますが、都の見解を伺います。 # 松井企画担当部長 松井企画担当部長現在、福祉保健基盤等区市町村包括補助事業におきまして、コミュニティバスの運賃設定に関する補助要件は設けておりません。コミュニティバスの運賃は、地域の交通事情、利用者ニーズ、事業としての採算等を総合的に勘案して各区市町村が判断して設定するものであり、運賃設定を補助条件とすることは適切ではないと考えております。 # 佐藤(広)委員 佐藤(広)委員今回、住民の意見を反映できる可能性がふえたわけですが、住民の意見を反映して交通空白地域を解消し利便性を高めることは、区市町村の負担がふえる可能性もあります。区市町村が交通空白地域を解消し、さらに利便性の高い地域をつくるためにも、都の支援をさらに拡大すべきと考えます。コミュニティバスの補助は、新規路線ができてから三年と聞いております。三年といわず、補助期間を延長してはどうかと考えますが、見解を伺います。 # 松井企画担当部長 松井企画担当部長福祉保健基盤等区市町村包括補助事業におきましては、コミュニティバスの導入に際しての調査検討経費、車両購入費及び事業立ち上げ時の支援による経営安定化を目的といたしまして、運行開始後三年間の運行経費を補助対象としております。つまり、本事業はコミュニティバスの導入を支援することを目的としておりまして、補助期間の延長については考えておりません。 # 佐藤(広)委員 佐藤(広)委員都として補助期間の延長は考えていないというお答えではありますが、福祉保健基盤等区市町村包括補助事業は、高齢者が地域で生活できないような状況になることを防ぐためにコミュニティバス事業の補助をしているわけです。しかし、コミュニティバスの整備ができていなかったり、利用しにくい料金体系のままであれば、その地域では高齢者の生活がおぼつきません。地域における高齢者の生命線ともいえるコミュニティバスについて、都が積極的に補助していただくようお願いを申し上げ、次の質問に移ります。最後に、児童福祉施設について伺います。都が運営する児童福祉施設として都立府中療育センターがあります。平成十八年十月一日から、府中療育センターの利用者は、措置制度から施設との利用契約制度へと変わりました。施設運営に関しては、都立児童福祉施設については、当面は直営で運営しながら、指定管理者制度による運営委託も含め、民間資源の育成、施設種別の見直し、運営の効率化などについて検討しますと記述されております。府中療育センターの入所者は、日常的に複雑な医療ケアを必要とする超重症児または超重症者であり、療育水準が維持確保されている都の直営施設だからこそ、安心した療育を受けられております。民営化等によって経営効率化が優先されれば、何らかの形で処遇が低下する可能性もあり、利用者への影響が懸念されます。引き続き、府中療育センターは都の直営方式を堅持すべきと考えますが、都の見解を伺います。 # 松浦障害者施策推進部長 松浦障害者施策推進部長都内におきまして、入所施設を持つ重症心身障害児の療育施設につきましては、都立直営施設が府中療育センターなど二カ所、民間法人が設置運営している施設が四カ所、民間法人が指定管理者として都立施設の運営をしている施設が二カ所ございます。そのほかに国立の施設が二カ所ございます。都内の重症心身障害児施設におきましては、都立施設、民間施設にかかわらず、委員ご指摘の超重症児者がふえておりまして、民間施設におきましても、都立施設と同様、重症心身障害児の療育に適切に取り組んでいると認識しているところでございます。このような状況を踏まえつつ、府中療育センターにつきましては、利用者サービスの向上、施設の効率的運営などの観点から、その運営形態のあり方につきまして、今後とも検討してまいります。 # 佐藤(広)委員 佐藤(広)委員運営のあり方が変わり、利用者の方々の処遇が低下することのないよう、十分に検討されることを要望しておきます。府中療育センターの施設について伺いますが、建物は築三十九年を経過しております。果たして耐震基準は満たしているのでしょうか。調査を行ったと聞いておりますが、調査結果を教えてください。 # 松浦障害者施策推進部長 松浦障害者施策推進部長東京都におきましては、平成十九年三月に東京都耐震改修促進計画を策定いたしまして、この計画の中で防災上重要な公共建築物に位置づけられたものにつきましては、平成十九年度末までに耐震診断の実施状況を公表することとしております。府中療育センターの建物につきましては、ご指摘のとおり、昭和四十三年四月、すなわち三十九年前に整備されたものでございまして、現行の基準に照らしますと、耐震性は十分でないものと考えられます。 # 佐藤(広)委員 佐藤(広)委員老朽化している現在の建物は、平成八年十二月から三年間にわたる一部改修工事により暫定措置を講じてはいるものの、早期全面改築が必要とされており、その改築用地として、都議会の承認を得て府中キャンパス内に決まりました。平成十三年十二月、都立病院改革マスタープランが発表され、府中キャンパス全体の整備にあわせ、府中療育センターの建てかえ用地として示されていた土地が、多摩広域基幹病院及び小児総合医療センター用地として平成十九年四月より工事が開始されました。府中療育センターについては、早い時期に建てかえ計画を立てることが必要ではないかと考えますが、いつ建てかえるのでしょうか。都の見解を伺います。 # 松浦障害者施策推進部長 松浦障害者施策推進部長都の計画についてでございますが、平成十八年二月に策定されました福祉・健康都市東京ビジョンにおきまして、府中療育センターにつきましては、建物の老朽化も踏まえ、施設の改築、改修等、平成二十年度までに、具体的な方針をキャンパス全体の整備にあわせて策定しますとしてございまして、現在、鋭意検討しているところでございます。 # 佐藤(広)委員 佐藤(広)委員人の命を預かっているのが福祉施設であり、採算が難しい分野であるからこそ都が運営してきました。都は、都民に対してしっかりとした福祉を提供する責任がありますし、また同時に、福祉を担うだけの健全な財政運営をする責務もあります。しかしながら、自立支援法のように、利用者の方々、ご家族や施設の職員の方々に負担がふえるような福祉政策は、さまざまな負担をふやし、福祉にかかわる方々が経済的、体力的に破綻をしてしまいます。利用者の方々の処遇が低下することのないよう、今後の運営方針について十分に検討されることを要望いたしまして、私の質疑を終わります。 # 長橋委員 長橋委員引き続き厚生委員会の所属になりました。質問は初めてでございます。どうか理事者の皆さん、前向きなご答弁をぜひお願い申し上げます。私からは、初めに難病患者の支援についてお伺いをしたいと思います。都がつくっております「難病患者さんへの支援のご案内」、こういう冊子がございます。そこに、改めて私は見たんですが、難病とは何かと書いてあります、表紙に。原因不明、治療方法未確立で、かつ後遺症を残すおそれが少なくない疾病だ、そして、経過が慢性にわたり、単に経済的な問題のみならず、介護等に著しく人手を要するため家庭の負担が重く、また精神的に負担の大きい疾病だ、こういうことが難病だと書いてあるわけでございまして、いわゆる難病、原因不明でありますから、生涯、病と向き合っていかなきゃならない、そういう方たちであるわけでございます。ある面では、家庭の負担、また精神的な負担を考えると、障害者と似たようなところもあるのではなかろうかと思うわけでございます。そこで、都のことしの、本年度の概要を見ますと、認定難病等は七十四疾病ある。国が四十六で都が二十八と書いてありますが、都単で二十八ということだろうと思いますから、国よりもさらに一・五倍ぐらい認定をしているということであると思う。これは全国でも非常に、医療費の助成については東京都は頑張っている、こういうふうに思うわけでありますし、また認定患者は、本年、十九年三月末では七万七千二百三十五名いる。これだけ多くの方が認定をされているわけでありまして、この支援についてお伺いしてまいりますが、まずは、都として、医療費助成もありますが、さまざまな対策をとってあろうかと思います。都としてどのような取り組みをされているのか伺います。 # 清宮保健政策部長 清宮保健政策部長東京都では、難病患者や家族の方の負担軽減と療養の安定を図るため、今お話のございました医療費助成や在宅での療養支援など、さまざまな難病対策に取り組んでいるところでございます。先生のお話にございましたが、難病等の医療費助成につきましては、国が指定いたします四十六疾病に、東京都独自で二十八疾病を加えまして、合わせて七十四の疾病を対象に助成してございます。また、在宅療養支援では、吸入器などの医療機器の貸与事業や訪問診療事業、また、介助者の事情により介護を受けられなくなった方の緊急一時の入院事業など、保健、医療、福祉にわたりましてさまざまな事業を実施しているところでございます。さらに、難病関連事業に従事する看護師やヘルパーなどの人材育成研修を行うほか、平成十六年十月には、日常生活における相談支援、地域交流の促進を行う拠点といたしまして東京都難病相談・支援センターを開設いたしました。 # 長橋委員 長橋委員今、部長からお話がありました。最後に、平成十六年に東京都難病相談・支援センターを開設したと。ここにも書いてあるわけでございます。そこには、読みますと、東京都難病相談・支援センター、これは東京難病団体連絡協議会へ業務を委託しているという事業でございます。都の事業でありますが、委託をしているということでございます。そして、この委託事業、私の地元にもこの支援センターがあるわけでありますが、平成十六年十月から開設されて四年目を迎えるわけであります。まず、主に相談事業等があろうかと思いますけれども、相談・支援センターですから、どんな事業内容、特に相談等、どんな実績がどれだけ上がったのか、お伺いをいたします。 # 清宮保健政策部長 清宮保健政策部長東京都難病相談・支援センターは、日常生活における療養や病気の不安等の相談に応じます難病療養相談、また、各分野の専門医の方が個別に病気の治療等の相談に応じます医療相談会、患者交流会などの活動に対する支援、患者や家族を対象とした専門医による講演会などの事業を行っているところでございます。これまでの開設以後の実績でございますが、難病療養相談につきましては、平成十六年度が二千八十六件、十七年度が二千四百六十八件、十八年度が二千六百五十九件、また、患者会の開催等の支援につきましては、平成十六年度が十九回、十七年度が三十回、十八年度が四十九回と、年々増加傾向にございます。このほかに、センター内には、例えば文字盤などの意思伝達装置、また褥瘡予防のための特殊マット、そういった日常生活用具を展示したコーナーや難病情報資料室を設け、難病に関する情報提供も行っております。 # 長橋委員 長橋委員今ご答弁がありましたとおり、相談事業等、飛躍的に私はふえているのではなかろうかと思うわけでありまして、難病相談・支援センターの運営をしている、その委託業務を受けている難病団体連絡協議会の方々が一生懸命声をかけて啓発をし、そして努力をされているということだろうと思います。実は、この難病相談・支援センター、訪問をしてまいりました。そこで種々お話を伺ってまいりましたので、お話を伺ったことを含めてお伺いをしてまいりたいと思います。この難病相談・支援センター、ここに書いてあるのは、地域で生活する難病患者の日常生活の相談、支援、今お答えがありました。そして、地域交流活動の促進及び就労支援などを行う拠点として事業を実施していますと。就労支援の拠点としてもこれを実施しているということであります。そこで、訪問して理事長にもお会いしました。特に就労支援について重点的に取り組んでいきたいと。もちろん、主な事業は相談事業でありますが、就労支援についても取り組んでいきたい、このようなお話もありました。行って、いただいたセンターだよりというのがあります。この中に、このNPOの団体連絡協議会の理事長が、今後は、障害者手帳を持たない難病患者の就労支援、相談会の開催や職員の研修を積み重ねていきたい、このようにも書いてあるわけであります。中身を見ると、難病相談の事業もありますけれども、就労のことについても、アンケートをとったり相談を受けたりしている。相談業務の中身も、就労支援のこともかなりあるということであるわけでございます。そういう中で、この東京都難病相談・支援センター、これも就労支援の拠点ということでありますけれども、就労としての取り組みは、センターとしてどのような取り組みを行っているか伺います。 # 清宮保健政策部長 清宮保健政策部長難病相談・支援センターでは、先ほど説明申し上げました難病療養相談の中で就労に関する相談も行ってございます。昨年度につきましては、八十六人から相談を受けたところでございます。主な相談の内容としては、雇用主に病気を打ち明けることに不安がある、仕事をしながら病状を管理することへの心配、そういったことなどが寄せられていました。また、難病患者の方の雇用に関する情報交換を図るために、平成十八年度から初めて、難病患者の経済的自立を目指してというテーマで就労支援のシンポジウムを開催したところでございます。 # 長橋委員 長橋委員今、就労支援について、相談の中でそういう声もあったということでございますが、このセンターだよりを見ますと難病の方は就労をしている方が多いわけです。もちろん、ALSとか、体が不自由で就労はとてもできないという方もいるわけでありますから、そういう中で相談であろうかと思いますけれども、相談が、二通りとっているんですね、アンケートといいますか。就労している人の相談と、それから未就労の方の相談、こういうふうに分かれているわけであります。今お答えがあったことももちろんですが、そういう中に、就労者の相談内容で多いのが、本人が納得できない勤務形態、待遇の変更、こういうことがある、それから難病者の就労支援制度の未整備を思うとかいうのがあるわけです。それから未就労者、これから就労したい、こういう方の相談で、もちろん、今部長からお話があったとおり、雇用主へ病気を表明する不安、困難、こういうのが多いわけですけれども、あわせて、同病者の就労状況の情報が不足している、また就労提供機関の情報も不足している、難病者に対する就労支援制度が未整備だ、こういうのも、かなりの方が相談の中でいっているわけであります。そこで、私も聞いてまいりました。就労支援シンポジウム、これを初めて開催した。一月二十一日にやったと書いてあります。その内容を聞かせていただきました。このシンポジウムは、いわゆる講演会、さまざまな関係機関に来ていただいてご説明をいただいたということであります。来たところが、東京労働局職業安定部、それから独立行政法人の高齢・障害者雇用支援機構、それから東京都産業労働局雇用就業部、それから内部障害者更生施設の東京都清瀬園、それから千代田区障害者就労支援センター、そして民間からも来ている、こういうことでございます。これを見まして、またお話を聞いても、障害者の就労の説明が多かった。ですから、難病の方は障害者手帳を持っていない方がほとんどですから、せっかくシンポジウムを開いたにもかかわらず、難病者の就労に関しては、多くの参考になることがなかった、こういうふうにいっておられたわけであります。私は、ここに福祉保健局が来ているのかなと思ったわけですけれども、次はぜひ参加していただきたいと思うわけでありますが、ともかく、きちっと情報が欲しいということだと思うんです。障害者の就労は、各党もそうですけれども、我が党が一生懸命取り組んできて、また、障害福祉計画、雇用三万人を打ち出して、都庁でも知的障害者をという話もある中で、障害者の雇用はかなり進んできた。これは東京都よく頑張っているんです。そのはざまの中で、難病、手帳がないというだけで、一生懸命、関係者に集まってもらったにもかかわらず、難病支援の就労支援策、情報が足らないんです。ここをぜひ認識していただきたいと思うわけであります。そういう中で、東京都清瀬園が来てくれた、こう書いてあるわけです。東京都清瀬園は何をやっているか。スキルアップのために、経理一般事務コースだとか、印刷技術コースだとか、パソコンコースだとか、ビル管理コースだとか、DTPコースだとか、私はかなりレベルの高いスキルアップの授業をやっていると思うわけであります。そういう中で、内部障害者の方も見た目にはわからない、しかし、こういう清瀬園ということで授業をやっている。清瀬園の方がこの支援センターに来て、どうか難病者の方も今後交流していきましょう、こんなお話をいただいて非常に期待をした、こんな話も聞きましたけれども、なかなか難しいという話も聞いているわけであります。そこで、この初めてやった、ぜひとも第二回目の開催を、今年度じゅうに理事長はしたいといっています。今年度じゅうですから、ことしはできない、来年の早い時期にやりたい、こういっているわけですから、ぜひセンターと連携をとっていただきたいと思うのであります。また、お話を聞くと、就労支援シンポジウムの中には千代田区障害者就労支援センターも来ていただいた。私、東京の区市町村の障害者就労支援事業、こういう実績を見させていただきました。障害者の就労支援事業ですから、難病の方は入っていないんだろうと思ったわけであります。平成十三年から始まるというか、私のいただいた資料では、平成十三年は登録者数が五百九十七人だったのが、平成十八年には五千九十九人、大きくふえている。就労者数も、平成十三年は八十六人だったのが、平成十八年は七百四十七人と実績がある、こういうことでございます。一部の区で、障害者就労支援事業にもかかわらず、難病者の方も登録をしている区もあるんです。もちろんご存じだと思うんですよ。そういう区もあるんです。それは区によって、これは区の事業ですから、区の体制の問題もあるかと思いますし、設置のもともあるかと思いますけれども、そういうこともやっている。そういうことを含めて、ぜひ第二回目の就労支援シンポジウム、初めてですから手探りでやったということもあろうかと思います。第二回目はぜひ、部長、連携をとっていただいて、本当に難病の支援センターの方が参加をしてよかった、今後に期待が持てる、そういうシンポジウムを開くべきであると思うわけですが、答弁をお願いします。 # 清宮保健政策部長 清宮保健政策部長難病患者の方の就労支援というのは、生活基盤の確立の上で非常に重要なことだと考えています。そうしたことから、昨年度の実績ではございますが、本年の一月に、初めての就労支援シンポジウムを開催したところでございます。今年度につきましては、シンポジウムの二回目に当たりますが、開催に当たりましては、就労支援の関係機関の方と十分な連携をとりながら、どういう情報を提供していくか、どのような助言、援助の方法を行っていくかとか、そういうことにつきましても意見交換を行いながら、難病患者の方の就労支援に資することとなるよう取り組んでまいります。 # 長橋委員 長橋委員今、力強い答弁だったと私は思います。ぜひお願いをしたいと思います。先ほど私は、この支援センターにお邪魔をしたといいました。一番最寄りの駅は地下鉄の新大塚駅であります。新大塚駅から歩いて五分と書いてあります、ここには。五分と書いてあります。ただし、新大塚駅をおりて、その難病相談・支援センター、都立大塚病院の裏にあるわけですけれども、わかりにくいです。わかりにくいにもかかわらず、案内板が一つもない。どうやって行けばいいのか。いいですか、この「難病患者さんへの支援のご案内」にも地図は載っていないんですよ、これには。地図は載っていない、住所だけ。行っても、どう行けばいいのか私はわかっていましたから行きましたけれども、行ったら、紙に難病相談・支援センターと書いてある。これは去年から要望を受けていたので、局も動いていただいた。行って、理事長にお伺いしたら、東京都が年内に看板はつけてくれる、案内看板をつけてくれる、あわせて手すりもつけてくれると。前は看護学校ですから、私もその階段をおりまして、私は手すりがないときにおりましたけれども、健常者でも危ない階段です。手すりをつけてくれるということであります。ぜひ(発言する者あり)余りいいませんけれども、もう少しこの難病相談・支援センター、きちっと多くの方に、難病患者の方に訪問してもらいたいんですけれども、例えばホームページを見ても、平成十六年十月開設、このホームページは三年前から変わっていないのか、こう思うわけです。それから、例えば、さっき清瀬園のリーフレットがありましたけれども、そんなものもないと聞いております。そういうことを含めて、この難病相談・支援センターをより利用しやすいようにすべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。 # 清宮保健政策部長 清宮保健政策部長東京都難病相談・支援センターの利便性、活用のしやすさ、その向上につきましては、関係者の皆様からご意見、ご要望をいただきながら、関係機関と調整が調ったところから現在取り組んでいるところでございます。これまで、東京都難病相談・支援センターのPRにつきましては、ホームページや患者会の活動を通して患者会、関係者にお知らせをしてきたところでございますが、今後は、より一層利用しやすくなるよう、ホームページを充実するとともに、同センターの活動をお知らせするリーフレットを作成し区市町村に配布する等、PRに努めてまいります。 # 長橋委員 長橋委員リーフレットもつくっていただける。まだ半分しかいっていないんですけれども、いいたいことはまだまだありますけれども、ぜひご努力をいただきたいと思います。次に、発達障害の支援について伺いたいと思います。発達障害については、私もたびたび議会で取り上げてまいりましたし、公明党もこの発達障害者支援については取り組んできたところでございまして、ご案内のところだと思います。平成十七年の四月に発達障害者支援法が施行になりまして、東京都もそれに合わせて積極的に取り組んできたところであります。そこでまず、私が以前、昨年の予算特別委員会で取り上げました発達障害者支援に関して、モデル事業を世田谷で実施をしているということでございますが、その実施している事業は発達障害者支援体制整備事業だと、こういうことでございますが、世田谷区におけるモデル事業の具体的な内容について明らかにしていただきたいと思います。 # 松浦障害者施策推進部長 松浦障害者施策推進部長世田谷区で実施しているモデル事業でございますけれども、発達障害児者に対しまして、乳幼児から成人期までの各ライフステージに対応する一貫した支援体制を整備するためのものでございます。具体的な内容といたしましては、発達障害児への支援について相当の経験、知識を有するコーディネーターを連携の調整役として配置しております。このコーディネーターが保健センター、保育所、学校等と連携をとることによりまして、在宅の発達障害児の診断、評価を医師、心理士等が行いまして、必要に応じて、臨床心理士や言語聴覚士が個々の発達障害の状況に応じた個別指導やグループ指導を実施しているところでございます。 # 長橋委員 長橋委員基本的に、乳幼児から成人までのライフステージにわたっての支援、こういうことを整備するために事業を実施しているということでございます。このモデル事業、平成十七年の十月から実施していると思うんですね。平成十七年の十月から実施がスタートした。十七、十八、十九と三年たっているわけでありますが、モデル事業をやってきたその成果、何が有効なのか、どういうことがこれから広げていけるのか、それがわかったと思うんですけれども、その成果について伺います。 # 松浦障害者施策推進部長 松浦障害者施策推進部長モデル事業の成果でございますが、これまで、先生おっしゃったように三年間モデル事業を実施してまいりました。その中で、早期発見、早期対応の仕組みとしまして、就学前の取り組みが重要であるということがわかりました。そこで、新たに、四歳六カ月児の保護者に対しまして、子どもの発達状態とか集団生活場面での様子などを観察していただきチェックしていただくという、気づきシートというものを送付することによりまして、保護者の気づきを促進しているところでございます。このことによりまして、医師、心理士等による診察、個別相談を早期に行うことができるとともに、療育、医療等の継続的支援が可能となり、モデル事業は成果があったというふうに考えております。 # 長橋委員 長橋委員成果が出てきたということであります。今、私も初めてお伺いするんですが、四歳六カ月の保護者に対して気づきシートを送付するということでございます。発達障害というのは、なかなかわかりにくいわけであります。自分の子どもはちょっと変わっているなということで、ちょっと人の子と違うのかというぐらいにしかわからなかったり、また、小さいときにはそういう状況というのは、子どもというのは、小さいときには、乳幼児のときには泣いたりするわけでありますから、なかなか気づきにくい。ここを、そういった視点で早期から気づきシートをつくったということは、これは私個人的には、こういった事業を、世田谷のモデル事業を広げるべきだ、こう思うわけであります。今、一歳六カ月健診、それから三歳児健診、そして就学前の健診とあるわけであります。私は、都立梅ケ丘病院の市川院長とお話をしたことがあります。発達障害の権威の先生ですね。約一時間ぐらいにわたっていろいろなお話を聞かせていただきましたが、市川院長は、五歳児健診もぜひやってもらいたいということをいっておりました。せっかく四歳六カ月の気づきシートをやるわけでありますから、五歳児健診、これも今、発達障害が急増している、ふえている。私が行ったときの都立梅ケ丘病院は、診察を受けるのに二年待ちだと。今は少し緩和されたと思いますけれども、そんな話も聞いているわけで、これは要望にとどめておきますけれども、ぜひ今いった世田谷区のモデル事業、いわゆる早期発見、早期療育、こういうことが非常に重要であるということがわかったということでありまして、それの一つのツールとして気づきシートということもやっている。私、昨年の予特でも、この世田谷区のモデル事業、まだ始まったばかりですけれども、ぜひ広げてもらいたい、こういいましたけれども、来年度、いよいよ進めるべきだと私は思うわけでありますが、世田谷区のモデル事業をほかの区市町村にも広げるべきだ、こう考えますが、ご見解を伺います。 # 松浦障害者施策推進部長 松浦障害者施策推進部長モデル事業につきましては、区市町村における発達障害児者に対する支援手法を確立しまして、長橋委員ご指摘のとおり、他の区市町村に波及させるために試行的に世田谷区で実施してきたものでございます。したがいまして、今後、世田谷区における事業をさらに評価、検証するとともに、広く紹介することによりまして、他の区市町村に対し、実施に向け働きかけてまいります。 # 長橋委員 長橋委員今、部長から、実施に向けて取り組んでいく、こういうことでございます。まだ予算が決まっていないわけでありますが、最大限、私どもも、これの確保については努力をしてまいりたい。必ず実施をしていただきたい。強く要望しておきます。それから、こういった取り組みは、都だけではなくて国でも取り組んでいるわけであります。昨年、私は、東京大学医学部附属病院のこころの発達診療部を視察してまいりました。そこで、発達障害の症状と脳の機能障害との関係を探る、極めて興味深い研究が行われておりました。まさに、同じく東大病院でも、障害の診察や療育相談にも取り組んでいるわけであります。東大病院、近いのは、都立大塚病院とかが近いわけであります。都としても、こうした東大病院などと積極的に連携をとる、世田谷の成育医療センターでも発達障害については取り組んでいるというふうにも聞いておりますし、こういった国との連携、研究機関との連携をやるべきだ、こう思うわけでありますけれども、なかなか進んでいないんだけれども、ぜひこういった研究機関との連携をさらに強めるべきと考えますが、見解を伺います。 # 松浦障害者施策推進部長 松浦障害者施策推進部長発達障害児者に対する有効な支援手法を確立していくためにも、大学病院など先駆的に取り組んでいる研究機関と連携を図ることは、ご指摘のとおり、重要なことと私どもは考えておりますので、そのような先駆的な研究や事業の成果を積極的に取り入れてまいるようにいたします。 # 長橋委員 長橋委員重要とは認識している、どう取り組むかがまだ明らかじゃない、こういうわけでございます。ぜひ具体的に、予算も伴うと思いますが、取り組んでいただきたいと思うわけであります。来年度は、平成二十年度は、発達障害者支援法が施行して三年がたつわけであります。三年を経て見直しをすると、国の方ではいっているわけでありまして、二十一年には、障害者自立支援法も含めて、発達障害者支援法も改正するという予定もあるわけであります。先ほどの世田谷のモデル実施も含めて、さらに連携を、区市町村とのネットワークを広げていかなきゃいけないと思うわけでありまして、国も情報センターをつくって各自治体の有効策を取りまとめていきたい、こういう計画もあるわけであります。ぜひ積極的に取り組んでいただきたい。これは何回もいっているんですけれども、発達障害者支援センターが東京で一カ所しかない。これは県と政令市に一カ所ですから、神奈川には複数、埼玉にも複数、千葉にも複数できるんです。東京は一カ所しかできない。私が訪問したら、職員は五人しかいないんです。五人の職員の方で、東京、明らかに全国で一番発達障害が多いわけでありますが、てんてこ舞いで大変ご苦労されている。私が見に行ったのは二年前ですけれども、それからその充実を訴えてきた。職員が急にふえたとは聞いていませんし、ぜひそういったことを含めて、これからいわゆる複数箇所にやる、ブランチをつくるという意味もあるかと思います。そういった意味で、この発達障害者支援センター、体制の強化、これをぜひやっていただきたい。要望いたしまして、質問を終わります。 # 野上委員長 野上委員長この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩をしたいと思います。午後三時九分休憩午後三時二十五分開議 # 野上委員長 野上委員長休憩前に引き続き委員会を開きます。質疑を続行いたします。発言を願います。 # かち委員 かち委員私からも、地域ケア整備構想関係と周産期医療、そして看護師需給計画についてお聞きします。まず、ことしの十月に東京都地域ケア体制整備構想案が出されました。これについて何点かお聞きしたいと思いますけれども、本計画が出されてきた背景、目的は何でしょうか。 # 狩野高齢社会対策部長 狩野高齢社会対策部長平成十八年度からの医療構造改革の一環として、平成二十四年三月をもって介護療養型医療施設が廃止され、療養病床が再編されることとなりました。療養病床には地域偏在が見られることから、医療機関や都民に対し、療養病床の再編に対する都の対応方針を含め、地域ケア体制整備構想を策定することとしたものでございます。 # かち委員 かち委員国の医療制度改革によって、全国で三十八万床ある療養病床が、平成二十四年、二〇一二年までに、十三万床の介護型療養病床をゼロに、二十五万床の医療型療養病床を十五万床まで減らす方針が出されたために、その受け皿体制を構築するための将来構想だということですね。この案が出されてからパブリックコメントも求められたようですけれども、その件数と意見の概要はどうでしょうか。また、今後、この完成した構想をどのように活用していくのでしょうか。 # 狩野高齢社会対策部長 狩野高齢社会対策部長去る十月二十六日から十一月八日まで二週間、パブリックコメントを実施いたしました。合計十五件のご意見をいただいたところでございます。おおむね、地域ケア体制整備構想の案につきましては肯定的なご意見をいただいておりますけれども、介護人材の確保や育成など、具体策を求める意見が多く寄せられております。今後、こうした意見を踏まえまして、地域ケア体制整備構想の最終案を取りまとめる予定でございます。本構想につきましては、これからの高齢社会を踏まえた取り組みの方向性を示したものでございまして、都民を初め、区市町村、事業者に対して周知を図ってまいります。また、来年度改定を予定しております東京都高齢者保健福祉計画において、この構想を具体化してまいります。 # かち委員 かち委員今後都がつくる医療費適正化計画や保健医療計画、高齢者保健福祉計画などとの整合を図るとして、関係する計画の基盤となるのがこの地域ケア体制整備構想だと位置づけており、大変重要な意味を持つものだと思います。ですから、都民的にも理解と合意、そして協力なども必要になると思いますけれども、ほとんど都民の目にとまることもなく、まとめられようとしています。厚労省は、長期療養を必要とする患者対応として、平成十四年から療養型病床を推進してきました。まだ五、六年しかたっていないうちに、今度は再編だ、縮小、廃止だといい始めています。医療現場も患者さんも、不安と混乱、困難に直面しているのが実態です。療養病床の再編について伺いますけれども、本文中の患者票による調査でも、療養病床入院患者の八割が介護度四から五であり、両者合わせても、四ないし五が半数を占めています。また、自宅での介護の可能性は、日中、夜間とも不可、自宅で介護は不可と答えた割合が約七割を超えている状況からしても、療養病床は削減できる状況ではないと思います。また、医療機関の意向調査アンケートをとった結果も出ていますけれども、本年七月現在、医療型療養病床八千百六十九床、プラス未定が二千三十床、介護型が七千七百四十一床、プラス未定が三千七百六十七床となっています。都は、国の療養病床一律削減に対し、どのように考えているのか。特に、転換意向調査の結果をどのようにとらえているでしょうか。 # 狩野高齢社会対策部長 狩野高齢社会対策部長東京都は、他県と比較しまして、高齢者人口当たりの療養病床が少なく、今後、高齢者数の激増も見込まれております。したがいまして、国が示しております医療費適正化計画における療養病床を削減する参酌標準の考え方は、東京都の地域特性には合致しないというふうに考えております。医療機関の転換意向調査の結果につきましては、医療療養病床のほとんどが医療療養病床にとどまり、介護療養病床の約半数も転換移行先が未定という結果であり、今後の診療報酬や介護報酬の見通しがわかり次第、各医療機関の意向が明らかになるものと推測しております。 # かち委員 かち委員現段階での都の考え方は、不足している都の療養病床の整備状況から見ても、国の参酌基準の考え方にはくみせず、現在ある療養病床数は必要であるという見解だと理解しましたけれども、高齢者をめぐる医療、介護の環境は大変厳しい状況にあります。資料を出していただきましたが、資料の二三ページにもありますけれども、七月の調査から一カ月後で、既に医療型療養病床は千四百六十七床減、介護型は四百五十六床増ですけれども、その差は千十一床が減ということです。都としては、不足している医療型療養病床を維持確保したいと思っていても、支援策をとらなければさらに減っていくことは必至です。来年度には、診療報酬や介護報酬の見直しがあり、後期高齢者医療制度も予定されています。これらのことが療養病床維持に大きな影響をもたらすことは予測されます。都として必要な療養病床確保のための手だても同時に行わなければ、維持していくことは困難であります。医療型療養病床整備に対する都としての支援が必要だと思いますが、これは要望に、求めておきます。地域ケアを整備していくためには、さまざまな地域包括支援センターや訪問看護ステーション、介護事業など、居宅介護のあり方の充実強化も求められるところですけれども、きょうは特に、介護施設関係について絞って何点かお聞きします。地域ケア体制整備については、今後、療養病床や介護施設の事業者、区市町村、都民など、関係者の合意と協力がなければ進みません。そのための協議会のような場を常設する必要があると思いますけれども、いかがでしょうか。 # 狩野高齢社会対策部長 狩野高齢社会対策部長国は、地域ケア体制整備構想の策定に当たって基本指針を示しておりますが、その中で、区市町村は介護保険の保険者であり、また、住民に最も身近な自治体として、地域ケア体制の整備に当たり、その役割を果たすことが求められていると記載しております。また、同じく指針において、学識経験者、福祉関係者、サービス利用者等の意見を聞くことが必要であると示されております。このため、区市町村や関係者に対しましては、本構想の趣旨等を周知徹底するとともに、十分な連絡調整を図る必要があると認識しております。 # かち委員 かち委員この構想案を読みますと、高齢者の十年後の推計では、超高齢社会を迎え、資源は限られている、だから、在宅を中心に医療、介護サービスを展開するという基調になっていますけれども、高齢者の生活実態に即した推計が見当たりません。現在、高齢者の生活基盤は年金暮らしです。直近では、きょうも開かれておりますけれども、後期広域連合が十月ぐらいにまとめられた、都内の三千人調査というのを行われておりますけれども、これを見ますと、ひとり暮らし、高齢夫婦のみが五〇%を占めています。これらの昨年の収入は、二百万円以下が三〇%を超え、特にひとり暮らしでは五〇%に及んでいます。この間の増税と負担増に加え、来年度から始まろうとしている後期高齢者医療制度では、介護保険料に加え、保険料まで天引きされる仕組みです。生活維持すらままならない状況に追い込まれていくことが予測されます。本構想では、基盤とする住宅、イコール住まいの保障が重要だとも述べています。それでは、だれもが安心して多様な形態の住まいの選択ができる状況になっているのでしょうか。セーフティーネットとしての公営住宅は、今後、都営住宅はふえる見込みがありません。本構想案に高齢者の住まいと施設のイメージ図が示されていますけれども、高齢者に提供される住まいは、これまでは、不十分ながらも七つか八つの選択肢がありました。しかし、費用負担も軽くて済む生活支援ハウス、これは既に制度としてなくなりました。軽費老人ホームA型、B型も、今はありますけれども、新規はつくらない方針です。ケアハウス、来年の見込みはゼロです。高優賃、高齢者優良賃貸住宅も、実施している自治体はわずか九区で、これも先細りです。残るは、シルバーピアと高額な費用のかかる有料老人ホームだけであります。高齢者にとっては、多少病弱になっても、軽費で安心して住める多様な住宅の選択ができることが欠かせない条件です。そこで、低所得者に対する、都として福祉的住宅の整備は重要です。低廉な料金で利用できる低所得者向けの住まいの整備のあり方をどのように進めるおつもりか、お聞きします。 # 狩野高齢社会対策部長 狩野高齢社会対策部長お話の、無料または低額な料金で高齢者を入所させ、食事の提供その他、日常生活上必要な便宜を供与することを目的とする軽費老人ホームのA型、B型ですとかケアハウスについてでございますけれども、国は、軽費老人ホームのA型、B型については、制度的にはケアハウスに統合する方向を打ち出しており、既存施設はそのまま運営を継続いたしますが、新設は想定しておりません。ケアハウスにつきましては、介護専用型については、主として中軽度の要介護者の需要に対応するものとして整備促進すべきであり、都独自の補助制度を通じて整備促進に努めてまいります。また、要介護者に加え自立者も入所できる、いわゆる混合型のケアハウスについては、区市町村の意向や地域需要を十分勘案の上、事業者が整備するものでございます。 # かち委員 かち委員ケアハウスというのは、比較的所得のある方が利用できる、中くらいの収入のある人が使えるものなんですけれども、それ以下のところがどんどんなくなっていくということに対して何らかの施策を持たないと、本当に二百万以下の人が五〇%を占めるようなひとり暮らしの方々の行き場がなくなってしまう、このところをしっかりと政策を持っていただきたいというふうに思うんです。これまであった制度をなくしてしまうことは、まさに実態に逆行するものです。高齢者の福祉的住宅の対策を強く求めておきます。次に、特養、老人保健施設、グループホームについて、需要見込みに対する現時点での達成状況はどうでしょうか。 # 狩野高齢社会対策部長 狩野高齢社会対策部長第三期の介護保険事業計画策定のために、都内各区市町村が推計した十八年度の特養等に関するサービス量の見込みの合計では、特養は、三万四千三十八人に対して実績が三万四千四百十三人で、達成率一〇〇・三%となっております。また老人保健施設は、一万七千三百七十人のサービス量の見込みに対して、実績一万五千九百四人、達成率九一・六%となっております。最後に、認知症グループホームにつきましては、サービス量の見込みが四千人に対して実績が三千四百七十四人で、達成率八六・九%となっております。 # かち委員 かち委員今のお答えは計画に対する達成状況だと思いますけれども、需要に対するものではありませんね。現在でも特養待機者はふえ続けています。都の高齢者保健福祉計画でも、四万人の待機者が既に存在しているわけであり、老健もグループホームも、計画に対する実績でも未達です。東京都の場合、病院、施設から地域、在宅へといっても、必要な住宅も施設も不足しているというのが実態です。これらの促進のために、本構想案では、整備基準の規制緩和、多様な手法を活用するとしていますけれども、内容はどのようなものでしょうか。 # 狩野高齢社会対策部長 狩野高齢社会対策部長地域ケア体制整備構想案では、例えばグループホームでは、整備率が十分でない地域の施設整備に対する重点補助、それから公有地活用の促進、加えまして、社会福祉法人が建物を自己所有とせずに特養を運営できるようにすることなどを記載しております。 # かち委員 かち委員今のご答弁では、今まで特養などをつくるときには、自己所有でなければできなかったということですけれども、借地においてもできるような法改正を促進していきたいというような中身だったというふうに思います。都としては、特養整備を積極的に進めていっていただきたいんですけれども、公有地活用のこれまでの実績はどうなっているでしょうか。また、特養やグループホームの整備に都有地活用をより積極的にふやすべきと思いますけれども、いかがでしょうか。 # 狩野高齢社会対策部長 狩野高齢社会対策部長都有地を活用しました施設整備の実績でございますが、認知症グループホームでは六件、特別養護老人ホームでは一件でございます。現在、都内の複数区市町村において活用策を検討しているところでございます。今後も、活用可能な土地があれば着実に進めてまいります。 # かち委員 かち委員今の実績を見ても、特養については一件しか実現していないというところからしても、都有地活用でも、なかなかままならないというのが実態だと思います。ぜひ、四万人以上の方々が入居できる条件整備として、もっとつくりやすい環境を実現するために全力を尽くしていただきたいと思いますが、都としては特養整備を積極的に進めていくといいながら、来年度局要求などを見ますと、特養整備費補助の二分の一の補助廃止、補助金の削減をしています。本気で促進する姿勢にはとても見えません。促進のためには、少なくとも現状の補助制度を後退すべきではないということを申し上げておきます。次に、有料老人ホームについてですが、近年、介護型有料老人ホームが急増しています。この施設は、特養や老健施設とは異なり、民間の多種多様な営利企業が参入でき、都知事への届け出のみで設立することができるものです。最近は料金の過当競争も起きていて、入居しやすくなった反面、入居者の権利保護や介護サービスの質や安全確保の観点から、いろいろ問題も出てきていると思います。直近の有料老人ホームの施設数と定員数はどうなっているでしょうか。また、乱造する二十四時間介護つき有料老人ホームの指導監査は、どのような体制、方法でなされているでしょうか。 # 梶原指導監査部長 梶原指導監査部長介護つき有料老人ホームでございますが、平成十九年十一月一日現在で三百三十五施設、定員数は二万二千二百五十一人でございます。指導につきましては、施設の開設前に事前指導を行い、その後、半年から一年たった後に、人員、運営、施設基準等について問題がないか、実地指導を行っているところでございます。さらに、利用者からの苦情や区市町村からの情報に基づき、問題点について重点的に点検する実地指導を行っております。なお、指導監査部の有料老人ホーム指導監査は二名で行っているところでございます。 # かち委員 かち委員この間、ここ四、五年の間に、急激にこの老人ホームはふえているんですけれども、そうしたホームの管理監督といいますか、その体制が二名という点では、本当に対応できるのかなという危惧を持っております。この間、有料老人ホームの身体拘束や介護者による医療行為、虐待など、社会問題にもなっておりますけれども、都内における有料老人ホームで身体拘束や医療行為が行われていることの認識はあるでしょうか。 # 梶原指導監査部長 梶原指導監査部長必要な場合に、やむを得ず身体拘束が行われているといった事例もございます。一方で、不適切な身体拘束や介護職員による医療行為が行われているのではないかとの苦情も寄せられているところでございます。寄せられた苦情につきましては、必要に応じ実地検査を行い、不適正な事実が確認された場合、改善勧告、改善命令等を行い、改善を求めているところでございます。 # かち委員 かち委員私の住んでいるまちの中にも幾つかあるんですけれども、実際、私は、ある有料老人ホームで働いていた介護職員の方から話を聞きましたけれども、入所者は必要に迫られて、家族の必要もあって、あらゆる病状の人が入ってくるようです。認知症も、徘回する人もいるし、IVHで持続点滴をしている人もいるし、吸たんしなければならない人、気管切開をしている人、まさに混合医療病棟のような実態だということでした。規定では、基準では看護師は二名ということで、夜間の配置基準としてはないわけですね。これらの管理に加え、褥瘡処置など、自分たちがやらなければ仕事が回っていかないのがその職場の実態です。教育的管理、指導者もいない中で、医療的知識も経験もない若い介護職員たちが自分たちの判断でやっている。利用者への拘束や言葉による虐待もあり、物をいえる状況ではなかったと聞きました。同様の話は、ほかの施設でも出ています。少なくないホームでこのような実態があるのではないでしょうか。社会福祉法人や医療法人による特養ホームや老健施設などのように、きちんとした介護水準、看護水準を一定求められるものとは異なり、届け出制で、市場原理中心に経営する民間企業が参入している有料老人ホームでは、どのように生活や療養の質を担保するかが重要な課題となっていると思います。行き場がなく、わらをもつかむ思いの利用者、家族と、収益のためには何でも受け入れる経営者との関係で成り立つ関係、過当競争の中で収益を上げるためには人件費削減であり、パートやアルバイトや派遣などでつないでいるという、低賃金、過重労働、人手不足の実態がここにも出ています。有料老人ホームでの体制と質の確保、レベルアップが求められていますが、今後どのように都としては対応していくつもりでしょうか。 # 梶原指導監査部長 梶原指導監査部長先ほどご答弁申し上げましたとおり、開設前後の指導も含め、必要に応じた実地指導を行い、かつ、継続的な対応が必要な施設につきましては、毎月、改善状況の報告を求めるなど個別重点的な指導を引き続き行ってまいりますが、改善が図られない場合は、改善勧告、改善命令等を行うなど、強く改善を求めているところでございます。 # かち委員 かち委員二人の体制で、こういう苦情のあったところに何回か足を運び、改善勧告、命令、そしてさらにということでは、一つ一つの例に非常に時間も要するわけです。しかし、実態はどんどん進んでいく、ふえていくという中では、トータル的に有料老人ホームの質の向上のための何らかの対策をとらないと、本当に利用者、家族が大変な状況に置かれているので、その辺の、今後さらに増加していくホームに対する安全確保対策を何らかの形でとっていただくことを求めておきます。構想案では、地域での見守り体制の強化が必要だという視点も出されています。私も、特に比較的軽度の要介護者などが地域で生活を維持できる条件は、このことが大変重要だと思っています。都は、平成十三年度まで、有償家事援助、配食、移送サービスをしていました。これまで、こういう高齢者への支援活動をしていた住民参加型団体などに十分の十の補助を出していました。四年前の見直しで区市町村事業とされ、今年度から本則適用で二分の一に切り下げられたため、縮小、廃止する区市町村が相次いでいます。補助金削減の中で、少なくない小規模事業者は、事業が運営できないということで廃止に追い込まれています。構想案で述べていることを本気でやろうとするなら、こういう問題を改めて検討する方向で再検討することを求めておきます。次に、介護事業者公表制度について私もお聞きします。本制度が始まって二年目を迎えていますが、制度導入当初から、なぜ手数料を事業者から徴収するのか、料金が高過ぎる、見直しをということを、私も繰り返し本委員会でも述べてきました。厚生労働省は、制度を十分に吟味せず制度を押しつけておきながら、始まったその年から、何回にもわたって、再三にわたって、都道府県に料金設定についての引き下げ、見直しを求める通達を出してきております。局としては、この介護事業者公表制度について、制度のあり方を含めて見直すよう国に意見を上げていくと、前回の委員会でも答弁されていましたけれども、六月の国への予算要望書の中で、この件についてはどのように提言しているのでしょうか。 # 狩野高齢社会対策部長 狩野高齢社会対策部長本年六月に行った国への提案要求では、介護サービス情報の公表制度の見直しとして、平成十九年度から実施される医療機関、薬局情報の公表制度においては、申告された情報についての確認調査を要しないこととされ、また、事業に要する費用は公費負担とされていることとの整合性も踏まえ、次の点について見直しを図るべきであるとして、第一点として、調査情報を確認するための実地調査について、調査周期や確認方法のあり方のほか、その必要性も含め、費用対効果の観点から抜本的に見直すこと、二点目として、現行では事業者負担とされている情報の調査及び公表に要する費用について、その負担のあり方を見直すことの二点の提案要求を行っております。 # かち委員 かち委員今ご答弁ありましたけれども、今年度から実施されることになった医療機関と薬局の情報公表制度については、申告された情報についての確認調査は必要としない、事業に要する費用は公費負担であるというものなんですね。ところが、介護サービス事業者については、先ほどもありましたけれども、第三者評価とか指導監査がある上に、こういう調査員が行くというような二重三重の手間をかけ、その費用を事業者が持つということで、さきの二事業との整合性という点からも、本当に私も見直すべきだというふうにますます思うわけですけれども、そうであればこそ、都みずからが見直しをすべきではないでしょうか。ことし七月に厚生労働省老健局振興課が行ったアンケート調査結果では、またまた手数料の適切な検証、見直しが必要だと述べていますね。その中では、昨年は初年度ということもあり、過大見積もりになっていたということを認め、当初、調査に必要な時間数、日数を二日程度と推定したけれども、実態に見合わない、報告している調査機関、公表センターの収支状況は過半数が黒字となっている、事業運営は円滑である必要があるが、過度の剰余が生まれては適切ではないというふうに述べているわけですよね。先ほどのご答弁では、都の収支結果は百八十七万八千円の黒字だったということでもあるわけですから、今までの都の考え方に照らしても、今の制度のあり方、料金の設定の仕方について都としても検証すべきではないでしょうか。 # 狩野高齢社会対策部長 狩野高齢社会対策部長介護サービス情報の公表制度の事業初年度である平成十八年度における指定情報公表センター及び指定調査機関の収支状況及び運営状況等については、現在精査をしているところでございます。なお、三十機関ございます指定調査機関の歳入総額から歳出総額を差っ引いた残額は、先ほども申し上げましたように約百八十八万円、収支差額率でいいますと〇・五九%ということで、一調査機関平均いたしますと、約六万円の、いってみれば利益ということですので、国がいうように過度の剰余が生じているというふうにはいえないということで、現行の手数料額は妥当であるというふうに認識しております。 # かち委員 かち委員過度の利益ではないというふうにおっしゃいますけれども、制度そのもののあり方がおかしいと皆さんはおっしゃっているわけですよね。医療機関や薬局については公費でやっているんだ、届け出でいいんだといって、何で介護事業者だけ、人を入れて調査機関をつくって研修もさせて、これでは本当に二重手間そのものですよね。本当に根本からこういうやり方は見直すべきだというふうに思いますし、国に求めるのも当然ですけれども、国がやらなくても、都として間違っておかしいと思えば、やっぱり都として正していくというのが本来の姿だというふうに思います。ぜひ都としての料金設定の見直しを求めますけれども、再度お聞きします。 # 狩野高齢社会対策部長 狩野高齢社会対策部長介護サービス情報の公表制度における公表対象の介護サービスは、十八年度の事業開始時の訪問介護など九サービスから、今年度、訪問リハビリテーションなど三サービスが追加されているところです。厚生労働省では、短期入所生活介護など残る二十六サービスについて、公表すべき情報の検討や実施体制の整備等を経て順次施行することとなっております。都としては、こうした公表対象サービスの拡大に的確に対応してまいりたいというふうに考えております。 # かち委員 かち委員先ほどのご質疑の中にもありましたけれども、今度からふえていくものについては、一つの事業所で同じような事業をしている、それを一つ一つやるというと、どんどん調査料金が膨らんでいきますので、そんなことは、せめてそういうことはきちんと的確に対応するということをやっていただきたいし、全体の料金も、もっと実態に合わせて引き下げていただくことを重ねて申し上げておきます。次に、周産期医療体制についてお聞きします。都内の出生数は約十万人、合計特殊出生率は一・〇〇が〇五年ですけれども、全国平均の一・二六を大きく下回っています。少子化対策が大きな課題となっているさなかです。全体の出生数が減少する中で、二千五百グラム未満の低体重児出現の割合が近年急増しており、出生一〇〇〇に対して、出現率は、九七年には七六・九だったものが、二〇〇四年には九四・六となり、千グラム未満の超低体重児も増加傾向にあると聞いています。〇五年の厚労省の調査では、都における妊娠二十二週から出産後一週間の周産期の異常への対応が不十分という事態というアンケート調査も出ております。生まれてくる命を救い切れない事態は最大限避けなければなりません。我が党は、三定議会一般質問でも周産期医療について質問しましたけれども、再度、実態に基づいてお聞きしたいと思います。産科、小児科医師不足といわれていますけれども、都内における産科医師状況、資料でたくさん出していただきまして、現状も把握できます。そして、二十三区と多摩地域の違いもいろいろ見えてくるわけですが、これは五年間の比較なので、ちょっと十年のスパンで見てみたいと思うんですけれども、都内における産科、小児科を標榜している病院の十年の推移はどうなっているでしょうか。 # 吉岡少子社会対策部長 吉岡少子社会対策部長都内の産科、産婦人科を標榜する病院数でございますが、平成七年は百八十一施設であったものが、平成十七年は百三十二施設となっております。また、都内の小児科を標榜する病院数でございますが、平成七年は二百九十一施設であったものが、平成十七年は二百十八施設となってございます。 # かち委員 かち委員お聞きしたように、産科では十年前の七二%に落ち込んでいて、小児科では七四%という状況だと思います。今のNICUベッドの設置基準は、千人の出産に対し二ベッドですから、二百床ぐらい確保が必要ということになるわけですけれども、現在、都における周産期センターのNICUの整備は百九十五床であり、最低基準に照らしても不足ではないのか、また、受け入れ困難の割合というのはどういうふうになっているでしょうか。 # 吉岡少子社会対策部長 吉岡少子社会対策部長現行の東京都保健医療計画におきましては、NICUの整備目標数は二百床となっておりまして、現在の整備数が百九十五床でございますので、私どもは二百床の目標の達成に向けて全力を挙げて取り組んでいるところでございます。また、受け入れ困難の状況に関しましては、先般、十月に発表されました総務省、消防庁、厚生労働省による産科・周産期傷病者搬送の実態調査結果でも、東京都における年間搬送件数約四千二百件のうち、九六%が三回以内の照会で受け入れ先が決まっている、そういう状況でございます。 # かち委員 かち委員受け入れ状況は九六%だというふうなお答えだったと思いますが、NICUが本当に本来の目的に沿って稼働状況が行われていればいいんですけれども、先ほど質疑もありましたけれども、結局、後方ベッドが確保されていないということで、長期滞在をしている療養児もいるということで、なかなか十分な稼働状況にないというのも実態だというふうに思うんですね。三定で小竹議員の一般質問の中で、荒川区の妊婦さんが妊娠二十二週で破水をしてしまい、かかりつけ医が受け入れ病院を一生懸命探したんですけれども、見つからないで、三、四時間後に川崎の大学病院へやっと転送することができたんですけれども、数日後に流産という痛ましい出来事があった件について、福祉保健局長は、その事例については、搬送の病院選定の事実をプライバシーに配慮しながら精査、検証していくというふうに答弁されましたけれども、その後、この件についてどのように検証、検討されたのでしょうか。 # 吉岡少子社会対策部長 吉岡少子社会対策部長ご質問の事例につきましては、都内の二十二カ所ある周産期母子医療センターのうち、産科のある施設二十カ所すべてを対象に調査を実施いたしました。その調査の方法でございますが、都内九カ所の総合周産期母子医療センターのうち七カ所につきましては、実際に訪問し、医師から直接、病院選定に関する事実等について聞き取り調査を行いました。また、地域周産期母子医療センターに対しましては、調査票により事実確認を行いました。その調査結果でございますが、二十カ所の周産期母子医療センターにおきまして、搬送依頼を受けた事実が確認できたのは四カ所でございました。その四カ所の受け入れができなかったという理由として挙げられましたのがNICUの満床でございました。都としましては、本年五月に東京都周産期医療協議会に搬送部会を立ち上げ、転院搬送が円滑にいくよう、医療機関の機能に応じた役割分担と連携を進める方策を既に検討しておりまして、その検討結果につきましては、現在改定を予定しております東京都保健医療計画に反映して実現を図ってまいります。なお、第三回定例会で本会議で局長がご答弁申し上げましたように、本事例の妊婦は、搬送前から地域の医療機関に入院し、搬送時もかかりつけ医が救急車に同乗するなど、搬送前から転院先への入院に至るまで一貫して医療ケアは確保されていた、そういう事例でございます。 # かち委員 かち委員事実経過は、そのとおり私たちも確認をしております。ただ、四つしか問い合わせがなかったという点では、私たちが聞いたのは、すべてにかけたけれども全部断られたというふうに聞いております。それは事実経過はわかりませんけれども、とにかく三、四時間かかったのは事実ですので、そういうことを開業医の先生がやるということも、日常診療をやりながら、そこにつきっきりで手がとられるという事態を見ても、周産期をめぐる医療の問題というのは、大変いろいろな課題があるなというのをつくづく感じたわけです。そういえば、私、最近というか十月に、ある産院の先生から、実際、救急搬送をする状況のときにどういうプロセスでやっているのかというのをお聞きしたことがあるんですけれども、診ている妊婦さんが急を要して周産期センターに運ばなければならないという事態が生じたときには、今、東京都のシステムとしては、周産期センターの方でベッド管理をしているということなんですね。私なんかは、当然それは、そこに開業医の先生が依頼をすれば、そこがいろいろ検索をして入院調整をしてくれるのかなと思っていたら、そうじゃないということもわかったんです。実際どうなるのかなと思ったら、A4一枚ぐらいのこういう紙がファクスで来るんですね。そこにはマル・バツ、要するに妊婦の受け入れが可能かどうか、それからNICU、中等度のところはどうか、重度のところはどうかというので、そういうマル・バツで来るわけですね。それを見て、実際に患者さんを前にして、先生は一生懸命電話をかけまくるというのが実態なんです。その日の状況を見たら、ほとんどバツなんです。全然あきがない。一カ所、二カ所、妊婦受け入れは可能だけれども、NICUがあいていない。これが今の実態を象徴しているのかなというふうに思ったんです。こういう事態であるからこそ、実態に照らしてNICUが足りないのは明らかです。NICUの実態に即した大幅な増設を急ぐ必要があると思いますけれども、見解はどうでしょうか。 # 吉岡少子社会対策部長 吉岡少子社会対策部長NICUの整備に関するお尋ねでございますが、先ほどご答弁申し上げましたとおり、現在の保健医療計画では整備目標数が二百床となっておりまして、私どもは、まずその達成に全力を尽くして取り組んでまいりたいと考えております。 # かち委員 かち委員先ほど申し上げましたけれども、今の周産期をめぐる医療状況が、NICUが十分に稼働できる状況になっていないということから、そういう実態から見てぜひ検証していただきたいと思うんですけれども、千対二であっても十分に稼働できるんだったらまだいいと思うんですけれども、そういう状況でないということで、もっともっと稼働率が下がっているというふうに思うんです。それで、たとえ五床ふやしたとしても、今ある都立病院のNICUが、豊島病院ですね、六床休止状況です。そういう意味では、たとえふやしたとしても、実態に追いつかないというのが実態だというふうに思います。総務省の調査によりますと、東京消防庁の平均搬送時間、先ほどもありましたけれども、東京都が非常に時間がかかるというようなこともありましたけれども、消防庁に聞きますと、必ずしもデータのとり方が、基準が同じではないんだということもいっておられました。それはともかくとして、開業医や診療所で周産期センターへの入院が必要と判断しても、なかなか病院が見つからないということは、物理的にも精神的にも過大な負担となっていることは否めません。都における周産期の救急搬送事業、これはどのようになされているのか、そして課題は何でしょうか。 # 吉岡少子社会対策部長 吉岡少子社会対策部長都におきましては、出産前後の母体、胎児や新生児の救急患者に高度専門的な医療を提供する周産期母子医療センター二十二施設を整備するとともに、周産期母子医療センター等と東京消防庁をネットワークで結び、空床情報を共有するシステムを整備し、搬送先の選定に活用しておるところでございます。また、患者の迅速な搬送や受け入れを行うため、都内を八つのブロックに分け、各ブロックの総合周産期母子医療センターが搬送先の選定を行う仕組みを構築しております。しかし一方で、先ほどもご答弁申し上げましたように、分娩取り扱い施設の減少により、搬送の調整や受け入れを担う周産期母子医療センターに分娩が集中し、負担が大きくなっている状況があるというふうに考えてございます。 # かち委員 かち委員さまざまな問題はありますけれども、本当にそういう意味でも、周産期センターと病院と診療所などの日常的なネットワークづくり、風通しのよい環境をつくっておくということも大変重要になっているなというふうに思いました。総合周産期医療センターが受け入れ先を選定する仕組みで対応しているとの答弁でしたけれども、実際には受け入れ先を選定して仲介してくれる仕組みでもなく、実際にそこの医療機関の現場の先生にやれといっても、それは無理な話だというふうに思うんですね。そういう意味では、搬送調整をする周産期センター、コントロールセンターの機能強化、人の配置も含めてぜひ行う必要があると思いますけれども、どうでしょうか。 # 吉岡少子社会対策部長 吉岡少子社会対策部長搬送調整を担う総合周産期母子医療センターの機能強化につきましては、再度の答弁で大変恐縮ですが、現在検討しているところでございます。 # かち委員 かち委員ぜひ機能するように検討していただきたいというふうに思います。センターや病院の産科医師は、休むに休めない過酷な勤務状況が続いているわけですけれども、そういう状況を全体でどう軽減していくかということも課題になっているわけで、そういう意味で、東京都が二年前から産科のオープンシステム化のモデル事業を三カ年実施してきましたけれども、現段階での評価とその課題は何でしょうか。 # 吉岡少子社会対策部長 吉岡少子社会対策部長オープン化モデル事業についてでございますが、都では、地域の診療所等と分娩を取り扱う病院との連携を強化するため、周産期医療施設のオープン病院化モデル事業を平成十七年度から実施しております。現在、事業実施中ではございますが、本事業により、妊婦健診を行う診療所と、比較的リスクの高い分娩を扱う病院との機能分担と連携が進み、妊娠、出産の安全性の確保や医療資源の有効活用が図られていると考えております。他方、円滑な連携のためには、妊婦の情報や妊婦健診の内容を病院、診療所間で効率的、効果的に共有する方法等が課題となっております。本事業の成果を踏まえまして、地域の医療機関のネットワークの構築について検討を進めてまいります。 # かち委員 かち委員課題はあるけれども、分娩を行わない開業医や診療所でも日常的には健診を受け、出産時には病院で産むことができるという連携がとられれば、三者が安心できる状況が生まれるというふうに思います。さらなる検証、研究を重ねながらも、有効な方法として、できるところから着手することを求めておきます。周産期のリスクを避ける意味でも、妊婦健診は重要です。国は、本年一月から、妊婦健診の必要性を打ち出し、十四回までが望ましいとして、これまで二回までの妊婦健診を五回までの交付金に増額しました。これを受けて、台東区などでは十四回すべてを公費による施策がとられたのを初め、各区市で取り組みの強化が始まっています。資料一ページにも示されておりますけれども、私も十月の状況で見てみたんですけれども、十数区と、それから二市、二島で独自の取り組みが行われている。来年度へ向けてさらに進むとは思いますけれども、この状況を見ても、多摩地域での格差が見られます。ここで、東京のどこで妊娠をしても安心して妊婦健診が受けられるためにも、財政基盤の弱い自治体への支援が必要だと思いますけれども、いかがでしょうか。 # 吉岡少子社会対策部長 吉岡少子社会対策部長妊婦健康診査の費用負担についてのお尋ねでございますけれども、公費負担五回分相当につきましては地方交付税で措置をされております。したがいまして、東京都が財政的な支援を行う考えはございません。 # かち委員 かち委員来年度予算要望に向けて、市長会からも意見が、要望が出されていることはご存じだというふうに思うんですね。市長会では、公費による健診の回数をふやすことの必要性は十分に認識しているけれども、実施に当たっての市の財政負担は大きい、五回程度の公費負担を都内全自治体で導入できるよう、財政的援助を講じられることを要望するというふうに出ています。それから、各自治体での取り組みの状況を見ますと、非常にバラエティー、いろいろな取り組みになっているんですね。必ずしも最低五回の健診をきちんと受けられるようなものになっていないというのもありました。先ほどもありましたけれども、本当にいろいろ妊婦さんへの支援という形で取り組んでいるんだけれども、健診は必ず受ける、そういう仕組みづくりということに、東京都として十分に指導力といいますか、そういうものを発揮していただきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。最後に、周産期医療や産科医療の解決の根本には、人的な整備が緊急に求められています。来年度から実施予定の産科医師の専門医研修の支援策については期待するところですけれども、医学生に対する奨学金制度や女性医師バンクなどとともに、医師の勤務環境改善など抜本策を求めるものですけれども、いかがでしょうか。 # 吉井参事 吉井参事産科など特定の診療科におきます病院勤務医師の確保、これは早急に対応すべき課題であると考えております。先ほどもちょっと申し上げましたが、本年六月、東京都地域医療対策協議会を設置いたしまして、都における医師確保対策について協議をしております。この協議も踏まえまして、女性医師の再就業対策でありますとか勤務環境の改善、病院など病院勤務医師の負担軽減に向けた取り組みを現在検討しております。さらに、産科領域の専門家の育成確保に向けた取り組みについても着手したところでございます。 # かち委員 かち委員最後の質問ですけれども、看護師需給計画について伺います。この計画がこういうふうに出されたんですけれども、今回出された看護師需給計画、ちょっと見にくいので、私、表にしてまいりましたけれども(資料を示す)こういうふうになっているんです。二〇〇七年度から、需要数十一万六百八十八人に対し、供給数十万七千八百二十七人ということで、二千八百六十一人の未達成状況からのスタートとなります。しかし、五年後、二〇二三年には、十一万四千七百九十二人の需要に対し、このまま推移すれば三千五百六十五人の不足。乖離があるけれども、施策効果によって三千五百六十五人の増を見込み、五年後には需給計画が一致するというものです。ここから始まってここで一致するというんですけれども、しかし、昨年までの需給計画では、二〇〇六年には十一万八千九百人、ここですね、この需要に到達することになっていましたが、実際にはどうだったのかと見ますと、五年ごとの需給計画を出していますけれども、医療環境はいろいろ変化が生まれ、予測ができない要素も確かにありますが、しかし、今後は少子高齢化がさらに加速することは明白であり、医療、介護力の需要が大きくなることも否めない事実です。現に、昨今の看護師不足は深刻で、都立病院でも欠員が出ており、公社病院では、看護師不足のために病棟閉鎖まで出ている状況です。ましてや民間病院では、医師、看護師不足のために病院廃止に追い込まれているところも出ています。これはかつてない事実、事態です。医療環境も大きく変わってきています。昨年から七対一看護体制が導入され、取り入れた病院では、一・五倍ぐらいの増員がなければ回っていかないという状況です。当然、すべての病院が取り入れるわけではありませんけれども、ここでも格差は生まれています。しかし、七対一はかつてない増要因であると思いますけれども、二〇〇七年度を見て、前回五カ年の需要計画に対して、俄然八千人ぐらい低い需要数なんですけれども、見込みなんですけれども、これはどのような根拠によるものでしょうか。 # 吉井参事 吉井参事今回策定いたしました需給見通し、これは、十八年、昨年の六月に、病院でございますとか診療所等、施設に対して看護職員の就業等実態調査を行っております。これをもとに需要数を推計いたしたものでございます。前回の見通しでございますけれども、これは、平成十四年一月、同様に実態調査を踏まえたものでございます。二つの見通しにおける差、これは主に病院の病床数の減に伴うものでございます。 # かち委員 かち委員主には病床減によるものという答弁でしたけれども、それにしても、前回予測との乖離が余りにも開き過ぎていると思うんですね。実際、どのような予測要素を加味されて調査し予測されたのか、私たちにはわかりませんけれども、確かにこのところの病院は、医師不足の状況は著しい様相を示しています。今後、介護型療養病床の廃止などという問題も出てきますけれども、超高齢社会を迎えつつあるこの東京で、形は変わるけれども、病院以外での看護需給、要求はますます高まっていくんじゃないかというふうにも予想されます。需要がこんなに減るとは到底考えにくいわけですけれども、供給数の推移を見ますと、五年後には新卒者が百四十二人増となっていますが、この間、五年前と現在の比較で、養成学校数と定員数ではどのように推移していますか。 # 吉井参事 吉井参事平成十四年度の都内の大学、それから養成所数、これは八十四校で、入学定員が五千三百十一人でございます。これに対しまして平成十九年度は、養成所、これは大学も含みますが七十八校で、入学定員は五千二百七十五人となってございます。 # かち委員 かち委員今のご答弁では、学校数も定員も減っているんですよね。新卒がこのようにふえ続ける要素は本当にあるのかも疑問に思います。看護職員確保対策では、新たに、離職者対策として研修や就業相談などで復職を応援する制度や、新卒ナースの研修制度の拡充などに取り組まれているということで、これらを総合的にやって五年でクリアするんだといっておられますけれども、現場の実態からは、とても追いつくとは思えない状況です。それどころか、この取り組みの効果も検証しないまま、実績見合いなどという状況にはならないというふうに思うんですけれども、このような需給計画と実態は全く乖離していると思います。今の看護師不足をつぶさにつかむ必要があると思うんですね。実態調査は去年やったからもうやらないというふうにおっしゃいますけれども、現場の実態は、本当に今すさまじい看護師不足の状況です。先ほどもありました、メンタルな問題も非常に出てきております。働く看護師たちの実態を本当につかんでいただきたいんです。調査も、病院だけはしっかりしたけれども、あとは抽出だということでもありますので、ぜひすべての職場、働く看護職場における実態調査をすべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。 # 吉井参事 吉井参事先ほども申し上げましたけれども、今回の需給見通しの作成に当たりましては、平成十八年六月の実態調査を実施した、これに基づいて策定をしたものでございます。それで、本調査においては、病院については、いわゆる看護職員の配置動向の部分もございますのでしっかり調査させていただきましたが、あと、有床、無床診療所等については、無作為抽出等の方法で推計をしているものでございます。そのため、今回、委員ご指摘のことについて、改めて調査を行う考えはございません。 # かち委員 かち委員去年の六月に調査をされたということですけれども、七対一看護の影響が出てきたのは、暮れからことしの採用にかけての問題だというふうに思うんですね。実態が、状況が急激に変化してきていると思うんですよ。そういう意味で実態に即した調査が必要だというふうに申し上げているわけですけれども、とにかく、今すぐにでもできる対策としては、都立看護学校の定員増とか、閉鎖中の豊島看護学校などの再開、こういうことに都として対策を緊急にとるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。 # 吉井参事 吉井参事都立看護専門学校につきましては、質の高い看護師の養成を図るため、看護三年課程七校、入学定員五百六十名に再編整備をしたところでございます。急速に進む少子化の中で、養成枠の拡大ということよりも、定着、再就業対策の推進こそが重要であると考えております。お尋ねの定員増等を図る考えはございません。 # かち委員 かち委員終わりますけれども、今日このような事態を招いたその一端としても、都立看護学校を次々と廃止して、当初の半分にまで定員を減らしてしまったことにも大きな要因があります。都民の医療、看護に責任を持つ都政の役割を果たすことを強く求めて、質問を終わります。 # 西崎委員 西崎委員私からは、まず初めに高次脳機能障害について伺います。高次脳機能障害は、病気や交通事故などのさまざまな原因で脳の一部が損傷を受けた結果、言語や記憶など知的な機能に障害が起こり、日常生活にさまざまな困難が生じるものです。身体障害を伴わない場合には、外見からは障害がわかりにくいため、周囲からの理解が得られにくく、見えない障害ともいわれ、本人や家族の負担は非常に大きいものになっています。都においては、障害者自立支援法の都道府県地域生活支援事業を受けて、平成十八年十一月一日から、心身障害者福祉センターを支援拠点として高次脳機能障害の方への支援に取り組んでいます。支援拠点が設けられてちょうど一年が経過しましたが、これまでの取り組みについて伺います。 # 松浦障害者施策推進部長 松浦障害者施策推進部長高次脳機能障害者の支援拠点としての心身障害者福祉センターにおける取り組みでございますけれども、まず相談支援といたしまして、相談支援コーディネーターを配置するとともに、医師、福祉職、心理職など多職種で構成する支援チームを設置いたしまして、障害者の方の個別対応の専門相談に応じるとともに、区市町村や関係機関等に対しまして助言、情報提供などの支援を行っております。二つ目としましては、区市町村、医療機関、就労支援センター等による地域支援ネットワーク連絡会を設置いたしまして、関係機関との連携のもと、高次脳機能障害者を支える仕組みづくりに取り組んでおります。三番目は、人材育成、普及啓発といたしまして、高次脳機能障害をテーマとする研修、セミナー等を開催しております。昨年度の実績で申し上げますと、延べ六百人を超える参加者がございました。 # 西崎委員 西崎委員高次脳機能障害については、平成十六年に診断基準が定められたことによりまして、障害に対する社会的関心は高まってきていますけれども、障害の正しい理解はまだ十分といえる状況にないと思います。私も、知り合いの家族の方が交通事故により高次脳機能障害になったということを伺って、その障害を持つ当事者や家族の苦しみというものを初めて知りました。高次脳機能障害者が適切な支援を受けながら地域生活を送っていくためには、住民を初め関係機関職員等、障害者を支える周囲の理解が不可欠ではないかと思います。この点について都の所見を伺います。 # 松浦障害者施策推進部長 松浦障害者施策推進部長ご指摘のとおり、高次脳機能障害がある方が適切な支援を受けるためには、障害に対する周囲の方々の理解が不可欠と考えております。東京都はこれまで、高次脳機能障害の理解を深めるために、理解と支援の充実を目指してというパンフレットを作成し配布するとともに、区市町村等における相談窓口用といたしまして、地域支援ハンドブックを作成、配布するなどしてまいりました。今後は、このハンドブックを活用するなどいたしまして研修を実施することによりまして、都民を初めとした関係機関の方々の高次脳機能障害への理解を一層促進してまいります。 # 西崎委員 西崎委員高次脳機能障害者が地域で安心して暮らしていくためには、生活に一番身近な区市町村における地域支援体制の一層の充実が必要です。都においては、今年度から、区市町村で相談や支援を受けるため、体制を確保するために区市町村に高次脳機能障害支援員を配置するといった区市町村高次脳機能障害者支援促進事業を開始していると伺っています。そこで、この事業の具体的な内容についてお聞かせください。 # 松浦障害者施策推進部長 松浦障害者施策推進部長区市町村高次脳機能障害者支援促進事業でございますけれども、高次脳機能障害を持つ方が身近な区市町村で相談や支援を受けられるように、今年度から区市町村に支援員を配置することといたしております。このことによりまして、配置された支援員が身近な地域で障害者やその家族からの相談に応じるとともに、医療機関や就労支援センターなど関係機関と連携をとりまして、障害者の地域での生活を支援するものでございます。 # 西崎委員 西崎委員ぜひ高次脳機能障害者が安心して地域の中で生活できるように、今後も生活に身近な区市町村と連携を深めて、この事業をなお一層推進されることを要望しておきます。次に、成年後見制度の推進について伺います。認知症や知的障害、精神障害などによりまして判断能力が十分でない場合、自分の財産管理や生活にかかわる契約を行うことが困難であったり、悪徳商法の被害に遭うおそれもあり、これらの方の権利を守ることが重要な課題になっています。福祉サービスの利用に関する援助や日常的な金銭管理などを行う地域福祉権利擁護事業や成年後見制度は、これにこたえ、安心して暮らせるよう本人を保護し支援する制度ですが、成年後見制度は、申し立て件数が増加しているものの、制度の普及についてはまだまだ課題も多く残されています。成年後見制度をより利用しやすいものにするためには、住民に身近な区市町村における推進体制が必要だと思いますが、これまでの都の取り組みと今後の対応についてお聞かせください。 # 永田生活福祉部長 永田生活福祉部長成年後見制度でございますけれども、都では、住民に身近な区市町村におきまして成年後見制度の活用を促進し、判断能力が十分でない方が地域で安心して生活できるよう、平成十七年度に成年後見活用あんしん生活創造事業を創設いたしまして、区市町村に成年後見制度推進機関を設置する取り組みを支援してまいりました。本事業におきましては、平成二十一年度までにすべての区市におきまして推進機関の運営を開始することを目的としております。今年度は、既に推進機関を設置いたしまして運営を開始しているところは十七の区市でございまして、設置のための準備を行っている区市は二十三区市となっております。これによりまして、二十三区内におきましては、平成十九年度中にすべての区におきまして推進機関の設置に着手したことになろうかと考えております。東京都といたしましては、区市町村連絡会を通しました情報交換会や、推進機関の設置の検討を予定している区市町村に対する個別の働きかけなどを行っておりまして、引き続き積極的にこれらの取り組みを進めてまいります。 # 西崎委員 西崎委員ぜひとも地域福祉権利擁護事業や成年後見制度の普及、利用促進を強化して推し進め、住民が身近な地域で利用しやすい体制を整備していただきたいと思います。二〇〇〇年に介護保険制度が始まりまして、福祉サービスは契約に変わったと同時に、高齢者の権利を守る成年後見制度も使いやすいように改められました。そのせいか、利用者は年々ふえまして、二〇〇六年度は、全国の家裁に三万二千件余りの申し立てがあり、前年度の一・五倍、初年度の四倍近くになっています。後見人も、親族は八割で、第三者の割合が伸びています。しかし、ひとり暮らしの高齢者など、信頼できる親族がいない人にとっては、適切な後見人を得にくい状況になっているのではないでしょうか。そこで、後見人としての業務を担うべき新たな人材の養成、確保が重要になってきています。このような状況の中で、東京都と世田谷区が全国に先駆けまして、一般市民を対象といたしました後見人候補者の養成事業に取り組んでいることは非常に意義深いと思います。都の養成事業は現在三年目を迎えると聞いていますけれども、これまでどのように進めてこられたのか、また、今後どのように推進していくのか伺います。 # 永田生活福祉部長 永田生活福祉部長都では、社会貢献的な精神で後見業務に当たる意欲を持つ都民等を対象に、平成十七年度より後見人候補者等養成事業を実施してきております。この事業は、後見人による支援が必要ではありますが、信頼できる親族がなく、また、求められる後見業務の内容が専門家にゆだねられるほどのものではないなど、適切な後見人を得にくい状況となっている方々に制度利用の道を開くことを目的としております。これまでに百十六名の方が基礎講習を修了いたしまして、地域での実習活動を行っており、このうち三名の方は、実際に社会貢献型後見人としての活動を開始しているところでございます。今年度も募集を行いまして、五十八名の合格者を決定いたしまして、今後、基礎講習を受講することとなっております。今後、家庭裁判所や関係機関との連携を深めまして、より多くの方が後見活動を開始できるようにするとともに、講習修了者のさらなる資質の向上策についても取り組んでまいります。 # 西崎委員 西崎委員私も住まいが世田谷なので、世田谷の市民後見人制度、この七月に第一号の方が誕生されて、順調にふえているというお話を伺っていますけれども、ぜひ東京都も、今後も事業を積極的に進めていっていただきたいと思います。ケースによっては、専門家よりも市民後見人の方が、本人に寄り添って、本人の立場で意思決定ができるのではないかともいわれています。市民を後見人として養成し、同じ地域の住民同士で守り合う仕組みを、区市町村と連携を図りつつ進めていっていただきたいと思います。次に、特定健康診査、特定保健指導の人材育成について伺います。平成二十年度から、生活習慣病に起因する医療費の伸びの抑制を目的といたしまして、医療保険者が、四十歳以上の被保険者と被扶養者を対象に、内蔵脂肪の蓄積、メタボリックシンドロームに着目しました特定健診の実施及び特定保健指導が義務づけられております。そこで、具体的にどのようなものなのか伺いたいと思います。 # 清宮保健政策部長 清宮保健政策部長平成二十年度から、これまで区市町村が住民を対象に実施してきました基本健康診査にかわりまして、医療保険者が、被保険者等を対象に、メタボリックシンドロームの予防を目的とした特定健康診査、特定保健指導を実施することになります。この新しい健診、保健指導は、肥満や高血圧などのメタボリックシンドロームのリスクが高い方を健診により早期に把握し、生活習慣の改善を促す保健指導を行うことによりまして、糖尿病等の生活習慣病の発症予防を目指すものでございます。医療保険者は、今年度、特定健診等実施計画を策定し、平成二十四年度までの健診、保健指導の目標を設定し、それに基づき健診等の事業を計画的に実施していくことが求められています。 # 西崎委員 西崎委員今のお話ですと、医療保険者は、今年度、特定健診等実施計画を策定して、それに基づいて健診などの事業を計画していくということですが、それでは、都内にはどのくらいの数の医療保険者があるのか、お聞かせください。 # 清宮保健政策部長 清宮保健政策部長都内に所在いたします医療保険者の数でございますが、平成十九年四月現在、区市町村国民健康保険が六十二団体、企業のサラリーマン等の方が加入している健康保険組合約六百団体、その他共済組合などを合わせまして約七百団体でございます。 # 西崎委員 西崎委員全部合わせますと約七百団体もあるということですけれども、大変な数ではないかと思います。区市町村にかわって、医療保険者が健康診断や保健指導を担っていくわけですが、現状では、健康診断などの経験が少ない団体も多い状況です。都は今年度、特定健康診査、特定保健指導が効果的に実施されるために、医療保険者に対し研修を実施していると聞いていますけれども、どのようなものを行っているのか、また実績についてはどうなっているのか、お伺いいたします。 # 清宮保健政策部長 清宮保健政策部長都民の生活習慣病予防を推進していくためには、質の高い健診、保健指導が提供されるよう医療保険者を支援していくことが必要でございます。今年度、東京都は、まず医療保険者の事業担当者の方を対象に、特定健診等実施計画の策定方法に関する研修を実施いたしました。この研修には、都内の医療保険者の七割以上に当たる五百一団体が参加いたしまして、延べ受講者数は二千十八人でございました。また、現在、特定保健指導に従事する保健師、管理栄養士等の方を対象に、生活習慣の改善に結びつく保健指導を行うための実践的な研修を実施しているところでございます。 # 西崎委員 西崎委員今お話を伺いますと、現在、特定保健指導に従事する保健師、管理栄養士などを対象に研修を進めているということですけれども、来年度に向けて各医療保険者が特定健診等実施計画を策定し、健診事業などにきちんと対応できるように、今後も人材育成の研修を進めていっていただきたいと思います。最後に、子育て支援策としての多様な保育のあり方について何点か伺いたいと思います。女性の社会進出が進み、核家族化になってきた社会状況の中で、若い世代のライフスタイルに合わせた子育て支援策が求められています。その中でも、働きながら子育てをしていく上で、多様な保育の施設整備が必要です。都では今年度、事業内保育施設の支援をスタートさせていますが、国においても、財団法人二十一世紀職業財団が事業内保育の施設整備を進めています。事業内保育施設について、国と比べて都の制度の違いはどこにあるのか、まず伺います。 # 松原参事 松原参事都の事業所内保育施設への支援事業は、企業等の次世代育成に対する取り組みを促進するため、今年度創設したものでございます。国の制度との違いにつきましては、国の助成制度は、定員が十名以上で、単独の事業者による設置を基本としております。これに対し都の助成制度は、定員を六名以上とし、また、複数の事業者による共同設置の条件を柔軟にするなど、大都市東京の実情を踏まえまして、中小企業にも取り組みやすい制度としております。 # 西崎委員 西崎委員ある雑誌を読みますと、アメリカやフランスなどの企業では、このような事業内保育施設の整備が大変進んでいるというふうに読んだことがあります。今のお話ですと、国よりも東京都の制度の方がすぐれているというか、中小企業にも働きかけられるようになっているということですけれども、都における事業内保育施設支援事業の今後の見通しはどのようになっているのか、お聞かせください。 # 松原参事 松原参事去る十一月一日に、事業所内保育施設を開設した事業者を、本事業の初めての補助対象としての承認を行ったところでございます。さらにこの事業を多くの企業に積極的に活用してもらうため、ホームページに掲載するなど制度のPRを行っております。また、経営者団体への働きかけや、設置運営に関する相談に取り組むなどしており、今後とも積極的な働きかけを行ってまいります。 # 西崎委員 西崎委員都では、多様な保育ニーズにこたえるために都独自の認証保育所を制度化しまして、十一月現在、既に三百八十四カ所になったと聞いております。この認証保育所の設置主体別の割合はどうなっているのか、お聞かせください。 # 松原参事 松原参事認証保育所の設置主体についてでございますが、平成十九年四月一日現在、A型の認証保育所では、株式会社等の企業が八一%でございまして、その他、個人、NPO法人などが一九%でございます。B型の認証保育所につきましては、個人が八〇%であり、その他、NPO法人などが二〇%となっております。 # 西崎委員 西崎委員事業者、NPOなど幅広い運営主体になりましたけれども、認証保育は、駅の近くという利便性はあるものの、今までの認可保育園とは違い、駅ビルの二階とか、これは私の地元なんですが、小田急の高架下という施設もあり、預けられているお子さんにとって質の高い保育が提供されているのかどうか、大変気にかかるところです。そこで、認証保育の質の確保についてどのように対応しているのか伺います。 # 松原参事 松原参事認証保育所における保育の質の確保についてでございますが、利用者の立場に立った良質なサービスを提供するために、東京都認証保育所事業実施要綱によりまして、各施設に、社会福祉事業について知識、経験を有する者や利用者などで構成する運営委員会の設置を義務づけております。また、毎年、運営状況報告書の提出を求めるとともに、立入調査を行い、指導監督基準に基づきまして指導を行っておりますほか、福祉サービス第三者評価につきましても、積極的に受けるように指導しているところでございます。 # 西崎委員 西崎委員認可外保育施設の中に保育室が位置づけられておりますけれども、設置基準も設けられております。区市町村が保育室を保育施策として認めなければ、基準を満たしていても補助を受けられずに、ベビーホテルと同様の扱いになってしまいます。しかし、保育室を含めた認可外保育施設に対しては都の指導監督が行われることになっていますが、どのような内容で検査、指導が行われているのか伺います。 # 松原参事 松原参事都は、保育室等の認可外保育施設に対する指導監督要綱におきまして指導監督の基準を定め、事前指導や、年に一回の定期の立入調査及び随時の特別立入調査等を実施するなど、認可外保育施設の指導強化に努めております。また、認可外保育施設従事者を対象といたしまして、保育理論や乳幼児の心理などをテーマとした研修を、休日も含め、毎年延べ十日間行うなど、認可外保育施設従事者の資質向上のために必要な指導を行っております。 # 西崎委員 西崎委員保育室について、区市町村の自治体によってなんですが、認証保育へ移行するようにというふうに進めているところもあります。認可外保育施設が認証保育所となるためには、どのような基準を満たさなければならないのか伺います。 # 松原参事 松原参事認可外保育施設と認証保育所との主な違いは、面積基準と職員の配置基準でございます。認証保育所におきましては、認可保育所に準じた施設基準を求めております。例えば、児童一人当たりの面積につきましては、認可外保育施設では一・六五平方メートル以上が必要であるのに対し、認証保育所では、A型の場合、ゼロ歳児及び一歳児につきましては三・三平方メートル、二歳児以上は一・九八平方メートルが必要でございます。また、職員につきましては、認可外保育施設では、年齢別保育従事職員のうち、保育士等有資格者がおおむね三分の一以上であることが求められているのに対しまして、認証保育所では、六割以上が保育士等有資格者かつ正規職員である必要がございます。 # 西崎委員 西崎委員最後に、意見になりますけれども、これから保育ニーズはますます高まっていく状況の中で、多様な保育を提供していくためにも、認証保育をふやしていくことは必要だと思います。でも、なかなか保育室を経営している個人がすぐに施設の整備について都の基準に合わせていくことができず、認証保育に移行できない状況もあります。また、地元の地域から設置計画に基づいて推薦を受けなければならず、施設側が認証保育を望んでいても、設置計画に合わない場合は申請ができないということもあることを都も認識してこれからの計画を進めていっていただくことを要望して、質問を終わります。 # 山加委員 山加委員先日、サッカーのオシム監督が千葉の自宅で脳梗塞を発症し倒れ、サッカーファンならずとも、一日も早い回復を祈っているところでありますが、十月二十九日、NHKの「クローズアップ現代」という番組で、脳卒中の新しい治療薬でありますtPAについて放映されたところであります。当委員会にはお医者様もいらっしゃいますし、医療従事者のプロの立場からは、後日、我が党の田代先生からは奥の深い質疑をぜひともお願いしたいと思っておりますが、本日は、医療を受ける立場から素朴な質問を何点かさせていただきたいと思います。まず、一般の知識として、脳卒中には、血の塊である血栓が血管に詰まったことによって障害を起こす脳梗塞と違っていたら、田代先生、訂正していただきたいと思いますがそして、血管がもろくなって破れ、そこから出血を起こす脳出血であるとかクモ膜下出血、大きく分ければこの二つの種類になると思うんですが、tPAは、この血栓を溶かす脳梗塞の治療薬であると聞いております。脳は、血栓により血流が流れなくなると、つまり血液が流れなくなるわけですから、そこから先の脳細胞が壊死を起こす。となれば、当然、数分で血管がすぐにもろくなるわけでありますが、tPAを投与して血栓を溶かすということは、逆に裏腹で、もろくなった血管が、そこに急に血液が流れていくわけですから、当然血管が破れてしまうなどの重い副作用を起こすおそれがあると聞いておりますし、素人の私もそうではないかと思うわけです。このため、tPAを使用するには、脳卒中の発症後二時間以内にtPAを使える急性期病院に搬送すること、そして、その病院で一時間以内に専門の医師による見立てを行った上で治療を開始することが求められていると聞いております。そこで、東京における脳卒中による死亡者数は既に一万人を超えるという現状の中で、都は、tPA対応患者を含む脳卒中患者に対する医療を迅速かつ適切に行える体制を確保する必要があると考えますが、いかがでしょうか。 # 細川医療政策部長 細川医療政策部長tPAを用いた医療体制の確保についてのご質問でございますが、搬送されてきた救急患者さんが脳梗塞であり、またtPAの適応であるか否かというのを適切に診断し治療するためには、MRIによる検査や複数の診療科にわたる専門医の判断などが必要であり、東京都内においても、三百六十五日二十四時間対応できる医療機関は決して多くはございません。そのため、東京都全域において脳卒中を発症した患者さんに迅速かつ適切な医療が提供できるよう、脳卒中治療の中核的病院や東京都医師会、東京消防庁などとともに、急性期病院の認定基準の策定や、円滑な救急搬送を行える仕組みづくりなどについて協議を進めてまいります。 # 山加委員 山加委員こうした脳卒中の急性期の対策をぜひとも確立していただきたいと思います。そして、脳疾患であるがゆえに、処置までの時間差によっても異なりますけれども、身体に障害が残る、程度の多い少ないはあると思いますけれども、その可能性が大変高いと思います。そういう意味では、私も今まで、どんな病でも事故であっても、その後のリハビリということが大変重要であるということを機会があるごとに、私自身も中途障害の一人として、リハビリ、大変苦しんでまいりましたので、早期のリハビリによって機能の全快ということはあり得るわけですから、申し上げてまいりましたけれども、そういう意味で、急性期を脱した患者さんに対する回復期、そしてまたその後の維持期、そしてまた在宅療養、リハビリテーションの切れ目のないサービスの提供がぜひとも必要と考えるのですが、ご意見を伺わせていただきたいと思います。 # 細川医療政策部長 細川医療政策部長ご指摘の、急性期を脱した患者さんの症状に合わせた回復期や維持期のリハビリを含め、在宅療養まで切れ目のない医療、介護サービスの提供体制を築くことは、都民にとっても非常に重要であると考えております。東京都では、既に二次医療圏ごとにリハビリテーション支援センターを設置しておりますが、地域における脳卒中治療の中核的病院、医療関係団体や介護サービス事業者の代表者などとの協議を通じ、それぞれの地域の実情に応じた脳卒中の医療連携体制を構築してまいります。 # 山加委員 山加委員今後の高齢化を見てまいりますと、脳卒中に対する切れ目のない医療を中心としたサービスが効果的に行われることは、都民にとって福音であります。福祉のさらなる向上につながることと思います。先ほど、田代先生のお医者様としての意見の中にもございましたけれども、特定機能病院など医療機関の数が、ほかの都道府県に比べ東京は圧倒的に多いわけでありますから、医療機関のさまざまな声を受けとめ、そしてまた逆に、全都的に統一のとれた連携体制を築くことには難しさがあると思いますが、しかしながら、東京でこの体制がとれれば、逆に、全国どこでも東京に倣うことも可能になるのではないかと思います。どうか都民の命を救うという観点から精力的に調整を図っていただき、なるべく早期の実施を願って、私の質問を終わります。ありがとうございました。 # 野上委員長 野上委員長この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。午後五時二分休憩午後五時十一分開議 # 野上委員長 野上委員長休憩前に引き続き委員会を開きます。質疑を続行いたします。発言を願います。 # 石毛委員 石毛委員初めて質問いたします。重複した質問は避けたいと思いますが、答弁よろしくお願いいたします。まず、介護人材の確保について質問いたします。二〇〇〇年に始まった介護保険制度で、都内の特別養護老人ホームは逆格差といわれる現象が起きていて、特に人手不足は非常に深刻なものがございます。介護保険制度の開始後、介護報酬が初めて改定されたのが二〇〇三年四月、このとき、賃金や物価の下落傾向を受けて、全体で二・三%の引き下げ、特養については四%の大幅ダウンとなっております。しかし、厚生労働省の介護事業経営実態調査によりますと、二〇〇五年四月時点では、特別養護ホーム一施設の一カ月当たりの損益割合は、全国平均で、収入が支出を一三・六%上回る大幅な黒字となりました。ところが、東京では黒字幅が五・七%と、全国平均を大きく下回っております。都独自の運営費補助金を除くと三・一%まで下がります。最初の改定があった二〇〇三年度決算で既に、全二百三十七施設の三二%に当たる七十六施設は補助金がなければ赤字転落という状況で、三十四施設は補助金を加味しても赤字でありました。全国平均並みの一〇%超黒字を達成した施設は、補助金ありで二割、なしでは一割を切っております。高い物価、それに伴う高い給料がこの逆格差を生む要因といわれております。さて、ことしの六月、文京区内の特別養護老人ホームくすのきの郷が、不正に介護報酬を受給していたとして指定取り消し処分を受けました。先般、私は、このくすのきの郷へ行って話を聞いてきたわけですが、ハローワークに毎日のように求人を出しても応募がない、職員確保が大変困難であると話しておりました。このように、介護分野の現状は危機感が高まっており、このままでは質の高いサービスを供給していくことが困難であります。最近では、人手不足から経営が成り立たないという声も聞かれるわけであります。そこで、何点かお伺いいたします。都内における介護関連分野の求人状況等はどうなっているのか、お伺いします。 # 永田生活福祉部長 永田生活福祉部長都内におきます求人状況でございますけれども、厚生労働省職業安定局職業安定業務統計によりますと、平成十八年度の都内全職種の有効求人倍率は一・四六倍でございます。これに対しまして、介護関連職種は二・七二倍となっております。 # 石毛委員 石毛委員倍近く差があるような感じでありますが、最近の新聞報道でも、介護の仕事は低賃金でハードワークであるとの見方が広がっており、また離職率も高いと聞いております。これでは、現場のコアとなる人材も育たず、十年後の介護の担い手がどうなってしまうのか、非常に不安といわざるを得ません。そこでお伺いしますが、介護職場の離職率が高い背景にはどのようなものが考えられるのか、お答えください。 # 永田生活福祉部長 永田生活福祉部長介護職員の離職の要因でございますけれども、東京都福祉人材センターや財団法人介護労働安定センターの調査によりますと、給与や労働時間等労働条件あるいは待遇に不満がある者が三割を占めてございます。また、職場の人間関係に不満、これが二割、その他、解雇、倒産や家庭の事情が主な理由となってございます。 # 石毛委員 石毛委員わかりました。介護福祉士の専門学校を卒業しても、介護の仕事をしない若者が多いと聞きますし、また専門学校を受ける学生も少なくなっていて、学校自体、大変なところが出ていると伺っております。ハローワークなどでは、月給十七、八万円の求人を出したところで、見向きもされないという状況で、求職者から見れば当然のことで、この程度の給料では家庭を養っていくということも難しいでしょう。そこで、都は、大都市東京における介護施設の人手不足の状況についてどのように認識し、対応しているのか、お伺いいたします。 # 狩野高齢社会対策部長 狩野高齢社会対策部長近年の景気回復等により有効求人倍率が上昇し、就業機会の多い東京においては、介護施設における職員確保がより困難になり、人手不足が深刻化していると認識しております。そこで、本年五月、大都市東京で深刻化する人材確保の打開を図るため、介護保険施設に係る介護報酬の地域差等に関する提言を取りまとめ、国に対して、介護報酬の地域差に着目し、人件費、物件費の高い大都市東京の実態に合った介護報酬のあり方について見直しの方向性を提起したところでございます。 # 石毛委員 石毛委員わかりました。介護現場の職員の処遇改善のために、介護報酬のあり方の見直しは不可欠であります。そこでお伺いしますが、現行の介護報酬上の人件費比率はどのように位置づけられており、都はそれについてどのように提言しているのか、お聞かせください。 # 狩野高齢社会対策部長 狩野高齢社会対策部長国は、介護保険施設の事業支出に占める人件費の割合、いわゆる人件費比率を四〇%と設定しております。しかし、平成十五年度決算における都内民間特別養護老人ホームの人件費比率は約七一%となっております。また、介護保険施設と同様に、三対一の職員配置で入居者に介護等のサービスを提供している有料老人ホームやケアハウスについては、介護報酬上の人件費比率が介護保険施設よりも二〇ポイント高い六〇%に設定されております。こうしたことから、都は、介護保険施設の人件費比率の設定を引き上げるべきと提案したところです。 # 石毛委員 石毛委員そういうことが必要だというふうに思っておりますが、介護報酬も大切でありますが、都としても総合的な都の福祉人材の確保に向けた支援が必要だと思います。そこで、都の福祉分野の人材の確保対策について、現在どのような取り組みを行っているのかお聞かせください。 # 永田生活福祉部長 永田生活福祉部長福祉人材の育成、就業の援助を行うための福祉人材センターにおきまして、無料職業紹介やあっせん、さらに、ハローワークやしごとセンターと連携いたしまして、就職面接会や就職のための支援講座を実施しているところでございます。また、介護福祉士養成施設に通学する方々のために、介護福祉士等修学資金を貸与したり、介護職の資格取得を支援しているところでございます。またさらに、訪問介護員養成研修事業者を指定いたしまして、事業者の研修実施状況についてホームページでも公開いたしております。都民の方のホームヘルパーの研修の受講を促進しているところでございます。 # 石毛委員 石毛委員幾つか見えてきたところでありますが、福祉人材の確保についてさらに充実を図るべきだという声がありますが、この点はどうでしょうか。 # 永田生活福祉部長 永田生活福祉部長この八月に東京都社会福祉審議会から、地域ケア実現のために、これからの福祉を担う人材の育成に取り組むとともに、人材の確保、定着を図る旨の意見具申が出されたところでございます。この意見具申を受けまして、福祉人材センターの機能強化や介護福祉士等修学資金の制度拡充など、人材育成、確保を促進するための事業について検討しているところでございます。既存事業による施策に加えまして、さらなる人材育成の充実、就労あっせん等、人材確保策の強化等に取り組んでまいります。 # 石毛委員 石毛委員最後に、この地域ケア整備構想で取り上げられた、職員の質の向上のための取り組みについてお伺いいたします。地域ケア整備構想では、主任ケアマネジャー研修課程にターミナルケアに関する研修を取り入れるという記載があります。人が亡くなるときのケアには、通常と異なる知識や心構えが必要です。ついの住みかといわれる特別養護老人ホームの入居者は、要介護度四あるいは五が中心で重度化しており、退所は死亡退所がほとんどであると聞きます。これらの方をみとることができる質の高い職員を養成していくことは重要な課題と考えます。特養入居者が安らかに亡くなるために、亡くなる方をみとるための研修など、職員の質の向上に向け、都内の施設はどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。 # 狩野高齢社会対策部長 狩野高齢社会対策部長平成十八年の介護報酬改定により、特別養護老人ホームでみとり介護を実施した場合、重度化対応加算及びみとり加算が創設されました。看護職員の二十四時間体制の確保、みとりに関する研修を行うなど所定の体制を確保した施設は、重度化対応加算、実際に入所者をみとった施設については、みとり加算を請求することができることとなりました。平成十九年十一月現在、このような体制を確保している特別養護老人ホームは二百六十四施設ございます。都内の特別養護老人ホームの約七割弱が、このみとりに取り組んでおります。なお、みとりに関する研修につきましては、加算を請求するための要件の一つでございますので、各施設におきまして、みとりに関する職場内外での研修受講や、みとりに関するマニュアルを作成するなど、適切に対応しております。 # 石毛委員 石毛委員わかりました。では、そのような形でお願いしたいと思います。続きまして、中国残留邦人問題について質問させていただきます。中国残留邦人問題は、肉親探しの訪日調査のスタートを契機として、当初メディアにも感動の対面として大きくクローズアップされ、世論の関心も高まり、国、自治体の受け入れ体制の整備を促すもととなりました。しかし、そうした世論の関心の高まりも、問題の長期化につれ、次第に拡散されるようになり、いつしか中国残留邦人問題も人々の意識の中から消え去ろうとしているのが現状であります。しかしながら、現在もなお、さまざまな理由で帰国が果たせず、中国に生活基盤を持つ人々が数多く存在しています。一方、日本に帰国が果たせたものの、さまざまな理由で、日本での定着、自立に困難をきわめる人々も多くおります。厚生労働省の調査では、中国残留孤児の過半数が生活保護に依存した生活を余儀なくされ、その数も年々増加しているといわれております。日中国交回復から三十五年たちましたが、中国残留邦人が中国にいるときは日本人とさげすまれ、日本に戻れば、言葉の障害で日本人から中国人と呼ばれ、差別されるといわれております。中国残留邦人全員が高齢者であり、残された時間を母国日本で終えようとしています。この時間をいかに安心した生活にしてあげられるかは、行政の力にかかっているともいえましょう。そこで、初めに、現在、中国帰国者が置かれている状況をどのように認識しているのか、お伺いいたします。 # 永田生活福祉部長 永田生活福祉部長中国帰国者の置かれている事情にかんがみ、これまでさまざまな支援を行ってまいりましたが、なお現実問題として言葉の問題があり、高齢化に伴い、就労が困難であったり、自立を望むものの、地域社会に溶け込めず、ひきこもりになりがちな傾向が見られるなど、社会的な自立が困難な者も少なくない状況にあり、生活保護受給者が半数を超えているという現実がある、このように国は今まで示しているところでございます。中国帰国者の方々が重ねてこられたご苦労を思えば、祖国で心安らかな老後の日々を支援することは大切な事業であると認識しておりますが、その事業は基本的には国の責務であるというふうに考えてございます。 # 石毛委員 石毛委員中国帰国者、特に一世の方々については、戦後六十年余となる今日、高齢化に伴い、日本語の習得が思うようにいかず、地域社会に溶け込めず、ひきこもりがちな傾向にあるなどと指摘されておりますが、都は、中国帰国者の日本語教育に対するどのような支援を行っているのか、お聞かせください。 # 永田生活福祉部長 永田生活福祉部長中国帰国者の社会適応の促進を図るためには、日本語教育の充実は重要な課題であると考えております。このため、都では、国の委託を受けまして、東京都自立研修センターにおきまして、帰国後一年未満の中国帰国者に対しまして日本語教室を実施するとともに、帰国後一年を経過した者で、継続して日本語習得が必要な者に対しまして日本語再研修を実施しているところでございます。また、東京都といたしましても、民間団体が実施する日本語指導事業に対しまして助成を行っているところでございます。 # 石毛委員 石毛委員国の委託事業執行にとどまらず、都として民間団体が実施する日本語指導事業に対して独自に助成をするといった取り組みについては評価します。既に一世の方々が高齢になっているために、日本語の完全な習得には限界があるといわざるを得ません。そこで、日常生活における日本語による表現が思うようにできないことを前提とした生活支援が必要だと思いますが、いかがでしょうか。 # 永田生活福祉部長 永田生活福祉部長現在、帰国者世帯の定着、自立を促進するために、国の委託によりまして、都内で二十五名の自立指導員が帰国者世帯の日常生活上の諸問題に関する相談に応じ、必要な助言を行っております。また、国の制度である自立指導員の派遣対象とされていない世帯や、いわゆる呼び寄せの二世等の相談にも応じられますよう、都としても生活相談員制度を設けているところでございます。 # 石毛委員 石毛委員今お答えの自立指導員、生活指導員の活動そのものは評価するわけでありますが、実質的な相談があった際に助言するにとどまっているのが実態であります。今後、一層高齢化し、地域に溶け込めず、自宅で寂しく暮らしている帰国者の方々に対し、時々、世間話をし、家庭に訪問する、こういった取り組みも必要ではないかというふうに考えるわけです。これは要望にとどめておきます。また、中国帰国者が安心して老後を暮らすには、住宅の問題が非常に重要であります。帰国時に都営住宅の優先入居制度がありますが、この入居あっせんについて、より柔軟に対応してほしいという声がありますが、いかがでしょうか。 # 永田生活福祉部長 永田生活福祉部長中国帰国者の生活の安定に向けまして、都では都営住宅を優先的に入居あっせんしております。平成十九年九月末日までの入居あっせん数は千百三十七戸となっております。優先あっせんにつきましては、現在、国において検討されている中国帰国者に対する新たな支援策の動向を見きわめながら、慎重に検討してまいります。 # 石毛委員 石毛委員わかりました。一方、中国帰国者二世世帯も、言葉や生活習慣の違いなどから、さまざまな困難に遭遇する場合があると聞いています。二世世帯の就労支援、また教育機関の確保に対してどのように取り組んでいるのか。あわせて、二世、三世について正確な統計がないと聞いていますが、家族単位での生活支援について対応を行うため、生活実態の調査を行う考えはあるか、お伺いいたします。 # 永田生活福祉部長 永田生活福祉部長中国帰国者の生活の安定に向けましては、いわゆる呼び寄せの二世世帯に対しても就労の支援を行うとともに、子弟に対する教育機会を確保していくことは大変重要なことだというふうに考えております。このため、東京都では、国の委託を受けまして、東京都自立研修センターに就労相談員を配置しているほか、同センターにおいて、民間企業の実体験を行う職場体験学習なども行っております。また、日本語能力の不十分な児童生徒に対する教育機会を確保するため、都立高校におきます中国引き揚げ生徒のための入学者選抜を実施しているところでございます。さらに、転入学時に自立指導員を派遣いたしまして必要な助言を行うとともに、都立高校への入学者選抜に際しまして、東京都自立研修センターから通訳あるいは生活相談員を派遣するなどの配慮をしているところでございます。二世、三世の生活実態につきましては、先ほどの自立指導員、生活相談員の活動を通じて把握に努めているところでございまして、今後、そうした活動の中で、引き続き生活実態の把握に努めてまいりたいと考えております。 # 石毛委員 石毛委員最後になりました。現在、国会において、中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及び永住帰国後の自立の支援に関する法律が改正の手続に入っています。この改正法では、老齢基礎年金の全額支給と、それを補完する新たな給付制度の創立が二本柱となっていますが、経済的な支援とともに、各自治体において、今後ともきめ細やかな生活支援に積極的に取り組むことが重要であると考えます。都として、区市町村に対する助言や補助金による地域支援施策を誘導することが必要だと思いますが、ご所見をお伺いします。 # 永田生活福祉部長 永田生活福祉部長中国帰国者等の日常生活等の諸問題に関する相談につきましては、基本的には国の責任で行うべきものというふうに考えてございますけれども、身近な区市町村の役割は重要であるというふうに認識をしております。このため、都と区市町村で構成する中国帰国者対策連絡会を通じまして、区市町村の担当に情報提供を行うとともに、日ごろから必要な助言に努めているところでございます。今後とも、中国帰国者の地域社会における早期の自立の促進及び生活の安定を図るため、現在、国において検討されている新たな支援策の動向も見きわめつつ、区市町村、関係機関と連携を密にしながら対応してまいりたいと考えております。 # 石毛委員 石毛委員東京都全体では、千五百名前後の中国帰国者が確認されているわけでありますが、毎年、その数は減少しております。残された時間が少ない彼らが、日本に戻ってきてよかった、また、東京で生活してよかったといわれるような今後の行政の努力を望みます。以上をもって質問を終わります。 # 大松委員 大松委員私は、家庭福祉員制度、いわゆる保育ママについてお伺いをいたします。健全な社会の発達を望むならば、女性の皆様方の知恵や感性、力がさらに生かされる社会を目指していくべきであります。その女性の社会進出を促す保育サービスの充実は、時代の要請であります。そして、時代や社会の要請は要請としまして、教育と同様、保育の目的は、子どもそのものであります。子どもの健やかな成長を目指しまして、幸福な人生の第一歩となるような良質な保育サービスに努めていくことは、政治の重要課題でございます。そこで、東京都は「十年後の東京」の中で、社会全体による子育てと仕事の両立に向けた取り組みが求められているとして、多様な保育サービスの充実を目指しているところでございますけれども、現在、都内の待機児童数は約五千人でございます。そして、きょうも資料をいただきましたけれども、この待機児童のうち、ほとんどが零歳、一歳、二歳に集中しておりまして、八割が三歳未満でございます。特に、乳幼児の保育サービスが不足しているのが現状であります。そこで注目されますのが、保育士、看護師の資格を持って、保育の経験のある人が自宅で三歳未満の乳幼児を預かる、いわゆる保育ママでございます。家庭的な雰囲気の中できめ細かい保育を行い、産休明け保育や年度途中で認可保育所に入れない乳幼児の受け皿として、保護者から高く評価をされているところであります。まず、都内の家庭福祉員の現状について伺います。 # 松原参事 松原参事家庭福祉員の現状についてでございますが、平成十九年六月一日現在、都内の区市町村に登録している家庭福祉員の数は六百二十五名でございまして、これらの家庭福祉員の方々が受託している児童の数は千二百四十人でございます。 # 大松委員 大松委員認可保育所の入所児童数が約十六万人、認証保育所が約一万人、これらの施設型保育に比べますと大変少ないわけでございますけれども、この保育ママ、そもそも昭和三十年代に始まりまして、息長く続いているサービスでございます。多様なサービスが求められる東京におきましては、この保育ママにもっと活躍していただける環境を整えるべきであります。私も、就学前は保育所に四年間通いまして、その前の乳幼児期は、親の職場の近くの民家に預けられておりました。それが家庭福祉員の家だったかどうかというのは、ちょっと確認がとれないわけでありますけれども、就学後もそうした家庭の方々と長く交流が続きまして、温かい思い出として胸の中に残っているわけでございます。私の地元の北区にも、保育ママ、頑張っていらっしゃる方がおられまして、そのお宅にお邪魔をしたことがございます。一歳、二歳のお子さんたちが本当に兄弟のように明るく遊んでいる姿が印象的でありまして、大変温かい雰囲気を感じたわけでございます。そして、ぜひこの東京におきましても、待機児童解消のためにも、また良質で多様な保育サービスの充実のためにも、家庭福祉員を拡充するべきでございます。都の取り組みを求めます。見解を伺います。 # 松原参事 松原参事東京都といたしましては、家庭福祉員制度が、委員ご指摘のように、低年齢児に対する保育の方法として高く評価されていることを踏まえまして、今後、多様な保育サービスを担う重要な一つの形態として、規模の拡大と質の向上に取り組んでまいります。 # 大松委員 大松委員そこで、都の要綱には、家庭福祉員の資格として、現に養育している六歳未満の子どもがいないことと定められております。公私混同を避けるためということでありますけれども、一方で、若い保育ママの皆様方からは、子育て支援の一環である家庭福祉員の仕事をしてきて、自分に子どもができたときは子育て支援が受けられずに、家庭福祉員という仕事もやめなければならないことに矛盾を感じるとの声が上がっております。先ほど紹介いたしました北区内で仕事をされています保育ママの方も、もともとは保育所で保育士として働いていたわけでありますけれども、もっときめの細かい保育をやりたい、こういう思いで自宅を改装して保育ママに転職された方であります。同じ保育の仕事をやりながら、保育所の保育士は、自分の子どもを他の保育所に預ければ仕事を続けられるわけでありますけれども、保育ママの場合はそれができないということに対しましてジレンマを感じておられるわけでございます。保育の安全性、こうしたことも課題になると思いますけれども、保育ママの制度を広げていくためにも、ぜひこうした資格要件の見直しに向けた検討を行うよう要望いたしまして、質問を終わります。 # 吉田委員 吉田委員私は、後期高齢者医療制度及び特定健診への対応、さらに障害者の就労促進及び福祉人材の確保の問題について、この機会に質問させていただきます。まず第一に、後期高齢者医療制度です。後期高齢者医療制度は、ご承知のとおり、七十五歳以上の高齢者を国保や健保から切り離し、高い保険料を年金天引きで徴収しながら、診療報酬は別建てとし、保険適用の制限を設けるというものです。我が党は第三回定例会の代表質問で、実施を凍結し、全面的に見直しを政府に迫るよう求めました。知事はその答弁で、今後、国の動向を十分見きわめながら適切に対応してまいりますと答弁をいたしました。その後の状況はどうかといえば、先ほどもお話がありましたけれども、政府の見直しは、新たに被保険者となった方への限定的な対応であり、また、広域連合の保険料の案が示され、今、審議されているかと思いますけれども、具体的な保険料案も示されました。そして、区市町村や議会からは見直しを求める意見書が相次いでおります。計画を知った高齢者からは、まさに年寄りは早く死ねということかなどの怒りの声も上がっております。改めて、現時点でどのように事態を見きわめているのか。四月実施の中止を政府に求めるべきだと思いますが、ご答弁をお願いいたします。 # 永田生活福祉部長 永田生活福祉部長現在、全国の広域連合で保険料が順次決定されておりまして、また国では、一連の医療制度改革による自治体の財政負担状況を把握する上で必要な算定式を、今月下旬から来月にかけて各自治体に提示する予定となってございます。東京都といたしましては、このような状況を慎重に見ていく必要があるというふうに考えております。また、後期高齢者医療制度についてでございますけれども、国の説明によりますと、我が国では急速な少子高齢化、国民生活の変化など大きな環境変化に直面をしており、国民の生活と健康を支える医療制度についても、時代に見合った制度への変革が急務とされており、今回の後期高齢者医療制度もその改革の柱の一つとして、世代間の負担を明確化し、公平でわかりやすい制度とすることを目指すものであると認識してございます。 # 吉田委員 吉田委員負担の公平という国の説明を紹介されましたけれども、後で述べますが、今の保険料の案では、七十五歳以下の方々の国保料よりも、所得の低い方の場合には、新たな七十五歳以上の今回の後期高齢者医療保険の方々の保険料の方が高まるということがありますし、さらに、この制度のねらいが、私も団塊の世代の一人でありますけれども、そうした団塊世代の高齢者に対応するというもとでつくられているということも聞いております。そもそも、ヨーロッパ諸国など国民皆保険制度の確立した国で、年齢で被保険者を切り離し、保険料、医療内容などに格差をつけている国はないと認識しております。まさに本制度は世界的にも驚くべき高齢者いじめの制度であり、改めて四月実施の中止を求めるべきだという意見を述べさせていただきます。同時に、これが具体的に実施ということになれば、当然、高い保険料の引き下げや健診の無料継続、あるいは滞納する高齢者に対して保険証を取り上げるなどということが起きないように、広域連合や区市町村任せにせず、都としても必要な対応をとることが私は求められているというふうに思います。とりわけ重大な問題は保険料です。先ほどのご答弁の中で、国保料の平均よりも、今回の後期高齢の提案されている保険料の方が平均で低いとか、他県との関係でも低いということが強調されました。しかし、広域連合が発表した具体的な所得階層別の現在の特別区や市町村の国民健康保険料あるいは税額と、提案されている後期高齢者医療保険の金額を見れば、例えば区部で見ますと、年金収入が三百八十八万、旧ただし書き所得で見れば二百三十五万以下の層は、確実に今回の方が保険料が上がります。さらに市町村の場合で見ると、すべての階層で、現在の保険料よりも、国保料よりも上がるという試算が既に提供されているんですね。平均だけでなくて、こういう実態を私は見る必要があると思うんです。もう一つ、現在の国保料よりも、しかも上がる率というものは、例えば区部の場合で、旧ただし書き所得十五万から二十万の方々の場合には、現在の国保料よりも約二・二倍、四十万から六十万の階層の方々は一・八五倍上がるというふうに計算することができるんですね。それを平均で置きかえて、いかにも下がるかのように強調されることは、正確な事態の説明に当たらないと思うんです。二つ目に、保険料の問題とあわせて見ておく必要があることは、そもそも、後期高齢の新たな保険料負担だけではなくて、この三年間の間に税や社会保障をめぐる負担が、もちろん高齢者だけではありませんが、高齢者は特に集中するような改定が連続的に行われたと思うんですが、そういう事態をどのように認識していますか。 # 松井企画担当部長 松井企画担当部長高齢者に限定したものではございませんけれども、平成十一年度以降、景気対策のための臨時の措置として継続されておりました定率減税が、平成十七年度税制改正で二分の一に縮減、平成十八年度税制改正で廃止となりました。また、平成十七年度税制改正で、六十五歳以上の住民税非課税措置が廃止されることとなりました。なお、これにつきましては二年間の経過措置が設けられております。これらは、景気状況に改善が見られたことや、社会保障給付等に要する費用をあらゆる世代が広く公平に分かち合うためのものと理解しております。また、これらの税制改正に伴い、国民健康保険料や介護保険料も影響を受けることとなりますが、保険者であるそれぞれの自治体におきまして料率を見直すなどの対応が行われたところでございます。 # 吉田委員 吉田委員今、増税と負担増の一部を紹介されましたけれども、制度は一々なぞりませんけれども、私が強調したいのは、その結果、高齢者の方々の負担はこの二年間で急増しているということなんですね。例えば、杉並区が議会に対する資料として作成したものを見ますと、杉並区において単身で公的年金百八十万円の方の場合に、二年前、住民税あるいは所得税も非課税でした。介護保険料、国保料は、合計で年間で三万六千円余でした。それが今年度どういうふうになったかといいますと、住民税も所得税も課税で、合わせて二万八千五百円。それに介護保険料の改定、連動した国保料の値上げと合わせて、この二つの負担で十万円余。合わせて約十三万円の新たな負担増が公的年金百八十万の方にかぶさっているんですね。そして、そういう人に今度は、このままいきますと、来年からは、現在の国保料よりもさらに後期高齢医療保険の保険料の方が高くなると。そういうふうにトータルで後期高齢の方々の負担がふえるんだということを、私は東京都としてもしっかり認識して、広域連合や区市町村と連携した対応策をとることが求められていると思うんですが、こうした事態を東京都としてどのように認識しているのでしょうか。広域連合でも議論され、区市町村でも検討されていると思いますが、さらなる低所得者対策が必要だということが議論されているんですが、東京都としては、その点どのような認識なのでしょうか。 # 永田生活福祉部長 永田生活福祉部長広域連合の資料によりますと、被保険者の半数近くが、低所得者層に対する均等割軽減措置や被用者保険の被扶養者に対するさらなる激変緩和措置など、何らかの保険料軽減措置の適用を受けるということでございます。その上で、さらなる保険料軽減措置を講ずるかどうかにつきましては、運営主体である広域連合及び構成団体である区市町村が政策判断と責任において決めることであると考えております。 # 吉田委員 吉田委員半数が何らかの軽減を受けることになるだろうというご答弁がありましたが、軽減を受けたとしても、先ほどいったように、現在の国保料よりも、その方々は負担が上がるんですよね。それも二倍近かったり、一・五倍だったりという方が現実に生まれるわけです。したがって、その運営主体であります広域連合や、また直接の当事者であります市町村の中でも、さらなる負担軽減策をとりわけ低所得者対策ではとる必要があるということで議論がされているということを私は見る必要があると思いますし、保険料の決定者は広域連合や区市町村ですけれども、しかし、こういう高齢者の方々の医療や、あるいは生活がどうなるのかという点での東京都としての基本的責任というものはないんだということはあり得ないと思うんですね。やはり東京都としても、都民である高齢者の方々の健康や医療に対して基本的責任というのは当然あると思うんですが、それはどうお考えでしょうか。 # 永田生活福祉部長 永田生活福祉部長東京都の責任というお話でございましたけれども、東京都は高齢者医療確保法に基づきまして応分の負担を負っているところでございます。また、高齢者の対策でございますけれども、高齢者施策の総合的、基本的計画といたしまして東京都高齢者保健福祉計画を策定いたしまして、高齢者にかかわる福祉保健を初めとする幅広い施策を総合的に展開しているところでございます。 # 吉田委員 吉田委員後でも述べますけれども、やはり応分の負担だけでは済まされない事態が生まれていると思いますし、保険料負担の影響ということについても、私はぜひ東京都として直視をして対応していただきたいと思うんです。さらに、もう一つだけ取り上げますけれども、それは健診の自己負担の問題です。これまで老健法に基づく健診は、一部を除いて多くの区市町村が無料で実施してまいりました。来年から特定健診に移行し、直接の事業主体は区市町村から国保に変わりますけれども、私が聞いている話では、引き続き特定健診についても、多くの区市町村では無料が継続できるように努力をするというふうに聞いています。ところが、広域連合の場合には、さまざまな努力はいたしましたけれども、結果的に、七十五歳以上の被保険者に対して五百円程度の自己負担を求めるということで制度設計が進められています。広域連合が実施をした意向調査でも、この健診の費用負担については、保険料ですべて賄ってほしい、あるいは税金と保険料で賄ってほしいという回答が対象の方々の多数を占めるということになりました。区市の財政力の格差にかかわらず健診は無料として、健診の受診が高まるように都としても対応すべきだと思いますが、いかがでしょうか。 # 永田生活福祉部長 永田生活福祉部長広域連合では、健診につきまして、受診する人と受診しない人との公平を図るため一律五百円の自己負担を設けるが、各区市町村が特定健診との整合を図るために無料とした場合には、区市町村の負担とするとしてございます。運営主体である広域連合及び構成団体である区市町村の方針を尊重していくべきだというふうに考えております。 # 吉田委員 吉田委員特定健診そのものが、先ほど議論がありましたけれども、七十五歳以下の場合には、国三分の一、東京都三分の一という仕組みがありながら、この七十五歳以上については、都三分の一の仕組みがないということが設計上ではもともとあるわけですけれども、そうした対応も含めて、また、区市町村の財政力によって無料、有料などということにならないような、まさに広域自治体としての東京都としての対応を改めて求めておきたいと思います。いずれにしても、保険料を引き下げる点や、また健診の無料化を進めるという点でも、行き着くところは、その財政的な負担をどのように進めていくのかということに帰着すると思います。本来、区市町村からも広域連合からも要望があるとおり、国がみずからの負担を十二分の三に縮めて、十二分の一については、各都道府県の所得状況に応じて調整するという財政負担の構造そのものに私は大きな問題があると思います。具体的に、今回、東京に対して所得係数を一・七というふうに示しました。その結果、調整交付金は一〇〇%東京は来なくて、五八%。金額的にどれだけ満額に対して来ないかというと、二百二十七億円。何と一人当たりだと二万円来ないということになるわけですよね。したがって、第三回定例会でも要望したかと思いますけれども、やはり区市町村や広域連合が要望しているように、国に対して少なくとも、調整交付金枠は別枠として、十二分の四をきちんと都道府県に交付するよう求めることが東京都としても問われていると思うんですが、いかがでしょうか。 # 永田生活福祉部長 永田生活福祉部長国の調整交付金でございますけれども、国の説明によりますと、広域連合間における被保険者に係る所得の格差による財政の不均衡を是正するために設けられているとのことでございます。現在、全国で、広域連合で保険料率が順次決定されているところでございまして、全国的な保険料水準を見きわめていく必要があろうかというふうに考えております。 # 吉田委員 吉田委員先ほどから見きわめてというご答弁が多いんですけれども、やはりそろそろ、きちんというべきことはいうという局面に私はあるというふうに思います。それで、先ほど、東京都としても応分の負担をしている、あるいは各種計画を立てているということを述べましたけれども、私はやはり、当然のことではありますけれども、東京都が都内に暮らす高齢者の暮らしや健康、医療について責任を負うという、その責任はいささかも免れることはできないと思いますし、法的にいえば老人福祉法がありますよね、先ほどの計画の前提になっていますけれども。この第四条では、国及び地方公共団体の責務として、国及び地域公共団体は老人の福祉を増進する責務を有すると。そして、第二条に規定する基本理念が具現されるように配慮しなければならないというふうに都道府県にも求めています。この第二条に規定する基本理念というものはどういうことかといえば、老人は、多年にわたり社会の進展に寄与してきた者として、健全で安らかな生活を保障されるものというふうに書かれているんです。今の後期高齢医療制度の保険料負担では、私はこれでは安らかな生活というのは保障できない。そういう基本的な責務から見ても、財政的支援ということが東京都に求められていると思いますし、知事は珍しく我が党への答弁で、結果として貧しいお年寄りは早く死ねということになっては決してならないと思いますという決意を表明されました。まさにその責任が、私は今、問われていると思うんですけれども、そこでまず確認しますが、先ほど法的な負担について出しているというご答弁がありましたが、それ以外にも、東京都として独自に補助金や交付金を出す、貸し付けるということはできるんじゃありませんか。 # 永田生活福祉部長 永田生活福祉部長高齢者の医療確保法におきましては、第一〇二条で、国は、予算の範囲内において、後期高齢者医療に要する費用の一部を補助することができるとしております。また、第一〇三条で、都道府県、市町村及び後期高齢者医療広域連合はちょっとここからは条文を読みかえてご説明いたしますが、定率負担の十二分の一、保険基盤安定負担金、財政安定化基金、高額医療費負担金のほか、後期高齢者医療に要する費用に対し補助金を交付し、または貸付金を貸し付けることができるとしております。都の法定負担分は、広域連合の試算によりますと約七百七十億円でございまして、広域連合の安定した財政運営のために応分の規模の財政負担を担ってまいります。 # 吉田委員 吉田委員要するに、結論的には、規定するもののほかに、要する費用に対して補助金を交付し、貸し付けることができるということがわざわざ法にも明記されているわけですよね。しかも、七百七十億出すという旨の話が今、繰り返しありましたけれども、そして、先ほどの質疑の中では、区市町村の負担金額についても六百億余というような金額がありました。しかし、広域連合の資料を見ても、保険料の引き上げを抑えるために、区市町村は百億からの、保険料に込みにしてもいいものを独自に切り離して負担するという努力をしているわけですよね。私は、そういう点では、保険料負担軽減は区市町村と東京都が共同して担うということが求められていると思うんです。昨日いただいた資料では、区長会、市長会、町村会、三者一致した要望として、第一に、低所得者対策として年金収入二百四十五万までの軽減措置を求める。金額的には十五億円。すべての保険者の負担軽減として七十億円。さらに、保険事業への、区市町村国保と同様の三分の一の支援をしてほしいという三点の要望が出されております。三定で我が党は、保険料引き下げ、健診事業への都としての財政支援を求めたことに対して、局長は、広域連合の検討状況や国の動向を見きわめ、注視し、適切に対応してまいりますというふうに答弁されました。保険料額や国の対応もほぼ明らかになりつつあり、また、区市町村からこれだけの要望が明らかになっているわけですから、現時点として都として財政支援を決断すべきだと思うんですが、いかがでしょうか。 # 永田生活福祉部長 永田生活福祉部長東京におきます後期高齢者医療制度の運営につきましては、運営主体である広域連合及び構成団体である区市町村の政策判断と責任によるものでございます。今後、順次明らかとなる全国の保険料の水準や、一連の医療制度改革による自治体の財政負担の状況などを慎重に見ていく必要があると考えております。まず、この点を見きわめた上で判断をすべき問題であるというふうに考えております。 # 吉田委員 吉田委員先ほど申し上げましたけれども、広域自治体として、また都民の暮らしや医療に責任を負う自治体として、後期高齢の方々への新たな負担増などを抑制するために、東京都が区市町村と共同して努力をするということを改めて求めておきます。次に、国保組合に対する特定健診、保健指導への支援の問題について若干質疑をさせていただきます。私は、第一回定例会の厚生委員会でもこの問題を取り上げて、東京都として、国保組合が行う特定健診、保健指導への支援を要望いたしました。その際、国の対応がつまびらかでない、国の動向を見守っていくという旨の答弁がありました。しかし、結果的に国は、概算要求でこの国保組合に対する補助金を要求したというふうに聞いていますが、まずこの事実について説明していただきたいと思います。 # 永田生活福祉部長 永田生活福祉部長国からの情報によりますと、厚生労働省は、国民健康保険組合につきましても、区市町村国民健康保険との均衡を図る観点から、国民健康保険法第七十四条の規定により、特定健康診査及び特定保健指導に要する費用の三分の一相当分を概算要求したというふうに聞いてございます。 # 吉田委員 吉田委員それで、先ほどのご答弁の中で、都としても財政支援を検討している旨のお話がありましたけれども、国の概算要求では、区市町村国保と同様に三分の一負担ということが入っていると。そうしますと、東京都も、この国の三分の一に対応した財政支援を検討しているということなのでしょうか。 # 永田生活福祉部長 永田生活福祉部長先ほどもご答弁申し上げましたが、東京都は、区市町村国民健康保険との均衡も考慮いたしまして、国民健康保険組合の特定健康診査等につきまして必要な額を予算要求しております。 # 吉田委員 吉田委員必要な額といいますが、均衡ということになると、三分の一負担ということになるのかなというふうに思います。ただ、私、強調したいのは、財政支援をすることは当然結構で、必要なことなんですけれども、国保組合は、市町村のように三分の一では到底やりくりが困難になるという問題があると思うんですね。そもそも国の設計では、まず特定健診などに要する費用の三〇%は自己負担というふうになっています。しかし、当然、市町村の場合には、この三〇%分も、無料にするために市町村が負担をするという傾向がほとんどだと思うんですね。もし国保組合が自己負担なしということになりますと、総費用の三〇%は、それ自身、国保組合の負担となってはね返ってきます。それに、残された事業費の七〇%、七割分の三分の一が国保組合の負担となるということになれば、それ自身、市町村は税の対応がありますが、国保組合の場合には組合員の保険料で賄うという状況の中で、これだけの負担が入るというのは非常に大きいものがあると思うんですが、自己負担及び市町村国保に準ずる三分の一負担が求められた場合、一人当たり、金額にしてどれぐらいの負担が国保組合の負担になるのか、ご答弁できるでしょうか。 # 永田生活福祉部長 永田生活福祉部長特定健診の実施費用でございますけれども、それぞれの医療保険者が健診実施機関と協議して決めるものでございますので、一概にはちょっと申し上げられません。国が補助金を概算要求する際に用いた考え方によりますと、基本的な健診項目を個別健診方式で受診する場合、健康診査一件当たりの所要額はおおむね七千五百円としてございます。受診するご本人がその三〇%を負担し、医療保険者は、残り七〇%のうち国等が補助する額を除いた額を負担するとの説明を受けてございます。 # 吉田委員 吉田委員七千五百円の、これは一つの仮定ですけれども、計算しても、私の計算だと、それだけで国保組合の負担は四千円程度になるのではないかなというふうに思います。しかもご承知のとおり、例えば建設国保の場合には、アスベスト対策としてレントゲンを健診に組み込むことが不可欠です。それだけでも、例えば単価二千円程度ということになると、一人当たり六千円相当の負担にもなりかねないということは十分予想されると思うんです。これまで東京都は、国保組合に対しては、その健全な育成といいますか、運営を支援してくるという立場をとっていましたけれども、これだけの負担が、特定健診、特定保健指導という、全く今まで負担する必要のなかった分野で発生すると、本体の運営にも極めて深刻な影響が及びかねないことだと思います。ぜひ、こうした状況をしんしゃくした財政支援になることを要望として述べておきます。三つ目のテーマ、障害者の就労促進について、これは基本点について何点か確認する意味で質問させていただきます。第一は、何よりも、障害者の一般就労を促進していく上でさまざまな課題がありますけれども、東京都自身が先頭に立って努力をするということが重要だと思います。例えば具体例として、知的障害者の分野では、国はチャレンジ雇用を始めたというふうに聞いており、東京都でも実施が要望されています。また、視覚障害者の雇用という点では、高卒の方々を対象とした点字試験はないということも聞いています。さらに、ご記憶だと思いますが、かつて都庁の中の清掃管理では、障害を持っている方々が随分携わっておりましたけれども、委託業者の変更によったのでしょうが、そうした清掃管理などに障害者の方が携わるという姿を都庁で見ることは最近なくなってしまいました。今挙げた事例は、すべて福祉保健局と直接かかわらないセクションの範疇になることかもしれませんけれども、いずれにしても、該当部署に働きかけることを含めて、まず東京都が障害者雇用の先頭に立つということが求められていると思いますが、基本姿勢としていかがでしょうか。 # 松浦障害者施策推進部長 松浦障害者施策推進部長障害者雇用についての福祉保健局の認識についてでございますけれども、福祉保健局としましては、当然のことですが、障害者の方々が地域で自立した生活を実現する上で、就労の問題は非常に重要であるというふうに認識しております。したがいまして、福祉保健局では、関係局とともに、知的障害者、精神障害者の方の一般就労への移行促進を図っていくことを目的としまして、都庁内の職場体験実習を既に実施しているところでございます。 # 吉田委員 吉田委員他局にかかわることはなかなかご答弁できないかもしれませんけれども、ぜひ都庁が先頭に立つという点で、福祉保健局としてイニシアチブを発揮していただきたいと思います。二つ目の質問はその関連なんですけれども、障害者雇用の促進は、福祉保健局はもちろん、職員採用だったら総務局、契約の所管だったら財務局、教育だったら教育庁という全庁的な体制での検討と対応が必要だと思います。また、兵庫県では、そうした県の組織だけではなくて、労働関係団体、福祉関係団体、教育関係団体、経営者団体や労働団体などを含めて、兵庫県雇用就業支援ネットワーク推進委員会というものを結成して障害者雇用を総合的に推進しているということも聞いております。既に東京都でも同様の努力を始めているというふうに聞いていますけれども、都として、今後こうした点でどのような努力をしていくのか、ご答弁をお願いいたします。 # 松浦障害者施策推進部長 松浦障害者施策推進部長障害者の就労支援についてでございますけれども、東京都におきましては、「十年後の東京」に掲げました、十年間で障害者雇用の三万人の増加を目指しまして、経済団体、企業、行政から構成される東京都障害者就労支援協議会を本年十月に設置しているところでございます。庁内につきましても、福祉保健局、知事本局、総務局、産業労働局、教育庁など関係各局から構成される東京都障害者就労支援協議会事務局会議を設置しまして各局間の連携をしているところでございます。こういうことによりまして、今後とも関係機関が連携を図り、新たな雇用拡大に努めまして、障害者の企業への就労を促進してまいります。 # 吉田委員 吉田委員三つ目に質問し、訴えておきたい点なんですけれども、それは、一般就労と福祉的就労のトータルでの障害者の就労と自立した生活への支援が必要だという点です。当然のことですね。とりわけ父母の皆さんからも訴えられておりますけれども、養護学校卒業生は年々増加しており、これに見合った福祉的就労という点では、作業所や授産施設などの整備、運営への支援が必要と考えておりますが、基本的な姿勢についてご答弁お願いいたします。 # 松浦障害者施策推進部長 松浦障害者施策推進部長福祉的就労の受け皿の整備ということと思いますけれども、東京都はこれまでも、障害者地域生活支援・就労促進三か年プランに基づきまして、障害者が障害の特性や障害程度に合わせまして的確に選択できるよう、福祉的就労の場を整備拡充してきたところでございます。また、本年五月に策定した障害福祉計画におきましては、この三か年プランを拡充し、特別助成により、今後とも福祉的就労の場のさらなる拡充を図っていくということでございます。 # 吉田委員 吉田委員この問題の最後に、就労支援とともに、居住の場を初め、地域での全体的な支援体制の構築が求められていると思います。例えば知的障害の分野では、通勤寮の継続、拡充という課題がありますし、グループホームの整備、運営への支援なども継続していく必要があると思いますが、こうした点についてどのように考え、計画をしているのか、ご答弁をお願いいたします。 # 松浦障害者施策推進部長 松浦障害者施策推進部長居住の場につきましても、同様に障害福祉計画に基づきまして、グループホーム、ケアホームなどの地域生活基盤につきまして特別助成により重点的に整備しておりまして、今後とも障害者が地域の中で自立し、安心して暮らせるよう、障害者施策を総合的かつ計画的に推進してまいります。 # 吉田委員 吉田委員ご承知のとおり、国連では、障害者権利条約が昨年全会一致で採択されました。批准と現行法の見直しというのが、国だけではなくて、東京都レベルでも新たな課題として浮上してきていると思います。先日、山加さんを初め、東京都盲人福祉協会の大会に参加しましたけれども、改めてスローガンでさまざまな就労に関する要望を見て、私はやはり、障害者の平等ということが強調されているんですけれども、同じ仕事はできないかもしれませんが、やはりきちんと就労の場が保障されてこそ、本当の平等が実現するのではないかなという思いをそのとき痛感したんですけれども、ぜひ障害者の就労支援のために、全力でこれまで以上に努力していただきたいという要望を述べておきます。さて、最後の質問、取り上げたいテーマで、福祉人材の確保についてです。ご承知のとおり、今、福祉人材の確保は、きょう、この委員会でも質疑がありましたけれども、極めて深刻な状況となっています。私も、園長や施設長の皆さんにお話を聞いてまいりました。例えば私が訪れた私立の保育園では、サービス推進費が毎年五百万単位で削減され、その中でどうやって給与や一時金を維持していくのかということに園長は悩んでいました。また、やっとの思いで採用した職員が、やっと覚えた程度の三年あるいは五年で退職をする。中には、民間の将来に不安を感じて、黙って公務員試験を受けて退職をするということに園長は胸を痛めておりました。これは小規模ですけれども、特養ホームの施設長からは、一つの例として、看護師二名が確保できないと運営費が二割削減されるんだそうですねという話を聞きました。したがって、二名にならなかったために、必死になって看護師さんを確保する努力をしたんだと。もう職員の質など気にしていられないと、まあ、これはいった通りのことをいっているんですが、そういう声が上げられました。東社協は、危機的な状況だと宣言をして打開の提案を進めておりますけれども、今後、高齢化が進む中で、私は、東京の将来にも、そして現在のサービスの質にも直接影響を及ぼす重大な問題だと思いますが、まず、東京都が、今日の福祉人材をめぐるこうした状況についてどのように基本的な認識を持っているのかということについて伺いたいと思います。 # 松井企画担当部長 松井企画担当部長福祉人材をめぐる状況についての基本的な認識ということでございますけれども、これは第三回都議会定例会でも局長からご答弁いたしましたけれども、経済の回復基調とともに民間企業の求人が活発化する中で、福祉分野における人材の確保は厳しい状況であるというふうに認識しております。 # 吉田委員 吉田委員厳しいのはそうだと思うんですよね。ちょっと私の質問が十分伝わらなかったかもしれませんが、例えば東社協は、先ほどいったように、ことし五月だと思いますが、提言を発表いたしました。その中では、福祉人材の確保について危機的な状況にあり、早急な対応を図らなければ、東京の福祉水準の将来に大きな禍根を残すという危機感を抱き、福祉関係者挙げて社会に訴えるというふうに冒頭書かれています。そして、人材の確保が進まなければ、その育成も困難になり、今、確保しておかなければ将来の育成もできないんだ、ひいては、今後の福祉施設におけるサービスの質に大きな影響を与えることが考えられるという認識のもとに提言策を打ち出しているんですね。ですから、厳しい状況にあるというのは事実なんですけれども、私はやはり、東京の現在と将来の福祉に重大な問題が、これを放置したら生まれかねないという、お持ちなのかもしれませんが、そういうことをいってほしかったんですよ、率直にいって。そういう認識で取り組んでいただきたいというのが第一にいいたいことです。二つ目にただしたいことは、解決するためにさまざまな課題があると思うんですよ。あるいは育成、養成ということになってもいろいろな課題がありますが、とりわけその中で何を解決することが求められているのか。逆にいえば、何が今、こういう深刻な事態を生み出している一番の要因なのかということについて伺いたいんです。私の認識は、結論的には、他の産業などと比べても福祉分野というのは賃金が低い、あるいは不安定な雇用も多くて将来的な展望が見られない、そういう処遇の改善が何よりも最優先の課題ではないかなというふうに思っております。時間が押してきておりますが、具体例として、寄せられた声を一つ紹介いたします。私の勤める都内の児童養護施設では、人件費が低く抑えられ、経験年数が十年になる私は、さまざまな手当を入れても月額二十万に届かない状況です。新たに理事会が提案している賃金案では、役職のない保育士、指導員は、四十年間勤めても基本給は最高で二十三万円、夏冬の一時金は年間で二カ月にも届きません。子どもが好きだから、専門性を高めて続けたいと思っていますが、中途退職者がふえて仕事がきつくなり、だけれども、自分がやめれば、居場所を選択できない子どもたちはどうなるのかと悩む日々ですという一人の方の声ですけれども、こういう声が寄せられています。私は、給与を初めとする処遇の向上が何よりも急務だと思いますけれども、福祉保健局としては、福祉人材確保にとって、何が今、最優先で解決すべき課題だという認識を持っているのでしょうか。 # 松井企画担当部長 松井企画担当部長福祉人材の確保に当たって解決すべき課題ということでございますけれども、労働環境の整備、就労あっせん機能の強化、人材育成策の充実などが考えられると思っております。そして、以下のような、今から述べますけれども、対応を既に行っております。まず第一でございますけれども、労働環境の整備につきましては、本年五月、国に対して、大都市の特性を踏まえた望ましい介護報酬のあり方についての提言を行ったところでございます。これは、先ほど高齢部長の方からもご説明いたしました。第二の就労あっせんにつきましては、福祉人材センターにおきまして、キャリアカウンセラーによる専門相談やインターネットによる求人情報システムなどによる支援を実施しております。第三に、人材育成策の充実につきましては、本年八月に東京都社会福祉審議会から出された意見具申を踏まえまして、効果的な人材育成施策のあり方について検討を行っているところでございます。 # 吉田委員 吉田委員いろいろなことを紹介されましたけれども、先ほどの石毛委員の答弁の中でも、介護職場の離職率の理由の第一に挙げられたのが待遇だということで、三割回答があったというお話がありましたよね。やはりその問題の解決が、いろいろなことをやるのは必要ですけれども、何よりも求められていると思うんです。ちなみに、ことしの八月ですか、国が発表した福祉人材確保指針の改定版でも、人材確保の方策の第一に労働環境の改善を掲げ、キャリアと能力に見合う給与体系の構築を図ることを示し、給与体系の検討に当たっては、国家公務員の福祉職俸給表等も参考にすることというふうに挙げています。そこでお伺いしたいんですが、東京都としては、この国が示した福祉人材確保指針、当然これに基づいて努力することが東京都としての責務だと思いますが、どのように対応しようとしていくお考えでしょうか。 # 松井企画担当部長 松井企画担当部長国は、本年八月、社会福祉事業に従事する者の確保を図るための措置に関する基本的な指針を示しました。指針では、労働環境の整備やキャリアアップの仕組みの構築、福祉、介護サービスの周知、理解、潜在的有資格者等の参入促進、多様な人材の参入、参画の促進などの就労あっせん機能の充実を柱としております。また、地方自治体は、個々の経営者では対応が難しい人材確保の取り組みや人材育成を支援することが必要であるというふうにされております。東京都といたしましては、先ほども申しましたけれども、介護報酬に関する国への提言、第二に福祉人材センターによる多様な就労支援、第三に社会福祉審議会の提言を踏まえた効果的な人材育成策の検討を行っております。 # 吉田委員 吉田委員私は、とにかく経営者の努力ではどうにもならない。そのために、例えば介護の分野では、国に、介護報酬を引き上げて、人材確保を解決するために適切な賃金が支払えるような状況を東京都自身が求めているわけですから、介護分野だけではなく、また国に求めるだけではなく、東京都としてのこの点での対応が求められていると思うんですね。もう一つの問題は、私は、大きな社会的な問題になっています非正規雇用の増加の問題だと思うんです。社会的に、非正規雇用の増加が今日のワーキングプアの原因の一つということをいわれておりますけれども、これは福祉の分野も例外ではないどころか、極めて深刻に進んでいると思います。資料でも出していただきましたけれども、例えば認可保育所の分野で見れば、非常勤職員の比率は年々増加し、三五%になっております。この点でも一例紹介しますと、非常勤の方々は、常勤並みに働いてもなかなか、給与が低い水準を強いられているという例ですけれども、例えば生活保護法に基づく三多摩の救護施設で働く青年は、常勤と同じ時間で同じ仕事をしていますけれども、毎月の給与は手取りで十一万円。まさに生活保護法に基づく救護施設で働く人が生活保護基準以下の生活を余儀なくされるというふうな事例があるわけですよね。しかも、すべて否定はしませんけれども、非正規雇用の増加ということは、福祉のサービスそのものにとっても、一つの欠陥、問題を生み出すものだと思いますけれども、私はやはり福祉の分野でも正規雇用が拡大されるように東京都としても対応を検討すべきだと思うんですが、いかがでしょうか。 # 松井企画担当部長 松井企画担当部長福祉施設におきましては、ニーズの多様化、高度化により、弾力的で創意工夫を凝らした運営を行うことが求められております。例えば常勤職員と非常勤職員をバランスよく組み合わせることにより、食事の時間帯など、必要なときに必要なサービスを提供することが可能となります。職員の採用形態につきましては、利用者サービスの向上と経営の健全化ということを考慮いたしまして、経営者が判断すべきものであると考えております。 # 吉田委員 吉田委員経営者の判断だというふうにいわれましたけれども、例えば東京都は、福祉法人の経営改革に関する提言というものを、これは第三者も含めての提言だったかもしれませんが、その中では、多様な雇用形態の活用、非常勤職員や臨時職員などの活用ということを強調してきたんですよね。そして実際に、例えばサービス推進費などにしても、先ほども述べたような、これまで受けてきたところで毎年五百万ずつの削減を余儀なくして、正規職員が減っても非常勤で対応せざるを得ないような状況をつくってきたと思うんです。知事自身、東京の低所得者の問題に言及したときに、こういうふうにいっているんですよね。構造改革を進めてきましたけれども、その一方で、生活保護や非正規雇用が非常にふえたと。ちなみに、この非正規雇用のふえ方は、全国は一・五倍だけれども、東京の場合には二倍にふえているんだということを問題提起しているわけですよね。その一翼を福祉分野が担っているし、東京都がある面では経営改革の名前でこういうことを促進してきた。また、先ほど述べた賃金、処遇という点で見ても、例えば特養ホームに対しては、年間約二百億からの都加算事業を行ってきたわけですよね。これを介護保険を理由に廃止して、それに比べて六分の一程度の特別経営支援という形で置きかえる。そういう点では、東京都が行ってきたことが、私は福祉人材の確保を困難にするという点での責任というものは免れることはできないんじゃないか。そういう意味で、サービス推進費や、あるいは特養などに対する経営支援事業などについても、現実の状況に立脚して再検討していただきたいと思うんです。ちなみに、東京都がかつて出した文書の中で、社会福祉法人改革の提言では、福祉に人材が集まらない時代において、施設職員の給与水準を向上させることにより、福祉人材の確保にとって大きな役割を東京都は果たしてきたという文言がありました。そういう努力が私は今、求められていると思うんです。最後の質問ですけれども、そうした真に実情にかみ合った対応策を、都としても改善していく上で、実態調査、ニーズ調査、どういう要望を事業者が持っているのかという調査が必要だと思うんですが、いかがでしょうか。 # 永田生活福祉部長 永田生活福祉部長福祉人材に関する実態調査のお話でございますけれども、東京都福祉人材センターにおきましては、平成十六年度には紹介就職者の就業状況に関する調査、平成十七年度には訪問介護、居宅介護事業所における職員採用状況調査として、福祉人材の求人、求職や就業状況についての調査を実施しております。また、今年度は、社会福祉施設における採用と定着に関する実態調査といたしまして、現在調査を行っているところでございます。今後とも、必要に応じて実態の把握に努めてまいります。 # 吉田委員 吉田委員調査を行っているということですけれども、内容を確認することはできません。しかし、人材確保にとって何が必要なのかという点で、事業者の要望などがわかる調査をぜひしていただきたいと思うんです。私、非常に注目したんですけれども、福祉保健局が作成した東京の福祉保健の新展開二〇〇七の中で、広域的なシステム全体の調整者としての都の役割をきわめますという箇所がありました。その第一に、科学的政策システムの構築という項目があって、従来のような手法だけでなく、1)社会調査、ニーズ調査、2)研究、3)政策立案というプロセスを踏むことにより、政策を科学的に展開していくことが有効だというふうに強調されましたけれども、まさにそういう精神で調査をし、そして、それに基づいて抜本的な福祉人材確保策をとることと、また支援をしていただきたいということを述べて、私の質問を終わります。 # 野島委員 野島委員先ほどは石毛委員の方から、そして今ほどは吉田委員の方から、福祉人材の確保について質疑があったところであります。重複は避けてと思っておりますが、重複を避けて質問するほどの能力はございませんので、重複しておりましたら、答弁は一緒で結構でございますので、そんな前提でひとつ何点かお聞きしたいと思います。私の方は、介護保険施設における福祉人材の確保、このジャンルでお聞かせいただきたいと思っています。実は、私の近くに特別養護老人ホームがございまして、これは百人規模でございます。認知症も込みでございまして、この法人は、そこのみならず、あと、ほかの市でも同様の規模の特養を運営しているんですね。この施設長と私、極めて仲がよくて、この施設長はそこの施設長をする前は、民間の有料特養とその当時いっていたんですが、そこの経営をしていた経験もあるんですよ。したがって、社会福祉法人立あるいは民間の、今は一般的には有料老人ホームといってますかね、そういったところのことも踏まえていろいろ意見交換する機会をいただいております。実は、福祉人材の、介護の現場における人材の確保は、バブル崩壊後は結構気楽に採れたんですね。こういう人がいるんだけれども、どうなんてそういうことを、別に立場を使ってやったわけじゃないですよ。紹介申し上げると、いやいやと、こういう。そのうち、何とか野島さん、人がいませんかと、こういう話になりまして、いわばこういう景気回復が、さっきいっていました部分との絡みの中で人材確保ができないというのが現在の実情だろうと思っております。労働市場という側面からは、さっき吉田委員もご指摘がありましたけれども、私からいうと、雇用調整の場になっちゃっているんじゃないかなと、こんな感を強くしております。特に東京は、景気回復で就業機会も随分高まってきた。同時に、団塊の世代が大量に退職していきますから、その穴埋めで、若年層も雇用機会が、かつての求職氷河時代といわれたときからさま変わりしている。売り手市場だと、こんな実情があるわけです。そこでまず、都内の福祉人材の需給状況に関しまして、景気の動向がどんなふうに影響を及ぼしているのか、こんなところをお伺いしておきたいと思います。 # 永田生活福祉部長 永田生活福祉部長先ほどの資料をまた繰り返しご説明させていただくことになりますが、厚生労働省の職業安定局職業安定業務統計によりますと、好景気といわれる平成十八年におきましては、都内全職業の有効求人倍率が一・四六倍なのに対しまして、介護関連職種は二・七二倍と高くなっておりまして、好況時においては、他の産業に比べ人材確保に窮している状況がございます。また、東京都福祉人材センターにおける求人、求職状況についてでございますけれども、好景気時のことし十月と不況時の平成十三年十月とを比較いたしますと、ことし十月の新規求人人数は千五百三十七人と、不況時の四百九十六人の約三倍となっております。一方、ことし十月の来所による新規求職者数は三百七十九人でございまして、不況時の二千二十三人のわずか二割と大幅に減少しておりまして、ご指摘のとおり、福祉人材の需給状況は、景気の動向により大きく左右されている状況といえると思います。 # 野島委員 野島委員ありがとうございました。どんな業界においても、その職業を天職だというふうに認識されておる方においても、これは当然生活していかなきゃいけないわけですから、一般的には、人材の確保をしていく、あるいは定着を図っていく、こういう部分は、先ほど吉田委員のご指摘のように、裏腹からいえば給与あるいは待遇面、こういったふうなところが大きく影響するということは当然だろうというふうに思っております。そういう側面から見ますと、この特別養護老人ホームなどでは、収入の大部分は、当然のことながら介護報酬ということになりますね。これは公定価格ですから、人をたくさん雇うために介護報酬を勝手に設定できない。申すまでもなく、こういう公的保険制度ですからね。したがって、限られた財源の中での労働条件の改善は極めて困難。そうしますと、人材確保に支障を来す。仕事量は増大するが、給与は十分でない。あるいは、自分がそこを天職としながらスキルアップを求めていっても、そういうステージもなかなか確保できない。そのことが結局、離職率の上昇につながっていく。そうしますと、今度もまた新しい人材を確保しなきゃいけないという負のスパイラルに陥ってしまうのではないかな、こんなふうに思っているんですね。一方、先ほど述べました有料老人ホームの場合ですと、介護報酬というのもありますけれども、入居料、当然家賃とかありますね。それから、保証金の償却というのがあるんですよね。入ったときに入居保証金をもらいますから、それを何年で償却するということになりますから、それが経営資源になってくるということで、それを利用して人材の育成、確保をしていく、こういうことも私は事業体としては可能になるだろうというふうに思ってございます。そういうことで、いいサービスが受けられるよ、いい介護サービスだよ、あの施設はということになりますと、需要者が増加する。そうしますと、また事業機会がふえていくという、これは好転換のスパイラルになっていくのではないかなと思うんですね。ただ、こういう有料老人ホームを利用できる需要者というのは、そんなに多くないはずですよね。介護を必要とする方あるいはこういう施設福祉を必要とする方、こういうことが大部分でございます。それによらざるを得ないという形になると思うんです。このことは、官民格差とか、あるいは格差があるとか、そういう言葉は僕、好きじゃないんです。ただ、介護の現場をより魅力のある、サービスの高いものに国民負担の上でやっていくといったときに、ベースにおいて、いささかの落差が生じてくるだろうというふうに思っているところでございます。そんなことを思いながら、先ほどの賃金との絡みでは、当然、介護報酬との関係も出てきますので、さっき、私の知り合いで親しく意見交換している方を中心に、実は、大都市東京における特別養護老人ホームを初めとする介護保険施設の介護人材確保に関する請願、こういうものを衆議院、参議院に提出したのか、これからするのか、ちょっとその辺確認できていないんですが、しますよと、こういうことでございます。請願項目は、一つは、大都市東京における人件費や物価水準を反映した、地域差を十分に考慮した介護報酬の設定を求めます、こういうことでございまして、このことは、都は既に介護報酬の地域差等に関する提言、こういうことを厚労省に提出していますので、これは僕はきょうは触れません。次に、介護という仕事の専門性に見合った賃金水準を確保できる介護報酬の設定を求めます、これが二項目めになっているんですね。私は、大事なのは、介護の仕事の専門性に見合ったと、こういうところにこだわって人材育成をどうしていくんだ、こんなところを何点かお伺いしたいと思うんです。介護の仕事もさまざまな側面があるというふうに思っております。さっき石毛委員が、最期、健やかにお亡くなりいただくためには心のケアという、そういう目に見えないメンタルな部分の能力を持った人もいなけりゃいけないわけでありますから。また、仕事に携わっていて、だれでもそうであります。スキルアップをしていきたいという、当然のこととして意欲を持っていただいているわけでございますし、そういうこともあって、これらの専門性だとか、あるいはスキルアップ、こういったふうなものが反映される人事あるいは給与制度、そしてそれを反映する介護報酬、こういうことが私は必要なことだろうというふうに思ってございます。いわば量的にも質的にも人的基盤の充実なくして、多様な事業主体の参入による、あるいは競い合いによるサービスの向上だとか、あるいは需要者の選択肢のラインナップの拡大を図っていくとか、当然のことながら、ベースとして措置から契約という福祉の基本のところ、これを実現することはできないだろうというふうに思っているようなところでございます。それで、福祉現場、職場においては、実は僕も詳細はよく知らないんですが、恐らく職員の階層構造というのかな、組織は大体ピラミッドがあって、こう皆さん、局長がいて、部長がいて、それぞれの役割分担をしながら仕事をやり、スキルアップをしながら福祉行政の進展のために皆さん努力しているわけです。しかし、そういうふうな各部分が、私は実情としてどの程度あるかというのは不案内なんですが、実は余りないんじゃないかなというふうな気がするんですね。いわばなべぶた型の組織になっているんじゃないかなと。なべぶた型というのは、教育現場でさんざんいわれてきましたけれども、そういうふうになっているのではないかなというところを感じています。やはり魅力と働きがいがある職場にしていくということは、単に給料がしっかりしている職場が、雇用が安定するということを実現するためにも、そういう部分の質的な人材育成、こういうことがなければ、私は物事というのは前に進んでいかないだろうというふうに思うんですね。例えば、これは直接特養の話じゃないですけれども、私の近くに障害者の皆さんの施設もあるんですね。極めて小さい施設でございまして、そういう人材の育成というのは当然必要だというふうなことは認識はされているんですよ。しかし、日々の仕事に追われていまして、限られた人数ですから、OJT、こういったような職場研修もなかなかできにくい。そんなことをやっているより、きょうの仕事を何とかこなしていかなきゃいけないというのが実態でございます。そんなところで、先ほど吉田委員もお触れになりましたけれども、先般、東京都社会福祉審議会では、こういったふうな現状分析をさまざまにしながら、福祉人材の育成のあり方について意見具申が出されているわけでありますけれども、これを受けまして都はどのように取り組んでいかれるのか、こんなところをひとつお伺いしておきたいと思います。 # 松井企画担当部長 松井企画担当部長人材育成につきましては、事業者みずからが責任を持って取り組むことが基本でございます。そして、都は、事業者の人材育成の取り組みについての支援を行うこととしております。さらに、都は、政策目標の達成のための研修や法令等で規定された研修、例えば認知症ケアですとか、あるいは介護予防などの研修事業について実施するなどの支援を行っております。お話の意見具申では、事業者における効果的な育成策として、組織の中核を担うリーダー層の育成を初め、研修等の共同実施や、あるいは事業者間での人事交流、人材育成の共同化など、事業者における効果的な育成策を盛り込んだご提言をいただきました。都といたしましては、この意見具申をもとに、福祉人材の育成事業をより一層効果的に実施してまいります。 # 野島委員 野島委員先ほどの答弁もありましたけれども、人材の育成というのは事業者の責任で取り組む。これは当然のことながら、福祉の分野に限らず、経営者は事業組織を統括しつつ、そこの有する人的あるいは物的資源などを活用して、それに磨きをかけていくという前進していく気持ちがなければ廃れていってしまうわけですから、当然のことだろうというふうに思います。介護報酬が低いから、それを上げろとか、これも一つ理はありますけれども、おんぶにだっこに肩車、あれ出せ、これ出せ、命出せと、こういうことでは事業体としてのパワーが出てこないんですね。与えられたものでしかなくなってしまう。いろいろな困難を乗り越えていくことによって、初めて事業体というのは力を発揮しているわけでございますが、そんな処世っぽい話もいたしまして大変恐縮でございますけれども、福祉サービスというのは特に、人が人に対して体や心、こういったふうなものを中心に気持ちを提供していく部分というのが極めて多いわけでありますから、それを担う人材、これは経営者として一層重視していかなければならないことだろうというふうに思ってございます。人材育成の重要性というのはだれでも、組織に身を置く者や、あるいはトップになれば当然持っているわけでありますけれども、まだこの業界というか分野が、介護保険がなされてそれまでも特養なんかはありましたよ。だけれども、そういう部分に移ってからは、そんなに年数がないわけですよね。そういう意味では、育成のゴールをどこに見立てながら、職員一人一人が、例えば自分の仕事はこれこれだから、こういうプランをして、ドゥーをして、それをシーするという、こういう組織の中あるいは仕事の上でのものという明確な目標設定とか、そういうことをやっているところがあるのかどうかわかりませんが、そういう課題は私は少なくないというふうに思っております。そこで、経営者の問題でありますが、こういう人材育成の強化のためには経営者の意識も大変重要だというふうに考えておりますが、その辺についての見解をお伺いいたしたいと思います。 # 松井企画担当部長 松井企画担当部長組織の規模の違いなどによりまして、人材育成について経営者の関心の度合いが異なっております。先ほどからお話に出ております社会福祉審議会の意見具申の中でも、事業所職員の育成は、経営者それぞれがその責任を自覚し、みずから取り組み、あるいは経営者が共同して実施していくべきものとされております。東京都といたしましては、こうした経営者の基本的役割を踏まえ、経営者を対象としたマネジメント研修の実施や人材育成に関する情報の提供など、関係団体と連携し、経営者の人材育成の取り組みを支援してまいります。 # 野島委員 野島委員ありがとうございました。経営者の方も、そういうことは十分に私は認識されているというふうに思っております。ただ、現実に現場を動かしていくということになりますと、介護報酬の低さだとか、それから来る人材確保の困難さ、ひいては全体の事業運営の厳しさ、こんなところがどうしても話として出てきちゃうと思うんですね。ただ、こんなことをいったら経営者の方に怒られるかもしれませんし、選挙で票を減らすかもしれませんけれども、特別養護老人ホームの需給というのは、待機者がむちゃくちゃ多いんですね。そういう意味では、そこを変えてしっかりしていかなきゃいけないということについて、正直なところ、多くのインセンティブが働かないという部分があると僕は思うんですよ。だって、ずっと待っているんだもの。待っている人を受け入れて、しかし今いった報酬の低さとか何とかいうことについては厳しさはあるけれども、そこに需要はあるわけだから。そういう部分では、僕はインセンティブを働かせていくというのは極めて難しい部分だと思うんですね。そこで、ことしの九月に、東京都社会福祉協議会で福祉人材確保ネットワーク事業、ネットワークパスポートを取得しよう、こういう取り組みを始めたということを新聞報道等で知りました。人材の育成、確保に対する事業体の真剣な取り組み、こんなふうに理解しております。そういう中で、この目的と、東京都はこれに対してどういうふうな評価をなさっているのか、こんなところをお伺いしておきたいと思います。 # 永田生活福祉部長 永田生活福祉部長お話の東社協が実施しております福祉人材確保ネットワーク事業についてでございますけれども、この事業は、福祉人材の確保と育成を行うため、東社協のネットワークを活用いたしまして、会員の中から一定の要件を満たす法人の参加を募りまして、まず合同採用試験、二つ目には採用時の合同研修、三つ目には法人間の人事交流を行うものでございまして、現在、来年四月の採用者に対する合同採用試験を実施しているところでございます。直近の報告では、このネットワークに参加している法人は三十一、また採用試験に申し込みがあった方々は百二十四名と聞いてございます。ことし八月の東京都社会福祉審議会の意見具申の中でも、効果的な人材育成策として、複数の事業体での人材育成の共同化の取り組みについて述べてございまして、この事業については、意見具申にも沿った先駆的な取り組みといたしまして、都としても大いに評価しているところでございます。 # 野島委員 野島委員ありがとうございました。先ほど松井部長の方から、人材確保は各事業体の責任だと、こういうお話もございました。一方、インセンティブが働かないような、大変失礼なお話もしてきたところでありますけれども、各事業体あるいは経営者が自分たち自身の問題としてとらえまして、単に現状を嘆いていく、こういうことにとどまらずに、知恵を出し合いながら着実に取り組んでいただいているものというふうに高く評価したいと思います。ぜひ積極的なご支援もお願いしたいと思ってございます。先ほど申し上げましたけれども、この福祉サービス、人が人に対して支援をしていくということでありますから、人材に大変大きく影響されるというのは当然のことでございます。それでまた、これから需要も大変ふえてくるわけでございます。そういったものにしっかりこたえていくためにも、さまざまな経験を積み、技術を磨き、それを十分発揮することによって、達成感あるいは満足感、福祉のこの仕事に携わってよかった、そんな感謝をされることに生きがいを、誇りを持って質の高い福祉サービスを提供していく、こういうふうなことを東京都としてしっかり取り組んでいただきたいというふうに思ってございます。そこで最後に、福祉人材の育成、私は福祉行政の最も根幹的な課題だろうというふうに思うんですね。これをしっかりやっていきませんと、保険はあるけれども、介護の基盤がないということになってこようかというふうに思っておりますので、局長の決意をひとつお聞かせいただきたいと思います。 # 安藤福祉保健局長 安藤福祉保健局長本日は、福祉保健の中でもこの人材について申し上げますと、何人もの先生方から、基盤としてこれをしっかりしなければいけないというお話をいただいております。福祉サービスについて申し上げると、サービスについては量的に大きく増加し、そして質的にも多様なサービスが提供されるようになったというふうに思います。その背景には、少子高齢化が進んだこと、あるいは福祉ニーズそのものが変化したこと、そして、制度として措置制度から契約制度へと変化したことなどがあるというふうに思います。こうした中で東京都は、国に先駆けて福祉改革を進めてきたところでございますが、ただいま野島先生がおっしゃったように、福祉サービスは人が人に対して行うものでありまして、量的、質的拡大に的確に対応するためには、人材の確保、育成というのが福祉行政の大きな柱になるというふうに思っております。本日の質疑でも、多くの時間がそこに当てられたということは、共通の問題として東京都として考えていかなければいけないことだというふうに思っております。私どもは、ことしの五月に国に対しまして、介護報酬のあり方について東京都なりに現状を分析し、提言いたしました。これはかなりのインパクトがあったというふうに思いますけれども、介護保険に関して申し上げれば、介護保険が始まってから、人材の確保、育成についていえば、かなり厳しい、今までにないくらいに厳しい状況にあるんだろうというふうに思います。その要因として、一つは報酬の問題もあります。それがすべてということではございませんけれども、それについては、やはり現場を踏まえて科学的な分析をして必要な措置を、大都市にふさわしい報酬のあり方について検討いただきたいという提言をしたところでありますし、こういうスタンスは、私どもも引き続き持っていきたいというふうに思っております。同時に、人材育成ということで、野島先生から今るるおっしゃっていただきましたが、やはりスキルアップ等を通じて自己実現をする、あるいは、介護についてプライドを持って仕事をしたいという方々はたくさんいらっしゃると思いますので、そういう方のためには、やはり人材育成についてきっちり行っていくということもまた大変必要なことだというふうに思います。先般の社会福祉協議会におきまして、人材育成は、魅力と働きがいのある福祉職場を実現するための重要な要素であるということで、人材の確保、定着にも大きく寄与するものであるというご提言をいただいたところであります。私としましては、この提言を踏まえて、福祉人材の資質向上策についてさらに検討を進めて、より質の高い、利用者本位の福祉サービスの実現に取り組んでいく覚悟でございます。同時に、社会福祉協議会におきましても、ただいま部長から答弁いたしましたように、共同採用というような工夫も見られるところでございまして、関係する皆さん方と手を携えながら、この問題に取り組んでいきたいというふうに思っております。以上でございます。 # 野島委員 野島委員ありがとうございました。もう終わりにします。ぜひ積極的なそれで一発でというのは変ないい方だけれども、介護報酬を上げたから、それがすべてを解決するというふうに思っていないんですよ。こういうさまざまな課題がありますから、そういったようなものをしっかりと築き上げていく、こういうことが必要だと思うんですね。特に、日本の高齢社会そのものが、いわばピーク時の率の高さと、そこに至るスピードの速さというのは先進国に類を見ないわけですね。私たち団塊世代がばあっと行っちゃったら、すごい勢いになっちゃうわけですよね。そんなこともありますので、私もお世話になるのはすぐそこですから、ぜひひとつ積極的な取り組みをしていきたいというふうに思っております。最後に、ドイツ、これは我が国より介護保険の先進国なんですね。九五年に制度がスタートして、九九年に赤字になってしまった、こういうことでございます。ドイツの制度設計というのかな、介護保険制度の根本のところと、日本の場合、いささか違うところがありますから、イコールフッティングというふうな考え方はできないわけでありますが、ここは質の低下というのを来したそうなんですね。ヘルパーさんの給与は、小売店員の六から七割。重労働で低収入、したがってという、先ほどと同じことでございます。もう終わりにしますからあれなんですが、要は、日本の場合には利用者負担が今一割あって、公費と保険料で制度が成り立っているでしょう。それで必要なサービスを買っていきますよとなりますよね。その保険の例えば利用者負担が、将来一割だけでとどまっていけるのかどうかというのは、僕はちょっと疑問に思っているんですよ。当然、介護保険料というのは、見直しして、上がっていくというのは目に見えていますよね。そのときに、そういうことに見合う、きょうは施設介護の話をしていますが、いわゆる介護体制ができていないといったときに、介護保険制度そのものが国民の信頼を失っていってしまうと思うんですね。それは、年金のあのばたばたを見ても、僕はイコールだと思うんですよ。介護保険制度がスタートし、今日に至ったわけであります。大変大きな課題、ハードルは高いと思いますけれども、ぜひ私もみずからの問題としてしっかりとらえてまいりたいと思っておりますので、局長以下、皆さんのご努力を心からお願いして、お約束の二十五分でございますので終わります。ありがとうございました。 # 野上委員長 野上委員長ほかに発言がなければ、お諮りいたします。事務事業に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 野上委員長 野上委員長異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。以上で福祉保健局関係を終わります。これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。午後七時十一分散会
2024-03-31T11:23:56.544393Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/772370?Template=document&Id=8101#one
--- title: 平成19年厚生委員会 名簿・議事日程 # 平成十九年十一月二十日(火曜日)第七委員会室出席委員十四名委員長野上純子君副委員長山加朱美君副委員長かち佳代子君理事くまき美奈子君理事長橋桂一君理事野島善司君西崎光子君大松成君佐藤広典君田代ひろし君石毛しげる君野村有信君佐藤裕彦君吉田信夫君欠席委員なし出席説明員福祉保健局局長安藤立美君次長関敏樹君技監梶山純一君総務部長杉村栄一君指導監査部長梶原秀起君医療政策部長細川えみ子君保健政策部長清宮眞知子君生活福祉部長永田元君高齢社会対策部長狩野信夫君少子社会対策部長吉岡則重君障害者施策推進部長松浦和利君健康安全室長桜山豊夫君企画担当部長松井多美雄君施設調整担当部長宮垣豊美子君参事蒲谷繁夫君参事吉井栄一郎君参事住友眞佐美君参事松原定雄君参事菊本弘次君参事金丸陽子君参事奥澤康司君参事月川由紀子君本日の会議に付した事件福祉保健局関係事務事業について(質疑)
2024-03-31T11:23:57.494106Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/772370?Template=document&Id=8100#one
--- title: 平成19年経済・港湾委員会 本文 # 午後一時二分開議 # 増子委員長 増子委員長ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。初めに、意見書について申し上げます。委員から、お手元配布のとおり、意見書一件を提出したい旨の申し出がありました。本件については、本日の理事会において協議の結果、調整がつかなかった旨、議長に報告すべきであるとの結論になりました。お諮りいたします。本件については、理事会の協議結果のとおりとすることにご異議ございませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 増子委員長 増子委員長異議なしと認め、そのように決定いたしました。 # 増子委員長 増子委員長本日は、お手元配布の会議日程のとおり、港湾局関係の契約議案の調査及び付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。契約議案について申し上げます。契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について議長から調査依頼がありました。本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。公文の写しはお手元に配布してあります。朗読は省略いたします。平成十九年十二月十二日東京都議会議長比留間敏夫経済・港湾委員長増子博樹殿契約議案の調査について(依頼)左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。記1調査議案第二百十一号議案平成十九年度東京港臨海道路(II期)中防側アプローチ橋りょう鋼けた製作・架設工事請負契約2提出期限平成十九年十二月十四日(金) # 増子委員長 増子委員長これより港湾局関係に入ります。初めに、契約議案の調査を行います。第二百十一号議案を議題といたします。本案については、既に説明を聴取しております。その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。資料について理事者の説明を求めます。 # 多羅尾総務部長 多羅尾総務部長十一月二十九日開催の当委員会におきましてご要求のございました資料について、ご説明申し上げます。お手元の経済・港湾委員会要求資料をごらん願いたいと存じます。表紙をおめくりいただきまして、目次に記載のとおり、契約議案関係の資料は一項目でございます。それでは、一ページをお開き願います。1、東京港臨海道路(II期)中防側アプローチ橋りょう鋼けた製作・架設工事の入札の実施状況でございます。当該工事における入札者氏名、入札金額をお示ししてございます。なお、入札金額は、消費税及び地方消費税の額を含まない金額でございます。詳細はごらん願います。以上をもちまして、簡単ではございますが、ご要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。 # 増子委員長 増子委員長説明は終わりました。ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。発言を願います。 # 小竹委員 小竹委員臨海道路(II期)中防側アプローチ橋りょう鋼けた製作・架設工事請負契約に関連して何件かお伺いいたします。臨海道路は、昭和六十三年、一九八八年三月につくられた臨海副都心開発計画に、臨海副都心の広域幹線道路として二〇〇〇年に供用するという計画で打ち出されました。翌年の臨海副都心開発事業計画の中にも位置づけられています。莫大な財政投入で破綻が明らかになった臨海副都心開発が、都民の声として、臨海開発のむだ遣いを見直すように求める都民の世論が広がっていく中で、青島都政のもとで、不十分ながらも臨海開発の一定の見直しが行われて、出されたのが、平成九年、九七年の臨海副都心まちづくり推進計画です。この推進計画では、臨海道路のI期工事、城南島から中央防波堤外側までの工事は平成十三年までに整備をする、II期工事については、今後の社会経済状況や周辺の整備動向を見定めた上、整備スケジュール等について改めて策定するというふうに書かれています。事実上、整備時期の検討路線ということで凍結された状況になりました。その後、いつ、どのような形で臨海道路II期工事の検討がされて、凍結が解除されたのか、お伺いいたします。 # 飯尾港湾整備部長 飯尾港湾整備部長東京港臨海道路でございますけれども、この道路につきましては、昭和六十三年に策定いたしました東京港第五次改訂港湾計画で計画化されました臨港道路でございます。東京湾岸地域を東西に結びつけまして、港湾物流の円滑化や東京湾の臨海地域の発展にとって不可欠な路線でございまして、また、首都圏の経済活性化に資する道路ネットワークを形成する重要な路線でございます。このため、平成十二年十二月策定の東京構想二〇〇〇で、この東京港臨海道路II期事業を、東京臨海地域における交通物流ネットワークの強化を図る路線として位置づけ、整備を推進することといたしまして、国に対しまして整備の促進を働きかけ続けました結果、平成十四年四月に国が直轄事業として採択することになったものでございます。 # 小竹委員 小竹委員確かに五次の港湾計画の中にも入っているわけですけれども、都民とのかかわりでいえば、臨海開発の中に位置づけられてきて、臨海地域の広域道路という形での位置づけがされ、それに伴う開発で行われてきたというふうに思うんです。この見直し、推進計画の中では、社会経済状況や周辺の整備動向を見定めた上、整備スケジュール等について策定するというふうな形になっているわけですけれども、そういうことも含めて東京構想二〇〇〇では検討されたのか、経済状況をどのように分析されたのかなというような、その辺はどうなんでしょうか。 # 飯尾港湾整備部長 飯尾港湾整備部長先ほど申し上げましたとおり、この東京港臨海道路でございますけれども、この道路は、単に臨海副都心の開発に必要だというのみならず、東京湾岸の道路交通ネットワークを形成いたしまして、首都圏の経済活性化あるいは東京の国際競争力の強化、こういうようなものに資する道路でございます。そのようなことを勘案いたしまして、東京構想二〇〇〇でII期事業を整備すべき路線として位置づけたものでございます。 # 小竹委員 小竹委員東京構想二〇〇〇で計画が位置づけられたということですけれども、この構想そのものでいえば、臨海部の開発が首都圏の都市改造ということで大きく広げられていく計画として打ち出されたわけで、そういう点では、臨海開発もあくまでも拡大していくという中身になるのではないかというふうに私は思います。そういう点で、臨海I期工事についてなんですけれども、I期工事の事業経費の負担はどういうふうになっていますか。 # 飯尾港湾整備部長 飯尾港湾整備部長費用負担の構成割合でございますけれども、国が補助金として事業費の一〇%、東京都が、一般会計二五%、臨海副都心開発事業会計三〇%、埋立事業会計三五%負担してございます。 # 小竹委員 小竹委員事業負担の中身からいっても、このI期工事については補助事業ということで、国の補助が一〇%ですけれども、この当時は埋立会計と臨海開発事業会計は別々でしたけれども、両方合わせると六五%が埋立会計と臨海会計の負担ということでいえば、やっぱり臨海開発の計画だからこういうふうな事業負担になっていたんだというふうに思うんですよね。で、臨海事業会計がそれこそ破綻状況に陥って、都民の反対を押し切って、二〇〇一年には埋立会計など三会計の統合が行われて、臨海地域開発事業会計になっていったわけですから、そういう点でも、この事業は臨海の開発計画として進められたというふうに見て差し支えない中身だと思います。続いて伺うんですが、臨海道路のII期工事は、東京構想二〇〇〇に打ち出されて、知事も国の方に要請したということが記録にも載っているんですけれども、先ほどのご答弁でも、国の直轄事業になったということで、財政的なものについてはどういうふうになったんでしょうか。 # 飯尾港湾整備部長 飯尾港湾整備部長東京港臨海道路II期事業でございますけれども、この事業につきましては、新たな環状ネットワークの形成によりまして、港湾物流の円滑化や都心部への交通集中の緩和など、東京湾の臨海地域の発展にとって不可欠な路線でございます。また、首都圏の道路交通の円滑化にも資する重要な路線であるということから、一般会計におきまして、直轄事業負担金として事業費の三分の一を負担してございます。 # 小竹委員 小竹委員今お答えいただいて、直轄事業になって、一般会計で三分の一ということで、臨海会計の負担がなくなったという点では、性格が変わったのもありますけれども、基本的には、この計画、結局は一般会計からの財政投入で臨海開発事業を救済したものになるというふうに私は考えます。そういう意味では、臨海部の開発をさらに促進していく、こういう計画は認められないということで、意見を表明しておきます。 # 増子委員長 増子委員長ほかに発言がなければ、お諮りいたします。本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 増子委員長 増子委員長異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。この際、本案に対し意見のある方はご発言を願います。 # 小竹委員 小竹委員第二百十一号議案、臨海道路(II期)中防側アプローチ橋りょう鋼けた製作・架設工事請負契約に反対の立場から意見を述べさせていただきます。臨海道路は、臨海副都心の広域アクセス道路として計画され、当初、臨海副都心開発事業会計などで整備される予定で計画され、I期工事が行われました。巨大な投資で臨海開発が進められ、その破綻がだれの目にも明らかになり、臨海開発の見直しを求める都民世論が盛り上がる中で、九七年、不十分ながら計画の見直しが行われました。臨海道路はI期工事のみで、II期工事は、社会経済状況等を見た上で、整備時期検討路線ということで凍結されたものです。その後、二〇〇〇年、石原都政になり、東京構想二〇〇〇で、東京港の国際物流機能強化のための道路として位置づけられ、首都圏規模の都市改造として息を吹き返しました。知事が国に要請し、国直轄事業になった結果、事業経費は一般会計からの支出になり、臨海地域開発事業会計の負担が軽減されたのです。これは臨海の救済です。臨海II期道路は、臨海開発を促進するとともに、臨海部の自動車走行の増加による大気汚染や温暖化など、環境への負荷を招くことになりかねません。財政負担を招く広域幹線道路臨海II期工事は中止するよう求めて、意見表明といたします。 # 増子委員長 増子委員長発言は終わりました。お諮りいたします。本案については、ただいまの意見を含め、委員長において取りまとめの上、財政委員長に報告したいと思いますが、これにご異議ございませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 増子委員長 増子委員長異議なしと認め、そのように決定いたしました。以上で契約議案の調査を終わります。 # 増子委員長 増子委員長次に、付託議案の審査を行います。第二百一号議案を議題といたします。本案については、既に説明を聴取しております。その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。資料について理事者の説明を求めます。 # 多羅尾総務部長 多羅尾総務部長十一月二十九日開催の当委員会におきましてご要求のございました資料につきまして、ご説明申し上げます。先ほどもごらんいただきましたが、お手元の経済・港湾委員会要求資料をごらん願いたいと存じます。表紙をおめくりいただきまして、目次に記載のとおり、条例案関係の資料は一項目でございます。それでは、二ページをお開き願います。2、海上公園の管理状況でございます。海上公園の名称及び各公園を管理する指定管理者の名称をお示ししてございます。詳細はごらん願います。以上をもちまして、簡単ではございますが、ご要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。 # 増子委員長 増子委員長説明は終わりました。ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。発言を願います。〔「なし」と呼ぶ者あり〕 # 増子委員長 増子委員長発言がなければ、お諮りいたします。本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 増子委員長 増子委員長異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。以上で港湾局関係を終わります。 # 増子委員長 増子委員長これより付託議案の審査を行います。第二百一号議案を議題といたします。本案については、既に質疑を終了しております。これより採決を行います。第二百一号議案を採決いたします。お諮りいたします。本案は、原案のとおり決定することにご異議ございませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 増子委員長 増子委員長異議なしと認めます。よって、二百一号議案は原案のとおり決定いたしました。以上で付託議案の審査を終わります。 # 増子委員長 増子委員長次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。本日までに決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項については、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 増子委員長 増子委員長異議なしと認め、そのように決定いたしました。 # 増子委員長 増子委員長この際、所管局を代表いたしまして、斉藤港湾局長から発言を求められておりますので、これを許します。 # 斉藤港湾局長 斉藤港湾局長本委員会所管四局を代表いたしまして、一言御礼のごあいさつを申し上げます。ただいま、本定例会にご提案申し上げました議案につきまして、ご審議、ご決定を賜り、まことにありがとうございました。今後とも、増子委員長を初め委員の先生方の一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして、御礼のごあいさつとさせていただきます。どうもありがとうございました。 # 増子委員長 増子委員長発言は終わりました。これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。午後一時二十二分散会
2024-03-31T11:23:58.786669Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/827980?Template=document&Id=9079#one
--- title: 平成19年経済・港湾委員会 名簿・議事日程 # 平成十九年十二月十三日(木曜日)第八委員会室出席委員十三名委員長増子博樹君副委員長神林茂君副委員長大西由紀子君理事山口拓君理事上野和彦君理事三宅茂樹君米沢正和君小竹ひろ子君岡崎幸夫君清水ひで子君木内良明君川島忠一君馬場裕子君欠席委員一名出席説明員産業労働局局長佐藤広君総務部長塚田祐次君中央卸売市場市場長比留間英人君管理部長大野精次君港湾局局長斉藤一美君技監尾田俊雄君総務部長多羅尾光睦君監理団体改革担当部長山本隆君港湾経営部長江津定年君港湾経営改革担当部長小宮三夫君臨海開発部長小林敏雄君開発調整担当部長余湖由紀夫君営業担当部長藤原正久君港湾整備部長飯尾豊君計画調整担当部長山本浩君離島港湾部長石山明久君島しょ・小笠原空港整備担当部長室星健君労働委員会事務局局長有留武司君本日の会議に付した事件意見書について港湾局関係契約議案の調査・第二百十一号議案平成十九年度東京港臨海道路(II期)中防側アプローチ橋りょう鋼けた製作・架設工事請負契約付託議案の審査(質疑)・第二百一号議案東京都海上公園条例の一部を改正する条例付託議案の審査(決定)・第二百一号議案東京都海上公園条例の一部を改正する条例請願陳情の継続審査について特定事件の継続調査について
2024-03-31T11:23:59.492338Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/827980?Template=document&Id=9078#one
--- title: 平成19年経済・港湾委員会 本文 # 午後一時二分開議 # 増子委員長 増子委員長ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。初めに、本委員会の会期中の委員会日程について申し上げます。先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程のとおり申し合わせましたので、ご了承願います。本日は、お手元配布の会議日程のとおり、港湾局関係の第四回定例会に提出を予定されている案件の説明聴取を行います。なお、提出予定案件につきましては、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。これより港湾局関係に入ります。初めに、先般の人事異動に伴い、港湾局長に斉藤一美君が就任いたしました。斉藤一美君を紹介いたします。 # 斉藤港湾局長 斉藤港湾局長港湾局長の斉藤一美でございます。増子委員長を初め各委員の先生方には、港湾局の事務事業につきまして日ごろから特段のご指導を賜わり、厚く御礼申し上げます。今後とも、事務事業の執行に当たりましては、一層努力してまいる所存でございます。ご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。 # 増子委員長 増子委員長あいさつは終わりました。 # 増子委員長 増子委員長次に、第四回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。 # 斉藤港湾局長 斉藤港湾局長平成十九年第四回東京都議会定例会に提出を予定してございます当局所管の案件につきまして、ご説明申し上げます。今回提出を予定しております案件は、条例案一件、工事請負契約案一件でございます。まず、条例案の概要につきましてご説明申し上げます。お手元の資料1、平成十九年第四回東京都議会定例会提出条例案をごらん願います。表紙をおめくりいただきまして、目次に記載のとおり、今回提出させていただきます案件は、東京都海上公園条例の一部を改正する条例でございます。海上公園を新設するとともに、海上公園内にございました教育委員会所管の有料施設に係る規定を整備するものでございます。一ページ、二ページに条例案を記載してございます。後ほどごらん願いたいと存じます。次に、工事請負契約案の概要についてご説明申し上げます。お手元の資料3をごらん願います。東京港臨海道路(II期)中防側アプローチ橋りょう鋼けた製作・架設工事でございます。以上で、第四回定例会提出予定議案の概要説明を終わらせていただきます。詳細につきましては、総務部長からご説明申し上げます。よろしくご審議賜わりますようお願い申し上げます。 # 多羅尾総務部長 多羅尾総務部長ただいまの局長の概要説明に続きまして、本定例会に提出を予定しております案件につきまして、ご説明申し上げます。まず、条例案についてご説明申し上げます。お手元の資料2、条例案の概要をごらん願います。表紙の次のページの目次をお開き願います。東京都海上公園条例の一部を改正する条例一件でございます。一ページをお開き願います。改正案の概要でございますが、まず、海上公園の新設に伴う名称の追加でございます。これは、ふ頭内の環境整備を図るとともに、港の景観に親しむ場所として都民の利用に供することを目的として、東京都立芝浦南ふ頭公園を新たに設置するものでございます。次に、教育委員会が所管する有料施設に関する規定の削除でございます。海上公園内に設置されております教育委員会所管の有料施設につきまして、知事に移管されたことに伴い、規定を削除するものでございます。本条例の施行日でございますが、公園の名称の追加につきましては、平成二十年一月四日を予定しております。また、規定の削除につきましては、公布の日を予定しております。引き続き、工事請負契約議案についてご説明申し上げます。お手元の資料3をごらん願いたいと存じます。平成十九年度東京港臨海道路(II期)中防側アプローチ橋りょう鋼けた製作・架設工事でございます。本件は、第七次改訂港湾計画に基づき、港湾における交通の円滑化を図るため、東京港臨海道路II期事業における中防側アプローチ橋梁に係る橋長六百三十メーターの鋼けたを工場で製作し、中央防波堤外側埋立地まで運搬、架設するものでございます。契約の相手方は株式会社東京鐵骨橋梁、契約金額は三十一億三千九百五十万円、工期は平成二十二年三月十日でございます。契約の方法、入札回数、入札者数は、ごらんのとおりでございます。二ページから三ページに、案内図及び図面をお示ししてございますので、ごらん願いたいと存じます。以上で、平成十九年第四回都議会定例会に提出を予定しております港湾局関係の案件の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議賜わりますようお願い申し上げます。 # 増子委員長 増子委員長説明は終わりました。この際、資料要求のある方は発言願います。 # 小竹委員 小竹委員きょうは、資料として二点お願いしたいと思います。一つは、海上公園の管理の状況がわかる資料。そして、二つ目に、入札関係資料についてお願いいたします。以上です。 # 増子委員長 増子委員長ただいま小竹委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ございませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 増子委員長 増子委員長異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。以上で港湾局関係を終わります。これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。午後一時九分散会
2024-03-31T11:24:00.504777Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/827980?Template=document&Id=9077#one
--- title: 平成19年経済・港湾委員会 名簿・議事日程 # 平成十九年十一月二十九日(木曜日)第八委員会室出席委員十四名委員長増子博樹君副委員長神林茂君副委員長大西由紀子君理事山口拓君理事上野和彦君理事三宅茂樹君米沢正和君小竹ひろ子君岡崎幸夫君清水ひで子君田島和明君木内良明君川島忠一君馬場裕子君欠席委員なし出席説明員港湾局局長斉藤一美君技監尾田俊雄君総務部長多羅尾光睦君監理団体改革担当部長山本隆君港湾経営部長江津定年君港湾経営改革担当部長小宮三夫君臨海開発部長小林敏雄君開発調整担当部長余湖由紀夫君営業担当部長藤原正久君港湾整備部長飯尾豊君計画調整担当部長山本浩君離島港湾部長石山明久君島しょ・小笠原空港整備担当部長室星健君本日の会議に付した事件港湾局関係第四回定例会提出予定案件について(説明)・東京都海上公園条例の一部を改正する条例・平成十九年度東京港臨海道路(II期)中防側アプローチ橋りょう鋼けた製作・架設工事請負契約
2024-03-31T11:24:02.492322Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/827980?Template=document&Id=9076#one
--- title: 平成19年経済・港湾委員会 本文 # 午後一時開議 # 増子委員長 増子委員長ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。初めに、今後の委員会日程について申し上げます。先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程のとおり申し合わせましたので、ご了承願います。本日は、お手元配布の会議日程のとおり、労働委員会事務局及び産業労働局関係の事務事業に対する質疑を行います。これより労働委員会事務局関係に入ります。事務事業に対する質疑を行います。本件については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに本件に対する質疑を行います。発言を願います。 # 木内委員 木内委員労働委員会は、労働組合法、労働関係調整法に基づきまして、中立公正な立場から労使紛争を簡易、迅速に処理することによって、労働者の労働基本権の保障と労使関係の安定、正常化を図ることにより、経済の発展に寄与することを目的としている、こう認識をいたしております。この労働委員会の主な仕事は、労働争議の調整、不当労働行為の審査、労働組合の資格審査ということがあるわけであります。平成十七年一月一日に改正労働組合法が施行されました。不当労働行為審査の手続などが整備をされた、こういうふうに聞いているわけであります。そこで、まず初めにお尋ねしたいのは、労働組合法を改正した背景と、その内容はどうなっていますか。 # 有留労働委員会事務局長 有留労働委員会事務局長労働組合法は、昭和二十四年に全面改正されて以来、約五十五年もの間、基本的な見直しが行われずにきました。その間、不当労働行為事件の審査の長期化が著しいこと、労働委員会の命令に対する行政訴訟における取り消し率の高さなどが指摘されてきました。このため、平成十七年一月一日に、審査の迅速化、的確化を図ることを目的として、審査計画書の作成や審査の目標期間の設定など、審査手続及び審査体制の整備などを盛り込んだ改正労働組合法が施行されたものでございます。 # 木内委員 木内委員いただいた資料をしっかり私も読ませてもらいました。この労働委員会の活動というのは大変に複雑、また困難な作業が求められているわけでありますけれども、この不当労働行為の審査の進め方一つとってみても、まず申し立てがあって、それから担当委員の選任があり、調査、審問、さらに労使の委員からの意見聴取、公益委員会議、その後、救済命令、棄却命令、和解などという径路をたどっていくわけでありまして、実はいずれもが大変な作業だと思うわけであります。そこで、不当労働行為事件審査の迅速、的確化のために、これまで都労委は大変な努力をし、また取り組みを行ってきたわけでありますけれども、その内容についてご報告を願います。 # 有留労働委員会事務局長 有留労働委員会事務局長都労委では、審査期間の目標を当面二年と定め、公益、労働者、使用者委員、事務局職員が一体となりまして、審査日程や救済命令などの交付予定年月などを記載した審査計画書を、紛争の当事者双方にも協力を求めて作成し、計画的な審査を行ってまいりました。審査計画の作成に際しては、審査の計画的な開催、審査等の夜間開催、命令書作成期間の短縮を図るなどの取り組みを行い、審査の迅速、的確化に努めてまいりました。 # 木内委員 木内委員先ほど触れましたけれども、審査期間の目標を当面二年とした理由はどう認識したらいいでしょうか。 # 有留労働委員会事務局長 有留労働委員会事務局長審査期間の目標設定に当たりましては、司法制度改革による裁判の迅速化に関する法律で、第一審の手続を二年以内に終結するという目標を参考にしました。都労委には毎年、新規申し立て事件で百件前後、総件数で五百件前後の事件が係属しており、総件数で見ると全国の五割近くを占めるなど、他道府県平均をはるかに超える事件を取り扱っております。また、派遣労働者やパートなど非正規雇用者の増加、裁量労働制や年俸制などの雇用環境の変化に伴いまして、都労委で取り扱う事件も、質的にも複雑、困難化しております。また、都労委では、方針として、和解による解決に力を入れております。和解は、当事者双方が解決内容を十分に理解し、納得した上で協定するため、その後の労使関係の安定化に好影響を与えるという長所がございます。このため、時間をかけて和解の機運を醸成すべき事件も多くございます。このようなことを総合的に勘案し、審査期間の目標を当面二年としたものでございます。 # 木内委員 木内委員労働組合法改正後に申し立てのあった不当労働行為事件の具体的な審査の期間はどのくらいでありましたか、お尋ねします。 # 有留労働委員会事務局長 有留労働委員会事務局長労働組合法改正後、すなわち平成十七年一月以降に申し立てのあった不当労働行為事件は、平成十九年十月末現在で二百八十七件あり、うち百五十三件が終結しました。終結した事件の平均処理日数は三百六十日で、審査期間二年という目標を達成しております。なお、まだ終結していない事件は百三十四件ございますが、審査期間二年を超過しているものは十五件でございます。 # 木内委員 木内委員労働組合法改正後に申し立てのあった事件のほとんどが、今ご報告いただいたように審査期間の目標を達成しているわけでありまして、都労委の大変な日ごろのご努力とご苦労がわかる気がいたします。今、答弁にあったように、都労委は労働組合法改正後、既に二百八十七件と数多くの不当労働行為事件の申し立てがあるわけでありますが、一方、申し立てが極めて少ない労働委員会もあるというふうに聞いているんですが、これは事実ですか。 # 有留労働委員会事務局長 有留労働委員会事務局長平成十八年の不当労働行為の新規申し立て件数で見ますと、全国の都道府県労働委員会で総件数は三百二十九件でございまして、そのうち都労委には百二件の申し立てがありました。新規申し立て件数の東京都を除く道府県平均は四・九件でございまして、都労委は他道府県平均の約二十倍の事件を取り扱っております。なお、新規申し立て件数がゼロのところも十四県ございます。東京都には企業の本社や主要な労働組合の本部が集中しており、他県で生じた労使紛争であっても都労委に申し立てられる場合が多くございます。このため、都労委では、量的に非常に多いということのほかに、質的にも解決困難な事件を多く抱えております。 # 木内委員 木内委員今の数字にありましたが、新規申し立て総件数が三百二十九件、そのうち都労委では百二件、ほぼ三分の一、全国的に見ることができるわけであります。新規申し立て件数の全都道府県平均が四・九件という話であり、都労委は他道府県平均のおよそ二十倍になっているわけであります。また、東京の持つ特性というものも今るる答弁があったわけでありまして、まさに都労委は質、量ともに困難な事件を数多く処理していることがよくわかるわけであります。ところで、新聞報道によりますと、近畿地方のある県では、労働委員会で取り扱う事件数が過去十年間で二十件と極端に少なく、しかも全く申し立てのない年が三回もあったとして、委員が報酬に見合った活動をしていないとの住民監査請求があったとも聞いているわけであります。一方、先ほど来の答弁の中にもあったように、都労委の取り扱う事件は膨大であり、また質的にも困難性が高いということがいえるわけであります。さらに、委員は非常勤でありまして、ほかに職業をお持ちであるけれども、委員活動の多忙さから本業に支障が生じている委員もいるというふうに聞いております。三者構成になっておりまして、委員は、学識経験者から選ばれた公益委員、労働組合から推薦された労働者委員、使用者団体から推薦された使用者委員各十三人、計三十九人の委員が任命されているわけでありまして、東京が持った特性を反映して、物理的にも、また内容的にも非常に困難な中で懸命なご努力をされているということがよくわかるのであります。こうした都労委の委員の皆さん、事件処理に当たってご苦労が多いと思われるわけでありますけれども、申し上げた都労委の委員の活動状況は実態としてどういう特徴がありますか、伺います。 # 有留労働委員会事務局長 有留労働委員会事務局長今、先生からご指摘のありましたとおり、都労委には、公益委員、労働者委員、使用者委員各十三人の計三十九人の委員がおります。公益委員を例にとりますと、元高等裁判所長官など裁判官出身を含む弁護士が六人、大学や大学院教授が五人等となっており、本職の方で極めて多忙な方が多いというふうに考えております。委員は、月二回の総会等への出席のほか、不当労働行為事件の審査、調整事件のあっせんなど、委員みずから担当事件の実務処理に積極的に活動しております。委員の具体的な活動状況でございますが、平成十八年度は一カ月平均で、全委員で七・三回、公益委員は八・八回となっております。最も活動回数の多い委員は、この方は弁護士の公益委員ですが、月平均十三・四回登庁されまして、年間百六十一回も活動しております。委員の活動時間は、ケースによっては一回の審問で三時間を超えるものもございます。また、申立人等の利便を図るため、午後五時以降の夜間の調査等も全体の三分の一を超えております。このように、都労委の委員の方々は、事件処理の中心となって非常に精力的に活動しております。 # 木内委員 木内委員私も、実は今回、都労委の実態というものを初めて知るような側面も多かったわけでありますけれども、特に弁護士の公益委員の方、月平均十三・四回、年間百六十一回も活動されている。大変なご苦労だなということを今さらながら知る思いがいたします。こうした今の答弁から、委員の充実した積極的な活動状況がうかがえますし、まさに頭の下がる思いがいたします。さて、一方、事件処理に当たる委員を支えるための事務局職員の皆さんの専門性も実は大切だと思いますし、先ほども、この委員会の始まる前に申し上げましたが、事務局の皆さん、少数精鋭で頑張っておられるということを私は高く評価したいわけであります。そこで、事務局職員の専門性を高めるために具体的に行ってきた取り組みについてもご報告を願いたいと思います。 # 有留労働委員会事務局長 有留労働委員会事務局長労働委員会事務局は四十二名の職員定数でございますが、具体的な職務の内容でございます。不当労働行為事件の審査に当たりましては、公労使三者委員のほか、担当職員が二名つきまして事件処理に当たっております。事務局職員は、委員の指揮のもと、審査計画書案の作成や事件の調査、救済命令などを行う際には数十ページにも及ぶ命令書原案これは裁判における判決文に当たりますこれを作成するなど、極めて専門性の高い職務を行っております。また、事務局職員の専門性の一層の向上を図るため、昨年十二月にはいち早く労働委員会事務局人材育成方針を策定しまして、研修体系の充実などの取り組みを行っております。さらに、庁内公募制人事を有効活用しまして、意欲と能力の高い人材配置を計画的に行っております。このように事務局職員は量的、質的にも困難な事件処理に当たることにより、高度な専門性を身につけておりまして、その結果、国の機関である中央労働委員会や他県の労働委員会の研修講師なども務めております。 # 木内委員 木内委員極めて高い専門性が要求される審査計画書案の作成、事件の調査などなど、こうした作業に対する職務の責任感というのは極めて大きいわけであります。同時に、高い能力を駆使して頑張っておられるということがよくわかります。また、量的、質的に困難な事件処理を行うことで、高度な専門性をも身につけておられて、そのために、国の機関や、あるいは他県の労働委員会の研修講師なども務めておられる。まさにこういった事例からもわかるように、東京都におけるこの事務局職員のレベルの高さというのは、他に比較して傑出したものがある、こういうふうに私は理解をいたしたいと思います。都労委が、公労使三者委員、そして事務局職員一体となって、いわば車の四輪となって迅速かつ的確な事件処理に当たっていることがわかります。さて、現行の当面二年という審査期間の目標でありますけれども、近年における社会構造あるいは社会環境の変化の中で、審査期間の目標というものは努力をされて当面二年と掲げておられるけれども、私は、それでもやや長いのではないかと考えるものであります。当事者双方のメリット、労使関係の早期の安定化を図るため、審査のより一層の迅速、的確化を目指すことが重要であります。そのため、審査期間の目標の短縮の取り組みが必要と考えるわけでありますが、見解を伺います。 # 有留労働委員会事務局長 有留労働委員会事務局長先生ご指摘のように、審査のより一層の迅速化は当事者双方にメリットがあり、労使紛争解決のセーフティーネットとして、労使関係の早期安定化のために極めて効果が高いと考えております。このため、都労委では不当労働行為の審査に当たり、これまで以上に公労使三者委員の精力的な活動や事務局職員の専門性の一層の向上を図り、また、当事者やその代理人の協力を仰ぐなど、さらなる審査の迅速化、的確化に努めていきたいと考えております。質、量とも膨大で困難な事件処理のさらなる迅速化には、相当な努力を要すると思いますが、ご指摘の趣旨を踏まえ、平成二十年一月より、現行二年という審査期間の目標を短縮し、原則として一年六カ月といたします。この目標の実現に向けまして、労働委員会の総力を挙げて取り組んでまいります。 # 木内委員 木内委員審査期間の目標について話がありました。いよいよ来年の一月から一年六カ月とするという英断答弁がありました。都労委の活動の長い歴史の中で極めてエポックメーキングな一歩が今、踏み出されたわけであります。その方針への努力を多としたいと思います。都労委は数多くの事件を精力的に処理する一方、審査期間の目標短縮の準備も進めていくとしておりまして、まことに頼もしいとも思います。都労委には、労使紛争解決のまさにセーフティーネットとして、その役割を広く都民に情報発信していただきたいし、そうしたご苦労の内容というものを幅広く都民に周知徹底するご努力も強く要請をしたいと思います。また、今後とも審査のより一層の迅速化、的確化に積極的に取り組み、中立、公正な立場から、労働者の労働基本権の保障と労使関係の安定、正常化を図り、さらなる経済発展に寄与することに全力を尽くしていただきたい。このことを強く要望して、質問を終わります。 # 増子委員長 増子委員長ほかに発言がなければ、お諮りいたします。本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 増子委員長 増子委員長異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。以上で労働委員会事務局関係を終わります。 # 増子委員長 増子委員長これより産業労働局関係に入ります。事務事業に対する質疑を行います。本件については、既に説明を聴取しております。その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。資料について理事者の説明を求めます。 # 塚田総務部長 塚田総務部長去る十月十六日の当委員会で要求のございました資料につきまして、ご説明申し上げます。お手元の経済・港湾委員会要求資料の一ページをお開き願います。目次にございますように、資料は全部で十五項目でございます。二ページから四ページまでが、それぞれ中小企業対策、農林水産対策、雇用就業対策の過去十年間の予算、決算の推移をお示ししてございます。五ページでは、平成七年から十七年までの都内製造業の推移をお示ししてございます。平成十七年における全都の工場数は約四万五千所、製造品出荷額等は十一兆九百億余円でございます。六ページでは、都内小規模小売店の推移を、商店数、従業者数、年間販売額でお示ししてございます。平成十六年における商店数は約十一万三千店、年間販売額は十兆三千五百億余円でございます。次に、七ページと八ページは、平成九年度から十八年度までの十年間の中小企業制度融資の実績と預託額の推移でございます。八ページでございますが、平成十六年度から融資制度の区分が変わっております。十八年度の実績は、下から三段目の合計欄にありますとおり、約十五万七千件、一兆九千九百億余円の融資を実行いたしました。九ページは、雇用形態別の有業者数と推移でございます。平成十四年は、平成九年と比べ正規の職員・従業員が減少し、アルバイト、派遣社員等のいわゆる非正規労働者が増加しています。一〇ページと一一ページは、商店街振興施策の利用状況でございます。一〇ページでは「新・元気を出せ!商店街事業」、一一ページでは「進め!若手商人育成事業」について、それぞれ事業開始以降の実績をお示ししております。一二ページから一三ページでは、平成九年度の産業労働局所管施設のその後の推移をお示ししてございます。一四から一五ページにかけては、過去五年間の都立職業能力開発センターの応募状況と職業紹介実績、就職率をお示ししてございます。一四ページ、(1)、応募状況の合計欄では、平成十八年度の応募率は一五〇%となっております。一五ページ、(2)、職業紹介の実績、就職率の合計欄では、平成十八年度の職業能力開発センターの就職率は八三%となっております。一六ページでは、都内の障害者雇用率の推移をお示ししてございます。表の一番右をごらんいただくと、民間企業の障害者雇用率は、徐々にではございますが、上昇しております。平成十九年に民間企業で雇用される障害者数は初めて十万人を超えました。一七ページの新銀行マスタープランと実績との対比は、平成十六年二月に発表した新銀行マスタープランにおける平成十八年度の計画値と実績を対比したものです。一八ページの新銀行東京の新中期経営計画の実施状況では、新銀行東京が本年六月に策定した新中期経営計画における実施状況を示したものです。十一月一日現在、店舗外のATMをすべて稼働停止いたしました。また、店舗については、統廃合の結果、七店舗になっております。一九ページは、今年度、飯田橋に移転した労働資料センターの蔵書数の推移及び移転に当たって処分した冊数、寄贈先でございます。蔵書は、(1)のとおり、移転後は利用者のニーズの高い図書類に特化したことなどから、約七千八百点となっております。処分の内訳は、(2)のとおりであり、(3)に記載の機関に寄贈したほか、法令改正により利用価値が失われたものなど不要となったものを売却処分したものでございます。二〇ページでは、過去十年間の労働相談情報センターの労働相談件数、あっせん件数、解決件数、センター数、職員数、出張労働相談件数の推移をお示ししてございます。平成十八年度における労働相談情報センターの相談件数は、過去最高の約五万六千件であり、前年度に比べ約七千件増加しました。以上で要求資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。 # 増子委員長 増子委員長説明は終わりました。ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。発言を願います。 # 米沢委員 米沢委員きょうも委員会が長時間にわたる予定であると聞いております。したがって、なるべく簡潔に質問いたします。江東区の青海の臨海副都心地域に建設が予定されております区部産業支援拠点につきまして、三点についてお伺いいたしたいと思います。区部産業支援拠点は、東京都は平成十八年四月に東京都の産業支援体制の再整備に係る基本構想を策定されまして、ことし十月の江東区都市計画審議会を経まして、まさしく本日、きょうですね、東京都都市計画審議会で、地域の性格にふさわしいまちづくりのための地区計画が審議されております。臨海副都心は、新たな企業の進出などによる開発の進展によりまして、まちが成熟をしてまいりました。これは、江東区の新たな顔として発展を遂げつつあるわけでありますが、これも地元の江東区の協力なくしてはなし得なかったことだというふうに私は思っております。そのまちに新たに区部産業支援拠点を建設することにつきまして、私も多くの期待を持っている一人であります。そこで、私は、区部産業支援拠点の建設計画は順調に進捗していると思うわけでありますけれども、施設整備の現在の状況、そしてまた今後の予定についてどのようになっているのかをお伺いしたいと思います。 # 三枝商工部長 三枝商工部長区部産業支援拠点は、産業技術研究センター西が丘本部と駒沢支所を統合いたしまして、これまで以上に都内中小企業のニーズを踏まえ、技術支援をきめ細かく効果的に実施するために整備を進めているところでございます。現在、建物の内外装や設備などの詳細な図面を作成するための実施設計を行っているところでございまして、来年度には地盤改良等の基礎工事、翌平成二十一年度には建物の建設工事に着手し、平成二十三年度に開設を予定しているところでございます。 # 米沢委員 米沢委員都内の中小企業のニーズを踏まえた技術支援サービスをきめ細かく効果的に提供するということでございますが、実施設計の段階ともなりますと、具体的な機能を既に計画していると思いますけれども、この点はいかがでございましょうか。 # 三枝商工部長 三枝商工部長区部産業支援拠点には、レーザーによる千分の一ミリ以下の精密加工や超精密部品の研究、評価などを行い、中小企業の先端技術分野への進出及び高付加価値製品の開発を支援する高度先端技術センターや、製品開発を企画から試作、設計まで支援するトータルシステムデザインセンター、また、新技術開発に挑戦する中小企業等に二十四時間利用可能な研究開発スペースを低廉な賃料で提供する製品開発支援ラボを設置するなど、先端分野の新製品、新技術開発に取り組む中小企業を技術的に支援する拠点としてまいります。特に製品開発支援ラボは、機械、エレクトロニクス、IT、化学の分野ごとに研究スペースを整備し、現在の西が丘本部の三室から十八室へと大幅にふやしていく予定でございます。 # 米沢委員 米沢委員高度先端技術センターや、あるいはトータルシステムデザインセンターなど、まさに高度先端化を模索するような中小企業への支援の充実が図られるということは、今の説明でわかりました。しかし、都内の多くの中小企業は、そのような高度な技術支援だけではなくて、依頼試験だとか、あるいはまた技術相談などの基盤的な技術支援も多分求めていると思います。したがって、新たな拠点だからといって、そのような企業ニーズがあることを忘れてはならないというふうに私は思います。先端分野の技術開発を目指す企業のみならず、基盤的な技術支援を求める企業に対してもバランスのとれた技術支援を行っていただきたいと考えますが、これは局長の見解を伺いたいと思います。 # 佐藤産業労働局長 佐藤産業労働局長東京のものづくり産業におきましては、高度先端技術を有する企業のみならず、それを支えます基盤的技術力にすぐれた企業が重要な役割を果たしていると、そういうふうに私も認識しております。しかしながら、現状を見ますと、都内のものづくり企業につきましては、後継者不足などによりまして技術の継承が危ぶまれるという点、また、アジアを初めといたします海外企業の技術力向上によりまして、困難な状況に直面しているというふうに考えております。こうした中で、行政による技術支援が一層重要になることから、新たに整備をいたします区部産業支援拠点におきましては、高度先端技術への支援とともに、ただいまお話のありました依頼試験、また技術相談などの基本的な技術支援も充実してまいります。今後、都と産業技術研究センターが一丸となりまして、都内中小企業に対する技術支援を一層強化してまいります。 # 米沢委員 米沢委員青海に移転する産業技術研究センターが、中小企業の求める基盤的技術から先端技術まで広く支援をする、都の産業支援の中核となるということがわかったわけであります。これは説明によって理解いたしました。江東区青海には、国の産業技術総合研究所や、あるいはみらい館、国際大学などがありまして、また、その周辺には、東京海洋大学や芝浦工業大学といった教育研究機関も集積をいたしております。ここに産業技術研究センターが加わることによりまして、この地域が研究開発・産業創成のまちとなり、江東区、ひいては東京都の価値、イメージを大いに高めることになるものと期待をいたしております。平成二十三年度開設に向けて着実な整備を行うとともに、多様化、高度化する中小企業ニーズに対応した技術支援を充実させていただくことを心から切望して、質問を終わります。 # 山口委員 山口委員それでは、私は、NPO法人向けの保証つきの融資制度について幾つかお伺いしてまいりたいと思います。平成十年のNPO法の施行後、ちょうど丸九年がたとうとしているわけですが、この九月三十日現在で都内には五千六百五団体のNPO法人が存在しており、年々、一年間で大体七百団体ぐらいずつふえ続けてきているわけであります。このNPOが行う社会貢献活動というものは、環境や医療、福祉など幅広い分野に及んでいるわけであります。その地域に密着した活発な活動は、市民参加による新たな公益活動の担い手として大きな期待が寄せられているわけであります。しかしながら、NPO法人の多くは、規模もまだまだ小さく、営利を目的としたものではないだけに、事務処理能力や財政基盤が脆弱であり、資金繰りに窮している法人も少なくありません。平成十七年の都の調査によると、七割以上の法人が活動上の問題点として法人運営上の財政的な問題を挙げている。それだけに、本年七月から東京都において開始されたNPO法人に対する保証つき融資制度に多くの期待を寄せたNPO法人も多数あると思いますが、これまでの実績はどのようになっているのか、お伺いしたいと思います。 # 目黒金融部長 目黒金融部長平成十九年十月末時点では、取扱提携金融機関が制度開始時の五機関から七機関にふえておりますが、保証つき融資の実績はございません。 # 山口委員 山口委員なぜ実績が上がってこないのか。NPO法人に問題があるのか、それとも融資をする側の金融機関側に問題があるのか。規模の大きなNPO法人を除いて、多くのNPO法人は金融機関に提出をする資料や書類の作成もままならず、金融機関から融資を受けることが困難な状況にあります。また、聞くところによると、理事全員の連帯保証が必要であるとか、納税要件であるとか、本来、営利や事業拡大を目的としないNPO法人には、この審査のハードルが高過ぎるのではないかと思うんですが、その辺の見解はいかがでしょうか。 # 目黒金融部長 目黒金融部長今般のNPO法人に対する融資制度は、独自事業や受託事業、助成事業を実施するなど、安定的な事業基盤を有し、十分な返済能力が認められる法人を対象としております。また、融資や保証を実行するからには、その返済能力を審査しなければならず、NPO法人に対しましても中小企業に対するものと同程度の審査を行っているため、保証つき融資の実行までには至っていないと聞いております。これは、恐らくNPO法人の側にも融資を受けるに当たってふなれな点があるとともに、融資を実行する金融機関側にとりましても、経験の浅い分野であるNPO法人向け融資に慎重になっているためと推量されます。 # 山口委員 山口委員これでは、この保証つき融資制度を利用できるようなNPO法人などないのではないでしょうか。確かに、融資を受けられるよう、NPO法人自身も会計処理などの事務処理能力を高めていくことは十分必要だと思います。しかし、新たな経済主体として、福祉や環境などの分野で事業活動を行っているNPO法人も存在していることですから、これらのNPO法人を金融面からしっかりと支援するべく、金融機関や保証機関もNPO法人の経営実態を把握して、積極的な融資をぜひ行っていただきたいと思うところであります。また、今後この制度をNPO法人が有効に活用できるように、東京都としてもNPO法人に関する情報提供を行うなど、積極的に金融機関に働きかける必要があるのではないでしょうか。今後の都の取り組みについてお伺いしたいと思います。 # 目黒金融部長 目黒金融部長NPO法人に対する融資につきましては、現在、金融機関や保証機関において融資条件等について見直しを進めているところであり、都としましても、営利企業とは異なるNPO法人の経営実態について金融機関等に情報提供し、理解を求めていきたいと考えております。また、NPO法人の会計処理や資金管理能力の向上につきましても、関係団体等と連絡を図りながら、啓発に努めてまいりたいと思います。 # 山口委員 山口委員行政によるNPO法人に対する支援策として、保証つき融資制度の創設というのは非常に有効であるわけであります。今、力強い答弁もいただいたわけでありますが、しかし、これを受けるNPO法人にも、もちろんまだまだ解決すべき課題があるのは事実であります。さらに、金融機関や保証機関においても、融資条件等の基準を整備していく必要性もあるわけであります。NPO法人というのは、行政では難しい機動力や柔軟性を持った存在としての役割が非常に期待されているわけでありますし、政府も含めて、自治体や企業というのが扱いにくいニーズに対応する社会的な役割というのを大きく担っているところがあるわけであります。社会的な重要性がますます増大していく中で、自治体もNPOとの協働といったことを、しっかりと提言を、さまざましているにもかかわらず、協働を行う目的が、NPOを使いやすいだとか、非常にコストが安上がりで済むだとか、そういった便利なところばかりではなくて、NPO側の財政事情というものにはなかなか踏み込んでいかなかったり、こういったところの支援というのがおくれてしまっているのは、僕は行政にとっても非常にマイナスだと思うんです。特に、真の協働という点で考えると、やっぱりこういった部分も重要だと思いますし、NPOの事業だとか活動の拡大、発展はもとより、さらなる期待と新たなる雇用の機会、促進だとか、停滞が続く産業振興にも、必ずこういった分野の手助けというのは今後大きな力を持ってくると私は思います。いろいろと解決すべき課題もあると思いますが、この制度がNPO法人にとって真に有効なものとなるように、まずはその第一歩として、この融資の実現に努力をしていただくように要望いたしまして、質問を終わらせていただきたいと思います。 # 上野委員 上野委員私からは、両立支援、障害者雇用、低所得者対策の三項目について質問してまいりたいと思います。まず初めに、仕事と家庭の両立支援についてお尋ねいたします。我が国はご承知のとおり、いよいよ人口減少と超少子高齢化社会に直面しております。国立社会保障・人口問題研究所の島崎謙治副所長は、人口減少は労働力減少をもたらし、高齢化は貯蓄率の減少により投資の縮小につながるなど、経済成長にマイナスの影響を及ぼすと予想しております。つまり、このままでは将来、人口の大幅な減少に伴い、経済を支える働き手が失われるばかりか、消費市場も縮小し、経済の衰退を招くことになるということであります。そこで、何としてもこの少子化というものを食いとめなければなりません。そのためには、社会全体で子育てを支える仕組みをつくることが大事であります。親や子を地域で支える仕組みをつくることや、保育園への待機児童をなくすことも大事でありますが、少子化の最大の障害は仕事と家庭の両立であるといわれているように、企業が、働く人々のために、仕事と家庭生活を両立できる雇用環境を整備することが最も重要である、このように思っております。二〇〇三年に施行されました次世代育成支援対策推進法で、従業員三百一人以上の企業に対しまして、次世代育成支援のための行動計画を策定することが義務づけられました。こうした取り組みもありまして、近年は大企業中心に両立支援に取り組むところが少しずつふえてきております。しかし、企業の大半を占めているのが中小企業でございます。次世代育成に向けた行動計画の策定が努力義務ということもありまして、育児休業の取得もまだまだ十分でない状況に、この中小企業はございます。したがって、今後はこの中小企業に重点を置いた施策を推進する必要があります。そこで、都がこの九月、中小企業の両立支援の取り組みを促進するために創設いたしました助成制度の内容と実績についてお尋ねいたします。 # 松本雇用就業部長 松本雇用就業部長東京都では、両立支援に向けた行動計画を策定した企業を、とうきょう次世代育成サポート企業として登録し、その計画内容をホームページで公表する制度を昨年度から開始しております。今回の助成制度は、このサポート企業のうち中小企業を対象として創設したものでございまして、今年度は試行として五十社に対し、責任者設置と意識啓発の取り組みに助成を行います。来年度からは、それに加えまして、社内のルールづくり、育児休業取得者の代替要員の経費までを一貫して支援する予定でございます。一社当たりの助成額は最大五百五十万円であり、平成二十四年度までに二千社を目標に支援を行うこととしております。次に、実績についてでございますが、本年九月十日から募集を開始し、現在、約二カ月が経過したところでございますが、助成金を申請した企業は既に二十九社に達しております。 # 上野委員 上野委員助成制度は順調に滑り出したようでございますが、来年度から規模を大幅に拡大していくということであり、多くの中小企業に両立支援に取り組んでもらうためには、これからがこの事業の正念場ということになります。そこで、都は今後、取り組みがおくれぎみな中小企業の両立支援を推進するため、登録制度や助成制度をもっと普及していくべきと、このように考えますが、所見をお尋ねいたします。 # 松本雇用就業部長 松本雇用就業部長ご指摘のとおり、登録制度や助成制度の普及は重要な課題と考えております。現在、都内の従業員百人以上三百人以下の中小企業約六千社を対象に、戸別訪問をして、登録制度や助成制度について周知するとともに、行動計画の策定の有無や両立支援策に取り組む意向などを調査しております。また、都内六カ所の労働相談情報センターにおきまして、企業向けの説明会や相談会を実施しているほか、個々の企業からの相談に対して、今年度新たに設置した両立支援アドバイザーが、行動計画の策定や具体的な取り組みに向けた助言を行っております。 # 上野委員 上野委員この約六千社の中小企業への支援が何よりも大事でございます。人材の確保、定着には雇用環境の改善が不可欠であります。経営基盤の弱い中小企業に対しては、行政がさまざまな面から支援することによって、働く人々の仕事と家庭生活の両立を可能としていくことになるわけでございますので、今後とも中小企業に向けた登録制度や助成制度の広報をしっかりと行っていただきますよう要望いたします。また、厚労省では両立支援の推進に当たりまして、積極的に子育て支援を行っている企業を毎年、ファミリー・フレンドリー企業として表彰しているそうでございます。東京都もぜひこの両立支援に貢献している中小企業を表彰するなど、中小企業の励みになるよう、宣揚、評価していくことも考えていただければと重ねて要望いたします。次に、障害者の就業支援についてお尋ねいたします。障害をお持ちの方の経済的な自立を図るためには、障害者の働きたいという意欲にこたえ、その能力を十分に発揮できるよう、就業の機会を確保することが重要であります。本年六月一日現在の東京の障害者雇用率は一・四六%となっております。いまだ法定雇用率一・八%を大きく下回っている状況でございます。前年度に比べますと、〇・〇二ポイント着実に改善しているようでございますが、特に大企業における障害者雇用は年々増加しており、千人以上の企業に限れば、一・七一%と高い雇用率を達成しております。その一方で、従来より地域から障害者を受け入れ、その職業的自立に大きな役割を果たしてきました中小企業では苦戦を強いられているようでございます。そこでまず、東京都内の中小企業における障害者の雇用状況についてお尋ねいたします。 # 松本雇用就業部長 松本雇用就業部長一昨日、東京労働局が公表した本年六月一日現在の障害者雇用状況によりますと、都内に本社を有する民間企業のうち、雇用率達成が義務づけられている従業員数五十六人以上二百九十九人以下の企業における障害者雇用率は〇・八二%となっておりまして、都内における企業全体の平均一・四六%を大幅に下回っております。また、この従業員二百九十九人以下の民間企業の障害者雇用率は、大企業の障害者雇用率が一貫して上昇しているのに対しまして、平成七年ごろから低下傾向をたどっております。 # 上野委員 上野委員このような状況を踏まえまして、国においては現在、障害者雇用促進法の見直しを検討しているようであります。雇用している障害者の割合が法律に定められた一・八%に満たない企業は、雇用が足りていない障害者数に応じて、一人当たり月五万円の納付金を国に納めなければなりません。従業員三百人以下の中小企業は現在、納付金の支払いを免除されておりますが、これを撤廃し、中小企業にも納付金を納めさせる方向で検討が進められていると聞いております。しかしながら、中小企業に障害者を雇用させるためには、きめ細かな支援を通じまして、事業主が自発的に障害者雇用に取り組むよう、意欲を喚起するという視点が重要だと思います。中小企業の事業主を対象としたアンケート調査によりますと、障害者雇用への取り組みが進まない要因として、障害者に適した職務がない、障害者雇用のノウハウが少ないといった項目が挙げられております。このような回答の背景には、障害者を働かせることに関してどのような配慮が必要なのか、どのような支援制度があるのかなど、情報が十分に行き渡っておらず、ちゅうちょしてしまう事業主が少なからずいらっしゃるのではないかと思います。そこで、都においても、企業に対する意識啓発や情報提供などを十分に行う必要があると考えますが、所見をお尋ねいたします。 # 松本雇用就業部長 松本雇用就業部長障害者の就業機会を拡大するためには、受け皿となる企業への意識啓発、情報提供等が必要であると私どもも考えております。このため、東京都では、障害者雇用促進ハンドブックの作成、配布や、関係機関と連携した企業向けのシンポジウムの開催等を通じて、企業における障害者雇用の理解促進に努めてまいりました。また、昨年度からは障害者職域開拓支援事業を開始し、他の企業のモデルとなるような障害者雇用への取り組み事例を募集、認定し、その認定事業の運営を支援するとともに、事例報告会等を通じて、こうした好事例の普及を図ってきております。さらに、これに加えて、本年度から心身障害者職能開発センターにおいて総合コーディネート事業を開始し、国や地域の就労支援機関との連携により、障害者雇用率未達成企業を対象とした啓発セミナー等を総合的に実施し、障害者の就労を促進しております。今後とも企業への働きかけを強め、就業促進に努めてまいります。 # 上野委員 上野委員このような意識啓発や情報提供に加えまして、企業における障害者雇用の取り組みのハードルを下げるためには、企業と障害者との間に立って、障害者本人への支援や、事業主や他の従業員に対する必要な助言を行い障害者の職場定着を支援する、いわゆるジョブコーチによる支援が効果的でございます。国においては、関係機関を通じて養成研修を実施するとともに、研修を修了し認定を受けたジョブコーチの活動費に対する助成金を設けていますが、障害者の就業意欲が高まる中、ジョブコーチの数が足りなくて、支援を受けたくても受けられないケースもあると聞いております。そこで、必要なときに必要な就業支援を行えるよう、都独自でジョブコーチの養成に取り組むべきであると、このように考えますが、見解をお尋ねいたします。 # 松本雇用就業部長 松本雇用就業部長現在、国の認定を受け、都内において障害者の職場定着支援を実施しているジョブコーチは、東京障害者職業センターや社会福祉法人等で計三十四名にとどまっております。このジョブコーチによって、昨年度一年間で二百十一名の障害者の職場定着支援を行っておりますが、他方で、都内のハローワークを通じて就職した障害者は四千四百二名であることから、これらの障害者全員に支援が必要であるとはいえないものの、必ずしも十分に支援が行き渡っていないと私どもも考えております。このため、都としても、障害者の就業支援を充実させるため、ジョブコーチの拡充について検討してまいります。 # 上野委員 上野委員ぜひともジョブコーチの養成に取り組んでいただきたいと思います。都は、昨年十二月に公表しました「十年後の東京」におきまして、今後十年間で東京の障害者雇用を三万人以上増加を目指す、この目標を掲げております。この目標を達成するためには、現在実施している障害者を対象とした職業訓練事業等の一層の充実に加えまして、心身障害者職能開発センターの総合コーディネート事業のように、障害者就労支援機関との連携のもとに就労を促進する取り組みを進めていくなど、障害者雇用促進施策を拡充していくことが必要と考えますが、所見をお尋ねいたします。 # 松本雇用就業部長 松本雇用就業部長十年間で三万人以上の障害者雇用増を達成するためには、企業に対する啓発や障害者の職場定着支援に加え、障害者就労支援機関等との連携を深めるなど、障害者就業支援施策を充実していくことが重要と考えております。このため、心身障害者職能開発センターにおける総合コーディネート事業の拡充や、本年十月に設置した経済団体や企業、障害者就労支援機関等をメンバーとする東京都障害者就労支援協議会の活用などにより、今後とも障害者雇用の促進に努めてまいります。 # 上野委員 上野委員それでは、最後に、低所得者対策についてお尋ねいたします。今回のいわゆる低所得者対策ですが、第三回定例会におきまして知事は、額に汗して懸命に働いているにもかかわらず、低所得の状況から抜け出せないまま、不安定な生活を余儀なくされている方々への支援策は極めて重要であり、多様な施策を積極的に講じると、このように発言されておりますが、この不安定な生活を余儀なくされている方々という表現を、もっと都民がわかりやすいように、より具体的に、どのような方々が対象として想定されるのか、まずお尋ねいたします。 # 松本雇用就業部長 松本雇用就業部長今回の施策の対象者といたしましては、意欲がありながらも、いわゆる就職氷河期に学校を卒業し、安定した職につくことができずにいる方、倒産やリストラなどで職を失い、アルバイトなどで生計を立てている中高年の方、あるいは子育てに追われながら生活を維持しなければならない母子家庭の母などを想定しており、経歴、年齢も多様な方々が対象になると考えております。 # 上野委員 上野委員このような方々のうち、訓練受講を希望する方々に対しまして、産業労働局において訓練と就業支援を行うことになるわけですが、その際は、従来からしごとセンターで実施しているように、訓練前のみならず訓練後も、個々の対象者の状況を踏まえましたきめ細やかな支援をする必要があると考えますけれども、所見をお尋ねいたします。 # 松本雇用就業部長 松本雇用就業部長しごとセンターでは従来よりきめ細かなキャリアカウンセリング等を実施し、就労支援において成果を上げております。今回の低所得者対策においても、こうしたノウハウを生かし、訓練受講希望者に対して、各人の希望や適性を踏まえたきめ細かいキャリアカウンセリング等を実施することが効果的であると考えております。このため、受講科目の選択に向けての支援はもとより、訓練開始後も必要に応じて継続的なカウンセリングを行うなど、安定した雇用に結びつく方策を検討しております。 # 上野委員 上野委員知事発言にもありますように、こうした方々がみずからの人生を切り開き、将来の展望を見出すことができるようにすることが、今回の低所得者対策の趣旨であると思います。換言すれば、こうした方々をより安定した雇用に結びつけることこそ重要でございます。したがいまして、本事業の実施に当たっては、就業に必要な実践的技能を付与する職業訓練が重要なポイントとなります。求人動向に即しました訓練科目を設定するなど、効果的な職業訓練を展開することが肝要であり、この点を強く要望いたしまして、私の質問を終わります。 # 清水委員 清水委員ことし奥多摩町を襲った台風九号により、奥多摩町の特産ワサビ田は大きな被害を受けました。先日、大きな被害に遭った沢の一つである塩地谷のワサビ田を訪ね、生産者の方から切実な要望を受けてまいりましたので、それを踏まえてご質問したいというふうに思います。まず、奥多摩町におけるワサビの生産状況と位置づけについてお答えいただきたいと思います。 # 産形農林水産部長 産形農林水産部長奥多摩町におきますワサビの生産でございますけれども、平成十七年の統計では、栽培面積七ヘクタール、収穫量十八トン、生産額は約八千八百万円で、奥多摩町の農業生産額の約七割を占めており、また、奥多摩山葵栽培組合の組合員は六十八名となっております。東京都は全国有数のワサビ産地で、主たる産地である奥多摩町では重要な特産品として位置づけられており、生食用として市場や料亭などへ出荷されるほか、ワサビ漬けなどに加工されております。 # 清水委員 清水委員奥多摩町におけるワサビ栽培に対する都の考え方をお伺いいたします。 # 産形農林水産部長 産形農林水産部長東京産のワサビのほとんどは奥多摩町で生産されており、ワサビは山村地域の貴重な特産農産物で、東京の大切な特産品の一つであると考えております。 # 清水委員 清水委員台風九号によるワサビ田の被害はどれくらいか、お伺いいたします。 # 産形農林水産部長 産形農林水産部長奥多摩町の報告では、ワサビ田については、被害面積約一・二ヘクタール、被害額約二億二千七百万円、収穫予定のワサビの被害額は約三千七百万円となっております。なお、ワサビ栽培のためのモノレールの被害については、六カ所、被害額約一千四百万円であり、これらの被害総額は約二億七千八百万円となっております。 # 清水委員 清水委員農林水産部長さんは、この台風九号の奥多摩町の被害を現地を訪ねられて見たと、視察をされたと聞いておりますけれども、その状況など、また感想などがあればお聞かせください。 # 産形農林水産部長 産形農林水産部長台風九号が東京を通過した後、農業振興事務所と森林事務所がまずもって現地の被害状況の把握に努めております。その後、私は、ワサビ田の被害はもちろん、森林や水産関係の被害状況も視察いたしました。ワサビ田についての感想でございますけれども、台風九号は奥多摩地域に今までにない豪雨をもたらし、渓流沿いにつくられているワサビ田を押し流し、またモノレールの軌道をひどく曲げるなど、今回の台風のすごさを感じました。しかし、同じ地域でも、大きな被害を受けたワサビ田もあれば、比較的被害の少ないワサビ田、また被害のないワサビ田もあり、台風の進路や風向き、また地形などによってこれほど違うものかと思ったところでございます。 # 清水委員 清水委員私も後から、被害の状況を調査に行ったときの様子をお知らせしたいと思うんですけれども、この被害対策について早急に行う必要があると思うんですが、この被害対策をどのように講じるのか、お伺いしたいと思います。 # 産形農林水産部長 産形農林水産部長今回の台風九号によるワサビ田の被害状況は、先ほど申し上げましたように、さまざまでございます。まず、復旧が可能なワサビ田につきましては、国の農地農業用施設災害復旧事業により、現在、復旧に向けて準備を進めております。また、国の災害復旧事業の対象とならない被害が小規模なワサビ田やモノレールの復旧については、既に奥多摩町との協議を進めております。なお、被害が激しく復旧が困難なワサビ田につきましては、奥多摩町のワサビ振興策に対する考え方を十分に聞きながら、対応について町と協議してまいります。 # 清水委員 清水委員今、ワサビ田の被害について、三つの段階の対策についてご報告がありましたけれども、国の復旧事業にそのまま乗るものについては早急に行っていただきたいと思いますし、被害が小規模なワサビ田やモノレールについて町と協議中だということで、早速それについても協議を調えて取り組んでいただきたいと思うんですけれども、生産者の要望にこたえられる復旧をぜひ行っていただきたいと思います。今のお話の中で、被害が激しいものについては、今後、町と対応について協議するというふうにご報告がありました。私が伺った塩地谷という場所のワサビ田についても、場所としては、ちょっと時間的に違いがあるかもしれないのですけれども、奥多摩駅から車で十五分ほど行ったところから林道に入り、その林道を車で二十分以上入りました。そこからワサビ田が土砂に埋もれた沢を初めて先ほど説明のあったモノレールに私も生産者の方に乗せていただき、とにかく使えるところまで、本当に歩く速さでしたけれども、乗せていただき、そこから沢を長靴で歩いていったわけです。そのさまは、青々としたワサビ田があったとは到底想像がつかないくらいな大きな岩と土砂で埋まっていました。この方の被害は、被害状況の割合が出ているんですけれども、一〇〇%、全壊ということになっています。丹精込めてつくったワサビ田をむざむざと土砂で埋められてしまっている。本当に悔しい思いをしたと思います。奥多摩のワサビ田は、もともとこういうところですから、機械を運べない場所です。すべて手作業で生け垣をつくり、ある方は完成するまで八年もかかったというような話も聞いております。こうした困難な地域、そして恵まれた水があり、そのために奥多摩らしいワサビの味が評判を呼んでいるということです。こうした被害の大きいものについて、そこを復旧するというのはできるかどうか、ちょっとわかりませんけれども、ほかの代替地などで復活するという町の姿勢が示されるならば、都としても積極的に支援を行うことが必要ではないかと思うんですけれども、どうでしょうか。 # 産形農林水産部長 産形農林水産部長被害が激しく復旧が困難なワサビ田についてでございますけれども、先ほど申し上げましたように、奥多摩町のワサビ振興策に対する考え方を十分に聞きながら、対応について町と協議してまいります。 # 清水委員 清水委員奥多摩の生産者は、今回の台風だけでなくて、何回も災害に遭い、繰り返し、そのごとに復旧して頑張っているわけです。そのために、本人負担が重くのしかかっているといわれます。私が先日お会いした生産者は、今度の台風でほとんどだめにしてしまった方ですけれども、その方は、本人負担せよといわれたら、もう耕作する意欲がないといわれておりました。生産者の自己負担なしの災害復旧をしてほしいという地元の農家の要望にもこたえるべきではないかと思いますけれども、どうですか。 # 産形農林水産部長 産形農林水産部長災害復旧につきましては、基本的には農地や農業用水路などの農業用施設の設置、維持管理は、それぞれの管理者が責任とその負担を負うべきでございますが、農業者がその災害復旧を適切かつ迅速に処理することが困難なため、国、都が、復旧を行う事業主体に対して補助を行うこととなっております。都は、災害復旧制度における補助率に基づき、その範囲で適切な補助を行ってまいります。 # 清水委員 清水委員補助をするなんていうような姿勢ではなくて、都が積極的にこの復旧をする必要があると思うんです。私は、その日、その災害場所を調査した後、たまたま時間のあいていた町長さんともお会いすることができました。私が行ったところの話を町長さんにお話しして、耕作意欲が本当にわくようになるのでしょうかというお話をしたところ、町長は、耕作放棄者を一人も出さないように励ます対策を出したい、そのために議会からも都の支援をお願いしたいというふうにいわれました。町がこういっているんですよね。六十八軒の組合員のうち半分ぐらいの方が災害を受けたわけですけれども、全員復旧されるのは無理かなと、こういうふうに町長がいわれるのかなと思いましたけど、そのとき、とにかく一人も出さないようにしたい、一人も耕作放棄者を出さない、これは奥多摩町の大事な特産なので,これがなくなったら本当に奥多摩町の存在にもかかわっているということをいわれて、私も、町長となるとすごい、そういうことを自信を持っていえるんだなという感想だったわけですけれども、そういうことを町の方は考えているわけです。私は、都はこれにこたえる必要があると考えるわけです。さらに、要望として出されているのが、一つはワサビ苗の購入に対する支援、そして災害復旧事業補助金の制度が複雑なので、簡略化してほしいという要求があります。また、ワサビ生産農家が高齢化する現状で、若い人材の育成と、今行っている農業近代化資金の貸付要件に六十歳までという年齢制限があることについて改善してほしいという要望が出されていますが、それぞれこのことについてどう思うか。また、実態に沿った内容にしていく必要があるのではないかと思いますが、どのようにお考えでしょうか。 # 産形農林水産部長 産形農林水産部長ワサビ苗の購入につきましては、農業近代化資金による融資が可能となっております。また、ワサビ田の災害復旧事業に対する補助金につきましては、国の法律などでその制度が定められております。次に、ワサビ栽培のための人材育成につきましては、奥多摩町が新たな後継者を育成する目的で平成十四年に開設した奥多摩わさび塾において、農業改良普及センターが技術指導等の支援を行ってまいりました。最後に、農業近代化資金の年齢制限についてでございますが、六十歳以上であっても、後継者が農業に従事しているなど一定の条件を満たしていれば融資可能でございます。 # 清水委員 清水委員早速、農林水産部長も現地に行っていただいて、同じ思いを共有していただいたことですので、奥多摩町が、本当に全員放棄者が出ないような、そういう意欲が持てる対策をしたいといっているのですから、ぜひそれにこたえられるような支援をされることを強く願っています。さらなる努力を求めます。この質問は終わりにいたします。次に、製造業支援です。事業所統計によると、東京の製造業は全体の事業所が最も減少した産業となっています。中でも、八割を占める十人未満の小規模企業がこの五年間で二割減少、三人以下の企業は約七割が赤字経営、約半数が廃業予定だといいます。首都のものづくりをどうするかは、切実緊急な重要課題になっています。さらに、昨今の原油高、原材料高騰などによる影響が深刻になっています。ものづくり企業は本当に生き残りをかけてさまざまな努力をしているわけです。そこで、多くの都内のものづくり企業が、イタリアなどのものづくり企業の技術やブランド戦略を参考にしていきたいと考えている様子がうかがえます。多摩地域を中心に活動するTAMA産業活性化協会は、イタリアのヴェネト州ヴィチェンツァ商工会議所の会員企業などとの交流を実施したとホームページに記載されていました。日本企業が有するすぐれた加工技術とイタリア企業との連携、イタリアデザイン企業との連携による製品の高付加価値化などの新たなビジネス関係の構築のためという目的だそうです。また、ほかの都市ではありますけれども、大阪商工会議所生野支部の異業種交流会フォーラム・アイの取り組みとして、まず上海視察を実施したといわれています。そこで、中国のものづくりのトレンドが激変し、日本のビジネスの特徴である品質のよい物を安く速く大量につくれる、これまでのビジネスが通用しないことを実感したというふうに書かれています。このままの経営では会社がつぶれてしまうという結論を出して、この方たちは、イタリアのミラノに、中国に負けないものづくりをしている小さな会社がいっぱいあると聞いた、高付加価値なものづくりをしている十人以下の会社でも独自のブランドがあるようだとして、ミラノの視察を行い、生野を日本のミラノにということで五カ年計画を進めているというふうに伺いました。こうしたイタリアなど世界の状況を調査し、都内の中小企業に情報提供することで、中小業者の経営の参考とすべきではないか、お伺いいたします。 # 三枝商工部長 三枝商工部長都は、都内中小企業のさまざまな事業目的に合わせて、海外情報を収集、提供しているところでございます。一例を挙げますと、皮革関連産業の振興に向け、イタリアの専門機関に皮革産業技術者を研修派遣するほか、この分野で先進的な欧州諸国における素材、商品等のファッション、トレンド情報の収集を行い、セミナー形式で中小企業に情報提供を行ってまいりました。また、ベトナムへの進出を希望する中小企業を支援するため、現地の情報収集や市場調査を実施し、情報提供しているところでございます。 # 清水委員 清水委員いろいろやっているということはいわれましたけれども、私も、いろいろな情報収集の中から、ぜひ自費でイタリアに行ってみたいなというような、このものづくりを調査してみたいなという気持ちもあるわけです。都としても、どなたか、この調査をする方を出して、ぜひイタリアのものづくりを私たちに情報提供していただきたいと思います。多摩地域には、エレクトロニクスや計測機器などの分野において高い技術力を有するものづくり企業の集積があります。また、関係自治体やブロックごとの協議会、TAMA産業活性化協会、さらにJR青梅線、五日市線、八高線沿線に位置する自治体などが中心となり、産業クラスター協議会を設立して、コーディネート機能の強化を進めています。このような協議会への財政を含めた支援を、これらの集積の方たちは求めています。都内産業の一層の発展のためにも、多摩地域のものづくり企業への積極的な支援を行う必要があると考えますが、いかがですか。 # 三枝商工部長 三枝商工部長多摩地域には先端技術を有する中小企業が数多く集積いたしますとともに、理工系の大学ですとか民間の研究機関も多数立地してございます。東京都では、多摩地域の中小企業の技術力向上を図るため、昭島市の旧都立短大跡地に多摩産業支援拠点の整備を進めているところでございます。同拠点では、二十四時間利用可能な製品開発支援ラボの整備や、産学公連携の推進によりまして、多摩地域の企業ニーズや産業特性に応じた支援を行ってまいります。 # 清水委員 清水委員多摩地域の集積のそれぞれが、自治体が協力し合ったり、関係団体が協力し合って一つの取り組みを行っています。私も、TAMA産業活性化協会のお話を聞いてきましたけれども、都も参加はしていらっしゃるようですけれども、財政支援を含めた支援をもっと強めてほしいということをいっておられましたので、ぜひそういう支援もしていただきたいと思います。都は、昭島に多摩産業支援拠点を整備し、産業技術研究センター八王子支所を同拠点に移転する構想を公表しております。八王子は、技術力の高い企業が集積し、多摩地域のものづくり産業の中心地です。八王子で再整備してほしいと、当初、市や地元企業の強い要望があったわけですけれども、それが受け入れられず、昭島で整備されることになったのは残念ですけれども、その跡地における要求として、産業振興に資する施設を整備するなど、同地において産業振興の機能を引き続き維持すべきと考えますが、いかがですか。 # 三枝商工部長 三枝商工部長八王子支所の移転後の跡地の活用方法につきましては、現在、未定でございます。 # 清水委員 清水委員これから検討していくということなので、駅前の非常にいいところで、立川に支援センターが移るということで、八王子が一番とはいいませんけれども、大きなものづくりの集積地域なわけで、八王子のあの地をやはり産業振興にかかわる施設にしてほしいというのは、市長会の要望でも、あの場所を地域の産業支援施設の整備ということで要望しております。ぜひ強く要望しておきたいと思います。多摩地域には、高い技術力を持つ、国内でも最先端のものづくり企業が立地しています。現在、これらの企業が必要な試験研究設備は十分整備されておらず、必要に迫られて他の県の施設を利用している状況もあります。このほどの多摩産業支援拠点の整備に当たり、電機メーカーなどが使う機器の電波暗室、また、工作機械用部品など最高度の金属切削加工を行っている企業などに対し、最高精度の三次元計測器、また、超微細加工やナノ粒子を使った表面処理を行っている企業では、製品の精度確認や、でき上がりの検査のための電子顕微鏡を要望しています。さらに、金属製造のために、城南中小企業振興センターに設置されている光造形複合加工機設置が求められています。それぞれ答弁を求めます。これは市長会でも強く要望している内容であり、市長会からの要望の実現に努力すべきと考えますが、いかがですか。 # 三枝商工部長 三枝商工部長多摩産業支援拠点につきましては、平成二十一年度開設を目途に、現在、実施設計を行っているところでございます。同拠点の整備に当たりましては、多摩地域におけるエレクトロニクス産業の集積に対応し、電子機器や医療機器などから発生する電磁波の影響を測定する大型の電波暗室を新たに設置することを計画してございます。その他の機器設置につきましては、多摩地域の企業ニーズや産業特性を踏まえまして、開設までに決定していく予定でございます。 # 清水委員 清水委員せめてこれらの機器ぐらい整備していただきたいですね。城南振興センターにあるものがなぜ多摩にはないのかって、皆さん思うわけです。それは皆さん、多摩の方だったら同じ思いですよ。私たちは、試験研究機関は拠点に一カ所などという考え方が間違っているということを、これまでも繰り返し指摘をしてきたわけです。とりわけ多摩地域には、立川というんだったら、八王子や西多摩、少なくとも三カ所くらいは必要だというふうに私は考えます。その一カ所に求められている機器も整備されないということになれば、多摩地域の製造業は大切だなどというのが本当に口先だけになってしまいます。その一方で、航空機産業支援を都が重点に進めようとしていますけれども、昨日、中型機の開発を進めている、七十から九十席の開発を進めている三菱重工の本社を訪ねて話を聞いてまいりました。目的はいろいろあったわけですけれども、いろいろ聞いてまいりましたが、その中の一つとして、中小企業の航空機産業への参入についての部分の話では、自動車は年間何十万台と製造する、しかし航空機はせいぜい千機ぐらいではないか、だから、製造業者が、ものづくり業者がそれだけで成り立つとは考えられない、主となる仕事があって、さらについでにやるというならできるかなというような話の一端がありました。航空機産業支援というのをすべて否定するものではありませんけれども、今やるべき支援というのが本当に山積されております。先ほども農業の支援もありました。そしてまた、この多摩地域のせめて一カ所の機器も整備してほしいということに対しても、今のところ明確なご答弁がいただけないというようなことでなくて、やはりきちんと中小企業対策予算を取って、必要な製造業支援を多摩地域に対して強力に行ってほしいことを求めて、この質問を終わります。次に、新銀行について何点か伺います。新銀行の現在の経営状況についてどうなっているのか、お伺いいたします。 # 目黒金融部長 目黒金融部長新銀行東京は、十八年度決算において約五百四十七億円の当期損失を計上するなど、厳しい経営環境に置かれております。こうした中、新銀行東京では、本年六月に策定した新中期経営計画に沿って店舗外ATMの廃止や店舗の統廃合を行うなど、経営改善の取り組みを進めております。なお、現時点での経営状況についてでございますが、近々に中間決算が発表されると聞いております。 # 清水委員 清水委員聞いておりますじゃ、無責任じゃないですか。都は出資者なんですよ。都民の税金一千億を投入して、今まで本当に、累積赤字は七年三月期までは八百四十九億円という、もう既に資本金の七割強を食いつぶした状況の中で、そんな悠長な姿勢でいられるのかどうかということです。それで、一般企業だったらどうなっているのかという問題もあるわけですよ。先ほど資料の中でも説明がありましたけれども、計画になかったわけですね、池袋支店の新宿支店への統合という問題が。計画になかったこの支店の統合がなぜ行われたのか、その理由と経過についてお伺いいたします。 # 目黒金融部長 目黒金融部長新銀行東京では、現在、営業経費の削減など経営改善の取り組みを進めているところでありまして、池袋店の統合もその一環でございます。この統合につきましては、利用者の利便性確保を第一として、全体の配置バランス等を十分に考慮しながら決定したと聞いております。 # 清水委員 清水委員全然わかりませんよ。それだったら、何で新中期計画のときに入っていなかったんですか。出さなかったんですか。なぜ今になってそういう計画を出すんですか。それだったら、私たちは今まで、この新銀行の高コスト構造の理由の一つである大手町本社の機能こそ手をつけるべきだといってきたわけですけれども、そこは何も手をつけないで、こういうところだけやる。その大手町の本社についてはどういう議論をしてきたんですか。 # 目黒金融部長 目黒金融部長新銀行東京の本部機能をどうするかにつきましては、顧客サービス向上の観点を第一といたしまして、コスト面などを含め総合的に勘案し、銀行が判断するものと考えます。 # 清水委員 清水委員東京都が、だって出資者の責任をどういうふうに果たすんですか、責任を。じゃ、今の状況の中で、赤字体質の改善が図られているというふうに考えられるわけですか、もう間もなく決算が出されますけれども。いかがですか。 # 目黒金融部長 目黒金融部長新銀行東京におきましては、二年後の平成二十一年度に黒字に転換するという目標のもとに現在の新計画を進めておりまして、それを着実に進めていくということだと認識をしております。 # 清水委員 清水委員だれも黒字に転換するというふうには予想がつけられていないということで、都がさらに追加出資をするのではないか、そういう動きがあるのではないかといわれておりますが、いかがですか。 # 目黒金融部長 目黒金融部長新銀行東京の策定しました新中期経営計画では、追加出資は想定してございません。今は、先ほども申し上げましたように、経営改善の取り組みを着実に進めることが重要であると考えております。 # 清水委員 清水委員今でも、すぐに預金者保護をして、もう引き揚げなさいというのが私たちの主張なんですけれども、さらに追加出資するということは絶対に許されないことです。そして、先ほどの報道によりますと、新銀行東京の経営トップとなる代表執行役に、東京都が都の港湾局長を充てる意向を固めたことが、二十二日、きょうわかった。現代表執行役の体調不良に伴う交代と見られるということが情報として流されたようですが、ご説明ください。 # 佐藤産業労働局長 佐藤産業労働局長新銀行東京のトップにかかわる人事でございますので、今お話しの点については、都としては、発表するとすれば、知事から公表すべきものというふうに考えております。 # 清水委員 清水委員それはわかりましたけれども、今、新聞記事のこの共同通信の配信に私がご答弁を求めたものです。今まで質問してまいりましたけれども、やはりさらなる追加出資の動きがあるから、いろいろなマスコミや都民なども、これ以上都民の税金をつぎ込まれたらたまらないという思いだと思いますので、追加出資はするべきではない、さらなる預金者保護をして、新銀行はもうやめるべきだということを主張して、質問を終わります。 # 増子委員長 増子委員長この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。午後二時三十五分休憩午後二時四十六分開議 # 増子委員長 増子委員長休憩前に引き続き委員会を開きます。質疑を続行いたします。発言を願います。 # 大西委員 大西委員初めての経済・港湾委員会なもので、この事務事業の内容を見ていましたら、私もやっぱり六二ページの新銀行東京の経営監視等というところがどうしても目についてしまいました。ちょっと準備をしていたわけですが、今、本当に緊急にこのトップの人事が出てきたわけなんですけれども、これはこれとして、やっぱり最初に仁司さんが務め、そして後任、かわって森田徹さんという方がつかれた。これは石原知事が、森田さんの経営手法を買って就任させたと思うんですけれども、このようにかわる中、監視する産労としての見方というのが、それは政治的なものもあるかもしれませんけれども、考えられるんじゃないかと思うんですが、それについてはどのようにお考えでしょうか。 # 目黒金融部長 目黒金融部長新銀行東京は、平成十八年度決算において、計画を上回る不良債権の発生や減損会計の適用等により約五百四十七億円の当期損失を計上するなど、厳しい経営環境に置かれております。こうした中、新銀行東京では、本年六月に策定した新中期経営計画に沿って、店舗外等に設置されているATM百二十九台の縮小や、営業店舗の十店舗から七店舗への統廃合などを行っておりまして、経営改善に向けた取り組みは着実に進んでいると考えております。 # 大西委員 大西委員その答弁は先ほども聞きましたので、今私が聞いたのは、このようにトップがころころかわる状況を、経営を監視する産労としてどのように見るかということをお聞きしたんです。 # 佐藤産業労働局長 佐藤産業労働局長トップがかわるかどうかというのは、まだ東京都としては明らかにしておりません。先ほど申し上げましたとおり、トップの件については、都としての考え方は知事から発表されるというのが適当であろうというふうに考えております。 # 大西委員 大西委員本当に今入ってきたので、これ以上ここで追及しても仕方がないと思うんですけれども、そういう意味では、銀行設立時の目標と現状にどんどん開きがつき、それがとめられないという状況があるんだと思います。そもそも銀行の貸し渋り、貸しはがしの横行がこの新銀行の設立のきっかけになったと思うんですけれども、現状はどのように解消されたんでしょうか。改善されたのかどうか。 # 目黒金融部長 目黒金融部長金融庁が平成十四年十月に開設いたしました貸し渋り・貸しはがしホットラインにおける四半期ごとの受け付け状況を見ますと、平成十四年第四・四半期の三百五十七件をピークに徐々に減少し、平成十八年の第一・四半期から直近の本年第三・四半期までは、おおむね三十から四十件程度で推移しております。このデータを見る限りでは、一時の貸し渋り、貸しはがしは解消されてきているものと思われます。 # 大西委員 大西委員そういう意味では、一応この役割というのがもう終わったんじゃないかというふうに私は考えます。もう今やこういうふうな状況になっているということ、この新銀行が危機的状況にあるということを否定する人はだれもいないと思うんです。社会的役割を果たしていない、だからこそ需要がなくなったということで、本当にそういう意味では、新銀行を即やめるということは常に選択肢としてあっていいと思うんですけれども、新銀行がなくなると、だれが困るんでしょうか。 # 目黒金融部長 目黒金融部長新銀行東京では中小企業融資などを行っておりまして、そういった意味では中小企業に貢献しているというふうに認識しております。 # 大西委員 大西委員生活者ネットワークは、この新銀行設立当時も、銀行という極めて民営的事業を公共団体が行うことはやはりおかしいんじゃないか、それよりも、ちゃんとした産労の中小企業融資制度、こういうものの方をしっかりと活用するべきだという立場でありました。まさに今苦しい答弁があったわけですけれども、どんどんこの新銀行設立当時いわれていた貸し渋り、貸しはがしが改善していく中で、また同時に、東京都がしっかりと中小企業の制度融資もやっているわけで、まさに社会的な役割が本当に終わったわけです。私は、この銀行に関してそもそも不思議に思ったのは、やっぱり知事のトップダウンで新銀行が出て首長ですから、いろんなアイデアがたくさん出てくると思います。それを都庁全体でどのように、この案をみんなで審議して、これが本当に都民にとって有効であるのかどうなのかということ、そういう場が、どこでどういうふうにあったのかというのを常に不思議に思っています。オリンピックもしかりです。残念ながらそういう意味では、議会といえども、そのチェック体制、本当に果たしているのかどうかというのを、同時に私たちも突きつけられているんだと思います。この新銀行東京については、やはり知事のトップダウンで始めた銀行ですので、知事のトップダウンで幕引きをきっぱりと行うようにということを六月の定例会の中でもいっているわけなんですけれども、本当に今回このような形で、また東京都の港湾局長を充てるというようなこと、まさに迷走態勢に入っていると思いますが、しっかりこの辺を、行政として知事と対峙して、幕引きをお願いしたいということを要望したいと思います。次に、若年者への就業支援について伺いたいと思います。最近の若年者の雇用を取り巻く環境は、全体として改善傾向にあるものの、就職できないまま高校、大学等を卒業し、または自己の職業に対する認識の不足等から、就職後早期に離職して無業状態にある者が依然として多く見られます。また、パート、アルバイトの不安定な就労状況を長期にわたって繰り返すいわゆるフリーター、職業的に不安定な立場に置かれている若者の存在が社会問題となってかなり久しいわけなんですが、そういう状況があったわけですけれども、景気の回復と団塊世代の大量退職が相まって、今年度の新卒市場は久々の売り手市場となりました。そのような環境変化が若者の雇用問題を一気に改善したかに見えるんですが、平成十九年八月の労働力調査の結果を見ても、十五歳から二十四歳の完全失業率は、男子七・三%、女子八・四%と依然高い数値を示しています。こうした中で、都では東京しごとセンターを設置し、さまざまな若者への就業支援策を展開していますが、まず、その実績を伺います。 # 松本雇用就業部長 松本雇用就業部長東京しごとセンターのヤングコーナーでは、きめ細かなキャリアカウンセリングや就職活動のノウハウを習得するための各種セミナーに加え、職業紹介や合同就職面接会等を実施し、若年者の就職活動を支援しております。平成十六年七月の開設以来、平成十九年十月末で登録者は二万三千人を超え、六千六百人の就職を実現しております。 # 大西委員 大西委員登録者は二万三千人を超えますが、実際に六千六百人ということで、まだまだ数字的にも、そこにつながるというのは、もっともっと努力しなければいけない状況なのかなと考えます。今年度に入り、若者の就業支援策として池袋と立川で月二回実施していた出前相談窓口、街角カウンセリングですけれども、これを廃止しましたね。廃止したんですけれども、これまでの短い期間でしたけれども、その実績と、それから廃止の理由を伺います。 # 松本雇用就業部長 松本雇用就業部長街角カウンセリングは、ターミナル駅周辺にキャリアカウンセラーが出向きまして、簡易なカウンセリングを行うという事業でございます。利用者は、平成十八年度の実績で百八十八人ということでございまして、実施一回当たりの利用者は三人から四人という程度にとどまってございます。同事業につきましては、こうした利用状況を勘案しまして、平成十九年八月のしごとセンター多摩の開設ともあわせて、事業の見直しを行ったものでございます。 # 大西委員 大西委員利用者の実績があったんですけど、非常に限られた期間と、それから月二回ということ、それも池袋と立川で交互にやるというようなことで、まだまだ若者にそういう場所があるということを知らされる前に廃止してしまったということで、非常に残念だなという気がしております。そういう意味では、今、駅ナカとかエキュートとか、いろんなところでいろんな人たちが集まるんですけれど、そういうもっともっとみんなが集まるところにこそ、こういうものをおしゃれに設置するということが大事なんじゃないのかなと私は思っています。街角カウンセリングはそういうことで廃止したんですが、しごとセンターにみずから足を運ばない若者や、しごとセンター自体を知らない若者がまだたくさんいるわけです。そういう意味で、駅ナカとかに相談窓口を新たに、期間限定でもいいですから、設置してみるというようなこと、再度いかがでしょう。 # 松本雇用就業部長 松本雇用就業部長しごとセンターにみずから足を運ばない若者でありますとか、しごとセンターを知らない若者に就業に関する相談を受ける機会を提供することは、それは重要であると考えております。このため、昨年の七月に、しごとセンターへの来所が困難な若者等へ向けて、新たな電話相談窓口といたしまして、若者しごとホットラインを開設し、若者の仕事に関するあらゆる相談に就職支援アドバイザーがきめ細かく対応するとともに、しごとセンターで実施しておりますさまざまな就業支援施策への誘導を行っております。今後とも、このホットラインの活用によりまして対応していきたいと考えております。 # 大西委員 大西委員多摩にも国分寺にしごとセンターが開設されて、開所式に行ったんですけれども、入れば、なかなか快適な場所で、丁寧にいろいろと相談できる場所だということは思っているんですけれども、ある意味もっともっと、先輩だけじゃなくって、同年代でいろんなことを話し合えるような、相談し合えるような、つまり、特に就業が困難な若者への支援は、ピアカウンセリングのような発想を生かした就業支援策が求められているんじゃないかと思います。こうした活動に取り組んでいるNPO法人のノウハウを生かすことも必要だと思うんですけれど、いかがでしょう。 # 松本雇用就業部長 松本雇用就業部長都では現在、若者の自立支援活動に取り組むNPO法人等から、若者の感覚に合った支援事業の企画提案を募集し、選定された事業に経費の一部を助成する若者就業支援プロジェクト事業を実施することによりまして、就業が困難な若者を支援しております。また、今年度は、この事業につきまして、NPOや区市町村の支援関係者等を集めた成果報告会を実施いたしまして、支援事業のノウハウの普及を図っているところでございます。 # 大西委員 大西委員お聞きしますと、若者への支援策というものを、項目的にはたくさん取り組んでいらっしゃるということがうかがえるんですが、若者の就業を進めるためには、同時に雇用する側の企業の理解と協力が重要だと考えています。今、非常に社会的な問題として、若者の使い捨てとか、ある意味でもっともっとこれから、せっかく委員になりましたので、その先もやりたいと思うんですけれども、そういう状況があるわけですけれども、そういう受け皿の、雇用者側の対策というものをどのように立てていらっしゃるのか、お聞きします。 # 松本雇用就業部長 松本雇用就業部長若年者の就業を促進するためには、企業と行政の関係者が一体となって若年者雇用の問題に取り組むことが重要であると考えております。このため、都は、若者ジョブサポーター企業を募集し、インターンシップの受け入れ等、若者の職業的自立を積極的に支援するとともに、若者と企業との相互理解を深める場としてのジョブパーティーを開催しております。今後とも、これらの企業と協力、連携をいたしまして、若者の就業を支援してまいります。 # 大西委員 大西委員いろんな格差の問題が今大きな社会問題であるんですけれども、やはり雇用の格差というものが非常に大問題だと私は考えています。一見、企業が回復して、新卒の若者の就業はスムーズにいっているようですが、今また新たな問題として石油の高騰、いろんな社会不安、経済的な、金融的な不安もいっぱい出ている中で、ちょっとほっと一息つく暇もなく新たな不安が出ています。そういう中で、つまり一九九三年から二〇〇三年の卒業の人たち、いわゆる就職氷河期になった人たちは、二つの格差と闘っています。一つは、正社員と非正規社員の格差、それからもう一つは、たまたまその時代に生まれて就職できなかったということで世代間格差。これはずっとつきまとっていくわけで、それについては本当に二重、三重にも、この人たちをしっかりと職につけるようにしなきゃいけないという作業と同時に、やはりもう一つ私は感じているのは、この正規と非正規、若者がある意味、就職しようというときのポストがないという意味では、その問題も手をつけなければいけないような状況になっているんじゃないかと思います。つまり、今いわれているように、パート同一賃金、同一労働というところの問題をもっともっと切り開いていかない限り、この若者の就労も非常に難しいと考えています。そういうことで、ぜひ今後ともこの問題に取り組んでいただきたいし、また、来年の予算編成を見ていると、女性とか子育て中の人、それから障害者等のいろんな就業支援がたくさん出されていて、どれがどのようになっているのかなというふうに考えるほど出ておりますが、しっかりと実績を見ながら着実に進めていっていただきたいということを要望して、質問を終わります。 # 馬場委員 馬場委員まず、本日のこの所管の産業労働局の事務事業の折に飛び込んできた、新銀行東京のトップがかわるというニュースについて、一つ聞かせていただきたいというふうに思います。この入ってきたニュースでは、知事の発表までということですが、この内容を見させていただきますと、現港湾局長の津島さんですが、最後にありますように、津島局長は新銀行東京設立段階のビジネスモデル構築などにかかわってこられた方ということで、いよいよかなという、私はそんな思いでこのニュースを拝見しました。今回、半年余りで体調を壊されたという報道の森田代表執行役については、本当にご苦労だったというふうに改めて思っております。そこで、金融部の立場と監督をする立場から、知事に対してきちんと、どういう状況なのかということをしっかり聞き合わせ、対峙してほしいというふうに思っておりますが、今回のこの新銀行東京のことについて、私ども委員会にどういう形でか報告等があるのかどうか、一点伺います。 # 佐藤産業労働局長 佐藤産業労働局長お尋ねが、トップの交代についてのお話だとすれば、東京都として公にされることが原則だというふうに考えております。 # 馬場委員 馬場委員交代ということがどういうことなのか。津島局長に交代するということがどういうことなのかは知事から報告がある、そのこと自体、普通の銀行からしたら大変イレギュラーなお話だというふうに思います。その知事のこれからの報告をまず承らざるを得ないのですが、それを受けて金融部として、今回、これからそう遠くなく出される中間決算の報告もあわせてということになるのかもしれませんが、そのことも、今までの金融部のお仕事からすると特段かかわることではないというふうに、今のご答弁を伺ってよろしいでしょうか。 # 佐藤産業労働局長 佐藤産業労働局長トップの問題につきましては、かねがね議会でも議論がありますけれども、所有と経営の分離といういわゆる原則については、法的な意味を含めましても、株主が経営にタッチする限度というのはもう決められておりますし、そういう意味では、そういう所有と経営の分離という原則は、だれがトップになっても変わらないということになります。私どもといたしましては、六月に銀行側で策定されました新中期経営計画、この計画が着実に実施されていく、そういうことを見ていくという立場にありますし、それは、監督という意味で見ていくことになるというふうに理解しております。 # 馬場委員 馬場委員わかりました。都民にとっても大変関心の大きい新銀行東京の行く末といっていいのかわかりませんが、状況ですので、ぜひとも所管の監督として、その辺、株主が暴走しないように、また責任をきちんととるようにということで、きちんと指導をしていただきたいということをお願いして、事務事業に移ります。事務事業質疑の前に、一点だけ。けさもニュースで、原油高騰で学校の給食が二回でしたでしょうか、減るという、そんなニュースが随分報道されておりました。ここに来て急にということではありません。もうここ何年も原油が上がり続けているというお話があり、そのことは皆さんの方でも対応してきていただいていることは十分承知をしております。ことしも八月に調査をなさって、さらにこの状況がひどくなっている、もう九割の企業が何らかの悪影響を受けている、それを全く販売価格へ転嫁できないような状況も、これが六割ぐらいになっているし、もう対応とすると、皆さんそれぞれ考えていらっしゃるわけですが、諸経費を削減するか、もしくは人件費の、ここでは調整となっていますが、ふえるわけはないわけですから、削減ということしかないわけですね。そのことが、ある意味、雇用労働の状況も悪くする。特に規模の小さい中小企業には、この影響が本当に大きい。また、それがあちらこちらからじわじわと今来ている状況で、いろんな物の値上げにつながってきています。そういう状況の中で、これから年末を迎えるわけで、都でいえば融資制度、相談制度というのをつくってくださっているというのはわかりますが、融資をしても返せるだろうかというのがありますし、どう相談に行ったらいいのかというふうな、そんな状況で、今、中小企業は大変苦労しているというふうに思います。その意味では、本日は質疑はいたしませんが、ぜひとも総力を挙げて、この原油高の影響ということについて調査、そしてその調査したことを施策、事業に、ぜひとも緊急事業ということで生かしていただきたいというふうに思います。これもきのうの新聞記事で、トラック野郎を救えということで、国交省がこれから適切なコスト計算をするプログラムをつくって提示するというようなことも記事にありました。国と連携して、あらゆる皆さん、結果的には消費者の皆さんも影響を受けるということですので、このことについてはぜひとも対応方、緊急にできる限りの対応をお願いしたいと申し述べておきます。本日、質疑させていただくのは、東京の観光についてということでございます。都では、ことしの三月に東京都観光産業振興プランをつくられました。さまざまな観光施策、ここでいろいろ検討なさっているわけです。五年後の平成二十三年度までに外国人旅行者、ここでは外国人ですね、年間七百万人にまでふやすという目標を掲げていらっしゃいます。そこで、この外国人旅行者の誘致に向けての取り組みからまずお伺いいたします。外国の旅行者に対して東京の観光情報、これは私も外に行くときには事前にやっぱり情報が欲しい。行ってからどこに行こうかと決める人は少ないのではないかと思います。旅行前にこうした情報を知りたいというふうに思うのではないかと思います。こうした外国人の旅行者の皆さんに、どんな取り組みを行っていらっしゃいますか。 # 中尾根観光部長 中尾根観光部長平成十七年の国際観光振興機構の調査によりますと、訪日前にインターネットで観光情報を入手した外国人旅行者は全体の六割を超えております。こうした実態を踏まえ、都では、ウエブサイト「東京の観光」を運営し、八言語九種類の多言語により、リアルタイムな観光情報の提供を行っているところでございます。平成十八年度のアクセス件数は二千六百万件で、対前年比四〇%増となっております。多くの外国人の方々にも利用していただいていると認識しております。 # 馬場委員 馬場委員その情報を得、せっかく出かけるわけですから、目的に沿ってできるだけ有効な情報を欲しいというのが、やはり旅をする人の心理だと思います。インターネットでできるだけ多くの情報を提供することによって、東京の旅を充実し、満喫していただきたいというふうに思っておりますので、この辺はさらに取り組みを進めていただきたいというふうに思います。それから、私もいただいたのですが、東京にいらしてから情報提供をするということも必要なんですが、東京にいらした方については、案内マップ、今お話がありましたように、多言語で案内マップもつくられていると伺いました。その辺は、このマップの利用等どうでしょうか。 # 中尾根観光部長 中尾根観光部長都では、旅行者が携帯するのに便利なハンディーガイド、ハンディーマップ、エリアマップを七言語八種類の多言語で、年間合わせて三百万部作成しております。旅行者がハンディーガイドなどを都内各所で手軽に手に入れることができるよう、都庁など都内三カ所の観光情報センターに加え、駅や区市町村、宿泊施設などの既存の窓口を活用した観光案内窓口百五十一カ所で配布しております。 # 馬場委員 馬場委員私も、皆さんがどんなふうに手にしているかなと知りたくて、都庁の来庁者の観光情報センターへ行ってまいりました。そのとき、大江戸線から上がっていったんですが、大江戸線の出口を出ましたら、第一庁舎の通路は通れなくなっていまして、一度外へ出てからまた守衛さんのいらっしゃるところ、北口から入り直して情報センターを見つけたわけですが、観光で、特に外国の方がいらっしゃる場合に、ちょっとそういう意味では新宿からどうなのかなとも思ってみたんですが、都庁の観光情報、羽田は羽田でわかりやすいところにある、上野は上野の駅の構内にあるということで割とわかりやすいというんですが、肝心のこの都庁の場所、観光情報センターが、交通の乗降するところからのアクセスがもう少しわかりやすい方がいいのではないかと思いました。まずここを訪ねていただいて、こうしたものを利用していただくということになりますので、ぜひとも新宿とか、特に大江戸線都庁前におりてから、観光情報センターがありますよという表示をどこかにぜひしていただきたいというふうに思っております。それから、このブルーは日本語なんですが、ほかの多言語での外国語でのハンディーガイドの中に、大変コンパクトにいろいろ情報がばあっと入っているのですが、その中に、一つのサービスとして施設の割引というのがここにこうあるんです。これが数えましたら十一枚、切り取って施設に出せば割り引きをしていただけるというような、きめ細かなサービスがついているんですが、アイデアはいいのですが、こうしたものが具体的に利用されているのかどうか。それから、これは割引した分は多分施設の方で負担をする、都が持つわけはないので、施設の方が負担なさるのかと思いますが、その辺の利用状況等も検証しながらこうした取り組みをすべきというふうに思いますが、この辺の状況はいかがでしょうか。 # 中尾根観光部長 中尾根観光部長平成十八年度のハンディーガイド等の割引券の利用者数は、割引対象となっている三十七施設全体で約二万四千人、対前年比三割増となっております。なお、割引につきましては、各施設のご協力によってなされているものでございます。さまざまな目的で東京を訪れる外国人旅行者の中でも、特に日本の歴史文化に関心の高い方々が滞在中に東京の美術館や博物館、庭園などを訪れ、割引券を活用されております。今後も、ハンディーガイド等について積極的にPRを行ってまいります。 # 馬場委員 馬場委員ありがとうございます。もう一つ、ここにはサービスで、日本の中にも入っているんですが、外国の方のみにガイドつきのコースをつくって、ガイドさんの費用は利用者が払わなければなりませんが、これが十コースでしょうか、利用できるような、そんなサービスもついています。ただ、このサービスは三日前に申し込まないと、ガイドさんの都合がつかないということの理由でしょうか、あります。こうしたことも事前にできるだけ、これをいただいてから、もうあした帰るのにみたいな話になっても大変残念ですので、こうしたいろんなサービスがあるということも、さっきのインターネットも含めてあらゆるところで、せっかくつくったサービスですので、利用していただけるような配慮をぜひとも進めていただきたいというふうに思います。また、最後のところで、いろんな団体、交通機関やメトロとか都営交通とかタクシーとかのいろいろな割引サービス等も書かれています。こうしたことも観光に関するいろいろな団体の皆さんと連携して、情報をお互いに共有しながら、都としてどういうサービスをしていけばいいかということを、これからももっともっと追求していっていただきたいというふうに思っているのですが、この三月に出された観光産業振興プランは、そこに基づいて、それから、東京観光財団が具体的には先ほどのパンフレット、それからインターネット等も多分おつくりになっているんだというふうに思いますが、そうした財団さん、さらには旅行業者、旅行業者の皆さんは、皆さんから見ると営業をする人というふうに映るかもしれませんが、やはり生活をかけてというか、必死で旅行業としての観光を頑張っていらっしゃるわけですから、そうした皆さんのニーズをしっかり受けとめて、都として何をすればいいのかということを的確に把握していってほしいですし、さらに、都としてその業界の皆さん、それから財団さん等、あらゆるそういう施設を持っていらっしゃる、経営していらっしゃる皆さん、そうした方とその情報を共有し、さらに都が持っている情報をもっとすべての人に出していく、使っていただくということで、お客さんに喜んでいただける観光都市東京ができるのではないかというふうに思っております。つまり、アクセス件数二千六百万件というこのインターネットでも、ここの情報を自分で好きなように使えるという条件が欲しいですし、このハンディーマップもある意味、手渡しで、個人の旅行客でなければ本来渡せないものだと。外国人用のものもそうですが、そういう縛りも含めて、もっともっと多くの皆さんに使っていただけるものにしないといけないのではないかと思っております。ちなみに、このハンディーガイド、ハンディーマップで、どのぐらい費用をかけているんですか、制作費はってお聞きしましたら、約一億円というふうに伺いました。こうしたものが一億円かけて本当に観光客の皆さんに利用していただける、それなりの価値はあると思いますが、さらに、もっとここ、これを利用して、多くの皆さんに喜んでいただける観光事業に、それこそ産業振興、観光の振興だけでなくて産業振興になるというふうに思っています。その点で、観光部長、ご意見を伺えたらと思います。 # 中尾根観光部長 中尾根観光部長都では、観光事業者や学識経験者等で構成された観光事業審議会や、観光事業者、地域の観光協会などとの定期的な連絡会を通じまして、民間からさまざまなご意見をいただいております。事業を進める上で参考とさせていただいております。また、旅行業者が旅行商品販売のためにパンフレットを作成し旅行者への情報提供を行うことは、旅行業法上の営業行為に該当するものでございます。したがいまして、旅行者に対して責任あるツアー等を作成するためのパンフレット作成のための情報収集も、旅行業者みずからが旅行者のニーズに合った魅力ある商品開発を行う中で、営業の一環として行うべきであると考えます。都は今後とも、行政と民間との役割分担を十分に踏まえながら、外国人旅行者のニーズに対応した施策に取り組んでまいります。 # 馬場委員 馬場委員最後に一点お伺いしてよろしいでしょうか。やはりこうした事業を進めるには、的確な状況を把握するのが大事だというふうに思います。私も改めて調べさせていただきました。東京の旅行客、団体と個人客がどのくらいの割合かと思って、私はもうてっきり団体の方が多いというふうに思ったのですが、国の聞き取り調査からすると、東京の団体客は全体の一七・五%、二割にいかない。八〇%を超して個人旅行者だという調査結果が出ています。東京で実際にそういうイメージが入ってこないのですが、本当に団体から個人旅行へというふうに移っているのでしょうか。そして、十八年度で四百八十万の外国の方ですか、いらしているという、その中で八割以上が個人客だとすると、四百万人以上が個人客というようなことになるわけですが、そうした皆さんがどんなふうに東京に来られているのかというようなことを、それこそきちんとつかむ。ツアーでなくても何らかの業界の皆さんとかかわりがあるだろうというふうに思っていますので、その辺まず、ふやして、サービスをきちんとするためには、内外の旅行社がどういうことなのか、団体と個人的な旅行がどうなのかということも含めて、ぜひとも細かく調査できれば、お願いをし、そして民間と観光部の皆さんとの連携を、財団も含めてできる限りとって、この観光事業を進めていただきたいと、このことは要望して、終わります。ありがとうございました。 # 小竹委員 小竹委員私はまず最初に、商店街対策についてお伺いいたします。「十年後の東京」には商店街対策は全く触れられていません。これまで、ものづくりとともに、商店街は東京の経済を支え、まちの核になってきました。今、東京の商店街は、商店街グランプリに参加する元気な商店街がある一方で、まちづくり三法の改正などによっても、大型店や駅ナカビジネスの影響を受けて、大打撃を受けて商店が減り続けています。商店街が構成できないような状況のところも出てきています。特に最近では、鉄道の駅を利用した駅ナカビジネスが広がっている状況があり、二十三区ばかりか三多摩でも広がってきています。商店街の営業を一層困難にしている状況です。主税局は、二百五十平方メートル以上のところに対して、八十五駅、十六施設について、二十二億円の固定資産税の課税を通告しました。こういう点でいっても、商店街対策が非常に重要になっているというふうに思います。このまま放置すれば、商店街がなくなって、地域経済を支えてきたまちの核が、崩壊を招きかねない事態も出てくるというふうに危惧します。かつては商店街は、商店街の集積の力が土台にあって、商店にお客が集まる状況というのがあったわけですけれども、今はさま変わりしています。その集積そのものが崩れて土台が揺らいでいること、そして集積という点で見たら、やはり資本力のある大型店にはかなわないという事態があります。こういう点で、やはり今、商店街を構成している一軒一軒の商店がどれだけ魅力ある店になるか、元気な店にするかが求められているのではないでしょうか。消費者も、魅力ある店を求めて人が集まるということが調査でも明らかになっています。私たちは、夏に大阪と愛知県の商店街対策について詳しく聞いて、実際に商店街の取り組みについて学んできました。大阪府では、二〇〇五年二月に、地域で頑張る商店街等いきいきプラン策定会議というのを立ち上げて、商業者だけでなくて消費者も入って検討をして、いろいろな意見が出てきた状況です。そういう中で、従来の対策よりもっと踏み込んだ形でということで、報告がまとめられました。この報告に基づいて、大阪府では、個々の商店を元気にすることが商店街の活性化につながり、大阪の経済も元気にするという立場に立って、どうしたら個々の商店が元気になるかということを、直接商店街に府の職員が出向く、そして専門家も一緒に出かけていって、区市町村も入って、個々の商店の悩みを聞いて、相談し、知恵も出して、魅力ある店をつくるためにどうしたら、どういう取り組みが求められているかということを、個々に応じて対応が行われています。そういう中で、一店一品運動なども取り組まれているというふうに伺ってまいりました。東京都内でも、私の住んでいる文京区でも、個々の店がオリジナル商品を開発して購買力を上げている、こういうところも出ています。また、今回、グランプリの活性化部門の優秀賞を受けた谷中の商店街でも、かつて、自分のところにしかない、自分の店にしかないものを開発しようということで、商工会議所とタイアップして勉強会を開いたり、一軒一軒個別に相談して、商店街として、それぞれの店がオリジナル商品を売り出すことができるような状況をつくり出す努力が行われました、というふうに話を伺いました。そのときに相談に乗った診断士の方は、商売を体験したこともある人で、商売の大変さを知っている経験豊かな人だったから、本当に親身になって相談してもらえたというふうなことをいっておられ、しかし、それを一軒一軒の店が継続してやっていくというのは非常に大変なことだということも、悩みを訴えられました。そういう点から見たときに、商店街や商業者からも、やっぱり熟達した専門家、中小企業診断士の派遣が望まれているというのを私は実感した次第です。中小企業振興公社に、都の派遣職員や固有職員を含めて、支社の方も含めて、中小企業診断士は三十一人いるというふうに伺っています。そして、これまでの産労局の答弁では、経営相談や診断など、商工指導所の事業を受け継いでいるんだというふうに答えられていますが、七年前まで事業を行っていた商工指導所は、やっぱり都立であって、中小企業のものづくりに対しても、それから商店街に対しても、それを支えていく専門機関として五十人以上の中小企業診断士がいて、訪問や相談や経営支援など、蓄積された経験とノウハウを専門家集団として果たしてきたというふうに思うんです。個々の相談や悩みについても継続して対応していたという、こういう状況がありました。商店街や商店の支援においても、訪問し、ともに相談に乗っていく、こういう体制が必要なのではないでしょうか。そういう点でも、熟達した専門家が今ほど求められているときはないというふうに考えます。この商工指導所の再建を、商店街も、そして中小企業家団体も、また自治体も求めているという状況です。そういう意味で、熟達した診断士を養成できる、そして有能な人材をきちんと都が確保できる都立の機関として商工指導所を再建する必要があるというふうに考えますが、見解を改めてまたお伺いいたします。 # 三枝商工部長 三枝商工部長商工指導所の担っておりました機能は、財団法人東京都中小企業振興公社に経営相談等の支援機能を、また産業労働局に調査分析機能をそれぞれ移管いたしまして、これまでどおり都内中小企業を支援してまいります。 # 小竹委員 小竹委員お答えは、経営相談などについては中小企業振興公社で、中小企業の調査分析機能は産労局でって、確かにそういうふうな仕組みになっていますけれども、商工指導所のときに分析された中小企業白書といわれているのは、全国にも誇るべき中身があったわけですよね。今のやっぱり商店街で見たときに、商店街が何を望んでいるのかっていうのを、きちんとそれに対応できる施策を提言していく上でも、私は、都立の機関としてきちんと体制をとっていくことが求められているというふうに思います。商業者の声をつかんで、ぜひ検討、充実されるように、この点は要望しておきます。引き続いて、都の商店街事業についてお伺いいたしますが、従来、東京都の施策は、商店街に対する事業ということで、商店街の集積力などを支援の対象にしている状況でした。今、消費者が商店街に求めているのは、一つ一つの店が本当に自分の欲しいものがあるかどうかっていうのを求めています。そういう点で見ると、やっぱり魅力ある商店、そして元気な商店、こういうところに人が集まるんじゃないでしょうか。そういう点での発想。大阪なんかは、さっきいったように踏み込んだ対策ということで、そういう発想になっているんですね。愛知県もそういう話を伺っています。そういう点でいったら、やはり本当に元気、商店街、力を合わせて頑張っているんだけれども、やっぱり本当にお客さんが来るような状況にするという点では、発想の転換が必要なんじゃないかというふうに思うんですね。そういう意味でいうと、商店街そのものの集積に対する支援の事業と同時に、やっぱり一軒一軒が元気になって人が集まってくるような対策にも東京都が踏み出す必要があるんじゃないかというふうに思うんで、この点について、やっぱり東京都の事業を両立させていく、こういう発想が必要なのではないかというふうに思うんですが、都の方の認識をお伺いいたします。 # 三枝商工部長 三枝商工部長都では、商店街全体の振興を図る観点から、新・元気を出せ商店街事業を実施してございます。本事業は、地域に密着した事業でございますことから、区市町村等の連携のもとに、商店街全体の振興を目的として、その意欲的な取り組みを支援するものでございまして、こうした観点から、個店への支援は行ってございません。なお、私どもでは、進め若手商人育成事業を同時に実施してございまして、例えば、実践的なカリキュラムにより若手商人の経営能力の向上を図る商人大学校等々、支援の事業を実施しているところでございます。 # 小竹委員 小竹委員対策としては、確かに若手商人の事業は私も承知していますけれども、もっとその分野も充実する必要があるというふうに思うんです。従来頑張ってきた人たちがどんな苦労をして、何とか生き延びていこうとしているかということで考えたときに、商店街全体だけの支援策では、もう対応し切れないんですよ。だから、そういう意味で、知恵を出し、そして支える、それから支援する、こういう対策がもうどうしても今欠かせないというふうに私は思っています。一軒がそれで元気になったら、ほかのところも、では自分も頑張ってみようかというふうな連鎖が出てくるわけですよ。そういうためにも、個店支援をやらないというんじゃなくて、モデル事業として診断士の方だって、ほかの専門家の方々だって、現場を見て、ここだったらどういうものが合うかっていうふうな知恵が出てくるんだというふうに思うんですね。大阪の場合も、診断士だけじゃなくて、建築士まで含めて幅広い支援体制をとっているんですよ。そこにどうしても必要な人をすべて配置するという立場でやっています。そういう個店対策をせめてモデル事業で開始していくという、そういう姿勢に立てないでしょうか。 # 三枝商工部長 三枝商工部長先ほどお話をさせていただきました進め若手商人育成事業の中に、実は商店街パワーアップ作戦というものがございます。この事業によりまして、中小企業診断士を初めとする専門家チームを商店街に派遣いたしまして、経営のアドバイスや商店街の活性化を支援しているところでございます。 # 小竹委員 小竹委員若手の方がその講座に行っている場合には、そういう対象にもなるかなというふうに思うんですけれども、すべての商店街で手を挙げたからといって、対象にはならないというふうに思うんですね。そこの講座へ行ってなければ対象にならないという点では、ぜひほかの自治体での取り組みについても学んで、今の東京の商店街が置かれている深刻な状況の中から、どう打開していくかという点での対策をとっていただきたいということを強く求めておきたいと思います。こういう深刻な影響があらゆる形で商店街のところに来ているわけですから、そういう商店街の現状を把握して、商店街の活性化を図るために、現場の声を反映した施策が必要だというふうに思うんです。今、区市町村の商店街振興プランがあるわけですが、実際にそれがどこまでやられているかというのもあるんですけれども、やっぱり現状をきちんと掌握し、そして現場で頑張っておられる方々の声を反映したプランにしていく必要があるというふうに思うんです。こういう点でも、専門家の方々を派遣して、区市町村を支援して振興プランを見直していけるようにしていく必要があるというふうに思いますが、この点についてはいかがですか。 # 三枝商工部長 三枝商工部長平成十三年四月に発表いたしました区市町村商店街振興プラン策定に関する指針におきまして、区市町村が策定する振興プランの方向性を示したところでございます。本指針では、区市町村の主体性を最大限尊重するとしておりまして、プランの改定は、策定主体である区市町村みずからの責任において行うべきものでございます。都は、本指針に沿いまして、区市町村のプランに基づいた商店街の具体の取り組みに対して支援を行っているところでございます。 # 小竹委員 小竹委員その後の発展もあるし、十三年から見たら、今もう駅ナカや何かができて、商店街を歩いても本当に寂しくなるような深刻な状況ですよね。お店が空き店舗になって成り立たないような状況もあるわけですから、こういう厳しい状況の中でどう頑張っているのか、そして、そういう方々の声が本当に区市町村の振興プランに反映されているのかどうか。東京都が支援していく場合にも、これが変わらない限り今の支援の策を変えないということになるわけだから、やっぱりそういう意味でも、どこかから道を開く努力をしていただきたいというふうに思います。こういう厳しい状況の中で、商店街の皆さんはイベントにも取り組んでいるわけですけれども、イベントをやるときに、イベントには人が集まる、しかし、そのイベントが商売にはなかなかつながらないんだというのを、いろんなところでおっしゃるんですね。やっぱり取り組んでいる方々は、ある意味では家族ぐるみで、お店を閉めてでもそのイベントのお手伝いをするというふうな状況になっていますから、イベントの前後というか、イベントをやることが商売の売り上げにつながっていくような、そういう点で、ぜひ元気出せ事業の補助の枠を拡大してほしいという声が現場から出されています。その一つに、イベントのチラシですけれども、商店街の売り出し広告をあわせて載せられるように認めてほしいという声が強く出されています。イベントの前後での売り上げにつながるような、そういうものを認めるべきだというふうに思うんですが、いかがでしょうか。 # 三枝商工部長 三枝商工部長新・元気を出せ商店街事業では、商店街のイベントの全体の効果を高めるためのチラシにつきましては補助対象としているところでございます。なお、特定の店舗をアピールするような場合につきましては補助の対象とはなってございません。 # 小竹委員 小竹委員そうすると、片面にはイベント事業を載せて、裏面には商店街の売り出し事業を載っける、例えば全体で何割引きとかスタンプラリーとか、そういうのを載っけるのは全く問題ないというふうに理解してよろしいわけですね。 # 三枝商工部長 三枝商工部長今お尋ねのありました両面の利用でございますけれども、片面にイベントそのものを宣伝するというようなものについて、その裏面に商店街全体のいわゆる大売り出しを載せるようなものについては認めているところでございます。 # 小竹委員 小竹委員わかりました。ぜひそれは大いに奨励していただきたいというふうに思います。また、イベントのときに使われるはんてんだとかTシャツが、よく共通で、お手伝いする方々が着ているんですけれども、環境を守るというふうなことから考えても、それから、やっぱり今エコがいわれているわけですから、そういう点からいっても、使い捨てにしてしまうというのはもったいないと。洗濯をして翌年にも使えるようにすべきじゃないか。それで、イベントの中身をもっと充実させられるように、お金が使えるようにすべきじゃないかという声も出されています。私は、そのとおりだなというふうに思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。 # 三枝商工部長 三枝商工部長イベントに対する補助金という性格上、当該事業に係る期間ですとか場所、目的、用途及び経費が限定されるものでございまして、イベント終了後にも継続して利用されるものについては補助対象としてございません。 # 小竹委員 小竹委員補助対象としないということで、だから結局、例えばTシャツなんかは、何回、何年というイベントのあれを書いて、持っていってもらうというふうになっているんだけど、結局、そのときには使うけれども、後々使うということはないし、今の世の中、そんなむだにしていいはずがないじゃないかというのが、関係する方々からの共通した声なんですよ。はんてんだって、商店街のイベントで共通して使えるようにしておけば、それはもう一回つくったら、それから何年かは使えるわけです。やっぱり補助対象にならないから、では自分たちでやりなさいというふうにいわれても、今の商店街の状況から、出せるところは限られちゃうと思うんですね。商店街だって、このイベント事業をやるのに三分の一負担しているんですよ。しかも、商店街の皆さんは納税者で税金も納めているわけだし、商売を通じて税金をあれしているわけだから、やっぱりそういう意味でいったら、私は、そういうところに補助をしても決して問題ないというふうに思います。この点については何度いっても、補助対象という枠が押さえられているけれども、そういう点の補助対象の枠を再度検討するということで、ぜひご努力いただきたいというふうに思います。さらに、この間、何回か出してきましたけれども、イベントは商店街の皆さんが、役員の皆さんなど家族ぐるみで手伝っているのが現状ですよね。それにアルバイトの人、それからお願いをしたボランティアの人など、いろいろお手伝い願っているわけですけれども、商店街の役員をやっている方々の家族は総ぐるみということもあるわけで、例えば息子さんや娘さんなんかの場合には、アルバイト代、友だちと同じように出すというふうなことは、私は認めるべきだというふうに思うんですけれど、この点についてはいかがでしょうか。 # 三枝商工部長 三枝商工部長新・元気を出せ商店街事業では、事業主体でございます商店街関係者の労務の提供に対する謝礼、アルバイト代は補助対象としてございません。 # 小竹委員 小竹委員一般にアルバイトを頼んでお手伝いをしてもらう人には出ているわけですよね。大体、商店街の友だち関係で手伝いの人を誘っているんですよ。誘った当人だけがもらえないというふうなのは、やっぱりそれは役員や何かでやっておられる方、私は役員なんかも出したっていいんじゃないかというふうに思いますけれども、せめてそういうところには同じような扱いで、アルバイトだっていう扱いにして出すべきだということを申し上げておきたいと思います。もう一つ、新・元気出せ事業で行われているオリンピック招致のフラッグ掲出について伺いたいんですが、これについては、どの分野の事業に位置づけられてやっているのか、お伺いします。 # 三枝商工部長 三枝商工部長オリンピックフラッグの掲出につきましては、新・元気を出せ商店街事業のうちの特定施策推進型商店街事業により支援をしているところでございます。 # 小竹委員 小竹委員新・元気出せの特定施策推進型商店街事業とは、どういう事業を対象にしているのか。それと、その予算については、全体が二十五億円ですけれども、幾らぐらいになっているのか、お伺いします。 # 三枝商工部長 三枝商工部長特定施策推進型商店街事業は、防災、治安、環境、福祉、スポーツなど、都の緊急かつ重要な施策の推進に協力して商店街が実施する事業を特別に支援するものでございまして、事業の実施に要する経費の五分の四を、商店街や商店街の連合会に対しまして都が直接補助する事業でございます。なお、今年度の予算額は四億円でございます。 # 小竹委員 小竹委員細かい事業については述べられませんでしたけれども、オリンピックなんかは知事のトップダウンの事業ですよね。確かに東京都が行う商店街の事業ということですけれども、本当にまちが求めている事業かどうかという点なんかも含めて、私は精査する必要があるというふうに思うんですよね。いずれにしたって、都側が働きかけるというふうな形です。先ほどから、下から出ているものについてはなかなかこたえてもらえない状況がありながら、こういうものについては、ばっと高い率での補助金にするというのは、私は問題があるなというふうに思います。オリンピック招致のフラッグ掲出の補助ですけれども、その補助対象と、補助率は先ほど五分の四というふうに伺いましたが、申請件数や全体の経費はどういうふうになっているか、お伺いします。 # 三枝商工部長 三枝商工部長オリンピックフラッグの掲出につきまして、実績といたしましては、都内百を超える商店街と九つの区の商店街連合会から申請を受けまして、都内全体で約二万三千枚のオリンピックフラッグが掲出されているところでございます。なお、総体経費につきましては現在調査中でございます。 # 小竹委員 小竹委員今回、オリンピック招致のフラッグ掲出の額については、集計中ということで明らかではありませんけれども、フラッグ一枚が四千円から五千円というふうに伺いました。これだけでも、先ほど二万三千枚ということですから、一億円を超すんですよね。そのほかに、これを掲出するために、高いところなんかはその費用、それからイベント代、こういうものを合わせると一億数千万円にもなるんですね。なるというふうに私は計算したんですけれど、そうなりますよね。 # 三枝商工部長 三枝商工部長ただいまご質問のございましたフラッグの掲出経費等を含めて、現在、詳細経費は調査中でございます。 # 小竹委員 小竹委員調査中ということですから、はっきりしたあれは伺えませんでしたけれども、単純に計算してやっても一億数千万円にはなるというふうに思います。しかも、元気出せの一番高い補助率ですよね、五分の四というのはね。その上、伺っているところでは、残りの五分の一はオリンピック招致本部が出すということで、商店街連合会や商店街振興組合や何かから働きかけられたというふうなお話を現場から聞きました。本当にそういう意味でいうと、全額補助をしてまで商店街にやらせる、こういう知事の意向に沿う事業には手厚く補助をするというのは、私はいかがなものかというふうに考えざるを得ません。今、商店街が一番やってほしい事業、先ほどから現場から出ている声に対しては冷たく、補助基準がというふうなことを含めて冷たく切り離しているわけですよ。そういう点でいったら、まちの皆さんからすれば、イベント事業に取り組んでいるんだから、こういうところの三分の一の負担だって厳しいところも出ているんだから何とかしてほしいという、こういう声にこそこたえていく姿勢が求められているというふうに思います。やり方が逆さまだというふうに思わざるを得ません。やっぱり商店街の皆さんが自主的に取り組んでいる、そういう事業にこそ手厚く支援をすべきだということを指摘し、改善を求めておきます。さらに、先ほども最初にいいましたけれども、商店街事業については、東京都の今後の施策である「十年後の東京」には全く触れられていません。今後の事業は、実行プログラムをつくって、「十年後の東京」については優先的にやられるわけですけれども、なぜ商店街対策がここに位置づけられなかったのか、お伺いします。 # 三枝商工部長 三枝商工部長新・元気を出せ商店街事業を初めとした商店街の振興事業につきましては、「十年後の東京」に掲げられておりませんが、改めて申し上げるまでもなく、商店街の振興につきましては、商工行政の極めて重要な課題と認識しているところでございまして、今後とも支援内容の充実に努めてまいります。 # 小竹委員 小竹委員商工政策の重要な施策というふうに位置づけられましたけれども、今現実に予算編成という点で考えたときには、夏出された二つの依命通達があるわけですよ。この依命通達では、「十年後」の実現に向けた施策の着実な推進と。それで、そういう社会資本のストックの対応などの膨大な財政需要には正面から取り組むというふうなことで、やっぱり「十年後」の施策が一番中心になっているわけですね。それで、具体的な方針として出されているところに、「十年後の東京」の実現に向けた実行プログラムについては、「十年後の東京」で掲げた目標の着実な推進を図るため、重点事業の検証や新たな施策展開に対する事業の実効性等を十分に踏まえた案を策定し、必要な経費を要求することというふうに書かれ、もう一つの実行プランの策定についての依命通達では、「十年後の東京」実現に向けた政策の、着実かつ迅速に実施するとともに、二〇一六年の東京オリンピックの開催につなげていくため実行プログラムを策定するということで、それを優先にするというか、そこにシフトする予算編成をやることを求めているわけですね。だから、重要な施策だといっても、やっぱり後景に追いやられていく危険性を持っているという点では、私は重大な問題だというふうに思います。これだけ深刻になっている商店街、まちの核を立て直していくためにも、必死で取り組んでいる商業者の期待にこたえられる、本気でこたえられるような対策が求められているというふうに思います。商店街を立て直していくための新たな対策の取り組みすら、こういう実行プログラムで進んでいくということになれば、厳しい状況に迫られることだってあり得るというふうに思うんですね。やっぱり都民は、オリンピックより暮らしや営業を守ってほしいということを願っていますから、まちの核である商店街が壊れてしまうことに心を痛めています。何とか打開しなければというふうに考えている、こういう努力にこたえるための支援策、商工政策を担当している産労局としては、やっぱりそこを最優先にする責任があるんじゃないでしょうか。そういう意味でも、やはり今、一軒一軒の個店に対する支援策など、商店街を元気にする、こういう施策の充実を求めて、商店街対策に対する質問は終わります。次に、障害者雇用についてお伺いいたします。東京における民間企業の障害者雇用率は、先ほども発表がありましたけれども、一・四六というふうになりました。しかし、法定雇用率から見ればまだ遠いという状況ですが、この一・四六に押し上げているのは、千人以上の大企業の雇用率が伸びているということであり、特例子会社をつくってグループでの算定ができるという、こういう状況の中で伸びている状況です。その一方で、かつて障害者の雇用の道を本当に着実に切り開いてきた中小企業、中でも小規模企業などは、営業などが困難になって、障害者を雇うということ自身が困難になっている状況に追い込まれているというふうに思います。法定雇用率を引き上げる上でも、これらの障害者の雇用対策の充実が求められているというふうに思います。障害者の雇用対策を進めていく上では、やはりいろんな障害があるわけで、そういう障害の種類や障害の程度、こういうものに対応した施策が必要になってきているというふうに思うんですね。そういう点では、今、雇用・就業支援ネットワークというのが区市町村レベルの自治体でつくられたり、都道府県レベルでのネットワークがつくられる、こういう状況が全国的に生まれています。私は、この十月に産労局が入ってつくられた障害者就労支援協議会、この発足が十月にあったわけですが、これが、できればそういうところに発展していってほしいなという期待も一方にはあるんですけれども、今この協議会の役割は何なのか、それからまた、その任期はどうなっているのか、それで、協議会がこういう障害者の雇用や就業支援ネットワークに当たるような組織として発展を考えているのか、この点についてまずはお伺いします。 # 松本雇用就業部長 松本雇用就業部長東京都障害者就労支援協議会は、障害者就労の推進に関する関係機関の連携を強化するために、経済団体や企業、障害者就労支援機関等をメンバーとして設置したものでございます。委員の任期は二年となっております。また、本協議会は発足したばかりでございまして、今後どのように展開するかについては未定でございます。 # 小竹委員 小竹委員この協議会は、一応二年という任期の中で政策提言をすることになっていますよね。一般的にいうと、こういうものは政策提言をしたら終わりなのかなというふうに考えられるんですけれども、やっぱり東京都段階で障害者とかかわっている労働関係、それから福祉関係、教育関係、そのほか企業も含めて障害者とかかわりがある団体、医療機関も当然入ると思うんですが、そういうところが一堂に会して連携する必要があるというふうに思うんですね。それで、障害者雇用の現状だとか問題点をお互いに共有して、どういう対策をとったらいいのかということを検討する機関としても、ネットワークがあるというふうに思います。兵庫県のネットワークがすばらしいというふうに伺っているんですけれども、そこはリハビリセンターが核になって、関係機関をネットワークつくって、それで市町村のネットワークとタイアップするような状況になっているというふうに伺っています。そういう点では東京都としても、やはり区市町村レベルであるネットワークを支援していく上でも、都段階のそういうものが必要だというふうに思いますので、ぜひ発展的に検討していただきたいということを、これは要望しておきます。引き続いてですが、都内の障害者雇用を推進するためには、障害者の雇用率を高めるという点でも、それから都庁内の障害者の就業率を高めるという点でも、障害者就労にかかわる都庁内の関係局の常設の横断的な組織をつくる必要があるというふうに考えるんですが、この点についてはどうですか。 # 松本雇用就業部長 松本雇用就業部長障害者の就業支援策の企画、実際の運営等につきましては、都庁内の関係部局間で連携を図っているところでございまして、今後ともこうした関係部局の連携で対応していきたいと考えております。 # 小竹委員 小竹委員連携でということは、要するに、そういう常設の検討機関ではないということですよね。今回の就労支援協議会では、幾つかの局がかかわって事務局を構成していますけれども、やっぱり今、障害者雇用の状況、都庁内においてだって、私はいろんな問題があるというふうに思うんですね。そういう点では、現状を共有する上でも、それから対策をとる上でも、やっぱりこれは協議機関としてやる必要があるというふうに思うんです。連携といったら、多分、福祉保健局と産労局、それから産労局と教育庁、こういうあれでしかないというふうに思うんで、やっぱり情報を本当に共有できるような組織は、横断的につくらなかったら問題は解決しないというふうに思うんですね。今回の協議会の構成団体に財務局は入っていないんですよね。財務局でいえば、都庁内のいろんな契約案件に対して障害者雇用率を義務づけるとか、そういうふうなことだってできるわけです。ほかの自治体はもうほとんど条件に入れているんですね。入札の条件に入れているというふうなことも考え合わせると、やっぱり財務局なんかも入った横断的な組織をつくる必要があるというふうに思いますので、これらについては、今後の検討の中でぜひつくっていくように努力をしていただきたいと思います。今、知的障害者の一般企業への就労が増加していますけれども、まだまだ社会的偏見だとか無理解による差別だとかそういうものが存在して、障害者の方々が一たんは就職したけれども定着できずにやめてしまうというケースもいろいろ聞いています。そういう点でいうと、やっぱり障害者の就業と生活支援を一体にする支援策が必要だというふうに思うんですが、今ある制度として、一つは障害者就業・生活支援センターの事業があります。この役割は何なのか、都内では幾つ設置されているのか、お伺いします。 # 松本雇用就業部長 松本雇用就業部長障害者就業・生活支援センターでございますけれども、これは障害者の自立し安定した生活の実現を図るため、就職を希望する障害者等に対して、就業面及び生活面の一体的な支援を行う機関でございます。東京都では現在四カ所設置してございます。 # 小竹委員 小竹委員この広い東京で、しかも東京労働局の発表からいっても、障害者十万人を超えたというふうにいっているわけですよね。身体障害の方でやめるというケースはそんなに多くはないというふうに聞いているんですけれども、知的障害だとか精神障害だとか発達障害だとか、そういう障害の方々は、やっぱり職場の中での人間関係なんかの対応や何かが思うようにいかないということも含めて、先ほどいった偏見だとか差別だけじゃなくて、そういうことも含めて考えたときに、本当にこういう支援て重要なんですよね。それが今四カ所しかないという点では、本当に少な過ぎるというふうに思うんです。もう一つ、福祉保健局が行っている、これは縦割りだから、あわせて聞くのは難しいというふうにいわれたんですけれども、区市町村の障害者就労支援事業というのがあります。これも同じような生活支援まで含めた一体の支援を行っているところですけれども、この二つを合わせて見ても、決して多くはないわけですよ。特に三多摩地域で見たときには、やっている自治体そのものが少ないという状況もあるわけですね。こういう点での就労支援、就労を定着していく上でも、一人一人の障害者の方々が自立して生活していく上でも、私はこういう支援施設というのは欠かせないというふうに思うんですが、この就労支援施設について、区市町村の障害者就労支援事業もセンターの増設と同時にあわせてやるべきだというふうに思うんですが、この点についてはどうなっているでしょうか。 # 松本雇用就業部長 松本雇用就業部長まず、障害者就業・生活支援センターでございますけれども、これは、本年五月に策定いたしました東京都障害者計画におきまして、平成二十三年度までに設置箇所数を六カ所とすることが計画されております。なお、区市町村の障害者就労支援事業は、お話のとおり、所管は福祉保健局でございますけれども、こちらにつきましては現在三十六カ所設置されておりまして、これにつきましては、同じ東京都障害者計画におきまして、平成二十三年度までにすべての区市町村で実施することを目指していくこととされております。 # 小竹委員 小竹委員平成二十三年度までにこの就業・生活支援センターは六カ所に、それから区市町村の方は全区市町村にということですけれども、やっぱり障害者の方々を支えていく組織が一日も早く要望にこたえられるようにしなければならないというふうに思うんですね。そういう点でいうと、二十三年というと、まだこれから四年も先ということになりますから、この生活支援センターは国の補助で、基づいてやっているんだけど、東京都として独自に、産業労働局でやっぱりそれなりに必要だというふうに考えて、独自に進めていく必要もあるんじゃないかというふうに思いますので、この点については要望をしておきます。生活支援もあるかと思うんですが、もう一つ、障害者の就職後の職場定着を図るという上で、援助制度が国の制度で、職場適用援助者、いわゆるジョブコーチといわれる制度がありますけれども、この養成はどういうふうになっていますか。 # 松本雇用就業部長 松本雇用就業部長ジョブコーチの養成につきましては、国におきまして、地域障害者職業センターや社会福祉法人等に雇用されて職場定着支援を行う予定の者を対象といたしまして、計二週間程度の養成研修を実施しております。また、昨年度からは、NPO法人等が厚生労働大臣の指定を受けまして、ジョブコーチの養成研修を実施しております。 # 小竹委員 小竹委員先ほどもありましたけれども、こちらの方も、都内で直接国の研修を受けた方々は三十四人。やっぱり少な過ぎますよね。私も、先ほどもいいましたけれども、一たん就職したけど、どうしても行けなくて家に閉じこもってしまったということの相談を受けたこともしばしばあるんですね。それから、福祉的な就労をやっている共同作業所だとかそういうところから企業に就職された方が、やっぱり思うようにいかなくて、そういう方々の支援もあるんだけど思うようにいかなくて、閉じこもりになってしまって、作業所にも来ないという深刻なケースもたくさん聞いています。こういう点で考えたときに、やっぱりジョブコーチが一緒にくっついていって、障害者の声も聞き、それから企業主や会社に対してもいろいろアドバイスする、そういう両方を取り持つジョブコーチの役割って非常に重要だというふうに思うんですよね。先ほど、都として独自に養成するというふうにお答えいただきましたけれども、何人ぐらい当面、養成を考えておられるのか、それも含めてお答えください。 # 松本雇用就業部長 松本雇用就業部長先ほどもご答弁いたしましたように、ジョブコーチの拡充についての必要性は感じておりますけれども、現在のところ、何人とかいうような具体的なことまでの検討は進んでおりません。 # 小竹委員 小竹委員必要性は感じているということで、東京都として独自に養成するという姿勢は変わらないわけですね。私は、やっぱり障害者と一緒にいろいろ支援をしている方々、たくさんいらっしゃると思うんです。そういう方々が正式なジョブコーチになれるようにするという点では、この二週間の研修というのは非常に重要だというふうに思うんです。そういう点では、希望する方々がすべてそういう研修が受けられるように、国のやるのは無料で受けられるということですから、ぜひそういうために東京都として独自の施策を行っていただくように、これも強く要望しておきます。精神障害者の方々が昨年の四月から雇用率に算定されるようになりました。ハローワークへの求職申し込みも増加しています。しかし、なかなか精神障害者の方々の就労は困難だというふうにいわれています。知的障害にしろ、発達障害にしろ、精神障害にしろ、やっぱり一般就労するまでに職業訓練をするというのは欠かせない中身なんだということを、関係者の方々から伺っています。小平にある東京障害者校をせんだって見学させていただきましたけれども、本当に障害者の方々が真剣に訓練を受けているという姿に私は感動しました。知的障害者の方々を対象にした実務コースは、毎年、ここ五年ぐらい二倍を超えているんですよね。受験したけれども採用されなかった方々を救済する必要があると思いますので、やっぱりその訓練の場や科目をふやして対応する必要があるというふうに思うんですが、この点についてはいかがでしょうか。 # 小田就業調整・能力開発改革担当部長 小田就業調整・能力開発改革担当部長本年一月に策定しました第八次職業能力開発計画に基づき、職業能力開発センターにおきましても障害者向けの訓練科目を設定することとしております。本年度は、城東職業能力開発センター足立校に、知的障害者を対象としました実務作業科を新設したところでございます。また、企業や社会福祉法人、NPO法人、民間の教育訓練機関等を活用しました委託訓練につきましても充実を図っているところでございます。 # 小竹委員 小竹委員今、元の足立の訓練校と、それから委託訓練というお話がありました。確かに地域ごとにそういう訓練をする場所をつくるというのは、私は重要なことだというふうに思いますし、委託訓練そのものも否定するわけではありませんけれども、やっぱり小平の障害者校は、実務コースでいえば半数の人が入れないわけですよね。ここは国立・都営ですから、国との協議も必要かというふうに思うんですけれども、広い敷地があって、ゆったりしたところで学べるというのは、私、本当に障害者の方々が生き生きとやっていく上でも大事だなというふうに思うんですよ。そういう点では、やっぱり手厚い訓練が受けられる障害者校でぜひ科目をふやしてやっていただくように、これも強く要望しておきます。もう一つ、障害者の訓練施設として、新宿戸山町の心身障害者職能開発センターがあります。これは、東京都が独自で行っている職業訓練の施設です。第八次東京都職業能力開発計画を見ますと、ここの機能を見直して、訓練から就業に結びつけるコーディネート機能を担う機関として、障害者の一般就労に向けた相談と支援と、地域の就労支援機関などの関係機関の総合調整などを行うというふうに位置づけていますが、この心身障害者職能開発センターは職業訓練をやめるということなんでしょうか。その点いかがですか。 # 松本雇用就業部長 松本雇用就業部長心身障害者職能開発センターにつきましては、ただいまの第八次東京都職業能力開発計画に従いまして機能の見直しを図ってまいります。 # 小竹委員 小竹委員結局、これに沿って見直しをやるということは、要するに職業訓練施設ではなくなるということですよね。さっきもいったように、知的障害者の方々など、足りないわけです。確かにそれは、個々の訓練校でやることと、委託訓練をやるというふうな状況はありますけれども、やっぱり足りないという点でいえば同じなんですよ。そういう点でいえば、ここも、それこそ全国に誇っているような、東京都が独自にやる訓練機関としてずっと長い歴史をたどってきたわけです。福祉の関係と両方が相対応するような格好で、あそこの心障センターの機能を充実させてきたわけですから、今、訓練が必要な方々が求めているという点でも、やっぱり充実を図るように求めておきたいというふうに思います。もう一つ、労働資料センターについて私は質問するつもりでしたけれども、時間のことがありますので、意見だけ述べさせていただきたいというふうに思います。私は昨年、労働資料センターを視察し、全国で唯一しかないといわれている一般の図書館にはない労働問題に特化した貴重な資料やデータ、それから東京の労働運動の歴史資料、都内の労働の実態、こういうものが、いろんな文献を含めて貴重な資料があった労働資料センター、全国に誇っていたわけですけれども、これを利用しているのは労働者だけじゃなくて、企業の方々も利用していました。この蔵書の保存と、それからセンターの存続を私は求めて、昨年の第三回定例会に文書質問をしましたけれども、その後、ことしの予算で、労働資料センターが飯田橋の労働相談情報センターに併設されるということで、一たんは喜んだんです。しかし、あの労働情報センターの資料センターを見て、私はがっかりしました。このことについては、利用されている方からも出ているんですよ。労働資料センターを残してほしいというふうに訴えていた利用者の方から、あそこの資料を使っていろいろ勉強してきたんだけれども、それを調べようと思って行ったら、資料が全くなくなっちゃった、一体どこへ行ったんだというふうな声が寄せられています。こういう点でも、私は、皆さんの声を本当に生かした施策にしていく必要があるんじゃないかというふうに思うんです。現状は、図書コーナーにすぎないような状況に置かれているという点で、全国に誇るべきものであったわけですが、それが全くなくなってしまったという点では、本当に惜しいものがなくなってしまったというふうに思っています。もう処分、先ほど資料で、大量に処分されたというのが報告されたんですけれども、本当にそれを取り戻すことはもうできなくなっているというふうに思うんですね。やっぱり労働運動の歴史の資料だとかそういう資料が散逸するというのは重大な問題なんですよ。何でこういうふうになったのかといったら、経済効率を……。 # 増子委員長 増子委員長小竹委員、時間が大幅に超過していますから、簡潔にお願いします。 # 小竹委員 小竹委員もう終わりますから。経済効率の問題がその背景にもあったということを伺って、私、こういうものを経済効率だけで判定する、ほかの施策もそうですけれども、判定するということ自身やっぱり問題があるというふうに思います。都内の労働者や中小企業の要望にこたえられるように、この労働資料センターの充実をきちんとやっていただくよう求めて、質問を終わります。 # 増子委員長 増子委員長ほかに発言がなければ、お諮りいたします。本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 増子委員長 増子委員長異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。以上で産業労働局関係を終わります。これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。午後四時三十一分散会
2024-03-31T11:24:03.706592Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/827980?Template=document&Id=9075#one
--- title: 平成19年経済・港湾委員会 名簿・議事日程 # 平成十九年十一月二十二日(木曜日)第八委員会室出席委員十四名委員長増子博樹君副委員長神林茂君副委員長大西由紀子君理事山口拓君理事上野和彦君理事三宅茂樹君米沢正和君小竹ひろ子君岡崎幸夫君清水ひで子君田島和明君木内良明君川島忠一君馬場裕子君欠席委員なし出席説明員産業労働局局長佐藤広君総務部長塚田祐次君産業企画担当部長猪熊純子君商工部長三枝健二君金融部長目黒克昭君観光部長中尾根明子君農林水産部長産形稔君雇用就業部長松本泰之君就業調整・能力開発改革担当部長小田昭治君労働委員会事務局局長有留武司君本日の会議に付した事件労働委員会事務局関係事務事業について(質疑)産業労働局関係事務事業について(質疑)
2024-03-31T11:24:04.501520Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/827980?Template=document&Id=9074#one
--- title: 平成19年経済・港湾委員会 本文 # 午後一時二分開議 # 増子委員長 増子委員長ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。本日は、お手元配布の会議日程のとおり、港湾局関係の事務事業に対する質疑を行った後、中央卸売市場関係の事務事業に対する質疑及び報告事項の聴取を行います。これより港湾局関係に入ります。事務事業に対する質疑を行います。本件については、既に説明を聴取しております。その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。資料について理事者の説明を求めます。 # 多羅尾総務部長 多羅尾総務部長十月十六日開催の当委員会でご要求のございました資料をご説明申し上げます。お手元の経済・港湾委員会要求資料をごらん願います。ご要求のございました資料は、表紙をおめくりいただきまして、目次に記載のとおり、八項目でございます。それでは、一ページをお開き願います。1、外航定期船の主要航路別寄港船舶数の推移でございます。平成九年から十八年までの十年間に東京港に寄港した外航定期船を航路別に隻数でお示ししたものでございます。詳細はごらん願います。二ページをお開き願います。2、内貿ふ頭別の主な補修実績と今後の計画でございます。平成十六年度から十九年度までの各年度における内貿ふ頭の主な補修内容と平成二十年度以降の補修予定をお示ししてございます。詳細はごらん願います。三ページをお開き願います。3、港湾局所管施設でのアスベスト対策の状況でございます。一番左の欄に、平成十八年度末時点におけるアスベスト対策必要施設数を示してございます。その内訳といたしまして、左側から二番目の欄から、平成十八年度までの対策完了施設数、平成十九年度対策実施予定施設数、平成二十年度以降対策実施予定施設数を順にお示ししてございます。詳細はごらん願います。四ページをお開き願います。4、公社が管理しているふ頭施設の利用状況(平成十九年度)でございます。財団法人東京港埠頭公社が管理するふ頭施設である、(1)、外貿コンテナふ頭、(2)、お台場ライナーふ頭、(3)、フェリーターミナル、それぞれにつきまして施設の概要及び利用状況をお示ししたものでございます。詳細はごらん願います。五ページをお開き願います。5、東京臨海ホールディングスの損益計画でございます。(1)に、株式会社東京臨海ホールディングス、東京臨海熱供給株式会社、株式会社ゆりかもめ及び株式会社東京テレポートセンターの四社の連結予定損益計算書を百万円単位でお示ししてございます。(2)に、株式会社東京臨海ホールディングスの単体予定損益計算書を百万円単位でお示ししてございます。詳細はごらん願います。六ページをお開き願います。6、東京臨海ホールディングスグループ(参加予定の財団法人東京港埠頭公社を含む)へ委託している事業及び指定管理者制度による事業一覧(平成十八年度実績)でございます。(1)に、東京臨海ホールディングスグループへの委託事業として、委託事業名及び委託先をお示ししてございます。(2)に、東京臨海ホールディングスグループが構成員として含まれる指定管理者の事業として、その管理の対象となる公の施設の名称及び指定管理者の名称をお示ししてございます。詳細はごらん願います。七ページをお開き願います。7、臨海関係第三セクターの入居率の推移でございます。平成十年度から十八年度までの各年度末における臨海関係第三セクターのビルごとの入居率をお示ししてございます。詳細はごらん願います。八ページをお開き願います。8、臨海副都心における土地の長期貸付、売却等の推移でございます。1は、長期貸付につきまして、表頭にございますとおり、地区、区画、契約年月日、面積及び処分先を時系列に記載したものでございます。ページをおめくりいただきまして、九ページから一〇ページまでに、2、底地売却、3、売却、4、交換、5、現物出資、6、暫定利用につきまして同様にお示ししてございます。詳細はごらん願います。以上をもちまして、簡単ではございますが、ご要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。 # 増子委員長 増子委員長説明は終わりました。ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。発言を願います。 # 米沢委員 米沢委員それでは、私から、臨海副都心の開発につきましてお尋ねいたします。臨海副都心の開発は、ことしで着手してから十九年、土地処分、着実に進んでおるわけでありますが、その中から、「ゆりかもめ」の豊洲への延伸、あるいは晴海通りの全線開通など、交通の利便性も大変飛躍的に向上するなど、開発が着々と進んでおるわけであります。今後は、平成二十七年のまちの概成に向けまして、開発を総仕上げする時期であるというふうに思っております。この実現のためには、これを支える財政基盤がしっかりとしていることが極めて重要であると思うわけであります。そこで、私は、臨海副都心開発にかかわる財政基盤についてお伺いしたいと思うんです。東京都は平成十八年三月に「財政基盤強化プランの更なる取組み」を発表いたしました。財政基盤の一層の強化による都債の確実な償還に向けて、さまざまな取り組みを明らかにしたわけであります。その中では、平成十六年度末で千四百五十億円の内部留保金を活用し、都市基盤施設整備にかかわる都債約五千二百億円につきまして、十七年度から新たなる借りかえをせずに償還を開始し、これにより、まちの概成前である平成二十六年度までに都債の償還を達成するとともに、新たな金利負担を回避するということをいっております。そこでお伺いいたしますが、都債を幾ら償還し、その影響として、今後の都債の償還に向けて重要な役割を果たす内部留保金は一体幾らになっているのか、また、その状況、どのように償還をなさっているのか、お聞かせ願いたいと思います。 # 小林臨海開発部長 小林臨海開発部長平成十七、十八年度は、新たな起債の発行を抑制し、約八百億円の都債を償還しております。一方、内部留保金は、平成十八年度末現在、約千七百億円を確保してございます。このように、都債を償還した上で、平成十六年度末と比べ内部留保金が増加しているのは、土地処分が確実に進んだことなどにより、会計上、一定の収入を確保できた結果であると考えております。 # 米沢委員 米沢委員「財政基盤強化プランの更なる取組み」を踏まえまして、新たな起債の発行を抑制し、なおかつ都債の償還を進めながら、平成十六年度と比べて内部留保金も増加しており、財政基盤が強化されつつあるという状況は一応わかりました。しかしながら、今後、平成二十一年度、二十二年度には、二年間で二千四百億円に及ぶ大量の都債を償還するピークを迎えるわけであります。そこで、都債の大量償還の時期を迎えるに当たりまして都としてはどのような見通しを持っているのか、詳細にお伺いいたしたいと思います。ご説明願います。 # 小林臨海開発部長 小林臨海開発部長臨海副都心の土地処分については、都心部における活発な不動産取引を背景に、着実に進出事業者が決定するとともに、現在公募中の区画についても、さまざまな事業者からの問い合わせや相談があり、処分に向けて強い手ごたえを感じており、既に処分が確定しているもの、近々中に処分の確定の見込まれるものだけでも、二千億円を超える収入がございます。こうした土地処分による収入確保や新たな起債の抑制などの取り組みを着実に進め、開発を支える財政基盤を万全なものとするとともに、今後の都債償還を確実に実施してまいります。 # 米沢委員 米沢委員土地処分の促進を図るとともに、十八年三月の取り組み策に従って都債の償還を進めるとともに、財政基盤の強化を図り、引き続き臨海副都心開発を、総仕上げに向けて着実に行っていただきたいということを心からお願いいたします。次に、東京港についてお伺いします。東京港の国際競争力の強化が叫ばれてから長いこと時間がたっておりますが、例えば二〇〇六年のコンテナ貨物の取り扱いについては、東京港はたしか世界で二十三位にすぎなかったんですが、一九九五年には十二位であったことと比べますと、その地位が低下しているといった議論が大変出ております。まことに重要であるのは、海上輸送の動脈である基幹航路が東京港を経由するということであります。例えば、香港を経由して貨物が輸入される場合には、輸送日数が約二日程度ふえるといわれております。輸送コストが一・三から一・六倍になるとの試算もあるわけでありますが、物価上昇が懸念され、都民生活に多大な影響が出るわけであります。国土交通省の調べによりますと、積みかえをされて東京港に輸入される貨物、すなわちフィーダー貨物の全貨物に対する割合は、一九九五年には二・一%だったのが、二〇〇五年には八・八%にまで上昇しているといわれております。私は、この点で東京港の国際競争力の低下が認められると考えております。そこで、こういった東京港の国際競争力の低下を踏まえて、今後の国際競争力強化に向けての取り組み方について、お伺いいたしたいと思います。 # 小宮港湾経営改革担当部長 小宮港湾経営改革担当部長東京港の国際競争力強化についてでありますが、首都圏四千万人の生活と産業を支え、メーンポートとしての役割を果たしていくためには、基幹航路を維持拡大していくことが重要であることは、米沢委員がご指摘のとおりでございます。最近のコンテナ船大型化への対応などハード面での課題、それから一層の効率化が求められている中で、アジア諸港に比べますと、釜山港や台湾の高雄港よりも港湾コストが割高であり、輸入貨物が入港してから引き出されるまでの時間、いわゆるリードタイムがシンガポールなどと比べまして長いなど、ソフト面での対応、対策が十分ではないことが国際競争力低下の要因として挙げられているところでございます。都としても、外貿コンテナの大井、青海、中央防波堤外側地区といった三極体制の構築やスーパー中枢港湾の取り組みなどによりまして、コスト削減と効率化を進め、平成十四年以降コンテナ貨物量が一貫して増加するなど、一定の成果を上げてきたものと考えてございます。今後は、これまでの取り組みを一層強化していくとともに、背後用地をも含む港湾施設の充実、公共ふ頭の管理を民営化された公社に一元化することなどによるターミナル運営の高度化を図ってまいります。加えまして、東京湾全体を視野に入れまして、京浜三港広域連携協議会を活性化いたしまして、民営化された公社をも活用しつつ、国際競争力の強化に努めてまいります。 # 米沢委員 米沢委員東京港の貿易の動向を見てみますと、十八年度の実績では輸入が二千八百万トン、輸出が千七百万トンであると聞いております。聞くところでは、輸入と輸出の比率はおおむね三対二で推移してきているということでありますが、外貿貨物の九割以上がコンテナ貨物であることを考えますと、輸入超過であることは、それらのコンテナが東京港に残されるということであって、その結果、ヤードが逼迫しますよね。そうしますと港湾施設の対応能力を減じる、そういう結果が出てくると思います。輸出入のバランスがとれた東京港をつくっていくことは、国際競争力の強化にもつながっていくと思います。都を挙げて圏央道や外環道の整備など、道路ネットワークの拡充が図られており、東京港の背後圏が将来的にも拡大することが見込まれておると思いますが、そこで、このような内陸の物流圏の拡大をとらえまして、輸出貨物の誘致を積極的に展開しなきゃならないと思うんですが、その点はいかがでしょうか。お伺いいたします。 # 小宮港湾経営改革担当部長 小宮港湾経営改革担当部長輸出貨物の誘致についてでございますが、道路網の整備が着々と進む中で東京港の背後圏が拡大していることは、ご指摘のとおりでございます。例えば、東京港から輸出されるコンテナ貨物がどこから出荷されたかを、一九九五年と二〇〇五年について都県別の構成比を見てみますと、東京は四〇・八%から三〇・二%に、千葉は一九・一%から七・〇%になるなど、近県はその割合を減少させる一方で、茨城は七・二%から二七・一%、それから栃木県は四・一%から一〇・一%に、福島はほぼゼロ%だったところが三・七%にと、北関東、それから南東北からの割合は着実にふえております。このようなことから考えますと、都としては、内陸部における生産や物の流れに視野を広げまして今後の港湾経営を考えていく必要があろうと考えております。また、物流の根幹を担うのは陸運や鉄道事業者、それから倉庫事業者といった民間事業者であることから、これら事業者との連携も強化する必要があろうかと存じます。これまでも、船の定時性、それから航路の多頻度性といった東京港の強みを生かしながら、輸出貨物の誘致活動を行ってまいりましたが、ご指摘の点も踏まえまして、また、民間事業者とも一体となって、今後とも積極的に取り組んでまいりたいと存じます。 # 米沢委員 米沢委員また、港湾管理者である都と並びまして東京港における重要な役割を果たしているのが東京港埠頭公社であります。埠頭公社は、大井、青海という外貿の主力を担うコンテナふ頭を管理し、その取り扱いは東京港における外貿貨物の七割以上であると聞いております。また、今後の公共コンテナふ頭の管理運営も担っていくということでありますが、その場合には、その割合は九割以上に上がっていくように仄聞しております。民営化された公社を今後とも積極的に、かつ有効に活用していくことが大変重要ではないかと思います。一方、都の事業の重複を排除し、都と公社の総体として最適な体制をつくっていくべきだと思うわけであります。そこでお尋ねいたしますが、都と民営化された公社との役割分担について、検討状況といいますか、どのようになっているのか、お伺いいたしたいと思います。 # 小宮港湾経営改革担当部長 小宮港湾経営改革担当部長都と民営化された公社との役割分担についてでございますが、埠頭公社は民営化し、これまで実施してまいりました外貿コンテナふ頭の運営、整備などの事業に加えまして、会社としての公共性は維持しながら、出資等により段階的に事業拡大していくこととしております。将来的には、東京港における国際物流の中枢企業としての役割を果たしていくものと期待しております。そのような中で、都と民営化された公社が適切に役割分担を行いまして、国際競争力強化に向けて強力な体制を築いていくことが重要と認識しております。現在、都は全体のインフラ整備や広域連携、それから防災など、港全体の管理運営を行いまして、一方、埠頭公社は船社誘致や荷役機器の整備など、実際のふ頭運営を担っているところでございます。公社民営化後も基本的な役割は変わるものではございませんが、民営化による経営の効率化、運営の専門性の向上などが期待されまして、また、公社・公共ふ頭の管理一元化により、都が全体の管理運営により力を注ぐことができるようになるという効果も見込まれます。都と公社のそれぞれの役割を強化するという観点から、港湾管理者としての港湾局の担うべき役割、事務所も含めました組織のあり方について検討しているところでございます。 # 米沢委員 米沢委員組織改正に当たっては、港の防災機能の向上や、あるいは今後の整備のあり方など、さまざまな観点から検討がなされるものと考えておりますが、事業の遅滞を招くことなくスムーズに移行するよう要望いたします。次に、東京港における海岸保全事業についてお尋ねいたします。東京港の臨海部は、背後にいわゆる江東区を中心とするゼロメートル地帯を抱えております。したがって、高潮の脅威にいつもさらされているわけでありますが、私の地元、江東区では、過去にたびたび高潮による被害をこうむってきた歴史があります。特に昭和二十四年のキティ台風は、東部の低地帯には重大な、甚大な被害をもたらしました。私自身も、当時の記憶が今も鮮明に残っているわけであります。東京都では、キティ台風以降、整備区域を広げまして、本格的な高潮対策に取り組んできたところでありますが、臨海部には液状化の危険のある箇所が今もって存在するほか、老朽化した護岸も少なからず見られます。これに対する対策が急務になっているわけでありますが、そこでまず、いわゆるゼロメートル地帯における高潮対策の状況についてお伺いいたしたいと思います。 # 飯尾港湾整備部長 飯尾港湾整備部長いわゆるゼロメートル地帯の高潮対策施設でございますけれども、第一線で高潮を防御するための外郭施設といたしまして、防潮堤七キロメートル、水門五カ所が整備されてございます。また、この外郭施設の内側の内部護岸が十八キロメートル。また、この外郭施設、内部護岸に囲まれました水面に流れ込みました雨水を排除いたします排水機場が二カ所整備されているところでございます。外郭施設につきましてはすべて完成しておりますので、伊勢湾台風級の高潮に対する安全性は確保されているところでございます。しかしながら、委員ご指摘のとおり、液状化のおそれのある箇所、あるいは整備後四十年以上経過してございまして、そういう老朽化している施設も少なくないということでございまして、今後、耐震対策や老朽化対策が必要な外郭施設は、防潮堤約一キロ、内部護岸約十一キロメートル、水門二カ所、排水機場一カ所でございまして、鋭意対策を進めているところでございます。特にゼロメートル地帯につきましては、浸水危険度が高い地域でございますため、重点的に整備を実施しております。 # 米沢委員 米沢委員海岸の保全施設の耐震対策、老朽化対策のスピードアップを図るために、港湾局では本年の三月に東京港海岸保全施設緊急整備計画を策定したと聞いております。したがって、本計画のねらいとポイントについてお伺いいたします。 # 飯尾港湾整備部長 飯尾港湾整備部長東京港海岸保全施設緊急整備計画でございますけれども、緊急性を要します既存施設の耐震、老朽化対策を集中的に行いまして、高潮からの安全性を高めることを目的として策定したものでございます。この計画では、従来のペースで整備をいたしますと二十五年要するところを、おおむね十年に短縮いたしまして、平成二十七年度を目標に対策を完成させることといたしてございます。特に、被災すると大きな被害を及ぼします外郭施設でございます防潮堤と水門につきましては、耐震対策を優先的に実施いたしまして、今後五年間ですべて完了させる予定としてございます。この計画の実現によりまして、首都直下地震等に対します被災リスクを大幅に軽減させることができると考えてございます。 # 米沢委員 米沢委員高潮対策は、ただいま答弁にもありましたように、耐震対策や老朽化対策などハードの整備ももちろん必要でありますが、それらの施設を確実に運用するためには、やはり水門の操作を行う遠隔監視といいますか、あるいは制御システムの適切な運用、あるいは休日だとか夜間も含めて、いざというときに必要な人員を速やかに現場に確保する体制などのソフトの対策も欠かせないわけであります。また、港湾局では、二十年度に向けて、高潮対策を担当する東京港防災事務所を含め、事業所組織の再編を検討しているとのことでありますが、これによって高潮対策がいささかなりとも弱体化することのないように。弱体化するようなことがあってはならないわけであります。そこで、最後にお伺いしますが、今後の高潮対策の取り組み姿勢について、これは改めて局長さんから決意をお聞かせ願いたいと思います。 # 津島港湾局長 津島港湾局長区部の東部低地帯でございますけれども、先生お話しのキティ台風当時と比べまして、はるかに多くの人口と産業が集中しまして、特に満潮水位以下のいわゆるゼロメートル地帯には約百五十万人もの都民が生活をしているなど、都市化が進んでおりまして、一たび高潮が襲いますと、当時とは比べものにならないほど甚大な被害をこうむることが懸念されるわけでございます。このため、昨年度、東京港海岸保全施設緊急整備計画を策定いたしまして、これに基づき財源確保を図り、海岸保全施設の整備を着実に進めていくこととしております。今回の事業所再編は、防災事務所、それから管理事務所、建設事務所の三つの事業所でございますけれども、この再編は、東京港の臨海地域を一体的なエリアとして開発、運営するために、事業所を機能別に、管理、保守を中心にする部門と整備を中心にする部門の二つの部門に再編し、執行体制を強化するものでございまして、いざというときの迅速な対応にも十分確保できることを目指しております。また、安全性、確実性をより一層高めるために、水門の遠隔監視、遠隔制御システム、こういったシステムの再構築にも向けて検討を行っているところでございます。首都東京の社会経済活動を支えていくためには、東京港の物流機能の充実強化だけでなく、都民の生命、財産を守り、安心・安全な東京を実現していくことが不可欠でございます。高潮・防災対策が、私ども港湾局の重要な使命の一つであると考えております。引き続き万全の体制をもって取り組んでまいります。 # 岡崎委員 岡崎委員時は金なりということで、質問で、若干観点は違うんですが、ダブるところもございますので、簡潔明瞭にお伺いしたいと思いますし、一部割愛いたしますから、よろしく。まず、東京港の、先ほどの高潮対策なんですけれども、世界史的な大事件といわれた関東大震災を上回る規模での直下型地震が起きるのではないか、切迫しているのではないかというふうなことがいわれておりまして、海岸保全施設の耐震対策あるいは老朽化対策は喫緊の課題であります。先ほどご答弁がありましたが、伊勢湾台風並みの高潮からの安全性は何とか確保されているということでもありますし、老朽化している施設についても頑張って直すし、特に重要な防潮堤と水門については今後五年間で完了させるというふうなことで、私も同じようなこと、同じような答弁を期待しておりましたので、ぜひとも頑張っていただきたいと思いますが、同時に、耐震基準というのは、大きな地震があるたびに変わってまいりますので、それらに合わせた対応、順次更新をしていくたびに、順次見直しをしていっていただきたいと思うし、技術も開発されていきますから、それに合わせてより水準の高いものをつくっていっていただきたい。これは要望しておきます。次に、公社民営化と他港との連携について、これも一部ダブるわけでありますけれども、観点は若干違いますが、いずれにしても、アジア諸港の躍進は大変に著しいわけですね。圧倒的な貨物量を背景に、大規模港湾の建設、供用も相次いでおりまして、外国貿易コンテナ貨物の取扱個数においても、成長著しい上海港や深セン港などはおよそ二千万TEUを取り扱い、釜山港においても徐々に貨物量を伸ばし、一千二百万TEUを扱うまでになっております。一方、東京港は三百七十万TEUであります。これはコンテナの単位ですね。港の性格が異なるために、一概にこの数値で比較することはできませんけれども、アジア主要港が取扱量を大きく伸ばしていることは事実であります。こうした状況の中で日本港湾が競争に打ち勝つためには、港湾間の連携を強化して対抗していくことが必要であると思いますし、さらに、現在、東京港が取り組んでいる近隣港との連携、特にスーパー中枢港湾にも指定された京浜港という地域において物流ネットワークの構築も、先ほどもご答弁がありましたけれども、大いに工夫をして、順次大規模な形で展開をしていっていただきたい、こういうふうに思います。そこで、先ほどの部分はご答弁もございましたので、次に移りまして、民営化後の公社を活用するということは、港湾の広域連携を進めていくためにどのようなメリットがあるのか、お伺いしたいと思います。 # 小宮港湾経営改革担当部長 小宮港湾経営改革担当部長公社民営化の、広域連携に向けてのそういう側面でのメリットについてでございますが、公社はこれまでも、東京都と一体となりまして京浜港での物流ネットワークの構築に取り組んでまいりました。公社民営化のメリットでありますが、第一に、国の認可など規制の多い現行制度から、より柔軟な対応が可能な体制に移行することで、経営の自由度が増しまして、一層の企業性の発揮が可能となります。また、第二に、出資等が可能になることで、段階的に港湾関連分野の事業拡大、それから多角化ができることになります。こうした民営化後の公社のメリットを生かしまして、京浜港内での連携など、広域的な物流効率化を視野に行動してまいりたいと存じます。 # 岡崎委員 岡崎委員民営化することによって、例えば、ここから向こうの区域は神奈川県だとか、あるいは川崎市だとか横浜だとか、あるいはここからこっちは東京都だとか、こっちは千葉県だとかいうようないわゆる自治体間の枠を超えた連携を図っていただいて、アジア諸港との競争にも打ち勝っていくような工夫も大いに頑張っていただきたいというふうに要望しておきます。最後に、海の森。実は私どもは、あした視察に行くんですけれども、アクセスが大変脆弱でありますね。大田区の地先にも埋立地がありまして、いろいろと都民の生活に必要な施設が幾つもあるんです。公園も、野鳥公園を初めいろんな公園がいっぱいあるんですけれども、ほとんど車でしか行けないですね。自転車で行けないことはないんですけれども、なかなか困難。さらに、海の森が利用できるようになるのは大分先ですけれども、そこに行くのにも、ただでさえ大田区の地先に行くのに大変困難で、そのさらに地先に行くのに、内陸部からは極めて困難ですね。反対側からも物すごく行きづらい。こういうものは社会の変化に伴って、つまり高齢化社会がどんどん進んでいって、おじいちゃん、おばあちゃんとお孫さんが一緒に遊びに行くだとか、そういう機会がなかなか少ない中で、そういうことにも使われなくてはいけないような施設だろうと思うわけですけれども、路線バスを誘致しても採算が難しいんじゃないかと思ったりするわけでありますが、この海の森への足の確保についてはどのように考えているのかお伺いして、質問を終わります。 # 小林臨海開発部長 小林臨海開発部長現在、中央防波堤内側埋立地への公共交通機関といたしましては、東京テレポート駅から最寄りの環境局中防合同庁舎前まで都営バスが運行されております。今後、公園の供用開始に合わせまして、休日や日曜日などの増便、海の森公園へのバスルートの延長を要請してまいります。また、平成二十二年度完成予定の東京港臨海道路第二工区の開通により、新たな交通ルートが生まれるということでございますので、これらを含め多様なアクセス方法を検討し、交通事業者へも働きかけてまいります。 # 木内委員 木内委員港湾局の主要事業のうち、東京港の経営と臨海副都心開発について総括的な質疑を行ってまいりたいと思います。まず、港湾機能の今日的課題と東京港の今後のあるべき姿ということを視野に入れてお尋ねをするわけでありますけれども、現在、国際物流を担う航空輸送と海上輸送の役割分担がどうなっているのか、過去から現在に至る状況について認識を伺います。 # 江津港湾経営部長 江津港湾経営部長二〇〇四年、平成十六年でございますが、我が国の輸出入の合計である貿易量は、財務省の貿易統計によりますと、トン数ベースで約十億トン、金額ベースでは約百十兆円でございます。このうち、海上輸送はトン数ベースで九九・七%、金額ベースで六九・三%となっております。一方、一九八〇年、昭和五十五年でございますけれども、この当時は、海上輸送がトン数ベースで九九・九%、金額ベースで九一・五%でございました。こうしたことと比べますと、航空輸送が大きく伸びてはいるものの、海上輸送が依然として中心的役割を占めておるというふうにいえます。急ぎの貨物や、高い運賃でも見合うようないわゆる高付加価値商品につきましては航空輸送が利用されるケースが多うございますけれども、衣食住や産業経済を支えるさまざまな物資のほとんどは海上輸送に依存しております。 # 木内委員 木内委員印象として、航空輸送というものが非常に充実しているというものがあるんですが、こうして具体的な数字を挙げてお聞きいたしますと、海上輸送の役割というのは極めて大きいということが確認できるわけであります。とりわけ、海上輸送の特徴でございます安価で大量に安定的に輸送ができるというメリットは、今後とも、航空機輸送に大きくまさるものと私は考えておりまして、国際海上輸送の重要性は、高まることはあっても低下することは決してない、こう考えるわけであります。したがって、東京港の機能等の充実が今、喫緊の課題である、こう申し上げたいのであります。そこで伺うわけでありますが、国際海上輸送も、船会社の間で、コスト、サービスの両面で熾烈な競争が展開されておりますし、東南アジアの諸港との比較は、先ほど米沢委員との質疑の中で明らかになったところでありますけれども、さて、最近の異常な原油高というものがコンテナ船の運航などに与える影響は少なくないと思うわけでありまして、近年の国際海上輸送の特徴とあわせて、今後の動向予測についてお尋ねします。 # 江津港湾経営部長 江津港湾経営部長国際海上輸送の特徴等でございますが、従来、荷主は、運搬や流通加工といった各種のサービスを個別の事業者に委託しておりましたが、近年の国際物流におきましては、各種サービスを一事業者が一括して荷主に提供するという、ドア・ツー・ドアの一貫した総合サービスが増加してまいりました。このため、外貿定期船におきましては、効率性や貨物の安全性などの点で優位にあるコンテナ輸送が圧倒的になってきております。最近では、スケールメリットを生かし一層のコスト削減を図るために、コンテナ船の大型化が急速に進められております。具体的には、二十フィートコンテナを八千個以上積載できる大型船が、アジア、欧州間の基幹航路に多く投入されてきておりまして、今後もこの傾向は続くものと思われます。 # 木内委員 木内委員今、るる説明いただいて、今後の傾向というものが明らかになったわけでありまして、これを踏まえての港湾機能の充実が必要であるということでありますが、一方、国際海上物流を考える上で、世界的な視点で、生産と消費の関係を国際的なステージの中でも考えておく必要があるだろうと思うわけであります。国際分業が進展してきている今日、特に中国、インドを初めとしたアジア地域が、世界のものづくりといいますか、世界の工場といわれるようになってきている。常に東京港の港湾の置かれる立場というものを考えますと、東南アジアの諸港との比較ということになるわけですが、物流全体の実態の中でどうとらえるべきかということも重要な課題であります。そこで、国際分業の現状を踏まえまして、日本とアジアの間の貨物の流れについてはどう認識されていますか。 # 江津港湾経営部長 江津港湾経営部長アジア諸国の技術力の成長によりまして、日本に生産を依存していた一般製品について、アジア諸国が自国で生産できるようになりました。この結果、まず製品の付加価値によって、例えば高級品については日本で、一般品についてはアジアの諸国でといった、それぞれ一国内で一貫生産を行うという分業が見られるようになってきました。この結果、アジア、日本間で、双方向での製品の動きがふえてきております。また、生産に当たり高度な技術を要する部品や加工品を日本国内で生産し、アジア諸国ではローテクによる部品、加工品製造と組み立てを行うという分業も進展してきておりまして、この結果、部品や加工品などの荷動きが増加するとともに、貨物自体も小口化してきております。このような国際分業体制の進展を背景として、アジア諸港からの貨物は大きく伸びてきております。 # 木内委員 木内委員答弁で、国際海上物流や、その前提となる物の生産や貨物の流れが常に変化をしているということがよく理解できるわけでありまして、このことを前提に、具体的に東京港整備ということについて目を向けてまいりたいわけでありますけれども、アジア諸港からの輸入貨物が大きく伸びてきておりまして、東京港のコンテナ取扱量は、さっき、関連の質疑もありましたけれども、スーパー中枢港湾に指定された平成十六年には、二十一年に三百四十万から三百六十万TEUを見込んでいた、こういうふうに仄聞しているわけでありますが、平成十八年には三百七十万TEUと、既にこの数字を上回っているわけであります。アジア貨物の急増の裏返しとして、道路渋滞など、背後地域への負荷が大きくなっている状況があるわけでありまして、私は実はいろいろな場でもって、この課題の解決ということを強く訴えてきたところでございます。そこで、具体的に、外貿コンテナふ頭の中核である大井地区について、例えば渋滞解消対策を具体的に進めるべきであるということも申し上げてきたわけでありますけれども、この具体的進捗についてお尋ねしたいと思います。 # 小宮港湾経営改革担当部長 小宮港湾経営改革担当部長大井地区におきます渋滞解消対策についてでございますが、これまでコンテナターミナル内に車両待機場を設けまして、また、既存道路を活用したコンテナ車の専用レーンを平成十七年度に新設するとともに、さらに、背後道路の主要な地点三箇所にウエブカメラを設置いたしまして、渋滞情報の提供などを実施しているところでございます。このような取り組みによりまして、一般車両の通行への影響は大幅に低下したものと存じます。しかし、専用レーンからターミナルへの進入の円滑化、あるいは新たなターミナルからの退出動線の確保など、さらに取り組むべき課題もございます。今後とも、ターミナル事業者や物流関係者と連携いたしまして、渋滞の解消に適切に対応してまいりたいと存じます。 # 木内委員 木内委員しっかり私は訴えてまいりました。それを施策に反映して、具体的にまた実施されているということは、まことに多とするものでありますけれども、まだまだ課題は多いわけでございます。特に東京港は市街地と極めて近接をしておりますことから、道路渋滞は都民生活に大きな影響を与えるわけでありまして、さらに積極的な取り組みをこの場で強く要請しておきたいと思います。ところで、現在、東京港は、スーパー中枢港湾政策の取り組みとして、リードタイム、すなわち輸入貨物の入港から取引、引き取りまでの時間の短縮に取り組んでいるのであります。今申し上げた道路渋滞の解消もそれに寄与するわけでありますけれども、さらに、ふ頭運営の一層の効率化も図っていく必要があります。私の聞いているところでは、東京港のガントリークレーンは、一時間に一機当たりおおよそ三十個から四十個のコンテナを荷役できるとのことでありまして、これを例えばシンガポールなんかと比較してみますと、二十個程度といわれておりまして、荷役効率では世界最高水準でありまして、関係の港運業者の方との懇談の中でも、このことは実は胸を張って私に伝えてくれたようなことが印象的でございました。いわゆるヒューマンパワーが秀でているのが東京港の特徴ではないかと思うわけでありますけども、荷役そのものは効率が高いとはいうものの、国際競争力強化のためには、さらにこうしたことも含めて、ふ頭運営の効率化というものが求められるわけでありまして、これも精力的な取り組みを要請したいところでありますが、お答え願います。 # 小宮港湾経営改革担当部長 小宮港湾経営改革担当部長ふ頭運営の効率化についてでございますが、木内委員ご指摘のとおり、日本のオペレーターの技術水準はとても高くて、ガントリークレーンの荷役効率は極めて高いものがございます。こうしたことに加えまして、ゲート作業の共同化や岸壁の相互利用など、ふ頭運営の効率化に取り組んでまいりました。しかしながら、輸入貨物が急増している現状におきましては、ヤードにコンテナが積み上げられまして、下の方のコンテナを搬出するための積み直し作業が必要となることから、引き取りのトラックへの荷積みに時間を要する事態となってございます。また、空になったコンテナ、いわゆる空バンがふえておりまして、ヤード逼迫の大きな原因ともなってございます。今後も、ふ頭の背後用地の確保に努めるなど、ふ頭運営の一層の効率化を図ってまいりたいと存じます。 # 木内委員 木内委員港湾関係業者の方々の大変なご努力と、東京都港湾局との協議によって、この分野へのさまざまな解決策が講じられているわけでありますが、特にさっきから議論をいたしております港湾業務の拡大と充実、世界の流れの中で今なお極めて不十分だということが指摘できるわけであります。今後さらに取り組みをお願いしたいわけでありまして、例えば、協力をいただいている港運業者の方々がどんなに努力をしても、やはりまた行政の角度からその解決に向けての支援策がなければ、なかなか民の部分だけでは解決が難しい課題でもございます。そこで、空バン対策としては、バンプールの整備がいよいよ今後さらに必要になってくるわけであります。また、コンテナの搬出入に伴うシャシーの往来も頻繁でありまして、これは地元の住民や関係の方からのご意見等も多く寄せられているところでありまして、こうした渋滞対策の上からも、シャシープールの整備など、緊急の課題というものが横たわっております。こうした整備状況についてのご報告をいただくとともに、今後への対策を答弁願いたいと思います。 # 小宮港湾経営改革担当部長 小宮港湾経営改革担当部長バンプール、シャシープールの整備状況についてでございます。現在、東京港では、二十フィートのコンテナが約四万七千個収容可能なバンプールや、約三千台収容可能な、コンテナ積載用の台車置き場であります、いわゆるシャシープールを設けてございます。さらに、本年七月に品川コンテナふ頭背後に、一千五百個分置けます新たなバンプールを整備したところでございます。また、今後は、中央防波堤外側埋立地や大井ふ頭その一、その二間の約二十二ヘクタールの土地造成によりまして、コンテナ関連用地を確保し、バン・シャシープールの集約を行うこととしております。なお、大井ふ頭その一、その二間の土地造成につきましては、本年度より計画調査を実施し、環境アセスに着手したところでございます。 # 木内委員 木内委員この問題につきましては、引き続いて着実な整備をお願いしたいと思うわけでありまして、さらに私が指摘したいのは、こうした環境といいますか、ハード整備にあわせて、ソフト面についても的確な対策を講じていくことが必要である、こう考えるわけであります。一層のふ頭運営の効率化等の実現には、先ほど来重ねて申し上げております、まさにふ頭の現場で事業に取り組んでいる民間事業者の方々の協力が不可欠であると思うわけでありまして、現場感覚を持って東京都と事業者が、まさに文字どおり官民一体となって取り組んでいくことが求められるのではないか。このことを強く申し上げておきたいと思うんです。そこで、官民一体のソフト対策の一環でございます、新アクションプランの改定作業に着手したと聞いておりますけれども、まず現行の新アクションプランの実施状況、成果についてお伺いいたします。 # 小宮港湾経営改革担当部長 小宮港湾経営改革担当部長新アクションプランについてでございますが、現行の新アクションプランは、港湾コストの三割削減、港湾物流の効率化、ふ頭等の整備・再編、東京港の安全の確保の四つを柱に、平成十六年三月に官民共同で策定いたしました。全部で七十一項目ございまして、六十二項目については既に実施しておりまして、実施率は八七%となっております。主な成果といたしまして、インセンティブ制度による貨物量の増加や、日曜荷役の実施、大井背後道路への専用レーンの設置、水先人制度の規制緩和などがございます。このような取り組みは貨物取扱量の増加につながりまして、これがスケールメリットとなりまして、コンテナ一個当たりの港湾コストは二割程度低下したと都では推計しておるところでございます。 # 木内委員 木内委員改定に当たりまして、東京港を取り巻く多様な状況に対応するための新しい視点というものも重要になってくると思います。したがって、今後のスケジュール、内容について答弁願います。 # 小宮港湾経営改革担当部長 小宮港湾経営改革担当部長新アクションプランの改定についてでございますが、東京港の国際競争力強化のためには、貨物急増、コンテナ船の大型化といった環境変化に対応しつつ、一層の港湾コストの低減と物流効率化を推進することが必要でございます。そのため、今回の改定では、航運事業者と陸運事業者、鉄道事業者との連携、民営化された公社の経営効率化によるコストダウン、サービスアップといった新たな視点から検討を進めてまいります。さらに、環境問題に積極的に取り組むことも重要でありますことから、環境対策検討部会を新たに設置し、検討していくこととしております。今後、平成二十一年の二月上旬の策定をめどに、検討部会により具体的な検討を進めてまいります。 # 木内委員 木内委員淡々とご答弁いただいておりますけれども、今、非常に重要な視点からの言及があったわけでありまして、新しい課題としての環境問題に積極的に取り組んでいくと。こうしたことを踏まえて、環境対策検討部会を新たに設置して、平成二十一年二月上旬の策定を目途に検討部会で具体的な検討を進めていく、こういうことでありますので、ぜひとも私どもは期待をさせていただきたいし、いいものをつくっていただけるように、強く望んでおきたいと思います。ところで、港湾管理者としての東京都港湾局の仕事というのは、絶えず変化する国内外の経済情勢等に対応しておりますことから、実は大変専門性の高い、困難な分野のものもあるというふうに私は考えているわけでありまして、いろんな港湾の行事に局長あるいは担当部長等と出まして懇談をする中で、やはりそういう人材の面、ソフトの面、専門性の高さというのが年を追うごとに求められている局だなと思うわけであります。一方で、東京都では今後数年のうちにベテラン職員の大量退職が見込まれているということで、これは申し上げたように、港湾局においても例外ではないと思うわけであります。このため、港湾局として今後、優秀な人材を継続的に確保していくことが必要だと思います。これは単に内局的な仕事だけではなくて、実は非常に重要な港湾という分野を持ち、そこに働く大勢の方々がいて、関連する事業者の方々もおられる、そういう非常に多重的といいますか、大きなさまざまな能力を求められる港湾局だと思っておりまして、継続的に優秀な人材を確保していくための局としての取り組みをすべきだと思いますが、いかがでありましょうか。 # 多羅尾総務部長 多羅尾総務部長人材育成についてでございますけれども、東京港の業務に携わる職員に求められる能力、資質として、次の三つのことが非常に大切だと考えております。第一は、先生のお話にもございましたけれども、港湾経営や港湾物流、港湾土木技術等に関する専門的な知識と経験でございます。第二には、物流事業者や船会社など、民間事業者の方々と対等に議論できる経営感覚や折衝能力でございます。三番目といたしまして、東京港の経営を通じて、安全で安価で安定した物流を実現して都民生活に貢献しようとする公務員としての姿勢でございます。このような能力、資質の向上のために、これまでも、港湾技術に関する局独自の研修であるとか、新たに他の局から転入してきた職員に対する導入研修のほかに、税関でありますとか港湾関係団体との人材交流を実施するなどして、人材育成に努めてまいりました。今後、港湾局としてさらに積極的に人材育成を行っていくために、港湾関係事業者等から講師を招いて行う物流の実態に関する研修など、現場を知る実務的な研修を充実させるとともに、船会社などとの人材交流も今後進めてまいりたいと考えております。さらに、各職場におきましては、仕事のノウハウでありますとか仕事に対する姿勢を先輩から後輩に伝えていくOJTの支援でありますとか、人材育成を重視した職員の配置管理を行うなどして、局の職務遂行能力の維持と向上確保に努めてまいりたいと考えております。 # 木内委員 木内委員私も三期にわたって経済・港湾委員を務めさせていただきましたけれども、港湾局の職員に求められる能力、資質の三要件というのは初めて聞いた思いがいたしました。特にあれですね、局に転入した職員に対する研修など、あるいは人材交流などなど、また新しい角度も試みも答弁がありましたので、ぜひとも東京港を支える優秀な人材の確保、育成にも力を注いでいただきたいと思います。港湾について最後のといいますか、この後、まだほかのテーマございますけれども、お聞きしたいことがあります。それは、さきに十月末から十一月上旬にかけて、港湾局長を団長としてヨーロッパへのポートセールス、いわゆる外貿ミッションが行われたということでありまして、私は、このオーソライズされた立場といいますか、議会の場で、ぜひとも局長が外貿ミッションで見聞した主要港の直近の状況、あるいは国際競争力強化のため東京港の港湾経営に対する、この外貿ミッションを踏まえてのお考えなどをお聞かせいただければと思うんです。この前、ある懇談の場で承ったとき、私は非常に愁眉を開く思いで、刮目すべき内容だと思いましたので、ぜひ会議録にも残したいと思います。これは局長でよろしかったですか。ご答弁ください。 # 津島港湾局長 津島港湾局長今、お話にありました、私、十月三十日から十一月の七日にかけまして、東京港でお仕事をする七つの関係団体の代表者とともに、十五名でヨーロッパに外貿ミッションに行ってまいりました。その際に、コンテナの貨物取扱量におきましてヨーロッパ第一位でございますオランダのロッテルダム港、第三位のベルギーのアントワープ港などを訪問しまして、視察し、管理者と意見交換などを行ってまいりました。ロッテルダム港もアントワープ港も、現在、貨物獲得のために新たな大規模ふ頭の整備に着手しております。特にロッテルダム港では、ここ五年ぐらいが勝負だということで、取扱貨物量が現行の二倍を超える二千万TEUを目指した開発に着手しておりまして、ヨーロッパの主要港では貨物獲得のためのインフラの整備競争が行われているという実態を目の当たりにしてまいりました。ヨーロッパは今現在、西ではスペイン、東ではロシアを含めて、いわばアジアの中国のような立場で生産拠点が次々と誕生しておりますけれども、そこの物流動線も、ロッテルダムなりアントワープが一手に引き受けるという意気込みでインフラ整備が行われてきております。こうした状況を目の当たりにしまして、改めて、この国際競争力の強化も、日本も急がなければいけない、特に東京港は急がなければならないという思いを強くしてまいりました。改めて報告書は出すつもりでございますけれども、これがまず第一の実感でございます。それから、今後の国際競争力の強化についての取り組みとしての港湾経営の方向性についての考え方でございますけども、現在、第七次の改訂港湾計画に基づきまして、港湾施設の充実に私ども取り組んでおりまして、大井ふ頭、青海ふ頭にあわせまして、新たに中央防波堤外側地区に外貿コンテナふ頭をつくりまして、三極体制の構築に努めるということで頑張っているわけでございます。また、道路ネットワークも充実を図っているわけでございますけれども、やはりこの計画策定後も、中国を初めとするアジア貨物の急増、コンテナ船の大型化という進展が、私どもの予想を超えるスピードで伸びておりますので、東京港を取り巻くこういった環境の変化というものを踏まえて、今後、行動を起こさなければいけないと考えております。したがいまして、陸送、鉄道、倉庫、こういった内部の物流ネットワークを含め、そして東京湾全体を視野に入れた、より戦略的な港湾経営がぜひとも必要だと認識しております。 # 木内委員 木内委員こういう場にしては、大変簡にして要を得たご報告をいただいた思いがいたしますが、やはりインフラ整備を初めとして、世界の各諸港というのは、懸命に今、その活性化に向けての努力が新しいステージで行われているということでありまして、東京港もおくれをとることなく、局一丸となって取り組んでいただければ、こう思うわけであります。さて、次に話は変わりますけれども、臨海副都心開発について伺います。臨海副都心は開発着手から十八年が経過して、昨年度から、まちの構成に向けた総仕上げの時期に入っております。私はかねてから、この臨海副都心開発を支援し、これを推進するという立場で、都民本位のまちづくりということを眼目に、さまざまな視点から訴えてきたところでありまして、臨海都心は、単に業務機能やエンターテインメント機能など、都市開発の要素として有するだけでなく、都民生活をサポートするさまざまな機能を包含する必要がある、こういうことを訴えてまいりました。新しいまちが機能していく上で、やはりそこに暮らす人々にとって安全・安心を担保できる環境が重要でありまして、臨海副都心は、広域的な防災支援のまちとして、有明の丘防災拠点の整備や災害時の後方医療施設としても機能する総合病院の開業、災害に強い共同溝の整備などを実現させてきているところであります。特に、総合病院であります癌研有明病院の誘致に当たっては、本委員会で、数年前でありますが、私は、呱呱の声を上げたといいますか、だれもが耳をかさないときにこの誘致を訴え、当時の港湾局とのやりとりの中で、この構想の規模を拡大し、癌研の大塚病院を誘致することに成功して、非常に印象深かったのは、去年、あるメディアの雑誌でありましたけれども、全国のがん治療のリストの中で、日本で第一位の評価を受けるまでになった病院というのが港湾にあると。これも臨海副都心の大きなランドマークになっているところであります。企業等の誘致は、単に土地が売却できたとか空き室が埋まったと、こういうことでとらえるのではなくて、そうした企業等が都民生活や東京の産業にどのように影響を与えるかという視点が重要であると私は思っているわけであります。そこで、これまでの誘致施設における考え方とその成果について、端的にまずお尋ねします。 # 藤原営業担当部長 藤原営業担当部長臨海副都心におきましては、臨海副都心まちづくり推進計画に基づきまして、職、住、学、遊の都市機能をバランスよく適切に配置できるよう、施設誘致を行ってまいりました。台場地区では、眺望豊かな居住施設を配置するとともに、ウオーターフロントの魅力を生かしたホテルやショッピングモール、テレビ局などを誘致したことによりまして、人々に潤いや安らぎを与える、にぎわい豊かな国内有数の観光スポットに成長してまいりました。また、青海地区南側は、研究開発、情報通信や国際交流の拠点として開発を進め、バイオ・IT融合研究棟を初めとする最先端技術の研究施設やテレビスタジオなどの情報通信施設を誘致することによりまして、これらの施設が集積し、都内の産業活性化に大きな役割を果たす研究開発、産業創生のまちが形成されてきております。また、有明南地区では、先生からのお話もございましたように、有明の丘防災拠点や、癌研究会有明病院などを誘致いたしまして、防災支援活動の拠点機能として整備するとともに、ホテルなどのコンベンション支援機能を有する施設を誘致することによって、国際展示場を中心としたコンベンション機能を核とした多様な情報と文化の交流が活発に行われているところでございます。 # 木内委員 木内委員今答弁があったように、これまで誘致してきたさまざまな機能というものは、臨海副都心のこのにぎわいや活性化につながっているだけでなくて、東京全体の活力の向上に極めて大きく貢献をしているということがいえるわけでありまして、未来の世代に私どもが資産として引き継ぐに十分な、今、熟成を見つつあるということであります。続けてお聞きしたいわけでありますが、臨海副都心は昨年、過去最高の四千二百八十万人の来訪者があった、こういうことでありまして、オリンピック招致を踏まえ、世界都市東京の実現を目指す観点からも、東京都における観光戦略は重要であり、これに対して臨海副都心が担う役割は非常に重いわけであります。さらに、観光だけではとんでもないことでありまして、私が述べた防災施設、医療施設に加えまして、答弁いただいたような居住機能、業務機能、コンベンション機能、加えて研究施設や教育施設などのアカデミックな機能の集積は、東京の研究、経済及び産業について大きな影響力を持つに至っている、こういっても過言ではないと思うのであります。私は、きょうぜひ伺いたいんですが、今後これらの機能を一層さらに拡大、発展させていくことが必要だと思うんですが、所見を伺います。 # 藤原営業担当部長 藤原営業担当部長臨海副都心は、東京の都市活動を支え、日本を牽引していくかけがえのない地域として重要な役割を担っております。そうした観点から、これまで積極的に、さまざまな機能を有する施設の誘致に努めてきたところでございます。その結果、既に開業している施設に加えまして、平成二十三年度末までに十の施設が次々とオープンすることとなってございます。主な施設といたしましては、業務機能として青海地区に二十四時間働くことのできるスモールオフィス、コンベンション機能として有明南地区に国際展示場の機能を補完するコンファレンス施設、研究機能として青海地区に都立産業技術センター、教育機能として有明北地区に、仮称でございますけれども、東京都有明医療大学や有明教育芸術短期大学がそれぞれ開業する予定でございます。またさらに、現在、学校用地として有明南のN区画におきまして公募を実施して審査しているところでございます。本年度内に事業者を決定できると考えております。臨海副都心が我が国の経済、技術、文化の拠点として役割を果たしていくためには、魅力的な事業内容を提案する事業者を誘致することが必要でございまして、今後とも積極的な誘致活動に取り組んでまいります。 # 木内委員 木内委員いわゆる単純な、経済だとか商業だとかというとらえ方だけではなくて、技術や文化の拠点としての、そうした揺籃としての機能が今後期待できるわけでありまして、ぜひとも積極的に取り組んでいただきたいと思います。それから、民事再生終結後の臨海三セクについてであります。臨海副都心がこのように都民の財産ともいうべき刮目すべきまちとなるに当たりましては、いわゆる臨海三セクが果たしてきた役割も極めて大きかったということがいえると思います。私どもは、今後の臨海地域の発展のためには、この臨海三セクを十分活用していく必要があること、そして民事再生計画の実施によって安定した経営を確保できることなど、この委員会の中でも質疑を通して十分に訴え、また確認をしてきたところであります。そして、本年四月に臨海三セクの民事再生手続が終結し、経営基盤が十分強化され、予定どおり本年八月に新たに臨海ホールディングスグループに参加したと、こう経過を理解しているわけであります。しかし、いまだに、持ち株会社の設立や埠頭公社の民営化など臨海地域の機能を高めようとする取り組みを、無理やり臨海三セクの支援に結びつけようとする無理解な向きもあるのは極めて残念なことでありまして、私は、この認識をしっかりと今指摘をしておきたいのであります。そこで、現在の臨海三セクの経営基盤がどうなっているのか、また主要事業であるビル事業の動向を知る上で、直近の入居状況を確認しておきたいと思うのでありますが、先ほどの、要求いたしました関連資料中にも関係の数字が出ていたようでありますが、直近の入居状況はどうなっていますか。 # 山本監理団体改革担当部長 山本監理団体改革担当部長まず、経営基盤につきまして、経営状況でございますが、東京テレポートセンター、臨海副都心建設、竹芝地域開発のいわゆる臨海三セク三社でございますが、一連の民事再生手続を行いまして、本年四月一日の三社合併を経まして、同月十六日に民事再生手続を終結しているところでございます。合併後の東京テレポートセンターは、一連の手続によりまして債務超過状態が解消されるなど、経営基盤の強化が図られているところでございます。現在の東京テレポートセンターのビル事業の直近の入居率でございますが、十九年、本年九月末時点の数字でございますが、テレコムセンタービルが九三%、フロンティアビルが三棟合計で八九%、ニューピア竹芝ビル、これも三棟ですが、一〇〇%となっております。 # 木内委員 木内委員東京テレポートセンターの経営で最も大事なのは主要事業であるビル事業という位置づけもあるわけでありまして、本委員会資料として十八年度末時点での入居率が示されましたけれども、テレコムセンタービルが七四%、フロンティアビルは八五%でありました。四月に民事再生が終結してから六カ月で、テレコムセンタービルは約一九ポイント、フロンティアビルで約四ポイント入居率が向上しています。経営基盤が安定し、入居率も順調に伸びている中で、さまざまな批判的な意見があることは、私は甚だおかしい話だというふうに思っているわけであります。こうした高い入居率は、東京都及び東京テレポートセンターみずからが着実に努力を積み重ねた結果である、こう考えますけれども、東京都として、局としてどういう認識をしておられますか。 # 山本監理団体改革担当部長 山本監理団体改革担当部長ビルの入居率の増加というものは、単なるビル事業収入の増加にとどまらず、多様な企業集積拠点を提供するなど、臨海地域のまちづくりに先導的な役割を果たしてきた東京テレポートセンターにとりましても極めて重要なことであると考えております。また、臨海ホールディングスグループにとりましても、就業人口の増加に伴う「ゆりかもめ」の乗車人員の増でございますとか、臨海熱供給の熱販売量の増加に直結するなど、グループ経営にもたらす効果は大きいものであると考えております。東京都といたしましても、臨海副都心の魅力や活力を高めていく上で、オフィス需要の高まりは重要な要素の一つでございまして、平成二十七年のまちの概成に向けて、開発への弾みをつけるとともに、今後の未処分地の売却等にも好影響を及ぼすものと考えております。現在の入居率の向上は、都議会を初めさまざまな関係者の方々のご理解とご協力のもと、経営安定化策や民事再生に着実に取り組んできたことによる経営基盤の充実に加えまして、民間の不動産会社との連携など、東京テレポートセンターの経営努力の成果があらわれたものであると認識しております。 # 木内委員 木内委員臨海三セクが、バブル崩壊の影響で経営状況が逼迫している時期も事実あったわけでありますけれども、長期間の景気低迷の中にあって、経営安定化策で経営改善の成果を上げ、それによって事業継続を図る再生型の民事再生が活用できた、こういうことがいえるわけであります。私ども議会、執行機関、経営陣のその時々の適切な判断と企業努力が、現在の評価すべき経営状況に結びついているんだというふうに私は思っております。いつまでも過去の議論にとらわれるのではなくて、今後は未来志向の、臨海地域のあすを見据えた議論が交わされるよう、強く私はここで訴えたいと思うのであります。いまだに一部では、臨海副都心開発に対して的外れな批判を繰り返す人々もおりますけれども、先ほども述べたように、臨海副都心はかけがえのない都民の財産として成長してきており、これから十年の総仕上げによるさらなる発展が大いに期待されるものであると思います。そこで最後に、開発の総仕上げに向けた今後の取り組みについて、局長の決意を伺います。 # 津島港湾局長 津島港湾局長臨海副都心は開発に着手して十九年目となりまして、これまで、台場地区、青海地区の南側、そして有明南地区と順次開発を進めてまいりました。その結果、日本を代表する企業、病院、研究機関が進出するなど、多様で、そしてかつ東京を支える機能が集積しておりまして、九百を超える企業等が現在活動し、三万九千人が働き、年間四千万人を超える人々が集まる魅力あふれるまちに成長してまいりました。これによりまして、例えば、ちなみに、平成十七年度までの累計の税収効果は一兆円を超えております。平成十八年度から、まちの第三期という、残る青海地区北側と有明北地区の重点的な開発に取り組んでいくわけでございますが、このまちの概成に向けた正念場を迎えまして、青海地区北側につきましては、観光・交流を中心としたまちという開発の方針を示しまして公募を開始するなど、既に開発に着手しているところでございます。先ほど、外貿ミッションの話をいたしましたけれども、一昨年、ニューヨーク、ロサンゼルス、シアトル、ことし、ロッテルダムなどの各地の港を見てまいりましたが、レインボーブリッジから見る臨海副都心を背景にした東京港の姿というものは、世界で見ても第一級の景観を有する地域だということを実感しております。今後とも、臨海副都心の持つポテンシャルを生かしつつ、あらゆる工夫と弾力的な対応に努め、臨海副都心を、次世代の都民に誇りを持って引き継いでいけるまちとして育成するよう、開発に全力を尽くしてまいります。 # 清水委員 清水委員ことし、七月十九日に青海のガントリークレーン二号機の破損事故が発生しましたが、この事故についての状況、原因及び対応についてお伺いいたします。 # 江津港湾経営部長 江津港湾経営部長本年七月十九日午前九時三十分に、青海のA-0ターミナルに設置しております青海ガントリークレーン二号機の巻き上げドラム軸が棄損し、巻き上げ動作が不能となりました。原因は、金属疲労による破壊現象と推定をされております。事故後は、早急に巻き上げドラム軸の交換及び軸を固定している側面部分の修繕を行い、本年九月八日に再稼働したところでございます。 # 清水委員 清水委員今のご説明では金属疲労だということですけれども、クレーンの安全規則というのはどうなっているのか、お伺いしたいと思います。その規則どおり行われていたのかどうか、お伺いしたいと思います。 # 江津港湾経営部長 江津港湾経営部長ガントリークレーンの設備に関しましては、労働省令に定める安全規則に基づきまして、月例点検項目、年次点検項目を設定の上、項目ごとに点検を実施するとともに、年一回ないし二回の定期修繕を行ってございます。また、ガントリークレーンの運転につきましては、使用者に対し遵守事項を記載したマニュアルを交付するとともに、利用者による日常点検ということで、作業開始前後の点検を実施させるなど、安全な利用を指導しております。 # 清水委員 清水委員定期点検をきちんと行っていたというご報告なんですけれども、にもかかわらず今回の破損事故というのはなぜ事前に発見されなかったのか、お伺いいたします。 # 江津港湾経営部長 江津港湾経営部長今回の故障箇所であります巻き上げ装置につきましては、月例点検時にドラムの目視及び検査用ハンマーによる打診並びに軸受けの目視による点検を行いましたが、異常を発見できなかったものでございます。なお、今回の事故を踏まえまして、今までの月例点検に新たに薬品による非破壊検査を追加し、事故の再発防止に努めております。 # 清水委員 清水委員その事故を起こした二号機というのは、耐用年数というのはどれくらいだったのか。それで、現在、使用年数というのはどうなっていたのか、お伺いいたします。 # 江津港湾経営部長 江津港湾経営部長二号機の耐用年数と現在の使用年数でございます。耐用年数でございますけれども、税法上におけるガントリークレーンの減価償却資産としての耐用年数は十五年でございます。二号機は平成六十年十月に製造されており、使用年数は二十二年でございます。 # 清水委員 清水委員それでは、その耐用年数を大幅に経過しているわけなんですけれども、それをなぜ使用し続けてきたのか、使用するということは、どこで判断できるのかということをお伺いいたします。 # 江津港湾経営部長 江津港湾経営部長税法上の耐用年数というのは、各会計年度における税を確定させることに重きを置いており、耐用年数を過ぎたからといって直ちに使用できないものではないというふうに考えております。ガントリークレーンの更新におきましては、使用状況等をもとに判断を行っており、日常的に使用頻度や使用時間に応じて部品を交換するなどの定期修繕を施すことで安全性を確保し、そして可能な限り延命化を図って、財産の効率的な運用を行ってきているということでございます。このほかに、二年に一回、車の車検と同様の性能検査というものがございまして、そこの検査で合格をして検査証を受けていないものについては使用しない、そういった措置もとってきているところです。 # 清水委員 清水委員性能検査も合格だった、定期検査も規定どおりやっているということで、こういう金属疲労というのがなぜ見抜けなかったかということはあるんですけども、幸いにも人身事故にはならなかったということだと思います。それでは、クレーン全体の安全性というのは、安全確保対策についてはどういうふうに考えておられますか。 # 江津港湾経営部長 江津港湾経営部長今お話がありましたように、ガントリークレーンなどの荷役機械の事故、これは内容によっては人命にかかわることだということでございまして、事故防止が大変に重要であるというふうに認識をしております。公共ふ頭のすべてのガントリークレーンにつきましては、先ほどご答弁申し上げましたように、月例、年次の定期点検を実施するとともに、自動車に例えますれば車検に当たる性能検査を二年に一回受検しているほか、年次修繕などにより適切な安全確保に努めておるところでございます。その上で、さらに今回、月例点検に新たに薬品による非破壊検査を追加するとともに、一号機、二号機の更新につきましては、来年度の予算要求をしたところでございます。 # 清水委員 清水委員予算要求をされたということなので、これが確実に確保できるように努力してほしいと思うんですけれども、いろいろな報道によって、私は、この事故が新潟県で起こったということは承知していたわけなんですけれども、余り自分たちの問題として、身近な問題としては受けとめていなかったんですが、改めて東京でもこういう事故が起こったということで、新潟の問題を改めて考えてみたんです。新潟では、突風によってストッパーを押して、二アームが回転するように倒れて重大事故になったということが報道されておりますし、また横浜港では、光ケーブルのトラブルでクレーンが誤作動したということを伺っています。それで、この破損事故については、東京の二号機の破損事故については人身事故には至らなかったわけですけれども、これを運転していた五十歳代のオペレーターの方は、事故以来、運転するのが怖くなったというふうにも聞いています。幸いなこと、人身事故がなかったからということもありますし規定どおりやっているということだけでなくて、更新するということなんですけれども、こういう事故は繰り返してはならない、繰り返されてはならないというふうに思いますので、今後とも安全確保策については慎重に進めていただきたいことを要望いたします。次の質問に移ります。臨海副都心開発事業会計について、先ほどから他の委員からも出されておりますけれども、伺いたいと思います。そもそも、開発当初において、臨海副都心という、その位置づけはどういうものだったのか、お伺いいたします。 # 小林臨海開発部長 小林臨海開発部長第二次東京都長期計画におきまして、東京の一点集中型の都市構造を転換するため、臨海副都心を第七番目の副都心として育成していく方針が定められました。これに基づき、具体策を定める臨海副都心開発事業化計画等の計画を策定し、開発を進めてきたものでございます。 # 清水委員 清水委員それ以来十九年たったということで、いろいろな途中での見直しとか対策がとられてきたことは、もうご承知のとおりですけれども、しかし、現在の実態というのは、先ほど来お話しされておりましたけれども、この開発当初、目的としていた、また位置づけられていた機能とは違うのではないかと。多心型都市をつくる、先ほどもいわれましたけれども、一極集中を解消するということで、当時の議事録なんかも見てみますと、当局や知事の発言などを見てみますと、情報化、国際化に対応して、主に業務床を中心として一極集中を拡散するんだ、多心型都市をつくるんだというふうにもいわれておりました。私は、当初の土地利用の計画から今の実態というのは離れていると。先ほど来、ホテルだとか、病院だとか、学校だとか、そういう施設などから現在は使われているといっておりますけれども、私たちは副都心には反対してまいりましたが、東京都自身がいってきたことからしても、かけ離れている実態だと私はいわざるを得ません。そして、その結果、土地の利用というのは無政府状態で、業務系がホテルに変わって、そして都民提案街区というのは、繰り返し議論がされておりますけれども、緑の確保を中心として、公園などであったものが、結局、都民提案の趣旨を生かすなどとごまかして四街区に分けて売却をするというものです。私は、今の実態というのは、負の遺産対策で都民の大切な土地を切り売りしているのが現状ではないかというふうに考えるわけです。どうですか。 # 小林臨海開発部長 小林臨海開発部長臨海副都心の開発の目的というのは、業務・商業、居住、文化など多様な機能を備えた都市形成でありまして、この開発の目的は当初から変わりございません。単に土地処分を進めているというわけではございません。 # 清水委員 清水委員議事録を、その十九年前の議事録を読んでくださいよ。知事のご答弁、港湾局長のご答弁などを見ますと、確かにこういうことは二十年、三十年後にどうなるかわからないからいろいろ並べてたかもしれませんけれど、しかし、副都心開発の目的はといって都民に説明するときは、この一極集中を是正しようと。これ、業務核都市多摩の心しんも同じなんですよ。業務核都市ビルをつくるといって、今、全部商業ビルですよ。そういう、まず土地の利用目的も大幅に変えられてきたのが実態だということを指摘しておきたいと思います。都債の償還問題について、先ほども質問され、ご答弁がありました。都債の大量償還というのは二〇〇九年、一〇年に予定されていまして、この二年間の返済予定額というのは、元金が二千四百億円、利子も含めると二千五百億円ほどだというふうに伺いました。それで、先ほどのご説明では、この大量の都債の償還をどうするのか、返済をどうするのかという問題で、およそ二千億円余りの都債額を上回る処分予想があるというご答弁をされましたよね。それで、その二千億円という根拠をいってください。 # 小林臨海開発部長 小林臨海開発部長先ほど申し上げたとおり、臨海副都心においても、今後の処分予定地も含め、強い引き合いや問い合わせが来ており、着実に土地処分を進めていけるものと確信しております。そういったことから、私どもは、都債の大量償還に必要な都有地運用収入等の収入を確保できるというふうに考えております。 # 清水委員 清水委員全然具体的じゃないですよ。引き合いがあるといっているだけじゃないですか。それで何で二千億円が土地処分できる可能性があるっていうんですか。具体的にいってください。 # 小林臨海開発部長 小林臨海開発部長これまでも申し上げておるとおり、二千億円という数字はございますが、個別具体的な区画についての数字をここで申し上げるわけにはいきません。これは当然不動産業界の常識でもございますし、なおかつ、今後価格競争というものも導入していますので、処分の決まっていないものについて公表するというわけにはいきませんので、お答えできません。 # 清水委員 清水委員それじゃ、今いわれたのは希望だけですよ、希望。必ず都債の償還ができるというような確実な数字ではないわけですよ。希望ですよ。そうなったらいいなという希望ですよ。それで、実際は、都心の業務床の推移などを見ても、都心五区では、これも繰り返しいってますけれども、十四年から十八年に四百五十ヘクタールも増加してます、都心五区で。それで、都心にね、都心三区、五区に企業が進出を期待し、遠い臨海部を敬遠する傾向がさらに加速するといわれている。マスコミなどでもいわれています。それで、遠いというだけではなくて、丸の内などに高い情報化対策を備えた企業などの進出。そこに企業が進出する、集中するというような状況もあるというふうに聞いております。私は、今ご答弁がありましたように、売れるんだといっても、そのような具体的なご説明もなかったし、具体的な提示もなかったので、本当にそのような結果になるか疑問があります。また、これまで売れたんだと、売れるんだといっても、なりふり構わず売っている状態です。まず、都民提案街区を変更してしまい、売り出しました。二〇〇九年からの大量償還に間に合わせるために収益を得ようとしているようですけれども、これまで何度も指摘しましたが、計画を書いてくれた、都民提案に採用された生徒を裏切ることになる。仮に売却するんだったら、仮にですよ、売却するんだったら、暫定利用のところを先に売却すればよいじゃないですか。 # 小林臨海開発部長 小林臨海開発部長臨海副都心開発の総仕上げの十年に入り、平成二十七年のまちの概成に向けて、これまで開発を進めてきた台場地区、青海地区南側、有明南地区の三地域を結びつける臨海副都心の核として、青海地区北側の開発に着手することとしたものでございます。なお、暫定利用されている土地は事業用借地権により貸し付けており、貸付期間終了を踏まえて順次公募していく予定でございます。 # 清水委員 清水委員そんなことわかっていますよ。だから、貸付期間終了後まで待てばよいことではないですか。都民提案街区を何でそんなに急ぐ必要がある、全くないということを私は感じます。じゃ、実際に売却の実態は、価格というものがどうなっているのか、お伺いいたします。平成十六年に売却した青海I区画のフジテレビジョンと、平成十九年に所管替えした青海A区画の都立産業技術研究センターの平米単価は幾らですか。お伺いいたします。また、平成十三年に売却した癌研究会と、十五年度から売却している有明の丘の十八年度の国及び建設局のそれぞれの平米当たりの単価は幾らか、お伺いいたします。 # 藤原営業担当部長 藤原営業担当部長既に処分いたしました土地の平米当たりの単価でございますが、まず株式会社フジテレビジョンは約八十三万円、東京都立産業技術研究センターは約九十九万円、平成十三年に処分しました癌研究会が約四十九万円、それから有明の丘の国の部分が約八十万、建設局が約七十六万でございます。 # 清水委員 清水委員私は、ほぼ同じ区域にある地域の民間の売却単価と公共の売却単価を今比べたわけです。それで、青海の、確かに駅に近いとか、そっちはいろいろ理由をいうかもしれませんけれども、テレコムセンターの、どちらも近いところにあります。そのフジテレビジョンが八十三万で、産技研が九十九万。で、有明の丘に近いそれぞれの、癌研究会ですか、後方支援病院などということで大幅に減額しているということでしたけれども、四十九万円、そして国が八十万、建設局が七十六万ということでは、どちらも、公共、国や都が高くなっている。私は、何でこうなってるのかということを、繰り返し何日もかけて伺ってきたわけですけれども、結局、証明が出されなかったということで、どうしても疑問なんですよ、そこがね。価格を決めるところがあるんだということだと思いますけれども、なぜですか。 # 藤原営業担当部長 藤原営業担当部長土地の価格につきましては、外部の専門家等から成る財産価格審議会の評定等によりまして、その位置、最寄り駅からの近接性、接道等の画地条件、それから容積率などに基づき適正に評価されたものでございまして、売却先によって云々というものではございません。ちなみに、フジテレビジョンと、先生のお話のございました都立産業技術研究センターにつきましては、隣地でございますけれども、駅からの近接性、それから容積率が大きく異なっております。 # 清水委員 清水委員そんなこと、耳にたこができるほど聞きましたよ。じゃ、それだったら明らかにしてくださいよ。はっきりさせてくださいよ。都民にわかるように、そういうことなんだと。そういわれたってね、中身がわからなければわかりませんよ。どうですか。 # 藤原営業担当部長 藤原営業担当部長ただいま申し上げましたように、それぞれの土地については、駅からの近接性とか容積率とか、それから画地条件、接道の条件、さまざまな条件によって評価をしております。今、先生が例示を挙げられましたフジテレビと産業技術研究センターについては、産業技術研究センターの方が駅に近い、それから容積率についても、三〇〇%と四五〇%というような差がございます。 # 清水委員 清水委員同じご答弁をいただいたわけですけれども、確認できませんね、それでは。幾ら駅に近いからといって、これだけ差があるのかということもまた疑問です。私たちが公共の方が高いんだといっても、それは否定できないものだと思います。公共がなぜ高く買わなきゃいけないんですか。都が都から買っているのに、本来なら無償で提供してもいいものではないですか。都が臨海救済するために都の施設を、これまでもそうですけれども、無理やり持ってきているといわれる場合もあると、そういわれても仕方がないものだと思います。しかも、都立産業技術研究センターでいえば、ご承知だと思いますけれども、北区西が丘にありました。北区や板橋区の業者や企業の年間四万五千件に上る依頼試験に対応するなど、頼もしい中小企業支援施設としての存在になっていたものです。それを、西が丘庁舎と駒沢庁舎を廃止して臨海部につくる構想は、当初は、北区や板橋区、区を挙げて反対していたものです。中小企業にとって身近に存在するからこそ、工業集積地域に存在するからこそ、今存続さえ危ぶまれる東京のものづくりを何とか支え、支援をしている施設です。無理やり城北地区から産業支援施設を移転してしまう、とってしまう、そういうやり方をして臨海救済をしているということに対しても、私は非常に疑問があります。また、既に進出している三セクビル、先ほどご発言ありましたけれども、聞くところによると、経費節約のためにビルの床を縮小したという話も聞いています。今後、さらなる業務床の拡大が見込めるのかも疑問です。破綻を繕いながら、抜本見直しを行うことをせずに突き進めてきました。さらに、今後、凍結していた共同溝の建設、基盤整備に莫大な都民の税金がつぎ込まれようとしています。これまでにも、石原都政のもとでさまざまな救済措置がとられてきました。有明の丘の買い取りでは、都が現物出資した土地を、また、防災拠点の名で四百八十億も出して買い取り、国際展示場への支援、臨海三セクへの支援なども行ってきました。さらに、これまでの破綻寸前の臨海会計を救ったのが三会計統合です。危機的な状態にあった臨海会計を救うために、埋立会計、羽田沖事業会計を統合させました。そして、その結果として千四百五十億円の内部留保金が確保できた、そのもとではないですか。当時、二会計分約三千六百億円、両会計からの旧臨海会計への貸付金は合計三千六百三十億円、埋立会計の資産と収益を見込んで、この統合を行い、赤字の穴埋めを行ってきたのです。これ以上の税金投入はやめるべきであり、決算委員会でも我が党議員が指摘してまいりましたように、都民財産である都有地は、地球環境保全がいわれているときに、土地利用を見直し、緑地保全地などに見直すのだったら活用すべきであることを主張し、この問題について終わります。次に、三宅島の復興支援について伺います。ことし、私自身、三宅島の調査に行った際に、各団体から寄せられた要望の一つとして、三池港、阿古港が通常、東海汽船の着岸港になっていますけれども、現在避難港として使用されている伊ヶ谷港を、大型船の着岸可能な港にしてほしいという要望が出されました。決算委員会でも我が党の議員が尋ねていますけれども、私もお聞きしたいと思います。伊ヶ谷港についてどのような整備を行い、今後どのような整備を予定しているか、お伺いいたします。 # 石山離島港湾部長 石山離島港湾部長伊ヶ谷港、伊ヶ谷漁港につきましては、災害時の避難用施設として、五千トン級の大型貨客船が着岸できる避難岸壁や取りつけ道路等の整備をこれまで進めてまいりました。今後も、災害時における安全性向上等を図るために、岸壁の拡幅を行うほか、避難時に必要な駐車場の整備を進めてまいります。 # 清水委員 清水委員今のお話はあくまで避難港として整備をするというお話でした。私は、常時使える、つまり、三池港や阿古港が波が大変荒いときに、この伊ヶ谷港は波が穏やかで、そうすれば、今でも九十何%といわれていましたけれども、しかし、そこに着くことができると。それで、やはり就航率を上げてほしいというのが地元の方の強い要望だったんです。つまり、常用港というんですか、避難港ではなくて常用港にする必要があると思いますけれども、その点ではいかがですか。 # 石山離島港湾部長 石山離島港湾部長三宅島の整備につきましては、一島二港の整備方針のもとで、三池港と阿古港の整備を進めているところでございます。現在、この両港での船舶の就航率は約九三%でございまして、伊ヶ谷漁港につきましては、残りの七%の悪天候の際に接岸できる場合にのみ利用されているという状況でございます。また、伊ヶ谷漁港につきましては、本来、地元漁船の拠点港として整備されている港でございまして、こうした性格上、今後とも三池港、阿古港の整備を進めまして、伊ヶ谷漁港の岸壁につきましては、災害時の避難岸壁として必要な機能の充実を図り、平常時には三池、阿古両港の緊急的な補完港として利用を図るものとしております。 # 清水委員 清水委員私はね、漁業関係者から要望を聞いてきたんですよ、そういう要望を。漁業専用港みたいなお話だったんですけれども、漁業関係者の方が強い要望を出されたもので、非常に印象があるんです。今、三宅島の観光客の不足ということでは、来年から空港が再開されるということになっていますけれども、一便だという状況を見ながらやるということでは、やはり港の整備というものが幾ら九三%といわれても、私たち、この数字の上で見るものではないと思うんですよ。地元の方が、波が荒いときにここに着けたらいいなということをいわれているわけですよ。そういう対応をすることが何でできないんですか。 # 石山離島港湾部長 石山離島港湾部長平常時におきまして、三池、阿古両港に着けないような場合、そして伊ヶ谷港に着けるような場合については、着けるような状況になってございます。 # 清水委員 清水委員しかし、切符を売るところもないんですよ。阿古港で切符を買って、それでこちらに村のバスに乗せてきてもらって乗る。本当に今は臨時の港の機能しかないじゃないですか。私は、この常用港としての整備が、観光客をふやすというならば、非常に重要な港湾局としての仕事だと思うんです。先日、知事が三宅に行ってオートバイレースをやったようですけれども、本当に三宅の復興というのだったらば、こういう観光客を常時ふやすような対策がここにもあるんだから、あるところを整備することが必要ではないですか。強く要望して、質問を終わります。 # 増子委員長 増子委員長この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。午後二時五十八分休憩午後三時十分開議 # 増子委員長 増子委員長休憩前に引き続き委員会を開きます。質疑を続行いたします。発言を願います。 # 大西委員 大西委員質問させていただきます。まず、東京臨海ホールディングスについて、この一月に設立されたわけですけれども、設立のねらいは何だったのか、また、設立後の実績から見て、ねらいは妥当だったといえるかどうか、お聞きします。 # 山本監理団体改革担当部長 山本監理団体改革担当部長臨海地域は、港湾機能と都市機能が相互の調和を図りながら開発や事業を進めていく必要がございます。そのため、臨海地域を活動基盤といたします監理団体を経営統合いたしまして、東京港の国際競争力の強化と臨海副都心開発の総仕上げの推進体制を一層充実させることを目的といたしまして、臨海ホールディングスを設立したものでございます。臨海ホールディングスは、本年九月に、その設立趣旨を踏まえまして、交通、観光、企業活動支援、環境、防災といった視点からのエリアマネジメントを推進していくこととしたグループ経営基本方針を策定したところでございます。臨海ホールディングスグループは、この経営基本方針で示しました取り組みの方向性に基づき、地域が抱えるさまざまな問題の解決に貢献していくものと考えております。 # 大西委員 大西委員臨海ホールディングスに加わっている第三セクターの経営状況を改めて伺いたいと思います。 # 山本監理団体改革担当部長 山本監理団体改革担当部長現在、臨海ホールディングスグループに参加しております各子会社の経営状況は安定している状況でございます。民事再生いたしました東京テレポートセンターにつきましても、一連の民事再生手続によりまして債務超過状態が解消されるなど、経営基盤は強化されております。 # 大西委員 大西委員まだ日が浅いこともありますし、何よりも、いろいろな民事再生法とかそういうことをやって、手厚くやって、ホールディングスに加わったわけですから、今の時点ではそのような答弁であるのかなと思っております。臨海ホールディングスへの期待の一つは、管理の合理化による役員数の削減だと思います。発足後、ホールディングスグループの各社の報酬役員数、それから報酬額は減少したのか、また職員数についてはどうなのか、伺います。 # 山本監理団体改革担当部長 山本監理団体改革担当部長二十年度にグループ化を予定しております埠頭公社及びビッグサイトを加えました臨海ホールディングスグループ全体の本年八月における常勤役員数は十五人でございまして、統合前よりも二人減となっております。また、この役員数の減少に伴いまして、報酬総額も減少しているところでございます。それから、職員数でございますが、統合前に比べ、全体で十八人減となっております。 # 大西委員 大西委員臨海ホールディングスグループの常勤役員のうち、東京都からの天下りはどれくらいいるんでしょうか。 # 山本監理団体改革担当部長 山本監理団体改革担当部長二十年度にグループ化を予定しております埠頭公社及びビッグサイトを加えたホールディングスグループ全体の常勤役員数は、先ほど申しました十五人でございますが、このうち東京都のOBは九人でございまして、統合前に比べ二人減となっておる状況でございます。 # 大西委員 大西委員この説明を聞くときに、役員の削減というものがない限りは都民も納得しないですよ、だからやっていますというようなことを聞いたんですが、改めて数を聞くと、それほど多くはないなというのが正直な感想です。監理団体の経営統合が目的だったとすれば、経営を担う役員がホールディングスに集約され、結果として大幅に削減されるのがあるべき姿だと考えます。しかし、現状は、ただ会計を不透明にしたり、財務的救済措置の隠れみのとなっただけではないかなというふうに、今の、淡々として聞いたんですが、改めてちょっと私の感想です。今回、委員会をかわりまして初めての質問で、きょうはこの辺に、この問題はとどめておきたいと思います。次に、晴海客船ターミナルについて伺います。晴海の客船ターミナルについて、余り利用者が多くないと聞いておりますが、晴海客船ターミナルはもともと内外の豪華客船に寄港してもらうためにつくったとされておりますが、いかがでしょうか。 # 江津港湾経営部長 江津港湾経営部長晴海客船ターミナルは、平成三年五月に、本格的な外航クルーズ客船が相次いで就航し、東京港への寄港が増加するという動きにこたえるとともに、都民に親しまれる港づくりを進めるために開設いたしました。施設は、当時の世界最大級の規模を持つ客船が寄港できる構造としてつくられてはおりますけれども、こうした豪華客船だけではなく、客船全般を広く対象とした施設でございます。 # 大西委員 大西委員発足当時から臨海客船ターミナルの利用隻数はどのように推移しているのか、教えてください。 # 江津港湾経営部長 江津港湾経営部長客船ターミナルの開設当初は年間三百隻程度の客船の利用がございました。しかし、平成八年以降、日本全体における客船乗客数が減少に転じた影響も受けまして、利用隻数は減少いたしまして、平成十七年には年間二十二隻となっております。平成十八年は年間二十七隻とやや持ち直しいたしましたところでございますが、私どもといたしまして、これまで、多くの客船に東京港を利用してもらえるよう、海外でのポートセールス等の機会をとらえ、クルーズ会社への誘致活動等を行ってきているところでございます。今後さらに効果的な誘致策を検討し、客船の寄港数の増加に努めてまいります。 # 大西委員 大西委員東京港と横浜とを比べたときには、隻数はパイとしてはそのままだけど、それを横浜に食われてしまっているというのを聞きました。大きな豪華客船「クイーンエリザベス」とかそういうものが入港できないということ、これはレインボーブリッジの建設で通らないというようないろいろな問題があると思うんですけれども、何でそういうものをしっかり考えてつくらなかったのかなという素朴な質問がありますし、同時に、横浜港の大桟橋がリニューアルされて、かなりの客船が東京港からシフトしておりますし、私は、小さな港の中での役割分担というものもあっていいんじゃないか、何も横浜に頑張ってこちらに持ってくることもないんじゃないかなというような、選択肢があってもよかったんじゃないかなと思います。しかし、今、ただ花火大会に使っているだけではもったいないわけです。晴海の客船ターミナルは、今聞きますと一割以下の利用にとどまっておりますので、施設が遊休化しているといわれても、指摘されても仕方がない状況だと思います。多角的な観点でどのような活用があり得るのか、さらに検討をしていきましょうということで、質問を終わりたいと思います。次に、もう一つあるんですが、モーダルシフトについてお聞きしたいと思います。貨物を船で運ぶ場合、トラックによる陸送に比べて、重量当たりでどれほどの二酸化炭素の発生量を抑えられるのか、教えてください。 # 江津港湾経営部長 江津港湾経営部長国の調査によりますと、船舶による輸送量当たりのCO2排出量は、営業用トラックに比べ約五分の一に抑えられるとのことでございます。 # 大西委員 大西委員五分の一に抑えられているということで、船というものが今後の環境対策に非常に有効な手段であるんだということがあるんですけれども、なかなかモーダルシフトが進まないんですが、その原因は何だとお考えでしょうか。 # 江津港湾経営部長 江津港湾経営部長内航海運によるモーダルシフトが進んでいない理由といたしましては、荷主にとって、トラック輸送に比べ輸送時間が長いこと、運航頻度が低く、貨物輸送スケジュールが立てにくいことなどが挙げられております。 # 大西委員 大西委員今、本当に簡単便利ということ、便利な世の中というものを追求する余り、そこに環境的にもまたいろいろな問題が出てくるわけです。そういうことを追求していると、確かに荷主にとって、トラック輸送に比べ輸送時間が長いことや時間的に余裕がないとか、いろいろな問題があると思うんですけれども、多少のデメリットがあるにしても、大気汚染の改善を促すことは喫緊の課題です。そして何よりもCO2を削減するということを考えたときに、ある意味私たちの暮らしそのものが大きな転換を迫られているということもあって、そういう意味でも港湾事業もそういうものに大きく方向転換というか、そのことも視野に入れた中での対応が求められているんじゃないかと思うんですけれども、都としてどういう取り組みをしているんでしょうか。 # 江津港湾経営部長 江津港湾経営部長東京港ではこれまで、内航海運による海上輸送が二酸化炭素の排出量の抑制につながるとともに、長距離大量輸送に適した輸送手段であることから、長距離フェリーの専門ふ頭の運営や、北海道、九州、沖縄航路といった航路別の優先ふ頭の指定を行ってまいりました。今後、内航貨物の流通形態の変化として、一層のユニット化やローロー船の大型化などが進んでおりますので、これらに対応するために、船舶からの積みおろしスペースの拡大や、背後ヤードを広げたユニットロードターミナルの整備を計画的に行うこととしております。このほか、京浜三港間の連携ということで、東京横浜間の空コンテナのトラックによる横持ち輸送を、京浜三港と国や民間事業者とともに、はしけによる海上輸送にシフトするということで、そういった実験を行いまして、その結果を踏まえまして、現在、民間ベースで、はしけによる定期輸送が行われるというような成果を得ております。 # 大西委員 大西委員先ほどの質問の答弁の中に、これからの港湾局の優秀な人材像というんですか、三項目おっしゃったんですけど、その中に一言も環境ということが触れられていなかったんですね。すべて経営的な観点、それから物流、民間との連携。それは本当に実務的なところで大切な問題だとは思いますけれども、今や特に建設事業もすべて、法の改正の中に環境保全というものが一番に出てくるような時代になっています。ぜひ港湾局でも、優秀な人材像の中に環境との共生ということも含めて、どういうふうに取り組んでいくのかということもぜひ入れていただきたいなと思っております。アメリカなんですけれども、すごく自動車社会ですけれども、今、対策の中で、これまで鉄道をはがして道路にしていたところを、もう一度鉄道をつくって、そういう輸送につなげようとか、欧州ではもともと川を初めとする、海上輸送というものも盛んですが、それぞれの物理的特性等を踏まえたモーダルシフトを積極的に展開しております。我が国ではモーダルシフトが余り進んでいないような答弁が今ありましたけれども、都としても、温室効果ガス削減のための数値目標を設定して、国や民間事業者との連携を進め、モーダルシフトの一層の推進に向けて努力していただきたいなと、今、質問を投げて、答弁を聞いている中で、改めてそれを感じております。特に、先ほどの答弁の中に、新アクションプランの改定に向けて環境対策検討委員会が立ち上がり、環境に特化したものをこれから検討するというようなこともいわれておりましたので、ぜひこの中に、港湾局の事業としてCO2対策をどうするのか、モーダルシフトも含めて、これはある意味私たち国民とか、都民にとっても、不便さを覚悟するものもあるかもしれないんですけれども、今まさに便利、便利で追求していく時代ではないんだということを踏まえて、こういう観点からも取り組んでいただきたいということを要望しておきます。以上です。 # 神林委員 神林委員これから、海の森について何点か伺います。ことしの二月、海上公園計画を告示した海の森公園は、中央防波堤内側のごみと残土の埋め立てを、約八十八ヘクタールの緑あふれる森に生まれ変わらせ、水と緑の回廊に包まれた美しいまち東京を実施すると説明されています。苗木四十八万本を植栽する計画で、概成は平成二十八年度ですが、今年度より三十年をかけて整備完了する予定と聞いております。そこでまず初めの質問としまして、この海の森が現在、現場の状況がどのようになっているのか。また、今後の主な整備の進め方についても伺います。 # 小林臨海開発部長 小林臨海開発部長現在は、都内の公共工事から発生する建設発生土の仮置き場となっている、まだ未整備の予定地でございます。海の森は、ごみと建設発生土の埋立地を緑あふれる大きな森とする事業でございます。この事業は、苗木づくりから植樹、管理までを都民、企業、NPO等の参加と協力のもとに行うという都民との協働と、公園や街路樹の枝葉を利用した堆肥づくり、浄水場発生土や下水汚泥のリサイクル製品を活用した土づくりなどの資源循環型の森づくりの二つを、整備方針の大きな柱としているところでございます。今後、オリンピック計画と整合を図りながら、主として斜面地の森の整備を先行していき、今後十年程度で海の森を概成させていくつもりです。 # 神林委員 神林委員やっと始まったということで、これからということだとは思いますがね。平成十六年十一月二十九日に当委員会で趣旨採択されております、日本ボーイスカウト東京連盟提出の、海の森構想の中で青少年のキャンプができるよう求める請願の議事録を私も読み返してみましたところ、この答弁の中で、当時の鈴木臨海開発部長は、当時は仮称でございますが、仮称海の森の構想では、ふれあいの林などにおいて、自然に親しみながら、青少年がキャンプを初めとして多様な野外活動を体験できる場を想定しており、キャンプは海の森構想に沿った利用形態と考えているとしております。そこで、私の方の質問で、ずばり、この海の森の中に今後キャンプ場の置き込みをどのように検討しているのか伺います。 # 小林臨海開発部長 小林臨海開発部長この海の森は、都民共有の財産であり、つどいのくさ原、ふれあいの林、観察と保全の森などから成り、より多くの都民がいつでも気軽に訪れることができる、活気あふれる個性的な公園を目指しております。キャンプにつきましては、自然観察やレクリエーションなどの多様な野外活動を体験できる、ふれあいの森などが適切と考えております。具体的な施設計画につきましては、今後策定いたします整備計画の中で検討してまいります。 # 神林委員 神林委員私どもの区にもございます城南島海浜公園のキャンプ場など、既存の海上公園のキャンプ場を見てみますと、草木がきれいに刈り込んであったり、炊事場、トイレはもちろんのこと、野外炉、テント、キャンプファイア、バーベキュー会場まできちっと整備された会場となっております。現場のボーイスカウト関係者によりますと、子どもたちが真の自然体験や集団での生活体験を通して、自然に感動し、感性を高め、豊かな人間関係を築く力を養うためには、むしろ余り整備されたキャンプ場よりも、現在の海の森の状態のように自然のままの状況が好ましいということであります。現代の子どもたちに最も欠けているのが、自然の森、林、水辺など、ありのままの自然の中で多様な野外活動を体験できる場だと考えます。そこで、海の森公園におけるキャンプ場のあり方について伺います。 # 小林臨海開発部長 小林臨海開発部長海の森を初めとする海上公園は、多くの都民が自然の中で多様なレクリエーションを展開するとともに、安らぎ、自然を学ぶ場でございます。ご指摘のとおり、自然の森、林、水辺など、ありのままの状態で自然を体感できるキャンプや自然観察など、さまざまな野外活動ができることが大切と考えております。 # 神林委員 神林委員ただ、この海の森にも弱点がございまして、その委員会でも指摘があったようでございますが、海の森で最大の弱点は、ごみと残土の埋立地であるためのガスの発生でございます。当然、十分な安全性の確保が必要となりますが、人体や野外活動への影響、火の使用などに関する見解と見通しを伺います。 # 小林臨海開発部長 小林臨海開発部長海の森予定地では、現在、地中のガス収集管で集められたガスを利用して発電を行っている状況でございます。平成十八年度に地表で測定されたガスの量は一分間に一ミリリットル以下で、ほぼ発生は見られておりません。でございますので、一般的な公園利用を行う上では、健康上も、火の使用も問題ないと考えております。今後、海の森を利用するに当たっては、ガスの測定ポイントをふやし、きめ細かな調査を行い、安全を確保してまいります。 # 神林委員 神林委員ぜひここで一点要望しておきたいと思いますが、ガス抜き、換気、ガス探知器などの処置を十分施して、一日も早く正常な活動ができるようにお願いいたします。続きまして、現在、東京都の城南地域のボーイスカウト連盟が使用している訓練所は、都有地にある品川区の大井ふ頭野外活動広場であって、現在、この城南地域内で唯一の施設であります。平成十六年の請願の中にも、貸し出しができなくなることが危惧されております。現場の皆さんは、現在の訓練所からいずれは海の森公園に移行できることを強く希望しておりますが、肝心なことは、子どもたちの健全育成の場が一日たりとも消滅してはならないということでございます。大井ふ頭野外活動広場がいつまでの期間、使用でき、かつ海の森が十分に活用できるまでの間、訓練所をどのように確保していくのか、考え方を伺います。 # 小林臨海開発部長 小林臨海開発部長品川区の大井ふ頭野外活動広場は、海上公園の予定地であるとともに、国道三五七号の工事予定地でもございます。現在までのところ、国道三五七号の工事予定等は明確になっておりません。可能な限り現在の使用形態を存続させていきたいと考えております。今後、青少年の健全育成に努力してこられたボーイスカウト団体の活動が継続できるよう、港湾局としても努力していく所存でございます。 # 神林委員 神林委員ここでも一つ要望させていただきますけれども、子どもたちの健全育成に長年努力を重ねておられる現場の皆さんとよく話し合って、訓練所が継続して確保できるよう対応することを強く要望しておきますので、よろしくお願いいたします。順調な答弁をいただきましたので、ちょっと早目でございますが、最後の質問とさせていただきます。今回の海の森づくりには、都内小学校やボランティアによる苗木の植樹、海の森募金など、都民、企業、NPOなどと都の協働による森づくりがうたわれています。私も、ボーイスカウト連盟から、植樹や草刈りなど協働や参画を惜しまないと承っておりますが、当然、こうした活動に参画を希望する多くのボランティア団体からは、協力や参画の申し出があると思います。そこで、最後の質問となりますが、これらの団体との情報や意見の交換を重ねることが大切と考えますが、今後どのように進めていくお考えがあるのか伺って、私の質問を終わります。 # 小林臨海開発部長 小林臨海開発部長海の森事業は、先ほども申し上げたとおり、苗木づくりから植樹、管理までを都民、企業、NPO等の参加と協力のもとに行うという、都民との協働で実施するものでございます。これまでも小学生による苗木づくりを進めており、本年度からは、苗木づくりの参加範囲を、企業、NPO等の各種団体に広げてまいりました。来年度実施予定の植樹祭の企画、運営にもボランティア団体の参加を検討してまいります。また、植樹や草刈りにも個人や団体の参加を公募していく予定であり、その活動を進める中で、都民や団体との情報や意見の交換の場をつくってまいりたいと思います。 # 馬場委員 馬場委員それでは、港湾事業の振興について三点お伺いいたします。東京港は、今皆さんからお話がありましたが、かつてはレインボーブリッジの内側に当たる芝浦ふ頭、日の出ふ頭、竹芝ふ頭というふ頭があり、そうしたところで大きな事業を行っていたわけですが、現在ではそれが外側に広がって、大井ふ頭、青海ふ頭等が港湾の主力になってきている状況です。それでは、以前のふ頭、今の芝浦、日の出、竹芝、また、埋め立てで大きくつくられた月島ふ頭、晴海ふ頭、豊洲ふ頭、それから臨海副都心も含めて、たくさんあるわけですが、まず、内港地区の現況についてお伺いしたいというふうに思います。都心部に近い、今申し述べました地域、ここでは随分市街地化が進んでいるというふうに受けとめています。確認も、先般も大江戸線のお話で、築地、月島あたりでは大変乗降客がふえてというようなお話もあって、視察にも行ってきたところですが、本日も、質問するに当たり、築地市場、それから月島ふ頭へ、ちょっと車で午前中に回ってまいりました。大変高層の集合住宅、そして商業施設がどんどんできているという状況です。今回、ふ頭港湾事業、それから、ふ頭という役割についてご質問しようと思って考えていたんですが、そもそも、ふ頭というふうに使っているのが、私たち一般的にというか、地域をあらわして、ふ頭というふうに使っていたような気がするんですね。ふ頭というのはどこを正確にあらわすのだろうかと、質問するので、改めてお伺いしましたところ、埋め立てをするときに、ふ頭をつくるという意味ででしょうか。その埋め立てをする地域を、ここでいえば月島ふ頭、晴海ふ頭、豊洲ふ頭、そういう名称で呼んでいて、その中のふ頭、港湾物流の、そういう使い分けというか、そういうふうになっているということなので、なかなか整理がしにくいのですが、全般的に私たちが豊洲ふ頭というときには、ふ頭そのもののことよりは地域をあらわして使ったりしてしまっていますので、その辺なんですが、きょうは港湾局さんということですので、その辺、質問の中でもごちゃごちゃになるかもしれませんが、ご理解ください。竹芝、日の出、芝浦、ここはまだそれでも、ふ頭の用地として使われているというふうに思いますが、今、例に挙げた月島のふ頭、晴海のふ頭、豊洲のふ頭等、こうした地域のいわゆるふ頭機能というのは今どうなっているのか、まずそこからお伺いしたいと思います。 # 江津港湾経営部長 江津港湾経営部長都心に近い各ふ頭の状況でございます。まず、晴海ふ頭でございます。こちらの方は貨物の取扱量は四十五万トンでございまして、同時に内外の客船が寄港するという基地になっております。それから、月島ふ頭でございます。こちらの方は貨物の取扱量三万トンでございまして、内貿の水産の漁業基地、こういう形になっております。それから、豊洲ふ頭につきましては、もう既にほとんど港湾機能がなくなっておりまして、貨物の取扱量はゼロということでございます。 # 馬場委員 馬場委員かつて、ふ頭として目的でつくられて、それぞれ特色があって、そのまま今の月島のように、水産等加工業者がまだふ頭のところにいらして、あと、都心に近い部分はもうどんどん市街地化してきているわけですが、晴海のお話はさっき大西副委員長からありました、客船化と、まだ少しふ頭用地が残っている。豊洲は、ふ頭という役割は今持たれていないという状況だと思います。また、芝浦、日の出、竹芝はそれぞれ貨客船との併用という形で残っているというふうに思います。こうした一番都心に近いふ頭、水辺の問題等出て、環境をよくしてという話もあります。先ほど局長からも、東京港の姿で、景観がすばらしいというようなお話がありましたが、私も賛同できるのは夜かなと。夜景はすばらしいなと本当に思いますが、昼、そういう意味ではまだまだ、かつての港湾事業をしていた役割が残っているということも含めて、まだ景観というところには至っていないというふうに思いますが、レインボーブリッジから都心に向かっての内港地区、ここについては、豊洲も含めて、それぞれの今までと違う役割を果たそうとされているわけです。こうした動きについて実はどこにも触れられていないのではないかと。今後ここをどんなふうにしていくのかというようなことについて、一生懸命探したのですが、余りありません。例えば、先ほどからお話が出ている第七次の港湾計画のところも、この七次が出た後、オリンピックのお話が出てきた、そういう状況ですし、その前につくられた、今も見ていたのですが、平成十三年のベイエリア21、ここでももちろん、そういうオリンピックも含めてのお話が全然なかったときの話です。こうした、今までの物流の話と別に、この内港地区というのは、もう少し港湾局さんがこれからの対応というのを考えなければならないのではないかというふうに思っております。「十年後の東京」もいただいているのですが、「十年後の東京東京が変わる」という冊子の中で港湾に触れられているのは、一番最後のページのこの絵ですね。今私が申し上げた、ふ頭が並んでいる絵です。オリンピックのメーン会場となる臨海部というふうになっております。こういうことも含めて、港湾局さんの中でお話が出てこないというのがちょっと不思議でならないのですが、こうしたことについても、これからまた機会を得てご質問したいというふうに思いますし、その辺の状況についてもぜひとも報告をいただきたいと思っております。続きまして、先ほどからのお話で、物流というのが、外貿、内貿の貿易ということが大きく港湾局さんの事業だというふうに思っています。この貨物量につきましては皆様方からお話がありました。外貿の貨物が大変ふえている。特に中国、東南アジア関連のコンテナがふえているということで、先般も視察に行きましたが、けさも、月島に伺う前に、地元ですので、少し通ってから行きました。きょうは大変な車の量で、私ども地域から考えると、大変な交通渋滞も含めての問題点をたくさん抱えております。そうした観点から、中央防波堤整備ということで、大井ふ頭と同じ轍を踏まないよう、交通アクセスだけではないのですが、あらゆる面で新しいふ頭については最大配慮をすべきというふうに考えておりますが、この点いかがでしょうか。 # 江津港湾経営部長 江津港湾経営部長コンテナふ頭を整備する中央防波堤地区への交通アクセスを改善するために、現在、臨海道路II期事業を平成二十二年度完了を目指して推進中でございます。今後は、中央防波堤外側コンテナターミナルとその背後の道路を含め交通の円滑化が図れるよう、コンテナ車両の動線等についても検討してまいります。なお、大井ふ頭の背後の渋滞対策につきましては、先ほど担当部長の方からもご答弁申し上げましたけれども、これまで、コンテナ車両の専用レーンを設置して、ウエブカメラの設置による渋滞情報の提供など、その提供に努めてきているところでございます。 # 馬場委員 馬場委員対策をとっていただくというのが施設管理者として大事なことなのですが、そもそも東京港というのがどういう役割を担い、今どういう状況になっているかということですね。先ほど米沢委員さんからも最初にありましたように、大きな原因が輸入と輸出の差があるという、ここでさまざまな課題が大きく一つあります。その取り扱いの、早く荷をさばくというようなさまざまな課題もありますが、地域の交通がそもそも渋滞するということも含めて、この辺の物流、流通については、十分条件を了解した上で対策をとっていただきたいというふうに思っているのですが、そのためには輸出量をふやせば、輸出と輸入のバランスをとれば、空きコンテナをそれほど置いておかなくてもいいとか、シャシーの問題とかも解決できるのではないか。私も、それが早くできればそれに越したことはありませんし、経済から考えても、経済コスト、つまり、輸入超過で空きコンテナを置いておくにもお金がかかりますし、コンテナをまたもとに戻すのにも費用がかかるわけですし、そもそも空で戻さなきゃならないということを考えれば、経済的、物の値段に付加されるということも含めて、輸出のものをふやすということもぜひともご協力いただきたいのです。先般出ました物流についての冊子、都市整備局都市基盤部交通企画課で出された、総合物流ビジョンというところにも、そういう意味ではかなり指摘がされております。具体的に、首都圏を見据えた物流効率化への課題という中で、阻害の要因、問題点というところで、例えば輸出の製品名を挙げて、電化製品を運ぶ問題点、輸送機械、機械・金属、印刷、衣類等、生鮮食料品、加工食料品というふうに、それぞれの特性、物流の流れに応じて問題点を指摘されております。こうした中で港湾局として、局と局との連携というのでしょうか、そこも含めて、ぜひとも対応していただきたいというふうに思っておりますが、港湾局さんとしてはその点、今どんなふうに取り組まれているのでしょうか。 # 江津港湾経営部長 江津港湾経営部長総合物流ビジョンの中における都庁内での連携ということでのお尋ねでございますけれども、私ども港湾局におきましては、総合物流ビジョンをつくる際に、このビジョンというのは東京都としても初めてつくられたビジョンでございますけれども、参加いたしておりまして、そこに記載されております事項につきましては、私ども港湾局の取り組み、そういったものが半分以上反映されているのではないかというふうに思っております。そういったことで、このビジョンをつくった後も、各局が連携する中で、取り組みの進捗状況等について確認し合いながら施策を進めているところでございますので、今後とも各局と連携をとりながら、スムーズな首都圏の物流を目指しまして頑張っていきたいというふうに考えております。 # 馬場委員 馬場委員いろいろ聞かせていただきますが、今、ご認識があるということで、今後、十分対応をお願いしたいと思っておりますが、私も、考えてみると、東京という特に大都市圏というふうにいったらいいでしょうか、消費地を抱えている東京が輸入超過になるというのは、輸出をふやしていってバランスをとりたいと思っても、輸入超過になるという特質を持っているんだというふうに思わざるを得ません。ですので、輸出とのバランスということを十分これからも対策をとっていただくと同時に、これがいいか悪いかなんですが、大都市の特性ということをご認識いただいて、どうしても輸入超過になる部分のさまざまなデメリットということ、それが交通の問題や物流の価格に反映しないような対策をぜひともお願いしたいというふうに思います。先ほどの局長からのオランダの話もありました。私もちょっと伺ったところでは、空港の荷物受け取りみたいに、コンテナをIP化して、コンテナが運んでくると同時に、それがどこに行くものかというのがわかって、それがスムーズな物流になっている、そんなお話も私も伺ったことがあります。東京というところでの物流が日本一、世界にも通用する、そして何よりも、物流で、それが消費の価格に上乗せされないように。都民の生活を担うという意味では大事な役割だというふうに思いますので、局長、また皆さんも、ぜひとも今後とも全力を挙げて取り組んでいただきたいということをお願いして、質問を終わります。 # 小竹委員 小竹委員私も質問させていただきます。これまで私たちは、港湾の重要な公的責任を負っている埠頭公社については民営化すべきではないと主張してきましたが、港湾局の方針で十月からは受け皿会社の東京埠頭株式会社ということになって、民営化への道が進められています。埠頭公社が行っている事業には、外貿ふ頭の建設や管理業務などのふ頭の事業、先ほども議論がありましたけれども、そういうものとともに、東京港の安全確保や水域の環境を守るために欠かすことのできない重要な事業が委託事業として行われています。こういう点で公社が行っている事業にどういうものがあるのか、まずお伺いします。 # 小宮港湾経営改革担当部長 小宮港湾経営改革担当部長先ほどご質問があったのは、東京港のいわゆる港内サービスということだと思いますが、船舶を使った港内清掃、船舶からの廃油回収、船舶への給水といった事業を実施しております。 # 小竹委員 小竹委員今お答えいただいたんですけれども、港内清掃にしろ、廃油の回収や船舶給水にしろ、東京港で船が安全に運航できるようにするという点でのサービスでは非常に重要な仕事だというふうに思います。これらの事業は、相当昔は港湾局が担ってきた事業でした。事業そのものが採算のとれるものではないという点もあったと思うんですけれども、民営化されて、もうけの対象にされるということになれば、重大だなというふうに考えています。例えば船舶の廃油回収業務については、現在、公社の自主事業として行われていますけれども、港湾局の事業概要を見ますと、年々船舶廃油の回収量が減って、事業収入が悪化しているということが記載されています。そういう、どんどん回収量が減ってくる中で、公社への委託が行われたというふうに書かれているんですけれども、事業概要では、昨年、おととしを見ますと、廃油の回収量は半分に減っているんですね。その前年の半分に減っているという状況がグラフになって出ているんですけれども、赤字が広がっているということになるのではないかと思われます。廃油回収業は港を維持していく上での重要な事業ですから、採算がとれなければ、継続することが困難にもなりかねないということにもなります。今まで赤字のもとで公社がやってきたのは、維持するために港湾局として具体的にどういう対策がとられてきたのか。そしてまた、これが民営化後も継続していくのかどうか、その点、お伺いします。 # 小宮港湾経営改革担当部長 小宮港湾経営改革担当部長廃油回収につきましては、東京港の環境維持のために必要な事業と考えてございます。公社においては、これまで自主事業として、利用ニーズを踏まえまして適切に遂行してまいりました。東京都としても必要な対応をしております。なお、事業の継続につきましては、法律に基づきまして、民営化後も公社の事業については引き継ぐことになってございますので、継続して実施することになろうかと存じます。 # 小竹委員 小竹委員必要な対応を港湾局がやっているというのは、具体的にどういうあれですか。 # 小宮港湾経営改革担当部長 小宮港湾経営改革担当部長実績に応じまして補助をさせていただいております。 # 小竹委員 小竹委員回収量が減ったというのは、民間の船舶が回収設備をつくったというふうなこともいわれていますけど、そういうのができるのはやっぱり大手の船会社だというふうに思うんですね。そういう点でいうと、中小の船舶にとっては欠かせない事業ですから、そういう点でもきちんと継続していただくということは強く求めておきたいと思います。本来であれば港湾局がやるという事業にも当たるわけですし、公的な責任を果たすという点でも、今後事業が引き続き継続できるようにお願いしておきたいと思います。同様の事業として、船への清水を供給するための船舶給水施設管理事業というのがありますけれども、この事業は埠頭公社に委託した事業で、一昨年までは行われてきました。これも給水量の減少で委託費が年々減ってきた状況です。ところが、平成十八年度から指定管理者制度が導入されて、委託費が十七年度の半分になってしまっています。指定管理になって、船舶給水事業の委託管理費が半分になった理由は何なんでしょうか。お答えください。 # 小宮港湾経営改革担当部長 小宮港湾経営改革担当部長公社におきましては、十八年度から公の施設の管理委託について指定管理者制度が導入されることを踏まえまして、それ以前から、経営努力の一環としまして、業務運営方法の見直しなど業務の改善に取り組んでまいりました。その結果として効率的な運営が可能となったため、委託費の削減につながったものと聞いております。 # 小竹委員 小竹委員指定管理者である埠頭公社が決めたことではあるわけですけれども、埠頭公社の経営努力の一環ということで、効率的な運営というふうなお答えなんですけれども、給水事業の給水量が減っているという点、それから、清水を供給するのに必要なものというのは、船から供給する場合と陸にある施設から供給するのと二通りあるわけですけれども、供給する上においては人がやらなきゃならないという点では、私は、そういう人のところに影響が出てしまうような状況になったら問題だなというふうに思うんですね。経営の効率化という名のもとに人件費が削られていくというのに危惧を抱いています。この点では、人件費のカットにつながらないようにすることがやはり重要だというふうに思います。この点は指摘をしておきます。今後民営化していくわけですけれども、清掃、廃油の回収、それから給水、これらの事業は東京港のサービス事業として絶対欠かすことができない事業だというふうに思うんですけれども、取扱量の減少とか、採算や何かの問題で、民営化の前後でどういうふうになっていくのか、将来にわたってどう担保されるのか、この点、お伺いします。 # 小宮港湾経営改革担当部長 小宮港湾経営改革担当部長先ほどもお答えしましたが、公社民営化に当たっては、いわゆる改正承継法の規定に基づきまして、公社に関する権利、義務がすべて新会社に引き継がれ、現行の公社事業も新会社に承継されることとなります。港内清掃、廃油回収、船舶給水といったこれらの事業につきましても、東京港の環境維持や利用者サービスのために重要な事業であり、こうしたサービスは引き続き実施していく必要があると考えてございます。 # 小竹委員 小竹委員引き続き重要だということでお答えいただいたんですけど、事業をやる上でのノウハウも公社が持っているわけですから、そういう意味では、きちんと将来にわたって事業として維持されるように強く求めておきます。この間、コストの削減、業務の効率化ということで、埠頭公社は指定管理者制度などに対応することが迫られてきました。そういう中で、公社では固有職員に対して、指定管理者に応募するためにコストの削減、給与の削減は避けられないということで、給与の一〇%カットが提案された。それから、指定管理で南部地区の公園がとれなかった結果で、職員にいわれたのは、今手を挙げたら退職金を割り増しをつけるからということで、事業の縮小に手を挙げるよう求められたということですが、この辺の事情は港湾局は承知、掌握しておられるのでしょうか。その点いかがですか。 # 小宮港湾経営改革担当部長 小宮港湾経営改革担当部長公社の勧奨退職制度につきましては、組織の活性化という視点から公社において従前より導入しているものでございます。また、指定管理者導入直前においても、あくまで退職の意向については職員個々の自主判断で、強制的に促したという事実はないと聞いております。 # 小竹委員 小竹委員自主的な判断、確かにそういう部分はあろうかというふうに思いますけれども、賃金のダウンと、仕事がなくなるという不安を職員の皆さんが抱いたのは間違いない事実だというふうに思うんですね。やめられた方が相当数いらっしゃるんですよ。数の点では、局がつかまれているのと違った数字だから明らかにはしませんけれども、本当にそういう意味で働いている人たちの仕事が守れないというような状況が、今後、指定管理者制度が広がっていく中ではどんどん広がっていくということになりかねないと思うんですね。しかも、先ほどいったように、単価が半減するような格好になっていけば、今社会問題になっているワーキングプアの問題にも、そういう形にもなりかねない問題だということは指摘しておきます。このときの労使交渉で、埠頭公社の側からは、民間との競争により外郭団体の経営を改善しコスト削減を実現するという指定管理者制度の趣旨を考えれば、公社の現状の給与のままでは、公社が指定管理者に選定されることは困難だということをいっているんですね。それから、公社の基本財産を東京都が一〇〇%出捐しているということから都の事業を受託していることなども踏まえて、都が見直しを行った場合に給料の見直しを行う必要があるんだということまで経営者の側がいっているという点でも、私は非常に問題だというふうに思うんです。そういう点で見ますと、働く人たちの労働条件を守るということなど、やはり港湾局がきちんとやっていくということで、ゆめゆめワーキングプアをつくり出すようなことは絶対にやめていただきたい。都民サービスを守る上でも、働く人たちの労働環境を守るために、民営化はやめるべきだということを申し上げて、終わります。 # 増子委員長 増子委員長ほかに発言がなければ、お諮りいたします。本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 増子委員長 増子委員長異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。以上で港湾局関係を終わります。 # 増子委員長 増子委員長これより中央卸売市場関係に入ります。事務事業に対する質疑及び報告事項の聴取を行います。事務事業及び豊洲新市場予定地における土壌汚染対策等についての報告事項については、既に説明を聴取しております。その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。資料について理事者の説明を求めます。 # 大野管理部長 大野管理部長去る十月十六日の当委員会でご要求のありました資料につきまして、お手元に配布してございます資料1、経済・港湾委員会要求資料に基づきまして、ご説明申し上げます。一ページをお開き願います。中央卸売市場における取引方法別割合の推移(十年間)についてでございます。過去十年間の推移を記載したものでございますが、ごらんのとおり、水産物部、青果部、花き部につきましては、競り売り及び入札の割合が減少し、相対取引の割合が高くなってきております。次に、二ページをお開き願います。各市場におけるアスベスト対策の実施状況についてでございます。平成十七年度の調査によりアスベスト含有建材の使用が判明した各市場の施設と、実施状況について記載してございます。三ページをお開きいただきたいと存じます。新市場建設協議会の開催状況についてでございます。豊洲新市場の建設事業の円滑な推進を図るため、東京都と築地市場業界との協議機関として設置した新市場建設協議会は、平成十四年五月二十一日に第一回を開催し、その後、豊洲新市場基本構想、豊洲新市場基本計画などについて協議を進め、平成十八年十月十三日の第十二回協議会において、豊洲新市場基本設計相当について取りまとめを行ったところでございます。四ページをお開きいただきたいと存じます。豊洲新市場の整備に係る事業費についてでございます。整備に要する事業費は、用地取得や土壌汚染対策及び市場施設の建設に要する経費など、開場後の運営に係る経費を除いた整備費の合計で、約四千四百億円と見込んでおります。このうち、平成十三年度から十八年度までに執行した事業費は、用地取得や基盤整備などで九百八十億円となっております。五ページをお開きいただきたいと存じます。豊洲新市場予定地の土地利用履歴についてでございます。豊洲新市場予定地は、昭和二十三年から埋め立てが始まり、昭和三十七年まで行われております。また、昭和三十一年から昭和六十三年まで、都市ガスの製造・供給が行われておりました。平成九年から東京都の土地区画整理事業が施行され、現在まで継続しております。六ページをお開きいただきたいと存じます。豊洲新市場予定地における各街区の地質断面図でございます。六ページから八ページにかけまして、それぞれ五街区、六街区、七街区の地層断面を地層ごとに塗り分け、APマイナス二十メートルの深さまで記載しております。以上、簡単ではございますが、要求のございました資料につきましての説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。 # 増子委員長 増子委員長説明は終わりました。次に、理事者から、豊洲新市場予定地における土壌・地下水の調査計画等について報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。 # 宮良新市場建設調整担当部長 宮良新市場建設調整担当部長豊洲新市場予定地における土壌・地下水の調査計画等についてご報告申し上げます。お手元に、資料2、豊洲新市場予定地における土壌・地下水の調査計画等について(概要)及び資料3、豊洲新市場予定地における土壌・地下水の調査計画等についてを配布してございます。資料2の概要に沿ってご説明させていただきます。一ページをお開きください。平成十九年十一月五日の第五回の専門家会議において検討されました、油汚染状況等の調査結果及び東京ガス株式会社豊洲工場の土地利用履歴、土壌・地下水の詳細調査計画についてご報告いたします。1の調査結果でございます。まず、(1)、油汚染状況調査でございます。本調査は、油汚染に関連する項目を把握するため、十二カ所で実施してございます。油臭・油膜につきましては、地下水で八カ所、土壌で八カ所検出されております。また、全石油系炭化水素濃度につきましては、地下水で一リットル当たり最大一二ミリグラム、土壌で一キログラム当たり最大二八〇〇ミリグラムが検出されました。ベンゾ(a)ピレンの濃度につきましては、地下水で一リットル当たり最大で〇・〇〇〇二ミリグラム、土壌で一キログラム当たり最大五・一ミリグラムが検出されました。(2)の土壌水分の鉛直分布調査でございます。本調査は、毛管現象の程度を確認するため、七カ所で実施してございます。アの土壌水分量変動の分析では、七カ所で実施し、毛管現象を明確に確認できませんでした。また、イの理論上の毛管現象の算出につきましては、三カ所で実施し、最大上昇高さが十五センチメートル程度と算出されました。二ページをお開きください。(3)、D-12地点周辺のモニタリング調査でございます。本調査は、高濃度の有害物質が検出されましたD-12地点について、周囲の土壌や地下水の状況を把握するため、九カ所で実施してございます。初めに、アの地下水調査についてですが、D-12地点の周囲八地点で実施し、結果につきましては上段の表のとおりとなってございます。ベンゼンにつきましては、環境基準の八百三十倍を検出したものが一カ所、百倍以上四百二十倍以下は三カ所、一倍を超え二十倍以下は二カ所となっております。シアン化合物につきましては、環境基準の五十四倍を検出したものが一カ所、一倍を超え三十四倍以下は六カ所となっております。なお、当初行いました追加調査では、ベンゼンで環境基準の千倍、シアン化合物で環境基準の八十倍の濃度が確認されております。次に、イの土壌調査についてですが、D-12地点の周囲五地点で実施し、結果につきましては下段の表のとおりとなってございます。ベンゼンにつきましては、環境基準の四十三倍を検出したものが一カ所、一倍を超え三十三倍以下は四カ所となっております。シアン化合物につきましては、すべての地点で環境基準の一倍を超え六倍以下となっております。続きまして、2の東京ガス株式会社豊洲工場の土地利用履歴についてでございます。高濃度汚染が確認されたD-12地点を含めまして、再度、東京ガス株式会社から土地利用履歴を確認いたしました。土地利用履歴につきましては、D-12地点周辺の区域は、昭和四十一年ごろ、石炭ガス製造過程で発生したタールの残渣であるタールスラッジの仮置き場として利用されていたことが確認されました。三ページをお開きください。3の土壌・地下水の詳細調査計画についてでございます。豊洲新市場予定地の敷地全面にわたり、土壌・地下水の調査を実施いたします。まず、(1)、土壌・地下水の詳細調査でございます。調査内容といたしまして、調査単位は十メートルメッシュでございます。調査物質は、ベンゼン、シアン化合物、砒素、鉛、水銀、六価クロム及びカドミウムの七物質でございます。調査地点は約四千百カ所で、調査対象は土壌と地下水でございます。土壌につきましては、東京ガス株式会社が操業していた当時の地盤面下で試料を採取し、地下水については、地下水位の上端から不透水層までの中間地点で採取いたします。次に、(2)、対策に必要な調査でございます。アの実施の判断基準は、地下水で環境基準の十倍を超過した場合、土壌で処理基準を超過した場合としております。イの調査内容といたしましては、不透水層までの土壌調査及び高濃度が確認された地点で汚染範囲を特定するための周辺の土壌調査を実施することとしております。以上、簡単ではございますが、豊洲新市場予定地における土壌・地下水の調査計画等につきまして、説明を終わらせていただきます。 # 増子委員長 増子委員長報告は終わりました。ただいまの資料及び報告事項を含めまして、これより事務事業及び報告事項に対する質疑を一括して行います。発言を願います。 # 神林委員 神林委員私はこれより、豊洲新市場について、それから委託手数料の弾力化について、それから大田市場花き部について、この三点について順次質問してまいりますので、よろしくお願いいたします。まず第一点目でございますが、築地市場の移転については、その移転先の土壌汚染が大きな問題になっており、議会や報道でも継続して議論されているところでございます。都民の食の安全・安心に密接にかかわる問題であるだけに、当然、議会でも議論すべき内容だと思います。我が党でも、移転を進めるに当たっての大前提となる移転先の土壌汚染について、今後どのような対策を講じていくのかを問うてきているところでございます。本年の都議会本会議や経済・港湾委員会、そして、さきの公営企業会計決算特別委員会において、築地市場の現在地再整備が事実上断念され移転に方向転換された詳細な経緯から、移転先の土壌汚染問題まで質問を行ってきているところでございます。今回も、従来の我が党の質問と重複するところがございますが、現時点において都民が十分納得できる答弁をいただき、検証していきたいと存じます。これら一連の質問の中で、土壌汚染対策費を含めた豊洲新市場整備事業費の見込み総額が四千四百億円ということが明らかになり、今後、決着を見るであろう汚染原因者の負担も考えられ、すべてが都負担ということではないと思いますが、土壌汚染対策費がそのうち六百七十億円であるということもわかりました。都の説明で、こうした経費が首都圏の基幹市場の再生のために、そして、食の安全・安心の確保のためにどうしても必要であるという思いは理解できますが、どうしてこれほどの額になるのか、本日は、こういった視点も含め、何点か具体的に伺ってまいります。まず土壌汚染対策についてですが、都はその試算に当たって、土壌汚染対策をどのように考えているのか。今、専門家会議で議論されている土壌汚染対策の内容を含め、この委員会においても具体的に伺います。 # 宮良新市場建設調整担当部長 宮良新市場建設調整担当部長豊洲新市場予定地における土壌汚染対策につきましては、これまで都が予定している対策、科学的知見から専門家会議において議論している対策及び今後の土壌・地下水の詳細な調査の結果、必要となる対策がございます。これまで都が予定している対策としましては、自然的要因により処理基準を超える土壌、建物下区域以外の処理基準以下の土壌を旧地盤面から二メートルまで入れかえを行い、盛り土、アスファルト舗装やコンクリート盤による封じ込めを行うこととしております。これに加えまして、現在専門家会議において議論している対策では、地下水の管理が重要であるとの観点から、地下水の水平移動を遮断する敷地周囲への遮水壁設置、高濃度の汚染地下水のくみ上げ浄化、ベンゼンを対象としました微生物や分解剤による浄化、毛管現象による地下水上昇防止のための砕石層の設置を検討しております。さらに、今後行う土壌・地下水の詳細な調査の結果、高濃度の汚染箇所や地下水の上昇による健全土への影響が明らかになった箇所については土壌処理を行うことを想定しております。また、震災対策としましては、地盤の締め固めや地盤改良材を利用した地盤の固化を検討してございます。市場施設完成後においても、地下水位の上昇による土壌の再汚染を防止するため、水位及び水質を継続的に監視し、地下水位を一定に保つなどの対策を議論しているところでございます。 # 神林委員 神林委員今のご説明の中に、土壌と地下水に対してさまざまな対応を考えており、土壌汚染への対応には、処理だけじゃなくて、管理という言葉がございますけれども、管理という視点も含めて対処していくことが重要であるということも十分理解できたところでございます。この双方を効果的に組み合わせて、やはり基本は、都民の視点から見ても安心できる土壌汚染対策を確実に実施してもらいたいと思いますので、よろしくお願いいたします。次に、土壌汚染対策について、それに要する費用の内訳について具体的に伺います。 # 宮良新市場建設調整担当部長 宮良新市場建設調整担当部長土壌汚染対策費の内訳でございますが、専門家会議設置前から都が予定していた対策に必要な費用として三百十八億、専門家会議において議論している地下水の浄化などの対策に必要な費用として百六十六億円でございます。さらに、今後の土壌・地下水の詳細な調査の結果、高濃度の有害物質の処理等に必要になる費用として百八十六億円と推計しております。なお、これらの費用の中には、震災対策として必要な費用である九十七億円が含まれてございます。 # 神林委員 神林委員ただいまのご説明で、一つ一つの経費は確かに食の安全・安心を確保していく上で必要な対策費であるということは伝わってまいります。生鮮食品を扱う市場用地であることから、土壌汚染対策に万全を期することは当然としても、その費用が六百七十億円にも達するということについては重く受けとめていかなければなりません。これは例示するまでもないと思いますけれども、東京都の一般会計のうちの百分の一に当たりますし、一般の二十三区の自治体の年間の予算から考えれば、このぐらいの予算規模のところも十分あるわけでございまして、一口に六百七十億円といっても、本当に我々が想定できないような巨額でございます。どう見ても、都民感覚からすれば巨額な金額でございます。こうした経費をなるべく抑えるような効率的な工夫や、最新の汚染処理技術を駆使して、コスト縮減につながるような技術を積極的に取り入れ、食の安全・安心を確保しつつ、できる限り経費を抑えるべきと考えます。そこで、土壌汚染処理経費の縮減についてどのように考えているのか、お伺いいたします。 # 宮良新市場建設調整担当部長 宮良新市場建設調整担当部長豊洲新市場を都民が安心できる市場として開場するためには、必要な土壌汚染対策を確実に実施することが不可欠であります。これら土壌汚染対策に必要な経費は六百七十億円と見積もっておりますが、地下水の水平移動を遮断するため敷地周辺へ打設する鋼材、震災対策のために地盤の締め固めに使用する砂など、建設資材の運搬に船舶を利用すること、加えまして、地下水位上昇防止のため設置する砕石にコンクリート再生材を使用することなど、効果的なコスト縮減策について幅広い検討を行ってまいります。さらに、高濃度の有害物質について、高温度で有害物質そのものを融解し、無害化していく新技術などを検討してまいります。 # 神林委員 神林委員経費を縮減するような検討をあわせて行っているということでございますが、残念ながら都民の税金を投入せざるを得ない現状を重くとらえて、食の安全・安心をしっかりと確保する中で、経費縮減には不断の努力で取り組んでいかれることをここで強く要望しておきます。また、土壌汚染対策費の中には、今回、予定地の全面にわたり四千百カ所で実施する土壌・地下水の調査費用も含まれているようですが、十五億円と、これもかなりの額でございます。さきの公営企業会計決算特別委員会においても我が党より質問しておりますが、いま一度、土壌汚染対策法と比べてどのような調査内容になっているのか、具体的にお伺いいたします。 # 宮良新市場建設調整担当部長 宮良新市場建設調整担当部長豊洲新市場予定地につきましては、土壌汚染対策法の対象となる用地ではありませんが、本年八月から行った調査の結果、汚染濃度が低いと想定されていた箇所の地下水から環境基準の千倍のベンゼンが検出されたため、専門家会議の意見を受け、土壌・地下水について、敷地全面にわたり、法が求める最小調査区分である十メートルメッシュで調査することにしました。また、調査において高濃度の有害物質が検出された場合には、東京ガス株式会社の操業時の地盤面から不透水層の上端まで一メートル単位で土壌の採取を行うことなど、調査方法につきましては結果として土壌汚染対策法と同等でございます。 # 神林委員 神林委員今ご説明いただいた部分で、この調査は現行法上、平面的にはこれ以上のものはないと思いますけれども、深さ方向には、最大で不透水層までということでございます。しかし、一部では、不透水層より深いところに汚染物質がある可能性も問われておりますので、今回、詳細な調査を実施するに当たって調査深度を不透水層までとした、その考え方を伺います。 # 宮良新市場建設調整担当部長 宮良新市場建設調整担当部長不透水層より深いところの調査につきましては、関東地方の地質や土質に詳しい委員から、新市場予定地で粘土層を形成している有楽町層は、水を通しにくく、汚染されている可能性は低いとの意見をいただいております。 # 神林委員 神林委員こうした理由から調査範囲を設定したということはわかりましたが、どのような調査方法をとるにせよ、万全な対策を実施する上で必要な調査は必ず実施していってもらいたいと思いますので、よろしくお願いいたします。これまでの一連の答弁からも、都が土壌汚染問題に真剣に取り組んでいることは十分理解できます。しかし、今なお移転に反対し、再整備を主張し続けている一部の市場業者の方がいらっしゃいますが、再整備がとんざしたときの状況を振り返れば、その困難性は容易にわかるはずであります。そこでもう一度、築地市場の現在地再整備が不可能であるということについて改めて伺います。まず、現在地再整備の経緯について伺います。 # 越智新市場担当部長 越智新市場担当部長築地市場の現在地の再整備につきましては、昭和六十三年十一月に基本計画を策定いたしまして、平成三年一月から仮設施設の工事を行ってまいりましたが、営業活動への影響が予想以上に大きくなりまして、工事調整に時間を要したため、工事スケジュールが大幅に遅延いたしまして、卸売り場や仲卸売り場などの工事に着手できませんでした。その後、平成八年四月に東京都卸売市場審議会から、工期の短縮及び建設コストの縮減などの視点から現行基本計画の見直しを行う必要があるとの答申を受けまして、同年十一月の第六次卸売市場整備計画におきまして、現行基本計画の見直しが決定いたしました。これに基づきまして、平成九年十月から、業界団体との協議機関で基本計画の見直しに向けての協議を行いましたが、施設規模や動線の確保、ローリング工事期間中の営業活動への影響など多くの問題が提起されまして、協議が進まなくなりました。このような状況の中で、平成十年四月に市場業界六団体から、臨海部への移転の可能性につきましての検討の要望書が出されました。これを受けまして、平成十一年二月から、業界団体との協議におきまして、卸、仲卸売り場の平面配置を基本とした基本計画の見直し素案を含めまして、都が提案いたしました六案、そして、現行の市場施設の形状を生かしました水産仲卸組合案の計七案をさまざまな視点で検討いたしましたが、いずれの案につきましても合意を得ることができず、移転整備へと方向転換されたものでございます。 # 神林委員 神林委員という経過を経てきたわけでございますが、引き続きまして、都が現在地再整備を不可能としている理由についても伺います。 # 越智新市場担当部長 越智新市場担当部長先ほどの答弁でご説明いたしました経緯を踏まえましても、築地市場は敷地が狭隘で、かつローリング工事用の種地が乏しいことなど、現在地での建てかえは困難でございます。加えまして、近年多様化いたします消費者ニーズや食の安全・安心の高まりに対応するために、温度管理の徹底など品質管理の高度化や、物流の効率化に必要な規模の低温施設や荷さばき施設、駐車場などを十分に確保することが求められておりますが、現行の敷地面積ではこれらの施設を整備することができません。さらに、アスベスト対策の基準が当時よりも厳しくなっておりまして、現行の施設の解体に当たりましては、一定期間、広範囲にわたりまして市場機能の一部を停止せざるを得ませんので、当時以上に市場業者の営業活動に深刻な影響を与えるということが想定されまして、現在地での再整備は不可能でございます。 # 神林委員 神林委員今の説明からも、築地市場の現在地再整備が不可能であるということは理解できるところでございます。繰り返しになりますが、今なお移転に反対する市場業者が中心となって、デモ行進などを繰り返して行っているという現実がありますが、都としても、現在地再整備の難しさや土壌汚染対策などを彼らに十分伝え切れていない面があるのではないかとも考えられます。問題は、都が実施しようとしている内容を都民や市場業者にいかに誠意を持って伝え、理解してもらうかでございます。都は引き続き誠意ある対応で、粘り強く理解を求める努力をしていかなければ、デモ行進など移転に反対する動きはいつまでもやむことはないように思えます。そこで質問でございますが、今後、都はどのように都民や市場業者に再整備の困難性や土壌汚染対策について理解を求めていくのか伺います。 # 越智新市場担当部長 越智新市場担当部長築地市場の移転に当たりましては、これまでにも都民向けのホームページやチラシ、市場業界に対しましては懇談会や個別の説明会などを開催いたしまして、丁寧に説明を行ってきております。しかしながら、現在地再整備の困難性や東京都の土壌汚染対策が十分に理解されていない面がございまして、今なお移転反対運動が続けられております。こういったことから、来月、全仲卸組合員を対象に説明会を実施することといたしました。今回は、十分な意見交換ができるよう、水産仲卸組合を業種ごとに分けた説明会を計八回程度開催いたします。来年には、約八百業者の水産仲卸業者を店舗ブロックごとに分けまして、二十業者程度の少人数のきめ細かい説明会を開催していく予定でございます。都民向けには、説明の方法や内容にもさまざまな工夫を行いまして、事業内容をわかりやすいパンフレットの体裁にして、広報誌やホームページなどに掲載してまいります。今後とも、あらゆる機会を通じまして都民や市場業者に丁寧に説明し、築地市場の移転の必要性や土壌汚染対策などにつきましてご理解を得ていきたいと考えております。 # 神林委員 神林委員内容ももちろんでございますけれども、先ほどもちょっとお話ししましたけれども、ぜひ誠意を持って行っていただきたいと思いますので、お願いいたします。築地市場の移転を進めるに当たっては、万全な土壌汚染対策を講じ、移転に当たって負担となる費用の支援なども必要であると思います。こうした点も踏まえまして、この点についての最後の質問としまして、豊洲新市場を開場させるに当たっての市場長の決意を伺います。 # 比留間中央卸売市場長 比留間中央卸売市場長東京都は、専門家会議の設置前から、豊洲新市場予定地の敷地全面にわたって、現行の法と比べましても二重、三重の対策を行うこととしており、法や条例が求める土壌汚染対策の基準と照らし合わせても、安全性を確保する上で極めて手厚い対策を実施していくこととしておりました。これに加えまして、本年五月から専門家会議を設置いたしまして、市場用地としての特性を踏まえて求められる土壌汚染対策について議論を進めており、今回、土壌汚染対策法と比べて同等な詳細調査を実施することといたしました。来年七月ごろには、調査結果を踏まえ、専門家会議からの具体的な提言を受ける予定でございます。都では、この提言を確実に実施し、豊洲新市場予定地の土壌汚染対策に万全を期してまいります。また、新市場への移転に当たりましては、市場業者が不安に感じていることについて、市場業者の意見を十分に聞き、市場業者の負担をできるだけ抑えるようなさまざまな工夫や努力を行い、あわせて、十分な荷さばきスペースの確保など、市場業者のビジネスチャンスの拡大が図られるような施設の整備を行ってまいります。このような取り組みを積極的に進め、平成二十五年三月には、都民が安心できる市場、そして市場業者が活力を持って事業の展開を行える市場として豊洲新市場を開場させてまいります。 # 神林委員 神林委員今いろいろご説明いただいたとおり、さまざまな困難を乗り越えた経過もございます。やはり未来に向かってしっかりとやっていかなきゃいけないという意味では、都民に十分な理解を得て、平成二十五年三月には、都民が安心できる市場、そして市場業者のビジネスチャンスの拡大にもつながるような市場が開場されることを期待しております。市場長におかれましては、ぜひ日本、世界に誇れる市場を整備していただきたいと存じますので、よろしくお願いいたします。次に、委託手数料の弾力化について伺います。中央卸売市場では、卸売業者が生鮮食料品を出荷者から集荷し、仲卸業者などに販売することで都民への供給を図っております。近年、市場外流通の比率が増加しているものの、生鮮食品などを出荷者から集荷し、仲卸業者や売買参加者に販売することを通じて都民へ安定的に供給している中央卸売市場の果たす役割は重要でございます。十月十六日の事業概要説明において、卸売販売委託手数料が弾力化され、従来、国により全国一律で料率が定められていたものが、平成十六年の卸売市場法の改正で、五年の経過措置つきで市場開設者が独自に定めることになったため、来年度早期に条例改正を提案できるよう準備するとの説明がございました。また、委託手数料の弾力化とともに、出荷奨励金と完納奨励金についても、開設者の承認制とする国の指導が平成二十一年四月から廃止されると聞いております。委託手数料の問題は、市場流通の中心的な役割を担っている卸売業者の経営に関する事項であり、今後の市場行政にも大きな影響があるため、幾つかここで質問させていただきます。まず冒頭に、委託手数料や出荷奨励金、完納奨励金とはどういうものなのか伺います。 # 荒井事業部長 荒井事業部長卸売業者は、全国の出荷者から委託されたり、みずから買い付けた生鮮食料品を市場内で仲卸業者や売買参加者に対して卸売しております。出荷者からの委託に基づき販売を行う場合に、卸売業者が出荷者から受け取る報償が卸売販売委託手数料でありまして、販売金額に料率を掛けて計算いたしますが、この料率は現在、水産は五・五%、野菜は八・五%、花では九・五%というように全国一律で定められております。この収入が卸売業者の営業収入に占める割合は大きくて、例えば青果部では七五%であり、収入の根幹となっております。出荷奨励金は、産地からの集荷を安定的に確保するために、卸売業者が一定の要件を満たした出荷者に対して交付するものです。また、完納奨励金は、卸売業者が、一定の期限内に販売代金を完納した仲卸業者や売買参加者に交付するものでございます。 # 神林委員 神林委員そこで、今説明をいただいたわけでございますけれども、委託手数料や奨励金の果たしてきた機能、役割を市場としてどのように考えておりますか、お願いいたします。 # 荒井事業部長 荒井事業部長委託手数料は、国が全国一律に料率を定めることにより、出荷者と卸売業者の双方にとって、透明性が高く、公平で公正な取引を確保する役割を担っています。卸売業者は原則として出荷者からの販売委託の申し込みを拒否できませんが、受託すれば、売り上げに応じて一定の手数料率で収入が確保できます。反面、この手数料以外の報償を受け取ることが禁止されているため、創意工夫の余地がない点では硬直的であります。出荷奨励金は、出荷者からの卸売市場に対する安定的な集荷のみならず、産地の大型化や共同出荷等を促進し、市場流通の近代化、効率化のための役割を果たしています。また、完納奨励金は、販売代金の確実かつ早期の決済を促進することにより、産地からの卸売市場への信頼を支えておりまして、いずれも市場制度にとって重要な役割を果たしています。 # 神林委員 神林委員今ご説明いただいても、営々といろいろ築いてこられた部分で、委託手数料や出荷奨励金、あわせまして完納奨励金が卸売市場の制度の中で重要な役割を果たしてきたということが十分理解できるところでございます。それでは、平成十六年の卸売市場法改正では、委託手数料についてどのような趣旨で法改正がされたのか、お聞きいたします。 # 荒井事業部長 荒井事業部長平成十六年の卸売市場法の改正は、安全・安心で効率的な流通システムへの転換を目指して、品質管理の高度化や事業活動に関する規制の緩和等を内容として行われました。卸売業者については、みずからの判断で行う買い付け集荷に関する取引規制などが緩和されたほか、卸売手数料についても、証券取引手数料等と同様に、経営者が自己の責任で機能、サービスに応じて手数料を設定して、経営の効率化や競争力の強化を図ることができるようにいたしました。ただし、卸売業者はその収入の多くを委託手数料に依存しているため、制度改正までの間、準備期間を設けるものとし、その間に、規制が緩和された買い付け集荷等を活用して経営体質の強化を図り、平成二十一年の四月から施行することとされました。 # 神林委員 神林委員市場をめぐる厳しい環境の中、平成十六年の委託手数料をめぐる法改正の趣旨は理解できました。法改正の趣旨からすると、委託手数料の決め方については、現在の定率制から規制を緩和し、卸売業者による弾力的な手数料の設定を認めるということになると思いますが、長年国が決めてきた手数料がいきなり全くの自由になるということは、混乱が起きるのではないかと危惧されます。市場の開設者としても、手数料の弾力化に対して何らかの対応が求められるのではないかと考えます。そこで、質問でございますが、委託手数料の決め方について、国は四通りの例を示していると聞いておりますが、どのようなものでしょうか。 # 荒井事業部長 荒井事業部長国は、法改正に当たって、委託手数料率が適正に定められるよう、開設者が一定の関与をすべきであるとして、条例改正を行う場合の四つの例を示しております。一つは、手数料率を開設者が定める場合です。二番目は、卸売業者が、開設者が定めた上限の範囲内で開設者の承認を受けて手数料を定める場合です。三番目は、卸売業者が、開設者が定めた上限の範囲内で手数料を届け出て定める場合です。そして四番目は、卸売業者が手数料を開設者に届け出て定める場合。この四つでございます。 # 神林委員 神林委員当然のことだと思いますが、市場側としては、国から示された関与例をもとに検討を進めることになると思いますが、手数料の弾力化はこれからの市場の運営に大きな影響を与えるため、実情を十分に理解、把握し、検討していくことが大切だと考えます。都は、委託手数料等の弾力化に向けて、これまでどのように検討を進めてきたのか、お伺いいたします。 # 荒井事業部長 荒井事業部長手数料の弾力化は市場の運営に大きな影響があるため、昨年度から、国、全国の開設者、市場関係者等とヒアリングや意見交換等を行って、あり方を検討しております。特に卸売業者については、財務検査や事業報告書などから委託手数料率が変動した場合の損益分岐点を調査するなど、経営状況の把握に努めているほか、すべての卸売業者から法改正後の経営状況や弾力化への対応等についてヒアリングを行いました。また、出荷奨励金や完納奨励金については、卸売業者のみならず、出荷者団体や仲卸業者団体などから制度に対する考え方を聴取し、検討を行っています。さらに、全国の開設者とは、全国中央卸売市場協会を通じまして卸売市場の活性化に向けた手数料弾力化のあり方を議論し、意見交換を行っております。 # 神林委員 神林委員今ご答弁にもございましたけれども、仕組みを変える上で、影響を受ける市場関係者との意見交換を行うことは重要なことでございます。私が話を聞いているところでは、卸売業者は、手数料が弾力化することにより経営状況がどのように変化するか、不安を持っております。卸売業者の経営状況は、経常利益率が一%に届かないという厳しい状況であり、制度改正の影響により経営が悪化することを懸念しております。委託手数料の弾力化を検討するに当たっては、法改正の趣旨を踏まえて、卸売業者の経営判断で質の高いサービスが工夫され、健全な競争のもとで業績向上が期待できますが、一方、卸売業者の経営状況が変化し、安定的な市場流通が損なわれることがないよう適切な配慮をしていく必要があると思います。また、奨励金の制度についても、現在は交付限度額や交付率を定めて、過度な交付により卸売業者の財務の健全性が損なわれることのないよう、都の承認制をとっているということですが、これらの制度について、青果や花きの業界より要望が出ております。内容は、制度の維持や廃止、名称変更などさまざまでありますが、業界はこれからどうなるのか不安を持っております。出荷奨励金は、開設者が関与しないと、出荷に対して交付が拡大しないかと卸売業者は懸念しております。また完納奨励金については、卸売代金の期限内完納が卸売市場制度の根幹であり、特に青果部では、仲卸業者や売買参加者の団体が、それぞれ卸売業者に対して早期の支払いを担保する代払い制度と結びつきながら、代金決済の確実性を確保してきた経緯があり、慎重な対応をすべきであり、要望しておきます。この項の最後の質問に、今後どのようなスケジュールで条例改正を進めていくのか、お聞きいたします。 # 荒井事業部長 荒井事業部長今後のスケジュールでございますが、市場関係者との十分な協議を実施した上で、来年一月に中央卸売市場取引業務運営協議会でご審議いただき、四月に同協議会に条例案を諮問し、答申いただいた上で、二十年第二回定例会に条例改正案を提出する予定でございます。 # 神林委員 神林委員最後に、要望を一点だけ申し上げておきます。繰り返しになりますが、委託手数料の弾力化を検討するに当たっては、法改正の趣旨を踏まえて、市場業者の活性化につながるように制度を構築するべきでありますが、市場の中心的な機能、役割を持つ卸売業者の経営が不安定なものとなって、都民への生鮮食料品流通に支障が生じないようにする必要もございます。各奨励金のあり方も含め、来年度の条例改正に向けてぜひ関係業界と十分協議しながら、中央卸売市場として最もよい制度を策定してもらいたいと思いますので、よろしくお願いいたします。最後の質問は大田市場の花き部についてでございます。大田市場は、青果物の取り扱いでその名をとどろかせているところではございますが、花きの取り扱いにおいても基幹的な役割を果たしております。本日は、その花き部について何点か質問をいたします。青果部や水産部よりも約一年おくれて開場した大田市場花き部でございますが、その後順調に発展を続け、現在では、東京都における花き流通の大半を占めているともお聞きしております。その盛況ぶりは、実際に現場の様子を見ても、私どもは地元でございますので、実感できるところでございます。市場の開設者としても、荷が集まり、人が集まるということはまことに喜ばしいことでありますが、市場のキャパシティーを超えて人や物が集中すれば、課題も生じるわけでございます。大田市場花き部では、駐車し切れない車両が道路まではみ出しているときもあると聞きます。取扱量の拡大に合わせて来場する車もふえることは当然のことでございます。そこで、都はこうした事態に対しどのように対処しているのか、まずお聞きいたします。 # 後藤参事 後藤参事大田市場花き部におきまして、取扱数量の増加に合わせて来場する車両も増加し、混雑や渋滞などが生じておりますことは認識してございます。このため、大田市場では、花き部南側の用地を港湾局から一時賃借し、また、市場北側用地を取得して、卸売業者の商品保管庫、駐車施設用に利用させるなど、駐車場の確保に努めてまいりました。昨年度には、都と市場関係業者が地元警察署に要望し、花き部西側道路の一部につきまして、混雑時に駐車禁止を解除していただいたところでございます。また、交通整理をする警備員の配置や、売買参加者や買い出し人が優先的に駐車場を使用できる時間帯の設定など、運用面での混雑緩和措置も行っており、通常期におきましてはおおむね順調に入退場が可能となっております。しかし、お彼岸や母の日、年末年始などの繁忙期には依然駐車場に入り切れない車両も見られることから、昨年度には、花き部西側用地の一部を繁忙期に港湾局から一時賃借し、臨時駐車場として卸売業者に利用させております。 # 神林委員 神林委員今ご説明をお聞きしたとおり、増加量を踏まえまして、近接の東西南北の各用地につきまして、いろいろご苦労されていることは私どもも十分承知しているところでございます。取扱量の増加に合わせて、都としても業界と一体となって、これからもぜひよろしくお願いしたいと思っております。しかし、でございますが、今の答弁にあった花き部北側の施設は市場関係業者が整備し、南側、西側の用地については、その賃借料を市場関係業者が負担していると私は聞いております。そこで、これらの施設用地は市場関係業者がどのように使用し、毎年どの程度の費用を負担しているのか、お伺いいたします。 # 後藤参事 後藤参事市場の南側の土地につきましては、平成五年度から、業界の要望に基づきまして、中央卸売市場が港湾局の用地を一時賃借し、卸売会社等に利用していただいております。駐車場や商品、台車等の置き場に使用されており、平成十八年度決算の賃借料は約一千三百五十一万円でございます。北側の土地は、業界要望に基づきまして中央卸売市場が取得し、卸売会社二社に貸し付けております。この土地に卸売会社が商品保管庫と駐車施設を整備し、平成十五年度から使用を開始しております。平成十八年度決算の賃借料は八千七十二万円となっております。西側の土地につきましては、業界からの要望に基づき、昨年度から港湾局の用地の一時賃借を開始したもので、繁忙期に場内の駐車場をあけるため、通勤車両の駐車場所として卸売会社が利用しております。平成十九年四月末から一カ月間賃借した際の賃借料は約十九万円でございます。 # 神林委員 神林委員これらの用地や施設については、業界の要望に基づき、卸売会社などが自社の業務のために使用すると同時に、混雑時には駐車場として活用しているということなので、現在のような負担区分になっていることを理解できる部分もございます。しかし、本来、来場する売買参加者や買い出し人向けの駐車場は開設者が整備するべきものであると思います。豊洲新市場の整備などで大変厳しい財政状況にあることは十分理解できますけれども、中長期的視点に立って、状況を少しでも改善するよう努力してもらいたいと思います。ところで、先ほどの答弁の中で、繁忙期には依然として混雑しているということがございましたけれども、質問としましては、開設者として、大田市場花き部における今後の駐車場の需要についてどのように考え、対処していくのか、お考えを伺います。 # 後藤参事 後藤参事大田市場花き部の取扱数量は、最近五年間で見ますとおおむね横ばいでありますことから、駐車場の状況につきましても通常時には対応が可能であり、繁忙期の混雑は当面継続することが見込まれております。このため、混雑が予想される場合には、花き部西側の海上公園予定地について、必要な時期に必要な面積を借用するよう努めますとともに、混雑の度合いに応じ、交通整理体制の強化を図ってまいります。また、卸売会社である株式会社大田花きにつきましては、本年十月から、インターネット経由で競りに参加できる在宅競りシステムを稼働させており、このシステムが本格的に普及していくことにより、来場者のピーク時への集中は分散するものと考えております。来場者等の駐車需要に適切に対応することは開設者の役割の一つであると認識しており、今後も、市場取引や来場者の動向を見きわめながら、来場される方が円滑に入場できるよう対処してまいります。 # 神林委員 神林委員いずれにいたしましても、自動車による物流が主流である現代では、駐車場がなければ人も物も十分に集まらず、市場の機能も発揮できないわけでございます。大田市場の花き部においても、さまざまな制約があるとは思いますが、いろいろ知恵を出していただいて、市場関係業者や買い出し人に不便がないように、ぜひこれからも努力していただきたいと思います。実は、この後お話ししようとしているのは、これからのことでございます。今、大田市場を取り巻く環境は大きく変わろうとしております。平成十六年の卸売市場法の改正により、取引規制が緩和され、卸売業者などがより多様な事業活動を行うことが可能となりまして、刻々と変化する顧客の需要に対応するため、製品の加工施設や荷さばき施設などの整備が求められております。また、平成二十二年秋には私どもの近接します羽田空港の四本目の滑走路が完成いたします。羽田空港が随時国際化され、二十四時間離発着が可能となれば、日本はもとより世界各地の産地から、深夜早朝枠を利用して、魚介類、青果、花きが大田市場に搬入されてくることが予想されます。今、二点ばかりお話しさせていただきましたけれども、こうした新たな需要にこたえられる施設や駐車場などの整備は、困ってから検討するというような場当たり的な対応ではなく、しっかりと先々の需要動向を把握し、現場で働く方々の意向も十分組み入れて、計画的に対応していく必要があると考えますが、いかがでしょうか。答弁を伺いまして、私の質問を終わります。 # 比留間中央卸売市場長 比留間中央卸売市場長市場流通を取り巻く環境が変化している中で、卸売市場が競争力を向上させていくためには、需要や物流の変化に的確に対応することが必要であると考えております。大田市場花き部では、取扱数量が計画数量を大幅に上回っているため、現在の市場施設や用地を最大限活用して運営しておりまして、市場内及び周辺に新たなスペースを確保するためには、多くの努力や工夫が必要な状況にあります。しかしながら、花の加工施設や量販店向けの荷さばきを行う施設など、新たな需要にこたえるための施設整備のあり方は、開設者として検討すべき課題であると認識しております。今後の施設整備に当たりましては、市場取引の動向や市場施設の活用状況を見きわめつつ、市場関係業者の意向にも十分配慮し、適切かつ計画的に対応してまいります。 # 岡崎委員 岡崎委員さきの決算特別委員会で、我が党は豊洲の土壌汚染問題についてただし、東京都からは前向きとも思えるような答弁をいただいております。そこでまず、土壌・地下水の詳細調査について二点ほど確認したいと思います。十一月五日の第五回専門家会議で報告された土壌・地下水の詳細調査計画によれば、地下水質が環境基準の十倍を超過した場合には深層までの土壌汚染状況を把握するということになっておりますが、これに対して私たちは、環境基準の十倍ではなく、環境基準を超えた場合でも土壌の調査をすべきだと主張してきました。東京都は環境基準を超えた場合でも調査すると考えていいのでしょうか。 # 宮良新市場建設調整担当部長 宮良新市場建設調整担当部長土壌・地下水の詳細な調査の結果、土壌については、環境基準を超過した物質について地表面から不透水層までのボーリング調査を実施することとしており、都としましては、地下水中のベンゼン等についても同様に取り扱うようにしております。 # 岡崎委員 岡崎委員また、私たちは、粘土層内部についても汚染が浸透していないか調査するためにも、粘土層を一部採取して調査を行うべきだと質問しておりますけれども、これについても、粘土層を一部採取して調査するという理解でよろしいでしょうか。 # 宮良新市場建設調整担当部長 宮良新市場建設調整担当部長粘土層内部の調査につきましては、専門家会議委員から、粘土層は水を通しにくく、汚染の可能性が低いため、必要ないとの意見をいただいており、粘土層の調査はいたしません。今回行う地下水調査では、地下水中から高濃度の有害物質が検出された場合、東京ガスの操業時の地盤面から不透水層を形成する粘土層の上端部まで一メートル単位で土壌の採取を行い、分析することとしております。 # 岡崎委員 岡崎委員粘土層そのものの調査はしないということのようですけれども、一メートル単位で土壌を採取し、分析すれば、結果として粘土層の調査を行うものだと確認させていただきます。こうした調査によって汚染土壌の実態が明らかになるわけだが、その処理費用はどのくらいになるのか。報道にも載っておりますけれども、東京都の説明によれば、豊洲の土壌汚染対策費は合計で六百七十億円になると見積もられております。この数字は予算のことなので、詳しくは予算議会に譲りますけれども、ここではその基本的な考え方についてお伺いしたいと思います。東京都は二十年度予算見積もりの中で、高濃度物質検出箇所の調査及び処理などの費用として百七十一億円を見込んでおります。しかし、どの程度の対策費が必要になるのかは、詳細調査を待たなければ、どこにどの程度、汚染された土壌があるのかもわからないのではないでしょうか。二十年度予算に向けては、どの程度の規模の土壌を処理することを想定していくのか。また、七月に公表予定の調査結果によっては、予算上見積もった費用を大きく超えることも懸念されますけれども、いかがでありましょうか。 # 宮良新市場建設調整担当部長 宮良新市場建設調整担当部長調査、対策に要する経費六百七十億円のうち、都がこれまて予定していた自然由来物質の処理、これまでの専門家会議の中で議論されている高濃度地下水のくみ上げ浄化などの地下水対策、震災対策としての地盤改良等に要する四百九十九億円につきましては、既に状況を把握しており、大幅に変わることはないと考えております。高濃度物質の土壌処理などの費用百七十一億円につきましては調査結果を待たなければなりませんが、金額の算定に当たりましては、これまで東京ガス株式会社や都が実施した土壌や地下水の調査における有害物質の検出率や地下水が上昇している面積を考慮の上、処理土量を算定し、経費を見積もっております。 # 岡崎委員 岡崎委員また、詳細調査によって豊洲の汚染状況を明らかにした上で、私は、処理基準を超える土壌についても処理していくべきだと考えております。民主党は現在、国の参議院において土壌汚染対策法の改正案を提案する準備を進めており、この法案が可決されれば、豊洲地域は土壌汚染対策法に基づく指定区域に指定されることになります。豊洲地区は、今の土壌汚染対策法の施行がもう少し早ければ、指定区域に指定されるような区域であります。少なくとも処理基準を超える汚染土壌についても処理していかなければ、生鮮食料品を扱う市場の用地として都民の理解が得られないと思いますけれども、東京都の見解をお伺いいたします。 # 宮良新市場建設調整担当部長 宮良新市場建設調整担当部長豊洲新市場の土壌汚染対策につきましては、これまで、環境基準の十倍を超える高濃度有害物質の除去、東京ガス株式会社操業時の地盤面から深さ二メートルの土壌入れかえと二・五メートルの盛り土、さらには、その上を二十五センチメートルから四十センチメートルのアスファルト舗装やコンクリート盤で覆うことを予定しております。これらの対策は、法令の求める土壌汚染対策の基準と照らし合わせれば、安全性を確保する上で二重、三重にも手厚いものと考えております。さらに、これらの対策に加え、現在、専門家会議で、高濃度地下水のくみ上げ浄化などの地下水管理を含め、今後必要となる対策について検討しており、この検討に必要な土壌・地下水の詳細調査を実施することとしました。都としましては、土壌・地下水の詳細な調査結果に基づく専門家会議からの提言を受け、豊洲新市場予定地の土壌汚染対策に万全を期し、都民の理解を得てまいります。 # 岡崎委員 岡崎委員都議会民主党は、多くの都民が納得のできる土壌汚染対策を引き続き求めてまいります。また、土壌汚染対策にかかわる費用として六百七十億円、あるいはそれ以上想定されますけれども、これらの費用は、東京都あるいは東京ガスのどちらが負担すべきものなのか。これまでの都の方針に基づく対策費は、土壌対策で二百四十六億円、震災対策で七十二億円と試算されております。また、今後、調査費や土壌対策、地下水対策、震災対策などに費用がかかると思いますけれども、これらのうち東京都が負担すべきものがあるのか、お伺いしたいと思います。 # 越智新市場担当部長 越智新市場担当部長豊洲新市場予定地の土壌汚染対策に係ります費用負担の問題につきましては、詳細な調査の結果を踏まえまして整理を行ってまいりますが、対策の中には、例を挙げますと、自然的要因の有害物質の除去に要する費用、専門家会議の議論を踏まえた詳細な調査の実施、震災対策などにつきましては、東京都の責任で実施すべきものが含まれているというふうに考えております。 # 岡崎委員 岡崎委員そうすると、東京都の責任で実施すべきものが多く含まれているという答弁でありますけれども、今回の土壌汚染対策費が豊洲新市場の使用料にはね返るのではないかと心配する声もあるわけでありますけれども、使用料の考え方についてお伺いいたします。 # 大野管理部長 大野管理部長市場使用料は、都が市場の開設者として、市場施設の設置及び管理運営等の経費に充てるものでありまして、受益者負担の観点から、市場施設を専属的に使用し営業活動を行っている卸売業者、仲卸業者等に対し一定の経費負担を求めるものでございます。使用料の算定におきましては、施設整備など市場の開設に要する経費は、管理運営に要する経費とともに、原則として使用料の対象経費となるものでございますが、市場用地の取得、造成に関する経費につきましては、都はこれまでも、開設者が負担すべきものとして、使用料の対象外経費として整理してございます。このため、今回の土壌汚染対策に要する経費につきましても使用料の対象外経費として取り扱うことになるものと考えております。 # 岡崎委員 岡崎委員土壌汚染対策に係る経費は使用料の対象外経費になるということを確認させていただきました。ところで、汚染地に引っ越すという話もひどい話ですけれども、家賃も決まっていないのに引っ越すという話もひどい話であります。使用料や光熱水費の額について、東京都はこれまで、PFI事業者の決定にあわせて試算値を業界に提示すると答弁しておりました。東京都の説明では、PFI事業者の決定を二十一年五月としておりますけれども、それでは余りにも遅過ぎると思うわけであります。いつごろまでに試算値を提示する予定なのでしょうか。また、使用料や光熱水費を試算する上で、減価償却費や運営費などが大きなウエートを占めると思いますけれども、その基本的な考え方についてもあわせてお伺いいたします。 # 大野管理部長 大野管理部長豊洲新市場は築地市場の移転であることから、できる限り多くの市場業者が移転できる環境を整備することが必要であると考えております。移転に際して市場業者が最も懸念されているのが事業継続の問題でございまして、使用料や光熱水費の負担がその重要な判断要素となることは十分に認識しております。このため、使用料や光熱水費につきましては早期に試算値を業界にお示ししたいと考えております。これまで申し上げてまいりました考え方によれば、試算値の提示は、PFI事業者が決定し、建設費等が確定する平成二十一年五月ごろということになりますが、これよりも早い段階で使用料の概算をお示しできるかどうか、検討してまいります。なお、使用料や光熱水費の算定に当たりましては、市場業者の負担を極力抑制する工夫や努力を行い、円滑な移転が可能となるよう全力で取り組んでまいります。 # 岡崎委員 岡崎委員先ほども、どなたかのご答弁の中に、今もなおという言葉がございましたけれども、私は六月十九日の代表質問でも申し上げましたけれども、汚染土壌の問題が解決されず、多くの方たちが移転に疑念を抱いている中で、築地市場を強引に豊洲に移転することは断固として反対するものであります。問題の解決に向けて、土壌汚染対策を徹底して行うとともに、関係団体の納得できる話し合いを要望するものであります。特に近年、食に対する安全の問題が日本のみならず世界じゅうでも話題になって、我が国は、世界でも最も食の安全については信頼される国の一つでありますけれども、近隣の国が、ちょっとした過ちがちょこちょこと出て、汚染物質が輸入される物質の中に含まれていることが起きていたがゆえに、全く関係のないその国の製品を扱うような業者、あるいは名前が似たようなお店がばたばたと倒産したり、業種の転換をせざるを得ないということが起きているのが事実であります。ぜひとも関係団体の納得できる話し合いを要望して、質問を終わります。 # 増子委員長 増子委員長この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。午後五時二十六分休憩午後五時三十七分開議 # 増子委員長 増子委員長休憩前に引き続き委員会を開きます。質疑を続行いたします。発言を願います。 # 木内委員 木内委員豊洲新市場の整備についてお尋ねするわけでありますけれども、先週の特別委員会、そして、きょうの本委員会におきまして、大分間口の広い、新市場の課題について質疑が行われておりますので、重複をできるだけ避けて、ポイントに絞ってお尋ねいたします。新市場の整備につきましては、昨年の秋、長年の市場業者、東京都関係者の努力が実を結んで、施設配置、規模の大枠というものが基本設計相当という形でまとまった経過があります。そして、昨年十二月には、PFI実施方針、業務要求水準書案が公表されるなど、事業が順調に進捗するかに見えましたけれども、その後、新市場予定地の土壌汚染の問題が大きくマスコミ等で取り上げられ、こうした経過の中で築地市場の移転反対運動が拡大してきたことは既にご案内のとおりであります。しかしながら、我が国を代表するリーディングマーケットとして確固たる地位にある築地市場の機能を継承して、新たな時代の生鮮食料品の流通拠点として運営されるよう、今後、新市場については、関係者との十分な協議を行い、土壌汚染対策に万全を期し、そして、総力を結集し、都民の安心を得、安全への信頼を確保しながら、着実に整備を進めていただきたいと、率直に私は切望するものであります。そこで、まず、整備事業の大前提であり、土壌汚染の問題が最も深く関与しております新市場予定地の取得について伺うわけでありますが、これまでに購入した用地の面積及び費用の内容について明らかにしていただきたいと思います。 # 越智新市場担当部長 越智新市場担当部長東京都がこれまで新市場予定地として購入した用地は、平成十六年度に東京鉄鋼埠頭株式会社の用地を四・六ヘクタール、百十九億円、平成十七年度に保留地を三・八ヘクタール、二百三十四億円、平成十八年度に保留地を三・四ヘクタール、二百十六億円、東京鉄鋼埠頭株式会社の用地を二・九ヘクタール、百五十一億円でございます。これは取得予定面積の四割弱に当たります。 # 木内委員 木内委員今の答弁で明らかなように、既に取得予定面積の四割弱については対応が終わっている。残については今後の課題になっているわけであります。そこで、購入の時点で新市場予定地の大部分に東京ガスの操業由来の汚染土壌が存在することは既に明らかになっていたわけでありまして、東京都は、当然、用地取得に当たって、同社の土壌汚染処理を確認した上で購入してきたという経過があるのでありますけれども、改めて今、用地の購入に当たって土壌汚染処理をどのように確認してこられたのか伺います。 # 越智新市場担当部長 越智新市場担当部長東京ガス株式会社は、平成十四年及び平成十七年に環境局に環境確保条例に基づく汚染拡散防止計画書を提出し、土壌汚染処理を行った後、平成十八年に五街区及び七街区、平成十九年に六街区における汚染拡散防止措置完了届を提出し、処理完了を報告しております。中央卸売市場は、この完了届の提出を確認した上で用地の購入を行っているところでございます。 # 木内委員 木内委員今の答弁で、そうしますと、従来から条例に基づく届け出により確認しているということが理解できるわけでありますけれども、しかし、今回、土壌汚染対策に係る専門家会議の議論によって都が実施した追加調査によって、東京ガスの操業由来としか考えられない一千倍の濃度のベンゼン等、先ほども要求資料の説明等で数字が明らかになっているところでありますけれども、高濃度の汚染物質が検出され、従前の同社の調査に重ねて、詳細な地下水・土壌調査を行うこととなった、こういうことでありました。土壌汚染処理を確認した上で用地を購入するとしている都にとって、今後、こうした経過をたどってまいりますと、円滑な用地取得に支障が生じかねないのではないかという、そういう思いがあります。そこで、今後の用地購入計画についてはどう方針を持っておられますか。 # 越智新市場担当部長 越智新市場担当部長中央卸売市場といたしましては、平成二十年度予算として未取得の港湾局用地の購入予算を要求するなど、平成二十二年度までの三カ年で、残りの東京ガス株式会社所有地を含めた未取得の用地二十三・五ヘクタールを購入する予定でございます。 # 木内委員 木内委員平成二十二年度までに、東京ガス所有地を含めた未購入土地の取得を行う予定である。確かに用地取得というのは新市場整備事業の根本であり、おろそかにできない問題であります。一方で、土壌汚染に係る広範な詳細調査や対策がまたこれ関連しておりまして、複雑な様相に今なってきていることも事実であります。そこで、本年度予算で用地の取得費が計上されておりますけれども、執行についてはどういう基本的な方針でいくのか、考え方を伺いたいし、今後のこれに伴う条件等を示していただくことはできますか。 # 越智新市場担当部長 越智新市場担当部長本年度予算で購入を予定しておりました五街区及び七街区の港湾局用地八・七ヘクタールにつきましては、現時点で土壌汚染に係る詳細調査の結果や対策内容が明確でないことから、購入を延期することといたしました。これを含めました未取得の用地二十三・五ヘクタールにつきましては、土壌汚染に係る詳細調査の結果や対策内容など、基本的事項が整理された上で購入する考えでございます。 # 木内委員 木内委員今の点が私のきょうの質疑のポイントでありまして、二点あったわけです。一つは、土壌汚染に係る詳細調査の結果や対策内容が明確でないため、まず購入は延期することにした。もう一点は、今後の用地購入については、土壌汚染に係る詳細調査の結果や対策内容等、基本的事項が整理された上で購入する。これは全く新しい公式の場で明らかにされた基本的な考え方であろう、こういうふうに思います。中央卸売市場が、従前の完了届による確認に加えて、土壌汚染に係る詳細調査及び対策を、今申し上げたように、購入の基本に据えているということは、私は、都民の期待にこたえるものの一環であろう、また理解を得られるのであろうという気持ちもするのでありますけれども、いずれにしても冒頭申し上げたように、万全な安全対策というものが大前提になるわけであります。申し上げるように、今後の新市場への対応というものは、とにかく都民の信頼と理解が得られる安心・安全の確保ということが大前提でありますので、ぜひとも留意されたいわけでありますが、ところで気になるのが、対策費と、これまで出ておりました東京ガスの負担という議論の問題であろう、こういうふうに思うんです。今後の詳細調査で操業に由来する汚染物質が検出された場合、対策費用の負担についてさまざまなマスコミ報道があるわけでありますけれども、東京ガスとの協議の基本的な姿勢を確認していきたいと思います。 # 越智新市場担当部長 越智新市場担当部長土壌汚染対策費のうち、東京都の調査で検出された有害物質が操業に由来し、かつ除去等が必要となる経費につきましては、基本的に汚染原因者である東京ガス株式会社が負担すべきものと考えております。費用負担の問題につきましては、詳細な調査の結果を踏まえまして整理を行ってまいりますが、対策の中には、例を挙げますと、自然的要因の有害物質の除去、専門家会議の議論を踏まえた詳細な調査の実施、震災対策など都の責任で実施すべきものが多く含まれております。今後、費用負担の問題につきましては東京ガス株式会社と協議してまいります。 # 木内委員 木内委員るる答弁いただきましたけれども、東京ガスと協議するに当たりまして、具体的にどういう課題があって、それぞれにどう対応していこうとしているのか、再び答弁を求めます。 # 越智新市場担当部長 越智新市場担当部長東京ガス株式会社との協議に当たりましては、同社の調査、対策が当時の環境確保条例に基づき手続を終了していること、一方で、今回の調査で現に操業に由来する高濃度の有害物質が検出されていること、今後、有害物質が検出された場合の自然由来と操業由来の区分、確認書の位置づけなど、数多くの整理すべき課題がございます。現在、法的な問題につきましては、これまでの確認事項を踏まえまして、法律の専門家に相談しながら検討しているところでございます。都は、今後四千百カ所で実施いたします詳細な土壌・地下水調査の結果を踏まえまして、東京ガス株式会社と具体的に協議してまいります。 # 木内委員 木内委員繰り返し申し上げるように、大切なのは、土壌汚染を克服して、都民が安心できる卸売市場をつくるという、この一点であります。ところで、都の副知事も出演いたしました先日のテレビの対談番組で、出演者が豊洲の土壌汚染問題を取り上げて、土壌汚染対策法は深さ十メートルまでの調査が基準なのに、都が実施する十メートルメッシュの詳細調査は深さ五メートルまでしか調査しないので不十分である、そういう趣旨の発言をしていました。きょうも関連した質疑がありましたけれども、今申し上げたテレビの出演者の発言は正しいですか、どうですか。 # 宮良新市場建設調整担当部長 宮良新市場建設調整担当部長土壌汚染対策法の基準では、ベンゼン等の揮発性物質の土壌表層調査の結果、高濃度のガスが検出された場合、地表から深さ十メートルまたは不透水層の上端まで土壌のボーリング調査を行うこととされており、一律に深さ十メートルまでの調査を求めているわけではございません。今回、都が行う調査は、豊洲新市場予定地全域を対象に十メートルメッシュで土壌・地下水の調査を行い、当該箇所で高濃度の有害物質が検出された場合には詳細な土壌ボーリング調査を行うこととしております。土壌のボーリング調査につきましては、専門家会議委員から、不透水層を形成している粘土層が水を通しにくく、粘土層内部、下部の汚染の可能性は低いとの意見をいただいていることから、地表面から不透水層上端までを対象に行うこととしております。都が実施する調査内容は、土壌汚染対策法が求める内容と合致しております。 # 木内委員 木内委員申し上げたテレビの報道内容が誤りであったことがここで明らかになりました。豊洲の土壌汚染問題が大きくクローズアップされる今日、今最も求められるのは、正確な理解、正しい情報ではないか、そんなふうに思うわけであります。冒頭申し上げたように、大分質疑がありまして、重複を避けてポイントだけお尋ねしたわけでありますけれども、最後に、確実に土壌汚染処理を実施した上で着実な新市場の整備というものを進めていかなければならないと思うわけでございまして、さきに知事も、調査箇所をふやして、都民が一〇〇%安心できるようにしていきたいということを定例記者会見で述べておられます。新市場の開設というのは、食の安心・安全が確保されなければならないということも、従前より繰り返しているとおりでございまして、今後関係者と十分な議論を行いながら、都民の安心を得て、着実な整備を進めていただきたい。本当に市場長を初め、ご苦労が多いこれからの作業になると思いますけれども、そのことも強く要請しておきたいと思うんです。ご努力を重ねていただきたい。最後に、市場長にこの問題に関する抱負をお尋ねして、終わりにしたいと思います。 # 比留間中央卸売市場長 比留間中央卸売市場長東京都は、専門家会議の設置前から、豊洲新市場予定地の敷地全面にわたって、現行の法と比べても二重、三重の対策を行うこととしておりまして、安全性を確保する上で極めて手厚い対策を行うこととしておりました。これに加えまして、本年五月から専門家会議を設置して、市場用地としての特性を踏まえて求められる土壌汚染対策について議論を進めており、今回、土壌汚染対策法と比べて同等な詳細調査を実施することといたしました。来年七月ごろには、調査結果を踏まえ、専門家会議からの具体的な提言を受ける予定でございます。都では、この提言を確実に実施し、豊洲新市場予定地の土壌汚染対策に万全を期してまいります。豊洲新市場は、流通環境が大きく変化する中、今後、将来にわたって長く首都圏の基幹市場として機能できる先進的な市場として整備をしてまいります。具体的には、品質管理の徹底を図るため、閉鎖型構造としてコールドチェーンを確保するとともに、車両誘導、駐車場管理システムの導入などによる物流の効率化、太陽光発電システムの導入や屋上緑化、場内搬送車両の電動化などにより、環境への負荷の低減を十分考慮した市場としてまいります。このような取り組みを積極的に進め、平成二十五年三月には、都民が安心できる市場、新たな時代のモデルとなる市場として豊洲新市場を開場させてまいります。 # 小竹委員 小竹委員私も豊洲の土壌汚染についてお伺いします。私たちは、食の安全・安心を守るという立場に立って、これだけ地下水や土壌が有害物質に汚染された豊洲へ生鮮市場である築地を移転させることは中止すべきだという基本的立場に立っています。その点に立って、これまで土壌汚染対策法に基づく調査は、少なくとも土壌や地下水について行うべきだという点から、最低限の責任だということで追及してまいりました。しかし、市場当局は当初、市場長も、地下水は飲料にしないから調査しなくていいんだとお答えになり、また土壌についても、東京ガスの調査で万全で、それに加えて市場がやるんだからというふうにいってこられました。しかし、それが知事選で大きな争点になり、五月に専門家会議が設置されて、専門家会議が追加調査として八月に行った調査で、地下水のベンゼンが一千倍、土壌については一千六百倍という高濃度の汚染が検出された状況です。それに基づいて、先ほどご報告があった調査というふうになったわけですけれども、私は、これでもまだ不十分だといわなければならないというふうに思いますので、その点からお伺いしたいと思います。私たち都議団は、専門家会議が調査をされ、そして報告があった後、十月三十日に現地を視察させていただきました。そのとき見て、びっくりしたんですけれども、五街区も六街区も七街区も、いずれもあちこちに水が大量にたまっている、こんな状況を見かけました。池のようになっているところがあり、水鳥も来ている、こういう状況だったわけですけれども、この水は、二十七日、関東を襲った台風二十号の大雨でたまったものなんですが、雨が降った後、三日もたっているのに、あれだけたまっているんですね。水が引けないというのは本当に深刻な問題だというふうに、私も現場に行ってつくづく感じたんですが、そのときに降った雨の量、それから、たまっている水の水質等については調べたんでしょうか。水質までいかなくても、電気伝導度やpHの測定はお願いしたわけですが、結果をお聞かせください。 # 宮良新市場建設調整担当部長 宮良新市場建設調整担当部長豊洲新市場予定地の地表面にたまっている水は降雨によって生じたものと認識しております。したがって、調査する考えはございません。 # 小竹委員 小竹委員雨量もやってないということだと思いますけれども、雨だから調べていないというのは問題なんですね。現地に一週間後に行った方からも伺ったんですけれども、まだ引けてなかったというふうにいわれています。地面にたまった水が下にしみ込まないというのは、普通じゃ考えられないことですね。そういうことは、あそこは土ですから、その下に地下水がいっぱい飽和状態であるということではないんですか。だから吸い込めない、こういう状況なわけですよ。ということは、地下水が上まで上がって、汚染物質も上まで上がっているということになるわけで、本当にそういう点でいったら、地下水がどうなっているかという点を調べる上でも、たまった水の調査って重要なんですね。現地で、調べさせてほしいというふうに申し出たところ、それらについては市場の方で調べるからというふうにおっしゃられたんじゃないですか。やっぱり約束したんだったら、きちんと守って、本当に雨だけだったら、伝導度だって低いわけですし、pHだって低いということになるわけですから、都民に安心のデータを出す。最大限譲ったとしてもやるべき課題だというふうに思うんですね。本当にそういう意味でいうと、食の安全について、先ほど来、安全は守るんだというふうにおっしゃっているけれども、それ自身、私は疑問を感じるような状況です。ことしの第一回定例会のときにも、五街区のところに大きな池があって、地下水がたまっているんじゃないかといったら、これも市場の皆さんは雨水だといって、調査もせずに海水に流したんですよ。だけど、その水がどんなものであったかというのは、その後の調査で見ても明らかなわけでしょう。pHは高いし、電気伝導度も、普通の水じゃ考えられないような高い状況になっていたということですね。しかも、先ほど資料で出されましたけれども、五街区の地下の地層の状況を見れば、地下水がいかに高いところにあるかというのが明らかです。それこそ皆さんが水を流した後、私、ちょうど目撃したんですけれども、二メートル近くたまっていたんですね。深くなっていたんです。それを埋め戻してしまいました。だから、地下水が当然そこに入っていたということになるんじゃないんですか。私は、そういう点でいったら、都のやり方は臭い物にはふたをする、こういうふうに都民から受け取られても仕方がない行為だというふうに思います。表層水が今後たまって浸透しなかった場合には、表層水の調査と、表層土壌についても汚染されていないかどうかについてきちんと調査するよう、これは求めておきたいというふうに思います。これだけ深刻な豊洲の土壌汚染の実態が出ているわけですが、さらに調査するという方針にのっとりながら、その調査の実態が明らかにならないまま対策費を六百七十億と発表したのは、一体どういうことをやろうとしているのか。算定の基礎も含めて明らかにしてください。 # 宮良新市場建設調整担当部長 宮良新市場建設調整担当部長調査、対策に要する経費の内訳は、都がこれまで予定していた自然由来物質の処理、これまでの専門家会議の中で議論されている高濃度地下水のくみ上げ浄化などの地下水対策、震災対策としての地盤改良及び今後行う調査の結果、必要となる土壌処理などでございます。今後行う調査の結果、必要となる土壌処理につきましては、これまでの東京ガス株式会社や都が実施した土壌や地下水の調査における有害物質の検出率や、地下水位が上昇している面積を考慮の上、処理土量を算定しております。 # 小竹委員 小竹委員対策費については、どこで、だれが、いつ決めたんですか。その点お答えください。 # 宮良新市場建設調整担当部長 宮良新市場建設調整担当部長土壌汚染対策につきましては、来年度から実施予定でございまして、今回予算要望を行う必要があることから、必要な土量を算定し、必要な対策を考慮しまして、それにかかわる経費を算定してございます。 # 小竹委員 小竹委員だれが、という点をお答えにならなかったんですけど、市場が決めたということですね。専門家会議の方に諮ったわけではないわけですね。その点はどうですか。 # 比留間中央卸売市場長 比留間中央卸売市場長来年度、二十年度から、この土壌汚染の対策については予定しておりますので、専門家会議で議論してきた内容を踏まえて、中央卸売市場で経費を見積もって予算要求をしておりまして、最終的にはこれは東京都の予算という形で決定し、発表されますので、システムとしてはそういうことになっております。 # 小竹委員 小竹委員本来であれば、これから調査をされるわけですから、その調査で、どこまで汚染されているかという実態が明らかになった上で、じゃ、対策はどうするかというのを検討していく必要があるんじゃないですか。出口はもう決めて、移転するのが前提というあれですよね。本当に汚染状況がもっと、先ほどから意見が出ているんだけど、もっと大変な状況が出たらば、そこが市場の用地として適切なのかという問題を含めて検討しなきゃならないはずではないんですか。そういう意味でいったら、第三者や何かを含めたところでの検討がやっぱりなされなければならない。それによって客観性を担保できるような状況をつくらなければならない問題だということを私は指摘しておきたいと思います。引き続いて伺いますが、第五回専門家会議で承認された詳細調査、先ほどご報告があったんですが、十メートル格子で区分し、地下水及び東京ガスの操業地盤面での土壌調査というのが行われるわけですけれども、土壌汚染対策法に基づくのと同等だというふうにおっしゃられた。この間、先ほど来答弁されているんですが、どういう点で同等というふうな認識に立っているのか、お答えください。 # 宮良新市場建設調整担当部長 宮良新市場建設調整担当部長豊洲新市場予定地は、土壌汚染対策法の対象となる用地ではないことから、今回の調査は法に基づくものではありません。しかし、本年八月から行った調査の結果、高濃度の有害物質が検出されたため、土壌・地下水について敷地全面にわたり、法が求める最小調査区分である十メートルメッシュで調査することにしました。また、調査におきまして高濃度の有害物質が検出された場合には、東京ガス株式会社の操業時の地盤面から不透水層の上端まで一メートル単位で土壌の採取を行うなど、調査方法については結果として土壌汚染対策法と同等であると考えております。 # 小竹委員 小竹委員同等だというのは、汚染物質が検出された場合ですね。最初にやる、ここで詳細調査となっているんですが、詳細調査は、地下水、それは地盤面から不透水層までの中間地点一点ですね。土壌については、操業の地盤面という一点ですね。そこで発見されなかったものは調査の対象にならないわけですね。こういうことは、土壌汚染対策法に基づいていえば、幾ら十メートルメッシュでやっても、メッシュでやる場合には、下まで、十メートルまで一メートルずつ調査しなさいというのじゃないですか。それは汚染されている土地についてはそういうことになるわけですよ。ですから、前半でやられる、地下水と土壌の一点しかやらないというのは、対策法での詳細調査じゃなくて、予備調査といわれる部分にちょっとプラスした中身じゃないんですか。この点どうなんでしょうか。 # 宮良新市場建設調整担当部長 宮良新市場建設調整担当部長ただいま申し上げましたように、調査メッシュあるいは調査方法、あるいは高濃度汚染物質が検出された場合に、一メートル間隔で土壌ボーリングをいたしまして、土壌を一メートル間隔で処理する。こういった点から土壌汚染対策法と同等と考えております。 # 小竹委員 小竹委員でも、出なかったら、やらないんでしょう。土壌について、地下水全部、東京ガス、調べていませんから、一概にいえないですけれども、土壌汚染についていえば、表層で出てなくて、高濃度のものが下から出ているんですよ。この間、専門家会議でやったのでも、地下水も出たから対象になりますけれども、G-12は、一千六百倍出たのは二メートル下ですよ。そういうところがほかのところにないということはあり得ないと私は思うんです。十メートルメッシュでやるんだったら、何ですべてのところで地下最低不透水層まで一メートル単位にやるということ、これは土壌ガスの調査を予備調査でやって、出た場合にはやるというふうなのが義務づけになっているじゃないですか。既に三十メートルメッシュでやって、これだけ汚染されているというのが明らかになっているところで、十メートルメッシュでやるんだけど、何でそこの下まで土壌を調べないんですか。 # 宮良新市場建設調整担当部長 宮良新市場建設調整担当部長豊洲新市場予定地は土壌汚染対策法の対象となる土地ではございません。土壌汚染対策法でも、土壌の表層調査の結果、高濃度が検出された場合のみ、土壌ボーリング調査を行うこととされております。また、今回行う調査につきましては、専門家会議委員の科学的見地から選定されたもので、合理的な手法だと考えております。 # 小竹委員 小竹委員すれ違いになりますから、これ以上はあれですけれども、もう既に東京ガスで調査されているんですよ。表層土壌も含めてやられて、これだけ汚染されているというのがはっきりしているわけじゃないですか。専門家会議も調査をやったわけですから、やっぱりそういう点でいったら、すべてのところについてやらないというのは、都民の納得がいく中身にはならない、不十分きわまりないものだというふうに私はいわざるを得ないというふうに思います。平田専門家会議座長は、第四回の専門家会議で、しゅんせつ土を埋め立てているところだから、地質層がかなり入り乱れているのではないかというふうにいわれています。これまでの地質学という面では理解できないようなとんだ現象が出るだろうというふうにもいわれているんですね。だから、普通の地盤とは違った状況がそこにはあるんだということをいわれているわけですけれども、先ほど資料で出していただいた豊洲の地層断面図、これは、東京ガスがそれぞれの街区で二カ所ないし三カ所やった調査に基づいてつくられたものですね。柱状図でつくられた中身だと思うんです。ただ、本当にそうかどうかというのは、距離がありますから、土壌を調べることによって、そこの土壌の地層がどういうふうになっているか調べれば、もっと詳しい地層図ができるんじゃないんですか。この点はどうなんでしょうか。 # 宮良新市場建設調整担当部長 宮良新市場建設調整担当部長今回資料としてお出しした柱状図、地層図がございます。また、今回行う土壌・地下水詳細調査の前段に当たりましては、街区ごと何点か、そういった地層を確認するための事前の調査をして、それから調査に入る、そういう手順を考えております。 # 小竹委員 小竹委員これについては私は、地層という点で見ても、どういうふうになっているかというのを正確にやっていかなければ、そこの汚染状況がどう下まで行っているかというのはわからないという点でも、きちんとすべきだというふうに思います。ここに出されているのは、先ほど申し上げたように、東京ガスの調査に基づいてですから、もっと精密な地層図をつくる必要があるというふうに思います。続いて、お伺いしたいんですが、専門家会議の調査は不透水層までということで十メートルまで行っていないわけですね。先ほどから、不透水層の下は汚染されていないというふうに答弁されているんですけれども、不透水層は全く水を通さないわけじゃなくて、通る度合いが緩いわけですよ、上の方の層と比べたらね。だけど、汚染物質は下まで浸透している可能性が強いということと、ここの土壌からいったら、それこそ不透水層も一律にずっとあるわけじゃなくて、段差があったりするという点でいわれているところですから、その段差によって地下水が下に漏れるということはあり得るわけで、そういう点でもきちんと調査をする必要があるというふうに思うんです。同じ東京ガスの田町工場では、前にも問題にしましたけれども、第一不透水層の下の調査を行っているんですね。ベンゼンもシアンも砒素も、それこそ十五メートルまで調査が行われています。操業という点で見たら、田町工場は昭和二十四年で工場としての操業を終えています。そういう点で見ても、豊洲は六十年代まで操業していたという点でいっても、汚染の度合いは強いものと考えられます。汚染の実態を明らかにするためにも、不透水層の下、第二不透水層まで最低でも、大体十五メートルぐらいというのが先ほどの地層図にもありますから、そのぐらいまで調査をする必要があるというふうに思うんですが、先ほどから、汚染されていないという先生からのあれだということで、やらないお答えなんですけれども、改めて、豊洲も汚染されている危険性があるという点ではきちんと調査すべきだというふうに私は思うんですが、お答えください。 # 宮良新市場建設調整担当部長 宮良新市場建設調整担当部長不透水層より深いところの調査につきましては、関東地方の地質や土質に詳しい委員からは、新市場予定地で粘土層を形成している有楽町層は、水を通しにくく、汚染されている可能性は低いとの意見をいただいておりまして、不透水層より深いところの調査をする考えはございません。 # 小竹委員 小竹委員そうしたら、五街区は非常に浅いところに不透水層がありますね。五街区はそこまでしかしないんですか。そういうことでは、本当に都民の納得を得られないんじゃないですか。これで安心ですよといわれたって、納得できないですよ。これまでの間、不透水層の下については、調査すると汚染を広げるというふうなことをご答弁いただいたりしたことがあったんですけれども、既にこの市場用地については、「ゆりかもめ」の基礎ぐい、それから道路や橋の橋脚、水道工事の立て坑など掘られているんですね。そうしたらもう、そのくいを打つことによって土壌が、汚染が広がっているということもあり得るんじゃないんですか。そういうことを考えたときに、きちんと調査しないというのは不安きわまりないというふうに思うんですけど、問題ないというふうに考えておられるんですか。もう一度伺います。 # 宮良新市場建設調整担当部長 宮良新市場建設調整担当部長調査につきましては、不透水層を抜いて、例えばボーリングいたしますと、その試料を採取します。その際、不透水層に円筒状の穴があきます。それを介して汚染された地下水が拡散する可能性があります。そういったことから専門家会議の委員からも、そういった調査はしないようにといわれています。また、建物あるいは「ゆりかもめ」という例示がございましたけど、そういったくいについては、抜きませんので、汚染が広がることはない、そういうふうに考えております。 # 小竹委員 小竹委員くいは抜かないといったって、何が起きるかわからないんですよ。地層の下の状況がちゃんと掌握されてなかったら、安心して食べ物を扱う場所をつくっていいということにならないじゃないですか。もう既に汚染されている場所になるわけですから、きちんと掌握して対策を講じる。少なくとも調査した上で対策を講じるということが必要なんですよ。どこまで汚染が広がっているか確認しないというのは、安全確認の責任放棄だと私は考えます。これだけ重大な問題ですから、きちんと調査するよう強く求めておきます。第五回の専門家会議では、油汚染や発がん性の強いベンゾピレンの検出がされたということが報告されましたけれども、油臭や油膜、ベンゾピレンが検出されたのは何でなのか、そこについての理由をお伺いします。 # 宮良新市場建設調整担当部長 宮良新市場建設調整担当部長油やベンゾ(a)ピレンは、東京ガス株式会社豊洲工場で、石炭ガス製造に伴い副産物として生成されたタールの中に含まれており、これが主な原因と専門家会議委員から意見をいただいております。 # 小竹委員 小竹委員石炭の精製から副産物ということですけれども、これを調査の対象に入れないのはなぜなんですか。 # 宮良新市場建設調整担当部長 宮良新市場建設調整担当部長油汚染にかかわる油臭、油膜やベンゾ(a)ピレンにつきましては、土壌汚染対策法の対象ではございません。しかし、専門家会議からの意見を踏まえ、今回の調査で高濃度の有害物質が検出された箇所の土壌ボーリング調査において、油臭、油膜の確認を行うこととしております。特に油臭、油膜が著しい箇所につきましては全石油系炭化水素及びベンゾ(a)ピレンを分析することとしております。この調査結果につきましては、今後、専門家会議の中で議論していただくことになっております。 # 小竹委員 小竹委員汚染の高いところはやるということなんですか。もう一回。調査対象には入っていないですよね。今後の調査の中で、ベンゼンや何かの濃度が高いところについてはやるということなんですか。 # 宮良新市場建設調整担当部長 宮良新市場建設調整担当部長今回行います土壌・地下水調査で高濃度の有害物質が検出された場合には土壌ボーリングをいたします。その際に、油臭、油膜等、確認してまいります。 # 小竹委員 小竹委員それは一歩前進だというふうに思うんですが、対象外だからといって、これだけ検出されているわけですから、きちんと食品を扱うという点でいえば、やるべきだというふうに私は思うんですね。豊洲のガス製造は、石炭からの精製だけじゃなくて、原油やナフサや天然ガス、天然ガスは余り汚染物質を出さないとはいわれていますけれども、いろいろな原材料を使ってやっています。そういう面でも、操業期間が長いと同時に、いろいろなものを使っているわけですよ。だから、そういう意味ではきちんとすべての場所でやるべきだということは主張しておきます。次に、問題は、専門家会議の詳細調査の後の対策ということで判定基準が示されているんですが、この中に、地下水については十倍を超過した場合というふうになっているんですけれども、その判定基準の法的な根拠、それから、そこで線引きする理由は何なのか、お伺いします。 # 宮良新市場建設調整担当部長 宮良新市場建設調整担当部長土壌・地下水の詳細な調査の結果、土壌につきましては、環境基準を超過した物質について、地表面から不透水層までのボーリング調査を実施することとしております。都としましては、地下水中のベンゼン等についても同様に取り扱うこととしております。 # 小竹委員 小竹委員そうすると、専門家会議で検討されたときの調査と違って、地下水質については環境基準でやるということなんですか、調査。ここは十倍を超えた場合が判定基準の対象になっているんですが、その点どうなんですか。 # 宮良新市場建設調整担当部長 宮良新市場建設調整担当部長今回実施する土壌・地下水の詳細調査の内容及び対策に必要な調査を実施していく判定基準などは、専門家会議が今後の対策を検討していく上で必要かつ十分なものだと考えております。これらの調査とは別に、豊洲新市場の建設に際し必要となる調査として、地下水中のベンゼンなどが環境基準を上回る濃度が検出された箇所で土壌ボーリング調査を行います。 # 小竹委員 小竹委員ちょっとわかるようにいっていただきたいんですが、これが妥当だというんだったら、要するに判定基準が妥当だというんだったら、この判定基準で次の調査をやるということなんでしょう。地下水は十倍を超えたところが基準なんですよ、土壌については溶出量や含有量で基準を超えたところとなっているんだけど。で、十倍の根拠というのを伺ったんだけど、地下水についても環境基準でやるということなんですか。ちょっとそこのところ、はっきり。だから、これより前進した中身になるのかどうかというのを確認させてください。もう一回、正確にお答えください。 # 宮良新市場建設調整担当部長 宮良新市場建設調整担当部長ただいま申し上げましたように、委員お示しの今後実施する土壌・地下水の詳細調査、そういったものは、これから専門家会議が今後の対策を検討していく上で必要かつ十分なものであります。それとは別に、これらの調査とは別に、豊洲新市場の建設に際し必要となる調査として、私どもが、地下水中のベンゼンなどが環境基準を上回る濃度が検出された箇所で土壌ボーリング調査を行います。 # 小竹委員 小竹委員ちょっとわかりにくいんだけど、適切だというのと別に、というのはどうしてなんですか。別にやらなくたって、環境基準を超えたところ及び土壌について溶出量や含有量が基準を超えたところは一メートルごとの調査をやるんだというふうにしたらすっきりするし、納得いくというふうに思うんですが、そういうことなのかどうか。ちょっと回りくどくて、これが妥当だといっておきながら、別に、というのの理由がわからないんですよ。だから、環境基準を超えたところは全部やるということなんですか。 # 宮良新市場建設調整担当部長 宮良新市場建設調整担当部長たびたび申し上げてしつこいんですが、今回実施する調査と別に、なお念のため、東京都が、地下水中のベンゼンなどが環境基準を上回る濃度が出た場合には土壌調査をいたします。 # 小竹委員 小竹委員ここには書いてないけど、地下水も基準を超えた場合にはやるということですね。それは前進したということで確認をさせていただきたいというふうに思います。私、さらに進んで、ここで専門家会議が調査したときに、D-12は地下水が一千倍と出た。この土地について都は東京ガスに問い合わせたわけですが、そのときに、どういうふうな用地だったというふうに聞いておられるのか、その点についてお答えください。 # 宮良新市場建設調整担当部長 宮良新市場建設調整担当部長私どもが東京ガス株式会社に豊洲工場の跡地の土地利用履歴を照会しましたところ、各種ガスを製造している機器等、それのメンテナンスをいたします会社の建物があった、そういうことを聞いております。また、その一部で、タールスラッジといいますか、石炭を乾留しましてガスを精製する副産物として出るタールですね、それを木くずにまぜたり、そんなような作業もやっていた、そのように聞いております。 # 小竹委員 小竹委員私、ここに東京ガスの土壌汚染の拡散防止措置完了届というのを持っているんですけれども、ここに有害物質の排出状況についてというのが書かれているんですね。それを読み上げますと、石炭ガスの冷却過程でベンゼンやシアン化合物を含む粗タールが生成されるが、通常は排水として処理されていた。しかし、装置の損傷等によって土壌中に排出されたものと考えられるというふうに書かれているんですよ。要するに、機械が故障したから土壌が汚染されたということで調査されて、完了届が出されている。これは、土壌汚染の履歴のときにも、それから汚染状況の調査報告でも、処理計画書の段階も全部同じなんですね。で、これによって完了したということで、土壌汚染の処理がされたということで届け出を受けて、これを受け取ったのは環境局なんだけど、これで市場は安全だというふうにお答えになってきたわけですね。その点はどうなんですか。 # 宮良新市場建設調整担当部長 宮良新市場建設調整担当部長東京ガス株式会社によります調査及び対策につきましては、当時の指針及び条例に合致したものと認識しております。 # 小竹委員 小竹委員当時の条例というのは環境の条例ですけれども、確かにそれに基づいて調査したんだけど、ここに有害物質の排出状況と書いてあって、機械が故障したからと書いてあるんですよ。さっきのご報告は、要するに、タールや何かをあそこのところに置いておいたということでしょう。おがくずをまぜて、おふろ屋さんや何かに燃料として売ったというふうなことでも、たしか専門家会議にはご報告があったというふうに思うんですけど、結局、東京ガスに問い合わせないで、これをそのまま認めて、大丈夫なんだというふうにいったこと、完了届もうのみにされてきたのがこれまでの経過なんじゃないんですか。土地の利用状況だとか、汚染物質の管理状況だとか、そういうものをやっぱりきちんと東京ガスに確認して、汚染物質がどういう状況にあったのかというのを確認しないということ自身、今後の問題としたって、私は、安全というふうにいえない問題だと思うんです。この点では責任は重大だというふうに指摘しておきます。もう一つ、私はここに、豊洲工場で働いている方々が毎日携帯することを義務づけられていた安全心得という手帳を持っています。私、これ全部一通り読ませていただいたんですけど、本当にガスというのは、こんなに危険なところで労働者の方たちが作業していたんだというのを改めて認識しました。命にかかわるような劇毒物や有機溶剤、ガス、それがここに明記されているんです。で、どういうところにありますよという、敷地も、こういう小さい図面で書かれている。これは字が小さいですからなんですが、例えばベンゼンについていえば、顔面紅潮、失神、死亡というふうに、そういう危険があるんだよということが書かれていて、注意事項まで書かれているんですね。それから、そういうのでぐあいが悪くなった人に対する手当ての仕方まで書かれているんです。そういうところは、赤く、こういうふうに線が引かれているんです。そういう意味でいっても、私は本当にこのまま、これだけそれこそガスだって七種類も書かれているんですね。劇毒物も七種類ぐらい載っているんですよ。そういうものを扱ってきたところなんだということを考えたときに、本当に安心なのかどうかというのは、よっぽど徹底して調べない限り納得いかないというふうに思うんです。だから、ガス製造で生成される物質、それから、こういう製造過程で使われている劇毒物、そういうのによって土壌汚染されている状況ですから、やっぱり綿密な調査をする必要があるというふうに思うんですが、今回の対策で十分安全が確保できるという認識に市場当局は立っているのかどうか、お伺いします。 # 宮良新市場建設調整担当部長 宮良新市場建設調整担当部長これまでの都の対策であります高濃度物質の除去、東京ガス操業当時地盤面から二メートルの深さ、そういった箇所の環境基準を超える物質の除去、さらには、その上に二・五メートルの盛り土、さらにはそこをアスファルト舗装やコンクリート盤で舗装する。そういったことに加えまして、今回専門家会議から意見をいただいて行う土壌・地下水の詳細調査、それを踏まえまして、これからいただく専門家会議の提言、そういったものを確実に実施することで二重、三重の対策、安全性は確保できる、そういうふうに考えております。 # 小竹委員 小竹委員土壌汚染対策法は、食品を扱うことを想定してつくられた法律ではありません。しかも、市場の方は、これに該当する対象地ではないというふうにいわれているんですけれども、やっぱり今ある法律でいえば最低限のことですね。だから、そういう意味でいったら、汚染されているところを全部きちんと調べてやっていくということを抜きに、全面的な実態を明らかにするということ抜きに対策は立てられないというふうに思うんです。今、万全なんだというふうにおっしゃられましたけど、私は決して万全ではないというふうに思います。生鮮食品を扱う市場ということで考えるならば、食の安全・安心には、万全という言葉はないぐらいきちんとやっていかない限り、ここでの操業は困難だというふうに思います。精密な調査を行って、土壌にしろ地下水にしろ、汚染の状況、実態をきちんと都民の前に明らかにして、その上に立って市場用地として妥当なものなのかどうか、そういうのを都民や関係者にきちんと判断を求めていく。こういう立場に東京都が立たない限り、ここへの市場移転については認めるわけにはいかないというふうに考えています。今回行う調査だけで、何が何でも移転させるという結論を出すことは絶対にあってはならないし、汚染された土地に固執して莫大な都民の税金を投入するということはやめるべきだというふうに見解を表明して、質問を終わります。 # 大西委員 大西委員豊洲の新市場予定地は東京ガスの製造工場跡地であり、工場の操業に由来する有害物質の汚染があることから、都民は、市場が豊洲に移転することに対し、食の安全・安心の観点から不安を感じているのは当然だと思います。ことしの第一回定例会の経済・港湾委員会でネットの原田委員が、豊洲新市場予定地は、対策を行うことで、だれもが安心できるレベルになるのかについて確認いたしましたところ、都は、現法令や条例に照らし十分な対策を講じていることから、安全性に問題はないと説明されましたが、やはり食を扱う現場であり、何よりも都民、そして、そこに働く人々の安心・安全に万全を尽くすべきです。専門家会議が設置されて、今、土壌汚染に関する検討を行い、四千百カ所の詳細調査を行っていくとされておりますが、初めてですので、改めて専門家会議を設置した経緯について伺います。 # 越智新市場担当部長 越智新市場担当部長豊洲新市場の土壌汚染対策につきましては、旧地盤面から深さ二メートルの土壌を入れかえました上で、二・五メートルの盛り土をし、さらに堅固なコンクリート盤やアスファルト舗装で覆うなど、二重、三重の対策を行いますことから、安全性を確保する上で極めて手厚い対策であるというふうに考えております。しかしながら、都民や市場関係者などの一部に懸念の声がありますことから、生鮮食料品を扱う豊洲新市場におきまして食の安全・安心を確保するために、土壌汚染対策につきまして専門家による検証、提言を行うことを目的に、本年五月から専門家会議を開催しているところでございます。 # 大西委員 大西委員まずちょっと違和感を感じるのは、二重、三重にやっているからもう安全なんだ、しかし不安があるから、専門家会議を設置したということなんですけれども、普通の都民の感覚からいうと、やはり汚染があることは事実であるわけだから、まずは専門家に、そこに調査を入れて、専門家会議等が設置されて、そこで二重、三重にやって、安全ですといわれるのであれば、ちょっと考える余地もあるんですが、この問題が起きてからずっと感じているのは、余りにも大丈夫だ、大丈夫だといい過ぎるんですね。やはり不安があるわけですし、現実に汚染はあるわけなんですから、まずどうするかということの対策を立てた後に、そういう安全宣言なりいってもらわなきゃいけないのに、その辺が最初のかけ違いで、ますます都民に不安を与えているように私は感じます。そういう意味で、だからといって、じゃ、どこかということがまず今のところは提案できない。まして、あの辺を考えて、全くきれいな土地というのは、ある意味残念ながらないんですね。そういう意味では、これからの対策の中には、私たちがリスクをどのようにある意味受け入れたり、対策を立てていくかという、もう一歩進んだ対策を立てなきゃいけないし、今、議論を聞いていても、こっちの専門家はこういう、こっちはこういうという感じの中で、私たち議員であっても、どんなに調査しても、本当にそれを判断するということを求められていて、非常に難しいと感じております。そういう意味では、本当にこれからリスクコミュニケーションというものを市場の中でしっかりと取り入れて、それで都民に対して開かれた専門家会議であるとか、情報をしっかり公開するという、そういう姿勢に市場がまずは変わっていただかない限り、この問題は本当に解決というか、まずは何よりも合意ができる問題ではないなということを、改めてきょうの委員会に出て思っております。そういう中で、都民の了解を得ていくために、何よりも情報を公開し、透明性を高め、より多くの都民に正確な情報を伝えていくことが必要です。都はこれまでも、専門家会議を公開で行い、調査の状況についても一般に公開し、情報の公開性、透明性を確保するように取り組んでこられたといっております。しかしながら、専門家会議を始めたころは、一般の傍聴者の席が少ないなど、会議運営について幾つかの問題点がありました。私たちは、抽せんから漏れた傍聴希望者への音声中継、会議への疑問への対応などについて提案してきましたが、その後、東京都は、専門家会議の音声中継や傍聴者との質疑応答などを行ってきており、その情報の公開性、透明性を確保する姿勢は一定評価しております。そこでお尋ねしますが、今までに行った専門家会議一般傍聴枠の四十名に対して、傍聴希望者及び音声中継を聞いた人の人数はどれくらいいましたか。 # 越智新市場担当部長 越智新市場担当部長専門家会議の第一回から第五回までの傍聴希望者は延べで五百五人で、一回当たり約百人でございました。また、音声中継は第三回から実施しておりますが、傍聴者数は延べ五十六人であり、毎回二十人程度でございました。 # 大西委員 大西委員毎回定員を超える都民の方が傍聴に来られ、抽せんに漏れた方も音声での中継を聞かれたということですね。それだけこの問題が、単なる土壌汚染ではなく、食を扱う市場ということで、危機感を皆さんが感じているということのあらわれだと考えます。できる限り都民の要望にこたえられるように会議を運営することで、情報の公開性、透明性を確保していくことが大切だと考えます。また、八月には土壌汚染調査の実施状況についても公開しましたが、一般の方々にも実際の現場を見ていただくことは、百聞は一見にしかずということもあり、意義のあることだと思いますが、今後行う詳細の調査についても、都民への公開は当然行っていくんだと思いますが、いかがでしょうか。 # 越智新市場担当部長 越智新市場担当部長豊洲新市場の土壌汚染につきまして、調査の透明性及び調査結果の信頼性を確保するために、本年八月に実施いたしました追加調査につきまして、実施状況を公開しております。今後行う詳細調査につきましても同様に公開していく予定でございます。 # 大西委員 大西委員ぜひ引き続き公開の姿勢でやっていただきたいんですが、今回のような調査結果が報告されたことで、多くの都民が豊洲への移転に不安を持っています。豊洲への移転を進めるには、豊洲新市場予定地の土壌汚染状況や土壌汚染対策が求められます。専門家会議の提言をもとに、わかりやすく正確に伝え、移転について了解を得ていく必要があります。それには、単に専門家会議や調査現場を公開し、ホームページに情報を提示するだけでは不十分じゃないかと考えます。今後、東京都は専門家会議の提言をどのように都民に周知していくのか伺います。 # 越智新市場担当部長 越智新市場担当部長専門家会議の内容や資料につきましては、これまでも都民向けにホームページに掲載しておりますが、今後、説明の方法や内容にさまざまな工夫をし、わかりやすいパンフレットの体裁にして、広報誌やホームページなどを活用しながら情報を提供してまいります。また、市場業界に対しましては、これまでも懇談会や説明会を開催してきておりますが、来月から、全仲卸組合員を対象に、業種ごとや二十業者程度の少人数のきめ細かな説明会を開催していく予定でございます。今後も、あらゆる機会を通じまして、都民や市場業者に丁寧に説明し、提言を含め、専門家会議の内容について周知してまいります。 # 大西委員 大西委員生活者ネットワークとしては、この豊洲への移転というのは、築地が非常に狭隘であるということとか、アスベストの問題もありますが、私ども、食の安全という立場から、築地も、ごみ問題も含めて、環境問題等のいろいろな提言をしてきたわけですが、その提言が、土地がなかなか狭くて、そういう余裕がないということで、ある意味、豊洲への移転というものも仕方ないかなという立場でいましたけれども、今回の汚染をちゃんと対策を立ててもらわない限り、それをのむわけにはいかないという立場でおります。それに何よりも、こういう問題を、どのようにまず対策を立てて、ここまでやったから、ぜひ都民も納得してもらうとか、そういう市場の姿勢が問われるんですけれども、一部の専門家だって、いろいろな立場がありますし、ある意味専門家同士の公開シンポジウムとか、専門家だけではなくて、何よりも食といった場合は食べる私たちが専門家ですから、そういうものも含めたもので、当事者みたいなところでの、そういう公開討論会みたいなものを打ち出していくという姿勢が必要なんじゃないかなと私は思っております。この問題は、狭いところで議論していっても、ある意味わかりませんよね。それよりも、ちゃんと前向きに対応していただくことを求めて、質問を終わります。 # 清水委員 清水委員私も、先ほどの小竹委員の質問に続きまして、都が行うことになった四千百カ所の調査について伺います。まず基本的なことなんですけれども、先ほどから何人もの方が繰り返されているように、今、食の安全の問題がさまざまな出来事から都民の大きな関心になり、不安になっているわけです。そういう中で、今回の問題を、都として説明責任、情報公開をきちんと行う姿勢があるのかということを伺いたいと思います。それは、わかっていることだけを知らせるという説明責任だけでなくて、疑問があればそこに答えていくというような基本的な姿勢を持って行っているのかどうか、お伺いしたいと思います。 # 越智新市場担当部長 越智新市場担当部長今回実施いたします四千百カ所の詳細な調査結果を踏まえまして、豊洲新市場予定地の土壌汚染対策に万全を期していく考えでございます。今後、調査結果につきましては情報を公開し、または現場の調査状況についても公開して、情報の透明性を確保していく考えでございます。 # 清水委員 清水委員私たちが疑問に思っていることなどについてもきちんと説明責任を果たしていただきたいし、きちんとした情報公開をまず求めておきたいと思います。それで、今回、四千百カ所の調査を、ボーリングをするわけなんですけれども、そのボーリングというのは一日何本行うのか。そして、そのサンプリングはそのボーリングから何回行うのか、お答えください。 # 宮良新市場建設調整担当部長 宮良新市場建設調整担当部長土壌・地下水の詳細調査に関する試料採取のボーリングにつきましては、一日当たり各街区で三十カ所、計九十カ所を実施していく予定でございます。また、試料採取のことでございますが、土壌・地下水の調査では、各調査地点で土壌を一検体、地下水を一検体の合計二検体を採取し、分析いたします。また、当該箇所で高濃度の有害物質が検出された場合には、東京ガス株式会社の操業時の地盤面から不透水層の上部まで一メートル単位で土壌の採取を行います。 # 清水委員 清水委員一日九十本のボーリングを行うということなんですけれども、そうすると、何社を予定しているのか。それから、機械を何台入れる予定にしているのか、お伺いいたします。 # 宮良新市場建設調整担当部長 宮良新市場建設調整担当部長四千百カ所の調査につきましては、三つの街区別に実施することを検討しております。また、現在想定しておりますのは、各街区ごと十台ずつ機械を入れることを考えております。 # 清水委員 清水委員そうすると、三社ということになりますね。各街区ごとで三社、そして十台の機械で行うということなんですけれども、そうすると、まずボーリングを十メートル程度行って、そこからサンプリングして、それを記録する。そういう作業に、先ほどお伺いしたら、一体どのぐらいの時間がかかるかは把握していないといわれたんですけれども、かなりの時間がかかるというふうに私は聞いています。そうすると、一日九十本行うということになると、一体どれだけの技術者を予定しているんですか。 # 宮良新市場建設調整担当部長 宮良新市場建設調整担当部長調査に関しまして、主任技術者、助手等々おります。ただ、それらの数字につきましては、まだ契約前でございます。それらを答えることは差し控えさせていただきたいと思います。私どもは、適正な標準的な歩掛かりを見まして、必要な技術者を手当てして積算しております。 # 清水委員 清水委員そういうことをはっきりしなければ、一体この調査がきちんと行われるのかどうかということが判断できないんですよ。この十台で三十カ所、一日九十本のボーリングをするということは、本当にこんなにたくさんの技術者がそろえられるのかどうかということなんですよ。もしそろえられなければ、あいまいな形、不十分な調査になってしまうんじゃないかということもいえるわけなんです。だから、私は、技術者がいるんですかということを聞いたわけなんですね。じゃ、現在はそういう心配はされておられないのかどうか、お聞きしたいと思います。 # 宮良新市場建設調整担当部長 宮良新市場建設調整担当部長今回実施する調査に関しましては、調査数量、現場のボーリング作業効率、それに必要な技術者数、土壌や地下水を分析する専門機関において分析に要する日数等々を考慮して算定してございます。作業内容に基づき積み上げた調査期間、内容でありまして、適正なものだと考えております。 # 清水委員 清水委員複数の業者を採用する、三社採用するということなんですけれども、業者によっていろいろな採用の、まあ、規格はあるかもしれないけど、調査する規格というのはJIS規格というのがあるようなんですけれども、業者によって誤差が生まれるということを指摘される専門家もいるわけです。それで、何で三社も一緒に入れるのかと、違う会社を入れて、誤差は一体どこで判断できるのかということをいわれるわけなんですけれども、そういうことをご認識の上で、三社入れるというふうに決めたんですか。 # 宮良新市場建設調整担当部長 宮良新市場建設調整担当部長今回行います土壌・地下水調査、測定が非常に多うございます。約四千百カ所とご説明しまして、三街区、面積も広うございます。そういったことから一社ではなかなか難しいと考えております。合理的に、なおスピーディーに作業をやるために三分割してございます。また、分析精度の確保につきましては別途また考えているところでございます。 # 清水委員 清水委員四千百カ所で一社でやったって、全然構わないじゃないですか。時間をかければいいんですよ。私はそういうことをいっているんですけれどもね。今の誤差の認識、対応については、今はお考えはないと。これから考えるというようなことだったと思うんです。それでは、短期間に多くのサンプルをとるんですけれども、その基準ですね。三社、各会社による基準、その統一基準があるかと思うんですが、契約の上であいまいな基準のままやったら、現場の監督の裁量が多くなってしまって、その時々の指示でやらせる可能性が強いといわれています。そういう意味で、業者との契約書、仕様書など、業者と取り交わす書類を議会に明らかにして、それはきちんと行われるのか、誤差が生まれるといわれているんだけれども、そういうこともどういう統一基準でやるのか、基準はどうなのかということを明らかにする必要があると私は思いますが、どうですか。 # 大野管理部長 大野管理部長今後行います土壌・地下水の調査につきましては、早期の実施に向けて現在契約手続を進めておりますが、準備が整った段階で、調査の概要や競争入札への参加資格など、必要情報を東京都公報に掲載し、公示いたします。仕様書につきましては、この公示以降、東京都のホームページ上に掲載され、だれでも入手することが可能になります。また、契約書につきましては、公文書として東京都情報公開条例の定める開示請求の対象となりますことから、同条例に基づいて開示請求があれば、個人情報などの非開示該当事項を除きまして開示手続を進めることになります。 # 清水委員 清水委員私は全部出してくださいといったんです。個人情報にかかわるところはいいですよ。そんなことは予定していません。希望していませんよ。情報公開で出せるというんだけど、情報公開で出せるんだったら、私たちに情報公開の手続をしろということですか。審議を行うのに必要な書類なんだから、私たちにも契約書をきちんと出してくださいよ。なぜ出せないんですか。 # 大野管理部長 大野管理部長当委員会からご要求がございますれば、私ども、必要な情報については検討させていただきます。 # 清水委員 清水委員後で理事会でお話をさせていただきます。前回と今回の分析値でベンゼンの千倍もの差異が出たということは、先ほども小竹委員が触れましたように、サンプリングだとか分析の誤差ではなくて、この場合むしろ汚染の実態を反映したものだと考えられます。つまり、埋立地の地下水は汚染濃度の濃い部分と薄い部分がまだらに分布し、流動しているので、観測坑とサンプリング深度を特定しただけでは、汚染物質の濃度やその動き、挙動というのは特定できないというふうに、この結果からも明らかだと思うんです。そういう点を踏まえるならば、この観測坑については、季節変動を含めた、春夏秋冬含めた繰り返しの観測が不可欠であり、全域全観測坑の同時観測を実施することが望ましいというふうに私は考えます。そういうやり方からすると、最低でも準備一年、そして観測一年、解析一年。五月までに、七月までに終わるというんじゃなくて、三年間ぐらいの作業時間が必要だというふうに考えますが、いかがですか。 # 宮良新市場建設調整担当部長 宮良新市場建設調整担当部長委員、先ほどお尋ねがございましたデータの精度のことでございますけど、分析はやはり複数の機関に委託せざるを得ない、そういうふうに考えております。データの信頼性確保の観点からは、物質の濃度を正確に測定した統一の試験体を各調査機関が分析し、その結果を照合することにより精度の確認をしていく、そういったことを考えております。季節変動のお尋ねでございますが、地下水中の有害物質の濃度につきましては、専門家会議から、気温などの変化によって影響を受ける、そういうふうにいわれております。このため、今回、土壌・地下水の調査に含め季節変動を調査いたしますが、専門家会議からは、今回の調査期間の計測で、今後行うリスク評価の指標としては十分であるとの意見をいただいております。また、調査期間が三年というお話でありますが、今回、豊洲新市場予定地で実施いたします四千百カ所の土壌・地下水の詳細調査は、平成二十年五月には終える見込みであります。詳細調査において高濃度の有害物質が検出された場合には、当該箇所でより詳しい土壌のボーリング調査を行います。このボーリング調査には約二カ月の期間が見込んであります。すべての調査が完了するのは、おおむね平成二十年七月と見込んでおります。 # 清水委員 清水委員季節変動、五月までとかいうことを、何で季節変動というんですか。それから、これだけの問題になっているんだから、本当に汚染の実態がどうなっているのかということを把握する必要があるんですよ。一体汚染がどうなっているのかと。すべて、すべて調べて、どうぞと。こういう状態なんだから、どうしたらいいのかと。先ほどもいわれました。そういうことを明らかにする前提の調査なんですよ。だから、私は、最後を区切るんじゃなくて、少なくとも調査期間、観測期間、解析一年、三年の作業時間を要望しておきます。百歩譲って、それだったらば、これまで繰り返しいっているように、先ほど大西さんも触れていましたけれども、専門家会議の先生と環境学会の先生たちのクロスチェックというのを、これまでも繰り返し要望してきたんですけれども、そうやって透明性を確保するということはどうですか。 # 宮良新市場建設調整担当部長 宮良新市場建設調整担当部長土壌汚染調査及び分析に当たりましては、調査内容の透明性とデータの信頼性を確保していくことが重要であると考えております。都が行う調査分析につきましては、調査地点、調査方法、分析機関、調査結果等のすべての内容を公表していくことから、クロスチェックを行う必要はないと考えております。さらに、約四千百カ所の調査を別の実施者が同時に行うことは現実的とはいえないと考えております。これまで行ってきました調査結果につきましては、専門家会議で公表してまいりましたし、今後実施する調査結果についても専門家会議において公表してまいります。 # 清水委員 清水委員そういう姿勢だから、そういうかたくなな姿勢になっちゃったらだめなんですよ。どうぞ豊洲地区の汚染の実態を皆さん調べてください、みんな入って調べてくださいとはいいませんけれども、そのぐらいの姿勢になってやらなければ、信頼しませんよ。こちらでやることだけだと、期間はこれだけだと、先生たちはこれだけだということでやっているから、いつまでも本当に安全を確保することができないんです。こういう方法は、例えば反対している人たち、それから企業、そういう人たちがチェックしているという例もあるんですよ。ご承知のように、日本最大で世界有数の亜鉛鉱山である三井金属の神岡鉱山から排出されたカドミウムにより、神岡鉱山下流の富山県神通川流域で農地土壌と産米が汚染され、長年にわたりカドミウム汚染米を食べた中高年の女性が多数、カドミウムによる腎臓障害を起こし、骨粗鬆症を伴う骨軟化症。つまりイタイイタイ病のことですよ。で、その事件で、その後三十年にわたり、民間団体と企業が合意して、同じ場所を同じ時間に同時にサンプルをとる、そして、それぞれの機関で調べるという方法を今もやっているんですよ。私は、もう三十年前のことだからと思ってはいたんですけれども、三十年間今も続けてやっている。そういう例があるから、私たちはいっているんですよ、クロスチェックというのを。それで、座長の平田先生がかかわった大阪アメニティパーク(OAP)土壌地下水汚染の対策に係る技術評価検討会では、第三者機関のクロスチェックを実施したというふうに雑誌に書いてあります。反対派の人たちのだって、別に科学というのは、実態なんだから、そこで何かやるわけじゃないんだから、運動じゃないんだから、同時にとって、同時に調べるというようなことぐらいできるんじゃないですか。そういう例があるのに、私は、平田先生が少なくともそういう例をお示しいただきたいなというふうに思いました。引き続き私たちは、このクロスチェックというのを求めていきたいと思います。次に、第四回専門家会議の場で、専門家委員の先生の一人である駒井先生が、砒素の濃度が〇・〇一ミリグラム・パー・リットルを超えているところが深い方向に幾つかあります、恐らく環境基準を超えているところは自然由来のところがあるだろうと、場合によっては、人為的なものと混在している可能性があるので、少し詳しい調査をしていただきたいと発言していました。私も、すごく砒素の濃度が高くて、その発言が印象に残って聞いていたんです。専門家会議の先ほどの傍聴で聞いていたんですけれども、その対策はどういうふうに考えているんですか。 # 宮良新市場建設調整担当部長 宮良新市場建設調整担当部長豊洲新市場予定地で検出されている砒素や鉛につきましては、専門家会議で、操業由来と自然由来のものがあるとの意見をいただいております。この意見を踏まえ、第五回専門家会議で、操業由来と自然由来との区分につきましては、土壌・地下水の詳細調査の結果、平成十五年二月の環境省通達、土壌汚染対策法の施行についてに基づき、土壌溶出量が環境基準の十倍を超えた場合、または土壌含有量が通達で示されている値を超えた場合といたしました。 # 清水委員 清水委員何か新たな調査をして調べるというようなことは考えていないわけですね。私は、自然由来だといわれているものが高い値が出たと、埋立地でね。そうしたらば、大体学者の先生たちが考えられることは、じゃ、この周辺のほかの埋立地はどうなんだと。ほかの埋立地の平均の濃度というか、実態はどうなっているのかというふうに調べなければ、環境省の通達で済ますというのは、疑問に答えていることにならないと思うんですよ。つまり、一体埋立地のバックグラウンドというのは幾つなんだと。豊洲の高かったものというのは、このほかの埋立地と比べて高いのか低いのか、一体どの程度の汚染なのか、人為的なものなのかということが比べられなければ、自然由来だとか、操業由来だとかいうことを、環境省の通達だけで決めてしまうのは、私はおかしいというふうに思います。私は、他の埋立地の砒素の濃度の調査をする必要もあると考えますが、いかがですか。 # 宮良新市場建設調整担当部長 宮良新市場建設調整担当部長今回行う土壌の調査で、砒素、鉛に対する自然由来と操業由来の区分につきましては、専門家会議で環境省通達とされており、新たに市場予定地以外の他の土地の調査をしていく考えはございません。 # 清水委員 清水委員疑問に答えてないじゃないですか。私、疑問なんですよ、それが。豊洲の砒素の濃度というのは一体どうなっているのかというのが疑問。その疑問に答える責任があるというふうに私は思います。次に、先ほど、小竹委員とかほかの方が対策費について伺いましたので、私は一点だけ伺いたいと思います。先ほど、対策費は、検出率といいましたよね、検出率に基づいて積算したんだということなんですけれども、つまり、既にやった調査の中から何割が汚染として出て、その比率に基づいて、今回、四千百カ所の中で何割出るかということをいっているわけですね。その検出率というのは、専門家会議の先生が科学的な裏づけのあることだというふうに認識されているんでしょうか。 # 宮良新市場建設調整担当部長 宮良新市場建設調整担当部長検出率のお尋ねですが、二十年度から土壌汚染対策を実施する必要から、ある一定の処理土量を推計する必要がございます。詳しくは、今後行う詳細な土壌・地下水の調査の結果を待たないといけませんが、これまで、東京ガスあるいは私ども東京都が調査してございます。東京ガスで申し上げますと、土壌ボーリング調査や地下水の調査、私どもも、土壌・地下水の調査をしてございます。その中で、例えば土壌ボーリング調査の結果、環境基準を超えた箇所とか、そういったものがデータとしてありますので、そういったものを参考に検出率を算定し、必要な土量も見積もり、経費を積み上げた、そういうことでございます。 # 清水委員 清水委員私が聞いているのは、それは学問の世界とか科学の世界で用いられている方法ですかということを伺ったんです。 # 宮良新市場建設調整担当部長 宮良新市場建設調整担当部長これまでの調査の結果のデータは当然真実でございますから、予算見積もりをする上で、その根拠として利用いたしました。 # 清水委員 清水委員そうすると、都が決めたということですね、当局が。専門家会議の先生の提案じゃないということでしょう。それでいいんですか、先ほど局長も、予算のことで決めたといいましたけれども。私、聞いていませんけどね。 # 比留間中央卸売市場長 比留間中央卸売市場長先ほどご答弁申し上げましたとおり、土壌汚染の実際の対策については二十年度から予定しています。それに要する経費については当然予算措置が必要でございますので、中央卸売市場として、今までの専門家会議での議論の内容を踏まえて、一定の試算を行った上で経費を算定しております。予算要求の内容に盛り込んだわけですが、この内容については、先ほど申し上げましたように、最終的には東京都の予算として編成されるわけですけれども、都民の代表である議会の場で審議されて、実際は予算として効力を発する。さらには、執行の内容については、決算という形で審査をいただくということで、その妥当性が検証されていくものだというふうに考えております。 # 清水委員 清水委員私たちがいっているのは、汚染の実態も明らかにならないうちに何で対策費が出るんだということ、私は疑問です。そのことは非常に疑問です。まず、汚染の実態を少なくとも慎重にきちんと把握して、そしてその後から。二十年というから、その期限が迫っているから、そういうことになるわけじゃないですか。二十年ということに、迫っているから。きちんともっと時間をかけて行えば、二十年に予算を全部示すことはないというふうに思います。私は、だから、今の対策費の算出の仕方も、調査する前に対策がつくってあると指摘されても仕方がないと。汚染状況に対応した適切な対策がわからない段階で、対策費用というのは算出できないというふうに感じています。それで、私は、今回質問したのは、何で二十年に予算を、対策費を出さなきゃいけないのか。それから、今後の予定として、二〇一三年に新豊洲市場の開場にこだわるのかという問題なんですけれども、これはもうご承知のように、築地を二〇一六年のオリンピック施設のメディアセンターの用地として確保するために、市場の移転が、二〇一三年に新しい市場を開設しなければいけないというふうに迫っているからではないかと考えるわけですが、そうではないといえるんですか。 # 宮良新市場建設調整担当部長 宮良新市場建設調整担当部長今回実施いたします詳細な調査の期間の算定に当たりましては、調査数量、現場での土壌ボーリングの作業効率、土壌や地下水を分析する専門機関において分析に要する日数を考慮して設定してございます。具体的には、調査計画の策定に一カ月、契約準備約三カ月、土壌・地下水の詳細調査約四カ月、対策のための調査を約二カ月と算定しており、平成二十年五月ごろには、四千百カ所の詳細な調査を終える予定であります。なお、豊洲新市場への移転は、これまで市場業界とともに長年にわたって取り組んできた課題でありまして、生鮮食料品流通の変化への対応や、築地市場の老朽化の進展などを踏まえますと、できる限り早期に実現しなければならないと考えております。 # 清水委員 清水委員小竹委員と私と、本日、四千百カ所の調査の問題を、不十分さを指摘してまいりましたが、私が先ほどから聞いた問題でも、疑問に何一つ答えていない。きちんと調査ができるのかということは、本当に都民の疑問に答えてないといわざるを得ません。こういう状況の中、このまま調査が進められ、そして結果が出され、対策が講じられるならば、本当に将来に禍根を残すものとなってしまう。ふたをして、禍根を残すものとなってしまう。そういう今の状態だというふうに思います。きちんと調査しないのであれば、豊洲の移転はやめるべきです。このことを申し上げて、質問を終わります。 # 増子委員長 増子委員長ほかに発言がなければ、お諮りいたします。本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 増子委員長 増子委員長異議なしと認め、事務事業及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。以上で中央卸売市場関係を終わります。これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。午後七時二十三分散会
2024-03-31T11:24:07.143737Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/827980?Template=document&Id=9073#one
--- title: 平成19年経済・港湾委員会 名簿・議事日程 # 平成十九年十一月二十日(火曜日)第八委員会室出席委員十三名委員長増子博樹君副委員長神林茂君副委員長大西由紀子君理事山口拓君理事上野和彦君理事三宅茂樹君米沢正和君小竹ひろ子君岡崎幸夫君清水ひで子君木内良明君川島忠一君馬場裕子君欠席委員一名出席説明員中央卸売市場市場長比留間英人君管理部長大野精次君事業部長荒井浩君市場政策担当部長大橋健治君参事後藤明君新市場担当部長越智利春君新市場建設調整担当部長宮良眞君参事河村茂君港湾局局長津島隆一君技監尾田俊雄君総務部長多羅尾光睦君監理団体改革担当部長山本隆君港湾経営部長江津定年君港湾経営改革担当部長小宮三夫君臨海開発部長小林敏雄君開発調整担当部長余湖由紀夫君営業担当部長藤原正久君港湾整備部長飯尾豊君計画調整担当部長山本浩君離島港湾部長石山明久君島しょ・小笠原空港整備担当部長室星健君本日の会議に付した事件港湾局関係事務事業について(質疑)中央卸売市場関係事務事業について(質疑)報告事項・豊洲新市場予定地における土壌汚染対策等について(質疑)・豊洲新市場予定地における土壌・地下水の調査計画等について(説明・質疑)
2024-03-31T11:24:07.855851Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/827980?Template=document&Id=9072#one
--- title: 平成19年経済・港湾委員会 本文 # 午後一時三分開議 # 増子委員長 増子委員長ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。初めに、本委員会に付託されております請願陳情は、お手元配布の請願・陳情継続審査件名表のとおりでございます。よろしくお願いいたします。本日は、お手元配布の会議日程のとおり、労働委員会事務局、産業労働局、中央卸売市場及び港湾局関係の事務事業の説明聴取、並びに中央卸売市場関係の報告事項の聴取を行います。なお、本日は、説明を聴取した後、資料要求を行うことにとどめ、質疑は後日の委員会で行いますので、ご了承願います。これより労働委員会事務局関係に入ります。初めに、労働委員会事務局長からあいさつ並びに幹部職員の紹介があります。 # 有留労働委員会事務局長 有留労働委員会事務局長労働委員会事務局長の有留武司でございます。このたび、増子委員長を初め委員の皆様方には、当局所管事業につきましてご指導を賜ることになりました。私ども労働委員会事務局職員一同、労使関係の安定と正常化のために精いっぱい努力してまいりたいと存じます。ご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。引き続きまして、当局の幹部職員を紹介させていただきます。本委員会との連絡に当たります総務課長の市毛良之でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。〔理事者あいさつ〕 # 増子委員長 増子委員長あいさつ並びに紹介は終わりました。 # 増子委員長 増子委員長次に、事務事業について理事者の説明を求めます。 # 有留労働委員会事務局長 有留労働委員会事務局長労働委員会事務事業につきましてご説明申し上げます。お手元に、資料1の事業概要及び資料2の「労働委員会のてびき」をお配りしてございます。それでは、資料1によりご説明申し上げます。目次をおめくりいただき、一ページをごらんください。制度の概要でございます。労働委員会は、労働組合法及び地方自治法に基づいて設置された合議制の行政委員会でございます。労働委員会の権限及び事務は、労働組合法及び地方自治法に規定されており、設置目的は、労働組合法、労働関係調整法などに基づき、公平な立場から労使間の紛争処理に当たることにより、労働基本権の保護並びに労使関係の安定と正常化を図ることにあります。委員会の機能は、判定的機能と調整的機能に大別できます。まず、判定的機能は、労働者側の申し立てに基づき、不当労働行為の審査を行うものです。これは、使用者の行った行為が労働組合法第七条によって禁止された行為に該当するか否かを判定し、救済命令を発するなど適切な措置を講ずることが主なものでございます。このほか、労働組合の資格審査などがあります。次に、調整的機能は、労使紛争が自主的に解決されない場合に、当事者の申請等により、労働争議のあっせん、調停または仲裁を行うことが主なものでございます。このほか、労働争議の実情調査などがあります。次に、委員会の構成及び委員の選任でございます。構成は、使用者委員、労働者委員、公益委員各十三名、計三十九名でございます。なお、使用者委員のみ、現員が十二名となっております。委員の選任は、使用者委員は都内の使用者団体の推薦に基づき、労働者委員は都内の労働組合の推薦に基づき、また、公益委員は使用者委員及び労働者委員の同意を得て、それぞれ知事が任命しております。任期は二年で、現在の委員の任期は本年十一月末までとなっており、非常勤でございます。現在の委員は、一八、一九ページに記載してありますので、後ほどごらん願います。二ページをお開き願います。委員会の活動でございます。委員会に会長及び会長代理を置き、いずれも公益委員の中から委員の選挙によって選出されます。現在の会長は、元広島高等裁判所長官であり、弁護士の藤田耕三氏でございます。次に、委員会の会議でございます。主な会議といたしまして、委員全員で行う総会と、公益委員のみで行う公益委員会議とがあり、それぞれ毎月二回、定例的に開催しております。総会においては、会長及び会長代理の選挙、あっせん員候補者の委嘱・解任、調停・仲裁の開始など、委員会運営上の基本的事項の審議を行っております。また、公益委員会議においては、不当労働行為に関する命令及び決定、労働組合の資格審査などについての審議を行っております。次に、委員の活動状況等でございます。委員は、総会等の会議に出席するほか、あっせん、調査、審問など、事件処理のため積極的に活動を行っております。委員の活動状況は、公益委員の例で申しますと、月平均で八・八回となっております。委員の報酬は、条例によって定められております。三ページをごらん願います。事務局の組織でございます。一課一室から構成されており、課及び室の分掌事務は、三ページ下段から四ページに記載のとおりでございます。五ページをお開き願います。事務局職員の人事でございます。事務局長以下の職員は、知事が会長の同意を得て任命することとなっております。職員の配置状況は表のとおりでございまして、現員は四十三名となっております。次に、当委員会の予算でございます。平成十九年度当初予算は、委員の報酬及び職員の給与関係費として六億三千二百十五万余円、事業費として六千百八十四万余円、計六億九千四百万円を計上しております。平成十八年度と比べ一千万円の減となっております。六ページをお開き願います。主要事業の概要でございます。表1は、最近五年間の事件別取扱件数を年度別に示したものでございます。平成十八年度における取扱総件数は一千三百三件で、前年度と比べ二百十九件の減少となっております。なお、十八年一月から十二月までの一年間で見ると、不当労働行為の審査は全国総件数の約五割、労働争議の調整は約三割を占めております。次に、事件の種別ごとに概要をご説明いたします。まず、不当労働行為の審査でございます。七ページの表2-1をごらん願います。平成十八年度における取扱件数は四百七十九件であり、その多くが、表2-2のとおり、不利益取り扱いや支配介入を理由とする申し立てでございます。なお、次の八ページには、取扱件数の類型別、事業所規模別、産業別の内訳を表などにお示ししてございます。次に、九ページをごらん願います。平成十七年一月に施行された改正労働組合法により、審査期間の目標の設定及び目標達成状況の公表が定められました。当委員会の審査期間の目標は、当面、二年としております。九ページの下の表をごらん願います。平成十八年は、改正労働組合法施行後の新規申し立て事件二百四件中六十三件が終結しており、その平均所要日数は二百三十一日と、目標を達成してございます。続きまして、一〇ページをお開きいただき、下段の表をごらん願います。全終結事件の平均所要日数は、一千五百七十五日、約四年四カ月となっております。これは、一一ページのグラフで終結事件の所要日数別件数を示しておりますが、十年を超える解決困難な事件を多数終結させたことにより、結果として平均所要日数が長くなっております。これらの事件は、労使関係の安定化に配慮し、中央労働委員会や裁判所が進めている和解などの推移を見守る必要があり、終結までに長時間を要したものでございます。次に、一二ページをお開き願います。労働組合の資格審査でございます。これは、労働組合法の規定に適合するか否かを審査するものでございます。平成十八年度における取扱件数は四百五十九件であり、そのうち、不当労働行為の申し立てに伴うものが四百十八件と、九一・一%を占めております。一三ページをごらん願います。あっせんや調停など労働争議の調整についてでございます。表4-1のとおり、平成十八年度における取扱件数は百七十二件となっております。次に、一四ページをお開き願います。取扱件数の推移、調整事項別、事業所規模別、産業別の内訳を表などにお示ししてございます。一五ページをごらん願います。労働争議の実情調査でございます。これは、運輸や医療などの公益事業に係る争議予告通知の内容を調査するもので、平成十八年度における取扱件数は百九十三件でございます。次に、一六ページをお開き願います。労働相談でございます。平成十八年度における相談件数は八百八十七件で、その内容は、労働争議の調整や不当労働行為の審査に係る手続などでございます。終わりに、再審査申し立て等でございます。当委員会が取り扱った命令事件のうち、本年三月三十一日現在、中央労働委員会に再審査申し立て事件として係属しているものが二十八件でございます。また、行政訴訟事件として裁判所に係属しているものが八件となっております。以上が事業の概要でございます。労使関係の安定と正常化を図ることを基本的な責務とする労働委員会といたしましては、今後とも、会長を初め各委員及び事務局職員一同、事件の適切かつ迅速な解決を図るべく全力で取り組んでまいります。なお、参考までに、二〇ページから二四ページには、不当労働行為の類型や審査手続、調整の方法とあっせん手続、十七年一月から施行された労働委員会制度の改正の概要について、それぞれ記載してございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。 # 増子委員長 増子委員長説明は終わりました。この際、資料要求のある方は発言願います。〔「なし」と呼ぶ者あり〕 # 増子委員長 増子委員長発言がありませんので、資料要求はなしといたします。以上で労働委員会事務局関係を終わります。 # 増子委員長 増子委員長これより産業労働局関係に入ります。初めに、産業労働局長からあいさつ並びに幹部職員の紹介があります。 # 佐藤産業労働局長 佐藤産業労働局長産業労働局長の佐藤広でございます。増子委員長を初め各委員の皆様のご指導、ご鞭撻を賜りまして、産業労働行政の一層の推進に全力を挙げて取り組んでまいる所存でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。それでは、引き続きまして、当局の幹部職員を紹介させていただきます。まず、総務部長の塚田祐次でございます。産業企画担当部長の猪熊純子でございます。商工部長の三枝健二でございます。金融部長の目黒克昭でございます。観光部長の中尾根明子でございます。農林水産部長の産形稔でございます。雇用就業部長の松本泰之でございます。就業調整・能力開発改革担当部長の小田昭治でございます。最後に、本委員会との連絡に当たらせていただきます総務課長の横山英樹でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。〔理事者あいさつ〕 # 増子委員長 増子委員長あいさつ並びに紹介は終わりました。 # 増子委員長 増子委員長次に、事務事業について理事者の説明を求めます。 # 佐藤産業労働局長 佐藤産業労働局長お手元の局長事業概要説明要旨をお開き願います。産業労働局が所管しております事務事業の概要につきましてご説明申し上げます。東京は、すぐれた技術を持った企業、多様な人材と情報、広大な海や山に恵まれた豊かな自然など、幅広い産業資源に恵まれており、東京の産業は、日本経済を牽引する大きな役割を果たすとともに、都民に雇用の場を提供しております。現在、日本経済は、戦後最長のイザナギ景気に並び、先行きについても、回復基調が続くとされております。しかし、都内中小企業の景況は依然として弱含みの状態で、先行きについて慎重な見方となっております。雇用情勢に目を転じると、都内の完全失業率は、平成十四年の五・六%から三・八%へと大きく改善しているものの、若年者につきましては依然五%を超えております。こうした中、当局所管の事務事業は、製造業、サービス業、観光産業、さらには農林水産業に至る幅広い産業活力の維持発展と雇用・就業の推進を目指す、都民にとって極めて重要な分野であり、事業への積極的な取り組みを進めているところでございます。なお、現在、本年三月に策定した産業振興基本戦略に基づき、施策を着実に実施するため、産業振興指針(仮称)を検討しております。次に、局の主な取り組みについてご説明申し上げます。まず第一に、中小企業の振興でございます。東京の産業を活性化していくためには、新たな都市型産業の創出や、意欲的に創業に取り組む人々の起業が重要です。そのため、これまでの創業支援施設の運営に加え、経営などに関する専門家を配置した先駆的ベンチャー支援施設を整備運営し、創業間もない企業を支援いたします。また、七月には、航空機関連産業への参入支援として、シンポジウムを開催し、多くの中小企業の方々の参加を得ました。東京には、高い技術力を持つ数多くの中小企業が存在します。今月二十五日、二十六日に開催いたします、第十回を迎える産業交流展においても、航空機関連の特設ゾーンを設けるなど、今後成長が有望な同産業への参入を支援してまいります。産業支援拠点の再整備では、本年度、区部、多摩の両施設において実施設計を行っており、来年度からは建築工事を開始いたします。昭島市に平成二十一年度開設予定の多摩産業支援拠点は、多摩シリコンバレーの形成を目指し、研究開発、新事業創出の中核拠点として整備を進めてまいります。商店街振興につきましては、新・元気を出せ商店街事業に昨年度と同額の二十五億円の予算を確保し、イベント・活性化事業に加え、環境や福祉など都の施策に協力する事業を支援する特定施策推進型商店街事業や、商店街の活性化に取り組むNPOなどを支援する商店街パワーアップ基金事業を実施いたします。次に、金融対策といたしまして、制度融資は、昨年度に引き続き一兆七千五百億円の融資目標を設定するとともに、中小企業のニーズや責任共有制度導入への対応として、融資メニューの見直しなどを行いました。中小企業向け債券市場では、他都市との共同によるCLO(ローン担保証券)を継続発行するとともに、中小企業のCO2削減への取り組みを引き出すために、環境CBO(社債担保証券)を創設いたしました。これまで八回の累計で、資金供給額は六千六百億円超、企業数は約一万四千六百社、上場企業数は六十六社に上っております。次に、観光産業の振興でございます。オリンピック招致を契機に、活力と風格ある世界都市東京の実現を目指し、本年三月に策定した観光産業振興プランに基づき施策を推進してまいります。海外と東京の若者の交流を拡大し、国際理解を深めるとともに、将来の旅行者増加につなげていく、海外青少年の教育旅行受け入れ促進に取り組みます。また、外国人旅行者に東京の食をPRする外国語メニュー等普及事業を開始し、受け入れ体制の整備を進めます。近県各地域との観光地間競争が進む中、青梅・奥多摩地域において、そのポテンシャルを生かし魅力を向上させ、両地域が主体的に連携して取り組む観光まちづくりを支援してまいります。東京国際アニメフェアにつきましては、前回初めて入場者が十万人を突破し、出展企業・団体数も二百七十社となり、国際的な商談の場としても大きく成長しております。第三に、農林水産業の振興でございます。東京の都市農地は、多様な機能を持っていますが、毎年、減少が続いております。貴重な農地を保全するため、農業者が安心して農業を継続できるように、農作業受委託推進事業に取り組んでおります。食の安全・安心への関心が高まる一方で、食生活の乱れなどの問題が顕在化しております。そこで、昨年度策定した食育推進計画に基づき、来月開催を予定しております食育フェアなど、総合的な施策の推進に努めてまいります。林業分野では、十年間で千二百ヘクタールの杉林伐採などにより花粉を二割削減するスギ花粉発生源対策を実施しています。また、広く都民や企業の協力を得て、花粉の少ない森づくり運動を引き続き進めてまいります。水産分野では、沖ノ鳥島漁業操業支援対策において、海洋深層水を利用した新たな漁場造成に取り組んでまいります。また、来月には、沖ノ鳥島に対する都民、国民の理解の醸成を図るため、沖ノ鳥島フォーラムを開催する予定でございます。第四に、雇用・就業対策の推進でございます。平成十六年七月にスタートしたしごとセンターは、本年八月末で登録者が五万九千人を超え、二万四千人以上の方々の就職を実現してまいりました。今年度は、年長フリーターの常用雇用、団塊の世代や女性の再就職への支援を重点的に実施してまいります。また、多摩地域において、しごとセンター事業を展開し、都民への就業支援を一層強化するために、本年八月、しごとセンター多摩を国分寺市に開設いたしました。東京の活力を支える中小企業の人材力を高めるため、本年四月に、技術専門校を再編して、都内四地域にそれぞれ職業能力開発センターを設置し、産業界と連携しながら、企業ニーズや地域特性に応じた人材確保と人材育成への支援を実施しております。また、中小企業における、仕事と子育てなど家庭生活との両立を促進するため、とうきょう次世代育成サポート企業に登録していただいた企業の社内体制整備などを支援する、中小企業両立支援助成金を九月から開始いたしました。産業労働行政に寄せる都民の期待は大きく、これにこたえるべく、職員一同、全力を傾注してまいる所存でございます。委員の皆様におかれましても、より一層のご指導を賜りますようお願い申し上げます。なお、事業の詳細につきましては、総務部長から説明させていただきます。よろしくお願いいたします。 # 塚田総務部長 塚田総務部長お手元の資料1の事業概要の冊子に基づき、事業の詳細についてご説明させていただきます。一二ページをお開きください。組織をお示ししてございます。当局は、総務、商工、金融、観光、農林水産、雇用就業の六部二十二課から成っております。さらに、労働相談情報センター、職業能力開発センターなど十二の事業所と、そのもとに二十六の支所がございます。二〇ページをお開きください。職員定数でございます。上段の総計欄にありますように、事務、技術、技能労務で千二百六十一名となっております。二一ページは、当局の十九年度予算でございます。一般会計と四つの特別会計から成り、全会計を合わせた歳出予算額は、1の(1)、局予算総括表の合計にありますように、約二千六百七十三億円でございます。二二ページは対策別予算でございます。大きく分けて、中小企業対策、観光産業振興対策、農林水産対策、雇用就業対策の四つの分野に分かれております。三三ページをお開きください。三三ページから三四ページにかけまして、中小企業対策の体系を示しております。経営支援から金融支援までの八つの体系で事業を展開しております。三五ページの第1、経営支援は、中小企業の経営改善強化に対する支援であります。主な事業として、三七ページの2、(4)、社会的事業承継システムの構築、三九ページの3、(4)、中小企業海外展開支援事業などを行っております。四二ページをお開きください。第2、技術支援は、知的財産活用やデザイン活用、ものづくり人材育成に対する支援であります。四三ページの2、新製品・新技術開発支援として、(1)、東京都ベンチャー技術大賞では、革新的な技術や製品の開発を行っている企業を表彰し、ベンチャー企業の技術開発意欲の高揚に努めております。四五ページをお開きください。6、産業人材育成では、次代を担うものづくり人材の総合的な育成に向け、多面的なニーズ把握を行うとともに、技術と経営両面に通じた人材の育成にも取り組んでおります。7、社会的課題解決型研究開発助成事業は、行政上の課題や社会的課題に資する都内中小企業の開発に対して経費の一部を助成するものであります。第3、創業支援は、東京における活発な創業の促進を目指し、起業やその後の経営の安定、発展を目指す活動を支援するものであります。四七ページをお開きください。具体的な取り組みとして、5、先駆的ベンチャー支援施設の整備運営では、ハンズオン支援を行う先駆的ベンチャー施設を整備して、新事業展開を目指す創業間もない中小企業を支援しております。四八ページをお開きください。第4、地域工業の活性化は、地域において特色ある集積を形成してきた、ものづくり産業の活性化を図るものであります。四九ページの第5、地域商業の活性化は、地域コミュニティの核として重要な役割を果たしている商店街に対する支援などでございます。五〇ページをお開きください。2、魅力ある商店街づくりでは、(1)、新・元気を出せ商店街事業のほか、五一ページの(2)、進め若手商人育成事業などを行っております。3、大型店環境調整では、大型店の立地に伴う周辺への影響に対し適正な配慮を行い、地域の生活環境を保持するため、大規模小売店舗立地審議会を運営しております。第6、総合的支援では、財団法人東京都中小企業振興公社や地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター等が連携して、技術、経営等の総合的な支援を行っております。五四ページをお開きください。6、産業支援拠点の再整備では、東京のものづくり産業の支援体制を充実させるため、区部及び多摩地域において新たな産業支援拠点の整備を行うこととし、実施設計等に取り組んでおります。9の(1)、航空機産業への参入支援では、戦略的産業分野の一つである航空機関連産業への中小企業の参入の支援や、ネットワーク等を活用した機会の提供などを行っております。五五ページの(2)、重点戦略プロジェクト支援事業は、都における重点戦略産業の育成を図るため、新産業の創出あるいは産業規模の大幅な拡大につながる事業化プロジェクトに対し、研究開発から製品化、販売に至るまで継続的に支援するものであります。第7、試験研究機関では、試験研究機関を設置し、中小企業の技術的な課題解決を支援しております。五六ページをお開きください。第8、金融支援では、中小企業の資金調達の円滑化を図るための施策を行っております。1、中小企業制度融資では、都及び東京信用保証協会、金融機関の三者が連携し、中小企業に融資を行っております。五八ページをお開きください。6、中小企業向け債券市場では、すぐれた発想力や高い技術力を持つ中小企業に対して直接金融の道を開くことを目的に、CLO、CBOの債券発行に取り組んでおります。五九ページの7、NPOに対する融資制度では、新たな経済主体として注目されるNPO法人が融資を受けやすくなるよう、保証の仕組みを活用したスキームを構築し、資金調達の円滑化とNPO向け融資の普及を図っております。六〇ページをお開きください。8、中小企業向けファンドの管理では、(1)の中小・ベンチャー企業向け投資法人を設立し、中小・ベンチャー企業に対し、資金面、経営面の支援を通じ、その成長、発展を促進しております。また、六一ページの(2)の中小企業再生ファンドを設立し、中小企業の再生を図るため、資金と経営の両面から再生支援に取り組み、地域経済の活性化や雇用の確保に貢献していくことを目指しております。六二ページをお開きください。9、アニメ・映像産業への金融支援では、制作資金調達や販路開拓における支援のスキームを構築し、次世代を担う新たな才能の発掘と育成を促進しております。10、新銀行東京の経営監視等では、株式会社新銀行東京の経営に関し、株主としての立場から、大枠の監視、連絡調整、都議会への報告業務等を行っております。六三ページの11、貸金業の指導監督では、貸金業者に係る苦情相談を受けるとともに、悪質な業者に対して登録取り消しや業務停止の行政処分を行っております。六七ページをお開きください。観光振興対策の施策の体系でございます。東京の魅力を世界に発信、観光資源の開発など、四つの体系で事業を展開しております。六八ページをお開きください。第1、東京の魅力を世界に発信は、広く世界から旅行者を誘致するため、1の(2)、ウエブサイトによる情報発信、2のシティーセールスの積極的な展開、六九ページ、4の(1)、東京国際アニメフェアの開催などを行っております。また、七〇ページ、4の(3)、産業人材育成(アニメ高度化支援事業)では、アニメ業界と教育機関で産学連携による研究会を組織し、アニメ業界で働くクリエーターのスキルスタンダードの構築、教育プログラムの策定、普及を行っております。第2、観光資源の開発は、東京にある観光資源の活用や新たな資源の開発でございます。具体的な取り組みとして、1の(2)、島しょ地域の観光振興事業では、島しょのさらなる魅力向上を図るため、島外から活性化戦略プロデューサーを派遣するなど、地域が主体的に取り組む観光振興事業の実施の支援をしております。七一ページの2の(2)、水辺の観光資源化の推進では、水辺を生かした観光ルートの開発促進、水辺の魅力発信などを行っております。七二ページをお開きください。2の(4)、地域力を活用した観光まちづくりの支援では、景観に配慮した誘導標識やレトロのまちを演出する個店の看板設置などの支援を行っております。また、(5)、江戸東京・まちなみ情緒の回生では、江戸・東京の情緒を伝える町並みを保全、創出する地域の取り組みを支援しております。七三ページの第3、受け入れ体制の整備は、東京を訪れる旅行者に対して歓迎のメッセージを伝え、温かく迎える仕組みづくりであります。七四ページをお開きください。具体的には、2、東京ひとり歩きサイン計画では、外国人旅行者等の来訪者が東京のまちを迷うことなく安心してひとり歩きできるよう、観光案内標識を設置するとともに、わかりやすい案内サインの整備促進に向け、標準化指針の策定、普及に取り組んでおります。3、外国語メニュー等普及事業では、築地の飲食店の協力を得て、外国語のモデルメニューの作成を進めるほか、研修会を通じて、都内飲食施設や商業施設等における外国語による応対や表記の普及を促進しております。七六ページをお開きください。7の海外青少年の教育旅行受け入れ促進では、観光、教育、私学等の関連部署の連携により、学校交流のマッチングや交流活動の支援を行い、海外青少年の東京への教育旅行の受け入れを促進しております。八三ページをお開きください。八三ページから八四ページにかけまして、農林水産対策の施策の体系を示しております。農業、林業、水産業の振興の三つの体系で事業を展開しております。八五ページ、第1、農業の振興は、農業振興計画の策定、農業基盤の整備、食の安全・安心の確保及び農業経営の安定などに向けた施策でございます。1の(3)、都民の暮らしが潤う東京農業の推進では、都市農業・農地における環境、防災などの多面的機能を評価する基準を策定するとともに、農業者と都民の相互理解の醸成に努めております。八七ページをお開きください。3の(5)、食育の推進では、都民が食の理解を深めることにより健全な食生活を実践できるよう、体験を中心とした食育を進めるとともに、効果的な情報発信等の事業を行っております。九一ページをお開きください。4の(3)、農地と担い手マッチング事業では、実践農業セミナーの開講や情報バンクの設置、運営を行い、農地と、農業への参加を志向する都民とのマッチングを進めております。九五ページをお開きください。第2、林業の振興は、森林計画の策定や森林づくりの推進、森林産業の育成等に向けた施策でございます。九六ページをお開きください。2の(4)、スギ花粉発生源対策では、杉の伐採と新たな木材流通の枠組みを構築し、スギ花粉の削減と林業の再生に取り組んでおります。(8)、緊急裸山対策では、シカによる過度の食害により荒廃した林地を復旧するため、関係各局との連携のもと、シカ保護管理計画に基づくシカの駆除や治山対策など、総合的な森林管理のための緊急対策を実施しております。九九ページをお開きください。第3、水産業の振興は、水産資源の管理、漁業生産流通基盤の整備や漁業経営の安定に向けた施策等でございます。一〇〇ページをお開きください。1の(8)、江戸前アユ復活事業では、多摩川における天然アユの増殖を図るため、産卵場造成や魚道の維持管理体制の構築に取り組んでおります。一〇三ページをお開きください。6の(2)、沖ノ鳥島漁業操業支援対策では、漁業操業支援や新漁場の開拓に向けた調査などを進めているほか、沖ノ鳥島に関するPR活動を行っております。一〇七ページをお開きください。一〇七ページから一〇八ページにかけまして、雇用・就業対策の体系を示しております。東京都雇用・就業対策審議会、地域における雇用・就業の促進など、四つの体系に沿って事業を展開しております。一一〇ページをお開きください。第2、地域における雇用・就業の促進は、厳しい雇用情勢に置かれている若年者、高齢者、障害者などのための雇用・就業対策の推進でございます。一一〇ページから一一七ページにかけまして、しごとセンター事業の内容を記載しております。一一一ページの1、(2)、若年者の雇用就業支援では、一一三ページのケ、さまざまな職業体験機会の提供として、(オ)、ものづくり体験塾などを実施するほか、コ、年長フリーター等就職活動応援事業などを行っております。一一五ページをお開きください。(6)、女性再就職支援では、再就職を目指している女性を対象として、就職活動のノウハウやスキルアップなどのセミナー、職場実習を含んだ支援プログラム、アドバイザーによるカウンセリングなど、就職に至るまでの継続的な支援を行っております。一一六ページをお開きください。(7)、団塊の世代向け就業支援では、団塊の世代の高い就業意欲にこたえるとともに、その能力や経験を生かすため、中小企業の人材不足を補う中小企業向けエキスパート人材開発プログラムなどを実施しております。(8)、しごとセンターの多摩地域展開では、東京しごとセンターの多摩拠点を新たに設置し、キャリアカウンセリングから職業紹介までトータルサポートを行っております。一二〇ページをお開きください。4、障害者の就業対策では、東京の障害者雇用率を改善するため、一二一ページの(4)、障害者職域開拓支援事業等を実施しております。一二三ページをお開きください。第3、多様なニーズに対応した職業能力の開発・向上では、都内各地域の職業能力開発センターにおいて公共職業訓練を実施しております。1、公共職業訓練の推進では、(1)、オ、育児離職者向け能力開発訓練などを初めとして、時代や環境の変化に機敏に対応した公共職業訓練を展開しております。一三〇ページをお開きください。4、職業能力開発センター事業の展開では、都内を四地域に分け、各地域に職業能力開発センターを設置し、中小企業の人材確保と人材育成に関する細やかな支援を実施しております。一三二ページをお開きください。第4、適正な労働環境の確保では、1の労働情勢実態調査のほか、一三三ページの2、労働知識の普及啓発や、一三六ページにあります、3、男女雇用平等の環境づくりなどを行っております。一三七ページの4、労働相談・指導では、都内六カ所の労働相談情報センターの窓口において、労働問題全般に関する相談を実施しております。一四一ページをお開きください。(8)の東京次世代育成企業支援事業では、次世代育成に積極的に取り組む企業を、とうきょう次世代育成サポート企業として登録し、その取り組み内容を広くPRすることにより、雇用環境の整備を促進しております。(9)の中小企業の両立支援への助成等では、中小企業における仕事と家庭生活との両立支援を促進するため、社内体制づくりなどに係る費用を助成しております。事業概要につきましては以上でございます。引き続いて、お手元の資料2、東京都監理団体等運営状況をごらんください。この資料は、東京都が二五%以上出資等を行っている当局所管の団体につきまして、各団体の概要、十九年度事業計画及び予算、並びに十八年度事業実績等について記載しているものでございます。一枚めくりまして、目次をお開きください。対象となっておりますのは、1、株式会社新銀行東京、2、株式会社東京ビッグサイトなどの合計十団体でございます。これらの団体は、都の事務事業を代行もしくは補完し、都民サービスの向上に寄与することを目的として事業展開を行っております。内容につきましては、後ほどごらんいただきたいと存じます。以上で産業労働局の事業に関する説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。 # 増子委員長 増子委員長説明は終わりました。この際、資料要求のある方は発言願います。 # 小竹委員 小竹委員十六点ほどお願いいたします。第一は、中小企業対策予算及び決算の推移、十年ほどで。それから二番目として、雇用・就業対策予算と決算の推移。三番目、農林水産予算、決算の推移。四番目として、都内製造業の推移。五番目、都内小規模小売店の推移。六番目、中小企業制度融資の実績と預託額の推移。七番目、雇用形態別の人数と推移。八番目、都内の商店街振興施策の利用状況。これは推移をお願いします。九番目、産業労働局所管の施設の推移。これについては、中小企業だけでなくて、雇用・就業や農業等に関しても、所管施設がどのように変わっていったかについてわかるような資料をお願いします。十番目、都立技術専門校の応募状況と職業紹介実績、就職率。障害者校についてもあわせてお願いいたします。十一番目、都内の障害者雇用率の推移。十二番目、新銀行東京のマスタープランの経営計画と実績の対比。十三番目、新銀行東京の新中期経営計画の実施状況と融資先。十四番目、労働資料センターの蔵書数の推移及び移転に当たって処分した冊数、寄贈先。十五番目、労働相談情報センターの相談件数、あっせん件数、解決件数、それから、センター数や職員数、出張労働相談件数の推移。十六番目、生産緑地の遺産相続に伴う、その後の利用状況について。以上です。お願いします。 # 増子委員長 増子委員長ただいま小竹委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 増子委員長 増子委員長異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。以上で産業労働局関係を終わります。 # 増子委員長 増子委員長これより中央卸売市場関係に入ります。初めに、中央卸売市場長からあいさつ並びに幹部職員の紹介があります。 # 比留間中央卸売市場長 比留間中央卸売市場長中央卸売市場長の比留間英人でございます。増子委員長を初め委員の皆様方には、日ごろから中央卸売市場所管の事務事業につきましてご指導、ご鞭撻を賜り、厚く御礼申し上げます。今後とも、職員一同、全力を挙げて都民の期待にこたえるべく局事業の推進に取り組んでまいりますので、よろしくお願い申し上げます。引き続きまして、当局の幹部職員を紹介させていただきます。管理部長の大野精次でございます。事業部長の荒井浩でございます。市場政策担当部長の大橋健治でございます。調整担当参事の後藤明でございます。新市場担当部長の越智利春でございます。新市場建設調整担当部長の宮良眞でございます。新市場建設技術担当参事の河村茂でございます。当委員会との連絡に当たります総務課長の野口一紀でございます。以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。〔理事者あいさつ〕 # 増子委員長 増子委員長あいさつ並びに紹介は終わりました。 # 増子委員長 増子委員長次に、事務事業について理事者の説明を求めます。 # 比留間中央卸売市場長 比留間中央卸売市場長中央卸売市場の事務事業の概要につきましてご説明を申し上げます。お手元にお配りしてございます事業概要要旨をごらんいただきたいと存じます。初めに、中央卸売市場が所管する事業についてでございます。中央卸売市場の所管事業は、水産物、青果物、食肉の生鮮食料品及び花きについて、公正かつ迅速な取引や、安全で安心な流通を確保し、生鮮食料品等の円滑な供給と消費生活の安定を図ることを目的として中央卸売市場の管理運営を行うこと、芝浦屠場において、と畜解体を行うこと、及び民営の地方卸売市場の開設許可と指導監督を行うことなどであります。次に、当局の主な事業についてご説明申し上げます。初めに、豊洲新市場の建設についてでございます。豊洲新市場の建設は、開設以来七十年余りが経過し、老朽化、狭隘化した築地市場を、流通の変化にも対応し得る首都圏の基幹市場として再構築するため事業を進めております。整備に当たりましては、民間の資金やノウハウを活用し、柔軟かつ効率的な運営が可能となるPFI方式を導入することを基本とし、昨年十二月、実施方針及び業務要求水準書案を公表いたしました。土壌汚染対策につきましては、生鮮食料品を扱う市場用地であることから、万全を期すため、本年五月より、豊洲新市場予定地における土壌汚染対策等に関する専門家会議において、専門家の科学的知見をもとに、東京ガス株式会社及び東京都の調査や対策の妥当性について検証を進めていただいております。今月六日開催の第四回専門家会議において、地下水、土壌、表層土壌ガスの追加調査の結果について報告をいたしましたが、汚染濃度が低いと想定されていた区域の地下水から環境基準の一千倍という高濃度のベンゼンが検出されたことから、新たに敷地全面にわたる詳細な調査を実施することといたしました。この内容につきましては、後ほど報告事項としてご説明させていただきます。PFI工事等を含め、豊洲新市場建設事業に関するスケジュールにつきましては、土壌汚染調査や対策の工期を踏まえて、今後見直しを行い、公表してまいります。次に、第八次東京都卸売市場整備計画の着実な推進についてでございます。都は、平成十七年十一月に、平成十七年度から平成二十二年度までの六カ年を計画期間とする第八次東京都卸売市場整備計画を策定いたしました。この計画を踏まえ、卸売市場を活力あるものとするため、市場関係者の協力のもとに、淀橋市場松原分場の世田谷市場への統合や、大田市場における大屋根つき積み込み場の整備を進めるとともに、各市場では定温卸売り場等の施設整備を進めております。また、卸売市場としての機能が十分に発揮できるよう、それぞれの市場が果たしている役割や機能などを総合的に勘案し、民間活力の導入も視野に入れながら、品質管理の高度化や情報化、物流効率化の推進、環境衛生対策の強化などの着実な実施に努めてまいります。次に、卸売販売委託手数料の弾力化についてでございます。卸売業者が出荷者より徴収する委託手数料につきましては、従来、国により、全国一律で料率が定められていましたが、市場の活性化と地域の実態に応じた取引が可能となるよう、平成十六年の卸売市場法の改正により規制緩和が図られ、市場開設者が独自に定めることとされました。この制度改正は、五年の経過措置を経て平成二十一年四月から実施されますが、都といたしましては、関係業界と十分に協議し、来年度早期に条例改正が提案できるよう準備を進めてまいります。最後に、食の安全・安心の確保についてでございます。都は、各市場に安全・品質管理者を設置し、市場で取り扱われる生鮮食料品等の安全・安心の確保を図っております。BSE対策につきましては、特定部位の確実な除去や、BSE感染牛が確認された飼育地等からの出荷牛について、安全を確認するまでと畜を行わないことに加え、と畜の際に行っていたピッシングを平成二十年中に中止するよう準備を進めるなど、必要な対策を講じております。今後とも、消費者の信頼にこたえられるよう、市場関係業者と協力し、安全・安心な食肉の供給に万全を期してまいります。以上、中央卸売市場の事務事業の概要につきまして説明を終わらせていただきます。なお、詳細につきましては管理部長からご説明をさせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。 # 大野管理部長 大野管理部長中央卸売市場の事務事業につきまして、お手元の資料1、事業概要に基づきましてご説明申し上げます。一ページをお開き願います。1の中央卸売市場の目的及び役割につきましては、先ほど市場長からご説明申し上げたとおりでございます。2の中央卸売市場の経由量でございますが、水産物、青果物、食肉及び花きの、全国の総流通量に占める、全国の市場及び中央卸売市場並びに東京都中央卸売市場それぞれの経由量と割合を表に記載しております。二ページをお開きください。水産物、青果物、花き及び食肉における市場流通の仕組みをそれぞれ図示しておりますので、ご参照いただきたいと存じます。三ページから六ページにかけましては、農林水産大臣、開設者、出荷者、市場内業者など、市場流通に関係いたします機関、業者等についてそれぞれ記載しております。七ページをごらんいただきたいと存じます。中央卸売市場の沿革でございます。このページから一三ページにかけましては、東京都における市場の始まりから、中央卸売市場法の制定、東京都中央卸売市場の開設、戦時、戦後、復興などを経まして、最近までの中央卸売市場の沿革を記載しております。一四ページをお開き願います。各市場の概要でございます。1の市場分布図に各市場の配置状況を記載しております。現在、中央卸売市場として、築地市場を初め十一市場一分場を図のように設置しております。これら市場のそれぞれの取扱品目は、下の一覧表のとおりでございます。続きまして、一五ページをごらんいただきたいと存じます。市場別の所在地、施設規模、取扱規模を一覧にしてお示ししております。また、一六ページには各市場の関係業者数を記載しておりますので、ごらんいただきたいと存じます。次の一七ページから三一ページにかけまして、築地市場以下十一市場の概要と沿革を記載しております。後ほどご参照いただきたいと存じます。三二ページをお開きください。中央卸売市場の組織でございます。管理部、事業部の二部六課から成っております。事業所は、築地、食肉、大田を初め十一市場となっております。また、淀橋市場には松原分場が設置されております。三三ページから三六ページにかけて、各課、事業所の分掌事務を記載しておりますので、ご参照願います。三七ページをお開きください。職員定数でございますが、平成十九年四月一日現在で六百二十二名となっております。三八ページをお開きください。中央卸売市場の財政状況についてでございます。当局所管の会計は、中央卸売市場会計と、と場会計の二会計でございまして、中央卸売市場会計は、地方公営企業法の財務規定等を適用する公営企業会計となっております。予算規模は、(2)の平成十九年度予算概要に記載のとおり、支出予算の総額は一千二百二十六億八千三百万円でございます。と場会計につきましては、四二ページから四三ページに記載しております。と場会計は、と畜事業を対象とした特別会計で、平成十九年度の予算額は七十一億四千五百万円でございます。次に、四四ページをごらんいただきたいと存じます。市場における業務状況でございます。四四ページから四八ページにかけまして、水産物、青果物等の市場取扱物品の概況、平成十八年における中央卸売市場の取扱状況、地方卸売市場の取扱状況を取扱品目ごとにお示ししております。なお、それぞれの取扱実績につきましては、四八ページ下段の表にお示ししたとおりでございます。四九ページをごらん願います。事務事業の概要でございます。まず、施設整備事業でございますが、卸売市場の整備は、卸売市場法に基づき卸売市場整備計画を定め、計画的に実施することになっております。現在、平成十七年度を初年度とし、平成二十二年度を目標年度とする第八次東京都卸売市場整備計画に基づき整備を実施しておりますが、計画の概要につきましては四九ページから五三ページにかけて記載してありますので、ご参照願いたいと思います。次に、五四ページをごらんいただきたいと存じます。平成十九年度施設整備事業の概要でございます。豊洲新市場の建設のほか、五八ページにかけまして各市場の整備概要について記載しております。五九ページをお開き願います。市場における財産管理事務でございます。市場施設につきましては、卸売業者、仲卸業者を初めとする市場業者に対しまして、売り場、事務室等の各種施設の使用許可をしております。使用許可状況につきましては、五九ページ下段に、市場別の使用者数、許可件数等を表にしてまとめておりますので、ご参照いただきたいと存じます。六〇ページから六五ページにかけましては、市場施設及び設備の維持管理事務について記載しております。六六ページをごらんいただきたいと存じます。このページから六九ページにかけましては、環境整備事務について記載しております。環境整備事務では、小型特殊自動車の電動化推進などの自動車排気ガス対策、廃棄物処理対策、衛生管理などに取り組んでおります。次に、七〇ページ中ほどから、業務の指導監督事務について記載しております。中央卸売市場における取引業務の適正化を図り、生鮮食料品等の円滑な供給を確保するため、卸売業者、仲卸業者等の市場関係業者に対して、取引業務の巡回調査、経理及び業務検査、経営改善指導などの事務を行っております。七三ページをお開き願います。食の安全・安心確保への取り組みについて記載しております。都は、独自の取り組みとして、各市場に安全・品質管理者を設置し、また、食品危害対策マニュアルにより危機管理対応を規定することなどにより、市場で取り扱われている生鮮食料品等の安全・安心の確保を図ってございます。七四ページから七六ページにかけましては、広報、広聴への取り組みについて記載しております。消費者との意見、情報交換の場である消費者事業委員会、食育の推進等を目的とした講習会や市場まつり等の消費者事業、また、市場見学やインターネットホームページなどによる情報サービス事業を行っております。次に、七七ページ中ほどから七八ページにかけては、地方卸売市場の概要と、地方卸売市場に対する指導監督等の事務について記載しております。七九ページ中ほどをごらん願います。と畜事業についてでございます。(1)の、と畜事業の沿革ですが、昭和四十一年に中央卸売市場法に基づいて食肉市場を開設し、芝浦屠場は食肉市場併設のと畜場として現在に至っております。平成十八年のと畜頭数は、八〇ページの表に記載してありますとおり、年間で牛が九万四千百一頭、豚が二十四万五千八百九十三頭となっております。また、同じく八〇ページには、牛海綿状脳症、いわゆるBSE対策について、中央卸売市場における取り組みを記載してございますので、ご参照いただきたいと思います。八一ページをごらんください。附属機関等の一覧表でございます。知事の附属機関といたしまして、東京都卸売市場審議会及び東京都中央卸売市場取引業務運営協議会が設置されております。また、新市場建設事業の円滑な推進を図るため、新市場建設協議会を設置しております。目的及び設置根拠等は一覧表でお示ししてあるとおりでございます。それぞれの附属機関の活動状況につきましては、次の八二ページ、八三ページに記載しておりますので、ご参照いただきたいと存じます。なお、八四ページ以降に業務状況関係の資料、市場年表などの関係資料を参考資料としてまとめてございます。ご参照願います。事業概要につきましては以上でございます。引き続きまして、お手元の資料2の経営状況説明書をごらんいただきたいと存じます。これは、東京食肉市場株式会社の経営状況を記載した資料でございまして、同社は、東京都監理団体指導監督要綱に基づき、その他報告を受ける団体に指定されております。この会社は、食肉の価格安定と流通の円滑化を図るために都が出資している会社で、市場の卸売業者として、家畜の荷受け、販売及び畜産加工品の販売の受託などの事業を行っております。内容につきましては後ほどごらんいただきたいと存じます。以上で、中央卸売市場の事業に関する説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。 # 増子委員長 増子委員長説明は終わりました。この際、資料要求のある方は発言願います。 # 小竹委員 小竹委員三点ほどお願いいたします。第一番目に、業種別、規模別取扱高の推移。二番目として、各施設のアスベスト対策の実施状況。三番目に、築地市場再整備ニュース、創刊号から廃刊になるまで、お願いします。済みません、もう一つ。四番目として、新市場建設協議会の開催状況についてわかるような資料をお願いします。 # 増子委員長 増子委員長ただいま小竹委員より資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 増子委員長 増子委員長異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。 # 増子委員長 増子委員長次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。 # 宮良新市場建設調整担当部長 宮良新市場建設調整担当部長豊洲新市場予定地における土壌汚染対策につきましてご報告申し上げます。お手元に、豊洲新市場予定地における土壌汚染対策について(概要)及び豊洲新市場予定地における土壌汚染対策についてを配布してございますが、概要に沿ってご説明させていただきます。概要の一ページをごらんください。豊洲新市場予定地では、去る八月二日よりボーリング工事に着手し、地下水、土壌、表層土壌ガスについて計二百四十三カ所で調査を実施しております。この調査結果及び十月六日に開催されました第四回専門家会議における見解につきましてご報告いたします。1の調査結果でございます。地下水調査でございますが、本調査は、地下水の対策及び管理の重要性などから、地下水質の現況等を把握するため、五十六カ所で実施してございます。このうち、環境基準を満たした箇所は三十一カ所ございます。また、環境基準を超過した箇所は二十五カ所で、うち、ベンゼン十四カ所、シアン化合物十八カ所、砒素三カ所、鉛四カ所となっております。なお、各物質で検出箇所の重複があるため、合計数は一致いたしません。以下の調査につきましても同様でございます。土壌調査につきまして、本調査は、東京ガス株式会社が実施した土壌汚染状況調査について、深度方向データの補足等を行うため、二十九カ所で実施してございます。このうち、環境基準を満たした箇所は十九カ所でございます。また、環境基準を超過した箇所は十カ所で、うち、ベンゼン三カ所、シアン化合物四カ所、砒素八カ所、鉛一カ所となっております。二ページをお開きください。表層土壌ガス調査でございますが、本調査は、揮発性物質であるベンゼンのガス化による影響が懸念されることなどから、表層でのベンゼンの土壌ガス濃度を把握するため、二百四十三カ所を対象としてございます。このうち、基準値未満の箇所は百七十四カ所、基準値以上の箇所は十一カ所でございます。なお、表層土壌ガスについては、地下水調査を実施する数値として〇・〇五ppmを基準値としております。また、二百四十三カ所の調査対象箇所のうち、地下水位の状況を踏まえ試料採取が可能だった百八十五カ所について分析を実施してございます。続きまして、2の環境基準等の超過内訳でございます。地下水調査におきましては、中段にございます表のとおりとなっております。ベンゼンにつきましては、環境基準の千倍を検出したものが一カ所、百倍以上百六十倍未満は三カ所、五十倍未満は十カ所となっております。シアン化合物につきましては、環境基準の八十倍を検出したものが一カ所、三十倍未満は十七カ所となっております。砒素につきましては、三カ所の超過箇所のうち、すべてが環境基準の五倍未満となっております。鉛につきましては、四カ所の超過箇所のうち、すべてが環境基準の二倍未満となっております。備考欄にございますD-12地点は、東京ガス株式会社の調査をもとに作成した地下水の等濃度分布図で低濃度とされていた地点でございます。ここから環境基準の千倍のベンゼンが検出されました。土壌調査におきましては、下段にございます表のとおりとなっております。ベンゼンにつきましては、環境基準の千六百倍を検出したものが一カ所、八十倍未満は二カ所となっております。シアン化合物につきましては、四カ所の超過箇所のうち、すべてが環境基準の四十倍未満となっております。砒素につきましては、八カ所の超過箇所のうち、すべてが環境基準の十倍未満となっております。また、鉛につきましては、一カ所超過箇所があり、環境基準の十倍未満となっております。備考欄にございますG-12地点は、東京ガス株式会社が調査を行った当時、障害物等の影響により調査が実施できなかった地点でございます。ここから環境基準の千六百倍のベンゼンが検出されました。なお、これらの高濃度の有害物質が検出された箇所の位置につきましては、別紙に図を添付いたしましたので、後ほどご参照いただきたいと存じます。三ページをお開きください。表層土壌ガス調査におきましては、表のとおりとなっております。基準値の百二十八倍を検出したものが一カ所、十倍未満は十カ所となっております。続きまして、3の第四回専門家会議での見解でございます。第四回専門家会議におきまして、調査結果を報告し、ご審議いただいたところ、予想外の地点から高濃度の有害物質が検出されたことから、敷地全面にわたって十メートルメッシュを基本とする地下水、土壌調査が必要との指摘がございました。調査内容といたしまして、調査対象は地下水及び土壌、調査単位は十メートルメッシュ、調査物質は、ベンゼン、シアン化合物、砒素、鉛、水銀、六価クロム、カドミウムの七物質となっております。次回、十一月五日に開催を予定しております第五回専門家会議におきまして、具体的な調査計画が検討される予定でございます。以上、簡単ではございますが、豊洲新市場予定地における土壌汚染対策につきましてご報告申し上げました。よろしくお願いいたします。 # 増子委員長 増子委員長報告は終わりました。この際、資料要求のある方は発言願います。 # 小竹委員 小竹委員五点お願いいたします。一点目は、豊洲移転予定地の汚染状況、東京ガス調査と追加調査を対比した形で、わかりやすくお願いします。それから二番目として、豊洲移転によって、予定地にかかわった事業費、今までの分について。それから、今後予定される見込みも、わかればお願いします。三番目として、移転予定地における雨量と観測井の観測データ。四番目、移転予定地の各街区の地質断面図、二十メートルまで。それから五番目、東京ガス及びそれ以降も含めて、土地利用の地歴についてお願いします。以上です。 # 増子委員長 増子委員長ただいま小竹委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 増子委員長 増子委員長異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。以上で中央卸売市場関係を終わります。 # 増子委員長 増子委員長これより港湾局関係に入ります。初めに、港湾局長からあいさつ並びに幹部職員の紹介があります。 # 津島港湾局長 津島港湾局長港湾局長の津島隆一でございます。増子委員長を初め各委員の皆様方には、港湾局の事務事業につきまして日ごろから特段のご指導を賜り、厚く御礼申し上げます。今後とも、事務事業の執行に当たりましては一層努力してまいる所存でございます。ご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。続きまして、港湾局の幹部職員を紹介させていただきます。港湾局技監尾田俊雄でございます。総務部長の多羅尾光睦でございます。監理団体改革担当部長の山本隆でございます。港湾経営部長の江津定年でございます。港湾経営改革担当部長の小宮三夫でございます。臨海開発部長の小林敏雄でございます。開発調整担当部長の余湖由紀夫でございます。営業担当部長の藤原正久でございます。港湾整備部長の飯尾豊でございます。計画調整担当部長の山本浩でございます。離島港湾部長の石山明久でございます。島しょ・小笠原空港整備担当部長の室星健でございます。当委員会との連絡に当たります総務課長の浜佳葉子でございます。同じく計理課長の矢岡俊樹でございます。以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。〔理事者あいさつ〕 # 増子委員長 増子委員長あいさつ並びに紹介は終わりました。 # 増子委員長 増子委員長次に、事務事業について理事者の説明を求めます。 # 津島港湾局長 津島港湾局長港湾局が所管しております事務事業の概要についてご説明申し上げます。お手元にお配りしてございます局長事業概要説明要旨の一ページをごらんいただきたいと存じます。港湾局は、東京港及び島しょの港湾、漁港等の整備、管理や、東京臨海地域の開発等の事業を通じて、物流の円滑化や都市の再生、防災機能の充実などを図り、都民生活の向上と産業の発展に努めております。東京港は、首都圏四千万人の生活と産業に欠くことのできない重要な役割を担っております。現在、東京港は、コンテナ貨物取扱量において我が国第一位を堅持しておりますが、これに甘んじることなく、日本のトップ港湾として、アジア諸港に匹敵する港湾コストの低減やリードタイムの短縮を図り、今後とも国際基幹航路の寄港するメーンポートの地位を確保していく必要がございます。このため、首都圏物流のゲートウエーとして、安全で使いやすく、国際競争力のある港づくりを推進することが重要な課題でございます。さらに、東京臨海地域においては、その特性や潜在力を最大限に生かし、この地域が首都東京の都市再生の牽引役となるよう、総力を挙げて開発を進めていく必要がございます。島しょ地域においても、住民の生活基盤を確保し、産業の振興に資するべく、港湾、空港、漁港の整備も着実に進めることが要請されております。以上の基本的認識を踏まえつつ、局の事業全般にわたって常に見直しと再構築を行い、新しい時代にふさわしい事業を積極的に展開していく所存でございます。以下、個別の事業概要を簡単にご説明させていただきます。近年、中国貨物を中心とした輸入貨物の急増や、船舶の大型化、大規模地震災害への対応、港湾における環境対策など、東京港を取り巻く社会経済情勢は大きく変化しております。このような状況を踏まえ、国際競争力の一層の強化を図るとともに、物流、交流、環境、安全の四つの機能が融合した魅力ある港を実現するため、昨年、東京港第七次改訂港湾計画を公示し、現在、その早期実現に向けて全力を挙げて取り組んでおります。今後は、羽田空港の再拡張や、二〇一六年の東京オリンピック招致を視野に入れながら、必要に応じてスピードアップ、レベルアップを図り、着実に事業を推進してまいります。また、東京港の管理運営に関しては、スーパー中枢港湾における国際競争力強化に向けたさまざまな取り組みを行うとともに、平成二十年四月には財団法人東京港埠頭公社を民営化し、二十年度中には東京臨海ホールディングスの子会社といたします。このことにより、利用者サービスの向上とコストの低減を図るとともに、港湾機能と都市機能の一層の調和を実現してまいります。埋立地の造成、整備、開発につきましては、港湾機能の拡充強化と都市機能などの受け皿として、環境へ配慮しながら実施しております。臨海副都心の開発については、臨海副都心まちづくり推進計画に基づき、平成二十七年度のまちの概成に向け開発を推進してまいります。今後は、青海地区北側及び有明北地区を中心に開発を進めてまいりますが、そのための取り組みとして、今年三月には、青海地区北側約十二ヘクタールについて新たに公募を開始したところでございます。これからも、臨海副都心の魅力を生かした企業誘致活動を展開し、都民全体の貴重な財産として育成するよう、引き続き開発に取り組んでまいります。また、昨年十二月に策定された「十年後の東京」において、グリーンロードネットワークの拠点として位置づけられた海の森の整備に着手いたしました。今後、都民等との協働により、緑あふれる東京の再生を目指してまいります。同じく「十年後の東京」に掲げる首都東京の信用を高める取り組みの一環として、港湾局といたしましては、高潮等の災害から都民の生命や財産を守るための防災対策にも努めております。防潮堤や水門の耐震化対策など、本年三月に策定した東京港海岸保全施設緊急整備計画により、着実に事業を進めてまいります。運河ルネッサンスの取り組みにつきましては、運河等の水域利用とまちづくりが一体となって、地域のにぎわい創出と魅力向上に努めてまいりました。今後も、新たな取り組みや推進地区の指定など、さらなる展開を図ってまいります。島しょ地域におきましては、港湾局では、港湾、空港、漁港、海岸保全施設等の整備を今後とも着実に進めてまいりますとともに、それぞれの島が持つ個性ある資源と、港湾等の施設を最大限に活用し、観光、地場産業の振興を図る、島のみなとまちづくり事業を推進してまいります。三宅島でございますが、港湾局は、港湾、漁港等の整備を進め、島の復興、島民の方々の生活再建への取り組みを支援しております。また、三宅島空港の再開については、来年度の春に向け、引き続き努力してまいります。最後に、港湾局所管の監理団体でございますが、本年一月に設立した東京臨海ホールディングスのもと、順次、経営統合を進めております。臨海地域のエリアマネジメントを推進するこのグループを今後も一層活用し、臨海地域の発展に向けて取り組んでまいります。以上が港湾局事業の概要でございます。事業の推進に当たりましては、局の事業全般にわたって常に見直しと再構築を行い、職員一丸となって、新しい時代にふさわしい事業を積極的に展開していく所存でございます。よろしくご指導賜りますようお願い申し上げます。なお、詳細につきましては総務部長から説明させていただきます。 # 多羅尾総務部長 多羅尾総務部長局長の説明に引き続き、お手元の資料1、港湾局事業概要によりご説明申し上げます。一ページをお開き願います。1、港湾局の組織と予算でございます。港湾局は、五部三事業所の組織、六百三十名の職員によって運営されております。十九年度局予算の概要でございますが、一般会計、臨海地域開発事業会計、港湾事業会計の三会計で、予算総額二千五百二億二千五百万円でございます。各会計の概要は、一ページから二ページに記載のとおりでございます。三ページをごらん願います。2、東京港の管理運営でございますが、東京港は現在、公共ふ頭のほか、財団法人東京港埠頭公社が管理運営するふ頭、民間の専用ふ頭など、主要なふ頭だけでも二十四のふ頭を擁し、日々膨大な貨物を取り扱っております。港湾施設の運営に関しましては、東京都が港湾管理者として係留施設などを直接管理運営しておりますほかに、船舶給水施設及び客船ターミナル施設を、指定管理者である財団法人東京港埠頭公社が管理しております。また、船員や港湾労働者への福利厚生の充実にも努めております。次に、3、東京港の港湾計画等の策定でございます。平成十七年十二月の東京都港湾審議会の議を経て、東京港第七次改訂港湾計画を策定し、昨年三月に公示いたしました。平成二十年代後半を目標年次として、東京港の開発、利用、保全の基本的事項を定めたものでございます。計画の概要は、(2)に記載のとおりでございます。四ページをお開き願います。4、港湾施設の整備でございます。港湾計画に基づき、係留施設や臨港交通施設など港湾施設の整備を進めております。外貿コンテナターミナルや内貿ユニットロードターミナルの充実に努めるとともに、五ページ、(3)のア、東京港臨海道路第II期事業を国とともに進めるほか、ウのボトルネックの解消のため、交差点の改良などを行ってまいります。次に、5、東京港の国際競争力の強化と危機管理の充実でございます。東京港の国際競争力を強化し、メーンポートとしてさらに発展していくためには、官民が一体となって低コスト高サービスの実現に取り組むことが必要となります。六ページをお開き願います。このため、アのスーパー中枢港湾への取り組みなどにより、インセンティブ制度などのコスト低減策やIT化、リードタイムの短縮などの施策を推進し、効率的で使いやすく、国際競争力のある港づくりを進めております。また、七ページ上部、ウに記載のように、財団法人東京港埠頭公社を民営化することにより、一層の企業性の発揮を通じて経営の効率化と機能の充実に努め、東京港の国際競争力の強化と利用者サービスの向上を図ってまいります。今月中に受け皿となる株式会社を設立し、平成二十年度当初からの業務開始を目指します。港湾施設の危機管理につきましては、七ページ後半に記載のように、密輸、密入国事件など、東京港の水際を脅かす危機に的確に対処し、東京を安全で安心な都市にするとともに、東京港における円滑な物流を確保するため、隣接する港湾や国の関係機関などで構成する東京湾保安対策協議会等で、合同保安訓練やテロ対策訓練を継続的に実施しております。今後も、関係機関や民間事業者との連携を強化し、東京港を危機管理能力の高い港にいたします。八ページをお開き願います。6、防災機能の向上でございます。防潮堤や水門などの海岸保全施設は、台風による高潮や地震による水害から都民の生命と財産を守るものでございます。整備後四十年以上経過している施設や、地盤の液状化のおそれがある箇所も少なからず存在することから、老朽化対策や耐震化対策などへの重点的な対応も視野に入れながら事業を進めてまいります。本年度は、防潮堤や内部護岸の整備及び耐震対策を行うほか、東雲水門等の工事を実施いたします。九ページをごらん願います。7、運河ルネッサンスの取り組みでございます。運河ルネッサンスは、運河等の水域利用とまちづくりが一体となって、地域のにぎわい等の創出を目指すものでございます。本年度は、豊洲地区において新たな推進地区の指定に向けて調整を進めるとともに、各推進地区間の連携による取り組みなどを進めてまいります。次に、8、大都市の環境保全・回復でございます。引き続き、港内の清掃や放置艇対策など、水域環境の保全に努めてまいりますとともに、一〇ページに記載してございますとおり、(2)の船舶等による大気汚染対策の推進に取り組んでまいります。これは、近年、船舶等による大気汚染についての関心が高まる中、東京都においても、国等の関係機関に対し積極的に働きかけを行い、大気汚染物質削減のため、具体的な対策を推進していくものでございます。(3)の廃棄物処理場整備事業でございますが、ア、新海面処分場整備事業は、廃棄物の最終処分場として、面積約四百八十ヘクタールの処分場の整備を段階的に進めているところでございます。本年度は、Gブロックの護岸建設工事などを実施しております。また、一一ページの中ほどでございますが、ウ、羽田沖埋立造成事業では、魚介類等の生息環境となる浅場造成工事を実施しております。9、臨海地域開発のさらなる推進でございます。埋立地の開発に関しましては、現在、東京臨海地域において二千七百六十九ヘクタールの造成、整備を進めており、一二ページ冒頭に記載のとおり、四つの土地利用計画を定め、総合的かつ計画的に開発を進めております。(2)、臨海副都心の開発に関しましては、現在、平成九年に策定いたしました臨海副都心まちづくり推進計画を基本に開発を進めております。また、平成十四年に臨海地域開発財政基盤強化プランを、昨年三月には「臨海副都心開発の今後の取組み-総仕上げの十年間-」を策定し、財政基盤の強化や今後の具体的な取り組み等について必要な見直しを行ってきております。これらの内容につきましては、一二ページから一四ページにかけて記載しておりますので、後ほどごらん願いたいと存じます。一四ページをお開き願います。オ、開発の進捗状況でございますが、臨海副都心の都市基盤施設はおおむね完成しており、進出事業者につきましては、かえつ学園、TOC有明、タワーズ台場などが昨年開業し、今後も、テレビスタジオなどが開設されるなど、臨海副都心の開発は着実に進んでおります。(3)、豊洲地区、晴海地区の開発状況でございます。豊洲地区におきましては、業務・商業、居住、市場などの各機能がバランスよく配置された複合市街地の形成を目指して開発を進めてまいります。晴海地区では、晴海三丁目の一部の地区において、昨年一月に市街地再開発事業の事業認可を受け、事業を推進しているところでございます。今後とも、地元地権者等との協議を踏まえ、それぞれの地区の特性に応じた事業手法により開発を促進してまいります。一五ページをごらん願います。(4)、都市再生事業の推進でございます。ア、広域防災拠点の整備でございますが、臨海副都心有明の丘地区が首都圏広域防災拠点として位置づけられており、現在、その着実な整備に努めているところでございます。イ、スーパーエコタウン事業でございますが、中央防波堤内側埋立地と大田区城南島に、民間事業者などによりリサイクル施設などが整備されており、現在、八施設が稼働しております。(5)、臨海地域における監理団体改革についてでございます。臨海地域を活動基盤とする監理団体につきましては、平成十八年五月に発表した「臨海地域における監理団体改革-持株会社構想-」により、順次、持ち株会社方式で経営統合することにいたしました。これにより、本年一月三十一日に持ち株会社である株式会社東京臨海ホールディングスを設立し、八月までに、株式会社ゆりかもめ等三社の子会社化を順次進めてまいりました。来年度には、民営化後の財団法人東京港埠頭公社及び株式会社東京ビッグサイトを経営統合し、平成二十一年度からグループ経営を本格稼働させてまいります。一六ページをお開き願います。10、新たな海上公園への取り組みでございます。(1)、海上公園事業は、葛西沖から羽田沖までの臨海部全域にわたる一体的な海上公園構想を実現するため、一六ページ上部に記載の四つの基本的考え方に基づき整備を進めており、現在、四十四カ所、九百六十九・六ヘクタールについて計画が決定されております。(2)、海の森公園の整備についてでございますが、これは、中央防波堤内側埋立地に約八十八ヘクタールという区部最大級の規模となる公園を整備するもので、広範な都民、企業、NPO等との協働のもと、今後、当面十年間で、ある程度の森を育て上げてまいります。既に、小学生による「ドングリから苗木づくり」などの先行的事業を進めるとともに、本年七月には海の森募金を創設し、都民、企業等の協力を呼びかけております。一七ページをごらん願います。11、島しょ等の港湾、漁港、空港、海岸でございます。島しょ地域におきましては、島民の方々の交通基盤となる港湾、空港、漁業振興の基盤となる漁港、災害防止のための海岸保全施設の整備等を行っております。(1)、伊豆諸島の港湾、漁港、空港等でございますが、これは現況は、表-1に記載のとおりでございます。これらの施設につきましては、東京都離島振興計画に基づき、島しょの交通輸送路を確保し、産業基盤の整備を行うとともに、海岸の保全事業も実施しております。一八ページをお開き願います。(2)、小笠原諸島の港湾、漁港、空港の整備でございます。この事業は、小笠原諸島振興開発計画に基づき、小笠原諸島の振興を図るため、海上交通輸送路の確保と産業基盤の整備を目的として、港湾、漁港を整備し、航空路を検討するものでございます。次の一九ページから二一ページにかけましては、十九年度の港湾局予算概要の表でございます。後ほどごらん願いたいと存じます。次に、当局が所管している東京都監理団体等について、その概要をご説明申し上げます。お手元にお配りしております資料2、東京都監理団体等一欄をごらん願いたいと存じます。東京都監理団体が二団体、その他報告を受ける団体が四団体ございます。お手元には、これらの団体の経営状況等説明書のほか、臨海ホールディングスグループの連結の経営状況等説明書を配布してございますので、後ほどごらん願いたいと存じます。また、参考資料といたしまして、事業概要等をお配りしてございます。後ほどごらん願いたいと存じます。以上をもちまして、当局の事務事業の説明を終わらせていただきます。各委員の皆様におかれましては、当局事業及び監理団体等につきましてご理解をお願いいたしますとともに、今後ともご指導、ご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。 # 増子委員長 増子委員長説明は終わりました。この際、資料要求のある方は発言願います。 # 清水委員 清水委員十三点お願いします。主要航路別の東京港への寄港船舶数の推移。東京港における港湾労働者就労形態別就労延べ数の推移。三つ目。内貿ふ頭の改修計画。四つ目。港湾公共施設のアスベスト対策の状況。埠頭公社民営化に伴う機構、職員数及び構成。指定会社の手続と許可条件。埠頭公社と関係する港湾関連会社の一覧。埠頭公社民営化に伴う附属機構の構成と運営。臨海ホールディングス資金計画及び収支計画。臨海ホールディングス各社がこれまで行ってきた都の委託事業及び指定管理者の事業の今後の予定。東京テレポートセンターのビル事業における各ビルの入居率の推移。十三番目。臨海副都心における土地の長期貸付及び売却等の状況。以上、十三点お願いいたします。 # 増子委員長 増子委員長ただいま清水委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 増子委員長 増子委員長異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。以上で港湾局関係を終わります。これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。午後二時四十分散会
2024-03-31T11:24:09.099917Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/827980?Template=document&Id=9071#one
--- title: 平成19年経済・港湾委員会 名簿・議事日程 # 平成十九年十月十六日(火曜日)第八委員会室出席委員十四名委員長増子博樹君副委員長神林茂君副委員長大西由紀子君理事山口拓君理事上野和彦君理事三宅茂樹君米沢正和君小竹ひろ子君岡崎幸夫君清水ひで子君田島和明君木内良明君川島忠一君馬場裕子君欠席委員なし出席説明員産業労働局局長佐藤広君総務部長塚田祐次君産業企画担当部長猪熊純子君商工部長三枝健二君金融部長目黒克昭君観光部長中尾根明子君農林水産部長産形稔君雇用就業部長松本泰之君就業調整・能力開発改革担当部長小田昭治君中央卸売市場市場長比留間英人君管理部長大野精次君事業部長荒井浩君市場政策担当部長大橋健治君参事後藤明君新市場担当部長越智利春君新市場建設調整担当部長宮良眞君参事河村茂君港湾局局長津島隆一君技監尾田俊雄君総務部長多羅尾光睦君監理団体改革担当部長山本隆君港湾経営部長江津定年君港湾経営改革担当部長小宮三夫君臨海開発部長小林敏雄君開発調整担当部長余湖由紀夫君営業担当部長藤原正久君港湾整備部長飯尾豊君計画調整担当部長山本浩君離島港湾部長石山明久君島しょ・小笠原空港整備担当部長室星健君労働委員会事務局局長有留武司君本日の会議に付した事件労働委員会事務局関係事務事業について(説明)産業労働局関係事務事業について(説明)中央卸売市場関係事務事業について(説明)報告事項(説明)・豊洲新市場予定地における土壌汚染対策等について港湾局関係事務事業について(説明)
2024-03-31T11:24:09.855689Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/827980?Template=document&Id=9070#one
--- title: 平成19年環境・建設委員会 本文 # 午後一時開議 # 谷村委員長 谷村委員長ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。初めに、意見書について申し上げます。過日の委員会で理事会にご一任をいただきました意見書一件につきましては、調整がつかなかった旨、議長に報告すべきであるとの結論になりましたので、ご了承願います。 # 谷村委員長 谷村委員長本日は、お手元配布の会議日程のとおり、付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。これより付託議案の審査を行います。第二百二号議案及び第二百十三号議案から第二百十六号議案までを一括して議題といたします。本案については、いずれも既に質疑を終了しております。この際、本案に対し発言の申し出がありますので、これを許します。 # 村松委員 村松委員第二百二号議案、東京都立公園条例の一部を改正する条例について、意見を表明します。都立公園内に設置されている東京体育館、駒沢オリンピック公園総合運動場、東京武道館は、これまで教育庁所管であったものを、オリンピック招致のためスポーツを集約すると、ことし四月から、知事部局である生活文化スポーツ局に移管したことに伴う条例改定です。これらの施設は、社会教育、生涯学習の一環として位置づけ、さらに、地域スポーツ振興といった、都民に根差したスポーツ行政を行うべきです。これらの社会スポーツ精神から逸脱するものであり、反対します。以上です。 # 谷村委員長 谷村委員長発言は終わりました。これより採決を行います。初めに、第二百二号議案を採決いたします。本案は、起立により採決いたします。本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。〔賛成者起立〕 # 谷村委員長 谷村委員長起立多数と認めます。よって、第二百二号議案は原案のとおり決定いたしました。次に、第二百十三号議案から第二百十六号議案までを一括して採決いたします。お諮りいたします。本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 谷村委員長 谷村委員長異議なしと認めます。よって、第二百十三号議案から第二百十六号議案までは、いずれも原案のとおり決定いたしました。以上で付託議案の審査を終わります。 # 谷村委員長 谷村委員長次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 谷村委員長 谷村委員長異議なしと認め、そのように決定いたしました。 # 谷村委員長 谷村委員長この際、所管局を代表いたしまして吉川環境局長より発言を求められておりますので、これを許します。 # 吉川環境局長 吉川環境局長発言のお許しをいただきまして、両局を代表して一言御礼のごあいさつを申し上げます。今定例会に提案いたしました議案につきまして、ただいまご決定をいただきました。谷村委員長を初め各委員の皆様方にはご指導を賜りまして、厚く御礼を申し上げます。また、今定例会においてちょうだいいたしましたご意見、ご提言につきましては、今後の両局の施策に十分反映させてまいります。今後とも、一層のご指導、ご教示を賜りますようお願い申し上げまして、甚だ簡単ではございますが、御礼のごあいさつとさせていただきます。まことにありがとうございました。 # 谷村委員長 谷村委員長発言は終わりました。これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。午後一時四分散会
2024-03-31T11:24:10.866503Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/299097?Template=document&Id=9753#one
--- title: 平成19年環境・建設委員会 名簿・議事日程 # 平成十九年十二月十七日(月曜日)第九委員会室出席委員十四名委員長谷村孝彦君副委員長石森たかゆき君副委員長小沢昌也君理事原田恭子君理事山田忠昭君理事今村るか君村松みえ子君橘正剛君吉田康一郎君矢島千秋君こいそ明君ともとし春久君高橋かずみ君大津浩子君欠席委員なし出席説明員環境局局長吉川和夫君総務部長加藤英夫君建設局局長道路監兼務道家孝行君次長島博文君総務部長影山竹夫君本日の会議に付した事件意見書について付託議案の審査(決定)・第二百二号議案東京都立公園条例の一部を改正する条例・第二百十三号議案東京都立小峰公園の指定管理者の指定について・第二百十四号議案東京都立明治公園外一公園の指定管理者の指定について・第二百十五号議案東京都立大神山公園の指定管理者の指定について・第二百十六号議案東京都立横網町公園の指定管理者の指定について請願陳情の継続審査について特定事件の継続調査について
2024-03-31T11:24:11.858100Z
https://www.record.gikai.metro.tokyo.lg.jp/299097?Template=document&Id=9752#one
--- title: 平成19年環境・建設委員会 本文 # 午後一時開議 # 谷村委員長 谷村委員長ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。初めに、意見書について申し上げます。委員から、お手元配布のとおり、意見書一件を提出したい旨の申し出がありました。お諮りいたします。本件については、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 谷村委員長 谷村委員長異議なしと認め、そのように決定いたしました。 # 谷村委員長 谷村委員長本日は、お手元配布の会議日程のとおり、環境局及び建設局関係の付託議案の審査並びに建設局関係の契約議案の調査を行います。契約議案について申し上げます。契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について議長から調査依頼がありました。本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。公文の写しはお手元に配布してあります。朗読は省略いたします。平成十九年十二月十二日東京都議会議長比留間敏夫環境・建設委員長谷村孝彦殿契約議案の調査について(依頼)左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。記1調査議案第二百十号議案瑞穂大橋鋼けた製作・架設工事請負契約2提出期限平成十九年十二月十四日(金) # 谷村委員長 谷村委員長これより環境局関係に入ります。付託議案の審査を行います。第二百十三号議案を議題といたします。本案については、既に説明を聴取しております。その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。資料について理事者の説明を求めます。 # 加藤環境政策部長 加藤環境政策部長去る十一月二十八日の当委員会におきましてご要求のありました資料についてご説明申し上げます。お手元の環境・建設委員会資料をごらんください。表紙をおめくり願います。東京都立小峰公園指定管理者申請者等一覧の一項目でございます。これは、東京都立小峰公園の指定管理者の応募に係る申請者等を申請順に記載したものでございます。以上、簡単ではございますが、ご説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。 # 谷村委員長 谷村委員長説明は終わりました。ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。発言を願います。 # 村松委員 村松委員小峰公園の指定管理者について質問いたします。私たちは、指定管理者制度の導入は、本来自治体が行うべき事業を営利を目的とする民間に開放するものであり、反対です。しかし、指定管理者の指定については、営利を目的とした企業であるかないか、都民へのサービスの後退につながらないかを基準に、個別のケースに応じて判断したいと思います。その上で幾つかの質問を行います。まず、環境局が指定した指定管理者の運営について伺いますが、環境局では今回の小峰公園が初めての指定管理者になるんでしょうか。 # 中島自然環境部長 中島自然環境部長今回の小峰公園は初めてではございませんで、これまでに、平成十八年度に、奥多摩町の山のふるさと村、それから大島町の海のふるさと村、神津島村の多幸湾公園の三施設、それから奥多摩町と檜原村にございます都民の森の二施設ということで、これまでに五つの施設につきまして指定管理者制度を導入しております。 # 村松委員 村松委員これまで五つの公園の指定管理者を環境局では行ってきたと。十八年度決算で、この五つの指定管理者に三億八千五百万円の委託料を払っているわけですよね。これだけ都民の税金を使って東京の自然を管理委託しているのですから、絶対に不正があってはならないと思います。環境局としては、指定管理者を含め、業務委託した事業の不正が発覚した場合、どういう対応をされるんでしょうか。 # 中島自然環境部長 中島自然環境部長指定管理者制度につきましては、知事が経理状況等につきまして報告を求めるなどの規定がございます。そうしたことに対しまして違背した場合ですとか、それに従わないといったことがあった場合につきましては、指定の取り消し等を行うことになっておりまして、そのような厳正な対応をすることになっております。 # 村松委員 村松委員指定管理者の不正が発覚した場合には厳正な対応をするという答弁がありました。東京都が委託した事業で、実施されていない事業費などが計上されていたという事件が昨年の六月にマスコミで報道されましたが、これは奥多摩町に業務委託をした山のふるさと村で起きた事件です。私もこの問題でちょっと調査というか、聞いてみたところ、奥多摩町に業務委託していた事業なんですが、実態のない人件費が支給されていたと。この問題が発覚した直後、調査中に、その総務課長が自殺するという事件が起きているわけです。東京都は、東京都立奥多摩湖畔山のふるさと村委託料にかかわる調査を、調査委員会を設置して、昨年十二月から六回の委員会を開いて、ことしの二月に報告書を出しております。それによると、東京都への返還対象となる不適法支出の金額は四千十八万七千四百円、そこに十三年度から十六年度までの四年間の遅延金五%を加える額を返還するように示しております。私もこの報告書を見て驚いたんですが、ビジターセンターで実施していることになっているクラフトセンターの人件費が一日当たり一万八千九百円、十五人分が、本当は実施していないのに計上されていた、こういう問題があったわけですね。東京都は小峰公園の指定管理者を指定するのに当たり、この事件から何を教訓にしているのか、伺います。 # 中島自然環境部長 中島自然環境部長指定管理者等の業務が適正に遂行されるために、私どもは、環境局におきましては、指定管理者に対しまして、あらかじめ事業計画書を提出させ、そして四半期ごとに現地に赴きまして、帳簿等の書類やヒアリング等を実施することにより業務の適正な遂行をしております。従来からそうした形でやっておりました。また、指定管理者制度が昨年度導入されまして、その翌年に当たる今年度からは、外部委員も含めました評価委員会において事業内容評価を実施いたしまして、その結果につきましては公表しているところでございます。このように、私どもは常に現場の実態につきまして的確に把握した上で業務が適正に遂行されるようにということで、常日ごろから心がけてきているところでございます。 # 村松委員 村松委員常日ごろから心がけているということなんですが、現実には昨年の六月にマスコミの報道がなければ、これが発覚をしなかったという状況があったと思うんですね。先ほど、四半期、年四回の指導管理をする、監督をするということなんですが、書面だけでこれが大丈夫なのかどうなのか。この問題が発覚したときは、指定管理者ではなくて業務委託したときですよね。東京都が業務を委託したところでそういう事件が発覚しているということは、東京都に指導責任がしっかりあったはずなんですよ。それがなかったから、それができなかったから、今度のような問題が起きたのではないかというふうに私は思うんです。これを、本当に今後ないようにするためにこれから小峰公園なんかもそういう対象になるわけですよね。そういうときには、これまでの業務委託よりももっと大きいところでの管理を委託させるわけですから、やっぱり東京都はもっと指導監督を強めなければ、同じようなことが起きてしまうのではないだろうかという心配があるんですが、その辺についてもう一回確認をしたいと思います。 # 中島自然環境部長 中島自然環境部長山のふるさと村につきましては、外部委員も含めました委員会を設置いたしまして、指定管理者としての適格性について審査いたしまして、指定の継続が妥当という判断を得て今も継続しております。先ほどもご答弁いたしましたけれども、東京都の自然公園条例の六十六条の三におきまして、指定管理者が管理の業務または経理の状況に関する知事の指示に従わない場合、あるいは法令遵守等、指定管理者の指定を受けるための基準を満たさなくなった場合などにつきまして、先ほどもご答弁させていただきましたけれども、指定管理者の指定を取り消し、また、期間を定めて管理の業務の全部もしくは一部の停止を命ずることができることとなっておりまして、この規定に基づきまして今後とも厳正に対処をしていく考えでございます。 # 村松委員 村松委員大事な都民の税金を使っての事業ですから、絶対にあいまいにすることなく対応していただきたいというふうに思うわけです。年四回の書面での指導管理という問題ですが、よその局ではどういうふうにやっているのか、わかりますか。他の局での指定管理者への指導管理。 # 中島自然環境部長 中島自然環境部長よその局、詳細はちょっと今わかりませんが、一般的には、地方自治法におきまして契約の履行等がちゃんとなされたかどうかにつきましては、当然ながら検査等をやっております。また、同じ自治法の中で、指定管理者等、管理を包括的に任せているといった施設につきましては、そういった管理者から経理状況等の報告を求めることができる等の規定がございまして、環境局ではそのようにやっておりますが、他局もそのようにやっているのではないかというふうに思います。 # 村松委員 村松委員建設局のほうでは毎月、書面、それから事業を実施したかどうか、それを、報告を受けて、その実態に合って、実態というか、計画どおりやっているということで委託料を払っているというふうに私は伺いました。ですから、やっぱり、こういった問題が起きたところだけに、これからはそういったところを強化していただきたい、このことを求めておきます。そこで、東京都では指定管理者に小峰公園を指定するわけですが、今回、公園協会に小峰公園の指定管理者が提案されておりますが、委託費用はこれまでの予算と比べてどのようになるのか、また、委託内容はどういうふうになるんでしょうか。 # 中島自然環境部長 中島自然環境部長小峰公園の管理運営につきましては、従来といいますか、十八年度の決算ベースで申し上げますと、解説業務ですとか、展示業務、清掃業務などを委託しておりまして、総体で約二千八百万円を要しております。小峰公園におきまして、指定管理者制度を導入していくに当たりましては、大体ただいま申し上げました額に相当する額を予算要求させていただいているところでございます。また、内容的には、この指定管理者制度を導入することによって、やはり都民の皆さんへの利益といいますか、福祉が向上するということを第一に考えておりまして、例えば、専門性を発揮した積極的な業務提案による利用者サービスといたしまして、障害者ですとか、お子さん、あるいは高齢者の方に対象を合わせましてオーダーメイドのプログラムの提供なども提案されておりますので、そうしたものができるんじゃないかなと今考えております。 # 村松委員 村松委員高齢者あるいは障害者、子どもたちへのサービスの向上、それから年末年始、ビジターセンターは年末年始以外は開館するというふうになりますよね。そうすると、それだけの人も手間もかかるというふうに私は思うんです。その分の委託料は当然ふえてしかるべきだと思うんですが、どのくらいの人数がふえるのかということと、それから、それは委託料に含まれているのか、その辺はいかがでしょうか。 # 中島自然環境部長 中島自然環境部長指定管理者制度の一番のメリットは、指定管理をする団体等が創意工夫をして一定のコストの中で最大限に都民サービスを向上できるというところにありまして、その辺で見まして、包括的に経費全体を私ども一定程度お支払いしまして、その中でやっていただくということを考えておりまして、当然ながら人件費等につきましてもその中に入っているというふうに考えております。 # 村松委員 村松委員都立小峰公園でそれだけのサービスがふえるということは、そこの小峰公園の担当する人がふえるんじゃないか。その辺のふえる人数と、それから委託料が今までの予算よりもふえるのではないかというふうに私は単純に思うんですが、その辺はどうでしょう。 # 中島自然環境部長 中島自然環境部長今、公園協会に管理委託しております現在、指定管理者ということではなくてですねそれですと、一日当たり平均しますと一・八人程度の配置です。今回、これに対しまして、私ども提案をいただいておるのは三・二人程度になるというふうに伺っておりますが、それも先ほどお答えいたしましたように、当然、全体の経費の中で賄われるものというふうに認識しております。 # 村松委員 村松委員現在の一・八人を三・二人にすると。私もきのう、ちょうど行って現地でお話を伺ってきたんですが、現地に三人いたんですね。その三人のうちの一人は、自然公園の公園協会の課長さんということで、常時いる人じゃないんですよ。常時いる人はたまたま二人はいたんですけれども、その公園協会の課長さんも、私も正社員じゃありません、あと二人も公園協会の正社員ではありませんというふうにおっしゃっていたんですね。私、きのうちょっとビジターセンターでいろんな説明を受けたんですが、非常に熱意を持った、いかにあそこの小峰公園の魅力を、来た人たちに、それから全都民に知らせるか、それから自然に触れ合ってもらうかということで、物すごい熱意ある説明を受けて感動したんです。そういう専門的な分野で頑張っている人たちも、きのう、私はアルバイトで一時間千円ですというふうに話を聞いたんですが、たまたまその人もそうかよくわかりませんけどね。でも、もしそうだったとしたら、余りにも責任というか、責任における位置づけというのかしら、それが薄いんじゃないかなというふうに思っているんです。公園協会に同じ金額で、サービスだけを向上させるということを求めることは、どこかにしわ寄せがいく。それは人件費かなというふうに思うんですが、やっぱりサービスに見合った委託料を支払うのが私は当然じゃないかというふうに思うんですが、その辺ではいかがでしょうか。(「委託料をもっと上げろという」と呼ぶ者あり)そういうことです。 # 中島自然環境部長 中島自然環境部長先生きのう現地に行っていただいたということでございますが、私も就任早々、六月に行っておりまして、やはり現場の解説員のお話を聞きまして、ある意味では非常にインパクトを受けたというふうに考えております。先ほど来申し上げておりますように、例えばそうした解説員の方々というのは、今まで社会で現役でいろいろ経験を積まれたり、あるいは昔は農業をやっていたりとかいうことで、また、リタイアされてからもああいったところで貢献したいという方が多々いらっしゃいまして、いろんな背景の中で、経営する側がそうした方をいかに活用してやるかということで、あくまでも指定管理者の経営上の問題であるというふうに私は認識いたしております。それからもう一点、先ほど毎月の報告ということで、他局ではというお話がございましたけれども、環境局も、書面では毎月報告をもらっております。それに加えて四半期ごとに現地にも行って見ておりますし、また、随時現地に行っていろいろとコミュニケーションを図っているところでございます。 # 村松委員 村松委員さっきの話ですが、毎月の書面と、そのときに委託料を払っているということで、それをやっているのにああいう問題がおきるということになれば、もっと深めた総括がやっぱり必要じゃないのかなというふうに私は思うんです。そういう意味で、環境局としては二度と再びあの山のふるさと村のような不正が起きないように、やっぱり真剣に考える必要があるんじゃないかなと、そのことだけは伝えておきます。それから、サービスの向上の問題で、先ほど、リタイアした人とか、それこそ東京都の部長さんや課長さん、そのくらいの人たちがリタイアするということになれば、一定の財政的な裏づけがあるからいいかなと思うんですが、やっぱりそうじゃなくて、小峰公園とか、自然に対して物すごく熱意を持って自然問題を考えているという人たちが本当にそこで自分の生計を立てながらもしっかりと仕事をできるというような、そういうことが確立できる、そういう体制をつくることも私は大事だというふうに思うんです。私は、それに見合った委託料をきちんとこれからもまたいろんな形で出てくるようだというふうに思うんです。そこで、指定管理者に委託する場合、現在の施設、今の施設をきちっと点検をして、必要なところは補修なんかをして、現場で働いている人たちの声をきちっと聞きながら進める必要があるんじゃないかというふうに思うんですが、その辺はいかがでしょうか。 # 中島自然環境部長 中島自然環境部長今先生お話しのように、私ども一番大事な点は、都民に対しまして施設をいかに安全に利用してもらうかということがまずもって大前提でございまして、そうしたことにつきましては、多摩環境事務所におきまして日常的に点検を行い、必要な補修については行っているところでございます。 # 村松委員 村松委員多摩環境事務所の方で必要な点検や補修をしているという答弁がありましたが、指定管理者に導入する前の段階で、今やる必要があると思うんですけれども、指定管理者に管理を移した場合には、多摩環境事務所、それは大きなところでの施設修理とかそういうのはやると思うんですが、細かいところは公園協会の方に任されるんじゃないですか。 # 中島自然環境部長 中島自然環境部長おっしゃるとおりでございまして、そのような役割分担になります。 # 村松委員 村松委員私は、だからこそ今の段階で小峰公園のいろんな施設をきちっと点検して、必要な補修を地元の人たちの意見を聞きながらやってほしい、このことを私は要望して質問を終わります。 # 谷村委員長 谷村委員長ほかに発言がなければ、お諮りいたします。本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 谷村委員長 谷村委員長異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。以上で環境局関係を終わります。 # 谷村委員長 谷村委員長これより建設局関係に入ります。初めに、契約議案の調査を行います。第二百十号議案を議題といたします。本案については既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。発言を願います。〔「なし」と呼ぶ者あり〕 # 谷村委員長 谷村委員長発言がなければ、お諮りいたします。本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 谷村委員長 谷村委員長異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。お諮りいたします。本案は、異議のない旨、財政委員長に報告をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 谷村委員長 谷村委員長異議なしと認め、そのように決定いたしました。以上で契約議案の調査を終わります。 # 谷村委員長 谷村委員長次に、付託議案の審査を行います。第二百二号議案及び第二百十四号議案から第二百十六号議案までを一括して議題といたします。本案については、いずれも既に説明を聴取しております。その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。資料について理事者の説明を求めます。 # 影山総務部長 影山総務部長去る十一月二十八日の当委員会におきまして要求のございました資料についてご説明申し上げます。お手元の環境・建設委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。表紙をおめくりいただきますと、目次に二件の資料の件名が記載してございます。この順番に従いましてご説明申し上げます。一ページをお開き願います。指定管理者の応募状況でございます。この表は事件案の議案別に応募団体の数と法人の種類をあらわしたものでございます。なお、下の注1にございますように、特命により指定管理者を指定した施設については除いております。二ページをお開き願います。八都県市が管理する都市公園における指定管理者の導入状況でございます。この表は、八都県市別に、指定管理者を導入している公園数と指定管理者の指定数及び公的団体や民間事業者などの指定管理者の内訳をあらわしたものでございます。以上で、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。 # 谷村委員長 谷村委員長説明は終わりました。ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。発言を願います。 # 橘委員 橘委員当委員会に付託されている建設局関係の案件のうち、明治公園、青山公園、小笠原父島の大神山公園、墨田区の横網町公園の指定管理者の指定に関する事件案三件を中心に質問いたします。当委員会に事前説明資料として提出されております明治公園等四公園の指定管理者の指定についてというタイトルの資料がございますけれども、この中に、指定管理者の指定をしようとするときは地方自治法第二百四十四条の二第六項の規定により、あらかじめ議会の議決を経なければならないとされております。その議決する項目については、一点目に、公の施設の名称、二点目に指定管理者の名称、三点目に指定の期間の三項目としてあります。この資料によりますと、当然のことですけれども、公の施設の名称というのは明治公園、青山公園、これ一体として一つ、それから大神山公園が一つ、横網町の公園が一つ。それから指定管理者の名称については、明治公園、青山公園、それから大神山公園、これが財団法人東京都公園協会、いずれもなっています。それから横網町については財団法人東京都慰霊協会というふうになっております。三点目の指定の期間については、いずれも三年間としております。そこでまず、この三つの事項を議決事項としている法令上の根拠はどこにあるのか、この点について伺います。 # 北村公園緑地部長 北村公園緑地部長地方自治法では公の施設につきまして指定管理者制度を導入することができるとなっておりますが、地方自治法二百四十四条の二第六項におきまして、普通地方公共団体は、指定管理者の指定をしようとするときは、あらかじめ、当該普通地方公共団体の議会の議決を経なければならないに規制されております。 # 橘委員 橘委員今、この二百四十四条の二第六項の答弁がありましたけれども、八項の中に、期間の設定、設定すべきことという規定がございますね。指定の期間のほかに、指定管理者の名称、それから公の施設の名称、これについての規定はどこにありますか。 # 北村公園緑地部長 北村公園緑地部長施設の名称、それから団体の名称、指定期間について議決を経なければならないという事項につきましては、平成十五年七月十七日付の通知がございまして、その中で規定をされております。 # 橘委員 橘委員はい、わかりました。法令上の規定に基づいて議決する以上は、議決事項である三項目に関して何らかの重大な瑕疵があった場合、例えば議会の審議が十分でなかったために指定管理者に関して問題のある団体を指定してしまった、あるいは指定期間が結果的に妥当でなかったといった問題が生じた場合、議決したことについて一定の責任が生じる可能性も考えられますけれども、この点についての見解を伺います。 # 北村公園緑地部長 北村公園緑地部長指定管理者の指定をしようとするとき、あらかじめ議会の議決を経なければならないとなっておりますが、その理由といたしましては、指定管理者の指定に当たっては慎重な手続を踏む必要があること、また、公の施設の管理のあり方について住民の意思を反映させる必要があることから、議会の議決が必要とされているというように理解しております。議会で議決したことに対する議会の責任につきましてでございますが、基本的には、一義的には執行機関の責任であるというふうに認識しております。 # 橘委員 橘委員私が調べた段階では、今答弁のあった趣旨とほぼ同じでありますけれども、議会での議決というのはあくまでも内部的意思の決定、それにとどまると。そして、法的な責任はこれによって生じないというのが通説のようであります。いろんな学説を当たってみましたけれども、やはり、大体そのような共通した認識があって、これはほぼ定着した学説であろうと思います。したがって、この責任、議決してそのあとに何らかの重大な問題が発生した、瑕疵が発覚した、そういった段階においても、議決したその責任というのは、法的な責任というのはないようであります。しかしながら、指定に当たっては十分に審議を行って、執行機関に対する適切なチェック機能を果たすことが、議決することを指定管理者の指定要件としている地方自治法上の法の要請であると考えますが、この点について見解を伺います。 # 北村公園緑地部長 北村公園緑地部長公園施設は、住民の生活に身近な施設であります。その管理を適正に行っていく上で、指定管理者の果たす役割は大きいというふうに考えております。このため、指定管理者の選定に当たりましては、先ほどご説明申しましたけれども、より慎重な手続や住民意思の反映ということが必要なのだというふうに認識しておりますけれども、そのために、今ご指摘いただきましたように、議会にチェックをいただくことが求められているというふうに認識しております。 # 橘委員 橘委員この指定管理者制度のハンドブック、これは行政でさまざまに実行に移す段階で参考にしていらっしゃるというふうにお聞きしましたけれども、この指定管理者制度ハンドブック、ぎょうせいが発行しているものです。これによりますと、議決に当たってのチェックすべき項目として、この中に、選定理由、それから選定に当たっての透明性、公平性、それから受託者との今後の取り決め、これを明確にしておかなければならないという趣旨のことが書かれてあります。つまり、このことが議決に当たっての地方自治法上の具体的な要請であると思います。そこで、今回の指定管理者の指定についての資料、当委員会にはこの説明的なものはこれ一枚であります。そのほかに、写真、地図、そういったたぐいのものでありまして、主な選定理由も簡潔に書いている、二行あるいは三行で書いているにすぎません。つまり、地方自治法上の規定に基づいて、選定理由であるとか、透明性、公平性、受託者との今後の取り決め、これを明確にしておかなきゃならない、これが法の趣旨であろうと思いますけれども、これが果たしてこの一枚のペーパーで尽くされているのかどうか、疑問に思います。そこで、今回の指定管理者の指定についてのこの資料、実に簡単なものでありますけれども、ここに、今申し上げましたように主な選定理由については、例えば明治公園、青山公園は、都市部の公園管理のノウハウを生かした提案がすぐれている、この二行であります。選定理由が。それから大神山公園は、都市公園、自然公園管理のノウハウを生かし、自然特性を踏まえた提案がすぐれている。代表的な例として挙げましたけれども、こういうふうにして簡潔に書いてあるだけであります。したがって、指定管理者の指定という項目に、この指定管理者の項目というところに、まさにここには記載されておりませんけれども、選定基準であるとか評価項目であるとか、それはまさに項目だけなんです。これで十分なチェックができるかどうか、そこも疑問であります。それでは、資料請求をすればいいじゃないか、それから不明な部分は説明を受ければいいじゃないかという見方もあろうかと思いますけれども、議決を必要とする以上、必要なチェック項目に関するある程度詳しい資料は事前に提出すべきだと考えますが、どうでしょう。これは、今後もまだ指定管理を受けようという候補の施設がございます。今後のこともございますので、この資料の提出について見解を伺います。 # 北村公園緑地部長 北村公園緑地部長指定の議決をいただく際には、選定の経過や理由を説明し、透明性や公平性を明らかにすることが必要であると考えております。そこで、団体名ですとか指定の経過、選定の理由などにつきまして、資料により情報提供に努めさせていただいてまいりました。しかしながら、議会で審議するためにさらに詳細な情報の提供というご指摘を踏まえまして、今後、候補団体のより詳細な提案内容などの提供につきまして、積極的に検討してまいります。 # 橘委員 橘委員指定を受けようとする施設の事業計画、これは今回応募した各種団体で提出していると思います。しかし、これは選定委員会で厳重に、また慎重に審査した上で判断されたわけです。これをすべて出すべきだとは私は思いません。けれども、選定委員会の審議を経て指定団体等の決定がなされた、この最終的に指定を受けようとするその団体の事業計画自体、これぐらいは出してもいいのかなと私は考えます。そこで、この事業計画は公開できるものとしての扱いになっていますでしょうか。 # 北村公園緑地部長 北村公園緑地部長選定に当たりまして、応募団体から事業計画書というものを提出を受けて、それを外部委員も含めました選定委員会で厳正に審査しておりますが、事業計画書、事業計画で示された提案の内容につきましては、全庁的に定められております指定管理者制度に係る指針の中で、事業者に選定された者の事業の提案内容につきましては、事業者が決定後、公表するというふうにされております。したがって、私どもは、それを踏まえまして、公募の際の要項の中で、事業者に決定された方については、その議決をいただいた後、公表するというふうな形で周知をしているところでございます。 # 橘委員 橘委員そうしますと、事前にこの委員会で指定の議決、この議決をする場においては、詳しい指定の選定理由、そういうものは出せないということになりますね。しかしながら、審議をして議決を要するものでありますから、ある程度、どういった基準なのか、どういった事業を行おうとしているのか、ここに書いてある、ノウハウを生かした提案がすぐれている、これは全文は公表できないとしても、もっとある程度、こういう点、こういう点、こういう点がすぐれていますよと、それを審議する我々にもわかるように、資料としてもう少し詳しいものを提示すべきではないかと思いますが、いかがですか。 # 北村公園緑地部長 北村公園緑地部長先ほどもご答弁申し上げましたけれども、事業計画書についてはそういった取り扱いになっておりますけれども、議会でご審議いただくために、さらに詳細な情報、その提案の内容を、計画書そのものではございませんけれども、それにつきましては、候補団体のより詳細な事業内容がわかる資料を提供することについて、今後積極的に検討してまいります。 # 影山総務部長 影山総務部長今の件についてお答えしますが、総務局が出しております指定管理者制度に関する東京都指針その2によりますと、選定結果については、事業者の選定を終えた場合は次の事項を公表するということで、候補者として選定された事業者、選定理由、選定された事業者が提案した事業内容、選定経過、応募事業者名、事業者の得点ということが書かれております。以上です。 # 橘委員 橘委員これは、今の答弁を総合的に私なりに判断しますと、ある程度、もう少し詳しい資料をこれからは提出していただく、そういう意向を私は感じましたので、これで十分でございます。ただし、次に、既に指定管理者を導入している都立公園等の建設局所管の施設は、ほとんどが財団法人東京都公園協会が指定管理者となっております。管理する施設がふえる一方で、職員数を見ると、私が調べた限り年々減少しているようですけれども、この事実関係だけ先に確認させていただきます。 # 北村公園緑地部長 北村公園緑地部長財団法人東京都公園協会におきましては、全体の事業、さまざまな事業を行っておりますけれども、十七年度におきましては七百四十四名でございましたけれども、今年度、十九年度におきましては、当初としまして六百十七名ということとなっております。 # 橘委員 橘委員これは、十七年度とそれから今年度を比較した数字でありましたけれども、確かに職員数、公園協会の職員数自体は減っているようであります。しかし、指定を受けている施設はふえている。しかも、その内容というのは、かなり細部にわたって事業が展開されている。しかしながら、一方で職員数が減っている。つまり、第三者への業務委託がふえているということが想像されますけれども、その実態把握、それから業務委託がふえる中でのサービスや業務の執行状況のチェック、これを局としてどのようにしているか、伺います。 # 北村公園緑地部長 北村公園緑地部長先ほど人員につきまして、十七年度と十九年度で比較させていただきましたけれども、相当数減っておりますが、実は、十七年度まででございますけれども、公園協会におきましては、まだ東京都が指定管理者制度を導入しておりませんでしたので、現在、指定管理者制度の導入に伴いまして、別の指定管理者が指定管理を行っている公園施設等、ほかの施設につきまして業務の範囲が狭まったという背景が一つございます。それから、チェック体制ですけれども、指定管理者におきましては、業務のすべて、それから基本的な部分につきましては、これは第三者に委託することはできませんが、事実行為であります清掃とか草刈りとか、そういった業務につきましては第三者に業務委託をすることができるという全庁の方針を踏まえて、公園協会におきましても、そのような業務の進め方をしているところであります。その業務委託を適正に、そうした業務を適正に執行するためには、やはりまず公園協会自身がしっかりしたチェック体制を持っていなければいけないというふうに思います。それで、公園協会としてのチェック体制でございますけれども、業務発注に当たりましては、協会は、業務内容が契約の様式に基づき適正に執行されているか、具体的には業務の品質、安全対策、工程等について監督するとともに、業務完了時には検査員によります検査を行っております。こうしたチェック体制は、都が実施しております監督、検査の方法に公園協会におきましては準じております。また、公園協会につきましては、指定管理者としての公園協会につきましても、業務の実施状況を月例で都に報告することとしております。都のチェック体制でございますけれども、指定管理者業務の履行が確実に実施されているか、本庁及び公園緑地事務所で履行確認のチームを編成いたしまして、現場の立ち会い及び月例報告に記載された管理ですとか作業の日誌、さまざまな報告書及び各種の施設等の点検結果を、さらには写真等の添付をさせながら、適切に確認をしているところでございます。 # 橘委員 橘委員平成十五年七月十七日、総務省自治行政局長通知という文書がございますけれども、この中に、「適正な管理の確保等に関する事項」の中に、「清掃、警備といった個々の具体的業務を指定管理者から第三者へ委託することは差し支えないが、法律の規定に基づいて指定管理者を指定することとした今回の制度の趣旨にかんがみれば、管理に係る業務を一括してさらに第三者へ委託することはできないものであること。」という通知があります。これは、実態的に丸投げということはやっていません。私もいろいろ調べましたけれども、そういった事態はございません。この辺はきちっとなさっているということで、私も評価いたします。しかしながら、実態的に公園協会が、例えば経費削減ということでどんどん職員数を減らしていく。そして、住民要望はますますふえていく。また、議会から、私たちからも、公園協会はこうあるべきだといろいろな要望も出てくる。それに対応しますと、どうしても第三者に委託をしていく、それがふえていく可能性があります。この辺の、これは公園協会の責任であるといえばそれまでですけれども、あくまでも東京都が指定するわけですから、こうした懸念に対して、どのように今考えていますか。 # 北村公園緑地部長 北村公園緑地部長公園協会は、指定管理者として、確かにすべての業務はみずから行っているわけではございませんが、先ほど委員からもお話がございましたような通知等を踏まえながら、より効率的に公園の管理を行うために、事実行為、具体的には清掃、草刈り、設備保守、廃棄物処理などの作業的な行為につきまして、外部の業者に委託しておりますが、私どもは、先ほど申し上げましたけれども、毎月、月々、業務につきましては定例的に検査をし、その業務が適正になされているようにチェックをしておりますので、今後ともこのチェックをしっかり行う中で、こういった逸脱することのないような体制を、業務執行をするように強く指導してまいります。 # 橘委員 橘委員次に、都立公園は、近隣住民にとって非常に親近感それから愛着があります。花壇の管理それから清掃などに近隣住民の方がボランティア活動として、またNPOといった団体が協力しようという、そういった善意に基づいての活動も活発に行われているようであります。私の板橋でも、やはりそういったグループがたくさんございます。本当にボランティア精神で協力しているようであります。こうした方々は、やはり自分たちが実際に土をいじり、木をいじっている、そういった現場に毎日のように立って、その公園の状況であるとか、草花の状況であるとか、施設の状況であるとか、もう毎日のように見ているわけです。そうしますと、その中から、ここを改良すべきだ、これはもっとこういうふうにしてほしい、使いやすくしてほしい、そういった意見、要望、アイデア等がたくさんあります。現に私のところにも、もっとこういうふうにしたらいいのにという意見、要望が結構寄せられているのです。ところが、この要望を直接管理センター等に持っていっても、働きかけても、なかなか進まないようであります。このボランティア等のアイデア、意見、これを管理業務に生かすような仕組みは、今現在ありますでしょうか、どうでしょうか。 # 北村公園緑地部長 北村公園緑地部長ボランティアやNPOの活動等につきまして、公園のフィールドでそういったさまざまな活動をいただくということで、東京都としましては、都民との協働ということで、それらを積極的に進めるという考え方で取り組んでいるところでございます。そういう中で、さまざまな要望ですとか苦情ですとか、一般の利用者も含めて寄せられていることは事実でございます。東京都も、都民の窓口を通じたり、直接私どもも、そういう苦情、要望等がある場合、事務所を通じたり、場合によっては私ども直接、本社も含めたり事務所も含めて指導しているところでございますが、公園協会におきましても、お客様サービスのセクションを十八年度の指定管理者制度からはっきりと設置いたしまして、またホームページ等におきましても苦情のあて先というものも掲示しながら、しております。また、公園協会におきましては、CS研修と申しますけれども、お客様の満足度を高めるということで、組織を挙げて、職員のそういうサービス精神と申しましょうか、そういうことについての研修を一生懸命やっているところでございます。 # 橘委員 橘委員今答弁でわかりましたけれども、実際にこういったシステムとしての、また機関としての相談を受ける、そして意見交換を行うという、こういった場がございません。よろしいですね。実際に、個別に意見、要望を受け付ける窓口はあります。対応はしています。けれども、これを制度として、制度といっては大げさかもしれませんけれども、ある程度のシステムとして一定の協議機関があるかどうか。そういったものが、私の調べた限りございませんでした。そこで、局長に最後にお尋ねします。これは、ここからは私の提案になります。公園ごとに、指定管理者である公園協会と、それからボランティアなど協力団体、それから各種グループ、こうした団体との定期的な意見交換の場の設置を、指定管理者としての業務の中に入れてはどうかと思います。これによって定期的に、例えば年一回であるとかその程度でも構いませんけれども、そうした協働団体、協力してくださるグループ、そうした団体と公園協会がさまざまな意見交換、個別ではなかなか受け入れてくれないけれども、こういった正式な場であると、それは聞かざるを得ません。そういった機関機関といったらいいのか、協議会といったらいいのか、わかりませんけれども、正式な場としてそれを位置づけるべきだと私は考えますが、これについて一つ要望でございます。それからもう一点、指定管理期間中、これは三年なり五年なり、通常は五年が一般的であるようですけれども、その五年の指定期間中、一回ないし二回、その程度で結構ですので、協力団体やグループ代表と建設局との意見交換の場、これを設けてはどうかと思います。これによって、個別ではなくて、グループと公園協会、指定管理者です、グループとそして局、そういった正式な意見交換の場というものを設けてはどうかと思います。この二点について提案いたしますが、局長の見解を伺います。 # 道家建設局長 道家建設局長まず、今のご提案にお答えする前に、先ほど少し議論がございましたことを整理して申し上げますと、議決機関であります都議会での審議に当たりまして、執行機関である建設局といたしましては、審議に必要な情報を幅広く、わかりやすく、かつタイムリーにお示しすることが大切であるというふうに認識をしております。先ほどからご議論のありました指定管理者の指定審議に当たりましても、橘委員のご指摘を踏まえて、今後、候補団体の提案内容、それからさらには選定理由など、より詳しい情報の提供をやっていきたいというふうに考えております。ご提案の内容でございますけれども、二点ございました。一つは、公園ごとに、指定管理者を指定している公園でございますけれども、指定管理者と、公園を愛される方といいますか、使われる方といいますか、そういう住民、都民の方と話し合いの場を設ける、そういうことを位置づけたらどうかというご提案と、あわせて同じように都立公園関係で、やはり同じように住民の方々、関係の深い住民の方々だと思いますが、そういう方々と局が同じく話し合いをする、あるいは意見をお伺いする場を設けたらどうかというご提案でございます。私どもとしましては、前段で申し上げましたように現場を抱える局でございまして、都民の意見や要望を局事業に直接反映させていくことは極めて重要だという認識でございます。日ごろから、現場でありますとか、説明会でありますとか、あるいは、さらには都民の声の総合窓口などにいろいろな声が寄せられております。ご意見、ご提案、苦情もございます。そういうことには適時適切に対応しているというふうには思っております。公園でも、部長が答弁したようなさまざまなことはやっております。さらに、それを直接都民の方々からお伺いするということも窓口でやっておりますけれども、さらに発展させて、そういうトータルで話し合う場を設けたらどうかということでございますので、これについては、監理団体もございますので、積極的に前向きに検討していきたいと思っております。いずれにしても、今後とも安全で快適な東京を実現するために、それから緑あふれる東京を実現するためにも、公園行政、それからあわせて道路・河川行政も大切なことでございますので、ぜひ都議会でのご審議やご指導をいただきながら、良好な整備とそして適切な維持管理をして、都民の皆様に、公園ならば安全で楽しく快適に使っていただけるような環境を整えていきたいというふうに思っているところでございます。よろしくお願いいたします。 # 橘委員 橘委員以上であります。 # 原田委員 原田委員私は、第二百十五号の大神山公園の指定管理者の指定についてお伺いしたいと思います。平成十八年に都立公園のマネジメントプラン、公園別マネジメントプランを提示して、パブリックコメントに付して決定しているわけですけれども、大神山公園のマネジメントにおける管理運営のポイントについてお伺いいたします。 # 北村公園緑地部長 北村公園緑地部長大神山公園は、小笠原諸島の父島にございます面積約十五・三ヘクタールの都立公園でございます。この公園は、丘陵地の大神山地区と、二見湾に面します大村中央地区の二つから成っております。平成十八年十二月に策定いたしました大神山公園マネジメントプランにおきましては、小笠原の特色ある植物の保全をしていくこと、また、自然体験学習や環境学習の拠点といたしまして公園を活用すること、都民やNPO等との協働により自然を守る取り組みを推進することなどを管理運営上のポイントとしております。 # 原田委員 原田委員こうしたマネジメントプランを踏まえて提案がなされたということですが、今回、二つの団体から応募があったようです。財団法人東京都公園協会の提案内容について、どのような評価があったのか、お伺いします。 # 北村公園緑地部長 北村公園緑地部長財団法人東京都公園協会は、公園管理のノウハウの蓄積を生かしまして、小笠原の自然特性を踏まえた業務展開を提案してまいりました。外部委員を含めました選定委員会において、二団体でございましたけれども、そのうちの最優秀団体に選定されたところでございます。その際、評価された点でございますけれども、具体的には、小笠原本来の自然を保全していくために、外来種への対応、駆除に積極的に協力し、実施していく。また、小笠原固有の動植物の解説等をホームページや現地での解説板により情報発信をしていく。また、ハイキングコースを設定するなど、公園の魅力を向上させ、利用をするためにみずからの事業としてそれに取り組んでいく。またさらに、NPOと連携いたしまして動植物の継続的なモニタリングを行いまして、小笠原の自然環境に配慮した維持管理を実施していくことなどでございます。 # 原田委員 原田委員確かに公園協会は実績があるところだということは認めますけれども、二つあった中で、どういうふうな議論、特に選定委員会での議論というようなことでちょっとお聞きしたところ、この前の橘委員の情報公開の方にもちょっとかかわるのですけれども、落ちた団体の情報というのはお話しできないということでした。これは、ある程度の配慮もあるのかもしれませんが、二つしかない中でのどっちが選ばれたという根拠ということは、やはり選定委員会の議論の内容は聞きたいというふうな思いもありました。また、ご存じのように、公園協会というのは都の天下り先になっているということは明白なことでございまして、選定委員会の中にも都の職員が入っているわけですね。そういう構造を持っている以上、選考の客観性をどう見せていくかということは大きな課題ではないかというふうに考えます。ですから、できレースじゃないかといわれないように、きちっと公開性を高めていくということが、透明性を高めていくということが大事ではないかと思います。これは意見です。そしてあと、将来の大神山公園の管理運営についてのご提案をしたいと思います。小笠原諸島は東京から千キロも離れて、定期船で二十六時間もかかる二千四百人の島です。何年もアメリカの占領下にあったこともあって、観光開発から取り残されてはいますが、そのため、のんびりした環境で、豊かな自然が残されています。この島の公園管理、二つの業者が手を挙げましたが、結果、公園協会ということです。この管理運営に関しては、まさに小笠原に関しては、小さな自治組織ですので、この組織を使ったような公園管理の方法が選択としてあっていいのかなと考えております。この地域は、今東京都が世界遺産の登録をしようということでユネスコに働きかけているわけですが、このためもあって、町での経済行為はかなり限定されています。このような状況を考えれば、公園管理は、地元の業者を育てるか、NPOを立ち上げるなどして、住民組織で行う方法がいいのではないか。(発言する者あり)私の考えです。意見です。そう考えます。今、公園管理運営の大きなポイントとして市民協働という視点があって、マネジメントプランの中に随分位置づけられているわけですね。しかし、この市民協働の視点というのは、市民がお客様で参加するだけでなく、一緒に管理運営の仕方も考えていくという、市民が主権者としての視点がやはり欠かせないことだろうと思っております。公園の立地や広さにもよりますが、指定管理者に預けるだけの仕掛けではやはり不十分だと考えます。前にも述べましたが、確かに公園協会が持っているノウハウは大きいものがあると考えますので、これからの指定管理者の期間中に、住民との協働で公園管理のノウハウを伝授してもらい、今後、島の特性にかんがみ、住民による公園の管理運営の可能性の高い大神山公園での実現ということを要望して、質疑、討論を終わります。ありがとうございました。 # 谷村委員長 谷村委員長ほかに発言がなければ、お諮りいたします。本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 # 谷村委員長 谷村委員長異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。以上で建設局関係を終わります。これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。午後二時十六分散会
2024-03-31T11:24:12.567350Z
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--- title: 平成19年環境・建設委員会 名簿・議事日程 # 平成十九年十二月十四日(金曜日)第九委員会室出席委員十四名委員長谷村孝彦君副委員長石森たかゆき君副委員長小沢昌也君理事原田恭子君理事山田忠昭君理事今村るか君村松みえ子君橘正剛君吉田康一郎君矢島千秋君こいそ明君ともとし春久君高橋かずみ君大津浩子君欠席委員なし出席説明員環境局局長吉川和夫君環境政策部長加藤英夫君環境政策担当部長長谷川明君都市地球環境部長大野輝之君環境改善部長石渡秀雄君環境改善技術担当部長柿沼潤一君自動車公害対策部長井戸秀寿君自然環境部長中島博君参事浅川英夫君参事小山哲司君廃棄物対策部長森浩志君参事木村尊彦君建設局局長道路監兼務道家孝行君次長島博文君総務部長影山竹夫君用地部長谷島明彦君道路管理部長藤井芳弘君道路建設部長山口明君公園緑地部長北村俊文君河川部長高橋興一君道路保全担当部長米田秀男君道路計画担当部長藤森祥弘君参事吉原一彦君参事安藤英二君参事小口健藏君本日の会議に付した事件意見書について環境局関係付託議案の審査(質疑)・第二百十三号議案東京都立小峰公園の指定管理者の指定について建設局関係契約議案の調査・第二百十号議案瑞穂大橋鋼けた製作・架設工事請負契約付託議案の審査(質疑)・第二百二号議案東京都立公園条例の一部を改正する条例・第二百十四号議案東京都立明治公園外一公園の指定管理者の指定について・第二百十五号議案東京都立大神山公園の指定管理者の指定について・第二百十六号議案東京都立横網町公園の指定管理者の指定について
2024-03-31T11:24:13.473138Z
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