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株式会社NTTドコモ及び株式会社NTTネクシアに対する個人情報の保護に関する法律に基づく行政上の対応について令和●年●月●日個人情報保護委員会個人情報保護委員会(以下「当委員会」という。)は、令和●年●月●日、株式会社NTTドコモ(以下「ドコモ社」という。)及び株式会社NTTネクシア(以下「ネクシア社」という。)における個人情報等の取扱いについて、両社に対し、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号。)第147条に基づく指導等を行った。1.事案の概要ドコモ社は、自社インターネットサービス等に関する事業について、サービス・商品の提案等を行うため、個人データを取り扱っている。ドコモ社は、これらの事業に関し、ネクシア社に対し、電話営業用の顧客情報管理(以下「本件業務」という。)を含む業務を委託していたところ、ネクシア社の派遣社員であった者(以下「X」という。)が、令和5年3月30日、顧客情報管理のために業務上使用するPC(以下「本件PC」という。)から、個人契約するクラウドサービスに無断でアクセスし、合計約596万人分の個人データ1(以下「本件個人データ」という。)を同クラウドサービスへアップロードすることにより、外部に流出させ、漏えいのおそれ2が発生した。2.事案発生に至った原因(1)基準不適合事項本件業務は、令和4年7月、ドコモ社が株式会社NTTぷらら(以下「ぷらら社」という。)を吸収合併したことにより、ドコモ社が事業を承継したものであるところ、本件業務に関するネットワーク等の執務環境(本件PCを含む。)については、以下の1及び2のような、ドコモ社が定めた情報管理規程に一部適合しない事項(以下「基準不適合事項」という。1顧客情報を取り扱う場合は専用のPCを利用し、顧客情報を取り扱うPCにおいてはインターネット及びメールの利用が制限される必要があるが、これらの制限が実施されていなかった。2顧客情報(ファイルシステム及びデータベース)の暗号化が必要であるところ、これが行われていなかった。1インターネット接続サービスの営業対象者に関する氏名・住所・電話番号・回線ID等の約165万人分、映像配信サービスの営業対象者に関する氏名・住所・電話番号・メールアドレス・生年月日・回線ID等の約431万人分。2ドコモ社が行ったXに対する聞き取りによると、Xは、自ら作成したツールのソースコードをノウハウとして持ち出したかったものであり、当該個人データについて外部の第三者への提供は行っていないと説明している。資料1公表資料2(2)追加的運用ルールドコモ社は、この基準不適合事項について、速やかに技術的な対応を行うことが困難であると判断した。そこで、ドコモ社は、本件業務を行う際は、以下に例示したような、ぷらら社における運用ルール(以下「追加的運用ルール」という。)に従うことを条件とし、令和4年12月までの時限的例外措置として、基準不適合事項を許容することとした。・PCで実施した作業データは、当日中に全て削除すること・業務上不要な私的インターネット接続の禁止・社外へのデータ送信時の手動暗号化徹底・追加的運用ルールの遵守状況について定期的に自主点検を行うことさらに、ドコモ社は、その後、基準不適合事項への技術的な対応に時間を要すること等が判明したことから、追加的運用ルール遵守を条件に基準不適合事項を許容する期限を令和5年5月まで延長した。(3)本件漏えいのおそれの発生に至ったXの取扱いXは、本件業務にてデータ管理ツールを開発するにあたり、個人データが含まれた同ツールを本件PC内の自身しか把握していない保存場所3にコピー保存の上で開発作業を実施していたところ、当日作業の終了時に至っても、本件PC上の同ツールを削除していなかった。さらに、Xは、業務上の必要性がないにもかかわらず、クラウドサービスに個人アカウントでログイン4し、本件個人データをアップロードした。(4)小括このように、ドコモ社及びネクシア社においては、大量の顧客の個人データを取り扱っていたにもかかわらず、ドコモ社がぷらら社を吸収合併した後、半年以上も、基準不適合事項のリスクが存在する状況下で、追加的運用ルールが徹底されず、本件漏えいのおそれが発生した。3.法律上の問題点(1)ドコモ社法第23条は、「個人情報取扱事業者は、その取り扱う個人データの漏えい、滅失又は毀損の防止その他の個人データの安全管理のために必要かつ適切な措置を講じなければならない。」と規定しており、法第25条は、「個人情報取扱事業者は、個人データの取扱いの全部又は一部を委託する場合は、その取扱いを委託された個人データの安全管理が図られるよう、委託を受けた者に対する必要かつ適切な監督を行わなければならない。しかしながら、ドコモ社では、個人情報等の取扱いについて、以下の問題点が認められた。3ドコモ社によるとXはデータ管理ツールの保存場所をドコモ社及びネクシア社の誰にも伝えていなかったとされる。4ドコモ社によるとXはクラウドサービスへのアクセスの際にWebブラウザのプライベートモード(インターネットの閲覧履歴を自動で削除し、端末上に記録しない特殊な方法)を用いていたとされる。3ア物理的安全管理措置(個人データを取り扱う区域の管理)ドコモ社では、情報管理規程で定めるところにより、顧客の個人データを取り扱う場合はインターネット及びメールの利用が制限された専用のPCを利用することとし、インターネット及びメールを利用するPCとは取扱区域を分けて管理するルールであった。しかし、本件PCは、個人データを取り扱うにもかかわらずインターネット及びメール利用の制限がなされておらず、当時の物理的安全管理措置(個人データを取り扱う区域の管理)は十分な状態とはいえなかった。イ技術的安全管理措置(情報システムの使用に伴う漏えい等の防止)ドコモ社では、個人データの漏えい等を防止するための措置として、本件業務も含めて、ネットワーク監視を行っており、Xがクラウドサービスへアップロードした操作についても発生当日に検知し、当日中にXへの聴取と対象端末のネットワークからの切断を行っていたことからすれば、一定の処置を講じていたといえる。しかし、本件業務に関するネットワーク環境についてみると、外部インターネットへのアクセス規制については、一部のサイトを接続不可と定めるブラックリスト方式で運用されており、ファイル共有サービス等のクラウドサービスも含めて、業務上不必要なサイトには接続できない設定とはしていなかったものであり、大量の顧客個人データを取り扱っているシステムであるにもかかわらず、漏えい等の防止の措置が十分ではなかった。ウ組織的安全管理措置(個人データの取扱いに係る規律に従った運用)の不備ドコモ社は、前記ア及びイの物理的安全管理措置及び技術的安全管理措置に関する問題点について、前記2.(2)のとおり、組織的安全管理措置の徹底により総合的なリスクを低減させる方針を決定したものであるから、この決定に従った運用が実際に徹底されることが重要である。ドコモ社は、物理的安全管理措置及び技術的安全管理措置が一部不十分な状況に対して、追加的運用ルールを規定し運用していたところ、本件業務における同運用確保のための取組では、日次で行わせる自主点検の結果を月次で確認することで、確実に徹底されていることを確認することとしていた。しかし、上記取組では、自主点検において虚偽の申告が含まれないことを前提としているため、意図的に追加的運用ルールに反したXの取扱いは是正できず、また、自主点検結果の月次の確認では、いつ行われるか予測できない私的なインターネット接続を即時で検知できないものである。したがって、ドコモ社においては、個人データの取扱いに係る規律に従った運用に問題があり、組織的安全管理措置の不備があったものと言わざるを得ない。エ委託先の監督の不備(委託先における個人データの取扱状況の把握)ドコモ社は、ネクシア社に対し、本件業務に関して、追加的運用ルールを遵守するよう周知していた。また、ネクシア社は、日次で、本人及び第三者にて業務終了時作業データの削除確認等を行い、その結果を管理簿に記録するという自主点検を実施し、この結果について、月次でドコモ社へ提出していた。しかしながら、ドコモ社は、物理的安全管理措置及び技術的安全管理措置が一部不十分な状況でありながら、ネクシア社に対し、大量の個人データの取扱いを委託しているにも4かかわらず、自ら又は外部の主体による監査を実施することはなく、ネクシア社の自主点検に任せ、月次で結果報告を受け取るだけであった。その結果として、Xの不適切な行為を発見できず、本件漏えいのおそれの発生を未然に防ぐことができなかったものといえる。また、Xの不適切な行為を自主点検により発見することができなかった理由として、ドコモ社は、Xが自主点検をすり抜けるという手口を使っていたことが要因である旨を回答している。しかしながら、ドコモ社がネクシア社に行わせていた自主点検は、従業者にデータを削除したことを自己申告させ、他の従業者がデスクトップ上に不要なデータが残っていないかどうかを確認するという簡易な方法にとどまっており、本件のように意図的にデータ削除せず、自身しか把握していないデスクトップ以外の場所に保存した場合は、発見され得ないことは容易に想定可能であるから、点検項目や点検の方法が不十分であったといえる。したがって、その報告を月次で受領し確認するだけであったドコモ社の委託元としての監督は、不十分であったと言わざるを得ない。(2)ネクシア社法第23条は、「個人情報取扱事業者は、その取り扱う個人データの漏えい、滅失又は毀損の防止その他の個人データの安全管理のために必要かつ適切な措置を講じなければならない。しかしながら、ネクシア社では、個人情報等の取扱いについて、以下の問題点が認められた。ア組織的安全管理措置(取扱状況の把握及び安全管理措置の見直し)ネクシア社では、自主点検は実施していたものの、他部署等による監査は実施しておらず、大量の個人データの取扱いがある本件業務において、Xが本件PC内に作業データを日常的に残しており、また、私的なインターネット接続を是正できなかったことを踏まえると、個人データの取扱状況の把握や安全管理措置の評価等が不十分であったと言わざるを得ず、組織的安全管理措置の不備が認められる。イ人的安全管理措置(従業者の教育)ネクシア社では、派遣社員であるXを含む従業者に、情報セキュリティ遵守のため機密保持に関する誓約書を提出させ、また、情報セキュリティ研修の実施を行っていたものの、情報セキュリティ研修では、一般的な情報セキュリティの考え方及び法の令和2年改正部分を紹介するにとどまっており、大量の顧客データを管理する事業者における研修としては十分とはいえず、結果としてXによる本件漏えいのおそれの発生を防止するに至らなかった。したがって、ネクシア社における従業者の教育は、従業者が適切な情報セキュリティの確保や個人データの適正な取扱いの重要性に関する認識を醸成するには不十分な内容であったと言わざるを得ず、人的安全管理措置の不備が認められる。4.指導等の内容(1)ドコモ社・法第23条、法第25条及び個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)に基づき、必要かつ適切な措置を講ずること。5・既に策定した再発防止策を確実に実施するとともに、爾後、適切に運用し、継続的に個人データの漏えい等の防止その他の個人データの安全管理のために必要かつ適切な措置を講ずること。・法第146条第1項に基づき、再発防止策の実施状況について、関係資料を提出の上、令和6年3月15日までに報告するよう求める。(2)ネクシア社・法第23条及び個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)に基づき、必要かつ適切な措置を講ずること。・既に策定した再発防止策を確実に実施するとともに、爾後、適切に運用し、継続的に個人データの漏えい等の防止その他の個人データの安全管理のために必要かつ適切な措置を講ずること。・法第146条第1項に基づき、再発防止策の実施状況について、関係資料を提出の上、令和6年3月15日までに報告するよう求める。

地方公共団体における個人情報保護法運用状況の令和6年2月14日京都府総務部政策法務課1.はじめに個人情報保護制度の見直し・全国的な共通ルールを法律で設定・法律の的確な運用を確保するため、国がガイドラインを策定各地方公共団体の条例に基づく独自ルール・本人外収集の禁止・センシティブ情報の収集禁止・審議会への意見聴取(目的外利用・提供、オンライン結合等)12.制度運用について(1)日々の業務において判断に苦慮していること例)不開示情報に該当するか否か目的外利用・提供における相当(特別)の理由の有無→これまでは、審議会等に意見聴取法上、個別事案に係る法解釈等についての審議会への諮問不可に⇒疑義照会への具体的な回答、事例集の提供等を22.制度運用について(2)各種法定届出書類等のDX化(ネット公開)を進める動き例)建築計画概要書(建築基準法)のネット公開→担当課において、個人情報保護法の趣旨も踏まえ、その公開範囲等を検討⇒所管省庁と貴委員会による事前の協議・調整を32.制度運用について(3)行政機関等匿名加工情報に係る提案募集について→全国的にも事例が少なく、提案審査等に関するノウハウがない。⇒提案審査を行った機関の対応事例等の収集、共有を43.おわりに個人情報保護に係る事務の円滑かつ適正な実施や事務負担の軽減等に向けて、個人情報保護に係る規律を一元的に解釈運用する貴委員会のより一層の支援を期待しています。

岡山市における個人情報保護法の運用状況令和6年2月14日岡山市総務局行政事務管理課施行後の運用体制等1●個人情報保護制度担当部署の体制●庁内研修の実施状況担当課長室長主査正規職員3人再任用職員2人合計5人主幹主幹•令和5年3月全庁向けオンデマンド研修•令和5年4月新規採用職員向け対面研修開示請求の対応状況2●開示請求に係る手数料及び開示決定までの期間の定め●開示請求先及び事務処理体制•開示請求に係る手数料は無料(法施行前も無料と規定)•写しの作成及び送付に要する費用負担について規定(法施行前も同様)•開示決定等の期限は、請求日の翌日起算で14日以内(法施行前も同様)•30日以内に限り、期限の延長が可能(法施行前は45日以内に限り、期限の延長可)•開示請求の受付は、情報公開室及び当該開示に係る保有個人情報所管部署(以下「担当課」という。)のいずれでも可能•受付後の開示請求書は、当該開示に係る担当課に引継ぎ、同部署が開示決定を行う。•開示決定を行う際、全件情報公開室に合議し、開示文書等のチェックを行う。•個人情報ファイル簿の作成とあわせて、「個人情報の保護に関する法律についての事務対応ガイド(行政機関等向け)」の資料5を確認して利用目的を特定することとしている。•利用目的は、保有個人情報を取扱う各担当課において管理するとともに、情報公開室においても各担当課から情報共有を受けて全体分を管理している。•利用目的を変更した実例はない。利用目的5●目的外利用提供について目的外利用及び提供に係る庁内統一ルールは作成していない。「個人情報の保護に関する法律についての事務対応ガイド(行政機関等向け)」を確認し、各担当課が、目的外利用提供の判断をしている。また、必要に応じて、情報公開室と協議を行っている。➢刑事訴訟法第197条第2項に基づく警察への提供(法第69条第1項)➢弁護士法第23条の2に基づく弁護士への提供(同上)➢学校からPTAに学校園の生徒・児童の氏名、学年、クラスなどの保有個人情報を提供(法第69条第2項第1号)➢成年後見人候補者に対して、市長申立の対象となる被後見人候補者の氏名、住所、生年月日、性別、資産などの保有個人情報を提供(法第69条第2項第4号)利用目的6●措置要求の実施について利用目的のための提供、法第69条第2項第4号による提供にあたって、利用の目的又は方法の制限のほか、提供に係る保有個人情報の取扱者の範囲の限定、第三者への再提供の制限又は禁止、消去や返却等利用後の取扱いの指定、提供に係る保有個人情報の取扱状況に関する所要の報告の措置を求めている。安全管理措置の状況7•安全管理措置として、本市では「岡山市保有個人情報管理規程」を策定し、保有個人情報の取扱いについてルール化している。•上記規程に基づき、保有個人情報の取扱いに係る業務を外部に委託するときは、委託先と法に基づく「市の保有する個人情報の取扱委託に関する覚書」を締結することとしている。•覚書は、再委託の制限、利用及び提供の制限、複写・複製の禁止、委託先への監督、消去や返却等、事故発生時の報告等について規定している。•各担当課が覚書を締結するにあたっては、全件行政事務管理課への合議することとし、情報公開室において内容のチェックを行っている。個人情報ファイル簿8•<標準様式第1-5>を基本としているが、本市では、本人の数が1,000人未満の個人情報ファイルについても、条例の規定により個人情報ファイル簿を作成することとしており、法で規定する個人情報ファイル簿とあわせて管理している。•個人情報ファイルの記録項目に変更があった場合、担当課において個人情報ファイル簿を作成し情報公開室へ提出する。情報公開室は提出のあった個人情報ファイル簿を確認し、修正後のものに差し替えて公表を行う。▸すべての審査担当課がすべての基準について適合→審査基準に適合▸同じ基準について、すべての審査担当課が不適合→審査基準に適合していない▸同じ基準について、一部の審査担当課が不適合→審査担当課が集まり、該当審査項目について協議及び審査を行い判断その他11●審議会等への諮問状況●条例要配慮個人情報専門的知見に基づく意見聴取に係る諮問実績なし本市では、条例要配慮個人情報を規定していない。個人情報保護制度に関するご意見・ご要望12•保有個人情報の取扱いを委託する場合に、法令等に基づいた地方公共団体として必要な措置を規定した覚書の締結を行っているが、委託先から委託先における個人情報の取扱いの基準で保有個人情報を取扱いたいとの申し出がある。•法により地方公共団体が必要な措置を講じることについて、委託先に理解をしていただくのに苦慮している。•再委託先に対しても委託先と同様の措置を求めているが、委託先が、委託先と再委託先との個人情報の取扱いに関して従来からの協定等があるので、その基準で保有個人情報を取扱いたい旨の申し出がある。•法により地方公共団体が措置しなければならない事項について説明するが、委託先の理解がなかなか得られない。•運用に関する事例の共有を内部で行いたいが、法の適用から間もないため、事例が蓄積されていない。事例等の共有が今後の課題と考えている。

〇一方で、個人情報の組織内での目的外利用(法第69条第2項の2)の可否の判断につきまして、当市は今まで専門家集団である審査会へ諮問していたものを市で判断するようになりましたので、不安なく処理しているとは言い難いです。〇そこで、具体的な事例集等を作成していただくなど、蓄積されたノウハウを情報共有できる仕組の創出をお願いしたい。SMILECITYMIYAKONOJO御清聴ありがとうございました。

個人情報保護法運用状況について令和6年2月14日埼玉県上里町役場総務課上里町東京から85km映画『翔んで埼玉』群馬の県南に位置スクリーンデビュー中1上里町人口30,549人(13,512世帯)職員数203人(37類似団体中2番目に少ない)気候夏は熊谷と同じくらい暑い晴天率が高く雪は降らない目標子育て支援日本一の町づくり(小学校5校全てに児童館が隣接)まとめ住みやすくとても良い町2運用体制個人情報保護制度担当課の体制総務課庶務係1名(兼務...選挙・情報公開・安全運転・工事等)庁内研修の実施状況『改正個人情報保護法研修会』令和5年1月19日(木)午前の部45名午後の部56名リモートラーニングやeラーニング研修も活用3開示請求の対応状況手数料の定め...無料(写しの交付...費用負担有り)開示決定までの期間...30日以内開示請求先...町の機関(総務課受付)事務処理体制...総務課1受付・受理↓事務をつかさどる課2決定通知書作成・総務課長の合議等↓総務課✙事務をつかさどる課3開示を開示請求件数...0件4保有個人情報の利用・提供目的外利用提供の具体的事例警察よりオレオレ詐欺被害が急増しているので、65歳以上の高齢者世帯全ての家を訪問・啓発活動を行うため、住民基本台帳より住所・氏名のデータ提供をして欲しいとの相談があり、利用目的以外の目的のために提供できる、法第69条第1項の「法令に基づく場合」に該当すると考え、委員会へ問い合わせた。5保有個人情報の利用・提供(つづき)委員会からは、公開・非公開は適切な判断が必要であり、また、本件の場合は、住民基本台帳法の所管の総務省にも相談した方が良いとの回答をいただいた。結果、データ提供ではなく、住民基本台帳法に基づき閲覧を警察にしてもらい、その後、65歳以上の高齢者世帯全ての家を訪問・啓発活動していただきました。6安全管理・漏えい等について既に個人情報保護委員会へ報告しているが、町民の集団検診を委託している団体において、ランサムウェアによる不正アクセス攻撃(身代金要求型サイバー攻撃)を受け、事実確認中である。本町だけでなく、他の団体も併せて委託を受けている団体であるが、今後、本町として必要な安全管理措置の検討を深めていきたい。7制度に関する意見・要望〇マイナンバー制度や標準化等対応していくだけでも大変〇町村では、安全管理など保護だけで忙殺されている。限られた人員の中で知識の蓄積やノウハウの確立は難しく、専門的な知識のある委員会で、そのような課題の解決への支援をお願いしたい。ご清聴ありがとうございました。

小川委員から「今回、株式会社NTTドコモ(以下「ドコモ社」という。)は、ネットワーク監視を行っていたことにより、外部への持ち出しが発生したことを当日中に発見した。このような監視機能は、監視されていることが従業者に認識されることにより不正行為を抑止するなど一定の効果はある。その一方で、全ての不正を検知することは難しく、漏えい自体を防止することはできない。大量かつ重要な個人データの取扱いがあった本件業務においては、漏えいが生じる余地のない仕組みを構築する必要がある。そのために、物理的・技術的な安全管理措置と、組織的・人的な安全管理措置を、総合的に組み合わせたリスク対策を実行することが重要である」旨の発言があった。梶田委員から「今回の調査では、複数の安全管理措置の不備が明らかになったものであり、中でも、組織的安全管理措置の問題については、個人データを取り扱う現場における取扱状況を適切に把握できておらず、現場任せになっていたのではないかと思われる。ドコモ社は、事業の吸収合併に伴う情報システム及びその管理ルールの見直しが間に合わなかったことに対して、追加的なルールを定め徹底すると経営判断をしたにもかかわらず、実態としては、月に1度のみ確認結果を受け取ることしかしていなかったということである。ドコモ社には、今回委員会が指摘した点を重く受け止めていただき、今後このような事態が発生しないよう徹底した改善策を尽くしていただきたい」旨の発言があった。なお、本議題については、事案の社会的な影響を勘案し、配布の公表資料と当該資料に係る議事録、議事概要の部分を準備が整い次第公表し、それ以外の資料と当該資料に係る議事録、議事概要の部分については非公表とすることとなった。京都府、岡山市、都城市及び上里町から、資料に基づき説明があった。小笠原委員から「都城市及び上里町にお聞きしたい。比較的小規模な団体においては、個人情報保護制度の担当者が少人数にならざるを得ず、かつ他の業務と兼務する状況が少なくないと理解している。御説明の中でも人員体制について触れられていたが、定期的に人事異動がある中で、適正な保有個人情報の取扱いを継続的に運用していくために、小規模団体であるが故の課題や、どういった措置が必要であるかなど、お考えをお聞きしたい」旨の質問があった。これに対し、都城市から「我々地方自治体は、業務上今後も個人情報を取扱い続けると思われるため、改正法など最新の情報を全職員へ浸透させることが重要であると考えている。この浸透のためには、定期的な研修などを継続的に実施していくことが大切であると考えており、今後、オンライン研修や研修素材の充実が図られることで、小規模団体であってもそれぞれに見合った方法で対応ができるのではないかと考えている」旨の回答があった。また、上里町から「小さい自治体であることから苦慮しているところである。先ほど都城市からも話があったように、職員一人ひとりの個人情報保護に関する正しい知識、正しい認識が必要であると考えている。研修会やリモートラーニング、eラーニングなどを引き続き実施していきたいと考えている。また、小さい自治体であるが故に、職員のスキルはある程度把握ができるため、人事異動の際には、そういったことも勘案し、適材適所を考えながら実施していきたいと考えている」旨の回答があった。梶田委員から「4団体共通の質問をさせていただきたい。昨年4月から個人情報保護法が適用されているが、その前後で、個人情報の取扱いで、特に大きく変化した点は何か。御説明と重複する部分があるかもしれないが、特に大きく変化した点についてお聞きしたい。また、これに対して、どのように対応しているかお聞きしたい」旨の発言があった。これに対し、岡山市から「岡山市では、適用前後で取扱いに大きく変化した点はなく、以前と同様に開示対応はあり、運用について特に大きく変化した点はない」旨の回答があった。また、京都府から「先ほど触れたとおり、審議会の諮問の仕組みがなくなったことである。本人以外から収集する場合やセンシティブ情報を収集する場合において審議会の諮問がなくなったことで、従来以上に我々行政側のほうでしっかりとした説明をする必要があると考えており、担当課にもそのように説明している。今年度に入り、具体的にそのような案件が出てきたわけではないが、過去の経験を活かしながら指導していきたい。従来、法が求める個人情報ファイル単位の帳簿は作成しておらず、今年度から作成するようになった。初めての経験で、どういうくくりで考えるかかなり悩んだ。また、行政機関等匿名加工情報の提案募集という仕組みが入ったことで、悩みながら進めていこうと考えているところである」旨の回答があった。また、都城市から「皆様仰せのとおり、今までは条例で設置していた弁護士等の外部有識者で構成される審査会に諮問する形で目的外利用の判断をしていたが、今年度からは組織内で判断するようになったことが大きな変化である。これに対しては、特段の対応は行っていないが、案件ごとにデータ所管課、利用を希望する課、総務課で協議を行って判断している状況である」旨の回答があった。また、上里町から「当町も審議会への諮問がなくなった点、一元化により安全管理という点で変化があったと感じている。また、事例で話したとおり、委託先の情報漏えいのおそれという点で、今後、専門的なデータシステムを取り扱う課との連携が必要であると感じている」旨の回答があった。清水委員から「目的外利用について4団体に伺いたい。苦慮されているということであるが、相当性の判断にあたって、どのような議論があったか。あるいは、提供した後に判明する課題もあったかと思うので、お話しいただける範囲でお聞きしたい」旨の発言があった。これに対し、岡山市から「利用目的以外の提供については、内部利用や他の行政機関への提供については、原則として法令に基づく場合に提供しており、相当な理由があると認めた例は今のところない」旨の回答があった。また、京都府から「今年度は、目的外提供の例は、刑事訴訟法照会に限られており、判断に悩むものはなかった。ただ、制度改正前であれば、コロナ感染者情報の市町村との共有や、協力金の重複受給を防ぐために国・自治体と情報共有をする事案があり、その場合には、どの範囲まで、どの情報まで出すべきかを審議会で議論した記憶がある」旨の回答があった。また、都城市から「災害発生時の要救助者情報の事前共有を目的外利用で取り扱った事例がある。災害対策部署が所管しているシステムに、あらかじめ福祉分野の情報を取り込むことで、災害時の救助の優先順位を設定するものであった。まず、法令等に明記されているかどうかの議論となったが、こういったピンポイントの用途は明記がなかったため、先ほど説明したとおり、データ主管課と利用を希望する課、総務課で協議した結果、人命優先ということで、相当な理由として、利用可能という判断をした」旨の回答があった。また、上里町から「警察によるオレオレ詐欺のローラー作戦に伴う提供依頼があった。最終的には町の判断ということで、情報提供可能であるという考え方もあったが、これまでどおり住民基本台帳法に基づく閲覧ということで協議が整ったところである」旨の回答があった。小川委員から「安全管理措置について4団体共通に質問させていただく。最近の漏えい等事案では、職員によるUSBメモリ等の紛失、窓口業務の従事者やシステムの委託先従事者による持ち出し、不正アクセス等による漏えい等が見られる。そういった意味で、地方公共団体による適切な安全管理措置の重要性は高まっている。また、先ほど、岡山市から、安全管理措置について委託先と覚書を締結しているが、理解をしていただくのに苦慮している旨の説明があった。各団体において、漏えい等を防ぐために、特に重点的に取り組んでいることや、委託先の理解を深めるための取組などがあれば、お聞きしたい。あわせて、委託先に必要な安全管理措置を求めるにあたって、その根拠となる条例、規則、覚書の締結などを採用されている場合は、その形式を教えていただきたい」旨の発言があった。これに対し、岡山市から「委託先との覚書の締結を徹底している。理解を得られない委託先に対しては、法律を丁寧に説明するしかない。また、他の取組として、情報システムを使用した業務の外部委託が多いが、情報部門が作成している情報セキュリティポリシーに基づく管理も併せて求めている。内部統制が始まっているが、情報通信機器からの情報漏えいは、全庁共通のリスクということで、特に取り上げて対応している状況である」旨の回答があった。また、京都府から「様々な契約に合わせた標準契約書を定めており、その中で、今回の改正を踏まえ、委託先に対して体制の整備、定期的な報告、実地調査を行う場合の協力義務を定めている。また、それぞれの委託内容に応じて別途仕様書を定めている」旨の回答があった。また、都城市から「覚書の締結はしていないが、京都府と同様、指定した契約書を使用している。そこには業務の種別ごとに約款等を書いており、そのなかに個人情報の取扱いや第三者への委託について記載している。また、情報システムに関しても、情報セキュリティポリシーを定めており、当市が管理する情報資産に関する対策と総合的体系について、細かく定めているが、代表的なものとしては庁内ネットワークについて、原則USBメモリを使用できないようにしている。また、データ格納領域をもったUSBデバイス、デジカメやスマートフォンをパソコンに接続しても動かないようにしている。USBメモリがどうしても必要な場合は、情報システム部門が用意しているパスワードロック機能付きのUSBメモリを利用するなどの対応もしている」旨の回答があった。また、上里町から「契約の際、個人情報の保護に関する情報を盛り込み、別記にその特記事項を遵守するようお願いしている。情報システムのセキュリティに関しては、総務省のガイドラインに基づき町の情報セキュリティポリシーを策定している。このセキュリティポリシーでは、業者選定、あるいは契約において必要な情報セキュリティ要件を明記し、契約を締結しなければならないという旨を規定している。重要性分類2以上の情報を取り扱う業務委託等については、委託先の選定において、仕様や参加要件に、PマークやISO27001の取得を明記するとともに、契約時には保護条項を入れている。また、再委託は原則禁止だが、事業者で限定的に安全管理が認められる場合には、認めているところである。その場合は必ず覚書を締結している」旨の回答があった。髙村委員から「行政機関等匿名加工情報について、岡山市と京都府に質問したい。先ほど岡山市から『1件の提案審査を行った』という説明があったが、提案募集、審査等に当たり、具体的にどのような課題があり、どのように対応したか、お話できる範囲でお聞きしたい。また、京都府から『全国的な事例が少なく、提案審査等に関するノウハウがない』という説明があったが、提案募集等に当たり、具体的にどのような課題があったか、どのようなノウハウの必要性を感じたか、お聞きしたい」旨の発言があった。これに対し、岡山市から「審査に当たっては、個人情報保護法第114条第1項第4号に規定する具体的な審査基準があるが、とても不明確であったため、審査をどのように行うべきか苦慮した。提案者が提出した書面で、事業の目的及び内容が新たな産業の創出等に資する事業であることをまず確認した上で、事務対応ガイドに記載されている事業内容が反社会的なもの、興味本位の提案ではなく、匿名加工情報を利用する必要性が乏しいと認められるものには該当しなかったため、この基準に適合すると判断し、審査をした」旨の回答があった。また、京都府から「まさにこれからやろうとしているところであり、手探りで考えているところである。岡山市からあったように法律の基準がかなり抽象的で、活力ある経済社会の実現となると、何でも入ってしまうのではないかと思うので、どう審査するか、どういう提案書を作成いただくことによりこういった点がクリアになっていくのかを考えていかなければならない。本日の岡山市の事例など、様々な事例を参考に提案いただければと考えている」旨の回答があった。藤原委員長から「本日のお話の中で、審議会、審査会等の関与がなくなって、庁内で判断するのが不安な部分があるとのことであったが、都城市の場合、弁護士は何人入っていたか。法律専門家はどのくらい入っていたのか、お話しできる範囲でお聞きしたい」旨の発言があった。これに対し、都城市から「都城市の審査会は5名で構成されている。弁護士1名、行政書士1名、市の法規委員が2名、ほか1名となっている」旨の回答があった。藤原委員長から「本日頂いた御意見も含め、個人情報保護を巡る様々な状況について、各方面の意見を聴きながら、課題を整理、審議してまいりたい」旨の発言があった。

日時:令和6年2月14日(水)15:30場所:個人情報保護委員会委員会室・オンライン出席者:藤原委員長、小川委員、大島委員、浅井委員、清水委員、加藤委員、梶田委員、髙村委員、小笠原委員、松元事務局長、三原事務局次長、山澄審議官、大槻審議官、森川総務課長、吉屋参事官、香月参事官、小嶋参事官、片岡参事官、石田参事官○森川総務課長それでは、定刻になりましたので、会議を始めます。本日は、全委員が御出席です。以後の委員会会議の進行につきましては、藤原委員長にお願いいたします。○藤原委員長それでは、ただいまから、第272回個人情報保護委員会を開会いたします。本日の議題は二つです。まず、議題1「株式会社NTTドコモ及び株式会社NTTネクシアに対する個人情報の保護に関する法律に基づく行政上の対応について」、事務局から説明をお願いいたします。(内容について一部非公表)○事務局議題1について説明させていただきます。事案の概要でございます。NTTドコモ社(以下「ドコモ社」という。)は、個人向けインターネット接続サービス等に関する事業について、サービス・商品の提案等を行う事業を行っております。これらの事業を行うため、電話営業用の顧客情報管理業務を含む業務をNTTネクシア社(以下「ネクシア社」という。)に委託していたところ、ネクシア社に労働者派遣されていた者(以下「X」という。)が、令和5年3月30日に業務用PCから個人契約するクラウドサービスに約596万人分の個人データを無断でアップロードし、外部に流出させ、漏えいのおそれが生じた事案となります。事案発覚の経緯でございます。ドコモ社は、令和5年3月30日、自社のネットワーク監視により、ネクシア社に貸与したPC(以下「本件PC」という。)から外部サイトへの不審な通信があったことを確認し、その後、操作者への聴取及びログ等の調査により本件事案が発覚したところでございます。事案発生に至った原因でございます。本件業務は、令和4年7月にドコモ社がぷらら社を吸収合併したことによりドコモ社が事業を継承し、情報管理についてはドコモ社の情報管理規程が適用されることとなりましたが、それまでの執務環境に関し、情報管理規程に一部適合しない事項が存在しておりました(以下「基準不適合事項」という。具体的には、インターネット、メール等の接続制限が実施されていなかったこと、顧客情報の暗号化が行われていなかったことでございます。当時のドコモ社としましては、速やかに技術的な対応を行うことが困難であると判断し、追加的に運用ルールを設け、基準不適合事項を許容することとしましたが、Xが本件業務にてデータ管理ツールを開発するに当たり、個人データが含まれた同ツールを本件PC内の自身しか知り得ない場所にデータを保管し、2当日作業終了時においてもこれを削除せず、クラウドサービスへ本件個人データをアップロードしたものでございます。このように、ドコモ社及びネクシア社におきましては、大量の顧客の個人データを取り扱っていたにもかかわらず、基準不適合のリスクが存在する状況下におきましても追加的運用ルールが徹底されず、本件漏えいが発生したものでございます。本件事案における個情法上の問題点でございます。まず、ドコモ社の安全管理措置の実施状況です。ドコモ社の物理的安全管理措置につきまして、ドコモ社では、顧客の個人データを取り扱う場合はインターネット及びメールの利用が制限されたPCを利用し、かつ、取扱区域を分けて運用するルールでした。しかし、本件PCはインターネット等の接続制限がなされておらず、当時の物理的安全管理措置は十分なものとはいえませんでした。次に、技術的安全管理措置に関する検討でございます。ドコモ社では、個人データの漏えい等を防止するための措置としてネットワーク監視を行っていました。Xがクラウドサービスへアップロードした操作につきましても、発生当日に検知し、当日中にXへの聴取、対象端末のネットワークからの切断を行っています。これらにつきましては一定の措置が講じられているものと言えますが、本件業務に関するネットワーク環境における外部インターネットへのアクセス制限は一部のサイトを接続不可と定めるブラックリスト方式で運用されておりまして、業務上不必要なサイトには接続できない設定とはなっていなかったものであり、大量の顧客個人データを取り扱っているにもかかわらず、漏えい等の防止の措置が十分ではなかったものです。組織的安全管理措置では、さきに御説明しました物理的安全管理措置及び技術的安全管理措置に関する問題点について追加的運用ルールを規定し、運用していたところでした。ネクシア社においては、日次で行わせる自主点検の結果をドコモ社が月次で確認することによってその確実な徹底を図ることとしていましたが、これらの取組では、意図的に追加的運用ルールに反したXの取扱いは是正できず、また、月次の確認ではいつ行われるか予測できない私的なインターネット接続を即時で検知できないなど、個人データの規律に従った運用に問題があり、組織的安全管理措置に不備があったものと認められます。次に、ドコモ社の委託先の監督に関する検討です。ドコモ社はネクシア社に対し、本件業務に関して追加的運用ルールを遵守するよう周知しておりました。しかしながら、ドコモ社はネクシア社に対して大量の個人データの取扱いを委託していたにもかかわらず、自ら又は外部の主体による監査を実施することなく、ネクシア社の自主点検に任せ、月次で結果報告を受け取るだけでした。その結果としてXの不適切な行為を発見できず、本件漏えいを未然に防げなかったものです。次に、ネクシア社に対する安全管理措置でございます。ネクシア社では、自主点検は実施しておりましたが、他部署等による監査を実施しておらず、XがPC内にデータを保管していたこと、私的なインターネット接続を是正できなかったことを踏まえますと、個人データの取扱状況の把握や安全管理措置の評価等が不十分であったと言わざるを得ません。3また、従業者の教育につきまして、ネクシア社では、派遣社員であるXを含む従業者に情報セキュリティ遵守のための誓約書を提出させ、情報セキュリティ研修を実施していたものの、内容は一般的な情報セキュリティの考え方並びに個人情報保護法の令和2年改正部分を紹介するにとどまっており、大量の顧客データを管理する事業者における研修としては十分とは言えず、結果としてXによる本件漏えいのおそれの発生を防止するに至らなかったことを踏まえますと、ネクシア社の従業員教育は不十分であったと言わざるを得ず、人的安全管理措置に不備が認められます。以上を踏まえ、当委員会といたしましては、ドコモ社に対して法第23条、法第25条及び個人情報の保護に関する法律についてのガイドラインの遵守及び再発防止策の確実な実施を求める指導、また、法第146条第1項の規定に基づき、再発防止策の実施状況を令和6年3月15日までに報告するよう求めることとしたいと考えております。また、ネクシア社に対しましても法第23条及びガイドラインの遵守並びに再発防止策の実施状況の報告を同日までに求めたいと考えております。なお、本件は、事案の重大性と社会的な影響の大きさに鑑みまして、公表資料の範囲で公表することとしたいと考えております。事務局からの説明は以上でございます。○藤原委員長ありがとうございました。それでは、ただいまの説明について御質問、御意見をお願いいたします。○小川委員御説明ありがとうございました。今回、ドコモ社はネットワーク監視を行っていたことで外部への持ち出しが発生したことを当日中に発見いたしました。このような監視機能というのは、監視されていることが従業者に認識されることによって不正行為を抑止するなどの一定の効果はありますが、その一方で全ての不正を検知することはとても難しくて、漏えい自体を防止することはできません。大量かつ重要な個人データの取扱いがあった本件業務においては、漏えいが生じる余地のない仕組みを構築する必要があります。そのために、物理的・技術的な安全管理措置と組織的・人的な安全管理措置を総合的に組み合わせたリスク対策を実行するということが重要であると考えます。○藤原委員長ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。それでは、梶田委員、お願いいたします。○梶田委員御説明ありがとうございました。ドコモ社の今後の対応について、意見を申し上げます。今回の調査では、複数の安全管理措置の不備が明らかになったものであり、中でも組織的安全管理措置の問題については、個人データを取り扱う現場における取扱状況を適切に把握できておらず、現場任せになっ4ていたのではないかと思われます。ドコモ社は、事業の吸収合併に伴う情報システム及びその管理ルールの見直しが間に合わなかったことに対して追加的なルールを定め、徹底すると経営判断をしたにもかかわらず、実態としては月に1度のみ確認結果を受け取ることしかしていなかったということです。ドコモ社には、今回、委員会が指摘した点を重く受け止めていただき、今後、このような事態が発生しないよう、徹底した改善策を尽くしていただきたいと思っています。○藤原委員長ありがとうございました。ほかにはいかがでしょうか。それでは、特に修正の御意見がないようですので、原案のとおり決定したいと思いますが、よろしいでしょうか。御異議がないようですので、そのように取り扱うことといたします。事務局においては所要の手続を進めてください。また、本議題の資料、議事録及び議事概要の取扱いについてお諮りいたします。本議題は、事案の社会的な影響を勘案し、配付の公表資料と当該資料に係る議事録、議事概要の部分を、準備が整い次第委員会のホームページで公表し、それ以外の資料と当該資料に係る議事録、議事概要の部分については公表しないこととしてよろしいでしょうか。ありがとうございます。御異議がないようですので、そのように取り扱うことといたします。それでは、次の議題に移ります。○藤原委員長議題2「いわゆる3年ごと見直し(ヒアリング)」について、前回に引き続き、本日は京都府、岡山市、宮崎県都城市、埼玉県上里町へのヒアリングを実施したいと思います。(異議なし)ありがとうございます。それでは、出席を認めます。(京都府、岡山市、都城市、上里町、全国知事会、指定都市市長会、全国市長会、全国町村会入室)皆様におかれましては、御多忙の中、御出席いただき誠にありがとうございます。それでは、早速ですが、まずは岡山市から御説明をお願いいたします。○岡山市よろしくお願いします。5岡山市における個人情報保護法の運用状況について発表します。次のスライドをお願いします。岡山市では、行政事務管理課課内室情報公開室で情報公開及び個人情報保護制度の運用、個人情報保護等の審査会の事務をしています。庁内研修は昨年3月に全職員を対象にオンデマンドで実施、また、新規採用職員には毎年法の趣旨や情報漏えいについて研修を実施しています。次のスライドをお願いします。開示請求の手数料は無料で、写しの作成及び送付は実費負担をしていただいております。開示決定の期間は、請求日の翌日起算で14日以内、また、30日以内に限り、期限の延長が可能としております。開示請求の受付は、情報公開室及び保有個人情報の所管部署のいずれでも可能としており、受付後は所管部署が開示決定を行い、情報公開室で開示文書の全件のチェックをしています。次のスライドをお願いします。開示請求の件数、内訳は資料のとおりで、法施行後の4月から12月末の9か月間で97件あり、そのうち全部開示が46件、一部開示が36件、不開示決定が13件などとなっています。件数は法施行前とあまり変わっておりません。次のスライドをお願いします。利用目的の特定等について、岡山市では、特定及び変更に係る庁内統一ルールは作成しておりません。個人情報ファイル簿の作成と併せて、事務対応ガイドを確認して利用目的を特定することとしています。利用目的は、各担当課において管理するとともに、情報公開室においても全体分を管理しています。これまで利用目的を変更した例はございません。次のスライドをお願いします。目的外利用の提供についても庁内統一ルールは作成しておらず、事務対応ガイドを確認し、各担当課が判断をしています。これまで提供したものは、法に基づき利用が可能なもののほか、本人同意を得て学校からPTAに生徒名、学年などを提供した例、本人以外の者に提供することが明らかに本人の利益になるとして、成年後見人候補者に対して市長申立ての対象となる被後見人候補者の氏名、住所などの保有個人情報を提供しています。次のスライドをお願いします。措置要求の実施として、利用目的のための提供と法第69条第2項第4号による提供に当たっては、利用の目的又は方法の制限、提供に係る保有個人情報の取扱者の範囲の限定、第三者への再提供の制限又は禁止、消去や返却等利用後の取扱いの指定、提供に係る保有個人情報の取扱状況に関する所要の報告の措置を求めています。次のスライドをお願いします。安全管理措置については、本市では「岡山市保有個人情報管理規程」を策定し、取扱いについてルール化しております。この規程に基づき、保有個人情報の取扱いに係る業務を外部に委託するときは、委託先と法に基づく覚書を締結しています。覚書は、再委託の制限、利用及び提供の制限などについて規定しています。この覚書についても、情報公開室で全件内容のチェックをしております。次のスライドをお願いします。個人情報ファイル簿については、本市では、本人の数が61,000人未満の個人情報ファイルについてもファイル簿を作成することとしており、法で規定する個人情報ファイル簿と併せて管理しています。記録項目に変更があった場合、担当課で個人情報ファイル簿を作成し、情報公開室で確認・公表をしています。個人情報ファイル簿の総件数は826件、そのうち1,000人以上は259件、行政機関等匿名加工情報の提案を募集する件数は205件となっています。次のスライドをお願いします。提案募集は、令和5年8月16日から9月15日までの期間、市のホームページで行い、国保の被保険者情報、レセプト情報ファイルなどの4ファイル提供の提案が1件ございました。次のスライドをお願いします。提案の審査は、提案に係る個人情報ファイル所管部署、個人情報保護制度担当部署、デジタル化に関する担当部署の課長が法令等の審査基準を記載した審査用シートでチェック項目を確認する方式により審査を行いました。同じ基準について一部の審査担当課が不適合とした場合のみ担当課が集まり、該当審査項目について協議及び審査を行い、判断することといたしました。次のスライドをお願いします。その他として、岡山市では審査会等への専門的知見に基づく意見聴取に係る諮問実績はございません。また、法の枠以上の条例要配慮個人情報の規定もございません。次のスライドをお願いします。最後に、制度に対する意見・要望として、保有個人情報の取扱いを委託する場合の覚書の締結の際、委託先における個人情報の取扱いの基準で行いたいとの申出があり、理解をしていただくのに苦慮しています。また、再委託先についても委託先と同様の取扱いを求めていますが、委託先と再委託先の従来の個人情報の取扱いの協定の基準で取扱いをしたいと申出があり、委託先の理解を得るのに苦慮しています。それから、法の適用から間もないため、事例が蓄積されておらず、全国の事例等の共有が課題と考えております。以上、御清聴ありがとうございました。○藤原委員長ありがとうございました。それでは次に、京都府から説明をお願いいたします。○京都府委員会の皆様には日頃大変お世話になっており、ありがとうございます。また、本日はこのような機会を頂戴しまして、感謝申し上げます。それでは、説明に入らせていただきます。資料を1枚おめくりいただけますでしょうか。今更のことかもしれませんが、昨年4月から制度ががらっと変わりまして、各地方自治体におきましては、違う団体もあるかもしれませんが、本人外収集の禁止やセンシティブ情報の収集禁止、あるいはオンライン結合等の場合の意見聴取といった規定を定めていたかと思います。こういった場合の取扱いにつきましては、目的外利用・提供をする場合も含め審議会の意見聴取をするという取扱いをしていた団体さんが多かっただろうと思っております。それが全国的な共通ルールを定めるということで、ガイドライン等をお示しいただきながら、それに基づいて現在、運用しているところでございます。72ページ目をおめくりいただけますでしょうか。制度運用に当たりまして、日々我々が感じていることを今回、資料としてお示しさせていただいております。まず一つ目に、日々の業務において判断に苦慮していることとして書かせていただいております。この判断に苦慮していること以外にも職員にどうやって個人情報の取扱いをきっちりとしていただくよう徹底していくのか、あるいは委託先や指定管理者への対応をどうしていくのかといった問題もございますが、特に制度所管課として疑義・相談が多々寄せられますのが、次の例に示しております開示請求があった場合に不開示情報に該当するのかどうなのかといったことや、あまり京都府ではその件数はないのですが、目的外利用・提供をしようとするときに相当の理由として成り立つのかどうなのかといったことに日々悩みながら対応しているところでございます。特に目的外利用・提供につきましては、従来であれば審議会の意見を聴取することになっており、当然それを前提として我々の方で一定整理して考えをまとめた上で審議会にお諮りして、そこで御意見を頂戴して対応していましたが、この制度改正によりまして、こういった個別事案に関する法解釈についての審議会への個別諮問が駄目だということになりました。まだ京都府から委員会様のほうに、例えば目的外利用・提供において疑義照会といった形でお問合せをさせていただいた事例はございませんが、どうも他団体の話などを聞いておりますと、なかなか具体的な回答を頂けないこともあると聞いております。できましたら、我々聞く方といたしましても、個別具体の案件を具体的に、我々はこう考えているけれどもそういった考え方でどうだろうかといった形で、なるべく具体的な形で意見照会させていただきたいと思っておりますので、そういった場合については具体的な回答をいただけたらと思っております。もしかしたらそういう回答を頂けない場合もあるかもしれませんが、例えば回答された事例集などを御提供いただくといった形でお示しいただければ、そういうものを参考にしながら日々の事務に活かしていけるかと思っております。3ページをお開きいただけますでしょうか。ちょっと傾向が違いますが、たまたまつい最近、こういう相談があったものですから、今回、入れさせていただいております。国の各省庁の動きとしまして、様々な法律で定められた書類等についてネット公開を進める動きがあるように聞いております。今回、我々のほうで相談がありましたのが、建築基準法に基づく建築計画概要書のネット公開を進めるといった動きがあるというものです。本件については、内容的にそれほどこちらで頭を悩ますといったものではございませんが、ただ、物によりましたら、各団体が個別に判断していくと、ケースによっては考え方が分かれることもあるのではなかろうかといった懸念を持っております。そういったことがないように、可能であれば、それぞれ所管省庁さんと委員会様が事前に何らかの一定の協議をされて、一定の考え方を事前にお示しいただくといった取扱い、「協議・調整」と書いておりますが、そういった御対応をいただけたらなと感じるところでございます。8もう一枚おめくりください。制度改正で新たな仕組みとして入って大きな悩みになっていますのが、行政機関等匿名加工情報に関する提案募集の関係でございます。京都府の実例を申し上げますと、まさにこれから間もなくこの提案募集を開始しようと思っているところでございまして、提案募集そのものは事務的に淡々と進めていくことになろうかと思っておりますが、仮に応募があった場合にそれをどうやって審査していくのか、法律で一定の基準は示されておりますが、経済の活性化といった非常に漠とした基準となってございます。今時点でそれをどう判断していくのか、どう考えていくのか悩んでいるところでございます。国の省庁、あるいは地方公共団体も含め、こういった応募があって、審査した団体様があるようでしたら、可能な範囲でどういった御判断をされて、どういった対応をされたのかといった事例を収集して共有いただけたらと思っているところでございます。最後は、今、申し上げたことのまとめになります。個人情報保護に関する事務の円滑・適正な実施や我々の事務負担の軽減等に向けまして、一元的に解釈運用していただいております委員会様のより一層の御支援を頂けたらと思っております。簡単でございますが、以上、発表とさせていただきます。ありがとうございました。○藤原委員長ありがとうございました。それでは次に、都城市から御説明をお願いいたします。○都城市今回はこのような貴重な機会を頂きまして、誠にありがとうございます。それでは、当市の発表を行わせていただきます。発表内容は、現在表示されているスライドにありますように、1から4の順でお話しさせていただきます。それでは、2ページのスライドに移動いたします。このページでは、簡単に当市についての説明をさせていただきます。当市の人口規模は、令和6年1月1日現在の現住人口が158,466人で、市の職員数は、正職員が約1,400名、会計年度任用職員が約900名、合計約2,300人で、課などは81部署ございます。そして、個人情報保護や情報公開の所管部署は、総務部総務課になります。次に、当市の個人情報保護等の取組を説明いたします。当市は、平成18年1月1日に、平成の大合併で1市4町が市町村合併し、このタイミングで個人情報保護条例及び情報公開条例を制定しております。また、情報公開条例に基づき、都城市情報公開等審査会を設置し、情報公開決定等に関する審査請求や個人情報の目的外利用の判断へ対応しております。そして、令和5年度には、改正個人情報保護法の施行に合わせて上記の条例等を改正いたしました。それでは、3ページに移動いたします。続きまして、改正法施行前後の状況について、主な項目だけではありますが、説明させていただきます。表は左右に施行前、施行後と表示しております。まず、人員体制は、本庁総務課に1名、旧町役場である四つの総合支所に各1名を配置しております。当市におきましては、以前から条例に基づく対応を行っておりましたので、改正法施行前後で人員配置の変更はございません。次に、運用につきましては、改正法施行前は個人情報保護条例を制定することで、同法9にある個人情報保護に対する地方自治体の努力義務に対応しておりました。今年度からは、改正法施行に対応するため、同法施行条例及び同法施行細則を制定し、個人情報保護に関しましては、同法に基づく運用としております。情報公開条例につきましては、改正法施行の前後でこの内容にほとんど変更はありませんが、開示決定までの期間を15日から30日へと変更いたしました。また、開示請求に係る手数料ですが、写し等の交付があった場合の実費相当分を設定しております。次に、開示請求時の開示請求先は、原則としてそれぞれの保有個人情報所管課で対応しており、公開決定等の審査や複数部署にまたがる場合には総務課で対応しております。最後に、当市情報公開等審査会については、今年度の改正法施行により、大きな役割の一つである個人情報の目的外利用時の諮問がなくなっております。以前は、組織内での目的外利用等に関して逐一諮問しておりましたが、現在では、改正法に基づき当市で判断しております。一方で、審査請求に関しましては、現時点ではまだ審査請求案件がございませんので、審査会を開催しておりませんが、今後は審査請求以外の困難案件等についての相談等への対応など、当審査会の新たな役割について検討したいと考えているところでございます。次に、4ページに移動いたします。事務処理体制について御説明いたします。まず、総務課各総合支所、あるいは担当課で開示請求受付を行っております。ここでの担当課とは、保有個人情報の所管課でございます。次に、受付後は、担当課において開示文書を確認するとともに、必要に応じて請求者へ問合せを行い、請求者の請求内容を明確化します。その後、開示内容が決定しましたら、担当課は開示文書や決定通知、それに応じた実費となる手数料を計算し、総務課へその内容を伝えます。総務課では、開示決定等の内容及び手数料を最終確認し、公印の押印を行った上で担当課へ承認の連絡を行います。担当課は請求者へ連絡し、決定通知の受渡しの準備を進めます。なお、請求者への決定等の通知につきましては、当市の場合は手渡しか郵送がほとんどを占めており、電子メール等での電子ファイルでの交付は現時点では行っておりません。マイナンバーカードを利用したぴったりサービスからのオンラインでの請求受付は可能ですが、決定等通知の交付に関しては紙での交付となっております。そして、手数料の支払いに関しましては、受渡しの場合は現金で、郵送の場合には郵便小為替で手数料を支払っていただいております。次に、保有個人情報の開示請求件数について説明いたします。表は、令和5年度12月までの実績と令和4年度12月までの実績での比較、そして、参考として令和4年度中1年間の実績を示しております。12月までの同期間中の実績は、ほとんど同じ件数となっております。数字を見る限りでは、改正法施行の前後で大きな変化が見られませんので、少なくとも請求者側への大きな影響はなかったのではないかと考えております。10それでは、5ページに移動いたします。最後に、大変恐縮ではございますが、総務課担当者から報告されているものをお話しします。まず、改正法施行に併せて本年度当市に配布されましたパンフレットにつきましては、要点が簡潔にまとめられており、個人情報保護業務の初心者はもとより、経験者が参考にするための資料として大変重宝しております。一方で、スライドにも記載してあるように、個人情報の組織内での目的外利用の可否の判断につきましては、案件ごとに判断する必要があり、また、当市に関しましては、今まで審査会にお任せというわけではございませんが、諮問する形で判断しておりましたので、まだまだ不慣れな点がございます。このようなことから、この目的外利用の判断は、全ての自治体等が今後も継続して対応していくこととなりますので、委員会等で把握・蓄積されておられる事例やノウハウ等を情報共有できる仕組みがあれば、大変助かります。ぜひ御検討願いたいと思います。以上、宮崎県都城市の発表となります。御清聴ありがとうございました。○藤原委員長ありがとうございました。それでは次に、上里町から御説明をお願いいたします。○上里町どうぞよろしくお願いいたします。本日は貴重な機会を頂きまして、ありがとうございます。それでは、まず1ページを御覧ください。小規模な自治体のため、上里町といっても皆様分かりづらいと思いますので、町の紹介をさせていただきます。位置的には埼玉県の北の玄関口、東京から85キロ圏内、群馬県の県南のほうに位置するというところでございます。右側の「こむぎっち」というキャラクターが当町のマスコットキャラクターになります。種子小麦が生産量日本一ということでございまして、小麦をモチーフにしたものとなっております。最近、『翔んで埼玉』という映画の中でもスクリーンデビューをしていますので、皆様もよろしかったら探してみてください。それでは、2ページをお願いいたします。人口は、3万人強ということでございます。職員は定数条例上203名、類似団体の中ではかなり少ない職員数で頑張っております。気候は熊谷市ととても近いというところで暑く、冬は群馬県の赤城山からの赤城おろしで雪も降りづらいという環境にございまして、非常に住みやすいというところでございます。町は町長の公約に掲げているとおり、子育て支援日本一の町づくりということで頑張っております。このように大変住みやすいよい町というふうにPRをさせていただきます。それでは、3ページに移ります。当町でも、法改正に伴って令和4年12月に議会上程を行い、今年度4月1日に向け、条例の整備等をしたところでございます。まず、運用体制でございます。個人情報保護制度の所管課といたしましては、総務課の庶務係で行っておりまして、1名となります。小規模な自治体でございますので、選挙管理、その他業務も兼務をしております。庁舎内での研修については、改正などもございましたので、こういった事案に合わせて研修を行っております。昨年も改正個人情報保護研修会を実施したところでございます。職員も100名程度参加をしたところでございます。そ11のほかにもスキルアップのため、リモートラーニングやeラーニング等の研修も活用しているところでございます。それでは、4ページをおめくりください。こちらは開示請求の対応状況でございます。手数料は頂いておりません。コピー代は御負担をいただきます。開示決定までの期間はそれぞれ30日以内、開示の請求先は、町の機関として先ほど申し上げたとおり総務課で行っております。事務処理体制ですが、総務課が受付・受理をした後、これを担当課に送って内容を確認し、マニュアルに基づいて決定通知を作成し、起案をしているところでございます。その際には、総務課との合議を行い、確認しているところでございます。そして、総務課と担当課により開示をするというところでございます。なお、改正法施行後の開示請求はございません。過去5年間は開示の請求はないといった状況でございます。それでは、5ページをおめくりください。こちらは、目的外の利用・提供の具体的な事例というところで挙げさせていただいているところでございます。事例といたしまして、警察よりオレオレ詐欺の被害が増加しているとして、65歳以上の高齢者世帯の全てを回りたいということで、ローラー作戦の御依頼がありました。その際、住民基本台帳により住所、氏名のデータを提供してほしいとの御相談がございました。利用目的以外の目的のために提供できるとする法第69条第1項に該当すると考えて、委員会にも照会をさせていただいたところでございます。6ページを御覧ください。委員会からは、本件の場合は住民基本台帳法の所管の総務省と相談したほうがよろしいというアドバイスをいただきました。担当の課で総務省に照会したところ、個人の財産を守る等の観点から可能であるが、データ提供する際にはよく町で勘案して判断していただきたいということでございました。これについては警察と協議をしたところ、データ提供ではなく住民基本台帳法に基づく閲覧をしていただき、当該活動を実施したという事例がございます。それでは、7ページを御覧ください。安全管理・漏えい等についてでございます。ニュース等で御存じの方もいらっしゃるかとは思いますが、現在進行している案件で既に個人情報保護委員会に報告してある事案がございます。町民の集団検診を委託している事業者においてランサムウェアによる不正アクセスを受けております。事実関係については現在確認中であります。本町だけでなく、埼玉県内の多くの団体もそちらに委託をしているということでございます。こちらとしても各市町と連携をとりながら必要な安全管理措置を検討・実施してまいりたいと考えております。8ページを御覧ください。制度に関する意見・要望についてでございます。町の概要でもお話ししたとおり、当町は小規模な自治体でありますので、制度改正に対応していくには大変さがございます。是非とも今後も専門的な知識のございます委員会に問題解決に御支援を頂けたらと思います。以上で埼玉県上里町の発表を終わります。御清聴どうもありがとうございました。12○藤原委員長ありがとうございました。それでは、ただいまの岡山市、京都府、都城市、上里町からの御説明につきまして、御質問等をお願いいたします。どなたからでもどうぞ。小笠原委員、お願いいたします。○小笠原委員委員の小笠原です。よろしくお願いします。都城市様と上里町様にお聞きしたいことがあります。比較的小規模な団体においては個人情報保護制度の担当者が少人数にならざるを得ず、かつ、ほかの業務と兼務する状況というのが少なくないと理解しています。御説明の中でも人員体制について触れられていましたが、定期的に人事異動がある中で適正な保有個人情報の取扱いを継続的に運用していくために、小規模団体であるがゆえの課題やどういった措置が必要であるのかということに関してお考えをお聞かせください。よろしくお願いします。○藤原委員長それでは、ただいまの御質問について、都城市、上里町の順番で御回答をお願いいたします。○都城市それでは、回答させていただきます。我々地方自治体は、業務上、今後も個人情報を取り扱い続けると思われますので、改正法などの最新の情報を全職員へ浸透させることが重要であると考えております。そして、この浸透のためには、地味ではありますけれども、定期的な研修などといったものを継続的に実施していくことが大切かと考えておりまして、このようなことから、今後、是非多くのオンライン研修や、研修素材そのものなどの充実が図られることで、小規模団体であってもそれぞれに合った方法で対応していけるのではないかと考えております。○藤原委員長ありがとうございました。上里町、いかがでしょうか。○上里町御心配いただきありがとうございます。やはり小さい自治体なので、苦慮しているところでございます。先ほど都城市さんでもお話があったとおり、職員一人一人の個人情報保護に関する正しい知識、正しい認識が必要であると思っております。発表でもございましたが、研修会、あるいはリモートラーニングやeラーニングなども引き続き実施してまいりたいと考えております。また、小さい自治体が故に職員のスキルというのはある程度把握ができますので、人事異動の際にはそういったところも勘案しながら、適材適所も考えながら実施していきたいと思っております。○藤原委員長ありがとうございました。小笠原委員、よろしいですか。○小笠原委員大丈夫です。ありがとうございます。13○藤原委員長それでは、ほかにいかがでしょうか。梶田委員、お願いいたします。○梶田委員御説明ありがとうございました。4団体共通の御質問をさせていただきます。一元化による変化についてでございます。昨年4月から個人情報保護法が適用されていますが、その前後で個人情報の取扱いで特に大きく変化した点は何かについて、御説明と重複する部分があるかもしれませんが、伺えればと思います。また、これに対してどのように対応しているかについても御説明いただければと思います。○藤原委員長それでは、ただいまの御質問について、岡山市、京都府、都城市、上里町の順番で御回答をお願いいたします。○岡山市大きく変化した点は何かということだったのですが、岡山市では適用前後で取扱いに大きく変化した点はなく、以前と同じように開示もございますし、運用を特に大きく変更した点はございません。○藤原委員長ありがとうございました。京都府、いかがでしょうか。○京都府先ほども少し触れましたが、やはり審議会の諮問の仕組みがなくなった、本人以外から収集する場合、あるいはセンシティブ情報を収集する場合での審議会諮問がなくなったということで、従来以上に我々行政側のほうできっちりとした説明をする必要性があるのだろうと考えておりますし、そのように各担当課にもお話をさせていただいております。今年度に入りまして具体的にそういう案件が出てきたわけではございませんが、またそういう相談があれば、過去の経験も活かしながらそういう指導をしていきたいと思っております。それと、細かい話ですが、従来京都府におきましては、法が求める個人情報ファイル単位の帳簿を作成しておらず、今年度から作るようになりました。初めての経験でございましたので、最初に作る際にはどういうくくりで考えていくのかといったことがかなり悩んだ点でございます。それともう1点が、これも御説明しましたとおり、行政機関等匿名加工情報の提案募集という仕組みが新たに入ったということで、今後も悩みながら進めていくことになると考えているところでございます。またこの点につきまして、今後もいろいろな御指導を賜れればと思っております。○藤原委員長ありがとうございました。14それでは、都城市、お願いいたします。○都城市今年度の改正法施行の適用によって当市の個人情報の取扱いで変化した点としましては、皆様おっしゃっているとおり、今までは条例で設置しておりました弁護士等の外部有識者で構成される審査会に諮問する形で目的外利用というものを判断しておりましたが、今年度からはそれはもうないということで、当市組織内で判断するようになったことが大きな点だと思っております。これに対しては特段の対応は行っていないのですが、案件ごとにデータ所管課、利用を希望する課、そして我々総務課の3者で協議を行って判断をしている状況です。○藤原委員長ありがとうございました。それでは、上里町、いかがでしょうか。○上里町当町も、法改正によって審議会への諮問がなくなったという点、それと官民一元化となったということで、安全管理という点で変化があると感じております。また、事例でお話ししたとおり、委託先の情報漏えいのおそれというところで、今後、技術関係の推進がある中で専門的なデータシステム等を取り扱う課との連携が必要だと感じているところでございます。○藤原委員長ありがとうございました。それでは、ほかに御質問はいかがでしょうか。清水委員、お願いいたします。○清水委員目的外利用について、4団体の方にお伺いしたいと思います。いろいろ苦労されているという御報告がありましたけれども、相当性の判断に当たってどういう議論があったのかという点です。それから、提供した後で判明する課題というのもあったかと思いますので、差し支えない範囲でお話しいただければと思います。○藤原委員長それでは、ただいまの御質問につきましても、岡山市、京都府、都城市、上里町の順番で御回答をお願いいたします。○岡山市利用目的外の提供ということなのですが、市の内部の利用や他の行政機関への提供は、原則として法令に基づく場合に提供しており、法第69条第1項第2号、第3号を適用できるような相当な理由があると認めた例は今のところございません。○藤原委員長ありがとうございました。それでは、京都府、いかがでしょうか。○京都府今年度で言いますと、京都府の目的外提供があった事例としましては刑事訴訟法照会に限られておりまして、あまり判断に悩むようなものはなかったというのが実態で15ございます。ただ、制度改正前になりますと、例えばコロナのときであれば、感染者情報を市町村さんと共有をするとか、あるいはこれもコロナですけれども、協力金の重複受給を防ぐために国、あるいは他の自治体さんと情報共有をするといった事案がありまして、その場合にはどの範囲まで、どの情報までを出すべきなのかといったことを審議会の中で議論した記憶がございます。○藤原委員長ありがとうございました。都城市、いかがでしょうか。○都城市当市の事例といたしまして、災害発生時の要救助者情報の事前共有を目的外利用で取り扱った事例がございます。災害対策部署が所管しておりますシステム、メインの機能は地図システム(GISシステム)なのですが、このシステムにあらかじめ福祉分野の手帳をお持ちの方などの福祉情報を取り込むことで、災害時の救助の優先順位を設定するといったプランでした。その際は、まずは法令等に明記されているか否かの議論となりましたが、こういったピンポイントでの用途の明記はもちろんございませんでしたので、先ほど説明しましたが、データ所管課と利用を希望する課と総務課で協議をした結果、最終的に人命優先ということで、これに関しましては相当な理由として判断して利用可能との判断をしました。○藤原委員長ありがとうございました。上里町、いかがでしょうか。○上里町先ほど発表でも言ったとおり、警察によるオレオレ詐欺へのローラー作戦へのデータ提供の依頼がございました。最終的には町の判断ということで情報提供可能であるという考え方もございましたが、これまでどおり住民基本台帳法に基づく閲覧という形で協議が整ったところでございます。○藤原委員長ありがとうございました。それでは、ほかにいかがでしょうか。小川委員、お願いいたします。○小川委員委員の小川です。よろしくお願いします。安全管理措置について、4団体共通に質問させていただきます。最近の漏えい等事案では、職員によるUSBメモリ等の紛失、それから窓口業務の従事者やシステムの委託先従事者による持ち出し、さらには不正アクセス等による漏えい等が見られます。そういう意味で地方公共団体による適切な安全管理措置の重要性はより高まっていると思います。また、先ほど岡山市から、安全管理措置について委託先と覚書を締結しているが、理解をしていただくのに苦慮している旨の御説明がありました。各団体においてこのような漏16えい等を防ぐために特に重点的に取り組んでいることや委託先の理解を深めるための取組などがあれば、お聞かせください。あわせて、委託先に必要な安全管理措置を求めるに当たって、その根拠となる条例、規則、覚書の締結などを採用されている場合は、その形式を教えていただけますでしょうか。よろしくお願いします。○藤原委員長それでは、ただいまの御質問について、岡山市、京都府、都城市、上里町の順番で御回答をお願いいたします。○岡山市御質問ありがとうございます。先ほどの説明でも申し上げましたが、委託先との覚書の締結は徹底をしております。なかなか理解が得られないと発表申し上げたのですが、委託先の理解を深めるためには法律を丁寧に説明するしかないと考えております。また、ほかの取組としても、情報システムを使用した業務の外部委託が今、大変多くございますが、情報部門が作成しております情報セキュリティポリシーに基づく管理を併せて求めております。それから、内部統制が始まっておりますが、情報通信機器からの情報漏えいは全庁共通のリスクということで、適正な事務の執行に努めて、特に取り上げて対応している状況です。○藤原委員長ありがとうございました。京都府、いかがでしょうか。○京都府委託先との関係でございますが、京都府におきましては、様々な契約に合わせた標準契約書というものを定めておりまして、その中で標準委託契約書というものがございます。今回の改正を踏まえまして、委託先に対しまして体制の整備や京都府への定期的な報告、あるいは実地調査を行う場合の協力義務などを盛り込んでいるところでございます。さらに、委託側のこちらの担当課におきまして、それぞれの委託内容、取り扱う情報の内容に応じて別途仕様書を定めるといったことで対応しているところでございます。○藤原委員長ありがとうございました。都城市はいかがでしょうか。○都城市当市におきましては、岡山市さんのように覚書等の締結はしておりませんが、どちらかというと京都府さんと同じように契約書のひな形と言いますか、指定した契約書を使うようにしております。そこには業務の種別ごとに約款等を書いておりまして、その中に個人情報の取扱いや第三者委託の件を記載していることにとどまっております。また、話に挙がりました情報システムに関しても、都城市も情報セキュリティポリシーというものを定めておりまして、当市が管理する情報資産に関する対策等を総合的・体系17的に取りまとめております。いろいろ細かく定めておるのですが、その中で代表的なものとしては、庁内ネットワークに関しまして、LGWANとつなぐものなのですが、こちらに関して当市では、システム的に原則USBメモリを使えないようにしております。また、データ格納領域を持ったUSBデバイス、デジカメやスマートフォンも、我々のパソコンに接続しても動かないようになっております。ただし、USBメモリがどうしても必要だという場合には、情報システム部門が用意しておりますパスワードロック機能付きのUSBメモリを使うなどのアナログな対応もしております。○藤原委員長ありがとうございました。上里町はいかがでしょうか。○上里町委託先に安全管理措置を求める根拠については、契約の際、個人情報保護に関する条項を盛り込んで、別記にその特記事項を遵守するようお願いしているところでございます。それと、先ほど皆様もお話ししていたように、情報システムのセキュリティに関しては、当町でも総務省のガイドラインに基づいて整備しております町の情報セキュリティポリシーを策定しております。このセキュリティポリシーでは、業者選定、あるいは契約においても必要な情報セキュリティ要件を明記し、契約を締結しなければならないという旨を規定してございます。重要性分類2以上の情報を取り扱う業務委託等に関しては、委託先の選定において参加要件にいわゆるPマーク、あるいはISO/IEC27001の取得等を明記するとともに、こちらでもやはり契約時には保護条項を入れているところでございます。また、再委託は原則禁止ですが、事業者で限定的に安全管理等が認められる場合には認めているところでございますが、その際には必ず覚書を結んでいるところでございます。○藤原委員長ありがとうございました。それでは、ほかにいかがでしょうか。髙村委員、お願いいたします。○髙村委員御説明ありがとうございました。私からは、行政機関等匿名加工情報について、岡山市と京都府に質問をさせていただきます。最初に、岡山市からは先ほど1件の提案があったという御説明がありましたけれども、提案募集、それから審査等に当たって具体的にどのような課題があり、どのような対応をしたか、差し支えない範囲で教えていただければと思います。続けて京都府の方にも質問させていただきますが、京都府からは全国的にも事例が少なく、提案審査等に関するノウハウがないという御説明がありました。提案募集等に当たり、具体的にどのような課題があったか、どのようなノウハウの必要性を感じたか、お聞かせいただければと思います。18よろしくお願いいたします。○藤原委員長ありがとうございます。それでは、岡山市、京都府の順で御回答をお願いいたします。○岡山市1件の審査を行ったというところでの課題と、どのように対応したかということでよろしいですね。審査に当たっては、法第114条第1項第4号に規定する審査基準があるのですが、そこが不明確であったので、審査をどのように行うべきかということで苦慮しました。提案者が提出した書面で事業の目的及び内容が新たな産業の創出等に資する事業であることということをまず確認した上で、事務対応ガイドに記載されている事業内容が反社会的なものでないとか、興味本位の提案でないとか、それから匿名加工情報を利用する必要性が乏しいと認められるものには該当しなかったので、この基準に適合するということで判断して審査をしております。○藤原委員長ありがとうございました。京都府、いかがでしょうか。○京都府先ほどの説明と重複するかもしれませんが、京都府はまさにこれからやろうというところでございます。ですので、本当に今、手探りでいろいろ考えているところでございまして、岡山市さんからもありましたように、法律の基準がかなり抽象的で、活力ある経済社会の実現となると逆に何でも入ってしまうのではないかとも思っておりまして、こういった辺りをどう審査していくのか、あるいはどういう提案書を作成いただくことによりこういった点がクリアされていくのかといった点をまさにこれから考えていかなくてはいけないと思っております。そのために、本日の岡山市さんから事例の御紹介がありましたが、このように情報提供いただくと非常に参考になりますので、様々な事例を集めていただいて提供いただければと思っております。よろしくお願いいたします。○藤原委員長ありがとうございました。ほかにはいかがでしょうか。最後に私からも一つだけお伺いしたいのですが、本日の御説明の中で審議会、あるいは審査会等の関与がなくなって、庁内で御判断するのにまだ不安な部分があるという御指摘があったのですが、都城市の場合、専門的審査会ということですけれども、弁護士さんは何人入っていらっしゃるのでしょうか。あるいは法律専門家はどのぐらい入っていらっしゃるのですか。ホームページに載っているということであれば、それを拝見いたします。○都城市都城市の審査会は5名で構成されておりまして、弁護士が1名、行政書士が1名、市の法規委員が今のところ2名、そしてほか1名という形になっております。19○藤原委員長ありがとうございました。ほかにはよろしいでしょうか。それでは、皆様、ありがとうございました。本日頂いた御意見も含め、個人情報保護をめぐる様々な状況について各方面の意見をお伺いしながら、課題を整理・審議してまいりたいと思います。京都府久野様、岡山市藤原様、都城市長丸様、上里町山下様、全国知事会、指定都市市長会、全国市長会、全国町村会の皆様、本日は誠にありがとうございました。御退室いただいて結構でございます。(京都府、岡山市、都城市、上里町、全国知事会、指定都市市長会、全国市長会、全国町村会退室)○藤原委員長それでは、本議題の資料、議事録及び議事概要の取扱いについてお諮りいたします。本議題の資料、議事録及び議事概要については、公表することとしてよろしいでしょうか。ありがとうございました。御異議がないようですので、そのように取り扱うことといたします。本日の議題は以上でございます。それでは、本日の会議はこれにて閉会といたします。

)は、令和6年2月●日、長野県教育委員会における個人情報等の取扱いについて、長野県教育委員会に対し、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号。)第157条の規定による指導等を行った。1.事案の概要本件は、長野県教育委員会が所管する2つの高等学校の教諭2名(各高等学校それぞれ1名)がサポート詐欺1に遭い、当該サポート詐欺を図った攻撃者からの誘導に従い、校務用端末であるPC(以下「校務用端末」という。)に遠隔操作ソフトを無断でインストールした結果、当該高等学校の生徒及び教職員に関する保有個人情報の漏えいのおそれが発生した事案である。2.漏えいしたおそれのある保有個人情報とその本人数本件により漏えいしたおそれのある保有個人情報は、生徒の氏名、生年月日、住所、成績、生徒指導に関する資料及び進路指導に関する資料等並びに教職員の氏名等であり、本人数は14,231人である。3.法律上の問題点法第66条第1項は、「行政機関の長等は、保有個人情報の漏えい、滅失又は毀損の防止その他の保有個人情報の安全管理のために必要かつ適切な措置を講じなければならない。この点に関し、長野県教育委員会では、個人情報等の取扱いについて、以下の問題点が認められた。(1)外部からの不正アクセスの防止の不徹底(技術的安全管理措置の不備)本件各高等学校では、校務用端末についてインストールを制御する機能が備わっていたにもかかわらず、その設定を怠っていたことから、教職員なら誰でもイ1PCでインターネットを閲覧中に、突然、ウイルス感染したかのような嘘の画面を表示するなどして、ユーザーの不安を煽り、画面に記載されたサポート窓口に電話をかけさせ、遠隔操作ソフトをダウンロード・インストールさせたり、サポートの名目で金銭を騙し取ろうとするもの。.npa.go.jp/bureau/cyber/countermeasures/support-fraud.html2ンターネット上からソフトウェアのインストールをすることが可能な状況であった。(2)漏えい等の安全管理上の問題への不十分な対応(組織的安全管理措置の不備)長野県教育委員会から当委員会に漏えい等報告(確報)が提出されたのは当該事案の発覚後82日目であり、当委員会への漏えい等報告(確報)が規定された期間内に行われなかったことから、法第68条第1項の規定に則った適正な取扱いがなされておらず、保有個人情報の漏えい等の安全管理上の問題への対応が不十分であった。4.指導等の内容(1)法第66条第1項、個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(行政機関等編)及び個人情報の保護に関する法律についての事務対応ガイド(行政機関等向け)に基づき、必要かつ適切な措置を講ずること。(2)策定した再発防止策を確実に実施するとともに、爾後、適切に運用し、継続的に保有個人情報の漏えい等の防止その他の保有個人情報の安全管理のために必要かつ適切な措置を講ずること。(3)今後、法第68条第1項の規定による報告を要する事態が生じた場合には、規定された期間内に所定の事項を報告すること。また、そのような報告が可能となるよう、漏えい等事案に対応する体制の整備を行うこと。(4)再発防止策の実施状況について、関係資料を提出の上、令和6年3月29日(金)までに説明するよう求める。

特定個人情報保護評価書の特定個人情報保護評価指針への適合性・妥当性の審査全国健康保険協会における健康保険の資格適用・保険給付・保健事業・相談・問い合わせに関する事務全項目評価書評価書名提出日令和6年2月20日概要説明日評価実施機関名全国健康保険協会令和6年2月21日資料2-2(目次)12○全体的な事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・○特定個人情報ファイル(健保特定個人情報ファイル)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・○総評・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・○個人情報保護委員会による審査記載事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・○評価実施機関に特有の問題に対するリスク対策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・審査の観点(指針第10(2))主な考慮事項主な考慮事項(細目)審査結果所見(1)しきい値判断に誤りはないか。ー問題は認められない対象人数が30万人以上に該当するため、全項目評価を実施することは、指針に適合している。(2)適切な実施主体が実施しているか。ー1.評価実施機関が複数存在し、取りまとめの評価実施機関が評価書を作成・提出する場合に、取りまとめ以外の全ての評価実施機関について記載しているか。ー問題は認められない特定個人情報ファイルは、全国健康保険協会(以下「協会」という。)が健康保険の資格適用・保険給付・保健事業・相談・問い合わせに関する事務において保有するものであることから、実施主体は適切である。(3)公表しない部分は適切な範囲か。ー問題は認められない評価書の内容は全て公表することとしている。(4)適切な時期に実施しているか。ー問題は認められない特定個人情報ファイルを取り扱うシステムの改修に伴うプログラミングの開始を、令和6年3月に予定しており、プログラミング開始前の適切な時期に評価を実施している。(5)適切な方法で広く国民の意見を求め、得られた意見を十分考慮した上で必要な見直しを行っているか。ー問題は認められない国民への意見募集については、協会のホームページにて、30日間実施した。なお、寄せられた意見はなかった。(6)特定個人情報保護評価の対象となる事務の実態に基づき、特定個人情報保護評価書様式で求められる全ての項目について検討し、記載しているか。ー問題は認められない健康保険の資格適用・保険給付・保健事業・相談・問い合わせに関する事務について、求められる事項が具体的に記載されている。なお、再実施の理由となる重要な変更については、電子申請、個人番号をキーとした被保険者検索の実施及び公金受取口座の利用が可能となることによるものであるが、当該重要な変更についても求められる事項が具体的に記載されている。(7)記載された特定個人情報保護評価の実施を担当する部署は、特定個人情報保護評価の対象となる事務を担当し、リスクを軽減させるための措置の実施に責任を負うことができるか。ー問題は認められない健康保険の資格適用・保険給付・保健事業・相談・問い合わせに関する事務における番号制度への対応は協会本部企画部企画グループが行っており、特定個人情報保護評価の対象となる事務の実施に当たって、リスクを軽減させるための措置の実施等については、責任を負うことができる部署である。該当箇所全体的な事項※評価実施手続に関する事項及び特定個人情報ファイルに共通する事項1審査の観点(指針第10(2))主な考慮事項主な考慮事項(細目)審査結果所見該当箇所2.評価対象の事務全体の概要及びその中で特定個人情報ファイルを使用して実施する事務の内容を具体的に記載しているか。P.3P.4I1.2問題は認められない3.当該システムが実現する機能の名称とその概要を具体的に記載しているか。P.5P.7I2.2問題は認められない4.当該システムと情報をやり取りするシステムを全て記載しているか。P.5P.7I2.3問題は認められない5.特定個人情報ファイルを取り扱うことが評価対象の事務を実施する上で必要であることを、事務の流れに即して具体的に説明しているか。P.8I4.1問題は認められない6.評価対象の事務において特定個人情報ファイルを取り扱うことにより、期待されるメリットについて幅広く具体的に記載しているか。P.8I4.2問題は認められない7.事務に関わる者、事務において使用するシステム、事務において取り扱う情報の流れを具体的に記載しているか。P.9P.11I(別添1)問題は認められない(9)特定個人情報ファイルを取り扱うプロセスにおいて特定個人情報の漏えいその他の事態を発生させるリスクを、特定個人情報保護評価の対象となる事務の実態に基づき、特定しているか。ーP.36P.57III、IV問題は認められない全項目評価書に例示されている各リスクにどのように対応しているかが具体的に記載されている。(8)特定個人情報保護評価の対象となる事務の内容の記載は具体的か。当該事務における特定個人情報の流れを併せて記載しているか。1特定個人情報ファイルを取り扱う事務やその事務において使用するシステムについて、基本情報を具体的に分かりやすく記載しているか。健康保険の資格適用・保険給付・保健事業・相談・問い合わせに関する事務において、それぞれ特定個人情報ファイルを使用することが事務の流れに即し具体的に記載されている。また、別添1の事務の内容において、一般被保険者等及び事業主から提出される各種届出書により個人番号を入手し、識別番号と紐付けた上で個人番号管理情報ファイルに登録すること、識別番号が記載されていない申出書を受け付けた場合は、個人番号を基に個人番号管理システムに識別番号等の資格情報を検索・照会すること等、事務において取り扱う特定個人情報の流れが事務の内容に即して具体的に記載されているほか、加入者において、課税証明書等の添付の省略が可能となる等、実現が期待されるメリット等についても具体的に記載されている。2審査の観点(指針第10(2))主な考慮事項主な考慮事項(細目)審査結果所見該当箇所70.評価書に記載したとおりに運用がなされていること等について、評価の実施を担当する部署自らが、どのように自己点検するか具体的に記載しているか。P.57IV1.1問題は認められない71.評価書に記載したとおりに運用がなされていること等について、どのように監査するか具体的に記載しているか。P.57IV1.2問題は認められない72.特定個人情報を取り扱う従業者等に対しての教育・啓発や違反行為をした従業者等に対する措置について具体的に記載しているか。P.57IV2.問題は認められない73.国民・住民等からの意見聴取により得られた意見を踏まえて評価書のどの箇所をどのように修正したかを具体的に記載しているか。P.59VI2.5問題は認められない寄せられた意見がなかったことが記載されている。(12)個人のプライバシー等の権利利益の保護の宣言は、国民・住民の信頼の確保という特定個人情報保護評価の目的に照らし、妥当なものか。ーP.1表紙問題は認められない協会は、健康保険の資格適用・保険給付・保健事業・相談・問い合わせに関する事務において、特定個人情報ファイルを取り扱うに当たり、その取扱いが個人のプライバシー等の権利利益に影響を及ぼしかねないことを認識し、特定個人情報の漏えいその他の事態が発生するリスクを軽減させるために適切な措置を講じ、もって個人のプライバシー等の権利利益の保護に取り組んでいることを宣言している。(10)特定されたリスクを軽減するために講ずべき措置についての記載は具体的か。(11)記載されたリスクを軽減させるための措置は、個人のプライバシー等の権利利益の侵害の未然防止、国民・住民の信頼の確保という特定個人情報保護評価の目的に照らし、妥当なものか。9特定個人情報ファイルの取扱いについて自己点検・監査や従業者に対する教育・啓発を行っているか。自己点検については、協会の情報セキュリティ規程の対策推進計画に基づき、情報セキュリティ統括管理者が年度自己点検計画を策定するとともに、当該計画に基づき、役職員等が自己点検を実施すること、また、監査については、定期的に監査部門により、自己点検の結果を確認するとともに、指摘事項が発生した場合は、次回監査時に改善状況を確認すること等が具体的に記載されている。従業者に対する教育・啓発については、協会の個人情報管理規程、特定個人情報管理規程及び情報セキュリティ規程に基づき、職員に対し個人情報の管理・保護及び情報セキュリティ対策に関する研修を義務付けており、新規職員採用時等に研修を実施すること、個人情報に係る情報漏えい事例について、イントラネットの掲示板を利用した情報提供を行い、同一事案の再発防止に役立てていること、また、委託業者については、外部委託契約の締結に当たり個人情報の漏えいの防止等の適切な管理のための必要な措置を講じることを義務付けていること等が具体的に記載されている。3審査の観点(指針第10(2))主な考慮事項主な考慮事項(細目)審査結果所見8.対象となる国民・住民の特定個人情報を特定個人情報ファイルにおいて保有することが事務を実施する上で必要な理由を具体的に記載しているか。P.12II2.3問題は認められな9.主な記録項目について、保有する理由をそれぞれ具体的に記載しているか。P.12II2.4問題は認められな10.特定個人情報の入手に係る妥当性を具体的に記載しているか。P.15II3.4問題は認められな11.特定個人情報の入手の事実及び使用目的が本人に示されていることを具体的に記載しているか。P.16II3.5問題は認められな12.特定個人情報を使用する理由を具体的に記載しているか。P.16II3.6問題は認められな13.特定個人情報ファイルに記録される情報を他から入手する際の突合の内容、特定個人情報ファイルに記録された情報と他の情報との突合の方法や突合の理由を具体的に記載しているか。P.16II3.8問題は認められな14.特定個人情報を用いた統計分析を行う場合は、その内容を具体的に記載しているか。P.16II3.8該当なし15.特定個人情報を使用することにより国民の権利利益に影響を与え得る決定を行う場合は、その内容を具体的に記載しているか。P.16II3.8問題は認められな16.委託先に当該特定個人情報ファイルを取り扱わせることが必要な理由を具体的に記載しているか。P.17P.24II4.2問題は認められな17.委託先を国民・住民等が確認できるか否か、確認できる場合はどのように確認できるか、確認できない場合はそのような取扱いが評価対象の事務を実施する上で必要な理由を具体的に記載しているか。P.17P.24II4.5問題は認められな18.特定個人情報ファイルの取扱いを再委託するに当たって、どのような手続・方法によるかを具体的に記載しているか。P.17P.24II4.8問題は認められな19.提供した特定個人情報が、提供先において、いかなる目的で、どのように使用されることになるかを具体的に記載しているか。P.25P.28P.29II5.2問題は認められな20.移転した特定個人情報が、移転先において、いかなる目的で、どのように使用されることになるかを具体的に記載しているか。P.25II5.2該当なし21.特定個人情報の保管場所の態様及び保管場所への立入り制限・アクセス制限について具体的に記載しているか。P.26II6.1問題は認められな22.特定個人情報の保管期間は妥当であるか。また、その理由を具体的に記載しているか。P.26II6.2問題は認められな23.保管期間を経過した特定個人情報を消去する方法を具体的に記載しているか。P.26II6.3問題は認められない該当箇所(8)特定個人情報保護評価の対象となる事務の内容の記載は具体的か。当該事務における特定個人情報の流れを併せて記載しているか。2特定個人情報ファイルの取扱いプロセスの概要(特定個人情報の入手・使用、特定個人情報ファイルの取扱いの委託、特定個人情報の提供・移転、特定個人情報の保管・消去)について、具体的に分かりやすく記載しているか。特定個人情報の使用目的として、個人番号を用いて都道府県民税又は市区町村民税の情報、収入等の情報及び公金受取口座情報を個人番号管理システム経由で情報提供ネットワークシステムに照会すること、個人番号を既存システムの識別番号と紐付けて特定個人情報ファイルから資格関係情報を検索することが具体的に記載されている。また、特定個人情報ファイルはデータセンター内のサーバに保管・管理、申請(届)書など帳票類及び特定個人情報ファイルが収録された電子媒体は保管庫等に保管・管理し、個人番号管理システム・適用等システム及び保健事業システムに接続していない事務用PC、個人ロッカー・事務デスク内には一切保管しないよう規制していること等、特定個人情報ファイルの取扱いプロセスの概要(入手・使用、委託、提供、保管・消去)について具体的に記載されている。特定個人情報ファイル(健保特定個人情報ファイル)4審査の観点(指針第10(2))主な考慮事項主な考慮事項(細目)審査結果所見該当箇所24.評価対象の事務を遂行する上で必要な者以外の者の特定個人情報を入手しないよう講じている対策を具体的に記載しているか。記載された対策は、特定個人情報保護評価の目的に照らし、妥当なものか。P.36III2.リスク1:問題は認められな25.事務を遂行する上で必要な情報以外の特定個人情報を入手しないよう講じている対策を具体的に記載しているか。記載された対策は、特定個人情報保護評価の目的に照らし、妥当なものか。P.37III2.リスク1:問題は認められな26.特定個人情報の入手に際して、適切な方法で入手するために講じている措置を具体的に記載しているか。記載された対策は、特定個人情報保護評価の目的に照らし、妥当なものか。P.38III2.リスク2:問題は認められな27.特定個人情報を入手する際に、その特定個人情報が本人の情報であることを確認する方法を具体的に記載しているか。記載された対策は、特定個人情報保護評価の目的に照らし、妥当なものか。P.39III2.リスク3:問題は認められな28.入手した個人番号が本人の個人番号で間違いないことを確認する方法を具体的に記載しているか。記載された対策は、特定個人情報保護評価の目的に照らし、妥当なものか。P.39III2.リスク3:問題は認められな29.特定個人情報を入手した後、その情報の正確性を保つために講じている措置を具体的に記載しているか。記載された対策は、特定個人情報保護評価の目的に照らし、妥当なものか。P.39III2.リスク3:問題は認められな30.特定個人情報を入手する際に、情報の安全確保の観点から講じている措置を具体的に記載しているか。記載された対策は、特定個人情報保護評価の目的に照らし、妥当なものか。P.40P.41III2.リスク4:問題は認められな31.特定個人情報の入手において、その他のリスク及びそれらのリスクへの対策についての記載はあるか。P.41III2.その他のリスク問題は認められない(10)特定されたリスクを軽減するために講ずべき措置についての記載は具体的か。(11)記載されたリスクを軽減させるための措置は、個人のプライバシー等の権利利益の侵害の未然防止、国民・住民の信頼の確保という特定個人情報保護評価の目的に照らし、妥当なものか。3特定個人情報の入手について、特定されたリスクを軽減するために講ずべき措置を具体的に記載しているか。記載された対策は、特定個人情報保護評価の目的に照らし妥当なものか。対象者以外の情報の入手を防止するリスク対策として、本人等から特定個人情報を入手する場合は、番号法第16条(本人確認の措置)に則り本人確認を行い、本人確認後の加入者の個人番号の提供を受けること、本人がマイナポータルの自己情報取得APIを利用し、自身の健康保険の資格情報を取得し、協会の資格情報が取得できた場合に限り電子申請を可能とすること、地方公共団体情報システム機構から特定個人情報を入手する場合は、協会の照会要求に該当した機構保存本人確認情報のみ入手すること、日本年金機構から入手する場合は、協会の対象者以外の情報は提供されないこと等が具体的に記載されている。必要な情報以外の入手を防止するリスク対策として、電子申請システムにて個人番号を含む情報を入手する場合には、Webフォームまたは指定の様式に必要事項を記載・提出いただく形とすることに加え、ホームページや記入の手引き等により不必要な情報を入力することがないよう案内すること、電子記録媒体により入手する場合には、あらかじめ定められたフォーマットを用いること、日本年金機構との専用回線による通信は、あらかじめ定めたインターフェース仕様に沿って行うこと等が具体的に記載されている。入手した特定個人情報が不正確であるリスク対策として、被扶養者の個人番号を電子申請システム上で入力するとき、その本人確認は被保険者が行うが、被扶養者の個人番号が提供された場合は、地方公共団体情報システム機構に情報照会を行うこと、相談・問い合わせ対応のために電話により個人番号を聞き取る際は、氏名・住所・生年月日等の情報を聴取して本人確認を行うこと等が具体的に記載されている。入手の際に特定個人情報が漏えい・紛失するリスク対策として、中間サーバー等との通信は、VPN等の技術を用いた専用線等を使用すること、電子記録媒体は暗号化し、施錠した搬送容器にて持ち運ぶこと、日本年金機構から電子記録媒体で入手する場合は、機構職員及び協会職員が、施錠した搬送容器にて複数名で運搬を行い、受取書を取り交わすこと、日本年金機構との通信は、専用回線で行うこと、電子申請システムにて個人番号を含む情報を入手する際は、TSL/SSLにより暗号化されたインターネット回線を使用すること、電子申請システムから適用等システムに、個人番号を含む申請情報を転送する際には、ウイルスチェック等の処理を行った上で、申請情報を暗号化すること等が具体的に記載されている。5審査の観点(指針第10(2))主な考慮事項主な考慮事項(細目)審査結果所見該当箇所32.宛名システム等において、特定個人情報が、使用目的を超えて取り扱われないよう、また、評価対象の事務に必要のない情報と併せて取り扱われないよう、講じている対策を具体的に記載しているか。記載された対策は、特定個人情報保護評価の目的に照らし、妥当なものか。P.42III3.リスク1:問題は認められな33.事務で使用するその他のシステムにおいて、特定個人情報が、使用目的を超えて取り扱われないよう、また、評価対象の事務に必要のない情報と併せて取り扱われないよう、講じている対策を具体的に記載しているか。記載された対策は、特定個人情報保護評価の目的に照らし、妥当なものか。P.42III3.リスク1:問題は認められな34.特定個人情報にアクセスする際の認証を行う場合は、特定個人情報にアクセスするユーザの認証方法、なりすましが行われないために講じている対策について具体的に記載しているか。記載された対策は、特定個人情報保護評価の目的に照らし、妥当なものか。P.42III3.リスク2:問題は認められな35.特定個人情報ファイルを取り扱う者が正当なユーザであることを確認するための情報の発効・失効の管理について具体的に記載しているか。記載された対策は、特定個人情報保護評価の目的に照らし、妥当なものか。P.42III3.リスク2:問題は認められな36.アクセス権限の発効・失効の管理を行う者による当該管理の適正性についてチェックをしている内容を具体的に記載しているか。記載された対策は、特定個人情報保護評価の目的に照らし、妥当なものか。P.43III3.リスク2:問題は認められな37.特定個人情報の入手から消去までの各過程において、特定個人情報ファイルの取扱い記録やアクセスの失敗の記録等を残していることを具体的に記載しているか。記録を残していない場合は、残していなくても権限のない者による不正な使用を防止できる理由を具体的に記載しているか。記載された対策は、特定個人情報保護評価の目的に照らし、妥当なものか。P.43III3.リスク2:問題は認められな38.従業者が特定個人情報ファイルを事務外で使用しないよう講じている措置を具体的に記載しているか。記載された対策は、特定個人情報保護評価の目的に照らし、妥当なものか。P.44III3.リスク3:問題は認められな39.特定個人情報ファイルを取り扱う者が特定個人情報ファイルを不正に複製しないよう講じている措置を具体的に記載しているか。記載された対策は、特定個人情報保護評価の目的に照らし、妥当なものか。P.44III3.リスク4:問題は認められな40.特定個人情報の使用において、その他のリスク及びそれらのリスクへの対策についての記載はあるか。P.44III3.その他のリスク該当なし4特定個人情報の使用について、特定されたリスクを軽減するために講ずべき措置を具体的に記載しているか。記載された対策は、特定個人情報保護評価の目的に照らし妥当なものか。権限のない者(元職員、アクセス権限のない職員等)によって不正に使用されるリスク対策として、適用等システム、保健事業システム及び個人番号管理システムについては、全てのシステム利用者にユーザID、パスワードを発行してログイン認証を行うこと、共有のユーザIDは使用しないこととすること、パスワードを定期的に変更することをルール化すること、アクセス権限が付与された担当者以外は個人番号を取り扱えないようシステム的に制御すること、アクセス権限を付与する担当者は最小限とすること、入手した公金受取口座情報については、情報項目に不必要な情報が紐づけられないようシステムにおいて制御すること等が具体的に記載されている。不正に複製されるリスク対策として、適用等システム、保健事業システム及び個人番号管理システムについては、特定個人情報を含んだ電子記録媒体は暗号化し、施錠できる保管庫等で管理すること、個人番号管理システム専用端末は、統合専用端末との情報の授受を行うため、隔離した専用の室内に設置し、同室内への入退室はセキュリティカードにより管理すること、統合専用端末は、隔離した専用の室内に設置し、同室内への入退室はセキュリティカードにより管理すること、職員はシンクライアント端末を使用し、特定個人情報をダウンロードすることはできないこと、統合専用端末、シンクライアント端末及び個人番号管理システム専用端末のいずれの端末も、インターネットからは分離されていること等が具体的に記載されている。6審査の観点(指針第10(2))主な考慮事項主な考慮事項(細目)審査結果所見該当箇所41.委託先を決定する際に特定個人情報ファイルを適切に取り扱う委託先であることを確認する手続等について具体的に記載しているか。記載された対策は、特定個人情報保護評価の目的に照らし、妥当なものか。P.45III4.情報管理体制問題は認められな42.委託先において特定個人情報ファイルの閲覧者・更新者を必要最小限に制限していることを具体的に記載しているか。記載された対策は、特定個人情報保護評価の目的に照らし、妥当なものか。P.45III4.閲覧者・更新者の制限問題は認められな43.委託先における特定個人情報ファイルの取扱いについて記録を残している場合は、その方法や保存期間等を具体的に記載しているか。また、記録を残していない場合は権限のない者による不正な使用を防止できる理由を具体的に記載しているか。記載された対策は、特定個人情報保護評価の目的に照らし、妥当なものか。P.45III4.記録問題は認められな44.委託に伴う特定個人情報の提供に関するルールを定めている場合、ルールの内容やルール遵守の確認方法を具体的に記載しているか。また、委託先から他者への提供を認めていない場合、提供されていないことを確認する方法を具体的に記載しているか。記載された対策は、特定個人情報保護評価の目的に照らし、妥当なものか。P.45P.46III4.提供ルール問題は認められな45.委託先における特定個人情報の消去のルールを定めている場合は、ルールの内容やルール遵守の確認方法を具体的に記載しているか。また、委託契約終了後に消去されていることを確認する方法を具体的に記載しているか。記載された対策は、特定個人情報保護評価の目的に照らし、妥当なものか。P.46III4.消去ルール問題は認められな46.委託先と締結する委託契約における特定個人情報ファイルの取扱いに関する規定について具体的に記載しているか。記載された対策は、特定個人情報保護評価の目的に照らし、妥当なものか。P.46III4.委託契約書中の規定問題は認められな47.特定個人情報ファイルの取扱いを再委託している場合、再委託先での適正な取扱いの確保のために行っている措置について具体的に記載しているか。記載された対策は、特定個人情報保護評価の目的に照らし、妥当なものか。P.47III4.再委託問題は認められな48.特定個人情報ファイルの取扱いの委託において、その他のリスク及びそれらのリスクへの対策についての記載はあるか。P.47III4.その他のリスク該当なし5特定個人情報の委託について、特定されたリスクを軽減するために講ずべき措置を具体的に記載しているか。記載された対策は、特定個人情報保護評価の目的に照らし妥当なものか。個人番号管理システムの導入や保守・点検等を委託することとしているが、委託先は認証資格を取得している等、情報保護管理について十分な体制である者を選定すること等が具体的に記載されている。委託先においては、特定個人情報を取り扱う事務を行わせる従業者を必要最小限とし、協会職員と同様に取り扱う事務の範囲や特定個人情報ファイルへのアクセス権限をシステム的に制限すること、システム操作におけるログを記録し、一定期間保管すること、特定個人情報を取り扱う端末は、作業後、特定個人情報を保存せず、速やかに消去すること等が具体的に記載されている。7審査の観点(指針第10(2))主な考慮事項主な考慮事項(細目)審査結果所見該当箇所49.特定個人情報の提供又は移転の記録を残している場合は、その記録の内容や記録方法、保存期間等を具体的に記載しているか。また、記録を残していない場合は特定個人情報が不正に提供又は移転されることを防止できる理由を具体的に記載しているか。記載された対策は、特定個人情報保護評価の目的に照らし、妥当なものか。P.48III5.リスク1:該当なし50.特定個人情報の提供・移転に関するルールを定めている場合は、ルールの内容やルール遵守の確認方法を具体的に記載しているか。記載された対策は、特定個人情報保護評価の目的に照らし、妥当なものか。P.48III5.リスク1:該当なし51.特定個人情報を提供・移転する際に、情報漏えいや紛失のリスクを軽減するための措置や提供先・移転先における特定個人情報の使途が法令に基づく適切なものであることを確認するための措置を具体的に記載しているか。記載された対策は、特定個人情報保護評価の目的に照らし、妥当なものか。P.48III5.リスク2:該当なし52.誤った特定個人情報を提供・移転することや誤った相手に提供・移転することを防止する措置を具体的に記載しているか。記載された対策は、特定個人情報保護評価の目的に照らし、妥当なものか。P.48III5.リスク3:該当なし53.特定個人情報の提供・移転において、その他のリスク及びそれらのリスクへの対策についての記載はあるか。P.48III5.その他のリスク該当なし6特定個人情報の提供・移転について、特定されたリスクを軽減するために講ずべき措置を具体的に記載しているか。記載された対策は、特定個人情報保護評価の目的に照らし妥当なものか。ー8審査の観点(指針第10(2))主な考慮事項主な考慮事項(細目)審査結果所見該当箇所54.情報提供ネットワークシステムを通じて特定個人情報を入手する際に、目的外の入手が行われないために講じている措置を具体的に記載しているか。記載された対策は、特定個人情報保護評価の目的に照らし、妥当なものか。P.49III6.リスク1:問題は認められな55.情報提供ネットワークシステムを通じて特定個人情報を入手する際に、特定個人情報の安全が保たれない不適切な方法で特定個人情報を入手しないために講じている対策を具体的に記載しているか。記載された対策は、特定個人情報保護評価の目的に照らし、妥当なものか。P.49III6.リスク2:問題は認められな56.情報提供ネットワークシステムを通じて特定個人情報を入手した後、その情報の正確性を保つために講じている措置を具体的に記載しているか。記載された対策は、特定個人情報保護評価の目的に照らし、妥当なものか。P.49III6.リスク3:問題は認められな57.情報提供ネットワークシステムを通じて特定個人情報を入手する際に、情報漏えいや紛失のリスクを軽減するために講じている措置を具体的に記載しているか。記載された対策は、特定個人情報保護評価の目的に照らし、妥当なものか。P.50III6.リスク4:問題は認められな58.情報提供ネットワークシステムを通じて提供する際に、特定個人情報の不正な提供が行われるリスクを軽減するために講じている措置を具体的に記載しているか。記載された対策は、特定個人情報保護評価の目的に照らし、妥当なものか。P.50III6.リスク5:問題は認められな59.情報提供ネットワークシステムを通じて提供する際に、特定個人情報の提供方法が不適切とならないよう講じている措置を具体的に記載しているか。記載された対策は、特定個人情報保護評価の目的に照らし、妥当なものか。P.51III6.リスク6:問題は認められな60.情報提供ネットワークシステムを通じて提供する際に、誤った特定個人情報を提供することや、誤った相手に提供することを防止するために講じている措置を具体的に記載しているか。記載された対策は、特定個人情報保護評価の目的に照らし、妥当なものか。P.51III6.リスク7:問題は認められな61.情報提供ネットワークシステムとの接続に伴うリスクについて、その他のリスク及びそれらのリスクへの対策についての記載はあるか。P.52III6.その他のリスク問題は認められない7情報提供ステムとの接続について、特定されたリスクを軽減するために講ずべき措置を具体的に記載しているか。記載された対策は、特定個人情報保護評価の目的に照らし妥当なものか。情報提供ネットワークシステムを通じて目的外の入手が行われるリスク対策として、中間サーバー等に接続する端末(統合専用端末、個人番号管理システム専用端末、シンクライアント端末)を用いた情報提供・照会の操作は、適切な権限を保有する協会職員のみが実施すること、保健事業システムにおける加入者情報照会をする画面機能は、中間サーバー等へ接続できないこと、給付金の請求をする申請書に、登録されている公金受取口座情報の利用希望の有無を確認するチェック欄を設け、当該チェック欄にて利用希望が確認された場合に限り、公金受取口座情報を照会する仕組みとすること等が具体的に記載されている。入手の際に特定個人情報が漏えい・紛失するリスク対策として、中間サーバー等と情報提供ネットワークシステムとの間は、高度なセキュリティを維持した厚生労働省統合ネットワークを利用することにより、漏えい・紛失のリスクに対応していること、中間サーバー等と医療保険者等の通信は、VPN等の技術を用いた専用線等を使用することで、データ転送時の通信内容秘匿、盗聴防止の対応をすること等が具体的に記載されている。9審査の観点(指針第10(2))主な考慮事項主な考慮事項(細目)審査結果所見該当箇所62.特定個人情報の漏えい・滅失・毀損を防ぐために行っている物理的な対策について具体的に記載しているか。記載された対策は、特定個人情報保護評価の目的に照らし、妥当なものか。P.53III7.リスク1:5問題は認められな63.特定個人情報の漏えい・滅失・毀損を防ぐために行っている技術的な対策について具体的に記載しているか。記載された対策は、特定個人情報保護評価の目的に照らし、妥当なものか。P.54III7.リスク1:6問題は認められな64.過去3年以内に発生した全ての重大事故の内容、原因、影響、重大事故発生時への対応等について具体的に記載しているか。記載された対策は、特定個人情報保護評価の目的に照らし、妥当なものか。P.54III7.リスク1:9該当なし65.重大事故を受けて策定・実施した再発防止策の内容について具体的に記載しているか。記載された対策は、特定個人情報保護評価の目的に照らし、妥当なものか。P.54III7.リスク1:9該当なし66.死者の個人番号を保管している場合は保管方法を具体的に記載しているか。記載された対策は、特定個人情報保護評価の目的に照らし、妥当なものか。P.54III7.リスク1:10問題は認められな67.特定個人情報を最新の状態で保管するために行っている措置を具体的に記載しているか。記載された対策は、特定個人情報保護評価の目的に照らし、妥当なものか。P.55III7.リスク2:問題は認められな68.保管期間を経過した特定個人情報を適切な時に安全かつ確実に消去できる手続・体制・手法になっているか等について具体的に記載しているか。記載された対策は、特定個人情報保護評価の目的に照らし、妥当なものか。P.56III7.リスク3:問題は認められな69.特定個人情報の保管・消去において、その他のリスク及びそれらのリスクへの対策についての記載はあるか。P.56III7.その他のリスク問題は認められない8特定個人情報の保管・消去について、特定されたリスクを軽減するために講ずべき措置を具体的に記載しているか。記載された対策は、特定個人情報保護評価の目的に照らし妥当なものか。物理的対策として、サーバ室、運用保守エリアは、IDカード・パスワード認証による立入の制限や入退室記録の管理をすること、監視カメラを設置すること、サーバ、個人番号管理システム専用端末、統合専用端末及びシンクライアント端末をインターネット等外部ネットワークと隔離すること、中間サーバー等は、セキュリティを確保したサーバー室に設置し、許可された者のみが入退室できる管理対象区域にて設置すること、入手した電子記録媒体は、パスワードを設定し、媒体管理簿の記載を行い、施錠可能な保管庫等にて厳重に保管すること、保管の必要がない使用済みの電子記録媒体等はシュレッダー等にて破棄すること等が具体的に記載されている。技術的対策として、適用等システム、保健事業システムに接続して事務を行う端末をシンクライアント化し、ローカル環境への保存ができないよう制御すること、適用等システムにおいては、個人番号を暗号化して保有すること、支部と本部の間の通信に専用回線を用いること、日本年金機構との通信に専用回線を用いること等が具体的に記載されている。特定個人情報が古い情報のまま保管され続けるリスク対策として、給付金申請の際に公金受取口座の利用希望があった場合は、その都度情報照会をして更新するため、常に最新の情報連携で取得した情報のみ保管すること等が記載されている。特定個人情報が消去されずいつまでも存在するリスク対策として、電子申請システムから適用等システムに個人番号を含む申請情報を転送後、電子申請システムから個人番号を含む申請情報はシステム処理により自動で削除されること、適用等ファイルにおいて保有する暗号化した個人番号は、決裁後システム処理により自動で削除されること等が具体的に記載されている。10審査の観点(指針第10(2))主な考慮事項主な考慮事項(細目)審査結果所見74.電子申請システムにより特定個人情報を入手するが、その際の取扱いに係るリスク対策を具体的に記載しているか。記載された対策は特定個人情報保護評価の目的に照らし、妥当なものか。P.36等III2.リスク1等問題は認められない・本人がマイナポータルの自己情報取得APIを利用し、自身の健康保険の資格情報を取得し、協会の資格情報が取得できた場合に限り電子申請を可能とすること・電子申請システムにて個人番号を含む情報を入手する場合には、Webフォームまたは指定の様式に必要事項を記載・提出いただく形とすることに加え、ホームページや記入の手引き等により不必要な情報を入力することがないよう案内すること・被扶養者の個人番号を電子申請システム上で入力するとき、その本人確認は被保険者が行うが、被扶養者の個人番号が提供された場合は、地方公共団体情報システム機構に情報照会を行うこと・電子申請システムにて個人番号を含む情報を入手する際は、TSL/SSLにより暗号化されたインターネット回線を使用すること・電子申請システムから適用等システムに、個人番号を含む申請情報を転送する際には、ウイルスチェック等の処理を行った上で、申請情報を暗号化すること・電子申請システムから適用等システムに個人番号を含む申請情報を転送後、電子申請システムから個人番号を含む申請情報はシステム処理により自動で削除されること等が具体的に記載されており、特定個人情報保護評価の目的に照らし、妥当である。75.個人番号をキーとして被保険者検索を実施するが、その際の取扱いに係るリスク対策を具体的に記載しているか。記載された対策は特定個人情報保護評価の目的に照らし、妥当なものか。P.36等III2.リスク1等問題は認められない・番号法第16条(本人確認の措置)に則り本人確認を行い、本人確認後の加入者の個人番号の提供を受けること・職員はシンクライアント端末を使用し、特定個人情報をダウンロードすることはできないこ・シンクライアント端末はインターネットからは分離されていること・アクセス権限が付与された担当者以外は個人番号を取り扱えないこと・適用等システムにおいては、個人番号を暗号化して保有すること・適用等ファイルにおいて保有する暗号化した個人番号は、決裁後システム処理により自動で削除されること等が具体的に記載されており、特定個人情報保護評価の目的に照らし、妥当である。76.給付金の支給に当たり、情報提供ネットワークシステムを介して公金受取口座情報を入手し、使用するが、その際の取扱いに係るリスク対策を具体的に記載しているか。記載された対策は特定個人情報保護評価の目的に照らし、妥当なものか。P.43等III3.リスク2等問題は認められない・入手した公金受取口座情報については、情報項目に不必要な情報が紐づけられないようシステムにおいて制御すること・給付金の請求をする申請書に、登録されている公金受取口座情報の利用希望の有無を確認するチェック欄を設け、当該チェック欄にて利用希望が確認された場合に限り、公金受取口座情報を照会する仕組みとすること・給付金申請の際に公金受取口座の利用希望があった場合は、その都度情報照会をして更新するため、常に最新の情報連携で取得した情報のみ保管すること等が具体的に記載されており、特定個人情報保護評価の目的に照らし、妥当である。該当箇所(10)特定されたリスクを軽減するために講ずべき措置についての記載は具体的か。(11)記載されたリスクを軽減させるための措置は、個人のプライバシー等の権利利益の侵害の未然防止、国民・住民の信頼の確保という特定個人情報保護評価の目的に照らし、妥当なものか。10その他、評価実施機関に特有な問題や懸念に対し、特定されたリスクを軽減するために講ずべき措置を具体的に記載しているか。記載された対策は、特定個人情報保護評価の目的に照らし妥当なものか。評価実施機関に特有の問題に対するリスク対策11(1)健康保険の資格適用・保険給付・保健事業・相談・問い合わせに関する事務においては、特定個人情報ファイルを取り扱うことについて、一連の事務の内容や流れが具体的に記載されており、特段の問題は認められないものと考えられる。(2)事務で取り扱われる特定個人情報ファイルの取扱いについてのリスク及びリスク対策が具体的に記載されており、特段の問題は認められないものと考えられる。(3)電子申請による入手に係るリスク対策、個人番号をキーとした被保険者情報の検索に係るリスク対策、公金受取口座情報の入手等に係るリスク対策等、本評価対象事務において懸念されるリスク及びリスク対策についても具体的に記載されており、特段の問題は認められないものと考えられる。(VI評価実施手続4.個人情報保護委員会の承認)(1)健康保険の資格適用・保険給付・保健事業・相談・問い合わせに関する事務の内容、特定個人情報ファイルの内容、特定個人情報の流れ並びにリスク及びリスク対策が具体的に記載されており、特段の問題は認められないと考えられるが、特定個人情報保護評価書に記載されているとおり確実に実行する必要がある。(2)特定個人情報のインターネットへの流出を防止する対策については、インターネット接続端末と特定個人情報を取り扱う端末とはネットワークが分離されていること等の措置が記載されているが、特定個人情報保護評価書に記載されているとおり確実に実行する必要がある。(3)組織的及び人的安全管理措置については、適切な組織体制の整備、職員への必要な教育・研修、実効性のある自己点検・監査等を実施し、実務に即して適切に運用・見直しを行い、今後リスクを相当程度変動させ得る事実関係の変更が生じ、当該変更に応じたリスク対策を講ずる際などには、必要な特定個人情報保護評価を適切に実施する体制を、有効に機能させることが重要である。(4)自身の記号・番号を把握していない加入者から申請や問い合わせがあった場合、個人番号による被保険者情報の検索を実施することとなるが、特定個人情報ファイルにアクセスする者の増加に伴い、悪意をもった従業者が、事務外で不正に特定個人情報を使用することがないよう、定期的なログの分析や監査等を通じて確認を徹底するとともに、当該取組を通じて不正行為への牽制を図ることが重要である。(5)上記について、不断の見直し・検討を行うことに加え、事務フローの変更や新たなリスク対策が生ずることとなった場合は、必要に応じて評価の再実施を行うことが重要である。

令和6年2月21日個人情報保護委員会事務局個人情報保護法いわゆる3年ごと見直し規定に基づく検討項目資料4今後のスケジュール12023年9月27日「改正個人情報保護法の施行状況について1」公表10月18日「改正個人情報保護法の施行状況について2」公表11月15日「個人情報保護法いわゆる3年ごと見直し規定に基づく検討」公表11月下旬関係団体等ヒアリングを順次実施2024年2月21日「個人情報保護法いわゆる3年ごと見直し規定に基づく検討項目」公表2月下旬有識者ヒアリングを順次実施春頃「中間整理」公表検討の方向性(第261回委員会資料より抜粋)21.個人の権利利益のより実質的な保護の在り方情報通信技術等の高度化に伴い、大量の個人情報を取り扱うビジネス・サービス等が生まれる一方で、プライバシーを含む個人の権利利益が侵害されるリスクが広がっている。破産者等情報のインターネット掲載事案や、犯罪者グループ等に名簿を提供する悪質な「名簿屋」事案等、個人情報が不適正に利用される事案も発生している。こうした状況に鑑み、技術的な動向等を十分に踏まえた、実質的な個人の権利利益の保護の在り方を検討する。2.実効性のある監視・監督の在り方破産者等情報のインターネット掲載事案、犯罪者グループ等に名簿を提供する悪質な「名簿屋」事案、転職先へのデータベースのID・パスワードの不正提供事案等、個人情報が不適正に利用される事案や、同一事業者が繰り返し漏えい等を起こしている事案が発生している。こうした悪質・重大な事案に対する厳罰化、迅速な執行等、実効性のある監視・監督の在り方を検討する。3.データ利活用に向けた取組に対する支援等の在り方個々の事情や特性等に配慮した政策検討が進む等、健康・医療、教育、防災、こども等の準公共分野を中心に、機微性の高い情報を含む個人情報等の利活用に係るニーズが強い。こうした中、政策の企画・立案段階から関係府省庁等とも連携した取組を進める等、個人の権利利益の保護を担保した上で、適正な個人情報等の利活用を促す方策を検討する。3これまでの委員会における主な意見1.個人の権利利益のより実質的な保護の在り方<関係団体からの意見>AI時代にプロファイリングの利用拡大が予想されるため、事業者における利用環境を整備するためにも、個人情報保護法又はガイドライン等において明確化して欲しい。「不適正利用の禁止」の規定に関しては、通常考えられるビジネス上での適正な利用とは明らかに異なる不適正な利用など、当該規定に抵触することが明らかな場合の明確化・例示を示すべき。例えば、オプトアウト届出事業者が取得した個人情報をデータベース化して公開し、削除の求めに対しては対価を要求している場合などが挙げられる。また、こうした不適正利用事案については、注意喚起にとどまらず、適切な執行が必要ではないか。こどもに関する規律は多くの国が設定しており、何らかの規律を設定することが望ましい。個人情報保護法違反を根拠に差止請求を可能とすべき。また、消費者裁判手続特例法における請求権の対象制限を撤廃し、個人情報漏えい事案も制度の対象とすべき。個人の権利利益の行使ができる環境を、事業者が整備していない場合の対応も明確化すべきではないか。<委員からの意見>顔識別機能付きカメラやAIの普及に伴い、個人を追跡することによる権利侵害のおそれや、プロファイリングに伴うリスクも高まっている。また、個人関連情報のようにそれ単体では特定の個人を識別することのできない情報であっても、その使い方によっては個人の権利利益が侵害される可能性もあると考える。こうしたリスクに対し、より実効性のある対応を検討すべきではないか。個人情報を提供することがサービスを受けるための条件となっているケースが存在するが、個人情報の取得は、あくまでその目的との関係で必要最小限にとどめるべきではないか。「不適正利用の禁止」に関する規律がより実効性のある形になるよう、生成AIや認証技術の普及等、技術発展に伴う社会の変化を踏まえて、その考え方を検討すべき。本人同意があれば何でもよいということではなく、当事者の従属関係等も考慮して、実体的な権利利益保護の在り方を検討すべき。こどもの権利利益の保護について、諸外国の議論の動向も考慮しつつ在り方を検討すべき。団体訴訟制度について、実務的な問題は存在するものの、個人の権利利益保護のための手段を増やすという観点から検討すべき。4これまでの委員会における主な意見2.実効性のある監視・監督の在り方<関係団体からの意見>個人情報を違法に利用等することで巨額の利益を上げる悪質な事案を抑止し、また、不当な利益を回収し得る、課徴金制度の導入等を検討することが望ましい。現行法における執行と運用の活用状況や効果を十分に分析した上で、更なる対策を講じるなど、罰則の強化や課徴金制度の導入の前の段階で検討することがあるのではないか。他国の執行状況も参考に、指導を中心とした対応に限らない実効性のある監視・監督を行ってはどうか。現在の漏えい等報告の実態や事業者の業務負担の実態等を踏まえ、制度の趣旨・目的に照らしつつ、リスクベースアプローチを取って合理的な範囲に報告対象を絞り込むなど、現在の報告の在り方を見直してはどうか。また、本人通知についても、上記の実態等を踏まえ、その趣旨・目的に照らして必要性が高くないと考えられる場合には、不要としてはどうか。重大な漏えい等事案は企業以外から発覚する事例が多いと考えられるため、虚偽報告だけでなく未報告を厳罰化してはどうか。<委員からの意見>海外の事例なども参考に、罰則の水準の引上げや課徴金の導入等を検討すべき。また、日本では「指導」が法執行の中心となっている一方で、主要国では「処分」の数が多くなっており、その背景等を含めて、十分に実効性のある監視・監督の在り方を検討する必要があると考える。ペナルティの強化については、企業の個人データ利活用を阻害しないよう配慮しつつも、罰則などを引き上げる場合でもその引き上げ幅等については慎重にすべき。いわゆる破産者マップのような特異な事例においては、緊急命令の活用も考えられる。明らかに悪意のあるデータの不正な取得や提供については、迅速な執行を確保するため、罰則の直罰化を検討してはどうか。また、漏えい等報告が義務であることをより実効的に浸透させるため、報告を怠った場合に罰則の対象とすることも検討する必要があるのではないか。犯罪のための個人情報の悪用事案など、個人情報保護法単独での対応に限界がある事象についても、悪用の抑止や権益の保護の可能性を検討すべき。5これまでの委員会における主な意見3.データ利活用に向けた取組に対する支援等の在り方<関係団体からの意見>個人の権利利益の保護とデータ利活用を実質的に両立する観点からは、個人データの第三者提供について、同意以外の方法についても検討することが適当。例えば、GDPRにおける「契約の履行」や「正当な利益」のように、一定の条件下で個人情報を本人同意なく処理できる場合について、検討を深めるべき。CBPR認証とEUの認証制度の相互運用性や、各国・地域の標準契約条項(SCC)・モデル契約条項の相互運用性など、グローバルなデータ移転ツールのハーモナイゼーションに向けた働きかけをお願いしたい。PIA(プライバシー影響評価)の普及や、データ保護責任者・プライバシー専門人材の育成に向けた支援を行って欲しい。<委員からの意見>健康・医療、こども等の公共性の高い分野において、個人情報の利活用と適切な個人の権利利益の保護のため、関係省庁等との連携の在り方を検討すべき。高度なデジタル技術を用いることで、個人や事業者の利益のみならず、公益のためにも個人情報が活用されることが可能となっている。我が国の産業の活性化や国際競争力強化の観点からも、特に公益性の高い技術やサービスの開発に取り組みやすくなるような制度が望ましいと考える。個人情報取扱事業者の適切な安全管理体制が確保されるよう、自主的な取組を支援すべき。また、企業や自治体の内部コンプライアンス強化に繋がる制度設計を行うべき。事業者自身が個人情報の保護に真剣に取り組み、個人情報保護法を実効的に守ることで違法行為が発生しないような、事前の仕組みを作っていくことも重要である。6これまでの委員会における主な意見4.その他<関係団体からの意見>「個人データ」(GDPR)と「個人情報」(個人情報保護法)、「処理」(GDPR)と「取扱い」(個人情報保護法)など、GDPRと個人情報保護法との間の定義を可能な範囲で調和させるべき。プライバシー強化技術による個人の権利利益の保護は実効性の高い施策であり、社会実装の促進に向けた運用体制や基準の検討、法制度の在り方を検討すべき。また、これらの技術等により一定の保護がなされている場合は、第三者提供規制を緩和してはどうか。単体では個人を識別できない情報でも、容易照合性により、事業者内における情報の多くが個人データとしての規律を受ける。システムで明確に分離・管理されている場合等は個人データの規律の対象外とすることが、利活用促進につながると考える。いわゆる「クラウド例外」について、個人データを取り扱わないこととなっている場合に該当するための標準的な契約条項の記載例や、適切なアクセス制御例を具体的に示して欲しい。漏えい等報告により委員会に蓄積された情報を分析し、民間事業者が漏えい等の再発防止策やサイバー対策を検討するに当たり、当該分析結果を活用できる仕組みを検討すべき。また、委員会による権限行使の基準や手続きを透明化すべき。国際的な企業認証枠組みへの事業者の参入を促すため、制度の発信やインセンティブの設計を検討すべき。個人情報保護法第28条に規定する「個人の権利利益を保護する上で我が国と同等の水準にあると認められる個人情報の保護に関する制度を有している外国」に指定する国の拡充を検討すべき。認定個人情報保護団体制度の拡大を目指す場合、補助制度や助成の仕組み等を検討いただきたい。地方公共団体から保有個人情報の取扱いの委託をする際に、個人情報保護法により地方公共団体が必要な措置を講じることについて、委託先に理解をしていただくのに苦慮している。地方公共団体内部における個人情報の目的外利用について、具体的な事例集等を作成していただくなど、蓄積されたノウハウを情報共有できる仕組みを設けて欲しい。7これまでの委員会における主な意見4.その他<委員からの意見>秘密計算等の専門性が高い技術は、一般利用者が内容などを理解することが難しいと考える。まずは、技術を利用する民間事業者が、その妥当性を含めて適切に説明することが必要と考える。漏えい等の防止のためには、委託先の事業者や派遣社員を含めた安全管理体制の整備、システム設計や運用を含めたヒューマンエラーの防止策、不正アクセス対策の安全管理措置を講ずることが重要であると考える。漏えい等報告義務の周知を一層図ることは当然のこととして、個人情報保護法の規律全般が実効性をもって遵守されているかどうかにも注意を払いながら、委員会において、漏えい等の防止のための効果的な対策を更に検討する必要があると考える。サイバー攻撃が巧妙化する中、サイバー攻撃による個人情報の漏えい等をより効果的に防止・抑止するためには、委員会と関係省庁等との連携を進めることが重要。漏えい等報告の義務化によって判明した日常的な漏えい等の発生状況を分析し、その防止のための効果的な対策を検討すべき。GDPRとグローバルCBPRの枠組みの接点を模索して、より広いデータ流通枠組みの在り方を検討していくことが必要と考える。個人情報保護法に一元化されたが、官と民それぞれの分野の性質の違いから、個人情報の提供等の規律には異なる点がある。官民の間で個人情報の提供が相互に必要な場合に、個人情報の保護を前提として、効果的な個人情報の共有が可能な規律になっているかを検討する必要があると考える。苦情処理は認定個人情報保護団体の主要な業務の一つであり、真摯に取り組んでいただくような仕組みにする必要があると考える。

個人情報保護委員会(第273回)議事概要1日時:令和6年2月21日(水)14:002場所:個人情報保護委員会委員会室3出席者:藤原委員長、小川委員、大島委員、浅井委員、清水委員、梶田委員、髙村委員、小笠原委員、松元事務局長、三原事務局次長、山澄審議官、大槻審議官、森川総務課長、吉屋参事官、香月参事官、小嶋参事官、片岡参事官、石田参事官4議事の概要(1)議題1:長野県教育委員会に対する個人情報の保護に関する法律に基づく行政上の対応について事務局から、資料に基づき説明を行った。髙村委員から「今回のような事態が発生している以上、人的安全管理措置について、今までより実践的で実効性のある研修を行うように促していただきたい」旨の発言があった。原案のとおり、決定することとなった。なお、本議題については、事案の社会的な影響を勘案し、配布の公表資料と当該資料に係る議事録、議事概要の部分を公表し、それ以外の資料と当該資料に係る議事録、議事概要の部分については非公表とすることとなった。(2)議題2:全国健康保険協会(全国健康保険協会における健康保険の資格適用・保険給付・保健事業・相談・問い合わせに関する事務)の全項目評価書(電子申請の開始等に伴う評価の再実施)について事務局から、資料に基づき説明を行った。梶田委員から「今回の業務の変更に伴い、全国健康保険協会の職員が個人番号により被保険者の情報を検索する業務が加わることとなる。これにより、悪意をもった従業者が、事務外で不正に特定個人情報を使用するリスクも高まることになる。このため、全国健康保険協会においては、不正な特定個人情報の取扱いがないかについて、定期的なログの分析や監査等を通じた確認を徹底し、不正行為への牽制を図ることが重要であると考える」旨の発言があった。本評価書について承認され、全国健康保険協会に対し、評価書が承認された旨及び承認後に評価書に記載すべき委員会の審査結果等について通知することとなった。(3)議題3:住宅金融支援機構(住宅取得資金に係る借入金の年末残高調書データファイル(税務署提出用)作成事務)の全項目評価書(新規実施)の概要説明について個人情報保護委員会議事運営規程第9条の規定に基づき、住宅金融支援機構(以下「機構」という。)鈴木推進役及び増田調査役が会議に出席した。機構から、資料に基づき全項目評価書について説明があった。清水委員から「委託に関してお尋ねする。ISMAP認証や多要素認証、それから作業場所の様々な記録をとる措置や対策を講じられる予定と伺った。これらは入札参加要件や仕様書で示されることになると思うが、確実に遵守していただかなければならない。1点目は、委託先は契約してから作業場所の整備を図ると思うが、その作業場所を整備した後に、仕様書どおりとなっているかについてどのように確認するのか」という旨の質問があった。これに対し、機構から「委託先についてはまだ確定していないため、記載された対策はあくまで計画であるとの御認識のとおりである。また、物理的対策であるICカード等により入退室が記録される作業場所等については、構築された作業場所等についても機構において確認を行う」旨の回答があった。これに対し、清水委員から「検収により、実際に作業場所を見て検査して、不備があったらやり直しをさせるという理解でよいか」という旨の質問があり、機構から「御理解のとおりである」旨の回答があった。また、清水委員から「2点目は、定期的にモニタリングを機構で行うということだが、万が一のことがあった場合に定期的なモニタリングで適時性が確保されるのか」という旨の質問があった。これに対し、機構から「委託事業者は機構との契約において、例えば、不正な通信を検知した場合等は機構に報告する義務を負うこととし、機構は当該報告に基づき情報セキュリティ事故発生を検知することになる。また、機構は、委託先から情報セキュリティ事故発生の連絡を受けた場合、『情報セキュリティ事故が機構又は委託先で発生した場合における機構内の対応マニュアル』に従い、直ちに情報セキュリティ責任者及び情報セキュリティ事故発生時の部横断チームであるJHF-CSIRTへの報告を行い、適切な初動対応を講ずる」旨の回答があった。これに対し、清水委員から「委託事業者からの報告に基づいて対応するということか」という旨の質問があり、機構から「御理解のとおりである」旨の回答があった。浅井委員から「本件は、機構が令和7年1月から実施を予定している新規の事務であるという説明であった。また、本事務は、特定個人情報の入手から国税庁への提供までを専門会社と称している委託事業者が構築するシステムにて処理し、その運用の全てを委託事業者に任せるということであった。そのため、本事務における日々の運用及びインシデント発生時の対応や講ずるリスク対策について、それぞれの関係者が役割を自覚し徹底することが最も重要であると考える。機構と委託事業者の相互の役割分担と、その分担に基づいた取組を確実に実行させる方法について具体的に説明いただきたい」旨の発言があった。これに対し、機構から「機構は、特定個人情報の入手から国税庁への提供までを委託事業者が構築するシステムにて処理し、その運用を委託事業者に委託しているところではあるが、これを丸投げとせず、それぞれの役割分担と、それぞれの役割分担に基づいた取組を確実に実行させるべく、仕様書に取組の詳細を明記している。日々の運用については、機構は委託事業者から書面又は必要に応じて対面にて、委託業務の遂行状況の報告を毎月受け、その内容を日常的なモニタリングにより確認する。また、機構は事務リスクに係る顕在化事例の発生又は発覚の報告を随時委託事業者から受けるとともに、機構に寄せられる住宅ローン控除の適用を受けようとする者からの相談や苦情を随時委託事業者に確認することで、機構は委託事業者が契約に従い、委託業務を確実に実行しているかを確認しており、その旨を仕様書に定めている。情報セキュリティインシデントが発生した場合についても、機構と委託事業者は連携して被害拡大の防止、復旧等を図るとともに、事案の内容に応じて、その事案の内容、経緯、被害状況等を速やかに機構に報告することを仕様書に定めている。報告を受けた機構においては、先ほどの御説明の繰り返しとなるが、『情報セキュリティ事故が機構又は委託先で発生した場合における機構内の対応マニュアル』に従い、直ちに情報セキュリティ責任者及び情報セキュリティ事故発生時の部横断チームであるJHF-CSIRTへの報告を行い、必要な初動対応を講ずる」旨の回答があった。大島委員から「本事務で取り扱う特定個人情報ファイルは、委託事業者が構築するシステム上に保管されると理解した。この点、特定個人情報ファイルの保管場所や消去方法に関わるリスク対策を実際に講ずるのは当システムの運用・保守を担う委託事業者となるが、特定個人情報の保有主体は委託元たる機構であるため、委託事業者において適切に保管・消去が行われているかどうか、機構において確実に監督する必要があると思う。先ほど、委託事業者が評価書に記載された内容を遵守しているかを監査・モニタリングを通じて確認していくことについて御説明いただいたが、その他委託事業者が特定個人情報を適切に保管・消去していることを確認する方法について、御説明いただきたい」旨の発言があった。これに対し、機構から「機構は、監査やモニタリングを通じて委託事業者を監督する中で、委託事業者が特定個人情報を適切に保管・消去していることも確認することとしている。例えば、登録又は消去された個人番号の状況について、機構は、委託事業者から毎月送付される請求書と併せて報告いただくことを仕様書に明記している。また、委託事業者は、個人情報等の保存期間終了後、速やかに当該情報の消去を行うこと、『データ等消去・廃棄証明書』等の提出により委託先において消去が確実に行われていることを仕様書に明記している。機構は、このような仕様書に定められた事項の業務状況を、日常的なモニタリングの一環として確認する。また、年1回実施する『外部委託先チェックリスト』を用いた実地での監査において、機構は、委託事業者より入札参加資格要件の確認時等に提出いただく『重要情報の取扱いに関する報告書』に記載された保有個人情報の消去の管理措置に変更がないことを確認する。具体的には、『保有個人情報の取扱状況を記録するための台帳又は台帳の整備を定める規程』や『保有個人情報の保管状況の点検にかかる手順書及び点検のために用いる書式』、『業務に関する保有個人情報又は当該保有個人情報が記録されているサーバ等が不要となった場合に使用する消去の手順書及び消去のために用いる書式』について、変更がないことを確認することをもって、委託事業者が特定個人情報を適切に保管・消去していることとする」旨の回答があった。機構鈴木推進役及び増田調査役が退席し、続いて事務局から説明を行い、今回の機構の説明内容を踏まえ、審査の手続を進めることとなった。(4)議題4:いわゆる3年ごと見直し規定に基づく検討項目について事務局から、資料に基づき説明を行った。浅井委員から「課徴金等の監視・監督の手段の在り方について、全ての事案を対象とするとなると、ヒューマンエラーによる漏えい等も含まれるが、そういったものを含め網羅的に検討するということではなく、破産者マップなどの重大事案・悪質事案を念頭に置いて対応していくべきではないか。また、これまでの関係団体からのヒアリングで、日本商工会議所からは、法改正で何がどのように変わり、どのように対応するべきか十分に説明して欲しいという御意見があった。加えて、個人情報保護と安全管理措置の強化の観点からは、一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)から、PIA、DPO設置の努力義務化の御意見を頂いたと記憶している。特にDPOについては、海外の複数の国で法令による義務化が実施されており、そういった意味でも、安全管理措置の面での有効性を認識しての御意見だったと理解している。以上を踏まえ、安全管理措置の事業者の自発的な取組を促進していくべき」という旨の発言があった。これに対し、事務局から「本日の検討項目案を御了承頂いた場合、今後、事務局において、各検討項目に沿った形で、委員会の場で御議論頂くための資料を御用意していく。御指摘の課徴金や、安全管理措置の強化の観点でのPIAやDPOの位置付けについても、事務局としても検討してまいりたい。また、分かりやすく周知することは事務局としても重要だと理解しており、留意しつつ進めていきたい」旨の回答があった。小笠原委員から「資料4、3ページ目の四つ目の矢尻は、消費者団体からのヒアリングでの御意見をまとめていただいたものだと思うが、前半の差止請求については記載のとおりであるものの、後半の被害回復請求については、消費者団体の主張は本資料の記載とは異なると理解している。前提として、令和4年の消費者裁判手続特例法の改正によって、慰謝料の一部が被害回復請求の対象となった。これにより、個人情報の漏えいによる損害賠償請求についても、一部は被害回復請求の対象となっている。資料の記載では、『個人情報漏えい事案も制度の対象とすべき』とあるが、一部は既に対象となっている。その上で、個人情報の漏えい事案が対象になるとしても、現実に特定適格消費者団体が被害回復請求をしていくとなると、どういう故意があって情報漏えいが起きたかを調べるための情報が不足していたり、手続を進めるための資金が不足していたりするような状況である。よって、実際に請求は可能ではあるが、実効性に欠けるというような御意見で、それが当委員会に対する一番の要望だったと思う。なお、請求権の制限撤廃のところで補足すると、慰謝料請求に関しては、被害回復請求一般の制限に加えて、故意の事案の場合、財産的損害と併せて請求を同時に行う場合に限定されるという慰謝料請求特有の要件が加重されているというのが令和4年の改正であり、消費者団体としては、恐らく当委員会の検討対象ではないものの、慰謝料請求の要件で特に加重されている当該要件を撤廃して欲しいという主張だったのではないか」という旨の発言があった。これに対し、事務局から「頂いた御指摘を踏まえ、藤原委員長に御相談の上、記載内容を調整させていただきたい」という旨の回答があった。また、藤原委員長から「小笠原委員の御指摘の点、ヒアリングの内容を正確に反映するため、私と事務局との間で調整の上、文言を修正させていただきたい」旨の発言があった。委員会審議における意見を踏まえ、資料4の記載内容の一部(関係団体からの意見)を委員長預かりの上、修正することとなり、本議題の検討項目案については、原案のとおり、決定することとなった。